(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037618
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】送出装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/48 20060101AFI20240312BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240312BHJP
B65H 3/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B65H3/48 310A
G03G15/00 405
B65H3/12 310D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142569
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三通田 真也
(72)【発明者】
【氏名】松浪 庄平
【テーマコード(参考)】
2H072
3F343
【Fターム(参考)】
2H072BA04
2H072BA08
2H072CA03
3F343FA02
3F343FB02
3F343FC01
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343JB03
3F343JB05
3F343JB23
3F343JD27
3F343JD28
3F343KB04
3F343KB05
3F343LC08
3F343LD07
3F343MB03
3F343MC13
(57)【要約】
【課題】媒体の浮揚のために変動する領域のみから媒体の側端部へ空気を送風する場合に比べて、浮揚した最上位の用紙の姿勢を安定させる。
【解決手段】送出装置は、積載された複数の媒体の側端部に空気を送風することによって前記媒体を浮揚させる送風部であって、定められた領域から前記媒体に対して空気を送風する第一送風部と、変動する領域から前記媒体に対して前記空気を送風する第二送風部と、を有する前記送風部と、浮揚された前記媒体を送出する送出部と、前記第一送風部と前記第二送風部とが前記媒体に対して同時に送風を行う制御モードを有する制御部と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載された複数の媒体の側端部に空気を送風することによって前記媒体を浮揚させる送風部であって、定められた領域から前記媒体に対して空気を送風する第一送風部と、変動する領域から前記媒体に対して前記空気を送風する第二送風部と、を有する前記送風部と、
浮揚された前記媒体を送出する送出部と、
前記第一送風部と前記第二送風部とが前記媒体に対して同時に送風を行う制御モードを有する制御部と、
を備える送出装置。
【請求項2】
前記第二送風部の前記変動する領域は、上下方向に変動する、請求項1に記載の送出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第二送風部からの送風を停止し、前記第一送風部から前記媒体に対して送風を行う第一制御モードを有し、前記媒体の送出条件に応じて、前記第一制御モードと、前記制御モードとしての第二制御モードと、を切り替える、請求項1に記載の送出装置。
【請求項4】
前記媒体の送出条件には、媒体の種類及び環境湿度の少なくとも一方が含まれる、請求項3に記載の送出装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記媒体が薄紙の場合、前記第一制御モードで送風を行う、請求項4に記載の送出装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記媒体が厚紙の場合、前記第二制御モードで送風を行う、請求項4に記載の送出装置。
【請求項7】
前記送風部は、前記空気の送風管と、前記送風管の出口部を構成する前記第一送風部としての第一送風口及び前記第二送風部としての第二送風口と、を有する、請求項1に記載の送出装置。
【請求項8】
前記送風部は、前記送風管の出口部を構成し、上下方向に移動可能な移動部材を有しており、
前記第一送風口及び前記第二送風口が前記移動部材に設けられている、請求項7に記載の送出装置。
【請求項9】
前記第一送風口は、上方から下方へ延びており、
前記第二送風口は、前記移動部材に対して前記第一送風口の延びる方向に対して交差する方向に延びている、請求項8に記載の送出装置。
【請求項10】
前記第二送風口は、前記第一送風口と交差する、請求項9に記載の送出装置。
【請求項11】
前記第二送風口は、前記交差する方向に間隔をあけて配置された複数の開口によって構成されている、請求項9に記載の送出装置。
【請求項12】
前記送風部は、前記移動部材の上下方向の移動により前記第二送風口を塞ぐ塞ぎ部を有する、請求項9に記載の送出装置。
【請求項13】
積載された複数の媒体の側端部に空気を送風することによって前記媒体を浮揚させる送風部であって、定められた領域から前記媒体に対して空気を送風する第一送風口と、変動する領域から前記媒体に対して前記空気を送風する第二送風口と、を有する前記送風部と、
浮揚された前記媒体を送出する送出部と、
前記第一送風口と前記第二送風口とが前記媒体に対して同時に送風を行う制御モードを有する制御部と、
を備える送出装置。
【請求項14】
前記送風部は、前記空気の送風管を有し、前記送風管の出口部が前記第一送風口及び前記第二送風口によって構成されている、請求項13に記載の送出装置。
【請求項15】
前記送風部は、前記送風管の出口部を構成し、上下方向に移動可能な移動部材を有しており、
前記第一送風口及び前記第二送風口が前記移動部材に設けられている、請求項14に記載の送出装置。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の送出装置と、
前記送出装置から送り出された媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送出装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、用紙を積載する給紙トレイと、該給紙トレイから用紙を送り出す給紙手段と、前記積載された用紙の側面及び上面へ前記用紙の側面に垂直な方向からエアーを吹き付けるエアー吹付手段とを具備し、前記エアー吹付手段のエアー吹出口に、前記用紙の側面を対向配置することで該エアー吹出口の面積を縮小して該エアー吹出口から吹き出されるエアー流を絞り込むエアー絞り込み部を形成したことを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、媒体の浮揚のために変動する領域のみから媒体の側端部へ空気を送風する場合に比べて、浮揚した最上位の用紙の姿勢を安定させることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様の送出装置は、積載された複数の媒体の側端部に空気を送風することによって前記媒体を浮揚させる送風部であって、定められた領域から前記媒体に対して空気を送風する第一送風部と、変動する領域から前記媒体に対して前記空気を送風する第二送風部と、を有する前記送風部と、浮揚された前記媒体を送出する送出部と、前記第一送風部と前記第二送風部とが前記媒体に対して同時に送風を行う制御モードを有する制御部と、を備える。
【0006】
本開示の第2態様の送出装置は、第1態様の送出装置において、前記第二送風部の前記変動する領域は、上下方向に変動する。
【0007】
本開示の第3態様の送出装置は、第1態様の送出装置において、前記制御部は、前記第二送風部からの送風を停止し、前記第一送風部から前記媒体に対して送風を行う第一制御モードを有し、前記媒体の送出条件に応じて、前記第一制御モードと、前記制御モードとしての第二制御モードと、を切り替える。
【0008】
本開示の第4態様の送出装置は、第3態様の送出装置において、前記媒体の送出条件には、媒体の種類及び環境湿度の少なくとも一方が含まれる。
【0009】
本開示の第5態様の送出装置は、第4態様の送出装置において、前記制御部は、前記媒体が薄紙の場合、前記第一制御モードで送風を行う。
【0010】
本開示の第6態様の送出装置は、第4態様の送出装置において、前記制御部は、前記媒体が厚紙の場合、前記第二制御モードで送風を行う。
【0011】
本開示の第7態様の送出装置は、第1態様の送出装置において、前記送風部は、前記空気の送風管と、前記送風管の出口部を構成する前記第一送風部としての第一送風口及び前記第二送風部としての第二送風口と、を有する。
【0012】
本開示の第8態様の送出装置は、第7態様の送出装置において、前記送風部は、前記送風管の出口部を構成し、上下方向に移動可能な移動部材を有しており、前記第一送風口及び前記第二送風口が前記移動部材に設けられている。
【0013】
本開示の第9態様の送出装置は、第8態様の送出装置において、前記第一送風口は、上方から下方へ延びており、前記第二送風口は、前記移動部材に対して前記第一送風口の延びる方向に対して交差する方向に延びている。
【0014】
本開示の第10態様の送出装置は、第9態様の送出装置において、前記第二送風口は、前記第一送風口と交差する。
【0015】
本開示の第11態様の送出装置は、第9態様の送出装置において、前記第二送風口は、前記交差する方向に間隔をあけて配置された複数の開口によって構成されている。
【0016】
本開示の第12態様の送出装置は、第9態様の送出装置において、前記送風部は、前記移動部材の上下方向の移動により前記第二送風口を塞ぐ塞ぎ部を有する。
【0017】
本開示の第13態様の送出装置は、積載された複数の媒体の側端部に空気を送風することによって前記媒体を浮揚させる送風部であって、定められた領域から前記媒体に対して空気を送風する第一送風口と、変動する領域から前記媒体に対して前記空気を送風する第二送風口と、を有する前記送風部と、浮揚された前記媒体を送出する送出部と、前記第一送風口と前記第二送風口とが前記媒体に対して同時に送風を行う制御モードを有する制御部と、を備える。
【0018】
本開示の第14態様の送出装置は、第13態様の送出装置において、前記送風部は、前記空気の送風管を有し、前記送風管の出口部が前記第一送風口及び前記第二送風口によって構成されている。
【0019】
本開示の第15態様の送出装置は、第14態様の送出装置において、前記送風部は、前記送風管の出口部を構成し、上下方向に移動可能な移動部材を有しており、前記第一送風口及び前記第二送風口が前記移動部材に設けられている。
【0020】
本開示の第16態様の画像形成装置は、第1態様~第15態様のいずれか1態様の送出装置と、前記送出装置から送り出された媒体に画像を形成する画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
第1態様の送出装置では、媒体の浮揚のために変動する領域のみから媒体の側端部へ空気を送風する場合に比べて、浮揚した最上位の用紙の姿勢を安定させることができる。
【0022】
第2態様の送出装置では、第二送風部の変動する領域が水平方向に変動する場合と比べて、媒体の重送を抑制することができる。
【0023】
第3態様の送出装置では、媒体の送出条件に応じて制御モードを切り替えない場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させることと、浮揚した最上位の媒体と最上位から2番目の媒体との密着を弱めることとを両立することができる。
【0024】
第4態様の送出装置では、媒体の送出条件に媒体の種類及び環境湿度が含まれない場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させることと、浮揚した最上位の媒体と最上位から2番目の媒体との密着を弱めることとを両立することができる。
【0025】
第5態様の送出装置では、媒体が薄紙の場合に第二制御モードで送風を行う構成と比べて、浮揚した最上位の用紙の姿勢を安定させることができる。
【0026】
第6態様の送出装置では、媒体が厚紙の場合に第一制御モードで行う構成と比べて、浮揚した厚紙の姿勢を安定させることと、浮揚した最上位の厚紙と最上位から2番目の厚紙との密着を弱めることとを両立することができる。
【0027】
第7態様の送出装置では、第一送風口と第二送風口とが別々の送風管の出口部を構成する場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させやすい。
【0028】
第8態様の送出装置では、移動部材と共に第二送風口が水平方向に移動する場合と比べて、浮揚した最上位の媒体と最上位から2番目の媒体との密着を弱めることができる。
【0029】
第9態様の送出装置では、第一送風口と第二送風口が同じ方向に延びている場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させやすい。
【0030】
第10態様の送出装置では、第一送風口と第二送風口が離れている場合と比べて、移動部材を小型化できる。
【0031】
第11態様の送出装置では、第二送風口を交差する方向に延びる一つの開口で構成する場合と比べて、風速が増す。
【0032】
第12態様の送出装置では、塞ぎ部が移動して第二送風口を塞ぐ場合と比べて、装置の構成が簡単になる。
【0033】
第13態様の送出装置では、媒体の浮揚のために変動する領域のみから媒体の側端部へ空気を送風する場合に比べて、浮揚した最上位の用紙の姿勢を安定させることができる。
【0034】
第14態様の送出装置では、第一送風口と第二送風口とが別々の送風管の出口部を構成する場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させやすい。
【0035】
第15態様の送出装置では、移動部材と共に第二送風口が水平方向に移動する場合と比べて、浮揚した最上位の媒体と最上位から2番目の媒体との密着を弱めることができる。
【0036】
第16態様の画像形成装置では、媒体の浮揚のために変動する領域のみから媒体の側端部へ空気を送風する送出装置を用いる場合に比べて、媒体の重送による媒体詰まりを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。
【
図2】本実施形態に係る送出装置の収納部及び送出部を示す概略図である。
【
図3】本実施形態に係る送出装置を側壁の外面側から見た図である。
【
図4】
図2に示される送出装置における矢印4Xで指し示す部分の拡大図であり、送出部が最上の記録媒体を吸着した状態を示す図である。
【
図5】
図4に示される送出装置において、送出部が受渡位置へ移動した状態を示す概略図である。
【
図6】本実施形態に係る送出装置を収納部の底面側から見た図である。
【
図7】本実施形態に係る送出装置で用いる移動部材の正面図である。
【
図9】本実施形態に係る送出装置で用いる送風部の送風口を側壁の内面側から見た図であり、移動部材が第二位置に位置している。
【
図14】
図10に示される断面図において、送風部の送風口から空気が送風されている状態を示す図である。
【
図16】本実施形態に係る送出装置で用いる送風部の送風口を側壁の内面側から見た図であり、移動部材が第一位置に位置している。
【
図21】本実施形態に係る送出装置における制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図22】本実施形態に係る送出装置で用いる送風部の送風口の変形例を示す断面図である(
図10に対応する断面図である)。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本開示に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0039】
(画像形成装置10)
まず、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を示す概略図である。
【0040】
なお、図中に示す矢印UPは、装置の上方(具体的には鉛直上方)を示し、矢印DOは、装置の下方(具体的には鉛直下方)を示す。また、図中に示す矢印LHは、装置の左方を示し、矢印RHは、装置の右方を示す。また、図中に示す矢印FRは、装置の前方を示し、矢印RRは、装置の後方を示す。これらの方向は、説明の便宜上定めた方向であるか
ら、装置構成がこれらの方向に限定されるものではない。なお、装置の各方向において、「装置」の語を省略して示す場合がある。すなわち、例えば、「装置の上方」を、単に「上方」と示す場合がある。
【0041】
また、下記の説明では、「上下方向」を、「上方及び下方の両方」又は「上方及び下方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。「左右方向」を、「右方及び左方の両方」又は「右方及び左方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。なお、「左右方向」は、側方、横方向、及び水平方向ともいえる。「前後方向」を、「前方及び後方の両方」又は「前方及び後方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。なお、「前後方向」は、側方、横方向、及び水平方向ともいえる。また、上下方向、左右方向、前後方向は、互いに交差する方向(具体的には、直交する方向)である。
【0042】
また、図中の「○」の中に「×」が記載された記号は、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味する。また、図中の「○」の中に「・」が記載された記号は、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。
【0043】
図1に示される画像形成装置10は、媒体の一例としての記録媒体Pに画像を形成する装置である。具体的には、画像形成装置10は、
図1に示されるように、送出装置12と、搬送部14と、画像形成部16と、排出部18と、を備えている。以下、画像形成装置10の各部について説明する。
【0044】
(搬送部14)
図1に示される搬送部14は、画像形成装置10において、記録媒体Pを搬送する構成部である。この搬送部14は、送出装置12から送り出された記録媒体Pを画像形成部16へ搬送する機能と、画像形成部16にて画像が形成された記録媒体Pを排出部18へ搬送する機能と、を有している。
【0045】
具体的には、搬送部14は、一対の搬送ロールで構成された搬送部材14A、14Bを有している。搬送部14では、搬送部材14Aが、送出装置12から送り出された記録媒体Pを画像形成部16へ搬送し、搬送部材14Bが、画像形成部16にて画像が形成された記録媒体Pを排出部18へ搬送する。
【0046】
なお、搬送部材14A、14Bとしては、一対の搬送ロールに限られない。搬送部材14A、14Bとしては、例えば、搬送ベルト及び搬送ドラム等の搬送部材であってもよく、種々の搬送部材を用いることが可能である。
【0047】
(画像形成部16)
図1に示される画像形成部16は、送出装置12から送り出された記録媒体Pに画像を形成する構成部である。画像形成部16としては、例えば、インクを用いて記録媒体に画像を形成するインクジェット式の画像形成部、及び、トナーを用いて記録媒体に画像を形成する電子写真式の画像形成部などが挙げられる。
【0048】
インクジェット式の画像形成部では、例えば、吐出部から記録媒体にインク滴を吐出して記録媒体に画像を形成する。インクジェット式の画像形成部としては、吐出部から転写体にインク滴を吐出し、当該インク滴を転写体から記録媒体に転写することで、記録媒体に画像を形成してもよい。
【0049】
電子写真式の画像形成部では、例えば、帯電、露光、現像、転写の各工程を行い、記録媒体に画像を形成する。電子写真式の画像形成部としては、帯電、露光、現像、転写の各工程を行って、転写体に画像を形成し、当該画像を転写体から記録媒体に転写することで、記録媒体に画像を形成してもよい。
【0050】
なお、画像形成部の一例としては、前述のインクジェット式の画像形成部、及び、前述の電子写真式の画像形成部に限られず、種々の画像形成部を用いることが可能である。
【0051】
(排出部18)
図1に示される排出部18は、画像形成装置10において、画像が形成された記録媒体が排出される部分である。排出部18には、画像形成部16によって画像が形成された後、搬送部14(具体的には搬送部材14B)により搬送された記録媒体Pが排出される。
【0052】
(送出装置12)
図1、
図2及び
図3に示される送出装置12は、記録媒体Pを送り出す装置である。本実施形態では、送出装置12は、予め定められた送出方向(具体的には右方)へ記録媒体Pを送り出す。したがって、送出装置12において、右方が送出方向下流であり、左方が送出方向上流である。また、送出装置12から送り出される記録媒体Pにおいて、送出方向の下流端部を先端部と称し、送出方向の上流端部を後端部と称する。また、当該記録媒体Pにおいて、送出方向に対して交差する方向(具体的には前後方向)を幅方向と称し、幅方向の端部を側端部と称する。
【0053】
具体的には、
図2及び
図3に示されるように、送出装置12は、収容部20と、昇降部29(
図2参照)と、送風部30及び送風部31(
図3参照)と、送出部40と、分離部50と、制限部59と、制御装置100(
図1及び
図21参照)と、を備えている。以下、送出装置12の各部について説明する。
【0054】
(収容部20及び昇降部29)
収容部20は、記録媒体Pを収容する構成部である。具体的には、
図2に示されるように、収容部20は、積載部22と、一対の側壁24と、を有している。なお、
図2には、一対の側壁24のうち一方側(具体的には前方側)の側壁24が図示されている。
【0055】
積載部22は、記録媒体Pが積載される構成部である。具体的には、積載部22は、収容部20の底部を構成し、記録媒体Pが上面22A上に積載される積載板(いわゆるボトムプレート)で構成されている。
【0056】
一対の側壁24の各々は、積載部22に積載された記録媒体Pに対する前方側及び後方側の各々に配置されている。この一対の側壁24の各々は、積載部22に積載された記録媒体Pにおける一対の側端部の各々に対向し、当該記録媒体Pを幅方向(すなわち前後方向)に位置決めする。
【0057】
なお、収容部20は、積載部22に積載された記録媒体Pの後端部を位置決めする位置決め部(図示省略)を有している。収容部20としては、上記の構成に限られず、種々の構成を用いることが可能である。
【0058】
昇降部29は、収容部20に収容された記録媒体Pを昇降させる構成部である。具体的には、昇降部29は、積載部22を上昇させることで、最上の記録媒体Pが予め定められた高さ(以下、送出高さという)に位置するように記録媒体Pを上昇させ、積載部22を降下させることで、当該記録媒体Pを降下させる。
【0059】
昇降部29としては、例えば、ワイヤ等の引き上げ部材や、アーム等の押し上げ部材などを用いることが可能である。引き上げ部材では、例えば、積載部22を上方へ引き上げることで記録媒体Pを上昇させ、記録媒体P及び積載部22の自重により記録媒体Pを降
下させる。押し上げ部材では、例えば、積載部22の下方側から積載部22を上方へ押し上げることで記録媒体Pを上昇させ、記録媒体P及び積載部22の自重により記録媒体Pを降下させる。なお、昇降部29としては、上記の構成に限られず、種々の構成を用いることが可能である。
【0060】
(送風部30及び送風部31)
図2及び
図3に示される送風部30及び送風部31は、積載された複数の記録媒体Pの間に空気を送風して、記録媒体Pを浮揚させる構成部である。具体的には、送風部30及び送風部31は、積載された複数の記録媒体Pの側端部に空気を送風することによって記録媒体Pを浮揚させる構成部である。なお、以下では、送風部30及び送風部31から記録媒体Pに向けて送風される空気を符号G1で示す。送風部30及び送風部31は、積載部22に積載された複数の記録媒体Pのうち、最上の記録媒体Pを含む予め定められた範囲に位置する複数の記録媒体Pに対して、空気G1を送風する。すなわち、送風部30及び送風部31は、送出高さからその下方側の予め定められた位置までの範囲において、積載部22に積載された複数の記録媒体Pに対して空気G1を送風する。ここで、送風部30及び送風部31が、積載された複数の記録媒体Pの間に空気G1を送風して、記録媒体Pを浮揚させるのは、複数の記録媒体Pの各々の間へ空気G1を送風することで、複数の記録媒体Pを1枚ずつに分離して1枚ずつ送り出すためである。なお、
図2、
図4、及び
図5には、積載された複数の記録媒体Pにおける上方側の部分に空気G1が送風されて浮揚する状態が概略的に示されている。
【0061】
本実施形態では、送風部30は、
図3に示されるように、一対の送風機32と、一対の送風管34と、一対の送風口部36と、を有している。
【0062】
一対の送風機32は、風(すなわち空気G1)を送る機器である。一対の送風機32の各々は、一対の側壁24の各々の外面(すなわち、積載部22に積載された記録媒体Pに対向する面とは反対側の面)に取り付けられている。送風機32としては、例えば、多翼送風機(例えば、シロッコファン)等の、遠心方向へ送風する遠心送風機が用いられる。なお、送風機32としては、軸方向へ送風する軸流送風機、その他の送風機を用いてもよい。
【0063】
一対の送風管34の各々は、一対の送風機32の各々から送られた空気G1を通す通路を構成している。この一対の送風管34の各々は、一端部が一対の送風機32の各々に接続され、他端部が一対の送風口部36の各々に接続されている。
【0064】
一対の送風口部36の各々は、積載部22に積載された複数の記録媒体Pへ空気G1を送風するための送風管34の出口部であり、一対の側壁24の各々に設けられている。この一対の送風口部36の各々は、側壁24の上部にて開口している。
【0065】
送風口部36には、複数の羽板を有するルーバー38が設けられている。このルーバー38を構成する羽板の向きにより、送風口部36から送り出される(送風される)空気G1の向き(送風方向)が決定される。なお、本実施形態の羽板は、一例として上下方向に延びているが、本開示はこれに限定されず、羽板が左右方向に延びていてもよい。さらに、羽板の向きを変えられるように構成してもよい。羽板の向きを変えることによって空気G1の送風方向を変更することが可能となる。
【0066】
また、
図1に示されるように、送風部30は、記録媒体Pの送出方向(左右方向)に間隔をあけて複数設けられている。具体的には、送風部30は、記録媒体Pの送出方向(左右方向)に間隔をあけて2つ設けられている。そして、積載された複数の記録媒体Pの先端部側であって、記録媒体Pの両方の側端部に対して、送出方向下流側の送風部30から空気G1が送風される。また、積載された複数の記録媒体Pの後端部側であって、記録媒体Pの両方の側端部に対して、送出方向上流側の送風部30から空気G1が送風される。
【0067】
なお、送風部30は、積載された複数の記録媒体Pの間に対して、記録媒体Pの両方の側端部側のうち、少なくとも片方の側端部側に対して空気G1を送風してもよい。また、送風部30を左右方向に間隔をあけて3つ以上設けてもよいし、送風部30を1つ設けてもよい。送風部30を1つだけ設ける場合、複数の記録媒体Pの先端部側に空気G1を送風できる位置、例えば、送出方向上流側に送風部30を配置することが望ましい。
【0068】
本実施形態では、送風部31は、
図3に示されるように、一対の送風機72と、一対の送風管74と、一対の送風口部76と、を有している。
【0069】
一対の送風機72は、風(すなわち空気)を送る機器である。一対の送風機72の各々は、一対の側壁24の各々の外面(すなわち、積載部22に積載された記録媒体Pに対向する面とは反対側の面)に取り付けられている。送風機72としては、例えば、多翼送風機(例えば、シロッコファン)等の、遠心方向へ送風する遠心送風機が用いられる。なお、送風機72としては、軸方向へ送風する軸流送風機、その他の送風機を用いてもよい。
【0070】
一対の送風管74の各々は、一対の送風機72の各々から送られた空気が流通する通路を構成している。この一対の送風管74の各々は、一端部が一対の送風機72の各々に接続され、他端部が一対の送風口部76の各々に接続されている。
【0071】
一対の送風口部76の各々は、積載部22に積載された複数の記録媒体Pへ空気を送風する送風管74の出口部であり、一対の側壁24の各々に設けられている。この一対の送風口部76の各々は、側壁24の上部にて開口している。
【0072】
送風口部76には、
図9~
図11に示されるように、複数の羽板78Aを有するルーバー78が設けられている。このルーバー78を構成する羽板78Aの向きにより、送風口部76から送り出される空気G1の送風方向が決定される。なお、本実施形態の羽板78Aは、一例として上下方向に延びているが、本開示はこれに限定されず、羽板78Aが左右方向に延びていてもよい。さらに、羽板78Aの向きを変えられるように構成してもよい。羽板78Aの向きを変えることで空気G1の送風方向を変更することが可能となる。
【0073】
また、送風部31は、
図3に示されるように、第一送風部80と、第二送風部82と、移動部材90と、を有している。第一送風部80及び第二送風部82は、送風口部76を構成している。
【0074】
第一送風部80は、
図11及び
図18に示されるように、定められた領域R1から記録媒体Pに対して空気G1を送風する構成部である。なお、ここでいう定められた領域R1とは、送風口部76の一部であって
図11及び
図18において一点鎖線で囲われる開口の領域を指す。また、領域R1は、
図11及び
図18に示されるように、移動部材90の上下動に対して上下方向の位置が変動しない、言い換えると、上下方向の位置が定められている。さらに、本実施形態の領域R1は、移動部材90の移動に対して空気G1を送風するための送風面積(言い換えると、開口面積)が変動しない、すなわち、送風面積が一定とされている。
【0075】
第二送風部82は、
図11に示されるように、変動する領域R2から記録媒体Pに対して空気G1を送風する構成部である。なお、ここでいう変動する領域R2とは、送風口部76の一部であって
図11において二点鎖線で囲われる開口の領域を指す。また、領域R2は、
図11に示されるように、移動部材90の上下動によって上下方向の位置(羽板78A間に位置する開口における上下方向の位置)が変動する。さらに、本実施形態の領域R2は、移動部材90の移動により面積(送風面積)が変動する場合がある。具体的には、
図18及び
図19に示されるように、移動部材90の上昇により変動する領域R2を構成する第二送風口98(詳細は後述)が、後述する塞ぎ部79によって塞がれていくことで領域R2の面積(送風面積)が縮小していく。一方、移動部材90の下降により塞ぎ部79で塞がれた第二送風口98が露出していくことで領域R2の面積(送風面積)が増大していく。ここで、第二送風部82では、時間の経過に伴って、領域R2の位置が上下に変動したり、領域R2面積が縮小拡大をしたりする。すなわち、移動部材90が一定の速度を保ちつつ上下に移動し、その移動状態で領域R2の位置が上下に変動したり、面積が縮小拡大をしたりする。つまり、移動部材90の上下動により領域R2の面積(送風面積)が縮小し、その後、領域R2の面積(送風面積)が増大する場合がある。なお、領域R2の変動は、同じモード(印刷ジョブ内)で行われる。また、移動部材90は上下の移動中に移動を止めないことが好ましいが、一時停止してもよい。
【0076】
移動部材90は、送風口部76を構成しており、上下方向に移動可能に構成されている。具体的には、移動部材90は、送風口部76の先端よりも奥側の部分に設けられた上下方向に貫通する貫通孔77内に挿入されており、この貫通孔77内を上下方向に移動可能(スライド可能)とされている。この移動部材90は、
図7に示されるように、板部92と、軸部94とを備えている。
【0077】
板部92は、
図7に示されるように、第一送風口96と、第二送風口98とを有している。第一送風口96と第二送風口98はともに板部92を厚み方向に貫通する貫通孔である。
【0078】
第一送風口96は、
図7及び
図11に示されるように、移動部材90の移動方向(言い換えると、記録媒体Pの積層方向)に延びている。言い換えると、第一送風口96は、上方から下方へ延びている。この第一送風口96は、移動部材90の移動方向が長手方向とされた長孔である。また、第一送風口96の延在方向(長手方向)の長さは、領域R1の長さよりも長い。具体的には、第一送風口96は、移動部材90が上方に移動した第一位置(
図16、
図18~
図20参照)において領域R1と全域で重なり、移動部材90が下方に移動した第二位置(
図9、
図11~
図13参照)においても領域R1と全域で重なるように長さが設定されている。
【0079】
第二送風口98は、
図7及び
図11に示されるように、移動部材90に対して第一送風口96の延びる方向と交差する方向に延びている。具体的には、第二送風口98は、移動部材90に対して第一送風口96の延びる方向と直交する方向に延びている。また、本実施形態の第二送風口98は、上記交差する方向に間隔をあけて配置された複数の開口99によって構成されている。一例として、開口99は、第一送風口96を挟んで両側にそれぞれ複数(3つ)設けられている。また、第二送風口98は、
図12に示されるように、下面98Aが送風方向に向かって開口長さが長くなるように傾斜している。言い換えると、第二送風口98の下面98Aは、送風方向に対して斜め下方に傾斜している。
【0080】
また、板部92の幅方向両端部には、スライド部93がそれぞれ設けられている。スライド部93は、貫通孔77が有するガイド部77Aによって上下方向の移動がガイドされる。すなわち、移動部材90の上下方向の移動がガイド部77Aによってガイドされる。
【0081】
軸部94は、板部92の下側に設けられている。この軸部94は、
図3に示される移動装置95に接続されている。移動装置95は、軸部94を介して板部92を上下方向に移動させる。具体的には、移動装置95は、移動部材90を上方に移動させることで第一位置へ移動させ、移動部材90を下方に移動させることで第二位置へ移動させる。なお、移動装置95としては、例えば、アーム等の押し上げ部材などを用いることが可能である。また、移動装置95としてワイヤ等の引き上げ部材を用いてもよい。なお、移動装置95としては、上記の構成に限られず、種々の構成を用いることが可能である。
【0082】
また、送風部31は、
図19に示されるように、移動部材90の上下方向の移動により第二送風口98を塞ぐ塞ぎ部79を有する。具体的には、塞ぎ部79は、送風口部76に設けられており、移動部材90の上方への移動により第二送風口98を塞ぐ。なお、移動部材90が第二位置にある場合に、
図18及び
図19に示されるように、第二送風口98が塞ぎ部79によって塞がれる。なお、塞ぎ部79は、
図19に示されるように、送風口部76の移動部材90よりも送風方向下流側で且つ上部側に設けられている。
【0083】
また、
図1に示されるように、送風部31は、記録媒体Pの送出方向に隣接する送風部30の間に配置されている。そして、送風部31は、積載された複数の記録媒体Pの中央部であって、記録媒体Pの両方の側端部に対して空気G1を送風する。
【0084】
なお、送風部31は、積載された複数の記録媒体Pの間に対して、記録媒体Pの両方の側端部側のうち、少なくとも片方の側端部側に対して空気を送風してもよい。
【0085】
本実施形態では、
図6に示されるように、送風部30及び送風部31による空気G1の送風方向は、送出方向の下流側から上流側に向けて斜め方向に向いている。なお、本開示はこの構成に限定されない。例えば、送風部30及び送風部31による空気G1の送風方向が、送出方向と直交する方向でもよい。また、本実施形態では、一対の送風部30の送風口部36同士が互いに対向しているが、送出方向にずれていてもよい。同様に、一対の送風部31の送風口部76同士が互いに対向しているが、送出方向にずれていてもよい
【0086】
(送出部40)
図2、
図4及び
図5に示される送出部40は、送風部30及び送風部31によって浮揚された記録媒体Pを吸着し、当該記録媒体Pを送り出す構成部である。具体的には、送出部40は、
図6に示されるように、送風部30及び送風部31によって浮揚された記録媒体Pのうち、最上の記録媒体P(以下、最上媒体P1という)を吸着し、
図8に示されるように、送出方向下流(具体的には右方)へ送り出す。さらに具体的には、送出部40は、
図2に示されるように、吸着体42と、移動機構44と、を有している。
【0087】
吸着体42は、吸引により下面42Aに最上媒体P1を吸着させる構成体である。具体的には、吸着体42は、送出高さに位置する最上媒体P1の先端部よりも後端部側で最上媒体P1を吸着する。吸着体42には、送出方向下流(具体的には右方)に張り出す張出部43が形成されている。吸着体42の下面42Aに最上媒体P1が吸着されることで、張出部43の下面43Aに最上媒体P1の先端部が押し当てられる。吸着体42の下面42Aは吸着面の一例である。
【0088】
移動機構44は、送出装置12の装置本体12Aに対して吸着体42を送出方向へ移動させる機構です。具体的には、移動機構44は、吸引位置(
図2及び
図4に示される位置)と受渡位置(
図5に示される位置)との間で、吸着体42を左右方向(すなわち送出方向の下流方向及び上流方向)へ移動させる機構である。
【0089】
具体的には、移動機構44は、例えば、モータ、ギア、ラック、ピニオン、及びベルトドライブなどの公知の機構を用いて構成される。なお、移動機構44は、特定の機構に限られず、種々の構成を用いることが可能である。
【0090】
送出部40では、吸着体42が吸引位置(
図2及び
図4に示される位置)において、吸引により下面42Aに最上媒体P1を吸着させ、吸着体42が移動機構44により受渡位置(
図5に示される位置)に移動する。そして、受渡位置において、吸着体42から一対の送出ロール46へ記録媒体Pが受け渡され、一対の送出ロール46が記録媒体Pを画像形成部16へ向けて送り出す。
【0091】
一対の送出ロール46は、画像形成部16へ向けて記録媒体Pを送り出す送出部材である。この一対の送出ロール46は、上下方向に接触するように、吸着体42に対する送出方向下流側(具体的には前述の受渡位置)に配置されている。なお、送出部材としては、一対の送出ロール46に限られない。送出部材としては、例えば、環状のベルト及びドラム等の送出部材であってもよく、種々の送出部材を用いることが可能である。
【0092】
なお、送出部40は、上記の構成に限られない。例えば、送出部40として、吸着体42に替えて、ベルトなどの送出部材を用いた構成であってもよい。環状のベルトを用いた構成では、例えば、ベルトの外周面に吸引により記録媒体Pを吸着させる吸引部が、ベルトの内周に設けられた構成とすることが可能である。このような環状のベルトの場合、ベルトの周回運動により吸着した記録媒体Pを一対の送出ロール46へ送り出すことが可能である。すなわち、環状ベルトの場合、ベルトが装置本体12Aに対して左右方向に固定された状態でも記録媒体Pを一対の送出ロール46へ送り出すことができる。
【0093】
(分離部50)
図4及び
図5に示される分離部50は、送出部40(具体的には吸着体42)に吸着された最上媒体P1の直下に位置する記録媒体P(以下、次の媒体P2という)へ空気G2を送風して、次の媒体P2を最上媒体P1から分離する構成部である。この次の媒体P2は、最上媒体P1の次に送り出される記録媒体Pであり、最上媒体P1の下方に隣接して配置される記録媒体Pである。この分離部50は、さらに具体的には、
図4に示されるように、例えば、送風装置52と、流通管54と、ノズル56と、を有している。
【0094】
送風装置52は、空気G2を流通管54へ送風する装置である。具体的には、送風装置52としては、例えば、圧縮空気を流通管54へ送風するエアコンプレッサー等が用いられる。なお、送風装置52としては、エアコンプレッサーに限られず、他の送風装置を用いてもよい。
【0095】
流通管54は、送風装置52から送られた空気G2が流通する通路を構成している。
【0096】
ノズル56は、流通管54に対して、記録媒体Pの幅方向(すなわち、前後方向)に沿って複数設けられていてもよい。なお、本実施形態では、
図6に示されるように、記録媒体Pの幅方向の中央部にノズル56が設けられている。ノズル56は、流通管54から吸着体42(具体的には張出部43)側(すなわち左斜め上方側)へ延びている。このノズル56は、流通管54を通って送風装置52から送風される空気G2を上側(左斜め上方側)へ導く機能を有する。
【0097】
分離部50では、吸着体42が吸引位置(
図2及び
図4に示される位置)に位置する状態において、ノズル56から張出部43に向けて送出方向下流側から空気を吐出する。吐出された空気G2は、張出部43に当たる。当たった空気は、最上媒体P1と次の媒体P2との間に送風される。そして、張出部43に当たった空気G2は、下面43Aに案内されて、最上媒体P1と次の媒体P2との間に送風される。具体的には、送風された空気G2は、最上媒体P1と次の媒体P2との間を送出方向下流側から上流側へ通り抜ける。これにより、次の媒体P2が最上媒体P1から分離される。
【0098】
このように、ノズル56から吐出された空気G2が、張出部43を経由して最上媒体P1と次の媒体P2との間に送風されるため、張出部43を分離部50の一要素として把握してもよい。なお、分離部50としては、張出部43を経由せずに、最上媒体P1と次の媒体P2との間に、直接、空気を送風する構成であってもよい。
【0099】
(制限部59)
図4に示される制限部59は、次の媒体P2の送出方向下流への移動を制限する構成部である。具体的には、制限部59は、側面視にて、収容部20と一対の送出ロール46(具体的には下方側に配置された送出ロール46)との間に配置された制限壁で構成されている。制限部59は、側面視にて上下方向に延びる板状に形成されている。
【0100】
制限部59は、吸着体42の受渡位置への移動により、最上媒体P1と共に送出方向下流へ送り出された次の媒体P2に接触して次の媒体P2を最上媒体P1から落下させ、次の媒体P2の送出方向下流への移動を制限する。なお、制限部59としては、上記の構成に限られず、他の制限手段を用いてもよい。
【0101】
図21は、送出装置12のハードウェア構成を示すブロック図である。送出装置12は、制御装置100を有しており、昇降部29と、送風部30と、送風部31と、送出部40と、分離部50と、制御装置100とがバスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0102】
(制御装置100)
制御装置100は、
図21に示されるように、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ストレージ104と、を含んで構成されている。
【0103】
CPU101は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU101は、ROM102又はストレージ104からプログラムを読み出し、RAM103を作業領域としてプログラムを実行する。CPU101は、ROM102またはストレージ104に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0104】
ROM102は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM103は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ104は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0105】
本実施形態の制御装置100は、第一制御モードと、第二制御モードと、を有しており、記録媒体Pの送出条件に応じて、第一制御モードと、第二制御モードと、を切り替えるように構成されている。
【0106】
制御装置100の第一制御モードは、第二送風部82から記録媒体Pへの送風を停止し、第一送風部80から記録媒体Pに対して送風を行うモードである。この第一制御モードでは、制御装置100が移動部材90を
図18~
図20に示される第一位置へ移動させる。移動部材90が第一位置へ移動すると、第二送風部82を構成する第二送風口98が塞ぎ部79によって塞がれる。これにより、第二送風部82(第二送風口98)から空気を送風することが塞ぎ部79によって抑制される。一方、第一送風部80を構成する第一送風口96は、移動部材90が第一位置へ移動しても、
図20に示されるように、定められた領域R1の全域が第一送風口96の内側(第一送風口96の開口領域内)に位置するため、空気G1の送風領域が変動しない。この状態で送風機72から第一送風口96を介して空気G1を送風することで、第二送風部82からの空気の送風を停止した状態(
図17及び
図19参照)で、第一送風部80から記録媒体Pに対して空気G1を送風することができる(
図20参照)。
【0107】
また、制御装置100の第二制御モードは、第一送風部80と第二送風部82とが記録媒体Pに対して同時に送風を行うモードである。この第二制御モードでは、制御装置100が移動部材90を
図11~
図13に示される第二位置へ移動させる。ここで、移動部材90が第二位置へ移動しても、
図13に示されるように、定められた領域R1の全域が第一送風口96の内側(第一送風口96の開口領域内)に位置する。一方、移動部材90が第二位置へ移動すると、
図12に示されるように、第二送風口98が開放される。この状態で送風機32及び送風機72から第一送風口96及び第二送風口98を介して空気G1を送風することで、第一送風部80及び第二送風部82から記録媒体Pに対して同時に送風を行うことができる(
図14及び
図15参照)。
【0108】
また、記録媒体Pの送出条件には、記録媒体Pの種類及び環境湿度の少なくとも一方が含まれている。ここで、記録媒体Pの種類としては、例えば、紙種や寸法等が挙げられる。なお、記録媒体Pの種類は、ユーザが入力する情報から求めてもよいし、送出装置12にセンサを設け、センサからの情報から求めてもよい。
【0109】
また、本実施形態の制御装置100は、記録媒体Pが薄紙の場合、第一制御モードで送風を行い、記録媒体Pが厚紙の場合、第二制御モードで送風を行うよう設定されている。具体的には、制御装置100は、記録媒体Pが薄紙で環境湿度RHが55%未満の場合、第一制御モードで送風を行い、記録媒体Pが厚紙で環境湿度RHが55%以上の場合、第二制御モードで送風を行うよう設定されている。なお、本開示はこの構成に限定されず、記録媒体Pの送出条件に記録媒体Pの種類のみが含まれる場合には、記録媒体Pが薄紙か、記録媒体Pが厚紙かで制御モードを切り替えてもよい。また、記録媒体Pの送出条件に環境湿度のみが含まれる場合には、環境湿度RHが55%以上の場合に第二制御モードで送風を行い、環境湿度RHが55%未満の場合に第一制御モードで送風を行うよう設定してもよい。
【0110】
なお、本実施形態では、ROM102又はストレージ104には、記録媒体Pの送出条件に応じて、送風部31による記録媒体Pへの送風状態を制御する送風制御プログラムが格納されている。このプログラムにより、制御装置100は、記録媒体Pの送出条件に応じて、第一制御モードと第二制御モードとを切り替える機能を有する。
【0111】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用を説明する。
送出装置12では、積載された複数の記録媒体Pの間に送風部30及び送風部31から空気を送風して、記録媒体Pを浮揚させる。次に、送風部30及び送風部31によって浮揚された最上媒体P1を送出部40で吸着する。そして、分離部50は、送出部40に吸着された最上媒体P1の直下に位置する次の媒体P2の上面側に送出方向下流側から上流側へ斜め下方に空気G2を送風して、次の媒体P2を最上媒体P1から分離する。具体的には、ノズル56から次の媒体P2の上面側に送風された空気G2は、次の媒体P2と最上媒体P1との間を通り抜けて媒体P2を最上媒体P1から分離する。その後、送出部40を受渡し位置に移動させて最上媒体P1を送り出す。
【0112】
本実施形態の送出装置12では、制御装置100が記録媒体Pに対して第一送風部80及び第二送風部82から同時に送風を行う第二制御モードを有している。そのため、送出装置12は、記録媒体Pの浮揚のために変動する領域R2のみから記録媒体Pの側端部へ空気を送風する場合と比べて、第二制御モードで空気送風することで浮揚した最上媒体P1の姿勢を安定させることができる。これにより、記録媒体Pの搬送不良を抑制することができる。
【0113】
また、本実施形態の送出装置12では、第二送風部82の変動する領域R2が上下方向に変動することから、変動する領域R2が水平方向に変動する場合と比べて、浮揚した最上媒体P1と次の媒体P2との間に空気G1を流し込みやすく、最上媒体P1と次の媒体P2との密着を弱めることができる。これにより、記録媒体Pの重送を抑制することができる。
【0114】
また、本実施形態の送出装置12では、制御装置100が第二送風部82からの送風を停止し、第一送風部80から記録媒体Pに対して送風を行う第一制御モードと、第二制御モードとを、記録媒体Pの送出条件に応じて切り替える。このため、送出装置12では、制御装置100が記録媒体Pの送出条件に応じて第一制御モードと第二制御モードを切り替えない場合と比べて、浮揚した記録媒体Pの姿勢を安定させることと、浮揚した最上媒体P1と次の媒体P2との密着を弱めることとを両立することができる。すなわち、記録媒体Pの搬送不良と、記録媒体Pの重送を抑制することができる。
【0115】
また、本実施形態の送出装置12では、制御装置100が記録媒体Pの送出条件として、記録媒体Pの種類(紙種、寸法)及び環境湿度の少なくとも一方を含まれている。このため、送出装置12では、記録媒体Pの送出条件に記録媒体Pの種類及び環境湿度を含めない場合と比べて、浮揚した記録媒体Pの姿勢を安定させることと、浮揚した最上媒体P1と次の媒体P2との密着を弱めることとを両立することができる。
【0116】
また、本実施形態の送出装置12では、記録媒体Pの紙種が薄紙の場合、制御装置100が第一制御モードで送風を行う。薄紙は、空気G1の送風による媒体の浮揚感度が厚紙と比べて高い(すなわち、薄紙は厚紙と比べて浮きやすい)ため、変動する領域R2からの空気G1の送風により安定した媒体の浮揚姿勢が崩れやすい傾向がある。そのため、送出装置12では、記録媒体Pの紙種が薄紙の場合、第二送風部82(変動する領域R2)からの送風を停止し、第一送風部80(定められた領域R1)からの送風のみ行う。これにより、送出装置12では、記録媒体Pが薄紙の場合に第二制御モードで送風を行う構成と比べて、浮揚した最上位の薄紙の姿勢を安定させることができる。
【0117】
また、本実施形態の送出装置12では、記録媒体Pの紙種が厚紙の場合、制御装置100が、第二制御モードで送風を行う。厚紙は、空気G1の送風による媒体の浮揚感度が薄紙と比べて低い(すなわち、厚紙は薄紙と比べて浮きにくい)。そのため、送出装置12では、記録媒体Pの紙種が厚紙の場合、第一送風部80及び第二送風部82の双方から送風を行う。これにより、送出装置12では、記録媒体Pが厚紙の場合に第一制御モードで送風を行う構成と比べて、浮揚した厚紙の姿勢を安定させることと、浮揚した最上位の厚紙と最上位から2番目の厚紙との密着を弱めることとを両立することができる。
【0118】
また、本実施形態の送出装置12では、送風部31が送風管74と、送風管74の出口部である送風口部76を構成する第一送風口96及び第二送風口98と、を有していることから、第一送風口96と第二送風口98とが別々の送風管の出口部を構成する場合と比べて、浮揚した記録媒体Pの姿勢を安定させやすい。
【0119】
また、本実施形態の送出装置12では、送風部31が送風口部76を構成し、上下方向に移動可能な移動部材90を有しており、この移動部材90に第一送風口96及び第二送風口98が設けられている。このため、送出装置12では、移動部材90と共に第二送風口98が水平方向に移動する場合と比べて、浮揚した最上媒体P1と次の媒体P2との密着を弱めることができる。
【0120】
また、本実施形態の送出装置12では、第一送風口96が上方から下方へ延びており、第二送風口98が移動部材90に対して第一送風口96の延びる方向に対して交差する方向に延びているため、第一送風口96と第二送風口98が同じ方向に延びている場合と比べて、浮揚した記録媒体Pの姿勢を安定させやすい。
【0121】
また、本実施形態の送出装置12では、第二送風口98が第一送風口96に対して交差する方向に間隔をあけて配置された複数の開口99によって構成されているため、第二送風口98を交差する方向に延びる一つの開口で構成する場合と比べて、開口一つ当たりの風速が増す。
【0122】
また、本実施形態の送出装置12では、送風部31が移動部材90の上下方向の移動により第二送風口98を塞ぐ塞ぎ部79を有することから、塞ぎ部79が移動することで第二送風口98を塞ぐ場合と比べて、装置の構成が簡単になる。
【0123】
また、本実施形態の画像形成装置10では、上記の送出装置12を用いることから、記録媒体Pの浮揚のために変動する領域R2のみから記録媒体Pの側端部へ空気G1を送風する送出装置を用いる場合に比べて、記録媒体Pの重送による媒体詰まりを抑制できる。
【0124】
(変形例)
前述の実施形態の送風部31では、送風口部76に設けられたルーバー78により
図6に示されるように、記録媒体Pの送出方向と反対側に向けて空気G1が送風されているが、本開示はこれに限定されない。
図22に示す送風部131の送風口部136のように、ルーバー138によって空気G1が記録媒体Pの送出方向と直交する方向に送風されてもよい。またさらに、ルーバー138を設けなくてもよい。
【0125】
前述の実施形態の送出装置12では、第二送風口98を構成する開口99が第一送風口96を挟んで両側にそれぞれ設けられているが、本開示はこれに限定されない。例えば、第二送風口98が第一送風口96の片側のみに設けられる構成でもよい。さらに、第二送風口98が第一送風口96に対して交差する方向に延びて、第一送風口96と交差していてもよい。このように第一送風口96と第二送風口98が交差することにより、第一送風口96と第二送風口98が離れている場合と比べて、移動部材90の板部92の幅を狭くして移動部材90を小型化できる。
【0126】
前述の実施形態の送出装置12では、複数の送風部30と一つの送風部31で記録媒体Pを浮揚させているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、記録媒体Pの送出条件に応じて一つの送風部31のみ稼働させて記録媒体Pを浮揚させてもよいし、送出方向下流側の送風部30と送風部31を稼働させて記録媒体Pを浮揚させてもよい。
【0127】
前述の実施形態では、送出装置12が複数の送風部30と一つの送風部31を有しているが、本開示はこれに限定されない。例えば、送出装置12が一つ又は複数の送風部31のみを有する構成でもよい。送出装置12が複数の送風部30の代わりに複数の送風部31を有する場合は、記録媒体Pに対する位置に応じてそれぞれの送風部31の制御モードを切り替えてもよい。
【0128】
本開示は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。例えば、第一送風部80と第二送風部82を別々に設けてもよい。
【0129】
<付記>
(((1)))
積載された複数の媒体の側端部に空気を送風することによって前記媒体を浮揚させる送風部であって、定められた領域から前記媒体に対して空気を送風する第一送風部と、変動する領域から前記媒体に対して前記空気を送風する第二送風部と、を有する前記送風部と、
浮揚された前記媒体を送出する送出部と、
前記第一送風部と前記第二送風部とが前記媒体に対して同時に送風を行う制御モードを有する制御部と、
を備える送出装置。
(((2)))
前記第二送風部の前記変動する領域は、上下方向に変動する、(((1)))に記載の送出装置。
(((3)))
前記制御部は、前記第二送風部からの送風を停止し、前記第一送風部から前記媒体に対して送風を行う第一制御モードを有し、前記媒体の送出条件に応じて、前記第一制御モードと、前記制御モードとしての第二制御モードと、を切り替える、(((1)))又は(((2)))に記載の送出装置。
(((4)))
前記媒体の送出条件には、媒体の種類及び環境湿度の少なくとも一方が含まれる、(((3)))に記載の送出装置。
(((5)))
前記制御部は、前記媒体が薄紙の場合、前記第一制御モードで送風を行う、(((4)))に記載の送出装置。
(((6)))
前記制御部は、前記媒体が厚紙の場合、前記第二制御モードで送風を行う、(((4)))に記載の送出装置。
(((7)))
前記送風部は、前記空気の送風管と、前記送風管の出口部を構成する前記第一送風部としての第一送風口及び前記第二送風部としての第二送風口と、を有する、(((1)))~(((6)))のいずれか1項に記載の送出装置。
(((8)))
前記送風部は、前記送風管の出口部を構成し、上下方向に移動可能な移動部材を有しており、
前記第一送風口及び前記第二送風口が前記移動部材に設けられている、(((7)))に記載の送出装置。
(((9)))
前記第一送風口は、上方から下方へ延びており、
前記第二送風口は、前記移動部材に対して前記第一送風口の延びる方向に対して交差する方向に延びている、(((8)))に記載の送出装置。
(((10)))
前記第二送風口は、前記第一送風口と交差する、(((9)))に記載の送出装置。
(((11)))
前記第二送風口は、前記交差する方向に間隔をあけて配置された複数の開口によって構成されている、(((9)))に記載の送出装置。
(((12)))
前記送風部は、前記移動部材の上下方向の移動により前記第二送風口を塞ぐ塞ぎ部を有する、(((9)))~(((11)))のいずれか1項に記載の送出装置。
(((13)))
積載された複数の媒体の側端部に空気を送風することによって前記媒体を浮揚させる送風部であって、定められた領域から前記媒体に対して空気を送風する第一送風口と、変動する領域から前記媒体に対して前記空気を送風する第二送風口と、を有する前記送風部と、
浮揚された前記媒体を送出する送出部と、
前記第一送風口と前記第二送風口とが前記媒体に対して同時に送風を行う制御モードを有する制御部と、
を備える送出装置。
(((14)))
前記送風部は、前記空気の送風管を有し、前記送風管の出口部が前記第一送風口及び前記第二送風口によって構成されている、(((13)))に記載の送出装置。
(((15)))
前記送風部は、前記送風管の出口部を構成し、上下方向に移動可能な移動部材を有しており、
前記第一送風口及び前記第二送風口が前記移動部材に設けられている、(((14)))に記載の送出装置。
(((16)))
(((1)))~(((15)))のいずれか1項に記載の送出装置と、
前記送出装置から送り出された媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【0130】
(((1)))の送出装置では、媒体の浮揚のために変動する領域のみから媒体の側端部へ空気を送風する場合に比べて、浮揚した最上位の用紙の姿勢を安定させることができる。
(((2)))の送出装置では、第二送風部の変動する領域が水平方向に変動する場合と比べて、媒体の重送を抑制することができる。
(((3)))の送出装置では、媒体の送出条件に応じて制御モードを切り替えない場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させることと、浮揚した最上位の媒体と最上位から2番目の媒体との密着を弱めることとを両立することができる。
(((4)))の送出装置では、媒体の送出条件に媒体の種類及び環境湿度が含まれない場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させることと、浮揚した最上位の媒体と最上位から2番目の媒体との密着を弱めることとを両立することができる。
(((5)))の送出装置では、媒体が薄紙の場合に第二制御モードで送風を行う構成と比べて、浮揚した最上位の用紙の姿勢を安定させることができる。
(((6)))の送出装置では、媒体が厚紙の場合に第一制御モードで行う構成と比べて、浮揚した厚紙の姿勢を安定させることと、浮揚した最上位の厚紙と最上位から2番目の厚紙との密着を弱めることとを両立することができる。
(((7)))の送出装置では、第一送風口と第二送風口とが別々の送風管の出口部を構成する場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させやすい。
(((8)))の送出装置では、移動部材と共に第二送風口が水平方向に移動する場合と比べて、浮揚した最上位の媒体と最上位から2番目の媒体との密着を弱めることができる。
(((9)))の送出装置では、第一送風口と第二送風口が同じ方向に延びている場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させやすい。
(((10)))の送出装置では、第一送風口と第二送風口が離れている場合と比べて、移動部材を小型化できる。
(((11)))の送出装置では、第二送風口を交差する方向に延びる一つの開口で構成する場合と比べて、風速が増す。
(((12)))の送出装置では、塞ぎ部が移動して第二送風口を塞ぐ場合と比べて、装置の構成が簡単になる。
(((13)))の送出装置では、媒体の浮揚のために変動する領域のみから媒体の側端部へ空気を送風する場合に比べて、浮揚した最上位の用紙の姿勢を安定させることができる。
(((14)))の送出装置では、第一送風口と第二送風口とが別々の送風管の出口部を構成する場合と比べて、浮揚した媒体の姿勢を安定させやすい。
(((15)))の送出装置では、移動部材と共に第二送風口が水平方向に移動する場合と比べて、浮揚した最上位の媒体と最上位から2番目の媒体との密着を弱めることができる。
(((16)))の画像形成装置では、媒体の浮揚のために変動する領域のみから媒体の側端部へ空気を送風する送出装置を用いる場合に比べて、媒体の重送による媒体詰まりを抑制できる。
【符号の説明】
【0131】
10 画像形成装置
12 送出装置
12A 装置本体
16 画像形成部
31 送風部
40 送出部
74 送風管
76 送風口部(出口部の一例)
79 塞ぎ部
80 第一送風部
82 第二送風部
90 移動部材
96 第一送風口
98 第二送風口
99 開口
100 制御装置(制御部の一例)
G1 空気
P 記録媒体