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特開2024-382821つのC8~C10のアルカンとC11以上のアルカンを含む化粧品添加剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038282
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】1つのC8~C10のアルカンとC11以上のアルカンを含む化粧品添加剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20240312BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61K8/31
A61Q19/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001103
(22)【出願日】2024-01-09
(62)【分割の表示】P 2020555912の分割
【原出願日】2019-04-10
(31)【優先権主張番号】1853142
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】511243912
【氏名又は名称】バイオシンシス
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】ベルノー,ティエリ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シクロメチコンに置き換わる化粧品添加剤を提供する。
【解決手段】少なくとも1種のC8~C10のアルカンと、少なくとも一種のC11以上のアルカンとを含むアルカン混合物を含み、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、約40%又はそれより少ない(40%以下)質量%で存在する、化粧品添加剤とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のC8~C10のアルカンと、少なくとも一種のC11以上のアルカンとを含むアルカン混合物を含み、
前記アルカン混合物の全質量に対して前記少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、50質量%又はそれより少ない質量%(50質量%以下)で存在し、
前記少なくとも一種のC11以上のアルカンが、C12、C14及びC16のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、化粧品添加剤。
【請求項2】
植物起源の原材料から全て得られる、請求項1に記載の化粧品添加剤。
【請求項3】
前記少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、直鎖又は分岐鎖のC8及びC10のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項4】
前記少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、少なくとも一種の直鎖又は分岐鎖のC10のアルカンである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項5】
前記少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、4-メチルノナン(C10H22,CAS 17301-94-9)、2-メチルノナン(C10H22,CAS 871-83-0)、n-デカン(C10H22,CAS 124-18-5)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項6】
前記少なくとも一種のC11以上のアルカンは、直鎖のC12、C14及びC16のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項7】
前記少なくとも一種のC11以上のアルカンは、分岐鎖のC12、C14及びC16のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項8】
前記少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、C10のメチルアルカンである、請求項1乃至7いずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項9】
前記少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種のC12のメチルアルカンである、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項10】
前記少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種のC14のメチルアルカンである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項11】
前記少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種のC16のメチルアルカンである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項12】
前記少なくとも一種のC11以上のアルカンは、前記アルカン混合物の全質量に対して約50~約99質量%(50質量%以上、99質量%以下)で存在する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項13】
前記化粧品添加剤が、さらにポリシリコーン11を含む、請求項1乃至12の何れか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項14】
前記化粧品添加剤は、ポリシリコーン11をさらに含み、前記アルカン混合物は、69℃又はそれより低い(69℃以下)の引火点を有する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【請求項15】
t=10時間での蒸発率が10~30パーセント(t=10の蒸発率が10%以上、30%以下)である、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のアルカン混合物を含む化粧品添加剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚及び外皮のケア化粧品の技術分野に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、化粧品添加剤、および化粧品組成物に関する。
【0003】
いくつかの定義を示す。
【0004】
用語「アルカン」は、炭素原子と水素原子のみを含み、単結合で結合した、一般式がC2n+2である飽和炭化水素を示す。
【0005】
用語「直鎖アルカン」は、各炭素原子が最大2つの炭素原子と結合しているアルカンを示す。
【0006】
用語「分岐鎖アルカン」は、いくつかの炭素原子が3個、又は更に4つの炭素原子と結合しているアルカンを示す。
【0007】
用語「Cアルカン」は、x個の炭素原子を含むアルカンを示し、該アルカンは直鎖でも分岐鎖でもよい。例えば、n-デカンはC10アルカンである。
【0008】
炭素数がx又は、x未満のアルカンを「Cx以下のアルカン」と名付ける。例えば、C2以下のアルカンはC1でもC2でもよい。
【0009】
用語「Cx以上のアルカン」は炭素数がx、又はxを超えるアルカンを示す。例えば、C2以上のアルカンはメタン(C1)以外のいずれのアルカンでもよい。
【0010】
用語「Cx-Cyアルカン」は、x個からy個の炭素原子を含むアルカンを示し、該アルカンは直鎖でも分岐鎖でもよい。例えば、C1~C2アルカンはメタン、及びエタンである。
【0011】
用語「メチルアルカン」は、少なくとも一つの、メチル基の分岐鎖を含む分岐鎖アルカンを示す。例えば、4-メチルノナン、又は2,3-ジメチルオクタンは、メチルアルカンであり、より正確にはC10メチルアルカンである。例えば、メチルウンデカンはC12メチルアルカンである。例えば、ジメチルオクタンはC10メチルアルカンである。例えば、メチルへプタデカンはC18メチルアルカンである。これらのメチルアルカンはゲルベアルコールの脱水反応により得られることが好ましい。不斉炭素が存在する場合、用語分岐鎖アルカンは、ラセミ混合物及び、遊離異性体であると理解される、
【0012】
用語「脱臭アルカン」は、脱臭作業を行ったアルカンで、該脱臭によりユ-ザ-にとって不快な臭いの原因となる不純物を取り除く。これらの不純物は特に、ゲルベアルコールの残渣であり、それらは最も一般的に出発材料に使われる。非常に高い脱水収量により不純物の割合は非常に低くなる。本発明の脱臭アルカンは、付随するゲルベアルコール残渣が0.01%未満のアルカンである。
【0013】
脱臭アルカンは、更にチオ-ル、例えば1-ノナンチオ-ルなどの硫黄化合物を含まない。用語「含まない」は含有量が0.01%未満を意味すると理解される。
【0014】
ASTM D93標準に準じて測定した引火点を「引火点」と名付ける。ASTM D93標準に準じて測定した引火点の単位は摂氏温度(℃)である。ASTM D93標準に準じた測定法で得られた値の平均値でも各々の値でもよい。
【0015】
用語「t=Xでの蒸発率」は、所定の時間(X)、下記の蒸発条件で蒸発した化合物(化合物の混合物)の百分率を示す。条件は、LABOMODERNE社 THERMOBALANCE KERN DBS 60-3乾燥器を使用し、20℃、制御雰囲気下である。例えば、3時間後の蒸発率が少なくとも60%であるとは、化合物(化合物の混合物)の少なくとも60%が3時間後蒸発していることを意味する。
【0016】
用語「質量%」は、化合物の混合物(第一化合物を含む)、又は組成物の全体の質量に対する第一化合物の質量の割合を示し、百分率に換算する。例えば、全体の質量が100グラムの混合物z中に10グラムの化合物yが存在する場合、z中のyの質量%は10%である。
【0017】
用語「重量%」は組成物の全体の重量に対する構成成分の重量の割合を示し、100に換算する。
【0018】
本願明細書において、数値の前の用語「約」は、その値が+/-10%加減してもよいことを意味する。特に区間の限度を示す数値の場合、用語「約」は、下限値は10%減少してもよい、又は上限値は10%増加してもよいことを意味する。また、数値の前の用語「約」を削除できる。
【背景技術】
【0019】
1950年代に化粧品中にシリコーンが出現して以来、その使用は、スキンケア、化粧、及びヘアケア製品などの化粧品の全ての分野に相当に広がっている。この幅広い使用はシリコーンの特有の物理化学的な特性により説明される。シリコーンには5個の主な種類、揮発性シリコーンオイル、不揮発性シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーンワックス、及びシリコーンゴムがある。
【0020】
揮発性シリコーンオイルは多くの場合、nが3~7(端の値を含む)である、一般式が[Si-(CH-O]の短鎖を有する環状シリコーンよりなる。繰り返し単位の数にかかわらずシクロメチコンと呼ばれる。最も一般的なシクロメチコンはシクロテトラシロキサン(D4)(C24Si,CAS 556-67-2)、シクロペンタシロキサン(D5)(C1030Si,CAS 541-02-6)及び、シクロヘキサシロキサン(D6)(C1236Si,CAS 540-97-6)である。
【0021】
シクロメチコンはつい最近まで無害の皮膚軟化剤、及び溶媒と見なされていた(例えば、International Journal of Toxicology, Volume10, No.1, pp.9-19 1991参照)。シクロメチコンが、環境に対して、及び人の健康に対してさえ有害な影響を及ぼす可能性があることが証明されたのは、ほんの比較的最近である。
【0022】
その結果、満足のいく代替物を提供する可能性のある化合物、製剤中において類似の揮発特性、及び類似の性質、特に粘性、及び官能特性(皮膚に伸び広がる、及び得られた膜が滑らかで、「さらっと」していて、べたつかない能力)の点で類似である性質、を有する化合物を特定するための研究が行われている。
【0023】
官能特性は官能パネルと呼ばれるパネルによって検査する、例えばConcepton of cosmetic products: formulation, Anne-Merie PENSE-LHERITIER,95ペ-ジ,LAVOISIERを参照。
【0024】
例えば、COGNIS社による米国出願公開US20050079986号公報では、直鎖の、又は分岐鎖のジアルキルカ-ボネ-トと、8~40個の炭素原子を含む、好ましくは分岐鎖、及び飽和アルカンとの混合物を含む油性の組成物が提案されている。
【0025】
INOLEX社による米国出願公開US20040241200号公報では、またイソドデカンなどのイソパラフィンとジヘプタン酸ネオペンチルグリコ-ルなどのネオペンチルグリコ-ルポリエステルとの併用が提案されている。この混合物は、特に商品名LexFeel(r)D4、及びD5でINOLEX社より市販されている。PRESPERSE LLC社もまた商品名SiClone(r)SR-5でC13~C16、C12~C14のイソパラフィンとC13~C15アルカンの混合物を提供している。
【0026】
更に、BERNEL社による米国特許US6,126,951号公報では、C18脂肪酸異性体の混合物による2-オクタノ-ルのエステル化により得られるイソステアリン酸カプリリルの使用が提案されているが、求められる揮発性は得られていない。
【0027】
最後に、出願人による国際出願公開WO2010115973号公報ではアルカン混合物の利用が提案されている。
【0028】
しかしながら、シクロメチコンの物理化学的、及び官能特性により近い特性を持ち、特に化粧品製剤に含まれる添加剤として、シクロメチコンに置き換わる化粧品添加剤が依然求められている。
【発明の概要】
【0029】
驚くべきことに、出願人は上記で明らかにされた目的に関して理想的な化粧品添加剤が得られたことを明示する。
【0030】
驚くべきことに、アルカン混合物中において、C8~C10アルカン(特にC10)は、アルカン混合物の揮発特性に特別であり、予測がつかない影響を及ぼすこと(蒸発、及び引火点の測定により具体的に記述)が明らかとなった。
【0031】
例えば、30%がn-デカン(C10、引火点46℃)、40%がn-ドデカン(C12、引火点71℃)、及び30%がn-テトラデカン(C14、引火点115℃)であるアルカン混合物は66℃の引火点を有し、これは予測できなかった。
【0032】
特に有利な態様によれば、本発明の化粧品添加剤はアルカン混合物を含んでおり、該アルカリ混合物は、69℃未満の、好ましくは60℃と69℃の間の、好ましくは60℃と67℃の間の、好ましくは62℃と65℃の間の引火点を有する。
【0033】
また、分岐鎖アルカンのみ含まれる化粧品添加剤を用いると、直鎖アルカンが含まれる場合より、より安定したエマルションが得られることが明示された
【0034】
また、本発明の化粧品添加剤を化粧品製剤に含むことにより、エマルションの優れた安定性に加えて、良好な分散性(例えば顔料などの粉末の均等な分散が得られる性質)、及び皮膚上に組成物が良好に伸び広がる性質(これらの特性はファンデ-ション、及び日焼け止め剤などの化粧製品に特に重要である)などの著しい化粧品の性質を有する該化粧品製剤を提供する効果があることが明示された。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、実施例の混合物等の蒸発曲線である。
図2図2は、実施例の混合物等の蒸発曲線である。
図3図3は、実施例の混合物等の蒸発曲線である。
図4図4は、実施例の混合物等の蒸発曲線である。
【0036】
本発明は、少なくとも1種のC8~C10のアルカンと、少なくとも一種のC11以上のアルカンとを含むアルカン混合物を含み、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、約50%又はそれより少ない(50%以下)質量%で存在する、化粧品添加剤に関する。
【0037】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は炭素原子の数が偶数であるアルカン混合物である。
【0038】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は炭素数が奇数であるアルカンを含まない。
【0039】
このパリティは、ゲルベアルコールの合成の出発産物として使用される、又は該アルカンを得るために脱水反応に供される、アルコ-ルが自然由来であるためである。実際天然アルコ-ルは偶数の炭素原子を含んでいる。
【0040】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、C8、及びC10のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、化粧品添加剤に関する。
【0041】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、直鎖、又は分岐鎖のC8及び、C10のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0042】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、直鎖のC8及びC10のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0043】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、分岐鎖のC8及びC10のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0044】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、少なくとも一種のC10のアルカンであることを特徴とする。
【0045】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは少なくとも1種の、直鎖又は分岐鎖のC10のアルカンであることを特徴とする。
【0046】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、少なくとも1種の直鎖のC10のアルカンであることを特徴とする。
【0047】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、少なくとも1種の分岐鎖のC10のアルカンであることを特徴とする。
【0048】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、例えば2-メチルノナン(CAS 871-83-0)などのメチルナノン、3-エチルオクタン(CAS 5881-17-4)などのエチルオクタン、2,2-ジメチルオクタン(CAS 15869-87-1)などのジメチルオクタン、4-プロピルヘプタン(CAS 3178-29-8)などのプロピルへプタン、3-エチル-2-メチルヘプタン(CAS-14676-29-0)などのエチルメチルへプタン、2,2-トリメチルヘプタン(CAS 52896-92-1)などのトリメチルへプタン、3,3-ジエチルヘキサン(CAS 17302-02-2)などジエチルヘキサン、2,2,3,3-テトラメチルヘキサン(CAS 13475-81-5)などのテトラメチルヘキサン、3-エチル-2,2,3-トリメチルペンタン(CAS 52897-17-3)などのエチルトリメチルペンタン、およびその混合物からなる群から選択される、少なくとも1種の分岐鎖のC10のアルカンであることを特徴とする。
【0049】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、少なくとも1種のC10のメチルアルカンであることを特徴とする。
【0050】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは4-メチルノナン(C10H22、CAS 17301-94-9)、2-メチルノナン(C10H22、CAS 871-83-0)、n-デカン(C10H22、CAS 124-18-5)およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0051】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、少なくとも4-メチルノナンであることを特徴とする。
【0052】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、少なくとも2-メチルノナンであることを特徴とする。
【0053】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、少なくともn-デカンであることを特徴とする。特にn-デカンであることが好ましい。
【0054】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、約1~約50%(1%以上、50%以下)の質量%で存在する化粧品添加剤に関する。
【0055】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、約1~約40%(1%以上40%以下)の質量%で存在する化粧品添加剤に関する。
【0056】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、約1~約30%(1%以上、30%以下)の質量%で存在する化粧品添加剤である。
【0057】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、約5~約30%(5%以上、30%以下)の質量%で存在することを特徴とする。
【0058】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、約10~約30%(10%以上、30%以下)の質量%で存在することを特徴とする。
【0059】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、約15~約30%(15%以上、30%以下)の質量%で存在することを特徴とする。
【0060】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、C12、C14、C16、C18、C20、C22及びC24のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択される化粧品添加剤に関する。
【0061】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、直鎖、又は分岐鎖のC12、C14、C16、C18、C20、C22及びC24のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択される化粧品添加剤である。
【0062】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、C12、C14、C16、C18、C20、C22及びC24の直鎖アルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0063】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、分岐鎖のC12、C14、C16、C18、C20、C22及びC24のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0064】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、C12、C14、C16、C18、C20、C22及びC24のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0065】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、直鎖、又は分岐鎖のC12、C14、C16、C18、C20、C22及びC24のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0066】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、直鎖のC12、C14、C16、C18、C20、C22及びC24のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0067】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、分岐鎖のC12、C14、C16、C18、C20、C22及びC24のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0068】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、C12、C14、C16のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0069】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、直鎖、又は分岐鎖のC12、C14、C16のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0070】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、直鎖又は分岐鎖のC12アルカン(5-メチルウンデカン(C12H26、CAS 1632-70-8)、2-メチルノナン(C12H26、CAS 31807-55-3)、n-ドデカン(C12H26、CAS 112-40-3)およびそれらの混合物からなるグル-プから選択される)、C14アルカン(6-メチルトリデカン(C14H30、CAS 13287-21-3)、2-メチルトリデカン(C14H30、CAS 1560-96-9)、n-テトラデカン(C14H30、CAS 629-59-4)およびそれらの混合物からなる群から選択される)、C16アルカン(イソヘキサデカン(C16H34、CAS 93685-80-4))、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0071】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、直鎖のC12、C14、C16のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0072】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、分岐鎖のC12、C14、C16のアルカン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0073】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0074】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種の直鎖、又は分岐鎖のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0075】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種の直鎖のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0076】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種の分岐鎖のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0077】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種のC12のメチルアルカンであることを特徴とする
【0078】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、5-メチルウンデカン(C12H26、CAS 1632-70-8)、2-メチルウンデカン(C12H26、CAS 31807-55-3)、n-ドデカン(C12H26、CAS 112-40-3)およびそれらの混合物からなるグル-プから選択されることを特徴とする。
【0079】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも5-メチルウンデカンであることを特徴とする。
【0080】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも2-メチルウンデカンであることを特徴とする。
【0081】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくともn-ドデカンであることを特徴とする。
【0082】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種のC14アルカンであることを特徴とする。
【0083】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種の直鎖、又は分岐鎖のC14アルカンであることを特徴とする。
【0084】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種の直鎖のC14アルカンであることを特徴とする。
【0085】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種の分岐鎖のC14アルカンであることを特徴とする。
【0086】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種のC14メチルアルカンであることを特徴とする。
【0087】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、
6-メチルトリデカン(C14H30、CAS 13287-21-3)、2-メチルトリデカン(C14H30、CAS 1560-96-9)、n-テトラデカン(C14H30、CAS 629-59-4)およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0088】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも6-メチルトリデカンであることを特徴とする。
【0089】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも2-メチルトリデカンであることを特徴とする。
【0090】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくともn-テトラデカンであることを特徴とする。
【0091】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも1種のC16アルカンであることを特徴とする。
【0092】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも1種の直鎖、又は分岐鎖のC16アルカンであることを特徴とする。
【0093】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも1種の直鎖のC16アルカンであることを特徴とする。
【0094】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも1種の分岐鎖のC16アルカンであることを特徴とする。
【0095】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種のC16メチルアルカンであることを特徴とする。
【0096】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、イソヘキサデカン(C16H34、CAS 93685-80-4)であることを特徴とする。
【0097】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC12のアルカンは、分岐鎖を有することを特徴とする。
【0098】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種の分岐鎖のC12のアルカンは、5-メチルウンデカン(CAS 1632-70-8)、2-メチルウンデカン(CAS 31807-55-3)、2,3-ジメチルデカン(CAS 17312-44-6)、2,5-ジメチルデカン(CAS 17312-50-4)、3-メチルウンデカン(CAS 1002-43-3)およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0099】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC14のアルカンは、分岐鎖を有することを特徴とする。
【0100】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種の分岐鎖のC14のアルカンは、2-メチルトリデカン(CAS 1560-96-9)、6-メチルトリデカン(CAS 13287-21-3)、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0101】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC16のアルカンは、分岐鎖を有することを特徴とする。
【0102】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種の分岐鎖のC16のアルカンは、イソヘキサデカン(CAS 93685-80-4)、2-メチルペンタデカン(CAS 1560-93-6)およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
【0103】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、少なくとも一種のC20のアルカンであることを特徴とする。
【0104】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、一種の分岐鎖のC20のアルカンであることを特徴とする。
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種の分岐鎖のC20のアルカンは、イソエイコサン(CAS 52845-07-5)であることを特徴とする。
【0105】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、約50~約99%(50%以上、99%以下)の質量%で存在する化粧品添加剤に関する。
【0106】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、約60~約99%(50%以上、99%以下)の質量%で存在する化粧品添加剤に関する。一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、約70~約99%(70%以上、99%以下)の質量%で存在することを特徴とする。
【0107】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、約80~約99%(70%以上、99%以下)の質量%で存在することを特徴とする。
【0108】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、約70~約95%(70%以上95%以下)の質量%で存在することを特徴とする。
【0109】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、約70~約90%(70%以上、90%以下)の質量%で存在することを特徴とする。
【0110】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該アルカン混合物の全質量に対して該少なくとも一種のC11以上のアルカンは、約70~約85%(70%以上、85%以下)の質量%で存在することを特徴とする。
【0111】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは一種のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0112】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約1~約50%(1%以上、50%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約50~約99%(50%以上、99%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0113】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約1~約30%(1%以上、30%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約70~約99%(70%以上、99%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0114】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約5~約30%(5%以上、30%以下)の質量%で該添加剤に存在する、1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約70~約95%(70%以上、95%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0115】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約10~約30%(10%以上、30%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約70~約90%(70%以上、90%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0116】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約15~約30%(15%以上、30%以下)の質量%で該添加剤に存在する一種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約70~約85%(70%以上、85%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0117】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは1種の直鎖のC12のアルカンであることを特徴とする。
【0118】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは一種の分岐鎖のC12のアルカンであることを特徴とする。分岐鎖のC12のアルカンは直鎖のC12のアルカンより好ましい。
【0119】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、一種のC10のアルカンであり、および少なくとも一種のC11以上のアルカンは1種のC14のアルカンであることを特徴とする。
【0120】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約1~約50%(1%以上、50%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約50~約99%(50%以上、99%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC14のアルカンであることを特徴とする。
【0121】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約1~約30%(1%以上、30%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約70~約99%(70%以上、99%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC14のアルカンであることを特徴とする。
【0122】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約5~約30%(5%以上、30%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約70~約95%(70%以上、95%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC14のアルカンであることを特徴とする。
【0123】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約10~約30%(10%以上、30%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約70~90%(70%以上、90%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC14のアルカンであることを特徴とする。
【0124】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約15~約30%(15%以上、30%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約70~約85%(70%以上、85%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC14のアルカンであることを特徴とする。
【0125】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは1種の直鎖のC14のアルカンであることを特徴とする。
【0126】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、1種のC10のアルカンであり、および少なくとも一種のC11以上のアルカンは一種の分岐鎖のC14のアルカンであることを特徴とする。
【0127】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、1種のC10のアルカンであり、および少なくとも一種のC11以上のアルカンはC12、及びC14の混合物である化粧品添加剤に関する。
【0128】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約1~約50%(1%以上、50%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約30~約80%(30%以上、80%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC12のアルカン、及び該アルカン混合物の全質量に対して約30~約80%(30%以上、80%以下)の質量%で該添加剤に存在するC14のアルカンであることを特徴とする。
【0129】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは、1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは分岐鎖のC12、及び分岐鎖のC14の混合物であることを特徴とする。
【0130】
一部の態様によれば、本発明の化粧品添加剤は、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約10~約30%(10%以上、30%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種のC10のアルカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約30~約70%(50%以上、70%以下)の質量%で該添加剤に存在する1種の分岐鎖のC12のアルカン、及び該アルカン混合物の全質量に対して約50~約70%(50%以上、70%以下)の質量%で該添加剤に存在するC14のアルカンであることを特徴とする。
【0131】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約15~約25%(15%以上、25%以下)の質量%で該添加剤に存在する、すくなくともn-デカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約20~約60%(20%以上、60%以下)の質量%で該添加剤に存在するn-ドデカン、及び該アルカン混合物の全質量に対して約15~約45%(15%以上、45%以下)の質量%で該添加剤に存在するn-テトラデカンの混合物である化粧品添加剤に関する。
【0132】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約30質量%で該添加剤に存在する少なくともn-デカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約40質量%で該添加剤に存在するn-ドデカン、及び該アルカン混合物の全質量に対して約30質量%で該添加剤に存在するn-テトラデカンの混合物である化粧品添加剤に関する。
【0133】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約15~約5%(15%以上、25%以下)の質量%で該添加剤に存在するすくなくともn-デカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約70~約80%(70%以上、80%以下)の質量%で該添加剤に存在するn-ドデカン、及び該アルカン混合物の全質量に対して約2~約10%(2%以上、10%以下)の質量%で該添加剤に存在するn-テトラデカンの混合物である、化粧品添加剤に関する。
【0134】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該少なくとも一種のC8~C10のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約20質量%で該添加剤に存在するすくなくともn-デカンであり、少なくとも一種のC11以上のアルカンは該アルカン混合物の全質量に対して約74質量%で該添加剤に存在するn-ドデカン、及び該アルカン混合物の全質量に対して約6質量%で該添加剤に存在するn-テトラデカンの混合物である、化粧品添加剤に関する。
【0135】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 30%のn-デカン、
- 40%のn-ドデカン、及び
- 30%のn-テトラデカンを含む。
【0136】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 30%のn-デカン、
- 40%のn-ドデカン、及び
- 30%のn-テトラデカンを含む。
【0137】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 10%のn-デカン、
- 85%のn-ドデカン、及び
- 5%のn-テトラデカンを含む。
【0138】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 15%のn-デカン、
- 80%のn-ドデカン、及び
- 5%のn-テトラデカンを含む。
【0139】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 20%のn-デカン、
- 75.6%のn-ドデカン、及び
- 4.4%のn-テトラデカンを含む。
【0140】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 20%のn-デカン、
- 74%のn-ドデカン、及び
- 6%のn-テトラデカンを含む。
【0141】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 20%のn-デカン、
- 70%のn-ドデカン、及び
- 10%のn-テトラデカンを含む。
【0142】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 20%のn-デカン、
- 75%のn-ドデカン、及び
- 5%のn-テトラデカンを含む。
【0143】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 30%のn-デカン、及び
- 70%のヘキサデカンを含む。
【0144】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 5%のn-デカン、
- 30%のイソドデカン、及び
- 65%のイソエイコサンを含む。
【0145】
一部の態様によれば、該アルカン混合物は
- 5%のn-デカン、
- 25%のイソドデカン、及び
- 70%のイソエイコサンを含む。
【0146】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、例えばポリシリコーン11などの不揮発性シリコーンをさらに含む、化粧品添加剤に関する。
【0147】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、ポリシリコーン11をさらに含み、該アルカン混合物は該添加剤の全質量に対して約65~約95%(65%以上、95%以下)の質量%で存在し、該ポリシリコーン11は該添加剤の全質量に対して約5~約35%(5%以上、35%以下)の質量%で存在する、化粧品添加剤に関する。
【0148】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、ポリシリコーン11をさらに含み、該アルカン混合物は該添加剤の全質量に対して約75~約85%(75%以上、85%以下)の質量%で存在し、該ポリシリコーン11は該添加剤の全質量に対して約15~約25%(15%以上、25%以下)の質量%で存在する、化粧品添加剤に関する。
【0149】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、ポリシリコーン11をさらに含み、該アルカン混合物は該添加剤の全質量に対して約80~約82%(80%以上、82%以下)の質量%で存在し、該ポリシリコーン11は該添加剤の全質量に対して約18~約20%(18%以上、20%以下)の質量%で存在する、化粧品添加剤に関する。
【0150】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該アルカン混合物は、69℃、又はそれより低い(69℃以下)引火点を有する、化粧品添加剤に関する。
【0151】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該アルカン混合物は、60~69℃(引火点が60℃以上、69℃以下)の引火点を有する、化粧品添加剤に関する。
【0152】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該アルカン混合物は、60~67℃(引火点が60℃以上、67℃以下)の引火点を有する、化粧品添加剤に関する。
【0153】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、該アルカン混合物は、62~65℃(引火点が62℃以上、65℃以下)の引火点を有する、化粧品添加剤に関する。
【0154】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、t=10時間での蒸発率が10~30%(t=10時間の蒸発率が10%以上、30%以下)である、化粧品添加剤に関する。
【0155】
本発明はまた、上記で定義したアルカン混合物を含み、t=10時間での蒸発率が12~20%(t=10時間の蒸発率が12%以上、20%以下)である、化粧品添加剤に関する。
【0156】
植物、バクテリア、又は動物起源の原材料から全て得られ、植物起源の原材料から全て得られることが好ましい、上記で定義した、本発明の化粧品添加剤。
【0157】
一部の態様によれば、本発明のアルカンは、対応するゲルベアルコールの脱水反応により得られたアルケンに水素化を行って得られる。
【0158】
例えば、5-メチルウンデカンは、下記反応図式に従って2-ブチル-1-オクタノ-ルを脱水して得られる。
【化1】
【0159】
次に、得られたアルケンは、下記反応図式に従って水素化を行う。
【化2】
【0160】
ゲルベアルコールは、2種のアルコ-ルを縮合する古典的なゲルベ法、又は米国公開US2012/0220806号公報に記載等の合成法により得られる。
【0161】
マスカラ型の化粧品製剤の調製における、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0162】
二相の化粧除去剤化粧品製剤の調製における、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0163】
口唇を着色するための化粧品製剤の調製における、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0164】
ヘアリンス、又はノンリンス型の化粧品製剤の調製における、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0165】
エマルションである化粧品製剤の調製における、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0166】
油相の調製における、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0167】
エマルション用の油相の調製における、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0168】
少なくとも1種の揮発性シリコーンオイルの代替としての、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0169】
シクロテトラシロキサン(D4)(C8H23O4Si4、CAS 556-67-2)、シクロペンタシロキサン(D5)(C10H30O5Si5、CAS 541-02-6)およびシクロヘキサシロキサン(D6)(C12H36O6Si6、CAS 540-97-6)及びそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種の揮発性シリコーンオイルの代替としての、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0170】
シクロテトラシロキサン(D4)である、少なくとも1種の揮発性シリコーンオイルの代替としての、上記で定義した本発明の化粧品添加剤の使用。
【0171】
シクロペンタシロキサン(D5)である、少なくとも1種の揮発性シリコーンオイルの代替としての、上記で定義した、本発明の化粧品添加剤の使用。
【0172】
シクロヘキサシロキサン(D6)である、少なくとも1種の揮発性シリコーンオイルの代替としての、上記で定義した、本発明の化粧品添加剤の使用。
【0173】
シクロテトラシロキサン(D4)(C8H23O4Si4、CAS 556-67-2)、シクロペンタシロキサン(D5)(C10H30O5Si5、CAS 541-02-6)およびシクロヘキサシロキサン(D6)(C12H36O6Si6、CAS 540-97-6)及びそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種の揮発性シリコーンオイルの代替であり、同じ質量を保ったまま代替される、上記で定義した、本発明の化粧品添加剤の使用。すなわち特定の質量のシリコーンオイルは、同じ質量の本発明の化粧品添加剤に置き替えられる。
【0174】
シクロテトラシロキサン(D4)である、少なくとも1種の揮発性シリコーンオイルの代替であり、同じ質量を保ったまま代替される、上記で定義した、本発明の化粧品添加剤の使用。
【0175】
シクロペンタシロキサン(D5)である、少なくとも1種の揮発性シリコーンオイルの代替であり、同じ質量を保ったまま代替される、上記で定義した、本発明の化粧品添加剤の使用。
【0176】
シクロヘキサシロキサン(D6)である、少なくとも1種の揮発性シリコーンオイルの代替であり、同じ質量を保ったまま代替される、上記で定義した、本発明の化粧品添加剤の使用。
【0177】
上記で定義した、本発明の化粧品添加剤を、1種の化粧品添加剤として含む化粧品製剤。
【0178】
本発明はまた、アルカン混合物を含み、該混合物が69℃又はそれより低い(69℃以下)引火点を有する、化粧品製剤に関する。
【0179】
無水化粧品製剤、油中水型(W/O)エマルション化粧品製剤、水中油型(O/W)エマルション化粧品製剤、及び多重エマルション型(特に、W/O、O/W、又はO/W/O)化粧品製剤、又は分散型の化粧品製剤からなる群から選択される、上記で定義した、本発明の化粧品製剤。
【0180】
ゲル化剤、又は脂肪相構成化剤、特にワックス、ゴム、オレフィン酸コポリマー、又はシリコーンエラストマー、結合剤、特に脂肪酸石鹸、水相ゲル化剤、又はアクリル酸、若しくはスルフォン酸ホモポリマー、若しくはコポリマー、特にAMPS系などの増粘剤、PVP誘導体、アクリル酸ラッテクス、若しくはシリコーン樹脂などのフィルム形成剤、脂肪酸エステルなどの分散剤、W/O、O/W,若しくはW/Si乳化剤、有効成分、有機の、若しくは無機の光保護剤、若しくはUVフィルタ-、賦形剤、任意選択的に処理した疎水性、若しくは疎油性の顔料、球状、及び/若しくは層状構造の有機、若しくは無機の粉末(シリカ、タルク、マイカなど)、天然、若しくは合成由来の繊維、染料、金属封鎖剤、pH調整剤、香料、保存料、並びにそれらの混合物からなる群から選択される成分の少なくとも1種を更に含む、上記で定義した、本発明の化粧品製剤。
【0181】
環状シリコーン類(シクロメチコン類)、特にシクロテトラシロキサン、及びシクロペンタシロキサン誘導体を含まない、上記で定義した、本発明の化粧品製剤。
【0182】
液体、ゲル、クリーム、ペースト、発泡体、型押し、又は鋳型成形体、及び例えば棒状の固体製品からなる群から選択される形状である、上記で定義した、本発明の化粧品製剤。
【0183】
顔、及び/又は身体の手入れ、又は衛生用の製剤、保湿製剤、抗加齢(抗しわ、及び/又は引き締め)製剤、脱色素化製剤、前色素化製剤、セルフタンニング製剤、痩身製剤、脱臭製剤、発汗抑制製剤、UV保護製剤、クレンジング製剤、化粧除去製剤、化粧除去用二相製剤、浴用製剤、毛髪用製剤(特に、シャンプー、コンディショナー、スタイリング製品、特に矯正製品)、ヘラカラー製剤、化粧製剤(特に、ファンデーション、口紅、リップグロス、口唇着色製剤、ほお紅、又はアイシャドウ、マスカラ、アイライナー、又はマニキュア)として使用される、上記で定義した、本発明の化粧品製剤。
【0184】
少なくとも該少なくとも一種のC11以上のアルカンは分岐鎖を有し、油中水型(W/O)エマルション化粧品製剤、水中油型(O/W)エマルション化粧品製剤、及び多重エマルション型(特に、W/O、O/W、又はO/W/O)化粧品製剤からなる群から選択される、上記で定義した、本発明の化粧品製剤。
【0185】
該少なくとも一種のC11以上のアルカンは少なくとも一種の分岐鎖のC12であり、該化粧品製剤は、油中水型(W/O)エマルション化粧品製剤、水中油型(O/W)エマルション化粧品製剤、及び多重エマルション型(特に、W/O、O/W、又はO/W/O)化粧品製剤からなる群から選択される、上記で定義した、本発明の化粧品製剤。
【0186】
該少なくとも一種のC11以上のアルカンは少なくとも1種の分岐鎖のC14であり、該化粧品製剤は、油中水型(W/O)エマルション化粧品製剤、水中油型(O/W)エマルション化粧品製剤、及び多重エマルション型(特に、W/O、O/W、又はO/W/O)化粧品製剤からなる群から選択される、上記で定義した、本発明の化粧品製剤。
【0187】
該少なくとも一種のC11以上のアルカンは少なくとも一種の分岐鎖のC12、及び一種の分岐鎖のC14の混合物であり、該化粧品製剤は、油中水型(W/O)エマルション化粧品製剤、水中油型(O/W)エマルション化粧品製剤、及び多重エマルション型(特に、W/O、O/W、又はO/W/O)化粧品製剤からなる群から選択される上記で定義した、本発明の化粧品製剤。
【発明を実施するための形態】
【0188】
パートA-化粧品製剤の実施例
実施例 A1:本発明の製剤(エマルション/スプレー ローション)
本発明の以下の製剤は、Concepton des cosmetiques, La formulation, Anne Marie Pense-Lheritier,July2014.Lavoisierに記載の手法などの、同業者に公知の手法に従って調製した。
【表1】
【表2】
【0189】
製剤1、および2は以下の方法で調製する。
- A相、及びB相を加熱(60℃)。
- A相をB相で乳化(攪拌)。
- 攪拌を継続しながら、C相を添加。
【0190】
安定性を目視分析法で測定する。技術報告書TR13097,分散安定性の特性評価の指針で推奨されるように、各エマルションの試料を透明な容器に入れ、裸眼で一定の時間毎に観察を行う。
【0191】
製剤2は非常に安定であったが(三週間後移相見られず)、一方製剤1は一日後に移相がみられた。したがって、エマルション型の製剤における本発明の化粧品添加剤の利用の面において分岐鎖のC11以上のアルカンを含むことが特に有益であることが示された。
【0192】
実施例 A2:本発明の製剤(マスカラ)
本発明の以下の製剤を調製した。
【表3】
【表4】
【0193】
- A相を調製し、加熱(75℃)。
- B相を調整し、加熱(85℃)。
- A相とB相の混合。
- 激しく攪拌してC相をB相に添加。
- 混合液を80℃に加熱し、A相をB+C相に添加。
- 15分間混合。
- 25℃に冷却。
【0194】
実施例 A3:本発明の製剤(化粧除去用二相製剤)
本発明の以下の製剤を調製した。
【表5】
【0195】
なお、製剤5について所与の質量%は当該の相の全質量に対するものである。
【0196】
該製剤5において水相/油相の割合は50/50である。
【0197】
実施例 A4:本発明の製剤(口唇着色用製剤)
本発明の以下の製剤を調製した。
【表6】
実施例 A5:本発明の製剤(高品質リップグロス)
【表7】
【0198】
実施例 A6:ヘアセラム製剤の比較
以下のヘアセラム製剤を毛髪に塗布したときの特性を比較した。
【表8】
【0199】
ヘアセラム製剤は以下の方法で比較した。
【0200】
約4g、及び約17cmの毛束3束を12%のTexapon NSO溶液25mlで激しく洗浄し、すすぎ、それから乾燥した。
該製剤を比較するため、上記の表に記載した製剤0.2gを各毛束に塗布した。
製剤2で処理した毛束は参照製剤より良好な性質を、特にスタイリングの容易さに関して示した。しかしながら、製剤1で処理した毛束によると非常に細い毛髪には適さなかった。

実施例 A7:ヘアバーム
【表9】
【表10】
【表11】
【0201】
A7a、及びA7bのバームは、手に軽くクリーミーな感触を、毛髪に絹のような感触を与えた。
【0202】
毛髪は光沢があり、スタイリングが容易であった。
【0203】
パートB:本発明の添加剤の物理化学的特性
実施例 B1:本発明のアルカン混合物を含む添加剤の蒸発特性
30%がn-デカン、40%がn-ドデカン、及び30%がn-テトラデカンであるアルカン混合物の蒸発特性を調査した。
【0204】
蒸発条件は以下の通りである:LABOMODERNE社 THERMOBALANCE KERN DBS 60-3 乾燥器、20℃、管理された雰囲気。
【0205】
得られた蒸発曲線は以下に記載した。
30%がn-デカン、40%がn-ドデカン、及び30%がn-テトラデカンである混合物の蒸発率の測定値を、70%がn-ドデカン、及び30%がn-テトラデカンである、先行技術の混合物の測定値、並びにシクロペンタシロキサンの測定値と比較して記載した。
【表12】
【表13】
【表14】
【0206】
結果を図1に示した。ひし形で表す曲線は、70%がn-ドデカン、及び30%がn-テトラデカンである、先行技術の混合物の蒸発曲線であり、四角形で表す曲線は、シクロペンタシロキサンの蒸発曲線であり、三角形で表す曲線は、30%がn-デカン、40%がn-ドデカン、及び30%がn-テトラデカンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0207】
本発明の混合物の曲線はシクロペンタシロキサンの曲線と完全に整列していることが認められた。
【0208】
更に、蒸発は特に意外であり、各アルカンの、単独で得られる蒸発より推定できないことが示された。
【0209】
実施例 B2:本発明のアルカン混合物を含む添加剤の蒸発特性
本発明の、幾つかのその他の添加剤(アルカン混合物)を蒸発率に関して、上記と同じ条件で検査した。
【0210】
n-デカン/n-ドデカン/n-テトラデカンの混合物。
【0211】
10%がn-デカン、85%がn-ドデカン、及び5%がn-テトラデカンであるアルカン混合物を検査した。結果を下記の表に示した。
【表15】
【0212】
15%がn-デカン、80%がn-ドデカン、及び5%がn-テトラデカンであるアルカン混合物を検査した。結果を下記の表に示した。
【表16】
【0213】
20%がn-デカン、75.6%がn-ドデカン、及び4.4%がn-テトラデカンであるアルカン混合物を検査した。結果を下記の表に示した。
【表17】
【0214】
20%がn-デカン、74%がn-ドデカン、及び6%がn-テトラデカンであるアルカン混合物を検査した。結果を下記の表に示した。
【表18】
【0215】
20%がn-デカン、70%がn-ドデカン、及び10%がn-テトラデカンであるアルカン混合物を検査した。結果を下記の表に示した。
【表19】
【0216】
20%がn-デカン、75%がn-ドデカン、及び5%がn-テトラデカンである含むアルカン混合物を検査した。結果を下記の表に示した。
【表20】
【0217】
図2は、時間(秒で表示)の関数として、一定の数の化合物(シクロペンタシロキサン)、及びアルカン混合物の蒸発していない材料の割合(%で表示)を示す。
【0218】
「-」で表す曲線(蒸発傾向が最も小さい混合物を示す、グラフ上の曲線)は、70%がn-ドデカン、及び30%がn-テトラデカンである、先行技術のアルカン混合物の蒸発曲線である。
【0219】
「+」で表す曲線は、シクロペンタシロキサンの蒸発曲線である。
【0220】
ひし形で表す曲線は、20%がn-デカン、74%がn-ドデカン、及び6%がn-テトラデカンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0221】
四角形で表す曲線は、20%がn-デカン、70%がn-ドデカン、及び10%がn-テトラデカンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0222】
三角形で表す曲線は、20%がn-デカン、75%がn-ドデカン、及び5%がn-テトラデカンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0223】
「x」で表す曲線は、10%がn-デカン、85%がn-ドデカン、及び5%がn-テトラデカンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0224】
星で表す曲線は、15%がn-デカン、80%がn-ドデカン、及び5%がn-テトラデカンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0225】
丸で表す曲線は、20%がn-デカン、70%がn-ドデカン、及び10%がn-テトラデカンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0226】
本発明の混合物は、先行技術のアルカン混合物よりも、シクロペンタシロキサンに類似した蒸発グラフを有することが示される。
【0227】
N-デカン/イソヘキサデカン 混合物
【0228】
30%がn-デカン、及び70%がイソヘキサデカンであるアルカン混合物を検査した。結果を下記の表に示した。
【表21】
【0229】
図3は、時間(秒で表示)の関数として、一定の数の化合物(シクロペンタシロキサン)、及びアルカン混合物の蒸発していない材料の割合(%で表示)を示す。
【0230】
三角形で表す曲線(蒸発傾向が最も小さい混合物を示す、グラフ上の曲線)は、先行技術のアルカン混合物の蒸発曲線であり、そのアルカン混合物は、70%がn-ドデカン、及び30%がn-テトラデカンである。
【0231】
四角形で表す曲線は、シクロペンタシロキサンの蒸発曲線である。
【0232】
ひし形で表す曲線は、30%がn-デカン、及び70%がイソヘキサデカンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0233】
本発明の混合物は、約900秒から先行技術のアルカン混合物よりも、シクロペンタシロキサンに類似した蒸発グラフを有することが示される。
【0234】
また、炭素数が多い(C16)にもかかわらず、イソヘキサデカンで非常に揮発性の高い添加剤が得られる(例えば、イソヘキサデカンではなく、n-ドデカン、及びn-テトラデカンの混合物を含む同じ製剤より揮発性が高い。上記の実施例参照。)ことは注目に値する。
【0235】
40℃における粘性の測定を下記の化合物、及び混合物について行った。
- シクロペンタシロキサン:3.04mm/s
- イソヘキサデカン:3.18mm/s、及び
- n-デカン(30%)/イソヘキサデカン(70%):1.89mm/s
【0236】
イソヘキサデカンの使用によりシクロペンタヘキサンの粘性に類似の粘性が得られることは注目に値する。
【0237】
N-デカン/イソドデカン/イソエイコサン 混合物
【0238】
5%がn-デカン、30%がイソドデカン、及び65%がイソエイコサン(C20)であるアルカン混合物を検査した。結果を下記の表に示す。
【表22】
【0239】
5%がn-デカン、25%がイソドデカン、及び70%がイソエイコサン(C20)であるアルカン混合物を検査した。結果を下記の表に示す。
【表23】
【0240】
図4は、時間(秒で表示)の関数として、一定の数の化合物(シクロペンタシロキサン)、及びアルカン混合物の蒸発していない材料の割合(%で表示)を示す。
【0241】
図4において「x」で表す曲線は、70%がn-ドデカン、及び30%がn-テトラデカンである、先行技術の混合物の蒸発曲線である。
【0242】
三角形で表す曲線は、シクロペンタシロキサンの蒸発曲線である。
【0243】
ひし形で表す曲線は、5%がn-デカン、30%がイソドデカン、及び65%がイソエイコサンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0244】
四角形で表す曲線は、5%がn-デカン、25%がイソドデカン、及び70%がイソエイコサンである、本発明の混合物の蒸発曲線である。
【0245】
本発明の混合物は、約800秒から先行技術のアルカン混合物よりも、シクロペンタシロキサンに類似した蒸発グラフを有することが示される。
パートC-本発明の添加剤を構成するアルカンの合成
実施例 C1-2,3,6、トリメチルへプタンの合成
【化3】
【0246】
反応は下記の条件下で行った。
【表24】
【0247】
C15三量体型のより重い産物が不純物として得られた。したがって、真空蒸留による精製が必要である。
【0248】
トッピングにより微小量のイソアミルアルコールを取り除く。
【0249】
次に、より重いアルコール類をテーリングにより取り除く。
【表25】
【化4】
【表26】
【表27】
【0250】
触媒床を反応器の中間の高さに配置する。熱電対を触媒床の中心部に配置する。電熱対はシリカウールを乗せた格子で支持する。触媒床の上方に、触媒床を封鎖するためにシリカウールを追加する。
【0251】
使用した触媒はジョンソン・マッセイ社の工業用アルミナである。
【0252】
LHSV(液空間速度)は、mL/min/触媒mLで表される、反応器を通過するアルコールの流量に対応する。
【表28】
【表29】
【化5】
【0253】
水素化反応は1リットルバッチの反応器で行う。
作業条件は下記に詳細に記述する。
【0254】
アルケン600g、及び触媒(ラネーニッケル)3gを室温で反応器に導入する。反応器に5barで窒素を3回挿入し、温度を作業温度の180℃に上げる。次に5barで水素を導入する。2時間後、温度を200℃、圧力を10barに上げる。更に3時間反応を続ける。
【表30】
実施例 C2-6-メチルウンデカンの合成
【化6】
反応は下記の条件下で行った。
【表31】
【表32】
【表33】
【0255】
C18三量体型のより重い産物が副生成物として得られた。したがって、真空蒸留による精製が必要である。
【0256】
トッピングにより微小量のヘキサノール性アルコールを取り除く。
【0257】
次に、より重いアルコール類をテーリングにより取り除く。
【表34】
【化7】
【0258】
この研究に使用した原材料は下記の表に示す。有害な試薬、又は溶媒は使用していない。触媒は工業用アルミニウムである。
【表35】
【表36】
【0259】
脱水反応
脱水反応は上記に記載した手順で行った。LHSV(液空間速度)は、mL/min/触媒mLで表される、反応器を通過するアルコ-ルの流量に対応する。
【表37】
【表38】
【化8】
【0260】
水素化反応は上記に記載した手順で行った。
【表39】
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】