(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003790
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】空中輸送設備のターミナル及びターミナルのメンテナンスを行うための方法
(51)【国際特許分類】
B61B 12/02 20060101AFI20240105BHJP
B61B 12/00 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
B61B12/02 D
B61B12/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023104473
(22)【出願日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】2206398
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】515238552
【氏名又は名称】ポマ
【氏名又は名称原語表記】POMA
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100220630
【弁理士】
【氏名又は名称】河崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】レミ、マンフレディ
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム、ダリエ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ターミナルの寸法を増大させることなく、ケーブル及び/又は車両の移動を担う機器に対するメンテナンス作業を容易にする空中輸送設備のターミナルを提供する。
【解決手段】空中輸送設備には、搬送車両とターミナル(1)とが設けられる。ターミナルは、ターミナル(1)内で搬送車両を移動させるための移動装置(4)を備える。移動装置(4)は、搬送車両の走行路を画定し、車両を移動させる。プラットフォーム(5)は、走行路の一方側に配置される。プラットフォーム(5)は、移動装置(4)に沿った移動を可能にし、移動装置(4)に対する作業を行うことを可能にする。追加のプラットフォームが、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。第1の位置において、追加のプラットフォームは、車両の進行に対する障害物を形成しない。第2の位置は、移動装置(4)のメンテナンスを行うことを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台の搬送車両が設けられた空中輸送設備のターミナル(1)であって、
-前記ターミナル(1)内の前記少なくとも1台の搬送車両を駆動するように構成された移動装置(4)であって、前記ターミナル(1)内の前記少なくとも1台の搬送車両の走行路を画定し、前記ターミナル(1)内の前記少なくとも1台の搬送車両を移動させるように設計された複数の可動部品(4a、4b)を備える移動装置(4)と、
-前記走行路の第1の側に配置されたプラットフォーム(5)であって、オペレータが前記移動装置(4)に沿って移動することを可能にし、彼/彼女が前記移動装置(4)に対してメンテナンス作業を行うことを可能にするように構成されるプラットフォーム(5)と、
-第1の位置と第2の位置との間で移動可能な少なくとも1つのシュラウド(6)であって、前記第1の位置において、前記少なくとも1つのシュラウド(6)は、前記移動装置(4)を少なくとも部分的に覆い、前記プラットフォーム(5)上の前記オペレータと前記移動装置(4)とを分離し、前記プラットフォーム(5)から前記移動装置(4)へのアクセスを防止し、前記第2の位置において、前記少なくとも1つのシュラウド(6)は、前記プラットフォーム(5)から前記移動装置(4)へのアクセスを可能にする、少なくとも1つのシュラウド(6)と、を備え、
前記ターミナル(1)は、前記少なくとも1台の搬送車両のグリップ(3)を走行させるように設計された走行空間を画定し、前記グリップ(3)は、前記少なくとも1台の搬送車両をケーブル(2)に固定し、前記移動装置(4)は、前記プラットフォーム(5)と前記走行空間との間に配置され、
前記第2の位置において、前記少なくとも1つのシュラウド(6)が、彼/彼女が前記移動装置(4)に対して作業を行うことを可能にするように前記オペレータを支持することができる追加のプラットフォーム(A)を形成し、前記追加のプラットフォーム(A)が前記プラットフォーム(5)に面するこの走行路の前記第2の側に配置され、前記第2の側は、垂直方向の観察において前記走行路に対して前記第1の側の反対側であることを特徴とする、ターミナル(1)。
【請求項2】
前記第1の位置において、前記追加のプラットフォーム(A)は、前記走行路に対して前記第1の側に少なくとも部分的に配置される、請求項1に記載のターミナル。
【請求項3】
前記第1の位置において、前記追加のプラットフォーム(A)は、前記走行路に対して前記第1の側に主に配置される、請求項2に記載のターミナル。
【請求項4】
前記第2の位置において、前記追加のプラットフォーム(A)は、前記グリップ(3)が占めるように設計された空間内に配置され、前記追加のプラットフォーム(A)は、前記ターミナル(1)内の前記少なくとも1台の搬送車両の走行に対する障害物を形成する、請求項1及び2のいずれか一項に記載のターミナル。
【請求項5】
ルーフパネル(7)をさらに備え、前記ルーフパネル(7)は、前記オペレータを支持するように設計された補助プラットフォーム(7a)を画定し、前記補助プラットフォーム(7a)は、前記少なくとも1台の搬送車両の走行路に垂直な第1の方向に前記追加のプラットフォーム(A)からオフセットされ、前記補助プラットフォーム(7a)は、前記追加のプラットフォームの高さよりも低い高さに位置し、前記複数の可動部品を形成する複数のホイールと前記補助プラットフォーム(7a)との間に前記追加のプラットフォームを配置するようにオフセットされて、前記追加のプラットフォーム(A)が作業面を形成する、請求項1から4のいずれか一項に記載のターミナル。
【請求項6】
前記移動装置(4)は、前記ターミナル(1)内の前記搬送車両を移動させるように構成された少なくとも1つのホイール(4a)を備え、前記追加のプラットフォーム(A)の高度は、前記少なくとも1つのホイール(4a)の回転軸の高度よりも低い、請求項5に記載のターミナル。
【請求項7】
前記追加のプラットフォーム(A)は、第1のプレート(α)及び第2のプレート(β)によって形成され、前記第2のプレート(β)は、前記第1のプレート(α)に対して移動可能に取り付けられ、前記第2のプレート(β)は、保護位置と後退位置との間で移動可能に取り付けられ、前記保護位置において、前記第2のプレート(β)は前記第1のプレート(α)から上方に延び、前記後退位置において、前記第2のプレート(β)は前記第1のプレート(α)を押圧している、請求項1から6のいずれか一項に記載のターミナル。
【請求項8】
前記第1の位置において、前記追加のプラットフォーム(A)は前記少なくとも1つのシュラウド(6)を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のターミナル。
【請求項9】
前記追加のプラットフォーム(A)は、前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転可能に取り付けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載のターミナル。
【請求項10】
-請求項1から9のいずれか一項に記載のターミナル(1)を提供するステップと、
-前記追加のプラットフォーム(A)を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるステップであって、前記第2の位置は、前記移動装置(4)に対する作業を行うオペレータを支持し、前記第1の位置は、前記追加のプラットフォームが前記ターミナル(1)内の前記搬送車両の走行空間外にある位置である、ステップと、
を含む、空中輸送設備のターミナルのメンテナンスを行うための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中輸送設備のターミナル及び空中輸送設備のターミナルのメンテナンスを行うための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人又は物品を移動させるために、空中輸送設備を使用することは公知である。これらの空中輸送設備は、1つ以上のターミナル及びタワーを備える。ケーブルは、搬送車両がターミナル間を走行するための走行路を画定する。ケーブルは、モータによって駆動される。1台以上の搬送車両は、ケーブルに固定され、走行路に沿って移動する。
【0003】
任意の輸送設備と同様に、空中輸送設備は、定期的にメンテナンス作業を受けるが、これは、ターミナルを形成する構成部品を分析し、必要に応じて修理するために、ターミナルを形成する様々な構成部品に1人以上のオペレータがアクセスできなければならないことを特に意味する。
【0004】
この目的のために、ターミナル内のケーブル及び/又は搬送車両を駆動する機器を観察し、必要に応じてアクションを行うことができるように、搬送車両走行路に沿って走行する内部プラットフォームを備えたターミナルを形成することが従来から行われている。保守要員の安全を確保するために、可動部品、特にケーブル及び/又は車両を駆動する駆動輪及びシーブは、シュラウドによって保護される。シュラウドは、プラットフォーム上を動き回っているオペレータが可動部品に巻き込まれることを防止する。
【0005】
シュラウドは、人員の保護を確実にする第1の位置と、可動機器、特に駆動輪に対する作業を行うことを可能にする第2の位置との間で移動可能に取り付けられる。
【0006】
しかしながら、オペレータが駆動輪に対して作業を行わなければならない場合、走行プラットフォームが駆動輪から特定の距離に位置するため、この構成は必ずしも非常に実用的ではないことが観察される。特定の構成では、駆動輪及びプラットフォームは、駆動輪の回転軸を支持するガーダによって分離される場合がある。これは、メンテナンス作業中に、オペレータが常に最適な条件下で作業することができないという結果をもたらす。
【0007】
空中輸送システムのターミナルの寸法を制限することも重要であり、これはターミナルの寸法とターミナルの様々な構成要素へのアクセスの容易さとの間でトレードオフすることを伴う傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、ターミナルの寸法を増大させることなく、ケーブル及び/又は車両の移動を担う機器に対するメンテナンス作業を容易にする空中輸送設備のターミナルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの特徴によれば、少なくとも1台の搬送車両が設けられた空中輸送設備のターミナルが提案され、本ターミナルは、
-ターミナル内の少なくとも1台の搬送車両を移動させるように構成された移動装置であって、ターミナル内の少なくとも1台の搬送車両の走行路を画定し、ターミナル内の少なくとも1台の搬送車両を移動させることができる複数の可動部品を備える、移動装置と、
-走行路の第1の側に位置するプラットフォームであって、オペレータが移動装置に沿って移動することを可能にし、彼/彼女が移動装置に対してメンテナンス作業を行うことを可能にするように構成されるプラットフォームと、
-プラットフォーム上に存在するオペレータと移動装置とを分離するために移動装置を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つのシュラウドと、を備え、
ターミナルは、少なくとも1台の搬送車両のグリップを走行させるように設計された走行空間を画定し、グリップは、少なくとも1台の搬送車両をケーブルに固定し、移動装置は、プラットフォームと走行空間との間に配置される。
ターミナルは、第1の位置と、第1の位置とは異なる第2の位置との間で移動可能な追加のプラットフォームを備えるという点で優れ、
第1の位置は、走行路における少なくとも1台の搬送車両の進行に対する障害物を、追加のプラットフォームが構成しない位置であり、第2の位置は、彼が移動装置に対して作業を行うことを可能にするように、オペレータを支援することができる位置であり、
第2の位置において、追加のプラットフォームは、プラットフォームに面する走行路の第2の側に配置され、第2の側は、垂直方向の観察において、走行路に対して第1の側と反対側であるという点で優れている。
【0010】
有利な方式では、第1の位置において、追加のプラットフォームは、走行路に対して第1の側に少なくとも部分的に位置する。
【0011】
特定の構成では、第1の位置において、追加のプラットフォームは、主に走行路に対して第1の側に位置する。
【0012】
有利な展開では、第2の位置において、追加のプラットフォームは、グリップが占めるように設計された空間内に位置し、追加のプラットフォームは、ターミナル内の少なくとも1台の搬送車両の走行に対する障害物を形成する。
【0013】
優先的には、ターミナルは、ルーフパネルをさらに備える。ルーフパネルは、オペレータを支持するように設計された補助プラットフォームを画定し、補助プラットフォームは、前記少なくとも1台の搬送車両の走行路に垂直な第1の方向に、追加のプラットフォームからオフセットされ、補助プラットフォームは、追加のプラットフォームの高さよりも低い高さに配置され、複数のホイールと補助プラットフォームとの間に追加のプラットフォームが位置するようにオフセットされて、追加のプラットフォームが作業面を形成し、補助プラットフォームの高さは、追加のプラットフォームの高さよりも小さい。
【0014】
一実施形態によれば、移動装置は、ターミナル内で搬送車両を移動させるように構成された少なくとも1つのホイールを備える。追加のプラットフォームの高度は、少なくとも1つのホイールの回転軸の高度よりも低い。
【0015】
有利な展開では、追加のプラットフォームは、第1のプレート及び第2のプレートによって形成され、第2のプレートは、第1のプレートに対して移動可能に取りつけられ、第2のプレートは、保護位置と後退位置との間で移動可能に取りつけられ、第2のプレートの保護位置は、第1のプレートから上方に延び、後退位置では、第2のプレートは、第1のプレートを押圧している。
【0016】
優先的には、第1の位置において、追加のプラットフォームはシュラウドを形成する。
【0017】
別の有利な展開では、追加のプラットフォームは、第1の位置と第2の位置との間で回転可能に取りつけられる。
【0018】
本発明のさらなる目的は、従来技術の構成よりも実行が容易なメンテナンスを行うための方法を提供することである。
【0019】
この結果は、以下のステップを含む空中輸送設備のターミナルのメンテナンスを行うための方法によって達成される傾向にある:
-前述の構成のいずれか1つによるターミナルを提供するステップ、
-追加のプラットフォームを第1の位置から第2の位置に移動させるステップであって、第2の位置は、移動装置に対するメンテナンスを行うオペレータを支持し、第1の位置は、追加のプラットフォームがターミナル内の搬送車両の走行空間外にある位置である、ステップ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
他の利点及び特徴は、非限定的な例示目的のためにのみ与えられ、添付の図面に表される本発明の特定の実施形態及び実施モードの以下の説明からより明確に明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、追加のプラットフォームが第1の位置にあるターミナルの側面図を概略的に示す。
【
図2】
図2は、追加のプラットフォームが第1の位置にあるターミナルの斜視図を概略的に示す。
【
図3】
図3は、追加のプラットフォームが第1の位置にあるターミナルの上面図を概略的に示す。
【
図4】
図4は、追加のプラットフォームが中間位置にあるターミナルの側面図を概略的に示す。
【
図5】
図5は、追加のプラットフォームが中間位置にあるターミナルの斜視図を概略的に示す。
【
図6】
図6は、追加のプラットフォームが中間位置にあるターミナルの上面図を概略的に示す。
【
図7】
図7は、追加のプラットフォームが第2の位置にあり、ガードレールを有する、ターミナルの側面図を概略的に示す。
【
図8】
図8は、追加のプラットフォームが第2の位置にあり、ガードレールを有する、ターミナルの斜視図を概略的に示す。
【
図9】
図9は、追加のプラットフォームが第2の位置にあり、ガードレールを有する、ターミナルの上面図を概略的に示す。
【
図10】
図10は、追加のプラットフォームが第2の位置にあり、作業面を形成する、ターミナルの側面図を概略的に示す。
【
図11】
図11は、追加のプラットフォームが第2の位置にあり、作業面を形成する、ターミナルの斜視図を概略的に示す。
【
図12】
図12は、追加のプラットフォームが第2の位置にあり、作業面を形成する、ターミナルの上面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1~
図12は、様々な構成の空中輸送設備のターミナル1の様々な図を示している。空中輸送設備は、1つ以上のターミナル1、例えば、場合によっては中間ステーションを有する2つのターミナルを備える。空中輸送設備は、1台以上の搬送車両を有する。空中輸送設備は、1台以上の搬送車両の走行路を画定する。走行路は、1本のケーブル2又はいくつかのケーブル2によって全体的又は部分的に画定される。優先的な方式では、空中輸送設備がいくつかのターミナル1を有する場合、1本以上のケーブル2は、ターミナル1を互いにつないでいる。
【0022】
空中輸送設備は、ケーブル2を駆動するように構成されるケーブルの駆動手段を備える。ケーブル駆動手段は、例えば、少なくとも1つのモータを有する。ケーブル駆動手段は、ターミナル1又は他の場所に位置することができる。
【0023】
1台以上の搬送車両は、グリップ3又は少なくとも1つのグリップ3によってケーブル2に固定される。構成に応じて、搬送車両は、ケーブル2にしっかりと固着されるか、又は、ケーブル2に対して着脱可能に取り付けられる。グリップ3はそれに応じて適合される。
図4は、ケーブル2と車両とを互いに切り離すことを可能にする着脱可能なグリップ3の構成を示す。
【0024】
ターミナル1は、ターミナル1内の少なくとも1台の搬送車両の移動、例えばターミナル1を介した搬送車両の移動を可能にするように構成された、駆動装置とも呼ばれる移動装置4を有する。移動装置4は、搬送車両の走行路、特にターミナル1内の走行路、及び、優先的にはターミナル1を通る走行路を部分的に画定する。
【0025】
オペレータがターミナル1内を動き回ることをより容易にするために、ターミナル1はプラットフォーム5を有する。プラットフォーム5は、オペレータがターミナル1の異なる部分間を移動することを可能にする経路を画定する。プラットフォーム5は、移動装置4の第1の側に位置している。走行路が「U」形状を画定する場合、プラットフォームは、走行路の内側、すなわち「U」の内側に、優先的に位置する。オペレータが直立姿勢、又は、優先的には膝立ちの姿勢で、移動装置4の構成要素にアクセスすることができるように、プラットフォーム5は、移動装置4に面して、すなわち、移動装置4と同じ高度に、又は、実質的に同じ高度に位置する。ターミナル1の全体寸法を低減するために、プラットフォーム5は、ケーブル2からよりも車両のグリップ3の構成要素から遠くなるように優先的に配置される。
【0026】
プラットフォーム5は、ターミナル1における搬送車両の良好な走行に対する障害物を形成しない高さに配置されている。一般的な方式では、プラットフォーム5は、ケーブル2を移動させるように設計された構成要素、及び、さらに適用可能であれば車両方向転換構成要素のための障害物を構成しない。プラットフォーム5及びターミナルの他の構成要素の配置は、ターミナル1の寸法とメンテナンス作業の実行の容易さとの間で最良のトレードオフを見つけるように、巧妙に行われる。優先的な方式では、空中輸送設備がゴンドラリフト又はチェアリフトである場合、プラットフォーム5は、つりかご又は座席の上方に位置する。プラットフォームは、輸送設備が作動することを可能にするように配置される。
【0027】
空中輸送設備の作業中のオペレータを保護するために、移動装置4を構成する構成要素は、プラットフォーム5上を移動するオペレータによって、容易にアクセスすることができないか、又は、アクセスすることができない。同じことが、ケーブル2及び/又はプラットフォームに近接して位置する搬送車両の一部、例えばグリップ3についても有利にいえる。
【0028】
図1は、移動装置4がシュラウド6によってプラットフォーム5からアクセスすることができないようにされる実施形態を示す。シュラウド6は、移動装置4を部分的に覆い、少なくとも1つのシュラウド6は、移動装置4とプラットフォーム5上に位置するオペレータとの間に位置する。図示の実施形態では、シュラウド6は、水平方向及び垂直方向における移動装置4の構成要素へのアクセスを防止する保護コーナーの形態である。シュラウド6の別の形態も可能である。
【0029】
メンテナンス作業を行うことができるために、少なくとも1つのシュラウド6は、移動装置4の全体又は一部へのアクセスを防止する保護位置である第1の位置と、移動装置4の全体又は一部へのアクセスを可能にする介入位置である第2の位置とを提示する。構成に応じて、1つ以上のシュラウド6は、保護位置と介入位置との間で移動可能又は変形可能に取り付けられる。
【0030】
保護位置から介入位置への切り替えは、シュラウド6の変形、シュラウド6の後退、例えばシュラウド6の回転によるシュラウド6の移動、及び、場合によってはシュラウド6の取り外しによって達成することができる。優先的な方式では、第1の位置から第2の位置への切り替えは、空中輸送設備の停止をもたらし、及び/又は、設備が停止しているときにのみ可能である。シュラウド6には、シュラウド6が第1の位置にないことを検出するセンサを設けることができ、及び/又は、設備が停止していない、すなわち運転中にシュラウド6が第1の位置から移動するのを防止するロックを設けることができる。
【0031】
図1~
図12に示す特定の実施形態では、移動装置4は、着脱可能なグリップ3を有する搬送車両のための空中輸送設備の移動装置である。次いで、移動装置は、走行路の一部にわたってケーブル2及び少なくとも1台の搬送車両を別々に移動させるように構成される。移動装置4は、ターミナル1内のケーブル2及び/又は搬送車両を移動させるように設計された複数の可動部品、好ましくは回転可能部品を有する。回転可能部品は、優先的には、ケーブル2又は搬送車両の移動のために設計されたホイール4a及び/又はシーブ4bである。一実施形態では、1つ以上の回転可能部品は、アイドル状態で取り付けられる。別の実施形態では、1つ以上の回転可能部品は回転駆動される。また、アイドル状態で取り付けられたシーブ4b、又は、搬送車両を駆動するホイール4aを有することも可能である。
【0032】
図1~
図12に示すように、ターミナルは、走行路に沿って、少なくとも1台の搬送車両の駆動を行う一連のホイール4aを優先的に有する。ホイール4aは、走行路の一部を画定するように順次配置される。
【0033】
図4及び他の図に示すように、ターミナル1は、ケーブル2を支持又は押圧する1つ以上のシーブ4bを有する。シーブ4bは、ターミナル1の内部でケーブル2の移動に関与する。
【0034】
可動部品は、走行路を画定するように順次取り付けられる。例えば、可動部品は、直線部分を画定するように順次整列している。別の実施形態では、可動部品は、曲線又は別の形状を画定するように前後に配置されている。
【0035】
ターミナル1内の少なくとも1台の搬送車両の走行を容易にするために、1つ以上のレール4c、例えば車両を支持する2つのレール4cを有することは有利である。ターミナル1において、搬送車両は、搬送車両の走行路を画定する少なくとも1つのレール4c上を走行する。レール4cは、搬送車両の少なくとも1対のホイールを支持する。対向する2つのレール4cは、搬送車両アームが通過するための空間によって分離されている。ホイール4aがビーム4dに装着されていることは有利である。
【0036】
プラットフォーム5は、移動装置4に対して横方向にオフセットされ、ターミナル1において搬送車両が通過するための空間の外側に位置している。ターミナル1内のプラットフォーム5のオフセット配置は、移動装置4がオペレータにとって容易にアクセスすることができず、移動装置4の特定の構成要素、特にホイール4aの取り扱いが困難になることを意味する。その結果、メンテナンス作業を行う際に、オペレータは彼自身が無理な姿勢になる可能性がある。搬送車両の通過空間とは、走行路に沿ってターミナル1において走行する搬送車両が占める最小の空間を表す。通過空間は、搬送車両の横方向寸法に実質的に対応し、部品が搬送車両の通過に対する障害物を形成するため、部品を設置することができない容積を画定する。移動装置4の高度において、通過空間は、グリップ3と、搬送車両のつりかご又は座席を支持するアームとによって、主に又は独占的に画定される。
【0037】
オペレータの仕事を容易にするために、追加のプラットフォームAを装備したターミナル1を提供することは有利である。追加のプラットフォームAは、第1の位置と、第1の位置とは異なる第2の位置との間で移動可能である。第1の位置は、追加のプラットフォームが走行路において少なくとも1台の搬送車両の進行に対する障害物を形成しない位置である。追加のプラットフォームAの第2の位置は、移動装置4に対して作業を行うことを可能にするようにオペレータを支持することができる位置である。第2の位置において、追加のプラットフォームAは、プラットフォーム5に面する走行路の第2の側に配置され、第2の側は、垂直方向の観察において走行路に対して第1の側とは反対側である。
【0038】
追加のプラットフォームAは、移動装置4の他方側に位置し、メンテナンス作業を行いやすくするためのプラットフォームである。オペレータは、完全に安全にプラットフォーム5から追加のプラットフォームAに、すなわち、第1の側から第2の側に移動することができ、別の視点で移動装置4に対してより効率的に作業することができる。プラットフォーム5により、移動装置4の一方側から作業を行うことができ、その一方で、追加のプラットフォームAにより、移動装置4の他方側から作業を行うことができる。追加のプラットフォームAは、優先的には金属から作製される。
【0039】
「追加のプラットフォームAが、走行路の第2の側に配置されている」によって意味されるものは、追加のプラットフォームAが主に第2の側に、又は、さらに独占的に第2の側に位置することである。
【0040】
優先的な方式では、第1の位置において、追加のプラットフォームAは、走行路の第1の側に配置され、すなわち、主に第1の側に、又は、さらに独占的に第1の側に位置する。第1の側に位置することによって、追加のプラットフォームAは、オペレータにとってより容易にアクセス可能であり、搬送車両が走行しているときの第2の側の空間占有を低減する。これにより、搬送車両の走行空間により接近したターミナル1の外壁を有することができる。
【0041】
第2の位置において、追加のプラットフォームAは、オペレータの仕事をより安全にするために水平又は実質的に水平である。優先的な方式では、追加のプラットフォームAは、1m2よりも大きい表面を有する。
【0042】
特定の実施形態では、第2の位置において、追加のプラットフォームAは、搬送車両の走行空間内に配置され、この走行空間をふさぐ。この配置により、移動装置4に対する作業が行いやすくなる。第2の位置において、追加のプラットフォームAは、少なくとも1台の搬送車両がターミナル1を通過するのを防止する。有利には、第2の位置において、追加のプラットフォームAは、搬送車両のグリップ3によって占められるように設計された空間を占める。言い換えれば、搬送車両が走行している場合、グリップ3は追加のプラットフォームAに衝突する。優先的な方式では、ターミナル1は、追加のプラットフォームAが第2の位置に存在することを検出し、検出が行われたときに空中輸送設備が始動するのを防止するように構成されたセンサを有する。
【0043】
有利な実施形態では、移動装置4に搬送車両を移動させるホイール4aが設けられている場合、追加のプラットフォームAがそれに面するホイール4aの回転軸の高度よりも低い高度に位置することは有利である。さらに有利な方式では、追加のプラットフォームAは、それに面するホイール4aの高度よりも低い高度にある。優先的な方式では、ホイール4aを分解しやすくするために、プラットフォーム5の高度とホイール4aの最も低い領域の高度との差は、50cm未満である。そのような実施形態は、
図7及び
図10に示されている。追加のプラットフォームAを下方に移動させることによって、オペレータのアクションがより容易になる。「それに面する」によって意味されるものは、ホイール4aの回転軸を通る垂直面において追加のプラットフォームに面するホイール4aである。第2の位置において、追加のプラットフォームは、
図7及び
図10に示すように、走行路に垂直に面する領域においてプラットフォーム5の高度以下の高度にあることができる。優先的には、第1の位置と第2の位置との間の移動中、追加のプラットフォームは、決してつりかご又は座席の高度に到達しない。
【0044】
図1~
図12に示す有利な実施形態では、ターミナル1はルーフパネル7も備える。ルーフパネル7は、ターミナル1の上部にルーフを形成する。ルーフパネル7は、オペレータを支持するように設計された補助プラットフォーム7aを画定する。補助プラットフォーム7aは、少なくとも1台の搬送車両の走行方向に垂直な第1の方向に追加のプラットフォームAからオフセットされている。補助プラットフォーム7aは、追加のプラットフォームAの高さよりも低い高さに位置し、垂直方向の観察において、複数のホイールと補助プラットフォーム7aとの間に追加のプラットフォームAが位置するようにオフセットされて、追加のプラットフォームAが作業面を形成する。
【0045】
ルーフパネル7は、ターミナル1のルーフを形成するように設計され、ターミナル1の構成要素を悪天候、特に雨及び雪から保護する。ルーフパネル7は、オペレータの重量を支持することができる補助プラットフォーム7aを画定するように、十分に大きく、十分に耐性がある分離部を形成する。ルーフパネル7を金属板によって形成する場合、補助プラットフォーム7aを補強して、ユーザの重量を支持することができる。補助プラットフォーム7aは、水平又は実質的に水平である。
【0046】
オペレータが補助プラットフォーム7a上に登ると、オペレータは追加のプラットフォームAによって移動装置4から離され、補助プラットフォーム7aは追加のプラットフォームAが作業面を形成するような高度に位置する。次いで、オペレータは、移動装置4の構成要素を分解し、それを追加のプラットフォーム上に置いて、自身が取り外した構成要素に対して作業することができる。追加のプラットフォームと補助プラットフォーム7aとの間の高度の差は、有利には、0.75m~1.5mに含まれる。オペレータの重量を支持することができ、追加のプラットフォームAを作業面として使用することができるようにルーフパネル7を変更することは有利である。これにより、ターミナル1の全体的な寸法を増大させることなく、追加の機能を提供することが可能になる。
【0047】
図1~
図12に示す特定の実施形態では、追加のプラットフォームAは、第1のプレートα及び第2のプレートβによって形成される。第2のプレートβは、例えばヒンジによって、第1のプレートαに対して移動可能に取りつけられる。少なくとも第1のプレートαは、オペレータを支持するように設計されている。優先的には、第2のプレートβは、保護位置と後退位置との間で移動可能に取りつけられている。保護位置において、第2のプレートβは、第1のプレートαから上方に延びている。後退位置において、第2のプレートβは、第1のプレートα、上面又は底面を押圧している。第1のプレートαは、第2のプレートβと平行又は実質的に平行である。
【0048】
第1の特定の事例では、第2のプレートβは、第1のガードレール位置と後退位置との間で移動可能に取り付けられる。第1のガードレール位置において、第2のプレートβは、第1のプレートαから上方に延びている。第2のプレートβは、垂直に、又は移動装置4から離れて上方に延びている。ガードレールを形成することにより、第2のプレートβは、オペレータが移動装置4から離れる際に閾値位置を超えて移動することへの障害物を形成し、これにより、オペレータが後進し、追加のプラットフォームAとルーフパネル7との間に空きスペースがある場合、又は、ターミナル1にルーフパネル7が設けられていない場合の安全性を高める。
図7、
図8及び
図9は、オペレータを支持する位置にある第1のプレートα及びガードレールを形成する第2のプレートβを表す。
【0049】
第2の特定の事例では、第1のプレートαは、オペレータを支持するように設計され、第2のプレートβは、第2のガードレール位置と後退位置との間を移動する。第2のガードレール位置において、第2のプレートβは、第1のプレートαから下方に延びている。第2のプレートβは、補助プラットフォーム7aの方向に垂直に延びている。ガードレールを形成することにより、第2プレートは、オペレータが閾値位置を超えて移動することへの障害物を構成し、それにより、オペレータが補助プラットフォーム7a上に立っているときの安全性が向上する。
【0050】
追加のプラットフォームAは、第2のプレートβが第1のガードレール位置と第2のガードレール位置との間の位置の一方のみを提示するように構成することができる。追加のプラットフォームAが、第2のプレートβが第1のガードレール位置と、第2のガードレール位置と、後退位置との間の2つの位置のみを提示するように構成されることも可能である。
【0051】
有利な実施形態では、追加のプラットフォームAは、追加のプラットフォームAが第2の位置にあるときにレール4cを押圧する。優先的には、第1のプレートαは、追加のプラットフォームが第2の位置にあるときにレール4cを押圧する。レール4cの使用は、ターミナル1に配置される構成要素が制限されることを可能にし、搬送車両の少なくとも1つのホイールを受け入れるように設計されたレール4cに面して追加のプラットフォームAを位置決めすることによって、追加のプラットフォームAが移動装置4に対して正しい高度に位置することを可能にする。レール4cによる力の持ち上げは、コンパクトな追加のプラットフォームの形成を容易にする。必要に応じて、第1のプレートのみがレール4cを押圧する。レール4cを追加のプラットフォームAの進行終了停止部として使用することは特に有利である。
【0052】
有利な方式では、追加のプラットフォームAは、第1の位置と第2の位置との間で回転可能に取り付けられる。そのような実施形態は実施が容易である。ターミナル1は、移動装置4に対して優先的に固定されて取り付けられる回転シャフト8を有する。回転シャフト8が搬送車両の走行空間の上方に位置することは有利である。
図4は、グリップ3の垂直線の上方に配置された回転シャフト8を示す。
【0053】
優先的な実施形態では、プレートは、追加のプラットフォームを延長するように、追加のプラットフォームの延長線でフレームワークに取り付けられる。プレートは、同じ水平面内で、追加のプラットフォームとルーフとの間に配置される。プレートは、オペレータを支持するのに十分な幅ではなく、例えば50cm未満である。有利には、プレートは、水平位置と垂直位置との間で移動可能に取り付けられる。水平位置において、プレートは、オペレータを支持することができる追加のプラットフォームの延長線にあり、プレート及び追加のプラットフォームがオペレータの1つの同じ支持平面を画定する。垂直位置において、プレートは、追加のプラットフォームとオペレータを支持する構造との間の空間を低減させ、それによって落下に対する保護を強化するように、追加のプラットフォームの端部で下方に突出している。追加のプラットフォームは作業面を形成し、プレートはガードレールを画定する。
【0054】
優先的な構成では、追加のプラットフォームの2つの端部は、垂直方向に延び、移動装置4に対して固定されて取り付けられるガードレール9によって終端している。さらにより優先的な方式では、追加のプラットフォームAが回転可能に取り付けられるとき、回転シャフト8は、ガードレール9に対して固定されて取り付けられる。2つのガードレール9は、追加のプラットフォームの両端に2つの障害物を形成し、オペレータの転倒を防止する。好ましくは、2つのガードレール9は、移動装置4に対して移動不能に取り付けられる。ルーフパネル7の支持体をガードレール9として使用することは有利である。
【0055】
図1~
図12に示す特に有利な方法では、シュラウド6は追加のプラットフォームAを形成する。
図1~
図3は、第1の位置に追加のプラットフォームAを形成するように設計されるシュラウド6を示す。この第1の位置において、シュラウド6は、移動装置4へのアクセスを防止する位置にある。この保護位置は、オペレータが移動装置に対して作業することができない追加のプラットフォームの位置にも対応する。シュラウド6は、第2の側から移動装置4にアクセスすることができないようにする。シュラウド6は、オペレータが第2の側に通過することを防止する障害物を形成する。
【0056】
図4~
図6は、中間位置、すなわち、第1の位置と第2の位置との間にある追加のプラットフォームAを示す。
【0057】
図7~
図12は、第2の位置、すなわち、オペレータが移動装置4に対して作業を行うことができるようにオペレータを支持することができる位置にある追加のプラットフォームAを示す。
図7~
図9は、追加のプラットフォームAにオペレータが乗っている様子を示している。
図10~
図12は、追加のプラットフォームAに面し、移動装置4に面する補助プラットフォーム7aにオペレータが乗っている様子を示しており、追加のプラットフォームAは、オペレータと移動装置4との間に位置する。
【0058】
一実施形態では、移動装置4は複数のホイール4aを備え、第1の側と第2の側とを分離する平面は、搬送車両の走行路を画定するそれぞれのホイール4aに対して垂直な垂直面によって画定される。平面は、ホイール4aを通過する。
【0059】
別の実施形態では、移動装置4は複数のシーブ4bを備え、第1の側面と第2の側面とを分離する平面は、ケーブル2の走行によって搬送車両の走行路を画定するそれぞれのシーブ4bに垂直な垂直面によって画定される。平面は、シーブ4bを通過する。
【0060】
図1~
図12は、シュラウド6が、ターミナル1の内部の空間占有を制限することを可能にする追加のプラットフォームAの全体を形成する実施形態を示す。しかしながら、例えば、保護位置においてシュラウド6の上又は上方に配置されるように追加のプラットフォームAを設けることによって、追加のプラットフォームAとシュラウド6とを引き離すことも可能である。その第1の位置において、シュラウド6が介入位置にあるときにのみアクセス可能である追加のプラットフォームを設けることも可能である。
【0061】
1つの構成では、追加のプラットフォームAは、シュラウド6の全体又は一部を形成する。別の構成では、シュラウド6は、追加のプラットフォームAの全体又は一部を形成する。
【0062】
ルーフパネル7の方向又はルーフパネル7に対する格納位置に対応する第1の位置を提示する追加のプラットフォームAを有することはさらに可能である。言い換えると、第1の位置において、移動装置4によって、追加のプラットフォームAとプラットフォーム5とは分離されている。この構成は、追加のプラットフォームAについて第1の位置から第2の位置に移動するためのオペレータによる取り扱いを複雑にし、及び/又は、より大きな空間占有を表す可能性があるため、前の構成よりも有利ではない。
【外国語明細書】