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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037832
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】細胞の枯渇のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20240312BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 35/28 20150101ALI20240312BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 38/45 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20240312BHJP
   A61K 38/12 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 38/07 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 31/5365 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 31/475 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 31/407 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 31/5517 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240312BHJP
   A61K 47/55 20170101ALI20240312BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240312BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240312BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20240312BHJP
   C07K 14/47 20060101ALN20240312BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240312BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20240312BHJP
【FI】
A61K39/395 D ZNA
A61K39/395 C
A61K39/395 N
A61P43/00 105
A61P7/00
A61P7/06
A61P37/04
A61P31/18
A61P3/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P25/00
A61P19/08
A61P37/06
A61P29/00 101
A61P19/02
A61P1/04
A61P17/00
A61P17/06
A61P3/10
A61P17/14
A61P1/16
A61P27/16
A61P15/00
A61P9/00
A61P21/00
A61P11/00
A61P13/10
A61P1/02
A61P21/04
A61P27/02
A61K35/28
A61P29/00
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K38/45
A61K38/08
A61K38/12
A61K38/07
A61K31/5365
A61K31/704
A61K31/475
A61K31/4745
A61K31/407
A61K31/5517
A61K47/68
A61K47/55
A61K39/395 L
C07K16/28
C07K19/00
C07K16/00
C07K14/47
C12N15/13
C12N15/62 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023208327
(22)【出願日】2023-12-11
(62)【分割の表示】P 2022116511の分割
【原出願日】2017-06-19
(31)【優先権主張番号】62/448,768
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/351,725
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/351,778
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/437,729
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/437,756
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/448,782
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518445159
【氏名又は名称】マジェンタ セラピューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MAGENTA THERAPEUTICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100181847
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 かおり
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ニクソン
(72)【発明者】
【氏名】ドワイト モロー
(72)【発明者】
【氏名】アダム ハーティガン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】造血幹細胞などの造血細胞によって発現される抗原に結合することができる抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドの投与による治療方法を提供する。
【解決手段】ヒトなどの患者のCD45+、CD135+、CD34+、CD90+、またはCD110+細胞の集団を枯渇させることによってこれらの状態の治療を達成するために適用することができる抗体、その抗原結合フラグメント、リガンド、およびコンジュゲートが本明細書に記載される。本明細書に記載の組成物および方法を使用して、例えば、CD45+、CD135+、CD34+、CD90+、またはCD110+がん細胞または自己免疫細胞の集団を枯渇させることによって、障害を直接治療することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト患者におけるCD45RO+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記患者に、CD45RO
に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与する工程を
含む、方法。
【請求項2】
造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD45RO+細胞の集団を枯渇させる方法で
あって、前記患者に、CD45ROに結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメン
トの有効量を、前記患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に投与する工程を含む、方
法。
【請求項3】
ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含む方法であって、前記患者が
、CD45ROに結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、前記患者にお
けるCD45RO+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されている、方法。
【請求項4】
a.ヒト患者に、CD45ROに結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを
、前記患者におけるCD45RO+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と;
b.続いて、前記患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程
とを含む、方法。
【請求項5】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートしている、請
求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ヒト患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記患者に、CD135に
結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与する工程を含
み、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートし
ている、方法。
【請求項7】
造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させる方法であ
って、前記患者に、CD135に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメント
の有効量を、前記患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に投与する工程を含み、ここ
で、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートしている、
方法。
【請求項8】
ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含む方法であって、前記患者が
、CD135に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、前記患者にお
けるCD135+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されており、ここで、前記抗
体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートしている、方法。
【請求項9】
a.ヒト患者に、CD135に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを
、前記患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と;
b.続いて、前記患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程
とを含み、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲ
ートしている、方法。
【請求項10】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、以下の相補性決定領域(CDR)を含む、
請求項6~9のいずれか一項に記載の方法:
a.アミノ酸配列SYYMH(配列番号1)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列IINPSGGSTSYAQKFQG(配列番号2)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列GVGAHDAFDI(配列番号3)またはVVAAAVADY(配列番号4)を有するCDR
-H3;
d.アミノ酸配列RSSQSLLHSNGNNYLD(配列番号5)またはRSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号6
)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列LGSNRAS(配列番号7)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列MQGTHPAIS(配列番号8)またはMQSLQTPFT(配列番号9)を有するCDR-
L3。
【請求項11】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、以下のCDRを含む、請求項6~9のいず
れか一項に記載の方法:
a.アミノ酸配列SYAIS(配列番号10)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列GIIPIFGTANYAQKFQG(配列番号11)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列FALFGFREQAFDI(配列番号12)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号13)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列AASSLQS(配列番号14)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQSYSTPFT(配列番号15)を有するCDR-L3。
【請求項12】
ヒト患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記患者に、CD135に
結合することができるヒトFlt3リガンド、またはそのフラグメントの有効量を投与する工
程を含む、方法。
【請求項13】
造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させる方法であ
って、前記患者に、CD135に結合することができるヒトFlt3リガンド、またはそのフラグ
メントの有効量を、前記患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に投与する工程を含む
、方法。
【請求項14】
ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含む方法であって、前記患者が
、CD135に結合することができるヒトFlt3リガンド、またはそのフラグメントを、前記患
者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されている、方法。
【請求項15】
a.ヒト患者に、CD135に結合することができるヒトFlt3リガンド、またはそのフラグメ
ントを、前記患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と

b.続いて、前記患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程
とを含む、方法。
【請求項16】
前記ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントが、Fcドメインに共有結合している、請
求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントのN末端が、前記Fcドメインに共有結合
している、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントのC末端が、前記Fcドメインに共有結合
している、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記Fcドメインが、細胞毒素に共有結合している、請求項16~18のいずれか一項に
記載の方法。
【請求項20】
前記ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントが、細胞毒素に共有結合している、請求
項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントのN末端が、前記細胞毒素に共有結合し
ている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントのC末端が、前記細胞毒素に共有結合し
ている、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記細胞毒素が、Fcドメインに共有結合している、請求項20~22のいずれか一項に
記載の方法。
【請求項24】
前記ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントが、1つの部位で前記細胞毒素に共有結
合し、異なる部位でFcドメインに共有結合している、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記Fcドメインが、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプFcドメインである
、請求項16~19、23、および24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
ヒト患者におけるCD34+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記患者に、CD34に結
合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与する工程を含み
、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートして
いる、方法。
【請求項27】
造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD34+細胞の集団を枯渇させる方法であ
って、前記患者に、CD34に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの
有効量を、前記患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に投与する工程を含み、ここで
、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートしている、方
法。
【請求項28】
ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含む方法であって、前記患者が
、CD34に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、前記患者におけ
るCD34+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されており、ここで、前記抗体
またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートしている、方法。
【請求項29】
a.ヒト患者に、CD34に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、
前記患者におけるCD34+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と;
b.続いて、前記患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程
とを含み、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲ
ートしている、方法。
【請求項30】
ヒト患者におけるCD90+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記患者に、CD90に結
合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与する工程を含み
、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートして
いる、方法。
【請求項31】
造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD90+細胞の集団を枯渇させる方法であ
って、前記患者に、CD90に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの
有効量を、前記患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に投与する工程を含み、ここで
、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートしている、方
法。
【請求項32】
ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含む方法であって、前記患者が
、CD90に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、前記患者におけ
るCD90+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されており、ここで、前記抗体
またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートしている、方法。
【請求項33】
a.ヒト患者に、CD90に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、
前記患者におけるCD90+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と;
b.続いて、前記患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程
とを含み、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲ
ートしている、方法。
【請求項34】
ヒト患者におけるCD110+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記患者に、CD110に
結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与する工程を含
み、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートし
ている、方法。
【請求項35】
造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD110+細胞の集団を枯渇させる方法であ
って、前記患者に、CD110に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメント
の有効量を、前記患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に投与する工程を含み、ここ
で、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートしている、
方法。
【請求項36】
ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含む方法であって、前記患者が
、CD110に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、前記患者にお
けるCD110+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されており、ここで、前記抗
体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲートしている、方法。
【請求項37】
a.ヒト患者に、CD110に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを
、前記患者におけるCD110+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と;
b.続いて、前記患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程
とを含み、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、細胞毒素にコンジュゲ
ートしている、方法。
【請求項38】
前記細胞毒素が、アマトキシン、シュードモナス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒
素、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン
、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼ
ピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、およびインドリノ
ベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異体からなる群より選択される、請求項5~
11および19~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
ヒト患者におけるCD45+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記患者に、CD45に結
合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与する工程を含み
、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、アマトキシン、シュードモナス
外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド、
アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュ
オカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリノ
ベンゾジアゼピン、およびインドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異体か
らなる群より選択される細胞毒素にコンジュゲートしている、方法。
【請求項40】
造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD45+細胞の集団を枯渇させる方法であ
って、前記患者に、CD45に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの
有効量を、前記患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に投与する工程を含み、ここで
、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、アマトキシン、シュードモナス外毒素A
、deBouganin、ジフテリア毒素、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド、アウリス
タチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマ
イシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリノベンゾジ
アゼピン、およびインドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異体からなる群
より選択される細胞毒素にコンジュゲートしている、方法。
【請求項41】
ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含む方法であって、前記患者が
、CD45に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、前記患者におけ
るCD45+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されており、ここで、前記抗体
またはその抗原結合フラグメントが、アマトキシン、シュードモナス外毒素A、deBougani
n、ジフテリア毒素、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド、アウリスタチン、ア
ントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピ
ロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、
およびインドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異体からなる群より選択さ
れる細胞毒素にコンジュゲートしている、方法。
【請求項42】
a.ヒト患者に、CD45に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、
前記患者におけるCD45+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と;
b.続いて、前記患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程
とを含み、ここで、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、アマトキシン、シュー
ドモナス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、サポリン、メイタンシン、メイタンシ
ノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-3
8、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、イ
ンドリノベンゾジアゼピン、およびインドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの
変異体からなる群より選択される細胞毒素にコンジュゲートしている、方法。
【請求項43】
細胞毒素にコンジュゲートした前記抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド
が、式Ab-Amで表され、式中、Abが前記抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガン
ドであり、Amが式(I)で表されるアマトキシンである、請求項5~11および19~4
2のいずれか一項に記載の方法:
【化1】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたC1-C6アルキル、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意
に置換されたC2-C6アルケニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意に置換さ
れたC2-C6アルキニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意に置換されたシク
ロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、また
は任意に置換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたC1-C6アルキレン、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン、任
意に置換されたC2-C6アルケニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意に
置換されたC2-C6アルキニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意に置換
されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換された
アリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体またはその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【請求項44】
Amが、式(IA)で表されるアマトキシンである、請求項43に記載の方法。
【化2】
【請求項45】
Amが、式(IB)で表されるアマトキシンである、請求項43に記載の方法。
【化3】
【請求項46】
RAおよびRBが、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成す
る、請求項44または45に記載の方法:
【化4】
[式中、Yは、O、S、NRE、およびCREREから選択され、ならびに
REおよびRE'は、それぞれ独立して、任意に置換されたC1-C6アルキレン-RC、任意に置換
されたC1-C6ヘテロアルキレン-RC、任意に置換されたC2-C6アルケニレン-RC、任意に置換
されたC2-C6ヘテロアルケニレン-RC、任意に置換されたC2-C6アルキニレン-RC、任意に置
換されたC2-C6ヘテロアルキニレン-RC、任意に置換されたシクロアルキレン-RC、任意に
置換されたヘテロシクロアルキレン-RC、任意に置換されたアリーレン-RC、または任意に
置換されたヘテロアリーレン-RCである]。
【請求項47】
RAおよびRBが、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成す
る、請求項46に記載の方法:
【化5】
【請求項48】
R1が、H、OH、またはORAであり;
R2が、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBが、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化6】

R3、R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5がORCであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項44または45に記載の方法。
【請求項49】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3がRCであり;
R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5が、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項44または45に記載の方法。
【請求項50】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4およびR5が、それぞれ独立して、H、OH、ORC、またはRCであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項44または45に記載の方法。
【請求項51】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4およびR5が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R8が、ORCまたはNHRCであり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項44または45に記載の方法。
【請求項52】
細胞毒素にコンジュゲートした前記抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド
が、式Ab-Amで表され、式中、Abが前記抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガン
ドであり、Amが式(II)で表されるアマトキシンである、請求項5~11および19~4
2のいずれか一項に記載の方法:
【化7】
[式中、Xが、S、SO、またはSO2であり;
R1が、H、または前記抗体もしくはその抗原結合フラグメントに共有結合しているリン
カーであり;ならびに
R2が、H、または前記抗体もしくはその抗原結合フラグメントに共有結合しているリン
カーであり;
ここで、R1がHである場合、R2は前記リンカーであり、R2がHである場合、R1は前記リン
カーである]。
【請求項53】
前記細胞毒素が、DM1およびDM4からなる群より選択されるメイタンシノイドである、請
求項5~11および19~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記細胞毒素が、モノメチルアウリスタチンEおよびモノメチルアウリスタチンFからな
る群より選択されるアウリスタチンである、請求項5~11および19~42のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項55】
前記細胞毒素が、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、およびイダルビシ
ンからなる群より選択されるアントラサイクリンである、請求項5~11および19~4
2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、モノクローナル抗体またはその抗原結合
フラグメント、ポリクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント、ヒト化抗体または
その抗原結合フラグメント、二重特異性抗体またはその抗原結合フラグメント、二重可変
免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(scFv)、ダイアボディ、トリアボディ、ナノボ
ディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメント、Fabフラグメント、F(ab')2分子、および
タンデムジscFVからなる群より選択される、請求項1~11および26~55のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項57】
前記抗体が、IgG、IgA、IgM、IgD、およびIgEからなる群より選択されるアイソタイプ
を有する、請求項1~11および26~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドが、前記患者への投与後に、が
ん細胞、自己免疫細胞、または造血幹細胞に取り込まれる、請求項1~57のいずれか一
項に記載の方法。
【請求項59】
前記抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドが、がん細胞、自己免疫細胞、
または造血幹細胞の壊死を促進することができる、請求項1~58のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項60】
前記抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドが、前記患者への投与の際に、
1つ以上の補体タンパク質を前記造血幹細胞に補充することができる、請求項2~5、7
~11、13~25、27~29、31~33、35~38、および40~59のいずれ
か一項に記載の方法。
【請求項61】
造血幹細胞を含む前記移植片が、前記抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガン
ドの濃度が前記患者の血液から実質的に除去された後に患者に投与される、請求項2~5
、7~11、13~25、27~29、31~33、35~38、および40~60のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記造血幹細胞またはその子孫が、前記造血幹細胞を前記患者に移植してから2日以上
後に、造血幹細胞の機能的能力を維持している、請求項2~5、7~11、13~25、
27~29、31~33、35~38、および40~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記造血幹細胞またはその子孫が、前記造血幹細胞を前記患者に移植した後に、造血組
織に局在化することおよび/または造血を回復させることができる、請求項2~5、7~
11、13~25、27~29、31~33、35~38、および40~62のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項64】
前記患者への移植の際に、前記造血幹細胞が、巨核球、血小板、血小板、赤血球、肥満
細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、小膠細胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原
提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、Tリンパ球、およびBリン
パ球からなる群より選択される細胞集団の回復を引き起こす、請求項2~5、7~11、
13~25、27~29、31~33、35~38、および40~63のいずれか一項に
記載の方法。
【請求項65】
前記患者が幹細胞障害に罹患している、請求項1~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記患者が異常ヘモグロビン症障害に罹患している、請求項1~65のいずれか一項に
記載の方法。
【請求項67】
前記異常ヘモグロビン症障害が、鎌状赤血球貧血、サラセミア、ファンコニ貧血、再生
不良性貧血、およびウィスコット-アルドリッチ症候群からなる群より選択される、請求
項66に記載の方法。
【請求項68】
前記異常ヘモグロビン症障害がファンコニ貧血である、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記異常ヘモグロビン症障害が再生不良性貧血である、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記異常ヘモグロビン症障害が鎌状赤血球貧血である、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記異常ヘモグロビン症障害がサラセミアである、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記患者が骨髄異形成障害に罹患している、請求項1~71のいずれか一項に記載の方
法。
【請求項73】
前記患者が免疫不全障害に罹患している、請求項1~72のいずれか一項に記載の方法
【請求項74】
前記免疫不全障害が先天性免疫不全である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記免疫不全障害が後天性免疫不全である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記後天性免疫不全が、ヒト免疫不全ウイルスまたは後天性免疫不全症候群である、請
求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記患者が代謝障害に罹患している、請求項1~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記代謝障害が、グリコーゲン蓄積症、ムコ多糖症、ゴーシェ病、ハーラー病、スフィ
ンゴリピドーシス、および異染性白質ジストロフィーからなる群より選択される、請求項
77に記載の方法。
【請求項79】
前記患者が、がんに罹患している、請求項1~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記がんが、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、および神経芽細胞腫からなる群より選
択される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記がんが、血液がんである、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記がんが、急性骨髄性白血病である、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記がんが、急性リンパ性白血病である、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
前記がんが、慢性骨髄性白血病である、請求項79に記載の方法。
【請求項85】
前記がんが、慢性リンパ性白血病である、請求項79に記載の方法。
【請求項86】
前記がんが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項79に記載の方法。
【請求項87】
前記がんが、非ホジキンリンパ腫である、請求項79に記載の方法。
【請求項88】
前記患者が、アデノシンデアミナーゼ欠損症および重症複合免疫不全、高免疫グロブリ
ンM症候群、チェディアック・東症候群、遺伝性リンパ組織球増多症、大理石骨病、骨形
成不全症、蓄積症、サラセミアメジャー、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、多発
性硬化症、および若年性関節リウマチからなる群より選択される障害に罹患している、請
求項1~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記患者が自己免疫疾患に罹患している、請求項1~88のいずれか一項に記載の方法
【請求項90】
前記自己免疫障害が、以下からなる群より選択される、請求項89に記載の方法:多発
性硬化症、ヒト全身性狼瘡、関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾癬の治療、1型真性糖尿病
、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、全身性脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候
群、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳炎、自己
免疫性リンパ増殖性症候群、自己免疫性卵巣炎、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天
疱瘡、心筋症、シャガス病、慢性疲労免疫不全症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、ク
ローン病、瘢痕性類天疱瘡、セリアック病-疱疹状皮膚炎、寒冷凝集素症、CREST症候群、
ドゴー病、円板状狼瘡、自律神経失調症、子宮内膜症、本態性混合型クリオグロブリン血
症、線維筋痛症-線維筋炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候
群、橋本甲状腺炎、化膿性汗腺炎、特発性および/または急性血小板減少性紫斑病、特発
性肺線維症、IgA神経障害、間質性膀胱炎、若年性関節炎、川崎病、扁平苔癬、ライム病
、メニエール病、混合結合組織病、重症筋無力症、神経性筋緊張症、オプソクローヌス・
ミオクローヌス症候群、視神経炎、オード甲状腺炎、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性軟
骨炎、多発性筋炎および皮膚筋炎、原発性胆汁性肝硬変、結節性多発動脈炎、多腺症候群
、リウマチ性多発筋痛、原発性無ガンマグロブリン血症、レイノー現象、ライター症候群
、リウマチ熱、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、スティフパーソン症候
群、高安動脈炎、側頭動脈炎、潰瘍性大腸炎、ぶどう膜炎、血管炎、白斑、外陰痛、なら
びにウェゲナー肉芽腫症。
【請求項91】
前記自己免疫障害が強皮症である、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記自己免疫障害が多発性硬化症である、請求項89に記載の方法。
【請求項93】
前記自己免疫障害が潰瘍性大腸炎である、請求項89に記載の方法。
【請求項94】
前記自己免疫障害がクローン病である、請求項89に記載の方法。
【請求項95】
前記自己免疫障害が1型糖尿病である、請求項89に記載の方法。
【請求項96】
前記方法が前記障害またはがんを治療する、請求項65~95のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項97】
CD45+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記集団を式Ab-Amで表されるコンジュゲ
ートの有効量と接触させる工程を含み、式中、Abが、CD45に結合する抗体またはその抗原
結合フラグメントであり、Amがアマトキシンである、方法。
【請求項98】
Amが、式(IA)で表される、請求項97に記載の方法:
【化8】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたC1-C6アルキル、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意
に置換されたC2-C6アルケニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意に置換さ
れたC2-C6アルキニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意に置換されたシク
ロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、また
は任意に置換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたC1-C6アルキレン、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン、
任意に置換されたC2-C6アルケニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意
に置換されたC2-C6アルキニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体またはその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【請求項99】
Amが、式(IB)で表される、請求項97に記載の方法:
【化9】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたC1-C6アルキル、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意
に置換されたC2-C6アルケニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意に置換さ
れたC2-C6アルキニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意に置換されたシク
ロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、また
は任意に置換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたC1-C6アルキレン、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン、
任意に置換されたC2-C6アルケニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意
に置換されたC2-C6アルキニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体またはその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【請求項100】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、前記抗体またはその抗原結合フラグメン
トのFcドメイン内のシステイン残基を介して前記アマトキシンにコンジュゲートしている
、請求項97に記載の方法。
【請求項101】
前記システイン残基が、前記抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメインにおけ
る突然変異によって導入される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記システイン残基が、Cys118、Cys239、およびCys265からなる群より選択される、請
求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記システイン残基が、前記抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメインに天然
に存在する、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
前記FcドメインがIgG Fcドメインであり、前記システイン残基がCys261、Cys321、Cys3
67、およびCys425からなる群より選択される、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
R1が、H、OH、またはORAであり;
R2が、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBが、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化10】

R3、R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5がORCであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項98または99に記載の方法。
【請求項106】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3がRCであり;
R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5が、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項98または99に記載の方法。
【請求項107】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4が、ORC、またはRCであり;
R5が、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項98または99に記載の方法。
【請求項108】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4およびR5が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R8が、ORCまたはNHRCであり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項98または99に記載の方法。
【請求項109】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD45+細胞によって取り込まれる、請求
項97に記載の方法。
【請求項110】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、約0.1pM~約1μMのKdでCD45に結合する
、請求項97に記載の方法。
【請求項111】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、約9×10-2M-1s-1~約1×102M-1s-1のkon
でCD45に結合する、請求項97に記載の方法。
【請求項112】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD45の第2の抗体またはその抗原結合フ
ラグメントへの結合を競合的に阻害し、前記第2の抗体またはその抗原結合フラグメント
が、以下の相補性決定領域(CDR)を含む、請求項97に記載の方法:
a.アミノ酸配列SYAMS(配列番号16)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列AISGSGGSTFYADSVRG(配列番号17)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列EVMGPIFFDY(配列番号18)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSIISSALA(配列番号19)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列GASSRAT(配列番号20)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQYGSTPLT(配列番号21)を有するCDR-L3。
【請求項113】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、モノクローナル抗体またはその抗原結合
フラグメント、ポリクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント、ヒト化抗体または
その抗原結合フラグメント、二重特異性抗体またはその抗原結合フラグメント、二重可変
免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(scFv)、ダイアボディ、トリアボディ、ナノボ
ディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメント、Fabフラグメント、F(ab')2分子、および
タンデムジscFVからなる群より選択される、請求項97に記載の方法。
【請求項114】
式Ab-Amで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Amがアマトキシンである、コンジュゲート。
【請求項115】
Amが、式(IA)で表される、請求項114に記載のコンジュゲート:
【化11】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたC1-C6アルキル、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意
に置換されたC2-C6アルケニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意に置換さ
れたC2-C6アルキニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意に置換されたシク
ロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、また
は任意に置換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたC1-C6アルキレン、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン、
任意に置換されたC2-C6アルケニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意
に置換されたC2-C6アルキニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体またはその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【請求項116】
Amが、式(IB)で表される、請求項114に記載のコンジュゲート:
【化12】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたC1-C6アルキル、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意
に置換されたC2-C6アルケニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意に置換さ
れたC2-C6アルキニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意に置換されたシク
ロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、また
は任意に置換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたC1-C6アルキレン、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン、
任意に置換されたC2-C6アルケニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意
に置換されたC2-C6アルキニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体またはその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【請求項117】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、前記抗体またはその抗原結合フラグメン
トのFcドメイン内のシステイン残基を介して前記アマトキシンにコンジュゲートしている
、請求項114に記載のコンジュゲート。
【請求項118】
前記システイン残基が、前記抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメインにおけ
る突然変異によって導入される、請求項117に記載のコンジュゲート。
【請求項119】
前記システイン残基が、Cys118、Cys239、およびCys265からなる群より選択される、請
求項118に記載のコンジュゲート。
【請求項120】
前記システイン残基が、前記抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメインに天然
に存在する、請求項117に記載のコンジュゲート。
【請求項121】
前記FcドメインがIgG Fcドメインであり、前記システイン残基がCys261、Cys321、Cys3
67、およびCys425からなる群より選択される、請求項120に記載のコンジュゲート。
【請求項122】
R1が、H、OH、またはORAであり;
R2が、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBが、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化13】

R3、R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5がORCであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項115または116に記載のコンジュゲート。
【請求項123】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3がRCであり;
R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5が、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項115または116に記載のコンジュゲート。
【請求項124】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4が、ORC、またはRCであり;
R5が、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項115または116に記載のコンジュゲート。
【請求項125】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4およびR5が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R8が、ORCまたはNHRCであり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項115または116に記載のコンジュゲート。
【請求項126】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD45+細胞によって取り込まれる、請求
項114に記載のコンジュゲート。
【請求項127】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、約0.1pM~約1μMのKdでCD45に結合する
、請求項114に記載のコンジュゲート。
【請求項128】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、約9×10-2M-1s-1~約1×102M-1s-1のkon
でCD45に結合する、請求項114に記載のコンジュゲート。
【請求項129】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD45の第2の抗体またはその抗原結合フ
ラグメントへの結合を競合的に阻害し、前記第2の抗体またはその抗原結合フラグメント
が、以下の相補性決定領域(CDR)を含む、請求項114に記載のコンジュゲート:
a.アミノ酸配列SYAMS(配列番号16)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列AISGSGGSTFYADSVRG(配列番号17)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列EVMGPIFFDY(配列番号18)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSIISSALA(配列番号19)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列GASSRAT(配列番号20)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQYGSTPLT(配列番号21)を有するCDR-L3。
【請求項130】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、モノクローナル抗体またはその抗原結合
フラグメント、ポリクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント、ヒト化抗体または
その抗原結合フラグメント、二重特異性抗体またはその抗原結合フラグメント、二重可変
免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(scFv)、ダイアボディ、トリアボディ、ナノボ
ディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメント、Fabフラグメント、F(ab')2分子、および
タンデムジscFVからなる群より選択される、請求項114に記載のコンジュゲート。
【請求項131】
CD135+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記集団を式Ab-Amで表されるコンジュ
ゲートの有効量と接触させる工程を含み、式中、Abが、CD135に結合する抗体またはその
抗原結合フラグメントであり、Amがアマトキシンである、方法。
【請求項132】
Amが、式(IA)で表される、請求項131に記載の方法:
【化14】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたC1-C6アルキル、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意
に置換されたC2-C6アルケニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意に置換さ
れたC2-C6アルキニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意に置換されたシク
ロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、また
は任意に置換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたC1-C6アルキレン、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン、
任意に置換されたC2-C6アルケニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意
に置換されたC2-C6アルキニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体またはその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【請求項133】
Amが、式(IB)で表される、請求項131に記載の方法:
【化15】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたC1-C6アルキル、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意
に置換されたC2-C6アルケニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意に置換さ
れたC2-C6アルキニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意に置換されたシク
ロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、また
は任意に置換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたC1-C6アルキレン、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン、
任意に置換されたC2-C6アルケニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意
に置換されたC2-C6アルキニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体またはその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【請求項134】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、前記抗体またはその抗原結合フラグメン
トのFcドメイン内のシステイン残基を介して前記アマトキシンにコンジュゲートしている
、請求項131に記載の方法。
【請求項135】
前記システイン残基が、前記抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメインにおけ
る突然変異によって導入される、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記システイン残基が、Cys118、Cys239、およびCys265からなる群より選択される、請
求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記システイン残基が、前記抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメインに天然
に存在する、請求項134に記載の方法。
【請求項138】
前記FcドメインがIgG Fcドメインであり、前記システイン残基がCys261、Cys321、Cys3
67、およびCys425からなる群より選択される、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
R1が、H、OH、またはORAであり;
R2が、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBが、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化16】

R3、R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5がORCであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項132または133に記載の方法。
【請求項140】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3がRCであり;
R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5が、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項132または133に記載の方法。
【請求項141】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4が、ORC、またはRCであり;
R5が、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項132または133に記載の方法。
【請求項142】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4およびR5が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R8が、ORCまたはNHRCであり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項132または133に記載の方法。
【請求項143】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD135+細胞によって取り込まれる、請求
項131に記載の方法。
【請求項144】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、約0.1pM~約1μMのKdでCD135に結合する
、請求項131に記載の方法。
【請求項145】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、約9×10-2M-1s-1~約1×102M-1s-1のkon
でCD135に結合する、請求項131に記載の方法。
【請求項146】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD135の第2の抗体またはその抗原結合フ
ラグメントへの結合を競合的に阻害し、前記第2の抗体またはその抗原結合フラグメント
が、以下の相補性決定領域(CDR)を含む、請求項131に記載の方法:
a.アミノ酸配列SYYMH(配列番号1)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列IINPSGGSTSYAQKFQG(配列番号2)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列GVGAHDAFDI(配列番号3)またはVVAAAVADY(配列番号4)を有するCDR
-H3;
d.アミノ酸配列RSSQSLLHSNGNNYLD(配列番号5)またはRSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号6
)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列LGSNRAS(配列番号7)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列MQGTHPAIS(配列番号8)またはMQSLQTPFT(配列番号9)を有するCDR-
L3。
【請求項147】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD135の第2の抗体またはその抗原結合フ
ラグメントへの結合を競合的に阻害し、前記第2の抗体またはその抗原結合フラグメント
が、以下の相補性決定領域(CDR)を含む、請求項131に記載の方法:
a.アミノ酸配列SYAIS(配列番号10)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列GIIPIFGTANYAQKFQG(配列番号11)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列FALFGFREQAFDI(配列番号12)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号13)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列AASSLQS(配列番号14)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQSYSTPFT(配列番号15)を有するCDR-L3。
【請求項148】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、モノクローナル抗体またはその抗原結合
フラグメント、ポリクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント、ヒト化抗体または
その抗原結合フラグメント、二重特異性抗体またはその抗原結合フラグメント、二重可変
免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(scFv)、ダイアボディ、トリアボディ、ナノボ
ディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメント、Fabフラグメント、F(ab')2分子、および
タンデムジscFVからなる群より選択される、請求項131に記載の方法。
【請求項149】
式Ab-Amで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Amがアマトキシンである、コンジュゲート。
【請求項150】
Amが、式(IA)で表される、請求項149に記載のコンジュゲート:
【化17】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたC1-C6アルキル、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意
に置換されたC2-C6アルケニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意に置換さ
れたC2-C6アルキニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意に置換されたシク
ロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、また
は任意に置換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたC1-C6アルキレン、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン、任
意に置換されたC2-C6アルケニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意に
置換されたC2-C6アルキニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意に置換
されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換された
アリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体またはその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【請求項151】
Amが、式(IB)で表される、請求項149に記載のコンジュゲート:
【化18】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたC1-C6アルキル、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意
に置換されたC2-C6アルケニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意に置換さ
れたC2-C6アルキニル、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意に置換されたシク
ロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、また
は任意に置換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたC1-C6アルキレン、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン、
任意に置換されたC2-C6アルケニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意
に置換されたC2-C6アルキニレン、任意に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体またはその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【請求項152】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、前記抗体またはその抗原結合フラグメン
トのFcドメイン内のシステイン残基を介して前記アマトキシンにコンジュゲートしている
、請求項149に記載のコンジュゲート。
【請求項153】
前記システイン残基が、前記抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメインにおけ
る突然変異によって導入される、請求項152に記載のコンジュゲート。
【請求項154】
前記システイン残基が、Cys118、Cys239、およびCys265からなる群より選択される、請
求項153に記載のコンジュゲート。
【請求項155】
前記システイン残基が、前記抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメインに天然
に存在する、請求項152に記載のコンジュゲート。
【請求項156】
前記FcドメインがIgG Fcドメインであり、前記システイン残基がCys261、Cys321、Cys3
67、およびCys425からなる群より選択される、請求項155に記載のコンジュゲート。
【請求項157】
R1が、H、OH、またはORAであり;
R2が、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBが、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化19】

R3、R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5がORCであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項150または151に記載のコンジュゲート。
【請求項158】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3がRCであり;
R4、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R5が、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項150または151に記載のコンジュゲート。
【請求項159】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4が、ORC、またはRCであり;
R5が、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8が、OHまたはNH2であり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項150または151に記載のコンジュゲート。
【請求項160】
R1およびR2が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7が、それぞれHであり;
R4およびR5が、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R8が、ORCまたはNHRCであり;ならびに
R9が、HまたはOHである、請求項150または151に記載のコンジュゲート。
【請求項161】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD135+細胞によって取り込まれる、請求
項149に記載のコンジュゲート。
【請求項162】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、約0.1pM~約1μMのKdでCD135に結合する
、請求項149に記載のコンジュゲート。
【請求項163】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、約9×10-2M-1s-1~約1×102M-1s-1のkon
でCD135に結合する、請求項149に記載のコンジュゲート。
【請求項164】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD135の第2の抗体またはその抗原結合フ
ラグメントへの結合を競合的に阻害し、前記第2の抗体またはその抗原結合フラグメント
が、以下の相補性決定領域(CDR)を含む、請求項149に記載のコンジュゲート:
a.アミノ酸配列SYYMH(配列番号1)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列IINPSGGSTSYAQKFQG(配列番号2)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列GVGAHDAFDI(配列番号3)またはVVAAAVADY(配列番号4)を有するCDR
-H3;
d.アミノ酸配列RSSQSLLHSNGNNYLD(配列番号5)またはRSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号6
)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列LGSNRAS(配列番号7)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列MQGTHPAIS(配列番号8)またはMQSLQTPFT(配列番号9)を有するCDR-
L3。
【請求項165】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、CD135の第2の抗体またはその抗原結合フ
ラグメントへの結合を競合的に阻害し、前記第2の抗体またはその抗原結合フラグメント
が、以下の相補性決定領域(CDR)を含む、請求項149に記載のコンジュゲート:
a.アミノ酸配列SYAIS(配列番号10)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列GIIPIFGTANYAQKFQG(配列番号11)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列FALFGFREQAFDI(配列番号12)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号13)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列AASSLQS(配列番号14)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQSYSTPFT(配列番号15)を有するCDR-L3。
【請求項166】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、モノクローナル抗体またはその抗原結合
フラグメント、ポリクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント、ヒト化抗体または
その抗原結合フラグメント、二重特異性抗体またはその抗原結合フラグメント、二重可変
免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(scFv)、ダイアボディ、トリアボディ、ナノボ
ディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメント、Fabフラグメント、F(ab')2分子、および
タンデムジscFVからなる群より選択される、請求項149に記載のコンジュゲート。
【請求項167】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがシュードモナス外毒素Aである、コンジュゲート
【請求項168】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがdeBouganinである、コンジュゲート。
【請求項169】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがジフテリア毒素である、コンジュゲート。
【請求項170】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがサポリンである、コンジュゲート。
【請求項171】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがメイタンシンまたはメイタンシノイドである、コ
ンジュゲート。
【請求項172】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアウリスタチンである、コンジュゲート。
【請求項173】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアントラサイクリンである、コンジュゲート。
【請求項174】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがカリケアマイシンである、コンジュゲート。
【請求項175】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがイリノテカンである、コンジュゲート。
【請求項176】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがSN-38である、コンジュゲート。
【請求項177】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがデュオカルマイシンである、コンジュゲート。
【請求項178】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがピロロベンゾジアゼピンまたはピロロベンゾジア
ゼピン二量体である、コンジュゲート。
【請求項179】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD45に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがインドリノベンゾジアゼピンまたはインドリノベ
ンゾジアゼピン二量体である、コンジュゲート。
【請求項180】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがシュードモナス外毒素Aである、コンジュゲート
【請求項181】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがdeBouganinである、コンジュゲート。
【請求項182】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがジフテリア毒素である、コンジュゲート。
【請求項183】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがサポリンである、コンジュゲート。
【請求項184】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがメイタンシンまたはメイタンシノイドである、コ
ンジュゲート。
【請求項185】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアウリスタチンである、コンジュゲート。
【請求項186】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアントラサイクリンである、コンジュゲート。
【請求項187】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがカリケアマイシンである、コンジュゲート。
【請求項188】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがイリノテカンである、コンジュゲート。
【請求項189】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがSN-38である、コンジュゲート。
【請求項190】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがデュオカルマイシンである、コンジュゲート。
【請求項191】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがピロロベンゾジアゼピンまたはピロロベンゾジア
ゼピン二量体である、コンジュゲート。
【請求項192】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD135に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがインドリノベンゾジアゼピンまたはインドリノベ
ンゾジアゼピン二量体である、コンジュゲート。
【請求項193】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがシュードモナス外毒素Aである、コンジュゲート
【請求項194】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがdeBouganinである、コンジュゲート。
【請求項195】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがジフテリア毒素である、コンジュゲート。
【請求項196】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがサポリンである、コンジュゲート。
【請求項197】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがメイタンシンまたはメイタンシノイドである、コ
ンジュゲート。
【請求項198】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアウリスタチンである、コンジュゲート。
【請求項199】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアントラサイクリンである、コンジュゲート。
【請求項200】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがカリケアマイシンである、コンジュゲート。
【請求項201】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがイリノテカンである、コンジュゲート。
【請求項202】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがSN-38である、コンジュゲート。
【請求項203】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがデュオカルマイシンである、コンジュゲート。
【請求項204】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがピロロベンゾジアゼピンまたはピロロベンゾジア
ゼピン二量体である、コンジュゲート。
【請求項205】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD34に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがインドリノベンゾジアゼピンまたはインドリノベ
ンゾジアゼピン二量体である、コンジュゲート。
【請求項206】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがシュードモナス外毒素Aである、コンジュゲート
【請求項207】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがdeBouganinである、コンジュゲート。
【請求項208】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがジフテリア毒素である、コンジュゲート。
【請求項209】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがサポリンである、コンジュゲート。
【請求項210】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがメイタンシンまたはメイタンシノイドである、コ
ンジュゲート。
【請求項211】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアウリスタチンである、コンジュゲート。
【請求項212】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアントラサイクリンである、コンジュゲート。
【請求項213】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがカリケアマイシンである、コンジュゲート。
【請求項214】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがイリノテカンである、コンジュゲート。
【請求項215】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがSN-38である、コンジュゲート。
【請求項216】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがデュオカルマイシンである、コンジュゲート。
【請求項217】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがピロロベンゾジアゼピンまたはピロロベンゾジア
ゼピン二量体である、コンジュゲート。
【請求項218】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD90に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがインドリノベンゾジアゼピンまたはインドリノベ
ンゾジアゼピン二量体である、コンジュゲート。
【請求項219】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがシュードモナス外毒素Aである、コンジュゲート
【請求項220】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがdeBouganinである、コンジュゲート。
【請求項221】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがジフテリア毒素である、コンジュゲート。
【請求項222】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがサポリンである、コンジュゲート。
【請求項223】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがメイタンシンまたはメイタンシノイドである、コ
ンジュゲート。
【請求項224】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアウリスタチンである、コンジュゲート。
【請求項225】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがアントラサイクリンである、コンジュゲート。
【請求項226】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがカリケアマイシンである、コンジュゲート。
【請求項227】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがイリノテカンである、コンジュゲート。
【請求項228】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、CyがSN-38である、コンジュゲート。
【請求項229】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがデュオカルマイシンである、コンジュゲート。
【請求項230】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがピロロベンゾジアゼピンまたはピロロベンゾジア
ゼピン二量体である、コンジュゲート。
【請求項231】
式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、CD110に結合する抗体または
その抗原結合フラグメントであり、Cyがインドリノベンゾジアゼピンまたはインドリノベ
ンゾジアゼピン二量体である、コンジュゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ血液疾患、代謝障害、がん、および自己免疫疾患などのさまざまな
病状に罹患している患者の、造血幹細胞などの造血細胞によって発現される抗原に結合す
ることができる抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドの投与による治療に関
する。
【背景技術】
【0002】
医薬技術の進歩にもかかわらず、造血系の病状、とりわけ、特定の血球の疾患、代謝障
害、がん、および自己免疫状態などを治療することに対する需要が依然としてある。造血
幹細胞は大きな治療可能性を有するが、それらの臨床での使用を妨げてきた制約は、造血
幹細胞移植片の宿主への確実な生着に伴う困難であった。現在、外因性造血幹細胞移植片
の生着を促進し、これらの細胞の多能性および造血機能が移植後も維持されるようにする
ための組成物および方法が、必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、とりわけ、造血系のさまざまな障害、代謝障害、がん、および自己免疫疾患
の直接治療のための組成物および方法を提供する。本発明はさらに、造血幹細胞移植治療
を受ける前に、造血幹細胞移植片の生着を促進するように、ヒト患者などの患者をコンデ
ィショニングする方法を特徴とする。患者は、異常ヘモグロビン症または他の造血性病状
などの1つ以上の血液障害に罹患している患者であり得、したがって造血幹細胞移植を必
要としている。本明細書に記載されるように、造血幹細胞は、造血系列の多数の細胞型に
分化することができ、患者において欠乏している細胞型を増加または再増加させるために
、患者に投与することができる。本発明は、細胞表面造血細胞抗原などの造血細胞によっ
て発現されるタンパク質に結合することができる抗体、抗体フラグメント、リガンド、薬
物-抗体コンジュゲート、および薬物-リガンドコンジュゲートで患者を治療する方法を特
徴とし、(i)異常血球、がん細胞、もしくは自己免疫細胞などの、CD45、CD135、CD34、
CD90、および/もしくはCD110を発現する細胞集団を選択的に枯渇させることによって、
本明細書に記載のものの中でも特に、血液障害、代謝性疾患、がん、または自己免疫疾患
などの疾患を直接治療すること、ならびに/または(ii)患者内の内因性造血幹細胞集団
を枯渇させることを目的とする。CD45、CD135、CD34、CD90、および/またはCD110が、他
の細胞型の中でも特に白血病細胞などのがん性細胞、自己抗原と交差反応するT細胞受容
体を発現するT細胞などの自己免疫リンパ球によって発現され得るため、前者の活性は、
造血系統の細胞に関連する広範囲の障害の直接治療を可能にする。造血幹細胞の選択的枯
渇である後者の活性は、次いで欠員を生じさせ、それを外因性(例えば、自己、同種異系
、または同系の)造血幹細胞移植片の移植によって後に補充することができる。したがっ
て、本発明は、とりわけ、鎌状赤血球貧血、サラセミア、ファンコニ貧血、ウィスコット
-アルドリッチ症候群、アデノシンデアミナーゼ欠損症-重症複合免疫不全、異染性白質ジ
ストロフィー、ダイヤモンド-ブラックファン貧血およびシュワマン-ダイヤモンド症候群
、ヒト免疫不全ウイルス感染症、および後天性免疫不全症候群などのさまざまな造血性症
状、ならびにがんおよび自己免疫疾患の治療方法を提供する。
【0004】
第1の態様では、本発明は、CD135に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートし
た抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与することによって、ヒト患者にお
けるCD135+細胞の集団を枯渇させる方法を提供する。
【0005】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD135に結合
することができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フラグメントの
有効量を投与することによって、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD135+細
胞の集団を枯渇させる方法を提供する。
【0006】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患
者が、CD135に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原
結合フラグメントを、患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投
与されている方法を特徴とする。
【0007】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、CD135に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした
抗体またはその抗原結合フラグメントを、患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させるの
に十分な量で投与する工程と、続いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程と
を含む方法を特徴とする。
【0008】
前述の4つの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは
、以下の相補性決定領域(CDR)を含む:
アミノ酸配列SYYMH(配列番号1)を有するCDR-H1;
アミノ酸配列IINPSGGSTSYAQKFQG(配列番号2)を有するCDR-H2;
アミノ酸配列GVGAHDAFDI(配列番号3)またはVVAAAVADY(配列番号4)を有するCDR-H
3;
アミノ酸配列RSSQSLLHSNGNNYLD(配列番号5)またはRSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号6)
を有するCDR-L1;
アミノ酸配列LGSNRAS(配列番号7)を有するCDR-L2;および
アミノ酸配列MQGTHPAIS(配列番号8)またはMQSLQTPFT(配列番号9)を有するCDR-L3
【0009】
前述の4つの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは
、以下のCDRを含む:
アミノ酸配列SYAIS(配列番号10)を有するCDR-H1;
アミノ酸配列GIIPIFGTANYAQKFQG(配列番号11)を有するCDR-H2;
アミノ酸配列FALFGFREQAFDI(配列番号12)を有するCDR-H3;
アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号13)を有するCDR-L1;
アミノ酸配列AASSLQS(配列番号14)を有するCDR-L2;および
アミノ酸配列QQSYSTPFT(配列番号15)を有するCDR-L3。
【0010】
別の態様では、本発明は、患者に、CD135に結合することができるヒトFlt3リガンド、
またはそのフラグメントの有効量を投与することによって、ヒト患者におけるCD135+細胞
の集団を枯渇させる方法を特徴とする。
【0011】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植を受ける前に、患者に、CD135
に結合することができるヒトFlt3リガンド、またはそのフラグメントの有効量を投与する
ことによって、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇さ
せる方法を特徴とする。
【0012】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が
、CD135に結合することができるヒトFlt3リガンド、またはそのフラグメントを、患者に
おけるCD135+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されている方法を特徴とす
る。
【0013】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、患者に、CD135に結合することができるヒトFlt3リガンド、またはその
フラグメントを、患者におけるCD135+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与し;続
いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含む方法を特徴とする。
【0014】
前述の4つの態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ヒトFlt3リガンドまたはその
フラグメントは、ヒト抗体から単離された(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイ
ソタイプヒト抗体から単離された)二量体FcドメインなどのFcドメインに共有結合してい
る。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、一本鎖ポリペプチド鎖を含有する単量体Fc
ドメインである。いくつかの実施形態では、ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントの
N末端は、Fcドメインに結合している。いくつかの実施形態では、ヒトFlt3リガンドまた
はそのフラグメントのC末端は、Fcドメインに結合している。Fcドメインは、1つ以上のコ
ピーのFlt3リガンドまたはそのフラグメントにコンジュゲートしていてもよい。例えば、
本明細書に記載の方法と併せて使用され得るコンジュゲートは、Fcドメインの各ポリペプ
チド鎖がヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントにコンジュゲートしている二量体Fcド
メインを含む。Fcドメインは、次に、本明細書に記載の細胞毒素(例えば、シュードモナ
ス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン
、メイタンシン、メイタンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマ
イシン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロ
ベンゾジアゼピン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、およびインドリノベンゾジアゼ
ピン二量体、またはそれらの変異体)などの細胞毒素にコンジュゲートしてもよい。
【0015】
前述の4つの態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ヒトFlt3リガンドまたはその
フラグメントは、本明細書に記載の細胞毒素(例えば、シュードモナス外毒素A、deBouga
nin、ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メ
イタンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカ
ン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二
量体、インドリノベンゾジアゼピン、およびインドリノベンゾジアゼピン二量体、または
それらの変異体)などの細胞毒素に共有結合している。いくつかの実施形態では、ヒトFl
t3リガンドまたはそのフラグメントのN末端は、細胞毒素に結合している。いくつかの実
施形態では、ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントのC末端は、細胞毒素に結合して
いる。細胞毒素は、次にFcドメインにコンジュゲートしてもよい。
【0016】
前述の4つの態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ヒトFlt3リガンドまたはその
フラグメントは、ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントの1つの部位(例えば、ヒトF
lt3リガンドもしくはそのフラグメントのNまたはC末端)で細胞毒素に共有結合しており
、ヒトFlt3リガンドまたはそのフラグメントの別の部位(例えば、ヒトFlt3リガンドまた
はそのフラグメントの反対側の末端)でFcドメインに共有結合している。
【0017】
前述の4つの態様のいずれかのいくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG1アイ
ソタイプFcドメインである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG2アイソタ
イプFcドメインである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG3アイソタイプ
Fcドメインである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG4アイソタイプFcド
メインである。
【0018】
別の態様では、本発明は、CD34に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした
抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与することによって、ヒト患者におけ
るCD34+細胞の集団を枯渇させる方法を特徴とする。
【0019】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD34に結合す
ることができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フラグメントの有
効量を投与することによって、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD34+細胞
の集団を枯渇させる方法を特徴とする。
【0020】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が
、CD34に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フ
ラグメントを、患者におけるCD34+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与され
ている方法を提供する。
【0021】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、患者に、CD34に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした抗
体またはその抗原結合フラグメントを、患者におけるCD34+細胞の集団を枯渇させるのに
十分な量で投与する工程と、続いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程とを
含む方法を特徴とする。
【0022】
別の態様では、本発明は、CD90に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした
抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与することによって、ヒト患者におけ
るCD90+細胞の集団を枯渇させる方法を特徴とする。
【0023】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD90に結合す
ることができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フラグメントの有
効量を投与することによって、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD90+細胞
の集団を枯渇させる方法を特徴とする。
【0024】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が
、CD90に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フ
ラグメントを、患者におけるCD90+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与され
ている方法を提供する。
【0025】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、患者に、CD90に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした抗
体またはその抗原結合フラグメントを、患者におけるCD90+細胞の集団を枯渇させるのに
十分な量で投与する工程と、続いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程とを
含む方法を特徴とする。
【0026】
別の態様では、本発明は、CD110に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートし
た抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与することによって、ヒト患者にお
けるCD110+細胞の集団を枯渇させる方法を特徴とする。
【0027】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD110に結合
することができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フラグメントの
有効量を投与することによって、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD110+細
胞の集団を枯渇させる方法を特徴とする。
【0028】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が、CD
110に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フラ
グメントを、患者におけるCD110+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されて
いる方法を提供する。
【0029】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、患者に、CD110に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした
抗体またはその抗原結合フラグメントを、患者におけるCD110+細胞の集団を枯渇させるの
に十分な量で投与する工程と、続いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程と
を含む方法を特徴とする。
【0030】
前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、抗体、その抗原結合フラグメント、
またはリガンドにコンジュゲートした細胞毒素は、シュードモナス外毒素A、deBouganin
、ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メイ
タンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン
、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量
体、インドリノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼピン二量体、または
それらの変異体である。
【0031】
別の態様では、本発明は、CD45に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした
抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与することによって、ヒト患者におけ
るCD45+細胞の集団を枯渇させる方法を提供する。細胞毒素は、例えば、シュードモナス
外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、
メイタンシン、メイタンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイ
シン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベ
ンゾジアゼピン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼ
ピン二量体、またはそれらの変異体であり得る。
【0032】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD45に結合す
ることができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フラグメントの有
効量を投与することによって、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD45+細胞
の集団を枯渇させる方法を提供する。細胞毒素は、例えば、シュードモナス外毒素A、deB
ouganin、ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン
、メイタンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノ
テカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピ
ン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼピン二量体、
またはそれらの変異体であり得る。
【0033】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が
、CD45に結合することができて細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フ
ラグメントを、患者におけるCD45+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与され
ている方法を特徴とする。細胞毒素は、例えば、シュードモナス外毒素A、deBouganin、
ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メイタ
ンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、
SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体
、インドリノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそ
れらの変異体であり得る。
【0034】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、ヒト患者に、CD45に結合することができて、シュードモナス外毒素A、d
eBouganin、ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシ
ン、メイタンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリ
ノテカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼ
ピン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼピン二量体
、またはそれらの変異体などの細胞毒素にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フ
ラグメントを、患者におけるCD45+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程
と、続いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程とを含む方法を特徴とする。
【0035】
前述の4つの態様のいくつかの実施形態では、CD45はCD45ROである。
【0036】
別の態様では、本発明は、CD45ROに結合することができる抗体またはその抗原結合フラ
グメントの有効量を投与することによって、ヒト患者におけるCD45RO+細胞の集団を枯渇
させる方法を提供する。
【0037】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD45ROに結合
することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与することによって
、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD45RO+細胞の集団を枯渇させる方法を
提供する。
【0038】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が
、CD45ROに結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントを、患者における
CD45RO+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されている方法を特徴とする。
【0039】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、患者に、CD45ROに結合することができる抗体またはその抗原結合フラグ
メントを、患者におけるCD45RO+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と
、続いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程とを含む方法を特徴とする。
【0040】
本発明の前述の4つの態様のいずれかのいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原
結合フラグメントは、細胞毒素にコンジュゲートしている。
【0041】
別の態様では、本発明は、CD45に結合することができるリガンドまたはそのフラグメン
トの有効量を投与することによって、ヒト患者におけるCD45+細胞の集団を枯渇させる方
法を提供する。
【0042】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD45に結合す
ることができるリガンドまたはそのフラグメントの有効量を投与することによって、造血
幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD45+細胞の集団を枯渇させる方法を提供する
【0043】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が
、CD45に結合することができるリガンドまたはそのフラグメントを、患者におけるCD45+
細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されている方法を特徴とする。
【0044】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、ヒト患者に、CD45に結合することができるリガンドまたはそのフラグメ
ントを、患者におけるCD45+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と、続
いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程とを含む方法を特徴とする。
【0045】
別の態様では、本発明は、CD34に結合することができるリガンドまたはそのフラグメン
トの有効量を投与することによって、ヒト患者におけるCD34+細胞の集団を枯渇させる方
法を提供する。
【0046】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD34に結合す
ることができるリガンドまたはそのフラグメントの有効量を投与することによって、造血
幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD34+細胞の集団を枯渇させる方法を提供する
【0047】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が
、CD34に結合することができるリガンドまたはそのフラグメントを、患者におけるCD34+
細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されている方法を特徴とする。
【0048】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、ヒト患者に、CD34に結合することができるリガンドまたはそのフラグメ
ントを、患者におけるCD34+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と、続
いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程とを含む方法を特徴とする。
【0049】
別の態様では、本発明は、CD90に結合することができるリガンドまたはそのフラグメン
トの有効量を投与することによって、ヒト患者におけるCD90+細胞の集団を枯渇させる方
法を提供する。
【0050】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD90に結合す
ることができるリガンドまたはそのフラグメントの有効量を投与することによって、造血
幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD90+細胞の集団を枯渇させる方法を提供する
【0051】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が
、CD90に結合することができるリガンドまたはそのフラグメントを、患者におけるCD90+
細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されている方法を特徴とする。
【0052】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、ヒト患者に、CD90に結合することができるリガンドまたはそのフラグメ
ントを、患者におけるCD90+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と、続
いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程とを含む方法を特徴とする。
【0053】
別の態様では、本発明は、CD110に結合することができるリガンドまたはそのフラグメ
ントの有効量を投与することによって、ヒト患者におけるCD110+細胞の集団を枯渇させる
方法を提供する。
【0054】
別の態様では、本発明は、患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、CD110に結合
することができるリガンドまたはそのフラグメントの有効量を投与することによって、造
血幹細胞移植を必要とするヒト患者におけるCD110+細胞の集団を枯渇させる方法を提供す
る。
【0055】
別の態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療する方
法であって、ヒト患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程を含み、ここで患者が
、CD110に結合することができるリガンドまたはそのフラグメントを、患者におけるCD110
+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で予め投与されている方法を特徴とする。
【0056】
さらなる態様では、本発明は、例えば、造血幹細胞移植を必要とするヒト患者を治療す
る方法であって、ヒト患者に、CD110に結合することができるリガンドまたはそのフラグ
メントを、患者におけるCD110+細胞の集団を枯渇させるのに十分な量で投与する工程と、
続いて患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程とを含む方法を特徴とする。
【0057】
前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、CD45(例えば、CD45RO)、CD34、CD
90、およびCD110のうちの1つ以上に結合するリガンドまたはそのフラグメントは、ヒト抗
体から単離された(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプヒト抗体から単
離された)二量体FcドメインなどのFcドメインに共有結合している。いくつかの実施形態
では、Fcドメインは、一本鎖ポリペプチド鎖を含有する単量体Fcドメインである。いくつ
かの実施形態では、リガンドまたはそのフラグメントのN末端は、Fcドメインに結合して
いる。いくつかの実施形態では、リガンドまたはそのフラグメントのC末端は、Fcドメイ
ンに結合している。Fcドメインは、1つ以上のコピーのリガンドまたはそのフラグメント
にコンジュゲートしていてもよい。例えば、本明細書に記載の方法と併せて使用され得る
コンジュゲートは、Fcドメインの各ポリペプチド鎖がリガンドまたはそのフラグメントに
コンジュゲートしている二量体Fcドメインを含む。Fcドメインは、次に、本明細書に記載
の細胞毒素(例えば、シュードモナス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、α-アマニ
チンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド、アウリスタチン
、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマイシン
、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリノベンゾジアゼピ
ン、およびインドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異体)などの細胞毒素
にコンジュゲートしてもよい。
【0058】
前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、リガンドまたはそのフラグメントは
、本明細書に記載の細胞毒素(例えば、シュードモナス外毒素A、deBouganin、ジフテリ
ア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイ
ド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、
デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インド
リノベンゾジアゼピン、およびインドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異
体)などの細胞毒素に共有結合している。いくつかの実施形態では、リガンドまたはその
フラグメントのN末端は、細胞毒素に結合している。いくつかの実施形態では、リガンド
またはそのフラグメントのC末端は、細胞毒素に結合している。細胞毒素は、次にFcドメ
インにコンジュゲートしてもよい。
【0059】
前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、リガンドまたはそのフラグメントは
、リガンドまたはそのフラグメントの1つの部位(例えば、リガンドもしくはそのフラグ
メントのNまたはC末端)で細胞毒素に共有結合しており、リガンドまたはそのフラグメン
トの別の部位(例えば、リガンドまたはそのフラグメントの反対側の末端)でFcドメイン
に共有結合している。
【0060】
前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG1アイソタイ
プFcドメインである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG2アイソタイプFc
ドメインである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG3アイソタイプFcドメ
インである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG4アイソタイプFcドメイン
である。
【0061】
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細胞毒素は、α-アマニチン、β-ア
マニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、ア
マヌリン酸、およびプロアマヌリンなどのアマトキシンまたはその誘導体である。上記態
様のいずれかのいくつかの実施形態では、細胞毒素はアマトキシンであり、細胞毒素にコ
ンジュゲートした抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドは式Ab-Amで表され
、式中、Abが抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドであり、Amがアマトキシ
ンである。いくつかの実施形態では、Amは、式(I)で表される:
【化1】
(I)
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘ
テロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(
例えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6
テロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、
任意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;ならび

Zは、L上に存在する反応性置換基と、CD45(CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、およ
び/またはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド内に存在
する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位である]。
【0062】
いくつかの実施形態では、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)で表される:
【化2】
(IA)
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘ
テロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(
例えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6
テロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、
任意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;
Zは、L上に存在する反応性置換基と、CD45(CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、およ
び/またはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド内に存在
する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり;ならびに
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【0064】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IB)で表される:
【化3】
(IB)
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘ
テロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(
例えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6
テロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、
任意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;
Zは、L上に存在する反応性置換基と、CD45(CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、およ
び/またはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド内に存在
する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり;ならびに
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【0065】
いくつかの実施形態では、RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になっ
て、結合して以下を形成する:
【化4】
[式中、Yは、O、S、NRE、およびCREREから選択され、ならびに
REおよびRE'は、それぞれ独立して、任意に置換されたC1-C6アルキレン-RC、任意に置換
されたC1-C6ヘテロアルキレン-RC、任意に置換されたC2-C6アルケニレン-RC、任意に置換
されたC2-C6ヘテロアルケニレン-RC、任意に置換されたC2-C6アルキニレン-RC、任意に置
換されたC2-C6ヘテロアルキニレン-RC、任意に置換されたシクロアルキレン-RC、任意に
置換されたヘテロシクロアルキレン-RC、任意に置換されたアリーレン-RC、または任意に
置換されたヘテロアリーレン-RCである]。
【0066】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化5】
R3は、HまたはRCであり;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、ORC、またはNHRCであり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCおよびRDは、それぞれ上記で定義した通りである。
【0067】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化6】
R3は、HまたはRCであり;
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、RC、またはORDであり;
R6およびR7は、それぞれHであり;
R8は、OH、NH2、ORC、またはNHRCであり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。
【0068】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1は、H、OH、またはORAであり;
R2は、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化7】
R3、R4、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R5はORCであり;
R8は、OHまたはNH2であり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。
【0069】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3はRCであり;
R4、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R5は、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8は、OHまたはNH2であり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。
【0070】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、またはRCであり;
R8は、OHまたはNH2であり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。
【0071】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R4およびR5は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R8は、OH、NH2、ORC、またはNHRCであり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。
【0072】
いくつかの実施形態では、Amは、式(II)で表される:
【化8】
[式中、Xが、S、SO、またはSO2であり;R1が、H、または抗体もしくはその抗原結合フラ
グメントに共有結合しているリンカーであり;ならびにR2が、H、または抗体もしくはそ
の抗原結合フラグメントに共有結合しているリンカーであり;ここで、R1がHである場合
、R2はリンカーであり、R2がHである場合、R1はリンカーである]。
【0073】
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細胞毒素は、DM1およびDM4からなる群
より選択されるメイタンシノイドである。いくつかの実施形態では、細胞毒素は、モノメ
チルアウリスタチンEおよびモノメチルアウリスタチンFからなる群より選択されるアウリ
スタチンある。いくつかの実施形態では、細胞毒素は、ダウノルビシン、ドキソルビシン
、エピルビシン、およびイダルビシンからなる群より選択されるアントラサイクリンであ
る。
【0074】
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメント
は、モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント、ポリクローナル抗体またはそ
の抗原結合フラグメント、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント、二重特異性抗体
またはその抗原結合フラグメント、二重可変免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(sc
Fv)、ダイアボディ、トリアボディ、ナノボディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメン
ト、Fabフラグメント、F(ab')2分子、およびタンデムジscFVからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG、IgA、IgM、IgD、およびIgEからなる群より選択
されるアイソタイプを有する。
【0075】
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、抗体、その抗原結合フラグメント、ま
たはリガンドは、患者への投与後に、造血幹細胞などの造血細胞、がん細胞、または自己
免疫細胞に取り込まれる。例えば、抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドは
、受容体媒介エンドサイトーシスによって(例えば、細胞表面CD45、CD135、CD34、CD90
、またはCD110に結合した際に)、造血幹細胞、がん細胞、または自己免疫細胞に取り込
まれ得る。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントに共有結合し
た細胞毒素は、化学的開裂によって(例えば、本明細書に記載のリンカーの酵素的または
非特異的開裂によって)細胞内に放出され得る。次いで、細胞毒素は、とりわけ、移植治
療前の内因性造血幹細胞などの内因性造血細胞、内因性がん細胞、または内因性自己免疫
細胞の死を促進するように、その細胞内標的(とりわけ、有糸分裂紡錘体装置、核DNA、
リボソームRNA、またはトポイソメラーゼなど)にアクセスし得る。
【0076】
上記の態様のうちのいずれかにおける、いくつかの実施形態では、抗体、その抗原結合
フラグメント、またはリガンドは、造血幹細胞の壊死を促進することができる。いくつか
の実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、患者への投与の際に、1つ以
上の補体タンパク質、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好中球、および/
または好酸球を造血幹細胞に補充することによって、移植治療の前に内因性造血幹細胞の
死を促進し得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、造血幹細胞を含む移植片は、抗体またはその抗原結合フラグ
メントの濃度が患者の血液から実質的に除去された後に患者に投与される。
【0078】
いくつかの実施形態では、造血幹細胞またはその子孫は、造血幹細胞を患者に移植して
から2日以上(例えば、約2~約5日、約2~約7日、約2~約20日、約2~約30日、例えば2日
、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、1
7日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30
日、またはそれ以上)後に、造血幹細胞の機能的能力を維持している。
【0079】
いくつかの実施形態では、造血幹細胞またはその子孫は、骨髄などの造血組織に局在化
すること、および/または造血幹細胞を患者に移植した後に造血を回復させることができ
る。
【0080】
いくつかの実施形態では、患者への移植の際に、造血幹細胞は、巨核球、血小板、血小
板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、小膠細胞、顆粒球、単球
、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、Tリン
パ球、およびBリンパ球からなる群より選択される細胞集団の回復を引き起こす。
【0081】
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、移植された造血幹細胞がホ
ーミングし得るニッチを提供するように、造血幹細胞移植治療の前に患者の造血幹細胞の
集団を枯渇させるなどによって、1つ以上の障害を治療するために使用される。移植後、
造血幹細胞は、患者における欠損細胞型、または積極的に死滅されているか、もしくは例
えば化学療法的方法によって死滅された細胞型を補充するように、生産的造血を確立し得
る。例えば、患者は、幹細胞障害に罹患している患者であり得る。いくつかの実施形態で
は、患者は、鎌状赤血球貧血、サラセミア、ファンコニ貧血、再生不良性貧血、およびウ
ィスコット-アルドリッチ症候群などの異常ヘモグロビン症障害に罹患している。患者は
、先天性免疫不全障害または後天性免疫不全障害(例えば、ヒト免疫不全ウイルスもしく
は後天性免疫不全症候群)などの免疫不全障害に罹患している場合がある。いくつかの実
施形態では、患者は、グリコーゲン蓄積症、ムコ多糖症、ゴーシェ病、ハーラー病、スフ
ィンゴリピドーシス、および異染性白質ジストロフィーなどの代謝障害に罹患している。
いくつかの実施形態では、患者は、アデノシンデアミナーゼ欠損症および重症複合免疫不
全、高免疫グロブリンM症候群、チェディアック・東症候群、遺伝性リンパ組織球増多症
、大理石骨病、骨形成不全症、蓄積症、サラセミアメジャー、全身性硬化症、全身性エリ
テマトーデス、および若年性関節リウマチからなる群より選択される障害に罹患している
。いくつかの実施形態では、患者は、強皮症、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病
、および1型糖尿病などの自己免疫疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、患者
は、血液がんなどのがんまたは骨髄増殖性疾患に罹患している。いくつかの実施形態では
、患者は、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白
血病、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫に罹
患している。いくつかの実施形態では、患者は骨髄異形成症候群などの骨髄異形成疾患に
罹患している。
【0082】
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、CD45+、CD135+、CD34+、CD
90+、またはCD110+細胞で特徴付けられるがん(例えば、CD45+、CD135+、CD34+、CD90+、
またはCD110+細胞で特徴付けられる白血病)などのがんを直接治療するために使用される
が、それは、患者におけるCD45+、CD135+、CD34+、CD90+、もしくはCD110+がん細胞の集
団を枯渇させる抗体、その抗原結合フラグメント、もしくはリガンドの投与による、およ
び/または造血幹細胞移植の前に内因性造血幹細胞の集団を枯渇させるように、抗体、そ
の抗原結合フラグメント、もしくはリガンドの投与による。後者の場合、移植は、例えば
、がん細胞を根絶する過程の間に枯渇した細胞の集団を後で再構築し得る。がんは、急性
骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨
髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫などの血液がんであ
り得る。
【0083】
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、自己免疫疾患を治療するた
めに使用されるが、それは例えば、CD45+、CD135+、CD34+、CD90+、もしくはCD110+自己
免疫細胞の集団を枯渇させるように抗体、その抗原結合フラグメント、もしくはリガンド
を投与することなどによる、および/または造血幹細胞移植の前に内因性造血幹細胞の集
団を枯渇させるように、抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドの投与による
。後者の場合、移植は、例えば、自己免疫細胞を根絶する過程の間に枯渇した細胞の集団
を後で再構築し得る。自己免疫疾患は、例えば、以下であり得る:強皮症、多発性硬化症
(MS)、ヒト全身性狼瘡(SLE)、関節リウマチ(RA)、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬の治
療、1型真性糖尿病(1型糖尿病)、急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、全身性脱
毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性溶血
性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳炎(AIED)、自己免疫性リンパ増殖性症候群(
ALPS)、自己免疫性卵巣炎、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、シャ
ガス病、慢性疲労免疫不全症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、クローン病
、瘢痕性類天疱瘡、セリアック病-疱疹状皮膚炎、寒冷凝集素症、CREST症候群、ドゴー病
、円板状狼瘡、自律神経失調症、子宮内膜症、本態性混合型クリオグロブリン血症、線維
筋痛症-線維筋炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群(GBS)
、橋本甲状腺炎、化膿性汗腺炎、特発性および/または急性血小板減少性紫斑病、特発性
肺線維症、IgA神経障害、間質性膀胱炎、若年性関節炎、川崎病、扁平苔癬、ライム病、
メニエール病、混合性結合組織病(MCTD)、重症筋無力症、神経性筋緊張症、オプソクロ
ーヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、オード甲状腺炎、尋常性天疱瘡、悪
性貧血、多発性軟骨炎、多発性筋炎および皮膚筋炎、原発性胆汁性肝硬変、結節性多発動
脈炎、多腺症候群、リウマチ性多発筋痛、原発性無ガンマグロブリン血症、レイノー現象
、ライター症候群、リウマチ熱、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、ステ
ィフパーソン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」としても知られてい
る)、潰瘍性大腸炎、ぶどう膜炎、血管炎、白斑、外陰痛(「外陰部前庭炎」)、ならび
にウェゲナー肉芽腫症。
【0084】
したがって、上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明は、鎌状赤血球
貧血、サラセミア、ファンコニ貧血、再生不良性貧血、およびウィスコット-アルドリッ
チ症候群などの異常ヘモグロビン症障害を治療する方法を特徴とする。いくつかの実施形
態では、本発明は、先天性免疫不全障害または後天性免疫不全障害(例えば、ヒト免疫不
全ウイルスもしくは後天性免疫不全症候群)などの免疫不全障害を治療する方法を特徴と
する。いくつかの実施形態では、本発明は、グリコーゲン蓄積症、ムコ多糖症、ゴーシェ
病、ハーラー病、スフィンゴリピドーシス、および異染性白質ジストロフィーなどの代謝
障害を治療する方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、本発明は、アデノシンデア
ミナーゼ欠損症および重症複合免疫不全、高免疫グロブリンM症候群、チェディアック・
東症候群、遺伝性リンパ組織球増多症、大理石骨病、骨形成不全症、蓄積症、サラセミア
メジャー、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、および若年性関節リウマチからなる
群より選択される障害を治療する方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、本発明は
、強皮症、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病、および1型糖尿病などの自己免疫
疾患を治療する方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、本発明は、血液がんなどの
がんまたは骨髄増殖性疾患を治療する方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、本発
明は、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病
、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫を治療す
る方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、患者は、骨髄異形成症候群などの骨髄異
形成疾患に罹患している。これらの実施形態では、本方法は、CD45、CD135、CD34、CD90
、もしくはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド、および
/または造血幹細胞移植片を、本発明の上記の態様および実施形態のいずれかの方法に従
って投与する工程を含み得る。
【0085】
同様に、上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明は、CD45+、CD135+、C
D34+、CD90+、またはCD110+細胞で特徴付けられるがん(例えば、CD45+、CD135+、CD34+
、CD90+、またはCD110+細胞で特徴付けられる白血病)などのがんを直接治療する方法を
提供する。これらの実施形態では、本方法は、CD45、CD135、CD34、CD90、もしくはCD110
に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドを投与する工程を含む。が
んは、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病
、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫などの血
液がんであり得る。
【0086】
さらに、上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明は、以下などの自己
免疫疾患を治療する方法を提供する:多発性硬化症(MS)、ヒト全身性狼瘡(SLE)、関
節リウマチ(RA)、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬の治療、1型真性糖尿病(1型糖尿病)、
急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、全身性脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗
体症候群(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫
性内耳炎(AIED)、自己免疫性リンパ増殖性症候群(ALPS)、自己免疫性卵巣炎、バロー
病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、シャガス病、慢性疲労免疫不全症候群(
CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、クローン病、瘢痕性類天疱瘡、セリアック病-疱
疹状皮膚炎、寒冷凝集素症、CREST症候群、ドゴー病、円板状狼瘡、自律神経失調症、子
宮内膜症、本態性混合型クリオグロブリン血症、線維筋痛症-線維筋炎、グッドパスチャ
ー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群(GBS)、橋本甲状腺炎、化膿性汗腺炎、
特発性および/または急性血小板減少性紫斑病、特発性肺線維症、IgA神経障害、間質性
膀胱炎、若年性関節炎、川崎病、扁平苔癬、ライム病、メニエール病、混合性結合組織病
(MCTD)、重症筋無力症、神経性筋緊張症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(
OMS)、視神経炎、オード甲状腺炎、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性軟骨炎、多発性筋
炎および皮膚筋炎、原発性胆汁性肝硬変、結節性多発動脈炎、多腺症候群、リウマチ性多
発筋痛、原発性無ガンマグロブリン血症、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、
サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、スティフパーソン症候群、高安動脈炎
、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」としても知られている)、潰瘍性大腸炎、ぶどう膜炎
、血管炎、白斑、外陰痛(「外陰部前庭炎」)、ならびにウェゲナー肉芽腫症。これらの
実施形態では、本方法は、CD45、CD135、CD34、CD90、もしくはCD110に結合する抗体、そ
の抗原結合フラグメント、またはリガンドを投与する工程を含む。
【0087】
別の態様では、本発明は、CD45+細胞の集団を枯渇させる方法であって、該集団を式Ab-
Amで表されるコンジュゲートの有効量と接触させることによる方法を特徴とし、式中、Ab
は、CD45に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、Amはアマトキシンであ
る。Amは、式(IA)で表され得る:
【化9】
(IA)
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘ
テロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(
例えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6
テロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、
任意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;ならび

Zは、L上に存在する反応性置換基と、抗体またはその抗原結合フラグメント内に存在す
る反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【0088】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IB)で表される:
【化10】
(IB)
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘテ
ロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(例
えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6ヘテ
ロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、任
意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置換
されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換された
アリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、抗体またはその抗原結合フラグメント内に存在す
る反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【0089】
別の態様では、本発明は、式Ab-Amで表されるコンジュゲートを特徴とし、式中、Abは
、CD45に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、Amはアマトキシンである
。いくつかの実施形態では、Amは、上記の式(IA)または式(IB)で表される。
【0090】
前述の2つの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは
、抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメイン内のシステイン残基を介してアマト
キシンにコンジュゲートしている。いくつかの実施形態では、システイン残基は、抗体ま
たはその抗原結合フラグメントのFcドメインにおける突然変異によって導入される。例え
ば、システイン残基は、Cys118、Cys239、およびCys265からなる群より選択され得る。
【0091】
これらの態様のいくつかの実施形態では、システイン残基は、抗体またはその抗原結合
フラグメントのFcドメインに天然に存在する。例えば、Fcドメインは、ヒトIgG1 Fcドメ
インなどのIgG Fcドメインであり得、システイン残基は、Cys261、Cys321、Cys367、およ
びCys425からなる群より選択され得る。
【0092】
これらの態様のいくつかの実施形態では、R1は、H、OH、またはORAであり;
R2は、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化11】

R3、R4、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R5はORCであり;
R8は、OHまたはNH2であり;ならびに
R9は、HまたはOHである。
【0093】
いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3はRCであり;
R4、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R5は、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8は、OHまたはNH2であり;ならびに
R9は、HまたはOHである。
【0094】
いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R4は、ORC、またはRCであり;
R5は、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8は、OHまたはNH2であり;ならびに
R9は、HまたはOHである。
【0095】
いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R4およびR5は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R8は、ORCまたはNHRCであり;ならびに
R9は、HまたはOHである。
【0096】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、CD
45+細胞によって取り込まれる。
【0097】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、1
μM未満、750nM未満、500nM未満、250nM未満、200nM未満、150nM未満、100nM未満、75nM
未満、50nM未満、10nM未満、1nM未満、0.1nM未満、10pM未満、1pM未満、または0.1pM未満
のKdでCD45に結合する。いくつかの実施形態では、Kdは、約0.1pM~約1μMである。いく
つかの実施形態では、Kdは約357pMであり、konは約2.56×105M-1s-1であり、および/ま
たはKoffは約9.14×10-5s-1である。
【0098】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、約
9×10-2M-1s-1~約1×102M-1s-1のkonでCD45に結合する。
【0099】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、CD
45の第2の抗体またはその抗原結合フラグメントへの結合を競合的に阻害し、ここで第2の
抗体またはその抗原結合フラグメントは、以下の相補性決定領域(CDR)を有する:
a.アミノ酸配列SYAMS(配列番号16)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列AISGSGGSTFYADSVRG(配列番号17)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列EVMGPIFFDY(配列番号18)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSIISSALA(配列番号19)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列GASSRAT(配列番号20)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQYGSTPLT(配列番号21)を有するCDR-L3。
【0100】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、ラ
ットYTH24.5またはそのヒト化変異体である。
【0101】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、CD
45の第2の抗体またはその抗原結合フラグメントへの結合を競合的に阻害し、ここで第2の
抗体またはその抗原結合フラグメントは、ラットYTH24.5またはそのヒト化変異体である
【0102】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、モ
ノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント、ポリクローナル抗体またはその抗原
結合フラグメント、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント、二重特異性抗体または
その抗原結合フラグメント、二重可変免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(scFv)、
ダイアボディ、トリアボディ、ナノボディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメント、Fa
bフラグメント、F(ab')2分子、およびタンデムジscFVからなる群より選択される。
【0103】
別の態様では、本発明は、CD135+細胞の集団を枯渇させる方法であって、該集団を式Ab
-Amで表されるコンジュゲートの有効量と接触させることによる方法を特徴とし、式中、A
bは、CD135に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、Amはアマトキシンで
ある。Amは、式(IA)で表され得る:
【化12】
(IA)
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘ
テロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(
例えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6
テロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、
任意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;ならび

Zは、L上に存在する反応性置換基と、抗体またはその抗原結合フラグメント内に存在す
る反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【0104】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IB)で表される:
【化13】
(IB)
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり

R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘテ
ロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(例
えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6ヘテ
ロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、任
意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置換
されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換された
アリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;ならびに
Zは、L上に存在する反応性置換基と、抗体またはその抗原結合フラグメント内に存在す
る反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり、
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【0105】
別の態様では、本発明は、式Ab-Amで表されるコンジュゲートを特徴とし、式中、Abは
、CD135に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、Amはアマトキシンであ
る。いくつかの実施形態では、Amは、上記の式(IA)または式(IB)で表される。
【0106】
前述の2つの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは
、抗体またはその抗原結合フラグメントのFcドメイン内のシステイン残基を介してアマト
キシンにコンジュゲートしている。いくつかの実施形態では、システイン残基は、抗体ま
たはその抗原結合フラグメントのFcドメインにおける突然変異によって導入される。例え
ば、システイン残基は、Cys118、Cys239、およびCys265からなる群より選択され得る。
【0107】
これらの態様のいくつかの実施形態では、システイン残基は、抗体またはその抗原結合
フラグメントのFcドメインに天然に存在する。例えば、Fcドメインは、ヒトIgG1 Fcドメ
インなどのIgG Fcドメインであり得、システイン残基は、Cys261、Cys321、Cys367、およ
びCys425からなる群より選択され得る。
【0108】
これらの態様のいくつかの実施形態では、R1は、H、OH、またはORAであり;
R2は、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化14】
R3、R4、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R5はORCであり;
R8は、OHまたはNH2であり;ならびに
R9は、HまたはOHである。
【0109】
いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3はRCであり;
R4、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R5は、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8は、OHまたはNH2であり;ならびに
R9は、HまたはOHである。
【0110】
いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R4は、ORC、またはRCであり;
R5は、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8は、OHまたはNH2であり;ならびに
R9は、HまたはOHである。
【0111】
いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R4およびR5は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R8は、ORCまたはNHRCであり;ならびに
R9は、HまたはOHである。
【0112】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、CD
135+細胞によって取り込まれる。
【0113】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、1
μM未満、750nM未満、500nM未満、250nM未満、200nM未満、150nM未満、100nM未満、75nM
未満、50nM未満、10nM未満、1nM未満、0.1nM未満、10pM未満、1pM未満、または0.1pM未満
のKdでCD135に結合する。いくつかの実施形態では、Kdは、約0.1pM~約1μMである。
【0114】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、約
9×10-2M-1s-1~約1×102M-1s-1のkonでCD135に結合する。
【0115】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、以
下のCDRを有する:
a.アミノ酸配列SYYMH(配列番号1)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列IINPSGGSTSYAQKFQG(配列番号2)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列GVGAHDAFDI(配列番号3)またはVVAAAVADY(配列番号4)を有するCDR
-H3;
d.アミノ酸配列RSSQSLLHSNGNNYLD(配列番号5)またはRSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号6
)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列LGSNRAS(配列番号7)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列MQGTHPAIS(配列番号8)またはMQSLQTPFT(配列番号9)を有するCDR-
L3。
【0116】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、以
下のCDRを有する:
a.アミノ酸配列SYAIS(配列番号10)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列GIIPIFGTANYAQKFQG(配列番号11)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列FALFGFREQAFDI(配列番号12)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号13)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列AASSLQS(配列番号14)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQSYSTPFT(配列番号15)を有するCDR-L3。
【0117】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、CD
135の第2の抗体またはその抗原結合フラグメントへの結合を競合的に阻害し、ここで第2
の抗体またはその抗原結合フラグメントは、以下のCDRを有する:
a.アミノ酸配列SYYMH(配列番号1)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列IINPSGGSTSYAQKFQG(配列番号2)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列GVGAHDAFDI(配列番号3)またはVVAAAVADY(配列番号4)を有するCDR
-H3;
d.アミノ酸配列RSSQSLLHSNGNNYLD(配列番号5)またはRSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号6
)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列LGSNRAS(配列番号7)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列MQGTHPAIS(配列番号8)またはMQSLQTPFT(配列番号9)を有するCDR-
L3。
【0118】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、CD
135の第2の抗体またはその抗原結合フラグメントへの結合を競合的に阻害し、ここで第2
の抗体またはその抗原結合フラグメントは、以下のCDRを有する:
a.アミノ酸配列SYAIS(配列番号10)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列GIIPIFGTANYAQKFQG(配列番号11)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列FALFGFREQAFDI(配列番号12)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号13)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列AASSLQS(配列番号14)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQSYSTPFT(配列番号15)を有するCDR-L3。
【0119】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、モ
ノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント、ポリクローナル抗体またはその抗原
結合フラグメント、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント、二重特異性抗体または
その抗原結合フラグメント、二重可変免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(scFv)、
ダイアボディ、トリアボディ、ナノボディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメント、Fa
bフラグメント、F(ab')2分子、およびタンデムジscFVからなる群より選択される。
【0120】
別の態様では、本発明は、式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、C
D45(例えば、CD45RO)に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、Cyが細
胞毒素であるコンジュゲートを特徴とする。この態様のいくつかの実施形態では、細胞毒
素は、シュードモナス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、サポリン、メイタンシン
、メイタンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノ
テカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピ
ン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼピン二量体、
または前述の細胞毒素のいずれかの変異体である。
【0121】
別の態様では、本発明は、式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、C
D135に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、Cyが細胞毒素であるコンジ
ュゲートを特徴とする。この態様のいくつかの実施形態では、細胞毒素は、シュードモナ
ス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド
、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デ
ュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリ
ノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼピン二量体、または前述の細胞毒
素のいずれかの変異体である。
【0122】
別の態様では、本発明は、式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、C
D34に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、Cyが細胞毒素であるコンジ
ュゲートを特徴とする。この態様のいくつかの実施形態では、細胞毒素は、シュードモナ
ス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド
、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デ
ュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリ
ノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼピン二量体、または前述の細胞毒
素のいずれかの変異体である。
【0123】
別の態様では、本発明は、式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、C
D90に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、Cyが細胞毒素であるコンジ
ュゲートを特徴とする。この態様のいくつかの実施形態では、細胞毒素は、シュードモナ
ス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド
、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デ
ュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリ
ノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼピン二量体、または前述の細胞毒
素のいずれかの変異体である。
【0124】
別の態様では、本発明は、式Ab-Cyで表されるコンジュゲートであって、式中、Abが、C
D110に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、Cyが細胞毒素であるコンジ
ュゲートを特徴とする。この態様のいくつかの実施形態では、細胞毒素は、シュードモナ
ス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド
、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デ
ュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリ
ノベンゾジアゼピン、もしくはインドリノベンゾジアゼピン二量体、または前述の細胞毒
素のいずれかの変異体である。
【0125】
前述の5つの態様の、いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメント
は、造血幹細胞(例えば、CD45+(CD45RO+など)、CD135+、CD34+、CD90+、および/また
はCD110+細胞)などの造血細胞によって取り込まれる。
【0126】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、1
μM未満、750nM未満、500nM未満、250nM未満、200nM未満、150nM未満、100nM未満、75nM
未満、50nM未満、10nM未満、1nM未満、0.1nM未満、10pM未満、1pM未満、もしくは0.1pM未
満のKdでCD45(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD90、またはCD110に結合する。いくつ
かの実施形態では、Kdは、約0.1pM~約1μMである。
【0127】
この態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、約9×1
0-2M-1s-1~約1×102M-1s-1のkonでCD45(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD90、また
はCD110に結合する。
【0128】
これらの態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、モ
ノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント、ポリクローナル抗体またはその抗原
結合フラグメント、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント、二重特異性抗体または
その抗原結合フラグメント、二重可変免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(scFv)、
ダイアボディ、トリアボディ、ナノボディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメント、Fa
bフラグメント、F(ab')2分子、およびタンデムジscFVからなる群より選択される。いくつ
かの実施形態では、抗体は、IgG、IgA、IgM、IgD、およびIgEからなる群より選択される
アイソタイプを有する。
【図面の簡単な説明】
【0129】
図1】サポリンコンジュゲートFabフラグメントを介してサポリンにそれぞれ結合した、さまざまな濃度の抗CD45モノクローナル抗体Ab1、Ab2、およびAb3、またはアイソタイプが一致する陰性対照の、Reh細胞のin vitroでの生存率に対する効果を示すグラフである。細胞生存率は、以下の実施例8に記載のように、CellTiter-Glo(商標)アッセイキットを用いて評価した。
図2】サポリンコンジュゲートFabフラグメントを介してサポリンにそれぞれ結合した、さまざまな濃度の抗CD45モノクローナル抗体またはアイソタイプが一致する陰性対照の、ヒトCD34+細胞のin vitroでの生存率に対する効果を示すグラフである。細胞生存率は、以下の実施例8に記載のように、CellTiter-Glo(商標)アッセイキットを用いて評価した。
【発明を実施するための形態】
【0130】
本発明は、さまざまな障害、とりわけ、造血系統における細胞型の疾患、がん、自己免
疫疾患、代謝障害、および幹細胞障害などを治療する方法を提供する。本明細書に記載の
組成物および方法は、(i)病状を引き起こす細胞の集団、例えばがん細胞(例えば、白
血病細胞)および自己免疫細胞(例えば、自己反応性T細胞)の集団などを直接枯渇させ
得る、および/または(ii)移植された造血幹細胞の生着を、移植された細胞がホーミン
グし得るニッチを提供することによって促進するように、内因性造血幹細胞の集団を枯渇
させ得る。前述の活性は、内因性の疾患を引き起こす細胞もしくは造血幹細胞によって発
現される抗原に結合することができる抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド
の投与によって達成することができる。疾患の直接治療の場合には、この投与は、関心の
ある病状を引き起こす細胞の量の減少を引き起こし得る。造血幹細胞移植治療のために患
者を備えさせる場合、この投与は、内因性造血幹細胞の集団の選択的枯渇を引き起こすこ
とができ、それによって骨髄などの造血組織に欠員を生じさせ、これは後に、移植された
外因性造血幹細胞によって補充され得る。本発明は、CD45、CD135、CD34、CD90、またはC
D110に結合することができる抗体、その抗原結合フラグメント、およびリガンドを患者に
投与して、上記の両方の活性を達成することができるという発見に一部基づいている。CD
45、CD135、CD34、CD90、またはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、およ
びリガンドを、がんまたは自己免疫疾患に罹患している患者に投与し、がん性細胞または
自己免疫細胞の集団を直接枯渇させることができ、ならびに移植された造血幹細胞の生存
および生着の可能性を促進させるために、造血幹細胞移植治療を必要とする患者に投与す
ることもできる。
【0131】
抗CD45抗体、抗CD135抗体、抗CD34抗体、抗CD90抗体、または抗CD110抗体、それらの抗
原結合フラグメント、またはリガンドの投与による造血幹細胞移植片の生着は、さまざま
な経験的測定で明らかにすることができる。例えば、移植された造血幹細胞の生着は、CD
45、CD135、CD34、CD90、またはCD110に結合することができる抗体またはその抗原結合フ
ラグメントの投与と、それに続く造血幹細胞移植片の投与との後に、患者の骨髄内に存在
する競合的再構築単位(CRU)の量を測定することによって評価できる。さらに、蛍光、
発色、または発光産物を生じる化学反応を触媒する酵素などのレポーター遺伝子を、ドナ
ー造血幹細胞がトランスフェクトされたベクターに組み込ませ、続いてその対応するシグ
ナルを、骨髄などの造血幹細胞がホーミングしている組織においてモニターすることによ
って、造血幹細胞移植片の生着を観察することができる。例えば、当該技術分野において
知られている蛍光活性化細胞分類(FACS)分析方法によって決定されるように、造血幹細
胞および前駆細胞の量および生存の評価によって、造血幹細胞移植片の生着を観察するこ
ともできる。生着は、移植後期間中の末梢血中の白血球数を測定することによっても、お
よび/または骨髄穿刺液試料中のドナー細胞による骨髄細胞の回復を測定することによっ
ても決定することができる。
【0132】
以下の節は、がんもしくは自己免疫疾患を患っている患者、または造血幹細胞移植治療
を必要とする患者などの患者に、造血幹細胞移植片の生着を促進するために投与すること
ができる抗体、その抗原結合フラグメント、およびリガンドの説明、ならびにそのような
治療薬を(例えば、造血幹細胞移植の前に)患者に投与する方法を提供する。
【0133】
(定義)
本明細書で使用される場合、用語「約」は、記載されている値の上下10%以内の値を指
す。例えば、用語「約5nM」は、4.5nM~5.5nMの範囲を示す。
【0134】
本明細書で使用される場合、用語「アマトキシン」は、タマゴテングタケによって産生
されるペプチドのアマトキシンファミリーのメンバー、またはその変異体もしくは誘導体
、例えばRNAポリメラーゼII活性を阻害することができるその変異体もしくは誘導体を指
す。本明細書に記載の組成物および方法との併用で有用なアマトキシンには、以下の式(
III)の化合物、例えば、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチ
ン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、アマヌリン酸、およびプロアマヌリンなど
が挙げられる。式(III)は、以下の通りである:
【化15】
[式中、R1は、H、OH、またはORAであり;
R2は、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、HまたはRDであり;
R4は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、またはORDであり;
R9は、H、OH、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;ならびに
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールである。
【0135】
例えば、本明細書に記載の組成物および方法との併用で有用なアマトキシンには、以下
の式(IIIA)の化合物が挙げられる:
【化16】
[式中、R1は、H、OH、またはORAであり;
R2は、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、HまたはRDであり;
R4は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、またはORDであり;
R9は、H、OH、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;ならびに
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールである。
【0136】
本明細書に記載の組成物および方法との併用で有用なアマトキシンには、以下の式(II
IB)の化合物も挙げられる:
【化17】
[式中、R1は、H、OH、またはORAであり;
R2は、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、HまたはRDであり;
R4は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORD、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、またはORDであり;
R9は、H、OH、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;ならびに
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテロ
アルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C2-
C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニル
)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル、
任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換
されたヘテロアリールである。
【0137】
本明細書に記載されるように、アマトキシンは、例えば、リンカー部位を介して、抗体
、その抗原結合フラグメント、またはリガンドにコンジュゲートされ得る。アマトキシン
コンジュゲーションの例示的な方法およびそのようなプロセスに有用なリンカーは、「化
学的コンジュゲーション用リンカー」と題された節、ならびに以下の表2に記載されてい
る。本明細書に記載の組成物および方法による、抗体、抗原結合フラグメント、またはリ
ガンドへのコンジュゲーションに有用な例示的なリンカー含有アマトキシンは、本明細書
に列挙される構造式(I)、(IA)、(IB)および(II)に示される。
【0138】
本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、特定の抗原に特異的に結合するか、また
はそれと免疫学的に反応性である免疫グロブリン分子を指し、ポリクローナル、モノクロ
ーナル、遺伝子操作された、およびその他の修飾形態の抗体が挙げられ、限定されないが
、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二重、三重および四重
特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディ)、ならびに、例えば、
Fab'、F(ab')2、Fab、Fv、rIgG、およびscFVフラグメントなどが含まれる抗体の抗原結合
フラグメントが挙げられる。特に断りのない限り、用語「モノクローナル抗体」(mAb)
は、標的タンパク質に特異的に結合することができるインタクトな分子と、抗体フラグメ
ント(例えば、FabおよびF(ab')2フラグメントを含む)との両方を含むことを意味する。
本明細書で使用される場合、FabおよびF(ab')2フラグメントは、インタクトな抗体のFcフ
ラグメントを欠く抗体フラグメントを指す。これらの抗体フラグメントの例は、本明細書
に記載されている。
【0139】
用語「抗原結合フラグメント」語は、本明細書で使用される場合、標的抗原に特異的に
結合する能力を保持している、抗体の1つ以上のフラグメントを指す。抗体の抗原結合機
能は、全長抗体のフラグメントによって実行され得る。抗体フラグメントは、例えば、Fa
b、F(ab')2、scFV、ダイアボディ、トリアボディ、アフィボディ、ナノボディ、アプタマ
ー、またはドメイン抗体であり得る。抗体の「抗原結合フラグメント」という用語に包含
される結合フラグメントの例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:(i)Fab
フラグメント、VL、VH、CL、およびCH1ドメインからなる一価フラグメント;(ii)F(ab'
)2フラグメント、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFabフラグメン
トを含む二価フラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv
)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント、(v)VHおよびVL
メインを含むdAb;(vi)VHドメインからなるdAbフラグメント(例えば、Ward et al., N
ature 341:544-546, 1989を参照);(vii)VHまたはVLドメインからなるdAb;(viii)
単離された相補性決定領域(CDR);(ix)任意に合成リンカーによって連結されていて
もよい2つ以上(例えば、2、3、4、5、または6つ)の単離されたCDRの組み合わせ。さら
に、Fvフラグメントの2つのドメイン、VLおよびVHは、別々の遺伝子によってコードされ
ているが、それらは、組み換え法を用いて、VLおよびVH領域が対になって一価分子を形成
する単一のタンパク質鎖としてそれらが作製されることを可能にするリンカーによって連
結され得る(一本鎖Fv(scFv)として知られる;例えば、Bird et al., Science 242:423
-426, 1988およびHuston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883, 1988を参
照)。これらの抗体フラグメントは、当業者に知られている従来技術を用いて得ることが
でき、フラグメントは、インタクトな抗体と同じ様式で、有用性についてスクリーニング
することができる。抗原結合フラグメントは、組み換えDNA技術、インタクトな免疫グロ
ブリンの酵素的または化学的開裂によって、または、ある場合には、当該技術分野で知ら
れている化学的ペプチド合成手順によって産生することができる。
【0140】
本明細書で使用される場合、用語「抗CD45抗体」は、CD45(例えば、CD45RO)に特異的
に結合することができる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部、例えば、限定されない
が、重鎖もしくは軽鎖またはそれらのリガンド結合部位の少なくとも1つの相補性決定領
域(CDR)、重鎖もしくは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、フレームワーク領
域、またはそれらの任意の部位などを含むタンパク質またはペプチド含有分子を指す。抗
CD45抗体には、抗体CDRと構造および溶媒接近性が類似しているBC、DE、およびFG構造ル
ープを含む10番目のフィブロネクチンIII型ドメイン(10Fn3)などの抗体様タンパク質足
場も挙げられる。10Fn3ドメインの三次構造は、IgG重鎖の可変領域の三次構造に似ており
、当業者は、例えば、10Fn3のBC、DE、およびFGループの残基を、抗CD45モノクローナル
抗体のCDRH-1、CDRH-2、またはCDRH-3領域からの残基と置換することによって、抗CD45モ
ノクローナル抗体のCDRをフィブロネクチン足場上に移植することができる。
【0141】
本明細書で使用される場合、用語「抗CD135抗体」は、CD135に特異的に結合することが
できる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部、例えば、限定されないが、重鎖もしくは
軽鎖またはそれらのリガンド結合部位の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)、重鎖も
しくは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、またはそれらの
任意の部位などを含むタンパク質またはペプチド含有分子を指す。抗CD135抗体には、抗
体CDRと構造および溶媒接近性が類似しているBC、DE、およびFG構造ループを含む10番目
のフィブロネクチンIII型ドメイン(10Fn3)などの抗体様タンパク質足場も挙げられる。
10Fn3ドメインの三次構造は、IgG重鎖の可変領域の三次構造に似ており、当業者は、例え
ば、10Fn3のBC、DE、およびFGループの残基を、抗CD135モノクローナル抗体のCDRH-1、CD
RH-2、またはCDRH-3領域からの残基と置換することによって、抗CD135モノクローナル抗
体のCDRをフィブロネクチン足場上に移植することができる。
【0142】
本明細書で使用される場合、用語「抗CD34抗体」は、CD34に特異的に結合することがで
きる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部、例えば、限定されないが、重鎖もしくは軽
鎖またはそれらのリガンド結合部位の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)、重鎖もし
くは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、またはそれらの任
意の部位などを含むタンパク質またはペプチド含有分子を指す。抗CD34抗体には、抗体CD
Rと構造および溶媒接近性が類似しているBC、DE、およびFG構造ループを含む10番目のフ
ィブロネクチンIII型ドメイン(10Fn3)などの抗体様タンパク質足場も挙げられる。10Fn
3ドメインの三次構造は、IgG重鎖の可変領域の三次構造に似ており、当業者は、例えば、
10Fn3のBC、DE、およびFGループの残基を、抗CD34モノクローナル抗体のCDRH-1、CDRH-2
、またはCDRH-3領域からの残基と置換することによって、抗CD34モノクローナル抗体のCD
Rをフィブロネクチン足場上に移植することができる。
【0143】
本明細書で使用される場合、用語「抗CD90抗体」は、CD90に特異的に結合することがで
きる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部、例えば、限定されないが、重鎖もしくは軽
鎖またはそれらのリガンド結合部位の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)、重鎖もし
くは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、またはそれらの任
意の部位などを含むタンパク質またはペプチド含有分子を指す。抗CD90抗体には、抗体CD
Rと構造および溶媒接近性が類似しているBC、DE、およびFG構造ループを含む10番目のフ
ィブロネクチンIII型ドメイン(10Fn3)などの抗体様タンパク質足場も挙げられる。10Fn
3ドメインの三次構造は、IgG重鎖の可変領域の三次構造に似ており、当業者は、例えば、
10Fn3のBC、DE、およびFGループの残基を、抗CD90モノクローナル抗体のCDRH-1、CDRH-2
、またはCDRH-3領域からの残基と置換することによって、抗CD90モノクローナル抗体のCD
Rをフィブロネクチン足場上に移植することができる。
【0144】
本明細書で使用される場合、用語「抗CD110抗体」は、CD110に特異的に結合することが
できる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部、例えば、限定されないが、重鎖もしくは
軽鎖またはそれらのリガンド結合部位の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)、重鎖も
しくは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、またはそれらの
任意の部位などを含むタンパク質またはペプチド含有分子を指す。抗CD110抗体には、抗
体CDRと構造および溶媒接近性が類似しているBC、DE、およびFG構造ループを含む10番目
のフィブロネクチンIII型ドメイン(10Fn3)などの抗体様タンパク質足場も挙げられる。
10Fn3ドメインの三次構造は、IgG重鎖の可変領域の三次構造に似ており、当業者は、例え
ば、10Fn3のBC、DE、およびFGループの残基を、抗CD110モノクローナル抗体のCDRH-1、CD
RH-2、またはCDRH-3領域からの残基と置換することによって、抗CD110モノクローナル抗
体のCDRをフィブロネクチン足場上に移植することができる。
【0145】
本明細書で使用される場合、用語「二重特異性抗体」は、例えば、少なくとも2つの異
なる抗原に結合することができるモノクローナル抗体、多くの場合ヒト抗体またはヒト化
抗体を指す。例えば、結合特異性の一方を、CD45(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD9
0、またはCD110などの造血幹細胞表面抗原に向けることができ、他方を、異なる造血幹細
胞表面抗原または別の細胞表面タンパク質、とりわけ、細胞増殖を増強するシグナル伝達
経路に関与する受容体または受容体サブユニットなどに向けることができる。
【0146】
本明細書で使用される場合、用語「相補性決定領域」(CDR)は、抗体の軽鎖可変ドメ
インおよび重鎖可変ドメインの両方に見られる超可変領域を指す。可変ドメインのより高
度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。抗体の超可変領域を線引
きするアミノ酸位置は、文脈および当該技術分野で知られているさまざまな定義に応じて
変わり得る。可変ドメイン内のいくつかの位置は、これらの位置がある基準の下では超可
変領域内にあると見なすことができるが、異なる基準の下では超可変領域外にあると見な
すことができるという点で、ハイブリッド超可変位置と見なされ得る。これらの位置のう
ちの1つ以上を、拡張超可変領域にも見ることができる。本明細書に記載の抗体は、これ
らのハイブリッド超可変位置に修飾を含み得る。天然の重鎖および軽鎖の可変ドメインは
それぞれ、主にβシート構造をとる4つのフレームワーク領域を含み、3つのCDRによって
接続され、それらはβシート構造をつなぐループを形成し、場合によってはβシート構造
の一部を形成する。各鎖中のCDRは、FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4の順序で、フレー
ムワーク領域によって互いに近接して一緒に保持され、他の抗体鎖からのCDRと共に、抗
体の標的結合部位の形成に寄与する(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunol
ogical Interest, National Institute of Health, Bethesda, MD., 1987を参照)。本明
細書で使用される場合、免疫グロブリンアミノ酸残基の番号付けは、特に断りのない限り
、Kabatらの免疫グロブリンアミノ酸残基番号付けシステムに従って行われる。
【0147】
本明細書で使用される場合、用語「コンディショニングする」および「コンディショニ
ング」は、造血幹細胞を含む移植片を受容するように患者を備えさせる過程を指す。その
ような手順は、造血幹細胞移植の生着を促進する(例えば、コンディショニング手順およ
びそれに続く造血幹細胞移植の後に患者から単離された血液試料内の生存可能な造血幹細
胞の量の持続的増加から推測されるように)。本明細書に記載の方法では、造血幹細胞に
よって発現される抗原、例えばCD45(例えばCD45RO)、CD135、CD34、CD90、またはCD110
に結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの患者への投与によって、
造血幹細胞移植治療のために患者を調節することができる。本明細書に記載されるように
、抗体は、薬物-抗体コンジュゲートを形成するように、細胞毒素に共有結合的にコンジ
ュゲートすることができる。1つ以上の前述の抗原に結合することができる抗体、その抗
原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートの、造血幹細胞移植治療を必要と
する患者への投与は、例えば、内因性造血幹細胞を選択的に枯渇させ、それにより外因性
造血幹細胞移植によって補充される欠員を作り出すことによって、造血幹細胞移植片の生
着を促進することができる。
【0148】
本明細書で使用される場合、用語「コンジュゲート」は、抗体またはその抗原結合フラ
グメントなどの1つの分子の反応性官能基と、本明細書に記載の細胞毒素などの別の分子
の適切な反応性官能基との化学結合によって形成される化合物を指す。コンジュゲートは
、互いに結合した2つの分子間にリンカーを含み得る。コンジュゲートの形成に使用でき
るリンカーの例には、天然に存在するアミノ酸またはD-アミノ酸などの天然に存在しない
アミノ酸を含有するものなどのペプチド含有リンカーが挙げられる。リンカーは、本明細
書に記載され、当該技術分野で知られている種々の戦略を使用して調製することができる
。その中の反応性成分に応じて、リンカーは、例えば、酵素加水分解、光分解、酸性条件
下での加水分解、塩基性条件下での加水分解、酸化、ジスルフィド還元、求核開裂、また
は有機金属開裂によって開裂され得る(例えば、Leriche et al., Bioorg. Med. Chem.,
20:571-582, 2012を参照)。
【0149】
本明細書で使用される場合、用語「カップリング反応」は、互いに反応するのに適した
2つ以上の置換基が反応して、各置換基に結合した分子フラグメントを(例えば、共有結
合的に)連結する化学的部位を形成する化学反応を指す。カップリング反応には、細胞毒
素、例えば当該技術分野で知られているまたは本明細書に記載の細胞毒素などであるフラ
グメントに結合した反応性置換基が、抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド
、例えば、当該技術分野で知られているもしくは本明細書に記載のCD45(CD45ROなど)、
CD135、CD34、CD90、および/またはCD110に特異的な抗体、その抗原結合フラグメント、
またはリガンドなどであるフラグメントに結合した、適切に反応性の置換基と反応するも
のが挙げられる。適切に反応性の置換基の例には、求核剤/求電子剤対(例えば、とりわ
けチオール/ハロアルキル対、アミン/カルボニル対、またはチオール/α、β-不飽和
カルボニル対)、ジエン/ジエノフィル対(例えば、とりわけアジド/アルキン対)など
が挙げられる。カップリング反応には、特に限定されないが、チオールアルキル化、ヒド
ロキシルアルキル化、アミンアルキル化、アミン縮合、アミド化、エステル化、ジスルフ
ィド形成、環化付加(例えば、とりわけ、[4+2]ディールス-アルダー環化付加、[3+2
]ヒュスゲン環化付加)、求核芳香族置換、求電子芳香族置換、および当該技術分野で知
られているまたは本明細書に記載の他の反応様式が含まれる。
【0150】
本明細書で使用される場合、「CRU(競合的再構築単位)」は、in vivo移植後に検出す
ることができる、長期生着幹細胞の測定単位を指す。
【0151】
本明細書で使用される場合、用語「ドナー」は、1つ以上の細胞が、その細胞またはそ
の子孫のレシピエントへの投与の前に単離されるヒトまたは動物を指す。1つ以上の細胞
は、例えば、造血幹細胞の集団であり得る。
【0152】
本明細書で使用される場合、用語「ダイアボディ」は、2本のポリペプチド鎖を含有す
る二価抗体を指し、各ポリペプチド鎖は、同じペプチド鎖上のVHおよびVLドメインの分子
内会合を可能にするには短すぎるリンカー(例えば、5個のアミノ酸からなるリンカー)
によって連結されたVHおよびVLドメインを含む。この立体配置は、ホモ二量体構造を形成
するように、各ドメインを別のポリペプチド鎖上の相補的ドメインと対合させる。したが
って、用語「トリアボディ」は、3つのペプチド鎖を含む三価抗体を指し、その各々は、
同じペプチド鎖内のVHドメインとVLドメインの分子内会合を可能にするには非常に短いリ
ンカー(例えば、1~2個のアミノ酸からなるリンカー)によって連結された1つのVHドメ
インと1つのVLドメインとを含む。それらの天然構造に折り畳むために、このように構成
されたペプチドは、典型的には、隣接するペプチド鎖のVHおよびVLドメインを互いに空間
的に近位に配置するように三量体化する(例えば、Holliger et al., Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 90:6444-48, 1993を参照)。
【0153】
本明細書で使用される場合、「二重可変ドメイン免疫グロブリン」(「DVD-Ig」)は、
2つのモノクローナル抗体の標的結合可変ドメインをリンカーを介して合わせて四価二重
標的単一剤を作製する抗体を指す(例えば、Gu et al., Meth. Enzymol., 502:25-41, 20
12を参照)。
【0154】
本明細書で使用される場合、用語「内因性」は、ヒト患者などの特定の生物に天然に見
られる分子、細胞、組織、または臓器などの物質(例えば、造血幹細胞または造血系列の
細胞、例えば巨核球、血小板、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球
、好酸球、小膠細胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細
胞、ナチュラルキラー細胞、Tリンパ球、またはBリンパ球など)を表す。
【0155】
本明細書で使用される場合、用語「生着潜在力」は、造血幹細胞および前駆細胞の組織
を再構築する能力を指すために使用され、そのような細胞が天然に循環しているかまたは
移植によって供給されたかにかかわらない。この用語は、細胞の組織ホーミングおよび目
的の組織内の細胞のコロニー形成などの、生着を取り巻くまたは生着に至るまでの全ての
事象を包含する。生着効率または生着速度は、当業者に知られている任意の臨床的に許容
されるパラメーターを用いて評価または定量化することができ、例えば、競合的再構築単
位(CRU)の評価;幹細胞がホーミング、コロニー形成、もしくは生着した組織(単数ま
たは複数)へのマーカーの組み込みもしくは発現を含むことができる;または、疾患の進
行、造血幹細胞および前駆細胞の生存、もしくはレシピエントの生存による被験体の進行
の評価による。生着は、移植後期間中の末梢血中の白血球数を測定することによって決定
することもできる。生着は、骨髄穿刺液試料中のドナー細胞による骨髄細胞の回復を測定
することによって評価することもできる。
【0156】
本明細書で使用される場合、用語「外因性」は、ヒト患者などの特定の生物に天然には
見られない分子、細胞、組織、または臓器などの物質(例えば、造血幹細胞または造血系
列の細胞、例えば巨核球、血小板、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好
中球、好酸球、小膠細胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹
状細胞、ナチュラルキラー細胞、Tリンパ球、またはBリンパ球など)を表す。外因性物質
には、外部供給源から生物に、またはそれらから抽出された培養物に提供されるものが挙
げられる。
【0157】
本明細書で使用される場合、用語「フレームワーク領域」すなわち「FW領域」は、抗体
またはその抗原結合フラグメントのCDRに隣接しているアミノ酸残基を含む。FW領域残基
は、例えば、とりわけ、ヒト抗体、ヒト化抗体、モノクローナル抗体、抗体フラグメント
、Fabフラグメント、一本鎖抗体フラグメント、scFVフラグメント、抗体ドメイン、およ
び二重特異性抗体に存在し得る。
【0158】
本明細書で使用される場合、用語「造血幹細胞」(「HSC」)は、自己複製し、以下を
含むが、これらに限定されない多様な系統を含む成熟血球に分化する能力を有する未成熟
血球を指す:顆粒球(例えば前骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球(例えば、
網状赤血球、赤血球)、血小板(例えば、巨核球、血小板産生巨核球、血小板)、単球(
例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、小膠細胞、破骨細胞、およびリンパ球(例
えば、NK細胞、B細胞およびT細胞)。そのような細胞には、CD34+細胞が挙げられ得る。C
D34+細胞は、CD34細胞表面マーカーを発現する未熟細胞である。ヒトでは、CD34+細胞は
上記定義の幹細胞特性を有する細胞の亜集団を含むと考えられているが、マウスでは、HS
CはCD34-である。さらに、HSCは、長期再構築HSC(LT-HSC)および短期再構築HSC(ST-HS
C)も指す。LT-HSCおよびST-HSCは、機能的能力および細胞表面マーカー発現に基づいて
区別される。例えば、ヒトHSCは、CD34+、CD38-、CD45RA-、CD90+、CD49F+、およびlin-
(CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD10、CD11B、CD19、CD20、CD56、CD235Aを含む成熟系統マ
ーカーについて陰性)である。マウスでは、骨髄LT-HSCは、CD34-、SCA-1+、C-kit+、CD1
35-、Slamf1/CD150+、CD48-、およびlin-(Ter119、CD11b、Gr1、CD3、CD4、CD8、B220、
IL7raを含む成熟系統マーカーについて陰性)であり、一方、ST-HSCは、CD34+、SCA-1+、
C-kit+、CD135-、Slamf1/CD150+、およびlin-(Ter119、CD11b、Gr1、CD3、CD4、CD8、B2
20、IL7raを含む成熟系統マーカーについて陰性)である。さらに、ST-HSCは、恒常性条
件下で、LT-HSCよりも不活発ではなく、増殖性が高い。しかしながら、LT-HSCは、より大
きな自己複製能力を有し(すなわち、それらは成熟期を通じて生存し、一連のレシピエン
トを通して連続的に移植され得る)、一方でST-HSCは、限られた自己複製を有する(すな
わち、それらは限られた期間のみ生存し、連続移植能力を持たない)。これらのHSCのい
ずれも、本明細書に記載の方法で使用することができる。ST-HSCは、高度に増殖性であり
、したがってより迅速に分化した子孫を生じさせることができるため、特に有用である。
【0159】
本明細書で使用される場合、用語「造血幹細胞機能的能力」は、以下を含む造血幹細胞
の機能的特性を指す:1)多能性(顆粒球(例えば前骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球
)、赤血球(例えば、網状赤血球、赤血球)、血小板(例えば、巨核球、血小板産生巨核
球、血小板)、単球(例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、小膠細胞、破骨細胞
、およびリンパ球(例えば、NK細胞、B細胞およびT細胞を含むが、これらに限定されない
複数の異なる血系列に分化する能力を指す)、2)自己複製(造血幹細胞が、母細胞と同
等の能力を有する娘細胞を生じさせる能力を指し、さらにこの能力は、枯渇することなく
個体の生涯を通じて繰り返し出現することができる)、ならびに3)造血幹細胞またはそ
の子孫が移植レシピエントに再導入され、そこでそれらが造血幹細胞ニッチにホーミング
し、生産的かつ持続的な造血を回復させる能力。
【0160】
本明細書で使用される場合、用語「ヒト抗体」は、タンパク質の実質的に全ての部分(
例えば、全てのCDR、フレームワーク領域、CL、CHドメイン(例えば、CH1、CH2、CH3)、
ヒンジ、ならびにVLおよびVHドメイン)が、ヒトにおいて実質的に非免疫原性であり、ほ
んのわずかな配列の変化または変異のみの抗体を指す。ヒト抗体は、ヒト細胞において(
例えば、組み換え発現によって)、または機能的に再配列されたヒト免疫グロブリン(重
鎖および/もしくは軽鎖などの)遺伝子を発現することができる非ヒト動物もしくは原核
生物細胞もしくは真核生物細胞によって、産生され得る。ヒト抗体が一本鎖抗体である場
合、それは天然のヒト抗体には見られないリンカーペプチドを含み得る。例えば、Fvは、
重鎖の可変領域と軽鎖の可変領域とを連結する、2~約8個のグリシンまたは他のアミノ酸
残基などのリンカーペプチドを含み得る。そのようなリンカーペプチドはヒト起源のもの
とみなされる。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用い
たファージディスプレイ法を含む、当該技術分野で知られているさまざまな方法によって
作製することができる。ヒト抗体は、機能的内因性免疫グロブリンを発現することはでき
ないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができるトランスジェニックマウスを
使用して産生することもできる(例えば、PCT公開番号WO 1998/24893;WO 1992/01047;W
O 1996/34096;WO 1996/33735;米国特許第5,413,923;5,625,126;5,633,425;5,569,82
5;5,661,016;5,545,806;5,814,318;5,885,793;5,916,771;および5,939,598号明細
書を参照)。
【0161】
本明細書で使用される場合、用語「ヒト化」抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する
最小配列を含む非ヒト抗体を指す。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2
つの可変ドメインの実質的に全部を含み、ここでCDR領域の全部または実質的に全部が、
非ヒト免疫グロブリンのものに対応する。FW領域の全部または実質的に全部がまた、ヒト
免疫グロブリン配列のものであり得る。ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の
少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のそれも含み得る。抗
体のヒト化の方法は当該技術分野において知られており、例えば、Riechmann et al., Na
ture 332:323-7, 1988;米国特許第5,530,101;5,585,089;5,693,761;5,693,762;およ
び6,180,370号明細書などで説明されている。
【0162】
本明細書で使用される場合、造血幹細胞移植を「必要とする」患者には、1つ以上の血
液細胞型に欠陥または欠乏を示す患者、ならびに幹細胞障害、自己免疫疾患、がん、また
は他の本明細書に記載の病状を有する患者が含まれる。造血幹細胞は、一般に、1)多能
性を示し、したがって、顆粒球(例えば、前骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球)、赤血
球(例えば、網状赤血球、赤血球)、血小板(例えば、巨核球、血小板産生巨核球、血小
板)、単球(例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、小膠細胞、破骨細胞、および
リンパ球(例えば、NK細胞、B細胞およびT細胞)を含むが、これらに限定されない複数の
異なる血系列に分化することができ、2)自己複製を示し、したがって、母細胞と同等の
能力を有する娘細胞を生じさせることができ、ならびに3)移植レシピエントに再導入さ
れる能力を示し、そこでそれらが造血幹細胞ニッチにホーミングし、生産的かつ持続的な
造血を回復させる。したがって、欠陥または欠乏がある細胞集団をin vivoで再構築する
ために、造血幹細胞を、造血系統の1つ以上の細胞型に欠陥または欠乏のある患者に投与
することができる。例えば、患者はがんに罹患している場合があり、該欠乏は、選択的も
しくは非特異的にがん性細胞集団を枯渇させる化学療法剤または他の薬剤の投与によって
生じ得る。追加的にまたは代替的に、患者は、鎌状赤血球貧血、サラセミア、ファンコニ
貧血、再生不良性貧血、およびウィスコット-アルドリッチ症候群などの異常ヘモグロビ
ン症(例えば、非悪性異常ヘモグロビン症)に罹患している場合がある。被験体は、アデ
ノシンデアミナーゼ重症複合免疫不全症(ADA SCID)、HIV/AIDS、異染性白質ジストロフ
ィー、ダイヤモンド-ブラックファン貧血、およびシュワマン-ダイヤモンド症候群に罹患
している被験体であり得る。被験体は、遺伝性の血液障害(例えば、鎌状赤血球貧血)ま
たは自己免疫障害を患っているか、またはそれらの影響を受ける可能性がある。追加的に
または代替的に、被験体は、神経芽細胞腫または血液がんなどの悪性腫瘍を患っているか
、またはそれらの影響を受ける可能性がある。例えば、被験体は、白血病、リンパ腫、ま
たは骨髄腫を患っている場合がある。いくつかの実施形態では、被験体は、急性骨髄性白
血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、び
まん性大細胞型B細胞リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫を患っている。いくつかの実
施形態では、被験体は、骨髄異形成症候群を患っている。いくつかの実施形態では、被験
体は、強皮症、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型糖尿病、または本明細書
に記載の別の自己免疫病状などの自己免疫疾患を患っている。いくつかの実施形態では、
被験体は、キメラ抗原受容体T細胞(CART)療法を必要としている。いくつかの実施形態
では、被験体は、代謝性蓄積症を患っているか、そうでなければそれらの影響を受ける。
被験体は、以下を患っているか、そうでなければそれらの影響を受ける可能性がある:グ
リコーゲン蓄積症、ムコ多糖症、ゴーシェ病、ハーラー病、スフィンゴリピドーシス、異
染性白質ジストロフィーからなる群より選択される代謝障害、または、限定されないが以
下が挙げられる、本明細書に開示された治療および療法から利益を得る可能性がある別の
疾患もしくは障害:重症複合免疫不全、ウィスコット-アルドリッチ症候群、高免疫グロ
ブリンM(IgM)症候群、チェディアック・東症候群、遺伝性リンパ組織球増多症、大理石
骨病、骨形成不全症、蓄積症、サラセミアメジャー、鎌状赤血球症、全身性硬化症、全身
性エリテマトーデス、多発性硬化症、若年性関節リウマチ、および"Bone Marrow Transpl
antation for Non-Malignant Disease," ASH Education Book, 1:319-338 (2000)に記載
されている疾患または障害であって、その開示は、造血幹細胞移植療法の実施によって治
療され得る病状に関するものとして、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。追
加的または代替的に、造血幹細胞移植を「必要とする」患者は、前述の病状のうちの1つ
に罹患しているかまたは罹患していないが、それでもなお、巨核球、血小板、血小板、赤
血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、小膠細胞、顆粒球、単球、破骨
細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、Tリンパ球、
およびBリンパ球などの造血系統内の1つ以上の内因性細胞型の減少したレベルを(例えば
、他の点では健康な被験体のレベルと比較して)示す患者であり得る。当業者は、他の点
では健康な被験体に関して、1つ以上の前述の細胞型または他の血球型のレベルが低下し
ているかどうかを、例えば、当該技術分野で知られている他の手順の中でも、フローサイ
トメトリーおよび蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)方法を用いて、容易に決定するこ
とができる。
【0163】
本明細書で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」は、それが産生される方法で
はなく、任意の真核生物、原核生物、またはファージクローンを含む単一クローンに由来
する抗体を指す。
【0164】
本明細書で使用される場合、用語「レシピエント」は、造血幹細胞の集団を含む移植片
などの移植片を受ける患者を指す。レシピエントに投与される移植細胞は、例えば、自己
細胞、同系細胞、または同種異系細胞であり得る。
【0165】
本明細書で使用される場合、用語「試料」は、被験体から採取した検体(例えば、血液
、血液成分(例えば、血清または血漿)、尿、唾液、羊水、脳脊髄液、組織(例えば、胎
盤または真皮)、膵液、絨毛膜絨毛試料、および細胞)を指す。
【0166】
本明細書で使用される場合、用語「scFV」は、抗体由来の重鎖および軽鎖の可変ドメイ
ンが連結されて1本の鎖を形成している一本鎖Fv抗体を指す。scFVフラグメントは、リン
カーによって分離された、抗体軽鎖の可変領域(VL)(例えば、CDR-L1、CDR-L2、および
/またはCDR-L3)と抗体重鎖の可変領域(VH)(例えば、CDR-H1、CDR-H2、および/また
はCDR-H3)とを含む単一ポリペプチド鎖を含有する。scFVフラグメントのVLおよびVH領域
を連結するリンカーは、タンパク質新生アミノ酸からなるペプチドリンカーであり得る。
代替リンカーを、scFVフラグメントのタンパク質分解に対する耐性を増加させるように(
例えば、D-アミノ酸を含有するリンカー)、scFVフラグメントの溶解性を高めるために(
例えば、ポリエチレングリコール含有リンカーもしくは反復グリシンおよびセリン残基を
含有するポリペプチドなどの親水性リンカー)、分子の生物物理学的安定性を改善するた
めに(例えば、分子内もしくは分子間ジスルフィド結合を形成するシステイン残基を含有
するリンカー)、またはscFVフラグメントの免疫原性を弱めるために(例えば、グリコシ
ル化部位を含むリンカー)、使用することができる。本明細書に記載のscFV分子の可変領
域は、それらが由来する抗体分子とはアミノ酸配列が異なるように修飾することができる
ことも、当業者には理解されよう。例えば、保存的置換もしくはアミノ酸残基の変化をも
たらすヌクレオチドまたはアミノ酸置換を(例えば、CDRおよび/またはフレームワーク
残基において)、対応する抗体によって認識される抗原に結合するscFVの能力を保持また
は増強するように、実施することができる。
【0167】
本明細書で使用される場合、用語「被験体」および「患者」は、本明細書に記載される
ような特定の疾患または状態の治療を受ける、ヒトなどの生物を指す。例えば、ヒト患者
などの患者は、外因性造血幹細胞の生着を促進するために、造血幹細胞移植療法の前に治
療を受けてもよい。
【0168】
本明細書で使用される場合、句「血液から実質的に除去される」は、治療薬(抗CD45、
抗CD135、抗CD34、抗CD90、または抗CD110抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガ
ンドなど)の患者への投与後のある時点であって、患者から単離された血液試料中の治療
薬の濃度が、従来の手段によって治療薬を検出することができないようなときであるとき
(例えば、治療薬が、治療薬の検出に使用される装置またはアッセイのノイズ閾値を超え
て検出されないとき)を指す。当該技術分野で知られているまたは本明細書に記載される
ELISAベースの検出アッセイなどの、当該技術分野で知られているさまざまな技術が、抗
体、抗体フラグメント、およびタンパク質リガンドを検出するために使用され得る。抗体
、抗体フラグメント、およびタンパク質リガンドを検出するために使用され得る。追加的
アッセイは、当該技術分野で知られているものの中でも、免疫沈降技術および免疫ブロッ
トアッセイを含む。
【0169】
本明細書で使用される場合、語句「幹細胞障害」は、被験体の標的組織をコンディショ
ニングすることによって、および/または標的組織中の内因性幹細胞集団を切除すること
によって(例えば、内因性造血幹細胞もしくは前駆細胞集団を被験体の骨髄組織から除去
することによって)、および/または被験体の標的組織に幹細胞を生着させるもしくは移
植することによって治療もしくは治癒され得る任意の疾患、障害、または状態を広く指す
。例えば、I型糖尿病は、造血幹細胞移植によって治癒されることが示されており、本明
細書に記載の組成物および方法に従ってコンディショニングすることから利益を得る可能
性がある。本明細書に記載の組成物および方法を用いて治療することができるさらなる障
害は、鎌状赤血球貧血、サラセミア、ファンコニ貧血、再生不良性貧血、ウィスコット-
アルドリッチ症候群、ADA SCID、HIV/AIDS、異染性白質ジストロフィー、ダイヤモンド-
ブラックファン貧血、およびシュワマン-ダイヤモンド症候群が挙げられるが、これらに
限定されない。本明細書に記載の患者のコンディショニングおよび/または造血幹細胞移
植方法を用いて治療することができるさらなる疾患には、遺伝性の血液障害(例えば、鎌
状赤血球貧血)ならびに強皮症、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、およびクローン病などの
自己免疫障害が挙げられる。本明細書に記載のコンディショニングおよび/または移植方
法を使用して治療され得るさらなる疾患には、神経芽細胞腫などの悪性腫瘍、または、白
血病、リンパ腫、および骨髄腫などの血液がんが含まれる。例えば、がんは、急性骨髄性
白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫であり得る。本明細書に記
載のコンディショニングおよび/または移植方法を用いて治療可能なさらなる疾患には、
骨髄異形成症候群が含まれる。いくつかの実施形態では、被験体は、代謝性蓄積症を患っ
ているか、そうでなければそれらの影響を受ける。例えば、被験体は、以下を患っている
か、そうでなければそれらの影響を受ける可能性がある:グリコーゲン蓄積症、ムコ多糖
症、ゴーシェ病、ハーラー病、スフィンゴリピドーシス、異染性白質ジストロフィーから
なる群より選択される代謝障害、または、限定されないが以下が挙げられる、開示された
治療および療法から利益を得る可能性がある別の疾患もしくは障害:重症複合免疫不全、
ウィスコット-アルドリッチ症候群、高免疫グロブリンM(IgM)症候群、チェディアック
・東症候群、遺伝性リンパ組織球増多症、大理石骨病、骨形成不全症、蓄積症、サラセミ
アメジャー、鎌状赤血球症、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、若
年性関節リウマチ、および"Bone Marrow Transplantation for Non-Malignant Disease,"
ASH Education Book, 1:319-338 (2000)に記載されている疾患または障害であって、そ
の開示は、造血幹細胞移植療法の実施によって治療され得る病状に関するものとして、そ
の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0170】
本明細書で使用される場合、用語「治療する」または「治療」は、その目的が、望まし
くない生理学的変化もしくは障害を予防または減速(軽減)させることであるか、または
治療を受ける患者において有益な表現型を促進することである治療的処置を指す。有益な
または望ましい臨床結果には、本明細書に記載の抗体コンディショニング療法およびそれ
に続く造血幹細胞移植治療の後の患者における外因性造血細胞の生着の促進が挙げられる
が、これらに限定されない。さらなる有益な結果には、造血幹細胞移植を必要とする患者
における、コンディショニング療法およびそれに続く患者への外因性造血幹細胞移植片の
投与後の造血幹細胞の細胞数または相対濃度の増加が挙げられる。本明細書に記載の治療
の有益な結果には、コンディショニング療法およびそれに続く造血幹細胞移植治療の後の
、巨核球、血小板、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、
小膠細胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュ
ラルキラー細胞、Tリンパ球、またはBリンパ球などの造血系列の1つ以上の細胞の細胞数
または相対濃度の増加も含まれ得る。さらなる有益な結果には、がん細胞(例えば、CD45
+、CD135+、CD34+、CD90+、もしくはCD110+白血病細胞)または自己免疫細胞(例えば、
自己抗原と交差反応するT細胞受容体を発現するCD45+、CD135+、CD34+、CD90+、もしくは
CD110+T細胞などの、CD45+、CD135+、CD34+、CD90+、もしくはCD110自己免疫リンパ球)
の集団などの、疾患を引き起こす細胞集団の量の減少も含まれ得る。
【0171】
本明細書で使用される場合、用語「変異体」および「誘導体」は交換可能に使用され、
本明細書に記載の化合物、ペプチド、タンパク質、または他の物質の、天然、合成、およ
び半合成類似体を指す。本明細書に記載の化合物、ペプチド、タンパク質、もしくは他の
物質の変異体または誘導体は、元の材料の生物学的活性を、保持もしくは改善する場合が
ある。
【0172】
本明細書で使用される場合、用語「ベクター」は、プラスミド、DNAベクター、プラス
ミド、RNAベクター、ウイルス、または他の適切なレプリコンなどの核酸ベクターを含む
。本明細書に記載の発現ベクターは、ポリヌクレオチド配列、ならびに、例えば、タンパ
ク質の発現および/またはこれらのポリヌクレオチド配列の哺乳動物細胞のゲノムへの組
み込みに使用される追加的配列要素を含み得る。本発明の抗体および抗体フラグメントの
発現に用いることができる特定のベクターは、遺伝子転写を指示するプロモーターおよび
エンハンサー領域などの調節配列を含有するプラスミドを含む。抗体および抗体フラグメ
ントの発現のための他の有用なベクターは、これらの遺伝子の翻訳速度を増強するか、ま
たは遺伝子転写から生じるmRNAの安定性もしくは核外輸送を改善するポリヌクレオチド配
列を含有する。これらの配列要素は、例えば、発現ベクターで運ばれる遺伝子の効率的な
転写を指示するための、5'および3'非翻訳領域とポリアデニル化シグナル部位とを含み得
る。本明細書に記載の発現ベクターは、そのようなベクターを含む細胞を選択するための
マーカーをコードするポリヌクレオチドを含有し得る。適切なマーカーの例には、アンピ
シリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、およびノウルセオトリシンなどの抗生物
質に対する耐性をコードする遺伝子が挙げられる。
【0173】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、例えば、鎖中に1~20個の炭素原子
を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、
イソペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなどが挙げられる。
【0174】
本明細書で使用される場合、用語「アルキレン」は、直鎖または分岐鎖の二価アルキル
基を指す。二価の位置は、アルキル鎖内の同じまたは異なる原子上にあり得る。アルキレ
ンの例には、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレンなどが挙げられる。
【0175】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキル」は、例えば、鎖中に1~20個の炭
素原子を有し、さらに鎖中に1個以上のヘテロ原子(例えば、とりわけ酸素、窒素、また
は硫黄)を含有する直鎖または分岐鎖アルキル基を指す。
【0176】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキレン」は、直鎖または分岐鎖の二価ヘ
テロアルキル基を指す。二価の位置は、ヘテロアルキル鎖内の同じまたは異なる原子上に
あり得る。二価の位置は、1個以上のヘテロ原子であり得る。
【0177】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、例えば、鎖中に2~20個の炭素原
子を有する直鎖または分岐鎖アルケニル基を指す。アルケニル基の例には、ビニル、プロ
ペニル、イソプロペニル、ブテニル、tert-ブチレニル、ヘキセニルなどが挙げられる。
【0178】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニレン」は、直鎖または分岐鎖の二価アルケ
ニル基を指す。二価の位置は、アルケニル鎖内の同じまたは異なる原子上にあり得る。ア
ルケニレンの例には、エテニレン、プロペニレン、イソプロペニレン、ブテニレンなどが
挙げられる。
【0179】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルケニル」は、例えば、鎖中に2~20個の
炭素原子を有し、さらに鎖中に1個以上のヘテロ原子(例えば、とりわけ酸素、窒素、ま
たは硫黄)を含有する直鎖または分岐鎖アルケニル基を指す。
【0180】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルケニレン」は、直鎖または分岐鎖の二価
ヘテロアルケニル基を指す。二価の位置は、ヘテロアルケニル鎖内の同じまたは異なる原
子上にあり得る。二価の位置は、1個以上のヘテロ原子であり得る。
【0181】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、例えば、鎖中に2~20個の炭素原
子を有する直鎖または分岐鎖アルキニル基を指す。アルキニル基の例には、プロパルギル
、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが挙げられる。
【0182】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニレン」は、直鎖または分岐鎖の二価アルキ
ニル基を指す。二価の位置は、アルキニル鎖内の同じまたは異なる原子上にあり得る。
【0183】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキニル」は、例えば、鎖中に2~20個の
炭素原子を有し、さらに鎖中に1個以上のヘテロ原子(例えば、とりわけ酸素、窒素、ま
たは硫黄)を含有する直鎖または分岐鎖アルキニル基を指す。
【0184】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキニレン」は、直鎖または分岐鎖の二価
ヘテロアルキニル基を指す。二価の位置は、ヘテロアルキニル鎖内の同じまたは異なる原
子上にあり得る。二価の位置は、1個以上のヘテロ原子であり得る。
【0185】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、飽和であり、例えば、3~12
個の炭素環原子を有する、単環式、または縮合、架橋、もしくはスピロ多環式環構造を指
す。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサンなどが挙げら
れる。
【0186】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキレン」は、二価のシクロアルキル基を
指す。二価の位置は、環構造内の同じまたは異なる原子上にあり得る。シクロアルキレン
の例には、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンな
どが挙げられる。
【0187】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクロアルキル」は、飽和であり、例えば、
炭素原子と、例えば、とりわけ窒素、酸素、および硫黄から選択されるヘテロ原子とから
選択される3~12個の環原子を環構造当たりに有する、単環式、または縮合、架橋、もし
くはスピロ多環式環構造を指す。環構造は、例えば、炭素、窒素、または硫黄の環員上に
1つ以上のオキソ基を含有し得る。
【0188】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクロアルキレン」は、二価のヘテロシクロ
アルキル基を指す。二価の位置は、環構造内の同じまたは異なる原子上にあり得る。二価
の位置は、1個以上のヘテロ原子であり得る。
【0189】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、例えば、6~19個の炭素原子を含有
する単環式または多環式芳香環系を指す。アリール基には、フェニル、フルオレニル、ナ
フチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0190】
本明細書で使用される場合、用語「アリーレン」は、二価のアリール基を指す。二価の
位置は、同じまたは異なる原子上にあり得る。
【0191】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、単環式ヘテロ芳香族、または
二環式もしくは三環式の縮合環ヘテロ芳香族基を指す。ヘテロアリール基には、以下が挙
げられる:ピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソ
オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-
トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジア-ゾリル、1,2,5-オキサジア
ゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフ
リル、[2,3-ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリア
ゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンゾイ
ミダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノ
リジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニ
ル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、キノリ
ル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒド
ロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、ベンゾキノリ
ルなど。
【0192】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリーレン」は、二価ヘテロアリール基を指
す。二価の位置は、同じまたは異なる原子上にあり得る。二価の位置は、1個以上のヘテ
ロ原子であり得る。
【0193】
個々の置換基の定義によって特に制限されない限り、前述の化学的部位、例えば「アル
キル」、「アルキレン」、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルキレン」、「アルケニル」
、「アルケニレン」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルケニレン」、「アルキニル」
、「アルキニレン」、「ヘテロアルキニル」、「ヘテロアルキニレン」、「シクロアルキ
ル」、「シクロアルキレン」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキレン」
、「アリール」、「アリーレン」、「ヘテロアリール」、および「ヘテロアリーレン」基
は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキ
ル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、アルキルシクロアルキル、アルキルヘ
テロシクロアルキル、アミノ、アンモニウム、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、ア
ミノカルボニル、アルコキシカルボニル、ウレイド、カルバメート、アリール、ヘテロア
リール、スルフィニル、スルホニル、アルコキシ、スルファニル、ハロゲン、カルボキシ
、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロなどからなる群より選択さ
れる1~5個の置換基で任意に置換されていてもよい。置換は、隣接官能置換基の閉環など
、隣接置換基が閉環を受けて、例えば、閉環により形成されるラクタム、ラクトン、環状
無水物、アセタール、ヘミアセタール、チオアセタール、アミナール、およびヘミナミナ
ールを形成し、例えば、保護基を供給する状況を含み得る。
【0194】
(造血細胞抗原を認識する抗体)
本発明は、以下の発見に一部基づいている:CD45、CD135、CD34、CD90、またはCD110に
結合することができる抗体、その抗原結合フラグメント、およびリガンドを治療剤として
使用し、(i)これらの抗原のうちの1つ以上を発現する細胞を特徴とするがんおよび自己
免疫疾患を直接治療することができ、ならびに(ii)移植治療を必要とする患者における
移植された造血幹細胞の生着を促進することができる。これらの治療活性は、例えば、抗
体、その抗原結合フラグメント、および/またはリガンドの、がん細胞、自己免疫細胞、
または造血幹細胞などの細胞の表面上に発現される前述の抗原のうちの1つ以上への結合
と、それに続く細胞死の誘導とによって引き起こされ得る。内因性造血幹細胞の枯渇は、
移植された造血幹細胞がホーミングすることができるニッチを提供し、それに続く生産的
な造血を確立することができる。このようにして、移植された造血幹細胞は、本明細書に
記載の幹細胞障害を患っているヒト患者などの患者にうまく生着することができる。以下
の節では、これらの抗原の各々、ならびにこれらの標的に結合することができる抗体およ
びその抗原結合フラグメントについて説明する。
【0195】
(抗CD45抗体)
アイソフォームCD45ROに結合することができるものを含む、ヒトCD45に結合することが
できる抗体および抗原結合フラグメント(mRNA NCBI参照配列:NM_080921.3、タンパク質
NCBI参照配列:NP_563578.2)を、本明細書に開示の組成物および方法と併せて使用し、
例えば、造血幹細胞移植治療を必要とする患者における造血幹細胞移植片の生着を促進す
ることができる。CD45の複数のアイソフォームは、一次転写物中の34個のエクソンの選択
的スプライシングから生じる。エクソン4、5、6、および潜在的に7のスプライシングは、
複数のCD45変異を引き起こす。選択的エキソン発現は、下記の表1に記載のCD45アイソフ
ォームにおいて観察される。
【表1】
【0196】
選択的スプライシングは、CD45タンパク質のさまざまなアイソフォーム(例えば、CD45
RA、CD45RAB、CD45RABC)において発現される個々のエキソンまたはエキソンの組み合わ
せをもたらすことができる。対照的に、CD45ROはエクソン4~6の発現を欠いており、エク
ソン1~3および7~34の組み合わせから生成される。エクソン7もタンパク質から排除され
得、その結果エクソン1~3および8~34が一緒にスプライシングされるという証拠がある
。E3~8と命名されたこのタンパク質は、mRNAレベルでは検出されているが、フローサイ
トメトリーによっては現在同定されていない。
【0197】
CD45ROは、現在、造血幹細胞上に発現される唯一の既知CD45アイソフォームである。CD
45RAおよびCD45RABCは、検出されていないか、または造血幹細胞の表現型から除外されて
いる。マウスで行われた研究から、CD45RBは胎児造血幹細胞で発現されるが、成体骨髄造
血幹細胞には存在しないという証拠がある。特に、CD45RCは、アジア人口内で見られるエ
クソン6の多型率が高い(CD45RCのエクソン6の多型は、日本人口の約25%で見られる)。
この多型は、CD45ROの高発現と、CD45RA、CD45RB、およびCD45RCのレベルの低下をもたら
す。さらに、CD45RA変異体(CD45RABおよびCD45RACなど)は、自己免疫疾患と関連してい
るエクソン4において多型を示す。
【0198】
造血幹細胞上のCD45ROの存在と、他の免疫細胞(TおよびBリンパ球サブセットならびに
さまざまな骨髄細胞など)上でのその比較的限られた発現とは、CD45ROを、造血幹細胞移
植を必要とする患者のコンディショニング療法に特に適した標的とする。CD45ROは、エク
ソン4、5、および6の発現を欠くだけであるため、免疫原としてのその使用は、全CD45 Ab
およびCD45RO特異的抗体のスクリーニングを可能にする。
【0199】
本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併せて使用することができる抗CD45抗
体には、例えば、BIOLEGEND(登録商標)(サンディエゴ、カリフォルニア州)から市販
されている抗CD45抗体クローンHI30、ならびにそのヒト化変異体が挙げられる。抗体のヒ
ト化は、当該技術分野で知られている手順に従って、非ヒト抗体のフレームワーク残基お
よび定常領域残基を、生殖系列ヒト抗体のそれらと置換することによって行うことができ
る(例えば、下記の実施例7に記載)。本明細書に記載の方法と併せて使用することがで
きる追加の抗CD45抗体には、ABCAM(登録商標)(ケンブリッジ、マサチューセッツ州)
から市販されている、抗CD45抗体ab10558、EP322Y、MEM-28、ab10559、0.N.125、F10-89-
4、HIe-1、2B11、YTH24.5、PD7/26/16、F10-89-4、1B7、ab154885、B-A11,蛍光体S1007、
ab170444、EP350、Y321、GA90、D3/9、X1 6/99、およびLT45、ならびにそれらのヒト化変
異体が挙げられる。本明細書に記載の患者のコンディショニング手順と併せて使用するこ
とができるさらなる抗CD45抗体には、SIGMA-ALDRICH(登録商標)(セントルイス、ミズ
ーリ州)から市販されている、抗CD45抗体HPA000440、およびそのヒト化変異体が挙げら
れる。本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併せて使用することができる追加
の抗CD45抗体には、例えば、Matthews et al., Blood 78:1864-1874, 1991に記載されて
いるマウスモノクローナル抗体BC8が挙げられ、その開示は、抗CD45抗体、ならびにその
ヒト化変異体に関するものとして参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の
方法と併せて使用することができるさらなる抗CD45抗体には、例えば、Glatting et al.,
J. Nucl. Med. 8:1335-1341, 2006に記載されているモノクローナル抗体YAML568が挙げ
られ、その開示は、抗CD45抗体、ならびにそのヒト化変異体に関するものとして参照によ
り本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の患者のコンディショニング手順と併用して
使用することができる追加の抗CD45抗体には、例えば、Brenner et al., Ann. N.Y. Acad
. Sci. 996:80-88, 2003に記載されているモノクローナル抗体YTH54.12およびYTH25.4が
挙げられ、その開示は、抗CD45抗体、ならびにそのヒト化変異体に関するものとして参照
により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併用し
て使用するための追加の抗CD45抗体には、例えば、Brown et al., Immunology 64:331-33
6, 1998に記載されているUCHL1、2H4、SN130、MD4.3、MBI、およびMT2が挙げられ、その
開示は、抗CD45抗体、ならびにそのヒト化変異体に関するものとして参照により本明細書
に組み込まれる。本明細書に記載の方法と併せて使用することができる追加の抗CD45抗体
には、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)受託番号RA3-6132、RA3-2C2、
およびTIB122から産生および放出されたもの、ならびに、例えば、Johnson et al., J. E
xp. Med. 169:1179-1184, 1989に記載されてるモノクローナル抗体C363.16A、および13/2
が挙げられ、その開示は、抗CD45抗体、ならびにそのヒト化変異体に関するものとして参
照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併せ
て使用することができるさらなる抗CD45抗体には、例えば、Harvath et al., J. Immunol
. 146:949-957, 1991に記載されているモノクローナル抗体AHN-12.1、AHN-12、AHN-12.2
、AHN-12.3、AHN-12.4、HLe-1、およびKC56(T200)が挙げられ、その開示は、抗CD45抗
体、ならびにそのヒト化変異体に関するものとして参照により本明細書に組み込まれる。
【0200】
本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併せて使用することができる追加の抗
CD45抗体には、例えば、米国特許第7,265,212号(例えば、他のクローンの中でも抗CD45
抗体39E11、16C9、および1G10を記載する);7,160,987(例えば、モノクローナル抗体6G
3などの、ATCC受託番号HB-11873によって産生および放出される抗CD45抗体を記載する)
;ならびに6,099,838(抗CD45抗体MT3、ならびにATCC受託番号HB220(MB23G2とも指名さ
れる)およびHB223によって産生および放出される抗体を記載する)、ならびに米国特許
第2004/0096901号および米国特許第2008/0003224号(例えば、ATCC受託託番号PTA-7339に
よって産生および放出される抗CD45抗体、例えばモノクローナル抗体17.1を記載する)に
記載のものが挙げられ、それらの各々の開示は、抗CD45抗体に関するものとして参照によ
り本明細書に組み込まれる。
【0201】
本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併せて使用することができるさらなる
抗CD45抗体には、ATCC受託託番号MB4B4、MB23G2、14.8、 GAP 8.3、74-9-3、I/24.D6、9.
4、4B2、M1/9.3.4.HL.2から産生および放出される抗体、ならびにそれらのヒト化および
/または親和性成熟変異体が挙げられる。親和性成熟は、例えば、以下の実施例6に記載
されるように、ファージディスプレイなどの、本明細書に記載のまたは当該技術分野にお
いて知られているin vitroディスプレイ技術を使用して遂行することができる。
【0202】
本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併せて使用することができる追加の抗
CD45抗体には、例えば、Morikawa et al., Int. J. Hematol. 54:495-504, 1991に記載さ
れている抗CD45抗体T29/33が挙げられ、その開示は、抗CD45抗体に関するものとして参照
により本明細書に組み込まれる。
【0203】
前述の刊行物の各々の開示は、それらが抗CD45抗体に関するものとして参照により本明
細書に組み込まれる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得る抗体およ
び抗原結合フラグメントには、上記の抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびに上
記の非ヒト抗体および抗原結合フラグメントのヒト化変異体、および、例えば、競合的CD
45結合アッセイによって評価されるように、上記のものと同じエピトープに結合する抗体
または抗原結合フラグメントが挙げられる。
【0204】
(抗CD135抗体)
本発明は、CD135に結合することができる抗体およびその抗原結合フラグメント(Flt2
およびFlt3とも呼ばれる)を治療剤として使用し、がんおよび自己免疫疾患を直接治療す
ることができ、ならびに移植治療を必要とする患者における移植造血幹細胞の生着を促進
することができるという発見に一部基づいている。さらに、ヒトFlt3リガンドなどのCD13
5に結合するリガンドを使用して、がんおよび自己免疫疾患を直接治療することができ、
ならびに移植治療を必要とする患者における移植造血幹細胞の生着を促進することができ
ることが発見された。ヒトFlt3リガンドなどのこれらのリガンドは、例えば、抗体依存性
細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を促進するために、Fcドメインなどのエフェクタードメイン
に共有結合することができる。
【0205】
造血幹細胞はCD135を発現することが示されており、なぜなら、この抗原は、Mcl-1のア
ップレギュレーションを促進し、これは次に造血中の細胞生存を調節することが報告され
ている受容体チロシンキナーゼであるためである(例えば、その開示が、造血幹細胞によ
るCD135の発現に関するものとして参照により本明細書に組み込まれるJ. Immunol. 180:7
358-7367, 2008を参照)。この細胞表面抗原に結合することができる抗体、その抗原結合
フラグメント、およびリガンドは、当該技術分野で知られていて本明細書に記載される技
術を用いて、例えば免疫化、計算モデリング技術、ならびに下記に記載のファージディス
プレイおよび細胞ベースのディスプレイプラットフォームなどのin vitro選択法などによ
って同定することができる。
【0206】
本明細書に開示の患者コンディショニング方法と併せて使用することができる抗CD135
抗体には、以下のCDRのうちの1つ以上、または全てを有するものが含まれる:
a.アミノ酸配列SYYMH(配列番号1)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列IINPSGGSTSYAQKFQG(配列番号2)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列GVGAHDAFDI(配列番号3)またはVVAAAVADY(配列番号4)を有するCDR
-H3;
d.アミノ酸配列RSSQSLLHSNGNNYLD(配列番号5)またはRSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号6
)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列LGSNRAS(配列番号7)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列MQGTHPAIS(配列番号8)またはMQSLQTPFT(配列番号9)を有するCDR-
L3。
【0207】
本明細書に開示の患者コンディショニング方法と併せて使用することができる追加の抗
CD135抗体には、以下のCDRのうちの1つ以上、または全てを有するものが含まれる:
a.アミノ酸配列SYAIS(配列番号10)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列GIIPIFGTANYAQKFQG(配列番号11)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列FALFGFREQAFDI(配列番号12)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSISSYLN(配列番号13)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列AASSLQS(配列番号14)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQSYSTPFT(配列番号15)を有するCDR-L3。
【0208】
前述の抗体は、例えば、米国特許第8,071,099号に記載されており、その開示は、抗CD1
35抗体およびその抗原結合フラグメントに関するものとして参照により本明細書に組み込
まれる。IMC-EB10およびIMC-NC7などの、米国特許第8,071,099号に開示されている抗体お
よびそのフラグメントを、本明細書に開示されている方法と併せて使用することができる
【0209】
上記に加えて、本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併せて使用することが
できる抗CD135抗体には、以下のCDRのうちの1つ以上、または全てを有するものが含まれ
る:
a.アミノ酸配列SYWMH(配列番号22)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列EIDPSDSYKDYNQKFK(配列番号23)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列AITTTPFDF(配列番号24)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列RASQSISNNLH(配列番号25)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列YASQSIS(配列番号26)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QQSNTWPYT(配列番号27)を有するCDR-L3。
【0210】
本明細書に開示される患者コンディショニング方法と併せて使用することができる追加
の抗CD135抗体には、以下のCDRのうちの1つ以上、または全てを有するものが含まれる:
a.アミノ酸配列NYGLH(配列番号28)を有するCDR-H1;
b.アミノ酸配列VIWSGGSTDYNAAFIS(配列番号29)を有するCDR-H2;
c.アミノ酸配列KGGIYYANHYYAMDY(配列番号30)を有するCDR-H3;
d.アミノ酸配列KSSQSLLNSGNQKNYM(配列番号31)を有するCDR-L1;
e.アミノ酸配列GASTRES(配列番号32)を有するCDR-L2;および
f.アミノ酸配列QNDHSYPLT(配列番号33)を有するCDR-L3。
【0211】
前述の抗体は、例えば、米国特許第9,023,996号に記載されており、その開示は、抗CD1
35抗体およびその抗原結合フラグメントに関するものとして参照により本明細書に組み込
まれる。クローン4G8およびBV10などの米国特許第9,023,996号に開示されている抗体およ
びそのフラグメントを、本明細書に開示の方法と併せて使用することができる。
【0212】
本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併せて使用することができる他の抗CD
135抗体には、例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)受託番号ATCC
HB 11,557によって産生および放出される抗体が含まれ、それは、例えば、米国特許第5,6
35,388号に記載されており、その開示は、抗CD135抗体に関するものとして参照により本
明細書に組み込まれる。本明細書に記載の患者コンディショニング方法と併せて使用する
ことができる追加の抗CD135抗体には、例えば、1995年12月19日時点で、ブダペスト条約
に基づいて番号DSM ACC2249のもとで国際寄託機関DSMZ-Deutsche Sammung von Mikroorga
nismen und Zellkulturen GmbH Mascheroder Weg 1b(D-38124、ブラウンシュワイク、ド
イツ)に寄託されて、4G8B4B 12と命名されたハイブリドーマ細胞によって産生および放
出される抗体が挙げられ、それは、例えば、米国特許第6,156,882号に記載されており、
その開示は、抗CD135抗体に関するものとして参照により本明細書に組み込まれる。本明
細書に記載の患者コンディショニング方法と併せて使用することができる追加の抗CD135
抗体には、例えば、1995年12月19日に、ブダペスト条約に基づいて番号DSM ACC2248のも
とでGerman Collection of Microorganisms and Cell Cultures Ltd.に寄託され、BV10A4
H2と命名されたハイブリドーマ細胞によって産生および放出される抗体が挙げられ、それ
は、例えば、米国特許第5,777,084号に記載されており、その開示は、抗CD135抗体に関す
るものとして参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の患者コンディショニ
ング方法と併せて使用することができる追加の抗CD135抗体には、例えば、米国特許第7,1
83,385号に記載されているATCC受託番号FTA-4089によって産生および放出される抗体が含
まれ、その開示は、抗CD135抗体に関するものとして参照により本明細書に組み込まれる
。追加の抗CD135抗体は、米国特許第5,548,065号(例えば、ATCC受託託番号CRL 10907, C
RL 10935, CRL 10936およびCRL 11005によって産生および放出される抗CD135抗体、その
抗原結合フラグメント、およびリガンドを含む)および9,109,227号、ならびに米国特許
出願公開第2009/0054358号に記載されており、これらの各々の開示は、抗CD135抗体に関
するものとして参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の方法と併せて使用
するための他の抗CD135抗体には、例えば、米国特許出願公開第2010/0093008号に記載さ
れているように、ウサギハイブリドーマ細胞系C24D9によって産生される抗体、およびそ
のヒト化変異体が挙げられ、その開示は、抗CD135抗体に関するものとして参照により本
明細書に組み込まれる。
【0213】
上記に加えて、CD135に結合することができる抗体およびその抗原結合フラグメントに
は、国際公開第1995/007348号に記載されているものが挙げられ、その開示は、抗CD135抗
体に関するものとして参照により本明細書に組み込まれる。例えば、ATCC受託入番号HB 1
1442により産生および放出されるラット抗体19Aのヒト化変異体、ATCC受託託番号HB 1144
3により産生および放出される抗体23Hのヒト化変異体、ATCC受託託番号11444により産生
および放出される抗体2A13のヒト化変異体、ATCC受託託番号HB 11445により産生および放
出されるマウス抗体6J11のヒト化変異体および国際公開第1995/007348号に記載のラット
抗体7 IEのヒト化変異体を、本明細書に記載の方法と併せて使用し、造血幹細胞移植治療
の前に患者をコンディショニングすることができる。
【0214】
抗体および抗原結合フラグメントに加えて、ヒトFlt3リガンドなどのCD135リガンドを
患者に、本明細書に記載の方法に従い、例えば、がんもしくは自己免疫障害を治療するた
めに、または造血幹細胞移植治療の前に患者をコンディショニングするために投与するこ
とができる。例えば、ヒトFlt3リガンドなどのCD135リガンドは、(例えば、以下に記載
される方法もしくは当該技術分野で知られている方法に従って)細胞毒素またはFcドメイ
ンなどの別のエフェクター分子にコンジュゲートすることができる。本明細書に記載の方
法と併せて使用するためのCD135リガンドには、例えば、ヒトFlt3リガンド-IgG1 Fcコン
ジュゲート、ヒトFlt3リガンド-IgG2 Fcコンジュゲート、ヒトFlt3リガンド-IgG3 Fcコン
ジュゲート、およびヒトFlt3リガンド-IgG4 Fcコンジュゲート、例えば、ADIPOGEN(登録
商標)(サンディエゴ、カリフォルニア州)、製品番号AG-40B-0119により製造されるも
のなどが挙げられる。
【0215】
前述の刊行物の各々の開示は、抗CD135抗体に関するものとして参照により本明細書に
組み込まれる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得る抗体および抗原
結合フラグメントには、上記の抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびに上記の非
ヒト抗体および抗原結合フラグメントのヒト化変異体、および、例えば、競合的CD135結
合アッセイによって評価されるように、上記のものと同じエピトープに結合する抗体また
は抗原結合フラグメントが挙げられる。
【0216】
(抗CD34抗体)
ヒトCD34(mRNA NCBI参照配列:NM_001025109.1、タンパク質NCBI参照配列:NP_001020
280.1)に結合することができる抗体および抗原結合フラグメントは、本明細書に記載の
組成物および方法と併せて使用することができる。有意な割合の集団においてCD34のコー
ド領域または細胞外ドメインに影響を及ぼす多型の理解は、まだ確立されていない。それ
らの細胞質尾部の長さが異なる(長いおよび短い)CD34の2つのアイソフォームがある。
近年、長いアイソフォームを使用して、免疫原として使用することができるCD34を発現す
る安定な細胞株が生成された(例えば、Adv. Pharm. Bull. 5:69-75, 2015を参照)。CD3
4、例えばCD34の長いアイソフォームなどは、CD34に結合することができ、例えばがんお
よび自己免疫疾患の治療に適した抗体およびその抗原結合フラグメントを同定するための
免疫原として使用することができ、ならびに造血幹細胞移植治療の前のコンディショニン
グ剤としての使用もできる。
【0217】
本明細書に記載の方法と併せて使用することができるCD34抗体には、例えば米国特許第
5,843,633号に記載されているような、ATCC受託託番号AC133.1およびHB 12346から産生お
よび放出される抗体が含まれるが、これらに限定されない。
【0218】
前述の刊行物の開示は、抗CD34抗体に関するものとして参照により本明細書に組み込ま
れる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得る抗体および抗原結合フラ
グメントには、上記の抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびに上記の非ヒト抗体
および抗原結合フラグメントのヒト化変異体、および、例えば、競合的CD34結合アッセイ
によって評価されるように、上記のものと同じエピトープに結合する抗体または抗原結合
フラグメントが挙げられる。
【0219】
(抗CD90抗体)
ヒトCD90に結合することができる抗体およびその抗原結合フラグメントを、本明細書に
記載の組成物および方法と併せて使用することができる。造血幹細胞は、ヒト臍帯血のLi
n-CD34+CD38-CD90+CD45RA-画分が富化されて造血幹細胞を含むと報告されているため、CD
90を発現することが示されている(例えば、Majeti et al., Cell Stem Cell 1:635-645,
2007を参照、その開示は、造血幹細胞によるCD90の発現に関するものとして参照により
本明細書に組み込まれる)。この細胞表面抗原に結合することができる抗体および抗原結
合フラグメントは、免疫化ならびに下記のファージディスプレイおよび細胞ベースのディ
スプレイプラットフォームを含むin vitro選択技術などの、当該技術分野で知られている
および本明細書に記載の技術を用いて産生され得る。
【0220】
本明細書に記載の方法と併せて使用することができる抗CD90抗体には、限定されないが
、EPR3132、EPR3133、AF-9、5E10、F15-42-1、7E1B11、ab189367、aTHy-1A1、ab106934、
およびab110477が挙げられ、これらはABCAM(登録商標)(ケンブリッジ、マサチューセ
ッツ州)から市販されているもの、ならびにそれらのヒト化変異体である。
【0221】
本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得る抗体および抗原結合フラグメ
ントには、上記の抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびに上記の非ヒト抗体およ
び抗原結合フラグメントのヒト化変異体、および、例えば、競合的CD90結合アッセイによ
って評価されるように、上記のものと同じエピトープに結合する抗体または抗原結合フラ
グメントが挙げられる。
【0222】
(抗CD110抗体)
ヒトCD110に結合することができる抗体およびその抗原結合フラグメント(c-mplおよび
血小板受容体(TPO)とも呼ばれる)を、本明細書に記載の組成物および方法と併せて使
用することができる。造血幹細胞はCD110を発現することが示されており、CD110の発現は
、造血幹細胞の機能的潜在能力と相関し、造血幹細胞が分化して造血系列に成長するにつ
れて減少する(例えば、Ninos et al., J. Transl. Med. 4:9, 2006を参照し、その開示
は、造血幹細胞によるCD110の発現に関するものとして参照により本明細書に組み込まれ
る)。この細胞表面抗原に結合することができる抗体および抗原結合フラグメントは、免
疫化ならびに下記のファージディスプレイおよび細胞ベースのディスプレイプラットフォ
ームを含むin vitro選択技術などの、当該技術分野で知られているおよび本明細書に記載
の技術を用いて育てられ得る。
【0223】
本明細書に記載のがん治療方法、自己免疫疾患治療方法、および患者コンディショニン
グ方法などの本明細書に記載の方法と併せて使用することができる抗CD110抗体には、例
えば、De Gobbi et al., Epigenetics Chromatin 4:9, 2011;Erickson-Miller et al.,
BMC Cancer 12:405, 2012;およびPetit Cocault et al., Exp. Hematol. 44:297-302, 2
016に記載のクローンBAH-1, 1.78.1、および1.6.1が挙げられ、それらの各々の開示は、
抗CD110抗体に関するものとして参照により本明細書に組み込まれる。
【0224】
前述の刊行物の各々の開示は、抗CD110抗体に関するものとして参照により本明細書に
組み込まれる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得る抗体および抗原
結合フラグメントには、上記の抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびに上記の非
ヒト抗体および抗原結合フラグメントのヒト化変異体、および、例えば、競合的CD110結
合アッセイによって評価されるように、上記のものと同じエピトープに結合する抗体また
は抗原結合フラグメントが挙げられる。
【0225】
(追加の抗体およびその抗原結合フラグメント)
本明細書に記載の方法と併せて使用するための抗体およびリガンドには、Fcドメインを
含むかまたは欠く抗体フラグメントなどの上記の抗体の変異体、ならびに本明細書に記載
の抗体、抗体フラグメント、またはリガンドの1つ以上もしくは全てのCDRまたはその等価
領域を含む、本明細書に記載の非ヒト抗体のヒト化変異体および抗体様タンパク質足場(
例えば、10Fn3ドメイン)が挙げられる。前述の抗体の例示的な抗原結合フラグメントに
は、とりわけ、二重可変免疫グロブリンドメイン、一本鎖Fv分子(scFv)、ダイアボディ
、トリアボディ、ナノボディ、抗体様タンパク質足場、Fvフラグメント、Fabフラグメン
ト、F(ab')2分子、およびタンデムジ-scFvが挙げられる。
【0226】
(併用療法の方法)
本明細書に記載の方法を使用して、当業の内科医は、がんもしくは自己免疫疾患につい
て患者を治療することができ、または造血幹細胞移植治療の前に、本明細書に記載の1つ
以上の抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドを投与することによって患者を
コンディショニングすることができる。例えば、内科医は、CD45(例えば、CD45RO)を認
識して結合する抗体、その抗原結合フラグメント、もしくはリガンドを、単独で、または
CD135を認識して結合する抗体、その抗原結合フラグメント、もしくはリガンド、CD34を
認識して結合する抗体、その抗原結合フラグメント、もしくはリガンド、CD90を認識して
結合する抗体、その抗原結合フラグメント、もしくはリガンド、ならびに/またはCD110
を認識して結合する抗体、その抗原結合フラグメント、もしくはリガンドと併用して投与
することによって、がんもしくは自己免疫疾患を治療するか、または造血幹細胞移植治療
のために患者をコンディショニングしてもよい。併用療法のための投薬計画は、2つ以上
の上記抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドの逐次投与を含み得、例えば、
第1の抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドを指定された時点で患者に投与
し、その後第2の抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドを患者に後の時点で
、例えば、合わせた治療用量の薬物動態プロファイルが最適化されるように投与する。本
明細書に記載の1つ以上の造血幹細胞抗原にそれぞれ結合する2つ以上の抗体、その抗原結
合フラグメント、またはリガンドは、患者(例えば、ヒト患者)に同時に投与することが
でき、単一の医薬組成物中で互いに混合してもよく、または異なる時間に投与してもよい
(例えば、互いに1~24時間以内、例えば、互いに1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、
6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時
間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、またはそれ以
上の時間以内)。
【0227】
抗体、その抗原結合フラグメント、およびリガンドは、単一の抗体を用いて複数の造血
幹細胞抗原を認識および結合するように患者に投与することができる。これは、例えば、
二重特異性抗体および多重特異性抗体を用いて達成することができる。例えば、CD45(例
えば、CD45RO)に選択的に結合する抗原結合フラグメントとCD135に選択的に結合する別
の抗原結合フラグメントとを含有する二重特異性抗体を、造血幹細胞移植治療を必要とす
る患者に投与することができるが、その目的は、CD45+CD135+細胞を枯渇させ、それによ
り造血組織(例えば骨髄)に、外因性造血幹細胞移植で補充することができる欠員を作り
出すためである。同様に、CD45(例えば、CD45RO)およびCD34に選択的に結合する抗原結
合フラグメントを含有する二重特異性抗体を患者に、造血幹細胞移植治療の前にCD34+CD4
5+細胞を枯渇させるために投与することができる。CD45(例えば、CD45RO)およびCD90に
選択的に結合する抗原結合フラグメントを含有する二重特異性抗体を、がんまたは自己免
疫疾患に罹患している患者などの患者に、造血幹細胞移植治療の前に、CD45+CD90+細胞を
枯渇させるために、同様に投与できる。さらに、CD45(例えば、CD45RO)およびCD110に
選択的に結合する抗原結合フラグメントを含有する二重特異性抗体を患者に、例えば、造
血幹細胞移植の前に、CD45+CD110+細胞を枯渇させるために、投与することができる。
【0228】
いくつかの実施形態では、CD135に選択的に結合する抗原結合フラグメントとCD34に選
択的に結合する別の抗原結合フラグメントとを含む二重特異性抗体を、例えば、がん、自
己免疫疾患に罹患している患者、または造血幹細胞移植治療を必要としている患者などの
患者に投与することができるが、その目的は、CD34+CD135+細胞を枯渇させ、それにより
造血組織(例えば、骨髄)に、外因性造血幹細胞移植で補充することができる欠員を作り
出すためである。同様に、CD135およびCD90に選択的に結合する抗原結合フラグメントを
含有する二重特異性抗体を患者に、造血幹細胞移植治療の前にCD90+CD135+細胞を枯渇さ
せるために投与することができる。CD135およびCD110に選択的に結合する抗原結合フラグ
メントを含有する二重特異性抗体を患者に、例えば、造血幹細胞移植治療の前にCD110+CD
135+細胞を枯渇させるために、同様に投与することができる。
【0229】
いくつかの実施形態では、CD34に選択的に結合する抗原結合フラグメントとCD90に選択
的に結合する別の抗原結合フラグメントとを含有する二重特異性抗体を、がん、自己免疫
疾患に罹患している患者、または造血幹細胞移植を必要とする患者に投与することができ
るが、その目的は、CD34+CD90+細胞を枯渇させ、それにより造血組織(例えば、骨髄)に
、外因性造血幹細胞移植で補充することができる欠員を作り出すためである。同様に、CD
34およびCD110に選択的に結合する抗原結合フラグメントを含む二重特異性抗体を患者に
、例えば、造血幹細胞移植治療の前にCD34+CD110+細胞を枯渇させるために投与すること
ができる。
【0230】
いくつかの実施形態では、CD90に選択的に結合する抗原結合フラグメントとCD110に選
択的に結合する別の抗原結合フラグメントとを含有する二重特異性抗体を、がん、自己免
疫疾患に罹患している患者、または造血幹細胞移植を必要とする患者に投与することがで
きるが、その目的は、CD90+CD110+細胞を枯渇させ、それにより造血組織(例えば、骨髄
)に、外因性造血幹細胞移植で補充することができる欠員を作り出すためである。
【0231】
(抗体およびリガンドを同定する方法)
CD45(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD90、およびCD110に結合することができる分
子についての抗体、抗体フラグメント、およびリガンドライブラリーのハイスループット
スクリーニングのための方法を使用し、がん、自己免疫疾患を治療するのと、本明細書に
記載のように造血幹細胞療法を必要とする患者(例えば、ヒト患者)をコンディショニン
グするのとに有用な親和性成熟抗体を同定することができる。そのような方法には、とり
わけファージディスプレイ、細菌ディスプレイ、酵母ディスプレイ、哺乳動物細胞ディス
プレイ、リボソームディスプレイ、mRNAディスプレイ、およびcDNAディスプレイなどの当
該技術分野で知られているin vitroディスプレイ技術が挙げられる。生物学的に関連のあ
る分子に結合するリガンドを単離するためのファージディスプレイの使用は、例えば、Fe
lici et al., Biotechnol. Annual Rev. 1:149-183, 1995;Katz, Annual Rev. Biophys.
Biomol. Struct. 26:27-45, 1997;およびHoogenboom et al., Immunotechnology 4:1-20
, 1998にレビューされており、これらの各々の開示は、in vitroディスプレイ技術に関
するものとして参照により本明細書に組み込まれる。Kay, Perspect. Drug Discovery De
s. 2:251-268, 1995およびKay et al., Mol. Divers. 1:139-140, 1996に記載されている
ように、細胞表面抗原に結合するポリペプチドを選択するために、ランダム化コンビナト
リアルペプチドライブラリーが構築されており、これらの各々の開示は、抗原結合分子の
発見に関するものとして参照により本明細書に組み込まれる。多量体タンパク質などのタ
ンパク質は、機能的分子として首尾よくファージディスプレイされている(例えば、EP 0
349578;EP 4527839;およびEP 0589877、ならびにChiswell and McCafferty, Trends Bi
otechnol. 10:80-84 1992を参照し、それらの各々の開示は、抗原結合分子の発見のため
のin vitroディスプレイ技術の使用に関するものとして参照により本明細書に組み込まれ
る)。さらに、FabフラグメントおよびscFVフラグメントなどの機能的抗体フラグメント
は、in vitroディスプレイフォーマットで発現されている(例えば、McCafferty et al.,
Nature 348:552- 554, 1990;Barbas et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7978-798
2, 1991;およびClackson et al., Nature 352:624-628, 1991を参照し、これらの各々
の開示は、抗原結合分子の発見のためのin vitroディスプレイ技術の使用に関するものと
して参照により本明細書に組み込まれる)。これらの技術は、とりわけ、造血幹細胞抗原
に結合する抗体(例えば、CD45(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD90、およびCD110)
の親和性を同定および改善するために使用することができ、それは次いで、造血幹細胞移
植治療を必要とする患者(例えば、ヒト患者)における内因性造血幹細胞を枯渇させるた
めに使用することができる。
【0232】
In vitroディスプレイ技術に加えて、コンピューターモデリング技術を使用して、CD45
(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD90、またはCD110に結合する抗体、抗体フラグメン
ト、およびリガンドをin silicoで設計および同定することができる。例えば、コンピュ
ーターモデリング技術を使用して、当業者は、抗体、抗体フラグメント、およびリガンド
のライブラリーを、in silicoで、CD45(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD90、および
CD110上の特異的エピトープに結合することができる分子、例えばこれらの抗原の細胞外
エピトープなどについてスクリーニングすることができる。これらの計算技術によって同
定された抗体、その抗原結合フラグメント、およびリガンドを、本明細書に記載のがんお
よび自己免疫疾患の治療方法などの本明細書に記載の治療方法ならびに本明細書に記載の
患者のコンディショニング手順と併せて使用できる。
【0233】
細胞(例えば、がん細胞、自己免疫細胞、または造血幹細胞)の表面上のCD45(例えば
、CD45RO)、CD135、CD34、CD90、および/またはCD110に結合し、例えば、受容体媒介エ
ンドサイトーシスによって細胞に取り込まれる抗体、その抗原結合フラグメント、および
リガンドを同定するために、さらなる技術を使用することができる。例えば、がん細胞、
自己免疫細胞、または造血幹細胞の表面上のCD45(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD9
0、および/またはCD110に結合し、その後取り込まれる抗体、その抗原結合フラグメント
、ならびにリガンドについてスクリーニングするために、上記のin vitroディスプレイ技
術を適応することができる。ファージディスプレイは、このスクリーニングパラダイムと
併せて使用することができるそのような技術の1つを表す。上記の標的の1つ以上に結合し
、続いてがん細胞、自己免疫細胞、または造血幹細胞によって取り込まれる抗体、そのフ
ラグメント、およびリガンドを同定するために、当業者は、Williams et al., Leukemia
19:1432-1438, 2005に記載のファージディスプレイ技術を適応させることができ、その開
示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、当該技術分野で知られて
いる突然変異誘発法を用いて、とりわけ抗体、抗体フラグメント、例えばscFvフラグメン
ト、Fabフラグメント、ダイアボディ、トリアボディ、および10Fn3ドメインなど、または
ランダム化アミノ酸カセット(例えば、CDRもしくはその等価領域のうちの1つ以上、もし
くは全部、または抗体もしくは抗体フラグメント)を含有するリガンドをコードする組み
換えファージライブラリーを作製することができる。フレームワーク領域、ヒンジ、Fcド
メイン、および抗体または抗体フラグメントの他の領域は、例えば、ヒト生殖細胞系列抗
体配列またはヒト生殖細胞系列抗体に対してわずかな変異のみを示す配列を有することに
よって、ヒトにおいて非免疫原性であるように設計され得る。
【0234】
本明細書に記載のまたは当該技術分野で知られているファージディスプレイ技術を用い
て、ファージ粒子に共有結合したランダム化抗体、抗体フラグメント、またはリガンドを
含むファージライブラリーを、CD45(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD90、および/
またはCD110と共にインキュベートすることができ、それは、例えば、最初に、ファージ
ライブラリーをブロッキング剤(例えば、乳タンパク質、ウシ血清アルブミン、および/
またはIgGなど)と共にインキュベートし、非特異的タンパク質結合を示す抗体、そのフ
ラグメント、またはリガンドをコードするファージと、Fcドメインに結合する抗体または
そのフラグメントをコードするファージとを除去し、次いでファージライブラリーを造血
幹細胞の集団と共にインキュベートすることによる。ファージライブラリーを、がん細胞
、自己免疫細胞、または造血幹細胞などの標的細胞と共に十分な時間インキュベートし、
CD45特異的、CD135特異的、CD34特異的、CD90特異的、および/またはCD110特異的抗体、
その抗原結合フラグメント、またはリガンドが細胞表面抗原に結合し、その後、がん細胞
、自己免疫細胞、または造血幹細胞によって取り込まれるのを可能することができる(例
えば、4℃で30分~6時間、例えば4℃で1時間など)。これらの抗原の1つ以上に対して十
分な親和性を示さない抗体、そのフラグメント、またはリガンドを含有するファージは、
がん細胞、自己免疫細胞、または造血幹細胞への結合およびそれらによる取り込みを可能
にするために、その後、細胞を、例えば、pH 2.8の冷(4℃)0.1 Mグリシン緩衝液で洗浄
することによって除去できる。がん細胞、自己免疫細胞、または造血幹細胞によって取り
込まれた抗体、そのフラグメント、またはリガンドに結合したファージは、例えば、細胞
を溶解し、取り込まれたファージを細胞培養培地から回収することによって同定すること
ができる。次いで、ファージは、例えば、細菌細胞を、2×YT培地中で回収されたファー
ジと当該技術分野で知られている方法を用いてインキュベートすることによって、細菌細
胞中で増幅することができる。次いで、この培地から回収されたファージは、例えば、フ
ァージゲノム内に挿入された抗体、そのフラグメント、またはリガンドをコードする遺伝
子(単数または複数)の核酸配列を決定することによって特徴付けることができる。コー
ドされた抗体、そのフラグメント、またはリガンドは、その後、(例えば、scFVフラグメ
ントなどの抗体フラグメント、もしくはリガンドの)化学合成または(例えば、全長抗体
の)組み換え発現によってde novoで調製することができる。
【0235】
調製された抗体、そのフラグメント、またはリガンドの取り込み能力は、例えば当該技
術分野で知られている放射性核種取り込みアッセイを用いて評価することができる。例え
ば、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られているin vitroディスプレ
イ技術を使用して同定された抗体、そのフラグメント、またはリガンドは、18F、75Br、7
7Br、122I、123I、124I、125I、129I、131I、211At、67Ga、111In、99Tc、169Yb、186Re
64Cu、67Cu、177Lu、77As、72As、86Y、90Y、89Zr、212Bi、213Bi、または225Acなどの
放射性同位元素の組み込みによって官能化することができる。例えば、18F、75Br、77Br
122I、123I、124I、125I、129I、131I、211Atなどの放射性ハロゲンを、求電子性ハロ
ゲン試薬(例えば、ヨウ素化ビーズ、サーモフィッシャーサイエンティフィック社、ケン
ブリッジ、マサチューセッツ州)を含有するポリスチレンビーズなどのビーズを用いて、
抗体、そのフラグメントまたはリガンドに組み込むことができる。放射標識抗体、そのフ
ラグメント、またはリガンドは、がん細胞、自己免疫細胞、または造血幹細胞と、取り込
みを可能にするのに十分な時間(例えば、4℃で30分~6時間、例えば4℃で1時間)インキ
ュベートすることができる。次いで、細胞を洗浄して、取り込まれなかった抗体、そのフ
ラグメント、またはリガンドを除去することができる(例えば、pH2.8の冷(4℃)0.1Mグ
リシン緩衝液を使用して)。取り込まれた抗体、そのフラグメント、またはリガンドは、
結果として生じるがん細胞、自己免疫細胞、または造血幹細胞から放出される放射線(例
えば、γ線)を、回収した洗浄緩衝液から放出される放射線(例えば、γ線)と比較して
検出することによって同定できる。
【0236】
(薬物-抗体コンジュゲートおよび薬物-リガンドコンジュゲート)
(サイトトキシン)
本明細書に記載の抗体、その抗原結合フラグメント、およびリガンド(例えば、CD45(
CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、および/またはCD110を認識して結合する抗体、抗原
結合フラグメント、およびリガンド)を、例えば、シュードモナス外毒素A、deBouganin
、ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メイ
タンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン
、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量
体、インドリノベンゾジアゼピン、およびインドリノベンゾジアゼピン二量体、もしくは
それらの変異体などの細胞毒素、または本明細書に記載のもしくは当該技術分野で知られ
ている別の細胞傷害性化合物にコンジュゲートすることができ、例えば、その目的は、本
明細書に記載のがんもしくは自己免疫疾患を治療するため、または、造血幹細胞移植療法
を必要とする患者(例えば、ヒト患者)に投与した際に内因性造血幹細胞の枯渇を促進す
るためである。いくつかの実施形態では、細胞傷害性分子は、抗体、抗原結合フラグメン
ト、またはリガンドの細胞取り込み後に細胞毒素がその細胞内標的にアクセスして内因性
造血細胞死を媒介し得るように、取り込まれる抗体、その抗原結合フラグメント、または
リガンドにコンジュゲートされる。本明細書に記載の組成物および方法と共に使用するの
に適した細胞毒素には、当該技術分野で知られているものの中でもとりわけ、DNA挿入剤
(例えばアントラサイクリン)、紡錘体装置を破壊することができる薬剤(例えばビンカ
アルカロイド、メイタンシン、メイタンシノイド、およびそれらの誘導体)、RNAポリメ
ラーゼ阻害剤(例えば、α-アマニチンなどのアマトキシンおよびそれらの誘導体)、タ
ンパク質生合成を破壊することができる薬剤(例えば、サポリンおよびリシンA鎖などのr
RNA N-グリコシダーゼ活性を示す薬剤)が挙げられる。
【0237】
いくつかの実施形態では、細胞毒素は、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチ
ン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、アマヌリン酸、およびプ
ロアマヌリンなどの、アマトキシンまたはその誘導体である。例えば、本明細書に記載の
抗体、抗原結合フラグメント、およびリガンドは、式Ab-Amで表されるコンジュゲートを
形成するようにアマトキシンに結合してもよく、式中、Abは抗体、その抗原結合フラグメ
ント、またはリガンドであり、Amはアマトキシンである。いくつかの実施形態では、Amは
、式(I)で表される:
【化18】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘ
テロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(
例えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6
テロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、
任意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;ならび

Zは、L上に存在する反応性置換基と、CD45(CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、およ
び/またはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド内に存在
する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位である]。
【0238】
いくつかの実施形態では、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)で表される:
【化19】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘ
テロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(
例えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6
テロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、
任意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;
Zは、L上に存在する反応性置換基と、CD45(CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、およ
び/またはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド内に存在
する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり;ならびに
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【0240】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IB)で表される:
【化20】
[式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して任意に置換さ
れた5員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R3は、H、RC、またはRDであり;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、またはNRCRDであり;
R9は、H、OH、ORC、またはORDであり;
Xは、-S-、-S(O)-、または-SO2-であり;
RCは、-L-Zであり;
RDは、任意に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意に置換されたヘテ
ロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意に置換されたアルケニル(例えば、C
2-C6アルケニル)、任意に置換されたヘテロアルケニル(例えば、C2-C6ヘテロアルケニ
ル)、任意に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意に置換されたヘ
テロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキニル)、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置
換されたヘテロアリールであり;
Lは、任意に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意に置換されたヘ
テロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意に置換されたアルケニレン(
例えば、C2-C6アルケニレン)、任意に置換されたヘテロアルケニレン(例えば、C2-C6
テロアルケニレン)、任意に置換されたアルキニレン(例えば、C2-C6アルキニレン)、
任意に置換されたヘテロアルキニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意に置
換されたシクロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意に置換され
たアリーレン、または任意に置換されたヘテロアリーレンなどのリンカーであり;
Zは、L上に存在する反応性置換基と、CD45(CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、およ
び/またはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド内に存在
する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的部位であり;ならびに
式中、Amは、ちょうど1つのRC置換基を含む]。
【0241】
いくつかの実施形態では、RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になっ
て、結合して以下を形成する:
【化21】
[式中、Yは、O、S、NRE、およびCREREから選択され、ならびに
REおよびRE'は、それぞれ独立して、任意に置換されたC1-C6アルキレン-RC、任意に置換
されたC1-C6ヘテロアルキレン-RC、任意に置換されたC2-C6アルケニレン-RC、任意に置換
されたC2-C6ヘテロアルケニレン-RC、任意に置換されたC2-C6アルキニレン-RC、任意に置
換されたC2-C6ヘテロアルキニレン-RC、任意に置換されたシクロアルキレン-RC、任意に
置換されたヘテロシクロアルキレン-RC、任意に置換されたアリーレン-RC、または任意に
置換されたヘテロアリーレン-RCである]。
【0242】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化22】
R3は、HまたはRCであり;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、またはRDであり;
R8は、OH、NH2、ORC、またはNHRCであり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCおよびRDは、それぞれ上記で定義した通りである。
【0243】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1は、H、OH、ORA、またはORCであり;
R2は、H、OH、ORB、またはORCであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化23】
R3は、HまたはRCであり;
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、RC、またはORDであり;
R6およびR7は、それぞれHであり;
R8は、OH、NH2、ORC、またはNHRCであり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。
【0244】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1は、H、OH、またはORAであり;
R2は、H、OH、またはORBであり;
RAおよびRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、結合して以下を形成し

【化24】
R3、R4、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R5はORCであり;
R8は、OHまたはNH2であり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。そのようなアマトキシンコンジュゲートは、
例えば、米国特許出願公開第2016/0002298号に記載されており、その開示は、その全体が
参照により本明細書に組み込まれる。
【0245】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3はRCであり;
R4、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R5は、H、OH、またはOC1-C6アルキルであり;
R8は、OHまたはNH2であり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。そのようなアマトキシンコンジュゲートは、
例えば、米国特許出願公開第2014/0294865号に記載されており、その開示は、その全体が
参照により本明細書に組み込まれる。
【0246】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、OH、ORC、またはRCであり;
R8は、OHまたはNH2であり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。そのようなアマトキシンコンジュゲートは、
例えば、米国特許出願公開第2015/0218220号に記載されており、その開示は、その全体が
参照により本明細書に組み込まれる。
【0247】
いくつかの実施形態では、Amは、式(IA)または式(IB)で表され、
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R3、R6、およびR7は、それぞれHであり;
R4およびR5は、それぞれ独立して、HまたはOHであり;
R8は、OH、NH2、ORC、またはNHRCであり;
R9は、HまたはOHであり;ならびに
式中、RCは、上記で定義した通りである。そのようなアマトキシンコンジュゲートは、
例えば、米国特許第9,233,173号および第9,399,681号、ならびに米国特許出願公開第2016
/0089450号に記載されており、その各々の開示は、その全体が参照により本明細書に組み
込まれる。
【0248】
本明細書に記載の組成物および方法に従って抗体、その抗原結合フラグメント、または
リガンドへのコンジュゲーションに使用され得るさらなるアマトキシンは、例えば、WO 2
016/142049;WO 2016/071856;およびWO 2017/046658に記載されており、これらの各々の
開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0249】
いくつかの実施形態では、Amは、式(II)で表される:
【化25】

[式中、Xが、S、SO、またはSO2であり;
R1が、H、または抗体もしくはその抗原結合フラグメントに共有結合しているリンカー
であり;
R2が、H、または抗体もしくはその抗原結合フラグメントに共有結合しているリンカー
であり;ならびに
ここで、R1がHである場合、R2はリンカーであり、R2がHである場合、R1はリンカーであ
る]。
【0250】
本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用するための抗体、抗原結合フラグメン
ト、およびリガンドは、当該技術分野で知られているまたは本明細書に記載のコンジュゲ
ート技術を使用して、α-アマニチンなどのアマトキシンまたはその変異体にコンジュゲ
ートすることができる。例えば、CD45(CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、および/ま
たはCD110を認識して結合する抗体、その抗原結合フラグメント、およびリガンドは、α-
アマニチンなどのアマトキシンまたはその変異体にコンジュゲートすることができ、米国
特許出願公開第2015/0218220に記載されているように、その開示は、例えば、α-アマニ
チンなどのアマトキシンおよびその変異体、ならびに共有結合コンジュゲーションに使用
することができる共有結合リンカーに関するものとして、参照により本明細書に組み込ま
れる。
【0251】
本明細書に記載の方法と併せて有用な例示的な抗体-薬物およびリガンド-薬物コンジュ
ゲートは、抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドと、抗体、その抗原結合フ
ラグメント、またはリガンド上の反応性残基との反応に適した置換基を含有するリンカー
にコンジュゲートしたアマトキシンとの反応によって形成され得る。本明細書に記載の抗
体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド上の反応性残基との反応に適した置換基
を含有するリンカーにコンジュゲートするアマトキシンには以下が挙げられるが、これら
に限定されない:7'C-(4-(6-(マレイミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシ
ン;7'C-(4-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4
-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;
7'C-(4-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボニル)ピペラジン-1-イル)-アマト
キシン;7'C-(4-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサノイ
ル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)エチ
ル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)
ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(4-((マレイミド
)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C
-(4-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エ
チル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(3-カルボキシプロパンアミド)エチ
ル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(2-ブロモアセトアミド)エチル)ピペ
リジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパ
ンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(4-(マレイミド)ブタン
アミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(マレイミド)アセチル)ピ
ペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(3-(マレイミド)プロパノイル)ピペラジン-1-
イル)-アマトキシン;7'C-(4-(4-(マレイミド)ブタノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキ
シン;7'C-(4-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサン
アミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(3-((6-(マレイミド)ヘキサンア
ミド)メチル)ピロリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(3-((6-(6-(マレイミド)ヘキサン
アミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(3-((4-((マレ
イミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)メチル)ピロリジン-1-イル)-アマトキシ
ン;7'C-(3-((6-((4-(マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミ
ド)メチル)ピロリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(2-(アミノオキシ)アセト
アミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(4-(2-(
アミノオキシ)アセトアミド)ブタンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7
'C-(4-(4-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ブタノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシ
ン;7'C-(4-(6-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)-アマ
トキシン;7'C-((4-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマト
キシン;7'C-((4-(2-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル
)-アマトキシン;7'C-((4-(6-(マレイミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-ア
マトキシン;(R)-7'C-((3-((6-(マレイミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロリジン-1-イル)
メチル)-アマトキシン;(S)-7'C-((3-((6-(マレイミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロリジ
ン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキ
サンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(4-((マレイ
ミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマト
キシン;7'C-((4-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサ
ンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(マレイミ
ド)ヘキサンアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(
6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-ア
マトキシン;7'C-((4-(2-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)エチ
ル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)
シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-ア
マトキシン;7'C-((3-((6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミド)-S-メチル)
ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミ
ド)ヘキサンアミド)-R-メチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((4-
((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)-S-メチル)ピロリジン-1-イル)メ
チル)-アマトキシン;7'C-((3-((4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
)-R-メチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(4-((マレイミド)
メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロリジン-1-イル)メチ
ル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(3-カルボキシプロパンアミド)エチル)ピペラジン-1-イ
ル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサノイル)
ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロ
ヘキサンカルボキサミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-
((4-(2-(マレイミド)アセチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(3-(
マレイミド)プロパノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(4-(マレ
イミド)ブタノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(2-(マレイ
ミド)アセトアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(4-(
マレイミド)ブタンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(
2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)
ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(マレイミド)ヘキサンアミド)
メチル)アゼチジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-(2-(6-(マレイミド)ヘキサ
ンアミド)エチル)アゼチジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((4-((マレイミド
)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)メチル)アゼチジン-1-イル)メチル)-アマトキシ
ン;7'C-((3-(2-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)エチル)アゼチ
ジン-1イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキ
サンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)アゼチジン-1-イル)メチル)-アマトキシン
;7'C-(((2-(6-(マレイミド)-N-メチルヘキサンアミド)エチル)(メチル)アミノ)メチル)-
アマトキシン;7'C-(((4-(6-(マレイミド)N-メチルヘキサンアミド)ブチル(メチル)アミ
ノ)メチル)-アマトキシン;7'C-((2-(2-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)エチル)アジリ
ジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((2-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘ
キサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)アジリジン-1-イル)メチル)-アマトキシ
ン;7'C-((4-(6-(6-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ヘキサンアミド)ヘキサノイル)ピペ
ラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(1-(アミノオキシ)-2-オキソ-6,9,12,15
-テトラオキサ-3-アザヘプタデカン-17-オイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシ
ン;7'C-((4-(2-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)アセチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-
アマトキシン;7'C-((4-(3-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)プロパノイル)ピペラジン-1
-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(4-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ブタノイル)
ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(2-(アミノオキシ)アセトア
ミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(2
-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)アセトアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-ア
マトキシン;7'C-((4-(2-(4-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ブタンアミド)エチル)ピペ
リジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(20-(アミノオキシ)-4,19-ジオキソ-6,9
,12,15-テトラオキサ-3,18-ジアザイコシル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;
7'C-(((2-(6-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)-N-メチルヘキサンアミド)エチル)(メチル
)アミノ)メチル)-アマトキシン;7'C-(((4-(6-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)-N-メチ
ルヘキサンアミド)ブチル)(メチル)アミノ)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(4-((マ
レイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロリジン-1-
イル)-S-メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサン
カルボキサミド)ヘキサンアミド)-R-メチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;
7'C-((4-(2-(2-ブロモアセトアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;
7'C-((4-(2-(2-ブロモアセトアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;
7'C-((4-(2-(3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパンアミド)エチル)ピペリジン-1-
イル)メチル)-アマトキシン;6'O-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキシル)-アマト
キシン;6'O-(5-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ペンチル)-ア
マトキシン;6'O-(2-((6-(マレイミド)ヘキシル)オキシ)-2-オキソエチル)-アマトキシン
;6'O-((6-(マレイミド)ヘキシル)カルバモイル)-アマトキシン;6'O-((6-(4-((マレイミ
ド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキシル)カルバモイル)-アマトキシン;6'O-
(6-(2-ブロモアセトアミド)ヘキシル)-アマトキシン;7'C-(4-(6-(アジド)ヘキサンアミ
ド)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(ヘキサ-5-イノイルアミノ)ピペリジン-1
-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペラジン-1
-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミド)
エチル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;6'O-(6-(6-(11,12-ジデヒドロ-5,6-ジヒドロ
-ジベンゾ[b,f]アゾシン-5-イル)-6-オキソヘキサンアミド)ヘキシル)-アマトキシン;6'
O-(6-(ヘキサ-5-イノイルアミノ)ヘキシル)-アマトキシン;6'O-(6-(2-(アミノオキシ)ア
セチルアミド)ヘキシル)-アマトキシン;6'O-((6-アミノオキシ)ヘキシル)-アマトキシン
;および6'O-(6-(2-ヨードアセトアミド)ヘキシル)-アマトキシン。前述のリンカーは、
とりわけ本明細書に記載の組成物および方法と併せて有用であり、例えば、米国特許出願
公開第2015/0218220号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に
組み込まれる。
【0252】
がん、自己免疫状態の直接治療に使用するための、または造血幹細胞移植治療に備えて
、患者(例えば、ヒト患者)をコンディショニングするための、CD45(CD45ROなど)、CD
135、CD34、CD90、および/またはCD110を認識して結合する抗体、その抗原結合フラグメ
ント、およびリガンドにコンジュゲートできるさらなる細胞毒素には、とりわけ以下が挙
げられるが、これらに限定されない:5-エチニルウラシル、アビラテロン、アシルフルベ
ン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンバムスチ
ン、アミドックス、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、ア
ナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホリド、血管新生阻害剤、アンタレリック
ス、抗背側化形態形成性タンパク質-1、抗アンドロゲン、前立腺癌、抗エストロゲン、抗
新生物薬、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィジコリングリシネート、アポトーシ
ス遺伝子モジュレーター、アポトーシスレギュレーター、アプリン酸、アスラクリン、ア
タメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチ
ン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、
バチマスタット、BCR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリ
ン、ベータラクタム誘導体、ベータ-アレチン、ベタクラマイシンB、ベツリン酸、bFGF阻
害剤、ビカルタミド、ビサントレン、ビスアジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビス
トラテンA、ビゼレシン、ブレフレート、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ブロピ
リミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシミン、カルシポトリオール、カルホスチンC
、カンプトテシン誘導体(例えば、10-ヒドロキシ-カンプトテシン)、カペシタビン、カ
ルボキサミド-アミノ-トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、カルゼレシン、カ
ゼインキナーゼ阻害剤、カスタノスペルミン、セクロピンB、セトロレリックス、クロリ
ン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シス-ポルフィリン、クラドリ
ビン、クロミフェンおよびその類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマ
イシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クラムベシ
ジン816、クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、キュラシンA
、シクロペンタアントラキノン、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビンオクホスフ
ェート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダクリキシマブ、デシタビン、デヒドロジデム
ニンB、2'デオキシコホルマイシン(DCF)、デスロレリン、デキシフォスファミド、デク
スラゾキサン、デクスベラパミル、ジアジコン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノ
ルスペルミン、ジヒドロ-5-アザシチジン、ジヒドロタキソール、ジオキサマイシン、ジ
フェニルスピロムスチン、ディスコデルモリド、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフ
ルリジン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エ
コムスチン、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エレメン、エミテフル
、エポチロン、エピチロン、エプリステリド、エストラムスチンおよびその類似体、エト
ポシド、エトポシド4'-リン酸(エトポフォスとも呼ばれる)、エキセメスタン、ファド
ロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボ
ピリドール、フレゼラスチン、フルアステロン、フルダラビン、塩酸フルオロダウノルニ
シン、ホルフェニメックス、フォルメスタン、フォストリエシン、フォテムスチン、ガド
リニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ゼラチナーゼ
阻害剤、ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム、ホモハリングトニン(HH
T)、ヒペリシン、イバンドロン酸、イドキシフェン、イドラマントン、イルモホシン、
イロマスタット、イミダゾアクリドン、イミキモド、免疫刺激ペプチド、ヨーベングアン
、ヨードドキソルビシン、イポメアノール、イリノテカン、イロプラクト、イルソグラジ
ン、イソベンガゾール、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン-Nトリアセテー
ト、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、レンチナン硫酸、レプトルスタチ
ン、レトロゾール、親油性白金化合物リソクリンアミド7、ロバプラチン、ロメトレキソ
ール、ロニダミン、ロキソキサントロン、ロキソリビン、ルルトテカン、ルテチウムテキ
サフィリン、リゾフィリン、マソプロコール、マスピン、マトリックスメタロプロテイナ
ーゼ阻害剤、メノガリル、ルネルバロン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトクロプラミ
ド、MIF阻害剤、イフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミトラシン、ミト
グアゾン、ミトラクトール、マイトマイシンおよびその類似体、ミトナフィド、ミトキサ
ントロン、モファロテン、モルグラモスチン、マイカペルオキシドB、ミリアポロン、N-
アセチルジナリン、N-置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスチップ、ナパビン、ナ
フテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、ニルタミ
ド、ニサマイシン、ニトルリン、オクトレオチド、オキセノン、オナプリストン、オンダ
ンセトロン、オラシン、オルマプラチン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、パク
リタキセルおよびその類似体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、
パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガーゼ、
ペルデシン、ペントサンポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、ペルフ
ルブロン、ペルホスファミド、フェナジノマイシン、ピシバニール、ピラルビシン、ピリ
トレキシム、ポドフィロトキシン、ポルフィロマイシン、プリンヌクレオシドホスホリラ
ーゼ阻害剤、ラルチトレキセド、リゾキシン、ログレチミド、ロヒツキン、ルビギノンB1
、ルボキシル、サフィンゴール、セイントピン、サルコフィトールA、サルグラモスチム
、ソブゾキサン、ソネルミン、スパルホシン酸、スピカマイシンD、スピロムスチン、ス
チピアミド、スルフィノシン、タリムスチン、テガフール、テモゾロミド、テニポシド、
タリブラスチン、チオコラリン、チラパザミン、トポテカン、トプセンチン、トリシリビ
ン、トリメトレキサート、ベラミン、ビノレルビン、ビンキサルチン、ボロゾール、ゼニ
プラチン、ならびにジラスコルブ。
【0253】
(化学的コンジュゲーション用リンカー)
さまざまなリンカーを使用して、本明細書に記載の抗体、抗原結合フラグメント、およ
びリガンド(例えば、CD45(CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、および/またはCD110を
認識して結合する抗体、その抗原結合フラグメント、ならびにリガンド)を細胞傷害性分
子とコンジュゲートさせることができる。リンカーには、例えば、酵素加水分解、光分解
、酸性条件下での加水分解、塩基性条件下での加水分解、酸化、ジスルフィド還元、求核
開裂、または有機金属開裂によって開裂され得るものが挙げられる(例えば、Leriche et
al., Bioorg. Med. Chem., 20:571-582, 2012を参照し、その開示は、共有結合コンジュ
ゲーションに適したリンカーに関するものとして参照により本明細書に組み込まれる)。
薬物-抗体コンジュゲートおよび薬物-リガンドコンジュゲートの合成に有用なリンカーの
例には、とりわけ、マイケル受容体(例えば、マレイミド)、活性化エステル、電子不足
カルボニル化合物、およびアルデヒドなどの、抗体または抗原結合フラグメント内に存在
する、アミンまたはチオール部位などの求核置換基との反応に適している求電子剤を含む
ものが含まれる。例えば、薬物-抗体コンジュゲートおよび薬物-リガンドコンジュゲート
の合成に適したリンカーとしては、限定されないが、とりわけ、4-(N-マレイミドメチル)
-シクロヘキサン-L-カルボン酸スクシンイミジル(SMCC)、N-スクシンイミジルヨードア
セタート(SIA)、スルホ-SMCC、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミジ
ルエステル(MBS)、スルホ-MBS、およびスクシンイミジルヨードアセタートが挙げられ
、例えば、Liu et al., 18:690-697, 1979に記載されており、その開示は、化学的コンジ
ュゲーション用リンカーに関するものとして、参照により本明細書に組み込まれる。追加
のリンカーには、アウリスタチンなどの微小管破壊剤のコンジュゲーションに特に有用で
ある非開裂性マレイミドカプロイルリンカーが挙げられ、Doronina et al., Bioconjugat
e Chem. 17:14-24, 2006に記載されており、その開示は、化学的コンジュゲーション用の
リンカーに関するものとして参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の薬物
-抗体コンジュゲートおよび薬物-リガンドコンジュゲートの合成に適した追加のリンカー
には、1,6-脱離プロセスによって細胞毒素を放出することができるもの、例えば、p-アミ
ノベンジルアルコール(PABC)、6-マレイミドヘキサン酸、pH感受性炭酸塩、およびJain
et al., Pharm. Res. 32:3526-3540, 2015に記載の他の試薬が挙げられ、その開示は、
その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0254】
抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドを細胞傷害剤にコンジュゲートする
ために使用することができるリンカーには、リンカーの一端で細胞傷害剤に共有結合して
おり、リンカーの他端で、リンカー上に存在する反応性置換基と、CD45(CD45ROなど)、
CD135、CD34、CD90、および/またはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、
またはリガンド内に存在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学
的部位を含有するものが挙げられる。CD45(CD45ROなど)、CD135、CD34、CD90、および
/またはCD110に結合する抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンド内に存在し
得る反応性置換基には以下が挙げられるが、これらに限定されない:セリン、スレオニン
、およびチロシン残基のヒドロキシル部位;リジン残基のアミノ部位;アスパラギン酸お
よびグルタミン酸残基のカルボキシル部位;およびシステイン残基のチオール部分、なら
びにプロパルギル、アジド、ハロアリール(例えば、フルオロアリール)、ハロヘテロア
リール(例えば、フルオロヘテロアリール)、ハロアルキル、および天然に存在しないア
ミノ酸のハロヘテロアルキル部位。本明細書に記載の抗体-薬物およびリガンド-薬物コン
ジュゲートと組み合わせて有用なリンカーには、以下の表2に示すようにカップリング反
応によって形成された化学的部位を含むリンカーが含まれるが、これらに限定されない。
曲線は、抗体、抗原結合フラグメント、またはリガンドおよび細胞傷害性分子への結合点
をそれぞれ示す。
【0255】
抗体-薬物およびリガンド-薬物コンジュゲートの形成におけるカップリング反応によって
形成される例示的な化学的部位
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【0256】
(治療方法)
本明細書に記載されるように、造血幹細胞移植治療を、治療を必要としている被験体に
、1つ以上の血球型を増殖または再増殖するように適用することができる。造血幹細胞は
、通常多能性を示し、したがって、顆粒球(例えば前骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球
)、赤血球(例えば、網状赤血球、赤血球)、血小板(例えば、巨核球、血小板産生巨核
球、血小板)、単球(例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、小膠細胞、破骨細胞
、およびリンパ球(例えば、NK細胞、B細胞およびT細胞)を含むが、これらに限定されな
い複数の異なる血系列に分化することができる。造血幹細胞はさらに自己複製することが
でき、したがって母細胞と同等の可能性を有する娘細胞を生じさせることができ、移植レ
シピエントに再導入され、そこでそれらが造血幹細胞ニッチにホーミングし、生産的かつ
持続的な造血を回復させる能力も特徴とする。
【0257】
したがって、欠陥または欠乏がある細胞集団をin vivoで再構築するために、造血幹細
胞を、造血系統の1つ以上の細胞型に欠陥または欠乏のある患者に投与することができ、
それによって、内因性血球集団の欠陥または欠乏に関連する病状を治療する。したがって
、本明細書に記載の組成物および方法は、非悪性異常ヘモグロビン症(例えば、鎌状赤血
球貧血、サラセミア、ファンコニ貧血、再生不良性貧血、およびウィスコット-アルドリ
ッチ症候群からなる群より選択される異常ヘモグロビン症)を治療するために使用できる
。追加的または代替的に、本明細書に記載の組成物および方法は、先天性免疫不全症など
の免疫不全症を治療するために使用することができる。追加的または代替的に、本明細書
に記載の組成物および方法は、後天性免疫不全症(例えば、HIVおよびAIDSからなる群よ
り選択される後天性免疫不全症)を治療するために使用することができる。本明細書に記
載の組成物および方法は、代謝障害(例えば、グリコーゲン蓄積症、ムコ多糖症、ゴーシ
ェ病、ハーラー病、スフィンゴリピドーシス、および異染性白質ジストロフィーからなる
群より選択される代謝障害)を治療するために使用できる。
【0258】
追加的または代替的に、本明細書に記載の組成物および方法は、血液がん、骨髄増殖性
疾患などの悪性腫瘍または増殖性疾患を治療するために使用することができる。がん治療
の場合、造血幹細胞移植治療の前に内因性造血幹細胞の集団を枯渇させるように、本明細
書に記載の組成物および方法を患者に適用することができ、その場合、移植細胞は、内因
性細胞枯渇工程によって作られたニッチにホーミングすることができ、生産的造血を確立
することができる。これは、次に、全身化学療法中などのがん細胞根絶中に枯渇する細胞
の集団を再構築することができる。本明細書に記載の組成物および方法を用いて治療する
ことができる例示的な血液がんには、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄
性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、およ
び非ホジキンリンパ腫、ならびに神経芽細胞腫を含む他のがん性状態が挙げられるが、こ
れらに限定されない。
【0259】
本明細書に記載の組成物および方法で治療することができるさらなる疾患には、アデノ
シンデアミナーゼ欠損症および重症複合免疫不全、高免疫グロブリンM症候群、チェディ
アック・東症候群、遺伝性リンパ組織球増多症、大理石骨病、骨形成不全症、蓄積症、サ
ラセミアメジャー、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、および若年
性関節リウマチが挙げられるが、これらに限定されない。
【0260】
本明細書に記載の抗体、その抗原結合フラグメント、リガンド、およびコンジュゲート
は、固形臓器移植寛容を誘導するために使用され得る。例えば、本明細書に記載の組成物
および方法は、標的組織から細胞集団を枯渇または除去するために(例えば、骨髄幹細胞
ニッチから造血幹細胞を枯渇させるために)使用され得る。そのような標的組織からの細
胞の枯渇に続いて、臓器ドナーからの幹細胞または前駆細胞の集団(例えば、臓器ドナー
からの造血幹細胞)を移植レシピエントに投与し、そのような幹細胞または前駆細胞の生
着に続いて一時的または安定的な混合キメラを達成することができ、それによってさらな
る免疫抑制剤を必要とせずに長期の移植臓器耐性を可能にする。例えば、本明細書に記載
の組成物および方法は、固形臓器移植レシピエント(例えば、とりわけ腎臓移植、肺移植
、肝臓移植、および心臓移植)において移植寛容を誘導するために使用され得る。本明細
書に記載の組成物および方法は、例えば、低い割合の一時的または安定的なドナー移植片
が移植臓器の長期耐性を誘導するのに十分であるため、固形臓器移植耐性の誘導に関連し
た使用によく適している。
【0261】
さらに、本明細書に記載の組成物および方法は、CD45+、CD135+、CD34+、CD90+、また
はCD110+である細胞を特徴とするがんなどのがんを直接治療するために使用することがで
きる。例えば、本明細書に記載の組成物および方法は、特にCD45+、CD135+、CD34+、CD90
+、またはCD110+白血病細胞を示す患者において、白血病を治療するために使用すること
ができる。白血病細胞などのCD45+、CD135+、CD34+、CD90+、またはCD110+がん性細胞を
枯渇させることによって、本明細書に記載の組成物および方法は、さまざまながんを直接
治療するために使用され得る。この方法で治療できるがんの例には、急性骨髄性白血病、
急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、びまん性
大細胞型B細胞リンパ腫、および非ホジキンリンパ腫などの血液がんが挙げられる。
【0262】
さらに、本明細書に記載の組成物および方法は、自己免疫疾患を治療するために使用す
ることができる。例えば、CD45+、CD135+、CD34+、CD90+、またはCD110+免疫細胞を殺す
ように、抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドを自己免疫疾患に罹患してい
るヒト患者などの被験体に投与することができる。CD45+、CD135+、CD34+、CD90+、また
はCD110+免疫細胞は、自己抗原に特異的に結合し、それに対して免疫応答をもたらすT細
胞受容体を発現するT細胞などの自己反応性リンパ球であり得る。自己反応性の、CD45+、
CD135+、CD34+、CD90+、またはCD110+細胞を枯渇させることによって、本明細書に記載の
組成物および方法は、以下に記載されるものなどの自己免疫病状を治療するために使用さ
れ得る。追加的または代替的に、本明細書に記載の組成物および方法は、造血幹細胞移植
治療の前に内因性造血幹細胞の集団を枯渇させることによって自己免疫疾患を治療するた
めに使用でき、その場合、移植細胞は、内因性細胞枯渇工程によって作られたニッチにホ
ーミングすることができ、生産的造血を確立することができる。これは、次に、自己免疫
細胞根絶の間に枯渇した細胞の集団を再構築することができる。
【0263】
本明細書に記載の組成物および方法を用いて治療することができる自己免疫疾患として
は、以下が挙げられるが、これらに限定されない:乾癬、乾癬性関節炎、1型真性糖尿病
(1型糖尿病)、関節リウマチ(RA)、ヒト全身性狼瘡(SLE)、多発性硬化症(MS)、炎
症性腸疾患(IBD)、リンパ球性大腸炎、急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、全
身性脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、再生不良性貧血、自己免疫
性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳炎(AIED)、自己免疫性リンパ増殖性症
候群(ALPS)、自己免疫性卵巣炎、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症
、シャガス病、慢性疲労免疫不全症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、クロ
ーン病、瘢痕性類天疱瘡、セリアック病-疱疹状皮膚炎、寒冷凝集素症、CREST症候群、ド
ゴー病、円板状狼瘡、自律神経失調症、子宮内膜症、本態性混合型クリオグロブリン血症
、線維筋痛症-線維筋炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群
(GBS)、橋本甲状腺炎、化膿性汗腺炎、特発性および/または急性血小板減少性紫斑病
、特発性肺線維症、IgA神経障害、間質性膀胱炎、若年性関節炎、川崎病、扁平苔癬、ラ
イム病、メニエール病、混合性結合組織病(MCTD)、重症筋無力症、神経性筋緊張症、オ
プソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、オード甲状腺炎、尋常性天
疱瘡、悪性貧血、多発性軟骨炎、多発性筋炎および皮膚筋炎、原発性胆汁性肝硬変、結節
性多発動脈炎、多腺症候群、リウマチ性多発筋痛、原発性無ガンマグロブリン血症、レイ
ノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候
群、スティフパーソン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」としても知
られている)、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、ぶどう膜炎、血管炎、白斑、外陰痛
(「外陰部前庭炎」)、ならびにウェゲナー肉芽腫症。
【0264】
(投与経路および服用量)
本明細書に記載の抗体、その抗原結合フラグメント、およびリガンドを、患者(例えば
、がん、自己免疫疾患に罹患している、または造血幹細胞移植治療を必要としているヒト
患者)にさまざまな剤形で投与することができる。例えば、本明細書に記載の抗体、その
抗原結合フラグメント、およびリガンドを、がん、自己免疫疾患に罹患している患者、ま
たは造血幹細胞移植治療を必要とする患者に、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含
有する水溶液などの水溶液の形態で投与することができる。本明細書に記載の組成物およ
び方法と併せて使用される薬学的に許容される賦形剤には、粘度調整剤が挙げられる。水
溶液は、当該技術分野で知られている技術を用いて滅菌することができる。
【0265】
本明細書に記載の抗体、抗原結合フラグメント、およびリガンドは、経口、経皮、皮下
、鼻腔内、静脈内、筋肉内、眼内、または非経口などのさまざまな経路で投与することが
できる。任意の所与の場合における投与に最も適した経路は、投与される特定の抗体、抗
原結合フラグメント、またはリガンド、患者、医薬製剤方法、投与方法(例えば、投与時
間および投与経路)、患者の年齢、体重、性別、治療されている疾患の重症度、患者の食
事、および患者の排泄率によって決まる。
【0266】
本明細書に記載の抗体、その抗原結合フラグメント、またはリガンドの有効量は、例え
ば、単回(例えば、ボーラス)投与、複数回投与、または連続投与あたり、約0.001~約1
00mg/kg体重の範囲であり得るか、または、抗体、その抗原結合フラグメント、もしくは
リガンドの最適血清濃度(例えば、0.0001~5000μg/mLの血清濃度)を達成する範囲であ
り得る。用量は、がん、自己免疫疾患に罹患している被験体(例えば、ヒト)、または造
血幹細胞移植治療を受ける準備としてコンディショニング療法を受けている被験体に、1
日あたり、週ごと、または月ごとに1回以上(例えば、2~10回)投与され得る。造血幹細
胞移植前のコンディショニング手順の場合、抗体、その抗原結合フラグメント、またはリ
ガンドを、患者に、外因性造血幹細胞の生着を最適に促進する時点で、例えば、外因性造
血幹細胞移植片の投与の1時間~1週間(例えば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6
時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時
間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、2日、3日、4
日、5日、6日、もしくは7日)またはそれ以上前に投与することができる。
【実施例0267】
以下の実施例は、本明細書に記載の組成物および方法がどのように使用され、製造され
、および評価され得るかの説明を当業者に提供するために示され、本発明の純粋な例示と
なることを意図しており、発明者らが彼らの発明と見なすものの範囲を限定することを意
図していない。
【0268】
(実施例1:造血幹細胞移植治療の準備におけるヒト患者への抗CD45抗体の投与)
本明細書に開示の方法によれば、造血幹細胞移植治療の前に外来性造血幹細胞移植片の
生着を促進するように、当業の内科医はヒト患者などの患者をコンディショニングするこ
とができる。この目的のために、当業の内科医は、造血幹細胞によって発現される抗原に
結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメント、例えばCD45に結合する抗体
またはその抗原結合フラグメント(例えば、CD45ROに結合する抗体またはその抗原結合フ
ラグメント)などをヒト患者に投与することができる。抗体を、本明細書に記載されてい
るかまたは当該技術分野で知られている細胞傷害性分子などの毒素に共有結合でコンジュ
ゲートさせることができる。例えば、抗CD45抗体またはその抗原結合フラグメント(抗CD
45RO抗体またはその抗原結合フラグメントなど)を、シュードモナス外毒素A、deBougani
n、ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メイ
タンシノイド、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン
、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量
体、インドリノベンゾジアゼピン、インドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの
変異体などの細胞毒素に共有結合でコンジュゲートさせることができる。このコンジュゲ
ーションは、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている共有結合形
成技術を使用して実施することができる。抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物
-抗体コンジュゲートをその後患者に、例えば静脈内投与によって、外因性造血幹細胞(
自家、同系、または同種異系造血幹細胞など)の患者への移植の前に投与することができ
る。
【0269】
内因性造血幹細胞の量を、造血幹細胞移植治療の前に、例えば10%、20%、30%、40%、50
%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上減少させるのに十分な量の抗CD45(例えば
、抗CD45RO)抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを投与
することができる。造血幹細胞数の減少は、当該技術分野で知られている従来の技術を用
いて、例えばコンディショニング療法中にさまざまな間隔で患者から採取された血液試料
中の特徴的な造血幹細胞表面抗原を発現する細胞のFACS分析などによってモニターするこ
とができる。例えば、当業の内科医は、コンディショニング療法中のさまざまな時点で患
者から血液試料を採取することができ、FACS分析を実施して試料中の造血幹細胞の相対濃
度を造血幹細胞マーカー抗原に結合する抗体を用いて解明することによって、内因性造血
幹細胞減少の程度を決定することができる。いくつかの実施形態によれば、造血幹細胞の
濃度が、抗CD45(例えば、抗CD45RO)抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗
体コンジュゲートでのコンディショニング療法に応答して最小値に達したとき、内科医は
、コンディショニング療法を終了し、造血幹細胞移植治療のために患者の準備を始めても
よい。
【0270】
抗CD45(例えば、抗CD45RO)抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コン
ジュゲートを、粘度調整剤などの1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含有する水溶液
で患者に投与することができる。水溶液は、本明細書に記載されているかまたは当該技術
分野で知られている技術を使用して滅菌することができる。造血幹細胞移植片を患者に投
与する前に、抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、例
えば、0.001mg/kg~100mg/kgの投与量で患者に投与することができる。抗体、その抗原結
合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、患者に、外因性造血幹細胞の生着
を最適に促進する時点で、例えば、外因性造血幹細胞移植片の投与の1時間~1週間(例え
ば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時
間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時
間、22時間、23時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日)またはそれ以上
前に投与することができる。
【0271】
コンディショニング療法の終了後、続いて患者は、コンディショニング療法を実施した
同じ内科医から、または異なる内科医などから、外因性造血幹細胞の注入(例えば、静脈
内注入)を受けることができる。内科医は、自己、同系、または同種異系の造血幹細胞の
注入を、例えば、1x103~1x109造血幹細胞/kgの投与量で患者に投与することができる。
内科医は、例えば、患者から血液試料を採取し、造血幹細胞または造血系統の細胞(巨核
球、血小板、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、小膠細
胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキ
ラー細胞、Tリンパ球、およびBリンパ球など)の移植片の投与後の濃度の増加を測定する
ことによって、造血幹細胞移植片の生着をモニターすることができる。この分析は、例え
ば、造血幹細胞移植治療後に、1時間~6ヶ月以上にわたって実施することができる(例え
ば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時
間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時
間、22時間、23時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週
間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14
週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24
週間、またはそれ以上)。造血幹細胞または造血系統の細胞の濃度が、移植治療前の対応
する細胞型の濃度と比較して、移植治療後に(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%
、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、500%、またはそれ
以上)増加したという発見は、抗CD45(例えば、抗CD45RO)抗体、その抗原結合フラグメ
ント、または薬物-抗体コンジュゲートでの治療が、移植された造血幹細胞移植片の生着
をうまく促進したことを示す1つの指標となる。
【0272】
(実施例2:造血幹細胞移植治療の準備におけるヒト患者への抗CD135抗体の投与)
本明細書に開示の方法を使用して、当業の内科医は、造血幹細胞移植治療を必要とする
ヒト患者に、造血幹細胞によって発現される抗原に結合することができる抗体またはその
抗原結合フラグメント、例えばCD135に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントな
どを投与することができる。このようにして、造血幹細胞移植片の生着を促進するように
、内因性造血幹細胞の集団を、外因性造血幹細胞移植片の投与前に枯渇させることができ
る。抗体を、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている細胞傷害性
分子などの毒素に共有結合でコンジュゲートさせることができる。例えば、抗CD135抗体
またはその抗原結合フラグメントを、シュードモナス外毒素A、deBouganin、ジフテリア
毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド
、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デ
ュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリ
ノベンゾジアゼピン、インドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異体などの
細胞毒素に共有結合でコンジュゲートさせることができる。このコンジュゲーションは、
本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている共有結合形成技術を使用
して実施することができる。抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジ
ュゲートをその後患者に、例えば静脈内投与によって、外因性造血幹細胞(自家、同系、
または同種異系造血幹細胞など)の患者への移植の前に投与することができる。
【0273】
内因性造血幹細胞の量を、造血幹細胞移植治療の前に、例えば、10%、20%、30%、40%、
50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上減少させるのに十分な量の抗CD135抗体
、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを投与することができる
。造血幹細胞数の減少は、当該技術分野で知られている従来の技術を用いて、例えばコン
ディショニング療法中にさまざまな間隔で患者から採取された血液試料中の特徴的な造血
幹細胞表面抗原を発現する細胞のFACS分析などによってモニターすることができる。例え
ば、当業の内科医は、コンディショニング療法中のさまざまな時点で患者から血液試料を
採取することができ、FACS分析を実施して試料中の造血幹細胞の相対濃度を造血幹細胞マ
ーカー抗原に結合する抗体を用いて解明することによって、内因性造血幹細胞減少の程度
を決定することができる。いくつかの実施形態によれば、造血幹細胞の濃度が、抗CD135
抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートでのコンディショニ
ング療法に応答して最小値に達したとき、内科医は、コンディショニング療法を終了し、
造血幹細胞移植治療のために患者の準備を始めてもよい。
【0274】
抗CD135抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、粘度調
整剤などの1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含有する水溶液で患者に投与すること
ができる。水溶液は、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている技
術を使用して滅菌することができる。造血幹細胞移植片を患者に投与する前に、抗体、そ
の抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、例えば、0.001mg/kg~100
mg/kgの投与量で患者に投与することができる。抗体、その抗原結合フラグメント、また
は薬物-抗体コンジュゲートを、患者に、外因性造血幹細胞の生着を最適に促進する時点
で、例えば、外因性造血幹細胞移植片の投与の1時間~1週間(例えば、1時間、2時間、3
時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、
14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、
24時間、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日)またはそれ以上前に投与することがで
きる。
【0275】
コンディショニング療法の終了後、続いて患者は、コンディショニング療法を実施した
同じ内科医から、または異なる内科医などから、外因性造血幹細胞の注入(例えば、静脈
内注入)を受けることができる。内科医は、自己、同系、または同種異系の造血幹細胞の
注入を、例えば、1x103~1x109造血幹細胞/kgの投与量で患者に投与することができる。
内科医は、例えば、患者から血液試料を採取し、造血幹細胞または造血系統の細胞(巨核
球、血小板、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、小膠細
胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキ
ラー細胞、Tリンパ球、およびBリンパ球など)の移植片の投与後の濃度の増加を測定する
ことによって、造血幹細胞移植片の生着をモニターすることができる。この分析は、例え
ば、造血幹細胞移植治療後に、1時間~6ヶ月以上にわたって実施することができる(例え
ば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時
間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時
間、22時間、23時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週
間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14
週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24
週間、またはそれ以上)。造血幹細胞または造血系統の細胞の濃度が、移植治療前の対応
する細胞型の濃度と比較して、移植治療後に(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%
、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、500%、またはそれ
以上)増加したという発見は、抗CD135抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗
体コンジュゲートでの治療が、移植された造血幹細胞移植片の生着をうまく促進したこと
を示す1つの指標となる。
【0276】
(実施例3:造血幹細胞移植治療の準備におけるヒト患者への抗CD34抗体の投与)
本明細書に開示の方法を使用して、当業の内科医は、造血幹細胞移植治療を必要とする
ヒト患者に、造血幹細胞によって発現される抗原に結合することができる抗体またはその
抗原結合フラグメント、例えばCD34に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントなど
を投与することができる。このようにして、造血幹細胞移植片の生着を促進するように、
内因性造血幹細胞の集団を、外因性造血幹細胞移植片の投与前に枯渇させることができる
。抗体を、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている細胞傷害性分
子などの毒素に共有結合でコンジュゲートさせることができる。例えば、抗CD34抗体また
はその抗原結合フラグメントを、シュードモナス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素
、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド、ア
ウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュオ
カルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリノベ
ンゾジアゼピン、インドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異体などの細胞
毒素に共有結合でコンジュゲートさせることができる。このコンジュゲーションは、本明
細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている共有結合形成技術を使用して
実施することができる。抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲ
ートをその後患者に、例えば静脈内投与によって、外因性造血幹細胞(自家、同系、また
は同種異系造血幹細胞など)の患者への移植の前に投与することができる。
【0277】
内因性造血幹細胞の量を、造血幹細胞移植治療の前に、例えば、10%、20%、30%、40%、
50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上減少させるのに十分な量の抗CD34抗体、
その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを投与することができる。
造血幹細胞数の減少は、当該技術分野で知られている従来の技術を用いて、例えばコンデ
ィショニング療法中にさまざまな間隔で患者から採取された血液試料中の特徴的な造血幹
細胞表面抗原を発現する細胞のFACS分析などによってモニターすることができる。例えば
、当業の内科医は、コンディショニング療法中のさまざまな時点で患者から血液試料を採
取することができ、FACS分析を実施して試料中の造血幹細胞の相対濃度を造血幹細胞マー
カー抗原に結合する抗体を用いて解明することによって、内因性造血幹細胞減少の程度を
決定することができる。いくつかの実施形態によれば、造血幹細胞の濃度が、抗CD34抗体
、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートでのコンディショニング
療法に応答して最小値に達したとき、内科医は、コンディショニング療法を終了し、造血
幹細胞移植治療のために患者の準備を始めてもよい。
【0278】
抗CD34抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、粘度調
整剤などの1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含有する水溶液で患者に投与すること
ができる。水溶液は、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている技
術を使用して滅菌することができる。造血幹細胞移植片を患者に投与する前に、抗体、そ
の抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、例えば、0.001mg/kg~100
mg/kgの投与量で患者に投与することができる。抗体、その抗原結合フラグメント、また
は薬物-抗体コンジュゲートを、患者に、外因性造血幹細胞の生着を最適に促進する時点
で、例えば、外因性造血幹細胞移植片の投与の1時間~1週間(例えば、1時間、2時間、3
時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、
14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、
24時間、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日)またはそれ以上前に投与することがで
きる。
【0279】
コンディショニング療法の終了後、続いて患者は、コンディショニング療法を実施した
同じ内科医から、または異なる内科医などから、外因性造血幹細胞の注入(例えば、静脈
内注入)を受けることができる。内科医は、自己、同系、または同種異系の造血幹細胞の
注入を、例えば、1x103~1x109造血幹細胞/kgの投与量で患者に投与することができる。
内科医は、例えば、患者から血液試料を採取し、造血幹細胞または造血系統の細胞(巨核
球、血小板、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、小膠細
胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキ
ラー細胞、Tリンパ球、およびBリンパ球など)の移植片の投与後の濃度の増加を測定する
ことによって、造血幹細胞移植片の生着をモニターすることができる。この分析は、例え
ば、造血幹細胞移植治療後に、1時間~6ヶ月以上にわたって実施することができる(例え
ば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時
間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時
間、22時間、23時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週
間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14
週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24
週間、またはそれ以上)。造血幹細胞または造血系統の細胞の濃度が、移植治療前の対応
する細胞型の濃度と比較して、移植治療後に(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%
、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、500%、またはそれ
以上)増加したという発見は、抗CD34抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗
体コンジュゲートでの治療が、移植された造血幹細胞移植片の生着をうまく促進したこと
を示す1つの指標となる。
【0280】
(実施例4:造血幹細胞移植治療の準備におけるヒト患者への抗CD90抗体の投与)
本明細書に開示の方法を使用して、当業の内科医は、造血幹細胞移植治療を必要とする
ヒト患者に、造血幹細胞によって発現される抗原に結合することができる抗体またはその
抗原結合フラグメント、例えばCD90に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントなど
を投与することができる。このようにして、造血幹細胞移植片の生着を促進するように、
内因性造血幹細胞の集団を、外因性造血幹細胞移植片の投与前に枯渇させることができる
。抗体を、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている細胞傷害性分
子などの毒素に共有結合でコンジュゲートさせることができる。例えば、抗CD90抗体また
はその抗原結合フラグメント(抗GNNK+CD90抗体またはその抗原結合フラグメントなど)
を、シュードモナス外毒素A、deBouganin、ジフテリア毒素、α-アマニチンなどのアマト
キシン、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド、アウリスタチン、アントラサイク
リン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジ
アゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、インドリノベ
ンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異体などの細胞毒素に共有結合でコンジュゲー
トさせることができる。このコンジュゲーションは、本明細書に記載されているかまたは
当該技術分野で知られている共有結合形成技術を使用して実施することができる。抗体、
その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートをその後患者に、例えば静
脈内投与によって、外因性造血幹細胞(自家、同系、または同種異系造血幹細胞など)の
患者への移植の前に投与することができる。
【0281】
内因性造血幹細胞の量を、造血幹細胞移植治療の前に、例えば、10%、20%、30%、40%、
50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上減少させるのに十分な量の抗CD90抗体、
その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを投与することができる。
造血幹細胞数の減少は、当該技術分野で知られている従来の技術を用いて、例えばコンデ
ィショニング療法中にさまざまな間隔で患者から採取された血液試料中の特徴的な造血幹
細胞表面抗原を発現する細胞のFACS分析などによってモニターすることができる。例えば
、当業の内科医は、コンディショニング療法中のさまざまな時点で患者から血液試料を採
取することができ、FACS分析を実施して試料中の造血幹細胞の相対濃度を造血幹細胞マー
カー抗原に結合する抗体を用いて解明することによって、内因性造血幹細胞減少の程度を
決定することができる。いくつかの実施形態によれば、造血幹細胞の濃度が、抗CD90抗体
、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートでのコンディショニング
療法に応答して最小値に達したとき、内科医は、コンディショニング療法を終了し、造血
幹細胞移植治療のために患者の準備を始めてもよい。
【0282】
抗CD90抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、粘度調
整剤などの1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含有する水溶液で患者に投与すること
ができる。水溶液は、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている技
術を使用して滅菌することができる。造血幹細胞移植片を患者に投与する前に、抗体、そ
の抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、例えば、0.001mg/kg~100
mg/kgの投与量で患者に投与することができる。抗体、その抗原結合フラグメント、また
は薬物-抗体コンジュゲートを、患者に、外因性造血幹細胞の生着を最適に促進する時点
で、例えば、外因性造血幹細胞移植片の投与の1時間~1週間(例えば、1時間、2時間、3
時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、
14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、
24時間、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日)またはそれ以上前に投与することがで
きる。
【0283】
コンディショニング療法の終了後、続いて患者は、コンディショニング療法を実施した
同じ内科医から、または異なる内科医などから、外因性造血幹細胞の注入(例えば、静脈
内注入)を受けることができる。内科医は、自己、同系、または同種異系の造血幹細胞の
注入を、例えば、1x103~1x109造血幹細胞/kgの投与量で患者に投与することができる。
内科医は、例えば、患者から血液試料を採取し、造血幹細胞または造血系統の細胞(巨核
球、血小板、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、小膠細
胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキ
ラー細胞、Tリンパ球、およびBリンパ球など)の移植片の投与後の濃度の増加を測定する
ことによって、造血幹細胞移植片の生着をモニターすることができる。この分析は、例え
ば、造血幹細胞移植治療後に、1時間~6ヶ月以上にわたって実施することができる(例え
ば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時
間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時
間、22時間、23時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週
間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14
週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24
週間、またはそれ以上)。造血幹細胞または造血系統の細胞の濃度が、移植治療前の対応
する細胞型の濃度と比較して、移植治療後に(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%
、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、500%、またはそれ
以上)増加したという発見は、抗CD90抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗
体コンジュゲートでの治療が、移植された造血幹細胞移植片の生着をうまく促進したこと
を示す1つの指標となる。
【0284】
(実施例5:造血幹細胞移植治療の準備におけるヒト患者への抗CD110抗体の投与)
本明細書に開示の方法を使用して、当業の内科医は、造血幹細胞移植治療を必要とする
ヒト患者に、造血幹細胞によって発現される抗原に結合することができる抗体またはその
抗原結合フラグメント、例えばCD110に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントな
どを投与することができる。このようにして、造血幹細胞移植片の生着を促進するように
、内因性造血幹細胞の集団を、外因性造血幹細胞移植片の投与前に枯渇させることができ
る。抗体を、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている細胞傷害性
分子などの毒素に共有結合でコンジュゲートさせることができる。例えば、抗CD110抗体
またはその抗原結合フラグメントを、シュードモナス外毒素A、deBouganin、ジフテリア
毒素、α-アマニチンなどのアマトキシン、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド
、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デ
ュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリ
ノベンゾジアゼピン、インドリノベンゾジアゼピン二量体、またはそれらの変異体などの
細胞毒素に共有結合でコンジュゲートさせることができる。このコンジュゲーションは、
本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている共有結合形成技術を使用
して実施することができる。抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジ
ュゲートをその後患者に、例えば静脈内投与によって、外因性造血幹細胞(自家、同系、
または同種異系造血幹細胞など)の患者への移植の前に投与することができる。
【0285】
内因性造血幹細胞の量を、造血幹細胞移植治療の前に、例えば、10%、20%、30%、40%、
50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上減少させるのに十分な量の抗CD110抗体
、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを投与することができる
。造血幹細胞数の減少は、当該技術分野で知られている従来の技術を用いて、例えばコン
ディショニング療法中にさまざまな間隔で患者から採取された血液試料中の特徴的な造血
幹細胞表面抗原を発現する細胞のFACS分析などによってモニターすることができる。例え
ば、当業の内科医は、コンディショニング療法中のさまざまな時点で患者から血液試料を
採取することができ、FACS分析を実施して試料中の造血幹細胞の相対濃度を造血幹細胞マ
ーカー抗原に結合する抗体を用いて解明することによって、内因性造血幹細胞減少の程度
を決定することができる。いくつかの実施形態によれば、造血幹細胞の濃度が、抗CD110
抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートでのコンディショニ
ング療法に応答して最小値に達したとき、内科医は、コンディショニング療法を終了し、
造血幹細胞移植治療のために患者の準備を始めてもよい。
【0286】
抗CD110抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、粘度調
整剤などの1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含有する水溶液で患者に投与すること
ができる。水溶液は、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている技
術を使用して滅菌することができる。造血幹細胞移植片を患者に投与する前に、抗体、そ
の抗原結合フラグメント、または薬物-抗体コンジュゲートを、例えば、0.001mg/kg~100
mg/kgの投与量で患者に投与することができる。抗体、その抗原結合フラグメント、また
は薬物-抗体コンジュゲートを、患者に、外因性造血幹細胞の生着を最適に促進する時点
で、例えば、外因性造血幹細胞移植片の投与の1時間~1週間(例えば、1時間、2時間、3
時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、
14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、
24時間、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日)またはそれ以上前に投与することがで
きる。
【0287】
コンディショニング療法の終了後、続いて患者は、コンディショニング療法を実施した
同じ内科医から、または異なる内科医などから、外因性造血幹細胞の注入(例えば、静脈
内注入)を受けることができる。内科医は、自己、同系、または同種異系の造血幹細胞の
注入を、例えば、1x103~1x109造血幹細胞/kgの投与量で患者に投与することができる。
内科医は、例えば、患者から血液試料を採取し、造血幹細胞または造血系統の細胞(巨核
球、血小板、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、小膠細
胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキ
ラー細胞、Tリンパ球、およびBリンパ球など)の移植片の投与後の濃度の増加を測定する
ことによって、造血幹細胞移植片の生着をモニターすることができる。この分析は、例え
ば、造血幹細胞移植治療後に、1時間~6ヶ月以上にわたって実施することができる(例え
ば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時
間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時
間、22時間、23時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週
間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14
週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24
週間、またはそれ以上)。造血幹細胞または造血系統の細胞の濃度が、移植治療前の対応
する細胞型の濃度と比較して、移植治療後に(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%
、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、500%、またはそれ
以上)増加したという発見は、抗CD110抗体、その抗原結合フラグメント、または薬物-抗
体コンジュゲートでの治療が、移植された造血幹細胞移植片の生着をうまく促進したこと
を示す1つの指標となる。
【0288】
(実施例6:造血幹細胞に結合することができる抗体のファージディスプレイによる生成

本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用する抗CD45(例えば、抗CD45RO)、抗
CD135、抗CD34、抗CD90、または抗CD110抗体のin vitro進化のための例示的な方法は、フ
ァージディスプレイである。ファージディスプレイライブラリーは、抗体のCDRまたは抗
体様足場の類似領域(例えば、10Fn3ドメインのBC、CD、およびDEループ)のコード配列
内に設計された一連の突然変異または変異を作ることによって、作製することができる。
これらの変異が導入される鋳型抗体をコードする配列は、例えば、ナイーブヒト生殖細胞
系配列であり得る。これらの突然変異は、当該技術分野で知られている標準的な変異誘発
技術を用いて行われ得る。したがって、各突然変異配列は、1つ以上のアミノ酸変異を除
いて鋳型に対応する抗体をコードする。レトロウイルスおよびファージディスプレイベク
ターは、当該技術分野で知られている標準的なベクター構築技術を用いて操作され得る。
適合性タンパク質発現ベクターと共にP3ファージディスプレイベクターを用いて、抗体多
様化のためのファージディスプレイベクターを作製することができる。
【0289】
変異DNAは配列多様性を提供し、各形質転換体ファージは、そのDNAによってコードされ
た最初の鋳型アミノ酸配列の1つの変異を表示し、異なるが構造的に関連した膨大な数の
アミノ酸配列を示すファージ集団(ライブラリー)をもたらす。抗体超可変領域の明確な
構造のために、ファージディスプレイスクリーンに導入されたアミノ酸変異は、その全体
的な分子構造を著しく変えることなく結合ペプチドまたはドメインの結合特性を変えると
予想される。
【0290】
典型的なスクリーニングでは、ファージライブラリーを前述の抗原の1つまたはそのエ
ピトープと接触させて結合させることができる。結合剤および非結合剤の分離を容易にす
るために、標的を固体支持体上に固定化するのが都合がいい。CD45、CD135、CD34、CD90
、またはCD110結合部位を有するファージは、標的との複合体を固体支持体上に形成する
ことができるが、非結合ファージは溶液中に残り、過剰の緩衝液で洗い流すことができる
。次いで、緩衝液を極端なpH(pH2またはpH10)に変化させること、緩衝液のイオン強度
を変化させること、変性剤を添加すること、または他の既知の手段によって、結合ファー
ジを標的から遊離させることができる。
【0291】
次いで回収されたファージを細菌細胞の感染を通して増幅することができ、目下で非結
合抗体が枯渇し、CD45(例えば、CD45RO)、CD135、CD34、CD90、またはCD110に結合する
抗体が富化されている新しいプールを用いてスクリーニングプロセスを繰り返すことがで
きる。数個の結合ファージの回収であっても、その後のスクリーニング反復用にファージ
を増幅するのに十分である。数回の選択の後、結合プール中の選択されたファージクロー
ンに由来する抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする遺伝子配列が従来の方法
により決定され、そうして標的に対するファージの結合親和性を付与するペプチド配列が
明らかになる。パニングプロセスの間、集団の配列多様性は、望ましいペプチド結合抗体
が残るまで、選択の各回と共に減少する。配列は、少数の関連抗体またはその抗原結合フ
ラグメントに収束し得る。選択の各回で回収されたファージの数の増加は、ライブラリー
の収束がスクリーニング内で起こったことの指標である。
【0292】
(実施例7:造血幹細胞抗原に結合するヒト化抗体の製造)
CD45(例えばCD45RO)、CD135、CD34、CD90、またはCD110に結合する非ヒト抗体は、例
えば、以下の手順に従ってヒト化することができる。コンセンサスヒト抗体重鎖および軽
鎖配列は、当該技術分野で知られている(例えば、「VBASE」ヒト生殖細胞系配列データ
ベース;Kabat et al. Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edit
ion, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91 -3242,
1991;Tomlinson et al., J. Mol. Biol. 227:776-798, 1992;およびCox et al.. Eur.
J. Immunol. 24:827- 836, 1994を参照し、それらの各々の開示は、コンセンサスヒト抗
体重鎖および軽鎖配列に関するものとして、参照により本明細書に組み込まれる)。確立
された手順を使用して、当業者は、コンセンサス抗体配列の可変ドメインフレームワーク
残基およびCDRを同定することができる(例えば、配列アラインメントにより)。ヒト化
抗体を産生するために、コンセンサスヒト抗体の重鎖および/または軽鎖可変ドメインの
1つ以上のCDRを、本明細書に記載のようにCD45(例えばCD45RO)、CD135、CD135、CD34、
CD90、またはCD110に結合する非ヒト抗体の1つ以上の対応するCDRで置換することができ
る。このCDR交換は、本明細書に記載されているかまたは当該技術分野で知られている遺
伝子編集技術を使用して実施することができる。
【0293】
コンセンサスヒト抗体の可変ドメインの一例は、重鎖可変ドメイン
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDYAMSWVRQAPGKGLEWVAVISENGSDTYYADSVKGRFTISRDDSKNTLY
LQMNSLRAEDTAVYYCARDRGGAVSYFDVWGQGTLVTVSS(配列番号34)および軽鎖可変ドメインDI
QMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSSYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASSLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPED
FATYYCQQYNSLPYTFGQGTKVEIKRT(配列番号35)を含み、米国特許第6,054,297号で同定さ
れており、その開示は、ヒト抗体コンセンサス配列に関するものとして、参照により本明
細書に組み込まれる。上記配列中のCDRは、太字で示されている。
【0294】
ヒト化抗体を産生するために、1つ以上の可変領域CDRがCD45(例えば、CD45RO)、CD13
5、CD34、CD90、またはCD110に結合する非ヒト抗体の1つ以上の可変領域CDR配列で置換さ
れている上記コンセンサス配列をコードするポリヌクレオチドを、組み換え発現させるこ
とができる。造血幹細胞抗原に対する抗体の親和性は主にCDR配列によって決定されるた
め、得られたヒト化抗体は、ヒト化抗体が由来する非ヒト抗体の親和性とほぼ同じ造血幹
細胞抗原に対する親和性を示すと予想される。標的抗原に対する抗体の親和性を決定する
方法としては、例えば、本明細書に記載され、当該技術分野で知られているELISAベース
の技法、ならびに表面プラズモン共鳴、蛍光異方性、および等温滴定熱量測定がとりわけ
挙げられる。
【0295】
(実施例8:抗CD45抗体-薬物コンジュゲートの、CD45+細胞集団を枯渇させる能力)
抗CD45抗体-薬物コンジュゲートがCD45+Reh細胞を殺す能力を調べるために、さまざま
なアイソタイプの一連の抗CD45モノクローナル抗体Ab1、Ab2、およびAb3をサポリンコン
ジュゲートFabフラグメントに結合させ、続いてCD45+Reh細胞と共に3日間インキュベート
した。陰性対照として、アイソタイプが一致した抗体-サポリンコンジュゲートをAb1、Ab
2、およびAb3のそれぞれについて作製し、これらをCD45+Reh細胞と共に同じく3日間イン
キュベートした。次いで細胞生存率をCellTiter-Glo(商標)アッセイを用いて評価した
図1に示されるように、さまざまな抗体-サポリンコンジュゲートが、異なる効力でCD4
5+Reh細胞を殺すことができ、それぞれが用量依存的にCD45+Reh細胞株を枯渇させること
ができた。
【0296】
抗CD45モノクローナル抗体-サポリンコンジュゲートがin vitroでヒトCD34+造血幹細胞
を枯渇させる能力を調べるために、ヒトIgG1抗CD45モノクローナル抗体-サポリンコンジ
ュゲートまたはアイソタイプが一致した対照をCD34+細胞と共にさまざまな濃度でインキ
ュベートした。6日間のインキュベーション期間の後に、フローサイトメトリーを使用し
て細胞生存を続けて評価した。この実験の結果を図2に報告する。そこに示されるように
、抗CD45抗体-サポリンコンジュゲートは、用量依存的にヒトCD34+造血幹細胞を枯渇させ
ることができることが発見された。
【0297】
まとめると、これらの結果は、サポリンにコンジュゲートした抗CD45抗体を使用して、
被験体における造血幹細胞の集団を枯渇させ、例えば、造血幹細胞移植治療の準備におい
て、造血幹細胞がホーミングし得るニッチを提供するようにできることを実証する。
【0298】
(他の実施形態)
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、あたかもそれぞれの独
立した刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示される
のと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0299】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、それはさらなる修正が可能で
あることが理解され、本出願は、概して本発明の原理に従い、当該技術分野における既知
のまたは慣習的な慣行の範囲内にある本発明からのそのような逸脱を含む本発明のあらゆ
る変形、使用、または適合を、本発明が前述した本質的な特徴に関連してそれらに適用す
ることができ、特許請求の範囲に従う程度に網羅することを意図している。
【0300】
他の実施形態は、特許請求の範囲内にある。
図1
図2
【配列表】
2024037832000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト患者におけるCD45RO+細胞の集団を枯渇させる方法であって、前記患者に、CD45ROに結合することができる抗体またはその抗原結合フラグメントの有効量を投与する工程を含む、方法。
【外国語明細書】