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▶ 喜多 喜代司の特許一覧

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  • 特開-X線用貼付剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003730
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】X線用貼付剤
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/00 20240101AFI20240105BHJP
   A61L 15/54 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
A61F13/00 301S
A61F13/00 301Q
A61L15/54 100
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022112050
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000158677
【氏名又は名称】喜多 喜代司
(72)【発明者】
【氏名】喜多 喜代司
【テーマコード(参考)】
4C081
【Fターム(参考)】
4C081AA03
4C081BB03
4C081DA02
(57)【要約】
【課題】肝臓癌患者手術前のCT(Computer Tomography)X線断層診断装置による診断で、ラジオ波焼灼プローブ先端を穿刺する体表面の位置は術者にとって手術直前まで不確定である。
ラジオ波焼灼手術に於いて、術前にCT装置により、癌患部の判定は出来ても癌患部が小さい場合、例として10mm以下、にはラジオ波焼灼プローブの穿刺位置決定は術者にとって難しい。
【解決手段】課題を解決するために、CT装置使用時に、その位置を体表に記す為に本発明の図形、文字、記号等の形状をしたX線用貼付剤を患者腹部に貼付し、撮影する。図形、文字、記号等は影像雑音と区別し易い。
撮影された正面のCT影像には患部とX線不透過性物が同時に写っており、これら患部とX線用貼付剤の位置関係により簡便にラジオ波焼灼プローブ先端の穿刺位置が確定出来、施術し易く、治療効果が上がる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布、膜、箔、フィルム、シート、テープ、或いは板状の材料に、図形、文字、記号の何れかの形状をしたX線不透過性物質を貼付、塗付、包埋、内包、或いは染み込ませた事を特徴とするX線用貼付剤。
【請求項2】
請求項1のX線不透過性物質がアルミニウム、銅等の金属類である事を特徴とする請求項1に記載のX線用貼付剤。
【請求項3】
請求項1に記載の布、膜、箔、フィルム、シート、テープ、或いは板状の材料の裏面に粘着剤を塗布した事を特徴とする請求項1に記載のX線用貼付剤。
【請求項4】
図形、文字、記号の何れかの形状をしたX線不透過性物質の裏面に粘着剤を塗布した事を特徴とするX線用貼付剤。
【請求項5】
請求項4のX線不透過性物質がアルミニウム、銅等の金属類である事を特徴とする請求項4に記載のX線用貼付剤。
【請求項6】
請求項1及び請求項4のX線用貼付剤に切り取り部を設けたX線用貼付剤。
【請求項7】
布、膜、箔、フィルム、シート、テープ、或いは板状の材料に、図形、文字、記号の何れかの形状をした電磁波感応物質を貼付、塗付、包埋、内包、或いは染み込ませた事を特徴とする電磁波感応貼付剤。
【請求項8】
布、膜、箔、フィルム、シート、テープ、或いは板状の材料に、図形、文字、記号の何れかの形状をした磁力線感応物質を貼付、塗付、包埋、内包、或いは染み込ませた事を特徴とする磁力波感応貼付剤。
【請求項9】
請求項1、請求項7、請求項8で記載の貼付剤を人や動物の体表に貼付し、その電磁波、或いは磁力線による体内診断を基に、病変や患部或いは異物の体表上の位置を確定する方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医療用X線装置による撮影で、本発明のX線用貼付剤により、患部の体表面上の位置を確定する外科手術。
【背景技術】
【0002】
医療用X線装置による診断で肝臓に癌が見つかった場合、外科的には開腹手術、腹腔鏡手術、そしてラジオ波焼灼手術等が施行される。
ラジオ波焼灼手術ではX線、電磁波、超音波等による各種診断後、ラジオ波焼灼プローブ先端の針を体表面から穿刺し、患部を焼灼する。
【0003】
食品、医薬品工場、レストラン、外食産業における作業員の絆創膏混入事故をX線異物検知機並びに金属検知機を用いて未然に防止することを可能にした金属を含有した絆創膏がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者の患部がX線影像には写っても、体表面上から見て患部の位置を正確に指し示すのは医師にとって難しい。
肝臓癌患者手術前のX線装置による診断で、ラジオ波焼灼プローブ先端を穿刺する体表面の位置は、術者にとって手術直前まで不確定である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
布、膜、箔、フィルム、或いは板状材料に、図形、文字、記号の何れかの形状をしたX線不透過性物質を貼付、塗付、包埋、内包、或いは染み込ませたX線用貼付剤をX線撮影時に使用する。X線影像から患者体表面の手術位置を特定する事により、術者の手術手順を容易にする。本発明のX線用貼付剤は患者の皮膚に優しい絆創膏の様な、ウレタン不織布材料使用が好ましい。
【0006】
本発明のX線用貼付剤の患者皮膚への粘着剤として、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系等の医療用粘着剤等がある。X線不透過性物質としてはアルミニウム、銅、等がある。
【0007】
CT(Computer Tomography)X線断層診断装置による撮影時に本発明のX線用貼付剤を1ヶ所以上、肝臓周辺と考えられる体表面に、貼付する。X線影像には患部と共に目印となるX線用貼付剤の図形、文字、又は記号が写っており、癌患部との位置関係が容易に計測出来る。
【0008】
つまり、本発明は、布、膜、箔、フィルム、シート、テープ、或いは板状の材料に、図形、文字、記号の何れかの形状をした電磁波感応物質を貼付、塗付、包埋、内包、或いは染み込ませた事を特徴とする電磁波感応貼付剤である。
【0009】
本発明では、電磁波は元より、磁力線に対しても同様の形態や使用方法が考えられ、磁力波感応貼付剤も提示、提供出来る。
【0010】
本発明の電磁波感応貼付剤や磁力波感応貼付剤を人や動物の体表に貼付し、その電磁波、或いは磁力線による体内診断を基に、体内の病変や患部或いは異物の体表上での位置を確定する方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
CT装置による撮影時に本発明のX線用貼付剤を使用する事により、患部位置を確定し、術者がラジオ波焼灼プローブ先端進入がし易くなる。
更に、CT影像で、患部と体表間の距離が出ているので手術がより簡単に施行可能となる。
【0012】
医療従事者にとって、図形、文字、記号等の形状をしたX線不透過性物質はX線影像の中で判別し易く、診断に間違いを起こさない。
本発明のX線用貼付剤はX線影像に伴う診断に役立ち、外科手術の時間短縮、創口縮小、創口位置決定、等を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1はX線用貼付剤の1例であり、貼付剤A、長方形のX線難透過性物質Bは上下2枚、切り取り部Cで構成される。
【0014】
図2図2はX線用貼付剤の1例であり、Aは貼付剤、X線不透過性物質はBは2枚十字に貼ってあり、図1の様な切り取り部Cは無い。
【0015】
図3図3はX線不透過性物質が丸型のシート状、或いは板状で、裏面に粘着剤を塗付したX線用貼付剤である。
【0016】
図4図4はX線不透過性物質Dを円形にして、中心に切り取り部Cを設け、ドーナツ状にし、裏面に粘着剤を塗付したX線用貼付剤である。
【0017】
図5図5はX線不透過性物質Dを円形にして、切り取り部Cを設け、ピザの一片を切り取った様な図形としたX線不透過性物質Dのみの一例である。本発明のX線不透過性物質の形状は色々考えられるので、この形状には拘らない。
【0018】
図6図6は肝癌のCT影像で、本発明の図1のX線用貼付剤を用いた人体正面の簡略図である。X線用貼付剤RとL及び患部Tがある例である。患部Tの縦軸とX線用貼付剤R-L間の線上で交差するK点が決まる。そしてT-K間、L-K間、R-K間、が求められる。すると体表上に患部Tの位置を記す事が出来る。
【0019】
CT影像で患部Tの深さが出ているので、ラジオ波焼灼手術時にプローブ先端を皮膚直下、垂直に進められる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は医療用貼付剤であり、X線用貼付剤にX線不透過性物質及び切り取り部を備えている。本発明のX線用貼付剤は丸、四角、長方形等のみに拘らない。本発明の医療用X線用貼付剤裏面には、患者体表に装着可能な様に、粘着剤が付いている。
【0021】
図面3及び図面4のX線不透過性物質DのみのX線用貼付剤も可能ではあるが、医療関係者にとっては、図1の様な絆創膏状のX線用貼付剤の方が取扱い易いと考えられる。
【実施例
【実施例0022】
医療用絆創膏(ニチバン株式会社 商品名ケアリーヴ)丸型で直径22mmを使用した。絆創膏の止血ガーゼを外した。図1の様にX線不透過性物質Bとしてアルミ箔で大きさ2x18mmを1枚、絆創膏中心から上下放射状に貼付した。中心に切り取り部C、直径3mm、を設け、図1の様なX線用貼付剤を作成した。切り取り部Cは照準用であり、体表に皮膚マーカーや皮膚ペン等で目印を体表に記す事が出来る。。
【実施例0023】
実施例1と同様に丸型で直径22mm医療用絆創膏の止血ガーゼを外し作成した。図2の様にX線不透過性物質Bとしてアルミニウム箔大きさ2x18mmを2枚、十字に貼付し、X線用貼付剤を作成した。切り取り部は無くてもCT影像上で位置関係は測定できる。
【実施例0024】
アルミニゥム箔にアクリル系接着剤を塗布したテープ(株式会社寺岡製作所)から丸く直径10mm切り抜き、図3の様な円形のアルミニウム貼付剤Dを作成した。皮膚への装着には実施例1や実施例2で用いた止血ガーゼを外した絆創膏上に接着してX線用貼付剤とした。
【実施例0025】
アルミニゥム箔テープ(株式会社寺岡製作所)から丸く直径10mm切り抜き、更に中心部を直径3mm切り抜き、図4の様なドーナツ状のX線用貼付剤Dを作成した。中心の切り取り部Cは体表に目印を皮膚マーカーや皮膚ペンで記す為の切り取り部でもある。皮膚への装着には実施例1や実施例2で用いた絆創膏の止血ガーゼを外し、更に直径3mm切り抜き、図4の切り取り部Cと絆創膏の切り取り部に沿うように接着してX線用粘着剤とした。
【実施例0026】
アルミニゥム箔テープ(株式会社寺岡製作所)から丸く直径10mm切り抜き、更に中心部を直径3mm切り抜き、図4の様なドーナツ状の貼付剤Dを作成した。中心の切り取り部Cは体表に目印を皮膚マーカーや皮膚ペンで記す為の切り取り部でもある。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のX線用貼付剤は医療用であり、CT撮影時に使用する事により、患者患部の手術位置を体表に皮膚マーカーや皮膚ペンで記す事を可能にする。
【符号の説明】
【0028】
A...布、膜、箔、フィルム、或いは板状のX線照準貼付剤
B...X線不透過性物質
C...切り取り部
D...X線照準貼付剤
L...CT撮影時の人体左の図1のX線用貼付剤
R...CT撮影時の人体右の図1のX線用貼付剤
T...肝癌の位置
K...左右のX線用貼付剤間の肝癌の縦軸上の地点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布、膜、フィルム、シート、テープ、或いは板状の材料に、図形、文字、記号の何れかの形状をしたX線不透過性物質を貼付、或いは内包し、布、膜、フィルム、シート、テープ、或いは板状の材料、或いはX線不透過性物質、又はそれら両方、の中心部に切り取り部を設けた事を特徴とするX線用貼付剤。
【請求項2】
請求項1のX線不透過性物質がアルミニウム、銅等の金属類である事を特徴とする請求項1に記載のX線用貼付剤。
【請求項3】
請求項1に記載の布、膜、フィルム、シート、テープ、或いは板状の材料の裏面に粘着剤を塗布した事を特徴とする請求項1に記載のX線用貼付剤。
【請求項4】
図形、文字、記号の何れかの形状をしたX線不透過性物質の裏面に粘着剤を塗布し、X線不透過性物質の中心部に切り取り部を設けた事を特徴とするX線用貼付剤。
【請求項5】
請求項4のX線不透過性物質がアルミニウム、銅等の金属類である事を特徴とする請求項4に記載のX線用貼付剤。