(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037612
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】発送システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240312BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142560
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】520466272
【氏名又は名称】合同会社エリサ
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】石川 せいや
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさや重さに対しての余裕部分を少なくし、商品を効率よく発送するシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】店舗運営者の取り扱う商品が、予め定められた商品の大きさ等に従って商品サイズ情報として管理サーバーに登録されるステップと、管理サーバーに記憶された商品情報が、ユーザーの操作する情報端末を経由してユーザーにより選択されるステップと、管理サーバーが、前記選択された商品情報に紐づけられた商品サイズ情報と、発送サイズ情報とから、輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさに対する商品の収容可能な余裕部分を算出するステップと、管理サーバーが、前記収容可能な余裕部分があることをユーザーの情報端末に送信するステップと、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗運営者の取り扱う商品が、予め定められた商品の大きさ又は重さに従って商品サイズ情報として管理サーバーに登録される、商品サイズ情報登録ステップと、
管理サーバーに記憶された商品情報が、ユーザーの操作する情報端末を経由して発送依頼者により選択される商品選択ステップと、
管理サーバーが、前記選択された商品情報に紐づけられた商品サイズ情報と、発送サイズ情報とから、輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさに対する商品の収容可能な余裕部分を算出する、余裕部分算出ステップと、
管理サーバーが、前記収容可能な余裕部分があることをユーザーの情報端末に送信する、余裕部分通知ステップと、を備えることを特徴とする、発送システム。
【請求項2】
前記管理サーバーは、前記算出された商品の収容可能な余裕部分と、管理サーバーに記憶された商品情報に紐づけられた商品サイズ情報とを比較し、前記商品の収容可能な余裕部分に収容可能な商品情報を決定する、同梱可能商品決定ステップと、
前記収容可能な商品情報をユーザーの情報端末に送信する、同梱商品表示ステップと、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の発送システム。
【請求項3】
前記管理サーバーは、前記商品の収容可能な余裕部分に収容可能な商品情報が保有する利益情報をユーザーの情報端末に送信する、利益情報送信ステップと備えることを特徴とする、請求項2に記載の発送システム。
【請求項4】
前記同梱商品表示ステップで送られる商品の収容可能な余裕部分に収容可能な商品情報は、ユーザーに商品を試しに使用してもらうことを希望する者の商品情報であり、
前記利益情報送信ステップで送られるユーザーに与える利益情報は、ユーザーに商品を試しに使用してもらうことを希望する者が負担する利益情報であることを特徴とする、請求項3に記載の発送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、WEBサイトに掲載された商品をインターネット経由で注文し、WEBサイト管理者(店舗運営者)に発送してもらうオンラインショップサービスが行われている。
オンラインショップでは、ユーザーが購入した商品は、輸送業者により、ユーザーまで届けられる。輸送業者は、商品が梱包された荷物の大きさ(縦、横及び高さの3辺の長さ)又は荷物の重さ及び発送地から届ける場所(ユーザー)までの距離を基準に送料を決定している。
ユーザーは商品と送料を含めた金額を、可能な限り低額にしたいというニーズがあり、例えば、特許文献1では、複数の販売者の送料を含む商品の購入費用と発送地から送付地までの距離とをユーザーが容易に比較することができる情報を端末装置に表示させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
輸送業者の送料は、一定の大きさ又は一定の重さ(発送サイズ)を超えると送料が段階的に増加するように設定されている。よって、商品の大きさが輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさ(発送サイズ)よりも荷物が少し大きい場合、一段階大きい輸送対象物として扱われて料金が確定し、輸送対象物の規定の大きさに対して大きな空間(余裕部分)が存在する状態で発送されたり、商品が小さい物の場合、輸送対象物の規定の大きさに対して大きな空間(余裕部分)ができた状態で発送されたりする場合がある。また、重さを基準にした場合も、同様であり、荷物の重さや空間に余裕部分があってもその余裕部分を含めた料金をユーザーが負担しているという状況である。
【0005】
そこで、本発明の課題は、商品の荷物の大きさを輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさ又は重さ(発送サイズ)にできる限り近づけ、輸送対象物の規定の大きさや重さに対しての余裕部分を少なくし、商品を効率よく発送するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、店舗運営者が取り扱う商品を予め定められた商品の大きさ又は重さに従って商品サイズ情報として管理サーバーに登録し、ユーザーが商品を選択した際に、輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさ又は重さ(発送サイズ)に対してどの程度の空間(余裕部分)があるかを算出する発送システムを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の発送システムは、店舗運営者の取り扱う商品が、予め定められた商品の大きさ又は重さに従って商品サイズ情報として管理サーバーに登録される、商品サイズ情報登録ステップと、管理サーバーに記憶された商品情報が、ユーザーの操作する情報端末を経由して発送依頼者により選択される商品選択ステップと、管理サーバーが、選択された商品情報に紐づけられた商品サイズ情報と、発送サイズ情報とから、輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさに対する商品の収容可能な余裕部分を算出する、余裕部分算出ステップと、管理サーバーが、収容可能な余裕部分があることをユーザーの情報端末に送信する、余裕部分通知ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明の発送システムによれば、これらのステップを有することにより、ユーザーが発送サイズにどの程度の余裕部分があるかを把握することができ、輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさ又は重さ(発送サイズ)にできる限り近づけ、輸送対象物の規定の大きさや重さに対しての余裕部分を少なくし効率よく発送しやすくなる効果がある。
また、ユーザーが追加の商品を選択しやすくなり、商品の購入意欲を増加させる効果がある。
【0008】
さらに、本発明の発送システムの一実施態様としては、管理サーバーは、算出された商品の収容可能な余裕部分と、管理サーバーに記憶された商品情報に紐づけられた商品サイズ情報とを比較し、商品の収容可能な余裕部分に収容可能な商品情報を決定する、同梱可能商品決定ステップと、収容可能な商品情報をユーザーの情報端末に送信する、同梱商品表示ステップと、を備えることを特徴とする。
この発送システムによれば、同梱可能な商品が表示されることから、輸送対象物の規定の大きさや重さから一段階大きい料金が適用されるか否かの判断がしやすくなり、追加の商品を選択しやすくなることから、ユーザーの購入意欲を増加させることができる効果がある。
【0009】
さらに、本発明の発送システムの一実施態様としては、管理サーバーは、商品の収容可能な余裕部分に収容可能な商品情報(同梱候補商品)が保有する利益情報をユーザーの情報端末に送信する、利益情報送信ステップと備えることを特徴とする。
この発送システムによれば、ユーザーに対する利益を表示させることから、ユーザーの商品購入意欲を増加させることができる効果がある。
【0010】
さらに、本発明の発送システムの一実施態様としては、同梱商品表示ステップで送られる商品の収容可能な余裕部分に収容可能な商品情報は、ユーザーに商品を試しに使用してもらうことを希望する者の商品情報であり、利益情報送信ステップで送られるユーザーに与える利益情報は、ユーザーに商品を試しに使用してもらうことを希望する者が負担する利益情報であることを特徴とする。
この発送システムによれば、同梱商品としてユーザーの情報端末に商品を表示させることから、ユーザーが商品を選択しやすく、商品を試しに使用してもらうことを希望する者(サンプル事業者)が、試してもらいたい商品(商品サンプル)をユーザーに容易に届けることができる効果がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、輸送業者の設定する荷物の大きさ又は重さ(発送サイズ)にできる限り近づけ、荷物の大きさや重さの余裕部分を少なくし効率よく発送するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施態様の発送システムを表す概略図。
【
図2】本発明の実施態様における発送システムの記憶部を表す図。
【
図3】本発明の実施態様における発送システムの予め定められた商品の大きさを表す図。
【
図4】本発明の実施態様における発送システムの輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさを表す図。
【
図5】本発明の実施態様における発送システムの梱包容器を表す図であり、(A)図は、商品の大きさが1/2の場合を表す概略図。(B)図は、商品の大きさが1/4の場合を表す概略図。(C)図は、商品の大きさが1/8の場合を表す概略図。
【
図6】本発明の実施態様の発送システムの梱包作業の様子を表す概略図であり、(A)図は梱包前を表す概略図。(B)図は梱包後を表す概略図。
【
図7】本発明の実施態様の発送システムの流れを表す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1を参照しつつ、本発明に係る発送システムの実施態様を詳細に説明する。なお、実施態様に記載する発送システムについては、本発明に係る発送システムを説明するために例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0014】
[第1の実施態様]
図1は、本発明の第1の実施態様における発送システム1を示す概略図である。
<発送システム>
本実施態様の発送システム1は、ユーザー21に操作される情報端末2とオンラインショップの管理者である店舗運営者30が管理する管理サーバー3と輸送業者4とを備える。以下、各構成について説明する。
【0015】
(情報端末)
情報端末2は、オンラインショップで商品を購入しようとするのユーザー21に操作される端末が該当する。情報端末2は、店舗運営者の販売する商品の情報がインターネット5を経由して閲覧し購入手続きを行うことができるものであれば特に限定されない。
具体的には、情報端末2は、CPU、ROM,RAM、ハードディスクのような記憶装置、表示装置、入力装置、管理サーバー3と通信するための通信手段等からなるコンピューターである。情報端末2は、CPU、ROM、RAMを中心とした制御部で制御され、入力装置で入力された情報を処理する。
情報端末2としては、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン、デスクトップパソコン等の情報処理端末が該当する。
情報端末2は、ユーザー21の操作により管理サーバー3からの情報を受信したり、管理サーバー3に情報を送信したりする。
【0016】
(管理サーバー)
管理サーバー3は、情報端末2とインターネット5を経由して情報通信が可能である。また、情報端末2から受信した情報を処理、保存する機能を有する。
【0017】
管理サーバー3は、CPU、ROM,RAM、ハードディスクのような記憶装置、表示装置、入力装置、他の情報端末と通信するための通信手段等からなるコンピューターである。管理サーバー3は、CPU、ROM、RAMを中心とした制御部で制御され、入力装置で入力された情報を処理する。
管理サーバー3の記憶部31には、商品情報311と商品サイズ情報312と利益情報313と発送サイズ情報314とが記憶される。
また、管理サーバー3には、余裕部分算出部32及び同梱可能商品決定部33を備え、これらは制御部により制御される。
【0018】
(商品情報)
商品情報311は、店舗運営者30が取り扱う商品の情報であり、各商品の商品説明文、価格や商品画像などが該当する。商品情報311は、ユーザー21が商品を購入するか否かの判断をするための情報である。
【0019】
(商品サイズ情報)
商品サイズ情報312は、
図3に示すように店舗運営者30が取り扱う商品ごとに、予め決定された商品の大きさを特定するための情報である。
商品サイズ情報312は、ユーザー21が商品を購入しようとした際に、輸送業者4が規定する発送サイズ(輸送業者4が設定する輸送対象物の規定の大きさ又は重さ)のうちに占める商品の大きさを特定するための情報である。
なお、発送サイズは、
図4に示すように、輸送業者4が取り扱う輸送対象物の規定の大きさ(体積)や重さであり、ある一定の大きさや重さまでは、一定の料金が設定されている。そして、荷物の大きさが輸送対象物の規定の大きさよりも大きくなったり重さが重くなったりするにつれて段階的に第一サイズ、第二サイズのように、料金が増加するように規定されている。輸送対象物の規定の大きさは、例えば、幅(W)と奥行(D)と高さ(H)の合計の長さで決定されるのが一般的であり、この長さが一定の長さを超えると料金が増加する。例えば一例として、第一サイズとしては幅(W)と奥行(D)と高さ(H)の合計が60cm以下の場合が該当し、第二サイズとしては、幅(W)と奥行(D)と高さ(H)の合計が60cmを超え、80cm以下の場合が該当する等のように規定されている。
本明細書では、荷物とは、ユーザー21が購入した商品群を表し、一つの商品であれば、その一つの予め決定された商品の大きさが該当し、複数の商品を購入した場合は、複数の商品のそれぞれの予め決定された商品の大きさの合計の大きさが該当する。
【0020】
商品サイズ情報312は、
図3及び
図4に示すように、例えば、輸送業者4が取り扱う料金の定められた輸送対象物の規定の大きさ(第一サイズ)のうち、商品Aが1/2の大きさを占める場合は、予め商品サイズ1/2の大きさの商品として特定した情報である。その情報は
図2に示すように、商品ごとに管理サーバー3の記憶部31に記憶され、その他の商品Bや商品Cの場合は、輸送業者4が取り扱う輸送対象物の規定の大きさ(第一サイズ)のうち、1/4の大きさを占めるため、商品サイズが1/4の大きさと特定し記憶部31に記憶され、商品Dや商品Eの場合は、輸送業者4が取り扱う輸送対象物の規定の大きさのうち、1/8の大きさを占めるため、商品サイズが1/8の大きさと特定し記憶部31に記憶されている場合を例示している。
本実施の態様では、予め決定された商品の大きさとしては、高さを一定とし、輸送対象物の規定の大きさに対し、1/2、1/4、1/8の大きさとなるような場合を例示したが、これに限定されない。
【0021】
このように、輸送業者4の取り扱う輸送対象物の規定の大きさのうち、商品ごとにどの程度の大きさ(体積または重さ)を必要とするかを予め決定しておくことで、ユーザー21が商品を購入候補として選択した際に、輸送業者4が設定する輸送対象物の規定の大きさに対してその商品がどの程度の大きさ占めるかを決定することができ、同じ輸送対象物の規定の大きさに対しての余裕部分(空いた空間)を把握することができる効果がある。
【0022】
また、
図5及び6に示すように、予め商品の大きさとして梱包容器を決定し、商品ごとにその決定された大きさの梱包容器に商品の梱包を完了させておけば、梱包状態の商品を輸送業者4が設定する輸送対象物の規定の大きさ(第一サイズや第二サイズ等)に合わせて荷造りしやすく、効率よく発送準備が可能となる効果もある。
図6では、第一サイズに収まるように、商品A、商品B、商品D及び商品Eをユーザーが購入した場合の梱包作業を表す図であり、余裕部分のない状態で荷物として梱包された状態である。
【0023】
(利益情報)
利益情報313は、商品ごとに決定された情報であり、ユーザー21が特定の商品を購入した際に与えられる特典の情報である。
例えば、
図2に示すように、ユーザー21の購入商品の中に商品Cが含まれている場合は、次回の買い物時に商品Aが無料となる特典が与えられたり、商品Eが含まれている場合は、今回の荷物の送料が無料となる特典が与えられたりする等の情報である。
【0024】
(発送サイズ情報)
発送サイズ情報314は、輸送業者4がユーザー21の指定場所に荷物を届ける際に必要な料金を決定するための情報である。発送サイズ情報314は、輸送業者4の取り扱う輸送対象物の規定の大きさ又は輸送対象物の規定の重さごとに段階的に料金が設定された情報である。
例えば、
図2では、第一サイズ、第二サイズなどのように、輸送対象物の3辺(幅(W)と奥行(D)と高さ(H)の3辺の長さの合計の値)の大きさ又は輸送対象物の重さを既定の値として基準とし、段階的にサイズ(大きさ)が決められ料金が設定されている。
なお、料金が段階的に設定されていない場合であって、輸送業者4の取り扱う輸送対象物の規定の大きさが決められている場合は、その輸送対象物の規定の大きさ合わせることにより本発明は適用可能である。
また、本実施の態様では、輸送対象物の3辺の大きさ(体積)の場合で説明するが、重さについても同様に適用可能である。また、輸送対象物の体積と重さの両方を適用し、料金の高い方を送料とする場合でも適用可能である。
【0025】
(余裕部分算出部)
余裕部分算出部32は、選択された輸送業者4の輸送対象物の規定の大きさに対し、ユーザー21の購入した商品群(荷物)の大きさがどの程度占めているかを算出することで、どの程度の余裕部分があるか否かを算出する機能を有する。
余裕部分算出部32は、
図3に示すように、ユーザー21が購入予定として選択したすべての商品に対して商品情報311に紐づけられた商品サイズ情報312からすべての商品サイズが合算された商品サイズ(荷物の大きさ)を特定する。
また、輸送業者4の設定する輸送対象物の規定の大きさの料金(第一サイズや第二サイズの選択)は、管理サーバー3の制御部が特定した商品群(荷物)の大きさから算出し、発送サイズ情報314に基づいて自動的に選択されたり、ユーザー21が発送サイズ情報314に基づいて、輸送業者4の輸送対象物の規定の大きさを任意に選択したりして決定される。
【0026】
そして、余裕部分算出部32は、荷物の大きさと輸送対象物の規定の大きさを比較して輸送対象物の規定の大きさにどの程度の余裕部分(空間)が存在するかを決定する。
余裕部分算出部32により、輸送対象物の規定の大きさに対してどの程度の余裕部分(空間)があるかを把握することができ、その余裕部分の情報をユーザー21の情報端末2に表示させることで、ユーザー21は送料の変更がない(輸送対象物の規定の大きさの変更がない)状態で同梱可能かを知ることができ、商品の購入意欲を増加させることができる。
【0027】
(同梱可能商品決定部)
同梱可能商品決定部33は、余裕部分算出部32で算出された余裕部分に収納可能な商品情報を商品サイズ情報312に基づいて決定する機能を有する。なお、同梱可能商品決定部33が決定した商品情報は、同梱候補商品とする。
また、同梱可能商品決定部33は、同梱候補商品の情報を管理サーバー3の送信部からユーザー21の情報端末2に送信させることで、ユーザー21の情報端末2に同梱可能な商品として表示する。
ユーザー21の情報端末2に同梱候補商品が表示されることで、どの商品であれば同梱可能かをユーザー21は容易に知ることができ、ユーザー21の商品購入意欲と利便性が向上する。
なお、同梱可能商品決定部33は、余裕部分算出部32で算出された余裕部分に収納可能な商品がない場合は、その旨を決定し、ユーザー21の情報端末2に送信するようにしてもよい。
【0028】
ユーザー21の情報端末2に送信する同梱可能な商品は、ユーザー21の属性に合わせて選択して送信するようにしてもよく、例えば、予め登録されたユーザー21の属性情報からユーザー21が男性であると特定できる場合、男性向けの商品を同梱候補商品として送信したり、ユーザー21の年齢層に合わせた商品を同梱候補商品として送信したりするようにしてもよい。なお、この場合、予め商品が男性向けの商品であることや商品の販売対象としての年齢層等の対象属性の情報を商品情報と紐づけて記憶部に記憶しておき、それらの情報と、性別や年齢などのユーザー21の属性情報とを照らし合わせて同梱可能商品決定部33が決定する。
【0029】
また、同梱可能商品決定部33は、同梱候補商品に利益情報313が紐づけられている場合は、管理サーバー3の送信部からユーザー21の情報端末2に送信させることで、ユーザー21の情報端末2に同梱可能な商品として表示させる。管理サーバー3が利益情報313をユーザー21の情報端末2に送信し、ユーザー21の情報端末2に表示させることで、ユーザー21の商品購入意欲を増加させることができる効果がある。
【0030】
(輸送業者)
輸送業者4は、ユーザー21の選択した商品の代金決済(送料を含む)を完了した後、店舗運営者30の依頼により商品を梱包した荷物をユーザー21に届ける事業者である。店舗運営者30の依頼で荷物を受領し、ユーザー21に荷物を届けることができる事業者であれば、特に限定されない。
【0031】
<発送システムの動作>
以下、
図7を参照し、発送システム1の流れについて説明する。
S101では、店舗運営者30が、自身の取り扱う商品の情報を管理サーバー3に記憶させる。記憶させる情報は、商品情報311、商品サイズ情報312、利益情報313、発送サイズ情報314が該当する。
各商品の商品情報311を管理サーバー3に記憶させることを商品情報登録ステップとし、各商品の商品サイズ情報312を管理サーバー3に記憶させることを商品サイズ情報登録ステップとし、各商品の利益情報313を管理サーバー3に記憶させることを利益情報登録ステップとし、各商品の発送サイズ情報314を管理サーバー3に記憶させることを発送サイズ情報登録ステップとする。
なお、商品サイズ情報登録ステップでは、店舗運営者30の取り扱う商品が、予め定められた商品の大きさ又は重さに従って商品サイズ情報として管理サーバーに登録される。
【0032】
S102では、ユーザー21が情報端末2を操作し、店舗運営者30の管理する管理サーバー3にインターネットを経由して接続する。ユーザー21の情報端末2と管理サーバー3は、ユーザー21の情報端末2の操作に従って、互いに情報の送受信を行い、商品情報311、商品サイズ情報312、利益情報及313及び発送サイズ情報314を表示させたりする。
なお、ユーザー21が選択した商品に利益情報が紐づけられている場合は、その利益情報313もユーザー21の情報端末2に送信され情報端末2に表示される。
ユーザー21は、表示された商品情報311に基づいて、購入を希望する商品を選択する。この工程は、管理サーバーに記憶された商品情報が、ユーザーの操作端末を経由して発送依頼者により選択される商品選択ステップとする。
【0033】
S103では、ユーザー21が選択した商品に基づき、管理サーバー3の余裕部分算出部32(管理サーバー3)が、選択された商品情報311に紐づけられた商品サイズ情報312と、発送サイズ情報314とから、輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさに対する商品の収容可能な余裕部分を算出する。この工程を、余裕部分算出ステップとする。
【0034】
S104では、同梱可能商品決定部33(管理サーバー3)は、算出された商品の収容可能な余裕部分と、管理サーバー3に記憶された商品情報311に紐づけられた商品サイズ情報312とを比較し、商品の収容可能な余裕部分に収容可能な商品情報(同梱候補商品)を決定する。この工程を、同梱可能商品決定ステップとする。
【0035】
S105では、管理サーバー3の送信部が、収容可能な余裕部分があることをユーザー21の情報端末2に送信する。この工程を余裕部分通知ステップとする。
さらに、管理サーバー3の送信部は、S104で決定した収容可能な商品情報(同梱候補商品)をユーザー21の情報端末2に送信する。この工程を同梱商品表示ステップとする。
また、管理サーバー3は、商品の収容可能な余裕部分に収容可能な商品情報(同梱候補商品)に利益情報313が含まれている場合は、ユーザー21に与える利益情報313を送信する。この工程を、利益情報送信ステップとする。
【0036】
S106では、ユーザー21は、S105で送信された収容可能な余裕部分の情報、同梱候補商品の情報及び利益情報313を基に同梱候補商品を購入するか否かを選択する。この工程を追加商品選択ステップとする。
【0037】
S107では、同梱候補商品を購入するか否かを決定したうえで商品の代金を決済する手続きに移行したり、利益情報313が適用されたり、同梱候補商品とは異なる別の商品を追加購入したりしてユーザー21の購入手続きが進行する。
【0038】
S108では、商品の代金決済が完了すると、商品が梱包されて荷物となる。この梱包作業を梱包ステップとする。そして、梱包された荷物が輸送業者4に引き渡されて、ユーザー21に荷物が届けられる。
なお、梱包ステップの際、商品の梱包作業は、予め定められた商品の大きさごとに梱包されているため、輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさ(発送サイズ)に合わせて容易に梱包できる。
以上のステップにより、発送システム1が完了する。
【0039】
また、本実施態様において、取り扱い商品を商品サイズ情報312で規定する梱包容器に予め梱包して、事前商品梱包容器ステップを商品選択ステップの前に有すれば、商品の梱包作業が輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさ(発送サイズ)に合わせて容易かつ迅速に行うことができる。
【0040】
なお、本実施の態様において、同梱商品表示ステップで送られる商品の収容可能な余裕部分に収容可能な商品情報(同梱候補商品)は、ユーザー21に商品を試しに使用してもらうことを希望する者(サンプル事業者)の商品情報(サンプル商品)であり、利益情報送信ステップで送られるユーザー21に与える利益情報313は、ユーザー21に商品を試しに使用してもらうことを希望する者(サンプル事業者)が負担する利益情報313であってもよい。
【0041】
この態様であれば、例えば、利益情報313として、商品を試しに使用してもらうことを希望する者(サンプル事業者)がユーザー21の送料を一部又は全部負担することで、ユーザー21は送料の負担を軽減することができる。また、店舗運営者30は、送料を理由にユーザー21が商品購入を避けてしまうことを抑制でき、商品を試しに使用してもらうことを希望する者(サンプル事業者)は、試してもらいたい商品をユーザー21に届けることができる効果がある。
【0042】
なお、サンプル事業者のサンプル商品が、ユーザー21に選択されて商品の決済が完了した際又はサンプル品が発送された際に、管理サーバー3からそのサンプル品が出荷されたことをサンプル事業者の管理する情報端末にインターネット5を経由して通知するようにしてもよく、さらに、その通知には、予めユーザー21から許可を得たユーザー21の属性情報(住所、氏名、性別、年齢や店舗管理者で購入した商品履歴等)を含むものとしてもよい。
この態様であれば、サンプル事業者は、サンプル商品の在庫管理や、サンプル商品に興味を持ったユーザーの情報を容易に収集できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の発送システムは、店舗運営者が取り扱う商品を予め定められた商品の大きさ又は重さに従って商品サイズ情報として管理サーバーに登録し、ユーザーが商品を選択した際に、輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさ又は重さ(発送サイズ)に対してどの程度の空間(余裕部分)があるかを算出することで、商品の荷物の大きさを輸送業者の設定する輸送対象物の規定の大きさ又は重さ(発送サイズ)にできる限り近づけ、輸送対象物の規定の大きさや重さに対しての余裕部分を少なくし、商品を効率よく発送することが可能となるものである。
【符号の説明】
【0044】
1 発送システム
2 情報端末
3 管理サーバー
4 輸送業者
5 インターネット
21 ユーザー
30 店舗運営者
31 記憶部
32 余裕部分算出部
33 同梱可能商品決定部
311 商品情報
312 商品サイズ情報
313 利益情報
314 発送サイズ情報