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特開2024-37961異種材料を結合するための方法及び配合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037961
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】異種材料を結合するための方法及び配合物
(51)【国際特許分類】
   C09J 5/00 20060101AFI20240312BHJP
   C09J 123/00 20060101ALI20240312BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20240312BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20240312BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240312BHJP
   C09J 125/08 20060101ALI20240312BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240312BHJP
   B32B 37/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C09J5/00
C09J123/00
C09J11/08
C09J201/00
C09J11/06
C09J125/08
B32B27/00 D
B32B37/12
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023213818
(22)【出願日】2023-12-19
(62)【分割の表示】P 2021515111の分割
【原出願日】2019-09-18
(31)【優先権主張番号】62/733,516
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セビンチ、ゼーラ
(72)【発明者】
【氏名】ダタシュビリ、テア
(72)【発明者】
【氏名】メン、ファンチン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、シャン - レン
(72)【発明者】
【氏名】ブラハティスワラン、チンヌ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】低結晶性ポリオレフィンと剛直非晶材料又は低結晶性ポリビニルクロリド(PVC)を接着する方法を提供する。
【解決手段】第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、第1及び第2の材料が異種であり、第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、前記方法がi)第1の材料を、第1の材料の第2の材料への親和性を上昇させる極性官能基によって修飾すること、ii)第1の材料を第2の材料に結合することを含む、上記方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合剤を用いて第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、前記第1及び第2の材料が異種であり、
前記第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、前記非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、
前記第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、
前記結合剤が、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリオレフィンエラストマー、粘着付与剤及び溶媒を含み、
前記方法が、前記結合剤を塗布して、前記第1の材料と前記第2の材料との間に結合を形成することを含む、上記方法。
【請求項2】
前記非PVCポリオレフィンポリマーが、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合剤の塗布後に、前記第1及び第2の材料を約40℃~約60℃の範囲の温度で滅菌することをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記剛直非晶材料が、ポリカーボネート若しくはそのコポリマー、又はポリアクリレート若しくはそのコポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、前記第1及び第2の材料が異種であり、
前記第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、前記非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、
前記第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、
前記方法が
i)前記第1の材料を、前記第1の材料の前記第2の材料への親和性を上昇させる極性官能基によって修飾すること、
ii)前記第1の材料を前記第2の材料に結合すること
を含む、上記方法。
【請求項6】
前記第1の材料を修飾することが、反応性押出しを介して前記極性官能基を前記第1の材料にグラフトすることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記極性官能基が、少なくとも1個のエステル基を含むモノマー化合物と反応することから形成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記モノマー化合物が、活性化材料と反応することができる炭素間二重結合を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、前記第1及び第2の材料が異種であり、
前記第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、前記非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、
前記第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、
前記方法が
i)以下のa)~c)からなる群の1つ以上を含む結合剤を提供すること、
a)前記第1の材料及び前記第2の材料を溶解することができる有機溶媒又は溶媒混合物、
b)前記第1の材料と前記第2の材料のブレンド、
c)ポリプロピレン(PP)、熱可塑性オレフィン(TPO)、及び熱弾性エラストマー(TPE)から選択されるポリマー材料であって、極性基によって官能化されているポリマー材料、
ii)前記結合剤を使用して前記第1の材料を前記第2の材料に結合すること
を含む、上記方法。
【請求項10】
前記非PVCポリオレフィンポリマーが、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記剛直非晶材料が、ポリカーボネート若しくはそのコポリマー、又はポリアクリレート若しくはそのコポリマーを含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記極性基が、無水マレイン酸基、グリシジルメタクリレート基、N-置換マレイミド基、カルボン酸含有基又はそのエステル、アミド、イミド若しくは無水物からなる群から選択され、前記カルボン酸含有基が、フマル酸基、シトラコン酸基及びイタコン酸基から選択される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、前記第1及び第2の材料が異種であり、
前記第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、前記非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、
前記第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、
前記方法が
i)以下のa)~d)からなる群から少なくとも1つの技術を使用して、前記第1の材料を修飾すること、
a)前記第1の材料を最大約51重量%の官能化ポリマーと混合すること、
b)前記第1の材料を最大約5重量%の二次相溶化剤と混合すること、
c)前記第1の材料を最大約5重量%の接着促進剤と混合すること、
d)前記第1の材料を最大約5重量%のエチレンアクリル酸コポリマーと混合すること、及び
ii)修飾された前記第1の材料を前記第2の材料に結合すること
を含む、上記方法。
【請求項14】
前記非PVCポリオレフィンポリマーが、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記官能化ポリマーが、無水マレイン酸(MAH)修飾ポリプロピレンコポリマー又はホモポリマー、MAH修飾ポリオレフィンエラストマー又はプラストマー、エチレンアクリルエステル-無水マレイン酸ターポリマー、オレフィンコポリマー上にグラフトされたメタクリルエステル、MAH官能化スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)及び直鎖トリブロック13%スチレンエチレンブチレン30%スチレンコポリマーからなる群から選択される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記接着促進剤が粘着付与剤又はEVAである、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項17】
第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、前記第1及び第2の材料が異種であり、
前記第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、前記非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、
前記第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、
前記方法が
i)無溶媒ポリマー材料を含む結合剤を提供すること、
ii)前記結合剤を溶融させること、
iii)前記溶融させた結合剤を使用して、前記第1の材料を前記第2の材料に結合すること
を含む、上記方法。
【請求項18】
前記非PVCポリオレフィンポリマーが、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記結合剤が粘着付与剤をさらに含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記無溶媒ポリマー材料が、エチレンビニルアセテート(EVA)、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンエラストマー、無水マレイン酸グラフト化プラストマー、熱可塑性ポリウレタン、及び水素化スチレン系ブロックコポリマーである、請求項17又は18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2018年9月19日に出願された米国仮出願第62/733,516号の利益を請求する。
【0002】
本開示は、ポリマー材料の分野に関する。より具体的には、本開示は、異種ポリマー材料及びそれらを結合するための結合剤又は接着剤配合物に関する。
【背景技術】
【0003】
表面エネルギーを上昇させる又は異種材料を相溶化するための様々なグラフト技術が、先行技術において既知である[1、2、4、6、7、9、10]。異種材料の結合は、化学的性質が異なるために達成し難い。特に、ポリオレフィン系材料の結合は、表面エネルギーが低いために困難であり、接着剤を用いたプライマー塗布又は結合前の特殊な表面処理を必要とする。先行技術として、官能化ポリオレフィンと様々なコーティング、塗料及び接着剤との間の接着を向上させるための修飾技術又はグラフト化及び特定の配合物の例が挙げられる[3、5、11]。
【0004】
特に、欧州特許第1233039号は、コーティングへの接着及び接着剤を改善するために、1つのエステルを有する官能基並びに少なくとも1つの水酸基及び/又は1つのオキシラン基のグラフト化を含む、改質ポリオレフィン配合物(熱可塑性オレフィン系)を記載している。業界におけるセメント及びプライマーの使用は、ポリビニルクロリド(PVC)配管及びパイプ継手を結合することを目的として既知である。例えば、米国特許第6613187B1号は、ポリオレフィン材料を相互に結合するための、又は同種材料及び低結晶性ポリマーを低結晶性ポリマーに結合するためのセメント技術について記載している。しかし、この開示は、異なる化学特性及び材料特性(例えば結晶化度、極性など)を有する異種材料の結合を達成する方法又は配合物について記載していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書に開示される技術は、有利には、市販のグラフト化ポリオレフィンよりも高いグラフト密度(通常、最大1重量%)を達成することができる。さらに、本明細書の技術は、プライマーの必要性及びそれを塗布する追加のステップをなくすこと、及び異種材料を接着する前の高価な接着剤の利用をなくすことができる。有利には、大量生産又は部品組立てに好適な部品を結合するために、一般的で安価な溶媒を使用することができる。さらなる利点としては、医療供給(例えば低抽出性/浸出性)用途への清澄性及び適合性などの、組立部品のバルク特性の変化が最小限であることが挙げられる。
【0006】
さらに、本明細書に記載の方法は、異種ポリマー材料を結合するという課題に関する。特に、これらの方法は、低結晶性ポリオレフィン(熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなど)と剛直非晶(rigid amorphous)材料又は低結晶性ポリビニルクロリド(PVC)との間の接着を改善するように構築されている。さらに、開示される方法は、大量生産での使用に実用的である安価な溶媒の使用を可能にし、個別のプライマー塗布ステップ又は加熱ステップを回避する。特定の使用例には医療業界が含まれるが、これらの解決策は、他の業界で幅広い利用可能性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、第1の材料を第2の材料に接着するための結合剤であって、第1及び第2の材料が異種であり、第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーが、非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、結合剤が、1つ以上のポリマー、例えば最大51重量%以上であることができるエチレンビニルアセテートコポリマー、ポリオレフィンエラストマー、並びに溶媒又は溶媒系を形成する溶媒群及び任意に粘着付与剤を含む、結合剤が提供される。結合剤は、従来の滅菌方法を使用して熱に暴露させると、異種材料を結合するように作用する。
【0008】
別の実施形態において、第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、第1及び第2の材料が異種であり、第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、i)第1の材料を、第1の材料の第2の材料への親和性を上昇させる極性官能基によって修飾すること、及びii)第1の材料を第2の材料に結合することを含む、方法が提供される。この方法は、主成分の非PVC材料の高極性官能基での修飾を介して作用して、第2の材料への化学親和性と、好適な溶媒又は溶媒系を介して化学結合する能力を向上させる。
【0009】
別の実施形態において、第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、第1及び第2の材料が異種であり、第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、i)以下のa)~c)からなる群の1つ以上を含む結合剤を提供すること、a)第1の材料及び第2の材料を溶解することができる有機溶媒又は溶媒混合物、b)第1の材料と第2の材料のブレンド、c)ポリプロピレン(PP)、熱可塑性オレフィン(TPO)、及び熱可塑性エラストマー(TPE)から選択されるポリマー材料であって、極性基によって官能化されているポリマー材料、及びii)結合剤を使用して第1の材料を第2の材料に結合することを含む、方法が提供される。
【0010】
別の実施形態において、第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、第1及び第2の材料は異種であり、第1の材料は非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーは非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料は、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、i)以下のa)~d)からなる群から少なくとも1つの技術を使用して、第1の材料を修飾すること、a)第1の材料を最大約51重量%の官能化ポリマーと混合すること、b)第1の材料を最大約5重量%の二次相溶化剤と混合すること、c)第1の材料を最大約5重量%の接着促進剤と混合すること、d)第1の材料を最大約5重量%のエチレンアクリル酸コポリマーと混合すること、及びii)修飾された第1の材料を第2の材料に結合することを含む、方法が提供される。
【0011】
関連する態様としては、同様の技術原理を含む他の方法の利用が挙げられる。例えば、非PVC材料の極性は、極性を上昇させる官能基をグラフトする表面堆積技術を使用して、上昇され得る。一例としては、無水マレイン酸、アクリル酸又は同様の試薬などの極性化学基を非PVC表面に堆積させるための、大気圧プラズマ堆積技術の使用が挙げられる。この技術により、材料の望ましいバルク特性(レオロジー、機械的、清澄性など)を保持しながら、非PVC表面の修飾が可能となる。本明細書に開示する方法は、従来の処理装置を介した処理のために最適化することもできる。
【0012】
主題技術の追加の特徴及び利点は、以下の説明に記載され、一部は説明から明らかとなり、又は主題技術の実施によって習得され得る。主題技術の利点は、本明細書に記載した説明及び実施形態、並びに添付の図面で特に指摘される構造によって実現及び達成される。
【0013】
前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明はどちらも例示的及び説明的であり、主題技術のさらに説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【0014】
本発明の例示的な実施形態の様々な特徴を、図面を参照して以下に説明する。例示される実施形態は、本発明を例証するものであるが、本発明を限定するものではない。図面は以下の図を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】例1で説明したDegalan(登録商標)官能化オレフィンコポリマーで結合されたルアー管アセンブリを示す。
【0016】
図2】例1に記載されているような結合力試験装置及びその中のサンプル配置を示す。
【0017】
図3】例2の方法に従って、Teknor Apex Medalist MD575で作製した熱可塑性エラストマー管に50/50 Makrolon 2458/Makrolon Rx 1805を結合して作製した、T形ポリカーボネートコネクタを示す。
【0018】
図4】例2の実験からの各種濃度のOFS6030溶液の平均結合引張荷重のグラフを示す。
【0019】
図5】例1の材料のオーブン温度の関数としての結合力のグラフを示す。
【0020】
図6】結合剤のある成分との親和性に対する力のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
主題技術の様々な構成が、本開示から当業者に容易に明らかになるであろうことが理解され、本開示では、主題技術の様々な構成が実例として示され、説明される。実現されるように、主題技術は、他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて主題技術の範囲から逸脱することなく、他の様々な点で変更することができる。したがって、概要、図面及び詳細な説明は、限定的としてではなく、本質的に例示的として見なされるべきである。
【0022】
以下に記載する詳細な説明は、主題技術の様々な構成の説明であるものとされ、主題技術が実施され得る唯一の構成を表すものではない。添付図面は本明細書に組み入れられ、詳細な説明の一部を構成する。詳細な説明には、主題技術を完全に理解するための具体的な詳細事項が含まれている。しかしこれらの具体的な詳細事項がなくても、主題技術が実施され得ることは当業者には明らかとなる。場合によっては、主題技術の概念が曖昧にならないように、周知の構造及び構成要素をブロック図の形式で示す。同じ構成要素には、理解しやすいように同一の要素番号が付す。
【0023】
一実施形態において、第1の材料を第2の材料に接着するための結合剤であって、第1及び第2の材料が異種であり、第1の材料は非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーは、非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料は、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、結合剤は、1つ以上のポリマー、例えば最大51重量%以上であることができるエチレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリオレフィンエラストマー、並びに溶媒又は溶媒系を形成する溶媒群及び任意に粘着付与剤を含む、結合剤が提供される。
【0024】
高分子固体などの固体材料の結晶化度は、任意の好適な手段によって求めることができる。「結晶化度」とは、固体の構造秩序の程度を示す。結晶において、原子又は分子は規則的で周期的な方法で配置されている。結晶化度は、固体の硬度、密度、透明度に影響を及ぼす。結晶性物質の秩序は、原子又は分子の相対位置が完全にランダムである気体状態の原子の位置を対比することで理解できる。液体やガラスなどの「非晶質」材料は、短距離(数個の原子又は分子の間隔)では秩序があるが、長距離では秩序がない、中間の場合を表す。
【0025】
いくつかのポリマー材料は、結晶領域と非晶質領域の混合物を生成するような方法で調製することができる。このような場合、結晶化度は通常、結晶性である材料の体積パーセントとして規定される。ポリマーの結晶化は、その分子鎖の部分的な配列に関連する過程である。これらの鎖は共に折り重なり、ラメラと呼ばれる秩序領域を形成し、これは、球晶と呼ばれるより大きい回転楕円体構造を構成する。https://en.wikipedia.org/wiki/Crystallization_of_polymers-cite_note-sp-1 ポリマーは、溶融物からの冷却、機械的延伸又は溶媒蒸発の際に結晶化することができる。結晶化は、ポリマーの光学的、機械的、熱的及び化学的特性に影響を及ぼす。結晶化度は各種の分析方法で推定され、通例は10~80%の範囲に及ぶため、結晶化したポリマーは「半結晶性」と呼ばれることがよくある。半結晶性ポリマーの特性は、結晶化度だけでなく、分子鎖のサイズ及び配向によっても決まる。
【0026】
高分子固体の結晶化度を求める1つの手法は、示差走査熱量測定(DSC)である。DSCは、時間又は温度の関数として材料に出入りする熱の流れを測定する技術である。ポリマーの結晶化度は、ポリマーの溶融(融合、ΔH融解)に関連する熱を定量することにより、DSCによって測定できる。この熱は、観測した融解熱を同じポリマーの100%結晶性サンプルの融解熱で正規化することによって、結晶化度パーセントとして報告される。100%結晶性ポリマーの信頼できるサンプルはまれであるため、この値には文献値がよく使用される。いくつかの実施形態において、第1の材料は、10℃/分の速度におけるDSCにより、DSC融解ピークを積分する際に、約59J/g未満の融解熱を有するとして特徴づけられた、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含む。いくつかの実施形態において、第1の材料は、DSCにより、約23J/g未満の融解熱を有するとして特徴づけられた、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1の材料は、約0.1%~約50%、約1%~約45%、約5%~約40%、約10%~約30%、約1%~約30%、約5%~約25%の結晶化度の範囲の結晶化度を有する、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含む。
【0028】
第2の材料は、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含む。当業者は、引張弾性率又はショアA硬度の測定方法を認識するであろう。引張弾性率は、固体材料の剛性を測定する機械的特性である。引張弾性率は、一軸変形の線形弾性領域における材料の応力(単位面積当たりの力)と歪(比例変形)の関係を定義する。固体材料は、圧縮又は伸長時に小さい荷重が加えられると弾性変形する。弾性変形は可逆的である(荷重が除去されると、材料は元の形状に戻る)。
【0029】
応力と歪がゼロに近いと、応力-歪曲線は線形であり、応力と歪の関係は、応力が歪に比例することを示すHookeの法則によって説明される。比例係数は引張弾性率である。弾性率が高いほど、同じ量の歪を生成するためにより多くの応力が必要になる。理想化剛体ならば、無限の引張弾性率を有する。数学的には、引張弾性率は、E=σ/εとして表すことができ、式中、Eは引張弾性率(通常はPa、kPa、又はMPaで表される)であり、σは一軸応力又は単位表面当たりの一軸力であり、εは歪又は比例変形(元の長さで割った長さの変化)(無次元)である。
【0030】
硬度は通常、ショア硬度計を使用して測定する。ショアスケールの数値が大きいほど、押し込みに対する抵抗が大きく、したがってより硬い材料であり、一方で、数値が小さいほど、抵抗が小さく、より柔らかい。異なる特性を有する材料に使用される硬度計には、いくつかのスケールがある。わずかに異なる測定系を使用する、2つの最も一般的なスケールは、ASTM D2240タイプA及びタイプDスケールである。硬度計は、他の多くの硬度試験と同様に、標準化押え金に対する所与の力によって生じた、材料の押し込み深さを測定する。この深さは、材料の硬度、粘弾性特性、押え金の形状及び試験時間によって変わる。ASTM D2240硬度計によって、初期硬度又は所与の期間後の押し込み硬度を測定することができる。基本試験では、衝撃を与えずに一貫して力を加え、硬度(押し込み深さ)を測定することが必要である。時限硬度が必要な場合は、必要な時間にわたって力を加えてから読み取る。スケールの値は0~100である。本明細書で硬度を用いて特徴づけられる材料は、ASTM D2240スケールで測定する。
【0031】
いくつかの実施形態において、非PVCポリオレフィンポリマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である。いくつかの実施形態において、剛直非晶材料は、ポリカーボネート若しくはそのコポリマー、ポリアクリレート若しくはメチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(mABS)コポリマーのようなそのコポリマー、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)若しくはそのコポリマー、又は前述のいずれかの誘導体を含む。本開示を通して、「誘導体」という用語は、誘導体を有すると言われる構造のエステル、アミド、イミド、又は無水物を含むが、これに限定されない。
【0032】
いくつかの実施形態において、溶媒又は溶媒系は、溶媒ディスペンサ、浸漬コーティング又は手動塗布によって塗布されるように構成される。本開示での使用に好適な溶媒又は溶媒系には、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、エチルアセテート、イソブチルアセテート、n-ブチルアセテート、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ヘプタンを含む溶媒又は溶媒の組合わせ並びにその任意の組合わせが挙げられるが、これに限定されない。
【0033】
いくつかの実施形態において、結合剤は、最高約60℃の滅菌処理温度に対して安定である。
【0034】
いくつかの実施形態において、結合剤は、最大5重量%のオルガノゾル修飾ポリプロピレン分散液、最大3重量%の1つ以上の粘着付与剤又はその両方をさらに含む。好適な粘着付与剤としては、テルペンフェノール、スチレン化テルペン、ロジンエステル、テルペン樹脂、及び炭化水素樹脂が挙げられるが、これに限定されない。
【0035】
いくつかの実施形態において、第1の材料と第2の材料との間に結合を形成するための結合剤の塗布を含む方法が提供される。結合剤の塗布は、溶媒ディスペンサ、浸漬コーティング又は手動塗布による塗布を含むことができる。結合剤の塗布後、結合系を約40℃~約60℃の範囲の温度で滅菌することができ、この滅菌はセメントを硬化させて結合を強化するのに有用となり得る。
【0036】
第2の実施形態において、第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、第1及び第2の材料が異種であり、第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、i)第1の材料を、第1の材料の第2の材料への親和性を上昇させる極性官能基によって修飾すること、及びii)第1の材料を第2の材料に結合することを含む、方法が提供される。この実施形態の方法では、第1及び第2の材料は、結合剤の実施形態において上述したものと同じ特徴を有することができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、非PVCポリオレフィンポリマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である。いくつかの実施形態において、剛直非晶材料は、ポリカーボネート若しくはそのコポリマー、ポリアクリレート若しくはメチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(mABS)コポリマーのようなそのコポリマー、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)若しくはそのコポリマー、又は前述のいずれかの誘導体を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、第1の材料は、反応性押出しを介して極性官能基を第1の材料にグラフトすることによって修飾される。いくつかの実施形態において、反応性押出しは、最初に開始剤で第1の材料を活性化して、活性化材料を提供することを含む。「開始剤」は、温和条件下でラジカル種を生成し、ラジカル反応を促進することができる試薬である。これらの物質は一般に、結合解離エネルギーが小さい弱い結合を有する。例としては、ハロゲン分子、アゾ化合物、及び有機及び無機過酸化物が挙げられる。いくつかの実施形態において、開始剤は過酸化物である。いくつかの実施形態において、開始剤は、ベンジルペルオキシド、ジクミルペルオキシド又は2,2’-アゾビスイソブチロニトリルから選択される。
【0039】
いくつかの実施形態において、極性官能基は、少なくとも1個のエステル基を含むモノマー化合物と反応することから形成される。いくつかの実施形態において、モノマー化合物は、活性化材料と反応することができる炭素間二重結合を含む。いくつかの実施形態において、モノマー化合物は、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート及びビニルアセテートからなる群から選択される。
【0040】
いくつかの実施形態において、反応性押出しは、第1の材料の溶融状態で行う。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1の材料を修飾することは、1つ以上の粘着付与剤を使用して、極性官能基を含むモノマー化合物を第1の材料にグラフトすることを含む。好適な粘着付与剤は上述されている。いくつかの実施形態において、1つ以上の粘着付与剤は、テルペンフェノール、スチレン化テルペン、ロジンエステル、テルペン樹脂及び炭化水素樹脂からなる群から選択される。
【0042】
いくつかの実施形態において、モノマー化合物は、活性化材料と反応することができる炭素間二重結合を有するイソプレンを含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、この方法は、溶媒又は溶媒系による界面での溶解を介した、修飾された材料の第2の材料への取り込みをさらに含む。いくつかの実施形態において、溶媒又は溶媒系は、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、エチルアセテート、イソブチルアセテート、n-ブチルアセテート、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ヘプタン及びその任意の組合わせからなる群から選択される溶媒を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、第1の材料を修飾することが、ポリエーテルアミン、エチレン-ビニルアセテート(EVA)又はその両方から選択される、最大約10重量%の二次相溶化剤と組合わせることをさらに含み、二次相溶化剤は第1の材料の極性を上昇させる。いくつかの実施形態において、第1の材料を修飾することが、最大約10重量%のイソプレン系粘着付与剤と組合わせることをさらに含む。いくつかの実施形態において、イソプレン系粘着付与剤は、テルペンである。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1の材料を修飾することが、最大約1重量%の抗酸化剤、最大約1重量%の加工助剤又はその両方と組合わせることをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗酸化剤は、ペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)又は1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンである。いくつかの実施形態において、加工助剤は、脂肪酸アミドスリップ剤及び無機鉱物アンチブロック剤(inorganic mineral antiblocks)から選択される。
【0046】
別の実施形態において、第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、第1及び第2の材料が異種であり、第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーが、非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、i)以下のa)~c)からなる群の1つ以上を含む結合剤を提供すること、a)第1の材料及び第2の材料を溶解することができる有機溶媒又は溶媒混合物、b)第1の材料と第2の材料のブレンド、c)ポリプロピレン(PP)、熱可塑性オレフィン(TPO)、及び熱弾性エラストマー(TPE)から選択されるポリマー材料であって、極性基によって官能化されているポリマー材料、及びii)結合剤を使用して第1の材料を第2の材料に結合することを含む、方法が提供される。この方法で使用する材料は、上記の実施形態で説明したものと同じであることができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、非PVCポリオレフィンポリマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である。いくつかの実施形態において、剛直非晶材料は、ポリカーボネート若しくはそのコポリマー、ポリアクリレート若しくはメチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(mABS)コポリマーのようなそのコポリマー、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)若しくはそのコポリマー、又は前述のいずれかの誘導体を含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、極性基は、無水マレイン酸基、グリシジルメタクリレート基、N-置換マレイミド基、カルボン酸含有基又はそのエステル、アミド、イミド若しくは無水物からなる群から選択され、カルボン酸含有基は、フマル酸基、シトラコン酸基及びイタコン酸基から選択される。
【0049】
いくつかの実施形態において、結合剤は、最大約5重量%の二次相溶化剤を含む。いくつかの実施形態において、二次相溶化剤はポリエーテルアミンである。いくつかの実施形態において、結合剤は、約3.4~約51重量%の溶媒又は溶媒混合物を含み、溶媒混合物は、極性溶媒及び非極性溶媒を含む。いくつかの実施形態において、極性溶媒は、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン及びジクロロメタンから選択され、非極性溶媒は、ヘキサン及びヘプタンから選択される。
【0050】
いくつかの実施形態において、結合剤は、最大約5重量%の接着促進剤、最大約2重量%の湿潤剤、最大約1重量%の加水分解剤、最大約5重量%の膨張性モノマー化合物、及びポリウレタン、ビニル含有量が10%を超えるスチレンブタジエンゴム及びエチレンビニルアセテート(EVA)から選択される、最大約5重量%のポリマーから選択される追加の成分をさらに含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、接着促進剤は、ロジン、炭化水素樹脂及びテルペン樹脂から選択される粘着付与剤である。いくつかの実施形態において、湿潤剤は、機能性シランである。いくつかの実施形態において、膨張性モノマーは、ラクトンである。いくつかの実施形態において、ラクトンは、グルコノデルタラクトンである。
【0052】
別の実施形態において、第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、第1及び第2の材料は異種であり、第1の材料は非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーは非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料は、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、i)以下のa)~d)からなる群から少なくとも1つの技術を使用して、第1の材料を修飾すること、a)第1の材料を最大約51重量%の官能化ポリマーと混合すること、b)第1の材料を最大約5重量%の二次相溶化剤と混合すること、c)第1の材料を最大約5重量%の接着促進剤と混合すること、d)第1の材料を最大約5重量%のエチレンアクリル酸コポリマーと混合すること、及びii)修飾された第1の材料を第2の材料に結合することを含む、方法が提供される。この方法で使用する材料は、他の実施形態について上述したものと同じであることができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、非PVCポリオレフィンポリマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である。いくつかの実施形態において、剛直非晶材料は、ポリカーボネート若しくはそのコポリマー、ポリアクリレート若しくはメチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(mABS)コポリマーのようなそのコポリマー、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)若しくはそのコポリマー、又は前述のいずれかの誘導体を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、官能化ポリマーは、無水マレイン酸(MAH)修飾ポリプロピレンコポリマー又はホモポリマー、MAH修飾ポリオレフィンエラストマー又はプラストマー、エチレンアクリルエステル-無水マレイン酸ターポリマー、オレフィンコポリマー上にグラフトされたメタクリルエステル、MAH官能化スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)及び直鎖トリブロック13%スチレンエチレンブチレン30%スチレンコポリマーからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、官能化ポリマーはポリエーテルアミンである。
【0055】
いくつかの実施形態において、接着促進剤は、粘着付与剤又はEVAである。
【0056】
いくつかの実施形態において、修飾された材料は、修飾された材料のバルク特性(例えば分子量、結晶化度、分散度、分子構造、硬度、引張弾性率など)を維持しながら、従来の処理装置によって最適化処理されるように配合される。
【0057】
別の実施形態において、第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、第1及び第2の材料は異種であり、第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、i)無溶媒ポリマー材料を含む結合剤を提供すること、ii)結合剤を溶融させること及びiii)溶融させた結合剤を使用して、第1の材料を第2の材料に結合することを含む、方法が提供される。この方法で使用される材料は、上記の実施形態で使用されるものと同じであることができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、非PVCポリオレフィンポリマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である。いくつかの実施形態において、剛直非晶材料は、ポリカーボネート若しくはそのコポリマー、ポリアクリレート若しくはメチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(mABS)コポリマーのようなそのコポリマー、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)若しくはそのコポリマー、又は前述のいずれかの誘導体を含む。いくつかの実施形態において、結合剤は、粘着付与剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、無溶媒ポリマー材料は、エチレンビニルアセテート(EVA)、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンエラストマー、無水マレイン酸グラフト化プラストマー、熱可塑性ポリウレタン及び水素化スチレン系ブロックコポリマーである。
【0059】

例1
Degalan(登録商標)は、有機溶媒に分散させたオレフィン共重合体にグラフトされたメタクリル酸エステルである。Degalan(登録商標)は、入手したままの状態で使用して綿棒で管に直接塗布するか、又はシクロヘキサノン溶媒で希釈してから管に塗布した。ルアーアセンブリを使用して、PVCへの結合方法の試験を行った。結合力は、ジョーとルアーのアダプタの間に0.25インチの間隔を維持する500Nロードセルを備えた、機械式試験機を使用して測定した。結果を表1に示す。図1は、組み立てたルアー及びホースを示す。試験速度は1インチ/分であった。Instron(モデル5500Q1979)の500Nロードセルを使用して、力を測定した。図2は、試験装置と、その中に配置された組立て済みのルアー及びホースを示す。
【表1】
【0060】
例2
Dow Corning製のXiameter(商標)シラン湿潤剤を使用して、Teknor Apex Medalist MD575から作られた熱可塑性エラストマー管と50/50 Makrolon 2458/Makrolon Rx1805から作られたT形ポリカーボネートコネクタ間の結合を改善した。使用した様々な種類のシラン剤を表2に示す。次に、以下でさらに説明するように、結合の強度を評価した。
【表2】
【0061】
例3
実験では、テトラヒドロフラン(THF)10mlを20mlガラス瓶に注入した。酢酸15μlを添加して、試薬の加水分解を促進した。シランカップリング剤のアリコートを溶液に注入し、5分間混合して、加水分解を確実に完了させた。管を溶液に浸漬して、穏やかに攪拌し、1~2分後に取り外した。次に、管をコネクタに挿入した。組み立てたサンプルの例を図3に示す。これらのサンプルは、硬化が完了するまで2日間保存した。
【0062】
次に、サンプルを60℃、相対湿度30%で5時間加熱することにより、エチレンオキシド(オキシラン)のシミュレーションを行った。次に、サンプルを室温にて5日間保存した。サンプルに対して254mm/分のトレイン速度でインストロン試験を実施して、破断前の最大荷重を記録した。実験では、2%体積濃度のシラン溶液に試験を行った。表3及び4に、OFS6020、OFS6030及びOFS6300の使用による結合力の統計的に有意な上昇を示すデータをまとめる。各種シランの平均引張強度のグラフを図4に示す。
【表3】

【表4】
【0063】
例3-結合力に対する代表的な滅菌処理条件の影響を理解するために、熱エージング研究を行った。例1と同じ材料を、希釈、希釈剤又は溶媒の種類、オーブン温度及び加熱時間などの追加の変数と共に利用した。Evonikから入手したDEGALAN(登録商標)VP 4322 E及び4294 Eは、表1に記載した体積比でメチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノンで希釈した。綿で包まれたQティップ(綿棒)を使用して、Degalan溶液を管の外面に塗布した。管は、mABS Terlux(登録商標)2802TRから作られたルアーコネクタを使用して手動で組み立てた。サンプルは、1~6日の範囲で32℃及び55℃に設定したオーブンに入れた。例1と同じ機械的試験機及び引張力試験条件を使用した。結果は、結合力がオーブン温度の関数として上昇することを示す。加熱時間、希釈%又は希釈剤の種類は、結合力に統計的に有意な変化を生じなかった。
【表5】

【表6】
【0064】
例4
例4。表7に示すように、EastmanによるRegalite(商標)R1100粘着付与炭化水素樹脂、DuPont(商標)Elvax(登録商標)150エチレン-ビニルアセテート共重合体又はEVA樹脂、Dupont AFFINITY(商標)GA 1900ポリオレフィンエラストマー(POE)を様々な比率で使用して様々な配合物を調製した。AFFINITY(商標)GA 1900は、無水マレイン酸グラフト化され、販売者による190℃及び2.16kg試験条件における1000g/10分のメルトフローインデックスを備える官能化ポリオレフィンを表す。配合物をシクロヘキサノン(CHN)及びジクロロエタン(DCN)に溶解させた。綿で包まれたQティップ(綿棒)を使用して、配合物を管の外面に塗布した。管は、mABS Terlux(登録商標)2802TRから作られたルアーコネクタ及びCYRO GS90アクリルマルチポリマーから作られたYサイトコネクタを手動で組み付けた。表7に従って、サンプルのいくつかを60℃に設定したオーブンに15時間入れた。例1と同じ機械的試験機及び引張力試験条件を使用した。表7は、POEを含む配合物が最大3重量%の結合力の上昇を示すことを示している。POE組成が5重量%以上になると、結合力が低下し、ばらつきが増大した(図6)。図6に示すPOE組成に加えて、これらの配合物は0.5%のElvax150、0.1重量%のR1100、残量としての同じ重量%のCHNとDCNを含有している。表7の結果は、粘着付与剤R1100を含有するC5配合物では、滅菌処理条件を表すものとして60℃での加熱後に、結合力が上昇したことも示されている。
【表7】
【0065】
さらに考慮事項
いくつかの実施形態において、本明細書の項のいずれも、独立項のいずれか1つ又は従属項のいずれか1つに従属し得る。一態様において、項(例えば従属項又は独立項)のいずれも、他の任意の項(例えば従属項又は独立項)と組合わされ得る。一態様において、請求項は、項、文、句又は段落に記載の単語(例えばステップ、操作、手段又は構成要素)の一部又は全部を含み得る。一態様において、請求項は、1つ以上の項、文、句又は段落に記載されている単語の一部又はすべてを含み得る。一態様において、項、文、句又は段落それぞれの単語の一部は削除され得る。一態様において、追加の単語又は要素が、項、文、句又は段落に追加され得る。一態様において、主題技術は、本明細書に記載の構成要素、要素、機能又は操作のいくつかを利用せずに実施され得る。一態様において、主題技術は、追加の構成要素、要素、機能又は操作を利用して実施され得る。
【0066】
上記の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な構成を実施できるようにするために提供されている。主題技術は、様々な図及び構成を参照して特に説明されてきたが、これらは説明のみを目的としており、主題技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0067】
主題技術を実装する方法は、他にも多くあり得る。本明細書で説明した様々な機能及び要素は、主題技術の範囲から逸脱することなく、示されるものと異なって区分され得る。これらの構成に対する様々な修正は当業者にとってただちに明らかとなり、本明細書で定義する一般的な原理を他の構成に適用することができる。したがって、当業者によって、主題技術の範囲から逸脱することなく、主題技術に多くの変更及び修正が加えられ得る。
【0068】
開示されたプロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの例示であることが理解される。設計上の優先度に基づいて、プロセスのステップの特定の順序又は階層が再配置され得ることが理解される。いくつかのステップを同時に実施してもよい。付随の方法クレームは、サンプルの順序で様々なステップの要素を示し、示された特定の順序又は階層に限定されることは意味していない。
【0069】
本明細書で使用する場合、一連の項目に先行する「少なくとも1つ」という句は、項目のいずれかを区切る「及び」又は「又は」という用語と共に、リストの各メンバー(即ち各項目)ではなく、リスト全体を修飾する。「少なくとも1つ」という句は、示されている各項目の少なくとも1つの選択を必要としない。むしろ、この句は、その項目のいずれか1つのうちの少なくとも1つ、及び/又はその項目の任意の組合わせの少なくとも1つ、及び/又はその項目のそれぞれの少なくとも1つを含むという意味を与える。例として、「A、B及びCの少なくとも1つ」又は「A、B又はCの少なくとも1つ」という句はそれぞれ、Aのみ、Bのみ若しくはCのみ、A、B及びCの任意の組合わせ、並びに/又はA、B及びCのそれぞれの少なくとも1つを示す。
【0070】
さらに、「含む」、「有する」などの用語が説明又は特許請求の範囲で使用される場合、そのような用語は、請求項の移行句として用いられる際に「備える」として解釈される、「備える」という用語と同様に、包含的であるものとされる。
【0071】
1つ以上の態様において、「約」、「実質的に」及び「ほぼ」という用語は、その対応する用語及び/又は項目間の相対性について、1パーセント未満から5パーセントなどなどの、業界で認められた許容範囲を与え得る。
【0072】
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例又は例示としての役割を果たすこと」を意味するために使用する。本明細書で「例示的」として記載されるいずれの実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0073】
単数形の要素への言及は、特に明記されていない限り、「1つのみ」を意味するのではなく、むしろ「1つ以上」を意味する。男性形の代名詞(例えば、彼の)は女性形及び中性形(例えば、彼女の及びそれの)を含み、逆もまた同様である。「いくつかの」という用語は、1つ以上を示す。下線及び/又はイタリック体の見出し及び小見出しは、便宜のためにのみ使用され、主題技術を限定せず、主題技術の説明の解釈に関連して参照されない。当業者に既知であるか又は後に既知になる、本開示全体を通して説明される様々な構成の要素に対するすべての構造的及び機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に明白に組み入れられ、主題技術に包含されるものである。さらに、本明細書に開示されるものは、そのような開示が上記の説明の中で明示的に引用されているか否かにかかわらず、公衆に提供されるものではない。
【0074】
詳細な説明には多くの詳細を含有しているが、これらは主題技術の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、単に主題技術の様々な例及び態様を説明するものとして解釈されるべきである。主題技術の範囲は、上で詳細に論じられていない他の実施形態を含むことを理解されたい。本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される主題技術の方法及び装置の配置、操作及び詳細事項において、他の様々な修正、変更及び変形がなされ得る。別途明記されていない限り、単数形の要素への言及は、明示的に述べられていない限り、「1つのみ」を意味するものではなく、むしろ「1つ以上」を意味するものである。さらに、本開示の範囲内に包含されるために、デバイス又は方法が、本開示の様々な実施形態によって解決可能である(又は実現可能なすべての利点を有する)あらゆる問題に対処する必要はない。本明細書における「できる(can)」及びその派生語の使用は、肯定的な能力とは反対に「可能な」又は「任意に」の意味で理解されるべきである。
【0075】
参考文献
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、前記第1及び第2の材料が異種であり、
前記第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、前記非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、
前記第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、
前記方法が
i)前記第1の材料を、前記第1の材料の前記第2の材料への親和性を上昇させる極性官能基によって修飾すること、
ii)前記第1の材料を前記第2の材料に結合すること
を含む、上記方法。
【請求項2】
前記第1の材料を修飾することが、反応性押出しを介して前記極性官能基を前記第1の材料にグラフトすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応性押出しが、前記第1の材料を開始剤で活性化し、活性化材料を提供することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記開始剤が、ベンジルペルオキシド、ジクミルペルオキシド及び2,2’-アゾビスイソブチロニトリルからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記極性官能基が、少なくとも1個のエステル基を含むモノマー化合物と反応することから形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記モノマー化合物が、活性化材料と反応することができる炭素間二重結合を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記モノマー化合物が、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート及びビニルアセテートからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の材料を修飾することが、テルペンフェノール、スチレン化テルペン、ロジンエステル、テルペン樹脂及び炭化水素樹脂からなる群から選択される1つ以上の粘着付与剤を使用して、前記極性官能基を前記第1の材料にグラフトすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の材料を前記第2の材料に結合することが、修飾された第1の材料と第2の材料との間の界面に溶媒を塗布することにより、修飾された第1の材料を第2の材料に取り込むことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記溶媒が、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、エチルアセテート、イソブチルアセテート、n-ブチルアセテート、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ヘプタン、及びその任意の組合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の材料を修飾することが、前記第1の材料を、ポリエーテルアミン、エチレン-ビニルアセテート(EVA)又はその両方から選択される、最大約10重量%の二次相溶化剤と組合わせることをさらに含み、前記二次相溶化剤は第1の材料の極性を上昇させる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の材料を修飾することが、前記第1の材料を、最大約1重量%の抗酸化剤、最大約1重量%の加工助剤又はその両方と組合わせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記抗酸化剤が、ペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)又は1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、前記第1及び第2の材料が異種であり、
前記第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、前記非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、
前記第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、
前記方法が
i)以下のa)~c)からなる群の1つ以上を含む結合剤を提供すること、
a)前記第1の材料及び前記第2の材料を溶解することができる有機溶媒又は溶媒混合物、
b)前記第1の材料と前記第2の材料のブレンド、
c)ポリプロピレン(PP)、熱可塑性オレフィン(TPO)、及び熱弾性エラストマー(TPE)から選択されるポリマー材料であって、極性基によって官能化されているポリマー材料、
ii)前記結合剤を使用して前記第1の材料を前記第2の材料に結合すること
を含む、上記方法。
【請求項15】
前記非PVCポリオレフィンポリマーが、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記剛直非晶材料が、ポリカーボネート若しくはそのコポリマー、又はポリアクリレート若しくはそのコポリマーを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記極性基が、無水マレイン酸基、グリシジルメタクリレート基、N-置換マレイミド基、カルボン酸含有基又はそのエステル、アミド、イミド若しくは無水物からなる群から選択され、前記カルボン酸含有基が、フマル酸基、シトラコン酸基及びイタコン酸基から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、前記第1及び第2の材料が異種であり、
前記第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、前記非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、
前記第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、
前記方法が
i)以下のa)~d)からなる群から少なくとも1つの技術を使用して、前記第1の材料を修飾すること、
a)前記第1の材料を最大約51重量%の官能化ポリマーと混合すること、
b)前記第1の材料を最大約5重量%の二次相溶化剤と混合すること、
c)前記第1の材料を最大約5重量%の接着促進剤と混合すること、
d)前記第1の材料を最大約5重量%のエチレンアクリル酸コポリマーと混合すること、及び
ii)修飾された前記第1の材料を前記第2の材料に結合すること
を含む、上記方法。
【請求項19】
前記非PVCポリオレフィンポリマーが、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)又はスチレン系熱可塑性オレフィン(TPO)である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第1の材料を第2の材料に結合する方法であって、前記第1及び第2の材料が異種であり、
前記第1の材料が、非ポリビニルクロリド(非PVC)ポリオレフィンポリマーを含み、前記非PVCポリオレフィンポリマーが非晶質であるか、又は約0.1%~約50%の結晶化度の範囲の結晶化度を有し、
前記第2の材料が、約1800~約3000MPaの範囲の引張弾性率を有する剛直非晶材料、約70~約85の範囲のショアA硬度を有するPVC、又はその組合わせを含み、
前記方法が
i)無溶媒ポリマー材料を含む結合剤を提供すること、
ii)前記結合剤を溶融させること、
iii)前記溶融させた結合剤を使用して、前記第1の材料を前記第2の材料に結合すること
を含む、上記方法。
【外国語明細書】