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特開2024-38119唾液試料中の分析物を検出するための試験装置および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038119
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】唾液試料中の分析物を検出するための試験装置および使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G01N33/543 521
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023219181
(22)【出願日】2023-12-26
(62)【分割の表示】P 2021184153の分割
【原出願日】2016-04-05
(31)【優先権主張番号】62/143,792
(32)【優先日】2015-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】517350894
【氏名又は名称】ブルーダイアグノスティックス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BLUDIAGNOSTICS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブレナー,サラ・キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイベル,ダグラス・ベンジャミン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】試料中の1つ以上の分析物を定量的に検出するための装置、キット、機器および方法に関する。
【解決手段】いくつかの態様において、本開示は、被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に検出するための側方流動試験装置と、試験装置を含むキットまたは器具と、試験装置、キットまたは器具を使用する方法とに関し、これらは、例えばユーザの1種以上のホルモン、排卵、妊娠、および/または妊孕性の評価のために構成され、例えばユーザのホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の状態、時間窓、傾向、または治療の監視または指導のために構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に検出する側方流動試験装置であって、前記装置は、
自身の上に第1の試験位置を含む第1の多孔質マトリックスを含み、前記第1の試験位置は、分析物に結合するか、または前記分析物に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記分析物の結合試薬に結合するために前記試料中の分析物と競合する分析物または分析物類似体である第1の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第1の試験位置を通過して第1の検出可能な信号を形成し、
1)前記装置は、自身の上に第2の試験位置を含む第2の多孔質マトリックスをさらに含み、前記第2の試験位置は、前記唾液試料中の正常化物質に結合するか、または前記正常化物質に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記正常化物質の結合試薬に結合するために前記唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体である第2の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第2の試験位置を通過して第2の検出可能な信号を形成し、前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号は、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価するために比較されるように構成され、および/または、
2)前記装置は、前記装置が前記被験体の口に挿入されている間に前記被験体の体温を測定するように構成された温度センサをさらに含む、試験装置。
【請求項2】
自身の上に第2の試験位置を含む第2の多孔質マトリックスをさらに含み、前記第2の試験位置は、前記唾液試料中の正常化物質に結合するか、または前記正常化物質に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記正常化物質の結合試薬に結合するために前記唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体である第2の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第2の試験位置を通過して第2の検出可能な信号を形成し、前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号は、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価するために比較されるように構成される、請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記装置が前記被験体の口に挿入されている間に前記被験体の体温を測定するように構成された温度センサをさらに含む、請求項1に記載の試験装置。
【請求項4】
1)自身の上に第2の試験位置を含む第2の多孔質マトリックスであって、前記第2の試験位置が、前記唾液試料中の正常化物質に結合するか、または前記正常化物質に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記正常化物質の結合試薬に結合するために前記唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体である第2の試験試薬を含み、液体試料が、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第2の試験位置を通過して第2の検出可能な信号を形成し、前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号が、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価するために比較されるように構成される、第2の多孔質マトリックスと、
2)前記装置が前記被験体の口に挿入されている間に前記被験体の体温を測定するように構成された温度センサと
をさらに含む、請求項1に記載の試験装置。
【請求項5】
前記温度センサが、電子スリーブ、導電性インク、感温性材料、光学測定手段および/または光学温度センサを含む、請求項1から4のいずれかに記載の試験装置。
【請求項6】
前記温度センサが、前記被験体の口に挿入されるように構成された前記装置の一部分に少なくとも部分的に含まれる、請求項1から5のいずれかに記載の試験装置。
【請求項7】
前記第1の多孔質マトリックスおよび前記第2の多孔質マトリックスが、2つの異なるマトリックスである、請求項1から6のいずれかに記載の試験装置。
【請求項8】
前記第1の多孔質マトリックスおよび前記第2の多孔質マトリックスが同一のマトリックスである、請求項1から6のいずれかに記載の試験装置。
【請求項9】
前記第1の試験試薬が分析物に結合し、例えば分析物に特異的に結合する、請求項1から8のいずれかに記載の試験装置。
【請求項10】
前記第1の試験試薬が分析物に結合する他の結合試薬に結合し、例えば分析物に結合する他の結合試薬に特異的に結合する、請求項1から8のいずれかに記載の試験装置。
【請求項11】
前記第1の試験試薬が、前記分析物の結合試薬に結合するために唾液試料中の分析物と競合する分析物または分析物類似体である、請求項1から8のいずれかに記載の試験装置。
【請求項12】
前記第2の試験試薬が正常化物質に結合し、例えば正常化物質に特異的に結合する、請求項1から11のいずれかに記載の試験装置。
【請求項13】
前記第2の試験試薬が正常化物質に結合する他の結合試薬に結合し、例えば正常化物質に結合する他の結合試薬に特異的に結合する、請求項1から11のいずれかに記載の試験装置。
【請求項14】
前記第2の試験試薬が、正常化物質の結合試薬に結合するために唾液試料中の前記正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体である、請求項1から11のいずれかに記載の試験装置。
【請求項15】
前記第2の試験試薬が、正常化物質の結合試薬に結合するために唾液試料中の前記正常化物質と競合する正常化物質である、請求項14に記載の試験装置。
【請求項16】
前記第1の試験試薬および/または前記第2の試験試薬が、1個以上の無機分子、1個以上の有機分子またはその複合体である、請求項1から15のいずれかに記載の試験装置。
【請求項17】
前記有機分子が、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、アプタマー、ビタミン、単糖、オリゴ糖、炭水化物、脂質およびその複合体からなる群から選択される、請求項16に記載の試験装置。
【請求項18】
前記タンパク質が抗原または抗体である、請求項17に記載の試験装置。
【請求項19】
前記第1の試験試薬および/または前記第2の試験試薬が、前記第1の多孔質マトリックスおよび/または前記第2の多孔質マトリックスに非共有結合する、請求項1から18のいずれかに記載の試験装置。
【請求項20】
前記第1の試験試薬および/または前記第2の試験試薬が、例えば担体タンパク質などの担体に結合されて共役体を形成し、前記1つ以上の共役体が、前記第1の多孔質マトリックスおよび/または前記第2の多孔質マトリックスの上で第1の試験部位および/または第2の試験部位に固定化される、請求項19に記載の試験装置。
【請求項21】
前記第1の試験試薬および/または前記第2の試験試薬が、前記第1の多孔質マトリッ
クスおよび/または前記第2の多孔質マトリックスに共有結合する、請求項1から20のいずれかに記載の試験装置。
【請求項22】
前記第1の試験試薬および/または前記第2の試験試薬が、前記第1の多孔質マトリックスおよび/または前記第2の多孔質マトリックス上で前記第1の試験部位および/または前記第2の試験部位に共有結合する、請求項21に記載の試験装置。
【請求項23】
前記第1の多孔質マトリックスおよび/または前記第2の多孔質マトリックスが、ニトロセルロース、ガラス繊維、ポリプロピレン、(好ましくは極めて高い分子量の)ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンビニルアセテート、アクリロニトリルおよび/またはポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1から22のいずれかに記載の試験装置。
【請求項24】
前記第1の多孔質マトリックスおよび/または前記第2の多孔質マトリックスが、帯状または円形状である、請求項1から23のいずれかに記載の試験装置。
【請求項25】
前記第1の多孔質マトリックスおよび/または前記第2の多孔質マトリックスが、単一の要素であるかまたは複数の要素を含む、請求項1から24のいずれかに記載の試験装置。
【請求項26】
単一のマトリックスまたは複数のマトリックスの上流にあり、かつ、前記単一のマトリックスまたは前記複数のマトリックスと流体連通している1つ以上の試料塗布要素をさらに含み、前記1つ以上の試料塗布要素が、高分子材料および/またはセルロース系材料などの吸収材料を任意に含む、請求項1から25のいずれかに記載の試験装置。
【請求項27】
前記単一のマトリックスまたは前記複数のマトリックスの下流にあり、かつ、前記単一のマトリックスまたは前記複数のマトリックスと流体連通している1つ以上の液体吸収要素をさらに含む、請求項1から26のいずれかに記載の試験装置。
【請求項28】
前記単一のマトリックスまたは前記複数のマトリックスの少なくとも一部分が、固体の裏打材によって支持される、請求項1から27のいずれかに記載の試験装置。
【請求項29】
前記単一のマトリックスまたは前記複数のマトリックスの一部分が前記試験位置の上流で乾燥した標識試薬を含み、前記標識試薬が、液体試料および/または試料輸送液または洗浄液などのさらなる液体によって、前記第1の試験位置および/または前記第2の試験位置へ移動し、および/または、陽性の対照位置および/または陰性の対照位置へ移動して1つ以上の検出可能な信号を生成することが可能である、請求項1から28のいずれかに記載の試験装置。
【請求項30】
分析物および正常化物質のための標識試薬、または異なる標識試薬、または分析物および正常化物質を含む、請求項1から29のいずれかに記載の試験装置。
【請求項31】
(1)第1の分析物(例えば17-βエストラジオールまたはプロゲステロン)のための標識試薬、第2の分析物(例えばプロゲステロンまたは17-βエストラジオール)のための標識試薬、および正常化物質(例えばトランスフェリン、アルブミン、クレアチニンまたはそれらの組み合わせ)のための標識試薬、または
(2)第1の分析物(例えば17-βエストラジオールまたはプロゲステロン)のための標識試薬、第2の分析物(例えばプロゲステロンまたは17-βエストラジオール)のための標識試薬、および第1の正常化物質(例えばトランスフェリン、アルブミン、クレアチニンまたはそれらの組み合わせ)のための標識試薬、および、第2の正常化物質(例
えばトランスフェリン、アルブミン、クレアチニンまたはそれらの組み合わせ)のための標識試薬
を含む、請求項30に記載の試験装置。
【請求項32】
前記乾燥した1つ以上の標識試薬が、前記試験装置の1つ以上の試料塗布場所の下流に配置される、請求項29から31のいずれかに記載の試験装置。
【請求項33】
前記乾燥した1つ以上の標識試薬が、前記試験装置の1つ以上の試料塗布場所の上流に配置される、請求項29から31のいずれかに記載の試験装置。
【請求項34】
前記試験位置の上流で、乾燥した1つ以上の標識試薬を含む1つ以上の共役要素をさらに含み、前記1つ以上の標識試薬が、液体試料および/またはさらなる液体によって、前記試験位置へ移動し、および/または、陽性の対照位置および/または陰性の対照位置へ移動して1つ以上の検出可能な信号を生成することが可能である、請求項1から33のいずれかに記載の試験装置。
【請求項35】
前記1つ以上の共役要素が、前記試験装置の1つ以上の試料塗布場所の下流に配置される、請求項34に記載の試験装置。
【請求項36】
前記1つ以上の共役要素が、前記試験装置の1つ以上の試料塗布場所の上流に配置される、請求項34に記載の試験装置。
【請求項37】
前記1つ以上の標識試薬が、前記試料中の分析物および/または正常化物質に結合し、好ましくは前記試料中の前記分析物および/または前記正常化物質に特異的に結合する、請求項1から36のいずれかに記載の試験装置。
【請求項38】
被験体からの唾液試料中の複数の分析物を定量的に検出するように構成され、自身の上に複数の第1の試験位置を含む第1の多孔質マトリックスを含み、前記複数の第1の試験位置が、複数の分析物にそれぞれ結合するか、または前記複数の分析物にそれぞれ結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記分析物の結合試薬にそれぞれ結合するために前記試料中の複数の分析物とそれぞれ競合する複数の分析物または分析物類似体である複数の第1の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記複数の第1の試験位置を通過して複数の第1の検出可能な信号を形成する、請求項1から36のいずれかに記載の試験装置。
【請求項39】
複数の標識試薬を含み、前記標識試薬の各々が前記試料中の異なる分析物に結合する、請求項38に記載の試験装置。
【請求項40】
複数の標識試薬を含み、前記試料中の異なる分析物が、前記標識試薬の各々に結合するために異なる第1の試験位置で異なる分析物または分析物類似体と競合する、請求項38に記載の試験装置。
【請求項41】
前記標識が、蛍光標識またはTide Fluor 5などの可溶性標識である、請求項29から40のいずれかに記載の試験装置。
【請求項42】
前記標識が、金、ラテックス粒子状標識、電気化学的粒子状標識、磁性粒子状標識、(一般にラテックスまたは他のマイクロビーズ中の)ユーロピウムキレート、またはセルロースナノ微粒子(日本国、旭化成株式会社製)などの粒子状標識であり、前記粒子状標識が、共有結合フルオロフォアまたは前記粒子状標識に共有結合しないフルオロフォア(例えば前記粒子状標識内に捕捉されたフルオロフォア)を含み、前記粒子状標識が、(例え
ば前記粒子状標識が量子ドットを含むように)任意には蛍光性である、請求項29から40のいずれかに記載の試験装置。
【請求項43】
前記標識試薬が、a)前記標識試薬を安定化し、b)液体中の前記標識試薬の可溶化または再懸濁を容易にし、c)前記標識試薬の移動度を促進し、および/または、前記標識試薬(例えば粒子状標識を含む前記標識試薬)の凝集を防止する物質の存在下で乾燥される、請求項29から42のいずれかに記載の試験装置。
【請求項44】
前記物質が、カゼインまたはBSAなどのタンパク質、ペプチド、多糖類、糖類、ポリビニルピロリドン(PVP-40)などのポリマー、ゼラチン、Tween-20などの界面活性剤、マンニトールなどのポリオール、およびそれらの組み合わせ(例えば少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはそれ以上の記載の材料の組み合わせ)からなる群から選択される、請求項43に記載の試験装置。
【請求項45】
前記液体試料の適切な流れを示し、前記標識試薬が前記装置に添加されたことを示し、前記標識試薬が適切に可溶化されるかまたは分散していることを示し、有効な試験結果を示し、非特異的結合または意図しない特異的結合を示し、または、ヒト抗マウス抗体(HAMA)の干渉などの異好抗体の干渉を示す手段を含む対照位置、および/または、
還元剤であって、例えば、前記試料中のムチンを還元し、前記試料中のムチンの構造を線状化し、および/または試料の粘度を低減して、試料が前記第1の多孔質マトリックスおよび/または前記第2の多孔質マトリックスを通り、前記試験装置に沿って側方へ流動することを可能にするための、前記第1の多孔質マトリックスおよび/または前記第2の多孔質マトリックス中の還元剤
をさらに含む、請求項1から44のいずれかに記載の試験装置。
【請求項46】
唾液試料が単独で前記分析物および/または前記標識試薬を前記試験位置へ輸送するように構成される、請求項1から45のいずれかに記載の試験装置。
【請求項47】
前記分析物および/または前記標識試薬を前記試験位置へ輸送するために現像液が使用されるように構成される、請求項1から45のいずれかに記載の試験装置。
【請求項48】
前記試験装置の少なくとも一部分を覆う筐体をさらに含む、請求項1から47のいずれかに記載の試験装置。
【請求項49】
前記筐体が、前記試験位置の上流での試料塗布または前記試験位置への試料塗布を可能にする試料塗布口、および/または、前記試験位置での信号検出を可能にする前記試験位置の周囲の光学的開口を含む、請求項48に記載の試験装置。
【請求項50】
前記筐体が前記試験装置全体を覆う、請求項48または49に記載の試験装置。
【請求項51】
前記マトリックスまたは前記試料塗布要素の試料受容部分の少なくとも一部分が前記筐体によって覆われず、試料または緩衝希釈剤が、前記筐体の外側の前記マトリックスまたは前記試料塗布要素の前記試料受容部分の一部分に塗布され、次いで前記試験位置へ輸送される、請求項48または49に記載の試験装置。
【請求項52】
前記筐体が、プラスチック材料、積層材料、金属、ガラス、繊維ガラスおよび/またはセラミックを含む、請求項48から51のいずれかに記載の試験装置。
【請求項53】
前記筐体が、前記装置が前記被験体の口に挿入されている間に前記被験体の体温を測定するように構成された前記温度センサの少なくとも一部分を含む、請求項48から52の
いずれかに記載の試験装置。
【請求項54】
前記第1の検出可能な信号、前記第2の検出可能な信号および/または前記温度センサによって測定された温度信号を検出するための読取器をさらに含む、請求項1から53のいずれかに記載の試験装置。
【請求項55】
前記読取器が、前記筐体内、前記筐体上または前記筐体内部に含まれる、請求項54に記載の試験装置。
【請求項56】
前記読取器が、光学読取器、電子読取器、電気化学的読取器、磁気読取器またはそれらの組み合わせである、請求項54または55に記載の試験装置。
【請求項57】
前記多孔質マトリックスまたは前記複数の多孔質マトリックス、および、前記温度センサと前記読取器とを含む前記筐体が、取り外し可能に組み立てられるように構成される、請求項48から56のいずれかに記載の試験装置。
【請求項58】
前記多孔質マトリックスまたは前記複数の多孔質マトリックスおよび前記筐体の組立体が、前記第1の検出可能な信号、前記第2の検出可能な信号および/または前記温度センサによって測定される前記温度信号を検出する前記装置内で前記読取器を空間的に整列させる、請求項57に記載の試験装置。
【請求項59】
前記多孔質マトリックスまたは前記複数の多孔質マトリックスが使い捨てユニットであるように構成される、請求項57または58に記載の試験装置。
【請求項60】
前記温度センサおよび前記読取器を含む前記筐体が再利用可能ユニットであるように構成される、請求項57から59のいずれかに記載の試験装置。
【請求項61】
液体容器をさらに含む、請求項1から60のいずれかに記載の試験装置。
【請求項62】
例えばバーコードなどの機械可読情報をさらに含む、請求項1から61のいずれかに記載の試験装置。
【請求項63】
前記バーコードが、例えば前記試験装置のロット番号などの前記試験装置のロット特有の情報を含む、請求項62に記載の試験装置。
【請求項64】
前記機械可読情報が例えばRFID装置などの記憶媒体に含まれる、請求項62に記載の試験装置。
【請求項65】
前記RFID装置が、ロット特有の情報、液体制御に関する情報、または品質管理の目的で使用される情報を含む、請求項64に記載の試験装置。
【請求項66】
前記読取器によって検出された前記1つ以上の信号、および/または前記機械可読情報を他の装置へ送信する手段をさらに含む、請求項1から65のいずれかに記載の試験装置。
【請求項67】
前記読取器によって検出された前記1つ以上の信号、および/または前記機械可読情報を、前記試験装置と前記他の装置との有線接続を介して他の装置へ送信するように構成される、請求項66に記載の試験装置。
【請求項68】
前記読取器によって検出された前記1つ以上の信号、および/または前記機械可読情報
を、他の装置へ無線で送信するように構成される、請求項66に記載の試験装置。
【請求項69】
前記他の装置が、携帯電話、タブレット、コンピュータ、分析装置またはシステム、データベース、LCD対応の電子モニタ、またはそれらの組み合わせである、請求項66から68のいずれかに記載の試験装置。
【請求項70】
1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ以上の分析物を定量的に検出するために使用される、請求項1から69のいずれかに記載の試験装置。
【請求項71】
診断、予後、リスク評価、層別化および/または処置の1つ以上の監視指標である1つ以上の分析物を定量的に検出するために使用される、請求項1から70のいずれかに記載の試験装置。
【請求項72】
前記第1の試験位置が、唾液試料中の分析物を定量的に検出するための第1の試験試薬を含み、前記分析物が、コルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン-1β、インターロイキン-6、分泌性免疫グロブリンA、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から71のいずれかに記載の試験装置。
【請求項73】
前記第1の試験位置が、17-βエストラジオール((8R、9S、13S、14S、17S)-13-メチル-6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-デカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3,17-ジオール、E2とも呼ばれる)およびプロゲステロン(プレグナ-4-エン-3,20-ジオン、P4とも呼ばれる)を定量的に検出するための第1の試験試薬を含む、請求項72に記載の試験装置。
【請求項74】
前記第2の試験位置が、トランスフェリン、アルブミン、クレアチニンまたはそれらの組み合わせを正常化物質として定量的に検出するための第2の試験試薬を含む、請求項1から73のいずれかに記載の試験装置。
【請求項75】
前記第2の試験位置が、トランスフェリン、アルブミンおよび/またはクレアチニンを1つ以上の正常化物質として定量的に検出するための第2の試験試薬を含む、請求項73または74に記載の試験装置。
【請求項76】
前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号が、対比、加算、減算、乗算および/または除算、またはそれらの組み合わせの方式で比較されて、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価するように構成され、重み係数が、比較の前に前記第1の検出可能な信号または前記第2の検出可能な信号に任意に適用されるか、または、前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号の両方に任意に適用される、請求項1から75のいずれかに記載の試験装置。
【請求項77】
エストラジオールおよび/またはプロゲステロンに対する前記1つ以上の第1の検出可能な信号と、前記1つ以上の第2の検出可能な信号とが比較されて、前記唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンの量を評価するように構成される、請求項76に記載の試験装置。
【請求項78】
エストラジオールおよび/またはプロゲステロンに対する前記1つ以上の第1の検出可
能な信号と、前記1つ以上の第2の検出可能な信号とが、対比、加算、減算、乗算および/または除算、またはそれらの組み合わせの方式で比較されて、前記唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンの量を評価するように構成され、重み係数が、比較の前に前記1つ以上の第1の検出可能な信号または前記1つ以上の第2の検出可能な信号に任意に適用されるか、または、前記1つ以上の第1の検出可能な信号および前記1つ以上の第2の検出可能な信号の両方に任意に適用される、請求項77に記載の試験装置。
【請求項79】
前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号が、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して比較されるように構成される、請求項76から78のいずれかに記載の試験装置。
【請求項80】
唾液試料中の複数の分析物のレベルが決定され、単一の試験結果に統合される、請求項1から79のいずれかに記載の試験装置。
【請求項81】
唾液試料中のエストラジオールおよびプロゲステロンのレベルが決定され、単一の試験結果に統合される、請求項80に記載の試験装置。
【請求項82】
唾液試料中の複数の分析物のレベルが、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合される、請求項80または81に記載の試験装置。
【請求項83】
唾液試料中の分析物のレベルおよび被験体の体温が決定され、単一の試験結果に統合される、請求項1から82のいずれかに記載の試験装置。
【請求項84】
唾液試料中のエストラジオールまたはプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が決定され、単一の試験結果に統合される、請求項83に記載の試験装置。
【請求項85】
唾液試料中のエストラジオールおよびプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が決定され、単一の試験結果に統合される、請求項83に記載の試験装置。
【請求項86】
唾液試料中の単一の分析物のレベルまたは複数の分析物のレベルおよび被験体の体温が、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合される、請求項83から85のいずれかに記載の試験装置。
【請求項87】
唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合される、請求項86に記載の試験装置。
【請求項88】
被験体からの唾液試料中の分析物を定量的に検出するように構成され、その範囲は約1pg/ml~約1μg/mlであり、例えば約1pg/ml、10pg/ml、100pg/ml、1ng/ml、2ng/ml、3ng/ml、3.5ng/ml、4ng/ml、5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、950ng/mlまたはそれ以上が含まれる、請求項1から87のいずれかに記載の試験装置。
【請求項89】
約1pg/ml~約30pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のエストラジオールを定量的に検出するように構成される、請求項88に記載の試験装置。
【請求項90】
約50pg/ml~約500pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のプロゲステロンを定量的に検出するように構成される、請求項88または89に記載の試験装置。
【請求項91】
1種以上のホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の評価のために構成され、例えば、ホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の状態、時間窓、傾向、または治療の監視または指導のために構成される、請求項1から90のいずれかに記載の試験装置。
【請求項92】
排卵を予測するように構成される、請求項91に記載の試験装置。
【請求項93】
妊娠を確認するように構成される、請求項91に記載の試験装置。
【請求項94】
全体的な妊孕性および/または妊娠可能性を評価するように構成される、請求項91に記載の試験装置。
【請求項95】
液体が前記試験装置に沿って側方に移動して前記1つ以上の試験位置で検出可能な信号を生成する、請求項1から94のいずれかに記載の試験装置。
【請求項96】
例えば被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に検出する方法であって、この方法は、
a)前記唾液試料が1つ以上の試験位置の上流の前記試験装置の部位に塗布され、前記部位が例えば高分子材料および/またはセルロース系材料などの吸収材料を任意に含む、唾液試料を請求項1から94のいずれかに記載の前記試験装置と接触させることと、
b)前記唾液試料中に存在する場合、前記分析物と標識試薬とを前記1つ以上の試験位置に輸送することと、
c)前記1つ以上の試験位置で前記1つ以上の第1の検出可能な信号を評価することとを含み、
1)前記1つ以上の第2の検出可能な信号が評価され、前記1つ以上の第1の検出可能な信号と比較されて、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価し、および/または、
2)前記方法が、前記装置が前記被験体の口に挿入されている間に前記被験体の体温を測定することをさらに含む、方法。
【請求項97】
前記1つ以上の分析物が、約1pg/ml~約1μg/mlの範囲の濃度を有し、その範囲には、例えば1pg/ml、10pg/ml、100pg/ml、約1ng/ml、2ng/ml、3ng/ml、3.5ng/ml、4ng/ml、5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、950ng/mlまたはそれ以上が含まれる、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記液体試料と前記標識試薬とが予め混合されて混合物を形成し、前記混合物が前記試験装置に添加される、請求項96または97に記載の方法。
【請求項99】
前記混合物が前記試験装置に添加された後の洗浄ステップをさらに含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記洗浄ステップが、前記混合物を前記試験装置に添加した後に洗浄液を添加することを含む、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記試験装置が洗浄液を含む液体容器を含み、前記洗浄ステップが、前記液体容器から
前記洗浄液を放出することを含む、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記試験装置が、使用前の乾燥した標識試薬を含み、前記乾燥した標識試薬が可溶化されるかまたは再懸濁されて、前記液体試料によって前記1つ以上の試験位置に輸送される、請求項96または97に記載の方法。
【請求項103】
前記乾燥した標識試薬が前記試料塗布部位の下流に配置され、前記乾燥した標識試薬が可溶化されるかまたは再懸濁されて、前記液体試料によって前記試験位置に輸送される、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記乾燥した標識試薬が、前記試料塗布部位の上流に配置され、前記乾燥した標識試薬が可溶化されるかまたは再懸濁されて、他の液体によって前記試験位置に輸送される、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記標識試薬が可溶化されるかまたは再懸濁されて、前記液体または唾液試料単独によって前記試験位置に輸送される、請求項102に記載の方法。
【請求項106】
前記分析物および/または標識試薬が可溶化されるかまたは再懸濁されて、他の液体によって前記試験位置に輸送される、請求項102に記載の方法。
【請求項107】
前記検出可能な信号が、光学読取器、電子読取器、磁気読取器または電気化学的読取器、あるいはそれらの組み合わせなどの読取器によって評価される、請求項96から106のいずれかに記載の方法。
【請求項108】
前記検出可能な信号が蛍光信号であり、前記蛍光信号が蛍光読取器によって評価される、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記蛍光読取器がレーザ式または発光ダイオード(LED)式の蛍光読取器である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記読取器が、単一または複数の光ダイオードまたは光検出器、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、カメラ(例えば、デジタルカメラ)、または任意のそれらの組み合わせを含む、請求項107から109のいずれかに記載の方法。
【請求項111】
前記1つ以上の第2の検出可能な信号を評価し、前記1つ以上の第1の検出可能な信号を前記1つ以上の第2の検出可能な信号と比較して、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価することをさらに含む、請求項96から110のいずれかに記載の方法。
【請求項112】
前記装置が被験体の口に挿入されている間に、前記被験体の体温を測定することをさらに含む、請求項96から111のいずれかに記載の方法。
【請求項113】
唾液試料中の複数の分析物を定量的に検出するために使用される、請求項96から112のいずれかに記載の方法。
【請求項114】
前記読取器によって検出された前記1つ以上の信号、および/または前記装置の前記機械可読情報を他の装置へ送信することをさらに含む、請求項96から113のいずれかに記載の方法。
【請求項115】
前記読取器によって検出された前記1つ以上の信号、および/または前記機械可読情報を、前記試験装置と前記他の装置との有線接続を介して他の装置へ送信することを含む、
請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記読取器によって検出された前記1つ以上の信号、および/または前記機械可読情報を、他の装置へ無線で送信することを含む、請求項114に記載の方法。
【請求項117】
前記他の装置が、携帯電話、タブレット、コンピュータ、分析装置またはシステム、データベース、LCD対応の電子モニタ、またはそれらの組み合わせである、請求項114から116のいずれかに記載の方法。
【請求項118】
診断、予後、リスク評価、層別化および/または処置の1つ以上の監視指標である1つ以上の分析物を定量的に検出するために使用される、請求項96から117のいずれかに記載の方法。
【請求項119】
唾液試料中の分析物を定量的に検出することを含み、前記分析物が、コルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン-1β、インターロイキン-6、分泌性免疫グロブリンA、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項96から118のいずれかに記載の方法。
【請求項120】
エストラジオールおよびプロゲステロンを定量的に検出することを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
トランスフェリン、アルブミン、クレアチニン、またはそれらの組み合わせを、正常化物質として定量的に検出することを含む、請求項96から120のいずれかに記載の方法。
【請求項122】
前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号を、対比、加算、減算、乗算および/または除算、またはそれらの組み合わせの方式で比較して、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価することを含み、重み係数が、比較の前に前記第1の検出可能な信号または前記第2の検出可能な信号に任意に適用されるか、または、前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号の両方に任意に適用される、請求項96から121のいずれかに記載の方法。
【請求項123】
エストラジオールおよび/またはプロゲステロンに対する前記1つ以上の第1の検出可能な信号と、トランスフェリンおよび/またはアルブミンに対する前記1つ以上の第2の検出可能な信号とを比較して、前記唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンの量を評価することを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
エストラジオールおよび/またはプロゲステロンに対する前記1つ以上の第1の検出可能な信号と、前記1つ以上の第2の検出可能な信号とが、対比、加算、減算、乗算および/または除算、またはそれらの組み合わせの方式で比較されて、前記唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンの量を評価するように構成され、重み係数が、比較の前に前記1つ以上の第1の検出可能な信号または前記1つ以上の第2の検出可能な信号に任意に適用されるか、または、前記1つ以上の第1の検出可能な信号および前記1つ以上の第2の検出可能な信号の両方に任意に適用される、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号が、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して比較される、請求項122から12
4のいずれかに記載の方法。
【請求項126】
唾液試料中の複数の分析物のレベルが決定され、単一の試験結果に統合される、請求項96から125のいずれかに記載の方法。
【請求項127】
唾液試料中のエストラジオールおよびプロゲステロンのレベルが決定され、単一の試験結果に統合される、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
唾液試料中の複数の分析物のレベルが、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合される、請求項126または127に記載の方法。
【請求項129】
唾液試料中の分析物のレベルおよび被験体の体温が決定され、単一の試験結果に統合される、請求項96から128のいずれかに記載の方法。
【請求項130】
唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が決定され、単一の試験結果に統合される、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
唾液試料中のエストラジオールおよびプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が決定され、単一の試験結果に統合される、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
唾液試料中の単一の分析物のレベルまたは複数の分析物のレベルおよび被験体の体温が、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合される、請求項128から131のいずれかに記載の方法。
【請求項133】
唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合される、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
約1pg/ml~約30pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のエストラジオールを定量的に検出するために使用される、請求項96から133のいずれかに記載の方法。
【請求項135】
約50pg/ml~約500pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のプロゲステロンを定量的に検出するために使用される、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
1種以上のホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の評価のために使用され、例えばホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の状態、時間窓、傾向、または治療の監視または指導のために使用される、請求項96から135のいずれかに記載の方法。
【請求項137】
排卵を予測するために使用される、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
妊娠を確認するために使用される、請求項136に記載の方法。
【請求項139】
家族計画のために、および/または受胎調節のために、全体的な妊孕性および/または妊娠可能性を評価するために使用される、請求項136に記載の方法。
【請求項140】
前記被験体が哺乳動物である、請求項96から139のいずれかに記載の方法。
【請求項141】
前記哺乳動物がヒトである、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記哺乳動物が非ヒト哺乳動物である、請求項140に記載の方法。
【請求項143】
前記被験体が、例えばウシ、ウマまたはイヌなどの家畜、経済動物または愛玩動物である、請求項96から139のいずれかに記載の方法。
【請求項144】
例えば被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に検出するためのキットであって、
a)請求項1から95のいずれかに記載の試験装置と、
b)唾液試料中の分析物を定量的に検出するための前記試験装置の使用指示と
を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月6日に出願された米国仮出願第62/143,792号の優先権を主張するものであり、その内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
分野
本開示は、試料中の1つ以上の分析物を定量的に検出するための装置、キット、機器および方法に関する。より具体的には、本開示は、被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に検出するための側方流動試験装置と、試験装置を含むキットまたは器具と、試験装置、キットまたは器具を使用する方法とに関し、これらは、例えばユーザの1種以上のホルモン、排卵、妊娠、および/または妊孕性の評価のために構成され、例えばユーザのホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の状態、時間窓、傾向、または治療の監視または指導のために構成される。
【0003】
背景
以下の説明では、特定の物品および方法が背景および導入のために記載されている。本明細書に含まれるものは、先行技術の「自認」と解釈されるべきものではない。出願人は、本明細書で参照されている物品および方法が適用される法律規定の下で先行技術を構成していないことを、必要に応じて明示する権利を明確に留保している。
【0004】
側方流動の免疫測定法は、例えば体液などの試料中の対象分析物の存在を判定するための臨床診断など、分析化学および医学の多くの異なる分野で広く使用されている。以前の側方流動免疫測定法の研究は、以下の米国特許および特許出願公開公報に例示されている。この研究は、米国特許第5,602,040号明細書、米国特許第5,622,871号明細書、米国特許第5,656,503号明細書、米国特許第6,187,598号明細書、米国特許第6,228,660号明細書、米国特許第6,818,455号明細書、米国特許出願公開第2001/0008774号明細書、米国特許出願公開第2005/0244986号明細書、米国特許第6,352,862号明細書、米国特許出願公開第2003/0207465号明細書、米国特許出願公開第2003/0143755号明細書、米国特許出願公開第2003/0219908号明細書、米国特許第5,714,389号明細書、米国特許第5,989,921号明細書、米国特許第6,485,982号明細書、米国特許出願第11/035,047号明細書、米国特許第5,656,448号明細書、米国特許第5,559,041号明細書、米国特許第5,252,496号明細書、米国特許第5,728,587号明細書、米国特許第6,027,943号明細書、米国特許第6,506,612号明細書、米国特許第6,541,277号明細書、米国特許第6,737,277号明細書、米国特許第5,073,484号明細書、米国特許第5,654,162号明細書、米国特許第6,020,147号明細書、米国特許第4,956,302号明細書、米国特許第5,120,643号明細書、米国特許第6,534,320号明細書、米国特許第4,942,522号明細書、米国特許第4,703,017号明細書、米国特許第4,743,560号明細書、米国特許第5,591,645号明細書、および米国再発行特許発明第38,430号明細書に例示されている。
【0005】
従来の側方流動試験装置は、典型的には比較的大きな試料容積および大量の共役体を必要としていた。これらの装置は、通常、被験体からの血液、血漿、血清または尿の試料を
必要とする。また、試験の結果を読み取るまでには長い待機時間があった。
【0006】
不妊症は古くからの問題である。子供を出産したいという願望は、最も基本的な、生物学的に動機付けられた人間の願望の1つである。今日では、在宅での妊娠検査は定性的であり、典型的には尿の分析に依存している。これらの自己診断式妊娠試験装置は、典型的には妊娠している可能性を疑う女性によって使用される。装置は通常、側方流動免疫測定装置であり、一般的に、側方流動検定スティックの試料採取部分を尿試料と接触させることによって試験が開始される。検定スティックの試料採取部分は、容器内の尿試料に浸漬されてもよく、より典型的には、ユーザは試料採取部分上に直接排尿してもよい。その後、検定は、女性が任意のさらなるステップを行う必要なく実行され、その結果は、目測で表示されかつ読み取られるか、またはデジタル装置において検定結果読み取り手段によって決定されて、例えば液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイによってユーザに表示される。従来の妊娠検査は、尿試料中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を測定することによって行われる。hCGは発生中の胚によって産生され、特定の閾値を超える試料中のhCGの濃度は、妊娠を示す陽性結果をもたらす。
【0007】
しかし、不妊症の場合、今日の在宅での検査では、エンドユーザの妊娠期間についての洞察はほとんどない。女性は、妊娠しようと何ヶ月も努力するが、毎月の検査では身体がどのように機能しているかについてほとんど示されず、医師の診断の手助けをすることもできない。
【0008】
妊孕性を測定するための正確で使用し易い技術が必要である。本開示は、この技術の必要性および他の関連する必要性に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
概要
一態様において、例えば被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に検出するための側方流動試験装置が本明細書に開示されており、この装置は、自身の上に第1の試験位置を含む第1の多孔質マトリックスを含み、前記第1の試験位置が、分析物に結合するか、または前記分析物に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記分析物の結合試薬に結合するために前記試料中の分析物と競合する分析物または分析物類似体である第1の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第1の試験位置を通過して第1の検出可能な信号を形成し、1)前記装置は、自身の上に第2の試験位置を含む第2の多孔質マトリックスをさらに含み、前記第2の試験位置は、前記唾液試料中の正常化物質に結合するか、または前記正常化物質に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記正常化物質の結合試薬に結合するために前記唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体である第2の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第2の試験位置を通過して第2の検出可能な信号を形成し、前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号は、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価するために比較されるように構成され、および/または、2)前記装置は、前記装置が前記被験体の口に挿入されている間に、被験体の体温を測定するように構成された温度センサをさらに含む。
【0010】
一態様において、本明細書に開示される試験装置は、自身の上に第2の試験位置を含む第2の多孔質マトリックスをさらに含み、前記第2の試験位置は、前記唾液試料中の正常化物質に結合するか、または前記正常化物質に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記正常化物質の結合試薬に結合するために前記唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体である第2の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第2の試験位置を通過して第2の検出可能な信号を形
成し、前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号は、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価するために比較されるように構成される。
【0011】
別の態様において、本明細書に開示される試験装置は、装置が被験体の口に挿入されている間に被験体の体温を測定するように構成された温度センサをさらに含む。
【0012】
さらに別の態様において、本明細書に開示される試験装置は、1)自身の上に第2の試験位置を含む第2の多孔質マトリックスであって、第2の試験位置が、唾液試料中の正常化物質に結合するか、または正常化物質に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、正常化物質の結合試薬に結合するために唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体である第2の試験試薬を含み、液体試料が、試験装置に沿って側方に流動し、第2の試験位置を通過して第2の検出可能な信号を形成し、第1の検出可能な信号および第2の検出可能な信号が、唾液試料中の分析物の量を評価するために比較されるように構成される、第2の多孔質マトリックスと、2)装置が被験体の口に挿入されている間に被験体の体温を測定するように構成された温度センサとをさらに含む。
【0013】
先の実施形態のいずれかにおいて、温度センサは、電子スリーブ、導電性インク、感温性材料、光学測定手段および/または光学温度センサを含むことができる。
【0014】
先の実施形態のいずれかにおいて、温度センサは、被験体の口に挿入されるように構成された装置の一部分に少なくとも部分的に含まれてもよい。
【0015】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の多孔質マトリックスおよび第2の多孔質マトリックスは、2つの異なるマトリックスであってもよい。
【0016】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の多孔質マトリックスおよび第2の多孔質マトリックスは同一のマトリックスであってもよい。
【0017】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の試験試薬は分析物に結合することができ、例えば、第1の試験試薬は分析物に特異的に結合することができる。
【0018】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の試験試薬は、分析物に結合する他の結合試薬に結合することができ、例えば、第1の試験試薬は、分析物に結合する他の結合試薬に特異的に結合することができる。
【0019】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の試験試薬は、分析物の結合試薬に結合するために唾液試料中の分析物と競合する分析物または分析物類似体であってもよい。
【0020】
先の実施形態のいずれかにおいて、第2の試験試薬は正常化物質に結合することができ、例えば、第2の試験試薬は、正常化物質に特異的に結合することができる。
【0021】
先の実施形態のいずれかにおいて、第2の試験試薬は、正常化物質に結合する他の結合試薬に結合することができ、例えば、第2の試験試薬は、正常化物質に結合する他の結合試薬に特異的に結合することができる。
【0022】
先の実施形態のいずれかにおいて、第2の試験試薬は、正常化物質の結合試薬に結合するために唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体であってもよい。
【0023】
先の実施形態のいずれかにおいて、第2の試験試薬は、正常化物質の結合試薬に結合す
るために唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体であってもよい。
【0024】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の試験試薬および/または第2の試験試薬は、1個以上の無機分子、1個以上の有機分子またはその複合体であってもよい。
【0025】
先の実施形態のいずれかにおいて、有機分子は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、アプタマー、ビタミン、単糖、オリゴ糖、炭水化物、脂質およびその複合体からなる群から選択することができる。一実施形態において、タンパク質は抗原または抗体である。
【0026】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の試験試薬および/または第2の試験試薬は、第1の多孔質マトリックスおよび/または第2の多孔質マトリックスに非共有結合することができる。一実施形態において、第1の試験試薬および/または第2の試験試薬は、例えば担体タンパク質などの担体に結合されて共役体を形成し、1つ以上の共役体は、第1の多孔質マトリックスおよび/または第2の多孔質マトリックスの上で第1の試験部位および/または第2の試験部位に固定化される。
【0027】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の試験試薬および/または第2の試験試薬は、第1の多孔質マトリックスおよび/または第2の多孔質マトリックスに共有結合することができる。一実施形態において、第1の試験試薬および/または第2の試験試薬は、第1の多孔質マトリックスおよび/または第2の多孔質マトリックス上で第1の試験部位および/または第2の試験部位に共有結合する。
【0028】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の多孔質マトリックスおよび/または第2の多孔質マトリックスは、ニトロセルロース、ガラス繊維、ポリプロピレン、(好ましくは極めて高い分子量の)ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンビニルアセテート、アクリロニトリルおよび/またはポリテトラフルオロエチレンを含むことができる。
【0029】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の多孔質マトリックスおよび/または第2の多孔質マトリックスは、帯状または円形状であってもよい。
【0030】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の多孔質マトリックスおよび/または第2の多孔質マトリックスは、単一の要素であってもよく、または複数の要素を含むことができる。
【0031】
先の実施形態のいずれかにおいて、本明細書に開示される試験装置は、単一のマトリックスまたは複数のマトリックスの上流にあり、かつ、単一のマトリックスまたは複数のマトリックスと流体連通している1つ以上の試料塗布要素をさらに含むことができる。先の実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の試料塗布要素は、例えば高分子材料および/またはセルロース系材料などの吸収材料を任意に含むことができる。一態様において、試料塗布要素は装置の唾液採取器の一部である。一実施形態において、唾液採取器部分は、装置の別の部分、例えば側方流動検定装置の試験領域への唾液の一方向流動を促進するように設計される。
【0032】
先の実施形態のいずれかにおいて、本明細書に開示される試験装置は、単一のマトリックスまたは複数のマトリックスの下流にあり、かつ、単一のマトリックスまたは複数のマトリックスと流体連通している1つ以上の液体吸収要素をさらに含むことができる。
【0033】
先の実施形態のいずれかにおいて、単一のマトリックスまたは複数のマトリックスの少
なくとも一部分を、固体の裏打材によって支持することができる。
【0034】
先の実施形態のいずれかにおいて、単一のマトリックスまたは複数のマトリックスの一部分は、試験位置の上流で乾燥した標識試薬を含むことができ、標識試薬が、液体試料および/または試料輸送液または洗浄液などのさらなる液体によって、第1の試験位置および/または第2の試験位置へ移動し、および/または、陽性の対照位置および/または陰性の対照位置へ移動して1つ以上の検出可能な信号を生成することが可能である。
【0035】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、分析物および正常化物質のための標識試薬、または異なる標識試薬、または分析物および正常化物質を含むことができる。
【0036】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、(1)第1の分析物(例えば17-βエストラジオールまたはプロゲステロン)のための標識試薬、第2の分析物(例えばプロゲステロンまたは17-βエストラジオール)のための標識試薬、および正常化物質(例えばトランスフェリン、アルブミン、クレアチニンまたはそれらの組み合わせ)のための標識試薬、または、(2)第1の分析物(例えば17-βエストラジオールまたはプロゲステロン)のための標識試薬、第2の分析物(例えばプロゲステロンまたは17-βエストラジオール)のための標識試薬、および第1の正常化物質(例えばトランスフェリン、アルブミン、クレアチニンまたはそれらの組み合わせ)のための標識試薬、および、第2の正常化物質(例えばトランスフェリン、アルブミン、クレアチニンまたはそれらの組み合わせ)のための標識試薬を含むことができる。
【0037】
先の実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の乾燥した標識試薬を、試験装置の1つ以上の試料塗布場所の下流に配置することができる。先の実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の乾燥した標識試薬を、試験装置の1つ以上の試料塗布場所の上流に配置することができる。
【0038】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、試験位置の上流で、乾燥した1つ以上の標識試薬を含む1つ以上の共役要素をさらに含むことができ、1つ以上の標識試薬は、液体試料および/またはさらなる液体によって、試験位置へ移動し、および/または、陽性の対照位置および/または陰性の対照位置へ移動して1つ以上の検出可能な信号を生成することが可能である。一実施形態において、1つ以上の共役要素は試験装置の1つ以上の試料塗布場所の下流に配置される。別の実施形態において、1つ以上の共役要素は試験装置の1つ以上の試料塗布場所の上流に配置される。
【0039】
先の実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の標識試薬は、試料中の分析物および/または正常化物質に結合することができ、好ましくは試料中の分析物および/または正常化物質に特異的に結合することができる。
【0040】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、被験体からの唾液試料中の複数の分析物を定量的に検出するように構成されてもよく、自身の上に複数の第1の試験位置を含む第1の多孔質マトリックスを含むことができ、複数の第1の試験位置は、複数の分析物にそれぞれ結合するか、または複数の分析物にそれぞれ結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、分析物の結合試薬にそれぞれ結合するために試料中の複数の分析物とそれぞれ競合する複数の分析物または分析物類似体である複数の第1の試験試薬を含み、液体試料は、試験装置に沿って側方に流動し、複数の第1の試験位置を通過して複数の第1の検出可能な信号を形成する。一実施形態において、試験装置は複数の標識試薬を含み、標識試薬の各々は試料中の異なる分析物に結合する。別の実施形態において、試験装置は複数の標識試薬を含み、試料中の異なる分析物は、標識試薬の各々に結合するために異なる第1の試験位置で異なる分析物または分析物類似体と競合する。
【0041】
先の実施形態のいずれかにおいて、標識は、蛍光標識またはTide Fluor 5などの可溶性標識であってもよい。
【0042】
先行する実施形態のいずれかにおいて、標識は、金、ラテックス粒子状標識、(一般にラテックスまたは他のマイクロビーズ中の)ユーロピウムキレート、またはセルロースナノ微粒子(日本国、旭化成株式会社製)などの粒子状標識であってもよく、粒子状標識は、共有結合フルオロフォアまたは粒子状標識(例えば粒子状標識内に捕捉されたフルオロフォア)に共有結合しないフルオロフォアを含むことができ、粒子状標識は、(例えば粒子状標識が量子ドットを含むように)任意には蛍光性であってもよい。
【0043】
先の実施形態のいずれかにおいて、標識試薬は、a)標識試薬を安定化し、b)液体中の標識試薬の可溶化または再懸濁を容易にし、c)標識試薬の移動度を促進し、および/または、標識試薬(例えば粒子状標識を含む標識試薬)の凝集を防止する物質の存在下で乾燥されてもよい。一実施形態において、物質は、カゼインまたはBSAなどのタンパク質、ペプチド、多糖類、糖類、ポリビニルピロリドン(PVP-40)などのポリマー、ゼラチン、Tween-20などの界面活性剤、マンニトールなどのポリオール、およびそれらの組み合わせ(例えば少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはそれ以上の記載の物質の組み合わせ)からなる群から選択される。
【0044】
上記の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、液体試料の適切な流れを示し、標識試薬が装置に添加されたことを示し、標識試薬が適切に可溶化されるかまたは分散していることを示し、有効な試験結果を示し、非特異的または意図しない特異的な結合を示し、または、ヒト抗マウス抗体(HAMA)の干渉などの異好抗体の干渉を示す手段を含む対照位置、および/または、還元剤であって、例えば試料中のムチンを還元し、試料中のムチンの構造を線状化し、および/または試料の粘度を低減して、試料が第1の多孔質マトリックスおよび/または第2の多孔質マトリックスを通り、試験装置に沿って側方へ流動することを可能にするための、第1の多孔質マトリックスおよび/または第2の多孔質マトリックス中の還元剤をさらに含むことができる。
【0045】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、唾液試料が単独で分析物および/または標識試薬を試験位置へ輸送するように構成されてもよい。
【0046】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、分析物および/または標識試薬を試験位置へ輸送するために現像液が使用されるように構成されてもよい。
【0047】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、試験装置の少なくとも一部を覆う筐体をさらに含むことができる。一実施形態において、筐体は、試験位置の上流での試料塗布または試験位置への試料塗布を可能にする試料塗布口、および/または、試験位置における信号検出を可能にする試験位置の周囲の光学的開口を含む。
【0048】
先の実施形態のいずれかにおいて、筐体は試験装置全体を覆うことができる。
先の実施形態のいずれかにおいて、筐体はマトリックスまたは試料塗布要素の試料受容部分の少なくとも一部分を覆うことができず、試料または緩衝希釈剤を、筐体の外側のマトリックスまたは試料塗布要素の試料受容部分の一部分に塗布し、次いで試験位置へ輸送することができる。
【0049】
先の実施形態のいずれかにおいて、筐体は、プラスチック材料、積層材料、金属、ガラス、繊維ガラスおよび/またはセラミックを含むことができる。
【0050】
先の実施形態のいずれかにおいて、筐体は、装置が被験体の口に挿入されている間に被験体の体温を測定するように構成された温度センサの少なくとも一部分を含むことができる。
【0051】
先の実施形態のいずれかにおいて、本明細書の試験装置は、第1の検出可能な信号、第2の検出可能な信号および/または温度センサによって測定された温度信号を検出するための読取器をさらに含むことができる。一実施形態において、読取器は筐体内、筐体上、または筐体内部に含まれる。
【0052】
先の実施形態のいずれかにおいて、読取器は、光学読取器、電子読取器、磁気読取器または電気化学的読取器、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0053】
先の実施形態のいずれかにおいて、多孔質マトリックスまたは複数の多孔質マトリックス、および、温度センサと読取器とを含む筐体を、取り外し可能に組み立てられるように構成することができる。一実施形態において、多孔質マトリックスまたは複数の多孔質マトリックスおよび筐体の組立体が、第1の検出可能な信号、第2の検出可能な信号および/または温度センサによって測定される温度信号を検出する装置内で読取器を空間的に整列させる。
【0054】
先の実施形態のいずれかにおいて、多孔質マトリックスまたは複数の多孔質マトリックスを、使い捨てユニットであるように構成することができる。
【0055】
先の実施形態のいずれかにおいて、温度センサおよび読取器を含む筐体を、再利用可能ユニットであるように構成することができる。
【0056】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は液体容器をさらに含むことができる。
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、例えばバーコードなどの機械可読情報をさらに含むことができる。一実施形態において、バーコードは、例えば試験装置のロット番号などの試験装置のロット特有の情報を含む。別の実施形態において、機械可読情報は、例えばRFID装置などの記憶媒体に含まれる。さらに別の実施形態において、RFID装置は、ロット特有の情報、液体制御に関する情報、または品質管理の目的で使用される情報を含む。
【0057】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、読取器によって検出された1つ以上の信号、および/または機械可読情報を他の装置へ送信する手段をさらに含むことができる。一実施形態において、試験装置は、読取器によって検出された1つ以上の信号、および/または機械可読情報を、試験装置と他の装置との有線接続を介して他の装置へ送信するように構成される。別の態様において、試験装置は、読取器によって検出された1つ以上の信号、および/または機械可読情報を、他の装置へ無線で送信するように構成される。
【0058】
先の実施形態のいずれかにおいて、他の装置は、携帯電話、タブレット、コンピュータ、分析装置またはシステム、データベース、LCD対応の電子モニタ、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0059】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置を、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ以上の分析物を定量的に検出するために使用することができる。
【0060】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置を、診断、予後、リスク評価、層別化および/または処置の1つ以上の監視指標である1つ以上の分析物を定量的に検出するために
使用することができる。
【0061】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の試験位置は、唾液試料中の分析物を定量的に検出するための第1の試験試薬を含むことができ、分析物は、コルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン-1β、インターロイキン-6、分泌性免疫グロブリンA、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態において、第1の試験位置は、17-βエストラジオール((8R、9S、13S、14S、17S)-13-メチル-6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-デカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3,17-ジオール、E2とも呼ばれる)およびプロゲステロン(プレグナ-4-エン-3,20-ジオン、P4とも呼ばれる)を定量的に検出するための第1の試験試薬を含む。
【0062】
先の実施形態のいずれかにおいて、第2の試験位置は、トランスフェリン、アルブミン、クレアチニンまたはそれらの組み合わせを正常化物質として定量的に検出するための第2の試験試薬を含むことができる。
【0063】
先の実施形態のいずれかにおいて、第2の試験位置は、トランスフェリン、アルブミンおよび/またはクレアチニンを1つ以上の正常化物質として定量的に検出するための第2の試験試薬を含むことができる。
【0064】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の検出可能な信号および第2の検出可能な信号を対比、加算、減算、乗算および/または除算、またはそれらの組み合わせの方式で比較して、唾液試料中の分析物の量を評価するように構成することができ、重み係数は、比較の前に第1の検出可能な信号または第2の検出可能な信号に任意に適用されるか、または、第1の検出可能な信号および第2の検出可能な信号の両方に任意に適用される。一実施形態において、エストラジオールおよび/またはプロゲステロンに対する1つ以上の第1の検出可能な信号と、1つ以上の第2の検出可能な信号とが比較されて、唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンの量を評価するように構成される。一実施形態において、エストラジオールおよび/またはプロゲステロンに対する1つ以上の第1の検出可能な信号と、1つ以上の第2の検出可能な信号とが、対比、加算、減算、乗算および/または除算、またはそれらの組み合わせの方式で比較されて、唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンの量を評価するように構成され、重み係数は、比較の前に1つ以上の第1の検出可能な信号または1つ以上の第2の検出可能な信号に任意に適用されるか、または、1つ以上の第1の検出可能な信号および1つ以上の第2の検出可能な信号の両方に任意に適用される。
【0065】
先の実施形態のいずれかにおいて、光学試験を使用することができる。一実施形態において、検定試料ライン上の総蛍光を測定し、蛍光を有さない検定の領域からの「バックグラウンド」蛍光の測定値を総蛍光から減算する。これにより検定試料ライン上の蛍光が得られる。別の実施形態において、対照試料ライン上の総蛍光を測定し、蛍光を有さない検定試料の領域からの「バックグラウンド」蛍光の測定値を総蛍光から減算する。これにより対照試料ライン上の蛍光が得られる。次いで、検定試料ライン上の蛍光と対照試料ライン上の蛍光とを比較して、唾液試料中の分析物の量を評価する。値を比較する前に、検定試料ライン上の蛍光および/または対照試料ライン上の蛍光に重み係数を適用することができる。
【0066】
先の実施形態のいずれかにおいて、第1の検出可能な信号および第2の検出可能な信号
が、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して比較されるように構成することができる。
【0067】
先の実施形態のいずれかにおいて、唾液試料中の複数の分析物のレベルを決定して単一の試験結果に統合することができる。一実施形態において、唾液試料中のエストラジオールおよびプロゲステロンのレベルが決定されて単一の試験結果に統合される。
【0068】
先の実施形態のいずれかにおいて、唾液試料中の複数の分析物のレベルを、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合することができる。
【0069】
先の実施形態のいずれかにおいて、唾液試料中の分析物のレベルおよび被験体の体温を決定して単一の試験結果に統合することができる。一実施形態において、唾液試料中のエストラジオールまたはプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が決定されて、単一の試験結果に統合される。別の実施形態において、唾液試料中のエストラジオールおよびプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が決定されて、単一の試験結果に統合される。
【0070】
先の実施形態のいずれかにおいて、唾液試料中の単一の分析物のレベルまたは複数の分析物のレベルおよび被験体の体温を、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合することができる。一実施形態において、唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温は、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合される。
【0071】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、被験体からの唾液試料中の分析物を定量的に検出するように構成され得、その範囲は約1pg/ml~約1μg/mlであり、例えば約1pg/ml、10pg/ml、100pg/ml、1ng/ml、2ng/ml、3ng/ml、3.5ng/ml、4ng/ml、5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、950ng/mlまたはそれ以上が含まれる。一実施形態において、試験装置は、約1pg/ml~約30pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のエストラジオールを定量的に検出するように構成される。
【0072】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、約50pg/ml~約500pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のプロゲステロンを定量的に検出するように構成することができる。
【0073】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、1種以上のホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の評価のために構成され、例えばホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の状態、時間窓、傾向、または治療の監視または指導のために構成することができる。一実施形態において、試験装置は、排卵を予測するように構成される。別の実施形態において、試験装置は、妊娠を確認するように構成される。一実施形態において、試験装置は、全体的な妊孕性および/または妊娠可能性を評価するように構成される。
【0074】
先の実施形態のいずれかにおいて、液体は試験装置に沿って側方に移動して1つ以上の試験位置で検出可能な信号を生成することができる。
【0075】
別の態様において、例えば被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に
検出する方法が本明細書に開示されており、この方法は、a)唾液試料を先の実施形態のいずれかの試験装置と接触させることを含み、ここで、唾液試料は1つ以上の試験位置の上流の試験装置の部位に塗布され、この部位は例えば高分子材料および/またはセルロース系材料などの吸収材料を任意に含み、さらにこの方法は、b)唾液試料中に存在する場合、分析物と標識試薬とを1つ以上の試験位置に輸送することと、c)1つ以上の試験位置で1つ以上の第1の検出可能な信号を評価することを含み、ここで、1)1つ以上の第2の検出可能な信号が評価され、1つ以上の第1の検出可能な信号と比較されて、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価し、および/または、2)前記方法は、装置が被験体の口に挿入されている間に被験体の体温を測定することをさらに含む。一実施形態において、1つ以上の分析物は、約1pg/ml~約1μg/mlの範囲の濃度を有し、その範囲には、例えば1pg/ml、10pg/ml、100pg/ml、約1ng/ml、2ng/ml、3ng/ml、3.5ng/ml、4ng/ml、5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、950ng/ml、またはそれ以上が含まれる。一態様において、1つ以上の試験位置の上流の試験装置の部位は、装置の唾液採取器部位である。一実施形態において、唾液採取器部位は、装置の別の部位、例えば装置の試験位置への唾液の一方向流動を促進するように設計される。
【0076】
先の実施形態のいずれかにおいて、液体試料および標識試薬を予め混合して混合物を形成し、混合物を試験装置に添加することができる。一実施形態において、この方法は、混合物が試験装置に添加された後の洗浄ステップをさらに含む。別の実施形態において、洗浄ステップは、混合物を試験装置に添加した後に洗浄液を添加することを含む。さらに別の実施形態において、試験装置は、洗浄液を含む液体容器を含み、洗浄ステップは、液体容器から洗浄液を放出することを含む。
【0077】
本方法の先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、使用前の乾燥した標識試薬を含むことができ、乾燥した標識試薬は可溶化されるかまたは再懸濁されて、液体試料によって1つ以上の試験位置に輸送される。一実施形態において、乾燥した標識試薬は、試料塗布部位の下流に配置され、乾燥した標識試薬は可溶化されるかまたは再懸濁されて、液体試料によって試験位置に輸送される。別の実施形態において、乾燥した標識試薬は、試料塗布部位の上流に配置され、乾燥した標識試薬は可溶化されるかまたは再懸濁されて、他の液体によって試験位置に輸送される。さらに別の実施形態において、標識試薬は可溶化されるかまたは再懸濁されて、液体または唾液試料単独によって試験位置に輸送される。さらに別の実施形態において、分析物および/または標識試薬は、可溶化されるかまたは再懸濁されて、他の液体によって試験位置に輸送される。
【0078】
先の実施形態のいずれかにおいて、検出可能な信号は、光学読取器、電子読取器、磁気読取器または電気化学的読取器、あるいはそれらの組み合わせなどの読取器によって評価することができる。一実施形態において、検出可能な信号は蛍光信号であり、蛍光信号は蛍光読取器によって評価される。別の実施形態において、蛍光読取器は、レーザ式または発光ダイオード(LED)式の蛍光読取器である。
【0079】
先の実施形態のいずれかにおいて、読取器は、単一または複数の光ダイオードまたは光検出器、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、カメラ(例えば、デジタルカメラ)、または任意のそれらの組み合わせを含むことができる。
【0080】
先の実施形態のいずれかにおいて、この方法は、1つ以上の第2の検出可能な信号を評価し、1つ以上の第1の検出可能な信号を1つ以上の第2の検出可能な信号と比較して、唾液試料中の分析物の量を評価することをさらに含むことができる。
【0081】
先の実施形態のいずれかにおいて、この方法は、装置が被験体の口に挿入されている間に被験体の体温を測定することをさらに含むことができる。
【0082】
先の実施形態のいずれかにおいて、この方法は、唾液試料中の複数の分析物を定量的に検出するために使用することができる。
【0083】
先の実施形態のいずれかにおいて、この方法は、読取器によって検出された1つ以上の信号および/または装置の機械可読情報を他の装置へ送信することをさらに含むことができる。一実施形態において、この方法は、読取器によって検出された1つ以上の信号、および/または機械可読情報を、試験装置と他の装置との有線接続を介して他の装置へ送信することを含む。別の実施形態において、この方法は、読取器によって検出された1つ以上の信号および/または機械可読情報を他の装置へ無線で送信することを含む。
【0084】
先の実施形態のいずれかにおいて、他の装置は、携帯電話、タブレット、コンピュータ、分析装置またはシステム、データベース、LCD対応の電子モニタ、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0085】
先の実施形態のいずれかにおいて、この方法を、診断、予後、リスク評価、層別化および/または処置の1つ以上の監視指標である1つ以上の分析物を定量的に検出するために使用することができる。
【0086】
先の実施形態のいずれかにおいて、この方法は、唾液試料中の分析物を定量的に検出することを含むことができ、分析物は、コルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン-1β、インターロイキン-6、分泌性免疫グロブリンA、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態において、この方法は、エストラジオールおよびプロゲステロンを定量的に検出することを含む。
【0087】
先の実施形態のいずれかにおいて、この方法は、トランスフェリン、アルブミン、クレアチニン、またはそれらの組み合わせを正常化物質として定量的に検出することを含むことができる。
【0088】
先の実施形態のいずれかにおいて、この方法は、第1の検出可能な信号および第2の検出可能な信号を対比、加算、減算、乗算および/または除算、またはそれらの組み合わせの方式で比較して、唾液試料中の分析物の量を評価することを含むことができ、重み係数は、比較の前に第1の検出可能な信号または第2の検出可能な信号に任意に適用されるか、または、第1の検出可能な信号および第2の検出可能な信号の両方に任意に適用される。一実施形態において、この方法は、エストラジオールおよび/またはプロゲステロンに対する1つ以上の第1の検出可能な信号と、トランスフェリンおよび/またはアルブミンに対する1つ以上の第2の検出可能な信号とを比較して、唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンの量を評価することを含む。別の実施形態において、エストラジオールおよび/またはプロゲステロンに対する1つ以上の第1の検出可能な信号と、1つ以上の第2の検出可能な信号とが、対比、加算、減算、乗算および/または除算、またはそれらの組み合わせの方式で比較されて、唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンの量を評価するように構成され、重み係数は、比較の前に1つ以上の第1の検出可能な信号または1つ以上の第2の検出可能な信号に任意に適用されるか、
または、1つ以上の第1の検出可能な信号および1つ以上の第2の検出可能な信号の両方に任意に適用される。
【0089】
本方法の先の実施形態のいずれかにおいて、第1の検出可能な信号および第2の検出可能な信号は、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して比較される。
【0090】
先の実施形態のいずれかにおいて、唾液試料中の複数の分析物のレベルを決定して単一の試験結果に統合することができる。一実施形態において、唾液試料中のエストラジオールおよびプロゲステロンのレベルが決定されて単一の試験結果に統合される。
【0091】
先の実施形態のいずれかにおいて、唾液試料中の複数の分析物のレベルを、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合することができる。
【0092】
先の実施形態のいずれかにおいて、唾液試料中の分析物のレベルおよび被験体の体温を決定して単一の試験結果に統合することができる。一実施形態において、唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が決定されて、単一の試験結果に統合される。別の実施形態において、唾液試料中のエストラジオールおよびプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温が決定されて、単一の試験結果に統合される。
【0093】
先の実施形態のいずれかにおいて、唾液試料中の単一の分析物のレベルまたは複数の分析物のレベルおよび被験体の体温を、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合することができる。一実施形態において、唾液試料中のエストラジオールおよび/またはプロゲステロンのレベルおよび被験体の体温は、数式、アルゴリズム、ソフトウェアおよび/またはコンピュータを使用して単一の試験結果に統合される。
【0094】
先の実施形態のいずれかにおいて、本方法を、約1pg/ml~約30pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のエストラジオールを定量的に検出するために使用することができる。一実施形態において、本方法は、約50pg/ml~約500pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のプロゲステロンを定量的に検出するために使用される。
【0095】
先の実施形態のいずれかにおいて、この方法は、1種以上のホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の評価のために使用され、例えばホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の状態、時間窓、傾向、または治療の監視または指導のために使用される。一実施形態において、この方法は、排卵を予測するために使用される。一実施形態において、この方法は、妊娠を確認するために使用される。一実施形態において、この方法は、家族計画のために、および/または受胎調節のために全体的な妊孕性および/または妊娠可能性を評価するために使用される。
【0096】
試験装置または方法の先の実施形態のいずれかにおいて、被験体は哺乳動物であってもよい。一実施形態において、哺乳動物はヒトである。別の実施形態において、哺乳動物は非ヒト哺乳動物である。
【0097】
試験装置または方法の先の実施形態のいずれかにおいて、被験体は、例えばウシ、ウマまたはイヌなどの家畜、経済動物または愛玩動物であってもよい。
【0098】
さらに別の態様において、例えば被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定
量的に検出するためのキットが本明細書に開示され、このキットは、a)先の実施形態のいずれかの試験装置と、b)唾液試料中の分析物を定量的に検出するための試験装置の使用指示とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0099】
図1】本開示の一態様による、カートリッジ内に埋め込まれた側方流動検定用の試験片を示す図である。図2A図2Cは、本開示の一態様による、側方流動試験装置用の電子読取器を示している。
図2A】読取器を示す図である。
図2B】読取器に挿入される試験片の上面図である。
図2C】読取器に挿入される試験片の側面図である。
図3】本開示の一態様による、側方流動試験装置用の電子読取器を示す図である。
図4】本開示の一態様による、側方流動試験装置の使用方法を示すフローチャートである。
図5】本開示の一態様による、ホルモン監視システムの構成要素の一般的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
A.定義
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。全ての特許、(公開されたかまたは非公開の)特許出願、および本明細書で言及される他の刊行物は、その全体が参照により組み込まれる。この節に記載されている定義が、特許、出願、公開された出願、および本明細書に参照により組み込まれる他の刊行物に記載されている定義に反していたり、そうでなければ矛盾している場合、この節に記載されている定義は、本明細書に参照により組み込まれる定義より優先される。
【0101】
本開示を実施するために、複数のハードウェアおよびソフトウェアベースの装置、ならびに複数の異なる構造構成要素を使用してもよい。さらに、本開示の実施形態は、議論のために、構成要素の大部分がハードウェア単独で実装されているかのように図示および説明することができるハードウェア、ソフトウェアおよび電子構成要素または電子モジュールを含んでもよいことが理解されるべきである。しかしながら、当業者は、この詳細な説明の解釈に基づいて、少なくとも1つの実施形態において、本開示の電子ベースの態様を1つ以上のプロセッサで実行可能なソフトウェアに実装(例えば非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶)してもよいことを認識するであろう。このように、本開示を実施するために、複数のハードウェアおよびソフトウェアベースの装置、ならびに複数の異なる構造構成要素を使用してもよいことに留意されたい。
【0102】
本明細書中の「含む」、「備える」または「有する」およびそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目およびその等価物ならびに追加の項目を包含することを意味する。任意の実施例および全ての実施例、または例示的な言語(例えば「~など」)の使用は、実施形態を良好に説明することを意図しており、特に明記しない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0103】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明確に別様に定めない限り、複数の指示対象を含む。同様に、複数形が使用される場合、文脈上認められる限り単数形を包含するものであると解釈されるべきである。例えば、「a」または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。したがって、「分析物」への言及は1つ以上の分析物を指し、「方法」への言及は、本明細書中に開示されたステップおよび方法、および/または、当業者に公知の
等価なステップおよび方法などへの言及を含む。
【0104】
この開示を通して、主張される主題の様々な態様を範囲として示す形式で提示する。範囲として示す形式での説明は、単に便宜上のものであり、簡潔さを目的としたものであって、主張される主題の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきものではないことを理解すべきである。したがって、範囲の記載は、具体的に開示された全ての可能性のある下位範囲およびその範囲内の個々の数値を含んでいるものと考えられるべきである。例えば、ある範囲の値が示されている場合、その範囲の上限と下限との間のそれぞれの介在値、およびその記載範囲の任意の他の記載値または介在値は、主張される主題に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、より小さい範囲に独立に含まれてもよく、記載範囲内の任意の具体的に除外された限界を条件として、主張される主題内に包含されてもよい。記載範囲に1つまたは両方の限度が含まれる場合、その含まれる限度のいずれかまたは両方を除外した範囲もまた、主張された主題に含まれる。これは範囲の幅に関係なく適用される。
【0105】
本明細書で使用される場合、「個体」または「被験体」は、ヒトおよび他の哺乳動物を含む任意の生体であってもよい。本明細書で使用される場合、「被験体」という用語は、特定の種または試料のタイプに限定されない。例えば、「被験体」という用語は、患者、しばしばヒト患者を指す場合がある。しかし、この用語はヒトに限定されず、したがって、様々な哺乳動物または他の種を包含する。一実施形態において、被験体は、哺乳動物または哺乳動物の細胞、組織、臓器または一部であってもよい。哺乳動物には、任意の哺乳動物科の種が含まれ、好ましくはヒト(ヒト、ヒト被験体またはヒト患者を含む)が含まれる。哺乳動物には、家畜、競技用動物、愛玩動物、霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、マウスおよびラットが含まれるが、これらに限定されない。
【0106】
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、分析物の検定が望まれる分析物を含む場合があるものを指す。本明細書で使用される場合、「生体試料」は、生体源またはウイルス源、または巨大分子および生体分子の他の供給源から得られる任意の試料を指すことができ、核酸またはタンパク質あるいは他の巨大分子が得られた被験体の任意の細胞型または組織を含む。生体試料は、生物学的供給源から直接得られた試料または処理された試料であってもよい。例えば、増幅された単離核酸は生体試料を構成する。生体試料は、動植物およびそれらに由来する加工試料から得られる、唾液、尿、血液、血漿、血清、精液、排泄物、喀痰、脳脊髄液、滑液、汗、涙、粘液、羊水、組織および器官試料などの体液を含むが、これらに限定されない。生物学的組織の例には、器官、腫瘍、リンパ節、動脈および個々の細胞も含まれる。
【0107】
本明細書で使用される場合、「1つの分析物または複数の分析物を定量的に検出すること」とは、1つ以上の分析物レベルまたは濃度が1つ以上の分析物の1つ以上の所望の閾値を含み、および/または、1つ以上の分析物レベルまたは濃度が1つ以上の分析物の1つ以上の所望の基準範囲を下回るか、この範囲のほぼ最低位、この範囲内、この範囲のほぼ最高位、および/またはこの範囲を超える、約30%またはそれ以下の精度または変動係数(CV)で各分析物が測定されることを意味している。いくつかの実施形態において、多くの場合、CVが例えば30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%またはそれ未満となるようなより高い精度が望ましく、または重要である。他の実施形態において、1つ以上の分析物レベルまたは濃度が1つ以上の分析物の所望のまたは必要な閾値よりも実質的に低いか、ほぼこの閾値であるか、この閾値であり、および/またはこの閾値よりも実質的に高い、所望のまたは必要なCVで分析物を定量化することが、多くの場合望ましく、または重要である。さらに他の実施形態において、1つ以上の分析物レベルまたは濃度が基準範囲の最低位よりも実質的に低いか、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%
、60%、70%、80%、90%、95%、または全基準範囲を含み、および/または基準範囲の最高位よりも実質的に高い、所望のまたは必要なCVで分析物を定量化することが多くの場合望ましく、または重要である。
【0108】
本明細書で使用される場合、「ほぼ」閾値の、または基準範囲の最低位または最高位などの特定の点の分析物レベルまたは濃度とは、分析物レベルまたは濃度が、閾値または基準範囲の最低位または最高位などの特定の点の少なくともプラスマイナス20%以内であることを意味している。換言すれば、「ほぼ」閾値の、または基準範囲の特定の点の分析物レベルまたは濃度とは、分析物レベルまたは濃度が、閾値または基準範囲の特定の点の80%~120%であることを意味している。いくつかの実施形態において、「ほぼ」閾値の、または基準範囲の特定の点の分析物レベルまたは濃度とは、分析物レベルまたは濃度が、少なくともプラスマイナス15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%以内であるか、または閾値または基準範囲の特定の点に等しいことを意味している。
【0109】
本明細書で使用される場合、閾値「よりも実質的に低い」、または基準範囲の最低位の分析物レベルまたは濃度とは、分析物レベルまたは濃度が、閾値または基準範囲の最低位の少なくともマイナス50%以内であることを意味している。換言すれば、閾値「よりも実質的に低い」、または基準範囲の最低位の分析物レベルまたは濃度とは、分析物レベルまたは濃度が、閾値または基準範囲の最低位の少なくとも50%であることを意味している。いくつかの実施形態において、閾値「よりも実質的に低い」、または基準範囲の最低位の分析物レベルまたは濃度とは、分析物レベルまたは濃度が、閾値または基準範囲の最低位の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%であることを意味している。
【0110】
本明細書で使用される場合、閾値「よりも実質的に高い」、または基準範囲の最高位の分析物レベルまたは濃度とは、分析物レベルまたは濃度が、閾値または基準範囲の最高位の少なくともプラス5倍以内であることを意味している。換言すれば、閾値「よりも実質的に高い」、または基準範囲の最高位の分析物レベルまたは濃度とは、分析物レベルまたは濃度が、閾値または基準範囲の最高位の101%から5倍であることを意味している。いくつかの実施形態において、閾値「よりも実質的に高い」、または基準範囲の最高位の分析物レベルまたは濃度とは、分析物レベルまたは濃度が、閾値または基準範囲の最高位の少なくとも101%、102%、103%、104%、105%、110%、120%、130%、140%、150%、2倍、3倍、4倍または5倍であることを意味している。
【0111】
本明細書で使用される場合、「閾値」は、所望の被験体または集団(例えば妊娠しているかまたは妊娠していない女性、または妊娠の特定の段階にある女性)の試料から得られた分析物レベルまたは濃度を指しており、例えば、正常な臨床的に健康な個体に見られる分析物レベルまたは濃度の値、「病気」の被験体または集団に見られる分析物レベルまたは濃度の値、または、所望の被験体または集団の試料から事前に決定された分析物レベルまたは濃度の値を指している。特定の試験に応じて「正常値」を「閾値範囲」として使用する場合、結果は、分析物レベルまたは濃度の値が正常値を超えるかまたは正常値未満である場合に異常であるとみなすことができる。「閾値」は、較正されたかまたは未較正の分析物のレベルまたは濃度に基づくことができる。
【0112】
本明細書で使用される場合、「基準範囲」は、所望の被験体または集団(例えば妊娠しているかまたは妊娠していない女性、または妊娠の特定の段階にある女性)の試料から得られた分析物レベルまたは濃度範囲を指しており、例えば、正常な臨床的に健康な個体に見られる分析物レベルまたは濃度の値の範囲、「病気」の被験体または集団に見られる分析物レベルまたは濃度の値の範囲、または、所望の被験体または集団の試料から事前に決
定された分析物レベルまたは濃度の値の範囲を指している。「正常範囲」を「基準範囲」として使用する場合、結果は、分析物レベルまたは濃度の値が正常範囲の下限値未満であるかまたは上限値を超える場合に異常であるとみなされる。「基準範囲」は、較正されたかまたは未較正の分析物のレベルまたは濃度に基づくことができる。
【0113】
本明細書で使用される場合、「抗体」は、単一の免疫グロブリン遺伝子または1つ以上の免疫グロブリン遺伝子あるいはその断片に由来するか、単一の免疫グロブリン遺伝子または1つ以上の免疫グロブリン遺伝子あるいはその断片をモデルとしているか、または、単一の免疫グロブリン遺伝子または1つ以上の免疫グロブリン遺伝子あるいはその断片によって実質的にコードされたペプチドまたはポリペプチドを指しており、抗原またはエピトープに特異的に結合することができる。例えば、W.E.Paul編集による、Fundamental Immunology、第3版、Raven Press、N.Y.、1993年、Wilsonによる、J. Immunol.Methods 175、1994年、267-273、Yarmushによる、J. Biochem.Biophys.Methods 25、1992年、85-97を参照されたい。抗体という用語は、抗原に結合する能力を保持する抗原結合部分、すなわち「抗原結合部位」(例えば、断片、部分配列、相補性決定領域(CDR))を含み、この「抗原結合部位」には、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片と、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって結合された2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab’)2断片と、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片と、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片と、(v)VHドメインからなるdAbフラグメント(Wardらによる、Nature 341、1989年、544-546)と、(vi)単離された相補性決定領域(CDR)とが含まれる。一本鎖抗体はまた、「抗体」という用語に参照により含まれる。「抗体」は、従来のハイブリドーマ技術によって、例えばファージ提示法などの様々な提示方法によって、および/またはその機能的断片によって産生されるモノクローナル抗体のなどの、天然に存在するかまたは人工の抗体であってもよい。
【0114】
「エピトープ」という用語は、抗体に特異的に結合することができる抗原決定基を指す。エピトープは、一般的にまたは多くの場合、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的活性表面群からなり、特異的な3次元の構造特性ならびに特異的な電荷特性を有することができる。立体配座エピトープおよび非立体配座エピトープは、変性溶媒の存在下で、立体配座エピトープへの結合が失われるが、非立体配座エピトープへの結合は失われない点で区別される。
【0115】
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指しており、すなわち、集団を構成する抗体は、少量で存在する可能性のある天然に存在する突然変異体を除いて同一である。本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」は、モノクローナル抗体の機能的断片をさらに指している。
【0116】
本明細書で使用される場合、「結合試薬」は、所望の親和性および/または特異性で標的または分析物に結合する任意の物質を指している。結合試薬の非限定的な例には、細胞、細胞小器官、ウイルス、粒子、微粒子、分子、または、それらの凝集体または複合体、あるいは分子の凝集体または複合体が含まれる。例示的な結合試薬は、アミノ酸、ペプチド、例えば抗体または受容体などのタンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、例えばDNAまたはRNAなどの核酸、ビタミン、単糖、オリゴ糖、炭水化物、脂質、アプタマーおよびその複合体であり得る。
【0117】
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」という用語は、結合試薬が定義された標的または分析物に優先的に結合するように、例えば抗体またはアプタマーなどの結合
試薬の特異性を指す。結合試薬は、他の物質に結合するよりも高い親和性、結合活性でより容易に結合する場合に、および/または他の物質により長い持続時間で結合する場合に標的に「特異的に結合する」。例えば、標的に特異的に結合する結合試薬は、他の物質への結合と比較して少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%またはそれ以上の大きな親和性で標的分析物と結合してもよく、または、他の物質への結合と比較して少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍またはそれ以上の標的分析物への結合に対する親和性で標的分析物と結合してもよい。他の潜在的な干渉物質の存在下での標的分析物の結合試薬による認識もまた、特異的に結合する特性の1つである。好ましくは、標的分析物に対して特異的であるかまたは標的分析物に特異的に結合する抗体またはアプタマーなどの結合試薬は、試験試料中に存在する非標的物質などの有意な割合の非標的物質への結合を回避する。いくつかの実施形態において、結合試薬は、約90%を超える非標的物質の結合を回避するが、より高い割合が明らかに考慮され、かつ好ましい。例えば、結合試薬は、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99%および約99.9%以上の非標的物質の結合を回避することができる。他の実施形態において、結合試薬は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、または70%を超え、または約75%を超え、または約80%を超え、または約85%を超える非標的物質の結合を回避することができる。
【0118】
B.唾液試料中の分析物を定量的に検出するための装置およびキット
妊孕性関連ホルモンのレベルを測定するための市販の便利な検査はない。標準的なホルモン検査は、医師の診察室で採取した血液の試料に実施されるが、これらの検査では、エストロゲンおよびプロゲステロンの活性および不活性を区別しない。重要なことに、これらのホルモンの活性濃度は、その濃度が女性生殖器の機能(例えば、排卵)と直接相関するため、妊孕性の重要な指標であり、これらホルモンの不活性型の濃度は排卵と密接に相関しておらず、それにより分析が複雑になる。その月を通して活性型を正確かつ即時に追跡する機能は、妊娠しようとしている女性が現在入手することができない前例のない情報を提供するであろう。この機能は、不妊症の女性の診断および処置を促進するであろう。この装置を使用した1ヶ月間の日常的監視は、不妊症に関連する潜在的なホルモン不均衡を特定するのに必要な情報を医師に提供することができる。さらに、同じ装置を使用して、エストロゲンおよびテストステロンホルモン療法を含む他のホルモン不均衡障害の診断および処置に役立てることができる。
【0119】
妊孕性を測定するための正確で使用し易い技術が望まれている。一態様において、早期回答を提供する技術が本明細書に開示されており、この技術は、超音波技術と同様に早期に妊娠を診断し、現在利用可能な在宅での妊娠検査よりも平均して5日早い。妊娠しようとしている間、女性は、医師の診察室で最も一般的に管理されるものを含む他の検査では現在入手することができない自分の身体の定量的情報を得る。この新規技術からの情報により、医師は不妊症関連の診断を行うことができる。一態様において、本明細書に開示される装置および方法は、唾液試料を少量しか必要とせず、女性が個別にかつ快適に検査を行うことを可能にする。
【0120】
一態様において、唾液などの体液中のホルモンの濃度を測定する装置が本明細書に記載されており、この装置は、(1)体液を採取してホルモン濃度を測定する検定装置、(2)検定の結果を読み取る電子装置、および、(3)ユーザの体温を測定する温度計を含む。いくつかの態様において、前記装置の結果は、次いで無線またはケーブルを介してコンピュータ化された装置に転送されて、情報が処理され、表示される。
【0121】
別の態様において、ユーザのホルモンレベルを監視する方法が本明細書において提供さ
れる。いくつかの実施形態において、この方法は、ユーザの唾液試料を採取し、唾液試料の検定を行って生物利用可能なホルモンの化学的濃度を決定することを含む。いくつかの実施形態において、この方法は、ユーザの基礎体温を測定して、検定および基礎体温を分析して定量化された結果を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態において、定量化された結果は、コンピュータ化された装置のソフトウェアプログラムに送信され、コンピュータ化された装置は、検定結果を表示するグラフィカルユーザインターフェースを有する。本発明の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【0122】
一実施形態において、妊孕性を監視するシステムおよび方法が提供される。例えば、システムは、統合検定および基礎体温を使用して、唾液中のホルモンの活性型を測定する。一実施形態において、システムは少なくとも3つの構成要素を含む。一実施形態において、システムの第1の構成要素(例えば、図5の構成要素10)は、ユーザの唾液試料を採取するための採取装置を含む。採取装置は、唾液試料について検定を行うために使用される。特定の一実施形態において、採取装置を使用して唾液試料について検定を行い、生物利用可能なプロゲステロンおよびエストラジオールの濃度を決定する。採取装置は、紙などの使い捨て可能な材料を含むことができ、またはプラスチックなどの再利用可能な材料を含むことができる。
【0123】
一実施形態において、システムの第2の構成要素(例えば、図5の構成要素20)は、ユーザの基礎体温を測定する薄型の電子スリーブを含む。一実施形態において、電子スリーブは、測定された基礎体温および採取装置によって行われた検定の結果を分析し、データを定量化する。次いで、定量化されたデータを、ユーザが理解できる定量的な計測値として生成することができる。電子スリーブは、スマートフォンまたはタブレットに(例えば、ケーブルまたは無線通信を使用して)接続し、ユーザに定量的な計測値を提供する。
【0124】
一実施形態において、システムの第3の構成要素は、スマートフォンまたはタブレットのソフトウェアアプリケーションを含む。ソフトウェアアプリケーションは、装置の計測値を処理して表示し、他の電子リソースと共有することができる。
【0125】
活性ホルモンおよび基礎体温を同時に測定する代わりに、別の実施形態は、基礎体温を独立して測定し、補助的情報を処理および伝達のためにソフトウェアに入力することを含む。
【0126】
一態様において、ユーザのホルモンレベルを監視するための装置が本明細書に開示されており、この装置は、ユーザから体液試料を得るための採取装置と、試料中の活性ホルモン濃度を決定する検定装置と、検定の結果を解釈し定量化することができる電子装置と、情報を受信し処理することができるコンピュータ化された装置とを含む。一実施形態において、装置は、ユーザの基礎体温を測定するための構成要素を含む。
【0127】
別の態様において、ユーザのホルモンレベルを監視する方法が本明細書に開示されており、この方法は、ユーザの唾液試料を採取することと、唾液試料について検定を行って生物利用可能なホルモンの化学的濃度を決定することと、検定および基礎体温を分析して、定量化された結果を生成することと、定量化された結果をコンピュータ化された装置のソフトウェアプログラムに送信することとを含み、コンピュータ化された装置はユーザーインターフェースを有し、定量化された結果をソフトウェアプログラムを介して計測値の形態でユーザーインターフェースに表示する。一実施形態において、本方法は、ユーザの基礎体温を測定する追加のステップを含む。
【0128】
さらに別の態様において、体液を採取し、ホルモンを定量的に測定するように設計され
た装置が本明細書に開示される。一実施形態において、本明細書に開示される装置は、(a)体液を採取する構成要素、(b)動物の基礎体温を測定する構成要素、(c)体液について行われた検定の結果を測定する構成要素、および、(d)読み取りの出力を分析して、その出力を他の電子記録に転送するコンピュータ化された装置を含む。
【0129】
特定の実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および置換を行うことができる。したがって、本明細書に記載された発明は、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物を除いて限定されるべきではない。本発明の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲に記載されている。本試験装置、キット、システムおよび方法の原理は、当技術分野で公知の側方流動試験装置および検定に適用するかまたは適用するために適合させることができる。例えば、本試験装置、キット、システムおよび方法の原理は、以下の特許および出願に開示され、および/または請求された側方流動試験装置および検定に適用するかまたは適用するために適合させることができる。これらの原理は、米国特許第5,073,484号明細書、米国特許第5,654,162号明細書、米国特許第6,020,147号明細書、米国特許第4,695,554号明細書、米国特許第4,703,017号明細書、米国特許第4,743,560号明細書、米国特許第5,591,645号明細書、米国再発行特許発明第38,430号明細書、米国特許第5,602,040号明細書、米国特許第5,633,871号明細書、米国特許第5,656,503号明細書、米国特許第6,187,598号明細書、米国特許第6,228,660号明細書、米国特許第6,818,455号明細書、米国特許第7,109,042号明細書、米国特許第6,352,862号明細書、米国特許第7,238,537号明細書、米国特許第7,384,796号明細書、米国特許第7,407,813号明細書、米国特許第5,714,389号明細書、米国特許第5,989,921号明細書、米国特許第6,485,982号明細書、米国特許第5,120,643号明細書、米国特許第5,578,577号明細書、米国特許第6,534,320号明細書、米国特許第4,956,302号明細書、米国再発行特許発明第39,664号明細書、米国特許第5,252,496号明細書、米国特許第5,559,041号明細書、米国特許第5,728,587号明細書、米国特許第6,027,943号明細書、米国特許第6,506,612号明細書、米国特許第6,541,277号明細書、米国特許第6,737,277号明細書、米国特許第7,175,992号明細書、米国特許第7,691,595号明細書、米国特許第6,770,487号明細書、米国特許第7,247,500号明細書、米国特許第7,662,643号明細書、米国特許第5,712,170号明細書、米国特許第5,965,458号明細書、米国特許第7,371,582号明細書、米国特許第7,476,549号明細書、米国特許第7,633,620号明細書、米国特許第7,815,853号明細書、米国特許第6,267,722号明細書、米国特許第6,394,952号明細書、米国特許第6,867,051号明細書、米国特許第6,936,476号明細書、米国特許第7,270,970号明細書、米国特許第7,239,394号明細書、米国特許第7,315,378号明細書、米国特許第7,317,532号明細書、米国特許第7,616,315号明細書、米国特許第7,521,259号明細書、米国特許第7,521,260号明細書、米国特許出願公開第2005/0221504号明細書、米国特許出願公開第2005/0221505号明細書、米国特許出願公開第2006/0240541号明細書、米国特許出願公開第2007/0143035号明細書、米国特許出願公開第2007/0185679号明細書、米国特許出願公開第2008/0028261号明細書、米国特許出願公開第2009/0180925号明細書、米国特許出願公開第2009/0180926号明細書、米国特許出願公開第2009/0180927号明細書、米国特許出願公開第2009/0180928号明細書、米国特許出願公開第2009/0180929号明細書、米国特許出願公開第2009/0214383号明細書、米国特許出願公開第2009/0269858号明細書、米国特許第6,777,198号明細書、米国特許出願公開第2009/0311724号明細書、米国特許出願公開第2009/0117006号明細
書、米国特許第7,256,053号明細書、米国特許第6,916,666号明細書、米国特許第6,812,038号明細書、米国特許第5,710,005号明細書、米国特許第6,140,134号明細書、米国特許出願公開第2010/0143941号明細書、米国特許第6,140,048号明細書、米国特許第6,756,202号明細書、米国特許第7,205,553号明細書、米国特許第7,679,745号明細書、米国特許出願公開第2010/0165338号明細書、米国特許出願公開第2010/0015611号明細書、米国特許第5,422,726号明細書、米国特許第5,596,414号明細書、米国特許第7,178,416号明細書、米国特許第7,784,678号明細書、米国特許出願公開第2010/094564号明細書、米国特許出願公開第2010/0173423号明細書、米国特許出願公開第2009/0157023号明細書、米国特許第7,785,899号明細書、米国特許第7,763,454号明細書、米国特許出願公開第2010/0239460号明細書、米国特許出願公開第2010/0240149号明細書、米国特許第7,796,266号明細書、米国特許第7,815,854号明細書、米国特許出願公開第2005/0244953号明細書、米国特許出願公開第2007/0121113号明細書、米国特許出願公開第2003/0119202号明細書、米国特許出願公開第2010/0311181号明細書、米国特許第6,707,554号明細書、米国特許第6,194,222号明細書、米国特許第7,713,703号明細書、欧州特許出願公開第0,149,168号明細書、欧州特許出願公開第0,323,605号明細書、欧州特許出願公開第0,250,137号明細書、英国特許出願公開第1,526,708号明細書、および国際公開第99/40438号パンフレットに開示されている。
【0130】
一態様において、本発明は、例えば被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に検出するための側方流動試験装置を提供し、この装置は、自身の上に第1の試験位置を含む第1の多孔質マトリックスを含み、前記第1の試験位置が、分析物に結合するか、または前記分析物に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記分析物の結合試薬に結合するために前記試料中の分析物と競合する分析物または分析物類似体である第1の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第1の試験位置を通過して第1の検出可能な信号を形成し、1)前記装置は、自身の上に第2の試験位置を含む第2の多孔質マトリックスをさらに含み、前記第2の試験位置は、前記唾液試料中の正常化物質に結合するか、または前記正常化物質に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記正常化物質の結合試薬に結合するために前記唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体である第2の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第2の試験位置を通過して第2の検出可能な信号を形成し、前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号は、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価するために比較されるように構成され、および/または、2)前記装置は、前記装置が前記被験体の口に挿入されている間に、被験体の体温を測定するように構成された温度センサをさらに含む。
【0131】
一態様において、本明細書に開示される試験装置は、自身の上に第2の試験位置を含む第2の多孔質マトリックスをさらに含み、前記第2の試験位置は、前記唾液試料中の正常化物質に結合するか、または前記正常化物質に結合する他の結合試薬に結合するか、あるいは、前記正常化物質の結合試薬に結合するために前記唾液試料中の正常化物質と競合する正常化物質または正常化物質類似体である第2の試験試薬を含み、液体試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記第2の試験位置を通過して第2の検出可能な信号を形成し、前記第1の検出可能な信号および前記第2の検出可能な信号は、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価するために比較されるように構成される。
【0132】
別の態様において、本明細書に開示される試験装置は、装置が被験体の口に挿入されている間に被験体の体温を測定するように構成された温度センサをさらに含む。温度センサ
は、電子スリーブを含むことができる。他の実施形態において、温度センサを、側方流動装置の任意の部分、例えば側方流動装置の膜上に一体化することができる。例えば定義された範囲の導電性材料抵抗の規定された構造を適用することによって、温度センサを装置上に一体化することができる。温度が変化すると、印刷された電子温度センサの抵抗が所定の方法で変化し、温度を測定することが可能になる。
【0133】
先の実施形態のいずれかにおいて、温度センサは、被験体の口に挿入されるように構成された装置の一部分に少なくとも部分的に含まれてもよい。
【0134】
実施形態のいずれかによる側方流動装置用の1つ以上のセンサは、被験体の基礎体温を感知するための電子スリーブを含むことができ、または、プリンテッド・エレクトロニクス(例えば、導電性白金インク(DuPont BQ321)などの導電性インクおよび感温性材料)を使用して用意することができる。上述したように、それら1つ以上のセンサは、(例えば)ニトロセルロースに、裏打材料に、または装置に取り付けられた最上層に直接印刷することができる。同様に、別の実施形態において、非印刷電極は、(ニトロセルロース膜などの)吸収材料上に直接適用されるか、または装置の裏打材料を介して適用されてもよい。電子集積回路へのインタフェースは、フレックス回路または同様の技術を使用して行うことができる。
【0135】
意図された試験形式および目的に応じて、試験試薬は任意の適切な物質であってもよい。いくつかの実施形態において、試験試薬は、少なくとも2つの異なる分析物に結合する。好ましくは、試験試薬は、少なくとも2つの異なる分析物に特異的に結合する。他の実施形態において、試験試薬は異なる分析物または分析物類似体である。いくつかの実施形態において、試験試薬は無機分子、有機分子またはそれらの複合体である。例示的な有機分子には、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、ビタミン、単糖、オリゴ糖、炭水化物、脂質およびその複合体が含まれる。他の実施形態において、試験試薬は、抗原、抗体またはアプタマーであってもよい。
【0136】
マトリックスは、1つ以上の任意の適切な物質を含むことができる。例えば、マトリックスは、ニトロセルロース、ガラス繊維、ポリプロピレン、(好ましくは極めて高い分子量の)ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンビニルアセテート、アクリロニトリルおよび/またはポリテトラフルオロエチレンを含むことができる。先の実施形態のいずれかにおいて、第1の多孔質マトリックスおよび第2の多孔質マトリックスは、2つの異なるマトリックスであってもよい。先の実施形態のいずれかにおいて、第1の多孔質マトリックスおよび第2の多孔質マトリックスは同一のマトリックスであってもよい。
【0137】
マトリックスは、任意の適切な形態を有することができる。いくつかの実施形態において、マトリックスは帯状または円形状であってもよい。他の実施形態において、マトリックスは単一の要素であってもよく、または複数の要素を含むことができる。
【0138】
試験装置は追加要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、試験装置は、マトリックスの上流にあり、かつ、マトリックスと流体連通している試料塗布要素をさらに含むことができる。他の実施形態において、試験装置は、マトリックスの下流にあり、かつ、マトリックスと流体連通している液体吸収要素をさらに含むことができる。
【0139】
いくつかの実施形態において、マトリクスの少なくとも一部は固体の裏打材によって支持されている。他の実施形態において、マトリックスの半分、半分以上または全部は、固体の裏打材によって支持されている。固体の裏打材は、例えば固体プラスチックなどの任意の適切な材料で作ることができる。試験装置が電極または他の電気素子を含む場合、固体の裏打材は一般に非導電性材料を含むべきである。
【0140】
試験装置は、乾燥した標識試薬をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、マトリックスの一部分は、試験位置の上流で乾燥した標識試薬を含むことができ、標識試薬は、液体試料および/または試料輸送液または洗浄液などのさらなる液体によって、試験位置へ移動し、および/または、陽性の対照位置および/または陰性の対照位置などの対照位置へ移動して、検出可能な信号を生成することが可能である。
【0141】
試験装置は、任意の適切な数または種類の乾燥した標識試薬を含むことができる。いくつかの実施形態において、試験装置は、1つの分析物に対して1つの標識試薬を含む。他の実施形態において、試験装置は、複数の分析物に対して1つの標識試薬を含む。さらに他の実施形態において、試験装置は、1つの分析物に対して複数の標識試薬を含む。
【0142】
乾燥した標識試薬は、任意の適切な位置に配置することができる。いくつかの実施形態において、乾燥した標識試薬は、試験装置の試料塗布場所の下流に配置される。他の実施形態において、乾燥した標識試薬は、試験装置の試料塗布場所の上流に配置される。さらに他の実施形態において、試験装置は、試験位置の上流で、乾燥した標識試薬を含む共役要素をさらに含み、標識試薬は、液体試料および/またはさらなる液体によって、試験位置へ移動し、および/または、陽性の対照位置および/または陰性の対照位置などの対照位置へ移動して、検出可能な信号を生成することが可能である。共役要素を、試験装置の試料塗布場所の下流に配置することができる。あるいは、共役要素を、試験装置の試料塗布場所の上流に配置することができる。
【0143】
標識試薬は、任意の適切な結合親和性および/または特異性を有することができる。いくつかの実施形態において、標識試薬は、試料中の1つ以上の分析物に結合し、好ましくは試料中の1つ以上の分析物に特異的に結合する。他の実施形態において、試験装置は、複数の標識試薬を含み、標識試薬の各々は、試験位置で分析物の結合試薬に結合するために試料中の異なる分析物と競合する。
【0144】
いくつかの実施形態において、試験装置は、(1)第1の分析物用の標識試薬(例えば、17-βエストラジオール、プロゲステロン、コルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C-反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン1-β、インターロイキン-6、分泌免疫グロブリンA、またはそれらの組み合わせ)、第2の分析物用の標識試薬(例えば、プロゲステロン、17-βエストラジオール、コルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン1-β、インターロイキン-6、分泌性免疫グロブリンA、またはそれらの組み合わせ)、および正常化物質用の標識試薬(例えば、トランスフェリン、アルブミン、クレアチニン、またはそれらの組み合わせ)、または、(2)第1の分析物用の標識試薬、第2の分析物用の標識試薬、第1の正常化物質用の標識試薬(例えば、トランスフェリン、アルブミン、クレアチニン、またはそれらの組み合わせ)、および第2の正常化物質用の標識試薬(例えば、トランスフェリン、アルブミン、クレアチニン、またはそれらの組み合わせ)を含むことができる。
【0145】
意図された検出方法に応じて、任意の適切な標識を使用することができる。標識は、直接標識または間接標識であり得る。直接標識は、検出可能な信号を生成するためのさらなるステップを必要とせずに、器具、装置または肉眼で検出することができる。例えば金ま
たはラテックス粒子状標識などの視覚的な直接標識は、肉眼で検出することができる。例えば酵素標識などの間接的な標識は、検出可能な信号を生成するためのさらなるステップを必要とする。いくつかの実施形態において、標識は、比色標識、放射性標識、酵素標識、発光標識または蛍光標識などの可溶性標識である。例示的な蛍光標識には、Tide Fluor 5、および、Thermo Fisher Scientific社と共同でDyomics社によって製造されたDyLight Fluor系の蛍光色素、例えばDyLight 350、DyLight 405、DyLight 488、DyLight 550、DyLight 594、DyLight 633、DyLight
650、DyLight 680、DyLight 755、およびDyLight 800が含まれる。他の実施形態において、標識は、微粒子状直接標識または着色粒子状標識などの粒子状または微粒子状の標識である。例示的な粒子または粒子状の標識には、金コロイド標識、ラテックス粒子状標識、電気化学的粒子状標識、磁性粒子状標識、ナノ粒子状標識および量子ドット標識が含まれる。特定の構成に応じて、比色標識、放射性標識、酵素標識、発光標識または蛍光標識などの標識は、可溶性標識または粒子状または微粒子状の標識のいずれかであってもよい。
【0146】
標識試薬は、a)標識試薬を安定化し、b)液体中の標識試薬の可溶化または再懸濁を容易にし、および/または、c)標識試薬の移動度を促進する物質の存在下で乾燥されてもよい。例示的な物質は、カゼインまたはBSAなどのタンパク質、ペプチド、多糖類、糖類、ポリビニルピロリドン(PVP-40)などのポリマー、ゼラチン、Tween-20などの界面活性剤、マンニトールなどのポリオールであってもよい。例えば、米国特許第5,120,643号明細書および米国特許第6,187,598号明細書を参照されたい。いくつかの実施形態において、例えば蛍光標識抗体などの標識試薬は、ポリエチレングリコール(PEG)および/またはポリエチレンオキシド(PEO)に共役することができる。PEGおよび/またはPEOの存在は、溶解度を増加させ、安定性を延長し、標識試薬の非特異的結合を最小限にすることができる。特定の理論にとらわれるべきではないが、PEGおよび/またはPEOの存在は、結合試薬または抗体を相互にだけでなく、他のタンパク質および/または容器または試験装置の表面などの表面に立体的に反発させることによって、標識試薬の非特異的結合を最小限にすることができる。PEGおよび/またはPEOは、任意の適切な方法で標識試薬に共役することができる。例えば、PEGおよび/またはPEOは、例えば第一級アミンおよび/またはスルフヒドリル基などの種々のアミンを介して標識試薬に共役することができる。
【0147】
試験装置は、任意の適切な目的のための対照位置をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、対照位置は、液体試料の適切な流れを示す手段、標識試薬が装置に添加されたことを示す手段、および/または、オペレータにより添加された標識試薬および/または試験装置に埋め込まれた標識試薬などの標識試薬が適切に可溶化されるかまたは分散されたことを示す手段を含むことができる。この手段は、対照位置に沿ってまたは対照位置を通って一旦液体が流れると、例えば蛍光信号、色信号または電気信号などの検出可能な信号を生成する物質を含むことができる。例えば、標識されたアビジンまたはストレプトアビジンなどの標識された結合相手を装置上で乾燥することができる。標識された結合相手は、ビオチンなどの固定化された対応する結合相手を含む対照位置に輸送されて、対照位置で検出可能な信号を生成することができる。対照位置での信号の検出を使用して、試料または他の液体の適切な添加および流動、および/または、意図された位置への標識試薬の適切な可溶化、懸濁および輸送を示すことができる。
【0148】
他の実施形態において、対照位置は、有効な試験結果を示すための手段を含むことができる。一実施例では、この手段は、分析物にも結合する検出可能な標識を含む結合試薬に結合する結合試薬を含む。別の実施例では、この手段は、分析物に結合しない検出可能な標識を含む結合試薬に結合する結合試薬を含む。さらに別の実施例では、この手段は、標
的分析物ではない試験試料中の物質に結合する結合試薬を含む。
【0149】
さらに他の実施形態において、対照位置は、非特異的結合または意図しない特異的結合を示す手段、または、例えばヒト抗マウス抗体(HAMA)の干渉などの異好抗体の干渉を示す手段を含むことができる。さらに他の実施形態において、対照位置は、複数の分析物の量を決定する際に試験位置の信号と比較される制御信号を生成する手段を含むことができる。試験装置は、例えば陽性の対照位置および陰性の対照位置などの単一の対照位置または複数の対照位置を含むことができる。
【0150】
分析物および/または標識試薬を、任意の適切な方法で試験位置へ輸送することができる。いくつかの実施形態において、分析物および/または標識試薬を試験位置へ輸送するために、試料液が単独で使用される。他の実施形態において、分析物および/または標識試薬を試験位置へ輸送するために、現像液が使用される。さらに他の実施形態において、分析物および/または標識試薬を試験位置へ輸送するために、試料液および現像液の組み合わせが使用される。
【0151】
試験装置は、試験装置の少なくとも一部を覆う筐体をさらに含むことができ、この筐体は、試験位置の上流での試料塗布または試験位置への試料塗布を可能にする試料塗布口、および試験位置における信号検出を可能にする試験位置の周囲の光学的開口を含む。光学的開口は、任意の適切な方法で得ることができる。例えば、光学的開口は単に開放空間であってもよい。あるいは、光学的開口は透明なカバーであってもよい。
【0152】
いくつかの実施形態において、筐体は試験装置全体を覆う。他の実施形態において、マトリックスまたは試料塗布要素の試料受容部分の少なくとも一部分が筐体によって覆われず、試料または緩衝希釈剤が筐体の外側のマトリックスまたは試料塗布要素の試料受容部分の一部分に塗布され、次いで試験位置へ輸送される。筐体は、任意の適切な材料を含むことができる。例えば、筐体はプラスチック材料を含むことができる。別の実施例では、筐体は、その一部または全部が不透明、半透明および/または透明な材料を含むことができる。
【0153】
本試験装置は、任意の適切な数の分析物を定量的に検出するために使用することができる。例えば、本試験装置は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ以上の分析物を定量的に検出するために使用することができる。試験装置は、任意の適切な目的のために使用することができる。例えば、本試験装置は、診断、予後、リスク評価、層別化および/または処置の監視の指標である複数の分析物を定量的に検出するために使用することができる。
【0154】
いくつかの実施形態において、本装置は、妊孕性のための任意の適切な指標を定量的に検出するために使用することができ、この指標には、例えばコルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン-1β、インターロイキン-6、分泌性免疫グロブリンA、およびそれらの組み合わせが含まれる。一実施形態において、第1の試験位置は、17-βエストラジオール((8R、9S、13S、14S、17S)-13-メチル-6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-デカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3,17-ジオール、E2とも呼ばれる)およびプロゲステロン(プレグナ-4-エン-3,20-ジオン、P4とも呼ばれる)を定量的に検出するための第1の試験試薬を含む。
【0155】
本試験装置は、任意の適切なレベル、濃度、またはレベルまたは濃度の範囲で分析物を定量的に検出するために使用することができる。いくつかの実施形態において、本試験装置は、分析物を定量的に検出するために使用することができ、分析物の少なくとも1つまたはいくつかは以下の範囲の濃度を有し、その範囲は約1pg/ml~約1μg/mlであり、例えば約1pg/ml、10pg/ml、100pg/ml、1ng/ml、2ng/ml、3ng/ml、3.5ng/ml、4ng/ml、5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、950ng/mlまたはそれ以上が含まれる。他の実施形態において、本試験装置は、分析物を定量的に検出するために使用することができ、分析物の各々は以下の範囲の濃度を有し、その範囲は約1pg/ml~約1μg/mlであり、例えば約1pg/ml、10pg/ml、100pg/ml、1ng/ml、2ng/ml、3ng/ml、3.5ng/ml、4ng/ml、5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、950ng/mlまたはそれ以上が含まれる。
【0156】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、被験体からの唾液試料中の分析物を定量的に検出するように構成され得、その範囲は約1pg/ml~約1μg/mlであり、例えば約1pg/ml、10pg/ml、100pg/ml、1ng/ml、2ng/ml、3ng/ml、3.5ng/ml、4ng/ml、5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、950ng/mlまたはそれ以上が含まれる。一実施形態において、試験装置は、約1pg/ml~約30pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のエストラジオールを定量的に検出するように構成される。
【0157】
先の実施形態のいずれかにおいて、試験装置は、約50pg/ml~約500pg/mlの範囲の被験体からの唾液試料中のプロゲステロンを定量的に検出するように構成することができる。
【0158】
本試験装置は、任意の所望の精度または意図された精度で分析物を定量的に検出するために使用することができる。いくつかの実施形態において、本試験装置は、分析物を定量的に検出するために使用することができ、少なくとも1つの分析物、いくつかの分析物または各分析物の量は、約0.1%~約10%の範囲のCVで決定される。好ましくは、少なくとも1つの分析物、いくつかの分析物、または各分析物は、約1pg/ml~約1μg/mlの範囲の濃度を有し、その範囲には、例えば約1pg/ml、10pg/ml、100pg/ml、1ng/ml、2ng/ml、3ng/ml、3.5ng/ml、4ng/ml、5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、950ng/ml、またはそれ以上が含まれる。
【0159】
本試験装置は、液体容器をさらに含むことができる。液体容器は、任意の適切な液体および/または試薬を含むことができる。例えば、液体容器は現像液、洗浄液および/または標識試薬を含むことができる。
【0160】
本試験装置は、例えばバーコードなどの機械可読情報をさらに含むことができる。バー
コードは、任意の適切な情報を含むことができる。いくつかの実施形態において、バーコードは、例えば試験装置のロット番号などの試験装置のロット特有の情報を含む。他の実施形態において、機械可読情報は、例えば(無線周波数識別)RFID装置などの記憶媒体に含まれる。RFID装置は、任意の適切な情報を含むことができる。例えば、RFID装置は、ロット特有の情報、液体制御に関する情報、または品質管理の目的で使用される情報を含む。
【0161】
いくつかの実施形態において、生物学的試薬および蛍光分子を含む蛍光共役体を使用して、試験位置で検出可能な信号を生成する。この場合、蛍光共役体および/または試験装置は、生物学的試薬の光毒性の分解を妨げる手段、または蛍光共役体の試験装置または非分析物部分への非特異的結合を妨げる手段をさらに含むことができる。任意の適切な手段または物質を使用して、生物学的試薬の光毒性の分解を妨げることができる。例えば、米国特許第6,544,797号明細書および米国特許第7,588,908号明細書を参照されたい。例えば、生物学的試薬の光毒性の分解を妨げる手段は、分子距離が長い架橋物質を含むことができ、それによって架橋物質が蛍光分子と生物学的試薬とを結合する。他の実施例では、タンパク質、一重項酸素の消光剤、遊離基の消光剤、酸素を枯渇させるためのシステム、またはそれらの組み合わせを使用して、生物学的試薬の光毒性の分解を妨げることができる。
【0162】
任意の適切な手段または物質を使用して、蛍光共役体の非特異的結合を妨げることができる。例えば、蛍光共役体の非特異的結合を妨げる手段は、蛍光共役体に結合したPEGまたはPEOを含む。
【0163】
1つ以上の試験試薬および/または1つ以上の標識試薬は、任意の適切な物質であってもよい。例えば、試薬は、無機分子、有機分子またはそれらの複合体であってもよく、またはそれらを含むことができる。例示的な無機分子は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、塩素イオン、鉄イオン、銅イオン、亜鉛イオン、マンガンイオン、コバルトイオン、ヨードイオン、モリブデンイオン、バナジウムイオン、ニッケルイオン、クロムイオン、フッ素イオン、ケイ素イオン、スズイオン、ホウ素イオンまたはヒ素イオンなどのイオンであってもよい。例示的な有機分子には、アミノ酸、ペプチド、例えば抗体または受容体などのタンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、例えばDNAまたはRNAなどの核酸、ビタミン、単糖、オリゴ糖、炭水化物、脂質、アプタマーおよびその複合体であってもよい。
【0164】
例示的なアミノ酸は、D-アミノ酸またはL-アミノ酸であってもよい。また、例示的なアミノ酸は、天然に存在するペプチドおよびタンパク質の任意の構成単位であってもよく、Ala(A)、Arg(R)、Asn(N)、Asp(D)、Cys(C)、Gln(Q)、Glu(E)、Gly(G)、His(H)、Ile(I)、Leu(L)、Lys(K)、Met(M)、Phe(F)、Pro(P)Ser(S)、Thr(T)、Trp(W)、Tyr(Y)およびVal(V)を含む。
【0165】
任意の適切なタンパク質またはペプチドを、1つ以上の試験試薬および/または1つ以上の標識試薬として使用することができる。例えば、酵素、イオンチャネルおよびイオンポンプなどの輸送タンパク質、栄養タンパク質または貯蔵タンパク質、アクチンおよびミオシンなどの収縮性タンパク質または運動性タンパク質、構造タンパク質、防御タンパク質、または、抗体、ホルモンおよび成長因子などの調節タンパク質を使用することができる。タンパク質抗原またはペプチド抗原を使用することもできる。
【0166】
一本鎖核酸、二本鎖核酸および三本鎖核酸を含む任意の適切な核酸を、1つ以上の試験試薬および/または1つ以上の標識試薬として使用することができる。このような核酸の
例としては、A型、B型またはZ型DNAなどのDNA、およびmRNA、tRNAおよびrRNAなどのRNAが挙げられる。
【0167】
任意の適切なヌクレオシドを、1つ以上の試験試薬および/または1つ以上の標識試薬として使用することができる。このようなヌクレオシドの例には、アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジンおよびウリジンが含まれる。任意のヌクレオチドを、試験装置上の試薬として使用することもできる。このようなヌクレオチドの例には、AMP、GMP、CMP、UMP、ADP、GDP、CDP、UDP、ATP、GTP、CTP、UTP、dAMP、dGMP、dCMP、dTMP、dADP、dGDP、dCDP、dTDP、dATP、dGTP、dCTPおよびdTTPが含まれる。
【0168】
任意の適切なビタミンを、1つ以上の試験試薬および/または1つ以上の標識試薬として使用することができる。例えば、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、およびアスコルビン酸などの水溶性ビタミンを使用することができる。同様に、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどの脂溶性ビタミンを使用することもできる。
【0169】
任意の適切な単糖は、D-単糖またはL-単糖であろうとアルドースまたはケトースであろうと、1つ以上の試験試薬および/または1つ以上の標識試薬として使用することができる。単糖の例には、グリセルアルデヒドなどの三炭糖、エリトロースおよびトレオースなどの四炭糖、リボース、アラビノース、キシロース、リキソースおよびリブロースなどの五炭糖、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースおよびフルクトースなどの六炭糖、およびセドヘプツロースなどの七炭糖が含まれる。
【0170】
任意の適切な脂質を、1つ以上の試験試薬および/または1つ以上の標識試薬として使用することができる。脂質の例には、トリステアリン、トリパルミチンおよびトリオレインなどのトリアシルグリセロール、ワックス、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールおよびカルジオリピンなどのホスホグリセリド、スフィンゴミエリン、セレブロシドおよびガングリオシドなどのスフィンゴ脂質、コレステロールおよびスチグマステロールなどのステロール、およびステロール脂肪酸エステルが含まれる。脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびリグノセリン酸などの飽和脂肪酸であってもよく、または、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸などの不飽和脂肪酸であってもよい。
【0171】
特定の一実施形態において、検出される分析物は、抗原を含むかまたは抗原であり、1つ以上の試験試薬および/または1つ以上の標識試薬は、抗体を含むかまたは抗体である。好ましくは、1つの抗体または複数の抗体は、1つ以上の分析物に特異的に結合する。一実施例では、試験装置はサンドイッチ検定形式で使用され、このサンドイッチ分析形式では、抗体が試験位置で試験試薬として使用され、検出可能な標識を有する他の結合試薬が、標識結合試薬-分析物-試験試薬または抗体のサンドイッチを試験位置で形成して読み出し信号を生成するために使用される。あるいは、結合試薬が試験位置で試薬として使用され、検出可能な標識を有する抗体が、標識抗体-分析物-結合試薬のサンドイッチを試験位置で形成して読み出し信号を生成するために使用される。
【0172】
いくつかの実施形態において、サンドイッチ検定は、1つ以上の試験試薬および1つ以上の標識試薬として抗体を使用する。一実施例において、検定試料は、同一の標識抗体を使用して複数の分析物に結合する。別の実施例では、検定試料は、複数の標識抗体を使用し、標識抗体の各々は異なる分析物に結合している。さらに別の実施例では、検定試料は
、複数の試験位置または全ての試験位置で同一の抗体を使用して複数の分析物に結合する。さらに別の実施例では、検定試料は、複数の試験位置または全ての試験位置で複数の抗体を使用し、各抗体は異なる分析物に結合している。特定の組み合わせを使用することもできる。例えば、検定試料は、同一の標識抗体を使用して複数の試験位置および全ての試験位置で複数の分析物および複数の抗体に結合し、試験位置の抗体の各々は異なる分析物に結合する。別の実施例では、検定試料は複数の標識抗体を使用し、標識抗体の各々は異なる分析物に結合し、試験位置の単一の抗体は複数の分析物に結合する。さらに別の実施例では、検定試料は、異なる標識抗体を使用して異なる分析物に結合し、かつ、試験位置で異なる抗体を使用して異なる分析物に結合する。
【0173】
試験装置は、競合検定形式で使用することもできる。一実施例では、例えば抗体などの試験試薬は、試験位置で捕捉試薬として使用することができる。液体中に添加されるか、または試験装置上で予め乾燥されて、液体によって再溶解されるかまたは再懸濁される検出可能な標識を有する分析物または分析物類似体は、試験位置で捕捉試薬に結合するために試料中の分析物と競合する。典型的には、例えば異なる抗体などの異なる捕捉試薬が、異なる分析物に結合するために異なる試験位置で使用される。別の実施例では、分析物または分析物類似体は、試験位置で捕捉試薬として使用される。例えば検出可能な標識を有する抗体などの標識試薬は、液体中に添加されるか、または試験装置上で予め乾燥されて、液体によって再溶解されるかまたは再懸濁される。試料中の分析物は、例えば抗体などの検出可能な標識を有する標識試薬に結合するために、試験位置で分析物または分析物類似体と競合する。典型的には、異なる分析物または分析物類似体は、異なる標識試薬に結合するために異なる試験位置で使用されて異なる分析物と競合する。
【0174】
本明細書に記載の免疫測定法で使用される抗体は、好ましくは標的分析物に特異的に結合し、この標的分析物には、例えばコルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン-1β、インターロイキン-6、分泌性免疫グロブリンA、およびそれらの組み合わせが含まれる。「特異的に結合する」という用語は、上述したように抗体は、抗体が結合する1つ以上のエピトープを示す任意のポリペプチドに結合するので、抗体がその意図された標的に独占的に結合することを示すものではない。いくつかの場合、抗体は、その意図される標的に対する親和性が、1つ以上の適切なエピトープを示さない非標的分子に対する親和性と比較して約5倍大きい場合に「特異的に結合する」。好ましくは、抗体の親和性は、非標的分子に対する親和性よりも標的分子に対して少なくとも約5倍、好ましくは10倍、より好ましくは25倍、さらにより好ましくは50倍、最も好ましくは100倍またはそれ以上であってもよい。好ましい実施形態において、好ましい抗体は、少なくとも約10-1、好ましくは約10-1~約10-1、約10-1~約1010-1、または約1010-1~約1012-1の親和性で結合する。
【0175】
親和性はK=koff/konとして計算される(koffは解離速度定数、Konは会合速度定数、Kは平衡定数である)。親和性は、様々な濃度(c)での標識リガンドの結合割合(r)を測定することによって平衡状態で決定することができる。データはスキャッチャードの式r / c = K(n-r)を使用してグラフ化され、式中、rは結合リガンドのモル/平衡状態の受容体のモルであり、cは平衡状態の遊離リガンド濃度であり、Kは平衡会合定数であり、nは受容体分子当たりのリガンド結合部位の数である。グラフ解析では、rはX軸に表示されるのに対してr/cはY軸に表示され、こうしてスキャッチャードプロットが生成される。スキャッチャード解析による抗体の親和性測定は当技術分野において周知である。例えば、van Erpらによる、J. Immu
noassay 12、1991年、425-43、NelsonおよびGriswoldによる、Comput.Methods Programs Biomed.27、1988年、65-8を参照されたい。
【0176】
多数の刊行物は、選択された分析物に結合するためのポリペプチドのライブラリを生成してスクリーニングするためのファージ提示法技術の使用を議論している。例えば、Cwirlaらによる、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87、1990年、6378-82、Devlinらによる、Science 249、1990年、404-6、ScottおよびSmithによる、Science 249、1990年、386-88、およびLadnerらによる、米国特許第5,571,698号明細書を参照されたい。ファージ提示法の基本的な概念は、スクリーニングされるポリペプチドをコードするDNAとポリペプチドとの間の物理的結合の確立である。この物理的結合は、ポリペプチドをコードするファージゲノムを包囲するキャプシドの一部としてポリペプチドを提示するファージ粒子によって提供される。ポリペプチドとそれらの遺伝物質との間の物理的結合の確立は、異なるポリペプチドを有する非常に多数のファージの同時大量スクリーニングを可能にする。標的に対して親和性を有するポリペプチドを提示するファージは標的に結合し、これらのファージは、標的に対する親和性スクリーニングによって富化される。これらのファージから提示されるポリペプチドの同一性は、それぞれのゲノムから決定することができる。次いで、これらの方法を使用して、所望の標的に対する結合親和性を有するものとして同定されたポリペプチドを、従来の手段によって大量に合成することができる。例えば、全ての表、図および特許請求の範囲を含む全体が、本明細書に組み込まれる米国特許第6,057,098号明細書を参照されたい。
【0177】
次いで、これらの方法によって産生された抗体を、目的の精製ポリペプチドとの親和性および特異性を最初にスクリーニングすることによって選択してもよく、必要に応じて、その結果を、結合から排除されることが望ましいポリペプチドとの抗体の親和性および特異性と比較する。スクリーニングの手順は、精製ポリペプチドをマイクロタイタープレートの別々のウェルに固定化することを含むことができる。次いで、潜在的な抗体または抗体群を含む溶液をそれぞれのマイクロタイターのウェルに置き、約30分~2時間培養する。次いで、マイクロタイターのウェルを洗浄し、標識された二次抗体(例えば、産生抗体がマウス抗体である場合にアルカリ性ホスファターゼに共役した抗マウス抗体)をウェルに添加して約30分間培養し、次いで洗浄する。基質をウェルに添加し、固定化された1つ以上のポリペプチドに対する1つ以上の抗体が存在する場所で呈色反応が現れる。
【0178】
このようにして同定された抗体は、次いで、選択された検定設計において親和性および特異性についてさらに分析される。標的タンパク質の免疫測定法の開発において、精製された標的タンパク質は、選択された抗体を使用した免疫測定法の感度および特異性を判断するための基準として作用する。様々な抗体の結合親和性が異なる可能性があるため、(例えばサンドイッチ検定における)特定の抗体対は、互いに立体的に干渉したりする場合があり、抗体の検定性能は、抗体の絶対親和性および特異性よりも重要な尺度であり得る。
【0179】
本出願は、抗体ベースの結合検定を詳細に記載しているが、検定における結合種としての抗体の代替は、当技術分野において周知である。これらには、特定の標的、アプタマーなどの受容体が含まれる。アプタマーは、特定の標的分子に結合するオリゴ核酸またはペプチド分子である。アプタマーは通常、大きなランダム配列プールから選択されることによって産生されるが、天然のアプタマーも存在する。高親和性アプタマーは、改善されたインビボ安定性または改善された送達特性のなどの、リガンド上の改善された特性をもたらす修飾ヌクレオチドを含む。このような修飾の例には、リボースおよび/またはリン酸基および/または塩基の位置での化学的置換が含まれ、アミノ酸側鎖官能基が含まれても
よい。
【0180】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体が試験装置に沿って側方に移動して試験位置で検出可能な信号を生成する試験装置を提供する。
【0181】
図1は、カートリッジ内に埋め込まれた側方流動検定用試験片を示している。カートリッジは、多くの形態(プラスチック、積層、他の新規の材料など)のうちの一形態をとってもよい。この非限定的な実施例では、この製品全体が単回使用かつ使い捨てであるように設計されている。この実施例では、カートリッジは、唾液が細孔のマトリックスを通ってカートリッジに入り、試料パッドに吸収される一端部部分を有する。この実施例では、カートリッジのこの端部は、舌の下側の口に挿入されることが意図されている。次いで、唾液は、試料パッド、共役パッド、および試験領域を通って吸い上げられ、反対側の端部で吸収パッドによって採取される。カートリッジ内の窓は、光の自由な出入りを可能にし、電子読取器によって試験が読み取られるようにする。
【0182】
図2Aは、本開示の一実施形態による電子読取器を示している。図2Bは、側方流動検定カートリッジが読取器内に摺動することによって、カートリッジ内の窓が試験片から結果を読み取る電子機器と整列するように設計されていることを示している。「クリック」機構は、ユーザがカートリッジを読取器内に摺動させる場合にこの整列を提供する。試験が完了してカートリッジを捨てることができる場合、カートリッジは「クリック解除」される。対照的に、読取器は再利用可能な製品である。この実施例では、図2Cは、読取器の首部分が舌の下側の口に挿入され、カートリッジの唾液採取分が表示されるように設計されていることを示している。場合によっては読取器の小さな「クリック」突起部と関連付けられる口に挿入される部分には、側方流動検定装置が唾液を採取している間に、装置がユーザの基礎体温を得ることができるように埋め込まれた薄型の熱電対線が埋め込まれている。
【0183】
図3は、電子読取器が側方流動検定からの結果を読み取ることを示す。この実施形態において、カートリッジは読取器の本体に挿入され、これにより、カートリッジの窓が適切な電子機器と整列して試験片からの結果を感知する(正確な配置を保証するように所定の位置に収まる)ことができる。読取器の首部分は、舌の下側の唾液採取部分を含む口中に収まる。読取器はまた、口に挿入されている間にユーザの基礎体温を得ることができる。これは、読取器の首部分に埋め込まれた熱電対線によって、場合によっては精密な「クリック」突起部内で達成される。読取器は、読取器本体のポートを介して充電可能なバッテリを有する。
【0184】
一実施形態において、本明細書に開示される装置は以下の動作を含む。(1)使い捨て試験カートリッジをパッケージから取り出し、(2)試験カートリッジを所定の位置に収まるまで読取器に挿入し、(3)読取器はクリック後に自動的に作動し、(4)読取器は自動的にモバイルアプリケーションとの連動を試みて接続を設定し、(5)読取器の表示灯は点灯され、試験が準備完了であること、および新たな試験カートリッジが所定の位置にあることを示し、(6)モバイルアプリケーションは、組み立てられた読取器/試験装置の首部分を舌の下側の口中に置くようにユーザに促し、(7)ユーザは組立体の首部分を舌の下側の口中に置き、(8)アプリケーションは、例えば本明細書に開示される正常化方式に基づいて唾液量が十分であるかを感知するように読取器を制御し、(9)一方で、アプリケーションはまた、読取器から基礎体温情報を取得し、(10)唾液分析および温度測定が完了すると、アプリケーションは口から試験片を取り除くようにユーザに促し、(11)読取器は、口から試験片を取り除くようにユーザに知らせるビープ音を発するかおよび/または表示灯を点灯させ、(12)ユーザは、試験カートリッジを取り外さずに組立体を取っておき、アプリケーションを含む装置に近接して置くように促され、(1
2)アプリケーションは継続的な試験読み取りを制御し、表示灯は試験が進行中であることを示し、(13)完了すると、アプリケーションは適切なデータ/メッセージを表示して、試験カートリッジを破棄するようにユーザに促し、(14)表示灯は消灯され、次いで読取器は自動的に作動停止し、そして、(15)ユーザはアプリケーションを使用して結果に接する。
【0185】
いくつかの実施形態において、装置は、表示灯付近に配置されたLCDを含む。他の実施形態において、装置は表示灯の代わりにLCDを含み、表示灯によってユーザに与えられた情報がLCDに代わりに表示される。一態様において、LCDは、カートリッジが正しく挿入されているか、無線接続が確立されているか、および/または、検定が完了しているかどうかをユーザに示すことができる。
【0186】
本発明はまた、試料中の複数の分析物を定量的に検出するためのキットを提供し、このキットは上述の試験装置を含む。いくつかの実施形態において、キットは、試料中の複数の分析物を定量的に検出するための試験装置の使用指示、および/または、試験される試料を取得するかおよび/または処理する手段をさらに含むことができる。
【0187】
C.試料中の複数の分析物を定量的に検出するための方法
別の態様において、本発明は、例えば被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に検出する方法を提供し、この方法は、a)唾液試料を本明細書に開示の試験装置と接触させることを含み、ここで、唾液試料は1つ以上の試験位置の上流の試験装置の部位に塗布され、この部位は例えば高分子材料および/またはセルロース系材料などの吸収材料を任意に含み、さらにこの方法は、b)唾液試料中に存在する場合、分析物と標識試薬とを1つ以上の試験位置に輸送することと、c)1つ以上の試験位置で1つ以上の第1の検出可能な信号を評価することを含み、ここで、1)1つ以上の第2の検出可能な信号が評価され、1つ以上の第1の検出可能な信号と比較されて、前記唾液試料中の前記分析物の量を評価し、および/または、2)前記方法は、装置が被験体の口に挿入されている間に被験体の体温を測定することをさらに含む。一態様において、1つ以上の試験位置の上流の試験装置の部位は、装置の唾液採取器部位である。一実施形態において、唾液採取器部位は、装置の別の部位、例えば装置の試験位置への唾液の一方向流動を促進するように設計される。
【0188】
液体試料および標識試薬を予め混合して混合物を形成し、混合物を試験装置に添加することができる。標識試薬を任意の適切な方法で保存および/または使用することができる。例えば、標識試薬を液体形態で保存および/または使用することができる。あるいは、標識試薬を、例えば容器、ピペットチップまたはチューブなどの装置外に乾燥形態で保存することができる。例えば、標識試薬を、容器、ピペットチップ、またはチューブの表面上で乾燥させることができる。別の実施例では、標識試薬を、粒子またはビーズとして乾燥させることができ、粒子またはビーズを、容器、ピペットチップまたはチューブに保存することができる。使用時において、容器、ピペットチップまたはチューブの表面上で乾燥された乾燥標識試薬、または、粒子またはビーズとして乾燥された乾燥標識試薬のいずれかを、液体試料または緩衝液で溶解するかまたは再懸濁して混合物を形成し、混合物を試験装置に添加することができる。他の実施形態において、本方法は、混合物が試験装置に添加された後の洗浄ステップをさらに含むことができる。洗浄ステップを任意の適切な方法で行うことができる。例えば、洗浄ステップは、混合物が試験装置に添加された後に洗浄液を添加することを含むことができる。別の実施例では、試験装置は洗浄液を含む液体容器を含むことができ、洗浄ステップは液体容器から洗浄液を放出することを含む。例えば、米国特許第4,857,453号明細書を参照されたい。
【0189】
試験装置はまた、使用前の乾燥した標識試薬を含むことができ、乾燥した標識試薬は可
溶化されるかまたは再懸濁されて、液体試料によって試験位置に輸送される。いくつかの実施形態において、乾燥した標識試薬は、試料塗布部位の下流に配置され、乾燥した標識試薬は可溶化されるかまたは再懸濁されて、液体試料によって試験位置に輸送される。他の実施形態において、乾燥した標識試薬は、試料塗布部位の上流に配置され、乾燥した標識試薬は可溶化されるかまたは再懸濁されて、他の液体によって試験位置に輸送される。さらに他の実施形態において、複数の分析物および/または1つ以上の標識試薬は可溶化されるかまたは再懸濁されて、液体試料単独によって試験位置に輸送される。さらに他の実施形態において、複数の分析物および/または1つ以上の標識試薬は可溶化されるかまたは再懸濁されて、別の液体によって、または試料液と例えば現像液などの他の液体との組み合わせによって試験位置に輸送される。
【0190】
本方法は、任意の適切な試料中の複数の分析物を定量的に検出するために使用することができる。いくつかの実施形態において、試料は生体試料または臨床試料である。他の実施形態において、試料は体液試料である。例示的な体液試料は、唾液、精液、排泄物、喀痰、脳脊髄液、涙、粘液、羊水など、または全血、血清、血漿および尿試料を含む。
【0191】
この方法で使用される検定形式および標識に応じて、検出可能な信号を任意の適切な方法によって評価することができる。例えば、標識が例えば金またはラテックス粒子状標識などの視覚的な直接標識である場合、検出可能な信号を、任意の器具を使用することなく肉眼で評価することができる。他の実施例では、検出可能な信号は、多くの場合または典型的には光学読取器、電子読取器、磁気読取器または電気化学的読取器、あるいはそれらの組み合わせなどの読取器によって評価される。多くの場合、検出可能な信号を肉眼で評価することができるかどうかにかかわらず、検出可能な信号を評価するために読取器が使用される。例えば、視覚的な直接標識が使用される場合であっても、検出可能な信号は、多くの場合または典型的には、分析物を定量的に検出するための読取器によって評価される。
【0192】
いくつかの実施形態において、検出可能な信号は蛍光信号であり、蛍光信号は蛍光読取器によって評価される。この方法で使用される検定形式および蛍光標識に応じて、任意の適切な蛍光読取器を使用することができる。例えば、蛍光読取器は、レーザ式または発光ダイオード(LED)式の蛍光読取器であってもよい。
【0193】
蛍光読取器は、試験装置の表面に対して任意の適切な角度で照射して、試験位置で蛍光標識を励起し、および/または、試験装置の表面に対して任意の適切な角度で蛍光を検出することができる。いくつかの実施形態において、蛍光読取器は、試験装置の表面に対して略垂直または垂直の角度で照射して、試験位置で蛍光標識を励起し、および/または、試験装置の表面に対して略垂直または垂直の角度で蛍光を検出する。他の実施形態において、蛍光読取器における蛍光の検出のための表面は、試験装置の表面に対して略平行または平行である。さらに他の実施形態において、蛍光読取器における蛍光の検出のための表面は、試験装置の表面に対して平行ではない。光源および光検出器を、試験装置の同じ側または異なる側に配置することができる。
【0194】
読取器の照射システムは、試験位置および/または対照位置の任意の適切なまたは所望の寸法または所定の領域を走査して、検出可能な信号または蛍光信号を検出することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの試験位置、いくつかの試験位置、または各試験位置は、側方流動方向に対して横断方向の第1の寸法と側方流動方向に平行な第2の寸法とを特徴とする捕捉領域を含み、読取器は、最大寸法が試験位置および/または対照位置の第1の寸法および第2の寸法のうち最小の寸法に等しい少なくとも1つの表面寸法を有する試験位置および/または対照位置の領域に光ビームを集束させるように動作可能な照射システムを含む。
【0195】
読取器は、単一または複数の光検出器を含むことができる。検出可能な信号は、任意の適切な時点、または所望の時点で測定することができる。いくつかの実施形態において、検出可能な信号は、検出可能な信号が均衡になる前に測定される。他の実施形態において、検出可能な信号は、検出可能な信号が均衡になった後に測定される。さらに他の実施形態において、検出可能な信号は、試料が試験装置に塗布された後に予め設定された時間に測定される。
【0196】
本方法は、複数の分析物の量を、単一の閾値、複数の閾値、または、例えば正常範囲、疾患範囲、臨床範囲、または較正されたかまたは未較正の分析物レベルまたは濃度に基づく基準範囲などの基準範囲と比較することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、複数の分析物のうちの少なくとも1つ、いくつかまたは各々の量が、単一の対応する閾値または複数の対応する閾値と比較される。他の実施形態において、複数の分析物の量を使用して複合閾値または基準範囲と比較される複合量を形成する。
【0197】
本方法は、任意の適切な数の分析物を定量的に検出するために使用することができる。例えば、本方法は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ以上の分析物を定量的に検出するために使用することができる。本方法は、任意の適切な目的のために使用することができる。例えば、本方法は、診断、予後、リスク評価、層別化および/または処置の監視の指標である複数の分析物を定量的に検出するために使用することができる。
【0198】
他の実施形態において、本方法を、1種以上のホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の評価のための、例えばホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の状態、時間窓、傾向、または治療の監視または指導のための任意の適切な指標を定量的に検出するために使用することができる。この方法において使用するための例示的な指標には、コルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン-1β、インターロイキン-6、分泌性免疫グロブリンA、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0199】
さらに他の実施形態において、本方法を、少なくとも2つの指標、3つの指標または4つの全ての指標を定量的に検出するために使用することができ、この指標は、コルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、エストリオール、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、テストステロン、チロキシン、トリヨードチロニン、甲状腺刺激ホルモン、アンドロステンジオン、α-アミラーゼ、C反応性タンパク質、メラトニン、尿酸、インターロイキン-1β、インターロイキン-6、分泌性免疫グロブリンA、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0200】
D.試料中の分析物を定量的に検出するためのキットおよびシステム
一態様において、例えば被験体からの唾液試料などの唾液試料中の分析物を定量的に検出するためのキットが本明細書に開示され、このキットは、a)先の実施形態のいずれかの試験装置と、b)唾液試料中の分析物を定量的に検出するための試験装置の使用指示とを含む。
【0201】
一態様において、本発明は、試料中の複数の分析物を定量的に検出するためのシステムを提供し、このシステムは、a)上述の試験装置と、b)検出可能な信号を検出するための光源と光検出器とを含む読取器とを含む。
【0202】
検定形式および検定で使用される標識に応じて、例えば蛍光読取器などの任意の適切な読取器を使用することができる。この方法で使用される検定形式および蛍光標識に応じて、任意の適切な蛍光読取器を使用することができる。例えば、蛍光読取器は、レーザ式または発光ダイオード(LED)式の蛍光読取器であってもよい。
【0203】
蛍光読取器は、試験装置の表面に対して任意の適切な角度で照射して、試験位置で蛍光標識を励起し、および/または、試験装置の表面に対して任意の適切な角度で蛍光を検出することができる。いくつかの実施形態において、蛍光読取器は、試験装置の表面に対して略垂直または垂直の角度で照射して、試験位置で蛍光標識を励起し、および/または、試験装置の表面に対して略垂直または垂直の角度で蛍光を検出する。他の実施形態において、蛍光読取器における蛍光の検出のための表面は、試験装置の表面に対して略平行または平行である。さらに他の実施形態において、蛍光読取器における蛍光の検出のための表面は、試験装置の表面に対して平行ではない。光源および光検出器を、試験装置の同じ側または異なる側に配置することができる。
【0204】
読取器の照射システムは、試験位置および/または対照位置の任意の適切なまたは所望の寸法または所定の領域を走査して、検出可能な信号または蛍光信号を検出することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの試験位置、いくつかの試験位置、または各試験位置は、側方流動方向に対して横断方向の第1の寸法と側方流動方向に平行な第2の寸法とを特徴とする捕捉領域を含み、読取器は、最大寸法が試験位置および/または対照位置の第1の寸法および第2の寸法のうち最小の寸法に等しい少なくとも1つの表面寸法を有する試験位置および/または対照位置の領域に光ビームを集束させるように動作可能な照射システムを含む。
【0205】
読取器は、単一または複数の光検出器を含むことができる。検出可能な信号は、任意の適切な時点、または所望の時点で測定することができる。いくつかの実施形態において、検出可能な信号は、検出可能な信号が均衡になる前に測定される。他の実施形態において、検出可能な信号は、検出可能な信号が均衡になった後に測定される。さらに他の実施形態において、検出可能な信号は、試料が試験装置に塗布された後に予め設定された時間に測定される。
【0206】
本システムは、機械可読情報と、機械可読情報を検出するための読取器とを含むことができる。例えば、試験装置は、例えばバーコードなどの機械可読情報を含むことができ、読取器は、例えばバーコード読取器などの機械可読情報を検出する機能を含むことができる。機械可読情報は、例えば試験装置または検定のロット特有の情報、液体制御に関する情報、または品質管理の目的で使用される情報などの任意の適切な情報または所望の情報であってもよい。いくつかの実施形態において、例えば本装置などの本システムは、例えば試験装置のロット番号などの試験装置のロット特有の情報を含むバーコードを含むことができる。他の実施形態において、本システムは、例えばRFID装置などの記憶媒体を含むことができる。RFID装置は、ロット特有の情報、液体制御に関する情報、または品質管理の目的で使用される情報を含むことができる。RFID装置は、任意の適切な方法または場所で提供することができる。例えば、RFID装置は、埋め込まれたアンテナおよびRFIDタグを含むRFIDカードとして提供することができる。別の実施例では、RFID装置またはカードは、複数の本装置のパッケージ内に設けられるかまたはパッケージ上に設けられてもよいが、本装置の一部を形成しない。さらに別の実施例では、RFID装置またはカードは、例えば試験装置の筐体または試験位置ではない任意の場所などの試験装置の任意の適切な場所に設けられてもよい。
【0207】
本システムは、任意の適切な数の分析物を定量的に検出するために使用することができ
る。例えば、本システムは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ以上の分析物を定量的に検出するために使用することができる。本システムは、任意の適切な目的のために使用することができる。例えば、本システムは、診断、予後、リスク評価、層別化および/または処置の監視の指標である複数の分析物を定量的に検出するために使用することができる。例えば、キットおよび/またはシステムは、1種以上のホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の評価のために使用することができ、例えばホルモン、排卵、妊娠、妊孕性の状態、時間窓、傾向、または治療の監視または指導のために使用することができる。一実施形態において、この方法は、排卵を予測するために使用される。一実施形態において、この方法は、妊娠を確認するために使用される。一実施形態において、キットおよび/またはシステムは、家族計画のために、および/または受胎調節のために、全体的な妊孕性および/または妊娠可能性を評価するために使用することができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
唾液試料中の17-βエストラジオールおよびプロゲステロンを定量的に検出する側方流動試験装置であって、前記装置は、
2つの試験位置を含む多孔質マトリックスを含み、前記試験位置の1つは、17-βエストラジオールと特異的に結合する標識Fab断片と結合するために前記唾液試料中の標的分析物17-βエストラジオールと競合することができる試験試薬を含み、
前記試験位置の他の1つは、プロゲステロンと特異的に結合する標識Fab断片と結合するために前記唾液試料中の標的分析物プロゲステロンと競合することができる試験試薬を含み、
前記唾液試料は、前記試験装置に沿って側方に流動し、前記2つの試験位置を通過して2つの検出可能な信号を形成し、
a)前記装置は、対照位置を備え、前記対照位置は非特異的または意図しない特異的な結合を示す制御信号を生成する手段を含み、前記制御信号は前記唾液試料中の17-βエストラジオールおよびプロゲステロンの量の決定のために前記2つの検出可能な信号と比較され、前記制御信号を生成する手段は、標的分析物ではない前記唾液試料中の物質と結合する標識Fab断片を含み、
b)17-βエストラジオールに特異的に結合する標識Fab断片およびプロゲステロンに特異的に結合する標識Fab断片はそれぞれ前記試験装置上で乾燥される、
試験装置。
【外国語明細書】