(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037633
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ブロック組立連結体
(51)【国際特許分類】
E04C 1/00 20060101AFI20240312BHJP
A63H 33/10 20060101ALI20240312BHJP
E04B 2/02 20060101ALI20240312BHJP
E04B 2/46 20060101ALI20240312BHJP
A63H 33/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
E04C1/00 E
A63H33/10 A
E04B2/02 115A
E04B2/46
E04C1/00 F
A63H33/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142597
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】522197969
【氏名又は名称】西川建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103986
【弁理士】
【氏名又は名称】花田 久丸
(72)【発明者】
【氏名】西川 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】平井 浩二
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA24
2C150DC07
2C150EH16
2C150FB43
2C150FB47
(57)【要約】
【課題】ブロックの表面側から裏面側を部分的に透かして見通せる一定幅の「透かし空間」30を配置したことを特徴とするブロック組立連結体1を開示する。
【解決手段】基本ブロック体10の空洞部11に連結子20を密着篏合させ、この連結子20の長さL1を、空洞部11の深さL2の2倍以上とすることで、上下に配した基本ブロック体10の間隙に透かし空間30を形成する。なおこのブロック組立連結体1は、装飾用の置物や任意形状の棚や壁としても活用可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本ブロック体10の空洞部11に連結子20を密着篏合させたブロック組立連結体において、該連結子20の長さL1は、空洞部11の深さL2の2倍以上とすることで、上下に配置した基本ブロック体10の間隙に透かし空間30を形成したことを特徴とするブロック組立連結体1。
【請求項2】
更に複数個の請求項1記載のブロック組立連結体1を、直角方向に複数個の空洞部11を有する基台40に直角に密着篏合させたことを特徴とするブロック組立連結体1A。
【請求項3】
前記ブロック組立連結体1または1Aが、木製、或いはプラスチック等の熱可塑性材で構成されたことを特徴とする請求項1または2のブロック組立連結体1または1A。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートブロック状の装飾用ブロック組立連結体に関し、より具体的には任意数の基本ブロック体と連結子を相互に密着篏合した装飾用のブロック組立連結体に関する。
【背景技術】
【0002】
既に多くの玩具用組立ブロックや建築用コンクリートブロックが実用に共されている。例えば前者の玩具用組立ブロックとしてスイス国特許第362354号(優先権主張日デンマーク国1958年1月28日および3月3日)には、一般的にはレゴ(登録商標)と称される玩具用組立ブロックの構造が開示されている。
図3に示すように、この引例に開示されている組立ブロック(引例符号1)では、4つの上面突起部(引例符号5)間の間隙に、重なり合う組立ブロックの下面突起部(引例符号6)とを相互に密着篏合させて、複数個の組立ブロック(引例符号1)を組み合わせることで任意の玩具用造形物を組み立てる構成である。また実用新案登録第3207748号には建築用コンクリートブロックの構造が開示されている。これ等の2つの引例に係るいずれのブロックでも、組立ブロック相互は完全密着するように構成され、ブロック相互間には「透かし空間」は当然存在しない構成となっている。すなわち前者の組立ブロック(引例符号1)では、複数個を密着篏合させると、組立ブロックの表面側から裏面側を部分的に透かして見通せる「透かし空間」は無く、従って意匠的な変化が乏しい構造であり、また部分的に見通しが出来ない構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】スイス国特許第362354号公報
【特許文献2】実用新案登録第3207748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、複数個の組立ブロックを密着篏合させて任意の造形物を組み立てた場合、表面側から裏面側を部分的に透かして見通せる「透かし空間」が無い点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、任意数の基本ブロック体に連結子を密着篏合させて装飾用のブロック組立連結体を構成し、相互に密着篏合した複数個の基本ブロック体の間隙に、部分的な「透かし空間」を設けるように構成したことを最も主要な特徴とする。すなわち基本ブロック体の空洞部に挿入する連結子の長さを、上下の空洞部の深さより一定長だけ長くすることにより、基本ブロック体の間に「透かし空間」を設ける。この構成により上下方向に積み重ねた基本ブロック体の間には、挿入された連結子の左右に、ブロックの表面側から裏面側を部分的に透かして見通せる一定幅の「透かし空間」を与えることが可能となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明のブロック組立連結体は、一定幅の「透かし空間」を確保することにより、単に意匠的なバリエーションを与えるのみではなく、半目隠し機能、更にブロック組立連結体の表面側から裏面側への通気性機能等を確保することが可能となるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は本発明のブロック組立連結体の斜視図である。
【
図2】
図2は基本ブロック体10に連結子20を密着篏合させた概念図である。
【
図3】
図3は先行引例であるスイス国特許第362354号公報の参考図面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ブロック組立連結体に一定幅の「透かし空間」を確保するという目的を、基本ブロック体の空洞部の深さより連結子を所定長だけ長く構成することにより「透かし空間」を確保するように実現した。
【実施例0009】
図1は、本発明のブロック組立連結体1を組み立てた斜視図であり、
図2は基本ブロック体10に連結子20を相互に密着篏合させた概念図である。なお本実施例では木製のブロック組立連結体1を想定するが、特に木製に限定する趣旨ではなく、例えば合成高分子のプラスチック等の熱可塑性材を用いてもよい。仮に木製の場合は不要となった端材等を用いることも可能であり、この意味でSDGsの理念に沿うように構成できる。実施例1に係るブロック組立連結体1は、基本ブロック10と連結子20により構成されている。基本ブロック10の形状は、市販のコンクリートブロック形状である。すなわち表面(表フェイスシェル)と裏面(裏フェイスシェル)、柱部(ウェブ)12,および数個の空洞部11で構成されている。
図2では空洞部11は2つ設けられているが、特に2つに限定する趣旨ではない。また断面形状は図示するように角丸四角形でも円筒形でもよい。角丸四角形の場合には複数個の基本ブロック10を相互に平行配置し易く、円筒形の場合は一本の連結子20を任意の角度に配置可能である。空洞部11の深さL2は底部が基本ブロック10の中間に位置するような深さに設定しても良いし、或いは底部を有しない貫通空洞にしても良い。
【0010】
連結子20は基本ブロック10の空洞部11(深さL2)へ挿入し、相互に密着篏合させる。なお連結子20は空洞部11に対して自在に摺動可能な太さとし、任意に抜き差しして固定自在とする。一方、連結子20の長さL1は、空洞部11の深さL2の2倍以上とする。すなわち連結子20は、連結すべき積み重ねた基本ブロック10の空洞部11に密着篏合すると、L3=(L1-2xL2)で計算される高さL3の透かし空間30を基本ブロック10の間に形成することが出来る。結果としてこの透かし空間30のサイズは、高さL3が(L1-2L2)の長さ、幅は柱部(ウェブ)12の幅と略同一となる。この透かし空間30が各空洞部に挿入した連結子20の左右空間に形成されるため、ブロック組立連結体1では、数多くの透かし空間30が形成される。また横溝部13の断面における左右の深さを、空洞部11の横幅の半分より少し浅くすれば、この横溝部13に連結子20を密着篏合させた場合にも、左右の基本ブロック10間に所定幅の溝を形成することも可能である。またこの所定幅が上記のL3の長さになるように設定し、縦横の溝幅を同一にすることも可能である。