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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037963
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】農薬用の制御放出製剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/40 20060101AFI20240312BHJP
   A01N 25/28 20060101ALI20240312BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20240312BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A01N43/40 101A
A01N25/28
A01N43/40 101F
A01N43/80 101
A01P3/00
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023213881
(22)【出願日】2023-12-19
(62)【分割の表示】P 2021528494の分割
【原出願日】2019-07-26
(31)【優先権主張番号】18186131.1
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】62/874,130
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】591063187
【氏名又は名称】バイエル アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・イデ
(72)【発明者】
【氏名】スミタ・パテル
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー・エッガー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ゴードン・ダフ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・オステンドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ローラント・デックヴァー
(72)【発明者】
【氏名】デュイ・レー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】有害生物に対する有効性を維持しながら、増強された生物学的適合性をもたらす、最小化/排除された植物に対する負の効果(植物毒性)を有する様々な方法によって製造されるカプセル化活性化合物(活性物質/有効成分/AI)を提供する。
【解決手段】殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤、宿主防御誘導物質の群から選択される有効成分を、カプセル全体の重量に基づいて、50重量%~95重量%の間の量で含み、前記カプセルが有機ポリマーからなる、カプセル化有効成分とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル化有効成分であって、
a)前記有効成分が、殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤、宿主防御誘導物質の群から選択され、
b)カプセル中の有効成分の量が、前記カプセル全体の重量に基づいて、1重量%~99.9重量%の間の有効成分、好ましくは20重量%~95重量%の間の有効成分、より好ましくは25重量%~95重量%の間の有効成分、最も好ましくは50重量%~95重量%の間の有効成分であり、
c)前記カプセルが有機ポリマーからなる
ことを特徴とする、カプセル化有効成分。
【請求項2】
製造されたカプセルの粒径が、好ましくはd50=1~200μm(マイクロメートル)の間であり、より好ましくはd50=1~50μm(マイクロメートル)の間であることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル化有効成分。
【請求項3】
葉面施用のために製造されたカプセルの粒径が、好ましくはd50=1~20μm(マイクロメートル)の間であることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル化有効成分。
【請求項4】
カプセル化前に、好ましくはd50<50μm、より好ましくはd50<20μm、さらにより好ましくはd50<10μm、最も好ましくはd50<5μm、およびカプセル化前に、活性化合物がd50>0.1μmの粒径を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分。
【請求項5】
本発明によるカプセル化のための前記活性化合物が、SDH阻害剤、nAChRアゴニスト(ネオニコチノイドを含む)、PDS阻害剤(HRAC F1)およびHPPD阻害剤(HRAC F2)を含むクロロチカ、ならびにチアジアゾールカルボキサミド/宿主防御誘導物質を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分。
【請求項6】
本発明によるカプセル化のための前記活性化合物が、フルオピラム、フルピラジフロン、ジフルフェニカン、イソキサフルトール、イミダクロプリドおよびイソチアニルを含む群から選択され、好ましくはフルオピラム、イソキサフルトールおよびジフルフェニカンを含む群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載のカプセル化有効成分。
【請求項7】
カプセル化粒子のシェルが架橋されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分。
【請求項8】
カプセル化ポリマーが、水溶性ポリマーならびにヒドロゲル形成ホモおよびコポリマーの群から、
好ましくは、アクリレートコポリマー、キトサンおよび完全に加水分解または部分的に加水分解されているポリ酢酸ビニルであるポリビニルアルコール(PVA)の群から、
最も好ましくはキトサンおよび完全に加水分解または部分的に加水分解されているポリ酢酸ビニルであるポリビニルアルコール(PVA)の群から
選択されることを特徴とする、請求項1から5または7のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分。
【請求項9】
架橋剤が、ホルムアルデヒド(FA)、グルタルアルデヒド(GA)およびテレフタルアルデヒド(TA)を含む群から選択されることを特徴とする、請求項7または8に記載のカプセル化有効成分。
【請求項10】
カプセル化ポリマーが、有機溶媒に可溶性であり、水中でのエマルジョンの形成を可能にするホモまたはコポリマーでから選択され、
好ましくは、前記ポリマーが、純粋なDまたはLラクチド、ラクチド-コ-カプロラクトン、ラクチド-コ-グリコリド;ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリビニルを含む群から選択され、
より好ましくは、前記ポリマーが、遊離酸またはエステル末端のいずれかのポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(カプロラクトン)およびポリ(酢酸ビニル)を含む群から選択され、
最も好ましくは、前記ポリマーがPLAである
ことを特徴とする、請求項1から5または7のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分。
【請求項11】
前記ポリマーがPLAであり、前記ポリマーのMwが、好ましくは1~1000kDaの間であり、より好ましくは5~200kDaの間であり、さらにより好ましくは10~100kDaの間であり、最も好ましくは15~30kDaの間であることを特徴とする、請求項10に記載のカプセル化有効成分。
【請求項12】
前記有機溶媒が水混和性有機溶媒、
好ましくは、水混和性極性溶媒、
より好ましくは、水混和性非プロトン性極性溶媒であり、
さらにより好ましくは、前記有機溶媒が、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチルおよびTHF(テトラヒドロフラン)からなる群から選択され、
最も好ましくは、前記有機溶媒が、クロロホルムおよびジクロロメタンからなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項10または11に記載のカプセル化有効成分。
【請求項13】
カプセル化ポリマーが、有機溶媒に可溶性であるホモまたはコポリマーを含む群から選択され、好ましくは、前記ポリマーが、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクトンおよび酢酸セルロースを含む、ポリビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリラクトン、ポリエーテル、多糖類、ならびにPLA(ポリ乳酸)を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1から5または7のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分。
【請求項14】
カプセル化ポリマーが、VAE、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリビニル、ポリカプロラクトン、ポリエステルおよびポリウレタン、多糖類(全てホモまたはコポリマーとして)を含む水性ポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1から5または7のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分。
【請求項15】
前記ポリマーがPLAであり、前記ポリマーのMwが、好ましくは1~1000kDaの間であり、より好ましくは5~200kDaの間であり、さらにより好ましくは10~100kDaの間であることを特徴とする、請求項13または14に記載のカプセル化有効成分。
【請求項16】
コーティングされた有効成分のゼータ電位が、非カプセル化成分と比較してpH範囲3~10でより正になることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分。
【請求項17】
a)カプセル化有効成分と、
b)液相と、
c)場合により、1つまたは複数の乳化剤/分散剤と、
d)場合により、1つまたは複数の担体と、
e)場合により、1つまたは複数の界面活性剤と、
f)場合により、さらなる非カプセル化有効成分と、
g)場合により、増量剤、粘着剤、浸透剤、保持促進剤、着色剤および染料、安定剤、湿潤剤および展着剤の群から選択されるさらなるアジュバントと
を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分を含む製剤。
【請求項18】
前記製剤の重量に基づいて、0.1重量%~70重量%の間の活性化合物、好ましくは1重量%~65重量%の間の活性化合物、より好ましくは5重量%~60重量%の間の活性化合物、最も好ましくは5重量%~50重量%の間の活性化合物
を含む、請求項17に記載の製剤。
【請求項19】
増強された生物学的適合性での有害生物に対する植物、植物の部分、土壌もしくは種子の治療的もしくは予防的処理のため、または有効成分の植物毒性効果の減少のための、請求項1から16のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分あるいは請求項17または18に記載のその製剤の使用。
【請求項20】
種子が処理されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分あるいは請求項17または18に記載の製剤による種子の治療的または予防的処理のための方法。
【請求項21】
土壌が処理されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分あるいは請求項17または18に記載の製剤による植物、植物の部分、土壌または種子の治療的または予防的処理のための方法。
【請求項22】
葉面施用であることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のカプセル化有効成分あるいは請求項17または18に記載の製剤による植物または植物の部分の治療的または予防的処理のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害生物に対する有効性を維持しながら、増強された生物学的適合性をもたらす、最小化/排除された植物に対する負の効果(植物毒性)を有する様々な方法によって製造されるカプセル化活性化合物(活性物質/有効成分/AI)に関する。
【背景技術】
【0002】
有効成分は様々な方法で製剤化することができ、活性物質の特性および製剤化のプロセスが、製剤の加工性、安定性、使いやすさおよび有効性、ならびに植物に対する有効成分自体の負の効果に関して問題を引き起こす可能性がある。
【0003】
さらに、一部の製剤は、生態学的および/または経済的理由から他のものよりも有利である。
【0004】
上に指摘されるように、一部の有用な活性物質は、施用すると、植物の深刻な損傷、葉の壊死(ハロー効果とも呼ばれる)、出芽遅れ(発育阻止)、収量減少等をもたらす植物毒性などの、植物に対する望ましくない効果を示す。
【0005】
一部の活性物質では、副作用の重症度が施用濃度にほとんど依存しない、すなわち、活性物質濃度が大幅に低下しているにもかかわらず、副作用が変化しない重症度で見られる。例えば、この低下した濃度で殺線虫効果も殺真菌効果もなくても、出芽の初期段階でフルオピラムで処理したダイズ種子に顕著な植物毒性(別名ハロー)が観察され得る。例えばフルオピラムを土壌に噴霧施用すると、同様の負の副作用が、それだけに限らないが、大豆、トマト、キュウリ、コショウ/トウガラシを含むいくつかの双子葉植物で見られる。さらなる例としては、それだけに限らないが、例えば大豆およびトウモロコシを処理するために土壌に施用されるジフルフェニカンおよび/またはイソキサフルトールを含む除草剤の植物毒性効果が挙げられる。
【0006】
これらの副作用を克服するために、活性物質の放出を制御することが一般的に知られており、よって、より低い濃度がより少ない望ましくない効果をもたらし得る。しかしながら、活性物質の制御放出と並んで、通常、有害生物に対する有効性の低下または完全な喪失が観察されている。
【0007】
制御放出製剤を製造するという課題は、噴霧可能な施用形態に対してさらに要求が厳しい、すなわち、粒径制限が適用され、非常に高い活性物質濃度が必要とされる(先行技術の医薬制御放出施用とは対照的に)。このような制御放出製剤の物理的および生物学的特性と並んで、経済的側面が重要な役割を果たす。本明細書に記載される3つのアプローチは、生物学的、物理学的および経済学的フットプリントが大幅に異なる。経済学的とは、関与するプロセスステップの数およびその結果としての生産コストを指す。表0は、技術の一般的な分類を示しており、達成可能な製品特性と経済学的考慮事項との間の微妙なバランスを明確に示している。アプローチAは葉の損傷の減少(植物毒性)に関して最良の材料を提供しないが、工業化のために好まれ得る。アプローチAは、植物毒性に関して合理的かつ有意な改善をもたらすことが分かった。
【0008】
【表1】
【0009】
前記境界は、経済学的要件を満たしながら、有効性を維持しながら、植物毒性などの負の副作用の大幅な減少または排除を達成する、農薬噴霧可能制御放出製剤を製造するために、特に優れた制御放出を必要とする。
【0010】
化合物をカプセル化するポリマー材料は、国際公開第2010039865号パンフレットに記載されている。国際公開第2007091494号パンフレットは、制御放出を有する殺有害生物剤含有樹脂を含有する殺有害生物調製物を記載している。国際公開第200007443号パンフレットは、固体担体上に活性物質含有殻を有する制御放出顆粒を開示している。米国特許第4285720号明細書は、ポリ尿素でカプセル化された水非混和性有機物質を記載している。
【0011】
医薬粒子をスプレーコーティングするためのプロセスは、米国特許第5632102号明細書に記載されているが、非常に微細な粒子のコーティングは開示していない。
【0012】
さらに、欧州特許第1325775号明細書および米国特許出願公開第2011228628号明細書は、一般に、制御放出用途ではないが、微粒子のコーティングを可能にするジェット層装置を記載した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2010039865号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2007091494号パンフレット
【特許文献3】国際公開第200007443号パンフレット
【特許文献4】米国特許第4285720号明細書
【特許文献5】米国特許第5632102号明細書
【特許文献6】欧州特許第1325775号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2011228628号明細書
【発明の概要】
【0014】
したがって、扱うのに安全であり、困難な農業環境、すなわち土壌での使用の有効性および一貫性を保持する改善された製剤が必要である。特に、植物毒性副作用の有意な減少、または一部の実施形態では完全な排除が、それぞれの殺有害生物剤の植物毒性に対して非常に高い感受性を示している作物で驚くほど達成された。
【0015】
特に、本発明による前記製剤を使用するための、カプセル化有効成分が必要とされている。
【0016】
本明細書に開示される制御放出製剤は、噴霧/コーティング/灌注/粒剤/畝間/育苗箱/水田および一般的な圃場施用によって種子、土壌、葉に施用可能となる。
【0017】
さらに、制御放出製剤は、関連する活性物質の物理的、化学的、生物学的適合性(植物毒性)もしくは安定性もしくは寿命を改善し得る、または前記施用における植物に対する負の効果を最小化/排除し得る。
【課題を解決するための手段】
【0018】
好ましい実施形態では、有害生物に対する有効性が維持されているが、有効成分の植物毒性の減少が50%超、より好ましくは80%超、最も好ましくは90%超である。本明細書で使用される維持されるとは、有効性が、非カプセル化参照の少なくとも50%以上であることを意味する。
【0019】
試験された参照は、活性物質が(参照において)カプセル化されていないことを除いて、本発明による製剤と同じ成分を含む同じ製剤を指す。
【0020】
これらの課題は、以下に記載される本発明のカプセル化、ならびに前記カプセル化活性物質を含有する製剤、および農薬用途へのその使用の実施形態によって解決される。
【0021】
本発明で使用される「有害生物」は、昆虫、線虫、真菌、細菌、ウイルスおよび雑草を指す。
【0022】
本発明で使用される「活性物質」には、殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤、宿主防御誘導物質、生物剤および殺菌剤が含まれる。
【0023】
一実施形態では、活性物質が殺真菌剤を意味する。
【0024】
別の実施形態では、活性物質が殺線虫剤を意味する。
【0025】
別の実施形態では、活性物質が除草剤を意味する。
【0026】
別の実施形態では、活性物質が殺虫剤を意味する。
【0027】
別の実施形態では、活性物質が宿主防御誘導物質を意味する。
【0028】
別の実施形態では、活性物質が生物剤を意味する。
【0029】
別の実施形態では、活性物質が殺菌剤を意味する。
【0030】
本発明で使用される「種子処理」は、前記種子を圃場に持ち込む前に、少なくとも1つの有効成分を種子に直接またはコーティングの形態で直接施用することを意味する。明確にするために、葉面施用、畝間施用、育苗箱施用および土壌施用は種子処理施用ではない。
【0031】
本明細書で使用される「カプセル化有効成分」は、それぞれ、以下に記載される方法A、BまたはCによってカプセル化されている活性物質を指す。
【0032】
「活性化合物」、「活性物質」、「有効成分」、「農薬化合物」および「AI」という用語は、本明細書では互換的に使用することができる。
【0033】
本発明における「CR」という用語は、他に定義されていない限り、「制御放出」を意味する。
【0034】
以下の用語ペアを本明細書で互換的に使用することができる:FLU/フルオピラム;DFF/ジフルフェニカン;IFT/イソキサフルトール。
【0035】
他に定義されていない場合、または本発明でさらにパラメータが拡張されていない場合、粒径は、CIPAC(CIPAC=国際農薬分析法協議会;www.cipac.org)方法MT 187に従って測定され、それぞれD50、D90=有効成分粒径(それぞれ体積粒子全体のレーザー回折50%、90%)として決定される。平均粒径はD50値を表す。
【0036】
本発明の製剤では、少なくとも1つの活性物質がカプセル化されているが、追加の活性物質は、製剤中にカプセル化されていない状態で存在し得る。
【0037】
本発明はさらに、本発明の活性化合物の少なくとも1つを含む、製剤ならびに作物保護剤および/または殺有害生物剤、例えば、灌注、浸漬およびスプレー液としての、製剤から調製された施用形態をさらに提供する。施用形態は、さらなる作物保護剤および/または殺有害生物剤、ならびに/あるいは例えば、浸透剤および/または展着剤および/または保持促進剤および/または湿潤剤および/または肥料および/または他の一般的に使用されるアジュバントなどの活性増強アジュバントを含み得る。
【0038】
典型的な製剤の例としては、乳剤(EC)、EW剤(EW)、SC剤(SC、SE、FS、OD)、水和性顆粒剤(WG)、粒剤(GR)およびカプセル懸濁剤(CS)が挙げられ;これらおよび他の可能な種類の製剤は、例えばCrop Life International and in Pesticide Specifications,Manual on development and use of FAO and WHO specifications for pesticides,FAO Plant Production and Protection Papers-173、FAO/WHO Joint Meeting on Pesticide Specificationsによって準備、2004、ISBN:9251048576により記載されている。製剤は、本発明の1つまたは複数の本発明の活性化合物以外の活性農薬化合物を含み得る。
【0039】
当の製剤または施用形態は、好ましくは、助剤、例えば増量剤、溶媒、自発性促進剤、担体、乳化剤、分散剤、凍結防止剤、殺生物剤、増粘剤および/または他の助剤、例えばアジュバントを含む。この文脈におけるアジュバントは、成分自体が生物学的効果を有さずに、製剤の生物学的効果を高める成分である。アジュバントの例には、保持、広がり、葉表面への付着または浸透を促進する薬剤がある。
【0040】
これらの製剤は、活性化合物を、例えば増量剤、溶媒および/または固体担体などの助剤ならびに/あるいは例えば界面活性剤などのさらなる助剤と混合することによって、公知の方法で製造される。製剤は、適切なプラントで、または施用前もしくは施用中に調製される。
【0041】
活性化合物の製剤またはこれらの製剤から調製された施用形態(例えば、スプレー液または種子粉衣剤などの使用可能な作物保護剤など)に、一定の物理的、技術的および/または生物学的特性などの特定の特性を与えるのに適した物質が助剤としての使用に適している。
【0042】
適切な増量剤は、例えば、水、芳香族および非芳香族炭化水素(パラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、クロロベンゼンなど)、アルコールおよびポリオール(適宜置換されていても、エーテル化されていてもおよび/またはエステル化されていてもよい)、ケトン(アセトン、シクロヘキサノンなど)、エステル(脂肪および油を含む)ならびに(ポリ)エーテル、非置換および置換アミン、アミド、ラクタム(N-アルキルピロリドンなど)ならびにラクトン、スルホンおよびスルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)のクラスの極性および非極性有機化学液体である。
【0043】
使用される増量剤が水である場合、補助溶媒として例えば有機溶媒を使用することも可能である。本質的には、適切な液体溶媒は、芳香族、例えばキシレン、トルエンまたはアルキルナフタレン、塩素化芳香族および塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン、クロロエチレンまたは塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサンまたはパラフィン、例えば石油留分、鉱油および植物脂、アルコール、例えばブタノールまたはグリコールならびにまたそれらのエーテルおよびエステル、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド、およびまた水である。
【0044】
原則として、全ての適切な溶媒を使用することができる。適切な溶媒は、例えば、芳香族炭化水素、例えばキシレン、トルエンまたはアルキルナフタレン、例えば塩素化芳香族または脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン、クロロエチレンまたは塩化メチレン、例えば、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン、例えばパラフィン、石油留分、鉱油および植物油、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールまたはグリコールならびにまたそれらのエーテルおよびエステル、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、例えば強極性溶媒、例えばジメチルスルホキシド、および水である。
【0045】
原則として、全ての適切な担体を使用することができる。適切な担体には、特に、例えばアンモニウム塩および粉砕天然鉱物、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土、ならびに粉砕合成鉱物、例えばシリカ微粒子、アルミナおよび天然または合成ケイ酸塩、樹脂、ワックスおよび/または固体肥料が含まれる。このような担体の混合物も同様に使用することができる。粒剤に適した担体には以下が含まれる:例えば、粉砕および分別された天然鉱物、例えば方解石、大理石、軽石、セピオライト、ドロマイト、ならびに無機および有機粗粉の合成顆粒、ならびに有機材料の顆粒、例えばおがくず、紙、ヤシ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎。
【0046】
液化ガス状増量剤または溶媒を使用することもできる。標準温度および標準圧力下でガス状である増量剤または担体が特に適しており、例としては、ハロゲン化炭化水素、ならびにブタン、プロパン、窒素および二酸化炭素などのエアロゾル噴霧剤がある。
【0047】
イオン性または非イオン性の特性を有する乳化剤および/または泡形成剤、分散剤または湿潤剤あるいはこれらの表面活性物質の混合物の例は、ポリアクリル酸の塩、リグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸またはナフタレンスルホン酸の塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールまたは脂肪酸または脂肪族アミン、置換フェノール(好ましくはアルキルフェノールまたはアリールフェノール)との重縮合物、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(好ましくは、アルキルタウレート)、ポリエトキシル化アルコールまたはフェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、ならびに硫酸エステル、スルホン酸エステルおよびリン酸エステルを含む化合物の誘導体であり、例としてはアルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスルホネート、タンパク質加水分解物、リグニン-サルファイト廃液およびメチルセルロースがある。活性化合物の1つおよび/または不活性担体の1つが水に不溶性であり、施用が水中で行われる場合、界面活性物質の存在が有利である。
【0048】
例えば、適切な界面活性剤または分散助剤は、非イオン性またはアニオン性界面活性剤などの農薬に慣用的に利用することができるこのタイプの全ての物質である。好ましい非イオン性界面活性剤は、分岐または直鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、脂肪酸または脂肪酸アルコールとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの反応生成物、さらにポリビニルアルコール、ポリオキシアルキルエナミン誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンのコポリマー、および(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルのコポリマー、アセチレンジオールエトキシレート、さらに分岐または直鎖アルキルエトキシレートおよびアルキルアリールエトキシレートであり、ポリエチレンオキシド-ソルビタン脂肪酸エステルが例として挙げられ得る。上記の例のうち、選択されたクラスは、場合により、リン酸化、スルホン化または硫酸化され、塩基で中和され得る。
【0049】
可能なアニオン性界面活性剤は、農薬に慣用的に利用することができるこのタイプの全ての物質である。アルキルスルホン酸またはアルキルホスホル酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩、ならびにアルキルアリールスルホン酸またはアルキルアリールリン酸が好ましい。アニオン性界面活性剤または分散助剤のさらに好ましい群は、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩、ポリビニルスルホン酸の塩、アルキルナフタレンスルホン酸の塩、ナフタレン-スルホン酸-ホルムアルデヒド縮合生成物の塩、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸およびホルムアルデヒドの縮合生成物の塩、ならびにリグノスルホン酸の塩、ならびにポリカルボン酸、ナトリウムおよびカリウム塩である。
【0050】
好ましい非イオン性界面活性剤は、例えば以下である:
平均5~60EO単位を含むトリスチリルフェノールエトキシレート;
平均5~40EO単位を含むヒマシ油エトキシレート(例えば、Berol(登録商標)範囲、Emulsogen(登録商標)EL範囲);
8~18個の炭素原子および平均2~30EO単位を有する分岐または直鎖アルコールを含む脂肪アルコールエトキシレート;
ポリエチレンオキシドとポリヒドロキシステアリン酸のブロックコポリマー;
エトキシル化ポリメタクリレートグラフトコポリマー;
ポリビニルピロリドンベースのポリマー;
ポリ酢酸ビニルベースのポリマー;
エトキシル化ジアセチレン-ジオール(例えば、Surfynol(登録商標)4xx-範囲);
クエン酸アルキルエーテル界面活性剤(例えば、Adsee(登録商標)CE範囲、Akzo Nobel);
アルキル多糖類/ポリグリコシド(例えば、Agnique(登録商標)PG8107、PG8105、Atplus(登録商標)438、AL-2559、AL-2575);
8~18個の炭素原子および平均10~40EO単位を有する脂肪酸を含むグリセリンのエトキシル化モノエステルまたはジエステル(例えば、Crovol(登録商標)範囲);
ポリエチレンオキシドとポリブチレンオキシドのブロックコポリマー;
【0051】
有機修飾ポリシロキサン、例えばBreakThru(登録商標)OE444、BreakThru(登録商標)S240、Silwet(登録商標)L77、Silwet(登録商標)408、Silwet(登録商標)806。
【0052】
好ましいアニオン性界面活性剤およびポリマーは、例えば以下である:
ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物、ナトリウム塩;
ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム;
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩;
トリスチリルフェノールエトキシレートサルフェートならびにそのアンモニウム塩およびカリウム塩;
トリスチリルフェノールエトキシレートホスフェートならびにそのアンモニウム塩およびカリウム塩;
リグニンスルホン酸、ナトリウム塩;
スチレンアクリルポリマー;
ポリカルボン酸、ナトリウムおよびカリウム塩。
【0053】
より好ましい界面活性剤は、エトキシル化ポリメタクリレートグラフトコポリマー、ポリカルボン酸、ナトリウムおよびカリウム塩、トリスチリルフェノールエトキシレートサルフェートならびにそのアンモニウムおよびカリウム塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物、ナトリウム塩ならびにエトキシル化ジアセチレンジオールである。表1に、一般的に知られている界面活性剤の商品名を示す:
【0054】
【表2】
【0055】
製剤およびこれから誘導される施用形態中に存在し得るさらなる助剤は、無機顔料(例としては酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルーがある)、および有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン染料などの着色剤、ならびに栄養素および微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩を含む。
【0056】
安定剤、例えば低温安定剤、保存剤、抗酸化剤、光安定剤、あるいは化学的および/または物理的安定性を改善する他の剤も存在してもよい。さらに、泡形成剤または消泡剤が存在してもよい。
【0057】
さらに、製剤およびこれから誘導される施用形態はまた、追加の助剤として、粘着剤、例えばカルボキシメチルセルロース、粉末、顆粒またはラテックス形態の天然および合成ポリマー、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、および天然リン脂質、例えばセファリンおよびレシチンならびに合成リン脂質を含み得る。さらに可能な助剤には鉱油および植物油が含まれる。
【0058】
製剤およびこれから誘導される施用形態には、おそらくさらなる助剤が存在し得る。このような添加剤の例としては、芳香剤、保護コロイド、結合剤、接着剤、増粘剤、チキソトロピー物質、浸透剤、保持促進剤、安定剤、金属イオン封鎖剤、錯化剤、湿潤剤および展着剤が挙げられる。一般に、活性化合物は、製剤化目的のために一般的に使用される任意の固体または液体添加剤と組み合わせることができる。
【0059】
適切な保持促進剤には、動的表面張力を低下させる全ての物質、例えばジオクチルスルホスクシネート、または粘弾性を高める全ての物質、例えばヒドロキシプロピルグアーポリマーが含まれる。
【0060】
本文脈における適切な浸透剤には、活性農薬化合物の植物への浸透を増強するために典型的に使用される全ての物質が含まれる。本文脈における浸透剤は、(一般に水性の)塗布液および/またはスプレーコーティングから、植物のクチクラに浸透し、したがってクチクラ中の活性化合物の移動度を増加させることができると定義される。文献に記載されている方法(Baurら、1997、Pesticide Science 51、131~152)を使用してこの特性を決定することができる。例としては、アルコールアルコキシレート、例えばココナツ脂肪エトキシレート(10)またはイソトリデシルエトキシレート(12)、脂肪酸エステル、例えばナタネまたはダイズ油メチルエステル、脂肪アミンアルコキシレート、例えば獣脂アミンエトキシレート(15)、またはアンモニウムおよび/またはホスホニウム塩、例えば硫酸アンモニウムまたはリン酸水素二アンモニウムが挙げられる。
【0061】
好ましい実施形態では、カプセル化活性物質を含む製剤が、
a)少なくとも1つのカプセル化有効成分と、
b)液相と、
c)場合により、1つまたは複数の乳化剤/分散剤と、
d)場合により、1つまたは複数の担体と、
e)場合により、1つまたは複数の界面活性剤と、
f)場合により、さらなる非カプセル化有効成分と、
g)場合により、増量剤、粘着剤、浸透剤、保持促進剤、着色剤および染料、安定剤、湿潤剤および展着剤の群から選択されるさらなるアジュバントと
を含む。
【0062】
より好ましい実施形態では、カプセル化活性物質を含む製剤が、
a)少なくとも1つのカプセル化有効成分と、
b)液相と、
c)場合により、1つまたは複数の乳化剤/分散剤と、
d)場合により、1つまたは複数の担体と、
e)1つまたは複数の界面活性剤、例えばGeropon T36および/またはMorwet D 425と、
f)場合により、さらなる非カプセル化有効成分と、
g)場合により、増量剤、粘着剤、浸透剤、保持促進剤、着色剤および染料、安定剤、湿潤剤および展着剤の群から選択されるさらなるアジュバントと
を含む。
【0063】
一実施形態では、製剤が、合計で100%になるa)およびb)からなる。
【0064】
製剤に適した液相は、水(SC)、油および/または有機溶媒(OD)であり得る。
【0065】
好ましくは、液相が水である。
【0066】
本発明による適切な架橋剤は、典型的には、ポリマー鎖を接続するために使用されるものである。したがって、架橋剤は、典型的にはポリマーの物理化学的特性を調整し、例えば、溶解度、膨潤性、溶媒および/または活性物質透過性を低下させる;融点および/またはガラス転移温度を上昇させる。前の特性のいずれも、架橋を通して、例えば、可溶性ポリマーが完全に不溶性になる、または熱可塑性ポリマーが熱硬化性になる程度まで変化させることができる。架橋は、典型的には錯化または共有結合のいずれかによって化学的に達成される。架橋剤の一般的な例には、アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、低分子量エポキシド、例えばエピクロロヒドリン、活性化エステル、例えばNHSエステル、イミドエステル、マレイミド、カルボジイミドがあり、他の架橋剤には、ピリジルジチオール、ヒドラジン、二官能性もしくはそれより高い官能性のイソシアネートまたは光誘起架橋剤が含まれ得る。
【0067】
方法A~Cによって調製されたカプセル剤(カプセル化材料)は、カプセル全体(活性物質+シェル)の重量に基づいて、1重量%~99.9重量%の間の活性化合物、特に好ましくは20重量%~95重量%の間の活性化合物、より好ましくは25重量%~95重量%の間の活性化合物、最も好ましくは50重量%~95重量%の間の活性化合物を含む。
【0068】
カプセル化前に、活性化合物は、好ましくはd50<50μm、より好ましくはd50<20μm、さらにより好ましくはd50<10μm、最も好ましくはd50<5μmの粒径を有する。
【0069】
好ましくは、カプセル化前に、活性化合物はd50>0.1μmの粒径を有する。
【0070】
製造されたカプセルの粒径は、好ましくはd50=1~200μm(マイクロメートル)の間であり、より好ましくはd50=1~50μm(マイクロメートル)の間である。葉面施用の場合、粒径は、好ましくはd50=1~20μm(マイクロメートル)の間である。
【0071】
製剤は、好ましくは、製剤の重量に基づいて、0.1重量%~70重量%の間の活性化合物、特に好ましくは1重量%~65重量%の間の活性化合物、より好ましくは5重量%~60重量%の間の活性化合物、最も好ましくは5重量%~50重量%の間の活性化合物を含む。
【0072】
製剤から調製された除草剤(それだけに限らないが、ジフルフェニカンおよびイソキサフルトールを含む)の施用形態の活性化合物含有量は、広範囲内で変化し得る。施用形態の活性化合物濃度は、典型的には、施用形態の重量に基づいて、0.00001重量%~50重量%の間の活性化合物、好ましくは0.001重量%~5重量%の間にあり得る。施用は、施用形態に適合した慣用的な方法で行われる。
【0073】
製剤から調製された殺線虫剤/殺真菌剤(それだけに限らないが、フルオピラムを含む)の施用形態の活性化合物含有量は、広範囲内で変化し得る。施用形態の活性化合物濃度は、典型的には、施用形態の重量に基づいて、0.00001重量%~50重量%の間の活性化合物、好ましくは0.001重量%~10重量%の間にあり得る。施用は、施用形態に適合した慣用的な方法で行われる。
【0074】
一実施形態では、本発明は、カプセル化活性物質、その製造方法、カプセル化活性物質を含む製剤、ならびにカプセル化活性物質または対応する製剤による種子処理のための方法および使用に関する。
【0075】
一実施形態では、本発明は、カプセル化活性物質、その製造方法、カプセル化活性物質を含む製剤、ならびにカプセル化活性物質または対応する製剤による畝間施用のための方法および使用に関する。
【0076】
一実施形態では、本発明は、カプセル化活性物質、その製造方法、カプセル化活性物質を含む製剤、ならびにカプセル化活性物質または対応する製剤による葉面施用のための方法および使用に関する。
【0077】
一実施形態では、本発明は、カプセル化活性物質、その製造方法、カプセル化活性物質を含む製剤、ならびにカプセル化活性物質または対応する製剤による土壌施用のための方法および使用に関する。
【0078】
本発明の適切な活性物質は、好ましくは、植物に施用した場合に望ましくない効果を示すことが知られているものである。
【0079】
本発明の活性物質は、好ましくは、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺真菌剤、宿主防御誘導物質、生物学的防除剤を含む群から選択される。
【0080】
前記活性物質はまた、カプセル化活性物質の混合パートナーとしても使用され得る。一実施形態では、同じ活性物質がカプセル化されて自由形態で存在し、同じ活性物質の迅速な初期取り込み、ならびに連続放出および取り込みを長期間もたらす。
【0081】
除草剤
好ましくは混合製剤またはタンクミックスで、カプセル化のためにまたは本発明による活性化合物と組み合わせて除草剤として使用することができる成分は、例えば、Weed Research 26、441~445(1986)または「The Pesticide Manual」、第15版、The British Crop Protection Council and the Royal Soc.of Chemistry、2006およびその中に引用される文献に記載される既知の活性化合物、ならびに例えばアセト乳酸シンターゼ、アセチルCoAカルボキシラーゼ、セルロースシンターゼ、エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ、グルタミンシンターゼ、p-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ、フィトエンデサチュラーゼ、光化学系I、光化学系IIおよび/またはプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤として作用するものである。
【0082】
文献から知られている除草剤または植物成長調節剤として言及され得る活性化合物の例は以下であり(化合物は、国際標準化機構(ISO)による「一般名」または化学名または慣用的なコード番号によって記載される)、酸、塩、エステルなどの適用可能な全ての形態、または立体異性体および光学異性体などの異性体などの修飾を常に含む。一例として、少なくとも1つの適用可能な形態および/または修正が言及され得る。
【0083】
除草剤の例は以下である:
アセトクロル、アシフルオルフェン、アシフルオルフェン-ナトリウム、アクロニフェン、アラクロル、アリドクロル、アロキシジム、アロキシジム-ナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン、アミノシクロピラクロル、アミノシクロピラクロル-カリウム、アミノシクロピラクロル-メチル、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アスラム、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン-エチル、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン、ベンスルフロン-メチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビラナホス-ナトリウム、ビスピリバック、ビスピリバック-ナトリウム、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロモキシニル-ブチレート、-カリウム、-ヘプタノエートおよび-オクタノエート、ブソキシノン、ブタクロル、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロル、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェテンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、クロラムベン、クロルブロムロン、クロルフェナク、クロルフェナク-ナトリウム、クロルフェンプロップ、クロルフルレノール、クロルフルレノール-メチル、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン-エチル、クロロフタリム、クロロトルロン、クロルタール-ジメチル、3-[5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-4-ヒドロキシ-1-メチルイミダゾリジン-2-オン、クロルスルフロン、シニドン、シニドン-エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クラシホス(clacyfos)、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロランスラム、クロランスラム-メチル、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクロエート、シクロピラニル、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、シプラジン、2,4-D、2,4-D-ブトチル、-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-ジオラミン、-エチル、2-エチルヘキシル、-イソブチル、-イソオクチル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウム、-トリイソプロパノールアンモニウムおよび-トロラミン、2,4-DB、2,4-DB-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-イソオクチル、-カリウムおよび-ナトリウム、ダイムロン(ダイムロン)、ダラポン、ダゾメット、n-デカノール、デスメジファム、デトシル-ピラゾレート(DTP)、ジカンバ、ジクロベニル、2-(2,4-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、2-(2,5-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル、ジクロホップ-P-メチル、ジクロスラム、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル-ナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロル、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジメトラスルフロン、ジニトラミン、ジノテルブ、ジフェナミド、ジクワット、ジクワットジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラルリン、エタメツルフロン、エタメツスルフロン-メチル、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシフェン-エチル、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F-5231、すなわちN-{2-クロロ-4-フルオロ-5-[4-(3-フルオロプロピル)-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-テトラゾール-1-イル]フェニル}エタンスルホンアミド、F-7967、すなわち3-[7-クロロ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール-4-イル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサスルホン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラムプロップ、フラムプロップ-M-イソプロピル、フラムプロップ-M-メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、フルカルバゾン、フルカルバゾン-ナトリウム、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェンピル、フルフェンピル-エチル、フルメツラム、フルミクロラック、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルレノール、フルレノール-ブチル、-ジメチルアンモニウムおよび-メチル、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン-エチル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル-メプチル、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセット-メチル、ホメサフェン、ホメサフェン-ナトリウム、ホラムスルフロン、ホサミン、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-アンモニウム、-イソプロピルアンモニウム、-ジアンモニウム、-ジメチルアンモニウム、-カリウム、-ナトリウムおよび-トリメシウム、H-9201、すなわちO-(2,4-ジメチル-6-ニトロフェニル)O-エチルイソプロピルホスホルアミドチオエート、ハロウキシフェン、ハロウキシフェン-メチル、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン-メチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、ヘキサジノン、HW-02、すなわち1-(ジメトキシホスホリル)エチル(2,4-ジクロロフェノキシ)アセテート、4-ヒドロキシ-1-メトキシ-5-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]イミダゾリジン-2-オン、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザモックス-アンモニウム、イマザピック、イマザピック-アンモニウム、イマザピル、イマザピル-イソプロピルアンモニウム、イマザキン、イマザキン-アンモニウム、イマゼタピル、イマゼタピル-イモニウム、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、イオキシニル、イオキシニル-オクタノエート、-カリウムおよび-ナトリウム、イプフェンカルバゾン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、カルブチレート、KUH-043、すなわち3-({[5-(ジフルオロメチル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}スルホニル)-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、MCPA、MCPA-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウムおよび-ナトリウム、MCPB、MCPB-メチル、-エチルおよび-ナトリウム、メコプロップ、メコプロップ-ナトリウムおよび-ブトチル、メコプロップ-P、メコプロップ-P-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシルおよび-カリウム、メフェナセット、メフルイジド、メソスルフロン、メソスルフロン-メチル、メソトリオン、メタベンズチアズロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロル、メタゾスルフロン、メタベンゾチアズロン、メチオピルスルフロン、メチオゾリン、メチルイソチオシアネート、メトブロムロン、メトラクロル、S-メトラクロル、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メツルフロン、メツルフロン-メチル、モリネート、モノリニュロン、モノスルフロン、モノスルフロンエステル、MT-5950、すなわちN-(3-クロロ-4-イソプロピルフェニル)-2-メチルペンタンアミド、NGGC-011、ナプロパミド、NC-310、すなわち[5-(ベンジルオキシ)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル](2,4-ジクロロフェニル)メタノン、ネブロン、ニコスルフロン、ノナン酸(ペラルゴン酸)、ノルフルラゾン、オレイン酸(脂肪酸)、オルベンカルブ、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラコート、パラコートジクロリド、ペブレート、ペンジメタリン、ペノキススラム、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、ペトキサミド、石油、フェンメジファム、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサフェン、ピペロホス、プレチラクロル、プリミスルフロン、プリミスルフロン-メチル、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロル、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン-ナトリウム、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピアフルフェン-エチル、ピラスルホトール、ピラゾリネート(ピラゾレート)、ピラゾスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、ピラゾキシフェン、ピリバムベンズ(pyribambenz)、ピリバムベンズ-イソプロピル、ピリバムベンズ-プロピル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダフォル(pyridafol)、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロクススラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、SL-261、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、SYN-523、SYP-249、すなわち1-エトキシ-3-メチル-1-オキソブタ-3-エン-2-イル5-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ニトロベンゾエート、SYP-300、すなわち1-[7-フルオロ-3-オキソ-4-(プロパ-2-イン-1-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル]-3-プロピル-2-チオキソイミダゾリジン-4,5-ジオン、2,3,6-TBA、TCA(トリクロロ酢酸)、TCA-ナトリウム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、テルバシル、テルブカルブ、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロル、チアゾピル、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、チオベンカルブ、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル、トリクロピル、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロン-ナトリウム、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン-メチル、トリトスルフロン、尿素硫酸塩、バーノレート、ZJ-0862、すなわち3,4-ジクロロ-N-{2-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンジル}アニリンおよび以下の化合物:
【化1】
【0084】
植物成長調節剤の例は以下である:
アシベンゾラル、アシベンゾラル-S-メチル、5-アミノレブリン酸、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノライド、カテキン、クロルメコートクロリド、クロプロップ、シクラニリド、3-(シクロプロパ-1-エニル)プロピオン酸、ダミノジド、ダゾメット、n-デカノール、ジケグラック、ジケグラック-ナトリウム、エンドタール、エンドタール-ジカリウム、-ジナトリウムおよびモノ(N,N-ジメチルアルキルアンモニウム)、エテホン、フルメトラリン、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルルプリミドール、ホルクロルフェニュロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸(IAA)、4-インドール-3-イル酪酸、イソプロチオラン、プロベナゾール、ジャスモン酸、マレイン酸ヒドラジド、メピコートクロリド、1-メチルシクロプロペン、ジャスモン酸メチル、2-(1-ナフチル)アセトアミド、1-ナフチル酢酸、2-ナフチルオキシ酢酸、ニトロフェノレート混合物、パクロブトラゾール、N-(2-フェニルエチル)-β-アラニン、N-フェニルフタルアミド酸、プロヘキサジオン、プロヘキサジオン-カルシウム、プロヒドロジャスモン、サリチル酸、ストリゴラクトン、テクナゼン、チジアズロン、トリアコンタノール、トリネキサパック、トリネキサパック-エチル、チトデフ、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P。
【0085】
殺真菌剤
文献から知られている殺真菌剤として言及され得る活性化合物の例は以下であり(化合物は、国際標準化機構(ISO)による「一般名」または化学名または慣用的なコード番号によって記載される)、酸、塩、エステルなどの適用可能な全ての形態、または立体異性体および光学異性体などの異性体などの修飾を常に含む。一例として、少なくとも1つの適用可能な形態および/または修正が言及され得る。
【0086】
一般名によって本明細書に指定される有効成分は公知であり、例えば、The Pesticide Manual(第16版、British Crop Protection Council)に記載されている、またはインターネット上で検索することができる(例えば、www.alanwood.net/pesticides)。
【0087】
化合物(A)または化合物(B)が互変異性型で存在し得る場合、このような化合物は、上記および下記において、該当する場合、各場合でこれらが具体的に言及されていない場合も、対応する互変異性型も含むと理解される。
【0088】
その官能基がこれを可能にするのであれば、クラス(1)~(15)の全ての指定された混合パートナーが、場合により適切な塩基または酸と塩を形成することができる。
【0089】
1)エルゴステロール生合成の阻害剤、例えば(1.001)シプロコナゾール、(1.002)ジフェノコナゾール、(1.003)エポキシコナゾール、(1.004)フェンヘキサミド、(1.005)フェンプロピジン、(1.006)フェンプロピモルフ、(1.007)フェンピラザミン、(1.008)フルキンコナゾール、(1.009)フルトリアホル、(1.010)イマザリル、(1.011)硫酸イマザリル、(1.012)イプコナゾール、(1.013)メトコナゾール、(1.014)ミクロブタニル、(1.015)パクロブトラゾール、(1.016)プロクロラズ、(1.017)プロピコナゾール、(1.018)プロチオコナゾール、(1.019)ピリソキサゾール、(1.020)スピロキサミン、(1.021)テブコナゾール、(1.022)テトラコナゾール、(1.023)トリアジメノール、(1.024)トリデモルフ、(1.025)トリチコナゾール、(1.026)(1R,2S,5S)-5-(4-クロロベンジル)-2-(クロロメチル)-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール、(1.027)(1S,2R,5R)-5-(4-クロロベンジル)-2-(クロロメチル)-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-シクロペンタノール、(1.028)(2R)-2-(1-クロロシクロプロピル)-4-[(1R)-2,2-ジクロロシクロプロピル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.029)(2R)-2-(1-クロロシクロプロピル)-4-[(1S)-2,2-ジクロロシクロプロピル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.030)(2R)-2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、(1.031)(2S)-2-(1-クロロシクロプロピル)-4-[(1R)-2,2-ジクロロシクロプロピル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.032)(2S)-2-(1-クロロシクロプロピル)-4-[(1S)-2,2-ジクロロシクロプロピル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.033)(2S)-2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、(1.034)(R)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,2-オキサゾール-4-イル](ピリジン-3-イル)メタノール、(1.035)(S)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,2-オキサゾール-4-イル](ピリジン-3-イル)メタノール、(1.036)[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,2-オキサゾール-4-イル](ピリジン-3-イル)メタノール、(1.037)1-({(2R,4S)-2-[2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル}メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.038)1-({(2S,4S)-2-[2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル}メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.039)1-{[3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イルチオシアネート、(1.040)1-{[rel(2R,3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イルチオシアネート、(1.041)1-{[rel(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イルチオシアネート、(1.042)2-[(2R,4R,5R)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.043)2-[(2R,4R,5S)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.044)2-[(2R,4S,5R)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.045)2-[(2R,4S,5S)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.046)2-[(2S,4R,5R)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.047)2-[(2S,4R,5S)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.048)2-[(2S,4S,5R)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.049)2-[(2S,4S,5S)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.050)2-[1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.051)2-[2-クロロ-4-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、(1.052)2-[2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.053)2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.054)2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ペンタン-2-オール、(1.055)メフェントリフルコナゾール、(1.056)2-{[3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.057)2-{[rel(2R,3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.058)2-{[rel(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.059)5-(4-クロロベンジル)-2-(クロロメチル)-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール、(1.060)5-(アリルスルファニル)-1-{[3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.061)5-(アリルスルファニル)-1-{[rel(2R,3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.062)5-(アリルスルファニル)-1-{[rel(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.063)N’-(2,5-ジメチル-4-{[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]スルファニル}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.064)N’-(2,5-ジメチル-4-{[3-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニル]スルファニル}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.065)N’-(2,5-ジメチル-4-{[3-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)フェニル]スルファニル}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.066)N’-(2,5-ジメチル-4-{[3-(ペンタフルオロエトキシ)フェニル]スルファニル}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.067)N’-(2,5-ジメチル-4-{3-[(1,1,2,2-テトラフルオロエチル)スルファニル]フェノキシ}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.068)N’-(2,5-ジメチル-4-{3-[(2,2,2-トリフルオロエチル)スルファニル]フェノキシ}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.069)N’-(2,5-ジメチル-4-{3-[(2,2,3,3-テトラフルオロプロピル)スルファニル]フェノキシ}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.070)N’-(2,5-ジメチル-4-{3-[(ペンタフルオロエチル)スルファニル]フェノキシ}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.071)N’-(2,5-ジメチル-4-フェノキシフェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.072)N’-(4-{[3-(ジフルオロメトキシ)フェニル]スルファニル}-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.073)N’-(4-{3-[(ジフルオロメチル)スルファニル]フェノキシ}-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.074)N’-[5-ブロモ-6-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イルオキシ)-2-メチルピリジン-3-イル]-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.075)N’-{4-[(4,5-ジクロロ-1,3-チアゾール-2イル)オキシ]-2,5-ジメチルフェニル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.076)N’-{5-ブロモ-6-[(1R)-1-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.077)N’-{5-ブロモ-6-[(1S)-1-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.078)N’-{5-ブロモ-6-[(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)オキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.079)N’-{5-ブロモ-6-[(トランス-4-イソプロピルシクロヘキシル)オキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.080)N’-{5-ブロモ-6-[1-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.081)イプフェントリフルコナゾール。
【0090】
2)複合体IまたはIIにおける呼吸鎖の阻害剤、例えば(2.001)ベンゾビンジフルピル、(2.002)ビキサフェン、(2.003)ボスカリド、(2.004)カルボキシン、(2.005)フルオピラム、(2.006)フルトラニル、(2.007)フラキサピロキサド、(2.008)フラメトピル、(2.009)イソフェタミド、(2.010)イソピラザム(アンチエピマーエナンチオマー1R,4S,9S)、(2.011)イソピラザム(アンチエピマーエナンチオマー1S,4R,9R)、(2.012)イソピラザム(アンチエピマーラセミ体1RS,4SR,9SR)、(2.013)イソピラザム(シンエピマーラセミ体1RS,4SR,9RSとアンチエピマーラセミ体1RS,4SR,9SRの混合物)、(2.014)イソピラザム(シンエピマーエナンチオマー1R,4S,9R)、(2.015)イソピラザム(シンエピマーエナンチオマー1S,4R,9S)、(2.016)イソピラザム(シンエピマーラセミ体1RS,4SR,9RS)、(2.017)ペンフルフェン、(2.018)ペンチオピラド、(2.019)ピジフルメトフェン、(2.020)ピラジフルミド、(2.021)セダキサン、(2.022)1,3-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.023)1,3-ジメチル-N-[(3R)-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.024)1,3-ジメチル-N-[(3S)-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.025)1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-N-[2’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-2-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.026)2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)-N-(1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル)ベンズアミド、(2.027)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.028)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(3R)-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.029)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(3S)-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.030)フルインダピル、(2.031)3-(ジフルオロメチル)-N-[(3R)-7-フルオロ-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.032)3-(ジフルオロメチル)-N-[(3S)-7-フルオロ]-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.033)5,8-ジフルオロ-N-[2-(2-フルオロ-4-{[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}フェニル)エチル]キナゾリン-4-アミン、(2.034)N-(2-シクロペンチル-5-フルオロベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.035)N-(2-tert-ブチル-5-メチルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.036)N-(2-tert-ブチルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.037)N-(5-クロロ-2-エチルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.038)N-(5-クロロ-2-イソプロピルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.039)N-[(1R,4S)-9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.040)N-[(1S,4R)-9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.041)N-[1-(2,4-ジクロロフェニル)-1-メトキシプロパン-2-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.042)N-[2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ベンジル]-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.043)N-[3-クロロ-2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ベンジル]-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.044)N-[5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.045)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-N-[5-メチル-2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.046)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(2-フルオロ-6-イソプロピルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.047)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(2-イソプロピル-5-メチルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.048)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(2-イソプロピルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボチオアミド、(2.049)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(2-イソプロピルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.050)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(5-フルオロ-2-イソプロピルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.051)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-N-(2-エチル-4,5-ジメチルベンジル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.052)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-N-(2-エチル-5-フルオロベンジル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.053)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-N-(2-エチル-5-メチルベンジル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.054)N-シクロプロピル-N-(2-シクロプロピル-5-フルオロベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.055)N-シクロプロピル-N-(2-シクロプロピル-5-メチルベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.056)N-シクロプロピル-N-(2-シクロプロピルベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.057)ピラプロポイン。
【0091】
3)複合体IIIにおける呼吸鎖の阻害剤、例えば(3.001)アメトクトラジン、(3.002)アミスルブロム、(3.003)アゾキシストロビン、(3.004)クメトキシストロビン、(3.005)クモキシストロビン、(3.006)シアゾファミド、(3.007)ジモキシストロビン、(3.008)エノキサストロビン、(3.009)ファモキサドン、(3.010)フェナミドン、(3.011)フルフェノキシストロビン、(3.012)フルオキサストロビン、(3.013)クレソキシム-メチル、(3.014)メトミノストロビン、(3.015)オリサストロビン、(3.016)ピコキシロストロビン、(3.017)ピラクロストロビン、(3.018)ピラメトストロビン、(3.019)ピラオキシストロビン、(3.020)トリフロキシストロビン、(3.021)(2E)-2-{2-[({[(1E)-1-(3-{[(E)-1-フルオロ-2-フェニルビニル]オキシ}フェニル)エチリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}-2-(メトキシイミノ)-N-メチルアセトアミド、(3.022)(2E,3Z)-5-{[1-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]オキシ}-2-(メトキシイミノ)-N,3-ジメチルペンタ-3-エナミド、(3.023)(2R)-2-{2-[(2,5-ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル}-2-メトキシ-N-メチルアセトアミド、(3.024)(2S)-2-{2-[(2,5-ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル}-2-メトキシ-N-メチルアセトアミド、(3.025)(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[({3-[(イソブチリルオキシ)メトキシ]-4-メトキシピリジン-2-イル}カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート、(3.026)マンデストロビン、(3.027)N-(3-エチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル)-3-ホルムアミド-2-ヒドロキシベンズアミド、(3.028)(2E,3Z)-5-{[1-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]オキシ}-2-(メトキシイミノ)-N,3-ジメチルペンタ-3-エンアミド、(3.029)メチル{5-[3-(2,4-ジメチルフェニル)-1H-ピラゾール-1-イル]-2-メチルベンジル}カルバメート、(3.030)メチルテトラプロール、(3.031)フロリルピコキサミド。
【0092】
4)有糸分裂および細胞分裂の阻害剤、例えば(4.001)カルベンダジム、(4.002)ジエトフェンカルブ、(4.003)エタボキサム、(4.004)フルオピコリド、(4.005)ペンシクロン、(4.006)チアベンダゾール、(4.007)チオファネート-メチル、(4.008)ゾキサミド、(4.009)3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-5-フェニルピリダジン、(4.010)3-クロロ-5-(4-クロロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチルピリダジン、(4.011)3-クロロ-5-(6-クロロピリジン-3-イル)-6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリダジン、(4.012)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.013)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-ブロモ-6-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.014)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-ブロモフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.015)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.016)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-クロロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.017)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.018)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.019)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.020)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-クロロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.021)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.022)4-(4-クロロフェニル)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-3,6-ジメチルピリダジン、(4.023)N-(2-ブロモ-6-フルオロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.024)N-(2-ブロモフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.025)N-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン。
【0093】
5)多部位作用を有することができる化合物、例えば(5.001)ボルドー混合物、(5.002)カプタホール、(5.003)キャプタン、(5.004)クロロタロニル、(5.005)水酸化銅、(5.006)ナフテン酸銅、(5.007)酸化銅、(5.008)オキシ塩化銅、(5.009)硫酸銅(2+)、(5.010)ジチアノン、(5.011)ドジン、(5.012)フォルペット、(5.013)マンコゼブ、(5.014)マネブ、(5.015)メチラム、(5.016)メチラム亜鉛、(5.017)オキシン-銅、(5.018)プロピネブ、(5.019)多硫化カルシウムを含む硫黄および硫黄調製物、(5.020)チラム、(5.021)ジネブ、(5.022)ジラム、(5.023)6-エチル-5,7-ジオキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3’,4’:5,6][1,4]ジチイノ[2,3-c][1,2]チアゾール-3-カルボニトリル。
【0094】
6)宿主防御を誘導することができる化合物、例えば、(6.001)アシベンゾラル-S-メチル、(6.002)イソチアニル、(6.003)プロベナゾール、(6.004)チアジニル。
【0095】
7)アミノ酸および/またはタンパク質生合成の阻害剤、例えば(7.001)シプロジニル、(7.002)カスガマイシン、(7.003)カスガマイシン塩酸塩水和物、(7.004)オキシテトラサイクリン、(7.005)ピリメタニル、(7.006)3-(5-フルオロ-3,3,4,4-テトラメチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1-イル)キノリン。
【0096】
8)ATP産生の阻害剤、例えば(8.001)シルチオファム。
【0097】
9)細胞壁合成の阻害剤、例えば(9.001)ベンチアバリカルブ、(9.002)ジメトモルフ、(9.003)フルモルフ、(9.004)イプロバリカルブ、(9.005)マンジプロパミド、(9.006)ピリモルフ、(9.007)バリフェナレート、(9.008)(2E)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(2-クロロピリジン-4-イル)-1-(モルホリン-4-イル)プロパ-2-エン-1-オン、(9.009)(2Z)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(2-クロロピリジン-4-イル)-1-(モルホリン-4-イル)プロパ-2-エン-1-オン。
【0098】
10)脂質および膜合成の阻害剤、例えば(10.001)プロパモカルブ、(10.002)プロパモカルブ塩酸塩、(10.003)トルクロホスメチル。
【0099】
11)メラニン生合成の阻害剤、例えば(11.001)トリシクラゾール、(11.002)2,2,2-トリフルオロエチル{3-メチル-1-[(4-メチルベンゾイル)アミノ]ブタン-2-イル}カルバメート。
【0100】
12)核酸合成の阻害剤、例えば(12.001)ベナラキシル、(12.002)ベナラキシル-M(キララキシル)、(12.003)メタラキシル、(12.004)メタラキシル-M(メフェノキサム)。
【0101】
13)シグナル伝達の阻害剤、例えば、(13.001)フルジオキソニル、(13.002)イプロジオン、(13.003)プロシミドン、(13.004)プロキナジド、(13.005)キノキシフェン、(13.006)ビンクロゾリン。
【0102】
14)脱共役剤として作用することができる化合物、例えば、(14.001)フルアジナム、(14.002)メプチルジノキャップ。
【0103】
15)さらなる化合物、例えば(15.001)アブシジン酸、(15.002)ベンチアゾール、(15.003)ベトキサジン、(15.004)カプシマイシン、(15.005)カルボン、(15.006)チノメチオナト、(15.007)クフラネブ、(15.008)シフルフェナミド、(15.009)シモキサニル、(15.010)シプロスルファミド、(15.011)フルチアニル、(15.012)ホセチル-アルミニウム、(15.013)ホセチル-カルシウム、(15.014)ホセチル-ナトリウム、(15.015)メチルイソチオシアネート、(15.016)メトラフェノン、(15.017)ミルジオマイシン、(15.018)ナタマイシン、(15.019)ニッケルジメチルジチオカルバメート、(15.020)ニトロタル-イソプロピル、(15.021)オキサモカルブ、(15.022)オキサチアピプロリン、(15.023)オキシフェンチイン、(15.024)ペンタクロロフェノールおよび塩、(15.025)亜リン酸およびその塩、(15.026)プロパモカルブ-フォセチレート、(15.027)ピリオフェノン(クラザフェノン)、(15.028)テブフロキン、(15.029)テクロフタラム、(15.030)トルニファニド、(15.031)1-(4-{4-[(5R)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル)-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、(15.032)1-(4-{4-[(5S)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル)-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、(15.033)2-(6-ベンジルピリジン-2-イル)キナゾリン、(15.034)ジピメチトロン、(15.035)2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-[4-(4-{5-[2-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ)-1,2-オキサゾール-3-イル}-1,3-チアゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]エタノン、(15.036)2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-[4-(4-{5-[2-クロロ-6-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}-1,3-チアゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]エタノン、(15.037)2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-[4-(4-{5-[2-フルオロ-6-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}-1,3-チアゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]エタノン、(15.038)2-[6-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-5-メチルピリジン-2-イル]キナゾリン、(15.039)2-{(5R)-3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}-3-クロロフェニルメタンスルホネート、(15.040)2-{(5S)-3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}-3-クロロフェニルメタンスルホネート、(15.041)イプフルフェノキン、(15.042)2-{2-フルオロ-6-[(8-フルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]フェニル}プロパン-2-オール、(15.043)2-{3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}-3-クロロフェニルメタンスルホネート、(15.044)2-{3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}フェニルメタンスルホネート、(15.045)2-フェニルフェノールおよび塩、(15.046)3-(4,4,5-トリフルオロ-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1-イル)キノリン、(15.047)キノフメリン、(15.048)4-アミノ-5-フルオロピリミジン-2-オール(互変異性型:4-アミノ-5-フルオロピリミジン-2(1H))-オン)、(15.049)4-オキソ-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]ブタン酸、(15.050)5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール、(15.051)5-クロロ-N’-フェニル-N’-(プロパ-2-イン-1-イル)チオフェン-2-スルホノヒドラジド、(15.052)5-フルオロ-2-[(4-フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン-4-アミン、(15.053)5-フルオロ-2-[(4-メチルベンジル)オキシ]ピリミジン-4-アミン、(15.054)9-フルオロ-2,2-ジメチル-5-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサゼピン、(15.055)ブタ-3-イン-1-イル{6-[({[(Z)-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]ピリジン-2-イル}カルバメート、(15.056)エチル(2Z)-3-アミノ-2-シアノ-3-フェニルアクリレート、(15.057)フェナジン-1-カルボン酸、(15.058)プロピル3,4,5-トリヒドロキシベンゾエート、(15.059)キノリン-8-オール、(15.060)キノリン-8-オールサルフェート(2:1)、(15.061)tert-ブチル{6-[({[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]ピリジン-2-イル}カルバメート、(15.062)5-フルオロ-4-イミノ-3-メチル-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-3,4-ジヒドロピリミジン-2(1H)-オン、(15.063)アミノピリフェン。
【0104】
薬害軽減剤:
以下の化合物の群が、例えば、薬害軽減剤と見なされる:
【0105】
S1)複素環カルボン酸誘導体の群の化合物:
S1a)ジクロロフェニルピラゾリン-3-カルボン酸の型の化合物(S1a)、好ましくは
1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-1)(「メフェンピル(-ジエチル)」)、および国際公開第91/07874号パンフレットに記載される関連化合物などの化合物;
S1b)ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体(S1b)、好ましくは、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-メチルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-2)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-3)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(1,1-ジメチルエチル)ピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-4)および欧州特許第333131号明細書および欧州特許第269806号明細書に記載される関連化合物などの化合物;
S1c)1,5-ジフェニルピラゾール-3-カルボン酸の誘導体(S1c)、好ましくは1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-5)、1-(2-クロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸メチル(S1-6)および例えば欧州特許第268554号明細書に記載される関連化合物などの化合物;
S1d)トリアゾールカルボン酸の型の化合物(S1d)、好ましくはフェンクロラゾール(-エチル)、すなわち、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-トリクロロメチル-(1H)-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸エチル(S1-7)、ならびに欧州特許第174562号明細書および欧州特許第346620号明細書に記載される関連化合物などの化合物;
S1e)5-ベンジル-または5-フェニル-2-イソキサゾリン-3-カルボン酸または5,5-ジフェニル-2-イソキサゾリン-3-カルボン酸の型の化合物(S1e)、好ましくは5-(2,4-ジクロロベンジル)-2-イソキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-8)または5-フェニル-2-イソキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-9)および国際公開第91/08202号パンフレット、または5,5-ジフェニル-2-イソキサゾリンカルボン酸(S1-10)または5,5-ジフェニル-2-イソキサゾリンカルボン酸エチル(S1-11)(「イソキサジフェン-エチル」)または5,5-ジフェニル-2-イソキサゾリンカルボン酸n-プロピル(S1-12)または特許出願の国際公開第95/07897号パンフレットに記載される5-(4-フルオロフェニル)-5-フェニル-2-イソキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-13)などの化合物。
【0106】
S2)8-キノリンオキシ誘導体の群の化合物(S2):
S2a)8-キノリンオキシ酢酸の型の化合物(S2a)、好ましくは1-メチルヘキシル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(一般名「クロキントセット-メキシル」)(S2-1)、
1,3-ジメチルブタ-1-イル(5-クロロ-8-キノリノキシ)アセテート(S2-2)、
4-アリルオキシブチル(5-クロロ-8-キノリノキシ)アセテート(S2-3)、
1-アリルオキシプロパ-2-イル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-4)、
エチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-5)、
メチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-6)、
アリル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-7)、
2-(2-プロピリデンイミノキシ)-1-エチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-8)、
2-オキソプロパ-1-イル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)アセテート(S2-9)ならびに、欧州特許第86750号明細書、欧州特許第94349号明細書および欧州特許第191736号明細書または欧州特許第0492366号明細書に記載される関連化合物、さらに(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸(S2-10)、その水和物および塩、例えば国際公開第2002/34048号パンフレットに記載されるそのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、第四級アンモニウム、スルホニウムまたはホスホニウム塩;
S2b)(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸の型の化合物(S2b)、好ましくはジエチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロネート、ジアリル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロネート、メチルエチル(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロネートおよび欧州特許第0582198号明細書に記載される関連化合物などの化合物。
【0107】
S3)出芽前薬害軽減剤(土壌作用性薬害軽減剤)として頻繁に使用されている、ジクロロアセトアミドの型の活性化合物(S3)、例えば
「ジクロルミド」(N,N-ジアリル-2,2-ジクロロアセトアミド)(S3-1)、
Stauffer社製「R-29148」(3-ジクロロアセチル-2,2,5-トリメチル-1,3-オキサゾリジン)(S3-2)、
Stauffer社製「R-28725」(3-ジクロロアセチル-2,2-ジメチル-1,3-オキサゾリジン)(S3-3)、
「ベノキサコール」(4-ジクロロアセチル-3,4-ジヒドロ-3-メチル-2H-1,4-ベンゾキサジン)(S3-4)、
PPG Industries社製「PPG-1292」(N-アリル-N-[(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチル]ジクロロアセトアミド)(S3-5)、
Sagro-Chem社製「DKA-24」(N-アリル-N-[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド)(S3-6)、
NitrokemiaまたはMonsanto社製「AD-67」または「MON 4660」(3-ジクロロアセチル-1-オキサ-3-アザスピロ[4,5]デカン)(S3-7)、
TRI-Chemical RT社製「TI-35」(1-ジクロロアセチルアゼパン)(S3-8)、
「ジクロノン」(ジシクロノン)または「BAS145138」または「LAB145138」(S3-9)
BASF社製(RS)-1-ジクロロアセチル-3,3,8a-トリメチルペルヒドロピロロ[1,2-a]ピリミジン-6-オン、
「フリラゾール」または「MON 13900」((RS)-3-ジクロロアセチル-5-(2-フリル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン)(S3-10)、およびまたその(R)異性体(S3-11)。
【0108】
S4)アシルスルホンアミドのクラスの化合物(S4):
S4a)国際公開第97/45016号パンフレットに記載される式(S4a)のN-アシルスルホンアミドおよびその塩、
【化2】
〔式中、
RA 1は、(C1~C6)-アルキルまたは(C3~C6)-シクロアルキルであり、これらの2つのラジカルは、ハロゲン、(C1~C4)-アルコキシ、ハロ-(C1~C6)-アルコキシおよび(C1~C4)-アルキルチオからなる群のvA置換基によって置換されており、環状ラジカルの場合には、(C1~C4)-アルキルおよび(C1~C4)-ハロアルキルによっても置換されており;
RA 2は、ハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシ、CF3であり;
mAは、1または2であり;
vDは、0、1、2または3である〕;
S4b)国際公開第99/16744号パンフレットに記載される式(S4b)の4-(ベンゾイルスルファモイル)ベンズアミドの型の化合物およびその塩
【化3】
〔式中、
RB 1、RB 2は、互いに独立に、水素、(C1~C6)-アルキル、(C3~C6)-シクロアルキル、(C3~C6)-アルケニル、(C3~C6)-アルキニルであり、
RB 3は、ハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキルまたは(C1~C4)-アルコキシであり、
mBは、1または2である〕、
例えば、
RB 1がシクロプロピルであり、RB 2が水素であり、(RB 3)が2-OMeである(「シプロスルファミド」、S4-1)、
RB 1がシクロプロピルであり、RB 2が水素であり、(RB 3)が5-Cl-2-OMeである(S4-2)、
RB 1がエチルであり、RB 2が水素であり、(RB 3)が2-OMeである(S4-3)、
RB 1がイソプロピルであり、RB 2が水素であり、(RB 3)が5-Cl-2-OMeである(S4-4)、および
RB 1がイソプロピルであり、RB 2が水素であり、(RB 3)が2-OMeである(S4-5)、
化合物、およびその塩;
S4c)欧州特許第365484号明細書に記載される式(S4c)のベンゾイルスルファモイルフェニルウレアのクラスの化合物、
【化4】
〔式中、
RC 1、RC 2は互いに独立に、水素、(C1~C8)-アルキル、(C3~C8)-シクロアルキル、(C3~C6)-アルケニル、(C3~C6)-アルキニルであり、
RC 3は、ハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシ、CF3であり、
mCは、1または2である〕;
例えば
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチルウレア(「メトカミフェン」、S4-6)、
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3,3-ジメチルウレア、
1-[4-(N-4,5-ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチルウレア;
S4d)例えば、中国特許第101838227号明細書から公知の、式(S4d)のN-フェニルスルホニルテレフタルアミドの型の化合物およびその塩、
【化5】
〔式中、
RD 4は、ハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-アルコキシまたはCF3であり;
mDは、1または2であり;
RD 5は、水素、(C1~C6)-アルキル、(C3~C6)-シクロアルキル、(C2~C6)-アルケニル、(C2~C6)-アルキニル、(C5~C6)-シクロアルケニルである〕。
【0109】
S5)ヒドロキシ芳香族および芳香族-脂肪族カルボン酸誘導体のクラスの活性化合物(S5)、例えば
国際公開第2004/084631号パンフレット、国際公開第2005/015994号パンフレット、国際公開第2005/016001号パンフレットに記載される、エチル3,4,5-トリアセトキシベンゾエート、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシサリチル酸、4-フルオロサリチル酸、2-ヒドロキシケイ皮酸、2,4-ジクロロケイ皮酸。
【0110】
S6)1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オンのクラスの活性化合物(S6)、例えば
国際公開第2005/112630号パンフレットに記載される、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-チオン、1-(2-アミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン塩酸塩、1-(2-メチルスルホニルアミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン。
【0111】
S7)ジフェニルメトキシ酢酸誘導体のクラスの化合物(S7)、例えば国際公開第98/38856号パンフレットに記載される、ジフェニルメトキシ酢酸メチル(CAS登録番号41858-19-9)(S7-1)、ジフェニルメトキシ酢酸エチルまたはジフェニルメトキシ酢酸。
【0112】
S8)国際公開第98/27049号パンフレットに記載される、式(S8)の化合物、
【化6】
〔式中、
記号および添え字は、以下の意味を有する:
RD 1は、ハロゲン、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルコキシであり、
RD 2は、水素または(C1~C4)-アルキルであり、
RD 3は、水素、(C1~C8)-アルキル、(C2~C4)-アルケニル、(C2~C4)-アルキニルまたはアリール(上記炭素含有ラジカルの各々は、非置換であるか、あるいは、ハロゲンおよびアルコキシからなる群の、1または複数の、好ましくは3個までの同一または異なるラジカルによって置換されている);またはその塩であり、
nDは、0~2の整数である〕。
【0113】
S9)3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロンのクラスの活性化合物(S9)、例えば
国際公開第1999/000020号パンフレットに記載される、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-エチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS登録番号219479-18-2)、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS登録番号95855-00-8)。
【0114】
S10)国際公開第2007/023719号パンフレットおよび国際公開第2007/023764号パンフレットに記載される、式(S10a)または(S10b)の化合物
【化7】
(式中、
RE 1はハロゲン、(C1~C4)-アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF3、OCF3であり、
YE、ZEは互いに独立に、OまたはSであり、
nEは0~4の整数であり、
RE 2は(C1~C16)-アルキル、(C2~C6)-アルケニル、(C3~C6)-シクロアルキル、アリール;ベンジル、ハロベンジルであり、
RE 3は水素または(C1~C6)-アルキルである)。
【0115】
S11)種子粉衣剤として知られる、オキシイミノ化合物の型の活性化合物(S11)、例えば
メトラクロール損傷に対するキビの種子粉衣薬害軽減剤として知られる、「オキサベトリニル」((Z)-1,3-ジオキソラン-2-イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-1)、
メトラクロール損傷に対するキビの種子粉衣薬害軽減剤として知られる、「フルキソフェニム」(1-(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-1-エタノンO-(1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)オキシム)(S11-2)、および
メトラクロール損傷に対するキビの種子粉衣薬害軽減剤として知られる、「シオメトリニル」または「CGA-43089」((Z)-シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-3)。
【0116】
S12)イソチオクロマノンのクラスの活性化合物(S12)、例えばメチル[(3-オキソ-1H-2-ベンゾチオピラン-4(3H)-イリデン)メトキシ]アセテート(CAS登録番号205121-04-6)(S12-1)および国際公開第1998/13361号パンフレットの関連化合物。
【0117】
S13)群(S13)の1つまたは複数の化合物:
チオカルバメート系除草剤損傷に対するトウモロコシの種子粉衣薬害軽減剤として知られる、「ナフタル酸無水物」(1,8-ナフタレンジカルボン酸無水物)(S13-1)、
播種したイネのプレチラクロールの薬害軽減剤として公知の、「フェンクロリム」(4,6-ジクロロ-2-フェニルピリミジン)(S13-2)、
アラクロールおよびメトラクロール損傷に対するキビの種子粉衣薬害軽減剤として公知の、「フルラゾール」(ベンジル2-クロロ-4-トリフルオロメチル-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート)(S13-3)、
「CL 304415」(CAS登録番号31541-57-8)
イミダゾリノン損傷に対するトウモロコシの薬害軽減剤として公知の、American Cyanamid製の(4-カルボキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-酢酸)(S13-4)、
トウモロコシの薬害軽減剤として公知の、Nitrokemia製の「MG 191」(CAS登録番号96420-72-3)(2-ジクロロメチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン)(S13-5)、
「MG 838」(CAS登録番号133993-74-5)
Nitrokemia製(2-プロペニル1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン-4-カルボジチオエート)(S13-6)、
「ジスルホトン」(O,O-ジエチルS-2-エチルチオエチルホスホロジチオエート)(S13-7)、
「ジエトレート」(O,O-ジエチルO-フェニルホスホロチオエート)(S13-8)、
「メフェネート」(4-クロロフェニルメチルカルバメート)(S13-9)。
【0118】
S14)有害植物に対する除草効果に加えて、イネなどの作物植物に対する薬害軽減剤効果も有する活性化合物、例えば、モリネート除草剤損傷に対するイネの薬害軽減剤として知られる、「ジメピペレート」または「MY 93」(S-1-メチル1-フェニルエチルピペリジン-1-カルボチオエート)、
イマゾスルフロン除草剤損傷に対するイネの薬害軽減剤として知られる、「ダイムロン」または「SK 23」(1-(1-メチル-1-フェニルエチル)-3-p-トリル尿素)、
ある除草剤損傷に対するイネの薬害軽減剤として知られる、「クミルロン」=「JC 940」(3-(2-クロロフェニルメチル)-1-(1-メチル-1-フェニルエチル)尿素、特開昭60087254号明細書参照)、
ある除草剤損傷に対するイネの薬害軽減剤として知られる、「メトキシフェノン」または「NK 049」(3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン)、
イネのある除草剤損傷に対する薬害軽減剤として知られる、Kumiai製の「CSB」(1-ブロモ-4-(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)(CAS登録番号54091-06-4)。
【0119】
S15)国際公開第2008/131861号パンフレットおよび国際公開第2008/131860号パンフレットに記載される、
式(S15)の化合物またはその互変異性体
【化8】
(式中、
RH 1は(C1~C6)-ハロアルキルであり、
RH 2は水素またはハロゲンであり、
RH 3、RH 4は互いに独立に、水素、(C1~C16)-アルキル、(C2~C16)-アルケニルまたは(C2~C16)-アルキニル、
(最後に挙げた3つの基の各々は非置換である、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルコキシ、(C1~C4)-アルキルチオ、(C1~C4)-アルキルアミノ、ジ[(C1~C4)-アルキル]アミノ、[(C1~C4)-アルコキシ]カルボニル、[(C1~C4)-ハロアルコキシ]カルボニル、非置換もしくは置換(C3~C6)-シクロアルキル、非置換もしくは置換フェニル、および非置換もしくは置換ヘテロシクリルからなる群の1つもしくは複数の基によって置換されている)、
または(C3~C6)-シクロアルキル、(C4~C6)-シクロアルケニル、環の片側で4~6員飽和もしくは不飽和炭素環式環と縮合した(C3~C6)-シクロアルキル、または環の片側で4~6員飽和もしくは不飽和炭素環式環と縮合した(C4~C6)-シクロアルケニル
(最後に挙げた4つの基の各々は、非置換である、またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルコキシ、(C1~C4)-アルキルチオ、(C1~C4)-アルキルアミノ、ジ[(C1~C4)-アルキル]アミノ、[(C1~C4)-アルコキシ]カルボニル、[(C1~C4)-ハロアルコキシ]カルボニル、非置換もしくは置換(C3~C6)-シクロアルキル、非置換もしくは置換フェニル、および非置換もしくは置換ヘテロシクリルからなる群の1つもしくは複数の基によって置換されている)
である、
あるいは
RH 3は(C1~C4)-アルコキシ、(C2~C4)-アルケニルオキシ、(C2~C6)-アルキニルオキシまたは(C2~C4)-ハロアルコキシであり、
RH 4は水素または(C1~C4)-アルキルである、あるいは
RH 3およびRH 4は、直接結合した窒素原子と一緒になって、N原子に加えて、さらなるヘテロ環原子、好ましくは最大2個のN、OおよびSからなる群のさらなるヘテロ環原子を含有することができ、非置換である、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1~C4)-アルキル、(C1~C4)-ハロアルキル、(C1~C4)-アルコキシ、(C1~C4)-ハロアルコキシおよび(C1~C4)-アルキルチオからなる群の1つもしくは複数の基によって置換された4~8員複素環式環である)。
【0120】
S16)除草剤として主に使用されるが、作物植物に対する薬害軽減剤効果も有する活性化合物、例えば
(2,4-ジクロロフェノキシ)酢酸(2,4-D)、
(4-クロロフェノキシ)酢酸、
(R,S)-2-(4-クロロ-o-トリルオキシ)プロピオン酸(メコプロップ)、
4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB)、
(4-クロロ-o-トリルオキシ)酢酸(MCPA)、
4-(4-クロロ-o-トリルオキシ)酪酸、
4-(4-クロロフェノキシ)酪酸、
3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、
1-(エトキシカルボニル)エチル3,6-ジクロロ-2-メトキシベンゾエート(ラクチジクロル-エチル)。
【0121】
生物学的防除剤:
本明細書で使用される場合、「生物学的防除」は、第2の生物の使用による病原体および/または昆虫および/またはダニおよび/または線虫の防除として定義される。生物学的防除の公知の機序には、根の表面の空間をめぐって真菌を打ち負かすことによって根腐れを制御する腸内細菌が含まれる。抗生物質などの細菌毒素が、病原体を制御するために使用されてきた。毒素を単離して植物に直接施用することができる、または細菌種を投与して、その場で毒素を産生させることができる。
【0122】
生物学的防除剤には、特に細菌、真菌または酵母、原生動物、ウイルス、昆虫病原性線虫、接種材料および植物成分および/またはそれぞれの株の全ての識別特性を有するそれらの変異体、ならびに/あるいは昆虫、ダニ、線虫および/または植物病原体に対して活性を示すそれぞれの株によって産生される代謝産物が含まれる。
【0123】
本発明によると、「細菌」という用語で要約される生物学的防除剤には、胞子形成、根定着細菌、または生物的殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤もしくは殺真菌剤、または植物の健康および成長を改善する土壌改良剤として有用な細菌およびその代謝産物が含まれる。
【0124】
本発明による生物学的防除剤は、良好な植物耐容性および好都合な温血動物に対する毒性および環境によって十分に耐容性であることと組み合わせると、植物および植物器官を保護するため、収穫物収量を増加させるため、収穫された材料の品質を改善するため、ならびに貯蔵製品および材料の保護においてならびに衛生部門において、農業、園芸、畜産、森林、庭園およびレジャー施設において遭遇する動物有害生物、特に昆虫、クモ、蠕虫、線虫および軟体動物を防除するために適している。これらを、好ましくは、植物保護剤として利用することができる。これらは、通常感受性および耐性の種に対して、また発達の全段階またはいくつかの段階に対して活性である。生物学的防除剤には、特に細菌、真菌または酵母、原生動物、ウイルス、昆虫病原性線虫、タンパク質または二次代謝産物を含む微生物によって産生される産物、および植物成分、特に植物抽出物が含まれる。
【0125】
本発明によると、生物学的防除剤は、活動または休眠などの任意の生理学的状態で利用または使用することができる。
【0126】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
「一般名」によって本明細書に指定される有効成分は公知であり、例えば、Pesticide Manual(「The Pesticide Manual」、第14版、British Crop Protection Council 2006)に記載されている、またはインターネット上で検索することができる(例えば、http://www.alanwood.net/pesticides)。
【0127】
(1)アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤、例えばカルバメート、例えばアラニルカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フォルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メトミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMCおよびキシリルカルブ;または有機リン酸エステル、例えばアセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、デメトン-S-メチル、ジアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホテン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファンファー、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イミシアホス、イソフェンホス、イソプロピルO-(メトキシアミノチオホスホリル)サリチレート、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノフォス、プロペタムホス、プロチオフォス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホンおよびバミドチオン。
【0128】
(2)GABA作動性塩化物チャネルアンタゴニスト、例えばシクロジエン-有機塩素、例えばクロルデンおよびエンドスルファン、またはフェニルピラゾール(フィプロール)、例えば、エチプロールおよびフィプロニル。
【0129】
(3)ナトリウムチャネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャネル遮断剤、例えばピレスロイド、例えばアクリナトリン、アレスリン、d-シス-トランスアレスリン、d-トランスアレスリン、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオアレトリンS-シクロペンテニル異性体、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、β-シフルトリン、シハロトリン、λ-シハロトリン、γ-シハロトリン、シペルメトリン、α-シペルメトリン、β-シペルメトリン、θ-シペルメトリン、ζ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス異性体]、デルタメトリン、エンペントリン[(EZ)-(1R)異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、τ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロスリン、カデスリン、モンフルオロトリン、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)-トランス異性体]、プラレトリン、ピレトリン(除虫菊)、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン、テトラメトリン[(1R)異性体]、トラロメトリンおよびトランスフルトリンまたはDDTまたはメトキシクロル。
【0130】
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニスト、例えばネオニコチノイド、例えばアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリドおよびチアメトキサム、またはニコチンまたはスルホキサフロールまたはフルピラジフロン。
【0131】
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリック活性化剤、例えば、スピノシン、例えばスピネトラムおよびスピノサド。
【0132】
(6)塩化物チャネル活性化剤、例えばアベルメクチン/ミルベマイシン、例えばアバメクチン、エマメクチンベンゾエート、レピメクチンおよびミルベメクチン。
【0133】
(7)幼若ホルモン模倣剤、例えば幼若ホルモン類似体、例えばヒドロプレン、キノプレンおよびメトプレンまたはフェノキシカルブまたはピリプロキシフェン。
【0134】
(8)種々の非特異的(マルチサイト)阻害剤、例えばハロゲン化アルキル、例えば臭化メチルおよび他のハロゲン化アルキル;またはクロルピクリンまたはフッ化スルフリルまたはホウ砂または吐酒石。
【0135】
(9)選択的同翅類摂食遮断剤、例えばピメトロジンまたはフロニカミド。
【0136】
(10)ダニ成長阻害剤、例えばクロフェンテジン、ヘキシチアゾクスおよびジフルビダジンまたはエトキサゾール。
【0137】
(11)昆虫中腸膜の微生物崩壊剤、例えばバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)亜種イスラエレンシス(israelensis)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)亜種アイザワイ(aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)亜種クルスタキ(kurstaki)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)亜種テネブリオニス(tenebrionis)およびBT作物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry2Ab、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34/35Ab1。
【0138】
(12)ミトコンドリアATPシンターゼの阻害剤、例えば、ジアフェンチウロン、または有機スズ殺ダニ剤
、例えばアゾシクロチン、シヘキサチンおよびフェンブタチンオキシド、またはプロパルギットもしくはテトラジホン。
【0139】
(13)プロトン勾配の崩壊を介した酸化的リン酸化の脱共役剤、例えばクロルフェナピル、DNOCおよびスルフルラミド。
【0140】
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)チャネル遮断薬、例えばベンスルタップ、カルタップ塩酸塩、チオシラムおよびチオスルタップナトリウム。
【0141】
(15)キチン生合成の阻害剤、0型、例えばビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロンおよびトリフルムロン。
【0142】
(16)キチン生合成の阻害剤、1型、例えばブプロフェジン。
【0143】
(17)脱皮阻害剤、例えばシロマジン。
【0144】
(18)エクジソン受容体アゴニスト、例えばクロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジドおよびテブフェノジド。
【0145】
(19)オクトパミン受容体アゴニスト、例えば、アミトラズ。
【0146】
(20)ミトコンドリア複合体III電子伝達阻害剤、例えば、ヒドラメチルノンまたはアセキノシルまたはフルアクリトリピリム。
【0147】
(21)ミトコンドリア複合体I電子伝達阻害剤、例えばMETI殺ダニ剤、例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラドおよびトルフェンピラドまたはロテノン(Derris)。
【0148】
(22)電位依存性ナトリウムチャネル遮断薬、例えばインドキサカルブまたはメタフルミゾン。
【0149】
(23)アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害剤、例えば、テトロン酸誘導体およびテトラミン酸誘導体、例えばスピロブジクロフェン(Spirobudiclofen)、スピロジクロフェン、スピロメシフェンおよびスピロテトラマト。
【0150】
(24)ミトコンドリア複合体IV電子伝達阻害剤、例えばホスフィン、例えば、リン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィンおよびリン化亜鉛またはシアン化亜鉛。
【0151】
(25)ミトコンドリア複合体II電子伝達阻害剤、例えば、シエノピラフェンおよびシフルメトフェン。
【0152】
(28)リアノジン受容体モジュレーター、例えばジアミド、例えばクロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、フルベンジアミドおよびテトラクロロアントラニリプロール。
【0153】
未知のまたは不確実な作用機序を有するさらなる有効成分、例えば、アフィドピロペン、アホクソラナー、アザジラクチン、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロフラニリド、ブロモプロピレート、キノメチオネート、氷晶石、シクラニリプロール、シクロキサプリド、シハロジアミド、ジクロロメゾチアズ、ジコホル、ジフロビダジン、フロメトキン、フルアザインドリジン、フルエンスルホン、フルフェネリム、フルフェノキシストロビン、フルフィプロール、フルヘキサホン、フルオピラム、フルララネル、フルキサメタミド、フフェノジド、グアジピル、ヘプタフルトリン、イミダクロチズ、イプロジオン、ロチラナー、メパーフルトリン、パイコンジン(paichongding)、ピフルブミド、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、サロラネル、テトラメチルフルトリン(tetramethylfluthrin)、テトラニリプロール、テトラクロラントラニリプロール、チオキサザフェン、チオフルオキシメート(Thiofluoximate)、トリフルメゾピリムおよびヨードメタン;さらにバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)(それだけに限らないが、菌株CNCM I-1582、例えばVOTiVO(商標)、BioNemを含む)に基づく産物または以下の既知の活性化合物の1つ:1-{2-フルオロ-4-メチル-5-[(2,2,2-トリフルオロエチル)スルフィニル]フェニル}-3-(トリフルオロメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-アミン(国際公開第2006/043635号パンフレットから既知)、{1’-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-エン-1-イル]-5-フルオロスピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1(2H)-イル}(2-クロロピリジン-4-イル)メタノン(国際公開第2003/106457号パンフレットから既知)、2-クロロ-N-[2-{1-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-エン-1-イル]ピペリジン-4-イル}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]イソニコチンアミド(国際公開第2006/003494号パンフレットから既知)、3-(2,5-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシ-8-メトキシ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-2-オン(国際公開第2009/049851号パンフレットから既知)、3-(2,5-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-2-オキソ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-4-イルエチルカルボネート(国際公開第2009/049851号パンフレットから既知)、4-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-6-(3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)-5-フルオロピリミジン(国際公開第2004/099160号パンフレットから既知)、4-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-6-(3-クロロフェニル)ピリミジン(国際公開第2003/076415号パンフレットから既知)、PF1364(CAS登録番号1204776-60-2)、メチル2-[2-({[3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)-5-クロロ-3-メチルベンゾイル]-2-メチルヒドラジンカルボキシレート(国際公開第2005/085216号パンフレット)、メチル2-[2-({[3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)-5-シアノ-3-メチルベンゾイル]-2-エチルヒドラジンカルボキシレート(国際公開第2005/085216号パンフレットから既知)、メチル2-[2-({[3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)-5-シアノ-3-メチルベンゾイル]-2-メチルヒドラジンカルボキシレート(国際公開第2005/085216号パンフレットから既知)、メチル2-[3,5-ジブロモ-2-({[3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)ベンゾイル]-2-エチルヒドラジンカルボキシレート(国際公開第2005/085216号パンフレットから既知)、N-[2-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-クロロ-6-メチルフェニル]-3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(中国特許第102057925号明細書から既知)、8-クロロ-N-[(2-クロロ-5-メトキシフェニル)スルホニル]-6-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボキサミド(国際公開第2009/080250号パンフレットから既知)、N-[(2E)-1-[(6-クロロピリジン-3-イル)メチル]ピリジン-2(1H)-イリデン]-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(国際公開第2012/029672号パンフレットから既知)、1-[(2-クロロ-1,3-チアゾール-5-イル)メチル]-4-オキソ-3-フェニル-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-1-イウム-2-オレート(国際公開第2009/099929号パンフレットから既知)、1-[(6-クロロピリジン-3-イル)メチル]-4-オキソ-3-フェニル-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-1-イウム-2-オレート(国際公開第2009/099929号パンフレットから既知)、4-(3-{2,6-ジクロロ-4-[(3,3-ジクロロプロパ-2-エン-1-イル)オキシ]フェノキシ}プロポキシ)-2-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン(中国特許第101337940号明細書から既知)、N-[2-(tert-ブチルカルバモイル)-4-クロロ-6-メチルフェニル]-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-3-(フルオロメトキシ)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(国際公開第2008/134969号パンフレットから既知)、ブチル[2-(2,4-ジクロロフェニル)-3-オキソ-4-オキサスピロ[4.5]デカ-1-エン-1-イル]カルボネート(中国特許第102060818号明細書から既知)、3E)-3-[1-[(6-クロロ-3-ピリジル)メチル]-2-ピリジリデン]-1,1,1-トリフルオロ-プロパン-2-オン(国際公開第2013/144213号パンフレットから既知)、N-(メチルスルホニル)-6-[2-(ピリジン-3-イル)-1,3-チアゾール-5-イル]ピリジン-2-カルボキサミド(国際公開第2012/000896号パンフレットから既知)、N-[3-(ベンジルカルバモイル)-4-クロロフェニル]-1-メチル-3-(ペンタフルオロエチル)-4-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(国際公開第2010/051926号パンフレットから既知)、5-ブロモ-4-クロロ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-(メチルカルバモイル)フェニル]-2-(3-クロロ-2-ピリジル)ピラゾール-3-カルボキサミド(中国特許第103232431号明細書から既知)、チオキサザフェン、4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソキサゾリル]-2-メチル-N-(シス-1-オキシド-3-チエタニル)-ベンズアミド、4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソキサゾリル]-2-メチル-N-(トランス-1-オキシド-3-チエタニル)-ベンズアミドおよび4-[(5S)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソキサゾリル]-2-メチル-N-(シス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミド(国際公開第2013050317号パンフレットから既知)、N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]-プロパンアミド、(+)-N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]-プロパンアミドおよび(-)-N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]-プロパンアミド(国際公開第2013162715号パンフレット、国際公開第2013162716号パンフレット、米国特許出願公開第20140213448号明細書から既知)、5-[[(2E)-3-クロロ-2-プロペン-1-イル]アミノ]-1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル(中国特許第101337937号明細書から既知)、3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)チオキソメチル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(Liudaibenjiaxuanan、中国特許第103109816号明細書から既知);N-[4-クロロ-2-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]-6-メチルフェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-3-(フルオロメトキシ)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(国際公開第2012034403号パンフレットから既知)、N-[2-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-クロロ-6-メチルフェニル]-3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(国際公開第2011085575号パンフレットから既知)、4-[3-[2,6-ジクロロ-4-[(3,3-ジクロロ-2-プロペン-1-イル)オキシ]フェノキシ]プロポキシ]-2-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)-ピリミジン(中国特許第101337940号明細書から既知);(2E)-および2(Z)-2-[2-(4-シアノフェニル)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-N-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-ヒドラジンカルボキサミド(中国特許第101715774号明細書から既知);3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチル-4-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)フェニル-シクロプロパンカルボン酸エステル(中国特許第103524422号明細書から既知);(4aS)-7-クロロ-2,5-ジヒドロ-2-[[(メトキシカルボニル)[4-[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル]アミノ]カルボニル]-インデノ[1,2-e][1,3,4]オキサジアジン-4a(3H)-カルボン酸メチルエステル(中国特許第102391261号明細書から既知)。
【0154】
好ましい活性化合物は、SDH阻害剤、nAChRアゴニスト(ネオニコチノイドを含む)、PDS阻害剤(HRAC F1)およびHPPD阻害剤(HRAC F2)を含むクロロチカ(chlorotica)、ならびにチアジアゾールカルボキサミド/宿主防御誘導物質を含む群から選択される。
【0155】
本発明によるカプセル化のためのより好ましい活性化合物は、フルオピラム、フルピラジフロン、ジフルフェニカン、イソキサフルトール、イミダクロプリドおよびイソチアニルを含む群から選択される。
【0156】
最も好ましい活性化合物はフルオピラム、ジフルフェニカン、イソキサフルトールである。
【0157】
好ましくは、活性物質は室温で固体であり、本出願における室温は、他に定義されていない限り、20℃である。
【0158】
さらに、活性物質は水に不溶性であり、不溶性とは、室温およびpH7で1g/l未満の溶解度を意味する。
【0159】
好ましくは、本出願のカプセル化活性物質または対応する製剤は、双子葉植物、例えば大豆(例えば、FLU、DFF)、トマト(例えば、FLU)、キュウリ(例えば、FLU)およびコショウ、または単子葉植物、例えばトウモロコシ(例えば、IFT)など)または穀物で使用され得る。
【0160】
本発明によるカプセル化活性物質は、以下に記載される3つの代替プロセスによって製造することができる:
【0161】
方法
本発明で別段の記載がない限り、%は重量パーセント(重量%)を指す。
【0162】
定植および成長
種子処理のために、全ての大豆種子を、定植前に24時間乾燥させ、比較のために未処理対照(UTC)およびFLU FS 600(48 w/w%、0.075mg/種子)処理試料と一緒に実行した。
【0163】
温室評価を、1%未満の土壌有機物からなる低温殺菌砂壌土および各処理で最低20回の繰り返しを使用して行った。温室空間および実験サイズに基づいて、1)60セルトレイ、2)30セルトレイおよび6インチの独立型ポットの3つの定植選択肢を利用した。定植前に、6インチのポットを1ポット当たり150 mLの水で濡らし、30および60セルトレイを頭上水源で10秒間灌漑した。その後、2cmの穴を開け、穴ごとに1個の種子を植え、土で覆った。植物を、温度と日長が調整された温室でおよそ21日間栽培した。水は成長期間を通して一定の間隔で均一に供給した。全ての試験で、90%以上の発芽率が示された。
【0164】
単葉の葉が完全に発達したら子葉を収穫し、ハロー効果について分析した。具体的には、全ての試料で単葉の葉が完全に出現し、最初の三葉の葉が存在するが完全には発達していない時に、子葉を取り出して分析した。各子葉の上部をスキャンし、総葉面積、健康な葉面積、およびハロー面積を測定するWinFoliaソフトウェアを使用して分析した。健康な子葉面積とハロー子葉面積の区別は、カラースクリーニング分析を使用して決定し、暗い領域はハロー面積を示し、緑色領域は健康な葉組織を示す。プロセスAからCによって得られた製剤で処理した種子について、0~4の評点システムからなる視覚的ハロー評点システムも利用した。各評点の基準を以下に概説する。
【0165】
図1:最初の三葉の葉が完全に出現した後、WinFoliaソフトウェアを使用して単葉の葉のサイズを分析した。
【0166】
草高を、典型的には、単葉の葉が最初に出現し、成長し始める時であるおよそ7 DAP(定植後日数)、および14 DAPまたは最初の三葉が完全に出現した時に測定した。
【0167】
草冠分析を7~10定植後日数(DAP)に実施して、発育阻止に対する処理の影響を決定した。画像を、モバイル機器で撮影された画像を使用して緑色植生の草冠被覆を定量化するアプリCanopeoを使用して撮影および分析した。画像は、試料から同じ距離で、同様の光条件下で撮影した。
【0168】
7 DAPでネグサレセンチュウ(RLN)バイオアッセイを行った。大豆種子に、標準的な接種方法を使用して1000~2000匹のRLN幼虫を接種した。手短に言えば、接種5分前に大豆ポットを濡らし、次いで、大豆植物の茎の隣に深さ2cmの穴を開けた。その後、ピペットを使用して、0.5~1.0mLの接種材料を穴に分注した。次に、根を土壌から取り出し、余分な砂と土壌を取り除き、短時間浸水した。次いで、根をペーパータオルで吸い取り、1~2cmの小片に切断し、ベルマン漏斗(約2g新鮮重量/漏斗)に広げた。漏斗をホイルで覆い、3日間静置した。次いで、漏斗を排水し、30mLの液体を保持し、この試料からRLN数を決定した。
【0169】
800gの小麦をビーカーに入れ、ジャガイモデキストロースブロスで覆うことによって接種材料を調製することによって、突然死症候群(SDS)バイオアッセイを行った。次いで、ビーカーを2日連続で30分間オートクレーブ処理した。オートクレーブ後24~28時間後、1プレートのフザリウム・ビルグリホルム(Fusarium Virguliforme)を各ビーカーに添加し、室温で増殖させた。14日後、ジャーを成長させ、乾燥させた。
【0170】
次に、コーンに100ccの土壌を積み重ね、引き続いて1/4プレートのフザリウム・ビルグリホルム(Fusarium Virguliforme)接種材料を積み重ねた。2個の大豆種子を上に置き、コーンを40ccの土壌で満たした。種子を湿潤条件下で成長させ、0~6のスケール(0は無症状を表し、6はしおれたまたは死んだ植物を表す)を使用して最初の三葉でSDS症状を評価した。
【0171】
制御放出製剤のための除草剤土壌噴霧施用での生物学的試験(一般的な手順)
試料を水性懸濁液として供給し、1ヘクタール当たり50、100、200gの活性物質で施用した。手短に言えば、イネ科草本、雑草および農作物の種子を、天然土壌(スリットに富む、非滅菌)の直径8cmのポットに播種した。種子を0.5cmの土壌で覆い、温室で栽培した(12~16時間の光、日中温度20~22℃、夜間温度15~18℃)。種子/植物の成長のBBCH 00状態で、300L/haの水量を使用して本発明の製剤を施用した。除草剤処理後、全ての植物を上記のように温室でさらに栽培した。毎日の灌漑を1平方メートル当たり1.0~1.5リットルに設定した。除草剤施用後14日または28日後に、処理の有効性を視覚的に評価し、等級分けした。0%の等級は、健康な未処理植物、すなわち、未処理参照集団を反映し、100%は除草剤の完全な有効性、すなわち、死んだ植物を表す。参照に、2つの市販のSC剤Balance(商標)Pro(薬害軽減剤なしのイソキサフルトール)およびBrodal(登録商標)(ジフルフェニカン)を選択した。
【0172】
プロセスAによって得られた製剤の粒径およびゼータ電位は、水溶液中でレーザー回折(Malvern Mastersizer S)によって決定した;合成製剤としての典型的な希釈率1:1000。分散液のゼータ電位は、pHの関数として1mM KCl中でMalvern Zetasizer ZS90を使用して測定した;合成製剤としての典型的な希釈率1:100~1:1000。
【0173】
他の全ての粒径は、Malvern mastersizer hydro 3000sを使用したレーザー回折によって決定した。全ての試料を、水に分散し、測定前に300秒間超音波を適用することによって測定した。散乱モデル:フラウンホーファー;分析ツール:ユニバーサル
【0174】
プロセスAによる全ての製剤の活性物質含有量を、熱重量分析を使用し、160℃で水相を完全に蒸発させ、残留乾燥質量を測定し、利用した製造比(分散濃縮物対ポリマー溶液)に基づいて活性物質含有量を計算して決定した。得られた乾燥質量を、分散濃縮物中の安定剤質量に対するフルオピラム、すなわち、分散濃縮物中の48%のフルオピラムおよび3%の不活性物質について補正した。
【0175】
純水への活性物質の放出動態を、HPLCアッセイを使用して分析した。この方法を使用して、製剤化懸濁液からの放出を分析する、または乾燥施用混合物からの放出動態を評価することができる。以下のプロセスを、水性分散液(CS、SCまたはFS型製剤)からの放出の測定に使用した。LiChroCart Purosher Star PR-18e、3.0μmをイソクラティック勾配(50%0.1%リン酸および50%アセトニトリル)で使用した。
【0176】
水性分散液型製剤、CS/SC/FSの検査のために、製剤のアリコートを1.0Lの精製水に入れ、オービタルシェーカー上で合理的な最低速度(50~100rpm)で振盪した。製剤の添加量は、放出中に無限のシンク状態を確保するように慎重に選択した。試料を1時間および24時間後、場合により一部の試料については5分後および300分後に取り出した。密接にカプセル化された製剤の完全放出を促進するために、1日後にさらに100 mLのアセトニトリルを混合物に添加し、もう1日は変わらない速度で連続的に振盪し、引き続いて48時間後に最後の試料を取り出した。実際のHPLC分析の前に、採取した全ての試料を遠心分離して、上清から粒子状(カプセル化)活性物質を除去した。次いで、清澄な上清をHPLC分析に供した。放出を100%に正規化するために、最新のデータポイント(48時間)を取得した。
【0177】
処理した種子に使用する場合、約15gの処理した種子を500mLの水に浸水した。試料を取り出し、上記のように処理した。
【0178】
放出プロファイルが、同様に製剤化された非カプセル化試料よりも有意に低い場合、すなわち、所与の時点での放出が50%未満である場合、制御放出が明らかであった。
【0179】
カプセル化効率EEを、最初の10分以内の放出FLU濃度を使用して決定した、すなわち、EE=1-[c(FLUカプセル化、10分)/c(FLU-参照、10分)]。
【0180】
プロセスA(マイクロジェット反応器プロセス+任意の架橋を使用したフルオピラムのコーティング)
プロセス1によって-カプセル化材料を得るために-活性物質を、界面活性剤と共に水中で均質化し、その後、好ましくはビーズミルで粉砕して、活性物質の分散濃縮物を得た。
【0181】
第2のステップで、活性物質含有懸濁液を、マイクロジェット反応器(例えば、nanoSaar;http://www.nanosaar.de/nanosaarlabgmbh/参照)内でポリマー溶液と混合して、非架橋カプセル化を得る。より好ましい混合は、50~60barの圧力で、ジェット速度約100 m/Sおよび混合時間0.1~1.0msで行われる。さらに、分散濃縮物およびポリマー溶液のいずれかの好ましいpHを、使用されるポリマーに従って、マイクロジェット反応器での高剪断混合の前に調整する。例えば、ポリビニルアルコールの場合、pHは好ましくは4~5の間(pHガラス電極OPS11で測定)であり、キトサンの場合、pHは好ましくは11~12の間である。
【0182】
場合により、第3のステップで、上記のステップで得られた粒子を、安定化のために、および/または粒子の放出特性を制御するために架橋する。
【0183】
このようにして得られたカプセル化は、活性物質表面に完全につながれていない可能性があるが、緩く付着したもしくは未結合のポリマーまたは高度に膨潤したポリマーゲルを含有し得る。結果として、制御放出、すなわち活性物質放出の程度は、最終施用、すなわち種子処理時の製剤の乾燥で変化し得る。同様に、硬化/エージング/乾燥は、放出プロファイル/速度を大幅に変える可能性がある。
【0184】
好ましくは、本発明によるカプセル化のための活性化合物は、フルオピラム、フルピラジフロン、ジフルフェニカン、イソキサフルトール、イミダクロプリドおよびイソチアニルを含む群から選択される。
【0185】
一実施形態では、活性化合物がフルオピラムである。
【0186】
別の実施形態では、活性化合物が、フルオピラム、フルピラジフロン、ジフルフェニカン、イソキサフルトール、イミダクロプリドおよびイソチアニルを含む群から選択される。
【0187】
より好ましくは、活性化合物がフルオピラムである。
【0188】
別のより好ましい実施形態では、活性化合物が、ジフルフェニカンおよびイソキサフルトールを含む群から選択される。
【0189】
好ましい架橋剤は、ホルムアルデヒド(FA)、グルタルアルデヒド(GA)、テレフタルアルデヒド(TA)またはこれらの混合物である。
【0190】
好ましい界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、より好ましくはナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物Na塩およびポリカルボン酸ナトリウムである。
【0191】
カプセル化のための好ましいポリマーは、水溶性ポリマーならびにヒドロゲル形成ホモおよびコポリマーであり、より好ましくはアクリレートコポリマー、特にアミンアクリレート、キトサンおよび完全に加水分解または部分的に加水分解されているポリ酢酸ビニルであるポリビニルアルコール(PVA)であり、キトサンおよび完全に加水分解または部分的に加水分解されているポリ酢酸ビニルであるポリビニルアルコール(PVA)が最も好ましい。
【0192】
好ましい実施形態では、カプセル化活性物質が、最初に3.388kgのフルオピラムを、140gのポリカルボン酸塩クラスの界面活性剤、好ましくはナトリウム塩、および70gのナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物のクラスの界面活性剤および3.4kgの脱塩水で均質化することによって製造される。その後、均質化混合物を、直径0.75~1mmのガラスビーズを含有する湿潤条件下、ビーズミル内で粉砕する(Glasbeadsを備えたBachofen KDL 0.6L、容量80%、周速10m/秒、3通過、ターンオーバー3.4kg/時間)。上記のように製造された活性物質懸濁液およびポリアミノサッカライドの溶液、好ましくはポリ-D-グルコサミン(キトサン)(水中1.5、2.0または2.5%親溶液)(あるいはPVA(水中3または12%親溶液))をマイクロジェット反応器Nanosaar中で、以下の条件下(圧力50~60bar、ジェット速度約100 m/秒、混合時間0.1~1.0ms、表2に示されるpH)で反応させる。最終的なAI濃度を、表2の3列および5列に示す。場合により、架橋剤を添加する(ポリマーの反応性基に基づいて0.5、3.0、10.0、または20.0mol%)。
【図面の簡単な説明】
【0193】
図1】視覚的子葉試験の評点基準を示す図である。
図2-1】図2。放出プロファイルおよび施用量の関数としてのフルオピラム処理後のキュウリ植物の葉の損傷を示す図である。グラフは表8のデータを可視化している。
図2-2】図2の続き。
図3】水中への放出プロファイルを示す図である。
図4】入手したままの製剤の粒径分布;レーザー回折-Malvern mastersizer Hydro 3000sを示す図である。
図5】0.075mg FLU/種子で処理した大豆で行ったネグサレセンチュウバイオアッセイ;表15に対応を示す図である。
図6】大豆の突然死症候群(SDS)の重症度を識別するためのバイオアッセイの結果を示す図である;0~6のスケール(0:症状なし、6:しおれた/死んだ)を使用して、最初の三葉でSDS症状について評点した;フザリウム・ビルグリホルム(Fusarium virguiliforme)を接種し;湿潤条件下で増殖させ;種子を0.075mg FLU/種子で処理した;表15に対応する。
図7】CR-フルオピラム製剤で処理した後の虫こぶ減少の有効性を示す図である。
図8】水中への放出プロファイルを示す図である。FLU参照製剤はC-1~C-11と同一であった。
図9】選択した試料の子葉の草冠分析-n=60植物を示す図である。
図10】参照と比較した制御放出製剤による処理後の大豆の子葉面積(cm2)を示す図である。0.15mg FLU/種子での処理についてはより高いFLU量を施用した。暗色=健康な葉面積;淡灰色=ハロー面積。
【発明を実施するための形態】
【0194】
カプセル化の方法ならびに製品およびその特性について以下の例で説明する。
【0195】
例プロセスA
使用した材料を以下に定義する。製造プロセス自体を、A.1分散濃縮物の製造-A.2カプセル化-A.3架橋に分けた。
【0196】
A.1 A-1~A-107についての分散濃縮物フルオピラムの製造
3.388kgのフルオピラムを、140gのGeropon T36、70gのMorwet D 425および3.4kgの脱塩水で均質化する。その後、均質化混合物を、直径0.75~1mmのガラスビーズを含有する湿潤条件下、ビーズミル内で粉砕する(Glasbeadsを備えたBachofen KDL 0.6L、容量80%、周速10m/秒、3通過、ターンオーバー3.4kg/時間)。その後、フルオピラムスラリーの40%活性分散液を、濃縮スラリー(固形分:48%活性物質、3%不活性安定剤/界面活性剤)をDI水で希釈することによって調製する。
【0197】
A.2 A-108~A-111についての分散濃縮物イソキサフルトールの製造
968gのイソキサフルトールを40gのGeropon T36、20gのMorwet D 425、1gのSilfoam SE 39および968gの脱塩水で均質化する。その後、均質化混合物を、直径0.75~1mmのガラスビーズを含有する湿潤条件下、ビーズミル内で粉砕する(Glasbeadsを備えたBachofen KDL 0.6L、容量80%、周速10m/秒、3通過(必要な粒径を得るために繰り返しを調整してもよい)、ターンオーバー3.4kg/時間)。その後、追加のクエン酸によってpHを5未満に調整した。
【0198】
A.3 A-112およびA-113用についての分散濃縮物ジフルフェニカンの製造
968gのジフルフェニカンを40gのGeropon T36、20gのMorwet D 425および968gの脱塩水で均質化する。その後、均質化混合物を、直径0.75~1mmのガラスビーズを含有する湿潤条件下、ビーズミル内で粉砕する(Glasbeadsを備えたBachofen KDL 0.6L、容量80%、周速10m/秒、3通過(必要な粒径を得るために繰り返しを調整してもよい)、ターンオーバー3.4kg/時間)。
【0199】
A.2カプセル化
上記のように製造された活性物質懸濁液およびキトサンの溶液(水中0.5、1.0、1.5、2.0または2.5%w/w親溶液)(あるいはPVA(水中3または12%w/w親溶液))を対称200μmマイクロジェット反応器Nanosaar中で、以下の条件下(圧力50~60bar、ジェット速度約100 m/秒以上、混合時間0.1~1.0ms、表2に示されるpH)で均質化する。最終的なポリマーおよびAI濃度を表2の4列および5列に示す。
【0200】
手短に言えば、1μm未満の粒径が90重量%を超えるフルオピラム分散液とアニオン性分散剤とを含む40重量%水性分散液を、5M NaOH(あるいは、PVAコーティングの場合はpH=4、氷酢酸で調整)を添加してpH=13.5に調整した。この溶液を、MJR反応器でpH=4(あるいは、DI水中のPVAの場合はpH=6.7)に設定されたキトサン溶液に対して処理した。溶液の流量を、ポンプ速度によって、約1(キトサンコーティング溶液)対2(フルオピラムスラリー)の質量比に調整した。処理を、キトサン溶液に流体力学的圧力50~60barでフルオピラム分散液を衝突させて、キトサンコーティングフルオピラム分散液を得ることによって、対称MJR(200μmルビーノズル)反応器内で、室温で行った。架橋のために、(キトサンに関して)10mol%のグルタルアルデヒドをMJRによる処理の前に、または別の後処理ステップでフルオピラム分散液に添加することができる。詳細については以下を参照されたい。
【0201】
A.3架橋
場合により、架橋剤を添加する(ポリマーの反応性基に基づいて0.5、3.0、10.0、または20.0mol%)。供給業者によって入手したままの架橋剤溶液を利用し、コーティングプロセスの前に活性物質分散液に添加する、またはMJRを介してコーティングした後に攪拌しながら最終製剤に添加することができる。典型的には、架橋剤の量を、コーティングプロセスの前に添加した。MJR処理後、表2に示される結果として得られるpHで、室温で少なくとも12時間架橋を行った。架橋反応を、典型的に利用されるトリス緩衝液または塩化アンモニウムクエンチングなどのクエンチングなしで反応させた。
【0202】
ホルムアルデヒド(FA)を水中37%(w/w)として、グルタルアルデヒド(GA)を水中25%(w/w)として使用した。
【0203】
アルデヒド架橋のために、pH、反応温度および反応時間を調整して、放出速度を制御した(表2の10列)。
【0204】
【表3A】
【表3B】
【表3C】
【表3D】
【0205】
好ましい実施形態では、親溶液中のカプセル化のためのポリマーの量が、0.5~15%、より好ましくは1~12%、さらにより好ましくは1~10%、なおさらに好ましくは1~8、最も好ましくは1~6%である。
【0206】
さらに好ましい実施形態では、架橋剤が、ホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドからなる群から選択され、架橋剤が、適用される場合、好ましくは0.2~13%、より好ましくは0.5~12%、最も好ましくは0.5~10%の量で親溶液に存在する。
【0207】
架橋剤がグルタルアルデヒドである場合、好ましい実施形態では、親溶液中の架橋剤の量が0.5~5%である。
【0208】
【表4】
【0209】
【表5】
【0210】
ゼータ電位測定を使用して成功したコーティングプロセスを検証することができる。非制御放出コーティングフルオピラムのゼータ電位は、広いpH範囲内、つまり少なくともpH 3~10の間で極めて負であり(表4参照)、中性または正に帯電したポリマーの吸着の能力が高いことを示している。非コーティングフルオピラム分散液の-38 mVの強い負電荷(表2:A-107参照)は、遮蔽によりPVAコーティングでより正になり、最終的には非架橋PVAおよび架橋PVAについてそれぞれ-8mVおよび-12mVに達する(表2 A-94およびA-95参照)。プロトン化キトサンの極めて正の電荷により、ゼータ電位は電荷の完全な反転を受け、コーティング時に最終的に+59 mVに達する(表2、A-103参照)。
【0211】
目視検査:
全ての試料を、粒子の沈降による相分離またはゲル化について視覚的に目視検査した。沈降と対照的にゲル化は不可逆的であり、これらの試料はスプレー型施用に使用することができない。ゲル化の例を表2に示す。相分離が観察された全ての試料は、振盪することによって容易に均質化することができた。
【0212】
プロセスAによって得られた製剤の種子処理および生物学試験
試料を水性懸濁液として供給し、小または中サイズのHegeボウル種子処理装置で100~250gの種子を使用して、0.075mg/種子の割合で大豆種子に施用した。表5を参照されたい。
【0213】
【表6】
【0214】
【表7】
【0215】
【表8】
【0216】
プロセスAによって得られた製剤の土壌灌注施用におけるフルオピラム生物学試験
試料を水性懸濁液として供給し(表2参照)、60mLの土壌灌注を適用することによって、8、10、20mg a.i/キュウリ植物で施用した。植物の健康(損傷)を、施用3/4/5/7/10および14日後に、葉の目視検査(白化+壊死を有する葉面積%)およびシュート新鮮重量測定によって調べた。プロセスAによって得られた試料を、未処理対照キュウリ植物(UTC)および非制御放出フルオピラム(Velum(登録商標)SC400)に対して試験した。
【0217】
土壌に施用されたプロセスAによって製剤化された試料から得られたプラスの効果は、施用された用量率(用量反応)によって異なり、さらに、制御放出プロファイルを反映する(表8および図2参照)。試料A-33およびA-34について20mgフルオピラム/植物の高用量施用での葉損傷の早期の減少(0~7日目)、または試料A-41およびA-42について8および10mgフルオピラム/植物の用量での葉損傷の最大14日間続く全体的な減少を得ることができる。
【0218】
【表9】
【0219】
アプローチAによって得られ、1mgフルオピラム/ポットで施用された選択されたサンプルの殺線虫有効性。トマト(Rentita)へのサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)を使用した侵襲を、制御放出製剤による灌注処理(120mLの水に分散した活性物質)の1、7および14日後に行った。結果分析を、根こぶの目視検査(パーセントで示される)によって実施した。分析を3連で行った。制御放出製剤A-42は、その制御放出製剤の性質の結果である、時間の経過と共に増加する有効性を有することが分かった(図7参照)。
【0220】
プロセスAによって得られた製剤の土壌噴霧施用における除草剤生物学試験
試料を水性懸濁液として供給し(表2参照)、1ヘクタール当たり50、100、200gの活性物質で施用した。手短に言えば、イネ科草本、雑草および農作物の種子を、天然土壌(スリットに富む、非滅菌)の直径8cmのポットに播種した。種子を0.5cmの土壌で覆い、温室で栽培した(12~16時間の光、日中温度20~22℃、夜間温度15~18℃)。種子/植物の成長のBBCH 00状態で、300L/haの水量を使用して本発明の製剤を施用した。除草剤処理後、全ての植物を上記のように温室で再び栽培した。毎日の灌漑を1平方メートル当たり1.0~1.5リットルに設定した。処理の有効性を、14日後または28日後の視覚的等級によって評価した。0%の等級は、未処理参照集団と一致して、健康な未処理植物を反映し、100%は除草剤の完全な有効性、すなわち、死んだ植物を表す。参照に、2つの市販製品Balance(商標)Pro(薬害軽減剤なしのイソキサフルトール)およびBrodal(登録商標)(ジフルフェニカン)を選択した。イソキサフルトールの制御放出製剤A-108およびA-109を、トウモロコシ植物の処理について薬害軽減剤を含有しない非制御放出参照Balance(商標)Proと比較した。表9を参照されたい。施用量とは関係なく、一般的なイネ科草本および雑草に対する有効性プロファイルは、この試験で全ての製剤について同等であった。しかしながら、50 g/haおよび100g/haの施用量で、制御放出製剤A-108およびA-109に対する忍容性の改善が明らかである。より高い施用量、すなわち200g/haでは、制御放出製剤の改善された植物毒性プロファイルを観察することができなかった。
【0221】
【表10A】
【表10B】
【0222】
トウモロコシの処理のように、大豆への制御放出イソキサフルトール製剤の施用は、非制御放出参照よりも優れている。表10のBalance(商標)Proを参照されたい。イソキサフルトールの制御放出製剤A-108~A-111を、非制御放出参照Balance Proと比較した。施用量とは関係なく、一般的なイネ科草本および雑草に対する有効性プロファイルは、試験した製剤A-108およびA-109については参照Brodal proと同等であり、A-110およびA-111についてはカラスムギ(Avena fatua)に対していくぶん低下した。雑草およびイネ科草本に対する優れた施用プロファイルに加えて、製剤A-108~A-111は、除草剤製剤に対する農作物大豆の忍容性の改善を様々な程度で可能にした。
【0223】
【表11A】
【表11B】
【0224】
除草剤ジフルフェニカンの制御放出製剤A-112およびA-113を、非制御放出参照Brodalと比較した。表11を参照されたい。施用量とは関係なく、一般的なイネ科草本および雑草に対する有効性プロファイルは、この試験で同等(A-112)またはより優れていた(A-113)。除草剤有効性プロファイルに加えて、両制御放出製剤に対する大豆の忍容性は、大豆の両試験施用量で有意に増加した。100g/haの制御放出製剤の高い施用量では、非CR参照Brodalと比較して、植物の損傷が1/4に減少した。
【0225】
【表12】
【0226】
プロセスB(溶媒除去誘導カプセル化)
第2の実施形態では、カプセル化活性物質を、粒子および相特性の優れた制御を提供するコロイドカプセル化によって製造する。
【0227】
一般的合成
典型的な合成では、第1のステップで、活性物質を適切な溶媒に完全に溶解した(表12「溶液A」参照)。同じ溶媒を使用してポリマーを完全に溶解した(表12「溶液B」参照)。有機溶液を合わせ、次いで、乳化を可能にする安定剤を含有する水相(表12「溶液C」参照)に添加した。
【0228】
その後の高剪断混合により、中間エマルジョンを得た。手短に言えば、「油相」の分散を、ローター-ステーター高剪断混合(Ultra-Turrax、SN25-25F)を使用して10000RPMで300秒間行ったが、当業者に知られている他の乳化方法を使用してもよい。
【0229】
得られた混合物の有機溶媒を真空下で完全に除去し、白色分散液を得た。分散液のさらなる濃縮、すなわち水の除去を、遠心分離-デカンテーションステップを使用して行って、表13に記載される最終製剤B-1~B-5を得た。
【0230】
実施例B-5の電解質含有量を増加させるために、濃縮後に得られた溶液を4mol/LのNaCl水溶液と1:1(v:v)混合して、実施例B-6を得た。
【0231】
適切な溶媒は、水混和性有機溶媒、好ましくは水混和性極性溶媒、より好ましくは水混和性非プロトン性極性溶媒であり、さらにより好ましくはクロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチルおよびTHF(テトラヒドロフラン)、最も好ましくはクロロホルムおよびジクロロメタンからなる群から選択される。
【0232】
適切なポリマーは、有機溶媒に可溶性であり、水中でのエマルジョンの形成を可能にする任意のホモまたはコポリマーであり、好ましくは、ポリマーは、純粋なDまたはLラクテート、ラクチド-コ-カプロラクトン、ラクチド-コ-グリコリド;ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリビニルを含む群から選択され、より好ましくは、ポリマーは、遊離酸またはエステル末端のいずれかのポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(カプロラクトン)およびポリ(酢酸ビニル)を含む群から選択され、最も好ましくは、ポリマーはPLAである。
【0233】
ポリマーのMwは、好ましくは1~1000kDaの間であり、より好ましくは5~200kDaの間であり、さらにより好ましくは10~100kDaの間であり、最も好ましくは15~30kDaの間である。
【0234】
ポリマー対活性物質の比は、シェル厚さに関係なく、放出プロファイルを適合させるように調整することができるが、好ましくは0.1対1~30対1の間であり、より好ましくは0.5対1~20:1の間であり、さらにより好ましくは1:1~10:1の間である。
【0235】
本発明によると、生物学的防除剤は、活動または休眠などの任意の生理学的状態で利用または使用することができる。
【0236】
好ましい活性化合物は、SDH阻害剤、nAChRアゴニスト(ネオニコチノイドを含む)、PDS阻害剤(HRAC F1)およびHPPD阻害剤(HRAC F2)を含むクロロチカ(chlorotica)、ならびにチアジアゾールカルボキサミド/宿主防御誘導物質を含む群から選択される。
【0237】
本発明によるカプセル化のためのより好ましい活性化合物は、フルオピラム、フルピラジフロン、ジフルフェニカン、イソキサフルトール、イミダクロプリドおよびイソチアニルを含む群から選択される。
【0238】
最も好ましい活性化合物はフルオピラム、ジフルフェニカン、イソキサフルトールである。
【0239】
適切な安定剤は、当技術分野で知られている水中油安定剤、好ましくはゲランチン、エトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween)およびNaCl溶液である。
【0240】
製造されたカプセルの粒径は、好ましくはd50=1~200μm(マイクロメートル)の間であり、より好ましくはd50=1~50μm(マイクロメートル)の間である。葉面施用の場合、粒径は、好ましくはd50=1~20μm(マイクロメートル)の間である。
【0241】
実施例:
全ての調製物を表12に要約する。典型的な合成では、活性物質を最初に適切な溶媒(表12の溶液A参照)に完全に溶解した。同じ溶媒を使用してポリマーを完全に溶解した(表12の溶液B参照)。ポリマー対活性物質比を、放出プロファイルを適合させるように調整することができる。両有機溶液、溶液A+Bを合わせ、次いで、水相、参照溶液Cに添加した。その後の高剪断混合により、中間エマルジョンを得た。手短に言えば、「油相」の分散を、ローター-ステーター高剪断混合(Ultra-Turrax、SN25-25F)を使用して10000RPMで300秒間行った。得られた混合物の有機溶媒を真空下で完全に除去し、白色分散液を得た。分散液のさらなる濃縮、すなわち水の除去を、遠心分離-デカンテーションステップを使用して行って、表13に記載される最終製剤B1~5およびB7~8を得ることができる。実施例B-5の電解質含有量を増加させるために、濃縮後に得られた溶液を4mol/LのNaCl水溶液と1:1(v:v)混合して、実施例B-6を得た。
【0242】
【表13A】
【表13B】
【0243】
【表14A】
【表14B】
【0244】
プロセスBによって得られた製剤の種子処理および生物学試験
試料を水性懸濁液として供給し、小または中サイズのHegeボウル種子処理装置で100~250gの種子を使用して、0.075mg/種子の割合で大豆種子に施用した。
【0245】
【表15】
【0246】
【表16】
【0247】
プロセスBによって得られた製剤の土壌灌注施用における生物学試験
試料を水性懸濁液として供給し、60mLの土壌灌注を適用することによって、8、10、20mg a.i/キュウリ植物で施用した。植物の健康(損傷)を、施用3/4/5/7/10および14日後に、葉の目視検査(白化+壊死を有する葉面積%)およびシュート新鮮重量測定によって記録した。試料B-7とB-8の両方を、未処理対照キュウリ植物(UTC)および非制御放出フルオピラム(Velum(登録商標)SC400)に対して試験した。
【0248】
【表17】
【0249】
【表18】
【0250】
【表19】
【0251】
プロセスC(噴流層を使用した活性物質コーティング)
第3の実施形態では、カプセル化活性物質を、噴流層でのスプレーコーティングによって製造する。
【0252】
一般的合成
噴流層スプレーコーティングの調製:活性粒子の安定化
非常に微細な活性物質は、安定な流動層を得るために追加の安定化が必要な場合がある。
【0253】
したがって、必要に応じて、18.0gの安定剤(例えば、Aerosil(登録商標)150またはAerosil(登録商標)R974)を、Retsch Grindomix GM 300ブレードミルを使用して5000rpmで3分間、600gの活性物質と密接に混合することができる。
【0254】
好ましい実施形態では、安定剤を添加し、粒子を安定化する。
【0255】
噴流層のスプレーコーティング
安定化された活性物質600gを、ProCell 5噴流層を備えたGlatt ProCell LabSystemにロードした。スプレー溶液は、適切な溶媒中の5%または10%ポリマーとした。関連するプロセスパラメータについては、表19を参照されたい。
【0256】
スプレー時間(コーティング時間)は、目標のコーティング厚さを得るために調整した。
【0257】
スプレーコーティングを、好ましくは10~150m3/時間、より好ましくは45~125m3/時間、さらにより好ましくは80~110m3/時間、最も好ましくは90m3/時間のガス流を使用して、不活性ガス雰囲気下で行った。
【0258】
ネブライザー圧力は、常に好ましくは0.5~4.5bar、より好ましくは1.5~3.5bar、さらにより好ましくは2.0~3.0bar、最も好ましくは2.5barに設定した。
【0259】
カプセル化効率EEは、好ましくは、ポリ酢酸ビニルカプセル化FLUでは90%超、ポリカプロラクトンでは60~90%、酢酸セルロースでは90%以上であると決定された。
【0260】
SC型製剤への移行
レオロジー調整剤285mgおよび分散剤3.7gを水66.0gに溶解した。5.0gの前記混合物を使用して、50mgの噴流層で調製された乾燥カプセル化フルオピラムを分散させた。均質化は、適切なホモジナイザー、例えばLaboratory-Vortexを使用して1000rpmで30~60秒間行った。
【0261】
例としての適切なレオロジー調整剤は、有機または無機レオロジー調整剤であり、好ましくは、キサンタンガム、グアーガムおよびヒドロキシエチルセルロースを含む多糖類を含む群から選択される。例としては、Kelzan(登録商標)、Rhodopol(登録商標)Gおよび23、Satiaxane(登録商標)CX911およびNatrosol(登録商標)250の範囲、モンモリロナイト、ベントナイト、セペオライト、アタパルジャイト、ラポナイト、ヘクトライトを含む粘土がある。例としては、Veegum(登録商標)R、Van Gel(登録商標)B、Bentone(登録商標)CT、HC、EW、Pangel(登録商標)M100、M200、M300、S、M、W、Attagel(登録商標)50、Laponite(登録商標)RD、およびヒュームドおよび沈降シリカがある。例としてはAerosil(登録商標)200、Siponat(登録商標)22がある。
【0262】
キサンタンガム、グアーガムおよびヒドロキシエチルセルロースを含む多糖類がより好ましく、キサンタンガムが最も好ましい。
【0263】
適切な非イオン性分散剤は、農薬に慣用的に利用することができるこのタイプの全ての物質である。好ましくは、ポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー、分岐または直鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、脂肪酸または脂肪酸アルコールとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの反応生成物、さらにポリビニルアルコール、ポリオキシアルキルエナミン誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンのコポリマー、および(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルのコポリマー、さらに分岐または直鎖アルキルエトキシレートおよびアルキルアリールエトキシレートがあり、ポリエチレンオキシド-ソルビタン脂肪酸エステルが例として挙げられ得る。上記の例のうち、選択されたクラスは、場合により、リン酸化、スルホン化または硫酸化され、塩基で中和され得る。
【0264】
適切なアニオン性分散剤は、農薬に慣用的に利用することができるこのタイプの全ての物質である。アルキルスルホン酸またはアルキルホスホル酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩、ならびにアルキルアリールスルホン酸またはアルキルアリールリン酸が好ましい。アニオン性界面活性剤または分散助剤のさらに好ましい群は、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩、ポリビニルスルホン酸の塩、アルキルナフタレンスルホン酸の塩、ナフタレン-スルホン酸-ホルムアルデヒド縮合生成物の塩、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸およびホルムアルデヒドの縮合生成物の塩、ならびにリグノスルホン酸の塩、ポリカルボン酸コポリマーおよびこれらの一般的な塩である。
【0265】
好ましくは、分散剤は非イオン性分散剤であり、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルのコポリマーの群のものがより好ましい。
【0266】
適切な不活性ガスは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンおよびキセノン、好ましくは窒素、ヘリウムおよびネオン、最も好ましくは窒素の群から選択される。
【0267】
流体層の完全性を保証する適切な乾燥粒子安定剤は、好ましくは、シリカおよびシリケート、滑石、ベントナイトおよびホスフェートなどの固化防止剤であり、より好ましくは、安定剤は、ヒュームドシリカの群から選択される。
【0268】
適切な溶媒は、有機溶媒、好ましくは極性溶媒、より好ましい非プロトン性極性溶媒であり、さらにより好ましくはクロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトン、MiBK(メチル-イソ-ブチルケトン)、ジエチルエーテルおよびTHF(テトラヒドロフラン)、最も好まくは酢酸エチル、アセトンおよびTHFからなる群から選択される。
【0269】
カプセル化に適したポリマーは、有機溶媒に可溶性である任意のホモまたはコポリマーであり、好ましくは、ポリマーは、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクトンおよび酢酸セルロースを含む、ポリビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリラクトン、ポリエーテル、多糖類、ならびにPLA(ポリ乳酸)を含む群から選択される。
【0270】
代替実施形態では、コーティングプロセスが、水性ポリマー、好ましくは溶解ポリマー、さらにより好ましい分散ポリマーに基づく。最も好ましいポリマーは、VAE(酢酸ビニルエチレンコポリマー)、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリビニル、ポリカプロラクトン、ポリエステルおよびポリウレタン、多糖類(全てホモまたはコポリマーとして)の群で構成される。
【0271】
ポリマーのMwは、好ましくは1~1000kDaの間であり、より好ましくは5~200kDaの間であり、さらにより好ましくは10~100kDaの間である。
【0272】
ポリマー対活性物質の比は、シェル厚さに関係なく、放出プロファイルを適合させるように調整することができるが、好ましくは0.001対1~1対1の間であり、より好ましくは0.01対1~0.5:1.0の間であり、さらにより好ましくは0.6:1~0.4:1.0の間である。
【0273】
本発明によると、生物学的防除剤は、活動または休眠などの任意の生理学的状態で利用または使用することができる。
【0274】
好ましい活性化合物は、SDH阻害剤、nAChRアゴニスト(ネオニコチノイドを含む)、PDS阻害剤(HRAC F1)およびHPPD阻害剤(HRAC F2)を含むクロロチカ(chlorotica)、ならびにチアジアゾールカルボキサミド/宿主防御誘導物質を含む群から選択される。
【0275】
他の好ましい活性化合物は、農作物に対する植物毒性副作用を引き起こす殺有害生物剤から選択される。
【0276】
本発明によるカプセル化のためのより好ましい活性化合物は、フルオピラム、フルピラジフロン、ジフルフェニカン、イソキサフルトール、イミダクロプリドおよびイソチアニルを含む群から選択される。
【0277】
本発明によるカプセル化のための最も好ましい活性化合物は、フルオピラム、ジフルフェニカン、イソキサフルトールを含む群から選択される。
【0278】
製造されたカプセルの粒径は、好ましくはd50=1~200μm(マイクロメートル)の間であり、より好ましくはd50=1~50μm(マイクロメートル)の間である。葉面施用の場合、粒径は、好ましくはd50=1~20μm(マイクロメートル)の間である。
【0279】
実施例C-1~C-11
噴流層スプレーコーティングの調製:活性粒子の安定化
非常に微細な活性物質は、安定な流動層を得るために追加の安定化が必要な場合がある。18.0gのAerosil(登録商標)150を、Retsch Grindomix GM 300ブレードミルを使用して、5000rpmで3分間、600gのフルオピラムまたは600gのジフルフェニカンと緊密に混合した。調製したままのAerosil(登録商標)150-フルオピラム混合物の粒径は、d.10=2μm;d.50=8μm;d.90=24μmであると決定された。調製したままのAerosil(登録商標)150-ジフルフェニカン混合物の粒径は、d.10=0.8μm;d.50=1.4μm;d.90=5μmであると決定された。
【0280】
噴流層のスプレーコーティング
600gのAerosil(登録商標)150安定化フルオピラムまたは600gのAerosil(登録商標)150安定化ジフルフェニカンを、ProCell 5噴流層を備えたGlatt ProCell LabSystemにロードした。スプレー溶液は、適切な溶媒中の5%または10%ポリマーとした。関連するプロセスパラメータについては、表19を参照されたい。スプレー時間(コーティング時間)は、目標のコーティング厚さを得るために調整した。スプレーコーティングを、90m3/時のガス流量を使用して窒素雰囲気下で行った。ネブライザー圧力は常に2.5barに設定した。カプセル化効率EEは、ポリ酢酸ビニルカプセル化FLUでは90%超、ポリカプロラクトンでは60~90%、酢酸セルロースでは90%以上であると決定された。
【0281】
SC型製剤C-1~C-11への移行
285mgのKelzan Sおよび3.7gのATLOX 4913を66.0gの水に溶解した。5.0gの調製前混合物を使用して、50mgの乾燥カプセル化フルオピラムを分散させた。均質化は、Laboratory-Vortexを使用して1000rpmで30~60秒間行った。
【0282】
SC型製剤C-12~C-16への移行
2.0gのKelzan S、8.8gのGeropon T36、4.40gのMorwet D425、0.32gのActicide SPXおよび0.72gのProxel GXLを348gの水に溶解した。27gの調製前混合物を使用して、3.0gの乾燥カプセル化ジフルフェニカンを分散させた。均質化は、Laboratory-Vortexを使用して1000rpmで30~60秒間行った。
【0283】
【表20A】
【表20B】
【0284】
プロセスCによって得られた製剤の種子処理および生物学試験
乾燥粒子の濃縮懸濁液への製剤化を、表20に記載される混合物比によって行った。
【0285】
その後、水性懸濁液を供給し、小または中サイズのHegeボウル種子処理装置で100~250gの種子を使用して、0.075mg/種子の割合で大豆種子に施用した。
【0286】
【表21】
【0287】
【表22】
【0288】
【表23】
【0289】
プロセスCによって得られた製剤の土壌灌注施用における生物学的試験
試料を表19に記載される水性懸濁液として供給し、60mLの土壌灌注を適用することによって、8、10、20mg a.i/キュウリ植物で施用した。植物の健康(損傷)を、施用3/4/5/7/10および14日後に、葉の目視検査(白化+壊死を有する葉面積%)およびシュート新鮮重量測定によって調べた。試料C-4およびC-9~C-11を、未処理対照キュウリ植物(UTC)および非制御放出フルオピラム(Velum(登録商標)SC400)に対して試験した。表8を参照されたい。
【0290】
試料C-9~C-11の場合、葉損傷の程度はポリマーシェル厚さと相関している。特に後の検査時間に向けて、例えば10日および14日について、キュウリ植物がより長い時間活性物質に曝露され、シェルが薄いポリマーコーティングから厚いポリマーコーティングの順に透過性が高くなるにつれて、この傾向が明確になる(酢酸セルロース対フルオピラムの比は0.23(C-9)、0.33(C-10)、0.39(C-11)であった)。表19を参照されたい。
【0291】
【表24】
【0292】
【表25】
【0293】
【表26A】
【表26B】
図1
図2-1】
図2-2】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】