(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037343
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】成果報酬決定装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240312BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142134
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】宮岡 真也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC32
(57)【要約】
【課題】官公庁の行政手続きの窓口に来訪する利用者を削減することに寄与すると共に当該利用者の削減に対する成果報酬を適切に決定することを図る。
【解決手段】ユーザの閲覧実績情報による行政手続きとオンライン行政手続き実績情報による行政手続きとが不一致である場合、又は閲覧実績情報による行政手続きホームページの閲覧時点から所定期間内にユーザがいずれのオンライン行政手続きも行っていない場合に、ユーザに対してオンライン手続き案内を通知する案内通知部と、オンライン手続き案内の通知後に取得されたオンライン行政手続き実績情報に基づいてユーザがオンライン行政手続きを行っている場合に、当該オンライン行政手続きの実績データを成果報酬算出対象データに計上する成果報酬算出部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが一の行政手続きに関するホームページを閲覧したことを示す閲覧実績情報を取得する閲覧実績情報取得部と、
前記閲覧実績情報に基づいて、前記ユーザの前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧後に、前記ユーザがオンラインで行った行政手続きを示すオンライン行政手続き実績情報を取得するオンライン行政手続き実績情報取得部と、
前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きと前記オンライン行政手続き実績情報により特定される全ての行政手続きとが不一致である場合、又は前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧時点から所定期間内に前記ユーザがいずれの行政手続きもオンラインで行っていない場合に、前記ユーザに対して、前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を通知する案内通知部と、
前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を前記ユーザに通知後に取得された前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記ユーザが前記一の行政手続きをオンラインで行っている場合に、当該オンラインによる前記一の行政手続きの実績データを成果報酬算出対象データに計上する成果報酬算出部と、
を備える成果報酬決定装置。
【請求項2】
オンライン行政手続きにおける職員の稼働時間であるオンライン稼働時間を取得するオンライン稼働時間取得部と、
窓口行政手続きにおける職員の稼働時間である窓口稼働時間を取得する窓口稼働時間取得部と、をさらに備え、
前記成果報酬算出部は、前記オンライン稼働時間及び前記窓口稼働時間に基づいて、前記成果報酬算出対象データに含まれる行政手続きに関する、窓口行政手続きに対してオンライン行政手続きにより削減された職員の稼働時間を算出し、算出した削減時間に基づいて成果報酬額を算出する、
請求項1に記載の成果報酬決定装置。
【請求項3】
窓口行政手続きを行う施設の光熱費を示す光熱費情報を取得する光熱費情報取得部をさらに備え、
前記成果報酬算出部は、オンライン手続き案内の通知前の前記光熱費に対して通知後の前記光熱費の差を算出し、算出した光熱費削減額に基づいて成果報酬額を算出する、
請求項1に記載の成果報酬決定装置。
【請求項4】
窓口行政手続きを行う施設の周辺の道路の混雑度を示す道路混雑度情報を取得する道路混雑度情報取得部をさらに備え、
前記成果報酬算出部は、オンライン手続き案内の通知前の前記混雑度に対して通知後の前記混雑度の差を算出し、算出した混雑度低減量に基づいて成果報酬額を算出する、
請求項1に記載の成果報酬決定装置。
【請求項5】
ユーザ毎に、オンライン手続き案内の通知の実績と、ユーザがオンラインで行った行政手続きの実績とを関連付けて記録するオンライン行政手続き実績記録部をさらに備え、
前記成果報酬算出部は、オンライン手続き案内の通知後に初めてオンラインで行政手続きを行ったユーザ数に基づいて成果報酬額を算出する、
請求項1に記載の成果報酬決定装置。
【請求項6】
前記成果報酬算出部は、オンライン手続き案内の通知後に過去の実績にはない行政手続きを初めてオンラインで行ったユーザ数に基づいて成果報酬額を算出する、
請求項5に記載の成果報酬決定装置。
【請求項7】
前記閲覧実績情報に基づいて、前記ユーザの前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧後に、前記ユーザがオフラインで行った行政手続きを示すオフライン行政手続き実績情報を取得するオフライン行政手続き実績情報取得部をさらに備え、
前記案内通知部は、前記ユーザに対して、前記一の行政手続きに関するオフライン手続き案内をさらに通知し、
前記成果報酬算出部は、前記一の行政手続きに関するオフライン手続き案内を前記ユーザに通知後に取得された前記オフライン行政手続き実績情報に基づいて、前記ユーザが前記一の行政手続きをオフラインで行っている場合に、当該オフラインによる前記一の行政手続きの実績データをさらに成果報酬算出対象データに計上する、
請求項1に記載の成果報酬決定装置。
【請求項8】
前記成果報酬算出部は、成果報酬額を、窓口行政手続きの削減事業の受託者と前記成果報酬算出対象データに計上された前記実績データに関するユーザとに分配する各分配額を算出する、
請求項1又は7のいずれか1項に記載の成果報酬決定装置。
【請求項9】
ユーザの行動履歴データを取得する行動履歴データ取得部と、
ユーザの行動と行政手続きとを関連付けた行政手続き関連付け情報を記憶する行政手続き関連付け情報記憶部と、をさらに備え、
前記案内通知部は、前記行動履歴データに示されるユーザの行動に関連付けられた行政手続きに関するオンライン手続き案内を当該ユーザに通知する、
請求項1に記載の成果報酬決定装置。
【請求項10】
前記行動履歴データは、窓口行政手続きを行う施設へのユーザの訪問履歴と、ユーザのWeb利用履歴とを含み、
前記案内通知部は、ユーザの前記施設への訪問頻度及びWeb利用頻度が所定の案内通知条件を満たす場合に、当該ユーザに対して前記オンライン手続き案内の通知を行う、
請求項9に記載の成果報酬決定装置。
【請求項11】
ユーザのWeb閲覧操作履歴データを取得するWeb閲覧操作履歴データ取得部と、
Web閲覧操作履歴データに基づいて決定されたユーザのWeb利用レベル毎にWeb閲覧操作履歴データに基づいて行政手続きに関するWebサイトの閲覧操作に対するストレス度合いを推論する機械学習が行われた学習済モデルを格納するモデル格納部と、
対象ユーザのWeb利用レベルと前記対象ユーザが閲覧操作を行う行政手続きに関するWebサイトの指定とから、前記学習済モデルを用いて、前記対象ユーザのストレス度合いを求める推定部と、をさらに備え、
前記案内通知部は、前記対象ユーザのストレス度合いに基づいて、前記対象ユーザに前記オンライン手続き案内を通知するか否かを決定する、
請求項1に記載の成果報酬決定装置。
【請求項12】
前記案内通知部は、
前記対象ユーザのストレス度合いが低レベルである場合に前記対象ユーザに対して前記オンライン手続き案内を通知し、
前記対象ユーザのストレス度合いが中レベルである場合に前記対象ユーザに対して行政手続きに関するWebサイトの操作に関する指導案内を通知し、
前記対象ユーザのストレス度合いが高レベルである場合に前記対象ユーザに対して前記一の行政手続きに関するオフライン手続き案内を通知する、
請求項11に記載の成果報酬決定装置。
【請求項13】
ユーザ毎にオンライン行政手続きの実績を記録するオンライン行政手続き実績記録部と、
ソーシャルネットワークサービスにおいて前記対象ユーザと関係があるSNSユーザ情報を取得するSNSユーザ情報取得部と、をさらに備え、
前記案内通知部は、前記対象ユーザのストレス度合いが高レベルである場合において、前記対象ユーザのWeb利用レベルが所定レベル以上であるときに、前記SNSユーザ情報に含まれるユーザのうちオンライン行政手続きの実績があるユーザに対して、前記対象ユーザのオンライン行政手続きのサポート要請を通知する、
請求項11に記載の成果報酬決定装置。
【請求項14】
ユーザから指定された場所から窓口行政手続きを行う施設までの距離を示す距離情報を取得する距離情報取得部をさらに備え、
前記案内通知部は、前記距離が所定の長さ以上であるユーザを優先して前記オンライン手続き案内の通知を行う、
請求項1に記載の成果報酬決定装置。
【請求項15】
成果報酬決定装置のコンピュータに、
ユーザが一の行政手続きに関するホームページを閲覧したことを示す閲覧実績情報を取得する閲覧実績情報取得ステップと、
前記閲覧実績情報に基づいて、前記ユーザの前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧後に、前記ユーザがオンラインで行った行政手続きを示すオンライン行政手続き実績情報を取得するオンライン行政手続き実績情報取得ステップと、
前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きと前記オンライン行政手続き実績情報により特定される全ての行政手続きとが不一致である場合、又は前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧時点から所定期間内に前記ユーザがいずれの行政手続きもオンラインで行っていない場合に、前記ユーザに対して、前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を通知する案内通知ステップと、
前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を前記ユーザに通知後に取得された前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記ユーザが前記一の行政手続きをオンラインで行っている場合に、当該オンラインによる前記一の行政手続きの実績データを成果報酬算出対象データに計上する成果報酬算出ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成果報酬決定装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新たな官民連携の手法である成果連動型民間委託契約方式(Pay for Success:PFS)が注目されている。PFSは、民間事業者が提供するサービスの成果に応じて、地方公共団体等が報酬を支払う事業を指す。PFSでは、行政課題の解決に対応した成果指標を設定し、成果指標値の改善状況に連動して委託費等を支払う。
【0003】
特許文献1には、会社設立等のために必要な官公庁への様々な行政手続きを支援する、行政手続支援装置が記載されている。特許文献1に記載された行政手続支援装置は、目的に対応した行政手続に関する情報を記憶し、クライアントからの要求に基づいて該当する行政手続に関する情報をクライアントへネットワークを介して提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したPFSの業務形態において、官公庁の行政手続きの窓口業務の効率化を目的として、官公庁の行政手続きの窓口に来訪する利用者を削減する施策を民間事業者に委託することが考えられる。また、上述した特許文献1に記載された行政手続支援装置は、クライアントへネットワークを介して行政手続に関する情報を提供するが、クライアントがオンラインで行政手続を行うことを支援することまではできない。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、官公庁の行政手続きの窓口に来訪する利用者を削減することに寄与すると共に当該利用者の削減に対する成果報酬を適切に決定することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ユーザが一の行政手続きに関するホームページを閲覧したことを示す閲覧実績情報を取得する閲覧実績情報取得部と、前記閲覧実績情報に基づいて、前記ユーザの前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧後に、前記ユーザがオンラインで行った行政手続きを示すオンライン行政手続き実績情報を取得するオンライン行政手続き実績情報取得部と、前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きと前記オンライン行政手続き実績情報により特定される全ての行政手続きとが不一致である場合、又は前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧時点から所定期間内に前記ユーザがいずれの行政手続きもオンラインで行っていない場合に、前記ユーザに対して、前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を通知する案内通知部と、前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を前記ユーザに通知後に取得された前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記ユーザが前記一の行政手続きをオンラインで行っている場合に、当該オンラインによる前記一の行政手続きの実績データを成果報酬算出対象データに計上する成果報酬算出部と、を備える成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、オンライン行政手続きにおける職員の稼働時間であるオンライン稼働時間を取得するオンライン稼働時間取得部と、窓口行政手続きにおける職員の稼働時間である窓口稼働時間を取得する窓口稼働時間取得部と、をさらに備え、前記成果報酬算出部は、前記オンライン稼働時間及び前記窓口稼働時間に基づいて、前記成果報酬算出対象データに含まれる行政手続きに関する、窓口行政手続きに対してオンライン行政手続きにより削減された職員の稼働時間を算出し、算出した削減時間に基づいて成果報酬額を算出する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、窓口行政手続きを行う施設の光熱費を示す光熱費情報を取得する光熱費情報取得部をさらに備え、前記成果報酬算出部は、オンライン手続き案内の通知前の前記光熱費に対して通知後の前記光熱費の差を算出し、算出した光熱費削減額に基づいて成果報酬額を算出する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、窓口行政手続きを行う施設の周辺の道路の混雑度を示す道路混雑度情報を取得する道路混雑度情報取得部をさらに備え、前記成果報酬算出部は、オンライン手続き案内の通知前の前記混雑度に対して通知後の前記混雑度の差を算出し、算出した混雑度低減量に基づいて成果報酬額を算出する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、ユーザ毎に、オンライン手続き案内の通知の実績と、ユーザがオンラインで行った行政手続きの実績とを関連付けて記録するオンライン行政手続き実績記録部をさらに備え、前記成果報酬算出部は、オンライン手続き案内の通知後に初めてオンラインで行政手続きを行ったユーザ数に基づいて成果報酬額を算出する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、前記成果報酬算出部は、オンライン手続き案内の通知後に過去の実績にはない行政手続きを初めてオンラインで行ったユーザ数に基づいて成果報酬額を算出する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、前記閲覧実績情報に基づいて、前記ユーザの前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧後に、前記ユーザがオフラインで行った行政手続きを示すオフライン行政手続き実績情報を取得するオフライン行政手続き実績情報取得部をさらに備え、前記案内通知部は、前記ユーザに対して、前記一の行政手続きに関するオフライン手続き案内をさらに通知し、前記成果報酬算出部は、前記一の行政手続きに関するオフライン手続き案内を前記ユーザに通知後に取得された前記オフライン行政手続き実績情報に基づいて、前記ユーザが前記一の行政手続きをオフラインで行っている場合に、当該オフラインによる前記一の行政手続きの実績データをさらに成果報酬算出対象データに計上する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、前記成果報酬算出部は、オンラインによる前記実績データと比較してオフラインによる前記実績データを低評価にして成果報酬額を算出する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、前記成果報酬算出部は、成果報酬額を、窓口行政手続きの削減事業の受託者と前記成果報酬算出対象データに計上された前記実績データに関するユーザとに分配する各分配額を算出する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、ユーザの行動履歴データを取得する行動履歴データ取得部と、ユーザの行動と行政手続きとを関連付けた行政手続き関連付け情報を記憶する行政手続き関連付け情報記憶部と、をさらに備え、前記案内通知部は、前記行動履歴データに示されるユーザの行動に関連付けられた行政手続きに関するオンライン手続き案内を当該ユーザに通知する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、前記行動履歴データは、窓口行政手続きを行う施設へのユーザの訪問履歴と、ユーザのWeb利用履歴とを含み、前記案内通知部は、ユーザの前記施設への訪問頻度及びWeb利用頻度が所定の案内通知条件を満たす場合に、当該ユーザに対して前記オンライン手続き案内の通知を行う、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、ユーザのWeb閲覧操作履歴データを取得するWeb閲覧操作履歴データ取得部と、Web閲覧操作履歴データに基づいて決定されたユーザのWeb利用レベル毎にWeb閲覧操作履歴データに基づいて行政手続きに関するWebサイトの閲覧操作に対するストレス度合いを推論する機械学習が行われた学習済モデルを格納するモデル格納部と、対象ユーザのWeb利用レベルと前記対象ユーザが閲覧操作を行う行政手続きに関するWebサイトの指定とから、前記学習済モデルを用いて、前記対象ユーザのストレス度合いを求める推定部と、をさらに備え、前記案内通知部は、前記対象ユーザのストレス度合いに基づいて、前記対象ユーザに前記オンライン手続き案内を通知するか否かを決定する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、前記案内通知部は、前記対象ユーザのストレス度合いが低レベルである場合に前記対象ユーザに対して前記オンライン手続き案内を通知し、前記対象ユーザのストレス度合いが中レベルである場合に前記対象ユーザに対して行政手続きに関するWebサイトの操作に関する指導案内を通知し、前記対象ユーザのストレス度合いが高レベルである場合に前記対象ユーザに対して前記一の行政手続きに関するオフライン手続き案内を通知する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、ユーザ毎にオンライン行政手続きの実績を記録するオンライン行政手続き実績記録部と、ソーシャルネットワークサービスにおいて前記対象ユーザと関係があるSNSユーザ情報を取得するSNSユーザ情報取得部と、をさらに備え、前記案内通知部は、前記対象ユーザのストレス度合いが高レベルである場合において、前記対象ユーザのWeb利用レベルが所定レベル以上であるときに、前記SNSユーザ情報に含まれるユーザのうちオンライン行政手続きの実績があるユーザに対して、前記対象ユーザのオンライン行政手続きのサポート要請を通知する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、ユーザ毎にオンライン行政手続きの実績を記録するオンライン行政手続き実績記録部と、ソーシャルネットワークサービスにおいて前記対象ユーザと関係があるSNSユーザ情報を取得するSNSユーザ情報取得部と、をさらに備え、前記案内通知部は、前記対象ユーザのストレス度合いが高レベル又は中レベルである場合に、前記対象ユーザに対して、前記SNSユーザ情報に含まれるユーザのオンライン行政手続きの実績を通知する、成果報酬決定装置である。
本発明の一態様は、上記の成果報酬決定装置において、ユーザから指定された場所から窓口行政手続きを行う施設までの距離を示す距離情報を取得する距離情報取得部をさらに備え、前記案内通知部は、前記距離が所定の長さ以上であるユーザを優先して前記オンライン手続き案内の通知を行う、成果報酬決定装置である。
【0008】
本発明の一態様は、成果報酬決定装置が実行する成果報酬決定方法であって、ユーザが一の行政手続きに関するホームページを閲覧したことを示す閲覧実績情報を取得する閲覧実績情報取得ステップと、前記閲覧実績情報に基づいて、前記ユーザの前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧後に、前記ユーザがオンラインで行った行政手続きを示すオンライン行政手続き実績情報を取得するオンライン行政手続き実績情報取得ステップと、前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きと前記オンライン行政手続き実績情報により特定される全ての行政手続きとが不一致である場合、又は前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧時点から所定期間内に前記ユーザがいずれの行政手続きもオンラインで行っていない場合に、前記ユーザに対して、前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を通知する案内通知ステップと、前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を前記ユーザに通知後に取得された前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記ユーザが前記一の行政手続きをオンラインで行っている場合に、当該オンラインによる前記一の行政手続きの実績データを成果報酬算出対象データに計上する成果報酬算出ステップと、を含む成果報酬決定方法である。
【0009】
本発明の一態様は、成果報酬決定装置のコンピュータに、ユーザが一の行政手続きに関するホームページを閲覧したことを示す閲覧実績情報を取得する閲覧実績情報取得ステップと、前記閲覧実績情報に基づいて、前記ユーザの前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧後に、前記ユーザがオンラインで行った行政手続きを示すオンライン行政手続き実績情報を取得するオンライン行政手続き実績情報取得ステップと、前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きと前記オンライン行政手続き実績情報により特定される全ての行政手続きとが不一致である場合、又は前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記閲覧実績情報により特定される前記一の行政手続きに関するホームページの閲覧時点から所定期間内に前記ユーザがいずれの行政手続きもオンラインで行っていない場合に、前記ユーザに対して、前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を通知する案内通知ステップと、前記一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を前記ユーザに通知後に取得された前記オンライン行政手続き実績情報に基づいて、前記ユーザが前記一の行政手続きをオンラインで行っている場合に、当該オンラインによる前記一の行政手続きの実績データを成果報酬算出対象データに計上する成果報酬算出ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、官公庁の行政手続きの窓口に来訪する利用者を削減することに寄与すると共に当該利用者の削減に対する成果報酬を適切に決定することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る成果報酬決定方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図3】第1実施形態に係る成果報酬決定方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】第2実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】第3実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】第4実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】第5実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図8】第6実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】第7実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図10】第8実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図11】第9実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図12】第9実施形態に係るモデルの機械学習の学習データの構成例を示す図である。
【
図13】第9実施形態に係る学習済モデルによるストレス度合いの推定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。
図1に示される成果報酬決定システムにおいて、成果報酬決定装置1は、官公庁の行政手続きの窓口に来訪する利用者を削減すること(窓口行政手続きの削減事業)に対する成果報酬を決定するための情報処理を実行する。窓口行政手続きの削減事業は、PFSにより民間事業者(受託者)に委託されている。官公庁の行政手続きとしては、例えば住民票等の取得、転出届や婚姻届等の届け出、児童手当等の申請など、様々な手続きがある。
【0014】
成果報酬決定装置1、ユーザ端末3、オンライン行政手続きサーバ4及び行政手続き関連データベース5は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、外部装置との間でデータを送受する。
【0015】
ユーザ端末3は、利用者(ユーザ)が使用する端末装置である。ユーザ端末3として、例えば、スマートフォン等の携帯通信端末装置や、タブレット型のコンピュータ装置(タブレットPC)や、据置き型のパーソナルコンピュータなどを利用してもよい。
【0016】
ユーザ端末3は、行政手続きアプリケーション301を利用する。行政手続きアプリケーション301は、オンラインで行政手続きを行うためのアプリケーションである。行政手続きアプリケーション301は、ユーザ端末3にインストールされてもよく、又はウェブ(Web)アプリケーションであってもよい。また、ユーザ端末3は、Webブラウザ302やスケジューラ303などを備える。Webブラウザ302は、通信ネットワークNW上に公開されているWebサイトにアクセスする機能を有する。スケジューラ303は、ユーザのスケジュールを管理するためのツールである。
【0017】
オンライン行政手続きサーバ4は、官公庁の行政手続きをオンラインでサービスするためのサーバである。オンライン行政手続きサーバ4は、所定の行政手続きに関するWebサイト(ホームページ)を開設している。ユーザは、ユーザ端末3のWebブラウザ302を利用して所定の行政手続きに関するホームページを閲覧することができる。
【0018】
行政手続きアプリケーション301は、オンライン行政手続きサーバ4と連携して所定の行政手続きをオンラインで行う機能を有する。ユーザは、ユーザ端末3で行政手続きアプリケーション301を起動することにより、行政手続きアプリケーション301を利用して所定の行政手続きをオンラインで行うことができる。
【0019】
行政手続き関連データベース5は、様々な行政手続きに関するデータを蓄積するデータベースである。例えば、行政手続き関連データベース5は、オンライン行政手続きサーバ4が処理したオンラインによる行政手続き(オンライン行政手続き)の実績を示すオンライン行政手続き実績情報を格納する。例えば、行政手続き関連データベース5は、郵送等のオフラインによる行政手続き(オフライン行政手続き)の実績を示すオフライン行政手続き実績情報を格納する。例えば、行政手続き関連データベース5は、行政手続きの窓口による行政手続き(窓口行政手続き)の実績を示す窓口行政手続き実績情報を格納する。
【0020】
図1において、成果報酬決定装置1は、通信部101と、閲覧実績情報取得部102と、オンライン行政手続き実績情報取得部103と、案内通知部104と、成果報酬算出部105と、記憶部200とを備える。
【0021】
成果報酬決定装置1の各機能は、成果報酬決定装置1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、成果報酬決定装置1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、成果報酬決定装置1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、成果報酬決定装置1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、成果報酬決定装置1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は成果報酬決定装置1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、成果報酬決定装置1として、例えばWWWシステム等を利用してWebサイトを開設するように構成してもよい。
【0022】
通信部101は、通信ネットワークNWを介して、成果報酬決定装置1の外部の装置との間で通信を行い、データを送受する。
【0023】
閲覧実績情報取得部102は、閲覧実績情報を取得する。閲覧実績情報は、ユーザが一の行政手続きに関するホームページを閲覧したことを示す情報である。当該ホームページは、オンライン行政手続きサーバ4が開設するホームページである。閲覧実績情報として、例えば、住民票を取得するための住民票取得手続きを案内するホームページ(住民票取得手続き案内ホームページ)をユーザが閲覧したことを示す閲覧実績情報が挙げられる。閲覧実績情報取得部102は、例えば、ユーザ端末3のWebブラウザ302のブラウザ履歴から閲覧実績情報を取得する。閲覧実績情報取得部102は、例えば、オンライン行政手続きサーバ4のホームページアクセスログから閲覧実績情報を取得する。
【0024】
オンライン行政手続き実績情報取得部103は、閲覧実績情報に基づいて、ユーザの一の行政手続きに関するホームページの閲覧後に、当該ユーザがオンラインで行った行政手続きを示すオンライン行政手続き実績情報を取得する。例えば、オンライン行政手続き実績情報取得部103は、閲覧実績情報に基づいて、ユーザの住民票取得手続き案内ホームページの閲覧後に、当該ユーザがオンラインで行った行政手続きを示すオンライン行政手続き実績情報を取得する。
【0025】
オンライン行政手続き実績情報取得部103は、例えば、ユーザ端末3が利用する行政手続きアプリケーション301から、オンライン行政手続き実績情報を取得する。オンライン行政手続き実績情報取得部103は、例えば、ユーザ端末3のWebブラウザ302のブラウザ履歴からオンライン行政手続き実績情報を取得する。オンライン行政手続き実績情報取得部103は、例えば、ユーザ端末3のスケジューラ303上のオンライン予定情報の実績からオンライン行政手続き実績情報を取得する。オンライン行政手続き実績情報取得部103は、例えば、行政手続き関連データベース5からオンライン行政手続き実績情報を取得する。
【0026】
案内通知部104は、ユーザに対して所定の案合通知条件を判定し、案合通知条件を満たす場合に、当該ユーザに対して、行政手続きに関するオンライン手続き案内を通知する。具体的には、案内通知部104は、一のユーザについて、閲覧実績情報により特定される一の行政手続きとオンライン行政手続き実績情報により特定される全ての行政手続きとが不一致である場合、又はオンライン行政手続き実績情報に基づいて、閲覧実績情報により特定される一の行政手続きに関するホームページの閲覧時点から所定期間内に当該ユーザがいずれの行政手続きもオンラインで行っていない場合に、当該ユーザに対して、当該一の行政手続きに関するオンライン手続き案内を通知する。
【0027】
例えば、案内通知部104は、一のユーザについて、閲覧実績情報により特定される住民票取得手続きとオンライン行政手続き実績情報により特定される全ての行政手続きとが不一致である場合に、当該ユーザに対して、住民票取得手続きに関するオンライン手続き案内を通知する。例えば、案内通知部104は、一のユーザについて、オンライン行政手続き実績情報に基づいて、閲覧実績情報により特定される住民票取得手続き案内ホームページの閲覧時点から所定期間内に当該ユーザがいずれの行政手続きもオンラインで行っていない場合に、当該ユーザに対して、住民票取得手続きに関するオンライン手続き案内を通知する。
【0028】
オンライン手続き案内は、例えば、行政手続きアプリケーション301で手続き可能であることや、オンライン行政手続きに関するホームページ(例えば、オンライン行政手続きを説明するホームページ等)のURL(Uniform Resource Locator)などを示す情報である。オンライン手続き案内の通知方法は、オンライン手続き案内のメッセージをユーザ端末3へ送信すること(オンライン通知)で行ってもよく、又はオンライン手続き案内の文書を郵送すること(オフライン通知)で行ってもよい。
【0029】
成果報酬算出部105は、官公庁の行政手続きの窓口に来訪する利用者を削減することに対する成果報酬を算出する。成果報酬算出部105は、一の行政手続きに関するオンライン手続き案内をユーザに通知後に取得されたオンライン行政手続き実績情報に基づいて、当該ユーザが当該一の行政手続きをオンラインで行っている場合に、当該オンラインによる当該一の行政手続きの実績データを成果報酬算出対象データに計上する。例えば、成果報酬算出部105は、住民票取得手続きに関するオンライン手続き案内をユーザに通知後に取得されたオンライン行政手続き実績情報に基づいて、当該ユーザが住民票取得手続きをオンラインで行っている場合に、当該オンラインによる住民票取得手続きの実績データを成果報酬算出対象データに計上する。
【0030】
一の行政手続きの実績データは、例えば実績ポイントである。実績ポイントは、全ての行政手続きで一定のポイントであってもよく、又は行政手続き毎に異なるポイントであってもよい。
【0031】
成果報酬算出部105は、成果報酬算出対象データに基づいて、所定の成果報酬算出方法により成果報酬を算出する。成果報酬算出方法として、例えば、成果報酬算出対象データに計上された全ての実績ポイントの合計値に対して所定の金額を乗算した結果の積を成果報酬額にする方法が挙げられる。
【0032】
さらに、成果報酬算出部105は、成果報酬額を、窓口行政手続きの削減事業の受託者と成果報酬算出対象データに計上された実績データに関するユーザとに分配する各分配額を算出してもよい。当該分配の比率は、予め、成果報酬決定装置1に設定される。成果報酬額がユーザにも分配されることにより、ユーザによるオンライン行政手続きが促進される効果が得られる。
【0033】
次に
図2、
図3を参照して、本実施形態に係る成果報酬決定装置1が行う成果報酬決定方法を説明する。
図2、
図3は、本実施形態に係る成果報酬決定方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【0034】
図2を参照して、本実施形態に係る成果報酬決定装置1が行う成果報酬決定方法のオンライン手続き案内段階を説明する。
【0035】
(ステップS1) 閲覧実績情報取得部102は、閲覧実績情報を取得する。閲覧実績情報取得部102は、取得した閲覧実績情報から、行政手続きに関するホームページ(行政手続きHP)を閲覧したユーザ(閲覧ユーザ)を抽出する。
【0036】
(ステップS2) 閲覧実績情報取得部102は、閲覧ユーザに関連付けて当該閲覧ユーザが閲覧した行政手続きHP(閲覧HP)及び閲覧した日時(閲覧日時)を記憶部200に記録する。
【0037】
(ステップS3) 案内通知部104は、閲覧ユーザのユーザ端末3から行政手続きアプリケーション301の起動ログを取得し、閲覧ユーザによる一の閲覧HPの閲覧後に、閲覧ユーザのユーザ端末3が行政手続きアプリケーション301を起動したか否かを判定する。この判定の結果、行政手続きアプリケーション301を起動した場合はステップS4に進み、そうではない場合はステップS6に進む。
【0038】
以下、説明の便宜上、一の行政手続きとして住民票取得手続きを例に挙げて説明する。また一の閲覧HPとして住民票取得手続き案内ホームページ(住民票取得手続き案内HP)を例に挙げて説明する。
【0039】
(ステップS4) オンライン行政手続き実績情報取得部103は、閲覧実績情報に基づいて、閲覧ユーザの住民票取得手続き案内HPの閲覧後に、当該閲覧ユーザがオンラインで行った行政手続きを示すオンライン行政手続き実績情報を取得する。
【0040】
案内通知部104は、当該オンライン行政手続き実績情報に基づいて、閲覧ユーザによる住民票取得手続き案内HPの閲覧日時から所定期間内に、閲覧ユーザがいずれかの行政手続きをオンラインで行ったか否かを判定する。この判定の結果、閲覧ユーザがいずれかの行政手続きをオンラインで行った場合はステップS5に進み、閲覧ユーザがいずれの行政手続きもオンラインで行っていない場合はステップS6に進む。
【0041】
(ステップS5) 案内通知部104は、当該オンライン行政手続き実績情報により特定されるいずれかのオンライン行政手続きが住民票取得手続きであるか否かを判定する。この判定の結果、いずれかのオンライン行政手続きが住民票取得手続きである場合は
図2の処理を終了し、全てのオンライン行政手続きが住民票取得手続きではない場合はステップS6に進む。
【0042】
(ステップS6) 案内通知部104は、閲覧ユーザに対して、住民票取得手続きに関するオンライン手続き案内を通知する。案内通知部104は、当該オンライン手続き案内を通知した閲覧ユーザに関連付けて、住民票取得手続きに関するオンライン手続き案内及び当該案内を通知した日時(案内日時)を記憶部200に記録する。この後、
図2の処理を終了する。
【0043】
図3を参照して本実施形態に係る成果報酬決定装置1が行う成果報酬決定方法の成果報酬算出段階を説明する。
【0044】
(ステップS11) 成果報酬算出部105は、住民票取得手続きに関するオンライン手続き案内を通知したユーザ(通知ユーザ)を、記憶部200の記録から抽出する。
【0045】
(ステップS12) オンライン行政手続き実績情報取得部103は、通知ユーザへの住民票取得手続きに関するオンライン手続き案内の通知後に、当該通知ユーザがオンラインで行った行政手続きを示すオンライン行政手続き実績情報を取得する。
【0046】
(ステップS13) 成果報酬算出部105は、通知ユーザのユーザ端末3から行政手続きアプリケーション301の起動ログを取得し、通知ユーザへの住民票取得手続きに関するオンライン手続き案内の通知後に、通知ユーザのユーザ端末3が行政手続きアプリケーション301を起動したか否かを判定する。この判定の結果、行政手続きアプリケーション301を起動した場合はステップS14に進み、そうではない場合は
図3の処理を終了する。
【0047】
(ステップS14) 成果報酬算出部105は、ステップS12で取得されたオンライン行政手続き実績情報に基づいて、通知ユーザへの住民票取得手続きに関するオンライン手続き案内を通知した案内日時から所定期間内に、通知ユーザがいずれかの行政手続きをオンラインで行ったか否かを判定する。この判定の結果、通知ユーザがいずれかの行政手続きをオンラインで行った場合はステップS15に進み、通知ユーザがいずれの行政手続きもオンラインで行っていない場合は
図3の処理を終了する。
【0048】
(ステップS15) 成果報酬算出部105は、ステップS12で取得されたオンライン行政手続き実績情報により特定されるいずれかのオンライン行政手続きが住民票取得手続きであるか否かを判定する。この判定の結果、いずれかのオンライン行政手続きが住民票取得手続きである場合はステップS16に進み、全てのオンライン行政手続きが住民票取得手続きではない場合は
図3の処理を終了する。
【0049】
(ステップS16) 成果報酬算出部105は、当該オンラインによる住民票取得手続きの実績データを成果報酬算出対象データに計上する。成果報酬算出部105は、成果報酬算出対象データに基づいて、所定の成果報酬算出方法により成果報酬を算出する。例えば、成果報酬算出部105は、成果報酬算出対象データに計上された全ての実績ポイントの合計値に対して所定の金額を乗算した結果の積を成果報酬額にする。さらに、成果報酬算出部105は、成果報酬額を、窓口行政手続きの削減事業の受託者と成果報酬算出対象データに計上された実績データに関するユーザとに分配する各分配額を所定の分配比率で算出してもよい。
【0050】
上述した第1実施形態によれば、閲覧ユーザのうち閲覧HPに関する行政手続きをオンラインで行わなかった閲覧ユーザに対して、当該行政手続きに関するオンライン手続き案内を通知することにより、オンライン行政手続きを促進し、窓口行政手続きのために官公庁の行政手続きの窓口に来訪する利用者を削減することに寄与することができる。また、当該利用者の削減に対する成果報酬を適切に決定することができる。
【0051】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。この
図4において
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0052】
第2実施形態に係る成果報酬決定装置1は、
図1に示す第1実施形態に係る成果報酬決定装置1に対してさらにオンライン稼働時間取得部106と窓口稼働時間取得部107とを備える。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0053】
オンライン稼働時間取得部106は、オンライン行政手続きにおける職員の稼働時間であるオンライン稼働時間を取得する。オンライン稼働時間の実績は、行政手続き毎に、行政手続き関連データベース5に格納されている。オンライン稼働時間取得部106は、行政手続き関連データベース5からオンライン稼働時間を取得する。例えば、行政手続き関連データベース5には、行政手続き毎に、全ての案件のオンライン稼働時間が格納されている。
【0054】
窓口稼働時間取得部107は、窓口行政手続きにおける職員の稼働時間である窓口稼働時間を取得する。窓口稼働時間の実績は、行政手続き毎に、行政手続き関連データベース5に格納されている。窓口稼働時間取得部107は、行政手続き関連データベース5から窓口稼働時間を取得する。例えば、行政手続き関連データベース5には、行政手続き毎に、窓口稼働時間の平均値が格納されている。
【0055】
成果報酬算出部105は、オンライン稼働時間及び窓口稼働時間に基づいて、成果報酬算出対象データに含まれる行政手続きに関する、窓口行政手続きに対してオンライン行政手続きにより削減された職員の稼働時間を算出し、算出した削減時間に基づいて成果報酬額を算出する。
【0056】
ここでは、説明の便宜上、成果報酬算出対象データに含まれる行政手続きとして住民票取得手続きを例に挙げて説明する。成果報酬算出部105は、住民票取得手続きに関するX件のオンライン稼働時間の合計値を求める。また、成果報酬算出部105は、住民票取得手続きに関する窓口稼働時間の平均値にXを乗算してX件分の窓口稼働時間を求める。次いで、成果報酬算出部105は、X件分の窓口稼働時間からX件のオンライン稼働時間の合計値を減算した差である削減時間を求める。成果報酬算出部105は、当該削減時間に基づいて、所定の成果報酬算出方法により成果報酬を算出する。成果報酬算出方法として、例えば、削減時間の1時間当たりの成果報酬額(成果報酬単価)が予め成果報酬決定装置1に設定され、削減時間に成果報酬単価を乗じた結果の積を成果報酬額にする方法が挙げられる。成果報酬単価は、全ての行政手続きで一定の額であってもよく、又は行政手続き毎に異なる額であってもよい。
【0057】
[第3実施形態]
図5は、第3実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。この
図5において
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0058】
第3実施形態に係る成果報酬決定装置1は、
図1に示す第1実施形態に係る成果報酬決定装置1に対してさらに光熱費情報取得部108を備える。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0059】
光熱費情報取得部108は、窓口行政手続きを行う施設の光熱費を示す光熱費情報を取得する。光熱費情報は、施設毎に、行政手続き関連データベース5に格納されている。光熱費情報取得部108は、行政手続き関連データベース5から光熱費情報を取得する。例えば、行政手続き関連データベース5には、窓口行政手続きを行う施設の日毎の光熱費を示す光熱費情報が格納されている。
【0060】
成果報酬算出部105は、光熱費情報に基づいて、オンライン手続き案内の通知前の光熱費に対して通知後の光熱費の差を算出し、算出した光熱費削減額に基づいて所定の成果報酬算出方法により成果報酬を算出する。成果報酬算出方法として、例えば、光熱費削減額に乗じる算出係数が予め成果報酬決定装置1に設定され、光熱費削減額に算出係数を乗じた結果の積を成果報酬額にする方法が挙げられる。算出係数は、全ての施設で一定の値であってもよく、又は施設毎に異なる値であってもよい。
【0061】
[第4実施形態]
図6は、第4実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。この
図6において
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0062】
第4実施形態に係る成果報酬決定装置1は、
図1に示す第1実施形態に係る成果報酬決定装置1に対してさらに道路混雑度情報取得部109を備える。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0063】
道路混雑度情報取得部109は、窓口行政手続きを行う施設の周辺の道路の混雑度を示す道路混雑度情報を取得する。道路混雑度情報は、施設毎に、行政手続き関連データベース5に格納されている。道路混雑度情報取得部109は、行政手続き関連データベース5から道路混雑度情報を取得する。例えば、行政手続き関連データベース5には、窓口行政手続きを行う施設の日毎の周辺の道路の混雑度を示す道路混雑度情報が格納されている。
【0064】
成果報酬算出部105は、道路混雑度情報に基づいて、オンライン手続き案内の通知前の混雑度に対して通知後の混雑度の差を算出し、算出した混雑度低減量に基づいて所定の成果報酬算出方法により成果報酬額を算出する。成果報酬算出方法として、例えば、混雑度低減量の単位量当たりの成果報酬額(成果報酬単価)が予め成果報酬決定装置1に設定され、混雑度低減量に成果報酬単価を乗じた結果の積を成果報酬額にする方法が挙げられる。成果報酬単価は、全ての施設で一定の額であってもよく、又は施設毎に異なる額であってもよい。
【0065】
[第5実施形態]
図7は、第5実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。この
図7において
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0066】
第5実施形態に係る成果報酬決定装置1は、
図1に示す第1実施形態に係る成果報酬決定装置1に対してさらにオンライン行政手続き実績記録部110を備える。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0067】
オンライン行政手続き実績記録部110は、ユーザ毎に、オンライン手続き案内の通知の実績と、ユーザがオンラインで行ったオンライン行政手続きの実績とを関連付けて記録する。
【0068】
成果報酬算出部105は、オンライン行政手続き実績記録部110の記録に基づいて、オンライン手続き案内の通知後に初めてオンラインでオンライン行政手続きを行ったユーザ数(初心者ユーザ数)を求める。成果報酬算出部105は、初心者ユーザ数に基づいて、所定の成果報酬算出方法により成果報酬額を算出する。成果報酬算出方法として、例えば、初心者ユーザ数の1人当たりの成果報酬額(成果報酬単価)が予め成果報酬決定装置1に設定され、初心者ユーザ数に成果報酬単価を乗じた結果の積を成果報酬額にする方法が挙げられる。成果報酬単価は、全ての行政手続きで一定の額であってもよく、又は行政手続き毎に異なる額であってもよい。
【0069】
また、成果報酬算出部105は、オンライン行政手続き実績記録部110の記録に基づいて、オンライン手続き案内の通知後に過去の実績にはない行政手続きを初めてオンラインで行ったユーザ数(経験ユーザ数)を求めてもよい。成果報酬算出部105は、経験ユーザ数に基づいて、所定の成果報酬算出方法により成果報酬額を算出してもよい。成果報酬算出方法として、例えば、経験ユーザ数の1人当たりの成果報酬額(成果報酬単価)が予め成果報酬決定装置1に設定され、経験ユーザ数に成果報酬単価を乗じた結果の積を成果報酬額にする方法が挙げられる。成果報酬単価は、全ての行政手続きで一定の額であってもよく、又は行政手続き毎に異なる額であってもよい。
【0070】
[第6実施形態]
図8は、第6実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。この
図8において
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0071】
第6実施形態に係る成果報酬決定装置1は、
図1に示す第1実施形態に係る成果報酬決定装置1に対してさらにオフライン行政手続き実績情報取得部111を備える。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0072】
オフライン行政手続き実績情報取得部111は、閲覧実績情報に基づいて、ユーザの一の行政手続きに関するホームページの閲覧後に、当該ユーザがオフラインで行った行政手続きを示すオフライン行政手続き実績情報を取得する。例えば、オフライン行政手続き実績情報取得部111は、閲覧実績情報に基づいて、ユーザの住民票取得手続き案内HPの閲覧後に、当該ユーザが郵送等のオフラインで行った行政手続きを示すオフライン行政手続き実績情報を取得する。オフライン行政手続き実績情報取得部111は、行政手続き関連データベース5からオフライン行政手続き実績情報を取得する。
【0073】
案内通知部104は、閲覧実績情報に基づいて、一の行政手続きに関するホームページを閲覧したユーザに対して、当該一の行政手続きに関するオフライン手続き案内をさらに通知する。例えば、案内通知部104は、住民票取得手続き案内HPを閲覧したユーザに対して、住民票取得手続きに関するオフライン手続き案内(例えば郵送により住民票を取得するための手続き案内)をさらに通知する。
【0074】
成果報酬算出部105は、一の行政手続きに関するオフライン手続き案内をユーザに通知後に取得されたオフライン行政手続き実績情報に基づいて、当該ユーザが当該一の行政手続きをオフラインで行っている場合に、当該オフラインによる当該一の行政手続きの実績データをさらに成果報酬算出対象データに計上する。例えば、成果報酬算出部105は、住民票取得手続きに関するオフライン手続き案内をユーザに通知後に取得されたオフライン行政手続き実績情報に基づいて、当該ユーザが住民票取得手続きをオフラインで行っている場合に、当該オフラインによる住民票取得手続きの実績データをさらに成果報酬算出対象データに計上する。
【0075】
成果報酬算出部105は、オンラインによる実績データと比較してオフラインによる実績データを低評価にして成果報酬額を算出するようにしてもよい。これは、郵送等のオフラインによる行政手続きは、オンライン行政手続きよりも郵送代等のコストがかかるからである。例えば、一の行政手続きの実績データは実績ポイントであって、オンラインによる実績ポイントよりもオフラインによる実績ポイントを少なくしてもよい。実績ポイントは、全ての行政手続きで一定のポイントであってもよく、又は行政手続き毎に異なるポイントであってもよい。
【0076】
成果報酬算出部105は、成果報酬算出対象データに基づいて、所定の成果報酬算出方法により成果報酬を算出する。成果報酬算出方法として、例えば、成果報酬算出対象データに計上された全ての実績ポイントの合計値に対して所定の金額を乗算した結果の積を成果報酬額にする方法が挙げられる。
【0077】
[第7実施形態]
図9は、第7実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。この
図9において
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0078】
第7実施形態に係る成果報酬決定装置1は、
図1に示す第1実施形態に係る成果報酬決定装置1に対してさらに距離情報取得部112を備える。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0079】
距離情報取得部112は、ユーザから指定された場所から窓口行政手続きを行う施設までの距離を示す距離情報を取得する。当該施設の位置を示す位置情報は、施設毎に、行政手続き関連データベース5に格納されている。距離情報取得部112は、ユーザから指定された場所に最も近い窓口行政手続きを行う施設の位置情報を行政手続き関連データベース5から取得する。距離情報取得部112は、取得した位置情報の位置と、ユーザから指定された場所との間の距離を求める。
【0080】
案内通知部104は、距離情報取得部112により求められた距離が所定の長さ以上であるユーザを優先してオンライン手続き案内の通知を行う。ユーザから指定される場所としては、例えば自宅や自宅以外の主要滞在場所や日勤時間帯の滞在場所等が挙げられる。そのような場所から窓口行政手続きを行う施設までの距離が離れているユーザは、当該施設に出向くことが負担に感じられるため、当該ユーザには優先的にオンライン手続き案内を通知する。また、オンライン手続き案内の文書を郵送する場合、郵送代等のコストがかかるので、そのようなユーザを優先してオンライン手続き案内を通知することは好ましい。また、ユーザから指定された場所から窓口行政手続きを行う施設までの移動に利用可能な公共交通機関の有無を判定し、当該公共交通機関がないユーザをさらに優先してオンライン手続き案内を通知してもよい。
【0081】
[第8実施形態]
図10は、第8実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。この
図10において
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0082】
第8実施形態に係る成果報酬決定装置1は、
図1に示す第1実施形態に係る成果報酬決定装置1に対してさらに行動履歴データ取得部113を備える。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0083】
行動履歴データ取得部113は、ユーザの行動履歴データを取得する。行動履歴データは、ユーザの過去の行動の履歴を示すデータである。行動履歴データ取得部113は、ユーザ端末3から行動履歴データを取得する。例えば、行動履歴データ取得部113は、ユーザ端末3の滞在場所の履歴を示すデータを行動履歴データとして取得する。
【0084】
記憶部200は、ユーザの行動と行政手続きとを関連付けた行政手続き関連付け情報を記憶する。行政手続き関連付け情報は、行動の種類毎に、対応する行政手続きを示す情報である。例えば、行動「不動産屋への訪問」には行政手続き「転出届、住民票取得」が関連付けされる。例えば、行動「保育園への訪問」には行政手続き「児童手当申請」が関連付けされる。例えば、行動「結婚式場への訪問」には行政手続き「婚姻届」」が関連付けされる。
【0085】
案内通知部104は、行政手続き関連付け情報に基づいて、行動履歴データに示されるユーザの行動に関連付けられた行政手続きに関するオンライン手続き案内を当該ユーザに通知する。例えば、案内通知部104は、行動履歴データに行動「不動産屋への訪問」が示されるユーザに対して、行動「不動産屋への訪問」に関連付けられた行政手続き「転出届」及び「住民票取得」のオンライン手続き案内を通知する。
【0086】
また、行政手続き関連付け情報は、行動の種類毎に、対応する行政手続きに加えてさらに案内通知条件を示す情報であってもよい。例えば、行動「不動産屋への訪問」には行政手続き「転出届、住民票取得」と案内通知条件「1カ月の訪問回数X回以上」とが関連付けされる。例えば、行動「保育園への訪問」には行政手続き「児童手当申請」と案内通知条件「1カ月の訪問回数Y回以上」とが関連付けされる。
【0087】
案内通知部104は、行政手続き関連付け情報に基づいて、行動履歴データに示されるユーザの行動が案内通知条件を満たす場合に当該ユーザの行動に関連付けられた行政手続きに関するオンライン手続き案内を当該ユーザに通知する。例えば、案内通知部104は、行動履歴データに行動「不動産屋への訪問」が示されるユーザに対して、ユーザの行動「不動産屋への訪問」が案内通知条件「1カ月の訪問回数X回以上」を満たす場合に、行動「不動産屋への訪問」に関連付けられた行政手続き「転出届」及び「住民票取得」のオンライン手続き案内を通知する。
【0088】
なお、行動履歴データに基づいてユーザの行動を推定するユーザ行動推定部をさらに備え、ユーザの過去の行動の精度を上げるようにしてもよい。
【0089】
また、行動履歴データが窓口行政手続きを行う施設へのユーザの訪問履歴と、ユーザのWeb利用履歴とを含む場合、案内通知部104は、ユーザの当該施設への訪問頻度及びWeb利用頻度が所定の案内通知条件を満たす場合に、当該ユーザに対して、オンライン手続き案内の通知を行うようにしてもよい。当該案内通知条件は、例えば、当該施設への訪問回数又は当該施設での窓口行政手続き回数が所定回数以上であり、且つWeb利用頻度が所定頻度以上(例えばWeb利用時間が1日当たり所定時間以上)である。これは、Webの利用に慣れているのに窓口行政手続きを行うようなユーザに対してオンライン行政手続き案内を通知することは、オンライン行政手続きの促進効果がより高いと思われるからである。
【0090】
また、行動履歴データがユーザの購買履歴を含む場合、案内通知部104は、行政手続き関連付け情報に基づいて、ユーザの行動(購買履歴)に関連付けられた行政手続きに関するオンライン手続き案内を当該ユーザに通知してもよい。例えば、案内通知部104は、行動履歴データに行動「結婚指輪の購入」が示されるユーザに対して、行動「結婚指輪の購入」に関連付けられた行政手続き「婚姻届」のオンライン手続き案内を通知する。例えば、案内通知部104は、行動履歴データに行動「介護用品の購入」が示されるユーザに対して、ユーザの行動「介護用品の購入」が案内通知条件「1カ月の購入回数XX回以上」を満たす場合に、行動「介護用品の購入」に関連付けられた行政手続き「介護保険の申請」のオンライン手続き案内を通知する。
【0091】
[第9実施形態]
図11は、第9実施形態に係る成果報酬決定システム及び成果報酬決定装置の構成例を示すブロック図である。この
図11において
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0092】
第9実施形態に係る成果報酬決定装置1は、
図1に示す第1実施形態に係る成果報酬決定装置1に対してさらにWeb閲覧操作履歴データ取得部114と推定部115とオンライン行政手続き実績記録部116とSNSユーザ情報取得部117とを備える。記憶部200は、学習済モデルMDを格納する。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0093】
第9実施形態では、予め機械学習により生成された学習済モデルMDを用いて、ユーザが行政手続きに関するWebサイト(行政手続きサイト)の閲覧操作を行う際のストレス度合いを推定し、推定されたユーザのストレス度合いに基づいて当該ユーザにオンライン手続き案内を通知するか否かを決定する。
【0094】
Web閲覧操作履歴データ取得部114は、ユーザのWeb閲覧操作履歴データを取得する。Web閲覧操作履歴データは、ユーザが行った行政手続きサイトの閲覧操作の履歴を示すデータである。Web閲覧操作履歴データ取得部114は、ユーザ端末3からWeb閲覧操作履歴データを取得する。
【0095】
学習済モデルMDは、Web閲覧操作履歴データに基づいて決定されたユーザのWeb利用レベル毎にWeb閲覧操作履歴データに基づいて行政手続きサイトの閲覧操作に対するストレス度合いを推論する機械学習が行われたモデルである。このモデルの機械学習は、成果報酬決定装置1が行ってもよく、又は成果報酬決定装置1以外の他の情報処理装置が行ってもよい。
【0096】
Web利用レベルは、本実施形態の一例として、Webの利用頻度が最高レベルの「高」、Webの利用頻度が中レベルの「中」、Webの利用頻度が最低レベルの「低」の3段階である。Web利用レベルは、ユーザ毎に、Web閲覧操作履歴データに基づいて予め決定される。
【0097】
推定部115は、ストレス度合いを求める対象のユーザ(対象ユーザ)のWeb利用レベルと対象ユーザが閲覧操作を行う行政手続きサイトの指定とから、学習済モデルMDを用いて、対象ユーザのストレス度合いを求める。ストレス度合いは、本実施形態の一例として、ストレスが最高レベルの「高」、ストレスが中レベルの「中」、ストレスが最低レベルの「低」の3段階である。
【0098】
案内通知部104は、対象ユーザのストレス度合いに基づいて、対象ユーザにオンライン手続き案内を通知するか否かを決定する。例えば、案内通知部104は、ストレス度合いが「低」である対象ユーザのみにオンライン手続き案内を通知し、ストレス度合いが「高」又は「中」である対象ユーザにはオンライン手続き案内を通知しない。例えば、案内通知部104は、ストレス度合いが「高」である対象ユーザにはオフライン手続き案内(例えば郵送により行政手続きを行うための案内)を通知する。例えば、案内通知部104は、ストレス度合いが「中」である対象ユーザには行政手続きサイトの操作に関する指導案内を通知する。
【0099】
また、案内通知部104は、対象ユーザの家族のWeb利用レベルに基づいて、対象ユーザの家族の中にWeb利用レベルが「高」又は「中」である者が存在する場合に、対象ユーザの推定結果のストレス度合いに所定の係数(1未満)を乗じた結果の積を最終的なストレス度合いとして用いてもよい。
【0100】
オンライン行政手続き実績記録部116は、ユーザ毎にオンライン行政手続きの実績を記録する。
【0101】
SNSユーザ情報取得部117は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)において対象ユーザと関係があるSNSユーザの情報(SNSユーザ情報)を取得する。SNSユーザ情報は、例えば対象ユーザがフォローするSNSユーザや対象ユーザがフォローされているSNSユーザ等の対象ユーザとSNS上で繋がりがあるSNSユーザを示す情報である。SNSユーザ情報取得部117は、ユーザ端末3からSNSユーザ情報を取得する。
【0102】
案内通知部104は、対象ユーザのストレス度合いが「高」である場合において、対象ユーザのWeb利用レベルが所定レベル以上であるときに、オンライン行政手続き実績記録部116の記録に基づいて、SNSユーザ情報に含まれるユーザのうちオンライン行政手続きの実績があるユーザに対して、対象ユーザのオンライン行政手続きのサポート要請を通知してもよい。このサポート要請の通知後、通知先のユーザが対象ユーザのオンライン行政手続きのサポートを了承した
場合に、案内通知部104は、対象ユーザに対して、当該通知先のユーザからのオンライン行政手続きのサポートを受けられることを通知する。これにより、当該通知先のユーザによって、対象ユーザに対するオンライン行政手続きのサポートが開始される。
【0103】
案内通知部104は、対象ユーザのストレス度合いが「高」又は「中である場合に、対象ユーザに対して、オンライン行政手続き実績記録部116の記録に基づいて、SNSユーザ情報に含まれるユーザのオンライン行政手続きの実績を通知してもよい。例えば、案内通知部104は、ストレス度合いが「高」又は「中」である対象ユーザに対して、オンライン行政手続き実績記録部116の記録に基づいて、SNSユーザ情報に含まれるいずれかのユーザAのオンライン手続き「住民票取得手続き」の完了を検出した場合に、例えば「ユーザAさんがオンライン手続きで住民票を取得しました。所用時間XX分」等のメッセージを対象ユーザのユーザ端末3へ送信する。これにより、当該対象ユーザにオンライン手続きを促す効果が得られる。また、当該「ユーザAさんがオンライン手続きで住民票を取得しました。所用時間XX分」のメッセージを対象ユーザに送信後に、対象ユーザがオンライン手続きを行った場合に、ユーザAに対して所定の報酬を付与するようにしてもよい。また、当該「ユーザAさんがオンライン手続きで住民票を取得しました。所用時間XX分」等のメッセージをSNS上で投稿してもよい。これにより、ユーザAさんにSNS上で繋がりがあるユーザに対してオンライン手続きを促す効果が得られる。
【0104】
次に本実施形態に係る学習済モデルMDについて詳細に説明する。
【0105】
学習済モデルMDを生成するためのモデルの機械学習について説明する。モデルの機械学習では、モデルに対して、ユーザのWeb利用レベル毎に、Web閲覧操作履歴データに基づいて行政手続きサイトの閲覧操作に対するストレス度合いを推論する機械学習を行う。
【0106】
図12は、本実施形態に係るモデルの機械学習の学習データの構成例を示す図である。
図12において、学習データは、ユーザ毎に、Web利用レベルと、Web閲覧操作履歴データと、ストレス度合いの正解データとを有する。学習データは、ユーザのオンライン行政手続きが完了しなかったときのWeb閲覧操作履歴データ及びストレス度合いの正解データを有する。Web閲覧操作履歴データは、ユーザが行った行政手続きサイトの閲覧操作の履歴であって、行政手続きサイトのページ毎の閲覧時間及び閲覧回数である。
図12の例では、行政手続きサイトは第1ページから第5ページまでで構成されており、第5ページが手続き完了のページである。ストレス度合いの正解データは、例えば心拍変動の低周波成分(LF)及び高周波成分(HF)の測定結果から求められる。LF成分がHF成分に比して多い場合、ストレスが高いと考えられる。また、眼球運動の測定データからストレス度合いの正解データを求めることも可能である。なお、
図12に示される各項目の値は、説明の便宜上の値であって実際の値とは異なる。
【0107】
モデルの機械学習では、
図12に例示される学習データを用いて、モデルに対して、行政手続きサイトの閲覧操作に対するストレス度合いを推論するように機械学習を行う。この機械学習が行われた学習済モデルMDは、対象ユーザのWeb利用レベルと対象ユーザが閲覧操作を行う行政手続きサイトの指定とから、対象ユーザのストレス度合いを出力する。
【0108】
図13は、本実施形態に係る学習済モデルによるストレス度合いの推定例を示す図である。
図13に示されるように、対象ユーザのWeb利用レベルと対象ユーザが閲覧操作を行う行政手続きサイトの指定とから、学習済モデルMDによって、対象ユーザのストレス度合いの推定値が求められる。
図13の例では、対象ユーザが閲覧操作を行う行政手続きサイトの指定データは、対象ユーザが行った行政手続きサイトの閲覧操作の履歴であって、行政手続きサイトのページ毎の閲覧時間及び閲覧回数である。また、
図13の例では、対象ユーザは、オンライン行政手続きが完了しなかったユーザである。なお、
図13に示される各項目の値は、説明の便宜上の値であって実際の値とは異なる。
【0109】
以上が本発明の実施形態の説明である。なお、上述した実施形態の複数を組み合わせてもよい。
【0110】
上述した実施形態によれば、官公庁の行政手続きの窓口に来訪する利用者を削減することに寄与すると共に当該利用者の削減に対する成果報酬を適切に決定することができるという効果が得られる。
【0111】
なお、これにより、例えば窓口行政手続きの削減事業等のPFSによる民間事業者への委託事業を行う際の総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標8「すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する」に貢献することが可能となる。
【0112】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0113】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0114】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…成果報酬決定装置、3…ユーザ端末、4…オンライン行政手続きサーバ、5…行政手続き関連データベース、101…通信部、102…閲覧実績情報取得部、103…オンライン行政手続き実績情報取得部、104…案内通知部、105…成果報酬算出部、106…オンライン稼働時間取得部、107…窓口稼働時間取得部、108…光熱費情報取得部、109…道路混雑度情報取得部、110…オンライン行政手続き実績記録部、111…オフライン行政手続き実績情報取得部、112…距離情報取得部、113…行動履歴データ取得部、114…Web閲覧操作履歴データ取得部、115…推定部、116…オンライン行政手続き実績記録部、117…SNSユーザ情報取得部、MD…学習済モデル、200…記憶部、NW…通信ネットワーク