(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037237
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240312BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20240312BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141922
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】石原 賢太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】作業中に適切に人員の再配置を行う。
【解決手段】本発明は、画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成する状況情報生成部10と、複数の工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、状況情報に基づき抽出する遅延工程抽出部20と、遅延工程の進捗が遅れている原因を状況情報に基づき推定する推定部30と、遅延工程以外の工程の進捗と、遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成部40と、を有する処理装置1を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成する状況情報生成手段と、
複数の前記工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、前記状況情報に基づき抽出する遅延工程抽出手段と、
前記遅延工程の進捗が遅れている原因を、前記状況情報に基づき推定する推定手段と、
前記遅延工程以外の前記工程の進捗と、前記遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の前記工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段と、
を有する処理装置。
【請求項2】
前記アドバイス情報生成手段は、
前記遅延工程以外の前記工程の中に、進捗が前記目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程がある場合、前記前倒し工程の作業員が前記遅延工程を補助する前記アドバイス情報を生成する請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記アドバイス情報生成手段は、
前記遅延工程の状況を示す前記状況情報に基づき、前記前倒し工程の作業員が前記遅延工程の補助を継続する継続時間を決定し、決定した継続時間を示す前記アドバイス情報を生成する請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記アドバイス情報生成手段は、
前記遅延工程以外の前記工程の中に、進捗が前記目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程がない場合、前記遅延工程の作業員を配置する前記工程と、前記遅延工程以外のいずれかの前記工程の作業員を配置する前記工程と、を入れ替える前記アドバイス情報を生成する請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記アドバイス情報生成手段は、
配置する前記工程を入れ替える2人の作業員各々が現在実行中の作業の進捗に基づき、配置を入れ替えるタイミングを示す前記アドバイス情報を生成する請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記工程各々の作業員は、前記工程各々を繰り返し実行し、
前記アドバイス情報生成手段は、
作業員の配置を入れ替える前記工程各々のサイクルが終了する終了タイミングを予測し、互いの前記終了タイミングの差が基準値以下となる時を、配置を入れ替えるタイミングとして決定する請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
前記アドバイス情報生成手段は、
前記遅延工程の状況を示す前記状況情報に基づき、作業員の配置の入れ替えを継続する継続時間を決定し、決定した継続時間を示す前記アドバイス情報を生成する請求項4に記載の処理装置。
【請求項8】
前記推定手段は、
前記状況情報で示される前記遅延工程に要している作業時間が、基準作業時間より多く、かつ、過去の実績情報で示される他の複数の作業員各々が実行した場合の前記遅延工程に要する作業時間と前記基準作業時間との関係が所定条件を満たす場合、前記遅延工程をその時点で実行している作業員の能力を、前記遅延工程の進捗が前記目標進捗から遅れている原因と推定し、
前記所定条件は、所定数以上、又は所定割合以上の作業員の作業時間が前記基準作業時間よりも少ないこと、である請求項1から7のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項9】
前記推定手段は、
前記状況情報で示される前記遅延工程に要している作業時間が、基準作業時間よりも多く、かつ、過去の実績情報で示される他の複数の作業員各々が実行した場合の前記遅延工程に要する作業時間と前記基準作業時間との関係が所定条件を満たさない場合、前記基準作業時間の過小見積もりによる前記目標進捗の過大見積もりを、前記遅延工程の進捗が前記目標進捗から遅れている原因と推定し、
前記所定条件は、所定数以上、又は所定割合以上の作業員の作業時間が前記基準作業時間よりも少ないこと、である請求項1から7のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項10】
前記推定手段は、
前記状況情報において所定の異常の発生が示されている場合、前記所定の異常の発生を、前記遅延工程の進捗が前記目標進捗から遅れている原因と推定する請求項1から7のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項11】
1つ以上のコンピュータが、
画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成し、
複数の前記工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、前記状況情報に基づき抽出し、
前記遅延工程の進捗が遅れている原因を、前記状況情報に基づき推定し、
前記遅延工程以外の前記工程の進捗と、前記遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の前記工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成する、
処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成する状況情報生成手段、
複数の前記工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、前記状況情報に基づき抽出する遅延工程抽出手段、
前記遅延工程の進捗が遅れている原因を、前記状況情報に基づき推定する推定手段、
前記遅延工程以外の前記工程の進捗と、前記遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の前記工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が、特許文献1乃至3に開示されている。
【0003】
特許文献1には、複数のプラント設備ごとに、作業員が有するスキル等を総合的に評価してビッグデータ化しておき、この情報を利用してプラント設備ごとに必要な作業員の配置を行う技術が開示されている。そして、特許文献1には、各作業箇所について、作業負荷に対して作業能力が不足している場合には、他のプラント設備からの作業員の補充移動指示の調整処理を行うことが開示されている。すなわち、作業負荷と作業能力とに基づき、補充移動指示の調整処理を行うことが開示されている。
【0004】
特許文献2には、画像解析で、作業が停滞している工程を特定する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3には、順序違いや作業漏れ等の異常を検知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2022/054663号公報
【特許文献2】特開2022-072116号公報
【特許文献3】特開2021-082137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
工場、研究所、倉庫等においては、複数の工程各々に適切に人員を配置することで、効率性や作業性等が向上する。しかしながら、どんな人員配置を行った場合であっても、何らかの不測の事態により、いずれかの工程で遅延が生じる可能性がある。このため、作業中に人員を適切に再配置する技術が必要となる。
【0008】
特許文献1に開示の技術は、作業員のスキルを考慮して人員配置を行うものであり、作業中に実際に起きている状況を考慮した人員の再配置を行うことはできない。特許文献2及び3は、作業中に実際に起きている状況を考慮した人員の再配置を行う技術を開示していない。このような特許文献1乃至3に記載の技術の場合、作業中に実際に起きている状況を考慮しない人員の再配置はできるものの、作業中に実際に起きている状況を考慮した人員の再配置はできない。作業中に実際に起きている状況を考慮しない人員の再配置の場合、最適な人員配置とならない可能性が高い。
【0009】
本発明の目的の一例は、上述した問題を鑑み、作業中に適切に人員の再配置を行うという課題を解決する処理装置、処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、
画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成する状況情報生成手段と、
複数の前記工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、前記状況情報に基づき抽出する遅延工程抽出手段と、
前記遅延工程の進捗が遅れている原因を、前記状況情報に基づき推定する推定手段と、
前記遅延工程以外の前記工程の進捗と、前記遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の前記工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段と、
を有する処理装置が提供される。
【0011】
本発明の一態様によれば、
1つ以上のコンピュータが、
画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成し、
複数の前記工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、前記状況情報に基づき抽出し、
前記遅延工程の進捗が遅れている原因を、前記状況情報に基づき推定し、
前記遅延工程以外の前記工程の進捗と、前記遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の前記工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成する、
処理方法が提供される。
【0012】
本発明の一態様によれば、
コンピュータを、
画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成する状況情報生成手段、
複数の前記工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、前記状況情報に基づき抽出する遅延工程抽出手段、
前記遅延工程の進捗が遅れている原因を、前記状況情報に基づき推定する推定手段、
前記遅延工程以外の前記工程の進捗と、前記遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の前記工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、作業中に適切に人員の再配置を行うという課題を解決する処理装置、処理方法、およびプログラムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる公的な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0015】
【
図1】処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図3】処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図4】複数の工程の関係の一例を説明するための図である。
【
図5】複数の工程の関係の他の一例を説明するための図である。
【
図6】工程と作業の関係を説明するための図である。
【
図8】状況情報の他の一例を模式的に示す図である。
【
図9】状況情報生成部の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図10】過去の実績情報の一例を模式的に示す図である。
【
図11】人員の配置の入れ替えを行うタイミングを決定する処理を説明するための図である。
【
図12】アドバイス情報の内容の一例を示す図である。
【
図13】処理装置が出力する画面の一例を示す図である。
【
図14】工程とラインの関係を説明するための図である。
【
図15】処理装置が出力する画面の他の一例を示す図である。
【
図16】処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る処理装置1の概要を示す機能ブロック図である。処理装置1は、状況情報生成部10と、遅延工程抽出部20と、推定部30と、アドバイス情報生成部40とを有する。
【0018】
状況情報生成部10は、画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成する。遅延工程抽出部20は、複数の工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、状況情報に基づき抽出する。推定部30は、遅延工程の進捗が遅れている原因を、状況情報に基づき推定する。アドバイス情報生成部40は、遅延工程以外の工程の進捗と、遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成する。
【0019】
このような構成を備える処理装置1によれば、作業中に適切に人員の再配置を行うという課題が解決される。
【0020】
<第2の実施形態>
「概要」
本実施形態の処理装置1は、第1の実施形態の処理装置1を具体化したものである。
【0021】
処理装置1は、作業中に、人員の再配置に関するアドバイス情報を生成して、出力する機能を有する。処理装置1が行う処理の概要は次の通りである。
【0022】
まず、処理装置1は、
図2に示すように、工程ごとに、画像解析の結果に基づき状況情報を生成する。状況情報は、各工程の状況を示す情報である。そして、処理装置1は、各工程の状況情報に基づき、工程ごとに、進捗が目標進捗から遅れているか判定する。また、処理装置1は、進捗が目標進捗から遅れている場合には、その原因を状況情報に基づき推定する。そして、処理装置1は、進捗が目標進捗から遅れている工程がある場合、その工程の進捗が遅れている原因、及び、他の工程の進捗に基づき、人員の再配置に関するアドバイス情報を生成して、出力する。
【0023】
このように、処理装置1は、「その工程の進捗が遅れている原因」及び「他の工程の進捗」という特徴的な情報に基づき人員の再配置に関するアドバイス情報を生成するという特徴を有する。以下、処理装置1の構成を詳細に説明する。
【0024】
「ハードウエア構成」
次に、処理装置1のハードウエア構成の一例を説明する。処理装置1の各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記録媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0025】
図3は、処理装置1のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図3に示すように、処理装置1は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。処理装置1は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、処理装置1は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0026】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0027】
「機能構成」
次に、本実施形態の処理装置1の機能構成を詳細に説明する。
図1に、処理装置1の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、処理装置1は、状況情報生成部10と、遅延工程抽出部20と、推定部30と、アドバイス情報生成部40とを有する。
【0028】
状況情報生成部10は、画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成する。
【0029】
まず、本実施形態の「工程」について説明する。本実施形態では、現場で複数の工程が行われる。各工程の定義の仕方は様々であり、特段制限されない。例えば、工程の一例として、部品Xの組み立て工程、部品Xの検査工程、部品Xの清掃工程、梱包工程等が例示される。複数の工程は、
図4に示すように、順次実行されるものであってもよい。この場合、先に行われる工程の進捗が後に行われる工程の進捗に影響する。また、複数の工程は、
図5に示すように、各々が独立した工程であってもよい。この場合、各工程の進捗は他の工程の進捗に影響しない。
【0030】
各工程は、
図6に示すように、1つ又は複数の作業を含む。例えば、A工程では、作業p、作業q、作業r及び作業sをこの順に行う。また、B工程では、作業t及び作業uをこの順に行う。各作業の定義の仕方は様々であり、特段制限されない。例えば、作業の一例として、基板に部品Yを取り付ける作業、はんだ付け作業等が例示される。
【0031】
本実施形態では、工程単位で人員の配置が行われる。各工程には所定人数(1人以上)の人員が配置される。
【0032】
次に、「状況情報」について説明する。状況情報は、各工程の進捗状況を示す情報と、各工程の作業状況を示す情報とを含む。
【0033】
進捗状況を示す情報は、その時点における各工程の進捗を示す。あらゆる情報で進捗を示すことができる。
図7に、進捗を示す状況情報の一例を示す。図示する情報は、工程ID(identifier)と、サイクル数と、実行中作業と、予測サイクル数と、目標サイクル数とを含む。
【0034】
「工程ID」の欄は、複数の工程を互いに識別するための識別情報を示す。
【0035】
「サイクル数」の欄は、その時点で実行済のサイクル数を示す。例えば、各工程の作業員が、各工程を構成する1つ又は複数の作業を繰り返し行う場合、繰り返し行った回数がサイクル数となる。
図6に示すA工程の場合、作業p、作業q、作業r及び作業sをこの順に1回行うごとに、サイクル数が1増える。
【0036】
「実行中作業」の欄は、その時点で実行中の作業を示す。
図6に示すA工程の場合、作業p、作業q、作業r及び作業sの中のいずれかが、実行中作業となる。そして、
図7では、作業qが実行中であることが示されている。
【0037】
「予測サイクル数」の欄は、終業タイミングまでに実行されるサイクル数の予測値を示す。
【0038】
「目標サイクル数」の欄は、終業タイミングまでに実行されるサイクル数の目標値を示す。当該値は、予め決定された値である。
【0039】
作業状況を示す情報は、その時点までに行われた作業の状況を示す。あらゆる情報で作業の状況を示すことができる。
図8に、作業状況を示す状況情報の一例を示す。図示する情報は、工程IDと、作業員と、作業時間と、異常発生回数とを含む。
【0040】
「工程ID」の欄は、複数の工程を互いに識別するための識別情報を示す。
【0041】
「作業員」の欄は、各工程を担当している作業員を示す。
【0042】
「作業時間」の欄は、各工程に含まれる各作業に要した時間の統計値(平均値、最大値、最小値、中央値、最頻値等)や、1サイクルに要した時間の統計値を示す。
図8の例の場合、A工程の作業pに要した時間は30秒であり、作業qに要した時間は12秒であり。作業rに要した時間は40秒であり、1サイクルに要した時間は2分11秒であることが分かる。
【0043】
「異常発生回数」の欄は、それまでに起きた各異常の回数を示す。
図8の例の場合、A工程では、それまでに順序ミスが1回、離席が2回発生していることが分かる。
【0044】
次に、
図7や
図8に示すような状況情報を生成する処理について説明する。状況情報生成部10は、
図9に示すように、画像取得部11と、作業認識部12と、作業分析部13とを有する。これらの機能部により、状況情報の生成が実現される。
【0045】
画像取得部11は、画像を取得する。本実施形態では、カメラにより、各工程の状況が撮影されている。画像取得部11は、当該カメラが生成した画像をリアルタイムに取得する。カメラが生成した画像をリアルタイムに取得する構成は、周知のあらゆる技術を利用して実現される。
【0046】
カメラは、所定位置に固定された定点カメラであってもよい。その他、カメラは、作業員が装着したウェアラブルカメラであってもよい。その他、カメラは、自律移動機構を備えたロボットが備えるカメラであってもよい。カメラは、動画像を連続的に撮影してもよいし、所定のタイミングで静止画像を撮影してもよい。
【0047】
カメラは、各工程の状況を示す任意の撮影対象を撮影するように構成される。撮影対象は、作業員、作業員の手元、作業対象物(部品や製品等)、道具、作業台等が例示されるが、これらに限定されない。
【0048】
作業認識部12は、画像取得部11が取得した画像を解析し、その画像を撮影した時点で行われている作業を認識する。
【0049】
例えば、予め、複数の作業各々を行っている時の作業対象物の外観の特徴、作業台の特徴、作業対象物の周囲の特徴、作業対象物の位置の特徴、作業員の手元の特徴、利用される道具等が登録されている。作業認識部12は、画像を検索し、これらの特徴を検出することで、各画像を撮影した時点で行われている作業を認識することができる。
【0050】
作業分析部13は、作業認識部12による認識結果に基づき、状況情報を生成する。そして、作業分析部13は、状況情報をリアルタイムに更新することができる。
【0051】
例えば、作業分析部13は、作業認識部12による認識結果に基づき、
図7に示す状況情報の「実行中作業」の欄を更新することができる。上述の通り、作業認識部12による認識結果により、最新の画像を撮影した時点で行われている作業が認識される。
【0052】
また、作業分析部13は、各工程で行われる1つ又は複数の作業の中の最後に行われる作業が終了する毎に、
図7に示す状況情報の「サイクル数」の欄の数を1カウントアップすることができる。なお、「最後に行われる作業が終了」に加えて、「その前に行われるべき複数の作業が所定の順で行われた」等を1カウントアップの条件にすることで、より精度よく、サイクル数をカウントすることができる。上述の通り、作業認識部12による認識結果により、最新の画像を撮影した時点で行われている作業が認識される。この認識結果の履歴に基づき、所定の作業の終了や、所定の複数の作業が所定の順で行われたことの認識が実現される。
【0053】
また、作業分析部13は、作業認識部12による認識結果に基づき、各サイクル時に各作業に要した時間を算出することができる。そして、作業分析部13は、その結果を統計処理して、
図8に示す状況情報の「作業時間」の欄を更新することができる。上述の通り、作業認識部12による認識結果により、最新の画像を撮影した時点で行われている作業が認識される。この認識結果の履歴に基づき、各作業の開始タイミングや終了タイミングが特定される。例えば、認識結果が作業pから作業qに切り替わったタイミングが、作業pの終了タイミングかつ作業qの開始タイミングとして特定される。そして、作業分析部13は、各作業の開始タイミングから終了タイミングまでの時間を、各作業に要した時間として算出することができる。また、各作業が複数回実行された場合には、作業分析部13は、複数回の作業時間の統計値(平均値、最大値、最小値、中央値、最頻値等)を、各作業の作業時間として算出することができる。さらに、作業分析部13は、各作業の作業時間を合計して、1サイクルに要する時間を算出することができる。
【0054】
さらに、作業分析部13は、当該作業時間の欄の値に基づき、
図7に示す状況情報の「予測サイクル数」の欄を更新することができる。以下、処理一例を説明するが、これに限定されない。
【0055】
まず、作業分析部13は、
図8に示す状況情報の「作業時間」で示される各作業に要する時間と、残りの作業時間(現時点から終業タイミングまでの時間)とに基づき、残りの作業時間で実行可能なサイクル数を算出する。
【0056】
最初に、作業分析部13は、その時点で実行中のサイクルの終了に要する時間を算出する。実行中のサイクルは、「実行中作業」で示される作業以降の作業の完了により終了する。例えば、
図6に示すA工程において、実行中作業が作業qである場合、作業qと作業rと作業sの完了により、実行中のサイクルが終了する。この場合、実行中のサイクルが終了するまでに要する時間は、例えば作業qと作業rと作業sに要する時間の合計となる。各作業に要する時間は、例えば
図8に示す状況情報の「作業時間」で示される時間である。なお、その時点で実行中の作業は、ある程度作業が進んでいることが考えられる。このため、その時点で実行中の作業に要する時間は、
図8に示す状況情報の「作業時間」で示される時間から任意の時間を引いた時間としてもよい。
【0057】
次いで、作業分析部13は、「残りの作業時間(現時点から終業タイミングまでの時間)」から「実行中のサイクルが終了するまでに要する時間」を引いた時間を「1サイクルに要する時間」で割った時の商を求める。予め、作業分析部13は、予め登録されている終業時刻に基づき、残りの作業時間を算出する。そして、作業分析部13は、当該商+1を、残りの作業時間で実行可能なサイクル数として求める。「+1」は、実行中のサイクルの完了に応じたものである。最後に、作業分析部13は、
図7に示す状況情報の「サイクル数」の値(これまでに実行したサイクル数)と、上記商+1(残りの作業時間で実行されるサイクル数の予測値)とを足し合わせた値を、予測サイクル数とすることができる。
【0058】
また、作業分析部13は、作業認識部12の認識結果、及び画像取得部11が取得した画像の解析結果の少なくとも一方に基づき、予め定義された異常の発生を検出することができる。そして、検出結果に基づき、
図8に示す状況情報の「異常発生回数」の欄を更新することができる。
【0059】
異常の種類は様々であり、現場毎に定義できる。本実施形態の例では、「作業漏れ」、「順序ミス」、「離席」等が、異常の一種として定義される。
【0060】
「作業漏れ」は、一連の作業の中で所定の作業が行われない異常である。例えば、
図6に示すように、A工程では作業p、作業q、作業r及び作業sがこの順に行われることが定義されている中で、作業qを飛ばし、作業p、作業r及び作業sがこの順に行われた場合、作業漏れとなる。上述の通り、作業認識部12による認識結果により、最新の画像を撮影した時点で行われている作業が認識される。この認識結果の履歴に基づき、作業漏れを検出することができる。
【0061】
「順序ミス」は、一連の作業の処理順が予め定義された順序と異なる異常である。例えば、
図6に示すように、A工程では作業p、作業q、作業r及び作業sがこの順に行われることが定義されている中で、作業p、作業r、作業q及び作業sがこの順に行われた場合、順序ミスとなる。上述の通り、作業認識部12による認識結果により、最新の画像を撮影した時点で行われている作業が認識される。この認識結果の履歴に基づき、順序ミスを検出することができる。
【0062】
「離席」は、作業員が作業場所から離れる異常である。作業分析部13は、画像解析で、作業員の離席を検出することができる。例えば、作業分析部13は、作業現場を撮影した画像内で作業員を検出できなくなった場合に、離席と判定してもよい。
【0063】
状況情報生成部10は、作業が行われている間、リアルタイムに、カメラが生成した画像を取得し、当該画像を解析し、状況情報を生成(更新)する。
【0064】
図1に戻り、遅延工程抽出部20は、複数の工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、状況情報に基づき抽出する。
【0065】
例えば、遅延工程抽出部20は、
図7の状況情報で示される予測サイクル数(進捗)が基準値(目標進捗)より少ない工程を、遅延工程として抽出することができる。基準値は、目標サイクル数(
図7参照)であってもよいし、目標サイクル数に基づき算出された値(例:目標サイクル数-α)であってもよい。
【0066】
他の例として、遅延工程抽出部20は、
図7の状況情報で示されるサイクル数(進捗)が各判断タイミングに応じた基準値(目標進捗)より少ない工程を、遅延工程として抽出してもよい。当該例では、判断タイミング毎に基準値が異なる。始業からの経過時間が大きくなるほど、基準値が大きくなる。予め始業からの経過時間と基準値との対応関係を示したテーブルが用意されてもよいし、始業からの経過時間から基準値が算出される演算式が用意されてもよいし、その他の情報が用意されてもよい。遅延工程抽出部20は、これらの情報に基づき、現時点(判断タイミング)に応じた基準値を特定する。
【0067】
推定部30は、遅延工程の進捗が目標進捗より遅れている原因を、状況情報に基づき推定する。
【0068】
予め、複数の原因各々が定義されるとともに、各原因で進捗が目標進捗よりも遅れている時に状況情報に現れる特徴が処理装置1に登録されている。推定部30は、状況情報に上記所定の特徴が現れていることを検出することで、遅延工程の進捗が目標進捗より遅れている原因を特定する。以下、原因及び特徴の一例を説明する。
【0069】
-推定例1-
推定部30は、状況情報で示される遅延工程に要している作業時間が、基準作業時間より多く、かつ、過去の実績情報で示される他の複数の作業員各々が実行した場合の当該遅延工程に要する作業時間と基準作業時間との関係が所定条件を満たす場合、遅延工程をその時点で実行している作業員の能力を、遅延工程の進捗が目標進捗から遅れている原因と推定する。
【0070】
「所定条件」は、所定数以上、又は所定割合以上の作業員のその工程(遅延工程)における作業時間が基準作業時間よりも少ないこと、である。
【0071】
すなわち、当該例では、所定数以上、又は所定割合以上の作業員のその工程(遅延工程)における作業時間(過去の実績情報で示される値)が基準作業時間よりも少ないにも関わらず、その工程(遅延工程)をその時点で実行している作業員のその工程(遅延工程)における作業時間が基準作業時間よりも多い場合、推定部30は、その工程(遅延工程)をその時点で実行している作業員の能力を、その工程(遅延工程)の進捗が目標進捗から遅れている原因と推定する。
【0072】
当該例で、基準作業時間と比較される「状況情報で示される遅延工程に要している作業時間」は、各作業に要する時間であってもよいし、1サイクルに要する時間であってもよい。
【0073】
基準作業時間と比較される「状況情報で示される遅延工程に要している作業時間」が各作業に要する時間である場合、作業毎に基準作業時間が定められる。そして、「各工程に含まれる作業の中の少なくとも1つの作業」、「各工程に含まれる作業の中の所定数以上の作業」又は「各工程に含まれる作業の中の所定割合以上の作業」において、作業時間が基準作業時間よりも多い場合に、上記「状況情報で示される遅延工程に要している作業時間が、基準作業時間より多く」という条件を満たすこととなる。
【0074】
一方、基準作業時間と比較される「状況情報で示される遅延工程に要している作業時間」は、1サイクルに要する時間である場合、各工程の1サイクルに要する時間が基準作業時間として定められる。そして、各工程の1サイクルに要する時間が基準作業時間よりも多い場合に、上記「状況情報で示される遅延工程に要している作業時間が、基準作業時間より多く」という条件を満たすこととなる。
【0075】
なお、当該例を採用する場合、
図10に示すように、複数の作業員各々が各作業に要する時間の実績を示す過去の実績情報が処理装置1に記憶されている。過去の実績情報は、過去の実績(各作業に要した時間)の統計値(平均値、最大値、最小値、中央値、最頻値等)を示す。当該過去の実績情報は、状況情報生成部10が生成する状況情報に基づき随時更新される。
【0076】
-推定例2-
推定部30は、状況情報で示される遅延工程に要している作業時間が、基準作業時間よりも多く、かつ、過去の実績情報で示される他の複数の作業員各々が実行した場合の当該遅延工程に要する作業時間と基準作業時間との関係が所定条件を満たさない場合、基準作業時間の過小見積もりによる目標進捗の過大見積もりを、遅延工程の進捗が目標進捗から遅れている原因と推定する。
【0077】
「所定条件」は、所定数以上、又は所定割合以上の作業員のその工程(遅延工程)における作業時間が基準作業時間よりも少ないこと、である。
【0078】
すなわち、当該例では、その工程(遅延工程)をその時点で実行している作業員のその工程(遅延工程)における作業時間が基準作業時間よりも多く、かつ、所定数以上、又は所定割合以上の作業員のその工程(遅延工程)における作業時間(過去の実績情報で示される値)が基準作業時間よりも多い場合、推定部30は、その工程(遅延工程)の基準作業時間の過小見積もりによる目標進捗の過大見積もりを、遅延工程の進捗が目標進捗から遅れている原因と推定する。
【0079】
-推定例3-
推定部30は、状況情報において所定の異常の発生が示されている場合、所定の異常の発生を、遅延工程の進捗が目標進捗から遅れている原因と推定する。その他、推定部30は、状況情報において所定回数以上、所定の異常の発生が示されている場合、所定の異常の発生を、遅延工程の進捗が目標進捗から遅れている原因と推定してもよい。
【0080】
図1に戻り、アドバイス情報生成部40は、遅延工程以外の工程の進捗と、遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成する。
【0081】
なお、アドバイス情報生成部40は、遅延工程抽出部20により遅延工程が抽出された場合に、アドバイス情報を生成してもよい。そして、アドバイス情報生成部40は、遅延工程抽出部20により遅延工程が抽出されていない場合には、アドバイス情報を生成しなくてもよい。
【0082】
アドバイス情報生成部40は、「他の工程の作業員が遅延工程を補助することを示すアドバイス情報」又は「他の工程の作業員と遅延工程の作業員の配置を入れ替えることを示すアドバイス情報」を作成することができる。
【0083】
-他の工程の作業員が遅延工程を補助することを示すアドバイス情報-
アドバイス情報生成部40は、遅延工程以外の工程の中に、進捗が目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程がある場合、前倒し工程の作業員が遅延工程を補助するアドバイス情報を生成する。補助の場合、それまで遅延工程を担当していた作業員と補助する作業員とを含む複数の作業員により、遅延工程を行うこととなる。
【0084】
上記「基準」は設計的事項である。例えば、アドバイス情報生成部40は、
図7の状況情報で示される予測サイクル数(進捗)が基準値(目標進捗)より基準(所定の数。例えば5。)以上多い工程を、前倒し工程として抽出することができる。
【0085】
当該例の場合、アドバイス情報生成部40は、遅延工程の状況を示す状況情報に基づき、前倒し工程の作業員が遅延工程の補助を継続する継続時間を決定し、決定した継続時間を示すアドバイス情報を生成してもよい。
【0086】
例えば、アドバイス情報生成部40は、補助中における遅延工程の各作業に要する作業時間を算出した後、算出した作業時間に基づき、所定サイクル数を実行するまでに要する時間を算出する。そして、アドバイス情報生成部40は、算出した所定サイクル数を実行するまでに要する時間を、上記継続時間として決定する。補助中における遅延工程の各作業に要する作業時間は、例えば、遅延工程の状況を示す状況情報(
図8参照)で示される作業時間を補正する形で算出することができる。遅延工程の状況を示す状況情報(
図8参照)で示される作業時間は、それまで遅延工程を担当していた作業員によるその日の実績値である。この作業時間を、補助に応じた分だけ減らす補正により、補助中における遅延工程の各作業に要する作業時間を算出することができる。
【0087】
補正は、予め定められた減算値を減らすものであってもよい。また、減算値は、遅延工程を補助する作業員に応じて定められてもよい。この場合、減算値は、遅延工程を補助する作業員がその遅延工程を行う場合の作業時間(過去の実績情報(
図10参照)で示される作業時間)に応じて決定されてもよい。遅延工程を補助する作業員がその遅延工程を行う場合の作業時間が小さいほど、より大きい減算値が決定される。
【0088】
継続時間の決定に関係する上記「所定サイクル数」は、任意の手段で決定できる。例えば、所定サイクル数は、状況情報(
図7参照)で示される予測サイクル数と目標サイクル数との差に基づき算出されてもよい。この場合、差が大きいほど、多い所定サイクル数が決定される。
【0089】
-他の工程の作業員と遅延工程の作業員の配置を入れ替えることを示すアドバイス情報-
アドバイス情報生成部40は、遅延工程以外の工程の中に、進捗が目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程がない場合、遅延工程の作業員を配置する工程と、遅延工程以外のいずれかの工程の作業員を配置する工程と、を入れ替えるアドバイス情報を生成する。入れ替えの場合、それまで遅延工程を担当していた作業員は他の工程を行うこととなる。そして、新たに遅延工程に配置された作業員が、遅延工程を行うこととなる。
【0090】
入れ替えの対象となる作業員は、任意の手段で決定することができる。例えば、過去の実績情報(
図10参照)において、遅延工程の作業時間が所定条件を満たす(例:閾値以下、複数の作業員の中で最も少ない等)作業員が、入れ替えの対象として決定されてもよい。その他、複数の作業員の中からランダムに、入れ替えの対象が決定されてもよい。
【0091】
また、過去の実績情報(
図10参照)において、遅延工程の作業時間が示されていない作業員、すなわち遅延工程の作業を経験したことがない作業員は、入れ替えの対象から除外してもよい。すなわち、過去の実績情報(
図10参照)において、遅延工程の作業時間が示されている作業員、すなわち遅延工程の作業を経験したことがある作業員の中から、入れ替えの対象となる作業員が決定されてもよい。
【0092】
その他、作業員のデータベースにおいて、各作業員が実行可能な工程が示されていてもよい。この場合、当該データベースにおいて、遅延工程の実行が可能なことが示されている作業員の中から、入れ替えの対象となる作業員が決定されてもよい。
【0093】
当該例の場合、アドバイス情報生成部40は、遅延工程の状況を示す状況情報に基づき、作業員の配置の入れ替えを継続する継続時間を決定し、決定した継続時間を示すアドバイス情報を生成してもよい。
【0094】
例えば、アドバイス情報生成部40は、入れ替え中における遅延工程の各作業に要する作業時間を算出した後、算出した作業時間に基づき、所定サイクル数を実行するまでに要する時間を算出する。そして、アドバイス情報生成部40は、算出した時間を、上記継続時間として決定する。入れ替え中における遅延工程の各作業に要する作業時間は、例えば、過去の実績情報(
図10参照)で示されるその作業員がその遅延工程を行う場合の作業時間とすることができる。
【0095】
継続時間の決定に関係する上記「所定サイクル数」は、任意の手段で決定できる。例えば、所定サイクル数は、状況情報(
図7参照)で示される予測サイクル数と目標サイクル数との差に基づき算出されてもよい。この場合、差が大きいほど、多い所定サイクル数が決定される。
【0096】
ところで、配置を入れ替える場合、「実行中の作業が終了した切りのいいタイミング」、例えば1サイクルが終了したタイミングで次の作業員に引き継ぐことが好ましい。この場合、配置を入れ替えるタイミングが適切でないと、一方の「実行中の作業が終了した切りのいいタイミング」が他方の「実行中の作業が終了した切りのいいタイミング」よりもかなり早くなり、一方の作業員において、入れ替えまでの待ち時間(時間の無駄)が多くなってしまう。
【0097】
当該不都合を解消するため、アドバイス情報生成部40は、配置する工程を入れ替える2人の作業員各々が現在実行中の作業の進捗に基づき、配置を入れ替えるタイミングを示すアドバイス情報を生成してもよい。
【0098】
アドバイス情報生成部40は、作業員の配置を入れ替える工程各々のサイクルが終了する終了タイミングを予測し、互いの終了タイミングの差が基準値以下となる時を、配置を入れ替えるタイミングとして決定する。
【0099】
ここで、終了タイミングを予測する処理について説明する。アドバイス情報生成部40は、
図7の状況情報で示される「実行中作業」と、
図8の状況情報で示される「作業時間」とに基づき、終了タイミングを予測することができる。まず、アドバイス情報生成部40は、実行中のサイクルの終了タイミングを、次のようにして予測することができる。すなわち、アドバイス情報生成部40は、実行中作業よりも後に実行される作業に要する時間として、
図8の状況情報で示される各作業の作業時間を取得する。そして、アドバイス情報生成部40は、実行中作業に要する時間として、
図8の状況情報で示されるその作業の作業時間以下の任意の値を決定する。これは、実行中作業はある程度作業が進んでいることを想定した処理である。例えば、アドバイス情報生成部40は、
図8の状況情報で示されるその作業の作業時間の所定割合を、実行中作業に要する時間として算出してもよい。そして、アドバイス情報生成部40は、実行中作業よりも後に実行される作業に要する時間と、実行中作業に要する時間の合計(現在実行中のサイクルを終了するために必要な時間)を、実行中のサイクルの終了に要する時間として算出する。次いで、アドバイス情報生成部40は、現在時刻と算出した実行中のサイクルの終了に要する時間とに基づき、実行中のサイクルの終了タイミングを算出する。以降は、そのタイミングから所定時間(
図8の状況情報で示される1サイクルに要する作業時間)を経過した時点を、サイクルを終了する終了タイミングとして算出する。
【0100】
以上により、
図11に示すように、例えばA工程のサイクルの終了タイミング(作業sが終了したタイミング)と、B工程のサイクルの終了タイミング(作業uが終了したタイミング)とが算出される。アドバイス情報生成部40は、このような算出結果に基づき、互いの終了タイミングの差が基準値以下となる時(かつ、最も早いタイミング)を、配置を入れ替えるタイミングとして決定する。
【0101】
例えば、
図11の例において、基準値が「30秒」である場合、A工程においては13時32分15秒におけるサイクルの終了タイミングが入れ替えタイミングとなり、B工程においては13時32分40秒におけるサイクルの終了タイミングが入れ替えタイミングとなる。すなわち、aさんは13時32分15秒におけるサイクルの終了タイミングでA工程の作業を終了し、入れ替えの準備を開始する。また、bさんは13時32分40秒におけるサイクルの終了タイミングでB工程の作業を終了し、入れ替えの準備を開始する。
【0102】
ここで、
図12に、アドバイス情報生成部40が生成するアドバイス情報の一例をまとめた表を示す。なお、ここでの例示はあくまで一例であり、アドバイス情報生成部40が生成するアドバイス情報は、
図12に示すものに限定されない。
【0103】
図12の例では、遅延工程以外の工程の進捗(図中、「他工程の進捗」)と、遅延工程の進捗が遅れている原因(図中、「原因」)とに応じて生成される各種アドバイス情報の内容が示されている。
【0104】
遅延工程以外の工程の中に、進捗が目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程があり、かつ、遅延の原因が遅延工程を担当している作業者の能力と判定された場合、アドバイス情報生成部40は、他工程(前倒し工程)の作業員が遅延工程を補助するアドバイス情報を生成する。
【0105】
また、遅延工程以外の工程の中に、進捗が目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程があり、かつ、遅延の原因が目標進捗の過大見積もりと判定された場合、アドバイス情報生成部40は、他工程(前倒し工程)の作業員が遅延工程を補助することを示すとともに、目標進捗の見直しを提案するアドバイス情報を生成する。
【0106】
また、遅延工程以外の工程の中に、進捗が目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程があり、かつ、遅延の原因が異常の発生と判定された場合、アドバイス情報生成部40は、他工程(前倒し工程)の作業員が遅延工程を補助することを示すとともに、監督者に発生した異常の確認を促すアドバイス情報を生成する。
【0107】
また、遅延工程以外の工程の中に、進捗が目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程がなく、かつ、遅延の原因が遅延工程を担当している作業者の能力と判定された場合、アドバイス情報生成部40は、遅延工程の作業員と他工程の作業員の配置を入れ替えるアドバイス情報を生成する。
【0108】
また、遅延工程以外の工程の中に、進捗が目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程がなく、かつ、遅延の原因が目標進捗の過大見積もりと判定された場合、アドバイス情報生成部40は、遅延工程の作業員と他工程の作業員の配置を入れ替えることを示すとともに、目標進捗の見直しを提案するアドバイス情報を生成する。
【0109】
また、遅延工程以外の工程の中に、進捗が目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程がなく、かつ、遅延の原因が異常の発生と判定された場合、アドバイス情報生成部40は、遅延工程の作業員と他工程の作業員の配置を入れ替えることを示すとともに、監督者に発生した異常の確認を促すアドバイス情報を生成する。
【0110】
生成されたアドバイス情報は、所定の手段で出力される。例えば、監督者閲覧用の端末装置に、アドバイス情報が出力される。
【0111】
次に、処理装置1が出力する画面の一例を説明する。
【0112】
図13は、作業中に出力される画面の一例である。主に、監督者が閲覧することを想定した画面である。
【0113】
まず、左下のプルダウンメニューにより、所定のラインが選択可能となっている。当該例では、
図14に示すように、現場には複数のラインが設けられる。そして、各ラインは、1つ又は複数の工程で構成される。
【0114】
「生産数予測グラフ」の欄には、各タイミングで算出された終業時点の各ラインの生産数の予測数の推移が示される。10時に対応する値は、10時の時点で算出された終業時点の生産数の予測数であり、11時に対応する値は、11時の時点で算出された終業時点の生産数の予測数である。
【0115】
生産数の予測数を算出する手法は特段制限されず、あらゆる手法を採用できる。例えば、上述した
図7の状況情報で示される予測サイクル数を、工程別の生産数の予測数とすることができる。そして、
図4に示すように、複数の工程が順次行われる場合、最後の工程の生産数の予測数を、各ラインの生産数の予測数として算出することができる。
【0116】
「カメラ映像」の欄には、画像取得部11が取得した画像が表示される。ライブ映像が表示されてもよい。なお、各ラインにおいて、複数のカメラで撮影が行われている場合、任意のユーザ入力により、表示される画像が切り替わってもよい。
【0117】
「状況」の欄には、各ラインに含まれる1つ又は複数の工程の状況が示される。状況の欄の表示は、上述した状況情報(
図7、8参照)に基づき実現される。図示する例では、工程別に、各工程を担当している作業員の氏名、その時点における作業完了数(
図7に示す「サイクル数」に対応)、その時点で算出された終業タイミングでの予測完了数(
図7に示す「予測サイクル数」に対応)が示されている。また、各工程の枠の表示が、各工程の進捗に応じた表示となっている。図示する例では、各工程の進捗が、「計画通り(予測サイクル数と目標サイクル数の差が基準値未満)」、「余剰あり(予測サイクル数が目標サイクル数よりも基準値以上多い)」、「異常発生(
図8の状況情報で異常の発生が示されている)」及び「作業遅れ中(予測サイクル数が目標サイクル数よりも基準値以上少ない)」の4つに分類されている。
【0118】
右下の欄には、アドバイス情報生成部40が生成したアドバイス情報が表示される。図示するように、アドバイス情報の出力時刻と、アドバイス情報の内容と、補助や入れ替えが必要となった原因(D工程に遅れ発生、C工程に異常発生等)とが互いに紐付けて表示されている。また、アドバイス情報は、補助や入れ替えが必要となった遅延工程がどの程度遅延しているかを示す情報を含んでもよい。当該情報としては、
図7の状況情報で示される予測サイクル数と目標サイクル数との差等が例示される。
【0119】
図15は、作業開始前に出力される画面の一例である。主に、監督者が閲覧することを想定した画面である。当該画面を介して、作業開始前の人員配置や生産数の目標設定等が行われる。
【0120】
「生産目標数入力」の欄では、作業日毎に、各ラインの生産目標数が入力される。入力は、セルを指定した値の入力であってもよいし、ファイルからの読み込みであってもよい。
【0121】
「作業員出勤可否入力」の欄では、作業日毎に、各作業員の出勤可否が入力される。入力は、セルを指定した値の入力であってもよいし、ファイルからの読み込みであってもよい。
【0122】
「人員配置」の欄では、作業日毎に、各作業員に担当させる工程(ライン)が入力される。ユーザが、セルを指定し、値を入力してもよい。その他、コンピュータが「生産目標数入力」の欄の値と「作業員出勤可否入力」の欄の値とに基づき、各作業員に担当させる工程(ライン)を決定し、人員配置の欄に入力してもよい。
【0123】
コンピュータによる各作業員に担当させる工程(ライン)の決定は、周知のあらゆる技術を採用して実現される。例えば、過去の実績情報(
図10参照)で示される各作業員の各作業に要する作業時間に基づき、各作業員を各工程に配置した場合の各ラインの予測生産数を算出する。そして、各ラインの予測生産数と生産目標数との差の合計値を最小化するように、各ラインに配置する作業員を決定する。
【0124】
「予測生産数」の欄では、作業日毎に、各ラインの予測生産数が示される。コンピュータが「人員配置」の欄の値と、過去の実績情報(
図10参照)で示される各作業員の各作業に要する作業時間とに基づき、各作業員を各工程に配置した場合の各ラインの予測生産数を算出する。
【0125】
当該情報により、ユーザは、進捗の遅延が起きそうな工程を予め把握することができる。例えば、
図15の例の場合、2022年6月3日のライン2は、生産目標数に対する予測生産数が「-8」となっている。このことから、ユーザは、2022年6月3日のライン2は、進捗の遅延が起きる可能性のあるラインとして把握することができる。
【0126】
「人員配置(代替案)」の欄では、人員配置の他の案が表示される。人員配置(代替案)は、コンピュータが「生産目標数入力」の欄の値と「作業員出勤可否入力」の欄の値とに基づき算出した複数の人員配置案の中の1つである。
【0127】
次に、
図16のフローチャートを用いて、処理装置1の処理の流れの一例を説明する。
図16は、作業中に適切に人員の再配置を行うための処理であり、作業中に行われる。作業開始前に、例えば
図15の画面等を介して、最初の人員の配置が決定され、当該決定に従い、各作業員が各工程に配置されている。
【0128】
まず、処理装置1は、各工程の状況を示す画像を取得すると(S10)、当該画像を解析し、各工程の状況を示す状況情報を生成する(S11)。例えば、処理装置1は、
図7に示すように進捗状況を示す状況情報や、
図8に示すように作業状況を示す状況情報を生成する。
【0129】
次いで、処理装置1は、S11で生成された最新の状況情報に基づき、複数の工程の中から、進捗が目標進捗より遅れている遅延工程を抽出する処理を行う(S12)。
【0130】
そして、S12で遅延工程が抽出された場合(S13のYes)、処理装置1は、S11で生成された最新の状況情報に基づき、遅延工程の進捗が遅れている原因を推定する(S14)。次いで、処理装置1は、遅延工程以外の工程の進捗と、遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成する(S15)。例えば、処理装置1は、
図12に示すようなアドバイス情報を生成する。
【0131】
そして、処理装置1は、生成したアドバイス情報を出力する(S16)。例えば、処理装置1は、
図13に示すような各ラインや各工程の状況を示す画面を常時表示している。そして、処理装置1は、当該画面上で(例えば、右下の欄)、アドバイス情報を表示する。なお、S12で遅延工程が抽出されなかった場合(S13のNo)、S14乃至S16の処理は実行されない。
【0132】
「作用効果」
本実施形態の処理装置1は、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を抽出した場合、遅延工程以外の工程の進捗と、遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成することができる。このように、作業中に実際に起きている状況を考慮してアドバイス情報を生成することができるので、最適な人員配置を提案することが可能となる。
【0133】
また、遅延工程以外の工程の進捗を考慮して複数の工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成することができるので、人員の再配置により、遅延工程以外の工程の進捗が大きく遅れてしまうという不都合を抑制できる。
【0134】
また、人員の補助や配置の入れ替えを行う継続時間を算出し、提案することができるので、人員の補助や配置の入れ替えを不必要に長く行うことで遅延工程以外の工程の進捗が大きく遅れてしまうという不都合の発生を抑制できる。
【0135】
また、人員の配置の入れ替えを行う場合、入れ替えを行う最適なタイミングを提案することができるので、入れ替え時に一方が他方の作業終了を待つことによる時間の無駄を抑制することができる。
【0136】
<変形例>
次に、上記実施形態に適用可能な変形例を説明する。
【0137】
上記実施形態では、アドバイス情報は、例えば、監督者閲覧用の端末装置に出力された。変形例として、アドバイス情報は、作業員閲覧用の端末装置に出力されてもよい。作業員閲覧用の端末装置は、各工程の作業場に設置されていてもよい。この場合、処理装置1は、入れ替えや補充の処理の対象となった工程に設置された作業員閲覧用の端末装置に、アドバイス情報を出力してもよい。そして、処理装置1は、入れ替えや補充の処理の対象となっていない工程に設置された作業員閲覧用の端末装置には、アドバイス情報を出力しなくてもよい。
【0138】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。上述した実施形態の構成は、互いに組み合わせたり、一部の構成を他の構成に入れ替えたりしてもよい。また、上述した実施形態の構成は、趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。また、上述した各実施形態や変形例に開示される構成や処理を互いに組み合わせてもよい。
【0139】
また、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施の形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施の形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施の形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0140】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成する状況情報生成手段と、
複数の前記工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、前記状況情報に基づき抽出する遅延工程抽出手段と、
前記遅延工程の進捗が遅れている原因を、前記状況情報に基づき推定する推定手段と、
前記遅延工程以外の前記工程の進捗と、前記遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の前記工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段と、
を有する処理装置。
2. 前記アドバイス情報生成手段は、
前記遅延工程以外の前記工程の中に、進捗が前記目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程がある場合、前記前倒し工程の作業員が前記遅延工程を補助する前記アドバイス情報を生成する1に記載の処理装置。
3. 前記アドバイス情報生成手段は、
前記遅延工程の状況を示す前記状況情報に基づき、前記前倒し工程の作業員が前記遅延工程の補助を継続する継続時間を決定し、決定した継続時間を示す前記アドバイス情報を生成する2に記載の処理装置。
4. 前記アドバイス情報生成手段は、
前記遅延工程以外の前記工程の中に、進捗が前記目標進捗より基準以上進んでいる前倒し工程がない場合、前記遅延工程の作業員を配置する前記工程と、前記遅延工程以外のいずれかの前記工程の作業員を配置する前記工程と、を入れ替える前記アドバイス情報を生成する1から3のいずれかに記載の処理装置。
5. 前記アドバイス情報生成手段は、
配置する前記工程を入れ替える2人の作業員各々が現在実行中の作業の進捗に基づき、配置を入れ替えるタイミングを示す前記アドバイス情報を生成する4に記載の処理装置。
6. 前記工程各々の作業員は、前記工程各々を繰り返し実行し、
前記アドバイス情報生成手段は、
作業員の配置を入れ替える前記工程各々のサイクルが終了する終了タイミングを予測し、互いの前記終了タイミングの差が基準値以下となる時を、配置を入れ替えるタイミングとして決定する5に記載の処理装置。
7. 前記アドバイス情報生成手段は、
前記遅延工程の状況を示す前記状況情報に基づき、作業員の配置の入れ替えを継続する継続時間を決定し、決定した継続時間を示す前記アドバイス情報を生成する請求項4から6のいずれかに記載の処理装置。
8. 前記推定手段は、
前記状況情報で示される前記遅延工程に要している作業時間が、基準作業時間より多く、かつ、過去の実績情報で示される他の複数の作業員各々が実行した場合の前記遅延工程に要する作業時間と前記基準作業時間との関係が所定条件を満たす場合、前記遅延工程をその時点で実行している作業員の能力を、前記遅延工程の進捗が前記目標進捗から遅れている原因と推定し、
前記所定条件は、所定数以上、又は所定割合以上の作業員の作業時間が前記基準作業時間よりも少ないこと、である1から7のいずれかに記載の処理装置。
9. 前記推定手段は、
前記状況情報で示される前記遅延工程に要している作業時間が、基準作業時間よりも多く、かつ、過去の実績情報で示される他の複数の作業員各々が実行した場合の前記遅延工程に要する作業時間と前記基準作業時間との関係が所定条件を満たさない場合、前記基準作業時間の過小見積もりによる前記目標進捗の過大見積もりを、前記遅延工程の進捗が前記目標進捗から遅れている原因と推定し、
前記所定条件は、所定数以上、又は所定割合以上の作業員の作業時間が前記基準作業時間よりも少ないこと、である1から8のいずれかに記載の処理装置。
10. 前記推定手段は、
前記状況情報において所定の異常の発生が示されている場合、前記所定の異常の発生を、前記遅延工程の進捗が前記目標進捗から遅れている原因と推定する1から9のいずれかに記載の処理装置。
11. 1つ以上のコンピュータが、
画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成し、
複数の前記工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、前記状況情報に基づき抽出し、
前記遅延工程の進捗が遅れている原因を、前記状況情報に基づき推定し、
前記遅延工程以外の前記工程の進捗と、前記遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の前記工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成する、
処理方法。
12. コンピュータを、
画像解析の結果に基づき、複数の作業員により実行される複数の工程各々の状況を示す状況情報を生成する状況情報生成手段、
複数の前記工程の中から、進捗が目標進捗から遅れている遅延工程を、前記状況情報に基づき抽出する遅延工程抽出手段、
前記遅延工程の進捗が遅れている原因を、前記状況情報に基づき推定する推定手段、
前記遅延工程以外の前記工程の進捗と、前記遅延工程の進捗が遅れている原因とに基づき、複数の前記工程への人員の配置方法に関するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0141】
1 処理装置
10 状況情報生成部
11 画像取得部
12 作業認識部
13 作業分析部
20 遅延工程抽出部
30 推定部
40 アドバイス情報生成部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス