(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038255
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】映像コーディングにおけるスライスタイプ
(51)【国際特許分類】
H04N 19/117 20140101AFI20240312BHJP
H04N 19/107 20140101ALI20240312BHJP
H04N 19/174 20140101ALI20240312BHJP
H04N 19/70 20140101ALI20240312BHJP
H04N 19/82 20140101ALI20240312BHJP
【FI】
H04N19/117
H04N19/107
H04N19/174
H04N19/70
H04N19/82
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000249
(22)【出願日】2024-01-04
(62)【分割の表示】P 2022559413の分割
【原出願日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】63/002,064
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520477474
【氏名又は名称】バイトダンス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BYTEDANCE INC.
【住所又は居所原語表記】12655 West Jefferson Boulevard, Sixth Floor, Suite No. 137 Los Angeles, California 90066 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン イェクイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン リー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】画像及び映像処理のための方法並びに装置が提供される。
【解決手段】映像符号化、映像復号化または映像コーディング変換を含む映像処理方法は、1つ以上のスライスを含む映像と、この映像のコーディングされた表現との間で変換を行うことを含み、このコーディングされた表現は、このコーディングされた表現におけるフィールドの条件がスライスタイプの制約またはこのスライスタイプが映像スライスのこのコーディングされた表現に含まれているかどうかを制御することを規定するフォーマット規則に準拠する。前記フィールドは、一般制約フラグ、ネットワーク抽象化レイヤーユニットタイプまたはこの映像スライスがアクセスユニットの第1の映像ピクチャに含まれているかを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のスライスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、前記映像のビットストリ
ームとの間で変換を行うことを含み、前記ビットストリームは、フォーマット規則に準拠
し、前記フォーマット規則は、前記1つ以上のスライスのうちのスライスのスライスタイ
プが、前記ビットストリームにおいて指示されるか否かを条件に依存して指定し、前記条
件は、一般制約フラグ、ネットワーク抽象化レイヤーユニットタイプ、または、前記スラ
イスがアクセスユニットの第1のピクチャにあるか否かに基づくことを規定する、
映像処理方法。
【請求項2】
前記条件は、前記一般制約フラグが前記スライスに対するイントラのみである制約を示
す、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記条件は、前記スライスが前記アクセスユニットの前記第1のピクチャ内にあり、か
つ、前記ネットワーク抽象化レイヤーユニットタイプが特定のタイプを有し、前記特定の
タイプは、イントラランダムアクセスポイントタイプを示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記条件は、前記ビットストリームが、前記ピクチャを含むピクチャのセットにおいて
イントラスライスのみが許可されることを示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ピクチャのセットは、前記ピクチャに対応する、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ピクチャのセットは、前記ピクチャを含むコーディングされたレイヤー映像シーケ
ンス(CLVS)に対応する、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記フォーマット規則は、前記スライスタイプ値2が、(a)前記一般制約フラグまた
は前記ネットワーク抽象化レイヤーユニットタイプが前記条件を満たすか、または、(b
)前記スライスが前記アクセスユニットの前記第1のピクチャにあることに呼応して、前
記ビットストリームに示されることを規定する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記フォーマット規則は、前記スライスタイプが値2を有することを規定し、かつ、前
記スライスタイプの指示は、(a)前記一般制約フラグまたは前記ネットワーク抽象化レ
イヤーユニットタイプが前記条件を満たすか、または(b)前記スライスが前記アクセス
ユニットの第1のピクチャにあることに呼応して、前記ビットストリームから省略される
ことを規定する、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記フォーマット規則は、前記スライスタイプが値2を有することを規定し、前記スラ
イスタイプの指示は、(a)前記ネットワーク抽象化レイヤーユニットタイプは、イント
ラランダムアクセスポイントタイプであり、かつ、(b)前記スライスを含むピクチャが
属するレイヤーは、独立して復号化可能なレイヤーであることに呼応して、前記ビットス
トリームから省略されることを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記変換は、前記ビットストリームから前記映像を生成することを含む、請求項1~9
のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化することを含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~10の1項以上に記載の方法を実装するように構成されたプロセッサを備え
る、
映像復号化装置。
【請求項13】
請求項1~11の1項以上に記載の方法を実装するように構成されるプロセッサを備え
る、
映像符号化装置。
【請求項14】
コードが記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コードがプロセッ
サにより実行された場合、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を前記プロセッサ
に実行させる、
コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法に従ってビットストリームを生成し、前記
ビットストリームをコンピュータ可読媒体に記憶することを含む、
映像処理方法。
【請求項16】
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法に従って、映像から生成されたビットスト
リームを記憶した、
コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項17】
本明細書に記載の方法、装置、ビットストリーム、またはシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
パリ条約に基づく適用可能な特許法および/または規則に基づいて、本願は、2020
年3月30日出願の米国特許仮出願第63/002064号の優先権および利益を適時に
主張することを目的とする。法に基づくすべての目的のために、上記出願の開示全体は、
本明細書の開示の一部として参照により援用される。
【0002】
この特許文献は、画像および映像処理に関する。
【背景技術】
【0003】
デジタル映像は、インターネットおよび他のデジタル通信ネットワークにおいて最大の
帯域幅の使用量を占めている。映像を受信および表示することが可能である接続されたユ
ーザ機器の数が増加するにつれ、デジタル映像の使用に対する帯域幅需要は増大し続ける
ことが予測される。
【発明の概要】
【0004】
本願は、コーディングされた表現の復号化に有用な制御情報を使用して、映像のコーデ
ィングされた表現を処理するために、映像エンコーダおよびデコーダにより使用され得る
技術を開示する。
【0005】
1つの例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上のス
ライスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの間で変
換を行うことを含み、このビットストリームは、フォーマット規則に準拠し、このフォー
マット規則は、この1つ以上のスライスのうちのスライスのスライスタイプが、このビッ
トストリームにおいて示されるかどうかまたはどのように示されるかは条件に依存し、こ
の条件は、一般制約フラグ、ネットワーク抽象化レイヤーユニットタイプ、またはこのス
ライスがアクセスユニットの第1のピクチャにあるかどうかに基づくことを規定している
。
【0006】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、複数のスライス
を含むピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの間で変換を行うことを含
み、このビットストリームは、ピクチャヘッダにおけるフラグがこのピクチャにおけるす
べてのスライスの適応ループフィルタリングの適用可能性を制御することを規定するフォ
ーマット規則に準拠する。
【0007】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上のスラ
イスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの間で、フ
ォーマット規則に基づいて変換を行うことを含み、フォーマット規則は、この映像に関連
付けられたパラメータセットの繰り返し時間を規定する。
【0008】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像ユニット内
のピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの間でフォーマット規則に従っ
て変換を行うことを含み、このフォーマット規則は、ピクチャの幅がこの映像ユニット内
の最大許容ピクチャ幅に等しく、このピクチャの高さがこの映像ユニット内の最大許容ピ
クチャ高さに等しいことに呼応して、このピクチャに対応するピクチャパラメータセット
における適合性ウィンドウフラグをゼロ値に設定することを規定する。
【0009】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上のスラ
イスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のコーディングされた表現との間
で変換を行うことを含み、このコーディングされた表現は、このコーディングされた表現
におけるフィールドの条件がスライスタイプに対する制約を制御すること、またはこのス
ライスタイプがこの映像スライスのコーディングされた表現に含まれているかどうかを規
定するフォーマット規則に準拠し、このフィールドは、一般制約フラグ、ネットワーク抽
象レイヤーユニットタイプ、またはこの映像スライスがアクセスユニットの第1の映像ピ
クチャに含まれているかどうかを含む。
【0010】
別の例示的な態様において、別の映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上の
スライスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のコーディングされた表現と
の間で変換を行うことを含み、このコーディングされた表現は、映像ピクチャのピクチャ
ヘッダにおけるフラグの値に基づいて、映像ピクチャにおけるすべてのスライスの適応ル
ープフィルタリングを無効化することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0011】
別の例示的な態様において、別の映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上の
スライスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のコーディングされた表現と
の間で変換を行うことを含み、このコーディングされた表現は、現在のピクチャの高さお
よび幅が映像の最大高さおよび最大幅に等しい場合、適合性ウィンドウフラグを無効モー
ドに設定することを規定するフォーマット規則に従う。
【0012】
別の例示的な態様において、別の映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上の
スライスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のコーディングされた表現と
の間で変換を行うことを含み、このコーディングされた表現は、パラメータセットの繰り
返し時間を規定するフォーマット規則に準拠する。
【0013】
さらに別の例示的な態様において、映像エンコーダ装置が開示される。この映像エンコ
ーダは、上述した方法を実装するように構成されたプロセッサを備える。
【0014】
さらに別の例示的な態様において、映像デコーダ装置が開示される。この映像デコーダ
は、上述した方法を実装するように構成されたプロセッサを備える。
【0015】
さらに別の例示的な態様では、コードが記憶されたコンピュータ可読媒体が開示される
。このコードは、本明細書に記載の方法の1つをプロセッサが実行可能なコードの形式で
実施する。
【0016】
これらのおよび他の特徴は、本明細書全体にわたって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、映像処理システム例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、映像処理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による映像コーディングシステムを示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明のいくつかの実施形態によるエンコーダを示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明のいくつかの実施形態によるデコーダを示すブロック図である。
【
図7】
図7は、適応ループフィルタ(ALF)の形状の例を示す(彩度:5×5菱形、輝度:7×7菱形)。
【
図8】
図8は、ALFおよびCC-ALF図の例を示す。
【
図9】
図9は、映像処理の方法の例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、映像処理の方法の例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、映像処理の方法の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書では、理解を容易にするために章の見出しを使用しており、その技術および各
章に記載された実施形態の適用可能性をその章のみに限定するものではない。さらに、H
.266という用語は、ある説明において、理解を容易にするためだけに用いられ、開示
される技術の範囲を限定するために用いられたものではない。このように、本明細書で説
明される技術は、他の映像コーデックプロトコルおよび設計にも適用可能である。
【0019】
1.導入
本明細書は、映像コーディング技術に関する。具体的には、スライスタイプ、ALF、
および適合性ウィンドウの信号通知、並びにVPS、SPS、PPS、APS、およびD
CI NALユニットを含めたいくつかの非VCL NALユニットの繰り返しの改善に
関する。この考えは、個々にまたは様々な組み合わせで、マルチレイヤー映像コーディン
グ、例えば、現在開発されているVVC(Versatile Video Codin
g)をサポートする任意の映像コーディング規約または非標準映像コーデックに適用され
てもよい。
2.略語
ALF Adaptive Loop Filter(適応ループフィルタ)
APS Adaptation Parameter Set(適応パラメータセッ
ト)
AU Access Unit(アクセスユニット)
AUD Access Unit Delimiter(アクセスユニットデリミタ
ー)
AVC Advanced Video Coding(高度映像コーディング)
CLVS Coded Layer Video Sequence(コーディングさ
れたレイヤー映像シーケンス)
CPB Coded Picture Buffer(コーディングされたピクチャ
バッファ)
CRA Clean Random Access(クリーンランダムアクセス)
CTU Coding Tree Unit(コーディングツリーユニット)
CVS Coded Video Sequence(コーディングされた映像シー
ケンス)
DCI Decoding Capability Information(復号
化能力情報)
DPB Decoded Picture Buffer(復号化されたピクチャバ
ッファ)
DU Decoding Unit(復号化ユニット)
EOB End Of Bitstream(ビットストリーム終端)
EOS End Of Sequence(シーケンス終端)
GDR Gradual Decoding Refresh(漸次的復号リフレッ
シュ)
HEVC High Efficiency Video Coding(高効率映像
コーディング)
HRD Hypothetical Reference Decoder(仮想参
照デコーダ)
IDR Instantaneous Decoding Refresh(瞬時復
号リフレッシュ)
JEM Joint Exploration Model(共同探索モデル)
LMCS Luma Mapping with Chroma Scaling(彩
度スケーリングを伴う輝度マッピング)
MCTS Motion-Constrained Tile Sets(動き制約タ
イルセット)
NAL Network Abstraction Layer(ネットワーク抽象
化レイヤー)
OLS Output Layer Set(出力レイヤーセット)
PH Picture Header(ピクチャヘッダ)
PPS Picture Parameter Set(ピクチャパラメータセット
)
PTL Profile,Tier and Level(プロファイル、ティアお
よびレベル)
PU Picture Unit(ピクチャユニット)
RADL Random Access Decodable Leading(Pi
cture)(ランダムアクセス復号可能リード)(ピクチャ)
RAP Random Access Point(ランダムアクセスポイント)
RASL Random Access Skipped Leading(Pict
ure)(ランダムアクセススキップリード)(ピクチャ)
RBSP Raw Byte Sequence Payload(生バイトシーケン
スペイロード)
RPL Reference Picture List(参照ピクチャリスト)
SAO Sample Adaptive Offset(サンプル適応オフセット
)
SEI Supplemental Enhancement Informati
on(補足強化情報)
SPS Sequence Parameter Set(シーケンスパラメータセ
ット)
STSA Step-wise Temporal Sublayer Access
(ステップワイズ時間サブレイヤーアクセス)
SVC Scalable Video Coding(スケーラブル映像コーディ
ング)
VCL Video Coding Layer(映像コーディングレイヤー)
VPS Video Parameter Set(映像パラメータセット)
VTM VVC Test Model(VVC試験モデル)
VUI Video Usability Information(映像ユーザビ
リティ情報)
VVC Versatile Video Coding(汎用映像コーディング)
【0020】
3.初期の協議
映像コーディング規約は、主に周知のITU-TおよびISO/IEC規格の開発によ
って発展してきた。ITU-TはH.261とH.263を作り、ISO/IECはMP
EG-1とMPEG-4 Visualを作り、両団体はH.262/MPEG-2 V
ideoとH.264/MPEG-4 AVC(Advanced Video Cod
ing)とH.265/HEVC[1]規格を共同で作った。H.262以来、映像コー
ディング規約は、時間予測と変換コーディングが利用されるハイブリッド映像コーディン
グ構造に基づく。HEVCを超えた将来の映像コーディング技術を探索するため、201
5年には、VCEGとMPEGが共同でJVET(Joint Video Explo
ration Team)を設立した。それ以来、多くの新しい方法がJVETによって
採用され、JEM(Joint Exploration Mode)[2]と呼ばれる
参照ソフトウェアに組み込まれてきた。JVETは四半期に1回開催され、新しいコーデ
ィング規約はHEVCに比べて50%のビットレート低減を目指している。2018年4
月のJVET会議において、新しい映像コーディング規約を「VVC(Versatil
e Video Coding)」と正式に命名し、その時、第1版のVVCテストモデ
ル(VTM)をリリースした。VVCの標準化に寄与する努力が続けられているので、す
べてのJVET会議において、VVC標準に新しいコーディング技術が採用されている。
毎回の会議の後、VVC作業草案およびテストモデルVTMを更新する。VVCプロジェ
クトは、現在、2020年7月の会合における技術完成(FDIS)を目指している。
【0021】
3.1.パラメータセット
AVC、HEVC、VVCはパラメータセットを指定する。パラメータセットのタイプ
は、SPS、PPS、APS、VPS等である。SPS、PPSは、AVC、HEVC、
VVCのすべてでサポートされている。VPSは、HEVCから導入されたものであり、
HEVCおよびVVCの両方に含まれる。APSは、AVCまたはHEVCに含まれてい
なかったが、最近のVVC草案のテキストに含まれている。
【0022】
SPSは、シーケンスレベルのヘッダ情報を伝送するように設計され、PPSは、頻繁
に変化しないピクチャレベルのヘッダ情報を担持するように設計された。SPSおよびP
PSを用いると、シーケンスまたはピクチャごとに頻繁に変化する情報を繰り返す必要が
ないので、この情報の冗長な信号通知を回避することができる。さらに、SPSおよびP
PSを使用することは、重要なヘッダ情報の帯域外伝送を有効化し、それにより、冗長な
伝送の必要性を回避するだけでなく、誤り耐性を改善する。
【0023】
VPSは、マルチレイヤーのビットストリームのすべてのレイヤーに共通であるシーケ
ンスレベルのヘッダ情報を担持するために導入された。
【0024】
APSは、コード化するためにかなりのビットを必要とし、複数のピクチャによって共
有され得る、このようなピクチャレベルまたはスライスレベルの情報を担持するために導
入された。そして、シーケンスにおいて、非常に多くの異なる変形例が存在し得る。
【0025】
3.2.VVCにおけるスライスヘッダおよびピクチャヘッダ
HEVCと同様に、VVCにおけるスライスヘッダは、特定のスライスに関する情報を
伝達する。これは、スライスアドレス、スライスタイプ、スライスQP、ピクチャオーダ
カウント(Picture Order Count)最下位ビット(Least Si
gnificant Bit、LSBs)、RPSおよびRPL情報、重み付け予測パラ
メータ、ループフィルタリングパラメータ、タイルおよびWPPのエントリオフセット等
が含まれる。
【0026】
VVCでは、特定のピクチャのためのヘッダパラメータを含むピクチャヘッダ(PH)
を導入した。各ピクチャは、1つのPHまたは1つのPHのみを有する必要がある。PH
は、基本的に、PHが導入されなかった場合に、それぞれが1つのピクチャのすべてのス
ライスに対して同じ値を有するが、スライスヘッダにあったであろうパラメータを伝える
。これらは、IRAP/GDRピクチャ指示、インター/イントラスライス許可フラグ、
POC LSB、およびオプションとしてPOC MSB、RPL、デブロッキング、S
AO、ALF、QPデルタ、および重み付き予測、コーディングブロック分割情報、仮想
境界、同一位置ピクチャ情報等に関する情報を含む。ピクチャのシーケンス全体における
各ピクチャは1つのスライスのみを含むことが多い。このような場合、ピクチャごとに少
なくとも2つのNALユニットを有することを許可しないために、PH構文構造は、PH
NALユニットまたはスライスヘッダのいずれかに含めることができる。
【0027】
VVCにおいて、時間的動きベクトル予測に使用される同一位置ピクチャの情報は、ピ
クチャヘッダまたはスライスヘッダのいずれかにおいて信号通知される。
【0028】
3.3 シーケンス内のピクチャ解像度の変更
AVCおよびHEVCにおいて、ピクチャの空間的解像度は、新しいSPSを使用する
新しいシーケンスがIRAPピクチャで始まらない限り、変更することができない。VV
Cは、常にイントラコーディング化されたIRAPピクチャを符号化せずに、ある位置の
シーケンス内でピクチャの解像度を変更することを可能にする。この特徴は、参照ピクチ
ャが復号化されている現在のピクチャと異なる解像度を有する場合、インター予測に使用
される参照ピクチャをリサンプリングすることが必要であるため、参照ピクチャリサンプ
リング(RPR)と称する。
【0029】
スケーリング比は、1/2(参照ピクチャから現在のピクチャへのダウンサンプリング
の2倍)以上8(8倍のアップサンプリング)以下に制限される。参照ピクチャと現在の
ピクチャとの間の様々なスケーリング比に対処するために、周波数カットオフが異なる3
つの再サンプリングフィルタを規定する。3つの組の再サンプリングフィルタは、それぞ
れ、1/2~1/1.75、1/1.75~1/1.25、および1/1.25~8の範
囲のスケーリング比に適用される。各組の再サンプリングフィルタは、動き補償補間フィ
ルタの場合と同様に、輝度に対して16個の位相を有し、彩度に対して32個の位相を有
する。実際には、通常のMC補間プロセスは、1/1.25~8の範囲のスケーリング比
を有する再サンプリングプロセスの特殊な場合である。水平および垂直スケーリング比は
、ピクチャの幅および高さ、並びに参照ピクチャおよび現在のピクチャに対して指定され
た左、右、上および下のスケーリングオフセットに基づいて導出される。
【0030】
HEVCとは異なる、この特徴をサポートするためのVVC設計の他の態様は、i)S
PSの代わりにPPSにおいてピクチャ解像度および対応する適合性ウィンドウを信号通
知すること、SPSにおいて最大ピクチャ解像度を信号通知すること、ii)単レイヤー
ビットストリームの場合、各ピクチャ記憶装置(1つの復号化ピクチャを記憶するための
DPBにおける1つのスロット)は、最大ピクチャ解像度を有する復号化ピクチャを記憶
するために必要なバッファサイズを占めることを含む。
【0031】
3.4 適応ループフィルタ(ALF:Adaptive Loop Filter)
2つの菱形フィルタ形状(
図7に示す)がブロックベースのALFにおいて使用される
。輝度成分に対し7×7の菱形が適用され、彩度成分には5×5の菱形が適用される。局
所的な勾配の方向および活性度に基づいて、4×4ブロックごとに最大25個までのフィ
ルタのうち1つを選択する。ピクチャにおける各4×4ブロックは、方向性および活性度
に基づいて分類される。各4×4ブロックをフィルタリングする前に、そのブロックに対
して計算された勾配値に基づいて、回転または対角および垂直フリップ等の簡単な幾何学
的変換をフィルタ係数に適用することができる。これは、これらの変換をフィルタサポー
ト領域内のサンプルに適用することに等しい。その考えは、ALFが適用される異なるブ
ロックを、それらの方向性を揃えることによって、より類似させることである。ブロック
ベースの分類は彩度成分には適用されない。
【0032】
ALFフィルタパラメータは、適応パラメータセット(APS)において信号通知され
る。1つのAPSにおいて、最大25組の輝度フィルタ係数およびクリッピング値インデ
ックス、並びに最大8組の彩度フィルタ係数およびクリッピング値インデックスを信号通
知することができる。ビットオーバーヘッドを低減するために、輝度成分の異なる分類の
フィルタ係数をマージすることができる。ピクチャまたはスライスヘッダにおいて、現在
のピクチャまたはスライスに対して使用される輝度フィルタセットを特定するように、最
大7個のAPSのIDを通知することができる。フィルタリング処理はCTBレベルでさ
らに制御される。1つの輝度CTBは、16個の固定フィルタセットと複数のAPSにお
いて信号通知されるフィルタセットから、1つのフィルタセットを選択することができる
。彩度成分の場合、現在のピクチャまたはスライスに使用されている彩度フィルタセット
を示すように、ピクチャまたはスライスヘッダにAPS IDを信号通知する。CTBレ
ベルにおいて、APSにおいて2以上の彩度フィルタセットが存在する場合、各彩度CT
Bに対しフィルタインデックスを信号通知する。CTBに対してALFが有効化されると
き、そのCTB内の各サンプルに対して、信号伝達された重みを有する菱形フィルタを実
行し、クリッピング演算を適用して、隣接するサンプルと現在のサンプルとの間の差をク
リップする。クリッピング演算は、現在のサンプル値とあまりにも異なる近傍サンプル値
の影響を低減することによって、ALFをより効率的にするように、非線形性を導入する
。
【0033】
クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CC-ALF)は、前述のALFの上部の
各彩度成分をさらに強化することができる。CC-ALFの目的は、輝度サンプル値を使
用して各彩度成分を精製することである。これは、菱形のハイパス線形フィルタを適用し
、このフィルタリング演算の出力を彩度微調整に用いることによって実現される。
図8は
、他のループフィルタに対するCC-ALF処理のシステムレベルダイアグラムを提供す
る。
図8に示すように、CC-ALFは、全ループフィルタ処理の追加の工程を避けるた
めに、輝度ALFと同じ入力を使用する。
【0034】
4.開示される解決策によって解決される技術課題
最近のVVCテキスト(JVET-Q2001-vE/v15)における既存の設計は
、以下の問題を有する。
1)slice_typeの値は、以下のように制約される。
【0035】
【0036】
2)ph_alf_enabled_flagの意味は、次のように定義され、曖昧で
ある。
【0037】
【0038】
3)適合性ウィンドウパラメータは、常にPPSにおいて信号通知され、ピクチャの幅
および高さが、PPSによって参照されるSPSにおいて信号通知される最大のピクチャ
の幅および高さと同一である場合を含む。一方、SPSにおいて、最大のピクチャ幅およ
び高さを有するピクチャの適合性ウィンドウパラメータも通知される。PPSにおいて、
ピクチャの幅および高さが最大であるピクチャの適合性ウィンドウパラメータを信号通知
することは、冗長である。
4)SEIメッセージの大部分の繰り返しは、1つのPUまたはDU内で最大4倍に制
限される。PH、AUD、EOS、EOB NALユニットの繰り返しは許可されない。
フィラーデータNALユニットの繰り返しは、必要な回数だけ許可される必要がある(例
えば、一定のビットレートを達成するために)。しかしながら、他の非VCL NALユ
ニット、即ち、VPS、SPS、PPS、APS、およびDCI NALユニットの繰り
返し時間に制限はない。
【0039】
5.技術的解決策の一覧
上述した課題等を解決するために、以下に示す方法が開示されている。本発明は、一般
的な概念を説明するための例であり、狭義に解釈されるべきではない。さらに、本発明は
、個々に適用されてもよいし、任意に組み合わせて適用されてもよい。
1)問題1を解決するために、slice_typeおよび/またはslice_ty
peの信号通知に関する制約は、一般的な制約フラグ/NALユニットのタイプ/現在の
ピクチャが現在のAUにおける第1のピクチャであるかどうかに関連付けられた条件に依
存し得る。
a.一例において、この条件は、以下を含んでよい。
i.intra_only_constraint_flagが1に等しい場合。
ii.NALユニットタイプがIRAP NALユニットタイプであり、現在のピ
クチャが現在のAUにおける第1のピクチャである場合。
iii.指示(例えば、SPSフラグ)が、ピクチャ(または現在のピクチャを含
むCLVS、または現在のピクチャを含む任意の他のピクチャのセット)においてイント
ラスライスのみが許可されることを通知する場合。
b.slice_type値の制約を更新し、最初の2つの条件のうちの1つまたは
上記条件のすべてのうちの1つの条件が真である場合に、slice_type値も2に
等しい値になるように要求されるようにしてもよい。
c.あるいは、最初の2つの条件のうちの1つまたは上記条件のうちの1つが真であ
る場合、slice_typeの信号通知をスキップし、Iスライスであると推論するこ
とができる(すなわち、slice_typeが2である)。
d.さらに、NALユニットタイプがIRAP NALユニットタイプであり、現在
のレイヤーが独立レイヤーである場合、slice_typeの信号通知はスキップされ
、Iスライスであると推論されてもよい。
2)問題2を解決するために、ph_alf_enabled_flagが0に等しい
場合、現在のピクチャのすべてのスライスに対してALFを無効化することを規定するこ
とができる。
3)問題3を解決するために、ピクチャの幅および高さが最大ピクチャの幅および高さ
である場合、pps_conformance_window_flagの値は0に等し
いことが必要な場合がある。
a.また、ピクチャの幅および高さが最大のピクチャの幅および高さである場合、P
PS適合性ウィンドウ構文要素の値は、SPSにおいて信号通知されるものと同じである
と推論し、それ以外の場合には、0に等しいと推論するように規定してもよい。
4)問題4を解決するために、ランダムアクセスのような機能に影響を及ぼさない範囲
でVPS、SPS、PPS、APS、およびDCI NALユニットの繰り返し時間に何
らかの制限を設けるために、以下の制約の1つ以上を規定することができる。
【0040】
【0041】
a.vps_video_parameter_set_idの特定の値を有するV
PS NALユニットがCVSに存在する場合、VPS NALユニットは、CVSの第
1のAUに存在しなければならず、かつIDR_W_RADL~GDR_NUTの範囲内
にあるnal_unit_typeを有する少なくとも1つのVCL NALユニットを
有する任意のAUに存在してもよく、かつ他のAUに存在してはならない。
i.あるいは、上記中、「IDR_W_RADL~GDR_NUT」を「IDR_
W_RADL~RSV_IRAP_12」に変更する。
b.1つのPUにおいてvps_video_parameter_set_idの
特定の値を有するVPS NALユニットの数は、1より大きくてはならない。
【0042】
【0043】
c.CLVSの関連付けられたAUセットを、復号順にCLVSの最初のピクチャを
含むAUから、復号順にCLVSの最後のピクチャを含むAUまでのAUのセットとする
。
d.sps_seq_parameter_set_idの特定の値を有するSPS
NALユニットが、SPSを参照するCLVSの関連付けられたAUセット(asso
ciatedAuSet)に存在する場合、SPS NALユニットは、associa
tedAuSetの第1のAUに存在しなければならず、かつIDR_W_RADL~G
DR_NUTの範囲内にnal_unit_typeを有する少なくとも1つのVCL
NALユニットを有するassociatedAuSetの任意のAUに存在してもよく
、かつ他のAUに存在してはならない。
i.あるいは、sps_seq_parameter_set_idの特定の値を
有するSPS NALユニットがCLVSに存在する場合、このユニットは、CLVSの
第1のPUに存在しなければならず、かつIDR_W_RADL~GDR_NUTの範囲
内にnal_unit_typeを有する少なくとも1つのコーディングされたスライス
NALユニットを有する任意のPUに存在してもよく、かつ他のPUに存在してはならな
い。
ii.4.d.または4.d.i項において、「IDR_W_RADL~GDR_
NUT」を「IDR_W_RADL~RSV_IRAP_12」に変更することができる
。
e.1つのPUにおいてsps_seq_parameter_set_idの特定
の値を有するSPS NALユニットの数は、1以下でなくてはならない。
【0044】
【0045】
f.1つのPUにおいてpps_pic_parameter_set_idの特定
の値を有するPPS NALユニットの数は、1以下でなくてはならない。
【0046】
【0047】
g.1つのPUにおいて、adaptation_parameter_set_i
dの特定の値を有し、かつ、aps_params_typeの特定の値を有するAPS
NALユニットの数は、1以下でなくてはならない。
i.あるいは、1つのDUにおいて、adaptation_parameter
_set_idの特定の値、かつ、aps_params_typeの特定の値を有する
APS NALユニットの数は、1以下でなくてはならない。
【0048】
【0049】
h.DCI NALユニットがビットストリームに存在するとき、このユニットはこ
のビットストリームの第1のCVSに存在しなければならない。
i.DCI NALユニットがCVSに存在する場合、それはCVSの第1のAUに
存在しなければならず、IDR_W_RADL~GDR_NUTの範囲内にあるnal_
unit_typeを有する少なくとも1つのVCL NALユニットを有する任意のA
Uに存在してもよく、他のAUに存在してはならない。
j.1つのPUにおけるDCI NALユニットの数は、1以下でなくてはならない
。
【0050】
【0051】
6.1.第1の実施形態
この実施形態は、項目1に対するものである。
以下の制約:
nal_unit_typeがIDR_W_RADL~CRA_NUTの範囲内にあ
り、かつvps_independent_layer_flag[GeneralLa
yerIdx[nuh_layer_id]]が1に等しい場合は、slice_typ
eは2に等しいものとする。
は、以下の様に変更される。:
【0052】
【0053】
6.2.第2の実施形態
この実施形態は、項目2に対するものである。
【0054】
【0055】
6.3.第3の実施形態
この実施形態は、項目3に対するものである。
【0056】
7.4.3.4 ピクチャパラメータセットRBSP意味論
...
【0057】
【0058】
【0059】
適合性クロッピングウィンドウは、SubWidthC*pps_conf_win_
left_offsetからpic_width_in_luma_samples-(
SubWidthC*pps_conf_win_right_offset+1)への
水平ピクチャ座標、およびSubHeightC*pps_conf_win_top_
offsetからpic_height_in_luma_samples-(SubH
eightC*pps_conf_win_bottom_offset+1)への垂直
ピクチャ座標を有する輝度サンプルを含む。
SubWidthC*(pps_conf_win_left_offset+pps
_conf_win_right_offset)の値は、pic_width_in_
luma_samplesよりも小さいものとし、SubHeightC*(pps_c
onf_win_top_offset+pps_conf_win_bottom_o
ffset)の値は、pic_height_in_luma_samplesより小さ
いものとする。
ChromaArrayTypeが0に等しくない場合、2つの彩度配列の対応する規
定されたサンプルは、ピクチャ座標(x/SubWidthC,y/SubHeight
C)を有するサンプルであり、(x,y)は、規定された輝度サンプルのピクチャ座標で
ある。
注2-適合性クロッピングウィンドウのオフセットパラメータは、出力側でのみ適用
される。すべての内部復号化処理が、アンクロップされたピクチャサイズに対して適用さ
れる。
ppsAおよびppsBを、同じSPSを参照する任意の2つのPPSとする。pps
AおよびppsBが、それぞれpic_width_in_luma_samplesお
よびpic_height_in_luma_samplesと同じ値を有する場合、p
psAおよびppsBは、それぞれpps_conf_win_left_offset
、pps_conf_win_right_offset、pps_conf_win_
top_offset、およびpps_conf_win_bottom_offset
と同じ値を有するものとすることが、ビットストリーム適合性の要件である。
pic_width_in_luma_samplesがpic_width_max
_in_luma_samplesに等しく、かつ、pic_height_in_lu
ma_samplesがpic_height_max_in_luma_sample
sに等しい場合、pps_conf_win_left_offset、pps_con
f_win_right_offset、pps_conf_win_top_offs
et、およびpps_conf_win_bottom_offsetが、それぞれ、s
ps_conf_win_left_offset、sps_conf_win_rig
ht_offset、sps_conf_win_top_offset、およびsps
_conf_win_bottom_offsetと等しいことがビットストリーム適合
性の要件である。
【0060】
図1は、本明細書で開示される様々な技術が実装され得る例示的な映像処理システム1
900を示すブロック図である。様々な実装形態は、システム1900のモジュールの一
部または全部を含んでもよい。システム1900は、映像コンテンツを受信するための入
力1902を含んでもよい。映像コンテンツは、未加工または非圧縮フォーマット、例え
ば、8または10ビットのマルチコンポーネント画素値で受信されてもよく、または、圧
縮または符号化フォーマットで受信されてもよい。入力1902は、ネットワークインタ
ーフェース、周辺バスインターフェース、または記憶インターフェースを表してもよい。
ネットワークインターフェースの例は、イーサネット(登録商標)、PON(登録商標;
Passive Optical Network)等の有線インターフェース、および
Wi-Fi(登録商標)またはセルラーインターフェース等の無線インターフェースを含
む。
【0061】
システム1900は、本明細書に記載される様々なコーディングまたは符号化方法を実
装することができるコーディングコンポーネント1904を含んでもよい。コーディング
コンポーネント1904は、入力1902からの映像の平均ビットレートをコーディング
コンポーネント1904の出力に低減し、映像のコーディングされた表現を生成してもよ
い。従って、このコーディング技術は、映像圧縮または映像トランスコーディング技術と
呼ばれることがある。コーディングコンポーネント1904の出力は、コンポーネント1
906によって表されるように、記憶されてもよいし、接続された通信を介して送信され
てもよい。入力1902において受信された、記憶されたまたは通信された映像のビット
ストリーム(またはコーディングされた)表現は、表示インターフェース1910に送信
される画素値、または表示可能な映像の生成のために、コンポーネント1908によって
使用されてもよい。ビットストリーム表現からユーザが見ることができる映像を生成する
処理は、映像展開と呼ばれることがある。さらに、特定の映像処理動作を「コーディング
」動作、またはツールと呼ぶが、コーディングツールまたは動作は、エンコーダによって
使用され、コーディングの結果を逆転させる対応する復号化ツールまたは動作は、デコー
ダによって行われることが理解されよう。
【0062】
周辺バスインターフェースまたは表示インターフェースの例は、USB(登録商標;U
niversal Serial Bus)またはHDMI(登録商標;High De
finition Multimedia Interface)またはディスプレイポ
ート等を含んでもよい。ストレージインターフェースの例は、SATA(Serial
Advanced Technology Attachment)、PCI、IDEイ
ンターフェース等を含む。本明細書に記載される技術は、携帯電話、ノートパソコン、ス
マートフォン、またはデジタルデータ処理および/または映像表示を実施可能な他のデバ
イス等の様々な電子デバイスに実施されてもよい。
【0063】
図2は、映像処理装置3600のブロック図である。装置3600は、本明細書に記載
の方法の1つ以上を実装するために使用されてもよい。装置3600は、スマートフォン
、タブレット、コンピュータ、モノのインターネット(IoT)受信機等に実施されても
よい。装置3600は、1つ以上のプロセッサ3602と、1つ以上のメモリ3604と
、映像処理ハードウェア3606と、を含んでもよい。1つまたは複数のプロセッサ36
02は、本明細書に記載される1つ以上の方法を実装するように構成されてもよい。メモ
リ(複数可)3604は、本明細書で説明される方法および技術を実装するために使用さ
れるデータおよびコードを記憶するために使用してもよい。映像処理ハードウェア360
6は、本明細書に記載される技術をハードウェア回路にて実装するために使用してもよい
。
【0064】
図4は、本開示の技法を利用し得る例示的な映像コーディングシステム100を示すブ
ロック図である。
【0065】
図4に示すように、映像コーディングシステム100は、送信元装置110と、送信先
装置120と、を備えてもよい。送信元装置110は、映像コーディング機器とも称され
得る符号化された映像データを生成する。送信先装置120は、送信元装置110によっ
て生成された符号化された映像データを復号化してよく、映像復号化機器とも呼ばれ得る
。
【0066】
送信元装置110は、映像ソース112と、映像エンコーダ114と、入出力(I/O
)インターフェース116と、を含んでよい。
【0067】
映像ソース112は、映像キャプチャデバイスなどのソース、映像コンテンツプロバイ
ダからの映像データを受信するためのインターフェース、および/または映像データを生
成するためのコンピュータグラフィックスシステム、またはこれらのソースの組み合わせ
を含んでもよい。映像データは、1または複数のピクチャを含んでもよい。映像エンコー
ダ114は、映像ソース112からの映像データを符号化し、ビットストリームを生成す
る。ビットストリームは、映像データのコーディングされた表現を形成するビットのシー
ケンスを含んでもよい。ビットストリームは、コーディングされたピクチャおよび関連付
けられたデータを含んでもよい。コーディングされたピクチャは、ピクチャのコーディン
グされた表現である。関連付けられたデータは、シーケンスパラメータセット、ピクチャ
パラメータセット、および他の構文構造を含んでもよい。I/Oインターフェース116
は、変復調器(モデム)および/または送信機を含んでもよい。符号化された映像データ
は、ネットワーク130aを介して、I/Oインターフェース116を介して送信先装置
120に直接送信されてよい。符号化された映像データは、送信先装置120がアクセス
するために、記録媒体/サーバ130bに記憶してもよい。
【0068】
送信先装置120は、I/Oインターフェース126、映像デコーダ124、および表
示装置122を含んでもよい。
【0069】
I/Oインターフェース126は、受信機および/またはモデムを含んでもよい。I/
Oインターフェース126は、送信元装置110または記憶媒体/サーバ130bから符
号化された映像データを取得してもよい。映像デコーダ124は、符号化された映像デー
タを復号化してもよい。表示装置122は、復号化された映像データをユーザに表示して
もよい。表示装置122は、送信先装置120と一体化されてもよく、または外部表示装
置とインターフェースするように構成される送信先装置120の外部にあってもよい。
【0070】
映像エンコーダ114および映像デコーダ124は、高効率映像コーディング(HEV
C)規約、汎用映像コーディング(VVC)規約、および他の現在および/または更なる
規約等の映像圧縮規格に従って動作してもよい。
【0071】
図5は、映像エンコーダ200の一例を示すブロック図であり、
図4に示されるシステ
ム100における映像エンコーダ114であってもよい。
【0072】
映像エンコーダ200は、本開示の技術のいずれかまたは全部を実行するように構成さ
れてもよい。
図5の実施例において、映像エンコーダ200は、複数の機能性モジュール
を含む。本開示で説明される技法は、映像エンコーダ200の様々なモジュール間で共有
されてもよい。いくつかの例では、プロセッサは、本開示で説明される技術のいずれかま
たはすべてを行うように構成してもよい。
【0073】
映像エンコーダ200の機能コンポーネントは、分割部201、予測部202を含んで
もよく、予測部202は、モード選択部203、動き推定部204、動き補償部205、
およびイントラ予測部206、残差生成部207、変換部208、量子化部209、逆量
子化部210、逆変換部211、再構成部212、バッファ213、およびエントロピー
符号化部214を含んでもよい。
【0074】
他の例において、映像エンコーダ200は、より多く、より少ない、または異なる機能
コンポーネントを含んでもよい。一例において、予測部202は、イントラブロックコピ
ー(IBC)ユニットを含んでもよい。IBCユニットは、少なくとも1つの参照ピクチ
ャが現在の映像ブロックが位置するピクチャであるIBCモードにおいて予測を行うこと
ができる。
【0075】
さらに、動き推定部204および動き補償部205などのいくつかのモジュールは、高
度に統合されてもよいが、説明のために、
図5の例においては別個に表現されている。
【0076】
分割部201は、1つのピクチャを1または複数の映像ブロックに分割してもよい。映
像エンコーダ200および映像デコーダ300は、様々な映像ブロックサイズをサポート
してもよい。
【0077】
モード選択部203は、例えば、誤りの結果に基づいて、イントラまたはインターのコ
ーディングモードのうちの1つを選択し、得られたイントラまたはインターコーディング
されたブロックを残差生成部207に供給し、残差ブロックデータを生成して再構成部2
12に供給し、符号化されたブロックを参照ピクチャとして使用するために再構成しても
よい。いくつかの例において、モード選択部203は、インター予測信号およびイントラ
予測信号に基づいて予測を行うCIIP(Combination of Intra
and Inter Prediction)モードを選択してもよい。また、モード選
択部203は、インター予測の場合、ブロックの動きベクトルの解像度(例えば、サブピ
クセルまたは整数画素精度)を選択してもよい。
【0078】
現在の映像ブロックに対してインター予測を行うために、動き推定部204は、バッフ
ァ213からの1または複数の参照フレームと現在の映像ブロックとを比較することで、
現在の映像ブロックのための動き情報を生成してもよい。動き補償部205は、現在の映
像ブロックに関連付けられたピクチャ以外のバッファ213からのピクチャの動き情報お
よび復号化されたサンプルに基づいて、現在の映像ブロックのための予測映像ブロックを
判定してもよい。
【0079】
動き推定部204および動き補償部205は、現在の映像ブロックがIスライス、Pス
ライス、またはBスライスであるかに基づいて、例えば、現在の映像ブロックに対して異
なる動作を行ってもよい。
【0080】
いくつかの例では、動き推定部204は、現在の映像ブロックに対して単一方向予測を
行い、動き推定部204は、現在の映像ブロックに対して、参照映像ブロック用のリスト
0またはリスト1の参照ピクチャを検索してもよい。動き推定部204は、参照映像ブロ
ックと、現在の映像ブロックと参照映像ブロックとの間の空間的変位を示す動きベクトル
とを含む、リスト0またはリスト1における参照ピクチャを示す参照インデックスを生成
してもよい。動き推定部204は、参照インデックス、予測方向インジケータ、および動
きベクトルを、現在の映像ブロックの動き情報として出力してもよい。動き補償部205
は、現在の映像ブロックの動き情報が示す参照映像ブロックに基づいて、現在のブロック
の予測映像ブロックを生成してもよい。
【0081】
他の例において、動き推定部204は、現在の映像ブロックに双方向予測を実行しても
よく、動き推定部204は、リスト0における参照ピクチャの中から現在の映像ブロック
を求めるための参照映像ブロックを検索してもよく、また、リスト1における参照ピクチ
ャの中から現在の映像ブロックを求めるための別の参照映像ブロックを検索してもよい。
動き推定部204は、参照映像ブロックを含むリスト0およびリスト1における参照ピク
チャを示す参照インデックスと、参照映像ブロックと現在の映像ブロックとの間の空間的
変位を示す動きベクトルとを生成してもよい。動き推定部204は、現在の映像ブロック
の参照インデックスおよび動きベクトルを、現在の映像ブロックの動き情報として出力し
てもよい。動き補償部205は、現在の映像ブロックの動き情報が示す参照映像ブロック
に基づいて、現在の映像ブロックの予測映像ブロックを生成してもよい。
【0082】
いくつかの例では、動き推定部204は、デコーダの復号化処理のために、動き情報の
フルセットを出力してもよい。
【0083】
いくつかの例では、動き推定部204は、現在の映像のための動き情報のフルセットを
出力しなくてもよい。むしろ、動き推定部204は、別の映像ブロックの動き情報を参照
して、現在の映像ブロックの動き情報を信号通知してもよい。例えば、動き推定部204
は、現在の映像ブロックの動き情報が近傍の映像ブロックの動き情報に十分に類似してい
ることを判定してもよい。
【0084】
一例において、動き推定部204は、現在の映像ブロックに関連付けられた構文構造に
おいて、現在の映像ブロックが他の映像ブロックと同じ動き情報を有することを映像デコ
ーダ300に示す値を示してもよい。
【0085】
他の例において、動き推定部204は、現在の映像ブロックに関連付けられた構文構造
において、別の映像ブロックと、動きベクトル差分(MVD;Motion Vecto
r Difference)とを識別してもよい。動きベクトル差分は、現在の映像ブロ
ックの動きベクトルと、指示された映像ブロックの動きベクトルとの差分を示す。映像デ
コーダ300は、指示された映像ブロックの動きベクトルおよび動きベクトル差分を使用
して、現在の映像ブロックの動きベクトルを決定してもよい。
【0086】
上述したように、映像エンコーダ200は、動きベクトルを予測的に信号通知してもよ
い。映像エンコーダ200によって実装され得る予測信号通知技法の2つの例は、AMV
P(Advanced Motion Vector Prediction)およびマ
ージモード信号通知を含む。
【0087】
イントラ予測部206は、現在の映像ブロックに対してイントラ予測を行ってもよい。
イントラ予測部206が現在の映像ブロックをイントラ予測する場合、イントラ予測部2
06は、同じピクチャにおける他の映像ブロックの復号化されたサンプルに基づいて、現
在の映像ブロックのための予測データを生成してもよい。現在の映像ブロックのための予
測データは、予測された映像ブロックおよび様々な構文要素を含んでもよい。
【0088】
残差生成部207は、現在の映像ブロックから現在の映像ブロックの予測された映像ブ
ロックを減算することによって(例えば、マイナス符号によって示されている)、現在の
映像ブロックのための残差データを生成してもよい。現在の映像ブロックの残差データは
、現在の映像ブロックにおけるサンプルの異なるサンプル成分に対応する残差映像ブロッ
クを含んでもよい。
【0089】
他の例において、例えば、スキップモードにおいて、現在の映像ブロックのための残差
データがなくてもよく、残差生成部207は、減算動作を行わなくてもよい。
【0090】
変換処理部208は、現在の映像ブロックに関連付けられた残差映像ブロックに1また
は複数の変換を適用することによって、現在の映像ブロックのための1または複数の変換
係数映像ブロックを生成してもよい。
【0091】
変換処理部208が現在の映像ブロックに関連付けられた変換係数映像ブロックを生成
した後、量子化部209は、現在の映像ブロックに関連付けられた1または複数の量子化
パラメータ(QP:Quantization Parameter)値に基づいて、現
在の映像ブロックに関連付けられた変換係数映像ブロックを量子化してもよい。
【0092】
逆量子化部210および逆変換部211は、変換係数映像ブロックに逆量子化および逆
変換をそれぞれ適用し、変換係数映像ブロックから残差映像ブロックを再構成してもよい
。再構成部212は、予測部202によって生成された1または複数の予測映像ブロック
から対応するサンプルに再構成された残差映像ブロックを追加して、バッファ213に格
納するための現在のブロックに関連付けられた再構成された映像ブロックを生成してもよ
い。
【0093】
再構成部212が映像ブロックを再構成した後、映像ブロックにおける映像ブロッキン
グアーチファクトを縮小するために、ループフィルタリング動作が行われてもよい。
【0094】
エントロピー符号化部214は、映像エンコーダ200の他の機能コンポーネントから
データを受信してもよい。エントロピー符号化部214がデータを受信した場合、エント
ロピー符号化部214は、1または複数のエントロピー符号化動作を行い、エントロピー
符号化されたデータを生成し、エントロピー符号化されたデータを含むビットストリーム
を出力してもよい。
【0095】
図6は、映像デコーダ300の一例を示すブロック図であり、この映像デコーダ300
は、
図4に示すシステム100における映像デコーダ114であってもよい。
【0096】
映像デコーダ300は、本開示の技術のいずれかまたは全部を実行するように構成され
てもよい。
図6の実施例において、映像デコーダ300は、複数の機能性モジュールを含
む。本開示で説明される技法は、映像デコーダ300の様々なモジュール間で共有されて
もよい。いくつかの例では、プロセッサは、本開示で説明される技術のいずれかまたはす
べてを行うように構成してもよい。
【0097】
図6の実施例において、映像デコーダ300は、エントロピー復号化部301、動き補
償部302、イントラ予測部303、逆量子化部304、逆変換部305、および再構成
部306、並びにバッファ307を含む。映像デコーダ300は、いくつかの例では、映
像エンコーダ200(
図5)に関して説明した符号化パスとほぼ逆の復号化パスを行って
もよい。
【0098】
エントロピー復号化部301は、符号化されたビットストリームを取り出す。符号化さ
れたビットストリームは、エントロピーコーディングされた映像データ(例えば、映像デ
ータの符号化されたブロック)を含んでもよい。エントロピー復号化部301は、エント
ロピーコーディングされた映像データを復号化し、エントロピー復号化された映像データ
から、動き補償部302は、動きベクトル、動きベクトル精度、参照ピクチャリストイン
デックス、および他の動き情報を含む動き情報を決定してもよい。動き補償部302は、
例えば、AMVPおよびマージモードを実行することで、このような情報を判定してもよ
い。
【0099】
動き補償部302は、動き補償されたブロックを生成してもよく、場合によっては、補
間フィルタに基づいて補間を実行する。サブピクセルの精度で使用される補間フィルタの
ための識別子が、構文要素に含まれてもよい。
【0100】
動き補償部302は、映像ブロックの符号化中に映像エンコーダ200によって使用さ
れるような補間フィルタを使用して、参照ブロックのサブ整数画素のための補間値を計算
してもよい。動き補償部302は、受信した構文情報に基づいて、映像エンコーダ200
が使用する補間フィルタを決定し、補間フィルタを使用して予測ブロックを生成してもよ
い。
【0101】
動き補償部302は、符号化された映像シーケンスのフレームおよび/またはスライス
を符号化するために使用されるブロックのサイズを判定するための構文情報、符号化され
た映像シーケンスのピクチャの各マクロブロックがどのように分割されるかを記述する分
割情報、各分割がどのように符号化されるかを示すモード、各インター符号化されたブロ
ックに対する1または複数の参照フレーム(および参照フレームリスト)、および符号化
された映像シーケンスを復号化するための他の情報のいくつかを使用してもよい。
【0102】
イントラ予測部303は、例えば、ビットストリームにおいて受信したイントラ予測モ
ードを使用して、空間的に隣接するブロックから予測ブロックを形成してもよい。逆量子
化部303は、ビットストリームに提供され、エントロピー復号化部301によって復号
化される量子化された映像ブロック係数を逆量子化(すなわち、逆量子化)する。逆変換
部303は、逆変換を適用する。
【0103】
再構成部306は、残差ブロックと、動き補償部202またはイントラ予測部303に
よって生成された対応する予測ブロックとを合計し、復号化されたブロックを形成しても
よい。所望であれば、デブロッキングフィルタは、ブロッキングアーチファクトを除去す
るために、復号化されたブロックをフィルタリングするために適用されてもよい。復号化
された映像ブロックは、バッファ307に記憶され、バッファ307は、後続の動き補償
/イントラ予測のために参照ブロックを提供し、表示装置に表示するために復号化された
映像を生成する。
【0104】
次に、いくつかの実施形態において好適な解決策を列挙する。
【0105】
以下の解決策は、前章(例えば、項目1)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0106】
1.本発明の映像加工方法(例えば、
図3に示される方法3000)は、1つ以上のス
ライスを含む映像と、この映像のコーディングされた表現との間で変換を行うこと(30
02)を含み、このコーディングされた表現は、このコーディングされた表現におけるフ
ィールドの条件がスライスタイプの制約、またはこのスライスタイプが映像スライスのこ
のコーディングされた表現に含まれているかどうかを制御することを規定するフォーマッ
ト規則に準拠し、このフィールドは、一般制約フラグ、ネットワーク抽象化レイヤーユニ
ットタイプまたはこの映像スライスがアクセスユニットの第1の映像ピクチャに含まれて
いるかを含む。
【0107】
2.フォーマット規則は、映像スライスに対してイントラのみの制約が有効化されてい
ることを条件と規定する、解決策1に記載の方法。
【0108】
以下の解決策は、前章(例えば、項目2)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0109】
3.1つ以上のスライスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のコーディ
ングされた表現との間で変換を行うことを含み、コーディングされた表現は、映像ピクチ
ャのピクチャヘッダにおけるフラグの値に基づいて、映像ピクチャにおけるすべてのスラ
イスの適応ループフィルタリングを無効化することを規定するフォーマット規則に準拠す
る、映像処理方法。
【0110】
以下の解決策は、前章(例えば、項目3)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0111】
4.1つ以上のスライスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のコーディ
ングされた表現との間で変換を行うことを含み、コーディングされた表現は、現在のピク
チャの高さおよび幅が、映像の最大高さおよび最大幅に等しい場合、適合性ウィンドウフ
ラグを無効モードに設定することを規定するフォーマット規則に準拠する、映像処理方法
。
【0112】
以下の解決策は、前章(例えば、項目4)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0113】
5.1つ以上のスライスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のコーディ
ングされた表現との間で変換を行うことを含み、このコーディングされた表現は、パラメ
ータセットの繰り返し時間を規定するフォーマット規則に準拠する、映像処理方法。
【0114】
6.パラメータセットは、映像パラメータセット、シーケンスパラメータセット、また
は適応パラメータセットのピクチャパラメータセットである、解決策5に記載の方法。
【0115】
7.パラメータセットは、復号化能力情報ネットワーク抽象化レイヤーユニット(DC
I NAL)である、解決策5に記載の方法。
【0116】
8.パラメータセットは映像パラメータセットであり、かつ、フォーマット規則は、映
像パラメータセットが特定の値の識別子フィールドを含む場合、映像パラメータセットが
コーディングされた映像表現の第1のアクセスユニットに含まれることを規定する、解決
策6に記載の方法。
【0117】
9.フォーマット規則は、別のアクセスユニットが2つの予め規定された値の間の範囲
内にあるネットワーク抽象化レイヤータイプを有する場合においてのみ、識別子フィール
ドの特定の値を有する映像パラメータセットを含むようにさらに規定する、解決策8に記
載の方法。
【0118】
10.パラメータセットは、シーケンスパラメータセットであり、かつ、フォーマット
規則は、コーディングされた表現が1つ以上の映像シーケンスのコーディングされたレイ
ヤーのアクセスユニットとして編成されることを規定し、かつ、フォーマット規則は、シ
ーケンスパラメータセットを参照するアクセスユニットセットの第1のアクセスユニット
に、特定の識別子値を有するシーケンスパラメータセットを含むネットワーク抽象化レイ
ヤーを含むことを規定する、解決策6に記載の方法。
【0119】
11.フォーマット規則は、DCI NALが映像のコーディングされた表現に含まれ
る場合、DCI NALが映像の第1のコーディングされた映像シーケンスに含まれるこ
とを規定する、解決策7に記載の方法。
【0120】
12.フォーマット規則は、1つの予測ユニットにおけるDCI NALユニットの数
を1に制限することをさらに規定する、解決策7または11に記載の方法。
【0121】
13.変換は、映像をコーディングされた表現に符号化することを含む、解決策1~1
2のいずれかに記載の方法。
【0122】
14.変換は、映像の画素値を生成するためにコーディングされた表現を復号化するこ
とを含む、解決策1~12のいずれかに記載の方法。
【0123】
15.解決策1~14の1つ以上に記載の方法を実装するように構成されたプロセッサ
を備える、映像復号化装置。
【0124】
16.解決策1~14の1つ以上に記載の方法を実装するように構成されたプロセッサ
を備える、映像符号化装置。
【0125】
17.コンピュータコードが記憶されたコンピュータプログラム製品であって、前記コ
ードは、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、解決策1~14のいずれか
に記載の方法を実装させるコンピュータプログラム製品。
【0126】
18.本明細書に記載の方法、装置またはシステム。
【0127】
以下のリストは、いくつかの実施例によって実施される好適な解決策の第2のセットを
提供する。
【0128】
以下の解決策は、前章(例えば、項目1)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0129】
1.本発明の映像処理方法(例えば、
図3に記載の方法3000)は、1つ以上のスラ
イスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの間で変換
を行うこと(3002)を含み、このビットストリームは、フォーマット規則に準拠し、
このフォーマット規則は、この1つ以上のスライスのうちのスライスのスライスタイプが
、このビットストリームにおいて示されるかどうか、またはどのように示されるかは条件
に依存し、この条件は、一般制約フラグ、ネットワーク抽象化レイヤーユニットタイプ、
またはこのスライスがアクセスユニットの第1のピクチャにあるかどうかの少なくとも1
つに基づくことを規定している。
【0130】
2.条件は、一般制約フラグがスライスのためのイントラのみの制約を示すことを含む
またはこれに対応する、解決策1に記載の方法。
【0131】
3.条件は、スライスがアクセスユニットの第1のピクチャにあり、かつネットワーク
抽象化レイヤーユニットタイプが特定のタイプを有し、特定のタイプがイントラランダム
アクセスポイントタイプを示すことを含むまたは対応する、解決策1に記載の方法。
【0132】
4.条件は、ビットストリームが、ピクチャを含むピクチャのセットにおいてイントラ
スライスのみが許可されることを示すことを含むまたはこれに対応する、解決策1に記載
の方法。
【0133】
5.ピクチャのセットがピクチャに対応する、解決策4に記載の方法。
【0134】
6.ピクチャのセットは、ピクチャを含むコーディングされたレイヤー映像シーケンス
(CLVS)に対応する、解決策4に記載の方法。
【0135】
7.フォーマット規則は、(a)一般制約フラグまたはネットワーク抽象化レイヤーユ
ニットタイプが条件を満たすか、または(b)スライスがアクセスユニットの第1のピク
チャにあること、に呼応して、スライスタイプ値2がビットストリームに示されることを
規定する、解決策1~6のいずれか1項に記載の方法。
【0136】
8.フォーマット規則は、スライスタイプが値2を有し、かつ、(a)一般制約フラグ
またはネットワーク抽象化レイヤーユニットタイプが条件を満たすか、または(b)スラ
イスがアクセスユニットの第1のピクチャにあることに呼応して、スライスタイプの指示
がビットストリームから省略されることを規定する、上記解決策1に記載の方法。
【0137】
9.フォーマット規則は、スライスタイプが値2を有し、かつ、(a)ネットワーク抽
象レイヤーユニットタイプがイントラランダムアクセスポイントタイプであり、かつ(b
)スライスを含むピクチャが属するレイヤーが独立して復号化可能なレイヤーであること
に呼応して、スライスタイプの指示がビットストリームから省略されることを規定する、
上記解決策1に記載の方法。
【0138】
以下の解決策は、前章で論じた技法の例示的な実施形態の追加の例(例えば、項目2、
4)を示す。
【0139】
1.本発明の映像加工方法(例えば、
図9に記載の方法900)は、マルチプルスライ
スを含むピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの間で変換を行うこと(
902)を含み、このビットストリームは、ピクチャヘッダ内のフラグがこのピクチャに
おけるすべてのスライスの適応ループフィルタリングの適用可能性を制御することを規定
するフォーマット規則に準拠する。
【0140】
2.フラグの値がゼロである場合、ピクチャにおけるすべてのスライスに対して適応ル
ープフィルタリングが無効化されていることを示す、解決策1に記載の方法。
【0141】
3.フラグの1つの値は、ピクチャにおけるすべてのスライスに対して適応ループフィ
ルタリングが有効であることを示す、解決策1に記載の方法。
【0142】
4.本発明の映像処理方法(例えば、
図10に記載の方法1000)は、フォーマット
規則に基づいて、1つ以上のスライスを含む1つ以上のピクチャを含む映像と、この映像
のビットストリームとの間で変換を行うこと(1002)、フォーマット規則において、
この映像に関連付けられたパラメータセットの繰り返し時間を特定する。
【0143】
5.パラメータセットは、映像パラメータセット(VPS)である、解決策4に記載の
方法。
【0144】
6.フォーマット規則は、特定の識別子値を有するVPSを含むコーディングされた映
像シーケンス(CVS)のVPSネットワーク抽象化レイヤー(NAL)ユニットに呼応
して、VPS NALユニットがCVSの第1のアクセスユニット(AU)に含まれ、か
つ、別のAUにおける別のVPS NALユニットの値に基づいてCVSの別のAUに選
択的に含まれ、かつ、CVSの残りのAUから排除されることを規定する、解決策5に記
載の方法。
【0145】
7.別のAUにおける別のVPS NALユニットの値は、IDR_W_RADL~G
DR_NUTの範囲内にある、解決策6に記載の方法。
【0146】
8.別のAUにおける別のVPS NALユニットの値は、IDR_W_RADL~R
SV_IRAP_12の範囲内にある、解決策6に記載の方法。
【0147】
9.フォーマット規則は、所定の識別子値の1つ以上のVPS NALユニットはビッ
トストリーム内のピクチャユニット(PU)に含まれていないことをさらに規定する、解
決策5~8のいずれか1つに記載の方法。
【0148】
10.パラメータセットはシーケンスパラメータセット(SPS)である、解決策4に
記載の方法。
【0149】
11.ビットストリームにおけるコーディングされたレイヤー映像シーケンス(CLV
S)は、復号順にCLVSの第1のピクチャを含む第1のAUと、復号順にCLVSの最
後のピクチャを含む最後のAUとを含むAUセットを含む、解決策10に記載の方法。
【0150】
12.フォーマット規則は、特定の識別子値を有するSPSを含むSPSネットワーク
抽象化レイヤー(NAL)ユニットに呼応して、SPS NALユニットが関連付けられ
たAUセットの第1のAUに含まれ、かつ別のAUにおける別のSPS NALユニット
の値に基づいて関連付けられたセットの別のAUに選択的に含まれ、かつCVSの残りの
AUから排除されることを規定する、解決策11に記載の方法。
【0151】
13.フォーマット規則は、CVLSの第1のピクチャユニット(PU)において特定
の識別子値を有するSPSを含むコーディングされたレイヤー映像シーケンス(CVLS
)に呼応して、SPS NALユニットを、別のPUにおけるスライスNALユニットの
値に基づいて、CVLSの別のPUに選択的に含ませ、かつCVLSの残りのPUから排
除することを規定する、解決策11に記載の方法。
【0152】
14.他のAUにおける他のSPS NALユニットの値は、IDR_W_RADL~
GDR_NUTの範囲内にある、解決策12に記載の方法。
【0153】
15.他のPUにおけるスライスNALユニットの値は、IDR_W_RADL~GD
R_NUTの範囲内にある、解決策13に記載の方法。
【0154】
16.他のAUにおける他のSPS NALユニットの値は、IDR_W_RADL~
RSV_IRAP_12の範囲内にある、解決策12に記載の方法。
【0155】
17.他のPUにおけるスライスNALユニットの値は、IDR_W_RADL~RS
V_IRAP_12の範囲内にある、解決策13に記載の方法。
【0156】
18.フォーマット規則は、所定の識別子値の1つ以上のSPS NALユニットはビ
ットストリーム内のピクチャユニット(PU)に含まれていないことをさらに規定する、
解決策11~17のいずれか1項に記載の方法。
【0157】
19.パラメータセットはピクチャパラメータセット(PPS)であり、かつ、フォー
マット規則は、所定の識別子値の1つ以上のPPSネットワーク抽象化レイヤー(NAL
)ユニットはビットストリーム内のピクチャユニット(PU)に含まれていないことをさ
らに規定する、解決策4に記載の方法。
【0158】
20.パラメータセットは適応パラメータセット(APS)である、解決策4に記載の
方法。
【0159】
21.フォーマット規則は、所定の識別子値および特定のパラメータタイプの値を有す
る1つ以上のAPSネットワーク抽象化レイヤー(NAL)ユニットはビットストリーム
内のピクチャユニット(PU)に含まれていないことをさらに規定する、解決策20に記
載の方法。
【0160】
22.フォーマット規則は、所定の識別子値および特定のパラメータタイプの値を有す
る1つ以上のAPSネットワーク抽象化レイヤー(NAL)ユニットはビットストリーム
内の復号化ユニット(DU)に含まれていないことをさらに規定する、解決策20に記載
の方法。
【0161】
23.パラメータセットは、復号化能力情報ネットワーク抽象化レイヤーユニット(D
CI NAL)である、解決策4に記載の方法。
【0162】
24.フォーマット規則は、存在する場合、DCI NALユニットが、ビットストリ
ームにおける第1のCVSでないビットストリームのコーディングされた映像シーケンス
(CVS)に含まれることを許可しないことを規定する、解決策23に記載の方法。
【0163】
25.フォーマット規則は、DCI NALユニットを含むコーディングされた映像シ
ーケンス(CVS)に呼応して、DCI NALユニットがCVSの第1のアクセスユニ
ット(AU)にあり、かつ、他のAUが、特定のNALユニット識別子値を有し、かつ、
CVSの残りのAUから排除される映像コーディングレイヤー(VCL)NALユニット
を含むか否かに基づいて選択的に他のAUに存在することを規定する、解決策23に記載
の方法。
【0164】
26.特定の識別子値は、IDR_W_RADL~GDR_NUTの範囲内にある、解
決策21に記載の方法。
【0165】
27.フォーマット規則は、ピクチャユニット(PU)が最大で1つのDCI NAL
ユニットを含むことを規定する、解決策23~26のいずれか1つに記載の方法。
【0166】
以下の解決策は、前章(例えば、項目3)で論じた技術の好適な実施例の追加例を示す
。
【0167】
1.本発明の映像処理方法(例えば、
図11に記載の方法1100)は、映像ユニット
内のピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの間でフォーマット規則に従
って変換を行うことを含み、このフォーマット規則は、ピクチャの幅がこの映像ユニット
内の最大許容ピクチャ幅に等しく、このピクチャの高さがこの映像ユニット内の最大許容
ピクチャ高さに等しいことに呼応して、このピクチャに対応するピクチャパラメータセッ
トにおける適合性ウィンドウフラグをゼロ値に設定することを規定する。
【0168】
2.最大許容ピクチャ幅および最大許容ピクチャ高さは、映像ユニットが参照するシー
ケンスパラメータセットで示される、解決手段1に記載の方法。
【0169】
3.フォーマット規則は、1つのピクチャの幅が映像ユニットにおける最大許容ピクチ
ャ幅に等しく、かつ、このピクチャの高さが映像ユニットにおける最大許容ピクチャ高さ
に等しいことに呼応して、順応性ウィンドウ構文要素をこのピクチャパラメータセットか
ら排除し、かつ、このシーケンスパラメータセットに示されるものと同じ値を有すると推
測することを規定する、解決策2に記載の方法。
【0170】
4.フォーマット規則は、あるピクチャの幅が映像ユニットにおける最大許容ピクチャ
幅に等しくない、または、このピクチャの高さが映像ユニットにおける最大許容ピクチャ
高さに等しくない場合、適合性ウィンドウ構文要素がゼロ値を有すると推測されることを
規定する、解決策2に記載の方法。
【0171】
上記解決策において、この変換は、映像をビットストリームに符号化することを含む。
【0172】
上記解決策において、変換は、ビットストリームから映像を生成することを含む。
【0173】
いくつかの実施例において、映像復号化装置は、上述した解決策の1つ以上に記載され
た方法を実施するように構成されたプロセッサを含んでもよい。
【0174】
いくつかの実施例において、プロセッサを備える映像符号化装置は、上述した解決策の
うちの1つ以上に記載された方法を実施するように構成されてもよい。
【0175】
いくつかの実施例において、コンピュータ可読媒体は、その上に記憶されたコードを有
してもよく、このコードは、プロセッサによって実行されると、上記解決策のうちのいず
れか1つに記載の方法をプロセッサに実行させる。
【0176】
本発明の実施例において、映像処理方法は、上記解決策のうちいずれか1つ以上に記載
の方法に基づいてビットストリームを生成し、このビットストリームをコンピュータ読み
取り可能な媒体に記憶することを含む。
【0177】
本発明の実施例において、コンピュータ読み取り可能な媒体は、その上に記憶されたビ
ットストリームを有し、このビットストリームは、上述した解決策のうちいずれか1つ以
上に記載された方法に基づいて映像から生成されたものである。
【0178】
本明細書では、「映像処理」という用語は、映像符号化、映像復号化、映像圧縮、また
は映像展開を指してよい。例えば、映像圧縮アルゴリズムは、映像の画素表現から対応す
るビットストリーム表現への変換、またはその逆の変換中に適用されてもよい。現在の映
像ブロックのビットストリーム表現は、例えば、構文によって規定されるように、ビット
ストリーム内の同じ場所または異なる場所に拡散されるビットに対応していてもよい。例
えば、1つのマクロブロックは、変換およびコーディングされた誤り残差値、およびビッ
トストリームにおけるヘッダおよび他のフィールドにおけるビットを使用して符号化され
てもよい。さらに、変換中、デコーダは、上記解決策で説明されているように、判定に基
づいて、いくつかのフィールドが存在しても存在しなくてもよいという知識を持って、ビ
ットストリームを構文解析してもよい。同様に、エンコーダは、特定の構文フィールドが
含まれるべきであるか否かを判定し、構文フィールドをコーディングされた表現に含める
か否かによって、これに応じてコーディングされた表現を生成してもよい。
【0179】
本明細書に記載された開示された、およびその他の解決策、実施例、実施形態、モジュ
ール、および機能動作の実装形態は、本明細書に開示された構造およびその構造的等価物
を含め、デジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しく
はハードウェアで実施されてもよく、またはそれらの1つ以上の組み合わせで実施しても
よい。開示された、およびその他の実施形態は、1または複数のコンピュータプログラム
製品、すなわち、データ処理装置によって実装されるため、またはデータ処理装置の動作
を制御するために、コンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令
の1または複数のモジュールとして実施することができる。このコンピュータ可読媒体は
、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号をもた
らす物質の組成物、またはこれらの1または複数の組み合わせであってもよい。「データ
処理装置」という用語は、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複
数のプロセッサ、若しくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、
デバイス、および機械を含む。この装置は、ハードウェアの他に、当該コンピュータプロ
グラムの実行環境を作るコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタッ
ク、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはこれらの1または複
数の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝搬信号は、人工的に生成した信
号、例えば、機械で生成した電気、光、または電磁信号であり、適切な受信装置に送信す
るための情報を符号化するために生成される。
【0180】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーショ
ン、スクリプト、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイルされた言語または解釈され
た言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、また、それは、ス
タンドアロンプログラムとして、またはコンピューティング環境で使用するのに適したモ
ジュール、コンポーネント、サブルーチン、または他のユニットとして含む任意の形式で
展開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステムにおける
ファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持す
るファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書に格納された1または複数のスクリプ
ト)に記録されていてもよいし、当該プログラム専用の単一のファイルに記憶されていて
もよいし、複数の調整ファイル(例えば、1または複数のモジュール、サブプログラム、
またはコードの一部を格納するファイル)に記憶されていてもよい。コンピュータプログ
ラムを、1つのサイトに位置する1つのコンピュータ、または複数のサイトに分散され通
信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータで実行させるように展開する
ことも可能である。
【0181】
本明細書に記載された処理およびロジックフローは、入力データ上で動作し、出力を
生成することによって機能を実行するための1または複数のコンピュータプログラムを実
行する1または複数のプログラマブルプロセッサによって行うことができる。処理および
ロジックフローはまた、特定用途のロジック回路、例えば、FPGA(Field Pr
ogrammable Gate Array)またはASIC(Applicatio
n Specific Integrated Circuit)によって行うことがで
き、装置はまた、特別目的のロジック回路として実装することができる。
【0182】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用および専用マイ
クロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1または複数
のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリーメモリまたはランダムア
クセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの本質的な
要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1また
は複数のメモリデバイスとである。一般的に、コンピュータは、データを記憶するための
1または複数の大容量記憶デバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスク
を含んでもよく、またはこれらの大容量記憶デバイスからデータを受信するか、またはこ
れらにデータを転送するように動作可能に結合されてもよい。しかしながら、コンピュー
タは、このようなデバイスを有する必要はない。コンピュータプログラム命令およびデー
タを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、あらゆる形式の不揮発性メモリ、媒体
、およびメモリデバイスを含み、例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュ記憶装
置、磁気ディスク、例えば内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディ
スク、およびCD-ROMおよびDVD-ROMディスク等の半導体記憶装置を含む。プ
ロセッサおよびメモリは、特定用途のロジック回路によって補完されてもよく、または特
定用途のロジック回路に組み込まれてもよい。
【0183】
本特許明細書は多くの詳細を含むが、これらは、任意の主題の範囲または特許請求の
範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、特定の技術の特定の実施形態に
特有であり得る特徴の説明と解釈されるべきである。本特許文献において別個の実施形態
のコンテキストで説明されている特定の特徴は、1つの例において組み合わせて実装して
もよい。逆に、1つの例のコンテキストで説明された様々な特徴は、複数の実施形態にお
いて別個にまたは任意の適切なサブコンビネーションで実装してもよい。さらに、特徴は
、特定の組み合わせで作用するものとして上記に記載され、最初にそのように主張されて
いてもよいが、主張された組み合わせからの1または複数の特徴は、場合によっては、組
み合わせから抜粋されることができ、主張された組み合わせは、サブコンビネーションま
たはサブコンビネーションのバリエーションに向けられてもよい。
【0184】
同様に、動作は図面において特定の順番で示されているが、これは、所望の結果を達
成するために、このような動作が示された特定の順番でまたは連続した順番で行われるこ
と、または示された全ての動作が行われることを必要とするものと理解されるべきではな
い。また、本特許明細書に記載されている例における様々なシステムの構成要素の分離は
、全ての実施形態においてこのような分離を必要とするものと理解されるべきではない。
【0185】
いくつかの実装形態および例のみが記載されており、この特許文献に記載され図示され
ているコンテンツに基づいて、他の実施形態、拡張および変形が可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像処理の方法であって、
1つまたは複数のスライスを含む1つまたは複数のピクチャを含む映像と、前記映像のビットストリームとの間で変換を実行し、
前記ビットストリームは、フォーマット規則に準拠し、
前記フォーマット規則は、ピクチャヘッダ内のフラグが、前記ピクチャ内の全スライスの適応ループフィルタリングの適用可否を制御する、ことを規定する、
方法。
【請求項2】
前記フォーマット規則は、前記1つまたは複数のスライスのスライスタイプを示す前記ビットストリームに含まれる構文要素に対する制約が、条件に基づくことをさらに規定し、
前記条件は、一般制約フラグ、ネットワーク抽象化レイヤユニットタイプ、または前記スライスがアクセスユニットの第1のピクチャ内にあるかどうかのうちの少なくとも1つに基づくものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記条件は、前記一般制約フラグの値が1に等しく、前記スライスのイントラオンリー制約を示し、
前記構文要素に対する前記制約は、前記構文要素の値が2に等しい、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記条件は、(a)前記スライスが前記アクセスユニットの前記第1のピクチャ内にあることと、(b)前記ネットワーク抽象化レイヤユニットタイプが特定のタイプを有し、前記特定のタイプがイントラランダムアクセスポイントタイプであることとを示し、
前記構文要素に対する前記制約は、前記構文要素の値が2に等しいことを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記条件は、(a)前記ネットワーク抽象化レイヤユニットタイプがイントラランダムアクセスポイントタイプであり、(b)前記スライスを含む前記ピクチャが属するレイヤが独立に復号可能なレイヤであり、
前記構文要素に対する前記制約は、前記構文要素の値が2に等しい、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記フラグのゼロ値は、前記ピクチャ内のすべてのスライスに対して前記適応ループフィルタリングが無効であることを示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記フラグの値が1である場合、前記ピクチャ内のすべてのスライスに対して前記適応ループフィルタリングが有効であることを示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記変換は、前記ビットストリームから前記映像を復号することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プロセッサと、命令が記録された非一過性のメモリとを備える映像データ処理の装置であって、前記命令が前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサは、
1つまたは複数のスライスを含む1つまたは複数のピクチャを含む映像と、前記映像のビットストリームとの間で変換を実行するステップを実行し、
前記ビットストリームは、フォーマット規則に準拠し、
前記フォーマット規則は、ピクチャヘッダ内のフラグが、前記ピクチャ内の全スライスの適応ループフィルタリングの適用可否を制御する、ことを規定する、
装置。
【請求項11】
プロセッサに実行させる命令を記憶した非一過性のコンピュータ可読記憶媒体であって、
1つまたは複数のスライスを含む1つまたは複数のピクチャを含む映像と、前記映像のビットストリームとの間で変換を実行するステップを実行し、
前記ビットストリームは、フォーマット規則に準拠し、
前記フォーマット規則は、ピクチャヘッダ内のフラグが、前記ピクチャ内の全スライスの適応ループフィルタリングの適用可否を制御する、ことを規定する、
非一過性のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
映像のビットストリームを記憶する方法であって、
1つまたは複数のスライスを含む1つまたは複数のピクチャを含む前記映像の前記ビットストリームを生成し、
前記ビットストリームを非一過性のコンピュータ可読記録媒体に格納し、
前記ビットストリームは、フォーマット規則に準拠し、
前記フォーマット規則は、ピクチャヘッダ内のフラグが、前記ピクチャ内の全スライスの適応ループフィルタリングの適用可否を制御する、ことを規定する、
方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年3月30日出願の米国仮特許出願第63/002064号の優先権および利益を適時に主張する、2021年3月29日に出願された国際特許出願第PCT/US2021/024663号に基づく、2022年9月28日に提出された日本国特許出願第2022-559413号の分割出願である。前述の出願の開示全体は、本明細書の開示の一部として参照により援用される。
【外国語明細書】