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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037339
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】発光装置及び発光装置モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/64 20100101AFI20240312BHJP
【FI】
H01L33/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142116
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 大輔
(72)【発明者】
【氏名】田井 浩平
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA42
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB11
5F142CB15
5F142CD02
5F142CD18
5F142CD44
5F142CD47
5F142CF13
5F142CF23
5F142CF42
5F142CG05
5F142CG24
5F142CG43
5F142DA02
5F142DA14
5F142DA73
5F142DB16
5F142EA02
5F142EA08
(57)【要約】
【課題】発光装置に含まれる半導体発光素子からの熱を効率的に外部に放散することが可能な発光装置及び発光装置モジュールを提供する。
【解決手段】
本発明の発光装置は、上面に金属配線を有しかつ絶縁性のセラミックからなる基板と、前記金属配線を介して前記基板の上面に接合された発光素子と、前記金属配線と電気的に絶縁されておりかつ各々が前記基板の下面に接合されて前記下面から下方に突出している複数の金属体を含む伝熱部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に金属配線を有しかつ絶縁性のセラミックからなる基板と、
前記金属配線を介して前記基板の上面に接合された発光素子と、
前記金属配線と電気的に絶縁されておりかつ各々が前記基板の下面に接合されて前記基板の下面から下方に突出している複数の金属体を含む伝熱部と、を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記基板は、下面に前記金属配線と電気的に絶縁されている金属層を有し、
前記複数の金属体の各々は、前記金属層の表面に金属を含むろう材によって接合されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記基板は、下面に前記金属配線と電気的に絶縁されている金属層を有し、
前記複数の金属体の各々は、前記金属層の表面に拡散接合によって接合されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記複数の金属体の各々は、前記基板の下面に金属を含む活性ろう材によって前記基板と接合されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数の金属体の各々は、円柱のピン形状を有するピン状部を有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記基板は前記金属配線と接続されかつ前記基板の下面に形成された電極を有し、
前記複数の金属体は前記電極と離隔していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項7】
上面に金属配線を有しかつ絶縁性のセラミックからなる基板と、前記金属配線を介して前記基板の上面に接合された発光素子と、前記金属配線と電気的に絶縁されておりかつ各々が前記基板の下面に接合されて前記基板の下面から下方に突出している複数の金属体を含む伝熱部と、を有する発光装置と、
上面に前記発光装置の前記金属配線と電気的に接続された一対の回路配線を有する絶縁性の回路基板と、
前記回路基板の下面に配された放熱器と、からなる発光装置モジュールであって、
前記回路基板には、前記発光装置の前記複数の金属体に対応する位置のそれぞれに上面から下面まで貫通する複数の回路基板貫通孔が形成されており、
前記発光装置の前記複数の金属体の各々は、前記回路基板の前記複数の回路基板貫通孔を通り抜けて前記回路基板の下面から突出しており、当該突出した部分において前記放熱器と金属からなる伝熱部接合材によって接合されていることを特徴とする発光装置モジュール。
【請求項8】
前記放熱器の下面には、前記発光装置の前記複数の金属体の下端に対向する位置のそれぞれに複数の凹部を有し、
前記当該複数の凹部のそれぞれの底部には、前記放熱器の上面まで貫通する複数の放熱器貫通孔が形成されており、
前記発光装置の前記複数の金属体の各々は、前記回路基板の前記複数の回路基板貫通孔及び前記複数の放熱器貫通孔をそれぞれ通り前記放熱器の前記複数の凹部内に至るまで挿入されており、
前記放熱器の前記複数の凹部のそれぞれには、前記伝熱部接合材が充填されていることを特徴とする請求項7に記載の発光装置モジュール。
【請求項9】
前記放熱器の上面には、前記発光装置の前記複数の金属体の先端に対向する位置のそれぞれに複数の凹部が形成されており、
前記発光装置の前記複数の金属体の各々は、前記回路基板の前記複数の回路基板貫通孔をそれぞれ通り前記放熱器の前記複数の凹部内に至るまで挿入されており、
前記放熱器の前記複数の凹部のそれぞれには、前記伝熱部接合材が充填されていることを特徴とする請求項7に記載の発光装置モジュール。
【請求項10】
前記発光装置の前記複数の金属体は、前記回路基板の前記一対の回路配線と互いに絶縁されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の発光装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子を含む発光装置及び発光装置モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体発光素子を含む発光装置と、当該発光装置の一方の面、特に、発光装置の光出射面と反対の面と取り付けられたヒートシンク等の放熱器を有する発光装置モジュールが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、下面の表面上にネジが設けられた金属ベースと、金属ベースの上面に取付けられた発光ダイオード・チップと、金属ベースの上面に設置されかつ発光ダイオード・チップと電気的に接続された回路基板と、金属ベースの下面の側に金属ベースのネジを介して直接に機械連結されたヒートシンクと、を有する発光ダイオードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2005-513815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発光ダイオードにおいては、金属ベースとヒートシンクとを直接機械連結する場合、金属ベースとヒートシンクとの接触面における接触熱抵抗が大きいため、金属ベースとヒートシンクの間の熱抵抗が大きくなってしまう。
【0006】
また、特許文献1に記載の発光ダイオードにおいて、金属ベースとヒートシンクとの間に樹脂からなる母材に無機フィラーを分散させた一般的な熱伝導接着剤を用いる場合も、樹脂を母材とした熱伝導接着剤の熱伝導率が小さいため、金属ベースとヒートシンクの間の熱抵抗が大きくなってしまう。
【0007】
そのため、特許文献1に記載の発光ダイオードにおいては、金属ベースとヒートシンクとの接触面における接触熱抵抗又は熱伝導接着剤の熱抵抗によって、発光ダイオード・チップからヒートシンクへ効率的に熱伝導することができないという問題が挙げられる。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、発光装置に含まれる半導体発光素子からの熱を効率的に外部に放散することが可能な発光装置及び発光装置モジュールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る発光装置は、上面に金属配線を有しかつ絶縁性のセラミックからなる基板と、前記金属配線を介して前記基板の上面に接合された発光素子と、前記金属配線と電気的に絶縁されておりかつ各々が前記基板の下面に接合されて前記下面から下方に突出している複数の金属体を含む伝熱部と、を有することを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る発光装置モジュールは、上面に金属配線を有しかつ絶縁性のセラミックからなる基板と、前記金属配線を介して前記基板の上面に接合された発光素子と、前記金属配線と電気的に絶縁されておりかつ各々が前記基板の下面に接合されて前記基板の下面から下方に突出している複数の金属体を含む伝熱部と、を有する発光装置と、上面に前記発光装置の前記金属配線と電気的に接続された一対の回路配線を有する絶縁性の回路基板と、前記回路基板の下面に配された放熱器と、からなる発光装置モジュールであって、前記回路基板には、前記発光装置の前記複数の金属体に対応する位置のそれぞれに上面から下面まで貫通する複数の回路基板貫通孔が形成されており、前記発光装置の前記複数の金属体の各々は、前記回路基板の前記複数の回路基板貫通孔を通り抜けて前記回路基板の下面から突出しており、当該突出した部分において前記放熱器と金属からなる伝熱部接合材によって接合されていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1に係る発光装置の上面図である。
図2】本発明の実施例1に係る発光装置の断面図である。
図3】本発明の実施例1に係る発光装置の断面図である。
図4】本発明の実施例1に係る発光装置モジュールの断面図である。
図5】本発明の実施例2に係る発光装置モジュールの断面図である。
図6】本発明の変形例1に係る発光装置の断面図である。
図7】本発明の変形例2に係る発光装置の断面図である。
図8】本発明の変形例3に係る発光装置の断面図である。
図9】本発明の変形例4に係る発光装置の断面図である。
図10】本発明の変形例5に係る発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例0013】
図1乃至図3を参照しつつ、実施例1に係る発光装置10の構成について説明する。図1は、実施例1に係る発光装置10の上面図である。また、図2は、図1に示した発光装置10の2-2線に沿った断面図である。また、図3は、図1に示した発光装置10の3-3線に沿った断面図である。なお、図1においては、基板11の上面上の各要素の構造及び位置関係を明確にするために、光反射体50(図2及び図3参照)の図示を省略している。
【0014】
(発光装置10)
発光装置10は、平板上の基板11と、基板11の上面から下面へと至る一対の電極である第1の配線電極13並びに第2の配線電極15と、基板11の上面に形成された中間配線17と、隣り合う第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17の各々の上面上に素子接合層30を介して接合された複数の発光素子20と、複数の発光素子20の上面上に配された波長変換体40と、基板11の上面において波長変換体40の上面を露出するように形成された光反射体50と、を有する。
【0015】
また、発光装置10は、基板11の下面に接合された金属層61及び金属層61の基板11反対の面である下面の表面に接合された伝熱ピン63を有する放熱構造60を備える。
【0016】
(基板11)
基板11は、高い熱伝導性を有する窒化アルミニウム(AlN、熱伝導率:170W/m・K)からなる矩形の平面形状を有する平板上の基板である。基板11は、例えば、アルミナ(Al)等の高い熱伝導性を有する他の絶縁性のセラミック基板であってもよい。
【0017】
第1の配線電極13及び第2の配線電極15は、基板11に形成されており、互いに離隔しかつ電気的に絶縁されている一対の金属電極である。
【0018】
第1の配線電極13は、基板11の上面の長手方向の一端部側に形成された第1の内部配線13Iと、基板11の下面の長手方向の一端部側に形成された第1の実装電極13Oを有する。また、第1の配線電極13は、基板11を貫通しかつ第1の内部配線13Iと第1の実装電極13Oとを電気的に接続する第1の貫通電極13Vを有する。
【0019】
第2の配線電極15は、上記第1の配線電極13と同様の構成を有しており、基板11の上面の長手方向の他端部側に形成された第2の内部配線15Iと、基板11の下面の長手方向の他端部側に形成された第2の実装電極15Oを有する。また、第2の配線電極15は、基板11を貫通しかつ第2の内部配線15Iと第2の実装電極15Oとを電気的に接続する第2の貫通電極15Vを有する。
【0020】
中間配線17は、基板11の上面の第1の内部配線13Iと第2の内部配線15Iとの間に、長手方向に配列されかつ互いに離隔して配されている金属配線である。
【0021】
第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17は、それぞれ基板11の表面に形成された銅(Cu)層を有し、当該Cu層の表面にニッケル(Ni)層及び金(Au)層がこの順に積層されている。
【0022】
第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17は、例えば、蒸着等(高エネルギー金属粒照射による成膜:PVD(Physical Vapor Deposition))の真空成膜によって金属薄膜層が形成された後に、めっき等によって形成される。このように形成することによって、セラミックである基板11と、金属である第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17とは、密接に接合されている。他の形成方法としては、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、メッキ法などがある。このようにして形成した金属層は、その成膜界面において気密性を有する。すなわち、化学的又は/及び物理的に双方が強固に接合している。
【0023】
これにより、基板11と第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17との間の接触熱抵抗を小さくすることができる。
【0024】
また、金属である第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17は、高い熱伝導率を有する(Cu熱伝導率:約380W/m・K、Ni熱伝導率:約90W/m・K、Au熱伝導率:約300W/m・K)。よって、第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17から基板11へは、効率的に熱を伝導可能である。
【0025】
(発光素子20)
発光素子20は、基板11の上面に配された発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の半導体発光素子である。実施例1においては、発光素子20として、青色の光を放射するLED素子を用いた。
【0026】
発光素子20は、透光性を有する板状の成長基板21と、成長基板21の下面に形成された発光層を含む半導体構造層(図示せず)と、当該半導体構造層の成長基板21と接する面と反対の面、すなわち下面に形成された一対の電極である素子電極23及び25と、を含む構造を有している。
【0027】
発光素子20は、素子電極23及び25が形成されている成長基板21の下面が基板11の上面と対向する向きで搭載されている。また、発光素子20は、素子電極23及び25の各々の下面が、第1の内部配線13I、第2の内部配線15I及び中間配線17の上面とそれぞれ素子接合層30を介して接合されている。すなわち、発光素子20は、能動面である半導体構造層が形成された面を反転して基板11に接合したフリップチップ態様の発光素子である。
【0028】
発光素子20は、基板11の上面の互いに隣り合う配線を跨ぐように配されており、発光素子20の素子電極23及び25が当該互いに隣り合う配線のそれぞれの上面上に素子接合層30を介して接合されている。すなわち、発光素子20は、第1の配線電極13と第2の配線電極15との間において、中間配線17を介して電気的に直列に接続されている。
【0029】
素子接合層30は、例えば、共晶接合によって形成された金錫(AuSn)等の金属合金である。すなわち、各々の配線と発光素子20とは、接合時の加熱によって溶融状態を経た金属合金によって密接に接合されている。言い換えれば、素子接合層30によって、各々の配線と発光素子20の素子電極23及び25とが互いに溶着されている。
【0030】
これにより、発光素子20と第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17との間の接触熱抵抗を小さくすることができる。
【0031】
また、発光素子20と第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17とが高い熱伝導率を有する金属合金であるAuSn(熱伝導率:約60W/m・K)で接合されているため、発光素子20から生じた熱は素子接合層30、第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17を介して効率的に基板11へと伝導される。
【0032】
(波長変換体40)
波長変換体40は、板状の形状を有し、発光素子20の各々の上面上に配されている。波長変換体40は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂等の透光性の樹脂によって発光素子20の各々の上面上に接合されている。
【0033】
波長変換体40は、発光素子20と対向する面である下面から入光した発光素子20の放射光の一部を波長変換して上面から出光する。
【0034】
実施例1においては、波長変換体40として、セリウム(Ce)をドープしたイットリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce、YAl12:Ce)の蛍光体粒子とバインダであるセラミック粒子とを混合して焼成を行った焼結体を用いた。また、実施例1においては、波長変換体40が発光素子20より放射された青色光の一部を黄色光に波長変換し、白色光を出光するように蛍光体粒子の含有率が調整されている。
【0035】
(光反射体50)
光反射体50は、基板11の上面上において、第1の内部配線13I、第2の内部配線15I、中間配線17並びに発光素子20の各々の露出面、及び波長変換体40の側面を覆うように形成されている。
【0036】
光反射体50は、発光素子20の側面から出射する光及び波長変換体40の側面から出射する光を各々の内方方向に反射し、波長変換体40の上面へと導光する。
【0037】
実施例1においては、光散乱性粒子である酸化チタン(TiO)粒子を混合した熱硬化性のシリコーン樹脂を用いた。
【0038】
(放熱構造60)
伝熱部としての放熱構造60は、基板11の下面に形成された金属層61及び金属層61の下面に配されている伝熱ピン63から構成され、発光素子20から生じる熱を基板11を介して発光装置10の外部に伝熱または放散する。
【0039】
金属層61は、基板11の下面において、第1の実装電極13O及び第2の実装電極15Oと互いに離隔する領域に形成された金属からなる層である。すなわち、金属層61は、第1の配線電極13及び第2の配線電極15と互いに絶縁されている。
【0040】
金属層61は、例えば、基板11の表面に形成されたCu層を有し、当該Cu層の表面にNi及びAuがこの順に積層されている。
【0041】
金属層61は、例えば、蒸着等の真空成膜によって金属薄膜層が形成された後に、電解めっき等によって形成される。このように形成することによって、セラミックである基板11と、金属である金属層61とは、第1の配線電極13、第2の配線電極15及び中間配線17と同様に、密接に接合されている。
【0042】
これにより、基板11と金属層61との間の接触熱抵抗を小さくすることができる。
【0043】
また、金属である金属層61は、高い熱伝導率を有する(Cu熱伝導率:約380W/m・K、Ni熱伝導率:約90W/m・K、Au熱伝導率:約300W/m・K)。よって、基板11から金属層61へは、効率的に熱を伝導可能である。
【0044】
さらに、主材料がCuである金属層61は、基板11に比べて熱伝導率が大きい。よって、金属層61は、発光素子20から基板11に伝導された熱を集熱する集熱部としても機能する。
【0045】
金属体としての伝熱ピン63は、例えば、Cuからなる金属であり、表面にNi層及びAu層がこの順に積層されている。実施例1においては、伝熱ピン63は、金属層61の下面に3行5列の計15本がマトリクス状に接合されている。
【0046】
伝熱ピン63は、例えば、一方の端部に形成された円板状のヘッド部及び円柱のピン形状を有するピン状部からなる。伝熱ピン63は、当該ヘッド部が銀ろう材等のろう材65によってと金属層61の下面の表面にろう付けされることで金属層61に接合されている。すなわち、伝熱ピン63と金属層61とは、接合時の加熱によって溶融状態を経た金属を含む接合材料によって密接に接合されている。言い換えれば、ろう材65によって、伝熱ピン63と金属層61とが互いに接合されている。
【0047】
これにより、金属層61と伝熱ピン63との間の接触熱抵抗を小さくすることができる。
【0048】
また、金属層61と伝熱ピン63とは、高い熱伝導率を有する金属を含む銀ろう材(熱伝導率:約100W/m・K)によって接合されているため、基板11からの熱は金属層61を介して効率的に伝熱ピン63へと伝導される。
【0049】
なお、実施例1においては、伝熱ピン63が円板状のヘッド部及び円柱状のピン状部からなる場合について説明したが、伝熱ピン63の形状はこれに限定されない。例えば、伝熱ピン63は、矩形の板状のヘッド部及び四角柱状のピン状部からなっていてもよいし、多角形の板状のヘッド部及び多角柱状のピン状部からなっていてもよい。
【0050】
実施例1の発光装置10は、上述の通り、発光素子20から伝熱ピン63までの間で樹脂材料を母材とする接合材を用いていない。また、金属と金属又は金属とセラミックをネジなどの機械的に密着させた接触熱抵抗の高い構造を有していない。すなわち、本発明の発光素子20から伝熱ピン63までの各部材間は、化学的又は/及び物理的に双方が強固に接合した構造となっている。
【0051】
なお、高い放熱効果を得るには、伝熱ピン63の円柱状のピン状部の断面積の総和(ΣSp)を発光素子20の素子電極23及び25の面積の総和(ΣSe)で除した断面比(Rpe=ΣSp/ΣSe)が0.4~3倍程度とすることが好ましい。断面比(Rpe)が0.4以上あれば樹脂材料を母材とする接合部材より放熱性を向上できる。また、断面比(Rpe)を3以下とすることで基板11の面積を小さく抑えることができる。基板11の面積の拡大が可能なら、この限りではない。
【0052】
例えば、無機フィラーを含む樹脂材料からなる接合材は、熱伝導率が非常に低く(10W/m・K未満)、発光素子20から生じる熱を効率的に伝導する十分でない。また、母材が熱硬化性樹脂である場合、ボイドの発生又は加熱による硬化の収縮等により接合面に間隙が生じる可能性があり、接触熱抵抗が大きくなるおそれがある。
【0053】
実施例1の発光装置10においては、基板11、第1の配線電極13、第2の配線電極15、中間配線17、金属層61及び伝熱ピン63に熱伝導率が高いセラミック及び金属を用いている。また、それぞれの構成部材を接合する接合材においても、熱伝導率が高い接合材を用い、かつ接合部が非常に小さい接触熱抵抗となるように形成されている。
【0054】
よって、発光素子20から生じる熱を効率的に伝熱ピン63へと伝導し、外部に放散させることが可能となる。
【0055】
(発光装置モジュール100)
図4は、実施例1に係る発光装置10を搭載した発光装置モジュール100の断面図である。図4は、図1に示した発光装置10の2-2線に沿った位置に相当する断面である。
【0056】
発光装置モジュール100は、発光装置10と、回路基板70と、放熱器80と、を有する。発光装置モジュール100においては、回路基板70の上面に発光装置10が搭載され、回路基板70の下面に放熱器80が取り付けられている。
【0057】
(回路基板70)
回路基板70は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂等からなる絶縁性の基板であり、発光装置10の搭載面である上面に発光装置10の第1の実装電極13O及び第2の実装電極15Oと電気的に接続する一対の回路配線73及び75を備えている。
【0058】
また、回路基板70には、回路配線73と75との間の領域において発光装置10の伝熱ピン63に対向する位置に配されており、回路基板70の上面から下面まで貫通する複数の回路基板貫通孔70Hが形成されている。回路基板70に搭載されている発光装置10の伝熱ピン63の各々は、回路基板貫通孔70Hを通り抜けて回路基板70の下面から突出するように挿入されている。回路基板70と発光装置10とは、第1の実装電極13O及び第2の実装電極15Oと回路基板70の一対の回路配線73、75とがはんだ等の装置接合層78を介して接合されることで互いに接合されている。
【0059】
また、発光装置10の伝熱ピン63は、回路基板70の一対の回路配線73及び75と離隔し、電気的に絶縁されている。
【0060】
(放熱器80)
放熱器80は、回路基板70の下面に配されたヒートシンクである。放熱器80には、下面に放熱フィン81が形成されている。放熱器80は、放熱フィン81が形成されている下面と反対の面である上面が回路基板70の下面と対向するように配されている。
【0061】
放熱器80は、例えば、熱伝導率の高いアルミニウム(Al、熱伝導率:約220W/m・K)等の金属からなる。
【0062】
また、放熱器80の下面には、隣り合う放熱フィン81の間でありかつ伝熱ピン63の先端に対向する位置に複数の凹部80Fが形成されている。また、凹部80Fの各々の底部には、放熱器80の上面まで貫通する放熱器貫通孔80Hが形成されている。発光装置10の伝熱ピン63の先端は、放熱器80の上面から放熱器貫通孔80Hを通り、凹部80Fの内部まで至っている。
【0063】
放熱器80は、例えば、回路基板70及び放熱器80を貫通する絶縁性のプッシュピン等の固定具PPによって固定されている。
【0064】
放熱器80の凹部80Fには、はんだ等の金属を含む伝熱部接合材としての放熱器接合材85が充填されており、この放熱器接合材85によって伝熱ピン63と放熱器80とが接合されている。すなわち、伝熱ピン63と放熱器80とは、接合時の加熱によって溶融状態を経た金属を含む接合材料によって接合されている。言い換えれば、放熱器接合材85によって、伝熱ピン63と放熱器80とが互いに溶着されている。
【0065】
これにより、伝熱ピン63と放熱器80との間の接触熱抵抗を小さくすることができる。
【0066】
また、伝熱ピン63と放熱器80とが高い熱伝導率を有する金属合金であるはんだである放熱器接合材85(熱伝導率:約60W/m・K)で接合されているため、伝熱ピン63からの熱が放熱器80へと効率的に伝導される。
【0067】
以上の構成により、実施例1の発光装置モジュール100においては、発光装置10の発光素子20から放熱器80までの間に、樹脂材料等を含む熱伝導率の低い部材を用いない放熱経路を形成することができる。さらに、各々の接合部は、接合時に溶融状態を経た金属を含む接合材によって密接に接合されているため、当該接合部の接合界面の接触熱抵抗を実質上において無視できる程度まで低減させることができる。
【0068】
従って、実施例1によれば、発光装置10の発光素子20から生じる熱を効率的に放熱器80に伝導し、放熱器80から発光装置モジュール100の外部に放散することが可能となる。
【0069】
なお、放熱器80は、ヒートシンクに限定されない。例えば、発光装置モジュール100が灯具として用いられる場合、放熱器80は、ブラケット、リフレクタ、筐体等であってもよい。言い換えれば、放熱器80は、放熱器そのものであっても良いし放熱器の機能を兼ねる固定具や筐体等の部材であってもよい。また、放熱器80は、発光装置10からの熱の放熱経路となる部材であってもよい。
【0070】
(発光装置モジュール100の製造方法)
発光装置モジュール100は、以下の方法で製造可能である。
【0071】
まず、回路基板70の上面に形成された一対の回路配線73、75の上面上に装置接合層78の原料ペーストであるはんだペーストを塗布する(行程1)。
【0072】
次に、発光装置10の伝熱ピン63を挿入しつつ第1の実装電極13O及び第2の実装電極15Oと装置接合層78の原料ペーストとを接触させる(行程2)。
【0073】
この状態の回路基板70をリフロー炉に投入し、装置接合層78の原料ペーストを溶融させて回路基板70と発光装置10とを接合する(行程3)。
【0074】
次に、回路基板70を上下反転させ、回路基板70から突出した伝熱ピン63を放熱器80の放熱器貫通孔80Hに挿入しつつ、放熱器80を固定具PPで固定する(行程4)。
【0075】
次に、放熱器80の凹部80Fに放熱器接合材85の原料であるはんだペーストを充填する(行程5)。
【0076】
その後、ヒートガン等の加熱手段によって放熱器接合材85の原料であるはんだペーストを溶融させ、伝熱ピン63と放熱器80とを接合する(行程6)。
【0077】
以上の行程を行うことによって、発光装置モジュール100が製造可能である。
【実施例0078】
実施例1においては、放熱器80の下面に凹部80F及び放熱器貫通孔80Hが形成された場合について説明した。しかし、放熱器80の構造はこれに限定されない。
【0079】
(発光装置モジュール100A)
図5は、実施例2に係る発光装置モジュール100Aの断面を示す図である。図5は、図1に示した発光装置10の2-2線に沿った位置に相当する断面である。
【0080】
実施例2においては、放熱器90の凹部90Fが放熱器90の上面に形成されている点で実施例1と相違する。発光装置10及び回路基板70の構成については実施例1と同様である。
【0081】
(放熱器90)
放熱器90の上面には、発光装置10の伝熱ピン63に対応する位置に凹部90Fが形成されている。
【0082】
発光装置10の伝熱ピン63は、回路基板70の上面から回路基板貫通孔70Hに挿入され、放熱器90の凹部90Fの内部まで至っている。
【0083】
放熱器90の凹部90Fには、はんだ等の金属を含む放熱器接合材85が充填され、伝熱ピン63と放熱器90とが放熱器接合材85を介して接合されている。
【0084】
実施例2の発光装置モジュール100Aにおいても、発光装置モジュール100と同様に、伝熱ピン63と放熱器90とは、接合時の加熱によって溶融状態を経た金属を含む接合材料によって密接に接合されている。
【0085】
また、発光装置モジュール100Aは、発光装置10の発光素子20から放熱器90までの間において、樹脂材料等を含む熱伝導率の低い部材を用いない放熱経路を形成することができる。
【0086】
従って、実施例2においても、発光装置10の発光素子20から生じる熱を効率的に放熱器90に伝導し、放熱器90から発光装置モジュール100Aの外部に放散することが可能となる。
【0087】
なお、実施例2の発光装置モジュール100Aの構成においては、図5に示すように、回路基板70の下面と放熱器90の上面とを所定距離離隔させるスペーサSPを設けることが好ましい。これにより、放熱器90の凹部90Fに充填された放熱器接合材85の原料であるはんだペーストの這い上がり又は漏れ出しを抑制することができる。
【0088】
(発光装置モジュール100Aの製造方法)
実施例2の発光装置モジュール100Aは、放熱器90を上記の構造とすることにより、はんだペーストの加熱接合工程の回数を削減することが可能である。
【0089】
具体的には、まず、回路基板70の上面に形成された一対の回路配線73、75の上面上に装置接合層78の原料ペーストであるはんだペーストを塗布する(行程1)。
【0090】
次に、放熱器90の凹部90Fに放熱器接合材85の原料であるはんだペーストを充填する(行程2)。
【0091】
次に、回路基板70の回路基板貫通孔70Hと放熱器90の凹部90Fとが対応する位置で固定されるように、放熱器90を固定具PPで固定する(行程3)。
【0092】
次に、発光装置10の伝熱ピン63を回路基板貫通孔70Hに挿入しつつ第1の実装電極13O及び第2の実装電極15Oと装置接合層78の原料ペーストとを接触させ、かつ伝熱ピン63と放熱器接合材85の原料であるはんだペーストとを接触させる(行程4)。
【0093】
この状態の回路基板70をリフロー炉に投入し、装置接合層78の原料ペースト及び放熱器接合材85の原料であるはんだペーストを溶融させ、発光装置10と回路基板70及び放熱器90とを接合する(行程5)。
【0094】
以上の行程を行うことによって、より簡易的に発光装置モジュール100Aを製造可能である。
【0095】
[変形例1]
実施例1の放熱構造60においては、基板11の下面に形成された金属層61の表面に伝熱ピン63をろう材65を用いてろう付けすることによって接合する場合について説明した。しかし、伝熱ピン63の接合方法はこれに限定されない。
【0096】
図6は、変形例1に係る発光装置10Aの断面図である。図6は、図1に示した発光装置10の2-2線に沿った位置に相当する断面である。
【0097】
発光装置10Aにおいては、基板11の下面に、金属層61及び伝熱ピン63が一体的に形成された放熱構造60Aを有する点で実施例1の発光装置10と相違する。
【0098】
放熱構造60Aは、基板11の下面に形成された金属層61の表面に伝熱ピン63が拡散接合によって接合されている。
【0099】
具体的には、放熱構造60Aは、基板11の下面に形成された金属層61に伝熱ピン63のヘッド部を押し当て、加熱及び加圧することにより、接触界面で金属層61の原子と伝熱ピン63の原子とを相互拡散させて接合を行う。
【0100】
拡散接合を行うことによって、金属層61と伝熱ピン63との界面がほぼ消失し、金属層61と伝熱ピン63とが一体的となった放熱構造60Aを形成することができる。
【0101】
これにより、金属層61と伝熱ピン63との界面における接触熱抵抗をほぼゼロとすることができる。よって、例えば、発光装置10Aを発光装置モジュール100に組み込んだ際に、発光素子20から生じる熱をさらに効率的に放熱器80に伝導させることができ、放熱器80から発光装置モジュール100の外部に放散することが可能となる。
【0102】
[変形例2]
図7は、変形例2に係る発光装置10Bの断面図である。図7は、図1に示した発光装置10の2-2線に沿った位置に相当する断面である。
【0103】
発光装置10Bにおいては、放熱構造60Bが金属層61を有さない点で実施例1の発光装置10と相違する。
【0104】
放熱構造60Bは、伝熱ピン63が基板11の下面に活性ろう材65Aを介して直接接合されている。
【0105】
伝熱ピン63を基板11の下面に活性ろう材65Aを用いて直接ろう付けすることにより、発光素子20から伝熱ピン63までの間において部材間の接合箇所を少なくすることができる。
【0106】
これにより、例えば、発光装置10Bを発光装置モジュール100に組み込んだ際に、発光素子20から放熱器80までの間の接合部における合成接触熱抵抗をさらに低減することが可能となる。
【0107】
[変形例3]
実施例1の発光装置10においては、金属層61の側の一方の端部にヘッド部を有する伝熱ピン63を用いる場合について説明した。しかし、伝熱ピン63の形状はこれに限定されない。
【0108】
図8は、変形例3に係る発光装置10Cの断面図である。図8は、図1に示した発光装置10の2-2線に沿った位置に相当する断面である。
【0109】
発光装置10Cにおいては、放熱構造60Cの伝熱ピン63Aがヘッド部を有さないストレートピンである点で実施例1の発光装置10と相違する。
【0110】
放熱構造60Cは、伝熱ピン63Aが基板11の下面に形成された金属層61の表面に銀ろう材等のろう材65によってろう付けされている。
【0111】
ストレートピンである伝熱ピン63Aを用いることによって、金属層61の表面に接合する伝熱ピン63Aの数量(密度)を増加させることができる。
【0112】
これにより、伝熱ピン63Aによって伝導可能な熱の量をさらに増加させることができ、発光素子20から生じる熱をさらに効率的に放熱器80に伝導させて、外部に放散させることが可能となる。
【0113】
言い換えれば、例えば、発光装置10Bを発光装置モジュール100に組み込んだ際に、発光素子20から放熱器80までの間の熱経路の最小断面積を大きくすることで、伝熱ピン部分が熱経路のボトルネックとなり、そこに熱溜りが生ずることを防止することが可能である。
【0114】
[変形例4]
図9は、変形例4に係る発光装置10Dの断面図である。図9は、図1に示した発光装置10の2-2線に沿った位置に相当する断面である。
【0115】
発光装置10Dにおいては、放熱構造60Dの伝熱ピン63Bの金属層61の側と反対の側の端部に長球状の先端部63Tを有する点で実施例1の発光装置10と相違する。
【0116】
先端部63Tは、例えば、発光装置モジュール100に組み込んだ際に、放熱器80の凹部80F内で放熱器接合材85に埋設されるように設けられる。
【0117】
先端部63Tを有することにより、先端部63Tが放熱器接合材85に対してアンカーとなることにより、伝熱ピン63B又は放熱器80に振動等による上下応力が加わった場合に、伝熱ピン63Bが放熱器接合材85から抜けることを防止することが可能となる。
【0118】
さらに、先端部63Tは、放熱器80と接合する放熱器接合材85との接触面積を大きくすることができる。よって、伝熱ピン63Bからの熱をより効率的に放熱器80に伝導することが可能となる。
【0119】
なお、先端部63Tは、長球状の形状に限定されない。先端部63Tは、例えば、球状形状、潰し形状又は伝熱ピン63Bの径よりも大きい柱状形状であってもよい。先端部63Tは、放熱器接合材85との接触面積を増加させかつ放熱器接合材85からの、ひいては放熱器貫通孔80Hからの抜けを防止できる形状であればよい。
【0120】
[変形例5]
図10は、変形例5に係る発光装置10Eの断面図である。図10は、図1に示した発光装置10の2-2線に沿った位置に相当する断面である。
【0121】
発光装置10Eにおいては、放熱構造60Eの伝熱ピン63Cにおける金属層61の側と反対の側の端部近傍の領域に切り欠き部63Nを有する点で実施例1の発光装置10と相違する。
【0122】
切り欠き部63Nは、例えば、発光装置モジュール100に組み込んだ際に、放熱器80の凹部80F内で放熱器接合材85に埋設されるような位置に設けられる。
【0123】
切り欠き部63Nを有することにより、切り欠き部63Nが放熱器接合材85に対してアンカーとなることにより、伝熱ピン63C又は放熱器80に振動等による上下応力が加わった場合に、伝熱ピン63Cが放熱器接合材85から抜けることを防止することが可能となる。
【0124】
さらに、切り欠き部63Nは、放熱器80と接合する放熱器接合材85との接触面積を大きくすることができる。よって、伝熱ピン63Cからの熱をより効率的に放熱器80に伝導することが可能となる。
【0125】
なお、切り欠き部63Nは、伝熱ピン63Cの全周に設けられていてもよいし、外周の一部に設けられていてもよい。
【0126】
また、切り欠き部63Nに代えて、伝熱ピン63Cの金属層61の側と反対の側の端部を含む領域が複数の凹凸形状となるように伝熱ピン63Cを粗面化してもよい。
【0127】
伝熱ピン63Cは、放熱器接合材85との接触面積を増加させかつ放熱器接合材85からの、ひいては放熱器貫通孔80Hからの抜けを防止できる形状であればよい。
【0128】
なお、本説明における実施例及び変形例の各部の構成は適宜組み合わせることが可能である。例えば、実施例2の発光装置モジュール100Aにおいて、変形例1乃至5に記載された放熱構造60A乃至60Eを有する発光装置10A乃至10Eを組み込むこともできる。
【0129】
以上説明したように、本発明によれば、発光装置に含まれる半導体発光素子からの熱を効率的に外部に放散することが可能な発光装置及び発光装置モジュールを提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0130】
10 発光装置
11 基板
13 第1の配線電極
15 第2の配線電極
17 中間配線
20 発光素子
21 成長基板
23 素子電極
25 素子電極
30 素子接合層
40 波長変換体
50 光反射体
60 放熱構造
61 金属層
63 伝熱ピン
65 ろう材
70 回路基板
73、75 回路配線
78 装置接合層
80、90 放熱器
81、91 放熱フィン
85 放熱器接合材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10