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特開2024-37182ポイントクラウドデータのパラメータ化及び地図構築方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037182
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ポイントクラウドデータのパラメータ化及び地図構築方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240311BHJP
   G06T 7/11 20170101ALI20240311BHJP
【FI】
G06T7/00 C
G06T7/11
G06T7/00 650A
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144382
(22)【出願日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】202211085064.7
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】劉光偉
(72)【発明者】
【氏名】周▲ヘ▼男
(72)【発明者】
【氏名】王乃岩
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA09
5L096BA04
5L096CA02
5L096CA18
5L096FA02
5L096FA12
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA77
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ポイントクラウドデータに基づく意味地図の構築の自動化を実現し、高精度意味地図(High Definition Semantic Map)の構築効率を向上すさせるポイントクラウドデータのパラメータ化方法、機器及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】方法は、ポイントクラウドデータのパラメータ化方法は、ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、セマンティックオブジェクトを得る。セマンティックオブジェクトは、複数のセマンティック3次元データ点に対応する。方法はまた、複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得て、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応することと、
前記複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、前記複数のセマンティック3次元データ点に対応する前記セマンティックオブジェクトを表す前記空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることと、
を含むことを特徴とするポイントクラウドデータのパラメータ化方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセマンティックオブジェクトが地面を含み、前記複数のセマンティック3次元データ点が前記地面に対応して、複数の地面セマンティックデータ点を含み、前記の前記複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、前記複数のセマンティック3次元データ点に対応する前記セマンティックオブジェクトを表す前記空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることは、
前記空間座標系において平面を定義することと、
複数の2次元格子を前記平面に確立し、ここで、前記複数の2次元格子が複数の格子領域を定義し、前記複数の格子領域が前記平面に垂直な方向での空間を含むことと、
格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点によって前記2次元格子の複数の頂点の複数の高度値を定義し、ここで、前記地面の前記空間幾何学的パラメータが前記複数の2次元格子の複数の頂点を含み、前記複数の高度値が前記複数の頂点の前記平面に垂直な方向での複数の値であることと、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点によって前記2次元格子の複数の頂点の複数の高度値を定義することは、
前記格子領域に入った前記複数の地面セマンティックデータ点に対して平面フィッティングを行い、前記2次元格子のフィッティング平面を得ることと、
前記フィッティング平面によって前記複数の頂点の前記複数の高度値を決定することと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記の前記複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、前記複数のセマンティック3次元データ点に対応する前記セマンティックオブジェクトを表す前記空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることは、
各2次元格子を複数の2次元小格子に区画し、ここで、前記複数の2次元小格子が前記平面に垂直な方向に複数の小格子領域を定義することと、
各小格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点によって各2次元小格子を表す地面セマンティックデータ点を定義し、前記複数の小格子領域の複数のサンプリング地面セマンティックデータ点を得ることと、
前記格子領域に入った前記複数のサンプリング地面セマンティックデータ点によって、前記2次元格子の前記複数の頂点の前記複数の高度値を拘束することと、
を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
各サンプリング地面セマンティックデータ点は、距離重みにより前記2次元格子における各頂点の高度値を拘束し、ここで、前記格子領域における前記各サンプリング地面セマンティックデータ点と頂点との間の距離は前記距離重みに負の相関があり、前記距離は前記平面に平行な方向に定義される、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
1つの2次元格子には、1つの頂点に隣接する他の頂点が第1の隣接頂点と定義され、且つ前記頂点に隣接する他の2次元格子における他の頂点が第2の隣接頂点と定義され、ここで、前記頂点の高度値は前記第1の隣接頂点及び前記第2の隣接頂点を拘束する、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセマンティックオブジェクトが車線境界線を更に含み、前記複数のセマンティック3次元データ点が前記車線境界線に対応して、複数の車線境界線セマンティックデータ点を更に含み、前記の前記複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、前記複数のセマンティック3次元データ点に対応する前記セマンティックオブジェクトを表す前記空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることは、
前記複数の2次元格子から複数の車線境界線投影2次元格子を決定し、ここで、前記車線境界線投影2次元格子が、前記複数の車線境界線セマンティックデータ点の前記平面における投影を包含することと、
前記複数の車線境界線投影2次元格子の複数の頂点をフィッティングし、車線境界線投影フィッティング平面を得ることと、
前記車線境界線投影フィッティング平面及び前記複数の車線境界線セマンティックデータ点によって、前記車線境界線の前記空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、前記車線境界線の前記空間幾何学的パラメータが、車線境界線矩形の中心点、前記車線境界線矩形の法線ベクトル、前記車線境界線矩形の長辺ベクトル、前記車線境界線矩形の前記長辺ベクトルにおける長さ、及び前記車線境界線矩形の短辺ベクトルにおける長さを含むことと、
を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記の前記車線境界線投影フィッティング平面及び前記複数の車線境界線セマンティックデータ点によって、前記車線境界線の前記空間幾何学的パラメータを決定することは、
前記車線境界線投影フィッティング平面の法線ベクトルを前記車線境界線矩形の法線ベクトルとして算出することと、
前記複数の車線境界線セマンティックデータ点の特征ベクトルを前記長辺ベクトルとして算出し、ここで、前記短辺ベクトルが前記車線境界線矩形の法線ベクトルに垂直であり、前記長辺ベクトルにも垂直であることと、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記車線境界線投影フィッティング平面及び前記複数の車線境界線セマンティックデータ点によって、前記車線境界線の前記空間幾何学的パラメータを決定することは、
前記複数の車線境界線セマンティックデータ点の予測中心点を前記車線境界線矩形の前記中心点として算出することと、
前記車線境界線矩形の前記中心点を通る第1の空間方程式及び第2の空間方程式を算出し、ここで、前記第1の空間方程式が前記長辺ベクトルに平行であり、且つ前記第2の空間方程式が前記短辺ベクトルに平行であることと、
前記複数の車線境界線セマンティックデータ点から前記第1の空間方程式までの距離によって、前記車線境界線矩形の前記短辺ベクトルにおける長さを算出することと、
前記複数の車線境界線セマンティックデータ点から前記第2の空間方程式までの距離によって、前記車線境界線矩形の前記長辺ベクトルにおける長さを算出することと、
を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセマンティックオブジェクトが道標を更に含み、前記複数のセマンティック3次元データ点が前記道標に対応して、複数の道標セマンティックデータ点を更に含み、前記の前記複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、前記複数のセマンティック3次元データ点に対応する前記セマンティックオブジェクトを表す前記空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることは、
前記複数の2次元格子から複数の道標投影2次元格子を決定し、ここで、前記道標投影2次元格子が前記複数の道標セマンティックデータ点の前記平面における投影を包含することと、
前記複数の道標投影2次元格子の複数の頂点をフィッティングし、道標投影フィッティング平面を得ることと、
前記道標投影フィッティング平面及び前記複数の道標セマンティックデータ点によって、前記道標の前記空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、前記道標の前記空間幾何学的パラメータが道標矩形の中心点、前記道標矩形の法線ベクトル、前記道標矩形の第1のベクトル、前記道標矩形の前記第1のベクトルにおける長さ、及び前記道標矩形の第2のベクトルにおける長さを含むことと、
を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記の前記道標投影フィッティング平面及び前記複数の道標セマンティックデータ点によって、前記道標の前記空間幾何学的パラメータを決定することは、
前記複数の道標セマンティックデータ点の特徴ベクトルを前記道標矩形の法線ベクトルとして算出することと、
前記第1のベクトルを算出し、ここで、前記第1のベクトルが前記道標投影フィッティング平面に平行であり、前記第1のベクトルが前記道標矩形の法線ベクトルに垂直であり、ここで、前記第2のベクトルが前記第1のベクトルに垂直であり、前記道標矩形の法線ベクトルにも垂直であることと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記の前記道標投影フィッティング平面及び前記複数の道標セマンティックデータ点によって、前記道標の前記空間幾何学的パラメータを決定することは、
前記複数の道標セマンティックデータ点の予測中心点を前記道標矩形の前記中心点として算出することと、
前記道標矩形の前記中心点を通る第3の空間方程式及び第4の空間方程式を算出し、ここで、前記第3の空間方程式が前記第1のベクトルに平行であり、且つ前記第4の空間方程式が前記第2のベクトルに平行であることと、
前記複数の道標セマンティックデータ点から前記第3の空間方程式までの距離によって、前記道標矩形の前記第2のベクトルにおける長さを算出することと、
前記複数の道標セマンティックデータ点から前記第4の空間方程式までの距離によって、前記道標矩形の前記第1のベクトルにおける長さを算出することと、
を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセマンティックオブジェクトが灯柱を含み、前記複数のセマンティック3次元データ点が前記灯柱に対応して、複数の灯柱セマンティックデータ点を含み、前記の前記複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、前記複数のセマンティック3次元データ点に対応する前記セマンティックオブジェクトを表す前記空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることは、
前記複数の灯柱セマンティックデータ点によって、前記灯柱の前記空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、前記灯柱の前記空間幾何学的パラメータが灯柱シリンダの開始点、終了点及び半径を含むこと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記の前記複数の灯柱セマンティックデータ点によって、前記灯柱の前記空間幾何学的パラメータを決定することは、
前記複数の灯柱セマンティックデータ点の特徴ベクトルを前記灯柱シリンダの軸性ベクトルとして算出することと、
前記複数の灯柱セマンティックデータ点の予測中心点を前記灯柱シリンダの中心点として算出することと、
前記灯柱シリンダの前記中心点を通る第5の空間方程式を算出することと、
前記複数の灯柱セマンティックデータ点から前記第5の空間方程式までの距離によって、前記灯柱シリンダの前記半径を算出することと、
を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記の前記複数の灯柱セマンティックデータ点によって、前記灯柱の前記空間幾何学的パラメータを決定することは、
前記複数の灯柱セマンティックデータ点から前記灯柱シリンダの前記中心点までの複数の求心ベクトルを定義することと、
前記複数の求心ベクトルによって、前記灯柱シリンダの前記開始点及び前記終了点を算出することと、
を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
センサデータによってポイントクラウド地図を構築し、ここで、前記ポイントクラウド地図が空間座標系におけるポイントクラウドデータを含むことと、
前記ポイントクラウドデータの前記空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得て、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応することと、
前記複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、前記複数のセマンティック3次元データ点に対応する前記セマンティックオブジェクトを表す前記空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることと、
前記少なくとも1つのセマンティックオブジェクトの前記空間幾何学的パラメータによって意味地図を構築することと、
を含むことを特徴とする地図構築方法。
【請求項17】
前記のセンサデータによって、空間座標系におけるポイントクラウドデータを含むポイントクラウド地図を得ることは、
前記センサデータによって複数のフレームのポイントクラウドを融合し、グローバルポイントクラウド地図を得ることと、
前記グローバルポイントクラウド地図を複数のサブマップに区画し、ここで、隣接する2つのサブマップには重複領域があり、且つ各サブマップが前記ポイントクラウド地図であることと、
を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記センサデータは、配置されたセンサ及び車線に沿って走行されている車両により収集され、且つ前記複数のサブマップは前記車線の走行方向に沿って区画され、ここで、前記隣接する2つのサブマップが第1のサブマップ及び第2のサブマップを含み、前記第2のサブマップは、前記重複領域以外の領域に、前記車両が前記第1のサブマップの前記車線を走行している時に収集したポイントクラウドデータがある、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記各サブマップは、深度情報が80メートルを超えるポイントクラウドデータを含む、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記センサデータは、複数のセンサが配置された車両により収集され、前記複数のセンサは、レーザレーダ、及び1つ又は複数の以下のセンサ、即ち、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System、GNSS)、慣性計測ユニット(Inertial Measurement Unit、IMU)、車輪回転計と画像取得装置を含む、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
空間幾何学的パラメータによって前記隣接する2つのサブマップにある前記重複領域におけるセマンティックオブジェクトを融合することと、
前記隣接する2つのサブマップが接続されるように、前記重複領域を取り除くことと、
を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのセマンティックオブジェクトが複数の車線境界線を含み、且つ前記の前記少なくとも1つのセマンティックオブジェクトの前記空間幾何学的パラメータによって意味地図を構築することは、
前記センサのタイミング情報及び前記複数の車線境界線の前記空間幾何学的パラメータによって前記複数の車線境界線間のトポロジー接続を構築すること、
を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項23】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されるとともにプロセッサで動作可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ機器であって、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムを実行する時に請求項1~22の何れか一項に記載の方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項24】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該プログラムはプロセッサにより実行されると、請求項1~22の何れか一項に記載の方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図構築方法に関し、特に、ポイントクラウドデータのパラメータ化及びポイントクラウドデータに基づく地図構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転分野において、高精度地図(High Definition Map)はセマンティック情報を含むことができる。地図データに対してセマンティックセグメンテーション処理を行うことで生成された高精度意味地図(High Definition Semantic Map)は、例えば、車線境界線や灯柱などの道路情報を含み、自動運転車両の測位及び経路計画に適用可能である。従って、自動運転技術の発展には、高精度意味地図を大規模に構築する技術が非常に重要である。
【0003】
一般的に、自動運転の要求を満たすために意味地図を構築する方法は、主に2つある。その1つ目はレーザレーダに基づく方法であり、即ち、センサ融合によりポイントクラウド地図を得た後、ポイントクラウド地図における各種の意味元素の幾何構造及び反射強度に基づき、手動で意味地図を標識する。2つ目はカメラに基づく方法であり、即ち、セマンティックセグメンテーションにより、カメラにより取得された画像データから意味元素を検出する。その後、カメラの取り付け高さなどの情報を利用して各フレームの意味元素の3次元情報を見積もり、そして多重センサ融合で得られたカメラ姿勢情報を利用して各フレームのセマンティック観測を融合することで、グローバルな意味地図を構築する。上記方法では、レーザレーダにより取得されたポイントクラウドデータを手動で標識することで、高精度のニーズを満たすことができるが、手動方式は非効率的且つ高コストで、大規模な地図構築に不利である。また、カメラにより取得された画像データに対してセマンティックセグメンテーションを行うことで、意味地図の自動構築を実現することができるが、画像データや姿勢情報からいろいろ見積もって得られた意味地図は、誤差が大きく、高精度の要求に応えられない。
【0004】
従って、高精度と高効率の構築の要求を同時に満たすために、いかに高精度意味地図を自動的に構築するかは、当業者の早急に解決すべき技術的課題となる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施例は、地図構築過程において、ポイントクラウドデータに基づく意味地図の構築自動化を実現し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができるポイントクラウドデータのパラメータ化方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。
【0006】
本発明の実施例は、ポイントクラウドデータに基づく意味地図の構築自動化を実現し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができる地図構築方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。
【0007】
第1の態様において、本発明の実施例は、
ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得て、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応することと、
複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることと、
を含むポイントクラウドデータのパラメータ化方法を提供する。
【0008】
第2の態様において、本発明の実施例は、
ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得るためであり、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応する、セマンティックセグメンテーションモジュールと、
複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得るためのパラメータ化フィッティングモジュールと、
を含むポイントクラウドデータのパラメータ化装置を提供する。
【0009】
第3の態様において、本発明の実施例は、
センサデータによってポイントクラウド地図を構築し、ここで、ポイントクラウド地図が空間座標系におけるポイントクラウドデータを含むことと、
ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得て、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応することと、
複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることと、
少なくとも1つのセマンティックオブジェクトの空間幾何学的パラメータによって意味地図を構築することと、
を含む地図構築方法を提供する。
【0010】
第4の態様において、本発明の実施例は、
センサデータによってポイントクラウド地図を構築するためであり、ここで、ポイントクラウド地図が空間座標系におけるポイントクラウドデータを含む、ポイントクラウド地図構築モジュールと、
ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得るためであり、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応する、セマンティックセグメンテーションモジュールと、
複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得るためのパラメータ化フィッティングモジュールと、
少なくとも1つのセマンティックオブジェクトの空間幾何学的パラメータによって意味地図を構築するための意味地図構築モジュールと、
を含む地図構築装置を提供する。
【0011】
第5の態様において、本発明の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されるとともにプロセッサで動作可能なコンピュータプログラムとを含み、プロセッサによってコンピュータプログラムを実行する時に本発明の実施例によって提供されるポイントクラウドデータのパラメータ化方法を実現する、コンピュータ機器を提供する。
【0012】
第6の態様において、本発明は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されるとともにプロセッサで動作可能なコンピュータプログラムとを含み、プロセッサはコンピュータプログラムを実行すると、本発明の実施例によって提供される地図構築方法を実現する、コンピュータ機器を提供する。
【0013】
第7の態様において、本発明の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムはプロセッサにより実行されると、本発明の実施例によって提供されるポイントクラウドデータのパラメータ化方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0014】
第8の態様において、本発明の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムはプロセッサにより実行されると、本発明の実施例によって提供される地図構築方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0015】
上記開示によれば、ポイントクラウドデータの複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行うことで、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトに対応する複数のセマンティック3次元データ点が得られる。更に、これらのセマンティック3次元データ点にパラメータ化フィッティングを行うことで、これらのセマンティック3次元データ点に対応するセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータが得られ、セマンティックオブジェクトのパラメータ化フィッティングが実現される。これらの空間幾何学的パラメータは、セマンティックベクトル地図の構築、更に意味地図の構築に利用可能である。従って、ポイントクラウドデータのパラメータ化方案及び地図構築方案は、地図構築過程において、ポイントクラウドデータに基づく意味地図を自動的に構築し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面は、例示的に実施例を示して明細書の一部を構成しており、明細書の文字記載とともに実施例の例示的な実施形態を説明する。無論、以下に説明される図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。全ての図面において、同じ符号は類似しているが同じとは限らない要素を示している。
【0017】
図1】本発明の実施例におけるポイントクラウドデータのパラメータ化方法の工程模式図である。
図2】本発明の実施例におけるポイントクラウドデータのパラメータ化方法の詳細な工程模式図である。
図3】本発明の実施例における地図構築方法の工程模式図である。
図4】本発明の実施例における地図構築流れのフローチャートである。
図5】本発明の実施例における地図構築方法のマッピングシナリオの写真である。
図6】本発明の実施例にかかる地図構築過程における1つのサブマップに含まれるポイントクラウドデータの模式図である。
図7】本発明の実施例における地面の空間幾何学的パラメータを決定する模式図である。
図8図7の2次元格子220の拡大模式図である。
図9】本発明の実施例における車線境界線の空間幾何学的パラメータを決定する模式図である。
図10】本発明の実施例における道標の空間幾何学的パラメータを決定する模式図である。
図11】本発明の実施例における灯柱の空間幾何学的パラメータを決定する模式図である。
図12】本発明の実施例における地図構築方法により構築されたセマンティックベクトル地図である。
図13】本発明の実施例における複数の車線境界線に対応する空間幾何学的パラメータ間のトポロジー接続の構築である。
図14】本発明の実施例におけるポイントクラウドデータのパラメータ化装置の構成ブロック図である。
図15】本発明の実施例における地図構築装置の構成ブロック図である。
図16】本発明の実施例におけるコンピュータ機器の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当業者が本発明中の技術的解決手段をよりよく理解できるように、次に、本発明の実施例中の図面を参照して、本発明の実施例中の技術的解決手段を明確且つ完全に説明するが、無論、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な労働をすることなく得られた他の実施例の全ては、本発明の請求範囲に属すべきである。
【0019】
本開示において、「複数」という用語は、特に説明のない限り、2つ以上を指す。本開示において、特に説明がない限り、「第1」、「第2」などの用語は、その位置関係、タイミング関係又は重要度関係を制限するためではなく、類似のオブジェクトを区別するために使用される。このように使用される用語は、ここで説明される本発明の実施例が、ここで図示又は説明されたもの以外の形態で実施できるように、適当な場合に互いに交換してもよいと理解すべきである。また、「含む」及び「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連の工程やユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明らかに挙げられたような工程やユニットに限定されず、明らかに挙げられていない、又は、これらのプロセス、方法、製品や機器に固有の他の工程やユニットを含むことができる。
【0020】
当業者が本願をより良く理解できるように、以下、まず本願の実施例に現れる一部の技術用語について、次のように解釈する。
【0021】
高精度セマンティックベクトル地図(High Definition Semantic Map):環境における車線境界線、灯柱、道標などの道路セマンティック情報をセンチメートルオーダーの精度で記載する地図であり、自動運転自動車のリアルタイム測位、経路計画、感知などの機能のために事前環境情報を提供することができる。
【0022】
サブマップ(Submap):大規模なグローバル地図を一定の規則に従って多くのローカルサブマップに区画し、簡易なデータ処理を可能にする。
【0023】
フレーム(Frame):センサが1回の観測を完了して受信した計測データであり、例えば、カメラの1フレームのデータは1枚の画像であり、レーザレーダの1フレームのデータは1群のレーザポイントクラウドである。
【0024】
キーフレーム(Keyframe):非線形最適化手法を用いて多重センサ融合を行う時に、システム計算量を削減するために、通常、距離変化量又は姿勢変化量が一定の閾値を超えた場合に1つのキーフレームを作成し、最適化時にはキーフレームのみを最適化する。
【0025】
道路網(Road Network):一定の領域において、各種道路からなる相互に絡み合い、網目状に織りなされた道路システムである。
【0026】
GNSS:Global Navigation Satellite System、全地球航法衛星システムであり、GPSや北斗衛星測位システムなどを含むことができる。
【0027】
GPS:Global Positioning System、全地球測位システムである。
【0028】
IMU:Inertial Measurement Unit、慣性計測ユニットであり、物体の3軸の姿勢角(又は角速度)及び加速度を計測する装置である。
【0029】
複合型航法機器:例えば、GNSS及びIMUを含む複合型航法機器である。
【0030】
本願の幾つかの実施例において、「車両」という用語は、任意の可動物体を含むと広義的に解釈され、例えば、飛行機、船、宇宙船、自動車、トラック、バン型トラック、セミトレーラ、自動二輪車、ゴルフカート、オフロード車、倉庫輸送車両又は農業車両、並びに電車や列車などのレールで走行する輸送ツール、及び他の鉄道車両を含む。本願における「車両」は、通常、動力システム、センサシステム、制御システム、周辺機器及びコンピュータシステムを含んでもよい。幾つかの実施例において、車両は、より多い、より少ない、又は異なるシステムを含んでもよい。
【0031】
図4は、本発明の実施例における地図構築流れのフローチャートであるが、図5は、本発明の実施例における地図構築方法のマッピングシナリオの写真である。以下、図5のマッピングシナリオを例にして、地図構築の流れを説明する。図5のマッピングシナリオは、例えば、路面G、車線境界線RM、道標RS及び灯柱LPを含む1つの車線のシナリオである。マッピングシナリオは、上記形状に類似するか又は類似しない他の物体を含んでもよい。
【0032】
地図構築の過程において、本発明の実施例にかかる地図構築方法及び/又はポイントクラウドデータのパラメータ化方法は、採用されることができる。
【0033】
図4を参照すると、地図構築方法は、センサデータからポイントクラウド地図を構築することを含む。ポイントクラウド地図は、空間座標系におけるポイントクラウドデータを含む。センサデータは、複数のセンサが配置された車両によって収集される。複数のセンサは、レーザレーダ、及び1つ又は複数の以下のセンサ、即ち、全地球航法衛星システム、慣性計測ユニット、車輪回転計と画像取得装置を含む。複数のセンサはまた、複合型航法機器、慣性航法システム(Inertial Navigation System、INS)、加速度計、ジャイロスコープ、ミリ波レーダ、超音波レーダのうちの1つ又は複数を含んでもよく、且つセンサの一部はまた、一体に集積されてもよい。画像取得装置としては、例えば、カメラは、画像データを収集することができるが、レーザレーダは、ポイントクラウドデータを収集することができる。本実施例において、車両は車線境界線に沿って走行しながら、沿道でセンサデータを収集する。センサの較正及びセンサデータの融合により、各フレームにおけるポイントクラウドデータの3次元空間座標系における位置を決定することができる。
【0034】
図6は本発明の実施例にかかる地図構築過程における1つのサブマップに含まれるポイントクラウドデータの模式図である。地図構築方法は、まず、センサデータによって複数のフレームのポイントクラウドを融合し、グローバルポイントクラウド地図を得ることを含む。その後、グローバルポイントクラウド地図を複数のサブマップに区画する。各サブマップは、例えば空間座標系を構築する。ポイントクラウドデータPCはこの空間座標系に位置し、また、ポイントクラウドデータPCは複数の3次元データ点DPを含む。
【0035】
隣接する2つのサブマップには重複領域があり、且つ各サブマップは、上述したセンサデータによって構築されたポイントクラウド地図である。本実施例において、例えば、マッピングシナリオは例えば1本の道路であり、1つのサブマップの長さは60メートルであってもよいが、隣接する2つのサブマップの重複領域の長さは10メートルであってもよい。サブマップの長さ及び隣接する2つのサブマップの重複領域の長さは、実際のニーズに応じて設定することができる。本実施例において、重複領域を保留することで、後でセマンティックオブジェクトを得るためにセマンティックセグメンテーションを行う際に、同一のセマンティックオブジェクトのセマンティック3次元データ点DPが隣接する2つのサブマップに分布して、地図構築の精度に影響を与えることを避けることができる。
【0036】
本実施例において、複数のサブマップは、車線の走行方向に沿って区画される。隣接する2つのサブマップは、例えば、第1のサブマップと第2のサブマップを含む。第2のサブマップは、重複領域以外の領域に、車両が第1のサブマップの車線を走行している時に収集されたポイントクラウドデータがある。各サブマップは、例えば、深度情報が80メートルを超えるポイントクラウドデータを含む。サブマップの長さが60メートルであることを例にすると、車両が第1のサブマップの車線を走行している場合に取得された遠いポイントクラウドデータは、80メートルを超える深度情報を有する可能性があり、且つこのポイントクラウドデータは第2のサブマップに入る。具体的には、各フレームのポイントクラウドデータの取得中に、遠いポイントクラウドデータも削除されずに残っている。各フレームのポイントクラウドデータが重畳されると、各サブマップ、例えば第2サブマップは、深度情報が遠いポイントクラウドデータを有するようになる。つまり、各サブマップは、深度情報が近い及び遠いポイントクラウドデータを同時に備えるので、比較的稠密なポイントクラウドを有する。稠密なポイントクラウドは、後でセマンティックセグメンテーションを行う際に、セマンティックセグメンテーションの精度を効果的に高めることができる。
【0037】
更に、灯柱LPのような幾つかの高い物体は、比較的遠くでサンプリングしなければならない。各サブマップは、深度情報の遠いポイントクラウドデータを有するため、これらの高い物体に関するポイントクラウドデータが保留され、灯柱LPの比較的上方の部分がサンプリングできないか、又は情報が欠落してしまうという問題を回避することができる。
【0038】
引き続き図4を参照すると、サブマップの区画を完成させてから、各サブマップのポイントクラウドデータのセマンティックセグメンテーションを行う。本実施例において、地図構築方法及び/又はポイントクラウドデータのパラメータ化方法は、ポイントクラウドデータPCの空間座標系における複数の3次元データ点DPに対してセマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)を行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得ることを含む。セマンティックオブジェクトは、複数のセマンティック3次元データ点に対応する。具体的には、セマンティックセグメンテーションの後に、各3次元データ点DPのセマンティックラベルを得て、セマンティック3次元データ点を形成する。セマンティックラベルにおける同じ3次元データ点DPをクラスタリングすることにより、少なくとも1つの集合を得ることができ、それぞれの集合は1つのセマンティックオブジェクトに対応する。クラスタリング方法は、例えば、クラスタリングアルゴリズムであり、例えば、ノイズを有する密度に基づくクラスタリング方法(Density-Based Spatial Clustering of Applications with Noise、DBSCAN)又は他の方法であり、本発明はそれを制限しない。具体的には、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトは、例えば、図5中の地面G、車線境界線RM、道標RS及び灯柱LPを含む。
【0039】
図7は本発明の実施例における地面の空間幾何学的パラメータを決定する模式図であり、引き続き図4を参照し、且つ図7を参照されたい。本実施例において、ポイントクラウドデータのセマンティックセグメンテーションを完成させてから、セマンティック3次元データ点のパラメータ化フィッティングを行う。地図構築方法及び/又はポイントクラウドデータのパラメータ化方法は、複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることを含む。空間座標系は、例えば、互いに直交している第1軸、第2軸及び第3軸から構築される。第1の軸は第1の方向Xに延在し、第2の軸は第2の方向Yに延在し、第3の軸は第3の方向Zに延在する。つまり、第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zは、互いに直交している。
【0040】
具体的には、図5及び図7を参照すると、複数のセマンティック3次元データ点は地面Gに対応して、複数の地面セマンティックデータ点210を含む。上記の複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得る工程は、空間座標系において平面PL(平面PLは、例えば、第1方向Xと第2方向Yとが形成する平面に平行である)を定義することと、複数の2次元格子220を平面PLに確立し、ここで、複数の2次元格子220が複数の格子領域(図示せず)を定義し、複数の格子領域が平面PLに垂直な方向(例えば、第3方向Z)における空間を含むことと、格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点210によって2次元格子220の複数の頂点230の複数の高度値を定義することと、を含む。具体的には、地面Gの空間幾何学的パラメータは、複数の2次元格子220の複数の頂点230を含み、且つ複数の高度値は、複数の頂点230の平面PLに垂直な方向での複数の数値である。
【0041】
図8は、図7の2次元格子220の拡大模式図である。図7及び図8を参照すると、具体的に、上記格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点210によって2次元格子220の複数の頂点の複数の高度値を定義することは、格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点210に対して平面フィッティングを行い、2次元格子220のフィッティング平面を得ることと、フィッティング平面によって複数の頂点230の複数の高度値を決定することと、を含む。上記の複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得ることは、各2次元格子220を複数の2次元小格子222に区画し、ここで、複数の2次元小格子222が、平面PLに垂直な方向に複数の小格子領域(図示せず)を定義することと、各小格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点210によって、各2次元小格子222を表す地面セマンティックデータ点210を定義し、複数の小格子領域の複数のサンプリング地面セマンティックデータ点212を得ることと、格子領域に入った複数のサンプリング地面セマンティックデータ点212によって、2次元格子220の複数の頂点の複数の高度値を拘束することと、を更に含む。
【0042】
本実施例において、上記平面フィッティングの方法は、例えば、例えば、ランダムサンプルコンセンサス(Random Sample Consensus、RANSAC)アルゴリズム、又は他のフィッティング方法である。また、上記各サンプリング地面セマンティックデータ点212は、各2次元小格子222からランダムで選択された1つの地面セマンティックデータ点210に由来してもよい。ところが、幾つかの実施例において、特定のアルゴリズムに従って、各2次元小格子222から1つの地面セマンティックデータ点210をサンプリング地面セマンティックデータ点212として選択してもよい。本発明はそれを制限しない。具体的に、図8の2次元格子220は、頂点231、頂点232、頂点233及び頂点234という4つの頂点を含む。2次元格子220は9個の2次元小格子222に区画され、且つ9個のサンプリング地面セマンティックデータ点212を選び出す。この9個のサンプリング地面セマンティックデータ点212は、2次元格子220の頂点231の高度値、頂点232の高度値(図8に示すような高度値h)、頂点233の高度値及び頂点234の高度値を拘束する。
【0043】
具体的に、各サンプリング地面セマンティックデータ点212は、距離重みによって2次元格子220における各頂点の高度値を拘束する。格子領域における各サンプリング地面セマンティックデータ点212と頂点との間の距離は、距離重みに負の相関がある。この距離は、平面PLと平行な方向に定義される。2次元格子220における9個の2次元小格子222は、距離重みによって頂点231、頂点232、頂点233及び頂点234を拘束する。例えば、中央に位置する2次元小格子222のサンプリング地面セマンティックデータ点212は、頂点231から距離d1、頂点232から距離d2、頂点233から距離d3、且つ頂点234から距離d4を有する。サンプリング地面セマンティックデータ点212は頂点からの距離が小さい場合、サンプリング地面セマンティックデータ点212の当該頂点への拘束力が大きいので、当該頂点の高度値に影響を与える可能性が高くなる。例えば、距離d2は距離d3よりも小さいことで、中央に位置するサンプリング地面セマンティックデータ点212は、頂点232の高度値hに対する影響力が頂点233の高度値に対する影響力よりも大きい。
【0044】
図7を参照すると、本実施例において、1つの2次元格子には、1つの頂点に隣接する他の頂点が第1の隣接頂点と定義され、この頂点に隣接する他の2次元格子における他の頂点が第2の隣接頂点と定義される。この頂点の高度値は、第1の隣接頂点及び第2の隣接頂点を拘束する。例えば、2次元格子220において、頂点234に隣接する他の頂点は頂点232及び233を含むが、頂点234に隣接する他の2次元格子における他の頂点は頂点235及び236を含む。頂点232及び頂点233は頂点234の第1の隣接頂点であり、且つ頂点235及び頂点236は頂点234の第2の隣接頂点である。頂点234の高度値は、頂点232の高度値、頂点233の高度値、頂点235の高度値及び頂点236の高度値を拘束する。具体的に、各2次元格子における頂点230同士は互いに拘束する。複数の配列された2次元格子から見ると、各頂点230の高度値は、それに隣接する4つの頂点の高度値を拘束する。つまり、各頂点230の高度値は、他の隣接する4つの頂点の高度値によっても拘束される。上記に基づき、複数の2次元格子の複数の頂点230の複数の高度値を決定又は調整するために、様々な方法が単独で、又は重ねて使用されてもよく、地面Gの空間幾何学的パラメータはこれらの頂点230によって表記することができる。
【0045】
図9は本発明の実施例における車線境界線を決定する空間幾何学的パラメータの模式図であり、図9を参照されたい。複数のセマンティック3次元データ点は車線境界線RMに対応して、複数の車線境界線セマンティックデータ点310を更に含む。上記の複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得る工程は、複数の2次元格子220から複数の車線境界線投影2次元格子320を決定し、ここで、車線境界線投影2次元格子320が複数の車線境界線セマンティックデータ点310の平面PLにおける投影を包含することと、複数の車線境界線投影2次元格子320の複数の頂点230をフィッティングし、車線境界線投影フィッティング平面(図面せず)を得ることと、車線境界線投影フィッティング平面及び複数の車線境界線セマンティックデータ点310によって、車線境界線RMの空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、車線境界線RMの空間幾何学的パラメータが車線境界線矩形300の中心点c1、車線境界線矩形300の法線ベクトル(図面せず)、車線境界線矩形300の長辺ベクトル302、車線境界線矩形300の長辺ベクトル302における長さL1、及び車線境界線矩形300の短辺ベクトル304における長さL2を含むことと、を更に含む。具体的には、複数の頂点230の高度値が既に知られており、ここで、複数の車線境界線セマンティックデータ点310を包含可能な複数の2次元格子220を複数の車線境界線投影2次元格子320として選択し、且つこれらの車線境界線投影2次元格子320のこれらの頂点230に基づき、関連する車線境界線RMの空間幾何学的パラメータを算出する。そうすると、地面Gの領域の起伏変化も車線境界線RMに反映されることになる。
【0046】
本実施例において、上記の車線境界線投影フィッティング平面及び複数の車線境界線セマンティックデータ点310によって、車線境界線RMの空間幾何学的パラメータを決定する工程は、車線境界線投影フィッティング平面の法線ベクトルを車線境界線矩形300の法線ベクトルとして算出することと、複数の車線境界線セマンティックデータ点310の特徴ベクトルを長辺ベクトル302として算出し、ここで、短辺ベクトル304が車線境界線矩形の法線ベクトルに垂直であり、長辺ベクトル302にも垂直であることと、を含む。一般的に、真の道路には車線境界線の縦横比が通常大きく、例えば比率が10よりも大きいので、複数の車線境界線セマンティックデータ点310の中心点c1及び共分散行列を算出し、その最大特徴値に対応する特徴ベクトルは長辺ベクトル302、即ち、車線境界線RMの方向ベクトルとされてもよい。
【0047】
本実施例において、上記の車線境界線投影フィッティング平面及び複数の車線境界線セマンティックデータ点310によって、車線境界線RMの空間幾何学的パラメータを決定する工程は、複数の車線境界線セマンティックデータ点310の予測中心点を車線境界線矩形300の中心点c1として算出することと、車線境界線矩形300の中心点c1を通る第1の空間方程式306及び第2の空間方程式308を算出し、ここで、第1の空間方程式306が長辺ベクトル302に平行であり、且つ第2の空間方程式308が短辺ベクトル304に平行することと、複数の車線境界線セマンティックデータ点310から第1の空間方程式306までの距離d5によって、車線境界線矩形300の短辺ベクトル304における長さL2を算出することと、複数の車線境界線セマンティックデータ点310から第2の空間方程式308までの距離d6によって、車線境界線矩形300の長辺ベクトル302における長さL1を算出することと、を更に含む。車線境界線矩形300の長辺ベクトル302における長さL1及び短辺ベクトル304における長さL2を見積もるために、データ処理のニーズに応じて異なるやり方を採用することができる。具体的には、各車線境界線セマンティックデータ点310に対して距離d5及び距離d6を取り、これらの距離d5の平均値及びこれら距離d6の平均値をそれぞれ算出することができる。長さL1は、これらの距離d6の平均値の4倍に設定されてもよく、長さL2は、これらの距離d5の平均値の4倍に設定されてもよい。これにより、外れ値によるノイズを除外し、真の車線境界線矩形300に更に近い範囲を得ることができる。
【0048】
以上、破線形である車線境界線RMにより、車線境界線矩形300に関するパラメータを空間幾何学的パラメータとして算出することができることを説明した。幾つかの実施例において、記憶を簡略化するとともに、各自動運転モジュールの使用をより容易にするために、長い実線形態の車線境界線は、順序付けられた離散点を選択して表現することができる。車線境界線矩形パラメータが既に知られているため、矩形中心点を基準として、両側に複数の点を等間隔にサンプリングし、これらの点を長い実線形態の車線境界線の表現(空間幾何学的パラメータ)として用いることができる。
【0049】
図10は、本発明の実施例における道標の空間幾何学的パラメータを決定するための模式図であり、図10を参照されたい。複数のセマンティック3次元データ点は、道標RSに対応して、複数の道標セマンティックデータ点410を更に含む。上記の複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得る工程は、複数の2次元格子220から複数の道標投影2次元格子420を決定し、ここで、道標投影2次元格子420が複数の道標セマンティックデータ点410の平面PLにおける投影430を包含することと、複数の道標投影2次元格子420の複数の頂点230をフィッティングし、道標投影フィッティング平面(図面せず)を得ることと、道標投影フィッティング平面及び複数の道標セマンティックデータ点410によって、道標RSの空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、道標RSの空間幾何学的パラメータが道標矩形400の中心点c2、道標矩形400の法線ベクトル(図面せず)、道標矩形400の第1のベクトル402、道標矩形400の第1のベクトル402における長さL3、及び道標矩形400の第2のベクトル404における長さL4を含むことと、を更に含む。
【0050】
本実施例において、上記の道標投影フィッティング平面及び複数の道標セマンティックデータ点410によって、道標RSの空間幾何学的パラメータを決定する工程は、複数の道標セマンティックデータ点410の特徴ベクトルを道標矩形400の法線ベクトルとして算出することと、第1のベクトル402を算出し、ここで、第1のベクトル402が道標投影フィッティング平面に平行であり、第1のベクトル402は道標矩形400の法線ベクトルに垂直であり、ここで、第2のベクトル404が第1のベクトル402に垂直であり、道標矩形400の法線ベクトルにも垂直であることと、を含む。具体的には、複数の道標セマンティックデータ点410の中心点c2及び共分散行列を算出することによることができ、その最小特徴値に対応する特徴ベクトルは道標矩形400の法線ベクトルとされてもよい。また、一般的に、真の道標の縦横は比較的近いため、最大特徴値を算出することにより道標矩形400の縦横を知ることは困難である。従って、本実施例において、第1ベクトル402が道標投影フィッティング平面に平行であると仮定する。即ち、道標RSの一辺は、道標RSの下方地面と平行であると仮定する。これにより、第1のベクトル402及び第2のベクトル404を決定することができる。
【0051】
本実施例において、上記の道標投影フィッティング平面及び複数の道標セマンティックデータ点410によって、道標RSの空間幾何学的パラメータを決定する工程は、複数の道標セマンティックデータ点410の予測中心点を道標矩形400の中心点c2として算出することと、道標矩形400の中心点c2を通る第3の空間方程式406及び第4の空間方程式408を算出し、ここで、第3の空間方程式406が第1のベクトル402に平行であり、且つ第4の空間方程式408は第2のベクトル404に平行であることと、複数の道標セマンティックデータ点410から第3の空間方程式406までの距離d7によって、道標矩形400の第2のベクトル404における長さL4を算出することと、複数の道標セマンティックデータ点410から第4の空間方程式408までの距離d8によって、道標矩形400の第1のベクトル402における長さL3を算出することと、を更に含む。具体的には、各道標セマンティックデータ点410に対して距離d7及び距離d8を取り、これらの距離d7の平均値及びこれらの距離d8の平均値をそれぞれ算出することができる。長さL3は、これらの距離d8の平均値の4倍に設定されてもよく、長さL4は、これらの距離d7の平均値の4倍に設定されてもよい。これにより、外れ値によるノイズを除外し、真の道標矩形300に更に近い範囲を得ることができる。
【0052】
図11は、本発明の実施例における灯柱の空間幾何学的パラメータを決定する模式図であり、図11を参照されたい。複数のセマンティック3次元データ点は、灯柱LPに対応して、複数の灯柱セマンティックデータ点510を含み、上記の複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得る工程は、複数の灯柱セマンティックデータ点510によって、灯柱シリンダ500の開始点502、終了点504及び半径rを含む灯柱LPの空間幾何学的パラメータを決定することを含む。
【0053】
本実施例において、上記の複数の灯柱セマンティックデータ点510によって、灯柱LPの空間幾何学的パラメータを決定する工程は、複数の灯柱セマンティックデータ点510の特徴ベクトルを灯柱シリンダ500の軸性ベクトル506として算出することと、複数の灯柱セマンティックデータ点510の予測中心点を灯柱シリンダ500の中心点c3として算出することと、灯柱シリンダ500の中心点c3を通る第5の空間方程式508を算出することと、複数の灯柱セマンティックデータ点510から第5の空間方程式508までの距離によって、灯柱シリンダ500の半径rを算出することと、を含む。一般的に、真の灯柱の高さがその直径より遥かに大きいため、複数の灯柱セマンティックデータ点510の中心点c3及び共分散行列を算出し、その最大特徴値に対応する特徴ベクトルは軸性ベクトル506とされてもよい。更に、各灯柱セマンティックデータ点510に対してその第5の空間方程式508までの距離を算出することで、これらの距離の平均値を算出することができる。半径rは、この平均値に設定されてもよい。これにより、外れ値によるノイズを除外し、真の灯柱シリンダ500に更に近い範囲を得ることができる。
【0054】
本実施例において、上記の複数の灯柱セマンティックデータ点510によって、灯柱LPの空間幾何学的パラメータを決定する工程は、複数の灯柱セマンティックデータ点510から灯柱シリンダ500の中心点c3までの複数の求心ベクトルを定義することと、複数の求心ベクトルによって、灯柱シリンダ500の開始点502及び終了点504を算出することと、を更に含む。具体的には、各灯柱セマンティックデータ点510に対して中心点c3までの求心ベクトル、例えば図11に示される求心ベクトル522及び求心ベクトル524を生成することができる。これらの求心ベクトルを第5の空間方程式508に投影した最大距離を算出することにより、開始点502及び終了点504を見積もることができる。
【0055】
図12は、本発明の実施例における地図構築方法により構築されたセマンティックベクトル地図であり、図5及び図12を参照されたい。図12は、空間幾何学的パラメータの視覚化を示す。地面Gの空間座標系における空間幾何学的パラメータ601、車線境界線RMの空間座標系における空間幾何学的パラメータ602、道標RSの空間座標系における空間幾何学的パラメータ603及び灯柱LPの空間座標系における空間幾何学的パラメータ604は、効果的に抽出されたことが明らかに見られる。
【0056】
図4を参照すると、本実施例において、セマンティック3次元データ点のパラメータ化フィッティングを完成させてから、セマンティックオブジェクトの統合を行う。地図構築方法は、空間幾何学的パラメータによって、隣接する2つのサブマップの重複領域にあるセマンティックオブジェクトを融合することと、隣接する2つのサブマップが接続されるように、重複領域を取り除くことと、を含む。具体的には、隣接するサブマップ同士に重複領域があるので、隣接するサブマップのセマンティックオブジェクトのパラメータ化結果を融合することで、重複したセマンティックオブジェクトを取り除く必要がある。同様に、閉ループ関係にあるサブマップについても、融合を行うことで、異なる時点での観測間のズレを解消する必要がある。各サブマップのタイムスタンプ、姿勢、及びセマンティックオブジェクトのパラメータ化結果はすべて既知のものであるので、サブマップにおける各セマンティックオブジェクトについては、何れも幾何学的情報に基づき、隣接する又は閉ループサブマップ間に融合を必要とするセマンティックオブジェクトのパラメータ化結果が存在するか否かを判断することができる。
【0057】
具体的に、融合すべき地面Gの複数の頂点230については、ユークリッド距離によって、関連する頂点230について平均値を直接算出すればよい。車線境界線RM、道標RS、灯柱LPという明確な幾何学的構造を備える3種類のセマンティックオブジェクトについては、パラメータ化結果における明らかな異常値が認識されるように、実世界中の道路要素の建設基準に応じて、真理値表として一連のパラメータ範囲を定義することができる。同一のセマンティックオブジェクトの2つのサブマップにおけるパラメータ化結果がすべて正常範囲にある場合、両方の結果に対してフィッティングを行い、新しいパラメータを得る。例えば、高速道路上の破線形の車線境界線RMは、長さが約6メートルであり、幅が約0.15メートルである。灯柱LP、道標RSは何れも路面上にあり、その高さがゼロよりも大きい。道標RSの縦横は、通常3メートル未満である。異なる実施形態において、適切なパラメータ範囲を作成し、セマンティックオブジェクトの統合を行うことができ、本発明はそれを制限しない。
【0058】
図4を参照すると、本実施例において、セマンティックオブジェクトの統合を完成させてから、グローバル意味地図が得られるように、複数の車線境界線間のトポロジー接続を行う。地図構築方法は、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトの空間幾何学的パラメータによって意味地図を構築する工程を含み、且つこの工程は、センサのタイミング情報及び複数の車線境界線の空間幾何学的パラメータによって、複数の車線境界線間のトポロジー接続を構築する工程を含む。具体的に、計画、感知などの自動運転モジュールは、車線境界線のトポロジー関係に高度に依存する。灯柱や道標などの要素については、主にその位置情報に着目する。トポロジー関係、即ち、車線境界線要素間の有向接続関係は、一有向接続図と見なすことができる。本実施例において、破線形の車線境界線RMは矩形にパラメータ化され、実線形の車線境界線は点にパラメータ化されている。従って、トポロジー関係を構築するプロセスは、これらの矩形とこれらの点との間の接続関係を算出することである。
【0059】
真の道路の車線境界線が明確な幾何学的規則を有し、且つデータ収集時に各車線境界線のタイミング情報が保存されているので、幾何学的関係及びタイミング情報によって車線境界線間のトポロジー関係を構築することができる。例えば、サブマップ単位で逐次構築することができる。マッピングシステムは、車線境界線ごとに1つのグローバル状態変数を維持し、サブマップにおけるパラメータ化結果によって状態変数をリアルタイムで更新する。車線境界線状態変数は、車線境界線番号、車線境界線の向き、車線境界線の位置などの情報を含む。各サブマップにおける車線境界線について、まず、縦方向座標によって各車線境界線要素のサブマップにおける前後関係を決定する。その後、サブマップにおける車線境界線要素のすべてを調べ、各車線境界線要素と状態変数との方向角、状態変数までの横方向距離に基づき、どの車線境界線に属するかを確定し、サブマップにおける車線境界線の観測に基づき、リアルタイムで状態変数を更新する。現在状態変数において関連性が見つけられない車線境界線要素については、当該観測に基づいて1つのグローバル状態変数を新たに作成することができるとともに、閾値時間と距離を超えた未更新の状態変数を削除することができる。本実施例において、すべてのサブマップを順次に調べれば、グローバルな車線境界線の接続関係を構築することができる。
【0060】
図13は、本発明の実施例における複数の車線境界線に対応する空間幾何学的パラメータ間のトポロジー接続を構築することである。図13を参照すると、空間幾何学的パラメータ605は、破線形の車線境界線の接続関係を示している。空間幾何学的パラメータ606は、実線形の車線境界線の接続関係を示している。図13において、矢印は、各車線境界線要素の向きと接続関係を示す。可視化により、各車線境界線要素が何れも正確に接続されていることが見られる。
【0061】
本実施例において、ポイントクラウドデータの複数の3次元データ点をセマンティックセグメンテーションすることにより、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトに対応する複数のセマンティック3次元データ点が取得される。更に、これらのセマンティック3次元データ点にパラメータ化フィッティングを行うことで、これらのセマンティック3次元データ点に対応するセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータが得られ、セマンティックオブジェクトのパラメータ化フィッティングが実現される。これらの空間幾何学的パラメータは、セマンティックベクトル地図の構築、更に意味地図の構築に利用可能である。従って、本実施例のポイントクラウドデータのパラメータ化方法及び地図構築方法は、地図構築の過程において、ポイントクラウドデータに基づく意味地図を自動的に構築し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができる。
【0062】
図1は、本発明の他の実施例におけるポイントクラウドデータのパラメータ化方法のフローチャートであり、当該方法は、高精度又は非高精度地図構築のアプリケーションシナリオに適用可能であり、ポイントクラウドデータのパラメータ化装置により実行することができる。ここで、当該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現可能であり、一般的にコンピュータ機器に集積されてもよい。ここでのコンピュータ機器は、可動物体に集積されてもよく、可動物体に外部から接続されたり、可動物体と通信したりしてもよい。図1の各工程の詳細な説明又は拡張方案は、上述した本発明の実施例についての説明を参照することができる。図1を参照すると、本発明の実施例にかかるポイントクラウドデータのパラメータ化方法は、下記の工程を含む。
【0063】
工程S101:ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得て、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応する;
工程S101が完了した後、工程S102へ進む。工程S102:複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得る。
【0064】
本実施例に説明されるポイントクラウドデータのパラメータ化方法は、少なくとも上述したポイントクラウドデータのパラメータ化方法にかかる技術的効果を得ることができ、地図構築の過程において、ポイントクラウドデータに基づく意味地図を自動的に構築し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができる。
【0065】
図2は本発明の他の実施例におけるポイントクラウドデータのパラメータ化方法の詳細な工程の模式図であり、当該方法は、高精度又は非高精度地図構築のアプリケーションシナリオに適用可能であり、ポイントクラウドデータのパラメータ化装置により実行することができる。ここで、当該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現可能であり、一般的にコンピュータ機器に集積されてもよい。ここでのコンピュータ機器は、可動物体に集積されてもよく、可動物体に外部から接続されたり、可動物体と通信したりしてもよい。図2の各工程の詳細な説明又は拡張方案は、上述した本発明の実施例についての説明を参照することができる。図2を参照すると、本発明の実施例にかかるポイントクラウドデータのパラメータ化方法は、下記の工程を含む。
【0066】
工程S201:ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得て、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応する;
工程S201が完了した後、工程S202へ進める。工程S202:少なくとも1つのセマンティックオブジェクトが地面を含み、複数のセマンティック3次元データ点が地面に対応して、複数の地面セマンティックデータ点を含み、空間座標系において平面を定義する;
工程S202が完了した後、工程S203へ進める。工程S203:複数の2次元格子を平面に確立し、ここで、複数の2次元格子が複数の格子領域を定義し、複数の格子領域が平面に垂直な方向での空間を含む;
工程S203が完了した後、工程S204へ進める。工程S204:格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点によって、2次元格子の複数の頂点の複数の高度値を定義し、ここで、地面の空間幾何学的パラメータが複数の2次元格子の複数の頂点を含み、複数の高度値が複数の頂点の平面に垂直な方向での複数の値である;
工程S204が完了した後、工程S205へ進める。工程S205:少なくとも1つのセマンティックオブジェクトが車線境界線を更に含み、複数のセマンティック3次元データ点が車線境界線に対応して、複数の車線境界線セマンティックデータ点を更に含み、複数の2次元格子から複数の車線境界線投影2次元格子を決定し、ここで、車線境界線投影2次元格子が複数の車線境界線セマンティックデータ点の平面における投影を包含する;
工程S205が完了した後、工程S206へ進める。工程S206:複数の車線境界線投影2次元格子の複数の頂点をフィッティングし、車線境界線投影フィッティング平面を得る;
工程S206が完了した後、工程S207へ進める。工程S207:車線境界線投影フィッティング平面及び複数の車線境界線セマンティックデータ点によって、車線境界線の空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、車線境界線の空間幾何学的パラメータが、車線境界線矩形の中心点、車線境界線矩形の法線ベクトル、車線境界線矩形の長辺ベクトルにおける長さ、及び車線境界線矩形の短辺ベクトルにおける長さを含む;
更に、工程S204が完了した後、工程S208へ進んでもよい。工程S208:少なくとも1つのセマンティックオブジェクトが道標を更に含み、複数のセマンティック3次元データ点が道標に対応して、複数の道標セマンティックデータ点を更に含み、複数の2次元格子から、複数の道標投影2次元格子を決定し、ここで、道標投影2次元格子が、複数の道標セマンティックデータ点の平面における投影を包含する;
工程S208が完了した後、工程S209へ進める。工程S209:複数の道標投影2次元格子の複数の頂点をフィッティングし、道標投影フィッティング平面を得る;
工程S209が完了した後、工程S210へ進める。工程S210:道標投影フィッティング平面及び複数の道標セマンティックデータ点によって、道標の空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、道標の空間幾何学的パラメータが、道標矩形の中心点、道標矩形の法線ベクトル、道標矩形の第1のベクトル、道標矩形の第1のベクトルにおける長さ、及び道標矩形の第2のベクトルにおける長さを含む;
更に、工程S201が完了した後、工程S211へ進んでもよい。工程S211:少なくとも1つのセマンティックオブジェクトが灯柱を含み、複数のセマンティック3次元データ点が灯柱に対応して、複数の灯柱セマンティックデータ点を含み、複数の灯柱セマンティックデータ点によって、灯柱の空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、灯柱の空間幾何学的パラメータが、灯柱シリンダの開始点、終了点及び半径を含む。
【0067】
本実施例に説明されるポイントクラウドデータのパラメータ化方法は、少なくとも上述したポイントクラウドデータのパラメータ化方法にかかる技術的効果を得ることができ、地図構築の過程において、ポイントクラウドデータに基づく意味地図を自動的に構築し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができる。
【0068】
図3は本発明の実施例における他の地図構築方法の工程模式図であり、当該方法は、高精度又は非高精度地図構築のアプリケーションシナリオに適用可能であり、地図構築装置により実行することができる。ここで、当該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現可能であり、一般的にコンピュータ機器に集積されてもよい。ここでのコンピュータ機器は、可動物体に集積されてもよく、可動物体に外部から接続されたり、可動物体と通信したりしてもよい。図3の各工程の詳細な説明又は拡張方案は、上述した本発明の実施例についての説明を参照することができる。図3を参照すると、本発明の実施例にかかる地図構築方法は、下記の工程を含む。
【0069】
工程S301:センサデータによってポイントクラウド地図を構築し、ここで、ポイントクラウド地図が空間座標系におけるポイントクラウドデータを含む;
工程S301が完了した後、工程S302へ進める。工程S302:ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得て、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応する;
工程S302が完了した後、工程S303へ進める。工程S303:複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得る;
工程S303が完了した後、工程S304へ進める。工程S304:少なくとも1つのセマンティックオブジェクトの空間幾何学的パラメータによって意味地図を構築する。
【0070】
本実施例に説明される地図構築方法は、少なくとも上述した地図構築方法にかかる技術的効果を得ることができ、地図構築の過程において、ポイントクラウドデータに基づく意味地図を自動的に構築し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができる。
【0071】
図14は、本発明の実施例におけるポイントクラウドデータのパラメータ化装置の構成ブロック図である。当該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現可能であり、一般的にコンピュータ機器に集積されてもよく、ポイントクラウドデータのパラメータ化方法を実行することによりポイントクラウドデータのパラメータ化を行うことができる。図14に示すように、当該装置は、
ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得るためであり、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応する、セマンティックセグメンテーションモジュール701と、
複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得るためのパラメータ化フィッティングモジュール702と、
を含む。
【0072】
本発明の実施例によって提供されるポイントクラウドデータのパラメータ化装置は、ポイントクラウドデータのパラメータ化方法を実行することによりポイントクラウドデータのパラメータ化を行うことができ、少なくとも上述したポイントクラウドデータのパラメータ化方法にかかる技術的効果を得ることができ、地図構築の過程において、ポイントクラウドデータに基づく意味地図を自動的に構築し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができる。
【0073】
図15は、本発明の実施例における地図構築装置の構成ブロック図である。当該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現可能であり、一般的にコンピュータ機器に集積されてもよく、地図構築方法を実行することにより地図構築を行うことができる。図15に示すように、当該装置は、
センサデータによってポイントクラウド地図を構築するためであり、ここで、ポイントクラウド地図が空間座標系におけるポイントクラウドデータを含む、ポイントクラウド地図構築モジュール801と、
ポイントクラウドデータの空間座標系における複数の3次元データ点に対してセマンティックセグメンテーションを行い、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトを得るためであり、ここで、セマンティックオブジェクトが複数のセマンティック3次元データ点に対応する、セマンティックセグメンテーションモジュール802と、
複数のセマンティック3次元データ点に対してパラメータ化フィッティングを行い、複数のセマンティック3次元データ点に対応することを表すセマンティックオブジェクトの空間座標系における空間幾何学的パラメータを得るためのパラメータ化フィッティングモジュール803と、
少なくとも1つのセマンティックオブジェクトの空間幾何学的パラメータによって意味地図を構築するための意味地図構築モジュール804と、
を含む。
【0074】
本発明の実施例によって提供される地図構築装置は、地図構築方法を実行することにより地図構築を行うことができ、少なくとも上述した地図構築方法にかかる技術的効果を得ることができ、地図構築の過程において、ポイントクラウドデータに基づく意味地図を自動的に構築し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができる。
【0075】
選択的に、ポイントクラウド地図構築モジュール801は、センサデータによって複数のフレームのポイントクラウドを融合し、グローバルポイントクラウド地図を得ることと、グローバルポイントクラウド地図を複数のサブマップに区画することとに利用可能である。隣接する2つのサブマップには重複領域があり、且つそれぞれのサブマップはポイントクラウド地図である。
【0076】
選択的に、センサデータは、配置されたセンサ及び車線に沿って走行されている車両により収集され、且つ複数のサブマップは車線の走行方向に沿って区画され、ここで、隣接する2つのサブマップは第1のサブマップ及び第2のサブマップを含む。第2のサブマップは、重複領域以外の領域に、車両が第1のサブマップの車線を走行している時に収集されたポイントクラウドデータがある。
【0077】
選択的に、各サブマップは、深度情報が80メートルを超えるポイントクラウドデータを含む。
【0078】
選択的に、センサデータは、複数のセンサが配置された車両によって収集される。複数のセンサは、レーザレーダ、及び1つ又は複数の以下のセンサ、即ち、全地球航法衛星システム、慣性計測ユニット、車輪回転計と画像取得装置を含む。
【0079】
選択的に、意味地図構築モジュール804は、以下のことができる:空間幾何学的パラメータによって、隣接する2つのサブマップの重複領域にあるセマンティックオブジェクトを融合すること、及び隣接する2つのサブマップが接続されるように、重複領域を取り除くこと。
【0080】
選択的に、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトは、複数の車線境界線を含む。意味地図構築モジュール804は、センサのタイミング情報及び複数の車線境界線の空間幾何学的パラメータによって、複数の車線境界線間のトポロジー接続を構築することができる。
【0081】
選択的に、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトは、地面を含む。複数のセマンティック3次元データ点は地面に対応して、複数の地面セマンティックデータ点を含む。パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:空間座標系において平面を定義すること、複数の2次元格子を平面に確立し、ここで、複数の2次元格子が複数の格子領域を定義し、複数の格子領域が平面に垂直な方向での空間を含むこと、及び格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点によって、2次元格子の複数の頂点の複数の高度値を定義し、ここで、地面の空間幾何学的パラメータが複数の2次元格子の複数の頂点を含み、複数の高度値が複数の頂点の平面に垂直な方向での複数の値であること。
【0082】
選択的に、パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点に対して平面フィッティングを行い、2次元格子のフィッティング平面を得ること、及びフィッティング平面によって複数の頂点の複数の高度値を決定すること。
【0083】
選択的に、パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:各2次元格子を複数の2次元小格子に区画し、ここで、複数の2次元小格子が平面に垂直な方向に複数の小格子領域を定義すること、各小格子領域に入った複数の地面セマンティックデータ点によって、各2次元小格子を表す地面セマンティックデータ点を定義し、複数の小格子領域の複数のサンプリング地面セマンティックデータ点を得ること、及び格子領域に入った複数のサンプリング地面セマンティックデータ点によって、2次元格子の複数の頂点の複数の高度値を拘束すること。
【0084】
選択的に、各サンプリング地面セマンティックデータ点は、距離重みによって2次元格子における各頂点の高度値を拘束し、ここで、格子領域における各サンプリング地面セマンティックデータ点と頂点との間の距離は距離重みに負の相関があり、距離は平面に平行な方向に定義される。
【0085】
選択的に、1つの2次元格子において、1つの頂点に隣接する他の頂点は第1の隣接頂点と定義され、且つ頂点に隣接する他の2次元格子における他の頂点は第2の隣接頂点と定義され、ここで、頂点の高度値は、第1の隣接頂点及び第2の隣接頂点を拘束する。
【0086】
選択的に、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトは車線境界線を更に含み、複数のセマンティック3次元データ点は車線境界線に対応して、複数の車線境界線セマンティックデータ点を更に含む。パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:複数の2次元格子から複数の車線境界線投影2次元格子を決定し、ここで、車線境界線投影2次元格子が複数の車線境界線セマンティックデータ点の平面における投影を包含すること、複数の車線境界線投影2次元格子の複数の頂点をフィッティングし、車線境界線投影フィッティング平面を得ること、並びに車線境界線投影フィッティング平面及び複数の車線境界線セマンティックデータ点によって、車線境界線の空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、車線境界線の空間幾何学的パラメータが、車線境界線矩形の中心点、車線境界線矩形の法線ベクトル、車線境界線矩形の長辺ベクトル、車線境界線矩形の長辺ベクトルにおける長さ及び車線境界線矩形の短辺ベクトルにおける長さを含むこと。
【0087】
選択的に、パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:車線境界線投影フィッティング平面の法線ベクトルを車線境界線矩形の法線ベクトルとして算出すること、及び複数の車線境界線セマンティックデータ点の特徴ベクトルをと長辺ベクトルとして算出し、ここで、短辺ベクトルが車線境界線矩形の法線ベクトルに垂直であり、長辺ベクトルにも垂直であること。
【0088】
選択的に、パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:複数の車線境界線セマンティックデータ点の予測中心点を車線境界線矩形の中心点として算出すること、車線境界線矩形の中心点を通る第1の空間方程式及び第2の空間方程式を算出し、ここで、第1の空間方程式が長辺ベクトルに平行であり、且つ第2の空間方程式が短辺ベクトルに平行であること、複数の車線境界線セマンティックデータ点から第1の空間方程式までの距離によって、車線境界線矩形の短辺ベクトルにおける長さを算出すること、及び複数の車線境界線セマンティックデータ点から第2の空間方程式までの距離によって、車線境界線矩形の長辺ベクトルにおける長さを算出すること。
【0089】
選択的に、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトは道標を更に含み、複数のセマンティック3次元データ点は道標に対応して、複数の道標セマンティックデータ点を更に含む。パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:複数の2次元格子から複数の道標投影2次元格子を決定し、ここで、道標投影2次元格子が複数の道標セマンティックデータ点の平面における投影を包含すること、複数の道標投影2次元格子の複数の頂点をフィッティングし、道標投影フィッティング平面を得ること、並びに道標投影フィッティング平面及び複数の道標セマンティックデータ点によって、道標の空間幾何学的パラメータを決定し、ここで、道標の空間幾何学的パラメータが道標矩形の中心点、道標矩形の法線ベクトル、道標矩形の第1のベクトル、道標矩形の第1のベクトルにおける長さ、及び道標矩形の第2のベクトルにおける長さを含むこと。
【0090】
選択的に、パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータフィッティングモジュール803は、以下のことができる:複数の道標セマンティックデータ点の特徴ベクトルを道標矩形の法線ベクトルとして算出すること、及び第1のベクトルを算出し、ここで、第1のベクトルが道標投影フィッティング平面に平行であり、第1のベクトルが道標矩形の法線ベクトルに垂直であり、ここで、第2のベクトルが第1のベクトルに垂直であり、道標矩形の法線ベクトルにも垂直であること。
【0091】
選択的に、パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:複数の道標セマンティックデータ点の予測中心点を道標矩形の中心点として算出すること、道標矩形の中心点を通る第3の空間方程式及び第4の空間方程式を算出し、ここで、第3の空間方程式が第1のベクトルに平行であり、且つ第4の空間方程式が第2のベクトルに平行であること、複数の道標セマンティックデータ点から第3の空間方程式までの距離によって、道標矩形の第2のベクトルにおける長さを算出すること、並びに複数の道標セマンティックデータ点から第4の空間方程式までの距離によって、道標矩形の第1のベクトルにおける長さを算出すること。
【0092】
選択的に、少なくとも1つのセマンティックオブジェクトは灯柱を含み、複数のセマンティック3次元データ点は灯柱に対応して、複数の灯柱セマンティックデータ点を含む。パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、複数の灯柱セマンティックデータ点によって灯柱の空間幾何学的パラメータを決定することができ、ここで、灯柱の空間幾何学的パラメータは、灯柱シリンダの開始点、終了点及び半径を含む。
【0093】
選択的に、パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:複数の灯柱セマンティックデータ点の特徴ベクトルを灯柱シリンダの軸性ベクトルとして算出すること、複数の灯柱セマンティックデータ点の予測中心点を灯柱シリンダの中心点として算出すること、灯柱シリンダの中心点を通る第5の空間方程式を算出すること、及び複数の灯柱セマンティックデータ点から第5の空間方程式までの距離によって、灯柱シリンダの半径を算出すること。
【0094】
選択的に、パラメータ化フィッティングモジュール702及び/又はパラメータ化フィッティングモジュール803は、以下のことができる:複数の灯柱セマンティックデータから灯柱シリンダの中心点までの複数の求心ベクトルを定義すること、及び複数の求心ベクトルによって、灯柱シリンダの開始点及び終了点を算出すること。
【0095】
本発明の実施例は、本発明の実施例によって提供されるポイントクラウドデータのパラメータ化装置及び/又は地図構築装置を集積することができるコンピュータ機器を提供する。図16は、本発明の実施例によって提供されるコンピュータ機器の構成ブロック図である。コンピュータ機器900は、メモリ901と、プロセッサ902と、メモリ901に記憶されるとともにプロセッサで動作可能なコンピュータプログラムとを含め、プロセッサ902はコンピュータプログラムを実行すると、本発明の実施例に記載されるようなポイントクラウドデータのパラメータ化方法及び/又は地図構築方法を実現する。ここで、コンピュータ機器は、可動物体に集積可能であり、この場合、コンピュータ機器は可動物体自体、例えば車両と見なされてもよく、コンピュータ機器は、可動物体に外部から接続されたり、可動物体と通信したりすることもできる。
【0096】
本発明の実施例によって提供されるコンピュータ機器は、本発明の実施例に記載されるポイントクラウドデータのパラメータ化方法及び/又は地図構築方法を実現することができ、少なくとも上述したポイントクラウドデータのパラメータ化方法及び/又は地図構築方法にかかる技術的効果を得ることができ、地図構築の過程において、ポイントクラウドデータに基づく意味地図を自動的に構築し、高精度意味地図の構築効率を向上させることができる。
【0097】
本発明の実施例は、コンピュータ実行可能命令を含む記憶媒体を更に提供し、上記コンピュータ実行可能命令はコンピュータプロセッサにより実行されると、本発明の実施例によって提供されるようなポイントクラウドデータのパラメータ化方法及び/又は地図構築方法を実現する。
【0098】
記憶媒体-任意の様々なタイプのメモリ機器又は記憶機器。「記憶媒体」という用語は、CD-ROM、フロッピーディスクや磁気テープ装置などのインストール媒体、DRAM、DDRRAM、SRAM、EDORAM、ラムバス(Rambus)RAMなどのコンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、磁気媒体(例えば、ハードディスク又は光学記憶装置)などの不揮発性メモリ、レジスタ又は他の同様のタイプのメモリ素子などを含もうとする。記憶媒体は、他のタイプのメモリ又はその組合せを更に含んでもよい。また、記憶媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステムに位置してもよく、又は、異なる第2のコンピュータシステムに位置してもよく、第2のコンピュータシステムはネットワーク(例えば、インターネット)を介して第1のコンピュータシステムに接続される。第2のコンピュータシステムは、実行のために第1のコンピュータにプログラム命令を提供することができる。「記憶媒体」という用語は、異なる位置に(例えば、ネットワークを介して接続された異なるコンピュータシステムに)存在し得る2つ以上の記憶媒体を含んでもよい。記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサにより実行可能な(例えば、コンピュータプログラムとして具現化された)プログラム命令を記憶することができる。
【0099】
上記実施例に提供されるポイントクラウドデータのパラメータ化装置、機器及び記憶媒体は、本発明の任意の実施例に提供されるポイントクラウドデータのパラメータ化方法を実行することができ、当該方法の実行に対応する機能モジュール及び有益な効果を備える。上記実施例に詳しく記載されていない技術的詳細は、本発明の何れかの実施例によって提供されるポイントクラウドデータのパラメータ化方法を参照することができる。
【0100】
上記実施例に提供される地図構築装置、機器及び記憶媒体は、本発明の何れかの実施例によって提供される地図構築方法を実行することができ、当該方法の実行に対応する機能モジュール及び有益な効果を備える。上記実施例に詳しく記載されていない技術的詳細は、本発明の何れかの実施例によって提供される地図構築方法を参照することができる。
【0101】
図面を参照して本開示の例示的な実施例又は例を記載したが、上記の例示的な記載は、網羅的であること、又は、本発明を開示された具体的な形態に制限することを意図しないと理解すべきである。上記の教示された内容に基づいて、多くの修正と変形が可能である。従って、開示された主旨は、本明細書に記載される何れか1つの実施例又は例に限定すべきではなく、添付される特許請求の範囲の幅と範囲によって解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16