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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037414
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】パウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/16 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
B65D30/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142271
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 真帆
(72)【発明者】
【氏名】岩田 賢
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AD03
3E064BA27
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC01
3E064BC13
3E064BC18
3E064EA30
3E064FA04
3E064FA05
3E064GA02
(57)【要約】
【課題】安定して自立しやすいパウチを提供する。
【解決手段】パウチ10は開口部50を含む主部20と、主部20に接着される底部90とを含む。底部90の厚さは主部20の厚さよりも厚い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を含む主部と、
前記主部に接着される底部とを含み、
前記底部の厚さは前記主部の厚さよりも厚い
パウチ。
【請求項2】
前記主部は胴部、および、前記胴部の下部につながる接着対象部を含み、
前記底部は前記接着対象部に接着される
請求項1に記載のパウチ。
【請求項3】
前記接着対象部はプリーツを含む
請求項2に記載のパウチ。
【請求項4】
前記主部の形状は筒形状であり、
前記主部は前記主部の筒形状の周方向に関する第1端部および第2端部を含み、
前記第1端部および前記第2端部に接着される接着部材を含む
請求項3に記載のパウチ。
【請求項5】
前記主部は折曲部を含み、
前記折曲部は第1折曲部および第2折曲部を含み、
前記第1折曲部および前記第2折曲部は前記パウチの縦方向に沿うように構成され、
前記第1端部および前記第2端部は前記第1折曲部と前記第2折曲部との間に設けられる
請求項4に記載のパウチ。
【請求項6】
前記底部の厚さは30μm以上である
請求項1~5のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項7】
前記主部の厚さは250μm以下である
請求項6に記載のパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
パウチは内容物を収容できるように構成される。特許文献1には、従来のパウチの一例が示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-13836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パウチが任意の配置対象部上に置かれた場合において、パウチが安定して自立することにより利便性が向上すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(形態1)本発明に関するパウチは開口部を含む主部と、前記主部に接着される底部とを含み、前記底部の厚さは前記主部の厚さよりも厚い。
【0006】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。底部の厚さが主部の厚さよりも厚いため、底部が広げられた状態が維持されやすい。このため、パウチが任意の配置対象部上に置かれた場合において、パウチが安定して自立しやすくなる。
【0007】
(形態2)前記形態1において、前記主部は胴部、および、前記胴部の下部につながる接着対象部を含み、前記底部は前記接着対象部に接着される。
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。主部と底部との接着が胴部の形状に影響を及ぼしにくくなる。
【0008】
(形態3)前記形態2において、前記接着対象部はプリーツを含む。
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。接着対象部をコンパクトな形状に収めることができる。
【0009】
(形態4)前記形態3において、前記主部の形状は筒形状であり、前記主部は前記主部の筒形状の周方向に関する第1端部および第2端部を含み、前記第1端部および前記第2端部に接着される接着部材を含む。
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。主部の形状が筒形状であるため、パウチを持つユーザが痛みや違和感を覚えにくくなる。
【0010】
(形態5)前記形態4において、前記主部は折曲部を含み、前記折曲部は第1折曲部および第2折曲部を含み、前記第1折曲部および前記第2折曲部は前記パウチの縦方向に沿うように構成され、前記第1端部および前記第2端部は前記第1折曲部と前記第2折曲部との間に設けられる。
【0011】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。横方向に関する主部の端部が第1折曲部および第2折曲部により構成されるため、パウチを持つユーザが痛みや違和感を覚えにくくなる。
【0012】
(形態6)前記形態1~5のいずれか1つにおいて、前記底部の厚さは30μm以上である。
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。底部が広げられた状態が維持されやすくなる。
【0013】
(形態7)前記形態6において、前記主部の厚さは250μm以下である。
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。底部が広げられた状態において、主部を手で握り潰しやすくなる。
【発明の効果】
【0014】
パウチが安定して自立しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態のパウチの正面図。
図2図1のパウチの背面図。
図3図1のパウチの底面図。
図4図1のパウチの端面図。
図5】パウチの製造方法に関する第1工程の様子を示す図。
図6】パウチの製造方法に関する第2工程の様子を示す図。
図7】パウチの製造方法に関する第5工程の様子を示す図。
図8】パウチの製造方法に関する第6工程の様子を示す図。
図9】第2実施形態のパウチの端面図。
図10】第3実施形態のパウチの端面図。
図11】試験結果の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
図1図4は本実施形態のパウチ10の一例を示す。パウチ10の構成は任意に選択できる。パウチ10の構成は例示される構成に限定されない。
【0017】
(パウチ)
図1および図2を参照する。一例では、パウチ10は任意の配置対象部上に置かれた場合において、自立するように構成される。配置対象部の一例として、机、棚、物品収容箱が挙げられる。
【0018】
パウチ10は内容物を収容できるように構成される。一例では、パウチ10は主部20、底部90、および、内部空間10Sを含む。内部空間10Sは内容物を収容できるようにパウチ10の内部に形成される空間である。
【0019】
主部20はパウチ10の主要な部分を構成する。底部90はパウチ10の底を構成する。底部90は主部20とは別の部材として構成される。底部90は主部20に接着される。内部空間10Sは主部20および底部90に囲まれる。
【0020】
パウチ10に関する説明では、X1方向、X2方向、Y1方向、Y2方向、Z1方向、および、Z2方向が参照される。X1方向およびX2方向はX軸に平行である。X1方向はX2方向とは反対の方向である。Y1方向およびY2方向はY軸に平行である。Y1方向はY2方向とは反対の方向である。Z1方向およびZ2方向はZ軸に平行である。Z1方向はZ2方向とは反対の方向である。
【0021】
パウチ10の横方向はX1方向およびX2方向に平行である。X1方向に対応するパウチ10の横方向を「第1横方向」と称する。X2方向に対応するパウチ10の横方向を「第2横方向」と称する。
【0022】
パウチ10の縦方向はY1方向およびY2方向に平行である。Y1方向に対応するパウチ10の縦方向を「上方向」と称する。Y2方向に対応するパウチ10の縦方向を「下方向」と称する。
【0023】
パウチ10の厚さ方向はZ1方向およびZ2方向に平行である。Z1方向に対応するパウチ10の厚さ方向を「第1厚さ方向」と称する。Z2方向に対応するパウチ10の厚さ方向を「第2厚さ方向」と称する。
【0024】
第1横方向に関するパウチ10の端部を「第1横端部10ER」と称する。第2横方向に関するパウチ10の端部を「第2横端部10EL」と称する。上方向に関するパウチ10の端部を「上端部10EU」と称する。下方向に関するパウチ10の端部を「下端部10ED」と称する。
【0025】
内容物に関する物質の状態の一例として、液体およびゲルが挙げられる。液体の一例にはゾルが含まれる。内容物は例えば、パウチ10の圧縮または重力の作用により内部空間10Sからパウチ10の周囲の空間(以下「外部空間」という)に流出する性質を有する。内容物の一例として、食品、化粧品が挙げられる。食品の一例として、ゼリー飲料、ペースト調味料、ジャムが挙げられる。
【0026】
(主部)
一例では、主部20はシートにより構成される。主部20を構成するシートを「主部シートS20」と称する。主部シートS20の構成は任意に選択できる。主部シートS20の構成は例示される構成に限定されない。
【0027】
一例では、主部シートS20は1枚のフィルム、または、複数枚のフィルムにより構成される。1枚のフィルムまたは複数枚のフィルムは主部20を構成するように接着される。フィルムを主部20に接着する方法は例えばヒートシールである。
【0028】
一例では、主部シートS20は複数の層を含む。複数の層は積層される。複数の層に含まれる層の一例として、外層、内層、および、外層と内層との間に設けられる中層が挙げられる。一例では、外層は耐熱性、寸法安定性、透明性、および、保香性のうちの1つまたは複数に優れる。一例では、内層はシーラント層を含む。一例では、中層は耐ピンホール性、耐屈折性、および、耐摩耗性のうちの1つまたは複数に優れる。
【0029】
主部シートS20の構成の一例として、次の第1例~第3例が挙げられる。第1例では、主部シートS20は外層および内層を含む。第2例では、主部シートS20は外層、内層、および、中層を含む。第3例では、第2例を前提として、主部シートS20は複数の中層を含む。一例では、複数の中層は第1中層および第2中層を含む。第1中層は外層と第2中層との間に設けられる。第2中層は第1中層と内層との間に設けられる。
【0030】
主部20の構成は任意に選択できる。主部20の構成は例示される構成に限定されない。一例では、主部20は底部90と比較して、手で荷重が加えられた場合に変形しやすいように構成される。一例では、主部20の形状は筒である。主部20は縦方向に関する端部を含む。主部20は横方向に関する端部を含む。
【0031】
主部20の縦方向に関する端部は上端部10EUおよび下端部10EDを含む。上端部10EUは主部シートS20の上部の外縁を含む。下端部10EDは主部シートS20の下部の外縁を含む。
【0032】
主部20は主部20の筒形状の周方向に関する第1端部20Rおよび第2端部20Lを含む。第1端部20Rは主部20の主部シートS20の側部の外縁を含む。第2端部20Lは主部20の主部シートS20の側部の外縁を含む。一例では、各端部20R、20Lは縦方向に沿うように延長する。
【0033】
一例では、主部20は折曲部30を含む。一例では、折曲部30は折曲線30Aを含む。折曲部30は主部シートS20のうちの折曲線30Aに沿うように折り曲げられた部分である。
【0034】
一例では、折曲部30は第1折曲部31および第2折曲部32を含む。第1折曲部31は第1横端部10ERに設けられる。第2折曲部32は第2横端部10ELに設けられる。一例では、第1折曲部31の折曲線30Aおよび第2折曲部32の折曲線30Aは縦方向に沿うように延長する。
【0035】
一例では、主部20は第1折曲部31の折曲線30Aおよび第2折曲部32の折曲線30Aを基準として、正面部21および背面部22に区分される。一例では、正面部21および背面部22は正面部21と背面部22との間に内部空間10Sが形成されるように厚さ方向に対向する。図1では、紙面上の手前に正面部21が示され、紙面上の奥に背面部22が示される。図2では、紙面上の手前に背面部22が示され、紙面上の奥に正面部21が示される。
【0036】
一例では、正面部21は厚さ方向に関して第1厚さ方向に位置する。正面部21は第1折曲部31の折曲線30Aと第2折曲部32の折曲線30Aとの間に位置する。正面部21は主部20の各端部20R、20Lを含まない。
【0037】
一例では、背面部22は厚さ方向に関して第2厚さ方向に位置する。背面部22は第1折曲部31の折曲線30Aと第2折曲部32の折曲線30Aとの間に位置する。一例では、背面部22は第1背面部22Rおよび第2背面部22Lを含む。
【0038】
第1背面部22Rは第1折曲部31において正面部21につながる。第1背面部22Rは主部20の第1端部20Rを含む。第2背面部22Lは第2折曲部32において正面部21につながる。第2背面部22Lは主部20の第2端部20Lを含む。
【0039】
一例では、主部20は胴部40、開口部50、および、接着対象部60を含む。一例では、胴部40、開口部50、および、接着対象部60は主部シートS20の一部として一体的に構成される。
【0040】
胴部40は主に内容物を収容する部分として構成される。胴部40のサイズは内容物の種類等に応じて設定される。一例では、内容物が食品である場合、胴部40のサイズは手で握ることができるサイズに設定される。一例では、胴部40のサイズが手で握ることができるサイズに設定される場合、胴部40を構成する主部シートS20の素材としては、胴部40を手で容易に握り潰すことができる素材が選択される。
【0041】
一例では、胴部40は主部20の上端部10EUを含む。上端部10EUは開口部50に対して第1横方向に位置する部分、および、開口部50に対して第2横方向に位置する部分を含む。
【0042】
一例では、折曲部30は下部折曲部33を含む。下部折曲部33は折曲線30Aを含む。下部折曲部33の折曲線30Aは胴部40と接着対象部60との境界を規定する。一例では、下部折曲部33の折曲線30Aの形状は円である。
【0043】
下部折曲部33は接着対象部60が胴部40に対して内部空間10S側に位置するように接着対象部60を構成する主部シートS20の一部を折り曲げた部分である。一例では、第1折曲部31および第2折曲部32は胴部40に含まれる。第1折曲部31および第2折曲部32は縦方向に関して上端部10EUと下部折曲部33との間に設けられる。
【0044】
開口部50は内部空間10Sと外部空間とを接続する部分として構成される。開口部50は内部空間10Sと外部空間とを接続する接続口51を含む。開口部50に関するパウチ10の形態の一例として、第1形態および第2形態が挙げられる。
【0045】
第1形態のパウチ10では、開口部50は充填部および注出部を兼ねる。第2形態では、開口部50は個別に構成される充填部および注出部を含む。図1および図2には、第1形態のパウチ10の一例が示される。
【0046】
一例では、充填部はパウチ10の製造工程において内部空間10Sに内容物を充填するための開口部50として構成される。一例では、充填部は内容物を充填するノズルを挿入できるように構成される。
【0047】
一例では、注出部はユーザによるパウチ10の使用時において内部空間10Sと外部空間とを接続する開口部50として構成される。一例では、注出部はユーザの口内に挿入できるように構成される。
【0048】
一例では、パウチ10が取り得る状態は充填時開口状態を含む。充填時開口状態は充填部が開放された状態である。充填時開口状態はパウチ10の製造工程において内部空間10Sに内容物を充填するために形成される状態である。充填時開口状態では、内部空間10Sは充填部の接続口51により外部空間に接続される。
【0049】
一例では、パウチ10が取り得る状態は注出時開口状態を含む。注出時開口状態は注出部が開放された状態である。注出時開口状態はユーザによりパウチ10が使用される場合において、内部空間10Sから内容物を流出させるために形成される状態である。注出時開口状態では、内部空間10Sは注出部の接続口51により外部空間に接続される。
【0050】
一例では、パウチ10が取り得る状態は閉鎖状態を含む。閉鎖状態は開口部50が閉鎖され、内部空間10Sと外部空間とが接続されない状態である。閉鎖状態は内部空間10Sに充填された内容物を保存するために形成される状態である。
【0051】
第1形態のパウチ10(図1および図2参照)が充填時開口状態である場合、充填部および注出部は開放される。第2形態のパウチ10が充填時開口状態である場合、充填部は開放され、注出部は閉鎖される。第2形態のパウチ10が注出時開口状態である場合、充填部は閉鎖され、注出部は開放される。
【0052】
第1形態のパウチ10(図1および図2参照)では、充填部および注出部を兼ねる開口部50は胴部40に対して上方向に位置する。開口部50は胴部40につながる。開口部50は胴部40に対して上方向に突出する。
【0053】
接着対象部60は底部90と接着する部分として構成される。接着対象部60は胴部40に対して下方向に位置する。接着対象部60は胴部40の下部につながる。接着対象部60は主部20の下端部10EDを含む。
【0054】
一例では、接着対象部60はプリーツ61を含む。一例では、プリーツ61は接着対象部60を構成する主部シートS20の一部と他の一部とが重なるように折り曲げられた部分を含む。
【0055】
一例では、パウチ10は蓋70を含む。蓋70の構成は任意に選択できる。蓋70の構成は例示される構成に限定されない。蓋70は開口部50を閉鎖する部分として構成される。一例では、閉鎖状態のパウチ10では、蓋70は主部20の一部として開口部50と一体的に構成される。蓋70は開口部50に対して上方向に位置する。蓋70は開口部50につながる。
【0056】
蓋70は開口部50に対して分離できるように構成される。開口状態のパウチ10では、蓋70は開口部50から分離される。蓋70が開口部50から分離された状態では、接続口51は開放される。
【0057】
一例では、パウチ10は分離補助部71を含む。分離補助部71の構成は任意に選択できる。分離補助部71の構成は例示される構成に限定されない。分離補助部71は蓋70を開口部50に対して分離することを補助するように構成される。
【0058】
一例では、分離補助部71は1または複数の切取線71Aを含む。一例では、切取線71Aは複数のミシン目を含む。一例では、切取線71Aの形状は直線である。図示される例では、分離補助部71は1つの切取線71Aを含む。
【0059】
一例では、分離補助部71は1または複数のノッチ71Bを含む。ノッチ71Bは主部シートS20における切取線71Aの端部に対応する部分に設けられる。図示される例では、分離補助部71は第1横方向に関する切取線71Aの端部に設けられるノッチ71B、および、第2横方向に関する切取線71Aの端部に設けられるノッチ71Bを含む。
【0060】
(接着部材)
図4を参照する。図4図1のX4-X4線において切断されたパウチ10の端面図を示す。図4に示されるパウチ10の切断面は横方向および厚さ方向に平行である。
【0061】
一例では、パウチ10は接着部材80を含む。一例では、接着部材80は主部20の周方向に関する各端部20R、20Lに接着され、周方向に関する主部20の連続性を保持する部材として構成される。
【0062】
一例では、接着部材80は複数の層を含む。複数の層は積層される。複数の層に含まれる層の一例として、第1層、第2層、および、第1層と第2層との間に設けられる中層が挙げられる。一例では、第1層はシーラント層を含む。一例では、第2層はシーラント層を含む。一例では、中層は耐衝撃性および耐摩耗性のうちの1つまたは複数に優れる。
【0063】
接着部材80の構成の一例として、次の第1例~第3例が挙げられる。第1例では、接着部材80は第1層および第2層を含む。第2例では、接着部材80は第1層、第2層、および、中層を含む。第3例では、第2例を前提として、接着部材80は複数の中層を含む。一例では、複数の中層は第1中層および第2中層を含む。第1中層は第1層と第2中層との間に設けられる。第2中層は第1中層と第2層との間に設けられる。
【0064】
一例では、接着部材80の形態はテープである。一例では、横方向に関する接着部材80の寸法である接着部材80の幅は横方向に関する接続口51の寸法である接続口51の幅よりも小さい。
【0065】
縦方向に関する接着部材80の寸法である接着部材80の長さは縦方向に関する主部20の寸法に相当する。接着部材80は主部20の各端部20R、20Lの上部の縁と下部の縁との間に接着される。
【0066】
接着部材80が接着された状態における各端部20R、20Lの関係の一例として、次の第1例および第2例が挙げられる。第1例では、第1端部20Rに含まれる主部シートS20の端面と、第2端部20Lに含まれる主部シートS20の端面とが接触する。第2例では、各端部20R、20Lが厚さ方向に重ね合わせられる。図4は第1例の一例を示す。
【0067】
主部シートS20に対する接着部材80の配置の一例として、次の第1例および第2例が挙げられる。第1例では、接着部材80は主部20の主部シートS20に対して内部空間10S側に設けられる。第2例では、接着部材80は主部シートS20に対して外部空間側に設けられる。
【0068】
一例では、接着部材80は主部20の各端部20R、20Lに重ね合わせられた状態において、主部20の各端部20R、20Lに接着される。一例では、接着部材80はヒートシールにより主部20に接着される。ヒートシールの一例として、シーラーを用いた熱溶着、インパルスシール、高周波シール、超音波シールが挙げられる。
【0069】
(底部)
一例では、底部90はシートにより構成される。底部90を構成するシートを「底部シートS90」と称する。底部シートS90の構成は任意に選択できる。底部シートS90の構成は例示される構成に限定されない。
【0070】
一例では、底部シートS90は1枚のフィルム、または、複数枚のフィルムにより構成される。1枚のフィルムまたは複数枚のフィルムは底部90を構成するように主部20に接着される。フィルムを主部20に接着する方法は例えばヒートシールである。
【0071】
一例では、底部シートS90は複数の層を含む。複数の層は積層される。複数の層に含まれる層の一例として、外層、内層、および、外層と内層との間に設けられる中層が挙げられる。一例では、外層はシーラント層を含む。一例では、内層はシーラント層を含む。一例では、中層は耐衝撃性および耐摩耗性のうちの1つまたは複数に優れる。
【0072】
底部シートS90の構成の一例として、次の第1例~第3例が挙げられる。
第1例では、底部シートS90は外層および内層を含む。第2例では、底部シートS90は外層、内層、および、中層を含む。第3例では、第2例を前提として、底部シートS90は複数の中層を含む。一例では、複数の中層は第1中層および第2中層を含む。第1中層は外層と第2中層との間に設けられる。第2中層は第1中層と内層との間に設けられる。
【0073】
一例では、底部シートS90は射出成形により形成される樹脂シートを含む。一例では、底部シートS90は1枚または複数枚の樹脂シートにより構成される。1枚の樹脂シートまたは複数枚の樹脂シートは底部90を構成するように主部20に接着される。樹脂シートを主部20に接着する方法は例えばヒートシールである。
【0074】
一例では、樹脂シートの素材として、主部シートS20と溶着する素材が選択される。一例では、底部シートS90は樹脂シートおよび内層を含む。内層は樹脂シートに対して内部空間10S側に位置する。内層は樹脂シートに接着される。一例では、内層はガスバリア性に優れる。
【0075】
一例では、底部90は主部20と比較して、手で荷重が加えられた場合に変形しにくいように構成される。底部90の形状は任意に選択できる。
一例では、底部90の形状は円である。一例では、底部90はヒートシールにより接着対象部60に接着される。ヒートシールの一例として、シーラーを用いた熱溶着、インパルスシール、高周波シール、超音波シールが挙げられる。
【0076】
底部90は平面状に広がるように構成される。接着対象部60に接着された底部90が平面状に広がる場合、底部90は横方向および厚さ方向に広がる。
一例では、底部90はパウチ10の充填時開口状態において平面状に広げられた状態を維持できるように構成される。一例では、底部90の厚さおよび剛性の一方は底部90が平面状に広げられた状態を維持することに寄与する。
【0077】
一例では、充填時開口状態のパウチ10において底部90は平面状に広がる。主部20における正面部21の下部の内面21Aと、主部20における背面部22の下部の内面22Aとは、厚さ方向または横方向に関して内部空間10Sを介して離れる。正面部21の下部は正面部21における底部90に隣接する部分を含む。背面部22の下部は背面部22における底部90に隣接する部分を含む。
【0078】
正面部21の下部の内面21Aと背面部22の下部の内面22Aとの間には、内部空間10Sが形成される。内面21Aと内面22Aとの間に形成される内部空間10Sの形状は、底部90を底面とする柱体または錐台に相当する。
【0079】
内部空間10Sに内容物が収容された状態では、底部90は内容物の荷重を受ける。底部90は内容物から受ける荷重により平面状に広げられた状態に維持されやすくなる。
【0080】
(シール部)
一例では、パウチ10はシール部100を含む。シール部100の構成は任意に選択できる。シール部100の構成は例示される構成に限定されない。
一例では、シール部100は第1種シール部110、第2種シール部120、および、第3種シール部130を含む。
【0081】
第1種シール部110は主部シートS20の一部と主部シートS20の他の一部とが接着された部分である。第2種シール部120は主部シートS20と底部シートS90とが接着された部分である。第3種シール部130は主部シートS20と接着部材80とが接着された部分である。
【0082】
主部シートS20および底部シートS90のうち、シール部100によりシールされていない部分を「未シール部」と称する。図1等においてドットが記入された部分はシール部100を示す。
【0083】
一例では、第1種シール部110は胴部シール部111を含む。胴部シール部111は主部20の上端部10EUにおいて正面部21と背面部22とが接着された部分を含む。
胴部40は胴部シール部111および未シール部を含む。胴部40の未シール部に対応する正面部21と背面部22との間に内部空間10Sが形成される。
一例では、胴部シール部111は第1胴部シール部111Rおよび第2胴部シール部111Lを含む。
【0084】
第1胴部シール部111Rは横方向に関して開口部50に対して第1横方向に位置する。第1胴部シール部111Rは横方向に関して開口部50と第1折曲部31との間に設けられる。
【0085】
第2胴部シール部111Lは横方向に関して開口部50に対して第2横方向に位置する。第2胴部シール部111Lは横方向に関して開口部50と第2折曲部32との間に設けられる。
【0086】
一例では、第1種シール部110は開口部シール部112を含む。開口部シール部112は開口部50の側部において正面部21と背面部22とが接着された部分を含む。一例では、開口部シール部112は第1開口部シール部112Rおよび第2開口部シール部112Lを含む。
【0087】
第1開口部シール部112Rは横方向に関して開口部50の内部空間10Sに対して第1横方向に位置する。第1開口部シール部112Rは第1胴部シール部111Rにつながる。
【0088】
第2開口部シール部112Lは横方向に関して開口部50の内部空間10Sに対して第2横方向に位置する。第2開口部シール部112Lは第2胴部シール部111Lにつながる。
【0089】
開口部50は開口部シール部112および未シール部を含む。第1開口部シール部112Rと第2開口部シール部112Lとの間に開口部50の未シール部が設けられる。開口部50の未シール部を構成する正面部21と背面部22との間に内部空間10Sが形成される。切取線71Aに対応する開口部50の未シール部に接続口51が形成される。
【0090】
一例では、第1種シール部110は蓋シール部113を含む。蓋シール部113は蓋70に対応する正面部21と背面部22とが接着された部分を含む。蓋シール部113は第1開口部シール部112Rおよび第2開口部シール部112Lにつながる。
【0091】
一例では、底部90は接着対象部60に対して内部空間10S側に位置する。一例では、底部90の外周部91は接着対象部60に接着される。一例では、第2種シール部120は底部90の外周部91と接着対象部60とが接着された部分を含む。
【0092】
(シートの物性)
主部シートS20の厚さを「主部シート厚さ」と称する。底部シートS90の厚さを「底部シート厚さ」と称する。主部シートS20の剛性を「主部シート剛性」と称する。底部シートS90の剛性を「底部シート剛性」と称する。
【0093】
一例では、主部シート剛性は主部シートS20の流れ方向に関するループスティフネスにより規定される。一例では、底部シート剛性は底部シートS90の流れ方向に関するループスティフネスにより規定される。
【0094】
胴部40を構成する主部シートS20と主部20における胴部40以外の部分を構成する主部シートS20とが異なるシートである場合、主部シート厚さは胴部40を構成する主部シートS20の厚さにより規定される。
【0095】
胴部40を構成する主部シートS20と主部20における胴部40以外の部分を構成する主部シートS20とが異なるシートである場合、主部シート剛性は胴部40を構成する主部シートS20の剛性により規定される。
【0096】
一例では、主部シート厚さは第1下限厚さ以上の範囲に含まれる。一例では、第1下限厚さは30μm、50μm、70μmから選択される。一例では、主部シート厚さは第1上限厚さ以下の範囲に含まれる。一例では、第1上限厚さは210μm、230μm、250μmから選択される。
【0097】
一例では、底部シート厚さは第2下限厚さ以上の範囲に含まれる。一例では、第2下限厚さは30μm、40μm、50μmから選択される。
【0098】
一例では、主部シート剛性は第1下限剛性以上の範囲に含まれる。一例では、第1下限剛性は10mN、20mN、30mNから選択される。一例では、主部シート剛性は第1上限剛性以下の範囲に含まれる。一例では、第1上限剛性は500mN、550mN、600mNから選択される。
【0099】
上記に例示される主部シート厚さ、底部シート厚さ、および、主部シート剛性について、技術的な整合性が取れる範囲において任意の組み合わせを選択することができる。
【0100】
各シート剛性の関係の一例として、次の第1例~第3例が挙げられる。第1例では、底部シート剛性は主部シート剛性よりも高い。第2例では、底部シート剛性は主部シート剛性よりも低い。第3例では、底部シート剛性は主部シート剛性と等しい。
【0101】
(主部(その2))
主部シートS20の構成は任意に選択できる。主部シートS20の構成は例示される構成に限定されない。主部シートS20の構成の一例として、次の第1例~第5例が挙げられる。
【0102】
第1例では、主部シートS20は外層、中層、および、内層を含む。外層はPET12である。中層はONY15である。内層はCPP100である。
【0103】
第2例では、主部シートS20は外層、第1中層、第2中層、および、内層を含む。外層はPET12である。第1中層はAL7~9である。第2中層はONY15である。内層はCPP100である。
【0104】
第3例では、主部シートS20は外層、第1中層、第2中層、および、内層を含む。外層はPET12である。第1中層はONY15である。第2中層はAL7~9である。内層はCPP100である。
【0105】
第4例では、主部シートS20は外層、第1中層、第2中層、および、内層を含む。外層はPET12である。第1中層はONY15である。第2中層はAL7~9である。内層はLLDPE100である。
【0106】
第5例では、主部シートS20は外層、中層、および、内層を含む。外層はPET12である。中層はPET12である。内層はCPP100である。
【0107】
(底部(その2))
底部シートS90の構成は任意に選択できる。底部シートS90の構成は例示される構成に限定されない。底部シートS90の構成の一例として、次の第1例~第3例が挙げられる。
【0108】
第1例では、底部シートS90は外層、中層、および、内層を含む。外層はCPP30~100である。中層はONY12~40である。内層はCPP30~100である。
第2例では、底部シートS90は樹脂シートを含む。樹脂シートの素材はPPである。
第3例では、底部シートS90は樹脂シートを含む。樹脂シートの素材はPEである。
【0109】
(接着部材(その2))
接着部材80の構成は任意に選択できる。接着部材80の構成は例示される構成に限定されない。接着部材80の構成の一例として、次の第1例~第4例が挙げられる。
【0110】
第1例では、接着部材80は第1層、中層、および、第2層を含む。第1層はCPP30~50である。中層はPET12~40である。第2層はCPP30~50である。
【0111】
第2例では、接着部材80は第1層、第1中層、第2中層、および、第2層を含む。第1層はCPP30~50である。第1中層はPET12~40である。第2中層はONY12~40である。第2層はCPP30~50である。
【0112】
第3例では、接着部材80は第1層、第1中層、第2中層、および、第2層を含む。第1層はCPP30~50である。第1中層はPET12~50である。第2中層はAL7~15である。第2層はCPP30~50である。
【0113】
第4例では、接着部材80は第1層、中層、および、第2層を含む。第1層はCPP30~50である。中層はNY12~40である。第2層はCPP30~50である。
【0114】
(安定化構造)
一例では、パウチ10は安定化構造を含む。安定化構造はパウチ10が安定して自立しやすくなる特性をパウチ10に付与する。安定化構造はパウチ10が安定して自立しやすくなる構造の一例として、胴部40に対して底部90が変形しにくい構造を含む。
【0115】
一例では、安定化構造は第1条件および第2条件のうちの少なくとも1つを満たすように設定される各シートS20、S90の関係を含む。第1条件は底部シート厚さが主部シート厚さよりも厚いことである。第2条件は底部シート剛性が主部シート剛性よりも高いことである。
【0116】
(使用方法)
一例では、パウチ10は内容物として飲料ゼリーを収容するように構成される。胴部40のサイズは手で持つことができるサイズに設定される。開口部50は口内に挿入できるように構成される。パウチ10は例えば次のように使用される。
【0117】
配置対象部上に閉鎖状態のパウチ10が配置される。パウチ10の内部空間10Sには内容物が収容される。底部90は広げられた状態において配置対象面に接触する。パウチ10は配置対象部上において自立する。
【0118】
ユーザはパウチ10を一方の手で持つ。ユーザは他方の手で蓋70を分離する。開口部50が開放される。パウチ10の状態が閉鎖状態から注出時開口状態に移行する。ユーザは開口部50を口内に挿入する。ユーザはパウチ10を持つ手で胴部40を圧縮する。
【0119】
胴部40が圧縮されることにより内容物が開口部50から口内に流出する。ユーザは内容物の接種が終了した場合、または、内容物の接種を中断する場合、底部90が配置対象部に接触するようにパウチ10を配置対象部上に配置し、手をパウチ10から離す。パウチ10は配置対象部上において自立する。
【0120】
(製造方法)
図3図8を参照する。パウチ10の製造方法は例えば、第1工程~第9工程を含む。第2工程は第1工程の次に行われる。第3工程は第2工程の次に行われる。第4工程は第3工程の次に行われる。第5工程は第4工程の次に行われる。第6工程は第5工程の次に行われる。第7工程は第6工程の次に行われる。第8工程は第7工程の次に行われる。第9工程は第8工程の次に行われる。
【0121】
第1工程(図5参照)では、第1折曲部31および第2折曲部32が形成されるように主部シートS20が折曲装置により折り曲げられる。
第2工程(図6参照)では、接着部材80が主部シートS20の第1端部20Rおよび第2端部20Lにヒートシール装置により接着される。一例では、ヒートシール装置によるシール方法は超音波溶着である。
【0122】
第3工程(図3参照)では、主部20に下部折曲部33が形成され、接着対象部60にプリーツ61が形成されるように主部シートS20が折曲装置により折り曲げられる。
第4工程(図4参照)では、底部90が接着対象部60にヒートシール装置により接着される。一例では、ヒートシール装置によるシール方法は超音波溶着である。一例では、底部90は平面状に広げられた状態において接着対象部60に接着される。
【0123】
第5工程(図7参照)では、中間シール部140が形成されるように主部シートS20の正面部21と背面部22とがヒートシール装置により接着される。開口部50の内部空間10Sに対応する正面部21および背面部22は接着されない。
【0124】
中間シール部140は主部シートS20のうちの胴部40に対して上方向に位置する正面部21と背面部22とが接着された部分を含む。
中間シール部140は胴部シール部111、開口部シール部112、および、除去対象シール部141を含む。除去対象シール部141は中間シール部140のうち、胴部シール部111および開口部シール部112以外の部分である。
【0125】
第6工程(図8参照)では、除去対象シール部141が打抜加工装置により除去される。除去対象シール部141が除去されることにより開口部50の外縁が形成される。
第7工程では、充填装置のノズルが開口部50に挿入される。ノズルから内部空間10Sに一定量の内容物が充填される。
【0126】
第8工程では、蓋シール部113が形成されるように開口部50の上部に対応する正面部21と背面部22とがヒートシール装置により接着される。
第9工程では、ミシン目加工機により分離補助部71の切取線71Aが形成される。
【0127】
(第2実施形態)
図9を参照する。本実施形態のパウチ10は第1実施形態を前提に構成される。本実施形態のパウチ10は前提の実施形態と共通する構成を含む。以下の説明には、本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10との主な相違点が示される。本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10と共通する構成に関する説明の一部または全部は省略される。
【0128】
本実施形態のパウチ10は接着部材80を含まない。主部20の各端部20R、20Lは合掌貼りにより接着される。各端部20R、20Lの接着により構成されるシール部100は第1種シール部110である。
【0129】
(第3実施形態)
図10を参照する。本実施形態のパウチ10は第1実施形態を前提に構成される。本実施形態のパウチ10は前提の実施形態と共通する構成を含む。以下の説明には、本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10との主な相違点が示される。本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10と共通する構成に関する説明の一部または全部は省略される。
【0130】
本実施形態のパウチ10は接着部材80を含まない。主部20の各端部20R、20Lは封筒貼りにより接着される。各端部20R、20Lの接着により構成されるシール部100は第1種シール部110である。
【0131】
(効果)
パウチ10により得られる効果の一例として、以下のような効果が挙げられる。
【0132】
一例では、底部シート厚さは主部シート厚さよりも厚い。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。底部シート厚さが主部シート厚さよりも厚いため、底部90が広げられた状態が維持されやすい。このため、パウチ10が任意の配置対象部上に置かれた場合において、パウチ10が安定して自立しやすくなる。
【0133】
一例では、主部20は胴部40、および、胴部40の下部につながる接着対象部60を含む。底部90は接着対象部60に接着される。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。主部20と底部90との接着が胴部40の形状に影響を及ぼしにくくなる。
【0134】
一例では、接着対象部60はプリーツ61を含む。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。接着対象部60をコンパクトな形状に収めることができる。
【0135】
一例では、主部20は主部20の横方向に関する第1端部20Rおよび第2端部20Lを含む。第1端部20Rおよび第2端部20Lに接着される接着部材80を含む。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。主部20の形状が筒形状となるため、パウチ10を持つユーザが痛みや違和感を覚えにくくなる。
【0136】
一例では、主部20は折曲部30を含む。折曲部30は第1折曲部31および第2折曲部32を含む。第1折曲部31および第2折曲部32はパウチ10の縦方向に沿うように構成される。第1端部20Rおよび第2端部20Lは第1折曲部31と第2折曲部32との間に設けられる。
【0137】
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。第1折曲部31および第2折曲部32が横方向に関する主部20の端部を構成するため、パウチ10を持つユーザが痛みや違和感を覚えにくくなる。
【0138】
一例では、底部90はパウチ10の充填時開口状態において平面状に広げられた状態を維持できるように構成される。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。パウチ10の充填時開口状態において、主部20における正面部21の下部の内面21Aと、主部20における背面部22の下部の内面22Aとが厚さ方向または横方向に関して内部空間10Sを介して離れる。比較例のパウチとの比較において、例えば以下のような効果が得られる。
【0139】
比較例のパウチの構成は次の点においてパウチ10と相違し、その他の点においてパウチ10と共通する。比較例のパウチは底部シートS90および接着部材80を含まない。比較例のパウチの底部90は主部20の一部として構成される。主部20の折曲部30は第1折曲部31および第2折曲部32を含まない。
【0140】
比較例のパウチにおける折曲部30の下部折曲部33は底部90を構成する。下部折曲部33の折曲線30Aは横方向に平行である。比較例のパウチにおける正面部21および背面部22はそれぞれ第1横方向の端部および第2横方向の端部を含む。
正面部21および背面部22の第1横方向の端部は主部シートS20の外縁を含む。正面部21および背面部22の第2横方向の端部は主部シートS20の外縁を含む。
【0141】
比較例のパウチにおける正面部21および背面部22は厚さ方向において対向するように重ね合わせられる。比較例のパウチにおける胴部シール部111は第1胴部シール部111Rおよび第2胴部シール部111Lに加え、第3胴部シール部および第4胴部シール部を含む。
【0142】
第3胴部シール部は正面部21の第1横方向の端部と背面部22の第1横方向の端部とが接着された部分を含む。第4胴部シール部は正面部21の第2横方向の端部と背面部22の第2横方向の端部とが接着された部分を含む。
【0143】
比較例のパウチは充填時開口状態において全体として平面状に広がる。パウチ10の充填時開口状態における内部空間10Sの容積は比較例のパウチの充填時開口状態における内部空間10Sの容積よりも大きい。
このため、パウチ10の内部空間10Sに充填できる内容物の量は比較例のパウチの内部空間10Sに充填できる内容物の量よりも多くなる。これは、例えばパウチ10の製造に用いられるシートの量を削減することに寄与する。
【0144】
一例では、主部シート厚さは第1下限厚さ以上である。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。主部シートS20の耐久性が向上する。
【0145】
一例では、主部シート厚さは第1上限厚さ以下である。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。主部20を手で握り潰しやすくなる。
【0146】
一例では、底部シート厚さは第2下限厚さ以上である。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。底部90が広げられた状態が維持されやすくなる。
【0147】
一例では、主部シート剛性は第1下限剛性以上である。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。主部シートS20の耐久性が向上する。
【0148】
一例では、主部シート剛性は第1上限剛性以下である。
上記の構成によれば、例えば次のような効果が得られる。主部20を手で握り潰しやすくなる。主部シートS20に関する成形性が向上する。
【0149】
(実施例)
図11を参照する。図11はパウチ10の特性を測定する測定試験の結果の一例を示す。測定試験では、第1種試料および第2種試料を用いた。第1種試料の構成は第1実施形態のパウチ10の構成に準じる。第2種試料の構成は比較例のパウチの構成に準じる。
【0150】
内容物はゼリー飲料である。内容物の重量は例えば、30g~100gの範囲から選択される。選択された内容物の重量は100gである。
【0151】
横方向に関する各試料の寸法を「横長さ」と称する。一例として、横方向に関する胴部40の長さを横長さとして規定した。選択された横長さは50mmである。
【0152】
縦方向に関する各試料の寸法を「縦長さ」と称する。一例として、縦方向に関する蓋70の上端と底部90との距離を縦長さとして規定した。選択された縦長さは150mmである。
【0153】
各試料の主部シートS20は外層、中層、内層を含む。外層はPET12である。中層はONY15である。内層はCPP100である。
【0154】
第1種試料の底部シートS90は外層、中層、および、内層を含む。外層はCPP100である。中層はONY12である。内層はCPP100である。
【0155】
第1種試料の接着部材80は第1層、中層、第2層を含む。第1層はCPP30である。中層はPET12である。第2層はCPP100である。
【0156】
測定試験における測定項目の評価方法は官能評価である。測定試験における測定項目は1種類である。測定項目の内容は把握性である。
把握性はパウチ10の背面部22が掌に面し、第1横端部10ERが親指の付け根あたりに接触し、第2横端部10ELが指の腹に接触するようにパウチ10を手で把握した場合に痛みまたは違和感を覚えるか否かを表す指標である。
【0157】
評価者が痛みおよび違和感のいずれも覚えない場合、把握性に関する評価は「A」である。評価者が痛みを覚えず、違和感を覚える場合、把握性に関する評価は「B」である。評価者が痛みを覚える場合、把握性に関する評価は「C」である。図11は10人の評価者による把握性の評価結果を示す。
【0158】
なお、本発明に関するパウチが取り得る形態は各実施形態に記載の説明に制限されない。本発明に関するパウチは各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例として、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態が挙げられる。
【符号の説明】
【0159】
10 :パウチ
20 :主部
20R:第1端部
20L:第2端部
30 :折曲部
31 :第1折曲部
32 :第2折曲部
40 :胴部
50 :開口部
60 :接着対象部
61 :プリーツ
80 :接着部材
90 :底部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11