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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037453
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】光学部品およびスイッチ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/43 20060101AFI20240312BHJP
   H01H 13/00 20060101ALI20240312BHJP
   H01H 35/00 20060101ALI20240312BHJP
   H01L 31/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G02B6/43
H01H13/00 A
H01H35/00 U
H01H35/00 E
H01H35/00 F
H01L31/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142334
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】倉田 剛大
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正幸
(72)【発明者】
【氏名】岸 成信
(72)【発明者】
【氏名】仲畑 圭悟
【テーマコード(参考)】
2H137
5F889
5G055
5G206
【Fターム(参考)】
2H137AB01
2H137AB11
2H137AC11
2H137BA42
2H137BB02
2H137BB12
2H137BC02
2H137BC08
2H137BC10
2H137BC17
2H137BC51
2H137BC52
2H137FA06
5F889BB06
5F889BC02
5F889BC15
5F889BC16
5F889CA03
5F889CA17
5F889CA21
5F889DA14
5F889FA10
5G055AA02
5G055AB02
5G055AC01
5G055AD30
5G055AE22
5G055AG02
5G206AS27J
5G206AS27K
5G206AS27Z
5G206BS44Z
5G206RS35
5G206RS43
(57)【要約】
【課題】発光素子の位置ずれの影響を受けにくい光学部品などを提供する。
【解決手段】光学部品(10)は、第1入射面(11a)および第1出射面(11b)を備える発光側ライトガイド(11)と、第2入射面(12a)および第2出射面(12b)を備える受光側ライトガイド(12)と、を備え、第1入射面から入射した光を第1出射面に向けて反射させる第1反射面(11c)、および第2入射面から入射した光を第2出射面に向けて反射させる第2反射面(12c)を備え、第1出射面および第2入射面は集光機能を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子から出射された光を入射する第1入射面、および前記第1入射面から入射した光を遮光検知対象領域に対して出射させる第1出射面を備える発光側ライトガイドと、
前記発光側ライトガイドの第1出射面から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射する第2入射面、および前記第2入射面から入射した光を受光素子に対して出射させる第2出射面を備える受光側ライトガイドと、を備え、
前記第1入射面から入射した光を前記第1出射面に向けて反射させる第1反射面、および、前記第2入射面から入射した光を前記第2出射面に向けて反射させる第2反射面の少なくともいずれか1つを備え、
前記第1反射面、前記第1出射面、前記第2入射面、および、前記第2反射面の少なくともいずれか1つは、前記発光素子の発光点から出射した光の受光側焦点を持つ、または、前記受光素子の受光点に集光照射される光の発光側焦点を持つ集光機能を有する光学部品。
【請求項2】
発光素子から出射された光を集光して遮光検知対象領域に対して出射させる発光側集光部と、
前記発光側集光部から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射し、集光して受光素子に対して出射させる受光側集光部と、を備え、
前記発光側集光部による集光機能の一方の焦点は、前記発光側集光部の第1出射面から前記受光側集光部の第2入射面に至る光軸の中点を含み、該光軸に垂直な中間面よりも前記受光素子側となる領域に存在し、前記発光側集光部による集光機能の他方の焦点は、前記発光素子の位置であり、
前記受光側集光部による集光機能の一方の焦点は、前記中間面よりも前記発光素子側となる領域に存在し、前記受光側集光部による集光機能の他方の焦点は、前記受光素子の位置である光学部品。
【請求項3】
前記発光側集光部として、発光素子から出射された光を入射する第1入射面、前記第1入射面から入射した光を遮光検知対象領域に対して出射させる第1出射面を備える発光側ライトガイドと、
前記受光側集光部として、前記発光側ライトガイドの第1出射面から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射する第2入射面、前記第2入射面から入射した光を受光素子に対して出射させる第2出射面を備える受光側ライトガイドと、を備え、
前記第1入射面から入射した光を前記第1出射面に向けて反射させる第1反射面、および、前記第2入射面から入射した光を前記第2出射面に向けて反射させる第2反射面の少なくともいずれか1つを備え、
前記第1入射面、前記第1反射面、および、前記第1出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有するとともに、
前記第2入射面、前記第2反射面、および、前記第2出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有する請求項2に記載の光学部品。
【請求項4】
発光素子から出射された光を集光して遮光検知対象領域に対して出射させる発光側集光部と、
前記発光側集光部から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射し、集光して受光素子に対して出射させる受光側集光部と、
前記発光側集光部と前記受光側集光部との間の領域に、前記発光側集光部から出射し、前記受光側集光部に入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する開口部材と、
を備え、
前記発光側集光部による集光機能の中心位置から、該集光機能による前記発光素子の発光点から出射した光の受光側焦点までの距離を、前記中心位置から前記開口部材の位置までの距離で除した値を距離比率とすると、該距離比率は、0.5~3の範囲であり、
前記受光側集光部による集光機能による前記受光素子の受光点に集光照射される光の発光側焦点は、前記発光素子から前記発光側集光部の第1出射面と前記受光側集光部の第2入射面との中点に至る光軸を含む領域に存在する光学部品。
【請求項5】
前記発光側集光部として、発光素子から出射された光を入射する第1入射面、前記第1入射面から入射した光を遮光検知対象領域に対して出射させる第1出射面を備える発光側ライトガイドと、
前記受光側集光部として、前記発光側ライトガイドの第1出射面から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射する第2入射面、前記第2入射面から入射した光を受光素子に対して出射させる第2出射面を備える受光側ライトガイドと、を備え、
前記第1入射面から入射した光を前記第1出射面に向けて反射させる第1反射面、および、前記第2入射面から入射した光を前記第2出射面に向けて反射させる第2反射面の少なくともいずれか1つを備え、
前記第1入射面、前記第1反射面、および、前記第1出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有するとともに、
前記第2入射面、前記第2反射面、および、前記第2出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有する請求項4に記載の光学部品。
【請求項6】
前記距離比率は、0.6~2.3の範囲である請求項4に記載の光学部品。
【請求項7】
前記距離比率は、0.8~1.8の範囲である請求項4に記載の光学部品。
【請求項8】
前記開口部材が、複数設けられているとともに、
前記距離比率の算出に使用する前記開口部材の位置は、最も受光素子に近い側の前記開口部材の位置である請求項4に記載の光学部品。
【請求項9】
(1)前記第1出射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第2入射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記発光素子から前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、
(2)前記第2入射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第1出射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記第2入射面から前記受光素子までの距離よりも小さい、
の少なくともいずれか一方を満たす請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項10】
前記集光機能の焦点距離は、
(1)前記第1入射面から集光機能を有する前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、
(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離よりも小さい、
の少なくともいずれか一方を満たす請求項9に記載の光学部品。
【請求項11】
(1)前記第1出射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R11のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドおよび前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1出射面までの距離をL11とすると、
R11<L11×(n-1)
の関係を満たす、および、
(2)前記第2入射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R21のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2入射面から前記受光素子までの距離をL21とすると、
R21<L21×(n-1)
の関係を満たす、
の少なくともいずれか一方である請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項12】
(1)前記第1入射面から集光機能を有する前記第1出射面までの距離をL12とすると、
R11<L12×(n-1)
の関係を満たす、および、
(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離をL22とすると、
R21<L22×(n-1)
の関係を満たす、
の少なくともいずれか一方である請求項11に記載の光学部品。
【請求項13】
(1)前記第1反射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第2反射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記発光素子から前記第1反射面までの距離よりも小さい、および、
(2)前記第2反射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第1反射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記第2反射面から前記受光素子までの距離よりも小さい、
の少なくともいずれか一方を満たす請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項14】
前記集光機能の焦点距離は、
(1)前記第1入射面から前記第1反射面までの距離よりも小さい、および、
(2)前記第2反射面から前記第2出射面までの距離よりも小さい、
の少なくともいずれか一方を満たす請求項13に記載の光学部品。
【請求項15】
(1)前記第1反射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R12のレンズ形状となっており、前記発光素子から前記第1反射面までの距離をL13とし、前記第1反射面に入射した光の光軸と前記第1反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ1とすると、
R12<2×L13/cos(θ1/2)
の関係を満たす、および、
(2)前記第2反射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R22のレンズ形状となっており、前記第2反射面から前記受光素子までの距離をL23とし、前記第2反射面に入射した光の光軸と前記第2反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ2とすると、
R22<2×L23/cos(θ2/2)
の関係を満たす、
の少なくともいずれか一方である請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項16】
(1)前記第1入射面から前記第1反射面までの距離をL14とすると、
R12<2×L14/cos(θ1/2)
の関係を満たす、および、
(2)前記第2反射面から前記第2出射面までの距離をL24とすると、
R22<2×L24/cos(θ2/2)
の関係を満たす、
の少なくともいずれか一方である請求項15に記載の光学部品。
【請求項17】
(1)前記第1出射面および前記第1反射面が集光機能を有し、前記第1出射面および前記第1反射面を組み合わせた前記集光機能に前記第2入射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記発光素子から前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、
(2)前記第2入射面および前記第2反射面が集光機能を有し、前記第2入射面および前記第2反射面を組み合わせた前記集光機能に前記第1出射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記第2入射面から前記受光素子までの距離よりも小さい、
の少なくともいずれか一方を満たす請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項18】
(1)前記第1出射面および前記第1反射面を組み合わせた前記集光機能の焦点距離は、前記第1入射面からから集光機能を有する前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、
(2)前記第2入射面および前記第2反射面を組み合わせた前記集光機能の焦点距離は、前記集光機能を有する前記第2入射面から前記第2出射面までの距離よりも小さい、
の少なくともいずれか一方を満たす請求項17に記載の光学部品。
【請求項19】
(1)前記第1出射面および前記第1反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R13および曲率R14のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1出射面までの距離をL15とし、前記第1反射面に入射した光の光軸と前記第1反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ3とすると、
R13<L15×(n-1)またはR14<2×L15/cos(θ3/2)
の関係を満たす、および、
(2)前記第2入射面および前記第2反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R23および曲率R24のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2入射面から前記受光素子までの距離をL25とし、前記第2反射面に入射した光の光軸と前記第2反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ4とすると、
R23<L25×(n-1)またはR24<2×L25/cos(θ4/2)
の関係を満たす、
の少なくともいずれか一方である請求項1、3、または5のいずれか1項に記載の光学部品。
【請求項20】
(1)前記第1入射面から前記第1出射面までの距離をL16とすると、
R13<L16×(n-1)またはR14<2×L16/cos(θ3/2)
の関係を満たす、および、
(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離をL26とすると、
R23<L26×(n-1)またはR24<2×L26/cos(θ4/2)
の関係を満たす、
の少なくともいずれか一方である請求項19に記載の光学部品。
【請求項21】
(1)前記第1出射面および前記第1反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R13および曲率R14のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1出射面までの距離をL15とし、前記第1反射面から前記第1出射面までの距離をb3とし、前記第1反射面に入射した光の光軸と前記第1反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ3とすると、
(R13/(n-1))×(R14/(2×cos(θ3/2)))/(R13/(n-1)+R14/(2×cos(θ3/2))-b3)<L15
の関係を満たす、および、
(2)前記第2入射面および前記第2反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R23および曲率R24のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2入射面から前記受光素子までの距離をL25とし、前記第2入射面から前記第2反射面までの距離をb4とし、前記第2反射面に入射した光の光軸と前記第2反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ4とすると、
(R23/(n-1))×(R24/(2×cos(θ4/2)))/(R23/(n-1)+R24/(2×cos(θ4/2))-b4)<L25
の関係を満たす、
の少なくともいずれか一方である請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項22】
(1)前記第1入射面から前記第1出射面までの距離をL16とすると、
(R13/(n-1))×(R14/(2×cos(θ3/2)))/(R13/(n-1)+R14/(2×cos(θ3/2))-b3)<L16
の関係を満たす、および、
(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離をL26とすると、
(R23/(n-1))×(R24/(2×cos(θ4/2)))/(R23/(n-1)+R24/(2×cos(θ4/2))-b4)<L26
の関係を満たす、
の少なくともいずれか一方である請求項21に記載の光学部品。
【請求項23】
前記第1入射面および前記第2出射面の少なくともいずれか一方が集光機能を有する請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項24】
前記発光素子から前記第1入射面に至る光軸の方向と、前記第2出射面から前記受光素子に至る光軸の方向とがなす角が0°以上かつ60°以下である請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項25】
前記第1反射面および前記第2反射面の少なくともいずれか1つは、当該第1反射面または当該第2反射面に入射する光の光軸および反射する光の光軸を含む平面に平行な縦断面と、前記縦断面に垂直な横断面とのそれぞれの方向に集光機能を有し、前記横断面の曲率が、前記縦断面の曲率よりも大きい請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項26】
前記第1反射面および前記第2反射面の少なくともいずれか1つは、軸外し楕円曲面である請求項25に記載の光学部品。
【請求項27】
前記第1出射面と前記第2入射面との間の領域に、前記第1出射面から出射し、前記第2入射面に入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する開口部材を備える請求項1または3に記載の光学部品。
【請求項28】
前記第1反射面および前記第2反射面の少なくともいずれか1つの当該第1反射面または当該第2反射面に入射する光の光軸および反射する光の光軸を含む平面に平行な断面において、前記第1入射面の法線方向が、前記第1反射面からの光の出射方向と反対側に傾斜している、および、前記第2出射面の法線方向が、前記第2反射面に対する光の入射方向と反対側に傾斜している、の少なくともいずれか一方である請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項29】
前記遮光検知対象領域内に配置された状態と、前記遮光検知対象領域外に配置された状態とで切り替えられるシャッターをさらに備える請求項1、3、または5に記載の光学部品。
【請求項30】
前記第1出射面と前記第2入射面との間の領域に、前記第1出射面から出射し、前記第2入射面に入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する開口部材をさらに備え、
前記シャッターは、前記遮光検知対象領域外に配置された状態において前記開口部材との間で電気的な接点を有する請求項29に記載の光学部品。
【請求項31】
請求項29に記載の光学部品と、
前記シャッターの配置状態を切り替えるボタンと、
を備えるスイッチ。
【請求項32】
前記発光素子と、
前記受光素子と、
をさらに備える請求項31に記載のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部品、および当該光学部品を備えるスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光電式マイクロスイッチの一例が開示されている。当該スイッチは、発光素子、発光側ライトガイド、受光側ライトガイド、受光素子、押圧部材、および弾性片を備える。発光素子が発する光は、発光側ライトガイドおよび受光側ライトガイドにより受光素子へ導光される。押圧部材が押圧されると、弾性片の可動端が発光側ライトガイドと受光側ライトガイドとの間に出入りして、発光素子から受光素子へ導光される光の光束を変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】CN212305287U
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているスイッチは、発光素子から受光素子への導光の過程において、光のロスが大きいという問題がある。また、当該スイッチには、発光素子または受光素子の位置ずれに起因して、受光素子における受光量が変動するという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、光の利用効率を向上させ、かつ発光素子の位置ずれの影響を受けにくい光学部品などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光学部品は、発光素子から出射された光を入射する第1入射面、および前記第1入射面から入射した光を遮光検知対象領域に対して出射させる第1出射面を備える発光側ライトガイドと、前記発光側ライトガイドの第1出射面から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射する第2入射面、および前記第2入射面から入射した光を受光素子に対して出射させる第2出射面を備える受光側ライトガイドと、を備え、前記第1入射面から入射した光を前記第1出射面に向けて反射させる第1反射面、および、前記第2入射面から入射した光を前記第2出射面に向けて反射させる第2反射面の少なくともいずれか1つを備え、前記第1反射面、前記第1出射面、前記第2入射面、および、前記第2反射面の少なくともいずれか1つは、前記発光素子の発光点から出射した光の受光側焦点を持つ、または、前記受光素子の受光点に集光照射される光の発光側焦点を持つ集光機能を有する。
【0007】
上記の構成によれば、第1反射面、第1出射面、第2入射面、および第2反射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有しているので、発光素子から出射された光の利用効率を向上させることができる。よって、発光素子の光出力能力を低くすることが可能となり、コストを低減することができる。
【0008】
また、例えば発光側ライトガイドの発光素子からの光を入射する第1入射面に集光機能を設ける構成の場合、発光素子の位置ずれが生じていると、発光側ライトガイド内での光進行方向が大きくずれることになり、受光素子に到達する光量が低下するという問題がある。同様に、例えば受光側ライトガイドの受光素子へ光を出射する第2出射面に集光機能を設ける構成の場合、受光素子の位置ずれが生じていると、受光素子に到達する光量が低下するという問題がある。これは、発光素子または受光素子に接する面に集光機能を持たせると、素子の位置ずれによる発光側ライトガイドまたは受光側ライトガイドでの導光角度が大きく変化することにより、所望の光路とは異なる領域へ光が導光されることによるものである。
【0009】
これに対して、上記の構成によれば、第1反射面、第1出射面、第2入射面、および第2反射面の少なくともいずれか1つに集光機能を持たせているので、第1入射面または第2出射面に集光機能を持たせる必要がない。よって、上記の光量低下の問題は生じにくい。
【0010】
また、第1反射面、第1出射面、第2入射面、および第2反射面の少なくともいずれか1つに集光機能を持たせる場合、これらに集光機能を持たせない構成と比較して、発光素子に位置ずれが生じていたとしても、発光素子から受光素子に到る光の経路のずれ量を小さくすることができる。よって、発光素子の位置ずれの影響を受けにくい光学部品を提供することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、発光素子から出射された光を集光して遮光検知対象領域に対して出射させる発光側集光部と、前記発光側集光部から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射し、集光して受光素子に対して出射させる受光側集光部と、を備え、前記発光側集光部による集光機能の一方の焦点は、前記発光側集光部の第1出射面と前記受光側集光部の第2入射面に至る光軸の中点を含み、該光軸に垂直な中間面よりも前記受光素子側となる領域に存在し、前記発光側集光部による集光機能の他方の焦点は、前記発光素子の位置であり、前記受光側集光部による集光機能の一方の焦点は、前記中間面よりも前記発光素子側となる領域に存在し、前記受光側集光部による集光機能の他方の焦点は、前記受光素子の位置である。
【0012】
上記の構成によれば、発光側集光部および受光側集光部の両方が集光機能を有しているので、発光素子から出射された光の利用効率を向上させることができる。よって、発光素子の光出力能力を低くすることが可能となり、コストを低減することができる。
【0013】
また、発光側集光部の集光機能の一方の焦点が、中間面から受光素子に至る光軸を含む領域に存在するので、受光側で光軸周辺に光が広がるため、受光素子の位置ずれが生じていても受光素子における受光量を安定させることができる。同様に、受光側集光部の集光機能の一方の焦点が、発光素子から中間面に至る光軸を含む領域に存在するので、発光素子の位置ずれが生じていても受光素子における受光量を安定させることができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、前記発光側集光部として、発光素子から出射された光を入射する第1入射面、前記第1入射面から入射した光を遮光検知対象領域に対して出射させる第1出射面を備える発光側ライトガイドと、前記受光側集光部として、前記発光側ライトガイドの第1出射面から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射する第2入射面、前記第2入射面から入射した光を受光素子に対して出射させる第2出射面を備える受光側ライトガイドと、を備え、前記第1入射面から入射した光を前記第1出射面に向けて反射させる第1反射面、および、前記第2入射面から入射した光を前記第2出射面に向けて反射させる第2反射面の少なくともいずれか1つを備え、前記第1入射面、前記第1反射面、および、前記第1出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有するとともに、前記第2入射面、前記第2反射面、および、前記第2出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有する。
【0015】
上記の構成によれば、発光側ライトガイドおよび受光側ライトガイドの両方が集光機能を有しているので、発光素子から出射された光の利用効率を向上させることができる。よって、発光素子の光出力能力を低くすることが可能となり、コストを低減することができる。
【0016】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、発光素子から出射された光を集光して遮光検知対象領域に対して出射させる発光側集光部と、前記発光側集光部から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射し、集光して受光素子に対して出射させる受光側集光部と、前記発光側集光部と前記受光側集光部との間の領域に、前記発光側集光部から出射し、前記受光側集光部に入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する開口部材と、を備え、前記発光側集光部による集光機能の中心位置から、該集光機能による前記発光素子の発光点から出射した光の受光側焦点までの距離を、前記中心位置から前記開口部材の位置までの距離で除した値を距離比率とすると、該距離比率は、0.5~3の範囲であり、前記受光側集光部による集光機能による前記受光素子の受光点に集光照射される光の発光側焦点は、前記発光素子から前記発光側集光部の第1出射面と前記受光側集光部の第2入射面との中点に至る光軸を含む領域に存在する。
【0017】
上記の構成によれば、発光側集光部および受光側集光部の両方が集光機能を有しているので、発光素子から出射された光の利用効率を向上させることができる。よって、発光素子の光出力能力を低くすることが可能となり、コストを低減することができる。
【0018】
また、必要な領域以外が遮光されるので、ノイズ光が受光素子側に照射されることを低減することができる。よって、S/N比の高い光学部品を提供することができる。
【0019】
また、距離比率が0.5~3の範囲であるので、開口部材によって必要以上に遮光される割合を十分に小さくすることができる。よって、発光素子から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0020】
また、発光側集光部の集光機能の一方の焦点が上記の範囲にあることにより、受光側で光軸周辺に光が広がるため、受光素子の位置ずれが生じていても受光素子における受光量を安定させることができる。同様に、受光側集光部の集光機能の発光側焦点が、発光素子から発光側集光部の第1出射面と受光側集光部の第2入射面との中点に至る光軸を含む領域に存在するので、発光素子の位置ずれが生じていても受光素子における受光量を安定させることができる。
【0021】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、前記発光側集光部として、発光素子から出射された光を入射する第1入射面、前記第1入射面から入射した光を遮光検知対象領域に対して出射させる第1出射面を備える発光側ライトガイドと、前記受光側集光部として、前記発光側ライトガイドの第1出射面から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射する第2入射面、前記第2入射面から入射した光を受光素子に対して出射させる第2出射面を備える受光側ライトガイドと、を備え、前記第1入射面から入射した光を前記第1出射面に向けて反射させる第1反射面、および、前記第2入射面から入射した光を前記第2出射面に向けて反射させる第2反射面の少なくともいずれか1つを備え、前記第1入射面、前記第1反射面、および、前記第1出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有するとともに、前記第2入射面、前記第2反射面、および、前記第2出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有する。
【0022】
上記の構成によれば、発光側ライトガイドおよび受光側ライトガイドの両方が集光機能を有しているので、発光素子から出射された光の利用効率を向上させることができる。よって、発光素子の光出力能力を低くすることが可能となり、コストを低減することができる。
【0023】
また、本発明の一態様に係る光学部品において、前記距離比率は、0.6~2.3の範囲である。
【0024】
上記の構成によれば、開口部材によって必要以上に遮光される割合をさらに小さくすることができる。よって、発光素子から出射された光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0025】
また、本発明の一態様に係る光学部品において、前記距離比率は、0.8~1.8の範囲である。
【0026】
上記の構成によれば、開口部材によって必要以上に遮光される割合をさらに小さくすることができる。よって、発光素子から出射された光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0027】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、前記開口部材が、複数設けられているとともに、前記距離比率の算出に使用する前記開口部材の位置は、最も受光素子に近い側の前記開口部材の位置である。
【0028】
上記の構成によれば、開口部材が複数設けられている構成において、必要以上に遮光される割合をさらに小さくすることができる。よって、発光素子から出射された光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0029】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1出射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第2入射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記発光素子から前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2入射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第1出射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記第2入射面から前記受光素子までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0030】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を高い精度で受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0031】
また、本発明の一態様に係る光学部品において、前記集光機能の焦点距離は、(1)前記第1入射面から集光機能を有する前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0032】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、より受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0033】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1出射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R11のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドおよび前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1出射面までの距離をL11とすると、R11<L11×(n-1)の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R21のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2入射面から前記受光素子までの距離をL21とすると、R21<L21×(n-1)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0034】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、より受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0035】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1入射面から集光機能を有する前記第1出射面までの距離をL12とすると、R11<L12×(n-1)の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離をL22とすると、R21<L22×(n-1)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0036】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、さらに集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0037】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1反射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第2反射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記発光素子から前記第1反射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2反射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第1反射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記第2反射面から前記受光素子までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0038】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0039】
また、本発明の一態様に係る光学部品において、前記集光機能の焦点距離は、(1)前記第1入射面から前記第1反射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2反射面から前記第2出射面までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0040】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、より受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0041】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1反射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R12のレンズ形状となっており、前記発光素子から前記第1反射面までの距離をL13とし、前記第1反射面に入射する光の光軸と前記第1反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ1とすると、R12<2×L13/cos(θ1/2)の関係を満たす、および、(2)前記第2反射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R22のレンズ形状となっており、前記第2反射面から前記受光素子までの距離をL23とし、前記第2反射面に入射する光の光軸と前記第2反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ2とすると、R22<2×L23/cos(θ2/2)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0042】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、より受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0043】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1入射面から前記第1反射面までの距離をL14とすると、R12<2×L14/cos(θ1/2)の関係を満たす、および、(2)前記第2反射面から前記第2出射面までの距離をL24とすると、R22<2×L24/cos(θ2/2)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0044】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、さらに受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0045】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1出射面および前記第1反射面が集光機能を有し、前記第1出射面および前記第1反射面を組み合わせた前記集光機能に前記第2入射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記発光素子から前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2入射面および前記第2反射面が集光機能を有し、前記第2入射面および前記第2反射面を組み合わせた前記集光機能に前記第1出射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記第2入射面から前記受光素子までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0046】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、より受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0047】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1出射面および前記第1反射面を組み合わせた前記集光機能の焦点距離は、前記第1入射面からから集光機能を有する前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2入射面および前記第2反射面を組み合わせた前記集光機能の焦点距離は、前記集光機能を有する前記第2入射面から前記第2出射面までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0048】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、より受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0049】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1出射面および前記第1反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R13および曲率R14のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1出射面までの距離をL15とし、前記第1反射面に入射する光の光軸と前記第1反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ3とすると、R13<L15×(n-1)またはR14<2×L15/cos(θ3/2)の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面および前記第2反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R23および曲率R24のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2入射面から前記受光素子までの距離をL25とし、前記第2反射面に入射する光の光軸と前記第2反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ4とすると、R23<L25×(n-1)またはR24<2×L25/cos(θ4/2)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0050】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、より受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0051】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1入射面から前記第1出射面までの距離をL16とすると、R13<L16×(n-1)またはR14<2×L16/cos(θ3/2)の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離をL26とすると、R23<L26×(n-1)またはR24<2×L26/cos(θ4/2)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0052】
上記の構成によれば、発光素子から出射された光を、より受光素子に集光させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0053】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1出射面および前記第1反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R13および曲率R14のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1出射面までの距離をL15とし、前記第1反射面から前記第1出射面までの距離をb3とし、前記第1反射面に入射した光の光軸と前記第1反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ3とすると、(R13/(n-1))×(R14/(2×cos(θ3/2)))/(R13/(n-1)+R14/(2×cos(θ3/2))-b3)<L15の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面および前記第2反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R23および曲率R24のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2入射面から前記受光素子までの距離をL25とし、前記第2入射面から前記第2反射面までの距離をb4とし、前記第2反射面に入射した光の光軸と前記第2反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ4とすると、(R23/(n-1))×(R24/(2×cos(θ4/2)))/(R23/(n-1)+R24/(2×cos(θ4/2))-b4)<L25の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0054】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、(1)前記第1入射面から前記第1出射面までの距離をL16とすると、(R13/(n-1))×(R14/(2×cos(θ3/2)))/(R13/(n-1)+R14/(2×cos(θ3/2))-b3)<L16の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離をL26とすると、(R23/(n-1))×(R24/(2×cos(θ4/2)))/(R23/(n-1)+R24/(2×cos(θ4/2))-b4)<L26の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0055】
また、本発明の一態様に係る光学部品においては、前記第1入射面および前記第2出射面の少なくともいずれか一方が集光機能を有する。
【0056】
上記の構成によれば、さらに集光能力を向上させることができるので、発光素子から出射された光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0057】
また、本発明の一態様に係る光学部品においては、前記発光素子から前記第1入射面に至る光軸の方向と、前記第2出射面から前記受光素子に至る光軸の方向とがなす角が0°以上かつ60°以下である。
【0058】
上記の構成によれば、発光素子から出射した光が第1反射面および第2反射面で反射されて受光素子に照射される際に、発光素子からの発光の光軸と、受光素子での受光の光軸とが平行となる。すなわち、発光素子および受光素子を同一の基板面に配置して、発光素子からの発光の光軸の方向および受光素子での受光素子での受光の光軸の方向を、基板面に垂直な方向する構成を実現できる。このような構成は、1つの基板上に発光素子および受光素子を配置することにより容易に製造できる。
【0059】
また、本発明の一態様に係る光学部品において、前記第1反射面および前記第2反射面の少なくともいずれか1つは、当該第1反射面または当該第2反射面に入射する光の光軸および反射する光の光軸を含む平面に平行な縦断面と、前記縦断面に垂直な横断面とのそれぞれの方向に集光機能を有し、前記横断面の曲率が、前記縦断面の曲率よりも大きい。
【0060】
第1反射面および第2反射面において、縦断面では、反射により光軸の方向を大きく曲げているため、反射面に対する光の入射角が大きくなり、これに伴って光の入射角が0の場合よりも焦点距離は短くなる。一方、横断面では、光の入射角はほぼ0となっている。これに対し、上記の構成によれば、横断面の曲率が縦断面の曲率よりも大きいため、縦断面での焦点距離と横断面での焦点距離とを近づけることができる。よって、光の利用効率をより向上させることができる。
【0061】
また、本発明の一態様に係る光学部品において、前記第1反射面および前記第2反射面の少なくともいずれか1つは、軸外し楕円曲面である。
【0062】
上記の構成によれば、反射面が軸外し楕円曲面であることによって、一方の焦点から他方の焦点への集光効果を向上させることができる。
【0063】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、前記第1出射面と前記第2入射面との間の領域に、前記第1出射面から出射し、前記第2入射面に入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する開口部材を備える。
【0064】
上記の構成によれば、必要な領域以外が遮光されるので、ノイズ光が受光素子側に照射されることを低減することができる。よって、S/N比の高い光学部品を提供することができる。
【0065】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、前記第1反射面および前記第2反射面の少なくともいずれか1つの当該第1反射面または当該第2反射面に入射する光の光軸および反射する光の光軸を含む平面に平行な断面において、前記第1入射面の法線方向が、前記第1反射面からの光の出射方向と反対側に傾斜している、および、前記第2出射面の法線方向が、前記第2反射面に対する光の入射方向と反対側に傾斜している、の少なくともいずれか一方である。
【0066】
上記の構成によれば、第1反射面に対する発光素子からの光のみかけの入射角、および、第2反射面から受光素子に対する光のみかけの出射角の少なくともいずれか一方を大きくすることができる。これにより、反射面で全反射しやすくなるため、光の利用効率を向上することができる。
【0067】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、前記遮光検知対象領域内に配置された状態と、前記遮光検知対象領域外に配置された状態とで切り替えられるシャッターをさらに備える。
【0068】
上記の構成によれば、シャッターの動作を利用した光学スイッチを実現することができる。
【0069】
また、本発明の一態様に係る光学部品は、前記第1出射面と前記第2入射面との間の領域に、前記第1出射面から出射し、前記第2入射面に入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する開口部材をさらに備え、前記シャッターは、前記遮光検知対象領域外に配置された状態において前記開口部材との間で電気的な接点を有する。
【0070】
上記の構成によれば、シャッターが開口部材との間で電気的な接点を有するか否かにより、シャッターの配置状態をより確実に検出できる。
【0071】
また、本発明の一態様に係るスイッチは、上述したいずれかの態様の光学部品と、前記シャッターの配置状態を切り替えるボタンと、を備える。
【0072】
上記の構成によれば、消費電力が少なく、外部からの衝撃による素子の位置ずれなどに強いスイッチを提供することができる。
【0073】
また、本発明の一態様に係るスイッチは、前記発光素子と、前記受光素子と、をさらに備える。
【0074】
上記の構成によれば、スイッチが発光素子および受光素子を備えない場合と比較して、発光素子および受光素子と光学部品との位置関係を精度よく位置決めできる。
【発明の効果】
【0075】
本発明の一態様によれば、光の利用効率を向上させ、かつ発光素子の位置ずれの影響を受けにくい光学部品などを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】本発明に係るスイッチの一例の、概略を示す図である。
図2】本発明に係る光学部品の具体的な構成の一例を示す図である。
図3】本発明に係る光学部品による集光の例を示す図である。
図4】光学部品および発光素子における各部の距離を示す図である。
図5】第1出射面および第2入射面による集光機能の焦点について説明するための図である。
図6】第1出射面の焦点と、開口部材の位置との関係について説明するための図である。
図7】距離比率と光量比率との関係を示すグラフである。
図8】発光側ライトガイドにおいて、第1出射面以外の面が集光機能を有する例を示す図である。
図9】発光素子の位置ずれ量と受光素子における受光量との関係を示すグラフである。
図10】光学部品の第1の変形例の構成を示す図である。
図11】光学部品の第2の変形例の構成を示す図である。
図12】光学部品の第3~第6の変形例の構成を示す図である。
図13】集光機能を有する第1反射面の形状の例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【0078】
§1 適用例
図1は、本発明に係るスイッチ1の一例の、概略を示す図である。図1において、符号101は、スイッチ1の全体を示す図である。同図に示すスイッチ1は、ポインティングデバイスとしてのマウスのクリックを検出するスイッチを想定している。なお、スイッチ1は、マウスに設けられるスイッチに限定されるものではなく、同様の構造によって種々のスイッチに適用可能である。例えば、スイッチ1は、キーボードのキースイッチなどに適用することが可能である。
【0079】
符号102は、スイッチ1における光学部品10の近傍を示す拡大図である。図1に示すように、スイッチ1は、光学部品10およびボタン30を備える。また、スイッチ1は、発光素子21および受光素子22をさらに備える。ただし、スイッチ1は、外部の発光素子および受光素子と連動してもよく、その場合には発光素子21および受光素子22を備えなくてもよい。
【0080】
発光素子21は、光を出射させる素子である。発光素子21は、例えば発光ダイオードである。発光素子21が出射させる光は、例えば可視光または赤外光である。受光素子22は、受光した光量に応じた信号を出力する素子である。受光素子22は、例えばフォトダイオードまたはフォトトランジスタである。
【0081】
発光素子21および受光素子22を封止する樹脂は、光を拡散させない透明な物であってよい。また、発光素子21および受光素子22を封止する樹脂の表面は、平坦であってもよく、砲弾型であってもよい。
【0082】
以下の説明では、発光素子21が光を出射させる方向について、上方向と称する場合がある。また、受光素子22に光が入射する方向について、下方向と称する場合がある。
【0083】
ボタン30は、スイッチ1に対するユーザの操作を受け付ける部位である。ユーザの操作によりボタン30が押下されると、ボタン30の変位が内部へ伝達される。スイッチ1は、ボタン30の変位を内部に伝達するための板バネ31をさらに備えている。
【0084】
光学部品10は、発光側ライトガイド11と、受光側ライトガイド12と、を備える。発光側ライトガイド11は、発光素子21から出射された光を入射し、当該光を受光側ライトガイド12に対して出射させる。受光側ライトガイド12は、発光側ライトガイド11から出射された光を入射し、当該光を受光素子22に対して出射させる。発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12は、ポリカーボネートまたはアクリルといった透明な樹脂で形成されてよい。
【0085】
発光側ライトガイド11と受光側ライトガイド12との間に、遮光検知対象領域50が存在する。遮光検知対象領域50は、発光素子21と受光素子22との間の光路が遮られているか否かを検知する対象となる領域である。
【0086】
光学部品10は、シャッター13をさらに備えていてよい。シャッター13は、遮光検知対象領域50内に配置された状態と、遮光検知対象領域50外に配置された状態とで切り替えられる。したがって、シャッター13の動作を利用した光学スイッチを実現することができる。具体的には、シャッター13は、板バネ31を介してボタン30と連動している。ボタン30が操作されることで、シャッター13が移動して、シャッター13の配置状態が上述したいずれかの状態に切り替わる。スイッチ1においては、シャッター13が遮光検知対象領域50の内外いずれに配置された状態であるかを、受光素子22が出力する信号により検知できる。
【0087】
より具体的には、シャッター13は、板状の部材である。シャッター13には、光軸の方向に貫通するシャッター開口13aが設けられている。シャッター開口13aの形状は、例えば開口の重心を通りシャッター13の移動方向に概平行な開口幅と、シャッター13の移動方向に概垂直な開口幅を比べた時に、概平行な開口幅>概垂直な開口幅であっても良い。また、シャッター開口13aの形状は、矩形であっても良いし、当該矩形の頂点を曲線とした形状であっても良い。
【0088】
シャッター開口13aの面積が大きくなると、受光素子22における受光量が増大する。しかし、シャッター開口13aの移動方向に垂直な方向における幅が過大になると、S/N比が低下する。一方で、シャッター開口13aの移動方向に水平な方向における幅が大きくなっても、S/N比には影響しない。このため、シャッター13の移動方向に概平行な開口幅>シャッター13の移動方向に概垂直な開口幅とすることで、S/N比の低下を抑制し、かつ受光量を増大させることができる。
【0089】
ボタン30が押下されていない状態では、シャッター13は、遮光検知対象領域50内に配置された状態である。一方、ボタン30が押下された状態においては、シャッター開口13aが遮光検知対象領域50内に配置される。このとき、シャッター13は、遮光検知対象領域50外に配置された状態となる。
【0090】
ただし、必ずしも光学部品10がシャッター13を備えていなくても、スイッチ1全体としてシャッター13を備えていればよい。シャッター13は、例えばボタン30の一部であってもよい。
【0091】
また、シャッター13は、必ずしもシャッター開口13aを有しなくてもよい。その場合、例えばシャッター13は、ボタン30が押下されていない状態では遮光検知対象領域50外に配置され、ボタン30が押下されることで遮光検知対象領域50内に配置される、板状の部材であってもよい。この場合には、ボタン30が押下されていない状態で光が通過できる領域を、開口と見なしてよい。
【0092】
光学部品10は、開口部材14をさらに備えていてよい。開口部材14は、第1出射面11bと第2入射面12aとの間の領域において、シャッター13よりも第2入射面12a側に位置してよい。開口部材14は、不透明な材料で形成されていてよい。
【0093】
開口部材14は、開口14aを有する。第1出射面11bから出射し、第2入射面12aに入射する光の光軸は、開口14aを通過する。開口部材14は、第1出射面11bから出射し、第2入射面12aに入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する。これにより、発光素子21から出射された光以外のノイズ光が受光素子22に入射することを低減できる。よって、光学部品10のS/N比を向上させることができる。
【0094】
また、シャッター13がシャッター開口13aを有し、かつ光がシャッター開口13aを通過する場合には、シャッター13によりノイズ光が低減される。この場合には、光学部品10は、必ずしも開口部材14を備えていなくてもよい。
【0095】
また、スイッチ1においては、開口部材14は、ボタン30が押下されることによるシャッター13の移動範囲の下限を規定するシャッター受けとしても機能してよい。具体的には、シャッター13の一部が、シャッター13の移動方向における開口部材14の上方へ延在していてよい。これにより、シャッター13は、ボタン30が押下されても、シャッター13が開口部材14に当接する位置よりも下側へは移動しない。シャッター開口13aは、シャッター13が開口部材14に当接する位置において、遮光検知対象領域50に位置するように形成されている。したがって、開口部材14がシャッター受けとしても機能することで、ボタン30が押下された状態においてシャッター13が遮光検知対象領域50に位置する状態となる可能性が低減される。
【0096】
また、この場合、シャッター13は、遮光検知対象領域50外に配置された状態において、開口部材14との間で電気的な接点を有していてもよい。この場合、スイッチ1においては、(i)受光素子22による光量の検出、および(ii)シャッター13と開口部材14との間での電気的な接点の有無、の両方によりボタン30の押下を検出できる。したがって、上記の(i)および(ii)のうち、いずれか一方によるボタン30の押下の検出に異常が生じても、他方によりボタン30の押下を検出できる。すなわち、ボタン30の押下をより確実に検出できる。また、必要に応じて上記の(i)および(ii)のうちいずれか一方のみによりボタン30の押下を検出してもよい。
【0097】
ただし、スイッチ1は、シャッター受けとして機能する部材を開口部材14とは別に備えていてもよい。その場合には、開口部材14はシャッター受けとして機能する必要はない。
【0098】
また、スイッチ1において、シャッター13が開口部材14に当接した状態で、ボタン30がさらに押下された場合には、板バネ31が変形する。これにより、ボタン30が過度に押下されることに起因して、ボタン30、シャッター13または開口部材14が破損する可能性が低減される。
【0099】
§2 構成例
図2は、光学部品10の具体的な構成の一例を示す図である。図2を用いて、光学部品10の具体的な構成の一例について説明する。
【0100】
発光側ライトガイド11は、第1入射面11aおよび第1出射面11bを備える。第1入射面11aは、発光素子21から出射された光を発光側ライトガイド11に入射する面である。第1出射面11bは、第1入射面11aから発光側ライトガイド11に入射した光を遮光検知対象領域50に対して出射させる面である。
【0101】
また、発光側ライトガイド11は、第1反射面11cをさらに備える。第1反射面11cは、発光側ライトガイド11内において、第1入射面11aから入射した光を第1出射面11bに向けて反射させる面である。
【0102】
受光側ライトガイド12は、第2入射面12aおよび第2出射面12bを備える。第2入射面12aは、発光側ライトガイド11の第1出射面11bから出射され、遮光検知対象領域50を通過した光を受光側ライトガイド12に入射する面である。第2出射面12bは、第2入射面12aから受光側ライトガイド12に入射した光を受光素子22に対して出射させる面である。
【0103】
また、受光側ライトガイド12は、第2反射面12cをさらに備える。第2反射面12cは、受光側ライトガイド12内において、第2入射面12aから入射した光を第2出射面12bに向けて反射させる面である。
【0104】
図2に示す例では、第1出射面11bおよび第2入射面12aは、集光機能を有する。「集光機能を有する」とは、発光素子21の発光点から出射した光の受光側焦点を持つ、または、受光素子22の受光点に集光照射される光の発光側焦点を持つことを意味する。具体的には、第1出射面11bおよび第2入射面12aは、レンズ形状となっている。換言すれば、第1出射面11bは、発光素子21から出射された光を集光して遮光検知対象領域50に対して出射させる発光側集光部である。また、第2入射面12aは、第1出射面11bから出射され、遮光検知対象領域50を通過した光を入射し、集光して受光素子22に対して出射させる受光側集光部である。
【0105】
第1出射面11bの集光機能に第2入射面12a側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、発光素子21から第1出射面11bまでの距離よりも小さくてよい。第2入射面12aの集光機能に第1出射面11b側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、第2入射面12aから受光素子22までの距離よりも小さくてよい。光学部品10においては、第1出射面11bの集光機能に第2入射面12a側から平行光を入射させた場合の焦点距離および第2入射面12aの集光機能に第1出射面11b側から平行光を入射させた場合の焦点距離の、少なくともいずれか一方が上記の条件を満たしていればよい。
【0106】
これにより、発光素子21から第1出射面11bまでの距離が、第1出射面11bの焦点距離よりも大きくなる。または、第2入射面12aから受光素子22までの距離が、第2入射面12aの焦点距離よりも大きくなる。したがって、発光素子21から出射された光を、高い精度で受光素子22に集光させることができ、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0107】
また、第1出射面11bの集光機能の焦点距離は、第1入射面11aから第1出射面11bまでの距離よりも小さくてよい。第2入射面12aの集光機能の焦点距離は、第2入射面12aから第2出射面12bまでの距離よりも小さくてよい。光学部品10においては、第1出射面11bの集光機能の焦点距離および第2入射面12aの集光機能の焦点距離の、少なくともいずれか一方が上記の条件を満たしていればよい。
【0108】
これにより、第1出射面11bの集光機能の焦点距離および第2入射面12aの集光機能の焦点距離の両方が上述した関係を満たさない場合と比較して、発光素子21から出射された光を、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0109】
図3は、光学部品10による集光の例を示す図である。図3において、符号301は、発光素子21に位置ずれが生じていない場合における、光学部品10による集光の例を示す図である。符号302は、発光素子21に受光素子22から離隔する側への位置ずれが生じている場合における、光学部品10による集光の例を示す図である。符号303は、発光素子21に受光素子22へ接近する側への位置ずれが生じている場合における、光学部品10による集光の例を示す図である。
【0110】
符号301~303のいずれの例においても、発光素子21から出射された光は、光軸が受光素子22を通過するように集光される。このように、光学部品10によれば、発光素子21から出射された光を受光素子22に集光させ、光の利用効率を向上させることができる。
【0111】
図4は、光学部品10および発光素子21における各部の距離を示す図である。図4には、光学部品10および発光素子21における各部の距離が以下のとおり示されている。
・a11は、発光素子21から第1反射面11cまでの距離である。
・a12は、第1入射面11aから第1反射面11cまでの距離である。
・b1は、第1反射面11cから第1出射面11bまでの距離である。
・a21は、第2反射面12cから受光素子22までの距離である。
・a22は、第2反射面12cから第2出射面12bまでの距離である。
・b2は、第2入射面12aから第2反射面12cまでの距離である。
【0112】
第1出射面11bが少なくとも光軸を含む領域において曲率R11のレンズ形状となっているものとし、発光側ライトガイド11の屈折率をnとし、発光素子21から第1出射面11bまでの距離a11+b1をL11とする。このとき、発光側ライトガイド11は、R11<L11×(n-1)の関係を満たしてよい。また、第2入射面12aが少なくとも光軸を含む領域において曲率R21のレンズ形状となっているものとし、受光側ライトガイド12の屈折率をnとし、第2入射面12aから受光素子22までの距離a21+b2をL21とする。このとき、受光側ライトガイド12は、R21<L21×(n-1)の関係を満たしてよい。光学部品10においては、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の少なくともいずれか一方が、上述した関係を満たしていればよい。
【0113】
これにより、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の両方が上述した関係を満たさない場合と比較して、発光素子21から出射された光を、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0114】
第1出射面11bおよび第2入射面12aは、球面形状であってもよく、非球面形状であってもよい。第1出射面11bおよび第2入射面12aの、光軸を含む領域の集光に有意に影響しない微小範囲については、平面であってもよい。
【0115】
また、発光側ライトガイド11は、R11<L11×(n-1)の代わりに、R11<0.8×L11×(n-1)を満たしてもよく、R11<0.6×L11×(n-1)を満たしてもよい。受光側ライトガイド12は、R21<L21×(n-1)の代わりに、R21<0.8×L21×(n-1)を満たしてもよく、R21<0.6×L21×(n-1)を満たしてもよい。
【0116】
また、第1入射面11aから第1出射面11bまでの距離a12+b1をL12とする。このとき、発光側ライトガイド11は、R11<L12×(n-1)の関係を満たしてよい。また、第2入射面12aから第2出射面12bまでの距離a22+b2をL22とする。このとき、受光側ライトガイド12は、R21<L22×(n-1)の関係を満たしてよい。光学部品10においては、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の少なくともいずれか一方が、上述した関係を満たしていればよい。
【0117】
これにより、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の両方が上述した関係を満たさない場合と比較して、発光素子21から出射された光を、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0118】
発光側ライトガイド11は、R11<L12×(n-1)の代わりに、R11<0.8×L12×(n-1)を満たしてもよく、R11<0.6×L12×(n-1)を満たしてもよい。受光側ライトガイド12は、R21<L22×(n-1)の代わりに、R21<0.8×L22×(n-1)を満たしてもよく、R21<0.6×L22×(n-1)を満たしてもよい。
【0119】
第1反射面11cに入射する光の光軸および反射する光の光軸を含む平面に平行な断面において、第1入射面11aの法線方向は、第1反射面11cからの光の出射方向と反対側に傾斜していてよい。また、第2反射面12cに入射する光の光軸および反射する光の光軸を含む平面に平行な断面において、第2出射面12bの法線方向は、第2反射面12cに対する光の入射方向と反対側に傾斜していてよい。光学部品10においては、第1入射面11aおよび第2出射面12bの、少なくともいずれか1つが上記のとおり傾斜していればよい。
【0120】
これにより、第1反射面11cに対する発光素子21からの光の見かけの入射角、および、第2反射面12cから受光素子22に対する光の見かけの出射角の少なくともいずれか一方を、法線方向が傾斜していない場合よりも大きくすることができる。したがって、第1反射面11cまたは第2反射面12cにおいて光が全反射されやすくなり、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0121】
図5は、第1出射面11bおよび第2入射面12aによる集光機能の焦点について説明するための図である。図5において、矢印501は、第1出射面11bによる集光機能の、一方の焦点が存在する区間を示す。矢印502は、第2入射面12aによる集光機能の、一方の焦点が存在する区間を示す。
【0122】
図5には、中間面503が示されている。中間面503は、第1出射面11bから第2入射面12aに至る光軸の中点を含み、かつ光軸に垂直な面である。具体的には、中間面503は、第1出射面11bおよび前記第2入射面12aの、光軸上の面に平行な面である。
【0123】
第1出射面11bによる集光機能の一方の焦点は、矢印501で示すように、中間面503よりも受光素子22側となる領域に存在してよい。また、第2入射面12aによる集光機能の一方の焦点は、矢印502で示すように、中間面503よりも発光素子21側となる領域に存在してよい。ここで、第1出射面11bによる集光機能の他方の焦点は、発光素子21の位置である。また、第2入射面12aによる集光機能の他方の焦点は、受光素子22の位置である。
【0124】
この場合、第1出射面11bによる集光機能の一方の焦点が、中間面503から受光素子22に至る光軸を含む領域に存在するので、受光側で光軸周辺に光が広がる。このため、受光素子22の位置ずれが生じていても受光素子22における受光量を安定させることができる。また、第2入射面12aによる集光機能の一方の焦点が、発光素子21から中間面503に至る光軸を含む領域に存在するので、発光素子21の位置ずれが生じていても受光素子22における受光量を安定させることができる。
【0125】
上述した第1出射面11bによる集光機能の一方の焦点は、中間面503と第2入射面12aとの中間から、第2入射面12aと受光素子22との中間までの、光軸を含む領域に存在していてもよい。また、第1出射面11bによる集光機能の一方の焦点は、第2入射面12a上に存在していてもよい。
【0126】
上述した第2入射面12aによる集光機能の一方の焦点は、発光素子21と第1出射面11bとの中間から、第1出射面11bと中間面503との中間までの、光軸を含む領域に存在していてもよい。また、第2入射面12aによる集光機能の一方の焦点は、第1出射面11b上に存在していてもよい。
【0127】
図6は、第1出射面11bの焦点Fと、開口部材14の位置との関係について説明するための図である。図6においては、シャッター13を省略している。図6において、符号601は、焦点Fが開口部材14に位置する場合の例を示す図である。符号602は、焦点Fが開口部材14よりも第1出射面11bに近い場合の例を示す図である。符号603は、焦点Fが開口部材14よりも第1出射面11bから遠い場合の例を示す図である。
【0128】
符号601に示すように、焦点Fが開口部材14に位置する場合には、開口14aを通過する光量が最大となる。符号602および符号603に示すように、焦点Fが開口部材14とは異なる位置に位置する場合には、焦点Fが開口部材14に位置する場合と比較して、開口14aを通過する光量が小さくなる。焦点Fの位置の、開口部材14の位置からの変位量が同じであれば、第1出射面11b側に位置する場合よりも逆側に位置する場合の方が、開口部材14により遮光される光量が小さくなる。
【0129】
図7は、距離比率と光量比率との関係を示すグラフである。距離比率とは、第1出射面11bの位置(集光機能の中心位置)から該集光機能の焦点Fまでの距離を、第1出射面11bの位置から開口部材14の位置までの距離で除した値である。ここでいう焦点Fは、発光側集光部においては受光側焦点であり、受光側集光部においては発光側焦点である。光量比率とは、発光素子21から出射された光量に対する、受光素子22が受光した光量の比率である。図7において、横軸が距離比率を示し、縦軸が光量比率を示す。また、シャッター13がシャッター開口13aを有し、ノイズ光を低減する機能を有する場合には、開口部材14の位置の代わりにシャッター13の位置を距離比率の算出に用いてもよい。
【0130】
また、シャッター13は、上述したように、ボタン30が押下されていない状態では遮光検知対象領域50外に配置され、ボタン30が押下されることで遮光検知対象領域50内に配置される、板状の部材であってもよい。その場合も、光軸上におけるシャッター13の位置を距離比率の算出に用いてもよい。
【0131】
距離比率は、0.5~3の範囲であってよい。距離比率をこの範囲とすることで、光量比率が70%以上となる。したがって、ノイズ光でない光が開口部材14により遮光される比率が30%以下となり、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0132】
また、距離比率は、0.6~2.3の範囲であってよい。距離比率をこの範囲とすることで、光量比率が80%以上となる。したがって、ノイズ光でない光が開口部材14により遮光される比率が20%以下となり、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0133】
また、距離比率は、0.8~1.8の範囲であってよい。距離比率をこの範囲とすることで、光量比率が90%以上となる。したがって、ノイズ光でない光が開口部材14により遮光される比率が10%以下となり、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0134】
光学部品10においては、開口部材14が複数設けられていてもよい。この場合、距離比率の算出に使用する開口部材14の位置は、最も受光素子22に近い側の開口部材14の位置であってよい。上述したとおり、焦点Fの位置の、開口部材14の位置からの変位量が同じであれば、第1出射面11b側に変位するよりも逆側に変位した方が、開口部材14により遮光される光量が小さくなる。したがって、最も受光素子22に近い側の開口部材14の位置を、距離比率の算出に使用することで、当該開口部材14によりノイズ光でない光が遮光される比率を低減するとともに、当該開口部材14以外の開口部材14により遮光される光量も小さくできる。
【0135】
光学部品10においては、発光素子21から第1入射面11aに至る光軸の方向と、第2出射面12bから受光素子22に至る光軸の方向とがなす角が0°以上かつ60°以下であってよい。この場合、発光素子21および受光素子22を同一の基板面に配置して、発光素子21からの発光の光軸の方向および受光素子22での受光の光軸の方向を、基板面に対して実質的に垂直な方向とすることができる。したがって、光学部品10と組み合わせられる発光素子21および受光素子22を、基板上に配置することで容易に実現できる。
【0136】
(光学部品10の効果)
以上のとおり、光学部品10によれば、発光素子21および受光素子22に位置ずれが生じても、受光素子22における受光量を安定させることができる。すなわち、発光素子21および受光素子22の位置ずれの影響を受けにくくすることができる。
【0137】
また、光学部品10によれば、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。したがって、スイッチ1における、発光素子21による消費電力を低減することができる。さらに、外部からの衝撃による素子の位置ずれなどに強いスイッチ1を提供できる。
【0138】
§3 変形例
(集光機能を有する面の変形例)
図8は、発光側ライトガイド11において、第1出射面11b以外の面が集光機能を有する例を示す図である。図8において、符号801および符号802はそれぞれ、第1出射面11b以外の面が集光機能を有する、互いに異なる例を示す。
【0139】
発光側ライトガイド11においては、符号801に示すように、第1出射面11bではなく、第1入射面11aがレンズ形状を有していてもよい。また、符号802に示すように、第1出射面11bおよび第1入射面11aがレンズ形状を有するのではなく、第1反射面11cが焦点を有する曲面形状を有していてもよい。
【0140】
受光側ライトガイド12においても、第2入射面12aではなく、第2出射面12bがレンズ形状を有していてもよい。また、第2入射面12aおよび第2出射面12bがレンズ形状を有するのではなく、第2反射面12cが焦点を有する形状を有していてもよい。
【0141】
すなわち、光学部品10においては、第1入射面11a、第1反射面11c、および第1出射面11bの少なくともいずれか1つが集光機能を有していればよい。また、光学部品10においては、第2入射面12a、第2反射面12c、および第2出射面12bの少なくともいずれか1つが集光機能を有していればよい。これにより、光学部品10が当該構成を有しない場合と比較して、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0142】
光学部品10においては、発光側ライトガイドおよび受光側ライトガイドの両方が集光機能を有していることで、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。また、発光素子21の光出力能力を低くすることが可能となり、コストを低減することができる。ただし、光学部品10においては、必ずしも発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12のそれぞれが集光機能を有する面を備えなくてもよい。
【0143】
(集光機能を有する面と受光量との関係)
図9は、発光素子21の位置ずれ量(以下、単に位置ずれ量と称する場合がある)と受光素子22における受光量(以下、単に受光量と称する場合がある)との関係を示すグラフである。図9において、横軸は位置ずれ量(単位:mm)を示し、縦軸は受光量(単位:任意)を示す。図9において、符号901は、発光側ライトガイド11において、第1入射面11a、第1反射面11c、第1出射面11b、第2入射面12a、第2反射面12c、および第2出射面12bのいずれも集光機能を有しないスイッチ1の例を示すグラフである。符号902は、第1出射面11bおよび第2入射面12aが集光機能を有するスイッチ1の例を示すグラフである。符号903は、第1反射面11cおよび第2反射面12cが集光機能を有するスイッチ1の例を示すグラフである。符号904は、第1入射面11aおよび第2出射面12bが集光機能を有するスイッチ1の例を示すグラフである。
【0144】
なお、上記の位置ずれ量に関して、図4に示す構成において、a11およびa21を、それぞれ3mmとし、a12およびa22を、それぞれ2.2mmとし、b1およびb2を、それぞれ0.6mmとし、第1出射面11bから第2入射面12aまでの距離を、2.3mmとし、発光素子21から受光素子22までの光軸を含む平面における、第1入射面11aおよび第2出射面12bの幅を、それぞれ1.2mmとした構成を想定している。
【0145】
符号901に示すように、第1入射面11a、第1反射面11c、および第1出射面11bのいずれも集光機能を有しないスイッチ1の受光量は、位置ずれ量の大小に関わらず4種類のスイッチ1のうちで最も少ない。符号902に示すように、第1出射面11bが集光機能を有するスイッチ1の受光量は、位置ずれ量の大小に関わらず、第1入射面11a、第1反射面11c、および第1出射面11bのいずれも集光機能を有しないスイッチ1よりも多い。符号903に示すように、第1反射面11cが集光機能を有するスイッチ1の受光量は、位置ずれ量の大小に関わらず、第1出射面11bが集光機能を有する場合の受光量よりもさらに大きい。
【0146】
符号904に示すように、第1入射面11aが集光機能を有するスイッチ1の受光量は、位置ずれ量が小さい場合には4種類のスイッチ1のうちで最も大きい。しかし、位置ずれ量が0.1mm~0.2mmの範囲において、第1入射面11aが集光機能を有するスイッチ1の受光量は急速に減少する。位置ずれ量が0.2mm以上の範囲では、第1入射面11aが集光機能を有するスイッチ1の受光量は、第1出射面11bが集光機能を有するスイッチ1の受光量、および第1反射面11cが集光機能を有するスイッチ1の受光量よりも小さくなる。ただし、発光素子21の位置ずれ量が0.3mmであっても、第1入射面11a、第1反射面11c、および第1出射面11bのいずれも集光機能を有しないスイッチ1よりは、第1入射面11aが集光機能を有するスイッチ1の方が、受光量が多い。
【0147】
また、スイッチ1において、第1出射面11bおよび第2入射面12aのうちいずれか一方のみが集光機能を有する場合における、位置ずれ量と受光量との関係は、符号902に示した、第1出射面11bおよび第2入射面12aの両方が集光機能を有するスイッチ1の例と同様である。第1反射面11cおよび第2反射面12cのうちいずれか一方のみが集光機能を有する場合における、位置ずれ量と受光量との関係は、符号903に示した、第1反射面11cおよび第2反射面12cの両方が集光機能を有するスイッチ1の例と同様である。第1入射面11aおよび第2出射面12bのうちいずれか一方のみが集光機能を有する場合における、位置ずれ量と受光量との関係は、符号904に示した、第1入射面11aおよび第2出射面12bが集光機能を有するスイッチ1の例と同様である。
【0148】
以上により、光学部品10においては、第1反射面11c、第1出射面11b、第2入射面12a、および第2反射面12cの少なくともいずれか1つが集光機能を有していてよい。これにより、第1反射面11c、第1出射面11b、第2入射面12a、および第2反射面12cのいずれも集光機能を有しない場合と比較して、光の利用効率を向上させることができる。よって、発光素子の光出力能力を低くすることが可能となり、コストを低減することができる。
【0149】
また、例えば第1入射面11aに集光機能を設ける構成の場合、発光素子21の位置ずれが生じていると、発光側ライトガイド11内での光進行方向が大きくずれることになり、受光素子22に到達する光量が低下するという問題がある。その結果、符号904で示したように、位置ずれ量の増加に伴って受光量が急激に低下したと考えられる。同様に、例えば第2出射面12bに集光機能を設ける構成の場合、受光素子22の位置ずれが生じていると、受光素子22に到達する光量が低下するという問題がある。これは、発光素子21または受光素子22に接する面に集光機能を持たせると、素子の位置ずれによる発光側ライトガイド11または受光側ライトガイド12での導光角度が大きく変化することにより、所望の光路とは異なる領域へ光が導光されることによるものである。
【0150】
光学部品10においては、第1反射面11c、第1出射面11b、第2入射面12a、および第2反射面12cの少なくともいずれか1つに集光機能を持たせることで、必ずしも第1入射面11aまたは第2出射面12bに集光機能を持たせる必要がない。よって、発光素子21または受光素子22の位置ずれに起因する光量低下の問題は生じにくい。
【0151】
また、光学部品10においては、第1反射面11c、第1出射面11b、第2入射面12a、および第2反射面12cのいずれも集光機能を有しない場合と比較して、発光素子21に位置ずれが生じたとしても、発光素子21から受光素子22に到る光の経路のずれ量を小さくすることができる。よって、発光素子21の位置ずれの影響を受けにくい光学部品を提供することができる。
【0152】
ただし、光学部品10においては、第1入射面11aおよび第2出射面12bの少なくともいずれか一方が集光機能を有していてもよい。これにより、発光素子21から出射された光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0153】
(第1反射面11cおよび第2反射面12cの少なくともいずれか一方が集光機能を有する場合)
図10は、光学部品10の第1の変形例である、光学部品10Aの構成を示す図である。スイッチ1における光学部品10Aと発光素子21および受光素子22との位置関係を明確にするため、図10においては発光素子21および受光素子22についても併せて示している。
【0154】
光学部品10Aにおいては、第1反射面11cおよび第2反射面12cのそれぞれが集光機能を有する。ただし、上述したとおり、光学部品10Aにおいては、必ずしも第1反射面11cおよび第2反射面12cの両方が集光機能を有しなくてもよく、少なくともいずれか一方が集光機能を有していればよい。
【0155】
第1反射面11cが集光機能を有する場合、第1反射面11cの集光機能に第2反射面12c側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、発光素子21から第1反射面11cまでの距離よりも小さくてよい。第2反射面12cが集光機能を有する場合、第2反射面12cの集光機能に第1反射面11c側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、第2反射面12cから受光素子22までの距離よりも小さくてよい。これにより、発光素子21から第1反射面11cまでの距離が、第1反射面11cの焦点距離よりも大きくなる。または、第2反射面12cから受光素子22までの距離が、第2反射面12cの焦点距離よりも大きくなる。したがって、発光素子21から出射された光を、受光素子22に集光させることができ、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。
【0156】
また、第1反射面11cの集光機能に第2反射面12c側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、発光素子21から第1反射面11cまでの距離よりも小さくてよい。第2反射面12cが集光機能を有する場合、第2反射面12cの集光機能に第1反射面11c側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、第2反射面12cから受光素子22までの距離よりも小さくてよい。これにより、発光素子21から出射された光を、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0157】
光学部品10Aにおいて、第1反射面11cが少なくとも光軸を含む領域において曲率R12のレンズ形状となっているものとし、発光側ライトガイド11の屈折率をnとし、発光素子21から第1反射面11cまでの距離をL13とする。また、第1反射面11cに入射する光の光軸と第1反射面11cで反射された光の光軸とがなす角をθ1とする。このとき、発光側ライトガイド11は、R12<2×L13/cos(θ1/2)の関係を満たしていてよい。また、第2反射面12cが少なくとも光軸を含む領域において曲率R22のレンズ形状となっているものとし、受光側ライトガイド12の屈折率をnとし、第2反射面12cから受光素子22までの距離をL23とする。また、第2反射面12cに入射する光の光軸と第2反射面12cで反射された光の光軸とがなす角をθ2とする。このとき、受光側ライトガイド12は、R22<2×L23/cos(θ2/2)の関係を満たしていてよい。光学部品10Aは、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の少なくともいずれか一方について、上記の関係を満たしていればよい。
【0158】
これにより、光学部品10Aが発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の両方について上記の関係を満たさない場合と比較して、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0159】
第1反射面11cおよび第2反射面12cは、球面形状であってもよく、非球面形状であってもよい。第1反射面11cおよび第2反射面12cの、光軸を含む領域の集光に有意に影響しない微小範囲については、平面であってもよい。
【0160】
また、光学部品10Aは、発光側ライトガイド11について、R12<2×L13/cos(θ1/2)を満たす代わりに、R12<0.8×2×L13/cos(θ1/2)を満たしてもよく、R12<0.6×2×L13/cos(θ1/2)を満たしてもよい。光学部品10Aは、受光側ライトガイド12について、R22<2×L23/cos(θ2/2)を満たす代わりに、R22<0.8×2×L23/cos(θ2/2)を満たしてもよく、R22<0.6×2×L23/cos(θ2/2)を満たしてもよい。
【0161】
また、光学部品10Aにおいて、第1入射面11aから第1反射面11cまでの距離をL14とする。このとき、発光側ライトガイド11は、R12<2×L14/cos(θ1/2)の関係を満たしていてよい。また、光学部品10Aにおいて、第2反射面12cから第2出射面12bまでの距離をL24とすると、受光側ライトガイド12は、R22<2×L24/cos(θ2/2)の関係を満たしていてよい。光学部品10Aは、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の少なくともいずれか一方について、上記の関係を満たしていればよい。
【0162】
これにより、光学部品10Aが発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の両方について上記の関係を満たさない場合と比較して、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0163】
発光側ライトガイド11は、R12<2×L14/cos(θ1/2)の代わりに、R12<0.8×2×L14/cos(θ1/2)を満たしてもよく、R12<0.6×2×L14/cos(θ1/2)を満たしてもよい。受光側ライトガイド12は、R22<2×L24/cos(θ2/2)の代わりに、R22<0.8×2×L24/cos(θ2/2)を満たしてもよく、R22<0.6×2×L24/cos(θ2/2)を満たしてもよい。
【0164】
(第1出射面11bおよび第1反射面11c、ならびに第2入射面12aおよび第2反射面12cの少なくともいずれか一方が集光機能を有する場合)
図11は、光学部品10の第2の変形例である、光学部品10Bの構成を示す図である。スイッチ1における光学部品10Bと発光素子21および受光素子22との位置関係を明確にするため、図11においては発光素子21および受光素子22についても併せて示している。光学部品10Bにおいては、第1出射面11bおよび第1反射面11cの組、ならびに第2入射面12aおよび第2反射面12cの組の、一方または両方が、それぞれ集光機能を有していてもよい。
【0165】
光学部品10Bにおいて、第1出射面11bおよび第1反射面11cを組み合わせた集光機能に第2入射面12a側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、発光素子21から第1出射面11bまでの距離よりも小さくてよい。また、光学部品10Bにおいて、第2入射面12aおよび第2反射面12cを組み合わせた集光機能に第1出射面11b側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、第2入射面12aから受光素子22までの距離よりも小さくてよい。光学部品10Bは、(i)第1出射面11bおよび第1反射面11cを組み合わせた集光機能に第2入射面12a側から平行光を入射させた場合の焦点距離、および(ii)第2入射面12aおよび第2反射面12cを組み合わせた集光機能に第1出射面11b側から平行光を入射させた場合の焦点距離の、少なくともいずれか一方について、上記の条件を満たしていればよい。
【0166】
これにより、光学部品10Bは、上記の条件のいずれも満たしていない場合と比較して、発光素子21からの光を、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0167】
光学部品10Bにおいて、第1出射面11bおよび第1反射面11cを組み合わせた集光機能に第2入射面12a側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、第1入射面11aから第1出射面11bまでの距離よりも小さくてよい。また、光学部品10Bにおいて、第2入射面12aおよび第2反射面12cを組み合わせた集光機能に第1出射面11b側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、第2入射面12aから第2出射面12bまでの距離よりも小さくてよい。光学部品10Bは、(i)第1出射面11bおよび第1反射面11cを組み合わせた集光機能に第2入射面12a側から平行光を入射させた場合の焦点距離、および(ii)第2入射面12aおよび第2反射面12cを組み合わせた集光機能に第1出射面11b側から平行光を入射させた場合の焦点距離の、少なくともいずれか一方について、上記の条件を満たしていればよい。
【0168】
これにより、光学部品10Bは、上記の条件のいずれも満たしていない場合と比較して、発光素子21からの光を、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0169】
図11には、光学部品10Bおよび発光素子21における各部の距離が以下のとおり示されている。
・a31は、発光素子21から第1反射面11cまでの距離である。
・a32は、第1入射面11aから第1反射面11cまでの距離である。
・b3は、第1反射面11cから第1出射面11bまでの距離である。
・a41は、第2反射面12cから受光素子22までの距離である。
・a42は、第2反射面12cから第2出射面12bまでの距離である。
・b4は、第2入射面12aから第2反射面12cまでの距離である。
【0170】
光学部品10Bにおいて、第1出射面11bが少なくとも光軸を含む領域において曲率R13のレンズ形状となっているものとし、第1反射面11cが曲率R14の曲面となっているものとする。また、光学部品10Bにおいて、発光側ライトガイド11の屈折率をnとし、発光素子21から第1出射面11bまでの距離a31+b3をL15とする。さらに、第1反射面11cに入射する光の光軸と第1反射面11cで反射された光の光軸とがなす角をθ3とする。このとき、発光側ライトガイド11は、R13<L15×(n-1)またはR14<2×L15/cos(θ3/2)の関係を満たしていてよい。
【0171】
また、第2入射面12aが少なくとも光軸を含む領域において曲率R23のレンズ形状となっているものとし、第2反射面12cが曲率R24の曲面となっているものとする。また、受光側ライトガイド12の屈折率をnとし、第2入射面12aから受光素子22までの距離a41+b4をL25とする。さらに、第2反射面12cに入射する光の光軸と第2反射面12cで反射された光の光軸とがなす角をθ4とする。このとき、受光側ライトガイド12は、R23<L25×(n-1)またはR24<2×L25/cos(θ4/2)の関係を満たしていてよい。
【0172】
光学部品10Bは、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の少なくともいずれか一方について、上記の関係を満たしていればよい。すなわち、光学部品10Bは、R13<L15×(n-1)、R14<2×L15/cos(θ3/2)、R23<L25×(n-1)、およびR24<2×L25/cos(θ4/2)のうち少なくともいずれか1つを満たしていればよい。
【0173】
これにより、光学部品10Bは、上記の関係のいずれも満たしていない場合と比較して、発光素子21からの光を、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0174】
光学部品10Bは、上記の条件の代わりに、R13<0.8×L15×(n-1)、R14<0.8×2×L15/cos(θ3/2)、R23<0.8×L25×(n-1)、およびR24<0.8×2×L25/cos(θ4/2)のうち少なくともいずれか1つを満たしていてもよい。また、光学部品10Bは、上記の条件の代わりに、R13<0.6×L15×(n-1)、R14<0.6×2×L15/cos(θ3/2)、R23<0.6×L25×(n-1)、およびR24<0.6×2×L25/cos(θ4/2)のうち少なくともいずれか1つを満たしていてもよい。
【0175】
また、第1入射面11aから第1出射面11bまでの距離a32+b3をL16とすると、発光側ライトガイド11は、R13<L16×(n-1)またはR14<2×L16/cos(θ3/2)の関係を満たしてよい。また、第2入射面12aから第2出射面12bまでの距離a42+b4をL26とすると、受光側ライトガイド12は、R23<L26×(n-1)またはR24<2×L26/cos(θ4/2)の関係を満たしてよい。
【0176】
光学部品10Bは、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12の少なくともいずれか一方について、上記の関係を満たしていればよい。すなわち、光学部品10Bは、R13<L16×(n-1)、R14<2×L16/cos(θ3/2)、R23<L26×(n-1)およびR24<2×L26/cos(θ4/2)の少なくともいずれか1つを満たしていればよい。
【0177】
これにより、光学部品10Bが上記の関係のいずれも満たしていない場合と比較して、発光素子21からの光を、より受光素子22に集光させることができる。したがって、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0178】
光学部品10Bは、上記の条件の代わりに、R13<0.8×L16×(n-1)、R14<0.8×2×L16/cos(θ3/2)、R23<0.8×L26×(n-1)およびR24<0.8×2×L26/cos(θ4/2)の少なくともいずれか1つを満たしていてもよい。また、光学部品10Bは、上記の条件の代わりに、R13<0.6×L16×(n-1)、R14<0.6×2×L16/cos(θ3/2)、R23<0.6×L26×(n-1)およびR24<0.6×2×L26/cos(θ4/2)の少なくともいずれか1つを満たしていてもよい。
【0179】
さらに、光学部品10Bは、上記の条件の代わりに、(R13/(n-1))×(R14/(2×cos(θ3/2)))/(R13/(n-1)+R14/(2×cos(θ3/2))-b3)<L15、または(R23/(n-1))×(R24/(2×cos(θ4/2)))/(R23/(n-1)+R24/(2×cos(θ4/2))-b4)<L25の少なくともいずれか1つを満たしていてもよい。また、光学部品10Bは、(R13/(n-1))×(R14/(2×cos(θ3/2)))/(R13/(n-1)+R14/(2×cos(θ3/2))-b3)<L16、または(R23/(n-1))×(R24/(2×cos(θ4/2)))/(R23/(n-1)+R24/(2×cos(θ4/2))-b4)<L26の少なくともいずれか1つを満たしていてもよい。
【0180】
(集光機能を有する面の、他の組み合わせ)
図12は、光学部品10の第3~第6の変形例である、光学部品10C,10D,10E,10Fの構成を示す図である。スイッチ1における光学部品10C~10Fのそれぞれと発光素子21および受光素子22との位置関係を明確にするため、図12においては発光素子21および受光素子22についても併せて示している。
【0181】
光学部品10Cにおいては、第1反射面11c、第2入射面12a、および第2反射面12cが集光機能を有する。光学部品10Dにおいては、第1入射面11a、第1反射面11c、第2反射面12c、および第2出射面12bが集光機能を有する。光学部品10Eにおいては、第1入射面11aおよび第1出射面11bが集光機能を有する。光学部品10Fにおいては、第1出射面11bおよび第2出射面12bが集光機能を有する。
【0182】
図12に示した光学部品10C~10Fのいずれによっても、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12のいずれの面も集光機能を有しない場合と比較して、発光素子21から出射された光の利用効率を向上させることができる。また、発光側ライトガイド11および受光側ライトガイド12において、集光機能を有する面の組み合わせは、図12に示したものに限られない。
【0183】
(第1反射面11cが集光機能を有する場合の形状について)
図13は、集光機能を有する第1反射面11cの形状の例について説明するための図である。図13に示す例では、第1反射面11cは、縦断面11caおよび横断面11cbのそれぞれの方向に集光機能を有する。縦断面11caは、第1反射面11cに入射する光の光軸および第1反射面11cにより反射される光の光軸を含む平面に平行な断面である。横断面11cbは、縦断面11caに垂直な断面である。
【0184】
第1反射面11cにおいては、横断面11cbの曲率が、縦断面11caの曲率よりも大きくてよい。また、第2反射面12cが集光機能を有する場合、当該第2反射面12cが縦断面および横断面のそれぞれの方向に集光機能を有していてもよい。この場合、第2反射面12cにおいて、横断面の曲率が、縦断面の曲率よりも大きくてよい。
【0185】
縦断面においては、反射の前後で光軸の方向が大きく変化する。すなわち、反射面に対する光の入射角が大きい。一方で、横断面においては、反射の前後で光軸の方向がほとんど変化しない。すなわち、反射面に対する光の入射角はほぼ0である。したがって、縦断面と横断面とで曲率が等しければ、縦断面の焦点距離の方が横断面の焦点距離よりも短くなる。横断面の曲率を縦断面の曲率よりも大きくすることで、横断面での焦点距離と縦断面での焦点距離とを近づけることができる。よって、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。
【0186】
具体的には、第1反射面11cおよび第2反射面12cの少なくともいずれか1つは、軸外し楕円曲面であってよい。これにより、横断面の曲率を縦断面の曲率よりも大きくし、発光素子21から出射された光の利用効率を、より向上させることができる。ただし、必ずしも第1反射面11cおよび第2反射面12cの少なくともいずれか1つが軸外し楕円曲面でなくてもよく、例えば第1反射面11cおよび第2反射面12cの少なくともいずれか1つがアナモフィックな特性を有する非球面レンズであってよい。
【0187】
〔まとめ〕
本発明は以下のようにも表現できる。
【0188】
本発明の態様1に係る光学部品は、発光素子から出射された光を入射する第1入射面、および前記第1入射面から入射した光を遮光検知対象領域に対して出射させる第1出射面を備える発光側ライトガイドと、前記発光側ライトガイドの第1出射面から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射する第2入射面、および前記第2入射面から入射した光を受光素子に対して出射させる第2出射面を備える受光側ライトガイドと、を備え、前記第1入射面から入射した光を前記第1出射面に向けて反射させる第1反射面、および、前記第2入射面から入射した光を前記第2出射面に向けて反射させる第2反射面の少なくともいずれか1つを備え、前記第1反射面、前記第1出射面、前記第2入射面、および、前記第2反射面の少なくともいずれか1つは、前記発光素子の発光点から出射した光の受光側焦点を持つ、または、前記受光素子の受光点に集光照射される光の発光側焦点を持つ集光機能を有する。
【0189】
本発明の態様2に係る光学部品は、発光素子から出射された光を集光して遮光検知対象領域に対して出射させる発光側集光部と、前記発光側集光部から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射し、集光して受光素子に対して出射させる受光側集光部と、を備え、前記発光側集光部による集光機能の一方の焦点は、前記発光側集光部の第1出射面から前記受光側集光部の第2入射面に至る光軸の中点を含み、該光軸に垂直な中間面よりも前記受光素子側となる領域に存在し、前記発光側集光部による集光機能の他方の焦点は、前記発光素子の位置であり、前記受光側集光部による集光機能の一方の焦点は、前記中間面よりも前記発光素子側となる領域に存在し、前記受光側集光部による集光機能の他方の焦点は、前記受光素子の位置である。
【0190】
本発明の態様3に係る光学部品は、態様2において、前記発光側集光部として、発光素子から出射された光を入射する第1入射面、前記第1入射面から入射した光を遮光検知対象領域に対して出射させる第1出射面を備える発光側ライトガイドと、前記受光側集光部として、前記発光側ライトガイドの第1出射面から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射する第2入射面、前記第2入射面から入射した光を受光素子に対して出射させる第2出射面を備える受光側ライトガイドと、を備え、前記第1入射面から入射した光を前記第1出射面に向けて反射させる第1反射面、および、前記第2入射面から入射した光を前記第2出射面に向けて反射させる第2反射面の少なくともいずれか1つを備え、前記第1入射面、前記第1反射面、および、前記第1出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有するとともに、前記第2入射面、前記第2反射面、および、前記第2出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有する。
【0191】
本発明の態様4に係る光学部品は、発光素子から出射された光を集光して遮光検知対象領域に対して出射させる発光側集光部と、前記発光側集光部から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射し、集光して受光素子に対して出射させる受光側集光部と、前記発光側集光部と前記受光側集光部との間の領域に、前記発光側集光部から出射し、前記受光側集光部に入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する開口部材と、を備え、前記発光側集光部による集光機能の中心位置から、該集光機能による前記発光素子の発光点から出射した光の受光側焦点までの距離を、前記中心位置から前記開口部材の位置までの距離で除した値を距離比率とすると、該距離比率は、0.5~3の範囲であり、前記受光側集光部による集光機能による前記受光素子の受光点に集光照射される光の発光側焦点は、前記発光素子から前記発光側集光部の第1出射面と前記受光側集光部の第2入射面との中点に至る光軸を含む領域に存在する。
【0192】
本発明の態様5に係る光学部品は、態様4において、前記発光側集光部として、発光素子から出射された光を入射する第1入射面、前記第1入射面から入射した光を遮光検知対象領域に対して出射させる第1出射面を備える発光側ライトガイドと、前記受光側集光部として、前記発光側ライトガイドの第1出射面から出射され、前記遮光検知対象領域を通過した光を入射する第2入射面、前記第2入射面から入射した光を受光素子に対して出射させる第2出射面を備える受光側ライトガイドと、を備え、前記第1入射面から入射した光を前記第1出射面に向けて反射させる第1反射面、および、前記第2入射面から入射した光を前記第2出射面に向けて反射させる第2反射面の少なくともいずれか1つを備え、前記第1入射面、前記第1反射面、および、前記第1出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有するとともに、前記第2入射面、前記第2反射面、および、前記第2出射面の少なくともいずれか1つが集光機能を有する。
【0193】
本発明の態様6に係る光学部品は、態様4または5において、前記距離比率は、0.6~2.3の範囲である。
【0194】
本発明の態様7に係る光学部品は、態様4または5において、前記距離比率は、0.8~1.8の範囲である。
【0195】
本発明の態様8に係る光学部品は、態様4から7のいずれかにおいて、前記開口部材が、複数設けられているとともに、前記距離比率の算出に使用する前記開口部材の位置は、最も受光素子に近い側の前記開口部材の位置である。
【0196】
本発明の態様9に係る光学部品は、態様1~8のいずれかにおいて、(1)前記第1出射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第2入射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記発光素子から前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2入射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第1出射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記第2入射面から前記受光素子までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0197】
本発明の態様10に係る光学部品は、態様9において、前記集光機能の焦点距離は、(1)前記第1入射面から集光機能を有する前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0198】
本発明の態様11に係る光学部品は、態様1から10のいずれかにおいて、(1)前記第1出射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R11のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドおよび前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1出射面までの距離をL11とすると、R11<L11×(n-1)の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R21のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2入射面から前記受光素子までの距離をL21とすると、R21<L21×(n-1)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0199】
本発明の態様12に係る光学部品は、態様11において、(1)前記第1入射面から集光機能を有する前記第1出射面までの距離をL12とすると、R11<L12×(n-1)の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離をL22とすると、R21<L22×(n-1)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0200】
本発明の態様13に係る光学部品は、態様1から12のいずれかにおいて、(1)前記第1反射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第2反射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記発光素子から前記第1反射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2反射面が集光機能を有し、前記集光機能に前記第1反射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記第2反射面から前記受光素子までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0201】
本発明の態様14に係る光学部品は、態様13において、前記集光機能の焦点距離は、(1)前記第1入射面から前記第1反射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2反射面から前記第2出射面までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0202】
本発明の態様15に係る光学部品は、態様1から14のいずれかにおいて、(1)前記第1反射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R12のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1反射面までの距離をL13とし、前記第1反射面に入射する光の光軸と前記第1反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ1とすると、R12<2×L13/cos(θ1/2)の関係を満たす、および、(2)前記第2反射面が少なくとも光軸を含む領域において曲率R22のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2反射面から前記受光素子までの距離をL23とし、前記第2反射面に入射した光の光軸と前記第2反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ2とすると、R22<2×L23/cos(θ2/2)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0203】
本発明の態様16に係る光学部品は、態様15において、(1)前記第1入射面から前記第1反射面までの距離をL14とすると、R12<2×L14/cos(θ1/2)の関係を満たす、および、(2)前記第2反射面から前記第2出射面までの距離をL24とすると、R22<2×L24/cos(θ2/2)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0204】
本発明の態様17に係る光学部品は、態様1から16のいずれかにおいて、(1)前記第1出射面および前記第1反射面が集光機能を有し、前記第1出射面および前記第1反射面を組み合わせた前記集光機能に前記第2入射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記発光素子から前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2入射面および前記第2反射面が集光機能を有し、前記第2入射面および前記第2反射面を組み合わせた前記集光機能に前記第1出射面側から平行光を入射させた場合の焦点距離は、前記第2入射面から前記受光素子までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0205】
本発明の態様18に係る光学部品は、態様17において、(1)前記第1出射面および前記第1反射面を組み合わせた前記集光機能の焦点距離は、前記第1入射面からから集光機能を有する前記第1出射面までの距離よりも小さい、および、(2)前記第2入射面および前記第2反射面を組み合わせた前記集光機能の焦点距離は、前記集光機能を有する前記第2入射面から前記第2出射面までの距離よりも小さい、の少なくともいずれか一方を満たす。
【0206】
本発明の態様19に係る光学部品は、態様1から18のいずれかにおいて、(1)前記第1出射面および前記第1反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R13および曲率R14のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1出射面までの距離をL15とし、前記第1反射面に入射した光の光軸と前記第1反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ3とすると、R13<L15×(n-1)またはR14<2×L15/cos(θ3/2)の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面および前記第2反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R23および曲率R24のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2入射面から前記受光素子までの距離をL25とし、前記第2反射面に入射した光の光軸と前記第2反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ4とすると、R23<L25×(n-1)またはR24<2×L25/cos(θ4/2)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0207】
本発明の態様20に係る光学部品は、態様19において、(1)前記第1入射面から前記第1出射面までの距離をL16とすると、R13<L16×(n-1)またはR14<2×L16/cos(θ3/2)の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離をL26とすると、R23<L26×(n-1)またはR24<2×L26/cos(θ4/2)の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0208】
本発明の態様21に係る光学部品は、態様1から20のいずれかにおいて、(1)前記第1出射面および前記第1反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R13および曲率R14のレンズ形状となっており、前記発光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記発光素子から前記第1出射面までの距離をL15とし、前記第1反射面から前記第1出射面までの距離をb3とし、前記第1反射面に入射した光の光軸と前記第1反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ3とすると、(R13/(n-1))×(R14/(2×cos(θ3/2)))/(R13/(n-1)+R14/(2×cos(θ3/2))-b3)<L15の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面および前記第2反射面が少なくとも光軸を含む領域においてそれぞれ曲率R23および曲率R24のレンズ形状となっており、前記受光側ライトガイドの屈折率をnとし、前記第2入射面から前記受光素子までの距離をL25とし、前記第2入射面から前記第2反射面までの距離をb4とし、前記第2反射面に入射した光の光軸と前記第2反射面で反射された光の光軸とがなす角をθ4とすると、(R23/(n-1))×(R24/(2×cos(θ4/2)))/(R23/(n-1)+R24/(2×cos(θ4/2))-b4)<L25の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0209】
本発明の態様22に係る光学部品は、態様21において、(1)前記第1入射面から前記第1出射面までの距離をL16とすると、(R13/(n-1))×(R14/(2×cos(θ3/2)))/(R13/(n-1)+R14/(2×cos(θ3/2))-b3)<L16の関係を満たす、および、(2)前記第2入射面から前記第2出射面までの距離をL26とすると、(R23/(n-1))×(R24/(2×cos(θ4/2)))/(R23/(n-1)+R24/(2×cos(θ4/2))-b4)<L26の関係を満たす、の少なくともいずれか一方である。
【0210】
本発明の態様23に係る光学部品は、態様1から22のいずれかにおいて、前記第1入射面および前記第2出射面の少なくともいずれか一方が集光機能を有する。
【0211】
本発明の態様24に係る光学部品は、態様1から23のいずれかにおいて、前記発光素子から前記第1入射面に至る光軸の方向と、前記第2出射面から前記受光素子に至る光軸の方向とがなす角が0°以上かつ60°以下である。
【0212】
本発明の態様25に係る光学部品は、態様1から24のいずれかにおいて、前記第1反射面および前記第2反射面の少なくともいずれか1つは、当該第1反射面または当該第2反射面に入射する光の光軸および反射する光の光軸を含む平面に平行な縦断面と、前記縦断面に垂直な横断面とのそれぞれの方向に集光機能を有し、前記横断面の曲率が、前記縦断面の曲率よりも大きい。
【0213】
本発明の態様26に係る光学部品は、態様25において、前記第1反射面および前記第2反射面の少なくともいずれか1つは、軸外し楕円曲面である。
【0214】
本発明の態様27に係る光学部品は、態様1または3において、前記第1出射面と前記第2入射面との間の領域に、前記第1出射面から出射し、前記第2入射面に入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する開口部材を備える。
【0215】
本発明の態様28に係る光学部品は、態様1から27のいずれかにおいて、前記第1反射面および前記第2反射面の少なくともいずれか1つの当該第1反射面または当該第2反射面に入射する光の光軸および反射する光の光軸を含む平面に平行な断面において、前記第1入射面の法線方向が、前記第1反射面からの光の出射方向と反対側に傾斜している、および、前記第2出射面の法線方向が、前記第2反射面に対する光の入射方向と反対側に傾斜している、の少なくともいずれか一方である。
【0216】
本発明の態様29に係る光学部品は、態様1から28のいずれかにおいて、前記遮光検知対象領域内に配置された状態と、前記遮光検知対象領域外に配置された状態とで切り替えられるシャッターをさらに備える。
【0217】
本発明の態様30に係るスイッチは、態様29において、前記第1出射面と前記第2入射面との間の領域に、前記第1出射面から出射し、前記第2入射面に入射する光の光軸を含む所定の領域の外側を遮光する開口部材をさらに備え、前記シャッターは、前記遮光検知対象領域外に配置された状態において前記開口部材との間で電気的な接点を有する。
【0218】
本発明の態様31に係るスイッチは、態様1から29のいずれかの光学部品と、前記シャッターの配置状態を切り替えるボタンと、を備える。
【0219】
本発明の態様32に係るスイッチは、態様31において、前記発光素子と、前記受光素子と、をさらに備える。
【符号の説明】
【0220】
1 スイッチ
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F 光学部品
11 発光側ライトガイド
11a 第1入射面
11b 第1出射面
11c 第1反射面
11ca 縦断面
11cb 横断面
12 受光側ライトガイド
12a 第2入射面
12b 第2出射面
12c 第2反射面
13 シャッター
14 開口部材
21 発光素子
22 受光素子
30 ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図13