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特開2024-38038非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜脈管再生
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  • 特開-非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜脈管再生 図1A
  • 特開-非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜脈管再生 図1B
  • 特開-非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜脈管再生 図2
  • 特開-非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜脈管再生 図3
  • 特開-非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜脈管再生 図4
  • 特開-非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜脈管再生 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038038
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜脈管再生
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/18 20060101AFI20240312BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61K38/18
A61P27/02
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023216482
(22)【出願日】2023-12-22
(62)【分割の表示】P 2021506275の分割
【原出願日】2019-08-20
(31)【優先権主張番号】62/720,441
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508032284
【氏名又は名称】カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(71)【出願人】
【識別番号】521126900
【氏名又は名称】ユナイテッド ステイツ ガバメント レプレゼンティッド バイ ザ デパートメント オブ ヴェテランズ アフェアーズ
【氏名又は名称原語表記】UNITED STATES GOVERNMENT REPRESENTED BY THE DEPARTMENT OF VETERANS AFFAIRS
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エイチ グラブス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エム シュワルツ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】眼疾患を処置する方法、組成物およびキットを提供する。
【解決手段】ここに開示するものには、脈絡膜または網膜灌流を増加させ、または非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜の脈管再生をそれらが必要な対象において促進させるための方法、キット、調剤物、および組成物が含まれる。有効量の脈管形成因子(例は、脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子)は対象に施すことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈絡膜灌流をそれが必要な対象において増加させるにあたり、以下の:
治療上有効な量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を増
加した脈絡膜灌流が必要な対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌
流は増加する。
【請求項3】
非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するにあ
たり、以下の:
治療上有効な量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を非
漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生が必要な対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項4】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生は促進される、請求項3の方法
【請求項5】
脈絡膜灌流をそれが必要な対象において増加させるにあたり、以下の:
治療上有効な量の脈管形成因子が含まれる調剤物を増加した脈絡膜灌流が必要な対象に
施与すること
を含む、方法。
【請求項6】
請求項5の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌
流は増加する。
【請求項7】
非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するにあ
たり、以下の:
治療上有効な量の脈管形成因子が含まれる調剤物を非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈
管再生が必要な対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項8】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生は促進される、請求項7の方法
【請求項9】
脈管形成因子は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子である、請求項5-8のいず
れか一項の方法。
【請求項10】
脈絡膜灌流をそれが必要な対象において増加させるにあたり、以下の:
対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;お
よび
治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項11】
請求項10の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌
流は増加する。
【請求項12】
非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するにあ
たり、以下の:
対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;お
よび
治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈
管再生は促進される。
【請求項14】
対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせることには
、第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストの施与頻度を休止させることまたは減少させ
ることが含まれる、請求項10-13のいずれか一項の方法。
【請求項15】
脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は同一である、請求項14の方法。
【請求項16】
第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストには、第二の脈管形成促進因子を標的とする
抗体またはそのフラグメントが含まれる、請求項14-15のいずれか一項の方法。
【請求項17】
対象の眼の脈絡膜における第二の脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせるこ
とには、治療上有効な量の第二の脈管形成促進因子を対象に施与することが含まれる、請
求項10-13のいずれか一項の方法。
【請求項18】
請求項1-17のいずれか一項の方法であり、それによって斑状液流無信号化は減少し、対
象の眼の外側網膜および網膜色素上皮(RPE)における低酸素は減少し、および/または対
象の眼の外側網膜およびRPEにおける虚血は減少する。
【請求項19】
請求項1-18のいずれか一項の方法であり、それによって対象における非漏出性または最
小漏出性脈絡膜灌流は増加する。
【請求項20】
以下の:
対象における脈絡膜灌流または非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜脈管再生の程度を不
十分であると決定すること;および
有効な量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を対象に施
し続けること
が含まれる、請求項1-19のいずれか一項の方法。
【請求項21】
決定することには、眼の検査または逐次的な眼の検査を実行することが含まれる、請求
項20の方法。
【請求項22】
逐次的な眼の検査には、視力評価、基底自家蛍光(FAF)検査、光干渉断層法(OCT)検
査、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査、フルオレセイン脈管造影(FA)検査、インド
シアニングリーン(ICG)脈管造影検査、またはそれらの組合せが含まれる、請求項21の
方法。
【請求項23】
施与することに先立ち、対象は眼の検査による増加した脈絡膜灌流または非漏出性もし
くは最小漏出性脈絡膜脈管再生を必要とすることが決定されることが含まれる、請求項1-
22のいずれか一項の方法。
【請求項24】
対象は乾性の加齢黄斑変性(AMD)および/または地図状萎縮(GA)、またはそれらの組
合せからなる群より選ばれる疾患を有する、請求項1-23のいずれか一項の方法。
【請求項25】
請求項24の方法であり、それによって疾患の進行は逆転、停止、または遅鈍する。
【請求項26】
疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍させることは増加した脈絡膜灌流および/または
非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜脈管再生によって媒介される、請求項25の方法。
【請求項27】
対象は湿性の加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新脈管形成(CNV)、ポリープ状脈絡膜脈管
障害、変性性(病理学的)近視、またはそれらの組合せからなる群より選ばれる疾患を有
する、請求項1-23のいずれか一項の方法。
【請求項28】
請求項27の方法であり、それによって疾患の進行は逆転、停止、または遅鈍する。
【請求項29】
疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍させることは増加した脈絡膜灌流および/または
非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜脈管再生によって媒介される、請求項28の方法。
【請求項30】
非漏出性または最小漏出性脈絡膜新脈管形成が発生する間脈管漏出を減少させる治療上
有効な量の第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストを施与することをさらに含む、請求
項27-29のいずれか一項の方法。
【請求項31】
網膜灌流をそれが必要な対象において増加させるにあたり、以下の:
治療上有効な量の脈管形成促進因子、および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を
増加した網膜灌流が必要な対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項32】
請求項31の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性網膜灌流
は増加する。
【請求項33】
非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するにあた
り、以下の:
治療上有効な量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を非
漏出性または最小漏出性網膜脈管再生が必要な対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項34】
請求項33の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性網膜脈管
再生は促進される。
【請求項35】
網膜灌流をそれが必要な対象において増加させるにあたり、以下の:
治療上有効な量の脈管形成因子が含まれる調剤物を増加した網膜灌流が必要な対象に施
与すること
を含む、方法。
【請求項36】
請求項35の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性網膜灌流
は増加する。
【請求項37】
非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するにあた
り、以下の:
治療上有効な量の脈管形成因子が含まれる調剤物を非漏出性または最小漏出性網膜脈管
再生が必要な対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項38】
請求項37の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性網膜脈管
再生は促進される。
【請求項39】
脈管形成因子には、脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる、請求項3
5-38のいずれか一項の方法。
【請求項40】
網膜灌流をそれが必要な対象において増加させるにあたり、以下の:
増加した網膜灌流が必要な対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加す
るようにさせること;および
治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項41】
請求項40の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性網膜灌流
は増加する。
【請求項42】
非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するにあた
り、以下の:
非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生が必要な対象の眼の網膜における脈管形成促進
因子のレベルを増加するようにさせること;および
治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項43】
請求項42の方法であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性網膜脈管
再生は促進される。
【請求項44】
対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせることには、
第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストの施与頻度を休止させることまたは減少させる
ことが含まれる、請求項40-43のいずれか一項の方法。
【請求項45】
脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は同一である、請求項44の方法。
【請求項46】
第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストには、第二の脈管形成促進因子を標的とする
抗体、またはそのフラグメントが含まれる、請求項44-45のいずれか一項の方法。
【請求項47】
対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせることには、
治療上有効な量の脈管形成促進因子を対象に施与することが含まれる、請求項40-42のい
ずれか一項の方法。
【請求項48】
請求項31-47のいずれか一項の方法であり、それによって対象の眼の網膜における低酸
素は減少し、および/または対象の眼の網膜における虚血は減少する。
【請求項49】
請求項31-48のいずれか一項の方法であり、それによって対象における非漏出性または
最小漏出性網膜灌流は増加する。
【請求項50】
以下の:
対象における網膜灌流または非漏出性もしくは最小漏出性網膜脈管再生の程度を不十分
であると決定すること;および
調剤物を対象に施し続けること
を含む、請求項31-49のいずれか一項の方法。
【請求項51】
決定することには、眼の検査または逐次的な眼の検査を実行することが含まれる、請求
項50の方法。
【請求項52】
眼の検査または逐次的な眼の検査には、視力評価、基底自家蛍光(FAF)検査、光干渉
断層法(OCT)検査、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査、フルオレセイン脈管造影(FA
)検査、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影検査、またはそれらの組合せが含まれ
る、請求項51の方法。
【請求項53】
施与することに先立ち、対象が増加した非漏出性または最小漏出性網膜灌流または非漏
出性または最小漏出性網膜脈管再生を必要としているかどうかを眼の検査により決定する
ことが含まれる、請求項31-52のいずれか一項の方法。
【請求項54】
対象は糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞からの黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉
塞、未熟仔網膜症、糖尿病における網膜新脈管形成、糖尿病における視神経新脈管形成、
家族性滲出性硝子体網膜症、鎌状血球疾患、またはそれらの組合せからなる群より選ばれ
る疾患を有する、請求項31-53のいずれか一項の方法。
【請求項55】
請求項54の方法であり、それによって疾患の進行は停止または遅鈍する。
【請求項56】
疾患の進行の停止または遅鈍は増加した非漏出性または最小漏出性網膜灌流および/ま
たは非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生によって媒介される、請求項55の方法。
【請求項57】
治療上有効な量の第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストを施与することがさらに含
まれる、請求項54-56のいずれか一項の方法。
【請求項58】
対象は放射線網膜症、放射線視神経症、またはそれらの組合せからなる群より選ばれる
疾患を有する、請求項31-57のいずれか一項の方法。
【請求項59】
請求項58の方法であり、それによって疾患の進行は逆転、停止、または遅鈍する。
【請求項60】
疾患の進行の逆転、停止または遅鈍させることは対象の眼の視神経の増加した非漏出性
または最小漏出性網膜灌流、非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生および/または非漏
出性もしくは最小漏出性脈管再生によって媒介される、請求項59の方法。
【請求項61】
対象は眼内腫瘍頭部腫瘍、頸部腫瘍、またはそれらの組合せからなる群より選ばれる疾
患について放射線処置を受けており、疾患の遅れた発現がもたらされる、請求項58-60の
いずれか一項の方法。
【請求項62】
施与することには、有効量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる
調剤物を対象が放射線処置を受けて後約1-26週間に施与することが含まれる、請求項61の
方法。
【請求項63】
眼疾患を処置するにあたり、それが必要な対象において、以下の:
対象に調剤物を施与することであり、そこで調剤物には、治療上有効な量の脈管形成促
進因子および/または脈管成熟因子が含まれること
を含む、方法。
【請求項64】
請求項63の方法であり、それによって対象における斑疾患(macular disease)または
眼疾患の進行は処置または遅鈍される。
【請求項65】
眼疾患を処置するにあたり、それが必要な対象において、以下の:
対象の眼の脈絡膜または網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせ
ること;および
治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施与すること
を含む、方法。
【請求項66】
請求項65の方法であり、それによって対象における眼疾患の進行は処置または遅鈍され
る。
【請求項67】
対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせることには
、第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストの施与頻度を休止または減少させることが含
まれる、請求項65-66のいずれか一項の方法。
【請求項68】
脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は同一である、請求項67の方法。
【請求項69】
第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストには、第二の脈管形成促進因子を標的とする
抗体、またはそのフラグメントが含まれる、請求項67-68のいずれか一項の方法。
【請求項70】
対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせることには
、治療上有効な量の脈管形成促進因子を対象に施与することが含まれる、請求項65の方法
【請求項71】
眼疾患は湿性の加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜脈管障害(PCV)、変性(病理
学的)近視、またはそれらの組合せである、請求項63-70のいずれか一項の方法。
【請求項72】
眼疾患は脈絡膜低灌流、脈絡膜新脈管形成(CNV)、斑状皮膚萎縮、またはそれらの組
合せに関連するか、またはそれらによって特徴付けられる、請求項63-70のいずれか一項
の方法。
【請求項73】
眼疾患は乾性の加齢黄斑変性(AMD)、糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞からの黄斑浮
腫、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、未熟仔網膜症、網膜新脈管形成、視神経新脈管形成
、前部の新脈管形成、家族性滲出性硝子体網膜症、放射線網膜症、放射線視神経症、鎌状
血球疾患、またはそれらの組合せである、請求項63-70のいずれか一項の方法。
【請求項74】
眼疾患は網膜低灌流、網膜虚血、視神経虚血、またはそれらの組合せに関連するか、ま
たはそれらによって特徴付けられる、請求項63-70のいずれか一項の方法。
【請求項75】
対象における眼疾患の重症度または対象における眼疾患の進行速度を決定することが含
まれる、請求項1-74のいずれか一項の方法。
【請求項76】
対象を増加した脈絡膜灌流が必要であるとして、非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管
再生が必要であるとして、増加した網膜灌流が必要であるとして、非漏出性または最小漏
出性網膜脈管再生が必要であるとして、眼疾患に苦しむとして、またはそれらの組合せで
識別することが含まれる、請求項1-75のいずれか一項の方法。
【請求項77】
対象は増加した脈絡膜灌流、非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生、増加した網膜
灌流、非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生が必要であり、または眼疾患を有すること
が知られる、請求項1-75のいずれか一項の方法。
【請求項78】
脈管形成促進因子は組換え脈管形成促進因子、変異体の脈管形成促進因子(a mutant t
he pro-angiogenic factor)、またはそれらの組合せである、請求項1-77のいずれか一項
の方法。
【請求項79】
脈管形成促進因子は脈管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン-2(Ang-2)、また
はそれらの組合せである、請求項1-78のいずれか一項の方法。
【請求項80】
VEGFはVEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、胎盤増殖因子(PIGF)、またはそれらの組合
せである、請求項79の方法。
【請求項81】
脈管成熟因子は組換え脈管成熟因子、変異体脈管成熟因子(a mutation vascular matu
ration factor)、またはそれらの組合せである、請求項1-80のいずれか一項の方法。
【請求項82】
脈管成熟因子は血小板由来増殖因子(PDGF)、アンジオポエチン-1(Ang-1)、または
それらの組合せである、請求項1-81のいずれか一項の方法。
【請求項83】
脈管成熟因子はPDGFサブユニットA、PDGFサブユニットB、PDGFサブユニットC、PDGFサ
ブユニットD、またはそれらの組合せである、請求項1-81のいずれか一項の方法。
【請求項84】
対象の眼の脈絡膜または網膜における滲出または新脈管形成は減少する、請求項1-83の
いずれか一項の方法。
【請求項85】
対象の眼の脈絡膜または網膜における滲出が減少するかどうかを光干渉断層法(OCT)
を使用して決定することが含まれる、請求項84の方法。
【請求項86】
対象の眼の脈絡膜または網膜における新脈管形成が減少するかどうかを光干渉断層法脈
管造影(OCT-A)、フルオレセイン脈管造影(FA)、インドシアニングリーン(ICG)脈管
造影、またはそれらの組合せを使用して決定することが含まれる、請求項84-85のいずれ
か一項の方法。
【請求項87】
請求項1-86のいずれか一項の方法であり、それによって非漏出性または最小漏出性脈絡
膜灌流および/または非漏出性および/または最小漏出性網膜灌流は対象において少なくと
も5%まで増加する。
【請求項88】
請求項1-87のいずれか一項の方法であり、それによって新しい非漏出性または最小漏出
性血管は対象の眼の脈絡膜または網膜において形成される。
【請求項89】
新しい血管の形成が光干渉断層法脈管造影(OCT-A)を使用して決定されることが含ま
れる、請求項88の方法。
【請求項90】
新しい血管からの滲出が最小またはないことを光干渉断層法(OCT)を使用して決定す
ることを含み、それは形成される新しい血管が非漏出性または最小漏出性であることを指
し示す、請求項88-89のいずれか一項の方法。
【請求項91】
対象の眼の脈絡膜または網膜において形成される新しい非漏出性または最小漏出性血管
は眼の斑領域の少なくとも5%を覆う、請求項88-90のいずれか一項の方法。
【請求項92】
対象の眼の脈絡膜または網膜において形成される新しい非漏出性または最小漏出性血管
は対象の眼の末梢脈絡膜または末梢網膜の少なくとも5%を覆う、請求項88-91のいずれか
一項の方法。
【請求項93】
対象の視力は安定または改善する、請求項1-92のいずれか一項の方法。
【請求項94】
脈絡膜低酸素および/または網膜低酸素は対象において軽減される、請求項1-93のいず
れか一項の方法。
【請求項95】
請求項1-94のいずれか一項の方法であり、それによって対象における低酸素誘導因子(
HIF)媒介失明合併症は軽減される。
【請求項96】
HIF媒介視覚喪失合併症には、脈絡膜新脈管形成(CNV)、網膜新脈管形成、黄斑浮腫、
またはそれらの組合せが含まれる、請求項95の方法。
【請求項97】
請求項1-96のいずれか一項の方法であり、それによって網膜浮腫、網膜下液、または双
方は減少する。
【請求項98】
請求項1-97のいずれか一項の方法であり、それによって漏出性脈絡膜新脈管形成は対象
において軽減される。
【請求項99】
請求項1-98のいずれか一項の方法であり、それによって斑状皮膚萎縮、地図状萎縮(GA
)、または双方は対象において軽減される。
【請求項100】
施与することには、調剤物を硝子体内に施与することが含まれる、請求項1-99のいずれ
か一項の方法。
【請求項101】
施与することには、調剤物を網膜下に施与することが含まれる、請求項1-99のいずれか
一項の方法。
【請求項102】
施与することには、調剤物を対象の眼の脈絡膜外腔に施与することが含まれる、請求項
1-99のいずれか一項の方法。
【請求項103】
施与することには、調剤物を対象の眼の斑領域に施与することが含まれる、請求項101-
102のいずれか一項の方法。
【請求項104】
施与することには、調剤物を対象の眼の一またはそれよりも多くの網膜または脈絡膜領
域に施与することが含まれ、減少した灌流を伴う、請求項101-102のいずれか一項の方法
【請求項105】
施与することには、調剤物を対象に毎週に約一回ないし毎年に約一回施与することが含
まれる、請求項1-104のいずれか一項の方法。
【請求項106】
施与することには、調剤物を約三か月ないし約12か月にわたって施与することが含まれ
る、請求項1-105のいずれか一項の方法。
【請求項107】
以下の:
対象において脈絡膜または網膜脈管再生または非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜また
は網膜の脈管再生を決定するために、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)および光干渉断層
法(OCT)をそれぞれ使用すること;および
適切な場合、調剤物が対象に施されることが一時的または恒久的に休止されること
をさらに含む、請求項1-105のいずれか一項の方法。
【請求項108】
以下の:
対象において脈絡膜または網膜脈管再生または非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜また
は網膜の脈管再生を決定するために、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)および光干渉断層
法(OCT)をそれぞれ使用すること;および
不十分な場合、調剤物を対象に施し続けること
をさらに含む、請求項1-105のいずれか一項の方法。
【請求項109】
以下の:
対象において脈絡膜または網膜脈管再生または非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜また
は網膜の脈管再生を決定するために、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)および光干渉断層
法(OCT)をそれぞれ使用すること;および
過剰な場合、第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストを対象に施与すること
をさらに含む、請求項1-105のいずれか一項の方法。
【請求項110】
第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストには、第二の脈管形成促進因子を標的とする
抗体が含まれる、請求項109の方法。
【請求項111】
決定することには、眼の検査または逐次的な眼の検査を実行することが含まれる、請求
項107-110のいずれか一項の方法。
【請求項112】
逐次的な眼の検査には、視力評価、基底自家蛍光(FAF)検査、光干渉断層法(OCT)検
査、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査、フルオレセイン脈管造影(FA)検査、インド
シアニングリーン(ICG)脈管造影検査、またはそれらの組合せが含まれる、請求項111の
方法。
【請求項113】
以下の:
対象において脈管成熟を光干渉断層法脈管造影(OCT)、フルオレセイン脈管造影(FA
)、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影、またはそれらの組合せを使用して決定す
ること;および
不十分な場合、脈管成熟因子を対象に施与すること
をさらに含む、請求項1-112のいずれか一項の方法。
【請求項114】
決定することには、脈管成熟の程度を光干渉断層法(OCT)またはフルオレセインおよ
びインドシアニングリーン(ICG)脈管造影を使用して決定することが含まれる、請求項1
13の方法。
【請求項115】
対象における脈絡膜脈管再生を決定するために光干渉断層法脈管造影(OCT-A)を使用
することをさらに含む、請求項113-114のいずれか一項の方法。
【請求項116】
脈管形成促進因子の治療上有効な量は施与あたり約0.01mgないし約100mgである、請求
項1-115のいずれか一項の方法。
【請求項117】
脈管成熟因子の治療上有効な量は施与あたり約0.01mgないし約100mgの脈管成熟因子で
ある、請求項1-116のいずれか一項の方法。
【請求項118】
調剤物には、約0.001mg/mlないし約10mg/mlの脈管形成促進因子が含まれる、請求項1-1
17のいずれか一項の方法。
【請求項119】
調剤物には、約0.001mg/mlないし約10mg/mlの脈管成熟因子が含まれる、請求項1-118の
いずれか一項の方法。
【請求項120】
調剤物には、脈管形成促進因子および脈管成熟因子の徐放性調剤物が含まれる、請求項
1-119のいずれか一項の方法。
【請求項121】
非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流または非漏出性もしくは最小漏出性網膜灌流をそ
れらが必要な対象において増加させることにおける使用のための脈管形成促進因子および
/または脈管成熟因子が含まれる、組成物。
【請求項122】
脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連する、またはそれらによって特徴付けられる眼疾
患のそれらが必要な対象においての処置における使用のための脈管形成促進因子および/
または脈管成熟因子が含まれる、組成物。
【請求項123】
非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流または非漏出性もしくは最小漏出性網膜灌流をそ
れらが必要な対象において増加させることにおける使用のための脈管形成因子が含まれる
、組成物。
【請求項124】
脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連する、またはそれらによって特徴付けられる眼疾
患のそれらが必要な対象においての処置における使用のための脈管形成が含まれる、組成
物。
【請求項125】
脈管形成因子は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子である、請求項123-124の
いずれか一項の組成物。
【請求項126】
脈管形成促進因子は組換え脈管形成促進因子、変異体脈管形成促進因子(mutation pro
-angiogenic factor)、またはそれらの組合せである、請求項121-125のいずれか一項の
組成物。
【請求項127】
脈管形成促進因子は脈管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン-2(Ang-2)、また
はそれらの組合せである、請求項121-126のいずれか一項の組成物。
【請求項128】
VEGFはVEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、胎盤増殖因子(PIGF)、またはそれらの組合
せである、請求項127の組成物。
【請求項129】
脈管成熟因子は組換え脈管成熟因子、変異脈管成熟因子、またはそれらの組合せである
、請求項121-128のいずれか一項の組成物。
【請求項130】
脈管成熟因子は血小板由来増殖因子(PDGF)、アンジオポエチン-1(Ang-1)、または
それらの組合せである、請求項121-129のいずれか一項の組成物。
【請求項131】
脈管成熟因子はPDGFサブユニットA、PDGFサブユニットB、PDGFサブユニットC、PDGFサ
ブユニットD、またはそれらの組合せである、請求項121-130のいずれか一項の組成物。
【請求項132】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流は組成物が対象に施与されて後増加
する、請求項121-131のいずれか一項の組成物。
【請求項133】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生は組成物が対象に施与されて後
促進される、請求項121-132のいずれか一項の組成物。
【請求項134】
斑状液流無信号化は減少し、対象の眼の外側網膜および網膜色素上皮(RPE)における
低酸素は減少し、および/または対象の眼の外側網膜およびRPEにおける虚血は組成物が対
象に施与されて後減少する、請求項121-133のいずれか一項の組成物。
【請求項135】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流は組成物が対象に施与されて後増加
する、請求項121-134のいずれか一項の組成物。
【請求項136】
対象における非漏出性または最小漏出性網膜灌流は組成物が対象に施与されて後増加す
る、請求項121-135のいずれか一項の組成物。
【請求項137】
対象における非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生は組成物が対象に施与されて後促
進される、請求項121-136のいずれか一項の組成物。
【請求項138】
対象の眼の網膜における低酸素は減少し、および/または対象の眼の網膜における虚血
は組成物が対象に施与されて後減少する、請求項121-137のいずれか一項の組成物。
【請求項139】
対象における非漏出性または最小漏出性網膜灌流は組成物が対象に施与されて後増加す
る、請求項121-138のいずれか一項の組成物。
【請求項140】
対象の眼の脈絡膜または網膜における滲出または新脈管形成は組成物が対象に施与され
て後減少する、請求項121-139のいずれか一項の組成物。
【請求項141】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流および/または非漏出性および/また
は最小漏出性網膜灌流は組成物が対象に施与されて後少なくとも5%まで増加する、請求項
121-140のいずれか一項の組成物。
【請求項142】
新しい非漏出性または最小漏出性血管は組成物が対象に施与されて後対象の眼の脈絡膜
または網膜において形成される、請求項121-141のいずれか一項の組成物。
【請求項143】
対象の網膜浮腫、網膜下液、または双方は組成物が対象に施与されて後減少する、請求
項121-142のいずれか一項の組成物。
【請求項144】
対象における漏出性脈絡膜新脈管形成は組成物が対象に施与されて後軽減される、請求
項121-143のいずれか一項の組成物。
【請求項145】
対象における斑状皮膚萎縮、地図状萎縮(GA)、または双方は組成物が対象に施与され
て後軽減される、請求項121-144のいずれか一項の組成物。
【請求項146】
対象は乾性の加齢黄斑変性(AMD)および/または地図状萎縮(GA)、またはそれらの組
合せからなる群より選ばれる疾患を有する、請求項121-145のいずれか一項の組成物。
【請求項147】
組成物は対象に施与されて後対象における疾患の進行を逆転、停止、または遅鈍させる
ことをもたらす、請求項146の組成物。
【請求項148】
疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍させることは増加した脈絡膜灌流および/または
非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生によって媒介される、請求項147の組成物。
【請求項149】
対象は湿性の加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新脈管形成(CNV)、ポリープ状脈絡膜脈管
障害、変性性(病理学的)近視、巨細胞動脈炎、またはそれらの組合せからなる群より選
ばれる疾患を有する、請求項121-145のいずれか一項の組成物。
【請求項150】
組成物は対象に施与されて後対象における疾患の進行を逆転、停止、または遅鈍させる
ことをもたらす、請求項149の組成物。
【請求項151】
疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍させることは増加した脈絡膜灌流および/または
非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜脈管再生によって媒介される、請求項150の組成物。
【請求項152】
対象は糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞からの黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉
塞、未熟仔網膜症、網膜脈管形成、糖尿病における網膜新脈管形成、糖尿病における視神
経新脈管形成、前部の新脈管形成、家族性滲出性硝子体網膜症、鎌状血球疾患、またはそ
れらの組合せからなる群より選ばれる疾患を有する、請求項121-145のいずれか一項の組
成物。
【請求項153】
組成物は対象に施与されて後対象における疾患の進行が停止または遅鈍することをもた
らす、請求項152の組成物。
【請求項154】
疾患の進行の停止または遅鈍は増加した非漏出性または最小漏出性網膜灌流および/ま
たは非漏出性もしくは最小漏出性網膜脈管再生によって媒介される、請求項153の組成物
【請求項155】
対象は放射線網膜症、放射線視神経症、またはそれらの組合せからなる群より選ばれる
疾患を有する、請求項121-145のいずれか一項の組成物。
【請求項156】
組成物は対象に施与されて後対象における疾患の進行が逆転、停止、または遅鈍するこ
とをもたらす、請求項155の組成物。
【請求項157】
疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍は増加した非漏出性または最小漏出性網膜灌流、
非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生および/または対象の眼の視神経の非漏出性また
は最小漏出性脈管再生によって媒介される、請求項156の組成物。
【請求項158】
対象は眼内腫瘍頭部腫瘍、頸部腫瘍、またはそれらの組合せからなる群より選ばれる疾
患について放射線処置を受けており、疾患の遅れた発現がもたらされる、請求項155-157
のいずれか一項の組成物。
【請求項159】
組成物の対象への施与は対象が放射線処置を受けて後約1-26週間に行われる、請求項15
8の組成物。
【請求項160】
対象における眼疾患の進行は組成物が対象に施与されて後処置または遅鈍される、請求
項121-145のいずれか一項の組成物。
【請求項161】
対象における低酸素誘導因子(HIF)媒介失明合併症は組成物が対象に施与されて後軽
減される、請求項121-145のいずれか一項の組成物。
【請求項162】
HIF媒介視覚喪失合併症には、脈絡膜新脈管形成(CNV)、網膜新脈管形成、黄斑浮腫、
またはそれらの組合せが含まれる、請求項161の組成物。
【請求項163】
組成物は硝子体内施与用に調剤される、請求項121-162のいずれか一項の組成物。
【請求項164】
網膜下施与用に調剤される、請求項121-162のいずれか一項の組成物。
【請求項165】
組成物は対象の眼の脈絡膜外腔への施与のために調剤される、請求項121-162のいずれ
か一項の組成物。
【請求項166】
組成物は対象の眼の斑領域への施与のために調剤される、請求項164-165のいずれか一
項の組成物。
【請求項167】
組成物は対象の眼の一またはそれよりも多くの網膜または脈絡膜領域への施与のために
調剤され、減少した灌流を伴う、請求項164-165のいずれか一項の組成物。
【請求項168】
組成物は週に約一回ないし年に約一回対象への施与のために調剤される、請求項121-16
7のいずれか一項の組成物。
【請求項169】
組成物は約三か月から約12か月にわたる対象への施与のために調剤される、請求項121-
168のいずれか一項の組成物。
【請求項170】
調剤物には、約0.001mg/mlないし約10mg/mlの脈管形成促進因子が含まれる、請求項121
-169のいずれか一項の組成物。
【請求項171】
調剤物には、約0.001mg/mlないし約10mg/mlの脈管成熟因子が含まれる、請求項121-170
のいずれか一項の組成物。
【請求項172】
以下の:
脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物;および
調剤物が脈絡膜灌流または網膜灌流を増加させるためのものであることを指し示すラベ

を含む、キット。
【請求項173】
以下の:
脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物;および
調剤物が脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連し、またはそれらによって特徴付けられ
る眼疾患を処置するためのものであることを指し示すラベル
を含む、キット。
【請求項174】
以下の:
脈管形成因子が含まれる調剤物;および
調剤物が脈絡膜灌流または網膜灌流を増加させるためのものであることを指し示すラベ

を含む、キット。
【請求項175】
以下の:
脈管形成因子が含まれる調剤物;および
調剤物が脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連し、またはそれによって特徴付けられる
眼疾患を処置するためのものであることを指し示すラベル
を含む、キット。
【請求項176】
脈管形成因子は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子である、請求項174-175の
いずれか一項のキット。
【請求項177】
脈管形成促進因子は組換え脈管形成促進因子、変異脈管形成促進因子、またはそれらの
組合せである、請求項172-176のいずれか一項のキット。
【請求項178】
脈管形成促進因子は脈管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン-2(Ang-2)、また
はそれらの組合せである、請求項172-177のいずれか一項のキット。
【請求項179】
VEGFはVEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、胎盤増殖因子(PIGF)、またはそれらの組合
せである、請求項178のキット。
【請求項180】
脈管成熟因子は組換え脈管成熟因子、変異脈管成熟因子、またはそれらの組合せである
、請求項172-179のいずれか一項のキット。
【請求項181】
脈管成熟因子は血小板由来増殖因子(PDGF)、アンジオポエチン-1(Ang-1)、または
それらの組合せである、請求項172-180のいずれか一項のキット。
【請求項182】
脈管成熟因子はPDGFサブユニットA、PDGFサブユニットB、PDGFサブユニットC、PDGFサ
ブユニットD、またはそれらの組合せである、請求項172-181のいずれか一項のキット。
【請求項183】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流は調剤物が対象に施与されて後増加
する、請求項172-182のいずれか一項のキット。
【請求項184】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生は調剤物が対象に施与されて後
促進される、請求項172-183のいずれか一項のキット。
【請求項185】
斑状液流無信号化は減少し、対象の眼の外側網膜および網膜色素上皮(RPE)における
低酸素は減少し、および/または対象の眼の外側網膜およびRPEにおける虚血は調剤物が対
象に施与されて後減少する、請求項172-184のいずれか一項のキット。
【請求項186】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流は調剤物が対象に施与されて後増加
する、請求項172-185のいずれか一項のキット。
【請求項187】
ラベルは調剤物が乾性の加齢黄斑変性(AMD)および/または地図状萎縮(GA)、または
それらの組合せからなる群より選ばれる疾患を処置するためのものであることを指し示す
、請求項172-186のいずれか一項のキット。
【請求項188】
ラベルは湿性の加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新脈管形成(CNV)、ポリープ状脈絡膜脈
管障害、変性性(病理学的)近視、巨細胞動脈炎、またはそれらの組合せからなる群より
選ばれる疾患を処置するための調剤物であることを指し示す、請求項172-186のいずれか
一項のキット。
【請求項189】
ラベルは形成が糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞からの黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、網
膜静脈閉塞、未熟仔網膜症、糖尿病における網膜新脈管形成、糖尿病における視神経新脈
管形成、家族性滲出性硝子体網膜症、鎌状血球疾患、またはそれらの組合せからなる群よ
り選ばれる疾患を処置するためのものであることを指し示す、請求項172-186のいずれか
一項のキット。
【請求項190】
対象における非漏出性または最小漏出性網膜灌流は調剤物が対象に施与されて後増加す
る、請求項189のキット。
【請求項191】
対象における非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生は調剤物が対象に施与されて後促
進される、請求項189-190のいずれか一項のキット。
【請求項192】
対象の眼の網膜における低酸素は減少し、および/または対象の眼の網膜における虚血
は調剤物が対象に施与されて後減少する、請求項189-191のいずれか一項のキット。
【請求項193】
対象における非漏出性または最小漏出性網膜灌流は調剤物が対象に施与されて後増加す
る、請求項189-192のいずれか一項のキット。
【請求項194】
ラベルは調剤物が放射線網膜症、放射線視神経症、またはそれらの組合せからなる群よ
り選ばれる疾患を処置するためのものであることを指し示す、請求項172-186のいずれか
一項のキット。
【請求項195】
ラベルは調剤物が眼内腫瘍頭部腫瘍、頸部腫瘍、またはそれらの組合せからなる群より
選ばれる疾患についての放射線処置を対象が受けて後対象を処置するためのものであるこ
とを指し示し、疾患の遅れた発現がもたらされる、請求項194のキット。
【請求項196】
ラベルは対象が放射線治療を受けて後約1-26週間に対象への調剤物の施与が行われるこ
とを指し示す、請求項195のキット。
【請求項197】
ラベルは調剤物が低酸素誘導因子(HIF)媒介失明合併症を処置するためのものである
ことを指し示す、請求項172-186のいずれか一項のキット。
【請求項198】
HIF媒介視覚喪失合併症には、脈絡膜新脈管形成(CNV)、網膜新脈管形成、黄斑浮腫、
またはそれらの組合せが含まれる、請求項197のキット。
【請求項199】
対象の眼の脈絡膜または網膜における滲出または新脈管形成は調剤物が対象に施与され
て後減少する、請求項172-198のいずれか一項のキット。
【請求項200】
対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流および/または非漏出性および/また
は最小漏出性網膜灌流は調剤物が対象に施与されて後少なくとも5%まで増加する、請求
項172-199のいずれか一項のキット。
【請求項201】
新しい非漏出性または最小漏出性血管は調剤物が対象に施与されて後対象の眼の脈絡膜
または網膜において形成される、請求項172-200のいずれか一項のキット。
【請求項202】
対象における網膜浮腫、網膜下液、または双方は調剤物が対象に施与されて後減少する
、請求項172-201のいずれか一項のキット。
【請求項203】
対象における漏出性脈絡膜新脈管形成は調剤物が対象に施与されて後軽減される、請求
項172-202のいずれか一項のキット。
【請求項204】
対象における斑状皮膚萎縮、地図状萎縮(GA)、または双方は調剤物が対象に施与され
て後軽減される、請求項172-203のいずれか一項のキット。
【請求項205】
組成物は硝子体内施与用に調剤される、請求項172-204のいずれか一項のキット。
【請求項206】
組成物は網膜下施与用に調剤される、請求項172-204のいずれか一項のキット。
【請求項207】
組成物は対象の眼の脈絡膜外腔への施与のために調剤される、請求項172-204のいずれ
か一項のキット。
【請求項208】
組成物は対象の眼の斑領域への施与のために調剤される、請求項164-165のいずれか一
項のキット。
【請求項209】
組成物は対象の眼の一またはそれよりも多くの網膜または脈絡膜領域への施与のために
調剤され、減少した灌流を伴う、請求項164-165のいずれか一項のキット。
【請求項210】
組成物は毎週約一回ないし毎年約一回対象への施与のために調剤される、請求項172-16
7のいずれか一項のキット。
【請求項211】
組成物は約三か月ないし約12か月にわたる対象への施与のために調剤される、請求項17
2-168のいずれか一項のキット。
【請求項212】
調剤物には、約0.001mg/mlないし約10mg/mlの脈管形成促進因子が含まれる、請求項172
-182のいずれか一項のキット。
【請求項213】
調剤物には、約0.001mg/mlないし約10mg/mlの脈管成熟因子が含まれる、請求項172-212
のいずれか一項のキット。
【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本出願は35U.S.C. §119(e)の下で2018年8月21日付け出願の米国出願第62/720,441号
に対し優先権を主張する。関連する出願の内容をその全体において参照によってここに組
み込む。
バックグラウンド
フィールド
【0002】
本開示は概して、例えば、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜または網膜の脈管再生を
増加させることによって、眼疾患を処置する分野に関する。
関連技術の説明
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
加齢黄斑変性(AMD)は発達した世界における中枢性視覚喪失の主な原因である。疾患
の「乾性」形態は黄色の沈着物(ドルーゼン)によって特徴付けられ、それは網膜色素上
皮(RPE)の下に蓄積する。乾性AMDのいくらかのケースにおいて、RPEの進行性萎縮が、
光受容体の上に横たわり、および脈絡毛細管板の下にある。この「地図状萎縮」(GA)は
黄斑中心(中心窩)の周りに徐々に広がることが多く、それはそれが最終的に中心窩を巻
き込み、および不可逆的な中心視覚喪失を引き起こすまでである。他のケースでは、乾性
AMDを有するペイシェントは脈絡膜新脈管形成(CNV)を発症し、それはRPEの下で優先的
に増殖する。これらの異常な脈管は流体および血液を漏らし、それは瘢痕組織、または円
盤状の瘢痕を正常な黄斑組織が置き換わるように引き起こす。湿性AMDにおける正常な黄
斑組織の喪失もまた不可逆的な視覚喪失を引き起こす。
概略
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここに開示するものには、脈絡膜灌流をそれらが必要な対象において増加させるための
方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施形態において、方法には次の:治療上有効な
量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を増加した脈絡膜灌
流が必要な対象に施与することが含まれる。いくらかの実施形態において、方法は対象に
おける非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流を増加させることをもたらす。ここに開示
するものには、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象におい
て促進するための方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施形態では、方法には次の:
治療上有効な量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を非漏
出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生が必要な対象に施与することが含まれる。いくら
かの実施形態では、方法は対象において非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生を促
進することをもたらす。
【0005】
ここに開示するものには、脈絡膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための方
法の実施形態が含まれる。いくつかの実施形態では、方法には次の:治療上有効な量の脈
管形成因子が含まれる調剤物を増加した脈絡膜灌流が必要な対象に施与することが含まれ
る。いくつかの実施形態では、方法は非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流を対象にお
いて増加させることをもたらす。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の
脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれる
。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管形成因子が含まれる調
剤物を非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生が必要な対象に施与することが含まれ
る。いくらかの実施態様では、方法は非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生を対象
において促進することをもたらす。脈管形成因子は脈管形成促進因子および/または脈管
成熟因子を包含することができ、またはそれらであることができる。
【0006】
ここに開示するものには、脈絡膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための方
法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:対象の眼の脈絡膜に
おける脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;および治療上有効な量の
脈管成熟因子を対象に施与することが含まれる。いくらかの実施態様では、方法は非漏出
性または最小漏出性の脈絡膜灌流を対象において増加させることをもたらす。ここに開示
するものには、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象におい
て促進するための方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法は次の:対
象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;および
治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施与することが含まれる。いくらかの実施態様で
は、方法は非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生を対象において促進することをも
たらす。対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせるこ
とには、第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストの施与頻度を休止または減少させるこ
とを包含することができる。脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は同一、ま
たは異なることができる。脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は異なること
ができる。第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストには、第二の脈管形成促進因子を標
的とする抗体、またはそのフラグメントを包含することができる。対象の眼の脈絡膜にお
ける第二の脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせることには、治療上有効な量
の第二の脈管形成促進因子を対象に施与することを包含することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、斑状液流無信号化は減少し、対象の眼の外側網膜および網膜
色素上皮(RPE)の低酸素は減少し、および/または対象の眼の外側網膜およびRPEの虚血
は減少する。いくらかの実施態様では。いくらかの実施態様では、方法は脈絡膜灌流を対
象において増加させることをもたらす。
【0008】
いくつかの実施形態では、方法には次の:脈絡膜灌流または非漏出性もしくは最小漏出
性の脈絡膜脈管再生の程度が対象において不十分であると決定すること;および有効量の
脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を対象に施与し続けるこ
とが含まれる。決定には、眼の検査または逐次的な眼の検査を実行することを包含するこ
とができる。逐次的な眼の検査には、視力評価、基底自家蛍光(FAF)検査、光干渉断層
法(OCT)検査、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査、フルオレセイン脈管造影(FA)検
査、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影検査、またはそれらの組合せを包含するこ
とができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法には、施与するのに先立ち、対象が増加した脈絡膜灌流
または非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生を必要としているかどうかを眼の検査
により決定することが含まれる。いくらかの実施態様では、対象は乾性の加齢黄斑変性(
AMD)および/または地図状萎縮(GA)、またはそれらの組合せである疾患を有する。方法
はそれによって、疾患の進行を逆転、停止、または遅鈍させることをもたらすことができ
る。疾患の進行の逆転、停止または遅鈍させることは増加した脈絡膜灌流および/または
非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生によって媒介されることができる。
【0010】
いくつかの実施形態において、対象は湿性の加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新脈管形成
(CNV)、ポリープ状脈絡膜脈管障害、変性性(病理学的)近視、またはそれらの組合せ
である疾患を有する。方法はそれによって、疾患の進行を逆転、停止、または遅鈍させる
ことをもたらすことができる。疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍させることは増加し
た脈絡膜灌流および/または非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生によって媒介さ
れることができる。いくらかの実施態様では、方法には、治療上有効な量の第二の脈管形
成促進因子のアンタゴニストを施与することが含まれ、それは脈管漏出性を減少させ、一
方で非漏出性または最小漏出性の脈絡膜新脈管形成が発生する。
【0011】
ここに開示するものには、網膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための方法
の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管
形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を増加した網膜灌流が必要な
対象に施与することが含まれる。いくつかの実施形態では、方法は非漏出性または最小漏
出性の網膜灌流を対象において増加させることをもたらす。ここに開示するものには、非
漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するための方
法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈
管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を非漏出性または最小漏出
性の網膜脈管再生が必要な対象に施与することが含まれる。いくらかの実施態様では、方
法は非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生を対象において促進することをもたらす。
【0012】
ここに開示するものには、網膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための方法
の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管
形成因子が含まれる調剤物を増加した網膜灌流が必要な対象に施与することが含まれる。
いくらかの実施態様では、方法は非漏出性または最小漏出性の網膜灌流を対象において増
加させることをもたらす。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の網膜脈
管再生をそれらが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれる。いくら
かの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管形成因子が含まれる調剤物を非
漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生が必要な対象に施与することが含まれる。いくら
かの実施態様では、方法は非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生を対象において促進
することをもたらす。脈管形成因子は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子を包
含することができ、またはそれらであることができる。
【0013】
ここに開示するものには、網膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための方法
の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:増加した網膜灌流が必
要な対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;お
よび治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施与することが含まれる。いくらかの実施態
様では、方法は非漏出性または最小漏出性の網膜灌流を対象において増加させることをも
たらす。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生をそれらが
必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では
、方法には次の:非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生が必要な対象の眼の網膜にお
ける脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;および治療上有効な量の脈
管成熟因子を対象に施与することが含まれる。いくらかの実施態様では、方法は非漏出性
または最小漏出性の網膜脈管再生を対象において促進することをもたらす。いくつかの実
施形態では、対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加させることには、
第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストの施与頻度を休止または減少させることが含ま
れる。脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は同一、または異なることができ
る。第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストには、第二の脈管形成促進因子を標的とす
る抗体、またはそのフラグメントを包含することができる。いくらかの実施態様では、対
象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせることには、治療
上有効な量の脈管形成促進因子を対象に施与することが含まれる。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は対象の眼の網膜における低酸素が減少すること、およ
び/または対象の眼の網膜における虚血が減少することをもたらす。いくらかの実施態様
では、方法はそれによって、非漏出性または最小漏出性の網膜灌流を対象において増加す
ることをもたらす。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法には次の:対象における網膜灌流または非漏出性もしく
は最小漏出性の網膜脈管再生の程度を不十分であると決定すること;および調剤物を対象
に施し続けることが含まれる。決定には、眼の検査または逐次的な眼の検査を実行するこ
とを包含することができる。眼の検査または逐次的な眼の検査には、視力評価、基底自家
蛍光(FAF)検査、光干渉断層法(OCT)検査、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査、フ
ルオレセイン脈管造影(FA)検査、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影検査、また
はそれらの組合せを包含することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法には、施与するのに先立ち、対象が増加した非漏出性ま
たは最小漏出性の網膜灌流または非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生を必要として
いることを眼の検査により決定することが含まれる。いくつかの実施形態において、対象
は糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞からの黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、未
熟仔網膜症、糖尿病における網膜新脈管形成、糖尿病における視神経新脈管形成、家族性
滲出性硝子体網膜症、鎌状血球疾患、またはそれらの組合せである疾患を有する。方法は
それによって、疾患の進行を停止または遅鈍させることをもたらすことができる。疾患の
進行の停止または遅鈍させることは増加した非漏出性または最小漏出性の網膜灌流および
/または非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生によって媒介されることができる。方
法には、治療上有効な量の第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストを施与することを包
含することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、対象は放射線網膜症、放射線視神経症、またはそれらの組合
せである疾患を有する。方法はそれによって、疾患の進行を逆転、停止、または遅鈍させ
ることをもたらすことができる。疾患の進行の逆転、停止または遅鈍させることは増加し
た非漏出性または最小漏出性の網膜灌流、非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生、お
よび/または対象の目の視神経の非漏出性または最小漏出性の脈管再生によって媒介され
ることができる。対象は眼内腫瘍頭部腫瘍、頸部腫瘍、またはそれらの組合せである疾患
の放射線処置を受けていることができ、疾患の遅らせた発現がもたらされる。施与には、
有効量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を対象が放射線
処置を受けて後約1-26週間に施与することを包含することができる。
【0018】
ここに開示するものには、眼疾患を処置するためのそれが必要な対象における方法の実
施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:調剤物を対象に施与するこ
とを含み、そこで調剤物には、治療上有効な量の脈管形成促進因子および/または脈管成
熟因子が含まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象における眼疾患の進行を処置ま
たは遅鈍させることをもたらす。ここに開示するものには、眼疾患を処置するためのそれ
が必要な対象における方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次
の:対象の眼の脈絡膜または網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさ
せること;および治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施与すること、対象における眼
疾患の進行を処置または遅鈍することが含まれる。いくつかの実施形態において、対象の
眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせることには、第二の
脈管形成促進因子のアンタゴニストの施与頻度を休止または減少させることが含まれる。
脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は同一であることができる。第二の脈管
形成促進因子のアンタゴニストには、第二の脈管形成促進因子を標的とする抗体、または
そのフラグメントを包含することができる。いくらかの実施態様では、対象の眼の脈絡膜
における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせることには、治療上有効な量の
脈管形成促進因子を対象に施与することが含まれる。
【0019】
いくつかの実施形態において、眼疾患は湿性の加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡
膜脈管障害(PCV)、変性(病理学的)近視、またはそれらの組合せである。いくつかの
実施形態において、眼疾患は脈絡膜低灌流、脈絡膜新脈管形成(CNV)、斑状皮膚萎縮、
またはそれらの組合せに関連し、またはそれらによって特徴付けられる。いくつかの実施
形態において、眼疾患は乾性の加齢黄斑変性(AMD)、糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞
からの黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、未熟仔網膜症、糖尿病における網膜新
脈管形成、糖尿病における視神経新脈管形成、家族性滲出性硝子体網膜症、放射線網膜症
、放射線視神経症、鎌状血球疾患、またはそれらの組合せである。いくつかの実施形態に
おいて、眼疾患は網膜低灌流、網膜虚血、視神経虚血、またはそれらの組合せに関連し、
またはそれらによって特徴付けられる。
【0020】
いくつかの実施形態では、方法には、対象における眼疾患の重症度または対象における
眼疾患の進行速度を決定することが含まれる。いくらかの実施態様では、方法には、対象
を増加した脈絡膜灌流が必要であるとして、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生
が必要であるとして、増加した網膜灌流が必要であるとして、非漏出性または最小漏出性
の網膜脈管再生が必要であるとして、眼疾患に苦しむとして、またはそれらの組合せで識
別することが含まれる。いくつかの実施形態において、対象は、増加した脈絡膜灌流、非
漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生、増加した網膜灌流、非漏出性または最小漏出
性の網膜脈管再生が必要であること、または眼疾患を有することが知られる。
【0021】
いくつかの実施形態において、脈管形成促進因子は組換え脈管形成促進因子、変異脈管
形成促進因子、脈管形成促進因子のフラグメント、またはそれらの組合せであり、または
それらを含む。脈管形成促進因子は脈管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン-2(An
g-2)、またはそれらの組合せであることができ、またはそれらを含むことができる。VEG
FはVEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、胎盤増殖因子(PIGF)、またはそれらの組合せで
あることができ、またはそれらを含むことができる。いくらかの実施態様では、脈管成熟
因子は組換え脈管成熟因子、変異脈管成熟因子、脈管成熟因子のフラグメント、またはそ
れらの組合せであり、またはそれらを含む。脈管成熟因子は血小板由来増殖因子(PDGF)
、アンジオポエチン-1(Ang-1)、またはそれらの組合せであることができ、またはそれ
らを含むことができる。脈管成熟因子はPDGFサブユニットA、PDGFサブユニットB、PDGFサ
ブユニットC、PDGFサブユニットD、またはそれらの組合せであることができ、またはそれ
らを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、対象の眼の脈絡膜または網膜における滲出または新脈管形成
はそれらによって減少する。方法には、対象の眼の脈絡膜または網膜における滲出が減少
することが光干渉断層法(OCT)を使用して決定されることを包含することができる。方
法には、対象の眼の脈絡膜または網膜における新脈管形成が減少することが光干渉断層法
脈管造影(OCT-A)、フルオレセイン脈管造影(FA)、インドシアニングリーン(ICG)脈
管造影、またはそれらの組合せを使用して決定されることを包含することができる。いく
らかの実施態様では、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流、および/または非漏出性
および/または最小漏出性の網膜灌流はそれらによって対象において少なくとも5%まで増
加する。
【0023】
いくつかの実施形態では、新しい非漏出性または最小漏出性血管はそれらによって対象
の眼の脈絡膜または網膜において形成される。方法には、新しい血管の形成が光干渉断層
法脈管造影(OCT-A)を使用して決定されることを包含することができる。方法には、新
しい血管からの滲出が最小またはないかを光干渉断層法(OCT)を使用して決定されるこ
とを包含することができ、それは形成された新しい血管が非漏出性または最小漏出性であ
ることを指し示す。対象の眼の脈絡膜または網膜において形成される新しい非漏出性また
は最小漏出性血管は対象の眼の斑領域の少なくとも5%を覆うことができる。対象の眼の
脈絡膜または網膜において形成される新しい非漏出性または最小漏出性の血管は対象の眼
の末梢脈絡膜または末梢網膜の少なくとも5%を覆うことができる。対象の視力は安定また
は改善することができる。脈絡膜低酸素および/または網膜低酸素は対象において軽減さ
れることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、低酸素誘導因子(HIF)媒介失明合併症はそれらによって軽
減される。HIF媒介視覚喪失合併症には、脈絡膜新脈管形成(CNV)、網膜新脈管形成、黄
斑浮腫、またはそれらの組合せが含まれる。いくらかの実施態様では、網膜浮腫、網膜下
液、または双方はそれらによって減少する。いくらかの実施態様では、漏出性脈絡膜新脈
管形成はそれらによって対象において軽減される。いくらかの実施態様では、斑状皮膚萎
縮、地図状萎縮(GA)、または双方は対象において軽減される。
【0025】
いくつかの実施形態では、施与には、調剤物を硝子体内に施与することが含まれる。施
与は網膜下に調剤物を施与することを包含することができる。施与は調剤物を対象の眼の
脈絡膜外腔に施与することを包含することができる。施与は対象の眼の斑領域に調剤物を
施与することを包含することができる。施与には、対象の眼の一またはそれよりも多くの
網膜または脈絡膜領域に調剤物を施与することを包含することができ、減少した灌流を伴
う。施与には、調剤物を対象に毎週に約一回ないし毎年に約一回施与することを包含する
ことができる。施与には、調剤物を約三か月ないし約12か月にわたり施与することを包含
することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、方法には次の:対象における脈絡膜または網膜の脈管再生ま
たは非漏出性もしくは最小漏出性の脈絡膜または網膜の脈管再生を決定するために光干渉
断層法脈管造影(OCT-A)および光干渉断層法(OCT)をそれぞれ使用すること;および適
切な場合、調剤物を対象に施与することを一時的または恒久的に休止することが含まれる
。いくらかの実施態様では、方法には次の:対象における脈絡膜または網膜の脈管再生ま
たは非漏出性もしくは最小漏出性の脈絡膜または網膜の脈管再生を決定するために光干渉
断層法脈管造影(OCT-A)および光干渉断層法(OCT)をそれぞれ使用すること;および不
十分な場合、調剤物を対象に施与し続けることが含まれる。いくらかの実施態様では、方
法には次の:対象における脈絡膜または網膜の脈管再生または非漏出性もしくは最小漏出
性の脈絡膜または網膜の脈管再生を決定するために光干渉断層法脈管造影(OCT-A)およ
び光干渉断層法(OCT)をそれぞれ使用すること;および過剰な場合、第二の脈管形成促
進因子のアンタゴニストを対象に施与することが含まれる。第二の脈管形成促進因子のア
ンタゴニストには、第二の脈管形成促進因子を標的とする抗体を包含することができる。
決定には、眼の検査または逐次的な眼の検査を実行することを包含することができる。逐
次的な眼の検査には、視力評価、基底自家蛍光(FAF)検査、光干渉断層法(OCT)検査、
光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査、フルオレセイン脈管造影(FA)検査、インドシア
ニングリーン(ICG)脈管造影検査、またはそれらの組合せを包含することができる。い
くらかの実施態様では、方法には次の:対象における脈管成熟を光干渉断層法脈管造影(
OCT)、フルオレセイン脈管造影(FA)、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影、また
はそれらの組合せを使用して決定すること;および不十分な場合、脈管成熟因子を対象に
施与することが含まれる。決定することには、脈管成熟の程度を光干渉断層法(OCT)ま
たはフルオレセインおよびインドシアニングリーン(ICG)脈管造影を使用して決定する
ことを包含することができる。方法は次の:対象における脈絡膜脈管再生を決定するため
に光干渉断層法脈管造影(OCT-A)を使用することを包含することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、脈管形成促進因子の治療上有効な量は施与することあた
り約0.01mgないし約100mgである。脈管成熟因子の治療上有効な量は施与することあたり
約0.01mgないし約200mgであることができる。調剤物には、約0.001mg/mlないし約200mg/m
lの脈管形成促進因子を包含することができる。調剤物は約0.001mg/mlないし約200mg/ml
の脈管成熟因子を包含することができる。調剤物は脈管形成促進因子および脈管成熟因子
の徐放性調剤物を包含することができる。
【0028】
ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流または非漏出性もし
くは最小漏出性の網膜灌流をそれらが必要な対象において増加させることにおける使用の
ための脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる組成物の実施形態が含ま
れる。ここに開示するものには、脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連し、またはそれら
によって特徴付けられる眼疾患の処置においてのそれらが必要な対象における使用のため
の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる組成物の実施形態が含まれる
。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流または非漏出性もし
くは最小漏出性の網膜灌流をそれらが必要な対象において増加させることにおける使用の
ための脈管形成因子が含まれる組成物の実施形態が含まれる。ここに開示するものには、
脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連し、またはそれらによって特徴付けられる眼疾患の
処置においてのそれらが必要な対象における使用のための脈管形成が含まれる組成物の実
施形態が含まれる。脈管形成因子は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子である
ことができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、脈管形成促進因子は組換え脈管形成促進因子、変異脈管
形成促進因子、脈管形成促進因子のフラグメント、またはそれらの組合せであり、または
それらが含まれる。脈管形成促進因子は脈管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン-2
(Ang-2)、またはそれらの組合せであることができ、またはそれらを含むことができる
。VEGFはVEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、胎盤増殖因子(PIGF)、またはそれらの組合
せであることができ、またはそれらを含むことができる。いくらかの実施態様では、脈管
成熟因子は組換え脈管成熟因子、変異脈管成熟因子、脈管成熟因子のフラグメント、また
はそれらの組合せであり、またはそれらを含む。脈管成熟因子は血小板由来増殖因子(PD
GF)、アンジオポエチン-1(Ang-1)、またはそれらの組合せであることができ、または
それらを包含することができる。脈管成熟因子はPDGFサブユニットA、PDGFサブユニットB
、PDGFサブユニットC、PDGFサブユニットD、またはそれらの組合せであることができ、ま
たはそれらを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、対象における非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流は組成
物が対象に施されて後増加する。対象における非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再
生は組成物が対象に施されて後促進されることができる。斑状液流無信号化は減少するこ
とができ、対象の眼の外側網膜および網膜色素上皮(RPE)の低酸素は減少することがで
き、および/または対象の眼の外側網膜およびRPEの虚血は組成物が対象に施されて後減少
することができる。対象における非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流は組成物が対象
に施与されて後増加することができる。対象における非漏出性または最小漏出性の網膜灌
流は組成物が対象に施されて後増加することができる。対象における非漏出性または最小
漏出性の網膜脈管再生は組成物が対象に施されて後促進されることができる。対象の眼の
網膜における低酸素は減少することができ、および/または対象の眼の網膜における虚血
は組成物が対象に施されて後減少することができる。対象における非漏出性または最小漏
出性の網膜灌流は組成物が対象に施されて後増加することができる。対象の眼の脈絡膜ま
たは網膜における滲出または新脈管形成は組成物が対象に施与されて後減少することがで
きる。対象における非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流および/または非漏出性およ
び/または最小漏出性の網膜灌流は組成物が対象に施されて後少なくとも5%まで増加する
ことができる。新しい非漏出性または最小漏出性脈管は組成物が対象に施されて後対象の
脈絡膜および/または網膜において形成されることができる。対象における網膜浮腫、網
膜下液、または双方は組成物が対象に施与されて後減少することができる。対象における
漏出性脈絡膜新脈管形成は組成物が対象に施されて後軽減されることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、対象は乾性の加齢黄斑変性(AMD)および/または地図状萎縮
(GA)、またはそれらの組合せである疾患を有する。組成物は対象に施与されて後対象の
疾患の進行を逆転、停止、または遅鈍させることができる。疾患の進行の逆転、停止、ま
たは遅鈍させることは増加した脈絡膜灌流および/または非漏出性または最小漏出性の脈
絡膜脈管再生によって媒介されることができる。対象における斑状皮膚萎縮、地図状萎縮
(GA)、または双方は組成物が対象に施与されて後軽減されることができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、対象は湿性の加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新脈管形成
(CNV)、ポリープ状脈絡膜脈管障害、変性性(病理学的)近視、またはそれらの組合せ
である疾患を有する。組成物は対象に施与されて後対象の疾患の進行を逆転、停止、また
は遅鈍させることをもたらすことができる。疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍させる
ことは増加した脈絡膜灌流および/または非漏出性もしくは最小漏出性の脈絡膜脈管再生
によって媒介されることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、対象は糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞からの黄斑浮腫、糖
尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、未熟仔網膜症、網膜新脈管形成、視神経新脈管形成、家族
性滲出性硝子体網膜症、鎌状血球疾患、またはそれらの組合せである疾患を有する。組成
物は対象に施与されて後対象において疾患の進行を停止または遅鈍させることをもたらす
ことができる。疾患の進行の停止または遅鈍させることは増加した非漏出性または最小漏
出性の網膜灌流および/または非漏出性もしくは最小漏出性の網膜脈管再生によって媒介
されることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、対象は放射線網膜症、放射線視神経障害、またはそれらの組
合せである疾患を有する。組成物は対象に施与されて後対象の疾患の進行を逆転、停止、
または遅鈍させることをもたらすことができる。疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍さ
せることは増加した非漏出性または最小漏出性の網膜灌流、非漏出性または最小漏出性の
網膜脈管再生、および/または対象の目の視神経の非漏出性または最小漏出性の脈管再生
によって媒介されることができる。対象は眼内腫瘍頭部腫瘍、頸部腫瘍、またはそれらの
組合せである疾患について放射線処置を受けていてよく、疾患の遅れた発現がもたらされ
る。対象への組成物の施与は対象が放射線治療を受けて後約1-26週間で行われる。
【0035】
いくつかの実施形態において、対象における眼疾患の進行は組成物が対象に施与されて
後処置または遅鈍される。いくつかの実施形態において、対象における低酸素誘導因子(
HIF)媒介失明合併症は組成物が対象に施与されて後軽減される。HIF媒介視覚喪失合併症
には、脈絡膜新脈管形成(CNV)、網膜新脈管形成、黄斑浮腫、またはそれらの組合せを
包含することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、組成物は硝子体内施与用である。いくらかの実施態様では、
組成物は網膜下施与用である。いくらかの実施態様では、組成物は対象の眼の脈絡膜外腔
への施与用である。組成物は対象の眼の斑領域への施与用であることができる。組成物は
対象の眼の一またはそれよりも多くの網膜または脈絡膜領域への施与用であることができ
、減少した灌流を伴う。組成物は対象への毎週に約一回ないし毎年に約一回の施与用であ
ることができる。組成物は対象への約一日ないし約10年にわたる施与用であることができ
る。
【0037】
いくつかの実施形態において、調剤物には、約0.001mg/mlないし約200mg/mlの脈管形成
促進因子が包含される。調剤物カン(formulation cans)は約0.001mg/mlないし約200mg/
mlの脈管成熟因子が包含される。
【0038】
ここに開示するものは次の:脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる
調剤物;および調剤物が脈絡膜灌流および/または網膜灌流を増加させるためのものであ
ることを指し示すラベルが含まれるキットの実施形態を含む。ここに開示するものは次の
:脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物;および調剤物が脈絡
膜低灌流または網膜低灌流に関連し、またはそれらによって特徴付けられる眼疾患を処置
するためのものであることを指し示すラベルが含まれるキットの実施形態を含む。ここに
開示するものは次の:脈管形成因子が含まれる調剤物;および調剤物が脈絡膜灌流および
/または網膜灌流を増加させるためのものであることを指し示すラベルが含まれるキット
の実施形態を含む。ここに開示するものは次の:脈管形成因子が含まれる調剤物;および
調剤物が脈絡膜低灌流および/または網膜低灌流に関連し、またはそれらによって特徴付
けられる眼疾患を処置するためのものであることを指し示すラベルが含まれるキットの実
施形態を含む。脈管形成因子は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子であること
ができ、またはそれらを含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、脈管形成促進因子は組換え脈管形成促進因子、変異脈管
形成促進因子、脈管形成促進因子のフラグメント、またはそれらの組合せであり、または
それらを含む。脈管形成促進因子は脈管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン-2(An
g-2)、またはそれらの組合せであることができ、またはそれらを含むことができる。VEG
FはVEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、胎盤増殖因子(PIGF)、またはそれらの組合せで
あることができ、またはそれらを含むことができる。いくらかの実施態様では、脈管成熟
因子は組換え脈管成熟因子、変異脈管成熟因子、脈管成熟因子のフラグメント、またはそ
れらの組合せであり、またはそれらを含む。脈管成熟因子は血小板由来増殖因子(PDGF)
、アンジオポエチン-1(Ang-1)、またはそれらの組合せであることができ、またはそれ
らを包含することができる。脈管成熟因子はPDGFサブユニットA、PDGFサブユニットB、PD
GFサブユニットC、PDGFサブユニットD、またはそれらの組合せであることができ、または
それらを含むことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、対象における非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流は調剤
物が対象に施与されて後増加する。対象における非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管
再生は調剤物が対象に施与されて後促進されることができる。斑状液流無信号化は減少す
ることができ、対象の眼の外側網膜および網膜色素上皮(RPE)における低酸素は減少す
ることができ、および/または対象の眼の外側網膜およびRPEにおける虚血は調剤物が対象
に施与されて後減少することができる。対象における非漏出性または最小漏出性の脈絡膜
灌流は調剤物が対象に施与されて後増加することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、ラベルは調剤物が乾性の加齢黄斑変性(AMD)および/または
地図状萎縮(GA)、またはそれらの組合せが含まれる群より選ばれる疾患を処置するため
のものであることを指し示す。いくつかの実施形態において、ラベルは調剤物が湿性の加
齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新脈管形成(CNV)、ポリープ状脈絡膜脈管障害、変性性(病
理学的)近視、またはそれらの組合せが含まれる群より選ばれる疾患を処置するためのも
のであることを指し示す。いくつかの実施形態において、ラベルは形成が糖尿病性黄斑浮
腫、網膜静脈閉塞からの黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、未熟仔網膜症、網膜
新脈管形成、視神経新脈管形成、家族性滲出性硝子体網膜症、鎌状血球疾患、またはそれ
らの組合せが含まれる群より選ばれる疾患を処置するためのものであることを指し示す。
対象における非漏出性または最小漏出性の網膜灌流は調剤物が対象に施与されて後増加す
ることができる。対象における非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生は調剤物が対象
に施与されて後促進されることができる。対象の眼の網膜における低酸素は減少すること
ができ、および/または対象の眼の網膜における虚血は調剤物が対象に施与されて後減少
することができる。対象における非漏出性または最小漏出性の網膜灌流は調剤物が対象に
施与されて後増加することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、ラベルは調剤物が放射線網膜症、放射線視神経障害、または
それらの組合せである疾患を処置するためのものであることを指し示す。ラベルは対象が
眼内腫瘍、頭部腫瘍、頸部腫瘍、またはそれらの組合せである疾患についての放射線処置
を受けて後対象を処置するための調剤物であることを指し示すことができ、疾患の遅らせ
た発現がもたらされる。ラベルは対象への調剤物(例えば、ここに開示する薬学的調剤物
のいずれか)の施与が対象に放射線処置を受けさせて後約1-26週間に起こることができる
ことは指し示すことができる。いくらかの実施態様では、ラベルは調剤物が低酸素誘導因
子(HIF)媒介失明合併症を処置するためのものであることを指し示す。HIF媒介視覚喪失
合併症には、脈絡膜新脈管形成(CNV)、網膜新脈管形成、黄斑浮腫、またはそれらの組
合せが含まれる。
【0043】
いくつかの実施形態では、対象の眼の脈絡膜または網膜における滲出または新脈管形成
は調剤物が対象に施与されて後減少する。対象における非漏出性または最小漏出性の脈絡
膜灌流および/または非漏出性および/または最小漏出性の網膜灌流は調剤物が対象に施与
されて後少なくとも5%まで増加することができる。新しい非漏出性または最小漏出性血管
は調剤物が対象に施与されて後対象の脈絡膜および/または網膜において形成されること
ができる。対象における網膜浮腫、網膜下液、または双方は調剤物が対象に施与されて後
減少することができる。対象における漏出性脈絡膜新脈管形成は調剤物が対象に施与され
て後軽減されることができる。対象における斑状皮膚萎縮、地図状萎縮(GA)、または双
方は調剤物が対象に施与されて後軽減されることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、組成物は硝子体内施与用である。組成物は網膜下への施与の
ために調剤することができる。組成物は対象の眼の脈絡膜外腔への施与のために調剤する
ことができる。組成物は対象の眼の斑領域への施与のために調剤することができる。組成
物は対象の眼の一またはそれよりも多くの網膜または脈絡膜領域への施与のために調剤す
ることができ、減少した灌流を伴う。組成物は対象への毎週に約一回ないし毎年に約一回
での施与のために調剤することができる。組成物は対象への約1日ないし約10年にわたる
施与のために調剤することができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、調剤物には、約0.001mg/mlないし約10mg/mlの脈管形成
促進因子が含まれる。調剤物は随意に約0.001mg/mlないし約10mg/mlの脈管成熟因子を包
含することができる。
【0046】
この明細において記載する主題の一またはそれよりも多くの履行の詳細は添付の図面お
よび以下の説明において記載する。他の特長、態様、および利益は本説明、図面、および
請求の範囲から明らかになるであろう。この概略も以下の詳細な説明も、創意に富む主題
の範囲を定義または制限することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1Aは描かれた右眼において地図状萎縮(GA)を有するa Fundus photograph(基底写真)である。図1Bはより一層高倍率のビューのOCT脈管造影図であり、GAの境界(青)および隣接領域または描かれた脈絡毛細管板(choriocapillaris)低灌流(赤)を示す。
図2】OCT脈管造影図であり、CNVが脈絡毛細管板低灌流のゾーンによって囲まれることを示す(概要)。
図3】ODにおける抗VEGF注射の休止後12か月のペイシェントからのOCT脈管造影図(Zeiss Angioplex(ツァィス・アンギオプレックス))である。周囲の脈絡毛細管板低灌流を伴う中心窩の下にある成熟したCNVが存在した。視力は良好である。
図4】未熟仔モデルの酸素誘発性網膜症についての動物研究プロトコルを示す概略図である。
図5】脈管再生因子による酸素誘発性未熟仔網膜症モデルの処置のための別の動物研究プロトコルを示す概略図である。
【0048】
詳細な記載
以下の詳細な記載では、添付の図面を参照し、それらはその一部を形成する。図面では
、文脈上別なふうに規定しない限り、似た記号は典型的に似た構成要素を明らかにする。
詳細な記載、図面、および請求の範囲において記載する例示的な実施形態は制限すること
を意味するものではない。ここに提示する主題の精神または範囲から離れることなく、他
の実施形態を利用してよく、および他の変化を行い得る。本開示の態様が概してここに記
載し、および図において例示するように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わ
せ、分離、および設計することができ、それらのすべてはここに明示的に企図され、およ
びここでの開示の一部となることが難なく理解されるであろう。
【0049】
ここで参照するすべての特許、公表された特許出願、他の出版物、およびGenBank(ジ
ェンバンク)からの配列、および他のデータベースは、参照によって関連技術に関してそ
れらの全体において組み込まれる。
【0050】
網膜への二つの血液供給がある。網膜中心動脈およびその分枝は網膜の内側半分を供給
し;脈絡膜は網膜の外側半分を供給する。脈絡膜の最内層は脈絡毛細管板であり、それは
黄斑において網膜色素上皮(retinal pigment epithelium)および光受容体に供給する。
西欧諸国における視覚喪失の主な原因、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)および
加齢黄斑変性(age-related macular degeneration)は網膜毛細脈管および脈絡毛細管板
にそれぞれ損傷をもたらす。これらの毛細血管床への損傷は毛細血管の非灌流および虚血
をもたらす。毛細血管虚血の成り行きは内側または外側網膜(outer retina)にかかわら
ず視力に壊滅的であることができる。
【0051】
網膜毛細血管の非灌流の場合、結果として生じる低酸素は脈管内皮増殖因子(vascular
endothelial growth factor)(VEGF)の分泌を誘発し、それは毛細血管漏出性および黄
斑浮腫、糖尿病性網膜症における視覚喪失の最も一般的な原因を促進する。糖尿病性網膜
症における広範な毛細血管非灌流およびVEGF分泌の増加したレベルは網膜および視神経の
新脈管形成の発生を促進し、それは硝子体腔中に出血させ、および/または網膜剥離を引
き起こすことができる。抗VEGF療法(例は、ラニビズマブ、ベバシズマブ、アフリベルセ
プト)で、それは年あたりに複数回で硝子体腔中に注入され、VEGFを不活性化し、および
これらのペイシェント(人間で言う患者)において視覚機能を改善することが多い。下に
ある(underlying)虚血(毛細血管の非灌流)は持続することが多いため、これらの糖尿
病ペイシェントについて、継続的なモニタリングおよび抗VEGF療法の頻繁な眼内注入が依
然として必要である。他のたくさんの網膜脈管(retinovascular)疾患も同様に網膜毛細
血管の非灌流を引き起こし、黄斑浮腫および/または新脈管形成がもたらされる。これら
の疾患には、制限されないが、次の:網膜静脈閉塞(retinal vein occlusion)、未熟仔
網膜症(retinopathy of prematurity)、眼虚血症候群、放射線網膜症、放射線視神経症
(radiation optic neuropathy)、鎌状血球網膜症、およびEale's disease(イールズ病
)が含まれる。これらの他の網膜脈管疾患における黄斑浮腫または新脈管形成は同様に抗
VEGF療法を用いて処置することができる。
【0052】
放射線網膜症および視神経障害は眼または頭部および頸部の照射後数か月ないし数年に
観察される。放射線網膜症は糖尿病性網膜症、次の:毛細血管閉鎖(capillary closure
)、出血(hemorrhages)、綿花様白斑(cotton wool spots)、黄斑浮腫、および新脈管
形成と非常によく似た臨床症状を有する。放射線視神経障害は初期に乳頭腫脹(disc swe
lling)、乳頭周囲出血(peripapillary hemorrhages)および滲出を生成する。時間とと
もに、これは通常、視神経萎縮を伴う重度の視覚喪失に進行する。放射線網膜症と同様に
、毛細血管内皮は主に損傷を受ける。網膜起源の表在性視神経(superficial optic nerv
e)毛細血管は特に影響を受けやすい。
【0053】
放射線網膜症を有するペイシェントのOCTA研究は中心窩無血管ゾーン(foveal avascul
ar zone)の拡大ならびに表在性および深部の網膜毛細血管網(deep retinal capillary
plexuses)の双方への損傷を明らかにする。OCTAは放射線視神経障害を有するペイシェン
トにおいて放射状の乳頭周囲毛細血管の喪失を実証する。
【0054】
放射線網膜症の処置は滲出性合併症に主に向けられる。糖尿病性黄斑浮腫(diabetic m
acular edema)の処置でのように、放射線関連の黄斑浮腫は抗VEGF療法に応答することが
できる。中心窩周囲(perifoveal)毛細血管床の侵食からの視覚喪失を有するペイシェン
トにとって、毛細血管の完全性を回復するための効果的な療法はない。同様に、毛細血管
閉鎖に続発する(secondary to)放射線視神経障害の処置のための確立された効果的な療
法はない。
【0055】
外側網膜の血液供給、脈絡毛細管板もまた、損傷および減少した毛細血管灌流の発生を
受ける。加齢黄斑変性(AMD)では、組織学的分析および光干渉断層法脈管造影(OCTA)
の双方の研究により、減少した脈絡毛細管板灌流が明らかになる。結果として生じる低酸
素はVEGF分泌および脈絡膜新脈管形成(choroidal neovascularization)(「湿性AMD」
)の発生を促進することができる。糖尿病性網膜症における低酸素由来VEGF分泌のケース
でのように、脈絡膜新脈管形成は新脈管形成を抑えるために抗VEGF療法の硝子体内注入を
繰り返すことで管理される。
【0056】
したがって、糖尿病性網膜症(および網膜毛細血管非灌流を引き起こす同様の疾患)お
よび加齢黄斑変性の双方において、抗VEGF療法は毛細血管非灌流によって誘発される網膜
虚血の結果を処置するために使用される。抗VEGF療法はこれらの状態において効果的であ
る一方、それは毛細血管の脱落(capillary drop-out)に起因する根底にある(underlyi
ng)虚血を処置しない。それゆえ、抗VEGF剤の繰り返された硝子体内注入は進行中の網膜
虚血を管理するために必要である。
【0057】
代替療法はこれらの損傷した毛細血管床を血管再生することによって網膜および/また
は脈絡毛細管板における根底にある毛細血管の脱落を矯正(correct)することであろう
。言い換えれば、VEGFの効果を抑える一時的なアプローチ、即ち、抗脈管形成療法に依存
することよりはむしろ、好ましいアプローチは脈管形成促進因子(群)(pro-angiogenic
factor(s)、(群)は複数もあり得ることを示す)を使用して網膜および/または脈絡毛
細管板の脈管再生(脈管形成)を実際に促進することかもしれない。このアプローチを使
用すると、毛細血管脱落の領域を血管再生することができ、それはVEGFのレベルおよびそ
れらの視覚的障害の成り行き、すなわち、斑状滲出(macular exudation)および新脈管
形成を減少させるであろう。斑状滲出は視力にそのように有害であるため、網膜または脈
絡膜毛細血管床の任意の脈管再生は視覚喪失を防ぐために最小または非漏出性(即ち、成
熟)であるしかないであろう。
【0058】
脈管形成促進および脈管成熟増殖因子の眼へのデリバリーは非常に反直感的である。上
記のように、脈管形成疾患、例えば、AMD、変性性(degenerative)近視、および糖尿病
性網膜症などのようなものを処置するための目下の療法は抗VEGF(抗脈管形成)指向療法
を使用する。我々の発明は脈管形成をブロックすることによってではなく;代わりに、網
膜または脈絡膜を脈管再生するために脈管形成促進因子(群)を使用することによって新
脈管形成と戦うことを目指し、VEGF分泌についての低酸素刺激が除去される。それゆえ、
抗VEGF療法はもはや必要とされないか、または最悪の場合、そのような療法についての必
要性は著しく減少する。
【0059】
進行した(advanced)AMDでは、地図状萎縮(geographic atrophy)(GA)は斑におい
て発生し、および重度の中心視覚喪失を発生させることができる。GAにより、斑において
RPE、光受容体、脈絡毛細管板が徐々に失われる。研究によると、GAの増殖性マージン(g
rowing margin)は脈絡毛細管板灌流障害を表示し、およびこれらの灌流障害はRPEまたは
上にある光受容体の喪失よりも前から存在する(pre-date)ことができることが示された
。GAを有するペイシェントにおいて観察される脈絡毛細管板低灌流の存在を考えると、斑
領域(macular region)において、特にGAの増殖性端(growing edge)での脈絡膜脈管再
生(choroidal revascularization)もまた、この目下治療不可能な形態の進行したAMDの
増悪を緩和し得る。
【0060】
GA進行を防ぐ手段として脈管再生について臨床的サポートがある。脈絡膜新脈管形成お
よびGAの双方を発生するAMDペイシェントが存在する。これらのペイシェントにおける脈
絡膜新脈管形成が成熟している(最小-または非-漏出性)場合、上に横たわる(overlyin
g)網膜はGAの発生に対して「免疫性」であると考えられる。OCT脈管造影は黄斑の下にあ
る成熟したサブRPEの脈絡膜新脈管形成(CNV)を有するペイシェントが新脈管形成の上に
横たわる網膜に対して偏心した(eccentric to)GAを発生させるが、CNVそれ自体にわた
ってはそうでないことが示された。これらのケースでは、成熟CNVは低灌流の脈絡毛細管
板に反応して増殖し、およびそれらの代わりになる。このことは成熟した(最小-または
非-漏出性)CNVが上に横たわる黄斑組織(macular tissue)の生存能力を維持し、および
GAの発生からそれを保護することを示唆する。このことはかなり珍しい自然現象であるた
め、およびほとんどのGAペイシェントがCNVを発生させないため、GAに対して保護する湿
性AMDにおけるCNVの現象は治療上の脈管再生を支援するが、確実にそれを代替することは
できない。CNVが成熟し、およびGAの進行を防ぐために上に横たわる黄斑に対して十分な
代謝サポートを提供することを期待するよりはむしろ、脈管形成促進療法による脈管再生
は予想されたとおりGAの進行を防ぐために十分な脈絡毛細管板灌流を達成することができ
る。
【0061】
進行したAMDにおける脈絡毛細管板の非灌流の役割は上記で説明される一方、脈絡毛細
管板の脈管再生はまた、変性性近視およびポリープ状脈絡膜脈管障害(polypoidal choro
idal vasculopathy)の進行を軽減することもでき、それらの双方は脈絡膜低灌流、脈絡
膜新脈管形成、および地図状萎縮に関連する。
加齢黄斑変性および光干渉断層法
【0062】
過去10年間、湿性AMDのケースは抗脈管内皮増殖因子(抗VEGF)剤の硝子体内注入を使
用して管理された。臨床検査に基づいて湿性AMDを診断し、および典型的に光干渉断層法
(OCT)および/またはフルオレセイン脈管造影(FA)を使用した画像診断によって補足さ
れて後、一連の抗VEGF注入が開始される。通常、装薬の一連の注入(a loading series o
f injections)(通常は二か月にわたり与える三回の注入)が施され、その後ペイシェン
トはさらに注入を指示するときを定めるために臨床検査およびOCTを使用して綿密に追跡
される。いくらかの外科医は臨床およびOCT所見に関係なく毎月の注入を使用してペイシ
ェントを管理し;他のものはプロレナタ(pro re nata)(PRN)または「処置および延長
」レジメンにて注入する。これらの抗VEGF注入は湿性AMDを有するペイシェントにおいて
視力を安定させ、および多くの場合それを改善するのに非常に効果的であることができる
【0063】
OCT脈管造影法(OCT-A)の最近の開発は、初めて、脈絡毛細管板(CC)、黄斑RPEへの
血液供給、および上に横たわる光受容体の視覚化を可能にした。乾性AMDにおける地図状
萎縮の領域を取り巻くCC灌流欠陥が実証され(図1Aおよび1B);CC低灌流の似た領域は湿
性AMDのCNVのマージンにて観察される(図2)。GAおよびCNVを取り巻くCC低灌流のこれら
のゾーンはAMDの事後免疫組織化学的研究と一致し、それは乾性および湿性AMDにおいてCC
低灌流を同様に実証する。GAの始まり領域(incipient regions)においておよびCNVの最
前部(leading edge)周辺にCC灌流障害が存在することは低酸素がAMDの進行において役
割を演じ得ることを示唆する。
【0064】
湿性AMDを処置する主な焦点は、モノクローナル抗体、モノクローナル抗体フラグメン
ト、およびVEGF受容体のVEGF結合部分の組換え融合タンパク質(「VEGFトラップ」)によ
るVEGFの中和に向けられた。VEGF分泌についての刺激に向けられた眼の療法は臨床的に履
行されていない。
【0065】
VEGF分泌についての主な刺激は、低酸素誘導因子(HIF)である。HIFsは低酸素に応答
して分泌される転写因子のグループである。一旦活性化されると、HIFはVEGF、VEGFR-1、
PDGF-B、SDF-1、Ang-2、およびEPOが含まれる複数の脈管形成促進因子の転写を誘導する
。眼の新脈管形成を抑制するための手段としてのVEGFの代替の治療上の標的はHIFを抑制
することであろう。HIFは酸素濃度に激しく(exquisitely)敏感であるため、および乾性
および湿性AMDの双方においてCC低灌流があるため、外側網膜酸素レベルを増加すること
はHIFを抑圧し、およびそれによって新脈管形成が抑制されることができるであろう。
【0066】
外側網膜に対する局所酸素レベルを選択的に増加させる手段は利用可能ではない。鼻カ
ニューレを介した、または高圧酸素チャンバーによっての全身酸素施与は糖尿病性黄斑浮
腫および網膜静脈閉塞に続発する黄斑浮腫におけるVEGF媒介効果を減少させるために実証
された。事例効果(anecdotal efficacy)にもかかわらず、局所的な低酸素網膜を処置す
るための酸素の全身施与は厄介である。
酸素レベルを増加させること
【0067】
網膜における酸素レベルを局所的に増加させる代わりの手段は網膜の低酸素を軽減し、
およびHIF媒介失明合併症、例えば、CNV、網膜NV、および黄斑浮腫などのようなものを減
少させることができるであろう。そのような方法の一つは脈管形成促進増殖因子により局
所的に眼を処置することによって脈絡膜を血管再生することであろう。血管再生された脈
絡膜は求められる酸素を外側網膜に供給するであろうし、それはVEGFおよび他の脈管形成
促進増殖因子の分泌を減少させるであろう。
【0068】
心臓における脈管再生は虚血性心疾患を処置するために使用することができる。新脈管
形成を促進するために多様な増殖因子を心臓中に注入することができる。これらには次の
:脈管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF
)、間質由来因子1-α(SDF1-α)、インスリン増殖因子-1(IGF-1)、肝細胞増殖因子(
HGF)、アンギオポイエチン-2(Ang-2)、およびアンギオポイエチン-1(Ang-1)が含ま
れる。VEGFは新脈管形成の促進に効果的である一方、AMDによる病的な脈絡膜新脈管形成
において我々が観察する脈管と同様に、新しい脈管は未成熟および高透過性(hyper-perm
eable)である。追加的な成長因子、例えば、Ang-1およびPDGFなどのようなものを提供す
ることで、それらは新脈管形成の成熟を促進し、より一層成熟した新脈管ネットワークの
形成を促進することができる。PDGFは未熟な新脈管形成を安定化させるために周皮細胞お
よび平滑筋細胞を動員する。Ang-1は同様に血管内皮(vascular endothelial)-周皮細胞
の相互作用を安定化させる。これらの増殖因子「カクテル」は一度にまたは様々な徐放性
(sustained release)調剤物を使用して逐次にデリバリーすることができる。フィブリ
ンゲルにおけるVEGFおよびヘパリンベースのコアセルベートにおけるPDGFはこれらの増殖
因子の逐次的な放出を遂げるために使用することができる(例は、急性心筋梗塞のラット
モデルにおいて)。そのようなポリマー放出システムは増殖因子の放出にわたる時空的な
コントロールを提供することができ;それらはまた、成熟した脈管ネットワークを維持す
るために長期間にわたる放出を可能にする。脈管形成促進増殖因子(VEGF、Ang-2)の逐
次施与に次いで脈管成熟増殖因子(PDGF、Ang-1)の施与が続き、動物モデルにおいて成
熟した新脈管ネットワークの発達をもたらすことができる。
【0069】
新たに形成される脈絡膜管は濃縮された増殖因子の領域に向かって増殖するので、脈管
再生調剤物は斑領域の下にある脈絡膜外腔(suprachoroidal space)に送ることができる
であろう。そこでは、脈管形成促進および脈管成熟の因子は脈絡膜に向かって拡散し、お
よび脈管再生を促進する。
【0070】
脈管形成促進および脈管成熟の因子はまた、硝子体においておよび/または網膜の下に
眼内注入することができるであろう。脈管再生は光干渉断層法脈管造影(OCT-A)を使用
して非侵襲的に監視することができるであろう。脈管再生が不十分な場合、追加的な増殖
因子を注入することができるであろう。脈管再生が過剰な場合、抗VEGF療法を始めること
ができるであろう。さらに、湿性AMDの場合における外側網膜への改善した血液供給は網
膜色素上皮細胞によって分泌されるVEGFのレベルを減少させるであろう。これは硝子体内
抗VEGF剤を注入するのと同じ効果;すなわち、網膜浮腫および網膜下液(subretinal flu
id)における減少を有するであろう。脈絡膜の脈管再生によって引き起こされる網膜滲出
におけるこの減少は、慣習的なOCTイメージングを使用して測定可能であろう。未熟な新
脈管形成がOCT-Aによって画像化されたが、管は黄斑浮腫および網膜下液を伴って漏出性
なままであった場合のケースでは、追加的な脈管成熟因子(例は、PDGF、Ang-1)を施す
ことができるであろう。滲出に対する脈管成熟の影響はOCTを使用して難なく監視するこ
とができるであろう。OCTおよびOCT-Aの組合せは増殖因子療法後の脈管再生された脈絡膜
ネットワークの範囲および成熟度の双方の検出を可能にする。
【0071】
ここに開示するものには、脈絡膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための方
法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈
管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を増加した脈絡膜灌流が必
要な対象に施すことが含まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象における非漏出性
または最小漏出性の脈絡膜灌流を増加させることをもたらす。ここに開示するものには、
非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するため
の方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量
の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を非漏出性または最小
漏出性の脈絡膜脈管再生が必要な対象に施すことが含まれる。いくらかの実施態様では、
方法は対象において非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生を促進することをもたら
す。ここに開示するものには、脈絡膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための
方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の
脈管形成または脈管形成因子または薬剤が含まれる調剤物を増加した脈絡膜灌流が必要な
対象に施すことが含まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象における非漏出性また
は最小漏出性の脈絡膜灌流を増加させることをもたらす。ここに開示するものには、非漏
出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するための方
法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈
管形成または脈管形成因子または薬剤が含まれる調剤物を非漏出性または最小漏出性の脈
絡膜脈管再生が必要な対象に施すことが含まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象
において非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生を促進することをもたらす。脈管形
成または脈管形成因子または薬剤は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子を包含
することができ、またはそれらであることができる。ここに開示するものには、脈絡膜灌
流をそれが必要な対象において増加させるための方法の実施形態が含まれる。いくらかの
実施態様では、方法には次の:対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増
加するようにさせること;および治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施すことが含ま
れる。いくらかの実施態様では、方法は対象における非漏出性または最小漏出性の脈絡膜
灌流を増加させることをもたらす。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性
の脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれ
る。いくらかの実施態様では、方法には次の:対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因
子のレベルを増加するようにさせること;および治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に
施すことが含まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象において非漏出性または最小
漏出性の脈絡膜脈管再生を促進することをもたらす。
【0072】
ここに開示するものには、網膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための方法
の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管
形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を網膜灌流の増加が必要な対
象に施すことが含まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象における非漏出性または
最小漏出性の網膜灌流を増加させることをもたらす。ここに開示するものには、非漏出性
または最小漏出性の網膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するための方法の実
施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管形成
促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を非漏出性または最小漏出性の網
膜脈管再生が必要な対象に施すことが含まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象に
おいて非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生を促進することをもたらす。ここに開示
するものには、網膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための方法の実施形態が
含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管形成または脈
管形成因子または薬剤が含まれる調剤物を増加した網膜灌流が必要な対象に施すことが含
まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象における非漏出性または最小漏出性の網膜
灌流を増加させることをもたらす。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性
の網膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれる
。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管形成または脈管形成因
子または薬剤が含まれる調剤物を非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生が必要な対象
に施すことが含まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象において非漏出性または最
小漏出性の網膜脈管再生を促進することをもたらす。脈管形成または脈管形成因子または
薬剤は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子を包含することができ、またはそれ
らであることができる。ここに開示するものには、網膜灌流をそれが必要な対象において
増加させるための方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:
増加した網膜灌流が必要な対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加する
ようにさせること;および治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施すことが含まれる。
いくらかの実施態様では、方法は対象における非漏出性または最小漏出性の網膜灌流を増
加させることをもたらす。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の網膜脈
管再生をそれらが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれる。いくら
かの実施態様では、方法には次の:非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生が必要な対
象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;および治
療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施すことが含まれる。いくらかの実施態様では、方
法は対象において非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生を促進することをもたらす。
【0073】
ここに開示するものには、眼疾患(ocular disease)を処置するためのそれが必要な対
象における方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:調剤物
を対象に施すことが含まれ、そこで調剤物には、治療上有効な量の脈管形成促進因子およ
び/または脈管成熟因子が含まれる。いくらかの実施態様では、方法は対象における眼疾
患の進行を処置または遅鈍させることをもたらす。ここに開示するものには、眼疾患を処
置するためのそれが必要な対象における方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様
では、方法には次の:対象の眼の脈絡膜または網膜における脈管形成促進因子のレベルを
増加するようにさせること;および治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施すことが含
まれ、対象において眼疾患の進行が処置または遅鈍される。
【0074】
ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流または非漏出性もしく
は最小漏出性網膜灌流をそれらが必要な対象において増加させることにおける使用のため
の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる組成物の実施形態が含まれる
。ここに開示するものには、脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連し、またはそれによっ
て特徴付けられる眼疾患の処置においてそれらが必要な対象における使用のための脈管形
成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる組成物の実施形態が含まれる。ここに
開示するものには、非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流または非漏出性もしくは最小漏
出性網膜灌流を増加させることにおいてそれらが必要な対象における使用のための脈管形
成または脈管形成因子または薬剤が含まれる組成物の実施形態が含まれる。ここに開示す
るものには、脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連し、またはそれによって特徴付けられ
る眼疾患の処置においてそれらが必要な対象における使用のための脈管形成(an angioge
nesis for use)が含まれる組成物の実施形態が含まれる。脈管形成または脈管形成因子
または薬剤は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子であることができ、またはそ
れらを含むことができる。
【0075】
ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流または非漏出性もしく
は最小漏出性網膜灌流を増加させることにおいてそれらが必要な対象における使用のため
の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる組成物の実施形態が含まれる
。ここに開示するものには、脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連し、またはそれにおい
て特徴付けられる眼疾患の処置においてそれらが必要な対象における使用のための脈管形
成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる組成物の実施形態が含まれる。ここに
開示するものには、非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流または非漏出性もしくは最小漏
出性網膜灌流を増加させることにおいてそれらが必要な対象における使用のための脈管形
成または脈管形成因子もしくは薬剤が含まれる組成物の実施形態が含まれる。ここに開示
するものには、脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連し、またはそれによって特徴付けら
れる眼疾患の処置においてそれらが必要な対象における使用のための脈管形成が含まれる
組成物の実施形態が含まれる。
非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流を増加させること
【0076】
ここに開示するものには、脈絡膜灌流をそれらが必要な対象において増加させることの
ための方法の実施形態が含まれる。いくつかの実施形態では、方法には次の:治療上有効
な量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を増加した脈絡膜
灌流が必要な対象に対して施すことが含まれ、それによって非漏出性または最小漏出性の
脈絡膜灌流が対象において増加する。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出
性の脈絡膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含ま
れる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管形成促進因子およ
び/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を非漏出性または最小漏出性の脈絡膜血管再生
が必要な対象に施すことが含まれ、それによって非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管
形成が対象において促進される。
【0077】
ここに開示するものには、脈絡膜灌流をそれらが必要な対象において増加させるための
方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の
脈管形成または脈管形成因子もしくは薬剤が含まれる調剤物を脈絡膜灌流の増加が必要な
対象に施すことが含まれ、それによって非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流が対象に
おいて増加する。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜血管再生
をそれらが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれる。いくらかの実
施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管形成または脈管形成因子もしくは薬剤
が含まれる調剤物を非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生が必要な対象に施すこと
が含まれ、それによって非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管形成が対象において促進
される。脈管形成または脈管形成因子もしくは薬剤は脈管形成促進因子および/または脈
管成熟因子を包含することができ、またはそれらであることができる。
【0078】
ここに開示するものには、脈絡膜灌流をそれらが必要な対象において増加させるための
方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:対象の眼の脈絡膜
における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;および治療上有効な量
の脈管成熟因子を対象に施すことが含まれ、それによって非漏出性または最小漏出性の脈
絡膜灌流が対象において増加する。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性
の脈絡膜血管再生をそれらが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれ
る。いくらかの実施態様では、方法には次の:対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因
子のレベルを増加するようにさせること;および治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に
施すことが含まれ、それによって非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生が対象にお
いて促進される。対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するように
させることは、第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストの施与頻度(administration f
requency)を休止(discontinuing)または減少させること(reducing)を包含すること
ができる。脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は同一または異なることがで
きる。脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は異なることができる。第二の脈
管形成促進因子のアンタゴニストは第二の脈管形成促進因子を標的とする抗体またはその
フラグメントを包含することができる。対象の眼の脈絡膜における第二の脈管形成促進因
子のレベルを増加するようにさせることは治療上有効な量の第二の脈管形成促進因子を対
象に施すことを包含することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、それらによって斑状液流無信号化(macular flow voids)は
減少し、対象の眼の外側網膜および網膜色素上皮(RPE)における低酸素は減少し、およ
び/または対象の眼の外側網膜およびRPEにおける虚血は減少する。いくらかの実施態様で
は、それらによって脈絡膜灌流は対象において増加する。
【0080】
いくらかの実施態様では、方法には次の:対象における脈絡膜灌流または非漏出性もし
くは最小漏出性の脈絡膜脈管再生の程度が不十分であると決定すること;および有効量の
脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を対象に施し続けること
が含まれる。決定は眼の検査または逐次的な眼の検査を実行することを包含することがで
きる。逐次的な眼の検査には、視力評価(visual acuity assessment)、基底自家蛍光(
fundus auto-fluorescence)(FAF)検査、光干渉断層法(OCT)検査、光干渉断層法脈管
造影(OCT-A)検査、フルオレセイン脈管造影(FA)検査、インドシアニングリーン(ICG
)脈管造影検査、またはそれらの組合せを包含することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、方法には、施与することに先立ち、対象が増加した脈絡膜灌
流または非漏出性もしくは最小漏出性の脈絡膜脈管再生を必要としているかどうかを眼の
検査により決定することが含まれる。いくらかの実施態様では、対象は乾性の加齢黄斑変
性(dry age-related macular degeneration)(AMD)および/または地図状萎縮(GA)、
またはそれらの組合せが含まれる群より選ばれる疾患を有する。方法はそれによって疾患
の進行を逆転(reversing)、停止(halting)、または遅鈍させること(slowing)をも
たらすことができる。疾患の進行の逆転、停止または遅鈍させることは増加した脈絡膜灌
流および/または非漏出性もしくは最小漏出性の脈絡膜脈管再生によって媒介されること
ができる。
【0082】
いくつかの実施形態において、対象は湿性の加齢黄斑変性(wet age-related macular
degeneration)(AMD)、脈絡膜新脈管形成(CNV)、ポリープ状脈絡膜脈管障害、変性性
(病理学的)近視、巨細胞動脈炎(giant cell arteritis)、またはそれらの組合せが含
まれる群より選ばれる疾患を有する。方法はそれによって疾患の進行を逆転、停止、また
は遅鈍させることをもたらすことができる。疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍させる
ことは増加した脈絡膜灌流および/または非漏出性もしくは最小漏出性の脈絡膜脈管再生
によって媒介されることができる。いくらかの実施態様では、方法には、非漏出性または
最小漏出性の脈絡膜新脈管形成が発生する間脈管漏出性を減少させる第二の脈管形成促進
因子のアンタゴニストの治療上有効な量を施すことが含まれる。
網膜灌流を増加させること
【0083】
ここに開示するものには、網膜灌流をそれらが必要な対象において増加させるための方
法の実施形態が含まれる。いくつかの実施形態では、方法には次の:治療上有効な量の脈
管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を増加した網膜灌流が必要
な対象に施すことが含まれ、それによって非漏出性または最小漏出性の網膜灌流が対象に
おいて増加する。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生を
それらが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施
態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟因
子が含まれる調剤物を非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生が必要な対象に施すこと
が含まれ、それによって非漏出性または最小漏出性の網膜脈管形成が対象において促進さ
れる。
【0084】
ここに開示するものには、網膜灌流をそれらが必要な対象において増加させるための方
法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:治療上有効な量の脈
管形成または脈管形成因子もしくは薬剤が含まれる調剤物を増加した網膜灌流が必要な対
象に施すことが含まれ、それによって非漏出性または最小漏出性の網膜灌流が対象におい
て増加する。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生をそれ
らが必要な対象において促進するための方法の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様
では、方法には次の:治療上有効な量の脈管形成または脈管形成因子もしくは薬剤が含ま
れる調剤物を非漏出性または最小漏出性網膜脈管再生が必要な対象に施すことが含まれ、
それによって非漏出性または最小漏出性の網膜脈管形成が対象において促進される。脈管
形成または脈管形成因子もしくは薬剤は脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子を
包含することができ、またはそれらであることができる。
【0085】
ここに開示するものには、網膜灌流をそれが必要な対象において増加させるための方法
の実施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:増加した網膜灌流が必
要な対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;お
よび治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施すことが含まれ、それによって非漏出性ま
たは最小漏出性の網膜灌流が対象において増加する。ここに開示するものには、非漏出性
または最小漏出性の網膜脈管再生をそれらが必要な対象において促進するための方法の実
施形態が含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:非漏出性または最小漏出性
の網膜脈管再生が必要な対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するよ
うにさせること;および治療上有効な量の脈管成熟因子を対象に施すことが含まれ、それ
によって非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生が対象において促進される。いくつか
の実施形態では、対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさ
せることには、第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストの施与頻度を休止または減少さ
せることが含まれる。脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は同一、または異
なることができる。第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストは第二の脈管形成促進因子
を標的とする抗体、またはそのフラグメントを包含することができる。いくらかの実施態
様では、対象の眼の網膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること
には、治療上有効な量の脈管形成促進因子を対象に施すことが含まれる。
【0086】
いくつかの実施形態では、それらによって対象の眼の網膜における低酸素は減少し、お
よび/または対象の眼の網膜における虚血は減少する。いくらかの実施態様では、方法は
それによって非漏出性または最小漏出性の網膜灌流を対象において増加させることをもた
らす。
【0087】
いくつかの実施形態では、方法には次の:対象における網膜灌流または非漏出性もしく
は最小漏出性の網膜脈管再生の程度が不十分であると決定すること;および調剤物を対象
に施し続けることが含まれる。決定には、眼の検査または逐次的な眼の検査を実行するこ
とを包含することができる。眼の検査または逐次的な眼の検査は視力評価、光干渉断層法
(OCT)検査、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査、フルオレセイン脈管造影(FA)検査
、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影検査、またはそれらの組合せを包含すること
ができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、方法には、施与することに先立ち、増加した非漏出性または
最小漏出性網膜灌流または非漏出性もしくは最小漏出性網膜脈管再生を対象が必要として
いることを眼の検査により決定することが含まれる。いくつかの実施形態において、対象
は糖尿病性黄斑浮腫(diabetic macular edema)、網膜静脈閉塞(retinal vein occlusi
on)からの黄斑浮腫、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、網膜静脈閉塞(retina
l vein occlusion)、未熟仔網膜症(retinopathy of prematurity)、糖尿病における網
膜新脈管形成(retinal neovascularization)、糖尿病における視神経新脈管形成(opti
c nerve neovascularization)、家族性滲出性硝子体網膜症(familial exudative vitre
oretinopathy)、鎌状血球疾患(sickle cell disease)、またはそれらの組合せからな
る群より選ばれる疾患を有する。方法はそれによって疾患の進行を停止または遅鈍させる
ことをもたらすことができる。疾患の進行を停止または遅鈍させることは増加した非漏出
性または最小漏出性の網膜灌流および/または非漏出性もしくは最小漏出性の網膜脈管再
生によって媒介されることができる。方法には、第二の脈管形成促進因子の治療上有効な
量のアンタゴニストを施すことを包含することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、対象は放射線網膜症、放射線視神経症、またはそれらの組合
せが含まれる群より選ばれる疾患を有する。方法はそれによって疾患の進行を逆転、停止
、または遅鈍させることをもたらすことができる。疾患の進行を逆転、停止または遅鈍さ
せることは増加した非漏出性または最小漏出性の網膜灌流、非漏出性または最小漏出性の
網膜脈管再生および/または対象の目の視神経の非漏出性または最小漏出性の脈管再生に
よって媒介されることができる。対象は眼内腫瘍、頭部腫瘍、頸部腫瘍、またはそれらの
組合せが含まれる群より選ばれる疾患について放射線処置を受けていた(have received
)ことができ、放射線網膜症および/または放射線視神経障害の遅れた発現がもたらされ
る。施与することは対象が放射線処置を受けて後約1-26週間に有効量の脈管形成促進因子
および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物を施すことを包含することができる。
眼疾患を処置すること
【0090】
ここに開示するものには、眼疾患を処置するためのそれが必要な対象における方法の実
施形態が含まれる。いくつかの実施形態では、方法には次の:調剤物を対象に施すことが
含まれ、そこで調剤物には、治療上有効な量の脈管形成促進因子および/または脈管成熟
因子が含まれ、それによって眼疾患の進行が対象において処置または遅鈍される。ここに
開示するものには、眼疾患を処置するためのそれが必要な対象における方法の実施形態が
含まれる。いくらかの実施態様では、方法には次の:対象の眼の脈絡膜または網膜におけ
る脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせること;および治療上有効な量の脈管
成熟因子を対象に施すことが含まれ、眼疾患の進行が対象において処置または遅鈍される
。いくらかの実施態様では、対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加
するようにさせることには、第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストの施与頻度を休止
または減少させることが含まれる。脈管形成促進因子および第二の脈管形成促進因子は同
一であることができる。第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストは第二の脈管形成促進
因子を標的とする抗体、またはそのフラグメントを包含することができる。いくらかの実
施態様では、対象の眼の脈絡膜における脈管形成促進因子のレベルを増加するようにさせ
ることには、治療上有効な量の脈管形成促進因子を対象に施すことが含まれる。
【0091】
いくつかの実施形態において、眼疾患は湿性の加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡
膜脈管障害(PCV)、変性(degenerate)(病理学的)近視、またはそれらの組合せであ
る。いくつかの実施形態において、眼疾患は脈絡膜低灌流、脈絡膜新脈管形成(CNV)、
斑状皮膚萎縮(macular atrophy)、またはそれらの組合せに関連し、またはそれらによ
って特徴付けられる。いくつかの実施形態において、眼疾患は乾性の加齢黄斑変性(AMD
)、糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞からの黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、
未熟仔網膜症、糖尿病における網膜新脈管形成、糖尿病における視神経新脈管形成、家族
性滲出性硝子体網膜症、放射線網膜症、放射線視神経症、鎌状血球疾患、またはそれらの
組合せである。いくつかの実施形態において、眼疾患は網膜低灌流、網膜虚血、視神経虚
血、またはそれらの組合せに関連し、またはそれらによって特徴付けられる。
【0092】
いくつかの実施形態では、方法には、対象における眼疾患の重症度または対象における
眼疾患の進行速度を決定することが含まれる。いくらかの実施態様では、方法には、対象
が増加した脈絡膜灌流を必要とするとして、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生
を必要とするとして識別することが含まれる。いくらかの実施態様では、方法には、対象
が増加した網膜灌流、非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生を必要とし、眼疾患に苦
しむ(suffering from、患うとも言う)ペイシェントとして、またはそれらの組合せ識別
することが含まれる。いくつかの実施形態において、対象は増加した脈絡膜灌流、非漏出
性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生、増加した網膜灌流、非漏出性または最小漏出性の
網膜脈管再生が必要なことが知られている。いくらかの実施態様では、対象は眼疾患を有
することが知られる。
因子
【0093】
いくつかの実施形態において、脈管形成促進因子は、組換え脈管形成促進因子、変異脈
管形成促進因子(mutant pro-angiogenic factor)、脈管形成促進因子のフラグメント、
またはそれらの組合せであるか、またはそれらが含まれる。脈管形成促進因子は、脈管内
皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン-2(Ang-2)、またはそれらの組合せであること
ができ、またはそれらを含むことができる。VEGFはVEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、胎
盤増殖因子(PIGF)、またはそれらの組合せであることができ、またはそれらを含むこと
ができる。いくらかの実施態様では、脈管成熟因子は組換え脈管成熟因子、変異脈管成熟
因子(mutant vascular maturation factor)、脈管成熟因子のフラグメント、またはそ
れらの組合せであり、またはそれらが含まれる。脈管成熟因子は血小板由来増殖因子(PD
GF)、アンジオポエチン-1(Ang-1)、またはそれらの組合せであることができ、または
それらを含むことができる。脈管成熟因子はPDGFサブユニットA、PDGFサブユニットB、PD
GFサブユニットC、PDGFサブユニットD、またはそれらの組合せであることができ、または
それらを含むことができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、一またはそれよりも多くの因子は対象に対して脈絡膜灌流を
増加させ、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜脈管再生を促進し、網膜灌流を増加させ、
非漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生を促進し、および/または眼疾患を処置するた
めにそれらを必要とする対象において施される。因子はアドレノメデュリン(AM)、アン
ジオポエチン(Ang、ANGPT)(例は、ANG-1、ANG-2、ANG-3、およびANG-4)、Angiopoiet
in-related protein(アンジオポエチン関連タンパク質)(ANGPTL)(例は、ANGPTL1、A
NGPTL2、ANGPTL3、ANGPTL4、ANGPTL5、ANGPTL6、ANGPTL7、およびANGPTL8)、自己分泌型
細胞運動刺激因子(autocrine motility factor)(AMF)(またグルコース-6-ホスファ
ートイソメラーゼ(GPI)、ホスホグルコースイソメラーゼ/ホスホグルコイソメラーゼ(
PGI)またはホスホヘキソースイソメラーゼ(PHI)としても知られる)、骨形成タンパク
質(BMP)(例は、BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP10、
BMP11、およびBMP15)、毛様体神経栄養因子ファミリータンパク質(ciliary neurotroph
ic factor family protein)(例は、毛様体神経栄養因子(CNTF)、白血病抑制因子(LI
F)、およびインターロイキン-6(IL-6))、コロニー刺激因子(例は、マクロファージ
コロニー刺激因子(M-CSF)/CSF1、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)/CSF2、および顆粒
球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)/CSF3)、上皮増殖因子(EGF)、EGFファ
ミリータンパク質(例は、EGF、ヘパリン結合EGF様増殖因子(HB-EGF)、形質転換増殖因
子-α(TGF-α)、アンフィレグリン(AR)、エピレギュリン(epiregulin)(EPR)、エ
ピジェン(epigen)、ベータセルリン(BTC)、ニューレグリン(neuregulin)-1(NRG1
)、ニューレグリン-2(NRG2)、ニューレグリン-3(NRG3)、およびニューレグリン-4(
NRG4))、エフリン(例は、エフリンA1、エフリンA2、エフリンA3、エフリンA4、エフリ
ンA5、エフリンB1、エフリンB2、およびエフリンB3)、エリスロポエチン(EPO)、線維
芽細胞増殖因子(FGF)(例は、FGF1、FGF2、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF
9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14、FGF15、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF20、
FGF21、FGF22、およびFGF23)、胎仔ウシソマトトロフィン(foetal bovine somatotroph
in)(FBS)、リガンドのGDNFファミリー(例は、グリア細胞株由来神経栄養因子(glial
cell line-derived neurotrophic factor)(GDNF)、ニュールツリン、パーセフィン(
persephin)、およびアルテミン(artemin))、増殖分化因子-9(GDF9)、肝細胞増殖因
子(HGF)、肝細胞腫由来増殖因子(hepatoma-derived growth factor)(HDGF)、イン
スリン、インスリン様増殖因子(例は、インスリン様増殖因子-1(IGF-1)、およびイン
スリン様増殖因子-2(IGF-2))、インターロイキン(IL)(例は、IL-1、IL-2、IL-3、I
L-4、IL-5、IL-6、およびIL-7)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、遊走刺激因子(migr
ation-stimulating factor)(MSF)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)(また肝細
胞増殖因子様タンパク質(HGFLP)としても知られる)、ミオスタチン(GDF-8)、ニュー
レグリン(NRG)(例は、NRG1、NRG2、NRG3、およびNRG4)、ニューロトロフィン(例は
、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン-3(NT-3)
、およびニューロトロフィン-4(NT-4))、胎盤増殖因子(PGF)、血小板由来増殖因子
(PDGF)、レナラーゼ(RNLS)、T細胞増殖因子(TCGF)、トロンボポエチン(TPO)、形
質転換増殖因子(例は、形質転換増殖因子アルファ(TGF-α))、および形質転換増殖因
子ベータ(TGF-β))、腫瘍壊死因子-アルファ(TNF-α)、脈管内皮増殖因子(VEGF)
(例は、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、PIGF)、Wntシグナル経路(Wnt Signaling P
athway)(WNT)タンパク質(例は、WNT1、WNT2、WNT2B、WNT3、WNT3A、WNT4、WNT5A、WN
T5B、WNT6、WNT7A、WNT7B、WNT8A、WNT8B、WNT9A、WNT9B、WNT10A、WNT10B、WNT11、WNT1
6)またはそれらの組合せであることができ、またはそれらを含むことができる。
【0095】
いくつかの実施形態において、施される一またはそれよりも多く(一以上とも言う)の
因子は脈管形成または脈管形成因子もしくは薬剤であることができる。脈管形成または脈
管形成因子もしくは薬剤は線維芽細胞増殖因子(FGF)、脈管内皮増殖因子(vascular en
dothelial growth factor)(VEGF)、VEGF受容体(VEGFR)(例は、VEGFR-1、VEGFR-2、
およびVEGFR-3)、ニューロピリン1(NRP-1)、アンギオポイエチン1(Ang1)、アンギオ
ポイエチン2(Ang2)、血小板由来増殖因子(PDGF)(例は、BB-ホモダイマー)、PDGF受
容体(PDGFR)、形質転換増殖因子ベータ(TGF- b)、エンドグリンおよびTGF-b受容体、
ケモカイン(CCモチーフ)リガンド2(CCL2)(また単球走化性タンパク質(monocyte ch
emoattractant protein)1(MCP1)および小誘導性サイトカイン(small inducible cyto
kine)A2としても知られる)、インテグリンαVβ3、インテグリンαVβ5、インテグリン
α5β1、脈管内皮カドヘリン(VE-カドヘリン)(またカドヘリン5、タイプ2、および(C
luster of Differentiation(表面抗原分類)144(CD144))、表面抗原分類31(CD31)
(また血小板内皮細胞接着分子(PECAM-1)としても知られる)、エフリン、プラスミノ
ーゲン活性化因子(例は、Factor(ファクター)XIa、およびファクターXIIa)、プラス
ミノーゲン活性化因子インヒビター-1、内皮型一酸化窒素合成酵素(endothelial nitric
oxide synthases)(eNOS)、およびシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)(またプロスタ
グランジン-エンドペルオキシドシンターゼ2としても知られる)、CD133抗原(またプロ
ミニン-1、およびAC133としても知られる)、DNA結合タンパク質インヒビターID-1、DNA
結合タンパク質インヒビターID3、クラス3セマフォリン、またはそれらの組合せであるこ
とができ、またはそれらを含むことができる。
【0096】
いくつかの実施形態において、施される因子は組換え因子、因子の変異体、因子のフラ
グメント、またはそれらの組合せであることができる。ここで使用するように「フラグメ
ント」は自然に生じるタンパク質の一部分であることができる。フラグメントは自然に生
じるタンパク質と同じまたは実質同じアミノ酸配列を有することができる。「実質同じ」
はアミノ酸配列が完全に同じではないが大部分は同じであるが、それが関連する配列の少
なくとも一の機能的活性を保持していることを意味することができる。大抵二つのアミノ
酸配列はそれらが少なくとも約85%同一である場合、「実質同一」または「実質相同」で
ある。自然に生じるタンパク質とは異なる三次元構造を有するフラグメントもまた含まれ
る。この例は「プロフォーム」分子、例えば、著しく高い活性を有する成熟酵素を生成す
るために開裂によって修飾されることができる低活性プロタンパク質などのようなもので
ある。
疾患、疾患症状、および臨床アウトカム
【0097】
いくつかの実施形態では、それらによって対象の眼の脈絡膜または網膜における滲出ま
たは新脈管形成は減少する。方法は、対象の眼の脈絡膜または網膜における滲出が減少す
ることを光干渉断層法(OCT)および/またはフルオレセイン脈管造影法を使用して決定す
ることを包含することができる。方法は、対象の眼の脈絡膜または網膜における新脈管形
成が減少することを光干渉断層法脈管造影(OCT-A)、インドシアニングリーン(ICG)脈
管造影法、またはそれらの組合せを使用して決定することを包含することができる。対象
における非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流および/または非漏出性および/または最
小漏出性の網膜灌流の増加は異なることができる。いくらかの実施態様では、それらによ
って非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流および/または非漏出性および/または最小漏
出性の網膜灌流は対象において、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%
、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、
24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37
%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%
、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、
64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77
%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの数
の二つの間の数または範囲まで、約それらまで、少なくとも約それらまで、最大それらま
で、または最大約それらまで増加する。
【0098】
いくつかの実施形態では、それらによって新しい非漏出性または最小漏出性血管(bloo
d vessels)は対象の眼の脈絡膜または網膜において形成される。方法には、新しい血管
の形成が光干渉断層法脈管造影(OCT-A)を使用して決定されることを包含することがで
きる。方法には、新しい血管からの滲出が最小またはないことが光干渉断層法(OCT)お
よび/またはフルオレセイン脈管造影法を使用して決定されることを包含することができ
、それは形成される新しい血管が非漏出性または最小漏出性であることを指し示す。対象
の眼の脈絡膜または網膜において形成される新しい非漏出性または最小漏出性血管は対象
の眼の斑領域の異なるパーセンテージをカバーすることができる。いくつかの実施形態で
は、対象の眼の脈絡膜または網膜において形成される新しい非漏出性または最小漏出性血
管は対象の眼の斑領域の、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%
、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、
25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38
%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%
、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、
65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78
%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%
、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの数の二つ
の間の数または範囲を覆い、約それらで覆い、少なくともそれらで覆い、少なくとも約そ
れらで覆い、最大それらで覆い、または最大約それらで覆う。対象の眼の脈絡膜または網
膜において形成される新しい非漏出性または最小漏出性血管は対象の眼の末梢脈絡膜また
は末梢網膜の異なるパーセンテージをカバーすることができる。いくらかの実施態様では
、対象の眼の脈絡膜または網膜において形成される新しい非漏出性または最小漏出性血管
は対象の眼の末梢脈絡膜または末梢網膜の、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、
9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22
%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%
、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、
49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62
%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%
、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、
89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、または
これらの値の二つの間の数または範囲を覆い、約それらで覆い、少なくともそれらで覆い
、少なくとも約それらで覆い、最大それらで覆い、または最大約それらで覆う。対象の視
力は安定化または改善することができる。脈絡膜低酸素および/または網膜低酸素は対象
において軽減されることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、それらによって低酸素誘導因子(HIF)媒介失明合併症(hyp
oxia inducible factor (HIF)-mediated blinding complication)は軽減される。HIF媒
介視覚喪失合併症(The HIP-mediated visual loss complication)には、脈絡膜新脈管
形成(CNV)、網膜新脈管形成、黄斑浮腫、またはそれらの組合せが含まれる。いくらか
の実施態様では、それらによって網膜浮腫、網膜下液、または双方は減少する。いくらか
の実施態様では、それらによって漏出性脈絡膜新脈管形成は対象において軽減される。い
くらかの実施態様では、斑状皮膚萎縮、地図状萎縮(GA)、または双方は対象において軽
減される。
施与の経路
【0100】
いくつかの実施形態では、施与することには、調剤物を硝子体内に施すことが含まれる
。施与することは網膜下に調剤物を施すことを包含することができる。施与することは調
剤物を対象の眼の脈絡膜外腔に施すことを包含することができる。施与することは対象の
眼の斑領域に調剤物を施すことを包含することができる。施与することは対象の眼の一ま
たはそれよりも多くの網膜または脈絡膜領域に調剤物を施すことを包含することができ、
減少した灌流を伴う。施与することは毎週に約一回ないし毎年に約一回調剤物を対象に施
すことを包含することができる。
【0101】
ここに開示するように、ペイシェントは、例えば、調剤物の施与を受けることによって
処置することができる。施与は、例えば、1日1回、2日1回、3日1回、1週間に1回10日に1
回、15日に1回、1か月に1回、2か月に1回、3か月に1回、6か月に1回、1年に1回、2年に1
回、またはこれらの値のいずれか二つの間の頻度または頻度の範囲であることができる。
ペイシェントを処置することができる期間は変動することができる。例えば、処置の期間
は、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か
月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月、17か月、18か月、19か月、20か月、21か
月、22か月、23か月、24か月、25か月、26か月、27か月、28か月、29か月、30か月、31か
月、32か月、33か月、34か月、35か月、36か月、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、
またはこれらの値のいずれか二つの間の数または範囲であることができる。
【0102】
施与することは異なる数の合計施与を包含することができる。いくらかの実施態様では
、施与することには、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、3
8、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、5
8、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、7
8、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、9
8、99、100、または、これらの値のいずれか二つの間の数または範囲が含まれ、約それら
で含まれ、少なくともそれらで含まれ、少なくとも約それらで含まれ、最大それらで含ま
れ、または最大約それらで含まれることができる。
【0103】
施与することは異なる数の処置コースを包含することができる。いくつかの実施形態で
は、施与することには、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17
、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37
、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57
、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77
、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97
、98、99、100、またはこれらの値の任意の二つの間の数または範囲の処置コースが含ま
れ、約それらで含まれ、少なくともそれらで含まれ、少なくとも約それらで含まれ、最大
それらで含まれ、または最大約それらで含まれることができる。
【0104】
処置コースには、様々な履行において異なる数の施与を含めることができる。いくつか
の実施形態では、処置コースは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15
、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35
、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55
、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75
、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95
、96、97、98、99、100、またはこれらの値の任意の二つの間の数または範囲の施与が含
まれ、約それらで含まれ、少なくともそれらで含まれ、少なくとも約それらで含まれ、最
大それらで含まれ、または最大それらで含まれることができる。
モニタリング
【0105】
いくつかの実施形態では、方法には次の:対象における脈絡膜もしくは網膜の脈管再生
または非漏出性もしくは最小漏出性の脈絡膜または網膜の脈管再生を決定するために光干
渉断層法脈管造影(OCT-A)および光干渉断層法(OCT)をそれぞれ使用すること;および
適切な場合、調剤物を対象へ施すことを一時的または恒久的に休止することが含まれる。
いくつかの実施形態では、方法には次の:対象における脈絡膜もしくは網膜の脈管再生ま
たは非漏出性もしくは最小漏出性の脈絡膜または網膜の脈管再生を決定するために光干渉
断層法脈管造影(OCT-A)、フルオレセイン脈管造影および/または光干渉断層法(OCT)
をそれぞれ使用すること;および不十分な場合、調剤物を対象に施し続けることが含まれ
る。いくつかの実施形態では、方法には次の:対象における脈絡膜または網膜の脈管再生
または非漏出性もしくは最小漏出性の脈絡膜または網膜の脈管再生を決定するために光干
渉断層法脈管造影(OCT-A)、フルオレセイン脈管造影および/または光干渉断層法(OCT
)をそれぞれ使用すること;および過剰な場合、第二の脈管形成促進因子のアンタゴニス
トを対象に施すことが含まれる。第二の脈管形成促進因子のアンタゴニストは第二の脈管
形成促進因子を標的とする抗体を包含することができる。決定は眼の検査または逐次的な
眼の検査を実行することを包含することができる。逐次的な眼の検査は視力評価、基底自
家蛍光(FAF)検査、光干渉断層法(OCT)検査、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査、
フルオレセイン脈管造影(FA)検査、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影検査、ま
たはそれらの組合せを包含することができる。いくつかの実施形態では、方法には次の:
対象における脈管成熟を光干渉断層法脈管造影(OCT)、フルオレセイン脈管造影(FA)
、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影、またはそれらの組合せを使用して決定する
こと;および不十分な場合、脈管成熟因子を対象に施すことが含まれる。決定は脈管成熟
の程度を光干渉断層法(OCT)またはフルオレセインおよびインドシアニングリーン(ICG
)脈管造影を使用して決定することを包含することができる。方法には次の:対象におけ
る脈絡膜脈管再生を決定するために光干渉断層法脈管造影(OCT-A)を使用することを包
含することができる。
有効量
【0106】
脈管形成促進因子の治療上有効な量は様々な履行において異なることができる。いくつ
かの実施形態において、調剤物の治療上有効な量は0.001mg、0.002mg、0.003mg、0.004mg
、0.005mg、0.006mg、0.007mg、0.008mg、0.009mg、0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0
.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg
、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、
12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25
mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg
、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、
52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65
mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg
、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、8 8mg、89mg、90mg、91mg
、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、またはこれらの値の任意
の二つの間の数または範囲の施与あたりの脈管形成促進因子であり、約それらであり、少
なくともそれらであり、少なくとも約それらであり、最大それらであり、または最大約そ
れらである。
【0107】
施与あたりの脈管成熟因子の治療上有効な量は様々な履行において異なることができる
。いくつかの実施形態において、調剤物の治療上有効な量は0.001mg、0.002mg、0.003mg
、0.004mg、0.005mg、0.006mg、0.007mg、0.008mg、0.009mg、0.01mg、0.02mg、0.03mg、
0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5m
g、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg
、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、
24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37
mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg
、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、
64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77
mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、8 8mg、89mg、90m
g、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、またはこれらの値
の任意の二つの間の数または範囲の施与あたりの脈管成熟因子であり、約それらであり、
少なくともそれらであり、少なくとも約それらであり、最大それらであり、または最大約
それらである。
【0108】
施与あたりの因子(例は、脈管形成または脈管形成因子もしくは薬剤、または増殖因子
)の治療上有効な量は様々な履行において異なることができる。いくつかの実施形態にお
いて、因子の治療上有効な量は0.001mg、0.002mg、0.003mg、0.004mg、0.005mg、0.006mg
、0.007mg、0.008mg、0.009mg、0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.0
7mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9
mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、1
5mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28m
g、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg
、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、
55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68
mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg
、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、
95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、またはこれらの値の任意の二つの間の数または
範囲の施与あたりの因子であり、約それらであり、少なくともそれらであり、少なくとも
約それらであり、最大それらであり、または最大約それらである。
組成および調剤
【0109】
ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌流または非漏出性もし
くは最小漏出性の網膜灌流を増加させることにおけるそれらが必要な対象における使用の
ための脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる組成物または調剤物の実
施形態が含まれる。ここに開示するものには、脈絡膜低灌流または網膜低灌流に関連し、
またはそれによって特徴付けられる眼疾患の処置においてそれらが必要な対象における使
用のための脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる組成物または調剤物
の実施形態が含まれる。ここに開示するものには、非漏出性または最小漏出性の脈絡膜灌
流または非漏出性もしくは最小漏出性の網膜灌流を増加させることにおいてそれらが必要
な対象における使用のための脈管形成または脈管形成因子もしくは薬剤が含まれる組成物
または調剤物の実施形態が含まれる。ここに開示するものには、脈絡膜低灌流または網膜
低灌流に関連し、またはそれによって特徴付けられる眼疾患の処置においてそれらが必要
な対象における使用のための脈管形成因子が含まれる組成物または調剤物の実施形態が含
まれる。脈管形成または脈管形成因子もしくは薬剤は脈管形成促進因子および/または脈
管成熟因子であることができ、またはそれらを含むことができる。組成物または調剤物は
脈管形成促進因子および脈管成熟因子の徐放性組成物または調剤物を包含することができ
る。
【0110】
調剤物または組成物は様々な履行において異なる濃度の脈管形成促進因子を包含するこ
とができる。いくつかの実施形態において、調剤物または組成物における脈管形成促進因
子の濃度は0.001mg/ml、0.002mg/ml、0.003mg/ml、0.004mg/ml、0.005mg/ml、0.006mg/ml
、0.007mg/ml、0.008mg/ml、0.009mg/ml、0.01mg/ml、0.02mg/ml、0.03mg/ml、0.04mg/ml
、0.05mg/ml、0.06mg/ml、0.07mg/ml、0.08mg/ml、0.09mg/ml、0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3
mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1mg/ml、2mg/m
l、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、11mg/ml、12m
g/ml、13mg/ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、21
mg/ml、22mg/ml、23mg/ml、24mg/ml、25mg/ml、26mg/ml、27mg/ml、28mg/ml、29mg/ml、3
0mg/ml、31mg/ml、32mg/ml、33mg/ml、34mg/ml、35mg/ml、36mg/ml、37mg/ml、38mg/ml、
39mg/ml、40mg/ml、41mg/ml、42mg/ml、43mg/ml、44mg/ml、45mg/ml、46mg/ml、47mg/ml
、48mg/ml、49mg/ml、50mg/ml、51mg/ml、52mg/ml、53mg/ml、54mg/ml、55mg/ml、56mg/m
l、57mg/ml、58mg/ml、59mg/ml、60mg/ml、61mg/ml、62mg/ml、63mg/ml、64mg/ml、65mg/
ml、66mg/ml、67mg/ml、68mg/ml、69mg/ml、70mg/ml、71mg/ml、72mg/ml、73mg/ml、74mg
/ml、75mg/ml、76mg/ml、77mg/ml、78mg/ml、79mg/ml、80mg/ml、81mg/ml、82mg/ml、83m
g/ml、84mg/ml、85mg/ml、86mg/ml、87mg/ml、88mg/ml、89mg/ml、90mg/ml、91mg/ml、92
mg/ml、93mg/ml、94mg/ml、95mg/ml、96mg/ml、97mg/ml、98mg/ml、99mg/ml、100mg/ml、
110mg/ml、120mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150mg/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、
190mg/ml、200mg/ml、210mg/ml、220mg/ml、230mg/ml、240mg/ml、250mg/ml、260mg/ml、
270mg/ml、280mg/ml、290mg/ml、300mg/ml、310mg/ml、320mg/ml、330mg/ml、340mg/ml、
350mg/ml、360mg/ml、370mg/ml、380mg/ml、390mg/ml、400mg/ml、410mg/ml、420mg/ml、
430mg/ml、440mg/ml、450mg/ml、460mg/ml、470mg/ml、480mg/ml、490mg/ml、500mg/ml、
またはこれらの値の任意の二つの間の数または範囲であり、約それらであり、少なくとも
それらであり、少なくとも約それらであり、最大それらであり、または最大約それらであ
る。
【0111】
調剤物または組成物は様々な履行において異なる濃度の脈管成熟因子を包含することが
できる。いくらかの実施態様では、調剤物または組成物における脈管成熟因子の濃度は0.
001mg/ml、0.002mg/ml、0.003mg/ml、0.004mg/ml、0.005mg/ml、0.006mg/ml、0.007mg/ml
、0.008mg/ml、0.009mg/ml、0.01mg/ml、0.02mg/ml、0.03mg/ml、0.04mg/ml、0.05mg/ml
、0.06mg/ml、0.07mg/ml、0.08mg/ml、0.09mg/ml、0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4m
g/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、
4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、11mg/ml、12mg/ml、13mg/
ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、21mg/ml、22mg
/ml、23mg/ml、24mg/ml、25mg/ml、26mg/ml、27mg/ml、28mg/ml、29mg/ml、30mg/ml、31m
g/ml、32mg/ml、33mg/ml、34mg/ml、35mg/ml、36mg/ml、37mg/ml、38mg/ml、39mg/ml、40
mg/ml、41mg/ml、42mg/ml、43mg/ml、44mg/ml、45mg/ml、46mg/ml、47mg/ml、48mg/ml、4
9mg/ml、50mg/ml、51mg/ml、52mg/ml、53mg/ml、54mg/ml、55mg/ml、56mg/ml、57mg/ml、
58mg/ml、59mg/ml、60mg/ml、61mg/ml、62mg/ml、63mg/ml、64mg/ml、65mg/ml、66mg/ml
、67mg/ml、68mg/ml、69mg/ml、70mg/ml、71mg/ml、72mg/ml、73mg/ml、74mg/ml、75mg/m
l、76mg/ml、77mg/ml、78mg/ml、79mg/ml、80mg/ml、81mg/ml、82mg/ml、83mg/ml、84mg/
ml、85mg/ml、86mg/ml、87mg/ml、88mg/ml、89mg/ml、90mg/ml、91mg/ml、92mg/ml、93mg
/ml、94mg/ml、95mg/ml、96mg/ml、97mg/ml、98mg/ml、99mg/ml、100mg/ml、110mg/ml、1
20mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150mg/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、190mg/ml、2
00mg/ml、210mg/ml、220mg/ml、230mg/ml、240mg/ml、250mg/ml、260mg/ml、270mg/ml、2
80mg/ml、290mg/ml、300mg/ml、310mg/ml、320mg/ml、330mg/ml、340mg/ml、350mg/ml、3
60mg/ml、370mg/ml、380mg/ml、390mg/ml、400mg/ml、410mg/ml、420mg/ml、430mg/ml、4
40mg/ml、450mg/ml、460mg/ml、470mg/ml、480mg/ml、490mg/ml、500mg/ml、またはこれ
らの値の任意の二つの間の数または範囲であり、約それらであり、少なくともそれらであ
り、少なくとも約それらであり、最大それらであり、または最大約それらである。
【0112】
調剤物または組成物は様々な履行において異なる濃度の因子(例は、脈管形成または脈
管形成因子もしくは薬剤、または増殖因子)を包含することができる。いくらかの実施態
様では、調剤物または組成物における因子の濃度は0.001mg/ml、0.002mg/ml、0.003mg/ml
、0.004mg/ml、0.005mg/ml、0.006mg/ml、0.007mg/ml、0.008mg/ml、0.009mg/ml、0.01mg
/ml、0.02mg/ml、0.03mg/ml、0.04mg/ml、0.05mg/ml、0.06mg/ml、0.07mg/ml、0.08mg/ml
、0.09mg/ml、0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/m
l、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8
mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、11mg/ml、12mg/ml、13mg/ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17
mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、21mg/ml、22mg/ml、23mg/ml、24mg/ml、25mg/ml、2
6mg/ml、27mg/ml、28mg/ml、29mg/ml、30mg/ml、31mg/ml、32mg/ml、33mg/ml、34mg/ml、
35mg/ml、36mg/ml、37mg/ml、38mg/ml、39mg/ml、40mg/ml、41mg/ml、42mg/ml、43mg/ml
、44mg/ml、45mg/ml、46mg/ml、47mg/ml、48mg/ml、49mg/ml、50mg/ml、51mg/ml、52mg/m
l、53mg/ml、54mg/ml、55mg/ml、56mg/ml、57mg/ml、58mg/ml、59mg/ml、60mg/ml、61mg/
ml、62mg/ml、63mg/ml、64mg/ml、65mg/ml、66mg/ml、67mg/ml、68mg/ml、69mg/ml、70mg
/ml、71mg/ml、72mg/ml、73mg/ml、74mg/ml、75mg/ml、76mg/ml、77mg/ml、78mg/ml、79m
g/ml、80mg/ml、81mg/ml、82mg/ml、83mg/ml、84mg/ml、85mg/ml、86mg/ml、87mg/ml、88
mg/ml、89mg/ml、90mg/ml、91mg/ml、92mg/ml、93mg/ml、94mg/ml、95mg/ml、96mg/ml、9
7mg/ml、98mg/ml、99mg/ml、100mg/ml、110mg/ml、120mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150m
g/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、190mg/ml、200mg/ml、210mg/ml、220mg/ml、230m
g/ml、240mg/ml、250mg/ml、260mg/ml、270mg/ml、280mg/ml、290mg/ml、300mg/ml、310m
g/ml、320mg/ml、330mg/ml、340mg/ml、350mg/ml、360mg/ml、370mg/ml、380mg/ml、390m
g/ml、400mg/ml、410mg/ml、420mg/ml、430mg/ml、440mg/ml、450mg/ml、460mg/ml、470m
g/ml、480mg/ml、490mg/ml、500mg/ml、またはこれらの値の任意の二つの間の数または範
囲であり、約それらであり、少なくともそれらであり、少なくとも約それらであり、最大
それらであり、または最大約それらである。
【0113】
いくらかの実施態様では、ここに開示する組成物または調剤物を施すことから生じる脈
管再生はAMDにおけるGAおよびCNVの軽減のために使用することができる。いくつかの実施
形態では、ここに開示する組成物または調剤物を施すことから生じる脈管再生は脈絡膜新
脈管形成および斑状皮膚萎縮の他の原因、例えば、変性性近視において見られるようなも
のなどを処置するために使用することができる。
キット
【0114】
ここに開示するものには、次の:脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含ま
れる調剤物;および調剤物が脈絡膜灌流または網膜灌流を増加させるためのものであるこ
とを指し示すラベルが含まれるキットの実施形態が含まれる。ここに開示するものには、
次の:脈管形成促進因子および/または脈管成熟因子が含まれる調剤物;および調剤物が
脈絡膜低灌流および/または網膜低灌流に関連し、またはそれらによって特徴付けられる
眼疾患を処置するためのものであることを指し示すラベルが含まれるキットの実施形態が
含まれる。ここに開示するものには、次の:脈管形成因子が含まれる調剤物;および調剤
物が脈絡膜灌流および/または網膜灌流を増加させるためのものであることを指し示すラ
ベルが含まれるキットの実施形態が含まれる。ここに開示するものには、次の:脈管形成
因子が含まれる調剤物;および調剤物が脈絡膜低灌流および/または網膜低灌流に関連し
、またはそれらによって特徴付けられる眼疾患を処置するためのものであることを指し示
すラベルが含まれるキットの実施形態が含まれる。脈管形成因子は脈管形成促進因子およ
び/または脈管成熟因子であることができ、またはそれらを含むことができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、ラベルは調剤物が乾性の加齢黄斑変性(AMD)および/または
地図状萎縮(GA)、またはそれらの組合せが含まれる群より選ばれる疾患を処置するため
のものであることを指し示す。いくらかの実施態様では、ラベルは調剤物が湿性の加齢黄
斑変性(AMD)、脈絡膜新脈管形成(CNV)、ポリープ状脈絡膜脈管障害、変性性(病理学
的)近視、巨細胞動脈炎、またはそれらの組合せが含まれる群より選ばれる疾患を処置す
るためのものであることを指し示す。いくつかの実施形態において、ラベルは形成(form
ation)が糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞からの黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、未熟仔網
膜症、網膜静脈閉塞、糖尿病における網膜新脈管形成、糖尿病における視神経新脈管形成
、家族性滲出性硝子体網膜症、鎌状血球疾患、またはそれらの組合せが含まれる群より選
ばれる疾患を処置するためのものであることを指し示す。対象における非漏出性または最
小漏出性の網膜灌流は調剤物が対象に施されて後増加することができる。対象における非
漏出性または最小漏出性の網膜脈管再生は調剤物が対象に施されて後促進されることがで
きる。対象の眼の網膜における低酸素は減少することができ、および/または対象の眼の
網膜における虚血は調剤物が対象に施されて後減少することができる。対象における非漏
出性または最小漏出性の網膜灌流は調剤物が対象に施与されて後増加することができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、ラベルは調剤物が放射線網膜症、放射線視神経症、またはそ
れらの組合せが含まれる群より選ばれる疾患を処置するためのものであることを指し示す
。ラベルは調剤物について対象が眼内腫瘍、頭部腫瘍、頸部腫瘍、またはそれらの組合せ
が含まれる群より選ばれる疾患のための放射線処置を受けて後に対象が処置されるための
ものであり、疾患の遅れた発現がもたらされるものであることを指し示すことができる。
ラベルは対象への調剤物の施与が対象の放射線処置の受け入れ後約1-26週間で行われるこ
とを指し示すことができる。いくらかの実施態様では、ラベルは調剤物が低酸素誘導因子
(HIF)媒介失明合併症を処置するためのものであることを指し示す。HIF媒介視覚喪失合
併症には、脈絡膜新脈管形成(CNV)、網膜新脈管形成、黄斑浮腫、またはそれらの組合
せが含まれる。
【実施例0117】
上記に議論する実施形態のいくつかの態様は以下の例においてさらに詳細に開示し、そ
れらは決して本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
例1
非漏出性脈絡膜新脈管形成は上に横たわる組織を発達性地図状萎縮から保護する:
【0118】
中心窩の下にある成熟脈管新生ネットワークが正常な中心窩の構築を支持し、および地
図状萎縮の発達を防ぐことができるという仮説に対する臨床的支持が存在する。OCT血管
造影は中心窩の下にある1型CNV(sub-RPE)を有するペイシェントが新脈管形成の上に横
たわる網膜に対して偏心したGAを発達させることを示しており、CNVが上に横たわる黄斑
組織の生存能力を維持していることが示唆される。
【0119】
この点での例は円盤状の瘢痕OSを有する88年齢の対象において以下に示される。対象は
図3に示すOCT血管造影研究の1年前に彼が注入後眼内炎を発症するまで、ODにおいて非常
に多くの注入を受けた。OCTおよびOCT血管造影図は非漏出性である中心窩下CNVを明らか
にする(OCTの写真もまた見せよう;それを有しない)。次に、彼はそれ以上の注入を受
けたくなかった。彼は1年以上の間中心窩への滲出も萎縮の進行もなかった。視覚20/25-O
D。
例2
徐々に拡大する中心窩外地図状萎縮(GA)を伴うAMD
【0120】
AMD、良好な中心視力(central visual acuity)(≧20/40)および固定を使わない早
期GA(early GA that spares fixation)を有するペイシェントは脈管形成促進療法によ
る処置と考えられる。OCTA検査は減少した脈絡毛細管板灌流を指し示す斑状液流無信号化
を明らかにする。脈管形成促進化合物(群)は硝子体内に投与される(is/are administe
red)。あるいはまた、脈管形成促進療法は脈絡膜上経路によって施し、または斑状領域
の網膜下腔(subretinal space)に注入することができる。脈管形成促進療法に続いて、
ペイシェントは視力評価、眼底自家蛍光(FAF)、OCTおよびOCTA検査が含まれる逐次的な
眼の検査が続く。フォローアップでは、連続FAFおよびOCT検査によって実証されるように
、GAの進行は停止または遅鈍される。OCTAは既存のGA病変(群)のマージンが含まれる斑
状液流無信号化において減少を実証する。フォローアップ中に既存のGA病変の進行または
新しい病変の発生を伴う進行性脈絡毛細管板の消耗(attrition)がある場合、脈管形成
促進療法を上記のように再び施す。
例3
CNVを伴うAMD
【0121】
CNVを有するペイシェントにおけるOCTAは新生血管膜を取り巻く増加した液流無信号化
(脈絡毛細管板灌流障害)を示す。結果として生じる低酸素はそれに続くCNVの発生を有
するRPEによってVEGF分泌をもたらす。抗VEGF剤による処置後、CNVは通例は透過性におい
ての低下を示す。滲出および視覚喪失を最小化するために繰り返された抗VEGF注入が要求
される。代わりの方法として、非漏出性脈絡膜新脈管形成を促進する脈管形成因子は虚血
および結果としての頻繁なVEGF注入の必要性を減少させる。脈管形成促進性脈絡膜脈管再
生療法は脈絡毛細管板を再構成し、およびVEGF分泌についての虚血性ドライブ(ischemic
drive)を排除する。湿性AMDを有するペイシェントは初期に脈絡膜新脈管形成からの漏
出を止める抗VEGF剤により処置される。同時にまたはその後すぐに、脈管形成促進因子は
硝子体内または網膜下に、または脈絡膜外腔において投与され、それは非漏出性脈絡毛細
管板脈管形成を促進する。これらの新しい管の増殖はVEGF分泌についての虚血性ドライブ
を排除または最小化する。CNVはそれゆえに重大な虚血の不存在においてVEGF分泌が減少
するためさらに漏出するのを防がれる。
例4
糖尿病性黄斑浮腫の処置
【0122】
糖尿病性黄斑浮腫を有するペイシェントはVEGFによって誘発される網膜毛細血管の減少
した脈管透過性に対する抗VEGF剤により処置される。糖尿病性黄斑浮腫におけるVEGF分泌
は毛細血管の非灌流およびその結果としての低酸素によって媒介される。糖尿病性黄斑浮
腫の制御は滲出を減らし、および視力を最大化するために、初期には抗VEGF剤の毎月の注
入が要求される。抗VEGF剤の繰り返す注入の代わりとして、虚血性黄斑の網膜毛細血管を
脈管再生するために脈管形成促進因子(群)を注入する(is/are injected)。非漏出性
毛細血管を有する網膜毛細血管床を脈管再生することによって、低酸素が逆転し、VEGF分
泌が減り、および黄斑浮腫が解消する。湿性AMDのケースでのように、脈管再生療法は新
しい網膜毛細血管が増殖しているときに時間中の脈管漏出を最小にするために抗VEGF剤の
使用によって補完されることがある。非漏出性毛細血管による網膜脈管再生の同じ原則は
網膜静脈閉塞からの黄斑浮腫の場合にも当てはまるであろう(would hold in cases of)

例5
後部および前部の新脈管形成
【0123】
糖尿病性網膜症においてまたは網膜静脈閉塞の後に重度の網膜虚血が発生するとき、網
膜または前部の新脈管形成(anterior segment neovascularization)が結果として生じ
ることがある。未処置の、これらの形態の新脈管形成は硝子体出血、網膜剥離、または脈
管形成緑内障による重度の視覚喪失を引き起こすことができる。網膜または前部の新脈管
形成の処置は抗VEGF剤および/またはレーザー凝固に依存する。代案として、増殖性糖尿
病性網膜症を有するペイシェントは虚血性網膜を脈管形成する脈管形成促進因子(群)に
より処置される。このことは低酸素、VEGF分泌、および結果として生じる新脈管形成を減
少させる。一定の場合、脈管形成促進療法は網膜を安定させるために抗VEGF剤またはレー
ザー凝固と組合せて使用することができ、その一方で脈管形成促進因子(群)により非-
または最小-漏出性の脈管形成が起こる。脈管形成促進因子(群)を硝子体内に注入する
。脈管形成促進因子(群)はフルオレセイン血管造影またはOCTAによって決定されるよう
により一層重度の虚血の領域にわたり優先的に注入することができる。硝子体内脈管形成
促進剤はまた明白な新脈管形成の不存在において網膜毛細血管の大幅な喪失があるときに
も予防的に使用することができる。この場合、脈管形成促進因子(群)の使用は虚血性網
膜を脈管再生し、および新脈管形成の発生を防ぐことができる。
例6
放射線網膜症および放射線視神経障害
【0124】
眼内腫瘍、最も普通には脈絡膜黒色腫の放射線処置は放射線網膜症および視神経障害の
遅らせた発現を引き起こすことができる。毛細血管内皮に対する放射線損傷は網膜脈管構
造の閉鎖および結果として生じる虚血を引き起こす。同様に、前層状(pre-laminar)お
よびより一層深い視神経毛細血管に対する損傷は視神経に不可逆的な虚血性損傷を引き起
こすことがある。眼が放射線を受ける眼内または頭部および頸部腫瘍の放射線処置を被る
ペイシェントでは、脈管形成促進因子(群)は網膜および視神経が放射線療法を完了して
後脈管再生するために使用される。概して、脈管再生療法は放射線療法後1-26週に投与さ
れ、その理由は放射線網膜症および視神経症の発現が放射線療法後に遅れるためである。
損傷した毛細血管を脈管再生し、および交換することによって、この療法は虚血性網膜お
よび視神経損傷を防ぎ、および視覚喪失が軽減される。
例7
酸素誘発性未熟仔網膜症についての動物研究プロトコル
【0125】
プロトコルタイトル:酸素誘発性未熟仔網膜症モデル(Oxygen-induced Retinopathy o
f Prematurity Model)における脈管形成剤の評価。
【0126】
未熟児網膜症(muROP)のネズミモデルのイントロダクション:
【0127】
マウスにおける網膜新脈管形成および未熟仔網膜症の増殖期の再現し得るおよび定量化
可能なモデルの開発を記載した。このモデルは未熟仔網膜症(ROP)を発生することがで
きるヒト未熟児の状態に近い。
【0128】
このモデルでは、図4Aに例示され、新生仔マウス(C57BL/6j)およびそれらの雌親は生
後7日目(P7)で始まる5日間の高酸素(インキュベーターおよび酸素ブレンダーによって
制御される75%酸素)に曝される。生後12日目に新生仔および雌親は部屋の空気に戻され
る。75%の酸素に5日間曝露されたP7マウスは、肥大または硝子体管の拡張を伴わずに、
再現性があり、および定量化可能な網膜新脈管形成をもたらした。最大の脈管再生反応は
P17-P21から起こり、次いで新しい血管のゆっくりした退縮が続き(followed by slow re
gression)、より一層正常な分枝脈管パターンの再確立を伴い、P24までに網膜フラット
マウントにおいて見られる。高酸素症がVEGFの減少、網膜毛細血管の非灌流の発生をもた
らすこと;および、部屋の空気の再導入は網膜新脈管形成を推進するVEGFの過増殖性過剰
産生と関連することが示された。
【0129】
ROPを有する新生仔では、抗VEGFによる処置は新脈管形成を減少させるが、網膜症が再
発することがある。高酸素期間の開始時、最中、または後に脈管形成剤を単独で、または
VEGFと組合せて処置することは非漏出性管による脈管再生および網膜症の軽減をもたらす
ことができる。
【0130】
目的:1)生後7、10または12日目(P7、10または12)に開始する脈管形成剤による処置
の網膜血管に及ぼす影響を酸素誘発性未熟仔網膜症のネズミモデルにおいて評価する(光
干渉断層法血管造影(OCTA)によって評価する)ことである。
【0131】
方法論:この研究は2-3のパイロット研究、次いでC57B/6新生仔マウスでのPOC研究から
構成される。P7マウスおよびそれらの授乳期雌親は3-4の処置グループにランダム化され
(パイロットサブスタディに応じて)、および75%O2で5日間処置する。脈管形成剤単独
、脈管形成剤プラスVEGF、VEGF(コントロール)またはNS(コントロール)をP7、P10、P
12、またはP14での各マウスの片方の眼中に硝子体内(IVT)注入によって施す(図5)。
もう片方の眼(companion eye)は処置しない。P12日目に、雌親および仔は部屋の空気に
戻される。動物はP7、P12(最大血管脱落)、およびP17(最大新脈管形成)にてOCTAによ
って評価する。
【0132】
この研究についての動物の数:66匹の新生仔マウス
【0133】
診断および包含(Inclusion)についての主な基準(ヒト臨床段階について):
【0134】
処置の数:1
【0135】
各処置についての投薬:脈管形成剤の3つの用量レベル(パイロットサブスタディにお
けるTBD)
【0136】
各処置の期間:単一処置
【0137】
評価についての基準:OCTAによって決定される脈管非灌流のパーセント
【0138】
糖尿病性網膜症(Diabetic Retinopathy)(DR)を伴わない眼、中等度の非増殖性DRを
伴うものおよび増殖性DRを伴うものにおいて観察される違い、少なくとも40%での管の非
灌流における減少に基づく統計的方法(Statistical Methods Based)は合理的な予想で
ある(Silva(シルバ)、2015年)。パイロット研究は酸素誘発性網膜症を有するマウス
における脈管形成処置対非処置間の違いを決定するために使用する。その後の有効性研究
はこの情報に基づいてサイズを決定する。
【0139】
手段:OCTA、フルオレセイン血管造影(Fluorescein Angiography)(FA)、周皮細胞
についての網膜全組織標本(retinal whole mounts)。
【0140】
安全性:有害事象、例えば、POC有効性研究の試験薬物(study drug)による眼内炎症
などのようなものはなく、および血管の異常もない。
【0141】
有効性:
【0142】
a.ビヒクルで処理したコントロールと比較して網膜血流での統計学的に有意な改善を
実証する:
i.公表されたプロトコルを使用し、OCTAを使用する網膜血流における改善を実証し、
ii.網膜血管ホールマウント(retinal vessel wholemounts)を使用してOCT-Aの結果
を確証する。
【0143】
b.脈管形成剤によって生成される新しい血管が漏れないことを実証する:
i.蛍光血管造影法を使用し、ビヒクルで処理したコントロールと比較してフルオレセ
イン漏出性の少なくとも50%までの減少、
ii.周皮細胞についての網膜ホールマウントの共染色を使用する漏れの欠如を確証する
【0144】
薬物動態:なし
例8
ヨウ素酸ナトリウム誘発性網膜症についての動物研究プロトコル
【0145】
プロトコルタイトル:ヨウ素酸ナトリウム(Sodium-Iodate)(SI、NaIO3)誘発性網膜
症(Retinopathy)モデルにおける脈管形成剤の評価
【0146】
SI誘発性網膜症のネズミモデルの導入:
【0147】
マウスにおけるSI誘発性網膜変性の経過を記載した。このモデルはヒト成人黄斑変性(
AMD)および他の外側網膜変性において発生する網膜変性に近似する。
【0148】
このモデルでは、SI 10-50mg/mlの単回用量が7ないし8週齢のBALB/c(アルビノ)およ
びC57Bl/6j(色素性)マウスへの腹腔内(IP)注入によって与えられ、および再現性のあ
る用量依存性網膜色素上皮(RPE)傷害、次いで視覚損傷、機能障害、および双方のマウ
ス株における光受容体の喪失をもたらす。SIは主にRPEに影響を与える化学的酸化剤であ
り、その後光受容体および脈絡毛細管板に損傷が引き起こされる。
【0149】
IPを与えるSIの50mg/ml用量は全身毒性なしに再現可能なRPE傷害を誘発する。網膜機能
および形態における時間依存性の悪化は網膜電図(ERG)応答、光干渉断層法(OCT)での
網膜層の薄化、組織学、およびRPE核の喪失によって測定されるように、SI注入後1ないし
4週の間で一貫して発生する。様々な種における代替モデルを説明したが、そこでSIは腹
腔内、静脈内、網膜下によって、または球後注射によって投与され、同様の結果を伴う。
【0150】
目的:1)SI誘発性網膜損傷のネズミモデルにおける脈絡毛細管板灌流に対する脈管形
成剤による処置の効果を評価する(光干渉断層法血管造影、OCTAによって評価する)こと
【0151】
方法論:この研究は、2-3のパイロット研究、次いでC57B/6jまたはBALB/cマウスでのPO
C有効性研究から構成される。C57BL/6jまたはBALB/cマウス(7-8週齢)を3または4のグル
ープにランダム化し、およびSI 10-50mg/ml IPおよび/または1マイクロリットルの5mg/cc
を網膜下に注入する(パイロット研究によって決定される経路)。次いで、1週間、2週間
および4週間で、マウスを脈管形成剤単独で、またはVEGFと組合せて、VEGF(コントロー
ル)で、または生理的塩類溶液(saline)(コントロール)で処置する。もう片方の眼は
処理しない。眼はベースラインおよび第1、2、3、4、および6週目にてOCTA、およびベー
スライン、Week 4(第4週)、およびWeek 6(第6週)にてFluorescein Angiography(フ
ルオレセイン血管造影)(FA)によって評価し、およびすべての眼の網膜ホールマウント
を研究の終了時に取得する。
【0152】
この研究についての動物の数:およそ100匹のマウス
【0153】
[0158]処置の数:1ないし3(パイロット研究におけるTBD)
【0154】
各処置についての投薬:脈管形成剤の3つの用量レベル(パイロット研究におけるTBD)
【0155】
各処置の期間:単一処置または複数処置がパイロット研究において決定される。
【0156】
評価についての基準:
【0157】
a.事前に承認されたOCTAプロトコルを使用しOCTAによって決定されたパーセント脈絡
毛細管板液流無信号化。
【0158】
b.蛍光血管造影法を使用するビヒクル処理コントロールと比較したフルオレセイン漏
出性のパーセント
【0159】
統計的方法:
【0160】
a.脈絡毛細管板液流無信号化の少なくとも40%減少は、事前に承認されたOCTAプロト
コルを使用し、地図状萎縮の2度以内で、SI投与によって生成した。パイロット研究は、S
Iモデルでの脈絡毛細管板液流無信号化を評価するためのOCTAの変動性を決定するために
使用され、およびこの情報は有効性研究のサンプルサイズの決定のために使用する。
【0161】
b.フルオレセイン血管造影を使用する生理的塩類溶液コントロールと比較したフルオ
レセイン漏出性における少なくとも50%減少
【0162】
c.周皮細胞についての網膜ホールマウントの共染色を使用する漏出性の欠如について
説明する
【0163】
手段:OCTA、フルオレセイン血管造影(FA)、周皮細胞についての網膜全組織標本。
【0164】
安全性:POC有効性研究における試験薬物による有害事象(即ち、炎症、血管の閉鎖、
および異常な血管)はない。
【0165】
有効性:
【0166】
a.ビヒクルで処理したコントロールと比較して脈絡膜血流における統計的に有意な改
善を実証する:
i.OCTAの事前承認されたプロトコルを使用してヨウ素酸ナトリウムの投与によって生
成された地図状萎縮の2度以内の脈絡毛細管板(CC)液流無信号化の少なくとも40%まで
の減少。
ii.内皮細胞で染色された脈絡膜血管ホールマウントの定量化を使用して脈絡毛細管板
における増加を確証する
【0167】
b.脈管形成剤によって生成した新しい血管が漏出性でないことを実証する:
i.フルオレセイン血管造影を使用してビヒクルで処理し、コントロールと比較したフ
ルオレセイン漏出性の少なくとも50%までの減少
ii.周皮細胞についての網膜ホールマウントの共染色を使用して漏出性の欠如を確証す
【0168】
薬物動態:なし
用語
【0169】
前述の実施形態の少なくともいくつかでは、実施形態において使用される一またはそれ
よりも多くの要素は、そのような置換が技術的に実現可能でない場合を除いて別の実施形
態において交換可能に使用することができる。本技術において熟練する者(当業者とも言
う)は請求する主題の範囲から離れることなく上記の方法および構造に対して他の様々な
省略、追加および修飾を行い得ることが認められるであろう。そのようなすべての修飾お
よび変化は添付の請求の範囲によって規定されるように、主題の範囲内に入ることが意図
される。
【0170】
ここにおける実質任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、本技術に
おいて熟練を有する者は文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形
へ、および/または単数形から複数形へと解釈することができる。種々の単数形/複数形の
並べ替えは、明確にするために、ここに明示的に記載し得る。この明細および添付の請求
の範囲において使用するように、単数形「a(ある一つの)」、「an(ある一つの)」、
および「the(その)」は文脈が明確に別なふうに指示しない限り複数形の参照を含む。
ここにおける「または」への任意の言及は別なふうに示さない限り「および/または」を
包含することを意図する。
【0171】
概して、ここで、および特に添付の請求の範囲(例は、添付の請求の範囲の本文)にお
いて使用する用語は大体「オープン」な用語(例は、「含んでいる」という用語は「含ん
でいるがそれに制限されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は「少な
くとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は「含むがそれに制限され
ない」と解釈されるべきである、など)として意図されることが本技術内の者によって理
解されるであろう。特定の数の導入される請求項の列挙が意図される場合、そのような意
図はクレームにおいて明示的に列挙され、およびそのような列挙の不存在において、その
ような意図は存在しないことが本技術内の者によってさらに理解されるであろう。例えば
、理解するための助けとして、以下の添付の請求の範囲はクレームの列挙を導入するため
に導入句「少なくとも一つ」および「一またはそれよりも多く」の語法を含み得る。しか
しながら、そのような語句の使用は不定冠詞「a」または「an」によってのクレーム列挙
の導入がそのような導入されたクレーム列挙が含まれる任意の特定のクレームをそのよう
な列挙が一つだけ含まれる実施形態に制限することを暗示すると解釈されてはならず、同
じクレームが導入句「一またはそれよりも多く」または「少なくとも一つ」および不定冠
詞、例えば、「a」または「an」などのようなものが含まれ(例は、「a」および/または
「an」は「少なくとも一」または「一またはそれよりも多く」を意味すると解釈するべき
である)ときでさえであり;同じことがクレーム列挙を導入するために使用される定冠詞
の使用にも当てはまる。加えて、導入されるクレーム列挙の特定の数が明示的に列挙され
る場合でも、本技術において熟練する者はそのような列挙が少なくとも列挙される数を意
味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例は、「二つの列挙」のありの
ままの列挙(bare recitation)、他の修飾子を伴わず、少なくとも二つの列挙、または
二もしくはそれよりも多くの列挙を意味する)。さらにまた、「A、B、Cなどの少なくと
も一つ」に似た慣習を用いるような場合、概して、そのような構成は本技術において熟練
を有するものが慣習を理解するであろうという意味において意図される(例は、「A、B、
およびCの少なくとも一つを有するシステム」には、制限されないがA単独、B単独、C単独
、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およ
びCを一緒になどを有するシステムが含まれるであろう)。「A、B、またはCなどの少なく
とも一つ」に似た慣習を用いるような場合、概して、そのような構成は本技術において熟
練を有するものが慣習を理解するであろうという意味で意図される(例は、「A、B、また
はCの少なくとも一つを有するシステム」には、制限されないがA単独、B単独、C単独、A
およびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およびC
を一緒になどを有するシステムが含まれるであろう)。二またはそれよりも多くの代替用
語を提示する事実上いかなる離接語(disjunctive word)および/または語句は説明、請
求の範囲、または図面のいずれにおいても、用語、いずれかの用語、または双方の用語の
一が含まれる可能性を企図すると理解されるべきであることが本技術内の者によってさら
に理解される。例えば、「AまたはB」という語句は「A」もしくは「B」または「AおよびB
」の可能性が含まれると理解されるであろう。
【0172】
追加的に、開示の特長または態様がマーカッシュ(Markush)グループに関して説明さ
れる場合、本技術において熟練する者は、開示がそれらによってマーカッシュグループの
任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても説明されることを認識す
るであろう。
【0173】
本技術において熟練するものによって理解されるように、ありとあらゆる目的、例えば
、書面による説明を提供することに関してなどのようなもののために、ここに開示するす
べての範囲はまた、ありとあらゆる可能なサブ範囲およびそれらのサブ範囲の組合せを包
含する。リストされている任意の範囲は、同じ範囲を十分に説明し、および少なくとも等
しく半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1、などに分解されることが可能にされるも
のとして難なく認識することができる。非制限的な例として、ここに論じる各範囲は下部
3分の1(lower third)、中部3分の1(middle third)および上部3分の1(upper third)
、などにたやすく分解することができる。本技術において熟練する者によっても理解され
るように、例えば、「まで」、「少なくとも」、「より一層大きい」、「より一層小さい
」、およびその他同種類のものなどのすべての言語は、列挙された数を含み、およびその
後上記のようにサブ範囲に分解することができる範囲に言及する。最後に、本技術におい
て熟練するものによって理解されるように、範囲には、個々の各メンバーが含まれる。そ
れゆえに、例えば、1-3の事柄(articles)を有するグループは1、2、または3つの事柄を
有するグループに言及する。同様に、1-5の事柄を有するグループは1、2、3、4、または5
の事柄を有するグループ、その他に言及する。
【0174】
様々な態様および実施形態をここに開示する一方で、他の態様および実施形態は本技術
において熟練する者には明らかであろう。ここに開示する様々な態様および実施形態は例
示を目的とするものであり、および制限することを意図するものではなく、正しい範囲お
よび精神は以下の請求の範囲によって指し示される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈絡膜灌流をそれが必要な対象において増加させる方法において使用するための白血病抑制因子(LIF)を含む脈管形成因子であり、方法には、以下の:
治療上有効な量の脈管形成因子が含まれる調剤物を増加した脈絡膜灌流が必要な対象に施与することであり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流は増加すること;および
対象における脈絡膜灌流の程度を不十分であると決定すること、および有効な量の脈管形成因子が含まれる調剤物を施与し続けることであり、決定することには、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査を含む逐次的な眼の検査を実行することが含まれること
が含まれる、脈管形成因子。
【請求項2】
増加した非漏出性または最小漏出性脈絡膜灌流には、増加した脈絡毛細管板灌流が含まれる、請求項1の脈管形成因子。
【請求項3】
請求項1または2の脈管形成因子であり、それによって対象における非漏出性または最小漏出性脈絡膜脈管再生は促進される。
【請求項4】
方法には、施与することに先立ち、対象は眼の検査による増加した脈絡膜灌流または非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜脈管再生を必要とすることが決定されることがさらに含まれる、請求項1-3のいずれか一項の脈管形成因子。
【請求項5】
逐次的な眼の検査には、視力評価、基底自家蛍光(FAF)検査、光干渉断層法(OCT)検査、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)検査、フルオレセイン脈管造影(FA)検査、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影検査、またはそれらの組合せが含まれる、請求項1-4のいずれか一項の脈管形成因子。
【請求項6】
対象は乾性の加齢黄斑変性(AMD)、地図状萎縮(GA)、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる疾患を有する、請求項1-5のいずれか一項の脈管形成因子。
【請求項7】
対象は湿性の加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新脈管形成(CNV)、ポリープ状脈絡膜脈管障害、変性性(病理学的)近視、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる疾患を有する、請求項1-6のいずれか一項の脈管形成因子。
【請求項8】
請求項1-7のいずれか一項の脈管形成因子であり、それによって疾患の進行は逆転、停止、または遅鈍する、ここで、疾患の進行の逆転、停止、または遅鈍させることは増加した脈絡膜灌流および/または非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜脈管再生によって媒介される。
【請求項9】
請求項1-8のいずれか一項の脈管形成因子であり、それによって斑状液流無信号化は減少し、対象の眼の外側網膜および網膜色素上皮(RPE)における低酸素は減少し、および/または対象の眼の外側網膜およびRPEにおける虚血は減少する。
【請求項10】
調剤物における脈管形成因子の濃度は、少なくとも約0.01mg/mLである、請求項1-9のいずれか一項の脈管形成因子。
【請求項11】
方法には、以下の:
対象において脈絡膜または網膜脈管再生または非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜または網膜の脈管再生を決定するために、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)および光干渉断層法(OCT)をそれぞれ使用すること;および
不十分な場合、調剤物を対象に施し続けること
がさらに含まれる、請求項1-10のいずれか一項の脈管形成因子。
【請求項12】
方法には、以下の:
対象において脈絡膜または網膜脈管再生または非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜または網膜の脈管再生を決定するために、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)および光干渉断層法(OCT)をそれぞれ使用すること;および
過剰な場合、脈管形成促進因子のアンタゴニストを対象に施与すること
がさらに含まれる、請求項1-11のいずれか一項の脈管形成因子。
【請求項13】
脈管形成促進因子のアンタゴニストには、第二の脈管形成促進因子を標的とする抗体が含まれる、請求項12の脈管形成因子。
【請求項14】
方法には、以下の:
対象において脈絡膜または網膜脈管再生または非漏出性もしくは最小漏出性脈絡膜または網膜の脈管再生を決定するために、光干渉断層法脈管造影(OCT-A)および光干渉断層法(OCT)をそれぞれ使用すること;および
適切な場合、調剤物が対象に施されることが一時的または恒久的に休止されること
がさらに含まれる、請求項1-13のいずれか一項の脈管形成因子。
【請求項15】
方法には、以下の:
対象において脈管成熟を光干渉断層法脈管造影(OCT)、フルオレセイン脈管造影(FA)、インドシアニングリーン(ICG)脈管造影、またはそれらの組合せを使用して決定すること;および
不十分な場合、脈管成熟因子を対象に施与すること
がさらに含まれる、請求項1-14のいずれか一項の脈管形成因子。
【外国語明細書】