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特開2024-37746刺激制御装置、刺激制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037746
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】刺激制御装置、刺激制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240312BHJP
   A61M 21/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240312BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G08G1/16 F
A61M21/00 A
A61B5/00 102A
A61B5/16 130
A61B5/113
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023200599
(22)【出願日】2023-11-28
(62)【分割の表示】P 2022120362の分割
【原出願日】2018-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500403929
【氏名又は名称】パイオニアシステムテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安士 光男
(72)【発明者】
【氏名】竹内 吉和
(72)【発明者】
【氏名】垣坂 皓太
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 和実
(72)【発明者】
【氏名】村上 尚希
(57)【要約】
【課題】
利用者の覚醒のために適切なタイミングで刺激を与えることが可能な刺激制御装置を提供する
【解決手段】
刺激制御装置は、利用者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記生体情報に基づく数値を生成する数値生成手段と、前記数値が第1の閾値を超えた際に前記利用者に報知する報知手段と、前記利用者を刺激する刺激手段に対する前記刺激の停止指示を取得する停止指示取得手段と、前記停止指示を取得した際の前記数値に基づいて前記第1の閾値を設定する設定手段と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報に基づく数値を生成する数値生成手段と、
前記数値が第1の閾値を超えた際に前記利用者に報知する報知手段と、
前記利用者を刺激する刺激手段に対する前記刺激の停止指示を取得する停止指示取得手段と、
前記停止指示を取得した際の前記数値に基づいて前記第1の閾値を設定する設定手段と、
を有することを特徴とする刺激制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺激制御装置、刺激制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドライバの居眠りを避けるために、警告音等を発することによりドライバの覚醒を支援する覚醒支援装置が知られている。
【0003】
このような覚醒支援装置としては、ドライバの眠気度合が基準に達した場合に覚醒の支援を希望するかをドライバに質問し、覚醒支援を希望する回答が得られた場合に覚醒支援を行う覚醒支援装置が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5375571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の覚醒支援装置には、覚醒の支援の開始を希望するかをドライバに質問してから回答を取得するまでの時間が短いほど、ドライバに質問する眠気度合いの基準を低く設定することが開示されている。しかし、ドライバが質問に回答するまでの時間は様々な事情により異なる。
【0006】
例えば、ドライバの眠気度合いが強い場合、ドライバは覚醒支援装置の質問に気づかないこともある。このため、適切なタイミングでドライバに刺激を与えられないという問題が課題の一例として挙げられる。
【0007】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、利用者の覚醒のために適切なタイミングで刺激を与えることが可能な刺激制御装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願請求項1に記載の刺激制御装置は、利用者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記生体情報に基づく数値を生成する数値生成手段と、前記数値が第1の閾値を超えた際に前記利用者に報知する報知手段と、前記利用者を刺激する刺激手段に対する前記刺激の停止指示を取得する停止指示取得手段と、前記停止指示を取得した際の前記数値に基づいて前記第1の閾値を設定する設定手段と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に係る刺激制御装置の機能ブロック図である。
図2】記憶部に格納されている閾値DBのテーブルの一例を示す説明図である。
図3A図1の表示装置の表示態様を説明する説明図である。
図3B図1の表示装置の表示態様を説明する説明図である。
図3C図1の表示装置の表示態様を説明する説明図である。
図4】実施例1に係る刺激制御装置による処理を示すフロー図である。
図5】実施例2に係る刺激制御装置による処理を示すフロー図である。
図6】記憶部に格納されている閾値DBのテーブルの一例を示す説明図である。
図7】記憶部に格納されている閾値DBのテーブルの一例を示す説明図である。
図8】実施例4に係る刺激制御装置による処理を示すフロー図である。
図9】実施例4に係る刺激制御装置による処理を示すフロー図である。
図10】実施例5の刺激制御装置の構成を示すブロック図である。
図11】実施例5の刺激制御装置に接続されている携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
図12】実施例5に係る携帯端末装置による処理を示すフロー図である。
図13】実施例5に係る刺激制御装置による処理を示すフロー図である。
図14】実施例5に係る刺激制御装置による処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0010】
以下に、実施例1の刺激制御装置10について説明する。刺激制御装置10は、自動車等の移動体に搭載されている。移動体は、自転車、オートバイ、飛行機等、自動車以外の移動体であっても良い。本実施例においては、移動体の一例である自動車に刺激制御装置を搭載した場合について説明する。
【0011】
図1は、実施例1に係る刺激制御装置10の機能ブロックを示す。図1に示すように、入力部20は、生体センサBS及び表示入力装置DSからデータを取得可能に接続されているインターフェース部である。刺激制御装置10は、入力部20を介して生体センサBS及び表示入力装置DSからデータを受信する。
【0012】
生体センサBSは、自動車を運転するドライバ、すなわち利用者の生体情報を取得するセンサである。生体センサBSは、有線又は無線によって刺激制御装置10と通信可能に接続されている。生体情報としては、例えば、ドライバの体温、所定時間当たりの脈拍、血圧、所定時間当たりの呼吸数、所定時間当たりの瞬き数、所定時間当たりのあくびの数等が挙げられる。
【0013】
生体センサBSは、これらの生体情報を測定する任意の機器である。例えば、ドライバの脈拍を測定する場合、生体センサBSは、脈拍測定機能を有する脈拍計である。ドライバの血圧を測定する場合、生体センサBSは、血圧測定機能を有する血圧計である。ドライバの呼吸数を測定する場合、生体センサBSは、カメラで撮影したドライバの胸壁の上下運動を計測する計測器である。ドライバの瞬き数を測定する場合、生体センサBSは、カメラで撮影したドライバの瞼の上下運動を計測する計測器である。これらの機器は、自動車に備えられた機器であってもよいし、ドライバが身につけるウェアラブルコンピュータであっても良い。
【0014】
表示入力装置DSは、ドライバが刺激制御装置10に対して任意の情報を入力することが可能なタッチパネルディスプレイである。具体的には、例えば、映像を表示可能な液晶ディスプレイ等のディスプレイと、タッチパッドと、が組み合わされたタッチパネルモニタである。表示入力装置DSは、ドライバから視認できかつドライバの手の届く場所に配されていればよい。表示入力装置DSは、例えば、自動車のセンターコンソールに設けられていてもよい。
【0015】
振動発生装置VBは、刺激制御装置10からの指示に応じてドライバに対して覚醒を促す刺激である振動を与えるバイブレータである。すなわち、振動発生装置VBは、ドライバに覚醒を促す刺激手段として機能する。振動発生装置VBは、ドライバに対して振動を与えることができる場所に配されていればよい。表示入力装置DSは、自動車の運転席のシートに内蔵され、運転席のシートの座面に振動を与えてもよい。また、表示入力装置DSは、自動車のハンドルに内蔵され、当該ハンドルに振動を与えてもよい。
【0016】
出力部22は、振動発生装置VBに接続されているインターフェース部である。刺激制御装置10は、出力部22を介して振動発生装置VBの振動の開始及び振動の停止を制御することが可能である。
【0017】
記憶装置23は、例えばハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより構成されている。記憶装置23は、BIOS(Basic Input Output System)、ソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0018】
また、生体情報からドライバの眠気度合いの情報を生成するための情報及び振動発生装置VBの使用を促す報知を行うドライバの眠気度合いの閾値である第1の閾値(以下、第1閾値とする)を格納可能である。具体的には、記憶装置23は、第1閾値をドライバごとに記録した閾値DB(Data Base)を格納可能である。
【0019】
制御部24は、演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)24aと、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)24bと、RAM(Random Access Memory)24cと、を有するコンピュータによって実現される。CPU24aは、ROM24bや記憶装置23から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM24cに展開し、展開したプログラムと協働して、各種機能を実現する。
【0020】
入力部20、出力部22、記憶装置23、制御部24の各々は、システムバス25を介して互いに接続されている。
【0021】
制御部24は、入力部20を介して受信したドライバの生体情報を取得することが可能である。制御部24は、振動発生装置VBに対するドライバからの刺激の停止指示を取得することが可能である。具体的には、制御部24は、表示入力装置DSから入力された停止指示を入力部20を介して取得することが可能である。
【0022】
制御部24は、入力部20を介して受信した生体情報に基づいて数値等の値を生成することが可能である。具体的には、制御部24は、ドライバの生体情報に基づいてドライバの眠気度合いに関する数値を生成することが可能である。以下、制御部24が生成する数値を単に眠気度合い値と称する。
【0023】
制御部24は、眠気度合い値が第1の閾値を超えた際にドライバに報知することが可能である。制御部24は、例えば、表示入力装置DSにおいて振動発生装置VBの使用を促す表示を行う。制御部24による報知は、表示入力装置DSにおける表示に限られず、例えば、制御部24は、振動発生装置VBの使用を促す音声を自動車に搭載されているスピーカ(図示せず)から出力してもよい。
【0024】
制御部24は、振動発生装置VBに対して刺激の開始を指示することが可能である。具体的には、制御部24は、ドライバによる表示入力装置DSの入力操作に応じて出力部22を介して振動発生装置VBに刺激の開始を指示する信号を送信する。
【0025】
制御部24は、停止指示を取得した際のドライバの眠気度合い値に基づいて第1閾値を設定することが可能である。具体的には、制御部24は、表示入力装置DSで入力された振動発生装置VBの振動を停止する停止指示情報を取得した際の眠気度合い値に基づいて、記憶装置23に記憶されている閾値DBに格納されている第1閾値を更新して設定する。
【0026】
制御部24は、複数のドライバから一のドライバを特定することが可能である。すなわち、制御部24は、停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいてドライバごとの第1の閾値を設定する。
【0027】
図2は、記憶装置23に格納されている閾値DBのテーブルの一例を示している。制御部24は、自動車のドライバの眠気度合い値が第1閾値を越えると、振動発生装置VBの使用を促す報知を行う。図2に示すように、初期設定(初期値)の第1閾値は、ドライバの眠気度合い値が「6」に設定されている。尚、本実施例及び以後の実施例において、眠気度合い値は10段階の数値である。眠気度合い値が「10」に近づくほど、ドライバの覚醒状態は低い状態である。また、眠気度合い値が「1」に近づくほどドライバの覚醒状態は高い状態である。
【0028】
ドライバによって振動発生装置VBの振動を停止する操作が行われると、制御部24は、停止指示を受信する。制御部24は、停止指示を受信した際の眠気度合い値に基づいて第1閾値を設定する。
【0029】
例えば、第1閾値を「6」に設定し、想定される停止指示取得時の眠気度合い値を「3」とした場合、制御部24は、想定通りの結果が得られたときは、当該設定状態を維持する設定を行う。
【0030】
また、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「5」又は「4」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも覚醒していると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも高い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値を高くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「5」であるときは、第1閾値を「8」に設定する。また、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「4」であるときは、第1閾値を「7」に設定する。
【0031】
さらに、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「1」又は「2」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも眠気が強い状態であると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも低い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値を低くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「1」であるときは、第1閾値を「4」に設定する。また、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「2」であるときは、第1閾値を「5」に設定する。
【0032】
尚、制御部24は、ドライバごとに振動発生装置VBの振動を発生させる第1閾値を設定する。ドライバの特定は、特には限定されず、例えば、指紋や静脈パターン等を読み取ることによって個人を特定する生体認証によって行ってもよい。また、ドライバの特定は、例えば、ドライバの情報を格納した記憶媒体を読み込むことにより行ってもよい。具体的には、カードに埋め込まれたIC(integrated circuit)チップからドライバの情報を読み出してもよい。また、予め一又は複数のドライバを記憶装置23に記憶し、ユーザが表示入力装置DSを操作することにより、登録したドライバの情報を記憶装置23から読み出してもよい。
【0033】
図3は、表示入力装置DSの表示態様を示している。図3Aは、自動車の走行開始時、すなわち、ドライバの眠気度合い値が第1閾値を越えていない場合の表示入力装置DSの表示態様を示している。
【0034】
図3Aに示すように、表示入力装置DSには、振動発生装置VBの振動状態を示す状態表示領域VRと、振動発生装置VBの振動の発生又は停止の切り替えを操作する切替領域SRと、振動発生装置VBの振動の強さを調整する調整領域ARと、ドライバの眠気度合い値及び心拍数を表示する生体情報領域BRが示されている。
【0035】
図3Aにおいて、切替領域SRは、例えば、青色の背景色に白色の文字色で振動発生装置VBの振動を開始させる操作ボタンである「リフレッシュ」が表示されている。また、状態表示領域VRは、青色の背景色に白色の文字色で振動発生装置VBの振動状態を示す「振動」が表示されている。調整領域ARは、青色の背景色に白色の文字色で振動発生装置VBの振動を弱める操作ボタンである「down」及び振動発生装置VBの振動を強める操作ボタンである「up」が表示されている。
【0036】
図3Bは、ドライバの眠気度合い値が第1閾値を越えた場合の表示入力装置DSの表示態様を示している。図3Bに示すように、ドライバの眠気度合い値が第1閾値を越えた場合、制御部24は、ドライバに振動発生装置VBの使用を促す表示を行う。例えば、切替領域SRは、例えば、オレンジ色の背景色に黒色の文字色で「リフレッシュ」と表示されている。また、状態表示領域VR及び調整領域ARは、図3Aの場合と同じ態様、すなわち、青色の背景色に白色の文字色で表示されている。このように、切替領域SRは、状態表示領域VR及び調整領域ARよりも目立つように強調して表示されている。
【0037】
図3Cは、振動発生装置VBの振動を発生させた場合の表示入力装置DSの表示態様を示している。図3Cに示すように、振動発生装置VBが振動している場合、切替領域SRは、例えば、図3Bの場合と同じ態様、すなわち、オレンジ色の背景色に黒色の文字色で表示されている。また、状態表示領域VRは、振動発生装置VBが振動していることを示すように、例えば、緑色の背景色に黒色の文字色で「振動」と表示されている。調整領域ARは、図3Aの場合と同じ態様、すなわち、青色の背景色に白色の文字色で表示されている。
【0038】
図4は、制御部24の処理フローを示している。制御部24は、例えば、自動車のエンジンスタートをトリガーとして処理を開始する。図4に示すように、制御部24は、生体センサBSから生体情報を取得する(ステップS101)。ステップS101において、制御部24は、生体情報取得手段として機能する。
【0039】
尚、制御部24は、生体情報を所定時間ごとに取得し、取得した生体情報を記憶装置23に順次格納するようにしてもよい。
【0040】
制御部24は、ステップS101で取得した生体情報に基づいて眠気度合い値を生成する(ステップS102)。ステップS102において、制御部24は、生体情報に基づく数値を生成する数値生成手段として機能する。
【0041】
制御部24は、ステップS102において生成された眠気度合い値が第1閾値を越えているか判断する(ステップS103)。制御部24は、ステップS103の判断において眠気度合い値が第1閾値を越えていないと判断した場合(ステップS103:N)、再度生体情報を取得して(ステップS101)眠気度合い値を生成し(ステップS102)、当該生成された眠気度合い値が第1閾値を越えるかの判断が行われる(ステップS103)。
【0042】
ステップS103の判断において、制御部24は、眠気度合い値が第1閾値を越えていると判断した場合(ステップS103:Y)、振動発生装置VBの使用を促す報知を行う(ステップS104)。ステップS104において、制御部24は、眠気度合い値が第1の閾値を超えた際にドライバに報知する報知手段として機能する。具体的には、制御部24は、表示入力装置DSにドライバに振動発生装置VBの使用を促す表示を行う。例えば、制御部24は、表示入力装置DSの切替領域SRに、オレンジ色の背景色に黒色の文字色で「リフレッシュ」と強調表示させる。
【0043】
ドライバによって振動発生装置VBの振動を開始する開始指示が表示入力装置DSから入力されると、当該開始指示が表示入力装置DSから送信される。
【0044】
制御部24は、予め定めた所定時間内に表示入力装置DSから送信された開始指示があったか判断する(ステップS105)。制御部24は、ステップS105の判断において、開始指示がないと判断した場合(ステップS105:N)、予め定めた所定時間が経過したかを判断する(ステップS106)。
【0045】
制御部24は、ステップ106の判断において所定時間が経過していない場合は(ステップS106:N)、ステップS104の処理に戻る。制御部24は、ステップ106の判断において所定時間が経過している場合は(ステップS106:Y)、処理を終了する。
【0046】
ドライバによって振動発生装置VBの振動を停止する停止指示が表示入力装置DSから入力されると、当該停止指示が表示入力装置DSから送信される。
【0047】
制御部24は、ステップS105の判断において、開始指示があると判断した場合(ステップS105:Y)、表示入力装置DSから送信された停止指示を取得したか判断する(ステップS107)。ステップS107において、制御部24は、振動発生装置VBに対する振動の停止指示を取得する停止指示取得手段として機能する。
【0048】
制御部24は、ステップS107の判断において停止指示を取得したと判断すると(ステップS107:Y)、停止指示を取得した際のドライバの生体情報を取得し(ステップS108)、ステップS108で取得した生体情報に基づいて眠気度合い値を生成する(ステップS109)。
【0049】
制御部24は、ステップS109で生成した眠気度合い値に基づいて第1閾値を設定する(ステップS110)。ステップS110において、制御部24は、停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて第1閾値を設定する設定手段として機能する。
【0050】
尚、ステップS107の判断は、停止指示を取得するまで繰り返される(ステップS107:N)。以上の制御部24の処理は、例えば、自動車のエンジンがストップするまで繰り返される。
【0051】
ステップS109において生成された眠気度合い値は、ステップS109の眠気度合い値の生成処理を行う毎に記憶装置23に記憶されてもよい。この場合、制御部24は、複数回に亘って停止指示を取得した際の眠気度合い値を取得し、当該複数回に亘って取得された眠気度合い値に基づいて第1閾値を設定するようにしてもよい。
【0052】
具体的には、例えば、制御部24は、直近の4回のステップS109の眠気度合い値の生成処理によって生成された眠気度合い値の平均値を算出し、当該算出された平均値に基づいて第1閾値を設定してもよい。また、例えば、制御部24は、ステップS109で生成された全ての眠気度合い値の平均値を算出し、当該算出された平均値に基づいて第1閾値を設定してもよい。さらに、例えば、制御部24は、ステップS109で生成された眠気度合い値のうち、任意の複数の眠気度合い値を抽出して平均値を算出し、当該算出された平均値に基づいて第1閾値を設定してもよい。さらに、例えば、制御部24は、ステップS109で生成された眠気度合い値の移動平均に基づいて第1閾値を設定してもよい。
【0053】
また、本実施例においては、刺激手段として振動発生装置VBを用いた。しかし、刺激手段は、振動発生装置に限られず、たとえば、音声を出力するスピーカであってもよい。また、他の刺激手段としては、移動体に搭載されたエアコンであってもよい。例えば、移動体の室内の温度を下げることによりドライバに刺激を与えてもよい。また、エアコンの冷風をドライバの顔に当てることによりドライバに刺激を与えてもよい。さらに、ミントなどの覚醒効果の高い香りを出力することによりドライバに刺激を与えてもよい。
【0054】
さらに、本実施例においては、制御部24は、ドライバの生体情報に基づいて眠気度合い値を生成した。制御部24は、生成した眠気度合い値が第1閾値を越えた場合に、ドライバに振動発生装置VBの使用を促す報知をした。しかし、制御部24は、眠気度合い値を生成せずに、ドライバの生体情報に基づいてドライバに振動発生装置VBの使用を促す報知をしてもよい。例えば、制御部24は、ドライバの心拍数、呼吸数、血圧などの数値が閾値を越えた場合に、ドライバに振動発生装置VBの使用を促す報知をするようにしてもよい。
【0055】
尚、ドライバが途中で振動発生装置VBの振動の強度を調整した場合は、振動の強度の増減に応じて第1閾値を設定してもよい。具体的には、ドライバが振動を強めた場合は、第1閾値を高くなるようにしてもよい。また、ドライバが振動を弱めた場合は、第1閾値を低くなるようにしてもよい。
【0056】
以上のように、本実施例に係る刺激制御装置10によれば、ドライバが振動発生装置VBの停止操作を行った際、すなわち、停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、ドライバに振動発生装置VBの使用を促す報知をする眠気度合い値の閾値を設定する。それ故、利用者にとって適切な状態で刺激の発生を促すことが可能となる。従って、利用者の覚醒のために適切なタイミングで刺激を与えることが可能となる。
【0057】
すなわち、振動発生装置VBの停止操作を行った際の眠気度合い値は、ドライバが確実に覚醒をしている状態である。このときのドライバの眠気度合い値はばらつきが少なく、一定の値が得られるものと推定される。このような一定の眠気度合い値に基づいて第1閾値を設定することにより、利用者にとって適切な状態で刺激を発生させることが可能となる。
【実施例0058】
実施例2の刺激制御装置10について説明する。実施例1の刺激制御装置10は、停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、ドライバに報知する眠気度合い値の閾値、すなわち第1閾値を設定した。実施例2の刺激制御装置10は、ドライバが振動発生装置VBの振動の開始操作を行った際の眠気度合い値に基づいて、第1閾値を設定する点で実施例1の刺激制御装置10と異なる。尚、実施例1と同一の構成については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。また、以後の実施例についても同様とする。
【0059】
制御部24は、振動発生装置VBに対するドライバからの振動の開始指示を取得することが可能である。具体的には、制御部24は、表示入力装置DSから入力された開始指示を入力部20を介して取得することが可能である。
【0060】
制御部24は、ドライバが振動発生装置VBの開始操作を行った際、すなわち、開始指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、振動発生装置VBの使用を促す眠気度合い値の閾値を設定する。
【0061】
図5は、制御部24の処理フローを示している。図5に示すように、制御部24は、生体センサBSから生体情報を取得し(ステップS201)、ステップS201で取得した生体情報に基づいて眠気度合い値を生成する(ステップS202)。
【0062】
制御部24は、開始指示を取得したか判断する(ステップS203)。ステップS203において、制御部24は、振動発生装置VBに対するドライバからの振動の開始指示を取得する開始指示取得手段として機能する。
【0063】
制御部24は、ステップS203の判断において開始指示を取得したと判断した場合(ステップS203:Y)、開始指示を取得した際の生体情報に基づいて第1閾値を設定する(ステップS204)。
【0064】
制御部24は、ステップS203の判断において開始指示を取得していないと判断した場合(ステップS203:N)、ステップS202において生成した眠気度合い値が第1閾値を越えているかを判断する(ステップS205)。以後のステップS206~ステップS212の処理については、図4のステップS104~ステップS110に相当するので説明を省略する。
【0065】
以上のように、本実施例に係る刺激制御装置10によれば、ドライバが振動発生装置VBの停止操作を行った際、すなわち、停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、ドライバに振動発生装置VBの使用を促す報知をする眠気度合い値の閾値、すなわち第1閾値を設定する。それ故、利用者にとって適切な状態で刺激の発生を促すことが可能となる。従って、利用者の覚醒のために適切なタイミングで刺激を与えることが可能となる。
【0066】
また、ドライバが振動発生装置VBの振動の開始操作を行った際、すなわち、開始指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、ドライバに報知する眠気度合い値の閾値を設定する。すなわち、本実施例に係る刺激制御装置10によれば、ドライバが覚醒の支援を要するときの眠気度合い値を第1閾値として設定することができる。それ故、利用者にとって適切な状態で刺激を発生させることが可能となる。
【実施例0067】
実施例3の刺激制御装置について説明する。実施例1の刺激制御装置10は、停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、ドライバに振動発生装置VBの使用を促す報知をする眠気度合い値の閾値、すなわち第1閾値を設定した。実施例4の刺激制御装置10は、振動発生装置VBの刺激の強度を加味して、第1閾値を設定する点で実施例1の刺激制御装置10と異なる。
【0068】
制御部24は、振動発生装置VBの振動の強度に応じて第1閾値を設定することが可能である。
【0069】
図6は、記憶装置23に格納されている閾値DBのテーブルの一例を示している。ドライバによって振動発生装置VBの振動を停止する操作が行われると、制御部24は、停止指示を取得する。制御部24は、停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて第1閾値を設定する。
【0070】
図6に示すように、例えば、第1閾値を「6」に設定した場合を説明する。刺激強度が「中」である場合、制御部24は、想定通りの結果が得られた場合、すなわち、停止指示を受信した際の眠気度合い値が「3」である場合は、当該設定状態を維持する設定を行う。
【0071】
刺激強度が「中」である場合、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「5」又は「4」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも覚醒していると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも高い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値を高くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「5」であるときは、第1閾値を「8」に設定する。また、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「4」であるときは、第1閾値を「7」に設定する。
【0072】
さらに、刺激強度が「中」である場合、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「1」又は「2」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも眠気が強い状態であると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも低い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値を低くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「1」であるときは、第1閾値を「4」に設定する。また、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「2」であるときは、第1閾値を「5」に設定する。
【0073】
刺激強度が「弱」である場合、制御部24は、想定通りの結果が得られた場合、すなわち、停止指示を受信した際の眠気度合い値が「2」である場合は、当該設定状態を維持する設定を行う。
【0074】
刺激強度が「弱」である場合、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「5」乃至「3」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも覚醒していると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも高い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値を高くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「5」であるときは、第1閾値を「9」に設定する。また、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「4」であるときは、第1閾値を「8」に設定する。さらに、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「3」であるときは、第1閾値を「7」に設定する。
【0075】
刺激強度が「弱」である場合、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「1」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも眠気が強い状態であると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも低い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値を低くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「1」であるときは、第1閾値を「5」に設定する。
【0076】
刺激強度が「強」である場合、制御部24は、想定通りの結果が得られた場合、すなわち、停止指示を受信した際の眠気度合い値が「4」である場合は、当該設定状態を維持する設定を行う。
【0077】
刺激強度が「強」である場合、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「5」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも覚醒していると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも高い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値を高くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「5」であるときは、第1閾値を「7」に設定する。
【0078】
刺激強度が「強」である場合、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「1」乃至「3」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも眠気が強い状態であると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも低い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値を低くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「1」であるときは、第1閾値を「3」に設定する。また、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「2」であるときは、第1閾値を「4」に設定する。さらに、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「3」であるときは、第1閾値を「5」に設定する。
【0079】
以上のように、本実施例に係る刺激制御装置10によれば、ドライバが振動発生装置VBの停止操作を行った際、すなわち、停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、ドライバに報知する眠気度合い値の閾値を設定する。それ故、利用者にとって適切な状態で刺激の発生を促すことが可能となる。従って、利用者の覚醒のために適切なタイミングで刺激を与えることが可能となる。
【0080】
また、制御部24は、振動発生装置VBの振動の強度に基づいて、ドライバに報知する眠気度合い値の閾値を設定する。このため、制御部24は、振動の強度に応じた第1の閾値を設定することができる。それ故、利用者にとって適切な状態で刺激の発生を促すことが可能となる。従って、利用者の覚醒のために適切なタイミングで刺激を与えることが可能となる。
【実施例0081】
実施例4の刺激制御装置10について説明する。実施例1の刺激制御装置10は、停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、ドライバに振動発生装置VBの使用を促す報知をする眠気度合い値の閾値、すなわち第1閾値を設定した。実施例4の刺激制御装置10は、ドライバが振動発生装置VBの停止操作を行った際の眠気度合い値に基づいて、振動発生装置VBの刺激を停止する眠気度合い値の閾値、すなわち第2閾値を設定する点で実施例1の刺激制御装置10と異なる。
【0082】
制御部24は、ドライバの眠気度合い値が第2の閾値(以下、第2閾値とする)を超えた際に振動発生装置VBに対して振動の停止を指示することが可能である。すなわち、第2閾値は、振動発生装置VBの刺激を停止するドライバの眠気度合い値である。制御部24は、停止指示を取得した際のドライバの眠気度合い値に応じて第2閾値を設定する。
【0083】
図7は、記憶装置23に格納されている閾値DBのテーブルの一例を示している。ドライバによって振動発生装置VBの振動を停止する操作が行われると、制御部24は、停止指示を受信する。制御部24は、停止指示を受信した際の眠気度合い値に基づいて第1閾値及び第2閾値を設定する。
【0084】
図7に示すように、例えば、第1閾値を「6」に設定し、第2閾値を「3」とした場合を説明する。制御部24は、想定通りの結果が得られた場合、すなわち、停止指示を受信した際の眠気度合い値が「3」である場合は、当該設定状態を維持する設定を行う。
【0085】
また、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「5」又は「4」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも覚醒していると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも高い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値及び第2閾値を高くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「5」であるときは、第1閾値を「8」にかつ第2閾値を「5」に設定する。また、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「4」であるときは、第1閾値を「7」にかつ第2閾値を「4」に設定する。
【0086】
さらに、停止指示取得時のドライバの眠気度合い値が「1」又は「2」であったときは、ドライバは想定されている状態よりも眠気が強い状態であると考えられる。すなわち、生体情報に基づいて生成された眠気度合い値が実際のドライバの状態よりも低い数値で生成されている。この場合、制御部24は、第1閾値及び第2閾値を低くなるように設定する。具体的には、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「1」であるときは、第1閾値を「4」にかつ第2閾値を「1」に設定する。また、制御部24は、停止指示取得時の眠気度合い値が「2」であるときは、第1閾値を「5」にかつ第2閾値を「2」に設定する。
【0087】
図8及び図9は、制御部24の処理フローを示している。尚、ステップS301~ステップS306の処理は、図3で説明したステップS101~ステップS106と同一の処理であるので説明を省略する。
【0088】
図8及び図9に示すように、制御部24は、生体情報を取得し(ステップS307)、ステップS307において取得した生体情報に基づいて眠気度合い値を生成する(ステップS308)。
【0089】
制御部24は、ステップS308で生成した眠気度合い値が第2閾値を下回るか否かを判断する(ステップS309)。制御部24は、ステップS309の判断において、ステップS308で生成した眠気度合い値が第2閾値を下回っていないと判断した場合(ステップS309:N)、停止指示を取得したか判断する(ステップS310)。
【0090】
ステップS310の判断において、制御部24は、停止指示を取得したと判断した場合(ステップS310:Y)、停止指示を取得した際の生体情報を取得する(ステップS311)。制御部24は、ステップS311において取得した生体情報に基づいて眠気度合い値を生成し(ステップS312)、当該眠気度合い値に基づいて第1閾値及び第2閾値を設定する(ステップS313)。
【0091】
ステップS310の判断において、制御部24は、停止指示を取得していないと判断した場合(ステップS310:N)、ステップS307の生体情報を取得する処理に戻る。
【0092】
ステップS309の判断において、制御部24は、ステップS308で生成した眠気度合い値が第2閾値を越えて下回っていると判断した場合(ステップS309:Y)、振動発生装置VBに振動の停止指示を送信する(ステップS314)。制御部24は、ステップS314の処理の後、処理を停止する。
【0093】
以上のように、本実施例に係る刺激制御装置によれば、ドライバが振動発生装置VBの停止操作を行った際、すなわち、制御部24が停止指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、振動発生装置VBの使用を促す眠気度合い値の閾値を設定する。それ故、利用者にとって適切な状態で刺激の発生を促すことが可能となる。従って、利用者の覚醒のために適切なタイミングで刺激を与えることが可能となる。
【0094】
また、本実施例の刺激制御装置によれば、ドライバが振動発生装置VBの停止操作を行った際の眠気度合い値に基づいて、制御部24が振動発生装置VBの刺激を停止する眠気度合い値の閾値を設定する。このため、ドライバの覚醒状態が最適な状態で振動発生装置VBの振動を停止することができる。それ故、ドライバの使用感を最適なものとすることが可能となる。
【0095】
このように、制御部24は、ドライバの眠気度合い値が第2閾値を下回ったときに振動発生装置VBに停止指示を送信する。したがって、ドライバが停止操作を行うことなく振動発生装置VBの振動を停止することができるため、ユーザの利便性の向上を図ることが可能となる。
【0096】
尚、制御部24が開始指示を取得した際の眠気度合い値に基づいて、振動発生装置VBの振動を停止する第2閾値を設定してもよい。このようにした場合、制御部24は、ドライバの眠気度合い値が第2閾値を下回ったときに振動発生装置VBに停止指示を送信する。したがって、ドライバが停止操作を行うことなく振動発生装置VBの振動を停止することができるため、ユーザの利便性の向上を図ることが可能となる。
【実施例0097】
実施例5の刺激制御装置10について説明する。上述の実施例の刺激制御装置10は、ドライバに報知する眠気度合い値の閾値、すなわち第1閾値を記憶装置23に記憶していた。実施例5に係る刺激制御装置10は、外部の機器から第1閾値を取得する点で上述の実施例の刺激制御装置10と異なる。
【0098】
本実施例では、刺激制御装置10に接続されている携帯端末装置30から第1閾値を取得する場合を説明する。
【0099】
図10は、実施例5の刺激制御装置10の構成を示している。図10に示すように、刺激制御装置10の通信部26は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の無線によって携帯端末装置30と通信可能に接続されているインターフェース部である。尚、刺激制御装置10との通信は、有線で行われようにしてもよい。
【0100】
刺激制御装置10は、携帯端末装置30と通信することが可能である。具体的には、制御部24は、携帯端末装置30から送信された、生体情報、第1閾値及び第2閾値を受信可能である。また、制御部24は、制御部24が設定した第1閾値及び第2閾値を携帯端末装置30に送信可能である。
【0101】
図11は、実施例5の刺激制御装置10に接続されている携帯端末装置30の構成を示している。携帯端末装置30は、例えば、ドライバの腕に着けることができるウェアラブルコンピュータである。携帯端末装置30は、ウェアラブルコンピュータ以外にも、刺激制御装置10と通信することができる携帯通信機器であればよく、例えば、スマートフォンであってもよい。また、携帯端末装置30は、ウェアラブルコンピュータと携帯通信機器を組み合わせたものであってもよい。
【0102】
図11に示すように、入力部40は、生体センサBSからデータを取得可能に接続されているインターフェース部である。携帯端末装置30は、入力部40を介して生体センサBSからデータを受信する。
【0103】
生体センサBSは、自動車を運転するドライバの生体情報を取得するセンサである。生体センサBSは、例えば、ウェアラブルコンピュータに組み込まれるものである。生体センサBSは、ドライバ所定時間当たりの脈拍を計測する脈拍計である。
【0104】
生体センサBSは、ドライバの脈拍以外にも、ドライバの体温、血圧、所定時間当たりの呼吸数、所定時間当たりの瞬き数、所定時間当たりのあくびの数等の生体情報を計測してもよい。
【0105】
尚、生体センサBSは、ウェアラブルコンピュータに組み込まれる装置でなくてもよい。例えば、生体センサBSは、自動車に搭載されるカメラの画像から得られる情報を解析して生体情報を生成するものであってもよい。例えば、生体センサBSがドライバの呼吸数を測定する場合、生体センサBSは、カメラで撮影したドライバの胸壁の上下運動を計測する計測器である。ドライバの瞬き数を測定する場合、生体センサBSは、カメラで撮影したドライバの瞼の上下運動を計測する計測器である。
【0106】
通信部42は、有線又は無線によって刺激制御装置10と通信可能に接続されているインターフェース部である。携帯端末装置30は、刺激制御装置10と通信することが可能である。
【0107】
記憶装置43は、例えばハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより構成されている。記憶装置23は、BIOS(Basic Input Output System)、ソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0108】
また、記憶装置43は、生体情報からドライバの眠気度合いの情報を生成するための情報及び振動発生装置VBの使用を促す報知を行うドライバの眠気度合いの閾値である第1閾値を格納可能である。また、記憶装置43は、振動発生装置VBの刺激を停止する眠気度合い値の閾値、すなわち第2閾値を格納可能である。
具体的には、記憶装置43は、初期設定値である第1閾値及び第2閾値を閾値DBに格納する。尚、閾値DBは、初期設定値である第1閾値及び第2閾値に限られず、例えば、刺激制御装置10から送信された第1閾値及び第2閾値を記憶してもよい。
【0109】
制御部44は、演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)44aと、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)44bと、RAM(Random Access Memory)44cと、を有するコンピュータによって実現される。CPU44aは、ROM44bや記憶装置43から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM44cに展開し、展開したプログラムと協働して、各種機能を実現する。
【0110】
入力部40、通信部42、記憶装置43、制御部44の各々は、システムバス45を介して互いに接続されている。
【0111】
制御部44は、入力部40を介して受信したドライバの生体情報を取得することが可能である。
【0112】
制御部44は、生体情報及び第1閾値を刺激制御装置10に送信することが可能である。また、制御部44は、振動発生装置VBの刺激を停止する眠気度合い値の閾値、すなわち第2閾値を刺激制御装置10に送信可能である。さらに制御部44は、携帯端末装置30の識別情報を刺激制御装置10に送信することが可能である。
【0113】
制御部44は、刺激制御装置10によって更新された第1閾値及び第2閾値を刺激制御装置10から受信することが可能である。また、制御部44は、受信した第1閾値及び第2閾値を記憶装置43に格納可能である。
【0114】
図12は、携帯端末装置30の処理を示すフロー図である。図12に示すように、制御部44は、刺激制御装置10と通信が確立したかを判断する(ステップS401)。尚、ステップ401の判断において、制御部44は、刺激制御装置10と通信が確立しない場合は、処理を終了する。
【0115】
制御部44は、刺激制御装置10と通信が確立したと判断した場合(ステップS401:Y)、記憶装置43の閾値DBから第1閾値を読み出して携帯端末装置30に送信する(ステップS402)。ステップS403において、制御部44は、刺激制御装置10に生体情報及び第1閾値を送信する送信手段として機能する。尚、ステップS403の処理において、制御部44は、第2閾値及び携帯端末装置30の識別情報を送信する。
【0116】
制御部44は、刺激制御装置10に取得したドライバ生体情報を逐次携帯端末装置30に送信を開始する(ステップS403)。ステップS403において、制御部44は、ドライバの生体情報を取得する生体情報取得手段として機能する。
【0117】
制御部44は、携帯端末装置30から送信される生体情報の送信を停止する指示である送信停止指示を受信したかを判断する(ステップS404)。ステップS404において、制御部44は、刺激制御装置10によって更新された第1閾値を刺激制御装置10から受信する受信手段として機能する。尚ステップS404の判断は、送信停止指示を受信するまで繰り返される(ステップS404:N)。
【0118】
制御部44は、送信停止指示を受信すると(ステップS404:Y)、生体情報の送信を停止する(ステップS405)。
【0119】
制御部44は、携帯端末装置30から第1閾値を受信したかを判断する(ステップS406)。尚ステップS406の判断は、第1閾値を受信するまで繰り返される(ステップS406:N)。
【0120】
制御部44は、第1閾値を受信すると(ステップS406:Y)、受信した第1閾値を設定する(ステップS407)。ステップS407において、制御部44は、第1閾値を記憶する記憶手段として機能する。
【0121】
図13及び図14は、刺激制御装置10の処理を示している。図12及び図13に示すように、制御部24は、携帯端末装置30から送信された第1閾値及び第2閾値を取得する(ステップS501)。この際、制御部24は、携帯端末装置30の識別情報を受信する。これにより、制御部24は、携帯端末装置30の識別情報毎に第1閾値及び第2閾値を設定することができる。
【0122】
制御部24は、生体情報の受信を開始する(ステップS502)。以後のステップS503~ステップS512までの処理は、図8のステップS302~ステップ312の処理と同一であるので説明を省略する。
【0123】
制御部24は、生体情報の送信を停止する送信停止指示を携帯端末装置30に送信する(ステップS513)。
【0124】
制御部24は、ステップS512で生成した眠気度合い値に基づいて第1閾値及び第2閾値を設定する(ステップS514)。
【0125】
制御部24は、ステップS514で設定された第1閾値及び第2閾値を携帯端末装置30に送信する(ステップS515)。
【0126】
以上のように、本実施例の刺激制御装置10及び携帯端末装置30によれば、刺激制御装置10は、携帯端末装置30に記憶された第1閾値及び第2閾値を取得する。すなわち、携帯端末装置30は、その所有者の第1閾値及び第2閾値を記憶している。このため、携帯端末装置30の所有者が自動車を乗り換えた場合であっても、当該携帯端末装置30の所有者の固有の第1閾値を用いてドライバに振動発生装置VBの使用を促すことが可能となる。すなわち、ドライバが乗車する移動体によらず、固有の第1閾値に基づいて振動発生装置VBの使用を促すことができる。例えば、携帯端末装置30の所有者がレンタカーを使用する場合においても、当該携帯端末装置30の所有者の固有の第1閾値を用いてドライバに振動発生装置VBの使用を促すことが可能となる。従って、利用者の覚醒のために適切なタイミングで刺激を与えることが可能となる。
【0127】
尚、本実施例においては、刺激制御装置10が生体情報に基づいてドライバの眠気度合い値を生成した。しかし、ドライバの眠気度合い値の生成は、携帯端末装置30が行ってもよい。このように携帯端末装置30を構成した場合、携帯端末装置30は、生体情報に代えて携帯端末装置30が生成した眠気度合い値を刺激制御装置10に送信するとよい。また、刺激制御装置10は、受信した眠気度合い値、第1閾値及び第2閾値に基づいて図11に示した処理を行うとよい。
【0128】
また、本実施例においては、携帯端末装置30の記憶装置43に第1閾値を記憶するようにした。しかし、第1閾値及び第2閾値は、オンラインストレージ等のクラウドコンピューティングに記憶されているようにしてもよい。
【0129】
第1閾値及び第2閾値をクラウドコンピューティングに記憶されているようにした場合は、携帯端末装置30は、事前にクラウドコンピューティングにアップロードした第1閾値及び第2閾値をダウンロードし、一時的に記憶装置43に第1閾値及び第2閾値をする。携帯端末装置30は、記憶装置43から第1閾値及び第2閾値を読み出して、刺激制御装置10に送信する。携帯端末装置30は、刺激制御装置10から第1閾値及び第2閾値を受信したときは、受信した第1閾値及び第2閾値を記憶装置43に一時格納し、クラウドコンピューティングにアップロードする。クラウドコンピューティングは、アップロードされた第1閾値及び第2閾値を再設定する。
【符号の説明】
【0130】
10 刺激制御装置
24 制御部
30 携帯端末装置
44 制御部
VB 振動発生装置
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14