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特開2024-38018肺疾患の迅速診断用の経皮カテーテルシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038018
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】肺疾患の迅速診断用の経皮カテーテルシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023215898
(22)【出願日】2023-12-21
(62)【分割の表示】P 2021531329の分割
【原出願日】2019-12-06
(31)【優先権主張番号】62/776,667
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/776,677
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521234386
【氏名又は名称】ヴェラン メディカル テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】ホルシング,トロイ
(72)【発明者】
【氏名】ハンター,マーク
(72)【発明者】
【氏名】リー,クリストファー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】超音波評価の下での正確な位置の高精度な情報の取得を可能とする。
【解決手段】経皮送達される医療機器およびその使用方法は、カテーテル、カテーテルの遠位端内に配置される少なくとも2つの電磁感知コイル、近位取手部内に配置される少なくとも1つの電磁感知コイル、およびカテーテルの遠位端内に配置され、かつ超音波エネルギーを少なくとも2つの画像化モードで送受信するように構成される多重素子の平面超音波変換素子列を含む。この機器はまた、超音波変換素子に結合される画像化システムを含み、カテーテル本体から直交して延びる第1の標的平面に組織の画像を形成するように用いられる。この医療機器はまた、第1の標的平面内の第2の標的範囲内の組織の音響スペクトル特性を受信しかつ評価する際に用いる後方散乱評価システムを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の腫瘍の疑いのある肺組織内で医師である使用者が操作する医療機器であって、
a)近位の取手部で終端し軸に沿って遠位端まで延び、かつ経皮針を経る挿入によって肺組織に送達するように構成される細長カテーテル本体を有するカテーテル、
b)前記遠位端内に配置される複数の電磁感知コイル、
c)前記複数の電磁感知コイルと共に作動して、肺組織を経るナビゲーションを可能とし、かつ前記肺組織内での前記カテーテルの遠位端の位置を報告する、前記近位の取手部内の少なくとも1つの電磁感知コイル、
d)第1の画像化モードで作動して、第1の標的平面内に位置する第1の標的範囲の画像を取得し、かつ前記第1の標的範囲よりも小さい縮小された第2の標的範囲を含む前記第1の標的平面内に位置する第2の標的範囲を規定する、超音波エネルギーを送受信するために前記遠位端内に配置される円筒形の超音波変換素子列、
e)前記円筒形の超音波変換素子列は、第2の後方散乱モードで作動し、前記第2の標的範囲から反射される音響エネルギーのスペクトル特性を評価して定量的超音波データセットを形成し、および
f)ナビゲーション、位置、および超音波データを前記医師である使用者に提示するナビゲーションシステム/超音波表示、を含む医療機器。
【請求項2】
患者の肺組織内の目的とする領域を診断する方法であって、
a)経皮針を経てカテーテルを通過させて前記肺組織に接近する工程、
ここで前記カテーテルは、
i)長手方向軸および遠位端と近位取手部を含む細長カテーテル本体、
ii)前記遠位端内に配置される少なくとも2つの遠位電磁感知コイル、
iii)前記近位取手部内に配置される少なくとも1つの近位電磁感知コイル、および
iv)前記遠位端内に配置され、かつ前記カテーテル本体の長手方向軸に平行に配置される多重素子の円筒形の超音波変換素子列を含み、
b)前記遠位および近位の電磁感知コイルと相互作用するナビゲーションシステムを用いて、カテーテルの前記遠位端を前記目的とする領域に近位の第1の位置に誘導する工程、
c)第1の標的平面内の前記目的とする領域に第1の超音波エネルギーを、前記円筒形の超音波変換素子列から送信する工程、
d)画像化システムで前記変換素子列からの前記第1の超音波エネルギーを受信する工程、
e)画像化システムに、気道および血管を含む一式の組織から選択される解剖組織を示す、前記第1の標的平面に沿う前記目的とする領域の画像を形成する工程、
f)前記第1の標的範囲よりも小さい縮小された第2の標的範囲を含む、前記第1の標的平面内の第2の標的範囲を識別する工程、
g)第2の画像化モードで、前記変換素子列から前記の縮小された第2の標的範囲内に第2の超音波エネルギーを送信する工程、
h)後方散乱評価システムで前記変換素子列からの前記第2の超音波エネルギーを受信する工程、および
i)前記後方散乱評価システムで、受信した前記第2の超音波エネルギーの音響スペクトルを評価して、定量的超音波データセットを形成する工程、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、両方とも2018年12月7日付けの米国仮特許出願第62/776,677号と第62/776,667号の優先権を主張する通常出願であり、その内容の全体は参照により本明細書に組込まれる。
【発明の分野】
【0002】
癌の診断を提供すべく、肺の中で使用するための電磁(EM)ナビゲーションおよび超音波(US)画像評価と後方散乱評価の両方を統合する医療機器カテーテルシステムを提供する。開示される実施態様では、経皮的な接近機器とともに用いる。
【背景技術】
【0003】
肺がん診断での現状の標準技術
現在、通常の癌の治療手順では、日常検査(X線、CT)で見出された疑いのある組織の身体試料(生検試料)の採取を必要とする。生検試料を顕微鏡評価のために検査室に送付して、検査室の病理医が病気の診断となる試料の病理結果を断定する。
【0004】
次に、患者とその担当医は、適切な治療計画を選択する。この計画には、肺がんの場合に、外科的摘出、化学療法、または切除が含まれる。組織が進行した肺がんを示す場合には、緩和ケアやホスピスケアが示唆される。組織が慢性閉塞性肺疾患(COPD)またはその他の疾患の症例を示す場合には、それに適切な治療計画が選択される。組織が正常であるなら、医療行為は必要としない。
【0005】
この通常の診断法では、疾患の診断的特徴を確実にするために繰返しを必要として数回にわたる医療行為を実施するが、このことは望ましくない。この通常の方法ではまた、診断の精度も低くなる。多くの病気の症例で、特に最も容易に治療可能な初期段階の肺疾患が見落とされる。また誤診により不必要な医療行為に至る場合もある。

肺疾患の評価に用いられる現状の技術
【0006】
肺気管支鏡検査への電磁ナビゲーションの応用は、1990年代の初頭に開始された。Veran Medical Technologies社は、気管支鏡を用いて、すなわち胸壁を貫通して、非常に小さな組織塊を正確に標的化しかつそれに到達できる一式のカテーテルシステムを開発した。カテーテルシステムを介して生検器具を標的塊に到達させて、分析のために身体組織試料を採取できる。この技術は、「内視鏡用途での4次元軟組織ナビゲーションのための装置および方法」(Apparatus and Method for Four Dimension Soft Tissue Navigation in Endoscopic Applications)と題された米国特許第8,696,549号に詳細に記載されている。この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。一部のシステムでは、画像照合、電極電位および光ファイバーによる位置特定を提供しており、代替の位置特定技術としても使用できる。
【0007】
これは、最新の電磁ナビゲーション支援型の肺へのナビゲーションである。一般に、手術前のコンピューター断層撮影X線(CT)検査を用いて、患者体内の気道のモデルを構築する。留置カテーテル表面にある電磁センサーは非常に小さく、3次元空間(3D)内のカテーテル先端の位置と方向の情報を提供する。Veranのシステムはまた、4次元の時変追跡情報も提供する。Veranのシステムでは呼吸の追跡が利用可能であり、この追跡は、仮想表示内のプローブの見掛けの位置を変更して、電磁センサーが身体の呼吸運動とともに移動する際の電磁センサーの物理的な位置に一致させるのに効果的であり、これは本発明の装置では非常に有用である。
【0008】
本発明の目的は、3次元空間での既知の位置を移動させ、かつCTまたはその他の画像診断法から形成された画像空間内にこの既知の位置を正確に対照させる能力により、超音波評価の下での正確な位置の高精度な情報の取得を可能とすることである。
【0009】
現在では、肺気管支鏡の検査機器に超音波画像を利用する装置は周知であり、いくつかの製造業者から提供されている。これらの気管支内超音波システム(EBUS)により、気管支鏡を通過したカテーテル表面の放射状または円錐状の超音波画像センサーを用いて、操作者は気道の外側で観察することができる。典型的な視野は、可能な限り最大量の組織を検査するように、意図的に通常は360°とかなり広く、かつかなり深くなっている。その解剖学的な詳細画像を、典型的には、医師はナビゲーションのために使用する。目的とする標的は、画像の特徴だけで規定され、そこにEBUSカテーテルを介して標的部位に送達される生検器具が接近する。
【0010】
従来の超音波の臨床的応用には、走査平面にエコー振幅を表示する濃淡階調「Bモード」撮像;経時的に特定の固定位置での動きを追跡するMモード撮像;走査平面での動きを表示する二重色調のパワードップラー撮像;入射超音波に対する非線形応答を表示する高調波撮像;相対的な組織の剛性を表示する弾性撮像;および血液で充満された空間を表示する造影剤、または特定の薬剤結合組織形態を表示する標的薬剤を用いる造影剤撮像などの多くの撮像モードを組み込んでいる。あまり周知されていない超音波技術として、定量超音波(QUS)に基づくものがあり、これにより組織から後方散乱された受信エコー信号の周波数の関数として電力分布を解析し、定量超音波は、結果として得られるスペクトルのパラメータを利用して、組織ごとに特徴付けして区別する。もう一つの可能性のある撮像技術は、トレーニングデータセットに基づいて組織を特徴付けるために撮像経路の様々な段階で重畳型ニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network)などのAI技術を応用している。このAIが支援する画像データ評価は、全体的に診断を高速化でき、これは望ましいことである。
【発明の概要】
【0011】
本発明者らの見解では、結節または他の組織種の試料を癌性であると断定するために患者の病歴とともに一組の音響測定値を用いることができる。結節または任意の組織種は、この音響測定方法に適していると見込まれる。この評価は、通常の病理学評価と同程度に高精度であると期待される。人工知能システムを追加して、複数の発生源からのデータを組み合わせることもできる。例えば、別の可能性のある撮像技術として、トレーニングデータセットに基づいて組織を特徴付けるためにCTおよび超音波撮像経路の様々な段階で重畳型ニューラルネットワークなどのAI技術を応用する技術が挙げられる。このAIが支援する画像データ評価は、全体的に診断を高速化でき、これは望ましいことである。
【0012】
本発明のカテーテルおよびその関連システムは、医療行為中にその場で標的組織に接近し、識別して特徴付けることを可能にする。この診断データは、全て同一時間に同一場所で取得される。この総観的なデータセットにより、他のデータや通常の医学判断と組み合わせて、直ちに治療法の決定に到達できる。概略の標的組織の位置には、経皮的な接近針を肺内に皮膚から挿入し、次いで手術前のCT検査に基づきかつ形成された肺モデル内の針に従って、針と変換素子を観察かつ誘導して、従来からの手法で到達できる。使用者は針を経てカテーテルを操作し、電磁ナビゲーションを用いて、モニター上に医師に提示されるモデル画像空間内の肺組織を視覚化することで、標的組織の位置に接近する。ナビゲーションシステムからの位置情報は、導き出された肺モデル内のどこに現在位置するかを医師に知らせる。次に、超音波撮像を用いて、目的とする組織の第1の標的平面または第1の標的容積とその正確な位置を規定する。次に使用者は、組織の均質な試料を含むこの標的容積の縮小版を規定する。この第2の縮小標的平面または縮小標的容積は、無関係な解剖組織を排除して、疑わしい腫瘍組織の均質試料を表示する画像平面または画像容積を形成するように選択される。第2の縮小標的は、定量超音波技術の実行により、音響生検に対する必要量を用いて評価される。全般的にカテーテルシステムは、身体的生検の試料採取器具の配置を可能とする。次に、この器具、例えば針またはブラシを、音響的に評価された同一の標的部位に配置し、同一の組織から選択された組織試料を音響による生検に供する。
【0013】
上述に示唆したように、超音波システムは、2つの操作モード、すなわち比較的大きな第1の標的範囲を断片毎に表示する第1の画像化モード、および第2の縮小標的範囲からの後方散乱放射を選択する第2の定量スペクトル評価モードを有する。
【0014】
超音波画像化システムは、カテーテルの遠位端の周りに制御された視野を提供する。超音波変換素子の好ましい実施態様は、カテーテルの遠位端内の位置に固定された平面列である。この平面列を、カテーテル本体が静止している間に数回にわたって数ヶ所で採取されるデータから形成される表示画像平面を構築する合成開口モードに用いてもよい。カテーテルを第1の位置から第2の近傍位置に平行移動させることが可能である。カテーテルの動きを単独で用いて、解剖組織を排除して第2の縮小標的範囲を形成してもよい。カテーテルの動きにより、画像の縮小または後方散乱の評価に使用する行程容積を形成する。
【0015】
典型的には、超音波変換素子の視野は60度以下であるが、上記に示すように、その素子を機械的に回転または平行移動し、あるいは電子的に操作して、視野のサイズを制御できる。広範囲の組織の広い視野が所望される典型的なEBUSシステムとは対照的に、視野の深さあるいは範囲を制限してもよい。通常、超音波の視野にはいくつかの組織形態が包含される。医学的に判断して、カテーテルシステムを調整しかつ標的組織の近傍に配置して、音響生検のための目的とする標的組織を血管などの他の解剖学的特徴から分離する。このように、医学の専門知識により、疑いのある腫瘍組織を包含する第1の標的範囲を選択する。まず、第1の標的容積の部分集合を後方散乱分析のために選択する。この第2の縮小標的範囲は、外来の解剖組織を含まずに、スペクトル評価に適する後方散乱をもたらす比較的均質な組織試料を提供するように選択される。
【0016】
電磁ナビゲーションシステムの電磁配置部によって記録される音響生検の位置を用いて、統合された生検試料装置を音響生検位置に誘導できる。この針先端の配置は、電磁センサーの4次元位置情報からの情報で計算されるので、非常に高精度で実施できる。
【0017】
従って、実際には超音波システムを用いて、第1の標的範囲と呼ばれる組織の容積を画像化し、次に操作者は、カテーテルシステムを操作して、超音波センサー操作によるより小さな定量モードの視野内に目的とする組織を含む第2の縮小標的範囲を分離する。組織が分離された状態で、音響後方散乱放射が評価されて、組織の性質が識別される。定量超音波手法を使用して、非常に小さな試料は、その場で、かつ必要に応じて治療を提供するように再接近できるその既知の場所で実行される「音響生検」すなわち「音波生検」に効率的に供される。
【0018】
さらに、定量超音波を用いて、腫瘍間質および微小血管系の性質を分析し、細胞死および/またはアポトーシスに関連するパラメータを提供して、化学療法、近接照射療法、細胞毒性剤(薬物)または切除などの治療の確定データまたは監視データを提供できる。この分析は、有効散乱径や有効音響濃度などのパラメータを用いて、治療に対する腫瘍応答の中間のフィードバックを提供できる。腫瘍または組織の剛性の不均一性は、複数の異なる方向から結節を評価し、かつ超音波信号の浸透深さを測定して解析できる。
【0019】
結節の3次元または4次元の超音波画像を形成する能力を用いて、使用者は、3次元画像または4次元画像の非組織パラメータおよび組織パラメータの両方を計算できる。隣接構造(胸膜、裂溝、血管など)に対応するサイズ、形状、位置記述子などの非組織の特徴は、超音波空間内で規定できる。さらに、画素強度ヒストグラムや連長(連続した類似の階調または高周波レベル)、共起などの組織に基づく特徴により、微細な組織から粗い組織の計量値を定義できる。コントラスト、エネルギー、均質性、エントロピー、平均確率および最大確率などの共起計量値を用いて、結節内の組織を特徴付けでき、画像を直交成分に分解して、これらの画像にウェーブレット特性を提供できる。カーネルを当てはめて、画像内の特定の型または異なる型の構造を反映または強調表示できる。複数の方向に基づいて複数のカーネルを当てはめて、結節の組織を特徴付けできる。AI技術を用いて、画像ドメイン中の組織に基づく分類を増強できる。
【0020】
例示的な超音波システムには、最新の微細加工技術を用いて製造された圧電変換素子を用いている。一般に、個々の変換素子要素の配列はアドレス指定可能であり、個別に活性化できる。典型的に配列には、特定の共振周波数を動作させる分割された要素が含まれる。単一の周波数配列が可能であるが、配列には少なくとも2種の周波数で動作可能な要素が含まれることが期待される。これら要素は、ドラムサイズと呼ばれることもある直径と深さを有すると見做すことができ、これはドラムのように、この各要素はその形状に関連する共振周波数を有する。一般に、PZT、pMUT、またはcMUT系の素子を含む超音波変換素子列を製造するための方法には多くの選択肢がある。これらのうちのいずれかを用いて組織情報を収集できると予想される。考慮すべき相反関係があり、素子の部分帯域幅を最大化することが望まれる。種々の組織型に対する共通または一貫した特性評価は、変換素子を既知の性能特性に校正することで達成されるか、pMUTなどの集積回路から提供される再現性のある性能を用いて行われる。この正規化は、組織の再現性のある識別を提供するための鍵となる。このシステムは、超音波変換素子の様々な周波数を見越しており、それにより複数の周波数(4~50MHz)で組織データを捕捉できる。撮像は20MHzで最適化できるが、音響生検は典型的にはより高い異なる周波数域で取得されてもよい。
【0021】
現状の超音波システムには、目的とする組織の超音波変換素子からの距離に応じて変化する信号を生成する横方向の解像度が低下するという制限がある。超音波変換素子の列構造は、全体の視野(FOV)に対して、または変換素子からの種々の深さにわたって、横方向に増大し一貫性のある解像度を提供する。
【0022】
統合された電磁位置特定を備える超音波システムは、複数の超音波画像平面を記録し、容積を再構築して、3次元および4次元の超音波容積を収集することを可能にする。これらの容積は、目的とする同一の組織位置で形成された複数の容積を持つように呼吸により開閉できる(すなわち、一回呼吸量の吸気、一回呼吸量の呼気、あるいは呼吸サイクルに沿う中間状態)。これらの容積は、生の電気信号データから分析用のビーム形成されたBモード画像データまでの複数の処理状態であってもよい。
【0023】
統合された電磁センサーにより、複数の視点または角度から目的とする同一の組織を試料採取して、各視点に基づいて変動または変化を測定できる。血管、裂溝などの構造、あるいは周囲からの感染を回避することにより、より純粋な音響生検が提供され、また回避することにより他の構造からの干渉に基づいて収集された音響生検の品質を判断できる。
【0024】
超音波変換素子を目的とする組織に可能な限り接近させるために、素子を直径2mm未満に小型化し、かつ小回りできるように可能な限り短くして患者の気道を通してカテーテルの柔軟性を維持することが重要となる。少なくとも一実施態様では、この列は、少なくとも64個の撮像素子を有するが、16個から256個を超えるその他の構成でも作動可能とできる。これらの複数の撮像要素を多重化して、20~30フレーム/秒のフレーム回数を維持しながら、超音波変換素子を駆動するために可能な限り少ない配線数を可能とする。
【0025】
電磁システムおよび登録されたCTデータを用いることで、判断を増強できる関連する複数の画像診断法を提供する。PET-CTなどの追加の画像診断法を登録して、目的とする組織を識別できる。超音波画像は、手術前または手術中の画像の変形に使用できる電磁システム以外の追加のデータ点を提供する。点の群として記録できる経路だけでなく、気道外側の経路の容積も点の群の一部として収集できる。
【0026】
Gurney, Mayo Clinic, Herder, VA、Peking University People’s Hospital、Brock Universityによる「胸部の研究評価および治療」(Thoracic Research Evaluation and Treatment)および「ベイズ確率推定による悪性腫瘍計算表」(Bayesian Inference Malignancy Calculator)などの臨床プロファイル、人口統計学的および画像化データ(CT、FDG-PET、増殖率)を用いる肺結節を有する患者での悪性腫瘍の確率を推定するモデルは周知である。それらモデルにより医師の見解を提供するが、結節が悪性であるかどうかを明確に決定するには十分ではない。さらに、CT画像データに基づいて悪性腫瘍の可能性をさらに提供するために、ラジオミクス(radiomics)がCT画像に適用されてきた。統合された電磁能力を備えたこの超音波システムにより、CTおよびFDG-PET画像データを患者に登録し、超音波、CTおよびFDG-PET画像データを患者内の正確な位置で同時に相関させることが可能となる。さらに、赤外線、紫外線、可視光線によって気管支鏡画像データ(組織の色調変化)が形成される。圧力センサーを統合して、目的とする組織の圧力データを提供してもよい。別種のセンサーを素子に含めることができ、例えば、温度センサーを統合して、組織と目的とする組織領域との間の温度変化を測定できる。酸素センサーを統合して、組織間の酸素濃度の変化を測定できる。他種のセンサーを用いて、組織の代謝特性を監視することができる。この追加のセンサー値を用いて、癌の存在を決定するのに役立つ。
【0027】
当然ではあるが、この装置は肺に限定されず、複数の器官(肺、肝臓、腎臓、前立腺、軟組織、膵臓など)に使用してもよい。目的とする組織に到達する経路は、気道または血管、あるいは直接的な経皮接近、または自然開口部を介する接近であってもよい。また治療の確定ならびに結節の診断に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1は、経皮的な接近針内に配置されるカテーテルの透視図である。
【0029】
図2は、カテーテルの近位端での別の取手部の断面図である。
【0030】
図3は、カテーテルシステムの遠位端部の透視図である。
【0031】
図4は、カテーテルの遠位端の断面である。
【0032】
図5は、システムの電子部分の概略ブロック図である。
【0033】
図6は、第1の標的画像平面を示す概略図である。
【0034】
図7は、縮小された第2の標的画像平面を示す概略図である。
【0035】
図8は、定量超音波の例示的な音響パラメータを示すスペクトル図である。
【代表的な実施態様の詳細な説明】
【0036】
図1は、経皮的な接近針10内に配置されたカテーテル組立品14の透視図である。細長カテーテル本体18は、図3に明示される遠位端16から、図1に明示される近位取手部12まで延びている。取手部12の側方ケーブル15の経路の反対側に、軸方向ケーブル7を備える別の取手部9を図2に示す。典型的に、医師は取手部12を針基材11に対し押し込んで、遠位端16を針10から外に前進させる。次に19に示す遠位端のトロカール(套管針)端部を用いて、リンパ節、肺組織などの組織試料を採取できる。
【0037】
図2は、ケーブル7がカテーテル本体18の長軸21と一直線になる別の取手部9の構造を示す。図2の取手部9は、軸47に沿う取手部の近位端に配置される細長センサーコイル37を示す。このセンサーコイル37は、図2で参照番号39に重ね合せて示される遠位端16内の少なくとも1つのセンサーに直交している。1つ以上のセンサーを、コイル素子33および/または39の重ね合せによって示されるように端部内に配置する。遠位コイル33、35および/または39を組合せて使用する際に、ナビゲーションシステムは、カテーテル本体の角度の関係を医師に報告および表示できる。すなわち、この表示では、カテーテルシステム14の移動の方位・方向を実時間で示す。
【0038】
図3は、トロカール端部19に直ぐ近位の円筒方向の超音波列30を示す遠位端の分離した透視図である。
【0039】
図4は、外殻17の周りに巻き付けられた平面視の配列を示し、円筒形の配列30を形成する、遠位端16の概略断面図である。間隙31は、配列30との継ぎ目を示す。配列30は、2つの素子41と43で示される複数の変換素子を含む。電磁コイル(例えば、図2に示されるコイル33、35、および39)は、配列30の背後あるいは近位に配置され、この断面図には表示されていない。空洞38が、中央に配置され、その中に誘導線を収容する。
【0040】
図5は、例示的な電子構成部分の分割図であるが、本システムの非限定的な説明である。
【0041】
図4の電子パッケージ34は、特にプログラム可能なチップを含んで配列30を構成する。多重変換装置は、データをフォーマットして、カテーテルシステムから、患者とともにベッド横の担架に吊るされる患者用インターフェースモジュールであるPIM42に送信する。このPIM42は、患者を保護する電気絶縁を含み、またカテーテルそのもの、A/D変換、およびカテーテルの騒音性能の改善をPIM中で達成する様々な緩衝プロセスのための電源を含む。この実行に際し、個別の「ピザボックス」型の封入容器44は、合成開口ビームの形成および制御、ならびに定量超音波プロセスの後方散乱信号のスペクトル分析のための専用ハードウェアを搭載している。この封入容器は、ワークステーションに基づくナビゲーションおよび表示カートに結合されている。ピザボックス型封入容器44の内容物は、この製品のさらなる繰り返しのためにワークステーション46自体の中に組み込まれることが見込まれる。
【0042】
カテーテル本体18は、微細加工技術を用いて配列30に組み込まれる、図4に示す個々にアドレス指定可能な複数の圧電変換素子(2つの素子41と41として示される)を有する。この配列の各素子は、特定の変換素子の位置から発する球面波として超音波エネルギーを放出するように駆動でき、配列内の各素子は、後方散乱された音響の機械的エネルギーを電気信号に変換する受信機として機能できる。所定の対の一方の素子、例えば素子41から球面波が発射されると、素子43などの他方の変換素子は、生体組織から反射される後方散乱エネルギーを遅れて検出できる。合成開口の設定では、1個の変換素子のみが変換素子の送信を一度に受信する。
【0043】
一般に複数対の素子は、音響エネルギーの送信機として機能する一方の素子41および受信機として機能する他方の素子43として作動する。これら素子は空間に配列されているので、列中でいくつもの観察点が存在する。従来技術の手法と比較した場合に、このことにより遥かに改善された横方向の解像度を提供する。
【0044】
そのデータが保存されると、列内の次の変換素子が作動して音響エネルギーを送信し、その相補的な変換素子が後方散乱された帰還信号を受信する。多くの、例えば64個の変換素子が様々な位置にあると、全ての位置からの全ての帰還エネルギーの複合値を用いて、計算により変換素子の平面に直交する画像平面を形成できる。同時に複数対の変換素子を作動させることができ、例示的な実施態様では、4個のチャネルのデータが同期して収集される。この限界は、データ経路の複雑さ、電力損失、および帯域幅に基づいている。従って、その他の構成も可能であり、かつそれら構成を特許請求の範囲内として予測できる。空間内の様々な点で送受信される時系列の多重化データから平面内の画像を抽出することは、数学的に複雑ではあるが、当事者でなくともこの分野ではよく知られており、当然なことでもある。一般に、表示される画像平面は、異なる時間に取得された空間内の多くの位置で得られるデータから合成され、これらデータは集合的に単一の画像平面内に畳み込まれるので、「合成開口」という用語で呼ばれる。カテーテルを経路に沿って移動すると、合成開口による画像平面がある容積を掃出する。これによると、ある組織容積の比較的低解像度の画像となるが、解剖の範囲を分解して、2次元の第1画像平面範囲での気道や血管などの解剖組織の検出を補完するのに役立てることができる。この点に関して、本発明の方法は、平面内の第1の標的画像範囲に依ってもよく、あるいは第1の標的画像容積と呼ばれる3次元容積に依ってもよい。後者の場合には、カテーテルの移動を用いて、標的組織の第1の3次元容積を規定する。
【0045】
使用中の超音波変換素子列には、2つの作動モードがある。第1のモードでは、後方散乱音響エネルギーからの振幅および包絡線情報を用いて、臨床医に提示される画像を形成する。この画像は、標的組織の第1の2次元断片または標的組織の3次元容積であってもよい。第2のモードでは、送信電力が低減されて、第1の画像平面または画像容積内により小さな標的平面または容積が選択される。この縮小された視野は、2次元断片の場合には第2の縮小領域または断片と呼ばれ、3次元容積の場合には第2の縮小容積と呼ばれる。いずれの場合も、縮小された視野は、第1の視野内に解剖学的な細部が観察されないように選択される。肉眼での解剖組織の除外により、定量分析のために均質試料が選択される。縮小面の断片または容積からの後方散乱エネルギーのスペクトルは、定量的かつ自動的に評価され、画像の形成のために使用されるのではない。画像を含まない定量情報を用いて、組織の縮小領域が癌性組織の音響特性を示すか否かを決定する。癌の高精度な特性または音響特性については、現在の研究課題でもある。
【0046】
図6は、機器の操作の説明を容易にするように、接近針を表示しないカテーテル組立品14の一部を示す。図中に60と印付けした位置「1」に配置される遠位端を備えるカテーテル本体18を、患者の肺内でその場表示する。斜線で示された第1の標的平面62は、気道66の近くに位置し、図中に68と標識された血管が2度も交わる疑いのある腫瘍塊64と交差する画像平面である。この画像モードの超音波データを用いて、疑いのある腫瘍塊を見出し、その位置を検証して記録する。
【0047】
図7は、縮小標的平面72に関連する後方散乱が血管または気道と交差しないように、カテーテル本体18を再配置し、あるいは僅かに移動したことを示している。これは、定量超音波の後方散乱評価に用いられる縮小された第2の画像平面である。
【0048】
図8は、スペクトルのグラフであり、Y軸に正規化された反射音響出力、X軸に対応する周波数を示す。四角印100は、対応する周波数における反射出力の振幅を表す。これらのデータ点100から「最近似」直線102を描くことができる。この直線の傾きは、図に識別されるように、有用なパラメータ104である。この最近似直線102がy軸と交差する点は、Y切片88である。中帯域を規定するように高周波と低周波の両方を除外すると、残りの数値の算術平均により、図に示す中帯域での最良適合値86を得る。

較正および代替の実施態様
【0049】
一般に、超音波スペクトルを正規化して、定量超音波パラメータとして機能させる。但し、反射信号の絶対エネルギーは診断値のみを有し、非正規化のスペクトルも臨床的に使用されることが予想される。この理由により、特に個々のカテーテルセンサーを較正することが重要となる。超音波変換素子技術ならびに製造方法により、感度やその他の音響特性が大きく異なってくる。当然のことだが、各センサーは、製造プロセスで特性が決まり、その動作範囲全体にわたってセンサーの補償特性が生成される。この独自の較正表はカテーテルに搭載して記憶され、メモリから適切に読み取られる。
【0050】
放射状の超音波変換素子列を保持して本発明の工程を実行することが一般的に好ましいが、代わりに、センサーは、パイ形状の視野を形成する線形構造であってもよい。またこのパイ形状の視野は、機械的あるいは電子的に円の周りを移動してもよい。
【0051】
追加の電磁センサーを、取手部内に配置してもよく、この近位電磁センサーシステムを遠位端の電磁センサー列と共に使用して、センサーに影響を与える医師の動作を解釈して、カテーテルシステムの方向について、医師に情報を提供しかつフィードバックできる。この場合には、カテーテルの既知の形状とともに2つの電磁センサーの相対運動または位置により、カテーテルの先端位置または別の属性の計算を可能とする。
【0052】
留意すべきは、カテーテルの遠位端の長さ方向に沿って、いくつかの独立した超音波変換素子が存在することである。それぞれの超音波変換素子は、別々の拠点を形成している。この構造では、カテーテルを大量の組織の調査のために移動させる必要はない。使用時に、それぞれの超音波拠点は、比較的小さい画像平面を形成してもよい。センサーの変換素子拠点は、互いに隣接していてもよく、間隔を空け離れていてもよい。この画像平面から後方散乱した音響エネルギーは、画像として解析されるだけでなく、組織特性の定量超音波解析の対象にもなる。全ての変換素子を同時に作動させるか、別々に作動させて、操作者は目的とする病変の寸法推定値を得ることができる。
【0053】
経皮超音波針の単一平面構造によって、針の周りに16~64個の素子を含む一個の超音波変換素子リングを用いて一つの画像平面を形成する。さらに、複数の類似のリングを針に追加して、複数の画像平面から3次元の超音波画像容積を生成できる。この装置では、多数のパターンで順番に配列して画像を形成でき、最も基本的なパターンとしては、1個の素子で送信して、同一リング表面の複数の隣接する素子で受信する。また1個のリングで送信して、針の同一側面の複数のリングで受信することも可能である。
【0054】
このリングを、異なる試料を採取かつ画像化する能力を形成するように、並べて配置してもよく、あるいは間隔を空けて配置してもよい。音響生検の用途では、組織内の1箇所の位置の周りで複数の角度から同時に後方散乱高周波エネルギーを収集できる能力が利点となる。これにより、組織内のある位置で定量超音波データを瞬時に相関させることが可能となる。2つのリングを5~10mm離すと、音響経路での組織と解剖構造が異なることにより、各リングでの単一の組織位置に対して大幅に異なる高周波特性図が作成される。
【0055】
多重素子列の有用な変換素子ではまた、送受信機能を異なる位置で実行することが可能になる。これにより、解析の質が向上するのは当然である。
【0056】
なお後方散乱放射を、組織に送達される音響エネルギーに関して正規化してもよく、あるいはこの放射の実際の絶対値を評価してもよい。組織の音響放射の全体的な吸収率には診断的な価値があるという証拠がある。
【0057】
一般に、変換素子技術のアナログ的な性質ならびに比較的長い信号経路には、変換素子の製造時の較正工程で対処できる。各カテーテルが較正され、この較正情報が、カテーテル製品に統合される読み取り専用メモリにユニットIDとともに記憶されることが予想される。
【0058】
代表的な実施形態について説明されているが、特許請求の範囲に示すような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な新しい試みや拡張を実施してもよい。本発明の経皮送達カテーテルシステムおよびその使用方法の少なくとも1つの実施形態は、以下のように説明できる。
【0059】
カテーテル組立品14を図1に示すが、この組立品は医師である使用者(図示せず)によって操作され、(針10を経て)患者の腫瘍の疑いのある肺組織内にカテーテル組立品を経皮的に前進させる。この組立品は、近位取手部12で終端し軸に沿って遠位端16まで延びるカテーテル本体18を備える。遠位端16には、複数の遠位電磁感知コイル33、35、および/または39が配置される。少なくとも1つの別の電磁感知コイル37が近位取手部12内に配置される。これらの感知コイルは共に作動して、肺組織を経るナビゲーションを可能にして、前記肺組織内の前記カテーテルの遠位端16の位置を報告する。円筒形の超音波変換素子列30はまた、遠位端16内に配置され、かつ上記ならびに図4、6、および7に示される手法などで超音波エネルギーを送受信するように構成される。
【0060】
円筒形の超音波変換素子列30は、第1の画像モードで作動して、第1の標的平面に位置する第1の標的範囲の画像を取得し、かつ図6に示されより詳細に説明されるように、前記第1の標的範囲よりも小さい縮小された第2の標的範囲を含む前記第1の標的平面内に位置する第2の標的範囲を規定する。円筒形の超音波変換素子列30はまた、第2の後方散乱モードで作動して、図7に示される手法などで前記第2の標的範囲から反射される音響エネルギーのスペクトル特性を評価して、定量的超音波データセットを形成する。
【0061】
カテーテル組立品は、図5に示されるように、ナビゲーション、位置、および超音波データを前記医師である使用者に提示するためのナビゲーションシステム/超音波表示を含むシステムの一部である。
【0062】
本発明の多くの特徴および利点は、上述の説明から明白である。当業者は、多数の変更および変形を容易に考え付くであろう。それらの変更は可能であるので、本発明は、図示されかつ説明された構造および操作に厳格に限定されるべきではない。むしろ本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の腫瘍の疑いのある肺組織内で医師である使用者が操作する医療機器であって、
近位の取手部で終端し軸に沿って遠位端まで延び、かつ気管支鏡を用いて
肺組織に送達するように構成される細長カテーテル本体を有するカテーテルと、
画像化モードにおいて、第1の周波数で取得される第1の超音波エネルギーを送受信し、
音響生検モードにおいて、前記第1の周波数よりも高い第2の周波数で取得される第2の超音波エネルギーを送受信する、
前記遠位端内に配置された超音波変換素子列、
を含む医療機器。
【請求項2】
さらに、前記カテーテルの遠位端の周りに制御された第1の標的範囲の画像を提供する超音波画像化システムを含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記第1の標的範囲から選択される第2の縮小標的範囲に位置する組織の前記第2の超音波エネルギーを受信し、受信した前記第2の超音波エネルギーの音響スペクトルを評価する後方散乱評価システムを含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項4】
前記遠位端内に配置される少なくとも2つの遠位電磁感知コイルを含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項5】
さらに、前記超音波変換素子列を駆動するプログラムをプログラム可能なチップを有する電子パッケージを含む、請求項4に記載の医療機器。
【請求項6】
前記超音波変換素子列は、個々にアドレス指定可能に配列された複数の圧電変換素子から構成され、
前記複数の圧電変換素子は、一方の素子から発射され、生体組織から反射された超音波エネルギーを他方の素子が検出できる、請求項5に記載の医療機器。
【請求項7】
さらに、前記カテーテルと繋がり、当該カテーテルに電力を供給する患者用インターフェースモジュールを含む、請求項6に記載の医療機器。
【請求項8】
前記第1の周波数が、20MHzである、請求項1に記載の医療機器。
【請求項9】
2つの操作モードを有する超音波システムであって、
個々にアドレス指定可能に配列された複数の圧電変換素子から構成され、当該複数の圧電変換素子は、それぞれ送信機又は受信機として機能し得る素子列と、
第1の周波数で、第1の超音波エネルギーを出力する画像化モードと、
前記第1の周波数よりも高い第2の周波数で、第2の超音波エネルギーを出力する音響生検モードと、により前記圧電変換素子を動作し得るプログラム可能な集積回路を有する電子パッケージと、
を含む超音波システム。
【請求項10】
前記素子列は、前記複数の圧電変換素子が、一方の素子から発射され、生体組織から反射された超音波エネルギーを他方の素子が検出できるように駆動する電子パッケージによって構成される、
請求項9に記載の超音波システム。
【外国語明細書】