(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003747
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】太陽光発電モジュール構造
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20240105BHJP
H01L 31/0224 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 262
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021458
(22)【出願日】2023-02-15
(62)【分割の表示】P 2022116608の分割
【原出願日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202210732068.3
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】彭 ▲瑩▼▲瑩▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 宇豪
(72)【発明者】
【氏名】郭 亮
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151EA19
5F151FA14
5F151FA16
(57)【要約】
【課題】本願は、太陽光発電モジュール構造を提供する。
【解決手段】太陽光発電モジュール構造は、半導体基板とパッシベーション層とを含む電池セルであって、半導体基板に電極が設けられ、電極がメイングリッドライン、フィンガーグリッドラインおよびパッドを含み、各電池セルに9~20個のメイングリッドラインがあり、各電池セルに40~100個のフィンガーグリッドラインがあり、各メイングリッドラインが3~10個のパッドに接続される複数の電池セルと、複数の電池セルを接続するためのタブ線であって、メイングリッドラインに貼り合わせて設けられ、パッドに溶接接続された少なくとも1つのボス部が突起して設けられ、ボス部の電池セルから離れた一端から電池セルまでの距離が200~300μmであり、ボス部のタブ線の延在方向に沿う外面の勾配が0°~10°である複数のタブ線と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電モジュール構造であって、
複数の電池セルと、複数のタブ線とを含み、
前記電池セルは、半導体基板とパッシベーション層とを含み、前記半導体基板には、電極が設けられ、前記電極は、メイングリッドラインおよびパッドを含み、各前記電池セルには、9~20個の前記メイングリッドラインがあり、各前記メイングリッドラインは、3~10個の前記パッドに接続され、
前記タブ線は、複数の前記電池セルを接続し、前記メイングリッドラインに貼り合わせて設けられ、前記タブ線には、前記パッドに溶接接続された少なくとも1つのボス部が突起して設けられ、
前記ボス部の前記タブ線の延在方向に垂直な外面には、斜面部が設けられ、前記斜面部の頂点から前記斜面部の延在方向に沿って前記斜面部の全体の20%を占める領域を前記斜面部の頂端領域とし、前記斜面部の底部から前記斜面部の延在方向に沿って前記斜面部の全体の20%を占める領域を前記斜面部の底端領域とし、前記斜面部のうち前記斜面部の頂端領域と前記斜面部の底端領域とを除いた部分を前記斜面部の中間領域とし、前記斜面部の中間領域の勾配は、40°~70°である、ことを特徴とする太陽光発電モジュール構造。
【請求項2】
前記半導体基板は、正面と背面とに分けられ、前記電極は、正面電極と背面電極とを含み、前記半導体基板の正面には、前記正面電極が設けられ、前記半導体基板の背面には、前記背面電極が設けられ、前記複数のタブ線のそれぞれは、前記電池セルの正面電極と隣接する前記電池セルの背面電極とを接続し、背面電極に接続された前記複数のタブ線の前記電池セルに垂直な方向での厚さは、互いに同じである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール構造。
【請求項3】
前記ボス部の前記電池セルへの投影は、前記タブ線の中心線の前記電池セルへの投影の少なくとも一側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール構造。
【請求項4】
前記ボス部が前記電池セルに垂直な方向に沿って前記パッドに投影した面積は、0.2平方ミリメートルよりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール構造。
【請求項5】
前記ボス部が前記電池セルに垂直な方向に沿って前記パッドに投影した面積は、0.4平方ミリメートルよりも小さい、ことを特徴とする請求項4に記載の太陽光発電モジュール構造。
【請求項6】
前記ボス部が垂直方向に沿って前記パッドに投影した面積は、前記パッドの面積の30%~80%を占める、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール構造。
【請求項7】
前記ボス部の中心線の前記電池セルへの投影と前記パッドの中心線との間の距離をAとし、前記パッドが前記メイングリッドラインに垂直な方向に沿って延在する長さをBとしたときに、A≦0.4Bを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール構造。
【請求項8】
0<A<0.2を満たす、ことを特徴とする請求項7に記載の太陽光発電モジュール構造。
【請求項9】
前記タブ線には、複数のボス部が設けられ、複数の前記タブ線のそれぞれには、少なくとも1つの突起部がさらに設けられ、前記突起部は、前記ボス部の間に位置し、前記突起部の前記電池セルへの投影面積は、前記ボス部の前記電池セルへの投影面積よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール構造。
【請求項10】
前記パッドは、端部パッドと中部パッドとを含み、前記中部パッドの面積は、前記端部パッドの面積よりも小さく、前記端部パッドは、前記メイングリッドラインの両端に設けられ、前記中部パッドは、前記端部パッドの間に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電技術分野に関し、特に、太陽光発電モジュール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の急速な発展と人々の生活レベルの継続的な向上に伴い、人々は、環境問題を徐々に重視し始め、環境汚染の少ないまたは無汚染の新エネルギ技術例えば太陽光発電技術は、近年急速に発展し、様々な分野に広く適用され始める。
【0003】
従来技術における太陽光発電モジュールは、破損しやすく、製造歩留まりが低く、太陽光発電モジュールの使用年数および生産コストに深刻な影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本願は、従来技術において太陽光発電モジュール構造が破損しやすく、製造歩留まりが低いという課題を解決するために、太陽光発電モジュール構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、太陽光発電モジュール構造を提供する。当該太陽光発電モジュール構造は、複数の電池セルと、複数のタブ線とを含み、前記電池セルは、半導体基板とパッシベーション層とを含み、前記半導体基板には、電極が設けられ、前記電極は、メイングリッドライン、フィンガーグリッドラインおよびパッドを含み、各前記電池セルには、9~20個の前記メイングリッドラインがあり、各前記電池セルには、40~100個の前記フィンガーグリッドラインがあり、各前記メイングリッドラインは、3~10個の前記パッドに接続され、前記タブ線は、複数の前記電池セルを接続し、前記メイングリッドラインに貼り合わせて設けられ、前記タブ線には、前記パッドに溶接接続された少なくとも1つのボス部が突起して設けられ、前記ボス部の前記電池セルから離れた一端から前記電池セルまでの距離は、200~300μmであり、前記ボス部の前記タブ線の延在方向に沿う外面の勾配は、0°~10°である。
【0006】
可能な設計において、前記ボス部の前記タブ線の延在方向に沿う外面には、第1斜面部が設けられ、前記第1斜面部の中間領域の勾配は、前記第1斜面部の頂端領域および底端領域の勾配よりも大きい。
【0007】
可能な設計において、前記ボス部の前記タブ線の延在方向に垂直な外面の勾配は、10°~70°であり、前記ボス部の前記タブ線の延在方向に垂直な外面には、第2斜面部が設けられ、前記第2斜面部の中間領域の勾配は、前記第2斜面部の頂端領域および底端領域の勾配よりも大きい。
【0008】
可能な設計において、前記半導体基板は、正面と背面とに分けられ、前記電極は、正面電極と背面電極とを含み、前記半導体基板の正面には、前記正面電極が設けられ、前記半導体基板の背面には、前記背面電極が設けられ、前記複数のタブ線のそれぞれは、前記電池セルの正面電極と隣接する前記電池セルの背面電極とを接続し、背面電極に接続された前記タブ線の前記電池セルに垂直な方向での厚さは、同じである。
【0009】
可能な設計において、前記ボス部の前記電池セルへの投影は、前記タブ線の中心線の前記電池セルへの投影の少なくとも一側に位置する。
【0010】
可能な設計において、前記ボス部が前記電池セルに垂直な方向に沿って前記パッドに投影した面積は、0.2平方ミリメートルよりも大きい。
【0011】
可能な設計において、前記ボス部が垂直方向に沿って前記パッドに投影した面積は、前記パッドの面積の30%~80%を占める。
【0012】
可能な設計において、前記ボス部の中心線の前記電池セルへの投影と前記パッドの中心線との間の距離をAとし、前記パッドが前記メイングリッドラインに垂直な方向に沿って延在する長さをBとしたときに、A≦0.4Bを満たす。
【0013】
可能な設計において、前記タブ線には、複数のボス部が設けられ、複数の前記タブ線のそれぞれには、少なくとも1つの突起部がさらに設けられ、前記突起部は、前記ボス部の間に位置し、前記突起部の前記電池セルへの投影面積は、前記ボス部の前記電池セルへの投影面積よりも小さい。
【0014】
可能な設計において、前記パッドは、端部パッドと中部パッドとを含み、前記中部パッドの面積は、前記端部パッドの面積よりも小さく、前記端部パッドは、前記メイングリッドラインの両端に設けられ、前記中部パッドは、前記端部パッドの間に設けられている。
【0015】
可能な設計において、前記パッドの前記メイングリッドラインの幅方向におけるサイズが前記メイングリッドラインの幅よりも大きく、且つ前記パッドの前記メイングリッドラインの延在方向におけるサイズが前記フィンガーグリッドラインの幅よりも大きい。
【0016】
可能な設計において、前記タブ線の前記メイングリッドラインの幅方向におけるサイズが前記パッドのサイズよりも小さく、且つ前記タブ線の直径サイズが0.1~0.5ミリメートルである。
【0017】
可能な設計において、前記パッドの数が前記フィンガーグリッドラインの数よりも小さい。
【0018】
可能な設計において、前記太陽光発電モジュール構造は、バスバーをさらに含み、前記バスバーの断面形状は、長方形であり、電池ストリングは、前記電池セルが複数の前記タブ線を介して接続されてなり、電池層は、複数の前記電池ストリングが直列接続および/または並列接続されかつ前記バスバーを介して接続されてなる。
【0019】
可能な設計において、前記太陽光発電モジュール構造は、正面パッケージ構造、接着フィルムおよび背面パッケージ構造をさらに含み、前記接着フィルムは、正面接着フィルムおよび背面接着フィルムを含み、前記接着フィルムは、前記タブ線および前記電池セルに接着して設けられ、前記接着フィルムには、前記ボス部に適応する変形溝構造がある。
【発明の効果】
【0020】
本願による太陽光発電モジュール構造は、少なくとも以下の利点を有する。
本願は、タブ線上のボス部の突起高さおよびタブ線の延在方向に沿う外面の勾配を限定することで、積層時にボス部の電池セルに対する応力を回避し、さらに電池セルの破片を防止し、太陽光発電モジュール構造の製造歩留まりを向上させ、太陽光発電モジュール構造の使用年数を保証する。
【0021】
本願の実施例の他の特徴および利点は、以下の明細書に説明され、かつ、一部は明細書から明らかになり、または本願の実施例を実施することにより理解される。本願の実施例の目的および他の利点は明細書および図面に特に指摘された構造で実現されかつ取得される。
【0022】
本発明の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例に使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩性に値する労働を必要とすることなく、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本願の実施例による電池セルの構造概略図である。
【
図2】本願の実施例によるタブ線の構造概略図である。
【
図3】本願の実施例による太陽光発電モジュール構造のタブ線の延在方向に沿う断面概略図である。
【
図4】本願の実施例による太陽光発電モジュール構造のタブ線の延在方向に垂直な断面概略図である。
【
図6】本願の実施例によるタブ線と電池セルの接続概略図(一)である。
【
図7】本願の実施例によるタブ線と電池セルの接続概略図(二)である。
【
図8】本願の実施例によるタブ線と電池セルの接続概略図(三)である
【
図9】本願の実施例によるタブ線上のボス部の構造概略図(一)である。
【
図10】本願の実施例によるタブ線上のボス部の構造概略図(二)である。 ここの図面は明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成し、本願に合致する実施例を示し、明細書と共に本願の原理を説明するために用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願の技術的解決手段をよりよく理解するために、以下に図面を参照しながら本願の実施例を詳細に説明する。
【0025】
明らかなように、説明される実施例は本願の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働を必要とすることなく得られる全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0026】
本願の実施例において使用される用語は、特定の実施例を説明する目的だけであり、本願を制限することを意図するものではない。本願の実施例および添付の特許請求の範囲に使用される単数の形式の「一種」、「前記」および「当該」も、コンテキストが他の意味を明確に示す限り、複数の形式を含むことを意図する。
【0027】
理解すべきこととしては、本明細書に使用される用語「および/または」は関連対象を説明する関連関係だけであり、三種類の関係が存在してもよいことを示し、例えば、Aおよび/またはBは、Aが単独で存在すること、AおよびBが同時に存在すること、Bが単独で存在するという三種類の状況を示すことができる。また、本明細書における文字「/」は、一般的に前後関連対象が「または」の関係であることを示す。
【0028】
注意すべきこととしては、本願の実施例に記載された「上」、「下」、「左」、「右」等の方位言葉は、図面に示された角度で説明され、本願の実施例を限定するものと理解すべきではない。なお、コンテキストにおいて、さらに理解すべきこととしては、1つの素子が他の素子の「上」または「下」に接続されることを言及する場合、それは他の素子の「上」または「下」に直接接続され得るだけでなく、中間素子により他の素子の「上」または「下」に間接的に接続されてもよい。
【0029】
以下、本願の実施例による太陽光発電モジュール構造の構造に基づいて、その具体的な実施例を説明する。
【0030】
本願は、太陽光発電モジュール構造を提供し、複数の電池セル1と複数のタブ線2とを含む。電池セル1は、一枚の電池セルまたは半枚の電池セルであってもよく、後続の実施例において、電池セル1は、半枚の電池セルを指し、電池セル1は、半導体基板11とパッシベーション層とを含み、半導体基板11に電極111が設けられ、電極111はメイングリッドライン112、フィンガーグリッドライン113およびパッド114を含み、各電池セル1に9~20個のメイングリッドライン112があり、各電池セル1に40~100個のフィンガーグリッドライン113があり、各メイングリッドライン112が3~10個のパッド114に接続される。タブ線2は、複数の電池セル1を接続するためのものであり、メイングリッドライン112に貼り合わせて設けられ、パッド114に溶接接続された少なくとも1つのボス部21が突起して設けられ、ボス部21の電池セル1から離れた一端から電池セル1までの距離は、200~300μmであり、ボス部21のタブ線2の延在方向に沿う外面の勾配が0°~10°である。
【0031】
図1~
図4を参照すると、
図1において電池セル1が一枚の電池であり、電池セル1は、互いに貼り合わせて設けられた半導体基板11とパッシベーション層とを含み、二者がp-n接合構造を形成し、太陽光は半導体p-n接合に照射され、新たな正孔-電子対を形成し、p-n接合内部に電界を確立する作用で、正孔はn領域からp領域に流れ、電子はp領域からn領域に流れ、回路をオンにすると、電流が形成される。
【0032】
それぞれの部位で発生する電流を集中させるために、半導体基板11に電極111が設けられ、電極111は、メイングリッドライン112、フィンガーグリッドライン113およびパッド114を含み、メイングリッドライン112およびフィンガーグリッドライン113は、互いに垂直または交差するように設けられてもよく、メイングリッドライン112はフィンガーグリッドライン113に電気的に接続される。各電池セル1に9~20個のメイングリッドライン112が設けられ、具体的には、各電池セル1に9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個のメイングリッドライン112が設けられてもよく、各メイングリッドライン112は互いに平行に設けられてもよい。各電池セル1に40~100個のフィンガーグリッドライン113があり、具体的には、各電池セル1に40、50、60、70、80、90、100個のフィンガーグリッドライン113が設けられてもよく、各フィンガーグリッドライン113は互いに平行に設けられてもよい。
【0033】
各メイングリッドライン112は3~10個のパッドに接続され、具体的には、各メイングリッドライン112は3、4、5、6、7、8、9、10個のパッドに接続されてもよく、パッド114の形状は円形、楕円形、半円形、台形、角形または上記形状の組み合わせであってもよく、パッド114はメイングリッドライン112に均一に分布してもよく、ここの均一分布とは、複数のパッド114が等間隔でメイングリッドライン112に分布していることを指す。
【0034】
上記のように設定することにより、各フィンガーグリッドライン113はそれに対応する電池セル1の領域における電流を収集することができ、各フィンガーグリッドライン113は各メイングリッドライン112に電気的に接続され、各メイングリッドライン112にパッド114が設けられ、これにより、タブ線2がパッド114に電気的に接続されると、電池セル1で発生した電気エネルギをタブ線2によって収集することができる。
【0035】
タブ線2はメイングリッドライン112に貼り合わせて設けられ、
図5を参照すると、タブ線2は溶接コア23とスズ層24とからなり、溶接コアは電流を伝送することができ、スズ層は電池上のパッド114に電気的および物理的に接続されるためのものであり、タブ線2にはパッド114に溶接接続された少なくとも1つのボス部21が突起して設けられ、タブ線2と電池セル1とを溶接すると、外部のスズ層が溶融し、タブ線2がずれない場合に溶融スズは左右両側に摺動し、断面形状が楕円形に類似する構造を形成しかつパッド114に接続され、当該構造はボス部21であり、電池セル1の表面の張力および類似する材料間の溶接性の影響により、溶融スズはパッド114のみに接続され、パッド114以外の電池表面に接着されない。ボス部21が電池セル1から離れた一端から電池セル1までの距離は200~300μmであり、すなわち、ボス部21の高さは200~300μmであり、具体的には、ボス部21が電池セル1から離れた一端から電池セル1までの距離は、200μm、210μm、220μm、230μm、240μm、250μm、260μm、270μm、280μm、290μm、300μmであってもよい。ボス部21の高さが300μmよりも高い場合、積層時に電池セル1に不均一な圧力を招き易く、これにより破片を招く。本実施例では、ボス部21のタブ線2の延在方向に沿う外面の勾配は0°~10°であり、勾配がこの範囲外であると、積層後に電池断片または接着フィルムが不均一である確率がより大きくなり、接着フィルムが不均一であると、ELが黒くなりさらに発電効率が低下する。ここで、タブ線2の延在方向はタブ線2の長さ方向と呼んでもよく、ボス部21はタブ線2の延在方向に斜面が形成され、当該斜面はタブ線2の他の部位に過渡的に接続され、具体的には、当該斜面の勾配は0°、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°であってもよい。理解できることとしては、斜面の勾配が大きいほど、斜面が急峻となり、積層時に電池セル1に不均一な圧力を招き易く、これにより破片を招く。
【0036】
本実施例では、タブ線2上のボス部21の突起高さおよびタブ線2の延在方向に沿う外面の勾配を限定することで、積層時にボス部21の電池セル1への応力を回避し、さらに電池セル1の破片を防止する。
【0037】
そのうちの1つの実施例では、ボス部21のタブ線2の延在方向に沿う外面に第1斜面部211が設けられ、第1斜面部211の中間領域の勾配は、第1斜面部211の頂端領域および底端領域の勾配よりも大きい。
【0038】
図3を参照すると、ボス部21のタブ線2の延在方向に沿う外面に第1斜面部211が設けられ、理解できることとしては、タブ線2が延在する方向において、ボス部21は対称に設けられた2つの第1斜面部211を有し、2つの第1斜面部211の頂端が互いに貼り合わされ、2つの第1斜面部211の底端が互いに分離される。第1斜面部211の中間領域の勾配は、第1斜面部211の頂端領域および底端領域の勾配よりも大きく、注意すべきこととしては、第1斜面部211の頂端領域とは、第1斜面部の頂点から第1斜面部の延在方向に沿って第1斜面部の全体の20%を占める領域であり、第1斜面部211の底端領域とは、第1斜面部の底部から第1斜面部の延在方向に沿って第1斜面部の全体の20%を占める領域であり、第1斜面部211の頂端領域および第1斜面部211の底端領域を除き、残り部分は第1斜面部211の中間領域である。例えば、第1斜面部211の中間領域の勾配は、5°~10°であってもよく、具体的には、5°、6°、7°、8°、9°、10°であってもよいが、第1斜面部211の頂端領域および底端領域の勾配は0°~3°であり、具体的には、0°、1°、2°、3°であってもよい。このように、ボス部21の頂端および底端はいずれも緩やかであり、これにより、電池セル1が積層時に受ける応力を減少させ、電池セル1の破片の確率を低下させる。
【0039】
そのうちの1つの実施例では、ボス部21のタブ線2の延在方向に垂直な外面の勾配が10°~70°であり、ボス部21のタブ線2の延在方向に垂直な外面に第2斜面部212が設けられ、第2斜面部212の中間領域の勾配は、第2斜面部212の頂端領域および底端領域の勾配よりも大きい。注意すべきこととしては、第2斜面部212の頂端領域とは、第2斜面部の頂点から第2斜面部の延在方向に沿って第2斜面部の全体の20%の領域を指し、第2斜面部212の底端領域とは、第2斜面部の底部から第2斜面部の延在方向に沿って第2斜面部の全体の20%の領域を指す。第2斜面部212の頂端領域および第2斜面部212の底端領域を除き、残り部分は、第2斜面部212の中間領域である。いくつかの実施例では、第2斜面部212の中間領域の勾配は40°~70°であり、具体的には、40°、50°、60°、70°であってもよく、第2斜面部212の頂端領域および底端領域の勾配は10°~30°であり、具体的には、10°、20°、30°であってもよい。
【0040】
図4を参照すると、第2斜面部212の勾配は10°~70°であり、具体的には、第2斜面部212の勾配は10°、20°、30°、40°、50°、60°、70°であってもよい。理解できることとしては、タブ線2が延在する方向に垂直な方向において、ボス部21は対称に設けられた2つの第2斜面部212を有し、2つの第2斜面部212の頂端が互いに貼り合わせ、2つの第2斜面部212の底端が互いに分離され、第2斜面部212の底端がパッド114に物理的に接触する。タブ線2が延在する方向に垂直な方向において、ボス部21の側辺部分がパッド114に接触することがあり、パッド114の面積が大きすぎると電池セル1の発電効率に影響するため、パッド114の面積は通常小さく、パッド114の面積に制限されて、第2斜面部212は急峻である。第2斜面部212の勾配が70°よりも大きい場合、第2斜面部212が急峻すぎるため、ここで積層時に応力が増大することを招き、さらに電池セル1の破片を招く。
【0041】
そのうちの1つの実施例では、半導体基板11は正面と背面とに分けられ、電極111は正面電極111と背面電極111とを含み、半導体基板11の正面に正面電極111が設けられ、半導体基板11の背面に背面電極111が設けられ、複数のタブ線2のそれぞれは電池セル1の正面電極111と隣接する電池セル1の背面電極111とを接続し、背面電極111に接続されたタブ線2の電池セル1に垂直な方向における厚さは、同じである。
【0042】
図1を参照すると、半導体基板11は平板構造であってもよく、その両面は正面と背面とに分けられる。電極111は半導体基板11の正面に設けられた正面電極111と、半導体基板11の背面に設けられた背面電極111とを含む。太陽光発電モジュールにおける複数の電池セル1が順に設けられ、かつその半導体基板11の正面はいずれも同一方向に向かって設けられ、複数のタブ線2のそれぞれは何れも、隣接する2つの電池セル1に接続され、これにより、電池セル1を組み合わせて電池ストリングを形成する。言い換えれば、タブ線2の一端は、1つの電池セル1の正面電極111に接続され、タブ線2の他端は、隣接する電池セル1の背面電極111に接続される。
【0043】
図6、
図7および
図8を参照すると、そのうちの1つの実施例では、ボス部21の電池セル1への投影は、タブ線2の中心線の電池セル1への投影の少なくとも一側に位置する。
【0044】
タブ線2とメイングリッドライン112は実際の溶接過程において完全に重ならない可能性があるため、ボス部21の一部が対応するパッド114からずれる可能性があり、この場合、ボス部21とパッド114との接続性を保証するためである。ボス部21がパッド114に近づく方向にずれて、安定した接続を実現する。ボス部21の電池セル1に垂直な方向に沿って電池セル1への投影は閉鎖パターンであり、タブ線2の中心線の電池セル1への投影はストリップラインであり、上記閉鎖パターンはストリップラインの任意の一側に位置する。タブ線2とメイングリッドライン112は実際の溶接過程において完全に重なる可能性があり、この時にボス部21の電池セル1に垂直な方向に沿って電池セル1への投影は閉鎖パターンであり、タブ線2の中心線の電池セル1への投影はストリップラインであり、閉鎖パターンはストリップラインの中心線と重なる。
【0045】
そのうちの1つの実施例では、ボス部21が電池セル1に垂直な方向に沿ってパッド114に投影した面積は、0.2平方ミリメートルよりも大きい。好ましくは、ボス部21が電池セル1に垂直な方向に沿ってパッド114に投影した面積は、0.2平方ミリメートルよりも大きく、0.4平方ミリメートルよりも小さい。
【0046】
ボス部21が電池セル1に垂直な方向に沿ってパッド114に投影した面積は、ボス部21とパッド114との有効な接続部位の面積であり、理解できることとしては、当該部位の面積が大きいほど、ボス部21とパッド114との接続が強固になり、ボス部21とパッド114の接続性を保証するために、当該部位の面積が0.2平方ミリメートルよりも大きい場合、接続強度の要求を満たすことができる。論理算出および実験から分かるように、ボス部21が電池セル1に垂直な方向に沿ってパッド114に投影した面積が0.2平方ミリメートルである場合、ボス部21と電池セルとを分離するために必要な引張力は、0.33Nである。ボス部21が電池セル1に垂直な方向に沿ってパッド114に投影した面積が0.24平方ミリメートルである場合、ボス部21と電池セルとを分離するために必要な引張力は、0.53Nである。ボス部21が電池セル1に垂直な方向に沿ってパッド114に投影した面積が0.4平方ミリメートルである場合、ボス部21と電池セルとを分離するために必要な引張力は、1.14Nである。
【0047】
そのうちの1つの実施例では、ボス部21が垂直方向に沿ってパッド114に投影した面積は、パッド114の面積の30%~80%を占め、具体的には、ボス部21が垂直方向に沿ってパッド114に投影した面積は、パッド114の面積の30%、40%、50%、60%、70%、80%を占めてもよく、好ましくは、ボス部21が垂直方向に沿ってパッド114に投影した面積は、パッド114の面積の40%~60%を占める。
【0048】
ボス部21が電池セル1に垂直な方向に沿ってパッド114に投影した面積は、ボス部21とパッド114との有効な接続部位の面積である。ボス部21が垂直方向に沿ってパッド114に投影した面積がパッド114の面積の30%よりも小さい場合、パッド114部分の面積がボス部21に対して大きすぎ、太陽光発電効率に影響を与える。ボス部21が垂直方向に沿ってパッド114に投影した面積がパッド114の面積の80%よりも大きい場合、パッド114部分の面積がボス部21に対して小さすぎ、ボス部21がパッド114の外側の電池セル1の部分に接触し易く、太陽光発電効率に影響を与えるだけでなく、電池セル1の割れを招き易い。
【0049】
そのうちの1つの実施例では、ボス部21の中心線の電池セル1への投影と、パッド114の中心線との間の距離をAとし、パッド114がメイングリッドライン112に垂直な方向に沿って延在する長さをBとしたときに、A≦0.4Bであり、好ましくは、0<A<0.2である。
【0050】
ボス部21が電池セル1に垂直な方向に沿って電池セル1への投影の中心線と、パッド114の中心線との間の距離は、ボス部21とパッド114との間の重なり度を表してもよく、パッド114がメイングリッドライン112に垂直な方向に沿って延在する長さは、パッド114の幅と呼ばれてもよく、ボス部21の中心線の電池セル1への投影とパッド114の中心線との間の距離が大きすぎ、パッド114がメイングリッドライン112に垂直な方向に沿って延在する長さが小さすぎる場合、ボス部21はパッド114に対してメイングリッドライン112が延在する方向に垂直な方向において大きすぎくずれて、ボス部21とパッド114との接続性に影響を与える。これに基づき、本実施例はA≦0.4Bを限定することにより、ボス部21とパッド114との接続の強固を確保し、さらに太陽光発電モジュールの構造強度および耐久性を保証する。
【0051】
そのうちの1つの実施例では、タブ線2に複数のボス部21が設けられ、複数のタブ線2のそれぞれは、少なくとも1つの突起部22がさらに設けられ、突起部22がボス部21の間に位置し、突起部22の電池セル1への投影面積は、ボス部21の電池セル1への投影面積よりも小さい。
【0052】
図2、
図9および
図10を参照すると、タブ線2上の非パッド114の領域に、同様に小さな突起が存在する。ボス部21と突起部22が生成する原因は、以下のとおりである。タブ線2を溶接する時に、直列溶接機は非パッド114の領域で押圧ピンでタブ線2を押圧し、タブ線2がずれないようにし、直列溶接機の構造は底部が加熱プラットフォームであり、背面のタブ線と電池を接続させ、上面に加熱ランプがあり、同時に押圧ピンで上面のタブ線の非パッド位置を押圧し、ランプを起動して加熱して半田を溶融し、これにより、背面のタブ線の頂面を平面にし、突起がない。圧力を受けるため、タブ線2上のスズ層は押圧ピンの間の領域にラランダムに凝集して大きな突起および小さな突起を形成し、通常、大きな突起はパッド領域に生成され、すなわち、ボス部21であり、小さな突起は突起部22である。突起部22が電池セル1を過度に遮蔽することを回避するために、突起部22の電池セル1への投影面積がボス部21の電池セル1への投影面積よりも小さい必要があり、これにより、太陽光発電モジュールの発電効率を保証することができる。
【0053】
そのうちの1つの実施例では、パッド114は、端部パッド114と中部パッド114とを含み、中部パッド114の面積は、端部パッド114の面積よりも小さく、端部パッド114は、メイングリッドライン112の両端に設けられ、中部パッド114は、端部パッド114の間に設けられている。
【0054】
メイングリッドライン112上のパッド114とタブ線2のボス部21とは1対1に対応して溶接接続されており、メイングリッドライン112の両端とタブ線2との接続箇所の応力が集中し、かつ破断しやすい位置に属するためである。したがって、本実施例は、パッド114を端部パッド114と中部パッド114とに分け、かつ中部パッド114の面積を端部パッド114の面積よりも小さくし、さらに中部パッド114を端部パッド114の間に設ける。メイングリッドライン112の端部でのパッド114の面積が大きいため、ボス部21と端部パッド114との接触面積を増大させ、これにより二者の間の接続強度を向上させる。
【0055】
そのうちの1つの実施例では、太陽光発電モジュール構造のパッド114のメイングリッドライン112の幅方向におけるサイズは、メイングリッドライン112の幅よりも大きく、パッド114のメイングリッドライン112の延在方向におけるサイズは、フィンガーグリッドライン113の幅よりも大きい。パッド114のメイングリッドライン112の幅方向におけるサイズは、メイングリッドライン112の幅よりも大きく、これにより、パッド114は、メイングリッドライン112よりも大きい溶接接続範囲を提供することができ、さらにボス部21とパッド114との接続性を保証することができる。
【0056】
そのうちの1つの実施例では、太陽光発電モジュール構造のタブ線2のメイングリッドライン112の幅方向におけるサイズは、パッド114のサイズよりも小さく、且つタブ線2の直径サイズは、0.1~0.5ミリメートルである。タブ線2のメイングリッドライン112の幅方向におけるサイズは、パッド114のサイズよりも小さく、これにより、タブ線2が広すぎて電池セル1の発電部位を遮蔽することを回避する。
【0057】
そのうちの1つの実施例では、太陽光発電モジュール構造のパッド114の数は、フィンガーグリッドラインの数よりも小さい。パッド114のメイングリッドライン112の延在方向におけるサイズは、フィンガーグリッドライン113の幅よりも大きく、これにより、パッド114の面積と範囲をさらに大きくし、さらにボス部21とパッド114との接続性を保証する。
【0058】
タブ線2の直径サイズが0.1~0.5ミリメートルであり、これにより、タブ線2の構造強度を保証し、同様にタブ線2が太り過ぎることを防止でき、さらにタブ線2が電池セル1を遮蔽することを回避する。
【0059】
パッド114の数がフィンガーグリッドラインの数よりも小さいことは、パッド114の数が合理的な区間にあることを保証することができ、パッド114が多すぎて太陽光発電モジュールの発電効率に影響することを回避する。
【0060】
上記実施例において、パッドは突起部と協力して接続することができ、接続効果を保証する前提で太陽光発電効率を向上させる。
【0061】
そのうちの1つの実施例では、太陽光発電モジュール構造はバスバーをさらに含み、バスバーの断面形状は長方形であり、電池ストリングは電池セル1が複数のタブ線2により接続されてなり、電池層は複数の電池ストリングが直列接続および/または並列接続されかつバスバーにより接続されてなる。
【0062】
バスバーは良好な導電性を有する任意の金属バーであってもよく、バスバーの断面形状は長方形であり、バスバーは扁平帯状構造であってもよい。複数の電池セル1は複数のタブ線2により直列に接続されて電池ストリングを形成し、複数の電池ストリングはバスバーにより直列接続および/または並列接続されて電池層を形成する。
【0063】
そのうちの1つの実施例では、太陽光発電モジュール構造は正面パッケージ構造、接着フィルムおよび背面パッケージ構造をさらに含み、接着フィルムは正面接着フィルムおよび背面接着フィルムを含み、接着フィルムはタブ線2および電池セル1に接着して設けられ、接着フィルムには、ボス部21に適応する変形溝構造を有する。
【0064】
正面パッケージ構造および背面パッケージ構造はガラスであってもよく、正面接着フィルムおよび背面接着フィルムはよく見られるEVA接着フィルムであってもよく、接着フィルムはタブ線2および電池セル1に接着して設けられ、接着フィルムには、ボス部21に適応する変形溝構造を有し、これにより、積層工程時にボス部21が変形溝内に収容でき、電池セル1が圧力によって破損することを回避する。
【0065】
本願において勾配は勾配比とも呼ばれ、地表ユニットの急峻度を示す専用名詞であり、斜面の垂直高さと水平方向の距離との比を指す。この数値は三角函数の正接函数の百分率または千分比数値で説明することができ、すなわち、「上昇高さを水平面での移動距離で割る」。その測定方法は、測定された斜面で仮想平面をフィッティングし、さらに仮想平面の垂直高さと水平方向での距離比を測定することにより得られる。
【0066】
上記いずれかの実施例では、電池セルは通常の単結晶電池、PERC(Passivated Emitterand Rear Cell、パッシベーションエミッタおよび背面電池)単結晶電池またはHJT(Heterojunction withIntrinsic Thin~layer、固有薄膜ヘテロ接合電池)電池のうちのいずれであってもよく、通常の電池と比較して、PERC電池は良好な効率優位性を示し、通常の電池産業化効率より1~1.5%の効率絶対値を高めることができる。HJT電池はエネルギ消費が少なく、プロセスフローが簡単で、温度係数が小さいなどの多くの利点を有し、良好な高効率シリコンベース太陽電池の解決手段である。通常の単結晶、PERC単結晶またはHJTはいずれも良好な光エネルギを電気エネルギの特性に変換する特性を有し、電池セルの光エネルギ変換効率をよく向上させることができ、さらに電池セルの光エネルギの利用率を向上させる。すなわち、通常の単結晶、PERC単結晶またはHJT電池はいずれも光エネルギを電気エネルギに変換する優れた特性を有し、電池セルの光エネルギ変換効率をよく向上させ、光エネルギの利用率を向上させることができる。
【0067】
電池セルの例を以下に示す。
TOPCon(トンネル酸化層パッシベーション接触、Tunnel Oxide Passivated Contact)電池は、「トンネル効果」により後面のパッシベーションを実現し、従来のTOPCon電池の後面構造は内から外へ順に半導体基板、トンネル酸化層、ドープ導電層、後面パッシベーション層である。N型TOPCon(接触パッシベーション電池)はホウ素が拡散してBSGホウケイ酸ガラスを形成し、ホウケイ酸ガラスの洗浄除去難度はリンケイ酸ガラスよりも難しい。一般的には、酸化性を有する混合酸溶液を用いて除去する。表面をきれいに洗浄して乾燥させた後、後面を研磨する。現在、半導体基板の後面の研磨後の状態は、ナノスケールの厚さの極薄トンネル酸化層に一定の影響を与え、トンネル酸化層と半導体基板との間の接触抵抗率の増加を引き起こしやすく、太陽電池の充填因子の変動を引き起こしやすく、電池の光電変換効率に影響を与える。
【0068】
太陽電池は、
半導体基板を含み、半導体基板の後面は第1テクスチャ構造を有し、第1テクスチャ構造は少なくとも部分的に積層された2つまたは複数の第1サブ構造を有し、ここで、前記少なくとも部分的に積層された2つまたは複数の第1サブ構造に対して、前記後面から離れかつ前記後面に垂直な方向において、最外側の第1サブ構造の頂部表面とそれに隣接する第1サブ構造の頂部表面の距離が2μm以下であり、前記最外側の第1サブ構造の頂部表面の一次元サイズが45μm以下であり、半導体基板の前面は第2テクスチャ構造を有し、第2テクスチャ構造はピラミッド微細構造を含んでもよい。
太陽電池は、
半導体基板の前面に位置する第1パッシベーション層と、
半導体基板の後面に位置する第1テクスチャ構造上のトンネル酸化層と、
トンネル酸化層の表面に位置し、前記半導体基板と同じ導電タイプのドープ元素を有するドープ導電層と、
ドープ導電層の表面に位置する第2パッシベーション層と、をさらに含む。
【0069】
半導体基板の前面は、受光面、すなわち、太陽光線の照射を受ける表面(受光面)を指すことができ、半導体基板の後面とは、前記前面に対向する表面を指す。いくつかの実施例では、形成された前記太陽電池は片面電池であり、前記前面は、受光面を指してもよく、後面は、非受光面を指してもよい。いくつかの実施例では、形成された前記太陽電池は両面電池であり、前記前面および後面はいずれも受光面であってもよい。
【0070】
本願の選択可能な技術的解決手段として、半導体基板はN型結晶シリコン基板(またはシリコンウェハ)であり、高温拡散、スラリードープまたはイオン注入のうちのいずれか1つまたは複数のプロセスを採用することができ、半導体基板の前面にP型ドープ層を形成することにより、前記半導体基板にPN接合を形成する。いくつかの実施例では、前記半導体基板は単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板、微結晶シリコン基板または炭化シリコン基板のうちの1つであってもよい。
【0071】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、本発明の精神および原則内で行われたいかなる修正、均等物による置換、改善等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0072】
1 電池セル
11 半導体基板
111 電極
112 メイングリッドライン
113 フィンガーグリッドライン
114 パッド
2 タブ線
21 ボス部
211 第1斜面部
212 第2斜面部
22 突起部
23 溶接コア
24 スズ層