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特開2024-37297線材繰出し装置及びそれを備えた巻線装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037297
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】線材繰出し装置及びそれを備えた巻線装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 41/096 20160101AFI20240312BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20240312BHJP
   B65H 57/04 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01F41/096
H01F41/04 F
B65H57/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142029
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000227537
【氏名又は名称】NITTOKU株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121234
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 利明
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】河西 康之
【テーマコード(参考)】
3F110
5E002
【Fターム(参考)】
3F110BA02
3F110DB12
5E002AA06
(57)【要約】
【課題】装置を大型化させることなく、線材の座屈を防止する。
【解決手段】線材繰出し装置は、線材11を開放可能に挟持する固定チャック装置61と、固定チャック装置に対して離接可能に設けられ線材を開放可能に挟持する可動チャック装置63と、可動チャック装置を固定チャック装置に離接させるアクチュエータ62とを備える。固定チャック装置と可動チャック装置の間に延びる線材を支持する支持片71が固定チャック装置と可動チャック装置の間に並んで複数設けられ、固定チャック装置と可動チャック装置の間に複数の支持片71を等分に配置する等分配置手段76を備える。等分配置手段が、複数の支持片の間に介挿されたコイルスプリング76であり、固定チャック装置から可動チャック装置に向かって支持ロッド68が可動チャック装置63を貫通するように設けられ、支持ロッド68に複数の支持片71が移動可能に設けられる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材(11)を開放可能に挟持する固定チャック装置(61)と、前記固定チャック装置(61)に対して離接可能に設けられ前記線材(11)を開放可能に挟持する可動チャック装置(63)と、前記可動チャック装置(63)を前記固定チャック装置(61)に離接させるアクチュエータ(62)とを備えた線材繰出し装置において、
前記固定チャック装置(61)と前記可動チャック装置(63)の間に延びる前記線材(11)を支持する支持片(71)が前記固定チャック装置(61)と前記可動チャック装置(63)の間に並んで複数設けられ、
前記固定チャック装置(61)と前記可動チャック装置(63)の間に前記複数の支持片(71)を等分に配置する等分配置手段(76)を備えた
ことを特徴とする線材繰出し装置。
【請求項2】
等分配置手段が、複数の支持片(71)の間のそれぞれに介挿されたコイルスプリング(76)である請求項1記載の線材繰出し装置。
【請求項3】
固定チャック装置(61)から可動チャック装置(63)に向かって支持ロッド(68)が前記可動チャック装置(63)を貫通するように設けられ、前記支持ロッド(68)に複数の支持片(71)が移動可能に設けられた請求項1又は2記載の線材繰出し装置。
【請求項4】
固定チャック装置(61)から可動チャック装置(63)に向かって補強ロッド(77)が前記可動チャック装置(63)を貫通するように更に設けられた請求項3記載の線材繰出し装置。
【請求項5】
請求項1記載の線材繰出し装置(60)と、前記線材繰出し装置(60)から繰出された線材(11)を巻回する巻回機構(30)とを備えた巻線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材を座屈させることなく繰出す線材繰出し装置及びそれを備えた巻線装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、線材を巻回する巻線装置は、ドラム等に巻回されて貯線された線材をそのドラム等から引き出しつつ巻線するものとして知られている。けれども、線材の断面積が大きくなると、その引き出し抵抗が増加するので、ドラム等から線材を引き出しつつ巻線機構に送る線材繰出し装置を備えた巻線装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この巻線装置における線材繰出し装置は、線材を開放可能に挟持する固定チャック装置と、その固定チャック装置に離接する可動チャック装置と、その可動チャック装置を固定チャック装置に実際に離接させるアクチュエータとを備え、アクチュエータにより線材を挟持した可動チャック装置を、線材を開放させた固定チャック装置に接近させることにより、固定チャック装置側から線材を繰出すとしている。
【0004】
一方、線材の一回の繰出し量を多くすると、線材繰出し装置から送り出される線材が座屈してしまうという問題がある。このため、上記巻線装置における繰出し装置では、図11に示す様に、繰出し量SLを超える長さを有するチューブ状の線材ガイド2を可動チャック装置3に設け、その線材ガイド2が進入可能であって繰出し量SLを越える長さの線材案内路4aを固定チャック装置4に形成し、その線材ガイド2に通した状態で線材1を繰出すことにより、とくに太い線材1を座屈させることなく繰出すことができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-303055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、チューブ状の線材ガイド2を可動チャック装置3に設ける上記従来の線材繰出し装置では、繰出し量SLを越える長さの線材ガイド2が進入可能な線材案内路4aを固定チャック装置4に形成するので、その装置を設置するための空間として一回の繰出し量SLの倍を超える長さが少なくとも必要となり、一回の繰出し量SLが多いと、その装置が大型化する不具合があった。
【0007】
また、巻線装置により巻回される線材は、その断面が丸型のいわゆる丸線に限られずに、断面が方形を成すいわゆる角線を巻回するような巻線装置も存在する。そして、線材が、断面が長方形を成すいわゆる平角線であると、断面が円形を成すチューブ状の線材ガイドにその平角線を挿通させても、線材ガイドと平角線の間の隙間から、その平角線の厚さ方向の座屈を有効に防止できないという、未だ解決すべき課題も残存していた。
【0008】
本発明の目的は、このような問題点に着目してなされたもので、装置を大型化させることなく、線材が例え平角線であっても、その線材の座屈を防止しつつ繰出すことの出来る線材繰出し装置及びそれを用いた巻線装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、線材を開放可能に挟持する固定チャック装置と、固定チャック装置に対して離接可能に設けられ線材を開放可能に挟持する可動チャック装置と、可動チャック装置を固定チャック装置に離接させるアクチュエータとを備えた線材繰出し装置の改良である。
【0010】
その特徴ある構成は、固定チャック装置と可動チャック装置の間に延びる線材を支持する支持片が固定チャック装置と可動チャック装置の間に並んで複数設けられ、固定チャック装置と可動チャック装置の間に複数の支持片を等分に配置する等分配置手段を備えたところにある。
【0011】
この場合、等分配置手段は複数の支持片の間のそれぞれに介挿されたコイルスプリングであることが好ましく、固定チャック装置から可動チャック装置に向かって支持ロッドが可動チャック装置を貫通するように設けられる場合、この支持ロッドに複数の支持片を移動可能に設けることが好ましく、固定チャック装置から可動チャック装置に向かって補強ロッドを可動チャック装置を貫通するように更に設けることもできる。
【0012】
別の本発明は、上記線材繰出し装置と、その線材繰出し装置から繰出された線材を巻回する巻回機構とを備えた巻線装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の線材繰出し装置では、可動チャック装置と固定チャック装置の間に等間隔で設けられた複数の支持片が、その間の線材を支持して座屈する様なことを防止する。そして、複数の支持片を等間隔に配置したので互いの離接が可能となるので、装置が大型化するようなことはない。
【0014】
支持ロッドに複数の支持片を移動可能に設ければ、支持片の増減が容易になって繰出し量の変更や、繰出す線材の変更に容易に追従させることが出来る。支持片の数が増えると、支持ロッドが湾曲するような事態も考えられるけれども、補強ロッドを設けるようにすれば、支持ロッドを補強して湾曲する様な事態を回避することも出来る。
【0015】
そして、このような線材繰出し装置を備える巻線装置では、線材繰出し装置により線材が座屈することなく正確に繰出されることにより、所望の大きさのコイル、例えば断面が長方形状を成す線材(平角線)を幅方向に巻回するエッジワイズコイルであっても確実に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明実施形態の巻線装置を示す上面図である。
図2】その巻線装置の正面図である。
図3】その線材繰出し機により線材が繰出された状態を示す図1に対応する上面図である。
図4】その線材繰出し機により線材が繰出された状態を示す図2に対応する正面図である。
図5】その巻線装置を線材供給側から見た側面図である。
図6図2のA-A線断面図である。
図7図2のB-B線断面図である。
図8図1のC-C線断面図である。
図9】その巻線装置によるエッジワイズコイルの巻初めを示す図である。
図10】そのエッジワイズコイルの巻線を示す図である。
図11】従来の巻線装置の線材繰出し装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1図4に、本発明における線材繰出し装置60を備えた巻線装置10を示す。図では、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が水平前後方向、Y軸が水平横方向、Z軸が垂直方向に延びるものとして、この巻線装置10について説明する。
【0019】
この巻線装置10により巻回される線材は、表面に絶縁皮膜が形成された断面矩形の角線であって、その厚さに対して幅が広い平角線11を用いる場合を説明する。
【0020】
図示しないが、この平角線11はその供給源となるリールに巻回されて巻線装置10の近傍に設置される。そして、この巻線装置10は、テーブル13に設けられて図示しないリールから繰出された平角線11をその長手方向に繰出す線材繰出し装置60と、そのテーブル13に線材繰出し装置60に隣接して設けられて、その線材繰出し装置60から繰出された平角線11を折り曲げる巻線機構30とを有する。
【0021】
図2及び図4に詳しく示すように、この実施の形態における巻線機構30は、平角線11を幅方向に巻回するものであって、この巻線機構30は、固定台29に設けられて平角線11の折り曲げ内側端部となる平角線11の側面に接触する断面が円形のシャフト31と、そのシャフト31のまわりを回動してシャフト31に沿って平角線11を折り曲げるベンダ32と、このベンダ32を旋回させる旋回駆動機構33とを備えるものを例示する。
【0022】
固定台29には、中心軸を鉛直とする筒部29aが形成され、この筒部29aにはローラスリーブ34がネジ34aにより鉛直に固定される。シャフト31はローラスリーブ34に軸受31cを介して回転可能であって、かつ軸方向に移動可能に支持される。
【0023】
このシャフト31は鉛直に設けられ、シャフト31は、平角線11が掛け回される掛け回し部31aと、ローラスリーブ34に支持される被支持部31bを有し、それらが同軸に連続して設けられる。
【0024】
ローラスリーブ34は、シャフト31の被支持部31bを実際に回転可能であってかつ軸方向に移動可能に支持する支持部34bと、シャフト31の掛け回し部31aを包囲する包囲部34cとが同軸に形成され、包囲部34cが固定台29の上面から上方に突出し、かつ後述する線材繰出し装置60により繰出された平角線11がその上縁に載置されるように、支持部34bがその固定台29における筒部29aに埋設固定される。
【0025】
旋回駆動機構33は、固定台29の上面におけるローラスリーブ34の周囲に軸受33bを介して回転可能に支持される旋回ギヤ33cと、この旋回ギヤ33cに噛み合う駆動ギヤ33dと、この駆動ギヤ33dを回転駆動するモータ33eとを備え、旋回ギヤ33cにベンダ32が取付けられる。
【0026】
モータ33eには図示しないコントローラの制御出力が接続され、コントローラの指令によりモータ33eが駆動ギヤ33dを回転させると、これに噛み合う旋回ギヤ33cがシャフト31の中心軸を回転中心として回転し、ベンダ32をシャフト31を中心とする円弧状の軌跡を持って旋回させるように構成される。
【0027】
そして、ベンダ32は、旋回駆動機構33を構成する旋回ギヤ33cとともに平角線11をシャフト31の周囲に押し付けながら旋回することにより、平角線11をシャフト31の周囲に掛け回すように折り曲げ可能に構成される。
【0028】
また、この巻線機構30は、ベンダ32による平角線11の折り曲げ時に、シャフト31に掛け回される平角線11をシャフト31の軸方向に押さえるプレス機構40を備える。このプレス機構40は、ローラスリーブ34の包囲部34cから上方に突出するシャフト31の上端に同軸に形成された円盤状のフランジ41と、フランジ41が形成されたシャフト31を軸方向に駆動するアクチュエータ42を備える。
【0029】
アクチュエータ42は、本体42aと、この本体42aからZ軸方向に出没して伸縮作動するロッド42bとを備え、本体42aが支持台42c及びテーブル13を介して固定台29に支持される。ロッド42bの先端部には、軸受42d、継ぎ手42eを介してシャフト31における被支持部31bの下端が回転可能に連結される。
【0030】
このアクチュエータ42には図示しないコントローラの制御出力が接続され、コントローラの指令によりアクチュエータ42が伸縮作動すると、シャフト31とともにフランジ41が平角線11を押さえる状態とその押さえを解除した状態との間を昇降するように構成される。
【0031】
図1に示す様に、平角線11を押さえるフランジ41の一部には切り欠き部41aが形成され、その切り欠き部41aでは平角線11が押さえられないようにフランジ41を移動させるフランジ移動機構46(図2)が設けられる。
【0032】
図2に戻って、フランジ移動機構46はアクチュエータ42に平行に設けられたモータ47と、このモータ47の回転をシャフト31に伝達する伝達機構48により構成され、伝達機構48は、モータ47により回転駆動される駆動プーリ48aと、固定台29に形成された筒部29aの下端に回転可能に取付けられてシャフト31がスプラインを介して軸方向に摺動可能にかつ回転不能に挿通された従動プーリ48bと、これらのプーリ48a,48bに渡って掛け回されるタイミングベルト48cとを備える。
【0033】
モータ47には図示しないコントローラの制御出力が接続され、コントローラの指令によりモータ47が駆動すると駆動プーリ48aが回転し、その回転はベルト48cを介して従動プーリ48bに伝達され、そこにスプライン結合されたシャフト31がフランジ41とともに回転するように構成される。
【0034】
このような巻線機構30に線材である平角線11を繰出す線材繰出し装置60は、図1図4に示す様に、図示しないリールから引き出されて真っ直ぐ伸ばされた平角線11を開放可能に挟持する固定チャック装置61と、その固定チャック装置61からY軸方向に離間してY軸方向に移動可能に設けられ、線材である平角線11を開放可能に挟持する可動チャック装置63と、その可動チャック装置63を固定チャック装置61に離接させるアクチュエータ62とを備える。
【0035】
固定チャック装置61は、巻線機構30に隣接して固定台29に取付けられたエアシリンダであって、エア圧により離接可能な一対の挟持片61b,61cを有し、その本体61aが固定台29に取付けられる。図では、巻線機構30からY軸方向に隣接して、一対の挟持片61b,61cが本体61aからX軸方向に突出して線材である平角線11を鉛直方向の上下から挟むように、その本体61aが固定台29に取付けられた場合を示す。
【0036】
そして、一対の挟持片61b,61cがエア圧により互いに接近すると、図2に示すように、その間を通過する平角線11を鉛直方向の上下から挟んでその移動を禁止し、一対の挟持片61b,61cがエア圧により互いに離間すると、図4に示す様に、その間を横断している平角線11の挟持は解消されて、固定チャック装置61に対する平角線11の移動を許容する様に構成される。
【0037】
図2に示す様に、このような巻線機構30と固定チャック装置61が設けられた固定台29は、テーブル13に設けられた基台14に取付けられ、このテーブル13には、固定チャック装置61に可動チャック装置63を離接させるアクチュエータ62が取付けられる。
【0038】
この実施の形態におけるアクチュエータ62は、線材である平角線11の繰出し方向であるY軸に沿ってテーブル13に配された横方向ガイド62aと、その横方向ガイド62aに平行に配され表面に螺旋状の雄ねじが配される横方向回転軸62bと、その横方向回転軸62bにボールねじにより螺合されその横方向回転軸62bの回転により横方向ガイド62aに沿って移動可能な横方向移動部材62dと、横方向回転軸62bを回転駆動する横方向駆動源62cとを有する。
【0039】
この実施の形態における横方向駆動源はサーボモータ62cであって、このモータ62cには図示しないコントローラの制御出力が接続される。そして、コントローラの指令によりそのサーボモータ62cが駆動すると、横方向回転軸62bが回転して横方向ガイド62aに沿って横方向移動部材62dが移動するように構成される。そして、このように移動する横方向移動部材62dに、アングル部材62eを介して可動チャック装置63が取付けられる。
【0040】
図1図5に示す様に、可動チャック装置63は、アングル部材62eに取付けられた取付板64と、その取付板64の上面に立設された可動壁66と、その取付板64の下面に取付けられたエアシリンダ67とを備える。可動壁66の取付板64に臨む下部には線材である平角線11が通過可能な凹部66aが形成され、エアシリンダ67は、その出没ロッド67aが取付板64を貫通して凹部66aに進入可能にその本体67bが取付板64に取付けられる。
【0041】
そして、図4に示す様に、エアシリンダ67がロッド67aを凹部66aに突出させると、その凹部66aを横断している平角線11に当接して凹部66aに押し付けることにより、その平角線11を挟持してその移動を禁止し、図2に示す様に、ロッド67aを本体67bに没入させるように下降させると、その凹部66aを横断している平角線11の挟持は解消されて、可動チャック装置63に対する平角線11の移動を許容する様に構成される。
【0042】
このような可動チャック装置63がアングル部材62eを介して横方向移動部材62dに取付けられたアクチュエータ62により、図4の実線矢印で示す様に、線材である平角線11を挟持した状態の可動チャック装置63が固定チャック装置61に向けて移動すると、可動チャック装置63に掴まれた平角線11をY軸方向に移動させることになる。このとき、固定チャック装置61が平角線11を開放していれば、その平角線11は固定チャック装置61から巻線機構30に向かって長手方向(Y軸方向)に繰出されることになる。
【0043】
その後、固定チャック装置61が線材である平角線11を挟持すると、平角線11の繰出しは停止し、その状態で可動チャック装置63による平角線11を解放すると、図2の破線矢印で示す様に、その状態でアクチュエータ62が可動チャック装置63を固定チャック装置61から離間させることができる。
【0044】
この可動チャック装置63を固定チャック装置61から離間させるとき、即ち、図示しないリール側に可動チャック装置63を戻すときに、固定チャック装置61が平角線11を挟持することにより巻線機構30側に一旦繰出された平角線11がその可動チャック装置63とともに移動して戻るようなことを防止することができる。
【0045】
このため、図示しないリール側に移動した可動チャック装置63により平角線11を再び掴んだ状態で固定チャック装置61を解放し、図4に示すように、平角線11を掴んだ可動チャック装置63を再び固定チャック装置61に向けて移動させることにより、平角線11を順次繰出すことができることになる。
【0046】
図1及び図2に示す様に、この線材繰出し装置60は、固定チャック装置61と可動チャック装置63の間に延びた線材である平角線11を真っ直ぐな状態で支持する支持片71が固定チャック装置61と可動チャック装置63の間に並んで複数設けられる。この実施の形態では、固定チャック装置61から可動チャック装置63に向かって支持ロッド68が可動チャック装置63を貫通するように一対設けられ、この一対の支持ロッド68,68に複数の支持片71が移動可能に設けられる場合を示す。
【0047】
具体的に、図6に示す様に、固定チャック装置61が取付けられた固定台29には固定壁69が可動壁66に対向する様に固定チャック装置61に隣接して設けられる。固定壁69の固定台29に臨む下部には平角線11が通過可能な凹部69aが形成され、この凹部69aをX軸方向の両側から挟むように、この固定壁69にX軸方向に所定の間隔を開ける一対の支持ロッド68,68が可動壁66に向かうY軸方向に延びて互いに平行に取付けられる。
【0048】
図5に示す様に、可動壁66にはこの一対の支持ロッド68,68が貫通する孔66bが形成され、その孔66bには一対の支持ロッド68,68のなめらかな移動を確保するためのスリーブ66cが装着される。
【0049】
図7に示すように、線材である平角線11を支持する支持片71は、X軸方向に延びて長い長方形の板状を成す可動ガイド72と、その可動ガイド72に取付けられた押さえ板73とを備え、長方形状の可動ガイド72には、X軸方向の両側に一対の支持ロッド68,68が挿通される挿通孔72a,72aがそれぞれ形成され、その挿通孔72a,72aの更に外側にはZ軸方向に貫通して取付孔72b,72bがそれぞれ形成される。
【0050】
可動ガイド72の下面には、線材である平角線11の断面形状よりもわずかに大きな断面を成す凹溝72cがY軸方向に伸びて形成され、この凹溝72cにY軸方向に延びる平角線11を収容した状態で押さえ板73がその下面に取付けられる。押さえ板73には取付孔72b,72bに対向して雌ねじ孔73a,73aが形成され、取付孔72b,72bに挿通された雄ネジ74を螺合させることにより、可動ガイド72に押さえ板73が取付けられる。
【0051】
図1図4に戻って、このような可動ガイド72は、固定チャック装置61と可動チャック装置63の間の一対の支持ロッド68,68に複数設けられ、線材繰出し装置60は、このような複数の支持片71を、その間において等分に配置する等分配置手段76が設けられる。
【0052】
図1及び図3に示す様に、この実施の形態における等分配置手段は、複数の支持片71の間のそれぞれに介挿されたコイルスプリング76であって、固定壁69と支持片71の間及び可動壁66と支持片71の間にもそれぞれ介挿されるものとする。
【0053】
そして、支持片71における可動ガイド72の両側には、その中央にコイルスプリング76の端部が進入可能な座繰り穴72dが形成され、図3に示す様に、隣接する支持片71が接近した場合に圧縮されたコイルスプリング76を収容可能に構成される。
【0054】
そして、複数の支持片71の間のそれぞれに介挿されたコイルスプリング76は全て同一なものが使用され、均一な付勢力を持って、複数の支持片71の間をそれぞれ広げようとすることにより、固定チャック装置61と可動チャック装置63の間において、複数の支持片71を等分に配置する様に構成される。
【0055】
また、固定チャック装置61に隣接して固定台29に取付けられた固定壁69には、その固定チャック装置61から可動チャック装置63に向かって補強ロッド77が更に設けられる。この補強ロッド77は一対の支持ロッド68,68より太いものが用いられ、可動壁66にはこの補強ロッド77が貫通する孔66dが更に形成される。そして、その孔66dには補強ロッド77のなめらかな移動を確保するためのシリンダスリーブ66eが装着される。
【0056】
図1図4及び図8に示すように、固定台29には、線材繰出し装置60によりY軸方向に繰出された線材である平角線11がX軸方向に振れることを防止する支持部材54が設けられる。
【0057】
図における支持部材54は、固定チャック装置61に対向して固定台29に取付けられ、その支持部材54には、Y軸方向に繰出された平角線11が進入する横凹溝54aと、その線材である平角線11を挟持する一対の挟持片61b,61cを収容する縦凹溝54bが固定チャック装置61に対向する部位に形成される。
【0058】
そして、この横凹溝54aにY軸方向に延びる平角線11が進入して収容されることにより、その平角線11の長手方向であるY軸方向の繰出しを許容しつつ幅方向であるX軸方向への移動を防止するように構成される。
【0059】
また、図1図4に示すように、固定台29にはガイド部材55が設けられる。このガイド部材55は、平角線11の先端縁が摺接するものとして設けられる。即ち、図におけるガイド部材55は楔状の断面を有する摺接部55aを有し、摺接部55aの上面に最初に折り曲げられた平角線11の先端縁11c(図9(c))が摺接するようにその表面が水平面に対して傾斜するように固定台29に取付けられる。
【0060】
そして、摺接部55aの表面に平角線11の先端縁が摺接することにより平角線11が水平面に対して傾斜し、平角線11はその折り曲げられた部位が繰出された平角線11と干渉することを防止するように構成される。
【0061】
次に、上記巻線装置の動作を説明する。
【0062】
この実施の形態では、線材が、厚さに対して幅が広い平角線11であるので、上記巻線装置10を用いて、その平角線11を幅方向に巻回することにより、トラック形のエッジワイズコイル16(図9及び図10)を得る場合を説明する。
【0063】
即ち、上記巻線装置10を用いたトラック形のエッジワイズコイルの巻線は、その準備工程の後に、巻線機構30におけるベンダ32が平角線11をシャフト31の周囲に掛け回してU字状に折り曲げる線材折り曲げ行程と、線材繰出し装置60により線材である平角線11を繰出す線材繰出し工程と、を繰り返すことになる。
【0064】
よって、これらの動作を以下に説明する。
【0065】
<巻線準備工程>
先ず、平角線11を繰出して折り曲げるために、その平角線11を線材繰出し装置60に最初に配索することになり、その為に、固定チャック装置61及び可動チャック装置63の双方を解放して、図示しないリールから繰出される平角線11をそれらに通過させる。
【0066】
具体的に、図2に示す様に、可動チャック装置63では、エアシリンダ67のロッド67aをその本体67bに没入させるように下降させ、先ず可動壁66の凹部66aに平角線11を横断させる。このように可動チャック装置63を通過した平角線11を次に複数の支持片71における凹溝72c(図7)に順次挿通させ、可動チャック装置63から固定チャック装置61に向かう平角線11を、これら複数の支持片71により順次支持させる。
【0067】
固定壁69側における最後の支持片71を通過した平角線11は、その固定壁69の凹部69a(図6)に通過させて、図8に示す様に、支持部材54の横凹溝54aに通過させる。このとき、図4に示す様に、固定チャック装置61における一対の挟持片61b,61cは互いに離間させて、平角線11をその間に通過させる。そして、支持部材54を通過した平角線11は、その後、図1に示す様に、巻線機構30におけるシャフト31とベンダ32の間に挿通させる。
【0068】
この状態で固定チャック装置61における一対の挟持片61b,61cを互いに接近させて、その間を通過する平角線11を鉛直方向の上下から挟み込んで、平角線11の移動を禁止する。
【0069】
なお、固定チャック装置61が平角線11を挟持した後には、線材繰出し装置60におけるアクチュエータ62は、可動チャック装置63を固定チャック装置61から離間させ、その離間状態で、可動チャック装置63では、エアシリンダ67がロッド67aを凹部66aに突出させて平角線11を挟持してその移動を禁止し、次の平角線11の繰出しに備える。
【0070】
<最初の線材折り曲げ工程>
この状態から平角線11の折り曲げが開始され、まず、巻線機構30における旋回駆動機構33により旋回ギヤ33cとともにベンダ32を180度に回動させ、図9(a)に示すように、平角線11をシャフト31に掛け回すようにして折り曲げる。このとき、プレス機構40(図2)はフランジ41を用いてシャフト31に沿って折り曲げられる平角線11を厚さ方向から押さえる。
【0071】
そして、フランジ41は、そこに形成された切り欠き部41aを線材繰出し装置60側に位置させ、U字状に折り曲げられる平角線11の全ての部分をフランジ41aが押さえ、シャフト31に掛け回される部分の折り曲げによる膨らみや、折り曲げに起因する曲げしわを防止する。
【0072】
なお、この折り曲げが完了した後は、旋回駆動機構33によりベンダ32を逆方向に180度回動させて最初の位置に復元させる。このベンダ32の復元と同時又はその前後に、プレス機構40により、フランジ41による平角線11の押さえを解除する。
【0073】
<線材繰出し工程>
図9(b)に示すように、その後、平角線11を線材繰出し装置60により長手方向に繰出し、新たに繰出された平角線11をシャフト31とベンダ32の間に挿通させて最初に折り曲げられた部分11aをY軸方向に移動させてシャフト31から遠ざける。このとき繰出される平角線11の量は、得ようとするエッジワイズコイルの一回巻きに必要な量の半分である。
【0074】
この線材繰出し装置60による平角線11の繰出しは、図1及び図2に示す様に、固定チャック装置61による平角線11の挟持を止めて開放し、平角線11を挟持する可動チャック装置63をアクチュエータ62が、図3及び図4に示す様に、固定チャック装置61に向けて移動させることにより行われる。すると、可動チャック装置63の移動量に等しい量の平角線11が固定チャック装置61から巻線機構30に向かって繰出されることになる。
【0075】
ここで、平角線11の一回の繰出し量は可動チャック装置63が固定チャック装置61に接近する量となるで、その一回の繰出し量が多くなると、可動チャック装置63と固定チャック装置61の間隔は広がり、その繰出しの際にその平角線11が座屈する可能性は高まる。
【0076】
けれども、本発明の線材繰出し装置60は、可動チャック装置63と固定チャック装置61の間の平角線11を支持する複数の支持片71を等間隔で設けているので、その間の平角線11はこれら複数の支持片71により支持されるので、その繰出し量を多くしても座屈する様なことはない。
【0077】
この必要な量が繰出された後には、固定チャック装置61における一対の挟持片61b,61cを互いに接近させて、その間を通過する平角線11を再び挟んで平角線11の移動を禁止する。
【0078】
それと共に、可動チャック装置63にあっては、平角線11の挟持を解消させ、その状態でアクチュエータ62は、可動チャック装置63を固定チャック装置61から離間させ、その離間状態で、可動チャック装置63は、平角線11を挟持してその移動を禁止し、次の平角線11の繰出しに備える。
【0079】
<線材折り曲げ工程>
新たに平角線11が繰出されたならば、図9(c)に示すように、旋回駆動機構33によりベンダ32を再び回動させ、平角線11をシャフト31に掛け回すようにして折り曲げる。このとき、プレス機構40によりフランジ41を用いてシャフト31に沿って折り曲げられる平角線11を厚さ方向から押さえる。
【0080】
このベンダ32を再び回動させる際に、U字状に折り曲げられる部分11aより先の部分11bをガイド部材55により持ち上げて切り欠き部41aを通過させる。これによりシャフト31から外れ、新たに繰出された平角線11と干渉することなくその平角線11と交差することになる。
【0081】
なお、この折り曲げが完了した後は、旋回駆動機構33によりベンダ32を逆方向に180度回動させて最初の位置に復元させる。このベンダ32の復元と同時又はその前後に、プレス機構40により、フランジ41による平角線11の押さえを解除する。
【0082】
<フランジ移動工程>
次に、図10(a)に示すように、フランジ41を移動させ、そのフランジ41に形成された平角線11の押さえを外す切り欠き部41aを平角線11の新たに折り曲げられた部分11dより先の部分11eであってその平角線11の繰出し方向に直交する位置に移動させる。
【0083】
このフランジ41の移動はフランジ移動機構46(図2)により行われる。具体的には、図示しないコントローラから指令を発してモータ47を駆動し、駆動プーリ48aを回転させてベルト48cを介して従動プーリ48bを回転させ、そこにスプライン結合されたシャフト31をフランジ41とともに一点鎖線矢印で示すように回転させる。
【0084】
これにより、線材折り曲げ工程時には、線材繰出し装置60側に向いていた切り欠き部41aを略90度回転移動させることができ、その平角線11の繰出し方向に直交する位置にその切り欠き部41aを移動させることができる。
【0085】
<線材繰出し工程>
次に、図10(b)に示すように、平角線11を線材繰出し装置60により長手方向に繰出し、新たに繰出された平角線11をシャフト31とベンダ32の間に挿通させる。
【0086】
この平角線11の繰出しに際して、平角線11の先の折り曲げ工程時に新たに折り曲げられた部分11dより先の直線部分11eを切り欠き部41aに通過させてシャフト31の周囲から外す。
【0087】
すると、先の折り曲げ工程で得られた一回巻きされたトラック形エッジワイズコイル16とともに新たに折り曲げられた部分11dがシャフト31から遠かるようにY軸方向に移動することになる。このとき繰出される角線の量は、得ようとするエッジワイズコイルの一回巻きに必要な量の半分である。
【0088】
この平角線11の繰出しは、上述したように、固定チャック装置61による平角線11の挟持を止めて開放し、平角線11を挟持する可動チャック装置63をアクチュエータ62が、固定チャック装置61に向けて移動させることにより行われる。そして可動チャック装置63と固定チャック装置61の間に等間隔で設けられた複数の支持片71は、その間の平角線11を支持して、その間の平角線11が座屈する様なことを防止する。
【0089】
なお、この必要な量が繰出された後には、固定チャック装置61が平角線11を再び挟持して、繰出された平角線11の移動を禁止する。それと共に、平角線11の挟持を解消させた可動チャック装置63を、アクチュエータ62が固定チャック装置61から離間させ、その離間状態で、可動チャック装置63は、平角線11を挟持してその移動を禁止し、次の平角線11の繰出しに備える。
【0090】
<更なる線材の折り曲げ工程>
新たに平角線11が繰出されたならば、図10(c)の一点鎖線矢印で示すように、旋回駆動機構33によりベンダ32を再び回動させ、平角線11をシャフト31に掛け回すようにして折り曲げる。このとき、プレス機構40によりフランジ41を用いてシャフト31に沿って折り曲げられる平角線11を厚さ方向から再び押さえる。
【0091】
これにより、新たに繰出された平角線11をU字状に折り曲げることができる。そして、フランジ41aはU字状に折り曲げられる平角線11の全ての部分を押さえて、その部分の折り曲げによる膨らみや、折り曲げに起因する曲げしわを防止する。
【0092】
なお、この折り曲げが完了した後は、旋回駆動機構33によりベンダ32を逆方向に180度回動させて最初の位置に復元させるとともに、それと同時又はその前後に、プレス機構40により、フランジ41による平角線11の押さえを解除する。
【0093】
以後、上記<フランジ移動工程>から、この<更なる線材の折り曲げ工程>を順次繰り返すことにより、平角線11を整列して巻回し、所定幅、所定層の巻線を行うことができ、これにより、フランジ41の上面にZ軸方向に延びるエッジワイズコイル16を形成することができる。
【0094】
こうして所望のエッジワイズコイル16を形成した後は、図示しないカッタ装置を介して平角線11を切断し、得られたエッジワイズコイル16を取り外すことにより一連の巻線作業を終了させる。
【0095】
そして、このような巻線装置10では、線材繰出し装置60が繰出す平角線11の量や、シャフト31の曲率半径等を変えることにより、得られるエッジワイズコイル16の大きさや形状を容易に変更することができる。
【0096】
特に、線材繰出し装置60による平角線11の繰出し量の変更はアクチュエータ62による可動チャック装置63の移動量を変更するだけなので容易にその変更が可能であって、繰出し量を大きくしても複数の支持片71により支持されるので、平角線11の座屈を防止しつつ繰出すことが出来る。
【0097】
そして、複数の支持片71を等間隔にして互いの離接を可能とするので、装置が大型化することは防止され、繰出し量の増減に際して、支持片71の数を増減させることにより、効果的に平角線11の座屈を防止できる。
【0098】
支持ロッド68に複数の支持片71を移動可能に設けているので、複数の支持片71を真っ直ぐな状態で配置し、かつ支持片71を容易に増減させることが可能となる。一方、支持片71の数が増えると、支持ロッド68が湾曲するような事態も考えられるけれども、固定チャック装置61から可動チャック装置63に向かって補強ロッド77を可動チャック装置63を貫通するように設けているので、複数の支持片71が湾曲して設けられるようなことは防止される。
【0099】
そして、このような線材繰出し装置60と巻回機構30を備える巻線装置10では、線材繰出し装置60により平角線11が座屈することなく正確に繰出されるので、所望な大きさのコイル、例えばエッジワイズコイルを得ることが出来る。
【0100】
なお、上述した実施の形態では、線材が厚さに対して幅が広い平角線11である場合を説明したけれども、これは一例であって、線材は平角線でなくても良い。例えば、断面が方形を成すいわゆる角線であっても良く、断面が円形を成すいわゆる丸線であっても良い。
【0101】
この場合、必要によって線材11を支持する支持片71を、その線材11の断面形状に応じて変更する必要があるけれども、支持ロッド68に複数の支持片71を移動可能に設けているので、支持片71の変更も容易になる。
【0102】
また、上述した実施の形態では、その平角線11を幅方向に巻回してエッジワイズコイルを得る場合を説明したけれども、これは一例であって、方形状のコイルや、円形のコイルを得るようにしても良い。
【0103】
更に、上述した実施の形態では、等分配置手段が、複数の支持片71の間に介挿されたコイルスプリング76である場合を説明したけれども、これは一例であって、等分配置手段は他の弾性体であっても良い。
【符号の説明】
【0104】
10 巻線装置
11 平角線(線材)
30 巻回機構
60 線材繰出し装置
61 固定チャック装置
62 アクチュエータ
63 可動チャック装置
68 支持ロッド
71 支持片
76 コイルスプリング(等分配置手段)
77 補強ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11