(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037427
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電動式の車両
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240312BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20240312BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20240312BHJP
H01L 23/34 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H05K7/20 B
H01L23/36 D
B62J45/00
H01L23/34 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142293
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】宮代 幣彦
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA03
5E322BB07
5E322EA10
5E322FA04
5F136BC07
5F136DA26
5F136EA12
(57)【要約】
【課題】電子部品の熱を好適に放熱することができる電動式の車両が、提供される。
【解決手段】鞍乗型車両1は、車体フレーム2と、電動モータ7と、制御ユニット8と、を備える。電動モータ7は、車体フレーム2に設けられる。制御ユニット8は、ケース部材20と、制御基板21と、電子部品22と、支持構造23と、を有する。ケース部材20は、内部空間Sを形成する。制御基板21は、内部空間Sにおいてケース部材20に取り付けられる。電子部品22は、内部空間Sにおいて制御基板21に取り付けられる。支持構造23は、ケース部材20の内面に設けられる。電子部品22が内部空間Sに部分的に露出するように、支持構造23は電子部品22を支持する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に設けられ電気的に制御される被制御部と、
前記車体に取り付けられ内部空間を形成するケース部材と、前記内部空間において前記ケース部材に取り付けられる制御基板と、前記内部空間において前記制御基板に取り付けられる電子部品と、前記ケース部材の内面に設けられ前記電子部品が前記内部空間に部分的に露出するように前記電子部品を支持する支持構造と、を有し、前記被制御部を制御する制御ユニットと、
を備える電動式の車両。
【請求項2】
前記ケース部材は、前記制御基板と対向して配置される前記内面を含む第1壁部と、前記第1壁部から前記制御基板に向けて突出し前記支持構造を構成する第2壁部と、を有する、
請求項1に記載の電動式の車両。
【請求項3】
前記第2壁部は、前記電子部品の側面を取り囲むように前記第1壁部に形成される、
請求項2に記載の電動式の車両。
【請求項4】
前記電子部品の前記側面は、接着剤によって前記第2壁部に固定される、
請求項2又は3に記載の電動式の車両。
【請求項5】
前記ケース部材及び前記電子部品の間に配置される放熱シート、
をさらに備える請求項1に記載の電動式の車両。
【請求項6】
前記ケース部材は、前記制御基板が取り付けられる第1ケースと、前記第1ケースに取り付けられ前記制御基板及び前記電子部品を覆う第2ケースと、を有し、
前記支持構造は、前記第2ケースに設けられる、
請求項1に記載の電動式の車両。
【請求項7】
前記ケース部材は、前記制御基板が取り付けられる第1ケースと、前記第1ケースに取り付けられ前記制御基板を覆う第2ケースと、を有し、
前記電子部品は、前記制御基板及び前記第1ケースの間に配置され、
前記支持構造は、前記第1ケースに設けられる、
請求項1に記載の電動式の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動式の車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動式の車両には、制御ユニット、例えば、電子回路装置が用いられている。例えば、特許文献1には、電子回路装置が開示されている。電子回路装置は、ケース部材と、制御基板と、電子部品と、を有する。ケース部材は、上ケースと、下ケースと、を有する。上ケース及び下ケースの間には、内部空間が形成される。制御基板は、内部空間において、下ケースに取り付けられる。電子部品は、制御基板に取り付けられる。制御基板及び電子部品と上ケースとの間の内部空間には、樹脂が充填される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の制御ユニットでは、制御基板及び電子部品がケース部材に取り付けられた状態で、制御基板及び電子部品とケース部材との間の内部空間には、樹脂が充填されるので、電子部品によって発生する熱を放熱することが難しいという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、電子部品の熱を好適に放熱することができる電動式の車両を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電動式の車両は、車体と、被制御部と、制御ユニットと、を備える。被制御部は、車体に設けられる。被制御部は、電気的に制御される。制御ユニットは、被制御部を制御する。制御ユニットは、ケース部材と、制御基板と、電子部品と、支持構造と、を有する。
【0007】
ケース部材は、車体に取り付けられる。ケース部材は、内部空間を形成する。制御基板は、内部空間においてケース部材に取り付けられる。電子部品は、内部空間において制御基板に取り付けられる。支持構造は、ケース部材の内面に設けられる。支持構造は、電子部品が内部空間に部分的に露出するように、電子部品を支持する。
【0008】
本態様に係る電動式の車両では、電子部品が内部空間に部分的に露出するように、制御ユニットの支持構造が電子部品を支持する。この構成によって、電動式の車両において、電子部品の熱を好適に放熱することができる。
【0009】
ケース部材は、第1壁部と、第2壁部と、を有していてもよい。この場合、第1壁部は、制御基板と対向して配置される上記の内面を含む。第2壁部は、第1壁部から制御基板に向けて突出する。第2壁部は、支持構造を構成する。
【0010】
この構成では、支持構造の第2壁部によって電子部品を支持することができるので、樹脂等の充填剤を用いることなく電子部品を好適に位置決めすることができる。
【0011】
第2壁部は、電子部品の側面を取り囲むように第1壁部に形成されていてもよい。この構成によって、電子部品をより好適に位置決めすることができる。
【0012】
電子部品の側面は、接着剤によって第2壁部に固定されていてもよい。この構成によって、電子部品をより好適に位置決めすることができる。
【0013】
電動式の車両は、ケース部材及び電子部品の間に配置される放熱シート、をさらに備えていてもよい。この構成によって、電子部品の熱をより好適に放熱することができる。
【0014】
ケース部材は、第1ケースと、第2ケースと、を有していてもよい。この場合、第1ケースには、制御基板が取り付けられる。第2ケースには、第1ケースに取り付けられる。第2ケースは、制御基板及び電子部品を覆う。支持構造は、第2ケースに設けられる。
【0015】
この構成では、制御基板及び電子部品が第1ケースに取り付けられる。この状態で、第2ケースを第1ケースに取り付けることによって、電子部品を第2ケースの支持構造で支持した状態で、制御基板及び電子部品を第1ケース及び第2ケースの間の内部空間に容易に配置することができる。
【0016】
ケース部材は、第1ケースと、第2ケースと、を有していてもよい。この場合、第1ケースには、制御基板が取り付けられる。第2ケースは、第1ケースに取り付けられる。第2ケースは、制御基板を覆う。電子部品は、制御基板及び第1ケースの間に配置される。支持構造は、第1ケースに設けられる。
【0017】
この構成では、第1ケースの支持構造が電子部品を支持した状態で、電子部品が制御基板及び第1ケースの間に配置される。この状態で、第2ケースを第1ケースに取り付けることによって、制御基板及び電子部品を第1ケース及び第2ケースの間の内部空間に容易に配置することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電動式の車両において、電子部品の熱を好適に放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】電動式の車両から前輪を除いた電動式の車両の車体正面図である。
【
図3】
図1及び
図2の切断線IIIにおける制御ユニットの断面を模式的に示した断面図である。
【
図4】
図1及び
図2の切断線IIIにおける他の実施形態の制御ユニットの断面を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して実施形態に係る電動式の車両について説明する。本実施形態では、
図1に示すように、電動式の車両が鞍乗型車両1である場合の例が、示される。電動式の車両であれば、鞍乗型車両1とは異なる車両であってもよい。
【0021】
鞍乗型車両1は、車体フレーム2(車体の一例)と、ステアリング装置3と、前輪5と、後輪6と、を備える。鞍乗型車両1は、電動モータ7(被制御部の一例)と、制御ユニット8と、放熱シート9(
図3を参照)と、をさらに備える。
【0022】
図2に示すように、鞍乗型車両1は、前後方向に延びる車両中心面Hを有する。本実施形態では、ライダーがシート10に座った状態における、ライダーの前方(
図1の左方)、ライダーの後方(
図1の右方)、ライダーの左方(
図2の右方)、及びライダーの右方(
図2の左方)が、鞍乗型車両1の前後左右の各方向に対応する。車幅方向Wは、車両中心面Hに直交する方向に定義される。例えば、車幅方向Wは、車両中心面Hを基準とした左右方向を示す。
【0023】
ライダーの上方(
図1及び
図2の上方)が、鞍乗型車両1の上方に対応する。鞍乗型車両1の下方(
図1及び
図2の下方)は、鞍乗型車両1の上方とは反対の方向である。車体側面は、鞍乗型車両1の側面を左側又は右側から見た状態を示す。例えば、
図1は、鞍乗型車両1を左側から見た車体側面視に対応する。
図2は、鞍乗型車両1の前部を前側から見た車体正面視に対応する。
【0024】
図1及び
図2に示すように、車体フレーム2は、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12と、を有する。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11に接続される。車体フレーム2は、ヘッドパイプ11を前後方向に通過する車両中心面H(
図2を参照)、を有する。
【0025】
図1及び
図2に示すように、ステアリング装置3は、フロントフォーク15と、ステアリングシャフト16と、ハンドル部材17と、を有する。フロントフォーク15は、ヘッドパイプ11に対して回動可能に支持される。ステアリングシャフト16は、フロントフォーク15に接続される。ハンドル部材17は、ステアリングシャフト16に接続される。
【0026】
図1に示すように、前輪5は、フロントフォーク15によって回転可能に支持される。後輪6は、車体フレーム2、例えば、メインフレーム12によって、回転可能に支持される。後輪6は、電動モータ7からの駆動力によって回転する。
【0027】
図1及び
図2に示すように、電動モータ7は、車体フレーム2に設けられる。例えば、電動モータ7は、メインフレーム12の下部に装着される。電動モータ7は、
図1に示すバッテリ4によって、駆動される。電動モータ7の駆動力は後輪6に伝達される。例えば、電動モータ7は、チェーンCを介して、後輪を駆動する。
【0028】
制御ユニット8は、電動モータ7に電気的に接続され、電動モータ7を制御する。
図1に示すように、制御ユニット8は、車体フレーム2に取り付けられる。
図3に示すように、制御ユニット8は、ケース部材20と、制御基板21と、電子部品22と、支持構造23と、を有する。
【0029】
ケース部材20は、車体フレーム2に取り付けられる。例えば、
図1に示すように、ケース部材20は、フロントフォーク15より後方において、メインフレーム12に取り付けられる。
図2に示すように、ケース部材20は、フロントフォーク15より後方において車幅方向Wの方向に配置される。
【0030】
図3に示すように、ケース部材20は、内部空間Sを形成する。内部空間Sには樹脂等の充填剤が配置されず、内部空間Sは電子部品22の放熱空間として用いられる。
【0031】
図3に示すように、ケース部材20は、第1ケース25と、第2ケース26と、を有する。第1ケース25には、制御基板21が取り付けられる。第1ケース25は、第1底壁25aと、第1支持壁25bと、第1側壁25cと、を有する。第1底壁25aは、第2ケース26、例えば、後述する第2ケース26の第2底壁26aに対向して、配置される。第1底壁25aの内面は、ケース部材20の内部空間Sを形成する。
【0032】
第1支持壁25bは、制御基板21を支持する。第1支持壁25bは、第1底壁25aと一体に形成される。第1支持壁25bは、制御基板21を支持することができれば、どのように形成されてもよい。
【0033】
例えば、第1支持壁25bは、第1底壁25aの内面から突出する。具体的には、第1支持壁25bは、第1底壁25aの内面から、第2ケース26、例えば、第2ケース26の第2底壁26aに向けて、突出する。
【0034】
第1側壁25cは、第1底壁25aの外縁を取り囲むように、第1底壁25aと一体に形成される。第1側壁25cは、第2ケース26、例えば、第2ケース26の第2側壁26cに向けて、延びる。第1側壁25cの内面は、ケース部材20の内部空間Sを形成する。
【0035】
図3に示すように、第2ケース26は、制御基板21及び電子部品22を覆う。第2ケース26には、第1ケース25が取り付けられる。例えば、第2ケース26は、第2底壁26a(第1壁部の一例)と、第2支持壁26b(第2壁部の一例)と、第2側壁26cと、を有する。
【0036】
第2底壁26aは、第1ケース25、例えば、第1ケース25の第1底壁25aに対向して配置される。例えば、第2底壁26aは、制御基板21と対向して配置される。第2底壁26aの内面は、ケース部材20の内部空間Sを形成する。
【0037】
第2支持壁26bは、第2底壁26aに形成される。例えば、第2支持壁26bは、第2底壁26aの内面から突出する。具体的には、第2支持壁26bは、第2底壁26aの内面から、第1ケース25、例えば、第1ケース25の第1底壁25aに向けて、突出する。詳細には、第2支持壁26bは、第2底壁26aの内面から制御基板21に向けて突出する。第2支持壁26bは、後述する支持構造23を構成する。
【0038】
第2側壁26cは、第2底壁26aの外縁を取り囲むように、第2底壁26aと一体に形成される。第2側壁26cは、第1ケース25、例えば、第1ケース25の第2側壁26cに向けて、延びる。第2側壁26cの内面は、ケース部材20の内部空間Sを形成する。
【0039】
第1側壁25cの先端が第2側壁26cの先端に当接した状態で、第1ケース25及び第2ケース26は、互いに固定される。例えば、第1側壁25cの先端及び第2側壁26cの先端は、接着剤のような固定手段によって、互いに固定されることが好ましい。この状態において、第1ケース25及び第2ケース26の間には、内部空間Sが形成される。内部空間Sには、制御基板21及び電子部品22が配置される。
【0040】
制御基板21は、電子部品22を制御する。
図3に示すように、制御基板21は、ケース部材20の内部空間Sにおいて、ケース部材20に取り付けられる。例えば、制御基板21は、第1ケース25に取り付けられる。詳細には、制御基板21は第1支持壁25bに取り付けられる。
【0041】
図3に示すように、電子部品22は、ケース部材20の内部空間Sにおいて、制御基板21に取り付けられる。例えば、電子部品22は、半田等の固定手段によって、制御基板21に固定される。この状態において、電子部品22の基端側の側面及び制御基板21の外面が、接着剤27のような固定手段によって、さらに固定される。
【0042】
図3に示すように、支持構造23は、電子部品22を支持する。例えば、電子部品22がケース部材20の内部空間Sに部分的に露出するように、支持構造23は電子部品22を支持する。支持構造23は、ケース部材20の内面に設けられる。例えば、支持構造23は、第2ケース26部材20の内面に設けられる。詳細には、支持構造23は、第2ケース26の第2支持壁26bによって構成される。
【0043】
第2支持壁26bは、電子部品22を支持する。第2支持壁26bは、電子部品22の先端部を取り囲むように、第2底壁26aと一体に形成される。例えば、第2支持壁26bは、電子部品22の先端部の側面を取り囲むように、第2底壁26aと一体に形成される。
【0044】
第2支持壁26bには、接着剤28のような固定手段を介して、電子部品22の先端部の側面が固定される。この状態で、第2支持壁26bの先端26b1は、制御基板21と間隔を隔てて配置される。第2支持壁26bの先端部及び制御基板21の間隔Dによって、電子部品22の熱が内部空間Sに放熱される。
【0045】
図3に示すように、放熱シート9は、ケース部材20及び電子部品22の間に配置される。例えば、放熱シート9は、第2ケース26部材20の第2底壁26aと電子部品22の先端面22aとの間に、配置される。詳細には、放熱シート9は、第2支持壁26bの内側の第2底壁26aの内面と電子部品22の先端面22aとの間に、配置される。
【0046】
上記の構成を有する鞍乗型車両1では、制御ユニット8は、以下のように組み立てられる。まず、放熱シート9が、電子部品22の先端面に取り付けられる。電子部品22が制御基板21に取り付けられる。電子部品22の基端側の側面及び制御基板21の外面は、接着剤27によって固定される。この状態で、制御基板21は第1ケース25に取り付けられる。
【0047】
次に、第2ケース26の第2支持壁26bの内面に接着剤28が塗布される。電子部品22の先端部が、第2ケース26の第2底壁26a及び第2ケース26の第2支持壁26bによって囲まれた空間に、配置される。これにより、放熱シート9が、第2底壁26aの内面と電子部品22の先端面との間に、配置される。最後に、第1ケース25が第2ケース26に固定される。
【0048】
上記の鞍乗型車両1は以下のような特徴を有する。電子部品22がケース部材20の内部空間Sに部分的に露出するので、電子部品22の熱を好適に放熱することができる。
【0049】
鞍乗型車両1では、支持構造23の第2支持壁26bによって電子部品22を支持することができるので、樹脂等の充填剤を用いることなく電子部品22を好適に位置決めすることができる。
【0050】
鞍乗型車両1では、支持構造23の第2支持壁26bは電子部品22の先端部の側面を取り囲むので、電子部品22をより好適に位置決めすることができる。
【0051】
鞍乗型車両1では、電子部品22の先端部の側面は、接着剤28によって第2支持壁26bに固定されるので、電子部品22をより好適に位置決めすることができる。
【0052】
鞍乗型車両1では、鞍乗型車両1は、ケース部材20及び電子部品22の間に配置される放熱シート9を、備えているので、電子部品22の熱をより好適に放熱することができる。
【0053】
鞍乗型車両1では、第2ケース26を第1ケース25に取り付けることによって、電子部品22を第2ケース26の支持構造23で支持した状態で、制御基板21及び電子部品22を第1ケース25及び第2ケース26の間の内部空間Sに容易に配置することができる。
【0054】
(他の実施形態)
前記実施形態の構成は、以下のように構成してもよい。
図4に示すように、ケース部材120は、第3ケース30(第2ケースの一例)と、第4ケース31(第1ケースの一例)と、を有する。第3ケース30は、制御基板21を覆う。例えば、第3ケース30は、制御基板21が第4ケース31に取り付けられた状態で、制御基板21を覆う。
【0055】
他の実施形態において前記実施形態と同じ構成については、前記実施形態と同じ符号を付している。ここでは、同じ符号が付された構成の説明が省略される。ここで省略された構成は、前記実施形態の構成に準ずる。
【0056】
図4に示すように、第3ケース30は、第1ケース25の第1底壁25aに対応する第3底壁30aと、第1ケース25の第1側壁25cに対応する第3側壁30bと、を有する。第3ケース30は、第1ケース25の第1支持壁25bに対応する支持壁を、有していない。
【0057】
図4に示すように、第4ケース31には、制御基板21が取り付けられる。第4ケース31は、前記実施形態と同様に、第3ケース30に固定される。例えば、第4ケース31は、第2ケース26の第2底壁26aに対応する第4底壁31aと、第2ケース26の第2支持壁26bに対応する第3支持壁31bと、第2ケース26の第2側壁26cに対応する第4側壁31cと、を有する。第4ケース31は、第4支持壁31dをさらに有する。
【0058】
図4に示すように、第3支持壁31bは支持構造123を構成し、電子部品22の先端部を支持する。第4支持壁31dは、制御基板21を支持する。第4支持壁31dは、第4底壁31aと一体に形成される。第4支持壁31dは、制御基板21を支持することができれば、どのように形成されてもよい。
【0059】
例えば、第4支持壁31dは、第4底壁31aの内面から突出する。具体的には、第4支持壁31dは、第4底壁31aの内面から、第3ケース30、例えば、第3ケース30の第3底壁30aに向けて、突出する。
【0060】
上記の構成を有する鞍乗型車両1では、制御ユニット8は、以下のように組み立てられる。まず、放熱シート9が、電子部品22の先端面に取り付けられる。電子部品22が制御基板21に取り付けられる。電子部品22の基端側の側面及び制御基板21の外面が、接着剤27によって固定される。
【0061】
次に、第4ケース3126の第4支持壁31dの内面に接着剤29が塗布される。この状態で、電子部品22の先端部が、第4ケース31の第4底壁31a及び第4ケース31の第3支持壁31bによって囲まれた空間に、配置される。また、制御基板21が第4支持壁31dに固定される。これにより、放熱シート9が、第4底壁31aの内面と電子部品22の先端面との間に、配置される。最後に、第3ケース30が、制御基板21を覆うように、第4ケース31に固定される。
【0062】
この場合、制御基板21及び電子部品22が第4ケース31に取り付けられる。この状態で、第3ケース30を第4ケース31に固定することによって、制御基板21及び電子部品22を第3ケース30及び第4ケース31の間の内部空間Sに容易に配置することができる。また、この場合においても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、電動式の車両に対して利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 鞍乗型車両
2 車体フレーム
7 電動モータ
8 制御ユニット
9 放熱シート
20 ケース部材
21 制御基板
22 電子部品
23,123 支持構造
25 第1ケース
26 第2ケース
26a 第2底壁
26b 第2支持壁
30 第3ケース
31 第4ケース
31a 第4底壁
31b 第3支持壁
S 内部空間