(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003778
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】複数の表示セルを含むマザー基板と表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240105BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240105BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20240105BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240105BHJP
H10K 71/00 20230101ALI20240105BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20240105BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240105BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240105BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/00 342
H10K77/10
H10K50/844
H10K71/00
H10K59/12
H10K59/122
H10K59/124
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102480
(22)【出願日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0078136
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】イ ユンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ソン スジン
(72)【発明者】
【氏名】イ キュンウン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ナムヨン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC45
3K107DD19
3K107DD89
3K107DD90
3K107EE03
3K107EE46
3K107GG52
5C094AA38
5C094BA03
5C094BA27
5C094DA07
5C094DA13
5C094DA15
5C094EC04
5C094GB10
5G435AA14
5G435BB05
5G435KK05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】封止膜に空隙が発生することを減らすか防止できる表示装置のマザー基板および表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板SSUB上に第1有機膜、第1無機膜、第2有機膜、および第2無機膜を順次形成する段階、前記第2無機膜上に複数の表示セルDPCと封止蓋層ECLDを形成する段階、前記支持基板を前記第1有機膜から分離する段階、および前記複数の表示セルをカットする段階を含む。前記第2無機膜上に前記複数の表示セルと前記封止蓋層を形成する段階は前記第2有機膜によって覆われていない第1無機膜と前記第2無機膜が互いに接触する第1無機封止部IEA1上に前記封止蓋層を形成する段階を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板と、
前記支持基板の一面上に配置される第1有機膜と、
前記第1有機膜上に配置され、前記第1有機膜の縁を覆う第1無機膜と、
前記第1無機膜上に配置される第2有機膜と、
前記第2有機膜上に配置され、前記第2有機膜の縁を覆う第2無機膜と、
前記第2無機膜上に配置される複数の表示セルと、
前記第1無機膜と前記第2無機膜が互いに接触する第1無機封止部上に配置される封止蓋層と、を備える、マザー基板。
【請求項2】
前記封止蓋層は前記第1無機封止部の全体を覆う、請求項1に記載のマザー基板。
【請求項3】
前記第1無機封止部の一部は前記封止蓋層によって覆われずに露出する、請求項1に記載のマザー基板。
【請求項4】
前記封止蓋層の幅は前記第1無機封止部の幅より大きい、請求項1に記載のマザー基板。
【請求項5】
前記複数の表示セルのそれぞれは、
前記第2無機膜上に配置される複数の薄膜トランジスタと、
前記複数の薄膜トランジスタ上に配置される少なくとも一つの平坦化層と、
前記少なくとも一つの平坦化層上に配置される発光素子と、
前記発光素子を封止する封止膜と、を含み、
前記複数の薄膜トランジスタのそれぞれはアクティブ層とゲート電極を含み、
前記発光素子それぞれは第1電極、発光層、および第2電極を含む、請求項1に記載のマザー基板。
【請求項6】
前記封止蓋層と前記少なくとも一つの平坦化層は同じ有機物質を含む、請求項5に記載のマザー基板。
【請求項7】
前記複数の表示セルのそれぞれは前記発光素子それぞれの第1電極の縁を覆うバンクをさらに含み、
前記封止蓋層と前記バンクは同じ有機物質を含む、請求項5に記載のマザー基板。
【請求項8】
前記複数の表示セルのそれぞれは前記発光素子それぞれの第1電極の縁を覆うバンク、および前記バンク上に配置されるスペーサをさらに含み、
前記封止蓋層と前記スペーサは同じ有機物質を含む、請求項5に記載のマザー基板。
【請求項9】
前記複数の表示セルのそれぞれは、
前記アクティブ層と前記ゲート電極の間に配置されるゲート絶縁膜と、
前記ゲート電極上に配置される層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に配置され、前記ゲート絶縁膜と前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して前記アクティブ層に連結される第1連結電極と、をさらに含み、
前記封止蓋層と前記第1連結電極は同じ金属物質を含む、請求項5に記載のマザー基板。
【請求項10】
前記封止膜は、
前記発光素子それぞれの第2電極上に配置される第1封止無機膜と、
前記第1封止無機膜上に配置される封止有機膜と、
前記封止有機膜上に配置される第2封止無機膜と、を含み、
前記第2無機膜、前記第1封止無機膜、および前記第2封止無機膜が順次積層された第2無機封止部は前記複数の表示セルそれぞれを囲むように配置される、請求項5に記載のマザー基板。
【請求項11】
前記封止蓋層は金属物質を含む、請求項1に記載のマザー基板。
【請求項12】
支持基板上に第1有機膜、第1無機膜、第2有機膜、および第2無機膜を順次形成する段階と、
前記第2無機膜上に複数の表示セルと封止蓋層を形成すると、前記支持基板を前記第1有機膜から分離する段階と、
前記複数の表示セルをカットする段階と、を含み、
前記第2無機膜上に前記複数の表示セルと前記封止蓋層を形成する段階は、
前記第2有機膜によって覆われていない第1無機膜と前記第2無機膜が互いに接触する第1無機封止部上に前記封止蓋層を形成する段階を含む、表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記封止蓋層は前記第1無機封止部の全体を覆う、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1無機封止部の一部は前記封止蓋層によって覆われずに露出する、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記支持基板を前記第1有機膜から分離する段階は、
前記封止蓋層によって覆われずに前記第1無機封止部が露出する挿入領域で前記支持基板と前記第1有機膜の間にカットユニットを挿入する段階と、
前記カットユニットで前記第1無機封止部に沿って前記支持基板と前記第1有機膜の間をカットする段階と、を含む、請求項14に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記封止蓋層の幅は前記第1無機封止部の幅より大きい、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記封止蓋層は有機物質で形成される、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記封止蓋層は金属物質で形成される、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2無機膜上に前記複数の表示セルと前記封止蓋層を形成する段階は、
前記第2無機膜上に薄膜トランジスタを形成する段階と、
前記薄膜トランジスタ上に配置される少なくとも一つの平坦化膜と前記封止蓋層を同時に有機物質で形成する段階と、および
前記少なくとも一つの平坦化膜上に発光素子を形成し、前記発光素子を封止するための封止膜を形成する段階と、をさらに含む、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記第2無機膜上に前記複数の表示セルと前記封止蓋層を形成する段階は、
前記第2無機膜上に薄膜トランジスタを形成する段階と、
前記薄膜トランジスタを覆う少なくとも一つの平坦化膜を形成し、前記少なくとも一つの平坦化膜上に発光素子それぞれの第1電極を形成する段階と、
前記発光素子それぞれの第1電極の縁を覆うバンクと前記封止蓋層を同時に有機物質で形成する段階と、
前記バンクによって覆われずに露出した前記発光素子それぞれの第1電極上に前記発光素子それぞれの発光層と第2電極を形成し、前記発光素子を封止するための封止膜を形成する段階と、をさらに含む、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の表示セルを含むマザー基板と表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会の発展につれて映像を表示するための表示装置に対する要求が多様な形態で増加している。表示装置は液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、電界放出表示装置(Field Emission Display)、発光表示パネル(Light Emitting Display)などのようなフラットパネルディスプレイであり得る。発光表示装置は発光素子として有機発光ダイオード素子を含む有機発光表示装置、または発光素子としてLED(Light Emitting Diode)のような無機発光ダイオード素子を含む無機発光表示装置を含むことができる。
【0003】
有機発光表示装置は製造工程中に製造装備との物理的接触および洗浄装備の洗浄液の高圧噴射によって無機膜の一部が脱落し得る。この場合、脱落した無機膜の一部である透明無機粒子によって、有機発光ダイオード素子を封止するための封止膜に空隙が発生し得る。前記空隙を介して水分または酸素が浸透する場合、有機発光ダイオード素子は酸化して発光できないこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、脱落した無機膜の一部である透明無機粒子によって封止膜に空隙が発生することを減らすか防止できる複数の表示装置を含むマザー基板を提供することにある。
【0005】
本発明が解決しようとする他の課題は、脱落した無機膜の一部である透明無機粒子によって封止膜に空隙が発生することを減らすか防止できる表示装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための一実施形態による複数の表示装置を含むマザー基板は、支持基板、前記支持基板の一面上に配置される第1有機膜、前記第1有機膜上に配置され、前記第1有機膜の縁を覆う第1無機膜、前記第1無機膜上に配置される第2有機膜、前記第2有機膜上に配置され、前記第2有機膜の縁を覆う第2無機膜、前記第2無機膜上に配置される複数の表示セル、および前記第1無機膜と前記第2無機膜が互いに接触する第1無機封止部上に配置される封止蓋層を備える。
【0008】
前記封止蓋層は前記第1無機封止部の全体を覆い得る。
【0009】
前記第1無機封止部の一部は前記封止蓋層によって覆われずに露出し得る。
【0010】
前記封止蓋層の幅は前記第1無機封止部の幅より大きくてもよい。
【0011】
前記複数の表示セルそれぞれは前記第2無機膜上に配置される複数の薄膜トランジスタ、前記複数の薄膜トランジスタ上に配置される少なくとも一つの平坦化層、前記少なくとも一つの平坦化層上に配置される発光素子、および前記発光素子を封止する封止膜を含み得る。前記複数の薄膜トランジスタそれぞれはアクティブ層とゲート電極を含み、前記発光素子それぞれは第1電極、発光層、および第2電極を含み得る。
【0012】
前記封止蓋層と前記少なくとも一つの平坦化層は同じ有機物質を含み得る。
【0013】
前記複数の表示セルそれぞれは前記発光素子それぞれの第1電極の縁を覆うバンクをさらに含み、前記封止蓋層と前記バンクは同じ有機物質を含み得る。
【0014】
前記複数の表示セルそれぞれは前記発光素子それぞれの第1電極の縁を覆うバンク、および前記バンク上に配置されるスペーサをさらに含み、前記封止蓋層と前記スペーサは同じ有機物質を含み得る。
【0015】
前記複数の表示セルそれぞれは前記アクティブ層と前記ゲート電極の間に配置されるゲート絶縁膜、前記ゲート電極上に配置される層間絶縁膜、および前記層間絶縁膜上に配置され、前記ゲート絶縁膜と前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して前記アクティブ層に連結される第1連結電極をさらに含み得る。前記封止蓋層と前記第1連結電極は同じ金属物質を含み得る。
【0016】
前記封止膜は前記発光素子それぞれの第2電極上に配置される第1封止無機膜、前記第1封止無機膜上に配置される封止有機膜、および前記封止有機膜上に配置される第2封止無機膜を含み得る。前記第2無機膜、前記第1封止無機膜、および前記第2封止無機膜が順次積層された第2無機封止部は前記複数の表示セルそれぞれを囲むように配置され得る。
【0017】
前記封止蓋層は金属物質を含み得る。
【0018】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置の製造方法は、支持基板上に第1有機膜、第1無機膜、第2有機膜、および第2無機膜を順次形成する段階、前記第2無機膜上に複数の表示セルと封止蓋層を形成する段階、前記支持基板を前記第1有機膜から分離する段階、および前記複数の表示セルをカットする段階を含む。前記第2無機膜上に前記複数の表示セルと前記封止蓋層を形成する段階は前記第2有機膜によって覆われていない第1無機膜と前記第2無機膜が互いに接触する第1無機封止部上に前記封止蓋層を形成する段階を含む。
【0019】
前記封止蓋層は前記第1無機封止部の全体を覆い得る。
【0020】
前記第1無機封止部の一部は前記封止蓋層によって覆われずに露出し得る。
【0021】
前記支持基板を前記第1有機膜から分離する段階は前記封止蓋層によって覆われずに前記第1無機封止部が露出する挿入領域で前記支持基板と前記第1有機膜の間にカットユニットを挿入する段階、および前記カットユニットで前記第1無機封止部に沿って前記支持基板と前記第1有機膜の間をカットする段階を含み得る。
【0022】
前記封止蓋層の幅は前記第1無機封止部の幅より大きくてもよい。
【0023】
前記封止蓋層は有機物質で形成され得る。
【0024】
前記封止蓋層は金属物質で形成され得る。
【0025】
前記第2無機膜上に前記複数の表示セルと前記封止蓋層を形成する段階は、前記第2無機膜上に薄膜トランジスタを形成する段階、前記薄膜トランジスタ上に配置される少なくとも一つの平坦化膜と前記封止蓋層を同時に有機物質で形成する段階、および前記少なくとも一つの平坦化膜上に発光素子を形成し、前記発光素子を封止するための封止膜を形成する段階をさらに含み得る。
【0026】
前記第2無機膜上に前記複数の表示セルと前記封止蓋層を形成する段階は、前記第2無機膜上に薄膜トランジスタを形成する段階、前記薄膜トランジスタを覆う少なくとも一つの平坦化膜を形成し、前記少なくとも一つの平坦化膜上に発光素子それぞれの第1電極を形成する段階、前記発光素子それぞれの第1電極の縁を覆うバンクと前記封止蓋層を同時に有機物質で形成する段階、および前記バンクによって覆われずに露出した前記発光素子それぞれの第1電極上に前記発光素子それぞれの発光層と第2電極を形成し、前記発光素子を封止するための封止膜を形成する段階をさらに含み得る。
【0027】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0028】
実施形態による複数の表示セルを含むマザー基板と表示装置の製造方法によれば、封止蓋層により、第1無機封止部が製造工程中に製造装備との物理的接触と洗浄装備の洗浄液の高圧噴射によってダメージを受けることを防止することができる。したがって、第1無機封止部の第1無機膜と第2無機膜の一部が脱落することを防止することができる。したがって、脱落した無機膜の一部である透明無機粒子によって封止膜に空隙が発生することを減らすか防止することができる。
実施形態による効果は以上で例示した内容によって制限されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施形態による複数の表示セルを含むマザー基板を示す斜視図である。
【
図2】一実施形態によるマザー基板の支持基板、複数の表示セル、第1無機封止部、および第2無機封止部を示すレイアウト図である。
【
図3】
図2のA-A’を沿って切断したマザー基板の支持基板、第1有機膜、第2有機膜、第1無機膜、第2無機膜、第1無機封止部、および表示セルの一例を示す断面図である。
【
図5】
図4における第1無機封止部の透明無機粒子が表示セルの封止膜に配置される場合に発生する空隙を示す断面図である。
【
図6】一実施形態によるマザー基板の支持基板、複数の表示セル、第1無機封止部、第2無機封止部、および封止蓋層を示すレイアウト図である。
【
図7】
図6のB-B’を沿って切断したマザー基板の支持基板、第1有機膜、第2有機膜、第1無機膜、第2無機膜、第1無機封止部、および封止蓋層の一例を示す断面図である。
【
図8】
図6のB-B’を沿って切断したマザー基板の支持基板、第1有機膜、第2有機膜、第1無機膜、第2無機膜、第1無機封止部、および封止蓋層のまた他の例を示す断面図である。
【
図9】また他の実施形態によるマザー基板の支持基板、複数の表示セル、第1無機封止部、第2無機封止部、および封止蓋層を示すレイアウト図である。
【
図10】一実施形態による表示装置の製造方法を示す流れ図である。
【
図11】一実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図12】一実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図13】一実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図14】一実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図15】一実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す流れ図である。
【
図16a】一実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図16b】一実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図17a】一実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図17b】一実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図18a】一実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図18b】一実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図19】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す流れ図である。
【
図20a】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図20b】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図21a】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図21b】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図22a】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図22b】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図23】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す流れ図である。
【
図24a】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図24b】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図25a】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図25b】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図26a】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図26b】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図27】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す流れ図である。
【
図28a】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図28b】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図29a】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図29b】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図30a】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【
図30b】また他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現されることができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0031】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称される場合は他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。実施形態を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであるから本発明が図示された事項に限定されるものではない。
【0032】
第1、第2などが多様な構成要素を叙述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得るのはもちろんである。
【0033】
本発明の様々な実施形態のそれぞれ特徴が部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施形態が互いに対して独立して実施することもでき、関連して共に実施することもできる。
【0034】
以下、添付する図面を参照して具体的な実施形態について説明する。
【0035】
図1は一実施形態による複数の表示セルを含むマザー基板を示す斜視図である。
図2は一実施形態によるマザー基板の支持基板、複数の表示セル、第1無機封止部、および第2無機封止部を示すレイアウト図である。
【0036】
図1および
図2を参照すると、一実施形態によるマザー基板MSUBは支持基板SSUB、複数の表示セルDPC、第1無機封止部IEA1、および第2無機封止部IEA2を含む。
【0037】
支持基板SSUBは複数の表示セルDPCを製造する間複数の表示セルDPCを支持できるように剛性を有する基板であり得る。例えば、支持基板SSUBはガラス基板またはポリエチレンテレフタレート(PET:PolyEthylene Terephthalate)のようなプラスチック基板であり得る。
【0038】
支持基板SSUBは前面に該当する第1面、背面に該当する第2面、および複数の側面を含む六面体形態を有することができる。この場合、第1面と第2面は第1方向DR1の長辺と第2方向DR2の短辺を有する長方形形状を有することができる。第1面と第2面は互いに対向する面であり得る。また、複数の側面のうち上側面と下側面は第1方向DR1の長辺と第3方向DR3の短辺を有する長方形形状を有し、左側面と右側面は第2方向DR2の長辺と第3方向DR3の短辺を有する長方形形状を有することができる。しかし、支持基板SSUBの形態は六面体に限定されず、六面体以外の他の形態を有することができる。
【0039】
複数の表示セルDPCは支持基板SSUB上で同時に形成された後、カット工程でレーザまたはカットユニットによってカットされ得、これにより複数の表示装置(または表示パネル)が製造されることができる。複数の表示セルDPCは第1方向DR1と第2方向DR2で配列され得る。複数の表示セルDPCはM(Mは正の整数)個の行とN(Nは正の整数)個の列に配列され得る。
図1と
図2では複数の表示セルDPCが2個の行と5個の列に配列された場合を例示したが、本明細書の実施形態はこれに限定されない。複数の表示セルDPCそれぞれに係る詳しい説明は
図3と
図4を参照して後述する。また、表示装置(または表示パネル)の製造方法に係る詳しい説明は
図13を参照して後述する。
【0040】
第1無機封止部IEA1は支持基板SSUBの縁に沿って配置され得る。第1無機封止部IEA1は複数の表示セルDPCを囲むように配置され得る。第2無機封止部IEA2は複数の表示セルDPCそれぞれを囲むように配置され得る。第1無機封止部IEA1と第2無機封止部IEA2により複数の表示セルDPCそれぞれは透湿から保護されることができる。
【0041】
図3は
図2のA-A’を沿って切断したマザー基板の支持基板、第1有機膜、第1無機膜、第2有機膜、第2無機膜、第1無機封止部、および表示セルの一例を示す断面図である。
【0042】
図3を参照すると、一実施形態によるマザー基板MSUBは第1有機膜OL1、第1無機膜IL1、第2有機膜OL2、および第2無機膜IL2をさらに含む。
【0043】
第1有機膜OL1は支持基板SSUBの第1面上に配置され得る。支持基板SSUBの第1面の縁は第1有機膜OL1により覆われずに露出し得る。支持基板SSUBの複数の側面も第1有機膜OL1により覆われない。
【0044】
第1無機膜IL1は第1有機膜OL1上に配置され得る。第1無機膜IL1は第1有機膜OL1全体を覆い得る。すなわち、第1無機膜IL1は第1有機膜OL1の上面と側面を覆い得る。第1無機膜IL1は第1有機膜OL1により覆われずに露出した支持基板SSUBの第1面の縁の一部に配置され得る。すなわち、支持基板SSUBの第1面の縁のまた他の一部は第1無機膜IL1により覆われずに露出し得る。
【0045】
第2有機膜OL2は第1無機膜IL1上に配置され得る。第1無機膜IL1の縁は第2有機膜OL2により覆われずに露出し得る。
【0046】
第2無機膜IL2は第2有機膜OL2上に配置され得る。第2無機膜IL2は第2有機膜OL2全体を覆い得る。すなわち、第2無機膜IL2は第2有機膜OL2の上面と側面を覆うことができる。
【0047】
第2無機膜IL2は第2有機膜OL2により覆われずに露出した第1無機膜IL1上に配置され得る。第2無機膜IL2は第2有機膜OL2により覆われずに露出した第1無機膜IL1と接触し得る。第1無機膜IL1と第2無機膜IL2が互いに接触する領域は第1無機封止部IEA1と定義することができる。
【0048】
第1有機膜OL1と第2有機膜OL2が外部に露出される場合、表示セルDPCそれぞれの薄膜トランジスタのアクティブ層を非晶質シリコン(a-Si)から多結晶シリコン(poly-Si)に結晶化するためのレーザ工程でレーザにより炭化し得る。第1無機封止部IEA1により、第1有機膜OL1と第2有機膜OL2が外部に露出されることを防止できるので、第1有機膜OL1と第2有機膜OL2が炭化することを防止することができる。したがって、第1有機膜OL1と第2有機膜OL2の炭化によるパーティクルによって製品不良が発生することを防止することができる。
【0049】
第1有機膜OL1と第2有機膜OL2それぞれはアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などのような有機物質で形成されることができる。第1有機膜OL1と第2有機膜OL2は同じ有機物質で形成されるか互いに異なる有機物質で形成されることができる。
【0050】
第1無機膜IL1と第2無機膜IL2それぞれはシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、およびアルミニウムオキシド層のような無機物質で形成されることができる。または、第1無機膜IL1と第2無機膜IL2それぞれはシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、およびアルミニウムオキシド層のうちの複数の層が交互に積層された多重膜で形成されることができる。第1無機膜IL1と第2無機膜IL2は同じ無機物質で形成されるか互いに異なる無機物質で形成されることができる。
【0051】
複数の表示セルDPCそれぞれは薄膜トランジスタ層TFTL、発光素子層EML、および封止膜TFEを含み得る。
【0052】
薄膜トランジスタ層TFTLは複数の薄膜トランジスタを含み得る。薄膜トランジスタ層TFTLは第2無機膜IL2上に配置され得る。
【0053】
発光素子層EMLは複数の発光素子を含み得る。複数の発光素子は薄膜トランジスタから駆動電流または駆動電圧の印加を受けて所定の輝度で発光することができる。発光素子層EMLは薄膜トランジスタ層TFTL上に配置され得る。
【0054】
封止膜TFEは薄膜トランジスタ層TFTLと発光素子層EMLを囲むように配置され得る。封止膜TFEは少なくとも一つの無機膜と少なくとも一つの有機膜を含み得る。少なくとも一つの無機膜は薄膜トランジスタ層TFTLの側面と発光素子層EMLの上面と側面上に配置され得る。少なくとも一つの有機膜は発光素子層EMLの上面上に配置され得る。したがって、薄膜トランジスタ層TFTLの側面と発光素子層EMLの上面と側面上に配置される封止膜TFEの厚さは発光素子層EMLの上面上に配置される封止膜TFEの厚さより小さくてもよい。
【0055】
封止膜TFEの少なくとも一つの無機膜は第2無機膜IL2が互いに接触する領域は第2無機封止部IEA2と定義することができる。第2無機封止部IEA2は複数の表示セルDPCそれぞれを囲むように配置されるので、第2無機封止部IEA2により複数の表示セルDPCそれぞれは透湿から保護されることができる。
【0056】
薄膜トランジスタ層TFTL、発光素子層EML、および封止膜TFEに係る詳しい説明は
図4を参照して後述する。
【0057】
【0058】
図4を参照すると、複数の表示セルDPCそれぞれは薄膜トランジスタ層TFTL、発光素子層EML、および封止膜TFEを含み得る。
【0059】
薄膜トランジスタ層TFTLはアクティブ層ACT、第1ゲート層GTL1、第2ゲート層GTL2、第1データ金属層DTL1、および第2データ金属層DTL2を含む。また、薄膜トランジスタ層TFTLはゲート絶縁膜130、第1層間絶縁膜141、第2層間絶縁膜142、第1平坦化膜160、および第2平坦化膜180を含む。薄膜トランジスタ層TFTLは複数の薄膜トランジスタTFTを含み、複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれはチャネルTCH、ゲート電極TG、第1電極TS、および第2電極TDを含む。
【0060】
アクティブ層ACTは第2無機膜IL2上に配置され得る。アクティブ層ACTは多結晶シリコン、単結晶シリコン、および低温多結晶シリコンのようなシリコン半導体を含むか、酸化物半導体を含むことができる。
【0061】
アクティブ層ACTは複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのチャネルTCH、第1電極TS、および第2電極TDを含み得る。チャネルTCHは基板SUBの厚さ方向である第3方向DR3で薄膜トランジスタTFTのゲート電極TGと重なる領域であり得る。第1電極TSはチャネルTCHの一側に配置され、第2電極TDはチャネルTCHの他側に配置され得る。第1電極TSと第2電極TDは第3方向DR3でゲート電極TGと重ならない領域であり得る。第1電極TSと第2電極TDはシリコン半導体または酸化物半導体にイオンがドープされて導電性を有する領域であり得る。
【0062】
アクティブ層ACT上にはゲート絶縁膜130が配置され得る。ゲート絶縁膜130は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0063】
ゲート絶縁膜130上には第1ゲート層GTL1が配置され得る。第1ゲート層GTL1は複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのゲート電極TGと第1キャパシタ電極CAE1を含み得る。第1ゲート層GTL1はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0064】
第1ゲート層GTL1上には第1層間絶縁膜141が配置され得る。第1層間絶縁膜141は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0065】
第1層間絶縁膜141上には第2ゲート層GTL2が配置され得る。第2ゲート層GTL2は第2キャパシタ電極CAE2を含み得る。第2キャパシタ電極CAE2は第3方向DR1で第1キャパシタ電極CAE1と重なり得る。キャパシタCstは第1キャパシタ電極CAE1と第2キャパシタ電極CAE2を含み得る。第2ゲート層GTL2はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0066】
第2ゲート層GTL2上には第2層間絶縁膜142が配置され得る。第2層間絶縁膜142は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0067】
第2層間絶縁膜142上には第1連結電極CE1を含む第1データ金属層DTL1が配置され得る。第1連結電極CE1はゲート絶縁膜130、第1層間絶縁膜141、および第2層間絶縁膜142を貫通する第1コンタクトホールCT1を介して薄膜トランジスタTFTの第1電極TSまたは第2電極TDに連結され得る。第1データ金属層DTL1はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0068】
第1データ金属層DTL1上にはアクティブ層ACT、第1ゲート層GTL1、第2ゲート層GTL2、および第1データ金属層DTL1による段差を平坦にするための第1平坦化膜160が配置され得る。第1平坦化膜160はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0069】
第1平坦化膜160上には第2データ金属層DTL2が配置され得る。第2データ金属層DTL2は第2連結電極CE2を含み得る。第2連結電極CE2は第1平坦化膜160を貫通する第2コンタクトホールCT2を介して第1連結電極CE1に連結され得る。第2データ金属層DTL2はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0070】
第2データ金属層DTL2上には第2平坦化膜180が配置され得る。第2平坦化膜180はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0071】
第2平坦化膜180上には発光素子層EMLが配置され得る。発光素子層EMLは複数の発光素子LELとバンク190を含み得る。複数の発光素子LELそれぞれは画素電極171、発光層172、および共通電極173を含む有機発光ダイオード素子であり得るが、本明細書の実施形態はこれに限定されない。
【0072】
画素電極171は第2平坦化膜180上に配置され得る。画素電極171は第2平坦化膜180を貫通する第3コンタクトホールCT3を介して第2連結電極CE2に連結され得る。
【0073】
発光層172を基準として共通電極173方向に発光する上部発光(top emission)構造で画素電極171はアルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITO(Indium Tin Oxide)の積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、およびAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)のような反射率が高い金属物質で形成されることができる。APC合金は銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および銅(Cu)の合金である。
【0074】
バンク190は複数の発光部EAを定義するために、第2平坦化膜180上で画素電極171それぞれの縁を覆うように配置されることができる。バンク190はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0075】
複数の発光部EAそれぞれは画素電極171、発光層172、および共通電極173が順次積層されて画素電極171からの正孔と共通電極173からの電子が発光層172で再結合することによって発光する領域を示す。
【0076】
画素電極171上には発光層172が配置され得る。発光層172は有機物質を含んで所定の色を発光することができる。例えば、発光層172は正孔輸送層(hole transporting layer)、有機物質層、および電子輸送層(electron transporting layer)を含む。
【0077】
共通電極173は発光層172上に配置され得る。共通電極173は発光層172を覆うように配置され得る。共通電極173は複数の発光部EAに共通して形成される共通層であり得る。共通電極173上にはキャッピング層(capping layer)が形成され得る。
【0078】
上部発光構造において共通電極173は光を透過させ得るITO、IZOのような透明な金属物質(TCO,Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成されることができる。共通電極173が半透過金属物質で形成される場合、マイクロキャビティ(micro cavity)により出光効率が高くなる。
【0079】
バンク190上にはスペーサ191が配置され得る。スペーサ191は発光層172を製造する工程中にマスクを支持する役割をすることができる。スペーサ191はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0080】
共通電極173上には封止膜TFEが配置され得る。封止膜TFEは発光素子層EMLに酸素または水分が浸透することを防止するために少なくとも一つの無機膜を含む。また、封止膜TFEはゴミのような異物から発光素子層EMLを保護するために少なくとも一つの有機膜を含む。例えば、封止膜TFEは第1封止無機膜TFE1、封止有機膜TFE2、および第2封止無機膜TFE3を含み得る。
【0081】
第1封止無機膜TFE1は共通電極173上に配置され、封止有機膜TFE2は第1封止無機膜TFE1上に配置され、第2封止無機膜TFE3は封止有機膜TFE2上に配置され得る。第1封止無機膜TFE1と第2封止無機膜TFE3はシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、およびアルミニウムオキシド層のうちの一つ以上の無機膜が交互に積層された多重膜で形成されることができる。封止有機膜TFE2はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜であり得る。
【0082】
図5は
図4における第1無機封止部の透明無機粒子が表示セルの封止膜に配置される場合に発生する空隙を示す断面図である。
【0083】
図5を参照すると、表示装置の製造工程中に、第1有機膜OL1と第2有機膜OL2が表示セルDPCそれぞれの薄膜トランジスタのアクティブ層を非晶質シリコン(a-Si)から多結晶シリコン(poly-Si)に結晶化するためのレーザ工程でレーザにより炭化することを防止するために、第1無機膜IL1と第2無機膜IL2が互いに接触する第1無機封止部IEA1が形成される。しかし、第1無機封止部IEA1の第1無機膜IL1と第2無機膜IL2の接着力が高くないので、表示装置の製造工程中にマザー基板MSUBが設備のピン(pin)またはマスクと物理的に接触する場合または湿式洗浄時の洗浄液の高圧噴射によってダメージを受ける場合、第1無機封止部IEA1から透明無機粒子TIPが脱落し得る。
【0084】
透明無機粒子TIPが
図5のようにバンク190上に配置される場合、透明無機粒子TIPの段差によって、共通電極173、第1封止無機膜TFE1、第2封止有機膜TFE2、および第2封止無機膜TFE2は切れる。すなわち、封止膜TFEには空隙SEAMが形成され得、水分または酸素が空隙SEAMを介して浸透するので、空隙SEAMは透湿経路になる。したがって、発光素子LELは空隙SEAMを介して浸透した水分または酸素によって酸化され得、この場合、発光素子LELは光を発光できない。したがって、第1無機封止部IEA1の一部が脱落して透明無機粒子TIPがバンク190上に配置されることを防止する必要がある。
【0085】
図6は一実施形態によるマザー基板の支持基板、複数の表示セル、第1無機封止部、第2無機封止部、および封止蓋層を示すレイアウト図である。
図7は
図6のB-B’を沿って切断したマザー基板の支持基板、第1有機膜、第2有機膜、第1無機膜、第2無機膜、第1無機封止部、および封止蓋層の一例を示す断面図である。
【0086】
図6と
図7の実施形態はマザー基板MSUBが封止蓋層ECLDをさらに含む点で
図2および
図3の実施形態と差異がある。
図6と
図7では
図2および
図3の実施形態と重複する説明は省略する。
【0087】
図6と
図7を参照すると、封止蓋層ECLDは第3方向DR3で第1無機封止部IEA1と重なり得る。封止蓋層ECLDは第1無機封止部IEA1を覆い得る。封止蓋層ECLDの幅W2は第1無機封止部IEA1の幅W1より大きくてもよい。封止蓋層ECLDは支持基板SSUBの縁に沿って配置され得る。封止蓋層ECLDは複数の表示セルDPCを囲むように配置され得る。
【0088】
封止蓋層ECLDは第2無機膜IL2上に配置され得る。封止蓋層ECLDは第1無機膜IL1の側面と第2無機膜IL2の上面と側面上に配置され得る。封止蓋層ECLDは第1無機膜IL1により覆われずに露出した支持基板SSUBが第1面上に配置され得る。
【0089】
封止蓋層ECLDはアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などのような有機物質で形成されることができる。この場合、封止蓋層ECLDは第1平坦化膜160、第2平坦化膜180、バンク190、およびスペーサ191のうちいずれか一つと同じ有機物質で形成されることができる。また、封止蓋層ECLDの厚さは第1無機膜IL1の厚さおよび第2無機膜IL2の厚さより大きくてもよい。
【0090】
まとめると、第1無機封止部IEA1の第1無機膜IL1と第2無機膜IL2の接着力が高くないので、封止蓋層ECLDが第1無機封止部IEA1を完全に覆う場合、第1無機封止部IEA1が製造工程中に製造装備との物理的接触と洗浄装備の洗浄液の高圧噴射によってダメージを受けることを防止することができる。したがって、第1無機封止部IEA1の第1無機膜IL1と第2無機膜IL2の一部が脱落することを防止することができる。
【0091】
図8は
図6のB-B’を沿って切断したマザー基板の支持基板、第1有機膜、第2有機膜、第1無機膜、第2無機膜、第1無機封止部、および封止蓋層のまた他の例を示す断面図である。
【0092】
図8の実施形態は封止蓋層ECLDが有機物質でない金属物質で形成される点で
図7の実施形態とは差異がある。
図8では
図7の実施形態と重複する説明は省略する。
【0093】
図8を参照すると、封止蓋層ECLDはモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。または、封止蓋層ECLDはアルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITO(Indium Tin Oxide)の積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、およびAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)で形成されることができる。この場合、封止蓋層ECLDは第1ゲート金属層GTL1、第2ゲート金属層GTL2、第1データ金属層DTL1、第2データ金属層DTL2、および画素電極171のうちいずれか一つと同じ金属物質で形成されることができる。また、封止蓋層ECLDの厚さは第1有機膜OL1の厚さおよび第2有機膜OL2の厚さより小さくてもよい。
【0094】
まとめると、封止蓋層ECLDは第1無機封止部IEA1を完全に覆うように配置されることができる。この場合、封止蓋層ECLDにより、第1無機封止部IEA1が製造工程中に製造装備との物理的接触と洗浄装備の洗浄液の高圧噴射によってダメージを受けることを防止することができる。したがって、第1無機封止部IEA1の一部が脱落することを防止することができる。
【0095】
図9はまた他の実施形態によるマザー基板の支持基板、複数の表示セル、第1無機封止部、第2無機封止部、および封止蓋層を示すレイアウト図である。
【0096】
図9の実施形態は封止蓋層ECLDの一部が除去された点で
図6の実施形態とは差異がある。
図9では
図6の実施形態と重複する説明は省略する。
【0097】
図9を参照すると、第1無機封止部IEA1の少なくとも一部は封止蓋層ECLDにより覆われずに露出し得る。例えば、第1無機封止部IEA1が四角フレームの平面形状を有する場合、第1無機封止部IEA1の4個の角(またはコーナー)のうちの少なくともいずれか一つは封止蓋層ECLDにより覆われずに露出し得る。
【0098】
表示装置の製造工程中に、カットユニットCUを用いて支持基板SSUBを第1有機膜OL1と分離する工程で、有機膜で形成された封止蓋層ECLDが第1無機封止部IEA1と重なるように配置される場合、封止蓋層ECLDによりカットユニットCUの挿入が難しい。カットユニットCUが封止蓋層ECLDをカットしてから第1有機膜OL1をカットしなければならないので、封止蓋層ECLDは一種の抵抗として作用する。したがって、封止蓋層ECLDによりカットが完了した後に第1有機膜OL1にシワが発生し得る。したがって、封止蓋層ECLDの除去領域はカットユニットCUの挿入を容易にする領域であり、カットユニットCUが挿入される挿入領域INSA1,INSA2であり得る。
【0099】
第1挿入領域INSA1に挿入されたカットユニットCUは第1無機封止部IEA1に沿って支持基板SSUBに隣接した第1有機膜OL1をカットし得る。この場合、第1挿入領域INSA1に挿入されたカットユニットCUは第2方向DR2で第1無機封止部IEA1の上右側角から下右側角に第1有機膜OL1をカットした後、第1方向DR1で第1無機封止部IEA1の下右側角から下左側角に第1有機膜OL1をカットし得る。
【0100】
それから、第2挿入領域INSA2に挿入されたカットユニットCUは第1無機封止部IEA1に沿って支持基板SSUBに隣接した第1有機膜OL1をカットし得る。この場合、第2挿入領域INSA2に挿入されたカットユニットCUは第2方向DR2で第1無機封止部IEA1の下左側角から上左側角に第1有機膜OL1をカットした後、第1方向DR1で第1無機封止部IEA1の上左側角から上右側角に第1有機膜OL1をカットし得る。
【0101】
図10は一実施形態による表示装置の製造方法を示すフロー図である。
図11乃至
図13は一実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。以下では、
図10乃至
図13を参照して、一実施形態による表示装置の製造方法について詳細に説明する。
【0102】
最初に、
図11のように支持基板SSUB上に第1有機膜OL1、第1無機膜IL1、第2有機膜OL2、および第2無機膜IL2を順次形成する(
図10のS100)。
【0103】
第1有機膜OL1は支持基板SSUBの第1面上に形成され得る。支持基板SSUBの第1面の縁は第1有機膜OL1により覆われずに露出し得る。
【0104】
それから、第1無機膜IL1は第1有機膜OL1上に形成され得る。第1無機膜IL1は第1有機膜OL1の上面と側面を覆い得る。第1無機膜IL1は第1有機膜OL1により覆われずに露出した支持基板SSUBの第1面の縁の一部に配置され得る。
【0105】
それから、第2有機膜OL2は第1無機膜IL1上に形成され得る。第1無機膜IL1の縁は第2有機膜OL2により覆われずに露出し得る。
【0106】
それから、第2無機膜IL2は第2有機膜OL2上に形成され得る。第2無機膜IL2は第2有機膜OL2の上面と側面を覆い得る。第2無機膜IL2は第2有機膜OL2により覆われずに露出した第1無機膜IL1上に配置され得る。これにより、第1無機膜IL1と第2無機膜IL2が互いに接触する領域である第1無機封止部IEA1が形成される。
【0107】
第1有機膜OL1と第2有機膜OL2が外部に露出される場合、表示セルDPCそれぞれの薄膜トランジスタのアクティブ層を非晶質シリコン(a-Si)から多結晶シリコン(poly-Si)に結晶化するためのレーザ工程でレーザにより炭化し得る。第1無機封止部IEA1により、第1有機膜OL1と第2有機膜OL2が外部に露出されることを防止できるので、第1有機膜OL1と第2有機膜OL2が炭化することを防止することができる。したがって、第1有機膜OL1と第2有機膜OL2の炭化によるパーティクルによって製品不良が発生することを防止することができる。
【0108】
二番目に、
図12のように、第2無機膜IL2上に複数の表示セルDPCと封止蓋層ECLDを形成する(
図10のS200)。
【0109】
複数の表示セルDPCそれぞれの薄膜トランジスタ層TFTL、発光素子層EML、および封止膜TFEは第2無機膜IL2上に順次形成され得る。すなわち、薄膜トランジスタ層TFTLが第2無機膜IL2上に形成されてから、発光素子層EMLが薄膜トランジスタ層TFTL上に形成される。それから、封止膜TFEが薄膜トランジスタ層TFTLの側面および発光素子層EMLの上面と側面上に形成され得る。この場合、封止膜TFEの第1封止無機膜TFE1と第2封止無機膜TFE2が第2無機膜IL2と接触する領域は第2無機封止部IEA2と定義することができる。第2無機封止部IEA2は複数の表示セルDPCそれぞれを囲むように配置されるので、第2無機封止部IEA2により複数の表示セルDPCそれぞれは透湿から保護されることができる。
【0110】
封止蓋層ECLDは第1無機封止部IEA1上に形成され得る。第1無機封止部IEA1の第1無機膜IL1と第2無機膜IL2の接着力が高くないので、封止蓋層ECLDが第1無機封止部IEA1を完全に覆う場合、第1無機封止部IEA1が製造工程中に製造装備との物理的接触と洗浄装備の洗浄液の高圧噴射によってダメージを受けることを防止することができる。したがって、第1無機封止部IEA1の一部が脱落することを防止することができる。
【0111】
第2無機膜IL2上に形成される複数の表示セルDPCと封止蓋層ECLDに係る詳しい説明は
図15、
図19、
図23、および
図27を参照して後述する。
【0112】
三番目に、
図13のように、支持基板SSUBを第1有機膜OL1から分離する(
図10のS300)。
【0113】
支持基板SSUBはカットユニットCUを用いて第1有機膜OL1から分離することができる。このとき、カットユニットCUは支持基板SSUBに隣接した第1有機膜OL1をカットし得る。
【0114】
一方、封止蓋層ECLDによりカットユニットCUを第1有機膜OL1に挿入することが難しい。すなわち、カットユニットCUが封止蓋層ECLDをカットしてから第1有機膜OL1をカットしなければならないので、封止蓋層ECLDは一種の抵抗として作用する。したがって、封止蓋層ECLDによりカットが完了した後第1有機膜OL1にシワが発生し得る。したがって、第1有機膜OL1にシワが発生することを防止するために、
図9のように第1無機封止部IEA1の少なくとも一部が封止蓋層ECLDにより覆われずに露出する挿入領域INSA1,INSA2が形成され得る。
【0115】
第1挿入領域INSA1に挿入されたカットユニットCUは第1無機封止部IEA1に沿って支持基板SSUBに隣接した第1有機膜OL1をカットし得る。この場合、第1挿入領域INSA1に挿入されたカットユニットCUは第2方向DR2で第1無機封止部IEA1の上右側角から下右側角に第1有機膜OL1をカットした後、第1方向DR1で第1無機封止部IEA1の下右側角から下左側角に第1有機膜OL1をカットし得る。
【0116】
それから、第2挿入領域INSA2に挿入されたカットユニットCUは第1無機封止部IEA1に沿って支持基板SSUBに隣接した第1有機膜OL1をカットし得る。この場合、第2挿入領域INSA2に挿入されたカットユニットCUは第2方向DR2で第1無機封止部IEA1の下左側角から上左側角に第1有機膜OL1をカットした後、第1方向DR1で第1無機封止部IEA1の上左側角から上右側角に第1有機膜OL1をカットし得る。
【0117】
四番目に、
図14のようにマザー基板MSUBの複数の表示セルDPCをカットして複数の表示装置10(または表示パネル)を完成する(
図10のS400)。
【0118】
マザー基板MSUBの複数の表示セルDPCはレーザ装置LDのレーザLBまたはカットユニットを用いて切断されることができる。複数の表示装置10は第1有機膜OL1、第1無機膜IL1、第2有機膜OL2、第2無機膜IL2、薄膜トランジスタ層TFTL、発光素子層EML、および封止膜TFEが順次積層された構造を有することができる。
【0119】
図15は一実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示すフロー図である。
図16a、
図16b、
図17a、
図17b、
図18aおよび
図18bは一実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。以下では、
図15、
図16a、
図16b、
図17a、
図17b、
図18aおよび
図18bを参照して、一実施形態による第2無機膜IL2上に複数の表示セルDPCと封止蓋層ECLDを形成する段階(S200)について詳細に説明する。
【0120】
最初に、
図16aおよび
図16bのように第2無機膜IL2上に複数の薄膜トランジスタTFTを形成する(
図15のS210)。
【0121】
先に、第2無機膜IL2上に複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのチャネルTCH、第1電極TSおよび第2電極TDを含むアクティブ層ACTを形成する。アクティブ層ACTは多結晶シリコン、単結晶シリコン、および低温多結晶シリコンのようなシリコン半導体で形成されるか、酸化物半導体で形成されることができる。
【0122】
それから、アクティブ層ACT上にはゲート絶縁膜130を形成する。ゲート絶縁膜130は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0123】
それから、ゲート絶縁膜130上に複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのゲート電極TGとキャパシタCstそれぞれの第1キャパシタ電極CAE1を含む第1ゲート層GTL1を形成する。ゲート電極TGは第3方向DR3でチャネルTCHと重なり得る。第1ゲート層GTL1はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0124】
それから、第1ゲート層GTL1上に第1層間絶縁膜141を形成する。第1層間絶縁膜141は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0125】
それから、第1層間絶縁膜141上にキャパシタCstそれぞれの第2キャパシタ電極CAE2を含む第2ゲート層GTL2を形成する。第2キャパシタ電極CAE2は第3方向DR3で第1キャパシタ電極CAE1と重なり得る。第2ゲート層GTL2はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0126】
それから、第2ゲート層GTL2上に第2層間絶縁膜142を形成する。第2層間絶縁膜142は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0127】
それから、第2層間絶縁膜142上に第1連結電極CE1を含む第1データ金属層DTL1を形成する。第1連結電極CE1はゲート絶縁膜130、第1層間絶縁膜141、および第2層間絶縁膜142を貫通する第1コンタクトホールCT1を介して薄膜トランジスタTFTの第1電極TSまたは第2電極TDに連結され得る。第1データ金属層DTL1はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0128】
二番目に、
図17aおよび
図17bのように複数の薄膜トランジスタTFTを覆う少なくとも一つの平坦化膜160,180と第1無機封止部IEA1を覆う封止蓋層ECLDを同時に形成する(
図15のS220)。
【0129】
先に、複数の薄膜トランジスタTFTを覆う第1平坦化膜160を形成する。第1平坦化膜160は第1データ金属層DTL1上に形成され得る。第1平坦化膜160はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0130】
それから、第1平坦化膜160上に第2連結電極CE2を含む第2データ金属層DTL2を形成する。第2連結電極CE2は第1平坦化膜160を貫通する第2コンタクトホールCT2を介して第1連結電極CE1に連結され得る。第2データ金属層DTL2はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0131】
それから、第2データ金属層DTL2上に第2平坦化膜180を形成する。第2平坦化膜180はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0132】
第1無機封止部IEA1を覆う封止蓋層ECLDは第1平坦化膜160と同時に形成されることができる。この場合、封止蓋層ECLDは第1平坦化膜160と同じ有機物質を含むことができる。
【0133】
または、第1無機封止部IEA1を覆う封止蓋層ECLDは第2平坦化膜180と同時に形成されることができる。この場合、封止蓋層ECLDは第2平坦化膜180と同じ有機物質を含むことができる。
【0134】
封止蓋層ECLDは第1無機膜IL1の側面、および第2無機膜IL2の上面と側面上に形成され得る。また、封止蓋層ECLDは第1無機膜IL1により覆われずに露出した支持基板SSUBが第1面上に形成され得る。
【0135】
三番目に、
図18aおよび
図18bのように少なくとも一つの平坦化膜160,180上に複数の発光素子LELを形成し、複数の発光素子LELを封止するための封止膜TFEを形成する(
図15のS230)。
【0136】
先に、第2平坦化膜180上に複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171を形成する。複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171は第2平坦化膜180を貫通する第3コンタクトホールCT3を介して第2連結電極CE2に連結され得る。複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171はアルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITO(Indium Tin Oxide)の積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、およびAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)のような反射率が高い金属物質で形成されることができる。
【0137】
それから、複数の発光部EAを定義するために複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171の縁を覆うようにバンク190を形成する。バンク190はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0138】
それから、バンク190上にはスペーサ191を形成する。スペーサ191は発光層172を製造する工程中にマスクを支持する役割をすることができる。スペーサ191はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0139】
それから、複数の発光部EAそれぞれにおいて画素電極171上に発光層172を形成する。発光層172は有機物質を含んで所定の色を発光することができる。例えば、発光層172は正孔輸送層(hole transporting layer)、有機物質層、および電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。
【0140】
それから、発光層172とバンク190上に共通電極173を形成する。共通電極173は発光層172とバンク190を覆うように配置され得る。共通電極173は複数の発光部EAに共通して形成される共通層であり得る。共通電極173は光を透過させ得るITO、IZOのような透明な金属物質(TCO,Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成されることができる。
【0141】
それから、共通電極173上に封止膜TFEを形成する。例えば、共通電極173上に第1封止無機膜TFE1を形成し、第1封止無機膜TFE1上に封止有機膜TFE2を形成し、封止有機膜TFE2上に第2封止無機膜TFE2を形成する。第1封止無機膜TFE1と第2封止無機膜TFE3はシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、およびアルミニウムオキシド層のうちの一つ以上の無機膜が交互に積層された多重膜で形成されることができる。封止有機膜TFE2はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜であり得る。
【0142】
図15、
図16a、
図16b、
図17a、
図17b、
図18aおよび
図18bのように、少なくとも一つの平坦化膜160,180と封止蓋層ECLDを同時に形成することによって、封止蓋層ECLDを形成するための別途の工程が追加されなくてもよい。また、封止蓋層ECLDにより、第1無機封止部IEA1が製造工程中に製造装備との物理的接触と洗浄装備の洗浄液の高圧噴射によってダメージを受けることを防止できるので、第1無機封止部IEA1の第1無機膜IL1と第2無機膜IL2の一部が脱落することを防止することができる。
【0143】
図19はまた他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す流れ図である。
図20a、
図20b、
図21a、
図21b、
図22aおよび
図22bはまた他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。以下では、
図19、
図20a、
図20b、
図21a、
図21b、
図22aおよび
図22bを参照して、また他の実施形態による第2無機膜IL2上に複数の表示セルDPCと封止蓋層ECLDを形成する段階(S200)について詳細に説明する。
【0144】
最初に、
図20aおよび
図20bのように第2無機膜IL2上に複数の薄膜トランジスタTFTを形成し、複数の薄膜トランジスタTFTを覆う少なくとも一つの平坦化膜160,180を形成し、少なくとも一つの平坦化膜160,180上に複数の発光素子LELそれぞれの第1電極171を形成する(
図19のS1210)。
【0145】
先に、第2無機膜IL2上に複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのチャネルTCH、第1電極TSおよび第2電極TDを含むアクティブ層ACTを形成する。
【0146】
それから、アクティブ層ACT上にはゲート絶縁膜130を形成する。
【0147】
それから、ゲート絶縁膜130上に複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのゲート電極TGとキャパシタCstそれぞれの第1キャパシタ電極CAE1を含む第1ゲート層GTL1を形成する。
【0148】
それから、第1ゲート層GTL1上に第1層間絶縁膜141を形成する。
【0149】
それから、第1層間絶縁膜141上にキャパシタCstそれぞれの第2キャパシタ電極CAE2を含む第2ゲート層GTL2を形成する。
【0150】
それから、第2ゲート層GTL2上に第2層間絶縁膜142を形成する。
【0151】
それから、第2層間絶縁膜142上に第1連結電極CE1を含む第1データ金属層DTL1を形成する。第1連結電極CE1はゲート絶縁膜130、第1層間絶縁膜141、および第2層間絶縁膜142を貫通する第1コンタクトホールCT1を介して薄膜トランジスタTFTの第1電極TSまたは第2電極TDに連結され得る。
【0152】
それから、複数の薄膜トランジスタTFTを覆う第1平坦化膜160を形成する。
【0153】
それから、第1平坦化膜160上に第2連結電極CE2を含む第2データ金属層DTL2を形成する。第2連結電極CE2は第1平坦化膜160を貫通する第2コンタクトホールCT2を介して第1連結電極CE1に連結され得る。
【0154】
それから、第2データ金属層DTL2上に第2平坦化膜180を形成する。
【0155】
それから、第2平坦化膜180上に複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171を形成する。複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171は第2平坦化膜180を貫通する第3コンタクトホールCT3を介して第2連結電極CE2に連結され得る。
【0156】
二番目に、
図21aおよび
図21bのように複数の発光素子LELそれぞれの第1電極171の縁を覆うバンク190と第1無機封止部IEA1を覆う封止蓋層ECLDを同時に形成する(
図19のS1220)。
【0157】
複数の発光部EAを定義するために複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171の縁を覆うようにバンク190を形成する。バンク190はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成される。
【0158】
第1無機封止部IEA1を覆う封止蓋層ECLDはバンク190と同時に形成される。この場合、封止蓋層ECLDはバンク190と同じ有機物質を含むことができる。
【0159】
三番目に、
図22aおよび
図22bのように複数の発光部EAそれぞれにおいて、画素電極171上に発光素子それぞれの発光層172と第2電極を形成し、発光素子を封止するための封止膜を形成する(
図19のS1230)。
【0160】
先に、バンク190上にはスペーサ191を形成する。スペーサ191は発光層172を製造する工程中にマスクを支持する役割をすることができる。
【0161】
それから、複数の発光部EAそれぞれにおいて画素電極171上に発光層172を形成する。
【0162】
それから、発光層172とバンク190上に共通電極173を形成する。共通電極173は複数の発光部EAに共通して形成される共通層であり得る。
【0163】
それから、共通電極173上に封止膜TFEを形成する。例えば、共通電極173上に第1封止無機膜TFE1を形成し、第1封止無機膜TFE1上に封止有機膜TFE2を形成し、封止有機膜TFE2上に第2封止無機膜TFE2を形成する。
【0164】
図19、
図20a、
図20b、
図21a、
図21b、
図22aおよび
図22bのように、バンク層190と封止蓋層ECLDを同時に形成することによって、封止蓋層ECLDを形成するための別途の工程が追加されなくてもよい。また、封止蓋層ECLDにより、第1無機封止部IEA1が製造工程中に製造装備との物理的接触と洗浄装備の洗浄液の高圧噴射によってダメージを受けることを防止できるので、第1無機封止部IEA1の第1無機膜IL1と第2無機膜IL2の一部が脱落することを防止することができる。
【0165】
図23はまた他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す流れ図である。
図24a、
図24b、
図25a、
図25b、
図26aおよび
図26bはまた他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。以下では、
図23、
図24a、
図24b、
図25a、
図25b、
図26aおよび
図26bを参照して、また他の実施形態による第2無機膜IL2上に複数の表示セルDPCと封止蓋層ECLDを形成する段階(S200)について詳細に説明する。
【0166】
最初に、
図24aおよび
図24bのように第2無機膜IL2上に複数の薄膜トランジスタTFTを形成し、複数の薄膜トランジスタTFTを覆う少なくとも一つの平坦化膜160,180を形成し、少なくとも一つの平坦化膜160,180上に複数の発光素子LELそれぞれの第1電極171とバンク190を形成する(
図23のS2210)。
【0167】
先に、第2無機膜IL2上に複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのチャネルTCH、第1電極TSおよび第2電極TDを含むアクティブ層ACTを形成する。
【0168】
それから、アクティブ層ACT上にはゲート絶縁膜130を形成する。
【0169】
それから、ゲート絶縁膜130上に複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのゲート電極TGとキャパシタCstそれぞれの第1キャパシタ電極CAE1を含む第1ゲート層GTL1を形成する。
【0170】
それから、第1ゲート層GTL1上に第1層間絶縁膜141を形成する。
【0171】
それから、第1層間絶縁膜141上にキャパシタCstそれぞれの第2キャパシタ電極CAE2を含む第2ゲート層GTL2を形成する。
【0172】
それから、第2ゲート層GTL2上に第2層間絶縁膜142を形成する。
【0173】
それから、第2層間絶縁膜142上に第1連結電極CE1を含む第1データ金属層DTL1を形成する。第1連結電極CE1はゲート絶縁膜130、第1層間絶縁膜141、および第2層間絶縁膜142を貫通する第1コンタクトホールCT1を介して薄膜トランジスタTFTの第1電極TSまたは第2電極TDに連結され得る。
【0174】
それから、複数の薄膜トランジスタTFTを覆う第1平坦化膜160を形成する。
【0175】
それから、第1平坦化膜160上に第2連結電極CE2を含む第2データ金属層DTL2を形成する。第2連結電極CE2は第1平坦化膜160を貫通する第2コンタクトホールCT2を介して第1連結電極CE1に連結され得る。
【0176】
それから、第2データ金属層DTL2上に第2平坦化膜180を形成する。
【0177】
それから、第2平坦化膜180上に複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171を形成する。複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171は第2平坦化膜180を貫通する第3コンタクトホールCT3を介して第2連結電極CE2に連結され得る。
【0178】
それから、複数の発光部EAを定義するために複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171の縁を覆うようにバンク190を形成する。
【0179】
二番目に、
図25aおよび
図25bのようにバンク190上に配置されるスペーサ191と第1無機封止部IEA1を覆う封止蓋層ECLDを同時に形成する(
図23のS2220)。
【0180】
バンク190上にはスペーサ191を形成する。スペーサ191は発光層172を製造する工程中にマスクを支持する役割をすることができる。スペーサ191はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成される。
【0181】
第1無機封止部IEA1を覆う封止蓋層ECLDはスペーサ191と同時に形成される。この場合、封止蓋層ECLDはスペーサ191と同じ有機物質を含むことができる。
【0182】
三番目に、
図26aおよび
図26bのように複数の発光部EAそれぞれにおいて画素電極171上に発光素子それぞれの発光層172と第2電極を形成し、発光素子を封止するための封止膜を形成する(
図23のS2230)。
【0183】
先に、複数の発光部EAそれぞれにおいて画素電極171上に発光層172を形成する。
【0184】
それから、発光層172とバンク190上に共通電極173を形成する。共通電極173は複数の発光部EAに共通して形成される共通層であり得る。
【0185】
それから、共通電極173上に封止膜TFEを形成する。例えば、共通電極173上に第1封止無機膜TFE1を形成し、第1封止無機膜TFE1上に封止有機膜TFE2を形成し、封止有機膜TFE2上に第2封止無機膜TFE2を形成する。
【0186】
図23、
図24a、
図24b、
図25a、
図25b、
図26aおよび
図26bのように、スペーサ191と封止蓋層ECLDを同時に形成することによって、封止蓋層ECLDを形成するための別途の工程が追加されなくてもよい。また、封止蓋層ECLDにより、第1無機封止部IEA1が製造工程中に製造装備との物理的接触と洗浄装備の洗浄液の高圧噴射によってダメージを受けることを防止できるので、第1無機封止部IEA1の第1無機膜IL1と第2無機膜IL2の一部が脱落することを防止することができる。
【0187】
図27はまた他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す流れ図である。
図28a、
図28b、
図29a、
図29b、
図30aおよび
図30bはまた他の実施形態による複数の表示セルと封止蓋層の形成方法を示す断面図である。以下では、また他の実施形態による
図27、
図28a、
図28b、
図29a、
図29b、
図30aおよび
図30bを参照して、また他の実施形態による第2無機膜IL2上に複数の表示セルDPCと封止蓋層ECLDを形成する段階(S200)について詳細に説明する。
【0188】
最初に、
図28aおよび
図28bのように第2無機膜IL2上に複数の薄膜トランジスタTFTを形成し、複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのゲート電極を覆う層間絶縁膜141,142を形成する(
図27のS3210)。
【0189】
先に、第2無機膜IL2上に複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのチャネルTCH、第1電極TSおよび第2電極TDを含むアクティブ層ACTを形成する。
【0190】
それから、アクティブ層ACT上にはゲート絶縁膜130を形成する。
【0191】
それから、ゲート絶縁膜130上に複数の薄膜トランジスタTFTそれぞれのゲート電極TGとキャパシタCstそれぞれの第1キャパシタ電極CAE1を含む第1ゲート層GTL1を形成する。
【0192】
それから、第1ゲート層GTL1上に第1層間絶縁膜141を形成する。
【0193】
それから、第1層間絶縁膜141上にキャパシタCstそれぞれの第2キャパシタ電極CAE2を含む第2ゲート層GTL2を形成する。
【0194】
それから、第2ゲート層GTL2上に第2層間絶縁膜142を形成する。
【0195】
二番目に、
図29aおよび
図29bのように層間絶縁膜141,142上に配置される第1データ金属層DTL1と第1無機封止部IEA1を覆う封止蓋層ECLDを同時に形成する(
図27のS3220)。
【0196】
第2層間絶縁膜142上に第1連結電極CE1を含む第1データ金属層DTL1を形成する。第1連結電極CE1はゲート絶縁膜130、第1層間絶縁膜141、および第2層間絶縁膜142を貫通する第1コンタクトホールCT1を介して薄膜トランジスタTFTの第1電極TSまたは第2電極TDに連結され得る。第1データ金属層DTL1はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0197】
第1無機封止部IEA1を覆う封止蓋層ECLDは第1データ金属層DTL1と同時に形成されることができる。この場合、封止蓋層ECLDは第1データ金属層DTL1と同じ有機物質を含むことができる。
【0198】
三番目に、
図30aおよび
図30bのように第1データ金属層DTL1を覆う少なくとも一つの平坦化膜160,180を形成し、少なくとも一つの平坦化膜160,180上に発光素子LELとバンク190を形成し、発光素子LELを封止するための封止膜TFEを形成する(
図27のS3230)。
【0199】
先に、第1データ金属層DTL1上に第1平坦化膜160を形成する。
【0200】
第1平坦化膜160上に第2連結電極CE2を含む第2データ金属層DTL2を形成する。第2連結電極CE2は第1平坦化膜160を貫通する第2コンタクトホールCT2を介して第1連結電極CE1に連結され得る。
【0201】
それから、第2データ金属層DTL2上に第2平坦化膜180を形成する。
【0202】
それから、第2平坦化膜180上に複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171を形成する。複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171は第2平坦化膜180を貫通する第3コンタクトホールCT3を介して第2連結電極CE2に連結され得る。
【0203】
それから、複数の発光部EAを定義するために複数の発光素子LELそれぞれの画素電極171の縁を覆うようにバンク190を形成する。
【0204】
それから、バンク190上にはスペーサ191を形成する。スペーサ191は発光層172を製造する工程中にマスクを支持する役割をすることができる。
【0205】
それから、複数の発光部EAそれぞれにおいて画素電極171上に発光層172を形成する。
【0206】
それから、発光層172とバンク190上に共通電極173を形成する。共通電極173は複数の発光部EAに共通して形成される共通層であり得る。
【0207】
それから、共通電極173上に封止膜TFEを形成する。例えば、共通電極173上に第1封止無機膜TFE1を形成し、第1封止無機膜TFE1上に封止有機膜TFE2を形成し、封止有機膜TFE2上に第2封止無機膜TFE3を形成する。
【0208】
図27、
図28a、
図28b、
図29a、
図29b、
図30aおよび
図30bのように、第1データ金属層DTL1と封止蓋層ECLDを同時に形成することによって、封止蓋層ECLDを形成するための別途の工程が追加されなくてもよい。また、封止蓋層ECLDにより、第1無機封止部IEA1が製造工程中に製造装備との物理的接触と洗浄装備の洗浄液の高圧噴射によってダメージを受けることを防止できるので、第1無機封止部IEA1の第1無機膜IL1と第2無機膜IL2の一部が脱落することを防止することができる。
【0209】
また、
図27、
図28a、
図28b、
図29a、
図29b、
図30aおよび
図30bでは封止蓋層ECLDが第1データ金属層DTL1と同時に形成される場合を例示したが、本明細書の実施形態はこれに限定されない。例えば、封止蓋層ECLDは第1ゲート金属層GTL1、第2ゲート金属層GTL2、第2データ金属層DTL2、および画素電極171のうちいずれか一つと同じ金属物質で形成されることができる。
【0210】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0211】
MSUB マザー基板
SSUB 支持基板
DPC 表示セル
IEA1 第1無機封止部
IEA2 第2無機封止部
ECLD 封止蓋層