(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037984
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】プラズマ生成装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240312BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/302 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214649
(22)【出願日】2023-12-20
(62)【分割の表示】P 2022580009の分割
【原出願日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0078516
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0033623
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517396331
【氏名又は名称】エンツーコア テクノロジー,インコーポレーテッド
【住所又は居所原語表記】(Jukdong)77 Jukdong-ro, Yuseong-gu Daejeon 34127 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オム セフン
(72)【発明者】
【氏名】イ ユンソン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨンフン
(72)【発明者】
【氏名】パク セホン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジフン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】不純物が低減された活性種を提供するプラズマ生成装置を提供すること。
【解決手段】本明細書の一実施例によれば、第1モードおよび第2モードを含む複数の動作モードを有する、プラズマ放電を行うプラズマ生成装置であって、第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置と、前記第1周波数範囲と少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置と、誘電体チューブと、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および前記第1単位コイルと前記第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備えるプラズマ生成装置を提供することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体チューブに結合されて電源から電力を受け取るアンテナモジュールであって、
前記アンテナモジュールは、
第1端、第2端、及び前記第1端と前記第2端との間に電気的に介在する第1コイル構造~第Nコイル構造を含む多層のコイル構造であって、前記Nは2以上の自然数であり、前記第1コイル構造~前記第Nコイル構造のそれぞれは、2つよりも多いターンを含み、前記第Nコイル構造は、第N平面上に配置され、第N-1コイル構造は、第N-1平面上に配置され、前記第N-1平面は、前記第N平面と平行であるが異なり、前記多層のコイル構造は、第1層間コンデンサ~第M層間コンデンサをさらに含み、前記第M層間コンデンサは、前記第Mコイル構造と第M+1コイル構造との間に電気的に介在し、前記MはN-1に等しい多層のコイル構造と、
前記第1端と前記電源の第1端子との間に電気的に介在する少なくとも1つの第1電気素子と、
前記第2端と前記電源の第2端子との間に電気的に介在する少なくとも1つの第2電気素子と、
を備え、
前記少なくとも1つの第1電気素子は第1合成リアクタンスを有し、前記少なくとも1つの第2電気素子は第2合成リアクタンスを有し、
前記第1合成リアクタンス及び前記第2合成リアクタンスは、前記アンテナモジュールが電力を受け取ると、前記第1端に対するリアクタンス成分の電位がゼロになる点が前記第1コイル構造~前記第Nコイル構造のそれぞれの最も内側のターンに位置するように、異なる値を持つように設計される、ことを特徴とするアンテナモジュール。
【請求項2】
前記アンテナモジュールが電力を受け取ると、前記第1端に対する前記リアクタンス成分の電位が最小になる点は、前記第1コイル構造~前記第Nコイル構造のそれぞれの前記最も内側のターンに位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記アンテナモジュールが電力を受け取ると、前記第1端に対する前記リアクタンス成分の電位の絶対値が最小になる点は、前記第1コイル構造~前記第Nコイル構造のそれぞれの前記最も内側のターンに位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記アンテナモジュールが電力を受け取ると、前記第1端に対するリアクタンス成分の電位が最大になる点は、前記第1コイル構造~前記第Nコイル構造のそれぞれの最も外側のターンに位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記第1層間コンデンサ~前記第M層間コンデンサのそれぞれは、第3合成リアクタンスを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記第1合成リアクタンスと前記第2合成リアクタンスの合計は、前記第3合成リアクタンスに対応する、ことを特徴とする請求項5に記載のアンテナモジュール。
【請求項7】
前記第1合成リアクタンスは、前記第2合成リアクタンスよりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1電気素子は、前記第1コイル構造の第1の最も内側のターンに直接接続され、
前記少なくとも1つの第2電気素子は、前記第Nコイル構造の第Nの最も外側のターンに直接接続される、ことを特徴とする請求項7に記載のアンテナモジュール。
【請求項9】
前記第1合成リアクタンスは、前記第2合成リアクタンスの2倍以上である、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項10】
プラズマ発生システムであって、
プラズマを誘導するためのスペースを提供する誘電体チューブと、
電力を供給するように構成された電源と、
前記誘電体チューブに結合されて、前記電源から電力を受け取ることによって前記プラズマを誘導するように構成されたアンテナモジュールと、
を備え、
前記アンテナモジュールは、
第1端、第2端、及び前記第1端と前記第2端との間に電気的に介在する第1コイル構造~第Nコイル構造を含み、前記Nは2以上の自然数である多層のコイル構造と、
前記第1端と前記電源の第1端子との間に電気的に介在する少なくとも1つの第1電気素子と、
前記第2端と前記電源の第2端子との間に電気的に介在する少なくとも1つの第2電気素子と、
を含み、
前記第1コイル構造~前記第Nコイル構造のそれぞれは、2つよりも多いターンを含み、
前記第Nコイル構造は、第N平面上に配置され、第N-1コイル構造は、第N-1平面上に配置され、前記第N-1平面は、前記第N平面と平行であるが異なり、
前記多層のコイル構造は、第1層間コンデンサ~第M層間コンデンサをさらに含み、前記第M層間コンデンサは、前記第Mコイル構造と第M+1コイル構造との間に電気的に介在し、前記MはN-1に等しく、
前記少なくとも1つの第1電気素子は第1合成リアクタンスを有し、前記少なくとも1つの第2電気素子は第2合成リアクタンスを有し、
前記第1合成リアクタンス及び前記第2合成リアクタンスは、前記アンテナモジュールが電力を受け取ると、前記第1端に対するリアクタンス成分の電位がゼロになる点が前記第1コイル構造~前記第Nコイル構造のそれぞれの最も内側のターンに位置するように、異なる値を持つように設計される、ことを特徴とするプラズマ発生システム。
【請求項11】
前記アンテナモジュールが電力を受け取ると、前記第1端に対する前記リアクタンス成分の電位が最小になる点は、前記第1コイル構造~前記第Nコイル構造のそれぞれの前記最も内側のターンに位置する、ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマ発生システム。
【請求項12】
前記第1層間コンデンサ~前記第M層間コンデンサのそれぞれは、第3合成リアクタンスを有する、ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマ発生システム。
【請求項13】
前記第1合成リアクタンスと前記第2合成リアクタンスの合計は、前記第3合成リアクタンスに対応する、ことを特徴とする請求項12に記載のプラズマ発生システム。
【請求項14】
前記第1合成リアクタンスは、前記第2合成リアクタンスよりも大きい、ことを特徴とする請求項10に記載のプラズマ発生システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1電気素子は、前記第1コイル構造の第1の最も内側のターンに直接接続され、
前記少なくとも1つの第2電気素子は、前記第Nコイル構造の第Nの最も外側のターンに直接接続される、ことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、プラズマ生成装置およびその制御方法に関し、より具体的には、プラズマ放電時に発生する副生成物を低減するためのプラズマ生成装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ放電は多くの産業応用分野および科学応用分野で利用されており、プラズマ放電を通して半導体ウェハー加工など様々な産業分野に用いられる様々なガスの活性種を生成したり、産業工程で生成された副生成物の処理が行われたりすることができる。
【0003】
プラズマ放電を行うプラズマソースとして、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma)方式または蓄電結合プラズマ(Capacitively Coupled Plasma)方式が広く用いられている。誘導結合プラズマ方式とは、コイルにRF電力を印加して誘導電界を形成し、誘導電界を介してプラズマ放電を行う方式をいう。
【0004】
プラズマ放電を行う場合、放電用のアンテナに印加される電圧によって放電として生成された活性種またはイオンが誘電体チューブに衝突するなどの理由で、活性種に不純物が流入する場合が発生することがある。したがって、プラズマ放電を行うアンテナの構造や設計により、活性種に含まれる不純物を低減するためのプラズマ生成装置の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書による一課題は、プラズマ生成装置を提供することである。
【0006】
本明細書による他の課題は、不純物が低減された活性種を提供するプラズマ生成装置を提供することである。
【0007】
本明細書による課題は、上述の課題に限定されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書および図面から本発明が属する技術分野の当業者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書の一実施例によれば、第1モードおよび第2モードを含む複数の動作モードを有するプラズマ放電を行うプラズマ生成装置であって、第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置と、前記第1周波数範囲とは少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置と、誘電体チューブと、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および前記第1単位コイルと前記第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備え、前記動作モードが第1モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第1周波数範囲内の第1周波数を有する電力信号に基づいて第1プラズマ放電を誘導し、前記動作モードが第2モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第2周波数範囲内の第2周波数を有する電力信号に基づいて第2プラズマ放電を誘導し、前記第1単位コイルおよび前記第2単位コイルは第1インダクタンスを有し、前記第1コンデンサは第1静電容量を有し、前記第1周波数は前記第1インダクタンスおよび前記第1静電容量に応じて決定される第1共振周波数に対応する、プラズマ生成装置を提供することができる。
【0009】
本明細書の他の実施例によれば、第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置と、前記第1周波数範囲とは少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置と、誘電体チューブと、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および前記第1単位コイルと前記第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備えるプラズマ生成装置の制御方法において、前記アンテナモジュールに第1周波数を駆動周波数としてRF電力を提供する第1モードで動作するステップと、前記アンテナモジュールに第2周波数を駆動周波数としてRF電力を提供する第2モードで動作するステップと、を含み、前記第1単位コイルおよび前記第2単位コイルは第1インダクタンスを有し、前記第1コンデンサは第1静電容量を有し、前記第2周波数は前記第1インダクタンスおよび前記第1静電容量によって決定される第2共振周波数に対応する、プラズマ生成装置の制御方法を提供することができる。
【0010】
本明細書のまた他の実施例によれば、動作モードが第1モードである場合に第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置から電力を供給され、前記動作モードが第2モードである場合に前記第1周波数範囲とは少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置から電力を供給されてプラズマを生成するプラズマ生成装置であって、誘電体チューブと、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および前記第1単位コイルと前記第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備え、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第1周波数範囲内の第1周波数を有する電力信号に基づいて第1プラズマ放電を誘導し、前記動作モードが前記第2モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第2周波数範囲内の第2周波数を有する電力信号に基づいて第2プラズマ放電を誘導し、前記第1単位コイルおよび前記第2単位コイルは第1インダクタンスを有し、前記第1コンデンサは第1静電容量を有し、前記第1周波数は前記第1インダクタンスおよび前記第1静電容量に基づいて決定される第1共振周波数に対応する、プラズマ生成装置を提供することができる。
【0011】
本明細書による課題の解決手段は、上述した解決手段に限定されるものではなく、言及されない解決手段は、本明細書および図面から本発明が属する技術分野の当業者に明確に理解されるべきである。
【発明の効果】
【0012】
本明細書によれば、様々な環境下で利用可能なプラズマ生成装置を提供することができる。
【0013】
本明細書によれば、活性種に含まれる不純物が低減されたプラズマ生成装置を提供することができる。
【0014】
本明細書による発明の効果は、上記の効果に限定されるものではなく、言及されない効果は、本明細書および図面から本発明が属する技術分野の当業者に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本明細書の一実施例によるプラズマ生成システムを説明するための図である。
【
図2】本明細書の一実施例によるプラズマ生成システムを説明するための図である。
【
図3】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
【
図4】本明細書の一実施例によるDC電極を説明するための図である。
【
図5】本明細書の一実施例によるDC電源を説明するための図である。
【
図6】本明細書の一実施例によるDC電極を説明するための図である。
【
図7】本明細書の一実施例によるDC電源を説明するための図である。
【
図8】本明細書の一実施例によるアンテナモジュールを説明するための図である。
【
図9】本明細書の一実施例によるアンテナモジュールの動作を説明するための図である。
【
図10】本明細書の一実施例によるアンテナモジュールを説明するための図である。
【
図11】本明細書の一実施例によるアンテナモジュールの動作を説明するための図である。
【
図12】本明細書の一実施例によるアンテナモジュールの形態を説明するための図である。
【
図13】本明細書の一実施例によるRF電源を説明するための図である。
【
図14】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図15】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図16】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図17】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
【
図18】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
【
図19】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法を説明するための図である。
【
図20】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
【
図21】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法を説明するための図である。
【
図22】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図23】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図24】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図25】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図26】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図27】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図28】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図29】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図30】本明細書の一実施例によるプラズマ生成プロセスを説明するための図である。
【
図31】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
【
図32】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法を説明するための図である。
【
図33】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
【
図34】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法を説明するための図である。
【
図35】本明細書の一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法を説明するための図である。
【
図36】本明細書の一実施例によるアンテナモジュールを説明するための図である。
【
図37】本明細書の一実施例による単位アンテナを説明するための図である。
【
図38】本明細書の一実施例によるアンテナモジュールに印加される電圧を説明するための図である。
【
図39】本明細書の一実施例によるアンテナモジュールに印加される電圧を説明するための図である。
【
図40】本明細書の一実施例によるアンテナモジュールに印加される電圧を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書の一実施例によれば、第1モードおよび第2モードを含む複数の動作モードを有するプラズマ放電を行うプラズマ生成装置であって、第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置と、前記第1周波数範囲とは少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置と、誘電体チューブと、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および前記第1単位コイルと前記第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備え、前記動作モードが第1モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第1周波数範囲内の第1周波数を有する電力信号に基づいて第1プラズマ放電を誘導し、前記動作モードが第2モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第2周波数範囲内の第2周波数を有する電力信号に基づいて第2プラズマ放電を誘導し、前記第1単位コイルおよび前記第2単位コイルは第1インダクタンスを有し、前記第1コンデンサは第1静電容量を有し、前記第1周波数は前記第1インダクタンスおよび前記第1静電容量に応じて決定される第1共振周波数に対応する、プラズマ生成装置を提供することができる。
【0017】
本明細書の一実施例によれば、前記第1電源装置は、第1インピーダンスを有する第1マッチング素子を含んでもよい。
【0018】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第1周波数を有する電力信号に基づいて前記第1プラズマ放電を実行し、前記第1周波数は、前記第1インピーダンス、前記第1インダクタンス、および前記第1静電容量に基づいて決定される前記第1共振周波数に対応してもよい。
【0019】
本明細書の一実施例によれば、前記第2電源装置は、第2インピーダンスを有する第2マッチング素子を含み、前記動作モードが第2モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第2周波数を有する電力信号に基づいて前記第2プラズマ放電を実行し、前記第2周波数は、前記第2インピーダンス、前記第1インダクタンス、および前記第1静電容量に基づいて決定され、前記第1共振周波数とは異なる第2共振周波数に対応してもよい。
【0020】
本明細書の一実施例によれば、前記第2共振周波数は前記第1共振周波数よりも大きく、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記第1コンデンサに接続されていない前記第1単位コイルの一端と前記第1コンデンサに接続されていない前記第2単位コイルの一端との間の電圧である第1電圧は、前記動作モードが前記第2モードである場合、前記第1コンデンサに接続されていない前記第1単位コイルの一端と前記第1コンデンサに接続されていない前記第2単位コイルの一端との間の電圧である第2電圧よりも小さくてもよい。
【0021】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記第1単位コイルの両端間の電圧は、前記第1コンデンサに接続されていない前記第1単位コイルの一端と前記第1コンデンサに接続されていない前記第2単位コイルの一端との間の電圧に対応してもよい。
【0022】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合の前記アンテナモジュールの両端間の電圧は、前記動作モードが前記第2モードである場合の前記アンテナモジュールの両端間の電圧よりも小さくてもよい。
【0023】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合の前記アンテナモジュールに流れる第1電流の大きさは、前記動作モードが前記第2モードである場合の前記アンテナモジュールに流れる第2電流の大きさよりも小さくてもよい。
【0024】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記アンテナモジュールで消費される電力は第1電力であり、前記動作モードが前記第2モードである場合、前記アンテナモジュールで消費される電力は前記第1電力より小さい第2電力であってもよい。
【0025】
本明細書の一実施例によれば、第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置と、前記第1周波数範囲とは少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置と、誘電体チューブと、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および前記第1単位コイルと前記第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備えるプラズマ生成装置の制御方法において、前記アンテナモジュールに第1周波数を駆動周波数としてRF電力を提供する第1モードで動作するステップと、前記アンテナモジュールに第2周波数を駆動周波数としてRF電力を提供する第2モードで動作するステップと、を含み、前記第1単位コイルおよび前記第2単位コイルは第1インダクタンスを有し、前記第1コンデンサは第1静電容量を有し、前記第2周波数は前記第1インダクタンスおよび前記第1静電容量によって決定される第2共振周波数に対応する、プラズマ生成装置の制御方法を提供することができる。
【0026】
本明細書の一実施例によれば、前記第2電源装置は、第2インピーダンスを有する第2マッチング素子を含み、前記第2モードで動作するステップは、前記第1インダクタンス、前記第1静電容量、および前記第2インピーダンスに基づいて決定される前記第2共振周波数に対応する前記第2周波数を駆動周波数として動作することを含んでもよい。
【0027】
本明細書の一実施例によれば、前記第1電源装置は、第1インピーダンスを有する第1マッチング素子を含み、前記第1モードで動作するステップは、前記第1インダクタンス、前記第1静電容量、および前記第1インピーダンスに基づいて決定される第1共振周波数に対応する前記第1周波数を駆動周波数として動作することを含んでもよい。
【0028】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記アンテナモジュールで消費される電力は第1電力であり、前記動作モードが前記第2モードである場合、前記アンテナモジュールで消費される電力は前記第1電力より大きい第2電力であってもよい。
【0029】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記第1単位コイルの両端間の電圧は、前記第1コンデンサに接続されていない前記第1単位コイルの一端と前記第1コンデンサに接続されていない前記第2単位コイルの一端との間の電圧に対応してもよい。
【0030】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合の前記アンテナモジュールに流れる第1電流の大きさは、前記動作モードが前記第2モードである場合の前記アンテナモジュールに流れる第2電流の大きさよりも小さくてもよい。
【0031】
本明細書の一実施例によれば、前記プラズマ生成装置の制御方法は、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記アンテナモジュールに流れる電流を取得するステップと、前記アンテナモジュールに流れる電流が基準値以下である場合、前記動作モードを前記第2モードに変更するステップと、をさらに含んでもよい。
【0032】
本明細書の一実施例によれば、前記プラズマ生成装置の制御方法は、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記第1電源装置のインバータに流れる電流を取得するステップと、前記第1電源装置のインバータに流れる電流が基準値以下である場合、前記動作モードを前記第2モードに変更するステップと、をさらに含んでもよい。
【0033】
本明細書の一実施例によれば、動作モードが第1モードである場合に第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置から電力を供給され、前記動作モードが第2モードである場合に前記第1周波数範囲とは少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置から電力を供給されてプラズマを生成するプラズマ生成装置であって、誘電体チューブと、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、前記誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および前記第1単位コイルと前記第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備え、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第1周波数範囲内の第1周波数を有する電力信号に基づいて第1プラズマ放電を誘導し、前記動作モードが前記第2モードである場合、前記アンテナモジュールは前記第2周波数範囲内の第2周波数を有する電力信号に基づいて第2プラズマ放電を誘導し、前記第1単位コイルおよび前記第2単位コイルは第1インダクタンスを有し、前記第1コンデンサは第1静電容量を有し、前記第1周波数は前記第1インダクタンスおよび前記第1静電容量に基づいて決定される第1共振周波数に対応する、プラズマ生成装置を提供することができる。
【0034】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合の前記アンテナモジュールの両端間の電圧は、前記動作モードが前記第2モードである場合の前記アンテナモジュールの両端間の電圧よりも小さくてもよい。
【0035】
本明細書の一実施例によれば、前記動作モードが前記第1モードである場合、前記第1単位コイルの両端間の電圧は、前記第1コンデンサに接続されていない前記第1単位コイルの一端と前記第1コンデンサに接続されていない前記第2単位コイルの一端との間の電圧に対応してもよい。
【0036】
本明細書の一実施例によれば、誘電体チューブに結合されて電源から電力を供給されるアンテナモジュールにおいて、第1点および第2点を有する第1単位ターンと、第3点および第4点を有する第2単位ターンとを含む第1単位アンテナであって、前記第1単位ターンは前記第2単位ターンと前記誘電体チューブとの間に配置され、前記第1単位ターンの前記第2点は前記第2単位ターンの前記第3点に接続される第1単位アンテナと、前記電源の第1端子と前記第1単位ターンの前記第1点との間に電気的に介在(electrically interposed)する第1キャパシタであって、前記第1単位ターンの前記第1点は前記第1キャパシタに接続される第1キャパシタと、前記電源の第2端子と前記第2単位ターンの前記第4点との間に電気的に介在する第2キャパシタと、を備え、前記アンテナモジュールに印加される電圧による前記誘電体チューブの損傷および副生成物の発生を最小化するために、第2キャパシタの静電容量は前記第1キャパシタの静電容量より小さいアンテナモジュールを提供することができる。
【0037】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールは、前記第2単位ターンの前記第4点と前記第2キャパシタとの間に接続される第3キャパシタを含み、前記第3キャパシタの静電容量は前記第2キャパシタの静電容量より小さくてもよい。
【0038】
本明細書の一実施例によれば、前記第1キャパシタの静電容量は前記第2キャパシタの静電容量の2倍より大きくてもよい。
【0039】
本明細書の一実施例によれば、前記第1キャパシタおよび前記第2キャパシタの合成静電容量は前記第3キャパシタの静電容量に対応してもよい。
【0040】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールは、第5点および第6点を有する第3単位ターンと、第7点および第8点を有する第4単位ターンとを含む第2単位アンテナをさらに含み、前記第3単位ターンは前記誘電体チューブと前記第4単位ターンとの間に位置され、前記第3単位ターンの前記第6点は前記第4単位ターンの前記第7点に接続され、前記第3キャパシタは前記第2単位ターンの前記第4点と前記第3単位ターンの前記第5点との間に電気的に介在し、前記第2キャパシタは前記第4単位ターンの前記第8点と前記電源の前記第2端子との間に電気的に介在してもよい。
【0041】
本明細書の一実施例によれば、前記第1単位ターンおよび前記第2単位ターンは、前記誘電体チューブの長さ方向に垂直な平面上に位置し、前記第1単位ターンおよび前記第2単位ターンそれぞれは円弧状を有してもよい。
【0042】
本明細書の一実施例によれば、前記第1点は前記第4点よりも前記チューブに近接して位置されてもよい。
【0043】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールに電力が供給されると、前記第1キャパシタのリアクタンス成分に印加される電圧は前記第1点と前記第2点との間のリアクタンス成分に印加される電圧よりも小さく、前記第3キャパシタのリアクタンス成分に印加される電圧は前記第1点と前記第4点との間のリアクタンス成分に印加される電圧に対応してもよい。
【0044】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールは、前記第3キャパシタの静電容量および前記第1単位アンテナのインダクタンスに基づいて決定される共振周波数で共振し、前記アンテナモジュールが共振状態のとき、前記第1端子に対するリアクタンス成分の電位がゼロになる一点は前記第1単位アンテナの前記第1単位ターン上に位置してもよい。
【0045】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールは、前記第3キャパシタの静電容量および前記第1単位アンテナのインダクタンスに基づいて決定される共振周波数で共振し、前記アンテナモジュールが共振状態のとき、前記第1点の終端と前記電源の前記第1端子との間のリアクタンス成分に印加される電圧は前記第2点の終端と前記電源の前記第1端子との間のリアクタンス成分に印加される電圧と実質的に同じであってもよい。
【0046】
本明細書の一実施例によれば、誘電体チューブに結合されて電源から電力を供給されるアンテナモジュールにおいて、第1点および第2点を有する第1単位ターンと、第3点および第4点を有する第2単位ターンとを含む第1単位アンテナであって、前記第1単位ターンは前記誘電体チューブと前記第2単位ターンとの間に位置され、前記第1単位ターンの前記第2点は前記第2単位ターンの前記第3点に接続される第1単位アンテナと、前記電源の第1端子と前記第1単位ターンの前記第1点との間に電気的に介在する第1キャパシタと、前記第2単位ターンの前記第4点に接続された第2キャパシタと、を備え、前記第1キャパシタは前記電源の第1端子と前記第1点との間に電気的に介在し、前記アンテナモジュールに電力が供給されると、前記第1端子に対するリアクタンス成分の電圧がゼロになる一点は前記第1単位ターン上に位置し、前記一点は前記第1単位アンテナで電圧が最低となる点であるアンテナモジュールを提供することができる。
【0047】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールは、前記第2キャパシタの静電容量および前記第1単位アンテナのインダクタンスに基づいて決定される共振周波数で共振し、前記アンテナモジュールが共振状態のとき、前記第1単位アンテナで前記電圧が最低となる前記一点は前記第1単位ターン内に位置してもよい。
【0048】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールに電力が供給されると、前記第1単位アンテナで前記電圧が最低となる前記一点は前記第1単位ターン上に位置してもよい。
【0049】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールに電力が供給されると、前記第1単位アンテナでリアクタンス成分の電位の絶対値が最低となる点は、前記第1単位ターン上に位置してもよい。
【0050】
本明細書の一実施例によれば、前記第1キャパシタの静電容量は前記第2キャパシタの静電容量の2倍より大きくてもよい。
【0051】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールに印加される電圧による前記チューブの損傷および副生成物の発生を最小化するために、前記第2キャパシタの静電容量は前記第1キャパシタの静電容量より小さくてもよい。
【0052】
本明細書の一実施例によれば、アンテナモジュールは、第5点から第6点まで延びる第3単位ターンと、第7点から第8点まで延びる第4単位ターンとを含む第2単位アンテナをさらに含み、前記第3単位ターンは前記第4単位ターンの内側に位置し、前記第6点は前記第7点に接続され、前記第2キャパシタは前記第4点と前記第5点との間に接続され、前記第8点と前記電源の前記第2端子との間に接続された第3キャパシタをさらに含んでもよい。
【0053】
本明細書の一実施例によれば、前記第2キャパシタの静電容量は前記第3キャパシタの静電容量より小さくてもよい。
【0054】
本明細書の一実施例によれば、前記第1キャパシタの静電容量および前記第3キャパシタの静電容量の合成静電容量は前記第2キャパシタの静電容量に対応してもよい。
【0055】
本明細書の一実施例によれば、誘電体チューブに結合されて電源から電力を供給されるアンテナモジュールにおいて、第1点から第2点まで延びる第1単位ターンと、第3点から第4点まで延びる第2単位ターンとを含む第1単位アンテナであって、前記第1単位ターンは前記第2単位ターンの内側に位置し、前記第2点は前記第3点に接続される第1単位アンテナと、前記第1単位ターンの前記第1点に接続され、前記電源の第1端子と前記第1点との間に接続される第1キャパシタと、前記電源の第2端子と前記第4点との間に接続される第2キャパシタと、を備え、前記第2キャパシタの静電容量は前記第1キャパシタの静電容量と異なっているアンテナモジュールを提供することができる。
【0056】
本明細書の一実施例によれば、前記アンテナモジュールは、前記第2単位ターンの前記第4点と前記第2キャパシタとの間に接続される第3キャパシタをさらに備え、第5点から第6点まで延びる第3単位ターンと、第7点から第8点まで延びる第4単位ターンとを含む第2単位アンテナであって、前記第3単位ターンは前記第4単位ターンの内側に位置し、前記第6点は前記第7点に接続される第2単位アンテナをさらに含み、前記第3キャパシタは前記第4点と前記第5点との間に接続され、前記第2キャパシタは前記第8点と前記電源の前記第2端子との間に連結され、前記第1キャパシタの静電容量および前記第2キャパシタの静電容量の合成静電容量は前記第3キャパシタの静電容量に対応してもよい。
(発明の実施形態)
【0057】
本明細書の上記の目的、特徴および長所は、図面に関連する以下の詳細な説明によってより明らかになるであろう。ただし、本発明は様々な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができ、以下では特定の実施例を図面に例示し、これを詳細に説明する。
【0058】
図面において、層および領域の厚さは明確にするために誇張されており、また、構成要素(element)または層が他の構成要素または層の「上方(on)」または「上(on)」と指摘される場合、他の構成要素または層の真上だけでなく、中間に他の層または他の構成要素を介在した場合も含まれる。明細書全体にわたって同じ参照符号は原則として同じ構成要素を示す。また、各実施例の図面に示される同じ思想の範囲内の機能の同じ構成要素は同じ参照符号を用いて説明する。
【0059】
本発明に係る公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明の過程で使用される数字(例えば、第1、第2等)は、1つの構成要素を他の構成要素と区別するための識別記号に過ぎない。
【0060】
また、以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書の作成の容易さのみが考慮されて付与または混用されるものであり、それ自体が互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0061】
実施例による方法は、様々なコンピュータ手段を介して実行することができるプログラム命令の形態で実施され、コンピュータ読み取り可能媒体に記録することができる。前記コンピュータ読み取り可能媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記媒体に記録されるプログラム命令は、実施例のために特に設計して構成されたものや、コンピュータソフトウェアの当業者に公知されて使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体(magneto-optical media)、およびロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を記憶および実行するように特に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行することができる高級言語コードも含まれる。上記のハードウェア装置は、実施例の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成することができ、その逆も同様である。
【0062】
1. プラズマ生成システム
一実施例によれば、プラズマ生成システムを提供することができる。
【0063】
図1は、一実施例によるプラズマ生成システムを説明するための図である。
図1を参照すると、プラズマ生成システムは、電力を提供する電力供給部100と、電力供給部100から電力を供給されてプラズマを生成するプラズマ生成部200と、プラズマ生成部200にガスを供給するガス供給部300と、を備えることができる。プラズマ生成システムは、生成されたプラズマを用いて工程を実行する工程部400をさらに備えてもよい。
【0064】
電力供給部100はプラズマの生成に必要な電力を供給することができる。電力供給部100はプラズマ生成部に電力を供給することができる。電力供給部100はDC電源および/またはRF電源を含むことができる。電力供給部100はDC電源を介してプラズマ生成部200に高電圧パルスを提供することができる。電力供給部100は、RF電源を介してプラズマ生成部200にRF電力を提供することができる。
【0065】
プラズマ生成部200はプラズマ放電を実行できる。プラズマ生成部200は、放電ガスを取得し、放電ガスを介してプラズマ放電を実行できる。プラズマ生成部200は、誘導結合プラズマ放電または蓄電結合プラズマ放電を実行できる。
【0066】
プラズマ生成部200は遠隔プラズマソースであり得る。プラズマ生成部200は、活性種を形成し、形成された活性種を工程部400に提供することができる。
【0067】
プラズマ生成部200は、大気圧(常圧)下でプラズマ放電を行う常圧プラズマ装置を含むことができる。例えば、プラズマ生成部200は、数百Torr~大気圧(750Torr)下で、プラズマ放電を行う常圧プラズマ装置を含むことができる。
【0068】
プラズマ生成部200は、低圧プラズマ放電を行う低圧プラズマ装置を含むことができる。例えば、プラズマ生成部200は、10-5~10-7Torr以下の初期真空度(Base pressure)の環境を作った後、所望の工程ガスを用いて数mTorr~数Torrの工程圧力でプラズマを発生させる低圧プラズマ装置を含むことができる。
【0069】
プラズマ生成部200は、数十~数百度下で低温プラズマ放電動作を実行できる。例えば、プラズマ生成部200は、半導体およびディスプレイ工程の洗浄、エッチング、蒸着、表面処理、物質合成などの低圧低温プラズマ放電動作を実行できる。また、例えば、プラズマ生成部200は、ガラス基板の洗浄工程、親水性/疏水性表面改質、ナノ技術、殺菌、有害物質除去、二酸化炭素低減などのための常圧低温プラズマ放電動作を実行できる。
【0070】
プラズマ生成部200は、数千~数万度の高温下で、ガス改質、マイクロパーティクル生成、プラズマ溶接、切断、冶金などのための高温プラズマ放電動作を行うこともできる。
【0071】
以下、プラズマ生成部200、プラズマ生成装置などは、上述した低温プラズマ放電または高温プラズマ放電を行う装置などと解釈することができる。
【0072】
プラズマ生成部200は、プラズマ生成のために、シード電荷を生成することができる。特に、プラズマ生成部200が常圧プラズマ放電を行う場合、プラズマ生成部200は初期放電のためにシード電荷を生成することができる。プラズマ生成部200は、DC電極を含み、DC電極にDC高電圧パルスが提供されるとシード電荷を生成することができる。
【0073】
プラズマ生成部200は、プラズマ生成のために、初期放電およびメイン放電を実行できる。プラズマ生成部200は、蓄電結合モード(Eモード)による初期放電または誘導結合モード(Hモード)によるメイン放電を実行できる。プラズマ生成部200は、コイルを含む誘導結合アンテナを含み、誘導結合アンテナにRF電力が提供されることによって初期放電またはメイン放電を実行できる。
【0074】
プラズマ生成部200の具体的な構成および動作については、以下でより詳細に説明する。
【0075】
ガス供給部300は、プラズマ生成部200にプラズマ放電のためのガスを供給することができる。ガス供給部300は、プラズマ生成部200に反応性ガスまたは工程ガスを供給することができる。ガス供給部300は、プラズマ生成部200または工程部400の機能または用途により選択されたガスを供給することができる。
【0076】
例えば、ガス供給部300は、NF3ガス(三フッ化窒素ガス)、Arガス(アルゴンガス)、Xeガス(キセノンガス)、Krガス(クリプトンガス)、N2ガス(窒素ガス)、O2ガス(酸素ガス)、H2ガス(水素ガス)、Heガス(ヘリウムガス)、Neガス(ネオンガス)SiH4ガス(モノシランガス)、NH3ガス(アンモニアガス)、PH3ガス(ホスフィンガス)、B2H6ガス(ジボランガス)、DCSガス(ジクロロシランガス)、C5F8ガス(オクタフルオロペンテンガス)、CF4ガス(四フッ化炭素ガス)、HBrガス(臭化水素ガス)、Cl2ガス(塩素ガス)、Xeガス(キセノンガス)、Krガス(クリプトンガス)、SF6ガス(六フッ化硫黄ガス)、CH4ガス(メタンガス)中のいずれか1つのガスまたはガスとエアの混合気体をプラズマ生成部200に供給することができる。ガス供給部300は、TEOS(tstra-ethyl-ortho-silicate)、Tetrakis((ethylmethylamino)zirconium)、トリメチルアルミニウム(trimethyl aluminum)、ヘキサメチルジシロキサン(hexamethyldisiloxane)等の液相前駆体を介してプラズマ生成部にガスを供給することもできる。
【0077】
工程部400は、プラズマ放電の前または後の工程を実行できる。工程部は、プラズマ生成部200によって生成されたプラズマを介して目的工程を実行できる。または、工程部400は、目的工程の実行によって生成される物質をプラズマ生成部に伝達することができる。
【0078】
目的工程は、プラズマイオン/ラジカルの被処理材料表面衝突を通じて表面の微細油膜除去などを行う洗浄工程、目的による反応性エッチングガスを用いてプラズマを発生させ、これを用いて物質を選択的に除去するエッチング工程、目的に合う蒸着ガスおよびプラズマ放電のための添加ガスを注入し、表面に物質を蒸着する蒸着工程、プラズマを用いて表面の特性を変化させる改質工程、プラズマ放電を通じて対象物質を分解する物質分解工程などであり得る。
【0079】
工程部400は、半導体基板処理に関連する目的動作を実行できる。例えば、工程部400は、プラズマ生成部から活性種(例えば、水素活性種)を供給され、工程室の内部の洗浄工程を実行できる。
【0080】
工程部400は、工程室、工程室内に配置され、処理対象の半導体基板(例えば、シリコン半導体基板)が位置される基板ホルダ、基板ホルダの上部に位置され、工程室内に基板処理物質を供給するシャワーヘッドおよび/または工程室内の空気を排気する真空ポンプを含むことができる。
【0081】
プラズマ生成システムは、工程部400がプラズマ生成部を介して生成されるプラズマを介して目的工程を実行するか、または工程部400の目的工程によって生成された副生成物がプラズマ生成部200によって処理されるように構成することができる。
図2はいくつかの実施例によるプラズマ生成システムを説明するための図である。
【0082】
図2の(a)を参照すると、一実施例によるプラズマ発生システムは、工程部401と、工程部401により生成される物質を処理するプラズマ生成部201と、を含むことができる。例えば、
図2の(a)を参照すると、プラズマ発生システムはガススクラバー(scrubber)装置を含むことができる。工程部401は半導体製造工程を行う装置であり、プラズマ生成部201は、工程部401の半導体製造工程で生成される難分解性ガス、例えば、六フッ化硫黄(SF
6)、四フッ化炭素(CF
4)、過フッ化炭素(PFC)ガスの処理を実行することができる。
【0083】
図2の(b)を参照すると、一実施例によるプラズマ発生システムは、活性種を生成し、工程部402に活性種を供給するプラズマ生成部202と、活性種を用いた工程を行う工程部402と、を含むことができる。例えば、プラズマ生成部202は、NF
3、H
2、N
2、O
2、C
3F
8、CF
4、Cl
2、SiH
4などのガスをプラズマ放電して活性種を生成することができる。工程部402は、プラズマ生成部202により生成された活性種を介して、ドライエッチング、PECVD、PVD、アッシング(Ashing)、洗浄(Cleaning)などの動作を実行することができる。
【0084】
2.プラズマ生成装置
2.1 プラズマ生成装置の概要
以下では、複数の共振周波数で共振してプラズマ放電を行うプラズマ生成装置について説明する。
【0085】
一実施例によれば、プラズマ生成装置は、それぞれ異なるインピーダンスを有する複数のモジュールを含むことができる。プラズマ生成装置は、各モジュールに対応する共振周波数で電力が供給されると、各モジュールに対応する共振周波数で共振することができる。例えば、プラズマ生成装置は、第1インピーダンスを有する第1モジュールと、第2インピーダンスを有する第2モジュールと、を含み、第1モジュールに対応する第1周波数および第2モジュールに対応する第2周波数で共振することができる。
【0086】
一実施例によれば、プラズマ生成装置は、印加される電力の周波数に応じて異なる機能を実行することができる。例えば、プラズマ生成装置は、第1周波数で電力が供給される場合、プラズマの初期生成を促進する初期放電を実行できる。または、プラズマ生成装置は、第1周波数と異なる第2周波数で電力が供給される場合、プラズマを持続生成および維持するメイン放電を実行できる。
【0087】
プラズマ生成装置は、印加される電力の周波数により電力が伝達される構成が異なるように構成されてもよい。プラズマ生成装置は、第1周波数で電力が供給される場合、第2モジュールよりも第1モジュールに電力を多く供給することができる。プラズマ生成装置は、第2周波数で電力が供給される場合、第1モジュールよりも第2モジュールに電力を多く供給することができる。
【0088】
以下では、上述した電力供給部およびプラズマ発生部を含むプラズマ生成装置についていくつかの実施例を説明する。
【0089】
2.2 プラズマ生成装置の構成
2.2.1 概要
図3は、一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
図3を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置は、可変周波数のRF電源101と、RF電源101から電力を供給されてプラズマを生成するプラズマ生成部と、を含むことができる。
図3を参照すると、プラズマ生成部は、誘電体チューブ210、誘電体チューブ210内に位置するガスチューブ211、213、および誘電体チューブ210の周辺に配置され、RF電源101から電力を供給されて誘導電界を形成し、誘電体チューブ210内にプラズマを生成するアンテナ220を含むことができる。プラズマ生成装置は補助ガス供給ノズル250をさらに含むことができる。
【0090】
RF電源101は、可変周波数範囲内で駆動周波数を変更することができる。RF電源101は、数百kHz~数十MHzの可変周波数範囲および/または数十kW以上の電力を有することができる。例えば、RF電源101は、100kHz~5MHz範囲内の周波数で電力を提供する交流電力源であり得る。
【0091】
一実施例によれば、RF電源101の周波数は、アンテナのモジュールの形態に応じて別に適用され得る。例えば、RF電源の周波数は、アンテナモジュールに含まれえるコンデンサの間隔に応じて変わり得る。例えば、アンテナモジュールに含まれるコンデンサの間隔に応じて、数MHzまたは十数MHzを最大周波数として有するRF電源を利用することができる。
【0092】
RF電源101は、駆動周波数を変更してインピーダンス マッチングを行うことができる。RF電源101は、駆動周波数を変更してプラズマ生成部を共振状態で動作させることができる。
【0093】
RF電源101は、商用交流電源を直流電源に変換する整流器、スイッチング信号を提供して駆動周波数および電力を制御する制御器、および制御器のスイッチング信号に基づいて直流電源をRF電力に変換するインバータを含むことができる。
【0094】
誘電体チューブ210は円筒形のチューブ形態で用意されてもよい。誘電体チューブ210の外径は数センチメートル~数十センチメートルことであり得る。誘電体チューブ210の内径は、外径より数ミリ~数センチメートル小さくてもよい。
【0095】
誘電体チューブ210は誘電体チューブであり得る。誘電体チューブ210は、セラミック(例えば、アルミナまたはAlN)、サファイア、クォーツなどの非導電性物質で用意されてもよい。
【0096】
誘電体チューブ210は、プラズマが位置する放電領域を提供することができる。誘電体チューブ210内部の圧力は外部と異なるように調整することができる。誘電体チューブ210内部の圧力は、必要に応じて、真空に準拠する超低圧、数ミリトルの低圧~大気圧以上の常圧に調整することができる
【0097】
ガスチューブ211、213は、誘電体チューブ210と誘電体チューブ210の内部にガスを提供するための経路を提供することができる。ガスチューブ211、213は、プラズマの誘電体チューブ210の内壁接触を抑制し、プラズマ安定性を確保することができる。
【0098】
ガスチューブ211、213は1つ以上であり得る。ガスチューブは第1ガスチューブ211および第2ガスチューブ213を含むことができる。第1ガスチューブ211および第2ガスチューブ213は同心構造を有することができる。第1ガスチューブ211は、第1ガス(例えば、メタンガスなどの反応のためのガス)の投入経路を提供することができる。第2ガスチューブ213は、第1ガスと異なる構成を有する第2ガス(例えば、二酸化炭素を主成分とするガス)の投入経路を提供することができる。
【0099】
第1ガスチューブ211および第2ガスチューブ213はスワール流を提供することができる。例えば、第1ガスチューブ211は内側スワール流を提供し、第2ガスチューブ213は外側スワール流を提供することができる。
【0100】
アンテナモジュール220は、RF電源101から電力を供給され、誘電体チューブ210の内部にプラズマ放電を誘導することができる。アンテナモジュール220は、RF電源101から交流電力を供給され、誘電体チューブ210の内部に誘導結合プラズマを発生させることができる。アンテナモジュール220については、以下の電極降伏においてより詳細な実施例を用いて説明する。
【0101】
補助ガス供給ノズル250は誘電体チューブ210内に補助ガスを供給することができる。補助ガス供給ノズル250は、誘電体チューブ210のガスが投入される一端と対向する他端に近接して位置することができる。補助ガス供給ノズル250は誘電体チューブ210の周辺に配置され、アンテナモジュール220とガス排出口(誘電体チューブ210のアウトレット)との間に配置されてもよい。
【0102】
プラズマ生成装置は、誘電体チューブ210およびアンテナモジュール220を包み込み、外部の影響を遮断するが安全性を確保するための安全ケース190をさらに含むことができる。
【0103】
2.2.2 DC電源および電極
一実施例によるプラズマ生成装置は、DC高電圧を印加するDC電源と、DC高電圧が印加されると誘電体チューブ内に蓄電結合プラズマ放電を起こすDC電極(イグニッション電極)とを含むことができる。特に、常圧プラズマ放電のために利用されるプラズマ生成装置の場合、誘導結合プラズマ放電が低圧プラズマ放電に比べて困難であるが、イグニッション電極を用いてシード電荷を提供することによって、初期放電を補助して放電安定性をより高めることができる。
【0104】
プラズマ生成装置は、誘電体チューブの内部に放電を引き起こす1つ以上の放電電極を含むことができる。プラズマ生成装置は、放電電極にDC電圧を印加して、誘電体チューブの内部に蓄電結合放電、例えば、局部的なストリーマ放電を引き起こすことができる。プラズマ生成装置は、放電電極にDC電圧を印加して、誘電体チューブ内にシード電荷を提供することができる。
【0105】
図4は一実施例による放電電極を説明するための図である。
【0106】
図4の(a)を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置は、プラズマ放電を引き起こすアンテナモジュール220の周辺に位置され、DC電源に接続された1つ以上の電極を含むことができる。プラズマ生成装置は、アンテナモジュール220の上方に位置する第1電極231と、アンテナモジュール220の下方に位置する第2電極233と、を含むことができる。
【0107】
図4の(b)を参照すると、プラズマ生成装置は、誘電体チューブの外面に位置し、アンテナモジュール220の誘導コイル221の上方に位置する第1電極231と、誘電体チューブの外面を囲むように配置され、誘導コイル221の下方に位置する第2電極233と、を含むことができる。
図4の(b)を参照すると、第1電極231は四角板の形態であってもよい。第2電極233は「C」字型であってもよい。または、第2電極233は複数のスリットを含むことができる。誘導コイルによって形成される誘導電界E1およびE2の影響で第2電極233に渦流が流れるのを防止するために、第2電極233は誘電体チューブの外壁を完全に囲まない開放型ループ構造を有することができる。
【0108】
DC電源は、第1電極231に正の高電圧を印加し、第2電極233に負の高電圧を印加することができる。DC電源によって第1電極231と第2電極233との間に高電圧パルスが印加されると、第1電極231と第2電極233との間に蓄電結合プラズマ放電、例えば垂直ストリーマ放電が起こることができる。
【0109】
図5は一実施例による電源を説明するための図である。
【0110】
図5の(a)を参照すると、DC電源は、商用交流電源をDC電圧に変換するAC-DC変換器111、DC電圧を介して正のDC高電圧パルスを生成する高電圧パルス発生器113、および高電圧パルス発生器を制御する制御器112を含む。
【0111】
図5の(b)は
図5の(a)で説明する高電圧パルス発生器の一実施例を説明するための図である。
【0112】
図5の(b)を参照すると、一実施例による高電圧パルス発生器113は、AC-DC変換器からDC電圧を取得する1次コイルと正のDC高電圧パルスを発生させる2次コイルを含む第1トランスフォーマー113aと、第1トランスフォーマー113aの1次コイルに接続された第1電力トランジスター113bと、AD-DC変換器からDC電圧を取得する1次コイルと負のDC高電圧パルスを発生させる2次コイルを含む第2トランスフォーマー113cと、第2トランスフォーマーの1次コイルに接続された第2電力トランジスター113dと、を含むことができる。制御部112は、第1電力トランジスター113bと第2電力トランジスター113dのゲートを制御することができる。第1トランスフォーマー113aの2次コイルの一端は接地され、第1トランスフォーマー113aの2次コイルの他端は正のDC高電圧パルスVo1を出力することができる。第2トランスフォーマー113cの2次コイルの一端は接地され、第2トランスフォーマー113cの2次コイルの他端は負のDC高電圧パルスVo2を出力することができる。
【0113】
DC電圧Vinは12~24Vの直流電源であり得る。制御部112は第1電力トランジスター113bと第2電力トランジスター113dのオンタイムと繰り返し周波数を同期して制御することができる。DC高電圧パルスの電圧は、数十kV、例えば、10~50kVであり得る。DC高電圧パルスの繰り返し周波数は、数kHz~数十kHz、例えば、10kHz~100kHzであり得る。
【0114】
図6は他の一実施例による放電電極を説明するための図である。
【0115】
図6の(a)を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置は、プラズマ放電を引き起こすアンテナモジュール220の周辺に位置され、DC電源110に接続された1つの電極231を含むことができる。
【0116】
プラズマ生成装置は、DC電源110を介して電極231に高電圧を印加し、電極231と周辺物体(例えば、誘電体チューブ内/外に位置する金属物体)との間に蓄電結合放電を引き起こすことができる。プラズマ生成装置は、DC電源110を介して電極231に高電圧を印加し、電極231と誘電体チューブ内に位置して接地されたガスチューブ211と電極231との間に蓄電結合放電を引き起こすことができる。プラズマ生成装置は、ガスチューブ211と電極231との間に放電を引き起こしてシード電荷を提供することができる。
【0117】
図6の(b)を参照すると、プラズマ生成装置は、誘電体チューブの外面に位置し、アンテナモジュール220の誘導コイル221の上方に位置する電極231を含むことができる。電極231は四角板の形態であってもよい。プラズマ生成装置は、DC電源を介して誘電体チューブの外面に位置する四角板の形態の電極231に正の高電圧を印加して、誘電体チューブ内に位置して接地されたガスチューブ211と電極231との間に放電を誘導することができる。DC電源によって電極231に高電圧パルスが印加されると、電極231とガスチューブ211との間に蓄電結合プラズマ放電、例えばストリーマ放電が起きることができる。
【0118】
図7の(a)は一実施例による電源を説明するための図である。
図7の(b)は
図7の(a)で説明する高電圧パルス発生器の一実施例を説明するための図である。
図7の(a)および(b)の電源および高電圧パルス発生器において、特に説明がない限り、
図5で説明した内容を同様に適用することができる。
【0119】
図7の(b)を参照すると、一実施例による高電圧パルス発生器113は、AC-DC変換器からDC電圧を取得する1次コイルと正のDC高電圧パルスを発生させる2次コイルを含むトランスフォーマー113eと、トランスフォーマー113eの1次コイルに接続されたトランジスター113fと、を含むことができる。制御部112はトランスフォーマー113eのゲートを制御することができる。トランスフォーマー113fの2次コイルの一端は接地され、トランスフォーマー113fの2次コイルの他端は正のDC高電圧パルスVoutを出力することができる。
【0120】
2.2.3 誘導電極
プラズマ生成装置は、誘電体チューブの内部に放電を引き起こす1つ以上の誘導電極を含むことができる。プラズマ生成装置は、RF電源から電力が供給されると誘導結合プラズマ放電を引き起こす1つ以上のアンテナモジュールを含むことができる。アンテナモジュールは、その形態および入力電力信号の周波数に応じて異なる動作をすることができる。以下では、アンテナモジュールについていくつかの実施例で説明する。
【0121】
2.2.3.1 第1タイプのアンテナモジュール
図8は一実施例によるアンテナモジュールの形態を説明するための動作である。
図8を参照すると、一実施例によるアンテナモジュール223は、第1コンデンサ223a、誘導コイル223bおよび第2コンデンサ223cを含むことができる。
【0122】
第1コンデンサ223aは、誘導コイル223bの一端とRF電源との間に接続され、第2コンデンサ223cは、誘導コイル223bの他端とRF電源との間に接続することができる。第1コンデンサ223aおよび第2コンデンサ223cは同一の静電容量を有することができる。
【0123】
誘導コイル223bは、第1コンデンサ223aと第2コンデンサ223cとの間に位置することができる。誘導コイル223bは多層構造のソレノイドコイルであり得る。誘導コイル223bは誘電体チューブの外面に複数回多層で巻かれたソレノイドコイルであり得る誘導コイル223bを構成する単位ターンは、交流電源に応答して誘電体チューブ内に補強干渉する磁界を形成するように巻き付けてもよい。誘導コイル223bは、誘電体チューブの外面に一方向に複数回巻回されたソレノイドコイルであってもよい。
【0124】
誘導コイル223bは、誘電体チューブの単位長さ当たりの巻線数が最大になるように、密に巻回されたソレノイドコイルであり得る。
図5では簡単に示されているが、誘導コイル223bは、
図8に示すものよりも多くの巻線数を有するソレノイドコイルであり得る。例えば、誘導コイル223bは、互いに接続された内側ソレノイドコイル、中間ソレノイドコイル、外側ソレノイドコイルを含む3層構造であってもよい。
【0125】
誘導コイル223bは、内部に冷媒が流れることができるパイプ形態を有することができる。誘導コイル223bは銅パイプで用意されることができる。誘導コイル223bの断面は円形または四角形として用意されてもよい。
【0126】
第1コンデンサ223a、誘導コイル223bおよび第2コンデンサ223cは直列接続され、第1周波数で共振することができる。第1周波数は、第1コンデンサ223aおよび第2コンデンサ223cそれぞれの静電容量C1および誘導コイル223bのインダクタンスL1によって決定することができる。
【0127】
図9は、
図8に例示するアンテナモジュールの共振周波数における動作を説明するための図である。
【0128】
図9を参照すると、アンテナモジュールは、第1コンデンサ223aおよび第2コンデンサ223cそれぞれの静電容量C1および誘導コイル223bのインダクタンスL1によって決定される第1周波数で共振することができる。第1周波数で電力が供給されるとき、第1コンデンサ223aおよび第2コンデンサ223cは、誘導コイル223bの両端に誘導される電圧Vaの大きさが最小化されるように、誘導コイル223bと逆の電圧降下を誘導することができる。
【0129】
共振状態では、第1コンデンサ223aおよび第2コンデンサ223cは誘導コイル223bのリアクタンスを相殺することができる。プラズマ生成装置は、第1コンデンサ223aおよび第2コンデンサ223cによって誘導コイル223bのリアクタンスが相殺されるようにする第1周波数でアンテナモジュールに電力を供給することにより、インピーダンス整合を行うことができる。第1コンデンサ223aおよび第2コンデンサ223cは、誘導コイル223bの両端に印加される電圧を減少させるために誘導コイル223bに対して対称的に配置することができる。
【0130】
2.2.3.2 第2タイプのアンテナモジュール
図10はいくつかの実施例によるアンテナモジュールの形態を説明するための動作である。
図10の(a)、(b)および(c)は、誘電体チューブの単位長さ当たりの誘導コイルのターン数がそれぞれ異なるように用意されたアンテナモジュールを説明するための図である。
図10の(a)、(b)および(c)に示すアンテナモジュールはそれぞれ異なる放電特性を示すことができる。
【0131】
プラズマ生成装置は、アンテナモジュールを構成する誘導コイルの誘電体チューブの単位長さ当たりのターン数が小さいほど、エネルギー損失が少なく、放電窓が狭い特性を示すことができる。プラズマ生成装置は、アンテナモジュールを構成する誘導コイルの誘電体チューブの単位長さ当たりのターン数が大きいほど、放電窓が広く、放電維持により有利であるが、エネルギー損失が高い特性を示すことができる。
【0132】
図10の(a)を参照すると、アンテナモジュール235は、1層当たり1ターンずつ巻かれた単位コイル235bと、各層の単位コイルを接続する層間コンデンサ235aと、を含むことができる。
図10の(a)に示す12*1ターンのアンテナモジュール235は、すべてのアンテナ単位ターンが誘電体チューブの外面に密接するように構成することができる。
図10の(a)に示すアンテナモジュール235は、少ない単位長さ当たりのターン数(N/L)を有し、これにより、比較的低い放電効率、より少ないエネルギー損失および比較的高いプロセス性能を有することができる。
【0133】
図10の(b)を参照すると、アンテナモジュール237は1層当たり2ターンずつ巻かれた単位コイル237bと、各層の単位コイルを接続する層間コンデンサ237aと、を含むことができる。
図10の(b)に示す6*2ターンのアンテナモジュール237は、
図10の(a)のアンテナモジュール235に比べて大きい単位長さ当たりのターン数(N/L)を有する。
図10の(b)に示すアンテナモジュール237は、
図10の(a)のアンテナモジュール235に比べて高い放電効率を示すことができる。放電効率は、単位長さ当たりのターン数(N/L)に比例することができる。例えば、
図10の(b)に示すアンテナモジュール237は、
図10の(a)のアンテナモジュール235に2倍の放電効率を有することができる。
【0134】
図10の(c)を参照すると、アンテナモジュール239は1層当たり3ターンずつ巻かれた単位コイル239bと、各層の単位コイルを接続する層間コンデンサ239aと、を含むことができる。アンテナモジュール239は、
図10の(a)および(b)のアンテナモジュール235、237に比べて大きい単位長さ当たりのターン数(N/L)を有し、
図10の(a)および(b)のアンテナモジュール235、237より高い放電効率を有することができる。アンテナモジュール239は、
図10の(a)および(b)のアンテナモジュール235、237よりも、放電が困難なガス条件で放電維持が容易な特性を有することができる。
【0135】
図10の(a)、(b)および(c)に示すアンテナモジュールは、異なるインダクタンスを有することができる。(a)のアンテナモジュール235は第1インダクタンスを有し、(b)のアンテナモジュール237は第2インダクタンスを有し、(c)のアンテナモジュール239は第3インダクタンスを有することができる。第2インダクタンスは第1インダクタンスより大きく、第3インダクタンスは第2インダクタンスより大きくてもよい。
【0136】
図11は、
図10に例示するアンテナモジュールの共振周波数における動作を説明するための図である。以下では、
図11を参照して、
図10の(c)に例示するアンテナモジュールの共振周波数における電圧分配について説明する。
【0137】
図11を参照すると、一実施例によるアンテナモジュールは、複数の単位コイル239b、複数の単位コイル間に配置された層間コンデンサ239a、及び図示していないが、上端及び下端にそれぞれ位置する単位コイルにそれぞれ接続された末端コンデンサ239cを含むことができる。
【0138】
アンテナモジュールは、層間コンデンサ239aの静電容量、単位コイル239bのインダクタンス及び末端コンデンサ239cの静電容量によって決定される第2周波数で共振することができる。
【0139】
単位コイル239bに印加される電圧を最小限に抑えるために、末端コンデンサ239cの静電容量は層間コンデンサ239aの静電容量の2倍と決定することができる。このとき、アンテナモジュールは、層間コンデンサ239aの静電容量C2、単位コイル239bのインダクタンスL2、および末端コンデンサ239cの静電容量2*C2によって決定される第2周波数で共振することができる。
図11を参照すると、層間コンデンサ239aはそれぞれ2*C2の静電容量を有する一対の仮想のコンデンサが直列に接続されたことで表示することができる。
【0140】
共振状態では、複数の層間コンデンサ239a及び末端コンデンサ239cは単位コイル239bの末端に印加される電圧を減少させることができる。アンテナモジュールに第2周波数で電力が提供されるとき、層間コンデンサ239a及び末端コンデンサ239cは誘導コイル239bの両端に誘導される電圧Vbの大きさが最小になるように、誘導コイル239bと逆の電圧降下を誘導することができる。
【0141】
層間コンデンサ239a及び末端コンデンサ239cは誘導コイル239bのリアクタンスを相殺することができる。プラズマ生成装置は、層間コンデンサ239a及び末端コンデンサ239cによって誘導コイル239bのリアクタンスが相殺されるように第2周波数でアンテナモジュールに電力を供給することにより、インピーダンス整合を行うことができる。末端コンデンサ239cは、誘導コイル239bの両端に印加される電圧を減少させるために誘導コイル239bに対して対称的に配置することができる。層間コンデンサ239aは、単位誘導コイル239b間の層間電圧差を最小にして蓄電結合を防止するために誘導コイル239bの各層間に配置することができる。
【0142】
層間コンデンサ239aおよび/または末端コンデンサ239cによって誘導コイル239bのリアクタンスが相殺されるにつれて、各単位コイル239bにおける電圧が対応関係を有することができる。例えば、共振状態において、一単位コイル239bの一端と他端との間の電圧は、他の単位コイル239bの一端と他端との間の電圧に対応することができる。一単位コイル239bの一端における電位は他の単位コイル239bの一端における電位に対応することができる。
【0143】
具体的な例として、アンテナモジュールは、一端および他端を有する第1単位コイル(または、単位ターン)と、第1単位コイルの他端と直列に接続される第1層間コンデンサと、一端および他端を有し、その一端が第1層間コンデンサと直列に接続される第2単位コイルと、を含むことができる。アンテナモジュールが共振状態にあるとき、第1単位コイルの一端における電位は、第2単位コイルの一端における電位に対応することができる。アンテナモジュールが共振状態にあるとき、第1単位コイルの一端と他端との間における電圧は、第2単位コイルの一端と他端との間における電位に対応することができる。アンテナモジュールが共振状態にあるとき、第1単位コイルの一端と他端との間における電圧は、第1単位コイルの一端と第2単位コイルの他端との間における電圧に対応することができる。
【0144】
図12は、
図10の(c)に例示するアンテナモジュールの構造を説明するための図である。一実施例によるアンテナモジュールは、複数の単位コイル239bと複数の単位コイルとの間に配置される層間コンデンサ239cを含むことができる。
図12は、一実施例によるアンテナモジュールの単位コイル239bを示している。
【0145】
単位コイル239bは複数のターンTU1、TU2、TU3を含むことができる。単位コイル239bは、第1末端TE1、第1末端TE1に接続された第1ターンTU1、第1ターンTU1に接続された第1突出部PR1、第1突出部PR1に接続された第2ターンTU2、第2ターンTU2に接続された第2突出部PR2、第2突出部PR2に接続された第3ターンTU3、及び第3ターンTU3に接続された第2末端TE2を含むことができる。
【0146】
単位コイル239bは、一方向(
図12を参照すると、x軸方向)に開放された開放部を有することができる。単位コイル239bの第1末端TE1及び第2末端TE2は一方向に開放された開放部を形成することができる。
【0147】
各ターンTU1、TU2、TU3は同一平面に配置することができる。各ターンTU1、TU2、TU3は所定の中心角を有することができる。各ターンの中心角は270度以上であり得る。各ターンTU1、TU2、TU3は、同じ中心軸を有するように配置され、互いに異なる半径を有することができる。
【0148】
各突出部PR1、PR2は、互いに半径の異なるターンを接続し、「U」字型の形態で用意されることができる。第1突出部PR1は、第1ターンTU1の一端と第2ターンTU2の一端とを接続することができる。
【0149】
第1末端TE1または第2末端TE2は、層間コンデンサ239cまたは末端コンデンサ239aに接続することができる。例えば、第1末端TE1は末端コンデンサ239aに接続され、第2末端TE2は層間コンデンサ239cに接続することができる。
【0150】
一方、アンテナモジュールは複数の単位コイル239bを含むことができる。複数の単位コイルは、誘電体チューブの中心軸に対して回転配置されてもよい。例えば、第1単位コイルは、誘電体チューブの中心軸に対して突出部PRが第1方向を向くように配置され、第2単位コイルは、誘電体チューブの中心軸に対して突出部PRが第2方向を向くように配置され、第1方向と第2方向は誘電体チューブの中心軸に対して所定の角度を成すことができる。例えば、所定の角度は90度ことであり得る。
【0151】
図13は一実施例によるRF電源を説明するためのブロック図である。
図13を参照すると、一実施例によるRF電源装置1000は、交流電源1100、電源供給装置1200及び負荷1400を含むことができる。
【0152】
交流電源1100は、家庭または産業現場で使用される60Hzの従来の電源であり得る。負荷1400は、家庭または産業現場で使用される電気または電子装置であり得る。負荷1400は、本明細書で説明するプラズマ生成装置であり得る。
【0153】
電源供給装置1200は、第1交流電源を第2交流電源に変換して負荷1400に供給することができる。例えば、第2交流電源は、数百kHz~数十MHzの駆動周波数を有し、数kW以上の電力を提供することができる。電源供給装置1200は、整流器1210、キャパシタ1220、インバータ1230、インピーダンス整合回路1300、及び制御器1250を含むことができる。
【0154】
整流器1210は、交流電源1100の出力を直流電源に変換することができる。整流器1210は、直流電源を接地ノードGNDと電源ノードVPとの間に供給することができる。キャパシタ1220は、電源ノードVPと接地ノードGNDとの間に接続されてもよい。キャパシタ1220は、電源ノードVPに伝達される交流成分を接地ノードGNDに放電することができる。
【0155】
インバータ1230は、電源ノードVP及び接地ノードGNDから直流電源を受信することができる。インバータ1230は、制御器1250からスイッチング信号SWを受信することができる。インバータ1230は、スイッチング信号SWに応答して直流電源を第2交流電源に変換することができる。第2交流電源は、インピーダンス整合回路1300を介して負荷1400に供給することができる。インピーダンス整合回路1300は、負荷1400のインピーダンスに対するインピーダンス整合を提供することができる。
【0156】
制御器1250はインバータ1230にスイッチング信号SWを伝達することができる。制御器1250は、インバータ1230が直流電源を第2交流電源に変換するようにスイッチング信号SWを制御することができる。制御器1250は、インバータ1230から負荷1400に供給される電力量を調整するようにスイッチング信号SWを制御することができる。
【0157】
3.プラズマ生成装置の動作および制御方法
本明細書で提示する発明の一実施例によれば、複数の放電モードを有し、各モードで異なる特性のプラズマ放電を行うプラズマ生成装置を提供することができる。
【0158】
例えば、プラズマ生成装置は、よりエネルギー損失の少ない第1放電モードと、より放電が困難なガスを放電するための第2放電モードとを有することができる。また、例えば、プラズマ生成装置は、プラズマの初期放電に有利な第1放電モードと、高いエネルギー効率でメイン放電に有利な第2放電モードとを有することができる。
【0159】
プラズマ生成装置は、必要に応じて異なる特性を示す1つ以上のアンテナを切り替えてプラズマ放電モードを変更することができる。アンテナの切り替えは、回路の物理的切り替えよりも広い意味で解釈することができる。例えば、プラズマ生成装置は、複数のアンテナモジュールに伝達される電力の周波数を選択的に印加して、主に動作するアンテナモジュールを変更することによってアンテナを切り替えることができる。または、プラズマ生成装置は、必要に応じて異なる電源モジュールを介してまたは異なる駆動周波数で電力を提供して、アンテナモジュールの放電特性を変更することによってアンテナを切り替えることができる。
【0160】
本明細書で説明する発明によれば、より多様な環境で作動可能でより広い操作ウィンドウ窓を有するプラズマ生成装置を提供することができる。本明細書で説明する発明によれば、様々な放電条件(ガスの種類、流量、圧力、rf電力)下でアンテナで測定されるインピーダンスが異なる場合でもプラズマ放電を行うプラズマ生成装置を提供することができる。本明細書で説明する発明によれば、単一アンテナモジュールまたは単一電源モジュールを含むプラズマ生成装置によれば、所定のマッチング範囲またはアンテナ以外の構成特性による制限的であった放電範囲を拡張することができる。
【0161】
3.1 アンテナが1つの場合
3.1.1 アンテナが1つの場合のプラズマ生成プロセス
図14は、プラズマ生成装置が1つのアンテナモジュール220およびRF電源装置120を含む場合のプラズマ放電プロセスを説明するための図である。RF電源装置120は、1つ以上の電源モジュールを含むことができる。RF電源装置120は、異なる出力周波数帯域を有する1つ以上の電源モジュールを含むことができる。
【0162】
以下では、
図14を参照して、アンテナモジュールが1つの場合のモード変更プラズマ放電プロセスについて説明する。
【0163】
図14を参照すると、プラズマ生成装置が1つのアンテナモジュール220および1つの周波数可変のRF電源装置120を含む場合、周波数可変の電源装置120を用いてアンテナモジュール220に提供される電力信号の周波数を変更することによって、放電モードを変更することができる。
【0164】
図14の(a)を参照すると、プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、電源装置120を介してアンテナモジュール220に第1周波数f1を有する電力信号を伝達して、誘電体チューブの内部にプラズマ放電を誘導することができる。
【0165】
プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、プラズマ生成装置は誘電体チューブの内部に第1電界を形成することができる。第1電界は、誘電体チューブの軸方向と並んだ垂直方向の電界または誘電体チューブの周方向と並んだ方位角方向の電界であり得る。
【0166】
一実施例によれば、プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュール220に第1周波数f1を有する電力信号を伝達して、垂直方向の電界E1を形成することができる。プラズマ生成装置は、アンテナモジュール220を介して垂直方向の電界E1を形成して、誘電体チューブの内部に蓄電結合プラズマ発生を誘導することができる。
【0167】
一実施例によれば、プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、誘電体チューブの内部に蓄電結合プラズマ発生を誘導することができる。動作モードが第1モードである場合、プラズマ生成装置の誘電体チューブ内に誘導されるプラズマ放電は、主に蓄電結合プラズマ放電または蓄電結合モード(E-mode)による放電であり得る。
【0168】
一実施例によれば、プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュール220に第1周波数f1を有する電力信号を伝達して、方位角方向の電界E2を形成することができる。プラズマ生成装置は、アンテナモジュール220を介して方位角方向の電界E2を形成して、誘電体チューブの内部に誘導結合プラズマ発生を誘導することができる。プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、第1強度を有する方位角方向の電界E2を形成することができる。
【0169】
一実施例によれば、プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、誘電体チューブの内部に誘導結合プラズマ発生を誘導することができる。動作モードが第1モードである場合、プラズマ生成装置の誘電体チューブ内に誘導されるプラズマ放電は、主に誘導結合プラズマ放電または誘導結合モード(H-mode)による放電であり得る。
【0170】
図14の(b)を参照すると、プラズマ生成装置は、動作モードが第2モードである場合、電源装置120を介してアンテナモジュール220に第2周波数f2を有する電力信号を伝達して、誘電体チューブの内部にプラズマ放電を誘導することができる。第2周波数f2は第1周波数f1と異なってもよい。第2周波数f2は、第1周波数f1と一定値以上の差異があってもよい。第2周波数f2は、第1周波数f1よりも一定値(例えば、0.2MHz)以上大きくても小さくてもよい。
【0171】
プラズマ生成装置は、動作モードが第2モードである場合、アンテナモジュール220に第2周波数f2の電力信号を伝達して、方位角方向の電界E3を誘導することができる。プラズマ生成装置は、アンテナモジュール220を介して方位角方向の電界E3を形成して、誘電体チューブの内部に誘導結合プラズマ放電を誘導することができる。プラズマ生成装置は、動作モードが第2モードである場合、第2強度を有する方位角方向の電界E3を形成することができる。第2強度は、第1モードにおける方位角方向の電界E2の強度よりも大きくても小さくてもよい。
【0172】
プラズマ生成装置は、動作モードが第2モードである場合、誘電体チューブの内部に誘導結合プラズマ放電を誘導することができる。動作モードが第2モードである場合、プラズマ生成装置の誘電体チューブ内に誘導されるプラズマ放電は、主に誘導結合プラズマ放電または誘導結合モード(H-mode)による放電であり得る。
【0173】
図15は、アンテナモジュールに流れる電流a、アンテナモジュールの両端電圧b、単位コイルの両端電圧c、および電力信号の周波数dと関連してプラズマ放電モードの変化を説明するための図である。
図15において、電流および電圧グラフは大きさを示している。
【0174】
以下では、
図15に関して、アンテナモジュール220が
図10に例示したように単位層を構成する単位コイルおよび単位コイル間に配置される層間コンデンサを含む形態である場合を基準として説明する。
【0175】
図15を参照すると、プラズマ生成装置が第1モードで動作するとき、電源装置120は第1周波数f1を有する電力信号をアンテナモジュール220に提供し、アンテナモジュールには第1電流I1が流れることができる。
【0176】
プラズマ生成装置の動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュールに含まれる誘導コイルの両端電圧は第1電圧V1であり得る。動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュールに含まれる誘導コイルを構成する単位コイル(単位層を構成するコイル)の両端電圧は第3電圧V3であり得る。
【0177】
図15を参照すると、プラズマ生成装置が第2モードで動作するとき、電源装置120は第2周波数f2を有する電力信号をアンテナモジュール220に提供し、アンテナモジュールには第2電流I2が流れることができる。
【0178】
プラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、誘導コイルの両端電圧は第2電圧V2であり得る。動作モードが第2モードである場合、アンテナモジュールに含まれる誘導コイルを構成する単位コイルの両端電圧は第4電圧V4であり得る。
【0179】
第2周波数f2は、第1周波数f1より小さくてもよい。第2周波数f2が第1周波数f1よりも小さい場合、第2電流I2は第1電流I1より大きくてもよい。第2周波数f2が第1周波数f1よりも小さい場合、第2電圧V2は第1電圧V1より小さくてもよい。第2周波数f2が第1周波数f1よりも小さい場合、第3電圧V3は第4電圧V4より大きくてもよい。
【0180】
動作モードが第2モードである場合、アンテナモジュール220のコイル両端電圧V2は第1モードにおけるアンテナモジュールのコイル両端電圧V1より小さくてもよい。アンテナモジュールは、動作モードが第2モードである場合、第1モードと比較して高いエネルギー効率を有する放電特性を有することができる。
【0181】
第2周波数はアンテナモジュール220の共振周波数であり得る。動作モードが第2モードに変更されると、アンテナモジュール220は第2周波数でインピーダンスがマッチングされて共振することができる。
【0182】
一方、一実施例によれば、プラズマ放電状態は時間と共に変化することができる。プラズマ生成装置の動作モードは、プラズマ放電状態の変化に応じて変更することができる。例えば、プラズマ生成装置がプラズマの初期放電に有利な第1放電モードおよび高いエネルギー効率でメイン放電に有利な第2放電モードを有する場合、プラズマ生成装置の動作モードはプラズマ放電状態の変化に応じて変更してもよい。
【0183】
例えば、第1モードによるプラズマ放電は主に蓄電結合モードによって行うことができる。その後、蓄電結合モードによってプラズマが十分に発生するにつれて、誘電体チューブ内に方位角方向の誘導電界である第2電界E2を形成することができる。第2電界E2が形成されると、誘導結合プラズマ放電または誘導結合モード(H-mode)によってプラズマを生成することができる。
【0184】
プラズマ生成装置は、プラズマ放電状態の変化に応じて動作モードを変更することができる。
図14の(a)を参照すると、プラズマ生成装置は、電源装置120を介してアンテナモジュール220に第1周波数f1を有する電力信号を伝達し、プラズマ放電状態が遷移することに応答して動作モードを変更することができる。
【0185】
プラズマ生成装置は、プラズマ放電状態の変化を感知することができる。
【0186】
プラズマ生成装置は、アンテナモジュール220に流れる電流および/またはアンテナモジュール220の両端に印加される電圧を取得するセンサー装置を含むことができる。プラズマ生成装置は、アンテナモジュール220に流れる電流および/またはアンテナモジュール220のコイルの両端に印加される電圧を取得し、プラズマ放電状態の変化を取得し、電源装置120の駆動周波数および/または動作モードを変更することができる。
【0187】
プラズマ生成装置は、
図13と関連して上述したRF電源装置から電圧または電流信号の変化を取得するセンサー装置を含むことができる。例えば、プラズマ生成装置は、
図13の電源供給装置1200のキャパシタ1220の両端に印加される電圧(VPとGNDとの間の電圧)および/またはインバータに流れる電流(VPからインバータに流れる電流)を取得するセンサー装置を含んでもよい。プラズマ生成装置は、上述したRF電源装置から取得した電圧または電流信号の変化に基づいて放電状態の変化を取得することができる。
【0188】
プラズマ放電状態が変化すると、アンテナモジュール220に流れる電流および/またはアンテナモジュール220の両端に印加される電圧を変更することができる。例えば、主なプラズマ放電状態が蓄電結合プラズマ放電から誘導結合プラズマ放電に変わると、アンテナモジュール220に流れる電流および/またはアンテナモジュール220の両端に印加される電圧を低減することができる。
【0189】
プラズマ生成装置は、アンテナモジュール220に流れる電流および/またはアンテナモジュール220の両端に印加される電圧の低減に応答して、動作モードを第2モードに変更することができる。
【0190】
一実施例によれば、プラズマ生成装置によるプラズマの放電状態は、蓄電結合モード、転移モード、および誘導結合モードを有することができる。プラズマ生成装置が第1モードで動作するとき、プラズマの放電状態は蓄電結合モードから転移モードに遷移することができる。プラズマの放電状態が転移モードに遷移すると、プラズマ生成装置の動作モードは第1モードから第2モードに変更することができる。動作モードが第2モードに変更されると、プラズマの放電状態は転移モードから誘導結合モードに遷移することができる。
【0191】
または、プラズマの放電状態は第1誘導結合モードおよび第2誘導結合モードを有することができる。プラズマ生成装置の動作モードが第1モードから第2モードに変更されると、プラズマの放電状態は第1誘導結合プラズマ放電から第2誘導結合プラズマ放電に変更することができる。
【0192】
図16は、一実施例によるプラズマ生成装置における動作モード変更による電圧変化を説明するための図である。
図16は、一実施例によるプラズマ生成装置におけるアンテナモジュールのコイルの位置による電圧分布について説明するための図である。以下では、
図14~
図16を参照して、動作モード変更によるアンテナモジュールの両端における電圧および単位コイルの両端における電圧変化を説明する。
【0193】
図16に例示する電圧分布は、
図10の(c)に例示するアンテナモジュールのように、異なる平面にそれぞれ配置される4つの単位誘導コイルと、各誘導コイルの間に配置される層間コンデンサとを含むアンテナモジュールを基準として説明する。
【0194】
図16の(a)は一実施例によるプラズマ生成装置が第1モードである場合の一実施例によるアンテナモジュールの位置による電圧分布を説明するための図である。動作モードが第1モードである場合、プラズマ生成装置は第1周波数を駆動周波数とすることができる。
【0195】
図16の(a)を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置の動作モードが第1モードである場合、全長Ltのアンテナモジュールの両端間の電圧は第1電圧V1であり得る。動作モードが第1モードである場合、単位コイル間の層間コンデンサによる誘導コイルの リアクタンス相殺を最小化することができる。動作モードが第1モードである場合、プラズマ生成装置は、リアクタンス相殺が最小化され、誘導コイルの両端の電圧が最大化され、蓄電結合プラズマ放電が誘導されるように、第1周波数の駆動周波数で動作することができる。好ましくは、全長Ltのアンテナモジュールを構成する各単位コイルの両端電圧は、アンテナモジュールの両端間の電圧を単位コイル数で割った値であり得る。
【0196】
しかし、層間コンデンサのリアクタンスの影響は完全に排除されない可能性がある。換言すれば、
図16では、便宜上、誘導コイルにおける電圧上昇(または降下)が連続的に起きることで示されているが、単位コイル間の層間コンデンサによって誘導コイルの リアクタンスが少なくとも一部相殺することができる。すなわち、第1モードにおける電圧分布は、
図16の(b)と同様に現れ得る。
【0197】
図16の(b)は、一実施例によるプラズマ生成装置が第1周波数と第2周波数との間の周波数で駆動される場合のアンテナモジュールの位置による電圧分布を説明するための図である。
【0198】
図16の(b)を参照すると、プラズマ生成装置が第1モードと第2モードとの間の過渡状態である場合、またはプラズマ生成装置が第1周波数と第2周波数との間の駆動周波数を有する場合、全長Ltのアンテナモジュールの両端間の電圧は第1電圧V1より小さくてもよい。過渡状態では、単位コイル間の層間コンデンサによって誘導コイルのリアクタンスが少なくとも一部相殺され、両端電圧は第1電圧V1より小さくてもよい
【0199】
動作モードが第1モードである場合、単位コイル間の層間コンデンサによる誘導コイルの リアクタンス相殺を最小化することができる。動作モードが第1モードである場合、プラズマ生成装置は、リアクタンス相殺が最小化され、誘導コイルの両端の電圧が最大化され、蓄電結合プラズマ放電が誘導されるように、第1周波数の駆動周波数で動作することができる。
【0200】
図16の(c)は、一実施例によるプラズマ生成装置が第2モードである場合の誘導コイルの位置による電圧分布を説明するための図である。動作モードが第2モードの場合、駆動周波数は第2周波数であり、アンテナモジュールは第2周波数でインピーダンスがマッチングした共振状態であり得る。一実施例によれば、プラズマ生成装置は、プラズマ放電状態が転移モードに変化したことに応答して動作モードを第2モードに変更することができる。
【0201】
図16の(c)を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、全長Ltのアンテナモジュールの両端間の電圧は第2電圧V2であり得る。第2電圧V2は、第1電圧V1より小さくてもよい。
【0202】
プラズマ生成装置の動作モードが第2モードの場合、アンテナモジュールの層間コンデンサはアンテナモジュールの両端の電圧上昇(または降下)を相殺することができる。動作モードが第2モードの場合、誘導コイルの両端電圧を最小化することができる。動作モードが第2モードの場合、アンテナモジュールを構成する層間コンデンサおよび末端コンデンサは誘導コイルのリアクタンスを相殺することができる。動作モードが第2モードの場合、プラズマ生成装置は、誘導コイルの両端の電圧が最大化され、誘導結合プラズマ放電が誘導されるように、第2周波数の駆動周波数で動作することができる。
【0203】
図16の(c)を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、全長Ltのアンテナモジュールの両端間の電圧は第2電圧V2であり得る。好ましくは、アンテナモジュールを構成する単位コイルの両端電圧はアンテナモジュールの両端間の電圧と同じ第2電圧V2であり得る。しかし、プラズマ生成装置の特性および電源周波数分解能の限界によって完全な共振状態に達することは困難であり得る。この場合、第2モードにおける電圧分布は、誘導コイルのリアクタンスが少なくとも一部相殺されずに上昇(または下降)する形態の鋸歯形状を示すことができる。
【0204】
一方、上記の実施例では、第1モードでプラズマの移転に応答して第2モードに動作モードを変更する場合を基準として説明したが、動作モードの変更は逆順で行われてもよい。プラズマ生成装置は、
図14の(b)と関連して説明した第2モードから
図14の(a)と関連して説明した第1モードに動作モードを変更することもできる。
【0205】
3.1.2 アンテナ1個でインバータ2個
一実施例によるプラズマ生成装置は、1つのアンテナモジュールおよび1つ以上のRF電源モジュールを含むことができる。以下のプラズマ生成装置は、特に説明がない限り、上述した実施例と同様に動作することができる。
【0206】
RF電源モジュールは、所定の出力周波数範囲とマッチング範囲を有する交流電力源であり得る。異なるRF電源モジュールは、異なる出力周波数範囲およびマッチング範囲を有することができる。
【0207】
図17は、一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
図17の(a)および(b)を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置は、第1電源モジュール101、第2電源モジュール102、およびアンテナモジュール201を含むことができる。
【0208】
第1電源モジュール101は第1駆動周波数範囲を有することができる。第2電源モジュール102は第1駆動周波数範囲と少なくとも一部が異なる第2駆動周波数範囲を有することができる。第1電源モジュール101は第1駆動周波数範囲内の第1周波数で駆動することができる。第2電源モジュール102は第2駆動周波数範囲内の第2周波数で駆動することができる。
【0209】
一実施例によれば、第1電源モジュール101は第1マッチング素子を含むことができる。第2電源モジュール102は、第1マッチング素子と異なるインピーダンスを有する第2マッチング素子を含むことができる。各マッチング素子は、各電源モジュールのアンテナモジュールに対する電力伝達効率を高めることができる。また、各マッチング素子は、共振周波数ではなく周波数帯域でフィルタとして機能することができる。
【0210】
図18は、一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
図18を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置は、第1電源部P1および第1マッチング素子Z1を含む第1電源モジュール101と、第2電源部P2および第2マッチング素子Z2を含む第2電源モジュール102と、アンテナモジュール201と、を含むことができる。
【0211】
第1電源モジュール101は、第1マッチング素子を含み、第1マッチング素子およびアンテナモジュール201は第1駆動周波数範囲に含まれる第1周波数で共振することができる。第1マッチング素子およびアンテナモジュール201は、第1マッチング素子のインピーダンスおよびアンテナモジュール201のインピーダンスによって決定される第1周波数で共振することができる。
【0212】
第2電源モジュール102は、第2マッチング素子を含み、第2マッチング素子およびアンテナモジュール201は第1駆動周波数範囲に含まれる第1周波数で共振することができる。第2マッチング素子およびアンテナモジュール201は、第2マッチング素子のインピーダンスおよびアンテナモジュール201のインピーダンスによって決定される第2周波数で共振することができる。
【0213】
図18を参照すると、プラズマ生成装置は分離素子130をさらに含むことができる。分離素子130は、第1電源モジュール101の動作時に第2電源モジュール102側の回路と第1電源モジュール101側の回路との間の信号送受信を遮断することができる。分離素子130は変圧器を含むことができる。分離素子130は、遮蔽変圧器、絶縁変圧器、妨害遮断変圧器などの分離変圧器を含むことができる。分離素子130はスイッチを含んでもよい。
【0214】
一方、他の実施例によれば、アンテナモジュール201またはアンテナモジュール201を含むプラズマ生成装置は、第1マッチング素子および第2マッチング素子を含むことができる。第1マッチング素子は第1電源モジュール101とアンテナモジュール201との間に接続され、第2マッチング素子は第2電源モジュール102とアンテナモジュール201との間に接続されてもよい。すなわち、上記の実施例では、マッチング素子が電源モジュールに含まれる場合を基準として説明したが、プラズマ生成システムは、プラズマ生成装置またはアンテナモジュールが1つ以上のマッチング素子を含み、各マッチング素子がアンテナモジュールおよび電源モジュールに接続するように構成されてもよい。
【0215】
一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法は、第1電源モジュールを介してプラズマ生成装置を第1モードに制御するステップと、第2電源モジュールを介してプラズマ生成装置を第2モードに制御するステップと、を含むことができる。第1モードおよび第2モードについては、上述した内容を適用することができる。
【0216】
図19は、一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法を説明するための図である。
【0217】
図19を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法は、第1電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS110と、第2電源モジュールを介してアンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS130と、を含むことができる。
【0218】
第1電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS110は、第1電源モジュールとアンテナモジュールとの間に配置される第1マッチング素子のインピーダンスおよびアンテナモジュールのインピーダンスによって決定される共振周波数である第1周波数でアンテナモジュールに電力を提供することを含むことができる。この時、アンテナモジュールの電力分布は、
図16の(a)と関連して例示したように見えることがある。
【0219】
または、第1電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS110は、アンテナモジュールのインピーダンスによって決定される共振周波数と異なる第1周波数で、アンテナモジュールに電力信号を提供することを含むことができる。この時、アンテナモジュールの電力分布は、
図16の(a)または(b)と関連して例示したように見えることがある。
【0220】
第1電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS110は、第1電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力信号を提供して、誘電体チューブの内部に蓄電結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。
【0221】
または、第1電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS110は、第1電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力信号を提供して、誘電体チューブの内部に第1強度を有する誘導電界を介して誘導結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。
【0222】
第2電源モジュールを介してアンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS130は、第2電源モジュールとアンテナモジュールとの間に配置される第2マッチング素子のインピーダンスおよびアンテナモジュールのインピーダンスによって決定される共振周波数である第2周波数でアンテナモジュールに電力信号を提供することを含むことができる。この時、アンテナモジュールの電圧分布は、
図16の(c)と関連して例示したように見えることがある。
【0223】
第2電源モジュールを介してアンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS130は、第2電源モジュールを介してアンテナモジュールに第2周波数で電力信号を提供して、誘電体チューブの内部に誘導結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。第2電源モジュールを介してアンテナモジュールに第2周波数で電力信号を提供するステップS130は、誘電体チューブの内部に第2強度を有する誘導電界を形成して誘導結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。第2強度は、第1電源モジュールによって誘導される電界の第1強度より大きくても小さくてもよい。
【0224】
一実施例によれば、プラズマ生成装置の制御方法は、電力信号の変化を取得するステップをさらに含むことができる。プラズマ装置の制御方法は、アンテナモジュールに流れる電流またはアンテナモジュール(または、アンテナモジュールを構成する一部素子)の両端の電圧の変化を取得するステップを含むことができる。プラズマ装置の制御方法は、上述した変化を取得し、それに基づいて第1電源モジュールおよび/または第2電源モジュールを制御することを含むことができる。プラズマ装置の制御方法は、上述した変化を取得し、それに基づいて第1電源モジュールの動作を中断し、第2電源モジュールの動作を開始することを含むことができる。または、プラズマ装置の制御方法は、上述した変化を取得し、それに基づいて第2電源モジュールの動作を中断し、第1電源モジュールの動作を開始することを含むことができる。
【0225】
3.1.3 アンテナ1個でインバータ1個
一実施例によるプラズマ生成装置は、1つのアンテナモジュールおよび1つの周波数可変のRF電源モジュールを含むことができる。以下のプラズマ生成装置は、特に説明がない限り、上述した実施例と同様に動作することができる。
【0226】
図20は、一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
図20の(a)および(b)を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置は、電源モジュール103およびアンテナモジュール202を含むことができる。
【0227】
RF電源モジュール101は、所定の周波数可変範囲を有する交流電力源であり得る。電源モジュール101は、アンテナモジュール202の共振周波数を駆動周波数としてアンテナモジュール202に電力を提供することができる。
【0228】
一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法は、電源モジュールを介してプラズマ生成装置を第1モードに制御するステップと、電源モジュールを介してプラズマ生成装置を第2モードに制御するステップと、を含むことができる。第1モードおよび第2モードについては、上述した内容を適用することができる。
【0229】
図21は、一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法を説明するための図である。
【0230】
図21を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法は、電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS210と、電源モジュールを介してアンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS230と、を含むことができる。第2周波数はアンテナモジュールの共振周波数であり得る。
【0231】
電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS210は、アンテナモジュールのインピーダンスによって決定される共振周波数と異なる第1周波数で、アンテナモジュールに電力信号を提供することを含むことができる。この時、アンテナモジュールの電圧分布は、
図16の(a)と関連して例示したように見えることがある。
【0232】
電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS210は、電源モジュールを介してアンテナモジュールに第1周波数で電力信号を提供して、誘電体チューブの内部に蓄電結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。
【0233】
電源モジュールを介してアンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS230は、アンテナモジュールのインピーダンスによって決定される共振周波数である第2周波数で、アンテナモジュールに電力信号を提供することを含むことができる。この時、アンテナモジュールの電圧分布は、
図16の(c)(または(b))と関連して例示したように見えることがある。
【0234】
電源モジュールを介してアンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS230は、電源モジュールを介してアンテナモジュールに第2周波数で電力信号を提供して、誘電体チューブの内部に誘導結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。
【0235】
一実施例によれば、プラズマ生成装置の制御方法は、電力信号の変化を取得するステップをさらに含むことができる。プラズマ装置の制御方法は、アンテナモジュールに流れる電流またはアンテナモジュール(または、アンテナモジュールを構成する一部素子)の両端の電圧の変化を取得し、それに基づいて電源モジュールの駆動周波数を変更することを含むことができる。
【0236】
3.1.4 プラズマ生成装置の実施例
一実施例によれば、第1モードおよび第2モードを含む複数の動作モードを有し、プラズマ放電を行うプラズマ生成装置を提供することができる。プラズマ生成装置は、第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置と、第1周波数範囲と少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置と、誘電体チューブと、誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および第1単位コイルと第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備えることができる。
【0237】
プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュールは第1周波数範囲内の第1周波数を有する電力信号に基づいて第1プラズマ放電を誘電し、動作モードが第2モードである場合、アンテナモジュールは第2周波数範囲内の第2周波数を有する電力信号に基づいて第2プラズマ放電を誘導することができる。このとき、第1単位コイルおよび第2単位コイルは第1インダクタンスを有し、第1コンデンサは第1静電容量を有し、第1周波数は第1インダクタンスおよび第1静電容量により決定される第1共振周波数に対応することができる。
【0238】
第1電源装置は、第1インピーダンスを有する第1マッチング素子を含んでもよい。動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュールは第1周波数を有する電力信号に基づいて第1プラズマ放電を行い、第1周波数は、第1インピーダンス、第1インダクタンス、および第1静電容量に基づいて決定される第1共振周波数に対応することができる。
【0239】
第2電源装置は、第2インピーダンスを有する第2マッチング素子を含んでもよい。動作モードが第2モードである場合、アンテナモジュールは第2周波数を有する電力信号に基づいて第2プラズマ放電を行い、第2周波数は、第2インピーダンス、第1インダクタンス、および第1静電容量に基づいて決定され、第1共振周波数と異なる第2共振周波数に対応することができる。
【0240】
第2共振周波数は第1共振周波数より大きくてもよい。このとき、動作モードが第1モードである場合、第1コンデンサに接続されていない第1単位コイルの一端と第1コンデンサに接続されていない第2単位コイルの一端との間の電圧である第1電圧は、動作モードが第2モードである場合、第1コンデンサに接続されていない第1単位コイルの一端と第1コンデンサに接続されていない第2単位コイルの一端との間の電圧である第2電圧より小さくてもよい。
【0241】
動作モードが第1モードである場合、第1単位コイルの両端間の電圧は、第1コンデンサに接続されていない第1単位コイルの一端と第1コンデンサに接続されていない第2単位コイルの一端との間の電圧に対応してもよい。
【0242】
動作モードが第1モードである場合のアンテナモジュールの両端間の電圧は、動作モードが第2モードである場合のアンテナモジュールの両端間の電圧より小さくてもよい。
【0243】
動作モードが第1モードである場合のアンテナモジュールに流れる第1電流の大きさは、動作モードが第2モードである場合のアンテナモジュールに流れる第2電流の大きさより小さくてもよい。
【0244】
動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュールで消費される電力は第1電力であり、動作モードが第2モードである場合、アンテナモジュールで消費される電力は第1電力より小さい第2電力であってもよい。
【0245】
一実施例によれば、第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置と、第1周波数範囲と少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置と、誘電体チューブと、誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および第1単位コイルと第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備えるプラズマ生成装置の制御方法を提供することができる。
【0246】
プラズマ生成装置の制御方法は、アンテナモジュールに第1周波数を駆動周波数としてRF電力を提供する第1モードで動作するステップと、アンテナモジュールに第2周波数を駆動周波数としてRF電力を提供する第2モードで動作するステップと、を含むことができる。第1単位コイルおよび第2単位コイルは第1インダクタンスを有し、第1コンデンサは第1静電容量を有し、第2周波数は第1インダクタンスおよび第1静電容量によって決定される第2共振周波数に対応することができる。
【0247】
第2電源装置は、第2インピーダンスを有する第2マッチング素子を含んでもよい。第2モードで動作するステップは、第1インダクタンス、第1静電容量、および第2インピーダンスに基づいて決定される第2共振周波数に対応する第2周波数を駆動周波数として動作することを含んでもよい。
【0248】
第1電源装置は、第1インピーダンスを有する第1マッチング素子を含んでもよい。第1モードで動作するステップは、第1インダクタンス、第1静電容量、および第1インピーダンスに基づいて決定される第1共振周波数に対応する第1周波数を駆動周波数として動作することを含んでもよい。
【0249】
動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュールで消費される電力は第1電力であり、動作モードが第2モードである場合、アンテナモジュールで消費される電力は第1電力より大きい第2電力であってもよい。
【0250】
動作モードが第1モードである場合、第1単位コイルの両端間の電圧は、第1コンデンサに接続されていない第1単位コイルの一端と第1コンデンサに接続されていない第2単位コイルの一端との間の電圧に対応してもよい。
【0251】
動作モードが第1モードである場合のアンテナモジュールに流れる第1電流の大きさは、動作モードが第2モードである場合のアンテナモジュールに流れる第2電流の大きさより小さくてもよい。
【0252】
一方、プラズマ生成装置の制御方法は、動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュールに流れる電流を取得するステップと、アンテナモジュールに流れる電流が基準値以下である場合、動作モードを第2モードに変更するステップと、をさらに含んでもよい。
【0253】
プラズマ生成装置の制御方法は、動作モードが第1モードである場合、第1電源装置のインバータに流れる電流を取得するステップと、第1電源装置のインバータに流れる電流が基準値以下である場合、動作モードを第2モードに変更するステップと、をさらに含んでもよい。
【0254】
他の実施例によれば、動作モードが第1モードである場合、第1周波数範囲内で周波数を変更可能な第1電源装置から電力が供給され、動作モードが第2モードである場合、第1周波数範囲と少なくとも一部が異なる第2周波数範囲内で周波数を変更可能な第2電源装置から電力が供給されてプラズマを生成するプラズマ生成装置を提供することができる。
【0255】
プラズマ生成装置は、誘電体チューブと、誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第1単位コイル、誘電体チューブの周りに少なくとも1回巻き付ける第2単位コイル、および第1単位コイルと第2単位コイルとの間に直列接続される第1コンデンサを含むアンテナモジュールと、を備えることができる。
【0256】
動作モードが第1モードである場合、アンテナモジュールは第1周波数範囲内の第1周波数を有する電力信号に基づいて第1プラズマ放電を誘導することができる。
【0257】
動作モードが第2モードである場合、アンテナモジュールは第2周波数範囲内の第2周波数を有する電力信号に基づいて第2プラズマ放電を誘導することができる。
【0258】
第1単位コイルおよび第2単位コイルは第1インダクタンスを有し、第1コンデンサは第1静電容量を有し、第1周波数は第1インダクタンスおよび第1静電容量に基づいて決定される第1共振周波数に対応することができる。
【0259】
動作モードが第1モードである場合のアンテナモジュールの両端間の電圧は、動作モードが第2モードである場合のアンテナモジュールの両端間の電圧より小さくてもよい。
【0260】
動作モードが第1モードである場合、第1単位コイルの両端間の電圧は、第1コンデンサに接続されていない第1単位コイルの一端と第1コンデンサに接続されていない第2単位コイルの一端との間の電圧に対応してもよい。
【0261】
以上の実施例で説明した通り、アンテナモジュールに印加される電力の駆動周波数を変更して動作モードを変更することによって、アンテナモジュールの放電特性を変更することができる。単一のアンテナモジュールを介して様々な放電特性を提供することによって、より広いマッチング範囲を有し、様々なエネルギー効率を示し、様々な環境下での放電維持が可能なプラズマ生成装置を提供することができる。
【0262】
一方、1つのアンテナモジュールが用いられる場合、アンテナモジュールの物理的構造が有する限界により、現わすことができる放電特性が制限され得る。したがって、2つ以上のアンテナモジュールを含むプラズマ生成装置を提供することができる。以下では、2つ以上のアンテナモジュールを含むプラズマ生成装置およびその動作について説明する。
【0263】
3.2 アンテナが2つの場合
3.2.1 アンテナが2個である場合のプラズマ生成プロセス
一実施例によるプラズマ生成装置は、2つ以上のアンテナモジュールを含むことができる。プラズマ生成装置は、それぞれ異なる放電特性を有する複数のアンテナモジュールを含むことができる。2つ以上のアンテナモジュールは、それぞれ異なるインピーダンスを有することができる。プラズマ生成装置は、必要に応じて主動アンテナモジュールを変更するように用意され得る。主動アンテナモジュールは、電力消費が主に行われるアンテナモジュールを意味することになる。2つ以上のアンテナモジュールは周波数可変電源に並列に接続することができる。
【0264】
2つ以上のアンテナモジュールは、プラズマ生成装置の駆動周波数に応じて互いに異なる動作をすることができる。例えば、プラズマ生成装置の駆動周波数が第1アンテナモジュールの共振周波数に対応する第1周波数である場合、第1アンテナモジュールはリアクタンスが相殺された共振状態で動作し、第2アンテナモジュールは非共振状態で動作することができる。例えば、プラズマ生成装置の駆動周波数が第1アンテナモジュールの共振周波数に対応する第1周波数である場合、第1アンテナモジュールと異なるインピーダンスを有する第2アンテナモジュールへの電流の流入を抑制することができる。駆動周波数が第2アンテナモジュールの共振周波数に対応する第2周波数である場合、第2アンテナモジュールと異なるインピーダンスを有する第1アンテナモジュールへの電流の流入を抑制することができる。また、例えば、駆動周波数が第1アンテナモジュールの共振周波数および第2アンテナモジュールの共振周波数と異なる第3周波数である場合、第1アンテナモジュールおよび第2アンテナモジュールはいずれも非共振状態で動作することができる。アンテナモジュールは、非共振状態で蓄電結合プラズマ放電を誘電し、共振動作状態で誘導結合プラズマ放電を誘導することができる。
【0265】
本明細書で説明するプラズマ生成装置は、上述した例示のように、駆動周波数を制御して、主動アンテナモジュールを選択的に切り替え、放電特性を変更することができる。
【0266】
2つ以上のアンテナモジュールは、それぞれ異なる構造を有することができる。例えば、一アンテナモジュールは、
図8と関連して例示したように、誘電体チューブの周りに連続して複数回巻かれたソレノイドコイルと、ソレノイドコイルの両端に接続された末端コンデンサと、を含むことができる。他のアンテナモジュールは、
図10と関連して例示したように、複数の単位コイルと単位コイル間に配置された層間コンデンサを含むことができる。また、例えば、一アンテナモジュールは、1層当たり第1ターンを含み、第1層を形成する複数の単位コイル、単位コイル間に配置された層間コンデンサ、および末端コンデンサを含み、他のアンテナモジュールは、層間第2ターンを含み、第2層を形成する複数の単位コイル、層間コンデンサ、および末端コンデンサを含むことができる。
【0267】
以下では、便宜のためにアンテナモジュールが2個である場合を基準として説明するが、プラズマ生成装置は2つ以上のアンテナモジュールを含むことができる。プラズマ生成装置は、それぞれ異なるインピーダンス、構造および/または機能を有する2つ以上のアンテナモジュールを含み、必要に応じて主動アンテナを変更するように用意されてもよい。周波数可変電源は、1つ以上の電源モジュールを含むことができる。
【0268】
本明細書で説明する発明によれば、初期放電に有利な放電特性を有するアンテナモジュール、放電の維持に適した放電特性を有するアンテナモジュール、および/またはエネルギー損失の少ない放電特定を有するアンテナモジュールを含み、必要に応じてアンテナを切り替えることによりモード変更を可能にするように構成されたプラズマ生成装置を提供することができる。
【0269】
本明細書で説明されるように、複数のアンテナモジュールを含み、各アンテナモジュールが選択的に動作するように構成されたプラズマ生成装置を用いて、より広い範囲のインピーダンスまたは実抵抗範囲に対するマッチングが可能になり得る。また、それぞれ異なる放電制御範囲(例えば、流量、電力、圧力、ガスの種類)を有する複数のアンテナモジュールを活用することによって、より広い放電制御範囲を有するプラズマ生成装置を提供することができる。
【0270】
3.2.1.1 第1実施例
図22は、プラズマ生成装置が第1アンテナモジュール203、第2アンテナモジュール204、およびRF電源装置102を含む場合のプラズマ放電プロセスを説明するための図である。RF電源装置102は、1つ以上の電源モジュールを含むことができる。RF電源装置102は、異なる出力周波数帯域を有する1つ以上の電源モジュールを含むことができる。
【0271】
図23および
図24は、プラズマ生成装置の動作モードの変更を説明するための概略回路図である。
【0272】
以下では、
図22~
図24を参照して、アンテナモジュールが2つ以上である場合のモード変更プラズマ放電プロセスについて説明する。
【0273】
図22を参照すると、プラズマ生成装置が第1アンテナモジュール203、第2アンテナモジュール204、およびRF電源装置102を含む場合、プラズマ生成装置は電源装置102の駆動周波数を変更することによって主動アンテナモジュールを変更することができる。
【0274】
図22の(a)を参照すると、プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、電源装置102を介して第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に第1周波数f1を有する電力信号を伝達して、誘電体チューブの内部にプラズマ放電を誘導することができる。第1周波数f1は、第1アンテナモジュール203が主動アンテナモジュールとして動作するようにする駆動周波数であり得る。
【0275】
プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、誘電体チューブの内部に第1電界E1を形成することができる。第1電界E1は、誘電体チューブの軸方向と並んでいる垂直方向の電界E1であり得る。プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、誘電体チューブの内部に誘電体チューブの周方向と並んでいる方位角方向の電界E2を形成することもできる。
【0276】
一実施例によれば、プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に第1周波数f1を有する電力信号を伝達して垂直方向の電界E1を形成し、誘電体チューブの内部に蓄電結合プラズマ発生を誘導することができる。
【0277】
一実施例によれば、プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に第1周波数f1を有する電力信号を伝達して方位角方向の電界E2を形成し、誘電体チューブの内部に誘導結合プラズマ発生を誘導することができる。プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、第1強度を有する方位角方向の電界E2を形成することができる。
【0278】
図23は、
図22の(a)に示すプラズマ生成装置の動作を説明するための図である。
図23を参照すると、プラズマ生成装置の動作モードが第1モードである場合、プラズマ生成装置は可変周波数のRF電源を介して第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204へ第2周波数f2を有する第1電流I1を出力することができる。
【0279】
プラズマ生成装置の動作モードが第1モードである場合、第1アンテナモジュール203に第a1電流Ia1が分配され、第2アンテナモジュール204に第b1電流Ib1が分配されてもよい。第a1電流Ia1は第b1電流Ib1より大きくてもよい。動作モードが第1モードである場合、駆動周波数である第1周波数f1は第1アンテナモジュール203の共振周波数に対応し、第1アンテナモジュール203のリアクタンスはほとんどが相殺され、第2アンテナモジュール204のリアクタンスは比較的少なく相殺されてもよい。ほとんどの電流は第1アンテナモジュール203に分配され得る。プラズマ生成装置の動作モードが第1モードである場合、第1アンテナモジュール203で消費される第1電力は第2アンテナモジュール204で消費される第2電力より大きくてもよい。プラズマ生成装置の動作モードが第1モードである場合、第1アンテナモジュール203は誘電体チューブ内に誘導結合プラズマ放電を引き起こし、生成されたプラズマは第1アンテナモジュール203のインダクターと誘導結合することができる。
【0280】
図22の(b)を参照すると、プラズマ生成装置は、動作モードが第2モードである場合、電源装置102を介して第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に第2周波数f2を駆動周波数として電力を提供することができる。第2周波数f2は第1周波数f1と異なってもよい。第2周波数f2は、第1周波数f1と一定値以上の差異があってもよい。第2周波数f2は、第1周波数f1よりも一定値(例えば、0.2MHz)以上大きくても小さくてもよい。
【0281】
プラズマ生成装置は、動作モードが第2モードである場合、第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に第2周波数f2の電力信号を伝達して、方位角方向の電界E3を誘電し、誘電体チューブの内部に誘導結合プラズマ放電を誘導することができる。プラズマ生成装置は、動作モードが第2モードである場合、第2強度を有する方位角方向の電界E3を形成することができる。第2強度は、第1モードにおける方位角方向の電界E2の強度より大きくても小さくてもよい。
【0282】
図24は、
図22の(b)に示すプラズマ生成装置の動作を説明するための図である。
図24を参照すると、プラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、プラズマ生成装置は可変周波数のRF電源を介して第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204へ第2周波数f2を有する第2電流I2を出力することができる。
【0283】
プラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、第1アンテナモジュール203に第a2電流Ia2が分配され、第2アンテナモジュール204に第b2電流Ib2が分配されてもよい。第a2電流Ia2は第b2電流Ib2より小さくてもよい。一実施例によれば、動作モードが第2モードである場合、駆動周波数である第2周波数f2は第2アンテナモジュール204の共振周波数に対応し、第2アンテナモジュール204のリアクタンスはほとんどが相殺され、第1アンテナモジュール203のリアクタンスは比較的少なく相殺されてもよい。ほとんどの電流は第2アンテナモジュール204に分配され得る。プラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、第2アンテナモジュール204で消費される第2電力は第1アンテナモジュール203で消費される第1電力より大きくてもよい。プラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、第2アンテナモジュール204は誘電体チューブ内に誘導結合プラズマ放電を引き起こし、生成されたプラズマは第2アンテナモジュール204のインダクターと誘導結合することができる。
【0284】
図25は、プラズマ生成装置の動作モードによる電圧および電流の変化を説明するための図である。
図25は、時間に応じて、第1アンテナモジュールに流れる電流a、第1アンテナモジュールの誘導コイルの両端電圧b、第2アンテナモジュールに流れる電流c、第2アンテナモジュールの誘導コイルの両端電圧d、および周波数eを説明するための図である。
図25において、電流および電圧グラフは大きさを示している。
【0285】
図25の(e)を参照すると、プラズマ生成装置の動作モードが第1モードである場合、電源装置102は第1周波数f1を有する電力信号を第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に提供することができる。このとき、
図25の(a)および(c)を参照すると、第1アンテナモジュール203には第a1電流Ia1が流れ、第2アンテナモジュール204には第a1電流Ia1より小さい第b1電流Ib1が流れることができる。
図25の(b)および(d)を参照すると、プラズマ生成装置の動作モードが第1モードである場合、第1アンテナモジュール203の誘導コイルの両端電圧は第a1電圧Va1であり、第2アンテナモジュール204の誘導コイルの両端電圧は第a1電圧Va1より小さい第b1電圧Vb1であり得る。
【0286】
図25の(e)を参照すると、プラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、電源装置102は第2周波数f2を有する電力信号を第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に提供することができる。
図25の(a)および(c)を参照すると、第2モードでは、第1アンテナモジュール203に第a1電流Ia1より小さい第a2電流Ia2が流れ、第2アンテナモジュール204に第b1電流Ib1より大きい第b2電流Ib2が流れることができる。第b2電流Ib2は第a1電流Ia1より大きくてもよい。
図25の(b)および(d)を参照すると、プラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、第1アンテナモジュール203の誘導コイルの両端電圧は第a1電圧Va1より小さい第a2電圧Va2であり、第2アンテナモジュール204の誘導コイルの両端電圧は第b1電圧Vb1より大きい第b2電圧Vb2であり得る。第b2電圧Vb2は第a2電圧Va2より大きくてもよい。
【0287】
図26は、一実施例によるプラズマ生成装置の各アンテナモジュールにおける電圧降下を説明するための図である。以下では、
図24を参照して、各動作モードにおいて主動アンテナモジュールを構成する誘導コイルの位置に応じた電圧分配について説明する。
【0288】
プラズマ生成装置が第1アンテナモジュール203の共振周波数に対応する第1周波数を駆動周波数とする第1モードである場合、上述したように電源によって供給される電力のほとんどが第1アンテナモジュール203により消費され、第1アンテナモジュール203が主動アンテナモジュールとして動作することができる。
【0289】
図26の(a)は、第1アンテナモジュール203が
図10に例示したように単位層を構成する単位コイル(
図26(a)の例示の場合、3つの単位コイル)および単位コイル間に配置された層間コンデンサを含む形態である場合、第1モードにおける第1アンテナモジュール203の誘導コイルの位置に応じた電圧Vm1を概略的に示す。
【0290】
動作モードが第1モードである場合、第1アンテナモジュール203は共振状態であり得る。動作モードが第1モードである場合、第1アンテナモジュール203の単位コイル間の層間コンデンサによる誘導コイル のリアクタンス相殺が最大化され、第1誘導結合プラズマ放電を誘導することができる。
【0291】
図26の(a)を参照すると、全長L13のアンテナモジュールの両端間の電圧は第1電圧V1であり得る。好ましくは、アンテナモジュールを構成する各単位コイルの両端(原点からL11点、L11からL12点、L12点からL13点)電圧は第1電圧V1と実質的に同じであり得る。
【0292】
図26の(b)は、一実施例によるプラズマ生成装置が第2周波数を駆動周波数とする第2モードである場合、第2アンテナモジュール204の位置に応じた電圧分布を説明するための図である。
【0293】
プラズマ生成装置が第2アンテナモジュール204の共振周波数に対応する第2周波数を駆動周波数とする第2モードである場合、上述したように電源によって供給される電力のほとんどが第2アンテナモジュール204により消費され、第2アンテナモジュール204が主動アンテナモジュールとして動作することができる。
【0294】
図26の(b)は、第1アンテナモジュール204が
図10に例示したように単位層を構成する単位コイル(
図26(b)の例示の場合、4つの単位コイル)および単位コイル間に配置された層間コンデンサを含む形態である場合、第2モードにおける第2アンテナモジュール204の誘導コイルの位置に応じた電圧Vm2を概略的に示す。
【0295】
動作モードが第2モードである場合、第2アンテナモジュール204は共振状態であり得る。動作モードが第2モードである場合、第2アンテナモジュール204の単位コイル間の層間コンデンサによる誘導コイル のリアクタンス相殺が最大化され、第2誘導結合プラズマ放電を誘導することができる。第2誘導結合プラズマ放電は、第1誘導結合プラズマ放電よりもエネルギー効率の高い特性を有することができる。
【0296】
図26の(b)を参照すると、全長L24のアンテナモジュールの両端間の電圧は第2電圧V2であり得る。好ましくは、アンテナモジュールを構成する各単位コイルの両端(原点からL21点、L21からL22点、L22点からL23、点および第23点から第24点)間の電圧は第2電圧V2と実質的に同じであり得る。
【0297】
一方、動作モードが第1モードである場合、第2アンテナモジュール204に実質的に電流の流入を遮断することができる。したがって、動作モードが第1モードである場合、第2アンテナモジュール204を構成する誘導素子の両端電圧は非常に小さく収束することができる。また、動作モードが第2モードである場合、第1アンテナモジュール204に実質的に電流の流入を遮断することができる。したがって、動作モードが第2モードである場合、第1アンテナモジュール203を構成する誘導素子の両端電圧は非常に小さく収束することができる。
【0298】
一実施例によれば、第1アンテナモジュール203は、
図8に例示したように、層間コンデンサなしで複数回巻かれたソレノイドコイルを含むアンテナモジュールであり得る。第1アンテナモジュール203が層間コンデンサを含まない場合、第1アンテナモジュール203の誘導コイルの両端電圧は、駆動周波数が第1周波数のとき第1電圧(最大値)であり、駆動周波数が第2周波数の場合には第1電圧より小さい第2電圧であり得る。
【0299】
上記の実施例では、プラズマ生成装置の動作モードが第1モードから第2モードに変更して駆動周波数を小さくするモード変更プロセスについて説明したが、これは例示に過ぎず、必要に応じてモード変更形態を変えることができる。例えば、プラズマ生成装置の動作モードを第2モードから第1モードに変更することができる。または、プラズマ生成装置の動作モードは3つ以上のモードを含んでもよい。
【0300】
3.2.1.2 第2実施例
以下では、
図22~
図26に関連して説明した実施例について、より具体的な例を挙げて説明する。一実施例によれば、プラズマの初期放電安定性の確保が要求される場合(例えば、常圧プラズマ放電の場合)、プラズマ生成装置はプラズマ放電にシード電荷を提供するDC電源および電極をさらに含むことができる。このとき、プラズマ生成装置の動作モードは、初期放電を補助するための第1モード(すなわち、初期放電モード)と、メイン放電を補助するための第2モード(すなわち、メイン放電モード)と、を含むことができる。以下では、特に説明がない限り、
図22~
図26に関連して上述した実施例の内容を同様に適用することができる。
【0301】
図27は、プラズマ生成装置が第1アンテナモジュール203、第2アンテナモジュール204、RF電源装置102、DC電源装置101、およびDC電極231、233を含む場合のプラズマ放電プロセスを説明するための図である。DC電源装置101およびDC電極231については、
図4~
図7に関連して上述した内容を同様に適用することができる。
【0302】
図28および
図29は、
図27に例示するプラズマ生成装置の動作モードの変更を説明するための概略回路図である。
【0303】
以下では、
図27、
図28および
図29を参照して、DC電極を含むプラズマ生成装置のモード変更プラズマ放電プロセスについて説明する。
【0304】
プラズマ生成装置の動作モードは、初期プラズマ放電を行うための第1モードとメイン プラズマ放電を行うための第2モードとを含むことができる。
図27の(a)は、第1モードにおけるプラズマ生成装置の動作を説明するための図である。
図27の(b)は、第2モードにおけるプラズマ生成装置の動作を説明するための図である。
【0305】
図27の(a)を参照すると、プラズマ装置は、第1モードにおいて、電源装置102を介して第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に、第1アンテナモジュールの共振周波数に対応する第1周波数を駆動周波数として電力を提供することができる。
【0306】
図27の(a)を参照すると、動作モードが第1モードである場合、DC電源装置101はDC電極231に高電圧パルスを印加することができる。プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、DC電源装置101を介してDC電極231に高電圧パルスを印加して電界E4を形成することができる。電界E4は、DC電極231と対電極として機能するオブジェクトとの間に形成することができる。例えば、電界E4は、DC電極231とガスチューブ211との間に形成することができる。プラズマ生成装置は、電界E4を形成し、局所的な放電(例えば、ストリーマ放電)を誘導して誘電体チューブ内にシード電荷を供給することができる。
【0307】
図28を参照すると、プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、DC電源装置101を介してDC電極231に高電圧パルスを印加してシード電荷を生成し、生成されたシード電荷に基づいて第1アンテナモジュール203を介して初期プラズマ放電を行うことができる。
【0308】
プラズマ生成装置は、動作モードが第1モードである場合、シード電荷に基づいて第1アンテナモジュールを介してプラズマ放電を行うことができる。第1アンテナモジュールを介したプラズマ放電は、蓄電結合プラズマ放電または誘導結合プラズマ放電であり得る。ここで、第1アンテナモジュールを介した放電が蓄電結合プラズマ放電である場合を基準として説明する。
【0309】
一実施例によれば、プラズマの放電状態は時間と共に変化することができる。プラズマ生成装置の動作モードは、プラズマ放電状態の変化に応じて変更することができる。
【0310】
例えば、第1モードによるプラズマ放電は、主に蓄電結合モード(E-mode)によって行うことができる。しかし、蓄電結合モードによってプラズマが十分に発生すると、誘電体チューブ内に方位角方向の誘導電界である第2電界E2を形成することができる。第2電界E2が形成されると、誘導結合プラズマ放電または誘導結合モード(H-mode)によってプラズマを生成することができる。
【0311】
プラズマ生成装置は、プラズマ放電状態の変化に応じて動作モードを変更することができる。
図28を参照すると、プラズマ生成装置は、電源装置102を介して第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に第1周波数f1を有する電力信号を伝達し、プラズマ放電状態が遷移することに応答して動作モードを変更することができる。
【0312】
プラズマ生成装置は、プラズマ放電状態の変化を感知することができる。プラズマ生成装置は、第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204に流れる電流および/または第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204の両端に印加される電圧を取得するセンサーモジュールを含むことができる。プラズマ生成装置は、センサーモジュールを介して第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204に流れる電流および/または第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204の両端に印加される電圧の変化を取得し、電源装置102の駆動周波数および/または動作モードを変更することができる。
【0313】
例えば、プラズマ放電状態が変化すると、第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204に流れる電流および/または第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204の両端に印加される電圧を変えることができる。例えば、主なプラズマ放電状態が蓄電結合プラズマ放電から誘導結合プラズマ放電に変更されると、第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204に流れる電流および/または第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204の両端に印加される電圧を低減することができる。
【0314】
プラズマ生成装置は、第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204に流れる電流および/または第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204の両端に印加される電圧の減少に応答して、動作モードを第2モードに変更することができる。
【0315】
プラズマ生成装置の動作モードが変更されると、プラズマ生成装置は、第2周波数の駆動周波数で第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に電力を提供し、上記の実施例で説明した通り、第2アンテナモジュール204を主動アンテナモジュールとして動作させることができる。
【0316】
図27の(b)を参照すると、第2モードでは、DC電源101は電力供給を中断することができる。第2モードでは、プラズマ生成装置は、第1アンテナモジュール203および第2アンテナモジュール204に、第2アンテナモジュール204の共振周波数に対応する第2周波数を駆動周波数として電力を提供し、メイン プラズマ放電を行うことができる。
【0317】
図29を参照すると、プラズマ生成装置は、動作モードが第2モードである場合、第2周波数を駆動周波数として、第1アンテナモジュール203によって生成された初期放電プラズマに基づいて第2アンテナモジュール204を介してメイン プラズマ放電を行うことができる。
【0318】
図30は、プラズマ生成装置の動作モードによる電圧および電流の変化を説明するための図である。
図30は、時間に応じて、DC高電圧パルスa、第1アンテナモジュールに流れる電流b、第1アンテナモジュールの誘導コイルの両端電圧c、第2アンテナモジュールに流れる電流d、第2アンテナモジュールの誘導コイルの両端電圧e、および周波数fを説明するための図である。
図30において、電流および電圧グラフは大きさを示している。
【0319】
図30の(b)、(c)、(d)、(e)、(f)に関連して、プラズマ生成装置の第1アンテナモジュールに流れる電流b、第1アンテナモジュールの誘導コイルの両端電圧c、第2アンテナモジュールに流れる電流d、第2アンテナモジュールの誘導コイルの両端電圧e、および周波数fは、
図25に関連して上述した内容を同様に適用することができる。
【0320】
図30の(a)を参照すると、プラズマ生成装置の動作モードが第1モードである場合、DC電源装置101は高電圧パルスを発生させることができる。DC電源装置101は、第1モードが維持されている間(駆動周波数が第1周波数f1に維持されている間)、高電圧パルスを発生させることができる。DC電源装置101は、第1モードが終了する前でも高電圧パルスの発生を中断することができる。プラズマ生成装置(または、プラズマ生成装置の制御部)は、DC電源装置101を所定の数だけ高電圧パルスを発生させるように制御することができる。プラズマ生成装置は、DC電源装置101を所定の時間にわたって高電圧パルスを発生させるように制御することができる。
【0321】
図30の(b)および(c)を参照すると、動作モードが第1モードである場合、プラズマ放電状態の変化によって、第1アンテナモジュールに流れる電流および/または第1アンテナモジュールの誘導コイルの両端電圧が減少する可能性がある。
【0322】
図28の(d)、(e)、(f)を参照すると、プラズマ生成装置は、第1アンテナモジュールに流れる電流および/または第1アンテナモジュールの誘導コイルの両端電圧が減少することに応じて動作モードを第2モードに変更することができる。
図30の(a)を参照すると、プラズマ生成装置の動作モードが第2モードである場合、DC電源は高電圧パルスの生成を中断することができる。
【0323】
一方、上記の実施例では、第1モードでプラズマ状態の変化に応答して第2モードに動作モードを変更する場合を基準として説明したが、動作モードの変更は逆順で行ってもよい。
【0324】
3.2.2 アンテナ2個でインバータ1個
図31は、一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
図31を参照すると、プラズマ生成装置は、電源モジュール104、第1アンテナモジュール203、および第2アンテナモジュール204を含むことができる。
【0325】
RF電源モジュール104は、所定の周波数可変範囲を有する交流電力源であり得る。電源モジュール104は、第1アンテナモジュール203および/または第2アンテナモジュール204のアンテナモジュール202の共振周波数を駆動周波数として動作することができる。
【0326】
一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法は、電源モジュールを介してプラズマ生成装置を第1モードに制御するステップと、電源モジュールを介してプラズマ生成装置を第2モードに制御するステップと、を含むことができる。第1モードおよび第2モードについては、上述した内容を適用することができる。
【0327】
図32は、一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法を説明するための図である。
【0328】
図32を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法は、電源モジュールを介して第1アンテナモジュールおよび第2アンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS310と、電源モジュールを介して第1アンテナモジュールおよび第2アンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS330と、を含むことができる。
【0329】
電源モジュールを介して第1アンテナモジュールおよび第2アンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS310は、第1アンテナモジュールの共振周波数に対応する第1周波数を駆動周波数として電力を提供することを含むことができる。
【0330】
第1アンテナモジュールは、層間コンデンサを含むアンテナモジュールであり得る。この時、第1アンテナモジュールの電圧分布は、
図26の(a)と関連して例示したように見えることがある。または、第1アンテナモジュールは、層間コンデンサを含まないアンテナモジュールであり得る。この時、第1アンテナモジュールの電力分布は、
図16の(a)と関連して例示したように見えることがある。
【0331】
電源モジュールを介して第1アンテナモジュールおよび第2アンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS310は、第1アンテナモジュールを介して蓄電結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。
【0332】
電源モジュールを介して第1アンテナモジュールおよび第2アンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS330は、第2アンテナモジュールの共振周波数に対応する第2周波数を駆動周波数として電力を提供することを含むことができる。
【0333】
第2アンテナモジュールは、層間コンデンサを含むアンテナモジュールであり得る。この時、第2アンテナモジュールの電力分布は、
図26の(b)と関連して例示したように見えることがある。
【0334】
電源モジュールを介して第1アンテナモジュールおよび第2アンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS330は、第2アンテナモジュールを介して誘導結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。
【0335】
一実施例によれば、プラズマ生成装置の制御方法は、電力信号の変化を取得するステップをさらに含むことができる。プラズマ装置の制御方法は、第1アンテナモジュールに流れる電流または第1アンテナモジュール(または、第1アンテナモジュールを構成する一部素子)の両端の電圧の変化を取得し、それに基づいて電源モジュールの駆動周波数を第2周波数に変更することを含むことができる。
【0336】
3.2.3 アンテナ2個でインバータ2個
図33は、一実施例によるプラズマ生成装置を説明するための図である。
図31の(a)および(b)を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置は、第1周波数帯域および第1マッチング範囲を有する交流電力源である第1電源モジュール105、第2周波数帯域および第2マッチング範囲を有する交流電力源である第2電源モジュール106、第1電源モジュール105から電力を供給されてプラズマ放電を行う第1アンテナモジュール205、および第2電源モジュール106から電力を供給されてプラズマ放電を行う第2アンテナモジュール206を含むことができる。
【0337】
第1電源モジュール105は第1駆動周波数範囲を有し、第2電源モジュール106は第1駆動周波数範囲と少なくとも一部が異なる第2駆動周波数範囲を有することができる。第1電源モジュール105は第1駆動周波数範囲内の第1周波数で駆動することができる。第2電源モジュール106は第2駆動周波数範囲内の第2周波数で駆動することができる。第1周波数は第1アンテナモジュール205の共振周波数に対応し、第2周波数は第2アンテナモジュール206の共振周波数に対応することができる。第1電源モジュール105は第1マッチング素子を含むことができる。第2電源モジュール106は、第1マッチング素子と異なるインピーダンスを有する第2マッチング素子を含むことができる。
【0338】
一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法は、第1電源モジュールを介してプラズマ生成装置を第1モードに制御するステップと、第2電源モジュールを介してプラズマ生成装置を第2モードに制御するステップと、を含むことができる。第1モードおよび第2モードについては、上述した内容を適用することができる。
【0339】
図34は、一実施例によるプラズマ生成方法を説明するための図である。
【0340】
図34を参照すると、一実施例によるプラズマ生成装置の制御方法は、第1電源モジュールを介して第1アンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS410と、第2電源モジュールを介して第2アンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS430と、を含むことができる。
【0341】
第1電源モジュールを介して第1アンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS410は、第1電源モジュールを介して第1アンテナモジュールの共振周波数である第1周波数で第1アンテナモジュールに電力を提供することを含むことができる。この時、第1アンテナモジュールの電圧分布は、
図26の(a)と関連して例示したように見えることがある。
【0342】
第1電源モジュールを介して第1アンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS410は、第1周波数を駆動周波数として動作し、第1アンテナモジュールを介して誘電体チューブの内部に蓄電結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。
【0343】
または、第1電源モジュールを介して第1アンテナモジュールに第1周波数で電力を提供するステップS410は、第1電源モジュールを介して第1アンテナモジュールに第1周波数で電力を提供して、誘電体チューブの内部に第1強度を有する誘導電界を介して誘導結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。
【0344】
第2電源モジュールを介して第2アンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS430は、第2電源モジュールを介して第2アンテナモジュールの共振周波数である第2周波数で第2アンテナモジュールに電力を提供することを含むことができる。この時、第2アンテナモジュールの電力分布は、
図26の(b)と関連して例示したように見えることがある。
【0345】
第2電源モジュールを介して第2アンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS430は、第2周波数を駆動周波数として動作し、第2アンテナモジュールを介して誘電体チューブの内部に誘導結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。
【0346】
第2電源モジュールを介して第2アンテナモジュールに第2周波数で電力を提供するステップS430は、第2周波数を駆動周波数として動作し、誘電体チューブの内部に第2強度を有する誘導電界を形成して、誘導結合プラズマ放電を誘導することを含むことができる。第2強度は、第1電源モジュールによって誘導される電界の第1強度より大きくても小さくてもよい。
【0347】
一実施例によれば、プラズマ生成装置の制御方法は、電力信号の変化を取得するステップをさらに含むことができる。プラズマ装置の制御方法は、アンテナモジュールに流れる電流またはアンテナモジュール(または、アンテナモジュールを構成する一部素子)の両端の電圧の変化を取得するステップを含むことができる。プラズマ装置の制御方法は、上述した変化を取得し、それに基づいて第1電源モジュールおよび/または第2電源モジュールを制御することを含むことができる。例えば、プラズマ装置の制御方法は、第1アンテナモジュールに流れる電流または第1アンテナモジュール(または、第1アンテナモジュールを構成する一部素子)の両端の電圧の降下を取得し、それに基づいて第1電源モジュールの動作を中断し、第2電源モジュールの動作を開始することを含むことができる。
【0348】
以上の実施例で説明した通り、それぞれ異なる放電特性を有する複数のアンテナモジュールを用いることにより、様々な放電環境に応じて選択的なプラズマ放電を行うことができる。複数のアンテナモジュールを用いてプラズマ放電を行うことにより、様々な環境下で放電を行うことが可能なプラズマ生成装置を提供することができる。
【0349】
4.副生成物抑制のプラズマ生成装置
一方、チューブの周りに巻かれるアンテナ コイルにかかる電圧によって、所望の生成物以外の副生成物を形成することができる。例えば、コイルにかかる電圧によってチューブに垂直な方向成分を有する電界が形成され、これによりチューブの内部に生成したプラズマがチューブの内壁方向に加速されてチューブの内壁と衝突し、衝突によりチューブの内壁から離れた副生成物などがプラズマ生成物(例えば、ラジカル)に混合することができる。
【0350】
以下では、副生成物の生成を抑制するためのプラズマ生成装置およびその制御方法などについていくつかの実施例を挙げて説明する。
【0351】
4.1 アンテナモジュール
一実施例によるプラズマ生成装置は、副生成物の生成を最小限に抑えるように設計されたアンテナモジュールを含むことができる。
【0352】
アンテナモジュールは、1つ以上の単位アンテナおよび単位キャパシタを含むことができる。アンテナモジュールは、プラズマ誘電体チューブの周囲に配置することができる(
図4、
図6参照)。
【0353】
アンテナモジュールは、プラズマ誘電体チューブに挟まれるように配置された1つ以上の単位アンテナを含むことができる。各単位アンテナは、チューブの長さ方向に所定の間隔を置いて配置することができる。各単位アンテナは、チューブの長さ方向に離間して配置され、チューブの中心軸に対して回転配置されてもよい(例えば、
図10および関連説明を参照)。単位アンテナはインダクタンスを有するインダクターであり得る。各単位アンテナは同じインダクタンスを有することができる。
【0354】
単位アンテナは単位ターンを含むことができる。単位アンテナは、誘電体チューブに接する第1ターンと、第1ターンよりも誘電体チューブから離れて配置された第2ターンと、を含むことができる。第1ターンおよび第2ターンは同一平面上に位置することができる。第1ターンおよび第2ターンは、誘電体チューブの長さ方向に垂直な平面上に位置することができる。例えば、一実施例による単位アンテナモジュールは、
図12に例示するように用意されてもよい。
【0355】
アンテナモジュールは、単位アンテナに接続される単位キャパシタを1つ以上含むことができる。単位キャパシタは、単位アンテナに接続され、単位アンテナ間に配置することができる。単位キャパシタは単位アンテナと電源との間に配置することができる。例えば、単位キャパシタは、
図8または
図10に例示するように配置されてもよい。アンテナモジュールに含まれる1つ以上の単位キャパシタは、同じ静電容量を有することができる。または、アンテナモジュールに含まれる1つ以上の単位キャパシタは、異なる静電容量を有することができる。
【0356】
アンテナモジュールは、電源に接続され、電源から電源を供給され、誘電体チューブ内にプラズマ放電を提供することができる。電源供給およびプラズマ放電動作については、本明細書で上述した内容を同様に適用することができる。
【0357】
図36は、一実施例によるアンテナモジュールを説明するための図である。
【0358】
アンテナモジュール360は、1つ以上の単位アンテナ361および1つ以上の単位キャパシタ363を含むことができる。アンテナモジュール360は誘電体チューブの周囲に配置することができる。アンテナモジュール360は、同じ形態を有する1つ以上の単位アンテナ361を含むことができる。単位アンテナは単位キャパシタ363に接続することができる。アンテナモジュール360に含まれる単位キャパシタは、単位アンテナ361と単位アンテナ間に配置される層間キャパシタ、または単位アンテナと電源との間に配置される末端キャパシタであり得る。アンテナモジュールは電源に接続されて電源を供給されてもよい。上述した単位キャパシタ363は、電源と単位アンテナ361または異なる単位アンテナ361との間に電気的に介在(electrically interposed)することができる。換言すれば、単位キャパシタ363は、電源と単位アンテナ361を電気的に直列接続することができる。または、単位キャパシタ363は、後述するように、異なる単位アンテナ361を電気的に直列接続することができる。
【0359】
例えば、アンテナモジュール360は、電源に接続される第1末端キャパシタ、第1末端キャパシタに接続される第1単位アンテナ、第1単位アンテナと第2単位アンテナを接続する第1層間キャパシタ、第1単位アンテナの下側に位置する第2単位アンテナ、第2単位アンテナと第3単位アンテナを接続する第2層間キャパシタ、第2単位アンテナの下側に位置する第3単位アンテナ、第3単位アンテナと第4単位アンテナを接続する第3層間キャパシタ、第3単位アンテナの下側に位置して電源に接続される第4単位アンテナを含むことができる。各単位アンテナは、
図37に例示する形態で用意され、回転配置されてもよい。
【0360】
図36では、アンテナモジュールが4つの単位アンテナを含む場合を基準として説明したが、これは例示に過ぎず、単位アンテナおよび/または単位キャパシタの数は変更されてもよい。アンテナモジュール360については、本明細書で上述した内容を同様に適用することができる。
【0361】
4.2 アンテナモジュールの構成
以下では、一実施例によるアンテナモジュールを構成する単位アンテナおよび単位キャパシタについて説明する。
【0362】
図37は、一実施例による単位アンテナを説明するための図である。
図37を参照すると、単位アンテナは少なくとも2つの単位ターンを含むことができる。単位アンテナは、同一平面に配置され、同心円(同心円弧)形態を有する2つの単位ターンを含み得る。単位アンテナは、内側に位置し、より小さい半径を有する第1単位ターンと、外側に位置し、第1単位ターンよりも大きい半径を有する第2単位ターンと、を含むことができる。第1単位ターンは、アンテナモジュールが誘電体チューブに組み立てられた状態で誘電体チューブに接してもよい。単位アンテナは、各単位ターンを接続する接続部を含むことができる。
【0363】
図37を参照すると、単位アンテナは、最内側に位置する第1ターン、第1ターンの外側に位置する第2ターン、第2ターンの外側に位置する第3ターンを含むことができる。第1ターンと第2ターンは第1接続部を介して接続することができる。第2ターンと第3ターンは第2接続部を介して接続することができる。第1ターンは、第1点P1から第2点P2まで円弧状に延びることができる。最外側に位置する第3ターンは第1点から最も遠い第3点P3を有し、単位アンテナは第1点から第3点まで接続されてもよい。
【0364】
一方、
図37に例示する単位アンテナの形態は例示に過ぎず、アンテナモジュールは他の形態の単位アンテナを含んでもよい。例えば、
図37ではアンテナモジュールが3つのターンを含むことを例示したが、アンテナモジュールは3つより多いまたは少ないターンを含んでもよい。
【0365】
図36と
図37を一緒に参照すると、第1末端キャパシタは第1単位アンテナの第1点と電源との間に接続されてもよい。第1層間キャパシタは第1単位アンテナの第3点と第2単位アンテナの第1点との間に接続されてもよい。第2層間キャパシタは第2単位アンテナの第3点と第3単位アンテナの第1点との間に接続されてもよい。
【0366】
単位キャパシタは固定静電容量または可変静電容量を有してもよい。単位アンテナは固定インダクタンスまたは可変インダクタンスを有してもよい。アンテナモジュールに含まれるキャパシタの静電容量またはアンテナモジュールに含まれるインダクターのインダクタンスは、チューブに対するアンテナモジュールの配置を考慮して決定することができる。アンテナモジュールに含まれるキャパシタの静電容量またはアンテナモジュールに含まれるインダクターのインダクタンスは、各キャパシタまたはインダクターが接続されたアンテナモジュールの配置を考慮して決定することができる。アンテナモジュールは、アンテナモジュール、キャパシタおよび/または単位アンテナの配置を考慮して、副生成物の生成が最小になるように決定された静電容量を有するキャパシタまたは副生成物の生成が最小になるように決定されたインダクタンスを有する単位アンテナを含むことができる。
【0367】
一実施例によれば、層間キャパシタは固定静電容量を有し、末端キャパシタは可変静電容量を有してもよい。または、1つ以上の層間キャパシタは同じ静電容量を有し、末端キャパシタは層間キャパシタの静電容量と異なる静電容量を有してもよい。例えば、層間キャパシタは第1静電容量を有し、第1末端キャパシタは第1静電容量と異なる第2静電容量を有し、第2末端キャパシタは第2静電容量と異なる第3静電容量を有してもよい。
【0368】
単位キャパシタの静電容量の値は、プラズマ放電の実行時に発生する副生成物が最小になるように決定することができる。プラズマ放電の実行時、アンテナに印加される電圧によって誘電体チューブの内壁に垂直な方向成分の電界が形成され、それによってプラズマが誘電体チューブの内壁と衝突して副生成物を発生させることができる。単位キャパシタの静電容量は、アンテナによって形成される電圧が誘電体チューブの内部のプラズマに与える影響が最小になるように決定することができる。
【0369】
一例として、アンテナモジュールの両端に位置する末端キャパシタの静電容量を層間キャパシタの静電容量と異なるように構成することによって、アンテナモジュールに印加される電圧による副生成物の生成を最小限に抑えることができる。例えば、末端キャパシタの静電容量を非対称的に構成することによって、単位アンテナを構成する単位ターンのうち、放電チューブに最も近い単位ターンの一点での電位が最小になるようにして、プラズマの衝突による副生成物の生成を最小限に抑えることができる。すなわち、誘電体チューブに最も近い単位ターン内に任意の点での電位の最大値(絶対値)が最小になるようにして、プラズマの衝突による副生成物の生成を最小限に抑えることができる。すなわち、誘電体チューブに最も近い単位ターン内の任意の点での接地対比電圧が最小になるようにして、プラズマの衝突による副生成物の生成を最小限に抑えることができる。
【0370】
図36と
図37を参照すると、副生成物の生成を最小限に抑えるために、単位アンテナの第1点P1と第2点P2との間のリアクタンス成分の電位の絶対値電圧V
Rを最小化することができる。すなわち、最内側に位置する第1ターンのリアクタンス成分に印加される電圧を最小化し、誘電体チューブの内壁に垂直な方向の電圧成分を最小化することによって、副生成物の生成を低減することができる。
【0371】
点間のリアクタンス成分の電圧(または、電位)は、点間の合成リアクタンス成分に印加される電圧(または、両端の電位差)を意味することができる。
【0372】
一実施例によれば、第1末端キャパシタの静電容量(第1ターンの第1点P1に接続されたキャパシタの静電容量)は、第2末端キャパシタの静電容量より大きくてもよい。第1末端キャパシタの静電容量は層間キャパシタの静電容量より大きくてもよい。第2末端キャパシタの静電容量(第3ターンの第3点P3に接続されたキャパシタの静電容量)は、層間キャパシタの静電容量より小さくてもよい。第1末端キャパシタと第2末端キャパシタの合成静電容量値は、層間キャパシタの静電容量値と同一であってもよい。
【0373】
第1末端キャパシタの静電容量および第2末端キャパシタの静電容量を適切に調整して、第1点P1と第2点P2の電位の絶対値が類似するように調整することができる。第1点P1と第2点P2に印加される電圧の絶対値が類似するように調整して、最内側に位置する第1ターンのリアクタンス成分の電位の絶対値を最小化することによって、副生成物の生成を低減することができる。
【0374】
他の実施例によれば、プラズマの放電発生を補助するために、最内側に位置する単位ターンのリアクタンス成分の電位の絶対値が最大になるように、末端キャパシタの静電容量を変更することができる。
【0375】
例えば、プラズマ放電を補助するために、単位アンテナの第1点P1と第2点P2との間のリアクタンス成分の電位の絶対値VRを最大化することができる。すなわち、最内側に位置する第1ターンのリアクタンス成分の電位の絶対値を最大化し、誘電体チューブの内部に蓄電結合放電を誘導して、放電を補助することができる。放電を補助するために、第1末端キャパシタの静電容量を第2末端キャパシタの静電容量よりも小さく設定することができる。第1末端キャパシタの静電容量は層間キャパシタの静電容量より小さくてもよい。第2末端キャパシタの静電容量は層間キャパシタの静電容量より大きくてもよい。第1末端キャパシタと第2末端キャパシタの合成静電容量値は、層間キャパシタの静電容量値と同一であってもよい。
【0376】
一実施例によれば、誘電体チューブに結合されて電源から電力を供給されるアンテナモジュールを提供することができる。アンテナモジュールは、第1点から第2点まで延びる第1単位ターンと、第3点から第4点まで延びる第2単位ターンとを含む第1単位アンテナを含むことができる。第1単位ターンは第2単位ターンの内側に位置され、第2点は第3点に接続されてもよい。各単位ターンは弧形または円形に延びてもよい。各単位ターンは、同じ中心角を有する弧形に延びてもよい。
【0377】
アンテナモジュールは、第1単位ターンの第1点に接続され、電源の第1端子と第1点との間に接続される第1キャパシタと、電源の第2端子と第4点との間に接続された第2キャパシタと、を含むことができる。
【0378】
アンテナモジュールに印加される電圧によるチューブの損傷および副生成物の発生を最小限に抑えるために、第2キャパシタの静電容量は第1キャパシタの静電容量より小さくてもよい。第1キャパシタに接続された第1単位ターン(第1単位アンテナの最内角に位置するターン)のリアクタンス成分に印加される電圧が最小化されることによって、チューブの損傷および副生成物の発生が最小限に抑えるように、第2キャパシタの静電容量は第1キャパシタの静電容量より小さくてもよい。
【0379】
第1キャパシタの静電容量は第2キャパシタの静電容量の2倍より大きくてもよい。第1キャパシタの静電容量は、第1単位ターンのリアクタンス成分に印加される電圧が最小になるように、第2キャパシタの静電容量の2倍より大きくてもよい。
【0380】
アンテナモジュールは、第2単位ターンの第4点と第2キャパシタとの間に接続された第3キャパシタを含むことができる。第3キャパシタの静電容量は第2キャパシタの静電容量より小さくてもよい。
【0381】
第1キャパシタの静電容量および第2キャパシタの静電容量の合成静電容量は、第3キャパシタの静電容量に対応してもよい。第1キャパシタの静電容量および第2キャパシタの静電容量の合成静電容量は、第3キャパシタの静電容量と実質的に同一であってもよい。
【0382】
アンテナモジュールは、第5点から第6点まで延びる第3単位ターンと、第7点から第8点まで延びる第4単位ターンとを含む第2単位アンテナをさらに含むことができる。第3単位ターンは第4単位ターンの内側に位置され、第6点は第7点に接続されてもよい。第3キャパシタは、第4点と第5点との間に接続されてもよい。第2キャパシタは、第8点と電源の第2端子との間に接続されてもよい。
【0383】
第1キャパシタに接続された第1単位ターン(第1単位アンテナの最内角に位置するターン)のリアクタンス成分に印加される電圧が最小化されることによって、チューブの損傷および副生成物の発生が最小限に抑えるように、第3キャパシタの静電容量は第2キャパシタの静電容量より小さくてもよい。
【0384】
第1単位ターンおよび第2単位ターンは、誘電体チューブの長さ方向に垂直な平面上に位置することができる。第1単位ターンは第1点から第2点まで第1方向に延び、第2単位ターンは第3点から第4点まで、第1単位ターンと同様に、第1方向に延びることができる。
【0385】
第1点は第4点よりもチューブに近接して位置されてもよい。第1点は
図37に例示するP1に対応することができる。第4点は
図37に例示するP3に対応することができる。
【0386】
アンテナモジュールに電力が供給されると、第1キャパシタのリアクタンス成分に印加される電圧は第1点と第2点との間のリアクタンス成分に印加される電圧よりも小さく、第3キャパシタのリアクタンス成分に印加される電圧は第1点と第4点との間のリアクタンス成分に印加される電圧に対応してもよい。
【0387】
アンテナモジュールは、第3キャパシタの静電容量および第1単位アンテナのインダクタンスに基づいて決定される共振周波数で共振することができる。アンテナモジュールが共振状態のとき、第1端子に対する電位がゼロになる一点は、第1単位アンテナの第1単位ターン上に位置することができる。一点は、第1端子と一点との間のリアクタンス成分の電位がゼロになる点であり得る。一点は、第1端子との間でリアクタンス成分に印加される電圧がゼロになる点であり得る。
【0388】
アンテナモジュールは、第3キャパシタの静電容量および第1単位アンテナのインダクタンスに基づいて決定される共振周波数で共振することができる。アンテナモジュールが共振状態のとき、第1点と第1端子との間のリアクタンス成分に印加される電圧は、第2点と第1端子との間のリアクタンス成分に印加される電圧と実質的に同じであり得る。
【0389】
他の実施例によれば、誘電体チューブに結合されて電源から電力を供給されるアンテナモジュールとして、第1単位アンテナ、第1キャパシタ、および第2キャパシタを含むアンテナモジュールを提供することができる。
【0390】
第1単位アンテナは、第1点から第2点まで延びる第1単位ターンと、第3点から第4点まで延びる第2単位ターンとを含むことができる。第1単位ターンは第2単位ターンの内側に位置され、第2点は第3点に接続されてもよい。
【0391】
アンテナモジュールは、電源の第1端子と第1単位ターンの第1点との間に接続される第1キャパシタを含むことができる。
【0392】
アンテナモジュールは、第2単位ターンの第4点に接続された第2キャパシタを含むことができる。
【0393】
第1キャパシタは、電源の第1端子と第1点との間に接続されてもよい。
【0394】
アンテナモジュールに電力が供給されると、第1単位アンテナで電圧が最低となる一点は第1単位ターン上に位置してもよい。一点は、第1端子と一点との間のリアクタンス成分の電圧がゼロになる点であり得る。
【0395】
アンテナモジュールは、第2キャパシタの静電容量および第1単位アンテナのインダクタンスに基づいて決定される共振周波数で共振することができる。
【0396】
アンテナモジュールが共振状態のとき、第1単位アンテナで電圧が最低となる一点は第1単位ターン内に位置してもよい。
【0397】
アンテナモジュールに電力が供給されると、第1単位アンテナで電圧が最低となる一点は第1単位ターン上に位置してもよい。
【0398】
アンテナモジュールに電力が供給されると、第1単位アンテナで、リアクタンス成分の電位の絶対値が最低となる点は、第1単位ターン上に位置してもよい。
【0399】
第1キャパシタの静電容量は第2キャパシタの静電容量の2倍より大きくてもよい。
【0400】
アンテナモジュールに印加される電圧によるチューブの損傷および副生成物の発生を最小限に抑えるために、第2キャパシタの静電容量は第1キャパシタの静電容量より小さくてもよい。
【0401】
アンテナモジュールは、第5点から第6点まで延びる第3単位ターンと、第7点から第8点まで延びる第4単位ターンとを含む第2単位アンテナを含んでもよい。第3単位ターンは第4単位ターンの内側に位置され、第6点は第7点に接続されてもよい。
【0402】
第2キャパシタは、第4点と第5点との間に接続されてもよい。
【0403】
第8点と電源の第2端子との間に接続された第3キャパシタをさらに含んでもよい。
【0404】
第2キャパシタの静電容量は第3キャパシタの静電容量より小さくてもよい。
【0405】
第1キャパシタの静電容量および第3キャパシタの静電容量の合成静電容量は、第2キャパシタの静電容量に対応してもよい。第1キャパシタの静電容量および第3キャパシタの静電容量の合成静電容量は、第2キャパシタの静電容量と実質的に同一であってもよい。
【0406】
他の実施例によれば、誘電体チューブに結合されて電源から電力を供給されるアンテナモジュールとして、第1単位アンテナ、第1キャパシタ、および第2キャパシタを含むアンテナモジュールを提供することができる。
【0407】
第1単位アンテナは、第1点から第2点まで延びる第1単位ターンと、第3点から第4点まで延びる第2単位ターンとを含んでもよい。第1単位ターンは第2単位ターンの内側に位置され、第2点は第3点に接続されてもよい。
【0408】
第1キャパシタは、第1単位ターンの第1点に接続され、電源の第1端子と第1点との間に接続することができる。
【0409】
第2キャパシタは、電源の第2端子と第4点との間に接続することができる。第2キャパシタの静電容量は第1キャパシタの静電容量と異なってもよい。
【0410】
アンテナモジュールは、第2単位ターンの第4点と第2キャパシタとの間に接続された第3キャパシタをさらに含んでもよい。
【0411】
一方、アンテナモジュールは、第5点から第6点まで延びる第3単位ターンと、第7点から第8点まで延びる第4単位ターンとを含む第2単位アンテナをさらに含んでもよい。第3単位ターンは第4単位ターンの内側に位置され、第6点は第7点に接続されてもよい。
【0412】
第3キャパシタは、第4点と第5点との間に接続されてもよい。第2キャパシタは、第8点と電源の第2端子との間に接続されてもよい。
【0413】
第1キャパシタの静電容量および第2キャパシタの静電容量の合成静電容量は、第3キャパシタの静電容量に対応してもよい。第1キャパシタの静電容量および第2キャパシタの静電容量の合成静電容量は、第3キャパシタの静電容量と実質的に同一であってもよい。
【0414】
第1キャパシタの静電容量、第2キャパシタの静電容量、第3キャパシタの静電容量は、
図38~
図40の説明と同様に理解することができる。
【0415】
4.3 プラズマ放電動作時の電圧分布
以下では、末端キャパシタの静電容量に応じた単位アンテナのリアクタンス成分の電位の絶対値について説明する。
【0416】
図38は、一実施例によるアンテナモジュールに印加される電位分布を説明するための図である。
【0417】
図38は、一実施例によるアンテナモジュールおよびアンテナモジュールのリアクタンス成分の電位を説明するための図である。
図38は、周波数約3MHz、電流20Aの条件下で、第1末端キャパシタC1の静電容量が第2末端キャパシタC2の静電容量より大きい場合のアンテナモジュールのリアクタンス成分に印加される電圧を簡略に示したものである。このとき、第1点P1の電位は-100V、第2点P2における電位は100Vと測定された。
【0418】
プラズマ放電時に、アンテナによって形成される電界とプラズマの蓄電結合によってプラズマが誘電体チューブに衝突して副生成物を発生させるのを最小限に抑えるために、末端キャパシタの静電容量を適切に調整することができる。
図38で説明する図面は、末端キャパシタの静電容量が副生成物を最小化するように決定されたアンテナモジュールおよびアンテナモジュールのリアクタンス成分の電位を簡略に示したものである。
【0419】
図11と比較すると、
図11に関連して例示されるアンテナモジュールは、両側の末端キャパシタの合成静電容量と層間キャパシタの静電容量が互いに対応するように用意されたという点で、
図38に例示されるアンテナモジュールと同様であり、両側の末端キャパシタの静電容量が同一に体現されるという点で、
図38に関連して説明されるアンテナモジュールとは異なる。
【0420】
図11に例示されるアンテナモジュールは、アンテナのリアクタンス成分に印加される電圧(すなわち、アンテナの末端間に印加される電圧)が相殺されるように、1つの末端キャパシタのリアクタンス成分に印加される電圧が、単位アンテナのリアクタンス成分に印加される電圧の半分に対応するように設計されてもよい。これに対して、
図38に例示されるアンテナモジュールは、アンテナモジュールを構成する単位アンテナの最内側のターンに対応するリアクタンス成分の電位が最小となるように、両側の末端キャパシタの静電容量が異なるように構成されてもよい。
【0421】
図38に例示されるアンテナモジュールは、第1末端キャパシタC1のリアクタンス成分に印加される電圧と第2末端キャパシタC2のリアクタンス成分に印加される電圧が異なるように構成することができる。
【0422】
一実施例によるアンテナモジュールは、第1単位アンテナの最内側のターンに接続された第1末端キャパシタC1のリアクタンス成分に印加される電圧が第2単位アンテナの最外側のターンに接続された第2末端キャパシタC2のリアクタンス成分に印加される電圧よりも小さいように構成することができる。
【0423】
一実施例によるアンテナモジュールは、第1単位アンテナの最内側のターンに接続された第1末端キャパシタC1の静電容量が第2単位アンテナの最外側のターンに接続された第2末端キャパシタC2の静電容量よりも大きいように用意することができる。
【0424】
一実施例によるアンテナモジュールは、第1静電容量を有する第1末端キャパシタに接続された第1単位アンテナの最内側のターンのリアクタンス成分の電位の大きさが、第1静電容量より小さい第2静電容量を有する第2末端キャパシタに接続された第2単位アンテナの最外側のターンのリアクタンス成分の電位の大きさよりも小さいように用意することができる。
【0425】
一実施例によるアンテナモジュールは、単位アンテナの最内側に位置する第1単位ターンのリアクタンス成分の電位の大きさが単位アンテナの最外側に位置する第2単位ターンのリアクタンス成分の電位の大きさよりも小さいように用意することができる。
【0426】
一実施例によるアンテナモジュールは、電源(例えば、第1末端キャパシタの単位アンテナに接続されていない末端、または接地)との関係で電位差が最小になる点が単位アンテナの最内側に位置する第1単位ターンに位置され、電源との関係で電位差が最大になる点が単位アンテナの最外側に位置する第2単位ターンに位置されてもよい。
図38を参照すると、アンテナモジュールは、単位アンテナにおいてリアクタンス成分の電位がゼロとなる点(すなわち、電圧との関係で電位差が最小となる点)が
図10と比較したときよりも第1末端キャパシタC1または電源に近接するよう用意されてもよい。すなわち、電位がゼロになる点が単位アンテナの最内側のターン(すなわち、第1点P1と第2点P2との間)に位置するように、末端キャパシタの静電容量を調整してもよい。これにより、誘電体チューブに最も近い最内側のターンに印加される電圧による誘電体チューブの損傷およびそれに伴う副生成物の発生を低減することができる。
【0427】
図39は、他の実施例によるアンテナモジュールおよびアンテナモジュールのリアクタンス成分に印加される電圧を簡略に示したものである。
図39は、周波数約3 MHz、電流20Aの条件下で、第1末端キャパシタC1が省略された場合のアンテナモジュールのリアクタンス成分に印加される電圧を簡略に示したものである。このとき、第1点P1における電位は0V、第2点P2における電位は200Vと測定された。
【0428】
図39に例示するアンテナモジュールは、第1末端キャパシタC1が省略され、第2末端キャパシタC2の静電容量が層間キャパシタの静電容量と同一である場合を基準として例示したものである。
図39を参照すると、第1点P1から第2点P2まで延びる第1単位ターン(最内側のターン)のリアクタンス成分に印加される電圧は、
図38に例示するアンテナモジュールの第1ターンのリアクタンス成分に印加される電圧より大きくてもよい。
【0429】
図38と
図39を一緒に参照すると、第1末端キャパシタの値を適切に決定して、最内側のターンのリアクタンス成分の一点における電位の絶対値を減少させる可能性があることを確認することができる。
【0430】
図40は、他の実施例によるアンテナモジュールおよびアンテナモジュールのリアクタンス成分に印加される電圧を簡略に示したものである。
【0431】
図40は、周波数約3 MHz、電流20 Aの条件下で、第1末端キャパシタC1の静電容量よりも第2末端キャパシタC2の静電容量が小さい場合のアンテナモジュールのリアクタンス成分に印加される電圧を簡略に示したものである。このとき、第1点P1における電位は-700V、第2点P2における電位は-500Vと測定された。
【0432】
図40に例示するアンテナモジュールはプラズマ放電を補助するために使用することができる。
図40に例示するアンテナモジュールは、アンテナモジュールの最内側のターンのリアクタンス成分の一点における電位の絶対値が最大になるようにして、プラズマ放電がよりスムーズに起こるように補助することができる。
【0433】
プラズマ放電を補助するために、第1末端キャパシタC1の静電容量は、第2末端キャパシタC2の静電容量よりも小さく用意されてもよい。第1末端キャパシタC1と第2末端キャパシタC2の合成静電容量は、層間キャパシタの静電容量に対応してもよい。
【0434】
以上のように実施例が限定された実施例と図面によって説明されたが、当該技術分野の当業者ならば上記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術は、説明された方法とは異なる順序で実行され、および/または説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合または組み合わせたり、他の構成要素または均等物によって取替または置換されても適切な結果を達成することができる。
【0435】
したがって、他の構成、他の実施例及び特許請求の範囲と同等のものも後述する特許請求の範囲の範囲に属する。