(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037632
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】風力太陽光ハイブリッド発電装置、電気利用自動車
(51)【国際特許分類】
F03D 3/04 20060101AFI20240312BHJP
F03D 9/32 20160101ALI20240312BHJP
H02S 10/12 20140101ALI20240312BHJP
H02S 10/40 20140101ALI20240312BHJP
【FI】
F03D3/04 B
F03D9/32
H02S10/12
H02S10/40
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142596
(22)【出願日】2022-09-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】517266849
【氏名又は名称】エイシントラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194869
【弁理士】
【氏名又は名称】榎本 慎一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 徳雄
【テーマコード(参考)】
3H178
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
3H178AA13
3H178AA33
3H178AA43
3H178AA62
3H178DD30X
5F151BA05
5F151JA28
5F151JA30
5F251BA05
5F251JA28
5F251JA30
(57)【要約】
【課題】風力と太陽光発電をユニット化し、着脱作業性をよくし、低い高さで空気抵抗を低減するとともに外観を損ねず、横風による脱落、横転を低減させ、設置環境を広げた、風力太陽光ハイブリッド発電装置、及びそれを搭載した電気利用自動車を提供する。
【解決手段】前後が開口した方形の筐体と、前記筐体内部に設置された発電モータと、前記筐体上面に載置された太陽光発電パネルとからなり、
前記発電モータが、
前記筐体底面又は前記筐体が設置される箇所に固定される本体と、
前記本体に回転可能に設けられた回転軸と、
前記回転軸に接続し鈎状に下側に屈曲した連結棒と、
前記連結棒に連設した羽根とからなり、
前記羽根が前記筐体設置箇所面に対して水平に回転することで高さを低くしたことを特徴とする、風力太陽光ハイブリッド発電装置の構成とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後が開口した方形の筐体と、前記筐体内部に設置された発電モータと、前記筐体上面に載置された太陽光発電パネルとからなり、
前記発電モータが、
前記筐体底面又は前記筐体が設置される箇所に固定される本体と、
前記本体に回転可能に設けられた回転軸と、
前記回転軸に接続し鈎状に下側に屈曲した連結棒と、
前記連結棒に連設した羽根とからなり、
前記羽根が前記筐体設置箇所面に対して水平に回転することで高さを低くしたことを特徴とする、風力太陽光ハイブリッド発電装置。
【請求項2】
前記連結棒及び羽根が4対備えることを特徴とする請求項1に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
【請求項3】
前記筐体の風の流れ方向における前面は、半分板で風を通さないことで、前記羽根の回転効率を高めることを特徴とする請求項1に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
【請求項4】
前記筐体の風の流れ方向における前面には、網が設置され、飛来物の前記発電モータへの衝突を防ぐことを特徴とする請求項3に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
【請求項5】
前記羽根は、回転方向に向け湾曲凸状で、風の流れに対して垂直のとき端部から風を逃がさない閉鎖部を備えることを特徴とする請求項1に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
【請求項6】
前記発電モータが、風の流れ方向に複数、縦列設置されていることを特徴とする請求項1に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
【請求項7】
前記筐体が、風の流れ方向における後方開口が、前方開口より広く、後方における空気を陰圧にして風の流れを加速し発電モータを効率的に回転させることを特徴とする請求項1に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
【請求項8】
前記板の前記網側が、風の流れ方向における後方に向け傾斜設置され、前記網からの風の流れ量を増加させることを特徴とする請求項4に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1項に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置を、電気自動車の上面に備えたことを特徴とする電気利用自動車。
【請求項10】
前記風力太陽光ハイブリッド発電装置と前記電気自動車との接続が、着脱式又は固定式であることを特徴とする請求項9に記載の電気利用自動車。
【請求項11】
請求項1~8の何れか1項に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置を備えたことを特徴とする建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、風力と太陽光発電をユニット化し、着脱作業性をよくし、低い高さで空気抵抗を低減するとともに外観を損ねず、横風による脱落、横転を低減させ、設置環境を広げた、風力太陽光ハイブリッド発電装置、及びそれを搭載した電気利用自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
風力と太陽光を利用した風力太陽光ハイブリッド発電装置を搭載した自動車として、特許文献1に記載の風力発電ユニットを備えた電気自動車がある。
【0003】
特許文献1の発明は、太陽光のほかに異種の自然エネルギーである風力での発電でアシストする風力発電ユニットを搭載した電気自動車であって、蓄電池を装備しモータで駆動する太陽光発電モジュールを備えた電気自動車の所定箇所に風力発電ユニットを1以上備えた電気自動車に関し、風力発電ユニットは、空洞を有する筒状体で、空洞内に1以上の風車を設け、風車に連結された発電機で発電するとともに振動発電装置を併設して発電をする構成で、風力発電ユニットはコネクタを介して前記蓄電池へ接続することで充電を補助するというものである。
【0004】
しかしながら、特許文献1など、従来の風力と太陽光発電パネルを備える発電装置では、風力と太陽光発電パネルが別体で、着脱、固定設置の作業が煩雑であった。また、風力発電装置の羽根は、風の流れに対して直交するように回転しているため、風力発電装置の高さが高くならざるを得ない。その結果、電気自動車の外観を損なうことは勿論、走行への抵抗となり燃費効率が低下してしまう。さらに、重量バランス悪化させるうえ、横風の煽りを受けて横転の危険性が高くなる弊害もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、風力と太陽光発電をユニット化し、着脱作業性をよくし、低い高さで空気抵抗を低減するとともに外観を損ねず、横風による脱落、横転を低減させ、設置環境を広げた、風力太陽光ハイブリッド発電装置、及びそれを搭載した電気利用自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、
(1)
前後が開口した方形の筐体と、前記筐体内部に設置された発電モータと、前記筐体上面に載置された太陽光発電パネルとからなり、
前記発電モータが、
前記筐体底面又は前記筐体が設置される箇所に固定される本体と、
前記本体に回転可能に設けられた回転軸と、
前記回転軸に接続し鈎状に下側に屈曲した連結棒と、
前記連結棒に連設した羽根とからなり、
前記羽根が前記筐体設置箇所面に対して水平に回転することで高さを低くしたことを特徴とする、風力太陽光ハイブリッド発電装置。
(2)
前記連結棒及び羽根が4対備えることを特徴とする(1)に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
(3)
前記筐体の風の流れ方向における前面は、半分板で風を通さないことで、前記羽根の回転効率を高めることを特徴とする(1)に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
(4)
前記筐体の風の流れ方向における前面には、網が設置され、飛来物の前記発電モータへの衝突を防ぐことを特徴とする(3)に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
(5)
前記羽根は、回転方向に向け湾曲凸状で、風の流れに対して垂直のとき端部から風を逃がさない閉鎖部を備えることを特徴とする(1)に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
(6)
前記発電モータが、風の流れ方向に複数、縦列設置されていることを特徴とする(1)に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
(7)
前記筐体が、風の流れ方向における後方開口が、前方開口より広く、後方における空気を陰圧にして風の流れを加速し発電モータを効率的に回転させることを特徴とする(1)に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
(8)
前記板の前記網側が、風の流れ方向における後方に向け傾斜設置され、前記網からの風の流れ量を増加させることを特徴とする(4)に記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置。
(9)
(1)~(8)の何れか1つに記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置を、電気自動車の上面に備えたことを特徴とする電気利用自動車。
(10)
前記風力太陽光ハイブリッド発電装置と前記電気自動車との接続が、着脱式又は固定式であることを特徴とする(9)に記載の電気利用自動車。
(11)
(1)~(8)の何れか1つに記載の風力太陽光ハイブリッド発電装置を備えたことを特徴とする建物。
の構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本願発明は、風力と太陽光発電をユニット化した上記構成であるので、着脱作業性をよくし、低い高さで空気抵抗を低減するとともに外観を損ねない形状を実現し、横風による設置場所から脱落、電気自動車の場合には横転を低減させ、設置環境が広がった、風力太陽光ハイブリッド発電装置、及びそれを搭載した電気利用自動車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明である電気利用自動車の正面(風の流れに対する上流(前面))一部透過模式図である。
【
図2】本発明である風力太陽光ハイブリッド発電装置の第1の実施例の正面図一部透過模式図である。
【
図3】本発明である風力太陽光ハイブリッド発電装置の第1の実施例の平面一部透過模式図である。
【
図5】本発明である風力太陽光ハイブリッド発電装置の第2の実施例の平面一部透過模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願発明について写真を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0011】
本発明である電気利用自動車1は、従来の電気自動車2と、電気自動車2の上面、ここでは搭乗部上面に設置した風力太陽光ハイブリッド発電装置11とからなる。電気自動車2の上面としては、ボンネット、トランク上面も採用できる。
【0012】
電気利用自動車1の電気自動車2への設置方式としては、着脱可能で走行時に脱落、破損しない治具(例えばスキーキャリア方式)を用いる着脱方式、電気自動車へ溶接などで一体的に固着させる固定式が採用できる。既存の電気自動車に後付けするには着脱方式が容易である。発電された電気は、従来同様に、自走車掲載の蓄電池、自走車モータなどへ供給される(図示省略)。
【0013】
風力太陽光ハイブリッド発電装置11は、
図2―4に詳細掲載の通り、筐体12と、筐体12内部に設置された発電モータ13と、筐体12の上面に載置された太陽光発電パネル14とからなる。風力、太陽光パネル14で発電した電気は、電気自動車2の既存の回路に接続し、そのまま駆動に利用しても、蓄電してから利用してもよい。
【0014】
筐体12は、風の流れ方向上流下流、
図1において正面背面は開口している。ここでは、
図1、2に示すように、正面の開口は半分には板12aが設けられ、風を通さないことで、羽根13dの逆回転方向に風が当たるのを防ぎ、羽根13dの一方方向の回転を促進させ、発電効率を高めている。また、正面開口の残り半分には網12bを設置し、飛来物の発電モータ13への衝突を防いでいる。
【0015】
羽根13dは、
図4の水平断面模式図(
図2水平断面平面視)に示すように、羽根13dの回転方向に向け湾曲凸状13fで、風を袋状に受け止め、風の流れに対して垂直のとき(
図3のとき)、羽根13dの端部から風を逃がさないようブロックする閉鎖部13g(壁)を備える。いずれにしても、羽根が風を受け回転する構造であればよい。したがって、湾曲凸状13fは、上下左右に湾曲している袋を半分に割ったような形状であることがこのましい。閉鎖部13gは、湾曲でも、平坦でも構わない。
【0016】
発電モータ13は、筐体12の底面又は筐体12が設置される箇所に固定される従来の発電機である本体13aと、本体13aに回転可能に設けられた回転軸13bと、回転軸13bに接続し鈎状に下側に屈曲した連結棒13cと、連結棒に連設した羽根13dとからなる。羽根13dが筐体12の設置個所面に対して水平に回転することで、低くい高さの風力太陽光ハイブリッド発電装置11を実現した。
【0017】
ここでは、連結棒13c及び羽根13dのセットが4対あり、同一平面に90°間隔で設置されている。また、本体13aは、支柱13eで筐体12の底面又は筐体12が設置される箇所に固定支持されている。支柱13eは筐体12の側面に接続してもよい。
【0018】
太陽光発電パネル14は、パネル形状、シート形状、着脱、固定など、種類、方式は問わない。
また、板22aの網22b側が、風の流れ方向における後方に向け傾斜設置され、網22bからの風の流れ量を入り口開口部近傍で圧縮し、後方出口開口部付近で減圧し、空気を引き寄せ、風速を増加させることができる。