(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037944
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】誘電体材料
(51)【国際特許分類】
C12M 1/42 20060101AFI20240312BHJP
C12Q 1/06 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C12M1/42
C12Q1/06
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023213223
(22)【出願日】2023-12-18
(62)【分割の表示】P 2020554865の分割
【原出願日】2019-04-01
(31)【優先権主張番号】62/651,659
(32)【優先日】2018-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520383773
【氏名又は名称】バイオロジカル ダイナミクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒネストロサ サラザール,ジュアン パブロ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン,ラジャラム
(72)【発明者】
【氏名】コンラドソン,スコット
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,タイラー リー
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,ロバート ポール
(72)【発明者】
【氏名】トマス,ジョージ マロール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】誘電体を含む材料を含む、分析物を捕捉するためのデバイス、およびサンプル中の分析物を単離するための方法を提供する。
【解決手段】分析物を捕捉するためのデバイスであって、当該デバイスは、a)動電場領域を生成するように構成された電極、及び、b)前記電極の少なくとも一部分と接触している層であって、厚さが5オングストロームから25オングストロームの誘電体材料を含む層を含み、層を有さない、又は、厚さが25オングストロームを超える層を有するデバイスと比較して、分析物捕捉の総収量を増加させる、デバイスである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物を捕捉するためのデバイスであって、
a)動電場領域を生成するように構成された電極、および
b)前記電極の少なくとも一部分と接触している層であって、誘電体材料を含み、厚さが100オングストローム未満である層
を含む、デバイス。
【請求項2】
分析物を捕捉するためのデバイスであって、
a)動電場領域を生成するように構成された電極、および
b)前記電極の少なくとも一部分と接触している層であって、誘電体材料を含み、厚さが100オングストローム-約10、000オングストロームである層
を含む、デバイス。
【請求項3】
前記電極が交流で通電される、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記電極が直流で通電される、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項5】
動電場が誘電場、電熱場、電気浸透場、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1-4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記層が約5オングストローム-約25オングストロームの厚さである、請求項1または3-5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記層が約13オングストローム-約19オングストロームの厚さである、請求項1または3-5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記層が100オングストローム-約1000オングストロームの厚さである、請求項2または3-5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記層が約1000オングストローム-約10,000オングストロームの厚さである、請求項2または3-5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記層が約16オングストロームの厚さである、請求項1または3-5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記層が50オングストローム以下の厚さである、請求項1または3-5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記誘電体材料が、メタロイド酸化物、メタロイド窒化物、メタロイドカーバイド、メタロイドケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1-11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記メタロイドが、ホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記誘電体材料が、非金属、およびホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1-9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記非金属が、酸素、炭素、シリコン、セレン、窒素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記誘電体材料が金属をさらに含む、請求項1-15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記金属が、プラチナ、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、マグネシウム、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、アルミニウム、タンタル、ガリウム、銅、銀、真ちゅう、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、コバルト、クロム、インジウム、ビスマス、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記金属が、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記金属が、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、アンチモン、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記金属が、プラチナ、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、タンタル、銅、銀、真ちゅう、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記誘電体材料が有機ポリマーまたは無機ポリマーを含む、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記ポリマーがフッ素化されている、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記誘電体材料がセラミックを含む、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項24】
前記誘電体材料が、高κ誘電体材料を含む、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記誘電体材料が、低κ誘電体材料を含む、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項26】
前記誘電体材料が、3を超えない誘電定数を有する材料を含む、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項27】
前記誘電体材料が、4を超えない誘電定数を有する材料を含む、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項28】
前記誘電体材料が、10を超えない誘電定数を有する材料を含む、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記誘電体材料が少なくとも4の誘電定数を有する、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記誘電体材料が約2-約10の誘電定数を有する、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記誘電体材料が少なくとも10の誘電定数を有する、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記層が、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、ゲルマニウム、ポリテトラフルオロエチレン、ネオプレン、ポリフッ化ビニリデン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、フルオロシリケートガラス、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、メチルシルセスキオキサン、ポリアリーレンエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、炭酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記誘電体材料が約10-5Ω・m-約1025Ω・mの抵抗率を有する、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項34】
前記誘電体材料が約10-2Ω・m-約1020Ω・mの抵抗率を有する、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項35】
前記誘電体材料が約10Ω・m-約1015Ω・mの抵抗率を有する、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記誘電体材料が約103Ω・m-約1012Ω・mの抵抗率を有する、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項37】
前記誘電体材料が約10-5Ω・m-約106Ω・mの抵抗率を有する、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項38】
前記誘電体材料が約10-4Ω・m-約107Ω・mの抵抗率を有する、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項39】
前記電極が導電性材料を有する、請求項1-38のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項40】
前記導電性材料は、約10-8Ω・m-約10-2Ω・mの抵抗率を有する、請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
前記導電性材料が約10-8Ω・m-約10-5Ω・mの抵抗率を有する、請求項39に記載のデバイス。
【請求項42】
前記導電性材料は、約10-4Ω・m-約10-2Ω・mの抵抗率を有する、請求項39に記載のデバイス。
【請求項43】
前記誘電体材料対導電性材料の比が約0.01:2-約99:1である、請求項39-42のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項44】
前記誘電体材料対導電性材料の比が約0.1:2-約0.7:2である、請求項39-42のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項45】
前記誘電体材料対導電性材料の比が約0.3:2である、請求項39-42のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項46】
前記導電性材料が、白金、金、アルミニウム、タンタル、ガリウムヒ素、銅、銀、真ちゅう、亜鉛、スズ、ニッケル、シリコン、パラジウム、チタン、グラファイト、カーボン、およびそれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項39-45のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項47】
前記電極が金属を含む、請求項1-46のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項48】
前記電極が混合金属酸化物を含む、請求項1-47のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項49】
前記混合金属酸化物が、酸化白金、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項48に記載のデバイス。
【請求項50】
前記電極が混合金属炭化物を含む、請求項1-47のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項51】
前記混合金属炭化物が、プラチナカーバイド、チタンカーバイド、ジルコニウムカーバイド、ニオブカーバイド、タンタルカーバイド、タングステンカーバイド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項48に記載のデバイス。
【請求項52】
前記電極が混合金属窒化物を含む、請求項1-47のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項53】
前記混合金属窒化物が、窒化白金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記電極は、約10-8Ω・m-約10-2Ω・mの抵抗率を有する、請求項1-53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項55】
前記電極は、約10-6Ω・m-約10-4Ω・mの抵抗率を有する、請求項1-53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項56】
前記電極は、約10-6Ω・m-約10-3Ω・mの抵抗率を有する、請求項1-53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項57】
前記組成物が複数の電極を含む、先行の請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項58】
前記導電性材料が個々の電極の中心に実質的に存在しない、請求項39-57のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項59】
前記複数の電極がアレイに構成されている、請求項57または58に記載のデバイス。
【請求項60】
前記複数の電極が3次元で構成される、請求項57-59のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項61】
前記導電性材料が、開いた円盤状、波線形状、中空管形状、中空三角形管、または押出中心を有する中空リングにおける不連続の曲線として構成される、請求項58-60のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項62】
前記電極がその最大寸法で約40μm-約1000μmである、先行の請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項63】
前記電極は、その最大寸法が約40μm-約500μmである、請求項1-61のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項64】
前記電極は、その最大寸法が約40μm-約100μmである、請求項1-61のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項65】
前記電極が約100nm-約500nmの厚さである、先行の請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項66】
前記電極が約50nm-約200nmの厚さである、請求項1-64のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項67】
前記電極が、約100nm-約1μmの厚さである、請求項1-64のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項68】
前記電極がポリマー層でコーティングされている、先行の請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項69】
前記ポリマー層が多孔質である、請求項66に記載のデバイス。
【請求項70】
前記ポリマー層が誘電体材料をさらに含む、請求項68または69のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項71】
前記ポリマー層がコポリマーを含む、請求項68-70のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項72】
前記ポリマー層が、ポリメチルメタクリレート、ナイロン6,6、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリエチレンテレフタレート、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項68-71のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項73】
前記ポリマー層がポリヒドロキシエチルメタクリレートを含む、請求項68-72のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項74】
前記ポリマー層がヒドロゲルを含む、請求項68-73のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項75】
前記ヒドロゲルが、約0.01ミクロン-1ミクロンの間の厚さを有する、請求項74に記載のデバイス。
【請求項76】
前記ヒドロゲルが、約0.01ミクロン-0.1ミクロンの間の厚さを有する、請求項74に記載のデバイス。
【請求項77】
前記ヒドロゲルが約0.1ミクロン-1ミクロンの間の厚さを有する、請求項74に記載のデバイス。
【請求項78】
層の存在が、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%-約99.99%の減少をもたらす、先行の請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項79】
前記層の存在が、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%-約50%の減少をもたらす、請求項78に記載のデバイス。
【請求項80】
前記層の存在が、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約50%-約99.99%の減少をもたらす、請求項78に記載のデバイス。
【請求項81】
前記層の存在が、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約25%-約75%の減少をもたらす、請求項78に記載のデバイス。
【請求項82】
前記層の存在が、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約1%-約25%の減少をもたらす、請求項78に記載のデバイス。
【請求項83】
前記層の存在が、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%-約10%の減少をもたらす、請求項78に記載のデバイス。
【請求項84】
白金を含む電極、および電極の一部と接触している層を備える分析物を捕捉するためのデバイスであって、前記電極は、交流誘電場領域を生成するように構成され、
前記層の厚さが100オングストローム未満であり、
前記層は誘電体材料と導電性材料とを含み、半導電性材料と導電性材料の比は約0.3/2であり、
および層の存在は、デバイスの導電率の30%の減少をもたらす、デバイス。
【請求項85】
サンプル中の分析物を単離するための方法であって、前記方法は、
(a)請求項1-84のいずれか1項に記載のデバイスにサンプルを適用する工程、
(b)少なくとも1つの交流誘電場領域および/または交流動電場領域を生成する工程、ならびに
(c)交流誘電場領域および/または交流動電場領域において分析物を単離する工程、
を含む、方法。
【請求項86】
前記層の存在が、前記層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の増加をもたらす、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記層の存在が、前記層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも5倍の増加をもたらす、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記層の存在が、前記層を有さないデバイスと比較した場合、表面上の分析物捕捉の少なくとも50倍の増加をもたらす、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
前記層の存在が、前記層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも100倍の増加をもたらす、請求項85に記載の方法。
【請求項90】
前記層の存在が、前記層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも200倍の増加をもたらす、請求項85に記載の方法。
【請求項91】
前記層の存在が、前記層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも500倍の増加をもたらす、請求項85に記載の方法。
【請求項92】
前記分析物が生体分子を含む、請求項85-91のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記分析物が、核酸、ヌクレオソーム、エクソソーム、細胞外小胞、凝集タンパク質、ウイルス、原核細胞、細胞膜断片、ミトコンドリア、細胞小胞、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項85-92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記分析物がウイルスを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項95】
前記分析物が無細胞材料を含む、請求項85-94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記分析物が無細胞核酸を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記サンプルが流体を含む、請求項85-96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記流体が細胞を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記細胞が原核細胞を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記細胞が真核細胞を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
前記流体が100mS/m以上の導電率を有する、請求項97-100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記流体が100mS/m未満の導電率を有する、請求項97-100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記分析物がその最大寸法で1マイクロメートル以下である、請求項85-102のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記分析物がその最大寸法において0.1マイクロメートル以下である、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記分析物がその最大寸法において50ナノメートル以下である、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
前記分析物が1ナノグラム以下の質量を有する、請求項85-105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項107】
前記分析物が1ピコグラム以下の質量を有する、請求項85-105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
前記分析物が1モルあたり109グラム以下の分子量を有する、請求項85-105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
前記分析物が1モルあたり106グラム以下の分子量を有する、請求項85-105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記分析物が、1モル当たり103グラム以下の分子量を有する、請求項85-105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
前記分析物が約1-約100の誘電定数を有する、請求項85-105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
前記分析物が約1-約20の誘電定数を有する、請求項85-105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
前記分析物が約6-約11の誘電定数を有する、請求項85-105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
前記少なくとも1つの析出技術を使用して電極上に層を析出することを含む、請求項1-113のいずれか1項に記載のデバイスを製造するための方法。
【請求項115】
前記析出技術が、電子線蒸着、電極スパッタリング蒸着、原子層析出、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、パルスレーザー蒸着、および化学蒸着からなる群から選択される、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記析出技術が、スパッタリング蒸着を含む、請求項114または115に記載の方法。
【請求項117】
前記スパッタリング蒸着が、イオンビーム、反応性、イオンアシスト、高ターゲット利用率、高出力インパルスマグネトロン、またはガスフロースパッタリングを含む、請求項114-116のいずれか1項に記載の方法。
【請求項118】
請求項1-84のいずれか1項に記載のデバイスにサンプルを適用する工程を含む、患者の疾患または状態を診断またはモニタリングする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月2日に出願された米国仮特許出願第62/651,659号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
次世代シーケンシング、イムノアッセイ、または他の診断用途のための、生物学的サンプルからの核酸またはウイルス粒子などの生体分子の単離を含む、複雑なサンプルからの分析物の特徴付けおよび単離において進歩が見られた。これらの技術やその他の技術は、いくつか例を挙げると、医学、再生可能エネルギー、バイオセキュリティ、農業などの多様な分野を変革することが期待されています。しかし、これらの高度な方法で分析するのに適した分析物を効率的に分離するためのデバイス、方法、組成、およびシステムは追いついておらず、これが制限になる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で開示される本方法、デバイス、プロセス、およびシステムは、サンプルから分析物を単離および/または定量化する改善された方法の必要性を満たす。本明細書で提供される特定の態様の特定の属性には、分析物を分離するための誘電体材料を含むデバイスが含まれる。いくつかの実施形態では、誘電体材料は電極と共に使用される。いくつかの実施形態では、本発明の方法、デバイス、プロセス、およびシステムを使用して、無細胞核酸、エキソソーム、高分子量DNAを含む高分子量(mw)核酸、オリゴヌクレオソーム複合体などの分析物を単離および/または分離することができる。ヌクレオソーム、凝集タンパク質、小胞結合DNA、細胞膜断片および細胞破片、タンパク質、脂質、ウイルス、または血液、環境サンプル、または分析物を含む他のサンプルソースなどの希薄および/または複雑な流体からのその他の分析物。他の態様において、本発明は、少量の出発物質を使用し、高純度の分析物の単離を達成し、そして多重化および高スループット操作に適している。
【0004】
一態様では、本明細書で開示されるのはa)動電学的場領域を生成するように構成された電極および、b)電極の少なくとも一部と接触している層であって、その層は誘電体材料を含み、厚さが100オングストローム未満である層を含む分析物を捕捉するためのデバイスである。いくつかの実施形態では、電極は交流で通電される。いくつかの実施形態では、電極は直流で通電される。いくつかの実施形態では、電動場は、誘電泳動場、電熱場、電気浸透場、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、層は約5オングストローム-約25オングストロームの厚さである。いくつかの実施形態では、層は約13オングストローム-約19オングストロームの厚さである。いくつかの実施形態では、層は約16オングストロームの厚さである。いくつかの実施形態では、層は50オングストローム以下の厚さである。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、メタロイド酸化物、メタロイド窒化物、メタロイドカーバイド、メタロイドケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、メタロイドは、ホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、非金属、およびホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、非金属は、酸素、炭素、ケイ素、セレン、窒素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料はさらに金属を含む。いくつかの実施形態では、金属は、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、マグネシウム、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、アルミニウム、タンタル、ガリウム、銅、銀、真鍮、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、コバルト、インジウム、ビスマス、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、アンチモン、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、タンタル、銅、銀、真鍮、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、チタン、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、有機または無機ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーはフッ素化されている。いくつかの実施形態では、誘電体材料はセラミックを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、高κ誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、低κ誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、3を超えない誘電定数を有する材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、4を超えない誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、10を超えない誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、少なくとも4の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約2-約10の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、少なくとも10の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、層は、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、ゲルマニウム、ポリテトラフルオロエチレン、ネオプレン、ポリフッ化ビニリデン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、フルオロケイ酸塩ガラス、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、メチルシルセスキオキサン、ポリアリーレンエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、炭酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-5Ω・m-約1025Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-2Ω・m-約1020Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10Ω・m-約1015Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約103Ω・m-約1012Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-5Ω・m-約106Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-4Ω・m-約107Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・m-約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・m-約10-5Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-4Ω・m-約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料対導電性材料の比は、約0.01:2-約99:1である。いくつかの実施形態では、誘電体材料対導電性材料の比は、約0.1:2-約0.7:2である。いくつかの実施形態では、誘電体材料対導電性材料との比は約0.3:2である。いくつかの実施形態では、導電性材料は、白金、金、アルミニウム、タンタル、ガリウム砒素、銅、銀、真鍮、亜鉛、スズ、ニッケル、シリコン、パラジウム、チタン、グラファイト、炭素、およびそれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、混合金属酸化物は、酸化白金、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、混合金属炭化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属炭化物は、プラチナカーバイド、チタンカーバイド、ジルコニウムカーバイド、ニオブカーバイド、タンタルカーバイド、タングステンカーバイド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、混合金属窒化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属窒化物は、窒化白金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、約10-8Ω・m-約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は、約10-6Ω・m-約10-4Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は、約10-6Ω・m-約10-3Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、組成物は、複数の電極を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、個々の電極の中心に実質的に存在しない。いくつかの実施形態では、複数の電極がアレイに構成されている。いくつかの実施形態では、複数の電極は3次元で構成される。いくつかの実施形態では、導電性材料は、開いた円盤状、波線形状、中空管形状、中空三角形管、または押し出し中心を有する中空リングにおける不連続な曲線として構成される。いくつかの実施形態では、電極が、その最大寸法で約40μm-約1000μmである。いくつかの実施形態では、電極が、その最大寸法で約40μm-約500μmである。いくつかの実施形態では、電極が、その最大寸法で約40μm-約100μmである。いくつかの実施形態では、電極は、約100nm-約500nmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極は、約50nm-約200nmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極は、約100nm-約1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極はポリマー層でコーティングされている。いくつかの実施形態では、ポリマー層は多孔質である。いくつかの実施形態では、ポリマー層はさらに誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層はコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリメチルメタクリレート、ナイロン6,6、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリエチレンテレフタレート、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリヒドロキシエチルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層はヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロン-1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロン-0.1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1ミクロン-1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%-約99.99%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%-約50%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約50%-約99.99%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約25%-約75%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約1%-約25%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%-約10%の減少をもたらす。
【0005】
本明細書でさらに提供されるのは、a)電動場領域を生成するように構成された電極および、b)電極の少なくとも一部と接触している層であって、その層は誘電体材料を含み、厚さが100オングストローム-約10,000オングストロームである層を含む分析物を捕捉するためのデバイスである。いくつかの実施形態では、電極は交流で通電される。いくつかの実施形態では、電極は直流で通電される。いくつかの実施形態では、動電場は誘電場、電熱場、電気浸透場、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料はメタロイド酸化物、メタロイド窒化物、メタロイドカーバイド、メタロイドケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、メタロイドは、ホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、非金属、およびホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、非金属は、酸素、炭素、シリコン、セレン、窒素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は金属をさらに含む。いくつかの実施形態では、金属は、プラチナ、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、マグネシウム、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、アルミニウム、タンタル、ガリウム、銅、銀、真ちゅう、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、コバルト、、インジウム、ビスマス、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、アンチモン、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、プラチナ、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、タンタル、銅、銀、真ちゅう、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、チタン、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、有機ポリマーまたは無機ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーはフッ素化されている。いくつかの実施形態では、誘電体材料はセラミックを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、高κ誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、低κ誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、3を超えない誘電定数を有する材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、4を超えない誘電定数を有する材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、10を超えない誘電定数を有する材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、少なくとも4の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約2-約10の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、少なくとも10の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、層は、100オングストローム-約1000オングストロームの厚さである。いくつかの実施形態では、層は、約1000オングストローム-約10,000オングストロームの厚さである。いくつかの実施形態では、層は、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、ゲルマニウム、ポリテトラフルオロエチレン、ネオプレン、ポリフッ化ビニリデン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、フルオロシリケートガラス、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、メチルシルセスキオキサン、ポリアリーレンエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、炭酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-5Ω・m-約1025Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-2Ω・m-約1020Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10Ω・m-約1015Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約103Ω・m-約1012Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-5Ω・m-約106Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-4Ω・m-約107Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・m-約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・m-約10-5Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-4Ω・m-約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料対導電性材料の比は、約0.01:2-約99:1である。いくつかの実施形態では、誘電体材料対導電性材料の比は、約0.1:2-約0.7:2である。いくつかの実施形態では、誘電体材料対導電性材料の比は、約0.3:2である。いくつかの実施形態では、導電性材料は、白金、金、アルミニウム、タンタル、ガリウムヒ素、銅、銀、真ちゅう、亜鉛、スズ、ニッケル、シリコン、パラジウム、チタン、グラファイト、カーボン、およびそれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、電極は金属を含む。いくつかの実施形態では、電極は混合金属酸化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属酸化物は、酸化白金、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は混合金属炭化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属炭化物は、プラチナカーバイド、チタンカーバイド、ジルコニウムカーバイド、ニオブカーバイド、タンタルカーバイド、タングステンカーバイド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は混合金属窒化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属窒化物は、窒化白金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、約10-8Ω・m-約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は、約10-6Ω・m-約10-4Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は、約10-6Ω・m-約10-3Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、組成物は複数の電極を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、個々の電極の中心に実質的に存在しない。いくつかの実施形態では、複数の電極はアレイに構成されている。いくつかの実施形態では、複数の電極は3次元で構成される。いくつかの実施形態では、導電性材料は、開いた円盤状、波線形状、中空管形状、中空三角形管、または押出中心を有する中空リングにおける不連続の曲線として構成される。いくつかの実施形態では、電極は、その最大寸法で約40μm-約1000μmである。いくつかの実施形態では、電極は、その最大寸法が約40μm-約500μmである。いくつかの実施形態では、電極は、その最大寸法が約40μm-約100μmである。いくつかの実施形態では、電極は、約100nm-約500nmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極は約50nm-約200nmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極は、約100nm-約1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極は、ポリマー層でコーティングされている。いくつかの実施形態では、ポリマー層は多孔質である。いくつかの実施形態では、ポリマー層は誘電体材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層はコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリメチルメタクリレート、ナイロン6,6、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリエチレンテレフタレート、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリヒドロキシエチルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層はヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロン-1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロン-0.1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1ミクロン-1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%-約99.99%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%-約50%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約50%-約99.99%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約25%-約75%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約1%-約25%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を含まないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%-約10%の減少をもたらす。
【0006】
本明細書でさらに提供されるのは、白金を含む電極、および電極の一部と接触している層を備える分析物を捕捉するためのデバイスであって、電極は交流誘電場領域を生成するように構成され、層の厚さは100オングストローム未満であり、層は誘電体材料と導電性材料とを含み、半導電性材料と導電性材料の比は約0.3/2であり、および層の存在はデバイスの導電率の30%の減少をもたらす、デバイス。
【0007】
白金を含む電極、および電極の一部と接触している層を備える分析物を捕捉するためのデバイスであって、電極は交流誘電場領域を生成するように構成され、層の厚さは100オングストローム未満であり、層は誘電体材料と導電性材料とを含み、半導電性材料と導電性材料の比は約0.15:1であり、および層の存在はデバイスの導電率の30%の減少をもたらす、デバイスも本明細書で提供される。
【0008】
加えて本明細書で提供されるのは、サンプル中の分析物を単離するための方法であって、本明細書で提供されるデバイスにサンプルを適用し、少なくとも1つの交流誘電場領域および/または交流動電場領域を生み出し、および交流誘電場領域および/または交流動電場領域において分析物を単離する工程を含む、方法。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも5倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を有さないデバイスと比較した場合、表面上の分析物捕捉の少なくとも50倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも100倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも200倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層を有さないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも500倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、分析物は生体分子を含む。いくつかの実施形態では、分析物は、核酸、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、凝集タンパク質、ウイルス、原核細胞、細胞膜断片、ミトコンドリア、細胞小胞、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、分析物はウイルスを含む。いくつかの実施形態では、分析物は無細胞材料を含む。いくつかの実施形態では、分析物は無細胞核酸を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは流体を含む。いくつかの実施形態では、流体は細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は原核細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は100mS/m以上の導電率を有する。いくつかの実施形態では、流体は100mS/m未満の導電率を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、その最大寸法において1マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、分析物は、その最大寸法において0.1マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、分析物は、その最大寸法において50ナノメートル以下である。いくつかの実施形態では、分析物は1ナノグラム以下の質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は1ピコグラム以下の質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は1モルあたり109グラム以下の分子量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は1モルあたり106グラム以下の分子量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は1モルあたり103グラム以下の分子量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は約1-約100の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、分析物は約1-約20の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、分析物は約6-約11の誘電定数を有する。
【0009】
本明細書でさらに提供されるのは、少なくとも1つの析出技術を使用して電極上に層を析出することを含む、本明細書に記載のデバイスのいずれかを製造するための方法。いくつかの実施形態では、析出技術は、電子線蒸着、電極スパッタリング蒸着、原子層析出、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、パルスレーザー蒸着、および化学蒸着からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、析出技術はスパッタリング蒸着を含む。いくつかの実施形態では、スパッタリング蒸着は、イオンビーム、反応性、イオンアシスト、高ターゲット利用率、高出力インパルスマグネトロン、またはガスフロースパッタリングを含む。
【0010】
加えて本明細書で提供されるのは、本明細書に記載のデバイスのいずれか一つにサンプルを適用する工程を含む、患者の疾患または状態を診断またはモニタリングする方法。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記述されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される具体的な実施形態を記述した以下の詳細な説明、およびその添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【
図2】
図2は、誘電体材料が金属電極を部分的に覆う従来技術のデバイスを示す。
【
図3】
図3は、金属電極上に貫通可能な誘電体層を備えた電極構成の例示的な図を示す。
【
図4】
図4は、細胞を含む流体から無細胞核酸を単離するための例示的な方法を示す。
【
図5】
図5は、白金導電性電極上の誘電体層のSEM描写および原子レベル図の例証である。
【
図6】
図6は、誘電体でコーティングされた金属導電性電極の上部80オングストロームについてオージェ分光法を用いて得られた深さプロファイルの例証である。X軸は、0から88までのオングストローム単位の深さを示す。Y軸は、0から100%までの存在度を示す。
【
図7】
図7は、0オングストロームから48オングストロームまでのさまざまな厚さ(深さ)の誘電体層でコーティングされた金属導電性電極を含む動電デバイスを使用した核酸捕捉性能(1×10
4から1×10
8の蛍光ユニットで測定されたシグナル)の例証である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載されているのは、誘電体材料を含む方法、デバイス、システム、および組成物である。本明細書に開示される方法、デバイス、およびシステムの特定の態様では、電極は、誘電体材料で層状にされているか、または誘電体材料を組み込んでいる。ある場合には、方法、デバイス、およびシステムは、分析物を含む流体組成物から粒子または分子を単離または分離するのに適している。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、細胞または他の粒子状物質を含む流体から生体分子を単離または分離するための方法、デバイス、およびシステムである。いくつかの態様では、方法、デバイス、およびシステムは、流体組成物中の粒子および分子の迅速な分離を可能にし得る。他の態様では、方法、デバイス、およびシステムは、流体組成物中の粒子からの分子の迅速な単離を可能にし得る。様々な態様において、方法、デバイス、およびシステムは、最小限の量の材料を必要とする迅速な手順を可能にし得る。いくつかの態様において、方法、デバイス、およびシステムは、血液または環境サンプルのような複合流体からの分子の単離をもたらす。様々な実施形態では、方法、デバイス、およびシステムは、誘電体材料を含み、動電力の生成を可能にする電極のアレイを含むデバイスに流体を適用することを含む(例えば、電極のアレイが直流、交流または両方で通電される場合)。いくつかの実施形態では、電極を含む方法、デバイス、およびシステムは、誘電場を生み出すために通電される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、デバイス、組成物、およびシステムは、疾患または状態を予測、診断、治療、評価、または予防するために使用される。
【0013】
本明細書に記載の電極は、いくつかの実施形態では、交流(AC)で充電される。本明細書に記載の電極は、いくつかの実施形態では、直流(DC)で充電される。いくつかの実施形態では、誘電体材料を含む電極のアレイは、誘電泳動(DEP)アプリケーションのための電場を生成する。時には、電場は不均一である。いくつかの実施形態では、誘電場は、AC動電(ACE)力効果の構成要素である。様々な実施形態において、AC動電力効果の構成要素は、AC電気浸透またはAC電熱効果である。いくつかの実施形態では、誘電場を含むAC動電力は、高フィールド領域(ポジティブDEP、つまり不均一な電場のために電界線の濃縮が強い領域)および/または低フィールド領域(ネガティブDEP、つまり不均一な電界のために電界線の濃縮が弱い領域)を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、誘電泳動場は、DC動電学的力効果の構成要素である。様々な実施形態において、DC動電学的力効果の構成要素は、DC電気浸透効果またはDC電熱効果である。いくつかの実施形態では、DC電極とAC電極の両方が、本明細書に記載の方法、デバイス、システム、および組成物で使用される。いくつかの実施形態では、DCは、分析物の分離および/または分析のためのデバイス上の分析物または他のサンプル成分の電気泳動移動を容易にするために連続的にまたはパルス化されている。いくつかの実施形態では、DCは、異なる分子量の核酸などの分析物を、独立して、またはAC電極と協調して分離する。
【0015】
本明細書に記載の方法の異なる工程、または本明細書に記載のデバイスもしくはシステムの態様を利用して、無傷の細胞または他の特定の材料などの異なる成分を単離および分離することができる。さらに、加えられたA/CまたはD/C動電学的力の異なるフィールド領域は、本明細書に記載のデバイスおよびシステムの方法または態様の異なる工程で使用され得る。この力は、粒子を帯電させる必要はない。場合によっては、力の強さは、媒体と特定の粒子の電気的特性、粒子の形状とサイズ、および電界の周波数に依存する。場合によっては、特定の周波数のフィールドが粒子を選択的に操作します。本明細書に記載の特定の態様では、これらのプロセスは、細胞および/またはより小さな粒子(核酸分子を含む分子など)を他の成分(例えば、流体媒体中)からまたは互いに分離することを可能にする。
【0016】
誘電体材料を含む電極
様々な実施形態において、動電学的(A/C動電学およびD/C動電学など)フィールドは、本明細書に記載の誘電体材料を含む電極または電極のアレイに選択的にエネルギーを与えることによって作製される。いくつかの実施形態では、A/C動電学的またはD/C動電学的フィールドは、誘電泳動(DEP)フィールドである。いくつかの実施形態では、DEPフィールドは、AC誘電泳動フィールドである。いくつかの実施形態では、DEPフィールドは、DC誘電泳動フィールドである。いくつかの実施形態では、A/C動電学的またはDEPフィールドを使用して、分析物および/または生体分子などの分析物を単離する。このような材料にはいくつかの利点がある。電極構造(例えば、アレイ)を誘電体材料の1つ以上の層でオーバーレイ、埋め込み、組み込み、製造、エッチング、層化、またはコーティングすることにより、電極上または電極の近くで発生する可能性がある電解反応、加熱、およびカオス流体挙動を含むがこれらに限定されない有害な電気化学効果を低減する場合があり、なお、細胞、細菌、ウイルス、ナノ粒子、DNA、およびその他の生体分子の効果的な分離を実行できる。いくつかの実施形態では、電極構造の上に層状にされた材料は、絶縁体または半導体などの誘電体材料である。いくつかの実施形態では、ポリマーは電極構造の上に層状になっている。いくつかの実施形態では、ポリマーは、誘電体材料、または誘電体材料を含む粒子を含む。いくつかの実施形態では、ポリマーはヒドロゲルを含む。
【0017】
さらに、そのような誘電体材料は予想外の利点を提供することができる。いくつかの実施形態では、そのような層またはコーティングの存在は、電極の効率を高め、検出に必要な分析物の量を減らし、分析物捕捉の総収量を増加させ、捕捉できる分析物の数およびタイプを増加または変更し、または、分析物の検出や分析など、別の下流のアプリケーション向けにプロセスを最適化する。一部のアプリケーションでは、誘電体層を備えた電極が分析物の捕捉効率を高めることができるとはまったく予想外である。特定の状況では、電極に誘電体層を追加すると、電極の性能に悪影響を与える汚染物質のように機能すると予測された可能性がある。
【0018】
本明細書に記載の実施形態の中には、特定の厚さの層を含む誘電体層を含む電極があり、これは、本明細書に記載のこれまで認識されていなかった利点(例えば、分析物要件の低減、より高い単離収率、他の利点)を提供することができる。いくつかの実施形態では、均一またはほぼ均一な厚さの層の存在は、製造および分析物捕捉の間のより高い一貫性、ならびに分析物捕捉の改善された効率をもたらす。
【0019】
本明細書で提供されるのは、誘電体材料を含むデバイスおよび組成物である。誘電体材料には、さまざまな材料を使用できる。いくつかの態様において、層は、シリコン、チタン、ゲルマニウム、カルシウム、クロム、コバルト、アルミニウム、バリウム、ストロンチウム、ハフニウム、ランタン、イットリウム、タンタル、プラセオジム、ジルコニウム、エルビウム、鉛、フッ素、その他の本明細書と一貫性のある元素、またはそれらの任意の組み合わせなどの元素を含む。様々な実施形態において、誘電体材料層は、元素の酸化物、窒化物、ケイ化物、炭化物、または炭酸塩を含む。いくつかの実施形態では、材料層は、窒化物または酸窒化物を含む。
【0020】
誘電体層は、低κ誘電体材料を含み得る。いくつかの実施形態では、低K誘電体材料は、3以下の誘電体定数を有する。いくつかの実施形態では、低κ誘電体材料は、4以下の誘電体定数を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、炭素でドープされている。誘電体材料は、炭素をドープした二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、ダイヤモンド様カーボン(「ブラックダイヤモンド」、またはフッ素化ダイヤモンド様カーボン)である。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、芳香族熱硬化性樹脂を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、水素シルセキオキサンまたはメチルシルセキオキサンなどのシルセキオキサンを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、有機シリカガラスを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料はフルオロケイ酸塩ガラスを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、Auror(登録商標)LKまたはCoral(登録商標)(SiOC)を含む。
【0021】
誘電体層は、高κ誘電体材料を含み得る。いくつかの実施形態では、低κ誘電体材料は、少なくとも4の誘電体定数を有する。いくつかの実施形態では、低κ誘電体材料は、少なくとも10の誘電体定数を有する。いくつかの実施形態では、低κ誘電体材料は、少なくとも20の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、誘電材料は、シリコン、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、ランタン、タンタル、チタン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化タンタル、酸化チタン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0022】
誘電体層は、ポリマーなどの誘電体材料を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリマーは有機ポリマー(ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリ-4-ビニルフェノール、ポリフッ化ビニリデンなど)である。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリアリーレン、パリレン-N、パリレンF、ポリクロロプレンゴム、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリノルボルネン、ポリナフタレン、ベンゾシクロブタン、キセロゲル、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0023】
追加の例示的な誘電材料には、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化チタン、ゲルマニウム、ポリテトラフルオロエチレン、ネオプレン、ポリフッ化ビニリデン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、フルオロケイ酸塩ガラス、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、メチルシルセスキオキサン、ポリアリーレンエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、またはそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、層は酸化ケイ素を含み、酸化ケイ素は、酸素とケイ素の組み合わせを有する材料、例えば、二酸化ケイ素である。場合によっては、層は、本明細書に記載の電極組成物に適した材料を含む。場合によっては、層は、電極内に存在する元素(金属など)の酸化物、ケイ化物、窒化物、または炭化物を含む。
【0024】
誘電体材料は、電気セラミックなどのセラミックを含み得る。いくつかの実施形態における様々なセラミックは、チタン、ジルコニウム、バリウム、カルシウム、ストロンチウム、マグネシウム、亜鉛、ランタン、ネオジム、鉛、ニオブ、タンタル、酸化物、ジルコニウム、ベリリウム、スズ、インジウム、イットリウム、クロム、コバルト、ガドリニウム、アルミニウム、鉄、またはそれらの任意の組み合わせなどの元素を含む。いくつかの実施形態では、セラミックは、チタン酸バリウムジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウムマグネシウム、チタン酸亜鉛、チタン酸ランタン、およびチタン酸ネオジメチル、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ニオブ酸鉛マグネシウム、ニオブ酸亜鉛鉛、ニオブ酸リチウム、スズ酸バリウム、スズ酸カルシウム、マグネシウムアルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート、タンタル酸バリウム、二酸化チタン、酸化ニオビウム、ジルコニア、シリカ、サファイア、酸化ベリリウム、チタン酸ジルコニウムスズ、酸化インジウムスズ、ランタンドープしたチタン酸ストロンチウム、イットリウムドープしたチタン酸ストロンチウム、イットリア安定化ジルコニア、ガドリニウムドープチタン酸ストロンチウム、ランタンストロンチウムガレートマグネサイト、ベータアルミナ、ベータ’’アルミナ、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、石英、フェライト、酸化鉄、炭酸ストロンチウム、マンガン酸ランタンストロンチウム、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0025】
電極は、少なくとも1つの多孔質層をさらに含み得る。誘電体材料を含む層は、いくつかの実施形態では、多孔質層の上または下に位置する。他の実施形態では、本明細書に記載の誘電体材料を含む粒子は、多孔質層に埋め込まれるか、または多孔質層に追加される。いくつかの実施形態では、1つ以上の多孔質層はポリマー層である。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリメチルメタクリレート、ナイロン66、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリエチレンテレフタレートを含む。他の実施形態では、1つ以上の多孔質ポリマー層はヒドロゲルである。いくつかの実施形態では、多孔質層は誘電体材料を含む。
【0026】
一般に、多孔質ポリマー層は、十分な機械的強度を有し、配置破壊または分解することなく電極表面での電気化学的効果に耐えることができるように、比較的化学的に不活性あるべきである。一般に、多孔質ポリマー層は小さな水性イオンに対して十分に透過性であるが、生体分子を電極表面から遠ざける状態を維持する。
【0027】
誘電体材料を含む層は、いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層の上または下に位置する。いくつかの実施形態では、誘電体材料を含む粒子は、多孔質ポリマー層に埋め込まれている。例えば、多孔質ポリマー層の成長は、誘電体材料を含む粒子の存在下で起こり、それらを多孔質ポリマー層に埋め込む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、ゾルゲルの形成を通じて多孔質ポリマー層に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、誘電体材料を含む粒子は、多孔質ポリマー層の合成後に多孔質ポリマー層に埋め込まれる。他の実施形態では、多孔質ポリマー層はコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、本明細書に記載の少なくとも1つのポリマー、および誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)および誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、多孔質ポリマー材料およびポリシリコンを含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、HEMAおよびポリシリコンを含む。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー材料は、ヒドロゲル材料を含む。
【0028】
誘電体材料を含む粒子は、1つ以上の多孔質ポリマー層に埋め込まれ得、そして様々なサイズおよび組成を含み得る。場合によっては、そのような埋め込まれた粒子は、分析物の捕捉または分離のために下にある電極の性能特性を改善する。例えば、いくつかの実施形態では、粒子は、個々の原子と同じくらい小さいか、またはそれより大きい。いくつかの実施形態では、誘電体材料を含む粒子は、直径が10、20、50、100、200、500、800オングストローム以下、または1000オングストローム以下である。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、直径が10、20、50、100、200、500、800、1000、2000、5000、8000、または10,000nm以下である。いくつかの実施形態では、誘電体材料を含む粒子は、直径が約10から約50オングストローム、約30から約200オングストローム、約50から約500オングストローム、約200から約1000オングストローム、または約50から約1000オングストロームである。いくつかの実施形態では、誘電体材料を含む粒子は、直径が約1nmから約10,000nm、約10nmから約10,000nm、約50nmから約10,000nm、約100から約10,000nm、約200から約10,000nm、約200から約1,000nm、約500から約10,000nm、約1nmから約100nm、約1nmから約200nm、約100から約500nm、または約200から約5000nmである。
【0029】
多孔質ポリマー層は、単一の層、または複数のより小さな層を含み得、各層は、異なる組成または特性を有し得る。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、単層またはコーティングである。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、多孔性の勾配を含み、多孔性ポリマー層の底部は、多孔性ポリマー層の上部よりも大きな多孔性を有する。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、複数の層またはコーティングを含む。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は2つのコートを含む。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は3つのコートを含む。いくつかの実施形態では、底部(第1の)コーティングは、後続のコーティングよりも大きな多孔性を有する。いくつかの実施形態では、トップコートは、第1のコーティングよりも多孔性が少ない。いくつかの実施形態では、トップコートは、直径が100ピコメートルを超える粒子のサイズカットオフとして機能する平均細孔径を有する。いくつかの実施形態では、トップコートは、直径が1000ピコメートルを超える粒子のサイズカットオフとして機能する平均細孔径を有する。いくつかの実施形態では、トップコートは、直径500ピコメートルを超える粒子のサイズカットオフとして機能する平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態では、トップコートは、直径が約10、20、50、80、100、200、500、800、または約1000ピコメートルを超える粒子のサイズカットオフとして機能する平均細孔径を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の多孔質ポリマー層またはコーティングは、誘電体材料をさらに含む。
【0030】
多孔質ポリマー層の導電率は、分析物の分離または捕捉のために下にある電極の性能に影響を与える可能性があり、所望の導電率は、材料、埋め込まれた誘電体材料、合成方法、または多孔質ポリマー層の導電率に影響を与える他の特性の選択を通じて得られる。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層はヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.001S/mから約10S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01S/mから約10S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1S/mから約10S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1.0S/mから約10S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01S/mから約5S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01S/mから約4S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01S/mから約3S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01S/mから約2S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1S/mから約5S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1S/mから約4S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1S/mから約3S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1S/mから約2S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1S/mから約1.5S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1S/mから約1.0S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.2S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.3S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.4S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.5S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.6S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.7S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.8S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.9S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1.0S/mの導電率を有する。
【0031】
多孔質ポリマー層の厚さは、層の合成中に制御することができ、さまざまな厚さは、分析物の分離または捕捉のための電極性能を容易にする。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層はヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロンから約10ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.05ミクロンから約10ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロンから約1ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロンから約0.5ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.05ミクロンから約0.1ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロンから約5ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.05ミクロンから約5ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1ミクロンから約10ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1ミクロンから約5ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1ミクロンから約4ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1ミクロンから約3ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1ミクロンから約2ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1ミクロンから約5ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1ミクロンから約4ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1ミクロンから約3ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1ミクロンから約2ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.5ミクロンから約1ミクロンの厚さを有する。
【0032】
多孔質ポリマー層材料および誘電体材料の選択は、電極上に堆積する前の多孔質ポリマー層溶液の粘度に影響を与える可能性がある。いくつかの実施形態では、異なる粘度および厚さもまた、異なる層に使用される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層はヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、スピンコーティングまたは電極への堆積前のヒドロゲル溶液の粘度は、約0.5cPから約5cPの範囲である。いくつかの実施形態において、ヒドロゲル溶液の単一のコーティングは、スピンコーティングまたは電極への堆積の前に、約0.75cPから5cPの間の粘度を有する。いくつかの実施形態では、マルチコートヒドロゲルにおいて、第1のヒドロゲル溶液は、スピンコーティングまたは電極への堆積の前に、約0.5cPから約1.5cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、第2のヒドロゲル溶液は、約1cPから約3cPの粘度を有する。ヒドロゲル溶液の粘度は、溶媒中のポリマー濃度(0.1%-10%)およびポリマー分子量(10,000から300,000)、ならびに溶媒の開始粘度に基づく。いくつかの実施形態では、第1のヒドロゲルコーティングは、約0.5ミクロンから1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、第1のヒドロゲルコーティングは、約0.5ミクロンから0.75ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、第1のヒドロゲルコーティングは、約0.75から1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、第2のヒドロゲルコーティングは、約0.2ミクロンから0.5ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、第2のヒドロゲルコーティングは、約0.2から0.4ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、第2のヒドロゲルコーティングは、約0.2から0.3ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、第2のヒドロゲルコーティングは、約0.3から0.4ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、多層ヒドロゲルは、誘電体材料の1つ以上の層を含む。いくつかの実施形態では、多層ヒドロゲルの1つ以上の層は、誘電体材料を含む。任意の数の異なるヒドロゲルの厚さが適切であり、材料のタイプおよびヒドロゲルの所望の性能特性に依存する。
【0033】
いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、多孔質ポリマー層を形成する任意の適切な合成ポリマーを含む。一般に、十分に親水性で重合可能な分子は、本明細書に開示されるように使用するための合成ポリマー多孔質ポリマー層の製造に利用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の誘電体材料は、多孔質ポリマー層の形成中に重合性分子と混合される。モノマー中の重合可能な部分は、置換または非置換のα,β,不飽和カルボニルを含むがこれらに限定されないアルケニル部分を含み得、ここで、二重結合は、酸素に二重結合し、別の酸素、窒素、硫黄に単結合する炭素に直接結合しており、ビニルを含み得、ここで、二重結合は、酸素、窒素、ハロゲン、リンまたは硫黄に単独で結合しており、アリルを含み得、ここで、二重結合は、酸素、窒素、ハロゲン、リンまたは硫黄に結合している炭素に単独で結合しており、ホモアリルを含み得、ここで、二重結合は、別の炭素に単独で結合される炭素に単結合され、この別の炭素が酸素、窒素、ハロゲン、リンまたは硫黄に単結合され、2つの炭素原子の間に三重結合が存在するアルキニル部分を含み得る。いくつかの実施形態において、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアクリロイルまたはアクリルアミドモノマーは、本明細書に開示されるような多孔質ポリマー層の形成のために有用である。より好ましいアクリルアミドモノマーには、アクリルアミド、N置換アクリルアミド、N置換メタクリルアミド、およびメタクリルアミドが含まれる。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層には、エポキシドベースのポリマー、ビニルベースのポリマー、アリルベースのポリマー、ホモアリルベースのポリマー、環状無水物ベースのポリマー、エステルベースのポリマー、エーテルベースのポリマー、アルキレン-グリコールベースのポリマー(例えば、ポリプロピレングリコール)などが含まれる。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)、酢酸セルロース、フタル酸酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、または任意の適切なアクリルアミドまたはビニルベースのポリマー、またはそれらの誘導体を含む。ポリマーと共有結合または非共有結合を形成することができる官能基を有する誘電体材料は、いくつかの実施形態では、コポリマーを構築するために使用される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、有機金属フレームワークを含む。
【0034】
多孔質ポリマー層は、当業者に知られている様々な技術を使用して適用される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、蒸着によって適用される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、原子移動ラジカル重合(ATRP)を介して重合される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、電子移動重合(ARGET)によって再生成された活性剤を介して重合される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、連続活性剤再生重合(ICAR)のための開始剤を介して重合される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、ニトロキシド媒介ラジカル重合(NMP)を介して重合される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、光開始ATRPを介して重合される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層は、可逆的付加フラグメンテーション連鎖移動(RAFT)重合を介して重合される。いくつかの実施形態では、任意の数の多孔質ポリマー層塗布技術が、多孔質ポリマー層への誘電体材料の組み込みに対応するように修正または適合される。
【0035】
いくつかの実施形態では、添加剤が多孔質ポリマー層に添加される。いくつかの実施形態では、多孔質ポリマー層はヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、多孔質ポリマー層の導電性を高めるために多孔質ポリマー層に添加される。いくつかの実施形態では、添加剤は誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、導電性ポリマー(例えば、PEDOT:PSS)、塩(例えば、塩化銅)、金属(例えば、金)、可塑剤(例えば、PEG200、PEG400、またはPEG600)、または共溶媒である。いくつかの実施形態において、多孔質ポリマー層はまた、ヒスチジン、ヒスチジンペプチド、ポリヒスチジン、リジン、リジンペプチド、および他のカチオン性化合物または物質を含むがこれらに限定されない、DNAハイブリッドの安定性を維持するのを助ける化合物または材料を含む。
【0036】
場合によっては、層で覆われる電極表面の量が、生体分子の単離中のデバイスの性能に影響を与える。例えば、以前に報告された電極上の誘電体コーティングは、場合によっては、電極表面を部分的にしか覆っていなかった(
図2)。場合によっては、電極表面は、サンプルと接触する電極の領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスは、電極が絶縁層によって囲まれるように構成される(
図3)。いくつかの実施形態では、誘電体材料が電極を覆い、絶縁層に均一に接触する(
図5)。いくつかの実施形態では、層は、電極表面の少なくとも50%、75%、80%、85%、99%、99.5、99.9、99.99、または99.99%を超える電極表面を覆う。いくつかの実施形態では、層は誘電体材料であるか、または誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、電極表面の少なくとも50%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、または99.99%を超える電極表面を覆う。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約50%から約99.99%、約75%から約99.9%、約80%から約99%、約85%から約95%、約90%から約99.99%、約70%から約90%、約50%から約75%、または約90%から約99.9%の電極表面を覆う。
【0037】
いくつかの実施形態では、層は、電極の表面全体にわたって均一またはほぼ均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、電極の表面を均一にまたはほぼ均一に覆う。場合によっては、1つ以上の層が電極の表面を均一にまたはほぼ均一に覆う。場合によっては、平均厚さは、電極の領域にわたる1つ以上の層の平均厚さとして定義される。例えば、電極の表面積の少なくとも95%は、平均層厚の2倍以内の層厚を有する。場合によっては、電極の表面積の少なくとも95%が、平均層厚の1.5倍以内の層厚を有する。場合によっては、電極の表面積の少なくとも97%が、平均層厚の1.5倍以内の層厚を有する。場合によっては、電極の表面積の少なくとも90%、95%、97%、98%、99%、99.9%、または少なくとも99.99%が、平均厚さの1.5倍以内の層厚を有する。場合によっては、電極の表面積の約90%、95%、97%、98%、99%、99.9%、または約99.99%が、平均層厚の1.5倍以内の層厚を有する。いくつかの実施形態では、層は電場によって浸透可能である。いくつかの実施形態では、層は流体によって浸透可能である。
【0038】
層は、電極の表面全体に均一に分布するか(均一な厚さ)、または電極の形状、材料、またはデバイスの他の変数に応じて、電極の表面にわたって変化し得る。いくつかの実施形態では、層の厚さは、電極の中心では平均よりも高く、電極の端では平均よりも薄い。例えば、電極の中心の層の厚さは、電極全体の平均厚さよりも、約5%高く、約10%、20%、30%、40%、50%、70%、90%、100%、125%、200%、500%、または約1000%高い。いくつかの実施形態では、電極の中心の層の厚さは、電極表面全体の平均厚さよりも、少なくとも5%高く、約10%、20%、30%、40%、50%、70%、90%、100%、125%、200%、500%、または少なくとも1000%高い。いくつかの実施形態では、電極の中心の層の厚さは、電極表面全体の平均厚さよりも、5%以下高く、約10%、20%、30%、40%、50%、70%、90%、100%、125%、200%、500%、または1000%以下高い。
【0039】
いくつかの実施形態では、電極構造は、複数の層またはコーティングでオーバーレイされまたは埋め込まれている。いくつかの実施形態では、電極構造は、2つの層または3つの層でオーバーレイされている。いくつかの実施形態における各層は、異なる材料を含む。いくつかの実施形態における各層は、1つ以上の同じ材料を含む。いくつかの実施形態では、層の少なくとも1つはパッシベーション層である。
【0040】
この層は、さまざまな用途でデバイスの性能に影響を与える可能性のある、さまざまな厚さの範囲で構成されている場合があります。場合によっては、層の厚さは、所望の結果に依存して特定の効率で特定の分析物または特定のサイズを捕捉するように構成される。場合によっては、層の厚さは表面の単一の点で測定される。他の例では、層の厚さは、表面上の領域全体の平均厚さによって測定されます。さらに様々な実施形態では、厚さは、電極の特定の領域にわたる最大または最小の厚さの関数として測定される。いくつかの実施形態で測定される面積は、電極の一部である。いくつかの実施形態では、測定される面積は、電極の表面全体である。いくつかの実施形態では、層は、約1オングストロームから約100オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約5オングストロームから約75オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約12オングストロームから約50オングストロームまでの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約1オングストロームから約50オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約10オングストロームから約30オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約10オングストロームから約75オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約10オングストロームから約20オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約5オングストロームから約10オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約1オングストロームから約20オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約1オングストロームから約16オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約1、2、5、10、12、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、または約100オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約1、2、5、10、12、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、または約100オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約16オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約5オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約7オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約9オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約12オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約14オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約18オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約20オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約22オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約24オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は5オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、7オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、9オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、12オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、14オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、18オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、20オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、22オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、24オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、30オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、34オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、38オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、45オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、55オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、60オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、65オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、70オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、75オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、80オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、85オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、90オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、95オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、95オングストローム以下の厚さを有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、層は、10オングストロームから20オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、少なくとも約1、2、5、10、12、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、または少なくとも約100オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、100オングストローム未満の厚さを有する。
【0042】
いくつかの実施形態では、層は、約100オングストロームから約10,000オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約500オングストロームから約7500オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約1000オングストロームから約5000オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約100オングストロームから約5000オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約100オングストロームから約3000オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約100オングストロームから約7500オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約100オングストロームから約2000オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約500オングストロームから約10,000オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約100オングストロームから約2000オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約100オングストロームから約1600オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約100、200、500、1000、1200、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、7000、8000、9000、または約10,000オングストローム以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、少なくとも約100、200、500、1000、1200、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、7000、8000、9000、または少なくとも約10,000オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、約100、200、500、1000、1200、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、7000、8000、9000、または約10,000オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は約1600オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、層は、1000オングストロームから2000オングストロームの厚さを有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、すべての層の総厚は100オングストローム以下である。いくつかの実施形態では、すべての層の総厚は10,000オングストローム以下である。いくつかの実施形態では、すべての層の総厚は、約10から約10,0000、約10オングストロームから約2000オングストローム、約10オングストロームから約500オングストローム、約15オングストロームから約100オングストローム、約25オングストロームから約250オングストローム、約50オングストロームから約5000オングストローム、約50オングストロームから約1000オングストローム、約100オングストロームから約2000オングストローム、約100オングストロームから約5000オングストローム、約300オングストロームから約10,000オングストローム、約500オングストロームから約5000オングストローム、約1000オングストロームから約10,000オングストローム、または約5000オングストロームから約10,000オングストロームである。
【0044】
抵抗率で表すことができる絶縁性または半導体性の材料など、さまざまな誘電体材料を使用して層を構築することができる。いくつかの実施形態では、半導体材料は、少なくとも約10-5Ω・m、10-4Ω・m、10-3Ω・m、10-2Ω・m、10-1Ω・m、10Ω・m、102Ω・m、103Ω・m、104Ω・m、105Ω・m、または少なくとも約106Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、半導体材料は、約10-5Ω・m、10-4Ω・m、10-3Ω・m、10-2Ω・m、10-1Ω・m、10Ω・m、102Ω・m、103Ω・m、104Ω・m、105Ω・m、または約106Ω・m以下の抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、半導体材料は、約10-5Ω・m、10-4Ω・m、10-3Ω・m、10-2Ω・m、10-1Ω・m、10Ω・m、102Ω・m、103Ω・m、104Ω・m、105Ω・m、または約106Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、半導体材料は、約10-5Ω・mから約106Ω・m、約10-5Ω・mから約105Ω・m、約10-5Ω・mから約103Ω、約10-5Ω・mから約10Ω・m、約10-3Ω・mから約104Ω・m、約10-1Ω・mから約103Ω・m、約10Ω・m約106Ω・m、または約10Ω・mから約104Ω・mの抵抗率を有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、絶縁材料は、少なくとも約104Ω・m、105Ω・m、106Ω・m、107Ω・m、109Ω・m、1012Ω・m、1015Ω・m、1017Ω・m、1020Ω・m、1023Ω・m、または少なくとも約1025Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、半導体材料は、約104Ω・m、105Ω・m、106Ω・m、107Ω・m、109Ω・m、1012Ω・m、1015Ω・m、1017Ω・m、1020Ω・m、1023Ω・m、または約1025Ω・m以下の抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、半導体材料は、約104Ω・m、105Ω・m、106Ω・m、107Ω・m、109Ω・m、1012Ω・m、1015Ω・m、1017Ω・m、1020Ω・m、1023Ω・m、または約1025Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、半導体材料は、約106Ω・mから約1025Ω・m、約106Ω・mから約1020Ω・m、約106Ω・mから約1017Ω・m、約107Ω・mから約1020Ω・m、約109Ω・mから約1015Ω・m、約1011Ω・mから約1015Ω・m、約1012Ω・mから約1020Ω・m、約1015Ω・mから約1025Ω・m、または約1020Ω・mから約1025Ω・mの抵抗率を有する。
【0046】
比較的低い抵抗率を有する導電性材料など、異なる材料を使用して層を構築することができる。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・mから約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・mから約10-4Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・mから約10-6Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-5Ω・mから約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・m、10-7Ω・m、10-6Ω・m、10-5Ω・m、10-4Ω・m、10-3Ω・m、または約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、少なくとも10-8Ω・m、10-7Ω・m、10-6Ω・m、10-5Ω・m、10-4Ω・m、10-3Ω・m、または少なくとも10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、10-8Ω・m、10-7Ω・m、10-6Ω・m、10-5Ω・m、10-4Ω・m、10-3Ω・m、または10-2Ω・m以下の抵抗率を有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、層は、約1から約2000の比誘電定数(比誘電率)を有する。いくつかの実施形態では、層は、少なくとも約1の比誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、層は、最大で約2000の比誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、層は、約1から約3、約1から約5、約1から約10、約1から約20、約1から約35、約1から約50、約1から約75、約1から約100、約1から約200、約1から約500、約1から約2000、約3から約5、約3から約10、約3から約20、約3から約35、約3から約50、約3から約75、約3から約100、約3から約200、約3から約500、約3から約2,000、約5から約10、約5から約20、約5から約35、約5から約50、約5から約75、約5から約100、約5から約200、約5から約500、約5から約2000、約10から約20、約10から約35、約10から約50、約10から約75、約10から約100、約10から約200、約10から約500、約10から約2,000、約20から約35、約20から約50、約20から約75、約20から約100、約20から約200、約20から約500、約20から約2,000、約35から約50、約35から約75、約35から約100、約35から約200、約35から約500、約35から約2,000、約50から約75、約50から約100、約50から約200、約50から約500、約50から約2000、約75から約100、約75から約200、約75から約500、約75から約2,000、約100から約200、約100から約500、約100から約2,000、約200から約500、約200から約2,000、または約500から約2,000の比誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、層は、約1、約3、約5、約10、約20、約35、約50、約75、約100、約200、約500、または約2000の比誘電定数を有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、層および/または電極は、導電性材料と、半導電性または絶縁性材料の両方を含む。いくつかの実施形態では、この比率は、2つの材料のモル比として測定される。いくつかの実施形態では、この比率は、2つの材料の質量比として測定される。いくつかの実施形態では、この比率は、2つの材料の体積比として測定される。いくつかの実施形態では、半導電性材料/導電性材料の比は、約0.01/2から約99/1である。いくつかの実施形態では、層は、少なくとも約0.01/2、0.02/2、0.05/2、0.1/2、0.2/2、0.5/2、1/2、2/1、5/1、10/1、20/1、50/1、または少なくとも約99/1の半導体対導電性材料の比を有する。いくつかの実施形態では、層は、約0.01/2、0.02/2、0.05/2、0.1/2、0.2/2、0.5/2、1/2、2/1、5/1、10/1、20/1、50/1、または99/1以下の半導体材料対導電性材料の比を有する。いくつかの実施形態では、層は、約0.01/2から約99/1、0.02/2から約99/1、約0.01/2から約20/1、約0.05/2から約99/1、約0.01/2から約50/1、約0.1/2から約20/1、約0.1/2から約10/1、約0.5/2から約1/1、約0.02/2から約1/2、約0.02/2から約0.1/2、約0.02/2から約0.2/2、約0.02/2から約0.5/2、約0.02/2から約2/2、約0.05/2約から0.1/2、約0.05/2から約0.2/2、約0.05/2から約1/2、約0.05/2から約2/2、約0.1/2から約0.2/2、約0.1/2から約0.5/2、約0.1/2から約1/2、約0.2/2から約0.5/2、約0.2/2から約1/2、約1/2から約99/1、約1/2から約50/1、約1/2から約20/1、約1/2から約1/1、約1/2から約2/1、または約0.1/2から約0.7/2、または約0.5/2から約1/2の半導体材料対導電性材料の比を有する。いくつかの実施形態では、層は、約0.01/2、約0.02/2、約0.05/2、約0.1/2、約0.2/2、約0.3/2、約0.5/2、約1/2、約1/1、約2/1、約5/1、約10/1、約20/1、約50/1、約75/1、約99/1の半導体材料対導電性材料の比を有する。いくつかの実施形態では、層は、約0.3/2の半導体材料対導電性材料の比を有する。いくつかの実施形態では、層は、約0.15:1の半導体材料対導電性材料の比を有する。
【0049】
コーティングまたは層は、本明細書に記載のデバイスまたは電極の導電率を低下させる可能性がある。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率を少なくとも約0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、50%、75%、90%、99%、99.9%または少なくとも約99.99%減少する。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、50%、75%、90%、99%、99.9%または約99.9%以下の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、50%、75%、90%、99%、99.9%、または少なくとも99.9%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%から約99.99%、約0.01%から約90%、約0.05%から約99%、または約0.01%から約50%、約0.1%から約25%、約1%から約99.99%、約25%から約99.9%、約75%から約99.9%、約90%から約99.99%、約0.01%から約0.1%または約0.01%から約1%の低下をもたらす。
【0050】
いくつかの実施形態では、層は、パッシベーション層をさらに含む。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、当技術分野で知られている任意の適切な材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は窒化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約2.0から約8.0の相対誘電率を有する。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約3.0から約8.0、約4.0から約8.0、または約5.0から約8.0の相対誘電率を有する。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約2.0から約4.0の相対誘電率を有する。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約2.0から約3.0の相対誘電率を有する。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、または約4.0の相対誘電率を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約0.1ミクロンから約10ミクロンの厚さである。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、厚さが約0.5ミクロンから8ミクロンの間である。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約1.0ミクロンから5ミクロンの間の厚さである。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約1.0ミクロンから4ミクロンの間の厚さである。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約1.0ミクロンから3ミクロンの間の厚さである。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、厚さが約0.25ミクロンから2ミクロンの間である。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、約0.25ミクロンから1ミクロンの厚さである。
【0052】
いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、窒化ケイ素または二酸化ケイ素を含む、任意の適切な絶縁性低κ誘電体材料から構成される。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、ポリアミド、炭素、ドープされた窒化ケイ素、炭素ドープされた二酸化ケイ素、フッ素ドープされた窒化ケイ素、フッ素ドープされた二酸化ケイ素、多孔質二酸化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、パッシベーション層は、スクリーン印刷することができる誘電体インクを含むことができる。
【0053】
本明細書でさらに説明されるのは、層が多孔性である層である。いくつかの実施形態では、気孔率は、層内の総体積に対する開放体積の比として測定される。例えば、気孔率は、約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または約90%である。いくつかの実施形態では、気孔率は、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または少なくとも90%である。いくつかの実施形態では、気孔率は、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%以下である。いくつかの実施形態では、気孔率は、約1%から約90%、約5%から約75%、約10%から約50%、約20%から約30%、約0.5%から約30%、約10%でから約30%、約5%から約40%、約15%から約35%、または約50%から約99%である。いくつかの実施形態では、気孔率は約10%から約40%である。いくつかの実施形態では、気孔率は約15%から約35%である。いくつかの実施形態では、気孔率は約20%である。いくつかの実施形態では、気孔率は約30%である。
【0054】
場合によっては、層は様々なサイズの細孔を含む。場合によっては、孔径は平均孔径として測定される。例えば、平均孔径は、約1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、または約10nmである。いくつかの実施形態では、平均孔径は、少なくとも1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、または少なくとも10nmである。いくつかの実施形態では、平均孔径は、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、または10nm以下である。いくつかの実施形態では、平均孔径は、約0.1nmから約10nm、約0.2nmから約5nm、約0.5nmから約7nm、約1nmから約10nm、約2nmから約7nm、約3nmから約5nm、約3nmから約10nm、約5nmから約10nm、約0.1nmから約1nm、約1nmから約5nm、または約7nmから約10nmである。いくつかの実施形態では、平均孔径は約1nmから約10nmである。いくつかの実施形態では、平均孔径は約2nmから約5nmである。いくつかの実施形態では、平均孔径は約2nmから約5nmである。いくつかの実施形態では、平均孔径は約3nmから約4nmである。いくつかの実施形態では、平均孔径は約5nmから約6nmである。
【0055】
本明細書に記載の層は、(例示としてのみ)電子ビーム蒸着、電極スパッタリング、原子層蒸着、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、パルスレーザー蒸着、化学蒸着、または本明細書と一致する他の方法などの当技術分野で知られている様々な方法を使用して適用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、物理蒸着を使用して層を生成する。場合によっては、層を堆積するための技術は、様々にスパッタリング堆積を含む。スパッタリング堆積は、多くの場合、エネルギー源から標的材料にエネルギーを適用することによって達成され、標的材料から基板材料(電極表面など)に粒子を再堆積する。場合によっては、スパッタリングは、アルゴンなどのガスで満たされたチャンバー内で発生する。いくつかの実施形態では、スパッタリング堆積は、粒子堆積を制御するための強い磁場を含む。例示的なエネルギー源には、レーザー、イオンビーム、カウフマン源、プラズマ、または当技術分野で使用される他のエネルギー源が含まれる。場合によっては、発生源はプラズマである。スパッタリング堆積法には、イオンビーム、反応性、イオン支援、高標的利用、高出力インパルスマグネトロン、またはガスフロースパッタリングが含まれるが、これらに限定されない。場合によっては、スパッタリング堆積デバイスまたは材料は、石英またはアルミニウムを含む。場合によっては、スパッタリングデバイスまたは材料は、シリコンまたはその酸化物を含む。いくつかの実施形態では、堆積技術は、熱酸化、従来のCVD、陽極酸化、電気泳動堆積、フォトレジスト堆積、スピン/スプレーオン法(例えば、スピンオン堆積)、スクリーン印刷、ローラーコーティング、オフセット印刷、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、誘電体材料を含む電極は、走査型電子顕微鏡法(SEM)およびオージェ分光法などの表面化学分析法を使用して、構造および組成について分析される。例えば、
図6は、誘電体コーティングされた金属導電性電極のオージェ分光法によって得られた深さプロファイルを例示している。
【0057】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、チップに作製された電極上の誘電体層の存在は、分析物(核酸など)の捕捉効率の増加をもたらす。例えば、誘電体層の存在は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、20、50、100、200、500、1000、または少なくとも10,000倍の分析対象物の捕捉の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、誘電体層の存在は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、20、50、100、200、500、1000または少なくとも10,000倍の分析物の捕捉の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、誘電体層の存在は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、20、50、100、200、500、1000、または10,000倍以下の分析対象物の捕捉の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、誘電体層の存在は、約2倍から約10,000倍、約2倍から約1,000倍、約5倍から約500倍、約10から約100倍、約2倍から約50倍、約2倍から約10倍、約500倍から約1,000倍、約500倍から約5,000倍、または約1,000倍から約10,000倍の分析物捕捉の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、誘電体層の存在は、約500倍の分析物捕捉の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、分析物捕捉の増加は、蛍光タグで標識された分析物などの検出可能な分析物を使用して測定される。いくつかの実施形態では、誘電体層の深さの関数としての分析物捕捉の増加は、
図7に示されるように、蛍光によって測定される。
【0058】
本明細書で提供されるのは電極である。様々な実施形態において、電極は、適切なDEPおよび/または他の動電学的場が生成されるように、任意の適切なサイズ、任意の適切な向き、任意の適切な間隔、任意の適切な方法でエネルギーを与えられるか、またはエネルギーを与えることができるなどのものである。
【0059】
いくつかの実施形態では、電極は、導電性材料および非導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、電極は、導電性材料および半導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、電極は、半導電性材料および非導電性材料を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極は、任意の適切な金属または誘電体材料を含むことができる。電極は、貴金属(例えば、白金、白金イリジウム合金、パラジウム、金など)などの金属を含むがこれらに限定されない、腐食に耐性のある任意の適切な材料で任意に作られる。いくつかの実施形態では、電極は、アルミニウム、銅、炭素、鉄、銀、金、パラジウム、白金、イリジウム、白金イリジウム合金、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、タンタル、チタン、クロム、コバルト、コバルトクロム合金、タングステン、ポリシリコン、およびインジウムスズ酸化物、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、電極は、ポリアセチレンまたはポリチオフェンなどの導電性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、電極は、ケイ化白金、ケイ化チタン、ケイ化金、ケイ化タングステン、またはそれらの組み合わせなどのケイ化物材料を含む。いくつかの実施形態では、電極は白金を含む。いくつかの実施形態では、電極は、スクリーン印刷することができる導電性インクを含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極は、元素の酸化物、窒化物、ケイ化物、炭化物、または炭酸塩を含む。いくつかの実施形態では、元素は金属である。いくつかの実施形態では、元素は半金属である。例示的な酸化物には、酸化白金、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステン、またはそれらの組み合わせが含まれる。例示的な炭化物には、プラチナカーバイド、チタンカーバイド、ジルコニウムカーバイド、ニオブカーバイド、タンタルカーバイド、タングステンカーバイド、またはそれらの組み合わせが含まれる。例示的な窒化物には、窒化白金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化タングステン、またはそれらの組み合わせが含まれる。当技術分野で知られている追加の混合金属/元素材料もまた、電極を製造するのに適している。
【0061】
本明細書に記載の方法、デバイス、およびシステムで使用される電極は、動電学的および/または誘電泳動場の生成に適した任意の幾何学的形状を様々に含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、開いたディスクの形状である。いくつかの実施形態では、電極は中空リング形状に構成される。いくつかの実施形態では、電極は中空管形状に構成される。いくつかの実施形態では、導電性材料は、開いたディスク形状の不連続な曲線として構成される。いくつかの実施形態では、導電性材料は、波線形状の不連続な曲線として構成される。いくつかの実施形態では、導電性材料は、中空管形状の不連続な曲線として構成される。いくつかの実施形態では、導電性材料は、中空の三角管内の不連続な曲線として構成される。いくつかの実施形態では、導電性材料は、中心が押し出された中空リング内の不連続な曲線として構成される。
【0062】
誘電体材料を含む電極のアレイ
複数の電極を含むデバイスも本明細書で提供される。複数の電極は、任意に、本明細書に記載の分離プロセスに適した任意の方法で構成される。複数の電極を組み合わせて、特定の分析物の分離または異なる用途のための特定の動電学的場領域を作成することができる。様々な実施形態において、動電学的(DEPなどの)場(フィールド)は、誘電体材料を含む本明細書に記載されるような電極のアレイに選択的にエネルギーを与えることによって作成される。いくつかの実施形態では、DEPフィールドは、AC誘電泳動フィールドである。いくつかの実施形態では、DEPフィールドは、DC誘電泳動フィールドである。いくつかの実施形態では、DEPフィールドは、分析物および/または生体分子などの分析物を単離するために使用される。いくつかの実施形態では、電極のアレイは誘電泳動場を生成する。いくつかの実施形態における電極のアレイは、アレイの任意の配置、サイズ、間隔、配向、または他の特性を含む。いくつかの実施形態では、アレイ内の1つ以上の電極は、誘電体材料で層状にされている。いくつかの実施形態では、電極のアレイは、DCで帯電するように構成された電極とACで帯電するように構成された電極の両方を含む。例えば、DEPフィールドにおける電極および/または細胞の濃縮を含むシステムまたはデバイスのさらなる説明は、そのような開示のために本明細書に組み込まれるPCT特許公開WO2009/146143に見出される。いくつかの実施形態では、各電極は個別に部位制御される。いくつかの実施形態では、電極のアレイは、ユニットとして制御される。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極のアレイは、半導体材料を含む。いくつかの実施形態では、半導電性材料は、電極内の導電性材料を取り囲み、導電性材料に対する物理的障壁として機能する。いくつかの実施形態では、電極内の導電性材料は、アレイの半導電性材料のくぼみを埋める。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極のアレイは、3次元で構成される。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極のアレイは、非導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、非導電性材料は、電極内の導電性材料を取り囲み、導電性材料に対する物理的障壁として機能する。いくつかの実施形態では、電極内の導電性材料は、アレイの非導電性材料のくぼみを埋める。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極のアレイは、3次元で構成される。いくつかの実施形態では、電極上または電極内に存在する非導電性材料の増加は、電極表面内およびその周囲の流れをもたらし、電極の表面に捕捉された分析物の増加をもたらす。
【0065】
いくつかの実施形態では、電極アレイ内の導電性材料の量を変更すると、電極表面内およびその周囲に流れが生じ、電極の表面に捕捉される分析物が増加する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極のアレイは、電極アレイのほんの一部に導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約10%未満にのみ存在する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約10%にのみ存在する。様々な実施形態において、導電性材料は、電極アレイの約20%にのみ存在する。さらに様々な実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約30%にのみ存在する。さらに様々な実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約40%にのみ存在する。さらに様々な実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約50%にのみ存在する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約60%にのみ存在する。一実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約70%にのみ存在する。さらに様々な実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約80%にのみ存在する。さらに様々な実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約90%にのみ存在する。
【0066】
さらに様々な実施形態において、導電性材料は、電極アレイの約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、および約90%のみ存在する。さらに様々な実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約10-70%、電極アレイの約10-60%、電極アレイの約10-50%、電極アレイの約10-40%、または電極アレイの約10-30%に存在する。様々な実施形態において、導電性材料は、電極アレイの約30-90%、電極アレイの約30-80%、電極アレイの約30-70%、電極アレイの約30-60%、または電極アレイの約30-50%に存在する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、電極アレイの約8-40%に存在する。
【0067】
さらに様々な実施形態では、導電性材料は、電極アレイ内の個々の電極の中心には実質的に存在しない。様々な実施形態では、導電性材料は、電極アレイ内の個々の電極の端にのみ存在する。さらに様々な実施形態では、導電性材料は、オープンディスク電極の中で不連続である導電性材料を含むオープンディスクの形状である。いくつかの実施形態では、電極は中空リング電極形状である。いくつかの実施形態では、電極は、個々の電極の中心に実質的に存在しないか、または個々の電極の端にのみ存在する電極アレイ内の導電性材料を含む。中空リングまたはオープンディスクなどのさまざまな形状により、電極内の導電性材料の表面積が減少する。電極上に存在する導電性材料の減少は、電極表面内およびその周囲への流れをもたらし、電極の表面上に捕捉される分析物の増加をもたらす。
【0068】
いくつかの実施形態では、非導電性材料の層が、電極の特定の領域または電極アレイの近位近傍に存在する。一実施形態では、非導電性材料の層が電極アレイを取り囲み、アレイを囲む物理的障壁または壁を作成する。いくつかの実施形態では、電極アレイは、アレイ材料内に押し下げられ、アレイ表面上に、電極材料または実質的に電極材料がウェルまたはくぼみに存在するウェルまたはくぼみを作製する。
【0069】
いくつかの実施形態では、電極構成は3次元である。いくつかの実施形態では、電極材料は、角度構成に折りたたまれている。様々な実施形態において、電極材料は、三角形の管に形成される。様々な実施形態において、電極材料は、中空の三角管に形成される。さらに様々な実施形態では、3次元電極は、約180度未満、約170度未満、約160度未満、約150度未満、約140度未満、130度、約120度未満、約110度未満、約100度未満、約90度未満、約80度未満、約70度未満、ただし約60度以上の隣接する平面電極表面間の角度を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、180度以下の隣接する平面電極表面間の角度に構成されている。いくつかの実施形態では、3次元電極構成は、約60度を超える、約70度を超える、約80度を超える、約90度を超える、約100度を超える、約110度を超える、約120度を超える、約130度を超える、約140度を超える、約150度を超える、約160度を超える、約170度を超える、ただし約180度以下の隣接する平面電極表面間の角度を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、60度以上の隣接する平面電極表面間の角度に構成されている。いくつかの実施形態では、電極内の導電性材料は、くぼんだ凹面形状に構成される。さらに様々な実施形態では、電極構成は、くぼんだバスケット電極である。電極の3次元構造により、電極の総表面積が増加し、定義された単位時間でより多くの流体を調べることを可能にする。
【0070】
いくつかの実施形態では、個々の電極は、最大寸法で約40μmから約100μmである。さらに様々な実施形態では、個々の電極は、最大寸法で約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、約80μm、約85μm、約90μm、約95μm、または約100μmである。さらに様々な実施形態では、個々の電極は、最大寸法で約40μmから約50μm、約40μmから約60μm、約40μmから約1000μm、約100μmから約500μm、または約40μmから約70μmである。さらに様々な実施形態では、個々の電極は、最大寸法で約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、または約1000μmである。いくつかの実施形態では、個々の電極の最大寸法はその直径である。
【0071】
複数の交流電極は、任意に、本明細書に記載の分離プロセスに適した任意の方法で構成される。様々な実施形態において、本明細書に開示される電極のアレイは、電極構成のパターンを含み、構成は、電極アレイの繰り返し単位を含む。いくつかの実施形態では、繰り返し単位の平行なセット間の端から端までの距離は、等距離であるか、またはほぼ等距離である。適用されたA/CまたはD/C動電学的場における電極および/または細胞の濃縮を含むシステムまたはデバイスのさらなる説明は、そのような開示のために本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開WO2009/146143に見出される。
【0072】
いくつかの実施形態では、電極材料は、約100nmから約1000nmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極材料は、約200nmから約800nmの厚さである。さらに様々な実施形態では、電極材料は、約300nmから約500nmの厚さである。さらに様々な実施形態では、電極材料は、約100nm、約150nm、約200nm、約250nm、約300nm、約350nm、約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約600nm、約650nm、約700nm、約750nm、約800nm、約850nm、約900nm、約950nm、または約1000nmの厚さである。
【0073】
いくつかの実施形態では、接着層は、電極材料の堆積の前に、保護層としてアレイ上に堆積または印刷される。場合によっては、接着層が誘電体層の上に存在する。いくつかの実施形態では、接着層は、任意の適切な材料を含む。一実施形態では、接着層はチタンまたはタングステンを含む。様々な実施形態において、接着層は、約10から約50nmの厚さである。いくつかの実施形態では、接着層は、約20nmから約500nmの厚さである。いくつかの実施形態では、接着層は、約20nmから約1000nmの厚さである。いくつかの実施形態では、接着層は、約20から約200nmの厚さである。いくつかの実施形態では、接着層は、約50から約150nmの厚さである。いくつかの実施形態では、接着層は、約75から約125nmの厚さである。いくつかの実施形態では、接着層は、約80から約120nmの厚さである。いくつかの実施形態では、接着層は100nmの厚さである。いくつかの実施形態では、接着層は、約20から約40nmの厚さである。さらに様々な実施形態では、接着層は、約20から約30nmの厚さである。さらに様々な実施形態では、接着層は、約10nm、約20nm、約30nm、約40nm、または約50nmの厚さである。
【0074】
いくつかの実施形態では、個々の電極の端対端(E2E)対直径比は、約10μmから約500μmである。いくつかの実施形態では、電極のE2Eは、約50μmから約300μmである。さらに様々な実施形態では、電極のE2Eは、約100μmから約200μmである。さらに様々な実施形態では、電極のE2Eは、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約110μm、約120μmm、約130μm、約140μm、約150μm、約160μm、約170μm、約180μm、約190μm、約200μm、約210μm、約220μm、約230μm、約240μm、約250μm、約260μm、約270μm、約280μm、約290μm、約300μm、約310μm、約320μm、約330μm、約340μm、約350μm、約360μm、約370μm、約380μm、約390μm、約400μm、約410μm、約420μm、約430μm、約440μm、約450μm、約460μm、約470μm、約480μm、約490μmまたは約500μmである。いくつかの実施形態では、電極のE2Eは、約750μm、約1000μm、約1500μm、または約2000μmである。いくつかの実施形態では、電極の端対端(E2E)対直径比は、約0.5mmから約5mmである。いくつかの実施形態では、E2E対直径の比は、約1mmから約4mmである。いくつかの実施形態では、E2E対直径の比は、約1mmから約3mmである。いくつかの実施形態では、E2E対直径の比は、約1mmから約2mmである。いくつかの実施形態では、E2E対直径の比は、約2mmから約5mmである。いくつかの実施形態では、E2E対直径比は約1mmである。いくつかの実施形態では、E2E対直径比は約2mmである。いくつかの実施形態では、E2E対直径比は約3mmである。いくつかの実施形態では、E2E対直径比は約4mmである。いくつかの実施形態では、E2E対直径比は約5mmである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極は、ドライエッチングされている。いくつかの実施形態では、電極はウェットエッチングされている。いくつかの実施形態では、電極は、ドライエッチングとウェットエッチングの組み合わせを受けている。
【0075】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極は、ドライエッチングされている。いくつかの実施形態では、電極はウェットエッチングされている。いくつかの実施形態では、電極は、ドライエッチングとウェットエッチングの組み合わせを受けている。
【0076】
いくつかの実施形態では、各電極は個別に部位制御される。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極のアレイは、ユニットとして制御される。
【0078】
アレイは、任意の適切な材料でできている。いくつかの実施形態では、アレイはプラスチックまたはシリカを含む。いくつかの実施形態では、アレイは二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、アレイはアルミニウムを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、電極はドット構成にあり、例えば、電極は、一般的に円形または円形の構成を含む。いくつかの実施形態では、電極はディスクとして構成される。いくつかの実施形態では、電極はリングとして構成される。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は、約30°から約90°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は、約25°から約60°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は、約30°から約55°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は、約30°から約50°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は、約35°から約45°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約25°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約30°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約35°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約40°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約45°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約50°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約55°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約60°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約65°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約70°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約75°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約80°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約85°である。いくつかの実施形態では、ドット間の配向角度は約90°である。
【0080】
様々な実施形態において、電極は非円形構成にある。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は、約25°から90°の間である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は、約30°から約90°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は、約25°から約60°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は、約30°から約55°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は、約30°から約50°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は、約35°から約45°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約25°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約30°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約35°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約40°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約45°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約50°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約55°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約60°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約65°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約70°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約75°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約80°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約85°である。いくつかの実施形態では、非円形構成間の配向角度は約90°である。
【0081】
いくつかの実施形態では、電極は実質的に細長い構成にある。
【0082】
いくつかの実施形態では、電極は、波線または非線形線に似た構成にある。いくつかの実施形態では、電極のアレイは、波状または非線形の線構成であり、この構成は、リンカーによって接続された一対のドットの形状を含む繰り返し単位を含み、ドットおよびリンカーは、電極の境界を規定し、リンカーは、ドットの対に向かって、またはドットのペアの間の中間点で内側に先細りになり、ドットの直径は、繰り返し単位の長さに沿った最も広い点であり、繰り返し単位の平行なセット間の端から端までの距離は等距離であるか、またはほぼ等距離である。いくつかの実施形態では、電極は、波線に似たストリップである。いくつかの実施形態では、電極間の端から端までの距離は、波線構成全体にわたって等距離であるか、またはほぼ等距離である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるような波線電極の使用は、増強された適用されたA/CまたはD/C動電力勾配をもたらす。
【0083】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極は、平面構成にある。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電極は、非平面構成にある。
【0084】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、その表面上でナノスケールの生体分子を選択的に捕捉する。例えば、本明細書に開示されるデバイスは、例えば、以下によって、核酸などの分析物を捕捉することができる。a.核酸ハイブリダイゼーション、b.抗体-抗原相互作用、c.ビオチン-アビジン相互作用、d.イオンまたは静電相互作用、またはe.それらの任意の組み合わせ。したがって、本明細書に開示されるデバイスは、相補的核酸プローブ、抗体、または生体分子(核酸など)を捕捉することができる他のタンパク質捕捉などの捕捉分子、ビオチンまたはアビジンなど相補的標的分子を捕捉することができる他の固定捕捉、イオン性または静電相互作用によって生体分子(核酸など)を捕捉できる捕捉分子、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む機能化表面を組み込むことができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、表面は、a.ポリマー(例えば、ポリエチレングリコールPEG)、b.イオンまたは静電相互作用、c.界面活性剤、またはd.それらの任意の組み合わせによって、非特異的結合相互作用を最小化および/または阻害するように官能化される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、Tween 20など、ウシ血清アルブミン、非特異的免疫グロブリンなどのようなこのような相互作用に干渉することによって非特異的結合相互作用を低減する添加剤の使用を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、デバイスは、(a)平らに並んで、(b)垂直に面して、または(c)水平に向いて配向された複数の微小電極デバイスを含む。様々な実施形態において、電極は、サンドイッチ構成にあり、すなわち、垂直形式で互いの上端に積み重ねられている。
【0087】
動電学的装置、方法、およびシステム
本明細書で提供される実施形態の中で、流体から分析物を収集するための誘電体材料を含む電極を含むデバイスが提供される。一態様では、本明細書に記載されているのは、細胞または他の粒子状物質を含む流体から分析物を収集するためのデバイスである。他の態様において、本明細書に開示されるデバイスは、細胞またはタンパク質材料を含む流体から分析物(核酸など)を収集および/または単離することができる。他の例では、本明細書に開示されるデバイスは、細胞材料から分析物(核酸など)を収集および/または単離することができる。いくつかの実施形態において、例示的な分析物は、核酸、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、凝集タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア小胞、細胞小胞、本明細書と一致する任意の他の生物学的分析物、またはそれらの任意の組み合わせを含む。ほんの一例として、核酸は、いくつかの実施形態において、DNA、RNA、環状RNA、cfDNA(無細胞DNA)、cfRNA(無細胞RNA)、cffDNA(無細胞胎児DNA)、mRNA、tRNA、rRNA、miRNA、合成ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似体、本明細書と一致する任意の他の核酸、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、細胞または他の粒子状物質を含む流体から核酸を単離するためのデバイスであり、このデバイスは、以下を含む。a.筺体、b.ヒーターまたは熱源および/またはタンパク質分解剤を含むリザーバ、およびc.ハウジング内の複数の交流(AC)電極であって、AC電極は、AC動電学的高フィールドおよびAC動電学的低フィールド領域を確立するように選択的に励起されるように構成され、それにより、AC動電学的効果は、デバイスの低フィールド領域における細胞の濃縮を提供する。いくつかの実施形態では、複数の電極は、誘電泳動高フィールドおよび誘電泳動低フィールド領域を確立するために選択的に励起されるように構成される。いくつかの実施形態では、タンパク質分解剤はプロテアーゼである。いくつかの実施形態において、タンパク質分解剤はプロテイナーゼKである。いくつかの実施形態において、デバイスは、溶離液を含む第2のリザーバをさらに含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、a.複数の交流(AC)電極であって、AC動電学的高フィールドおよびAC動電学的低フィールド領域を確立するために選択的にエネルギーを与えられるように構成されたAC電極、およびb.サーモサイクリングおよびPCRまたは他の酵素反応を実行できるモジュール備えるデバイスである。いくつかの実施形態では、複数の電極は、誘電泳動高場領域および誘電泳動低場領域を確立するために選択的に励起されるように構成される。いくつかの実施形態では、デバイスは、細胞を含む流体からDNAを単離し、PCR増幅または他の酵素反応を実行することができる。いくつかの実施形態では、単一のチャンバー内でDNAが単離され、PCRまたは他の酵素反応が実行される。いくつかの実施形態では、単一のチャンバーの複数の領域で、DNAが単離され、PCRまたは他の酵素反応が実行される。いくつかの実施形態では、複数のチャンバーで、DNAが単離され、PCRまたは他の酵素反応が実行される。
【0090】
いくつかの実施形態では、デバイスは、PCR増幅または他の酵素反応を実行するための溶出チューブ、チャンバー、およびリザーバのうちの少なくとも1つをさらに含む。いくつかの実施形態では、PCR増幅または他の酵素反応は、複数の温度ゾーンを含む曲がりくねったマイクロチャネル内で実行される。いくつかの実施形態において、PCR増幅または他の酵素反応は、非混和性の流体に閉じ込められた水滴中で実施される(すなわち、デジタルPCR)。いくつかの実施形態では、熱サイクルは対流を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、電極に接触するかまたは電極に近接する表面を含み、表面は、生体分子を選択的に捕捉することができる生物学的リガンドで官能化される。
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、細胞または他の粒子状物質を含む流体から核酸を単離するためのシステムであり、このシステムは、a.複数の交流(AC)電極を含むデバイスであって、AC電極は、AC動電学的高フィールドおよびAC動電学的低フィールド領域を確立するように選択的に励起されるように構成され、それにより、AC動電学的効果は、デバイスの高フィールド領域における細胞の得祝集中を提供する、デバイス、およびb.単離または収集された核酸に対して酵素反応を実行するためのシーケンサー、サーモサイクラーまたは他のデバイスを備える。いくつかの実施形態では、複数の電極は、誘電泳動高フィールドおよび誘電泳動低フィールド領域を確立するために選択的に励起されるように構成される。
【0092】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、電極が別々のチャンバーに配置され、AC DEPフィールドが細孔または穴の構造を通過することにより、正に印加されるA/CまたはD/C動電力領域および負に印加されるA/CまたはD/C動電力領域が、内部チャンバー内に作成される方法、デバイス、およびシステムである。さまざまな形状を使用して、細胞、マイクロ粒子、ナノ粒子、および核酸の分離物を運ぶために、所望の正の印加A/CまたはD/C動電力(高フィールド)領域および印加A/CまたはD/C動電力負(低フィールド)領域を形成する。いくつかの実施形態では、細孔または穴の構造は、多孔質材料を含む(またはこれで充填される)か、または多孔質膜構造で覆われる。いくつかの実施形態では、電極を別個のチャンバーに分離することにより、そのような細孔/穴構造が適用されたA/CまたはD/C動電力デバイスは、適用されたA/CまたはD/C動電力プロセスの間に、内部分離チャンバーで発生する電気化学効果、加熱、または無秩序な流体運動を低減する。いくつかの実施形態では、電極上の誘電体層は、生体分子捕捉効率の増加をもたらす。
【0093】
一態様では、本明細書に記載されているのは、電極が別個のチャンバーに配置され、印加されたA/CまたはD/C動電フィールドが、細孔構造を通過することによって内部チャンバー内に生成される、電極を備えるデバイスである。例示的なデバイスは、ハウジング内に複数の電極および電極を含むチャンバーを備える。デバイスのコントローラは、そのような開示のために本明細書に組み込まれるPCT特許公開WO 2009/146143 A2にさらに記載されているように、電極を独立して制御する。
【0094】
いくつかの実施形態では、チャンバーデバイスは、様々な細孔および/または穴構造(ナノスケール、マイクロスケール、さらにはマクロスケール)で作成され、AC/DC電界、溶質分子、バッファー、およびその他の小分子がチャンバーを通過できる間に、細胞、ナノ粒子、または他の実体が拡散するのを制御、閉じ込め、もしくは防止し、または、内部チャンバーに輸送される、膜、ゲル、もしくは濾過材料を含む。
【0095】
様々な実施形態では、デバイスの様々な構成が可能である。例えば、デバイスは、AC動電学を可能にするために繰り返し不均一な電場を生成するように構成された、例えば正方形または長方形のパターンの電極のより大きなアレイを含む。例示のみを目的として、適切な電極アレイは、10×10電極構成、50×50電極構成、10×100電極構成、20×100電極構成、または20×80電極構成を含み得るが、これらに限定されない。
【0096】
このようなデバイスには、多重電極およびチャンバーデバイス、再構成可能な電界パターンの作成を可能にするデバイス、DC電気泳動プロセスと流体プロセスとを組み合わせたデバイス、サンプル調製デバイス、サンプル調製、単離された核酸分子の酵素操作、およびその後の検出と分析を含む診断デバイス、ラボオンチップデバイス、ポイントオブケアおよびその他の臨床診断システムまたはバージョンが含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
いくつかの実施形態では、平面白金電極アレイデバイスは、サンプル流体が流れるハウジングを含む。いくつかの実施形態では、流体は、入口端から出口端に流れ、これは、任意に、横方向の分析物出口を含む。例示的なデバイスは、複数のAC電極を備える。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるAC動電場領域は、ミクロンサイズの実体、より大きな粒子および/またはより小さな粒子を含む標的粒子を選択的に単離することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるAC動電場領域は、複雑な生物学的または環境サンプル中のミクロンサイズの実体、より大きな粒子および/またはより小さな粒子を含む標的粒子を選択的に単離することができる。標的粒子は、アレイの表面またはその近くの異なるフィールド領域で単離され、非標的粒子または単離されていない粒子をアレイの表面またはその近傍でアレイまたはカートリッジから洗い流すことができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、電極のアレイが一緒に活性化され、ACバイアスされて、チェッカーボードフィールド形状を形成する。いくつかの実施形態では、正のDEP領域は電極の真上に発生し、負の低フィールド領域は電極間に発生する。
【0100】
いくつかの実施形態では、平面電極アレイデバイスは、別々に制御することができるが同時に操作することができる3つの20×20アレイに任意に区分される60×20電極アレイである。オプションの補助DC電極は正電荷に切り替えることができ、一方オプションのDC電極は電気泳動の目的で負電荷に切り替えることができる。場合によっては、制御されたACおよびDCシステムのそれぞれは、様々な実施形態において、連続的および/またはパルス方式の両方で使用される(例えば、それぞれが比較的短い時間間隔でパルスオンおよびオフになり得る)。サンプルフローの側面に沿ったオプションの平面電極アレイは、ナノポーラス材料がオーバーレイされている場合、オプションでDC電気泳動力とACDEPを生成するために使用されます。サンプルフローの側面に沿ったオプションの平面電極アレイは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層でコーティングされている。さらに、マイクロ電気泳動分離プロセスは、オプションで、アレイ内の平面電極および/またはx-y-z寸法の補助電極を使用して、ナノポア層内で実行される。
【0101】
様々な実施形態において、これらの方法、デバイスおよびシステムは、約1ボルトから2000ボルトpk-pkの範囲であり得る電圧で、1,000Hzから100mLのAC周波数範囲で動作され、DC電圧が1ボルトから1000ボルト、流量が10マイクロリットル/分から10ミリリットル/分、そして温度範囲が1℃から120℃である。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約3から約15kHzのAC周波数範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、5-25ボルトpk-pkの電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約1から約50ボルト/cmの電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約1から約5ボルトのDC電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、毎分約10マイクロリットルから約500マイクロリットルの流量で操作される。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約20℃から約60℃の温度範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1,000Hzから10MHzのAC周波数範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1,000Hz-1MHzのAC周波数範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1,000Hzから100kHzのAC周波数範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1,000Hzから10kHzのAC周波数範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、10kHzから100kHzのAC周波数範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、100kHzから1MHzのAC周波数範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約1ボルトから1500ボルトpk-pkの電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約1ボルトから1500ボルトpk-pkの電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約1ボルトから1000ボルトpk-pkの電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約1ボルトから500ボルトpk-pkの電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約1ボルトから250ボルトpk-pkの電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約1ボルトから100ボルトpk-pkの電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、約1ボルトから50ボルトpk-pkの電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1ボルトから1000ボルトまでのDC電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1ボルトから500ボルトまでのDC電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1ボルトから250ボルトまでのDC電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1ボルトから100ボルトまでのDC電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1ボルトから50ボルトまでのDC電圧で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、毎分10マイクロリットルから毎分1mlの流量で操作される。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、毎分10マイクロリットルから毎分500マイクロリットルの流量で操作される。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、毎分10マイクロリットルから毎分250マイクロリットルまでの流量で操作される。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、毎分10マイクロリットルから毎分100マイクロリットルまでの流量で操作される。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1℃から100℃の温度範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、20℃から95℃の温度範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、25℃から100℃の温度範囲で動作する。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、室温で操作される。
【0102】
いくつかの実施形態では、コントローラは、電極のそれぞれを独立して制御する。いくつかの実施形態では、コントローラは、例えば、ソケットおよびプラグ接続などによってデバイスに外部接続されているか、またはデバイスハウジングと統合されている。
【0103】
また、本明細書では、堅牢な電極のスケーリングされた断面(x-y次元)アレイ、ならびにDEP、電気泳動、および流体力を組み合わせた補助電極の戦略的に配置された(x-y-z次元)配置、ならびにそれらの使用について説明する。いくつかの実施形態において、臨床的に関連する量の血液、血清、血漿、または他のサンプルは、より高いイオン強度および/またはコンダクタンス条件下でより直接的に分析される。本明細書で説明するのは、堅牢な電極構造(例えば、プラチナ、パラジウム、金など)を、材料の1つまたは複数の多孔質層(天然または合成の多孔質材料、膜、制御されたナノ細孔材料、および浸透可能な薄い誘電体層状材料)でオーバーレイして、電気化学(電気分解)反応、加熱、および電極上または電極の近くで発生する可能性のある無秩序な流体の動きの影響を低減し、細胞、細菌、ウイルス、ナノ粒子、DNA、およびその他の生体分子の効果的な分離の実行を可能にする。いくつかの実施形態では、より高い解像度の分離を達成するためにAC周波数クロスオーバーポイントを使用することに加えて、デバイス上(アレイ上)のDC微小電気泳動が二次分離のために使用される。例えば、DNA粒子(20-50kb)、高分子量DNA(5-20kb)、中分子量DNA(1-5kb)、および低分子量DNA(0.1-1kb)フラグメントの分離はアレイ上のDCマイクロ電気泳動を通して達成され得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、任意に、異なる血球、細菌およびウイルス、ならびにそのようなデバイス上で同時に実行されるDNAの同時分離を目的として、サブセクション化される。いくつかの実施形態では、デバイスは、ハウジングおよびヒーターまたは熱源および/またはタンパク質分解剤を含むリザーバを備える。いくつかの実施形態では、ヒーターまたは熱源は、流体の温度を所望の温度(例えば、タンパク質を分解するのに適した温度、約30℃、40℃、50℃、60℃、70℃など)まで増加させることができる。いくつかの実施形態では、ヒーターまたは熱源は、PCRサーモサイクラーとしての動作に適している。様々な実施形態において、ヒーターまたは熱源は、一定の温度(等温条件)を維持するために使用される。いくつかの実施形態では、タンパク質分解剤はプロテアーゼである。様々な実施形態において、タンパク質分解剤はプロテイナーゼKであり、ヒーターまたは熱源は、タンパク質分解剤を不活性化するために使用される。
【0104】
いくつかの実施形態では、デバイスはまた、ハウジング内に複数の交流(AC)電極を備え、AC電極は、誘電泳動(DEP)高フィールドおよび誘電泳動(DEP)低フィールド領域を確立するように選択的に通電されるように構成することができ、それにより、AC動電学的効果が、デバイスの低フィールド領域での細胞の濃縮を提供する。いくつかの実施形態では、電極は、選択的にエネルギーを与えられて第1のAC動電学的フィールド領域を提供し、続いてまたは連続的に選択的にエネルギーを与えられて第2のAC動電学的フィールド領域を提供する。例えば、適用されたA/CまたはD/C動電学的場における電極および細胞の濃度のさらなる説明は、そのような開示のために本明細書に組み込まれるPCT特許公開WO2009/146143 A2に見出される。場合によっては、AC動電学的効果は、適用されたA/CまたはD/C動電場の低フィールド領域における細胞の濃縮および/または高フィールド領域における分子(例えば、核酸などの高分子)の濃縮(または収集または単離)を提供する。
【0105】
いくつかの実施形態では、デバイスは、溶離液を含む第2のリザーバを含む。溶離液は、デバイスから単離された核酸を溶出するために適した任意の流体である。場合によっては、溶離液は水または緩衝液である。場合によっては、溶離液はDNAシーケンシング法に必要な試薬を含む。
【0106】
また、本明細書では、複数の直流(DC)電極を含むシステムおよびデバイスもまた提供される。いくつかの実施形態では、複数のDC電極は、アレイ全体に広がる少なくとも2つの長方形の電極を含む。いくつかの実施形態では、電極はアレイの端に配置されている。いくつかの実施形態では、DC電極は、AC電極の間に散在している。場合によっては、DC電極は誘電体材料を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたはデバイスは、核酸を操作するための手段を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたはデバイスは、酵素反応を実行する手段を含む。様々な実施形態において、本明細書に記載のシステムまたはデバイスは、ポリメラーゼ連鎖反応、等温増幅、ライゲーション反応、制限分析、核酸クローニング、転写または翻訳アッセイ、または他の酵素ベースの分子生物学アッセイを実施する手段を含む。さらに様々な実施形態において、本明細書に記載のシステムまたはデバイスは、核またはミトコンドリアDNAを含む定量的リアルタイムPCR、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、直接SYBRゴールドアッセイ、直接PicoGreenアッセイ、マイクロサテライトマーカーのヘテロ接合性の喪失(LOH)を使用し得、任意に、キャピラリー電気泳動分析を含むがこれに限定されない電気泳動分析、次世代シーケンシングを含むがこれらに限定されないシーケンシングおよび/またはクローニング、改変されたセミネステッドまたはネステッドメチル化特異的PCRを含むがこれらに限定されないメチル化分析、DNA特異的PCR(MSP)、ビスルフィトーム増幅後の微量DNAの定量(qMAMBRA)、ならびにビーズ上でのメチル化、MALDI-ToF(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間分析)を含むがこれに限定されない質量ベースの分析を含み、これらは任意にPCRおよびデジタルPCRと組み合わせられる。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたはデバイスは、核酸シーケンサーを含む。シーケンサーは、サンガーシーケンサー、パイロシーケンサー、イオン半導体シーケンサー、ポロニーシーケンサー、ライゲーションによる配列決定装置、DNAナノボール配列決定装置、ライゲーションによる配列決定装置、または単一分子配列決定装置を含むがこれらに限定されない任意の適切なDNA配列決定装置である。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたはデバイスは、一定の温度を維持することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたはデバイスは、アレイまたはチャンバーを冷却することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたはデバイスは、アレイまたはチャンバーを加熱することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムまたはデバイスは、サーモサイクラーを備える。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、局所的な温度制御要素を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、温度を感知および制御することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、デバイスは、加熱要素または熱要素をさらに備える。いくつかの実施形態では、加熱または熱要素は、電極の下に局在化される。いくつかの実施形態では、加熱要素または熱要素は金属を含む。いくつかの実施形態では、加熱要素または熱要素は、タンタル、アルミニウム、タングステン、またはそれらの組み合わせを含む。一般に、加熱要素または熱要素によって達成される温度は、それを流れる流れに比例する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、局所的な冷却要素を含む。いくつかの実施形態では、耐熱要素は、露出した電極アレイの真下に配置される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、約20℃から約120℃の間の温度を達成および維持することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、約30℃から約100℃の間の温度を達成および維持することができる。様々な実施形態において、本明細書に開示されるデバイスは、約20℃から約95℃の間の温度を達成および維持することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、約℃から約90℃の間、約25℃から約85℃の間、約25℃から約75℃の間、約25℃から約65℃の間、または約25℃から約55℃の間の温度を達成および維持することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスは、約20℃、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、約110℃または約120℃の温度を達成および維持することができる。
【0111】
適用されたA/CまたはD/C動電学的フィールド領域および分析対象物の分離
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、デバイス、およびシステムは、流体材料(任意に汚染物質、残留細胞材料などの他の材料を含む)から、サイズ、極性、または他の特性などの特性に基づいて、細胞、粒子、および/または分子(核酸など)を収集、分離、または単離するメカニズムを提供する。いくつかの実施形態では、任意の数のデバイス、方法、またはシステム変数が最適化されて、特定の分析物の分離または特定のサンプルからの単離を提供する。
【0112】
いくつかの実施形態において、動電学的場は、核酸などの生体分子を収集、分離、または単離するために生成される。いくつかの実施形態では、動電学的場は、AC動電学的場を含む。いくつかの実施形態では、AC動電場は誘電泳動場である。したがって、いくつかの実施形態では、誘電泳動(DEP)は、本明細書に記載の方法の様々な工程で利用される。
【0113】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよびシステムは、DEPフィールドなどを生成することができる。特定の実施形態において、DEPは、無細胞核酸、エキソソーム、高mw DNAを含む高mw核酸、オリゴヌクレオソーム複合体、ヌクレオソーム、凝集タンパク質、小胞結合DNA、細胞膜断片および細胞破片などの細胞および/または粒子を濃縮するために使用される(例えば、同時にまたは異なる時間に)。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、第1、第2、および任意のさらなる任意のDEPフィールドを生成するように電極のアレイにエネルギーを与えることをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよびシステムは、第1、第2、および任意のさらなる任意のDEPフィールドを生成するように通電することができる。異なるDEPフィールドは、場合によっては、異なる特性を有する異なる分析物の単離を可能にし、任意に、本明細書に記載のデバイス上の異なる位置での分離を可能にする。
【0114】
本明細書で提供される様々な実施形態では、本明細書に記載される方法は、アレイを用いて第1のDEPフィールド領域および第2のDEPフィールド領域を生成することを含む。本明細書で提供される様々な実施形態では、本明細書に記載されるデバイスまたはシステムは、アレイを用いて第1のDEPフィールド領域および第2のDEPフィールド領域を生成することができる。場合によっては、第1および第2のフィールド領域は単一のフィールドの一部である(例えば、第1および第2の領域は同時に存在するが、デバイス内および/またはアレイ上の異なる場所に見い出される)。いくつかの実施形態では、第1および第2のフィールド領域は異なるフィールドである(例えば、第1の領域は、最初に電極に通電することによって作成され、第2の領域は、電極に2回目に通電することによって作成される)。特定の態様では、第1のDEPフィールド領域は、細胞を濃縮または単離するために適している(例えば、低フィールドDEP領域に)。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、分子(例えば、核酸)などのより小さな粒子を、例えば、高フィールドDEP領域に濃縮するために適している。場合によっては、本明細書に記載の方法は、任意に、第1または第2のDEPフィールド領域のいずれかの使用を除外する。
【0115】
いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、第2のDEPフィールド領域として本明細書に開示されるのと同じデバイスのチャンバー内にある。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域および第2のDEPフィールド領域は、電極のアレイの同じ領域を占める。
【0116】
いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、本明細書に開示されるようなデバイスと別個のチャンバー内にあるか、または完全に第2のDEPフィールド領域とは別個のデバイスである。
【0117】
第1のDEPフィールド領域
いくつかの態様において、例えば、高コンダクタンス緩衝液(>100mS/m)において、本明細書に記載の方法は、細胞または他の粒子状物質を含む流体を、電極のアレイを含むデバイスに適用し、それによって、細胞を第1のDEPフィールド領域で濃縮する。いくつかの態様において、本明細書に記載のデバイスおよびシステムは、細胞または他の粒子状物質を含む流体を電極のアレイを含むデバイスに適用することができ、それによって、細胞を第1のDEPフィールド領域で濃縮させることができる。後続または同時の第2、またはオプションの第3および第4のDEP領域は、分析物、粒子などの生体分子、例えば、無細胞核酸、エキソソーム、高mw DNAを含む高mw核酸、オリゴヌクレオソーム複合体、ヌクレオソーム、凝集タンパク質、小胞結合DNA、細胞膜断片、細胞破片、または本明細書に記載の他の分析物を含む、他の流体成分を収集または分離することができる。
【0118】
第1のDEPフィールド領域は、流体から細胞を濃縮するのに適した任意のフィールド領域であり得る。このアプリケーションでは、細胞は一般に電極のアレイの近くに濃縮されている。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、誘電泳動低フィールド領域である。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、誘電泳動高フィールド領域である。いくつかの態様では、例えば低コンダクタンス緩衝液(<100mS/m)の場合、本明細書に記載の方法は、細胞を含む流体を電極のアレイを含むデバイスに適用し、それによって、細胞または他の粒子状物質を第1のDEPフィールド領域に濃縮することを含む。
【0119】
いくつかの態様において、本明細書に記載のデバイスおよびシステムは、細胞または他の粒子状物質を含む流体を、電極のアレイを含むデバイスに適用し、細胞を第1のDEPフィールド領域に濃縮させることができる。様々な実施形態において、第1のDEPフィールド領域は、流体から細胞を濃縮するのに適した任意のフィールド領域であり得る。いくつかの実施形態では、細胞は電極のアレイに濃縮されている。いくつかの実施形態では、細胞は、誘電泳動高フィールド領域で捕捉される。いくつかの実施形態では、細胞は、誘電泳動低フィールド領域に捕捉される。高フィールド捕捉対低フィールド捕捉は、一般に流体の導電率に依存し、一般に、交差点は約300-500mS/mの間である。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、約300mS/mを超える流体伝導率で実行される誘電泳動低フィールド領域である。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、約300mS/m未満の流体伝導率で実行される誘電泳動低フィールド領域である。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、約300mS/mを超える流体伝導率で実行される誘電泳動高フィールド領域である。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、約300mS/m未満の流体伝導率で実行される誘電泳動高フィールド領域である。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、約500mS/mを超える流体伝導率で実行される誘電泳動低フィールド領域である。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、約500mS/m未満の流体伝導率で実行される誘電泳動低フィールド領域である。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、約500mS/mを超える流体伝導率で実行される誘電泳動高フィールド領域である。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、約500mS/m未満の流体伝導率で実行される誘電泳動高フィールド領域である。
【0120】
いくつかの実施形態では、第1の誘電泳動フィールド領域は、交流によって生成される。交流電流は、細胞を濃縮するのに適した任意のアンペア数、電圧、周波数などを有する。いくつかの実施形態では、第1の誘電泳動フィールド領域は、0.1マイクロアンペア-10アンペアのアンペア数、ピークツーピークで1-50ボルトの電圧、および/または1-10,000,000Hzの周波数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、ピークツーピークで5-25ボルトの電圧を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、3-15kHzの周波数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、1ミリアンペアから1アンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、0.1マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、1マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、100マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、500マイクロアンペア-500ミリアンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、ピークツーピークで1-25ボルトの電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、ピークツーピークで1-10ボルトの電圧を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、ピークツーピークで25-50ボルトの電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、10-1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、100-100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、100-10,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、10,000-100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、100,000-1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。
【0121】
いくつかの実施形態では、第1の誘電泳動場領域は、直流によって生成される。直流は、細胞を濃縮するのに適した任意のアンペア数、電圧、周波数などを有する。いくつかの実施形態では、第1の誘電泳動フィールド領域は、0.1マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数、10ミリボルト-10ボルトの電圧、ならびに/または1ミリ秒から1000秒のパルス幅および0.001から1000Hzのパルス周波数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、1マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、100マイクロアンペア-500ミリアンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、1ミリアンペア-1アンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、1マイクロアンペア-1ミリアンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、500ミリ秒-500秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、500ミリ秒-100秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、1秒-1000秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、500ミリ秒-1秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、0.01-1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、0.1-100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、1-100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、100-1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。
【0122】
いくつかの実施形態では、流体は、細胞タイプの混合物を含む。いくつかの実施形態では、細胞タイプの混合物は、異なるDEPフィールドで分離される。例えば、血液は赤血球と白血球を含む。環境サンプルは、さまざまな濃度の多くの種類の細胞やその他の粒子状物質を含む。いくつかの実施形態では、1つの細胞型(またはサンプルを含む細胞型の総数より少ない任意の数の細胞型)が、第1のDEPフィールドに優先的に濃縮される。限定されないが、この実施形態は、核酸単離手順を糞便性大腸菌群などの特定の環境汚染物質に集中させるのに有益であり、それによって、DNA配列決定を使用して汚染物質の供給源を特定することができる。別の非限定的な例では、第1のDEPフィールドは、細胞ではなくウイルスを特異的に濃縮する方法で操作される(例えば、300mS/mを超える導電率を有する流体において、ウイルスは、DEP高フィールド領域に濃縮されるが、より大きな細胞はDEP低フィールド領域に濃縮される)。
【0123】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、デバイス、またはシステムは、特定の細胞型を単離または分離するのに適している。いくつかの実施形態では、これらの方法、デバイス、またはシステムのDEPフィールドは、特定のタイプの細胞をDEPフィールドのフィールド領域に分離または濃縮することを可能にするように特に調整される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、デバイスまたはシステムは、1つより多くのタイプの細胞が単離または濃縮される1つより多くのフィールド領域を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、デバイス、またはシステムは、そのDEPフィールド領域内の異なるタイプの細胞の単離または濃縮を可能にするように調整可能である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、DEPフィールドを調整することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるデバイスまたはシステムは、DEPフィールドを調整することができる。場合によっては、そのような調整は、所望の目的に特に適したDEPを提供することにあるかもしれない。例えば、アレイ、エネルギー、または別のパラメータの変更は、オプションでDEPフィールドを調整するために利用される。より細かい解像度のための調整パラメータには、電極の直径、電極間の端から端までの距離、電圧、周波数、流体の導電率と多孔質ポリマー層の存在、および誘電体層の組成が含まれる。
【0124】
いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、電極のアレイ全体を含む。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、電極のアレイの一部を含む。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、電極のアレイの約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約25%、約20%、または約10%を含む。いくつかの実施形態では、第1のDEPフィールド領域は、電極のアレイの約3分の1を含む。
【0125】
第2のDEPフィールド領域
一態様では、本明細書に記載のデバイスおよびシステムは、無細胞核酸、エキソソーム、高mw DNAを含む高mw核酸、オリゴヌクレオソーム複合体、ヌクレオソーム、凝集タンパク質、小胞結合DNA、細胞膜断片、細胞破片、または第2のDEPフィールド領域における本明細書に記載の他の分析物などの粒子を濃縮することができる。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、粒子を濃縮するのに適した任意のフィールド領域である。いくつかの実施形態では、粒子は電極のアレイに濃縮されている。さらに他の態様において、粒子の濃縮は、例えば、細胞溶解と関連して起こる。 さらに他の態様では、いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、誘電泳動高場領域である。第2のDEPフィールド領域は、任意に、第1のDEPフィールド領域と同じである。
【0126】
いくつかの実施形態では、第2の誘電泳動フィールド領域は、交流によって生成される。いくつかの実施形態において、交流電流は、無細胞核酸、エキソソーム、高mw DNAを含む高mw核酸、オリゴヌクレオソーム複合体、ヌクレオソーム、凝集したタンパク質、小胞結合DNA、細胞膜断片、細胞破片、または本明細書に記載の他の分析物などの粒子を濃縮するのに適した任意のアンペア数、電圧、周波数などを有する。いくつかの実施形態では、第2の誘電泳動フィールド領域は、0.1マイクロアンペア-10アンペアのアンペア数、ピークツーピークで1-50ボルトの電圧。および/または1-10,000,000Hzの周波数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、0.1マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、1マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、100マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、500マイクロアンペア-500ミリアンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、ピークツーピークで1-25ボルトの電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、ピークツーピークで1-10ボルトの電圧を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、ピークツーピークで25-50ボルトの電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、10-1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、100-100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、100-10,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、10,000-100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、100,000-1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。
【0127】
いくつかの実施形態では、第2の誘電泳動場領域は、直流によって生成される。いくつかの実施形態では、直流は、粒子を濃縮するのに適した任意のアンペア数、電圧、周波数などを有する。いくつかの実施形態では、第2の誘電泳動場領域は、0.1マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数、10ミリボルト-10ボルトの電圧、および/または1ミリ秒から1000秒のパルス幅および0.001から1000Hzのパルス周波数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、ピークツーピークで5-25ボルトの電圧を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、3-15kHzの周波数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、1ミリアンペアから1アンペアのアンペア数を有する交流電流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、1マイクロアンペア-1アンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、100マイクロアンペア-500ミリアンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、1ミリアンペア-1アンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、1マイクロアンペア-1ミリアンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、500ミリ秒-500秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、500ミリ秒-100秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、1秒-1000秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、500ミリ秒-1秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、0.01-1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、0.1-100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、1-100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、100-1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。
【0128】
いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、電極のアレイ全体を含む。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、電極のアレイの一部を含む。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、電極のアレイの約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約25%、約20%、または約10%を含む。いくつかの実施形態では、第2のDEPフィールド領域は、電極のアレイの約3分の1を含む。
【0129】
サンプルから粒子を単離するために、本明細書に記載のデバイス、方法、およびシステムを使用して、任意の数のDEPフィールド領域が生成される。場合によっては、少なくとも1、2、3、4、5、6、またはそれ以上のDEPフィールド領域が生成される。場合によっては、約1、2、3、4、5、6、または7個のDEPフィールド領域が生成される。DEPフィールドの数、場所、強度、またはその他の特性は、サンプルの起源/内容物、分離する必要のある分析物、または分析物の精製/分析に影響を与えるその他の変数に依存して異なる。
【0130】
サンプルおよび分析物
本明細書に記載の方法の工程、本明細書に記載のデバイスおよびシステムの態様などに依存して、本明細書中の様々な実施形態において動電学的場に供される誘電体粒子は、生体細胞および/または分子などの分析物(例えば、ナノスケール粒子、ナノ粒子、または他の分析物)である。場合によっては、分析物は、その最大寸法が約1ミクロン以下の分析物である。いくつかの実施形態において、例示的な誘電体粒子は、核酸(例えば、高分子量核酸、高分子量DNAなど)、ヌクレオソーム、オリゴ-ヌクレオソーム複合体、エキソソーム、細胞外小胞、凝集タンパク質、小胞結合DNA、細胞膜断片、ミトコンドリア小胞、細胞小胞、細胞破片、無細胞バイオマーカー(例えば、循環)、ウイルス粒子またはウイルス成分(例えば、キャプシド、ウイルス核酸、表面タンパク質、またはウイルスの他の成分)などのナノスケール粒子、本明細書と一致する他の生体分子、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態における核酸は、DNA、RNA、環状RNA、cfDNA(無細胞DNA)、ccfDNA(循環無細胞DNA)、cfRNA(無細胞RNA)、cffDNA(無細胞胎児DNA)、mRNA、tRNA、rRNA、miRNA(マイクロRNA)、合成ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似体、標準的でない塩基を含む核酸、ウイルス起源の核酸、本明細書と一致する他の任意の核酸、またはそれらの任意の組み合わせを含む。様々な実施形態において、(標的)循環無細胞バイオマーカーは、循環DNA、マイクロRNA、微小胞からのRNA、またはそれらの組み合わせの突然変異、欠失、再配列またはメチル化核酸からなる群から選択される。さらに様々な実施形態において、無細胞バイオマーカーの検出は、患者における癌診断、癌予後または治療反応のために有用な情報を提供する。さらに様々な実施形態において、腫瘍無細胞バイオマーカーは、CNS腫瘍、神経芽細胞腫、神経膠腫、乳癌、子宮内膜腫瘍、頸部腫瘍、卵巣腫瘍、肝細胞癌、膵臓癌、食道腫瘍、Stoch腫瘍、結腸直腸腫瘍、頭頸部腫瘍、鼻咽頭癌、甲状腺腫瘍、リンパ腫、白血病、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、精巣腫瘍、腎臓腫瘍、前立腺癌、皮膚癌、悪性黒色腫、扁平上皮癌またはそれらの組み合わせと関連する。いくつかの実施形態において、腫瘍無細胞バイオマーカーは、GFAP、VEGF、EGFR、b-FGF、KRAS、YKL-40、MMP-9またはそれらの組み合わせである。様々な実施形態において、標的バイオマーカーは、タンパク質、脂質、抗体、高分子量DNA、腫瘍細胞、エキソソーム、ヌクレオソームおよびナノソームからなる群から選択される。さらに様々な実施形態では、結合した核酸は、さらなる特徴付けのために第1のチャンバーから溶出される。さらに様々な実施形態において、溶出された核酸は、増幅または配列決定される。さらに様々な実施形態では、サンプルは、全血、血清、血漿、脳脊髄液、体組織、尿、唾液、または生体分子を含む他の生体液である。
【0131】
いくつかの実施形態において、核酸粒子は、20-50kbのサイズを有し、高分子量(mw)核酸は、5-20kbのサイズを有し、中分子量核酸は、1-5kbのサイズを有し、そして低分子量核酸は0.1-1kbのサイズを有する。
【0132】
いくつかの実施形態において、分析物は、その最大寸法において、約1μm以下、または0.9、0.8、0.7、0.5、0.3、0.1、0.05、0.001、または0.0005μm以下である。場合によっては、分析物は、約0.0005μmから約1μm、または約0.0005μmから約0.5μm、または約0.001μmから約1μm、約0.005μmから約1μm、または約0.005μmから約0.1μmであり、または約0.01μmから約0.5μm、または約0.1μmから約1μmである。
【0133】
分析物は、誘電定数に基づいて分離される場合がある。いくつかの実施形態では、分析物は、少なくとも1、または少なくとも2、3、5、7、10、15、20、30、または少なくとも50の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、1以下、または2、3、5、7、10、15、20、30、または50以下の誘電定数を有する。いくつかの実施形態において、分析物は、約1、または約2、3、5、7、10、15、20、30、もしくは約50の誘電定数を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、約1-約20、約1.5-約15、約1.1-約10、約1.5-約5、約3から約10、約5から約20、約2から約7、約4から約7、または約7から約15の誘電定数を有する。
【0134】
いくつかの実施形態において、分析物は、少なくとも100g/モル、または少なくとも500g/モル、1000g/モル、5000g/モル、10,000g/モル、50,000g/モル、100,000g/モル、500,000g/mol、1,000,000g/mol、2,000,000g/mol、または少なくとも5,000,000g/molの分子重量を有する。いくつかの実施形態において、分析物は、100g/モル以下、または500g/モル、1000g/モル、5000g/モル、10,000g/モル、50,000g/モル、100,000g/mol、500,000g/mol、1,000,000g/mol、2,000,000g/mol、または5,000,000g/mol以下の分子量を有する。場合によっては、分析物は、約100g/モルから約5,000,000g/モル、約1,000から約5,000,000g/モル、約2000から約5,000,000g/モル、約5000から約2,000,000g/モル、約5000-約1,000,000g/mol、約10,000から約500,000g/モル、約50,000から約5,000,000g/モル、約1,000,000から約5,000,000g/mol、約100,000-約5,000,000g/mol、または約500,000から約5,000,000g/モルの分子量を有する。
【0135】
場合によっては、分析物はその質量によって分離される。いくつかの実施形態では、分析物は、少なくとも0.01pg(ピコグラム)、または少なくとも0.1、0.2、0.5、0.8、1、2、5、8、10、12、15、18、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000、または少なくとも100,000pgの質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、0.01pg以下、または0.1、0.2、0.5、0.8、1、2、5、8、10、12、15、18、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000以下、または100,000pg以下の質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、約0.01pg、または約0.1、0.2、0.5、0.8、1、2、5、8、10、12、15、18、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000、または約100,000pgの質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、約0.01pgから約100,000pg、または約0.01から約10,000pg、または約0.01から約1,000pg、または約0.1から約10,000pg、または約1から約100,000pg、または約10から約10,000pg、または約50から約5,000pgまたは約100から約1,000pg、または約500から約50,000pg、または約5,000から約500,000pg、または約100,000pgから約1,000,000pgの質量を有する。
【0136】
いくつかの実施形態では、分析物は、少なくとも0.01fg(フェムトグラム)、または少なくとも0.1、0.2、0.5、0.8、1、2、5、8、10、12、15、18、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000、または少なくとも100,000fgの質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、0.01fg以下、または0.1、0.2、0.5、0.8、1、2、5、8、10、12、15、18、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000、または100,000fg以下の質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、約0.01fg、または約0.1、0.2、0.5、0.8、1、2、5、8、10、12、15、18、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000、または約100,000fgの質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、約0.01fgから約100,000fg、または約0.01から約10,000fg、または約0.01から約1,000fg、または約0.1から約10,000fg、または約1から約100,000fg、または約10から約10,000fg、または約50から約5,000fgまたは約100から約1,000fg、または約500から約50,000fg、または約5,000から約500,000fg、または約100,000fgから約1,000,000fgの質量を有する。
【0137】
分析物の単離
一態様では、本明細書に記載されるのは、分析物、場合によっては、粒子、例えば、無細胞核酸、エキソソーム、高mw DNAを含む高mw核酸、オリゴヌクレオソーム複合体、ヌクレオソーム、凝集タンパク質、小胞に結合したDNA、細胞膜断片、細胞を含む流体からの細胞破片、または本明細書に記載の他の分析物などを単離するための動電学的方法である。いくつかの実施形態では、粒子は最初に細胞の内部にある。
図4に示されるように、この方法は、場合によっては、高場領域の近くに細胞を濃縮させることを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、細胞を含む流体から核酸などの分析物を単離するための方法であり、この方法は、a.流体をデバイスに適用する工程であって、デバイスは電極のアレイを含む、工程、b.複数の細胞を第1のAC動電学的(例えば、誘電泳動的)場領域に濃縮させる工程、c.第2のAC動電学的(例えば、誘電泳動的)場領域で核酸を単離すること;およびd.細胞を洗い流する工程を含む。場合によっては、細胞は高場領域で溶解される。溶解後、粒子は高場領域に留まり、および/または高場領域に濃縮する。場合によっては、残留細胞物質が低場領域の近くに濃縮される。いくつかの実施形態では、残留材料は、デバイスから洗い流され、および/または粒子から洗い流される。いくつかの実施形態では、核酸は、第2のAC動電学的場領域に濃縮される。
【0138】
特定の例において、粒子または分子(例えば、核酸)は、誘電泳動場の場領域(例えば、高場領域)において単離される(例えば、細胞から単離または分離される)。いくつかの実施形態では、方法、デバイス、またはシステムは、以下の工程のうちの1つ以上をさらに含む:第1の誘電泳動場領域(例えば、高場DEP領域)に目的の細胞を濃縮する工程、第1の誘電泳動場領域に細胞を溶解する工程。および/または第1または第2の誘電泳動場領域に核酸を濃縮する工程。様々な実施形態において、方法、デバイス、またはシステムは、以下の工程のうちの1つ以上を含む:第1の誘電泳動場領域(例えば、低場DEP領域)に細胞を濃縮する工程、第2の誘電泳動場領域(例えば、高フィールドDEP領域)に核酸を濃縮する工程、ならびに細胞および残留物を洗い流す工程。この方法はまた、任意に、以下の工程のうちの1つ以上を実行することが可能なデバイスおよび/またはシステムを含む:核酸などの分析物から残留(例えば、細胞)物質を洗浄またはさもなくば除去する工程(例えば、核酸が濃縮され、アレイの高場DEP領域内に維持されている間、アレイを水または緩衝液ですすぐ工程)、残留タンパク質を分解する工程(例えば、溶解細胞および/または他の供給源からの残留タンパク質、そのような分解は、熱、プロテアーゼ、または化学物質などの任意の適切なメカニズムに従って起こる)、分析物から分解されたタンパク質を洗い流す工程、および分析物を収集する工程。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、デバイスの操作、およびシステムの操作の結果は、任意に、さらなる操作または分析のために適した量および純度の単離された分析物である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスは携帯可能である。分析物を単離および/または分析するための例示的なデバイスが
図1に示されている。
【0139】
本明細書に記載の方法、デバイス、システム、および組成物は、サンプルからの分析物の単離を様々に含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、ミクロンサイズの実体または細胞、より大きな粒子およびより小さな粒子または生体分子の組み合わせからなる。いくつかの実施形態では、ミクロンサイズの実体は、血球、血小板、細菌などを含み得る。いくつかの実施形態において、より大きな粒子は、約10nmから約900nmの有効ストークス直径の範囲の粒子を含み、エキソソーム、高mw DNAを含む高mw核酸、オリゴヌクレオソーム複合体、凝集タンパク質、小胞結合DNA、細胞膜断片、細胞破片、またはサンプル中に分散している本明細書に記載の他の分析物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、より小さな粒子(<10nmの有効ストークス直径)は、免疫グロブリン、ヒト血清アルブミン、フィブリノーゲンおよび他の血漿タンパク質、より小さなアポトーシスDNA、および遊離イオンなどのタンパク質を含む。場合によっては、サンプルは流体を含む。
【0140】
一態様では、本明細書に記載されているのは、細胞または他の粒子状物質を含む流体から分析物(核酸など)を単離するための方法である。いくつかの実施形態では、分析物は細胞内部にない(例えば、流体中の無細胞DNA)。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、細胞または他の粒子状物質を含む流体から分析物を単離するための方法であり、この方法は以下を含む:a.流体をデバイスに適用する工程であって、デバイスは電極のアレイを含む、工程、b.複数の細胞を第1のAC動電学的(例えば、誘電泳動的)場領域に濃縮する工程、c.第2のAC動電学的(例えば、誘電泳動)場領域で分析物を単離する工程、およびd.細胞を洗い流す工程。いくつかの実施形態では、方法は、細胞を洗い流した後に残留タンパク質を分解する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、細胞は低フィールド領域またはその近傍に濃縮し、粒子は高フィールド領域またはその近傍に濃縮する。場合によっては、細胞はデバイスから洗い流され、および/または粒子から洗い流される。
【0141】
一態様では、本明細書に記載の方法、システム、およびデバイスは、細胞または他の粒子状物質を含む流体から分析物(核酸など)を単離する。一態様では、誘電泳動を使用して細胞を濃縮する。いくつかの実施形態では、流体は、液体、任意に水、または水溶液または分散液である。いくつかの実施形態では、流体は、体液を含む任意の適切な流体である。例示的な体液には、全血、血清、血漿、胆汁、乳汁、脳脊髄液、胃液、射精、粘液、腹水、唾液、汗、涙液、尿、羊水、水性体液、硝子体液、耳垢、乳び、チャイム(chime)、エノリンフ(enolymph)、ペリリンフ(perilymph)、糞便、リンパ液、心膜液、胸膜液、膿、目やに(rheum)、皮脂、痰、滑液、嘔吐物、およびその他の体液が含まれる。いくつかの実施形態では、粒子は、医学的治療または診断手順、デバイスまたはシステムの一部として本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスを使用して体液から単離される。いくつかの実施形態では、流体は、流体に可溶化および/または分散された組織および/または細胞である。例えば、組織は、本明細書に記載の方法、デバイス、またはシステムを使用して核酸を単離することができる癌性腫瘍であり得る。
【0142】
場合によっては、本明細書に記載の方法が短時間で実行され、デバイスが短時間で動作し、システムが短時間で動作することが有利である。いくつかの実施形態では、期間は、流体をデバイスに追加してから単離された核酸を取得するまでの時間から測定される「手順時間」に関して短い。いくつかの実施形態では、手順時間は、3時間未満、2時間未満、1時間未満、30分未満、20分未満、10分未満、または5分未満である。いくつかの実施形態では、手順時間は、約1分から約3時間、約1分から約1時間、約1分から約30分、約10分から約1時間、または約15分から約1時間である。
【0143】
別の態様では、デバイスに流体を追加してから単離された核酸を取得するまでの時間から、人が手順に従わなければならない累積時間として測定される「実地時間」を参照すると、期間は短い。いくつかの実施形態では、実地時間は、20分未満、10分未満、5分未満、1分未満、または30秒未満である。いくつかの実施形態では、実地時間は、約1分から約30分、約1分から約10分、約1分から約5分、約2分から約10分、または約10分から約30分である。
【0144】
いくつかの実施形態では、流体は環境サンプルである。いくつかの実施形態では、環境サンプルは、特定の汚染、侵入発生率などを示す特定の分析物(例えば、核酸配列、タンパク質、他のバイオマーカー)の存在についてアッセイまたはモニターされる。環境サンプルはまた、本明細書に記載の方法、デバイスまたはシステムを使用して、特定の汚染、侵入発生率などの発生源を決定するために使用することができる。例示的な環境サンプルには、都市下水、産業廃水、さまざまな製造プロセスで使用される、またはその結果として生成される水または流体、湖、川、海、帯水層、地下水、雨水、植物または植物の一部、動物または動物の一部、昆虫、都市用水道などが含まれる。
【0145】
いくつかの実施形態では、流体は食品または飲料である。食品または飲料は、特定の汚染、侵入の発生率などを示す特定の分析物(例えば、核酸配列、タンパク質、他のバイオマーカー)の存在についてアッセイまたはモニターすることができる。食品または飲料はまた、本明細書に記載の方法、デバイスまたはシステムを使用して、特定の汚染、侵入発生率などの発生源を決定するために使用することができる。様々な実施形態において、本明細書に記載の方法、デバイス、およびシステムは、体液、環境サンプル、ならびに食品および飲料のうちの1つ以上とともに使用して、公衆衛生をモニターするか、または有害な公衆衛生の発生に対応することができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、流体は増殖培地である。増殖培地は、細胞を培養するのに適した任意の培地、例えば、E.coliを培養するための溶原性ブロス(LB)、哺乳動物細胞を培養するためのHamの組織培養培地などであり得る。培地は、リッチ培地、最小培地、選択培地などであり得る。いくつかの実施形態では、培地は、複数のクローン細胞を含むか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、培地は、少なくとも2つの種の混合物を含む。いくつかの実施形態では、流体は水である。
【0147】
細胞は、本明細書に記載されているように、粒子を単離するのに適した任意の細胞である。様々な実施形態において、細胞は真核生物細胞または原核生物細胞である。様々な実施形態において、細胞は、複数のクローン細胞から本質的になるか、または少なくとも2つの種および/または少なくとも2つの株を含み得る。
【0148】
様々な実施形態において、細胞は、病原体細胞、細菌細胞、植物細胞、動物細胞、昆虫細胞、藻類細胞、シアノバクテリア細胞、オルガネラおよび/またはそれらの組み合わせである。本明細書で使用される場合、「細胞」には、ウイルスおよび他の無傷の病原性微生物が含まれる。細胞は、微生物または多細胞生物由来の細胞であり得る。場合によっては、細胞は可溶化された組織サンプルに由来する。
【0149】
様々な実施形態において、細胞は、野生型であるかまたは遺伝子操作されている。場合によっては、細胞は変異細胞のライブラリーを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、化学的突然変異誘発、放射線突然変異誘発(例えば、UV放射線)、またはそれらの組み合わせを受けるなどで、ランダムに突然変異誘発される。いくつかの実施形態において、細胞は、変異体核酸分子のライブラリーで形質転換されている。
【0150】
いくつかの実施形態では、流体はまた、他の粒子状物質を含み得る。そのような粒子状物質は、例えば、封入体(例えば、セロイドまたはMallory体)、細胞性円柱(例えば、顆粒状円柱、硝子円柱、細胞性円柱、ろう状円柱および偽円柱)、ピック病体、レビー小体、線維性もつれ、フィブリル形成、細胞破片および他の粒子状物質であり得る。いくつかの実施形態において、粒子状物質は、凝集したタンパク質(例えば、ベータアミロイド)である。
【0151】
流体は、高伝導率または低伝導率を含む任意の伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、導電率は、約1μS/mから約10mS/mの間である。いくつかの実施形態では、導電率は、約10μS/mから約10mS/mの間である。様々な実施形態において、導電率は、約50μS/mから約10mS/mの間である。さらに様々な実施形態では、導電率は、約100μS/mから約10mS/mの間、約100μS/mから約8mS/mの間、約100μS/mから約6mS/mの間、約100μS/mから約5mS/mの間、約100μS/mから約4mS/mの間、約100μS/mから約3mS/mの間、約100μS/mから約2mS/m、または約100μS/mから約1mS/mの間である。様々な実施形態において、導電率は、約1mS/mから約100mS/mの間、約1mS/mから約80mS/mの間、約5mS/mから約60mS/mの間、約10mS/mから約50mS/m、約10mS/mから約40mS/m、約1mS/m-約30mS/m、約10mS/mから約100mS/m、または約50mS/mから約100mS/mの間である。
【0152】
いくつかの実施形態では、導電率は約1μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約10μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約100μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約1mS/mである。様々な実施形態において、導電率は約2mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約3mS/mである。さらに様々な実施形態では、導電率は約4mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約5mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約10mS/mである。さらに様々な実施形態では、導電率は約100mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約1S/mである。様々な実施形態において、導電率は約10S/mである。
【0153】
いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも1μS/mである。さらに様々な実施形態では、導電率は少なくとも10μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも100μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも1mS/mである。追加の実施形態では、導電率は少なくとも10mS/mである。さらに様々な実施形態では、導電率は少なくとも100mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも1S/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも10S/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で1μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で10μS/mである。様々な実施形態において、導電率は最大で100μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で1mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で10mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で100mS/mである。さらに様々な実施形態では、導電率は最大で1S/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で10S/mである。
【0154】
いくつかの実施形態では、導電率は、約100μS/mから約100mS/mの間である。いくつかの実施形態では、導電率は、約100μS/mから約100mS/mの間である。様々な実施形態において、導電率は、約500μS/mから約100mS/mの間である。さらに様々な実施形態では、導電率は、約1000μS/mから約100mS/mの間、約1000μS/mから約80mS/mの間、約1000μS/mから約60mS/mの間、約1000μS/mから約50mS/m、約1000μS/mから約40mS/m、約1000μS/mから約30mS/m、約1000μS/mから約20mS/m、または約1000μS/mから約10mS/mの間である。様々な実施形態において、導電率は、約10mS/mから約1000mS/mの間、約10mS/mから約800mS/mの間、約50mS/mから約600mS/mの間、約100mS/mから約500mS/m、約100mS/mから約400mS/m、約10mS/mから約300mS/m、約100mS/mから約1000mS/m、または約500mS/mから約1000mS/mの間である。
【0155】
いくつかの実施形態では、流体は、10ml未満を含む少量の液体である。いくつかの実施形態では、流体は8ml未満である。いくつかの実施形態では、流体は5ml未満である。いくつかの実施形態では、流体は2ml未満である。いくつかの実施形態では、流体は1ml未満である。いくつかの実施形態では、流体は500μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は200μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は100μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は50μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は10μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は5μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は1μl未満である。好ましい実施形態では、流体は約50μlから約500μlの間である。
【0156】
いくつかの実施形態では、デバイスに適用されるか、または方法で使用される流体の量は、約1億個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約10,000,000個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約1,000,000個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約100,000個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約10,000個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約1,000個未満の細胞を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイス、システム、および方法を用いた細胞または他の粒子状物質を含む流体からの分析物(核酸を含む)の単離は、約30分未満、約20分未満、約15分未満、約10分未満、約5分未満、または約1分未満かかる。様々な実施形態において、本明細書に記載のデバイス、システムおよび方法を用いた細胞または他の粒子状物質を含む流体からの分析物の単離は、30分以下、約20分以下、約15分以下、約10分以下、約5分以下、約2分以下、または約1分以下かかる。追加の実施形態では、本明細書に記載のデバイス、システム、および方法を用いた細胞または他の粒子状物質を含む流体からの分析物の単離は、約15分未満、好ましくは約10分未満または約5分未満かかる。
【0158】
場合によっては、DNAまたは他の核酸などの細胞外分析物が(細胞外)、他の粒子状物質の細胞を含む流体から単離される。いくつかの実施形態では、流体は細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は細胞を含まない。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は原核細胞を含む。場合によっては、細胞はウイルスを含む。
【0159】
細胞溶解
一態様では、第1の動電学的場領域に細胞を濃縮させた後、この方法は、細胞から粒子を遊離させる工程を含む。別の態様では、本明細書に記載のデバイスおよびシステムは、細胞から粒子を遊離させることが可能である。いくつかの実施形態では、粒子は、第1のDEPフィールド領域内の細胞から遊離される。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、細胞を溶解することによって複数の細胞から粒子を遊離させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよびシステムは、細胞を溶解することによって複数の細胞から粒子を遊離させることができる。細胞溶解の1つの方法は、アレイ上の細胞を単離した後、細胞に直流を印加することを含む。直流は、細胞を溶解するのに適した任意の適切なアンペア数、電圧などを有する。いくつかの実施形態では、電流は、約1ボルトから約500ボルトの電圧を有する。いくつかの実施形態では、電流は、約10ボルトから約500ボルトの電圧を有する。様々な実施形態において、電流は、約10ボルトから約250ボルトの電圧を有する。さらに様々な実施形態では、電流は、約50ボルトから約150ボルトの電圧を有する。高電界は膜の完全性の低下をもたらすため、電圧は一般に細胞溶解の推進力である。いくつかの実施形態では、溶解に使用される直流は、細胞を溶解するのに適した任意の持続時間、周波数などを有する1つ以上のパルスを含む。いくつかの実施形態では、細胞を溶解するために、約100ボルトの電圧が約1ミリ秒間印加される。いくつかの実施形態では、約100ボルトの電圧が、秒の供給源に2回または3回印加される。
【0161】
いくつかの実施形態では、直流の周波数は、ボルト/cm、パルス幅、および流体伝導率に依存する。いくつかの実施形態では、パルスは、約0.001から約1000Hzの周波数を有する。いくつかの実施形態では、パルスは、約10から約200Hzの周波数を有する。様々な実施形態において、パルスは、約0.01Hz-1000Hzの周波数を有する。さらに様々な実施形態では、パルスは、約0.1Hz-1000Hz、約1Hz-1000Hz、約1Hz-500Hz、約1Hz-400Hz、約1Hz-300Hz、または約1Hz-約250Hzの周波数を有する。いくつかの実施形態では、パルスは約0.1Hzの周波数を有する。様々な実施形態において、パルスは、約1Hzの周波数を有する。さらに様々な実施形態では、パルスは、約5Hz、約10Hz、約50Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hzまたは約1000Hzの周波数を有する。
【0162】
様々な実施形態において、パルスは、約1ミリ秒(ミリ秒)-1000秒(秒)の持続時間を有する。いくつかの実施形態では、パルスは、約10ミリ秒-1000秒の持続時間を有する。さらに様々な実施形態では、パルスは、約100ミリ秒-1000秒、約1秒-1000秒、約1秒-500秒、約1秒-250秒、または約1秒-150秒の持続時間を有する。いくつかの実施形態では、パルスは、約1ミリ秒、約10ミリ秒、約100ミリ秒、約1秒、約2秒、約3秒、約4秒、約5秒、約6秒、約7秒、約8秒、約9秒、約10秒、約20秒、約50秒、約100秒、約200秒、約300秒、約500秒、または約1000秒の持続時間を有する。いくつかの実施形態では、パルスは、0.2から200Hzの周波数を有し、デューティサイクルは10-50%である。
【0163】
いくつかの実施形態では、直流は、1回、または複数回のパルスとして印加される。約1-20パルスを含む任意の適切な数のパルスを適用することができる。パルス間には、約1ミリ秒から1000秒を含む適切な時間がある。いくつかの実施形態では、パルス持続時間は0.01から10秒である。
【0164】
いくつかの実施形態では、細胞は、単離された細胞に印加される直流と組み合わせて他の方法を使用して溶解される。さらに様々な実施形態において、細胞は、直流を使用せずに溶解される。様々な態様において、デバイスおよびシステムは、他の手段と組み合わせて直流を用いて細胞を溶解することができるか、または直流を使用せずに細胞を溶解することができる可能性がある。化学溶解剤(例えば、酸)、酵素溶解剤、熱、圧力、剪断力、音波エネルギー、浸透圧ショック、またはそれらの組み合わせの適用を含むがこれらに限定されない、当業者に知られている任意の細胞溶解方法が適切であり得る。リゾチームは酵素溶解剤の一例である。
【0165】
残留物質の除去
いくつかの実施形態では、第2の動電学的場領域における粒子の濃縮に続いて、この方法は、任意に、核酸などの分析物から残留物質を洗い流すことを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスまたはシステムは、分析物から残留物質を洗い流すために適した流体を含むリザーバを、任意に含むことができ、および/または含む。いくつかの実施形態では、分析物は、電極にエネルギーを与え続けることによって、第2のA/CまたはD/C動電学的場(DEPフィールドなど)領域などにおいて、電極のアレイの近くに保持される。「残留物質」は、元々流体中に存在し、元々細胞内に存在し、何らかの手順中に追加され、細胞の溶解などを含むがこれらに限定されないプロセスの任意の工程を通じて生成されるもの(すなわち、残留細胞物質)などである。例えば、残留物質には、溶解していない細胞、細胞壁断片、タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、塩、緩衝液、血漿、および望ましくない核酸が含まれる。いくつかの実施形態において、溶解された細胞物質は、溶解時に複数の細胞から遊離された残留タンパク質を含む。すべての分析物が第2のDEPフィールドに濃縮されるわけではない可能性がある。いくつかの実施形態では、特定の量の分析物が残留物質で洗い流される。
【0166】
いくつかの実施形態では、残留材料は、任意の適切な流体、例えば、水、TBE緩衝液などで洗い流される。いくつかの実施形態では、残留材料は、任意の適切な量の流体で洗い流され、洗い流され、任意の適切な期間洗い流され、1種より多くの流体で洗い流され、または任意の他のバリエーションである。いくつかの実施形態では、残留物質を洗い流す方法は、分析物(核酸など)の所望のレベルの単離に関連し、より高純度の核酸は、より厳密な洗い流しおよび/または洗浄を必要とする。様々な実施形態において、残留材料を洗い流す方法は、特定の出発材料およびその組成に関連している。場合によっては、高濃度の脂質を伴う出発物質は、脂質を可溶化するために適した疎水性流体を含む洗い流し手順を必要とする。
【0167】
いくつかの実施形態では、この方法は、残留タンパク質を含む残留材料を分解する工程を含む。いくつかの実施形態では、デバイスまたはシステムは、残留タンパク質を含む残留材料を分解することができる。例えば、タンパク質は、1つ以上の化学的分解(例えば、酸加水分解)および酵素的分解によって分解される。いくつかの実施形態において、酵素分解剤はプロテアーゼである。様々な実施形態において、タンパク質分解剤は、プロテイナーゼKである。残留物質の分解の任意の工程は、任意の適切な時間、温度などに対して実行される。いくつかの実施形態では、分解された残留物質(分解されたタンパク質を含む)は、分析物(核酸を含む)から洗い流される。
【0168】
いくつかの実施形態では、残留物質を分解するために使用される剤は、不活性化または分解される。いくつかの実施形態では、デバイスまたはシステムは、残留材料を分解するために使用される剤を分解または不活性化することができる。いくつかの実施形態では、残留物質を分解するために使用される酵素は、熱(例えば、50から95℃で5-15分間)によって不活性化される。例えば、プロテアーゼを含む酵素(例えば、プロテイナーゼK)は、熱(通常、15分、70℃)を使用して分解および/または不活化される。残留タンパク質が酵素によって分解されるいくつかの実施形態では、この方法は、タンパク質の分解に続いて分解酵素(例えば、プロテイナーゼK)を不活性化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、熱は、デバイス内の加熱モジュールによって提供される(温度範囲、例えば、30から95℃)。
【0169】
本発明の方法の特定の工程の順序および/または組み合わせを変えることができる。いくつかの実施形態では、デバイスまたは方法は、任意の順序または組み合わせで特定の工程を実行することができる。例えば、いくつかの実施形態では、残留物質および分解されたタンパク質は、別々のまたは同時の工程で洗い流される。すなわち、残留物質が洗い流され、続いて残留タンパク質が分解され、続いて分解されたタンパク質が分析物から洗い流される。いくつかの実施形態では、最初に残留タンパク質を分解し、次に、組み合わされた工程で分析物から残留材料と分解されたタンパク質の両方を洗い流す。
【0170】
いくつかの実施形態では、核酸はデバイス内に保持され、任意に、PCRまたは核酸を操作もしくは増幅する他の手順などのさらなる手順で使用される。いくつかの実施形態では、デバイスおよびシステムは、PCRまたは他の任意の手順を実行することができる。様々な実施形態において、粒子は、デバイスから収集および/または溶出される。いくつかの実施形態では、デバイスおよびシステムは、デバイスまたはシステムからの核酸の収集および/または溶出を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、単離された核酸は、(i)第2の誘電泳動場領域をオフにすること、および(ii)溶離液中のアレイから核酸を溶出することによって収集される。例示的な溶離液には、水、TE、TBE、およびL-ヒスチジン緩衝液が含まれる。
【0171】
単離の結果
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、デバイス、またはシステムは、このような方法、デバイス、またはシステムから得ることができる任意の分析物を取得、単離、または分離するために任意に利用される。本明細書に記載の方法、デバイスおよびシステムによって単離された粒子には、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)、およびこれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態において、核酸は、増幅、ライゲーションまたはクローニングを含む、核酸の配列決定またはさらなる操作に適した形態で単離される。
【0172】
様々な実施形態において、単離または分離された核酸は、少なくとも99質量%の他の物質を含まず、少なくとも99質量%の残留細胞物質を含まず(例えば、そこから核酸が得られる溶解された細胞を含まず)、他の材料の少なくとも98質量%を含まず、残留細胞材料の少なくとも98質量%を含まず、他の材料の少なくとも95質量%を含まず、残留細胞材料の少なくとも95%質量を含まず、他の材料の少なくとも90質量%を含まず、残留細胞材料の少なくとも90質量%を含まず、他の材料の少なくとも80質量%を含まず、残留細胞材料の少なくとも80質量%を含まず、他の材料の少なくとも70質量%を含まず、残留細胞材料の少なくとも70質量%を含まず、他の材料の少なくとも60質量%を含まず、残留細胞材料の少なくとも60質量%を含まず、他の材料の少なくとも50質量%を含まず、残留細胞材料の少なくとも50質量%を含まず、他の材料の少なくとも30質量%を含まず、残留細胞材料の少なくとも30質量%を含まず、他の材料の少なくとも10質量%を含まず、残留細胞材料の少なくとも10質量%を含まず、他の材料の少なくとも5質量%を含まず、または残留細胞材料の少なくとも5質量%を含まない、核酸を含む組成物である。様々な実施形態において、核酸は、任意の適切な純度を有する。例えば、DNA配列決定手順が、約20%の残存細胞物質を有する核酸サンプルで機能することができる場合、80%までの核酸の単離が適切である。いくつかの実施形態において、単離された核酸は、質量で約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、または約2%未満の非核酸細胞材料および/またはタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、単離された核酸は、質量で約99%超、約98%超、約95%超、約90%超、約80%超、約70%超、約60%超、約50%超、約40%超、約30%超、約20%超、または約10%超の核酸を含む。
【0173】
核酸は、未修飾、誘導体化、断片化、非断片化などを含む任意の適切な形態で単離される。いくつかの実施形態において、核酸は、配列決定に適した形態で収集される。いくつかの実施形態において、核酸は、ショットガンシーケンシング、増幅または他の操作に適した断片化された形態で収集される。核酸は、例えば、合成法による配列決定に使用されるようなヌクレオチドなどのDNA配列決定手順に使用される試薬を含む溶液中でデバイスから収集され得る。
【0174】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、出発サンプルの核酸をほぼ代表する単離された核酸サンプルをもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよびシステムは、出発サンプルの核酸をほぼ代表するサンプルから核酸を単離することができる。すなわち、この方法によって収集された、またはデバイスもしくはシステムによって収集することができる粒子の集団は、流体中の細胞に存在する粒子の集団に実質的に比例する。いくつかの実施形態では、この態様は、流体が多くの細胞型の複雑な混合物であり、実務者が様々な細胞型の相対集団を決定するための核酸ベースの手順を望む用途において有利である。
【0175】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法を使用して単離された、または本明細書に記載のデバイスによって単離することができる核酸は、高品質であり、および/あるいはDNA配列決定、PCRなどの核酸増幅、または、ライゲーション、クローニング、またはさらなる翻訳もしくは形質転換アッセイなどの他の核酸操作などの下流手順で直接使用するのに適している。いくつかの実施形態において、収集された核酸は、最大で0.01%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、収集された核酸は、最大で0.5%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、収集された核酸は、最大で0.1%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で1%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で2%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で3%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で4%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で5%のタンパク質を含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法によって単離された、または本明細書に記載のデバイスによって単離することができる核酸は、少なくとも0.5ng/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法によって単離された、または本明細書に記載のデバイスによって単離することができる核酸は、少なくとも1ng/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法によって単離された、または本明細書に記載のデバイスによって単離することができる核酸は、少なくとも5ng/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法によって単離された、または本明細書に記載のデバイスによって単離することができる核酸は、少なくとも10ng/mlの濃度を有する。
【0177】
いくつかの実施形態では、約50ピコグラムの核酸が、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスを使用して、約5000個の細胞から単離される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも10ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも20ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも50ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも75ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも100ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも200ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも300ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも400ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも500ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも1,000ピコグラムの核酸を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、システム、またはデバイスは、約5000個の細胞から少なくとも10,000ピコグラムの核酸を生成する。
【0178】
いくつかの実施形態では、チップに作製された電極上または電極内に誘電体材料(誘電体層など)が存在すると、用途の検出に必要なサンプルの量が少なくなる。いくつかの実施形態では、電極上の誘電体層の存在は、検出に必要なサンプル量の約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、200、500、または約1000倍の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、電極上の誘電体層の存在は、少なくとも検出に必要なサンプル量の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、200、500、または1000倍の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、電極上の誘電体層の存在は、検出に必要なサンプル量が2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、200、500、または1000倍以上減少する。いくつかの実施形態では、誘電体層の存在は、検出に必要なサンプル量の約2倍から約1000倍、約5倍から約500倍、約10倍から約200倍、約2倍から約100倍、約10倍から約500倍、約100倍から約1000倍、約2倍から約5倍の減少をもたらす。
【0179】
アッセイおよびアプリケーション
追加のアッセイおよびアプリケーションが、本明細書に記載の方法、デバイス、およびシステムと組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、任意に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって単離された核酸を増幅することを含む。いくつかの実施形態では、PCR反応は、電極のアレイ上またはその近傍で、またはデバイス内で実行される。いくつかの実施形態では、デバイスまたはシステムは、サーモサイクリングに適したヒーターおよび/または温度制御機構を備える。
【0180】
PCRは、反応化学分析物を2つの効率的な熱伝導要素(アルミニウムや銀など)の間に配置し、TECを使用して反応温度を調整することにより、従来のサーモサイクリングを使用して任意に実行される。追加の設計は、任意に、ガラスやサーモポリマーなどの光学的に透明な材料による赤外線加熱を使用する。場合によっては、設計は、基材を介してネットワーク化された導電性配線を含むスマートポリマーまたはスマートガラスを使用する。この導電性配線は、材料の迅速な熱伝導性を可能にし、(適切なDC電圧を印加することにより)効率的なPCR反応を維持するために必要な温度変化と勾配を提供する。特定の例では、加熱は、急速に、かつ抵抗膜式チップヒーターおよびそれらを通過する電流の量に比例して温度を変化させる他の抵抗膜式要素を使用して適用される。
【0181】
いくつかの実施形態では、従来の蛍光測定(ccd、pmt、他の光学検出器、および光学フィルター)と組み合わせて使用され、倍数増幅がリアルタイムまたは時間間隔でモニターされる。特定の例では、最終的な倍数増幅の定量化は、AFU(倍加を分析するために相関する任意の蛍光単位)に変換された光学的検出を介して報告されるか、あるいはインピーダンス測定または他の電気化学的検知を介して電気信号に変換される。マイクロ電極アレイのサイズが小さい場合、これらの要素は任意にマイクロ電極アレイの周囲に追加され、PCR反応はメインサンプル処理チャンバー(DEPアレイ上)で実行されるか、増幅される分析物は任意に流体工学を介して流体カートリッジ内の別のチャンバーに移動して、カートリッジ内のラボオンチップ処理を可能にする。
【0182】
場合によっては、光送達スキームを利用して、光励起および/または発光および/または倍増増幅の検出を提供する。特定の実施形態では、これは、フローセル材料(アクリル(PMMA)環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)などのような熱ポリマー)を光導波路として使用して、外部要素を使用する必要性を排除することを含む。さらに、場合によっては、光源-発光ダイオード-LED、垂直共振器面発光レーザー-VCSEL、およびその他の照明スキームがフローセル内に直接統合されるか、マイクロ電極アレイ表面に直接構築されて内部制御され、光源に電力を提供する。小型PMT、CCD、またはCMOS検出器をフローセルに組み込むこともできる。この最小化および小型化により、同様の従来のデバイス(つまり、標準のベンチトップPCR/QPCR/蛍光光度計)のフットプリントを削減しながら、迅速な信号送達および検出が可能なコンパクトなデバイスが可能になる。
【0183】
チップ上の増幅
場合によっては、シリコン微小電極アレイは、PCRに必要な熱サイクルに耐えることができる。一部のアプリケーションでは、転送ステップ中に少量の標的粒子が失われる可能性があるため、オンチップPCRが有利である。本明細書に記載のデバイス、システムまたはプロセスの特定の実施形態では、複数のPCR技術のいずれか1つ以上が任意に使用され、そのような技術は、任意に、以下のいずれか1つ以上を含む:異なる温度ゾーンのマイクロチャネルを介して材料を移動すること、およびシステム上で増幅し、またはPCRマシンに転送したりできるPCRチューブにボリュームを移動する。場合によっては、液滴PCRは、出口に非混和性の流体と界面安定剤(界面活性剤など)を含むTジャンクションが含まれている場合に実行されます。特定の実施形態では、液滴は、任意の適切な方法によってサーマルサイクルインされる。
【0184】
いくつかの実施形態において、増幅は、等温反応、例えば、転写媒介増幅、核酸配列ベースの増幅、RNA技術のシグナル媒介増幅、鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、DNAのループ媒介等温増幅、等温複数置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、シングルプライマー等温増幅または環状ヘリカーゼ依存性増幅を使用して実施される。
【0185】
様々な実施形態において、増幅は、均一な溶液中で、または固定されたプライマーを有する不均一なシステムとして実行される。後者のいくつかの実施形態では、得られるアンプリコンは、より高度な多重化のために表面に直接連結されている。いくつかの実施形態において、アンプリコンは、電極上または電極の近傍に一本鎖産物をレンダリングするように変性される。次に、ハイブリダイゼーション反応を任意に実行して、一塩基多型(SNP)、ショートタンデムリピート(STR)、変異、挿入/削除、メチル化などの遺伝情報を調べます。メチル化は、1つのDNAサンプルが亜硫酸水素処理され、1つは処理されないパラレル分析によって任意に決定される。亜硫酸水素は未修飾のCを脱プリンしてUにする。メチル化されたCは影響を受けない場合がある。いくつかの実施形態において、対立遺伝子特異的塩基伸長は、目的の塩基を報告するために使用される。
【0186】
特定の相互作用ではなく、表面は、捕捉のために非特異的な部分で任意に修飾される。例えば、表面は、逆バイアス(-V)によって放出され得るDNA分子を捕捉するために、ポリカチオン、すなわち、ポリリジンで修飾され得る。いくつかの実施形態では、表面への修飾は、表面全体にわたって均一であるか、または電極もしくは非電極領域を機能化するために特別にパターン化されている。特定の実施形態では、これは、フォトリソグラフィー、電気化学的活性化、スポッティングなどで達成される。
【0187】
複数のチップ設計が採用されているいくつかのアプリケーションでは、2つのデバイスが互いに向き合っており、スペーサーによって分離されてフローセルを形成するチップサンドイッチを有することが有利である。様々な実施形態において、デバイスは、連続的にまたは並行して実行される。シーケンシングと次世代シーケンシング(NGS)の場合、サイズの断片化および選択は、シーケンシングの効率と品質に影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、複数のチップ設計を使用して、収集される材料のサイズ範囲を狭め、バンドパスフィルターを作成する。場合によっては、現在のチップ形状(例えば、200μmの中心-中心ピッチ上の直径80μmの電極(80/200))が500bpのカットオフフィルターとして機能する(例えば、10Vp-pおよび10kHz付近の電圧および周波数条件を使用)。このような場合、500bpを超える核酸は捕捉され、500bp未満の核酸は捕捉されない。交互の電極直径およびピッチ形状は、チップの組み合わせが目的のフラグメントサイズを提供するべきであるように、異なるカットオフサイズを有する。場合によっては、100μmの中心-中心ピッチの直径40μmの電極(40/100)はより低いカットオフしきい値を有し、400μmの中心-中心ピッチの直径160μmの電極(160/400)は、同様の条件下での80/200ジオメトリと比較して、より高いカットオフしきい値を有する。さまざまな実施形態では、単一チップまたは複数チップ上のジオメトリを組み合わせて、特定のサイズのフラグメントまたは粒子を選択する。例えば、600bpのカットオフチップでは、溶液中に600bp未満の核酸を残し、その後この材料は、任意に500bpカットオフチップを用いて(600bpチップとは反対に)再キャプチャされる。これにより、溶液中に500-600bpを含む核酸集団を残す。次に、この集団は、任意に、同じチャンバー、サイドチャンバー、またはその他の構成で増幅される。いくつかの実施形態では、サイズ選択は、単一電極形状を使用して達成され、ここでは、<600bpの核酸を放出するために、>500bpの核酸が電極上で単離され、続いて洗浄され、続いてACE高場強度(電圧、周波数、導電率の変化)減少を行い、500-600bpの間の上清核酸集団を生成する。
【0188】
いくつかの実施形態では、チップデバイスは、温度勾配カラムを作成する下端にヒーターを備えて垂直に向けられている。特定の例では、底部は変性温度、中央はアニーリング温度、上部は伸長温度である。
【0189】
場合によっては、対流が継続的にプロセスを駆動する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、電熱流およびプロセスの加速を具体的に提供する電極設計を含む方法またはシステムである。いくつかの実施形態では、そのような設計は、任意に、同じデバイス上、または適切に配置された別個のデバイス上にある。場合によっては、フィンやファンなどを介した上部の能動的または受動的な冷却により、急激な温度勾配を提供する。場合によっては、本明細書に記載のデバイスまたはシステムは、デバイス上または反応チャンバー内の温度センサーを含むか、または本明細書に記載の方法がこれを使用して、温度をモニターし、そしてこのようなセンサーは、フィードバックに基づいて温度を調整するために任意に使用される。場合によっては、このようなセンサーは、異なる熱伝達特性を有する材料と結合されて、連続的および/または不連続的な勾配プロファイルを作成する。いくつかの実施形態では、増幅は一定の温度で進行する(すなわち、等温増幅)。
【0190】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示されるように単離された核酸を配列決定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、核酸は、サンガー配列決定または次世代配列決定(シーケンシング)(NGS)によって配列決定される。いくつかの実施形態では、次世代シーケンシング方法には、パイロシーケンシング、イオン半導体シーケンシング、ポロニーシーケンシング、ライゲーションによるシーケンシング、DNAナノボールシーケンシング、ライゲーションによるシーケンシング、または単一分子シーケンシングが含まれるが、これらに限定されない。
【0191】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸などの単離された粒子は、サンガーシーケンシングで使用される。いくつかの実施形態では、サンガーシーケンシングは、核酸単離と同じデバイス内で実行される(ラボオンチップ)。サンプルプレップおよびサンガーシーケンシング結果のラボオンチップワークフローには、次の手順が組み込まれる:a)ACEチップを使用したサンプル抽出、b)チップ上での標的配列の増幅、c)ACEによるPCR産物の捕捉、d)サイクルシーケンシングを実行してターゲット鎖を濃縮すること、e)濃縮された標的鎖捕捉すること、f)サンガー鎖終了反応を実行すること。オンチップマルチカラー蛍光検出を備えたキャピラリー電気泳動により、標的配列の電気泳動分離を実行する。必要に応じて、核酸の洗浄、試薬の添加、および電圧のオフを行う。反応は、複数の捕捉ゾーンを備えた単一のチップ上で、または別個のチップおよび/もしくは反応チャンバー上で実行することができる。
【0192】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、粒子に対して反応を実行することをさらに含む(例えば、断片化、制限消化、DNAまたはRNAのライゲーション)。いくつかの実施形態では、反応は、本明細書に開示されるように、アレイ上もしくはその近傍で、またはデバイス内で起こる。
【0193】
その他のアッセイ
本明細書に開示される単離された粒子は、様々なアッセイ形式でさらに利用され得る。例えば、核酸プローブまたはアンプリコンでアドレス指定されるデバイスは、ドットブロットまたは逆ドットブロット分析、塩基スタッキング一塩基多型(SNP)分析、電子ストリンジェンシーを伴うSNP分析、またはSTR分析で利用することができる。さらに、本明細書に開示されるそのようなデバイスは、酵素的核酸修飾、またはタンパク質-核酸相互作用、例えば、酵素的報告を伴う遺伝子発現分析、固定核酸増幅、または、制限エンドヌクレアーゼ切断、エンドまたはエキソヌクレアーゼ切断、副溝結合タンパク質アッセイ、ターミナルトランスフェラーゼ反応、ポリヌクレオチドキナーゼまたはホスファターゼ反応、リガーゼ反応、トポイソメラーゼ反応、および他の核酸結合または修飾タンパク質反応を含む、固相フォーマットに適した他の核酸修飾のために利用され得る。
【0194】
さらに、本明細書に開示されるデバイスは、イムノアッセイにおいて有用であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、デバイスの位置は、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ、または他のアッセイ形式によって体液サンプル中の抗体についてアッセイするために、抗原(例えば、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、プロテオグリカン、糖タンパク質など)と連結することができる。あるいは、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ、または他のアッセイ形式によってサンプル中の抗原を検出するために、デバイスの位置を抗体でアドレス指定することができる。抗体およびタンパク質の等電点は実験またはpH/電荷計算によってかなり簡単に決定できるため、デバイスの電子アドレス指定および電子濃度の利点は、アドレス指定された種または分析物種が荷電されるように緩衝液のpHを調整するだけで利用できる。
【0195】
いくつかの実施形態では、単離された生体分子は、イムノアッセイ型のアレイまたは生体分子アレイでの使用のために有用である。
【0196】
疾患の検出および特性評価
アッセイは、本明細書に記載のサンプル中の任意の分析物または粒子に対して実施することができる。いくつかの実施形態では、分析物は細胞の外を循環している。いくつかの実施形態では、分析物は細胞の内部にある。いくつかの実施形態では、分析物は細胞の表面に提示される。いくつかの実施形態では、分析物は、細胞溶解後に得られる。場合によっては、これらの分析物の分析に続いて、疾患または状態が検出または診断される。いくつかの実施形態において、疾患は、バイオマーカーを使用する患者において特徴付けられる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、様々な異なる分析物源から測定される。疾患の「特徴付け」には、疾患の検出および診断、疾患の予後、治療反応のモニタリング、ならびに疾患の分析および治療に関連する他の作用が含まれるが、これらに限定されない。
【0197】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、対象の疾患または状態を特徴付けるために使用され得る。場合によっては、疾患は増殖性疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は心血管疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は神経疾患(例えば、アルツハイマー病)である。いくつかの実施形態において、疾患は自己免疫疾患(例えば、狼瘡)である。いくつかの実施形態では、疾患は代謝性疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は炎症性疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は骨疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は胃腸疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は血液疾患である。いくつかの実施形態において、疾患は、感染性疾患(例えば、細菌、ウイルス、真菌、原生動物、プリオン、または寄生生物)である。
【0198】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、癌などの疾患を特徴づけるために使用され得る。いくつかの実施形態において、癌には、副腎癌(副腎皮質癌、褐色細胞腫、または他の副腎癌)、肛門癌、虫垂癌、胆管癌(bile duct cancer)(胆管癌(cholangiocarcinoma)、肝外胆管癌、肝内胆管癌または他の胆管癌、膀胱癌(移行上皮癌、尿管癌、またはその他の膀胱癌)、骨癌(肉腫、ユーイング肉腫、骨形成性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、間葉性軟骨肉腫、またはその他の骨癌)、脳癌(脳幹神経膠腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、頭蓋咽頭腫)、髄芽細胞腫、髄膜腫、未分化星状細胞腫、星状細胞腫、乏突起膠腫、びまん性星状細胞腫、上衣腫、末梢神経癌、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度星状細胞腫、松果体領域腫瘍、松果体芽細胞腫、下垂体腫瘍、多形性膠芽細胞腫(GBM)、混合神経膠腫、胚細胞腫瘍、神経膠腫、または他の脳癌)、乳癌(男性の乳癌、髄様癌、非浸潤性乳管癌(DCIS)、管状腺癌、乳頭癌、パジェット病、トリプルネガティブ乳癌、浸潤性乳管癌(IDC)、浸潤性小葉癌(ILC)、炎症性乳癌(IBC)、浸潤性/浸潤性乳癌、上皮内小葉癌、転移性乳癌、粘液性癌、またはその他の乳癌)、子宮頸癌、結腸直腸癌(腸癌、結腸癌、直腸癌、またはその他の結腸直腸癌)、食道癌、眼癌(眼黒色腫、またはその他の眼癌)、胆嚢癌、胃腸癌、胃腸カルチノイド癌、胃腸間質腫瘍(GIST)、妊娠性絨毛性疾患(GTD)、頭頸部癌(頸部癌、扁桃腺癌、またはその他の頭頸部癌)、血管内皮腫、ホジキンリンパ腫、腸癌、腎臓癌(尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、移行上皮癌、またはその他の腎癌)、軟髄膜転移、白血病(急性顆粒球性白血病、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病、または他の白血病)、肝癌、肺癌(腺癌、腺肉腫、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、燕麦細胞癌、またはその他の肺癌)、黒色腫(皮膚黒色腫、転移性黒色腫、またはその他の黒色腫)、間葉系、中皮腫、転移性扁平上皮頸癌、多発性骨髄腫(骨髄癌、または他の骨髄腫)、神経内分泌腫瘍(NETS)、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL、リンパ節癌、b細胞リンパ腫、菌状息肉腫、T細胞リンパ腫、またはその他のリンパ腫)、口腔癌(唇癌、口腔癌、舌癌、顎癌、カポジ肉腫、唾液腺癌、口癌、粘膜黒色腫、またはその他の口腔癌)、卵巣癌(卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣原発性腹膜癌、卵巣性索腫瘍、ファロピウス管癌、腹膜癌、移行細胞癌、またはその他の卵巣癌)、膵臓癌(膵島細胞癌、またはその他の膵臓癌)、副鼻腔癌(paranasal sinus cancer)、骨盤癌、陰茎癌、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、肉腫(脂肪肉腫、またはその他の軟部組織肉腫)、副鼻腔癌(sinus cancer)、皮膚癌(皮膚リンパ腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、メルケル細胞癌、または他の皮膚癌)、小腸癌、軟部組織肉腫、血管肉腫、類上皮肉腫、横紋筋肉腫、線維肉腫、滑膜肉腫、平滑筋肉腫、または他の肉腫)、脊髄癌(spinal cancer)(脊柱癌、脊髄癌(spinal cord cancer)、脊椎腫瘍、またはその他の脊椎癌)、胃癌(カルチノイド腫瘍、胃癌、またはその他の胃癌)、精巣癌、喉癌(喉頭癌、鼻腔癌、鼻咽頭癌、咽頭癌)、口腔咽頭癌、下咽頭癌、またはその他の咽頭癌)、胸腺腫/胸腺癌、甲状腺癌(副甲状腺癌、またはその他の甲状腺癌)、卵管癌、尿道癌、子宮癌(子宮肉腫、子宮腺癌、子宮内膜癌、またはその他子宮癌)、膣癌、外陰癌が挙げられる。
【0199】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、神経疾患などの疾患を特徴付けるために使用され得る。いくつかの実施形態では、神経疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、フリードライヒ運動失調症、ハンチントン病、レヴィー小体病、脊髄筋萎縮症、アルパース病、バッテン病、脳眼顔面骨格症候群(COFS)、皮質基底変性症、Gerstmann-Straussler-Scheinker病、クールー病、Leigh病、モノメリック筋萎縮症、多系統萎縮症、多系統萎縮症、起立性低血圧を伴う多系統萎縮症(Shy-Drager症候群)、脳鉄蓄積を伴う神経変性、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、感染性海綿状脳症伝達性スポンジ脳症(プリオン病)、進行性多発性白質脳症、線条体黒質変性症、またはその他の神経疾患である。
【0200】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、心血管疾患などの疾患を特徴付けるために使用され得る。いくつかの実施形態では、心血管疾患は心臓病である。いくつかの実施形態において、心血管疾患は、冠状動脈性心臓病、リウマチ性心疾患、心筋症、心臓弁膜症、心膜疾患、心筋梗塞、心臓感染症、腎動脈狭窄症、心内膜炎、心筋炎、または他の心血管疾患である。いくつかの実施形態では、心血管疾患は、動脈瘤、末梢動脈疾患、血管疾患、脳血管疾患、深部静脈血栓症(DVT)、肺塞栓症、高血圧、アテローム性動脈硬化症、または他の心血管疾患である。
【0201】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、自己免疫疾患などの疾患を特徴付けるために使用され得る。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、アカラシア、アディソン病、成人スティル病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性蕁麻疹、軸索およびニューロン神経障害(AMAN)、バロー病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病(CD)、セリアック病、チャガス病、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)、チャーグ-ストラウス症候群(CSS)または好酸球性肉芽腫症(EGPA)、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素疾患、先天性心臓ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST症候群、クローン病、ヘルペス性皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円盤状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性筋膜炎、好酸球性食道炎、結節性紅斑、エバンス症候群、線維筋痛、線維性肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、グレイブス病、ギランバール症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホシェーンライン紫斑病(HSP)、妊娠性ヘルペスまたは妊娠性類天疱瘡(PG)、汗腺膿瘍(HS)(反対型ざ瘡)、低ガンマグロブリン血症、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、封入体筋炎(IBM)、間質性膀胱炎(IC)、若年性関節炎、若年性糖尿病(1型糖尿病)、若年性筋炎(JM)、川崎病、ランバート-イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、苔癬硬化症、木質結膜炎、線状IgA病(LAD)、紅斑性狼瘡、慢性ライム病、メニエール病、微視的多発血管炎(MPA)、混合結合組織疾患(MCTD)、モーレン潰瘍、ムチャハーバーマン病、多巣性運動ニューロパチー(MMN)またはMMNCB、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、新生児ループス、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ(PR)、PANDAS、傍腫瘍性小脳変性症(PCD)、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、扁平部炎(末梢性ブドウ膜炎)、パーソネージターナー症候群、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血(PA)、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、多腺症候群I型、II型、III型、多発性筋痛性リウマチ、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆(PRCA)、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発性軟骨炎、むずむず脚症候群(RLS)、後腹膜線維化症、リウマチ熱、リウマチ性関節炎、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群(sicca)、精子および精巣自己免疫、全身硬直症候群(SPS)、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎(SO)、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トローザ・ハント症候群(THS)、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎(UC)、未分化結合組織疾患(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、白斑、フォークト小柳原田病、ウェゲナー肉芽腫症(または多発血管性肉芽腫症(GPA))、または他の自己免疫疾患である。
【0202】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、代謝性疾患などの疾患を特徴付けるために使用され得る。いくつかの実施形態では、疾患は、ジルベール症候群、妊娠尿崩症、ゴーシェ病、マンノース結合レクチンタンパク質欠損症、ペルオキシソーム障害、真性糖尿病、甲状腺機能低下症または甲状腺機能亢進症、高脂血症、骨粗鬆症、または他の代謝性疾患である。
【0203】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、炎症性疾患などの疾患を特徴付けるために使用され得る。いくつかの実施形態において、炎症性疾患は、急性または慢性である。いくつかの実施形態において、炎症性疾患は、喘息、慢性消化性潰瘍、結核、関節リウマチ、歯周炎、潰瘍性大腸炎およびクローン病、副鼻腔炎、活動性肝炎、虫垂炎、扁桃炎、髄膜炎、副鼻腔炎、気管支炎、または他の炎症性疾患である。
【0204】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、骨疾患などの疾患を特徴付けるために使用され得る。いくつかの実施形態では、骨疾患は骨腫瘍である。いくつかの実施形態において、骨疾患は、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、内軟骨腫、腹部外デスモイド腫瘍、線維性骨異形成症、低ホスファターゼ症、クリッペル・ファイル症候群、離断性骨軟骨炎(OCD)、骨軟骨腫、類骨骨腫、骨軟骨腫である。
【0205】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、胃腸疾患などの疾患を特徴付けるために使用され得る。いくつかの実施形態において、胃腸疾患は、消化不良、消化性潰瘍疾患、腹部疼痛症候群、胆道障害、胆嚢障害および胆石膵炎、胆石膵炎、胆石、過敏性腸症候群、または他の胃腸疾患である。
【0206】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、血液疾患などの疾患を特徴付けるために使用され得る。いくつかの実施形態では、血液疾患は赤血球障害である(貧血の概要、シックル細胞疾患、サラセミア、新生児の溶血性疾患、溶血性貧血、球状細胞症、鉄欠乏性貧血、ヘモクロマトーシス、鉄不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)、先天性鉄芽球性貧血、先天性赤血球異形成貧血、巨赤芽球性貧血(悪性貧血を含む)、白血球障害(重度の先天性好中球減少症(コストマン症候群)など)、周期性好中球減少症、慢性肉芽腫性疾患、白血球接着不全、ミエロペルオキシダーゼ欠損)、骨髄不全症候群(無形成性貧血、無巨核球性血小板減少症、ダイヤモンド-ブラックファン貧血、先天性角化異常症、ファンコニ貧血、骨髄異形成症候群(MDS)、シュワッハマン-ダイヤモンド症候群、血小板減少橈骨欠損など)、出血性疾患(血友病、フォンウィルブランド病、血小板機能障害、血小板減少症、低フィブリノーゲン血症、および異常フィブリノーゲン血症)、血栓症/抗凝固障害(血栓症、第V因子ライデン、プロトロンビン遺伝子変異、プロテインC欠乏症、プロテインS欠乏症、抗トロンビン欠乏症、脳卒中など)、自己免疫性血球障害(免疫性血小板減少症(ITP)など)、自己免疫性溶血性貧血、エバンス症候群)、多血症/赤血球増加症、ヘモクロマトーシス、ヘモグロビンC病、ヘモグロビンE病、ヘモグロビンSC病、大脳海綿状奇形、第V因子ライデン、線維筋性形成異常、ヘモクロマトーシス、ヘモグロビンSE疾患、特発性好中球減少症、脂肪腫、単純性紫斑病、鉄芽球性貧血、またはその他の血液疾患。
【0207】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、感染症などの疾患を特徴づけるために使用され得る。いくつかの実施形態では、疾患は細菌感染症である。いくつかの実施形態では、疾患はウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、疾患は真菌感染症である。いくつかの実施形態では、疾患は原虫感染症である。いくつかの実施形態では、疾患はプリオン疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は寄生虫感染症である。いくつかの実施形態では、感染症は敗血症である。いくつかの実施形態において、感染症は、急性弛緩性脊髄炎(AFM)、アナプラズマ症、炭疽病、バベシア症、ボツリヌス中毒症、ブルセラ症、鼻疽菌(Burkholderia mallei)(鼻疽)、類鼻疽菌(Burkholderia pseudomallei)(類鼻疽)、カンピロバクテリア症(カンピロバクター(Campylobacter))、カルバペネム耐性感染症(CRE/CR))、軟性下疳、チクングンヤ熱ウイルス感染症(Chikungunya)、Chlamydia、Ciguatera、Clostridium Difficile感染、Clostridium Perfringens(イプシロン毒素)、Coccidioidomycosis真菌感染症(バレー熱)、クロイツフェルト-ヤコブ病、感染性海綿状脳症(CJD)、クリプトスポリジウム症(Crypto)、サイクロスポーラ症、デング、1,2,3,4(デング熱)、ジフテリア、大腸菌感染(E.coli)、東部ウマ脳炎(EEE)、エボラ出血熱(Ebola)、エーリキア症、脳炎、アルボウイルス性または傍感染性、エンテロウイルス感染症、非ポリオ(非ポリオエンテロウイルス)、エンテロウイルス感染症、D68(EV-D68)、ランブル鞭毛虫症(ジャルディア)、ゴノコッカス感染症(淋病)、鼠径部肉芽腫、インフルエンザ病、B型(HibまたはH-flu)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、溶血性尿毒症症候群(HUS)、A型肝炎(Hep A)、B型肝炎(Hep B)、C型肝炎(Hep C)、D型肝炎(Hep D)、E型肝炎(Hep E)、ヘルペス、帯状疱疹、帯状疱疹VZV(帯状疱疹(Shingle))、ヒストプラスマ感染症(ヒストプラスマ症)、ヒト免疫不全ウイルス/AIDS(HIV/AIDS)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、インフルエンザ(Flu)、鉛中毒、レジオネラ症(Legionellosis)(在郷軍人病(Legionnaires Disease))、ハンセン病(Leprosy)(ハンセン病(Hansens Disease))、レプトスピラ症、リステリア症(リステリア)、ライム病、鼠径[性病性]リンパ肉芽腫感染症(LVG)、マラリア、はしか、髄膜炎、ウイルス性(髄膜炎、ウイルス性)、髄膜炎菌性疾患、細菌性(髄膜炎、細菌性)、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、流行性耳下腺炎、ノロウイルス、麻痺性貝中毒(Paralytic Shellfish Poisoning、シガテラ)、しらみ寄生症(シラミ、頭と体のシラミ)、骨盤炎症性疾患(PID)、百日咳(Pertussis)(Whooping Cough)、ペスト;腺ペスト、敗血症性ペスト、肺ペスト(Plague)、肺炎球菌性疾患(肺炎)、急性灰白髄炎(ポリオ)、ポーワッサン脳炎、オウム病、ケジラミ症(ケジラミ(crab);陰部シラミ(Pubic Lice)感染)、膿疱性発疹病(天然痘、サル痘、牛痘)、Q熱、狂犬病、リシン中毒、リケッチア症(ロッキー山紅斑熱)、風疹、先天性(三日ばしか(German Measles))、サルモネラ中毒胃腸炎(サルモネラ)、疥癬の蔓延(疥癬)、サバ科、重症急性呼吸器症候群(SARS)、赤痢菌性胃腸炎(赤痢菌)、天然痘、ブドウ球菌感染症、メチシリン耐性(MRSA)、ブドウ球菌食中毒、エンテロトキシン-B中毒(ブドウ球菌食中毒)、ブドウ球菌感染症、バンコマイシン中間体(VISA)、ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性(VRSA)、連鎖球菌性疾患、グループA(侵襲性)(Strep A)、連鎖球菌性疾患、グループB(Strep-B)、連鎖球菌、毒素性ショック症候群、STSS、毒素性ショック(STSS、TSS)、梅毒、一次、二次、早期潜伏、後期潜伏、先天性、破傷風菌感染症(開口障害)、旋毛虫症感染症(旋毛虫症)、結核(TB)、結核(潜在性)(LTBI)、ツラレミア(野兎病)、腸チフス、グループD、チフス、膣症、細菌性(酵母菌感染症)、水痘(Varicella)(水痘(Chickenpox))、コレラ菌(コレラ)、ビブリオ症(ビブリオ)、ウイルス性出血熱(エボラ、ラッサ、マールブルグ)、ウエストナイルウイルス、黄熱病、エルシニア(Yersinia)、ジカウイルス感染症(Zika)、または他の感染症である。
【0208】
場合によっては、本明細書に記載の方法およびデバイスを使用して、同じ個体の異なる供給源から得られたサンプル間の分析物の違いを測定または検出する。例えば、血清および細胞のDNAレベルでの分析物の違いは、特徴付けの間に比較される。
【0209】
分析物は、本明細書に記載の任意の数の異なるバイオマーカーを様々に含む。例えば、いくつかの実施形態では、分析物は核酸を含む。場合によっては、分析物は、特定のサイズ、例えば、約50-500bp、約75-400bp、約100-300bp、約150-250bp、約250-500bp、または約350-500bpの核酸を含む。場合によっては、分析物は、約50、100、150、200、250、300、350、400、または約500bpの核酸を含む。場合によっては、分析物は、少なくとも50、100、150、200、250、300、350、400、または少なくとも500bpの核酸を含む。場合によっては、分析物は、50、100、150、200、250、300、350、400、または500bp以下の核酸を含む。場合によっては、バイオマーカーは、異なるサイズの核酸の量の間の比較を含む。例えば、500bp以下の核酸の量は、500bpを超える核酸の量と比較される。いくつかの実施形態において、300bp以下の核酸の量は、300bpを超える核酸の量と比較される。いくつかの実施形態において、150bp以下の核酸の量は、150bpを超える核酸の量と比較される。追加の比較には、時間の経過に伴う変化、ソース(個人、ソース、サンプルタイプ)間、または疾患もしくは状態の治療前、治療中、または治療後の変化が含まれる。
【0210】
無細胞バイオマーカー
いくつかの実施形態では、特徴付けは、バイオマーカーの分子プロファイリングを介して実行され得る(Holdhoffら J.Neurooncol.2013,113,345;Elshimaliら Int.J.Mol.Sci.2013,14,18925;Swansonら Sensors Actuat.B-Chem.2000,64,22;Sosnowskiら Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.1997,94,1119;Huangら Macromolecules 2002,35,1175;およびHofmanら RSC Advances 2012,2,3885)。プロファイリングには、分析物の列挙、タンパク質、脂質、抗体、腫瘍DNA、腫瘍細胞、エキソソーム、ヌクレオソームを含むがこれらに限定されない分析物の特定の検出、特定の遺伝子配列のナノソーム検出、変異遺伝子配列の検出、ヘテロ接合性喪失の検出、メチル化状態の決定、変化の検出、欠失の検出、ならびに患者または対象の身体的および/または生化学的状態の分析および特徴付けに使用される他の分子プロファイリングアッセイが挙げられるがこれらに限定されない。
【0211】
場合によっては、バイオマーカーは無細胞バイオマーカーである。特定の例において、無細胞バイオマーカーは、本明細書に記載の任意の分析物を含み得る。無細胞バイオマーカーは、細胞のエキソサイトーシス、壊死、または分泌プロセスに関連するタンパク質または分子に由来する可能性がある。マーカーには、高分子量DNA(>300bp)、ヌクレオソーム、エキソソーム、凝集タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、ヌクレオソーム、および細胞のエキソサイトーシス、壊死、または分泌に関連するその他のマーカーが含まれる。
【0212】
循環無細胞バイオマーカーの候補の例には、突然変異または欠失、再配列、メチル化核酸、ヘテロ接合性の喪失、および他のDNA変化を含む、循環腫瘍DNAが含まれるが、これらに限定されない。マイクロRNA(miRNA)、微小胞からのRNA、および例えば、患者の疾患診断、予後および治療反応の特徴付けに関して有用な情報を提供する他のRNA形態を含む、RNAも使用され得る。いくつかの実施形態では、疾患は癌である。GFAP、VEGF、EGFR、b-FGF、KRAS、YKL-40およびMMP-9を含むがこれらに限定されない無細胞タンパク質と同様に、腫瘍細胞もまた直接モニターすることができる。
【0213】
無細胞バイオマーカーは核酸であり得る。場合によっては、核酸バイオマーカーは、少なくとも100bp、少なくとも200bp、少なくとも300bp、少なくとも500bp、または少なくとも1000bpである。場合によっては、分析物は、循環する無細胞高分子量DNA(>300bp)または本明細書に開示される方法およびデバイスを使用して単離された他の標的無細胞バイオマーカーである。
【0214】
例えば、患者および対象の特徴付けのために本明細書に開示される方法およびデバイスは、AC動電学を使用して、全血、血清、血漿、または他の体液またはサンプルから直接無細胞標的バイオマーカーを単離する。本明細書に開示される方法およびデバイスは、最小量のサンプル、例えば、最大10μl、最大20μl、最大30μl、最大40μl、最大50μl、最大60μl、最大70μl、最大80μl、最大90μl、最大100μl、最大200μl、最大300μl、最大400μl、最大500μl以上のサンプルを使用する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法およびデバイスは、500μl未満、400μl未満、300μl未満、200μl未満、100μl未満、90μl未満、80μl未満、70μl、60μl未満、50μl未満、40μl未満、30μl未満、20μl未満、10μl未満、または5μl未満のサンプルを使用する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法およびデバイスは、約50μlのサンプルと約500μlのサンプルとの間で使用する。
【0215】
例えば、患者および対象の特徴付けのために本明細書に開示される方法およびデバイスは、挿入色素、抗体標識、または他の従来の染色技術を使用して、蛍光顕微鏡法または他の検出技術を使用する直接定量化を可能にし得る。本明細書に開示される方法およびデバイスはまた、疾患または状態に関係する特定の対立遺伝子を検出するためにDNA/RNAハイブリダイゼーション技術を使用し得る。本明細書に開示される方法およびデバイスはまた、核またはミトコンドリアDNAまたは他の標的核酸分子マーカーのものを含む定量的リアルタイムPCR、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、直接SYBRゴールドアッセイ、直接PicoGreenアッセイ、マイクロサテライトマーカーのヘテロ接合性の喪失(LOH)を使用し得、任意に、キャピラリー電気泳動分析を含むがこれに限定されない電気泳動分析、次世代シーケンシングを含むがこれらに限定されないシーケンシングおよび/またはクローニング、改変されたセミネステッドまたはネステッドメチル化特異的PCRを含むがこれらに限定されないメチル化分析、DNA特異的PCR(MSP)、ビスルフィトーム増幅後の微量DNAの定量(qMAMBRA)、ならびにビーズ上でのメチル化、ビーズのメチル化、MALDI-ToF(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間分析)を含むがこれに限定されない質量ベースの分析)、任意にPCRおよびデジタルPCRと組み合わせもまた使用できる。
【0216】
本明細書に開示される方法およびデバイスは、挿入色素、抗体標識、染色、および蛍光顕微鏡の使用を含む、具体化されたデバイス上で直接またはこれとともに使用される無細胞バイオマーカー材料の直接定量化を可能にする他の画像化分子を含む色素を利用し得る。粒子状物質、例えば、DNAおよびRNAの蛍光標識の例には、シアニンダイマー高親和性染色剤(Life Technologies)が含まれるが、これらに限定されず、これらを使用できる。それらの中で、YOYO(登録商標)-1、YOYO(登録商標)-3、POPOTM-1、POPOTM-3、TOTO(登録商標)-1、TOTO(登録商標)-3が好ましい染色染料である。本明細書に開示される方法およびデバイスと組み合わせた検出および定量のためのタンパク質の蛍光標識には、Quanti-iTTMタンパク質定量アッセイ、NanoOrangeTMタンパク質定量アッセイ、CBQCAタンパク質定量アッセイ(LifeTechnologies)が含まれるが、これらに限定されない。ミトコンドリア、MitoTracker(登録商標)GreenFM(登録商標)およびMitoTracker(登録商標)RedFM(登録商標)などの標識色素を含む、他の疾患バイオマーカーの蛍光定量がいくつかの実施形態で使用される。
【0217】
本明細書に開示される方法およびデバイスはまた、疾患または状態に関係する特定の対立遺伝子を検出するために、DNA/RNAハイブリダイゼーション技術と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、特定の電極および対応する電極トレースラインは、固有の電界分布を達成するように、別個の電極を個別に制御するように設計することができる。不均一な電界分布を設計することにより、特定のDNA/RNAを操作することができる。
【0218】
本明細書に開示される方法およびデバイスはまた、ヌクレオソーム、高分子量DNA、エキソソームおよびタンパク質などの循環無細胞標的バイオマーカーを、遺伝子後分析、ならびに定量的PCR、逆転写酵素(RT)PCRを使用する定量化およびさらなる分析、ならびに単離および溶出されたサンプルDNA中の目的のタンパク質または核酸を同定するための配列決定分析技術のために溶出することができる。遺伝子後分析は、ヌクレオソームまたは核タンパク質が複合したdsDNA(300bpより大きい)、エキソソームdsDNAまたはRNA(100bpより大きい)、および/またはミトコンドリアDNAに対して実行される。
【0219】
癌の特徴付け
癌の特徴付けのために、本明細書に記載の方法およびデバイスとともに、多くの様々な分析物が使用される。いくつかの実施形態では、分析物はバイオマーカーを含む。場合によっては、分析物はccfDNAなどの無細胞バイオマーカーである。無細胞バイオマーカーの候補(ccfDNA=循環無細胞DNA)は、場合によっては癌の検出に使用される。いくつかの実施形態では、分析物は癌性組織から得られる。場合によっては、分析物は流体サンプルから得られる。いくつかの実施形態における分析物は、核酸の構造または配列に対する改変または変更などのバイオマーカーを含む。例えば、いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、メチル化またはヒドロキシル化などによって転写後に修飾される核酸を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーは、正常な個体または組織における核酸と比較した核酸突然変異または変化を含む。場合によっては、核酸の量の増加または減少が癌を特徴づけるために使用される。
【0220】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、中枢神経系(CNS)の腫瘍を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態では、CNS癌は脳癌である。いくつかの実施形態では、癌は神経芽細胞腫または神経膠腫である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のデバイスおよび方法によって検出される神経芽細胞腫に関連する遺伝的変化には、MYCN、DCR2プロモーターの高メチル化が含まれる(Combaret,V.,et al.Cancer Res.2002 Jul 1;62(13):3646-8;Misawa A,et al.Br J Cancer.2009 Jan 27;100(2):399-404)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよび方法によって検出される神経膠腫に関連する遺伝的変化には、染色体1p、19q、および10qにおける遺伝子プロモーターメチル化p16/INK4a、MGMT、p73、RARβおよびLOH、ならびにEGFRvIII、およびRASSF1Aの高メチル化が含まれる(Weaver KD et al.Cancer Invest.2006;24:35-40;Lavon I et al.Neuro Oncol.2010 Feb;12(2):173-80;Salkeni M.A.J.Neurooncol.2013.;Majchrzak-Celinska A.J Appl Genet.2013 Aug;54(3):335-44)。
【0221】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、乳癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態において、ccfDNAのレベルは、腫瘍サイズ、腫瘍ステージ、腫瘍グレード、リンパ節関与、Her2/neuおよびトポイソメラーゼIIα発現と関連している。いくつかの実施形態における乳癌に関連するマーカーには、マーカーD3S1605、D10S1765、D12S1725、D13S218、D17S855、およびD12S1725での循環DNA(短いDNAフラグメント)のLOH、増幅されたHER2、LINE1(長い散在核エレメント-1)のコピー数、同時ERβおよびRARβ2のメチル化、ERβ発現の喪失、CST6、APC、およびRASSF1A、ccfDNAのRASSF1A、サイクリンD2、およびRARβ2遺伝子のメチル化、ならびにERβ発現、CST6、APC、およびRASSF1Aの喪失、ccfDNAにおけるRASSF1A、サイクリンD2、およびRARβ2遺伝子のメチル化、p16の異常な高メチル化(CEAの血清レベルの上昇に関連)、CDH1(E-カドヘリンまたはCD324、腫瘍抑制遺伝子)、ccfDNAのメチル化パターン(手術後、タモキシフェン治療後、または併用治療後の変化)、血漿DNAの異なるBRCA1メチル化および動態(ALU115)、hTERT(ヒトのテロメラーゼ逆転写酵素)、およびVEGFが挙げられる(Catarino R.DNA Cell Biol.2008 Aug;27(8):415-21;Hashad D.J Clin Lab Anal.2012 Nov;26(6):467-72;Hashad D.J Clin Lab Anal.2012 Nov;26(6):467-72;Schwarzenbach H.Clin Cancer Res.2012 Oct 15;18(20):5719-30;Weiss L.N Engl J Med.2013 Jul 4;369(1):93;Page K.Br J Cancer.2011 Apr 12;104(8):1342-8;Jin D.J.Mol.Biomarkers Diagn.2012:S2-009;Shaw JA.Genome Res.2012 Feb;22(2):220-31;Umetani N.J Clin Oncol.2006 Sep 10;24(26):4270-6;Mirza S.Ann Surg Oncol.2012 Sep;19(9):3107-15;Mueller H.M.Cancer Res.2003;63:7641-7645;Zurita M.BMC Cancer.2010 May 20;10():217;Deligezer U.Ann N Y Acad Sci.2008 Aug;1137():175-9;Liggett TE.Int J Cancer.2011 Jan 15;128(2):492-9;Sharma G.Tumour Biol.2012 Dec;33(6):1837-43;El Tarhouny S.Cytokine.2008 Oct;44(1):65-9;and Dawson SJ.N Engl J Med.2013 Mar 28;368(13):1199-209.)。
【0222】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、女性の婦人科システムにおける癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜腫瘍を含む。いくつかの実施形態における子宮内膜腫瘍に関連するマーカーには、DNAの完全性(より長いDNA断片)、より高いレベルのccfDNA、および潜在的なマーカーとしてのccfDNAとp53-抗体との関連が含まれる(Tanaka H.Int J Gynecol Cancer。2012Jan;22(1):82-6;Zachariah R.ReprodBiomedOnline。2009Mar;18(3):407-11;Dobrzycka B.IntJCancer。2010Aug1;127(3):612-21)。いくつかの実施形態では、癌は子宮頸部腫瘍を含む。いくつかの実施形態における子宮頸部腫瘍に関連するマーカーには、血漿DNAレベル、血清中のMYOD1プロモーターの過剰メチル化、および非メチル化CDH1/CDH13が含まれる(Mueller H.M.Cancer Res.2003;63:7641-7645;Guan T.2008 Aug;28(9):1663-4,1667;Widschwendter A.Int J Cancer.2004 Mar 20;109(2):163-6)。いくつかの実施形態では、癌は卵巣腫瘍を含む。いくつかの実施形態における卵巣腫瘍に関連するマーカーには、高レベルのccfDNA、RASSF1Aの高メチル化、KRAS変異、およびp53抗体が含まれる(Zachariah R.R.Gynecol.2008;112:843-850;Ma L.Zhonghua Bing Li Xue Za Zhi.2005 Dec.;34(12):785-7;Dobrzycka B.Ann Oncol.2011 May;22(5):1133-40;Kuhlmann JD.BMC Cancer。2012 Jul 31;12:325)。
【0223】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、肝細胞癌(HCC)などの癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態における肝細胞癌に関連するマーカーには、高レベルのccfDNA、LINE-1低メチル化、コドン249でのTP53の突然変異(Ser-249、アフラトキシンによる突然変異誘発の特徴と考えられる)およびCTNNB1(ベータカテニンをコードする遺伝子)、RASSF1Aの高メチル化、p16の異常なメチル化、高レベルのRASSF1A、および染色体8pでのD8S277、D8S298、およびD8S1771のマイクロサテライト不安定性とヘテロ接合性消失が挙げられる(Ren N.World J Gastroenterol.2006 Jun 28;12(24):3911-4;Tangkijvanich P.Clin Chim Acta.2007 Apr;379(1-2):127-33;Iizuka N.Anticancer Res.2006 Nov-Dec;26(6C):4713-9;Iida M.Oncol Rep.2008 Oct;20(4):761-5;Hosny G.Cancer Lett.2008 Jun 18;264(2):201-8;Hosny G.Cancer Lett.2008 Jun 18;264(2):201-8;Pang JZ.Zhonghua Yi Xue Za Zhi.2006 Jun 27;86(24):1662-5;Chan KC.Clin Chem.2008 Sep;54(9):1528-36;Zhou J.Semin Oncol.2012 Aug;39(4):440-8)。
【0224】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、膵臓癌などの癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態における膵臓癌に関連するマーカーには、循環血漿DNAおよび遊離血清DNAのメチル化プロファイルが含まれる(Melnikov AA.J Surg Oncol.2009 Feb 1;99(2):119-22;Gornik I.Clin Biochem.2009 Jan;42(1-2):38-43;Sawabu N.Pancreas.2004 Apr;28(3):263-7;Liggett T.Cancer.2010 Apr 1;116(7):1674-80)。
【0225】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、胃腸管の癌などの癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態において、胃腸管癌は、食道腫瘍を含む。いくつかの実施形態における食道腫瘍に関連するマーカーには、メチル化DAPK(死関連プロテインキナーゼ)およびAPC(腺腫様ポリポーシスコリ遺伝子)プロモーターDNAが含まれる(Tomita H.Anticancer Res.2007 Jul-Aug;27(4C):2737-41;Hoffmann AC.J Cancer Res Clin Oncol.2009 Sep; 135(9):1231-7)。いくつかの実施形態では、胃腸管癌は、胃(stoch)腫瘍を含む。いくつかの実施形態における食道腫瘍に関連するマーカーには、高レベルのccfDNA、RUNX3、MGMT、p15、およびhMLH1の高メチル化、ならびにCEA、P16、E-カドヘリン、RARbetaおよびCDH4遺伝子のメチル化状態が含まれる(Kolesnikova EV.Ann N Y Acad Sci.2008 Aug;1137:226-31;Tani N.2006;33:1720-1722;Sai S.Anticancer Res.2007 Jul-Aug;27(4C):2747-51;Sakakura C.Anticancer Res.2009 Jul;29(7):2619-25)。いくつかの実施形態において、胃腸管癌は、結腸直腸腫瘍を含む。いくつかの実施形態における結腸直腸腫瘍に関連するマーカーには、変異した循環DNA、SEPT9、HPP1および/またはHLTFなどの特定の遺伝子の異常なメチル化状態、KRAS変異クローン、血清DNAの完全性、マイクロサテライト不安定性、BRAF、SMAD4、TMEFF2、NGFR、およびp16を含む異常なプロモーターメチル化が含まれる(Schwarzenbach H.Ann N Y Acad Sci.2008 Aug;1137():190-6;da Silva Filho BF.J Clin Pathol.2013 Sep;66(9):775-8;Lofton-Day C.Clin.Chem.2008;54:414-423;Toth K.Orv Hetil.2009 May 24;150(21):969-77;deVos T.Orv Hetil.2009 May 24;150(21):969-77;deVos T.Clin Chem.2009 Jul;55(7):1337-46;Wallner M.Clin Cancer Res.2006 Dec 15;12(24):7347-52;Misale S.Nature.2012 Jun 28;486(7404):532-6;Trevisiol C.Int J Biol Markers.2006 Oct-Dec;21(4):223-8;Umetani N.Clin Chem.2006 Jun;52(6):1062-9;Morgan SR.J Clin Pathol.2013 Sep;66(9):775-8;Mouliere F.Transl Oncol.2013 Jun;6(3):319-28;Trevisiol C.Int J Biol Markers.2006 Oct-Dec;21(4):223-8;Nakayama G.Anticancer Res.2007;27:1459-1463)。
【0226】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、頭頸部の癌などの癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態において、頭頸部癌は、鼻咽頭癌を含む。いくつかの実施形態における鼻咽頭癌に関連するマーカーには、以下の5つの遺伝子:CDH1、p16、DAPK1、p15、およびRASSF1Aのうちの少なくとも1つの異常な高メチル化プロモーターDNA、3つの遺伝子(CDH1、DAPK1 、およびp16)のうちの少なくとも1つのプロモーターDNAの高メチル化、およびEBV-DNAが含まれる(Chan KC.Clin Cancer Res.2008 Jul 1;14(13):4141-5.Jiang WW.Int J Cancer.2006 Dec 1;119(11):2673-6.Chan SL.BMC Cancer.2006 Oct 31;6:259.Chan KC.Semin Cancer Biol. 2002 Dec;12(6):489-96)。いくつかの実施形態では、頭頸部癌は甲状腺腫瘍を含む。いくつかの実施形態における甲状腺腫瘍に関連するマーカーには、BRAF/DNAが含まれる(Chuang TC.Head Neck.2010 Feb;32(2):229-34)。
【0227】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、リンパ腫または白血病などの癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態におけるリンパ腫または白血病に関連するマーカーには、高レベルのccfDNA、再構成された免疫グロブリン重鎖DNA、およびp53変異を伴うMGMTプロモーターの過剰メチル化が含まれる(Hohaus S.Ann Oncol. 2009 Aug;20(8):1408-13;Jiang Y.2012 Feb;20(1):53-6)。
【0228】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、肺癌などの癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態における肺癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)を含む。いくつかの実施形態におけるNSCLCに関連するマーカーには、血漿DNAレベルの増加、突然変異の欠如、血清DNAの14-3-3シグマのメチル化状態、胸腔洗浄におけるP16M、RASSF1A、p14(ARF)およびAPCの高メチル化、K-RAS突然変異、および上皮成長因子受容体(EGFR)変異が含まれる(Cheng C.Cancer Sci.2009 Feb;100(2):303-9;Xie GS.Chin.Med.J.2004;117:1485-1488;Yoon KA.J Mol Diagn.2009 May;11(3):182-5;Lee SM.Mol Cells.2012 Aug;34(2):171-6;Ponomaryova AA.Lung Cancer.2013 Sep;81(3):397-403;Nakamura T.J Thorac Oncol.2012 Sep;7(9):1369-81)。いくつかの実施形態における肺癌は、小細胞肺癌(SCLC)を含む。いくつかの実施形態におけるSCLCに関連するマーカーには、マイクロサテライトマーカーおよびLOHが含まれる(Board RE.Ann.N.Y.Acad.Sci.2008;1137:98-107;Tamkovich SN.Ann N Y Acad Sci.2008 Aug;1137:214-7)。
【0229】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、男性生殖管の癌などの癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態における男性生殖管の癌は、精巣腫瘍を含む。 いくつかの実施形態における精巣腫瘍に関連するマーカーには、ccfDNAおよび無細胞血清mtDNAの増加(79-bp(mtDNA-79)および220bp(mtDNA-220))、ccfDNA APC、GSTP1、PTGS2、p14(ARF)、 p16(INK)およびRASSF1Aの高メチル化が含まれる(Ellinger J.J Urol.2009 Jan;181(1):363-71;Ellinger J.J Urol.2009 Jul;182(1):324-9)。
【0230】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、泌尿器系の癌などの癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態における泌尿器系の癌は、腎臓腫瘍を含む。いくつかの実施形態における泌尿器系に関連するマーカーには、尿サンプル中の腫瘍DNA、VHL、p16/CDKN2a、p14ARF、APC、RASSF1A、およびTimp-3のccfDNAのプロモーター過剰メチル化が含まれる(Goessl C.Eur Urol.2002 Jun;41(6):668-76;Cairns P.Ann N Y Acad Sci.2004 Jun;1022:40-3)。いくつかの実施形態における泌尿器系の癌は、前立腺癌(PCa)を含む。いくつかの実施形態における前立腺癌に関連するマーカーには、ccfDNA、DNA負荷およびプロモーターのメチル化状態、LOH、ならびに遺伝的異常、例えば、対立遺伝子の不均衡(AI)およびプロモーターの過剰メチル化のエピジェネティックな変化(RASSF1、RARB2、およびGSTP1のメチル化)、LOHおよびD6S1631、D8S286、D9S171、D8S286、およびD9S171のマーカーの組み合わせについてのGleasonスコアの増加、GSTP1遺伝子のメチル化、およびアポトーシス性PTGS2フラグメントが含まれる(Delgado PO.Tumour Biol.2013 Apr;34(2):983-6;Chun FK.BJU Int.2006 Sep;98(3):544-8;Papadopoulou E.Ann N Y Acad Sci.2006 Sep;1075:235-43;Mueller I.Clin Chem.2008 Apr;54(4):688-96;Ellinger J.Int J Cancer.2008 Jan 1;122(1):138-43;Cortese R.Hum Mol Genet.2012 Aug 15;21(16):3619-31)
【0231】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、皮膚癌などの癌を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態における皮膚癌は、悪性黒色腫を含む。いくつかの実施形態における悪性黒色腫に関連するマーカーには、ccfDNA、血漿中のマイクロサテライトマーカーD1S243、D6S311、D9S161およびD19S246のLOH、および血清中のTFPI2メチル化DNAが含まれる(Daniotti M.Int J Cancer.2007 Jun 1;120(11):2439-44;Nakamoto D.Bull Tokyo Dent Coll.2008 May;49(2):77-87;Lo Nigro C.J Invest Dermatol.2013 May;133(5):1278-85)。いくつかの実施形態における皮膚癌は、扁平上皮癌を含む。いくつかの実施形態における扁平上皮癌に関連するマーカーには、血清DNAにおけるマイクロサテライトの変化が含まれる(Kakimoto Y.Oncol Rep.2008 Nov;20(5):1195-200)。
【0232】
実施形態
一態様では、本明細書に開示されるのは、以下を含む分析物を捕捉するためのデバイスである。a)動電学的場領域を生成するように構成された電極、およびb)電極の少なくとも一部と接触している層であって、この層は誘電体材料を含み、厚さが100オングストローム未満である層。いくつかの実施形態では、電極はACで通電される。いくつかの実施形態では、電極はDCで通電される。いくつかの実施形態では、動電学的場は、誘電泳動場、電熱場、電気浸透場、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、層は、厚さが約5オングストロームから約25オングストロームである。いくつかの実施形態では、層は、約13オングストロームから約19オングストロームの厚さである。いくつかの実施形態では、層は約16オングストロームの厚さである。いくつかの実施形態では、層は、50オングストローム以下の厚さである。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、メタロイド酸化物、メタロイド窒化物、メタロイドカーバイド、メタロイドケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、メタロイドは、ホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、非金属、およびホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、非金属は、酸素、炭素、ケイ素、セレン、窒素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、金属をさらに含む。いくつかの実施形態では、金属は、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、マグネシウム、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、アルミニウム、タンタル、ガリウム、銅、銀、真鍮、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、チタン、インジウム、ビスマス、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、アンチモン、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、タンタル、銅、銀、真鍮、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、チタン、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、有機または無機ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーはフッ素化されている。いくつかの実施形態では、誘電体材料はセラミックを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、高κ誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、低κ誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、3以下の誘電率を有する材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、4以下の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、10以下の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、いくつかの実施形態では、誘電体材料は、少なくとも4の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約2から約10の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、少なくとも10の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、層は、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化チタン、ゲルマニウム、ポリテトラフルオロエチレン、ネオプレン、ポリビニリデンフルオリド、二酸化シリコン、二酸化チタン、フルオロシリケートガラス、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、メチルシルセスキオキサン、ポリアリーレンエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、炭酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-5Ω・mから約1025Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-2Ω・mから約1020Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10Ω・mから約1015Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約103Ω・mから約1012Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-5Ω・mから約106Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-4Ω・mから約107Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・mから約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・mから約10-5Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-4Ω・mから約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体と導電性材料との比は、約0.01:2から約99:1である。いくつかの実施形態では、誘電体と導電性材料との比は、約0.1:2から約0.7:2である。いくつかの実施形態では、誘電体と導電性材料との比は約0.3:2である。いくつかの実施形態では、導電性材料は、白金、金、アルミニウム、タンタル、ガリウム砒素、銅、銀、真鍮、亜鉛、スズ、ニッケル、シリコン、パラジウム、チタン、グラファイト、炭素、およびそれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、電極は金属を含む。いくつかの実施形態では、電極は混合金属酸化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属酸化物は、酸化白金、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、混合金属炭化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属炭化物は、プラチナカーバイド、チタンカーバイド、ジルコニウムカーバイド、ニオブカーバイド、タンタルカーバイド、タングステンカーバイド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、混合金属窒化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属窒化物は、窒化白金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、約10-8Ω・mから約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は、約10-6Ω・mから約10-4Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は、約10-6Ω・mから約10-3Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、組成物は、複数の電極を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、個々の電極の中心に実質的に存在しない。いくつかの実施形態では、複数の電極がアレイに構成されている。いくつかの実施形態では、複数の電極は3次元で構成される。いくつかの実施形態では、導電性材料は、開いたディスク形状、波線形状、中空管形状、中空三角形管、または押し出された中心を有する中空環の不連続な曲線として構成される。いくつかの実施形態では、電極は、その最大寸法が約40μmから約1000μmである。いくつかの実施形態では、電極は、その最大寸法が約40μmから約500μmである。いくつかの実施形態では、電極は、その最大寸法が約40μmから約100μmである。いくつかの実施形態では、電極は、約100nmから約500nmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極は、約50nmから約200nmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極は、約100nmから約1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極はポリマー層でコーティングされている。いくつかの実施形態では、ポリマー層は多孔性である。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、誘電体材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層はコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリメチルメタクリレート、ナイロン66、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリエチレンテレフタレート、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリヒドロキシエチルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層はヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロンから1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%から約99.99%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%から約50%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約50%から約99.99%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約25%から約75%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約1%から約25%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%から約10%の減少をもたらす。
【0233】
本明細書でさらに提供されるのは、以下を含む分析物を捕捉するためのデバイスである:a)動電学的場領域を生成するように構成された電極、およびb)電極の少なくとも一部と接触している層であって、層が誘電体材料を含み、厚さが100オングストロームから約10,000オングストロームである層。いくつかの実施形態では、電極はACで通電される。いくつかの実施形態では、電極はDCで通電される。いくつかの実施形態では、動電学的場は、誘電泳動場、電熱場、電気浸透場、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、メタロイド酸化物、メタロイド窒化物、メタロイドカーバイド、メタロイドケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、メタロイドは、ホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、非金属、およびホウ素、シリコン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、非金属は、酸素、炭素、ケイ素、セレン、窒素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、金属をさらに含む。いくつかの実施形態では、金属は、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、マグネシウム、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、アルミニウム、タンタル、ガリウム、銅、銀、真鍮、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、チタン、インジウム、ビスマス、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、アンチモン、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、マンガン、タングステン、ジルコニウム、クロム、金、鉄、タンタル、銅、銀、真鍮、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、チタン、鉛、ランタン、ハフニウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、有機または無機ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーはフッ素化されている。いくつかの実施形態では、誘電体材料はセラミックを含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、高κ誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、低κ誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、3以下の誘電率を有する材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、4以下の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、10以下の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、いくつかの実施形態では、誘電体材料は、少なくとも4の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約2から約10の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、少なくとも10の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、層は、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化チタン、ゲルマニウム、ポリテトラフルオロエチレン、ネオプレン、ポリビニリデンフルオリド、二酸化シリコン、二酸化チタン、フルオロシリケートガラス、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、メチルシルセスキオキサン、ポリアリーレンエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、炭酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-5Ω・mから約1025Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-2Ω・mから約1020Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10Ω・mから約1015Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約103Ω・mから約1012Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-5Ω・mから約106Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、約10-4Ω・mから約107Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・mから約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-8Ω・mから約10-5Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、導電性材料は、約10-4Ω・mから約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、誘電体と導電性材料との比は、約0.01:2から約99:1である。いくつかの実施形態では、誘電体と導電性材料との比は、約0.1:2から約0.7:2である。いくつかの実施形態では、誘電体と導電性材料との比は約0.3:2である。いくつかの実施形態では、導電性材料は、白金、金、アルミニウム、タンタル、ガリウム砒素、銅、銀、真鍮、亜鉛、スズ、ニッケル、シリコン、パラジウム、チタン、グラファイト、炭素、およびそれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む。それらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、電極は金属を含む。いくつかの実施形態では、電極は混合金属酸化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属酸化物は、酸化白金、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、混合金属炭化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属炭化物は、プラチナカーバイド、チタンカーバイド、ジルコニウムカーバイド、ニオブカーバイド、タンタルカーバイド、タングステンカーバイド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、混合金属窒化物を含む。いくつかの実施形態では、混合金属窒化物は、窒化白金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電極は、約10-8Ω・mから約10-2Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は、約10-6Ω・mから約10-4Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、電極は、約10-6Ω・mから約10-3Ω・mの抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、組成物は、複数の電極を含む。いくつかの実施形態では、導電性材料は、個々の電極の中心に実質的に存在しない。いくつかの実施形態では、複数の電極がアレイに構成されている。いくつかの実施形態では、複数の電極は3次元で構成される。いくつかの実施形態では、導電性材料は、開いたディスク形状、波線形状、中空管形状、中空三角形管、または押し出された中心を有する中空リングの不連続な曲線として構成される。いくつかの実施形態では、電極は、その最大寸法が約40μmから約1000μmである。いくつかの実施形態では、電極は、その最大寸法が約40μmから約500μmである。いくつかの実施形態では、電極は、その最大寸法が約40μmから約100μmである。いくつかの実施形態では、電極は、約100nmから約500nmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極は、約50nmから約200nmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極は、約100nmから約1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、電極はポリマー層でコーティングされている。いくつかの実施形態では、ポリマー層は多孔質である。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、誘電体材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層はコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリメチルメタクリレート、ナイロン66、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリエチレンテレフタレート、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリヒドロキシエチルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層はヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.01ミクロンから1ミクロンの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%から約99.99%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%から約50%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約50%から約99.99%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約25%から約75%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約1%から約25%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、デバイスの導電率の約0.01%から約10%の減少をもたらす。
【0234】
白金を含む電極、および電極の一部と接触している層を備えた、分析物を捕捉するためのデバイスも本明細書で提供され、電極は、AC誘電泳動場領域を生成するように構成され、層は、厚さが100オングストローム未満であり、誘電体と導電性材料とを含み、半導電性材料と導電性材料の比は約0.3/2であり、層が存在すると、デバイスの導電率が30%低下する。
【0235】
本明細書でさらに提供されるのは、サンプル中の分析物を単離するための方法であり、この方法は、以下を含む。本明細書で提供されるデバイスのデバイスにサンプルを適用する工程、少なくとも1つのAC誘電泳動および/またはAC動電場領域を生成する工程、ならびにAC誘電泳動および/またはAC動電学的場領域で分析物を単離する工程を含む。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも5倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも50倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも100倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも200倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、層の存在は、層のないデバイスと比較した場合、表面での分析物捕捉の少なくとも500倍の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、分析物は生体分子を含む。いくつかの実施形態において、分析物は、核酸、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、凝集タンパク質、ウイルス、原核細胞、細胞膜断片、ミトコンドリア、細胞小胞、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、分析物はウイルスを含む。いくつかの実施形態では、分析物は無細胞材料を含む。いくつかの実施形態では、分析物は無細胞核酸を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは流体を含む。いくつかの実施形態では、流体は細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は原核細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、100mS/m以上の導電率を有する。いくつかの実施形態では、流体は、100mS/m未満の導電率を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、その最大寸法が1マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、分析物は、その最大寸法が0.1マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、分析物は、その最大寸法が50ナノメートル以下である。いくつかの実施形態では、分析物は、1ナノグラム以下の質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、1ピコグラム以下の質量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、1モルあたり109グラム以下の分子量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、1モルあたり106グラム以下の分子量を有する。いくつかの実施形態において、分析物は、1モル当たり103グラム以下の分子量を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、約1から約100の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、約1から約20の誘電率を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、約6から約11の誘電率を有する。
【0236】
本明細書でさらに提供されるのは、少なくとも1つの堆積技術を使用して電極上に層を堆積することを含む、本明細書に記載のデバイスのいずれかを製造するための方法である。いくつかの実施形態では、堆積技術は、電子ビーム堆積、電極スパッタリング堆積、原子層堆積、プラズマ強化化学気相堆積(PECAV)、パルスレーザー堆積、および化学蒸着からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、堆積技術は、スパッタリング堆積を含む。いくつかの実施形態では、スパッタリング堆積は、イオンビーム、反応性、イオン支援、高ターゲット利用、高出力インパルスマグネトロン、またはガスフロースパッタリングを含む。
【0237】
本明細書でさらに提供されるのは、本明細書に記載のデバイスのいずれか1つにサンプルを適用することを含む、患者の疾患または状態を診断またはモニターする方法である。
【0238】
定義と略語
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語、表記法、ならびに他の技術的および科学的用語または用語は、特許請求される主題が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することを意図する。場合によっては、一般に理解されている意味を持つ用語は、明確にするためおよび/またはすぐに参照できるように本明細書で定義され、本明細書にそのような定義を含めることは、当技術分野で一般に理解されているものとの実質的な違いを表すと必ずしも解釈されるべきではない。
【0239】
本明細書全体を通して、様々な実施形態が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は、単に便宜上および簡潔にするためのものであり、開示の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内の個々の数値と同様に、すべての可能なサブ範囲を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1から6までなどの範囲の記述は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6までなどのサブ範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、および6などを具体的に開示していると見なされるべきである。範囲の幅に関係なく適用される。
【0240】
明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形の参照を含む。例えば、「サンプル」という用語は、それらの混合物を含む複数のサンプルを含む。
【0241】
「決定する」、「測定する」、「評価する」、「見積もる」、「アッセイする」、および「分析する」という用語は、本明細書では、測定の形態を指すためにしばしば交換可能に使用される。この用語には、要素が存在するかどうかの判断(例えば、検出)が含まれる。これらの用語には、定量的、定性的、または定量的かつ定性的な決定が含まれる。評価は相対的または絶対的である。「存在の検出」は、状況に応じて、存在するか存在しないかを決定することに加えて、存在するものの量を決定することを含み得る。
【0242】
「対象」、「個人」、または「患者」という用語は、本明細書ではしばしば交換可能に使用される。「対象」は、発現された遺伝物質を含む生物学的実体であり得る。生物学的実体は、例えば、細菌、ウイルス、真菌、および原生動物を含む、植物、動物、または微生物であり得る。対象は、インビボで得られた、またはインビトロで培養された生物学的実体の組織、細胞およびそれらの子孫であり得る。対象は哺乳動物であり得る。哺乳動物はヒトであり得る。対象は、疾患のリスクが高いと診断または疑われる可能性があります。場合によっては、対象は必ずしも病気のリスクが高いと診断または疑われるとは限らない。
【0243】
「インビボ」という用語は、被験者の体内で起こる事象を説明するために使用される。
【0244】
「エキソビボ」という用語は、被験者の体外で発生する事象を説明するために使用される。エキソビボアッセイは、対象に対して行われない。むしろ、被験者とは別のサンプルに対して実行される。サンプルに対して実施されるエキソビボアッセイの例は、「インビトロ」アッセイである。
【0245】
「インビトロ」という用語は、実験用試薬を保持するための容器に含まれ、その結果、材料が得られる生物学的供給源から分離されるように起こる事象を説明するために使用される。インビトロアッセイは、生細胞または死細胞が使用される細胞ベースのアッセイを包含することができる。インビトロアッセイはまた、無傷の細胞が使用されない無細胞アッセイを包含することができる。
【0246】
本明細書で使用される場合、「約」の数という用語は、その数のプラスマイナス10%を指す。範囲の「約」という用語は、その最小値の10%マイナスのものと、その最大値の10%プラスのものの範囲を指す。
【0247】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」という用語は、レシピエントにおいて有益なまたは望ましい結果を得るための医薬品または他の介入レジメンに関して使用される。有益なまたは望ましい結果には、治療的利益および/または予防的利益が含まれるが、これらに限定されない。治療的利益は、治療される症状または根底にある障害の根絶または改善を指すことができる。また、治療上の利益は、対象が依然として根底にある障害に苦しんでいる可能性があるにもかかわらず、対象に改善が観察されるように、根底にある障害に関連する1つ以上の生理学的症状の根絶または改善によって達成することができる。予防効果には、疾患または状態の出現を遅らせる、予防する、または排除するか、疾患または状態の症状の発症を遅延または排除するか、疾患または状態の進行を遅らせる、停止する、または逆転させるか、あるいはそれらの任意の組み合わせが含まれる。予防的利益のために、特定の疾患を発症するリスクのある対象、または疾患の生理学的症状の1つ以上を報告する対象に対して、この疾患の診断がなされていない場合でも、治療を受けることができる。
【0248】
本書で使用されているセクションの見出しは、組織的な目的のみであり、説明されている主題を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0249】
本明細書で使用される場合、「Vp-p」という用語は、ピークツーピーク電圧である。
【0250】
本明細書で使用される場合、「TBE」という用語は、トリスベース、ホウ酸およびEDTAの混合物を含む緩衝液である。
【0251】
本明細書で使用される場合、「TE」という用語は、トリスベースおよびEDTAの混合物を含む緩衝液である。
【0252】
本明細書で使用される場合、「L-ヒスチジン緩衝液」という用語は、L-ヒスチジンを含む溶液である。
【0253】
本明細書で使用される場合、「DEP」という用語は、誘電泳動の略語である。
【0254】
本明細書で使用される場合、「ACE」という用語は、交流動電学である。
【実施例0255】
実施例1:従来技術の電極を用いた核酸の単離
微小電極アレイを構成するためのチップを作製した。45×20電極アレイ、200μmの中心-中心ピッチ上のカスタム直径80μmの円形白金微小電極アレイを、以前の結果に基づいて製造した(以下の参考文献1-3を参照)。900個の微小電極すべてが一緒に活性化され、ACバイアスを印加されて、チェッカーボードフィールドジオメトリが形成される。正のDEP領域は、微小電極の真上に発生し、負の低電界領域は、微小電極間に発生する。アレイをマイクロ流体カートリッジに封入し、アクリル窓で覆われた50μLのサンプルチャンバを形成した(
図1)。微小電極への電気接続を、フローセル内のPCBボードからのMolexコネクタからアクセスした。ファンクションジェネレータ(HP 3245A)は、溶液の導電率に応じて、10KHzおよび10-14Vのピーク-ピークで正弦波の電気信号を提供した。画像を、蛍光顕微鏡(Leica社製)およびEGFPキューブ(485nmの発光および525nmの励起バンドパスフィルター)で捕捉された。励起源は、PhotoFluor II 200 W Hgアークランプであった。
【0256】
[1]R.Krishnan,B.D.Sullivan,R.L.Mifflin,S.C.Esener,and M.J.Heller,“Alternating current electrokinetic separation and detection of DNA nanoparticles in high-conductance solutions.”Electrophoresis,vol.29,pages 1765-1774,2008.
【0257】
[2] R.Krishnan and M.J.Heller,“An AC electrokinetic method for enhanced detection of DNA nanoparticles.”J.Biophotonics,vol.2,pages 253-261,2009.
【0258】
[3] R.Krishnan,D.A.Dehlinger,G.J.Gemmen,R.L.Mifflin,S.C.Esener,and M.J.Heller,“Interaction of nanoparticles at the DEP microelectrode interface under high conductance conditions”Electrochem.Comm.,vol.11,pages 1661-1666,2009.
【0259】
核酸を含むサンプルを、DI水で次の濃度に希釈した:50ナノグラム、5ナノグラム、1ナノグラム、および50ピコグラム。核酸サンプルを、Invitrogen(Life Technologies、Carlsbad、CA)から購入した1×SYBR Green I緑色蛍光二本鎖DNA色素を使用して染色した。次に、この混合物を微小電極アレイに挿入し、14ボルトのピークツーピーク(Vp-p)で、10kHzの正弦波で1分間実行した。1分の終わりに、微小電極パッドの写真を、緑色蛍光フィルター(FITC)を使用して、顕微鏡で10倍の対物レンズを備えたCCDカメラを使用して撮影し、核酸を視覚化できるようにした。
【0260】
実施例2:誘電体デバイスを用いた核酸の単離
チップを、実施例1の一般的な方法を変更して使用することで製造した:チップ表面に存在する電極上に誘電体層をコーティングした。誘電体材料を、電子ビーム蒸着を使用して、電極の表面にさまざまな厚さ(約0、8、16、24、または48オングストローム)で蒸着した。核酸を含むサンプルを微小電極アレイに挿入し、次に、実施例1の一般的な方法を使用して実行した。約0、8、16、24、または48オングストロームの厚さの誘電体層を有するチップは、それぞれ約5×10
4、7×10
5、1×10
7、5×10
5、または5×10
4蛍光ユニットの蛍光を生成した(
図7)。この実施例は、最適な厚さの誘電体層が蛍光信号における増加をもたらすことを示し、誘電体層を有しないデバイスと比較して、捕捉された核酸の量における増加を示す。
【0261】
実施例3:誘電体デバイスの表面特性の評価
実施例2で製造されたデバイスの物理的特性を評価した。表面のSEM画像を取得し(
図5)、コーティングされた電極チップの上部80オングストロームの深さプロファイルを、オージェ分光法を使用して取得した。結果は、様々な深さでの電極チップ(誘電体および金属)の組成を示している(
図6)。この例は、厚さが約48オングストロームの誘電体層が、デバイス上に製造されたことを示している。
【0262】
実施例4:誘電体デバイスを用いたヒトゲノムDNAの単離
研究者は、サンプルからヒトゲノムDNAを単離することに関心がある。20-40kbpのヒトゲノムDNA(gDNA)を、サンプルから分離する。gDNAを、DI水で次の濃度:50ナノグラム、5ナノグラム、1ナノグラム、および50ピコグラムに希釈する。gDNAを、Invitrogen(Life Technologies、Carlsbad、CA)から購入した1×SYBR Green I緑色蛍光二本鎖DNA色素を使用して染色する。次に、この混合物を、実施例2の一般的な手順を使用して製造された誘電体コーティングされた微小電極アレイに挿入し、14ボルトのピークツーピーク(Vp-p)で、10kHzの正弦波で1分間実行する。1分の終わりに、微小電極パッドの写真を、緑色蛍光フィルター(FITC)を使用して、顕微鏡で10倍の対物レンズを備えたCCDカメラを使用して撮影し、gDNAを視覚化できるようにする。誘電体層を備えたデバイスは、蛍光シグナルにおける増増をもたらし、誘電体層を備えていないデバイスと比較して、捕捉されたgDNAの量における増加を示す。
【0263】
実施例5:誘電体デバイスを用いた大腸菌からのDNAの単離
研究者は、サンプルから単離された細菌DNAに関心がある。実施例2の一般的な方法を使用して製造されたチップを使用して、50μLの流体中の約5000個の緑色蛍光大腸菌細胞を、誘電体コーティングされたチップに挿入する。大腸菌を、HP3245Aファンクションジェネレータを使用して用いて100ミリ秒の100V DCパルスを使用して溶解する。次に、溶解した粒子を10kHz、10Vp-pを使用して電極表面上に収集し、イルミナ社製Nextera(登録商標)プロトコルを、DNAが(チップ上に適切な緩衝液を適切なタイミングで挿入することにより)チップ上にある間のシーケンス用のライブラリー調製を行い(シーケンス用にDNAにタグ付けする。次に、DNAを50μLの1×TBE緩衝液で溶出し、Bio-Rad PCRマシン上で(Nexteraプロトコルを使用して)9-12サイクルPCR増幅する。誘電体層を備えたデバイスは、蛍光シグナルにおける増加をもたらし、誘電体層を備えていないデバイスと比較して、捕捉された細菌DNAの量における増加を示す。
【0264】
実施例6:誘電体デバイスを用いた無細胞バイオマーカーの単離
ACEマイクロ流体カートリッジを使用して、無細胞バイオマーカーの相対濃度を、未知のサンプルにおいて決定する(サンプルは全血、血清、血漿であり得る)。ACEマイクロ流体カートリッジは、既知の標準のための1つ以上のチャンバーおよび未知のサンプルのための1つ以上のチャンバーを用いた実施例1の一般的な方法を使用して設計され得る。
【0265】
10Vp-pおよび10kHzでのACE場を適用して、実施例2の一般的な方法を使用して設計されたチップを含むマイクロ流体カートリッジチャンバーを選択し、目的の無細胞標的バイオマーカーを誘電体コーティングまたは埋め込み電極上に捕捉する。流体洗浄液(水+オスモライト)を適用して、不要なサンプル、つまり電極上に捕捉されない粒子やその他の構成要素を洗い流す。この流体洗浄は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および次世代シーケンシングと互換性があるため、溶出後の二次分析を可能にさせる。
【0266】
標的バイオマーカーは、タンパク質、脂質、抗体、高分子量DNA(300bpを超える)、腫瘍細胞、エキソソーム、ヌクレオソーム、ナノソームを含む。このようなバイオマーカーの蛍光検出/定量には、YOYO(登録商標)-1、SYBR(登録商標)Green、CBQCAタンパク質定量キット、SYTO(登録商標)RNASelectTMなどの特定の色素を使用する。誘電体層を備えたデバイスは、誘電体層を備えていないデバイスと比較して、蛍光シグナルの増加をもたらし、捕捉された無細胞バイオマーカーの量の増加を示す。
【0267】
実施例7:誘電体デバイスを用いたラベリングおよび蛍光顕微鏡を使用したオンチップ定量化
ACEマイクロ流体カートリッジを使用して、無細胞バイオマーカーの相対濃度を未知のサンプル中で測定した(サンプルは全血、血清、血漿である可能性がある)。ACEマイクロ流体カートリッジは、既知の標準のための1つ以上のチャンバーおよび未知のサンプルのための1つ以上のチャンバーを備えた実施例1の一般的な方法を使用して設計され得る。
【0268】
10Vp-pおよび10kHzのACEフィールドを適用して、実施例2の一般的な方法を使用して設計されたチップを備えたマイクロ流体カートリッジチャンバーを選択し、および目的の無細胞標的バイオマーカーを誘電体コーティングまたは埋め込み電極上に捕捉する。流体洗浄液(水+浸透圧調節物質)を適用して、不要なサンプル、つまり電極上に捕捉されない粒子やその他の構成要素を洗い流す。この流体洗浄は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および次世代シーケンシングと互換性があるため、溶出後の二次分析を可能にする。
【0269】
標的バイオマーカーは、タンパク質、脂質、抗体、高分子量DNA(300bpを超える)、腫瘍細胞、エキソソーム、ヌクレオソーム、ナノソームを含む。このようなバイオマーカーの蛍光検出/定量には、YOYO(登録商標)-1、SYBR(登録商標)Green、CBQCAタンパク質定量キット、SYTO(登録商標)RNASelectTMなどの特定の色素を使用する。
【0270】
一旦、過剰で不要なサンプルが洗い流されると、CCD/CMOS/PMT検出器は、蛍光顕微鏡(適切な励起/発光フィルターを備えた)と結合して使用され、電極中の2つの領域間のピクセル強度を比較する関心領域(ROI)画像セグメント化アルゴリズムを使用して未知の分析物の直接的な検出(バイナリ)および/または定量(濃度)を可能にする。既知および未知のチャンバーの両方からの蛍光定量化が決定され、次に、線形フィット検量線を使用してデータを比較し、既知のチャンバーと未知のチャンバーの間の強度の相対比を引き起こす。既知のチャンバー内の分析物は既知の特定濃度の無細胞標的バイオマーカーを有し、蛍光ラベルは標的分析物に特異的であるため、既知のチャンバーと未知のチャンバーの強度との間の代数的関係を使用して、可能にし、未知のチャンバーから分析物の濃度の決定を線形較正曲線とする。誘電体層を備えたデバイスは、誘電体層を備えていないデバイスと比較して、精度と正確さの向上をもたらす。
【0271】
実施例8:誘電体デバイスを使用するQ-PCR、RT-PCR、およびシーケンシングを使用したオフチップ定量化
ACEマイクロ流体カートリッジを使用して、無細胞バイオマーカーの相対濃度が未知のサンプル中で決定される。サンプルは、全血、血清、血漿、または他の生物学的サンプル/液体であり得る。ACEマイクロ流体カートリッジは、既知の標準のための1つ以上のチャンバーおよび未知のサンプルのための1つ以上のチャンバーを備えた実施例1の一般的な方法を使用して設計され得る。
【0272】
10Vp-pおよび10kHzのACEフィールドをチャンバーに適用して、目的の無細胞標的バイオマーカーが、実施例2の一般的な方法を使用して設計されたチップを備えた誘電体コーティング電極に捕捉される。流体洗浄(水+浸透圧調節物質)が、すべての不要なサンプルを除去するために、ACEフィールドがまだオンになっている間に、ペリスターポンプを使用して適用される。この流体洗浄は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および次世代シーケンシングと互換性があるため、溶出後の二次分析を可能にする。
【0273】
ACEフィールドがオフになり、キャプチャされた粒子がPCR/シーケンシング互換溶液に放出される。未知のサンプルは電極から溶出され、サンプルはPCRまたは次世代シーケンシング分析で使用され、溶出されたdsDNAまたはRNAに存在する可能性のある特定の遺伝子配列、変化または欠失を決定する。H2OまたはACE流体洗浄液のいずれかで希釈した細胞株H1975、RKO、OCI-AML3およびHEL 92.1.7からのDNAサンプルのPCR変異を検出するためのPCR技術を、EGFR T790、BRAF V600、NPM1a、およびJAK2 617Vアッセイのポジティブコントロールとして使用する。誘電体層を備えたデバイスは、誘電体層を備えていないデバイスと比較して、精度と正確さの向上をもたらす。
【0274】
実施例9:DC電極を含むデバイス
実施例2のデバイスは、誘電体でコーティングされたアドレス可能な電極の第2のアレイをさらに含む。実施例2の一般的な方法に従った分析物の分離中に、電極の第2のアレイは直流で荷電される。DCは、AC電極の表面上、またはデバイスを介した分析対象物または他のサンプル成分の電気泳動移動を容易にするために、オプションで連続またはパルス化されます。この方法でコーティングされたDC電極を使用すると、独立して、またはAC電極と協調して、分析物(核酸の異なる分子量など)のさらなる分離を提供する。 誘電体層を有するDC電極を備えたデバイスは、非誘電体でコーティングされたDC電極を備えたデバイスと比較して、核酸の純度および収量の増加をもたらす。
【0275】
実施例10:様々な誘電体を用いた核酸の単離
チップは、実施例1の一般的な方法を変更して製造される:誘電体層が、各チップ表面に存在する電極上にコーティングされる。表1の誘電体材料1-11の1つのタイプは、各チップの電極の表面に様々な厚さ(約0、8、16、24または48オングストローム)で堆積される。核酸を含むサンプルを微小電極アレイに挿入し、次に実施例1の一般的な方法を使用して実行する。捕捉された核酸の量を誘電体層のないデバイスと比較して測定する。
【0276】
【0277】
実施例11:酸化アルミニウム誘電体層を用いた核酸の単離
チップは、実施例1の一般的な方法を変更して製造される:誘電体層を、チップ表面に存在する電極上にコーティングした。酸化アルミニウムは、電極の表面にさまざまな厚さ(約0、8、16、24、または48オングストローム)で堆積した。核酸を含むサンプルを微小電極アレイに挿入し、次に実施例1の一般的な方法を使用して実行した。誘電体層の存在は、誘電体層のないデバイスと比較して捕捉された核酸の増加をもたらさなかった。
【0278】
実施例12:誘電体を含むヒドロゲルの形成
誘電体を含むヒドロゲルは、蒸着によってチップ表面に層状化される。pHEMAおよび表1の誘電体材料の混合物を含むヒドロゲル組成物を、さまざまな厚さ(100、200、300、400nm)で堆積させ、電極チップ上で架橋(5、25、40%)密度を実行する。ヒドロゲルフィルムは、標準のACEプロトコル(前処理なし、7Vp-p、10 KHz、2分、0.5×PBS、Sybr Green1で標識された500ng/ml gDNA)を使用してテストする。電極上の蛍光は画像化によって捕捉され、捕捉された核酸の量を、誘電体層のないデバイスと比較して測定する。
【0279】
本開示の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態が例示としてのみ提供されることは当業者には明らかである。多数の変形、変更、および置換が、本開示から逸脱することなく、当技術分野の当業者に発生する。本明細書に記載の本開示の実施形態に対する様々な代替案が、本開示を実施する際に使用され得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、開示の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの同等物は、それによってカバーされることが意図されている。