(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038183
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】殺菌装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/08 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
A61L2/08
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221822
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2022109315の分割
【原出願日】2016-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2015-0091036
(32)【優先日】2015-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0093744
(32)【優先日】2015-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0025592
(32)【優先日】2016-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジョン ラック
(72)【発明者】
【氏名】ジュン, ヒ チョル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン, サン ウク
(72)【発明者】
【氏名】バエ, ヒ ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ソン ホン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】家庭で容易且つ迅速にイヤホン、爪切り、カミソリ、携帯電話などの多様な種類の小型機器に存在する細菌を除去できる殺菌装置を提供する。
【解決手段】ターゲットを収容するための収容空間を有する本体部、本体部の収容空間と向い合う外面と、外面と反対側の内面と、を含み、内面を覆う本体部と結合するハウジング、ハウジングに形成された照射孔、内面に配置される基板上に配置され、照射孔を通して本体部の収容空間に向かって光を照射するように構成された光源、光源から照射された光を収容空間に向けて反射するように、本体部の収容空間に形成された反射部、光源に電力を供給して光源をオンにするように構成された電源、内面に配置され、本体部の状態を検出するように構成された検出ユニット、検出ユニットの検出結果に基づいて、電源を制御するように構成されたコントローラ、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットを収容するための収容空間を有する本体部、
前記本体部の前記収容空間と向い合う外面と、前記外面と反対側の内面と、を含み、前記内面を覆う前記本体部と結合するハウジング、
前記ハウジングに形成された照射孔、
前記内面に配置される基板上に配置され、前記照射孔を通して前記本体部の前記収容空間に向かって光を照射するように構成された光源、
前記光源から照射された前記光を前記収容空間に向けて反射するように、前記本体部の前記収容空間に形成された反射部、
前記光源に電力を供給して前記光源をオンにするように構成された電源、
前記内面に配置され、前記本体部の状態を検出するように構成された検出ユニット、
前記検出ユニットの検出結果に基づいて、前記電源を制御するように構成されたコントローラ、を含み、
前記照射孔は、前記ハウジングの前記内面から前記外面に行くほど徐々に広がる断面を有する照射孔拡張部を有する、殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌しようとする領域に向けて紫外線を照射することによって、殺菌する紫外線発光ダイオードを用いた殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体に接触して使用される多くの種類の小型機器、例えば、イヤホン、爪切り、カミソリ、携帯電話などは、特定のケースに保管されるよりは、ユーザーの便宜によって袋、かばん、車両内部などの多様な場所に保管されるので、各保管場所に生息する多くの種類の細菌と接触しやすく、常に空気中に露出しているため、空気中に浮遊している細菌が入り込みやすい環境に晒されている。
【0003】
したがって、人体に接触して使用される小型機器に存在する細菌を除去することが必要となるが、このために洗剤を用いて小型機器を毎度洗浄することは非常に煩雑なことであり、小型機器の種類によっては洗浄が不可能な場合もある。
【0004】
また、流し台の排水口は、細菌及び微生物が非常に繁殖しやすい環境である。したがって、生ごみを頻繁に除去し、繁殖する細菌や微生物を頻繁に消毒しないと、細菌及び微生物は直ぐに再度繁殖するようになる。
【0005】
流し台の排水口の不衛生な環境を防止するために細菌や微生物の繁殖を抑制する化学薬品が市販されているが、これは環境汚染の原因となる。また、水によって化学薬品が流され続けるので、これを頻繁に取り替えたり補充しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、家庭で容易且つ迅速にイヤホン、爪切り、カミソリ、携帯電話などの多様な種類の小型機器に存在する細菌を除去できる殺菌装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、家庭で容易且つ迅速に台所の流し台の排水筒及びフィルタに存在する細菌を除去できる紫外線殺菌機能を有する排水口栓を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、簡単且つ確実な防水構造及び紫外線透過窓保護構造を有する殺菌装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、殺菌領域を最大限確保することができ、殺菌力の強い殺菌装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、いずれの場合においても、紫外線が殺菌領域以外の他の空間に照射されないようにする安全装置が備えられた殺菌装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、多様な用途で殺菌を容易に行える殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態によると、殺菌対象機器を収容するための収容空間が内部に形成され、殺菌対象機器が置かれる底面に向けて収容空間が開放されるカバー本体部と、カバー本体部の底面と向かい合う側に設置され、収容空間に向けて紫外線を照射するように点灯する
紫外線発光ダイオードと、紫外線発光ダイオードの点灯のために紫外線発光ダイオードに電源を供給する電源供給部と、電源供給部の作動を調節する制御部と、を含むことを特徴とする殺菌装置が提供される。
【0013】
カバー本体部の移動を感知する感知部をさらに含み、制御部は、感知部で感知されたカバー本体部の移動の有無によって電源供給部の作動を調節する。
【0014】
感知部は、カバー本体部の位置を感知するジャイロセンサーを含んで構成され、制御部は、感知部によって感知されたカバー本体部の位置によってカバー本体部の移動の有無を判断し、殺菌対象機器が置かれた底面から離隔した位置にカバー本体部が移動すると、紫外線発光ダイオードへの電源供給が中断されるように電源供給部の作動を制御する。
【0015】
感知部は、カバー本体部の内部に設置され、光を感知する感光センサーを含んで構成され、制御部は、感知部の光感知の有無によってカバー本体部の移動の有無を判断し、殺菌対象機器が置かれた底面から離隔した位置にカバー本体部が移動すると、紫外線発光ダイオードへの電源供給が中断されるように電源供給部の作動を制御する。
【0016】
電源供給部の作動を操作するためのスイッチをさらに含み、制御部は、スイッチの操作によって電源供給部の作動を調節する。
【0017】
カバー本体部は、板状に形成されるカバー板と、底面と向かい合うカバー板の下部面の縁部から下部方向に延長するように形成される側壁とを含み、紫外線発光ダイオードは、カバー板の下部面及び側壁で取り囲まれたカバー本体部の内部領域に位置するようにカバー板の下部面に設置される。
【0018】
カバー本体部に形成され、紫外線発光ダイオードから照射される紫外線を収容空間側に反射させる反射部をさらに含む。
【0019】
反射部は、カバー板の下部面及び側壁で取り囲まれたカバー本体部の内部領域にアルミニウムをコーティングして構成される。
【0020】
電源供給部が紫外線発光ダイオードに電源を供給する時間を入力するためのタイマーをさらに含み、制御部は、タイマーによって調節された時間によって電源供給部の電源供給時間を調節する。
【0021】
紫外線発光ダイオードのピーク波長は250nm~280nmの間に位置する。
【0022】
カバー本体部に設置され、可視光線領域の光を照射する可視光発光ダイオードをさらに含む。
【0023】
可視光発光ダイオードは、紫外線発光ダイオードの点灯と連動して点灯する。
【0024】
本発明の他の実施形態によると、排水筒及びフィルタが内部に設置された排水口を開閉するように備えられるカバー本体部と、カバー本体部の排水筒及びフィルタと向かい合う側に設置され、排水筒及びフィルタに向けて紫外線を照射するように点灯する紫外線発光ダイオードと、紫外線発光ダイオードの点灯のために紫外線発光ダイオードに電源を供給する電源供給部と、電源供給部の作動を調節する制御部とを含むことを特徴とする殺菌装置が提供される。
【0025】
カバー本体部の排水口の開閉の有無を感知する感知部をさらに含み、制御部は、感知部で
感知されたカバー本体部の排水口の開閉の有無によって電源供給部の作動を調節する。
【0026】
感知部は、カバー本体部の位置を感知するジャイロセンサーを含んで構成され、制御部は、感知部によって感知されたカバー本体部の位置によってカバー本体部の排水口の開閉の有無を判断し、排水口を開放する位置にカバー本体部が位置すると、紫外線発光ダイオードへの電源供給が中断されるように電源供給部の作動を制御する。
【0027】
感知部は、排水口の内部に設置され、光を感知する感光センサーを含んで構成され、制御部は、感知部の光感知の有無によってカバー本体部の排水口の開閉の有無を判断し、排水口を開放する位置にカバー本体部が位置すると、紫外線発光ダイオードへの電源供給が中断されるように電源供給部の作動を制御する。
【0028】
カバー本体部に内蔵される磁石部材をさらに含み、感知部は、磁石部材の磁束を感知するセンサーを含んで構成され、制御部は、感知部によって感知された磁石部材の磁束によってカバー本体部の排水口の開閉の有無を判断し、排水口を開放する位置にカバー本体部が位置すると、紫外線発光ダイオードへの電源供給が中断されるように電源供給部の作動を制御する。
【0029】
電源供給部の作動を操作するためのスイッチをさらに含み、制御部は、スイッチの操作に応じて電源供給部の作動を調節する。
【0030】
ユーザーがカバー本体部を把持するためにカバー本体部の上部に設けられる取っ手をさらに含み、スイッチは取っ手に設けられる。
【0031】
カバー本体部は、排水口の形状に対応する板状に形成されるカバー板と、排水筒及びフィルタと向かい合うカバー板の下部面の縁部から下部方向に延長するように形成される側壁とを含み、紫外線発光ダイオードは、カバー板の下部面及び側壁で取り囲まれたカバー本体部の内部領域に位置するようにカバー板の下部面に設置される。
【0032】
カバー本体部に形成され、紫外線発光ダイオードから照射される紫外線を排水筒及びフィルタ側に反射させる反射部をさらに含む。
【0033】
反射部は、カバー板の下部面及び側壁で取り囲まれたカバー本体部の内部領域にアルミニウムをコーティングして構成される。
【0034】
カバー本体部及び側壁のうち少なくともいずれか一つには、カバー板の下部面及び側壁で取り囲まれたカバー本体部の内部領域を排水口の外部と流通させる空気流通孔が形成される。
【0035】
電源供給部が紫外線発光ダイオードに電源を供給する時間を入力するためのタイマーをさらに含み、制御部は、タイマーによって調節された時間によって電源供給付議電源供給時間を調節する。
【0036】
紫外線発光ダイオードのピーク波長は270nm~280nmの間に位置する。
【0037】
カバー本体部に設置され、可視光線領域の光を照射する可視光発光ダイオードをさらに含む。
【0038】
可視光発光ダイオードは、紫外線発光ダイオードの点灯と連動して点灯する。
【0039】
本発明の他の実施形態によると、殺菌しようとする領域と向い合う外面を含むハウジングと、ハウジングと接続され、ハウジング内部の空間を規定するカバー本体部と、ハウジングに設けられた照射孔と、照射孔の周囲でハウジングの内面に設けられた窓部材収容部と、窓部材収容部に設置される窓部材と、窓部材収容部の縁部に備えられた段差部と、窓部材の一部分及び段差部上に置かれる第1のOリングと、ハウジングに固定されて第1のOリングを圧着し、ハウジングに固定された状態で照射孔とその中心とが整列するホールが設けられた圧着部材と、ハウジングの内部に設置され、ホール及び照射孔を介して紫外線を照射する紫外線発光ダイオードが実装された基板と、を含む殺菌装置が提供される。
【0040】
段差部の高さは、窓部材収容部に収容された窓部材の高さと実質的に同一である。
【0041】
照射孔は、ハウジングの内面から外面に行くほどその断面が次第に広くなる照射孔拡張部を備える。
【0042】
照射孔は円形で、第1のOリングは環形である。
【0043】
窓部材は正方形の形状である。
【0044】
ハウジングの内面には、第1のOリングの外周面を支持する第1の段差が設けられる。
【0045】
圧着部材には、第1のOリングの内周面を支持する突出段差が設けられる。
【0046】
突出段差の先端部は、窓部材と所定の間隔で離隔する。
【0047】
第1のOリングは、0~100の硬度中の30未満の軟性を有するシリコーンであり、圧着部材は第1のOリングより硬度が高い材質である。
【0048】
窓部材と窓部材収容部との間には追加的な弾性材が介在する。
【0049】
照射孔を中心に第1の段差より外側に設けられた第2のOリング収容溝に第2のOリングが嵌め込まれ、第2のOリングは圧着部材によって圧着する。
【0050】
第2のOリング収容溝は、第1の段差と、照射孔を中心に第1の段差より外側に設けられた第2の段差との間に位置する。
【0051】
基板は圧着部材に固定される。
【0052】
紫外線発光ダイオードは260nm~280nmの範囲内でピーク波長を有する紫外線を発光する。
【0053】
殺菌装置の設置位置又は姿勢を感知する感知部がさらに設置される。
【0054】
感知部は、基板上で照射孔及びホールを介して外部に露出する位置に設置され、感知部は照度センサーを含む。
【0055】
感知部は、基板上で照射孔及びホールを介して外部に露出する位置に設置され、感知部は距離センサーを含む。
【発明の効果】
【0056】
本発明の殺菌装置は、簡単なオン/オフ操作のみで多様な種類の小型機器及び流し台に存
在する細菌を家庭で容易且つ迅速、そして効果的に除去することができる。
【0057】
また、本発明は、小型に製造できるので携帯が簡便なだけでなく、底面に置かれた小型機器を覆うだけで小型機器に対する殺菌を容易に行えるので携帯しての使用が容易であるという利点を有する。
【0058】
また、本発明は、多重に設けられた安全条件を全て満たした場合にのみ紫外線の照射を行うことによって、装置の作動効率性をさらに向上させることができ、事故の発生及び紫外線の漏洩による危険性を効果的に低下することができる。
【0059】
本発明によると、簡単な構造でも確実な防水及び脆弱部品の破損防止機能を実現することができる。
【0060】
また、本発明によると、殺菌効率及び面積をさらに拡大することができる。
【0061】
また、本発明によると、紫外線が人体に照射される可能性が非常に低い。
【0062】
また、本発明によると、多様な用途で便利な殺菌が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本発明の一実施形態に係る携帯用多用途殺菌装置の断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る携帯用多用途殺菌装置の構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る携帯用多用途殺菌装置の使用例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る携帯用多用途殺菌装置の紫外線の照射時間及び照射量に応じた大腸菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る携帯用多用途殺菌装置の紫外線の照射時間及び照射量に応じた大腸菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る携帯用多用途殺菌装置の紫外線の照射時間及び照射量に応じた黄色ブドウ球菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る携帯用多用途殺菌装置の紫外線の照射時間及び照射量に応じた黄色ブドウ球菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る紫外線殺菌機能を有する排水口栓の設置状態を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る紫外線殺菌機能を有する排水口栓の断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る紫外線殺菌機能を有する排水口栓の構成図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る紫外線殺菌機能を有する排水口栓の一使用例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る紫外線殺菌機能を有する排水口栓の他の使用例を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る紫外線殺菌機能を有する排水口栓の紫外線の照射時間及び照射量に応じた大腸菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【
図14】本発明の一実施形態に係る紫外線殺菌機能を有する排水口栓の紫外線の照射時間及び照射量に応じた大腸菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【
図15】本発明の一実施形態に係る紫外線殺菌機能を有する排水口栓の紫外線の照射時間及び照射量に応じた黄色ブドウ球菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【
図16】本発明の一実施形態に係る紫外線殺菌機能を有する排水口栓の紫外線の照射時間及び照射量に応じた黄色ブドウ球菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【
図17】本発明に係る殺菌装置の分解斜視図である。
【
図18】
図17において、窓部材、バッテリー及び充電端子が組み立てられた状態を示した分解斜視図である。
【
図19】
図18において、第1のOリングと第2のOリングとが組み立てられた状態を示した分解斜視図である。
【
図20】
図19において、圧着部材が組み立てられた状態を示した分解斜視図である。
【
図21】
図20において、基板とハウジングOリングとが組み立てられた状態を示した分解斜視図である。
【
図22】
図17の殺菌装置が組み立てられた状態を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【
図23】
図17の殺菌装置が組み立てられた状態を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【
図24】
図21のA-A’断面の中心部を示した断面図である。
【
図26】第1のOリング上に窓部材が載せられた状態を示した平面図である。
【
図27】本発明の殺菌装置が作動可能な状態を示した正面図である。
【
図28】E.coli O157:H7(ATCC 43894)を水に混合し、波長別に紫外線を照射した後、紫外線照射量と殺菌率との関係を示したグラフである。
【
図29】B.subtilis spore(ATCC 6633)を水に混合し、波長別に紫外線を照射した後、紫外線照射量と殺菌率との関係を示したグラフである。
【
図30】B.MS2 phage(ATCC 15597-B1)を水に混合し、波長別に紫外線を照射した後、紫外線照射量と殺菌率との関係を示したグラフである。
【
図31】本発明の殺菌装置の他の使用例を示した図である。
【
図32】本発明の殺菌装置の他の使用例を示した図である。
【
図33】本発明の殺菌装置の作動に対するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、添付の各図面を参照して本発明に係る殺菌装置の一実施形態を説明する。説明の便宜上、図面に示した各線の厚さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜のために誇張して図示する場合がある。また、後述する各用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザー及び運用者の意図又は慣例によって変わり得る。そのため、これらの用語に対しては、本明細書全般にわたった内容に基づいて定義すべきであろう。
【0065】
図1は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の断面図で、
図2は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の構成図である。
【0066】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る殺菌装置100は、カバー本体部110、紫外線発光ダイオード120、電源供給部130、感知部140及び制御部150を含んで構成されてもよい。
【0067】
カバー本体部110は、本実施形態に係る殺菌装置100の本体をなし、このようなカバー本体部110の内部には、殺菌対象機器1(
図3参照)を収容するための収容空間が形成される。
【0068】
カバー本体部110は、内部に形成された収容空間が、殺菌対象機器1が置かれる底面Bに向けて開放されるように形成され、カバー板111及び側壁113を含む形態に備えられる。
【0069】
カバー板111は板状に形成される。本実施形態では、カバー板111が矩形状の板状に
形成される場合を例示するが、本発明がこれに限定されることはなく、カバー板111の形状としては、円板、三角板、その他多角板などのように目的に応じて多様な形態が適用可能である。
【0070】
側壁113は、底面Bと向かい合うカバー板111の下部面の縁部から下部方向に延長するように形成される。
【0071】
このようにカバー板111及び側壁113を含む形態に形成されるカバー本体部110は、カバー本体部110が置かれる底面Bの上部に殺菌対象機器1(
図3参照)を収容するための、外部と光学的に遮蔽された収容空間を形成してもよい。
【0072】
紫外線発光ダイオード(LED)120は、カバー本体部110に設置されるが、底面Bと向かい合う側に設置され、収容空間及び収容空間に収容された殺菌対象機器1に向けて紫外線を照射するように点灯する。
【0073】
本実施形態において、紫外線発光ダイオード120は、カバー板111の下部面及び側壁113で取り囲まれたカバー本体部110の内部領域に位置するようにカバー板111の下部面に設置される場合を例示する。
【0074】
紫外線発光ダイオード120は、そのピーク波長が270nm~280nmの間に位置する紫外線を収容空間及び収容空間に収容された殺菌対象機器1に向けて照射し、収容空間に収容された殺菌対象機器1の表面に紫外線が均一に照射されるように複数個が所定の間隔で離隔して設置される。
【0075】
紫外線のうち、ピーク波長が270nm~280nmの間に位置する紫外線、特に275nmのピーク波長を有する紫外線は殺菌効果に優れる。
【0076】
本実施形態では、紫外線発光ダイオード120が275nmのピーク波長を有する紫外線を出射するように備えられる場合を例示し、このように備えられる紫外線発光ダイオード120の作用によって収容空間内で殺菌作用が活発に行われる。
【0077】
しかし、効率的な水準の殺菌効果を果たすためには、UVC領域、そのうち250nm~280nm程度のピーク波長を有する紫外線が使用可能である。
【0078】
併せて、本実施形態に係る殺菌装置100は反射部160をさらに備えてもよい。
【0079】
反射部160は、カバー本体部110に形成され、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線を収容空間及び収容空間に収容された殺菌対象機器1側に反射させるように備えられる。
【0080】
このような反射部160は、カバー板111の下部面及び側壁113で取り囲まれたカバー本体部110の内部領域に紫外線反射率の高いアルミニウムをコーティングして構成されてもよく、アルミニウムの他にも紫外線反射率の高い様々な他の物質がコーティング材料として利用可能である。
【0081】
このように形成された反射部160は、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線を収容空間及び収容空間に収容された殺菌対象機器1側に反射させ、紫外線の照射領域を殺菌対象機器1に向けて集中させることによって、紫外線を通じて行われる殺菌対象機器1に対する殺菌作用がより効果的に行われるようにする。
【0082】
電源供給部130は、上記のように紫外線を照射する紫外線発光ダイオード120の点灯のために紫外線発光ダイオード120に電源を供給する。
【0083】
このような電源供給部130は、カバー本体部110の内部にバッテリーを設置し、このようにカバー本体部110の内部に設置されたバッテリーを介して紫外線発光ダイオード120に電源を供給する形態に備えられてもよく、外部からの電源の供給によって紫外線発光ダイオード120に伝達する形態に備えられてもよい。
【0084】
感知部140は、カバー本体部110の移動を感知するように備えられる。
【0085】
カバー本体部110がその内部の収容空間を外部に開放しているか、収容空間を完全に閉鎖していない場合、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線がカバー本体部110周辺の外部に漏れるおそれがあるので、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線がカバー本体部110周辺の外部に漏れることを防止するためには、カバー本体部110がその内部の収容空間を完全に閉鎖しているかどうかを確認する必要がある。
【0086】
このために、感知部140は、カバー本体部110がその内部の収容空間を完全に閉鎖しているかどうかを確認するためのカバー本体部110の位置に関する情報を取得するために備えられる。
【0087】
一例として、感知部140は、カバー本体部110の位置、姿勢などを感知するジャイロセンサーを含んで構成される場合を例示するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0088】
他の例として、感知部140は、カバー本体部110の内部に設置された感光センサーを含む形態に備えられてもよい。カバー本体部110が底面Bを覆い、収容空間がカバー本体部110及び底面Bで取り囲まれて閉鎖された場合は、カバー本体部110の内部が真っ暗になるので、感知部140は、このようにカバー本体部110の内部への光の遮断を感知し、カバー本体部110が収容空間を完全に閉鎖しているかどうかを確認することができる。
【0089】
更に他の例として、側壁113の底面に2ヶ所以上のトリガースイッチ(図示せず)を突出形成し、このように設置された複数個のトリガースイッチが押されるかどうかによってカバー本体部110の収容空間の閉鎖の有無を判断する形態に感知部140が構成されてもよい。
【0090】
また、上記のような感知部140の一例を共に用いることも可能である。例えば、真っ暗な空間では感光センサーのみではカバー本体部110の位置、姿勢などが感知できなく、傾斜した底面に対してはジャイロセンサーがカバー本体部110の収容空間の閉鎖の有無を正確に判断できない場合もあり、凸凹状の底面ではトリガースイッチが本来の機能を発揮できない場合もあるが、上記のような多様な種類の感知部140の組み合わせによってこれを克服することができる。
【0091】
制御部150は、紫外線発光ダイオード120の点灯が調節されるように電源供給部130の作動を調節する。このような制御部150は、感知部140で感知されたカバー本体部110の収容空間の開閉の有無によって電源供給部130の作動を調節する。
【0092】
一例として、制御部150は、感知部140によって感知されたカバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報を用いてカバー本体部110の収容空間の開閉の有無を判断し、収容空間を開放する位置にカバー本体部110が位置すると、紫外線発光ダイオード12
0への電源供給が中断されるように電源供給部130の作動を制御することができる。
【0093】
すなわち、制御部150は、紫外線発光ダイオード120に電源が供給されるように電源供給部130の作動を調節することによって紫外線発光ダイオード120を点灯させることができ、この過程で感知部140によって感知されたカバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報を用いてカバー本体部110の収容空間の開閉の有無を判断し、カバー本体部110が収容空間を開放していたり、完全に閉鎖していないと判断されると、紫外線発光ダイオード120への電源供給が中断されるように電源供給部130の作動を制御し、紫外線発光ダイオード120による紫外線の照射を中断させることができる。
【0094】
一方、本実施形態に係る殺菌装置100はスイッチ170をさらに含んでもよい。
【0095】
スイッチ170は、電源供給部130の作動を調節するために設けられ、本実施形態では、ユーザーがスイッチ170を容易に操作できるように、スイッチ170がカバー本体部110の上部、より具体的には、カバー板111の上面側に設けられる場合を例示する。
【0096】
このようなスイッチ170は、電源供給部130のオン/オフ操作などを操作できるように備えられてもよく、制御部150は、このようなスイッチ170の操作によって電源供給部130のオン/オフなどが調節されるように電源供給部130の作動を調節することができる。
【0097】
また、本実施形態に係る殺菌装置100はタイマー180をさらに含んでもよい。
【0098】
タイマー180は、電源供給部130が紫外線発光ダイオード120に電源を供給する時間を入力するための手段として設けられ、制御部150は、タイマー180によって調節された時間によって電源供給部130の電源供給時間を調節することができる。
【0099】
例えば、タイマー180を通じて入力される時間が10分である場合、制御部150は、紫外線発光ダイオード120の点灯及びそれによる紫外線の照射が10分間行われた後、紫外線発光ダイオード120の点灯が中断されるように電源供給部130の電源供給時間を調節することができる。
【0100】
併せて、本実施形態に係る殺菌装置100は可視光発光ダイオード190をさらに含んでもよい。
【0101】
可視光発光ダイオード190は、カバー本体部110、より具体的には、カバー板111の下部面及び側壁113で取り囲まれたカバー本体部110の内部領域で紫外線発光ダイオード120と隣接した位置に設置されてもよい。
【0102】
このように設置される可視光発光ダイオード190は、紫外線発光ダイオード120の点灯時、紫外線発光ダイオード120と隣接した位置から可視光線領域の光を照射し、紫外線発光ダイオード120の点灯と連動して点灯する。
【0103】
すなわち、可視光発光ダイオード190は、紫外線発光ダイオード120が点灯し、紫外線が照射されるとき、紫外線発光ダイオード120と共に点灯して可視光線領域の光を照射することによって、紫外線発光ダイオード120を通じて紫外線が照射されていることを表示する役割をする。
【0104】
このような可視光発光ダイオード190の作用により、紫外線発光ダイオード120を通じて紫外線が照射されていることをユーザーが容易に把握できるようになるので、紫外線
発光ダイオード120を通じて紫外線が照射されているにもかかわらず、目に見えない紫外線の特性によってユーザーがこれを認知できずに紫外線に露出し続けることを防止できるようになる。
【0105】
図3は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の使用例を示す図で、
図4及び
図5は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の紫外線の照射時間及び照射量に応じた大腸菌の不活性化レベルを示すグラフで、
図6及び
図7は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の紫外線の照射時間及び照射量に応じた黄色ブドウ球菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【0106】
以下、
図2~
図7を参照して、本実施形態に係る殺菌装置の作用及び効果に対して説明する。
【0107】
図2及び
図3を参照すると、本実施形態に係る殺菌装置100は、底面Bに置かれた殺菌対象機器1、例えば、イヤホン、爪切り、携帯電話などの小型機器がカバー本体部110内部の収容空間に収容されるように殺菌対象機器1を覆った状態で殺菌対象機器1に対する殺菌作用を行い、このような殺菌装置100の殺菌のための作動は制御部150によって制御される。
【0108】
収容空間の内部に収容された殺菌対象機器1に対する殺菌作用を行うための殺菌装置100の作動は、カバー本体部110の上部に設けられたスイッチ170などの操作によって開始されてもよい。
【0109】
例えば、ユーザーが底面Bに置かれた殺菌対象機器1をカバー本体部110で覆い、殺菌対象機器1が収容空間の内部に収容されるようにした後、スイッチ170を通じて作動信号を入力すると、この作動信号は制御部150に伝送され、このように制御部150に作動信号が伝送されると、制御部150が電源供給部130の作動制御を開始する。
【0110】
このとき、感知部140は、カバー本体部110の位置を感知し、カバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報を取得し、制御部150は、このように取得されたカバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報を用いてカバー本体部110の収容空間の開閉の有無を判断する。
【0111】
この結果、収容空間がカバー本体部110によって閉鎖されたことが確認されると、制御部150は、紫外線発光ダイオード120への電源供給が行われるように電源供給部130の作動を制御し、収容空間が開放されているか、収容空間がカバー本体部110によって完全に閉鎖されていないことが確認されると、制御部150は、紫外線発光ダイオード120への電源供給が行われないように電源供給部130の作動を制御する。
【0112】
上記のように収容空間がカバー本体部110によって閉鎖されている状態でのみ紫外線発光ダイオード120が作動するように制御されることによって、殺菌装置100の非効率的な作動が行われないようにし、事故の発生しうる危険性を低下させることができ、紫外線発光ダイオード120によって照射される紫外線がカバー本体部110周辺の外部に漏洩し、人体に有害な影響を与えることを事前に予防できるようになる。
【0113】
上記のように制御部150によって行われる作動制御により、紫外線発光ダイオード120への電源供給が行われると、紫外線発光ダイオード120が点灯し、収容空間に収容された殺菌対象機器1に向けて紫外線を照射するようになる。
【0114】
このとき、紫外線発光ダイオード120では、殺菌特性の強い紫外線、例えば、270nm~280nm内のピーク波長を有する紫外線、さらに好ましくは、275nmのピーク
波長を有する紫外線が出射される。
【0115】
このように紫外線発光ダイオード120が作動する途中でも感知部140の作動は継続し、この過程で感知部140によって取得されたカバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報によって収容空間が開放されているか、収容空間がカバー本体部110によって完全に閉鎖されていないことが確認されると、制御部150は、紫外線発光ダイオード120への電源供給が中断されるように電源供給部130の作動を制御し、これによって、紫外線発光ダイオード120が消灯し、紫外線の照射が中断され得る。
【0116】
また、紫外線発光ダイオード120の消灯は、タイマー180によって設定された電源供給部130の電源供給時間の経過と共に行われてもよく、紫外線発光ダイオード120の点灯の有無は、可視光発光ダイオード190の点灯の有無によって確認されてもよい。
【0117】
すなわち、本実施形態に係る殺菌装置100は、収容空間がカバー本体部110によって閉鎖されている状態でスイッチ170を介した作動信号が入力されたときに紫外線の照射が行われ、カバー本体部110の作動中に紫外線の外部漏洩の危険性がある不安定な状態になった場合、又は設定された時間が経過した場合、紫外線の照射が中断されるように電源供給が自動的に遮断され、紫外線発光ダイオード120の点灯及びこれを通じた紫外線の照射の有無を可視光発光ダイオード190の点灯の有無を通じて確認できるように提供される。
【0118】
このような本実施形態の殺菌装置100は、上記のように多重に設けられた安全条件を全て満たした場合にのみ紫外線の照射を行わせることによって、装置の作動効率性をさらに向上させることができ、事故の発生及び紫外線の漏洩による危険性を効果的に低下させることができる。
【0119】
一方、紫外線発光ダイオード120から出射される紫外線は、収容空間に収容された殺菌対象機器1に向けて照射され、殺菌対象機器1の表面で殺菌作用が行われるようにする。
【0120】
本実施形態によると、殺菌対象機器1の全体領域に均一に紫外線が照射されるように複数個の紫外線発光ダイオード120が設置される一方で、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線を反射部160を用いて収容空間及び収容空間に収容された殺菌対象機器1側に反射させ、紫外線の照射領域を収容空間に収容された殺菌対象機器1に向けて集中させることによって、殺菌対象機器1の全体領域で殺菌作用が活発に行われるようにする。
【0121】
上記のように行われる殺菌装置100の殺菌作用による殺菌効果を説明すると、本実施形態の殺菌装置100を用いて殺菌対象機器1に対する紫外線の照射が行われてから約15分程度が経過した時点で大腸菌の不活性化が99.9%近く行われたことを確認することができ、この過程の間、殺菌対象機器1に約5mJ/cm
2程度の紫外線が照射され、殺
菌対象機器1の表面に残留する大腸菌のほぼ全てに対する殺菌が行われたことを確認することができる(
図4及び
図5参照)。
【0122】
また、黄色ブドウ球菌の場合は、本実施形態の殺菌装置100を用いて殺菌対象機器1に対する紫外線の照射が行われてから約20分程度が経過した時点で黄色ブドウ球菌の不活性化が99.9%近く行われたことを確認することができ、この過程の間、殺菌対象機器1に約7mJ/cm
2程度の紫外線が照射され、殺菌対象機器1の表面に残留する黄色ブ
ドウ球菌のほぼ全てに対する殺菌が行われたことを確認することができる(
図6及び
図7参照)。
【0123】
上記のような本実施形態の殺菌装置100によると、簡単なオン/オフ操作のみでイヤホン、爪切り、携帯電話などの多くの種類の小型機器に対する紫外線殺菌が自動的に行われるようにし、これを通じて殺菌対象になる小型機器に残留する各種細菌を効率良く除去することによって、多様な種類の小型機器に存在する細菌を家庭で容易且つ迅速、そして効果的に除去することができる。
【0124】
また、本実施形態の殺菌装置100によると、小型に製造できるので携帯が簡便であるだけでなく、底面に置かれた小型機器を覆うだけで小型機器に対する殺菌を容易に行えるので携帯使用が容易であるという利点がある。
【0125】
また、本実施形態の殺菌装置100は、スイッチ170の操作、感知部140を通じた収容空間の閉鎖の有無の感知、タイマー180を通じた作動時間の設定など、多重に設けられた安全条件を全て満たした場合にのみ紫外線の照射を行わせることによって、装置の作動効率性をさらに向上させることができ、事故の発生及び紫外線の漏洩による危険性を効果的に低下させることができる。
【0126】
図8は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の設置状態を示す図で、
図9は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の断面図で、
図10は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の構成図である。
【0127】
図8~
図10を参照すると、本発明の一実施形態に係る殺菌装置200は、流し台210のシンクボール(Sink bowl)11の底部分に設置され、シンクボール211の底部分に設けられた排水口212を開閉するように設置される。
【0128】
排水口212の内部には、排水口212と排水管213との間を接続する排水筒214が設置され、排水筒214には、排水口212を介して排出される汚水に残留する生ごみや異物をろ過するフィルタ215が設置される。
【0129】
本実施形態の殺菌装置200は、排水筒214及びフィルタ215の上部で排水口212を開閉できるようにシンクボール211に分離可能に設置され、カバー本体部110、紫外線発光ダイオード120、電源供給部130、感知部140及び制御部150を含んで構成されてもよい。
【0130】
カバー本体部110は、本実施形態に係る殺菌装置200の本体をなし、排水筒214及びフィルタ215が内部に設置された排水口212を開閉するように備えられる。このようなカバー本体部110は、カバー板111及び側壁113を含む形態に備えられる。
【0131】
カバー板111は、排水口212の形状に対応する板状に形成される。本実施形態では、排水口212が円形の形状を有するように形成され、カバー板111が排水口212の形状に対応する円板状に形成される場合を例示する。
【0132】
側壁113は、排水筒214及びフィルタ215と向かい合うカバー板111の下部面の縁部から下部方向に延長するように形成される。
【0133】
このようにカバー板111及び側壁113を含む形態に形成されるカバー本体部110は、側壁113が排水口212の内部に挿入され、カバー板111が排水口212の上部を覆う形態にシンクボール211に結合されることによって排水口212を閉鎖することができ、シンクボール211から分離されて排水口212を開放することができる。
【0134】
しかし、側壁113が必ずしも排水口212の内部に挿入される形態である必要はなく、
側壁113の底面がシンクボール211の底部分の上面に載せられる形態にも具現可能である。
【0135】
併せて、本実施形態の殺菌装置200は取っ手115をさらに含んでもよい。
【0136】
取っ手115は、ユーザーがカバー本体部110を把持するようにカバー本体部110の上部、すなわち、カバー板111の上部面に突出するように設けられてもよい。ユーザーは、このように備えられた取っ手115を把持することによって排水口212を容易に開閉することができる。
【0137】
紫外線発光ダイオード(LED)120は、カバー本体部110に設置され、排水筒214及びフィルタ215と向かい合う側に設置され、排水筒214及びフィルタ215のうち少なくともいずれか一つに向けて紫外線を照射するように点灯する。
【0138】
本実施形態において、紫外線発光ダイオード120は、カバー板111の下部面及び側壁113で取り囲まれたカバー本体部110の内部領域に位置するようにカバー板111の下部面に設置される場合を例示する。
【0139】
そして、カバー本体部111及び側壁113のうち少なくともいずれか一つには空気流通孔(図示せず)が形成されてもよい。
【0140】
空気流通孔は、カバー板111の下部面及び側壁113で取り囲まれたカバー本体部110の内部領域を排水口212の外部と流通させる流通路を形成することによって、排水口212内部の湿気を排水口212の外部に円滑に排出させ、これを通じて、排水筒214及びフィルタ215の内部に残留する水分が紫外線発光ダイオード120に及ぼす影響を抑制できるようにする。
【0141】
紫外線発光ダイオード120は、そのピーク波長が270nm~280nmの間に位置する紫外線を排水筒214及びフィルタ215に向けて照射し、排水筒214及びフィルタ215の全域に紫外線が均一に照射されるように複数個が所定の間隔で離隔して設置される。
【0142】
紫外線のうち、ピーク波長が270nm~280nmの間に位置する紫外線、特に275nmのピーク波長を有する紫外線は殺菌効果に優れる。
【0143】
本実施形態では、紫外線発光ダイオード120が275nmのピーク波長を有する紫外線を出射するように備えられる場合を例示し、このように備えられる紫外線発光ダイオード120の作用によって排水管2内で殺菌作用が活発に行われるようになる。
【0144】
しかし、効率的な水準の殺菌効果を果たすためには、UVC領域、そのうち950nm~280nm程度のピーク波長を有する紫外線が使用可能である。
【0145】
併せて、本実施形態に係る殺菌装置200は反射部160をさらに備えてもよい。
【0146】
反射部160は、カバー本体部110に形成され、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線を排水筒214及びフィルタ215側に反射させるように備えられる。
【0147】
このような反射部160は、カバー板111の下部面及び側壁113で取り囲まれたカバー本体部110の内部領域に紫外線反射率の高いアルミニウムをコーティングして構成されてもよい。また、アルミニウムの他にも、紫外線反射率の高い様々な他の物質がコーテ
ィング材料として利用可能である。
【0148】
このように形成された反射部160は、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線を排水筒214及びフィルタ215側に反射させ、紫外線の照射領域を排水筒214及びフィルタ215に向けて集中させることによって、紫外線を通じて行われる排水筒214及びフィルタ215の殺菌作用がさらに効果的に行われるようにする。
【0149】
電源供給部130は、上記のように紫外線を照射する紫外線発光ダイオード120の点灯のために紫外線発光ダイオード120に電源を供給する。
【0150】
このような電源供給部130は、カバー本体部110の内部にバッテリーを設置し、このようにカバー本体部110の内部に設置されたバッテリーを介して紫外線発光ダイオード120に電源を供給する形態に備えられてもよく、外部からの電源の供給によって紫外線発光ダイオード120に伝達する形態に備えられてもよい。
【0151】
感知部140は、カバー本体部110の排水口212の開閉の有無を感知するために備えられる。
【0152】
カバー本体部110が排水口212を開放しているか、排水口212を完全に閉鎖していない場合、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線が排水口212の外部に漏れるおそれがあるので、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線が排水口212の外部に漏れることを防止するためには、カバー本体部110が排水口212を完全に閉鎖しているかどうかを確認することが必要である。
【0153】
このために、感知部140は、カバー本体部110が排水口212を完全に閉鎖しているかどうかを確認するためのカバー本体部110の位置に関する情報を取得するために備えられる。
【0154】
一例として、感知部140は、カバー本体部110の位置、姿勢などを感知するジャイロセンサーを含んで構成される場合を例示するが、本発明がこれに限定されることはない。
【0155】
他の例として、感知部140は、排水口212の内部に設置された感光センサーを含む形態に備えられてもよい。排水口212がカバー本体部110によって覆われた場合は排水口212の内部が真っ暗になるので、感知部140は、このように排水口212の内部への光の遮断を感知し、カバー本体部110が排水口212を完全に閉鎖しているかどうかを確認することができる。
【0156】
更に他の例として、カバー本体部110の内部に磁石部材が内蔵され、このような磁石部材の磁束を感知するセンサーが排水口212に設置されたり、カバー本体部110を覆うときに押されるスイッチを内蔵したセンサーが使用される形態に感知部140が構成されてもよい。
【0157】
更に他の例として、側壁113の底面に2ヶ所以上のトリガースイッチ(図示せず)を突出形成し、このように設置された複数個のトリガースイッチが押されるかどうかによってカバー本体部110の排水口212の閉鎖の有無を判断する形態に感知部140が構成されてもよい。
【0158】
制御部150は、紫外線発光ダイオード120の点灯が調節されるように電源供給部130の作動を調節する。このような制御部150は、感知部140で感知されたカバー本体部110の排水口212の開閉の有無によって電源供給部130の作動を調節する。
【0159】
一例として、制御部150は、感知部140によって感知されたカバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報を用いてカバー本体部110の排水口212の開閉の有無を判断し、排水口212を開放する位置にカバー本体部110が位置すると、紫外線発光ダイオード120への電源供給が中断されるように電源供給部130の作動を制御することができる。
【0160】
すなわち、制御部150は、紫外線発光ダイオード120に電源が供給されるように電源供給部130の作動を調節することによって紫外線発光ダイオード120を点灯させることができ、この過程で感知部140によって感知されたカバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報を用いてカバー本体部110の排水口212の開閉の有無を判断し、カバー本体部110が排水口212を開放していたり、完全に閉鎖していないと判断されると、紫外線発光ダイオード120への電源供給が中断されるように電源供給部130の作動を制御し、紫外線発光ダイオード120による紫外線の照射を中断させることができる。
【0161】
一方、本実施形態に係る殺菌装置200はスイッチ170をさらに含んでもよい。
【0162】
スイッチ170は、電源供給部130の作動を調節するために設けられ、本実施形態では、ユーザーがスイッチ170を容易に操作できるようにスイッチ170が取っ手115に設置される場合を例示する。
【0163】
このようなスイッチ170は、電源供給部130のオン/オフ操作などを行えるように備えられてもよく、制御部150は、このようなスイッチ170の操作によって電源供給部130のオン/オフなどが調節されるように電源供給部130の作動を調節することができる。
【0164】
また、本実施形態に係る殺菌装置200はタイマー180をさらに含んでもよい。
【0165】
タイマー180は、電源供給部130が紫外線発光ダイオード120に電源を供給する時間を入力するための手段として設けられ、制御部150は、タイマー180によって調節された時間に従い電源供給部130の電源供給時間を調節することができる。
【0166】
例えば、タイマー180を通じて入力される時間が10分である場合、制御部150は、紫外線発光ダイオード120の点灯及びそれによる紫外線の照射が10分間行われた後、紫外線発光ダイオード120の点灯が中断されるように電源供給部130の電源供給時間を調節することができる。
【0167】
併せて、本実施形態に係る殺菌装置200は可視光発光ダイオード190をさらに含んでもよい。
【0168】
可視光発光ダイオード190は、カバー本体部110、より具体的には、カバー板111の下部面及び側壁113で取り囲まれたカバー本体部110の内部領域で紫外線発光ダイオード120と隣接した位置に設置されてもよい。
【0169】
このように設置される可視光発光ダイオード190は、紫外線発光ダイオード120の点灯時、紫外線発光ダイオード120と隣接した位置から可視光線領域の光を照射し、紫外線発光ダイオード120の点灯と連動して点灯する。
【0170】
すなわち、可視光発光ダイオード190は、紫外線発光ダイオード120が点灯し、紫外線が照射されるとき、紫外線発光ダイオード120と共に点灯して可視光線領域の光を照
射することによって、紫外線発光ダイオード120を通じて紫外線が照射されていることを表示する役割をする。
【0171】
このような可視光発光ダイオード190の作用により、紫外線発光ダイオード120を通じて紫外線が照射されていることをユーザーが容易に把握できるようになるので、紫外線発光ダイオード120を通じて紫外線が照射されているにもかかわらず、目に見えない紫外線の特性によってユーザーがこれを認知できずに紫外線に露出し続けることを防止できるようになる。
【0172】
図11は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の一使用例を示す図で、
図12は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の他の使用例を示す図である。また、
図13及び
図14は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の紫外線の照射時間及び照射量に応じた大腸菌の不活性化レベルを示すグラフで、
図15及び
図16は、本発明の一実施形態に係る殺菌装置の紫外線の照射時間及び照射量に応じた黄色ブドウ球菌の不活性化レベルを示すグラフである。
【0173】
以下、
図10~
図16を参照して本実施形態に係る殺菌装置の作用及び効果に対して説明する。
【0174】
図10及び
図11を参照すると、本実施形態に係る殺菌装置200は、シンクボール211の底部分に設けられた排水口212を開閉するように設置され、排水口212を閉鎖した状態で排水口212内部の排水筒214及びフィルタ215に対する殺菌作用を行い、このような殺菌装置200の殺菌のための作動は制御部150によって制御される。
【0175】
排水口212内部の排水筒214及びフィルタ215に対する殺菌作用を行うための殺菌装置200の作動は、取っ手115に設けられたスイッチ170などの操作によって開始されてもよい。
【0176】
例えば、ユーザーが取っ手115を把持し、カバー本体部110で排水口212を閉鎖した後、スイッチ170を通じて作動信号を入力すると、この作動信号は制御部150に伝送され、このように制御部150に作動信号が伝送されると、制御部150が電源供給部130の作動制御を開始する。
【0177】
このとき、感知部140は、カバー本体部110の位置を感知し、カバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報を取得し、制御部150は、このように取得されたカバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報を用いてカバー本体部110の排水口212の開閉の有無を判断する。
【0178】
この結果、排水口212がカバー本体部110によって閉鎖されたことが確認されると、制御部150は、紫外線発光ダイオード120への電源供給が行われるように電源供給部130の作動を制御し、排水口212が開放されているか、排水口212がカバー本体部110によって完全に閉鎖されていないことが確認されると、制御部150は、紫外線発光ダイオード120への電源供給が行われないように電源供給部130の作動を制御する。
【0179】
上記のように排水口212がカバー本体部110によって閉鎖されている状態でのみ紫外線発光ダイオード120の作動が行われるように制御されることによって、殺菌装置200の非効率的な作動が行われないようにし、事故の発生しうる危険性を低下させることができ、紫外線発光ダイオード120によって照射される紫外線が排水口212の外部に漏洩し、人体に有害な影響を及ぼすことを事前に予防できるようになる。
【0180】
上記のように制御部150によって行われる作動制御により、紫外線発光ダイオード120に電源供給が行われると、紫外線発光ダイオード120が点灯し、排水筒214及びフィルタ215に向けて紫外線を照射するようになる。
【0181】
このとき、紫外線発光ダイオード120では、殺菌特性の強い紫外線、例えば、270nm~280nm内のピーク波長を有する紫外線、さらに好ましくは、275nmのピーク波長を有する紫外線が出射される。
【0182】
このように紫外線発光ダイオード120が作動する途中でも感知部140の作動は継続し、この過程で感知部140によって取得されたカバー本体部110の位置及び姿勢に関する情報によって排水口212が開放されているか、排水口212がカバー本体部110によって完全に閉鎖されていないことが確認されると、制御部150は、紫外線発光ダイオード120への電源供給が中断されるように電源供給部130の作動を制御し、これによって紫外線発光ダイオード120が消灯し、紫外線の照射が中断され得る。
【0183】
また、紫外線発光ダイオード120の消灯は、タイマー180によって設定された電源供給部130の電源供給時間の経過と共に行われてもよく、紫外線発光ダイオード120の点灯の有無は、可視光発光ダイオード190の点灯の有無によって確認されてもよい。
【0184】
すなわち、本実施形態に係る殺菌装置200は、排水口212がカバー本体部110によって閉鎖されている状態でスイッチ170を通じた作動信号が入力されたときに紫外線の照射が行われ、カバー本体部110の作動中に紫外線の外部漏洩の危険性がある不安定な状態になった場合、又は設定された時間が経過した場合、紫外線の照射が中断されるように電源供給が自動的に遮断され、紫外線発光ダイオード120の点灯及びこれを通じた紫外線の照射の有無を可視光発光ダイオード190の点灯の有無を通じて確認できるように提供される。
【0185】
このような本実施形態の殺菌装置200は、上記のように多重に設けられた安全条件を全て満たした場合にのみ紫外線の照射を行わせることによって、装置の作動効率性をさらに向上させることができ、事故の発生及び紫外線の漏洩による危険性を効果的に低下させることができる。
【0186】
一方、紫外線発光ダイオード120から出射される紫外線は、排水筒214及びフィルタ215に向けて照射され、排水筒214及びフィルタ215で殺菌作用が行われるようにする。
【0187】
本実施形態によると、排水筒214及びフィルタ215の全体領域に均一に紫外線が照射されるように複数個の紫外線発光ダイオード120が設置される一方で、紫外線発光ダイオード120から照射される紫外線を反射部160を用いて排水筒214及びフィルタ215側に反射させ、紫外線の照射領域を排水筒214及びフィルタ215に向けて集中させることによって、排水筒214及びフィルタ215の全体領域で殺菌作用が活発に行われるようになる。
【0188】
他の例として、排水筒214の内部でフィルタ215を除去した状態で排水筒214に向けて紫外線を照射することによって、排水筒214に対する殺菌作用をさらに集中的に行わせることもできる(
図12参照)。
【0189】
上記のように行われる殺菌装置200の殺菌作用による殺菌効果を説明すると、本実施形態の殺菌装置200を用いて排水筒214及びフィルタ215に対する紫外線の照射が行
われてから約15分程度が経過した時点で大腸菌の不活性化が99.9%近く行われたことを確認することができ、この過程の間、排水筒214及びフィルタ215に約5mJ/cm
3程度の紫外線が照射され、排水筒214及びフィルタ215に残留する大腸菌のほ
ぼ全てに対する殺菌が行われたことを確認することができる(
図13及び
図14参照)。
【0190】
また、黄色ブドウ球菌の場合は、本実施形態の殺菌装置200を用いて排水筒214及びフィルタ215に対する紫外線の照射が行われてから約20分程度が経過した時点で黄色ブドウ球菌の不活性化が99.9%近く行われたことを確認することができ、この過程の間、排水筒214及びフィルタ215に約7mJ/cm
3程度の紫外線が照射され、排水
筒214及びフィルタ215に残留する黄色ブドウ球菌のほぼ全てに対する殺菌が行われたことを確認することができる(
図15及び
図16参照)。
【0191】
上記のような本実施形態の殺菌装置200によると、簡単なオン/オフ操作のみで排水口212の内部に設置された排水筒214及びフィルタ215に対する紫外線殺菌が自動的に行われるようにし、これを通じて排水筒214及びフィルタ215に残留する各種細菌を効率良く除去することによって、台所の流し台210の排水筒214及びフィルタ215に存在する細菌を家庭で容易且つ迅速、そして効果的に除去することができる。
【0192】
また、本実施形態の殺菌装置200は、スイッチ170の操作、感知部140を通じた排水口212の閉鎖の有無の感知、タイマー180を通じた作動時間の設定など、多重に設けられた安全条件を全て満たした場合にのみ紫外線の照射を行わせることによって、装置の作動効率性をさらに向上させることができ、事故の発生及び紫外線の漏洩による危険性を効果的に低下させることができる。
【0193】
図17は、本発明に係る殺菌装置の分解斜視図で、
図18は、
図17において、窓部材、電源供給部及び充電端子が組み立てられた状態を示した分解斜視図で、
図19は、
図18において、第1のOリングと第2のOリングとが組み立てられた状態を示した分解斜視図で、
図20は、
図19において、圧着部材が組み立てられた状態を示した分解斜視図で、
図21は、
図20において、基板とハウジングOリングとが組み立てられた状態を示した分解斜視図で、
図22及び
図23は、
図17の殺菌装置が組み立てられた状態を互いに異なる方向から眺めた斜視図で、
図24は、
図21のA-A’断面の中心部を示した断面図で、
図25は、
図24のC部分の拡大図で、
図26は、第1のOリング上に窓部材が載せられた状態を示した平面図で、
図27は、本発明の殺菌装置が作動可能な状態を示した正面図である。
【0194】
図22及び
図23を参照すると、本発明は、各種構成が殺菌機能を内蔵している殺菌装置のハウジング10、カバー本体部110部分及び上記殺菌装置を据え置く、据え置き台30を含む。据え置き台30の4個のレッグ32は平らな底上に載せられ、このような据え置き台30上に殺菌装置のハウジング10及びカバー本体部110部分が据え置かれる。
【0195】
図17及び
図27を参照すると、殺菌装置は、平らな部分である円形のハウジング10と、ハウジングの上部を覆う曲面形態のカバー本体部110とを含む。ハウジング10の外面である底面(
図27参照)は殺菌領域と向い合う面になる。ハウジング10の中心部には、カバー本体部110の内部に設置され、紫外線を照射する光源から紫外線が出射できる照射孔11が設けられる。カバー本体部110には、殺菌装置を作動させるためのスイッチ170と、殺菌装置の作動の有無を確認できる可視光発光ダイオード190とが設置される。
【0196】
まず、ハウジング10の照射孔11の周辺に設置される防水構造及び窓部材保護構造について説明する。
図17、
図18及び
図24を参照すると、ハウジング10の内面には、円
形の照射孔11を取り囲む正方形の形態の窓部材収容部12が設けられる。そして、窓部材収容部12の周囲には、窓部材収容部12に嵌め込まれる窓部材40が側面に移動することを防止するための段差部13が形成される。段差部13の高さは、窓部材収容部12に窓部材40が収容された状態で窓部材40の高さと実質的に同一である。これらの高さが実質的に同一であると、窓部材40及び段差部13の上面に段差差がなくなるので、窓部材と段差部との境界を覆うことができる密封部材(後述する第1のOリング)を載せて密着させる構造だけでも密封を容易に具現することができる。
【0197】
窓部材40は、後述する紫外線発光ダイオードから照射される深紫外線が透過できる材質であって、石英又は溶融シリカ(fused silica)であってもよい。
【0198】
図18、
図19及び
図24を参照すると、窓部材収容部12に嵌め込まれた窓部材40及び段差部13上に、少なくとも上記窓部材と段差部との間のギャップ部分を覆う第1のOリング50が載せられる。第1のOリング50は、環形のリング状であって、その外周面51は窓部材40の周囲及び/又は段差部の内側面より大きく、その内周面52は窓部材40より小さい(
図26参照)。したがって、窓部材収容部12に嵌め込まれた窓部材40及び段差部13上に第1のOリング50を載せると、窓部材と段差部との間のギャップ部分が第1のOリング50によって遮蔽される。
【0199】
第1のOリング50が置かれる部位の外側には、図示したように、第1のOリング50の位置を規制する第1の段差14が形成される。また、第1の段差14の外側には、第2のOリング56が嵌め込まれる第2のOリング収容溝16が設けられ、第2のOリング収容溝16の外側には、第1の段差14と実質的に同一の高さを有する第2の段差15が形成される。第2のOリング収容溝16には後述する第2のOリングが収容されるが、本発明は、このように水の侵入が起こる可能性が高い経路に2段階の密封構造を置くことによって防水をさらに確実にすることができる。特に、二つの段差14、15の高さが一致する場合、第2のOリングの収容がさらに容易であるだけでなく、後述する圧着部材が第2のOリングを押したとき、その圧着力がいずれか一側に偏重しないので、第2のOリングを均一に膨張させることができる。
【0200】
図19、
図20及び
図24を参照すると、第1のOリング50及び第2のOリング56上には圧着部材60が設置される。圧着部材60は、図示したように、環形の平板状であって、中央部には円形のホール62が形成され、外周には圧着部材60の剛性を補強するためのリブ61が形成される。また、120度の間隔で3個の締結部66が形成されている。締結部66には締結ねじ(図示せず)が貫通することができ、締結部を貫通したねじがハウジングの内面にねじ接続されることによって、圧着部材60がハウジング10の内面に強く圧着・固定される。
【0201】
このような圧着力は、第1のOリング50及び第2のOリング56に伝達され、これによって、第1のOリングの上面は圧着部材60の下面と密着し、第1のOリングの下面は窓部材40の上面及び段差部13の上面と密着する。第1のOリング50が圧着すると、その圧力によって第1のOリングが押され、第1のOリングの外周面51はその直径がさらに増加する方向に膨張しようとし、内周面52はその直径がさらに減少する方向に膨張しようとする。このような第1のOリングの外周面51は、第1の段差14によって膨張が阻止され、互いに密着するようになる。一方、第1のOリングの内周面は、圧着部材60のホール62の周囲で窓部材の方向、すなわち、下方に突出した形態の突出段差64によって膨張が阻止される。このとき、突出段差64の下端部は、窓部材40と接触せず、窓部材に対して一定間隔のギャップが形成される。突出段差64が窓部材40と接触すると、窓部材40が突出段差64部位で集中的な圧力を受けて破損する可能性があるので、窓部材と突出段差との間には所定の間隔が要求される。一方、突出段差64がないと、第1
のOリングの内周面は内側に自由に膨張するので、第1のOリングの内周面付近と圧縮部材及び窓部材との間の密着力が低下する。したがって、突出段差64は、第1のOリングの材質などを勘案した上で、窓部材に集中した圧力を加えないと共に、窓部材と第1のOリングとの間に均一な圧力で密着できる高さに形成されることが好ましい。すなわち、突出段差が低く突出するほど、窓部材に集中した圧力が加えられない可能性がさらに高くなる一方、窓部材と第1のOリングとの間に加えられる圧力の均一性は低下する。また、突出段差が高く突出するほど、窓部材に集中した圧力が加えられる可能性が高くなる一方、窓部材と第1のOリングとの間に加えられる圧力の均一性を確保するのには有利であると言える。突出段差の突出の高さは、第1のOリングの材質、突出段差と窓部材との間のギャップなどを勘案した上で、上述した条件を満たすように最適の高さに決定され得る。
【0202】
第2のOリング56の断面積は、第2のOリング収容溝16、第1の段差14、第2の段差15及び圧着部材によって形成される断面積より少し大きくなるように設定され、圧着部材が第2のOリングを圧着したとき、第2のOリングの外面が第2のOリング収容溝16、第1の段差14、第2の段差15及び圧着部材に均一な圧力で密着する。
【0203】
シリコーン材質は理論的には0~100の硬度を有するが、第1のOリング50は30未満の軟性を有するシリコーン材質で製造される。硬度が30より大きい場合は、圧着部材で第1のOリングを圧着するとき、窓部材40の特定部位に集中的な圧力が加えられて破損する可能性が高いという点を考慮したものである。もちろん、圧着部材は、第1のOリングより硬度の高い材質、例えば、ABS樹脂などで製造されてもよい。
【0204】
図25の(b)に示したように、窓部材40と窓部材収容部12との間には追加的な弾性材59がさらに介在してもよい。これは、窓部材と窓部材収容部との間で特定部位に圧力が集中する可能性を排除し、弾性材の密着力によって防水効果を一層高めることができるという効果を呈する。
【0205】
一方、圧着部材60のホール62は、ハウジング10の照射孔11と、その中心が互いに整列する。また、圧着部材のホール62とハウジング10の照射孔11は、その形状がいずれも円形である。第1のOリングの内周面もこれらと中心が一致し、形状も円形である。これは、点光源で円錐形に拡散される形態に照射される後述する発光ダイオードの照射形態に対応し、圧着部材60とハウジング10との間の圧着力が第1のOリング50と窓部材40との間に均一に作用し、窓部材が外部に露出する面積を最小化させると同時に、紫外線が照射される領域を最大限確保するためのものである。
【0206】
その一方、窓部材40は正方形に構成してもよい。窓部材を正方形に構成すると、窓部材の製造を容易にすると共に、段差部13によって窓部材の位置を規制するとき、窓部材が側方に移動することだけでなく、窓部材が元の場所で回転することも共に規制できるようになる。このような窓部材40及び第1のOリング50の形状は、
図26と関連して既に説明した通りである。
【0207】
次に、
図20、
図21、
図24及び
図25を参照すると、圧着部材60上には基板70が固定される。基板70は、基板の中心を基準に互いに対向する位置の2ヶ所に固定部76が設けられ、固定部76を貫通した締結ねじは、圧着部材60に設けられた固定部68にねじ接続される。固定部68は、上述した圧着部材の締結部66の位置と重ならない位置に設けられてもよい。
【0208】
基板70上で、照射孔11及びホール62と向かい合い、照射孔11及びホール62とその中心とが整列する位置には紫外線発光ダイオード120が実装されている。一例として、紫外線発光ダイオード120の照射角は120度であってもよい。紫外線発光ダイオー
ド120から照射される紫外線は、窓部材40を透過し、照射孔11を通過して外部に向けて出射される。これによって、ハウジング10と向かい合う殺菌領域は紫外線に露出する。
【0209】
紫外線発光ダイオードの照射角を最大限確保するために、照射孔11は外側に行くほどその断面が次第に広くなる照射孔拡張部321を備えてもよい(
図25参照)。照射孔拡張部321は、
図25(a)に示したように曲面形態であってもよく、
図25(b)に示したようにテーパー形態であってもよい。いずれの形態であっても、照射孔拡張部321は、紫外線発光ダイオードから照射される紫外線の照射角だけ最大限の照射領域aを確保しながらも、窓部材40を支える面積をその分さらに確保する。照射孔拡張部321がないと、照射領域をaだけ広げるために、その分照射孔11の直径をさらに大きくしなければならなく、これによって、窓部材を支持する窓部材収容部の面積が減少する結果をもたらす。また、照射孔11の直径が大きくなるほど、圧着部材60のホール62の直径も大きくなるべきであるので(圧着部材のホールの直径が照射孔の直径より小さい場合、窓部材に上下からそれぞれ圧力が加えられる面積にムラが発生し、これは、窓部材の破損可能性を高める)、これは、上面と下面で支持されない窓部材40の面積を増加させ、窓部材の破損可能性をさらに高めるようになる。その一方、本発明のように照射孔拡張部321を形成すると、紫外線の照射領域を最大限確保しながらも窓部材の破損の可能性をさらに低下させることができる。
【0210】
一例として、上記紫外線発光ダイオード120は、275nmのピーク波長を有する深紫外線を発光する。
【0211】
本発明に使用される紫外線光源は、一方向に指向性の強い光源である紫外線発光ダイオード120である。紫外線発光ダイオードは、構成成分の割合に応じて照射される光のピーク波長を微細に調整することができる。したがって、紫外線が活用される環境で最も効率の良い紫外線の波長をピーク波長として有する紫外線発光ダイオードを製造して使用することによって紫外線の効率を高めることができる。
【0212】
一般には、253nmの紫外線が殺菌力に最も優れた波長であると言われている。しかし、実際の実験の結果、水に混入している細菌を殺菌するのにおいて最も殺菌力の高い波長は270nmであることが確認された。
【0213】
図28は、E.coli O157:H7(ATCC 43894)を水に混合し、波長別に紫外線を照射した後、紫外線照射量と殺菌率との関係を示したグラフである。水に混入した細菌の初期濃度は1.9~3.0×105cfu/mLである。紫外線の波長を除いた残りの実験条件は同一である。
【0214】
実験の結果、270nmの紫外線を1.4mJ/cm2だけ照射したときに99%の殺菌
率を示し、これは、他の波長の紫外線より非常に優れた数値である。
【0215】
図29は、B.subtilis spore(ATCC 6633)を水に混合し、波長別に紫外線を照射した後、紫外線照射量と殺菌率との関係を示したグラフである。
【0216】
実験の結果、270nmの紫外線を22mJ/cm2だけ照射したときに99%の殺菌率
を示し、これは、他の波長の紫外線より非常に優れた数値である。
【0217】
図30は、B.MS2 phage(ATCC 15597-B1)を水に混合し、波長別に紫外線を照射した後、紫外線照射量と殺菌率との関係を示したグラフである。
【0218】
実験の結果、270nmの紫外線を42mJ/cm2だけ照射したときに99%の殺菌率
を示し、これは、他の波長の紫外線より非常に優れた数値である。
【0219】
実験結果に対する分析の結果、水に混入する細菌やウイルスの場合、そのDNA又はRNAが270nmにさらに敏感であり得るという結論に至った。人が摂取する食物を通じて共に身体に入り込む細菌やウイルスのほとんどは食物の水分に依存し、また、流し台の排水口も食物の残物及び水が豊富な環境であるという点で、上記のような実験は、実際に殺菌しようとする領域が十分に反映された実験条件下で達成されたものであると言える。
【0220】
結果的に、実験の結果、270nmを基準にして+-方向に波長が遠くなるほど殺菌効率が低下するという点を確認した。したがって、本発明では、270nmを基準にして±10nm程度の範囲内にピーク波長を有する紫外線を照射する紫外線発光ダイオードを使用して細菌や微生物に対する殺菌効率を向上させるようにした。
【0221】
このように本発明の殺菌装置に適用された紫外線発光ダイオード120が、人のDNAが最もよく吸収する波長である253nmを一定程度逸脱した波長帯にピーク波長を有する紫外線を照射するが、依然として人に直接照射されたときの有害性が排除されるわけではない。したがって、本発明の殺菌装置の紫外線が殺菌のための状況でのみ照射されるようにする安全装置が必要である。
【0222】
図24に示したように、本発明の殺菌装置には、互いに異なる因子を測定する複数種の感知部がさらに備えられる。本発明の殺菌装置が使用される環境に対して規定し、複数種の感知部で測定される環境が、全て殺菌装置が使用される規定環境に符合する場合にのみ殺菌装置を作動させ紫外線を照射させる安全装置は、深紫外線が照射され得る本発明にさらに切実に要求される。
【0223】
例えば、本発明の殺菌装置は、流し台の排水口を覆う蓋としての機能をするので、殺菌が行われる領域は、外部の光(可視光線)が遮断され、暗い状態であることを規定することができる。また、殺菌を行うとき、流し台の排水口の姿勢は、ハウジングの外面が重力方向に向かうようになる。また、流し台の排水口を殺菌するとき、殺菌装置の前方は、例えば、ハウジングの外面から20cm以上の距離(流し台の排水口の深さ)を有さなくなる。
【0224】
このような環境を測定するために、本発明では、基板70に実装された紫外線発光ダイオード120の付近に感知部140を設置してもよい。このような感知部140は、照射孔11を介して外部からハウジングの内側に入り込んだ可視光線を検出する照度センサーを含む。これは、殺菌装置が使用される環境が暗い環境であるかどうかをチェックするためのものである。
【0225】
しかし、これだけでは、使用環境を正確に担保するのに限界がある。例えば、室内の全ての照明を消して暗い状況になると、照度センサーのみでは殺菌装置の正しい使用環境を担保できなくなる。
【0226】
そこで、本発明は、基板70に設置された感知部140が距離センサー(例えば、IRセンサー)をさらに備えるように構成してもよい。感知部の距離センサーは、照射孔11を介してハウジングの外面前方にある物体の距離を測定するようになる。このように測定された距離が基準距離(正常に殺菌するとき、ハウジングの前方に物体が置かれる距離)より遠いと、殺菌装置が使用環境にないと判断することができる。
【0227】
また、本発明は、姿勢感知センサー(例えば、ジャイロセンサー又はチルトセンサー)を
さらに含んでもよい。本発明の殺菌装置は、蓋の形態で使用されるので、正常な使用環境で殺菌装置のハウジングは底に向くことになる(
図27参照)。したがって、殺菌装置が底に向いていないと感知されると、殺菌装置が使用環境にないと判断することができる。
【0228】
本発明は、このように多様な環境を測定する複数種のセンサーを設置し、使用環境を測定し、これらが全て安全基準を満たした場合、紫外線発光ダイオードへの電源の供給を可能にする制御回路を基板70に具現することができる。
【0229】
もちろん、紫外線発光ダイオード120の点灯及び消灯は優先的にスイッチ170によって制御され、スイッチ170をターンオンした場合にも、上述した複数種のセンサーを通じて感知される環境が安全基準から逸脱する場合は、紫外線発光ダイオード120に電源が供給されることを遮断する。
【0230】
また、本発明の殺菌装置は、スイッチ170の付近に、紫外線発光ダイオードと直列に接続され、点灯及び消灯が共に行われる可視光発光ダイオード190がさらに備えられる。可視光発光ダイオードによって肉眼で点灯の有無を確認することができる。このように可視光発光ダイオードを紫外線発光ダイオードと直列に接続すると、可視光発光ダイオード190及び紫外線発光ダイオード120の点灯及び消灯が共に行われるようになる。したがって、ユーザーが可視光発光ダイオードの点灯の有無を肉眼で確認し、殺菌装置の作動の有無を直感的に判断することができる。これらを直列に接続すると、紫外線発光ダイオード及び可視光発光ダイオードのうちいずれか一つでも故障した場合は、両方ともターンオンされないので、可視光発光ダイオードの故障によって可視光発光ダイオードが点灯しない状態では紫外線発光ダイオードも作動しない。したがって、可視光発光ダイオードが点灯していない場合は、紫外線発光ダイオードも作動しないことを保障することができる。
【0231】
一方、殺菌は、紫外線によって行われてもよく、水分の乾燥によって乾いた環境を作り出して行われてもよい。本発明では、紫外線の照射のみならず、乾燥機能まで共に具現するために基板70上に遠赤外線光源をさらに備えることができる。遠赤外線光源は、照射孔11を介して殺菌領域に遠赤外線を照射し、殺菌領域を乾燥させることによって殺菌効果をさらに高めることができる。
【0232】
図20~
図23を参照すると、ハウジング10とカバー本体部110とを締結するとき、これらが互いに向い合って密着・固定される部位の周囲に設けられたハウジングOリング収容溝18にハウジングOリング58が嵌め込まれた状態で二つのハウジングによって圧着する。上述したように、照射孔11部位での防水と共に、二つのハウジング10、20が互いに密着する部位の周囲でも防水が達成されると、ハウジング10、20の内部空間に対する防水が保障される。本発明の殺菌装置で保障されるべき防水の程度は、例えば、流し台で誤って水を出したとき、殺菌装置の内部に水が入り込むことを防止する程度であれば十分である。
【0233】
ハウジング10とカバー本体部110とを締結するときは、図示したように、ハウジング10の外面からカバー本体部110に向けて締結ねじ(図示せず)を嵌め込む。締結ねじは、ハウジングの締結孔380を貫通してカバー本体部にねじ接続される。そして、締結孔380が形成されたハウジング10の外面には支え部材80が設置される。支え部材80は、例えば、ゴムのように弾性を有しており、滑り防止及び密封を共に達成できる材質からなっていて、締結孔380を介して水が染み込むことを防止することはもちろん、殺菌装置が置かれた表面で滑らずに元の位置をうまく維持させることができる。
【0234】
一方、本発明において、紫外線発光ダイオードを作動させるための電源は、殺菌装置の内
部に電源供給部130を内蔵して供給することができる。例えば、電源供給部130は2次電池であるバッテリーである。電源供給部130、基板70及びスイッチ170は、カバー本体部110及びハウジング10の内部で電気的に接続される。また、電源供給部130は充電端子97と電気的に接続される。ここで、充電端子97は、電源供給部230を充電するための外部電源が供給される経路である。充電端子97の入口はカバー本体部110及びハウジング10の外側に向けて露出し、この入口には防水蓋が着脱可能に嵌め込まれており、電源供給部130を充電するときに防水蓋を取り出し、外部電源を接続できるようになっている。本発明の実施形態においては、図示したように、カバー本体部110及びハウジング10の内部防水をさらに確実にするために充電端子をハウジングOリング58より外側に固定し、充電端子上で水から保護されるべき部分はシリコーンなどで覆う方式で防水構造を設計した。このような構造によると、誤って充電端子の防水蓋を覆っていない状態で充電端子側に水が染み込んだとしても、カバー本体部110及びハウジング10の内部には水が浸透しないので充電端子のみを乾かせばよい。
【0235】
本発明の殺菌装置は、多様な対象を殺菌することができる。例えば、流し台の排水口の規格(直径)が互いに異なってもよい。このような点を勘案した上で、本発明の殺菌装置は、ハウジング10の外面に、
図27に示した整列突起390を備える。整列突起は、紫外線照射孔11を同心で互いに異なる直径(r1、r2)を有するように複数個設けられてもよい。また、整列突起は、紫外線照射孔を中心とする環形のリング形態であってもよく、環形のリング形態の一部であってもよく、環形のリング上に位置する各点の集合であってもよい。これらの直径(r1、r2)は、流通している流し台の排水口の直径の規格に対応して決定され得る。
【0236】
本発明の殺菌装置は、この他にも、各種容器の蓋部分の代わりに載せられた状態で容器の内部を消毒する方式で使用されてもよい。例えば、手が触れない程度に深いカップやタンブラーの入口に殺菌装置を載せて殺菌してもよい。
【0237】
一方、本発明の殺菌装置は、図示したように、据え置き台30をさらに備えてもよい。据え置き台は、中空の高さが低い円筒形状であって、側面は閉鎖されており、底面には通気孔31が形成され、底面より下方に延長された複数個のレッグ32が設けられ、通気孔31を外部空気と円滑に通気させることができる。
【0238】
皿洗いを終えた後、キッチンスポンジを乾燥させて殺菌するために、上記据え置き台30の内部にキッチンスポンジが置かれた状態で殺菌装置を据え置いてキッチンスポンジを殺菌することも可能である。また、キッチンスポンジなどのキッチン用品のみならず、据え置き台の内部に入るサイズの物はいずれも殺菌装置を使用して殺菌可能である。
【0239】
本発明の殺菌装置は、流し台の排水口のみならず、多様な他の物体に対する殺菌の実施にも使用可能である。例えば、
図31及び
図32に示したように、内部殺菌が必要な容器であるタンブラー35や鍋38などの蓋の代わりに、本発明の殺菌装置を覆って殺菌を実施することも可能である。
【0240】
次に、本発明の作動に対して説明する。
【0241】
ユーザーは、殺菌装置を据え置き台30に載せたり、底に載せた状態で充電端子97を介して外部電源を接続することによって電源供給部130を充電する。充電の程度は、可視光発光ダイオード190の色などを通じて表示される。充電を終えた後、充電端子97に防水蓋を嵌め込んだ殺菌装置を、流し台の排水口上に載せる。このとき、底に突出した整列突起390によって直観的に流し台の排水口の中心と殺菌装置の中心とを一致させることができ、支え部材80によって殺菌装置が滑ることなく元の位置を維持するようになる
。
【0242】
図33は、本発明の殺菌装置の作動に対するフローチャートである。
【0243】
ユーザーがスイッチ170を押すと、まず、基板70上の制御回路で各種センサーの環境測定結果をチェックする。すなわち、照度センサーによって測定された可視光線の照度が基準値より低い暗い状態で、距離センサーによって照射孔の前方の所定の距離内に物体があることが感知される状態であり、姿勢感知センサーによって殺菌装置の紫外線照射方向が下方に向いている(すなわち、殺菌装置が水平に置かれている)ことが感知される状態であると、制御回路によって紫外線発光ダイオード120に電源が供給される。紫外線発光ダイオード120及び可視光発光ダイオード190のいずれにも異常がないと、紫外線発光ダイオード120から紫外線が照射されると同時に、可視光発光ダイオード190も点灯し、ユーザーが殺菌装置の作動の有無を確認することができる。
【0244】
殺菌装置はタイマーで作動する。例えば、殺菌が十分に行われる間、紫外線発光ダイオードに電源が供給された後、電源が再び遮断され、殺菌装置がターンオフされる。実験の結果、本発明の実施形態を活用した殺菌装置を使用すると、約30分~40分程度作動した場合に259.9%の殺菌が行われることを確認することができた。タイマーが完了した後は可視光発光ダイオード190が点滅する。可視光発光ダイオードは、数回点滅した後でターンオフされてもよく、ユーザーが確認するまで継続して点滅してもよい。
【0245】
このとき、タイマー時間が完了する前に殺菌装置を誤ってぶつけたり持ち上げた場合、各センサーのうち少なくとも一つ以上が、使用環境が安全基準から逸脱したことを感知するようになり、電源は直ぐ遮断される。もちろん、タイマー時間が完了する前であっても、ユーザーがスイッチを押すことによって殺菌装置をターンオフする場合、紫外線発光ダイオードに供給されていた電源は直ぐ遮断される。
【0246】
このように流し台の排水口の周辺を殺菌すると、細菌やカビの繁殖を抑制し、悪臭を除去することができ、生活の質が向上する。また、他の用品に対する殺菌も、据え置き台などを活用して上記のように実施することができる。
【0247】
以上のように、本発明に対して例示した図面を参照して説明したが、本明細書に開示した実施形態及び図面によって本発明が限定されるわけではなく、本発明の技術思想の範囲内で通常の技術者によって多様な変形が可能であることは自明である。併せて、上述した本発明の実施形態を説明しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明していない場合であっても、該当の構成によって予測可能な効果も認められるべきであることは当然である。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットを収容するための収容空間を有する本体部、
前記本体部の前記収容空間と向い合う外面と、前記外面と反対側の内面と、を含み、前記内面を覆う前記本体部と結合するハウジング、
前記内面に配置される基板上に配置され、前記本体部の前記収容空間に向かって殺菌光を照射するように構成された第1光源、
可視光領域の光を出射する第2光源、
前記第1光源および前記第2光源の点灯のために前記第1光源および前記第2光源に電力を供給する電源供給部、
前記電源供給部の動作を調整する制御部、を含み、
前記第2光源は、前記第1光源が点灯して前記殺菌光が照射されると、前記第1光源と共に点灯して前記可視光領域の光を照射することにより、前記第1光源を介して前記殺菌光が照射されていることを表示する、殺菌装置。
【請求項2】
前記本体部の状態を感知する感知部をさらに含み、
前記制御部は、前記感知部で感知された前記本体部の状態に応じて前記電源供給部の動作を調整する、請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項3】
前記電源供給部は前記第1光源に電力を供給する時間を調整するタイマーをさらに含む、請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項4】
前記感知部は、前記ハウジングに入る可視光を検出する照度センサーを含み、前記本体部が暗い環境で使用されているか否かをチェックするように構成される、請求項2に記載の殺菌装置。
【請求項5】
前記第1光源から放出された光を反射する反射部をさらに備える、請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項6】
前記反射部は、前記第1光源から照射される殺菌光を収容空間に向かって反射させるように配置された、請求項5に記載の殺菌装置。
【請求項7】
前記電源供給部を操作するように構成されたスイッチをさらに含み、
前記制御部は、前記スイッチの操作に応じて前記電源供給部を制御する、請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項8】
前記第1光源上に配置され、前記第1光源から放出される殺菌光を通過させる材料を有する窓部材をさらに含む、請求項1に記載の殺菌装置。