(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037892
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ニコチンアミド系RIPK1阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 401/06 20060101AFI20240312BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240312BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240312BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20240312BHJP
C07D 498/04 20060101ALI20240312BHJP
A61K 31/5383 20060101ALI20240312BHJP
C07D 407/14 20060101ALI20240312BHJP
C07D 417/06 20060101ALI20240312BHJP
C07D 413/06 20060101ALI20240312BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20240312BHJP
C07F 9/6558 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C07D401/06 CSP
A61P43/00 111
A61P1/04
A61K31/4439
C07D498/04 111
A61K31/5383
C07D407/14
C07D417/06
C07D413/06
A61K31/675
C07F9/6558
【審査請求】未請求
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023210859
(22)【出願日】2023-12-14
(62)【分割の表示】P 2023516136の分割
【原出願日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】63/231,590
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】512212195
【氏名又は名称】アッヴィ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キューザック,ケビン・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ホエマン,マイケル・ゼラー
(72)【発明者】
【氏名】キンズマン,デイビッド・アンドルー
(72)【発明者】
【氏名】オスマン,サミ
(72)【発明者】
【氏名】スタンブリ,ジェームズ・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】アージリアディ,マリア・アナスタシア
(72)【発明者】
【氏名】オレイリー,シアラン
(72)【発明者】
【氏名】デクスター,ハンナ
(72)【発明者】
【氏名】フォーダイス,ユアン
(72)【発明者】
【氏名】セント・ギャラリー,スティーブ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】RIPK1阻害剤として有用な化合物及びそれの薬学的に許容される塩、並びにそれを含む医薬組成物を提供する。さらに、使用及び製造方法を提供する。
【解決手段】下記式(I)の化合物又は該化合物の薬学的に許容される塩である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物又は該化合物の薬学的に許容される塩。
【化1】
[式中、
R
1は、水素であり、又は
R
1は、-P(=O)(OR
P1)
2、-C(=O)CH
2OR
P1、-C(=O)CH
2N(R
P1)
2、又は-C(=O)R
P2であり、R
P1の各場合は、水素及び置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキルからなる群から独立に選択され、R
P2は、置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキルであり;
R
2A及びR
2Bは、それぞれ独立に、水素又はハロであり;
各R
3は、ハロ及び置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキルからなる群から独立に選択され、nは、0、1又は2であり;
R
N1は、水素又は置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキルであり;
R
4は、水素、-OR
4A、及び置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキルからなる群から独立に選択され、R
4Aは、水素又は置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキルであり;
R
5は、水素、-OR
5A、及び置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキルからなる群から独立に選択され、R
5Aは水素又は置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキルであり;
環Gは、5員ヘテロアリール環であり、各G
1、G
2、G
3及びG
4は、独立にCH、CR
G1、N、NR
N2、O、又はSであり、ただし、G
1、G
2、G
3、及びG
4の少なくとも一つが、N、NR
N2、O、又はSであり、G
1、G
2、G
3、及びG
4の二つ以下が、O又はSであり;
R
G1の各場合は、ハロ、-OR
G2、-NR
7、置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキル、置換されているか若しくは置換されていない3~4員炭素環、又は置換されているか若しくは置換されていない4員複素環からなる群から独立に選択され、R
G2は、水素又は置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキルであり;
又は、二つの隣り合うR
G1基がそれらが結合している原子と一緒になって、置換されているか若しくは置換されていない縮合5~6員炭素環又は置換されているか若しくは置換されていない縮合5~6員複素環を形成しており;
又は、隣り合うR
G1基及びR
N2基がそれらが結合している原子と一緒になって、置換されているか若しくは置換されていない縮合5~6員複素環を形成しており;
各R
N2は、水素、置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキル、置換されているか若しくは置換されていない3~4員炭素環、及び置換されているか若しくは置換されていない4員複素環からなる群から独立に選択され;
各R
7は、水素、置換されているか若しくは置換されていないC
1-4アルキル、置換されているか若しくは置換されていない3~4員炭素環、及び置換されているか若しくは置換されていない4員複素環からなる群から独立に選択され;
置換されているか若しくは置換されていないの各場合は、任意に及び独立に、ハロ、-OH、-O(C
1-4アルキル)、及び-O(C
1-4ハロアルキル)からなる群から選択される0、1、2若しくは3個の置換基によって置換されている。]
【請求項2】
環Gで、G1、G2、G3、及びG4の少なくとも一つが、N又はNRN2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Gで、G2又はG3の少なくとも一つが、N又はNRN2である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
環Gで、G1、G2、G3、及びG4の少なくとも二つが、N又はNRN2である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
環Gがジアゾールである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
G2及びG3がそれぞれ独立に、N又はNRN2である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
環Gがトリアゾールである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
G2、G3、及びG4がそれぞれ独立に、N又はNRN2である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
RN2が、アルキル又はハロアルキルである、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
G1及びG2の一つがCRG1である、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
RG1が、メチル又はシクロプロピルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
R4が水素である、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
R5が、水素、アルコキシ、又はハロアルキルである、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
R5が、水素、メチル、メトキシ、又はジフルオロメチルである、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
R5が水素である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
RN1が水素又はメチルである、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
RN1が水素である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
RN1がメチルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
R2A及びR2Bがそれぞれ水素である、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
R2A及びR2Bの一方が水素であり、他方がフルオロである、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
nが0又は1である、請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
nが1である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
R3がハロである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
nが0である、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
R1が水素である、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
R1が-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
R1が-P(=O)(ORP1)2である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
各RP1が、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
各RP1が水素である、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
各RP1が置換されていないC1-4アルキルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
下記の表から選択される。請求項1に記載の化合物又は該化合物の薬学的に許容される塩。
【化2】
【請求項32】
薬学的に許容される担体と組み合わせて、治療上有効量の式(I)の化合物又は該化合物の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年8月10日出願の米国仮特許出願第63/231,590号に対する優先権の利益を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
受容体相互作用タンパク質キナーゼ(RIPK1)は、壊死、アポトーシス、及び炎症性サイトカイン産生の誘発に関与する炎症の重要な調節因子である。ネクロプトーシスは、細胞膜の破壊と細胞内内容物の局所細胞環境への放出を特徴とする、炎症誘発型の制御された細胞死である。損傷関連分子パターン(DAMP)として知られる細胞内内容物は、各種の免疫細胞を活性化して炎症応答の開始及び追加の細胞死に寄与する炎症性サイトカインの産生を引き起こすことで、炎症のサイクルを促進する。RIPK1によるネクロプトーシス誘発について最も研究されている経路は、腫瘍壊死因子(TNF)経路であるが、RIPK1も他のTNFスーパーファミリー構成員(FAS/TRAIL)及びトール様受容体(TLR;TLR3/TLR4)によるネクロプトーシス誘発に関与している。RIPK1のリン酸化により、その後のRIPK3のリン酸化とアミロイド構造の形成があり、それが次に、ネクロプトーシス細胞死の重要な要素であるシュードキナーゼMLKL(混合系統キナーゼドメイン様)を動員して活性化する。RIPK1の阻害は、このネクロプトーシス誘発事象カスケード及びその後の炎症応答の阻害に関連している。例えば、Li, et al., Necroptosis in inflammatory bowel disease and other intestinal diseases. World J. Clin. Cases (2018) 6(14):745-752を参照する。したがって、潰瘍性大腸炎の治療に有用なRIPK1のさらなる阻害剤を開発する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Li, et al., Necroptosis in inflammatory bowel disease and other intestinal diseases. World J. Clin. Cases (2018) 6(14):745-752
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書において記載されるものは、下記式(I)の化合物及びそれの薬学的に許容される塩である。
【0005】
【0006】
式中、
R1は水素であり、又は
R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2ORP1、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2であり、RP1の各場合は、水素及び置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択され、RP2は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
R2A及びR2Bはそれぞれ独立に、水素又はハロであり;
各R3は、ハロ及び置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択され、nは0、1又は2であり;
RN1は水素又は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
R4は、水素、-OR4A、及び置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択され、R4Aは水素又は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
R5は、水素、-OR5A、及び置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択され、R5Aは水素又は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
環Gは5員ヘテロアリール環であり、各G1、G2、G3及びG4は、独立にCH、CRG1、N、NRN2、O、又はSであり、ただし、G1、G2、G3、及びG4の少なくとも一つがN、NRN2、O、又はSであり、G1、G2、G3、及びG4の二つ以下がO又はSであり;
RG1の各場合は、ハロ、-ORG2、-NR7、置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキル、置換されているか若しくは置換されていない3~4員炭素環、又は置換されているか若しくは置換されていない4員複素環からなる群から独立に選択され、RG2は水素又は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
又は、二つの隣り合うRG1基がそれらが結合している原子と一緒になって、置換されているか若しくは置換されていない縮合5~6員炭素環又は置換されているか若しくは置換されていない縮合5~6員複素環を形成しており;
又は、隣り合うRG1基及びRN2基がそれらが結合している原子と一緒になって、置換されているか若しくは置換されていない縮合5~6員複素環を形成しており;
各RN2は、水素、置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキル、置換されているか若しくは置換されていない3~4員炭素環、及び置換されているか若しくは置換されていない4員複素環からなる群から独立に選択され;
各R7は、水素、置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキル、置換されているか若しくは置換されていない3~4員炭素環、及び置換されているか若しくは置換されていない4員複素環からなる群から独立に選択され;
置換されているか若しくは置換されていないの各場合は任意に及び独立に、ハロ、-OH、-O(C1-4アルキル)、及び-O(C1-4ハロアルキル)からなる群から選択される0、1、2若しくは3個の置換基によって置換されている。
【0007】
ある種の実施形態において、環Gで、G1、G2、G3、及びG4の少なくとも一つがN又はNRN2である。
【0008】
ある種の実施形態において、環Gで、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2である。
【0009】
ある種の実施形態において、環Gで、G1、G2、G3、及びG4の少なくとも二つがN又はNRN2である。
【0010】
ある種の実施形態において、環Gはジアゾールである。ある種のそのような実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2である。
【0011】
さらなる実施形態において、環Gはトリアゾールである。ある種のそのような実施形態において、G2、G3、及びG4はそれぞれ独立に、N又はNRN2である。
【0012】
ある種の実施形態において、RN2はアルキル又はハロアルキルである。
【0013】
ある種の実施形態において、G1及びG2の一つがCRG1である。ある種のそのような実施形態において、RG1はメチル又はシクロプロピルである。
【0014】
ある種の実施形態において、R4は水素である。
【0015】
ある種の実施形態において、R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルである。
【0016】
さらなる実施形態において、R5は水素、メチル、メトキシ、又はジフルオロメチルである。なおさらなる実施形態において、R5は水素である。
【0017】
ある種の実施形態において、RN1は水素又はメチルである。例えば、一部の実施形態において、RN1は水素であり;或いは、一部の実施形態において、RN1はメチルである。
【0018】
ある種の実施形態において、R2A及びR2Bはそれぞれ水素である。
【0019】
ある種の実施形態において、R2A及びR2Bの一方が水素であり、他方がフルオロである。
【0020】
ある種の実施形態において、nは0又は1である。
【0021】
ある種の実施形態において、nは1である。ある種のそのような実施形態において、R3はハロである。
【0022】
別の実施形態において、nは0である。
【0023】
ある種の実施形態において、R1は水素である。
【0024】
別の実施形態において、R1は、-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。例えば、R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。さらなるそのような実施形態において、各RP1は水素である。或いは、各RP1は、置換されていないC1-4アルキルであることができる。
【0025】
ある種の実施形態において、当該化合物は、次の表:
【0026】
【化2】
から選択されるか;それらの薬学的に許容される塩である。
【0027】
本明細書においては、式(I)の化合物を含む医薬組成物も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】R
1が水素である式(I)の化合物の、RIPK1のATP(アデノシド三リン酸)結合ポケットにおけるモデル化された結合モードを示し、観察されるRIPK1結合活性及び他のキナーゼより高い選択性についての作業仮説を提供する図である。特に、いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、いくつかの相互作用が、右から左への結合のアンカーポイントとして機能すると考えられており、(1)His136の側鎖環とエッジ-ツー-フェイス芳香族相互作用することに加えて、親油性バックポケットにおける体積を満たし;(2)ヒドロキシル基は、Val76残基の主鎖カルボニルと水素結合相互作用し;(3)そのカルボニル基は、DLGモチーフの主鎖Asp156残基と水素結合相互作用し(Asp156-Leu157-Gly158);(4)ヘテロアリール環(「環G」と呼ばれる)の電子供与基は、ヒンジ領域のMet95残基の主鎖NHと相互作用する。DLGモチーフはRIPK1に固有のものではないが、それはキナーゼの小さい下位集合でのみ認められ;代わりにキナーゼの大部分はDFG(Asp-Phe-Gly)モチーフを含む。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、それによりさらに、親油性ポケットの形状及びHis136残基との相互作用が、より順応性の高いDLGモチーフ(嵩高いフェニルアラニン環を欠いている)の存在に加えて、全体的に湾曲した結合コンフォメーションに寄与し、それを収容することでRIPK1選択性を促進することで、より特異的なRIPK1接触及び結合を可能とするという仮説が立てられた。
【
図2】実施例19について、ピーク面積比に基づいてプロドラッグ損失を示すプロットを含む図である。基質枯渇に対する効果によって示される、1mMのオルトバナジウム酸塩によるホスファターゼ活性の阻害も示されている。
【
図3】実施例19について、ピーク面積比に基づいて親形成(parent formation)を示すプロットを含む図である。親形成(parent formation)に対する効果によって示される、1mMオルトバナジウム酸塩によるホスファターゼ活性の阻害も示されている。
【0029】
定義
特定の官能基及び化学用語の定義について、以下でより詳細に説明する。化学元素はCAS版Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.、内表紙の元素周期表に従って確認し、特定の官能基はそこに記載されているように定義される。さらに、有機化学の一般的原理、並びに特定の官能性部分及び反応性が、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March March′s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;及びCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
【0030】
化合物は、1以上の不斉中心を含む場合があることから、組成物中に各種の立体異性体型、例えばエナンチオマー及び/又はジアステレオマー及び/又は幾何(シス/トランス又はE/Z)異性体で存在する場合がある。例えば、組成物は、ラセミ(等しい)混合物、1以上の立体異性体が豊富な混合物などの立体異性体の混合物を含んでもよく、又は実質的に純粋な(>99%)形態の個々の立体異性体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「豊富化」は、組成物中に存在し得る他の立体異性体の合計に対して一つの立体異性体を50%超(>)含む組成物を指す。ある種の実施形態において、組成物は、組成物中に存在し得る他の立体異性体の合計に対して>60%、>65%、>70%、>75%、>80%、>85%、>90%、>91%、>92%、>93%、>94%、>95%、>96%、>97%、>98%、>99%、>99.5%、>99.9%、又は最大100%までの一つの立体異性体を含んでもよく、又は組成物中に存在し得る他の立体異性体の合計に対して0%又は0.1%未満(<)、<0.5%、<1%、<2%、<3%、<4%、<5%、<6%、<7%、<8%、<9%、<10%、<15%、<20%、<25%、<30%、<35%、<40%、<45%、又は<50%の一つの立体異性体を含んでいてもよい。簡潔を期して、組成物中の薬学的に許容される塩として提供される場合、立体異性体のいずれかの濃縮量の計算は、遊離塩基形態の仮定量に基づくものとする。ある種の実施形態において、組成物は、その(S)-エナンチオマーが豊富である。他の実施形態では、組成物は、その(R)-エナンチオマーが豊富である。
【0031】
別断の断りがない限り、本明細書で示される構造は、1以上の同位体濃縮原子の存在のみにおいて異なる化合物を含むことも意味する。例えば、重水素又は三重水素による水素の置換、19Fの18Fによる置換、13C又は14C豊富炭素による炭素の置換、及び/又は18Oによる酸素原子の置換を除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内にある。
【0032】
値の範囲がリストされている場合、それは、その範囲内の各値及び下位範囲を包含することを意図している。例えば、「C1-6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、及びC5-6アルキルを包含することを意図している。
【0033】
「アルキル」は、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和炭化水素基の1価ラジカル(「C1-4アルキル」)を指す。一部の実施形態において、アルキル基は1~3個の炭素原子を有する(「C1-3アルキル」)。一部の実施形態において、アルキル基は、1~2個の炭素原子を有する(「C1-2アルキル」)。一部の実施形態において、アルキル基は1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。C1-4アルキル基の例には、メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n-ブチル(C4)、tert-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、及びイソ-ブチル(C4)基などがある。
【0034】
「ハロアルキル」は、水素原子の1以上が独立に、ハロゲン、例えば、フルオロ、ブロモ、クロロ、又はヨードによって置き換わっているアルキル基である。「パーハロアルキル」は、ハロアルキルの下位集合であって、全ての水素原子が独立にハロゲン、例えば、フルオロ、ブロモ、クロロ、又はヨードによって置き換わっているアルキル基を指す。一部の実施形態において、ハロアルキル部分は、1~4個の炭素原子を有する(「C1-4ハロアルキル」)。一部の実施形態において、ハロアルキル部分は、1~3個の炭素原子を有する(「C1-3ハロアルキル」)。一部の実施形態において、ハロアルキル部分は、1~2個の炭素原子を有する(「C1-2ハロアルキル」)。一部の実施形態において、ハロアルキル水素原子の全てがフルオロによって置き換わっていることで、パーフルオロアルキル基を提供する。ハロアルキル基の例には、-CF3、-CHF2、-CFH2、-CF2CF3、-CH2CF3、-CF2CF2CF3、-CCl3、-CFCl2、及び-CF2Clなどがある。
【0035】
「炭素環式(Carbocyclyl)」又は「炭素環式(Carbocyclic)」は、3~6個の環炭素原子(「C3-6炭素環」)及び0個の環ヘテロ原子を有する単環式非芳香族3~6員環系の1価ラジカルを指す。一部の実施形態において、炭素環基は3~4個の環炭素原子を有する(「C3-4炭素環」)。一部の実施形態において、炭素環基は、4~6個の環炭素原子を有する(「C4-6炭素環」)。一部の実施形態において、炭素環基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5-6炭素環」)。C3-6炭素環基の例には、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、及びシクロヘキサジエニル(C6)などがあるが、こられに限定されるものではない。
【0036】
「複素環式(heterocyclyl)」又は「複素環式(heterocyclic)」は、環炭素原子及び1~3個の環ヘテロ原子を有する単環式非芳香族4~6員環系の1価ラジカルを指し、各ヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される(「4~6員複素環式」)。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員複素環基には、アゼチジニル、オキセタニル及びチエタニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員複素環基には、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、及びジヒドロピロリルなどがあるが、これらに限定されるものではない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員複素環基には、ジオキソラニル、オキサチオラニル及びジチオラニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員複素環基には、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル及びチアジアゾリニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員複素環基には、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル及びチアニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員複素環基には、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル及びジオキサニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。3個のヘテロ原子を含む例示的な6員複素環基には、トリアジナニルなどがあるが、これに限定されるものではない。
【0037】
「5員ヘテロアリール」は、環炭素原子及び芳香環系に提供される1~3個の環ヘテロ原子を有する5員単環式4n+2芳香族環系(例えば、環状配列で共有される6個のπ電子を有する)のラジカルを指し、各ヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される。1以上の窒素原子を含むヘテロアリール基では、原子価が許す限り、結合点は炭素又は窒素原子であることができる。一部の実施形態において、5員ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、5員ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される2個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、5員ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、ピロリル、フラニル及びチオフェニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル及びイソチアゾリルなどがあるが、これらに限定されるものではない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、5員ヘテロアリール基には、トリアゾリル、オキサジアゾリル及びチアジアゾリルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
「ハロ」は、フッ素(フルオロ、-F)、塩素(クロロ、-Cl)、臭素(ブロモ、-Br)、又はヨウ素(ヨード、-I)を指す。
【0039】
「置換された」は、指定された基又は部分が1以上の置換基を有することを意味する。任意の基が複数の置換基を有することができ、各種の可能な置換基が提供される場合、置換基は独立に選択され、同じである必要はない。置換基の例としては、ヒドロキシル、ハロ、シアノ、ニトロ、チオール、アルキル、アルケニル、炭素環、複素環、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホネート、アミノ、アミド、カルボキシレート及びエステルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
「置換されていない」とは、指定の基が置換基を全く持たないことを意味する。
【0041】
「任意に及び独立に置換された」とは、指定された基が1以上の置換基でさらに置換されていても置換されていなくてもよく、複数の置換基が存在する場合、それらの置換基は同じである必要がないことを意味する。
【0042】
「塩」は、ありとあらゆる塩を指し、塩基性化合物と無機若しくは有機酸との、又は酸性化合物と無機若しくは有機塩基とのイオン錯体形成から生成されて、電子的に中性の化合物を提供するものである。「薬学的に許容される塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適した塩を指し、妥当なベネフィット/リスク比を有するものである。Berge et al., J. Pharmaceutical Sciences (1977) 66:1-19も参照する。化合物の「遊離塩基」は、その化合物の中性で塩を含まない形態である。ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、塩(例えば、薬学的に許容される塩)であり得る。ある種の実施形態において、例えば、薬学的に許容される塩への言及がない場合、式(I)の化合物は遊離塩基形態として存在し得る。
【0043】
「脱離基」とは、分子断片が陰イオン又は中性分子である不均等結合開裂において電子対で離れる分子断片を指す。「脱離基」はまた、交差カップリング反応を介して脱離する分子断片を指す。不均等結合開裂において電子対で離脱する脱離基の例には、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)及び活性化ヒドロキシル基、例えばトリフルオロメタンスルホニル活性化ヒドロキシル基(-OTf)、4-トルエンスルホニル活性化ヒドロキシル基(-OTs)、メタンスルホニル活性化ヒドロキシル基(-OMs)、ベンゼンスルホニル活性化ヒドロキシル基(-OBs)、又は-OS(O)2OCH3などがあるが、これらに限定されるものではない。交差カップリング反応によって離脱する脱離基の例としては、ボロン酸又はボロン酸エステル(例えば、ジオキソボロラン基、例えばテトラメチルジオキソボロラン)、トリアルキルスタンナン(例えば、(R′)3Sn-、ここでR′はC1-3アルキルである)、及びハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
ヒドロキシル保護基は当技術分野では公知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものなどがある。本明細書で使用される例示的な「ヒドロキシル保護基」には、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t-ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p-メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4-メトキシフェノキシ)メチル(p-AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t-ブトキシメチル、4-ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2-メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3-ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、1-[(2-クロロ-4-メチル)フェニル]-4-メトキシピペリジン-4-イル(CTMP)、アリル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、o-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、p-フェニルベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルヘキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t-ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p-クロロフェノキシアセテート、メチルカーボネート、9-フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、エチルカーボネート、2,2,2-トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2-(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2-(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2-(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、イソブチルカーボネート、ビニルカーボネート、アリルカーボネート、t-ブチルカーボネート(BOC)、p-ニトロフェニルカーボネート、ベンジルカーボネート、p-メトキシベンジルカーボネート、3,4-ジメトキシベンジルカーボネート、o-ニトロベンジルカーボネート、及びp-ニトロベンジルカーボネートなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
「対象者」は哺乳動物を指し、ヒト(すなわち、任意の年齢層の男性又は女性、例えば、小児対象者(例えば、幼児、小児、青年)又は成人対象者(例えば、若年成人、中年成人又は高齢成人)及び/又は他の非ヒト哺乳動物、例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ネコ、及び/又はイヌを含むが、これらに限定されるものではない。
【0046】
「治療する(treat)」、「治療する(treating)」及び「治療(treatment)」は、対象者が疾患に罹患している間に行われ、疾患の重度を軽減し、又は疾患若しくは関連症状の進行を遅延若しくは遅らせる行為を指す。
【0047】
化合物又はそれの薬学的に許容される塩の「有効量」は、単独で、又は他の療法と組み合わせて、対象者が罹患している疾患の治療において治療的利益を提供するか、又は対象者が罹患している疾患に関連する1以上の症状を遅延若しくは軽減する量である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(i)化合物
本明細書において記載されるものは、下記式(I)の化合物及びそれの薬学的に許容される塩、又はそれの薬学的に許容される塩である。
【0049】
【0050】
式中、
R1は水素であり、又は
R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2ORP1、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2であり、RP1の各場合は、水素及び置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択され、RP2は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
R2A及びR2Bはそれぞれ独立に、水素又はハロであり;
各R3は、ハロ及び置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択され、nは0、1又は2であり;
RN1は水素又は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
R4は、水素、-OR4A、及び置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択され、R4Aは水素又は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
R5は、水素、-OR5A、及び置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択され、R5Aは水素又は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
環Gは5員ヘテロアリール環であり、各G1、G2、G3及びG4は、独立にCH、CRG1、N、NRN2、O、又はSであり、ただし、G1、G2、G3、及びG4の少なくとも一つがN、NRN2、O、又はSであり、G1、G2、G3、及びG4の二つ以下がO又はSであり;
RG1の各場合は、ハロ、-ORG2、-NR7、置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキル、置換されているか若しくは置換されていない3~4員炭素環、又は置換されているか若しくは置換されていない4員複素環からなる群から独立に選択され、RG2は水素又は置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキルであり;
又は、二つの隣り合うRG1基がそれらが結合している原子と一緒になって、置換されているか若しくは置換されていない縮合5~6員炭素環又は置換されているか若しくは置換されていない縮合5~6員複素環を形成しており;
又は、隣り合うRG1基及びRN2基がそれらが結合している原子と一緒になって、置換されているか若しくは置換されていない縮合5~6員複素環を形成しており;
各RN2は、水素、置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキル、置換されているか若しくは置換されていない3~4員炭素環、及び置換されているか若しくは置換されていない4員複素環からなる群から独立に選択され;
各R7は、水素、置換されているか若しくは置換されていないC1-4アルキル、置換されているか若しくは置換されていない3~4員炭素環、及び置換されているか若しくは置換されていない4員複素環からなる群から独立に選択され;
置換されているか若しくは置換されていないの各場合は任意に及び独立に、ハロ、-OH、-O(C1-4アルキル)、及び-O(C1-4ハロアルキル)からなる群から選択される0、1、2若しくは3個の置換基によって置換されている。
【0051】
式(I)の化合物は、RIPK1に選択的に結合して阻害することができる(
図1参照;アッセイ及び活性データにおけるRIPK1結合アッセイ)。RIPK1を阻害することにより、本発明の化合物は、TNF誘発ネクロプトーシスを防止することができる(アッセイ及び活性データのU937 TNF/zVAD細胞毒性細胞アッセイを参照する)。
【0052】
式(I)の化合物はさらに、1以上の立体中心を含み得る。ある種の実施形態において、当該化合物は、基OR1が結合している炭素上に立体中心を含む。例えば、ある種の実施形態において、当該化合物は、式(Ia)の立体異性体、又はそれの薬学的に許容される塩である。ある種の実施形態において、当該化合物は、式(Ib)の立体異性体、又はそれの薬学的に許容される塩である。
【0053】
【0054】
環G
ある種の実施形態において、環Gで、G1、G2、G3、及びG4の少なくとも一つがN又はNRN2である。
【0055】
ある種の実施形態において、環Gで、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2である。
【0056】
ある種の実施形態において、環Gで、G1、G2、G3、及びG4の少なくとも二つがN又はNRN2である。
【0057】
ある種のそのような実施形態において、環Gはジアゾールである。ある種のそのような実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2である。
【0058】
さらなる実施形態において、環Gはトリアゾールである。ある種のそのような実施形態において、G2、G3、及びG4はそれぞれ独立に、N又はNRN2である。
【0059】
ある種の実施形態において、RN2はアルキル又はハロアルキルである。
【0060】
例えば、G1、G2、G3、及びG4の少なくとも一つがN又はNRN2である、又は環Gがジアゾールであるある種の実施形態において、G1及びG2の一つがCRG1である。ある種のそのような実施形態において、RG1はメチル又はシクロプロピルである。
【0061】
下記式:
【0062】
【0063】
【化6】
などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
R4及びR5
ある種の実施形態において、R4は水素である。
【0065】
ある種の実施形態において、R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルである。
【0066】
ある種の実施形態において、R5は水素、メチル、メトキシ、又はジフルオロメチルである。例えば、R5は水素であることができる。
【0067】
RN1
ある種の実施形態において、RN1は水素又はメチルである。例えば、RN1は水素であることができる。或いは、RN1はメチルである。
【0068】
R2A及びR2B
ある種の実施形態において、R2A及びR2Bはそれぞれ水素である。或いは、R2A及びR2Bの一方が水素であり、他方がフルオロである。
【0069】
R3及びn
ある種の実施形態において、nは0又は1である。
【0070】
一部の実施形態において、nは1である。ある種のそのような実施形態において、R3はハロである。或いは、nは0である。
【0071】
R1
ある種の実施形態において、R1は水素である。
【0072】
或いは、R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2であることができる。例えば、一部の実施形態において、R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。例えば、各RP1は水素であることができる。或いは、各RP1は置換されていないC1-4アルキルであることができる。
【0073】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は水素である。
【0074】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0075】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0076】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0であり;R1は水素である。
【0077】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0であり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0078】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つはN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0であり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0079】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは1であり;R3はハロであり;R1は水素である。
【0080】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは1であり;R3はハロであり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0081】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは1であり;R3はハロであり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0082】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bの一方が水素であり、他方がフルオロであり;nは0又は1であり;R1は水素である。
【0083】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bの一方が水素であり、他方がフルオロであり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0084】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bの一方が水素であり、他方がフルオロであり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0085】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素であり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は水素である。
【0086】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素であり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0087】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素であり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0088】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は水素である。
【0089】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0090】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0091】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、メチル、メトキシ、又はジフルオロメチルであり;RN1はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は水素である。
【0092】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、メチル、メトキシ、又はジフルオロメチルであり;RN1はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0093】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、メチル、メトキシ、又はジフルオロメチルであり;RN1はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0094】
式(I)のある種の実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は水素である。
【0095】
式(I)のある種の実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0096】
式(I)のある種の実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0097】
式(I)のある種の実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、メチル、メトキシであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は水素である。
【0098】
式(I)のある種の実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、メチル、メトキシであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0099】
式(I)のある種の実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、メチル、メトキシであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0100】
式(I)のある種の実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は水素である。
【0101】
式(I)のある種の実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2、-C(=O)CH2N(RP1)2、又は-C(=O)RP2である。
【0102】
式(I)のある種の実施形態において、G2及びG3はそれぞれ独立に、N又はNRN2であり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は-P(=O)(ORP1)2である。ある種のそのような実施形態において、各RP1は、水素及び置換されていないC1-4アルキルからなる群から独立に選択される。ある種の好ましい実施形態において、各RP1はHである。
【0103】
式(I)のある種の実施形態において、G2又はG3の少なくとも一つがN又はNRN2であり;G1はCRG1であり;RG1はメチル又はシクロプロピルであり;R4は水素であり;R5は水素、アルコキシ、又はハロアルキルであり;RN1は水素又はメチルであり;R2A及びR2Bはそれぞれ水素であり;nは0又は1であり;R1は水素である。
【0104】
ある種の実施形態において、当該化合物は、
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド;
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((1-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-5-((1-シクロプロピル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド;
(S)-5-((1-シクロブチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド;
N-((2R,3S)-3-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-5-((6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-3-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド;
(R)-6-(ジフルオロメチル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-(オキセタン-3-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-5-((5-シクロプロピル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド;
(S)-N-(3-(3-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシプロピル)-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-6-メトキシ-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N,6-ジメチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-メチルチアゾール-5-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-6-メチル-5-(チアゾール-5-イルエチニル)ニコチンアミド;
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-メチルオキサゾール-5-イル)エチニル)ニコチンアミド;
(S)-ジ-tert-ブチル(1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル)ホスフェート;
(S)-1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル二水素ホスフェート;
(S)-1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イルアセテート;
(S)-1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イルグリシネート;
(S)-ジ-tert-ブチル(1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル)ホスフェート;
(S)-1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル二水素ホスフェート;
(S)-1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イルアセテート;
(S)-1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イルグリシネート;及び
(S)-5-((1-(ジフルオロメチル)-5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
からなる群から選択される。
【0105】
上記で挙げた化合物名は、Perkin Elmer ChemDrawバージョン19.1.1.21又は21.0.0.28によって構造から生成された。
【0106】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、
【0107】
【化7】
からなる群及びそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0108】
(ii)医薬組成物及び使用方法
別の態様において、本発明は、薬学的に許容される担体と組み合わせて、治療上有効量の式(I)の化合物又はそれの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。
【0109】
式(I)の化合物、それの薬学的に許容される塩、及びそれを含む医薬組成物は、例えばRIPK1活性の阻害に関連するものなどの各種及び状態を患う対象者の治療において、有用であり得る。例えば、一部の実施形態において、本発明の化合物は、潰瘍性大腸炎の治療において有用である。さらに、例えば潰瘍性大腸炎の治療で使用するための医薬で使用するための、式(I)の化合物、又はそれの薬学的に許容される塩、又はそれを含む組成物が提供される。
【0110】
(iii)製造方法
本発明ではさらに、式(I)の化合物、及びそれの塩の例示的な製造方法が提供される。例えば、下記の図式1~4及び実施例を参照する。
【0111】
ある種の態様において、R1がHである式(I)の化合物及びそれの塩は、ヘテロアリール基と末端アルキンとの間の交差カップリング反応を介して作製することができる(例えば、図式1及び2を参照する。)。
【0112】
図式1は、式(I)の化合物を生成するのに十分なカップリング条件下で、末端アルキン基を含む式(A)の化合物を、脱離基LG1によって置換されるピリジニル基を含む式(B)の化合物にカップリングさせることで、R1がHである式(I)の化合物又はそれの塩を製造する方法を描いている。ある種の実施形態において、脱離基LG1はハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)又は活性化ヒドロキシル基(例えば、-OTf、-OTs、-OMs、又は-OBs)である。ある種の実施形態において、カップリング条件は、Pd(II)触媒、任意に配位子、及び塩基を含む。例えば、Pd(II)触媒はビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピル-1,1′-ビフェニル)[2-(2′-アミノ-1,1′-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd G2)であることができ、配位子は2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)であることができ、塩基はCs2CO3であることができる。他の実施形態において、カップリング条件はPd(0)触媒、任意に配位子、及び塩基を含む。例えば、Pd(0)触媒はビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)であることができ、塩基はリン酸カリウムであることができる。ある種の実施形態において、カップリング条件はさらに、銅塩、例えばCuIを含む。
【0113】
図式2は、式(I)の化合物を生成するのに十分なカップリング条件下で、脱離基LG2を含む式(C)の化合物を、末端アルキン基によって置換されたピリジニル基を含む式(D)の化合物にカップリングさせることで、R1がHである式(I)の化合物又はそれの塩を製造する方法を描いている。ある種の実施形態において、脱離基LG2はハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)又は活性化ヒドロキシル基(例えば、-OTf、-OTs、-OMs、又は-OBs)である。ある種の実施形態において、カップリング条件はPd(II)触媒、任意に配位子、及び塩基を含む。例えば、Pd(II)触媒はビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピル-1,1′-ビフェニル)[2-(2′-アミノ-1,1′-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd G2)であることができ、配位子は2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)であることができ、塩基はCs2CO3であることができる。他の実施形態において、カップリング条件は、Pd(0)触媒、任意に配位子、及び塩基を含むことができる。例えば、Pd(0)触媒はビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)であることができ、塩基はリン酸カリウムであることができる。ある種の実施形態において、カップリング条件はさらに、銅塩、例えば、CuIを含む。
【0114】
ある種の態様において、式(I)の化合物、及びそれの塩は、アミドカップリング反応を介して製造することができる(例えば、図式3を参照する。)。
【0115】
図式3は、式(I)の化合物を生成するのに十分なカップリング条件下で、カルボニル基に結合した脱離基LG3を含む式(E)の化合物をアミノ基-NHRN1を含む式(F)の化合物にカップリングさせることにより、R1がHである式(I)の化合物又はそれの塩を製造する方法を描いている。ある種の実施形態において、脱離基LG3はハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)、ヒドロキシル基、又は活性化ヒドロキシル基(例えば、-OTf、-OTs、-OMs、又は-OBs)である。ある種の実施形態において、カップリング条件はアミド-カップリング試薬及び塩基を含む。ある種の実施形態において、アミドカップリング試薬は1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)、N,N’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボレート(TBTU)であり、ある種の実施形態において、塩基はN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)又はトリメチルアミン(TEA)である。
【0116】
ある種の実施形態において、R1がHではない式(I)の化合物は、-OR1ヒドロキシル基を、例えばホスフェート基によって置換する反応によって製造することができる。
【0117】
図式4は、R1が-P(=O)(ORP)2である化合物を生成するのに十分な条件下で、ヒドロキシル基をリン含有剤と反応させることによって、R1が-P(=O)(ORP)2である式(I)の化合物又はそれの塩を製造する方法を描いている。一部の実施形態において、リン含有剤は、ホスホルアミダイト(例えば、ジ-tert-ブチルジエチルホスホルアミダイト)である。
【0118】
図式1
【0119】
【0120】
図式2
【0121】
【0122】
図式3
【0123】
【0124】
図式4
【0125】
【実施例0126】
本開示がより完全に理解できるようにするため、以下の実施例を記載する。理解すべき点として、これらの実施例は例示のみを目的とするものであり、いかなる形でも本開示を限定するものと解釈されるべきではない。
【0127】
全体を通して使用される、当業者に公知の共通の略語には、表Aのものなどがある。
【0128】
表A.略語
【0129】
【0130】
分析方法
別断の断りがない限り、すべての1H NMRデータはVarian 400MHz Mercury Plus, Inova、又は400-MR装置で収集され、化学シフトは百万分率(ppm)で引用される。HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、UPLC(超高速液体クロマトグラフィー)、及びLC/質量分析(LC/MS)の条件は、表Bで提供の方法文字を使用して参照される。
【0131】
【0132】
合成中間体
製造#1:(S)-1-アミノ-3-フェニルプロパン-2-オール
【0133】
【0134】
段階1:(S)-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロパンアミド。塩化チオニル(397g、3340mmol)を、約-20℃に冷却したメタノール(1.50リットル)に滴下した。(S)-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン酸(150g、903mmol)を加え、混合物を室温で約2時間攪拌した。混合物を減圧下に濃縮し、得られた粗酸塩化物を7Nアンモニアのメタノール中溶液(1.50リットル、903mmol)に加えた。混合物を室温で約12時間攪拌し、その後、混合物を減圧下に濃縮し、標題生成物を得た(140g、収率93%);1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ2.44(brd、J=3.55Hz、1H)、2.85(dd、J=13.94、8.68Hz、1H)、3.18(dd、J=13.94、4.16Hz、1H)、4.20-4.32(m、1H)、5.46(brs、1H)、6.31(brs、1H)、7.15-7.34(m、5H)。
【0135】
段階2:(S)-1-アミノ-3-フェニルプロパン-2-オール。(S)-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロパンアミド(140g、848mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(1.40リットル)中溶液に、室温でボラン-ジメチルスルフィド錯体(424mL、4470mmol)を滴下した。添加が完了したら、混合物を約70℃で約12時間攪拌した。次に、混合物を冷却して室温とし、メタノール(20mL)で注意深く反応停止し、減圧下に濃縮して、標題化合物を得た(105g、収率81%);1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ2.61(dd、J=12.72、8.07Hz、1H)、2.75-2.79(m、2H)、2.87(dd、J=12.72、3.42Hz、1H)、3.73-3.82(m、1H)、7.18-7.40(m、5H)。
【0136】
製造#2:(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール
【0137】
【0138】
段階1:(S)-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロパンアミド。(S)-メチル2-ヒドロキシ-3-フェニルプロパノエート(110g、549mmol)のメタノール(1.00リットル)中溶液に、室温で、メチルアミン(1373mL、2747mmol)を滴下した。添加が完了したら、混合物を室温で約8時間攪拌した。混合物を減圧下に濃縮して粗油状物を得て、それを次に石油エーテル/酢酸エチルの混合物(10:1;800mL)で約4時間摩砕した。得られた生成物を真空濾過によって回収し、真空乾燥して、標題化合物を得た(80g、73%);1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ2.81(d、J=5.01Hz、3H)、2.83-2.91(m、1H)、3.24(dd、J=13.69、3.91Hz、1H)、4.29(dd、J=8.56、3.91Hz、1H)、6.58(brs、1H)、7.23-7.30(m、3H)、7.31-7.37(m、2H)。
【0139】
段階2:(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール。(S)-2-ヒドロキシ-N-メチル-3-フェニルプロパンアミド(70g、391mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(700mL)中溶液に、約5℃でボラン-ジメチルスルフィド錯体(117mL、1172mmol)を滴下した。添加が完了したら、混合物を室温で約1時間攪拌し、次にそれを加熱して約70℃とし、約12時間攪拌した。混合物を冷却して約10℃とし、内部温度を約10~30℃に維持しながらメタノール(500mL)を滴下した。次に、HClのメタノール中溶液(4M、2リットル)を滴下し、得られた混合物を室温で約12時間攪拌した。混合物を濃縮し、残留物を水(400mL)とジクロロメタン(DCM)(400mL)との間で分配した。水相をジクロロメタン(DCM)(400mL)で洗浄し、次に6N NaOH水溶液をゆっくり加えることで中和して約pH=12とした。その水溶液を2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeTHF)で抽出した(400mLで3回)。合わせた有機相をNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮して残留物を得て、それを石油エーテル(120mL)で4時間摩砕した。生成物を濾取し、濃縮して、標題化合物を得た(54.9g、85%);1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ2.35(s、3H)、2.47-2.60(m、2H)、2.71-2.76(m、2H)、3.90(dtd、J=8.54、6.64、3.53Hz、1H)、7.10-7.32(m、5H)。
【0140】
製造#3:(1S,2R)-3-アミノ-1-フルオロ-1-フェニルプロパン-2-オール
【0141】
【0142】
段階1:(1R,2R)-1-フェニルプロパン-1,2,3-トリオール。冷却して約0℃としたシンナミルアルコール(5.58mL、43.2mmol)、水(94mL)、tert-ブタノール(94mL)の混合物にSharpless不斉ジヒドロキシル化AD-MIX-BETA(62.5g、43.2mmol)及びメタンスルホンアミド(6.17g、64.8mmol)を加え、混合物を約16時間攪拌した。10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(150mL)及び酢酸エチル(EtOAc)(125mL)を加え、約30分間攪拌した。水相をEtOAcで抽出した(125mLで2回)。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗取得物を、0%から100%EtOAc/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(4.5g、26.8mmol、収率61.9%);1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm3.21-3.30(m、1H)3.37-3.55(m、2H)3.69-3.77(m、1H)3.79-4.05(m、2H)4.61(dd、J=6.79、3.36Hz、1H)7.27(brs、5H)。
【0143】
段階2:(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシ-3-フェニルプロピル4-メチルベンゼンスルホネート。(1R,2R)-1-フェニルプロパン-1,2,3-トリオール(4.5g、26.8mmol)のトルエン(80mL)中混合物にジブチルスズオキサイド(0.133g、0.535mmol)を加えた。混合物を20分間加熱還流し、混合物を冷却して室温とした。冷却したら、混合物を減圧下に濃縮した。脱水ジクロロメタン(DCM)(53.5mL)、p-トルエンスルホニルクロライド(5.10g、26.8mmol)及びトリエチルアミン(TEA)(3.73mL、26.8mmol)を加え、反応液を室温でN2下に約16時間攪拌した。混合物を、水を加えることで反応停止し、その溶液をDCMで抽出した(75mLで3回)。合わせた有機相を水で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、濃縮した。粗取得物を、0%から50%酢酸エチル(EtOAc)/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(5.5g、17.06mmol、収率63.8%)。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ3.81-3.98(m、2H)、4.00-4.10(m、1H)、4.03-4.09(m、1H)、4.10-4.17(m、1H)、4.67(brd、J=5.07Hz、1H)、7.16-7.35(m、8H)、7.76(d、J=7.94Hz、2H)。
【0144】
段階3:(1R,2R)-3-アジド-1-フェニルプロパン-1,2-ジオール。(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシ-3-フェニルプロピル4-メチルベンゼンスルホネート(5.5g、17.06mmol)及びアジ化ナトリウム(2.218g、34.1mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(85mL)中混合物を約80℃で約3時間加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAc(250mL)と水(200mL)との間で分配した。層を分離後、水相をEtOAcで抽出した(100mLで2回)。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗取得物を、0%から100%EtOAc/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(2.98g、90%);1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ7.37-7.21(m、5H)、5.37(dd、J=4.7、0.9Hz、1H)、5.23(d、J=5.6Hz、1H)、4.50(t、J=5.0Hz、1H)、3.77-3.67(m、1H)、3.12(dd、J=12.7、3.3Hz、1H)、2.98(dd、J=12.7、7.8Hz、1H)。
【0145】
段階4:(4S,5S)-4-(アジドメチル)-5-フェニル-1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシド。(1R,2R)-3-アジド-1-フェニルプロパン-1,2-ジオール(2.98g、15.42mmol)及びピリジン(3.74mL、46.3mmol)のジクロロメタン(DCM)(154mL)中溶液に約0℃で、塩化チオニル(2.252mL、30.8mmol)を加え、混合物を約0℃で1時間攪拌した。飽和CuSO4水溶液(75mL)を加え、混合物をDCMで抽出した(75mLで3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、脱水し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。取得物をアセトニトリル(MeCN)(100mL)及びDCM(100mL)に溶かし、溶液を冷却して0℃とした。過ヨウ素酸ナトリウム(6.53g、30.5mmol)、塩化ルテニウム(III)水和物(0.069g、0.305mmol)及び水(150mL)を加え、混合物を0℃で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(120mL)を加え、混合物を水(50mL)、飽和NaHCO3水溶液(50mLで2回)及びブライン(50mLで2回)で洗浄した。有機層を脱水し(MgSO4)、濃縮して、標題化合物を得た(3.5g、90%);1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.52-7.42(m、5H)、5.76(d、J=8.9Hz、1H)、4.91(ddd、J=8.7、4.4、3.4Hz、1H)、3.79(dd、J=14.3、3.3Hz、1H)、3.54(dd、J=14.3、4.4Hz、1H)。
【0146】
段階5:(1S,2R)-3-アジド-1-フルオロ-1-フェニルプロパン-2-オール。テトラ-N-ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(78mL、78mmol)及び4Åモレキュラーシーブスで脱水したアセトニトリル(MeCN)、(100mL)の混合物を、(4S,5S)-4-(アジドメチル)-5-フェニル-1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシド(10g、39.2mmol)のMeCN(100mL)中溶液に約0℃で加えた。得られた混合物を0℃で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、得られた粗生成物をテトラヒドロフラン(THF)(100mL)に溶かした。0℃でH2O(0.776mL、43.1mmol)及びH2SO4(2.297mL、43.1mmol)。得られた混合物を室温で約12時間攪拌した。得られた混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(150mLで2回)。有機相をブライン(75mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濃縮した。粗取得物を、0%から100%EtOAc/石油エーテルで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(50g、35%)。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm:2.00(d、J=5.14Hz、1H)3.53(dd、J=5.01、1.22Hz、2H)4.02-4.11(m、1H)5.27-5.52(m、1H)7.37-7.46(m、5H)。
【0147】
段階6:(1S,2R)-3-アミノ-1-フルオロ-1-フェニルプロパン-2-オール。3方気密栓を取り付けた100mL丸底フラスコに、(1S,2R)-3-アジド-1-フルオロ-1-フェニルプロパン-2-オール(0.684g、3.50mmol)及びリンドラー触媒(パラジウム、炭酸カルシウムに担持された5重量%品、鉛被毒化済)(メタノール(20mL)中0.373g、0.175mmol)を入れた。得られた懸濁液を水素雰囲気(風船)下に室温で終夜攪拌した。懸濁液をセライト層で濾過し、メタノールでリンスし、濾液を減圧下に濃縮して、標題化合物を得た(0.55g、3.25mmol、収率93%)。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.46-7.26(m、5H)、5.40(dd、J=46.8、5.6Hz、1H)、3.88-3.76(m、1H)、2.99-2.81(m、2H)、1.78(brs、3H)。
【0148】
製造#4:(S)-1-(3-フルオロフェニル)-3-(メチルアミノ)プロパン-2-オール
【0149】
【0150】
段階1:(S)-3-(3-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシプロパン酸。(S)-2-アミノ-3-(3-フルオロフェニル)プロパン酸(2.0g、10.92mmol)のH2O(50mL)及び酢酸(AcOH)(15mL)中溶液を攪拌しながら、それに約0℃で、NaNO2(2.26g、32.8mmol)のH2O(21.6mL)中溶液を滴下した。混合物を昇温させて室温とし、約20時間攪拌した。メチルアミン(2Mテトラヒドロフラン(THF)中溶液、22mL、43.7mmol)を滴下し、混合物を室温で約1時間攪拌した。次に、混合物を減圧下に濃縮しててTHFを除去し、水系混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(30mLで3回)。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、減圧下に濃縮して、標題化合物を得た(20.11g、収率100%);1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ7.32-7.26(m、1H)、7.09-6.95(m、3H)、4.53(dd、J=7.1、4.2Hz、1H)、3.21(dd、J=14.1、4.2Hz、1H)、3.01(dd、J=14.1、7.0Hz、1H)。
【0151】
段階2:(S)-3-(3-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-N-メチルプロパンアミド。塩化チオニル(2.87mL、39.3mmol)をメタノール(10mL)に約-20℃で滴下し、(S)-3-(3-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシプロパン酸(2.01g、10.91mmol)のメタノール(5.00mL)中溶液を加えた。混合物を室温で約2時間攪拌した。混合物を減圧下に濃縮し、残留物をメチルアミン(33%エタノール中溶液、14mL、109mmol)に取り、室温で約2時間攪拌した。溶媒を減圧下に除去し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から10%メタノール/DCM)によって精製して、標題化合物を得た(1.67g、収率70%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=1.15分;MS m/z198(M+H)+。
【0152】
段階3:(S)-1-(3-フルオロフェニル)-3-(メチルアミノ)プロパン-2-オール。(S)-3-(3-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-N-メチルプロパンアミド(1.67g、8.47mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(45mL)中溶液を加熱して約65℃とし、ボランジメチルスルフィド錯体(BH3・SMe2)(2.4mL、25.4mmol)を加えた。得られた混合物を約3時間攪拌した。反応混合物を冷却して室温とし、メタノール(15mL)を滴下することで反応停止し、溶媒を減圧下に除去した。残留物をStrong Cation Exchangeカラム(SCX)に載せ、メタノール(100mL)で洗浄した。生成物を0.7M NH3/メタノール(100mL)で溶離し、溶媒を減圧下に濃縮して、標題化合物を得た(999mg、61%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=0.32分;MS m/z184(M+H)+。
【0153】
製造#5:3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン
【0154】
【0155】
段階1:エチル2-((4-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)アセテート。メチル4-ブロモ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(10.0g、48.8mmol)を、水素化ナトリウム(鉱油中60%品)(2.05g、51.2mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(200mL)中懸濁液に約0℃で攪拌しながら少量ずつ加えた。得られた懸濁液を約0℃で約15分間攪拌し、その時点で2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロライド(10.4mL、58.5mmol)を滴下した(Me=メチル)。得られた溶液を約0℃で約1時間攪拌した。氷水(250mL)で反応停止し、酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(100mLで3回)。合わせた有機相をブライン(250mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。得られた生成物混合物をテトラヒドロフラン(THF)(50.0mL)に溶かし、約0℃に冷却した水素化リチウムアルミニウム(LAH)(1.37g、36.1mmol)のTHF(150mL)中混合物を攪拌しながら、それに滴下した。得られた懸濁液を約0℃で約2時間攪拌した。0℃で水(1.5mL)、次に5N NaOH水溶液(1.5mL)及び追加の水(3mL)を注意深く加えることで反応混合物を反応停止した。混合物をジエチルエーテル(100mL)で希釈し、MgSO4(約25g)を加え、懸濁液を約30分間攪拌した。反応混合物をセライト層で濾過し、EtOAcで洗った。濾液を濃縮し、残留物を、0%から50%EtOAc/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物の混合物(10.7g)を得た。その混合物をTHF(174mL)に溶かし、エチルブロモアセテート(6.11g、36.6mmol)を加え、溶液を冷却して約0℃とした。水素化ナトリウム(鉱油中60%品)(1.46g、36.6mmol)を加え、得られた懸濁液を約0℃で約3時間攪拌した。攪拌を室温で約16時間続け、その後、反応液を冷却して約0℃とし、水(約50mL)で反応停止した。混合物をEtOAcで抽出し(75mLで3回)、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗取得物を、0%から50%EtOAc/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(7.76g、収率56.7%);1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.48(s、1H)、5.51-5.66(m、2H)、4.76(s、2H)、4.23(q、J=7.21Hz、2H)、4.03-4.12(m、2H)、3.51-3.64(m、2H)、1.30(t、J=7.09Hz、3H)、0.82-0.96(m、2H)、0.02(s、9H)。
【0156】
段階2:2-((4-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)エタノール。氷浴で冷却した水素化リチウムアルミニウム(LAH)(0.562g、14.8mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(80mL)中懸濁液に、エチル2-((4-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)アセテート(7.76g、19.73mmol)のTHF(20mL)中溶液を加え、得られた溶液を約20分間攪拌した。水(約0.5mL)を加え、次に5N NaOH水溶液(0.5mL)、追加の水(約1mL)及びジエチルエーテル(50mL)を加えた。混合物を約10分間攪拌し、MgSO4(約20g)を加え、懸濁液を30分間攪拌した。懸濁液をセライト層で濾過し、そのセライト層を酢酸エチル(EtOAc)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下に濃縮して、標題化合物を得た(6.83g、収率99%);1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.59(s、1H)、5.37(s、2H)、4.60(s、2H)、3.71-3.77(m、2H)、3.63-3.67(m、2H)、3.52-3.60(m、2H)、2.37(brt、J=6.11Hz、1H)、0.85-0.97(m、2H)、0.03-0.01(m、9H)。
【0157】
段階3:2-((4-ブロモ-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)エタノール。2-((4-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)エタノール(6.83g、19.4mmol)のエタノール(100mL)中溶液を濃HCl水溶液(39mL、78mmol)で処理し、その溶液を約60℃で加熱した。約20時間後、反応液を冷却して室温とし、次に減圧下に濃縮した。飽和NaHCO3水溶液(75mL)を加え、混合物を約20分間攪拌した。混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出し(50mLで3回)、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、標題化合物を得た(3.87g、収率90%)。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.52(s、1H)、4.62(s、2H)、3.77-3.81(m、2H)、3.65-3.68(m、2H)。
【0158】
段階4:3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン。2-((4-ブロモ-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)エタノール(0.250g、1.13mmol)及びトリ-N-ブチルホスフィン(0.558mL、2.26mmol)のトルエン(12mL)中溶液に約50℃で、N,N,N’,N’-テトラメチルアゾジカルボキサミド(0.389g、2.26mmol)を注射器で滴下した。得られた溶液を室温で約20分間攪拌し、その後、水(1mL)で反応停止した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を0%から100%酢酸エチル(EtOAc)/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(0.103g、収率45%);1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.46(s、1H)、4.76(s、2H)、4.14-4.20(m、2H)、4.07-4.13(m、2H)。
【0159】
製造#6:(S)-5-クロロ-6-(ジフルオロメチル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
【0160】
【0161】
段階1:メチル5-クロロ-6-(ヒドロキシメチル)ニコチネート。ジメチル3-クロロピリジン-2,5-ジカルボキシレート(2.0g、8.71mmol)をテトラヒドロフラン(THF)/メタノール(1:2、60mL)に溶かし、冷却して約0℃とした。CaCl2(7.8g、70mmol)を加え、反応混合物を約30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)(0.832g、22mmol)を少量ずつ加え、反応液を約0℃で約3時間攪拌した。反応液をジクロロメタン(DCM)(50mL)で希釈し、氷冷H2O(100mL)に投入した。層を分離し、水層をDCMで抽出した(25mLで2回)。合わせた有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し(25mLで2回)、MgSO4で脱水し、溶媒を減圧下に除去して、標題化合物を得た(1.0g、収率54%)。1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ9.00(d、J=1.8Hz、1H)、8.29(d、J=1.8Hz、1H)、5.42(t、J=6.0Hz、1H)、4.71(d、J=6.1Hz、2H)、3.91(s、3H)。
【0162】
段階2:メチル5-ブロモ-6-ホルミルニコチネート。メチル5-ブロモ-6-(ヒドロキシメチル)ニコチネート(0.723g、2.94mmol)のジクロロメタン(DCM)(10mL)中溶液にデス・マーチンペルヨージナン(1.87g、4.41mmol)を加え、反応混合物を室温で約18時間攪拌した。これに、飽和NaHCO3水溶液/1M Na2S2O3水溶液の混合物(1:1、50mL)を加え、透明になるまで2相混合物を攪拌した。相を分離し、水相をジクロロメタン(DCM)で洗浄した(50mLで2回)。合わせた有機相をMgSO4で脱水し、溶媒を減圧下に除去して、標題化合物を得た(0.623g、収率83%)。1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ10.16(s、1H)、9.18(d、J=1.8Hz、1H)、8.48(d、J=1.5Hz、1H)、3.95(s、3H)。
【0163】
段階3:メチル5-クロロ-6-(ジフルオロメチル)ニコチネート。メチル5-クロロ-6-ホルミルニコチネート(0.623mg、3.12mmol)のクロロホルム(30mL)中溶液を攪拌しながら、それにDeoxo-Fluor(登録商標)(50%トルエン中溶液、2.9mL、7.80mmol)を加え、混合物を約45℃で約24時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液(10mL)を加えることで反応停止し、H2O(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(DCM)で抽出した(10mLで3回)。合わせた有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に除去した。残留物を、0%から60%酢酸エチル(EtOAc)/イソヘキサンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(0.433g、収率60%)。1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ9.10(d、J=1.8Hz、1H)、8.50(dt、J=1.7、0.8Hz、1H)、7.28(t、J=52.9Hz、1H)、3.94(s、3H)。
【0164】
段階4:5-クロロ-6-(ジフルオロメチル)ニコチン酸。メチル5-クロロ-6-(ジフルオロメチル)ニコチネート(0.200g、0.71mmol)をメタノール(2mL)に懸濁させ、2M NaOH水溶液(1mL、2.00mmol)を加えた。反応混合物を室温で約3時間攪拌した。pH2となるまで1M HCl水溶液を滴下し、混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(5mLで3回)。合わせた有機相をMgSO4で脱水し、溶媒を減圧下に除去して、標題化合物を得た(0.141g、収率91%)。1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ14.03(s、1H)、9.08(d、J=1.7Hz、1H)、8.46(d、J=1.8Hz、1H)、7.27(t、J=53.0Hz、1H)。
【0165】
段階5:(S)-5-クロロ-6-(ジフルオロメチル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド。5-クロロ-6-(ジフルオロメチル)ニコチン酸(0.141g、0.68mmol)、(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール(0.123mg、0.75mmol)(製造#2)、4-メチルモルホリン(0.187mL、1.70mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)(195mg、1.02mmol)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)水和物(156mg、1.02mmol)の混合物をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(5mL)に溶かし、室温で約18時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(EtOAc)(10mL)で希釈し、飽和NH4Cl水溶液(10mL)、飽和NaHCO3水溶液(10mL)及び飽和NaCl水溶液(10mLで3回)でその順で洗浄した。有機相をMgSO4で脱水し、溶媒を減圧下に除去した。粗残留物をそれ以上精製せずに用いた。LC/MS(表B、方法dd)Rt=1.89分;MS m/z:355(M+H)+。
【0166】
製造#7:4-ブロモ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール
【0167】
【0168】
段階1:4,5-ジブロモ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール。4,5-ジブロモ-2H-1,2,3-トリアゾール(500mg、2.20mmol)及び3-ヨードオキセタン(0.213mL、2.42mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(20mL)中混合物にCs2CO3(2.1g、6.45mmol)を加えた。混合物を約120℃で約18時間攪拌した。混合物を冷却して室温とし、酢酸エチル(EtOAc)(200mL)で希釈し、H2O(100mLで3回)、飽和NaCl水溶液(200mLで2回)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。取得物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た(529mg、収率81%);1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ5.90-5.81(m、1H)、4.97(t、J=7.4Hz、2H)、4.88(t、J=6.5Hz、2H)。
【0169】
段階2:4-ブロモ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール。バイアルに、4,5-ジブロモ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール(250mg、0.88mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)(4mL)を加えた。混合物を冷却して約-30℃とした。イソプロピルマグネシウムクロライド(iPrMgCl)(2M THF中溶液、1.3mL、2.65mmol)を滴下し、混合物を昇温させて約3時間かけて室温とした。混合物を飽和NH4Cl水溶液(20mL)で反応停止し、水層を酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(20mLで3回)。有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し(50mLで2回)、MgSO4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に留去して、標題化合物を得た(125mg、収率56%);1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.11(s、1H)、5.90-5.82(m、1H)、5.01-4.95(m、2H)、4.91-4.86(m、2H)。
【0170】
製造#8:(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
【0171】
【0172】
5-ブロモニコチン酸(7.52g、37.2mmol)のジクロロメタン(DCM)(130mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(200μL)中懸濁液を攪拌しながら、それにオキサリルクロライドのジクロロメタン(DCM)(2M;37.2mL、74.5mmol)中溶液を加えた。混合物を室温で約2時間攪拌し、その後、それを減圧下に濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(THF)(150mL)に溶かし、得られた混合物を氷浴で冷却してから、(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール(製造#2)(6.15g、37.2mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(19.5mL、112mmol)のTHF(20mL)中混合物を加えた。反応混合物を室温で約1時間攪拌し、その後、酢酸エチル(EtOAc)(50mL)、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)(50mL)及びNaHCO3(100mL)を加えた。層を分離し、有機層を減圧下に濃縮した。得られた粗取得物を0%から100%EtOAc/ヘプタンの勾配で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(11g、収率85%);90℃での1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.70(d、J=2.3Hz、1H)、8.54(d、J=1.9Hz、1H)、8.01(t、J=2.0Hz、1H)、7.21(dt、J=31.1、7.5Hz、5H)、4.76(s、1H)、4.02(s、1H)、3.27(d、J=21.5Hz、2H)、3.00(s、3H)、2.65(s、2H)。
【0173】
製造#9:(S)-5-エチニル-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
【0174】
【0175】
段階1:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((トリメチルシリル)エチニル)ニコチンアミド。(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(4.0g、8.93mmol)(製造#8)、エチニルトリメチルシラン(2.5mL、17.87mmol)、ビス(トリフェニル-ホスフィン)-パラジウム(II)ジクロライド(Pd(PPh3)2Cl2)(0.753g、1.07mmol)、CuI(0.340g、1.79mmol)及びEt3N(8.7mL、62.5mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(60mL)中混合物にN2を吹き込み、次に加熱して約90℃として約2時間経過させた。混合物を冷却して室温とし、セライトで濾過し、酢酸エチル(EtOAc)(200mL)で洗浄した。濾液をEtOAc(200mL)及びH2O(600mL)で希釈し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し(300mLで2回)、合わせた有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し(300mLで2回)、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。取得物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た(3.3g、収率91%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=2.35分;MS m/z367(M+H)+。
【0176】
段階2:(S)-5-エチニル-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド。(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((トリメチルシリル)エチニル)ニコチンアミド(3.3g、9.00mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(30mL)中溶液を攪拌しながら、それにテトラ-N-ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(1M THF中溶液)(11.70mL、11.70mmol)を加え、混合物を室温で約1時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(EtOAc)(150mL)に取り、H2O(150mL)及び飽和NaCl水溶液(150mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して褐色油状物を得て、それをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た(2.3g、収率76%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=1.65分;MS m/z295(M+H)+。
【0177】
製造#10:4-エチニル-1-メチル-1H-ピラゾール
【0178】
【0179】
4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール(20g、96mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(120mL)中溶液に、エチニルトリメチルシラン(13.2g、135mmol)、ヨウ化銅(I)(1.282g、6.73mmol)、トリフェニルホスフィン(PPh3)(5.04g、19.23mmol)、ジイソプロピルアミン(12.6g、125mmol)及び酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)(1.30g、5.77mmol)を加えた。混合物をN2下に約60℃で約1時間攪拌した。冷却して室温とした後、混合物を水(200mL)に投入し、酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(200mLで3回)。有機層を合わせ、ブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)で摩砕し、得られた懸濁液を濾過して固体を除去した。その固体をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)で洗い、合わせた濾液を減圧下に濃縮した。得られた粗生成物をメタノール(200mL)に溶かし、K2CO3(1.55g、11.2mmol)を加え、混合物を室温で約1時間攪拌した。この混合物を水(200mL)に投入し、EtOAcで抽出した(100mLで3回)。有機層を合わせ、ブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。得られた粗取得物を、0%から25%EtOAc/石油エーテルで溶離を行うシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(5.0g、収率42%)。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ3.00(s、1H)、3.89(s、3H)、7.49-7.54(m、1H)、7.60(s、1H)。
【0180】
製造#11:6-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸
【0181】
【0182】
4-エチニル-1-メチル-1H-ピラゾール(製造#10)(1.175g、9.96mmol)、5-ブロモ-6-メチルニコチン酸(2.080g、9.63mmol)、メタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(XPhos Pd G3)(0.060g、0.071mmol)及びCs2CO3(3.760g、11.54mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(20mL)中混合物に、N2を約5分間吹き込んだ。反応混合物をN2下に約70℃で約3時間攪拌した。反応混合物を冷却して室温とし、水(40mL)を加え、混合物を1M HCl(水溶液)(約20mL)でpH約2の酸性とした。沈澱を濾過し、固体を水(30mL)で洗浄し、真空乾燥機で乾燥させて、標題化合物を得た(2.18g、収率89%)。1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ13.45(s、1H)、8.87(d、J=2.1Hz、1H)、8.17(d、J=2.2Hz、1H)、8.15(s、1H)、7.75(d、J=0.7Hz、1H)、3.87(s、3H)、2.68(s、3H)。
【0183】
製造#12:5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸
【0184】
【0185】
5-ブロモニコチン酸(1.59g、7.87mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)(0.375g、0.79mmol)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(0.102g、0.39mmol)及びCs2CO3(3.1g、9.45mmol)をフラスコに加えN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(30mL)に取った。DMF(5mL)中の4-エチニル-1-メチル-1H-ピラゾール(製造#10)(1.0g、9.45mmol)を加え、反応混合物を約70℃で約3時間攪拌した。混合物を冷却して室温とし、溶媒を減圧下に除去した。残留物をH2O(60mL)及び酢酸エチル(EtOAc)(60mL)で希釈した。層を分離し、水相を1M HCl水溶液でpH2の酸性とした。得られた固体を濾過し、乾燥させて、標題化合物を得た(1.66g、収率90%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=1.42分;MS m/z228(M+H)+。
【0186】
製造#13:5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸
【0187】
【0188】
段階1:1-(ジフルオロメチル)-4-((トリメチルシリル)エチニル)-1H-ピラゾール。1-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1H-ピラゾール(10.0g、41.0mmol)、エチニルトリメチルシラン(6.04g、61.5mmol)及びメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(XPhos Pd G3)(0.173g、0.205mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(100mL)中懸濁液に、N2を約15分間吹き込んだ。ジイソプロピルアミン(11.68mL、82mmol)及びヨウ化銅(I)(0.020g、0.10mmol)を加えた。得られた混合物を約65℃で約12時間攪拌した。混合物をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)/酢酸エチル(EtOAc)(1:1;50mL)で希釈し、水(100mL)及び飽和NaCl(100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮した。粗取得物を真空蒸留によって約160℃で蒸留し、標題化合物を得た(4.0g、収率44%);1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ0.21-0.28(m、9H)、6.94-7.36(m、1H)、7.69-7.77(m、1H)、7.95(s、1H)。
【0189】
段階2:5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸。1-(ジフルオロメチル)-4-((トリメチルシリル)エチニル)-1H-ピラゾール(73.8g、317mmol)、5-ブロモニコチン酸(40g、198mmol)、Cs2CO3(77g、238mmol)及びメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(XPhos Pd G3)(1.676g、1.980mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(500mL)中混合物をN2吹き込み下に約10分間攪拌し、その後フッ化テトラブチルアンモニウム(218mL、218mmol)を加え、混合物をN2下に約60℃で約12時間攪拌した。混合物を減圧下に濃縮し、水(500mL)で希釈した。水相をメチルtert-ブチルエーテルで抽出し(250mLで3回)、次に水層を5N HCl水溶液でpH約3に調節した。得られた固体を真空濾過によって回収し、真空乾燥して、標題化合物を得た(47.5g、収率91%);1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ=14.40-12.47(m、1H)、9.04(d、J=2.0Hz、1H)、8.92(d、J=2.5Hz、1H)、8.73(s、1H)、8.31(t、J=2.3Hz、1H)、8.12(s、1H)、8.02-7.70(m、1H)。
【0190】
製造#14:5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸
【0191】
【0192】
段階1:2-メチル-4-((トリメチルシリル)エチニル)-2H-1,2,3-トリアゾール。4-ブロモ-2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール(500mg、3.09mmol)、エチニルトリメチルシラン(1.283mL、9.26mmol)、トリエチルアミン(TEA)(0.860mL、6.17mmol)、ヨウ化銅(I)(29.4mg、0.154mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)(178mg、0.154mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(6mL)中混合物をN2で5分間脱気し、加熱して約100℃として約1時間経過させた。混合物を減圧下に濃縮し、0%から50%酢酸エチル(EtOAc)/イソ-ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(438mg、収率63%);1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ7.63(s、1H)、4.17(s、3H)、0.25(s、9H)。
【0193】
段階2:メチル5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチネート。メチル5-ブロモニコチネート(1.142g、5.29mmol)、2-メチル-4-((トリメチルシリル)エチニル)-2H-1,2,3-トリアゾール(1.517g、6.35mmol)、トリエチルアミン(TEA)(5.16mL、37.0mmol)、ヨウ化銅(I)(0.101g、0.529mmol)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(Pd(PPh3)2Cl2)(0.371g、0.529mmol)の入ったバイアルに、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(15mL)を加え、混合物を窒素で5分間脱気し、次にテトラ-N-ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)1Mのテトラヒドロフラン(THF)中溶液(7.93mL、7.93mmol)を加え、混合物を30秒間脱気してから、加熱して100℃として1時間経過させた。混合物を濃縮し、酢酸エチル(EtOAc)(100mL)に取り、飽和重炭酸ナトリウム(水溶液)(100mL)で洗浄した。水層をEtOAcでさらに抽出し(50mLで2回)、合わせた有機層を水(100mL)で洗浄した。有機層を、Na2SO4を用いて脱水し、濾過し、濃縮して褐色油状物を得て、それを0%から60%EtOAc/イソヘキサンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(0.978g、収率69%);1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ9.17(d、J=2.1Hz、1H)、8.92(d、J=2.1Hz、1H)、8.43(t、J=2.1Hz、1H)、7.76(s、1H)、4.24(s、3H)、3.98(s、3H)。
【0194】
段階3:5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸。テトラヒドロフラン(THF)(540mL)及び水(90mL)中のメチル5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチネート(54g、223mmol)の入ったフラスコに、NaOH(13.37g、334mmol)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。混合物を濃縮し、1M HCl(水溶液)(約10mL)でpH2の酸性とした。得られた沈澱を濾過し、真空乾燥機において終夜脱水して、標題化合物を得た(49g、収率91%);1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ9.14(s、1H)、9.06(s、1H)、8.37(s、1H)、8.15(s、1H)、4.70br(s、1H)、4.21(s、3H)。
【0195】
製造#15:5-((1-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸
【0196】
【0197】
トリエチルアミン(TEA)(0.745mL、5.34mmol)、ヨウ化銅(I)(0.051g、0.267mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)(0.309g、0.267mmol)、4-ヨード-1-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール(1g、2.67mmol)及びエチニルトリメチルシラン(1.110mL、8.02mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(8mL)中混合物に、N2を5分間吹き込み、次に加熱して約100℃として約3時間経過させた。混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮し、50%酢酸エチル(EtOAc)/イソヘキサンのリンスを用いてシリカゲルの層で濾過した。濾液を濃縮し、残留物をアセトニトリル(MeCN)(30mL)に取り、CsF(0.848g、5.58mmol)、メチル5-ブロモニコチネート(1.005g、4.65mmol)、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’-トリイソプロピル-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスフィン(0.222g、0.465mmol)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(0.060g、0.233mmol)及びCs2CO3(2.275g、6.98mmol)を加えた。混合物にN2を吹き込み、N2下に約70℃で約16時間攪拌した。反応液を冷却して室温とし、混合物を減圧下にセライト(約25g)に吸着させ、その後10%から20%EtOAc/ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル5-((1-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチネート(530mg)を得た。この取得物をテトラヒドロフラン(THF)(8.0mL)に溶かし、それにLiOH(43mg、1.8mmol)の水(2.0mL)中溶液を加え、混合物を室温で約16時間攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残った溶液を1M塩酸で酸性とした。得られた沈澱を濾取し、水(5mL)及びヘキサン(10mL)で洗浄し、真空乾燥させて、標題化合物を得た(479mg、収率94%)。1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ9.02(s、1H)、8.94(d、J=1.9Hz、1H)、8.61(d、J=2.2Hz、1H)、8.28(t、J=0.9Hz、1H)、8.20(t、J=2.1Hz、1H)。
【0198】
製造#16:5-((1-シクロプロピル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸
【0199】
【0200】
4-ブロモ-1-シクロプロピル-1H-ピラゾール(660mg、3.53mmol)及びエチニルトリメチルシラン(1.8mL、12.99mmol)のアセトニトリル(MeCN)(4mL)中溶液を、N2を吹き込んだヨウ化銅(I)(16mg、0.084mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)(205mg、0.430mmol)、PdCl2(MeCN)2(60mg、0.231mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(1.5mL、8.59mmol)のアセトニトリル(MeCN)(8mL)中溶液に加え、加熱して70℃とした。約2時間後、N2吹き込みによって脱気したジシクロヘキシル(2’,4’,6’-トリイソプロピル-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスフィン(XPhos)(205mg、0.430mmol)、PdCl2(MeCN)2(60mg、0.231mmol)及びCs2CO3(1150mg、3.53mmol)のアセトニトリル(MeCN)(3mL)中混合物を加え、次にエチニルトリメチルシラン(1.8mL、12.99mmol)を加え、混合物を約70℃で約16時間加熱した。その溶液を冷却して室温とし、シリカゲルで濾過し、それを1:1ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)(20mL)で洗浄し、濾液を減圧下に濃縮した。粗取得物をアセトニトリル(MeCN)(12.5mL)に溶かし、CsF(536mg、3.53mmol)、メチル5-ブロモニコチネート(635mg、2.94mmol)、X-Phos(140mg、0.294mmol)、PdCl2(MeCN)2(38.1mg、0.147mmol)及びCs2CO3(1437mg、4.41mmol)を加えた。反応混合物をN2吹き込みによって脱気し、加熱して約70℃として約4時間経過させた。反応液をセライト(約15mL)に乗せて減圧下に濃縮し、20%から70%EtOAc/ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のメチルエステル(564mg)を得た。LiOH(76mg、3.17mmol)の水溶液(水4mL)を、粗メチルエステル(564mg、2.110mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(12mL)中溶液に加え、室温で2時間攪拌し、次に減圧下に濃縮して、標題化合物を得た(545mg、収率70%);1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.87(d、J=1.9Hz、1H)、8.53(d、J=2.2Hz、1H)、8.22(s、1H)、8.12(t、J=2.0Hz、1H)、7.72(s、1H)、3.77(tt、J=7.4、3.9Hz、1H)、1.08(t、J=3.6Hz、2H)、0.98(dd、J=7.4、2.5Hz、2H)。酸プロトンは観察されなかった。
【0201】
製造#17:5-ブロモ-N-((2R,3S)-3-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
【0202】
【0203】
段階1:5-ブロモ-N-((2R,3S)-3-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ニコチンアミド。ラバーセプタム及び窒素導入針を取り付けた50mL丸底フラスコに、5-ブロモニコチン酸(0.322g、1.60mmol)、(1S,2R)-3-アミノ-1-フルオロ-1-フェニルプロパン-2-オール(製造#3)(0.270g、1.60mmol)(製造#5)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)(0.459g、2.39mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)水和物(0.367g、2.39mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.836mL、4.79mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(15mL)を入れた。得られた溶液を室温で約16時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)と飽和NaHCO3(50mL)との間で分配した。層を分離後、水層を酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(25mLで2回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗残留物を、0%から100%EtOAc/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(0.44g、収率78%);LC/MS(表B、方法aa)Rt=1.02分;MS m/z:353及び355(M+H)+。
【0204】
段階2:5-ブロモ-N-((2R,3S)-3-フルオロ-3-フェニル-2-((トリエチルシリル)オキシ)プロピル)-ニコチンアミド。丸底フラスコに5-ブロモ-N-((2R,3S)-3-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ニコチンアミド(0.44g、1.25mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.076g、0.623mmol)、トリエチルアミン(TEA)(1.04mL、7.47mmol)、トリエチルクロロシラン(SiEt3-Cl)(0.316mL、1.87mmol)及びジクロロメタン(DCM)(10mL)を入れた。反応液を0℃で約3時間攪拌した。反応液を飽和NaHCO3(10mL)水溶液及び水(10mL)と酢酸エチル(EtOAc)(50mL)で分配した。有機層を分離し、水層をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、標題化合物を得た(0.63g、収率100%);LC/MS(表B、方法aa)Rt=2.04分;MS m/z:467及び469(M+H)+。
【0205】
段階3:5-ブロモ-N-((2R,3S)-3-フルオロ-3-フェニル-2-((トリエチルシリル)オキシ)プロピル)-N-メチルニコチンアミド。5-ブロモ-N-((2R,3S)-3-フルオロ-3-フェニル-2-((トリエチルシリル)オキシ)-プロピル)ニコチンアミド(0.410g、0.807mmol)及びヨウ化メチル(MeI)(0.101mL、1.61mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(10mL)中溶液を0℃で、60%水素化ナトリウム/鉱油(0.032g、0.807mmol)で処理した。得られた懸濁液を0℃で約1時間攪拌した。飽和NH4Cl(20mL)で反応停止し、水で希釈し、酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(30mLで3回)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗残留物を、0%から100%EtOAc/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(0.32g、収率82%);LC/MS(表B、方法aa)Rt=2.05分;MS m/z:481及び483(M+H)+。
【0206】
段階4:5-ブロモ-N-((2R,3S)-3-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチン-アミド。5-ブロモ-N-((2R,3S)-3-フルオロ-3-フェニル-2-((トリエチルシリル)オキシ)-プロピル)-N-メチル-ニコチンアミド(0.32g、0.66mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)(10mL)の溶液を0℃で、1Mフッ化テトラ-N-ブチルアンモニウムフルオリド/THF(0.73mL、0.73mmol)で処理した。反応液を0℃で約2時間攪拌した。飽和NH4Cl(20mL)を加えることで0℃で反応停止した。混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(20mLで3回)。合わせた有機層をブライン(75mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗残留物を0%から100%EtOAc/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(0.29g、収率95%);LC/MS(表B、方法aa)Rt=1.07分;MS m/z:367及び369(M+H)+。
【0207】
製造#18:(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-6-メトキシ-N-メチルニコチンアミド
【0208】
【0209】
5-ブロモ-6-メトキシニコチン酸(0.300g、1.29mmol)及び(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール(製造#2)(0.214g、1.29mmol)のジクロロメタン(DCM)(13mL)中溶液を攪拌しながら、それにN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.677mL、3.88mmol)を加え、次に1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)(0.737g、1.94mmol)を加え、混合物を室温で約18時間攪拌した。混合物を濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から100%酢酸エチル(EtOAc)/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た(0.66g、収率94%);LC/MS(表B、方法b)Rt=1.99分;MS m/z379及び381(M+H)+。
【0210】
製造#19:(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N,6-ジメチルニコチンアミド
【0211】
【0212】
5-ブロモ-6-メチルニコチン酸(1.0g、4.66mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)水和物(324mg、2.12mmol)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)(1.0g、5.51mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(10mL)中溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.740mL、4.24mmol)を加え、その溶液を約5分間攪拌し、次に(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール(製造#2)(700mg、4.24mmol)を加えた。反応液を室温で約20時間攪拌し、溶媒を減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチル(EtOAc)(50mL)とH2O(50mL)との間で分配し、層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し(50mLで2回)、MgSO4で脱水し、減圧下に濃縮した。粗取得物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から100%酢酸エチル(EtOAc)/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た(411mg、収率24%);LC/MS(表B、方法a)Rt=1.79分;MS m/z364及び366(M+H)+。
【0213】
製造#20:(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-6-メチルニコチンアミド
【0214】
【0215】
5-ブロモ-6-メチルニコチン酸(2.7g、13.2mmol)、(S)-1-アミノ-3-フェニルプロパン-2-オール(2g、13mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)(3.3g、17.2mmol)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)水和物(2.6g、17.2mmol)の混合物をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶かした。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(5.8mL、33.1mmol)を1回で加えた。得られた溶液を室温で約16時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液(150mL)及び酢酸エチル(EtOAc)(150mL)を加え、相を分離した。水相をEtOAcで抽出した(25mLで3回)。合わせた有機相をブラインで洗浄し(100mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、0%から100%EtOAc/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(2.3g、収率49%)。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ2.55(s、3H)、2.62-2.70(m、1H)、2.72-2.80(m、1H)、3.25(ddd、J=13.63、8.07、5.20Hz、1H)、3.45(brs、1H)、3.62(ddd、J=13.82、6.36、3.18Hz、1H)、3.93-4.00(m、1H)、7.02-7.12(m、3H)、7.16-7.23(m、2H)、8.08(d、J=1.83Hz、1H)、8.62(d、J=1.71Hz、1H)。
【0216】
製造#21:5-エチニル-2-メチルオキサゾール
【0217】
【0218】
2-メチルオキサゾール-5-カルボアルデヒド(0.10g、0.94mmol)及びK2CO3(0.26g、1.87mmol)のメタノール(MeOH)(3mL)中溶液を攪拌しながら、それにMeOH(1mL)中のジメチル(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホネート(0.21g、0.94mmol)を加えた。混合物を室温で約18時間攪拌し、次にセライトで濾過し、MeOH(10mL)でリンスした。得られた溶液を減圧下に注意深く濃縮し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から50%EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た(0.17g、収率52%);1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ7.17(s、1H)、3.56(s、1H)、2.47(s、3H)。
【0219】
合成例
実施例#1:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0220】
【0221】
(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(0.45g、1.29mmol)(製造#8)、4-エチニル-1-メチル-1H-ピラゾール(製造#10)(0.31g、2.92mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)(60mg、0.13mmol)、ビス(アセトニトリル)-ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(20mg、0.08mmol)及びCs2CO3(0.51g、1.57mmol)をアセトニトリル(MeCN)(21mL)に取り、混合物にN2を10分間吹き込んだ。得られた混合物を約70℃で約3時間攪拌した。混合物を冷却し、セライトで濾過し、酢酸エチル(EtOAc)(60mL)でリンスした。溶媒を減圧下に除去し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0-10%メタノール/EtOAc)によって精製して、標題化合物を得た(0.25g、収率49%)。LC/MS(表B、方法ee)Rt=1.77分;MS m/z375(M+H)+;1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6、90℃)δ8.65(d、J=2.0Hz、1H)、8.50(d、J=2.0Hz、1H)、8.04(s、1H)、7.82(s、1H)、7.68(s、1H)、7.29-7.12(m、5H)、4.75(brs、1H)、4.02(brs、1H)、3.88(s、3H)、3.36-3.26(m、2H)、3.00(s、3H)、2.70-2.61(m、2H)。
【0222】
実施例#2:(S)-5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
【0223】
【0224】
5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸(製造#13)(95g、361mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(189mL、1083mmol)及び1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)(151g、397mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(1.00リットル)中混合物を室温で約0.5時間攪拌した。次に、(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール(製造#2)(59.6g、361mmol)を加え、混合物を室温で約12時間攪拌した。混合物を水(2.00リットル)に投入し、酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(800mLで3回)。有機相をブライン(1.50リットル)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下に濃縮した。取得物を、0%から100%EtOAc/石油エーテルで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(98g、収率66%);LC/MS(表B、方法aa)Rt=1.21分;MS m/z:411(M+H)+;1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ=8.78-8.66(m、2H)、8.62-8.50(m、1H)、8.12(d、J=6.4Hz、1H)、8.03-7.69(m、2H)、7.30-7.07(m、5H)、5.17-4.95(m、1H)、4.06(brd、J=2.9Hz、1H)、3.89(brd、J=5.4Hz、1H)、3.58(brdd、J=3.9、13.2Hz、1H)、3.41-3.35(m、1H)、3.20-3.11(m、1H)、2.98(brd、J=14.7Hz、3H)、2.81-2.72(m、1H)、2.71-2.63(m、1H)。
【0225】
実施例#3:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0226】
【0227】
テトラヒドロフラン(THF)(115mL)中の5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸(製造#14)(23g、101mmol)の入ったフラスコに、N,N’-カルボニルジイミダゾール(CDI)(24.51g、151mmol)を加え、混合物を室温で約5時間攪拌した。反応液を、(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール(製造#2)(27.8g、151mmol)及びトリエチルアミン(TEA)(28.1mL、202mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(115mL)中溶液に加えた。反応液を25℃で2時間攪拌した。LC/MSにより、反応は完結した。反応液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(EtOAc)(300mL)で抽出した。有機層を15%クエン酸(300mL)、ブライン(500mL)で洗浄し、脱水し、濾過し、濃縮して残留物を得て、それをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー石油エーテル:EtOAc=100:1から0:1によって精製して、標題化合物を得た(70g、183mmol、収率91%)。(表B、方法bb)Rt=4.24分;MS m/z:376(M+H)+;1H NMR(500MHzジメチルスルホキシド-d6、90℃)δ8.75(s、1H)、8.58(s、1H)、8.03(s、1H)、7.94(s、1H)、7.33-7.09(m、5H)、4.84-4.68(広いm、1H)、4.21(s、3H)、4.10-3.96(広いm、1H)、3.53-3.19(広いm、2H)、3.01(s、3H)、2.75-2.59(広いm、2H)。
【0228】
実施例#4:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((1-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0229】
【0230】
2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)(859mg、2.67mmol)を、(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール(製造#2)(441mg、2.67mmol)、5-((1-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸(製造#15)(500mg、1.778mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.932mL、5.33mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(12.4mL)中溶液に加え、室温で約36時間攪拌した。酢酸エチル(EtOAc)(10mL)を加え、混合物を水(10mLで2回)及びブライン(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下に濃縮した。粗生成物を、50%から100%酢酸エチル(EtOAc)/ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(655mg、収率78%);(表B、方法aa)Rt=1.38分;MS m/z:429(M+H)+;1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ9.05(d、J=9.7Hz、1H)、8.87-8.50(m、2H)、8.30(d、J=8.0Hz、1H)、8.05-7.81(m、2H)、7.39-7.01(m、5H)、5.07(dd、J=76.1、5.6Hz、1H)、4.07(d、J=8.9Hz、0.5H)、3.90(d、J=8.8Hz、0.5H)、3.58(dd、J=13.3、4.1Hz、0.5H)、3.42-3.33(m、0.5H)、3.16(dd、J=6.3、3.6Hz、1H)、2.99(d、J=18.2Hz、3H)、2.74(s、0.5H)、2.72-2.61(m、0.5H)。
【0231】
実施例#5:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((1-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0232】
【0233】
1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)(882mg、2.319mmol)、5-((1-シクロプロピル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸(製造#16)(534mg、2.109mmol)、(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール(製造#2)(383mg、2.319mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(1.105mL、6.33mmol)のジクロロメタン(DCM)(20mL)及びテトラヒドロフラン(THF)(10mL)中溶液を室温で約16時間攪拌した。次に、追加のN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(1.105mL、6.33mmol)、(S)-1-(メチルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール(160mg、0.968mmol)及びHATU(882mg、2.319mmol)を加え、混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した(50mLで2回)。有機部分を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。得られた粗取得物を、0%から6%メタノール/ジクロロメタン(DCM)で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(460mg、収率52%)。(表B、方法cc)Rt=1.89分;MS m/z:401(M+H)+;1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.67(dd、J=31.1、2.0Hz、1H)、8.53(dd、J=33.8、2.0Hz、1H)、8.25(d、J=8.5Hz、1H)、7.88(dt、J=53.3、2.1Hz、1H)、7.74(d、J=7.5Hz、1H)、7.29(d、J=4.5Hz、2H)、7.23-7.08(m、2H)、5.06(dd、J=70.9、5.6Hz、1H)、4.10-3.84(m、1H)、3.78(dh、J=6.9、3.3Hz、1H)、3.69-3.51(m、1H)、3.43-3.33(m、1H)、3.21-3.09(m、2H)、2.98(d、J=18.2Hz、3H)、2.80-2.62(m、1H)、1.13-1.04(m、2H)、1.04-0.96(m、2H)。
【0234】
実施例#6:(S)-5-((1-シクロブチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
【0235】
【0236】
窒素導入針が刺さった隔壁キャップを取り付けた7mL反応バイアルに、テトラヒドロフラン(THF)(2mL)中の(S)-5-エチニル-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(製造#9)(0.140g、0.476mmol)、4-ブロモ-1-シクロブチル-1H-ピラゾール(0.096g、0.476mmol)、リン酸カリウム(0.121g、0.571mmol)、及びビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(0.012g、0.024mmol)を入れた。反応混合物に窒素を約20分間吹き込み、約50℃で約10時間加熱した。反応液を冷却して室温とした。反応液をセライト層で濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル(EtOAc)で洗った。濾液を減圧下に濃縮した。粗残留物を、0%から100%EtOAc/ヘプタンと次に0%から5%メタノール/EtOAcで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。溶出液を減圧下に濃縮して、標題化合物を得た(0.056g、収率28%);LC/MS(表B、方法aa)Rt=1.33分;MS m/z:415(M+H)+;1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.67(d、J=24.6Hz、1H)、8.52(d、J=26.4Hz、1H)、8.27(d、J=6.6Hz、1H)、7.96-7.71(m、2H)、7.34-7.05(m、5H)、5.16-4.92(m、1H)、4.11-3.83(m、1H)、3.23-3.07(m、1H)、2.98(d、J=14.1Hz、3H)、2.79-2.62(m、1H)、2.48-2.43(m、7H)、1.88-1.71(m、2H)。
【0237】
実施例#7:N-((2R,3S)-3-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0238】
【0239】
隔壁キャップ及び窒素導入針を取り付けた20mL反応バイアルに、4-エチニル-1-メチル-1H-ピラゾール(製造#10)(0.105g、0.987mmol)、5-ブロモ-N-((2R,3S)-3-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(製造#17)(0.29g、0.79mmol)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピル-1,1′-ビフェニル)[2-(2′-アミノ-1,1′-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd G2)(0.031g、0.039mmol)及び炭酸セシウム(0.322g、0.987mmol)を入れた。反応に窒素を流した。アセトニトリル(MeCN)(3.95mL)を加え、混合物に窒素を吹き込んだ。反応混合物を約65℃で約3時間加熱した。反応液を冷却して室温とした。反応液をセライト層で濾過し、次にフィルターケーキを酢酸エチル(EtOAc)で洗った。濾液を減圧下に濃縮した。粗残留物を、0%から100%EtOAc/ヘプタンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。取得物を真空乾燥させて、標題化合物を得た(0.139g、収率45%);LC/MS(表B、方法aa)Rt=1.04分;MS m/z:393(M+H)+;1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.66(d、J=35.0Hz、1H)、8.49(d、J=30.1Hz、1H)、8.13(d、J=5.5Hz、1H)、7.84(d、J=39.3Hz、1H)、7.73(s、1H)、7.48-7.23(m、5H)、5.67-5.16(m、2H)、4.31-4.00(m、1H)、3.87(s、3H)、3.39-3.19(m、2H)、2.98(d、J=20.7Hz、3H)。
【0240】
実施例#8:(S)-5-((6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-3-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
【0241】
【0242】
反応バイアルに(S)-5-エチニル-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(製造#9)(0.192g、0.652mmol)、3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン(製造#5)(0.301g、0.652mmol)、K3PO4(0.166g、0.783mmol)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(P-tBu3)2)(0.017g、0.033mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)(2.2mL)を入れた。反応混合物にN2を約20分間吹き込み、加熱して約50℃として約20時間経過させた。反応混合物を冷却して室温とし、セライト層で濾過した。フィルターケーキを酢酸エチル(EtOAc)で洗い、合わせた濾液を減圧下に濃縮した。粗単離物を、フラッシュクロマトグラフィー(0%から100%酢酸エチル(EtOAc)/ヘプタン、次に0%から5%メタノール/EtOAc)によって精製して、標題生成物を得た(0.12g、収率44%)。LC/MS(表B、方法aa)Rt=1.04分;MS m/z:417(M+H)+。1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)(回転異性体が存在)δ:8.74-8.61(m、1H)、8.60-8.46(m、1H)、7.97-7.81(m、1H)、7.81-7.73(m、1H)、7.33-7.25(m、2H)、7.25-7.06(m、3H)、5.16-4.88(m、3H)、4.18-3.83(m、5H)、3.62-3.33(m、1H)、3.21-3.10(m、1H)、3.03-2.93(m、3H)、2.81-2.52(m、2H)。
【0243】
実施例#9:(S)-6-(ジフルオロメチル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0244】
【0245】
(S)-5-クロロ-6-(ジフルオロメチル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(100mg、0.28mmol)(製造#6)、4-エチニル-1-メチル-1H-ピラゾール(製造#10)(30mg、0.28mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)(27mg、0.06mmol)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(7.31mg、0.03mmol)及びCs2CO3(184mg、0.56mmol)をアセトニトリル(MeCN)(2mL)に取り、反応混合物にN2を10分間吹き込んだ。得られた混合物を約70℃で約3時間攪拌した。反応液を冷却し、溶媒を減圧下に除去した。残留物について、0%から10%メタノール/ジクロロメタン(DCM)で溶離を行うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行って、標題化合物を得た(54mg、収率43%)。LC/MS(表B、方法dd)Rt=1.85分;MS m/z:425(M+H)+;1H NMR(500MHz、90℃、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.59(s、1H)、8.09(s、1H)、7.98(s、1H)、7.72(s、1H)、7.36-6.97(m、6H)、4.80(brs、1H)、4.04(s、1H)、3.90(brs、3H)、3.30(brs、1H)、3.02(brs、4H)2.71(brs、2H)。
【0246】
実施例#10:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-(オキセタン-3-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0247】
【0248】
バイアルに(S)-5-エチニル-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(製造#9)(0.120g、0.41mmol)、4-ブロモ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール(製造#7)(0.125g、0.61mmol)、Cs2CO3(0.398g、1.22mmol)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(5mg、0.02mmol)、及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)(19mg、0.04mmol)を加え、バイアルの排気及びN2再充填を行った(3回)。バイアルに、アセトニトリル(MeCN)(3.2mL)を加え、混合物にN2を約5分間吹き込み、加熱して約70℃として約18時間経過させた。混合物を冷却して室温とし、セライトで濾過し、酢酸エチル(EtOAc)(40mL)で洗浄した。溶液を減圧下に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から5%メタノール/ジクロロメタン(DCM))によって2回精製した。固体をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)で摩砕し、乾燥させて、標題化合物を得た(13mg、収率7%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=1.77分;MS m/z418(M+H)+;1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6、90℃)δ8.78(s、1H)、8.61(s、1H)、8.20(s、1H)、7.98(s、1H)、7.30-7.11(m、5H)、5.93-5.86(m、1H)、5.08-5.03(m、2H)、5.00-4.96(m、2H)、4.83-4.71(m、1H)、4.11-3.97(m、1H)、3.45-3.24(m、2H)、3.02(s、3H)、2.76-2.60(m、2H)。
【0249】
実施例#11:(S)-5-((5-シクロプロピル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
【0250】
【0251】
バイアルに(S)-5-エチニル-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチン-アミド(製造#9)(60mg、0.20mmol)、4-ブロモ-5-シクロプロピル-1-メチル-1H-ピラゾール(82mg、0.41mmol)、Cs2CO3(199mg、0.61mmol)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(5mg、0.019mmol)、及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)(19mg、0.04mmol)を加え、バイアルの排気及びN2再充填を行った(3回)。バイアルにアセトニトリル(MeCN)(2mL)を加え、混合物にN2を約5分間吹き込み、加熱して約70℃として約4時間経過させた。混合物をセライトで濾過し、酢酸エチル(EtOAc)(10mL)でリンスした。その溶液を減圧下に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から100%酢酸エチル(EtOAc)/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た(16mg、収率18%);LC/MS(表B、方法b)Rt=1.21分;MS m/z415(M+H)+;1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6、90℃)δ8.63(d、J=2.0Hz、1H)、8.50(d、J=2.0Hz、1H)、7.80(d、J=2.1Hz、1H)、7.53(s、1H)、7.27-7.13(m、5H)、4.76(brs、1H)、4.08-4.02(m、1H)、3.86(s、3H)、3.44-3.35(m、2H)、3.01(s、3H)、2.67-2.62(m、2H)、1.97(ddd、J=13.8、8.1、5.7Hz、1H)、1.13-1.04(m、4H)。
【0252】
実施例#12:(S)-N-(3-(3-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシプロピル)-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0253】
【0254】
2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムテトラフルオロ-ボレート(TBTU)(127mg、0.393mmol)を、(S)-1-(3-フルオロフェニル)-3-(メチルアミノ)プロパン-2-オール(製造#4)(60mg、0.327mmol)、5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチン酸(製造#12)(74.4mg、0.327mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.172mL、0.982mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)中溶液に室温で加え、約18時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(EtOAc)(10mL)及び飽和NH4Cl水溶液(10mL)で希釈し、層を分離した。有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し(10mLで3回)、MgSO4で脱水し、減圧下に濃縮した。粗取得物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から10%メタノール/ジクロロメタン(DCM))と次に逆相クロマトグラフィー(15%から75%アセトニトリル(MeCN)/H2O(+0.1%重炭酸アンモニウム))によって精製して、標題化合物を得た(72mg、収率53%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=1.74分;MS m/z393(M+H)+。1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6、90℃)δ8.66(d、J=2.0Hz、1H)、8.52(d、J=2.0Hz、1H)、8.04(s、1H)、7.84(s、1H)、7.68(s、1H)、7.28(q、J=7.5Hz、1H)、7.04(s、2H)、6.99-6.94(m、1H)、4.82(brs、1H)、4.04(brs、1H)、3.89(s、3H)、3.44-3.27(m、2H)、3.01(s、3H)、2.76-2.61(m、2H)。
【0255】
実施例#13:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-6-メトキシ-N-メチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0256】
【0257】
フラスコに、(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-6-メトキシ-N-メチルニコチンアミド(製造#18)(0.220g、0.464mmol)、Cs2CO3(0.189g、0.580mmol)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(6mg、0.023mmol)、XPhos(0.022g、0.046mmol)及びアセトニトリル(MeCN)(4mL)を加えた。反応液にN2を10分間吹き込み、アセトニトリル(MeCN)(1mL)中の4-エチニル-1-メチル-1H-ピラゾール(製造#10)(0.075g、0.707mmol)を加えた。次に、反応液を加熱して約75℃として約30分間経過させた。混合物を減圧下に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から100%酢酸エチル(EtOAc)/イソヘキサン)によって精製して無色油状物を得た。その油状物をメタノール(1mL)及び酢酸(AcOH)(0.2mL)に取り、Strong Cation Exchange(SCX)層に乗せた。その層をメタノール(20mL)で洗浄し、次に0.7M NH3/メタノール(20mL)で洗浄した。その塩基性溶液を濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から10%メタノール/ジクロロメタン(DCM))によって精製して、標題化合物を得た(25mg、収率13%);LC/MS(表B、方法b)Rt=1.86分;MS m/z405(M+H)+;1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6、90℃)δ8.16(d、J=2.3Hz、1H)、8.00(s、1H)、7.78(d、J=2.3Hz、1H)、7.64(s、1H)、7.28-7.12(m、5H)、4.71(d、J=5.6Hz、1H)、3.99(s、3H)、3.87(s、3H)、3.39(s、1H)、3.32(dd、J=13.8、8.4Hz、1H)、3.01(s、3H)、2.70-2.60(m、2H)。
【0258】
実施例#14:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N,6-ジメチル-5-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0259】
【0260】
(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N,6-ジメチルニコチンアミド(製造#19)(130mg、0.358mmol)、4-エチニル-1-メチル-1H-ピラゾール(製造#10)(76mg、0.716mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)(17mg、0.036mmol)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(5mg、0.018mmol)及びCs2CO3(140mg、0.429mmol)をアセトニトリル(MeCN)(6mL)に取り、混合物にN2を約10分間吹き込んだ。混合物を約70℃で約3時間攪拌した。反応液を冷却し、セライト層で濾過し、酢酸エチル(EtOAc)(20mL)でリンスした。溶媒を減圧下に除去し、残留物をセライトに予め吸着させ、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から10%メタノール/ジクロロメタン(DCM))によって精製して、標題化合物を得た(106mg、収率75%);LC/MS(表B、方法a)Rt=1.73分;MS m/z389(M+H)+。1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6、90℃)δ8.38(d、J=2.1Hz、1H)、8.04(s、1H)、7.74(d、J=2.1Hz、1H)、7.67(s、1H)、7.27-7.13(m、5H)、4.81-4.61(m、1H)、4.08-3.97(m、1H)、3.88(s、3H)、3.49-3.23(m、2H)、3.00(s、3H)、2.71-2.66(m、2H)、2.64(s、3H)。
【0261】
実施例#15:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-メチルチアゾール-5-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0262】
【0263】
バイアルに5-ブロモ-2-メチルチアゾール(181mg、1.02mmol)、(S)-5-エチニル-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(製造#9)(150mg、0.51mmol)Cs2CO3(498mg、1.53mmol)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(9.3mg、0.04mmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)(24.3mg、0.05mmol)を加え、バイアルの排気及びN2再充填を行った(3回)。バイアルにアセトニトリル(5mL)を加え、混合物にN2を約5分間吹き込み、加熱して約85℃として約3時間経過させた。混合物をセライトで濾過し、酢酸エチル(EtOAc)(40mL)でリンスした。その溶液を減圧下に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から5%メタノール/ジクロロメタン(DCM))によって精製して残留物を得て、それをメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)で摩砕し、乾燥させて、標題化合物を得た(50mg、収率24%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=1.89分;MS m/z392(M+H)+;1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6、90℃)δ8.73(s、1H)、8.57(s、1H)、7.96(s、1H)、7.92(s、1H)、7.30-7.10(m、5H)、4.82-4.70(広いm、1H)、4.10-3.95(広いm、1H)、3.51-3.21(広いm、2H)、3.01(s、3H)、2.71(s、3H)、2.73-2.58(広いm、2H)。
【0264】
実施例#16:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-6-メチル-5-(チアゾール-5-イルエチニル)ニコチンアミド
【0265】
【0266】
バイアルに5-エチニルチアゾール(30.6mg、0.28mmol)、(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-6-メチルニコチンアミド(製造#20)(70mg、0.20mmol)及びCuI(7.6mg、0.04mmol)を入れ、バイアルの排気及びN2再充填を行った(3回)。N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(3mL)及びEt3N(498mg、1.53mmol)を加え、反応混合物にN2を約15分間吹き込んだ。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(Pd(PPh3)2Cl2)(16.9mg、0.02mmol)を加え、反応混合物を加熱して約90℃として約18時間経過させた。混合物をセライトで濾過し、酢酸エチル(EtOAc)(10mL)でリンスした。その溶液を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から10%メタノール/ジクロロメタン(DCM))によって精製して、標題化合物を得た(17mg、収率21%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=2.03分;MS m/z378(M+H)+;1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ9.23(s、1H)、8.88(d、J=2.3Hz、1H)、8.64(t、J=5.7Hz、1H)、8.33(d、J=2.3Hz、1H)、8.31(s、1H)、7.31-7.21(m、4H)、7.21-7.14(m、1H)、4.92(d、J=5.4Hz、1H)、3.92-3.84(m、1H)、3.38-3.29(m、1H)、3.25-3.18(m、1H)、2.76(dd、J=13.6、5.0Hz、1H)、2.69(s、3H)、2.65(dd、J=13.7、7.6Hz、1H)。
【0267】
実施例#17:(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-メチルオキサゾール-5-イル)エチニル)ニコチンアミド
【0268】
【0269】
(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-6-メチルニコチンアミド(製造#20)(318mg、0.91mmol)Cs2CO3(365mg、1.1mmol)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(Pd(MeCN)2Cl2)(12mg、0.05mmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)(43mg、0.09mmol)をMeCN(9mL)に取り、5-エチニル-2-メチルオキサゾール(製造#21)(0.19g、0.91mmol)のMeCN(1mL)中溶液を加えた。反応混合物にN2を約5分間吹き込み、加熱して約60℃として約3時間経過させた。混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧下に濃縮し、得られた残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%から10%MeOH/DCM)によって精製して、標題化合物を得た(25mg、7%);LC/MS(表B、方法ee)Rt=1.92分;MS m/z376(M+H)+;1H NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6、90℃)δ8.79-8.72(m、1H)、8.59(d、J=2.1Hz、1H)、7.94(s、1H)、7.49(s、1H)、7.21(dt、J=31.1、7.3Hz、5H)、4.76(brs、1H)、4.02(brs、1H)、3.30(brs、2H)、3.01(s、3H)、2.64(d、J=9.1Hz、2H)、2.48(s、3H)。
【0270】
実施例#18及び19:(S)-ジ-tert-ブチル(1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル)ホスフェート(実施例#18)及び(S)-1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル二水素ホスフェート(実施例#19)
【0271】
【0272】
(S)-5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(実施例#2)(500mg、1.22mmol)のN-メチル-2-ピロリジノン(1000mL)中溶液に、20℃でN2下にジ-tert-ブチルジエチルホスホルアミダイト(304mg、1.22mmol)及び1H-テトラゾール(10.8mL、4.87mmol)を1回で加えた。混合物を40℃で3時間攪拌した。過酸化水素(5.0mL、49mmol)をその溶液に0℃で加え、混合物をさらに2時間攪拌した。混合物を飽和Na2SO3(75mL)に投入し、酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(100mLで3回)。有機相をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下に濃縮して粗t-ブチルホスフェートエステルを得て、それについてシリカゲルでのクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1-1:4)を行って、(S)-ジ-tert-ブチル(1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル)ホスフェート(実施例#18)(384mg、0.64mmol、収率52%)を得た。LC/MS(表B、方法aa)Rt=1,73分;MS m/z:545.20(M-tBu)+;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ8.76-8.40(m、3H)、8.15-7.60(m、3H)、7.27-7.01(m、5H)、4.78-4.46(brm、1H)、3.75-2.72(m、7H)、1.50-1.18(m、18H)。tBu=tert-ブチル;Et=エチル。
【0273】
フラスコに(S)-ジ-tert-ブチル(1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル)ホスフェート(実施例#18)(381mg、.632mmol)、ジクロロメタン(DCM)(5mL)及びトリフルオロ酢酸(TFA)(0.61mL、7.9mmol)を入れ、室温で約19時間攪拌した。混合物を減圧下に濃縮し、次に逆相液体クロマトグラフィー(Atlantis(登録商標) Prep T3 Phenomenex 5μm 19×50mmカラム、5:95アセトニトリル(MeCN):水(ギ酸緩衝液)、1mL/分)によって精製して、標題化合物、実施例#19を得た(230mg、0.47mmol、収率74%)。LC/MS(表B、方法ff)Rt=1.96分;MS m/z:491.0(M+H)+;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ8.78-8.69(m、1H)、8.65-8.57(m、1H)、8.44(d、J=1.0Hz、1H)、8.14-8.08(m、1H)、8.03-7.99(m、1H)、7.97(s、1H)、7.88-7.84(m、1H)、7.76(s、1H)、7.73-7.69(m、1H)、7.35-7.28(m、2H)、7.27-7.21(m、1H)、7.19-7.12(m、1H)、7.03(brd、J=7.5Hz、1H)、4.80-4.73(m、1H)、4.52-4.45(m、1H)、3.84-3.76(m、1H)、3.66(brd、J=13.5Hz、1H)、3.33(brdd、J=9.5、13.5Hz、1H)、3.27-3.11(m、1H)、3.08-3.00(m、1H)、2.97(s、1H)、2.95(brs、1H)、2.92(s、2H)、2.90-2.85(m、1H)、2.79-2.69(m、1H)、2.07(s、1H)、1.78(s、1H)、1.74(s、1H)。
【0274】
実施例#20:(S)-1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イルアセテート
【0275】
【0276】
(S)-5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(実施例#2)(2.00g、4.87mmol)のジクロロタン20mL中溶液に、トリエチルアミン(2.38mL、17.1mmol)、無水酢酸(1.0mL、11mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(0.095g、0.78mmol)を加えた。混合物を20℃で2時間攪拌した。その後、混合物を飽和塩化アンモニウムに投入した。有機相をブライン(50mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。得られた残留物を分取HPLCによって精製して(表B、方法c)、標題化合物を得た(1.0g、2.1mmol、収率44%)。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=8.74(brs、1H)、8.54(s、1H)、8.06(s、1H)、7.82(s、1H)、7.75(brs、1H)、7.38-7.28(m、2H)、7.24-7.03(m、3H)、5.58-5.21(m、1H)、4.02-3.89(m、1H)、3.64-3.55(m、1H)、3.54-3.45(m、1H)、3.40-3.26(m、1H)、3.13-2.93(m、5H)、2.89-2.78(m、1H)、2.69-2.53(m、1H)、2.14-1.99(m、3H)。
【0277】
実施例#21:(S)-1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル2-アミノアセテート塩酸塩
【0278】
【0279】
2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸(0.854g、4.87mmol)のアセトニトリル(5.0mL)中溶液に(S)-5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-3-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(実施例#2)(2.0g、4.9mmol)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.05g、5.08mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.015g、0.12mmol)を加えた。混合物を20℃で12時間攪拌した。その後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮して粗中間体(S)-1-(5-((1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル(tert-ブトキシカルボニル)グリシネート(2.4g、4.2mmol)を得て、それを次に酢酸エチル(15mL)に溶かした。酢酸エチル中の塩化水素溶液(4M、20mL)を加え、反応混合物を20℃で30分間攪拌した。その後、混合物を減圧下に濃縮して残留物を得て、それを分取HPLC(表B、方法c;Rt=2,13分)によって精製して、標題化合物を得た(1.2g、2.3mmol、収率54%)。1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ=8.88-8.70(m、2H)、8.61(d、J=1.5Hz、1H)、8.57-8.42(m、3H)、8.19-8.09(m、1H)、8.09-7.74(m、2H)、7.37-7.29(m、3H)、7.28-7.15(m、2H)、7.08(brd、J=6.5Hz、1H)、5.54-5.17(m、1H)、3.86-3.62(m、2H)、3.70-3.62(m、1H)、3.52-3.38(m、1H)、3.09-3.00(m、1H)、2.99(s、1H)、2.96(s、2H)、2.95-2.89(m、1H)、2.82-2.66(m、1H)。tBu=tert-ブチル。
【0280】
実施例#22及び#23:(S)-ジ-tert-ブチル(1-(N-メチル-5-((2-メチル-5-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル)ホスフェート(実施例#22)及び(S)(1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル)二水素ホスフェート(実施例#23)
【0281】
【0282】
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド(実施例#3)(2.00g、5.33mmol)のN-メチルピロリジン40mL中溶液に、ジ-tert-ブチルジエチルホスホルアミダイト(20.0mL、5.33mmol)及び1H-テトラゾール(1.493g、21.31mmol)を20℃で窒素下に1回で加え、2時間攪拌した。その後、過酸化水素(20.0mL、555mmol)をその溶液に0℃で加えた。混合物を20℃で1時間攪拌し、小分けサンプルを取り出し、LC-MSによって分析した。LC-MSは、原料が完全に消費され、所望の生成物(リン酸エステル)が検出されたことを示していた。10℃で亜硫酸ナトリウム20mLを加えることで、得られた混合物を反応停止し、次に30分間攪拌した。混合物を氷水に投入し、次に飽和亜硫酸ナトリウム溶液を、pH=7となるまで加えた。酢酸エチル(200mL)を混合物に加え、その混合物を攪拌し、層を分離した。このプロセスを3回繰り返した。有機層を濃縮し、粗(S)-ジ-tert-ブチル(1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル)ホスフェート(実施例#22)を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。tBu=tert-ブチル;Et=エチル。
【0283】
(S)-ジ-tert-ブチル(1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル)ホスフェート(実施例#22)(2g、3.52mmol)のジクロロメタン(15mL)中溶液に、20℃で窒素下にトリフルオロ酢酸(TFA)(5mL、64.9mmol)を加えた。混合物を2時間攪拌した。その後、反応液を濃縮し、逆相カラムクロマトグラフィー(表B、方法d)によって精製して、標題化合物を得た(実施例#23)(930mg、2.00mmol、収率56.8%)。1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.45-8.83(m、2H)、7.80-8.17(m、2H)、7.21-7.35(m、3H)、7.00-7.19(m、2H)、4.43-4.82(m、1H)、4.17-4.29(m、3H)、3.31-3.70(m、1H)、2.72-3.26(m、6H)。
【0284】
実施例#24:(S)-1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イルアセテート
【0285】
【0286】
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド(実施例#3)(1.50g、4.00mmol)のジクロロメタン(30mL)中溶液に、トリエチルアミン(1.89mL、13.6mmol)及び無水酢酸(0.857g、8.39mmol)を20℃で窒素下に1回で加えた。混合物を20℃で12時間攪拌した。その後、反応液を水50mLで反応停止した。有機層及び水層を分離し、水相をジクロロメタンで抽出した(10mLで3回)。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮し、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(20%から50%EtOAc/ヘキサン)によって単離して、標題化合物を得た(1.20g、2.86mmol、収率71.6%)。1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.79(s、1H)、8.55(d、J=1.75Hz、1H)、8.06(s、1H)、7.90(s、1H)、7.10-7.34(m、5H)、5.24-5.42(m、1H)、4.21(s、3H)、3.47-3.70(m、2H)、2.97(s、3H)、2.76-2.95(m、2H)、1.96(s、3H)。
【0287】
実施例#25:(S)-1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル2-アミノアセテート塩酸塩
【0288】
【0289】
2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸(0.933g、5.33mmol)のアセトニトリル(5.0mL)中溶液を攪拌しながら、それに25℃で((S)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド(実施例#3)(2.00g、5.33mmol)を加えた。N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.37g、6.66mmol)を加え、次に反応温度を20~25℃に維持しながら4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.020g、0.16mmol)のアセトニトリル5.3mL中溶液をゆっくり加えた。懸濁液を25℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1から1:1)によって精製して、粗中間体(S)-1-(N-メチル-5-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)ニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)-アミノ)アセテート(2.2g、3.9mmol、収率74%)を得て、それを次に酢酸エチル(10mL)に溶かした。酢酸エチル中の塩化水素溶液(4M、20mL、80mmol)をその溶液に加え、混合物を25℃で1時間攪拌した。得られた懸濁液を真空乾燥して、標題化合物を得た(1.38g、2.85mmol、収率69.1%)。1H NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド-d6)δ8.80(s、1H)、8.60(brs、1H)、8.47(brs、3H)、8.08(s、1H)、7.97(brs、1H)、7.16-7.35(m、5H)、5.25-5.57(m、1H)、4.63(brs、6H)、4.21(s、3H)、3.65-3.79(m、3H)、2.80-3.06(m、5H)。tBu=tert-ブチル。
【0290】
実施例#26:(S)-5-((1-(ジフルオロメチル)-5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド
【0291】
【0292】
(S)-5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(15g、43.0mmol)(製造#8)、N,N-ジメチルピリジン-4-アミン(0.525g、4.30mmol)及びピリジン(17.37mL、215mmol)を、ほぼ室温でジクロロメタン(DCM)(150mL)中で合わせた。無水酢酸(5.26g、51.5mmol)を滴下した。4時間後、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)(300mL)及び飽和硫酸銅(200mL)を加え、有機層を分離し、水で洗浄し(100mLで2回)、脱水し(Na2SO4)、濾過し、減圧下に濃縮して、(S)-1-(5-ブロモ-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イルアセテート(16.8g、43.0mmol、収率100%)を油状物として得た。LC/MS(方法aa)Rt=1.31分;MS m/z:391.18、393.16(M+H)+。
【0293】
【0294】
(S)-1-(5-ブロモ-N-メチルニコチンアミド)-3-フェニルプロパン-2-イルアセテート(12.8g、32.7mmol)、エチニルトリメチルシラン(9.64g、98mmol)、ジイソプロピルアミン(9.33mL、65.4mmol)を、ほぼ室温にてジメチルホルムアミド(DMF)(60mL)中で合わせた。3Åモレキュラーシーブスを加えた。約2時間後、ヨウ化銅(I)(0.062g、0.327mmol)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(0.230g、0.327mmol)を加えた。反応混合物を昇温させて約80℃とした。約6時間後、混合物を冷却して室温とした。飽和NaHCO3(100mL)及びメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)(100mL)及びシステイン(2g)を加え、反応混合物をほぼ室温で攪拌した。約4時間後、混合物をセライトで濾過し、有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、減圧下に濃縮した。粗アルキンをメタノール(MeOH)(100mL)にほぼ室温で溶かし、炭酸カリウム(9.04g、65.4mmol)を加えた。約4時間後、混合物を減圧下に部分濃縮した。メチルtert-ブチルエーテル及び酢酸エチル(MTBE/EtOAc)(1:1)(100mL)及び水(50mL)を加えた。有機層を分離し、減圧下に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)(EtOAc/Hep)によって精製して、(S)-5-エチニル-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(6.8g、23.10mmol、収率70.6%)を油状物として得た。HPLC方法aa:Rt=0.94分;MS m/z:295.3(M+H)+。
【0295】
【0296】
(S)-5-エチニル-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(6.8g、23.10mmol)、4-ブロモ-1-(ジフルオロメチル)-5-メチル-1H-ピラゾール(5.36g、25.4mmol)、ジイソプロピルアミン(6.59mL、46.2mmol)、ヨウ化銅(I)(0.044g、0.231mmol)及びメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(0.196g、0.231mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)(70mL)中で合わせた。反応混合物に窒素を吹き込んだ。10分後、反応混合物を加熱して80℃とした。4時間後、冷却して室温とした。混合物をメチルtert-ブチルエーテル及び酢酸エチル(MTBE/EtOAc)(1:1)(20mL)及び水(20mL)で希釈し、システイン(500mg)を加えた。4時間攪拌後、有機層を濾過し、分離し、ブライン(10mL)で洗浄し、減圧下に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)(EtOAc/Hep)によって精製した。生成物分画を合わせ、減圧下に濃縮した。残留物を、メチルtert-ブチルエーテルMTBE(20mL)に溶かし、溶液が濁るまでヘプタンを加えた。20時間攪拌後、固体を回収し、真空乾燥して、(S)-5-((1-(ジフルオロメチル)-5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチニル)-N-(2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-N-メチルニコチンアミド(5.8g、13.66mmol、収率59.2%)を白色固体として得た。HPLC方法aa:Rt=1.28分;MS m/z:425.3(M+H)+。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ8.77-8.65(m、1H)、8.58-8.47(m、1H)、8.01-7.67(m、2H)、7.30-7.04(m、6H)、5.10-4.90(m、1H)、4.09-3.81(m、1H)、3.59-3.29(m、1H)、3.16-3.07(m、1H)、2.99-2.91(m、4H)、2.78-2.59(m、1H)、2.56-2.51(m、3H)。
【0297】
アッセイ及び活性データ
RIPK1結合アッセイ
組換えヒトRIPK1から蛍光プローブを置き換える能力について、化合物を試験した。試験化合物RIPK1結合(IC50)データを表Cに提供している。
【0298】
(i)NM_003804.3からの遺伝子配列を使用する代わりに、BEV発現系のコドン最適化を行って遺伝子を合成し、(ii)その遺伝子を、pDEST8ではなく、ベクターpFastBac1にクローニングした以外は、Harris et al., ACS Med. Chem. Letters(2013) 4:1238-1243(補足情報)に記載の方法に従って、組換えヒトRIPK1(1-375)を作製した。
【0299】
オレゴングリーン蛍光体を含む蛍光プローブを、RIPK1に結合することが知られている化合物から合成した。
【0300】
N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N′-2-エタンスルホン酸(HEPES)(pH7.5)、10mM MgCl2、1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、及び0.01%BRIJ(登録商標)-35(ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル)を含む緩衝液でアッセイを実施した。試験化合物を、空の384ウェルプレートに技術的反復で100~0.000095μMに4倍連続希釈した最終濃度でジメチルスルホキシド(DMSO)で溶媒和させた。組換えRIPK1(最終濃度2.5nM)をウェルに添加し、試験化合物と共に室温で1時間インキュベートした。次に、蛍光プローブ(最終濃度5nM)とLanthaScreen Tb-抗GST抗体(Thermofisher Scientific;最終濃度5nM)を含む溶液を各ウェルに加え、Tb-抗GST抗体を組換えRIPK1のGST部分に結合させ、蛍光プローブに対応するFRETペアを提供させた。プレートを室温で1時間インキュベートし、時間分解FRETプロトコールを使用してEnvisionプレートリーダーで読み取った。データを正規化し、Studies from Dotmaticsを用いて解析した。
【0301】
U937 TNF/zVAD細胞毒性細胞アッセイ
U937細胞におけるTNF誘発ネクロトーシスを防止する能力について、化合物を試験した。TNF及びカスパーゼ阻害剤zVAD-FMKによる処理により、RIPK1の活性化及びリン酸化、それに続くRIPK3及びMLKL(シュードキナーゼのような混合系統キナーゼドメイン)のリン酸化を生じさせ、細胞生存率の低下として測定される壊死細胞死の誘発を生じさせた。試験化合物がRIPK1を阻害する能力を示すU937 TNF/zVAD誘発細胞毒性(IC50)データを表Cに提供する。類似のU937アッセイプロトコールは以前に報告されている。例えば、Harris et al., ACS Med. Chem. Letters (2013) 4:1238-1243及び補足情報を参照する。
【0302】
試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)で溶媒和し、空の384ウェルプレートに技術的反復を用いて10μMから0.0005μMまで3倍連続希釈した。U937細胞を、10%熱不活化ウシ胎仔血清(FBS)を含む新鮮なRPMI(Roswell Park Memorial Institute)1640増殖培地に500,000細胞/mLの濃度で再懸濁し、化合物を含む384ウェルプレートに播種し、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を、TNFα(最終濃度10ng/mL)及びZ-VAD FMK(N-ベンジルオキシカルボニル-Val-Ala-Asp(O-Me)フルオロメチルケトン;最終濃度20μM)で37℃で16~20時間処理した。TNFα/Z-VADとともにインキュベーション後、細胞をCell Titer-Gloで溶解し、5~10分間インキュベートした。次いで、Envisionプレートリーダーでプレートを読み取った。データを正規化し、Studies from Dotmaticsで解析した。
【0303】
【0304】
選択性データ
化合物を、数百のヒトキナーゼ及びそれの疾患関連バリアントに結合する能力について、スクリーニングプラットフォームで試験した。結合アフィニティを表Dに示している。
【0305】
方法。スクリーニング法では、固体支持体上に固定化されたリガンド、DNAタグ付きキナーゼ、及び試験化合物を使用する。キナーゼ活性部位に結合し、固体支持体上の固定化リガンドへのキナーゼの結合を直接(立体的に)若しくは間接的に(アロステリックに)阻害する試験化合物は、固体支持体に捕捉されるキナーゼの量を減らす。逆に、キナーゼに結合しない試験化合物は、固体支持体に捕捉されたキナーゼの量に影響を与えない。スクリーニングの「ヒット」は、キナーゼに関連するDNA標識を検出する定量的で正確な超高感度qPCR法を使用することで、テスト化合物と対照サンプルで捕捉されたキナーゼの量を測定することによって確認される。同様にして、試験化合物濃度の関数として固体支持体上に捕捉されたキナーゼの量を測定することにより、試験化合物-キナーゼ相互作用の解離定数(Kd)を計算する。
【0306】
キナーゼアッセイ。ほとんどのアッセイでは、キナーゼタグ付きT7ファージ株を、BL21株由来の大腸菌(E.coli)宿主で24ウェルブロックで並行して増殖させた。大腸菌(E.coli)を対数期まで増殖させ、凍結ストックからT7ファージに感染させ(感染多重度=0.4)、溶解するまで32℃で振盪しながらインキュベートした(90~150分)。溶解物を遠心し(6,000×g)、濾過(0.2μm)して、細胞残屑を除去した。残りのキナーゼはHEK-293細胞で産生させ、その後、qPCR検出のためにDNAでタグ付けした。ストレプトアビジンでコーティングされた磁気ビーズを、室温で30分間、ビオチン化低分子リガンドで処理して、キナーゼアッセイ用のアフィニティー樹脂を得た。リガンドを結合させたビーズを過剰なビオチンでブロックし、ブロッキング緩衝液(SeaBlock(Pierce)、1%BSA、0.05%Tween20、1mM DTT)で洗浄して、結合していないリガンドを除去し、非特異的ファージ結合を減らした。1倍結合緩衝液(20%SeaBlock、0.17×PBS、0.05%Tween20、6mM DTT)中でキナーゼ、配位子結合アフィニティビーズ及び試験化合物を組み合わせることで、結合反応をアセンブルした。試験化合物は100%DMSOで40倍ストックとして調製し、直接希釈してアッセイに用いた。反応はすべて、0.02mLの最終容量でポリプロピレン384ウェルプレートにおいて行った。アッセイプレートを振盪しながら室温で1時間インキュベートし、アフィニティビーズを洗浄緩衝液(1×PBS、0.05%Tween20)で洗浄した。次いで、ビーズを溶出緩衝液(1×PBS、0.05%Tween20、0.5μM非ビオチン化アフィニティリガンド)に再懸濁させ、室温で30分間振盪させながらインキュベートした。溶出液中のキナーゼ濃度をqPCRによって測定した。
【0307】
抑制パーセント計算。化合物を100nMの濃度でスクリーニングし、結合相互作用の結果を以下の表Dに抑制パーセントとして示し、数字が小さいほどヒットが強いことを示している。抑制パーセント計算を以下に示す。陰性対照はDMSO(100%抑制)であり、対照化合物を陽性対照として使用した(0%対照)。
【0308】
【0309】
表D
【0310】
【0311】
表Dの結合アフィニティに基づいて、化合物選択性の定量的尺度として、各化合物について選択性スコア(Sスコア)を計算した。Sスコアは、化合物が結合するキナーゼの数を、変異バリアントを除く、試験された個別のキナーゼの総数で割ることによって計算される。選択性スコア値は、以下に示すように、効力の閾値として%Ctrlを使用して計算することができ、化合物の選択性を記述して異なる化合物の比較を容易にする定量的方法を提供するものである。
【0312】
S(10)=(%Ctrl<35の非変異キナーゼの数)/(試験した非変異キナーゼの数)。
【0313】
S(35)=(%Ctrl<10の非変異キナーゼの数)/(試験した非変異キナーゼの数)。
【0314】
S(35)=(%Ctrl<1の非変異キナーゼの数)/(試験した非変異キナーゼの数)。
【0315】
結果を表Eに示す。
【0316】
表E
【0317】
【0318】
プロドラッグの生体変換
ホスファターゼ酵素は、固有の組織特異的アイソフォームであいまいに発現され、リン酸含有プロドラッグの変換における重要な触媒である。本発明の例示的なリン酸プロドラッグ化合物が、関連する種全体で酵素的に親分子に変換されるか否かを決定するために、プロドラッグ化合物を、マウス、ラット、イヌ、サル、及びヒトから得た腸のS9細胞画分とともにインキュベートした。
【0319】
リン酸プロドラッグを、3mM塩化マグネシウム、マウス、ラット、イヌ、サル若しくはヒト由来の腸S9タンパク質(0.01及び25mg/mL(ms、rat、hu、表F))を含むTris-Cl緩衝液(pH7.4)中、最長2時間にわたりインキュベートした(1μM)。インキュベーションは、ホスファターゼ阻害剤である1mMオルトバナジン酸ナトリウムの非存在下及び存在下で実施した。プロドラッグの喪失及び親形成を、LC-MS/MSによってモニタリングし、分析物ピーク面積比として内部標準に正規化した。
【0320】
表F.腸S9細胞分画におけるプロドラッグの消失によって測定されたイン・ビトロ固有クリアランス。
【0321】
【0322】
表G.腸S9細胞分画における実施例#19の消失によって測定されたイン・ビトロ内因性クリアランス。
【0323】
【0324】
表H.腸S9細胞分画における実施例#21の消失によって測定されたイン・ビトロ内因性クリアランス。
【0325】
【0326】
表I.腸S9細胞分画における実施例#23の消失によって測定されたイン・ビトロ内因性クリアランス。
【0327】
【0328】
表J.腸S9細胞分画における実施例#25の消失によって測定されたイン・ビトロ内因性クリアランス。
【0329】
【0330】
他の実施形態
本出願は、各種の発行された特許、公開された特許出願、雑誌記事、及び他の刊行物に言及しており、それらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0331】
以上、本開示の特定の非限定的な実施形態について説明した。当業者は、以下の特許請求の範囲で定義される、本開示の精神又は範囲から逸脱しない限り、この説明に対する様々な変更及び改変を行うことができることを理解するであろう。