(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038220
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】逐次モノスコープ追跡
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
A61N5/10 M
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222949
(22)【出願日】2023-12-28
(62)【分割の表示】P 2019554795の分割
【原出願日】2018-04-05
(31)【優先権主張番号】62/482,135
(32)【優先日】2017-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/482,604
(32)【優先日】2017-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/945,580
(32)【優先日】2018-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505172824
【氏名又は名称】アキュレイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】サイエ ソハイル
(72)【発明者】
【氏名】シュナー エリック
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン ペトル
(72)【発明者】
【氏名】マウラー ジュニア カルヴィン アール
(72)【発明者】
【氏名】ウェスト ジェイ ビー
(72)【発明者】
【氏名】オコンネル ロバート
(57)【要約】 (修正有)
【課題】逐次モノスコープ追跡の方法を提供する。
【解決手段】患者の内部ターゲット151領域の位置に関する投射データを含む患者の身体150内の内部ターゲット領域の複数の投射を発生させる段階を含む。1又は2以上の外部センサを使用して患者の身体の外部運動182に関する外部位置データを発生させる段階を更に含む。内部ターゲット領域の複数の投射を外部位置データに当て嵌めることにより、内部ターゲット領域の位置と外部位置データとの間の相関モデルを処理デバイスによって発生させる段階を更に含む。相関モデルを使用して後の時点での内部ターゲット領域の位置を推定する段階を更に含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体内の内部ターゲット領域の複数の投射を発生させる段階であって、該複数の投射が、該患者の内部ターゲット領域の位置に関する投射データを含む、前記発生させる段階と、
1又は2以上の外部センサを使用して前記患者の前記身体の外部運動に関する外部位置データを発生させる段階と、
前記内部ターゲット領域の前記複数の投射を前記外部位置データに当て嵌めることにより、該内部ターゲット領域の前記位置と該外部位置データとの間の相関モデルを処理デバイスによって発生させる段階と、
前記相関モデルを使用して後の時点での前記内部ターゲット領域の前記位置を推定する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数の投射は、ガントリー上で回転される撮像機を使用して取得される逐次取得モノスコープ投射画像であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記相関モデルは、前記複数の投射及び対応する前記外部位置データ内で識別された前記投射データへの解析関数の最適当て嵌めを識別することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記投射データは、前記内部ターゲット領域の運動を含む前記患者の身体の内部運動を識別することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
内部位置データは、1又は2以上の埋め込み基準マーカの運動を含む前記患者の身体の内部運動を識別することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の投射は、異なる時点で取得されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御するために、方法が、該相関モデルに基づいて線形加速器(LINAC)によって発生された放射線治療ビームを誘導する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御するために、方法が、該相関モデルに基づいて線形加速器(LINAC)のコリメータを制御する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記コリメータは、マルチリーフコリメータであり、該コリメータを制御するために、前記方法が、該マルチリーフコリメータの1又は2以上のリーフを移動する段階を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御するために、方法が、治療寝台を制御する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御するために、方法が、該相関モデルに基づいて線形加速器(LINAC)によって発生された放射線治療ビームをゲート制御する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記投射データは、前記内部ターゲット領域の近くに位置付けられた1又は2以上の基準マーカに対応し、
前記相関モデルを発生させるために、方法が、前記1又は2以上の基準マーカの相対位置に基づいて前記内部ターゲット領域の変形状態を計算する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
放射線治療送出装置であって、
患者の身体に対して内部であるターゲット領域に関する投射データを発生させるための第1の検出デバイスと、
前記患者の前記身体に対して外部である1又は2以上のセンサに関する位置データを発生させるための第2の検出デバイスと、
内部ターゲット領域に関する前記投射データと外部センサからの前記位置データとを受信し、かつ該外部センサから取得された該位置データに基づいて放射線治療送出装置を制御するために該内部ターゲット領域の位置と該外部センサとの間の対応を発生させて前記患者の運動を補償する処理デバイスと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項14】
前記第1の検出デバイスは、回転可能な単一撮像機を含むことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ガントリーに結合された搭載キロ電圧(kV)撮像機を含む線形加速器(LINAC)を更に含み、
前記第1の検出デバイスは、前記ガントリーに結合される、
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の検出デバイスは、更に
複数の逐次画像を発生し、かつ
前記複数の逐次画像に基づいて単一投射を発生させる、
ためのものである、
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項17】
移動可能台に結合された線形加速器(LINAC)を更に含み、
前記第1の検出デバイスは、ガントリーに結合されたコーンビームCT(CBCT)撮像機を含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記移動可能台は、前記ガントリーであることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記移動可能台は、前記ガントリーとは別のものであることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
相関モデルが、CBCT走査像の取得中に発生されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の検出デバイスは、MVポータル撮像機を含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項22】
放射線治療送出システムの処理デバイスによって実行された時に該処理デバイスに、
複数の投射が患者の内部ターゲット領域の位置に関する投射データを含む該患者の身体内の内部ターゲット領域の該複数の投射を発生させ、
1又は2以上の外部センサを使用して前記患者の前記身体の外部運動に関する外部位置データを発生させ、
前記内部ターゲット領域の前記複数の投射を前記外部位置データに当て嵌めることにより、該内部ターゲット領域の前記位置と該外部位置データとの間の相関モデルを前記処理デバイスによって発生させ、
前記相関モデルを使用して後の時点での前記内部ターゲット領域の位置を推定する、
ことを行わせる命令、
を含むことを特徴とする非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【請求項23】
前記複数の投射は、ガントリー上で回転される撮像機を使用して取得される逐次取得モノスコープ投射画像であることを特徴とする請求項22に記載の非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【請求項24】
前記相関モデルは、前記複数の投射及び対応する前記外部位置データ内で識別された前記投射データへの解析関数の最適当て嵌めを識別することを特徴とする請求項22に記載の非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【請求項25】
前記投射データは、前記内部ターゲット領域の運動を含む前記患者の身体の内部運動を識別することを特徴とする請求項22に記載の非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【請求項26】
内部位置データは、1又は2以上の埋め込み基準マーカの運動を含む前記患者の身体の内部運動を識別することを特徴とする請求項22に記載の非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【請求項27】
回転するガントリー上の単一撮像機を使用してターゲットの複数のX線画像を該ターゲットの周りに該単一撮像機を回転させることによって逐次的に取得する段階と、
前記逐次的に取得された複数のX線画像を使用して前記ターゲットの3次元位置を処理デバイスによって決定する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御する段階を更に含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
患者の身体に対して内部のターゲット位置に関する位置データを内部ターゲット位置の複数の投射を発生させることによって発生させる段階と、
1又は2以上の外部センサを使用して前記患者の前記身体の外部運動に関する外部位置データを発生させる段階であって、該外部位置データが前記複数の投射よりも頻繁に発生される、前記発生させる段階と、
前記内部ターゲット位置の前記複数の投射と前記外部位置データとに相関モデルを当て嵌めることにより、該内部ターゲット位置の位置と前記外部センサとの間の対応を処理デバイスによって発生させる段階と、
前記相関モデルに基づいて前記患者の前記内部ターゲット位置の前記位置に向けて放射線を誘導して該患者の運動を補償するように治療送出システムを制御する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
前記位置データは、内部ターゲット領域の近くに位置付けられた1又は2以上の基準マーカに対応し、
前記相関モデルを発生させる段階が、前記1又は2以上の基準マーカの相対位置に基づいて前記内部ターゲット領域の変形状態を計算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、これによりその内容全体が引用によって本明細書に組み込まれる2017年4月5日出願の米国仮特許出願第62/482,135号及び2017年4月6日出願の米国仮特許出願第62/482,604号に対する優先権を主張する2018年4月4日出願の米国特許出願第15/945,580号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示の実施形態は、X線撮像機からのデータを使用してターゲットの位置を追跡することに関する。
【背景技術】
【0003】
放射線治療では、患者の身体の外側の線源から放射線治療ビームを通じて送出される放射線線量は、腫瘍細胞を破壊するために身体のターゲット領域に送出される。典型的に、ターゲット領域は、腫瘍組織の容積から構成される。放射線治療中に、放射線治療ビームの治療線量が患者の身体の意図する部位に向けられるように、ターゲット領域の移動を追跡することに注意を払わなければならない。
【0004】
本開示の実施形態を添付図面の図に限定ではなく一例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】本明細書に説明する実施形態に従って使用することができる放射線治療システムを例示する図である。
【
図1B】本明細書に説明する実施形態による放射線治療システムの断面図である。
【
図2A】本明細書に説明する実施形態による体積撮像デバイス及び投射を例示する図である。
【
図2B】本明細書に説明する実施形態による投射画像を例示する図である。
【
図3】実施形態によりターゲット領域の運動を追跡するために外部マーカと組み合わせられた内部マーカを例示する図である。
【
図4A】実施形態により治療システム内の呼吸及び他の運動を補償するための方法を例示する流れ図である。
【
図4B】実施形態により治療システム内の逐次モノスコープ追跡のための方法を例示する第1の流れ図である。
【
図4C】実施形態により治療システム内の逐次モノスコープ追跡のための方法を例示する第2の流れ図である。
【
図4D】実施形態により治療システム内の逐次モノスコープ追跡のための方法を例示する第3の流れ図である。
【
図5】本明細書に説明する実施形態によるポータル撮像放射線治療システムを例示する図である。
【
図6】本明細書に説明する実施形態によるガントリーベースの強度変調放射線治療システムを例示する図である。
【
図7】本明細書に説明する実施形態によるヘリカル放射線送出システムを例示する図である。
【
図8】本明細書に説明する実施形態により放射線治療の発生又は実行に使用することができる異なるシステムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に説明するのは、逐次モノスコープ追跡のための方法及び装置の実施形態である。本開示の実施形態は、立体X線撮像機能を含むCyberKnife(登録商標)放射線手術システムのような放射線治療送出システムと併用することができる。これに代えて、他のタイプの放射線治療送出システム(例えば、ガントリーベース、ヘリカルベースなど)を使用することができる。
【0007】
一実施形態では、放射線治療システムは、放射線治療源として作用する線形加速器(LINAC)1201を含む。治療中に、放射線治療線量が意図するターゲットに向けられるように患者のターゲット領域のあらゆる移動が注意深く追跡されることを保証することが重要である。従ってCyberKnife(登録商標)放射線治療システムのような放射線治療システムでは、本明細書に説明するもののような逐次モノスコープ追跡システムが望ましいことになる。
【0008】
体積撮像システム(例えばmedPhoton ImagingRing System(IRS))と、
図1Aに示している放射線治療送出システム(例えばCyberKnife(登録商標)放射線治療システム)との併用は、新しい画像位置合わせ及び画像追跡の機会を与える。例えば、本開示の実施形態では、そのようなシステムは、単一の撮像機しか用いずに2又は3以上のフラット-パネルX線画像を取得することができる。
【0009】
本開示の実施形態は、異なる時点で取得された2又は3以上のフラット-パネルX線画像から逐次的に取得されたX線画像からのデータを使用して患者の内側のターゲットの3D位置を追跡する。単一(モノスコープ)画像が異なる角度から逐次的に(例えば数秒置きに)撮影されるので、そのような撮像は、逐次モノスコープ撮像と呼ぶことができる。一部の実施形態では、画像は、包含的に秒毎に一度と分毎に一度の間で撮影することができる。他の実施形態では、画像は、包含的に100ミリ秒毎に一度と2分毎に一度の間で撮影することができる。立体X線撮像との相違点は、単一モノスコープ画像が3D空間内のターゲットの位置を完全には定義しない点である。単一X線画像内で視覚化される物体は、X線源とX線画像内の物体の位置とを結ぶ線上のいずれかの箇所に位置する。
【0010】
異なる位置から取得された一連の個々の画像からの物体位置に関する情報は、観測期間にわたってターゲットの最も可能性が高い軌道を推定するための相関モデルに同時に当て嵌めることができる。移動する3Dターゲット位置と外部で検出された呼吸振幅との間の相関関係は、全てが異なる時点で少なくとも2つの位置から取得された複数の個々のフラット-パネルX線画像(例えばモノスコープ投射画像)から取得された投射を使用してモデル化することができる。本明細書に説明する数式を使用してモノスコープ投射画像を3Dモデルに当て嵌めて、ある期間にわたるターゲットの軌道を推定することができる。
【0011】
一実施形態では、投射(本明細書では「投射画像」とも呼ぶ)は、単一観測角度から身体の外側の平面(2D)に投射された身体の内部領域を描く画像とすることができる。この実施形態では、投射画像を取得するために、身体の両側のX線点源とフラット-パネル検出器とを使用することができる。X線源及び検出器は、身体の周囲で回転して様々な撮像角度から投射画像を取得することを可能にするリングガントリー上に装着することができる。
【0012】
別の実施形態では、投射データは、内部ターゲットの2D検出器位置とX線点源の間の線、及び/又は2D検出器位置それ自体の両方を含むことができる。一実施形態では、3Dターゲット位置と外部センサ位置の間の相関モデルは、検出器に投射されたモデルと2D検出器位置の間の距離を最小化することにより、及び/又はこのモデルと2D検出器位置及びX線点源間の線との間の距離を最小化することによって当て嵌めることができる。
【0013】
例えば、相関モデルは、複数の時点で取得された2Dターゲット位置を同時に取得された外部測定値(例えば外部マーカ位置)に当て嵌めることによって発生させることができる。そのような相関モデルは、例えば放射線治療システムにおいて使用することができる。そのようなシステムでは、相関モデルは、治療前、治療中に発生させることができ、この相関モデルを使用して外部測定値から内部腫瘍位置が推定され、この情報は、放射線ビームをターゲットと共に動的に移動させる又は成形するために用いられる。
【0014】
「ターゲット」という用語は、治療部位(例えば腫瘍)の近く(何らかの定められた近接度の範囲内)にある1又は2以上の基準を指す場合がある。別の実施形態では、ターゲットは、骨構造である場合がある。更に別の実施形態では、ターゲットは、患者の軟組織(例えば腫瘍)を指す場合がある。ターゲットは、本明細書に説明するように識別及び追跡することができるあらゆる定められた構造又は部位とすることができる。
【0015】
図1Aは、本明細書に説明する実施形態に従って使用することができる放射線治療システム1200を例示している。図示しているように、
図1Aは、放射線治療システム1200の構成を例示している。例示している実施形態では、放射線治療システム1200は、放射線治療源として作用する線形加速器(LINAC)1201を含む。一実施形態では、LINAC1201は、患者の周りの作動容積内で多くの角度から多くの平面内で送出されるビームで病変解剖学的構造(例えばターゲット120)を照射するようにLINAC1201を位置決めするために複数(例えば5又は6以上)の自由度を有するロボットアーム1235の端部上に装着される。治療は、単一アイソセンター手法、複数アイソセンター手法、又は非アイソセントリック手法によるビーム経路を必要とする場合がある。これに代えて、他のタイプの画像誘導式放射線治療(IGRT)システムを使用することができる。一代替実施形態では、LINAC1201は、下記で説明するようにガントリーベースのシステム上に装着することができる。
【0016】
LINAC1201は、治療中にロボットアーム1235を移動させることによって複数の異なるノード(LINAC1201を停止させて放射線を送出することができる定められた位置)に位置決めすることができる。これらのノードでは、LINAC1201は、1又は2以上の放射線治療ビームをターゲットに送出することができる。ノードは、患者の周囲にほぼ球面の分散状態で配置することができる。特定のノード数及び各ノードで照射される治療ビームの数は、治療すべき病変解剖学的構造の場所及びタイプの関数として変動する可能性がある。
【0017】
放射線治療システム1200は、X線源1203A及び1203B(すなわち撮像源)と固定X線検出器1204A及び1204Bとに接続された処理デバイス1230を有する撮像システム1210を含む。これに代えて、X線源103A、1203B及び/又はX線検出器1204A、1204Bは移動可能なものとすることができ、この場合、それらは、ターゲット120との位置合わせを維持するために、又はこれに代えてターゲットを異なる向きから撮像するために、又は多くのX線画像を取得して3次元(3D)コーンビームCTを再構成するために再位置決めすることができる。一実施形態では、X線源は点源ではなく、当業者には理解されるであろうが、X線源アレイである。一実施形態では、LINAC1201は、撮像源として機能し、LINAC電力レベルは、撮像にとって無難なレベルまで低減される。
【0018】
撮像システム1210は、コーンビームCT又はヘリカルメガ電圧コンピュータ断層撮像(MVCT)のようなコンピュータ断層撮像(CT)を実行することができ、撮像システム1210によって発生される画像は、2次元(2D)又は3次元(3D)のものとすることができる。2つのX線源1203A及び1203Bは、手術室の天井の固定位置に装着することができ、2つの異なる角度位置(例えば90度だけ分離された)からのX線撮像ビームを機械アイソセンター(本明細書では、治療中に患者を治療寝台1206上に位置決めするための基準点を与える治療中心と呼ぶ)で交差するように投射し、患者を通り抜けた後にそれぞれの検出器1204A及び1204Bの撮像平面を照明するように位置合わせすることができる。一実施形態では、撮像システム1210は、ターゲット及び取り囲む当該容積(VOI)の立体撮像を可能にする。他の実施形態では、撮像システム1210は、2よりも多い又は少ないX線源と2よりも多い又は少ない検出器とを含むことができ、検出器のいずれも固定されるのではなく、移動可能とすることができる。更に他の実施形態では、X線源の位置と検出器の位置とを交換することができる。検出器1204A及び1204Bは、X線を可視光へと変換する発光物質(例えばアモルファスシリコン)と、この光を当業者には公知であるようにデジタル画像の座標系を基準画像の座標系へと変換する画像位置合わせ処理中に基準画像と比較することができるデジタル画像へと変換するCMOS(相補的金属酸化物半導体)又はCCD(電荷結合デバイス)の撮像セルアレイとから作製することができる。基準画像は、例えば、CT画像を通して光線を投射することによってX線画像形成処理を模擬することに基づいて3DCT画像から発生された仮想X線画像であるデジタル再構成放射線画像(DRR)とすることができる。
【0019】
IGRT送出システム1200は、2次撮像システム1239を更に含む。撮像システム1239は、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)撮像システム、例えばmedPhoton ImagingRing Systemである。これに代えて、他のタイプの体積撮像システムを使用することができる。2次撮像システム1239は、アーム及びレールシステム(図示していない)に取り付けられた回転可能ガントリー1240(例えばリング)を含み、アーム及びレールシステムは、1又は2以上の軸線に沿って(例えば治療寝台1206の頭部から脚部へと延びる軸線に沿って)回転可能ガントリー1240を移動させる。回転可能ガントリー1240には撮像源1245と検出器1250とが装着される。回転可能ガントリー1240は、治療寝台の頭部から脚部へと延びる軸線の回りに360度回転することができる。従って、撮像源1245及び検出器1250は、数多くの異なる角度で位置決めすることができる。一実施形態では、撮像源1245はX線源であり、検出器1250はX線検出器である。一実施形態では、2次撮像システム1239は、別々に回転可能な2つのリングを含む。撮像源1245は第1のリングに装着することができ、検出器1250は第2のリングに装着することができる。一実施形態では、回転可能ガントリー1240は、放射線治療送出中にロボットアーム1202との衝突を避けるために治療寝台の脚部で静止している。
【0020】
図1Aに示すように、画像誘導式放射線治療システム1200は、治療送出ワークステーション150に更に関連付けることができる。治療送出ワークステーションは、放射線治療システム1200及び患者が存在する治療室とは異なる部屋の中に放射線治療システム1200から遠隔に設置することができる。治療送出ワークステーション150は、本明細書に説明するように1又は2以上の画像位置合わせに基づくターゲット運動の検出に基づいて患者1225への治療送出を修正する処理デバイス(処理デバイス1230又は別の処理デバイスである場合がある)及びメモリを含むことができる。
【0021】
一部の実施形態では、ヘリカル送出を行うガントリーシステムを使用して撮像システム1210を回転させることができる。例えば、このガントリーシステムを使用して2、3、又は4以上の画像(例えば、X線画像)を異なる角度で取得することができる。放射線治療送出システムは、患者の周囲に位置決めされた回転撮像システム109を更に含むことができる。
【0022】
一実施では、システム1200は、フレームレスロボット放射線手術システム(例えばCyberKnife(登録商標)治療送出システム)を含む。別の実施では、システム1200は、ガントリーベースのLINAC治療システムに結合され、例えば、LINAC1201は、ガントリーベースのシステムのガントリーに結合される。これに代えて、システム1200は、他のタイプの放射線治療システム、例えば下記で議論するヘリカル送出システムと併用することができる。
【0023】
図1Bは、画像誘導式放射線治療(IGRT)システム700の構成を例示している。一般的に、IGRTシステム700は、
図1Aの放射線治療システム1200に対応することができる。
【0024】
図1Bに示すように、IGRTシステム700は、2つのキロ電圧(kV)撮像源702A及び702Bを含むことができ、これらの撮像源は、手術室の天井720にある軌道722A及び722B上に装着することができ、更に治療中に治療ビーム716A,716B、及び716Cを発生させるためのLINAC708を位置決めし、患者710を治療寝台714の上に位置決めするための基準点を与える撮像中心726(すなわちアイソセンター)においてビーム704Aの光線712Aがビーム704Bの光線712Bと交差するように2つの異なる位置から撮像X線ビーム704A及び704Bを投射するように位置合わせすることができる。患者710を通り抜けた後に、撮像X線ビーム704A及び704Bは、手術室の床718又はその近くに互いに実質的に平行(例えば5度以内)に装着することができるX線検出器724A及び724Bのそれぞれの撮像面を照明することができる。kV撮像源702A及び702Bは、kV撮像源702A及び702Bの撮像面が単一撮像平面を形成するように実質的に共面とすることができる。一実施形態では、kV撮像源702A及び702Bは、単一kV撮像源で置き換えることができる。患者710のX線画像が発生された状態で、LINAC708は、異なる角度からの治療ビーム716を発生させるために回転することができる。LINAC708が異なる角度まで回転する間に、kV撮像源702A及び702Bは、新しい角度からの患者710のX線画像を発生させるために軌道722A及び722Bに沿って移動することができる。
【0025】
図2Aは、本明細書に説明する実施形態による体積撮像デバイス202と投射208とを例示している。一実施形態では、体積撮像デバイスは、線源204と検出器206とを含む。一実施形態では、体積撮像機202の線源204及び検出器206は、放射線治療中にターゲットを追跡し、患者を位置合わせするのに使用することができる。一実施形態では、体積撮像デバイス202は、追跡及び位置合わせを実行する上で使用することができる一連の画像を撮影するのに使用することができる。別の実施形態では、体積撮像デバイス202は、追跡及び位置合わせを実行する上で静止2DX線撮像機(例えば209)のような第2の撮像機との組合せで使用することができる。一実施形態では、線源204から検出器206へと延びる投射(例えば投射線)208が示されている。
【0026】
一実施形態では、(例えば投射線208に基づく投射画像からの)投射データは、2D検出器206の位置とX線点源204との間の線208と、検出器206位置それら自体との両方を含むことができる。
図2Bの投射画像210は、投射画像の一例である。一実施形態では、検出器206に投射されるモデルと2D検出器の位置との間の距離を最小化すること、及び/又はモデルと2D検出器206の位置及びX線点源204間の線208との間の距離を最小化することによって相関モデルを当て嵌めることができる。
【0027】
一実施形態では、3D点を2D平面内の点に写像するいずれかの方法によって投射を発生させることができる。例えば、異なる角度からの身体のX線投射画像を取得するために、X線点源204とフラット-パネル検出器206とを回転可能プラットフォーム又はガントリー202上に身体の両側に装着することができる。各画像ピクセルは、X線がX線点源204から検出器206までの線208内で進む時にX線に沿って遭遇する線形減衰係数の積分に近似するスカラー強度値を有する。X線撮像システムは、体内の解剖学的構造の3D位置をX線投射画像内の2D位置へと投射する。この実施形態では、患者の内部ターゲット領域の位置を識別する内部位置データを3D位置とすることができる。本明細書で説明する場合は、投射(又は投射データ)は、X線投射画像内の2D位置と、X線投射画像内のX線点源204及び2D位置間の線208との両方を指すことができる。
【0028】
図3は、患者の皮膚に取り付けられた1又は2以上の外部マーカ180と組み合わせられた内部マーカ152を有する患者の身体150内のターゲット(例えば腫瘍)151を例示する図である。患者の皮膚に取り付けられた1又は2以上の外部マーカ180は、腹部又は胸壁の運動182を決定することを可能にする。患者の呼吸の例では、外部マーカは、患者が吸入する及び吐き出す時の外部運動を追跡することができる。外部マーカ180は、赤外線又は可視光のようないくつかの光学的方法を使用する外部検出デバイスによって自動的に追跡することができ、外部マーカの位置を毎秒60回よりも多く決定することができる。外部マーカは、患者の腰の周囲に密着するベルト、フレキシブルリング、又はベストに取り付けることもできる。
【0029】
一実施形態では、ターゲット臓器が小幅にしか移動しない場合に、同時に外部マーカが大幅に移動する可能性があり、その逆の可能性もあることから、患者の運動を補償するために外部マーカしか用いられない場合に、これらのマーカがターゲット臓器の内部運動を正確に反映しない可能性がある。更に、外部マーカの主運動軸線は、必ずしも内部ターゲットの主運動軸線と同じであるとは限らない。例えば、肺ターゲットは、患者の下/上方向に主運動軸線を有する可能性があり、それに対して外部胸マーカは、前/後方向に主運動軸線を有ずる可能性がある。外部マーカだけでは、患者の運動を補償するのに十分に精確であるとは言えない可能性がある。ターゲット臓器の運動を正確に追跡するために、内部マーカと外部マーカとの組合せを使用することができる。ターゲット臓器の運動の正確な追跡を可能にするために、内部マーカの(例えば内部検出デバイスによる)周期的X線撮像を外部マーカの(外部追跡デバイスによる)連続光学追跡と相関させることができる。内部マーカの運動と外部マーカの運動とを相関させるように、内部マーカの位置と外部マーカの位置との間の関係を決定することができ、この決定は、治療処理の開始時に行うことができ、これについて
図4A~
図4Dを参照しながら下記で説明することにする。一実施形態では、Synchrony(登録商標)呼吸追跡システムを使用することができることに注意されたい。これに代えて、他のタイプの追跡システムを使用することができる。
【0030】
図4Aは、放射線治療送出中の患者の呼吸及び/又は他の運動に関する患者内のターゲット(例えば腫瘍)の位置の変化を補償するための方法404を例示する流れ図である。一般的に、方法404は、ハードウェア(例えば、処理デバイス、回路、専用論理部、プログラマブル論理部、マイクロコード、デバイスのハードウェアなど)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で稼働又は実行される命令)、又はこれらの組合せを含むことができる処理論理部によって実行することができる。一部の実施形態では、方法404は、
図1の放射線治療システム1200の処理論理部によって実行することができる。
【0031】
一実施形態では、この方法での最初の少数の作動は、患者の実際の治療の前の時点で実行することができる。特に、外科医は、ブロック406における短い手術手順中にターゲット臓器の近位又はその内部に内部マーカ(例えば基準)セットを挿入する(例えば確立する)ことができ、次に、外科医はブロック408において治療の直前に外部マーカセットをターゲット臓器に近い患者の胸又は腹壁に取り付ける(例えば確立する)ことができる。一実施形態では、外部マークは、光学ベースのシステム内の光学マーカとすることができる。別の実施形態では、他のマーカを使用することができる。一部の実施形態では、内部マーカセットを挿入することなくターゲット(例えば、基準、軟質組織、骨など)を追跡することができる。次にブロック410では、内部マーカ及び外部マーカの位置情報を受信した放射線治療デバイスのプロセッサ、例えば
図8のプロセッサ670が、患者の治療を開始する直前に内部マーカの位置と外部マーカの位置とを相関させる。内部マーカを外部マーカと相関させるための方法については下記で説明する。内部マーカの位置と外部マーカの位置とが相関された状態で、患者の治療を始めることができる。
【0032】
一実施形態では、ブロック411では、放射線治療システムの処理デバイスは、内部マーカが最後に撮像された時間からの総経過時間が予め決められた期間に等しいかどうかを決定する。予め決められた期間は、例えば数秒程度とすることができる。これに代えて、他の期間を使用することができる。総経過時間が予め決められた期間に等しい場合に、ブロック416において治療ビームが停止され、内部マーカが、例えばX線撮像を使用して撮像される。別の実施形態では、治療ビームは、新しいX線画像の取得中に停止されない。次に、ブロック418において総経過時間がゼロにリセットされ、本方法はブロック411に戻る。ブロック411に戻ると、総経過時間が予め決められた期間に等しくない場合に、ブロック412において外部マーカが追跡され、この間にブロック414において治療ビームが起動される(例えば治療送出システムが制御される)。外部マーカは、位置データが放射線治療システムの処理デバイスに例えば毎秒60回送出されるように追跡することができる。これに代えて、他の期間を使用することができる。一部の実施形態では、システムは、回転ガントリーが予め決められた角度に達した時にX線画像を撮影することができる。例えば、X線画像は、ガントリーが各回転において0°及び90°を通過する度に撮影することができる。他の実施形態では、期間と角度の組合せを使用することができる。次に、処理デバイスは、外部マーカの位置を内部マーカの位置と相関させて、ターゲット臓器のいずれかの位置変化に関する位置データを発生させることができる。従って、内部マーカの周期的撮像の間で、外部マーカの位置を使用してターゲットの位置が追跡される。
【0033】
ターゲットの移動が検出されると、放射線治療システムは、この移動を補償して放射線治療送出をいくつかの異なる方式で制御することができる。例えば、治療システムは、ターゲットと相対的な治療ビームの方向を制御するためにLINAC及び/又は患者治療寝台を移動させることができる。治療システムは、ターゲットと調和するように放射線治療ビームを発射又は停止することができる。治療システムは、放射線治療ビームを成形又は平行化し、ビームエネルギーを修正し、又は他に放射線治療ビームの特性を変更することができる。
【0034】
本開示の実施形態は、異なる時間で取得された2又は3以上のフラット-パネルX線画像を使用して患者の内側のターゲットの3D位置を追跡することができる。移動する内部3Dターゲット位置と外部で検出された運動(例えば呼吸)振幅との間の相関関係は、全てが異なる時間に取得された複数の個々のフラット-パネルX線画像から取得されたデータを使用してモデル化される。逐次モノスコープ追跡(SMT)への様々な数学手法を使用することができ、そのうちの2つを以下に議論する。しかし、本開示は、下記で議論する2つの手法に限定されない。代替実施形態では、他の数学手法を使用することができる。
【0035】
一実施形態では、数学手法は、X線源から(決定すべき)ターゲット位置モデルを通ってパネル上に至る投射線として視覚化され、パネル上の投射モデル位置と2Dで検出された実際の位置との間の最小平方和差を最小化する線形代数を使用してターゲット位置モデルに関して求解することができる(以下では「投射線手法」と呼ぶ)。モデルは、(疑似静止追跡するための)単一静止腫瘍位置とすることができ、又は(呼吸追跡するための)呼吸振幅の関数とすることができる。下記では、この投射線数学手法は、(1)(例えば呼吸又は心臓の運動に起因する)非静止ターゲット運動のモデル化を使用するヘリカル放射線治療送出システム、(2)疑似静止ターゲット運動のモデル化を使用するヘリカル放射線治療送出システム、(3)非静止ターゲット運動のモデル化を使用するターゲット運動追跡システムを有する放射線治療送出システムに関して説明する。しかし、本開示は、下記で議論する手法のみに限定されるわけではない。代替実施形態では、他の数学手法を使用することができる。
【0036】
この節で議論する数学手法は、本明細書で言及するヘリカル送出システムのようなヘリカル放射線送出システムに関するものとすることができる。ターゲットが大幅な呼吸運動を受けることが予測される場合に(一般的に肺、肝臓、膵臓、乳房、及び腎臓の治療)、周期的補正を実行するのに画像対を使用する代わりにターゲット運動に対する実時間補償を可能にするモデルが構築される。このモデルへの第1の入力は、患者によって着用されているベスト上の外部基準又は外部マーカの3D位置のストリームである。外部マーカの例は、例えば毎秒およそ30フレームで追跡されるベスト上のLEDとすることができる。第2の入力は、撮像システム、例えば単一投射X線画像からの周期的データである。特に、各画像が撮影される度に、所望の角度でのX線投射を模擬する計画的コンピュータ断層撮影(CT)を用いたデジタル再構成放射線画像(DRR)を活用してX線画像内で基準(基準治療)又はターゲットが局在化される。この局在化段階から、X線源を基準(又はターゲット)重心に結ぶ線を推定することができる。この線が、次に、線源位置と併せて相関モデルへの第2の入力である。
【0037】
ターゲットが画像内にある事例では、線源をターゲットに結ぶ線を求めるのは自明であり、この線は、単純に検出器平面内で識別された線源をターゲットの重心に結ぶ線である。しかし、複数の基準を伴う場合に対して、基準が線源から異なる距離のところにある可能性があることから、検出器平面内で基準配置の重心を取得する段階は不正確な結果を生じると考えられる。
【0038】
線源からの基準の距離を単一投射画像内で正確に導出することはできず、従って本発明者は、代わりに公称位置合わせ状態での基準の既知の3D場所を使用してこれらの距離を近似する。一部の実施形態では、各基準を個々に追跡することができ、各追跡対象基準に対応する3Dモデルを発生させることができる。
【0039】
公称位置合わせ状態での基準の位置をx
j、j=1...Nと書き、線源の位置をSと書き、検出器平面上への基準の3D投射(局在化アルゴリズムによって2D位置が決定され、検出器に対応する任意の「深度」を各基準に与えることによって3D投射が計算される)をf
jと書くことで、各基準の3D位置P
jが線S+λ(f
j-S)上のx
jへの最近接点として推定される。特に、次式が成り立つことがわかる。
同じくこのP
jは、x
jからこの線に対して垂直に位置し、すなわち、次式が成り立つ。
これらの式をまとめて解くことによって次式が与えられる。
これは、P
jを推定すること、従って平均値を基準構成の推定重心として取得することを可能にする。この位置は、線源に加えて、次に、モデラーに送られる線を定義する。
【0040】
ターゲットが大幅な呼吸運動及び/又は心臓運動に見舞われない実施形態では、ターゲットが許容限界範囲内に留まることを保証するためにターゲットの平行移動に対する周期的補正を実施し、ターゲットの回転を測定することができることが望ましい場合がある。それを行うために、画像対を使用することができ、一般的にこれらの画像は、ガントリーが回転している状態でいくつかの制約を受けながら(例えば、2つの画像の間の角度分離幅が少なくとも30度でなければならず、かつ150度を超えてはならない)取得された2つの直近の画像となる。
【0041】
ガントリー上のkVスナップショット撮像システムによって撮影されたこれらの画像は下/上方向を共有することから、下記でより詳細に説明するように、ロボットベースのLINACの場合と同様に、上記で説明した手法は、直交しない角度に対処するように拡張することができる。しかし、寝台は治療全体を通して継続的な運動を受けることになり、投射基準位置に対するこの運動の効果は、X線源からの各基準の距離に従って変動する。この寝台の運動を算入するロボットベースのLINAC手法の拡張は簡単ではなく、従って別の方法を提案する。
【0042】
例えば、N個の画像(上記で提案したワークフローが用いられる場合にはNは2に等しくなる)が存在する一般的な場合に、これらの画像の間でカメラ投射行列が変動することが許される。現実には、ガントリーの屈曲がカメラパラメータの大幅な変化を引き起こさない限り、投射行列が一定に留まると仮定することができる。
【0043】
標準ピンホールカメラ投射モデルは、投射行列Pによって表すことができる。
【0044】
Fは、カメラの3D座標系であり、fは、焦点距離(例えば、X線源と、線源-検出器軸線及び検出器中心の交点との間の距離)であり、ku及びkvは、x及びyの画像軸線に沿うピクセル寸法の逆数であり、u0及びv0は、光学軸線と撮像平面との交点の画像座標であり、{xF,yF,zF}は、投射されている物体のカメラ座標系内の3次元位置であり、{Ijx,Ijy}は、投射(この場合にはX線画像)内に出現する時の物体の2D画像座標である。
【0045】
投射を実行する前に、物体の位置を撮像座標系からカメラ座標系へと変換することができる。この変換は、j接尾辞が、画像jに関する撮像座標系からカメラ座標への変換を表す場合にR
jと標記する剛体変換によって果たすことができる。次に、画像jに対する投射行列をP
jと標記することで、次式が得られる。
前式中のc
j={c
jx c
jy c
jz}
Tは、画像jにおける寝台オフセットを表すベクトルであり、x={x y z}
Tは、撮像座標系内の物体の位置であり、I
j={I
jx I
jy}
Tは、撮像平面上の物体の投射の2D座標である。同次座標内で3×4行列P
jR
jをT
jと書くと以下に続く式が得られる。
及び
前式は、次式へと書き直すことができる。
一般的に、次に、N個の視野に関して前式は次式になる。
【0046】
N>=2である限り、このシステムは過剰決定であり、xに関する解は、標準行列最小化法を使用して、すなわち、一般解がX=(ATA)-1ATBである場合に∥AX-B∥2を最小化するXを求めることによって求めることができる。
【0047】
一実施形態では、それにより、各基準マーカの推定3次元位置を複数のX線画像内への当該位置の投射場所を使用して求めることを可能にするフレームワークが確立される。公称位置合わせ位置から現在のターゲット位置へと写像を行うのに必要な6D補正(平行移動及び3つのロール角)を推定するためにこれらの基準マーカ位置を使用するのは変らない。
【0048】
一実施形態では、これは、点ベースの位置合わせ問題とすることができる。これらの点の間の距離の平方和が最小化されるように1つの点セットを別の対応するセットに写像する剛体変換を求めるための閉形式解が存在する可能性がある。画像座標内の基準位置セットをXと書き、公称位置合わせ状態にある対応する位置をYと書くことで、平行移動成分は単純に、
各々がそれ自体の重心に関する2つの3×N基準座標行列を
シェーネマンの解及び表記を使用すると、
この場合、
ホーンの解とシェーネマンの解の両方は、回転と反射の両方を含む直交行列に関して求解することに注意されたい。最適な回転を求めることを可能にする修正は、上記の解が反射(すなわち、det(R)=-1)を生じる場合に、R=USV
Tを使用することによって最適な回転を求めることを可能にすることができ、3次元の場合には次式が成り立つ。
【0049】
ヨー、ピッチ、及びロールの回転角y、p、及びrを導出するために、以下に続く一般則を使用することができる。x軸線が患者の下-上軸線(従ってガントリーが回転する軸線)に対応し、y軸線が患者の左-右軸線に対応し、z軸線が患者の前-後軸線に対応すると仮定する。更に、これらの角度が、ヨー、ピッチ、及びロールの順序で適用されると仮定する。角度の正弦及び余弦をsy、cy、sp、cp、sr、crと書くと、回転行列が次式として生じる。
この式は、以下に続く角度値を導出することを可能にする。
【0050】
別の実施形態では、撮像アイソセンターは、画像座標系の原点と定めることができる。撮像システムの幾何学構成が明確な特徴を有するものであり、従って2つのX線源の位置SA及びSBが既知であり、X線検出器の位置及び向きが既知であると仮定することができる。X線検出器のピクセルサイズは既知であることから、検出されたいずれの基準位置も、検出器面上に位置する撮像座標系内の座標に関連付けることができる。
【0051】
検出器A及びBそれぞれの面上への基準の投射を表すこれらの座標を{F
A1,F
A2,…,F
AN}及び{F
B1,F
B2,…,F
BN}と書く。更に、基準iの真の位置は、以下に続く式によって定義される2つの線上に位置するものとして書くことができる。
前式中のλ
Ai及びλ
Biは、線に沿って位置を定義するスカラーパラメータである。
【0052】
理想的には2つの線は交差することになるが、基準局在化及び撮像システムの較正の不確実性に起因して、典型的には2つの線は正確には一致せず、従ってこれらの線を使用して基準位置を推定する方法を見つけなければならない。下/上方向は2つの撮像平面の間で共有されることから、2つの投射を一致させる段階は、両方の平面内に投射された下/上の基準位置を2つの平面からの値の平均として使用する程度の簡単なものである。両方の投射が同じ下/上位置を有することで、この段階は、2つの修正済み基準投射の交点を表す3D場所を求める簡単な逆投射問題になる。
【0053】
代替実施形態では、数学手法は、線ではなく線源からパネルに投射されるファジーコーンとして視覚化することができる。これらのコーンは、パネルによって2Dで検出される実際の位置の不確実性を表す。この不確実性は、2D検出における誤差(例えばピクセルサイズのような物理的制約、撮像処理の制約など)に起因する可能性がある。不確実性は、画像が取得される時間の合間の患者の運動に起因する可能性もある。一部の実施形態でのこの手法の利点は、システムの物理的及びアルゴリズム的な不確実性を表す調整可能パラメータと、予測疑似静止患者運動又は現存する外部/内部マーカの運動モデルからの偏差率を表す調整可能パラメータ(経時変化パラメータ、すなわち、画像が経時変化するにつれて測定値の予測標準偏差が増加し、古い画像には実質的に軽い重みが与えられる)と、様々な調整可能不確実性パラメータを所与として実測データを説明する所与のモデルの尤度として定義される統計的信頼度メトリックとを含むことができる。
【0054】
呼吸振幅を立体画像対から導出された3D位置と相関させるのではなく、本開示の実施形態は、呼吸振幅と逐次取得フラット-パネル画像内で検出された2D位置との間の直接相関関係を構築する。
【0055】
内部-外部相関モデルは、多くの異なる関数を使用して実施することができ、下記はいくつかの例である。
・呼吸の吸入相と吐き出し相とに関する別々の関数
【0056】
これらの関数の各々は、いくつかのパラメータで構成される。例えば、線形モデルは、その2つの3Dベクトルを構成する6つのパラメータを有する。5Dモデルは、その3つの3Dベクトルを構成する9つのパラメータを有する。
【0057】
内部-外部相関モデルを発生させる段階は、モデル形式を選択し、次に、観測データに最適に当て嵌まる全てのモデルのパラメータに対する値を決定するという問題である。3D実測ターゲット位置を与える同時画像対を使用して、この問題を以下の通りに数学的に記述することができる。
とする。
M(x)をn個のパラメータc
1,c
2,…c
nを有するモデル関数とする。
次に、モデル化済み3D位置と実測3D位置との間の差の平方和を最小化するようにモデルパラメータを最適化する:
【0058】
上記は、測定3Dターゲット場所が既知である時の内部-外部モデル構築を説明している。本開示の実施形態では、内部-外部相関モデルは、一度に1つのフラット-パネル画像内で検出された2Dターゲット場所のみを使用して構築される。モデル発生は、フラット-パネル検出器上の2D位置に対する3Dモデル位置の更なる発生を伴う。
フラット-パネル上の2Dターゲット場所とする。
M(x)をn個のパラメータc
1,c
2,…c
nを有するモデル関数とする。
関する空間内の3D点を2Dフラット-パネル上に投射する関数セットとする。
次に、2Dに投射されたモデル化済み位置とフラット-パネル上の実測2D位置との間の差の平方和を最小化するようにモデルパラメータを最適化する:
【0059】
一実施形態では、前式は、逐次モノスコープ相関モデルを構築するために利用される式である。代替実施形態では、アルゴリズムをよりロバストにして追跡誤差を検出するために、追加の修飾化を使用することができる。一実施形態では、逐次モノスコープモデル化は、同時画像対内で見つかる共有相互情報を拠り所とすることができないことからモデル構築において誤差が検出される。同時画像対は、共通の1つの軸線を有し、従ってこの軸線に沿った追跡結果の差異は、ある程度の追跡誤差を示す。
【0060】
逐次モノスコープモデル化における追跡誤差を検出するために、代わりに、予測される2D追跡誤差及び3D患者モデル化誤差の推定値を与え、次に、モデルに対する統計的信頼度メトリックを計算することができる。
σをモデル内の投射2D場所とフラット-パネル上の実測2D場所との間の予測誤差とする。
最適化式を
として変更する。
それにより、投射モデルと実測点との間の標準偏差は次式となる。
モデルと実測データの間のこの標準偏差は、このモデルがデータに対する的確な当て嵌めであるか否かを検証するのに使用することができる。
【0061】
モデル構築は、投射モデル点と実測2D位置の間の予測標準偏差を測定値の古さに基づいて調節することによって経時変化に対してよりロバストにすることができる。
σ
1が、追跡精度に起因する2D位置における一定の予測誤差であり、σ
2が、経時変化パラメータと呼ぶこの予測誤差が経時的に増加する速度である時に、σ(Δt)=σ
1+σ
2Δtが成り立つものとする。
次に、このモデルを
として最適化する。
この最適化は、利用可能な全ての測定値をモデルが使用するが、患者の呼吸パターンが経時的に変化した場合により新しい測定値をより厳密に当て嵌めることを可能にする。本開示の実施形態は、呼吸運動をモデル化する上での使用に関して説明するが、本開示の方法及び装置の代替実施形態は、心臓運動のような他のタイプの運動のモデル化に適用することができる。別の実施形態では、本開示は、ターゲットの疑似静止運動に適用することもできる。
【0062】
別の実施形態では、3D運動モデルを導出する最小二乗最小化問題は、次式とすることができる。
運動モデルfは、患者内の基準の運動が、X線画像内で検出された2D基準場所に最適に一致するように最適化することができる。P
i,jは、j=1..m番目の基準に関するi=1..n番目の画像内の2D基準場所とすることができる。運動モデルfは、画像iの取得時の呼吸振幅aiと運動調節済み3D位置s
j′に対する3D基準位置s
jとの関数とすることができる。関数P
gi,ciは、画像iに対応するガントリー角度g
i及び寝台位置c
iを所与として運動調節済み3D位置は、X線画像内でそれに対応する2D位置に投射する。
【0063】
一実施形態では、システムは、基準検出アルゴリズムを使用して2D基準場所(p
i.j)を求め、次に、ソルバーライブラリを使用して上記の式における運動モデルに関して求解する。最適なモデル関数が計算された状態で、あらゆる呼吸振幅に対するターゲットの3D場所を数ミリ秒内に予測することができる。一例では、aを呼吸振幅とし、tを運動が無い時の患者内のターゲットの3D場所とする。次に、新しい3Dターゲット場所t′を次式とすることができる。
【0064】
運動モデルは、様々な形態をとる可能性がある。例えば、直線運動をf(ai,sj)=[x1,y1,z1]ai+[x2,y2,z2]+sjとしてモデル化することができる。この場合、最小化処理は、6つの変数(x1,y1,z1,x2,y2,z2)に関して求解することができ、従って、モデルを構築するのに最少でも3つのフラット-パネル画像を必要とする。モデルのロバスト性及び統計的信頼度を改善するために追加の画像を使用することができる。代替運動モデル式を使用してより複雑な運動経路をモデル化することができる。例えば、非線形ターゲット運動を取り扱うためにモデル関数は、高次多項式(例えば、3次)とすることができ、又は吸入中の運動が吐き出し中の運動とは異なるヒステリシスを取り扱うために双対多項式とすることができる。
【0065】
一実施形態では、運動モデルは、回転を含む又は非剛体空間変換さえも含むことができる。より多くの自由度を有するモデルは、構築するのにより大きい最少枚数の画像を必要とし、従って、線形モデルと同じレベルのロバスト性及び統計的信頼度に到達するのにより多くの追加画像を必要とする。
【0066】
実際に、患者の呼吸パターンは、経時的に不変のままに留まらない可能性がある。システムは、新しい画像が取得される度に画像を処理してモデルを更新するのに約1秒を要しながらモデルを再最適化することによって呼吸パターンの変化に適応する。一実施形態では、モデル適応化は、n個の直近画像のみを用い、最小化目的関数内でより直近の画像により重い重みを付与することにより、最近の呼吸変化に対してより高い応答性にされる。本発明の定式化では、重みは、モデル化された2D場所と予測2D場所の間の予測誤差を画像の古さに比例して増大させることによって指定される。
【0067】
一例では、σは、例えば、有限のピクセルサイズとkV撮像構成要素の幾何学的位置合わせの精度とから生じるパネル上の2D基準検出の固有の精度を表すものとする。σ′は、経時的な患者の呼吸パターン変化の予測速度を表すものとし、Δt
i=t
n-t
iは、i番目の画像と直近(n番目)の画像の間の期間とすると、Δt
iσ′は、i番目の画像内の呼吸パターンが現在のモデルからどの程度偏倚するかを表す。経時変化を伴う運動モデル最小化式を下記に提示する。
【0068】
経時変化を含めることにより、逐次モノスコープ撮像は、非呼吸運動、並びに呼吸運動を効果的に追跡することができる。非呼吸運動に伴う1つの複雑さは、周期的X線画像と相関させるための呼吸振幅のような連続的な外部信号が存在しないことであると考えられる。一実施形態では、運動が発生した表示をシステムが最初に有するのは次のX線画像が取得されるときである。有利なことに、ターゲット運動に対する応答性を高めるために、システムは、直近画像から導出された位置情報を優先的に選択することができる。
【0069】
一実施形態では、上記のモデル最適化フレームワークを使用して非呼吸運動をモデル化するために、最初に運動モデル関数を呼吸振幅とは独立したものとして定義し、例えば、関数f(ai,sj)=[x,y,z]+sjは、3Dターゲット位置及び基準位置の静的平行移動をモデル化する。次に、直近の数枚の画像のみ、典型的には2枚(例えばn=2)程度の少ない画像のみを使用してモデルを最適化する。最後に、経時変化パラメータ(σ′)は、非呼吸ターゲットが患者内で移動することが予測される速度と整合するものとして選ぶことができる(例えば、前立腺は、治療全体を通しての膀胱の充満に起因して緩慢に移動することが認められている)。この時点で、モデル最小化処理は、静止ターゲットの3D位置を正確に計算し、より直近の画像からの位置情報を優先的に選択することによって移動ターゲットを効率的に取り扱うことができる。
【0070】
一実施形態では、モデル最小化フレームワークはまた、モデルの整合性を検証する手法を与える。立体撮像を用いて、追跡結果を検証するために2つの同時画像によって共有される軸線に沿って検出された位置を比較することができる。この比較は、逐次モノスコープ撮像では不可能である可能性がある。代わりに、先験的予測検出精度(σ)と画像経時変化(σ′)パラメータとを所与として、モデルの信頼度は、最適化済み運動モデルが2D検出位置と整合する確率として計算される。この確率は、最適化済み運動モデルの値よりも大きいカイ二乗分布の面積を計算することによって導出することができる。カイ二乗分布の自由度は、2D画像の枚数に基準の個数を乗じたものの2倍(2mn)とすることができる。一実施形態では、モデル信頼度は、数学的に次式で示される。
【0071】
図4Bは、実施形態による治療システム内の逐次モノスコープ追跡のための方法を例示する第1の流れ図である。一般的に、方法401は、ハードウェア(例えば、処理デバイス、回路、専用論理部、プログラマブル論理部、マイクロコード、デバイスのハードウェアなど)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で稼働又は実行される命令)、又はこれらの組合せを含むことができる処理論理部によって実行することができる。一部の実施形態では、方法401は、
図1の放射線治療システム1200の処理論理部によって実行することができる。
【0072】
ブロック403で始まり、処理論理部は、患者の身体内の内部ターゲット領域の複数の投射を発生させることができる。一実施形態では、複数の投射は、(例えば1又は2以上の内部検出デバイスによる)患者の内部ターゲット領域の位置に関する投射データを含む。一実施形態では、複数の投射は、ガントリー上で回転される撮像機(例えば内部検出デバイス)を使用して取得された逐次取得モノスコープ投射画像である。一実施形態では、複数の投射は、異なる時点で取得される。内部検出デバイスは、一度に1つの投射像データを発生させることができる。内部検出デバイスは、複数の逐次画像を発生し、それに基づいて単一投射を発生させることができる。一実施形態では、投射データは、患者の身体の内部運動を識別し、内部運動は、内部ターゲット領域の運動を含む。別の実施形態では、投射データは、患者の身体の内部運動を識別し、内部運動は、1又は2以上の埋め込み基準マーカの運動を含む。
【0073】
ブロック405では、処理論理部は、患者の身体の外部運動に関する外部位置データを1又は2以上の外部センサを使用して(例えば1又は2以上の外部検出デバイスによって)発生する。ブロック407では、処理論理部は、内部ターゲット領域の位置と外部位置データとの間の相関モデルを処理デバイスによって発生させる。一実施形態では、内部ターゲット領域の複数の投射(例えば投射データ)を外部位置データに当て嵌めることによって相関モデルを発生させることができる。一実施形態では、相関モデルは、複数の投射及び対応する外部位置データ内で識別された投射データへの解析関数の最適当て嵌めを識別する。一実施形態では、処理論理部は、CBCT走査像(又はいずれか他のタイプの走査像)の取得中に相関モデルを発生させる。ブロック409では、処理論理部は、後の時点で相関モデルを使用して内部ターゲット領域の位置を推定する。処理論理部は、任意的に、相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御することができる。
【0074】
一実施形態では、相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御するために、処理デバイスは、線形加速器(LINAC)によって発生された放射線治療ビームを相関モデルに基づいて導くことになる。別の実施形態では、相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御するために、処理デバイスは、相関モデルに基づいて線形加速器(LINAC)のコリメータを制御することになる。一実施形態では、コリメータはマルチリーフコリメータであり、コリメータを制御するために、処理デバイスは、マルチリーフコリメータの1又は2以上のリーフを移動させることになる。別の実施形態では、相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御するために、処理デバイスは、治療寝台を制御することになる。別の実施形態では、相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御するために、処理デバイスは、相関モデルに基づいて線形加速器(LINAC)によって発生された放射線治療ビームをゲート制御することになる。別の実施形態では、投射データは、内部ターゲット領域の近くに位置する1又は2以上の基準マーカに対応し、相関モデルを発生させるために、処理デバイスは、1又は2以上の基準マーカの相対位置に基づいて内部ターゲット領域の変形状態を計算することになる。
【0075】
図4Cは、実施形態による治療システム内の逐次モノスコープ追跡のための方法を例示する第2の流れ図である。一般的に、方法402は、ハードウェア(例えば、処理デバイス、回路、専用論理部、プログラマブル論理部、マイクロコード、デバイスのハードウェアなど)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で稼働又は実行される命令)、又はこれらの組合せを含むことができる処理論理部によって実行することができる。一部の実施形態では、方法402は、
図1の放射線治療システム1200の処理論理部によって実行することができる。
【0076】
ブロック411では、処理論理部は、回転ガントリー上の単一撮像機を使用してターゲットの複数のX線画像を逐次的に取得する。実施形態では、複数のX線画像は、単一撮像機をターゲットの回りに回転させることによって取得される。ブロック413では、処理論理部は、逐次的に取得した複数のX線画像を使用してターゲットの3次元位置を処理デバイスによって決定する。ブロック415では、処理論理部は、任意的に、相関モデルに基づいて放射線治療送出システムを制御する。
【0077】
図4Dは、実施形態による治療システム内の逐次モノスコープ追跡のための方法を例示する第3の流れ図である。一般的に、方法404は、ハードウェア(例えば、処理デバイス、回路、専用論理部、プログラマブル論理部、マイクロコード、デバイスのハードウェアなど)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で稼働又は実行される命令)、又はこれらの組合せを含むことができる処理論理部によって実行することができる。一部の実施形態では、方法404は、
図1の放射線治療システム1200の処理論理部によって実行することができる。
【0078】
ブロック417では、処理論理部は、患者の身体の内部のターゲット位置に関する位置データを発生させる。一実施形態では、処理論理部は、内部ターゲット位置の複数の投射を発生させることによって位置データを発生する。ブロック419では、処理論理部は、1又は2以上の外部センサを使用して患者の身体の外部運動に関する外部位置データを発生させる。一実施形態では、外部位置データは、連続的に発生され、ここで「連続的に」は、外部位置データが「周期的に」発生される投射よりも頻繁に発生されることを意味するために使用される。例えば、連続的に発生される外部データは、30Hzで発生される外部位置データを意味することができ、それに対して周期的に発生される投射データは、30秒毎又は類似に相違する時間間隔で発生させることができると考えられ、ここで「連続的に」発生されるデータは、「周期的に」発生されるデータよりも数桁多い回数で頻繁に発生される。ブロック421では、処理論理部は、相関モデルを内部ターゲット位置の複数の投射と外部位置データとに当て嵌めることによって内部ターゲット位置の位置と外部センサの位置との間の対応を処理デバイスによって発生させる。任意的に、内部位置データは、内部ターゲット領域の近くに位置する1又は2以上の基準マーカに対応し、ブロック423では、処理論理部は、相関モデルを発生させるために1又は2以上の基準マーカの相対位置に基づいて内部ターゲット領域の変形状態を計算する。ブロック425では、処理論理部は、患者の運動を補償するために相関モデルに基づいて患者の内部ターゲット位置の位置に向けて放射線を誘導するように治療送出システムを制御する。
【0079】
本開示の実施形態は、
図5に示すポータル撮像システム1400に実施することができる。一実施形態では、ポータル撮像システム1400では、治療中にLINACのビームエネルギーを調節することができ、それによってLINACをX線撮像(例えばモノスコープ画像を発生させる)と放射線治療との両方に対して使用することが可能になる。別の実施形態では、システム1400は、X線画像(例えばモノスコープ画像)を発生させるための搭載kV撮像システムと、より高いエネルギーの治療放射線ビームを発生させるための個別のLINACとを含むことができる。システム1400は、ガントリー1410と、LINAC1420と、ポータル撮像検出器1450とを含む。ガントリー1410は、選択された投射に対応する角度まで回転させて、治療寝台1440上の患者1430のVOIのX線画像を取得するのに使用することができる。ポータル撮像システムを含む実施形態では、LINAC1420は、患者1430のターゲットを通り抜け、ポータル撮像検出器1450上に入射してターゲットのX線画像を生成するX線ビームを発生させることができる。ターゲットのX線画像が発生された後に、LINAC1420が患者1430のターゲット領域を治療するための放射線ビームを発生させることができるようにLINAC1420のビームエネルギーを高めることができる。別の実施形態では、kV撮像システムは、患者1430のターゲットを通り抜けてターゲットのX線画像を生成するX線ビームを発生させることができる。一部の実施形態では、ポータル撮像システムは、治療の実行中にポータル画像を取得することができる。ポータル撮像検出器1450は、ビームが患者1430を通り抜けた後に射出放射線フルエンスを測定することができる。それにより、内部又は外部基準又は解剖学的構造(例えば腫瘍又は骨)の場所をポータル画像内で局在化することを可能にすることができる。
【0080】
これに代えて、本明細書に説明するkV撮像源又はポータル撮像機及び作動の方法は、更に他のタイプのガントリーベースのシステムと併用することができる。一部のガントリーベースのシステムでは、ガントリーは、アイソセンターを通り抜ける軸線の回りにkV撮像源及びLINACを回転させる。ガントリーベースのシステムは、ほぼトロイダル形状を有するリングガントリーを含み、ここで患者の身体は、リング/トロイドのボアを通って延び、kV撮像源及びLINACは、リングの周囲上に装着されてアイソセンターを通り抜ける軸線の回りに回転する。ガントリーベースのシステムは、C字アームガントリーを更に含むことができ、ここでkV撮像源及びLINACは、カンチレバー方式で載架されてアイソセンターを通り抜ける軸線の回りに回転する。別の実施形態では、kV撮像源及びLINACは、これらが上記で議論したように装着されたロボットアームを含むロボットアームベースシステム内で使用することができる。
【0081】
図6は、本開示の実施によるガントリーベースの強度変調放射線治療(IMRT)システム709を例示している。ガントリーベースのシステム709では、ヘッドアセンブリ701を有する放射線源(例えばLINAC1201)が、ガントリー703上に装着される。一実施形態では、放射線ビーム160は、円形回転平面上の(例えば、回転軸線の回りの)いくつかの位置から送出することができる。一実施形態では、システム709は、kV撮像源705とX線検出器707とを含むことができる治療撮像システムを含む。kV撮像源705は、設定に向けて患者を撮像し、更に治療中画像を発生させるためにkV撮像源705と反対のX線検出器707上に入射する一連のX線ビームを患者のROIに向けることによってROIのX線画像を発生させるのに使用することができる。結果として得られるシステムは、ターゲット場所に線量分布を送出するためにアイソセンターで互いに交差する任意形状の放射線ビーム760を発生させる。一実施では、ガントリーベースのシステム700は、c字アームベースシステムとすることができる。
【0082】
図7は、本開示の実施形態によるヘリカル放射線送出システム800を例示している。ヘリカル放射線送出システム800は、リングガントリー820に装着された線形加速器(LINAC)810を含むことができる。LINAC810は、電子ビームをX線放出ターゲットに向けて誘導することによって幅狭強度変調ペンシルビーム(すなわち治療ビーム)を発生させるのに使用することができる。治療ビームは、放射線をターゲット領域(すなわち腫瘍)に送出することができる。リングガントリー820は、一般的にトロイダル形状を有し、このリング/トロイドのボアを通って患者830が延び、LINAC810は、リングの周囲上に装着され、患者の周囲の1又は2以上の角度から送出されるビームでターゲット領域を照射するために中心を通り抜ける軸線の回りに回転する。治療中に、ガントリーのボアを通して治療寝台840上の患者830を同時に移動することができる。
【0083】
ヘリカル放射線送出システム800は、kV撮像源850とX線検出器870とを含むことができる治療撮像システムを含む。kV撮像源850は、設定に向けて患者830を撮像し、更に治療中画像を発生させるためにkV撮像源850と反対のX線検出器870上に入射する一連のX線ビームを患者830の該当領域(ROI)に向けることによってROIのX線画像を発生させるのに使用することができる。治療撮像システムは、コリメータ860を更に含むことができる。一実施形態では、コリメータ860は、可変開口コリメータとすることができる。別の実施形態では、コリメータ860は、マルチリーフコリメータ(MLC)とすることができる。MLCは、撮像X線ビームの成形を可能にするためにMLCの開口を調節するように移動可能な複数のリーフを収容するハウジングを含む。別の実施形態では、可変開口コリメータ860は、撮像X線ビームの成形を可能にする可変サイズの開口を発生させるためにカメラの絞りと同様の方式でフレームに沿って移動する台形ブロックを含む絞りコリメータとすることができる。kV撮像源850とX線検出器870は、リングガントリー820上にLINAC810に対して直交するように装着され(例えば90度だけ分離される)、撮像X線ビームをターゲット領域に投射し、患者130を通り抜けた後に検出器870の撮像平面を照明するように位置合わせすることができる。一部の実施形態では、LINAC810及び/又はkV撮像源850は、これらをアイソセンターを通り抜ける軸線の回りに回転させるC字アームガントリー上にカンチレバー方式で装着することができる。本開示の態様は、他のそのようなシステム、例えば、ガントリーベースのLINACシステム、放射線治療及び放射線手術に関連する静的撮像システム、組み込み画像ガイダンスを使用する陽子治療システム、介入的放射線治療、及び術中X線撮像システム等において更に使用することができる。
【0084】
ヘリカル放射線送出システム800は、2次撮像システム801を更に含む。撮像システム801は、CBCT撮像システム、例えばmedPhoton ImagingRing Systemである。これに代えて、他のタイプの体積撮像システムを使用することができる。2次撮像システム801は、アーム及びレールシステム(図示していない)に取り付けられた回転可能ガントリー807(例えばリング)を含み、アーム及びレールシステムは、回転可能ガントリー807を1又は2以上の軸線に沿って(例えば、治療寝台840の頭部から脚部へと延びる軸線に沿って)移動する。撮像源803及び検出器805は、回転可能ガントリー807に装着される。回転可能ガントリー807は、治療寝台の頭部から脚部へと延びる軸線の回りに360度回転することができる。従って、撮像源803及び検出器805は、数多くの異なる角度で位置決めすることができる。一実施形態では、撮像源803はX線源であり、検出器805はX線検出器である。一実施形態では、2次撮像システム801は、別々に回転可能な2つのリングを含む。撮像源803は、第1のリングに装着することができ、検出器805は、第2のリングに装着することができる。
【0085】
図8は、本明細書で議論する方法論のうちのいずれか1又は2以上をシステムに実施させるための命令セットを内部で実行することができる異なるシステム600の例を示している。代替実施では、機械は、LAN、イントラネット、エクストラネット、及び/又はインターネット内の他の機械に接続する(例えばネットワーク接続する)ことができる。これらのシステムの各々は、クライアント-サーバネットワーク環境内のサーバ機械又はクライアント機械として、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境内のピア機械として、又はクラウドコンピューティングの基盤構造又は環境内のサーバ機械又はクライアント機械として作動することができる。
【0086】
これらのシステムは、機械が実施すべきアクションを指定する命令セットを(逐次又はそれ以外で)実行することができる機械である。更に、単一の機械を例示しているが、「機械」という用語は、本明細書で議論する方法論のうちのいずれか1又は2以上を実行するための1つ(又は複数の)命令セットを個々に又は共同で実行する機械のあらゆる集合を含むように取るべきである。
【0087】
治療送出システム1200、800、709、又は何らかの他のシステムを表す場合がある例示的放射線治療送出システム110は、バス630を通じて互いに通信する処理デバイス602と、主メモリ604(例えば、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)又はラムバスDRAM(RDRAM)のような動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)など)と、静的メモリ606(例えば、フラッシュメモリ、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)など)と、データストレージデバイス618とを含む。
【0088】
処理デバイス602は、マイクロプロセッサ又は中央処理ユニットなどのような1又は2以上の汎用処理デバイスを表す。処理デバイスは、処理デバイス1230と同じか又は異なる処理デバイスとすることができ、治療送出ワークステーション150内の処理デバイスを表すこともできる。より具体的には、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実施するプロセッサ、又は命令セットの組合せを実施するプロセッサとすることができる。処理デバイス602は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はネットワークプロセッサなどのような1又は2以上の専用処理デバイスとすることもできる。処理デバイス602は、本明細書で議論する作動及び段階を実施するための命令626を実行するように構成される。
【0089】
コンピュータシステム600は、ネットワーク620を通じて通信するためのネットワークインターフェースデバイス608を更に含むことができる。コンピュータシステム600は、ビデオ表示ユニット610(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))と、英数字入力デバイス612(例えばキーボード)と、カーソル制御デバイス614(例えばマウス)と、グラフィック処理ユニット622と、信号発生デバイス616(例えばスピーカ)と、グラフィック処理ユニット622と、ビデオ処理ユニット628と、オーディオ処理ユニット632とを更に含むことができる。
【0090】
データストレージデバイス618は、本明細書に説明する方法論又は機能のうちの1又は2以上を具現化する1又は2以上の命令セット又はソフトウェア626が格納された機械読取可能ストレージ媒体624(コンピュータ読取可能媒体としても公知)を含むことができる。命令626は、コンピュータシステム600によるこの命令の実行中に主メモリ604及び/又は処理デバイス602内に完全又は少なくとも部分的に存在することもでき、主メモリ604及び処理デバイス602も機械読取可能ストレージ媒体を構成する。
【0091】
一実施では、命令626は、本明細書での開示内容に対応する機能を実施するためのX線運動構成要素699を含む。例示的実施では、機械読取可能ストレージ媒体624を単一媒体であるように示しているが、「機械読取可能ストレージ媒体」という用語は、1又は2以上の命令セットを格納する単一又は複数の媒体(例えば中央集中データベース又は分散データベース、及び/又はそれに関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含むように取るべきである。「機械読取可能ストレージ媒体」という用語はまた、機械による実行に向けて命令セットを格納又は符号化することができ、本開示の方法論のうちのいずれか1又は2以上を機械に実施させる、あらゆる媒体を含むように取るべきである。従って「機械読取可能ストレージ媒体」という用語は、以下に限定されるものではないが、固体メモリ、光媒体、及び磁気媒体を含むように取るものとする。
【0092】
前述の説明から、本開示の態様を少なくとも部分的にソフトウェアに具現化することができることは明らかであろう。すなわち、本発明の技術は、処理デバイス625、640、又は602(
図8を参照されたい)が、例えば、メモリ内に含まれる命令シーケンスを実行するのに応答して、コンピュータシステム又は他のデータ処理システム内で実行することができる。様々な実施では、本開示の内容を実施する上でハードウェア回路をソフトウェア命令との組合せで使用することができる。すなわち、本発明の技術は、ハードウェア回路とソフトウェアとのいずれかの特定の組合せ、又はデータ処理システムによって実行される命令のためのいずれかの特定のソースに限定されない。それに加えて、本明細書全体を通して説明を簡素化するために、様々な機能及び作動は、ソフトウェアコードによって実施される又は引き起こされるものとして説明する場合がある。しかし、当業者は、そのような表現が、これらの機能が処理デバイス625、640、又は602によるコードの実行から生じることを意味することを認識するであろう。
【0093】
機械読取可能媒体は、汎用又は専用データ処理システムによって実行された時に本開示の様々な方法をシステムに実行させるソフトウェア及びデータを格納するのに使用することができる。この実行可能なソフトウェア及びデータは、例えば、ソフトウェアプログラム又はデータのうちの少なくとも一方を格納することができるシステムメモリ及びストレージ又はいずれか他のデバイスを含む様々な箇所に格納することができる。従って、機械読取可能媒体は、機械によってアクセス可能な形態で情報を送出する(すなわち格納する)あらゆる機構(例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、携帯情報端末、製造ツール、1又は2以上のプロセッサのセットを有するいずれかのデバイスなど)を含む。例えば、機械読取可能媒体は、記録可能/記録不能媒体、例えば、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスクストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイスなどを含む。機械読取可能媒体は、非一時的コンピュータ読取可能ストレージ媒体とすることができる。
【0094】
別途記述しない限り、前述の議論から明らかなように、「受け入れる」、「位置決めする」、「実行する」、「放出する」、又は「引き起こす」などのような用語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(例えば電子)量として表されるデータをコンピュータシステムのメモリ又はレジスタ、他のそのような情報ストレージ、又は表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータへと操作及び変換するコンピュータシステム又は同様の電子コンピューティングデバイスのアクション及び処理を意味することができる。本明細書に説明する方法の実施は、コンピュータソフトウェアを使用して実施することができる。一般に認められた規格に準拠するプログラミング言語で書かれた場合に、これらの方法を実施するように設計された命令シーケンスは、様々なハードウェアプラットフォーム上での実行に向けて、かつ様々なオペレーティングシステムへのインターフェースに向けてコンパイルすることができる。それに加えて、本開示の実施は、いずれかの特定のプログラミング言語に関連して説明することはしない。本開示の実装を実施するために様々なプログラミング言語を使用することができることは認められるであろう。
【0095】
本明細書に説明する方法及び装置は、医療診断撮像及び治療における使用のみに限定されないことに注意されたい。代替実施では、本明細書での方法及び装置は、医療技術分野以外の用途、例えば、産業撮像及び材料の非破壊検査において使用することができる。そのような用途では、例えば、「処置」は、ビーム(例えば、放射線、音波など)の照射のような処置計画システムによって制御される作動の遂行を一般的に意味する場合があり、「ターゲット」は、非解剖学的な物体又は区域を意味する場合がある。
【0096】
以上の明細書では、本開示をその特定の例示的実施を参照しながら説明した。しかし、これらの例示的実施に添付の特許請求の範囲に示す本開示の広義の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を加えることができることは明らかであろう。従って、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えるものとする。
【符号の説明】
【0097】
150 患者の身体
151 ターゲット
152 内部マーカ
180 外部マーカ
182 腹部又は胸壁の運動
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体内の内部ターゲット領域の複数の投射を発生させる段階であって、該複数の投射が、該患者の内部ターゲット領域の位置に関する投射データを含む、前記発生させる段階と、
1又は2以上の外部センサを使用して前記患者の前記身体の外部運動に関する外部位置データを発生させる段階と、
前記内部ターゲット領域の前記複数の投射を前記外部位置データに当て嵌めることにより、該内部ターゲット領域の前記位置と該外部位置データとの間の相関モデルを処理デバイスによって発生させる段階と、
前記相関モデルを使用して後の時点での前記内部ターゲット領域の前記位置を推定する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【外国語明細書】