(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038171
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】半導体装置およびモジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20240312BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240312BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01L29/78 657Z
H01L27/06 102A
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652T
H01L29/78 652N
H01L29/78 653C
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221217
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2021152878の分割
【原出願日】2014-11-26
(31)【優先権主張番号】P 2013246474
(32)【優先日】2013-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長尾 勝久
(72)【発明者】
【氏名】川本 典明
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単な構造で、複数の半導体装置を並列に接続して同時に使用してもノイズの発生を低減できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、SiCエピタキシャル層28に形成された複数のトランジスタセル18と、複数のトランジスタセルを制御するための電気接続用のゲートパッド4と、ゲートパッドを連続して囲むように、その周囲に形成されたパッド周辺部12と、ゲートパッドの下方に部分的に配置され、ポリシリコンからなり、ゲートパッドとパッド周辺部とを電気的に接続する内蔵抵抗21と、電気接続用の複数のソースパッド6と、を備え、ゲートパッドは、パッド周辺部との間に空間が形成されるように、同じ層においてパッド周辺部から物理的に分離され、前記エピタキシャル層の縁部周辺に形成されており、接続部材が接続される接続部分は、ゲートパッドの表面上に選択的に形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層と、
前記半導体層に形成された複数のセルと、
前記複数のセルを制御するための電気接続用の制御パッドと、
前記制御パッドを連続して囲むように、前記制御パッドの周囲に形成されたパッド周辺
部と、
前記制御パッドの下方に部分的に配置されたポリシリコンからなる内蔵抵抗であって、
前記制御パッドと前記パッド周辺部とを電気的に接続する内蔵抵抗と、
電気接続用の複数のソースパッドとを備え、
前記制御パッドと前記パッド周辺部との間に空間が形成されるように、前記制御パッド
は同じ層において前記パッド周辺部から物理的に分離されており、前記制御パッドは、前
記半導体層の縁部周辺に形成されており、
接続部材が接続される接続部分は、前記制御パッドの表面上に選択的に形成されており
、
前記内蔵抵抗は、平面図において前記接続部分を避けた領域に選択的に配置されている
、半導体装置。
【請求項2】
前記接続部分が、平面図で前記制御パッドの表面領域の半分以上を占める、請求項1に
記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パッド周辺部から延びるゲートフィンガーをさらに備える、請求項1または2に記
載の半導体装置。
【請求項4】
前記ゲートフィンガーが、前記パッド周辺部から3方向に延びる、請求項3に記載の半
導体装置。
【請求項5】
前記ゲートフィンガーが、前記半導体装置の四隅に延びる部分を有する、請求項4に記
載の半導体装置。
【請求項6】
前記ゲートフィンガーの幅が前記内蔵抵抗器の幅よりも狭い、請求項3~5のいずれか
一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記内蔵抵抗は、平面図において長方形の形状を有する、請求項1~6のいずれか一項
に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記制御パッドがアルミニウムを含む材料から構成されている、請求項1~7のいずれ
か一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記パッド周辺部がアルミニウムを含む材料から構成されている、請求項1~8のいず
れか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ソースパッドのそれぞれは、アルミニウムを含む材料から構成されている、請求項
1~9のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体装置は、平面図において長方形の形状を有し、
前記制御パッドは、平面図で前記半導体装置の1辺の中央付近に設けられている、請求
項1~10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記パッド周辺部が前記制御パッドと同じ厚さを有する、請求項1~11のいずれか一
項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記内蔵抵抗が、前記制御パッドの下方領域に部分的に配置され、前記内蔵抵抗と前記
制御パッドとの間に層間膜が選択的に配置される、請求項1~12のいずれか一項に記載
の半導体装置。
【請求項14】
前記接続部分が前記制御パッドの中央部分に形成されている、請求項1~13のいずれ
か一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ゲートパッドと、ポリシリコンからなるゲート連結配線と、ゲート連結
配線上に形成され、ゲートパッドと一体的に連なるゲート金属配線とを含む半導体装置を
開示している。ゲートパッドに電圧が印加されると、ゲート金属配線およびゲート連結配
線を介して、能動領域に形成されたMOSFETに電力が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実用上、互いに並列に接続された複数の半導体装置(チップ)を有するモジュールが使
用される場合がある。モジュールには、各チップのゲートに一括して電気的に接続された
ゲート端子が設けられる。当該ゲート端子に制御電圧を与えることによって、各内蔵チッ
プのゲートに同時に電圧が印加されてスイッチング動作が行われる。
【0005】
しかしながら、このようなモジュールでは、オン時にノイズが発生し易いという課題が
ある。これは、ゲート抵抗に関して複数のチップ間でばらつきがあり、オン制御の初期に
おいて、相対的にゲート抵抗が低いチップに電流が集中するためである。また、ゲート抵
抗のばらつきは、チップを製造する際の加工精度(エッチング寸法等)のばらつきによっ
て生じるものであるから、これを排除することは難しい。
【0006】
一方、各チップ内のゲート抵抗よりも大きな抵抗値を有する外付けのゲート抵抗を、チ
ップ一つ一つに対して設けてもよいが、モジュールの構造が複雑になり、組み立てが難し
いという別の課題が発生する。
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、複数の半導体装置を並列に接続して同時に使
用してもノイズの発生を低減できる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一実施形態は、半導体層と、前記半導体層に形成された複数のセルと、
前記複数のセルを制御するための電気接続用の制御パッドと、前記制御パッドを連続し
て囲むように、前記制御パッドの周囲に形成されたパッド周辺部と、前記制御パッドの下
方に部分的に配置されたポリシリコンからなる内蔵抵抗であって、前記制御パッドと前記
パッド周辺部とを電気的に接続する内蔵抵抗と、電気接続用の複数のソースパッドとを備
え、前記制御パッドと前記パッド周辺部との間に空間が形成されるように、前記制御パッ
ドは同じ層において前記パッド周辺部から物理的に分離されており、前記制御パッドは、
前記半導体層の縁部周辺に形成されており、接続部材が接続される接続部分は、前記制御
パッドの表面上に選択的に形成されており、前記内蔵抵抗は、平面図において前記接続部
分を避けた領域に選択的に配置されている、半導体装置を提供する。
【0009】
この発明の一実施形態では、前記接続部分が、平面図で前記制御パッドの表面領域の半
分以上を占める。
【0010】
この発明の一実施形態では、前記パッド周辺部から延びるゲートフィンガーをさらに備
える。
【0011】
この発明の一実施形態では、前記ゲートフィンガーが、前記パッド周辺部から3方向に
延びる。
【0012】
この発明の一実施形態では、前記ゲートフィンガーが、前記半導体装置の四隅に延びる
部分を有する。
【0013】
この発明の一実施形態では、前記ゲートフィンガーの幅が前記内蔵抵抗器の幅よりも狭
い。
【0014】
この発明の一実施形態では、前記内蔵抵抗は、平面図において長方形の形状を有する。
【0015】
この発明の一実施形態では、前記制御パッドがアルミニウムを含む材料から構成されて
いる。
【0016】
この発明の一実施形態では、前記パッド周辺部がアルミニウムを含む材料から構成され
ている。
【0017】
この発明の一実施形態では、前記ソースパッドのそれぞれは、アルミニウムを含む材料
から構成されている。
【0018】
この発明の一実施形態では、前記半導体装置は、平面図において長方形の形状を有し、
前記制御パッドは、平面図で前記半導体装置の1辺の中央付近に設けられている。
【0019】
この発明の一実施形態では、前記パッド周辺部が前記制御パッドと同じ厚さを有する。
【0020】
この発明の一実施形態では、前記内蔵抵抗が、前記制御パッドの下方領域に部分的に配
置され、前記内蔵抵抗と前記制御パッドとの間に層間膜が選択的に配置される。
【0021】
この発明の一実施形態では、前記接続部分が前記制御パッドの中央部分に形成されてい
る。
【0022】
本発明における上述の、またはさらに他の目的、特徴および効果は、添付図面を参照し
て次に述べる実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の模式的な平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の一点鎖線IIで囲まれた領域の拡大図である。
【
図3】
図3aおよび
図3bは、
図2の二点鎖線IIIで囲まれた領域の拡大図であって、
図3aは平面図を示し、
図3bは
図3aの切断線IIIb-IIIbで半導体装置を切断したときの断面図を示す。
【
図4】
図4は、セルの構造の変形例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る半導体装置が適用されたモジュールの電気回路を示す電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置1の模式的な平面図である。なお、
図1
では、明瞭化のため、実際の平面視では半導体装置1の最表面に露出していない要素の一
部を実線で示している。
【0026】
半導体装置1は、SiCが採用された半導体装置であって、たとえば、その最表面を法
線方向から見た平面視(以下、単に「平面視」と言う。)において、四角形のチップ状に
形成されている。
【0027】
半導体装置1には、アクティブ領域2およびアクティブ領域2を取り囲む終端領域3が
設定されている。アクティブ領域2は、この実施形態では、半導体装置1の内方領域にお
いて平面視略四角形状に形成されているが、その形状は特に制限されない。アクティブ領
域2と終端領域3との間には、半導体装置1の耐圧を向上させるため、ガードリング(図
示せず)が形成されていてもよい。
【0028】
アクティブ領域2には、本発明の制御パッドの一例としてのゲートメタル44、ソース
メタル43および本発明のフィンガーの一例としてのゲートフィンガー5が形成されてい
る。そして、これらを覆うように、半導体装置1の最表面には、パッシベーション膜40
が形成されている。パッシベーション膜40には、ゲートメタル44の一部およびソース
メタル43の一部を、それぞれ、ゲートパッド4およびソースパッド6として露出させる
開口41,42が形成されている。一方、ゲートフィンガー5は、その全体がパッシベー
ション膜40に覆われている。
【0029】
ゲートメタル44、ゲートフィンガー5およびソースメタル43は、たとえば、Al(
アルミニウム)、AlCu(アルミニウム-銅合金)、Cu(銅)等のメタル配線からな
る。
【0030】
ポリシリコンよりも低抵抗なメタル配線でゲートフィンガー5を構成することによって
、ゲートメタル44から比較的距離がある位置(遠い位置)のトランジスタセル18(図
2参照)に対しても、ゲート電流を短時間で供給することができる。また、Alであれば
、その加工性が良いので(加工し易いので)、これらの配線の形成工程を簡単にすること
ができる。一方、AlCuはAlが使用される場合に比べて、半導体装置1のパワーサイ
クル耐性を向上させることができると共に、ゲートパッド4に関してボンディングワイヤ
の接合強度を向上させることもできる。Cuが使用される場合は、AlおよびAlCuの
場合よりも抵抗率を低減できる利点がある。
【0031】
ゲートメタル44は、アクティブ領域2の周縁部(終端領域3との境界付近)の一部に
選択的に形成されている。ゲートフィンガー5は、ゲートパッド4の形成位置から、アク
ティブ領域2の周縁部に沿う方向およびアクティブ領域2の内方に向かう方向に分かれて
延びている。これにより、アクティブ領域2には、ゲートメタル44を挟んで互いに異な
る方向に延びる複数のゲートフィンガー5で区画された部分およびゲートフィンガー5の
外方領域に、セル領域7,45が形成されている。
【0032】
より具体的には、この実施形態では、ゲートメタル44は、平面視四角形状に形成され
、アクティブ領域2の一辺8の中央部に選択的に配置されている。なお、アクティブ領域
2の一辺8(ゲートメタル44が配置された辺)以外の辺は、一辺8の対辺9、およびこ
れらの辺8,9の両端部にそれぞれ連続する辺10,11である。
【0033】
ゲートフィンガー5は、ゲートメタル44の周囲を、間隔を空けて取り囲むパッド周辺
部12と、当該パッド周辺部12から、アクティブ領域2の当該一辺8に沿う方向および
当該一辺8に直交する方向のそれぞれに延びる第1フィンガー13および第2フィンガー
14とを含む。
【0034】
パッド周辺部12は、ゲートメタル44の周囲に沿う平面視四角環状に形成されている
。
【0035】
第1フィンガー13は、パッド周辺部12に対して辺10およびその反対の辺11に向
かう方向に、辺8に沿って一対形成されている。
【0036】
第2フィンガー14は、第1フィンガー13に直交する方向に辺9までアクティブ領域
2を横切る直線状の主部位15と、当該主部位15に一体的に接続され、当該接続箇所か
ら第1フィンガー13に沿って延びる複数の枝部16とを含む。枝部16は、この実施形
態では、主部位15の先端部と主部位15の途中部の二箇所に接続されて合計二対形成さ
れているが、この数は特に制限されない。
【0037】
こうして、アクティブ領域2には、第1フィンガー13および第2フィンガー14(主
部位15および枝部16)によってセル領域7,45が区画されている。この実施形態で
は、第2フィンガー14の主部位15と中央の枝部16で形成された交差部の各角に一つ
ずつ、合計4つの内側セル領域7が形成されている。また、アクティブ領域2の周縁とゲ
ートフィンガー5との間には、アクティブ領域2の周縁に沿って環状の外側セル領域45
が形成されている。
【0038】
ソースメタル43は、内側および外側セル領域7,45のほぼ全体を覆うように形成さ
れている。パッシベーション膜40には、ソースパッド6が各内側セル領域7に一つずつ
配置されるように、合計4つの開口42が形成されている。
【0039】
また、ソースメタル43には、ゲートメタル44の形状に応じた凹部17が形成されて
いる。凹部17は、ゲートメタル44が第1フィンガー13に対してアクティブ領域2の
内方側にセットバックされて配置されており、このゲートメタル44を回避するために形
成された窪みである。
【0040】
図2は、
図1の一点鎖線IIで囲まれた領域の拡大図である。つまり、半導体装置1のゲ
ートパッド4およびその近傍領域を拡大して示す図である。なお、
図2では、明瞭化のた
め、実際の平面視では半導体装置1の最表面に露出していない要素の一部を実線で示して
いる。
【0041】
図2に示すように、ゲートフィンガー5(パッド周辺部12、第1フィンガー13およ
び第2フィンガー14)で区画された内側および外側セル領域7,45には、複数のトラ
ンジスタセル18が配列されている。
【0042】
複数のトランジスタセル18は、この実施形態では、内側および外側セル領域7,45
のそれぞれにおいて、平面視で行列状に配列されている。ゲートフィンガー5の近傍では
、複数のトランジスタセル18は、ゲートフィンガー5の形状に合わせて整列している。
たとえば、複数のトランジスタセル18は、パッド周辺部12の角部の形状に合わせて屈
曲して整列し、直線状の第2フィンガー14の主部位15の形状に合わせて直線状に整列
している。ソースメタル43は、これら複数のトランジスタセル18を覆うように形成さ
れている。
【0043】
なお、
図2では、明瞭化のため、ソースメタル43で覆われた複数のトランジスタセル
18の一部のみを表している。また、複数のトランジスタセル18の配列形態は、行列状
に限らず、たとえば、ストライプ状、千鳥状等であってもよい。また、各トランジスタセ
ル18の平面形状は、四角形状に限らず、たとえば、円形状、三角形状、六角形状等であ
ってもよい。
【0044】
互いに隣り合うトランジスタセル18の間には、本発明の制御電極の一例としてのゲー
ト電極19が形成されている。ゲート電極19は、内側および外側セル領域7,45にお
いては、行列状のトランジスタセル18の各間に配置され、全体として平面視格子状に形
成されている。一方、このゲート電極19は、内側および外側セル領域7,45だけでな
く、ゲートフィンガー5が配置された領域にも形成され、当該ゲートフィンガー5の下方
の部分がゲートフィンガー5に対してコンタクトしている。
【0045】
この実施形態では、ゲート電極19の一部は、第1フィンガー13および第2フィンガ
ー14の下方領域に形成され、コンタクト部として第1フィンガー13および第2フィン
ガー14に対向している。
図2では、明瞭化のため、ゲート電極19の当該下方領域に形
成された部分を、ハッチングを付した領域で表している。これにより、互いに隣り合う内
側セル領域7のゲート電極19は、第2フィンガー14を下方で横切るゲート電極19を
介して連続している。このゲート電極19の連続形態は、ゲートメタル44に隣り合う内
側セル領域7と外側セル領域45との間に関しても同様である。つまり、これらの領域の
ゲート電極19は、第1フィンガー13を下方で横切るゲート電極19を介して連続して
いる。
【0046】
そして、第1フィンガー13および第2フィンガー14は、それぞれ、その下方領域に
配置されたゲート電極19に対して、ゲートコンタクト20によって接続されている。ゲ
ートコンタクト20は、第1フィンガー13および第2フィンガー14の各側縁から間隔
を空けたフィンガー中央部において、それぞれの長手方向に沿って直線状に形成されてい
る。
【0047】
また、この実施形態では、ゲートメタル44の下方に複数の内蔵抵抗21が配置されて
いる。複数の内蔵抵抗21を、ゲートメタル44の平面形状の重心位置から互いにほぼ等
距離の位置に配置することによって、複数の内蔵抵抗21の配置に関して対称性を持たす
ことが好ましい。この実施形態では、複数の内蔵抵抗21は、平面視四角形状のゲートメ
タル44の重心Gから等距離にあるゲートメタル44の各角部に一つずつ配置されている
。これにより、4つの内蔵抵抗21に対称性が与えられている。
【0048】
このような対称性のパターンは、種々考えられ、たとえば、2つの内蔵抵抗21が、対
角関係にあるゲートメタル44の2つの角部に一つずつ配置されていてもよいし、対辺関
係にあるゲートメタル44の2つの辺に一つずつ互いに向かい合うように配置されていて
もよい。また、たとえば、ゲートメタル44が平面視円形状の場合には、2つの内蔵抵抗
21が、当該ゲートメタル44の直径の両端に一つずつ配置されていてもよいし、ゲート
メタル44が平面視三角形状の場合には、3つの内蔵抵抗21が、当該ゲートメタル44
の3つの角部に一つずつ配置されていてもよい。
【0049】
各内蔵抵抗21は、ゲートメタル44とゲートフィンガー5(パッド周辺部12)との
間の環状の隙間領域26を横切って、これらに跨るように形成されている。これにより、
内蔵抵抗21は、ゲートメタル44およびゲートフィンガー5のそれぞれに対向している
。ゲートメタル44およびゲートフィンガー5(パッド周辺部12)は、それぞれ、その
下方領域に配置された内蔵抵抗21に対して、本発明のコンタクトビアの一例としてのパ
ッド側コンタクト22およびセル側コンタクト23によって接続されている。
【0050】
この実施形態では、4つの内蔵抵抗21は、対辺関係にあるゲートメタル44の2つの
辺の各周縁部24の下方から、当該辺に直交する外側方向に延びてパッド周辺部12の下
方に至っている。各内蔵抵抗21は、平面視四角形状に形成されており、たとえば、20
0μm□以下(200μm×200μm以下)の大きさを有している。実用上、内蔵抵抗
21の大きさが1つ当たり200μm□以下であれば、SiCエピタキシャル層28(図
3b参照)上の領域のうち内蔵抵抗21のために犠牲になる領域の面積を小さくでき、省
スペース化を図ることができる。
【0051】
また、パッド側コンタクト22およびセル側コンタクト23は、それぞれ、ゲートメタ
ル44およびパッド周辺部12の辺に沿って互いに平行な直線状に形成されている。
【0052】
内蔵抵抗21をゲートメタル44の中央部を回避した周縁部24の下方に配置し、さら
に、内蔵抵抗21が配置された領域の上方領域をパッシベーション膜40で覆うことによ
って、ゲートメタル44の中央部には、内蔵抵抗21で取り囲まれた本発明のワイヤ領域
としてのゲートパッド4が確保されている。ゲートパッド4は、ボンディングワイヤが接
続される領域である。
【0053】
すなわち、この実施形態では、内蔵抵抗21が配置された、ゲートメタル44の各角部
を選択的にパッシベーション膜40で覆い、ゲートメタル44のその他の部分を開口41
から露出させている。これにより、半導体装置1の最表面には、各角部が内方に凹んだ平
面視四角形状のゲートパッド4が露出している。このように、内蔵抵抗21が配置された
領域の上方領域をパッシベーション膜40で覆うことによって、ボンディングワイヤの接
合時に、ゲートメタル44における内蔵抵抗21と重なる部分にボンディングワイヤが誤
って接合されることを防止できる。その結果、ボンディングワイヤの接合時に、超音波等
の衝撃によって内蔵抵抗21がダメージを受けたり、それによって破壊されたりすること
を抑制することができる。
【0054】
図3aおよび
図3bは、
図2の二点鎖線IIIで囲まれた領域の拡大図であって、
図3a
は平面図を示し、
図3bは
図3aの切断線IIIb-IIIbで半導体装置1を切断したときの
断面図を示す。なお、
図3aおよび
図3bでは、明瞭化のため、各構成要素の縮尺が
図1
および
図2とは異なる場合があり、
図3aと
図3bとの間でも各構成要素の縮尺が異なる
場合がある。また、
図3aおよび
図3bでは、明瞭化のため、実際の平面視では半導体装
置1の最表面に露出していない要素の一部を実線で示している。
【0055】
次に、内蔵抵抗21およびその近傍領域のより詳細な構成を、半導体装置1の断面構造
と共に説明する。
【0056】
半導体装置1は、SiC基板27と、SiCエピタキシャル層28とを含む。SiCエ
ピタキシャル層28は、SiC基板27に積層されており、この積層構造が本発明のSi
C半導体層の一例として示されている。
【0057】
SiC基板27およびSiCエピタキシャル層28は、それぞれ、n+型およびn-型
のSiCである。n+型のSiC基板27の不純物濃度は、たとえば、1×1017cm
-3~1×1021cm-3である。一方、n-型のSiCエピタキシャル層28の不純
物濃度は、たとえば、1×1014cm-3~1×1017cm-3である。また、n型
不純物としては、たとえば、N(窒素)、P(リン)、As(ひ素)等を使用できる(以
下、同じ)。
【0058】
内側セル領域7において、SiCエピタキシャル層28の表面部に複数のトランジスタ
セル18が形成されている。複数のトランジスタセル18は、p-型ボディ領域29と、
p-型ボディ領域29の周縁から間隔を空けた内方領域に選択的に形成されたn+型ソー
ス領域30と、n+型ソース領域30の周縁から間隔を空けた内方領域に選択的に形成さ
れたp+型ボディコンタクト領域31とを含む。また、SiCエピタキシャル層28のn
-型の部分は、複数のトランジスタセル18の共通のドレイン領域となっている。
【0059】
図3aに示すように、平面視では、パッド周辺部12(ゲートフィンガー5)に沿うト
ランジスタセル18を除いて、p
+型ボディコンタクト領域31を取り囲むようにn
+型
ソース領域30が形成され、さらに、n
+型ソース領域30を取り囲むようにp
-型ボデ
ィ領域29が形成されている。p
-型ボディ領域29において、n
+型ソース領域30を
取り囲む環状の領域は、半導体装置1のオン時にチャネルが形成されるチャネル領域32
である。なお、
図3aおよび
図3bは図示しないが、外側セル領域45の複数のトランジ
スタセル18も同様の構成を有している。
【0060】
一方、パッド周辺部12(ゲートフィンガー5)に沿うトランジスタセル18では、p
-型ボディ領域29およびp+型ボディコンタクト領域31が、それぞれ、後述するp-
型領域34およびp+型領域33に電気的に接続されている。
【0061】
p-型ボディ領域29の不純物濃度は、たとえば、1×1014cm-3~1×101
9cm-3であり、n+型ソース領域30の不純物濃度は、たとえば、1×1017cm
-3~1×1021cm-3であり、p+型ボディコンタクト領域31の不純物濃度は、
たとえば、1×1019cm-3~1×1021cm-3である。
【0062】
これらの領域29~31を形成するには、たとえば、SiCエピタキシャル層28の表
面部に、イオン注入によってp-型ボディ領域29が形成される。その後、p-型ボディ
領域29の表面部に、n型不純物およびp型不純物を順にイオン注入することによって、
n+型ソース領域30およびp+型ボディコンタクト領域31が形成される。これにより
、領域29~31からなるトランジスタセル18が形成される。p型不純物としては、た
とえば、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)等を使用できる(以下、同じ)。
【0063】
アクティブ領域2において内側および外側セル領域7,45以外の領域、具体的には、
ゲートメタル44、ゲートフィンガー5および隙間領域26の下方領域では、SiCエピ
タキシャル層28の表面部にp-型領域34が形成されている。p-型領域34の表面部
には、p+型領域33が形成されている。
【0064】
p
+型領域33は、SiCエピタキシャル層28の内蔵抵抗21に対向する領域におい
て、p
-型領域34のp
-型部分をSiC表面に選択的に露出させ、それ以外の領域にお
いては、自身のp
+型部分がSiC表面に選択的に露出するように、ゲートメタル44等
の下方領域のほぼ全域に亘って形成されている。つまり、ゲートメタル44およびゲート
フィンガー5は、内蔵抵抗21が配置された領域においてはp
-型部分に対向しているが
、それ以外の大部分の領域においては、p
+型部分に対向している。また、p
+型領域3
3およびp
-型領域34は、それぞれ、ソースメタル43の下方まで延びるように形成さ
れており、ソースメタル43(この実施形態では、ソースパッド6よりも外方部分)の下
方において、p
+型ボディコンタクト領域31およびp
-型ボディ領域29に一体的に繋
がっている。なお、
図3aでは、パッド周辺部12(ゲートフィンガー5)に沿うトラン
ジスタセル18のp
+型ボディコンタクト領域31とp
+型領域33とを、ハッチングを
付した領域で表している。実用上、p
+型ボディコンタクト領域31がソースメタル43
と共にグランド電位に固定され、これによってp
+型領域33が0Vで安定する。そのた
め、この実施形態のように、ゲートメタル44およびゲートフィンガー5の大部分はp
+
型領域33に対向させておくことが好ましい。
【0065】
p+型領域33およびp-型領域34は、それぞれ、p+型ボディコンタクト領域31
およびp-型ボディ領域29と同一の工程で形成され、その不純物濃度および深さも同じ
である。
【0066】
SiCエピタキシャル層28の表面には、本発明の絶縁膜の一例としてのゲート絶縁膜
35が形成されている。ゲート絶縁膜35は、酸化シリコン等の絶縁材料からなり、たと
えば、0.001μm~1μmの厚さを有している。ゲート絶縁膜35は、ゲート電極1
9および内蔵抵抗21をSiCエピタキシャル層28から絶縁するための共通の絶縁膜で
ある。
【0067】
ゲート絶縁膜35上には、ゲート電極19および内蔵抵抗21が形成されている。ゲー
ト電極19は、各トランジスタセル18のチャネル領域32に、ゲート絶縁膜35を挟ん
で対向するように形成されている。一方、内蔵抵抗21は、p-型領域34の露出p-型
部分に、ゲート絶縁膜35を挟んで対向するように形成されている。
【0068】
ゲート電極19および内蔵抵抗21は、いずれも、p型のポリシリコンからなり、同一
工程で形成されてもよい。この実施形態では、ゲート電極19および内蔵抵抗21は、p
型不純物としてB(ホウ素)を含んでいる。B(ホウ素)含有ポリシリコンは、Si半導
体装置で一般的に使用されるリン(P)含有ポリシリコンに対する比抵抗値が大きい。し
たがって、ホウ素含有ポリシリコン(内蔵抵抗21)は、同じ抵抗値を実現する場合でも
、リン含有ポリシリコンよりも小さな面積で済む。そのため、SiCエピタキシャル層2
8上における内蔵抵抗21の占有面積を小さくできるので、スペースの有効利用を図るこ
とができる。
【0069】
ポリシリコンに含まれるp型不純物の濃度は、ゲート電極19および内蔵抵抗21それ
ぞれの設計抵抗値に合わせて適宜変更できる。当該濃度は、この実施形態では、内蔵抵抗
21のシート抵抗が10Ω/□以上となるように設定されている。実用上、内蔵抵抗21
のシート抵抗が10Ω/□以上であれば、内蔵抵抗21の面積を大きくしなくても、内蔵
抵抗21全体の抵抗値を、複数の半導体装置1間の抵抗値のばらつきよりも簡単に大きく
することができる。たとえば、抵抗値のばらつきが0.1Ω~20Ωである場合に、小さ
な面積で、内蔵抵抗21の抵抗値を2Ω~40Ωとすることができる。その結果、SiC
エピタキシャル層28上の領域のうち、内蔵抵抗21のために犠牲になる領域の面積を小
さくできるので、他の要素のレイアウトへの影響が少なくて済む。また、この場合、ゲー
ト電極19の抵抗値および内蔵抵抗21の抵抗値を合計した抵抗値は、4Ω~50Ωであ
ることが好ましい。
【0070】
また、ゲート電極19および内蔵抵抗21の厚さは、2μm以下であることが好ましい
。内蔵抵抗21の厚さを2μm以下にすることによって、内蔵抵抗21全体の抵抗値を、
複数の半導体装置1間の抵抗値のばらつきよりも簡単に大きくすることができる。逆に、
内蔵抵抗21が厚すぎると、その抵抗値が低くなり過ぎるため好ましいとは言えない。
【0071】
ゲート絶縁膜35上には、ゲート電極19および内蔵抵抗21を覆うように、層間膜3
6が形成されている。層間膜36は、酸化シリコン等の絶縁材料からなり、たとえば、0
.1μm~5μmの厚さを有している。
【0072】
また、層間膜36は、ゲート絶縁膜35上の領域のうち、ゲート電極19および内蔵抵
抗21が配置されていない領域(第1領域)に入り込むように形成されている。これによ
り、内蔵抵抗21が配置されていない領域において、SiCエピタキシャル層28とゲー
トメタル44との距離(絶縁膜の厚さT)を大きくできるので、これらの間の容量を低減
することができる。
【0073】
この層間膜36を貫通するように、パッド側コンタクト22およびセル側コンタクト2
3が形成されている。パッド側コンタクト22およびセル側コンタクト23は、それぞれ
、ゲートメタル44およびゲートフィンガー5(パッド周辺部12)と一体的に形成され
たメタルビアからなる。
【0074】
また、層間膜36には、n+型ソース領域31およびp+型ボディコンタクト領域31
に対してソースメタル43からコンタクトをとるためのソースコンタクト46が貫通して
形成されている。ソースコンタクト46は、ソースメタル43と一体的に形成されたメタ
ルビアからなる。
【0075】
層間膜36上には、ゲートメタル44、ゲートフィンガー5およびソースメタル43が
、互いに間隔を空けて形成されている。
【0076】
そして、ゲートメタル44、ゲートフィンガー5およびソースメタル43を覆うように
、パッシベーション膜40が層間膜36上に形成されている。パッシベーション膜40に
は、ゲートメタル44およびソースメタル43の一部を露出させる開口41,42が形成
されている。
【0077】
以上のように、半導体装置1によれば、
図3aおよび
図3bに示すように、ゲートメタ
ル44とゲートフィンガー5(パッド周辺部12)との間にポリシリコン抵抗(内蔵抵抗
21)が介在している。つまり、外部から複数のトランジスタセル18へ続く電流経路の
途中に、内蔵抵抗21が介在している。
【0078】
この内蔵抵抗21の抵抗値を調節することによって、ゲート電極19の抵抗値および内
蔵抵抗21の抵抗値を合計した抵抗値(ゲート抵抗)において、内蔵抵抗21の抵抗値を
支配的にすることができる。そのため、ゲート電極19の抵抗値にばらつきのある複数の
半導体装置1を並列に接続して使用する場合でも、内蔵抵抗21の抵抗値を当該ばらつき
よりも大きくしておくことによって、相対的にゲート電極19の抵抗値が低い半導体装置
1に対する電流の流れ込みを制限することができる。その結果、当該使用時のノイズの発
生を低減することができる。
【0079】
しかも、内蔵抵抗21を構成するポリシリコンは、不純物の注入等によって簡単に抵抗
値を制御できる材料であり、また、その加工に関しても、従来の半導体製造技術によって
確立されている。したがって、内蔵抵抗21の導入に当たって、半導体装置1自体および
これを備えるモジュールの構造が複雑になることを回避することもできる。
【0080】
なお、内蔵抵抗21に関しても、ゲート電極19と同様に、半導体装置1を製造する際
の加工精度(エッチング寸法等)のばらつきによって、大きさや厚さにばらつきが生じる
場合があるが、ゲート電極19に比べて加工寸法が小さいものである。したがって、内蔵
抵抗21ばらつきが、ノイズ発生のきっかけになることは、ほとんどない。
【0081】
また、内蔵抵抗21がゲートメタル44の下方でゲートメタル44に接続されているた
め、外部から複数のトランジスタセル18へ続く電流経路の入り口部でゲート電流の流れ
込みを制限することができる。これにより、特定のトランジスタセル18にだけ突入電流
が流れることを防止することができる。
【0082】
たとえば、
図2において、内蔵抵抗21がゲートフィンガー5の第1フィンガー13や
第2フィンガー14の途中部に、これらのフィンガー13,14の迂回路として形成され
ている場合を考える。この場合、当該内蔵抵抗21よりもゲートメタル44に近い側では
、内蔵抵抗21に到達する前に、フィンガー13,14からゲートコンタクト20を介し
てゲート電極19に突入電流が流れる場合がある。これに対し、この実施形態のように、
電流経路の入り口部でゲート電流を制限できれば、複数のトランジスタセル18間におけ
るスイッチング速度のばらつきを低減することができる。
【0083】
さらに、
図2に示すように、内蔵抵抗21が対称性を持って配置されている。この特徴
によっても、複数のトランジスタセル18間におけるスイッチング速度のばらつきを低減
することができる。
【0084】
また、
図3aおよび
図3bに示すように、SiCエピタキシャル層28において、内蔵
抵抗21に対向する領域が、1×10
19cm
-3以下の不純物濃度を有するp
-型領域
34である。そのため、ゲート絶縁膜35の絶縁破壊を良好に抑制することができる。さ
らに、p
-型領域は、n型領域に比べてキャリアを蓄積し難いため、ゲート絶縁膜35を
挟んで互いに対向する内蔵抵抗21とp
-型領域34との間の容量を低減することもでき
る。
【0085】
また、
図3aおよび
図3bに示すように、ゲートメタル44と内蔵抵抗21とは、メタ
ルビアからなるパッド側コンタクト22で接続されている。そのため、パッド側コンタク
ト22の位置をSiCエピタキシャル層28の表面に沿って変更する加工やビアの径を変
更する加工等で、外部から複数のトランジスタセル18へ続く電流経路において、内蔵抵
抗21が寄与する抵抗値を簡単に調節することができる。
【0086】
たとえば、
図3bに破線で示すパッド側コンタクト37のように、パッド側コンタクト
22よりもパッド周辺部12に近づけるだけで、内蔵抵抗21に対するコンタクト位置か
らパッド周辺部12までの距離をD
1からD
2へと簡単に短くすることができる。これに
より、内蔵抵抗21の抵抗値を小さくすることができる。逆に、パッド周辺部12から遠
ざければ、内蔵抵抗21の抵抗値を大きくすることができる。また、
図3aに破線で示す
パッド側コンタクト38のように、パッド側コンタクト22よりもビア径を小さくするだ
けで、内蔵抵抗21へ向かう電流経路の抵抗値を大きくすることができる。逆に、ビア径
を大きくすれば、当該経路の抵抗値を小さくすることができる。
【0087】
しかも、これらの加工は、パッド側コンタクト22(ビア)を形成する際、距離設計や
ビア径設計に合わせたマスクを使用するだけでよいので、製造工程が複雑になることを防
止することもできる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施すること
もできる。
【0089】
たとえば、前述の実施形態では、トランジスタセル18がプレーナゲート構造のMOS
FETセルである場合を取り上げたが、トランジスタセル18は、
図4に示すように、ト
レンチゲート構造のMOSFETセルであってもよい。この場合、ゲート電極19は、複
数のトランジスタセル18の各間に形成されたゲートトレンチ39に、ゲート絶縁膜35
を介して埋設されている。
【0090】
また、トランジスタセル18は、プレーナゲート構造もしくはトレンチゲート構造のI
GBTセルであってもよい。この場合、n+型SiC基板27に代えて、p+型SiC基
板27を用いればよい。
【0091】
また、内蔵抵抗21は、ゲートメタル44の下方の層間膜36に埋め込まれている必要
はなく、たとえば、層間膜36の表面に、ゲートメタル44とゲートフィンガー5と接続
するポリシリコン配線を、本発明の内蔵抵抗として形成してもよい。
【0092】
また、内蔵抵抗21の材料として、ポリシリコンに代えて、ゲートメタル44およびゲ
ートフィンガー5と同じかそれよりも大きい抵抗値を有する材料(たとえば、Al(アル
ミニウム)、AlCu(アルミニウム-銅合金)、Cu(銅)等のメタル配線)を用いて
もよい。内蔵抵抗21がメタルであっても、ゲートメタル44とゲートフィンガー5との
間の距離を長くできるので、ゲート電極19の抵抗値および内蔵抵抗21の抵抗値を合計
した抵抗値を大きくすることができる。
【0093】
また、内蔵抵抗21は、ゲートメタル44の下方に形成されている必要はなく、たとえ
ば、ゲートフィンガー5の下方に形成されていてもよい。
【0094】
また、内蔵抵抗21は、ゲートメタル44の周縁部24の一部に沿う直線状であっても
よいし、ゲートメタル44の周縁部24の全周に沿う環状であってもよい。
【0095】
また、前述の半導体装置1の各半導体部分の導電型を反転した構成が採用されてもよい
。たとえば、半導体装置1において、p型の部分がn型であり、n型の部分がp型であっ
てもよい。
【0096】
図5は、本発明の一実施形態に係る半導体装置が適用されたモジュールの電気回路を示
す電気回路図である。
【0097】
モジュール100は、複数の半導体装置(チップ)101~104と、ドレイン端子1
05と、ソース端子106と、ゲート端子107とを含んでいる。各半導体装置101~
104は、
図1~
図3に示される半導体装置1から構成されている。各半導体装置101
~104は、
図4に示される半導体装置から構成されていてもよい。複数の半導体装置1
01~104は、並列に接続されている。
【0098】
各半導体装置101~104は、並列に接続された複数のトランジスタセル18(
図2
、
図3aおよび
図3b参照)と、並列に接続された4つの内蔵抵抗41(
図2、
図3aお
よび
図3b参照)を含んでいる。
図5では、並列に接続された複数のトランジスタセル1
8を1つのトランジスタセルTrで表し、並列に接続された4つの内蔵抵抗41を1つの
抵抗Rで表している。
【0099】
各半導体装置101~104のゲート電極は、それに内蔵されている内蔵抵抗Rを介し
て、モジュール100のゲート端子107に接続されている。各半導体装置101~10
4のドレイン電極は、モジュール100のドレイン端子105に接続されている。各半導
体装置101~104のソース電極は、モジュール100のソース端106に接続されて
いる。
【0100】
このモジュール100では、各半導体装置101~104内に、各半導体装置101~
104内のゲート抵抗よりも大きな抵抗値を有する内蔵抵抗Rが内蔵されている。したが
って、このモジュール100では、各半導体装置101~104内のゲート抵抗よりも大
きな抵抗値を有する外付けのゲート抵抗を、各半導体装置101~104に設ける場合に
比べて、モジュールの構造が簡単となる。
【0101】
本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは本発明の技術的内容を明らかに
するために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべ
きではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
【0102】
この出願は、2013年11月28日に日本国特許庁に提出された特願2013-24
6474号に対応しており、その出願の全開示はここに引用により組み込まれるものとす
る。
【0103】
この明細書からはさらに以下のような特徴が抽出され得る。
【0104】
「A1」 SiC半導体層と、
前記SiC半導体層の表面側に形成され、制御パッドに入力される制御電圧をその制御
電極に受けてオン/オフ制御される複数のトランジスタセルと、
前記制御パッドよりも前記SiC半導体層側に配置され、前記制御パッドと前記制御電
極とを電気的に接続するとともに、前記複数のトランジスタセルのオン抵抗値のばらつき
を低減するための内蔵抵抗とを含み、
前記制御パッドの表面には、最表面に形成された表面絶縁膜から露出してボンディング
ワイヤが接続される第1のワイヤ領域が選択的に形成されており、
前記内蔵抵抗は、前記SiC半導体層の法線方向から見た平面視において、前記第1の
ワイヤ領域を回避した領域に選択的に配置され、
前記複数のトランジスタセルの上方には、前記複数のトランジスタセルの一方の主電極
が接続されかつ前記制御パッドとは異なる主電極パッドが配置されており、
前記主電極パッドの表面には、前記表面絶縁膜から露出してボンディングワイヤが接続
される第2のワイヤ領域が選択的に形成されている、半導体装置。
【0105】
この構成では、制御パッドよりもSiC半導体層側に配置され、制御パッドと制御電極
とを電気的に接続するとともに、複数のトランジスタセルのオン抵抗値のばらつきを低減
するための内蔵抵抗とを含む。この内蔵抵抗の抵抗値を調節することによって、制御電極
の抵抗値および内蔵抵抗の抵抗値を合計した抵抗値(制御抵抗)において、内蔵抵抗の抵
抗値を支配的にすることができる。そのため、制御電極の抵抗値にばらつきのある複数の
半導体装置を並列に接続して使用する場合でも、内蔵抵抗の抵抗値を当該ばらつきよりも
大きくしておくことによって、相対的に制御電極の抵抗値が低い半導体装置に対する電流
の流れ込みを制限することができる。その結果、当該使用時のノイズの発生を低減するこ
とができる。
【0106】
「A2」 前記制御パッドは、前記表面絶縁膜に周囲を取り囲まれて独立して形成され
ており、
前記内蔵抵抗は、層間膜を介して前記制御パッドの下方領域の前記第1のワイヤ領域を
外れた領域に配置されている、「A1」に記載の半導体装置。
【0107】
この構成によれば、制御パッドの下方、つまり、外部から複数のセルへ続く電流経路の
入り口部で制御電流の流れ込みを制限することができる。これにより、特定のトランジス
タセルにだけ突入電流が流れることを防止することができる。その結果、複数のトランジ
スタセル間におけるスイッチング速度のばらつきを低減することができる。
【0108】
「A3」 前記内蔵抵抗の一部は、前記制御パッドの下方領域に配置されており、
前記制御パッドの下方領域のうち前記内蔵抵抗が配置されていない第1領域には、前記
層間膜が埋設されている、「A2」に記載の半導体装置。
【0109】
「A4」 前記内蔵抵抗と前記SiC半導体層との間に配置された絶縁膜をさらに含み
、
前記第1領域には、前記絶縁膜の延長部で構成された膜が前記層間膜と前記SiC半導
体層との間に配置されている、「A3」に記載の半導体装置。
【0110】
この構成によれば、内蔵抵抗が配置されていない第1領域において、SiC半導体層と
制御パッドとの距離(絶縁膜の厚さ)を大きくできるので、これらの間の容量を低減する
ことができる。
【0111】
「A5」 前記SiC半導体層において、前記絶縁膜を挟んで前記内蔵抵抗に対向する
領域には、1×1019cm-3以下の濃度を有する不純物領域が選択的に形成されてい
る、「A4」に記載の半導体装置。
【0112】
この構成によれば、内蔵抵抗に対向する不純物領域の濃度が1×1019cm-3以下
であるため、絶縁膜の絶縁破壊を良好に抑制することができる。その場合、SiC半導体
層がn型SiC半導体層であり、当該半導体層が、絶縁膜を挟んで内蔵抵抗に対向する領
域に1×1019cm-3以下のp-型領域を有していることが好ましい。p-型領域は
、n型領域に比べてキャリアを蓄積し難いため、絶縁膜を挟んで互いに対向する内蔵抵抗
とp-型領域との間の容量を低減することもできる。
【0113】
「A6」 前記内蔵抵抗の前記一部は、前記制御パッドの周縁部の下方に配置されてお
り、
前記第1のワイヤ領域は、前記周縁部に取り囲まれた前記制御パッドの中央部に形成さ
れている、「A1」~「A5」のいずれかに記載の半導体装置。
【0114】
「A7」 前記層間膜を貫通し、前記制御パッドと前記内蔵抵抗とを電気的に接続する
コンタクトビアとを含む、「A2」~「A5」のいずれかに記載の半導体装置。
【0115】
この構成によれば、コンタクトビアの位置をSiC半導体層の表面に沿って変更する加
工やビアの径を変更する加工等で、外部から複数のトランジスタセルへ続く電流経路にお
いて、内蔵抵抗が寄与する抵抗値を簡単に調節することができる。しかも、これらの加工
は、コンタクトビアを形成する際、距離設計やビア径設計に合わせたマスクを使用するだ
けでよいので、製造工程が複雑になることを防止することもできる。
【0116】
「A8」 前記内蔵抵抗は、前記SiC半導体層の法線方向から見た平面視において、
互いに対称性を持って複数配置されている、「A1」~「A7」のいずれかに記載の半導
体装置。
【0117】
この構成によれば、特定のトランジスタセルにだけ突入電流が流れることを防止できる
ので、複数のトランジスタセル間におけるスイッチング速度のばらつきを低減することが
できる。
【0118】
「A9」 前記制御電極は、p型のポリシリコンからなる、「A1」~「A8」のいず
れかに記載の半導体装置。
【0119】
「A10」 前記制御電極は、p型不純物としてB(ホウ素)を含んでいる、「A9」
に記載の半導体装置。
【0120】
B(ホウ素)含有ポリシリコンは、Si半導体装置で一般的に使用されるP(リン)含
有ポリシリコンに対する比抵抗値が大きい。したがって、ホウ素含有ポリシリコン(内蔵
抵抗)は、同じ抵抗値を実現する場合でも、リン含有ポリシリコンよりも小さな面積で済
む。そのため、SiC半導体層上における内蔵抵抗の占有面積を小さくできるので、スペ
ースの有効利用を図ることができる。
【0121】
「A11」 前記内蔵抵抗の抵抗値は、2Ω~40Ωである、「A1」~「A10」の
いずれかに記載の半導体装置。
【0122】
「A12」 前記制御電極の抵抗値および前記内蔵抵抗の抵抗値を合計した抵抗値は、
4Ω~50Ωである、「A1」~「A11」のいずれかに記載の半導体装置。
【0123】
「A13」 前記内蔵抵抗のシート抵抗は、10Ω/□以上である、「A1」~「A1
2」のいずれかに記載の半導体装置。
【0124】
実用上、内蔵抵抗のシート抵抗が10Ω/□以上であれば、内蔵抵抗の面積を大きくし
なくても、内蔵抵抗全体の抵抗値を、複数の半導体装置間の抵抗値のばらつきよりも簡単
に大きくすることができる。その結果、SiC半導体層上の領域のうち内蔵抵抗のために
犠牲になる領域の面積を小さくできるので、他の要素のレイアウトへの影響が少なくて済
む。
【0125】
「A14」 前記SiC半導体層の法線方向から見た平面視において前記内蔵抵抗の大
きさは、1つ当たり200μm□以下である、「A1」~「A13」のいずれかに記載の
半導体装置。
【0126】
実用上、内蔵抵抗の大きさが1つ当たり200μm□以下であれば、SiC半導体層上
の領域のうち内蔵抵抗のために犠牲になる領域の面積を小さくでき、省スペース化を図る
ことができる。
【0127】
「A15」 前記内蔵抵抗の厚さは、2μm以下である、請求項1~14のいずれか一
項に記載の半導体装置。
【0128】
内蔵抵抗の厚さを2μm以下にすることによって、内蔵抵抗全体の抵抗値を、複数の半
導体装置間の抵抗値のばらつきよりも簡単に大きくすることができる。逆に、内蔵抵抗が
厚すぎると、その抵抗値が低くなり過ぎるため好ましいとは言えない。
【0129】
「A16」 前記制御パッドと同様に前記半導体装置の表面側に配置され、前記複数の
トランジスタセル領域を複数の領域に区画するように前記制御パッドから延びるフィンガ
ーをさらに含み、
前記内蔵抵抗は、前記制御パッドと前記フィンガーとを電気的に接続している、「A1
」~「A15」のいずれかに記載の半導体装置。
【0130】
このように、制御パッドからフィンガーが延びる形態のデバイスに対しても、本願発明
の特徴を良好に適用することができる。
【0131】
「A17」 前記フィンガーは、前記制御パッドの周囲を囲むように配置された部分を
有する、「A16」に記載の半導体装置。
【0132】
「A18」 前記フィンガーは、メタル配線からなる、「A16」に記載の半導体装置
。ポリシリコンよりも低抵抗なメタル配線でフィンガーを構成することによって、制御パ
ッドから比較的距離がある位置のセルに対しても、制御電流を短時間で供給することがで
きる。
【0133】
「A19」 前記メタル配線は、AlまたはAlCuまたはCuのいずれか1つからな
る、「A17」に記載の半導体装置。
【0134】
前記メタル配線をAlから構成した場合、Alは加工し易いので、フィンガーの形成工
程を簡単にすることができる。前記メタル配線をAlCuから構成した場合、フィンガー
がAl配線の場合に比べて、パワーサイクル耐性を向上させることができる。前記メタル
配線をCuから構成した場合、フィンガーがAl配線、AlCu配線の場合に比べて、抵
抗率を低減することができる。
【0135】
「A20」 前記トランジスタセルがMOSFETセルを構成しており、
前記制御パッドは、前記MOSFETセルの制御電極に接続され、
前記主電極パッドは前記MOSFETセルのソース電極に接続され、
前記SiC半導体層の裏面側に形成されたドレイン電極を含む、「A1」~「A19」
のいずれかに記載の半導体装置。
【0136】
「A21」 前記MOSFETセルは、プレーナゲート構造を含む、「A20」に記載
の半導体装置。
【0137】
「A22」 前記MOSFETセルは、トレンチゲート構造を含む、「A20」に記載
の半導体装置。
【0138】
「A23」 前記トランジスタセルがIGBTセルを構成しており、
前記制御パッドは、前記IGBTセルの制御電極に接続され、
前記主電極パッドは前記IGBTセルのエミッタ電極に接続され、
前記SiC半導体層の裏面側に形成されたコレクタ電極を含む、「A1」~「A19」
のいずれかに記載の半導体装置。
【0139】
「A24」 前記複数のトランジスタセルは、格子状に配置されている、「A1」~「
A23」のいずれかに記載の半導体装置。
【0140】
「A25」 半導体層と、
前記半導体層の表面側に形成され、制御パッドに入力される制御電圧を制御電極に受け
てオン/オフ制御される複数のトランジスタセルと、
前記複数のトランジスタセルが形成された領域を複数の領域に区画するように前記制御
パッドから延び、前記制御パッドに電気的に接続されたフィンガーと、
前記制御パッドおよび前記フィンガーよりも前記半導体層側に配置され、前記制御パッ
ドと前記フィンガーとを電気的に接続し、前記フィンガーと同じがそれよりも大きい抵抗
値を有する材料からなる内蔵抵抗とを含み、
前記制御パッドの表面には、最表面に形成された表面絶縁膜から露出してボンディング
ワイヤがボンディングされる第1のワイヤ領域が選択的に形成されており、
前記内蔵抵抗は、前記半導体層の法線方向から見た平面視において、前記第1のワイヤ
領域を回避した領域に選択的に配置され、
前記複数のトランジスタセルの上方には、前記複数のトランジスタセルの一方の主電極
が接続されかつ前記制御パッドとは異なる主電極パッドが配置されており、
前記主電極パッドの表面には、前記表面絶縁膜から露出してボンディングワイヤが接続
される第2のワイヤ領域が選択的に形成されている、半導体装置。
【0141】
「A26」 前記内蔵抵抗は、メタルからなる、「A25」に記載の半導体装置。
【0142】
「A27」 「A1」乃至 「A26」のいずれかに記載の半導体装置を複数個並列接
続したことを特徴とする半導体モジュール。
【符号の説明】
【0143】
1 半導体装置
2 アクティブ領域
4 ゲートパッド
5 ゲートフィンガー
7 内側セル領域
12 パッド周辺部
13 第1フィンガー
14 第2フィンガー
15 主部位
16 枝部
18 トランジスタセル
19 ゲート電極
20 ゲートコンタクト
21 内蔵抵抗
22 パッド側コンタクト
23 セル側コンタクト
24 周縁部
27 SiC基板
28 SiCエピタキシャル層
29 p-型ボディ領域
30 n+型ボディ領域
31 p+型ボディコンタクト領域
32 チャネル領域
33 p+型領域
34 p-型領域
35 ゲート絶縁膜
36 層間膜
37 パッド側コンタクト
38 パッド側コンタクト
39 ゲートトレンチ
44 ゲートメタル
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートメタルと、
前記ゲートメタルと間隔を空けて位置するパッド周辺部とを含み、互いに異なる方向に延びる複数のゲートフィンガーと、
平面視において前記ゲートメタルの下方に位置し、各々が前記ゲートメタルおよび前記パッド周辺部に跨る複数の内蔵抵抗と、を含み、
前記複数の内蔵抵抗は、平面視において、前記ゲートメタルの平面形状に対して対称に位置するとともに、前記ゲートメタルの平面形状の重心位置から互いにほぼ等距離に位置する、半導体装置。
【請求項2】
前記複数の内蔵抵抗として2つの内蔵抵抗を含み、
平面視において、当該2つの内蔵抵抗は、前記ゲートメタルの対辺関係にある2つの辺部に1つずつ位置する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の内蔵抵抗として2つの内蔵抵抗を含み、
平面視において、当該2つの内蔵抵抗は、前記ゲートメタルの対角関係にある2つの角部に1つずつ位置する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数の内蔵抵抗の各々は、平面視において四角形状をしている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の内蔵抵抗の各々は、200μm□以下の大きさである、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ゲートメタルおよび前記ゲートフィンガーを覆い、前記ゲートメタルの一部をゲートパッドとして露出させる開口を有するパッシベーション膜、を含み、
前記パッシベーション膜は、前記複数の内蔵抵抗が位置する領域の上方を覆っている、請求項1~5のいずれか一項に記載半導体装置。
【請求項7】
前記パッシベーション膜は、平面視において、前記ゲートメタルにおける前記複数の内蔵抵抗に重なる領域の間に前記開口を有する、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数の内蔵抵抗の厚さは、2μm以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ゲートメタルおよび前記ゲートフィンガーは半導体層上に配置されており、前記ゲートメタルおよび前記ゲートフィンガーは、前記半導体層に形成されたp型領域に対向している、請求項1~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記p型領域は、ソースメタルと同電位である、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記ゲートメタルおよび前記ゲートフィンガーは半導体層上に配置されており、前記ゲートメタルおよび前記ゲートフィンガーは、前記複数の内蔵抵抗を介して前記半導体層に形成されたp型領域に対向している、請求項1~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記p型領域は、1×10
19
cm
―3
以下の不純物濃度を有する、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
複数のトランジスタセルを含み、
前記複数のトランジスタセルは、プレーナゲート構造のMOSFETセル、またはトレンチゲート構造のMOSFETセルである、請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体装置を複数備え、
複数の前記半導体装置のゲートメタルそれぞれに接続されるゲート抵抗を含み、
各半導体装置における前記複数の内蔵抵抗の並列回路の抵抗値は、当該半導体装置内のゲート抵抗より大きな抵抗値を有する、モジュール。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、半導体装置およびそれを複数備えたモジュールに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、複数の半導体装置を並列に接続して同時に使用してもノイズの発生を低減できる半導体装置およびそれを複数備えたモジュールを提供することである。