(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037702
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】車両のための誘導式線形変位センサ装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/20 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G01D5/20 110X
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023144193
(22)【出願日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 209 299.6
(32)【優先日】2022-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クラウス レアヒェンミュラー
(72)【発明者】
【氏名】ローター デーテルス
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA41
2F077AA42
2F077AA46
2F077CC02
2F077JJ03
2F077JJ06
2F077VV01
2F077VV29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】導電性の結合要素が含まれる、移動可能な本体に結合される移動可能な結合装置と、位置固定された回路支持体とを備える、車両のための誘導式線形変位センサ装置に関する。
【解決手段】回路支持体が有する励起構造体4及び受信構造体5は結合装置の移動経路に沿って延在し、評価・制御ユニット7は受信構造体において誘導された測定信号を評価し結合装置及び移動可能な本体の現在位置を特定するよう構成され、結合装置は滑動体20を含み滑動体上に導電性の結合要素12が配置され、滑動体は平行に延在する2ガイド要素14上で結合装置の移動経路にわたって移動平面内で摺動可能に支持され、移動平面は回路支持体の受信構造体5に対し平行に設定可能な一定間隔LSを置き延在し、2ガイド要素の一方は結合装置の滑動体を移動経路に沿って遊びなしにガイドし、他方は滑動ガイドとして使用され、結合装置の滑動体の傾倒及び/又は回動を阻止する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの導電性の結合要素(12)が含まれる、移動可能な本体に結合される少なくとも1つの移動可能な結合装置(10)と、位置固定された回路支持体(3)とを備える、車両のための誘導式線形変位センサ装置(1)であって、
前記回路支持体(3)は、少なくとも1つの励起構造体(4)及び少なくとも1つの受信構造体(5)を有し、前記少なくとも1つの励起構造体(4)及び前記少なくとも1つの受信構造体(5)は、前記少なくとも1つの結合装置(10)の移動経路に沿って延在しており、
評価・制御ユニット(7)が、前記少なくとも1つの受信構造体(5)において誘導された少なくとも1つの測定信号を評価し、前記少なくとも1つの結合装置(10)及び前記移動可能な本体の現在の位置を特定するように構成されており、
前記少なくとも1つの移動可能な結合装置(10)は、滑動体(20)を含み、前記滑動体(20)上に、前記少なくとも1つの導電性の結合要素(12)が配置されており、
前記滑動体(20)は、平行に延在する2つのガイド要素(14)上で前記少なくとも1つの結合装置(10)の前記移動経路にわたって移動平面内で摺動可能に支持されており、前記移動平面は、前記回路支持体(3)の前記少なくとも1つの受信構造体(5)に対して平行に、設定可能な一定の間隔(LS)を置いて延在しており、
前記2つのガイド要素(14)のうちの一方は、前記少なくとも1つの結合装置(10)の前記滑動体(20)を前記移動経路に沿って遊びなしにガイドし、前記2つのガイド要素(14)のうちの他方は、滑動ガイドとして使用され、前記少なくとも1つの結合装置(10)の前記滑動体(20)の傾倒及び/又は回動を阻止する、
誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項2】
前記2つのガイド要素(14)は、それぞれ円筒形のガイドピンとして形成されている、
請求項1に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項3】
前記ガイド要素(14A,14B)は、プラスチックフレーム(16)内で相互に平行に支持されており、
前記プラスチックフレーム(16)は、前記少なくとも1つの結合装置(10)の前記移動経路を画定し、前記回路支持体(3)を支持する、
請求項1又は2に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの結合装置(10)の前記滑動体(20)は、2つのガイド装置(22)を備えたプラスチック射出成形構成部品として形成されており、
前記2つのガイド装置(22)は、前記ガイド要素(14)のための滑動ゾーン(28)を形成する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項5】
前記滑動体(20)の第1のガイド装置(22A)は、ガイド開口部(24)として形成されており、前記ガイド開口部(24)を通って、前記2つのガイド要素(14)のうちの一方が遊びなしに延在している、
請求項4に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項6】
前記滑動体(20)の第2のガイド装置(22B)は、ガイドフォーク(26)として形成されており、前記ガイドフォーク(26)を通って、前記2つのガイド要素(14)のうちの他方が延在している、
請求項4又は5に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの結合装置(10)の前記滑動体(20)は、少なくとも1つの連行体(12.1)によって前記移動可能な本体に結合可能である、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの励起構造体(4)は、少なくとも1つの発振器回路に結合されており、前記少なくとも1つの発振器回路は、動作中、周期的な交番信号を前記少なくとも1つの励起構造体(4)に入力し、
前記少なくとも1つの移動可能な結合装置(10)は、各々の現在の位置に依存して前記少なくとも1つの励起構造体(4)と前記少なくとも1つの受信構造体(5)との間の誘導結合に影響を及ぼす、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの励起構造体(4)は、前記少なくとも1つの回路支持体(3)の縁部に環状に延在する少なくとも1つの励起コイルを有する、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの受信構造体(5)は、少なくとも1つの受信コイルを有する、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの受信コイルは、周期的に反復するループ構造を有し、
前記ループ構造は、前記少なくとも1つの位置固定された回路支持体(3)の複数の層に分配されている、
請求項10に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項12】
2つの結合装置(10)が、前記2つのガイド要素(14)上で連続的に摺動可能に支持されており、
第1のガイド要素(14A)は、第1の結合装置(10A)の第1の滑動体(20A)を前記移動経路に沿って遊びなしにガイドし、第2のガイド要素(14B)は、前記第1の滑動体(20A)のための滑動ガイドとして使用され、前記第1の滑動体(20A)の傾倒及び/又は回動を阻止し、
前記第2のガイド要素(14B)は、第2の結合装置(10B)の第2の滑動体(20B)を前記移動経路に沿って遊びなしにガイドし、前記第1のガイド要素(14A)は、前記第2の滑動体(20B)のための滑動ガイドとして使用され、前記第2の滑動体(20B)の傾倒及び/又は回動を阻止する、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項13】
前記2つの結合装置(10,10A,10B)の前記2つの滑動体(20,20A,20B)は、それぞれL字形のプラスチック射出成形構成部品として形成されており、相互に内外に入れ子式に配置されている、
請求項12に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの導電性の結合要素(12)は、打ち抜き曲げ部材(12A)として、又は、導電性のフィルムとして、又は、導電性のコーティングとして、又は、導電性の構造体として形成されている、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の誘導式線形変位センサ装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のための誘導式線形変位センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、ブレーキペダル位置を検出するためのペダル変位センサが装備された車両のためのブレーキシステムが公知である。このために、例えば、磁気式又は誘導式の変位センサを使用することができる。誘導式のセンサの場合には、評価・制御ユニットの他に、少なくとも1つの励起構造体及び少なくとも1つの受信構造体を備えたプリント基板の大部分が、基本的に機能的に関連している。少なくとも1つの励起構造体及び少なくとも1つの受信構造体に対して所定の間隔を置いて位置決めされた、少なくとも1つの導電性の結合要素を備えた少なくとも1つの結合装置は、渦電流効果を介して、少なくとも1つの結合装置又は対応する移動可能な本体を正確に位置特定することを可能にする。比較的高精度が要求されている場合には、少なくとも1つの結合装置と、少なくとも1つの励起構造体と、少なくとも1つの受信構造体との間の空隙又は間隔の影響が支配的である。少なくとも1つの励起構造体及び少なくとも1つの受信構造体を備えたプリント基板に対する結合装置の直線形のガイド及び位置決めのための公知の解決手段は、多くの場合、円筒形のガイドロッドと、プラスチック製の支持構造体との組合せから構成されている。材料の組合せ及び誤差に起因して、要求範囲にわたって位置決め精度及び再現精度に関する欠点が生じる可能性がある。
【0003】
独国特許出願公開第102015206500号明細書(DE102015206500A1)からは、誘導式の変位センサが公知であり、この誘導式の変位センサは、磁界を発生させるためのプレーナ型の一次コイルと、一次コイルの内側に配置された、ターゲットの位置を検知するための2つのプレーナ型の二次コイルとを備えたコイルシステムを含み、このターゲットは、二次コイルに沿って移動可能である。二次コイルは、それぞれ交差部を有する。この場合、2つの同一の二次コイルは、相互に空間的に分離されて配置されており、それぞれの二次コイルの交差部は、ターゲットの移動方向に対して平行に方向決めされている。
【0004】
独国特許第602004006168号明細書翻訳(DE602004006168T2)からは、誘導式の位置センサが公知であり、この誘導型の位置センサは、送信アンテナ及び受信アンテナが形成されている少なくとも1つの平坦な基板と、少なくとも1つの平坦な基板に対して相対的に、この平坦な基板に対して横方向である測定方向に沿って移動するように構成された、中間配置された結合要素とを含む。測定方向に沿った中間配置された結合要素の位置に応じて送信アンテナと受信アンテナとの間の電磁結合が変化し、少なくとも送信アンテナ又は受信アンテナは、第1の軸線を中心とする第1のコイルと、第1の軸線に対して横方向である第2の軸線を中心とする第2のコイルとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015206500号明細書(DE102015206500A1)
【特許文献2】独国特許第602004006168号明細書翻訳(DE602004006168T2)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の開示
独立請求項1の特徴を有する車両のための誘導式線形変位センサ装置は、その構造的な構成により、少なくとも1つの結合装置と、位置固定された回路支持体上に配置された少なくとも1つの受信構造体との間の一定の正確な空隙が、誘導式線形変位センサ装置の寿命にわたって可能となるという利点を有する。本発明に係る誘導式線形変位センサ装置の実施形態は、好ましくは、ブレーキペダルの現在の位置を特定するためにブレーキペダルのペダル変位センサとして使用可能である。これにより、本発明に係る誘導式線形変位センサ装置の実施形態は、対応する新種のブレーキシステムにおける正確な制御のための性能だけでなく快適性も改善することができる。車両の寿命全体にわたって、運転者によって数百万回の制動プロセスが開始される。したがって、移動する部分、本明細書における特別なケースではペダル変位センサとしての誘導式線形変位センサ装置の移動する部分は、ロバストに構成されている。
【0007】
本発明の実施形態は、少なくとも1つの導電性の結合要素が含まれる、移動可能な本体に結合される少なくとも1つの移動可能な結合装置と、位置固定された回路支持体とを備えた、車両のための誘導式線形変位センサ装置を提供する。回路支持体は、少なくとも1つの励起構造体及び少なくとも1つの受信構造体を有し、少なくとも1つの励起構造体及び少なくとも1つの受信構造体は、少なくとも1つの結合装置の移動経路に沿って延在している。評価・制御ユニットが、少なくとも1つの受信構造体において誘導された少なくとも1つの測定信号を評価し、少なくとも1つの結合装置及び移動可能な本体の現在の位置を特定するように構成されている。少なくとも1つの移動可能な結合装置は、滑動体を含み、滑動体上に、少なくとも1つの導電性の結合要素が配置されている。この場合、滑動体は、平行に延在する2つのガイド要素上で少なくとも1つの結合装置の移動経路にわたって移動平面内で摺動可能に支持されており、移動平面は、回路支持体の少なくとも1つの受信構造体に対して平行に、設定可能な一定の間隔を置いて延在している。2つのガイド要素のうちの一方は、少なくとも1つの結合装置の滑動体を移動経路に沿って遊びなしにガイドし、2つのガイド要素のうちの他方は、滑動ガイドとして使用され、少なくとも1つの結合装置の滑動体の傾倒及び/又は回動を阻止する。
【0008】
本発明の実施形態においては、少なくとも1つの結合装置の滑動体は、移動経路全体にわたって自由に、かつ、ほぼ力のない状態で2つのガイド要素上を移動することができる。さらに、滑動体自体を、移動する本体に遊びなしに連結することができる。さらに、滑動体を、移動平面内で正確にガイドすることができる。実質的な設計上の特徴は、少なくとも1つの結合装置の滑動体のために2つのガイド要素を使用することであり、これにより、滑動体を、移動方向に対して横方向に安定させることができる。これにより、滑動体に取り付けられた少なくとも1つの結合要素の移動を、1次元でのみ実施することができる。なぜなら、例えば傾倒、回動、反転遊び等によって引き起こされ得る他の全ての移動方向を、滑動体のガイドと、相互に逆向きの支持とによって最小化することができるからである。すなわち、滑動体は、一方では、ガイド要素上での少なくとも1つの結合装置の正確な直線形のガイド及び位置決めのために使用され、他方では、回路支持体の少なくとも1つの受信構造体に面した、少なくとも1つの結合装置の少なくとも1つの導電性の結合要素を、機械的に正確かつ安定的に収容するために使用される。少なくとも1つの励起構造体に入力される周期的な交番信号と、少なくとも1つの結合装置の少なくとも1つの導電性の結合要素によって引き起こされる渦電流効果と、その結果として生じる、少なくとも1つの受信構造体において誘導された信号とに基づいて、少なくとも1つの結合装置の位置の正確な検出又は評価を保証することができる。
【0009】
本明細書における評価・制御ユニットとは、検出されたセンサ信号を処理又は加工又は評価する電気的なアセンブリ又は電気回路であると理解することができる。好ましくは、評価・制御ユニットを、ASICモジュール(ASIC:特定用途向け集積回路)として構成することができる。評価・制御ユニットは、ハードウェア及び/又はソフトウェアによって構成することができる少なくとも1つのインタフェースを有し得る。ハードウェアによって構成されている場合には、インタフェースを、例えば、ASICモジュールの一部とすることができる。しかしながら、インタフェースを、別個の集積回路とすることも、又は、少なくとも部分的にディスクリート部品から構成することも可能である。ソフトウェアによって構成されている場合には、インタフェースを、例えば、その他のソフトウェアモジュールに隣接してマイクロコントローラ上に設けられたソフトウェアモジュールとすることができる。
【0010】
従属請求項に記載されている手段及び発展形態によって、独立請求項1に記載されている車両のための誘導式線形変位センサ装置を有利に改善することが可能である。
【0011】
特に有利には、2つのガイド要素は、それぞれ円筒形のガイドピンとして形成可能である。このような円筒形に成形されたガイドピンは、わずかな誤差と高い表面品質とをもって低コストに製造可能である。材料として、例えば、合金鋼、特殊鋼及び非鉄金属を使用することができる。円筒形のガイドピンは、「滑らかに」又は小さい粗面深さをもって高精度で製造可能であり、結合装置の移動経路全体にわたる正確なガイドを可能にする。
【0012】
誘導式線形変位センサ装置の有利な実施形態においては、ガイド要素は、プラスチックフレーム内で相互に平行に支持可能であり、プラスチックフレームは、少なくとも1つの結合装置の移動経路を画定し、回路支持体を支持することができる。ガイド要素は、プラスチックフレーム内に嵌め込み可能である。この場合、位置精度は、プラスチック射出成形部材として形成されたフレームの形状公差の範囲内にある。フレームは、追加的に、回路支持体を収容するために使用される。フレームは、射出成形技術によって1つのパーツから製造可能であるので、工具に関連して生じる誤差は、わずかである。フレームの、工具に関連する機械的な誤差は、0.05mmから0.1mmまでの範囲内であり得る。したがって、移動する滑動体を不動の回路支持体に対して相応に正確に位置決めすることが可能となる。誤差が最小化された構造は、少なくとも1つの導電性の結合要素から回路支持体の少なくとも1つの受信構造体までの間隔が、移動経路全体にわたって一定になるという利点を有する。この構成によれば、その結果として生じる空隙も同様に、移動経路全体にわたって小さい誤差をもって非常に正確かつ一定となる。このことにより、公称の空隙を縮小することが可能となり、ひいては少なくとも1つの受信構造体において誘導された信号の信号振幅を改善することが可能となる。
【0013】
誘導式線形変位センサ装置のさらなる有利な実施形態においては、少なくとも1つの結合装置の滑動体は、2つのガイド装置を備えたプラスチック射出成形構成部品として形成可能であり、2つのガイド装置は、ガイド要素のための滑動ゾーンを形成することができる。このことにより、工具に関連する幾何形状として形成され得る誤差がわずかである滑動体を、低コストに製造することが可能となる。構造長さを短縮するために、少なくとも1つの結合装置の滑動体をL字形に形成することができる。このことにより、ガイド要素上の複数の滑動体をコンパクトに「入れ子にする」ことが可能となる。
【0014】
誘導式線形変位センサ装置のさらなる有利な実施形態においては、滑動体の第1のガイド装置は、ガイド開口部として形成可能であり、ガイド開口部を通って、2つのガイド要素のうちの一方が遊びなしに延在している。さらに、滑動体の第2のガイド装置は、ガイドフォークとして形成可能であり、ガイドフォークを通って、2つのガイド要素のうちの他方が延在している。この構造は、対応するガイド要素と、滑動体にガイド開口部として形成された対応する第1のガイド装置とを介して、走行遊びが低減されたガイドを製造することができるという利点を有する。他方のガイド要素は、ガイドフォークとして形成された第2のガイド装置を介して滑動体に係合する。ガイドフォークは、傾倒防止及び/又は回動防止として2つの平面平行の面を含み得る。さらに、ガイドフォークは、誤差補償として使用可能であり、例えば、フレーム内に固定された2つのガイド要素の間隔の誤差を補償することができる。滑動体の組み付けは、フレーム内のガイド要素に「挿通」し、次いで完全に押し入れることよって実施される。不動のガイド要素と、少なくとも1つの結合装置の滑動体との間の材料の組合せは、走行遊びが、例えば0.05mm未満の値のようにわずかであっても、一方では滑動体の移動のために最小の力しか必要とされないように、他方ではガイド要素と滑動体との間の摩耗も最小化されるように形成可能である。材料の組合せとして、例えば、POMポリマ(POM:ポリオキシメチレン)又はPEEKポリマ(PEEK:ポリエーテルエーテルケトン)を、研削又は研磨によって高い表面品質を有する合金鋼又は特殊鋼と組み合わせて使用することができる。ロバスト性を高めるために、ガイド装置は、滑動体内に圧入されたガイドスリーブを含み得るものであり、このガイドスリーブは、例えば、非鉄金属製のブシュ、又は、PTFE走行層を備えた金属製のブシュ等として形成されている。
【0015】
誘導式線形変位センサ装置のさらなる有利な実施形態においては、少なくとも1つの結合装置の滑動体は、少なくとも1つの連行体によって移動可能な本体に結合可能である。少なくとも1つの連行体は、少なくとも1つの結合装置の滑動体と、例えば移動する機械式のエンコーダシステムとしてのブレーキペダルのペダルロッドのような、移動する本体との誤差のない接続を形成することができる。少なくとも1つの連行体は、例えば、射出成形技術によってプラスチックから実現可能であり、又は、金属によって簡単に組み付け可能なクランプの形態でも実現可能である。システムの寿命期間にわたって高い再現精度及び確実性を達成するために、例えば、ばね弾性のクリップ(「くちばし」)の形態の金属製の構成が有利である。このような実施形態においては、移動する本体との間の組み付け及び遊びのない結合は、電気的な差込システムにおける差込接続に類似している。
【0016】
誘導式線形変位センサ装置のさらなる有利な実施形態においては、少なくとも1つの励起構造体は、少なくとも1つの発振器回路に結合可能であり、少なくとも1つの発振器回路は、動作中、周期的な交番信号を少なくとも1つの励起構造体に入力する。この場合、少なくとも1つの移動可能な結合装置は、各々の現在の位置に依存して少なくとも1つの励起構造体と少なくとも1つの受信構造体との間の誘導結合に影響を及ぼすことができる。少なくとも1つの励起構造体は、少なくとも1つの回路支持体の縁部に環状に延在することができる少なくとも1つの励起コイルを有し得る。少なくとも1つの受信構造体は、少なくとも1つの受信コイルを有し得る。少なくとも1つの受信コイルは、周期的に反復するループ構造を有し得るものであり、ループ構造は、少なくとも1つの位置固定された回路支持体の複数の層に分配可能である。少なくとも1つの回路支持体は、追加的な面を有し得るものであり、この追加的な面は、少なくとも1つの励起コイルと誘導式のセンサの少なくとも1つの受信コイルとによって覆われており、移動経路と少なくとも1つの結合装置の面とに対応する。
【0017】
誘導式線形変位センサ装置のさらなる有利な実施形態においては、2つの結合装置を、2つのガイド要素上で連続的に摺動可能に支持することができる。この場合、第1のガイド要素は、第1の結合装置の第1の滑動体を移動経路に沿って遊びなしにガイドすることができ、第2のガイド要素は、第1の滑動体のための滑動ガイドとして使用され、第1の滑動体の傾倒及び/又は回動を阻止することができる。第2のガイド要素は、第2の結合装置の第2の滑動体を移動経路に沿って遊びなしにガイドすることができ、第1のガイド要素は、第2の滑動体のための滑動ガイドとして使用され、第2の滑動体の傾倒及び/又は回動を阻止することができる。移動可能な構造により、2つの滑動体の独立した移動がある程度の制限内で可能となり、この場合、2つの滑動体の取り付け姿勢が相互に180°回転させられていることにより、完全に自由な可動性がそれぞれ相互に逆向きの方向でのみ可能となる。しかしながら、この制約は、システム設計において考慮可能であり、連結された機構によって機能的な制約を示すわけではない。2つの結合装置を使用することによって、対応する移動する本体の現在の位置を差分によって検出又は特定することが可能となる。
【0018】
誘導式線形変位センサ装置のさらなる有利な実施形態においては、2つの結合装置の2つの滑動体は、それぞれL字形のプラスチック射出成形構成部品として形成可能であり、相互に内外に入れ子式に配置可能である。
【0019】
誘導式線形変位センサ装置のさらなる有利な実施形態においては、少なくとも1つの導電性の結合要素は、打ち抜き曲げ部材として、又は、導電性のフィルムとして、又は、導電性のコーティングとして、又は、導電性の構造体として形成可能である。打ち抜き曲げ部材は、例えば、軽金属合金、非鉄金属合金、鋼合金、又は、特殊鋼合金から製造可能であり、スナップ接続若しくは熱かしめを介して滑動体に取り付け可能である。さらに、打ち抜き曲げ部材として形成された少なくとも1つの導電性の結合要素は、連続した幾何形状を介すると同時にばね弾性の結合幾何形状を介して、本体の移動を遊びなしに滑動体に機械的に連結することができる。これに代えて、導電性の構造体を備えた小さいプリント基板をエッチング技術によって製造することもできる。さらに、導電性のフィルムとしての金属フィルムを、少なくとも1つの結合装置の滑動体に接着させることができる。これに代えて、導電性のコーティングを、少なくとも1つの結合装置の滑動体に蒸着させることもできる。
【0020】
本発明の実施例を図面に示し、以下の記載において、より詳細に説明する。図面においては、同一又は類似の機能を実施するコンポーネント又は要素には、同一の参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】透過して図示された回路支持体を備えた、本発明に係る、車両のための誘導式線形変位センサ装置の1つの実施例の概略斜視図である。
【
図2】プラスチックフレームを有していない、
図1の本発明に係る誘導式線形変位センサ装置の概略断面図である。
【
図3】
図1及び
図2の本発明に係る誘導式線形変位センサ装置の、2つのガイド要素に配置された2つの結合装置の概略斜視図である。
【
図4】
図3の結合装置の、2つのガイド要素に配置された2つの滑動体の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の実施形態
図1乃至
図5から見て取れるように、本発明に係る、車両のための誘導式線形変位センサ装置1の図示の実施例は、少なくとも1つの導電性の結合要素12が含まれる、図示されていない移動可能な本体に結合される少なくとも1つの移動可能な結合装置10と、位置固定された回路支持体3とを含む。回路支持体3は、少なくとも1つの励起構造体4及び少なくとも1つの受信構造体5を有し、少なくとも1つの励起構造体4及び少なくとも1つの受信構造体5は、少なくとも1つの結合装置10,10A,10Bの移動経路に沿って延在している。評価・制御ユニット7は、少なくとも1つの受信構造体5において誘導された少なくとも1つの測定信号を評価し、少なくとも1つの結合装置10,10A,10B及び移動可能な本体の現在の位置を特定する。少なくとも1つの移動可能な結合装置10,10A,10Bは、滑動体20,20A,20Bを含み、滑動体20,20A,20B上に、少なくとも1つの導電性の結合要素12が配置されている。この場合、滑動体20,20A,20Bは、平行に延在する2つのガイド要素14上で少なくとも1つの結合装置10,10A,10Bの移動経路にわたって移動平面内で摺動可能に支持されており、移動平面は、回路支持体3の少なくとも1つの受信構造体5に対して平行に、設定可能な一定の間隔LSを置いて延在している。2つのガイド要素14,14A,14Bのうちの一方は、少なくとも1つの結合装置10,10A,10Bの滑動体20,20A,20Bを移動経路に沿って遊びなしにガイドし、2つのガイド要素14,14A,14Bのうちの他方は、滑動ガイドとして使用され、滑動体20,20A,20Bの傾倒及び/又は回動を阻止する。
【0023】
図1乃至
図4からさらに見て取れるように、誘導式線形変位センサ装置1の図示の実施例における2つのガイド要素14,14A,14Bは、それぞれ円筒形のガイドピンとして形成されている。円筒形のガイドピンとして形成されたガイド要素14,14A,14Bは、プラスチックフレーム16内で相互に平行に支持されており、プラスチックフレーム16は、少なくとも1つの結合装置10,10A,10Bの移動経路を画定し、回路支持体3を支持する。
【0024】
図1乃至
図5からさらに見て取れるように、図示の実施例における誘導式線形変位センサ装置1は、2つの結合装置10,10A,10Bを有し、2つの結合装置10,10A,10Bは、2つのガイド要素14,14A,14B上で連続的に摺動可能に支持されている。この場合、第1のガイド要素14Aは、第1の結合装置10Aの第1の滑動体20Aを移動経路に沿って遊びなしにガイドし、第2のガイド要素14Bは、第1の滑動体20Aのための滑動ガイドとして使用され、第1の滑動体20Aの傾倒及び/又は回動を阻止する。さらに、第2のガイド要素14Bは、第2の結合装置10Bの第2の滑動体20Bを移動経路に沿って遊びなしにガイドし、第1のガイド要素14Aは、第2の滑動体20Bのための滑動ガイドとして使用され、第2の滑動体20Bの傾倒及び/又は回動を阻止する。2つの結合装置10,10A,10Bの2つの滑動体20,20A,20Bは、それぞれ2つのガイド装置22,22A,22Bを備えたプラスチック射出成形構成部品として形成されており、これら2つのガイド装置22,22A,22Bは、ガイド要素14,14A,14Bのための滑動ゾーン28,28A,28Bを形成する。図示の実施例においては、2つの結合装置10,10A,10Bの2つの滑動体20,20A,20Bは、それぞれL字形を有し、相互に内外に入れ子式に配置されている。2つの滑動体20,20A,20Bは、ガイド要素14,14A,14B上で相互に独立して移動することができる。
【0025】
特に
図4及び
図5からさらに見て取れるように、2つの滑動体20,20A,20Bの第1のガイド装置22Aは、それぞれガイド開口部24として形成されており、ガイド開口部24を通って、2つのガイド要素14,14A,14Bのうちの一方が遊びなしに延在している。2つの滑動体20,20A,20Bの第2のガイド装置22Bは、それぞれガイドフォーク26として形成されており、ガイドフォーク26を通って、2つのガイド要素14,14A,14Bのうちの他方が延在している。図示の実施例においては、第1のガイド要素14Aは、遊びなしに第1の滑動体20Aのガイド開口部24と、第2の滑動体20Bのガイドフォーク26とを通って延在している。第2のガイド要素14Bは、遊びなしに第2の滑動体20Bのガイド開口部24と、第1の滑動体20Aのガイドフォーク26とを通って延在している。2つの滑動体20,20A,20Bのガイド開口部24は、図示の実施例においては、射出成形技術によって複数のU字形の切欠部24A,24B,24Cとして形成されており、これらのU字形の切欠部24A,24B,24Cは、L字形の滑動体20,20A,20Bの第1の辺に連続して形成されている。この場合、隣り合うU字形の切欠部24A,24B,24C同士は、相互に180°回転させられて配置されており、したがって、U字形の切欠部24A,24B,24Cの開口部は、それぞれ逆向きの方向を向いている。U字形の切欠部24A,24B,24Cの辺同士を結んでいる接続領域は、第1の滑動ゾーン28Aとして形成されている。2つの滑動体20,20A,20Bのガイドフォーク26は、図示の実施例においては、L字形の滑動体20,20A,20Bの第2の辺の端部領域に形成されている。この場合、2つのガイドフォーク26は、それぞれ3つのウェブ26.1,26.2,26.3を有し、これらのウェブ26.1,26.2,26.3は、第2の滑動ゾーン28.2として2つの平面平行の面を形成している。ガイドフォーク26のウェブ26.1,26.2,26.3は、L字形の滑動体20,20A,20Bの第2の辺の相互に反対に位置している側に交互に配置されている。これにより、ガイド要素14,14A,14Bと滑動体20,20A,20Bとの間に小さい走行遊びが形成されることとなり、これにより、滑動体20,20A,20Bの正確なガイドが可能となる。
【0026】
滑動体20,20A,20B及びガイド要素14,14A,14Bの上述した実施形態により、滑動体20,20A,20Bに固定された導電性の結合要素12の移動が、1次元でのみ実施されることとなる。例えば傾倒、回動、反転遊び等によって引き起こされる他の全ての移動方向を、滑動体20,20A,20Bの二重のガイドと、相互に逆向きの支持とによって最小化することができる。移動可能な構造により、2つのL字形の滑動体20,20A,20Bの独立した移動がある程度の制限内で可能となり、この場合、2つの滑動体20,20A,20Bの取り付け姿勢が相互に180°回転させられていることにより、完全に自由な可動性がそれぞれ相互に逆向きの方向でのみ可能となる。滑動体20,20A,20BのL字形の形状は、工具に関連する幾何形状として形成され得る誤差がわずかであることを鑑みても、プラスチック射出成形部材を低コストにデザインすることを可能にする。
【0027】
ガイド要素14,14A,14Bの機械的な固定は、プラスチック製のフレーム16内で実施される。フレーム16及び滑動体20,20A,20Bのプラスチック材料は、滑動体20,20A,20B及びフレーム16が所要の温度範囲にわたって熱的に同様に挙動するように選択されている。使用されるプラスチックを、その材料特性に関して適合させることができ、したがって、滑動体20,20A,20Bの小さい走行遊び、ひいては正確なガイドを形成することができる。滑動体20,20A,20Bの上述した実施例は、コスト的に最適化されており、コスト的に最適化された簡単なプラスチック射出成形部材として製造されている。スライダ等が不要になるので、滑動体20,20A,20Bを、複数のキャビティを備えた工具において製造することができる。不動のガイド要素14,14A,14Bと、滑動体20,20A,20Bとの間の材料の組合せは、走行遊びがわずかであっても(例えば、0.05mm未満)、一方では移動のために最小の力しか必要とされないように、他方ではピンと滑動体との間の摩耗も最小化にされるように構成されている。図示の実施例においては、滑動体20,20A,20B及びフレーム16のための材料の組合せとして、POMポリマ(POM:ポリオキシメチレン)又はPEEKポリマ(PEEK:ポリエーテルエーテルケトン)が、ガイド要素14,14A,14Bのための合金特殊鋼と組み合わせられて使用される。
【0028】
特に
図2及び
図3からさらに見て取れるように、少なくとも1つの導電性の結合要素12は、打ち抜き曲げ部材12Aとして形成されており、熱かしめによって、対応する滑動体20,20A,20Bに取り付けられている。もちろん、他の適当な取り付け技術を使用することもできる。図示の実施例においては、2つの滑動体20,20A,20Bにそれぞれ2つの導電性の結合要素12が相互に離間されて配置されている。それぞれの打ち抜き曲げ部材12Aは、図示されていない移動可能な本体に滑動体20,20A,20Bを機械的に連結する連行体12.1が、それぞれクリップとして成形されるように、ひいては機械式のエンコーダシステムとの遊びのない形状結合による接続部の機能を形成することができるように形成されている。この場合、金属の弾性特性が重要であり、クリップの形状又は寸法を決定する。連行体12.1のこの実施形態は、機構、構成部材、取り付け及び温度に関する誤差を補償するために、機械式のエンコーダ又は移動可能な本体との接触面において一平面上で十分な遊び空間を提供する。この遊び空間は、滑動体20,20A,20Bの移動方向に対して垂直な2次元の面のみにおける可動性が可能となるように、構造的に構成されている。機械式のエンコーダ又は移動可能な本体は、例えば、ブレーキペダルのペダルロッドであり得る。
【0029】
図示されていない代替的な実施例においては、少なくとも1つの導電性の結合要素12は、導電性のフィルムとして、又は、導電性のコーティングとして、又は、導電性の構造体として形成されており、対応する滑動体20,20A,20Bに直接的に被着されている。
【0030】
図示の実施例においては、励起構造体4は、詳細には図示されていない発振器回路に結合されており、発振器回路は、動作中、周期的な交番信号を励起構造体4に入力する。図示の励起構造体4は、少なくとも1つの回路支持体3の縁部に環状に延在する励起コイルを有する。2つの結合装置10,10A,10Bの2つの滑動体20,20A,20Bの導電性の結合要素12は、各々の現在の位置に依存して励起構造体4と受信構造体5との間の誘導結合に影響を及ぼし、対応する移動する本体の2つの結合装置10,10A,10Bの現在の位置を差分によって検出又は特定することを可能にする。図示の受信構造体5は、複数の受信コイルを含み、これらの受信コイルは、それぞれ周期的に反復するループ構造を有する。ループ構造は、位置固定された回路支持体3の複数の層に分配されており、これにより、重複を簡単に回避することができる。反復するループ構造のうちの、それぞれ異なる層に配置された区分同士は、スルーホールコンタクトを介して電気的に相互に接続されている。
【0031】
特に
図1及び
図2からさらに見て取れるように、回路支持体3は、フレーム16の縁部に配置された、ASICモジュールとして構成された評価・制御ユニット7が配置された第1の区分と、側方に配置された第2の区分とを有し、第2の区分には、誘導式線形変位センサ装置1にコンタクトするための電気的なコンタクト点9が配置されている。さらに、回路支持体3は、フレーム16内に嵌め込まれる第3の区分を含み、第3の区分には、励起構造体4の励起コイルと、受信構造体5の受信コイルとが配置されている。回路支持体3の第3の区分の面の広がりは、フレーム16によって設定された滑動体20,20A,20Bの移動経路と、2つの結合装置10,10A,10Bの面とに合わせて適合させられている。
【外国語明細書】