(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037786
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】微細な線及びパターンを生成し且つ焼結する為の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240312BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20240312BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240312BHJP
H05K 3/10 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G03F7/20 505
G03F7/20 521
B23K26/00 A
B33Y10/00
H05K3/10 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204840
(22)【出願日】2023-12-04
(62)【分割の表示】P 2020541787の分割
【原出願日】2019-01-30
(31)【優先権主張番号】18154524.5
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】502015784
【氏名又は名称】ネーデルランドセ オルガニサティエ フォール トエゲパスト-ナトールヴェテンシャッペリク オンデルゾエク ティエヌオー
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ガリ アルティノフ
(72)【発明者】
【氏名】エドガー コンスタン ピーター スミッツ
(72)【発明者】
【氏名】ジェローン ファン デン ブラント
(57)【要約】 (修正有)
【課題】微細な線及びパターンを生成し、且つ、焼結する方法及び装置を提供する。
【解決手段】小さい導電性トラックを基板上に生成する非接触方法を提供するための選択的な材料堆積の為の方法であって、第1の材料を基板に堆積させることと、引き続き、1以上のエネルギービームにより、第1の固化パターンで選択的に該第1の材料を固化することと、引き続き、タイミング、エネルギー及び強度において制御された大面積フォトニック曝露により、該基板から固化されていない材料を取り除いて、該第1の材料の該第1の固化パターンを残すことと、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的な材料堆積の為の方法であって、
第1の材料を基板上に堆積させることと、引き続き、
1以上のエネルギービームにより、第1の固化パターンで選択的に該第1の材料を固化することと、引き続き、
タイミング、エネルギー及び強度において制御された大面積フォトニック曝露により、該基板から固化されていない材料を取り除いて、該第1の材料の該第1の固化パターンを残すこと
を含む、前記方法。
【請求項2】
大面積フォトニック曝露により該基板から該固化されていない材料を取り除く前に、1以上のエネルギービームにより、第2の固化パターンで選択的に該第1の材料を固化することを含み、上記第2の固化パターンが、該第1の固化パターンに相補的であり、且つ取り除かれるときに固化されていない材料をばらばらにするように構築されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該第2の固化パターンが、連続的な線、破線、又は点線によって形成される固化部を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該第1の固化パターンと該第2の固化パターンとの間の最小距離が、5~250ミクロンである、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
該第2の固化パターンが、該第1のパターンから離れる方向において、少なくとも50ミクロンにわたる固化されていない材料に面する固化部だけを含む、請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
該第1の固化パターンが、固化されていない材料を該基板から取り除く間に縁にかかる力を平均化する為のノッチを有する縁を備えている、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
該第1の固化パターンが、縁部分とコア部分とを備え、該縁部分が、所望の固化パターンの該コア部分よりも永く、該1以上のエネルギービームに曝露されて、該第1の固化パターンが該縁部分において強化される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
該固化されていない材料を取り除いた後に、該第1の材料の該固化したパターンを焼結することをさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
該大面積フォトニック曝露が、複数の短いエネルギーパルスによって実行される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
該大面積フォトニック曝露が、3~50kW/cm2のエネルギー密度を有するフラッシュシステムによって生成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
該第1の材料がバルクで堆積される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
該第1の材料が、非接触堆積技法を使用して選択的に堆積される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
該堆積技法が液滴堆積技法である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
該エネルギービームが、300~1200ナノメートルの波長を有するレーザによって生成される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
該1以上のエネルギービームが、1以上の可動ミラーによって該基板に方向付けられる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細な線及びパターンを生成し且つ焼結する為の高められた方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に微細な線を生成する為の幾つかの方法が存在する。これらの方法は、2つの主なカテゴリーにさらに再分化されることができる:接触ベースの堆積方法及び非接触ベースの堆積方法。典型的には、導電性ペーストの印刷が接触方法に基づく。例えば(回転)スクリーン印刷は、導電性ペーストの印刷を含む。非常に高い解像度(但し、それでもなお>20μm)が実現されることができるが、この方法は、スクリーンを表面に接触させることを必要とする。しかしながら、様々なデバイススタックは、バリアスタックを含んでいることから、接触を可能にしないことがありうる。従って、パターニングされた構造を提供する為の非接触方法が望まれている。例えば、インクジェット印刷は非接触であるという利点を有する。しかしながら、ノズルサイズが、導電性インクの使用可能な粒子サイズを制限し、且つ最大解像度が、拡散(低粘度)及び液滴サイズによって影響される。幅広い粘性を持つ材料からの、大面積構造の高速(且つ非接触)の高解像度(<10μm)パターニング化に対する改善された制御が依然として望まれている。
【0003】
"Three-Dimensional Printing of Interconnects by Laser Direct-Write of Silver Nanopastes" Pique et al,Advanced Materials Volume 22,Issue 40,pages 4462-4466,October 25,2010において、ベアダイのLED向けの電気的なワイヤボンディング相互接続の代替方法を提供する為に、基板に転写される溶媒系の、乾燥ナノ銀ペーストのレーザ直接書込み方法が示されている。この直接書込みのレーザ技法は、様々な材料を基板上に転写することができ、レーザ誘起前方転写(LIFT:Laser-Induced Forward Transfer)としても知られている。LIFTは、レーザパルスを使用して、小容量の材料をドナーフィルムからアクセプタ基板上に転写する。ドナー基板は、薄い材料フィルムでコーティングされており、且つレーザビームは、該ドナー基板/フィルムの境界に方向付けられる。パルスの持続期間を通じて、レーザエネルギーがレーザスポットにおいて境界面内に堆積し、少量の材料を気化させ、それによって該ドナーフィルムの非気化部分を該アクセプタ基板に向けて押し付け且つ加速させる。
【0004】
欧州特許第2883709号明細書は、LIFTに類似した方法を記載しているが、該明細書においてドナー材料がフラッシュによって転写される。該フラッシュは、マスクを使用することによって該ドナー材料に選択的に向けられて、転写の望まれないドナー材料にフラッシュエネルギーが到達することを防ぐ。均一な転写を得る為に、材料の転写領域は、個々のラスター要素にさらに再分化される。
【0005】
該記載されているLIFT方法は、小さい導電性トラックを生成できるが、生成の精度は、ドナー表面から材料が移動される方法、及び移動された材料が、該導電性トラックが形成されることになる基板にどのように衝突するかに依存している。初期の移動中、飛行中、並びに衝突中に、ありうる不安定さがドナー材料の方向を変更させ、且つ生成されるトラックを不完全にしうる。堆積される材料がまた、強いエネルギーパルスを受け、且つ潜在的に劣化し、それによって材料の性能を低下させる。
【0006】
米国特許第2009013042号明細書は、集束されたレーザビームが、ドナー材料の層で覆われたドナー基板上で走査されて、残ったドナー材料から形成された所望の印刷構造を上記ドナー基板に残すパターニング方法に関する。
【0007】
国際公開第2013/024280号パンフレットは、所望の印刷構造を残すように表面のインクが除去されるLIFTベースのパターニング方法を開示する。該印刷構造を形成した後、該インクは変質して、金属構造、例えば導電性トラック、を形成する。米国特許第2009013042号明細書と同様に、トラックは、該トラックの両側に沿ってレーザが二重に通過することによって画成され、それにより、生成されたトラックの精度は、レーザの位置合わせ、及び/又は表面から材料が移動される方法に依存し、微細な導電性トラックを形成する能力を限定する。集束されたレーザビームの走査はさらに、特に該基板の広い領域にわたりドナー材料を取り除く必要のあるパターンを印刷する為に、処理スピードを制限する。
【0008】
代替的な方法において、国際公開第2013/024280号パンフレットは、ワイドビームのマスクと組み合わせた使用して、印刷構造を画定することを開示する。これは、位置合わせの問題、及び追加の工程ステップを導入し、製造プロセスの速度を遅くする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、小さい導電性トラックを基板上に生成する為の非接触方法を提供することを目的とする。この目的の為に、選択的な材料堆積の為の方法であって、第1の材料を基板上に堆積させることと、引き続き、1以上のエネルギービームにより、第1の固化パターンで選択的に該第1の材料を固化することと、引き続き、タイミング、エネルギー及び強度において制御された大面積フォトニック曝露(large area photonic exposure)により、該基板から固化されていない材料を取り除いて、該第1の材料の該第1の固化パターンを残すことを含む上記方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
提案される方法において、第1の材料が、最初に該材料を転写することなく固化され、例えばトラックに焼結される。これによって、基板上の該トラックの位置は、エネルギービームが該基板上に集束される点にのみ依存する。引き続き、固化されていない材料は、大面積フラッシュフォトニック曝露によって取り除かれる。欧州特許第2883709号明細書及び国際公開第2013/024280号パンフレットとは対照的に、トラックの形成後に、望ましくない材料を基板から移動させる為に高エネルギーのフラッシュ曝露が使用される。対照的に、欧州特許第2883709号明細書は、基板に接着する為に材料を該基板に転写することによってトラックを形成する。その上、欧州特許第2883709号明細書及び国際公開第2013/024280号パンフレットは、追加のマスク又は走査レーザビームを使用して転写エネルギーからトラックを保護することによってのみ、所望の材料を転写することができる。対照的に、該提案された方法は、追加のマスクを必要としない。本発明は、所望の固化パターンの基板への接着に依存して、それが該基板から離れて転写されることを防止する。例えば、第1の材料が基板上に堆積され、そして例えば5マイクロメートル未満の微細な線を刻む1以上のエネルギービームによって、固化パターンに選択的に固化される。該第1の材料の所望の固化したパターンを残すようにエネルギー、タイミング及び強度において制御された大面積(バルク)フォトニック曝露によって、固化されていない材料が該基板から離れるように移動される。
【0011】
固化されていない材料のフラッシュによる移動中に、所望の固化パターンが基板上に残るかどうかは、すでに焼結されているパターンがどのくらいの密度であるかに応じて、所望のパターンに分散されるエネルギーの量によって制御されうる。それはまた、転写中に該固化されていない材料が、該所望の固化パターンに加える接着力の大きさに依存しうる。焼結されるパターンの密度は、レーザ出力を増大させるか、又はレーザスポットの移動スピードを遅くし、それによって焼結される該パターン上の特定の点に該レーザスポットが方向付けられる時間を永くするかのいずれかによって、焼結ステップのエネルギーレベルを増大させることによって高くすることができる。該所望のパターンを予備焼結する為に必要な時間を最小に抑える為の選択肢は、該所望のパターンのトラックの縁を、該パターンのトラックの中央よりもより顕著に予備焼結することである。これにより、所望のトラックは、移動される固化されていない材料の剥がし力から、該トラックの該縁において最も効率的に保護される。
【0012】
該固化されていない材料を該基板から移動させる間に、力が該固化パターンに加えられる。この力は、該基板から離れるように移動される固化されていない材料のばらばら効果によって引き起こされる。任意的に、この力は、該固化されていない材料をより小さい部分にばらばらにするように導いて、それによって、所望の固化トラックの縁に接触している移動して離れていく材料の勢いによって加えられる力を低減することによって、低減されることができる。これは、パターンを囲む、例えば部分的に形に沿った、第2の固化パターンを追加して、固化されていない材料を移動時にばらばらにすることによって、実現されることができる。該第2のパターンは、例えば、共形の線、破線、若しくは点線、又は所望の第1の固化パターンの近くで移動される大きい表面を小さい面積にばらばらにできる任意の形状でありうる。
【0013】
任意的に、所望のトラックの主配向に対して垂直な縁面積の量が最小に抑えられ、それによって平均化された力が経時的に提供されるような方法で、トラックの縁を設計することによって、移動される固化されていない材料が所望の固化パターンに加える力を低減することがまた可能である。これは、例えばトラックにノッチ付き設計を与えることによって得られることができ、幾つかの代替形態、例えば、のこ歯状、歯状、のこぎり歯状、又は歯型の設計、が利用可能である。
【0014】
追加的に又は代替的に、最初の第1の材料をどのように堆積させるかを選択することがまた可能である。これは、例えばカーテンコーティングされた、又は任意の他の好適なバルク堆積手段によって、バルクで行われることができる。代替的には、該第1の材料は、例えばインクジェットプリンタなどの液滴堆積技法によって選択的に堆積させることができ、それによって、該基板から離れるように移動されるべき固化されていない材料の量がすでに最小化されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】
図1Aは、固化されていない材料の層におけるエネルギービームによる固化を示す図である。ここで、該材料はバルクで堆積された。
【
図1B】
図1Bは、固化されていない材料の層におけるエネルギービームを用いた固化を示す図である。ここで、該材料はバルクで堆積された。
【
図1C】
図1Cは、固化されていない材料の層におけるエネルギービームを用いた固化を示す図である。ここで、該材料はバルクで堆積された。
【
図2A】
図2Aは、固化されていない材料のトラックにおけるエネルギービームによる固化を示す図である。ここで、該材料は、固化パターンの所望される場所だけに選択的に堆積された。
【
図2B】
図2Bは、固化されていない材料のトラックにおけるエネルギービームによる固化を示す図である。ここで、該材料は、固化パターンの所望される場所だけに選択的に堆積された。
【
図2C】
図2Cは、固化されていない材料のトラックにおけるエネルギービームによる固化を示す図である。ここで、該材料は、固化パターンの所望される場所だけに選択的に堆積された。
【
図3B】
図3Bは、第1の固化パターン、及び該第1の固化パターンを囲む線の形の相補的な第2の固化パターンの例を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、第1の固化パターン、及び該第1の固化パターンを囲む点線の形の相補的な第2の固化パターンの例を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、相対的に互いに近い部分と遠い部分とを有する第1の固化パターンの例を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、相対的に互いに近い部分と遠い部分とを有する第1の固化パターン、及び該第1の固化パターンを囲む線の形の相補的な第2の固化パターンの例を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、相対的に互いに近い部分と遠い部分とを有する第1の固化パターン、及び該第1の固化パターンを囲む点線の形の相補的な第2の固化パターンの例を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、複数の細部を有する、より複雑な例示的な固化パターンを示す図である。
【
図5B】
図5Bは、複数の細部を有する、より複雑な例示的な固化パターン、及び第1の固化パターンを囲む線の形の相補的な第2の固化パターンを示す図である。
【
図5C】
図5Cは、複数の細部を有する、より複雑な例示的な固化パターン、及び第1の固化パターンを囲む点線の形の相補的な第2の固化パターンを示す図である。
【
図6】
図6は、第1の固化パターンの例を示す図である。拡大部分は、該第1の固化パターンの縁構造を詳細に表し、鋭利な、のこぎり歯状プロファイルを示す。
【
図7】
図7は、第1の固化パターンの例を示す図である。拡大部分は、該第1の固化パターンの縁構造を詳細に表し、より丸みのある縁プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ある特定の例示的な実施態様の下記の詳細な説明は、単に例示的な性質であり、本発明、その用途、又は使用法を決して限定するものではない。それ故に、この説明は限定する意味で受け取られるべきではなく、本システムの範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。発明の詳細な説明において、その一部を形成する添付図面を参照し、この図面では、記載されているデバイス及び方法を実施されうる具体的な実施態様が例として示されている。これらの実施態様は、ここに開示するシステム及び方法を当業者が実施できるようにする為に十分詳細に記載されており、このシステムの趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施態様が利用されてもよいこと、並びに構造的及び論理的な変更が行われてもよいことが理解されるべきである。さらに、わかりやすくする為に、周知のデバイス及び方法の詳細な説明が、このシステムの説明を不明瞭にしないように、省略されている。
【0017】
図1は、関与するプロセス工程のうちの幾つかの模式的概要を示す。
図1Aにおいて、第1の材料1002が基板1001上に堆積され、これは、例えば該基板の全表面にわたりカーテンコータによってバルクで行われることができ、又は例えば、所望の第1のパターンが生成されるべき基板のサブ部分に対して、断続的なコーティング技法を使用して行われることができる。引き続き、エネルギービーム1003が該第1の材料に方向付けられ、且つ該所望の第1のパターンを選択的に固化させる。本明細書において、該エネルギービームの動きが、矢印1005によって描かれており、第1の固化パターン1004を生成する。
図1Bは、この事例では、簡単な、固化されたトラック1004によって模式的に表される第1のパターン全体を、該エネルギービームが固化させたときの状況を示す。固化されていない材料1006が、該基板上にまだ存在している。
図1Cは、同じ基板1001をここではわずかに異なる向きで示しており、ここで、大面積フォトニック曝露1007が生成されて、その結果、固化されていない材料1006が基板1001から離れるように移動され、第1の固化パターン1004を基板1001上に残す。
【0018】
大面積フォトニック曝露を使用することにより、この大面積フォトニック曝露によって曝露される面積における固化されていない材料全てが、一度に移されることになる故に、該固化されていない材料を効率的に取り除くことが可能になる。該第1の固化パターンを該基板に維持することが所望される故に、該大面積フォトニック曝露は、該固化されていない材料全体を表面から離れるように移動できるようにする為に十分に均一である必要があるが、該第1の固化パターンを剥離させるほど強力であってはならない。幾つかのタイプの大面積フォトニック曝露システム、例えばキセノンランプを使用したフラッシュシステム、又はLEDベースのシステム、が存在する。パターニングされるべき構造のサイズ、及び求められる均一性に応じて、単一のフラッシュユニットが該基板をカバーできる場合もあり、又は、該基板をカバーする為に複数のフラッシュユニットが必要とされる。固化されていない材料を取り除く必要のある基板の所望部分をカバーできるようにする為に、大面積フォトニック曝露は単一の光源に限定されず、大面積フォトニック曝露を生成する複数の光源の組み合わせであることができる。幾つかの実施態様では、処理される基板はサイズが限定され、該大面積フォトニック曝露を使用してその全体がフォトニック曝露されることができる。幾つかの実施態様では、例えばロールツーロール工程を使用するときなど、該基板が非常に大きくなることを想像でき、この場合、フォトニック曝露は、処理中の基板のうちの固化されていない材料を取り除くことが必要な面積に方向付けられる。これに関して、「大面積フォトニック曝露」は、画像化されたパターンを提供する為の具体的なパターニングを有していない可視及び近可視の波長の電磁放射に対する曝露である。対照的に、電磁放射は、おおよそ第1の固化パターンの典型的な長さ若しくは面積量である典型的な面積、又はそれより大きい面積で、基板の面積曝露を提供する。例えば、大面積フォトニック曝露は、第1の固化パターンの線パターンの線幅の少なくとも2~10倍、又はそれよりはるかに大きい領域を曝露することができる。
【0019】
より具体的には、第1の固化パターンを固化させる為のエネルギービームは、高度に定義されたパターンの特徴を固化させる為に、典型的には、1~250ミクロン、好ましくは2~100ミクロン、さらにより好ましくは2~25ミクロン、のスポットサイズを有する。該大面積フォトニック曝露は、固化されていない材料を表面から取り除くことができる。該大面積フォトニック曝露によりフォトニック曝露される表面積は、典型的には、第1の固化パターンを固化させる為に単一のエネルギービームによりフォトニック曝露される表面積の、少なくとも100倍より大きく、好ましくは1000倍よりさえも大きい。
【0020】
図1と同様に
図2は、関与するプロセス工程のうちの幾つかの模式的概要を提供する。しかしながら、この場合、第1の材料の堆積は、所望のパターンが生成されるべきである全面積を単にコーティングすることによって行われず、しかし、より選択的な材料堆積技法によって行われ、例えば、液滴堆積技法、例えばインクジェット印刷、分配、又はLIFT、を使用することによって行われる。該第1の材料の該堆積は、該所望のパターンにすでに近いような様式で行われることができる。現在の選択的な堆積技法は、特徴を所望の解像度で生成することができない故に、基板2001に選択的に堆積されてきた第1の材料2002は、その後、第1の固化パターンを形成するようにエネルギービーム2003によって固化される。本明細書において、該エネルギービームの動きが、矢印2005によって描かれている。
図2Bに示されている通り、残りの、固化されていない材料2006は、選択的な堆積技法を使用することによって著しく減少する。
図2Cは、同じ基板2001をここではわずかに異なる向きで示しており、ここで、大面積フォトニック曝露2007が生成されて、その結果、固化されていない材料2006が基板2001から離れるように移動され、第1の固化パターン2004を基板2001上に残す。
【0021】
固化されていない材料の量を最小に抑えることが好ましく思われるが、インクジェット又は他の選択的堆積システム、例えばマイクロ投与、スプレー堆積、分配(dispensing)、又はLIFTの使用は常に可能なわけではない。これらの選択的な堆積システムは、それらが処理できる材料、例えば処理可能な最高許容粘度、に制限を課すことが多い。それ故に、第1のパターンの生成に必要な材料に依存して、バルク堆積又は選択的堆積が選択されることができる。
【0022】
図3Aは、第1の材料3002によって覆われている基板3001上の第1の固化パターン3003の例を示す。先に記載されている通り、該第1の材料はまた、選択的に堆積されることができ、その結果、生成されるべきパターンにより一致して、該第1の材料で該基板を覆う。該固化されていない材料を該基板から移動させる場合に、丸で囲まれた領域3004は、最初その全体が該基板から移動することになり、その結果、第1の固化パターン3003にかかる剥離力が増大する。該第1の固化パターンの該基板への接着に依存して、これらの力は許容可能であり得、
図3Aに示されている通り、第1の固化パターンは、所望の第1の固化パターン3003が基板3001から剥離しないようにする為に十分であり得、その結果、所望の小さいトラックを生じる。
【0023】
図3Bは、第1の固化パターン3003と基板3001との接着が不十分な場合の解決策を提供する。第1の固化パターン3003に相補的な第2の固化パターン3004を加えることによって、表面3005から最初に移動する大面積が、第2の固化パターン3004により、今ではより小さくなった表面積3006からばらばらにされる。それ故に、該固化されていない材料は、サブ領域において該表面から移動されることになる。該第1の固化パターンに連結された、より小さいサブ領域3006は、有意に低減した剥離力を第1の固化パターン3003に及ぼす。これは、材料が基板に十分に本質的に接続していない場合に、微細なトラックを該基板に生成されることを可能にする。又は、これは、該固化されていない材料の移動に抵抗する為に十分な該基板への接着力を提供できないであろうさらに微細なトラックがまた生成されることを可能にする。
【0024】
図3Bに示されている第2の固化パターンは、それが、第1の固化パターンを囲む連続した共形のトラック(conformal track)であることを示す。しかしながら、これは
図3Cに示されている通り必須でなく、所望の保護はまた、破線又は点線3007のような非連続的な構造によって提供されることができる。該第1の固化パターンの縁に領域3004が届かないようにする任意の構造で十分である。該固化パターンの主縁に対して垂直に測定された、該第1の固化パターンから該第2のパターンへの距離3008は、好ましくは0.1~500ミクロン、より好ましくは3~200ミクロン、さらに好ましくは5~100ミクロン、である。
【0025】
第1のパターンの縁から、固化されていない領域とコーティングされていない領域との間の縁までの距離が、十分に短い場合、例えば第2の固化パターンからの所望の距離が好ましくはそれと同じような距離になるであろう場合には、これらの領域は、その領域に第2の保護パターンを必要とすらしなくてもよい。それ故に、該第2の固化パターンは、該第1の固化パターン全体を囲む必要はなく、該第1の固化材料につながっている固化されていない材料が過剰に存在する場合にのみ必要である。
【0026】
図4は、第1の材料4002を提供された基板4001の別の例を提供し、ここで、第1の固化パターン4003が描かれている。ここで、平行な3つのトラック401、402、及び403を有する第1の固化パターンの例が示されている。これらのトラックはある距離で平行であるが、トラック401と402との縁間の距離は相対的に短く、トラック402と403との間の距離は、より長くなるように設計されている。これは、該第2の固化パターンの必要性が、該第1の固化パターンに隣接した移動されるべき固化されていない材料の量に依存することの例を提供する。トラック402と403との間には、
図4B及び
図4Cに示されている通り第2の固化パターンを提供する必要がありうる。両方のトラック間の固化されていない材料の量が限られている故に、トラック401と402との間に第2の固化パターンを提供する必要性はない。中間の第2の固化パターンを必要としない、第1の固化パターン内のトラック間の許容可能な距離は、該基板に対する固化パターンの接着力、並びに所望の固化パターンの該トラックの幅に依存して異なる。該トラックの幅が狭いほど、トラック全体の接着が弱くなり、それ故に、該第1の固化パターン内のトラック間の距離が短いほど、第2の固化パターンをなしにしうる。
【0027】
該第1の固化パターン内の2つのトラック間の距離40が200ミクロン未満、より好ましくは50ミクロン未満、さらに好ましくは20ミクロン未満、のである場合には、それらの間に第2の固化パターンを加える必要はない。
【0028】
前に述べられている通り、固化されていない材料の移動中に第1の固化材料が基板から剥離するのを防ぐ為に十分なほど、第1の固化パターンと該基板との接着が強い場合には、第2の固化パターンは全く必要でなくてもよい。該第1の固化パターンが相対的に粗い特徴部と、幾つかの繊細な特徴部とを有する場合、該固化されていない材料の移動中に該粗い特徴部を該基板に残す為の追加の保護を、該粗い特徴部が必要としないことから、第2の固化パターンはおそらく繊細な特徴部の近くにのみ必要とされることを理解することができる。
【0029】
図4B及び
図4Cにおいてまた、例えば連続したパターン、すなわち第2の固化パターン4004を形成する為の線、と、断続的なパターン、すなわち破線又は点線4005、とが区別されている。つながっていない破線又は点線の変形形態4005の利点は、これらの構造が接続されておらず、それ故に、これらの構造が基板に残っている場合に電流を導けないことである。
【0030】
上に述べた破線又は点線の例は、移動中に固化されていない材料がばらばらになることになる任意の好適な形状であってもよいことが、注目される。同じことが、連続した第2の固化パターンにも当てはまる。それは、ほんの数ミクロンの幅の線とすることができ、これは移動中に該固化されていない材料をばらばらにするが、基板に残るほど十分には表面に接着しておらず、それ故に、該ばらばらにした固化されていない材料とともに離れるように移動される。それ故に、該二次的固化材料の設計は、該固化されていない材料の移動中に該基板に残るように最適化されるか、この移動段階中に剥離され、なお該固化されていない材料を分離するが、該表面には残らないように最適化されるかのいずれかとすることができる。第2の固化パターンの表面積を変えることによって、又は代替的に、例えば該第2の固化パターンの硬化強度を変えることによって該第2の固化パターンの該基板に対する接着力を変えることによって、このバランスに到達することができる。代替的には、該第2の固化パターンが該基板に残ることが所望される場合には、該第2の固化パターンの縁が、より強く硬化されることができ、又は第1の固化パターンに関して
図6及び
図7に示されている通り、パターンに加えられる力を平均化するようなやり方で設計されることができる。
【0031】
図5はより複雑な例を示す。
図5Aは、第1の材料5002によって覆われている基板5001上の第1の固化パターン5003の例を示す。固化されていない材料の移動中に第1の固化材料が該基板から剥離するのを防ぐ為に十分なほど、該第1の固化パターンと基板4001との接着が強い場合には、これは機能的パターンとすることができる。しかしながら、これが十分に当てはまらない場合、
図5B及び
図5Cが、重要な場所に加えられる第2の固化パターンを示す。第1の固化パターン5003の相対的に堅牢な主部分500は、該固化されていない材料の移動中に該基板に残る為に十分な接着表面を有し、それ故に保護する為の特定の第2の固化パターンは必要ない。より小さいトラック501は追加の保護を必要としうるが、1つの側部において主部分500につながっており、2つの側部には、それに隣接した固化されていない材料がほとんどない。それ故に、これらの側部では第2の固化パターンは必要ない。しかしながら、下部には過剰な除去力をもたらしうる固化されていない材料の大面積が存在し、第2の固化パターン504が所望される。
【0032】
主部分500の他方の側部には、第2の固化パターン506によって保護されることができる繊細なトラック502がある。
【0033】
その上、示されている2つのトラック503の組み合わせがある。これらのトラックは互いに近くに配置されており、それ故にこれらの間に第2の固化パターンは必要ないが、それらのサイズに起因して、周りを囲む第2の固化パターン507を加える必要がありうる。保護される該トラックと該第2の固化パターンとの間の距離は、保護される該トラックの幅に依存して異なっていてもよく、保護を必要とする該トラックが細く繊細なほど、保護される該トラックの近くにより密接して該第2の固化パターンが配置されて、それに隣接した固化されていない材料の量を最小に抑えることに、注目することができる。
図5Cは、
図5Bに示されている構造に類似した構造を示すが、ここでは点線の形の代替的な第2の固化パターンを使用する。述べられている通り、固化されていない材料の大面積を分離する為に好適な任意の形状、例えば点、円、線のトラック、ひし形、三角形、八角形、多角形、任意のランダムな形状、が有用である。
【0034】
図6及び
図7は、第1の材料6002、7002を提供された基板6001、7001の別の例を示し、ここで、第1の固化パターン6003、7003が描かれている。ここで、拡大部分60、70が与えられており、第1の固化パターン6003、7003の縁をより詳細に示す。
図6において、縁は真っ直ぐな線ではなく、この例ではのこぎり歯状プロファイル601であるノッチを有する。
図7において示されている通り、また、異なるプロファイル、例えばより丸みのある縁701、が適用されることができる。
【0035】
図6において、破線61が示されており、それはのこぎり歯状プロファイルがなければ、論理的にはトラックの縁であったものである。矢印62、63及び64は、固化されていない材料の移動から生じる衝撃波が第1の固化パターンに近づいてくる主方向を示す。該縁にプロファイルが存在しなければ、矢印62とともに進む該衝撃波は、真っ直ぐな縁の幅全体にわたってほぼ同時にその縁にぶつかり、トラックに加えられる高いピーク力をもたらす。矢印63及び64の方向に進む衝撃波についても同じことが当てはまる。
図6及び
図7に示されている通りノッチ、例えばのこぎり歯状構造、丸みのある構造、又はスパイク状構造、を使用してプロファイルを調節することによって、衝撃波が、これらの構造の頂部に最初にぶつかり、さらにより凹んだ固化パターンに向かってさらに進み、それにより該衝撃波が該縁に接触する接触時間を永くし、それにより該トラックに加えられる力が平均化される。これにより、より長いが、著しく低い力が該トラックに加えられることになる。加えられる該力が、表面に対する該トラックの閾値保持力よりも低く保たれる場合には、該第1の固化パターンは、該表面から剥がされることなく、所望される通りに該基板に残ることになる。ここで該例は、のこぎり歯状及び丸みのある縁プロファイルを示すが、主縁の線61に垂直な方向に動く外側縁を提供する任意の縁プロファイルがこの保護を実現できることを理解することができる。鋭利なノッチ、丸みのあるノッチ、又はそれら両方の組み合わせを使用して設計された縁プロファイルが、所望の結果を与える。
【0036】
上の例は、ノッチ付き縁を有する第1の固化パターンを示し、また、第2の固化パターンが、同様のノッチ付き縁を有するように設計されることができる。例えば、固化されていない材料の移動中にパターンが解放される瞬間を制御するように、又は要素若しくは第2のパターン全体を表面に残すように、設計されることができる。
【0037】
図8は、第1の材料8002を提供された基板8001の別の例を示し、ここで、第1の固化パターン8003が描かれている。ここで拡大部分80が与えられており、該第1の固化パターンの一部分をより詳細に示す。
【0038】
縁プロファイルの代わりに、トラックのコア802よりも縁部分801をより過酷に焼結することを選択することができ、この場合も、固化されていない材料の移動中に該トラックが剥がれないように保護される。該トラックの縁部分801が剥がれなければ、該固化したトラックの残りの部分も該基板に残ることになる。より過酷に硬化又は焼結されるべき該縁部分の幅811は、典型的には1~30ミクロン、より好ましくは2~25ミクロン、さらにより好ましくは2~10ミクロン、である。細いトラック、例えば8ミクロン幅、を生成するときでも、2ミクロンの縁部分が、なお著しい工程速度の最適化をもたらすことができる。なぜなら、該トラックの1/2だけをより強く硬化させればよく、その一方で、該固化されていない材料の移動中に該第1の固化パターンが剥がれるのを防ぐ為に十分な接着強度を、パターンの縁に生じさせることができるからである。
【0039】
この技法は、必要に応じて、該第1の固化パターンだけでなく、第2の固化パターンにも適用されることができる。
【0040】
該固化されていない材料の移動中に該第1の固化パターンに対する影響を最小に抑える為に、使用される大面積フォトニック曝露がまた調節されることができる。例えば、該第1の固化パターンにかかる力をまた平均化する為に、複数のフラッシュを使用することがまた可能であり、例えば、同じ移動の結果を得る為に二重のフラッシュ又は低強度の多数のフラッシュを使用し、しかし、該第1の固化パターンに加えられるピーク力の強度が低い状態である。使用されることができる典型的なフラッシュのタイプは、3~59kW/cm2の強度、及び1μs~10ミリ秒のパルス幅を有する。これらのフラッシュにおいて存在する典型的な波長は、300~1200nmである。
【0041】
移動ミラーが、エネルギービームを基板に方向付ける為に好適であり得、代替的には、プリズム、ポリゴン、又は透過ポリゴンが、該エネルギービームを該基板に方向付ける為に使用されることができる。
【0042】
該第1の固化パターンを固化させる為に必要な強度及び波長に依存して、異なるタイプのエネルギー源、例えば、慣用的なレーザ源、ダイオードレーザ、LED、電子ビーム、キセノンランプ、が使用されることができる。
【0043】
該固化されていない材料の移動中に該第1の固化パターンが該基板に残るのに十分な程度だけ、該第1の固化パターンを部分的にのみ固化させることがまた可能である。その後、他の焼結又は硬化の手段を使用して、オーブンでパターン全体を加熱することにより、又は代替的に、大面積フォトニック曝露システムを使用し、しかし、ここでは異なるパルス及び強度の設定を使用することによって、該第1の固化パターンをその最終構造にさらに固化させることができ、ここで、移動が達成されないが、なおトラックは十分に高いエネルギーレベルに曝露されて、所望される通りに完全に固化される。
【0044】
構造の幾つかの部分が非常に繊細で、バルクフォトニック曝露を使用して、固化されていない材料を除去できない場合、所望の固化パターンの固化に使用されるエネルギー源であるが、ここでは、該固化されていない材料が基板から取り除かれる、表面から除去されること、又は表面から離れるように移動されることのいずれかになるパルス幅を使用するエネルギー源を使用することによって、これらの領域から該固化されていない材料を取り除くことがまた可能である。
【0045】
これは、任意的に、該固化されていない材料のそれほど重要ではない部分を取り除く為の大面積フォトニック曝露の前に実行されることができる。
【0046】
図1及び
図2の例において、エネルギービームとバルクフォトニック曝露は、基板の異なる側から方向付けられているように示されている。これは必須ではなく、エネルギービーム1003、2003がまた、他方の側からパターンを固化する該基板を通るように方向付けられうる。
【0047】
材料の固化は、焼結固化とすることができ、ここで、溶媒が気化され、且つ該材料に存在しうる粒子が互いに焼結されて導電性トラックを得る。しかし、また、異なるタイプの固化、例えば特定の波長に曝露されている間に重合するUV硬化又は光硬化の組成物、又は、他のエネルギービームに感応性のある組成物が企図されることができる。
【0048】
これらの場合には、特定のスペクトルフィルタをフラッシュユニットに追加して、該基板から移動されることになる該固化されていない材料をフラッシュが固化しないようにすることがまた可能である。該フラッシュは、該材料を即座に取り除くことになり、該材料がこのように接着する時間はないが、取り除かれた該材料は、有意な劣化なしに再利用されうる。
【0049】
離れるように移動された該固化されていない材料は、移動方向に配置された表面又は溝で回収されることができる。それ故に、回収された該材料は再利用されることができる。
【0050】
第2の固化パターンは、基板の固化されていない材料の移動中に、該固化されていない材料の大面積をばらばらにするように設計される。該第2の固化パターンの寸法及び固化状態に応じて、該パターンは該基板に残ることになるが、該第2の固化パターンは、犠牲パターンとしても設計されることができ、これは、該固化されていない材料の移動中に移動する該固化されていない材料により剥がされることになり、それ故に移動される該固化されていない材料をばらばらにすることを引き起こすことになるが、該基板上に残らない。
【0051】
後者の場合には、離れるように移動される該固化されていない材料は、なお再利用の為に回収されることができるが、該第2の固化パターンから固化材料部分を取り除く為に、濾過が必要になることがある。
【0052】
最後に、上の議論は、本システムの単なる例証であることが意図されており、添付の特許請求の範囲を、いずれかの特定の実施態様又は実施態様のグループに限定するものとみなされるべきではない。従って、本システムは、その具体的な例示的実施態様を参照しながら特に詳細に記載されてきたが、添付の特許請求の範囲に述べられる本システムの広い、意図された趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって、多数の修正及び代替的な実施態様が企図されてもよいことも理解されるべきである。従って、本明細書及び図面は、例示的なやり方で認識され、添付の特許請求の範囲に記載の範囲を限定するものではない。
【0053】
添付の特許請求の範囲を解釈する際、「備える(comprising)」という語は、所与の請求項に列挙されたもの以外の他の要素又は行為の存在を除外せず、ある要素の前にある「a」又は「an」という語は、複数のそうした要素の存在を除外せず、特許請求の範囲における任意の参照符号は、それらの範囲を限定せず、幾つかの「手段」は、同じ若しくは異なる項目、又は実装された構造、若しくは機能によって表されてもよく、開示されたデバイス又はその一部分のいずれかは、別段の明示的な記載のない限り、互いに組み合わされてもよく、又はさらなる部分に分割されてもよく、明示的な指示のない限り、行為又はステップのいかなる具体的な順序も、必須であるとは意図されず、明示的な指示のない限り、要素のいかなる具体的な順番も、必須であるとは意図されないことが、理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的な材料堆積の為の方法であって、
第1の材料を基板上に堆積させることと、引き続き、
1以上のエネルギービームにより、第1の固化パターンで選択的に該第1の材料を固化することと、引き続き、
タイミング、エネルギー及び強度において制御された大面積フォトニック曝露により、該基板から固化されていない材料を取り除いて、該第1の材料の該第1の固化パターンを残すこと
を含む、前記方法。