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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037835
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】二酸化窒素貯蔵カセット
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/12 20060101AFI20240312BHJP
   A61M 16/10 20060101ALI20240312BHJP
   C01B 21/24 20060101ALI20240312BHJP
   C01B 21/36 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61M16/12
A61M16/10 Z
C01B21/24 A
C01B21/36 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023208418
(22)【出願日】2023-12-11
(62)【分割の表示】P 2022023513の分割
【原出願日】2015-10-20
(31)【優先権主張番号】62/066,345
(32)【優先日】2014-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】509262655
【氏名又は名称】ベロ バイオテック インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】バリー エヌ.ゲルマン
(72)【発明者】
【氏名】エディー タジュディーン
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ガメロ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ホプキンス
(72)【発明者】
【氏名】エド ブロムベルグ
(72)【発明者】
【氏名】リアン デントン
(72)【発明者】
【氏名】ブリアン ジェイ.ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】デビッド エイチ.ファイン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型で携帯可能な一酸化窒素源を備え得る一酸化窒素送達プラットフォームを提供する。
【解決手段】一酸化窒素送達システムは、1回限りの使い捨て構成要素であるカセットを含むことができ、該カセットを使用して、液体N2O4を貯蔵し、操作者の要求に応じて作動し、コンソールによって調節される加熱要素(複数可)によってN2O4をNO2に変換してNO2を制御された流量で送達し、濃縮NO2を、含められている一対の変換カートリッジに誘導し、そして患者に送達するためにNOガスをコンソールに排出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャトル管であって、該シャトル管は、液体四酸化二窒素を含有するアンプルを収納し
ているクレードルであり、該シャトル管が、2つの相対する位置をとるように構成され、
かつ該2つの相対する位置の間で移動するように構成された、該シャトル管;
二酸化窒素を不活性化するように構成された不活性化物質;及び
該シャトル管と該不活性化物質の間に位置するリーク弁であって、該シャトル管が該2
つの相対する位置の1つにあるときに、該アンプルを該不活性化物質に連結するように構
成された、該リーク弁
を備える、装置。
【請求項2】
前記アンプルが、0.53ml未満の液体四酸化二窒素を含有する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記不活性化物質が、二酸化窒素を不活性化することにより色が変化するように構成さ
れる、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記不活性化物質の色の変化が、使用者に視認できる、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記装置が、ハウジングを含むカセットを備えており、
前記シャトル管、前記アンプル、前記不活性化物質、及び前記リーク弁が、該ハウジン
グ内に配置され、かつ
前記装置が、NO/空気ガス用量の送達を調節するコンソールであって、該カセットが備
える弁を介して該カセットと流体連通するように構成された、該コンソールを更に備える
、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、ハウジングを含むカセットを備えており、
前記シャトル管、前記アンプル、前記不活性化物質、及び前記リーク弁が、該ハウジン
グ内に配置され、
前記カセットが、該ハウジング内に配置されたカートリッジであって、該カートリッジ
が該シャトル管に流体連通され、該シャトル管から二酸化窒素を受け取るように構成され
、かつ二酸化窒素を一酸化窒素に変換するように構成されている、該カートリッジを更に
含み;かつ
該装置が、NO/空気ガス用量の送達を調節するコンソールであって、該カセットが備え
る弁を介して該カートリッジと流体連通するように構成された、該コンソールを更に備え
る、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記装置が、ハウジングを含むカセットを備えており、
前記シャトル管、前記アンプル、前記不活性化物質、及び前記リーク弁が、該ハウジン
グ内に配置され、
該ハウジングが、カセットの弁であって、該カセットを、NO/空気ガス用量の送達を調
節するコンソールに連通するように構成された該カセットの弁を覆うように構成されたシ
ールを更に含み、かつ
該シールが、該装置が使用されたことを視覚的に指示するように構成された開封明示シ
ールである、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、ハウジングを含むカセットを備えており、
前記シャトル管、前記アンプル、前記不活性化物質、及び前記リーク弁が、該ハウジン
グ内に配置され、
該ハウジングが、制限器であって、該制限器の近位端部が該アンプルに面し、かつ該制
限器の遠位端部が、一酸化窒素ガスの出口を提供する、該制限器を更に備え、かつ
前記シャトル管が、二酸化窒素ガスを該リーク弁又は該制限器に選択的に誘導するよう
に構成される、請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記シャトル管を、前記2つの相対する位置の間で移動させて、これによって、該2つの
相対する位置の1つの位置である、該シャトル管が二酸化窒素ガスを前記リーク弁に誘導
し、かつ前記制限器に誘導しないように構成される位置から、該2つの相対する位置の第2
の位置である、該シャトル管が二酸化窒素ガスを該制限器に選択的に誘導し、かつ該リー
ク弁に誘導しないように構成される位置に該シャトル管を移動させるように構成された、
作動ロッドを更に備える、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記作動ロッドが、前記シャトルに前記アンプルを破壊させるように構成される、請求
項9記載の装置。
【請求項11】
前記不活性化物質が、ソーダ石灰を含む、請求項1記載の装置。
【請求項12】
ハウジングを含むカセットを更に備え、
前記シャトル管、前記アンプル、前記不活性化物質、及び前記リーク弁が、該ハウジン
グ内に配置され、
該ハウジングが、二酸化窒素を一酸化窒素に変換するように構成されているカートリッ
ジを更に備え、
該ハウジングが、制限器であって、該制限器の近位端部が該アンプルに面し、かつ該制
限器の遠位端部が、一酸化窒素ガスの出口を提供する、該制限器を更に備え、
該シャトル管が前記2つの相対する位置の1つにあるときに、該シャトル管は、二酸化窒
素ガスを該リーク弁に誘導し、かつ該カートリッジに誘導しないように構成され、
該シャトル管が該2つの相対する位置の第2の位置にあるときに、該シャトル管は、二酸
化窒素ガスを該制限器を介して該カートリッジに誘導し、かつ該リーク弁に誘導しないよ
うに構成され、かつ
前記装置が、NO/空気ガス用量の送達を調節するコンソールであって、該カセットが備
える弁を介して該カートリッジと流体連通するように構成された、該コンソールを更に備
える、
請求項1記載の装置。
【請求項13】
ハウジングを含むカセットを更に備え、
前記シャトル管、前記アンプル、前記不活性化物質、及び前記リーク弁が、該ハウジン
グ内に配置され、
該ハウジングが、前記シャトル管と流体連通されたカートリッジを更に備え、
該カートリッジが、抗酸化剤で湿潤された物質を含み、二酸化窒素を一酸化窒素に変換
するように構成される、請求項1記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、引用により全内容が本明細書中に組み
入れられる2014年10月20日出願の米国特許出願第62/066,345号の優先権を請求するもので
ある。
【0002】
(技術分野)
本発明は、少なくとも1%の一酸化窒素を含むガスの保存及び送達のためのシステム及
び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
一部の障害又は生理学的状態は、一酸化窒素の吸入によって調節することができる。低
濃度の吸入用一酸化窒素の使用は、限定されるものではないが、急性肺血管収縮、外傷、
吸引又は吸入傷害、肺内の脂肪塞栓、アシドーシス、肺炎、成人呼吸逼迫症候群、急性肺
水腫、急性高山病、心臓手術後の急性肺高血圧、新生児の持続性肺高血圧、周産期吸引症
候群、硝子膜病、急性肺血栓塞栓症、ヘパリン-プロタミン反応、敗血症、喘息及び喘息
発作重積状態、又は低酸素症を含み得る障害の進行を予防する、後退させる、又は制限す
ることができる。また、一酸化窒素を使用して、慢性肺高血圧、気管支肺異形成、慢性肺
血栓塞栓症、及び突発性若しくは原発性肺高血圧、又は慢性低酸素症を治療することもで
きる。
【0004】
一般に、一酸化窒素は、吸入又は他の方法で各自の肺に送達することができる。治療量
のNOを供給することにより、NOの吸入によって調節できる障害又は生理学的状態の患者を
治療することができる、或いはこのような障害又は生理学的状態の従来の治療を補う、又
はその必要性を最小限にすることができる。典型的には、NOガスは、窒素ガス(N2)で希
釈されてボンベに充填された気体の形態で供給することができる。NOは、O2の存在下で酸
化されて二酸化窒素(NO2)となり得るため、NOガスのタンク内に微量の酸素(O2)さえ
も存在しないように、多大な注意を払わなくてはならない。NOとは異なり、ppmレベルのN
O2ガスは、吸入されると毒性が高く、肺に硝酸及び亜硝酸が生じ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
一般に、二酸化窒素の一酸化窒素への変換のためのカセットは、密封ハウジングと、該
密封ハウジング内で二酸化窒素ガスを一酸化窒素に変換することができる第1のカートリ
ッジであって、入口、分流器、本体、出口、及び還元剤を含む多孔質固体マトリックスを
備え、該多孔質固体マトリックスが、該第1のカートリッジの本体と該多孔質固体マトリ
ックスとの間に空間が存在するように該第1のカートリッジ内に配置され、該多孔質固体
マトリックスが、該第1のカートリッジの本体の長さに平行な開口通路を有する、該第1の
カートリッジと、二酸化窒素ガスを一酸化窒素に変換することができる第2のカートリッ
ジであって、該第1のカートリッジの出口と該第2のカートリッジの入口が接続され、該第
2のカートリッジが、入口、分流器、本体、出口、及び還元剤を含む多孔質固体マトリッ
クスを備え、該多孔質固体マトリックスが、該第1のカートリッジの本体と該多孔質固体
マトリックスとの間に空間が存在するように該第1のカートリッジ内に配置され、該多孔
質固体マトリックスが、該第1のカートリッジの本体の長さに平行な開口通路を有する、
該第2のカートリッジと;不活性化物質を含む不活性化チャンバと、を備えることができ
る。
【0006】
特定の実施態様では、この空間は、幅を有し、該幅は、多孔質固体マトリックスの表面
とレセプタクルとの間の距離であり、該空間の幅は、該レセプタクルの長さに沿って異な
り得、入口は、ガス流を受け取るように構成され、分流器は、該ガス流を本体と該多孔質
固体マトリックスとの間の空間に誘導し、かつ該ガス流は、該ガス流中の二酸化窒素を一
酸化窒素に変換するために該多孔質固体マトリックスを介して出口に流体連通している。
【0007】
他の実施態様では、この空間の幅は、レセプタクルの長さの一部に沿って減少している
【0008】
他の実施態様では、この空間の幅は、レセプタクルの長さの一部に沿って増加している
【0009】
他の実施態様では、この空間の幅は、入口からレセプタクルのほぼ中間点までの該レセ
プタクルの長さの一部に沿って増加し、この空間の幅は、レセプタクルのほぼ中間点から
出口までの該レセプタクルの長さの一部に沿って減少している。
【0010】
他の実施態様では、密封ハウジングは、N2O4及びNO2の貯蔵装置を更に備える。
【0011】
他の実施態様では、貯蔵装置は、シャトル管内に含められ、該管は、該貯蔵装置を安定
させる。
【0012】
他の実施態様では、シャトル管は、輸送中に不活性化チャンバが貯蔵装置に対して開口
するように配置されている。
【0013】
他の実施態様では、不活性化物質は、貯蔵装置が破壊されたときに永久に変色する。
【0014】
他の実施態様では、密封ハウジングが、制限器を更に備える。
【0015】
他の実施態様では、制限器は、貯蔵装置と第1のカートリッジを接続する。
【0016】
他の実施態様では、密封ハウジングは、ヒータを更に備える。
【0017】
他の実施態様では、ヒータは、貯蔵装置に巻き付けられ、かつ該貯蔵装置の温度を変更
することによって二酸化窒素ガスの排出量を調節する。
【0018】
他の実施態様では、カセットは、1回使用されると廃棄される。
【0019】
他の実施態様では、カセットは、コンソールに更に接続され、該コンソールが、ヒータ
を調節する。
【0020】
一般に、液体二酸化窒素の貯蔵装置は、アンプルを含む容器と、液体二酸化窒素を含む
アンプルであって、該アンプルが破壊されたときに該液体二酸化窒素が一酸化窒素に変換
される、該アンプルと、制限器であって、その近位端部が該アンプルに面し、かつその遠
位端部が、一酸化窒素ガスの出口を提供する、該制限器と;該アンプルに接続されたリー
ク弁と;該アンプルを含むシャトル管と、を備えることができる。
【0021】
特定の実施態様では、シャトル管は、使用者がアンプルを破壊したときに制限器に接続
される。
【0022】
他の実施態様では、貯蔵装置は、ヒータに更に接続されている。
【0023】
他の実施態様では、ヒータは、使用者がアンプルを破壊したときに作動される。
【0024】
他の実施態様では、貯蔵装置は、リーク弁を介して不活性化チャンバに更に接続されて
いる。
【0025】
他の実施態様では、シャトルが回転して、アンプルを不活性化チャンバ又は制限器のい
ずれかに接続する。
【0026】
他の実施態様では、貯蔵装置は、混合Tフィッティングに更に接続されている。
【0027】
他の実施態様では、空気が、混合Tフィッティングに流入する。
【0028】
他の実施態様では、貯蔵装置の容積は、0.53 mL以下である。
【0029】
他の実施態様では、貯蔵装置は、密封ハウジング内に含められている。
【0030】
他の実施態様では、密封ハウジングは、該密封ハウジング内で二酸化窒素ガスを一酸化
窒素に変換することができる第1のカートリッジであって、入口、分流器、本体、出口、
及び還元剤を含む多孔質固体マトリックスを備え、該多孔質固体マトリックスが、該第1
のカートリッジの本体と該多孔質固体マトリックスとの間に空間が存在するように該第1
のカートリッジ内に配置され、該多孔質固体マトリックスが、該第1のカートリッジの本
体の長さに平行な開口通路を有する、該第1のカートリッジと、二酸化窒素ガスを一酸化
窒素に変換することができる第2のカートリッジであって、該第1のカートリッジの出口と
該第2のカートリッジの入口が接続され、該第2のカートリッジが、入口、分流器、本体、
出口、及び還元剤を含む多孔質固体マトリックスを備え、該多孔質固体マトリックスが、
該第2のカートリッジの本体と該多孔質固体マトリックスとの間に空間が存在するように
該第2のカートリッジ内に配置され、該多孔質固体マトリックスが、該第2のカートリッジ
の本体の長さに平行な開口通路を有する、該第2のカートリッジと;不活性化物質を含む
不活性化チャンバと、を更に備える。
【0031】
他の実施態様では、この空間は、幅を有し、該幅は、多孔質固体マトリックスの表面と
レセプタクルとの間の距離であり、該空間の幅は、該レセプタクルの長さに沿って異なり
得、入口は、ガス流を受け取るように構成され、分流器は、該ガス流を本体と該多孔質固
体マトリックスとの間の空間に誘導し、かつ該ガス流は、該ガス流中の二酸化窒素を一酸
化窒素に変換するために該多孔質固体マトリックスを介して出口に流体連通している。
【0032】
他の実施態様では、この空間の幅は、レセプタクルの長さの一部に沿って減少している
【0033】
他の実施態様では、この空間の幅は、レセプタクルの長さの一部に沿って増加している
【0034】
他の実施態様では、この空間の幅は、入口からレセプタクルのほぼ中間点までの該レセ
プタクルの長さの一部に沿って増加し、この空間の幅は、レセプタクルのほぼ中間点から
出口までの該レセプタクルの長さの一部に沿って減少している。
【0035】
他の態様、実施態様、及び特徴は、以下の説明、図面、及び特許請求の範囲から明らか
になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
(図面の簡単な説明)
図1図1は、従来の一酸化窒素送達プラットフォームを示す図である。
図2図2は、一酸化窒素送達プラットフォームを示す図である。
図3図3は、供給サブアセンブリを示す概略図である。
図4図4は、シュラーダー型面を示す概略図である。
図5A図5Aは、カートリッジを示す概略図である。
図5B図5Bは、図5Aの断面である。
図6図6は、液体モジュールを示す概略図である。
図7図7は、供給サブアセンブリの流れ図である。
図8図8は、例示的なコンソールである。
図9図9は、例示的なコンソールを示している。
図10図10は、例示的な出力性能曲線を示している。
図11図11は、カセットを示している。
図12図12は、カセットアセンブリを示している。
図13図13は、液体容器及び制限器アセンブリを示している。
図14図14は、カートリッジ構成要素を示している。
図15図15は、アセンブリ内のカートリッジを示している。
図16図16は、ベースに取り付けられたカートリッジを示している。
図17図17は、カセットのベースのマニホールドを示している。
図18A図18Aは、ベースにある出口位置を示すガス流路を示している。
図18B図18Bは、図18Aの出口位置を示している。
図19図19は、シュラーダー型弁の断面を示している。
図20図20は、例示的なカセットパッケージングを示している。
図21図21は、カセットベースアセンブリを示している。
図22図22は、ある構造の例示的なシャトル機構を示している。
図23図23は、別の構造の例示的なシャトル機構を示している。
図24図24は、別の構造の例示的なシャトル機構を示している。
図25図25は、別の構造の例示的なシャトル機構を示している。
図26図26は、別の構造の例示的なシャトル機構を示している。
図27図27は、例示的な患者流入ポート液体容器/制限器ハウジングアセンブリを示している。
図28図28は、制限器ハウジングT型フィッティングアセンブリを示している。
図29図29は、液体モジュールハウジング及びベースハウジングを示している。
図30図30は、不活性化チャンバ及びパージチャンバを通るカセットの断面を示している。
図31図31は、カセットアセンブリを示している。
図32図32は、カートリッジを通るカセットの断面を示している。
図33図33は、カセットの断面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(詳細な説明)
治療的使用のために一酸化窒素(NO)を哺乳動物へ送達する場合は、該哺乳動物への二
酸化窒素(NO2)の送達を回避することが重要であり得る。二酸化窒素(NO2)は、酸素(
O2)での一酸化窒素(NO)の酸化によって生じ得る。二酸化窒素(NO2)の生成率は、酸
素(O2)濃度に一酸化窒素(NO)濃度の二乗を乗じた値に比例し得る。NO送達システムは
、二酸化窒素(NO2)を一酸化窒素(NO)に変換することができる。加えて、一酸化窒素
は、高濃度で二酸化窒素を生成し得る。
【0038】
図1を参照すると、一酸化窒素を送達するためのプラットフォームが現存する。例えば
、使用されている標準的なプラットフォームは、窒素(N2)中に800 ppmのNOを含むガス
ボンベ100を備えることができる(図1)。一酸化窒素/窒素ガスを、ガスボンベ100から放
出することができ、該ガスの圧力及び流量を、ガス流量調節器105及び/又は弁110を用い
て調節することができる。ガスボンベプラットフォームを使用する場合、NO排出115は、
ガスボンベ100内の二酸化窒素濃度によって決まり、使用者は変更することはできない。
例えば、ガスボンベが、空気又は酸素中80 ppmのNO2を含んでいる場合は、排出は、空気
又は酸素中80 ppmのNO2であり得る。ガスは、典型的には、2000 psi(13.79 MPa)以上の
圧力で供給することができる。典型的には、ガスボンベは、少なくとも99.9%のN2を含む
。ガスボンベプラットフォームは、十分に機能し得るが、重いアルミニウム又はステンレ
ス製ガス圧力シリンダ、ガス流量調節器、及び流量制御装置を備え得るため、大きくて重
く、扱いにくいであろう。
【0039】
市販のプラットフォームの例は、Ikaria社によって製造されたものであり、その内の2
つは、INOvent及びINOmax DSである。これらの両方のシステムは、窒素(N2)で希釈され
たNOが入ったガスボンベを使用し、該NOを酸素富化空気と混合して吸入用NOガスを供給す
る。これらの両方のシステムは、病院の集中治療室の人工呼吸器と協働するように設計さ
れている。これらのプラットフォームは、携帯用又は家庭用には適していない。
【0040】
図2を参照すると、別の例として、プラットフォームは、スタンドアロン型ガスボンベ
プラットフォームとすることができる。ガスボンベプラットフォーム200は、ガスボンベ2
05、ガス流量調節器210、及びGeNOカートリッジ215を備えることができる。ガスシリンダ
からの排出を、GeNOカートリッジに送達することができ、そこで、NO2中の酸素原子の1つ
が、還元剤、例えば、アスコルビン酸によって除去され、超高純度NOが生成する。GeNOカ
ートリッジは、以下により詳細に説明され、そしてそれぞれ引用によりそれらの全内容が
本明細書中に組み入れられる米国特許出願第12/500, 929号、同第12/541,144号、同第12/
619,959号、及び同第12/951,811号、並びに米国特許第7,560,076号にも記載されている。
このプラットフォームは、ヒト患者による2件の臨床試験での使用についてFDAによって既
に認可されている。
【0041】
NOを送達するための別の変更形態は、空気又は酸素中最大2,000 ppmのNO2ガス濃度で開
始し、80 ppmのNO2まで希釈することができる。この手順は、安定した混合比を得るため
に正確な質量流量制御装置及び計器を必要とし得るため、更に複雑になるであろう。
【0042】
上述のように、ガスボンベプラットフォームの不都合な点は、該プラットフォームが大
きく、重くなり得ることであろう。このプラットフォームはまた、携帯型プラットフォー
ムとしての長期治療での使用に不便であろう。ガスボンベはまた、集中治療室、病院、又
は家庭などの限られた空間で使用される場合に扱いにくいであろう。加えて、ガスボンベ
は、転倒して身体的外傷を引き起こすのを防止するために縛り付ける必要がある。また、
転倒により流量調節器が損傷して、開口からのガスの突然の噴出により、重いボンベがミ
サイルと化して、壁を何度も突き抜けて傷害又は死に至らしめ得る。従って、携帯用又は
家庭用として使用するために小型で携帯可能な一酸化窒素源を備え得る一酸化窒素送達プ
ラットフォームが要望されている。
【0043】
カセットは、完全一体型の1回限りの使い捨て構成要素とすることができ、この構成要
素は、液体N2O4を貯蔵し、操作者の要求に応じて作動し(ガラスアンプルを破壊し)、コ
ンソールによって制御される加熱要素(複数可)によりN2O4をNO2に変換して、NO2を制御
された流量で送達し、濃縮NO2を、含められた一対の変換カートリッジに誘導し、患者に
送達するためにNOガスをコンソールに排出することができる。
【0044】
図3A図3Dを参照すると、図3Aは、2つの主カートリッジ301、N2O4アンプル及びシャト
ル機構を含む液体モジュール302、並びに制限器カラムアセンブリ303を備えるカセットの
概略図である。図3Bにおいて、不活性化チャンバ304は、2つの主カートリッジを接続して
いる。カバー306は、中和物質の色の変化を見ることができるように透明である。ヒータ
及びサーミスタの接点305は、カバーの反対側の端部にある。図3Cは、アクセスポートを
備えたカセットのベース310を示している。アクセスポートは、使用前はフォイルシール
で覆われている。図3Dは、パージ入口312、パージ出口313、空気入口314、第1の主カート
リッジ入口315、第2の主カートリッジ入口316、及び制限器「T」317を備えるカセットの
ベースのレイアウトを示している。
【0045】
カセットに組み込まれた安全機能
カセットは、NO及びNO2ガスの大気への排出の制限し、かつ該NO及びNO2ガスを変換する
ための安全要素を提供することができる。液体モジュールは、機器の使用者又は輸送者の
NO2への暴露を制限する十分な安全機能を提供することができる。
【0046】
カセットは、NO2ガスへの暴露から輸送者及び使用者を保護するための以下の保護要素
を備えることができる:
【0047】
ガラスアンプル-安全番号1
N2O4を液体形態でガラスバイアルに含めて収納することができる。ガラスアンプル内に
含められるN2O4の最大容量は、突発故障が起きた場合にEPA限界(偶発性の人体暴露-NO2
ガスシリンダの突発故障に対して確立されている)よりも低い0.53 mlとすることができ
る。液体N2O4の環境暴露は、内容物が高圧下にあるNO2ガス流量調節器の故障による室内
への即座の放出と比較すると、NO2に変換するためにガスが著しく加熱されるときには低
い速度で室内に拡散し得る。ガラスアンプルは、テフロン収縮管でシャトルに固定するこ
とができる。この収縮管は、多数の利点を提供することができる:(a)ガラスアンプル
を輸送中に安定させて振動を減衰させる;(b)ガラスの破片を閉じ込める障壁を提供す
る。
【0048】
シャトルシール-安全番号2A及び2B並びに3A及び3B
ガラスアンプルは、2位置構成要素内に含めることができ、該2位置構成要素は、ガラス
を破壊することができ、かつ液体容器の両端部(排出又は不活性化)に対してシールを往
復させる-各端部は、異なる機能を有する。二重漏れ止め安全シールが、シャトルの両端
部に取り付けられている。不活性化シールは、液体モジュールの不活性化チャンバへのガ
ス流を制御することができる。排出シールは、患者へのガス流を制御する。シャトルは、
不活性化側又は排出側にガス流を誘導するために手動で配置される。シールは、半径方向
シールと研磨排気ポートに適合するルアシールとの両方を組み合わせることによって重複
性を提供するように設計されている。
【0049】
不活性化チャンバ-安全番号4
シャトル機構は、不活性チャンバが製品の輸送中に液体容器に対して開口した状態で配
置することができる。輸送中にガラスアンプルが破壊された場合、液体容器内の全内容物
を中和物質に誘導して、NO2ガスを化学反応によって不活性化することができる。これに
より、カセットの更なる安全手段が提供される。加えて、不活性化物質は、永久的な変色
が起こり得、これをカセットの窓から視認することができ、これにより、カセットがもは
や機能的ではなく利用するべきではないという指示を使用者に提供することができる。
【0050】
スローリーク弁-安全番号5
製品は、液体チャンバと不活性化物質との間で直接連通するように不活性化シールが開
いた位置で輸送することができる。輸送中にガラスバイアルが破壊された場合、中和する
ためにNO2ガスを不活性化物質に誘導することができる。不活性化チャンバへのガス流量
は、反応温度の上昇を制御して不活性化反応が起こるのに十分な時間を提供するために調
節することができる。
【0051】
スローリーク弁は、突発故障が起きた場合にNO2ガスの環境への排出速度を低下させる
更なる安全機能を提供することができる。
【0052】
シュラーダー型弁(図4)-安全番号6A及び6B
カセットのベースに、3つのアクセスポート(及びDC電力ヒータコネクタ):室内空気
ポンプ流入用、NOガス流出用、パージ流入用が存在し得る。全ての高濃度NO2ガス配管が
カセット内に含められ、リークによる環境曝露が軽減される。
【0053】
図4を参照すると、空気流入ポート及びNOガス流出ポートの両方は、出口シールが故障
した場合に備えて、液体容器のシャトル機構とは独立した重複シールを提供することがで
きる。これらのシールは、カセットがコンソールに挿入されて、システムが作動して空気
ポンプ入口プローブ及びNOガス出口のプローブがカセット内に挿入されたときに作動させ
ることができる。シュラーダー型シールは、ばね荷重により通常は閉じられており、コン
ソールからのプローブの導入時に機械的に移動される。カセットからプローブが除去され
ると、シュラーダーシールが、密閉位置に自動的に戻る。図4は、シュラーダー弁401、コ
ンソールアクセス402、フォイルシール403、及びばね(複数可)404を示している。
【0054】
不正開封防止シール-安全番号7及び8
カセットのベースは、室内空気ポンプ流入ポート及びNOガス流出ポートを覆うフォイル
シールを備えることができる。このシールは、システムの作動(プローブのカセット内へ
の挿入)時に穿刺することができ、使用者による誤ったシュラーダーシールの開封に対す
る開封明示シールを提供する。
【0055】
カセットの上部は、カセット作動回転ノブを覆うためにフォイルシール又は紙シールを
備えることができる。この回転ノブは、ガラスバイアルの破壊を行うためにコンソールに
係合する。
【0056】
パージ物質-安全番号9
カセットは、コンソールライン及びカセットの構成要素から空気を除去するためにシス
テムのプライミングの間にコンソールから出るNOガスを除去するために使用されるパージ
物質を含むことができる。このパージは、カセットのパージ物質に向けることができる。
【0057】
カセットの構造-安全番号10
液体モジュールは、気密溶接されたアルミニウムであり得、100 psi(0.69 MPa)の内
部圧力に耐えることができる。全ての液体モジュールのシールは、N2O4又は高濃度NO2
スに適合し、70℃の温度に耐えることができる。
【0058】
カセットのパッケージング-安全番号11
カセットは最初に、安全及び防湿層としてのフォイルパウチ内にパッケージングするこ
とができる。このパウチの長期的な必要性を決定するために安定性試験を行うことができ
る。
【0059】
カセットサブアセンブリ及び特徴
カセットは、カセットのコンソール内での位置合わせを制限しない、かつ可搬性を制限
しないよう、サブアセンブリが位置姿勢による影響を受けないように設計することができ
る。
【0060】
液体モジュールサブアセンブリ
液体モジュールは、N2O4液体及び関連の一体型安全装置、並びにNO2ガスの送達に関連
した制御装置を収容する独立型サブアセンブリである。液体モジュールは、当初は、ガラ
スバイアルの故障が起きて、N2O4/NO2が液体容器を満たした場合に、該液体容器と不活性
化チャンバとの間の連通を維持するように構成されている。
【0061】
液体容器は、気密アセンブリのカセット分配マニホールドに接続することができる。液
体容器の排出及び制限器の流量カラムから放出される濃縮NO2ガス流を、室内空気ポンプ
の流入部に排出して、第1の主カートリッジに運ぶことができる。
【0062】
液体モジュールは、コンソール作動ノブを受容するために作動カムがその初期位に整合
するように、カセット内で分配マニホールドに配置することができる。
【0063】
液体容器は、該液体容器及び制限器のカラムセグメントの周りに配置されたDC電気可撓
性ヒータを巻き付けることができる。温度コンソールが、患者のラインに送達されるプロ
グラムされたミリグラム/デシリットル(mg/dl)となるように液体/ガスの温度を調節す
ることができる。
【0064】
カートリッジサブアセンブリ
主カートリッジは、高密度ポリエチレンとシリカゲルの複合材マトリックスの表面で前
処理されたアスコルビン酸との反応によってNO2をNOガスに変換するための手段を提供す
ることができる。カートリッジは、1つの液体バイアルの内容物のN2O4をNOガスに変換す
ることができなければならない。カセットは、2つの主カートリッジを備えることができ
る。主カートリッジは、カートリッジの「故障」が起きた場合に、重複するNO2の変換を
提供するために2つの別個の製造ロットから得ることができる。主カートリッジは、第1の
主カートリッジのガス出口を第2の主カートリッジのガス入口に接続するために導管で直
列に気密ブリッジすることができる。
【0065】
カセット分配マニホールドサブアセンブリ
カセットのベースは、カセット分配マニホールドを備えることができる。このマニホー
ルドは、液体モジュールの制限器のカラム、第1の主カートリッジのガス入口、第2の主カ
ートリッジのガス出口、並びにコンソールの室内空気ポンプの流入ポート及びNOガスの流
出ポートに接続する。加えて、ポートは、コンソールのパージチャンバへのアクセスのた
めに設けられている。
【0066】
カセット分配マニホールドは、第1の主カートリッジのガス入口と第2の主カートリッ
ジのガス出口との間に気密シールを提供することができる。カセット分配マニホールドは
、液体モジュール内に設けられた弁とは独立した2つのシュラーダー型弁を備えることが
できる。これらの弁は、カセットがコンソールから取り外された場合又は排出シャトルシ
ールに不具合が生じた場合には、NO2ガスの逃げ口を提供する。1つのシュラーダー型シー
ルを、室内空気ポンプの流入ポートに組み込むことができ、1つのシュラーダー型シール
が、NOガスの流出ポートに組み込まれる。両方の弁は、ばね荷重されて通常は閉じていて
、コンソールプローブで開けられる。カセット分配マニホールドは、二重(丈夫で長持ち
する)Oリングシールを備えたプローブを有するコンソールに接続することができる。こ
れらのシールは、高濃度NOガスに適合性でなければならない。
【0067】
カセットのベースは、3つのポート及びDC電気コネクタを備えることができる。フォイ
ルシールを、室内空気ポンプの流入ポート、NOガスの流出ポート、及びシステムのパージ
ポートに配置することができる。フォイルシール(複数可)は、(剥がされる(pealed-o
ff)のではなく)コンソールプローブによって穿刺されるようになっており、プローブイ
ンターフェイスのOリングシールを妨げるべきではない。
【0068】
カセット/コンソールインターフェイス
カセットには、接続部で絶対に漏れないようにするために、重複のために各接続部に二
重Oリングシールを備えたカニューレ状プローブを介してアクセスすることができる:(1
)第1の接続部は、シュラーダー型安全弁を介してアクセスされる空気ポンプの流入用と
することができ;(2)第2の接続部は、鼻カニューレライン又は人工呼吸器ラインへの注
入のためのコンソールを介したNOガスの調節及び分配のために、同様にシュラーダー型安
全弁を介する第2の主カートリッジの排出用とすることができる。
【0069】
カセットには、コンソールからパージ物質にアクセスするためのパージポートにおける
二重Oリングシールを備えたカニューレ状プローブ介してアクセスすることができる。カ
セットには、コンソール制御システムによるNO2ガスの流量を調節するために使用される
可撓性ヒータを制御するべく、12又は24 VDCの電気接続のためにコンソールからアクセス
することができる。接続ポートは、コンソールの内部に対してNO2及び空気が漏れないよ
うにしなければならない。
【0070】
パージチャンバ
パージチャンバは、コンソールシステムの排出用配管に対する除去物質を含み得る。活
性炭を含む過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウムを利用することができる。
パージチャンバは、NOガスが媒質によって中和された後又は圧力安全弁に誘導された後に
大気に開放することができる。除去物質は、環境に排出される前にあらゆるNOxを除去す
るために起動時及びパージプロセスの間に使用される。
【0071】
カセットハウジング及びアセンブリ
カセットハウジングは、上記のサブアセンブリを単一容器内に含めることができる。こ
のアセンブリは、使用者がアクセスできないようにするべきである。これは、製造現場で
カセットを開けるために溶接アセンブリ又は「特殊な鍵」を備えることができる。規制機
関によって認可された適切な表示を、カセット及び関連のパッケージングに含めなければ
ならない。カセットの上部は、作動カムを使用者から隔離して、カセットの取り扱い中の
液体モジュールの手動での作動を防止する不正開封防止ストリップを備えることができる
【0072】
カートリッジ
カートリッジは、液体モジュールから生成されるNO2ガスを患者に送達される吸入用NO
ガスに変換するために使用されるシステムであり、コンソールによって制御される。カー
トリッジは、コンソールに接続するカセット内に収容される。リスクを最小限にするため
に、2つのこのようなカートリッジはそれぞれ、1回の完全なN2O4充填量を変換できるサイ
ズであり、異なる製造ロットからのそれぞれが、カセット内に含められる。図5Aを参照す
ると、図5Aは、カートリッジハウジング501、及び複合材の入口端部に固定された複合材
キャップ502を備えるカートリッジの全体図である。図5Bを参照すると、図5Bは、キャッ
プ503が、端部504を有する入口に固定されている図5Aの断面を示している。
【0073】
複合材は、シリカゲルと高密度ポリエチレン(HDPE)との混合物からなる多孔質剛性マ
トリックスを提供するために利用される。HDPEは、剛性マトリックスを形成するために利
用される結合材料である。この構造を固定するために焼結プロセスが利用される。複合材
は、可能な限り高いパーセンテージ(40%~85%であり得る)のシリカゲルを有し、なお
機械的完全性を維持するように設計することができる。均一な複合材を達成するために、
HDPEの粒径分布は、シリカゲルの粒径分布と同様となるように選択することができる。こ
れを達成するために、HDPE粒子は、所定のメッシュサイズを用いて篩にかけられ、メッシ
ュを通過した粒子がこのプロセスに使用される。複合材中のシリカゲルの量を増加させる
ために、高いメルトフローのHDPEが利用される。これにより、HDPEが一緒により溶融する
ことができ、従って、圧力低下はより大きいが、より多くのシリカゲルを可能にするマト
リックスが提供される。HDPEとシリカゲルとが互いに加えられたら、十分な混合を可能に
する一定の時間混合される。
【0074】
推定の機構では、アスコルビン酸が水媒介結合によってシリカに結合されるとしている
。NO2のNOへの定量的な変換を達成するのに十分なレベルで反応を起こすためには水が必
要である。様々なシリカの細孔径の試験に基づくと、概ね1つから2つのアスコルビン酸分
子のサイズである40~80Å(約4×10-7~8×10-7cm)の細孔径が、最大の変換能力に必要
である。アスコルビン酸は、変換のためにシリカを活性化するように該シリカの表面に結
合されているようである。これは、結合した水によって媒介されるシリカの求核性による
ものであり得、この求核性により、プロトンをNO2に譲るアスコルビン酸の能力が促進さ
れ、NOを生成する迅速な協奏反応が起きる。アスコルビン酸ナトリウムは、NO2をNOに変
換せず、これは、推定の協奏反応機構を立証する。
【0075】
水はまた、シリカ結合NO2のカートリッジを通ってアスコルビン酸へ移動する能力も促
進し、従って、NOの排出量が増加してカートリッジの効率が上昇する。この水は、アスコ
ルビン酸に直接結合するのではなく、シリカのみに結合する。カートリッジ表面の活発な
凝縮によって確認される、カートリッジへの流入ガスの流量中の過剰な水は、アスコルビ
ン酸を溶解して洗い流すことができ、変換能力が殆ど又は全くないガス経路が形成され、
すぐにカートリッジが使えなくなる。また、嫌気的に密封されたカートリッジ上の過剰な
水は、時間が経過すると、アスコルビン酸の嫌気性分解を引き起こし、CO2が生成され、
カートリッジの変換能力が低下する。従って、過剰な水分と過剰な乾燥との間のバランス
を達成することによって保存を最適化するために作業は継続しているが、保存されたカー
トリッジは、水分を有するべきであるが、保存可能期間を維持するために適度に乾燥させ
るべきである。
【0076】
主カートリッジモジュール
主カートリッジは、アスコルビン酸で処理された、特別に設計された複合材であり得る
。単一の主カートリッジの要件は、液体バイアルからの1回の完全な負荷を変換できるこ
とであり得る。安全性及び重複のために、2つの主カートリッジを使用することができ、
これらはそれぞれ、異なる製造ロットからのものとすることができる。
【0077】
複合材アセンブリ
複合材は、シリカゲルと高密度ポリエチレン(HDPE)との混合物からなる多孔質剛性マ
トリックスである。シリカゲルは、NO2ガスのNOガスへの変換を開始するためにアスコル
ビン酸と水分を捕捉する表面構造を提供することを目的とする。HDPEは、剛性マトリック
スを形成するために利用される結合材料である。構造を固定するために焼結プロセスが利
用される。複合材は、上側及び下側のHDPEエンドキャップに結合されて、輸送/保存のた
めに準備される。複合材は、可能な限り高いパーセンテージ(70%~85%)のシリカゲル
を有し、なお機械的完全性を維持するように設計することができる。
【0078】
アスコルビン酸の誘導体化
アスコルビン酸溶液が、アスコルビン酸と精製水を用いて調製される。濃度は、重量・
体積(w/v)法を用いて決定される。形成された複合材は、所定の濃度の溶液でしっかり
と洗浄される(以下に留意されたい:アスコルビン酸溶液が調製されたら、48時間以内に
使用することができ、該溶液は、製造から48時間以内に容認される方法で廃棄することが
できる。これは、アスコルビン酸の大部分がデヒドロキシアスコルビン酸になって酸化剤
として使用できなくなることを防止する)。次いで、複合材は、制御された露点まで乾燥
される。
【0079】
水は、GeNOカートリッジの機能において不可欠な役割を有する。過去の研究により、カ
ートリッジが、アスコルビン酸を固体表面に結合させる必要があり、シリカが最も効率が
良く、水が、カートリッジを機能させるために必要であることが示された。アスコルビン
酸は、シリカ上に均等に分散させなければならず、これは、アスコルビン酸を溶解して、
溶液として該シリカに適用することによって達成される。次いで、混合物が、被覆された
シリカを通る好ましいガス経路を提供しない均一な分散を達成するために均等に乾燥され
る。シリカは、充填するのに適したサイズであり、十分なガス流を可能にするビーズ間の
十分な分離(約200~500μm)を有し、なおガスが、シリカに結合されたアスコルビン酸
への最大のアクセスを有するようにする。
【0080】
液体モジュール
図6を参照すると、利用される液体モジュールは、保存するために使用されるサブアセ
ンブリであり、液体N2O4を含むガラスアンプル601を備えている。ガラスアンプル601は、
シャトル602によって保持され、該シャトル602は、線形及び回転の力を伝達して遠位端部
又は近位端部でポートを閉じ、アンプルを破壊してアンプルの内容物を放出させる。アン
プル破壊衝突機能要素603。可撓性ヒータ604は、液体モジュール及び制限器カラムアセン
ブリの周りに巻き付けられている。「T」型フィッティング605は、濃縮NO2ガスを、制限
器607の遠位端部を通って、流れている室内空気606に送達するために使用される。流量制
限器607は、液体モジュールから出てくるNO2のための微小径ガラス管である。スローリー
ク弁608は、NO2ガスを中和するために不活性化チャンバに接続されている。ルア機能要素
は、設計統合で許容可能なリーク速度を決定するために研究開発で使用される。シャトル
の移動のためのカム作動手段609は、液体モジュールの遠位端部に配置することができる
【0081】
システムの作動(ガラスアンプルの破壊)時に、液体モジュールは、液体を気体に変換
するために容器が加熱されたときに生成されるNO2及びN2O4ガスを含み得る。液体モジュ
ールは、不活性化チャンバ又はコンソールの患者送達配管のいずれかにガス流を迂回させ
る内部機構を備える。液体モジュールで生成されたこのNO2ガスが、NOガスに変換されて
患者に送達され、コンソールによって調節される。液体モジュールは、コンソールに接続
されるカセット内に収容される。
【0082】
液体モジュールは、使用者によるシステムの作動まで、N2O4の密封バイアルを収容する
ことができる。液体バイアルは、気密封止ガラス容器内に測定量の液体N2O4を含み得る。
液体モジュールは、化学物質並びに液体N2O4及びNO2ガスに適合性の化学物質のための安
全な輸送手段を提供することができる。液体モジュールは、使用者の要求に応じて不活性
化チャンバ経路を閉じ、システムの流路を開け、そしてアンプルを破壊するための手段を
提供することができる。カセットがコンソールから取り外された場合に、不活性化チャン
バ経路を開けてシステムの流路を閉じるための手段を提供する。液体モジュールは、アセ
ンブリの周りに巻き付けられた可撓性加熱要素を用いて液体モジュール及び制限器アセン
ブリの(コンソールの制御部による)温度調節によって制御下でμgのNO2を送達するため
の手段を提供することができる。
【0083】
液体モジュールは、変換カートリッジに送達する前にNO2ガスを希釈するために、供給
される室内空気に濃縮NO2ガスを送達するための手段を提供することができる。
【0084】
液体モジュールの機械的活性化
液体容器は、システム内でのガスの送達を調整するシャトル機構を備えることができる
。この容器は、シャトル機能要素、加熱機能要素、及び流量調節器/制限器機能要素を備
える。
【0085】
シャトル機能要素は複数の性能要件を有する:
ガラスバイアルは、輸送及び保存のためにシャトル内に収容することができる。シャト
ルは、液体容器のいずれかの端部のポートの通過によるガラスバイアルの破片を収容する
機能要素を備えることができる。シャトルは、シャトルの回転によって生じる2つの位置
を有することができ:シャトルは、液体容器のいずれかの端部で密封することができる。
1つの位置では、ガス流は、不活性化チャンバに向けられ、患者流路に対して遮断され得
る。もう1つの位置では、ガス流は、患者流路に向けられ、不活性化チャンバに対して遮
断される。両方の流路が、シャトルのいずれかの端部での単一シールによってガス流から
遮断される位置が存在し得るが、この位置は、シャトルの回転中の時間内に瞬時で生じる
【0086】
システムは、シャトルを回転させて機能要素に係合させることによって作動させること
ができ、これにより、ガラスバイアルが破壊されて液体N2O4が液体容器に曝露され得る。
シャトルは、移動の最後でロックすることができる。システムは、カセットの取り外しを
許可する前に、機構が患者への流路を閉じて不活性化チャンバを開けるように構成するべ
きである。ガラスバイアルは、製品の輸送及び保存の間、構造的完全性を維持するべきで
ある。
【0087】
加熱機能要素は、多数の性能要件を有する:
液体容器の外部に、患者への送達のためにNO2ガスのガス排出量を増減するために利用
される可撓性ヒータを巻き付けることができる。温度は、コンソール内のソフトウェアに
よって制御される。流量調節機能要素の外部に、患者への送達のためにNO2ガスのガス排
出量を増減するために利用される別の可撓性ヒータを巻き付けることができる。温度は、
コンソール内のソフトウェアによって制御される。
【0088】
流量調節器/制限器機能要素は、多数の性能要件を有する:
流量調節器/制限器は、患者送達ガスの流体ストリームに送達される排出ガスを調節す
るためにヒータと共に利用される。液体モジュールは、空気流入混合物T型フィッティン
グ内の圧力の2倍以上の内部圧力を生じさせることができる。
【0089】
不活性化チャンバへのアクセス
液体モジュール不活性化チャンバは、制御されるリーク弁を介して液体容器に結合され
ている。この弁は、NO2ガスが中和されるときに生じる化学反応熱の上昇を最小限にする
ために不活性化物質に対するガス流量を調節することを目的としている。
【0090】
シャトルの輸送及び遮断設計/構成の位置は、液体容器チャンバを不活性化ポートに露
出させて、患者送達ポートを遮断することができる。製品の輸送中にガラスの破壊が起き
た場合は、装置が、危険なNO2ガスを中和するために不活性化チャンバに迂回させること
によって該ガスを閉じ込めることを目的としている。
【0091】
供給サブアセンブリ
一酸化窒素送達システムの供給サブアセンブリは、カセットモジュール、カートリッジ
(複数可)、及び液体モジュールを含み得る。システムは、制御サブアセンブリ、NO供給
サブアセンブリ、及びサンプルセンササブアセンブリを含む。制御サブアセンブリは、小
型の一体型ディスプレイを備えたコンピュータシステム、バックアップ用バッテリ、アプ
リケーション特有PCB(ヒータ制御部、ソレノイド制御部、スイッチ、バッテリ充電器、
アナログ入力など)、及びコンピュータ記憶装置システムを含む。NO供給サブアセンブリ
は、(1)加熱容器、主カートリッジ、不活性化物質、パージ除去剤、制限器、及びハウ
ジングを含むカセット、(2)流量センサ、ポンプ、流量制限器、除去剤、微粒子フィル
タ、空気ダンプ背圧調節器、及びポンプバックアップソレノイドを含む注入流量モジュー
ル、並びに(3)比例弁、パージソレノイド、パージ流量センサ、パージ背圧調節器、及
びHi-C NOセンサを含むNO源制御部を含む。サンプルセンササブアセンブリは、サンプル/
較正ソレノイド、パーマピュアドライヤ、サンプル流量モジュール(流量計、流量制限器
、及びポンプを含む)、水トラップ(外部)及び圧力変換器、センササブアセンブリ(NO
、NO2、及び酸素センサ、並びにセンサ制御PCB)、及びNOx除去剤を含む。
【0092】
図7を参照すると、図7は、供給サブアセンブリの流れ図を示している。室内空気が、微
粒子フィルタに導入され、2つのポンプ(図7、ポンプ(1)及びポンプ(2))に流入し得
る。ポンプ(1)は、5 psi(0.034 MPa)以上で最大1 L/分流すことができ、この流量は
、全ての人工呼吸器及び一部のカニューレの適用例を満たし得る。ポンプ(2)は、必要
に応じてカニューレのより高い流量を達成するべく希釈空気を供給するために使用するこ
とができる。人工呼吸器の適用例では、0.2~1.0 L/分の流量が必要であり得る。これら
のポンプは、典型的には、より低い流量で失速させずにこの大きい、即ち5倍の動的範囲
が得られないため、背圧調節器1が必要である。典型的な人工呼吸器の動作中に、比例弁
、Sol2が排出流量を設定し、この流量は、流量センサ(1)によって測定される流量でも
ある。ポンプが、最も低い許容され得る流量に設定され、この流量が、所望の排出流量を
超えると、過剰量は、調節器(1)を介して室内に自動的に排出される。これは空気のみ
であるため、このガスの排出は許容される。ポンプ(1)は、人工呼吸器の適用例では、
最大1 L/分の流量を達成するために選択され、カニューレの適用例では、時には4 L/分も
の高い流量が必要であり得るため、ポンプ(2)は、「希釈」ポンプとして追加された。
ポンプ(1)は、5 psi(0.034 MPa)を超える圧力で1 L/分を供給する必要があり、ポン
プ(2)は、公称大気圧で動作するため、ポンプ(2)は、ポンプ(1)と同一にできる可
能性が非常に高く、従って、公称0 psig(0 MPa)で3 L/分を達成できるであろう。
【0093】
アキュムレータ(1)は、制限器と共に、ダイヤフラムポンプからの脈動を抑制するた
めに使用することができる。安定した脈動しない流れがシステムの残りの部分を通過する
ことが望ましい。制限器1は、制限器2よりも著しく弱い制限でなければならないことに留
意されたい。アキュムレータ2及び制限器3は、ダイヤフラムポンプ(2)からの脈動を抑
制するために使用することができる。
【0094】
流量センサ(4)は、急な排出(Acute output)と混合するポンプ(2)からの希釈流量
を決定するために使用される。患者への総流量は、流量センサ(1)と(4)の流量の合計
である。流量の設定点に基づいて、ソフトウェアは、ポンプ(1)からの流量とポンプ(2
)からの流量の実際の比率を決定することができる。これは、任意選択の圧力センサであ
る。この圧力センサは、Sol1が開いているときに背圧調節器1が適切に設定されているか
を確認するために使用されるであろう。全ての条件下、即ち、Sol1が作動されていても作
動されていなくても、圧力センサは、ポンプの圧力を測定し、この圧力は、ポンプの性能
の評価基準である。ポンプの動作電圧が分かっているため、排出の流量及び圧力を使用し
て、ポンプの劣化が存在するかどうかを決定し、故障の前にポンプを交換するための早期
の警告信号を送ることができる。
【0095】
他の例示的な実施態様
N2O4液体ベースのシステムを使用して、吸入用一酸化窒素(NO)を送達することができ
る。この送達システムは、人工呼吸器又はカニューレのいずれかと共に使用することが目
的であり得る。液体形態のNO2は、N2O4二量体として存在し得るため、液体N2O4は、NO2
ガス)として蒸発する。次いで、NO2は、少なくとも1つの変換カートリッジを用いてNOに
変換することができる。患者に提供されるNOの量は、N2O4液体タンクの温度、従って液体
の上の蒸気圧の変更によって、制限器カラムの選択及び温度によって、及び不純物除去バ
イパス(scrubbed by-pass)空気流が使用される場合はその設定によって変更することが
できる。NO濃度は、患者の直前で、患者の人工呼吸器ライン又はカニューレライン中のNO
を監視するNOセンサからのフィードバックループによって調節することができる。このフ
ィードバックループは、液体及び制限器の温度、並びに不純物除去バイパスシステムが作
動している場合は該不純物除去バイパスシステムを通る流量を調節することができる。コ
ンソールは、人工呼吸器の適用例では、2~20 l/分の人工呼吸器の流れで1~40 ppmの濃
度範囲のNOを提供し、カニューレの適用例では、0.5~4 l/分の排出流量で10~80 ppmの
濃度範囲のNOを提供する。NO2をNOに変換する第2のカートリッジが、患者の直前に配置さ
れる。この第2のカートリッジは、送達ガス配管中に生成され得る全ての残留NO2を除去し
、従って、患者に提供される人工呼吸器又はカニューレのガスが必ず、本質的に0のNO2
度を有するようにする。
【0096】
図8を参照すると、一実施態様では、システム(例えば、GeNOsyl Acute DS)は、(1)
主コンソール、(2)同一の完全に機能的なバックアップコンソール(人工呼吸器モード
で必要であり、カニューレモードでは任意選択である)、(3)1つのコンソールに1つの
カセット、及び(4)外部の管及び付属品から構成することができる。システムは、主コ
ンソール及びバックアップコンソールの両方を含み得る。システムの故障は、主コンソー
ルとバックアップコンソールの両方が、所望の設定時点でNOを送達できないことを含み得
る。
【0097】
図9を参照すると、この図面は、カセットドアが開き、3位置作動レバーを表示している
例示的なGeNOsyl Acute DSコンソールを示している。
【0098】
システムは、人工呼吸器システムと協働して又は鼻カニューレによって直接、制御され
た用量の吸入用NOを診断又は治療目的で患者に送達することができる病院用一酸化窒素(
NO)送達システムであり得る。
【0099】
送達システムは、いくつかの構成で使用することができる。人工呼吸器の構成は、治療
で使用される人工呼吸器と協働してフェイスマスクと共に使用することができる。カニュ
ーレの構成は、治療及び診断の両方の適用例で鼻カニューレ又はフェイスマスクと共に使
用することができる。コンソールは、液体N2O4を含み得る単一カセット、及びNO2をNOに
変換する1対のカートリッジ(主カートリッジ)を備えることができる。
【0100】
コンソールの始動時に、液体N2O4を加熱してNO2(ガス)に変換することができる。次
いで、NO2を、NO2をNOに変換するカートリッジを用いてNOに変換して、人工呼吸器システ
ムと協働して、又は鼻カニューレ若しくはフェイスマスクによって直接患者に送達するこ
とができる。患者に提供されるNOの量は、N2O4液体モジュールの温度を変えることによっ
て変更することができる。患者でのNO濃度は、患者人工呼吸器ライン又はカニューレライ
ン中のNOを監視することができるNO電気化学センサからのフィードバックループによって
制御することができる。NOセンサの出力を、液体モジュールの温度を調整することができ
る制御回路によって要求NO濃度(使用者によって選択されるNO濃度設定値)と比較するこ
とができる。
【0101】
図10を参照すると、この図面は、例示的な出力性能曲線を示している。患者に送達され
るNO濃度は、人工呼吸器の流量が2 l/分で約0.1 ppm~人工呼吸器の流量が10 l/分で20 p
pmの範囲であり得る(名目上は、極端な条件では最大40 ppmであるが、カセットの寿命が
短くなる)。システムは、カートリッジ、例えば、第2のカートリッジの後に配置される
任意選択の加湿器と共に動作する。第2のカートリッジは、あらゆる残留NO2、又はライン
での変換によって生成されたNO2を変換して実質的に0にすることができる。第2のカート
リッジは、該カートリッジ内で凝縮が起こるのを防止するために加湿器の前に配置するこ
とができる。
【0102】
GeNOsyl(商標)Acute DSカニューレシステム
GeNOsyl(商標)Acute DSは、呼吸の吸入量のほんの一部のみを供給することができ、
残りは室内空気(同伴空気)から構成される。GeNOsyl(商標)Acute DSは、カニューレ
でのNOの濃度を調節することができる。ガスタンクの使用と比較したGeNOsyl(商標)Acu
te DSの1つの利点は、ガスボンベの使用では流量しか変更できないが、DSでは流量と濃度
の両方を変更することができることであり得る。
【0103】
第2のカートリッジを備えたGeNOsyl(商標)Acute DS人工呼吸器システム
GeNOsyl(商標)Acute DSでは、排出流量及び排出濃度の両方が変更可能である。人工
呼吸器の制御部に影響を与えないようにするために、GeNOsyl(商標)Acute DSの排出流
量は、典型的には、人工呼吸器からの総流量の約10%以下に制限することができる。コン
ソールのNO排出量は、温度によって調節することができ、温度を変えることによって1分
あたりに供給されるNOの質量を変更することができるため、患者に送達される質量を決定
するのは容器の温度であり得る。
【0104】
カセット
カセットがコンソールに挿入されて、例えば、カセットシールの破壊によって作動され
ると、カセットの2つの部分が相互作用して、患者に送達されるNOガスの用量を調節する
。カセットは、コンソール(例えば、GeNOsyl Acute DSコンソール)に挿入することがで
きる独立型使い捨て製品であり得、外部から第2のカートリッジに結合してシステム、例
えば、Acute DSシステムを形成することができる。
【0105】
図11を参照すると、カセット1101は、患者に送達されるNOガスを生成し、変換する様々
なモジュールを備えることができる。カセット及びカートリッジは、使用者に環境安全機
能及び表示も提供する使い捨てモジュールであり得る。例えば、カセット1101は、カート
リッジを安全に廃棄できるように構成された、観察窓1102、例えば、変色不活性化物質の
観察窓などを備えた独立型使い捨てカセットであり得る。
【0106】
カセットは、3つの別個のサブアセンブリモジュールを備えることができる。
【0107】
液体モジュールアセンブリ
図12を参照すると、カセットアセンブリは、液体モジュールアセンブリ1203、カートリ
ッジ1202、カートリッジブリッジ管1201、及びベース1204を含み得る。液体モジュールア
センブリは、N2O4保持容器を収容し、かつその完全性を制御することができる。保持容器
(本明細書では液体容器とも呼ばれる)は、ガラスシールを破壊し、そしてN2O4を加熱し
て液体を活性化するための1つ以上の構成要素、容器に圧力を発生させて維持するための
温度制御部、及びガス流を不活性化チャンバに誘導するため又は患者へ送達のための1つ
以上の構成要素を備えることができる。液体モジュールアセンブリは、NOへの変換のため
にガス回路を介してNO2を運ぶために使用される空気流への保持容器からのNO2を測定する
ためにNO2流量調節器も含み得る。事故又は誤使用が起きた場合に、使用者へのNO2の曝露
に対する更なる安全性を付与するために、N2O4液体チャンバは、不活性化物質で包み込む
ことができる。また、NO2を閉じ込めるために密封障壁も存在し得る。不活性化物質は、N
O2が不活性化チャンバ内に排出されたことを使用者に警告する変色表示を開始することが
できる。
【0108】
液体モジュールアセンブリは、液体N2O4を保存及び閉じ込めるために使用されるサブア
センブリであり得る。システムの作動(ガラスアンプルの破壊)時に、液体モジュールア
センブリは、液体を気体に変換するために容器が加熱され得るときに生成されるN2O4及び
NO2ガスを閉じ込める。液体モジュールアセンブリは、NO2ガス流を、組み込まれた独立型
不活性化チャンバに迂回させるため、又はNO2ガスをNOに変換するカセット回路に放出さ
せるために流量制限器に誘導するために内部機構を備えることができる。コンソールによ
って患者に送達し、調節できるのは、カセットによって生成されるこのNOガスであり得る
。液体モジュールアセンブリは、コンソールに接続されるカセット内に収容することがで
きる。
【0109】
液体モジュールアセンブリは、NO2ガスの圧力を効果的に調節する温度制御部、及びNO2
の放出速度を調節する制限器を含み得る。
【0110】
液体モジュールアセンブリは、主カートリッジ又は不活性化チャンバにNO2ガスが流れ
るように動作することができる。機構は、両方の弁シールの同時開封を不可能にすること
ができる。
【0111】
図13を参照すると、液体容器及び制限器アセンブリは、N2O4を含むガラスアンプル1307
、可撓性ヒータ、シャトル1307、及びスローリーク弁1309とシールを備える金属製液体容
器1308、制限器カラム1304、金属制限器ハウジング1303、屈曲性ヒータ及びT型フィッテ
ィング1301、フェルール1302、任意選択のクラッシュテフロンOリング1305、並びに制限
器ハウジング及び液体容器を包むヒータ(不図示)を含み得る。
【0112】
図14を参照すると、カートリッジの構成要素は、主カートリッジハウジング1401、複合
材入口キャップ1402、複合材1403(シリカゲル/HDPE)、及び複合材出口キャップ144を含
む。
【0113】
NO2をNOに変換するカートリッジ
カセットは、2つの独立した、NO2をNOに変換するカートリッジを含み得る。図15を参照
すると、各カートリッジは、カートリッジ出口1501、主カートリッジハウジング1502、及
びカートリッジ入口1503を備えることができ、これによりカートリッジアセンブリを形成
し、かつN2O4の液体供給の全容量に加えて、25%を超える追加の容量を変換することがで
きる。2つ以上のカートリッジは、150%を超える安全率でNO2をNOガスに変換することが
できる。システムは、2つのカートリッジの1つが存在しなくても安全かつ効果的に動作す
るように設計することができる。図16を参照すると、カートリッジは、ベース1602に取り
付けることができる。
【0114】
NO2ガスをNOガスに変換するために主カートリッジをカセット内に含めることができる
。カセットは、1つ以上の主カートリッジを含み得る。カセットが、2つ以上のカートリッ
ジを含む場合、該カートリッジは、NOガスを患者に送達する前に二重の変換重複性を提供
するために直列にすることができる。この変換は、複合材マトリックスに含められる還元
剤とNO2ガスとの反応によって達成することができる。ガスは、変換を行うために複合材
マトリックスによって形成された蛇行経路内の被覆複合材を通過する。
【0115】
複合材は、シリカゲルと高密度ポリエチレン(HDPE)との混合物を含む多孔質剛性マト
リックスであり得る。HDPEは、剛性マトリックスを形成するために利用される結合材料で
あり得る。構造を確保するために熱焼結プロセスを利用することができる。
【0116】
主カートリッジモジュール
主カートリッジは、アスコルビン酸で処理された複合材であり得る。1つの主カートリ
ッジは、バイアルの全液体内容物に加えて、25%を超える過剰容量を変換することができ
る。安全性及び重複のために、2つの主カートリッジを使用することができる。
【0117】
複合材アセンブリ
複合材カートリッジは、多孔質剛性マトリックスであり得る。この多孔質マトリックス
は、シリカゲルとHDPE結合材料との混合物を含み得る。シリカゲルは、還元剤、例えば、
アスコルビン酸を捕捉するための表面構造、及びNO2ガスのNOガスへの変換を開始するた
めの水分を提供する。結合材料は、剛性マトリックスを形成するために利用することがで
きる。複合材は、輸送/保存での安定性のためにハウジング内に固定することができる。
複合材は、可能な限り高いパーセンテージのシリカゲルを有し、なお機械的完全性を維持
するように設計することができる。
【0118】
アスコルビン酸の誘導体化
形成された複合材は、水に溶解された既知のアスコルビン酸溶液でしっかりと洗浄する
ことができる(註:アスコルビン酸のデヒドロキシアスコルビン酸への変換を最小限にす
るために酸素を排除することが重要であり得る)。
【0119】
水は、カートリッジの機能において重要な役割を果たし得る。還元剤を、多孔質マトリ
ックス上に均等に分散させることができ、これは、例えば、該還元剤を溶解し、これを溶
液として該多孔質マトリックスに適用することによって達成することができる。次いで、
この混合物を、均一な分散を達成するために均等に乾燥させることができ、これにより、
マトリックスを通る好ましいガス経路が提供されない。多孔質マトリックスは、充填する
のに適したサイズであり得、十分なガスの流れを可能にする、粒子間の十分な分離を有し
、なおガスが、多孔質マトリックスに結合された還元剤(例えば、アスコルビン酸)への
最大のアクセスを有するようにする。
【0120】
カートリッジアセンブリ
完成時に、処理された複合材アセンブリを外部ハウジングに組み付けることができ、該
複合材アセンブリが環境から遮断される。カートリッジハウジングは、水分及び酸素に対
して極端に低い浸透性を有する、又は水分及び酸素に対する透過性を最小限にするように
パッケージすることができる。カートリッジは、カセットと共にパッケージすることがで
きるが、水分及び気体に対して十分な耐久性を提供する材料を使用することが重要であり
得る。一実施態様では、各カセットにおける2つのカートリッジは、重複安全性のために
異なる製造プロセスロットから形成することができる。
【0121】
カセットハウジングアセンブリ
カセットハウジングアセンブリは、独立したガス流を提供するために2つのシュラーダ
ー弁型アセンブリを含む、他のカセットの構成要素を取り付けることができる構造的なベ
ース、好ましくは(不活性化材料を見て分かるように)変色する不活性化物質を含む外部
ハウジング、及びカセットの入口ポート及び出口ポートを覆うことができる開封明示スト
リップを含み得る。
【0122】
図17を参照すると、カセットのベースのマニホールドは、シュラーダー型弁アセンブリ
1701、空気流入アクセスポート1702、及び空気NO/流出アクセスポート1703、及びポート
(不図示)を覆うフォイルシール1704を備えることができる。カセットのベースは、以下
のシステムの機能へのアクセスを提供することができる:
・シュラーダー型弁アセンブリを介した空気流入アクセス
・シュラーダー型弁アセンブリを介した空気/NO流出アクセス
・小さいアクセスポートを介した作動ロッドへのアクセス(使用者がアクセスして作動さ
せることができない)
・NO流入ガスのパージ/除去剤へのアクセス
・NO流出ガスのパージ/除去剤へのアクセス
・作動していないスタンバイモードで露出されるヒータ(複数可)及び温度センサ(複数
可)の電気接点(全てが受動構成要素)
・アクセスポート(電気接点を除く)を覆う開封明示フォイルシール
・開封明示フォイルシールの破壊により、カセットの再使用が機械的に「ロックアウト」
される。
【0123】
図18A及び図18Bを参照すると、これらの図面は、1つのカセットの実施態様のガスの流
れの詳細を示している。図18Aは、ベースの出口位置を示すガスの流路を示している。図1
8Bは、図18Aの出口位置を示している。2つの図面の正方形内の数字は、位置を表し、詳細
は以下の通りである:
1.コンソールからのガス流の吸入口は、本発明者らが特別に設計したシュラーダー弁で
あり得る。シュラーダー弁は、ボールとばねを使用して閉じることができ、図12により詳
細に示すことができる。
2.流入する空気流は、T型フィッティングに配管で送ることができる。
3.流入空気は、T型フィッティングを通過することができる。T型フィッティング内で、
空気は、液体容器から来るNO2と混合され得る。液体容器から出る流量は、容器の上流の
圧力によって調節することができ、この圧力は、液体の温度によって調節することができ
る。流量は、制限器の管による圧力降下によって決定することができる。
4.NO2を含む空気は、T型フィッティングから流出することができる。
5.空気/NO2混合物は、T型フィッティングを出て第1のアスコルビン酸カートリッジに向
かうことができる。
6.空気/NO2混合物は、第1のアスコルビン酸カートリッジ内に進入することができる。こ
の流れを、強制的にカートリッジの外部に向けることができ、そしてこの流れは、該カー
トリッジの中心から出ることができる。カートリッジ自体は、型から該カートリッジを外
すために化学物質を必要とせずに成形できるように小さいテーパを有することができる。
ここで、図面上部のカートリッジから出るガスは、空気とNOの混合物を含み得る。次いで
、ガスは、第2の重複するカートリッジに進入することができる。
7.空気/NO混合物は、第2のカートリッジから出ることができる。
8.空気/NO混合物は、第2のシュラーダー弁に進入することができる。
9.空気/NO混合物は、カートリッジから出ることができる。
カセットの設計は、NO2が該カセットの内部に維持され、該カセットから絶対に出ないよ
うにすることができる。
【0124】
図19を参照すると、この図面は、通常は閉じられた、ばね荷重ボール1802を備えるシュ
ラーダー型弁の断面を示している。このボールは、コンソール内に挿入されると開く。カ
セットは、完全一体型の1回限りの使い捨てとすることができ、コンソールに接続される
。カセットは、コンソール上のインターフェイスレバーによって作動させることができ、
これにより、コンソールの機構がカセットに係合し、ガラスアンプルが破壊され、そして
患者へのNOの送達が開始される。
【0125】
カセットは、機器、使用者、患者、又は輸送者へのNO2の曝露を制限するために以下に
列記される十分な設計安全機能を提供することができる。
【0126】
i ガラスアンプル
カセットに含められるN2O4の量は、安全EPA/FDA/DOT限界の範囲内とすることができる
【0127】
ii シャトルシール
N2O4を、気密封止ガラスアンプルに含めることができ、該ガラスアンプルは、(開いた
ときに)NO2ガス流の不活性化チャンバへの進入又は患者への誘導を可能にし得るプラス
チックシャトル機構内に配置することができる。シールは全て、二重の重複にすることが
できる。
【0128】
iii 不活性化チャンバ
カセットは、ガラスアンプルが輸送中に破壊された場合にN2O4/NO2ガスを不活性化し得
る不活性化物質に曝露されるガラスアンプルと共に輸送することができる。不活性化物質
は、N2O4に曝露されると永久的に変色し得る。NO2液体と変色は、カセットの窓から見る
ことができるようになる。これは、カセットがもはや機能することができず、恐らく使用
するべきではないという指示を使用者に提供する。
【0129】
iv スローリーク弁
ガラスアンプルが事前に破壊された場合、不活性化チャンバへのガス流量を、例えば、
反応温度の上昇を制御して不活性化反応が起こるのに十分な時間を提供するために調節す
ることができる。
【0130】
v シュラーダー型弁サブアセンブリ及びポート
全ての高濃度NO2ガス配管をカセット内に含めることができ、これにより、リークによ
るNO2の環境への曝露が完全に排除される。
【0131】
空気の流入ポート及びNO/空気ガス流出ポートの両方は、出口シールが故障した場合に
、液体容器のシャトル機構から独立したバックアップシールを提供することができる。こ
れらのポートは、ばね荷重されて自動的に閉じるシュラーダー弁を有することができる。
【0132】
vi 開封明示シール(複数可)
カセットのベースは、流入シュラーダー弁及びNOガス流出シュラーダー弁を覆うフォイ
ルシールを備えることができる。これらのシールは、システムの作動時に刺入されて、カ
セットが使用されたという視覚的な指示を提供すると共に、使用者によるシュラーダーシ
ールの誤った開封に対する開封明示シールを提供することができる。
【0133】
vii パージ/除去物質
カセットは、システムのプライミングの間にコンソールから出る低レベルのNOガスを除
去するため、及び非常に低いNO送達濃度の間のバイパスとして使用することができるパー
ジ/除去物質も含み得る。
【0134】
viii カセットの構造
カセットハウジングは、作動中に生じ得る内部圧力よりも50%高い内部圧力に耐えるこ
とができる。
【0135】
ix カセットの輸送用パッケージング
カセットのパッケージングは、輸送/運搬取り扱い中の製品の完全性を提供すると共に
、(ガラスアンプルが輸送中に破壊された場合に)使用者が不活性化チャンバの変色を視
認できるようにする透明な容器、例えば、熱成形トレーとすることができる。
【0136】
図20を参照すると、この図面は、例示的なカセットのパッケージングを示している。
【0137】
カセットは、2つの主要システムを備えることができる:(a)液体モジュール及び(b
)変換カートリッジ。この2つのシステムは、独立とすることができるが、ユニット化ハ
ウジング内で液体N2O4をNOガスに変換するために協働して機能する。カセットは、コンソ
ールに接続することができ、該コンソールは、100万分の1(ppm)単位の低い濃度範囲で
送達される、所望のNO/空気ガス用量の患者への送達を調節するために必要な電子機器、
ソフトウェア、及び機械制御部を提供することができる。
【0138】
この設計は、使用者に環境保護を提供する様々な安全機能を含み得る。これらの安全機
能は、機構設計の結果であり得るが、これらの安全機能の目的は、一般に、起こり得る意
図しない故障の潜在的に有害な結果を解消することにある。
【0139】
図21を参照すると、カセットベースアセンブリは、カセットハウジング1801、スローリ
ーク弁1802(任意選択の設計)、液体容器ヒータ1803、液体容器1804、N2O4を含むガラス
アンプル1805、シャトル1806、アンプルクラッシュ機能要素1807、テフロンクラッシュワ
ッシャ1808、焼結フィルタ1809、制限器ハウジング1811、制限器カラム1812、制限器カラ
ムヒータ1813、フェルール1814、及びT型フィッティング1815を含み得る。
【0140】
液体モジュール
カセットは、液体N2O4を閉じ込めることができる。液体N2O4は、放出され、精製され、
そしてその流量が調節されると既知の量の吸入用一酸化窒素(NO)となり得る主成分であ
り得る。
【0141】
液体N2O4は、様々な容器に含めることができ、その1つの方法では、該液体を薄質半透
明のガラスアンプルにディスペンスし、該ガラスアンプルを、例えば、高温フレームによ
って気密封止することができる。ガラスアンプルは、カプセルに類似させることができ、
直径が0.28インチ(約7.112 mm)、長さが1.25インチ(31.75 mm)、そして肉厚が0.0025
インチ(0.0635 mm)である。直径及び肉厚は、業界基準のガラスアンプルであり得、他
の形状の機能要素及び寸法を有し得る。N2O4の充填量は、0.52 ml未満であり得、通常の
使用で約1日のNOガスの供給量を供給する。
【0142】
ガラスアンプルは、いくつかの特徴を含み得る:
(a)ガラスアンプルは、透明とすることができ、これにより、プロセス中に充填容量を
見ることができる:
(b)ガラスアンプルは、内容物に気密封止された環境を提供することができ、環境条件
、例えば、温度、湿度などの影響を受けないようにすることができる:
(c)ガラスアンプルは、要求に応じて作動させるために破壊可能な容器を提供すること
ができる:
この設計は、ガラスアンプルの内容物を露出させて液体N2O4のNO2ガスへの変換を可能に
し、次いでNO2ガスの流量を調節するために機械機能要素及び熱機能要素を提供すること
ができる。これは、液体モジュール内で達成することができる。
【0143】
液体モジュールの中心は、液体容器及び制限器ハウジングアセンブリとすることができ
る。
【0144】
液体容器は、各端部に遂行機能を有する円筒状とすることができる。形状は、制御特性
でなくても良いが、その目的は、装置内での2つの異なる動作モードを提供することであ
り得る:(a)液体容器から出たNO2ガスの患者送達導管への送達、又は(b)中和のため
のNO2ガスの不活性化チャンバへの送達。これを達成するために、シャトル機構を、液体
容器内に組み込むことができる。シャトルは、コンソール制御部からのリンク機構によっ
て作動される2つの端部位置間で移動することができる。液体容器の一端は、患者への送
り導管につながったポートであり得る。他端は、カセット内に収容された気密封止不活性
化チャンバにつながったポートであり得る。シャトルの2つの静止位置の間で、該シャト
ルが衝突機能要素を通過し、該衝突機能要素の最初の作動時にガラスアンプルを圧迫して
破壊する(N2O4を放出させる)。
【0145】
シャトルは、液体容器内に収容することができ、該液体容器は、金属、例えば、ステン
レス鋼又はチタンから形成することができる。シャトルは、ガラスアンプルを安全に保持
して安定させるための機能要素を備えることができる。顧客に輸送するその位置では、シ
ャトルは、不活性化チャンバポートが、液体容器からのガス流に対して(また、閉じられ
ている患者流入ポートに対しても)開口できるように配置することができる。この条件は
、ガラスアンプルが輸送中又は取り扱い中に破壊された場合の安全性のためであり得、破
壊されたガラスから出る全てのN2O4/NO2が、これを中和する不活性化物質に曝露される。
【0146】
システムの作動は、カセットがコンソール内に配置できた後でのみ起こり得る。このシ
ステムの作動は、シャトルを、不活性化チャンバが開いて/患者流入ポートが閉じた位置
から、患者流入ポートが開いて/不活性化チャンバが閉じた位置に移動させることができ
る作動ロッド(コンソール内で制御される)によって起こり得る。シャトルが移動すると
、ガラスアンプルが衝突機能要素に接触して、該ガラスアンプルが破壊され得る。
【0147】
既知の量のNO2を容器から排出させるために液体N2O4を気化してその内部のガス圧を上
昇させるために、液体容器に熱を加えることができる。圧力は、液体モジュールを介して
放出される制御された量のNO2を決定することができる。温度の調節は、例えば、ガス流
量調節器がガスタンクに対して行うのと同様に、放出速度の圧力調整として機能し得る。
この設計では、可撓性電気抵抗ヒータ(複数可)を、液体容器の金属ハウジングの外部に
巻き付けることができる。別の加熱方法を利用することもできる(ロープヒータ、カート
リッジヒータ、又は意図する使用期間に亘って液体容器の温度を調節する調節手段を提供
する他のタイプのヒータ)。システム内で調節される温度は、所望の用量のNOを患者に送
達するために、例えば、35℃~70℃で調節することができる。
(a)シャトルの構成要素は、各端部にリニア弁を備えた円筒状であり得る。シャトルは
、いくつかの設計上の特徴を提供することができる:
i.ガラスアンプルを安全に収容して輸送中に該ガラスアンプルを安定させ、そしてシ
ステムの作動中に破壊のために該ガラスアンプルの位置を合わせることができるクレード
ル。
ii.シャトルは、必要に応じて各端部のそれぞれのポートを密封するために該各端部に
一対のシールを備えることができる。
iii.各端部のシールは、異なるタイプにすることができる。例えば、半径方向シール
に結合されたルア状テーパシール。これらのシールは、重複のためであり得、液体モジュ
ールアセンブリにおけるこれらのシールのそれぞれのシートに接触させることができる。
iv.シャトルは、ガラスアンプルが破壊されるときに両方の端部ポートが閉じられる設
計上の特徴を含み得る。これは、シャトルの両方の半径方向シールを利用することによっ
て達成することができる。
v.シャトルは、作動後にガラスの破片の侵入に対する、患者流入ポートを覆う保護機
能要素を組み入れることができる。
vi.シャトルは、N2O4との接触における化学適合性のために、例えば、FEP、PTFE、PFA
から形成することができる。別法では、柔軟シール(複数可)を備えた金属シャトルを利
用することができる。これは、例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、及び真鍮
などであり得る。
vii.シャトルは、作動ロッドに接続することができ、該作動ロッドは、シャトルが患
者流入ポートを閉位置/不活性化チャンバポートを開位置にするようにばね荷重を含むこ
とができる。これは、更なる安全のためであり得る。
viii.シャトル/液体容器のクリアランスは、液体容器内の容積を減少させるために最
小限にすることができる。
(b)液体容器の構成要素は、各端部にリニア弁座を備えた円筒状であり得る。液体容器
は、いくつかの設計上の特徴を有し得る:
i.液体容器は、好ましくは金属(チタン、ステンレス鋼、アルミニウムなど)から形
成され、N2O4及び結果として生じるNO2ガスを収容し、閉じ込めることができる。
ii.液体容器は、その内壁に沿った衝突機能要素を備えることができ、該衝突機能要素
が通過するときに液体アンプルが破壊される(註:この衝突機能要素は、シャトル内又は
シャトル上に設けることもできる相対的な機能要素であり得る)。
iii.液体容器は、シャトルのシールを不活性化チャンバに接続する弁座を備えること
ができる。
iv.液体容器の外面は、可撓性ヒータ(コンソールによって制御される)を巻き付ける
ことができる。
v.液体容器の外面は、同様に安全のために、プラスチック(ポリカーボネート、HDPE
、ABSなど)材料に含まれる不活性化物質(ソーダ石灰)によって取り囲むことができる
。別法では、このチャンバは、「家に持ち帰る」タイプの問題(例えば、「犬がこのチャ
ンバを食べてしまう」可能性)が考えられる場合は、金属製にすることができる。不活性
化チャンバは、液体容器の排出ポートに隣接したあらゆる部分に配置することができる。
vi.液体容器は、NO2を不活性化物質に放出するためのスローリーク弁を備えることが
できる。別法では、スローリーク弁は、シャトルに配置することができる。
vii.液体容器が別個の構成要素である場合は、該液体容器を、制限器ハウジングに固
定することができる。患者流入ポートのシャトルシートは、いずれかの構成要素に含める
ことができる。
(c)スローリーク弁は、レーザードリル加工された元素(ルビー、ステンレス鋼、チタ
ンなど)の構成要素であり得る。スローリーク弁は、NO2ガスの液体容器からの放出を調
節することができる。この弁は、不活性化化学反応が窒素を生成し、反応が発熱性であり
得るため、NO2の放出中に必要であり得る。放出が速すぎると、周囲の不活性化物質のプ
ラスチック表面が過熱し得る。これらの表面の構造的完全性を損なわないようにするため
に、N2O4から変換される全ての内容物が10分以内に放出されるようにNO2を測定すること
ができる。
i.スローリーク弁は、約0.005~0.030インチ(約0.127~0.762 mm)の制御されたオリ
フィスを有することができる。
ii.ID長さに対する直径は、NO2の放出速度の調節に機能的に関連する。実際、圧力降
下を生じさせてNO2の放出を遅くするために、オリフィスの直径が大きければ大きいほど
、管腔を長くする。
【0148】
図22を参照すると、この図面は、例示的なシャトル機構を示している。初期位置(輸送
):不活性化側が開いて患者流入側が閉じ、ガラスアンプルは無傷である。中和装置の位
置は左側であり、ガラス制限器を用いる患者の位置は右側である。
【0149】
図23を参照すると、この図面は、両方の弁が閉じたシャトル機構を示し-ガラスアンプ
ルは破壊され、茶色の液体N2O4は、該ガラスからこぼれている。
【0150】
図24を参照すると、この図面は、患者流入シール(右側)が開き、不活性化シール(左
側)が閉じたシャトル機構を示している。
【0151】
図25を参照すると、この図面は、カセットを取り外すための戻り位置(初期のシャトル
位置と同じ)にあるシャトル機構を示している。
【0152】
図26を参照すると、シャトル機構は、液体容器/不活性化チャンバ2601、スローリーク
弁2602(代替の設計として)、不活性化シールシート2603、シャトル不活性化シール2604
及びルア状シール、半径方向シール2605、シャトル2606、ガラスアンプル2607及びN2O4
並びに液体容器2608を備えることができる。
【0153】
反応の滞留時間及び温度
制限器ハウジングは、以下を含むアセンブリであり得る:制御されたオリフィスの管腔
及び長さ、焼結フィルタ、制御されたオリフィスカラムを制限器ハウジングに接続するフ
ェルール、T型コネクタ、並びに制限器ハウジングを液体容器に気密接合するための取り
付け手段。
【0154】
制限器ハウジングは、NO2ガスの空気流(コンソールから供給される)への送達を調節
するために使用されるアセンブリ構造を提供することができる。NO2ガスは、変換カート
リッジ(複数可)への途中で空気と混合し得る。
【0155】
凝縮が生じて制御されたオリフィスカラムが塞がれるのを防止するために、制限器ハウ
ジングに熱を加えて(コンソールによって制御される)、液体容器の温度よりも5℃~20
℃高い温度にガスを維持することができる。
【0156】
制限器ハウジングは、いくつかの構成要素を備え得る:
(a)制限器カラムは、液体容器で生じる入口圧力を条件としてNO2ガスを放出する静的流
量調節器であり得る。制限器カラムの前後の圧力降下は、管腔の直径と管腔の長さの関数
であり得る。
i.制限器カラムは、管腔の直径を0.010μm~0.030μm、長さを1 cm~4 cmとすること
ができる。
ii.ガラスカラムは、ガラスの取り扱い中の損傷を防止するため、及びアセンブリの適
合性のためにPTFE外部スリーブで被覆されて押し出すことができる。
iii.制限器カラムは、1型ガラス(好ましい)の構造にすることができるが、他の制限
器の材料、例えば、ステンレス鋼、ルビーなども利用することができる。
iv.制限器カラムは、例えば、FEP、PTFE、又はPFAから形成された圧縮可能なフェルー
ルを利用して制限器ハウジングに取り付けることができる。
v.カラムは、ポリイミドの代わりにテフロンで被覆された微小径石英GC管としても良
いし、又はこれを含んでも良い。別法では、GCカラムと同じ圧力降下を有する小さいオリ
フィスを使用することができる。比較的長いカラムを使用する利点は、目詰まりを最小限
にするために内径のサイズを十分に大きくすることができることであり得る。
【0157】
図27を参照すると、例示的な患者流入ポート液体容器/制限器ハウジングアセンブリが
示されている。このようなアセンブリは、ガラスアンプル2701、液体容器2702、テフロン
クラッシュワッシャ2703、ガラスシュラウド2704、液体容器の流体タンク2705、シャトル
の患者流入シール、例えば、半径方向シール2706、及びルア状シール2707、患者流入シー
ルシート2708、液体容器/制限器ハウジング接合手段2709、制限器ハウジング2710、焼結
フィルタ2711、及び制限器カラム2712を含み得る。
(b)制限器ハウジングは、以下の特徴を有する、好ましくは金属の構成要素であり得る

i.制限器ハウジングは、制限器カラムを組み付けてフェルールを固定するための管腔
を備える。
ii.代替の制限器ハウジングは、制限器ハウジング内に配置することができる制限器カ
ラムの周りに金属管構造を組み込むことができる。
iii.制限器ハウジングは、液体容器と制限器カラムの放出との間の温度差を維持する
ために、ガス放出端部の近傍に集中した、円筒外面に配置された可撓性ヒータを備えるこ
とができる。
iv.制限器ハウジングは、金属から形成することができる。チタン、ステンレス鋼、又
はアルミニウムが好ましい材料である。
【0158】
図28を参照すると、制限器ハウジングT型フィッティングアセンブリは、不活性化物質2
801、制限器カラム2802、制限器ハウジング2803、フェルール2804、止めねじ2805、該制
限器カラムからのNO2の放出2806、ベース2807、T型フィッティング2808、空気入口2809、
及び空気/NO2出口2810を含み得る。
(c)制限器ハウジングは、制限器カラムの上流の制限器フィルタを取り付けるための機
能要素を備えることができる;
vi.制限器フィルタは、結合剤を用いずに焼結チタンから形成することができる。制限
器フィルタは、ステンレス鋼から形成することもできる。制限器フィルタは、その大きい
表面積での反応を防止するためにSiO2で被覆することもできる。
vii.制限器フィルタは、制限器ハウジング又は中間金属管に圧入することができる。
【0159】
他の液体モジュール構成要素もアセンブリに含めることができる。これらは、不活性化
/パージチャンバ、不活性化物質、不活性化チャンバキャップ、パージ/除去物質、充填キ
ャップ、及び作動ロッドアセンブリを含み得る。
【0160】
図29を参照すると、液体モジュールハウジング及びベースハウジングは、液体容器/制
限器アセンブリ及び除去物質を取り囲む不活性化物質を含み得る。具体的には、液体モジ
ュールハウジング及びベースハウジングは、チャンバ充填ポート2901、ソーダ石灰で充填
される不活性化チャンバ2902、液体モジュールハウジング(チャンバ)2903、過マンガン
酸塩で充填される除去(パージ)チャンバ2904、及びカートリッジ安定器2905を備えるこ
とができる。
【0161】
図30を参照すると、不活性化チャンバ及びパージチャンバを通るカセットの断面が示さ
れている。これは、シャトル/作動ロッド連結器3001、パージチャンバ3002、不活性化チ
ャンバ3003、液体容器3004、制限器ハウジング3005、及びシャトル作動ロッド3006を備え
る。
【0162】
図31を参照すると、カセットアセンブリが示されている。これは、カートリッジブリッ
ジ3101、カートリッジ3102、液体モジュール3103(液体容器/制限器アセンブリ、不活性
化チャンバ、及びパージチャンバを含む)、及びベース3104を含む。
(a)不活性化/パージチャンバハウジングは、不活性化物質/液体容器/制限器ハウジング
アセンブリを収容するポリカーボネート構造であり得、かつパージ/除去物質は、ユニー
クな区画であり得る。不活性化/パージチャンバハウジングは、いくつかの設計上の特徴
を有し得る:
i.不活性化チャンバは、液体モジュールアセンブリを不活性化物質で完全に収容し、
密閉することができる。
ii.不活性化チャンバは、変色不活性化物質がNO2への曝露により変色したかどうかの
視覚的な指示を提供することができる。
iii.不活性化チャンバは、制限器ハウジングを接続することができ、かつヒータワイ
ヤ及び温度センサ(各ヒータに1つ)の通過を可能にする不活性化チャンバキャップを備
えることができる。このキャップは密封することができ、この結果、チャンバが気密封止
される。
iv.パージ/除去チャンバは、コンソールの排出に使用されるパージ/除去物質用の独立
したハウジング構造を提供することができる。
(b)不活性化物質は、2つの物質の混合物であり得る。1つの物質は、効果的なNO2の中和
を提供することができ、他方の物質は、NO2に曝露されたときに永久的な色の変化を示す
ことができる。
i.主不活性化物質は、ソーダ石灰であり得る(混合物の70~90%)。
ii.永久的な変色不活性化物質は、ソーダ石灰とは異なる製剤であり得る(混合物の残
余)。
(c)パージ/除去物質は、患者に送達されるNO濃度を調節するために利用することができ
る。液体モジュールの排出量を迅速に減少させる(即ち、迅速に温度を低下させる)必要
があり得る場合は、過剰なNOを、環境への排出の前にNOを中和するために除去物質に送達
することができる。この物質は、NOを酸化してNO2を生成することができる。支持体が、N
O2を吸収することができる。
i.パージ/除去物質は、支持体、例えば、分子篩上の過マンガン酸カリウムであり得る

ii.活性炭の更なる成分、即ちソーダ石灰も考えられ得る。
(d)作動ロッドアセンブリは、ばね荷重により通常は閉じられた患者流入ポートを提供
することができ、かつ一方向にシャトルを駆動してガラスアンプルを破壊し、そして不活
性化チャンバシールを閉じ/患者流入ポートシールを開けることができる。
i.作動ロッドアセンブリは、コンソール内の機能要素によって作動させることができ
、かつレバー作動ハンドルに結合することができる。
ii.作動ロッドは、シャトルに結合することができる。
【0163】
変換カートリッジ
NO2ガスは、液体モジュールT型(又は「T」)フィッティングにポンプ輸送することが
できる室内空気を用いて最大1 L/分の流量で輸送することができる。NO2/空気混合物は、
第1の主カートリッジの入口に流れる。
【0164】
図32を参照すると、カートリッジ3201を通るカセットの断面を示している。カセット内
のカートリッジでは、ガスの流れは外側から内側である。
【0165】
主カートリッジは、マトリックスと共に含められる還元剤、例えば、シリカゲル上のア
スコルビン酸を含むことができ、該アスコルビン酸は、流体ストリーム混合物がカートリ
ッジ壁を横断するときにNO2と反応してNOガスを生成することができる。
【0166】
カートリッジは、いくつかの構成要素を備えることができる:複合材(マトリックスで
あり得る)、複合材入口キャップ、複合材出口キャップ、複合材ハウジング、還元剤(例
えば、アスコルビン酸被覆)、管を含む入口フィッティング、及び管を含む出口フィッテ
ィング。
【0167】
2つのカートリッジは、制限器カラムの後に直列に配置することができる。1つのサブア
センブリから次のサブアセンブリへのブリッジは、例えば、ポリエチレン管及び掛かりの
付いたフィッティングを利用することができる。
【0168】
図33を参照すると、カセットの断面が示されている。この図面は、不活性化チャンバ33
01、ガラスアンプルを含む液体容器3302、カートリッジ3303、及びパージチャンバ3304を
示している。
(a)主カートリッジ複合材は、マトリックス、例えば、シリカゲルとHDPEの混合物であ
り得る。
i.主複合材は、HDPEに対して45%~85%のシリカゲルの混合物であり得る。
ii.主複合材は、外面及び内面を有する、実質的に円筒であり得、ガス/空気は、外側
から内側に流れる(好ましい)が内側から外側にも十分に流れる。
iii.HDPEは、剛性複合材構造を形成するために結合剤として利用することができる。
別法では、緩く充填されたシリカゲルを利用することもできる。
iv.複合材に適用される還元剤(例えば、アスコルビン酸)のパーセントは、10%~40
%であり得る。
(b)主複合材は、ガス/空気のカートリッジの側壁を通る流れを誘導するために入口キャ
ップに取り付けることができる。
i.入口キャップは、HDPE成分であり得る。
ii.入口キャップ内の設計上の特徴は、ハウジング入口ポートに誘導して、輸送中のカ
ートリッジを安定させる、又は複合材の両端部を効果的に固定するための位置合わせ機能
要素であり得る。
(c)主複合材は、NOガスを複合材の内部から放出させて次のサブアセンブリに流す出口
キャップに取り付けることができる。
i.出口キャップは、HDPE成分であり得る。
ii.出口キャップは、カートリッジの気密エンクロージャを提供するために外部カート
リッジハウジングポートに取り付けることができる。
(d)主カートリッジハウジングは、被覆された複合材の周りの外部構造であり得る。こ
れらのハウジングは、プロセスの保存中に複合材に対して物理的な保護を提供することが
でき、保存中に水の吸収に対する防湿層を提供することができ、かつ保存中の浸透に対し
て酸素障壁を提供することができる。
i.ハウジングは、HDPEから形成することができる。
ii.複合材は、NO2又はNOを複合材壁を通過させるために特定の圧力(最大5 psi(0.03
4 MPa))を必要とし得る。主カートリッジハウジングは、ガスのカートリッジを通る流
れを可能にする圧力を維持することができる。
(e)管及びフィッティングは、ガスを1つのサブアセンブリから別のサブアセンブリに進
めるための導管を提供することができる。構成要素を他の構成要素に取り付けるための代
替の方法及び機構は、当分野で周知であり、超音波溶接、スピン溶接、誘導溶接、及び他
の手段を含み得る。
【0169】
液体モジュールは、2つの開口位置(1つが不活性化用で、1つが患者流入用である)を
有するペットコックとほぼ同じ半径方向の構造に構成することができる。これは、円筒状
又は球形状にすることができるが、二重のシールを、ポート間の漏れを防止するために使
用することができる。
【0170】
ガラスアンプルの破壊は、現在は線形運動であり得る。半径方向の運動も利用すること
ができる。この半径方向の運動は、半径方向と線形方向の運動が同時に起こるカム運動を
含み得る。
【0171】
他の実施態様も、以下の特許請求の範囲内である。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
二酸化窒素の一酸化窒素への変換のためのカセットであって:
密封ハウジング、
該密封ハウジング内で二酸化窒素ガスを一酸化窒素に変換することができる第1のカー
トリッジであって、
入口、分流器、本体、出口、及び還元剤を含む多孔質固体マトリックスを備え、
該多孔質固体マトリックスが、該第1のカートリッジの本体と該多孔質固体マトリッ
クスとの間に空間が存在するように該第1のカートリッジ内に配置され、該多孔質固体マ
トリックスが、該第1のカートリッジの本体の長さに平行な開口通路を有する、該第1のカ
ートリッジ、
二酸化窒素ガスを一酸化窒素に変換することができる第2のカートリッジであって、該
第1のカートリッジの出口と該第2のカートリッジの入口が接続され、
該第2のカートリッジが、入口、分流器、本体、出口、及び還元剤を含む多孔質固体
マトリックスを備え、
該多孔質固体マトリックスが、該第1のカートリッジの本体と該多孔質固体マトリッ
クスとの間に空間が存在するように該第1のカートリッジ内に配置され、該多孔質固体マ
トリックスが、該第1のカートリッジの本体の長さに平行な開口通路を有する、該第2のカ
ートリッジ;並びに
不活性化物質を含む不活性化チャンバを備える、前記カセット。
(構成2)
前記空間が幅を有し、該幅が、前記多孔質固体マトリックスの表面とレセプタクルとの
間の距離であり、該空間の幅が、該レセプタクルの長さに沿って異なり得、前記入口が、
ガス流を受け取るように構成され、前記分流器が、該ガス流を前記本体と該多孔質固体マ
トリックスとの間の空間に誘導し、かつ該ガス流が、該ガス流中の二酸化窒素を一酸化窒
素に変換するために該多孔質固体マトリックスを介して前記出口に流体連通している、構
成1記載のカセット。
(構成3)
前記空間の幅が、前記レセプタクルの長さの一部に沿って減少している、構成2記載の
カセット。
(構成4)
前記空間の幅が、前記レセプタクルの長さの一部に沿って増加している、構成2記載の
カセット。
(構成5)
前記空間の幅が、前記入口から前記レセプタクルのほぼ中間点までの該レセプタクルの
長さの一部に沿って増加し、前記空間の幅が、該レセプタクルのほぼ中間点から前記出口
までの該レセプタクルの長さの一部に沿って減少している、構成4記載のカセット。
(構成6)
前記密封ハウジングが、N2O4及びNO2の貯蔵装置を更に備える、構成1記載のカセット。
(構成7)
前記貯蔵装置が、シャトル管内に含められ、該管が、該貯蔵装置を安定させる、構成6
記載のカセット。
(構成8)
前記シャトル管が、輸送中に前記不活性化チャンバが前記貯蔵装置に対して開口するよ
うに配置されている、構成7記載のカセット。
(構成9)
前記不活性化物質が、前記貯蔵装置が破壊されたときに永久に変色する、構成8記載の
カセット。
(構成10)
前記密封ハウジングが、制限器を更に備える、構成1記載のカセット。
(構成11)
前記制限器が、前記貯蔵装置と前記第1のカートリッジを接続する、構成10記載のカセ
ット。
(構成12)
前記密封ハウジングが、ヒータを更に備える、構成1記載のカセット。
(構成13)
前記ヒータが、前記貯蔵装置に巻き付けられ、かつ該貯蔵装置の温度を変更することに
よって二酸化窒素ガスの排出量を調節する、構成12記載のカセット。
(構成14)
1回使用されると廃棄される、構成1記載のカセット。
(構成15)
コンソールに更に接続され、該コンソールが、ヒータを調節する、構成1記載のカセッ
ト。
(構成16)
液体二酸化窒素の貯蔵装置であって、
アンプルを含む容器、
液体二酸化窒素を含むアンプルであって、該アンプルが破壊されたときに該液体二酸化
窒素が一酸化窒素に変換される、該アンプル、
制限器であって、その近位端部が該アンプルに面し、かつその遠位端部が、一酸化窒素
ガスの出口を提供する、該制限器;
該アンプルに接続されたリーク弁;及び
該アンプルを含むシャトル管を備える、前記貯蔵装置。
(構成17)
前記シャトル管が、使用者が前記アンプルを破壊したときに前記制限器に接続される、
構成16記載の貯蔵装置。
(構成18)
ヒータに更に接続されている、構成16記載の貯蔵装置。
(構成19)
前記ヒータが、使用者が前記アンプルを破壊したときに作動される、構成17記載の貯蔵
装置。
(構成20)
前記リーク弁を介して不活性化チャンバに更に接続されている、構成16記載の貯蔵装置

(構成21)
前記シャトルが回転して、前記アンプルを前記不活性化チャンバ又は前記制限器のいず
れかに接続する、構成20記載の貯蔵装置。
(構成22)
混合Tフィッティングに更に接続されている、構成16記載の貯蔵装置。
(構成23)
空気が、前記混合Tフィッティングに流入する、構成22記載の貯蔵装置。
(構成24)
前記貯蔵装置の容積が、0.53 mL以下である、構成16記載の貯蔵装置。
(構成25)
密封ハウジング内に含められている、構成16記載の貯蔵装置。
(構成26)
前記密封ハウジングが、
該密封ハウジング内で二酸化窒素ガスを一酸化窒素に変換することができる第1のカー
トリッジであって、
入口、分流器、本体、出口、及び還元剤を含む多孔質固体マトリックスを備え、
該多孔質固体マトリックスが、該第1のカートリッジの本体と該多孔質固体マトリッ
クスとの間に空間が存在するように該第1のカートリッジ内に配置され、該多孔質固体マ
トリックスが、該第1のカートリッジの本体の長さに平行な開口通路を有する、該第1のカ
ートリッジ、
二酸化窒素ガスを一酸化窒素に変換することができる第2のカートリッジであって、該
第1のカートリッジの出口と該第2のカートリッジの入口が接続され、
該第2のカートリッジが、入口、分流器、本体、出口、及び還元剤を含む多孔質固体
マトリックスを備え、
該多孔質固体マトリックスが、該第1のカートリッジの本体と該多孔質固体マトリッ
クスとの間に空間が存在するように該第1のカートリッジ内に配置され、該多孔質固体マ
トリックスが、該第1のカートリッジの本体の長さに平行な開口通路を有する、該第2のカ
ートリッジ;並びに
不活性化物質を含む不活性化チャンバを更に備える、構成25記載の貯蔵装置。
(構成27)
前記空間が幅を有し、該幅が、前記多孔質固体マトリックスの表面とレセプタクルとの
間の距離であり、該空間の幅が、該レセプタクルの長さに沿って異なり得、前記入口が、
ガス流を受け取るように構成され、前記分流器が、該ガス流を前記本体と該多孔質固体マ
トリックスとの間の空間に誘導し、かつ該ガス流が、該ガス流中の二酸化窒素を一酸化窒
素に変換するために該多孔質固体マトリックスを介して前記出口に流体連通している、構
成26記載のカセット。
(構成28)
前記空間の幅が、前記レセプタクルの長さの一部に沿って減少している、構成27記載の
カセット。
(構成29)
前記空間の幅が、前記レセプタクルの長さの一部に沿って増加している、構成27記載の
カセット。
(構成30)
前記空間の幅が、前記入口から前記レセプタクルのほぼ中間点までの該レセプタクルの
長さの一部に沿って増加し、前記空間の幅が、該レセプタクルのほぼ中間点から前記出口
までの該レセプタクルの長さの一部に沿って減少している、構成29記載のカセット。
図1
図2
図3A-B】
図3C-D】
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体モジュールを備える、装置であって、
該液体モジュールが、1以上の保護要素、及び液体N2O4を含むアンプルを備え、
該装置が、該液体N2O4から吸入用の気体状のNOを形成し;かつ
該1以上の保護要素が、該液体N2O4への環境暴露を防止する、前記装置。
【請求項2】
前記液体モジュールが、前記アンプルと電気的及び熱的に連通する1以上の加熱装置を更に備える、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記アンプルが、2位置構成要素で固定され、
該2位置構成要素が、各位置に存在する前記1以上の保護要素の第一の要素を含み、
該アンプルが、該2位置間で往復する、請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
各位置に存在する前記1以上の保護要素の第一の要素が、シールを含む、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記1以上の保護要素の第二の要素が、前記アンプルを前記2位置構成要素に固定する固定部材を含む、請求項3記載の装置。
【請求項6】
前記固定部材が、破片を閉じ込める障壁である、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記2位置構成要素の2位置のうちの1つが、不活性化チャンバと連通する、請求項3記載の装置。
【請求項8】
前記2位置構成要素の2位置のうちの第二の位置が、吸入用の前記気体状のNOを送達するように構成された排出側である、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記不活性化チャンバが、前記アンプルの破壊を示すように構成された色付きの材料を含む、請求項7記載の装置。
【請求項10】
前記1以上の保護要素の第三の要素が、リーク弁を含む、請求項1~9のいずれか一項記載の装置。
【請求項11】
前記1以上の保護要素の第四の要素が、該装置の空気流入ポートに位置するシール、及び該装置のNOガス流出ポートに位置するシールを含む、請求項1~10のいずれか一項記載の装置。
【請求項12】
前記1以上の保護要素の第五の要素が、パージ物質を含む、請求項1~11のいずれか一項記載の装置。
【請求項13】
前記液体モジュールが、100 psi(0.69 MPa)までの内部圧力及び70℃までの温度に耐えることができる、請求項1~12のいずれか一項記載の装置。
【請求項14】
制限器を更に備える、請求項1~13のいずれか一項記載の装置。
【請求項15】
前記装置が、多孔質剛性マトリックス及び抗酸化剤を含むカートリッジを更に備え、
該カートリッジが、前記気体状のNOを形成するように構成される、請求項1~14のいずれか一項記載の装置。