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▶ 梶山 誠の特許一覧

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  • 特開-振動吸収機構内蔵ディスク砥石 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003733
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】振動吸収機構内蔵ディスク砥石
(51)【国際特許分類】
   B24D 7/00 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
B24D7/00 Q
B24D7/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022114371
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】522284247
【氏名又は名称】梶山 誠
(72)【発明者】
【氏名】梶山 誠
【テーマコード(参考)】
3C063
【Fターム(参考)】
3C063AA02
3C063AB05
3C063BA02
3C063BF04
3C063BG04
3C063BG07
3C063BH11
3C063DD02
3C063FF03
(57)【要約】
【課題】これまでの振動吸収機構内蔵ディスク砥石は中心穴に雌ネジが設けられているので取りつけが簡便である反面、取り付ける回転工具の機種によっては取り付けや使用ができない場合がある。
【解決手段】中心取り付け穴に空回り止めのための形状を施したディスク砥石と、それに合わせて略嵌合され反対側押さえリングをネジ止めするためのネジ穴を持つ凸部とクッション材直径と略同一の直径の鍔と回転工具の回転軸嵌合部に嵌合する中心穴を持つフランジ状の押さえ金具と、ドーナツ状のクッション材、から成り、上から押さえ金具、クッション材、ディスク砥石、反対側押さえリングの順に重ね合わせ、押さえ金具と反対側押さえリングをネジ止めしてディスク砥石を略固定して一体化する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に空回り止め形状の取り付け穴を持つディスク砥石と、その取り付け穴に略嵌合され反対側押さえリングをネジ止めするためのネジ穴を持つる凸部と回転工具の回転軸座金嵌合部に嵌合する中心穴を持つフランジ状の押さえ金具と、ドーナツ状のクッション材と、ドーナツ状の反対側押さえリング、から成り、上から順番に押さえ金具、クッション材、ディスク砥石、反対側押さえリングの順で重ね合わせ、押さえ金具と反対側押さえリングをネジ止めして固定し、押さえ金具と反対側押さえリングの間にクッション材を介してディスク砥石を略固定した状態で一体化させた構造を特徴とする振動吸収機構内蔵ディスク砥石。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク砥石の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスクグラインダーなどの手持ちの回転工具の回転軸に取り付けて使用するディスク砥石の中には研削時の振動を吸収する機構を内蔵しているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3088708号
【特許文献2】特開平11-347929
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディスクグラインダーなどの手持ちの回転工具の回転軸に取り付けて使用するディスク砥石の中には研削時の振動を吸収する機構を内蔵しているものがある。(実用新案登録第3088708号)。しかしながら、この実用新案の中で示されている振動吸収機構内蔵ディスク砥石は回転工具本体の回転軸の右雄ネジに直接ネジ込むことを目的として取り付け中心穴に右雌ネジが設けられているので、取り付けが簡便である反面、市場の一般的な回転工具に対して、種類によっては取り付けや使用ができない場合がある。取り付けできない種類の回転工具とは、回転軸が左ネジのもの、あるいは回転工具本体の回転軸が雌ネジのもの、使用できない種類の回転工具とはエアー工具など回転駆動スイッチを切ると回転軸が急速停止してディスク砥石が慣性による左回転でディスク砥石が回転軸から外れるもの、などである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図1に示されるように中心に空回り止めのための形状の取り付け穴2を設けた取り付け部分厚さt1のディスク砥石1と、取り付け穴2にわずかの遊びを持って略嵌合される形状であり反対側押さえリング6をネジ止めするための雌ネジ穴9を持つ高さdの凸部3と直径がクッション材8の外径と略同一で厚さt3の鍔と回転工具の回転軸座金嵌合部に正確に嵌合する直径Hの中心穴5を持つ図2に示されるようなフランジ状の押さえ金具7と、凸部3の平面方向最大径寸法Aよりも若干大きい中心穴径Bを持つ図4に示されるような厚さt2のドーナツ状のクッション材8と、押さえ金具7の雌ネジ穴9に位置を合わせて皿ネジ用の皿穴11を設けた図3の反対側押さえリング6を、図5に示されるように、凸部3を下向きにした押さえ金具7、クッション材8、ディスク砥石1、反対側押さえリング6の順に上から重ね合わせ、押さえ金具7と反対側押さえリング6を皿ネジ10でネジ止め固定して両者の間にクッション材8とディスク砥石1と挟んで略固定しこれらを一体化する。皿穴11はネジ止め固定した時に皿ネジ10が突出しないような寸法形状にする。
【0006】
図11に本発明品を回転工具に取り付けた時の側断面図を示す。回転工具への取り付け部分厚さ寸法T=t3+d+t4が大きすぎると回転工具の回転軸12に回転軸座金13と本発明品をセットした状態で締め付けナット14の締め代が不十分となり取り付けできないので、Tは大きくなりすぎてはいけない。市販の回転工具ではT<7mmとする必要があるものが多いので、例えばt3=1mm、d=4mm、t4=1.9mmとする。同じ理由により実用新案登録第3088708号で提示されている考案の構造のうちフランジ管中心の雄ネジの代わりに丸穴にする方法では厚さ寸法が大きくなりすぎて市販の回転工具には取り付けできない。
【0007】
押さえ金具7の凸部3と反対側押さえリング6の固定方法は、皿ネジに限らずスポット溶接やプレスカシメなどの方法で固定しても同様の効果が得られる。
【0008】
なお構成部品を重ねる順番は、上から反対側押さえリング6、ディスク砥石1、クッション材8、押さえ金具7としても同様の効果が得られる。
【0009】
また反対側押さえリング6の外径をクッション材8外径と同一または大きくすれば、クッション材8の重ね方向の位置はディスク砥石1と反対側押さえリング6の間であっても同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0010】
ディスク砥石1は、回転軸垂直方向に関しては押さえ金具7と反対側押さえリング6の間の寸法dの間にクッション材8を介して挟まれた状態のため完全固定はされていない。回転方向に関してはディスク砥石取り付け穴2と押さえ金具7の凸部3との間に遊びがあるのでこれも完全固定はされていない。これによりディスク砥石1は常に回転軸垂直方向と回転方向の両方で完全固定ではなく略固定された状態となり使用時の振動はクッション材8が吸収するので主軸を通して作業者に伝わる振動の程度を大幅に軽減することができる。
【0011】
回転工具への取り付け穴が直径Hの丸穴で上から回転工具の締め付けナットで締め付ける方式なので、回転軸が左ネジの回転工具、回転工具本体の回転軸が雌ネジの回転工具、回転駆動スイッチを切った際に回転軸が急速停止してディスク砥石が慣性による左回転でディスク砥石が回転軸から外れる回転工具、などにも取り付けができる。
【0012】
一体化した時の取り付け部分厚さTが大きすぎないので締め付けナット14の締め代が不十分となることもない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ディスク砥石の正面図
図2】ディスク砥石の側断面図
図3】押さえ金具の正面図
図4】押さえ金具の側断面図
図5】反対側押さえリングの正面図
図6】反対側押さえリングの側断面図
図7】クッション材の正面図
図8】クッション材の側断面図
図9】構成部品を組み付けて一体化した状態の底面図
図10】構成部品を組み付けて一体化した状態の側断面図
図11】本発明品を回転工具に取り付けた時の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
押さえ金具7と反対側押さえリング6の間にクッション材8を介してディスク砥石1を略固定するので押さえ金具7の凸部3の高さdはディスク砥石取り付け部分厚さt1とクッション材8の材質および厚さt2に応じて適切な値にしなければ十分な振動吸収効果が得られない。dの値は特開平11-347929に開示されている内容を参考にして決定する。
【0015】
クッション材8が、材質が軟らかいなど理由で回転中に変形偏芯してしまう場合は、押さえ金具7あるいはディスク砥石1あるいは反対側押さえリング6にクッション材変形防止の鍔を設けるかクッション材8を接着剤で固定する必要がある。
【実施例0016】
クッション材8の材質をウレタンスポンジとし、t1=3mm、t2=2.5mm、t3=1mm、t4=1.9mm、d=4mm、A=30mm、B=31mm、H=15mmとする。
【符号の説明】
【0017】
1 ディスク砥石
2 ディスク砥石の取り付け穴
3 ディスク砥石の取り付け穴に略嵌合される凸部
5 回転工具に取り付けるための中心穴
6 反対側押さえリング
7 押さえ金具
8 クッション材
9 雌ネジ穴
10 皿ネジ
11 皿ネジ穴
12 回転工具の回転軸
13 回転工具の回転軸座金
14 回転工具の締め付けナット
d 3の高さ寸法
t1 ディスク砥石の取り付け部分の厚さ寸法
t2 クッション材の厚さ寸法
t2’ 構成部品を組み付けて縮んだ状態のクッション材の厚さ寸法
t3 押さえ金具鍔の厚さ寸法
t4 反対側押さえリングの厚さ寸法
A 3の平面方向最大径寸法
B 8の中心穴直径寸法
T 構成部品を組み付けた時の回転工具への取り付け部分厚さ寸法
H 7の中央丸穴の直径寸法であり13のフランジ凸部の直径寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11