(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037417
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】作業台用梯子
(51)【国際特許分類】
E06C 1/397 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
E06C1/397
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142278
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】597144484
【氏名又は名称】ジー・オー・ピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【弁理士】
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】千田 豊治
【テーマコード(参考)】
2E044
【Fターム(参考)】
2E044AA01
2E044BA11
2E044BC13
2E044BC22
2E044CA01
2E044CC01
2E044DA01
2E044DA07
2E044DB01
2E044DC03
2E044EE04
(57)【要約】
【課題】容易に移動させることができる作業台用梯子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、作業台100に対して着脱可能な作業台用梯子300であって、作業者が作業台100の作業平面と床面との間を昇降するための梯子部310と、床面と接地するキャスター321a、321bと、を有することにより、作業者は、作業台用梯子300が作業台100に装着された状態であっても作業台用梯子300を容易に移動させることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業台に対して着脱可能な作業台用梯子であって、
作業者が前記作業台の作業平面と床面との間を昇降するための梯子部と、
前記床面と接地するキャスターと、を有することを特徴とする作業台用梯子。
【請求項2】
該作業台用梯子が前記作業台に装着された状態では、前記キャスターのみが前記床面と接地し、前記梯子部を含めた該作業台用梯子の構成部材の何れもが前記床面から離れていることを特徴とする請求項1に記載の作業台用梯子。
【請求項3】
前記キャスターは、前記梯子部の下端に取り付けられており、前記作業台の使用時および前記作業台の移動時に関わらず前記床面に接地していることを特徴とする請求項1または2に記載の作業台用梯子。
【請求項4】
前記キャスターは、上下方向に沿った旋回軸を中心に旋回可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の作業台用梯子。
【請求項5】
前記キャスターは、
車輪と、
前記車輪の回転を固定および固定の解除をするための操作部と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の作業台用梯子。
【請求項6】
前記作業台の天板部の端部との間で着脱可能な着脱部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の作業台用梯子。
【請求項7】
前記作業台に対して前記梯子部が近づいたり離れたりしないように規制する規制部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の作業台用梯子。
【請求項8】
前記規制部は、
前記作業台のうち天板部とは異なる部位と係合するための係合部を有することを特徴とする請求項7に記載の作業台用梯子。
【請求項9】
前記規制部は、前記梯子部に沿った状態に折り畳み可能であることを特徴とする請求項8に記載の作業台用梯子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業台用梯子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高所作業を行うための作業台が知られている。特許文献1には、所定数の作業台、所定数のブリッジ台車、所定数のブリッジ、手摺部、梯子部等の複数の種類の構成機材からなる作業台システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、容易に移動させることができる作業台用梯子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、作業台に対して着脱可能な作業台用梯子であって、作業者が前記作業台の作業平面と床面との間を昇降するための梯子部と、前記床面と接地するキャスターと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、容易に移動させることができる作業台用梯子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】作業台システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】移動式作業台の構成の一例を示す平面図である。
【
図3】移動式作業台の構成の一例を示す側面図である。
【
図4】移動式作業台の構成の一例を示す正面図である。
【
図5】作業台用梯子の構成の一例を示す斜視図である。
【
図6】作業台用梯子の構成の一例を示す側面図である。
【
図10】規制部および手掛部を折り畳んだ状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係る作業台用梯子について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
作業台用梯子300は、作業者が高所作業を行うための移動式作業台100(作業台100)に用いられる。作業台100は、作業者が単体で用いたり、複数の作業台100を連結させて作業台システム10として用いたりすることができる。ここでは、まず、作業台システム10の構成について説明する。
【0009】
図1は、作業台システム10の構成の一例を示す図である。
本実施形態の作業台システム10は、作業台100(100a,100b)、ブリッジ20(20a~20c)、補助手摺部30(30a、30b)、作業台用梯子300等を備えている。
作業台100a、100bはそれぞれ同じ向きであって、離れた位置に並列して設置されている。ブリッジ20(20a~20c)は、作業台100aの長手側の端部と作業台100bの長手側の端部との間に架け渡して配置される。ブリッジ20はいわゆる足場として機能する。すなわち、ブリッジ20と床面との間にはブリッジ20を支持する部材は存在せず、作業台100a、100bがブリッジ20を支持する。ここでは、3つのブリッジ20a~20cが隙間なく並列に配置されている。補助手摺部30は必要に応じて作業台100またはブリッジ20に取り付けて作業領域を取り囲む。作業者が作業領域で作業しているときに作業者の身体の一部が補助手摺部30に接触することで、作業者は作業領域の端であることを認識できる。ここでは、作業台100の短手方向の長さと略一致する補助手摺部30aと、作業台100の長手方向の長さまたはブリッジ20の長手方向の長さと略一致する補助手摺部30bとが配置されている。作業台用梯子300は作業台100aに装着することで作業者が作業平面と床面との間を昇降可能にする。作業平面とは、作業台100の上面およびブリッジ20の上面をいう。ここでは、作業台用梯子300は作業台100aの短手側の端部に装着されている。
【0010】
作業台システム10では、複数の作業台100を連結させたり、ブリッジ20を架け渡したりすることで作業領域を広く確保することができる。作業台システム10を構成する場合には、
図1の作業台システム10の構成に限らず、作業現場に応じて、作業台100およびブリッジ20それぞれの数および位置を変更することができる。例えば、ブリッジ20は作業台100の短手側の端部と作業台100の短手側の端部との間、あるいは、作業台100の短手側の端部と作業台100の長手側の端部との間に架け渡して配置してもよい。
【0011】
作業台用梯子300は、作業台システム10の作業平面が広くなった場合には、作業平面の外周に位置する作業台100a、100b、ブリッジ20の端部に装着する。また、1つの作業台システム10に対して1つの作業台用梯子300を装着してもよく、2つ以上の作業台用梯子300を装着してもよい。
【0012】
<作業台100の構成>
次に、作業台100について
図2~
図4を参照して説明する。
図2~
図4では、作業台用梯子300を装着した状態の作業台100を図示している。なお、説明を容易にするために、各図には、作業台100の長手方向を前後方向として「Fr(前)」および「Rr(後)」と表記し、短手方向を左右方向として「R(右)」および「L(左)」と表記している。
図2は、作業台100および作業台用梯子300の構成の一例を示す平面図である。
図3は、作業台100および作業台用梯子300の構成の一例を示す側面図である。
図4は、作業台100および作業台用梯子300の構成の一例を示す正面図である。
作業台100は、天板部110と、脚部130と、回動部150と、走行部180と、補助接地部200とを有する。
【0013】
天板部110は、高所作業を行う作業者の足場として機能する。天板部110は、上側から見て前後方向に長い矩形状である。前後方向が例えば1500mm~2100mmの長さであり、左右方向が例えば700~1100mmの長さである。天板部110は、例えば、アルミニウム合金製の複数の長尺状の天板部材が連結して構成される。天板部110は、例えばシルバー色等の金属色である。
また、天板部110は、作業面となる上面に滑り止めとしての複数の突起113を有する。突起113は間隔を空けて天板部110の全面に亘って形成される。突起113は上側に向かって突出し、中央に孔を有する。
【0014】
また、天板部110は、4隅に近接した位置に複数の連結部材114を有する。連結部材114は、隣接する他の作業台100を連結するための部材である。作業者は連結部材114を引き上げて、連結部材114の長手方向の一方端を中心として水平方向に回動させて、連結部材114の他方端の作業台100の後述する連結孔118に上側から挿入することで、他の作業台100を連結することができる。
【0015】
また、天板部110は、外周縁に近接した位置に複数の連結孔118を有する。連結孔118は、ブリッジ20あるいは隣接する他の作業台100と連結するための孔である。連結孔118は、長手側の端部に例えば6つ、短手側の端部に例えば4つ形成される。また、天板部110は、外周縁に近接した位置に複数の被ロック部としてのロック孔120を有する。ロック孔120は、天板部110に装着された作業台用梯子300が離脱しないようにロックさせるための孔である。ロック孔120は、長手側の端部に例えば4つ、短手側の端部に例えば2つ形成される。なお、
図2では、ロック孔120のうち天板部110の後側の端部に形成されたロック孔120は、作業台用梯子300によって隠れるために図示されていない。
【0016】
脚部130は、天板部110の荷重を支持したり、天板部110で作業する作業者の荷重を支持したりするための部位である。また、脚部130は、天板部110の下側で連結され、天板部110に対して回動可能である。脚部130が回動することで、脚部130が天板部110と重なり合うようにして折り畳まれる。
具体的に、脚部130は4本の脚部材131a~131dを有する。なお、
図3および
図4では、脚部材131dは脚部材131b、131dによって隠れるために図示されていない。脚部材131a、131bは、前後方向における後側に位置し、天板部110から床面に向かって延びる。また、脚部材131aと脚部材131bとは、互いに左右方向に離れて位置する。脚部材131c、131dは、前後方向における前側に位置し、天板部110から床面に向かって延びる。また、脚部材131cと脚部材131dとは、互いに左右方向に離れて位置する。
【0017】
脚部材131a~131dは、主脚132と、伸縮脚133とを有する。
主脚132は、脚部材131a~131dの主とする部位である。主脚132は例えば、中空状の断面略矩形の部材である。主脚132は例えばシルバー色等の金属色である。
【0018】
伸縮脚133は、脚部材131a~131dを長手方向に沿って伸縮させる部位である。伸縮脚133は、主脚132の内部に嵌まり込み、主脚132の長手方向に沿って摺動可能である。伸縮脚133は例えばシルバー色等の金属色である。伸縮脚133は、主脚132の下端から突出させる長さを変更することにより脚部材131a~131dの長さを伸縮させる。また、伸縮脚133は、下端にストッパ部材134を有する。ストッパ部材134は、伸縮脚133の下端が主脚132に入り込まないようにする部材である。ストッパ部材134は、例えば、中空状の断面略矩形の部材であり、主脚132と同一の部材を用いることができる。ストッパ部材134は伸縮脚133の下端の外周に嵌め込んだ状態で、ボルトやリベット等を用いて固定される。
伸縮脚133により脚部材131a~131dを伸縮させることで、天板部110の高さを調整することができる。脚部130は高さ方向に例えば、0mmから400mmまでの間を例えば略50mmや略100mmのピッチで段階的に調整することができる(
図3および
図4では最も伸ばした状態を二点鎖線で示し、最も縮めた状態を実線で示している)。
【0019】
また、主脚132はロック機構135を有する(
図4を参照)。ロック機構135は、伸縮脚133が主脚132の下端から突出させる長さを段階的にロックする。ロック機構135は、主脚132のそれぞれ中央よりも下側の位置であって、脚部材131aと脚部材131bとが対向する側面および脚部材131cと脚部材131dとが対向する側面に取り付けられる。
【0020】
また、脚部材131aと脚部材131bとの間、および、脚部材131cと脚部材131dとの間には、水平方向に沿って横架部材137a、137bが架け渡される。横架部材137a、137bは、脚部材131a~131dの剛性を向上させる部材である。
図4に示すように、脚部材131aと脚部材131bとの間には、上下方向に間隔を空けて複数の横架部材137a、137bが架け渡される。具体的には、脚部材131aの主脚132と脚部材131bの主脚132との間には3本の横架部材137aが配置され、脚部材131aの伸縮脚133と脚部材131bの伸縮脚133との間には1本の横架部材137bが配置される。横架部材137aは主脚132にブラケットを介してボルトやリベット等を用いて固定される。一方、横架部材137bは伸縮脚133のストッパ部材134にブラケットを介してボルトやリベット等を用いて固定される。
【0021】
横架部材137a、137bは、例えば中空状または中実状の断面略矩形または断面多角形の部材である。なお、横架部材137aと横架部材137bとは、異なる色が付されている。横架部材137aは例えばシルバー色等の金属色であり、横架部材137bは例えばゴールド色等の金属色である。横架部材137a、137bは例えばアルマイト処理の工程において着色される。横架部材137bが横架部材137aと異なる色に付されているのは、横架部材137bが可動することを作業者に認識させるためである。すなわち、横架部材137bは、伸縮脚133に固定されているために、横架部材137bを鉛直方向に移動させることで伸縮脚133を主脚132から突出する長さを変更することができる。
ここでは、脚部材131aと脚部材131bとの間に架け渡される横架部材137a、137bについて説明したが、脚部材131cと脚部材131dとの間でも、同様の構成および同様の高さに横架部材137a、137bが架け渡される。
【0022】
このように、横架部材137a、137bが脚部材131aと脚部材131bとの間、および、脚部材131cと脚部材131dとの間に架け渡されることで、脚部材131aと脚部材131bが一つのユニット、すなわち第1の脚体140Aとし、脚部材131cと脚部材131dとが一つのユニット、すなわち第2の脚体140Bとして構成される。脚部130は、一対の脚体140A、140Bが前後方向で対向するように配置される。したがって、後述するように脚部130が天板部110に対して回動する場合には、脚部材131aと脚部材131bとが一体で回動し、脚部材131cと脚部材131dとが一体で回動する。
【0023】
回動部150は、脚部130を天板部110に対して回動させる部位である。脚部130が回動部150を介して天板部110に対して回動することで、脚部130が下側に向かって延びる開脚姿勢と、脚部130が天板部110に重なり合って折り畳まれる閉脚姿勢とに変化する。
具体的には、回動部150は4つの回動体151a~151dを有する。なお、
図3および
図4では、回動体151dは回動体151b、151cによって隠れるために図示されていない。回動体151a~151dは、それぞれ脚部材131a~131dと天板部110との間に配置される。回動体151a、151bの回動支点P1は、回動体151c、151dの回動支点P2よりも上側、すなわち天板部110側にオフセットして位置する。
【0024】
走行部180は、天板部110および脚部130を支持しながら作業台100を任意の位置に移動させる部位である。走行部180は、脚部130の下側に連結される。
具体的には、走行部180は4つのキャスター181a~181dを有する。なお、
図3および
図4では、キャスター181dはキャスター181b、181cによって隠れるために図示されていない。キャスター181a~181dは、それぞれ脚部材131a~131dの下端、より詳細には伸縮脚133の下端に上下方向に沿った旋回軸を中心に旋回可能に取り付けられる。また、キャスター181a~181dは、それぞれ作業者の操作に応じて車輪183の回転を固定することができるストッパ付きの旋回キャスターである。キャスター181a~181dは、車輪183、車輪183を車軸を介して支持する支持部184、車輪183の回転を固定および解除する揺動可能な操作部185を有する。作業者は高所作業を行う場合には、走行部180のキャスター181a~181dの操作部185を踏み込む操作をして車輪183の回転を固定することで、作業台100が移動せずに安全に高所作業を行うことができる。一方、作業者は作業台100を移動させるには、キャスター181a~181dの操作部185の後端を足で引き上げる操作をして車輪183の固定を解除することで、作業台100を移動させることができる。また、本実施形態のキャスター181a~181dは、床面との間で旋回するときの摩擦を低減するために、それぞれ独立して回転できる2つの車輪183を有する。
【0025】
また、本実施形態の作業台100は、開脚状態で脚部130が完全に鉛直方向に延出しているのではなく、安定性を向上させるために鉛直方向に対して傾斜している。
すなわち、
図3に示すように作業台100を左右方向に沿って見たときに、一対の脚体140A、140Bは、上端から下端に向かうにしたがって、互いに離れるように傾斜している。具体的には、床面と脚部130との間の鋭角側の傾斜角度αは、90度よりも小さく80度よりも大きい角度である。なお、脚体140A、140Bが傾斜していることにより、横架部材137a、137bも傾斜角度αに応じた角度で斜めになっている。
【0026】
このように、脚部材131a~131dが下端に向かうほど天板部110の中央から離れる方向に傾斜していることで、作業台100の脚部130は天板部110を安定して支持することができる。一方、脚部材131a~131dは、前後方向から見た場合には、鉛直方向に延出している。したがって、前後方向から見た場合には、脚部材131aと脚部材131bとは平行に鉛直方向に延出し、脚部材131cと脚部材131dとは平行に鉛直方向に延出する。
【0027】
なお、脚部130を傾斜させすぎると、脚部材131a~131dの下端が、前後方向に突出してしまうことから、作業台100を壁や他の作業台100等に近接させようとした場合に脚部材131a~131dが干渉してしまい、壁や他の作業台100に近接することができない。そこで、本実施形態では、作業台100の上側から見て、脚部材131a~131dは、天板部110の外周縁を上下方向に伸ばした直線Eを外側にはみ出さないように配置している。換言すると、作業台100の上側から見て、脚部材131a~131dは、脚部材131a~131dの上端から下端までが天板部110に重なり合うように配置している。
【0028】
また、キャスター181a~181dが旋回して、最も外側に位置するような場合であっても、操作部185を含めたキャスター181a~181dの何れの部材もが天板部110の外周縁を上下方向に伸ばした直線Eを外側にはみ出さないように配置している。換言すると、作業台100の上側から見て、キャスター181a~181dが天板部110に重なり合うように配置している。
【0029】
補助接地部200は、天板部110の外周縁に上側から力が掛かったときに、作業台100の傾倒を防止するアウトリガーとして機能する。ここで、補助接地部200は、上側から見て天板部110の外周縁からはみ出して配置される。
具体的には、補助接地部200は4つの補助脚部材201a~201dを有する。なお、
図3および
図4では、補助脚部材201dはそれぞれ補助脚部材201b、201cによって隠れるために図示されていない。補助脚部材201a~201dは、それぞれ脚部材131a~131dの伸縮脚133に取り付けられる。
【0030】
<作業台用梯子300の構成>
次に、作業台用梯子300について
図2~
図10を参照して説明する。
図5~
図10では、作業台100の短手側の端部に装着した状態を基準として、「Fr(前)」、「Rr(後)」、「R(右)」、「L(左)」を表記している。
図5は、作業台用梯子300の構成の一例を示す斜視図である。
図6は、作業台用梯子300の構成の一例を示す側面図である。
作業台用梯子300は、梯子部310、移動部320、着脱部330、規制部350、手掛部370を有する。
【0031】
梯子部310は、作業者が昇降する部位である。具体的に、梯子部310は2本の脚部材311a、311bと、踏み桟316a~316cとを有する。
脚部材311a、311bは、それぞれ略上下方向を長手方向とする部材である。また、脚部材311aと脚部材311bとは、互いに左右方向に離れて位置する。
図6に示すように、脚部材311a、311bは、上端から下端に向かうにしたがって、後側になるように傾斜している。具体的に、床面と梯子部310との間の鋭角側の傾斜角度β(
図3を参照)は、90度よりも小さく60度よりも大きい角度である。本実施形態では傾斜角度βは略75度である。
【0032】
脚部材311a、311bは、主脚312と、伸縮脚313とを有する。
主脚312は、脚部材311a、311bの主とする部位である。主脚312は例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。主脚312は例えばシルバー色等の金属色である。また、主脚312は、例えば断面略コ字状の部材である。
【0033】
伸縮脚313は、脚部材311a、311bを長手方向に沿って伸縮させる部位である。伸縮脚313は、主脚312の内部に嵌まり込み、主脚312の長手方向に沿って摺動可能である。伸縮脚313は例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。伸縮脚313は例えばシルバー色等の金属色である。伸縮脚313は、主脚312の下端から突出させる長さを変更することにより脚部材311a、311bの長さを伸縮させる。伸縮脚313により脚部材311a、311bを伸縮させることで、作業台100の天板部110の高さ調整に合わせて、伸縮脚313の下端に取り付けられた後述するキャスター321a、321bを床面に接地させることができる。
梯子部310は作業台100の天板部110の高さ調整と略同一のピッチで伸縮を調整することができる。具体的には、梯子部310は高さ方向に例えば、0mmから400mmまでの間を例えば略50mmや略100mmの間隔で段階的に調整することができる(
図3および
図4では最も伸ばした状態を二点鎖線で示し、最も縮めた状態を実線で示している)。
【0034】
また、主脚312はロック機構315を有する(
図4および
図5を参照)。ロック機構315は、伸縮脚313が主脚312の下端から突出させる長さを段階的にロックする。ロック機構315は、主脚312のそれぞれ中央よりも下側の位置であって、脚部材311aと脚部材311bとが対向する側面に取り付けられる。
【0035】
また、踏み桟316a~316cは、作業者が昇降するときに足を載せる部位である。踏み桟316a~316cは、脚部材311aの主脚312と脚部材311bの主脚312との間に水平方向に沿って架け渡される。具体的に、脚部材311aの主脚312と脚部材311bの主脚312との間には、1段目の踏み桟316a、2段目の踏み桟316b、3段目の踏み桟316cの3本が配置される。踏み桟316a~316cは、主脚312にブラケットを介してボルトやリベット等を用いて固定される。踏み桟316a~316cは、例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。踏み桟316a~316cは、例えば中空状または中実状の部材である。踏み桟316a~316cは例えばシルバー色等の金属色である。ただし、踏み桟316a~316cは、脚部材311a、311bとは異なる色が付されていてもよい。踏み桟316a~316cは例えばゴールド色等の金属色であってもよく、蛍光色であってもよい。この場合には、作業者は踏み桟316a~316cを視認しやすく、昇降するときに踏み桟316a~316cを踏み外すことを防止することができる。
【0036】
移動部320は、作業台用梯子300を作業台100に装着した状態のまま作業台100を移動させた場合に、作業台100の移動に伴って作業台用梯子300を移動させる部位である。移動部320は、梯子部310の下端に取り付けられる。
具体的に、移動部320は、2つのキャスター321a、321bを有する。キャスター321a、321bは、それぞれ脚部材311a、311bの下端、より詳細には伸縮脚313の下端で上下方向に沿った旋回軸Cを中心に旋回可能に取り付けられる。また、キャスター321a、321bは、それぞれ作業者の操作に応じて車輪323の回転を固定することができるストッパ付きの旋回キャスターである。キャスター321a、321bは、車輪323、車輪323を車軸を介して支持する支持部324、車輪323の回転を固定および解除する揺動可能な操作部325を有する。作業者は梯子部310を昇降する場合には、キャスター321a、321bの操作部325の後端を足で踏み込む操作をして車輪323の回転を固定させることで、作業台用梯子300が移動せずに安全に昇降することができる。一方、作業者は作業台用梯子300を作業台100に装着した状態のまま作業台100の移動に伴って作業台用梯子300を移動させるには、キャスター321a、321bの操作部325の後端を足で引き上げる操作をして車輪323の固定を解除することで、作業台用梯子300を移動させることができる。また、本実施形態のキャスター321a、321bは、作業台用梯子300が床面との間で旋回するときの摩擦を低減するために、それぞれ独立して回転できる2つの車輪323を有する。
【0037】
キャスター321a、321bは、作業者が作業台100で高所作業を行っている作業台100の使用時、および、作業台用梯子300を作業台100に装着した状態のまま作業台100を移動させる作業台100の移動時の何れであっても床面に車輪323が接地している。
【0038】
なお、本実施形態では、作業台用梯子300のキャスター321a、321bと、作業台100のキャスター181a~181dとを入れ替え可能である。具体的には、作業台用梯子300のキャスター321a、321bは、作業台100のキャスター181a~181dと同一のキャスターである。したがって、作業台用梯子300の製造コストを削減することができると共に、キャスター321a、321bおよびキャスター181a~181dに対する操作性を共通化させることができる。
【0039】
着脱部330は、作業台用梯子300を作業台100に対して着脱させる部位である。着脱部330は、梯子部310の上端に取り付けられる。
図7(a)は着脱部330の一部の構成を示す平面図であって、
図2のA部を拡大した図である。
図7(b)は
図7(a)のI-I線断面図である。
着脱部330は、天部331と、挟持部334と、ロック部342とを有する。
天部331は、梯子部310の脚部材311aの上端と脚部材311bの上端との間に水平方向に沿って架け渡される。天部331は、作業台用梯子300が作業台100に装着された状態では、作業台100の天板部110と梯子部310とに跨るように配置される。天部331は左右方向に沿って長い略板状であり、踏み桟としても機能する。天部331は、例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。天部331は例えばシルバー色等の金属色である。ただし、天部331は例えばゴールド色等の金属色であってもよく、蛍光色であってもよい。この場合には、作業者は天部331を視認しやすく、昇降するときに天部331を踏み外すことを防止することができる。また、天部331の色と、踏み桟316a~316cの色とは略同一であることが好ましい。
【0040】
また、天部331は、ロック部342の後述する連結部材337の基軸338が挿入される軸孔332と、連結部材337の連結軸340が挿入される挿入孔333a、333bとが形成される。軸孔332と、挿入孔333a、333bとは、天部331の開口孔内にハトメ状の筒部材を配置することで構成される。軸孔332は、天部331の左右方向の端部かつ後端側に近接して位置する。挿入孔333aは、軸孔332から左右方向に離れて位置する。また、挿入孔333bは、軸孔332から前後方向かつ左右方向に離れて位置する。なお、挿入孔333bは、作業台100の天板部110のロック孔120に対して上下方向に連通する。
【0041】
挟持部334は、天部331の下面に位置する。挟持部334は、断面略コ字状あるいは略C字状であり、上下に離れた一対の板部335a、335bと、板部335aの端部と板部335bの端部とを連結する連結板336とを有する。板部335aと板部335bとの間の隙間は作業台100の天板部110の上下方向の厚みよりも大きく、板部335aと板部335bとの間に天板部110の端部を挿入することができる。挟持部334は、例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。なお、本実施形態では、天部331の左右方向の長さよりも短い2つの挟持部334が天部331の下面に左右方向に離れて位置するが、天部331の左右方向の長さと略同一の1つの挟持部334で構成してもよく、天部331と一体に構成してもよい。
【0042】
ロック部342は、一部が天部331の上面に位置し、残りが天部331の上面よりも下側に位置する。ロック部342は、連結部材337と、付勢部材341とを有する。
図7(b)に示すように、連結部材337はバー状であって、側方から見て略コ字状に曲がった形状である。連結部材337は、基軸338、把持部339、連結軸340を有する。基軸338は把持部339の一端から下方向に延出する軸である。基軸338は、天部331の軸孔332に挿入され、軸孔332の開口縁と基軸338の下端との間に配置された付勢部材341によって天部331の下側に収容される方向に付勢される。把持部339は、作業者が連結部材337を引き上げるときに把持する。把持部339は、作業者が容易に把持できるように外周面にローレット溝が施されている。連結軸340は把持部339の他端から下方向に延出する軸であり、作業台用梯子300が作業台100から離脱しないようにロックする。
【0043】
規制部350は、梯子部310が作業台100に対して近づいたり離れたりしないように規制する部位である。規制部350は、梯子部310に取り付けられる。具体的に、規制部350は、保持部351と、延出部357と、係合部362とを有する。
図8は、規制部350の構成の一例を示す側面図である。
保持部351は、延出部357を保持する。保持部351は、左右方向から見て梯子部310のうち踏み桟316bと踏み桟316cとの間に位置し、脚部材311a、311bにそれぞれ取り付けられる。
具体的に、保持部351は、前後に離れた一対の側壁352と、一対の側壁352を連結する連結部355とを有する。なお、
図8では、一対の側壁352のうち一方の側壁352は他方の側壁352に隠れるために図示されていない。一対の側壁352は、左右方向から見て略扇状あるいは略円弧状であり、外周面のうち上部および側部に凹状に窪ませた位置決め部353a、353bを有する。また、一対の側壁352は、軸線が左右方向に沿った軸支ピン354を支持する。一対の側壁352が脚部材311aの主脚312の左側面および右側面にそれぞれボルトやリベット等を用いて固定されることで、保持部351が主脚312に取り付けられる。連結部355は、略板状であり、一対の側壁352の下端の間に水平方向に沿って架け渡される。連結部355は、延出部357と当接することで延出部357が下限を超えて回動しないように規制する。保持部351は、例えば鋼板を折曲げ成形することによって形成される。保持部351は例えばシルバー色等の金属色である。
【0044】
延出部357は、係合部362を梯子部310から離れた位置に配置させる。延出部357は、脚部材311a、311bに取り付けられた保持部351のそれぞれから前側に向かって略水平方向に直線状に延出する。なお、本実施形態では、延出部357は、前側に向かうにしたがって僅かに下側になるように傾斜している。
具体的に、延出部357は、直線状に延出する中空状の断面略矩形の部材である。延出部357は、例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。延出部357は例えばシルバー色等の金属色である。
【0045】
延出部357は、一対の側壁352の間で保持部351の軸支ピン354を中心に回動可能に軸支される。また、延出部357は挿通孔358を有し、挿通孔358に軸支ピン354が挿通される。挿通孔358は延出部357の長手方向に沿った長い長孔であるために、延出部357は長孔の分だけ遊びを有する。また、延出部357は被位置決め部としての位置決めピン359が左右方向に挿通される。位置決めピン359は端部が延出部357の両側面を超えて突出している。ここで、軸支ピン354と位置決めピン359とはバネ360により連結される。したがって、延出部357はバネ360によって常に保持部351に近づく方向に付勢される。
【0046】
係合部362は、作業台100のうち天板部110とは異なる部位に係合する。具体的には、係合部362は作業台100の脚部130のうち横架部材137aに対して係合する。
図8では、係合部362に係合されている横架部材137aを二点鎖線で示している。
係合部362は、左右に離れた延出部357の前端の間に水平方向に沿って架け渡される。係合部362は、少なくとも一部が断面略コ字状であり、下側に開口している。係合部362は、例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。係合部362は例えばシルバー色等の金属色である。
【0047】
係合部362は、作業台用梯子300を作業台100に装着した状態から、横架部材137aに上側から差し込むことにより脚部130に係合する。係合部362を横架部材137aに係合することにより、梯子部310が作業台100に対して近づいたり離れたりすることを規制する。なお、本実施形態では、係合部362は、前側に向かうにしたがって僅かに下側になるように傾斜した延出部357の先端に固定されており、延出部357が傾斜している分だけ僅かに斜めに開口している。このように係合部362が斜めに開口していること、脚体140A、140Bの傾斜角度αに応じて斜めになっている横架部材137aに対して差し込み易くすることができる。
【0048】
規制部350は、延出部357が前側に向かって延出し、係合部362が作業台100の脚部130と係合可能な延出状態と、梯子部310に沿った状態、具体的には延出部357が脚部材311a、311bに沿って折り畳まれる折り畳み状態とに遷移可能である。具体的には、作業者は、延出状態から、延出部357をバネ360の付勢に抗して引っ張ることで、位置決めピン359と位置決め部353bとの係合が解除される。続いて、作業者は、延出部357を保持部351の軸支ピン354を中心に上側に回動することで、延出部357が脚部材311a、311bに沿った状態に遷移する。このとき、延出部357は、バネ360により付勢された位置決めピン359が保持部351の位置決め部353aに係合することにより脚部材311a、311bに沿った状態に保持される。
【0049】
図10は、作業台用梯子300の折り畳み状態を示す側面図である。
規制部350が折り畳まれることにより、延出部357は脚部材311a、311bの長手方向と略平行になる。なお、規制部350が折り畳まれた状態では、延出部357は後側から見ると脚部材311a、311bと重なり合っている。
【0050】
手掛部370は、作業者が梯子部310を昇降するときに手を掛ける部位である。手掛部370は、梯子部310に取り付けられる。具体的に、手掛部370は、手掛保持部371と、手掛本体部377とを有する。
図9は、手掛部370の構成の一例を示す側面図である。
手掛保持部371は、手掛本体部377を保持する。手掛保持部371は、左右方向から見て梯子部310の踏み桟316aと着脱部330の天部331との間に位置し、脚部材311a、311bにそれぞれ取り付けられる。
具体的に、手掛保持部371は、前後に離れた一対の側壁372と、一対の側壁372を連結する連結部375と、取付部376とを有する。なお、
図9では、一対の側壁372のうち一方の側壁372は他方の側壁372に隠れるために図示されていない。一対の側壁372は、左右方向から見て上下方向に長い略板状であり、外周面のうち下部および上部に凹状に窪ませた位置決め部373a、373bを有する。また、一対の側壁372は、軸線が左右方向に沿った軸支ピン374を支持する。連結部375は、略板状であり、一対の側壁372の前端の間に左右方向に沿って架け渡される。連結部375は、手掛本体部377と当接することで手掛本体部377が前側に向かって回動しないように規制する。取付部376は、手掛保持部371を脚部材311a、311bに取り付ける。取付部376は、略板状であり、一方の側壁372の後端から梯子部310側に屈曲する。取付部376は脚部材311aの主脚312の後面に固定されることにより、手掛保持部371が脚部材311a、311bに取り付けられる。手掛保持部371は、例えば鋼板を折曲げ成形することによって形成される。手掛保持部371は例えばシルバー色等の金属色である。
【0051】
手掛本体部377は、脚部材311a、311bに取り付けられた手掛保持部371のそれぞれから上側に向かって略直線状に延出する。
具体的に、手掛本体部377は、上下方向に直線状に延出する中空状の断面略矩形の部材であり、一部に曲部377aを有する。曲部377aは、上下方向に延出する途中で手掛本体部377を後側にオフセットさせることにより、作業者が手を掛けやすくすることができる。手掛本体部377は、例えばアルミニウム合金製であり、曲部377aの上下端で接合することによって形成される。手掛本体部377は例えばシルバー色等の金属色である。
【0052】
手掛本体部377は、一対の側壁372の間で手掛保持部371の軸支ピン374を中心に回動可能に軸支される。また、手掛本体部377は挿通孔378を有し、挿通孔378に軸支ピン374が挿通される。挿通孔378は手掛本体部377の長手方向に沿った長い長孔であるために、手掛本体部377は長孔の分だけ遊びを有する。また、手掛本体部377は被位置決め部としての位置決めピン379が左右方向に挿通される。位置決めピン379は端部が手掛本体部377の両側面を超えて突出している。ここで、軸支ピン374と位置決めピン379との間にはバネ380により連結される。したがって、手掛本体部377はバネ360によって常に手掛保持部371に近づく方向に付勢される。
【0053】
手掛部370は、手掛本体部377が上側に向かって延出する延出状態と、梯子部310に沿った状態、具体的には手掛本体部377が脚部材311a、311bに沿って折り畳まれる折り畳み状態とに遷移可能である。具体的には、作業者は、延出状態から、手掛本体部377をバネ380の付勢に抗して引っ張ることで、位置決めピン379と位置決め部373bとの係合が解除される。続いて、作業者は、手掛本体部377を手掛保持部371の軸支ピン374を中心に後側、更に下側に回動することで、手掛本体部377が脚部材311a、311bに沿った状態に遷移する。このとき、手掛本体部377は、バネ380により付勢された位置決めピン379が手掛保持部371の位置決め部373aに係合することにより脚部材311a、311bに沿った状態に保持される。
【0054】
図10に示すように、手掛本体部377が折り畳まれることにより、手掛本体部377は脚部材311a、311bの長手方向と略平行になる。なお、手掛本体部377が折り畳まれた状態では、手掛本体部377は左右方向に沿って見ると規制部350の延出部357と重なっている。
【0055】
次に、上述したように構成される作業台用梯子300を作業台100に装着する場合について説明する。ここでは、作業台用梯子300の規制部350および手掛部370が折り畳み状態であるものとする。また、連結部材337の連結軸340が挿入孔333bに挿入されているものとする。また、作業者は、予め作業台100の天板部110の高さに合わせて、梯子部310の伸縮脚133を伸縮させて梯子部310を高さ方向に調整しておく。
【0056】
まず、作業者は、作業台用梯子300の着脱部330を、作業台100の天板部110のうち昇降したい位置の端部に近づける。作業者は、着脱部330のうち挟持部334の板部335aと板部335bとの間の隙間に、作業台100の天板部110の端部を挿入する。このとき、作業台100の天板部110のロック孔120と、着脱部330の挿入孔333bとが上下方向に沿って連通するように、作業台用梯子300の位置を調整する。
【0057】
次に、作業者は、
図7(b)の二点鎖線で示すように、連結部材337の把持部339を引き上げて連結軸340の下端を露出させる。次に、作業者は、基軸338を中心にして軸回りに回動させて、連結軸340を天部331の挿入孔333bの上側に位置させる。次に、作業者は連結軸340を、天部331の挿入孔333bおよび作業台100の端部のロック孔120に上側から挿入することで、作業台用梯子300が作業台100から離脱しないようにロックする。
【0058】
次に、作業者は、規制部350を折り畳み状態から延出状態に遷移させる。具体的には、規制部350の延出部357を軸支ピン354を中心に回動させて、延出部357の先端の係合部362を脚部130の横架部材137aに上側から差し込む。係合部362が横架部材137aに係合することにより、作業台用梯子300の梯子部310が作業台100に対して近づいたり離れたりすることを規制する。
最後に、作業者は、手掛部370を折り畳み状態から延出状態に遷移させる。具体的には、手掛部370の手掛本体部377を軸支ピン374を中心に回動させて、手掛本体部377を手掛保持部371から上側に向かって延出させる。
このようにして、作業台100に対する作業台用梯子300の装着を完了することができる。
【0059】
作業者は、作業台用梯子300の梯子部310を昇降する場合には、キャスター321a、321bの操作部325の後端を足で踏み込む操作をして車輪323の回転を固定させることで、作業台用梯子300が移動せずに安全に昇降することができる。
【0060】
一方、作業者は作業台用梯子300を作業台100に装着した状態のまま作業台100の移動に伴って作業台用梯子300を移動させるには、キャスター321a、321bの操作部325の後端を足で引き上げる操作をして車輪323の固定を解除することで、作業台用梯子300を移動させることができる。
【0061】
なお、作業台用梯子300を作業台100の天板部110の端部に装着した手順と逆の手順を行うことにより、作業台用梯子300を作業台100から離脱させることができる。また、
図10に示すように、作業者は作業台100から離脱させた作業台用梯子300の規制部350および手掛部370を延出状態から折り畳み状態に遷移させることにより、作業台用梯子300を扁平状にすることができ、作業台用梯子300を保管するときの保管スペースを削減することができる。
【0062】
以上のように、本実施形態の作業台用梯子300によれば、作業者が作業台100の作業平面と床面との間を昇降するための梯子部310と、床面と接地するキャスター321a、321bとを有する。したがって、作業者は、作業台用梯子300が作業台100に装着された状態であっても作業台用梯子300を容易に移動させることができる。
また、本実施形態のキャスター321a、321bのみが床面と接地し、梯子部310を含めた作業台用梯子300の構成部材の何れもが床面から離れていることから、作業台用梯子300を更に容易に移動させることができる。
【0063】
以上、本発明を上述した実施形態により説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上述した実施形態では、梯子部310の脚部材311a、311bは伸縮脚313を有する場合について説明したが、この場合に限られず、伸縮脚313を有していなくてもよい。
上述した実施形態では、梯子部310の脚部材311a、311bは、上端から下端に向かうにしたがって、後側になるように傾斜する場合について説明したが、この場合に限られず、傾斜せずに上下方向に延出していてもよい。
【0064】
上述した実施形態では、移動部320のキャスター321a、321bはストッパ付きである場合について説明したが、この場合に限られず、ストッパなしのキャスターであってもよい。
上述した実施形態では、移動部320のキャスター321a、321bは旋回キャスターである場合について説明したが、この場合に限られず、旋回できず前後方向または左右方向に移動するキャスターであってもよい。
上述した実施形態では、移動部320のキャスター321a、321bは2つの車輪323を有する場合について説明したが、この場合に限られず、1つの車輪323のみを有していてもよい。
【0065】
上述した実施形態では、規制部350は延出状態と折り畳み状態とに遷移可能である場合について説明したが、この場合に限られず、折り畳み状態に遷移できないようにしてもよい。
上述した実施形態では、規制部350の係合部362は、作業台100の複数の横架部材137aのうち最下に位置する横架部材137aに係合する場合について説明したが、他の横架部材137aに係合してもよく、横架部材137bに係合してもよい。また、規制部350の係合部362は、作業台100の脚部130のうち脚部材131a、131bに係合してもよい。
上述した実施形態では、規制部350の延出部357は前側に向かうにしたがって(僅かに)下側になるように傾斜している場合について説明したが、この場合に限られず、傾斜せずに水平方向に延出してもよい。
【0066】
上述した実施形態では、作業台用梯子300が作業台100に対して着脱可能である場合について説明したが、この場合に限られず、作業台100と一体であり、作業者が着脱できないように構成してもよい。
なお、本実施形態では、作業台用梯子300が、床面と接地するキャスター321a、321bを有する場合について説明したが、この場合に限られず、課題等に応じて適宜、変更することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
100:作業台 110:天板部 300:作業台用梯子 310:梯子部 321a、321b:キャスター 323:車輪 325:操作部 330:着脱部 350:規制部 362:係合部