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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003726
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】土壌改質剤
(51)【国際特許分類】
   C09K 17/46 20060101AFI20240105BHJP
   C09K 17/32 20060101ALI20240105BHJP
   C09K 17/12 20060101ALI20240105BHJP
   C02F 11/00 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
C09K17/46
C09K17/32 H
C09K17/12 H
C02F11/00 Z ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103081
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】503237161
【氏名又は名称】株式会社アースプロテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100095289
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友一
(72)【発明者】
【氏名】玉越 愛
【テーマコード(参考)】
4D059
4H026
【Fターム(参考)】
4D059AA09
4D059AA30
4D059BF20
4D059CC04
4D059DA03
4D059DA06
4D059DA08
4D059DA14
4D059DA17
4D059DA19
4D059DA23
4D059DA35
4D059DA38
4D059DA39
4D059DA41
4D059DA54
4D059DA55
4D059DA64
4D059DB08
4D059DB24
4D059EB11
4H026AA02
4H026AA03
4H026AA09
4H026AB02
(57)【要約】
【課題】塩分濃度の高い含水土壌や有機質の多い土壌をハンドリングが容易な粒状に改質可能な土壌改質剤をより安価に提供することができるとともに、生分解材料を利用することでマイクロプラスチックによる環境汚染問題を解決することを目的とする。
【解決手段】凝結効果及び吸水効果のあるメタケイ酸ナトリウムと、吸水性ポリマーを除く高分子とを含有させた土壌改質剤によれば、上記目的を達成できることを見出した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタケイ酸ナトリウムと、吸水性ポリマーを除く高分子とを含有することを特徴とする
土壌改質剤。
【請求項2】
粉末状のメタケイ酸ナトリウムを用いた
請求項1に記載の土壌改質剤。
【請求項3】
pH調整剤を含有することを特徴とする
請求項1に記載の土壌改質剤。
【請求項4】
メタケイ酸ナトリウムとpH調整剤とを、それぞれ0.1~50%含むことを特徴とする
請求項3に記載の土壌改質剤。
【請求項5】
高分子は、アニオン系高分子凝集剤や増粘性多糖類であることを特徴とする
請求項1に記載の土壌改質剤。
【請求項6】
高分子を0.1~10%含むことを特徴とする
請求項5に記載の土壌改質剤。
【請求項7】
無機粉末からなる分散剤を含有することを特徴とする
請求項1に記載の土壌改質剤。
【請求項8】
分散剤として炭酸カルシウム又はゼオライトを用いたことを特徴とする
請求項7に記載の土壌改質剤。
【請求項9】
塩分濃度が3%以上の含水土壌や有機質の多い土壌に用いたことを特徴とする
請求項1乃至8の何れかに記載の土壌改質剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主として塩分濃度の高い含水土壌、有機物を多く含む土壌、ヘドロ、海洋浚渫土を処理する土壌改質剤に関する。
【背景技術】
【0002】
津波や高潮被害、多雨による風水害、土石流によって発生した災害発生土、堆積土壌、建築汚泥、軟弱土壌のように水分を多く含んだ土壌について、篩等を用いて土壌に含まれる草木、石、廃材等の廃棄物を取り除いて再利用したり、重機等を用いて運搬・撤去処理をスムーズに行ったりするために、対象の土壌に予め土壌改質剤を撒いて、ハンドリングが容易な細かい粒状となるように改質する場合がある。
【0003】
含水量の多い土壌を上記のようにハンドリング容易な粒状に処理する処理剤としては、吸水性ポリマーと高分子凝集剤と分散剤とを含む特許文献1に記載の土壌改質剤や、カルシウムアルミネート粉末、石膏粉末、消石灰粉末、シリカ粉末、吸水性ポリマーとを含む特許文献2に記載の土壌改質剤が従来公知であり、これらの土壌改質剤を用いることによって、含水量の多い土壌を、撤去・運搬作業や土壌内の廃棄物の除去作業に適した粒状の処理土へと改質することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-6614号公報
【特許文献2】特許第6993185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献の土壌改質剤によれば、水分を多く含んだ土壌であっても容易に撤去・運搬作業や、廃棄物の除去作業が容易な処理土へと改質することができるものであるが、例えば、対象の土壌が津波や高潮被害、多雨による風水害、土石流等の災害発生土であって、所定以上の塩分を含んでいる場合には、土壌改質剤に含まれる吸水性ポリマーによる吸水性能が十全に発揮されず、土壌の改質効果をほとんど得ることができない場合がある他、近年問題視されているマイクロプラスチックによる環境汚染を促してしまう場合があるという課題があった。
【0006】
本発明は、塩分濃度の高い含水土壌や有機質の多い土壌をハンドリングが容易な粒状に改質可能な土壌改質剤をより安価に提供することができるとともに、生分解材料を利用することでマイクロプラスチックによる環境汚染問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、凝結効果及び吸水効果のあるメタケイ酸ナトリウムと、吸水性ポリマーを除く高分子として、凝集剤や天然由来の増粘性多糖類とを含有させた土壌改質剤によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0008】
[1]メタケイ酸ナトリウムと、吸水性ポリマーを除く高分子とを含有することを特徴とする土壌改質剤。
[2]粉末状のメタケイ酸ナトリウムを用いたことを特徴とする土壌改質剤。
[3]pH調整剤を含有する土壌改質剤。
[4]メタケイ酸ナトリウムとpH調整剤とを、それぞれ0.1~50%含む土壌改質剤。
[5]高分子は、アニオン系高分子凝集剤や増粘性多糖類である土壌改質剤。
[6]高分子を0.1~10%含む土壌改質剤。
[7]無機粉末からなる分散剤を含有する土壌改質剤。
[8]分散剤として炭酸カルシウム又はゼオライトを含む土壌改質剤。
[9]塩分濃度が3%以上の含水土壌や有機質の多い土壌に用いたことを特徴とする土壌改質剤。
【発明の効果】
【0009】
以上のように構成される本発明によれば、塩濃度の高い含水土壌を改質する土壌改質剤として、高分子にメタケイ酸ナトリウムを加えたものを用いることにより、粒子状の土壌へと改質する土壌改質剤としてより顕著な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】土壌改質剤と比較用改質剤の改質性能を比較した実験の実験結果を示した表図である
図2】各土壌改質剤を浚渫土に用いた場合の実験結果を示した表図である。
図3】田んぼの土(有機質の多い土壌)に対して土壌の改質効果を確認できる最高の含水率と最高の塩分濃度と最低の添加量とを組成比別に示した表図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書に記載の「%」は、特に規定しない限り質量基準である。
【0012】
本発明の実施形態に係る土壌改質剤は、メタケイ酸ナトリウム0.1~50%(さらに好ましくは8~16%)と、pH調整剤8~16%と、高分子0.1~10%(さらに好ましくは1.6~3.2%)と、分散剤64.8~82.4%とを含有し、全体として持ち運びが容易な粉状となっている。
【0013】
上記の土壌改質剤は、吸水性ポリマーを用いずに、メタケイ酸ナトリウム(と高分子)による凝結効果及び吸水効果を利用して、多くの水分を含んだ土壌をさらさら(パラパラ)の粒子状に改質するため、対象の土壌内に所定以上の塩分が含まれている場合でも、顕著な改質効果を発揮することができる。ちなみに、土壌内に含まれる水分に所定以上の濃度の塩分や有機質が含まれていると、水分の中に多く含まれるナトリウムイオンや有機質によって、吸水性ポリマーが水分を吸収してゲル化することが出来なくなるため、吸水性能が大幅に低下する。以下、土壌改質剤の各成分について説明する。
【0014】
(メタケイ酸ナトリウム)
メタケイ酸ナトリウムは、水分を多く含む土壌に混入することで凝結効果及び吸水効果を発揮する無機凝結性化合物の一種である。本願発明者らは、塩分濃度の高い含水土壌(泥土)や有機質の多い土壌をさらさら(パラパラ)の粒状に改質させる場合には、粉末状のメタケイ酸ナトリウム(特に、無水メタケイ酸ナトリウム)と高分子とを含有させることによって、他の無機凝結性化合物を含有させた場合と比較して顕著な土壌改質効果(凝結効果及び吸水効果)を発揮することを見出した。
【0015】
また、メタケイ酸ナトリウムの含有量は、土壌改質剤全体の0.1~50%が好ましいが、特に高含水土壌、高塩分土壌、ヘドロ、有機物を多く含む土壌を改質する場合には、8~16%程度がさらに好ましい。なお、メタケイ酸ナトリウムの含有量は、この範囲には限られず、土壌改質剤全体の質量に対して50%以上含んでいても良い。
【0016】
(pH調整剤)
pH調整剤は、メタケイ酸ナトリウムによってアルカリ性になる土壌改質剤のpHを調整可能なものであれば良く、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸及びそれらの誘導体、硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウムなどの硫酸塩、リン酸アンモニウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなどのリン酸塩、塩化アンモニウムなどの塩化物塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ドロマイト、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸塩及び炭素水素塩、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、アミルナなどの金属酸化物、酸性白土、活性白土などの酸性粘土であってもよい。
【0017】
また、pH調整剤の含有量は、メタケイ酸ナトリウムの含有量に合わせて調整し、土壌改質剤全体の8~16%程度にするのが好ましい。すなわち、メタケイ酸ナトリウムによってアルカリ性となる土壌改質剤が中性となるように含有量を調整している。
【0018】
なお、土壌改質剤のpHを酸性にしたい場合には、メタケイ酸ナトリウムに対するpH調整剤の含有量を増やし、土壌改質剤のpHをアルカリ性にしたい場合には、メタケイ酸ナトリウムに対するpH調整剤の含有量を減らす(加えない)ことで、土壌改質剤のpHを任意に調整することができる。すなわち、土壌改質剤は、通常は中性であるが、添加対象の土壌が酸性又はアルカリ性の場合、土質改質剤のpHを予め調整することによって、改質後の土壌のpHを中性、又は中性に近づけることができるようになる。
【0019】
(高分子)
高分子は、含水した土壌に作用して、吸水する化合物である。高分子としては、例えば、ポリアクリルアミド等の高分子凝集剤や、天然由来の増粘性多糖類が用いられるが、これに限られない。
【0020】
また、高分子の含有量は、土壌改質剤全体の0.1~10%が好ましい。なお、特に含水率が非常に高い(20~60%)土壌を改質する場合には、高分子の含有量は、土壌改質剤全体の1.6~3.2%程度の範囲にすることがさらに好ましい。
【0021】
(分散剤)
分散剤は、主に無機粉末であって、本発明で用いられる例としては、炭酸カルシウム、ゼオライト、石膏、石炭灰、珪藻土、火山灰、フライアッシュ、ペーパースラッジ等を粉末状にしたものがあげられるが、これらには限られない。この中でも、改質された土壌が塊状になり難くなる炭酸カルシウムや、ゼオライトの粉末がより好ましい。なお、分散剤としては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせてもよい。
【0022】
また、分散剤の含有量は、土壌改質剤全体の64.8~82.4%程度が好ましいが、この範囲には限られない。その一方で、粉末状の分散剤は、改質された土壌のコーン指数をより大きくする観点から、その粒径が2.5~1000μm程度のものが好ましい。
【0023】
上述した本実施形態に係る粉状の土壌改質剤は、例えば、メタケイ酸ナトリウムと、pH調整剤、高分子と、炭酸カルシウムとをミキサ等で混ぜることによって製造することができる。
【0024】
(処理対象の土壌)
上記のように構成される土壌改質剤が投入(混錬)される含水土壌としては、特に限定されるものではないが、含水率が20%~60%程度のものであれば改質可能である。また、通常は塩濃度3.5%程度である海水が含まれる海洋浚渫土の他、対象の土壌と同程度の塩が投入されたような塩濃度が非常に高い含水土壌であっても改質性能を十全に発揮することができる。また、有機物を多く含む土壌、ヘドロであっても改質効果を発揮することができる。
【0025】
(土壌の改質方法)
本発明の土壌改質剤を用いた土壌改質方法は、上述した土壌改質剤を処理対象である含水土壌に添加して混合する改質剤添加工程と、土壌改質剤を土壌内に均一に含むように撹拌する撹拌工程とを有し、塩分濃度の高い水分を含む高含水土壌や有機質の多い土壌をパラパラな状態(粒状)に改質された改質土壌に処理できるものである。
【0026】
なお、改質剤添加工程によって、対象の土壌に添加する土壌改質剤の添加量は、対象の土壌(の質量)に対して1.0%以上、より具体的には、2.5~10%の範囲が好ましいが、この範囲には限られない。
【実施例0027】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
(実験例1)
本発明の土壌改質剤と、吸水性ポリマーを含む比較用改質剤とを準備し、各土壌改質剤を、有機系土壌に水分を添加して含水率の高めた(本実験例では含水率51.6%)対象土壌に撒いて(添加して)撹拌し、それぞれの土壌改質剤の改質結果を確認した。このとき、土壌改質剤の添加量を変えて有効な添加量を確認した。
【0029】
また、対象土壌に塩(塩化ナトリウム)を添加して、塩分濃度を3.5%とした塩分濃度の高い対象土壌を用意した。これに対し、各土壌改質剤を、塩分濃度の高い対象土壌に撒いて撹拌し、それぞれの土壌改質剤の改質効果を確認した。
【0030】
図1は、土壌改質剤と比較用改質剤の改質性能を比較した実験の実験結果を示した表図である。図示されるように、本発明の土壌改質剤は、含水率が50%を超える土壌であっても、比較用改質剤と同様、さらさらの粒状の土壌に改質できることが確認できた。
【0031】
このとき、吸水性ポリマーを含む比較用改質剤は、対象土壌に対して5~10%程度添加することで徐々に改質効果が確認できた一方で、土壌改質剤によれば、対象土壌に対して2.5%程度の添加量でも十分な改質効果を確認することができた。すなわち、本願の土壌改質剤によれば、より少ない添加量で土壌の改質効果を得ることができるため、コスト低減にも効果がある。
【0032】
また、各土壌改質剤を塩分濃度の高い対象土壌に対して添加した場合、吸水性ポリマーを含む比較用改質剤は、土壌の改質性能が急激に失われて改質効果が発揮されないことが確認できた。その一方で、本発明の土壌改質剤によれば、対象土壌の塩分濃度に関わらず、土壌の改質性能を十全に発揮できることが確認できた。
【0033】
(実験例2)
実験1で用いた上記の土壌改質剤と、上記の比較用改質剤とを、実際の海洋浚渫土に投入し、それぞれ改質性能を確認した。改質の効果確認に用いた海洋浚渫土の含水率は22.9%であり、各土質改質剤の添加量は、海洋浚渫土の質量の5%とした。
【0034】
図2は、各土壌改質剤を浚渫土に用いた場合の実験結果を示した表図である。図2の実験結果に示されるように、比較用改質剤ではまったく改質効果が発揮されなかったが、土壌改質剤では良好に改質効果が発揮されたことが確認できた。
【0035】
田んぼの土(有機質の多い土壌)に、含水率35~60%となるように加水してよく練り混ぜ、その後に、100gに対して目的の塩分濃度になるよう塩化ナトリウムを加えて再びよく練り混ぜることにより、塩分濃度0~100%のサンプル土を作成した。
【0036】
次に、本発明の土壌改質剤を構成する機能材、具体的には、炭酸カルシウム、無水メタケイ酸ナトリウム、硫酸第1鉄、高分子(具体的には、アニオン型アクリルアミド系高分子凝集剤や修飾セルロース)の配合比を、図3に示す割合で作成し、各土壌改質剤1~7gをサンプル土100gに加えてよく練り混ぜ、含水率の高いサンプル土を改質可能かどうか確認した。このとき、サンプル土を改質するために必要な土壌改質剤の最低添加量と、土壌改質剤によって改質可能なサンプル土の含水率及び塩分濃度、土壌改質剤における機能材混合割合の上限値と下限値を調べた。
【0037】
図3は、田んぼの土に対して土壌の改質効果を確認できる最高の含水率と最高の塩分濃度と最低の添加量とを組成比別に示した表図である。
【0038】
実験結果に示されるように、本発明の土壌改質剤は、対象の土に対して含水率が50%を超えて土表層に水が浮く程度まで水を添加したサンプル土であっても改質効果を確認することができた。また、改質対象の含水土に対して100%量の塩を含んだサンプル土に使用した場合であっても、改質効果を確認することができた。
【0039】
また、土壌改質剤に含まれるメタケイ酸ナトリウムは、pH調整剤と1:1であることは好ましいが、任意の割合に変更して、土壌改質剤を酸性やアルカリ性に調整した場合であってもサンプル土の改質効果は同様に確認することができた(図3参照)。
【0040】
対象の土に対して、高分子が0.8%以上、より好ましくは1.6~3.2%程度含まれていれば十分な改質効果が得られることが確認できた。
【0041】
すなわち、上記実験結果によれば、塩分濃度の高い含水土壌や有機質の多い土壌に対して用いられる土壌改質剤は、メタケイ酸ナトリウムと、吸水性ポリマー以外の高分子とを含むことにより、顕著な改質効果を発揮することが確認できる。
図1
図2
図3