(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037473
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】アーク溶接制御方法
(51)【国際特許分類】
B23K 9/073 20060101AFI20240312BHJP
B23K 9/09 20060101ALI20240312BHJP
B23K 9/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B23K9/073 545
B23K9/09
B23K9/12 305
B23K9/073 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142366
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(72)【発明者】
【氏名】高田 賢人
【テーマコード(参考)】
4E082
【Fターム(参考)】
4E082AA03
4E082AB01
4E082BA02
4E082BB01
4E082BB02
4E082CA01
4E082DA01
4E082EA01
4E082EC03
4E082EC13
4E082EC16
4E082EF07
4E082EF11
4E082EF16
4E082JA01
4E082JA03
(57)【要約】
【課題】消耗電極アーク溶接において、板厚が1mm以下の鋼材に対しても、溶け落ちの発生を防止し、かつ、ギャップ裕度の広い溶接を行うこと。
【解決手段】溶接ワイヤを送給し、短絡期間とアーク期間とを繰り返し、アーク期間は時刻t4~t61の第1アーク期間とそれに続く時刻t61~t62の第2アーク期間とを備えており、第1アーク期間は定電流制御によって溶接電流Iwを通電し、第2アーク期間は定電圧制御によって溶接電流Iwを通電して溶接するアーク溶接制御方法において、第1アーク期間を電極マイナス極性ENとし、第2アーク期間を電極プラス極性EPとし、第1アーク期間中はベース電流及びピーク電流から形成されるパルス波形の溶接電流Iwを通電する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接ワイヤを送給し、短絡期間とアーク期間とを繰り返し、
前記アーク期間は第1アーク期間とそれに続く第2アーク期間とを備えており、前記第1アーク期間は定電流制御によって溶接電流を通電し、前記第2アーク期間は定電圧制御によって前記溶接電流を通電して溶接するアーク溶接制御方法において、
前記第1アーク期間を電極マイナス極性とし、前記第2アーク期間を電極プラス極性とし、
前記第1アーク期間中はベース電流及びピーク電流から形成されるパルス波形の前記溶接電流を通電する、
ことを特徴とするアーク溶接制御方法。
【請求項2】
前記第1アーク期間中の前記ベース電流が通電しているときに極性を切り換えて、第2アーク期間に移行させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接制御方法。
【請求項3】
前記溶接電流の平均値に占める前記第1アーク期間中の前記溶接電流の比率である電極マイナス極性電流比率が40%~70%の範囲になるように前記第1アーク期間中の前記溶接電流を設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接制御方法。
【請求項4】
前記溶接ワイヤを前記短絡期間中は逆送し、前記アーク期間中は正送する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接制御方法。
【請求項5】
前記短絡期間中に前記溶接ワイヤに形成された溶滴のくびれを検出して前記溶接電流を減少させた状態で、前記第1アーク期間に移行させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接ワイヤを送給して行うアーク溶接制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
母材への入熱を小さくして薄板を高品質に溶接するために特許文献1、2等の発明が慣用されている。
特許文献1に係る交流パルスアーク溶接方法では、溶接ワイヤを送給し、電極プラス極性期間中のピーク電流及びベース電流の通電と、電極マイナス極性期間中の電極マイナス極性電流の通電とを1周期として繰り返すことによって溶接が行われる。この交流パルスアーク溶接では、電極マイナス極性期間を調整することによって、1周期に占める電極マイナス極性期間の時間比率である電極マイナス極性比率を変化させて、母材への入熱を制御することができる。このために、低入熱溶接が可能となり、高品質な薄板溶接を行うことができる。
【0003】
特許文献2に係る溶接方法では、溶接ワイヤを送給し、パルスアーク溶接を行う期間と短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接が行われる。この溶接方法では、パルスアーク溶接の期間と短絡移行アーク溶接の期間との比率を調整することによって、母材への入熱制御を行うことができる。このために、低入熱溶接が可能となり、高品質な薄板溶接を行うことができる
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2018/079345号公報
【特許文献2】特開2021-53649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動車業界等では、燃費向上を目的とした車体の軽量化のために、鋼材の薄板化が進んでいる。鋼材が薄板化すると、溶接中に溶け落ちが発生し、継手部のギャップによるビード形成が困難になる等の問題が発生する。薄板に対して従来技術の交流パルスアーク溶接を適用した場合、板厚が1mm以下になると、溶け落ちの発生及びギャップ裕度が狭いという課題を解決することができない。
【0006】
そこで、本発明では、板厚が1mm以下の鋼材に対しても、溶け落ちの発生を防止し、かつ、ギャップ裕度の広い溶接を行うことができるアーク溶接制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接ワイヤを送給し、短絡期間とアーク期間とを繰り返し、
前記アーク期間は第1アーク期間とそれに続く第2アーク期間とを備えており、前記第1アーク期間は定電流制御によって溶接電流を通電し、前記第2アーク期間は定電圧制御によって前記溶接電流を通電して溶接するアーク溶接制御方法において、
前記第1アーク期間を電極マイナス極性とし、前記第2アーク期間を電極プラス極性とし、
前記第1アーク期間中はベース電流及びピーク電流から形成されるパルス波形の前記溶接電流を通電する、
ことを特徴とするアーク溶接制御方法である。
【0008】
請求項2の発明は、
前記第1アーク期間中の前記ベース電流が通電しているときに極性を切り換えて、第2アーク期間に移行させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接制御方法である。
【0009】
請求項3の発明は、
前記溶接電流の平均値に占める前記第1アーク期間中の前記溶接電流の比率である電極マイナス極性電流比率が40%~70%の範囲になるように前記第1アーク期間中の前記溶接電流を設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接制御方法である。
【0010】
請求項4の発明は、
前記溶接ワイヤを前記短絡期間中は逆送し、前記アーク期間中は正送する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接制御方法である。
【0011】
請求項5の発明は、
前記短絡期間中に前記溶接ワイヤに形成された溶滴のくびれを検出して前記溶接電流を減少させた状態で、前記第1アーク期間に移行させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接制御方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、板厚が1mm以下の鋼材に対しても、溶け落ちの発生を防止し、かつ、ギャップ裕度の広い溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係るアーク溶接制御方法を実施するためのアーク溶接装置のブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るアーク溶接制御方法を示す
図1のアーク溶接装置における各信号のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係るアーク溶接制御方法を実施するためのアーク溶接装置のブロック図である。同図において、極性切換を円滑にするために、溶接ワイヤ1と母材2との間に数百Vの高電圧を短時間印加する回路については省略している。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
【0016】
電力制御回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御等による出力制御を行い、後述する極性切換信号Drによって電極プラス極性EPと電極マイナス極性ENとを切り換えて溶接ワイヤ1と母材2との間に溶接電圧Vw及び溶接電流Iwを出力する。この電力制御回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑する平滑コンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換する上記の誤差増幅信号Eaによって駆動されるインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を直流に整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトル、平滑された直流を上記の極性切換信号Drに基づいて数十~数百Hzの交流に変換する2次側インバータ回路を備えている。
【0017】
送給モータWMは、後述する送給制御信号Fcを入力として、正送と逆送とを交互に繰り返して溶接ワイヤ1を送給速度Fwで送給する。また、一般的なように、溶接ワイヤ1を予め定めた速度で定速送給するようにしても良い。送給モータWMには、過渡応答性の速いモータが使用される。溶接ワイヤ1の送給速度Fwの変化率及び送給方向の反転を速くするために、送給モータWMは溶接トーチ4の先端の近くに設置される場合がある。また、送給モータWMを2個使用して、プッシュプル方式の送給系とする場合もある。
【0018】
溶接ワイヤ1は、上記の送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接ワイヤ1と母材2との間には溶接電圧Vwが印加され、溶接電流Iwが通電する。溶接ワイヤ1には、鉄鋼ワイヤ、アルミニウムワイヤ等が使用される。溶接トーチ4の先端からはシールドガス(図示は省略)が噴出される。
【0019】
電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwの絶対値を検出して、電流検出信号Idを出力する。
【0020】
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwの絶対値を検出して、電圧検出信号Vdを出力する。電圧設定回路VRは、第2アーク期間中の溶接電圧Vwを設定するための電圧設定信号Vrを出力する。
【0021】
電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧設定信号Vr及び上記の電圧検出信号Vdを入力として、両値の誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。
【0022】
短絡判別回路SDは、上記の電圧検出信号Vdを入力として、この値が予め定めた短絡判別値(10V程度)未満のときは短絡期間にあると判別してHighレベルになり、以上のときはアーク期間にあると判別してLowレベルになる短絡判別信号Sdを出力する。
【0023】
正送加速期間設定回路TSURは、予め定めた正送加速期間設定信号Tsurを出力する。
【0024】
正送減速期間設定回路TSDRは、予め定めた正送減速期間設定信号Tsdrを出力する。
【0025】
逆送加速期間設定回路TRURは、予め定めた逆送加速期間設定信号Trurを出力する。
【0026】
逆送減速期間設定回路TRDRは、予め定めた逆送減速期間設定信号Trdrを出力する。
【0027】
正送ピーク値設定回路WSRは、予め定めた正送ピーク値設定信号Wsrを出力する。
【0028】
逆送ピーク値設定回路WRRは、予め定めた逆送ピーク値設定信号Wrrを出力する。
【0029】
送給速度設定回路FRは、上記の正送加速期間設定信号Tsur、上記の正送減速期間設定信号Tsdr、上記の逆送加速期間設定信号Trur、上記の逆送減速期間設定信号Trdr、上記の正送ピーク値設定信号Wsr、上記の逆送ピーク値設定信号Wrr及び上記の短絡判別信号Sdを入力として、以下の処理によって生成された送給速度パターンを送給速度設定信号Frとして出力する。この送給速度設定信号Frが0以上のときは正送期間となり、0未満のときは逆送期間となる。
1)正送加速期間設定信号Tsurによって定まる正送加速期間Tsu中は0から正送ピーク値設定信号Wsrによって定まる正の値の正送ピーク値Wspまで加速する送給速度設定信号Frを出力する。
2)続いて、正送ピーク期間Tsp中は、上記の正送ピーク値Wspを維持する送給速度設定信号Frを出力する。
3)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)からHighレベル(短絡期間)に変化すると、正送減速期間設定信号Tsdrによって定まる正送減速期間Tsdに移行し、上記の正送ピーク値Wspから0まで減速する送給速度設定信号Frを出力する。
4)続いて、逆送加速期間設定信号Trurによって定まる逆送加速期間Tru中は0から逆送ピーク値設定信号Wrrによって定まる負の値の逆送ピーク値Wrpまで加速する送給速度設定信号Frを出力する。
5)続いて、逆送ピーク期間Trp中は、上記の逆送ピーク値Wrpを維持する送給速度設定信号Frを出力する。
6)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)からLowレベル(アーク期間)に変化すると、逆送減速期間設定信号Trdrによって定まる逆送減速期間Trdに移行し、上記の逆送ピーク値Wrpから0まで減速する送給速度設定信号Frを出力する。
7)上記の1)~6)を繰り返すことによって正負の台形波状に変化する送給パターンの送給速度設定信号Frが生成される。
【0030】
送給制御回路FCは、上記の送給速度設定信号Frを入力として、送給速度設定信号Frの値に相当する送給速度Fwで溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力する。
【0031】
低レベル電流設定回路ILRは、予め定めた低レベル電流設定信号Ilrを出力する。
【0032】
くびれ検出回路NDは、上記の短絡判別信号Sd、上記の電圧検出信号Vd及び上記の電流検出信号Idを入力として、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)であるときの電圧検出信号Vdの電圧上昇値がくびれ検出基準値に達した時点でくびれが形成されたと判別してHighレベルとなり、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化した時点でLowレベルになるくびれ検出信号Ndを出力する。また、短絡期間中の電圧検出信号Vdの微分値がそれに対応したくびれ検出基準値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。さらに、電圧検出信号Vdの値を電流検出信号Idの値で除算して溶滴の抵抗値を算出し、この抵抗値の微分値がそれに対応するくびれ検出基準値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。さらに、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化した時点から所定期間が経過した時点でくびれが形成されたと推定して、くびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。
【0033】
短絡電流設定回路ISRは、上記の短絡判別信号Sd、上記の低レベル電流設定信号Ilr及び上記のくびれ検出信号Ndを入力として、以下の処理を行い、短絡電流設定信号Isrを出力する。
1)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡)に変化した時点から予め定めた初期期間中は、予め定めた初期電流設定値となる短絡電流設定信号Isrを出力する。
2)その後は、予め定めた短絡時傾斜で上昇し、予め定めた短絡時ピーク値に達するとその値を維持する短絡電流設定信号Isrを出力する。
3)その後に、くびれ検出信号NdがHighレベル(くびれ検出)に変化すると、低レベル電流設定信号Ilrの値となる短絡電流設定信号Isrを出力する。
【0034】
第1アーク期間設定回路TA1Rは、予め定めた第1アーク期間設定信号Ta1rを出力する。
【0035】
第1アーク期間回路STA1は、上記の短絡判別信号Sd及び上記の第1アーク期間設定信号Ta1rを入力として、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化した時点から第1アーク期間設定信号Ta1rによって設定される第1アーク期間Ta1中はHighレベルとなる第1アーク期間信号Sta1を出力する。
【0036】
第1アーク電流設定回路IA1Rは、上記の第1アーク期間信号Sta1を入力として、第1アーク期間信号Sta1がHighレベルに変化し、予め定めた遅延期間Tcが経過した時点から第1アーク期間信号Sta1がLowレベルに変化する期間において、予め定めたベース期間中の予め定めたベース電流設定値及び予め定めたピーク期間中の予め定めたピーク電流設定値とを1周期以上繰り返し、その後にベース電流設定値となる第1アーク電流設定信号Ia1rを出力する。
【0037】
第3アーク期間回路STA3は、上記の短絡判別信号Sdを入力として、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化した時点から予め定めた電流降下時間Tdが経過した時点でHighレベルになり、その後に短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)になるとLowレベルになる第3アーク期間信号Sta3を出力する。
【0038】
第3アーク電流設定回路IA3Rは、予め定めた第3アーク電流設定信号Ia3rを出力する。
【0039】
電流制御設定回路ICRは、上記の短絡判別信号Sd、上記の低レベル電流設定信号Ilr、上記の短絡電流設定信号Isr、上記の第1アーク期間信号Sta1、上記の第3アーク期間信号Sta3、上記の第1アーク電流設定信号Ia1r及び上記の第3アーク電流設定信号Ia3rを入力として、以下の処理を行い、電流制御設定信号Icrを出力する。
1)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化し、第1アーク期間信号Sta1がHighレベルに変化した時点から上記の遅延期間Tc中は、低レベル電流設定信号Ilrの値となる電流制御設定信号Icrを出力する。
2)その後は、第1アーク電流設定信号Ia1rの値となる電流制御設定信号Icrを出力する。
3)第1アーク期間信号Sta1がLowレベルに変化した時点から第3アーク期間信号Sta3がLowレベルに変化するまでの期間(第2アーク期間及び第3アーク期間)中は、第3アーク電流設定信号Ia3rの値となる電流制御設定信号Icrを出力する。
4)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)のときは、短絡電流設定信号Isrの値となる電流制御設定信号Icrを出力する。
【0040】
電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Icr及び上記の電流検出信号Idを入力として、両値の誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
【0041】
電源特性切換回路SWは、上記の電流誤差増幅信号Ei、上記の電圧誤差増幅信号Ev、上記の第1アーク期間信号Sta1及び上記の第3アーク期間信号Sta3を入力として、以下の処理を行い、誤差増幅信号Eaを出力する。
1)第1アーク期間信号Sta1がLowレベルに変化し、第3アーク期間信号Sta3がHighレベルに変化するまでの第2アーク期間Ta2中は、電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。
2)それ以外の期間中は、電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力する。
この回路によって、溶接電源の特性は、短絡期間、第1アーク期間Ta1及び第3アーク期間Ta3中は定電流特性となり、第2アーク期間Ta2中は定電圧特性となる。
【0042】
極性切換回路DRは、上記の電流検出信号Id、上記の低レベル電流設定信号Ilr及び上記の第1アーク期間信号Sta1を入力として、電流検出信号Idの値がくびれ検出によって減少して低レベル電流設定信号Ilrの値と等しくなっている期間中にHighレベル(電極マイナス極性EN)に変化し、その後に第1アーク期間信号Sta1がLowレベルに変化するとLowレベル(電極プラス極性EP)に戻る極性切換信号Drを出力する。
【0043】
図2は、本発明の実施の形態に係るアーク溶接制御方法を示す
図1のアーク溶接装置における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(D)は短絡判別信号Sdの時間変化を示し、同図(E)は第1アーク期間信号Sta1の時間変化を示し、同図(F)は第3アーク期間信号Sta3の時間変化を示し、同図(G)は極性切換信号Drの時間変化を示し、同図(H)はくびれ検出信号Ndの時間変化を示す。以下、同図を参照して各信号の動作について説明する。
【0044】
同図(A)に示す送給速度Fwは、正の値のときは溶接ワイヤ1を母材2に向けて前進送給する正送状態を示し、負の値のときは母材2から離反する方向に後退送給する逆送状態を示す。送給速度Fwは、
図1の送給速度設定回路FRから出力される送給速度設定信号Frの値に制御される。送給速度Fwは、
図1の正送加速期間設定信号Tsurによって定まる正送加速期間Tsu、短絡が発生するまで継続する正送ピーク期間Tsp、
図1の正送減速期間設定信号Tsdrによって定まる正送減速期間Tsd、
図1の逆送加速期間設定信号Trurによって定まる逆送加速期間Tru、アークが発生するまで継続する逆送ピーク期間Trp及び
図1の逆送減速期間設定信号Trdrによって定まる逆送減速期間Trdから形成される。さらに、正送ピーク値Wspは
図1の正送ピーク値設定信号Wsrによって定まり、逆送ピーク値Wrpは
図1の逆送ピーク値設定信号Wrrによって定まる。この結果、送給速度設定信号Frは、正負の略台形波波状に変化する送給パターンとなる。同図(B)に示す溶接電流Iw及び同図(C)に示す溶接電圧Vwは、正の値のときは電極プラス極性EPのときの波形を示し、負の値のときは電極マイナス極性ENのときの波形を示す。
【0045】
[時刻t1~t4の短絡期間の動作]
短絡期間の途中までは、同図(G)に示すように、極性切換信号DrはLowレベルであるので、溶接電源の出力は電極プラス極性EPとなる。したがって、短絡期間中は、同図(B)に示す溶接電流Iw及び同図(C)に示す溶接電圧Vwは正の値となる。正送ピーク期間Tsp中の時刻t1において短絡が発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値に急減するので、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化する。これに応動して、時刻t1~t2の予め定めた正送減速期間Tsdに移行し、同図(A)に示すように、送給速度Fwは上記の正送ピーク値Wspから0まで減速する。
【0046】
同図(A)に示すように、送給速度Fwは時刻t2~t3の予め定めた逆送加速期間Truに入り、0から上記の逆送ピーク値Wrpまで加速する。この期間中は短絡期間が継続している。
【0047】
時刻t3において逆送加速期間Truが終了すると、同図(A)に示すように、送給速度Fwは逆送ピーク期間Trpに入り、上記の逆送ピーク値Wrpになる。逆送ピーク期間Trpは、時刻t4にアークが発生するまで継続する。したがって、時刻t1~t4の期間が短絡期間となる。
【0048】
同図(B)に示すように、時刻t1~t4の短絡期間中の溶接電流Iwは、
図1の短絡電流設定信号Isrの値に定電流制御される。
【0049】
同図(B)に示すように、時刻t1~t4の短絡期間中の溶接電流Iwは、予め定めた初期期間中は予め定めた初期電流値となる。その後、溶接電流Iwは、予め定めた短絡時傾斜で上昇し、予め定めた短絡時ピーク値に達するとその値を維持する。上記の初期期間は0.5ms程度であり、初期電流値は40A程度であり、短絡時傾斜は300A/ms程度であり、短絡時ピーク値は340A程度である。
【0050】
同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは、溶接電流Iwが短絡時ピーク値となるあたりから上昇する。これは、溶接ワイヤ1の逆送及び溶接電流Iwによるピンチ力の作用により、溶接ワイヤ1の先端の溶滴にくびれが次第に形成されるためである。
【0051】
その後に溶接電圧Vwの電圧上昇値がくびれ検出基準値に達すると、くびれの形成状態が基準状態になったと判別して、同図(H)に示すように、時刻t31においてくびれ検出信号NdはHighレベルに変化する。これに応動して、
図1の短絡電流設定信号Isrが低レベル電流設定信号Ilrの値に小さくなる。このために、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは短絡時ピーク値から低レベル電流値へと急減する。上記の溶接電流Iwの急減をより高速にするために、通電路に限流抵抗を挿入するようにしても良い。この場合には、急減させるとき以外は、限流抵抗を並列に接続したトランジスタによって短絡させておく。
【0052】
溶接電流Iwが低レベル電流値の状態になっている時刻t32において、同図(G)に示すように、極性切換信号DrがLowレベルからHighレベルに変化するので、溶接電源の出力は電極マイナス極性ENに切り替わる。これに応動して、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは正の値の低レベル電流値から負の値の低レベル電流値へと変化する。同様に、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは正の値の短絡電圧値から負の値の短絡電圧値へと変化する。電極マイナス極性ENへの切り換えは溶接電流Iwの値がくびれ検出によって減少して低レベル電流設定値の値と等しくなっている期間中に行われる。したがって、時刻t31にくびれを検出し、その後に溶接電流Iwが低レベル電流値まで減少した時点から、アークが発生して遅延期間Tcが終了する時刻t51までの期間中に電極マイナス極性ENに切り換えられる。このようにすると、溶接電流Iwが小さな値のときに極性を切り換えるので、2時側インバータ回路を構成するトランジスタに課題なサージ電圧が印加することを抑制して、トランジスタが故障することを防止することができる。
【0053】
時刻t4において、溶接ワイヤの逆送によってくびれが進行してアークが発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは負の値の数十Vのアーク電圧値に急増するので、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化する。これに応動して、同図(H)に示すように、くびれ検出信号NdはLowレベルに変化する。同時に、同図(E)に示すように、第1アーク期間信号Sta1がHighレベルに変化して、時刻t4~t61の期間が予め定めた第1アーク期間Ta1となる。第1アーク期間中は、同図(G)に示すように、極性切換信号DrはHighレベルのままであるので、溶接電源の出力は電極マイナス極性ENを継続する。さらに、第1アーク期間Ta1中は定電流制御が継続する。
【0054】
同時に、時刻t4~t5の期間は、予め定めた逆送減速期間Trdとなる。同図(A)に示すように、送給速度Fwは上記の逆送ピーク値Wrpから0まで減速する。
【0055】
時刻t5において逆送減速期間Trdが終了すると、時刻t5~t6の予め定めた正送加速期間Tsuに移行する。この正送加速期間Tsu中は、同図(A)に示すように、送給速度Fwは0から上記の正送ピーク値Wspまで加速する。この期間中はアーク期間が継続している。
【0056】
時刻t6において正送加速期間Tsuが終了すると、同図(A)に示すように、送給速度Fwは正送ピーク期間Tspに入り、上記の正送ピーク値Wspになる。この期間中もアーク期間が継続している。正送ピーク期間Tspは、時刻t7に短絡が発生するまで継続する。したがって、時刻t4~t7の期間がアーク期間となる。そして、短絡が発生すると、時刻t1の動作に戻る。
【0057】
溶接電流Iwは、同図(B)に示すように、時刻t4から予め定めた遅延期間Tcの間は
図1の低レベル電流設定信号Ilrの値となる。
【0058】
時刻t51において、遅延期間Tcが終了すると、同図(B)に示すように、時刻t61までの第1アーク期間中の溶接電流Iwは、
図1の第1アーク電流設定信号Ia1rによって設定される第1アーク電流Ia1となる。第1アーク電流Ia1は、予め定めたベース期間中の予め定めたベース電流及び予め定めたピーク期間中の予め定めたピーク電流から形成されるパルス波形を1周期以上繰り返し、その後にベース電流となる。同図においては、2周期のパルス波形の場合を例示している。第1アーク電流Ia1を小電流値のベース電流から開始することによって、アーク発生直後にアーク長が急速に長くなり、アーク発生状態が不安定になることを抑制することができる。また、電極マイナス極性ENではアークの発生状態が電極プラス極性EPに比べて不安定である。そこで、第1アーク電流Ia1をパルス波形にすると、一定値の直流波形のときに比べてアークの硬直性が高くなり、アークの安定性を向上させることができる。さらに、第1アーク電流Ia1をパルス波形にすることによって、一定値の直流波形とするときに比べて溶接ワイヤの溶融量を増加させることができる。そして、第1アーク電流Ia1はベース電流の通電によって終了する。このようにすると、小電流値のベース電流の通電中に電極プラス極性EPに切り換えることになり、上述したように、2次側インバータ回路を構成するトランジスタをサージ電圧から保護することができる。同図(C)に示すように、溶接電圧Vwも溶接電流Iwと相似した波形となる。
【0059】
時刻t61において第1アーク期間Ta1が終了すると、同図(G)に示すように、極性切換信号DrがLowレベルに変化して、溶接電源の出力は電極プラス極性EPとなる。これに応動して、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは正の値になり、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwも正の値となる。時刻t61~t62の期間が第2アーク期間Ta2となり、溶接電源は定電圧制御に切り換えられる。同図(B)に示すように、第2アーク電流Ia2はアーク負荷に応じた値となり、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは
図1の電圧設定信号Vrによって制御された値となる。この第2アーク期間Ta2を定電圧制御することによって、アーク長が適正値になるように制御している。上述したように、電極マイナス極性ENではアーク発生状態が不安定になりやすい。このために、電極マイナス極性ENでアーク長制御を行うと、電極プラス極性EPで行うときに比べてアーク長を適正値に維持する性能が劣ることになる。したがって、アーク長制御は電極プラス極性EPで行うことが好ましい。
【0060】
時刻t62において、アーク発生時点t4から予め定めた電流降下時間Tdが経過すると、同図(F)に示すように、第3アーク期間信号Sta3がHighレベルに変化する。この時点から次の短絡が発生する時刻t7までの期間が、第3アーク期間Ta3となる。第3アーク期間Ta3中は、同図(G)に示すように、極性切換信号DrはLowレベルを継続するので、溶接電源の出力は電極プラス極性EPとなる。第3アーク期間Ta3中は、定電流制御される。同図(B)に示すように、
図1の第3アーク電流設定信号Ia3rによって定まる所定の第3アーク電流Ia3が通電する。同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは電流値及びアーク負荷によって定まる値となる。短絡直前の第3アーク電流値Ia3を小さな値にすることによって、短絡の発生を導き、短絡発生時のスパッタ発生を抑制することができる。この第3アーク期間を設けないようにしても良い。その場合は、第1アーク期間及び第2アーク期間がアーク期間を構成することになる。
【0061】
上記の各パラメータの数値例を以下に示す。
溶接ワイヤ:軟鋼1.2mm、シールドガス:アルゴン80%+炭酸ガス20%
平均溶接電流:170A、平均溶接電圧:17V、平均送給速度:9m/min
正送ピーク値:30m/min、逆送ピーク値:-40m/min
短絡期間(所定値ではない):3ms、アーク期間(所定値ではない):7ms
遅延期間:0.5ms、第1アーク期間:4ms、
ベース電流:150A、ピーク電流:250A、3周期繰り返す
第2アーク期間:2.5ms
第3アーク期間(所定値ではない):0.5ms、電流降下時間:6.5ms
低レベル電流値:50A、第3アーク電流値:50A、
【0062】
溶接電流の平均値に占める電極マイナス極性ENの第1アーク電流Ia1の比率を電極マイナス極性電流比率ren(%)とすると、下式で定義できる。
Ren=(∫|Ia1|・dt/∫|Iw|・dt)×100
但し、各積分は短絡期間及びアーク期間の1周期の間行う。
上述した数値例の場合には、電極マイナス極性電流比率Ren=50%となる。
【0063】
以下、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、第1アーク期間を電極マイナス極性とし、第2アーク期間を電極プラス極性とし、第1アーク期間中はベース電流及びピーク電流から形成されるパルス波形の溶接電流を通電する。これにより、第1アーク期間中は、電極マイナス極性ENであるので、母材への入熱を少なくした上で、溶接ワイヤの溶融量を増加させることができる。また、電極マイナス極性ENではアークの発生状態が電極プラス極性EPに比べて不安定である。そこで、第1アーク電流をパルス波形にすることによって、一定値の直流波形のときに比べてアークの硬直性が高くなり、アークの安定性を向上させることができる。さらに、第1アーク電流をパルス波形にすることによって、一定値の直流波形とするときに比べて溶接ワイヤの溶融量をさらに増加させることができる。この結果、本実施の形態では、板厚が1mm以下の鋼材に対しても、溶け落ちの発生を防止し、かつ、ギャップ裕度の広い溶接を行うことができる。
【0064】
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、第1アーク期間中のベース電流が通電しているときに極性を切り換えて、第2アーク期間に移行させる。このようにすると、小電流値のベース電流の通電中に電極プラス極性EPに切り換えることになり、2次側インバータ回路を構成するトランジスタをサージ電圧から保護することができる。
【0065】
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、溶接電流の平均値に占める第1アーク期間中の溶接電流の比率である電極マイナス極性電流比率が40%~70%の範囲になるように第1アーク期間中の溶接電流を設定する。第1アーク期間の溶接電流(第1アーク電流)の設定は、ベース期間、ベース電流、ピーク期間、ピーク電流及び繰り返し周期を設定することによって行う。電極マイナス極性電流比率を上記の範囲に設定すると、板厚が1mm以下の鋼材に対しても、溶け落ちの発生を防止し、かつ、ギャップ裕度の広い溶接を行うことができる。電極マイナス極性電流比率が40%未満になると、鋼材への入熱が大きくなり、板厚1mm以下の溶接において、溶け落ちが発生するおそれがある。電極マイナス極性電流比率が70%を超えると、溶接状態が不安定になり、良好なビードを形成することが困難となる。
【0066】
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、溶接ワイヤを短絡期間中は逆送し、アーク期間中は正送する。このようにすると、短絡期間及びアーク期間の繰り返し周期が安定化するので、母材への入熱が均一になり、溶接品質が向上する。
【0067】
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、短絡期間中に溶接ワイヤに形成された溶滴のくびれを検出して溶接電流を減少させた状態で、第1アーク期間に移行させる。このようにすると、アーク発生時の電流値を小さくすることができるので、スパッタ発生量を少なくすることができる。さらに、電極マイナス極性ENへの切り換え時の電流値を小さくすることができるので、2次側インバータ回路を構成するトランジスタをサージ電圧から保護することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
DR 極性切換回路
Dr 極性切換信号
Ea 誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
Ia1 第1アーク電流
IA1R 第1アーク電流設定回路
Ia1r 第1アーク電流設定信号
Ia2 第2アーク電流
Ia3 第3アーク電流
IA3R 第3アーク電流設定回路
Ia3r 第3アーク電流設定信号
ICR 電流制御設定回路
Icr 電流制御設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
ILR 低レベル電流設定回路
Ilr 低レベル電流設定信号
ISR 短絡電流設定回路
Isr 短絡電流設定信号
Iw 溶接電流
ND くびれ検出回路
Nd くびれ検出信号
PM 電力制御回路
Ren 電極マイナス極性電流比率
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
STA1 第1アーク期間回路
Sta1 第1アーク期間信号
STA3 第3アーク期間回路
Sta3 第3アーク期間信号
SW 電源特性切換回路
TA1R 第1アーク期間設定回路
Ta1r 第1アーク期間設定信号
Tc 遅延期間
Td 電流降下時間
Trd 逆送減速期間
TRDR 逆送減速期間設定回路
Trdr 逆送減速期間設定信号
Trp 逆送ピーク期間
Tru 逆送加速期間
TRUR 逆送加速期間設定回路
Trur 逆送加速期間設定信号
Tsd 正送減速期間
TSDR 正送減速期間設定回路
Tsdr 正送減速期間設定信号
Tsp 正送ピーク期間
Tsu 正送加速期間
TSUR 正送加速期間設定回路
Tsur 正送加速期間設定信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vw 溶接電圧
WM 送給モータ
Wrp 逆送ピーク値
WRR 逆送ピーク値設定回路
Wrr 逆送ピーク値設定信号
Wsp 正送ピーク値
WSR 正送ピーク値設定回路
Wsr 正送ピーク値設定信号