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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037418
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】蓄電装置及び蓄電装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240312BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20240312BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20240312BHJP
   H01M 50/186 20210101ALI20240312BHJP
   H01M 50/193 20210101ALI20240312BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20240312BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240312BHJP
   H01M 4/64 20060101ALI20240312BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20240312BHJP
   H01G 11/80 20130101ALI20240312BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20240312BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20240312BHJP
   H01G 11/70 20130101ALI20240312BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/052
H01M10/0585
H01M50/186
H01M50/193
H01M50/176
H01M50/569
H01M4/64 A
H01G11/12
H01G11/80
H01G11/78
H01G11/84
H01G11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142282
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】神谷 亮太
(72)【発明者】
【氏名】中村 知広
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H017
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA14
5E078AA15
5E078AB02
5E078EA03
5E078EA06
5E078EA12
5E078FA23
5E078JA02
5E078JA06
5E078LA07
5H011AA09
5H011FF01
5H011GG01
5H011JJ12
5H011KK01
5H017AA02
5H017AA03
5H017AS03
5H017CC01
5H017DD01
5H028AA07
5H028AA08
5H028BB05
5H028CC05
5H028CC08
5H028CC19
5H028HH01
5H028HH05
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AL12
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029BJ17
5H029CJ05
5H029DJ03
5H029HJ04
5H029HJ12
5H043AA19
5H043BA16
5H043BA19
5H043CA13
5H043DA20
5H043DA27
5H043HA22D
5H043JA17D
5H043JA21D
5H043KA22D
5H043LA21D
(57)【要約】
【課題】シール部からの電圧検出線の露出を抑制しつつ集電体の皺が生じにくい蓄電装置及び蓄電装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】蓄電装置1は、集電体7と、正極活物質層8と、負極活物質層9と、枠状の第1樹脂部4aと、枠状の第2樹脂部4bと、第2主面7bに接触している接触部6aを有する電圧検出線6であって、第2主面7bに熱溶着されている第2樹脂部4bによって接触部6aが覆われている電圧検出線6と、を備える電極ユニット14を複数積層したものである。蓄電装置1は、第1樹脂部4aの厚さが、第2樹脂部4bの厚さよりも小さい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔である集電体と、
前記集電体の第1主面に設けられている正極活物質層と、
前記第1主面と前記集電体の厚さ方向で反対に位置する第2主面に設けられている負極活物質層と、
前記正極活物質層を囲うように前記第1主面にて前記集電体に熱溶着されている枠状の樹脂部と、
前記負極活物質層を囲うように前記第2主面にて前記集電体に熱溶着されている枠状の樹脂部と、
前記第1主面及び前記第2主面のうちの一方の主面に接触している接触部を有する電圧検出線であって、前記一方の主面に熱溶着されている一方の樹脂部によって前記接触部が覆われている電圧検出線と、を備える電極ユニットを複数積層した蓄電装置であって、
前記一方の主面と前記集電体の厚さ方向で反対に位置する他方の主面に熱溶着されている他方の樹脂部の厚さが、前記一方の樹脂部の厚さよりも小さいことを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記集電体の縁において、ばりが前記一方の主面のみより突出し、前記ばりは、前記一方の樹脂部の内部に埋設している請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
複数の前記電極ユニットが積層された方向を積層方向とすると、前記積層方向に隣り合う前記電極ユニットのうちの一方の前記電極ユニットが備える前記一方の樹脂部と、前記積層方向に隣り合う前記電極ユニットのうちの他方の前記電極ユニットが備える前記他方の樹脂部との間に絶縁体製のスペーサが設けられている請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
金属箔である集電体と、
前記集電体の第1主面に設けられている正極活物質層と、
前記第1主面と前記集電体の厚さ方向で反対に位置する第2主面に設けられている負極活物質層と、
前記正極活物質層を囲うように前記第1主面にて前記集電体に熱溶着されている枠状の樹脂部と、
前記負極活物質層を囲うように前記第2主面にて前記集電体に熱溶着されている枠状の樹脂部と、
前記第1主面及び前記第2主面のうちの一方の主面に接触している接触部を有する電圧検出線であって、前記一方の主面に熱溶着されている一方の樹脂部によって前記接触部が覆われている電圧検出線と、を備える電極ユニットを複数積層した蓄電装置の製造方法であって、
前記一方の主面に熱溶着される前記樹脂部の前駆体と、前記一方の主面と前記集電体の厚さ方向で反対に位置する他方の主面に熱溶着される前記樹脂部の前駆体であって、前記一方の樹脂部の前駆体より厚さの小さい他方の樹脂部の前駆体とを準備し、前記接触部を前記一方の主面とともに挟むように前記一方の樹脂部の前駆体を前記一方の主面に仮止めするとともに、前記他方の樹脂部の前駆体を前記他方の主面に仮止めする仮止め工程と、
前記他方の樹脂部の前駆体側のみから加熱して、前記一方の樹脂部の前駆体及び前記他方の樹脂部の前駆体を前記集電体に熱溶着する熱溶着工程と、を有することを特徴とする蓄電装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蓄電装置及び蓄電装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電装置としては、例えば特許文献1に記載されている双極型二次電池が知られている。特許文献1に記載の双極型二次電池は、長方形のSUS箔から成る集電体の一方の面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成された双極型電極を、セパレータに電解質を保持させてなる電解質層を挟んで積層し、複数枚直列に配設した構成を有する。双極型二次電池において、正極層と負極層との間に電解質層を挟んだ積層構造により単電池層が構成されるとともに、単電池層がさらに複数積層されて電池要素が形成されている。
【0003】
集電体は、正極層及び負極層よりも外方向に延在する延在部を有する。延在部には、正極層及び負極層の外側を囲むようにシール材が配設されている。シール材は、隣接する双極型電極の集電体同士を絶縁する。シール材は、集電体に接着されている。
【0004】
集電体の片面には電圧測定用のリード線が配設されている。このリード線の先端部は集電体に接着されている。リード線の先端部は、シール材によって覆われている。集電体に対するリード線の先端部の接着は、リード線の先端部が、シール材に設けた空洞部に配置又は挿入された後、集電体と、リード線の先端部と、シール材を積層した積層体に対して、それらの積層方向に圧力が加えられることにより行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-117626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リード線をシール材によって覆う場合、リード線がシール材から露出しないよう、シール材の厚さを十分に大きくすることが好ましい。
一方、シール材を集電体に接合する方法として熱溶着がある。この場合、シール材の厚さを大きくするほど、熱溶着後のシール材の収縮により集電体へ伝わる収縮力が大きくなるため、集電体に皺が生じやすくなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための蓄電装置は、金属箔である集電体と、前記集電体の第1主面に設けられている正極活物質層と、前記第1主面と前記集電体の厚さ方向で反対に位置する第2主面に設けられている負極活物質層と、前記正極活物質層を囲うように前記第1主面にて前記集電体に熱溶着されている枠状の樹脂部と、前記負極活物質層を囲うように前記第2主面にて前記集電体に熱溶着されている枠状の樹脂部と、前記第1主面及び前記第2主面のうちの一方の主面に接触している接触部を有する電圧検出線であって、前記一方の主面に熱溶着されている一方の樹脂部によって前記接触部が覆われている電圧検出線と、を備える電極ユニットを複数積層した蓄電装置であって、前記一方の主面と前記集電体の厚さ方向で反対に位置する他方の主面に熱溶着されている他方の樹脂部の厚さが、前記一方の樹脂部の厚さよりも小さいことを要旨とする。
【0008】
このような構成では、一方の樹脂部の厚さを大きくすることで電圧検出線が樹脂部から露出することを抑制できる。そして、他方の樹脂部の厚さを、一方の樹脂部の厚さと同じにするのではなく、小さくしている。このため、他方の樹脂部の厚さを、一方の樹脂部の厚さと同じにした場合と比べると、他方の樹脂部を集電体に熱溶着した後の収縮により集電体へ伝わる収縮力を小さくできるため、集電体の皺が生じにくい。したがって、電圧検出線が樹脂部から露出することを防止するために、一方の樹脂部の厚さを大きくしながらも、集電体の皺の発生を抑制できる。
【0009】
上記の蓄電装置について、前記集電体の縁において、ばりが前記一方の主面のみより突出し、前記ばりは、前記一方の樹脂部の内部に埋設している構成としてもよい。
このような構成では、集電体の縁に形成されるばりが、集電体の他方の主面に熱溶着される他方の樹脂部よりも厚さの大きい一方の樹脂部の内部に埋設するため、樹脂部からばりが露出することを防止できるとともに、樹脂部から電圧検出線が露出することも防止できる。
【0010】
上記の蓄電装置について、複数の前記電極ユニットが積層された方向を積層方向とすると、前記積層方向に隣り合う前記電極ユニットのうちの一方の前記電極ユニットが備える前記一方の樹脂部と、前記積層方向に隣り合う前記電極ユニットのうちの他方の前記電極ユニットが備える前記他方の樹脂部との間に絶縁体製のスペーサが設けられていてもよい。
【0011】
このような構成では、スペーサにより、集電体同士の絶縁性を確保するために必要な間隙を確保できる。このため、スペーサが無い場合と比べると、樹脂部の厚さを小さくできる。そして、他方の樹脂部においても厚さを小さくできるため、集電体の皺の発生をさらに抑制できるうえ、積層方向に隣り合う集電体同士の絶縁性も確保できる。
【0012】
上記の課題を解決するための蓄電装置の製造方法は、金属箔である集電体と、前記集電体の第1主面に設けられている正極活物質層と、前記第1主面と前記集電体の厚さ方向で反対に位置する第2主面に設けられている負極活物質層と、前記正極活物質層を囲うように前記第1主面にて前記集電体に熱溶着されている枠状の樹脂部と、前記負極活物質層を囲うように前記第2主面にて前記集電体に熱溶着されている枠状の樹脂部と、前記第1主面及び前記第2主面のうちの一方の主面に接触している接触部を有する電圧検出線であって、前記一方の主面に熱溶着されている一方の樹脂部によって前記接触部が覆われている電圧検出線と、を備える電極ユニットを複数積層した蓄電装置の製造方法であって、前記一方の主面に熱溶着される前記樹脂部の前駆体と、前記一方の主面と前記集電体の厚さ方向で反対に位置する他方の主面に熱溶着される前記樹脂部の前駆体であって、前記一方の樹脂部の前駆体より厚さの小さい他方の樹脂部の前駆体とを準備し、前記接触部を前記一方の主面とともに挟むように前記一方の樹脂部の前駆体を前記一方の主面に仮止めするとともに、前記他方の樹脂部の前駆体を前記他方の主面に仮止めする仮止め工程と、前記他方の樹脂部の前駆体側のみから加熱して、前記一方の樹脂部の前駆体及び前記他方の樹脂部の前駆体を前記集電体に熱溶着する熱溶着工程と、を有することを要旨とする。
【0013】
このような製造方法では、一方の前駆体の厚さを他方の前駆体の厚さより大きくすることで、一方の前駆体から形成される一方の樹脂部から、電圧検出線が露出することを抑制できる。また、熱溶着工程において、他方の前駆体側のみから加熱されるため、一方の前駆体を集電体に熱溶着した後の収縮により集電体へ伝わる収縮力を小さくできる。また、他方の前駆体を集電体に熱溶着した後の収縮により集電体へ伝わる収縮力も小さくできる。このため、集電体の皺が生じにくい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シール部からの電圧検出線の露出を抑制しつつ集電体の皺が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】蓄電装置の断面図である。
図2】蓄電装置の斜視図である。
図3】蓄電装置を第2樹脂部から示す断面図である。
図4】電圧検出線を拡大して示す断面図である。
図5】蓄電装置の製造方法の仮止め工程を示す断面図である。
図6】蓄電装置の製造方法の熱溶着工程を示す断面図である。
図7】蓄電装置の別例を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、蓄電装置及び蓄電装置の製造方法を具体化した一実施形態を図1図6にしたがって説明する。本実施形態の蓄電装置は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。
【0017】
<蓄電装置>
図1図4に示すように、蓄電装置1は、双極型電池であり、リチウムイオン二次電池である。なお、蓄電装置1は、リチウムイオン二次電池に限られず、ニッケル水素二次電池、又は電気二重層キャパシタ等であってもよい。
【0018】
蓄電装置1は、複数の双極型電極2と、複数のセパレータ3と、正極終端電極23及び負極終端電極24と、複数のスペーサ12と、封止部16と、正極通電板21と、負極通電板22とを備えている。
【0019】
<双極型電極>
複数の双極型電極2の各々は、集電体7と、正極活物質層8と、負極活物質層9と、を備えている。集電体7は、金属箔によって形成されている。集電体7は矩形シート状である。また、集電体7の長辺に沿う方向を幅方向Xとし、集電体7の短辺に沿う方向を奥行方向Yとする。
【0020】
集電体7は、集電体7の厚さ方向の一方に向く第1主面7aと、集電体7の厚さ方向の他方に向く第2主面7bと、を有している。第1主面7aと第2主面7bは、集電体7の厚さ方向に垂直な面である。集電体7は矩形シート状の正極集電体7cと負極集電体7dとを一体化させることで構成されている。集電体7の第1主面7aは正極集電体7cの一面によって構成されるとともに、第2主面7bは負極集電体7dの一面によって構成されている。
【0021】
正極集電体7c及び負極集電体7dは、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、正極活物質層8及び負極活物質層9に電流を流し続けるための化学的に不活性な電気伝導体である。正極集電体7c及び負極集電体7dを構成する材料は、金属材料である。
【0022】
正極集電体7c及び負極集電体7dは、金属箔である。正極集電体7c及び負極集電体7dは、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、チタン箔又はステンレス鋼箔等であってもよい。正極集電体7c及び負極集電体7dは、上記金属の合金箔であってもよい。本実施形態の正極集電体7cはアルミニウム箔である。本実施形態の負極集電体7dは銅箔である。正極集電体7c及び負極集電体7dの一体化は、第1主面7aとは反対側の正極集電体7cの面と、第2主面7bとは反対側の負極集電体7dの面とが接着されることにより行われる。
【0023】
なお、集電体7は正極集電体7cと負極集電体7dとを一体化させた形態に限られず、1枚の金属箔(集電箔)で形成されてもよい。集電体7が1枚の金属箔で形成されている場合も、集電体7を形成する材料は、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、チタン箔又はステンレス鋼箔等である。また、集電体7が1枚の金属箔で形成されている場合、金属箔の厚さ方向の一方に向く面が第1主面7aとなり、金属箔の厚さ方向の他方に向く面が第2主面7bとなる。
【0024】
正極活物質層8は集電体7の第1主面7aに設けられるとともに、負極活物質層9は、集電体7の第2主面7bに設けられている。
集電体7の厚さ方向から見た平面視において、正極活物質層8は、集電体7の第1主面7aの中央部に形成されている。平面視における集電体7の第1主面7aの周縁部は、正極活物質層8が設けられていない正極未塗工領域71となっている。正極未塗工領域71は、平面視において正極活物質層8の周囲を囲むように配置されている。平面視において、負極活物質層9は、集電体7の第2主面7bの中央部に形成されている。平面視における集電体7の第2主面7bの周縁部は、負極活物質層9が設けられていない負極未塗工領域72となっている。負極未塗工領域72は、平面視において負極活物質層9の周囲を囲むように配置されている。
【0025】
負極活物質層9は、例えば、正極活物質層8よりも一回り大きく形成されている。平面視において、正極活物質層8の形成領域の全体が負極活物質層9の形成領域内に位置している。
【0026】
正極活物質層8は、リチウムイオンを電荷担体として吸蔵及び放出可能である正極活物質を含む。正極活物質としては、例えば、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のポリアニオン系化合物、層状岩塩構造を有するリチウム複合金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物が挙げられる。正極活物質は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能なものを採用する。
【0027】
負極活物質層9は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出可能である負極活物質を含む。負極活物質は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はなく使用可能である。例えば、負極活物質としてLi、又は、炭素、金属化合物、リチウムと合金化可能な元素もしくはその化合物等が挙げられる。炭素としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン(難黒鉛化性炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化性炭素)が挙げられる。人造黒鉛としては、例えば、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズが挙げられる。リチウムと合金化可能な元素としては、例えば、シリコン(ケイ素)及びスズが挙げられる。
【0028】
正極活物質層8及び負極活物質層9は、必要に応じて電気伝導性を高めるための導電助剤、結着剤、電解質(ポリマーマトリクス、イオン伝導性ポリマー、液体電解質等)、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)等のその他成分を含有してよい。正極活物質層8及び負極活物質層9に含有されるその他成分の種類、及びその配合比は、特に限定されるものではない。
【0029】
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイトが挙げられる。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン-アクリル酸グラフト重合体が挙げられる。これらの結着剤は、単独で又は複数で用いられ得る。溶媒又は分散媒には、例えば、水、N-メチル-2-ピロリドン等が用いられる。
【0030】
<電極ユニット>
電極ユニット14は、集電体7と、集電体7の第1主面7aに設けられている正極活物質層8と、集電体7の第2主面7bに設けられている負極活物質層9と、第1主面7aにて集電体7に熱溶着されている第1樹脂部4aと、第2主面7bにて集電体7に熱溶着されている第2樹脂部4bと、を備えている。さらに、電極ユニット14は、集電体7に接合された電圧検出線6を備えている。また、電極ユニット14は、集電体7の両面に熱溶着された第1樹脂部4aと第2樹脂部4bを、集電体7の外縁7gよりも外側において繋ぐ、樹脂製のはみ出し部4cを備えている。なお、第1樹脂部4aと、第2樹脂部4bと、はみ出し部4cとによって、シール部4が形成されている。すなわち、電極ユニット14は、双極型電極2と、シール部4と、電圧検出線6と、を備えている。
【0031】
<シール部>
集電体7の厚さ方向から見て、シール部4は矩形枠状である。シール部4は、樹脂製である。シール部4は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を主成分として酸変性基を有する酸変性されたポリオレフィン系樹脂によって形成される。集電体7の厚さ方向から見て、第1樹脂部4aは矩形枠状であるとともに、第1樹脂部4aは、集電体7の外縁7gよりも内側に配置されている。第1樹脂部4aは、集電体7の第1主面7aにおいて正極未塗工領域71の全周にわたって連続的に設けられている。正極未塗工領域71に位置する第1樹脂部4aは、正極活物質層8の周囲を囲むように配置されている。
【0032】
集電体7の厚さ方向から見て、第2樹脂部4bは、矩形枠状であるとともに、集電体7の外縁7gよりも内側に配置されている。第2樹脂部4bは、集電体7の第2主面7bにおいて負極未塗工領域72の全周にわたって連続的に設けられている。負極未塗工領域72に位置する第2樹脂部4bは、負極活物質層9の周囲を囲むように配置されている。
【0033】
図4に示すように、集電体7の厚さ方向への第1樹脂部4aの寸法を厚さL1というとともに、集電体7の厚さ方向への第2樹脂部4bの寸法を厚さL2という。第1樹脂部4aの厚さL1は、第2樹脂部4bの厚さL2よりも小さい。したがって、第2樹脂部4bは一方の樹脂部であり、第1樹脂部4aは他方の樹脂部である。また、第2主面7bは、第2樹脂部4bが熱溶着される一方の主面であり、第1主面7aは、第1樹脂部4aが熱溶着される他方の主面である。
【0034】
図1に示すように、はみ出し部4cは、シール部4における、外縁7gからはみ出した部分である。はみ出し部4cは、シール部4における、集電体7の厚さ方向において集電体7と重ならない部分である。
【0035】
はみ出し部4cは、集電体7の厚さ方向から見て集電体7の周囲を囲むように配置されているとともに、矩形枠状である。はみ出し部4cは、シール部4のうち、第1樹脂部4a及び第2樹脂部4b以外の部位であり、かつ集電体7の外縁7gよりもはみ出した部分である。すなわち、はみ出し部4cは、シール部4のうち、第1樹脂部4a及び第2樹脂部4bのそれぞれから集電体7の外縁7gよりも外側に延びた部分である。
【0036】
<電圧検出線>
電圧検出線6は、薄板状の部材である。電圧検出線6の材質は例えば銅やアルミニウムやステンレス鋼(SUS)などの良導電性材料である。
【0037】
図4に示すように、電圧検出線6の厚さは、第2樹脂部4bの厚さL2より小さい。電圧検出線6の一部である接触部6aは、電圧検出線6の長手方向の一端部寄りの部分である。接触部6aは、集電体7の第2主面7bの負極未塗工領域72に接合されている。これにより、電圧検出線6は、集電体7と電気的に接続されている。電圧検出線6は、双極型電極2の電圧測定に用いられる。接触部6aは、第1主面7a及び第2主面7bのうちの第2主面7bに接触している。
【0038】
第2樹脂部4bは、接触部6aにおける第2主面7bとの接触面とは反対側から接触部6aに接触しているとともに、奥行方向Yにおける接触部6aの両側から接触部6aに接触している。また、第2樹脂部4bは、幅方向Xにおける接触部6aよりも負極活物質層9側において第2主面7bに熱溶着されている。さらに、図1に示すように、電圧検出線6の接触部6a以外の部分は、幅方向Xにはみ出し部4cを貫通している。電圧検出線6の接触部6a以外の部分には、はみ出し部4cが接触している。これにより、電圧検出線6の接触部6aは、シール部4の第2樹脂部4bによって覆われている。そして、電圧検出線6の長手方向における接触部6aと反対側の端部は、シール部4の外側に突出している。
【0039】
図4に示すように、電圧検出線6の厚さは、第2樹脂部4bの厚さL2に比べて小さくなっているのが好ましい。第2樹脂部4bの厚さL2が、電圧検出線6の厚さに比べて大きいと、電圧検出線6が、集電体7の厚さ方向において第2樹脂部4bから露出することが好適に抑制される。
【0040】
<電極群>
図1に示すように、電極群10は、複数の電極ユニット14と、正極終端電極23と、負極終端電極24と、を備えている。電極群10は、複数の電極ユニット14をスペーサ12を介して積層するとともに、複数の電極ユニット14の一端及び他端のそれぞれにスペーサ12を介して正極終端電極23及び負極終端電極24を積層して形成されている。したがって、電極群10は、複数のスペーサ12を備えている。なお、複数の電極ユニット14、複数のスペーサ12、正極終端電極23及び負極終端電極24を積層する方向は、集電体7の厚さ方向に一致する。複数の電極ユニット14をスペーサ12を介して積層する方向を単に「積層方向Z」と記載する。
【0041】
<正極終端電極及び負極終端電極>
正極終端電極23は、電極群10における積層方向Zの一端に位置している。負極終端電極24は、電極群10における積層方向Zの他端に位置している。正極終端電極23は、集電体7と、集電体7の第1主面7aに設けられた正極活物質層8と、を有している。
【0042】
正極終端電極23は、集電体7の第2主面7bに負極活物質層9を有さないことを除いて双極型電極2と同様に構成される。したがって、正極終端電極23は、第1主面7aにて集電体7に熱溶着されている第1樹脂部4aと、第2主面7bにて集電体7に熱溶着されている第2樹脂部4bと、を備えている。さらに、正極終端電極23は、集電体7の両面に熱溶着された第1樹脂部4aと第2樹脂部4bを、集電体7の外縁7gよりも外側において繋ぐ、樹脂製のはみ出し部4cを備えている。正極終端電極23において、第1樹脂部4aと、第2樹脂部4bと、はみ出し部4cとによって、シール部4が形成されている。加えて、正極終端電極23は、電圧検出線6を備えている。電圧検出線6の接触部6aは、集電体7の第2主面7bの負極未塗工領域72に接合されている。電圧検出線6は、正極終端電極23の電圧測定に用いられる。
【0043】
負極終端電極24は、集電体7と、集電体7の第2主面7bに設けられた負極活物質層9と、を有している。負極終端電極24は、集電体7の第1主面7aに正極活物質層8を有さないことを除いて双極型電極2と同様に構成される。したがって、負極終端電極24は、第1主面7aにて集電体7に熱溶着されている第1樹脂部4aと、第2主面7bにて集電体7に熱溶着されている第2樹脂部4bと、を備えている。さらに、負極終端電極24は、集電体7の両面に熱溶着された第1樹脂部4aと第2樹脂部4bを、集電体7の外縁7gよりも外側において繋ぐ、樹脂製のはみ出し部4cを備えている。負極終端電極24において、第1樹脂部4aと、第2樹脂部4bと、はみ出し部4cとによって、シール部4が形成されている。加えて、負極終端電極24は、電圧検出線6を備えている。電圧検出線6の接触部6aは、集電体7の第2主面7bの負極未塗工領域72に接合されている。電圧検出線6は、負極終端電極24の電圧測定に用いられる。
【0044】
なお、正極終端電極23及び負極終端電極24に用いられる集電体7は、双極型電極2に用いられる集電体7と異なる材料、形状及び厚みで形成されていてもよい。正極終端電極23の集電体7の第2主面7bは、電極群10の積層方向Zの一方の外側に向いている。負極終端電極24の集電体7の第1主面7aは、積層方向Zの他方の外側に向いている。
【0045】
<スペーサ>
スペーサ12は、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14同士の間と、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14と正極終端電極23の間と、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14と負極終端電極24の間に設けられている。スペーサ12は、積層方向Zにおいてシール部4と重なる。
【0046】
スペーサ12は、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14のうちの一方の電極ユニット14が備える一方の樹脂部である第2樹脂部4bと、他方の電極ユニット14が備える他方の樹脂部である第1樹脂部4aとの間に設けられている。また、スペーサ12は、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14と正極終端電極23との間において、電極ユニット14が備える第2樹脂部4bと、正極終端電極23が備える第1樹脂部4aとの間に設けられている。また、スペーサ12は、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14と負極終端電極24との間において、電極ユニット14が備える第1樹脂部4aと、負極終端電極24が備える第2樹脂部4bとの間に設けられている。
【0047】
スペーサ12は、積層方向Zから見て矩形枠状である。スペーサ12は、絶縁体製である。具体的には、スペーサ12は、樹脂製である。スペーサ12は、例えば、シール部4と同じポリオレフィン系樹脂を主成分とする一方、酸変性基を有さない酸変性されていないポリオレフィン系樹脂により形成される。
【0048】
スペーサ12は、第1スペーサ部12aと、第2スペーサ部12bと、を有する。第1スペーサ部12aは、積層方向Zにおいて隣り合う電極ユニット14同士の間で、一方の電極ユニット14の集電体7に熱溶着された第2樹脂部4bと、他方の集電体7に熱溶着された第1樹脂部4aとの間に設けられている。また、第1スペーサ部12aは、積層方向Zにおいて隣り合う電極ユニット14と正極終端電極23との間で、電極ユニット14の集電体7に熱溶着された第2樹脂部4bと、正極終端電極23の集電体7に熱溶着された第1樹脂部4aとの間に設けられている。さらに、第1スペーサ部12aは、積層方向Zにおいて隣り合う電極ユニット14と負極終端電極24との間で、電極ユニット14の集電体7に熱溶着された第1樹脂部4aと、負極終端電極24の集電体7に熱溶着された第2樹脂部4bとの間に設けられている。
【0049】
したがって、第1スペーサ部12aは、積層方向Zにおいて隣り合う集電体7の間で、一方の集電体7に熱溶着された第2樹脂部4bと、他方の集電体7に熱溶着された第1樹脂部4aとの間に設けられている。第1スペーサ部12aの積層方向Zにおける両面は、第1樹脂部4a又は第2樹脂部4bと接していてもよいし、離れていてもよい。
【0050】
積層方向Zにおいて隣り合う集電体7の一方の集電体7に熱溶着された第2樹脂部4bと、他方の集電体7に熱溶着された第1樹脂部4aと、それら第2樹脂部4bと第1樹脂部4aに挟まれた第1スペーサ部12aとは、積層方向Zにおいて隣り合う集電体7のうち、一方の集電体7の負極集電体7dと、他方の集電体7の正極集電体7cとの間の間隔を保持して絶縁する。こうして第1スペーサ部12a、第1樹脂部4a、及び第2樹脂部4bは、正極集電体7cと負極集電体7dとの短絡を抑制している。
【0051】
第2スペーサ部12bは、積層方向Zにおいて隣り合う電極ユニット14同士の間ではみ出し部4cに挟まれている。また、第2スペーサ部12bは、積層方向Zにおいて隣り合う電極ユニット14と正極終端電極23との間ではみ出し部4cに挟まれているとともに、積層方向Zにおいて隣り合う電極ユニット14と負極終端電極24との間ではみ出し部4cに挟まれている。第2スペーサ部12bは、第1スペーサ部12aから電極群10の外部に延びて、第1スペーサ部12aの周囲を囲むように位置している。第2スペーサ部12bは、スペーサ12のうち、第1スペーサ部12aから集電体7の外縁7gよりも外側に延びた部分である。
【0052】
<セパレータ>
電極群10において、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14同士は、一方の電極ユニット14の負極活物質層9と、他方の電極ユニット14の正極活物質層8とがセパレータ3を介して互いに対向するように積層されている。また、電極群10において、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14と正極終端電極23とは、電極ユニット14の負極活物質層9と、正極終端電極23の正極活物質層8とがセパレータ3を介して対向するように積層されている。また、電極群10において、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14と負極終端電極24とは、電極ユニット14の正極活物質層8と、負極終端電極24の負極活物質層9とがセパレータ3を介して対向するように積層されている。
【0053】
上記セパレータ3は、正極活物質層8と負極活物質層9との間に配置されている。セパレータ3は、正極活物質層8と負極活物質層9とを隔離することで両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオン等の電荷担体を通過させる部材である。そのため、セパレータ3は正極活物質層8と負極活物質層9よりも面積が大きく、それらの全面を覆っている。セパレータ3の縁部は、第1樹脂部4a及び第2樹脂部4bのうちのいずれか一方に、熱溶着などにより固定されている。本実施形態では、セパレータ3の縁部は、第2樹脂部4bに固定されている。
【0054】
セパレータ3は、例えば、液体電解質を吸収保持するポリマーを含む多孔性シート又は不織布である。セパレータ3に含浸される電解質としては、例えば、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む液体電解質、又はポリマーマトリックス中に保持された電解質を含む高分子ゲル電解質などが挙げられる。
【0055】
本実施形態においては、電解質として液体電解質が用いられる。液体電解質の電解質塩としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO等の公知のリチウム塩を使用できる。また、非水溶媒として、環状カーボネート類、環状エステル類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類等の公知の溶媒を使用できる。なお、これら公知の溶媒材料を二種以上組合せて用いてもよい。セパレータ3を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステルなどが挙げられる。セパレータ3は、単層構造又は多層構造を有してもよい。多層構造は、例えば、接着層、耐熱層としてのセラミック層等を有してもよい。
【0056】
<電極群における電圧検出線>
図1図2及び図3に示すように、積層方向Zに隣り合う2つの集電体7のうち、一方の集電体7に接合された電圧検出線6は、他方の集電体7に接合された電圧検出線6と奥行方向Yの位置が異なる。このため、積層方向Zから電極群10を見たとき、一方の集電体7に接合された電圧検出線6と、他方の集電体7に接合された集電体7とは、積層方向Zに重ならない。そして、一方の集電体7に接合された電圧検出線6は、他方の集電体7を挟んだ別の集電体7に接合された電圧検出線6とは、奥行方向Yの位置が同じである。
【0057】
<正極通電板及び負極通電板>
正極通電板21及び負極通電板22は、導電性に優れた材料で構成される。正極通電板21及び負極通電板22を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属材料を用いることができる。積層方向Zにおける正極通電板21と負極通電板22との間に、電極群10が配置されている。
【0058】
正極通電板21は、正極終端電極23の第2主面7bに配置されているとともに、正極終端電極23の集電体7と電気的に接続されている。負極通電板22は、負極終端電極24の第1主面7aに配置されているとともに、負極終端電極24の集電体7と電気的に接続されている。正極通電板21及び負極通電板22の各々には、不図示の端子が設けられている。蓄電装置1は、正極通電板21及び負極通電板22に設けられた端子を通じて充放電を行う。また、正極通電板21及び負極通電板22を介して別の蓄電装置1が直列又は並列に接続されていてもよい。
【0059】
<封止部>
封止部16は、複数の双極型電極2、正極終端電極23及び負極終端電極24の正極活物質層8及び負極活物質層9の周囲を囲むように配置されている。封止部16は、積層方向Zに隣り合うシール部4の一部とスペーサ12の一部とが互いに溶着されて形成されている。例えば、シール部4とスペーサ12とは、シール部4における、はみ出し部4cの外周面寄りの一部と、スペーサ12における、第2スペーサ部12bの外周面寄りの一部とが溶着されている。封止部16を形成するためのシール部4とスペーサ12との溶着方法としては、例えば、接触又は非接触での熱溶着や超音波溶着など、公知の溶着方法が挙げられる。なお、シール部4及びスペーサ12を構成する樹脂は、互いに全重量のうち90質量%を占める主成分が同じ樹脂である。
【0060】
<内部空間>
電極群10において、積層方向Zにおいて隣り合う集電体7の間には、内部空間Sが位置している。詳細には、内部空間Sは、積層方向Zにおいて隣り合う電極ユニット14の集電体7同士の間と、積層方向Zにおいて隣り合う電極ユニット14と正極終端電極23の集電体7同士の間と、積層方向Zにおいて隣り合う電極ユニット14と負極終端電極24の集電体7同士の間に位置している。さらに詳細には、内部空間Sは、積層方向Zに隣り合う正極集電体7c及び負極集電体7dと、その正極集電体7cに熱溶着された第1樹脂部4aと、負極集電体7dに熱溶着された第2樹脂部4bと、第1スペーサ部12aと、封止部16とで区画形成されている。積層方向Zに隣り合う正極集電体7c及び負極集電体7dの組ごとに、1つの内部空間Sが区画形成されている。内部空間Sには、正極活物質層8、負極活物質層9、セパレータ3、及び不図示の電解質が配置されている。本実施形態では、電解質の一例としての液体電解質が内部空間Sに配置されている。液体電解質は、例えば、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質塩と、を含む、いわゆる電解液である。
【0061】
封止部16は、蓄電装置1の外部から内部空間S内への水分の浸入を抑制し得る。封止部16は、内部空間Sに収容された液体電解質の蓄電装置1の外部への漏出を抑制し得る。
【0062】
<蓄電装置の製造方法>
次に、蓄電装置1の製造方法について説明する。なお、以下では双極型電極2を用いて説明を行うが、正極終端電極23及び負極終端電極24も同様に製造がなされる。
【0063】
蓄電装置1の製造方法は、仮止め工程と、熱溶着工程とを有している。
図5に示すように、仮止め工程は、双極型電極2に対して第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bを仮止めする工程である。第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bの各々は、それらの厚さ方向から見て矩形枠状である。第1樹脂部前駆体17aは、集電体7の第1主面7a上に仮止めされる。第2樹脂部前駆体17bは、集電体7の第2主面7b上に仮止めされる。第1樹脂部前駆体17aは、他方の主面としての第1主面7aに熱溶着される第1樹脂部4aの前駆体である。第2樹脂部前駆体17bは、一方の主面としての第2主面7bに熱溶着される第2樹脂部4bの前駆体である。
【0064】
そして、仮止め工程は、上記第1樹脂部前駆体17aと、第2樹脂部前駆体17bとを準備し、第1樹脂部前駆体17aを第1主面7aに仮止めするとともに、第2主面7bに接触している電圧検出線6の接触部6aを第2主面7bとともに挟むように第2樹脂部前駆体17bを第2主面7bに仮止めする工程である。
【0065】
第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bを集電体7に仮止めする方法は、それら樹脂部前駆体17a,17bを集電体7に仮止めすることができれば、接着剤による接着や、溶着等どのような方法であってもよい。仮止め工程を行うことにより、集電体7は第1樹脂部前駆体17aと第2樹脂部前駆体17bとによって集電体7の厚さ方向の両側から挟まれた状態となる。第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bの各々の外縁側の一部は、集電体7の外縁7gよりも外部に突出している。
【0066】
第1樹脂部前駆体17aの厚さは、第1樹脂部4aの厚さL1とほぼ同じである。第1樹脂部前駆体17aは、第1端面171aと第2端面172aとを有する。第1端面171aは、第1樹脂部前駆体17aの厚さ方向の一端面であり、第2端面172aは、第1樹脂部前駆体17aの厚さ方向の他端面である。第1樹脂部前駆体17aは、正極活物質層8の周囲を囲むように第1主面7aに仮止めされる。第1樹脂部前駆体17aは、第1端面171aを第1主面7aに接合することで仮止めされる。
【0067】
第2樹脂部前駆体17bの厚さは、第2樹脂部4bの厚さL2とほぼ同じである。したがって、第1樹脂部前駆体17aの厚さは、第2樹脂部前駆体17bの厚さよりも小さい。第2樹脂部前駆体17bは、第1端面171bと第2端面172bとを有する。第1端面171bは、第2樹脂部前駆体17bの厚さ方向の一端面であり、第2端面172bは、第2樹脂部前駆体17bの厚さ方向の他端面である。第2樹脂部前駆体17bは、負極活物質層9の周囲を囲むように第2主面7bに仮止めされる。第2樹脂部前駆体17bは、第1端面171bを第2主面7bに接合することで仮止めされる。
【0068】
第2主面7b上に第2樹脂部前駆体17bを仮止めする前、電圧検出線6を第2主面7bに接合して接触部6aを形成しておく。そして、第2樹脂部前駆体17bは、電圧検出線6の接触部6aを第2主面7bと第2樹脂部前駆体17bの第1端面171bの一部とで挟み込むように第2主面7b上に配置された後、仮止めされる。
【0069】
続いて、熱溶着工程を行う。図6に示すように、熱溶着工程は、双極型電極2の集電体7に対して第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bの熱溶着を行う工程である。具体的には、熱溶着工程は、第1樹脂部前駆体17a側のみから加熱して、第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bを集電体7に熱溶着する工程である。
【0070】
集電体7に対する第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bの熱溶着は、例えばシーラ13を用いて行ってもよい。シーラ13は、例えばヒータ線13aを有するインパルスシーラである。シーラ13は、矩形枠状である。シーラ13は、第1樹脂部前駆体17aの第2端面172aに接する第1シーラ部131と、第2樹脂部前駆体17bの第2端面172bに接する第2シーラ部132とを有する。シーラ13は、第1シーラ部131において、第1樹脂部前駆体17aの第2端面172aに接する部分にヒータ線13aを有する。
【0071】
熱溶着工程では、集電体7の厚さ方向の両側から、第1樹脂部前駆体17aと第2樹脂部前駆体17bとにシーラ13を接触させる。つまり、第1シーラ部131を第1樹脂部前駆体17aの第2端面172aに接触させるとともに、第2シーラ部132を第2樹脂部前駆体17bの第2端面172bに接触させる。このため、集電体7の第1主面7aに仮止めされた第1樹脂部前駆体17aの第2端面172aと、集電体7の第2主面7bに仮止めされた第2樹脂部前駆体17bの第2端面172bとにシーラ13が接触する。
【0072】
シーラ13において、第1樹脂部前駆体17aに接する第1シーラ部131のみヒータ線13aによって加熱して、第1樹脂部前駆体17aを第2端面172a側のみから加熱する。すると、第1樹脂部前駆体17aは、第2端面172aから第1シーラ部131からの熱の伝達を受けて、第2端面172a側から第1端面171aに向けて熱が伝達していく。さらに、第1樹脂部前駆体17aの第1端面171aから集電体7に熱が伝達した後、集電体7から第2樹脂部前駆体17bの第1端面171bに熱が伝達する。熱の伝達された第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bは、熱膨張する。
【0073】
第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bの各々は、集電体7との界面において溶融し、第1樹脂部前駆体17aは、第1主面7aに熱溶着されるとともに、第2樹脂部前駆体17bは、第2主面7bに熱溶着される。その後、第1樹脂部前駆体17aが冷却されると、第1樹脂部前駆体17aは収縮する。また、第2樹脂部前駆体17bが冷却されると、第2樹脂部前駆体17bは収縮する。その結果、第1主面7a上に位置する第1樹脂部4aと、第2主面7b上に位置する第2樹脂部4bとが形成される。
【0074】
また、第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bにおいて、集電体7の外縁7gよりも外部に突出している部分同士が熱溶着される。また、第1主面7a上に位置する第1樹脂部4aよりも外周部と、第2主面7b上に位置する第2樹脂部4bよりも外周部とが繋がれたはみ出し部4cが形成される。その結果、シール部4が形成される。さらに、第2樹脂部前駆体17bは、電圧検出線6の接触部6aよりも負極活物質層9側において、負極集電体7dと熱溶着される。その結果、電極ユニット14が形成される。なお、正極活物質層8のみ設けられた集電体7に対し仮止め工程及び熱溶着工程を行うと正極終端電極23が形成される。また、負極活物質層9のみ設けられた集電体7に対し仮止め工程及び熱溶着工程を行うと負極終端電極24が形成される。
【0075】
次に、図1に示すように、正極終端電極23、負極終端電極24、複数の電極ユニット14、複数のセパレータ3、及び複数のスペーサ12を積層方向Zに順次積層する。このとき、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14のうち、一方の電極ユニット14の負極活物質層9と、他方の電極ユニット14の正極活物質層8との間にセパレータ3を介在させる。また、複数の電極ユニット14のうち、積層方向Zの一端に配置された電極ユニット14の負極活物質層9と、正極終端電極23の正極活物質層8との間にセパレータ3を介在させる。さらに、複数の電極ユニット14のうち、積層方向Zの他端に配置された電極ユニット14の正極活物質層8と、負極終端電極24の負極活物質層9との間にセパレータ3を介在させる。これにより、電極群10が形成される。
【0076】
スペーサ12は、積層方向Zに隣り合う電極ユニット14のシール部4同士の間と、積層方向Zの一端に配置された電極ユニット14と正極終端電極23のシール部4同士の間と、積層方向Zの他端に配置された電極ユニット14と負極終端電極24のシール部4同士との間に介在させる。スペーサ12の外周端とシール部4の外周端とが重なるように、スペーサ12はシール部4の間に配置される。これにより、はみ出し部4cと、スペーサ12における第2スペーサ部12bとなる箇所とが、電極群10の外部に位置した状態となる。
【0077】
次に、シール部4とスペーサ12との溶着を行う。シール部4とスペーサ12との溶着は、図示しないが、例えば非接触ヒータ等を用いて非接触の溶着により行ってもよい。非接触ヒータは、例えば赤外線ヒータである。この場合、電極群10の外側からシール部4及びスペーサ12に非接触ヒータを積層方向Zと交差する方向に離間させた状態で対向させる。シール部4の一部とスペーサ12の一部とが非接触ヒータから照射される赤外線によって発熱して溶融する。より具体的には、シール部4における、はみ出し部4cのうち、非接触ヒータに面する外周面寄りの一部と、スペーサ12における、第2スペーサ部12bのうちの非接触ヒータに面する外周面寄りの一部とが溶融する。
【0078】
シール部4とスペーサ12とが非接触ヒータにより溶融すると、シール部4とスペーサ12とが互いに溶着する。より具体的には、シール部4における、はみ出し部4cのうちの溶融した外周面寄りの一部と、スペーサ12における、第2スペーサ部12bのうちの溶融した外周面寄りの一部とが互いに溶着する。これにより、スペーサ12は、シール部4と一体化されるとともに、封止部16が形成される。その結果、蓄電装置1が製造される。
【0079】
本実施形態の作用及び効果について、以下に説明する。
(1)本実施形態の蓄電装置1では、第2主面7bに熱溶着されている第2樹脂部4bの厚さL2を、第1樹脂部4aの厚さL1より大きくすることで電圧検出線6が第2樹脂部4bから露出することが抑制される。そして、第1主面7aに熱溶着されている第1樹脂部4aの厚さL1を、第2樹脂部4bの厚さL2と同じにするのではなく、小さくしている。このため、第1樹脂部4aの厚さL1を、第2樹脂部4bの厚さL2と同じにした場合と比べると、第1樹脂部4aが集電体7に熱溶着した後の収縮により集電体7へ伝わる収縮力を小さくできるため、集電体7の皺が生じにくい。したがって、電圧検出線6が第2樹脂部4bから露出することを防止するために、第2樹脂部4bの厚さL2を大きくしながらも、集電体7の皺の発生を抑制できる。
【0080】
(2)本実施形態の蓄電装置1では、スペーサ12により、集電体7同士の絶縁性を確保するために必要な間隙を確保できる。このため、スペーサ12が無い場合と比べると、集電体7同士の絶縁性を確保するために必要な第1樹脂部4aの厚さL1及び第2樹脂部4bの厚さL2を小さくできる。そして、第1樹脂部4aの厚さL1は、第2樹脂部4bの厚さL2よりも小さくしている。したがって、スペーサ12を設けることで、集電体7の皺の発生をさらに抑制できるうえ、積層方向Zに隣り合う集電体7同士の絶縁性も確保できる。
【0081】
(3)本実施形態の蓄電装置1の製造方法では、第2樹脂部前駆体17bの厚さを第1樹脂部前駆体17aの厚さより大きくすることで電圧検出線6が第2樹脂部前駆体17bから露出することを抑制できる。熱溶着工程において、第2樹脂部前駆体17bよりも厚さの小さい第1樹脂部前駆体17a側のみから加熱される。このため、第2樹脂部前駆体17bへの入熱量が少なくなることで、第2樹脂部前駆体17bを集電体7に熱溶着した後の収縮により集電体7へ伝わる収縮力を小さくできる。したがって、第1樹脂部前駆体17aよりも厚さの大きい第2樹脂部前駆体17bにより、集電体7へ大きな収縮力が伝わることを抑制できるため、集電体7の皺が生じにくい。
【0082】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0083】
○ 積層方向Zに隣り合う2つの集電体7のうち、一方の集電体7に接合された電圧検出線6は、他方の集電体7に接合された電圧検出線6と奥行方向Yの位置が異なるとしたが、この限りではない。正極活物質層8と負極活物質層9の厚さが十分に大きく、積層方向Zに隣り合う集電体7同士の距離が十分に大きい場合には、電圧検出線6同士の接触の虞が無いため、全ての電圧検出線6を奥行方向Yの同じ位置に配設してもよい。
【0084】
図7に示すように、集電体7の外縁7gからばり11が突出していた場合、ばり11の突出した主面に厚さの大きい樹脂部を熱溶着するようにするのが好ましい。例えば、ばり11は、第2主面7bのみより突出している。ばり11は集電体7の材料となる金属箔材料を切断加工した際に、集電体7の外縁7gにて突出する。ここで、集電体7の切断方向を一方向に定めることで、ばり11が形成される方向を制御することができる。例えば、集電体7の切断方向を、刃具が第1主面7aの側から集電体7に挿入されるようにすることで、集電体7の縁部に形成されるばり11は、第2主面7bの側にのみ突出することとなる。ばり11が突出した第2主面7bに第2樹脂部4bが熱溶着されている。第2樹脂部4bの厚さL2は、第1主面7aに溶着された第1樹脂部4aの厚さL1よりも大きい。なお、第2樹脂部4bの厚さL2は、想定されるばり11の突出高さの最大値よりも十分に大きく設定される。これにより、集電体7の縁に形成されるばり11が、集電体7の第1主面7aに熱溶着される第1樹脂部4aよりも厚さの大きい第2樹脂部4bに埋設するため、第2樹脂部4bからばり11が露出することを防止できるとともに、第2樹脂部4bから電圧検出線6が露出することも防止できる。なお、ばり11の突出高さが第1樹脂部4aの厚さよりも十分小さい場合には、集電体7の外縁7gにおいて、ばり11が第1主面7aに突出していてもよい。
【0085】
○ 蓄電装置1は、積層方向Zに隣り合うシール部4同士の間に設けられたスペーサ12を備えているとしたが、この限りではない。蓄電装置1はスペーサ12を備えていなくてもよい。
【0086】
○ 電圧検出線6は、集電体7の第1主面7aに接触するように設けられていてもよい。この場合、電極ユニット14において、第1主面7aに熱溶着されている第1樹脂部4aの厚さを、第2主面7bに熱溶着されている第2樹脂部4bの厚さより大きくする。この場合、一方の主面である第1主面7aと反対に位置する他方の主面である第2主面7bに熱溶着されている第2樹脂部4bの厚さが、第1樹脂部4aの厚さより小さくなる。
【0087】
○ 第1樹脂部前駆体17a及び第2樹脂部前駆体17bの少なくとも一方を、矩形枠を形成する一辺ずつに分割してもよい。この場合、シーラ13も一辺ずつに分割されたものを用いる。熱溶着工程では、集電体7の四辺に対して各樹脂部前駆体17a,17bを一辺ずつ熱溶着してもよいし、四辺纏めて同時に熱溶着してもよい。また、集電体7の四辺に対して、平行に並ぶ二辺に対して各樹脂部前駆体17a,17bを熱溶着した後、残りの二辺に対して各樹脂部前駆体17a,17bを熱溶着してもよい。
【0088】
○ 封止部16は、シール部4における第1樹脂部4a又は第2樹脂部4bと、スペーサ12における第1スペーサ部12aとが溶着されて形成されていてもよい。
○ 正極終端電極23及び負極終端電極24の少なくとも一方は、電圧検出線6を備えていなくてもよい。
【0089】
○ スペーサ12は、絶縁性を有する樹脂製としたが樹脂以外の絶縁体であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…蓄電装置、4a…第1樹脂部、4b…第2樹脂部、6…電圧検出線、6a…接触部、7…集電体、7a…第1主面、7b…第2主面、8…正極活物質層、9…負極活物質層、11…ばり、12…スペーサ、14…電極ユニット、17a…前駆体としての第1樹脂部前駆体、17b…前駆体としての第2樹脂部前駆体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7