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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037298
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ボトム衣類
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/14 20060101AFI20240312BHJP
   A41D 1/06 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A41D1/14 501J
A41D1/06 B
A41D1/06 G
A41D1/06 501D
A41D1/06 501Z
A41D1/06 502L
A41D1/14 501D
A41D1/14 E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142031
(22)【出願日】2022-09-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社アスコンが、プレス発表にて、鈴木宏志および山本知恵が発明したボトム衣類について公開した。 掲載日:令和3年9月8日 掲載アドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000023522.html 株式会社アスコンが、株式会社アスコンのウェブサイトにて、鈴木宏志および山本知恵が発明したボトム衣類について公開した。 掲載日:令和3年9月15日 掲載アドレス:https://www.babyandme.co.jp/ https://www.babyandme.co.jp/pages/maternity-wear 株式会社アスコンが、別紙記載の店舗に、鈴木宏志および山本知恵が発明したボトム衣類を卸した。
(71)【出願人】
【識別番号】500403620
【氏名又は名称】株式会社アスコン
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100146064
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 玲子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏志
(72)【発明者】
【氏名】山本 知恵
(57)【要約】
【課題】 ウエスト部から腹部のサイズを細かく調整できるとともに、妊娠期間中に加え、妊娠中ではない期間においても、良好な着用感が得られるとともに美しい着用シルエットを実現することができるボトム衣類を提供する。
【解決手段】 ウエスト部11の一部にゴム12が通されており、ウエスト部11のゴム12が通されていない箇所に、開閉可能なウエストタック部分13を備え、ウエストタック部分13には、タックを係止する係止部14が設けられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエスト部の一部にゴムが通されており、
前記ウエスト部の前記ゴムが通されていない箇所に、開閉可能なウエストタック部分を備え、
前記ウエストタック部分には、タックを係止する係止部が設けられていることを特徴とするボトム衣類。
【請求項2】
前記係止部が、段階的にサイズ調整可能に設けられている、請求項1記載のボトム衣類。
【請求項3】
前記係止部の係止位置が、調整されるサイズの段階によって異なる高さとなるように設けられている、請求項2記載のボトム衣類。
【請求項4】
前記ウエスト部において、前記ゴムが配置される位置の外面、および、前記係止部を覆う位置の少なくとも一方にベルトが配置されている、請求項1記載のボトム衣類。
【請求項5】
前記ベルトは、バックルを有しており、前記ウエスト部には、前記バックルのピンを固定するベルト位置固定部を備えている、請求項4記載のボトム衣類。
【請求項6】
前記ゴムが、長さ調整可能である、請求項1記載のボトム衣類。
【請求項7】
ボトム衣類がパンツまたはスカートである、請求項1から6のいずれか一項に記載のボトム衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトム衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マタニティ用のボトム衣類として、ウエストサイズに応じて、ウエストロープの締め具合やウエスト部に通しているゴムの長さを調節するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような衣類は、着用者の腹部の膨出に応じて、ウエストサイズ調節を行うことで、妊娠中の長期間にわたり、また、出産後にも、着用可能であることが謳われていた。しかし、これらの衣類は、出産直前の妊娠後期の腹部サイズで着用可能なパターンとなっているため、腹部があまり目立たない妊娠初期から中期の段階や出産後に着用する場合、ウエスト部ではサイズ調整に伴う多くのギャザーやシャーリングが目立ち、また、腰部においてはだぶつきが発生していた。このように、従来のマタニティ用のボトム衣類は、妊娠後期以外に美しい着用シルエットを実現する、という観点では十分なものではなく、スタイリングを重視する着用者層においては、結局、短期間しか着用してもらえない、という状況にあった。また、出産前後を通じて着用することを目的として、腰部にマチ布を有し、マチ布の端縁にファスナを設け、ファスナの開閉により、腹部周囲長を調整可能とした婦人服が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-273701号公報
【特許文献2】実用新案登録第3098982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ファスナの開閉によりマチ布部分でサイズ調整を行う場合には、細かいサイズ調整が困難であるいう問題が生じる。妊娠中は、特に腹部周りの着用感は気を遣うものであることから、衣類には多段階での調整が求められる。
【0005】
そこで、本発明は、ウエスト部から腹部のサイズを細かく調整できるとともに、妊娠期間中に加え、妊娠中ではない期間においても、良好な着用感が得られるとともに美しい着用シルエットを実現することができるボトム衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のボトム衣類は、ウエスト部の一部にゴムが通されており、前記ウエスト部の前記ゴムが通されていない箇所に、開閉可能なウエストタック部分を備え、前記ウエストタック部分には、タックを係止する係止部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明のボトム衣類において、前記係止部が、段階的にサイズ調整可能に設けられていることが好ましい。
【0008】
本発明のボトム衣類において、前記係止部の係止位置が、調整されるサイズの段階によって異なる高さとなるように設けられていることが好ましい。
【0009】
本発明のボトム衣類において、前記ウエスト部において、前記ゴムが配置される位置の外面、および、前記係止部を覆う位置の少なくとも一方にベルトが配置されていることが好ましい。
【0010】
本発明のボトム衣類において、前記ベルトは、バックルを有しており、前記ウエスト部には、前記バックルのピンを固定するベルト位置固定部を備えていることが好ましい。
【0011】
本発明のボトム衣類において、前記ゴムが、長さ調整可能であることが好ましい。
【0012】
本発明のボトム衣類は、パンツまたはスカートであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ウエスト部から腹部のサイズを細かく調整できるとともに、妊娠期間中に加え、妊娠中ではない期間においても、良好な着用感が得られるとともに美しい着用シルエットを実現することができるボトム衣類を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明のボトム衣類の第1の実施形態に係るテーパードパンツ100を示す図である。図1(A)は、テーパードパンツ100の正面図、図1(B)は、テーパードパンツ100の背面図である。
図2図2は、本発明のボトム衣類の一実施形態における、ウエストタック部分の係止部の位置を説明する拡大図である。
図3図3は、本発明のボトム衣類の一実施形態における、ウエスト部付近の拡大図である。
図4図4は、本発明のボトム衣類の一実施形態における、ベルトの配置位置を説明する図である。図4(A)は、ベルトを装着する前の状態を示す背面図、図4(B)は、ベルトを装着した状態の背面図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態に係るテーパードパンツ200の着用状態を示す図である。図5(A)は、ウエストタックを大きく取った状態での着用状態を示す正面図、図5(B)は、ウエストタックを小さく取った状態での着用状態を示す正面図、図5(C)は、ウエストタックを取らない状態での着用状態を示す正面図である。
図6図6は、図5の着用状態において、側面から見たときの状態を示す図である。図6(A)は、ウエストタックを大きく取った状態での着用状態を示す側面図、図6(B)は、ウエストタックを小さく取った状態での着用状態を示す側面図、図6(C)は、ウエストタックを取らない状態での着用状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のボトム衣類の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定および制限されない。なお、以下で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。
【0016】
(第1の実施形態)
図1に、本発明のボトム衣類の第1の実施形態に係るテーパードパンツ100を示す。図1(A)は、テーパードパンツ100の正面図、図1(B)は、テーパードパンツ100の背面図である。このボトム衣類は、いわゆるマタニティ用の衣類であるが、妊娠初期から出産直前に至るまでに加え、さらには、出産後に体形が戻ってからも着用を想定している。テーパードパンツ100は、ウエスト部11の背面側にゴム12が通されており、ウエスト部11は伸縮可能に形成されている。ゴム12が通されているのは、ウエスト部11の一部のみであり、本実施形態においては、正面から見える位置にゴム12は通されていない。ゴム12が通されていない箇所には、ウエストタック部分13を左右に備えている。ウエストタック部分13は、開閉可能であり、係止部14によってタックは係止される。図1(A)は、タックを取り、ウエストサイズを縮めた状態を示している。例えば、ウエスト部分だけを縮めても、腹部、ヒップ部分などがだぶついた印象になり、ウエストだけ絞って合わせてみた、という感じになってしまう。しかし、このようにウエストタック部分13を設けることによって、例えば膝付近までの広範囲において、ラインが崩れないように調整することができる。本発明のボトム衣類では、細いサイズへの調整後も良好な着用シルエットを保つことができる。
【0017】
図2は、本発明のボトム衣類の一実施形態における、ウエストタック部分の係止部の位置を説明する拡大図である。同図はベルト15を有している態様の例であり、図1(A)における左側(着用者から見て右側)のウエストタック部分13を開いた状態で示している。ウエスト部11の脇側(図2における左側)のウエストタック部分13端部側には、係止部(ドット釦(メス))14Aが設けられ、前中心寄り側には、2カ所に係止部14Aと係止される係止部(ドット釦(オス))14B,14Cが設けられている。着用者の腹囲に応じて、妊娠初期や出産後の腹囲が小さいときは係止部14Aと係止部14Cとを係止し、妊娠中期の腹囲が大きくなってきたときは係止部14Aと係止部14Bとを係止する。妊娠後期においては、係止部を係止させず、ウエストタック部分13を開いた状態で着用する。
【0018】
係止部の位置や数は、ボトム衣類のデザイン(シルエット)に応じて、調整すればよい。係止部は、サイズ調整の意味合いもあるが、スマートな体形のときに、きれいに見せるために、タックを取ってスッキリと畳むという目的がある。例えば、ワイドパンツのように、シルエットが裾にかけて太いデザインのものは、ドット釦の数が少なくても良好な着用シルエットを保つことができる。これに対して、テーパードパンツのような細身のデザインでは、ウエストタック部分13で調整可能なタックの量を多段階にすることで、体型変化に合わせたフィット性が実現できる。図2においては、ドット釦(オス)を2箇所に設けて、3段階に調整可能としたものを示しているが、本発明においてはこれに限られず、ドット釦(オス)を1箇所としても、3箇所以上としてもよい。
【0019】
図2(A)では、2つのドット釦(オス)は水平に並んでいるが、図2(B)では、前中心寄りのドット釦(オス)14Cのほうが低い位置に設けられている。図中の二点鎖線は、ドット釦の高さを比較するために付与した仮想線である。着用サイズ調整をボトム衣類のデザインに合わせて行う際には、このようにタックの係止高さを変えることで、タックを取ったときに角度が調整され、よりきれいなシルエットとすることができる。
【0020】
係止部としては、ドット釦の他にも、ホック(例えば、フック・アンド・アイ(鈎ホック))、グリッパー、ボタン、紐、面ファスナーなどを、デザインに応じて適宜選択して使用することができる。なお、上記以外の他の種類の係止具を使用してもよい。
【0021】
係止部のみでの調整に加え、さらにベルト15によって押さえることも好ましい。ベルト15を設ける場合には、係止部を覆うような位置に配置することが好ましい。タックを係止した状態においても、係止部が見えることがあるが、ベルト15によって係止部を隠すようにすると、サイズ調整をして着用しているという印象を打ち消すことができる。
【0022】
図3は、本発明のボトム衣類の一実施形態における、ウエスト部付近の拡大図であり、タックを取った(係止部で係止した)状態を示している。同図はベルト15を有している態様の例である。同図では図示しないが、ベルト15はバックルとベルトに設けられた穴によって係止されることが好ましい(図5参照)。ベルト15のウエスト部における位置調整は、ベルトループにより行うことが可能である。しかし、通常、ベルトループは、前中心付近には設けられていない。また、ウエストタック部分13の範囲内には、タックをスッキリと畳めるようにするためには、ベルトループは設けないことが望ましい。そのため、妊娠後期の腹囲が大きくなった状態では、前側において広範囲で固定箇所がないため、ベルトが上下方向にずれやすくなる(図5(C)参照)。そこで、本例のボトム衣類においては、ウエスト部11の前開き部分に、ベルトのバックルのピンを固定するための、ループ状のベルト位置固定部16を備えている。前でベルト留めする際に、バックルのピンを、ベルト位置固定部16のループに通してからベルト穴に入れることで、着用外観に影響させずにベルトの上下位置を固定させることができる。なお、ここでは、ベルト位置固定部16を、前中心付近に設けた例を示したが、これに限定されるものではない。ベルトのバックルを配置したい位置が前中心付近ではない場合、所望の位置に合わせて、ベルト位置固定部16を設けてもよい。ベルト位置固定部16は、ベルト15の位置を固定することでが係止部を隠すことができるように設けることが好ましい。
【0023】
図3においては、ベルト15が、ウエスト部11に設けられ衣類の表裏を貫通するベルト通し用のスリット17を通り、ボトム衣類背面のゴム12が通された部分で表側に出されている。本態様では、ベルト15は、腹部を優しく包み込む仕様とするために、衣類の表地を使用した共布ベルトとしている。この共布ベルトは、一般的な革製等のベルトに比べ、柔らかい風合いであり、ベルトループに通す通常の仕様ではベルト部分が安定しにくい。そこで、ベルト15を、脇部分でスリット17から衣類の内側に通すようにすることで、見た目や納まりの点でも良好なものとすることができた。また、妊娠時の腹囲を想定してベルトの長さも長くなっているので、そのベルト端を上手く収納できるというメリットもある。
【0024】
図4に、ボトム衣類の背面側におけるベルトの配置位置を説明する図を示す。図4(A)は、ベルトを装着する前の状態を示す背面図、図4(B)は、ベルトを装着した状態の背面図である。図4(A)に示すように、ゴム12が通された部分は、ギャザーとなり、外観上からもゴム12が入っていることがわかってしまう。特にマタニティ用のボトム衣類においては、他に調整部を設けていても、ウエスト部11にゴム12は必要である。一日の中でも、腹部に張りを感じるなど、衣類を緩めたいタイミングが想定されるからである。しかし、ゴムに起因するギャザーが目立つと、着用姿がきちんとした感じに見えないのではないか、と考える着用者も多い。そのために後側のみにゴムベルトを配置した衣類もあるが、同様である。そこで、図4(B)に示すように、ベルト15を、ゴム12が配置される位置の外面に配置することで、ギャザーを隠すことができ、「いかにもマタニティウエア」という印象を打ち消すことができる。ベルト15は、ゴム12配置部分(ギャザー部分)のサイズ調整機能に加え、ギャザーや前述の係止部14を隠す機能を有することができる。図4(B)においては、ベルト15はギャザー領域に対して細いものを示しているが、ギャザー領域全体を覆うような太さとすることもできる。ベルト15は、着用者の胴回りを一周させる態様に限られず、係止部を覆う位置(前側)、あるいは、ゴムが配置される位置の外面(後側)のいずれか一方のみに配置してもよい。前側と後側とで別のベルトを設けてもよい。また、背中心付近にベルトループ18を設けると、ベルト15の位置ずれを防ぐことができ、好ましい。
【0025】
なお、ゴム12は、長さ調整可能であることが好ましい。ここでの長さ調整とは、伸縮によるものではなく、ゴム自体の長さを調整することを指す。例えば、ゴム12として、平ゴムの幅方向中央付近にボタンホールが設けられた調節可能平ゴムを用い、衣類側に取り付けた釦に前記平ゴムを留めることで、長さ調整を行うことができる。あるいは、アジャスターによる長さ調整を行ってもよい。
【0026】
(第2の実施形態)
図5および図6は、本発明の第2の実施形態に係るテーパードパンツ200の着用状態を示す図である。テーパードパンツ200は、ウエスト部11の背面側にゴム12が通されている。なお、図5および図6においては、ゴム12により形成されるギャザーの表示は省略している。テーパードパンツ200のウエストタック部分13端部側には、図2に示すように、係止部(ドット釦(メス))14Aが設けられ、前中心寄り側には、2カ所に係止部14Aと係止される係止部(ドット釦(オス))14B,14Cが設けられている。また、共布のベルト15が付属している。図5(A)は、妊娠初期や出産後の腹囲が小さいときの着用状態を示す正面図である。このときは、ウエストタックを大きく取った状態、すなわち、係止部14Aと係止部14Cとを係止した状態である。図5(B)は、妊娠中期の腹囲が大きくなってきたときの着用状態を示す正面図である。このときは、ウエストタックを小さく取った状態、すなわち、係止部14Aと係止部14Bとを係止した状態である。図5(C)は、妊娠後期での着用状態を示す正面図である。このときは、係止部を係止させず、ウエストタック部分13を開いた状態である。また、図6(A)~(C)は、図5(A)~(C)の着用状態において、側面から見たときの状態を示す図である。図6において、左側が身体の正面方向である。
【0027】
図5および図6からは、妊娠していない時、また、妊娠中のおなかの大きさが変わっていく初期から出産直前までのいずれの段階においても、腹部やヒップ部分のだぶつきがなく、ボトム衣類の着用シルエットがきれいに出ていることがわかる。従来のマタニティ用のボトム衣類では、ウエストのゴム等によるギャザーやウエスト直下部分のだぶつき等が目立ちやすかったため、上衣をインせずに、上に出して着用される場合が多かったが、本発明のボトム衣類では、どのようなおなかのサイズでも格好良く、きれいに着ることができる。このようなボトム衣類を長期間にわたり着用してもらうためには、出産後の方が期間が長いので、体型が細い状態できれいに見えることが重要である。本発明では、ゴムやベルトによるサイズ調整手段と、タックによる調整手段との2つの調整手段を有していることで、妊娠中の変化するおなかの大きさに合わせて、段階的に調整が可能であるとともに、シルエットを崩さず、産後もすっきり着用することができる。
【0028】
以上、本発明の具体例として、テーパードパンツを挙げて本発明を説明したが、本発明のボトム衣類は、これらの具体例で記載されたもののみに限定されるものではなく、種々の態様が可能である。例えば、上記の実施形態のようなボトム衣類以外にも、ワイドパンツ、スカート等、マタニティ用のボトム衣類には、好適に適用することができる。ボトム衣類がスカートの場合、特にタイトなデザインのスカートにおいて、本発明を適用することで良好なシルエット得られる。
【0029】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0030】
100、200 テーパードパンツ(ボトム衣類)
11 ウエスト部
12 ゴム
13 ウエストタック部分
14、14A、14B、14C 係止部(ドット釦)
15 ベルト
16 ベルト位置固定部
17 スリット
18 ベルトループ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエスト部の一部にゴムが通されており、
前記ウエスト部の前記ゴムが通されていない箇所に、開閉可能なウエストタック部分を備え、
前記ウエストタック部分には、タックを係止する係止部が設けられており、
前記係止部は、第1の係止部と、前記第1の係止部と係止される第2の係止部とからなり、前記第1の係止部1箇所に対し、複数の前記第2の係止部が段階的にサイズ調整可能に設けられていることを特徴とするボトム衣類。
【請求項2】
前記係止部の係止位置が、調整されるサイズの段階によって異なる高さとなるように前記複数の第2の係止部が配置されている、請求項記載のボトム衣類。
【請求項3】
前記ウエスト部において、前記ゴムが配置される位置の外面、および、前記係止部を覆う位置の少なくとも一方にベルトが配置されている、請求項1記載のボトム衣類。
【請求項4】
前記ベルトは、バックルを有しており、前記ウエスト部には、前記バックルのピンを固定するベルト位置固定部を備えている、請求項記載のボトム衣類。
【請求項5】
前記ゴムが、長さ調整可能である、請求項1記載のボトム衣類。
【請求項6】
ボトム衣類がパンツまたはスカートである、請求項1からのいずれか一項に記載のボトム衣類。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のボトム衣類は、ウエスト部の一部にゴムが通されており、前記ウエスト部の前記ゴムが通されていない箇所に、開閉可能なウエストタック部分を備え、前記ウエストタック部分には、タックを係止する係止部が設けられており、前記係止部は、第1の係止部と、前記第1の係止部と係止される第2の係止部とからなり、前記第1の係止部1箇所に対し、複数の前記第2の係止部が段階的にサイズ調整可能に設けられていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明のボトム衣類において、前記係止部の係止位置が、調整されるサイズの段階によって異なる高さとなるように前記複数の第2の係止部が配置されていることが好ましい。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエスト部の一部にゴムが通されており、
前記ウエスト部の前記ゴムが通されていない箇所に、開閉可能なウエストタック部分を備え、
前記ウエストタック部分には、タックを係止する係止部が設けられており、
前記係止部は、第1の係止部と、前記第1の係止部と係止される第2の係止部とからなり、前記第1の係止部1箇所に対し、複数の前記第2の係止部が段階的にサイズ調整可能に前記ウエスト部の伸縮方向にならんで設けられており、
前記ウエストタック部分における前記ウエスト部の長さは、前記第1の係止部と前記第2の係止部とが係止されていない前記ウエストタック部分の開状態から、前記第1の係止部と複数の前記第2の係止部のうち前記第1の係止部から最も離れた位置にある係止部とが係止された状態まで、サイズ調整可能であり、
前記ウエスト部において、前記係止部を覆う位置にベルトが配置されていることを特徴とするボトム衣類。
【請求項2】
前記係止部の係止位置が、調整されるサイズの段階によって異なる高さとなるように前記複数の第2の係止部が配置されている、請求項1記載のボトム衣類。
【請求項3】
前記ウエスト部において、前記ベルトが、さらに前記ゴムが配置される位置の外面配置されている、請求項1記載のボトム衣類。
【請求項4】
前記ベルトは、バックルを有しており、前記ウエスト部には、前記バックルのピンを固定するベルト位置固定部を備えている、請求項3記載のボトム衣類。
【請求項5】
前記ゴムが、長さ調整可能である、請求項1記載のボトム衣類。
【請求項6】
ボトム衣類がパンツまたはスカートである、請求項1から5のいずれか一項に記載のボトム衣類。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のボトム衣類は、ウエスト部の一部にゴムが通されており、前記ウエスト部の前記ゴムが通されていない箇所に、開閉可能なウエストタック部分を備え、前記ウエストタック部分には、タックを係止する係止部が設けられており、前記係止部は、第1の係止部と、前記第1の係止部と係止される第2の係止部とからなり、前記第1の係止部1箇所に対し、複数の前記第2の係止部が段階的にサイズ調整可能に前記ウエスト部の伸縮方向にならんで設けられており、前記ウエストタック部分における前記ウエスト部の長さは、前記第1の係止部と前記第2の係止部とが係止されていない前記ウエストタック部分の開状態から、前記第1の係止部と複数の前記第2の係止部のうち前記第1の係止部から最も離れた位置にある係止部とが係止された状態まで、サイズ調整可能であり、前記ウエスト部において、前記係止部を覆う位置にベルトが配置されていることを特徴とする
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明のボトム衣類において、前記ウエスト部において、前記ベルトが、さらに前記ゴムが配置される位置の外面配置されていることが好ましい。