(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038244
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ポリアミンの第四級アンモニウム水酸化物
(51)【国際特許分類】
C07C 213/04 20060101AFI20240312BHJP
C11D 7/32 20060101ALI20240312BHJP
C11D 7/22 20060101ALI20240312BHJP
C07C 215/40 20060101ALI20240312BHJP
C07C 217/06 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C07C213/04
C11D7/32
C11D7/22
C07C215/40
C07C217/06
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000119
(22)【出願日】2024-01-04
(62)【分割の表示】P 2021510429の分割
【原出願日】2019-07-29
(31)【優先権主張番号】62/724,849
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505318547
【氏名又は名称】ハンツマン ペトロケミカル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Huntsman Petrochemical LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チャイ
(72)【発明者】
【氏名】チャンピオン,ドナルド・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,デービッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】ウリアルテ,フベンティーノ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,フイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,クー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】毒性や使用中の匂いの問題がない第四級アンモニウム水酸化物溶液を提供する。
【解決手段】特定のポリアミン、例えば下式のポリアミンと、特定の有機オキシラン、例えば下式のオキシランの反応生成物を含む第四級アンモニウム水酸化物溶液とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)式:
【化1】
式中、各R
1は独立して水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル
オキシアルキル基、水酸化アルキル基、水酸化アルキルオキシアルキル基であるか、あるいは2つのR
1基は連結して環式アミン形成することができるが、ただしR
1基は少なくとも1つの第三級窒素が形成されるような組み合わせで選択され;
xは0または少なくとも1の整数であり;R’は2から10個の炭素原子を持つアルキル基、アリール基,アルカリール基,または2から10個の炭素原子を持つ不飽和炭化水素、あるいはCおよびHと組み合わせてOまたはNを含み且つ環式構造を形成することができる基である
を有するポリアミン;および
(ii)式:
【化2】
式中、各Rは独立して水素、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、不飽和アルキル基、アリール基、アラルキル基であるか、あるいは1もしくは複数のR基は3から12個の炭素原子を含有する環式構造を形成することができ、そして任意にR基は1もしくは複数の酸素原子を含むことができる
を有する有機オキシラン
の反応生成物を含んでなる第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項2】
ポリアミンがビス(3-ジメチルアミノプロピル)エーテルである請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項3】
ポリアミンがビス(2-モルホリノエチル)エーテルである請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項4】
ポリアミンがビス(2-ジメチルアミノエチル)アミンである請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項5】
ポリアミンがN,N,N-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)アミンである請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項6】
ポリアミンがN,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミンである請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項7】
ポリアミンがN,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミンである請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項8】
有機オキシランがエチレンオキシドである請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項9】
有機オキシランがプロピレンオキシドである請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項10】
アンモニウム化合物が、全モルの四級化合物に対して、少なくとも2つの第四級基を有する第四級アンモニウム化合物を1モルパーセント以上含む、請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項11】
さらに水を含んでなる請求項1に記載の第四級アンモニウム化合物溶液。
【請求項12】
さらに混和性有機溶媒を含んでなる請求項1に記載の第四級アンモニウム化合物溶液。
【請求項13】
金属表面または誘電体表面から化学的残渣を除去するための、請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液を含んでなる組成物。
【請求項14】
金属表面または誘電体表面を、請求項1に記載の組成物と接触させることを含んでなる、金属表面または誘電体表面から化学的残渣を除去する方法。
【請求項15】
第四級アンモニウム水酸化物溶液を形成する方法であって、(i)第一級アミン基または第二級アミン基の少なくとも1つを含んでなるポリアミンを、有機オキシランと反応させて、第一級アミン基または第二級アミン基を含んでなるポリアミンを第三級アミン基を含んでなるポリアミンにその場で変換し、そして(ii)第三級アミン基を含んでなるポリアミンを、さらに有機オキシランと反応させて第四級アンモニウム水酸化物を形成することを含んでなる前記方法。
【請求項16】
第一級アミン基または第二級アミン基を含んでなるポリアミンが、N,N’-ビス(2-アミノエチル)ピペラジンである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第一級アミン基または第二級アミン基を含んでなるポリアミンが、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンである請求項15に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項18】
第一級アミン基または第二級アミン基を含んでなるポリアミンが、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテルである請求項15に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【請求項19】
請求項15の方法により形成される第四級アンモニウム水酸化物溶液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との関係
本出願は、2018年8月30日に出願された米国特許仮出願第62/724,849号明細書の優先権を主張し、その内容は引用により本明細書に編入する。
【0002】
連邦政府により資金提供を受けた研究開発の記載
適用なし
【0003】
技術分野
本出願は、一般にポリアミンと有機オキシランとの反応生成物を含んでなる第四級アンモニウム水酸化物溶液に関する。第四級アンモニウム水酸化物溶液は、限定するわけではないが金属および誘電体表面のエッチング、クリーニング、研磨およびパターン現像を含む様々な応用に使用することができる。
【背景技術】
【0004】
集積回路、および太陽電池のような他の電子機器の製作には、毒性、可燃性、爆発性かつ/または環境に有害な多数の化学物質が関与し得る様々な処理工程を含む。これら化学物質の多くは、屋外での航空機の洗浄、金属部品の処理およびエンジンのメンテナンスを含む他の種々の応用で金属または非金属表面にも広く使用されている。
【0005】
水酸化アンモニウム、例えば水酸化テトラメチルアンモニウムは、以下に記載されるようにエッチング、クリーニング、研磨およびパターン現像に使用されてきた:
特許文献1は、フォトレジストまたはエッチング後残渣を除去するために使用する水酸化テトラメチルアンモニウムおよびキレート剤を含んでなる組成物を開示する;
特許文献2は、半導体ウエハ基板をクリーニングするために使用する水酸化テトラメチルアンモニウムおよび金属腐食防止剤(inhibitor)を含んでなる組成物を開示する;
特許文献3は、半導体基板の化学的機械的平坦化後に使用するために水酸化テトラメチルアンモニウム、キレート剤および腐食防止剤を含んでなる組成物を開示する;
特許文献4は、マイクロエレクトロニクス基板のクリーニングに使用するために水酸化テトラメチルアンモニウム、ジメチルスルフォキシド、エチレングリコールおよび水を含んでなる組成物を開示する。
【0006】
しかし水酸化テトラメチルアンモニウムが高度に効果的であると知られているが、これは神経系に大変有毒であることが分かった。したがってこの化学物質の安全な代替品が引き続き求められている。最近使用された1つのそのような代替品は、以下に記載されているような水酸化コリンである:
特許文献5は、半導体製造工程で残渣の除去に使用するために、アクリルアミド-メチル-プロパンスルホネートのコポリマー、アクリル酸-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマーおよびそれらの混合物、非アセチレン性(non-acetlyinic)界面活性剤および水酸化コリンを含んでなる組成物を開示し;そして
特許文献6は、超小型回路からフラックスおよびレジスト材料のクリーニングに使用するビス-水酸化コリンまたはトリス-水酸化コリン、溶剤および腐食防止剤を含んでなる組成物を開示する。
【0007】
水酸化コリンは、低毒性、比較的低い経費、製造のし易さ、および生分解性などの水酸化テトラメチルアンモニウムに優る幾つかの利点を有するが、使用中に酷い匂いの問題が
あり、しかも分解して有色の溶液および沈殿物を与える可能性がある。このように効果の程度はテトラメチルアンモニウムまたは水酸化コリンを含む従来の組成物とほぼ同等だが、前記の毒性、匂いまたは色の問題を現わさない新規組成物を開発することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,825,079号明細書
【特許文献2】米国特許第7、671,001号明細書
【特許文献3】米国特許第7,498,295号明細書
【特許文献4】国際公開第2006/056298号パンフレット
【特許文献5】米国特許第8,765,653号明細書
【特許文献6】米国特許第7,135,445号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明は、(i)ポリアミンおよび(ii)有機オキシランの反応生成物を含んでなる第四級アンモニウム水酸化物溶液を対象とする。
【0010】
本開示の第四級アンモニウム水酸化物は、金属表面または誘電体表面から化学的残渣の除去に使用するための組成物のような様々な応用に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
本明細書で使用する場合、用語「含んでなる」およびその派生語は、追加の構成要素、工程または手順が本明細書に開示されていてもいなくても、その存在を排除することを意図していない。いかなる疑いも避けるために、用語「含んでなる」の使用を通して本明細書で特許請求するすべての組成物は反対の記述がない限り、追加の任意の添加物、補助剤または化合物を含むことができる。対照的に本明細書に現れる用語「本質的に~からなる」は、続く言及する範囲から他の構成要素、工程または手順を排除し、操作性に必須でないものを除き、そして用語「からなる」を使用する場合は、具体的に定義または列挙していない構成要素、工程または手順を排除する。用語「または」は特段の定めがない限り、個別に列挙した員ならびに任意の組み合わせを指す。
【0012】
本明細書で使用する冠詞「a」および「an」は、1または1より多く(すなわち少なくとも1)の冠詞の文法的対象物を指す。例として「ポリアミン(a polyamine)は、1つのポリアミンまたは1つより多くのポリアミンを意味する。「1つの態様では」、「1つの態様によれば」等の句は、一般にこの句に続く特定の機能、構造または特徴が本開示の少なくとも1つの態様に含まれ、そして本開示の1より多くの態様にも含まれることができることを意味する。重要なことは、そのような句が同じ態様を必ずしも指していない点である。明細書で構成要素または機能が含まれ得るか、または特徴を有することができる(may,can,could,またはmight)と言う場合、その特定の構成要素または機能が含まれる必要はなく、または有する必要はない。
【0013】
本明細書で使用する用語「約」は、値または範囲の変動性をある程度可能とすることができ、例えばそれは言及した値の、または言及した範囲の限界の10%以内、5%内、または1%内であることができる。
【0014】
範囲の形式で表される値は、範囲の限界として明白に言及される数値的値のみならず、あたかも各数値的値および部分範囲が明白に言及されているかのようにその範囲に含まれる個別の数値または部分範囲の全ても含むと解釈されるべきである。例えば1から6の範
囲は、1から3または2から4または3から6等のような部分範囲、ならびにその範囲に入る具体的数値、例えば1,2,3,4,5および6を具体的に開示したと考えるべきである。これは範囲の広さにかかわらず適用する。
【0015】
本明細書に記載する方法およびプロセスで、一時的または操作的配列が明白に言及される場合を除いて、工程は任意の順序で行われることができる。さらに具体的工程は明白な請求項の用語でそれらの工程が別個に行われると言及されないかぎり、同時に行うことができる。
【0016】
用語「実質的に含まない」とは、組成物または混合物に物質的効果を持たない量で、特定の化合物が存在する組成物または混合物を称する。例えば「水酸化コリンを実質的に含まない」とは、水酸化コリンが組成物または混合物の匂いまたは色に物質的に影響しない量で組成物または混合物に含まれてもよいことを意味する。化合物の量が組成物に物質的効果を有するかどうかを決定することは、本開示の利益を有する当業者の能力の範囲である。幾つかの態様では、実質的に含まないとは組成物の総重量に基づき2重量%未満、または1重量%未満、または0.5重量%未満、または0.1重量%未満、または0.05重量%未満、またはさらに0.01重量%未満であることができる。幾つかの態様では、実質的に含まないとは、特定の化合物がいかなる量でもそれぞれの組成物に存在しない(例えば0.0重量%)ことを意味する。
【0017】
本明細書で使用する用語「アルキル」は、1から30個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐の飽和炭化水素基、例えばメチル(“Me”)、エチル(“Et”)、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチル,イソブチル,t-ブチル,オクチル,デシル,テトラデシル,ヘキサデシル,エイコシル,テトラコシル等を指す。幾つかの観点では、本明細書中のアルキル基は、1から12個の炭素原子を含むことができる。用語「低級アルキル基」は、1から7個の炭素原子、または幾つかの観点では1から4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。用語「より高級なアルキル基」は7個より多い炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0018】
用語「有機オキシラン」とは式
【化1】
を有する化合物を称し、式中、Rは同じかまたは異なり、水素、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、不飽和アルキル基、アリール基、アラルキル基、または1もしくは複数のR基が3から12個の炭素原子を含有する環式構造を形成し、そして態様によっては、R基は1もしくは複数の酸素原子を含むことができる。使用できるアルキレンオキシド、有機オキシランのサブクラスの例には、限定するわけではないがメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンオキシドを含む。
【0019】
用語「アルキレンオキシアルキル」は、-O-アルキル基で置換されたアルキル基を称する。
【0020】
用語「アリール」は、C6-C14単-または多環式芳香族環系を称し、限定するわけで
はないがフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニル
、ビフェニル、ビフェニレニルおよびフルオレニル基を含む。
【0021】
用語「アラルキル」は、アリール基で置換されたアルキル基を称する。
【0022】
用語「シクロアルキル」は、環上に適切な置換基を有することができるシクロプロピル、シクロヘキシルおよびシクロオクチルのような3から12個の炭素原子を有する飽和環式アルキル基を称する。
【0023】
用語「場合により」または「場合によっては」は、続いて記載する出来事または状況が起こっても起こらなくてもよく、そしてその記載には前記出来事または状況が起こる場合、および起こらない場合を含む。例えば「場合によっては置換されたアルキル」という句は、アルキル基が置換されてもされてなくてもよく、そしてその記載には非置換アルキルおよび置換基があるアルキルの両方を含む。
【0024】
用語「ポリアミン」は、分子あたり2以上のアミン基を有する化合物を称し、ここで少なくとも1つのアミン基が第三級アミン基であるか、またはその場でそのようなアミン基に転換される。例えばN,N,N’N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミンは、エチレンジアミンとエチレンオキシドとの反応によりその場で調製されることができ、そしてさらにエトキシ化されて(すなわち有機オキシランとの反応)、第四級アンモニウム水酸化物を形成することができる。
【0025】
上述のように、電子機器および金属工業では水酸化アンモニウムが一般に金属および誘電体表面のエッチング、クリーニング、研磨およびパターン現像のような処理に使用される。これらのアンモニウム化合物の効果は金属または誘電体表面で作用する水酸化物イオンの存在に起因すると考えられるが、有機アンモニウムイオンの設計はこれらの水酸化物の性能に大変大きな影響を及ぼす可能性がある。驚くことに出願人は、金属または誘電体表面上で高い反応性を現わす多数の第四級アンモニウム水酸化物を見出した。さらに本開示の第四級アンモニウム水酸化物は、比較的非毒性であり、しかも実質的に匂いがなく、そして湿式処理工程中に特異的な反応速度が必要とされる場合、あるいは金属または誘電体表面の特定の種類または混合物が出会う場合に、反応性の範囲を提供するために容易に設計することができる。また本発明の第四級アンモニウム水酸化物は、有機フォトレジスト現像、エッチング、または望ましくない有機もしくは他の残渣の除去にも使用することができる。
【0026】
従って第1態様では、ポリアミンと有機オキシランの反応生成物を含んでなる第四級アンモニウム水酸化物溶液が提供される。
【0027】
広範なポリアミンをそれらが第四級アンモニウム基を形成することができる少なくとも1つの第三級アミン基を有する限り(またはその場で第三級アミンを形成出来れば)使用することができる。1つの態様では、第四級アンモニウム水酸化物は非水酸化ポリアミン、水酸化ポリアミンまたはそれらの混合物から誘導することができる。
【0028】
1つの態様では、非水酸化ポリアミンは式
【化2】
を有する化合物であることができ、式中、各R
1は同じかまたは異なり、少なくも1つの
第三級窒素が形成されるような組み合わせの水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルオキシアルキル基、水酸化アルキル基または水酸化アルキルオキシアルキル基であり;xは0または少なくとも1の整数、例えば1から10または1から3であり;そして各R’は同じか異なり、そして少なくとも2、例えば2から10個の炭素原子、または2から5個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アルカリ-ル基、不飽和ヒドロカルビルであり、あるいはCおよびHと組み合わせてOまたはNを含むことができ、そしてさらに環式構造を形成することができる。幾つかの態様では、R
1基の2つが
連結して環式アミン、例えばモルホリンおよびピペリジン、およびアルキル誘導体、例えばN-アルキルモルホリンおよびN-アルキルピペリジンおよびイミダゾリンを形成することができる。幾つかの態様では、R’基は、環式または複素環式または芳香族環、例えばモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、イミダゾリンまたはフェニレンを形成することができる。
【0029】
別の態様では、水酸化ポリアミンは式:
【化3】
を有する化合物であるか、あるいは式:
【化4】
を有する化合物であることができ、式中、各R
1は同じかまたは異なり、少なくも1つの
第三級窒素が形成されるような組み合わせの水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルオキシアルキル基、水酸化アルキル基または水酸化アルキルオキシアルキル基であり;xは0または少なくとも1の整数、例えば1から10または1から3であり;そしてnは少なくとも2の整数、例えば2から10または2から5である。幾つかの態様では、R
1基の2つが連結して環式アミン、例えばモルホリンおよびピペリジン、お
よびアルキル誘導体、例えばN-アルキルモルホリンおよびN-アルキルピペリジンおよびイミダゾリンを形成することができる。
【0030】
前記ポリアミンの例には限定するわけではないが、N,N,N’,N’-テトラメチル
エチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロパン-1,3-ジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロパン-1,3-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルブタン-1,4-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキセン-1,6-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、ビス(N,N-ジメチルアミノエチル)エーテルおよびビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(3-ジメチルアミノプロピル)エーテル、ビス(2-モルホリノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、メチルトリエチレンジアミン、エチルトリエチレンジアミン、ジメチルトリエチレンジアミン、N,N,N-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)アミンN,N’-ビス(2-アミノエチル)ピペラジン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンおよびそれらの混合物を含むことができる。
【0031】
1つの態様では、有機オキシランは式
【化5】
を有する化合物であり、式中、R
2およびR
3は同じかまたは異なり、そして水素、1から12個の炭素原子を有するアルキル基、不飽和ヒドロカルビル、6から18個の炭素原子を有するアリール基、6から18個の炭素原子を有するアラルキル基であるか、あるいはR
2およびR
3基は3から12個の炭素原子を含有する環式構造を形成することができる。幾つかの態様では、R
2およびR
3基はさらに1もしくは複数の酸素原子を含むことができる。有機オキシラン例には限定するわけではないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、1,2-ペンテンオキシド、スチレンオキシド、ジエンのジオキシド、例えばブタジエンエポキシドおよびそれらの混合物を含むことができる。他の有機オキシラン化合物の例には、シクロヘキセンオキシド、グリシドール、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテ、スチレンオキシド.ビシクロ[2.2.1]ヘプテンオキシドおよびビシクロ[2.2.2]オクテンオキシドである。
【0032】
第四級部分を形成するための有機オキシラン(例えばアルキレンオキシド)と塩基性窒素原子との反応は当業者には周知であり、そして精緻化を要しない。すなわち1つの態様では、ポリアミンは水の存在下で有機オキシランと反応させる。ポリアミンは水を混合され、そして系は加圧されてもよい。次いで有機オキシランはポリアミンに対して少なくとも約1:1のモル比で加えることができる。幾つかの態様では、有機オキシランは第四級アンモニウム水酸化物を形成するために少なくとも化学量論的量の水の存在下で、そして有機溶媒の存在下でアミンと反応することができる。幾つかの態様では、このモル比は約1:1から約3N:1の有機オキシラン対ポリアミン、または約1:1から約1.5N:1の有機オキシラン対ポリアミンの範囲でよく、ここでNは出発化合物中のアミン基の数である。例えばペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)のようなトリアミンについて、1分子のPMDETAあたり1つのオキシランで3モルの有機オキシランがNモルの有機オキシランとなる。幾つかの態様では、任意の第一級または第二級アミンを第
三級アミンに変換するための有機オキシランの量、およびポリアミンに対するオキシランの追加の量、モル比で1:1から3N:1の有機オキシラン対ポリアミン、または約1:1から約1.5N:1の有機オキシラン対ポリアミン、ここでNは出発化合物中のアミン基の数である。この反応は約70℃未満の温度、例えば約40℃から約50℃で、連続的に撹拌することにより行われることができ、そしてその完了はおよそ大気圧への圧の低下により示されることができ、または第四級アンモニウム化合物(ammonium quat)含量をHClのような強酸を使用する電位差滴定により測定することができる。
【0033】
第四級アンモニウム水酸化物溶液は、四級化されるアミン窒素の任意の適切な濃度を含んでなることができる。すなわち1つの態様では、第四級アンモニウム水酸化物中の四級化アミンの濃度は、第四級アンモニウム水酸化物溶液の総量に基づき約1重量%から約80重量%の範囲であることができる。他の態様では第四級アンモニウム水酸化物溶液中の四級化アミン窒素の濃度は、第四級アンモニウム水酸化物溶液の総量に基づき約10重量%から約70重量%、または約35重量%から約65重量%、または約40重量%から約60重量%、または約45重量%から約55重量%の範囲であることができる。
【0034】
別の態様では、本開示の生成物(すなわち第四級アンモニウム水酸化物溶液)は、1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約1%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む第四級アンモニウム水酸化物を含んでなることができる。他の態様では、本開示の生成物は1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約2.5%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む、または1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約5%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む、または1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約10%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む、または1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約15%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む、または1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約20%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む、または1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約25%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む、または1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約30%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む、または1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約35%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む、または1より多くの第四級アンモニウム水酸化物基を含有する少なくとも約40%の全第四級アンモニウム化合物分子を含む第四級アンモニウム水酸化物を含んでなることができる。
【0035】
本開示の第四級アンモニウム水酸化物溶液は、様々な応用に使用することができる。すなわち第二の観点は、金属または誘電体表面から化学的残渣を除去するための本開示の第四級アンモニウム水酸化物溶液を含んでなる組成物を提供することである。幾つかの態様では、この組成物は本開示の第四級アンモニウム水酸化物溶液を少なくとも約0.1重量%、または少なくとも約0.5重量%、または少なくとも約1重量%、または少なくとも約2重量%、または少なくとも約5重量%、または少なくとも約7重量%、または少なくとも約10重量%を含んでなることができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。他の態様では、組成物は約20重量%未満、または約15重量%未満、または約10重量%未満の本開示の第四級アンモニウム水酸化物溶液を含んでなることができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0036】
幾つかの特定の態様では、組成物は水酸化コリンまたは水酸化テトラメチルアンモニウムまたは両方を実質的に含まない可能性がある。他の態様では、組成物は以下に記載するエッチング液の少なくとも1つまたは全てを実質的に含まない可能性がある。
【0037】
本開示の第四級アンモニウム水酸化物溶液に加えて、組成物はさらに溶剤、キレート剤
、酸化剤、金属腐食防止剤、エッチング液、低k不動化剤(passivating agent)、シリコン含有化合物、界面活性剤およびそれらの組み合わせを含んでなることができる。
【0038】
溶剤には限定するわけではないが、水、少なくとも1つの水混和性有機溶媒、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば溶剤は水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチル-1-ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、ブチロラクタム、コリンビカーボネート、ジプロピレングリコール、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフルフリルアルコール(THFA)、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、テトラメチルウレア、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン(ジメチルエチレンウレア)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチンレングリコールモノブチルエーテル,エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,3-ジヒドロデカフルオロペンタン、エチルペルフルオロブチルエーテル、メチルペルフルオロブチルエーテル、アルキルカーボネート、4-メチル-2-ペンタノール、N-メチルピロリジノン(NMP)、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N’-ジメチルアセトアミン(DMAC)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種を含んでなることができる。幾つかの態様では、溶剤は水を含んでなり、他の態様では、脱イオン水を含んでなる。溶剤は約20重量%から約99.9重量%、または約30重量%から約98重量%、またはさらに約50重量%から約95重量%の量で存在することができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0039】
キレート剤は限定するわけではないが、β-ジケトネート化合物、例えばアセチルアセトネート、1,1,1-トフルオロ-2,4-ペンタンジオンおよび1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオン;アミンおよびアミノ酸、例えばグリシン、セリン、プロリン、ロイシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、バリン、およびリシン;イミノジ酢酸(IDA)、マロン酸、蓚酸、コハク酸、ホウ酸、ニトリロトリ酢酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、マレイン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、EDTA-2NH3(エチレンジアミンテトラ酢酸ジアンモニウム
塩)、(1,2-シクロヘキシレンジニトリロ)テトラ酢酸(CDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸(PBTCA)、エチレンジアミン二コハク酸およびプロピレンジアミンテトラ酢酸からなる群から選択される多塩基酸;ホスホン酸;ホスホン酸誘導体、例えばヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、ニトリロ-トリス(メチレンホスホン酸)(NTMP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレ
ンホスホン酸)(EDTMPA);エチレンジアミン;2,4-ペンタンジオン;ベンザルコニウムクロライド;1-イミダゾール;テトラグライム;ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA);1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオール(thithiol)三ナトリウム塩溶液;1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオール三アンモニウム塩溶液;ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム;二置換ジチオカルバメートおよびそれらの組み合わせを含むことができる。キレート剤は約0.01重量%から約1重量%の量で存在でき、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0040】
酸化剤は限定するわけではないが、過酸化水素(H2O2)、FeCl3,FeF3,Fe(NO3)3,Sr(NO3)2,CoF3,MnF3,オゾン(2KHSO5.KHSO4.K2SO4),過ヨウ素酸、ヨウ素酸、バナジウム(V)酸化物、バナジウム(IV,V)酸化物、バナジン酸アンモニウム、多原子酸アンモニウム塩(例えばペルオキソ一硫酸アンモニウム、亜塩素酸アンモニウム(NH4ClO2)、塩素酸アンモニウム(NH4ClO3),ヨウ素酸アンモニウム(NH4IO3),硝酸アンモニウム(NH4NO3),過ホウ酸アンモニウム(NH4BO3),過塩素酸アンモニウム(NH4ClO4),過ヨウ素酸アンモニウム(NH4IO4),過硫酸アンモニウム((NH4)2S2O8),次亜塩素酸アンモニウム(NH4ClO)),次亜臭素酸アンモニウム、タングステンアンモニウム((N
H4)10H2(W2O7)),多原子酸ナトリウム(例えば過硫酸ナトリウム(Na2S2O8
),次亜塩素酸ナトリウム(NaClO),過ホウ酸ナトリウム,次亜臭素酸ナトリウム(NaBrO)),多原子酸カリウム塩(例えばヨウ素酸カリウム(KIO3),過マン
ガン酸カリウム(KMnO4),過硫酸カリウム,硝酸(HNO3),過硫酸カリウム(K2S2O8),次亜塩素酸カリウム(KClO)),多原子酸テトラメチルアンモニウム塩
(例えば、次亜塩素酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)ClO2),塩酸テ
トラメチルアンモニウム((N(CH3)4)ClO3),ヨウ素酸テトラメチルアンモニ
ウム((N(CH3)4)IO3),過ホウ酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4
)BO3),過塩素酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)ClO4),過ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)IO4),過硫酸テトラメチルアンモニ
ウム((N(CH3)4)S2O8)),多原子酸テトラブチルアンモニウム塩(例えば、ペルオキソ一硫酸テトラブチルアンモニウム),ペルオキソ一硫酸、硝酸鉄(Fe(NO3
)3),過酸化尿素((CO(NH2)2)H2O2),過酢酸(CH3(CO)OOH),1,4-ベンゾキノン、トルキノン、ジメチル-1,4-ベンゾキノン、クロラニル、アロキサン、N-メチルモルホリンN-オキシド、トリメチルアミンN-オキシド、およびそれらの組み合わせを含むことができる。酸化剤は約10重量%から約40重量%の量で存在することができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0041】
本明細書で企図する金属腐食防止剤には限定するわけではないが、5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール(ATDT),2-アミノ-5-エチル-1,3,4-チアジアゾール,ベンゾトリアゾール(BTA),1,2,4-トリアゾール(TAZ),トリルトリアゾール、5-メチル-ベンゾトリアゾール(mBTA),5-フェニル-ベンゾトリアゾール,5-ニトロ-ベンゾトリアゾール,カルボン酸ベンゾトリアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール,1-アミノ-1,2,4-トリアゾール,ヒドロキシベンゾトリアゾール,2-(5-アミノ-ペンチル)-ベンゾトリアゾール,1-アミノ-1,2,3-トリアゾール,1-アミノ-5-メチル-1,2,3-トリアゾール,3-アミノ-1,2,4-トリアゾール(3-ATA),3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール,3-イソプロピル-1,2,4-トリアゾール,5-フェニルチオール-ベンゾトリアゾール,ハロ-ベンゾトリアゾール(ハロ=F,Cl,BrまたはI),ナフトトリアゾール,2-メルカプトベンズイミダゾール(MBI),2-メルカプトベンゾチアゾール,4-メチル-2-フェニルイミダゾール,2-メルカプトチアゾリン、5-アミノ-1,2,4-トリアゾール(5-ATA),ドデシル硫酸ナトリウム(SDS),3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾー
ル,3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール,ペンチレンテトラゾール、5-フェニル-1H-テトラゾール,5-ベンジル-1H-テトラゾール,5-メチルテトラゾール,5-メルカプト-1-メチル-テトラゾール,1-フェニル-1H-テトラゾール-5-チオール、2-ベンジルピリジン、スクシンイミド、2,4-ジアミノ-6-メチル-1,3,5-トリアジン,チアゾール,トリアジン、メチルテトラゾール,1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン,1,5-ペンタメチレンテトラゾール,1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール,ジアミノメチルトリアジン、イミダゾリンチオン,4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-チオール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール,3-アミノ-5-メチルチオ-1H-1,2,4-トリアゾール,ベンゾチアゾール,イミダゾール,ベンズイミダゾール,2-アミノベンズイミダゾール,1-メチルイミダゾール,インジアゾール,アデニン、スクシンイミド、アデノシン、カルバゾール,サッカリン、尿酸、およびベンゾインオキシムを含む。追加の腐食防止剤は、カチオン性第四級塩、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンジルジメチルドデシルアンモニウム,臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルピリジニウム、塩化ベンジルジメチルフェニルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネート、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、二塩化1-メチル-1’-テトラデシル4,4’-ビピリジウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、塩酸アンプロリウム、水酸化ベンゼトニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、臭化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、コリンp-トルエンスルホネート、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、臭化ドデシルエチルジメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム(DTAC),臭化エチルヘキサデシルジメチルアンモニウム、ジラール試薬、リン酸二水素ヘキサデシル(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウム、臭化デキサデシルピリジニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、N,N’,N’-ポリオキシエチレン(10)-N-タロウ-1,3-ジアミノプロパン液、臭化オキシフェノニウム、臭化テトラヘプチルアンモニウム、臭化テトラキス(デシル)アンモニウム、臭化トンゾニウム、塩化トリドデシルアンモニウム、臭化トリメチルオクタデシルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸1-メチル-3-n-オクチルイミダゾリウム、テトラフルオロホウ酸1-デシル-3-メチルイミダゾリウム、塩化1-デシル-3-メチルイミダゾリウム、臭化トリドデシルメチルアンモニウム、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、および塩化ヘキサメトニウムを含む。他の腐食防止剤には非イオン性界面活性剤、例えばポリ(エチレングリコール、ポリ(プロピレングリコール),エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレンブロックコポリマー、アニオン性界面活性剤、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルホスホン酸(DDPA)、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、ベンジルホスホン酸、ジフェニルホスフィン酸、1,2-エチレンジホスホン酸、フェニルホスホン酸、桂皮酸およびそれらの組み合わせを含む。金属腐食防止剤は約0.01重量%から約2重量%の量で存在することができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0042】
エッチング液は限定するわけではないが、HF、フッ化アンモニウム、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロケイ酸、B-FまたはSi-F結合を含む他の化合物、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TBA-BF4)、フッ化テトラアルキルア
ンモニウム(NRaRbRcRdF)、強塩基、例えば水酸化テトラアルキルアンモニウム(NRaRbRcRdOH)、ここでRa,Rb,RcおよびRdは互いに同じか異なってもよく、
そして水素、直鎖もしくは分岐C1-C6アルキル基(例えばメチル,エチル,プロピル,ブチル,ペンチル,ヘキシル)、C1-C6アルコキシ基(例えばヒドロキシエチル,ヒドロキシプロピル)置換もしくは非置換アリール基(例えばベンジル)からなる群から選択でき、弱塩基およびそれらの組み合わせを含むことができる。幾つかの態様では、フッ化物源はテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロケイ酸、H2ZrF6,H2TiF6,HPF6,フッ化アンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモ
ニウム、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム、またはフッ化アンモニウムおよびフッ化テトラメチルアンモニウムの組み合わせを含んでなることができる。あるいは、またはフッ素化物源に加えて、エッチング液は強塩基、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMAH)、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム(BTEAH),水酸化テトラブチルホスホニウム(TBPH),水酸化(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム(水酸化コリン)、水酸化(2-ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウム、水酸化(2-ヒドロキシエチル)トリプロピルアンモニウム、水酸化(1-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム、水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム(DEDMAH),水酸化トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(THEMAH)、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(TMG)、水酸化カリウム、グアニジンカーボネート、アルギニンおよびそれらの組み合わせを含むことができる。水酸化コリンが使用される場合、当業者は水酸化コリンが望ましくない副産物に分解することを最少にするために市販品には少量の安定化剤が含まれることが多いことを知っている。水酸化コリン安定化剤は当該技術分野では周知であり、限定するわけではないが、ホルムアルデヒド、ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、水素化物を含む。想定される弱塩基は限定するわけではないが、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン(MEA),ジエタノールアミン(DEA),トリエタノールアミン(TEA),エチレンジアミン,システイン、およびそれらの組み合わせを含む。追加のエッチング液は約0.01重量%から約15重量%の量で存在することができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0043】
低k不動化剤は限定するわけではないが、ホウ酸、ホウ酸塩、例えばペンタホウ酸アンモニウム、テトラホウ酸ナトリウム、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、マロン酸、イミノジ酢酸、およびそれらの組み合わせを含むことができる。低k不動化剤は約0.01重量%から約2重量%の量で存在することができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0044】
シリコン含有化合物は限定するわけではないが、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン,テトラエトキシシラン(TEOS),N-プロピルトリメトキシシラン,N-プロピルトリエトキシシラン,ヘキシルトリメトキシシラン,ヘキシルトリエトキシシラン、およびそれらの組み合わせを含む。前記アルコキシシランに代えて、またはそれに加えて使用することができる他のシリコン含有化合物は、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、テトラメチルケイ酸アンモニウム(TMAS)、およびそれらの組み合わせを含む。シリコン含有化合物は約0.001重量%から約2重量%の量で存在することができ、ここで重量%は組成物の総重量アニオン性界面活性剤に基づく。
【0045】
水性組成物に加えることができる界面活性剤は、耐酸化性のフッ素化アニオン性界面活性剤でよい。企図するアニオン性界面活性剤には限定するわけではないがフルオロ界面活性剤、例えばZONYL(商標)URおよびZONYL(商標)FS-62(デュポン カナダ社:DuPont Canada Inc.)、およびフルオロアルキルスルホン
酸アンモニウム、例えばNovec(商標)4300(3Mカンパニー)を含む。
【0046】
使用前に希釈されることになる組成物の濃縮形を作成することが一般的作業になると考えられる。例えば組成物はより濃縮された形態で製造され、その後、使用前および/または使用中に少なくとも1種の溶剤で希釈されることができる。希釈率は約0.1部の希釈剤:1部の組成物濃縮物から約100部の希釈剤:1部の組成物濃縮物の範囲となることができる。さらに濃縮形態は実質的に酸化剤(1もしくは複数)を含まず、そして酸化剤(1もしくは複数)は使用前および/または使用中に濃縮物または希釈された組成物に導入することができると考えるべきである。
【0047】
前記組成物は、個々の成分を単に加え、そして混合して均一状態にすることにより容易に配合することができる。さらに組成物はシングルパッケージ配合物として、または使用時点で、またはその前に混合されるマルチパート(multi-part)配合物として容易に配合することができる。マルチパート配合物の個々の部分はツールで、またはインラインミキサーまたはツールの上流の貯蔵タンク内のような混合領域/エリア内で混合されてもよい。マルチパート配合物の様々な部分は、一緒に混合した時に所望の組成物を形成する材料/構成要素の任意の組み合わせを含むことができる。個々の材料の濃度は、組成物の具体的な倍数で広く変動することができ(すなわちより希釈されるか、または濃縮されている)、そして組成物は本明細書の開示に合致して変動でき、あるいは任意の材料の組み合わせを含んでなり、からなり、または本質的になると考えられる。
【0048】
第三の観点によれば、本開示は金属または誘電体表面を第二の観点の組成物と接触させることにより、金属または誘電体表面から化学的残渣を除去方法に関する。組成物は金属または誘電体表面に対して任意の適切な様式で、例えば組成物を表面に噴霧することにより、表面を浸漬することにより(組成物の静的またはダイナミックボリュームに)、表面を別の物質、例えば上に吸収した組成物を有するパッドまたは繊維状の吸収アプリケーター要素と接触させることにより、表面を循環している組成物と接触させることにより、あるいは組成物が表面との除去接触に持ち込まれる他の任意の適切な手段、様式または技術により適用することができる。組成物は表面と約0.3分から約60分、または約0.5分から約30分の十分な時間、約20℃から約100℃、または約30℃から約70℃の温度で接触することができる。そのような接触時間および温度は具体的例であり、そして表面から化学的残渣を少なくとも部分的に除去するために効果的な任意の他の適切な時間および温度条件も採用できる。
【実施例0049】
実施例1
第四級アンモニウム水酸化物の合成手順
加圧ケトル中に3.50lbのN,N,N’,N’-テトラチルエチレンジアミンを付加し、続いて8.07lbの脱イオン水を付加した。内容物を窒素でパージングした後、2.72lbのエチレンオキシドを反応温度が40℃未満に維持される速度で加えた。反応を1時間続け、次いで窒素でパージングして未反応のエチレンオキシドを除去した。滴定では約55%のアミン窒素が四級化されたことが示された。
【0050】
実施例2
第四級アンモニウム水酸化物の合成手順
実施例1と類似の様式で、5.00lbのペンタメチルジエチレントリアミン(“PMDETA”)を、3.89lbのエチレンオキシドと11.52lbの脱イオン水の存在下、45℃の最大温度で反応させた。滴定では約61%のアミン窒素、すなわち分子あたり1.9の窒素原子が四級化されたことが示された。NMRスペクトルは同じ分子内の窒素上に形成された第四級窒素は2つのメチル基を有するが、PMDETAの中心の窒素上
ではないことが示された。PMDETAあたり2モルより多かったエチレンオキシドは、ジクワット末端(diquat terminus)上のヒドロキシエチル基を限定した程度までチェーンアウト(chained out)した。
【0051】
実施例3AおよびB
第四級アンモニウム水酸化物の合成手順
3A:実施例1と類似の様式で、9.50lbのN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミンを、3.61lbのエチレンオキシドと10.81lbの脱イオン水の存在下、39℃の最大温度で反応させた。滴定では約50%のアミン窒素が四級化されたことが示された。
3B:実施例1と類似の様式で、9.03lbのN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミンを、8.42lbのエチレンオキシドと5.42lbの脱イオン水の存在下、47℃の最大温度で反応させた。滴定では約52%のアミン窒素が四級化されたことが示された。
【0052】
実施例4
第四級アンモニウム水酸化物の合成手順
実施例1と類似の様式で、2.40lbのビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテルを、1.35lbのエチレンオキシドと5.00lbの脱イオン水の存在下、40℃の最大温度で反応させた。滴定では約85%のアミン窒素が四級化されたことが示された。
【0053】
銅およびアルミニウム基質を実施例1,2,3Aおよび3Bに3日間暴露し、そしてそれらの反応性を現在の第四級アンモニウム水酸化物と以下に示すように比較した。
【表1】
【0054】
前記は本開示の態様を対象としたが、本開示の他のおよびさらなる態様は本開示の基本的範囲、および以下の特許請求の範囲により定めるそれらの範囲から逸脱せずに考案することができる。
アンモニウム水酸化物溶液が、全モルの四級化合物に対して、少なくとも2つの第四級基を有する第四級アンモニウム化合物を1モルパーセント以上含む、請求項1に記載の第四級アンモニウム水酸化物溶液。
金属表面または誘電体表面を、請求項1に記載の第四級アンモニア水酸化物溶液と接触させることを含んでなる、金属表面または誘電体表面から化学的残渣を除去する方法。