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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038303
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】埋設物防護シート
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/09 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
E01C23/09 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001719
(22)【出願日】2024-01-10
(62)【分割の表示】P 2020024698の分割
【原出願日】2020-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000242644
【氏名又は名称】北陸電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592112558
【氏名又は名称】日本安全産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144886
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】藤田 薫
(72)【発明者】
【氏名】大井 宏
(72)【発明者】
【氏名】若山 大樹
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 靖宏
(72)【発明者】
【氏名】杉江 荘平
(72)【発明者】
【氏名】岡本 恵理子
(57)【要約】
【課題】優れた防護特性を有する埋設物防護シートを提供すること。
【解決手段】埋設物防護シート1は、可撓性を有する長尺な線材2と、可撓性を有し、線材2をまとめた状態で収容した収容部S1、S2と、を備える。また、線材2は、繊維材で構成された芯材21と、芯材21を被覆した被覆層22と、を有する。また、線材2は、乱雑にまとめられた状態で収容部S1、S2に収容されている。また、線材2の外径は、3mm以下であり、長さは、10m以上、20m以下である。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する長尺な線材と、
前記線材をまとめた状態で収容した収容部と、を有し、
前記線材は、
繊維材で構成された芯材と、
前記芯材を被覆した被覆層と、を有することを特徴とする埋設物防護シート。
【請求項2】
前記線材は、乱雑にまとめられた状態で前記収容部に収容されている請求項1に記載の埋設物防護シート。
【請求項3】
前記線材の外径は、3mm以下である請求項1または2に記載の埋設物防護シート。
【請求項4】
前記線材の長さは、10m以上、20m以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の埋設物防護シート。
【請求項5】
前記線材は、束ねられていない請求項1から4のいずれか1項に記載の埋設物防護シート。
【請求項6】
前記線材は、前記収容部に固定されていない請求項1から5のいずれか1項に記載の埋設物防護シート。
【請求項7】
前記収容部は、可撓性を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の埋設物防護シート。
【請求項8】
複数の前記収容部を有する第1シート材と、
前記第1シート材と重なって配置され、少なくとも1つの前記収容部を有する第2シート材と、を備え、
前記第2シート材が備える少なくとも1つの前記収容部は、前記第1シート材が備え、隣り合って配置されている一対の前記収容部の境界部と重なっている請求項1から7のいずれか1項に記載の埋設物防護シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋設物防護シートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、カッターを用いて道路表層部を切断する作業において発生する埋設物損傷事故の防止を目的に、地中に埋設された埋設物の直上に配置し、埋設物を防護するための埋設物防護板が記載されている。特許文献1の埋設物防護板は、上板と、下板と、上板と下板との間に配置された繊維材とを有する。この構成によれば、カッターのブレードによって埋設物防護板が破壊されると、内部の繊維材がブレードに巻きつき、それによって生じる負荷によってブレードの回転を停止させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-144845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の埋設物防護板では、繊維材が裸の状態で上板と下板との間に収容されている。そのため、繊維材の材料や構成によっては、表面の摩擦抵抗を十分に高めることが困難で、繊維材がブレードに対して滑ってしまい、ブレードに絡まり難くなる。したがって、特許文献1の埋設物防護板では、ブレードの回転を停止させる機能を十分に発揮できないおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、優れた防護特性を有する埋設物防護シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
【0007】
(1) 可撓性を有する長尺な線材と、
前記線材をまとめた状態で収容した収容部と、を有し、
前記線材は、
繊維材で構成された芯材と、
前記芯材を被覆した被覆層と、を有することを特徴とする埋設物防護シート。
【0008】
(2) 前記線材は、乱雑にまとめられた状態で前記収容部に収容されている上記(1)に記載の埋設物防護シート。
【0009】
(3) 前記線材の外径は、3mm以下である上記(1)または(2)に記載の埋設物防護シート。
【0010】
(4) 前記線材の長さは、10m以上、20m以下である上記(1)から(3)のいずれかに記載の埋設物防護シート。
【0011】
(5) 前記線材は、束ねられていない上記(1)から(4)のいずれかに記載の埋設物防護シート。
【0012】
(6) 前記線材は、前記収容部に固定されていない上記(1)から(5)のいずれかに記載の埋設物防護シート。
【0013】
(7) 前記収容部は、可撓性を有する上記(1)から(6)のいずれかに記載の埋設物防護シート。
【0014】
(8) 複数の前記収容部を有する第1シート材と、
前記第1シート材と重なって配置され、少なくとも1つの前記収容部を有する第2シート材と、を備え、
前記第2シート材が備える少なくとも1つの前記収容部は、前記第1シート材が備え、隣り合って配置されている一対の前記収容部の境界部と重なっている上記(1)から(7)のいずれかに記載の埋設物防護シート。
【発明の効果】
【0015】
このような本発明によれば、芯材を被覆する被覆層を有するため、被覆層によって、芯材では発揮することのできない特性、物性を線材に付与することができる。そのため、線材をブレードに巻きつき易くすることができ、ブレードの回転をより確実に停止させることができる。そのため、優れた防護特性を有する埋設物防護シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】好適な実施形態に係る埋設物防護シートの使用状態を示す断面図である。
図2】埋設物防護シートを示す平面図である。
図3】埋設物防護シートを示す分解斜視図である。
図4図2中のA-A線断面図である。
図5】埋設物防護シートに収容された線材を示す断面斜視図である。
図6】埋設物防護シートの使用状態を示す断面図である。
図7】埋設物防護シートの機能を説明するための断面図である。
図8】埋設物防護シートの変形例を示す平面図である。
図9】埋設物防護シートの実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の埋設物防護シートを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1に示す埋設物防護シート1は、カッター100を用いて道路1000の表層部にあるアスファルト層1100を切断する作業において発生する埋設物9の損傷事故の防止を目的に、地中に埋設された埋設物9の上側に配置し、カッター100から埋設物9を防護するものである。
【0019】
埋設物9としては、地中に埋設されているものであれば、特に限定されず、例えば、管路内に挿通した状態で浅層埋設された電力ケーブルや通信ケーブル、水道管、ガス管等が挙げられる。浅層埋設とは、地中のスペースが狭隘状態にあること、作業者の作業負担低減、工事コストの削減等に鑑みて、道路管理者の許可のもと、埋設物9を規定の埋設深さよりも浅い位置に埋設する埋設法を言う。埋設物9の埋設深さは、道路管理者毎に独自に規定されているが、概ね、従来の埋設深さが1200mm以上であるところ、浅層埋設の埋設深さは600mm以上となっている。なお、以下では説明の便宜上、埋設物9を、管路91内に挿通した状態で浅層埋設された電力ケーブル92として説明する。
【0020】
図2に示すように、埋設物防護シート1は、長手形状をなす。埋設物防護シート1の長さLとしては、特に限定されないが、例えば、60cm以上、100cm以下であることが好ましい。これにより、埋設物防護シート1が適度な長さとなる。そのため、運搬時に嵩張り難く、また、地中への埋設作業時に高いハンドリング性を有する埋設物防護シート1となる。また、埋設物防護シート1の幅Wとしては、特に限定されないが、例えば、管路91の外形よりも大きいことが好ましい。これにより、鉛直方向上側から見て、埋設物防護シート1の両側からの埋設物9のはみ出しを防ぐことができる。そのため、カッター100による埋設物9の損傷事故をより確実に防ぐことができる。ただし、これに限定されず、幅Wが管路91の外形よりも小さくてもよい。この場合には、複数の埋設物防護シート1を幅方向に並べて、全体として管路91の外形よりも大きな幅とすればよい。
【0021】
また、図3に示すように、埋設物防護シート1は、長尺な線材2が収容された複数の収容部S1を有する第1シート材4と、長尺な線材2が収容された複数の収容部S2を有する第2シート材5とを有し、第1シート材4と第2シート材5とを厚さ方向に重ね合わせて溶着した構成となっている。地中に埋設された埋設物防護シート1がカッター100のブレード110によって切断されると、切断箇所に位置する収容部S1、S2内の線材2がブレード110に巻きつくと共に、地中(ブレード110により形成されたアスファルト層1100の切れ目1110)に引っ掛かる。そのため、線材2が地中とブレード110との間で突っ張り、ブレード110に負荷がかかってブレード110の回転を止めることができる。
【0022】
第1シート材4および第2シート材5は、それぞれ、柔軟で可撓性を有する素材で構成され、埋設物防護シート1全体としても柔軟で可撓性を有する。そのため、例えば、搬送時の配置スペースに応じて変形させることができ、運搬時に嵩張り難い埋設物防護シート1となる。また、軽量化を図ることも容易であるため、地中への埋設作業時に作業員に加わる労力を低減することができ、高いハンドリング性を有する埋設物防護シート1ともなる。
【0023】
なお、防護する埋設物9を作業者に報知するために、埋設物9に関する情報を埋設物防護シート1の少なくとも片面、好ましくは両面に記載することが好ましい。例えば、防護する埋設物9が電力ケーブルであれば「電力ケーブル注意」と記載し、防護する埋設物9が通信ケーブルであれば「通信ケーブル注意」と記載し、防護する埋設物9が水道管であれば「水道管注意」と記載し、防護する埋設物9がガス管であれば「ガス管注意」と記載する。このような方法によれば、埋設物防護シート1の直下に埋設された埋設物9に関する情報を作業者に簡単に報知することができる。
【0024】
また、防護する埋設物9の種類に応じて、異なる色の埋設物防護シート1を用いてもよい。例えば、防護する埋設物9が電力ケーブルであれば青色の埋設物防護シート1を用い、防護する埋設物9が通信ケーブルであれば赤色の埋設物防護シート1を用い、防護する埋設物9が水道管であれば緑色の埋設物防護シート1を用い、防護する埋設物9がガス管であれば黄色の埋設物防護シート1を用いる。このような方法によっても、埋設物防護シート1の直下に埋設された埋設物9に関する情報を作業者に簡単に報知することができる。
【0025】
以下、埋設物防護シート1を構成する各部について順番に説明する。
【0026】
<第1シート材4>
図3に示すように、第1シート材4は、可撓性を有する柔軟なシート部材41、42を準備し、これらシート部材41、42を重ね合わせて、ハッチング部分Q1において梯子状に溶着することにより形成されている。そのため、第1シート材4にはマチが形成されず、その分、第1シート材4の薄型化を図ることができる。また、シート部材41、42を梯子状に溶着することにより、第1シート材4には、その長手方向に規則的に並んだ複数の収容部S1が形成されている。そして、各収容部S1には、それぞれ、1本の線材2が収容されている。このように、第1シート材4に複数の収容部S1を設け、これら各収容部S1に線材2を収容することにより、第1シート材4内での線材2の偏りを防止することができる。
【0027】
図示の構成では、収容部S1の数は、5つである。各収容部S1のサイズとしては、特に限定されない。例えば、長さLS1が100mm以上、160mm以下で、幅WS1が130mm以上、180mm以下であることが好ましい。また、長さLS1が120mm以上、140mm以下で、幅WS1が150mm以上、170mm以下であることがより好ましい。このようなサイズとすることにより、前述した機能を発揮するのに適度な長さおよび外径を有する線材2(長さ:12m、外径:2mm)を収容するのに適したサイズの収容部S1となる。なお、収容部S1に収容する線材2の構成については、後に詳述する。
【0028】
また、第1シート材4は、耐薬品性、無腐蝕性および長期無退色性を有する。これにより、第1シート材4の経年劣化を防止することができる。また、第1シート材4は、防水性を有する。そのため、第1シート材4の外部から収容部S1内への水分の侵入が遮断される。したがって、例えば、水分や湿気に起因する線材2の劣化、変性、変質等を抑制することができる。さらには、線材2が湿ることによる線材2の表面物性の悪化、特に摩擦抵抗の低下を抑制することもできる。なお、防水性を有する第1シート材4とするために、本実施形態では、シート部材41、42が、それぞれ、防水性のシートで構成されている。防水性シートとしては、特に限定されないが、例えば、帆布にタールを塗って防水性を持たせたターポリンを好適に用いることができる。
【0029】
ただし、第1シート材4の構成は、その機能を発揮することができる限り、特に限定されない。例えば、シート部材41、42を溶着以外の方法、例えば、接着剤で接着してもよい。また、1枚のシート部材を折り曲げて、重ね合わせた部分同士を溶着することにより第1シート材4を形成してもよい。また、シート部材41、42の間にマチ部材を介在させて、マチを有する第1シート材4としてもよい。また、第1シート材4は、防水性に加えて、さらに、透湿性を有していてもよい。これにより、第1シート材4の外部から収容部S1内への水分の侵入が遮断され、反対に、収容部S1内から外部への湿気の排出が許容される。したがって、各収容部S1内の湿度の過度な上昇をより効果的に抑えることができる。この場合、シート部材41、42を共に防水透湿性シートとするか、一方を防水透湿性シートとし、他方を透湿性のない防水シートとすればよい。また、第1シート材4は、防水性を有さなくてもよい。また、例えば、シート部材41、42の少なくとも一方がメッシュ状(網状)の生地で形成される等、収容部S1の内外を接続する開口が形成されていてもよい。また、収容部S1の数は、4以下であってもよいし、6以上であってもよい。また、例えば、シート部材41、42を、例えば、樹脂材料、金属材料、セラミック材料等の硬質な材料で構成し、可撓性を有さない第1シート材4としてもよい。
【0030】
<第2シート材5>
第2シート材5は、第1シート材4と同様の構成である。図3に示すように、第2シート材5は、可撓性を有する柔軟なシート部材51、52を準備し、これらシート部材51、52を重ね合わせてハッチング部分Q2において梯子状に溶着することにより形成されている。また、第2シート材5には、長手方向に規則的に並んだ複数の収容部S2が形成されている。そして、各収容部S2には、それぞれ、1本の線材2が収容されている。
【0031】
なお、図示の構成では、収容部S2の数は、収容部S1の数よりも1つ少ない4つである。各収容部S2のサイズとしては、特に限定されないが、長さLS2が100mm以上、160mm以下で、幅WS2が130mm以上、180mm以下であることが好ましい。また、長さLS2が120mm以上、140mm以下で、幅WS2が150mm以上、170mm以下であることがより好ましい。このようなサイズとすることにより、前述した機能を発揮するのに適度な長さおよび外径を有する線材2(長さ:12m、外径:2mm)を収容するのに適したサイズの収容部S2となる。収容部S2に収容する線材2の構成については、後に詳述する。
【0032】
特に、本実施形態では、収容部S2のサイズ(長さLs2×幅Ws2)は、収容部S1のサイズ(長さLs1×幅Ws1)と同じである。前記「同じ」とは、両者が一致する場合の他、製造上の誤差等、実質的に同一とみなせる程度の誤差を有する場合を含む意味である。収容部S1、S2のサイズが同じであるため、第2シート材5の長さL2は、第1シート材4の長さL1よりも、約収容部1つ分短い。
【0033】
また、第2シート材5は、耐薬品性、無腐蝕性および長期無退色性を有する。これにより、第2シート材5の経年劣化を防止することができる。また、第2シート材5は、防水性を有する。そのため、第2シート材5の外部から収容部S2内への水分の侵入が遮断される。したがって、例えば、水分や湿気に起因する線材2の劣化、変性、変質等を抑制することができる。さらには、線材2が湿ることによる線材2の表面物性の悪化、特に摩擦抵抗の低下を抑制することもできる。なお、防水性を有する第2シート材5とするために、本実施形態では、シート部材41、42が、それぞれ、防水性のシートで構成されている。防水性シートとしては、特に限定されないが、例えば、シート部材41、42と同様のものを用いることができる。
【0034】
ただし、第2シート材5の構成は、その機能を発揮することができる限り、特に限定されない。例えば、シート部材51、52を溶着以外の方法、例えば、接着剤で接着してもよい。また、1枚のシート部材を折り曲げて、重ね合わせた部分同士を溶着することにより第2シート材5を形成してもよい。また、シート部材51、52の間にマチ部材を介在させて、マチを有する第2シート材5としてもよい。また、第2シート材5は、防水性に加えて、さらに、透湿性を有していてもよい。これにより、第2シート材5の外部から収容部S2内への水分の侵入が遮断され、反対に、収容部S2内から外部への湿気の排出が許容される。したがって、各収容部S2内の湿度の過度な上昇をより効果的に抑えることができる。この場合、シート部材51、52を共に防水透湿性シートとするか、一方を防水透湿性シートとし、他方を透湿性のない防水シートとすればよい。また、第2シート材5は、防水性を有さなくてもよい。また、例えば、シート部材51、52の少なくとも一方がメッシュ状の生地で形成される等、収容部S2の内外を接続する開口が形成されていてもよい。また、収容部S2の数は、3以下であってもよいし、5以上であってもよい。また、収容部S2の数は、収容部S1と同じ数であってもよい。また、例えば、シート部材51、52を、例えば、樹脂材料、金属材料、セラミック材料等の硬質な材料で構成し、可撓性を有さない第2シート材5としてもよい。
【0035】
図3に示すように、このような第2シート材5は、第1シート材4の上側に重なって配置され、埋設物防護シート1の幅方向の両側に位置し、長手方向に延びたハッチング部分Q3、つまり、収容部S1、S2のいずれとも重ならない部分において第1シート材4と溶着されている。ハッチング部分Q3において第1シート材4と第2シート材5とを溶着することにより、溶着時に線材2が邪魔にならず、第1シート材4と第2シート材5とを容易に溶着することができる。また、当該溶着によって収容部S1、S2に線材2が固着したり、線材2が熱ダメージを受けたりすることを防ぐこともできる。ただし、第1シート材4と第2シート材5との溶着箇所は、これに限定されない。
【0036】
また、図2および図3に示すように、第1シート材4と第2シート材5とは、互いの中心同士が一致するように重ね合わされている。そのため、第1シート材4の両端部は、第2シート材5と重なっておらず、第2シート材5からはみ出している。また、図4に示すように、埋設物防護シート1の厚さ方向からの平面視で、各収容部S2は、収容部S1に対して埋設物防護シート1の長手方向に半ピッチずれて配置されている。そのため、収容部S2は、隣り合う一対の収容部S1の境界部Q4、つまり、隣り合う一対の収容部S1の間にある溶着部と重なっている。このように、境界部Q4に収容部S2を重ねることにより、埋設物防護シート1の長手方向のどの部分がカッター100によって切断されたとしても、収容部S1、S2の少なくとも一方が破け、そこに収容された線材2をブレード110に絡ませることができる。そのため、より確実に、埋設物9を防護することができる。
【0037】
<線材2>
図3および図4に示すように、線材2は、各収容部S1、S2に1本ずつ収容されている。各収容部S1、S2に収容された線材2は、互いに同様の構成であるため、以下では、説明の便宜上、1つの線材2について代表して説明し、他の線材2については、その説明を省略する。
【0038】
図5に示すように、線材2は、長尺であり、その全長にわたってほぼ均一な外径D(直径)を有する。また、線材2は、線状の芯材21と、芯材21を被覆している被覆層22と、を有する。被覆層22を有することにより、芯材21を保護することができる。また、被覆層22によって、芯材21では発揮することのできない特性、物性を線材2に付与することができる。
【0039】
芯材21は、例えば、繊維材を縒り合わせて構成されている。これにより、軽量で丈夫な芯材21となる。繊維材としては、特に限定されず、天然繊維、合成繊維のいずれであってもよいが、伸び難さや強度の面において、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維であることが好ましい。また、合成繊維の中でも、特に強度に優れる面において、ナイロン系材料(脂肪族ポリアミド系材料)であることが好ましく、アラミド系材料(芳香族ポリアミド系樹脂)であることがより好ましい。これにより、ブレード110に巻きついたときの線材2の伸びや切断を効果的に抑制することができ、ブレード110をより確実に停止させることが可能となる。
【0040】
一方、被覆層22は、樹脂材料で構成されている。樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、フッ素系、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系の各種樹脂材料が挙げられる。これらの中でも、特に、弾性および靭性に優れ、引張強さが大きく、さらには、耐薬品性および対候性に優れる面で、ポリウレタン系の樹脂であることが好ましい。また、ポリウレタン系の樹脂を用いることにより、被覆層22に粘性および弾性が付与される。そのため、線材2の表面の摩擦抵抗(摩擦係数)を高めることができると共に、線材2の表面が窪み易くなる。したがって、線材2がブレード110に巻きつき易くなると共に、巻きついた後のスリップ(摺動)を抑制することができる。また、線材2同士も絡まり易くなり、絡まった部分がアスファルト層1100の切れ目1110に引っ掛かり易くなる。そのため、ブレード110をより確実に停止させることが可能となる。このように、被覆層22によって、目的の特性、物性を線材2に付与することができるため、芯材21の材料や構成の選択自由度を高めることができる。
【0041】
ただし、線材2の構成としては、特に限定されない。例えば、被覆層22を樹脂材料以外の材料で構成してもよいし、芯材21を繊維材以外の材料で構成してもよい。また、各収容部S1、S2に収容される線材2の数は、特に限定されず、少なくとも1つの収容部S1、S2に2本以上の線材2が収容されていてもよい。
【0042】
ここで、一旦、埋設物防護シート1の使用方法および埋設物保護方法について説明する。
【0043】
図6に示す作業現場の道路1000には、その表層にアスファルト層1100が設けられており、アスファルト層1100の下には、路盤としての砕石層1200が設けられている。これらアスファルト層1100および砕石層1200は、一般的に「舗装」と称される層であり、その下には、道路の土台となる路体1300が存在している。そして、路体1300に埋設物9が浅層埋設されており、埋設物9の上側に位置するようにして、砕石層1200に埋設物防護シート1が埋設されている。
【0044】
ただし、道路1000の構成としては、特に限定されず、例えば、アスファルト層1100と砕石層1200との間に基層が設けられていたり、砕石層1200が上層および下層を含む複数層で構成されていたり、砕石層1200と路体1300との間に路床が設けられていたりしてもよい。また、この場合、埋設物防護シート1は、例えば、基層や路床に配置してもよい。
【0045】
また、埋設物9の延在方向に沿って複数の埋設物防護シート1が並んで配置されている。ここで、隣り合う一対の埋設物防護シート1は、上下逆転して配置されている。つまり、第1シート材4を下側にした埋設物防護シート1Aと、第2シート材5を下側にした埋設物防護シート1Bとが交互に並んで配置されている。また、各埋設物防護シート1Bの両端部は、その両側に位置する埋設物防護シート1Aの端部に対して上側から重なっている。これにより、隣り合う埋設物防護シート1A、1Bの間に隙間を生じさせることなく、かつ、埋設物防護シート1A、1Bを変形(特に、厚さ方向への撓み)が抑えられたより自然な状態で配置することができる。
【0046】
ただし、埋設物防護シート1の並べ方としては、特に限定されず、例えば、全ての埋設物防護シート1は、第1シート材4を上側にして配置されていてもよいし、第2シート材5を上側にして配置されていてもよい。また、埋設物防護シート1Aと埋設物防護シート1Bとが不規則に配置されていてもよい。
【0047】
例えば、アスファルト層1100の張替え、埋設物9の補修、交換等の各種道路工事において、道路1000のアスファルト層1100を剥離する場合、アスファルト層1100を切断する必要があり、その切断には、図7に示すようなカッター100が用いられる。カッター100は、切断用のブレード110を備えている。また、このブレード110には、周方向に沿って等間隔に設けられ、外周に開口する複数のスリット111が形成されているのが一般的である。スリット111は、例えば、放熱性を高める機能や、ブレード110の根詰まりを抑制する機能を有する。このようなブレード110を回転させながら、カッター100を走行させることにより、アスファルト層1100を切断することができる。
【0048】
ここで、ブレード110の切断範囲内に埋設物9が存在すると、ブレード110で埋設物9を切断してしまい、埋設物9の損傷事故を招くおそれがある。しかしながら、埋設物9の上側には埋設物防護シート1が配置されており、図7に示すように、ブレード110は、埋設物9と接触するよりも先に、埋設物防護シート1と接触する。ブレード110が埋設物防護シート1と接触すると、その接触箇所において埋設物防護シート1が切断され、内部に収容されていた線材2がブレード110のスリット111に引っ掛かってブレード110に巻きつく。また、線材2が勢いよくブレード110に巻きつくことにより、巻きついた部分とは異なる箇所において線材2自身が絡まり合って瘤状の塊部20を形成する。この塊部20は、アスファルト層1100の切れ目1110を通過することができず、アスファルト層1100に引っ掛かる。
【0049】
このように、線材2がブレード110に巻きつくと共に、塊部20がアスファルト層1100に引っ掛かることにより、線材2がブレード110とアスファルト層1100との間で突っ張る。これにより、ブレード110に負荷がかかり、ブレード110の回転が停止すると同時に、異音(トルクリミッターの空転音)が発生したり、埋設物防護シート1の動力源(エンジン)がストップしたりする。そのため、作業者は、いち早く異変に気付くことができる。特に、動力源がストップすれば、作業を中断せざるを得ない。したがって、若干の違和感があっても半ば強引に作業を続行するということがなくなるため、カッター100による埋設物9の損傷を確実に防ぐことができる。
【0050】
特に、前述したように、線材2は、線状の芯材21と、芯材21を被覆している被覆層22と、を有する。このような構成によれば、被覆層22によって、芯材21では発揮することのできない特性、物性を線材2に付与することができる。本実施形態では、被覆層22を樹脂材料(特にポリウレタン樹脂)で構成し、線材2の表面の摩擦抵抗や柔軟性を高めている。そのため、線材2をブレード110に巻きつき易くすることができると共に絡まり易くすることができ、ブレード110の回転をより確実に停止させることができる。
【0051】
以上、埋設物防護シート1の使用方法および埋設物保護方法について説明した。ここで、再び線材2の説明に戻る。
【0052】
線材2は、線材2の外径Dとしては、特に限定されないが、例えば、3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。ブレード110に形成されている各スリット111の幅W111は、5mm程度であるのが一般的である。そのため、外径Dを幅W111よりも十分に細い3mm以下、より好ましくは2mm以下とすることにより、線材2がスリット111内に侵入してスリット111に引っ掛かり易くなる。そのため、ブレード110に線材2をより確実に巻き付けることができ、ブレード110の回転をより確実に停止させることができる。
【0053】
また、外径Dの下限値としては、線材2の強度を保つことができる限り、特に限定されないが、例えば、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。これにより、線材2が細くなり過ぎるのを防止でき、ブレード110によってアスファルト層1100に形成された切れ目1110を介して、線材2が地上に引き出され難くなる。また、大きな塊部20が形成され易くなり、その分、塊部20がアスファルト層1100に引っ掛かり易くなるし、引っ掛かりの強度も大きくなる。そのため、ブレード110により大きな負荷をかけることができ、ブレード110の回転をより確実に停止させることができる。また、目視され易くなり、作業者に対してブレード110に線材2が巻き付いていることをより確実に報知することができる。そのため、仮に、線材2が巻き付いている状態でブレード110が回転し続けたとしても、作業者は、その異変に容易に気づくことができる。なお、作業者に視認され易くする観点から、線材2の表面を視認され易い色、例えば、蛍光色等に着色してもよい。
【0054】
また、線材2の長さ(全長)としては、特に限定されないが、例えば、5m以上、20m以下であることが好ましく、10m以上15m以下であることがより好ましく、12m程度であることがさらに好ましい。線材2の長さを下限値以上とすることにより、線材2がブレード110に巻き付くと共に、塊部20を形成するのに十分な長さとなる。そのため、ブレード110の回転をより確実に停止させることができる。一方、線材2の長さを上限値以下とすることにより、線材2が過度に長くなるのを防ぐことができる。線材2が長くなるほど埋設物防護シート1の厚みが増すため、第1、第2シート材4、5の構成によっては、埋設物防護シート1がクッション材のように機能するおそれが高まる。そのため、ローラー、タンピングランマー、プレートコンパクター等の転圧器によるアスファルト層1100や砕石層1200の転圧作業を阻害するおそれがある。なお、上限値を超えても、ブレード110の回転を停止させる機能については、衰えることなく顕著に発揮される。
【0055】
また、線材2は、図3および図4に示すように、乱雑にまとめられた状態で、収容部S1、S2に収容されている。前記「乱雑にまとめられた」とは、例えば、後述する実施例でも説明するようなコイル巻きや板巻きのように規則的に巻かれたものではなく、不規則、無作為に線材2をまとめた状態を言う。このように、線材2を乱雑にまとめられた状態で収容部S1、S2に収容することにより、線材2がブレード110のスリット111に絡まり易くなると共に、線材2自身も絡まり易くなる。そのため、ブレード110の回転をより確実に停止させることができる。ただし、これに限定されず、線材2は、コイル巻きや板巻きのように、規則的にまとめられた状態で収容部S1、S2に収容されていてもよい。
【0056】
また、線材2は、束ねずに収容部S1、S2に収容されている。このように、線材2を束ねないことにより、線材2がブレード110のスリット111に絡まり易くなると共に、線材2自身も絡まり易くなる。そのため、ブレード110の回転をより確実に停止させることができる。ただし、これに限定されず、線材2は、結束部材や自身の一部を用いて束ねられていてもよい。
【0057】
また、線材2は、その全長のどの部分においても収容部S1、S2に固定されていない。このように、線材2を収容部S1、S2に固定しないことにより、線材2がブレード110のスリット111に絡まり易くなると共に、線材2自身も絡まり易くなる。そのため、ブレード110の回転をより確実に停止させることができる。ただし、これに限定されず、線材2は、その一部(例えば、一端部)において、収容部S1、S2に固定されていてもよい。
【0058】
以上、本発明の埋設物防護シートについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
【0059】
また、前述した実施形態では、埋設物防護シート1が第1、第2シート材4、5を重ね合わせた構成となっているが、これに限定されず、例えば、第2シート材5を省略し、第1シート材4だけで構成してもよい。また、第1、第2シート材4、5とは別のシート材をさらに重ね合わせてもよい。また、前述した実施形態では、埋設物防護シート1は、その長手方向に一列に並ぶ収容部S1、S2を有するが、これに限定されず、例えば、図8に示すように、長手方向に2列に並んで配置された収容部S1、S2を有する構成であってもよいし、3列以上に並んで配置された収容部S1、S2を有する構成であってもよい。
【実施例0060】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0061】
1.埋設物防護シートの製造
(実施例1)
図3に示すような構成の埋設物防護シートを製造した。表1に示すように、製造した埋設物防護シートでは、第1シートが有する各収容部のサイズを、長さLS1=130mm、幅WS1=157mmとし、第2シートが有する各収容部のサイズを、長さLS2=130mm、幅WS2=157mmとし、各収容部に収容された線材のサイズを、長さ=10m、外径D=2mmとした。また、線材の芯材を、アラミド繊維を縒り合わせたものとし、被覆層をポリウレタン系樹脂とした。また、各線材を、両手で乱雑にまとめ、その状態で各収容部に収容した。また、各収容部には1本の線材を収容した。なお、各線材は、束ねておらず、収容部に固定してもいない。また、第1、第2シート材を構成する各シート部材を、防水性を有するターポリンで構成した。
【0062】
(実施例2、3)
線材のサイズを表1に示すように変更したこと以外は、前述した実施例1と同様にして埋設物防護シートを製造した。
【0063】
(実施例4)
図9に示すように、各線材をコイル状に規則的に巻回させた状態で収容部に収容したこと以外は、前述した実施例1と同様にして埋設物防護シートを製造した。
【0064】
(実施例5、6)
線材のサイズを表1に示すように変更したこと以外は、前述した実施例4と同様にして埋設物防護シートを製造した。
【0065】
(比較例1)
線材に替えて、アラミド繊維の織物であるアラミド繊維シートを各収容部に収容したこと以外は、前述した実施例1と同様にして埋設物防護シートを製造した。
【0066】
【表1】
【0067】
2.評価
前述した1.で得られた各埋設物防護シートを路体上の砕石層に埋設し、その上からアスファルト層を形成し、実際の道路を再現した。また、カッターのブレードの切断範囲となるように、各埋設物防護シートを地上から約200mmの深さに埋設した。そして、実際に、カッターでアスファルト層を切断しながらブレードを道路内の埋設物防護シートに接触させて、ブレードの回転が停止するか否かを測定した。当該測定を各埋設物防護シートについて2回ずつ行い、ブレードの回転が停止するかを評価した。その結果を表1に合わせて示す。なお、本評価では、カッターとして、仲山鉄工株式会社製のAZZ II 502を用い、ブレードの直径は350mm、スリットの幅は約5mmであった。
【0068】
表1から明らかなように、各実施例では、いずれも優れた埋設物防護効果を有することがわかる。なお、実施例1、4、6ではそれぞれ一度だけブレードの回転が停止しなかったが、この際においてもブレード110に線材が巻きつき、ブレードを十分に減速させることができた。また、異音の発生や目視によって、十分に異変に気付くことができた。これに対して、比較例1では、二度ともブレードの回転が停止しなかった。また、ブレードを十分に減速させることもできなかったし、異音の発生や目視によって異変に気付くことも困難であった。
【符号の説明】
【0069】
1 埋設物防護シート
1A 埋設物防護シート
1B 埋設物防護シート
2 線材
20 塊部
21 芯材
22 被覆層
4 第1シート材
41 シート部材
42 シート部材
5 第2シート材
51 シート部材
52 シート部材
9 埋設物
91 管路
92 電力ケーブル
100 カッター
110 ブレード
111 スリット
1000 道路
1100 アスファルト層
1110 切れ目
1200 砕石層
1300 路体
Q1 ハッチング部分
Q2 ハッチング部分
Q3 ハッチング部分
Q4 境界部
R 外径
S1 収容部
S2 収容部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材と、
所定の方向に並んで配置され、前記線材を収容した複数の第1収容部を備える第1シート材と、
前記所定の方向に並んで配置され、前記線材を収容した複数の第2収容部を備える第2シート材と、を有し、
前記第2シート材は、各前記第2収容部が、隣り合って配置されている一対の前記第1収容部の境界部と重なるように前記第1シート材に重ねられ、
前記所定の方向の両端部では、前記第1シート材と前記第2シート材とが重なっていないことを特徴とする埋設物防護シート。
【請求項2】
所定の方向に並んで配置され、線材を収容するための複数の第1収容部を備える第1シート材と、
前記所定の方向に並んで配置され、前記線材を収容するための複数の第2収容部を備える第2シート材と、を有し、
前記第2シート材は、各前記第2収容部が、隣り合って配置されている一対の前記第1収容部の境界部と重なるように前記第1シート材に重ねられ、
前記所定の方向の両端部では、前記第1シート材と前記第2シート材とが重なっていないことを特徴とする埋設物防護シート。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
また、図3に示すように、埋設物防護シート1は、長尺な線材2が収容された複数の収容部S1(第1収容部)を有する第1シート材4と、長尺な線材2が収容された複数の収容部S2(第2収容部)を有する第2シート材5とを有し、第1シート材4と第2シート材5とを厚さ方向に重ね合わせて溶着した構成となっている。地中に埋設された埋設物防護シート1がカッター100のブレード110によって切断されると、切断箇所に位置する収容部S1、S2内の線材2がブレード110に巻きつくと共に、地中(ブレード110により形成されたアスファルト層1100の切れ目1110)に引っ掛かる。そのため、線材2が地中とブレード110との間で突っ張り、ブレード110に負荷がかかってブレード110の回転を止めることができる。