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特開2024-38117生分解性の、工業的に堆肥化可能で、リサイクル可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038117
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】生分解性の、工業的に堆肥化可能で、リサイクル可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォーム
(51)【国際特許分類】
   B29C 44/00 20060101AFI20240312BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20240312BHJP
   B29K 77/00 20060101ALN20240312BHJP
【FI】
B29C44/00 D
B29C45/00
B29K77:00
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023219177
(22)【出願日】2023-12-26
(62)【分割の表示】P 2021569387の分割
【原出願日】2020-05-18
(31)【優先権主張番号】16/418,968
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/853,805
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/872,656
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】520457203
【氏名又は名称】オーツー・パートナーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】ファルケン,ロバート
(57)【要約】      (修正有)
【課題】履物用部品、座席用部品、防具用部品などにおける使用のための、リサイクル可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームを製造するための方法を提供する。
【解決手段】方法は、少なくとも1つのリサイクル可能な熱可塑性ポリマーを含む熱可塑性マスターバッチから溶融ポリマーを形成する;単相溶液を生成するために超臨界流体および溶融ポリマーを混合すること;少なくとも一つの圧力センサを有する成形装置の金型キャビティ内に単相溶液を導入すること;超臨界流体を溶液から出て来るようにすることにより金型キャビティ内の単相溶液を発泡させ、軟質フォームを形成すること;単相溶液の発泡中に対圧ガスにより金型キャビティを加圧することであって、金型キャビティにおける対圧ガスの投与量およびホールド時間は、前記圧力センサからデータを受け取るコンピューター制御装置により制御される、加圧すること、とを含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱重合されたポストコンシューマープラスチックに由来する少なくとも1つのモノマーを含む熱可塑性ポリマー前駆体を提供すること;
超臨界流体を生成する温度および圧力条件下で成型装置のバレル中に流体を挿入すること;
単相溶液を生成するために前記熱可塑性ポリマーおよび前記超臨界流体を混合すること;
射出成型機の金型中に前記単相溶液を射出することであって、前記金型は、ガス対圧下にある、射出すること;
前記金型内の熱および温度条件を制御することにより前記SCF含浸単相溶液を発泡させること
を含むリサイクル可能な軟質フォーム成型品を製造するための方法。
【請求項2】
前記熱可塑性ポリマーは、前記脱重合されたポストコンシューマープラスチックに由来する少なくとも40%のモノマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリマーは、前記脱重合されたポストコンシューマープラスチックに由来する少なくとも60%のモノマーを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーは、前記脱重合されたポストコンシューマープラスチックに由来する90%以上のモノマーを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記モノマーは、カプロラクタムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリマーは、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記熱可塑性ポリマーは、少なくとも1つのカプロラクタムモノマーを含むコポリマーを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記軟質フォームを1つ以上のモノマーへと脱重合することにより軟質フォームをリサイクルする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記軟質フォームは、カプロラクタムへと脱重合される、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月29日に出願された「RECYCLABLE AND CHEMICAL-FREE INJECTION MOLDED MICROCELLULAR FLEXIBLE FOAMS, AND A METHOD OF MANUFACTURING THE SAME」と題する米国仮特許出願第62/853,805号に対する優先権およびこの恩典を主張し、2019年5月21日に出願された「BIODEGRADABLE AND INDUSTRIALLY COMPOSTABLE INJECTION MOLDED MICROCELLULAR FLEXIBLE FOAMS, AND A METHOD OF MANUFACTURING THE SAME」と題する特許出願第16/418,968号(「BIODEGRADABLE AND INDUSTRIALLY COMPOSTABLE INJECTION MOLDED MICROCELLULAR FLEXIBLE FOAMS, AND A METHOD OF MANUFACTURING THE SAME」と題し、2018年5月21日に出願された米国仮特許出願第62/674,544号に対する優先権およびこの恩典を主張する)の一部継続出願であり、これらの開示内容は全て、全ての目的のためにそれらの全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、例えば、履物用部品、座席用部品、防具用部品、およびウォータースポーツアクセサリにおいて使用するための、リサイクル可能なまたは生分解性の、工業的に堆肥化可能な生物由来熱可塑性ポリマーから様々な軟質フォーム組成物を射出成型マイクロセルラー発泡するためのプロセスに関する。
【0003】
堆肥化による分解は、工業製品の生成において使用される資源を再生するための重要なプロセスである。しかしながら、それらの工業製品がフォームを含む場合、分解は問題となる可能性がある。特に、軟質フォーム製造の従来知られている方法のいくつかの不利点が存在する。例えば、そのような不利点としては、フォーム製造業および固有の処理手順において使用される際に、典型的に生分解せず、かつ一般に環境に悪いと考えられる再生不能ポリマー、化学的発泡剤、および化学添加物の選択および使用が挙げられる。この生分解の欠如は、多くの従来の軟質フォーム材料およびそれらが含まれる製品は、最後に、何十年から何世紀の範囲で埋め立て地に行くことを意味する。
【0004】
これはまた、今日の世界における埋め立て地の乱用は環境および経済の両方に直接の悪影響を有するため、問題である。例えば、埋め立て地は、米国において第3の最大メタン発生源である。さらに、従来の軟質フォームにおいて使用される上記非生分解性ポリマーおよび化学物質は特に、再生不能資源由来である。
【0005】
これらの材料は、生物由来原料と同様に自然に再生可能ではなく、そのため、それらの作製だけでも環境に対する純損失である。なぜなら、それらの材料はしばしば、非持続可能に取得され、使用され、次いで、廃棄されるからである。さらに、たとえ再生可能なポリマーが、軟質フォーム製造の従来知られている方法における使用のために選択されたとしても、それらの方法の化学的発泡剤および架橋が、再生可能なポリマーを生分解または堆肥化しない添加物で汚染する可能性がある。よって、それをゼロサムゲインにする。さらに、生体高分子の架橋はまた、生分解または堆肥化のための好適な寿命終わりの解決策を阻止する可能性がある。なぜなら、前駆部品は分離できず、よって、より多くの廃棄物生成をもたらし、より多くの材料が埋め立て地に行くことになる。
【0006】
したがって、堆肥化およびリサイクルは、再生可能で持続可能な未来を提供するのに重要なプロセスであるが、製造業におけるその統合は、非常に限られている。しかしながら、製造される材料を堆肥化可能にできれば、例えば、環境に対し、非常に有用であろう。例えば、軟質フォーム材料の堆肥化および生分解は、廃棄処理の機会を生成し、それは、環境および経済への純便益を示す。例えば、これらの材料を堆肥化することにより、埋め立て地および大量焼却炉に送られる廃棄物の全体量を低減させることが可能になるであろう。
【0007】
廃棄物を低減させることに加えて、堆肥化のプロセスはまた、栄養分に富み、食物を成長させるように、または庭を肥沃にするように痩せ地を改めるために使用できる、使用可能な製品を生成するであろう。したがって、軟質フォームの堆肥化および生分解の概念はまさに、いかに新規であろうと、いわゆる循環経済の原理に従いつつ価値連鎖全体に革命をもたらすことができる。2つの典型的な堆肥化の型:工業堆肥化および家庭堆肥化、が存在する。これらの堆肥化(composing)法はどちらも、利点および欠点を有する。
【0008】
工業堆肥化は、非常に高い体積の有機廃棄物を扱うように設計された大規模堆肥化の型である。それは、大規模施設において50°~60℃の温度で実施される。家庭堆肥化は、一世帯からの有機廃棄物を扱う堆肥化の型である。特に、家庭堆肥化は、家庭での裏庭の堆肥の山において見られるもののような、比較的低い温度での堆肥化を指し、よって「家庭」が付けられる。工業堆肥化と対照的に、家庭堆肥化は、有機材料または廃棄物、例えば庭ごみ、残飯、木材廃棄物、ボール紙、および紙の低温好気性分解を含む。家庭堆肥化において処理される体積は、工業堆肥化でよりもかなり少なく、堆肥は通常、個人庭園において使用される。このプロセスは典型的に、小規模コンポスターおよび堆積山において実施される。この方法では、温度は典型的には、好冷性(0-20℃)~中温性(20-45℃)の範囲(以下で説明)である。したがって、異なる技術が存在するが、一般処理は同じである:活性堆肥化、それに続く熟成の制御されたプロセス。
【0009】
活性堆肥化相は典型的には、少なくとも21日続く。これらの条件下では、微生物が有機廃棄物上で増殖し、それをCO2および水に分解し、栄養分としてそれを使用する。堆肥化中に、有機廃棄物は山積みに蓄積され、その結果、堆肥化のエネルギーの一部が熱として放出される。堆肥化の山の温度が増加すると、微生物群が変わり、周囲温度に適合された微生物、例えば、中温菌は、それらの活性を停止し、死に絶え、高温で生きるように適合された微生物、例えば、好熱菌に取って代わられる。衛生目的のために、家庭堆肥化では、温度が、病原微生物を排除するために、60℃超に少なくとも一週間維持されなければならない。対照的に、工業堆肥化の熟成相は、分解速度を一貫した速さへと遅くし、堆肥は、40℃未満のより低い中温範囲にある温度で成熟する。
【0010】
工業堆肥化に関する主問題は、投入原料が、効果的に処理されるように適切に配置されなければならないことである。すなわち、物流上の課題が、適正な収集、選別、および工業堆肥化施設への輸送が要求されるという点でハードルとなっている。米国の堆肥化およびリサイクル転換率は合わせて約35%であり、これは、社会が、インフラストラクチャーの大半が廃棄物転換に関して「ループを閉じる」までにはまだ長い道のりがあることを示す。この不足を克服する1つの方法は、エンドユーザをよりよく教育すること、およびより大きな取り戻しスキームに流れ込む取り戻しスキームの局所ネットワークを確立することである。目標は、利便性および到達性を十分開発し、工業堆肥化が標準化され日常生活に絶えず存在するようにすることである。
【0011】
同様に、家庭堆肥化における一般的な不利益は、関係する尽力の量である。必要とされる堆肥-原料材料の全てが、堆肥の山まで運搬され、および/または移される必要がある。堆肥の山がエネルギー、よって熱を生成し始めるのに十分大きくなると、分解をより速く、より完璧にし始める必要があり、それは非常に骨が折れる仕事であり得る。有機物が十分分解されると、家庭堆肥は、土壌改良における使用のために運び出されなければならない。家庭堆肥化の別の欠点は、平均的な人が家庭設定で生成できる、使用可能な堆肥の制限された量である。生成される堆肥の制限された量は潜在的に、制限された使用に移行し、よって、家庭堆肥化の努力に取り組む平均的な人の意欲が低くなる可能性がある。
【0012】
これらの欠点のために、伝統的に、製造業は、生分解または堆肥化する可能性を有する原材料および前駆材料成分の使用を回避してきた。加えて、これは、これらの材料の要求される技術性能特性がしばしば、従来の非生分解性の堆肥化不能な種類のものよりも劣っているので、伝統的に回避されてきた。例えば、堆肥化可能な前駆材料成分の、全てではないがいくつかの制限因子は、これらの材料成分が、製品の使用可能期間が終わる前に、分解および/または劣化する傾向であり得る。この一例は、紫外線官能性製品であり、これにより、生分解性で堆肥化可能な前駆体は、繰り返される太陽光曝露により攻撃され、弱められ、これは最終的に、エンドユーザが製品をすぐに処分するよりもっと早く製品の不良をもたらす。
【0013】
プラスチック、熱可塑性物質および化石燃料を使用して作製された他の製品との関連で、リサイクルは従来、製造品を機械的に寸断すること、寸断された内容物を溶融すること、次いで、製造において後に使用するために得られた材料をペレット化することを含む。リサイクルは化石燃料に対する必要性を低減させ、埋め立て地から製品を迂回させるが、リサイクルは、原料への汚染または不純物の添加の結果として、リサイクルポリマーにおける品質の損失をもたらす可能性があり、ほとんどのプラスチックおよび熱可塑性製品は、限られた回数リサイクルされ得るにすぎない。その上、従来の軟質フォームの製造において使用される化学的発泡剤、架橋ポリマー、および化学添加物は、リサイクル製品の製造における後の使用のためのそれらの構成ポリマーに分解できない最終製品をもたらす。結果として、従来のように製造された軟質フォーム製品は、製品がその使用可能期間の終わりに到達した時にリサイクル可能でない。
【0014】
加えて、近代的製造に対する現在の関心は、放出および廃棄について正味ニュートラル、製造プロセスで使用される材料について持続可能、製品およびその材料の寿命の終わりについて再生可能であることである。したがって、例えばCO放出について、正味ニュートラルである。加えて、最終製品の堆肥化可能性が、消費財製品の製造における使用のために適切な材料を選択する際に重要になっている。
【0015】
結果として、本明細書で開示される本製造プロセスの重要な推進力は、現在存在するより伝統的な製造プロセスと比べて、製造者が環境的によく考えられた最終製品を生成することであり、したがって、上記最終製品の製造において使用される材料を注意深く考えること、および、製品の意図される使用が可能な期間に対しそのバランスをとることが有用である。その製造中にこれらの関心が対処されるべきであるが、対処されていない困難な製品の一例は、家具用などのクッション材の製造においてなどで、フォームを採用する標準製造品、および/または、ランニングシューズの製造のためなどの、フォーム製品である。
【0016】
例えば、ランニングシューズは、例えば:かなりの時間量にわたる、衝撃、摩耗、およびあらゆる種類の環境曝露;使用頻度によりおそらく1-3年の、繰り返される酷使に曝露される高度技術製品である。家具またはソール、ミッドソールのためのクッション材、および/またはランニングシューズのインソールのためのクッション材の製造における使用のための持続可能な材料を考える場合、上記要求を考慮することが重要である。破損前の繰り返される酷使に対処できない材料は、満足のいく1足のランニングシューズを生成しないであろう。加えて、習慣的な製品の使用中に、意図された寿命の終わりの前に、破損点へと分解するまたは弱化する可能性を有する材料は、許容できないであろう。
【発明の概要】
【0017】
この問題を解決するために、有害放出に関して最終的に正味ニュートラル(またはネガティブ)である、技術性能特性、および持続可能性の観点、例えば管理された寿命終わりの解決策を有する堆肥化可能性の適切なバランスを有する、特殊材料を探し求めなければならない。特に、家具クッション材は嵩高く、かつランニングシューズは要求の厳しい製品であるので、家庭堆肥化材料は、それらの製造における使用に好適な解決策ではないであろう。なぜなら、より低い分解温度は、その意図された寿命の終わりよりずっと前に崩壊する傾向がある家具またはランニングシューズに変換してしまうからである。この例では、工業堆肥化材料は、それらがより高い温度の課題に対処し、それらの工業的に堆肥化可能でなくかつ非生分解性の対応物にほぼ等しい、またはこれに等しい、より大きな技術性能特性を提供できるので、ずっと良好な選択肢である。本質的に、工業的に堆肥化可能な材料を用いて製造された家具または一足のランニングシューズは、製品の使用可能期間中非常によく機能し、製品の使用可能期間の終わりにのみ、材料は「閉ループ」廃棄物転換のための工業堆肥化設定に誘導されるという選択肢を有する。
【0018】
したがって、可能であれば、製造プロセスにしばしば付随する破壊的フットプリントを低減させるために、材料および製造プロセスは、製品の寿命の終わり後の容易な堆肥化を可能にするように考案されるべきである。しかしながら、上で示されるように、これは困難である。なぜなら、市販の、生分解性で堆肥化可能な前駆体は非常に限られているからである。存在するものは必ずしも、それらの使用可能期間の終わりに制御された設定において容易に堆肥化および生分解できる一方で性能および長期有用性の組み合わせた課題の全てを解決するように設計されておらず、そうすることができない。上記課題のいくつかを解決するそれらの前駆体は、他の課題を解決することができず、これは、消費者を狼狽させ、おそらく、それらを含む製品の悪いレビューをもたらす。これらの重大な欠点にもかかわらず、工業施設でまたは家庭でのいずれかで堆肥化できる材料は理論的には、再生可能で、持続可能な、地球に優しい製造における有用な開始製品であろう。
【0019】
本製造プロセスの別の態様は、軟質フォームの製造に関する。軟質フォームは、液体または固体にガスポケットをトラップさせることにより形成される物体の型であり、これにより得られたフォームは、一部には、その可鍛性のため軟質であると言われる。軟質フォームは典型的には、クッション材用途、例えば履物、家具、寝具類、および他のスポーツ用品において使用される。軟質フォームは典型的には、2つのカテゴリに入る:独立気泡軟質熱可塑性ポリマーフォームおよび連続気泡軟質ポリウレタンフォ一ム。これらのフォーム型の各々は、非常に異なる製造方法を有する。
【0020】
独立気泡軟質熱可塑性ポリマーフォームは、乾式プロセスにおいて普通製造され、その場合、「ドウ」を製造するために、好適な人工ポリマーが、選択され、様々な化学添加物、架橋剤、および化学的発泡剤とブレンドされ、次いでドウが、混練され、フラットシートへと押し出される。シートは次いで、、互いの上面に積み重ねられ、制御された圧力下で加熱されたプレス中に置かれる。材料および化学的発泡剤のこの混合物は、加熱されたプレスキャビティの内側で反応し膨張する。結果は、独立気泡軟質フォーム「バン」または「ブロック」であり、これは次いで、厚さにスライスされる。対照的に、連続気泡軟質ポリウレタンフォ一ムは、液体注入プロセスまたは液体成型プロセスにおいて普通製造され、この場合、人工ポリオール化学物質、イソシアネート化学物質、および他の化学添加物が、金型形状、例えば「バン」または「ブロック」に注ぎ入れられ、または注入される間に一緒に反応させられる。結果は、連続気泡軟質フォームであり、これは次いで、厚さにスライスされる。
【0021】
上記と一致して、今日、市場において、現在入手可能な軟質フォームの問題の1つは、それらがほぼ例外なく、それらの製造において再生不能材料、および有害な化学物質を使用することである。さらに、一部には、従来の軟質フォームを製造する上記方法において起こる化学架橋のために、それらの軟質フォームの物理的構造は、堆肥化、生分解、またはリサイクルされ得ない。これは主に、化学組成物の、それらの設計および、それらが、それらの根本前駆体へと分離して戻すことができないことが理由である。すなわち、従来の軟質フォーム寿命の終わりに、それはさらに使用できず、任意の公知の商業的に実現可能な方法でうまく新しい材料へと再処理できない。
【0022】
したがって、以上を考慮して、再生可能、持続可能であり、および/または環境的に責任がある最終製品を製造するために使用できる軟質フォームおよび製造プロセスが、本明細書で提示され、この材料および最終製品はどちらも、分解することなく持続的に使用できるが、寿命の終わり後直ちに分解して、堆肥化される。軟質および半軟質フォームはどちらも軟質フォームの同じカテゴリに含まれる。なぜなら、それらはどちらも、通常室温である、それらの使用温度より低いガラス転移(Tg)を有するポリマーに由来するからである。1つ以上の実施形態の詳細は、以下の添付の説明において、提示される図面およびそれらの特徴に関し明記される。他の特徴および利点はどちらも、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0023】
この文書は、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な熱可塑性樹脂から様々な軟質フォーム組成物を、改変射出成型マイクロセルラー発泡するためのプロセスを提示する。現在のところ、世界中のほとんど全ての公知の軟質フォームは、再生不能原料に由来し、全てではないが、ほとんどが生分解せず、または、工業的に堆肥化されない。この発明の目的は、最少量の環境害を引き起こすが、また、従来の非生分解性石油化学軟質フォームに等しいか、それを超える重要な技術性能特性を有する軟質フォームを製造することである。生体高分子を製造するために植物由来原料を選択することにより、この発明は、大気から温室効果ガスを隔離することに寄与し、再生不能石油への依存を大きく低減させ、毎年、最後には埋め立て地に行き着く非生分解性廃棄物を著しく低減させる。
【0024】
様々な実施形態では、これにより生成される軟質フォームは、家庭堆肥化ではなく、工業的に堆肥化されるように構成され得るが、場合によっては、市場によって家庭堆肥化が使用され得ると考えられる。様々な場合において、工業堆肥化が有用である。なぜなら、それは、軟質フォームが、それがその中に機能化される得られた製品の使用可能期間持続し、完成品内で使用中に分解しない、または、ばらばらにならないことを確実にするからである。例えば、人にとって、この発明の軟質フォームから製造された一足の靴を購入して、結局ただ、靴の使用可能期間の終わりの前に、常用中にフォームを分解させる結果となることは有害であろう。
【0025】
したがって、1つの態様では、連続気泡か独立気泡に関係なく、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォームを製造するプロセスが、本明細書で提供され、下記工程の1つ以上を含み得る:発泡させるための熱可塑性生体高分子ブレンドマスターバッチを生成すること;熱可塑性生体高分子ブレンドを、不活性窒素ガスを用いて好適な金型形状に射出成型すること;動的型温制御を使用して、最適気泡構造を確保すること;望ましい軟質フォームが形成されるように、生体高分子溶融、圧力、および時間を制御すること;ならびに射出成型プロセスにおいてガス対圧を使用して、最少量の表面欠陥を有し、発泡部品の外側にプラスチック表皮がほとんど~全くない最適フォーム構造を確保すること。
【0026】
この開示の製造プロセスは、注意深く選択された生物由来の、再生可能で、リサイクル可能な原料と協調して、環境に優しい、閉ループプロセスへの扉を開く。この閉ループプロセスは、材料選択で始まる。例えば、堆肥化可能であると第三者に認定された不活性で迅速に再生可能なポリマー原料の選択は、循環経済の原理が順守されることを確実にする。これらの目的のために、選択された迅速に再生可能なポリマー原料は、再生可能な植物または鉱物質の形態としてそれらの寿命を開始する。好適なポリマーに変換されると、これらの環境的に責任がある前駆体は、開示された製造プロセスで使用され得る特注の生体高分子コンパウンドへの機能化のために、他の環境的に責任がある前駆体および材料成分と組み合わせることができる。
【0027】
特に、好適な生体高分子コンパウンドが作製されると、それは、この開示の化学物質を含まない製造方法において処理される。得られた軟質フォームは、非架橋であり、多くの場合、生分解性であり堆肥化可能である。結果として、それらの使用可能期間の終わりに、これらの生成されたフォームは、小片に注意深く挽き砕くことができ、分解のために正規の施設において工業的に堆肥化され、例えば、それらの組成物の100%が使用可能なバイオマスに戻され得る。この使用可能なバイオマスは次いで、より不活性で、迅速に再生可能なポリマー原料材料を成長させるために使用でき、プロセスは、無限ループで継続する。したがって、この文書は、生分解性であり工業的に堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォームおよびこれを製造する方法を記載する。フォームは、独立気泡フォームであってよいが、潜在的にまた、連続気泡フォームとして形成されてよい。
【0028】
様々な実行では、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォームは、従来の石油化学エチレン酢酸ビニル(EVA)フォームなどの同一の性質および特性を有し、その上、高パーセンテージのバイオマス-炭素量を含むように作製できる。例えば、軟質EVAフォームは、今日産業で使用される遍在材料である。EVAフォームをそのように普及させるのは、所定の製品について一般に許容される技術性能特性を維持しながらのその比較的低いコストおよび加工の容易さである。EVAフォーム使用のマイナス面は、多い。材料は一般に、再生不能原料に由来し、それは軟質フォームを生成させるための化学的発泡剤と化学的に架橋され、それは、容易に生分解、堆肥化、またはリサイクルできない。
【0029】
所望の物理的性質、および製品の意図される最終用途によって使用され得る多くの構成および実施形態が存在し、それはこの開示により制限されるべきではない。
【0030】
本明細書で提示される進歩をそのように有用にする1つの因子は、生分解性フォームがEVAと同様の様式で性能を果たすことであり、したがって、それらの技術性能特性は、化学添加物および架橋のないEVAのものに類似である。結果は、商業的に許容される軟質フォームであり、これは、遍在EVAの当座の代替であり得るが、それは、大きく低減された環境的な影響および環境的に責任がある管理された寿命終わりの解決策を提供する。
【0031】
したがって、1つの態様では、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォーム成型品を製造するための方法が提供される。様々な場合において、方法は、下記工程の1つ以上を含み得る。例えば、方法は、発泡させるための熱可塑性生体高分子ブレンドマスターバッチを成型装置のバレル内に導入することを含み得る。方法は加えて、超臨界流体を生成させる温度および圧力条件下で流体をバレル内に導入することを含んでよく、これは、熱可塑性生体高分子ブレンドマスターバッチと接触すると、熱可塑性発泡溶融物を生成する。さらに、方法は、熱可塑性発泡溶融物を好適な金型形状のキャビティに射出すること、および、ガス対圧をキャビティに適用することを含み得る。最後に、キャビティが冷却されて、成型品を生成できる。
【0032】
様々な場合において、熱可塑性生体高分子マスターバッチの1つ以上の導入は、スプルーブッシュを介し、例えば熱可塑性生体高分子ブレンドマスターバッチが、二軸押出機により生成される。1つの実施形態では、熱可塑性生体高分子ブレンドマスターバッチは、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、酢酸セルロース(CA)、デンプン、および石油由来熱可塑性物質の1つ以上を含む。様々な場合において、流体は、計量ユニットを介してバレルに導入される。特別な場合、超臨界流体は、窒素および二酸化炭素の1つ以上を含む。超臨界流体は、加圧下で、ある温度で導入され得る、例えば圧力は、約150バール~約300バールの範囲であり、温度は、約150℃~約350℃の範囲である。同様に、ガス対圧は、約5バール~約50バールの範囲であり、1秒~25秒の時間の長さの間適用される。場合によっては、温度は、動的型温制御により制御され得る。
【0033】
加えて、別の態様では、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォーム成型品を生成するための射出成型装置が、提供される。様々な場合において、射出成型装置は、下記の1つ以上を含み得る。ホッパーが含まれ得、例えばホッパーは、複数の熱可塑性生体高分子を受け取り成型装置に導入するように構成され、例えば熱可塑性生体高分子は、ブレンドされるマスターバッチを形成する。
【0034】
計量ユニットが含まれ得、例えば計量ユニットは、流体を受け取り、かつ受け取った流体を成型装置に、前記導入で超臨界流体を生成させる条件下で導入するように構成される。成型装置は、ブレンド熱可塑性生体高分子マスターバッチおよび流体を受け取るように構成された第1のキャビティを有するバレルを含み得、それによりそれらがバレルに導入されると、熱可塑性発泡溶融物が、超臨界流体がバレルのキャビティ内でブレンド熱可塑性生体高分子マスターバッチと接触した時に、生成される。ガス対圧送達ユニットもまた、含まれ得、GCPは、発泡溶融物の膨張を制御するように第1のキャビティにガス対圧を送達するように構成される。また、バレルのキャビティと流体連結されたキャビティを有する金型もまた、含まれ得、この場合金型のキャビティは、発泡溶融物を受け取り、溶融物が冷却されると軟質フォーム成型品を生成するように構成される。
【0035】
様々な実施形態では、射出成型装置は、バレルのキャビティ内の発泡溶融物を圧縮し、かつ圧縮された発泡溶融物を金型のキャビティ内に搬送するように構成された、往復スクリューを含み得る。よって、バレルのキャビティと金型のキャビティの間にコンジットが存在する可能性があり、ここでコンジットは、バレルと金型の間でシールを形成するようにスプルーブッシュを有するノズルを含む。
【0036】
したがって、射出成型装置は、下記の1つ以上を含み得る:熱可塑性材料が、小ペレットの形態で成型機に供給される、ホッパー。射出成型機上のホッパーは、これらのペレットを保持する。ペレットは、ホッパーからホッパースロートを通してバレルおよびスクリューアセンブリに重力供給され得る。バレルもまた、含まれ得、この場合射出成型機のバレルは、往復可塑化用スクリューを支持し、電気ヒーターバンドにより加熱され得る。
【0037】
往復スクリューもまた、存在してよく、この場合往復スクリューは、材料を圧縮、溶融、および搬送するために使用される。往復スクリューは、3つのゾーンを含み得る:供給ゾーン、圧縮(または移行)ゾーン、および計量ゾーン。ノズルもまた、存在してよく、この場合ノズルは、バレルを金型のスプルーブッシュに連結し、バレルと金型の間にシールを形成する。ノズルの温度は、材料の溶融温度またはその直下に設定され得る。バレルがその完全前方処理位置にある場合、ノズルの半径は、スプルーブッシュの凹状半径内に位置決めリングを用いて入れ子になり、密閉できる。バレルのパージング中に、バレルは、スプルーから戻って出てよく、よってパージングコンパウンドは、ノズルから自由落下できる。
【0038】
加えて、金型および油圧システムもまた提供できる。金型システムは、タイバー、静止および可動盤、ならびに、キャビティ、スプルーおよびランナーシステム、突出しピン、加熱および冷却チャネル、ならびに温度センサおよび圧力センサを収容する成型板(ベース)を含み得る。金型は本質的に、熱交換器であり、そこで溶融された熱可塑性物質が、キャビティにより規定される所望の形状および寸法詳細に固化する。油圧システムもまた、射出成型機に存在してよく、金型を開閉する、型締めトン数を構築し維持する、往復スクリューを回転させる、往復スクリューを駆動する、ならびに突出しピンおよび移動金型コアにエネルギー供給するための動力を供給する。多くの油圧部品が、この動力を提供するように必要とされ、それらはポンプ、バルブ、油圧モータ、油圧継手、油圧管、および油そうを含む。
【0039】
制御システムもまた提供できる。制御システムは、機械操作において一貫性および繰返し精度を提供するように構成され得る。それは、処理パラメータをモニタし、制御し、温度、圧力、SCF投与、射出速度、スクリュー回転数および位置、および油圧位置を含む。プロセス制御は、最終部品品質およびプロセスの経済に直接の影響を有し得る。プロセス制御システムは、単純リレーオンオフ制御~、非常に精巧なマイクロプロセッサに基づく、閉ループ制御の範囲であってよい。
【0040】
クランピングシステムもまた提供できる。クランピングシステムは、金型を開閉し、金型の構成部品を支持し、運搬し、金型が開かないようにするのに十分な力を発生するように構成され得る。クランピング力は、機械的(トグル)ロック、油圧ロック、または2つの基本的な型の組み合わせにより発生され得る。送達系もまた提供できる。送達系は、機械ノズルからキャビティ部への溶融プラスチックのための経路を提供し、一般に下記を含む:スプルー、コールドスラッグウェル、主ランナー、分岐ランナー、ゲート、など。
【0041】
したがって、さらなる態様では、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォーム成型品を生成するためのシステムが、提供される。システムは、上で記載される生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォーム成型品を生成するための射出成型装置を含み得る。システムは加えて、流体を受け取り、、上記導入時に超臨界流体を生成する条件下でバレルの第1のキャビティ中に受け取った流体を導入するように構成された超臨界ガス投与システムを含んでよく、超臨界流体は、超臨界流体が第1のキャビティ内のブレンド熱可塑性生体高分子マスターバッチと接触すると、発泡溶融物を生成する。システムは、第1および第2のキャビティの1つ以上の中で温度を制御するように構成された動的温度制御システムをさらに含み得る。発泡溶融物の膨張を制御するようにガス対圧を第1のキャビティに送達するように構成されたガス対圧送達ユニットもまた、含まれ得る。加えて、1つ以上のマイクロプロセッサを有する制御ユニットが含まれ得、制御ユニットは、1つ以上のシステムパラメータにしたがい、射出成型装置、超臨界ガス投与システム、動的温度制御システム、およびガス対圧送達ユニットの1つ以上を制御するように構成される。
【0042】
特に、システム構成要素は、ホッパー、バレル、往復スクリュー、ノズル、金型システム、油圧システム、制御システム、クランピングシステム、および送達系を含む射出成型機システムを含み得る。SCFガス投与システムが、含まれ得、不活性ガス、例えば窒素のタンク、エアコンプレッサ、SCF計量および制御装置、SCF注入器、および特別設計の往復スクリュー、および前後両方の逆流防止弁を含む。動的温度制御システムもまた提供でき、加熱ユニット、冷却ユニット、連動弁、およびコンピュータ-制御を含む。加えて、金型本体内に配置された加熱要素および冷却チャネルが存在し、それらは、動的温度制御システムにより供給され、これを介して、加熱媒体または冷却媒体が、循環する。それらの機能は、金型表面上の温度の調節である。および、ガス対圧システムが提供され得、これは、ガス、例えば、不活性ガス、例えば窒素のタンク、エアコンプレッサ、ガスポンプ、ガス安全弁、ガス圧力センサ、およびコンピュータ-制御を含む。
【0043】
システムおよび/またはその任意のサブシステムは、例えば温度、圧力、加速度計、ジャイロスコープ、および方向センサなどの、1つ以上のセンサを含んでよく、例えば1つ以上のセンサは、射出成型装置の他の部品の1つ以上と連絡して、例えば射出成型装置の1つ以上のキャビティ内に、配置されるように構成される。様々な実施形態では、センサはスマートセンサであってよく、無線通信が実施されるように、例えばネットワーク接続による、通信モジュールを含む。したがって、システム、および/またはその様々な部分のいずれかは、通信モジュールを含んでよく、それは制御モジュール、超臨界ガス投与システム、動的制御温度システム、およびガス対圧制御ユニットの1つ以上に結合され得、例えば通信モジュールは、下記を含む1つ以上の無線通信プロトコルを実施するように構成される:WIFI、ブルートゥース、低エネルギーブルートゥース、ならびに3G、4G、および5Gセルラー通信。
【0044】
別の態様では、本開示は、リサイクル可能なマイクロセルラー軟質フォームおよびこれを作製する方法を記載する。フォームは好ましくは、独立気泡フォームであるが、また、潜在的に、連続気泡フォームとして形成されてよい。リサイクル可能なマイクロセルラー軟質フォーム構造の作製は、好適な高性能ポリマー、例えば、ポリアミド起源のもの、などで始まる。好適なポリマーの非限定的な例は、Ascend Performance Materials, LLC、ヒューストン、TXによりVydyneの商品名で販売されるポリアミド66コポリマーである。好適なポリマーの他の非限定的な例としては、様々なポリアミドブロックコポリマー、例えばポリエーテル-ブロック-アミド(PEBA)、PAE、TPA、TPE-A、COPA、などが挙げられる。上記熱可塑性ポリマーは、発明のマイクロセルラー軟質フォーム構造の形成において有利な技術特性を示している。増強された技術特性のいくつかとしては、数ある利点の中で、並外れたエージング特性、優れた伸長、引張強さ、および圧縮永久ひずみが挙げられる。さらに、リサイクル原料は、本発明の好適なリサイクル可能なポリマーまたはポリマーブレンドの製造において使用され得る。例えば、1つの態様では、リサイクル可能な軟質フォーム熱可塑性ポリマーは、ポストコンシューマーまたはポストインダストリーリサイクル原料由来の少なくとも1つのモノマーまたはポリマー、例えばカプロラクタム、リサイクルポリエーテルブロックアミドポリマー、などを含む。例として、カプロラクタムは、漁網、カーペット繊維、または産業廃棄物などのポリアミドを含むポストインダストリーまたはポストコンシューマー材料を脱重合することによりそのようなリサイクル原料から誘導できる。脱重合されたポストコンシューマーまたはポストインダストリーリサイクルカプロラクタムの幾つかの例としては、Aquafil USA Inc., Cartersville, Georgiaにより提供される、ECONYL(登録商標)カプロラクタム(フレークか液体か溶融物かに関係なく)が挙げられる。熱可塑性ポリマーは、加えてまたは代わりに、収集、選別、溶融および再処理されるポストインダストリーまたはポストコンシューマーポリアミドカーペット繊維由来のポリアミドポリマーを含み得る。この一例は、ポストインダストリーポリアミドカーペット繊維、などを使用することであり、それはアップサイクルされた使用可能なポリアミド材料へと収集、選別、溶融および再処理される。ポストインダストリーカーペット繊維由来の例示的なポリアミドポリマーは、Aquafil USA Inc., Cartersville, Georgiaにより製造されるEconylである。加えて、ポリアミド廃棄物は、世界の海またはその周辺から漁網、またはそのようなものの形態で収集され得、それは次いで、アップサイクルされた使用可能なポリアミド材料へと選別、溶融、および再処理される。収集されたポストインダストリー漁網に由来する例示的なポリアミドポリマーは、Koninklijke DSM N.V., Heerlen, オランダにより製造されるAkulon Repurposedである。可能な限りリサイクルポリマー原料を使用することが、この発明の目的である。
【0045】
最適なポリアミドだけでは、好適な発泡剤および発泡プロセスなしでリサイクル可能な軟質フォームを生成できない。今日使用される最も広く知られている発泡剤は、アゾジカルボンアミド(ADA)と呼ばれる化学物質である。ADAは典型的には、従来の射出成型フォームプロセスにおける使用のための従来の熱可塑性マスターバッチ樹脂に予め含浸される。不運なことに、ADAは、環境に優しくなく、それは疑わしい発癌物質である。その上、ADAを使用する従来の発泡プロセスは、製造プロセス中に架橋され、そのためリサイクル可能でない軟質フォームの型を作製する。リサイクル可能な軟質フォームを達成するために、不活性窒素ガスまたは二酸化炭素が、改変された射出成型プロセスにおいて物理的発泡剤として使用される。改変された物理的発泡プロセスが、好適な熱可塑性ポリマーまたはブレンドポリマーマスターバッチと協力して使用され、そのためポリマーまたはブレンドポリマーおよび発泡剤は、リサイクル可能な軟質フォームのために調和して働く。この発明の好ましい射出成型プロセスは、ポリマーおよび超臨界流体(SCF)の単相溶液が注入ゲートを通過して改変された射出成型機の金型キャビティに入る時に起こる均一気泡核形成を利用する。溶液が金型に入ると、圧力が降下し、これが、SCFを溶液から出て来るようにさせ、気泡核を作り出す。気泡は次いで、材料が金型を充填し、かつSCFの膨張性が使い果たされるまで成長する。この製造プロセスは、射出成型機で進行し、これは、単相溶液を生成するためにSCFのポリマー中への計量、送達、および混合を可能にするように改変されている。動的型温制御(DMTC)が使用されて、膨張するポリマー溶融物内での一貫した気泡構造を確保する。DMTCは、動的温度制御システムにより動力供給される、金型本体内に配置された加熱要素および冷却チャネルとして最もよく説明でき、これらを通して、加熱媒体または冷却媒体が循環する。それらの機能は、金型表面上の温度の調整である。ガス対圧(GCP)もまた、プロセスにおいて使用されて、得られた軟質フォーム上に表皮がほとんど~全くない最適フォーム構造を確保する。GCPは、加圧された金型キャビティを含むプロセスとして最もよく説明でき、それは、窒素ガスを注入されて、溶融物内のガスの膨張に対抗する。対圧が解放されるにつれ、従来は表面を突き破るガスの泡が内側にトラップされ、滑らかな表皮を作り出す。GCPは、表面品質、フォーム構造、および表皮厚さにより、発泡を制御する。
【0046】
SCFが溶融ポリマー中に完全に溶解され、かつ均一に分散されている単相溶液の作製は、注意深く制御されたプロセス条件下で注入バレルの内側で起こる:SCFは、一定の時間の間、ポリマー中に正確にマスフロー計量されなければならない。かつ、その投与期間の間、温度、圧力およびせん断の適した条件が、バレル内で確立されなければならない。背圧、スクリュー回転数およびバレル温度制御、ならびにガス対圧およびSCF送達系は全て、単相溶液を作製するプロセス条件の確立において役割を果たす。
【0047】
リサイクル可能であり、化学物質を含まない軟質フォームを製造するために使用される熱可塑性ポリマーは、様々なポリアミドまたはポリアミドコポリマー、などから、任意で作製できる。好適なポリマーの非限定的な例としては、ポリアミド6、ポリアミド6/6-6、およびポリアミド12が挙げられる。あるいは、熱可塑性ポリマーは、様々なポリアミドブロックコポリマー、例えばポリエーテル-ブロック-アミド(PEBA)、PAE、TPA、TPE-A、COPA、などを含み得る。任意の好適なポリマー型が、この発明で使用され得るが、ただし、それが、要求される硬度、中程度の溶融流、高い伸長、およびリサイクル性を満たすことを条件とする。
【0048】
加えて、2つ以上の熱可塑性ポリマーのブレンドは、単一ポリマーでは見られない特性および価格の組み合わせを提供する。ポリマーを一緒にうまくブレンドする多くの方法がある。1つの方法は、二軸押出を使用して、2つ以上のポリマー樹脂を一緒に溶融し、次いで、溶融ポリマー樹脂ブレンドを押出してストランドにでき、これは冷却され、マスターバッチと呼ばれるペレット化片のアレイを生成するためにペレタイザーに送り込まれる。ポリマー樹脂ブレンディングの別の方法は、相溶化剤を使用して、異なる化学物質をポリマーブレンド中で一緒にする。これは、二軸押出などを使用して、相溶化剤および2つ以上のポリマーを上で記載される非限定的熱可塑性ポリマー型中に一緒に溶融できる。
【0049】
1つの実施形態では、方法は、フォームを1つ以上のモノマーに脱重合することにより軟質フォームをリサイクルする工程を含む。脱重合プロセスは、リサイクル可能なフォームの熱可塑性ポリマーを廃棄物から機械的に分離する工程、脱重合触媒を分離した熱可塑性ポリマーに導入する工程、熱可塑性ポリマーおよび触媒を加熱して、蒸留物を生成する工程、水および得られたモノマーを他の副産物から分離する工程、水性モノマーを酸化する工程、酸化水性モノマーを濃縮する工程、濃縮モノマーを精製する工程、ならびに、モノマーを再重合して、リサイクル可能な軟質フォームを製造する方法において使用するための熱可塑性ポリマーを生成する工程を含む。得られたモノマーは、熱可塑性ポリマーに再重合され得るカプロラクタムまたは他のモノマーを含み得る。
【0050】
用途により、添加物も、ポリマー配合物中で使用され得る。例えば、フィラー、例えば沈降炭酸カルシウム、魚卵状アラゴナイト、デンプン、バイオマス、などが、完成軟質フォームのリサイクル可能な完全性を維持しながら部品コストを低減するために使用され得る。
【0051】
さらに、ポリマー配合物における使用のための追加の添加物は、下記の核形成剤の1つ以上を含んでよく、例えばマイクロラメラタルクまたは高アスペクト比魚卵状アラゴナイトが含まれ得る。そのような核形成剤は、いくつかの有益に増強される属性の中で特に、気泡合一を阻止し、嵩密度を低下させ、反発弾性を改善することにより、得られる軟質フォームの基本性質を大きく改善できる。リサイクル可能で化学物質を含まない射出成型マイクロセルラー軟質フォームの生成における使用のための核形成剤のいくつかの非限定的な例は、Imerys Talc America Inc., Houston, TexasによりMistrocell(登録商標)として市販されるマイクロラメラタルクおよびCalcean Minerals & Materials LLC, Gadsden, AlabamaによりOceanCal(登録商標)として市販される高アスペクト比魚卵状アラゴナイトである。
【0052】
着色剤、染料、および顔料もまた、含まれ得る。例えば、染料または顔料などの様々な着色剤が、本発明のポリマー配合物において使用され得る。いくつかの非限定的な例は、熱可塑性ポリマー用途の特定の型のために特注された顔料、例えば、Treffert GmBH & Co. KG, Bingen am Rhein,ドイツにより提供される幅広いもの、またはHolland Colours Americas Inc., Richmond, Indianaにより提供されるものである。
【0053】
1つ以上の実施形態の詳細は、以下の添付の記載において明記される。他の特徴および利点は、記載および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0054】
これらのおよび他の態様はここで、下記図面を参照して詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本開示の一実行による発泡履物用部品、すなわち靴ミッドソールを示す。
図2】履物に好適な、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォームを生成するための射出成型マイクロセルラー軟質フォームシステムの図式的概観を示す。
図3】生分解性で工業的に堆肥化可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームを製造するための方法のフローチャートである。
図4】運動靴のためのミッドソールを作製するために射出成型された、本開示によるリサイクル可能な軟質フォームを示す。
図5図4に示されるリサイクル可能な軟質フォームを生成するための射出成型機の概略を示す。
図6図4のリサイクル可能なマイクロセルラー軟質フォームを製造するための方法のフローチャートである。
図7図6のリサイクル可能なマイクロセルラー軟質フォームを製造するための方法の一実施形態と関連した、軟質フォームをリサイクルする工程を示すフローチャートである。
【0056】
様々な図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
この文書は、生分解性で工業的に堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォーム、リサイクル可能なマイクロセルラー軟質フォームおよびこれを製造する方法を記載する。フォームは好ましくは、独立気泡フォームであるが、また潜在的に、連続気泡フォームとして形成されてよい。様々な実行では、生分解性で工業的に堆肥化可能でリサイクル可能な軟質フォームは、従来の石油化学エチレン酢酸ビニル(EVA)フォームなどの同一の性質および特性を有し、かつ高パーセンテージのバイオマス-炭素量を依然として含むように作製できる。
【0058】
生分解性で工業的に堆肥化可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームおよびこれを製造するための方法
本開示は、生分解性で工業的に堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォームを生成するためのプロセスおよびこれを製造する方法に関する。上記のように、発泡は、液体または固体におけるガスポケットのトラッピングを含むプロセスを説明する。一般に、工業界は、発泡を使用して軽量ポリマー材料を生成する。これは多くの型の製品について有利な解決策である。なぜなら、発泡材料は、特に、柔らかいクッション性、快適さ、および衝撃保護などの多数の付加価値を付与するからである。
【0059】
様々な場合において、発泡材料は、マイクロセルラーフォームであることが有用である。マイクロセルラーフォームは、製造されたプラスチック、とりわけ非常に多くの、例えば、何十億もの小さな泡(約50ミクロン未満のサイズであってもよい)を含むように作製されるプラスチックの型である。この型のフォームは、様々な型のポリマーへと高圧下でガスを溶解してガスの泡の均一な配列を引き起こすこと(通常、核形成と呼ばれる)により形成される。マイクロセルラーフォームの密度を制御し、調整するための主ドライバは、それらを作製するために使用されるガスである。使用されるガスによって、フォームの密度は、前処理バイオプラスチックの約5%~約99%の間のどこかであってよい。
【0060】
したがって、様々な場合において、フォームは独立気泡フォームであることが有用である。独立気泡フォームは一般に、その壁により完全に密閉され、よって他の気泡と相互に連結していない気泡として知られている。この型の材料は、有用である。なぜなら、それは、気泡を通って流れる液体およびガス流を効果的に低減させるからである。例えば本明細書で開示される方法にしたがい生成される独立気泡フォームは、液体抵抗が重要である産業、例えばクッション材、履物、船舶、HVAC、および自動車用途に有用である。
【0061】
しかしながら、様々な場合において、フォームが連続気泡フォームであることが有用である可能性がある。連続気泡フォームは通常、その気泡の過半数が開放し、他の気泡と相互に連結している場合に「連続気泡」として分類される。本明細書で開示される方法において生成され、使用され得るこの型のフォームは、それが独立気泡フォームよりもスプリングに似て動作し、圧縮後に容易に元の状態に戻るという点で、有用であり得る。「弾力性」は、制限されていない空気の動きおよび化学組成により引き起こされる。
【0062】
特別な場合、記載される方法にしたがい生成されるフォームおよびそれから作製された製品は、軟質エチレン酢酸ビニル(EVA)フォームと同様の様式で機能する。特に、軟質EVAフォームは、今日製造業において使用される遍在材料である。EVAフォームをそれほど流行させるのは、所定の製品について一般に許容される技術性能特性を維持しながらの、その比較的低いコストおよび加工の容易さである。結果として、本明細書で開示されるように生成されるフォームは、比較的低いコストで生成され得、製造が容易であり、その一方で許容できるだけでなく、しばしば優れた技術性能の製品を維持し、同時に環境に優しい。
【0063】
より特定的に、上で示されるように、EVAフォーム使用のマイナス面は、多い。材料は、再生不能原料に由来し、容易に生分解可能でなく、堆肥化可能でなく、またはリサイクル可能でない化学的発泡剤と化学的に架橋される。しかしながら、軟質EVAフォームとは異なり、本開示の生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォームは、化学物質または架橋剤を含まず、それらは、適切な生物由来ポリマーがそれらの製造において使用される場合、容易に生分解可能であり、工業的に堆肥化可能である。
【0064】
例えば、様々な実行では、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォームが本明細書で提示され、それは、従来の石油化学エチレン酢酸ビニル(EVA)フォームなどの同様の性質および特性を有するが、高パーセンテージのバイオマス-炭素量を依然として含むように作製できる。特に、様々な実施形態では、生分解性であり、正味ニュートラルで、および工業的に堆肥化可能なフォーム前駆体は、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォームの製造において、例えば環境に優しい様式で使用される。これらの目標を達成するために、様々な好適な生物由来熱可塑性原料が、使用のために選択され得、動物用飼料またはヒト食物と典型的には競合しない迅速に再生可能な原料を起源とし得る。便宜的に、示されるように、注意深く選択された生物由来熱可塑性フォーム前駆体は、従来使用されるEVAのものとほぼ等しいまたは等しい技術性能特性を有する。
【0065】
従来の再生不能EVAのものとほぼ等しいまたは等しい技術性能特性を有する、本開示の生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォームの製造において使用するためのそのような好適な熱可塑性原料の非限定的な例は、本明細書において、以下で記載される、生物由来PBATコポリエステルである。よって、様々な場合において、本装置、システム、およびそれらの使用方法は、生分解性で工業的に堆肥化可能な生物由来熱可塑性樹脂から生成され得る生分解性で工業的に堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォームを生成するために使用され得る。
【0066】
より特定的には、開示された方法による有用なフォーム前駆体は、生物由来熱可塑性樹脂または迅速に再生可能な原料から生成される生物由来熱可塑性コンパウンドなどの、任意の好適な型の熱可塑性樹脂であってよい。そのような熱可塑性樹脂は、未加工の、無形ポリマーであり、それらは加熱されると溶融され、液体になり、冷却されると硬化し、固体に変わる。
【0067】
熱可塑性物質の作製は、単純な作業ではない。最終製品を製造するために、複雑な化学および機械的プロセスが必要とされる。その最も簡単な形態では、熱可塑性物質は、ポリマーから形成され、それらのポリマーは、コンパウンドから形成される。ポリマーを製造し、次いで、熱可塑性物質を製造するために必要とされるコンパウンドを生成するために、異なる型の分子が、分解され、分離されなければならない。典型的には、フォーム前駆体が、それらを好適な射出成型機中に顆粒状形態で送り込むことにより、使用される。顆粒は、射出成型機を通して処理され、この場合それらは、液化され、予め形成された金型キャビティ中に噴出される。噴出が完了すると、成型された部品は、冷却され、金型から固体状態で取り出され、本実施形態で実行されるこのプロセスは、本明細書の下で、より詳細に記載される。
【0068】
生物由来熱可塑性物質は、種類によって記載できる。一般的な種類のバイオベースの熱可塑性前駆体およびバイオマス。2つの型のバイオポリエステルが存在する:ポリ乳酸(PLA)およびポリヒドロキシアルカノエート(PHA)。PLAは、細菌の発酵により生成される熱可塑性物質の型である。PLAは実際には、多くの乳酸分子の長鎖である。PLAを生成するための多くの異なる生物由来原料が存在し、2~3例を挙げると、サトウキビ、トウモロコシ、テンサイ、およびリグニン木材廃棄物などである。PHAは一般に、自然発生細菌および食品廃棄物により生成される。ポリヒドロキシブチラート(PHB)と呼ばれるPHAのサブクラスが存在し、これは、広く入手可能でもある一種のPHAである。
【0069】
場合によっては、デンプンまたはセルロースフィラーなどが、バイオポリエステルブレンドの形成に任意で含められ得る。なぜなら、それらの含有は、ブレンドをより経済的にし、場合によっては、それらの使用は、分解速度を増強させるからである。追加の型の生物由来熱可塑性物質は、酢酸セルロース(CA)として知られている。CAは、植物の各部で見出されるセルロースに由来する合成生成物である。CAを製造するために現在のところ使用される原料は、2~3例を挙げると、綿、木材、および農作物廃棄物である。その上さらに、デンプンは、さらにもう一つの型の熱可塑性材料である。典型的には、デンプンは、熱、水、および可塑剤を用いて処理されて、熱可塑性物質を生成する。強度を付与するため、デンプンは通常、他の材料でできたフィラーと組み合わされる。デンプンを生成するために現在入手可能な原料は、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、およびキャッサバである。生分解性であり得るいくつかの石油由来熱可塑性物質もまた、知られている。一般的な型は、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)、およびポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)、およびポリビニルアルコール(PVOH/PVA)である。上記石油由来熱可塑性物質は、生物由来の様々な種において生成され得る。PBS、PCL、PBAT、およびPVOH/PVAを生成するための新規生物由来原料が、生成されており、技術的進歩および躍進のために、ますます市販されるようになっている。これらの前駆体の1つ以上が、本明細書で開示される方法にしたがい作製され、および採用され得る。
【0070】
前駆体が作製されると、それらは、本明細書で開示されるように、例えば射出成型プロセスを介して、発泡され、1つ以上の最終製品を製造するために使用され得る。例えば、様々な場合において、生物由来の熱可塑性前駆体は、発泡され、例えば射出成型により、最終製品生成プロセスにおいて使用され得る。直接射出発泡フォーム成型としても知られている、従来のフォーム射出成型において、熱可塑性ポリマーは、最初に溶融される。熱可塑性ポリマーが均一に溶融されると、化学的発泡剤が、ポリマー溶融物中に分散されて、射出コンパウンドを発泡性にする。
【0071】
均一なポリマーコンパウンドは次いで、金型内に射出されて、フォーム製品を製造する。典型的には、射出されたポリマーコンパウンドは、加熱された金型キャビティ中の吸熱反応が化学的発泡剤を活性化し、膨張フォーム部品をもたらすまで、フォームとして分類されない。結果として、金型キャビティサイズは、最終部品サイズより小さくなければならない。実際の部品膨張は、熱可塑性ポリマー調合内で作製され、そのため部品が金型から取り出されると、それは、要求される部品サイズに成長する。
【0072】
要求される部品サイズが実現されると、それはまた、冷却されるにつれ縮小または収縮し、これはしばしば、正確な冷却部品サイズを得るために二次成型操作を必要とする。結果として、従来の射出成型フォームの膨張-収縮を管理するプロセスは面倒で、時間がかかり、複雑であると考えられ得る。そのような射出成型技術は、本明細書で記載されるように、前駆体およびフォーム、ならびにそれにより生成される製品を生成するために使用できる。しかしながら、特別な場合、従来の射出成型機は、改変されたプロセスで使用され得る生分解性の、正味ニュートラルなフォーム前駆体の使用をより良好に達成するために、本明細書で開示されるように改変され得、そのため、環境に優しいフォームが生成され、それらは、フォーム製品、例えば家具クッション材、靴部品、スポーツ用品、などを生成するする際に使用され得る。
【0073】
したがって、従来のプロセスは、発泡製品を生成するのに有用であり得るが、場合によって、それはは、とりわけ堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォームの生成に関し、いくつかの欠点に苦しむ場合がある。例えば、様々な場合において、典型的な射出成型プロセスは、堆肥化可能な軟質フォームを生成するために堆肥化可能な生物由来熱可塑性樹脂を使用する場合、様々な異なる様式で不十分である可能性がある。例えば、上記従来の非改変フォーム射出成型プロセスは、生分解性で堆肥化可能な軟質フォームを生成するには不十分で不適切である可能性がある。この主な理由は、ポリマーコンパウンドがそれらの製造中に架橋される従来の非改変フォーム射出成型の本質から生じる。
【0074】
上で示されるように、架橋は、ランダムに起こる、いくつかのポリマー鎖の一部を一緒に保持する共有結合の形成として説明できる。結果は、フォームマトリクス内の相互に連結された鎖のランダム3次元ネットワークである。この架橋フォームは容易に非架橋にすることができず、よって様々な前駆材料成分は容易に、それらの個々の型に分離して戻されず、生分解または堆肥化されない。その結果、現在開示されている利点は、発泡装置および製造におけるその使用方法を変更せずには容易に達成できないであろう。したがって、射出成型プロセスにおいて非架橋前駆体を使用するのに好適な様式でフォームを生成させるための、製造機械およびこれを使用するプロセスが、本明細書で提示される。
【0075】
結果として、1つの態様では、新規射出成型機が、本明細書で提示される。成型機は、新規射出成型機中への前駆体の適用により、堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォーム構造を生成する様式で発泡され得る、生物由来の熱可塑性前駆体を含む、様々な軟質フォーム組成物を使用するように構成され得、それは次いで、1つ以上の軟質発泡製品を生成するために使用できる。よって、1つの態様では、新規射出成型機が、本明細書で提供される。
【0076】
本開示の製造機械を別々に設定する因子のいくつかは、マイクロセルラーガス投与システムと結合された特殊な補助装置の使用であり、これは標準射出成型機に付加され、よってこれを改変しかつ改善できる。本質的には、本明細書で提示されるように、標準射出成型機は、本開示による使用に好適な様式で機能するように整備され、一新されてきた。改変のための一般的方法は、射出成型機上の射出成型スクリューを、超臨界不活性ガス、例えば窒素、CO2、および/または非反応性および/または不活性ガスを取り扱うことができるように変換することにより始まる。
【0077】
ガス投与システムは次いで、例えば、温度制御された金型キャビティへの射出前に、適正なガスを適切な量でスクリュー内のポリマー溶融物中に投与するために、射出成型機に取り付けられてよい。加えて、金型の熱温度サイクルが、得られたフォーム外皮テクスチャおよび表皮厚さをより良好に制御でき、ならびに部品生成のためのサイクル時間を低減させる、特殊金型キャビティが使用され得る。さらに、補助ガス対圧システムが、液体ポリマー溶融物が金型中に噴出されるのに対抗するように不活性ガスを金型中に押し戻すために、射出成型機に取り付けられ得る。
【0078】
この対圧は、溶融射出ショットが、完全ではないとしても、実質的に、金型キャビティを満たし、部品が歪み収縮するのを防止し、ならびに気泡分布および気泡密度を制御することを確保するために有用である。さらに、適切な対圧は、部品の表皮テクスチャおよび表皮厚さに有益な影響を有する。結果として、部品が金型キャビティから取り出される時に、識別できる収縮はなく、成型フォーム部品を直ちに使用するための二次工程は必要とされない。有益に、部品は架橋されず、その結果、それは生分解できまたは堆肥化でき、ただし、好適な生物由来ポリマーコンパウンドがフォーム作製において使用されることを条件とする。
【0079】
以上を考慮して、1つの態様では、本開示は、生分解性で堆肥化可能な(例えば、工業的に)マイクロセルラー軟質フォーム構造を作製することに関する。特に、1つの実施形態では、プロセスは、好適な生体高分子または生体高分子ブレンドで始まる。例えば、様々な場合において、生体高分子は、例えば天然源から生成される1つ以上のポリマーであってよく、生物学的材料から化学的に合成されるか、または、生体により完全に生合成される。
【0080】
主に、2つの型の生体高分子が存在し、1つは、生体から得られ、もう1つは、再生可能資源から生成されるが重合を必要とする。生体により生成されるものとしては、タンパク質および炭水化物が挙げられる。合成ポリマーとは異なり、生体高分子は、はっきり識別できる構造を有する。この型のポリマーは、それらの化学構造に基づき識別される。本開示の生体高分子を特に有用にするのは、それらが技術性能特性の観点から再生不能EVAを厳密に模倣していることである。
【0081】
同様に、特別な場合、生体高分子ブレンドが、フォーム構造の作製に使用され得、例えば生体高分子ブレンドは、2つ以上の生体高分子の特注コンパウンドであってよい。いくつかの非限定的型の生体高分子は、糖に基づく生体高分子、デンプンに基づく生体高分子、合成材料に基づく生体高分子、およびセルロースに基づく生体高分子である。生体高分子がブレンドされた組み合わせの典型的な比は、製造される製品の型および得られる部品の要求される技術特性に依存する。
【0082】
より特定的には、特定の実施形態では、フォーム前駆体として使用できる生体高分子ブレンドは、複数の樹脂、例えば1つ以上の固体または粘性材料を含み、それらは、例えば硬化後、溶融物に、ポリマーに添加できる。よって、重合または硬化後に、樹脂は、ポリマーを形成する。例えば、好適な樹脂は、下記の1つ以上であってよい:脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステル源。一般的に言って、脂肪族または脂肪族化合物は、有機化合物に関し、またはこれを示し、この場合炭素原子は、芳香環の代わりに開鎖を形成する。同様に、好適な脂肪族-芳香族化合物は一般に、炭素原子の開鎖(脂肪族部分)および原子の1つ以上の安定な環(芳香族部分)のランダムな組み合わせである。
【0083】
典型的には、鎖中の芳香族酸の量は49%未満であるが、最近の技術的進歩は、これを増加させ生分解をさらに助けることが大いに期待されている。脂肪族-芳香族の一例は、脂肪族-芳香族コポリエステル(AAPE)であり、これは、様々な再生不能および再生可能原料から生成できるが、再生可能源のAAPEが、特に有用である。したがって、様々な実施形態では、これらの脂肪族および/または脂肪族の1つ以上は、コポリエステル起源であってよい。そのようなコポリエステルは、ポリエステルが改変される時に作製される。例えば、コポリエステルは、1を超える二酸またはジオールが重合プロセスにおいて使用される時に生成される。脂肪族-芳香族コポリエステルの場合、前駆体の組み合わせが、脂肪族-芳香族鎖を本質的にハイブリダイズまたは「架橋」するように変更され、重合プロセスにおいて1を超える追加の前駆体を組み合わせる。
【0084】
好適な生体高分子ブレンドの非限定的な例は、ポリ乳酸(PLA)およびポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)である。ポリ乳酸(PLA)は、再生可能なバイオマスに由来する、生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステルである。PLAの作製において使用される典型的な原料としては、発酵植物デンプン、例えばトウモロコシ、キャッサバ、サトウキビ、テンサイパルプ、および程度は低いがリグニン木材廃棄物が挙げられる。同様に、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)は、生分解性ランダムコポリマー、特定的にはアジピン酸、1,4-ブタンジオールおよびテレフタル酸に一般に由来するコポリエステルである。再生不能石油源を起源とするPBATよりもむしろ、再生可能源のPBATを使用することが、有利である。様々な場合において、これらの成分の1つ以上が、ブレンドされ得る。
【0085】
2つ以上の熱可塑性生体高分子のブレンドは、単一ポリマーまたはコポリマーでは見られない特性および価格の組み合わせを提供する。生体高分子を一緒にうまくブレンドする多くの方法がある。一般的な方法は、二軸押出を使用して2つ以上の生体高分子樹脂を一緒に溶融すること、次いで、溶融生体高分子樹脂ブレンドをストランドへと押出すことであり、これが冷却され、マスターバッチと呼ばれるペレット化片のアレイを生成するためにペレタイザーに送り込まれる。生体高分子樹脂ブレンディングの別の方法は、相溶化剤を使用して生体高分子ブレンド中で異なる化学物質を一緒に合わせることである。一般に、これもまた、二軸押出などを使用して、上記プロセスにおいて相溶化剤および2つ以上の生体高分子を一緒に溶融する。
【0086】
したがって、本明細書では、上記ブレンドされた熱可塑性生体高分子樹脂は、本開示の最適マイクロセルラー軟質フォーム構造の形成において有利な技術特性を示すことが、決定されている。増強される技術特性のいくつかとしては、下記が挙げられる:数ある利点の中で、許容されるエージング特性、優れた伸長、および優れた圧縮永久ひずみ。例えば、本明細書で開示される生体高分子ブレンドの使用の利点は、所定の生体高分子ブレンドの形成および使用に起因する、増強された技術性能特性である。特定的には、2~3例を挙げると、改善された伸長、引張強さ、衝撃強度、および溶融流などの増強された特性は全て、生体高分子、および/または生体高分子-相溶化剤ブレンドの適切な組み合わせが実現された時に実現できる。
【0087】
したがって、これらの樹脂は、発泡剤を生成するために、本明細書で開示される方法および機械にしたがい使用され得る。よって、1つの態様では、本開示は、発泡プロセスに関する。上で記載される通り、本明細書で開示される機械およびプロセスは、発泡動作を実施するように構成され得、これによりガスポケットが、液体または固体にトラップされ、その発泡が軽量ポリマー材料を生成させるために使用され得る。これは、発泡材料が多数の付加価値を付与する多くの型の製品、例えばソフトクッション材、快適物、技術運動用具、例えば靴部品、および衝撃防具などのための有利な解決策である。しかしながら、様々な場合において、上記最適脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステル生体高分子または生体高分子ブレンドは単独で、軟質フォームを生成するのに有用であり、様々な場合において、軟質フォームの製造におけるそれらの使用は、発泡プロセス内に好適な発泡剤を含めることにより増強され得る。
【0088】
例えば、今日使用されている、広く知られている発泡剤は、アゾジカルボンアミド(ADA)と呼ばれる化学物質である。アゾジカルボンアミドは典型的には、従来の射出成型フォームプロセスにおける使用のために、石油化学熱可塑性マスターバッチ樹脂に、予め含浸される。特に、ADAなどの化学的発泡剤の予備含浸は典型的には、発泡前にバイオプラスチックブレンドに含められる。この理由は、ADAなどの化学的発泡剤の予備含浸が必要とされることであり、なぜなら従来の射出金型発泡は、発泡成形可変性のカスタマイズを可能にしないからである。すなわち、ADAなどの化学的発泡剤は、製造の時点中での、発泡プロセスの物理的側面を改変するまたはこれに影響を与えるそれらの能力において制限される。
【0089】
逆に、この開示の特殊発泡プロセスは、希ガスまたは不活性ガス、例えば窒素が提供する物理的発泡から利益を得る。このプロセスでは、ガス、例えば、窒素投与は、生体高分子溶融物内の濃度において調整でき、これは発泡結果に直接効果を有し、これは、得られるフォームの特定の側面をカスタマイズする主な利点と考えられてよい。PBATコポリエステルなどの、生分解性で工業的に堆肥化可能であると知られているいくつかの石油化学由来の熱可塑性物質が存在するが、純粋PBATコポリエステルのラインなどの再生可能源の原料を使用することが有利である。
【0090】
例えば、発泡剤の生成では、バイオプラスチックブレンドなどの、特注のマスターバッチを最初に生成することが有用である可能性があり、それは、所定の製品型のための、所定の型の生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームを生成するように調整される。例えば、異なる型の特注のマスターバッチコンパウンドが、異なる型の製品用途のために生成され得る。これは、一足の靴における特別な型のフォームを製造するために役立つものは、例えば、家具の一部分の製造における使用のためなどの、特別な型のフォームを製造するのに必要とされるものとは異なる可能性があることを示すことにより説明できる。さらに、特注のマスターバッチは各々、所定の製品用途のための異なる着色剤を含んでよい。ここで再び、異なる製品型は、カスタマイズの異なる態様を必要とし、一意的に別個のマスターバッチを生成する能力は、これらの特定の用途に非常に有利である。
【0091】
不運なことに、ADAは、環境に優しくなく、それはヒトの健康にとって疑わしい発癌物質である。結果として、本方法およびこれにより生成される製品におけるその使用は、その利点において制限される。その上、従来の石油化学熱可塑性マスターバッチ樹脂は、生分解性でなく、工業的に堆肥化可能でもなく、よって、それらの利点はまた、制限される。マスターバッチを生成するためのADAおよび従来の石油化学製品の使用におけるこれらの欠陥を考慮して、生分解性で工業的に堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォームを作製するためのマスターバッチを生成するために使用され得る、生分解性であり、工業的に堆肥化可能な、熱可塑性生体高分子樹脂が、本明細書で提示される。
【0092】
様々な場合において、上記のように、成型最終製品の製造において、例えば、環境的に排出ニュートラル様式で、使用するための、より最適な生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームを達成するために、超臨界流体を、システムにより成型プロセスに注入できる。特定的には、超臨界流体は、その臨界温度(Tc)および臨界圧(Pc)を超えた状態にある物質(液体またはガス)である。この臨界点では、ガスおよび液体が共存し、超臨界流体は、例えば、標準条件下、液体またはガスのいずれかとは異なる特異的性質を示す。窒素、CO、He、Ne、Ar、Xe、および他のそのような不活性ガスなどの、不活性超臨界流体を、例えば超臨界流体状態で、使用することが有利であり、それらのガスは、発泡プロセスにおいて発泡剤として、本明細書で開示される方法にしたがい使用され得る。
【0093】
上記超臨界流体は、射出成型機バレル内のポリマーマトリクス中で可溶化することにより働く。特殊射出成型プロセスが液体バイオプラスチックコンパウンドを射出金型キャビティ中に制御された圧力および温度下で射出する時に、ガスは、ポリマー溶融物を、金型キャビティの最大限度へと完全に膨張させる。このプロセスでは、ガスは、発泡プロセス内でポリマーマトリクスの気泡構造を最大化するのに有用である。特殊発泡プロセスのこの最大化は、最終発泡部品内の望ましくないひけマークまたは反りが最小化されることを確実にする。これは、従来の発泡剤が同じ型の超臨界状態または圧力に供されず、よって従来通りに生成されるフォームは最終発泡部品において一貫性に欠き、かつそれらは望ましくないひけマークおよび反りを含む可能性があるという点で、従来の化学的発泡剤生成軟質フォームとは非常に異なる。
【0094】
より特定的に、様々な場合において、窒素または二酸化炭素などの不活性ガスは、超臨界流体状態で配合でき、それは次いで、例えば、本明細書で記載される新規射出成型機およびプロセスにおいて、物理的発泡剤として使用できる。そのような場合、開示された改変物理的発泡プロセスは、好適な熱可塑性生体高分子、または、ブレンドされた生体高分子マスターバッチと協力して使用され得、そのため生体高分子または生体高分子ブレンドおよび発泡剤は、最も最適な生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームを生成するために調和して働く。
【0095】
本開示の好適な生体高分子、バイオプラスチック、およびバイオプラスチック-ブレンドは、再生可能資源、例えば、動物用飼料およびヒト食物と競合しないもの、および、再生可能資源の廃棄物ストリームに由来するものに由来し得る。生体高分子または生体高分子ブレンドを生成する際に用いられる好適な生体高分子の非限定的な例は、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、および熱可塑性デンプン(TPS)からなる。本開示の好適な生体高分子ブレンドは、以上で列挙される生体高分子およびバイオプラスチック型の任意の組み合わせ、ならびにバイオマス含有ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)から構成される任意のハイブリッド生体高分子ブレンドである。この非限定的な例は、リグニン含有PBATブレンドであり、リグニンは、木材廃棄物を起源とし、PBATは、再生可能資源を起源とする。
【0096】
したがって、様々な実施形態では、本明細書で開示される射出成型装置およびそれらの使用方法は、均一な気泡核形成を有するフォームを生成するのに有用である。記載されるように、本明細書で開示される装置およびそれらの使用方法は、フォームを生成させるために均一な気泡核形成を生じるために使用され得、それによりフォーム核は、ランダムにかつ自然に生成され、よって、不純物を最小限に有するまたは全く有しない単相溶液システムにおいて不可逆的に成長する。例えば、本明細書で、以下で明記されるように、1つの態様では、軟質および/または硬質フォームを製造するプロセスが、提供される。方法は、連続気泡または独立気泡フォームを誘導するように実施され得、例えばフォームは、固有の堆肥化可能、抗菌および/または難燃特性を有する。
【0097】
場合によっては、方法は、例えば1つ以上の樹脂、例えば、コポリマー担体樹脂、および様々な発泡材料成分のブレンディングを含む、マスターバッチを形成する工程の1つ以上を含み得る。後続の工程で、方法は、抗菌化合物を添加することを含んでよく、そのためフォーム材料は、抗菌、抗細菌、および/または抗ウイルス履物用部品、家具部品、ヨガマット、衣料品、スポーツ用品部品、医療装置、および/または難燃製造物品の製造、および他の好適な用途において使用され得る。特に、本明細書で開示される方法にしたがい、生成された製品は、広範囲の適用において使用され得、一般にそれらの生成方法は、3つの明確な相に分解できる。最初に、バルクポリマー製品が製造される。次に、ポリマーが、様々な処理工程に曝露される。最後に、ポリマーが、その最終製品、例えば衣類、抗菌カーペット、家具、自動車部品、ヨガマット、ソール、ミッドソール、インソールを含む靴部品、などに変換される。
【0098】
特に、この単相溶液は、核形成部位を生成させるために使用され得、ここで気泡が成長し、ガスの泡中への拡散により膨張される。本明細書で開示される機械およびプロセスは、発泡プロセスを開始させるのに特に有用であり、小さな泡がフォームマトリクス内に均一に分散される様式で、均一気泡核形成の発生をもたらす。特定的には、従来の発泡とは異なり、本開示の超臨界流体により形成される軟質フォームは、小さな泡サイズに直接起因する可能性のある大きく改善された機械的特性から利益を得る。より特定的には、本明細書で開示される装置および方法は、泡径が、100ミクロン以上~約1ミクロン以下、例えば約50ミクロン~約10ミクロン以下、例えば、約20~約40ミクロン(約30ミクロンを含む)のオーダーであるように構成され、それらは熱力学的不安定性の使用により生成され、全て、フォームの作製において従来の化学的発泡剤は使用されない。
【0099】
例えば、特定の実施形態では、システムは、生体高分子または生体高分子ブレンドおよび超臨界流体(SCF)の単相溶液が注入ゲートを通過して射出成型機の金型キャビティに入る時に起こり得る均一気泡核形成を有する、生分解性で工業的に堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォームを生成するために本明細書で開示される本新規射出成型機を使用するように構成され得る。特定的には、本明細書の以下で、より詳細に説明されるように、本射出成型機は、例えば、成型前駆体を完成部品または構成部分を生成するための金型中に射出することにより、溶融材料を生成するように構成される。射出成型機は、材料ホッパー、射出ラムまたはスクリュー型プランジャー、および加熱ユニットを含み得る。そのような射出成型機は、トン数の観点から格付けされ、それは、機械が発揮できるクランプ力の量を表す。
【0100】
したがって、プロセスは、顆粒状バイオプラスチックコンパウンドが、ホッパーから加熱されたバレルに強制ラムにより送り込まれることにより始まり得る。顆粒が徐々に特殊往復スクリュー型プランジャーにより前方に移動するにつれ、超臨界流体は、射出成型装置に直接連結され得る別の超臨界計量補機により注入器を介して導入され、それはスクリューに流れ込む。結果として、超臨界流体は、スクリュー回転中に生体高分子溶融物内で飽和し、これは、単相溶液を作製する。
【0101】
溶融混合物は次いで、高い背圧を有する加熱チャンバに送り込まれ、そこでそれは、コンピュータインタフェースにより制御される温度で溶融される。プランジャーが進むにつれ、溶融されたバイオプラスチックコンパウンドは、金型に支えられたノズルに通され、ゲートを通って金型キャビティに入ることができる。よって、本発泡プロセスは、機械的または物理的プロセスにポリマー材料を供するように構成され得、これにより熱および圧力が、発泡剤の存在下でポリマー材料に適用される。発泡剤は、従来の独立気泡EVA発泡と同様に、化学起源であってよく、またはそれは、本開示の生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームと同様に、不活性起源であってよい。したがって、上記を考慮して、溶液が金型に入ると、圧力が降下し、これは、SCFが溶液から出て来て気泡核を作製するようにさせる。
【0102】
特に、超臨界流体は、スクリュー回転中に生体高分子溶融物内で飽和し、これは、ある温度および圧力下で、単相溶液を生成する。溶融混合物は、高い背圧を有する加熱金型チャンバに押し込まれ、単相溶液の圧力は、マイクロセルラープロセス圧力から大気圧に降下され、よって急速な圧力の低下が起こる。核形成現象が、混合物から分離するガスのため起こる。この時点で、核は、安定な泡へと成長する。泡サイズは、飽和、マイクロセルラープロセス圧力、および混合温度により決定され、これらは全て、本システムおよび方法により制御され得る。結果として、何百万もの核が生成され核が安定な時に、泡の成長が始まる。
【0103】
泡の形態は、SCF濃度ならびに射出成型プロセスパラメータにより決定される。よって、これらのパラメータは、有用なおよび/または決定された泡の形態を生成するために、システムによる制御のために選択され得る。部品の成型が完了すると、金型が冷却され、溶融温度が減少し、これは、溶融物を凍結させ固体化させる。再び、これらのパラメータは、例えば生成される最終製品に依存して、システムにより厳しく制御できる。特定的には、この時点で、泡は成長を止め、得られた部品の形状が固定される。気泡は次いで、材料が金型を埋めるまで成長し、SCFの膨張性が消費される。
【0104】
したがって、このプロセスでは、溶融生体高分子およびSCFブレンドは、加熱された金型キャビティ中に制御可能に噴出され、突然の圧力降下が経験される。何百万もの小さな泡が、核成長から生成され、これらの泡は物理的に、溶融混合物を金型キャビティの最大制約に膨張させる。溶融混合物が最大物理的可能性へと膨張すると、材料は金型内で急速に冷却され、泡形成が止まり、溶融混合物は膨張を止め、最終固化部品が形成される。この全ては、数秒の間に、射出成型システム内で起こる。
【0105】
示されるように、この製造プロセスは、上記射出成型機で動作し、それは、下記を細かく制御するように改変されている:計量、送達、混合、温度、圧力、射出、速度、など。例えば、補助計量ユニットは、ポリマー溶融物中への正確なSCFガス投与を送達するために、計量を制御するために使用され得る。特定的には、好適なガス投与補機は、不活性ガスを超臨界流体状態に変換するように、および、例えば、コンピュータ制御メカニズムにより、射出成型機中へのSCF送達の投与を計量するように、構成され得る。
【0106】
例えば、オペレーターまたは好適に構成されたマイクロコントローラは、予め決定されたSCFガス投与量にガス投与補機をプログラムできる。本質的に、ガス投与補機は、射出成型機に電子的におよび/または物理的に結合され得るSCF送達系である。特に、本開示における使用のための好適なSCFガス投与補機は、工業グレード窒素または他の不活性ガスを超臨界流体に変換するように設計されたガス投与システムのラインを生成するように構成され得る。ガス投与装置は、最大で275バール、およびさらにはこれを超える圧力で、SCFを射出成型機中に正確に投与し、注入するように構成され得る。
【0107】
ガス投与装置を操作するために、オペレーターは、関連する計算装置、例えばデスクトップまたはラップトップ計算装置を使用でき、それは、システム装置および個々の制御パラメータ、例えば投与装置を制御するためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を生成するように構成される。例えば、オペレーターは、選択されたパラメータ、例えば、所望のSCFガス投与ショットパラメータをGUIに入力できる。システムの処理要素は次いで、全ての従属パラメータをリアルタイムで計算し、射出成型機中へのSCF送達を最適化する。結果として、システムの制御ユニットは、ガス投与システムおよび射出成型機が、例えば、コンピュータ-制御のネットワークを介して、共生的に一緒に働くことを確実にする。よって、このガス投与システムは、本開示の独特の属性であり、なぜなら、超臨界不活性ガスは、本開示の生分解性で、工業的に堆肥化可能な軟質フォームを生成させるための物理的発泡剤として、従来の軟質フォームで使用される化学的に反応性の発泡剤の代わりに、無理なく使用できるからである。SCFの生体高分子中への混合のこの制御は、単相溶液を作製するのに有用である。
【0108】
さらに、本開示の射出成型プロセス中に、SCFは、ポリマー溶融物中に注入される。単相のポリマ-SCF混合溶液が、射出成型機スクリューおよびバレル内で、確定温度および圧力下で得られる。温度および圧力は、可変的に制御可能であり、生成される軟質フォームの型および最終製品がどんな型の用途に使用されるかに直接関連し得る。この段階で、SCFの濃度は、飽和、マイクロセルラープロセス圧力、および混合温度により決定される。一例は、発泡家具、自動車、運動、および/または靴部品、特定的には靴ミッドソールの製造における使用のための、本開示の生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォームを製造するために、提供され得る。この非限定的例における使用のための好適な生体高分子ブレンドの非限定的な例は、生体高分子コンパウンドに形成される迅速に再生可能なPBATバイオポリエステルである。
【0109】
したがって、粒状生体高分子コンパウンドは最初に、ホッパーを介して射出成型機に送り込まれる。次に、生体高分子は、射出成型機クリューおよびバレルを通して徐々に移動させられ、その際特定のSCFガス投与が、今溶融された生体高分子コンパウンド中に導入され均一に混合され、これを完全に飽和する。溶融生体高分子コンパウンドおよびSCFは、ここで単相溶液である。初期SCFガス濃度の非限定的な例は、Co=0.25%であってよく、溶融温度範囲は176℃~250℃、より好ましくは180℃の範囲である。
【0110】
加えて、様々な実施形態では、金型内の温度は、圧力と共に、例えば、動的型温制御(DMTC)プロトコルにおいて、細かく制御できる。例えば、DMTCプロセスが、膨張する生体高分子溶融物内で一貫した気泡構造を確保するために使用され得る。特に、DMTCは、注入充填段階中の型温および/または圧力の急速変更および制御を含むように構成され得る。これは、したがって、圧力ありまたはなしの、高温および低温の熱サイクルの両方の観点から、型温および/または圧力を動的制御する。
【0111】
例えば、システムの制御モジュールは、注入充填段階中に、型温を制御するように構成され得、例えば、そのような場合、動的型温制御が使用され得る。より特定的には、従来知られている射出成型プロセスと比べて、本明細書で採用される動的型温制御の重要な特徴は、型温自体が動的に制御され得ることである。単相溶液の溶融射出前に、金型は最初に、予めセットされた上限に加熱され得る。溶融充填段階中に、金型キャビティ表面の温度は、溶融物が時期尚早に固化しないように防止するために、上限より高く維持され得る。溶融充填プロセスが完了すると、金型は、下限(排出温度)に直ちに冷却され、次いで、成型フォーム部品が、金型キャビティから取り出される。
【0112】
本明細書で実行される動的型温制御(DMTC)は、迅速電気ロッド加熱および迅速水冷却に基づく制御方法に依存する。特定的には、この開示により採用されるDMTCは、5つの主要構成要素から構成される:エアコンプレッサ、弁交換装置、コンピュータ-制御される型温制御ユニット、電気的に加熱される金型、および冷却塔。冷却塔は、十分な水冷却を金型に供給するために使用され得る。エアコンプレッサは、圧縮空気を空気弁の駆動ガスとして生成するため、および残留冷却水を冷却後に金型に入らないように排除するために使用される。弁交換装置は、パイプラインから金型へ異なる媒体を移動させるために(例えば温冷熱サイクル)弁を切り換えるために使用される。
【0113】
したがって、様々な場合において、本明細書における機械およびプロセスは、反応材料を通過させるためのパイプおよび他のコンジットを含んでよく、このコンジットは、1つ以上の熱交換ユニットと関連し、そのため、反応物は、それらがコンジットおよびパイプ中に、および/またはこれを通ってポンピングされるにつれ、加熱および/または冷却される。そのような場合、交換器は、温度を反応レベルに調整するように制御され得る。パイプの一端上に分注ヘッドが含まれ得、これは、1つ以上の弁と関連してよい。さらに、分注ヘッドは、処理ラインに接続され得る。電気的に加熱される金型が、発泡部品の最終形状を成型するために使用される。型温制御の機能は、金型の加熱および冷却を制御することであり;この全ては、コンピュータ-制御により射出成型機と連携している。
【0114】
同様に、示されるように、圧力はまた、例えば、ガス対圧(GCP)プロトコルにより、細かく制御できる。例えば、GCPプロトコルが、最終製品の最適フォーム構造がより良好に確保されるように製造プロセスにおいて使用され得、および得られた軟質フォーム上に表皮がほとんど~全く存在しないように使用される。例えば、このGCPプロセスを使用して、加圧された金型キャビティに、SCFを注入でき、それは単独で、および一緒に、溶融物内のガスの膨張に対抗するように機能できる。特に、対圧が解放されるにつれ、従来表面を突き破るであろうガスの泡が、内側にトラップされ、滑らかな表皮を作り出す。
【0115】
このガス対圧プロセスは、発泡部品が形成される時に、ガスの泡が発泡材料の表面に接触し、これを打ち破らないように防止する。これは、溶融単相溶液射出ショットと同時に、または大体同時に、およびホールド時間に金型キャビティ中にGCPシステムにより適用される対抗圧力により達成される。不活性ガス泡は、膨大な力にさらされ、よって溶融単相溶液は、、形成される間に発泡構造の外側にトラップされた泡を放出する機会を与えられない。結果は、部品の外側に形成される外見上滑らかな表皮を有する成型フォーム部品である。
【0116】
したがって、本明細書で実行されるように、システムの制御装置は、ガス対圧(GCP)手順を実行でき、それは、発泡プロセスの制御を、フォーム射出成型の溶融物注入段階で異なるガス圧力を適用することにより改善するように構成される。例えば、システムの様々な構成要素を制御することにより、制御システムは、様々なスクリューが含まれるSCF単相溶液圧力およびGCP圧力を、例えば、適正なショットサイズ、ショットホールド時間、溶融温度、および型温と協力して適用するように構成され得る。
【0117】
このようにして、それにより高品質で商業的に許容される生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォーム部品が生成され得る、システム全体が作製される。特定的には、GCP圧力のわずかな変更が、フォームの表面品質に影響を与える。例えば、GCPを使用しないと、金型キャビティ内に位置するポリマー溶融物中の形成された泡は、放出され、得られた発泡部品の表面外観は、許容されないものとなるであろう。加えて、GCPを使用しないと、表皮厚さは、不必要に厚くなる可能性があり、なぜなら、それが金型中に膨張される時に、溶融単相溶液の迅速冷却に対抗する対圧が存在しないからである。特に、単相溶液は、射出ショット中に鋼金型境界に衝突し、望ましくない厚い表皮を有して直ちに固化し、これは、ほとんどの商業的応用で許容されないであろう。要するに、プロセスパラメータは、最終部品の品質に対し明らかな影響を有する。したがって、このように、このGCPプロセスは、例えば、表面品質、フォーム構造、表皮厚さ、などの1つ以上により発泡を制御するように実行できる。
【0118】
よって、様々な実施形態では、システムは、単相溶液を形成するような様式でSCFを生成するように構成され得る。特に、様々な実施形態では、単相溶液が作製され、そこでSCFは、溶融生体高分子中に完全に溶解されかつ均一に分散され得、これは、注意深く制御されたプロセス条件下にて注入バレルの内側で起こる。例えば、記載されるように、単相溶液の形成は、本開示の一貫した大量生産可能な成型フォーム部品を生成させるのに重要である。
【0119】
結果として、射出成型システムプロセスは、非常に一貫した様式で制御可能、および再現可能であるように構成されるべきである。これを達成するために、防御の第一線は、生体高分子コンパウンドおよびSCFが均一に混合され、単相溶液とされることを確保することであり、例えば単相溶液は、射出成型機バレル内の生体高分子溶融物内で完全に飽和され分散される。単相溶液が達成されると、システムは、時間最適化された大量生産可能な様式で際限なく再生可能な成型フォーム部品をカスタマイズするために、所望のショット重量、ショットホールド時間、およびGCPガス投与を確実に入力できる。
【0120】
したがって、SCFは、生体高分子中に一定の時間の間、正確にマスフロー計量されなければならない。例えば、システム制御モジュールは、投与期間中、温度、圧力およびせん断の適した条件がバレル内で確立されるように構成され得る。同様に、背圧、スクリュー回転数およびバレル温度は、システムの1つ以上の制御要素により細かく制御できる。加えて、SCF送達系は、最適単相溶液を作製するプロセス条件を確立するように調節できる。
【0121】
例えば、上記のように、制御モジュールは、システムの1つ以上の容器、例えば、管を通って移動する流体の質量流量を測定するように構成されるシステム関連マスフロー計量装置に通信可能に結合され得る。質量流量は、単位時間あたり固定点を通過して移動する流体の質量である。それは本開示に関連するので、マスフロー計量の原理は、発泡成型プロセスにおける一貫した繰返し精度を確保するために実行される。特定的には、上で記載される通り、特別設計された注入器が、射出成型バレルに結合され、これは、システムのプロセッサのコンピュータ-制御されたプログラミングにより制御できる。結果として、システムは、生体高分子溶融物中への特定のSCFガス投与送達を実行するように構成でき、コンピュータ-制御されたプログラムは、例えば、1つ以上のシステムセンサからのフィードバックによる、質量流量からのリアルタイムデータの収集に基づき、送達を最適化できる。マスフロー計量のこの使用は、本発明の単相溶液のための最も最適なプロセス制御を確保する。
【0122】
したがって、投与期間中に、バレル内などの、システムを通した温度は、バレル内で100℃~600℃、例えば200℃~500℃、例えば、300℃~400℃、より特定的には、320℃~380℃の範囲の間(360℃~380℃を含む)となるように制御され得る。同様に、SCF送達圧力は、1,000~8,000PSI、例えば1,500~6,000PSI、例えば、2,000~5,500PSIの範囲、特に、3,000~4,000PSI、より特定的には2,600~2,800PSIの範囲の間にあるように細かく制御され得る。
【0123】
このようにして、制御モジュールは、温度および圧力が協調して働いて、最適な核および結果として得られる泡を、生体高分子溶融物および結果として得られる発泡マトリクス内で生成させるように構成され得る。加えて、せん断に関して、せん断は、溶融生体高分子の層が互いに対して流れる時に、バレル内で確立される。よって、射出中に、溶融生体高分子コンパウンドは、例えば、噴水のように金型に入る前に、バレルノズルの溶融物送達チャネルを通して流れさせることができる。
【0124】
せん断は、回転スクリューと固定バレルの間の生体高分子の伸展であり、材料内に熱を発生させる。よって、せん断は、射出成型プロセスにおいて制御されるべきである。結果として、システムの1つ以上の制御ユニットは、例えば、射出速度、充填時間、およびその中での公差を制御するために構成され得、それにより所定の射出成型機サイズ、および所定の射出成型機スクリューおよびバレルサイズで、所定の生体高分子コンパウンドを生成するための適した条件を達成する。
【0125】
背圧もまた、制御され得る。例えば、背圧は、生体高分子が金型内に射出される時に与える、射出成型機における圧力である。特定的には、背圧は、金型中に次の生体高分子ショットを投与するために戻る時に、射出スクリューに適用される抵抗である。上で示されるように、システムの様々なパラメータは、背圧を制御および/または調節するように構成され得る。
【0126】
さらに、システムの制御装置は、スクリュー回転数を制御および調節するように構成され得る。スクリュー回転数は、コンピュータ-制御により制御され得る。示されるように、射出成型動作の初期相中に、スクリューは、バレル内で回転して、SCFガスと協力して溶融生体高分子コンパウンド混合物を均質化する。本開示のスクリュー回転数の非限定的な例は、lまたは5または10~75または100または200rpm、例えば、20、25、または30~40、50または60rpmであり得る。
【0127】
システムは、バレルと関連し得る加熱および/または冷却制御ユニットを含んでよく、その中の温度を制御する。したがって、制御モジュールは、バレル温度を制御するように構成され得る。よってバレル温度は、発泡プロセスに必要なように、その中の温度をより熱く、またはより冷たくするように制御され得る。
【0128】
したがって、以上を考慮すると、SCF送達系は、制御ユニットを含んでよく、これは、SCF送達圧力およびSCF投与重量(典型的にはグラムで測定される)の組み合わせを制御するように構成される。SCF圧力および投与量は、単相溶液に影響を与える様式で制御され得る。すなわち、SCF投与量が少ないほど、生体高分子溶融物内で必要とされるSCF飽和が少なく、SCF投与量が大きいほど、溶融物内で必要とされるSCF飽和が多くなる。同様に、SCF送達圧力が低いほど、飽和の取り込みがより低く、よって、溶融生体高分子溶融物内で成長して泡を形成できる核の成長がより低くなる。SCF送達圧力が大きくなるほど、飽和の取り込みが大きく、よって、溶融された溶融物内で成長して泡を形成できる核の成長が大きくなる。
【0129】
飽和に関して、システムおよび装置は、超臨界流体が、生体高分子溶融物内で、例えばスクリュー回転中に、形成され、飽和するような温度および圧力下でガスを溶融物チャンバに送達させるように構成される。結果として、単相溶液が、制御された温度および圧力下で作製される。特定的には、単相のポリマ-SCF混合溶液が本明細書では、射出成型機スクリューおよびバレル内で、確定温度および圧力下にて得られ得る。より特定的には、システム制御装置は、生成される軟質フォームの型および何の型の最終製品が生成されるかに依存する様式で、温度および圧力を可変的に制御できる。
【0130】
この段階で、SCFの濃度は、例えばフィードバックループにより、決定されかつ制御され得、よって飽和の量が、例えばセンサにより決定され、それは飽和プロセス進行を評価し、次いで、飽和レベルについて決められたセットポイントの達成に基づき、マイクロセルラープロセス圧力および混合温度を調節する。そのような場合、超臨界流体(SCF)は、スクリュー回転中に生体高分子溶融物内で、制御可能に飽和し、これは、確定された温度および圧力下で単相溶液を生成する。SCFは、2成分溶融生体高分子コンパウンド混合物の1成分であり、それは、本射出金型において、確定された圧力および温度の存在下で物理的発泡剤として使用される。
【0131】
したがって、以上を考慮して、1つの態様では、生分解性で工業的に堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォームの製造のための機械およびこれを使用する方法が、本明細書で提供される。特に、一例として、フォームは、例えば、マイクロセルラー射出成型(MuCell)プロセス、例えば、MuCell製造により生成され、および/または、発泡製品の製造において使用される。MuCell製造は、上で記載される超臨界流体を採用し、それは、極圧に供され、例えば、下で記載される、製造ツールのスクリューバレル内のポリマー溶融物中に溶解され、製造ツールは、液体状態に加熱された溶融された生体高分子溶融物を生成する目的のために、SCF投与を最適化するように構成される。
【0132】
よって、射出成型機の心臓部には、射出成型機バレルおよびその中に含まれるスクリューが存在し、どちらも普通工具鋼から製造される。バレルは、計量される前の本単相溶液のための主送達ポータルであり、次いで、動的温度制御された金型部品中に押し込まれ、または「噴出」される。結果として、生体高分子溶融物は、射出成型機ホッパーを介してバレル中に送達される。システム制御装置は所定の量の顆粒状バイオプラスチックペレットを、射出成型機操作における第1の工程の1つとして、ホッパー中に供給する。
【0133】
特定的には、注入中に、SCFは気化し、ガスの泡、例えば、完成成型部品の形態のフォームになる。泡はミクロンサイズに到達するので、プロセスは、マイクロセルラー発泡を生成する。本明細書で記載されるプロセスは、従来の射出技術より有利であり、なぜなら、それは下記の1つ以上を示す終局製品をもたらすからである:より少ない収縮、軽量製品、ひけマークがほとんどない、低コスト前駆体により生成され得る。より特定的には、より少ない収縮に関して、収縮は、体積収縮が全てのポリマーに影響する熱収縮により引き起こされることを理解することにより制御でき、よって、収縮は、システムセンサにより、収縮の進行を追跡すること、ならびに収縮プロセスを調節するようにバレル条件を細かく制御することにより、回避できる。
【0134】
本質的には、収縮は、材料が液体から固体に変化するにつれ、材料の体積が変化する程度を説明する。従来の射出成型では、金型は、圧力と共に温度制御されず、そのため従来の方法により使用される溶融ポリマーは、射出金型の冷たい工具鋼と接触すると縮み、これは収縮を引き起こす。本機械およびシステムでは、収縮は、制御でき、典型的には温度制御された加圧金型のために取るに足りない問題であり、これは、溶融生体高分子が金型の内側の最大表面積を満たし、時期尚早な冷却がなく、ならびに加圧金型キャビティ自体の適用される均一応力がさらにこの関連で助けになることを確実にする。
【0135】
概して軽量製品の製造に関しては、より多くポリマーが膨張されるほど、重量の低減が大きくなる。本システムは、しかしながら、適切な圧力、温度、および時間の適用により条件を調節することにより、単相溶液を最適化するように構成され、そのため軽量化フォームの最適品質が達成され得る。これは、例えば、クッション材、履物フォーム、および運動競技用器材を製造するために使用されるフォームなどの、軽量フォームを必要とする製品用途にとって良い。同様に、従来の軟質フォーム製造におけるひけマークの制御に関して、ひけマークおよび空隙が、部品が冷却されるときに十分な補償がないと、厚い部分で材料の局所収縮により引き起こされる。
【0136】
特に、ひけマークは典型的には、脚またはリブに対向する、および/または隣接している表面で起こる。これは、不平衡な熱除去および/または同様の因子のために起こる。発泡部品の外側の材料が冷えて固化した後に、コア材料が冷え始める。その収縮は、主壁の表面を内側に引っ張り、ひけマークを引き起こす。表皮が十分硬ければ、表皮の変形は、コア中の空隙の形成により取って代わられ得る。
【0137】
従来の軟質フォーム成型が直面するひけマークおよび空隙課題とは異なり、機械構成および本システムパラメータは、これらの問題の遭遇を最小にする、本開示の生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームを生成するように制御可能である。特に、本プロセスでは、SCFガスは、発泡プロセス内でポリマーマトリクスの気泡構造を調節する、例えば、最大化するように制御される。特殊発泡プロセスのこの最大化はより良好に、最終発泡部品内に望ましくないひけマークまたは空隙が存在しないことを確保する。
【0138】
加えて、示されるように、本システムの有用な利益は、それが、低コスト材料を使用し、生成された最終製品がより少ない反りを有することである。特に、上で記載する多くの理由のために、本開示は、SCFガスが発泡プロセス内でポリマーマトリクスの気泡構造を最大化する一因となっているプロセスから利益を得る。特殊発泡プロセスのこの最大化は、最終発泡部品内で反りが最小に抑えられることを確保する。
【0139】
本システムの別の利益は、それが、公差を制御するように構成され得ることである。例えば、システムは、厳しい公差の軟質発泡射出成型を実施するように構成され得る。特に、本明細書で提示される厳しい公差の軟質発泡射出成型は、一緒に滑らかに働く部品を生成させるために使用され得、製品についての全体の欠陥率をより低くすることに寄与できる。
【0140】
製品が確実に、意図されたように働くように、その部品は全て、一緒に滑らかに適合しなければならない。したがって、本装置およびそれらの構成部分は、公差を厳しく制御するように設計されている。典型的には、これらの部品は、可能な限り良好な公差で生成される。異なる範囲の許容される公差が存在し;例えば、非常に厳しい公差は+/-0.001”である。時として、千分の数インチさえも、適合する部品と適合しないものの間の差を意味してよい。
【0141】
結果として、設計初期段階で厳しい公差を同定することが有用である。これは、設計技師は発泡部品形状、全体の発泡部品サイズ、および発泡部品壁厚に対する要求を考慮に入れなくてはならないからであり-これらの全ては、公差制御に影響を有し、かつこれらの全ては、注意深く管理されないと、ひけマーク、反り、および一貫性のない部品公差を悪化させる可能性がある。本システムおよび装置は、これらの設計課題のほとんどを克服するが、依然として最良の設計実践を使用し、なぜなら、SCFガスは発泡プロセス内でポリマーマトリクスの気泡構造を最大化する一因であるからである。同様に、システムは、金型内でより急速に冷えるように構成され得る。
【0142】
上記の結果、ひけマーク、反り、および公差の不一致が、大きく低減される。これは、発泡マトリクス内の均一なサイズの、均等分布された顕微鏡サイズの気泡が主な理由である。したがって、これらの利益を達成するために、マイクロセルラー発泡プロセスは、細かく制御されるべきである。例えば、示されるように、発泡がメルトフロントに沿って起こる場合、前進は、成型表面上に縞および流線を導入し得、これにより欠陥を引き起こす。
【0143】
上に加えて、これらの欠陥は本明細書では、共射出および型内装飾技術の1つ以上を採用することによりさらに最小に抑えられ得る。しかしながら、多くの場合、これは、法外な費用がかかる可能性がある。それにもかかわらず、本システムは、高品質製品の機会を選択することにより、そのような法外な費用がかかる事例を克服し、この場合本開示の付加価値は許容され、理解され得る。
【0144】
様々な場合においてSCF発泡に不利点が存在し得ることに注意すべきである。なぜなら、場合によっては、それは、溶融粘度および他の物理的性質に変化を引き起こす可能性があるからである。特に、SCFをポリマー溶融物中に均一に拡散させる場合、単相溶液は、自由体積を増加させることにより、ポリマーの粘度を低減させることにより、可逆可塑剤として作用する。この効果はまた、ポリマーのガラス転移温度、ならびに、その引張強さを低減させる。これは、不均一な泡サイズをもたらす可能性がある。
【0145】
不均一泡サイズは潜在的に、部品全体にわたる一貫性のない技術性能特性、その上、潜在的に望ましくない表面的な問題を有する成型フォーム部品の製造につながる。これらはどちらも、大量生産中に部品間で同じ技術性能特性を含む、一貫して再現可能な生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームを生成しようとする場合問題である。本システムは、これらの困難を克服するように構成される。
【0146】
したがって、上記のように、これらの不利点を克服するために、およびマイクロセルラー発泡プロセスをより細かく制御するために、上記のガス対圧(GCP)が採用される。上記のように、ガス対圧は、ガスの泡が、発泡部品が形成されるにつれ、発泡材料の表面に接触しこれを突き破ることのないように制御されるように、細かく制御される。これは、対抗圧力がGCPシステムにより金型キャビティ中に適用されることにより達成され、それは、溶融単相溶液が射出されるのと同時、または大体同時であってよく、一方で金型内のホールド時間を制御する。型温および圧力もまた、これらの目的のために細かく制御され得る。
【0147】
射出されると、不活性ガス泡は、膨大な力に供され、よって溶融単相溶液は、トラップされた泡が形成される間に発泡構造の外側に放出される機会を与えられない。同様に、単相溶液に働く膨大な力は、何百万の小さな泡を金型の内側の発泡構造内により良好に分配する、ならびに泡サイズ一貫性を支援するのを助ける。結果は、部品の外側に形成される外見上滑らかな表皮を有する成型フォーム部品、および、大量生産中に部品間で繰り返し可能な技術性能特性のための一貫した泡サイズである。
【0148】
例えば、システムは、例えば溶融物射出段階で異なるガス圧力および/または温度を適用することにより、GCPの導入が発泡プロセスを制御することを可能にするように構成され得る。結果として、GCPは、射出成型機内に存在する金型キャビティ内で発泡プロセスに導入される。最初に、不活性ガスが、ガスコンプレッサおよびガスポンプにより金型キャビティ中にガス制御弁を通して投入される。ガス圧力センサは、ガス制御弁からコンピュータ-制御装置にリアルタイムデータをフィードバックする。
【0149】
システムは、コンピュータシステム内で投与パラメータおよびホールド時間を設定することにより、金型キャビティ中へのGCP投与を開始する。コンピュータシステムは次いで、金型キャビティ中への不活性GCPショットの適正な投与を開始する。GCPを使用しないと、生体高分子溶融物は、金型キャビティに入り、直ちに発泡し始め、ガスの不均一な泡を生成し、これは、表面を突き破りフォームの外側に望ましくないスワールマークを生成し、これは問題である。
【0150】
同様に、射出速度もまた細かく制御でき、例えば射出速度は、スクリュー圧力(Pscrew)とガス圧力(Pgas)の間の差により決定できる。特定的には、PscrewがPgasよりわずかに高く、かつ両方のパラメータが十分高い場合、SCFが溶解された溶融物は、金型キャビティに発泡なしで流れ込む。PscrewをPgasより高く、かつPgasを臨界圧より低く設定すると、部分発泡が得られる。最後に、動的な金型温度と組み合わせたPscrew、Pgas、および圧力差の適切な選択は、泡サイズのより正確な制御を可能にする。したがって、これらのパラメータの微調整により、流れにより誘導される縞は、なくならないまでも、最小化できる。
【0151】
特定的には、これらのパラメータは、一部には流動挙動を考慮することにより決定され得る。例えば、1つの実施形態では、レオロジー(流れ)は、異なる型温(185、195、および205C、射出速度(5、10、および15mm/sスクリュー回転数)、ならびにGCP(50、100、200、および300バール)下で、N2の0.4wt%SCFが溶解されたポリマー溶融物の挙動により生成された。そのような場合、測定されたせん断速度は、3000-11000s-l範囲内であり、ガラス転移温度、Tgは、GCPが300バールであった場合、96から50Cに低減された。同様に、この場合、従来の射出成型と比較して、溶融粘度は、GCPが50から200バールに増加された場合、約30%だけ下落した。
【0152】
特定的には、GCPが300バールである場合、発泡がない単相射出溶融物の粘度は、射出条件によって、50%も低減させることができる。それは圧力要求および温度要求を低下させ、これにより製造原価、特定的にはエネルギーコストを低減し、かつ製造中の発泡部品サイクル時間も低減するので、これは有用である。結果として、これらのシステムパラメータは全て、より少ない圧力および温度要求、およびより少ないサイクル時間のために、より大きなエネルギー節約を支援し、これは、例えば適切な生体高分子コンパウンドを選択すること、および材料機械的特性を適合させるためにプロセス温度、圧力、およびホールド時間を調整することにより、より速く、かつより少ないお金で生成されるより多くの部品につながる。
【0153】
加えて、示されるように、本機械およびシステムの重要な特徴は、それらが、より均一であるように泡サイズを制御するために構成され得ることである。上記のように、これは一部には、温度、圧力、SCF投与制御、GCP、DMTC、および上記他のパラメータを制御することにより達成され得る。これらの属性の全ては、協調して働いて、発泡マトリクス内で最適な、最も均一な泡サイズおよびそれらの最適で均一な分散を確保する。さらに、表面品質が、メルトフロントに沿った流体のドリフトを制御することにより改善され得る。
【0154】
その名が示唆するように、メルトフロントは、溶融単相溶液が成型キャビティに入る点である。メルトフロント速度は、メルトフロント前進速度である。複雑なキャビティ形状を有するいずれの金型についても、キャビティの一部は、他の領域よりも速く充填され得る。他のパラメータを制御することの中でも、例えば温度、圧力、およびSCF投与制御を制御することによる、メルトフロント速度を制御することにより、より均一な金型キャビティ充填速度が達成され得、これは、得られたフォーム部品の表面品質が外見上許容され得ることを確保される。
【0155】
したがって、単相溶液が作製されると、上で記載される、改変された射出成型機は、溶液を加圧状態で、射出の開始まで維持する。例えば、機械は、上で示されるように、シャットオフノズルおよびスクリュー位置制御の協力によりこれを達成するように構成され得る。特に、シャットオフノズルは、可塑化バレル(往復スクリューを有する)と金型の間の連結部として機能するように構成され得る。そのようなシャットオフノズルは、自動制御または外部制御でき、それらは、溶融ショット間の溶融物のたれ落ちを回避し、よって減圧および金型中への時期尚早な発泡を防止するために使用され得る。
【0156】
結果として、シャットオフノズルは、減圧および金型中への時期尚早な発泡を防止する。例えば、シャットオフノズルがないと、単相溶液は、金型キャビティ内で十分な圧力を有さず、所望の成型フォーム部品は、生成されないであろう。同様に、能動または受動スクリュー位置制御のいずれかが使用されて、スクリューの後退による減圧を防止し得る。
【0157】
特に、システムは、能動スクリュー位置制御を実行するように構成され得、例えばスクリューの位置は、連続してモニタされ、スクリューの背部に適用される圧力は、決められた位置セットポイントを維持するように、または一定圧力がスクリューの背部で保持されるように調節される。例えば、受動位置制御では、背圧を制御するために使用される油は、スクリュー復帰の終わりにそのタンクへ流れないように防止される。この残留油は、スクリューを単相溶液の圧力のために後退しないように維持する。
【0158】
加えて、上で示されるように、適正な金型設計は、単相溶液の維持を助ける。特定的には、それらの場合に、金型はホットランナーシステムを含み、1つ以上の弁ゲートが含まれ、例えば型開きでの、ノズルからの材料あとだれを防止するように制御され得る。より特定的には、ホットランナーシステムは、本明細書で射出成型装置において使用され得、物理的に加熱される部品のシステムを含んでよく、そのためそれらは、より効果的に使用されて、溶融プラスチックを機械のノズルから成形型キャビティ中に移動させる。例えば、「コールド」または「ホットランナー」を使用でき、例えばコールドランナーは、溶融プラスチックを、それがノズルを離れた後に金型キャビティに誘導するために採用される、加熱されない、物理的チャネルであり、ホットランナーは、加熱され、一方コールドランナーは、加熱されない。
【0159】
同様に、様々な場合において、装置は、正常動作中にスプルーブッシュとの接触を断つように構成されたノズルブレーキを含み得る。この構成は、スタックまたはタンデム金型において有用であり、これは、スプルーブッシュ上でのシャットオフを採用する。特に、スプルーブッシュは、機械ノズルを受容し、よって溶融生体高分子コンパウンドが金型に入ることを可能にするように構成され得る。機械ノズルがスプルーブッシュとの接触から外されなければならない場合には、溶融生体高分子コンパウンドは、スプルーブッシュから後方にだらだら流れる可能性があり、金型の減圧が、起こり得る。溶融たれ落ち廃棄物は全て、生産コストを増加させる可能性があり、溶融物の次のショットに悪影響を与え、さらに金型の適正な閉じを妨害する可能性があり、これは潜在的に、さらに多くの問題を生じる。
【0160】
これを克服するために、シャットオフを有するスプルーブッシュを選択することが、採用され得る。さもなければ、ホットランナーからの圧力は、スプルーブッシュを通して軽減されるであろう。特に、スプルーブッシュがシャットオフを必要とする場合、シャットオフは、上記他の利益に加えて蓄積される型内圧力が逃げることを防止する。金型のあらゆる減圧は、潜在的に溶融部品の発泡を防止し、結果として、所望の成型部品が形成されない。
【0161】
上で示されるように、様々な発泡剤が、生分解性で工業的に堆肥化可能なマイクロセルラーフォームの射出成型のために使用され得る。特別な場合、これらの発泡剤は、不活性ガスおよび/または希ガス、例えば不活性窒素ガスまたは二酸化炭素または超臨界流体(SCF)状態に変換され得る他のガスを含み得る。本明細書で開示される装置、システム、およびそれらの使用方法にしたがい、SCFは、機械内に、例えば、溶融バレルに、例えば特別設計のコンピュータ-制御された注入器を介して、導入、例えば、注入され得る。注入器は、例えば、発泡剤をバレル内の溶融生体高分子溶融物中に送り込むために、射出成型機バレルに結合され、例えば、固定され得る。射出成型機制御装置は、特定のSCFガス投与量を、窒素または二酸化炭素などに関係なく、生体高分子溶融物中に送達させるようにプログラムされ得、この送達は、システム制御装置により最適化され得る。
【0162】
結果として、上記SCF発泡剤の各々は、生成される最終部品の技術的要求に依存して、その役割を有する。特に、示されるように、有用なSCFはその超臨界状態にある二酸化炭素であり、同じ圧力の窒素よりも密度が高く、さらにずっと高い熱容量を有する。実験は、超臨界状態の二酸化炭素が、特定のクッション材用途において有用であり得る濃厚フォームを生成することを示した。対照的に、超臨界窒素は、本開示の履物およびスポーツ用品用途に有用な、より小さな気泡を有する低密度発泡部品を生成するために使用できる。
【0163】
したがって、靴などの運動用品を生成するのに有用な発泡剤は、SCF窒素ガスである。なぜなら、それは、SCF二酸化炭素よりもずっと低い重量パーセンテージで、改善された重量低減および微細気泡構造を提供するからであるが、家具および自動車用途では、有用な発泡剤は二酸化炭素であり、これは、より大きなサイズおよび/または重量にもかかわらず、ずっと大きな気泡構造を生成する。特定的には、様々な場合において、発泡部品の増強された重量低減は、最少量の重量を要求する製品用途には有用な特徴である。非限定的な例として、ランニングシューズは、非常に軽量でありかつ繰り返される酷使に耐えられることを示す軟質フォームを含むことが継続して必要とされている。
【0164】
上記例において微細気泡構造を用いて増強された重量低減を提供することにより、射出成型軟質フォーム部品は、許容できる軽量靴を製造することによりランナーの効率を増加させる能力について信頼されるであろう。その上、上記フォームの微細気泡構造は、ランナーが加速運動の間に圧力および衝撃を靴の発泡部品に常に与えていることから生じる繰り返される衝撃力に対処できるであろう構成部分を有する、非常に耐久性のあるランニングシューズを確実にするであろう。
【0165】
実際に、SCF窒素レベルは典型的には、同等の部品を達成するのに必要とされるSCF二酸化炭素レベルより少なくとも75パーセント低い。したがって、SCF二酸化炭素に比べると、大きく低減されたSCF窒素レベル要求は、靴部品を製造する際に使用される、本開示の生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォーム大量生産する場合に、最適な材料節約および時間節約を確実にする。SCF二酸化炭素はしかしながら、粘度低減が主なプロセス目標である場合など、および/または適用がSCF窒素のより攻撃的な発泡作用に耐えることができない場合などの、様々な特別な状況において有用な発泡剤である。
【0166】
場合によっては、SCF二酸化炭素は、特に半軟質フォームにおいて好適な発泡剤である。軟質および半軟質フォームの両方が軟質フォームの同じカテゴリに含まれてよく、なぜなら、それらはどちらも、通常室温である、それらの使用温度より低いガラス転移(Tg)を有するポリマーに由来するからである。物理的発泡剤を用いた物理的発泡プロセス中に、ガラス転移の低下が見られる。窒素および二酸化炭素発泡剤の有効性のこれらの違いは、生体高分子溶融物中でのそれらの挙動から生じる。
【0167】
例えば、二酸化炭素は、31.1セ氏温度および72.2バールでSCF流体になり、-147セ氏温度および34バールで超臨界流体になる窒素より、生体高分子中で4~5倍可溶性である。例えば、無充填生体高分子における飽和点は、温度および圧力条件に依存して、約1.5~2重量パーセントの窒素であり、一方で二酸化炭素の飽和レベルは、8重量パーセント前後である。二酸化炭素はまた、生体高分子中でより大きな移動度を示し、窒素よりさらに既存の泡中に移動される。気泡核形成の観点から、より大きな溶解度および移動度は、より少ない核が形成され、かつ核形成するものはより大きくなる傾向があることを意味する。
【0168】
溶解度はしかしながら、目標が粘度低減である場合、利点となる。生体高分子に溶解されたSCFは、可塑剤として作用し、生体高分子の粘度を低減させる。粘度低減は部分的に、生体高分子に添加されたSCFの量の関数であるので、および二酸化炭素は窒素より高い溶解限度を有するので、二酸化炭素を用いて粘度を低減させる能力は、より大きい。二酸化炭素はまた、部品を生成するのに必要とされる窒素の量が低すぎて一貫して部品を処理できない場合に有用である。
【0169】
二酸化炭素はずっと攻撃性が低い発泡剤であるので、低レベルの二酸化炭素を流すのがより容易である場合もある。例えば、0.05パーセント未満の非常に低レベルの窒素と比べて、0.15または0.2パーセントの酸化炭素。前の例で示される場合は主に、軟質材料および厚い断面を有する部品で起こる。したがって、物理的発泡剤は、SCF窒素であろうとまたはSCF二酸化炭素または他のSCFであろうと、最終発泡部品およびそれらを含む最終製品において有用な役割を果たす。
【0170】
第1に、適合可能な生体高分子または生体高分子コンパウンドおよび関連SCFガスの適切な組み合わせを選択することが、有用である。第2に、最適な投与重量および圧力により、SCFガスを適正に利用することが、単相溶液内で最大飽和を確保するため、および、発泡マトリクス内で何百万の均一な泡を生成させるための核の最適な生成を確保するために重要である。加えて、最終結果、均一に形成された射出成型軟質発泡部品は、上で説明される、商業的に許容される成型発泡部品を達成するために射出成型機温度、圧力、およびホールド時間と共生的に働くSCFおよびGCPガス投与プロセスのあらゆる側面に依存する。
【0171】
示されるように、1つの態様では、連続気泡か独立気泡に関係なく、生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームを製造するプロセスが、提供される。様々な場合において、製造プロセスは、下記工程の1つ以上を含む。最初に、熱可塑性生体高分子が、発泡のためのマスターバッチへとブレンドされ得る。非限定的な例として、言及されたマスターバッチは二軸押出機により生成され得、そこで2つ以上の生体高分子、フィラー、および/または添加物が、例えば押出加工バレル内で、単一ポリマー溶融物へと、均一にブレンドされ得る。溶融生体高分子ブレンドは次いで、ストランドに押し出され、冷却され、マスターバッチと呼ばれる顆粒にペレット化され、それは次いで、上で記載される通り処理され得る。好適な生体高分子、バイオプラスチック、フィラー、添加物、および着色剤の任意の組み合わせが、マスターバッチ生成に組み込まれ得る。したがって、生成されると、熱可塑性生体高分子ブレンドは、不活性窒素または二酸化炭素ガスなどのSCFを用いて、好適な金型形状に射出成型され得る。
【0172】
上で記載される通り、本射出成型が、溶融材料を製品金型中に射出することにより部品を生成するための製造プロセスにおいて使用され得る。本開示では、好適な生体高分子または生体高分子がブレンドされたコンパウンドが、顆粒状形態でなどで、選択される。上記顆粒は、補助ペレット乾燥装置において予備乾燥されて、潜在的な水分が除去されることを確実にする。予備乾燥されたペレットは次いで、射出成型機ホッパーに導入され得る。オペレーターは次いで、射出成型機の最適バレル温度、ノズル温度、および型温を選択し、コンピュータ-制御によりこれらの値を入力する。
【0173】
さらに、最適なSCFガス投与パーセンテージおよび圧力、ならびに最適なGCPガス投与および圧力が量られてよく、これらの値は、例えば、動的に、システム制御ユニットに入力され得、または、そうでなければ、これにより決定され得る。システムが適正に構成されると、射出成型機はすぐに動作できる。顆粒が、コンピュータ制御により特定される量で、射出成型機のスクリューおよびバレル中に放出され得、そこで、それらは特定の温度または温度セットで溶融される。
【0174】
SCFガスは、コンピュータ制御により、制御された圧力および投与サイズ下、SCF注入器を通して射出成型機バレルに導入される。SCFは、今溶融された顆粒を飽和し、単相溶液が、生成される。次いで、適正な背圧およびスクリュー位置調整を用いて、射出成型機は、単相溶液の測定されたショットを動的温度制御された金型キャビティ中に送り込む。核成長が、溶融物内で経験され、何百万のマイクロセルラー泡が、生体高分子溶融物内で形成される。実質的に同時に、GCPシステムは、気泡の均一性および最適表面外観のための表面テクスチャ条件を最適化するコンピュータ制御により金型中に予め計量された投与量の対圧ガスを送り込む。動的温度制御された型温は次いで、水冷却に切り換えられてよく、泡の形成および溶融物の膨張が、停止する。この時点で、軟質フォーム成型部品がすぐに形成され、それは、金型から取り出される。
【0175】
特に、上で示されるように、システムは、動的型温制御を実行するように構成され得、それは、最適気泡構造を生成するために使用され得る。例えば、記載されるように、動的型温制御(DMTC)は、迅速電気ロッド加熱および迅速水冷却を実行する。より特定的には、本明細書で採用されるDMTC手順は、下記の5つの主要構成要素の1つ以上を含み得る:エアコンプレッサ、弁交換装置、コンピュータ-制御される型温制御ユニット、電気的に加熱される金型、および冷却塔。冷却塔は、冷却動作の性能のために、水冷却を金型に提供するように構成され、一方で好適に構成されたエアコンプレッサは、圧縮空気を生成し、ガスを空気弁を通して駆動し、冷却後に金型に入らないように全ての残留冷却水を排除する。1つ以上の弁交換装置は、弁を切り換えて異なる媒体を様々な機械パイプラインから金型に、例えば、温冷熱サイクルのために移動させるように構成され、採用され得る。電気的に制御される加熱要素が、発泡部品の最終形状を成型するために含まれ、そのように構成され得る。水塔および加熱要素は共に、型温を細かく制御するように機能でき、そのため金型の加熱および冷却は、成型プロセスの実行において迅速に加熱および/または冷却され得る。
【0176】
これの全ては、好適に構成されたコンピュータプロセッサにより、射出成型機と連携している。例えば、本発明のDMTCシステムの冷却水温度制御の非限定的な例は、15~30℃であってよく、DMTCシステムの加熱要素温度範囲のさらに非限定的な例は、60℃~150℃の範囲であってよく、90℃~130℃の範囲にある可能性があり、それらの間の任意の温度であってよい。このような様式で、生体高分子溶融物、圧力、および時間は、望ましい軟質フォームが形成されるように制御され得る。
【0177】
特に、本開示の射出成型プロセス中に、SCFは、ポリマー溶融物中に注入される。単相のポリマ-SCF混合溶液が、射出成型機スクリューおよびバレル内で確定温度および圧力下で得られる。温度および圧力は、コンピュータ-制御により可変的に制御可能であってよく、生成される軟質フォームの型に、およびどの型の最終製品用途のためかに、直接関連する。様々なスクリューが含まれるSCF単相溶液圧力およびGCP圧力を、適正なショットサイズ、ショットホールド時間、溶融温度、および型温と協力して適用することにより、それにより高品質で商業的に許容される生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォーム部品が生成され得るシステム全体が、例えば最少量の表面欠陥を有し発泡部品の外側にプラスチック表皮がほとんど~全くない最適フォーム構造を確保するように射出成型プロセスにおいてガス対圧を使用することにより、作製される。
【0178】
示されるように、本明細書で開示される装置、システム、およびそれらの方法にしたがい生成される製品の有用な利益は、それらが例えば家庭または工業堆肥化プロトコルにおいて、生分解性および/または堆肥化可能であり得ることである。特に、工業堆肥化レジームにおいて分解されるように構成される品を生成することは、軟質フォームが、例えば完成品内で使用中に分解しない、またはばらばらにならないような様式でそれを機能化することにより、得られた製品の使用可能期間持続することを確保する。例えば、製品使用可能期間の終わりより前に、定期的使用中に結局フォームを分解させる結果となるこの開示の軟質フォームから製造された家具、一足の靴、または他の運動競技用器材を購入することは、人にとって有害であろう。
【0179】
より特定的に、本開示は、不活性物理的発泡剤および生分解性で工業的に堆肥化可能な生体高分子または生体高分子コンパウンドの使用から利益を得る。これらの2つの側面は一体となって、単相溶液を形成し、これは特殊軟質フォーム射出成型システム内で機能化される。結果は、多くの型の最終製品において使用するための生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームであり;その非限定的な例は、靴の製造において使用するための履物フォームである。得られた軟質フォームは、非架橋であり、化学物質を含まず、環境に優しい。
【0180】
生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォーム寿命の終わりに、それは、廃棄物ダイバージョンを通して、適切な工業堆肥化施設にリダイレクトさせることができ、これによりフォームは、使用可能なバイオマスへとすり砕かれ工業的に堆肥化される。最終結果として、いわゆる循環経済の側面を固守するシステムが生成される。本開示の軟質フォームは、「ダートトゥダート(dirt-to-dirt)」として始まり、終わり、自然の生物学的プロセスが最少量の環境影響でヒト使用のための材料および製品を製造するために適合されたことを意味する。これらの軟質フォームは、使用可能期間中の技術性能特性、および、それらの環境を意識した設計のどちらに関しても妥協しない。
【0181】
本明細書の上で記載されるように、本明細書における装置、システム、およびそれらの使用方法は、1つ以上の成型最終製品を生成する目的のために、例えば履物、座席、自動車、防具、および/またはスポーツ用品において使用するための構成部品のために使用され得る。したがって、様々な実施形態では、靴の構築において有用な1つ以上の構成部品、例えばそのソール、ミッドソール、および/またはインソールが、本明細書で提供され、例えばソールは、靴のベースを形成し、かつ地面と接触するように構成され、ミッドソールは、中間構造およびクッション要素を形成し、インソールは、靴内に挿入されるように構成され、これにより靴にクッション作用および/またはサポートを提供する。
【0182】
ある実施形態では、靴構成部品は、本明細書で生成されるフォーム材料を含んでよく、それは環境に優しく、生分解性で、堆肥化可能であり得る。様々な場合において、各個々の構成部品は、ベース層およびクッション層、例えばここではクッション層を含む複数の層から構成され得る。例えば、特定の実施形態では、サポート部材、例えばベース層に結合されるサポート部材が含まれ得、この場合構成部品は、アーチ接触またはかかと接触部分の1つ以上において、インソールである。
【0183】
特に、様々な実施形態では、発泡材料が生成され得、例えばフォーム材料は、クッション、クッション付き家具、靴部品、例えばそのインソール、マット、繊維、織物、などの製造において使用され得る。他の有用な製品は、シリコーンコーキングなどのコーキング、シリコーン医療用手袋、薬物送達系のためのシリコーンチューブ、シリコーン接着剤、シリコーン潤滑剤、シリコーン塗料、および他の好適なシリコーン製品、例えば、コンドームを含み得る。様々な実施形態では、フォーム製品は、発泡材料が、抗菌、抗細菌、抗真菌、抗ウイルス、および/または防炎特性の1つ以上を有し得るように生成され得る。
【0184】
より特定的には、1つの態様では、この開示は一般に、家具、例えば布張りの家具および/またはそのクッション、例えば、生分解性および/または堆肥化可能であるフォームを含む、またはそうでなければこれから構成される家具などの製造のためのプロセスに向けられ得る。よって、本開示のフォームは、そのように生成されたフォームインサートを含む家具の製造における使用のために有利である。生成され、採用される樹脂およびフォームは、例えば、枕、長椅子、ベッド、シートクッション、または他の布張り家具、などのためのクッション材料としての使用に有利であることが証明されている。
【0185】
例えば、本明細書の上で開示される方法により、例えば家具または車付属品構成部品における使用のためのフォームインサートを、例えば形成するためのフォームの小さな~大きなブロックの金型を生成できる。ブロックフォームは次いで、生成される家具の型および形態に基づき、所望のサイズおよび形状のより小さなブロックに切断できる。特定的には、サイズ指定され、切断されたブロックは次いで、家具または自動車フレームまたは他の境界材料に適用され、またはそうでなければその中で適合され得、それらと一緒にカバーされて、枕、ソファー、クッション、例えば、ソファまたはカークッション、などかどうかに関係なく、最終家具製品を生成し得る。加えて、所望であれば、アウターケーシングまたは境界材料は、フレーム材料に、例えばステープリング、および/またはタッキングにより付着され得、または、そうでなければ、布張りとされ、織物または他の材料で被覆される物品のフレームに固定され得る。
【0186】
したがって、様々な実施形態では、布張りの家具、例えば長椅子または自動車シートを製造する場合に、フレームが生成され得る。家具の様々な内部、例えば、構造構成部品は、フレーム、例えばスプリングなどの中に取り付けることができ、次いで、本明細書の上で開示される方法により生成された発泡シートが、スプリング内、上およびその周りに、例えばクッション性および/または絶縁のために配置され得る。当然、他の材料、例えば綿、羊毛、フェルトの層、ゴムに基づく製品、などが含まれてよく、カバー材料が次いで、フレームをカバーし、最終製品製造を完成させるように付加され得る。
【0187】
特定的には、本フォームは、本明細書で開示される他の材料と共に、詰め物、または充填物として機能でき、それは、カバー下で形作られ、調整され、押し込まれ得る。なぜなら、カバー材料はフレーム上に広げられるからである。加えて、示されるように、様々な場合において、本明細書で生成されるフォーム製品は、多くの理由のために、当技術分野で知られているものの中および上において有用であり、とりわけ重要なのは、典型的なPUおよび/またはEVAフォームは、方法はどうであれ生分解性ではなく、一方で本明細書で生成されるフォームの構成部品はそうであるという事実である。よって、様々な実施形態では、オープンフレーム上で家具を構築する方法が提供される。例えば、一例として、方法は、下記の工程の1つ以上を含み得る。
【0188】
特に、方法は、フレームを提供することを含んでよく、フレームは背部、複数の側壁、およびシート部分を規定し、例えば、シート部分が垂直部分を横断するような様式で、互いに対して、バックフレーム部分が実質的に垂直に延在し、シート部分が実質的に水平に延在する。方法は、フォームのフラットシートを適切なサイズおよび形状に切断して、背部およびシートおよび/または側壁部分のための詰め物を提供すること、フラットカバー材料を適切なサイズおよび形状に切断して、背部、シート、および/または側壁部分を完成させること、フォームシートおよびカバー材料を一緒に離間した位置で付着すること、およびフォームを圧縮して、その外面においてあらかじめ決められた輪郭デザインを形成し、かつ実質的にフラットなサブアセンブリを形成することをさらに含むんでよく、フォームシートおよびカバー材料は、付着の位置の中間の相対的な動きに対して自由であり、ならびに、サブアセンブリを形作り、フレームに付着する。フォームクッションまたはクッション付き物品のためのカバーは、布張り家具およびカバー付き装飾枕などにおいて普通使用される任意の好適なカバリング材料、例えば毛織物、ナイロン織物、または他の様々な合成繊維からの織物ならびに革などの材料などであってよい。
【0189】
さらに、別の態様では、この開示は一般に、靴部品、例えば靴のソール、ミッドソール、および/またはインソール、例えばフォーム、例えば、堆肥化可能なフォームを含む、またはさもなければこれから構成される靴部品の製造のためのプロセスに向けられる。特定的には、特定の実施形態では、ソール、ミッドソール、インソール、および/または他の靴インサートを製造するための方法が、提供される。例えば、本靴インサートは、靴、例えば、ランニングシューズまたはスニーカー内に挿入される、またはさもなければフィットされるように適合されるクッション装置の形態であってよく、これは、走ったり歩いたりする間に、表面、例えば、地面を打つ足の衝撃を低減するように構成でき、これにより足への衝撃を吸収および/または減衰する。
【0190】
特に、ミッドソールおよびインサートを含む靴底構成部品は、1つまたは複数の層を含み得る。例えば、場合によっては、ベース層、フォーム層、および/または織物層が、提供され得る。特定的には、比較的弾性な材料のベース層、および/または、例えば、ベース層上に配置されるフォーム層、および/または、フォーム層上に配置される織物層が、含まれ得る。したがって、方法は、三層シートへとベース層、フォーム層、および織物を一体で形成することを含み得る。様々な場合において、サポート層は、少なくともかかと領域に配置され得、そのサポート層は、例えば、積層物のものより高い密度を有する、剛性材料から構築され得る。接着剤、のり、または他の付着メカニズムが提供され、三層をサポート層と接着し形成するために採用され得る。
【0191】
より特定的に、他の場合には、インサートなどの靴構成部品を製造するための方法は、下記工程を含み得る:フォーム層を提供する工程、および/または織物層を提供する工程;フォーム層を加熱する工程;フォーム層と織物層を合わせる工程;ベース層、例えば、フォーム層と同じか、それより大きいか、または少ない密度である密度を有するベース層を提供する工程;ならびにベース層およびフォーム層の少なくとも1つを加熱し、ベース層をフォーム層と結合して二層または三層を形成する工程。
【0192】
方法は、予め形成されたサポート部材、例えばアーチサポートおよび/またはヒール部材を提供することをさらに含んでよく、部材は、フォーム層の密度と実質的に同じか、それより少ないか、または大きい密度を有し得る。特別な場合、サポート部材は、フォーム層のものに比べより大きな密度、よってより大きな剛性を得るように、圧縮されたフォーム材料から形成され得る。加えて、熱および/または圧力再活性化接着剤が、サポートおよび/またはヒール部材と積層物の間に適用され得る。成型圧力が次いで、組成物に適用され得、三層のサポートおよび/またはヒール部材への形成および/または造形を引き起して、一体ワンピース靴インサートを形成し、予め形成されたヒール部材は後方部分を形成し、および/またはサポート部材は完成靴インサートの底面の中央部を、例えば、その中央および/またはヒール領域で形成し、ならびに、ベース層は完成靴インサートの底面を、その前方領域で形成する。
【0193】
しかしながら、サポートおよび/またはヒール部材は含められる必要はなく、場合によっては、1つ以上の積層構成部品が排除され得、または他のラミネート層が付加され得ることに注意すべきである。ある実施形態では、フォーム層は、ベース層よりも、より軟質で、および/またはクッション性であり得、例えば、より大きなデュロメーター(duometer)を有し、ベース層は今度は、サポート部材よりも、より軟質で、および/またはクッション性であり得、例えば、より大きなデュロメーター(duometer)を有することに、さらに注意すべきである。よって、より軟質のフォームおよびベース層は、比較的弾性であり、形状が所望の靴サイズおよび構成に適合でき、一方サポート層(複数可)は、比較的より剛性であり得る。
【0194】
特に、示されるように、フォーム層および/または1つ以上のサポート層は、本明細書で開示される生分解性のおよび/または環境に優しいフォーム材料で構成され得る。特定的には、サポート層は、より高密度のフォームを有してよく、よって、サポート層をより剛性にする。よって、様々な実施形態では、フォーム層は、約2または約3または約5~約10lbs/立方フィート以上の密度、例えば約4-6lbs/立方フィートの範囲の密度を有し得る。加えて、フォーム層は、1/8”+または-5%の厚さ、例えば約3/32”-5/32”の厚さの範囲を有し得る。
【0195】
同様に、ベース層もまた、約2または約3または約5~約10lbs/立方フィート以上の密度、例えば約4-6lbs/立方フィートの範囲の密度を有し得る。ベース層の厚さは、約5/16”+または-10%のオーダーであり得る。しかしながら、様々な場合において、ベース層の厚さは、約1/4”以下~約7/16”の厚さの範囲であり得る。サポート層に関しては、それは主にインサートのアーチおよび/またはヒール領域で形成され得、それはまた、本明細書で開示される生分解性および/または堆肥化可能なフォームで製造され得る。
【0196】
しかしながら、サポート層は、最終密度が22-23lbs/立方フィートのオーダーとなるように圧縮されることにより製造され得る。織物層は、任意の好適な材料、例えば、綿、ポリエステル、またはポリプロピレンニットで構成され得る。様々な場合において、材料およびフォーム層は、フォーム層に向けられる裸火を採用するフレームラミネーション技術により一緒に積層されてよい。裸火は、表面で十分な熱を発生させて、フラットシートフォーム層の溶融を引き起こす。溶融されると、織物層がこれと一緒にされ得、2つの共に挟まれた層は、冷却ローラー間を移動されてよく、その間、十分な圧力が、ローラー間で適用され、よって2つの層が一緒に接合される。
【0197】
プロセス中のこの時点で、これらの層は依然としてフラットシート形態で維持される。これらの一体化された層は次いで、ベース層へと、またフレームラミネーションにより、次に接合され得る。前に一体化された材料およびフォーム層は、サポート層に接合され得、これらの複数のラミネート層は次いで、冷却ローラー間を移動させられる。プロセスのこの段階で、これらの層は依然としてフラットシート形態である。この点までこのように積層された層は次いで、成型できる。これは、ラミネート層をおよそ250Fの成型温度に、例えば約1~約5分以上、例えば、約225秒の期間の間加熱することにより実施され得る。これは、前に積層された層を十分加熱して、それらを金型中に挿入できるようにする。
【0198】
下記は、本開示の様々な実行の説明であり、添付の図面を参照する。したがって、1つの態様では、履物用部品が提供される。特に、図1に示されるように、本開示の一実施形態は、履物用部品、すなわち、マイクロセルラー軟質フォーム靴ミッドソール100であり、これは生分解性で工業的に堆肥化可能な熱可塑性生体高分子ブレンド102で作られる。
【0199】
特定的には、生分解性で工業的に堆肥化可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォーム靴ミッドソールは、例えば熱可塑性生体高分子を含む、生体高分子および生体高分子ブレンドの1つ以上から製造される。特に、生分解性で工業的に堆肥化可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームを製造するために使用される熱可塑性生体高分子または生体高分子ブレンドは、様々な脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステル、などから任意に作製できる。
【0200】
生体高分子または生体高分子ブレンドの生成において用いられる好適な生体高分子の非限定的な例は、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、および熱可塑性デンプン(TPS)から構成される。加えて、ハイブリッド生体高分子ブレンドが、生分解性で工業的に堆肥化可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームの製造において使用され得る。ハイブリッド生体高分子ブレンドの非限定的な例は、藻類含有ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)から構成される。
【0201】
提供される例では、ハイブリッド生体高分子の藻類部分は、乾燥粉末形態の任意の好適な藻類種から構成される。好適な藻類種のいくつかの非限定的な例としては、ラン藻、緑藻類、紅藻類、褐藻類、および珪藻類、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。上記乾燥藻類粉末は、標準機器上でPBAT生体高分子と共に二軸押出可能であり、そのため藻類粉末は、PBATのポリマー鎖へと変性する。これは、よって、、本開示の生分解性で工業的に堆肥化可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームの製造において使用するためのハイブリッド生体高分子を形成する。
【0202】
生成されたフォーム製品は、下記の材料成分の多くを含み得る、またはさもなければ組み込むことができる:フィラー粉末および/または1つ以上の添加物。特に、用途によって、添加物もまた、生体高分子配合物中で使用され得る。例えば、オリゴマーポリ(アスパラギン酸-コ-ラクチド)(PAL)が、生分解を加速するために、マスターバッチに、任意でコンパウンドされ得る。加えて、フィラー、例えばアラゴナイト由来の沈降炭酸カルシウム、デンプン、などが、完成軟質フォームの再生可能で生分解性の完全性を維持しながら部品コストを低減させるために、使用され得る。
【0203】
さらに、生体高分子配合物における使用のための追加の添加物は、下記の1つ以上から構成され得る。核形成剤、例えばマイクロラメラタルクまたは高アスペクト比魚卵状アラゴナイトが、含まれ得る。そのような核形成剤は、いくつかの有益に増強される属性の中で特に、気泡合一を阻止すること、嵩密度を低下させること、および反発弾性を改善することにより、得られる軟質フォームの基本性質を大きく改善できる。生分解性で工業的に堆肥化可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームの生成における使用のための核形成剤のいくつかの非限定的な例は、Imerys Talc America Inc., Houston, TexasによりMistrocell(登録商標)として市販されるマイクロラメラタルク、および、Calcean Minerals & Materials LLC, Gadsden, AlabamaによりOceanCal(登録商標)として市販される高アスペクト比魚卵状アラゴナイトである。
【0204】
着色剤、染料、および顔料もまた、含まれ得る。例えば、染料、顔料、または生物色素などの様々な着色剤が、本発明の生体高分子配合物において任意で使用され得る。いくつかの非限定的な例は、生体高分子用途のためにオーダーメイドされた植物起源の天然顔料であり、例えば、Treffert GmBH & Co. KG, Bingen am Rhein, Germanyにより提供される広範囲のもの、または、Holland Colours Americas Inc., Richmond, Indianaにより提供されるものである。
【0205】
靴ミッドソール100の所望の物理的性質、および仕事のため、レクリエーション、水利用など、であれ、意図される最終用途に依存して使用され得る多くの構成および実施形態が存在し、それは、これらの例により制限されるべきではない。
【0206】
システムの好適な装置が、図2に例示され得、本明細書の上で開示されるフォーム材料の製造において使用され得る。例えば、使用時に、生体高分子マスターバッチ202が、任意の好適な射出成型機206のホッパー204に送り込まれる。生体高分子マスターバッチは、射出成型機スクリュー208を通して輸送される間に加熱により液化される。窒素またはCO2ガス210が、生体高分子溶融物内に注入され、混合される212。さらに、生体高分子-ガス混合物は、加圧下に置かれ、射出成形型214内に射出される。生体高分子-ガス射出と協力して、ガス対圧システム216は、ガス制御弁220を介して加圧成形型中に1投与量の計量された窒素またはCO2ガス218を送り込む。
【0207】
その後すぐに、動的型温制御システム(DMTC)222は、成形型214の内側の温度を制御し、調整する。成形型214は次いで、十分冷却され、得られた生分解性で工業的に堆肥化可能な射出成型マイクロセルラー軟質発泡部品が、射出成型機から取り出される。
【0208】
図3は、生分解性で工業的に堆肥化可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームを生成する方法300を示すフローチャートを提供する。302で、生体高分子混合物が選択され、304で、混合物が、射出成型機に材料ホッパーを通して引き込まれる。306で、生体高分子混合物が、射出成型機スクリューを通して輸送される間に液化され、ホモジナイズされる。308で、窒素またはCO2ガスが、生体高分子溶融物内に注入される。310で、生体高分子-ガス混合物が、加圧下に置かれ、射出成形型内に射出される。312で、射出成形型温度が、動的制御されて、最適な気泡構造を確保する。314で、最適な投与量のガス対圧が、射出成形型に十分な量の時間の間適用されて、最小表皮厚さを有する理想のフォーム構造を確保する。316で、射出成形型が、十分冷却され、得られた成型フォーム部品が、射出成型機から取り出される。
【0209】
いくつかの実行では、本明細書における本開示を制限せずに、生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームを製造するプロセスは、以下で概説される工程を含む。プロセスセットアップ手順は、注入バレル中への制御されたSCF投与を:単相溶液が得られるスクリュー回転数、温度、および圧力条件下で、確立することを中心に展開する。
【0210】
SCF投与の基本条件が満たされることを確実にするには、調整する主に7つのプロセスセットポイントがある:SCF送達圧力:それに対しSCFがスクリュー回転中に投与されるバイオプラスチック圧力の設定。これは、スクリュー復帰中の特定の生体高分子背圧、およびまた、スクリューが動いていない間のスクリュー位置制御の両方を指す。非限定的な例として、生体高分子送達のための圧力セットポイントは、2,000psi~3,000psiの範囲、より好ましくは2,700psi~2,800psiの範囲であってよい。このセットポイントは、SCF投与が始まるスクリュー位置を設定し、これは次いで、SCF注入器を開いたまたは閉じた位置に設定できる。位置は、スクリュー復帰中のバレル内の圧力が投与の開始前に安定になるように設定されるべきである。非限定的な例として、開放位置は、0.3~0.4インチの範囲であってよい。
【0211】
ショットサイズおよびSCFのパーセンテージもまた、制御され得る。これは、各サイクル中に投与されるSCFの実際の質量を制御する。非限定的な例として、ショットサイズは、100グラム~300グラムの範囲、より好ましくは200グラムであってよい。SCFパーセントの非限定的な例は、0.45%~0.75%の範囲、より好ましくは0.5%であってよい。システムはまた、投与を最適化するように構成され得る。これは、投与時間を最大化し、流速(計量前圧力と送達圧力の間の圧力差)を最小に抑えることにより達成される。投与時間の非限定的な例は、1-2秒、より好ましくは1.7秒である。
【0212】
動的型温制御(DMTC)もまた、実行され得る。これは、注入充填段階中の型温の急速変更および制御を含むプロセスであり、そのため、よって、高温と低温の両方の熱サイクルの観点から型温を動的に制御する。溶融射出前に、金型は最初に、予めセットされた上限に加熱される。溶融充填段階中に、金型キャビティ表面の温度は上限より高く維持されて、溶融物が時期尚早に固化することを防止する。
【0213】
溶融充填プロセスが終わると、金型は、排出温度として知られる下限へと直ちに冷却され、これは部品が金型キャビティから取り出される温度である。本開示の最適な型温範囲の非限定的な例は、40℃~150℃であり、冷却速度は、1℃/秒~15℃/秒、より好ましくは11℃/秒である。本発明の金型冷却時間の非限定的な例は、80秒~100秒である。
【0214】
同様に、ガス対圧(GCP)もまた、制御され得る。これは、溶融物内のガスの膨張に対抗するように窒素ガスが注入される加圧された金型キャビティを含むプロセスである。対圧が解放されるにつれ、従来は表面を突き破るであろうガスの泡が、内側にトラップされ、滑らかな表皮を作り出す。GCPは、表面品質、フォーム構造、および表皮厚さにより、発泡を制御する。本発明のガス対圧の非限定的な例は、0バール/10バール/30バール/50バールであり、保持時間は、1秒~25秒、より好ましくは5秒である。本発明の平均マイクロセルラー気泡直径の非限定的な例は、マイクロメートル(μm)で測定でき、1-マイクロメートル~100-マイクロメートル、より好ましくは40-マイクロメートルである。
【0215】
以上を考慮して、いくつかの実行では、好適な熱可塑性生体高分子ブレンドが生成される。熱可塑性ブレンドが生成されると、熱可塑性生体高分子ブレンドは、例えば窒素ガスなどの不活性ガスの添加を用いて、好適な金型形状へと射出成型され得る。加えて、圧力も、細かく制御され得る。
【0216】
例えば、射出成型プロセスにおけるガス対圧の使用が、実施され得る。これはまた、最少量の表面欠陥を有し、発泡部品の外側にプラスチック表皮がほとんど~全くない最適フォーム構造をさらに確実にするために有用であり、これは、金型形状に基づき、複数の最終用途を有し得る発泡製品を製造する際に重要である。成型プロセスは、動的型温制御の実行を含み得る。例えば、様々な実施形態では、成型プロセスの温度を動的制御することは、最適気泡構造を達成するために有用である。制御できる成型プロセスの他の要素は、望ましい軟質フォームが形成されるように、生体高分子溶融物、圧力、および時間を制御することを含む。
【0217】
したがって、以上を考慮して、本開示は、例えば、履物用部品、座席用部品、防具用部品、およびウォータースポーツアクセサリにおける使用のための、生分解性で工業的に堆肥化可能な生物由来熱可塑性樹脂から、様々な軟質フォーム組成物を射出成型マイクロセルラー発泡するためのプロセスに関する。
【0218】
生分解性で工業的に堆肥化可能なマイクロセルラー軟質フォーム構造を作製することは、好適な生体高分子または生体高分子ブレンド、例えば脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステル起源のもので始まる。好適な生体高分子ブレンドの非限定的な例は、ポリ乳酸(PLA)およびポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)である。上記ブレンドされた熱可塑性生体高分子樹脂は、発明の最適なマイクロセルラー軟質フォーム構造の形成において有利な技術特性を示している。増強された技術特性のいくつかとしては、数ある利点の中で、許容されるエージング特性、優れた伸長、および優れた圧縮永久ひずみが挙げられる。
【0219】
最適な脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステル生体高分子または生体高分子ブレンドだけでは、好適な発泡剤および発泡プロセスなしで、軟質フォームを生成できない。今日使用される最も広く知られた発泡剤は、アゾジカルボンアミド(ADA)と呼ばれる化学物質である。アゾジカルボンアミドは典型的には、従来の射出成型フォームプロセスにおける使用のために、石油化学熱可塑性マスターバッチ樹脂に、予め含浸される。不運なことに、ADAは、環境に優しくなく、それはヒト健康に対し疑わしい発癌物質である。その上、従来の石油化学熱可塑性マスターバッチ樹脂は、生分解性でなく、工業的に堆肥化可能でもない。上記発明のための最も最適な生分解性であり、工業的に堆肥化可能な軟質フォームを達成するために、超臨界流体状態の不活性窒素ガスまたは二酸化炭素が、物理的発泡剤として改変された射出成型プロセスにおいて使用される。改変された物理的発泡プロセスが、好適な熱可塑性生体高分子またはブレンドされた生体高分子マスターバッチと協力して使用され、そのため生体高分子または生体高分子ブレンドおよび発泡剤は、最も最適な生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームを生成するために調和して働く。
【0220】
この開示の射出成型プロセスは、均一な気泡核形成に依存し、これは、生体高分子または生体高分子ブレンドおよび超臨界流体(SCF)の単相溶液が注入ゲートを通って金型キャビティに入る時に起こる。溶液が金型に入ると、圧力が降下し、これはSCFを溶液から出て来させ気泡核を作製する。気泡は次いで、材料が金型を満たすまで成長し、SCFの膨張性が、消費される。この製造プロセスは、SCFの生体高分子中への計量、送達、および混合を可能にし、単相溶液を作製するように改変された射出成型機上で実行される。動的型温制御(DMTC)が、膨張する生体高分子溶融物内で一貫した気泡構造を確保するために採用される。DMTCは、注入充填段階中の型温の急速変更および制御として最もよく説明でき;これはよって、高温と低温の両方の熱サイクルの観点から型温を動的に制御する。ガス対圧(GCP)もまた、製造プロセスにおいて使用されて、得られる軟質フォーム上に表皮がほとんど~全くない最適フォーム構造を確実にする。GCPは、溶融物内のガスの膨張に対抗するようにSCFが注入される、加圧された金型キャビティを含むプロセスとして最もよく説明できる。対圧が解放されるにつれ、従来は表面を突き破るであろうガスの泡が内側にトラップされ、滑らかな表皮を作り出す。GCPは、表面品質、フォーム構造、および表皮厚さにより、発泡を制御する。
【0221】
その中でSCFが溶融生体高分子に完全に溶解され均一に分散される、単相溶液の作製は、注意深く制御されたプロセス条件下で注入バレルの内側で起こる:SCFは、一定の時間の間、生体高分子中に正確にマスフロー計量されされなければならない。かつ投与期間中に、温度、圧力およびせん断の適切な条件が、バレル内で確立され得る。背圧、スクリュー回転数およびバレル温度制御、ならびにSCF送達系は全て、単相溶液を作製するプロセス条件を確立することにおいて役割を果たす。
【0222】
単相溶液が作製されると、改変された射出成型機は、射出の開始まで溶液を加圧状態で維持する。機械は、シャットオフノズルとスクリュー位置制御の協力によりこれを達成する。シャットオフノズルは、減圧および金型中への時期尚早な発泡を防止する。能動または受動スクリュー位置制御のいずれかが、スクリューの後退による減圧を防止する。能動スクリュー位置制御中に、スクリューの位置が、連続してモニタされ、スクリューの背部に適用される圧力が、位置セットポイントを維持するように調節され、または一定圧力がスクリューの背部で保持される。受動位置制御では、背圧を制御するために使用される油は、スクリュー復帰の終わりにそのタンクに流れないように防止される。この残留油は、単相溶液の圧力のために後退しないようにスクリューを維持する。
【0223】
適正な金型設計はまた、単相溶液を維持するのを助ける。ホットランナーシステムを有する金型は、型開きでのノズルからの材料あとだれを防止するために弁ゲートを必要とする。機械ノズルが正常な動作中にスプルーブッシュとの接触を壊す金型は、例えばスタックまたはタンデム金型では、スプルーブッシュ上でのシャットオフを必要とする。さもなければ、ホットランナーからの圧力は、スプルーブッシュを通して軽減される。
【0224】
生分解性で工業的に堆肥化可能なマイクロセルラーフォームを射出成型するために使用される発泡剤は、超臨界流体(SCF)状態の不活性窒素ガスまたは二酸化炭素のいずれかである。上記発泡剤の各々は、生成される最終部品の技術的要求に依存して、役割を有する。
【0225】
この発明のために有用な発泡剤は、SCF窒素ガスである。なぜなら、それは、SCF二酸化炭素よりもずっと低い重量パーセンテージで、改善された重量低減および微細気泡構造を提供するからである。実際に、SCF窒素レベルは典型的には、同等の部品を達成するのに必要とされるSCF二酸化炭素レベルより少なくとも75パーセント低い。SCF二酸化炭素は、しかしながら、2つの状況において好ましい発泡剤である:粘度低減が主な処理目標である場合または適用がSCF窒素のより攻撃的な発泡作用に耐えることができない場合。
【0226】
2つの発泡剤における有効性の差は、生体高分子溶融物中でのそれらの挙動から生じる。31.1セ氏温度および72.2バールでSCF流体になる二酸化炭素は、-147セ氏温度および34バールで超臨界流体になる窒素より、生体高分子に4~5倍可溶性である。例えば、無充填生体高分子における飽和点は、温度および圧力条件により、約1.5~2重量パーセントの窒素であり、一方で二酸化炭素の飽和レベルは、8重量パーセント前後である。二酸化炭素はまた、生体高分子中でより大きな移動度を示し、窒素より既存の泡中にさらに移動できる。気泡核形成の観点から、より大きな溶解度および移動度は、より少ない気泡が核形成され、核形成しないものはより大きくなる傾向があることを意味する。
【0227】
溶解度は、しかしながら、目標が粘度低減である場合、利点となる。生体高分子に溶解されたSCFは、可塑剤として作用し、生体高分子の粘度を低減する。粘度の低減は部分的に、生体高分子に添加されたSCFの量の関数であるので、および二酸化炭素は窒素より高い溶解限度を有するので、二酸化炭素を用いて粘度を低減させる能力は、より優れている。
【0228】
二酸化炭素はまた、部品を生成するのに必要とされる窒素の量が低すぎて部品を一貫して処理できない場合に、好ましい。二酸化炭素はずっと攻撃性が低い発泡剤であるので、低レベルの二酸化炭素を流すのがより容易である場合もある。例えば、0.05パーセント未満の非常に低レベルの窒素と比べた場合の、0.15または0.2パーセントの二酸化炭素。前の例で示される場合は主に、軟質材料および厚い断面を有する部品で起こる。
【0229】
リサイクル可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームおよびこれを製造する方法
図4および6は、本開示による、リサイクル可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォーム402およびこれを製造する方法を示す。図4を参照して、フォーム402は好ましくは、独立気泡フォームであるが、また潜在的に、連続気泡フォームとして形成されてよい。様々な実行では、フォーム402は、従来のリサイクル可能でないエチレン酢酸ビニル(EVA)フォームなどのものと少なくとも大体同様である性質および特性を有するように作製できる。
【0230】
以下でより詳細に記載されるように、リサイクル可能なフォーム402は、図5に示される射出成型機を使用して熱可塑性ポリマーを処理することにより製造される。リサイクル可能な軟質フォーム402を製造するために使用される熱可塑性ポリマーは、様々なポリアミド系熱可塑性ポリマー、ポリアミドコポリマー、などから、任意で作製できる。この発明において用いられる好適なポリマーの非限定的な例は、ポリアミド6、ポリアミド6/6-6、ポリアミド12から構成される。あるいは、熱可塑性ポリマーは、様々なポリアミドブロックコポリマー、例えばポリエーテル-ブロック-アミド(PEBA)、PAE、TPA、TPE-A、COPA、などを含み得る。好適なポリマーおよびコポリマーの他の非限定的な例としては、Ascend Performance Materials, LLC, Houston, TXによりVydyneの商品名で販売されるポリアミド66コポリマーが挙げられる。上記熱可塑性ポリマー樹脂は、発明の最適なマイクロセルラー軟質フォーム構造の形成において有利な技術特性を示している。増強された技術特性のいくつかは、数ある利点の中で、優れたエージング特性、優れた伸長、引張強さ、および圧縮永久ひずみを含む。
【0231】
加えて、2つ以上の熱可塑性ポリマーのブレンドは、単一の熱可塑性ポリマーでは見られない特性および価格の組み合わせを提供する。熱可塑性ポリマーを一緒にうまくブレンドするための多くの方法がある。以下でより詳細に記載されるように、二軸押出は、2つ以上の熱可塑性ポリマーを一緒に溶融し、次いで溶融ポリマー樹脂ブレンドをストランドへと押出し、これが、マスターバッチと呼ばれるペレット化片のアレイを生成するために冷却されペレタイザーに送り込まれる。ポリマー樹脂ブレンディングの別の方法は、相溶化剤を使用して、ポリマーブレンド中で異なる化学物質を一緒に合わせることである。一般に、これもまた二軸押出などを使用して、相溶化剤と、上で記載される非限定的熱可塑性ポリマー型の2つ以上のポリマーを一緒に溶融する。
【0232】
1つの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ポストコンシューマーまたはポストインダストリーリサイクル原料に由来する少なくとも1つのモノマーまたはポリマーを含む。例えば、熱可塑性ポリマーは、カプロラクタム、リサイクルポリエーテルブロックアミドポリマー、などを含み得る。例として、カプロラクタムは、ポリアミドを含むポストインダストリーまたはポストコンシューマー材料、例えば漁網、カーペット繊維、または産業廃棄物を脱重合することにより、リサイクル原料から誘導できる。脱重合されたポストコンシューマーまたはポストインダストリーリサイクルカプロラクタムの非限定的な例としては、Aquafil USA Inc., Cartersville, Georgiaにより提供されるECONYL(登録商標)カプロラクタム(フレークか液体か溶融物かに関係なく)が挙げられる。熱可塑性ポリマーは、加えてまたはその代わりに、収集、選別、溶融および再処理されるポストインダストリーまたはポストコンシューマーポリアミドカーペット繊維由来のポリアミドポリマーを含み得る。ポストインダストリーカーペット繊維に由来する1つのそのようなポリアミドポリマーは、Aquafil USA Inc., Cartersville, Georgiaにより製造されたEconylである。加えて、ポリアミド廃棄物は、世界の海またはその周辺から漁網、またはそのようなものの形態で収集され得、それは次いで、選別、溶融、および再処理され、アップサイクルされる使用可能なポリアミド材料であってよい。収集されたポストインダストリー漁網に由来する例示的なポリアミドポリマーは、Koninklijke DSM N.V., Heerlen,オランダにより製造されたAkulon Repurposedである。
【0233】
用途によって、添加物も、ポリマー配合物中で使用され得る。例えば、フィラー、例えば沈降炭酸カルシウム、魚卵状アラゴナイト、デンプン、バイオマス、などが、完成軟質フォームのリサイクル可能な完全性を維持しながら、部品コストを低減させるために使用され得る。
【0234】
さらに、ポリマー配合物において使用するための添加物は、下記の1つ以上から構成され得る。マイクロラメラタルクまたは高アスペクト比魚卵状アラゴナイトなどの、核形成剤が含まれ得る。そのような核形成剤は、いくつかの有益に増強される属性の中で特に、気泡合一を阻止すること、嵩密度を低下させること、反発弾性を改善することにより、得られる軟質フォームの基本性質を大きく改善できる。リサイクル可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォームの生成における使用のための核形成剤のいくつかの非限定的な例は、Imerys Talc America Inc., Houston, TexasによりMistrocell(登録商標)として市販されるマイクロラメラタルク、および、Calcean Minerals & Materials LLC, Gadsden, AlabamaによりOceanCal(登録商標)として市販される高アスペクト比魚卵状アラゴナイトである。
【0235】
着色剤、染料、および顔料もまた、含まれ得る。例えば、様々な着色剤、例えば染料、顔料、または色素が、本発明のポリマー配合物において任意で使用され得る。いくつかの非限定的な例は、特定の型の熱可塑性ポリマー用途のためにオーダーメイドされた顔料、例えばTreffert GmBH & Co. KG, Bingen am Rhein, ドイツにより提供される幅広いもの、または、Holland Colours Americas Inc., Richmond, Indianaにより提供されるものである。
【0236】
マイクロセルラー軟質フォームを作製するためのリサイクル原料の使用は、持続可能な材料を起源とすることにより、膨張された熱可塑性ポリマーフォームの作製と典型的に関連する環境影響を減少させる。以下でより詳細に記載されるように、本開示のマイクロセルラー軟質フォームを作製するための方法は、リサイクル原料を使用する環境的利益を増大させる。なぜなら、得られた製品は熱可塑性ポリマーへとさらにリサイクルできるからである。これはその後、マイクロセルラー軟質フォームから新規製品を、またはその代わりに、熱可塑性ポリマーを使用して他の製品を作製するのに使用され得る。
【0237】
軟質フォームを製造する方法
図5および6は、図4で示されるリサイクル軟質フォーム402を製造するための射出成型機506および方法600を示す。よって、1つの態様では、本開示は、熱可塑性ポリマーを発泡させる方法に関する。以下でより詳細に記載されるように、方法は、フォーム402から多くの最終製品のいずれか、例えば靴部品、および他の製品(特徴、例えばクッション性、衝撃防御、快適さ、などが望まれる)を含む専門運動用具を作製するために使用され得る。
【0238】
図5で示されるように、射出成型装置506は、複数の熱可塑性ポリマー502を受け取りかつ成型装置506に導入するように構成されたホッパー504を含む。バレル507は、ホッパー504に連結され、熱可塑性ポリマー502を受け取り、および特殊往復スクリュー型プランジャー508を含むように構成される。バレル507はまた、バレル507の中身を加熱および冷却するための温度制御ユニット(図示せず)を含む。図5で示されるように、温度および圧力測定装置505を有するコンピュータ制御装置503は、バレル507内の温度および圧力を感知するように構成される。ガス投与システム509は、バレル507に流動的に連結され、流体510を受け取り、バレル507中に導入するように構成された計量ユニット512を含む。ガス投与システム509は、流体510を臨界温度および圧力(それぞれ、TcおよびPc)超で維持し、超臨界流体(SCF)510を生成する。現開示の方法では、SCF510は、軟質フォーム製造の従来の方法において使用される化学的発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド(ADA)にとって代わる物理的発泡剤として使用される。例として、SCF510は、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、またはキセノンなどの不活性ガスまたは希ガスを含み得る。本開示の方法は、プロセスから環境的に有害であり疑わしい発癌物質ADAを排除すること、およびそれを不活性または希SCFに置き換えることにより、従来の軟質フォーム成型方法と比べて環境的な影響を改善するだけでなく、以下でさらに詳細に記載されるように、本開示の軟質フォーム402は、本明細書で記載される方法の結果として、それらの耐用年数の終わりにリサイクルされ得る。
【0239】
図6を参照して、リサイクル可能な軟質フォーム102を製造するための方法は、工程602で始まり得る:熱可塑性ポリマー502を選択し、熱可塑性ポリマー502を射出成型機506のホッパー504に供給する。その後、工程604で、熱可塑性ポリマー502が次いで、ホッパー504からバレル507に送り込まれ、加熱される。工程606で、加熱されたバレル507は、スクリュー型プランジャー508が熱可塑性ポリマー502を射出成型機506を通して移動させる時に、熱可塑性ポリマー502を溶融する。さらに、制御装置503は、スクリュー回転数を制御および調節するように構成され得る。
【0240】
工程608で、SCF510は、射出成型装置506に連結された計量ユニット512を介し、注入器511を通してバレル507に導入され、SCF510は、溶融された熱可塑性ポリマー502中で可溶化して、単相溶液を生成する。SCF510は、溶融物内で濃度調整され得、これは、達成される発泡の程度に影響する。図5を参照して、計量システム512は、SCFを適切な量で、溶融された熱可塑性ポリマー502中に投与するように構成される。初期SCFガス濃度の非限定的な例は、Co=0.25%であってよく、溶融温度範囲は176℃~250℃、より好ましくは180℃の範囲である。さらに、制御装置503は、SCF510がバレル507にSCF注入器を通して導入される圧力を制御する。SCF510は、溶融熱可塑性ポリマー502を飽和し、単相溶液が生成される。さらに、スクリュー型プランジャー508は、熱可塑性ポリマー502およびSCF510をホモジナイズし単相溶液を生成するのに必要な速度で、バレル507内で回転する。スクリュー508は、1~200rpm、および好ましくは、およそ20rpm~およそ60rpmで、バレル507内で回転できる。
【0241】
飽和に関しては、射出成型機506は、溶融された熱可塑性ポリマー502をスクリュー回転中に飽和させる温度および圧力下でバレル507にガスを送達するように構成される。特定的には、制御装置503は、SCF送達圧力およびSCF投与重量の組み合わせを制御するように構成される。SCF圧力および投与量は、単相溶液に影響するように制御され得る。すなわち、SCF投与量が小さいほど、生体高分子溶融物内で必要とされるSCF飽和は少なく、一方でSCF投与量が大きいほど、溶融物内で必要とされるSCF飽和は大きい。同様に、SCF送達圧力が低いほど、飽和の取り込みはより低く、よって、溶融された生体高分子溶融物内で成長して泡を形成できる核の成長がより低くなる。その上、SCF送達圧力が大きいほど、飽和の取り込みが大きく、よって、溶融された溶融物内で成長して泡を形成できる核の成長が大きくなる。
【0242】
制御装置503は、生成される軟質フォームの型およびどの型の最終製品が生成されるかに依存する様式で、温度および圧力を可変的に制御する。特定的には、システム全体の、例えばバレル507内の温度は、バレル内で100℃~600℃、例えば200℃~500℃、例えば、300℃~400℃、より特定的には、320℃~380℃の範囲、例えば360℃~380℃となるように制御され得る。同様に、SCF送達圧力は、1,000~8,000PSI、例えば1,500~6,000PSI、例えば、2,000~5,500PSI、特に、3,000~4,000PSIの範囲、より特定的には、2,600~2,800PSIの範囲にあるように細かく制御され得る。
【0243】
図5に示される実施形態では、制御装置503は、飽和の量を決定し飽和過程の進行を評価しかつ圧力および温度を調節するセンサを使用して、SCF510濃度を決定し、制御する。SCF510は、確定温度および圧力下で単相溶液を作製するための往復スクリュー508の回転中に、溶融された熱可塑性ポリマー502を制御可能に飽和する。SCFは、2成分溶融熱可塑性ポリマーコンパウンド混合物の1成分であり、それは本射出金型において確定圧力および温度の存在下で物理的発泡剤として使用される。
【0244】
以下でより詳細に記載されるように、SCF510発泡剤は、最終軟質フォーム402製品の技術要求に基づき、上で列挙された希および不活性流体のリストから選択され得る。例えば、その超臨界状態にある二酸化炭素は、同じ圧力での窒素よりも密度が高く、さらにより高い熱容量を有する。超臨界状態にある二酸化炭素は、ある特定のクッション材用途において有用であり得る濃厚フォームを生成する。対照的に、超臨界窒素は、履物およびスポーツ用品のためのフォーム402を作製する時に使用され得る、より小さな核を有する低密度発泡部品を生成するために使用できる。
【0245】
しかしながら、目標が粘度低減である場合、溶解度は利点となる。リサイクル可能な熱可塑性ポリマー502に溶解されたSCFは、可塑剤として作用し、熱可塑性ポリマー502の粘度を低減させる。粘度低減は一部にはリサイクル可能な熱可塑性ポリマー502に添加されたSCFの量の関数であるので、および二酸化炭素は窒素より高い溶解限度を有するので、二酸化炭素を用いて粘度を低減させる能力は、より大きい。二酸化炭素はまた、部品を生成するのに必要とされる窒素の量が非常に低く最終製品を一貫して処理できない場合に、有用である。
【0246】
二酸化炭素はより攻撃性が低い発泡剤であるので、低レベルの二酸化炭素を流すのがより容易である場合もある。例えば、0.05パーセント未満の非常に低レベルの窒素と比べて、0.15または0.2パーセントの二酸化炭素。前の例で示される場合は主に、軟質材料および厚い断面を有する部品で起こる。したがって、それが窒素か、二酸化炭素か、または上で列挙される他の不活性ガスおよび希ガスの1つかに関係なく、物理的発泡剤は、最終発泡部品およびそれらを含む最終製品において有用な役割を果たす。
【0247】
適合可能な熱可塑性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーコンパウンドおよび関連SCFガスの適切な組み合わせを選択することは、有用である。第2に、最適な投与重量および圧力によりSCFガスを適正に利用することは、単相溶液内で好ましいレベルの飽和を提供し、核の生成に影響を与える(以下でより詳細に記載される発泡マトリクス内での多くの均一な泡の生成)。加えて、最終結果として、均一に形成された射出成型軟質発泡部品は、SCFガス投与プロセスのあらゆる側面に依存し、ガス対圧の使用は、商業的に許容される成型発泡部品を達成するために射出成型機温度、圧力、およびホールド時間と共生的に働く。
【0248】
図5を参照して、往復スクリュー508は、溶融された熱可塑性ポリマー502を圧縮しバレル507のキャビティ内に移動させるように、さらに構成される。ガス対圧(GCP)システム516は、溶融された熱可塑性ポリマー502の膨張を制御するためにガス対圧をバレル507に送達するように構成される。図5に示される実施形態では、GCPシステム516は、ガスポンプ515、窒素または二酸化炭素などの不活性ガスを含むガスリザーバ518、コンプレッサ517、圧力センサ519、およびガス制御弁520を含む。往復スクリュー型プランジャー508およびバレル507はまた、背圧を提供するように、かつバレル507と流体連結されて配置され、溶融された熱可塑性ポリマー502を受け取るように構成されたキャビティを有する金型514中に熱可塑性ポリマー502を送達するように構成される(以下でより詳細に記載)。図5で示される実施形態では、スクリュー型プランジャー508およびバレル507は、およそ2,000psi~およそ3,000psi、より好ましくは2,700psi~2,800psiの範囲を適用するように構成される。スクリュー型プランジャー508およびバレル507の配置はまた、SCF510投与が始まる位置を設定し、これは次いで、SCF注入器を開または閉の位置に設定できる。位置は、スクリュー復帰中のバレル内の圧力がSCF510投与の開始前に安定になるように設定されるべきである。非限定的な例として、開放位置は、0.3~0.4インチの範囲であってよい。
【0249】
GCPシステムに加えて、図5に示される射出成型機506は、金型514内の温度を制御するように構成された動的型温制御(DMTC)522を含む。DMTC522は、GCPシステム516と協力して使用でき、膨張する熱可塑性ポリマー502内で一貫した気泡構造を確保する。DMTC522は、注入充填段階中に型温および/または圧力の急速変更および制御に影響するように、かつ温冷熱サイクルの使用により対圧ありまたはなしで型温および/または圧力を動的制御するように構成され得る。
【0250】
図5を続いて参照して、制御装置503は、射出段階610中DMTC522を介して金型514温度を制御するように構成される。より特定的には、従来知られている射出成型プロセスと比べて、本明細書で採用される動的型温制御の重要な特徴は、型温自体が動的制御され得ることである。図5に示されるDMTC522は、迅速電気ロッド加熱および迅速水冷却を使用する。特定的には、DMTC522は、5つの主要構成要素を含む:エアコンプレッサ(図示せず)、弁交換装置526、コンピュータ-制御される型温制御ユニット(制御装置503内に配置される)、電気加熱ロッド(金型514内に配置される)、および冷却塔532。冷却塔532は、十分な水冷却を金型に供給するために使用され得る。エアコンプレッサは、空気弁の駆動ガスとして圧縮空気を生成するために、および冷却後に金型に入らないように残留冷却水を排除するために使用される。図5で示される実施形態では、水加熱ユニット534もまた含まれ、弁交換装置526が使用されて、パイプラインから金型514へ異なる媒体を移動させるために弁を切り換え、高温のおよび低温の熱サイクルを提供する。例えば、DMTC522は、およそ15℃~およそ30℃の範囲の水冷却を提供でき、電気加熱ロッドは、およそ60℃~およそ150℃に金型を加熱でき、かつ90℃~130℃の範囲で金型を最適に加熱できる。
【0251】
図5に示される射出成型機506は、反応材料を通すためのパイプおよび他のコンジットを含み、そのコンジットは、1つ以上の熱交換ユニットと関連しており、そのため反応物は、それらがコンジットおよびパイプ中におよび/またはこれを通って送り込まれる際に加熱および/または冷却される。そのような場合、交換器は、温度を反応レベルに調整するように制御され得る。パイプの一端上に分注ヘッドが含まれてよく、これは、1つ以上の弁と関連させることができる。さらに、分注ヘッドは、処理ラインに接続され得る。電気的に加熱される金型が、発泡部品の最終形状を成型するために使用される。型温制御の機能は、金型の加熱および冷却を制御することであり;この全ては、コンピュータ-制御により射出成型機と連携される。
【0252】
したがって、本明細書で実行されるように、制御装置503は、以下で記載されるように、射出段階で異なるガス圧力を適用することにより、ガス対圧を実行し発泡プロセスの制御を改善する。制御装置503は、温度および圧力を調節しよって溶融された熱可塑性ポリマー502および得られた発泡マトリクス内での核形成および得られた泡を制御するためにGCPシステム516およびDMTC522を操作するように構成される。
【0253】
図6に示されるように、工程610で、熱可塑性プランジャー508は、前進し、ノズル(図示せず)を通してこれに接して存在する溶融された熱可塑性ポリマー502を送り、これは金型514中に熱可塑性ポリマー502を射出する。射出成型機506は、動的温度制御された金型キャビティ514中に単相熱可塑性ポリマー502の測定されたショットを送り込む。射出工程610前に、DMTC522は、予めセットされた上限に金型514を加熱する。射出工程610中に、DMTC522は、金型キャビティ514の温度を上限より高く維持して、溶融された熱可塑性エラストマー502が時期尚早に固化しないように阻止する。GCPシステム516は、ガス対圧を金型514内に送達して、核成長を制御し、発泡部品が形成される際にガスの泡が熱可塑性ポリマー502の表面に接触しこれを突き破らないように阻止する。これは、熱可塑性ポリマー502単相溶液が金型キャビティ514内に射出されるのと同時に、またはほぼ同時に、金型キャビティ中にGCPシステム516により対抗圧力が適用されることにより達成される。不活性ガス泡は、射出工程610中に熱可塑性ポリマー502内にSCF510を保持するのに十分な力に供される。
【0254】
図6を参照して、工程612および614で、制御装置503は、金型514内の圧力および温度を操作し、熱可塑性ポリマー502の物理的発泡を制御する。金型612の温度を動的制御する工程およびガス対圧を金型614に適用する工程は図6のフローチャートにおいて別々の工程として示されるが、工程612および614は同時に、または、接近した連続で実施され得、それにより制御装置503は、金型内の温度および圧力を制御する。工程612および614では、核成長が、溶融された熱可塑性ポリマー502内で経験され、多くのマイクロセルラー泡が、形成される。制御装置503(図5)が工程612において温度を上昇および低下させるにつれ、SCF510は、気化しガスの泡となり、熱可塑性ポリマー502を金型514内で発泡させる。工程614で、GCPシステム516は、コンピュータ制御により金型中に予め計量された投与量の対圧ガスを送り込んで、実質的に均一な泡を生成し、およびガス対圧条件は最適な表面外観のために表面テクスチャを調整する。ガスの泡は、熱可塑性ポリマー502が金型514を満たすまで成長し、SCF510の膨張性が、消費される。泡はミクロンサイズに到達するので、プロセスは、マイクロセルラー発泡を生成する。SCF510濃度は、ガスの泡の構造に影響する可能性がある。よって、制御装置503は、有用なおよび/または確定的なガス泡構造を生成するように、温度およびガス対圧パラメータを選択する。部品の成型が完了すると、金型は冷え、熱可塑性ポリマーは固化する。図6に示される実施形態では、工程616で、動的温度制御された型温は、水冷却に切り換えられ、ガスの泡の形成および熱可塑性ポリマー502の膨張は、減速し、停止する。DMTC522は、金型514を下限(排出温度)へと急冷し、軟質フォーム成型部品402がここで形成され、それは金型から取り出される。
【0255】
リサイクル可能な射出成型マイクロセルラー軟質フォーム製品
図4は、本開示の履物用部品を示す。より特定的には、リサイクル可能な軟質フォーム402で作られた、リサイクル可能なマイクロセルラー軟質フォーム靴ミッドソール400である。
【0256】
上で簡単に記載されるように、上で記載されるリサイクル可能物を製造するための方法は、リサイクル原料から開発されたモノマーおよびポリマーを使用する環境的に有益な効果を増大させる。なぜなら、得られた製品は、再重合させて、新しい他のプラスチック材料の製造において使用するための熱可塑性ポリマーにできるモノマーに、さらにリサイクルできるからである。特に、リサイクルされるように構成される物品を生成することは、軟質フォームが、例えば、完成品内でそれを使用中に分解しない、またはばらばらにならないように機能化することにより、得られた製品の使用可能期間持続することを確保する。例えば、製品使用可能期間の終わり前に常用中に結局フォームを分解させる結果となるこの開示のリサイクル可能な軟質フォームから製造された家具、一足の靴、または他の運動競技用器材を購入することは、人にとって有害であろう。
【0257】
より特定的には、本開示は、不活性な物理的発泡剤および製造プロセス中に架橋されない、上で列挙された熱可塑性ポリマーコンパウンドの使用から利益を得る。得られたリサイクル可能な軟質フォーム402は、非架橋であり、ADAなどの有害な化学的発泡剤を含まず、環境に優しい。さらに、リサイクル可能な軟質フォーム402は、靴製造において使用するための履物フォームなどの多くの型の最終製品において使用され得る。
【0258】
リサイクル可能な軟質フォーム402は、製品耐用年数の終わりに、廃棄物ダイバージョンを通して適切なリサイクル施設に向け直すことができる。リサイクル可能な軟質フォーム402はADAなどの化学的発泡剤を使用しないので、および本明細書で記載される方法はその製造中に架橋される熱可塑性ポリマーを使用しないので、リサイクル可能なフォーム402は、1つ以上のモノマーへとすり砕かれ、前処理され、脱重合され得る。1つのそのような脱重合されたモノマーは、カプロラクタム、例えば、Aquafil USA Inc., Cartersville, Georgiaにより提供されるECONYL(登録商標)カプロラクタム(フレークか液体か溶融物かに関係なく)、または、DSM Engineering Plastics Americas, Troy Michiganにより提供される脱重合されたカプロラクタム(フレークか液体か溶融物かに関係なく)である。
【0259】
図7を参照して、本開示の方法は、PEBAなどのポリマーの温度が天井温度を超えて上昇される熱および化学脱重合プロセスを使用するリサイクル可能なフォーム402をリサイクルする方法700を企図し、多くの化学試薬または触媒のいずれかが、脱重合してその構成モノマーにするために使用される。図7に示される実施形態では、脱重合プロセスは、リサイクル可能なフォーム402の熱可塑性ポリマーを廃棄物から機械的に分離する工程702で始まる。工程704で、脱重合触媒が、分離された熱可塑性ポリマーに導入される。脱重合触媒の非限定的な例としては、リン酸およびホウ酸などの酸が挙げられる。工程706で、熱が、例えば過熱蒸気を介して適用され、これは、カプロラクタムおよび任意の他の揮発性化合物を蒸留させるように作用でき、カプロラクタムモノマーを含む蒸留物を生成する。適用される温度は、約100℃~約325℃の範囲であってよい。工程708で、蒸留物が分別され、水およびカプロラクタムが、脱重合法の他の副産物から分離される。工程710で、酸化剤が、分離された水性カプロラクタムに導入される。酸化剤のいくつかの非限定的な例としては、過マンガン酸カリウム、水素、酸素、重クロム酸カリウム、次亜塩素酸、過塩素酸ナトリウムもしくはカリウム、または過ホウ酸が挙げられる。工程712で、酸化された水性カプロラクタムが、例えば蒸発により濃縮される。工程714で、濃縮されたカプロラクタムモノマーが、例えば真空蒸留により精製される。
【0260】
工程714でのカプロラクタムモノマーの精製後に、脱重合されたモノマーは、熱可塑性ポリマーに再重合され得、よりリサイクル可能な軟質フォーム402を製造するために使用され得る。よって、本開示の方法は、循環プロセスを確立し、これにより、製造品は、新しい原化石燃料または他の再生不能原料を使用することとは対照的に、分解され、新しい製品に製造され、商業の流れに再投入され得る。その上、本開示のリサイクル可能なフォーム402は、それらの使用可能期間中での技術性能特性、それらの環境を意識したデザインのどちらに関しても妥協しない。
【0261】
本明細書の上で記載されるように、装置、システム、およびそれらの使用方法は、1つ以上の成型最終製品、例えば、履物、座席、自動車、防具、および/またはスポーツ用品において使用するための構成部品を生成する目的のために使用され得る。したがって、様々な実施形態では、靴の構築において有用な1つ以上の構成部品、例えばそのソール、ミッドソール、および/またはインソールが、本明細書で提供され、例えばソールは、靴のベースを形成し、かつ地面と接触するように構成され、ミッドソールは、中間構造およびクッション要素を形成し、インソールは、靴内に挿入されるように構成され、これにより靴にクッション性および/またはサポートを提供する。
【0262】
ある実施形態では、靴構成部品は、本明細書で開示される方法600により生成されるリサイクル可能なフォーム402を含んでよく、それは、環境に優しく、リサイクル可能であってよい。様々な場合において、各個々の構成部品は、ベース層およびクッション層を含む複数の層から構成され得る。例えば、特定の実施形態では、サポート部材、例えばベース層に結合されるサポート部材が含まれ得、構成部品は、アーチ接触またはかかと接触部分の1つ以上を有するインソールである。
【0263】
特に、様々な実施形態では、発泡材料が生成され得、例えばフォーム材料は、クッション、クッション付き家具、靴部品、例えばそのインソール、マット、繊維、織物、などの製造において使用され得る。他の有用な製品は、シリコーンコーキングなどのコーキング、シリコーン医療用手袋、薬物送達系のためのシリコーンチューブ、シリコーン接着剤、シリコーン潤滑剤、シリコーン塗料、および他の好適なシリコーン製品、例えば、コンドームを含み得る。様々な実施形態では、フォーム製品は、発泡材料が、抗菌、抗細菌、抗真菌、抗ウイルス、および/または防炎特性の1つ以上を有し得るように生成され得る。
【0264】
より特定的に、1つの態様では、この開示は一般に、家具、例えば布張りの家具および/またはそのクッション、例えば、生分解性および/または堆肥化可能である、フォームを含む、またはそうでなければこれから構成される、例えば家具の製造のためのプロセスに向けられ得る。よって、本開示のリサイクルフォームは、そのように生成されたフォームインサートを含む家具の製造において使用するのに有利である。本開示の方法により生成されたリサイクル可能なフォームは、例えば、枕、長椅子、ベッド、シートクッション、または他の布張り家具、などのためのクッション材料としての使用に有利であることが証明されている。
【0265】
例えば、方法600は、リサイクル可能なフォーム402の小さな~大きなブロックを生成するため、例えば、家具または車付属品構成部品において使用するためのフォームインサートを形成するために使用され得る。ブロックフォームは次いで、生成される家具の型および形態に基づき、所望のサイズおよび形状のより小さなブロックに切断され得る。特定的には、サイズ指定され、切断されたブロックは次いで、家具または自動車フレームまたは他の境界材料に適用され、またはさもなければそれらの中で適合され得、それらと一緒にカバーされて、枕、ソファー、クッション、例えば、ソファーまたはカークッション、などかどうかに関係なく、最終家具製品を生成し得る。加えて、所望であれば、アウターケーシングまたは境界材料は、フレーム材料に、例えばステープリング、および/またはタッキングにより付着され得、または、さもなければ、布張りとされ、織物または他の材料で被覆される物品のフレームに固定され得る。
【0266】
したがって、様々な実施形態では、布張りの家具、例えば長椅子または自動車シートを製造する場合に、フレームが生成され得る。家具の様々な内部、例えば、構造構成部品は、フレーム、例えばスプリングなど内に取り付けられてよく、次いでリサイクル可能な軟質フォーム402のシートが、スプリング内、上およびその周りに、例えばクッション性および/または絶縁のために配置され得る。当然、他の材料、例えば綿、羊毛、フェルトの層、ゴムに基づく製品、などが含まれ得、カバー材料が次いで、フレームをカバーし製品製造を完成させるように付加され得る。
【0267】
特定的には、本開示のリサイクル可能なフォームは、本明細書で開示される他の材料と共に、詰め物、または充填物として機能でき、それは、カバー下で形作られ、調整され、押し込まれ得る。なぜなら、カバー材料はフレーム上に広げられるからである。加えて、示されるように、様々な場合において、本明細書で生成されるリサイクル可能なフォームは、多くの理由のために、当技術分野で知られているものの中および上において有用であり、とりわけ重要なのは、典型的なPUおよび/またはEVAフォームはリサイクル可能でなく、一方本明細書で生成されるフォームの構成部品はリサイクル可能であるという事実である。よって、様々な実施形態では、オープンフレーム上で家具を構築する方法が、提供される。
【0268】
さらに、別の態様では、この開示は一般に、靴部品、例えば靴のソール、ミッドソール、および/またはインソール、例えば、従来のフォームを含む、またはさもなければこれから構成される靴部品の製造のためのプロセスに向けられる。特定的には、特定の実施形態では、リサイクル可能なソール、ミッドソール、インソール、および/または他の靴インサートを製造するための方法が、提供される。例えば、本靴インサートは、靴、例えば、ランニングシューズまたはスニーカー内に挿入される、またはさもなければフィットされるように適合されるクッション装置の形態であってよく、これは、走ったり歩いたりしている間に、表面、例えば、地面を打つ足の衝撃を低減するように構成でき、これにより足への衝撃を吸収および/または減衰する。
【0269】
特に、ミッドソールおよびインサートを含む靴底構成部品は、1つまたは複数の層を含み得る。例えば、場合によっては、ベース層、リサイクル可能なフォーム層、および/または織物層が、提供され得る。特定的には、比較的弾性な材料のベース層、および/またはベース層上に配置されるリサイクル可能なフォーム層、および/またはリサイクル可能なフォーム層上に配置される織物層が、含まれ得る。したがって、方法は、三層シートへとベース層、リサイクル可能なフォーム層、および織物を一体形成させることを含み得る。様々な場合において、サポート層は、かかと領域に配置され得、そのサポート層は、例えば、積層物の他の構成要素より高い密度を有する剛性材料から構築され得る。接着剤、のり、または他の付着メカニズムが、三層をサポート層と接着させ形成させるために提供され、採用され得る。
【0270】
より特定的に、他の場合には、インソールなどの靴構成部品を製造するための方法は、下記の工程を含み得る:リサイクル可能なフォーム層を提供する工程、織物層を提供する工程、リサイクル可能なフォーム層を加熱する工程、リサイクル可能なフォーム層と織物層を合わせる工程;ベース層、例えば、リサイクル可能なフォーム層と同じか、大きいか、または少ない密度である密度を有するベース層を提供する工程;ならびにベース層およびフォーム層の少なくとも1つを加熱し、ベース層をリサイクル可能なフォーム層と結合させ、二層または三層を形成させる工程。
【0271】
方法は、予め形成されたサポート部材、例えば、アーチサポートおよび/またはヒール部材をさらに含んでよく、その部材は、フォーム層の密度と実質的に同じか、より少ないか、またはより大きい密度を有し得る。特別な場合、サポート部材は、圧縮フォーム材料から形成され得、リサイクル可能なフォーム層に比べより大きな密度、よってより大きな剛性を得る。加えて、熱および/または圧力再活性化接着剤が、サポートおよび/またはヒール部材と積層物の間に適用され得る。成型圧力が次いで、組成物に適用され得、三層のサポートおよび/またはヒール部材への形成および/または造形を引き起こし、一体ワンピース靴インサートを形成し、予め形成されたヒール部材は、後方部分を形成しおよび/またはサポート部材は、完成靴インサートの底面の中央部を、例えば、その中央および/またはヒール領域で形成し、ならびにベース層は、完成靴インサートの底面を、その前方領域で形成する。
【0272】
しかしながら、サポートおよび/またはヒール部材が含められる必要はなく、場合によっては、1つ以上の積層構成部品は排除され得、または他の積層が付加され得ることに、注意すべきである。ある実施形態では、リサイクル可能なフォーム層は、ベース層よりも、より軟質で、および/またはクッション性であり得、例えば、大きなデュロメータを有し、これは今度は、サポート部材よりも、より軟質で、および/またはクッション性であり得、例えば、より大きなデュロメータを有することに、さらに注意すべきである。よって、より軟質のフォームおよびベース層は、比較的弾性であり、形状において所望の靴サイズおよび構成に適合でき、一方でサポート層(複数可)は、比較的より剛性であり得る。
【0273】
特定的には、サポート層は、より高密度のリサイクル可能なフォームを有してよく、よってサポート層をより剛性にする。よって、様々な実施形態では、リサイクル可能なフォーム層は、約2または約3または約5~約10lbs/立方フィート以上の密度、例えば約4-6lbs/立方フィートの範囲の密度を有し得る。加えて、リサイクル可能なフォーム層は、およそ1/8”の厚さ、例えば約3/32”-5/32”の厚さの範囲を有し得る。
【0274】
同様に、ベース層もまた、約2または約3または約5~約10lbs/立方フィート以上の密度、例えば約4-6lbs/立方フィートの範囲の密度を有し得る。ベース層の厚さは、約5/16”+または-10%のオーダーであり得る。しかしながら、様々な場合において、ベース層の厚さは、約1/4”以下~約7/16”の厚さの範囲であり得る。サポート層に関しては、それは主に、インサートのアーチおよび/またはヒール領域で形成され得、それはまた、本明細書で開示されるリサイクル可能なフォームで製造され得る。
【0275】
しかしながら、サポート層は、最終密度が22-23lbs/立方フィートのオーダーとなるように、リサイクル可能なフォーム402を圧縮することにより製造され得る。織物層は、任意の好適な材料、例えば、綿、ポリエステル、またはポリプロピレンニットで構成され得る。様々な場合において、材料およびリサイクル可能なフォーム層は、十分な熱を発生させてリサイクル可能なフォーム層の表面を溶融させる裸火を採用するフレームラミネーション技術により、一緒に積層されてよい。溶融されると、織物層は、リサイクルフォーム層に接合され、冷却ローラー処理され、よって2つの層が、一緒に合わされる。
【0276】
プロセス中のこの時点で、これらの層は、依然としてフラットシート形態である。これらの一体化された層は次いで、ベース層に、またフレームラミネーションにより、次に接合され得る。前に一体化された材料およびフォーム層は、サポート層に接合され得、これらの複数のラミネート層は次いで、冷却ローラー間を移動される。プロセスのこの段階で、これらの層は、依然としてフラットシート形態である。この点にこのように積層された層は次いで、すぐに成型できる。これは、ラミネート層をおよそ250Fの成型温度に、例えば約1~約5分以上、例えば、約225秒の期間の間加熱することにより実施され得る。これは、前に積層された層を十分加熱して、それらが金型中に挿入され得るようにする。
【0277】
上で記述されるように、SCF物理的発泡剤は、最終製品の所望の特性に依存して選択され得る。31.1セ氏温度および72.2バールでSCF流体になる二酸化炭素は、-147セ氏温度および34バールで超臨界流体になる窒素より、熱可塑性ポリマー502に4~5倍可溶性である。無充填のリサイクル可能な熱可塑性ポリマーにおける飽和点は、温度および圧力条件に依存して、約1.5~2重量パーセントの窒素であり、一方で二酸化炭素の飽和レベルは、8重量パーセント前後である。二酸化炭素はまた、生体高分子中でより大きな移動度を示し、窒素より既存の泡中にさらに移動できる。気泡核形成の観点から、より大きい溶解度および移動度は、より少ない気泡が核形成され、核形成するものはより大きくなる傾向があることを意味する。
【0278】
上で記載される実施形態では、方法600が、靴などの運動用品を生成するために使用され、SCF510は、臨界状態の窒素を含む。窒素は、SCF二酸化炭素よりずっと低い重量パーセンテージで、改善された重量低減および微細核を提供する。SCF510窒素レベルは、同等の部品を達成するのに必要とされるSCF二酸化炭素レベルより少なくとも75パーセント低い。したがって、SCF二酸化炭素と比べて大きく低減されたSCF窒素レベル要求は、靴部品の製造に使用される本開示の生分解性で工業的に堆肥化可能な軟質フォームを大量生産する場合に、より最適な材料節約および時間節約を確保する。
【0279】
二酸化炭素はより重いが、これは、ある適用において、例えば粘度低減がプロセスの目標である場合、および/または、最終製品がSCF窒素のより攻撃的な発泡作用に耐えることができない場合、または半軟質フォームにおいて、好適な発泡剤であり得る。例えば、家具および自動車部品を生成するために方法600が使用される場合、SCF510は、臨界状態の二酸化炭素を含み、なぜなら、二酸化炭素は、より大きなサイズおよび/または重量であるにもかかわらず、ずっと大きな気泡構造を生成するからである。物理的発泡剤を用いた物理的発泡プロセス中に、ガラス転移の低下が見られる。
【0280】
上で簡単に記載されるように、超臨界状態にある二酸化炭素が、部品を生成するのに必要とされる窒素の量が低すぎて一貫して部品を処理できない場合に、物理的発泡剤として使用され得る。二酸化炭素はより攻撃性が低い発泡剤であるので、いくつかの用途では、低レベルの二酸化炭素を流すのがより容易である。例えば、0.15または0.2パーセントの二酸化炭素(0.05パーセント未満の窒素のレベルと比べて)が、軟質材料および厚い断面を有する部品を生成するために使用され得る。
【0281】
数個の実施形態について上で詳細に記載してきたが、他の改変が可能である。他の実施形態は、下記特許請求の範囲内に含まれ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのリサイクル可能な熱可塑性ポリマーを含む熱可塑性マスターバッチから溶融ポリマーを形成することと、
単相溶液を生成するために超臨界流体および前記溶融ポリマーを混合することと、
成形装置の金型キャビティ内に前記単相溶液を導入することであって、前記成形装置は、前記成形装置内の圧力を検知するための少なくとも一つの圧力センサを有する導入することと、
前記超臨界流体を溶液から出て来るようにすることにより前記金型キャビティ内の記単相溶液を発泡させ、軟質フォームを形成することと、
前記単相溶液の発泡中に対圧ガスにより前記金型キャビティを加圧することであって、前記金型キャビティにおける前記対圧ガスの投与量およびホールド時間は、前記少なくとも一つの圧力センサからデータを受け取るコンピューター制御装置により制御される、加圧することと
を含む軟質フォームの製造方法
【請求項2】
前記少なくとも1つのリサイクル可能な熱可塑性ポリマーは、少なくとも1つのポリアミドまたはポリアミドブロックコポリマーを含む、請求項1に記載の方法
【請求項3】
前記少なくとも1つのポリアミドまたはポリアミドブロックコポリマーは、ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド12、熱可塑性ポリアミド(TPA)、ポリエーテル-ブロック-アミド(PEBA)、またはこれらの組合せの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法
【請求項4】
前記少なくとも1つのリサイクル可能な熱可塑性ポリマーの少なくとも一部は、脱重合されたポストコンシューマープラスチック又はポストインダストリープラスチックに由来する、請求項1に記載の方法
【請求項5】
前記脱重合されたポストコンシューマープラスチック又はポストインダストリープラスチックは、カプロラクタムを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのリサイクル可能な熱可塑性ポリマーは、前記軟質フォームの製造において架橋されない、請求項1に記載の方法
【請求項7】
前記超臨界流体は、超臨界窒素を含む、請求項1に記載の方法
【請求項8】
前記超臨界流体は、超臨界二酸化炭素を含む、請求項1に記載の方法
【請求項9】
前記超臨界流体は、150バールから300バールの範囲の圧力で導入される、請求項1に記載の方法
【請求項10】
前記対圧ガスによる前記金型キャビティの加圧は、前記単相溶液の発泡中に前記軟質フォームの表面をガスの泡が突き破るのを防止する、請求項1に記載の方法
【請求項11】
前記金型キャビティの加圧は、前記対圧ガスにより、前記金型キャビティを5バールから50バールの範囲で1秒から25秒の長さの時間、加圧することを含む、請求項1に記載の方法
【請求項12】
成形装置の前記金型キャビティへの前記単相溶液の導入は、前記単相溶液と前記金型キャビティの表面とを接触させることを含む、請求項1に記載の方法
【請求項13】
温冷熱サイクルを提供するように構成された動的型温制御システムにより前記金型キャビティの前記表面の温度を制御することをさらに含む、請求項12に記載の方法
【請求項14】
前記動的型温制御システムは、前記成形装置に結合された、少なくとも1つの加熱要素および少なくとも1つの冷却要素を備える、請求項13に記載の方法
【請求項15】
前記軟質フォームは、2lbs/立法フィートから10lbs立方フィートの範囲の密度を有する、請求項1に記載の方法
【請求項16】
前記金型キャビティは、前記軟質フォームが前記金型キャビティ内で靴部品の形状に形成される形状を有する、請求項1に記載の方法
【請求項17】
前記靴部品は、靴のソール、靴のミッドソール、または靴のインソールから選択される少なくとも1つである、請求項16の方法
【請求項18】
前記軟質フォームは、架橋された熱可塑性ポリマーを含まない、請求項1に記載の方法
【請求項19】
前記軟質フォームは、熱および/または化学脱重合プロセスを用いてモノマーへと脱重合できる熱可塑性ポリマーを含む、請求項18に記載の方法
【請求項20】
前記モノマーは、カプロラクタムを含む、請求項19に記載の方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0281
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0281】
数個の実施形態について上で詳細に記載してきたが、他の改変が可能である。他の実施形態は、下記特許請求の範囲内に含まれ得る。
本発明の第1の態様は、リサイクル可能な軟質フォーム成型品を製造するための方法であって、脱重合されたポストコンシューマープラスチックに由来する少なくとも1つのモノマーを含む熱可塑性ポリマー前駆体を提供すること;超臨界流体を生成する温度および圧力条件下で成型装置のバレル中に流体を挿入すること;単相溶液を生成するために前記熱可塑性ポリマーおよび前記超臨界流体を混合すること;射出成型機の金型中に前記単相溶液を射出することであって、前記金型は、ガス対圧下にある、射出すること;前記金型内の熱および温度条件を制御することにより前記SCF含浸単相溶液を発泡させることを含む。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記熱可塑性ポリマーは、前記脱重合されたポストコンシューマープラスチックに由来する少なくとも40%のモノマーを含む。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記熱可塑性ポリマーは、前記脱重合されたポストコンシューマープラスチックに由来する少なくとも60%のモノマーを含む。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記熱可塑性ポリマーは、前記脱重合されたポストコンシューマープラスチックに由来する90%以上のモノマーを含む。
本発明の第5の態様は、第1の態様において、前記モノマーは、カプロラクタムを含む。
本発明の第6の態様は、第1の態様において、前記熱可塑性ポリマーは、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを含む。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記熱可塑性ポリマーは、少なくとも1つのカプロラクタムモノマーを含むコポリマーを含む。
本発明の第8の態様は、第1の態様において、前記軟質フォームを1つ以上のモノマーへと脱重合することにより軟質フォームをリサイクルする工程をさらに含む。
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記軟質フォームは、カプロラクタムへと脱重合される。
【外国語明細書】