(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037382
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】積層コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20240312BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01F17/00 D
H01F17/04 A
H01F17/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142207
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】永井 雄介
(72)【発明者】
【氏名】海老名 和広
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 高弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 聖樹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 貴志
(72)【発明者】
【氏名】石間 雄也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 光祐
(72)【発明者】
【氏名】宮下 拓也
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB01
5E070AB08
5E070CB13
5E070CB20
(57)【要約】
【課題】互いに隣り合うコイル導体間でのショートの発生を抑制する積層コイル部品を提供する。
【解決手段】積層コイル部品1は、素体2と、複数のコイル導体31,32,33と、第一抵抗層及び第二抵抗層と、を備える。複数のコイル導体31,32,33は、素体2の内部に配置され、方向D3で並んでいると共に互いに電気的に接続されている。抵抗層411,421は、複数のコイル導体31,32,33のうち互いに隣り合うコイル導体31,32の間に、互いに対向するように配置されている。抵抗層411は、互いに隣り合うコイル導体のうち一方のコイル導体31に接している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素体と、
前記素体の内部に配置され、一の方向で並んでいると共に互いに電気的に接続されている複数のコイル導体と、
前記複数のコイル導体のうち互いに隣り合うコイル導体の間に、互いに対向するように配置される第一抵抗層及び第二抵抗層と、を備え、
前記第一抵抗層は、互いに隣り合う前記コイル導体のうち一方のコイル導体に接している、積層コイル部品。
【請求項2】
前記第一抵抗層は、前記一方のコイル導体に沿うように延在しており、
前記一の方向から見て、前記第一抵抗層の幅は、前記一方のコイル導体の幅よりも大きい、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項3】
前記第二抵抗層は、前記一方のコイル導体に沿うように延在しており、
前記一の方向から見て、前記第二抵抗層の幅は、前記一方のコイル導体の幅よりも大きい、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項4】
前記第一抵抗層と前記第二抵抗層との間に配置される応力緩和層を更に備え、
前記応力緩和層は、樹脂及び空隙の少なくとも一方から構成されている、請求項1~3の何れか一項に記載の積層コイル部品。
【請求項5】
前記応力緩和層の前記一の方向での厚さは、前記第一抵抗層及び前記第二抵抗層の少なくとも一方の前記一の方向での厚さよりも大きい、請求項4に記載の積層コイル部品。
【請求項6】
前記素体は、前記第二抵抗層と、互いに隣り合う前記コイル導体のうち他方のコイル導体との間に位置する部分を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の積層コイル部品。
【請求項7】
前記第一抵抗層及び前記第二抵抗層は、ジルコニアから構成されている、請求項1~3の何れか一項に記載の積層コイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている積層コイル部品は、素体と、素体の内部に配置されている複数のコイル導体とを備えている(たとえば、特許文献1)。複数のコイル導体は、一の方向で並んでいると共に互いに電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の態様は、互いに隣り合うコイル導体間でのショートの発生を抑制する積層コイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様に係る積層コイル部品は、素体と、複数のコイル導体と、第一抵抗層及び第二抵抗層とを備える。複数のコイル導体は、素体の内部に配置され、一の方向で並んでいると共に互いに電気的に接続されている。第一抵抗層及び第二抵抗層は、複数のコイル導体のうち互いに隣り合うコイル導体の間に、互いに対向するように配置されている。第一抵抗層は、互いに隣り合うコイル導体のうち一方のコイル導体に接している。
【0006】
上記一つの態様では、第一抵抗層及び第二抵抗層が、互いに隣り合うコイル導体の間に配置されている。したがって、上記一つの態様は、互いに隣り合うコイル導体間の絶縁抵抗を高めやすい。
上記一つの態様では、第一抵抗層が一方のコイル導体に接している。したがって、上記一つの態様は、互いに隣り合うコイル導体間の絶縁抵抗を確実に高める。
これらの結果、上記一つの態様は、互いに隣り合うコイル導体間でのショートの発生を抑制する。
【0007】
上記一つの態様では、第一抵抗層は、一方のコイル導体に沿うように延在していてもよい。一の方向から見て、第一抵抗層の幅は、一方のコイル導体の幅よりも大きくてもよい。
一の方向から見て、一方のコイル導体に沿うように延在する第一抵抗層の幅が一方のコイル導体の幅よりも大きい構成は、互いに隣り合うコイル導体の間の絶縁抵抗をより一層確実に高める。したがって、本構成は、互いに隣り合うコイル導体間でのショートの発生をより一層抑制する。
【0008】
上記一つの態様では、第二抵抗層は、一方のコイル導体に沿うように延在していてもよい。一の方向から見て、第二抵抗層の幅は、一方のコイル導体の幅よりも大きくてもよい。
一の方向から見て、一方のコイル導体に沿うように延在する第二抵抗層の幅が一方のコイル導体の幅よりも大きい構成は、互いに隣り合うコイル導体の間の絶縁抵抗をより一層確実に高める。したがって、本構成は、互いに隣り合うコイル導体間でのショートの発生をより一層抑制する。
【0009】
上記一つの態様は、第一抵抗層と第二抵抗層との間に配置される応力緩和層を更に備えていてもよい。応力緩和層は、樹脂及び空隙の少なくとも一方から構成されていてもよい。
上記応力緩和層は、素体内に生じる内部応力を緩和するので、上記応力緩和層を備える構成は、互いに隣り合うコイル導体間でのクラックの発生を抑制する。したがって、本構成は、互いに隣り合うコイル導体間での上記クラックに起因するショートの発生を抑制する。
【0010】
上記一つの態様では、素体は、第二抵抗層と、互いに隣り合うコイル導体のうち他方のコイル導体との間に位置する部分を有してもよい。
素体が上記部分を有する構成は、互いに隣り合うコイル導体間の絶縁抵抗を高めやすい。したがって、本構成は、互いに隣り合うコイル導体間でのショートの発生をより一層抑制する。
【0011】
上記一つの態様では、第一抵抗層及び第二抵抗層は、ジルコニアから構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
互いに隣り合うコイル導体間でのショートの発生を抑制する積層コイル部品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る積層コイル部品の斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る積層コイル部品の分解斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る積層コイル部品の断面構成を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る積層コイル部品の断面構成を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態の第一変形例に係る積層コイル部品の断面構成を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態の第二変形例に係る積層コイル部品の断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0015】
図1~
図7を参照して、本実施形態に係る積層コイル部品1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る積層コイル部品の斜視図である。
図2は、本実施形態に係る積層コイル部品の分解斜視図である。
図3~
図5は、コイル導体を示す平面図である。
図6及び
図7は、本実施形態に係る積層コイル部品の断面構成を示す図である。積層コイル部品1は、電子機器にはんだ実装される。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、積層コイル部品1は、素体2、コイル3、一対の引出導体34,35、少なくとも一つの抵抗層41、少なくとも一つの抵抗層42、及び一対の外部電極51,52を備えている。コイル3は、複数のコイル導体31,32,33を有している。抵抗層41は、第一抵抗層を構成する。抵抗層42は、第二抵抗層を構成する。本実施形態では、抵抗層41,42のそれぞれの数は、「3」である。抵抗層41,42は、一組の抵抗層41,42を構成する。積層コイル部品1は、3つの組の抵抗層41,42を備えている。複数のコイル導体31,32,33及び抵抗層41,42のそれぞれの数は、上述した数に限定されない。複数のコイル導体31,32,33及び抵抗層41,42のそれぞれの数は、上述した数より多くてもよく、少なくてもよい。
【0017】
図1に示されるように、素体2は、直方体形状を呈している。直方体形状は、たとえば、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体形状を含む。素体2は、互いに対向している一対の端面2a,2bと、四つの側面2c,2d,2e,2fと、を有している。本実施形態では、一対の端面2a,2bは方向D1で互いに対向し、側面2c,2dは方向D2で互いに対向し、側面2e,2fは方向D3で互いに対向している。一対の端面2a,2b及び四つの側面2c,2d,2e,2fは、素体2の外表面を構成している。四つの側面2c,2d,2e,2fは、それぞれ端面2a及び端面2bと隣り合うと共に、端面2aと端面2bとを接続するように方向D1に沿って延在している。四つの側面2c,2d,2e,2fのうち一側面は、たとえば、図示しない電子機器に積層コイル部品1が実装される際に、電子機器と対向する面である。
【0018】
方向D1は、一対の端面2a,2bに直交している。方向D2は、側面2c,2dに直交している。方向D3は、側面2e,2fに直交している。方向D1は、方向D2及び方向D3に直交している。方向D2と方向D3とは、互いに直交している。方向D2及び方向D3の何れか一方は、一の方向を構成していてもよい。本実施形態では、方向D3が一の方向を構成している一例を説明する。
【0019】
素体2は、複数の磁性体層10を有する。
図3~
図5に示されるように、素体2は、積層された複数の磁性体層10によって構成されている。各磁性体層10は、方向D3で並んでいる。各磁性体層10は、矩形状を呈している。矩形状は、角が丸められている形状及び角が取られている形状を含む。複数の磁性体層10は、各磁性体層10の間の境界が視認され得ない程度に一体化されている。
図2では、各磁性体層10の図示は、省略されている。
【0020】
図2~
図6に示されるように、コイル3は、積層された複数のコイル導体31,32,33によって構成されている。複数のコイル導体31,32,33は、素体2の内部に配置されている。複数のコイル導体31,32,33は、方向D3の方向で並んでいる。コイル導体31,32は、互いに隣り合うコイル導体31,32を構成している。コイル導体32,33は、互いに隣り合うコイル導体32,33を構成している。各コイル導体31,32,33は、方向D3から見て、環状の軌道の一部を構成するように延在している。各コイル導体31,32,33は、たとえば、ループの一部が途切れた形状を呈している。各コイル導体31,32,33は、一方の端部から他方の端部まで環状の軌道に沿ってそれぞれ延在している。
【0021】
複数のコイル導体31,32,33は、互いに電気的に接続されている。
図2に示されるように、本実施形態では、複数のコイル導体31,32,33は、それぞれ複数のスルーホール導体12b,12cによって電気的に接続されている。コイル導体31の一方の端部T1とコイル導体32の一方の端部T2とは、スルーホール導体12bによって互いに電気的に接続されている。コイル導体32の他方の端部T3とコイル導体33の一方の端部T4とは、スルーホール導体12cによって互いに電気的に接続されている。複数のコイル導体31,32,33は、各コイル導体31,32,33の各端部T1,T2,T3,T4同士がスルーホール導体12b,12cを介して互いに電気的に接続されていることによって、素体2の内部にコイル3を構成している。
【0022】
コイル導体31は、各コイル導体31,32,33のうち、方向D3で最も側面2eに近い位置に配置されている。コイル導体31の他方の端部E1は、コイル3の一方の端部E1を構成している。コイル導体33は、各コイル導体31,32,33のうち、方向D3で最も側面2fに近い位置に配置されている。コイル導体33の他方の端部E2は、コイル3の他方の端部E2を構成している。
【0023】
図6に示されるように、引出導体34は、コイル導体31よりも方向D3で側面2eに近い位置に配置されている。引出導体34とコイル導体31とは、方向D3で互いに隣り合っている。引出導体34の一方の端部T5とコイル導体31の他方の端部E1とは、スルーホール導体12aによって互いに電気的に接続されている。引出導体34の他方の端部34aは、素体2の端面2aに露出している。
【0024】
引出導体35は、コイル導体33よりも方向D3で側面2fに近い位置に配置されている。引出導体35とコイル導体33とは、方向D3で互いに隣り合っている。引出導体35の一方の端部T6とコイル導体33の他方の端部E2とは、スルーホール導体12dによって互いに電気的に接続されている。引出導体35の他方の端部35aは、素体2の端面2bに露出している。
【0025】
図1及び
図6に示されるように、一対の外部電極51,52は、方向D1での素体2の両端部に配置されている。外部電極51,52は、方向D1において互いに対向するように素体2上に配置されている。外部電極51,52は、方向D1において互いに離れている。
【0026】
外部電極51の端面2a上に位置している部分は、端面2aに露出している端部34aを覆っている。端部34aと外部電極51とは、互いに電気的に接続されている。端部34aによって、引出導体34と外部電極51とは電気的に接続されている。コイル3は、外部電極51と電気的に接続されている。
【0027】
外部電極52の端面2b上に位置している部分は、端面2bに露出している端部35aを覆っている。端部35aと外部電極52とは、互いに電気的に接続されている。端部35aによって、引出導体35と外部電極52とは電気的に接続されている。コイル3は、外部電極52と電気的に接続されている。
【0028】
抵抗層41,42は、複数のコイル導体31,32,33のうち互いに隣り合うコイル導体の間に、互いに対向するように配置されている。抵抗層41,42は、方向D3で互いに対向している。本実施形態では、第一の組の抵抗層41,42は、互いに隣り合うコイル導体31,32の間に配置されている。以下、互いに隣り合うコイル導体31,32の間に配置されている第一の組の抵抗層41,42を、抵抗層411,421と記述することがある。抵抗層411は、コイル導体31に接している。素体2は、抵抗層421とコイル導体32との間に位置する部分21を有している。部分21の方向D3での厚さは、抵抗層421の方向D3での厚さよりも大きい。当該厚さは、たとえば、方向D3での最小厚みで規定される。
【0029】
本実施形態では、第二の組の抵抗層41,42は、互いに隣り合うコイル導体32,33の間に配置されている。以下、互いに隣り合うコイル導体32,33の間に配置されている第二の組の抵抗層41,42を、抵抗層412,422と記述することがある。抵抗層412は、コイル導体32に接している。素体2は、抵抗層422とコイル導体33との間に位置する部分22を有している。部分22の方向D3での厚さは、抵抗層422の方向D3での厚さよりも大きい。当該厚さは、たとえば、方向D3での最小厚みで規定される。
【0030】
第三の組の抵抗層41,42は、コイル導体と引出導体との間に、互いに対向するように配置されていてもよい。たとえば、抵抗層41,42は、コイル導体33と引出導体35との間に互いに対向するように配置されていてもよい。以下、コイル導体33と引出導体35との間に配置されている第三の組の抵抗層41,42を、抵抗層413,423と記述することがある。抵抗層413は、コイル導体33に接している。素体2は、抵抗層423とコイル導体33との間に位置する部分を有している。当該部分の方向D3での厚さは、抵抗層413の方向D3での厚さよりも大きい。当該厚さは、たとえば、方向D3での最小厚みで規定される。
【0031】
図3に示されるように、抵抗層411,421の少なくとも一方は、コイル導体31の少なくとも一部に沿うように延在している。方向D3から見て、抵抗層411,421の少なくとも一方は、コイル導体31と共に環状の軌道の一部を構成するように延在している。方向D3から見て、抵抗層411,421の少なくとも一方の幅は、コイル導体31の幅よりも大きい。方向D3から見て、抵抗層411,421の少なくとも一方は、コイル導体31を全体的に覆っている。本実施形態では、各抵抗層411,421は、端部T1を除いたコイル導体31の全体に沿うように延在している。方向D3から見て、各抵抗層411,421は、コイル導体31と共に環状の軌道の一部を構成するように延在している。方向D3から見て、抵抗層411,421のそれぞれの幅は、コイル導体31の幅よりも大きい。方向D3から見て、各抵抗層411,421は、コイル導体31を全体的に覆っている。
【0032】
図4に示されるように、抵抗層412,422の少なくとも一方は、コイル導体32の少なくとも一部に沿うように延在している。方向D3から見て、抵抗層412,422の少なくとも一方は、コイル導体32と共に環状の軌道の一部を構成するように延在している。方向D3から見て、抵抗層412,422の少なくとも一方の幅は、コイル導体32の幅よりも大きい。方向D3から見て、抵抗層412,422の少なくとも一方は、コイル導体32を全体的に覆っている。本実施形態では、各抵抗層412,422は、端部T3を除いたコイル導体32の全体に沿うように延在している。方向D3から見て、各抵抗層412,422は、コイル導体32と共に環状の軌道の一部を構成するように延在している。方向D3から見て、抵抗層412,422のそれぞれの幅は、コイル導体32の幅よりも大きい。方向D3から見て、各抵抗層412,422は、コイル導体32を全体的に覆っている。
【0033】
図5に示されるように、抵抗層413,423の少なくとも一方は、コイル導体33の少なくとも一部に沿うように延在していてもよい。方向D3から見て、抵抗層413,423の少なくとも一方は、コイル導体33と共に環状の軌道の一部を構成するように延在していてもよい。方向D3から見て、抵抗層413,423の少なくとも一方の幅は、コイル導体33の幅よりも大きくてもよい。方向D3から見て、抵抗層413,423の少なくとも一方は、コイル導体32を全体的に覆っていてもよい。本実施形態では、各抵抗層413,423は、端部E2を除いたコイル導体33の全体に沿うように延在している。方向D3から見て、各抵抗層413,423は、コイル導体33と共に環状の軌道の一部を構成するように延在している。方向D3から見て、抵抗層413,423のそれぞれの幅は、コイル導体33の幅よりも大きい。方向D3から見て、各抵抗層413,423は、コイル導体33を全体的に覆っている。
【0034】
図6及び
図7に示されるように、積層コイル部品1は、応力緩和層60を更に備える。応力緩和層60は、抵抗層41と抵抗層42との間に配置されている。応力緩和層60は、抵抗層411,421の間、抵抗層412,422の間、及び抵抗層413,423の間に、それぞれ配置されている。本実施形態では、応力緩和層60は、抵抗層41,42の少なくとも一部に沿うように延在している。応力緩和層60は、各コイル導体31,32,33の少なくとも一部に沿うように延在している。
【0035】
応力緩和層60の方向D3での厚さは、抵抗層41及び抵抗層42の少なくとも一方の方向D3での厚さよりも大きくてもよい。本実施形態では、応力緩和層60の方向D3での厚さは、抵抗層41,42のそれぞれの厚さよりも大きい。応力緩和層60の方向D3での厚さは、各部分21,22の方向D3での厚さよりも小さい。応力緩和層60の方向D3での厚さは、たとえば、1.0μm以上、かつ、10μm以下である。各抵抗層41,42の方向D3での厚さは、たとえば、0.1μm以上、かつ、5.0μm以下である。本実施形態では、応力緩和層60は、空隙61から構成されている。
【0036】
応力緩和層60の厚さ、及び各抵抗層41,42の厚さは、たとえば、最小厚みで規定される。応力緩和層60の厚さ、及び各抵抗層41,42の厚さは、所定の平面度を含み得る。応力緩和層60の厚さ、及び各抵抗層41,42の厚さは、たとえば、各抵抗層41,42の厚さが最小となる位置で測定されてもよい。応力緩和層60の厚さ、及び各抵抗層41,42の厚さは、たとえば、応力緩和層60の厚さが最大となる位置で測定されてもよい。
【0037】
方向D3から見た応力緩和層60の幅は、方向D3から見た各抵抗層41,42の幅以下であってもよく、方向D3から見た各抵抗層41,42の幅以上であってもよい。本実施形態では、方向D3から見た応力緩和層60の幅は、方向D3から見た各抵抗層41,42の幅よりも小さい。方向D3から見た応力緩和層60の幅は、少なくとも応力緩和層の方向D3での厚さよりも大きくてもよい。
【0038】
以下、
図7を参照して、素体2、コイル導体31、及び各抵抗層41,42の詳細について説明する。素体2は、複数の金属磁性粒子M1を含んでいる。複数の金属磁性粒子M1は、たとえば、軟磁性合金から構成される。軟磁性合金は、たとえば、Fe―Si系合金である。軟磁性合金がFe―Si系合金である場合、軟磁性合金は、Pを含んでいてもよい。軟磁性合金は、たとえば、Fe―Ni―Si―M系合金であってもよい。「M」はCo、Cr、Mn、P、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、及び希土類元素から選択される一種以上の元素を含む。
【0039】
各金属磁性粒子M1は、当該各金属磁性粒子M1の表面に形成された酸化膜を含んでいる。隣り合う複数の金属磁性粒子M1は、隣り合う複数の金属磁性粒子M1の表面に形成されている酸化膜が互いに結合することにより、互いに結合されている。隣り合う複数の金属磁性粒子M1は、隣り合う複数の金属磁性粒子M1の間に酸化膜が存在する状態で、互いに結合されている。
図7では、当該酸化膜の図示は、省略されている。各金属磁性粒子M1の抵抗値は、たとえば、10
9(Ω・cm)以上、かつ、10
11(Ω・cm)以下であってもよい。
【0040】
素体2は、電気絶縁性を有する樹脂R1を含んでいる。樹脂R1は、複数の金属磁性粒子M1間に存在している。樹脂R1は、電気絶縁性を有する樹脂、すなわち、絶縁性樹脂である。絶縁性樹脂は、たとえば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、又はエポキシ樹脂を含む。樹脂R1は、隣り合う複数の金属磁性粒子M1の間に存在する空隙に含浸されていてもよい。樹脂R1の抵抗値は、たとえば、1012(Ω・cm)以上、かつ、1017(Ω・cm)以下であってもよい。
【0041】
各コイル導体31,32,33は、導電性材料により構成されている。導電性材料は、たとえば、Ag、Pd、Cu、Al、又はNiを含んでいてもよい。本実施形態では、各コイル導体31,32,33は、導電性材料の粉末を含む導電性ペーストの焼結体から構成されている。各スルーホール導体12a,12b,12c,12dは、導電性材料により構成されている。各スルーホール導体12a,12b,12c,12dは、たとえば、各コイル導体31,32,33と同じ材料により構成されていてもよい。各引出導体34,35は、導電性材料により構成されている。各引出導体34,35は、たとえば、各コイル導体31,32,33と同じ材料により構成されていてもよい。各コイル導体31,32,33、各スルーホール導体12a,12b,12c,12d、又は各引出導体34,35は、めっき導体であってもよい。
【0042】
各抵抗層41,42は、素体2とは別の材料により構成されている。各抵抗層41,42は、各金属磁性粒子M1より大きな抵抗値を有する材料から構成されていてもよい。各抵抗層41,42は、絶縁性材料により構成されてもよい。本実施形態では、各抵抗層41,42は、ジルコニア(ZrO2)によって構成されている。本実施形態では、各抵抗層41,42は、ジルコニア粒子Z1、有機溶剤及び有機バインダを含むペーストが焼成されて形成されている。ジルコニア粒子Z1の平均粒径は0.1μm以下であってもよい。各抵抗層41,42の抵抗値は、たとえば、1012(Ω・cm)以上、かつ、1014(Ω・cm)以下であってもよい。
【0043】
以上説明したように、積層コイル部品1では、抵抗層411,421が、互いに隣り合うコイル導体31,32の間に配置されている。したがって、積層コイル部品1は、互いに隣り合うコイル導体31,32間の絶縁抵抗を高めやすい。積層コイル部品1では、抵抗層412,422が、互いに隣り合うコイル導体32,33の間に配置されている。したがって、積層コイル部品1は、互いに隣り合うコイル導体32,33間の絶縁抵抗を高めやすい。
積層コイル部品1では、抵抗層411が一方のコイル導体31に接している。したがって、積層コイル部品1は、互いに隣り合うコイル導体31,32間の絶縁抵抗を確実に高める。積層コイル部品1では、抵抗層412が一方のコイル導体32に接している。したがって、積層コイル部品1は、互いに隣り合うコイル導体32,33間の絶縁抵抗を確実に高める。
これらの結果、積層コイル部品1は、コイル導体31,32,33間でのショートの発生を抑制する。
【0044】
積層コイル部品1では、抵抗層411は、コイル導体31に沿うように延在している。抵抗層412は、コイル導体32に沿うように延在している。方向D3から見て、抵抗層411の幅は、コイル導体31の幅よりも大きい。方向D3から見て、抵抗層412の幅は、コイル導体32の幅よりも大きい。
方向D3から見て、コイル導体31に沿うように延在する抵抗層411の幅がコイル導体31の幅よりも大きい構成は、互いに隣り合うコイル導体31,32間の絶縁抵抗をより一層確実に高める。方向D3から見て、コイル導体32に沿うように延在する抵抗層412の幅がコイル導体32の幅よりも大きい構成は、互いに隣り合うコイル導体32,33間の絶縁抵抗をより一層確実に高める。したがって、積層コイル部品1は、コイル導体31,32,33間でのショートの発生をより一層抑制する。
【0045】
積層コイル部品1では、抵抗層421は、コイル導体31に沿うように延在している。抵抗層422は、コイル導体32に沿うように延在している。方向D3から見て、抵抗層421の幅は、コイル導体31の幅よりも大きい。方向D3から見て、抵抗層422の幅は、コイル導体32の幅よりも大きい。
方向D3から見て、コイル導体31に沿うように延在する抵抗層421の幅がコイル導体31の幅よりも大きい構成は、互いに隣り合うコイル導体31,32間の絶縁抵抗をより一層確実に高める。方向D3から見て、コイル導体32に沿うように延在する抵抗層422の幅がコイル導体32の幅よりも大きい構成は、互いに隣り合うコイル導体32,33間の絶縁抵抗をより一層確実に高める。したがって、積層コイル部品1は、コイル導体31,32,33間でのショートの発生をより一層抑制する。
【0046】
積層コイル部品1は、抵抗層41と抵抗層42との間に配置される応力緩和層60を更に備えている。応力緩和層60は、空隙61から構成されている。
応力緩和層60は、素体2内に生じる内部応力を緩和するので、積層コイル部品1は、コイル導体31,32,33間でのクラックの発生を抑制する。したがって、積層コイル部品1は、コイル導体31,32,33間での上記クラックに起因するショートの発生を抑制する。
【0047】
素体2内の内部応力は、たとえば、積層コイル部品1の焼成工程において、複数のコイル導体31,32,33と積層コイル部品1の他の部分との間の収縮量の差によって発生する。空隙61から構成される応力緩和層60は、上記内部応力に起因する変形を吸収し得る。したがって、応力緩和層60は、素体2内に生じる内部応力を緩和するので、積層コイル部品1は、コイル導体31,32,33間でのクラックの発生を抑制する。
抵抗層41と抵抗層42とは、応力緩和層60を挟んで互いに対向している。たとえば、各コイル導体31,32,33と抵抗層41との間の収縮量の差によって抵抗層41にクラックが生じた場合であっても、抵抗層41と抵抗層42との間に応力緩和層60が介在するので、当該クラックは抵抗層42に進行しがたい。したがって、クラックが生じる場合であっても、当該クラックは、コイル導体31,32,33間を連通するまで進行しがたい。故に、積層コイル部品1は、コイル導体31,32,33間での上記クラックに起因するショートの発生を確実に抑制する。
【0048】
積層コイル部品1では、素体2は、抵抗層421と、互いに隣り合うコイル導体31,32のうち他方のコイル導体32との間に位置する部分21を有している。素体2は、抵抗層422と、互いに隣り合うコイル導体32,33のうち他方のコイル導体33との間に位置する部分22を有している。
素体2が部分21を有する構成は、互いに隣り合うコイル導体31,32間の絶縁抵抗を高めやすい。素体2が部分22を有している構成は、互いに隣り合うコイル導体32,33の間の絶縁抵抗を高めやすい。したがって、積層コイル部品1は、コイル導体31,32,33間の絶縁抵抗を高めやすいので、コイル導体31,32,33間でのショートの発生をより一層抑制する。
【0049】
次に、
図8を参照して、本実施形態の第一変形例に係る積層コイル部品1Aの構成を説明する。
図8は、本実施形態の第一変形例に係る積層コイル部品の断面構成を示す図である。積層コイル部品1Aは、概ね、上述した、積層コイル部品1と類似又は同じである。しかしながら、積層コイル部品1Aは、応力緩和層の構成に関して、積層コイル部品1と相違する。以下、積層コイル部品1Aと積層コイル部品1との相違点を主として説明する。
【0050】
積層コイル部品1Aは、応力緩和層60の代わりに応力緩和層60Aを備える。応力緩和層60Aは、樹脂62から構成されている。樹脂62は、たとえば、樹脂R1である。樹脂R1は、隣り合う複数の金属磁性粒子M1の間に存在する空隙と共に空隙61に含浸されていてもよい。応力緩和層60Aは、積層コイル部品1Aの他の部分よりも剛性が低い。
【0051】
積層コイル部品1Aは、抵抗層41と抵抗層42との間に配置される応力緩和層60Aを更に備えている。応力緩和層60Aは、樹脂R1から構成されている。
樹脂R1から構成される応力緩和層60Aは、積層コイル部品1Aの他の部分よりも剛性が低いので、容易に変形する。素体2内の内部応力による歪みは、応力緩和層60Aの変形によって緩和され得るので、積層コイル部品1Aは、複数のコイル導体31,32,33間でのクラックの発生を抑制する。
積層コイル部品1Aでは、抵抗層41と抵抗層42との間に樹脂R1から構成される応力緩和層60Aが配置される。各コイル導体31,32に接している各抵抗層411,412は、応力緩和層60Aの樹脂R1によって、各コイル導体31,32に固定される。したがって、たとえば、通電による温度変化によって各コイル導体31,32が膨張と収縮を繰り返したときでも、各抵抗層411,412は、各コイル導体31,32から剥離しがたい。
これらの結果、積層コイル部品1Aの複数のコイル導体31,32,33間の絶縁抵抗は、劣化しがたい。故に、積層コイル部品1Aは、複数のコイル導体31,32,33間でのショートの発生をより一層抑制する。
【0052】
次に、
図9を参照して、本実施形態の第二変形例に係る積層コイル部品1Bの構成を説明する。
図9は、本実施形態の第二変形例に係る積層コイル部品の断面構成を示す図である。積層コイル部品1Bは、概ね、上述した、積層コイル部品1と類似又は同じである。しかしながら、積層コイル部品1Bは、複数のコイル導体の構成に関して、積層コイル部品1と相違する。以下、積層コイル部品1Bと積層コイル部品1との相違点を主として説明する。
【0053】
積層コイル部品1Bは、複数のコイル導体31,32,33の代わりに、複数のコイル導体31B,32B,33B,34Bを備える。積層コイル部品1Bは、複数のスルーホール導体12b,12cの代わりに、複数のスルーホール導体13a,13bを備える。積層コイル部品1Bは、抵抗層43を備える。複数のコイル導体31B,32B,33B,34Bのうち互いに隣り合うコイル導体では、当該コイル導体の少なくとも一部が隣り合っていればよい。複数のコイル導体31B,32B,33B,34Bのうち互いに隣り合うコイル導体の間には、スルーホール導体が介在していてもよい。
コイル導体31B,32Bは、互いに隣り合うコイル導体31B,32Bを構成している。コイル導体31B,32Bでは、当該コイル導体31B,32Bの一部が互いに隣り合っている。コイル導体31B,32Bの間には、スルーホール導体13aが介在する。コイル導体32B,33Bは、互いに隣り合うコイル導体32B,33Bを構成している。コイル導体32B,33Bでは、当該コイル導体32B,33Bの一部が互いに隣り合っている。コイル導体32B,33Bの間には、図示されないスルーホール導体が介在する。コイル導体33B,34Bは、互いに隣り合うコイル導体33B,34Bを構成している。コイル導体33B,34Bは、当該コイル導体33B,34Bの一部が互いに隣り合っている。コイル導体33B,34Bの間には、スルーホール導体13bが介在する。
【0054】
抵抗層41及び抵抗層42は、複数のコイル導体のうち互いに隣り合うコイル導体の全てに配置されていなくてもよい。積層コイル部品1Bでは、抵抗層41に対向するように配置されている抵抗層42は、互いに隣り合うコイル導体32B,33Bの間にのみ配置されている。
抵抗層41は、抵抗層41が接している一方のコイル導体の表面を覆っていてもよい。積層コイル部品1Bでは、抵抗層41は、各コイル導体31B,32B,33B,34Bの表面を覆っている。抵抗層43は、スルーホール導体13a,13bの表面を覆っている。たとえば、コイル導体33Bのコイル導体32B側を向く面と、コイル導体33Bのコイル導体34B側を向く面とが抵抗層41に覆われていてもよい。
【0055】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態及び上記変形例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0056】
抵抗層41,42では、当該抵抗層41,42の少なくとも一部が互いに対向するように配置されていればよい。抵抗層41,42では、当該抵抗層41,42の一部が接していてもよい。たとえば、方向D3から見た各抵抗層41,42の端において、当該抵抗層41,42は接していてもよい。
【0057】
応力緩和層60,60Aは、抵抗層411,421の間、抵抗層412,422の間、及び抵抗層413,423の間のうち何れか一つの間に配置されていてもよい。
応力緩和層60Aは、樹脂R1とは別の樹脂から構成されていてもよい。
応力緩和層60,60Aは、樹脂及び空隙の双方から構成されていてもよい。たとえば、応力緩和層60,60Aは、樹脂から構成される部分と空隙から構成される部分とを含んでいてもよい。
【0058】
上述した実施形態及び変形例の記載から把握されるとおり、本明細書は、以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
素体と、
前記素体の内部に配置され、一の方向で並んでいると共に互いに電気的に接続されている複数のコイル導体と、
前記複数のコイル導体のうち互いに隣り合うコイル導体の間に、互いに対向するように配置される第一抵抗層及び第二抵抗層と、を備え、
前記第一抵抗層は、互いに隣り合う前記コイル導体のうち一方のコイル導体に接するように配置されている、積層コイル部品。
(付記2)
前記第一抵抗層は、前記一方のコイル導体に沿うように延在しており、
前記一の方向から見て、前記第一抵抗層の幅は、前記一方のコイル導体の幅よりも大きい、付記1に記載の積層コイル部品。
(付記3)
前記第二抵抗層は、前記一方のコイル導体に沿うように延在しており、
前記一の方向から見て、前記第二抵抗層の幅は、前記一方のコイル導体の幅よりも大きい、付記1又は付記2に記載の積層コイル部品。
(付記4)
前記第一抵抗層と前記第二抵抗層との間に配置される応力緩和層を更に備え、
前記応力緩和層は、樹脂及び空隙の少なくとも一方から構成されている、付記1~3の何れか一項に記載の積層コイル部品。
(付記5)
前記応力緩和層の前記一の方向での厚さは、前記第一抵抗層及び前記第二抵抗層の少なくとも一方の前記一の方向での厚さよりも大きい、付記4に記載の積層コイル部品。
(付記6)
前記素体は、前記第二抵抗層と、互いに隣り合う前記コイル導体のうち他方のコイル導体との間に位置する部分を有する、付記1~5の何れか一項に記載の積層コイル部品。
(付記7)
前記第一抵抗層及び前記第二抵抗層は、ジルコニアから構成されている、付記1~6の何れか一項に記載の積層コイル部品。
【符号の説明】
【0059】
1,1A,1B…積層コイル部品、2…素体、21,22…部分、31,32,33,31B,32B,33B,34B…コイル導体、41,42,411,421,412,422,413,423…抵抗層、60,60A…応力緩和層、61…空隙、62…樹脂、D3…一の方向。