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特開2024-38133情報表示制御装置、情報表示方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038133
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】情報表示制御装置、情報表示方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240312BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240312BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240312BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240312BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/20
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219763
(22)【出願日】2023-12-26
(62)【分割の表示】P 2022513014の分割
【原出願日】2020-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】十文字 奈々
(72)【発明者】
【氏名】菅原 千里
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 和樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 洋介
(57)【要約】      (修正有)
【課題】災害発生後等に、各地点において通行実績があった時点を速やかに把握できる、情報表示制御装置、情報表示制御方法、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】本開示に係る情報表示制御装置は、取得手段、及び、制御手段を備える。取得手段は、複数の車両の各々が通行した道路上の地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得する。制御手段は、車両情報を基に一定速度以上で走行する車両を抽出し、抽出された車両の通行実績を表示手段に表示させる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の各々が通行した道路上の地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得する取得手段と、
前記車両情報を基に一定速度以上で走行する車両を抽出し、抽出された前記車両の通行実績を表示手段に表示させる制御手段と、を備える情報表示制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、各地点の前記車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間を所定値で複数の時間帯に区切り、前記時間帯ごとに異なる態様で前記通行実績を示す、
請求項1に記載の情報表示制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
現在時刻以前の所定の時間帯における各区間における通行実績を、地図上の該区間に重畳される所定の図形、または、所定の線分で示し、
各区間の前記車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間に応じて、前記所定の図形の大きさ、色、及び、透過度のうちの少なくともひとつ、または、前記所定の線分の太さ、色、及び、透過度のうちの少なくともひとつを変更する、
請求項1または2に記載の情報表示制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、各区間の前記車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間が所定値以上の場合、該区間に重畳される前記所定の図形、または、前記所定の線分を削除する、
請求項3に記載の情報表示制御装置。
【請求項5】
前記各区間は、前記道路を所定長に分割した区間である、
請求項3または4に記載の情報表示制御装置。
【請求項6】
前記車両情報は、該車両が走行している地点において撮像された画像を含み、
前記制御手段は、指定された区間上の地点を含む前記車両情報に含まれる画像を前記表示手段に表示させる、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報表示制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記指定された区間上の地点を含む複数の前記車両情報に含まれる画像を、該複数の前記車両情報の各々に含まれる時刻に基づいて、時系列で前記表示手段に表示させる、
請求項6に記載の情報表示制御装置。
【請求項8】
複数の車両の各々が通行した道路上の地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得し、
前記車両情報を基に一定速度以上で走行する車両を抽出し、抽出された前記車両の通行実績を表示手段に表示させる情報表示方法。
【請求項9】
複数の車両の各々が通行した道路上の地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得し、
前記車両情報を基に一定速度以上で走行する車両を抽出し、抽出された前記車両の通行実績を表示手段に表示させる
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報表示制御装置、情報表示方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両により撮像した道路画像を収集して、道路の通行実績と状態を監視するシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ドライブレコーダを搭載した車両を複数走行させて、それぞれの車両が撮像する道路の画像と、撮影した時刻および地点等の情報を、撮影情報として、通信ネットワークを介して画像を取得する装置が開示されている。この画像取得装置は、受信した撮影情報に基づいて、道路の状態を分析する。特許文献1の技術は、災害時においても、道路管理機関のオペレータが、被災地域の通行可能な道路状況を把握するために利用される。この場合、道路の通行実績が、例えば、マップ上に表示され、オペレータに提示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2015/129045号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
災害発生時には、道路の状況が刻一刻と変化する。例えば、台風や大雨の場合、道路の冠水、倒木や電柱の倒壊、または土砂崩れ等が発生することで、通行可能な道路が、災害発生からの時間が経過するにつれて、通行不可となる。この場合、道路管理機関のオペレータは、道路の状況を詳細に把握するために、どの時点までは通行実績があったかを確認する必要がある。
【0006】
一方、通行実績をマップ上に表示する場合、一般的に、現在時刻や指定時刻における通行実績が表示される。このため、上述のように、道路の状況が刻一刻と変化する場合に、どの時点までは通行実績があったかを確認するためには、オペレータは、マップ上での時刻の指定を繰り返しながら、道路の各区間についての通行実績の変化を調べる必要があった。したがって、管理対象の道路の区間が膨大な場合、各区間について通行実績があった時点を速やかに把握することは困難であった。
【0007】
本開示の目的の一つは、上述の課題を解決し、災害発生後等に、各地点において通行実績があった時点を速やかに把握できる、情報表示制御装置、情報表示制御方法、及び、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様における情報表示制御装置は、複数の車両の各々が通行した、道路上の各区間における地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得する取得手段と、前記道路上の各区間について、当該区間上の地点を含む前記車両情報に基づいて算出される通行実績を、当該区間上の地点を含む前記車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間に応じて異なる態様で示した地図を生成し、表示手段に表示させる制御手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様における情報表示方法は、複数の車両の各々が通行した、道路上の各区間における地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得し、前記道路上の各区間について、当該区間上の地点を含む前記車両情報に基づいて算出される通行実績を、当該区間上の地点を含む前記車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間に応じて異なる態様で示した地図を生成し、前記地図を表示手段に表示させる。
【0010】
本開示の一態様における記録媒体は、複数の車両の各々が通行した、道路上の各区間における地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得し、前記道路上の各区間について、当該区間上の地点を含む前記車両情報に基づいて算出される通行実績を、当該区間上の地点を含む前記車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間に応じて異なる態様で示した地図を生成し、前記地図を表示手段に表示させる処理を実行させるプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の効果は、災害発生後等に、各地点において通行実績があった時点を速やかに把握できることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態における情報表示システム10の概要を示す概略図である。
図2】第1の実施形態における情報表示システム10の構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態における車両情報の例である。
図4】第1の実施形態における、通行実績表示処理を示すフローチャートである。
図5】第1の実施形態における、表示装置50に表示される地図の例である。
図6】第1の実施形態における、地図上の通行実績の表示の例である。
図7】第1の実施形態における、地図上の通行実績の表示の他の例である。
図8】第1の実施形態における、地図上の通行実績の表示の他の例である。
図9】第1の実施形態における、画像表示処理を示すフローチャートである。
図10】第1の実施形態における、画像表示の例である。
図11】第1の実施形態における、画像表示の他の例である。
図12】第2の実施形態における、情報表示制御装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図13】コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面、及び、明細書記載の各実施形態において、同様の構成要素には同一の符号を付与し、説明を適宜省略する。
【0014】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。
【0015】
はじめに、第1の実施形態における情報表示システムの構成を説明する。図1は、第1の実施形態における情報表示システム10の概要を示す概略図である。図1を参照すると、情報表示システム10は、複数の撮像装置20_1、20_2、…20_N(Nは自然数)(以下、まとめて、撮像装置20とも記載)、情報表示制御装置30、複数の車両40_1、40_2、…40_N(Nは自然数)(以下、まとめて、車両40とも記載)、及び、表示装置50を含む。
【0016】
情報表示システム10では、撮像装置20_1、20_2、…20_Nは、それぞれ、例えば、地方自治体や、道路管理会社等、道路管理機関に属する車両40_1、40_2、…40_Nに搭載される。また、情報表示システム10では、情報表示制御装置30、及び、撮像装置20_1、20_2、…20_Nが、例えば、通信ネットワークを介して通信可能なように接続される。
【0017】
情報表示制御装置30及び表示装置50は、例えば、上述の道路管理機関に配置される。また、情報表示制御装置30は、上述の道路管理機関以外に配置されてもよい。この場合、情報表示制御装置30は、クラウドコンピューティングシステムにより実現されてもよい。
【0018】
なお、本実施形態では、撮像装置20が車両50に搭載される場合について説明する。この場合、撮像装置20は、例えば、車両に搭載されるドライブレコーダでもよい。また、撮像装置20は、自転車やドローン等の他の移動体に搭載されてもよく、また、人が撮像装置20を持ち歩いてもよい。
【0019】
次いで、図2を参照しながら、各装置の構成を説明する。図2は、第1の実施形態における情報表示システム10の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
(撮像装置の構成)
撮像装置20は、図2に示すように、撮像部21、時刻取得部22、地点取得部23、記憶部24、および送信部25を含む。
【0021】
撮像部21は、車両40の周囲を撮影する。撮像部21は、車両40が道路を走行中に、所定の間隔で、車両40の周囲を撮影する。撮影により得られる画像は、車両40の前方等、周囲の道路の画像を含んでもよく、含んでいなくてもよい。また、撮影により得られる画像は、移動体全般の場合、当該移動体の周囲の画像であり、人の場合、人の周囲の画像である。
【0022】
時刻取得部22は、車両40が通行した地点の時刻を取得する。時刻取得部22は、撮影時刻を、撮像部21に出力する。
【0023】
地点取得部23は、車両40が通行している地点を取得する。地点取得部23は、車両40が通行した地点を、撮像部21に出力する。地点取得部23は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機であり、撮像部21が備えるものであっても、別体でもよい。
【0024】
撮像部21は、地点取得部23が取得した地点、時刻取得部22が取得した時刻(該地点を通行した時刻)、及び、撮像部21が撮影した画像(該時刻に撮影した画像)を、関連付けて、車両情報として、記憶部24に記憶させる。
【0025】
記憶部24は、車両ID(Identifier)を記憶する。また、記憶部24は、車両情報を記憶する。記憶部24は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0026】
送信部25は、記憶部24から車両情報を取得し、通信ネットワークを介して、情報表示制御装置30に送信する。送信部25は、例えば、画像を撮影する度に当該画像を含む車両情報を送信してもよく、所定の期間ごとに、各期間に撮影された1以上の画像のそれぞれを含む車両情報を送信してもよい。
(情報表示制御装置の構成)
情報表示制御装置30は、車両情報取得部31、記憶部32、及び、表示制御部33を含む。車両情報取得部31は、本開示における取得部の一実施形態である。また、表示制御部33は、本開示における制御部の一実施形態である。なお、情報表示制御装置30の構成要素の一部又は全部が、上述のように、クラウドコンピューティングシステムにより実現されてもよい。例えば、車両情報取得部31、および記憶部32がクラウド上に配置され、表示制御部33が、道路管理機関に配置されてもよい。
【0027】
車両情報取得部31は、車両40の撮像装置20から送信される車両情報を取得する。図3は、第1の実施形態における車両情報の例である。車両情報は、上述の通り、車両ID、車両が通行した地点、該地点を通行した時刻、該時刻に撮影した画像を含む。なお、撮像装置20が、画像を撮影する度に、車両情報を送信する場合、撮像装置20が、車両情報に、地点を通行した時刻を設定する代わりに、車両情報取得部31が、車両情報を受信した時刻を、車両情報の時刻に設定してもよい。
【0028】
図3を参照すると、車両情報には、一例として、車両ID「1」、時刻「13:00」、地点「A1_1」、および該時刻に撮影された画像「画像I31」が格納されている。車両情報取得部31は、車両情報を、記憶部32に記憶させる。
【0029】
記憶部32は、車両情報取得部31が取得した車両情報を記憶する。また、記憶部32には、予め地図を記憶しておく。地図は、例えば、道路管理機関が管理する地域の地図である。
【0030】
表示制御部33は、表示装置50に、記憶部32に記憶されている地図を表示する。また、表示制御部33は、記憶部32から、車両情報を取得する。表示制御部33は、それぞれの車両情報に含まれる、地点、及び、時刻を用いて、通行実績を、表示装置50に表示されている地図上に示す。
【0031】
表示制御部33は、通行実績を、例えば、後述するように、所定長の道路区間ごとに判定する。また、表示制御部33は、各車両40から受信した車両情報に含まれる地点ごとに、通行実績を判定してもよい。また、表示制御部33は、車両情報に含まれる地点(緯度・経度)に基づいて地図上の地域を網の目状に分割したメッシュごとに、通行実績を判定してもよい。表示制御部33は、地図上の通行実績を、例えば、地図上の道路に、矩形等の所定の図形または太線等の所定の線分を重畳することにより示す。なお、表示制御部33は、地図上に通行実績を示すことができれば、道路上以外の道路に沿った位置に、所定の図形または所定の線分を重畳してもよい。
【0032】
また、表示制御部33は、地図上の通行実績の表示の態様を、最新の車両情報の時刻からの経過時間に応じて変更する。ここで、表示制御部33は、例えば、通行実績を示す、上述の所定の図形の大きさ、色、及び、透過度のうちの少なくともひとつ、または、前記所定の線分の太さ、色、及び、透過度のうちの少なくともひとつを変更する。さらに、表示制御部33は、最新の車両情報の時刻からの経過時間が所定値以上の場合、前記所定の図形、または、前記所定の線分を削除する。また、表示制御部33は、最新の車両情報の時刻からの経過時間が所定値以上の場合、前記所定の図形または線分を、異なる図形または線分に変更してもよい。
【0033】
さらに、表示制御部33は、地図上で通行実績が示されている任意の道路区間が指定されると、当該道路区間の車両情報に含まれる画像を表示装置50に表示する。表示制御部33は、指定された道路区間について、時刻の異なる複数の画像がある場合に、当該複数の画像を時系列で表示装置50に表示してもよい。また、表示制御部33は、画像を表示装置50に表示させるときに、該画像に関連付けられた時刻を一緒に表示させてもよい。
【0034】
表示装置50は、例えば、ディスプレイである。表示装置50には、表示制御部33の制御に従って、通行実績が示された地図や画像を表示する。
【0035】
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
(通行実績表示処理)
情報表示システム10における、通行実績表示処理について、図4および図5を参照して説明する。
【0036】
図4は、第1の実施形態における、通行実績表示処理を示すフローチャートである。通行実績表示処理は、例えば、災害発生後の任意のタイミングで、情報表示制御装置30により自動的に実行されてもよく、また、オペレータの指示に応じて実行されてもよい。
【0037】
以下の通行実績表示処理の説明では、記憶部32が、車両情報取得部31が取得した図3のような車両情報を記憶しているとする。また、記憶部32が、図5のような地図を記憶しているとする。図5は、第1の実施形態における、表示装置50に表示される地図の例である。また、ここでは、管理対象の地図における各道路が、所定長(例えば、数10メートルや、数100メートル)の区間に分割されているとする。なお、図3における地点「A1_1」、「A2_1」、…は、それぞれ区間「A1」、「A2」に含まれる地点である。
【0038】
情報表示制御装置30の表示制御部33は、地図における道路上の各区間のうち、処理対象の区間(以下、対象区間とも記載)を選択する(S101)。表示制御部33は、記憶部32から、通行実績を表示する対象の時間帯(以下、対象時間帯とも記載)における、対象区間の車両情報を取得する(S102)。ここで、対象時間帯は、例えば、オペレータにより指定された、災害発生時刻から現在時刻までの時間帯である。対象時間帯における車両情報とは、その車両情報に含まれる時刻が対象時間帯に含まれる車両情報である。対象区間の車両情報とは、その車両情報に含まれる地点が、対象区間に含まれる車両情報である。なお、表示制御部33は、地点対象時間帯における対象区間の車両情報のうちの、一定の速度以上で移動した車両40の車両情報を取得してもよい。一定の速度以上で移動した車両40は、車両情報に含まれる車両ID、地点、時刻に基づき抽出できる。
【0039】
ステップS102において、車両情報が取得できない場合(ステップS103/NO)、表示制御部33は、対象時間帯における対象区間での通行実績がないと判断し、ステップS105の処理へ進む。
【0040】
ステップS103において、車両情報が取得できた場合(ステップS103/YES)、表示制御部33は、対象時間帯における対象地点での通行実績があると判断する。
【0041】
表示制御部33は、対象地点における通行実績を、地図上の当該対象区間に示す(S104)。ここで、表示制御部33は、通行実績を、対象区間の車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間に応じて異なる態様で示す。
【0042】
表示制御部33は、地図上の道路の全区間について、ステップS101からの処理を繰り返す(ステップS105)ことにより、通行実績が示された地図を生成する。
【0043】
表示制御部33は、通行実績が示された地図(生成した地図)を、表示装置50に表示させる(ステップS106)。
【0044】
図6図8は、第1の実施形態における、表示装置50に表示される地図の例である。
【0045】
図6は、現在時刻15:30に、通行実績表示処理が実行された場合の例である。
【0046】
例えば、現在時刻15:30に、対象時間帯を13:00~15:30として、通行実績表示処理が実行されたとする。この場合、表示制御部33は、図3の車両情報に基づき、区間A1、A2、及び、A3での対象時間帯における通行実績があると判断する。ここで、区間A1、A2、及び、A3の車両情報に含まれる最新の時刻は、それぞれ、13:00、14:00、及び、15:00である。
【0047】
表示制御部33は、例えば、図6に示すように、通行実績がある道路上の区間に、道路を示す線の太さよりも太い線(太線)を重畳する。そして、表示制御部33は、重畳する太線の透過度を、車両情報に含まれる最新の時刻から、第1の時間が経過した回数に応じて変更する。さらに、表示制御部33は、通行実績があっても、車両情報に含まれる最新の時刻から第2の時間が経過している場合は、太線を削除する(重畳しない)。
【0048】
ここでは、第1の時間を1時間、第2の時間を4時間としている。また、第1の時間が経過した回数(0回、1回、2回、3回)に応じて、通行実績を示す太線の透過度を0%(最後の受信時刻から1時間未満)、25%(1時間以上2時間未満)、50%(2時間以上3時間未満)、75%(3時間以上)の4段階に設定している。また、第2の時間を4時間に設定している。
【0049】
表示制御部33は、図6のように、車両情報に含まれる最新の時刻からそれぞれ2.5時間、1.5時間、及び、0.5時間が経過した、区間A1、A2、及び、A3の通行実績を、それぞれ、透過率50%、25%、及び、0%の太線で示した地図を、表示装置50に表示させる。
【0050】
図7は、さらに、現在時刻17:30に、通行実績表示処理が実行された場合の例である。
【0051】
例えば、現在時刻17:30に、対象時間帯を13:00~17:30として、通行実績表示処理が実行されたとする。この場合、表示制御部33は、例えば、車両情報に基づき、区間A1、A2、及び、A3での対象時間帯における通行実績があると判断する。ここで、区間A1、A2、及び、A3の車両情報に含まれる最新の時刻は、それぞれ、13:00、14:00、及び、17:00であるとする。
【0052】
表示制御部33は、図7のように、車両情報に含まれる最新の時刻から4.5時間が経過した区間A1に重畳されていた太線を削除し、3.5時間、及び、0.5時間が経過した区間A2、及び、A3の通行実績を、それぞれ、透過率75%、及び、0%の太線で示した地図を生成し、表示装置50に表示させる。
【0053】
図8は、現在時刻17:30に、通行実績表示処理が実行された場合の他の例である。
【0054】
表示制御部33は、図8のように、車両情報に含まれる最新の時刻から第2の時間が経過している場合は、太線を削除する(重畳しない)代わりに、通行実績を、太線以外で示してもよい。
【0055】
図8の例では、表示制御部33は、図8のように、車両情報に含まれる最新の時刻から4.5時間が経過した区間A1に、破線が重畳されている。
【0056】
このようにすることにより、車両情報に含まれる最新の時刻から第2の時間が経過している区間についても、過去の車両情報があることが容易に把握できる。
【0057】
上述した通行実績表示処理の説明では、図6図8に示すように、第2の時間経過前の通行実績を太線で示したが、太さ(大きさ)や色、透明度により、経過時間を表せれば、太線以外の他の線分や図形を用いてもよい。また、第2の時間経過以降の通行実績を破線で示したが、第2の時間経過前と異なれば、破線以外の他の線分や図形を用いてもよい。
(画像表示処理)
次に、情報表示システム10における、画像表示処理について、図9を参照して説明する。
【0058】
図9は、第1の実施形態における、画像表示処理を示すフローチャートである。画像表示処理は、通行実績表示処理に引き続いて実行される。
【0059】
情報表示制御装置30は、オペレータ等から、画像を確認する対象の区間の指定を受け付ける(ステップS201)。ここで、オペレータ等は、表示装置50に表示されている地図上の、通行実績が示されている区間を指定する。
【0060】
表示制御部33は、指定された区間に関する車両情報に含まれる画像を、表示装置50に表示させる(ステップS202)。
【0061】
図10は、第1の実施形態における、画像表示の例である。例えば、図8の地図が表示されているときに、オペレータ等が区間A3を指定したとする。また、区間A3について、例えば、時刻15:00、16:00、及び、17:00における車両情報に、それぞれ、画像I31、画像I32、及び、画像I33が含まれているとする。この場合、表示制御部33は、例えば、図10に示すように、画像I31~画像I33を、時系列に表示させる。図10では、画像I31~画像I33は、サムネイルとして、地図上に表示されている。例えば、オペレータがいずれかの画像を指定すると、表示制御部33は、表示装置50に、該画像を拡大して表示させてもよい。また、指定された区間の画像は、サムネイルの代わりに、拡大された画像でもよい。拡大された画像は、例えば、表示装置50の画面全体に表示されてもよい。この場合、表示制御部33は、例えば、画像の右端及び左端に、矢印等のマークを表示させ、該マークをクリックすることにより、時系列における前後の画像を表示させるようにしてもよい。
【0062】
図11は、第1の実施形態における、画像表示の他の例である。図11の例では、区域Bの交差点には、3つの異なる表示態様の通行実績が、互いに隣接して示されている。ここでは、図11のように、車両情報に含まれる最新の時刻からそれぞれ0.5時間、及び、3.75時間が経過した、区間B1、B2の通行実績が、それぞれ、透過率0%、及び、75%の太線で示されている。また、4.75時間が経過した、区間B3の通行実績が、破線で示されている。
【0063】
例えば、図11のような通行実績を参照したオペレータは、区域Bにおいて、4時間以上前から、区間B3に車両40の通行がなく、区間B2も3時間以上前から車両40の通行がないことを考慮して、区間B1における渋滞原因が交差点付近にあると見当をつけることができる。オペレータは、例えば、災害時において、地図上の通行実績を確認するだけで、いつの時点まで通行可能であったのかを、時間指定を行うことなく、速やかに把握することができる。
【0064】
以上により、第1の実施形態の動作が完了する。
【0065】
なお、第1の実施形態では、表示制御部33が、車両情報に基づき、各区間の通行実績を地図上に示した。表示制御部33が、さらに、現在時刻や指定された時刻における、各区間の渋滞状況を、地図上に示してもよい。この場合、表示制御部33は、例えば、各区間における、現在時刻や指定された時刻を含む所定期間の車両情報に基づき、各車両40の移動速度を算出し、平均値の算出等の統計処理を行うことにより、渋滞状況を判定する。また、表示制御部33は、渋滞情報を配信するサイト等から取得する渋滞情報を用いてもよい。そして、表示制御部33は、地図上の各区間に、通行実績とともに、渋滞を示す所定の図形や所定の線分を渋滞状況に応じた態様で示し、表示装置50に表示させる。また、表示制御部33は、渋滞を示す所定の図形や所定の線分について、通行実績の表示態様と同じように、大きさ、色、及び、透過度のうちの少なくともひとつを変更することで、時間経過を表すようにしてもよい。表示制御部33は、渋滞の他、車両情報等から取得した「Uターン」や「車線変更」などの障害に関連する情報を合わせて表示してもよい。
また、第1の実施形態では、車両情報に含まれる最新の時刻を起点として、当該起点までの経過時間に応じて、通行実績の表示態様を変更したが、表示制御部33が表示する画面上に、起点とする時刻を指定するスライドバーを設けて、指定された時刻までの通行実績や渋滞情報の表示態様を変更するようにしてもよい。
【0066】
次に、第1の実施形態の効果を説明する。
【0067】
第1の実施形態によれば、災害発生後に取得したデータを速やかに把握できる。その理由は、情報表示制御装置30が、複数の車両40の各々が通行した、道路上の各区間における地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得し、道路上の各区間について、当該区間上の地点を含む車両情報に基づいて算出される通行実績を、当該区間上の地点を含む車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間に応じて異なる態様で示した地図を生成し、表示装置50に表示させるためである。
また、第1の実施形態によれば、通行実績とともに渋滞情報を表示することで、優先して対応すべき箇所をオペレータに示唆できる。
【0068】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。
【0069】
図12は、第2の実施形態における、情報表示制御装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【0070】
情報表示制御装置1は、取得部2、及び、制御部3を備える。取得部2は、複数の車両の各々が通行した、道路上の各区間における地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得する。制御部3は、道路上の各区間について、当該区間上の地点を含む車両情報に基づいて算出される通行実績を、当該区間上の地点を含む車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間に応じて異なる態様で示した地図を生成し、図示しない表示装置に表示させる。
【0071】
第2の実施形態によれば、災害発生後等に、各地点において通行実績が得られている時点を速やかに把握できることである。その理由は、情報表示制御装置1が、複数の車両の各々が通行した、道路上の各区間における地点、及び、当該地点を走行した時刻を含む車両情報を取得し、道路上の各区間について、当該区間上の地点を含む車両情報に基づいて算出される通行実績を、当該区間上の地点を含む車両情報に含まれる最新の時刻からの経過時間に応じて異なる態様で示した地図を生成し、図示しない表示装置に表示させるからである。
(ハードウェア構成)
上述した各実施形態において、各装置(撮像装置20、情報表示制御装置30等)の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素の一部又は全部は、コンピュータ500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0072】
図13は、コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。図13を参照すると、コンピュータ500は、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、プログラム504、記憶装置505、ドライブ装置507、通信インタフェース508、入力装置509、出力装置510、入出力インタフェース511、及び、バス512を含む。
【0073】
プログラム504は、各装置の各機能を実現するための命令(instruction)を含む。プログラム504は、予め、ROM502やRAM503、記憶装置505に格納される。CPU501は、プログラム504に含まれる命令を実行することにより、各装置の各機能を実現する。例えば、情報表示制御装置30のCPU501がプログラム504に含まれる命令を実行することにより、車両情報取得部31、及び、表示制御部33の機能を実現する。また、例えば、情報表示制御装置30のRAM503が、記憶部32のデータを記憶してもよい。
【0074】
ドライブ装置507は、記録媒体506の読み書きを行う。通信インタフェース508は、通信ネットワークとのインタフェースを提供する。入力装置509は、例えば、マウスやキーボード等であり、オペレータ等からの情報の入力を受け付ける。出力装置510は、例えば、ディスプレイであり、オペレータ等へ情報を出力(表示)する。入出力インタフェース511は、周辺機器とのインタフェースを提供する。バス512は、これらハードウェアの各構成要素を接続する。なお、プログラム504は、通信ネットワークを介してCPU501に供給されてもよいし、予め、記録媒体506に格納され、ドライブ装置507により読み出され、CPU501に供給されてもよい。
【0075】
なお、図13に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の構成要素が追加されていてもよく、一部の構成要素を含まなくてもよい。
【0076】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0077】
また、各装置の各構成要素の一部または全部は、プロセッサ等を含む汎用または専用の回路(circuitry)や、これらの組み合わせによって実現されてもよい。これらの回路は、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0078】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部が複数のコンピュータや回路等により実現される場合、複数のコンピュータや回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0079】
また、情報表示制御装置30は車両40に配置されてもよいし、車両40とは異なる場所に配置され、通信ネットワークを介して撮像装置20と接続されてもよい。
【0080】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施形態における構成は、本開示のスコープを逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1、30 情報表示制御装置
2 取得部
3 制御部
10 情報表示システム
20 撮像装置
21 撮像部
22 時刻取得部
23 地点取得部
24、32 記憶部
31 車両情報取得部
33 表示制御部
40 車両
500 コンピュータ
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 プログラム
505 記憶装置
506 記録媒体
507 ドライブ装置
508 通信インタフェース
509 入力装置
510 出力装置
511 入出力インタフェース
512 バス
図1
図2
図3
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図13