(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038375
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】資源回収システム、サーバ装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240312BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024003699
(22)【出願日】2024-01-15
(62)【分割の表示】P 2022508422の分割
【原出願日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2020048419
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020048401
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】寺井 良太
(72)【発明者】
【氏名】杉原 一成
(72)【発明者】
【氏名】鉢木 伸彦
(72)【発明者】
【氏名】内芝 宏文
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 竜太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅也
(57)【要約】 (修正有)
【課題】資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システム、サーバ装置及び方法を提供する。
【解決手段】資源として再利用され得る物品を回収する資源回収システム1は、消費者により廃棄された物品を回収する資源回収装置200と、資源回収装置200と通信するサーバ装置300と、を備える。資源回収装置200は、回収した物品を識別する物品識別子を含む第1メッセージをサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、資源回収装置200から受信する第1メッセージに基づいて、物品が廃棄された廃棄時点と物品が消費者に対して提供された提供時点とを対応付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムであって、
消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置と、
前記資源回収装置と通信するサーバ装置と、を備え、
前記資源回収装置は、前記回収した物品を識別する物品識別子を含む第1メッセージを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記資源回収装置から受信する前記第1メッセージに基づいて、前記物品識別子と前記物品の廃棄時の重量を示す重量計測情報を対応付ける、
資源回収システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、対応付けられた前記物品識別子と前記重量計測情報に基づいて、前記物品の廃棄量情報を管理する、
請求項1に記載の資源回収システム。
【請求項3】
前記資源回収装置は、さらに前記回収した物品を識別する物品識別子を読み取る商品特定部を備え、
前記商品特定部は、前記資源回収装置の内部で前記回収した物品を識別する物品識別子を読み取り、
前記サーバ装置は、前記資源回収装置から受信する前記第1メッセージに基づいて、前記回収した物品を識別する物品識別子が読み取られた廃棄時点と前記物品が前記消費者に対して提供された提供時点とを対応付ける、
請求項1に記載の資源回収システム。
【請求項4】
前記資源回収装置は、さらに前記消費者が前記物品を廃棄するための開閉可能な開口部を備え、
前記商品特定部は、前記開口部を通過する前記物品に付された前記物品識別子を読み取る、
請求項3に記載の資源回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資源回収システム、サーバ装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品等の物品に電子タグを取り付け、電子タグを用いて物品を管理する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、消費者により廃棄された物品である廃棄物を回収する資源回収装置(いわゆる、ゴミ箱)において、物品が有する電子タグを検出し、検出した電子タグを無効化することにより、電子タグに記憶されたデータを判読不能にする方法が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の方法によれば、廃棄物に付された電子タグを無効化することにより、消費者のプライバシーを保護できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
第1の態様に係る資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。前記資源回収システムは、消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置と、前記資源回収装置と通信するサーバ装置とを備える。前記資源回収装置は、前記回収した物品を識別する物品識別子を含む第1メッセージを前記サーバ装置に送信する。前記サーバ装置は、前記資源回収装置から受信する前記第1メッセージに基づいて、前記物品が廃棄された廃棄時点と前記物品が前記消費者に対して提供された提供時点とを対応付ける。
【0007】
第2の態様に係るサーバ装置は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムにおいて、消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置と通信する装置である。前記サーバ装置は、前記廃棄された物品を識別する物品識別子を含む第1メッセージを前記資源回収装置から受信する通信部と、前記第1メッセージに基づいて、前記物品が廃棄された廃棄時点と前記物品が前記消費者に対して提供された提供時点とを対応付ける処理部とを備える。
【0008】
第3の態様に係る方法は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムが実行する方法である。前記方法は、消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置と通信することと、前記廃棄された物品を識別する物品識別子を含む第1メッセージを前記資源回収装置から受信することと、前記第1メッセージに基づいて、前記物品が廃棄された廃棄時点と前記物品が前記消費者に対して提供された提供時点とを対応付けることとを有する。
【0009】
第4の態様に係る資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。前記資源回収システムは、消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置と、前記資源回収装置と通信するサーバ装置とを備える。前記資源回収装置は、前記消費者を識別する消費者識別子及び前記廃棄された物品を識別する商品識別子を前記サーバ装置に送信する。前記物品は、商品の包装又は容器を含む。前記サーバ装置は、前記資源回収装置から受信する前記消費者識別子及び前記商品識別子に基づいて、前記消費者が消費した前記商品の履歴を示す消費履歴情報を管理する。
【0010】
第5の態様に係るサーバ装置は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムにおいて、消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置と通信する装置である。前記サーバ装置は、前記消費者を識別する消費者識別子及び前記廃棄された物品を識別する商品識別子を前記資源回収装置から受信し、前記物品は、商品の包装又は容器を含む、通信部と、前記資源回収装置から受信する前記消費者識別子及び前記商品識別子に基づいて、前記消費者が消費した前記商品の履歴を示す消費履歴情報を管理する処理部とを備える。
【0011】
第6の態様に係る資源回収装置は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムにおいて、消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置であって、サーバ装置と通信する通信部を備える。前記通信部は、前記消費者を識別する消費者識別子及び前記廃棄された物品を識別する商品識別子を前記サーバ装置に送信する。
【0012】
第7の態様に係る方法は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムが実行する方法である。前記方法は、消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置と通信することと、前記消費者を識別する消費者識別子及び前記廃棄された物品を識別する商品識別子を前記資源回収装置から受信することと、前記資源回収装置から受信する前記消費者識別子及び前記商品識別子に基づいて、前記消費者が消費した前記商品の履歴を示す消費履歴情報を管理することとを有する。前記物品は、商品の包装又は容器を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る資源回収システムの構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る資源回収装置の構成例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るサーバ装置が記憶及び管理する情報の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る資源回収システムの動作例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るサーバ装置が記憶及び管理する情報の変更例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る資源回収システムの動作の第1変更例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る資源回収システムの動作の第2変更例を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る資源回収システムの構成を示す図である。
【
図10】第2実施形態に係る資源回収システムの動作例を示す図である。
【
図11】第2実施形態に係る資源回収システムの動作の変更例を示す図である。
【
図12】第3実施形態に係る資源回収システムの構成例を示す図である。
【
図13】第3実施形態に係る資源回収装置の構成例を示す図である。
【
図14】第3実施形態に係るサーバ装置が記憶及び管理する商品情報の一例を示す図である。
【
図15】第3実施形態に係るサーバ装置が記憶及び管理する消費履歴情報の一例を示す図である。
【
図16】第3実施形態に係るサーバ装置が記憶及び管理する摂取情報の一例を示す図である。
【
図17】第3実施形態に係る資源回収システムの動作例を示す図である。
【
図18】第3実施形態に係る、消費者に健康被害が生じた場合における資源回収システムの動作例を示す図である。
【
図19】第3実施形態に係る、特定の商品に問題が発見された場合における資源回収システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
廃棄物に付された電子タグを無効化することは、データを利活用する観点から好ましくない。廃棄物に付された電子タグからデータを収集して分析することにより、新たな価値を創出できると考えられる。
【0015】
そこで、本開示は、消費者により廃棄された物品から得られるデータを利活用することによって新たな価値を創出することを目的とする。
【0016】
図面を参照して第1乃至第3実施形態について説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0017】
[第1及び第2実施形態の概要]
商品等の物品の製造から流通、販売、消費、及び廃棄までの一連のライフサイクルにおいて、過剰な品質管理により大量の廃棄物が発生するという問題がある。例えば、販売後に直ぐに消費される可能性がある商品に対して、過剰な梱包や過剰な保冷材等を使用すると、廃棄物の排出量が増加する。
【0018】
第1及び第2実施形態に係る資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。前記資源回収システムは、消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置と、前記資源回収装置と通信するサーバ装置とを備える。前記資源回収装置は、前記回収した物品を識別する物品識別子を含む第1メッセージを前記サーバ装置に送信する。前記サーバ装置は、前記資源回収装置から受信する前記第1メッセージに基づいて、前記物品が廃棄された廃棄時点と前記物品が前記消費者に対して提供された提供時点とを対応付ける。
【0019】
このように、物品が廃棄された廃棄時点と物品が消費者に対して提供された提供時点とを対応付けることにより、物品の提供時点から廃棄時点に至るまでの経過時間を物品ごとに把握可能になる。このような経過時間の情報を物品の販売者や製造者に提供することにより、梱包・保冷材等の最適化や、商品の強度の最適化が可能になる。
【0020】
[第1実施形態]
(資源回収システムの構成)
まず、第1実施形態に係る資源回収システムの構成について説明する。資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。ここで物品とは、資源として再利用され得るものであれば如何なる物でもよいが、例えば商品及び商品の容器包装のうち少なくとも一方が物品に含まれる。
図1は、第1実施形態に係る資源回収システム1の構成を示す図である。
【0021】
図1に示すように、資源回収システム1は、端末装置100と、資源回収装置200と、サーバ装置300と、通信装置400とを有する。
図1において、端末装置100、資源回収装置200、及び通信装置400のそれぞれを1つのみ図示しているが、端末装置100、資源回収装置200、及び通信装置400のそれぞれを複数設けてもよい。
【0022】
端末装置100、資源回収装置200、サーバ装置300、及び通信装置400は、ネットワーク10と接続されている。ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、及びインターネットのうち少なくとも1つを含む。
【0023】
端末装置100は、商品50を消費者に対して提供する商品提供場所に設けられる装置である。商品50の提供は、商品50の製造、流通(発送)、及び販売のうち少なくとも1つを含む。商品提供場所は、商品50の製造場所(例えば、工場)、発送場所、及び販売場所(例えば、店舗)のうち少なくとも1つを含む。
【0024】
以下において、端末装置100が店舗に設けられる一例を主として想定する。店舗に設けられる端末装置100は、POS(Point Of Sales)端末又はPOSレジと呼ばれることがある。
【0025】
商品50は、電子タグ52が付された容器包装51を含む。但し、電子タグ52は、容器包装51を除く商品本体に付されていてもよい。電子タグ52には、商品50を識別する商品識別子が書込まれている。商品識別子は、物品識別子の一例であって、個々の商品50を識別する個体識別子である。
【0026】
電子タグ52は、パッシブ型、アクティブ型、又はセミアクティブ型の電子タグ52である。以下において、パッシブ型の電子タグ52を用いる一例を主として想定する。パッシブ型の電子タグ52は、電波を受けて発電して駆動電力を生成可能であるため、バッテリが不要である。
【0027】
第1実施形態において、端末装置100は、電子タグ52から商品識別子を読取るタグリーダ101を有する。タグリーダ101は、店舗のレジ又は陳列棚等に設けられてもよい。端末装置100は、商品50が消費者に提供されるとき、タグリーダ101を用いて、商品50に付された電子タグ52から商品識別子を読取る。本実施形態において、商品50が消費者に提供されるときとは、主として商品50がレジを通るときをいうが、陳列棚から商品50が取り出されたときであってもよい。端末装置100は、読取った商品識別子を含む提供通知メッセージ(第2メッセージ)をサーバ装置300に送信する。
【0028】
資源回収装置200は、消費者により廃棄された物品である廃棄物を回収する装置である。資源回収装置200は、通信機能を有するごみ箱であり、スマートごみ箱と呼ばれてもよい。資源回収装置200は、屋内(例えば、消費者宅内又は店舗内)に設けられてもよいし、屋外(店舗周辺又は路上)に設けられてもよい。資源回収装置200は、イベント会場等に一時的に設けられるごみ箱であってもよい。
【0029】
資源回収装置200は、既存のごみ箱に取り付けられる装置、又はごみ箱の一部を構成する装置であってもよい。資源回収装置200には、回収するべき廃棄物の種別(いわゆる、分別種別)が設定されていてもよい。
【0030】
資源回収装置200は、タグリーダ201を有する。資源回収装置200は、タグリーダ201を用いて、廃棄物に付された電子タグ52から商品識別子を読取り、読取った商品識別子を含む廃棄通知メッセージ(第1メッセージ)をサーバ装置300に送信する。
【0031】
サーバ装置300は、ネットワーク10を介して、端末装置100、資源回収装置200、及び通信装置400と通信する装置である。第1実施形態において、サーバ装置300は、端末装置100から受信する提供通知メッセージに基づいて、物品が消費者に対して提供された提供時点を特定する。また、サーバ装置300は、資源回収装置200から受信する提供通知メッセージに基づいて、物品が廃棄された廃棄時点を特定する。そして、サーバ装置300は、各物品について廃棄時点と提供時点とを対応付ける。これにより、サーバ装置300は、各物品について提供時点から廃棄時点までの経過時間を算出できる。
【0032】
例えば、消費者により廃棄された廃棄物は、商品50の容器包装51である。サーバ装置300は、商品50が販売された販売時点を提供時点として、商品50の販売時点から、容器包装51の廃棄時点までの経過時間を算出する。これにより、商品50が販売されてから、その容器包装51が廃棄されるまでの経過時間を把握できる。サーバ装置300は、同種の商品50について経過時間の統計値(例えば、平均値)を算出してもよい。
【0033】
サーバ装置300は、経過時間に関する経過時間情報を、物品(商品50)を提供する事業者(商品提供事業者)の通信装置400に送信する。通信装置400は、端末装置又はサーバ装置である。商品提供事業者は、商品を製造する事業者(いわゆる、メーカ)、商品を発送する事業者、又は商品を販売する事業者である。
【0034】
経過時間情報は、サーバ装置300が算出した経過時間又はその統計値を含んでもよいし、サーバ装置300が対応付けた提供時点及び廃棄時点のセットを含んでもよい。経過時間情報は、対応する商品50の商品識別子をさらに含んでもよい。このように、経過時間情報を商品提供事業者の通信装置400に送信することにより、商品提供事業者は、梱包・保冷材等の最適化や、商品の強度の最適化が可能になる。梱包・保冷材等の最適化により、廃棄物の排出量を抑制できる。
【0035】
(資源回収装置の構成例)
次に、資源回収装置200の構成例について説明する。
図2は、資源回収装置200の構成例を示す図である。
図2において、必須ではない構成を破線で示している。
【0036】
図2に示すように、資源回収装置200は、上述したタグリーダ201に加えて、開口部202と、格納スペース203と、開閉部210と、認証部220と、計測部230と、通信部240と、電源部250と、制御部260とを有する。
【0037】
タグリーダ201は、制御部260の制御下で、開口部202を通過する廃棄物に付された電子タグ52から商品識別子を読取り、読取った商品識別子を制御部260に出力する。タグリーダ201は、開口部202が閉状態であるときに読取り動作を行わずに、開口部202が開状態であるときに読取り動作を行ってもよい。読取り動作は、タグリーダ201から電波を送信する動作を含む。開口部202が閉状態であるときに読取り動作を行わないことにより、資源回収装置200の電力消費量を抑制できる。
【0038】
タグリーダ201は、格納スペース203に蓄積された各廃棄物の電子タグ52から一括して商品識別子を読取る動作を周期的に行ってもよい。制御部260は、前回の読取り時に比べて今回の読取り時の商品識別子が増加した場合、この増加分の商品識別子を新たに廃棄された廃棄物の商品識別子とみなす。
【0039】
タグリーダ201に加えて、又はタグリーダ201に代えて、商品50(廃棄物)を特定するためのカメラ及びバーコードリーダの少なくとも一方を設けてもよい。カメラは、廃棄物を撮影し、撮影結果を用いて商品50を特定してもよい。バーコードリーダは、廃棄物に付されたバーコード(又は二次元コード)を読取り、読取り結果を用いて商品50を特定してもよい。
【0040】
開口部202は、資源回収装置200の表面又は側面と格納スペース203との間に設けられる開口である。開口部202を介して廃棄物が格納スペース203に投入される。
【0041】
格納スペース203は、廃棄物を格納するスペースである。格納スペース203には、交換式の容器又はごみ袋が設けられてもよい。
【0042】
開閉部210は、開口部202に設けられ、制御部260の制御下で開口部202を開閉する。開閉部210は、開口部202を覆う蓋(シャッター)と、この蓋を開閉するアクチュエータとを含む。開閉部210において、蓋が開いている状態を開状態と呼び、蓋が閉じている状態を閉状態と呼ぶ。
【0043】
認証部220は、制御部260の制御下で、廃棄物を廃棄する消費者を認証する。認証部220は、サーバ装置300と連携して認証処理を行ってもよい。認証部220は、バーコード認証に用いるバーコードリーダ、顔認証に用いる画像センサ(カメラ)、及びNFC(Near Field Communication)認証に用いる無線通信部のうち少なくとも1つを含む。認証部220は、認証により、消費者を識別する消費者識別子を取得してもよい。このような個人認証を行うことにより、分別を遵守しない又は危険物を廃棄するといった資源回収装置200の不正利用を抑制できる。
【0044】
計測部230は、制御部260の制御下で、格納スペース203における廃棄量又は空き容量を計測する。計測部230は、格納スペース203に蓄積された廃棄物の重量を計測する重量センサ、格納スペース203に蓄積された廃棄物の高さを計測するセンサ(例えば、超音波センサ)、及び廃棄物の投入回数(開閉部210における開状態及び閉状態の切替わり回数)を計数するカウンタのうち少なくとも1つを含む。
【0045】
通信部240は、有線又は無線でネットワーク10と接続される通信インターフェイスを含む。通信部240は、ネットワーク10を介してサーバ装置300と通信する。
【0046】
電源部250は、資源回収装置200の各部に駆動電力を供給する。例えば、電源部250は、タグリーダ201による読取り動作に用いる駆動電力、及び開閉部210のアクチュエータの開閉動作に用いる駆動電力を供給する。電源部250は、一次電池又は二次電池を含んでもよいし、商用電力系統からの電力を変換する電力変換部を含んでもよい。電源部250は、太陽電池等の発電部を含んでもよい。電源部250が発電部を有する場合、電池交換、又は外部から資源回収装置200への給電を抑制できる。
【0047】
制御部260は、電源部250に含まれる発電部(例えば、太陽電池)が出力する電力を上記の駆動電力として用いるように電源部250を制御する。例えば、制御部260は、晴れているときは太陽電池の発電電力をそのまま駆動に利用するように太陽電池を制御する。制御部260は、駆動が必要ではないときは、その発電電力を二次電池等に充電してもよい。制御部260は、雨もしくは曇り若しくは影がある時(太陽電池が発電しないとき)は、電力系統からの電力を二次電池に充電するもしくはそのまま駆動に利用してもよい。ここで、制御部260は、太陽電池の出力電力に基づいて天候を判定してもよいし、通信部240を介して外部サーバから取得する天候情報に基づいて天候を判定してもよい。この天候情報は、資源回収装置200の設置位置を含む地域の現在の天候及び将来の天候の少なくとも一方を示す情報である。
【0048】
制御部260は、資源回収装置200の各部を制御する。制御部260は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリとを含む。
【0049】
制御部260は、認証部220を用いて消費者の認証に成功した場合、開閉部210を閉状態から開状態に切り替えてもよい。一方、制御部260は、認証部220を用いて消費者の認証に失敗した場合、開閉部210を閉状態に維持してもよい。これにより、正当な権限を有する消費者のみが資源回収装置200を利用可能になる。なお、制御部260は、開閉部210が開状態にある期間において、タグリーダ201に読取り動作を行わせてもよい。
【0050】
ここで、制御部260は、特定した消費者について、サーバ装置300に問い合わせ又は要求を行って、消費者が正当か否かを判断してもよい。もしくは、サーバ装置300が正当か否かを判断し、その結果を資源回収装置200に通知し、制御部260はそれに従って開閉を制御してもよい。
【0051】
制御部260は、開閉部210を閉状態から開状態に切り替えた後、閉条件が満たされた場合、開閉部210を開状態から閉状態に切り替えてもよい。閉条件は、1)開状態に切り替えてから一定時間が経過したという条件、2)タグリーダ201が新たに廃棄物の電子タグ52から商品識別子を読取ったという条件、3)タグリーダ201が新たに廃棄物の電子タグ52から商品識別子を読取ってから一定時間が経過したという条件、4)認証部220が同一の消費者について2回目の認証を行ったという条件のうち少なくとも1つを含む。
【0052】
制御部260は、廃棄物に付された電子タグ52からタグリーダ201が読取った商品識別子を取得し、この商品識別子を含む廃棄通知メッセージを生成し、通信部240を介して廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。
【0053】
制御部260が計時機能を有する場合、制御部260は、廃棄物の廃棄時点を示す廃棄時点情報(タイムスタンプ)を生成し、この廃棄時点情報を商品識別子と対応付けてバッファに蓄積及び管理してもよい。制御部260は、送信条件が満たされたとき、商品識別子及び廃棄時点情報のセットを少なくとも1つ含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信してもよい。
【0054】
送信条件は、1)周期的な送信周期に応じた送信機会が到来したこと、2)バッファ蓄積量が閾値を超えたことのうち少なくとも1つを含む。このように、廃棄時点情報を商品識別子と対応付けてバッファに蓄積及び管理することにより、送信条件が満たされるまで廃棄通知メッセージの送信を保留できるため、資源回収装置200のデータ通信量及び電力消費量を抑制できる。
【0055】
或いは、制御部260は、廃棄物に付された電子タグ52からタグリーダ201が読取った商品識別子を取得すると、この商品識別子を含む廃棄通知メッセージを直ちにサーバ装置300に送信してもよい。この場合、制御部260は、廃棄時点情報を廃棄通知メッセージに含めなくてもよく、制御部260が計時機能や大容量のバッファを有していなくてもよいため、資源回収装置200の構成を簡素化できる。
【0056】
制御部260は、廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する際に、その時点での計測部230の計測結果を示す計測情報を廃棄通知メッセージに含めてもよい。これにより、サーバ装置300は、格納スペース203における廃棄量又は空き容量を廃棄通知メッセージに基づいて把握できる。
【0057】
制御部260は、廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する際に、資源回収装置200の設置場所(すなわち、廃棄場所)を示す廃棄場所情報を廃棄通知メッセージに含めてもよい。廃棄場所情報は、資源回収装置200の設置場所を示す緯度経度情報、又は資源回収装置200の設置場所に対応する施設(例えば店舗)の名称を示す施設情報である。廃棄場所情報は、制御部260が予め記憶していてもよい。資源回収装置200がGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を有している場合、GNSS位置情報を廃棄場所情報としてもよい。
【0058】
資源回収装置200の設置場所が固定である場合、サーバ装置300が廃棄場所情報を資源回収装置200の識別子と対応付けて予め記憶していてもよい。この場合、制御部260は、廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する際に、資源回収装置200の識別子を廃棄通知メッセージに含める。サーバ装置300は、資源回収装置200の識別子に基づいて廃棄場所情報を特定できる。
【0059】
(サーバ装置の構成例)
次に、サーバ装置300の構成例について説明する。
図3は、サーバ装置300の構成例を示す図である。
【0060】
図3に示すように、サーバ装置300は、通信部310と、記憶部320と、処理部330とを有する。
【0061】
通信部310は、有線又は無線でネットワーク10と接続される通信インターフェイスを含む。通信部310は、ネットワーク10を介して、端末装置100、資源回収装置200、及び通信装置400と通信する。
【0062】
記憶部320は、処理部330が実行する情報処理に用いる各種情報を記憶する。記憶部320は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置を含む。処理部330は、記憶部320に情報を記憶させたり、記憶部320に記憶された情報を更新したりする。
【0063】
図4は、記憶部320が記憶する情報の一例を示す図である。
図4において、必須ではない情報を破線で示している。
【0064】
図4に示すように、記憶部320は、商品ごとに、商品識別子と、提供時点情報と、提供場所情報と、廃棄時点情報と、廃棄場所情報と、経過時間情報とのうち少なくとも1つを記憶する。
【0065】
商品識別子は、商品を識別する個体識別子である。提供時点情報は、物品(商品50)が消費者に対して提供された提供時点(販売時点)を示す情報である。提供場所情報は、物品(商品50)が消費者に対して提供された提供場所(商品提供場所)を示す情報である。提供場所情報には、フランチャイズ店又はチェーン店等の店舗を運営する事業者(企業)の情報が含まれてもよい。廃棄時点情報は、物品(例えば、商品50の容器包装51)が廃棄された廃棄時点を示す情報である。廃棄場所情報は、物品(例えば、商品50の容器包装51)が廃棄された廃棄場所を示す情報である。経過時間情報は、提供時点情報が示す提供時点(販売時点)から廃棄時点情報が示す廃棄時点までの時間を示す情報である。
【0066】
処理部330は、通信部310が受信する情報及び記憶部320が記憶する情報に基づいて各種情報処理を実行する。処理部330は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリとを含む。
【0067】
第1に、処理部330は、端末装置100からの提供通知メッセージを通信部310が受信すると、提供通知メッセージに含まれる商品識別子及び提供場所情報を取得し、取得した商品識別子及び提供場所情報を対応付けて記憶部320に記憶させる。
【0068】
ここで、端末装置100の設置場所が固定である場合、記憶部320が提供場所情報を端末装置100の識別子と対応付けて予め記憶していてもよい。この場合、端末装置100は、提供通知メッセージをサーバ装置300に送信する際に、端末装置100の識別子を提供通知メッセージに含める。処理部330は、この識別子に基づいて提供場所情報を特定する。
【0069】
また、処理部330は、提供通知メッセージに基づいて提供時点情報を特定し、特定した提供時点情報を商品識別子と対応付けて記憶部320に記憶させる。提供通知メッセージが提供時点情報を含む場合、処理部330は、提供通知メッセージに含まれる提供時点情報を取得することにより提供時点情報を特定する。
【0070】
一方、端末装置100が、物品の提供が検知されたときに直ちに提供通知メッセージをサーバ装置300に送信する場合、提供通知メッセージは提供時点情報を含まなくてもよい。この場合、処理部330は、端末装置100からの提供通知メッセージを通信部310が受信した時点を提供時点とみなして、この受信時点を示す情報を提供時点情報として特定する。
【0071】
第2に、処理部330は、資源回収装置200からの廃棄通知メッセージを通信部310が受信すると、廃棄通知メッセージに含まれる商品識別子及び廃棄場所情報を取得し、取得した商品識別子及び廃棄場所情報を対応付けて記憶部320に記憶させる。
【0072】
ここで、資源回収装置200の設置場所が固定である場合、記憶部320が廃棄場所情報を資源回収装置200の識別子と対応付けて予め記憶していてもよい。この場合、資源回収装置200は、廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する際に、資源回収装置200の識別子を廃棄通知メッセージに含める。処理部330は、この識別子に基づいて廃棄場所情報を特定する。
【0073】
また、処理部330は、廃棄通知メッセージに基づいて廃棄時点情報を特定し、特定した廃棄時点情報を商品識別子と対応付けて記憶部320に記憶させる。廃棄通知メッセージが廃棄時点情報を含む場合、処理部330は、廃棄通知メッセージに含まれる廃棄時点情報を取得することにより廃棄時点情報を特定する。
【0074】
一方、資源回収装置200が、物品の廃棄が検知されたときに直ちに廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する場合、廃棄通知メッセージは廃棄時点情報を含まなくてもよい。この場合、処理部330は、資源回収装置200からの廃棄通知メッセージを通信部310が受信した時点を廃棄時点とみなして、この受信時点を示す情報を廃棄時点情報として特定する。
【0075】
このようにして、処理部330は、提供通知メッセージ及び廃棄通知メッセージに基づいて、商品識別子と提供時点情報と廃棄時点情報とを対応付ける。端末装置100が店舗に設けられる場合、販売時点情報が提供時点情報に相当する。
【0076】
第3に、処理部330は、商品識別子と提供時点情報と廃棄時点情報との対応付けに基づいて、この商品識別子が示す商品50が提供されてから廃棄されるまでの経過時間を算出する。処理部330は、商品50ごとの経過時間情報を蓄積し、同種の商品50について経過時間の統計値(例えば、平均値)を算出してもよい。
【0077】
第4に、処理部330は、通信部310を介して、
図4に示すような情報を商品提供事業者の通信装置400に送信する。ここで、処理部330は、経過時間に関する経過時間情報を通信装置400に送信する。経過時間情報は、処理部330が算出した経過時間又はその統計値を含んでもよいし、処理部330が対応付けた提供時点及び廃棄時点のセットを含んでもよい。
【0078】
(資源回収システムの動作例)
次に、第1実施形態に係る資源回収システム1の動作例について説明する。
図5は、第1実施形態に係る資源回収システム1の動作例を示す図である。
図5において、必須ではないステップを破線で示している。
【0079】
図5に示すように、ステップS101において、端末装置100は、消費者に対する物品(商品50)の提供を検知する。
【0080】
ステップS102において、端末装置100は、消費者に対して提供された物品(商品50)を識別する商品識別子を含む提供通知メッセージをサーバ装置300に送信する。提供通知メッセージは、提供時点情報を含んでもよい。
【0081】
ステップS103において、サーバ装置300は、端末装置100からの提供通知メッセージに基づいて提供時点情報を特定する。サーバ装置300は、特定した提供時点情報を商品識別子と対応付けて記憶する。
【0082】
その後、ステップS104において、資源回収装置200は、物品(例えば、商品50の容器包装51)を廃棄しようとする消費者に対する認証処理を行う。消費者の認証に成功した場合、資源回収装置200は、物品の廃棄(投入)を受付ける。
【0083】
ステップS105において、資源回収装置200は、廃棄物に付された電子タグ52から商品識別子を読取る。
【0084】
ステップS106において、資源回収装置200は、ステップS105で読取った商品識別子を含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。廃棄通知メッセージは、廃棄時点情報を含んでもよい。
【0085】
ステップS107において、サーバ装置300は、資源回収装置200からの廃棄通知メッセージに基づいて廃棄時点情報を特定する。
【0086】
ステップS108において、サーバ装置300は、ステップS107で特定した廃棄時点情報と、ステップS103で特定した提供時点情報と、商品識別子とを対応付ける。
【0087】
ステップS109において、サーバ装置300は、ステップS108での対応付けに基づいて経過時間を算出する。
【0088】
ステップS110において、サーバ装置300は、経過時間に関する経過時間情報及び商品識別子のセットを通信装置400に送信する。
【0089】
[第1実施形態の変更例]
次に、第1実施形態に係る資源回収システム1の動作の変更例について説明する。
【0090】
商品が消費者に提供されてから廃棄されるまでの経過時間は、消費者の特性(例えばライフスタイル)に応じて異なり得る。本変更例では、経過時間情報を消費者ごとに導出することにより、消費者ごとに梱包・保冷材等を最適化できるようにする。
【0091】
図6は、本変更例に係るサーバ装置300が記憶及び管理する情報の一例を示す図である。
図6において、必須ではない情報を破線で示している。
【0092】
図6に示すように、サーバ装置300は、商品ごとに、商品識別子と、消費者識別子と、提供時点情報と、提供場所情報と、廃棄時点情報と、廃棄場所情報と、経過時間情報とのうち少なくとも1つを記憶する。消費者識別子は、商品識別子が示す商品が提供された消費者を識別する識別子である。すなわち、本変更例に係るサーバ装置300は、商品識別子と対応付けて消費者識別子をさらに管理する点で上述した第1実施形態と異なる。
【0093】
図7は、第1実施形態に係る資源回収システム1の動作の第1変更例を示す図である。ここでは、上述した第1実施形態に係る資源回収システム1の動作(
図5参照)との相違点について説明する。
【0094】
図7に示すように、ステップS102aにおいて、端末装置100は、消費者に対して提供された物品(商品50)を識別する商品識別子と、この消費者を識別する消費者識別子とを含む提供通知メッセージをサーバ装置300に送信する。例えば、商品50の決済に電子決済を用いる場合、この電子決済の情報から消費者識別子を得ることができる。サーバ装置300は、端末装置100からの提供通知メッセージに含まれる商品識別子及び消費者識別子を取得し、商品識別子及び消費者識別子を対応付けて管理する。
【0095】
ステップS110aにおいて、サーバ装置300は、商品識別子と消費者識別子と経過時間情報とのセットを通信装置400に送信する。
【0096】
図8は、第1実施形態に係る資源回収システム1の動作の第2変更例を示す図である。ここでは、上述した第1実施形態に係る資源回収システム1の動作(
図5参照)との相違点について説明する。
【0097】
図8に示すように、ステップS106aにおいて、資源回収装置200は、ステップS105で読取った商品識別子と、ステップS104での個人認証により認識した消費者の消費者識別子とを含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、資源回収装置200からの廃棄通知メッセージに含まれる商品識別子及び消費者識別子を取得し、商品識別子及び消費者識別子を対応付けて管理する。
【0098】
ステップS110aにおいて、サーバ装置300は、商品識別子と消費者識別子と経過時間情報とのセットを通信装置400に送信する。
【0099】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、上述した第1実施形態との相違点を主として説明する。
図9は、第2実施形態に係る資源回収システム1の構成を示す図である。
【0100】
図9に示すように、第2実施形態に係る資源回収システム1は、書込装置500をさらに有する点で第1実施形態と異なる。書込装置500は、商品50を消費者に対して提供する商品提供場所に設けられる装置(タグライタ)である。第2実施形態において、端末装置100は、タグリーダ101を有していなくてもよい。或いは、タグリーダ101は、書込装置500と一体化されていてもよい。また、第2実施形態に係る端末装置100は、必ずしもサーバ装置300との通信を行わなくてもよい。
【0101】
書込装置500は、商品50に付された電子タグ52に、この商品50の提供時点を示す提供時点情報を書込む。その結果、電子タグ52には、商品識別子に加えて、提供時点情報が書込まれた状態になる。
【0102】
第2実施形態において、資源回収装置200は、廃棄物に付された電子タグ52から商品識別子及び提供時点情報を読出し、商品識別子及び提供時点情報を含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、廃棄通知メッセージに含まれる提供時点情報に基づいて提供時点を特定する。
【0103】
書込装置500は、商品50が消費者に対して提供された提供場所を示す提供場所情報を電子タグ52にさらに書込んでもよい。提供場所情報は、商品提供場所を示す緯度経度情報、又は商品提供場所に対応する施設(例えば店舗)の名称を示す施設情報である。提供場所情報には、フランチャイズ店又はチェーン店等の店舗を運営する事業者(企業)の情報が含まれてもよい。
【0104】
この場合、資源回収装置200は、電子タグ52から提供場所情報をさらに読み出し、提供場所情報をさらに含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、廃棄通知メッセージに含まれる提供場所情報を取得する。
【0105】
次に、第2実施形態に係る資源回収システム1の動作例について説明する。
図10は、第2実施形態に係る資源回収システム1の動作例を示す図である。
図10において、必須ではないステップを破線で示している。
【0106】
図10に示すように、ステップS201において、書込装置500は、消費者に対する物品(商品50)の提供を検知する。
【0107】
ステップS202において、書込装置500は、提供時点情報を電子タグ52に書込む。
【0108】
その後、ステップS203において、資源回収装置200は、物品(例えば、商品50の容器包装51)を廃棄しようとする消費者に対する認証処理を行う。消費者の認証に成功した場合、資源回収装置200は物品の廃棄(投入)を受付ける。
【0109】
ステップS204において、資源回収装置200は、廃棄物に付された電子タグ52から商品識別子及び提供時点情報を読取る。
【0110】
ステップS205において、資源回収装置200は、ステップS205で読取った商品識別子及び提供時点情報を含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。廃棄通知メッセージは、廃棄時点情報を含んでもよい。
【0111】
ステップS206において、サーバ装置300は、資源回収装置200からの廃棄通知メッセージに基づいて、提供時点情報及び廃棄時点情報を特定する。ここで、サーバ装置300は、廃棄通知メッセージに含まれる提供時点情報を取得することにより提供時点情報を特定する。
【0112】
ステップS207において、サーバ装置300は、ステップS206で特定した提供時点情報及び廃棄時点情報と、商品識別子とを対応付ける。
【0113】
ステップS208において、サーバ装置300は、ステップS207での対応付けに基づいて経過時間を算出する。
【0114】
ステップS209において、サーバ装置300は、経過時間に関する経過時間情報及び商品識別子のセットを通信装置400に送信する。
【0115】
[第2実施形態の変更例]
商品が消費者に提供されてから廃棄されるまでの経過時間は、消費者の特性(例えばライフスタイル)に応じて変化し得る。本変更例では、このような経過時間情報を消費者ごとに導出することにより、消費者個ごとに梱包・保冷材等を最適化できるようにする。
【0116】
本変更例に係るサーバ装置300が記憶及び管理する情報は、第1実施形態の変更例(
図6参照)と同様である。具体的には、本変更例に係る書込装置500は、物品(商品50)に付された電子タグ52に消費者識別子をさらに書き込む。資源回収装置200は、電子タグ52から消費者識別子を読み出し、消費者識別子をさらに含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。これにより、サーバ装置300は、商品識別子と消費者識別子とを対応付けて管理する。
【0117】
図11は、第2実施形態に係る資源回収システム1の動作の変更例を示す図である。ここでは、上述した第2実施形態に係る資源回収システム1の動作(
図10参照)との相違点について説明する。
【0118】
図11に示すように、ステップS202aにおいて、書込装置500は、提供時点情報を電子タグ52に書込むとともに、物品(商品50)が提供された消費者を識別する消費者識別子を電子タグ52に書込む。例えば、商品50の決済に電子決済を用いる場合、この電子決済の情報から消費者識別子を得ることができる。
【0119】
ステップS204aにおいて、資源回収装置200は、廃棄物に付された電子タグ52から、商品識別子、消費者識別子、及び提供時点情報を読取る。
【0120】
ステップS205aにおいて、資源回収装置200は、ステップS205で読取った商品識別子、消費者識別子、及び提供時点情報を含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。廃棄通知メッセージは、廃棄時点情報を含んでもよい。
【0121】
ステップS206aにおいて、サーバ装置300は、資源回収装置200からの廃棄通知メッセージに基づいて、提供時点情報及び廃棄時点情報を特定する。ここで、サーバ装置300は、廃棄通知メッセージに含まれる提供時点情報を取得することにより提供時点情報を特定する。
【0122】
ステップS207aにおいて、サーバ装置300は、ステップS206で特定した提供時点情報及び廃棄時点情報と、商品識別子と、消費者識別子とを対応付ける。
【0123】
ステップS209aにおいて、サーバ装置300は、商品識別子と消費者識別子と経過時間情報とのセットを通信装置400に送信する。
【0124】
[第3実施形態の概要]
消費者は、店舗で商品を購入した後、商品を消費し、商品の包装又は容器(以下、「容器包装」と呼ぶ)を廃棄する。例えば、商品50が食品又は飲料である場合、消費者は、店舗で食品又は飲料を購入した後、食品又は飲料を摂取し、その容器包装を廃棄する。近年、電子決済サービスが普及しつつあり、電子決済情報を利用することで、どの消費者がどの商品を購入したかを把握できると考えられる。
【0125】
しかしながら、電子決済サービスを利用していない消費者及び店舗は多いのが現状である。また、一人の消費者が複数人分の商品をまとめて購入する場合があり、個々の消費者が実際にどの商品を消費したかを把握することが難しい。
【0126】
第3実施形態に係る資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。前記資源回収システムは、消費者により廃棄された前記物品を回収する資源回収装置と、前記資源回収装置と通信するサーバ装置とを備える。前記資源回収装置は、前記消費者を識別する消費者識別子及び前記廃棄された物品を識別する商品識別子を前記サーバ装置に送信する。前記物品は、商品の包装又は容器を含む。前記サーバ装置は、前記資源回収装置から受信する前記消費者識別子及び前記商品識別子に基づいて、前記消費者が消費した前記商品の履歴を示す消費履歴情報を管理する。
【0127】
これにより、どの消費者がどの商品を消費したかを資源回収装置からサーバ装置に通知し、サーバ装置が、消費した商品の履歴を消費者ごとに把握及び管理できるため、例えば各消費者の健康管理を支援するといった付加価値の高いサービスを提供可能になる。
【0128】
[第3実施形態]
第3実施形態について、第1及び第2実施形態との相違点を主として説明し、類似又は同一の構成の説明を省略する。
【0129】
(資源回収システムの構成例)
まず、第3実施形態に係る資源回収システムの構成例について説明する。資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。ここで物品とは、資源として再利用され得るものであれば如何なる物でもよいが、例えば商品及び商品の容器包装のうち少なくとも一方が物品に含まれる。
図12は、第3実施形態に係る資源回収システム1の構成を示す図である。
【0130】
図12に示すように、資源回収システム1は、端末装置100と、資源回収装置200と、サーバ装置300と、通信装置400とを有する。
図12において、端末装置100、資源回収装置200、及び通信装置400のそれぞれを1つのみ図示しているが、端末装置100、資源回収装置200、及び通信装置400のそれぞれを複数設けてもよい。
【0131】
端末装置100、資源回収装置200、サーバ装置300、及び通信装置400は、ネットワーク10と接続されている。ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、及びインターネットのうち少なくとも1つを含む。
【0132】
端末装置100は、商品50を消費者に対して販売する店舗に設けられる装置である。店舗は、例えば、コンビニエンスストア又はスーパーマーケット等である。このような店舗に設けられる端末装置100は、POS(Point Of Sales)端末又はPOSレジと呼ばれることがある。
【0133】
商品50は、例えば食品又は飲料である。商品50は、電子タグ52が付された容器包装51を含む。但し、電子タグ52は、容器包装51を除く商品本体に付されていてもよい。電子タグ52には、少なくとも、商品50を識別する商品識別子が書込まれている。商品識別子は商品50の個体識別子であるものとするが、商品識別子が商品50の商品名であってもよいし、商品識別子が個体識別子及び商品名のセットであってもよい。
【0134】
電子タグ52は、パッシブ型、アクティブ型、又はセミアクティブ型の電子タグ52である。以下において、パッシブ型の電子タグ52を用いる一例を主として想定する。パッシブ型の電子タグ52は、電波を受けて発電して駆動電力を生成可能であるため、バッテリが不要である。
【0135】
端末装置100は、電子タグ52から情報を読取る動作及び電子タグ52に情報を書込む動作のうち少なくとも一方を行うタグリーダ・ライタ102を有していてもよい。例えば、端末装置100は、商品50が消費者に販売されるとき、タグリーダ・ライタ102を用いて、商品50に付された電子タグ52から情報を読取る。端末装置100は、電子タグ52から読取った情報を含む販売通知メッセージをサーバ装置300に送信する。タグリーダ・ライタ102は、消費者を識別する消費者識別子、商品50の販売場所(店舗)を示す販売場所情報、及び商品50の販売時点を示す販売時点情報のうち、少なくとも1つの情報を電子タグ52に書込んでもよい。
【0136】
資源回収装置200は、消費者により廃棄された物品である廃棄物を回収する装置である。廃棄物は、例えば商品50の容器包装51である。資源回収装置200は、通信機能を有するごみ箱であり、スマートごみ箱と呼ばれてもよい。資源回収装置200は、屋内(例えば、消費者宅内又は店舗内)に設けられてもよいし、屋外(店舗周辺又は路上)に設けられてもよい。資源回収装置200は、イベント会場等に一時的に設けられるごみ箱であってもよい。
【0137】
資源回収装置200は、既存のごみ箱に取り付けられる装置、又はごみ箱の一部を構成する装置であってもよい。資源回収装置200には、回収するべき廃棄物の種別(いわゆる、分別種別)が設定されていてもよい。
【0138】
資源回収装置200は、資源回収装置200に対して廃棄物を廃棄する消費者を特定する消費者特定部204と、この消費者が廃棄した廃棄物(商品50)を特定する商品特定部205とを有する。消費者特定部204及び商品特定部205は、それらの機能の少なくとも一部が共通化されていてもよい。消費者特定部204は、サーバ装置300と連携して消費者を特定してもよい。商品特定部205は、サーバ装置300と連携して商品を特定してもよい。
【0139】
消費者特定部204は、消費者を撮影するカメラを有し、この撮影結果を用いて消費者を特定してもよい。消費者特定部204は、消費者が所持するチケット又は携帯端末からバーコード(又は二次元コード)を読取るバーコードリーダを有し、この読取り結果を用いて消費者を特定してもよい。消費者特定部204は、消費者が所持するICカード又は携帯端末とのNFC(Near Field Communication)の無線通信を行う無線通信部を有し、この通信結果を用いて消費者を特定してもよい。
【0140】
商品特定部205は、廃棄物に付された電子タグ52から商品識別子を読取るタグリーダを有し、この読取り結果を用いて商品50を特定してもよい。商品特定部205は、廃棄物を撮影するカメラを有し、この撮影結果を用いて商品50を特定してもよい。商品特定部205は、廃棄物に付されたバーコード(又は二次元コード)を読取るバーコードリーダを有し、この読取り結果を用いて商品50を特定してもよい。以下においては、商品特定部205がタグリーダを有する構成を主として説明する。
【0141】
資源回収装置200は、特定された消費者の消費者識別子及び特定された商品の商品識別子を含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。ここで、資源回収装置200は、消費者識別子及び商品識別子を互いに対応付けてサーバ装置300に送信する。
【0142】
サーバ装置300は、ネットワーク10を介して、端末装置100、資源回収装置200、及び通信装置400と通信する装置である。サーバ装置300は、資源回収装置200から受信する消費者識別子及び商品識別子に基づいて、消費者が消費した商品50の履歴を示す消費履歴情報を管理する。消費履歴情報は、消費者を識別する消費者識別子と、この消費者が消費した各商品50の商品識別子とを含む情報である。消費履歴情報は、消費者が消費した各商品50の廃棄時点を示す廃棄時点情報をさらに含んでもよい。
【0143】
サーバ装置300は、消費履歴情報に基づいて、消費者が摂取した栄養素、カロリー、及びアレルギー物質の少なくとも1つを示す摂取情報を管理してもよい。アレルギー物質とは、例えば、卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、及びそば等である。
【0144】
摂取情報は、所定期間(例えば、1日、1週間、又は1ヶ月等)内に消費者が摂取した栄養素、摂取カロリー、及びアレルギー物質の少なくとも1つの統計値を含んでもよい。統計値は、合計値、平均値、最大値、又は最小値であってもよい。サーバ装置300は、消費者が摂取した栄養素に基づいて、不足している栄養素を特定し、不足している栄養素を示す情報及び推奨する献立を示す情報のうち、少なくとも一方の情報を摂取情報に含めてもよい。
【0145】
資源回収装置200は、廃棄物の重量を計測し、計測した重量に関する重量計測情報をさらに含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信してもよい。サーバ装置300は、重量計測情報に基づいて、消費者による食品の食べ残し又は飲料の飲み残しの量を示す廃棄量情報を管理してもよい。サーバ装置300は、廃棄量情報に基づいて摂取情報を修正してもよい。
【0146】
サーバ装置300は、消費者に健康被害(例えば、食中毒)が生じた場合、この消費者の消費履歴情報に基づいて、この消費者が摂取した商品50の中から健康被害の原因になった商品50を判定し、判定結果を示す原因商品情報を管理してもよい。ここで、サーバ装置300は、複数の消費者のうち2以上の消費者に健康被害が生じた場合、当該2以上の消費者のそれぞれの消費履歴情報に基づいて、当該2以上の消費者が共通して摂取した商品(商品名)を健康被害の原因として推定してもよい。
【0147】
サーバ装置300は、特定の商品に問題(例えば、異物混入)が発見された場合、消費履歴情報に基づいて、特定の商品と同種の商品であって特定の商品に関連する関連商品を消費者が消費したか否かを判定し、判定結果を示す関連消費者情報を管理してもよい。関連商品は、特定の商品と同じロットで製造された商品であってもよい。
【0148】
サーバ装置300は、消費履歴情報、摂取情報、廃棄量情報、原因商品情報、及び関連消費者情報のうち少なくとも1つの情報を通信装置400に送信する。サーバ装置300は、通信装置400からの要求に応じて情報を通信装置400に送信してもよい。
【0149】
通信装置400は、消費者が所持する通信端末であってもよい。例えば、消費者は、摂取情報に基づいて、自身が実際にどのような栄養素又はアレルギー物質を摂取したのかを把握したり、自身がどの程度のカロリーを摂取したのかを把握したりすることができる。
【0150】
通信装置400は、商品50(食品又は飲料)を製造又は販売する事業者の通信端末又はサーバであってもよい。例えば、事業者は、廃棄量情報に基づいて、商品50の廃棄量を把握し、新たに提供する商品50の内容量を調整できる。事業者は、消費履歴情報に含まれる廃棄時点情報に基づいて、販売された商品50がどのくらいの期間をおいて消費(摂取)されたかを推定し、商品50の消費期限を適切に設定できる。
【0151】
通信装置400は、消費者と関連付けられた医療機関又はフィットネス事業者の通信端末又はサーバであってもよい。例えば、医療機関又はフィットネス事業者は、摂取情報に基づいて、消費者の摂取カロリーや栄養素を把握し、この消費者の健康管理や食事管理に用いることができる。
【0152】
通信装置400は、自治体又は公的機関(役所)の通信端末又はサーバであってもよい。例えば、食品による食中毒又は異物混入事件などが発生した場合、自治体又は公的機関は、原因商品情報や関連消費者情報に基づいて、食中毒発生源などを突き止めることが容易になる。
【0153】
(資源回収装置の構成例)
次に、資源回収装置200の構成例について説明する。
図13は、資源回収装置200の構成例を示す図である。
図13において、必須ではない構成を破線で示している。
【0154】
図13に示すように、資源回収装置200は、上述した消費者特定部204及び商品特定部205に加えて、開口部202と、格納スペース203と、開閉部210と、計測部230と、通信部240と、電源部250と、制御部260とを有する。
【0155】
消費者特定部204は、制御部260の制御下で、廃棄物を廃棄する消費者を特定し(すなわち、個人認証を行い)、消費者識別子を制御部260に出力する。
【0156】
商品特定部205は、制御部260の制御下で、廃棄物に付された電子タグ52からタグリーダを用いて情報(商品識別子を含む)を読取り、読取った情報を制御部260に出力する。電子タグ52には、店舗の端末装置100のタグリーダ・ライタ102が書込んだ情報が格納されていてもよい。タグリーダ・ライタ102が書込んだ情報には、消費者を識別する消費者識別子、商品50の販売場所(店舗)を示す販売場所情報、及び商品50の販売時点を示す販売時点情報のうち、少なくとも1つの情報が含まれてもよい。
【0157】
商品特定部205は、開口部202が閉状態であるときに読取り動作を行わずに、開口部202が開状態であるときに読取り動作を行ってもよい。読取り動作は、タグリーダから電波を送信する動作を含む。開口部202が閉状態であるときに読取り動作を行わないことにより、資源回収装置200の電力消費量を抑制できる。
【0158】
商品特定部205は、格納スペース203に蓄積された各廃棄物の電子タグ52から一括して商品識別子を読取る動作を周期的に行ってもよい。制御部260は、前回の読取り時に比べて今回の読取り時の商品識別子が増加した場合、この増加分の商品識別子を新たに廃棄された廃棄物の商品識別子とみなしてもよい。
【0159】
開口部202は、資源回収装置200の表面又は側面と格納スペース203との間に設けられる開口である。開口部202を介して廃棄物が格納スペース203に投入される。
【0160】
格納スペース203は、廃棄物を格納するスペースである。格納スペース203には、交換式の容器又はごみ袋が設けられてもよい。
【0161】
開閉部210は、開口部202に設けられ、制御部260の制御下で開口部202を開閉する。開閉部210は、開口部202を覆う蓋(シャッター)と、この蓋を開閉するアクチュエータとを含む。開閉部210において、蓋が開いている状態を開状態と呼び、蓋が閉じている状態を閉状態と呼ぶ。
【0162】
計測部230は、制御部260の制御下で、格納スペース203における廃棄量又は空き容量を計測し、計測結果を示す情報を制御部260に出力する。計測部230は、格納スペース203に蓄積された廃棄物の重量を計測する重量センサを含む。計測部230は、格納スペース203に蓄積された廃棄物の高さを計測するセンサ(例えば、超音波センサ)、及び廃棄物の投入回数(開閉部210における開状態及び閉状態の切替わり回数)を計数するカウンタのうち少なくとも1つを含んでもよい。制御部260は、前回の重量計測時に比べて今回の重量計測時(新たな廃棄物が投入されたときの重量計測時)の重量が増加した場合、この増加分の重量を新たに廃棄された廃棄物の重量とみなしてもよい。
【0163】
通信部240は、有線又は無線でネットワーク10と接続される通信インターフェイスを含む。通信部240は、ネットワーク10を介してサーバ装置300と通信する。
【0164】
電源部250は、資源回収装置200の各部に駆動電力を供給する。例えば、電源部250は、商品特定部205による読取り動作に用いる駆動電力、及び開閉部210のアクチュエータの開閉動作に用いる駆動電力を供給する。電源部250は、バッテリ(一次電池又は二次電池)を含んでもよいし、商用電力系統からの電力を変換する電力変換部を含んでもよい。電源部250は、太陽電池等の発電部を含んでもよい。電源部250が発電部を有する場合、電池交換、又は外部から資源回収装置200への給電を抑制できる。
【0165】
制御部260は、電源部250に含まれる発電部(例えば、太陽電池)が出力する電力を上記の駆動電力として用いるように電源部250を制御する。例えば、制御部260は、晴れているときは太陽電池の発電電力をそのまま駆動に利用するように太陽電池を制御する。制御部260は、駆動が必要ではないときは、その発電電力を二次電池等に充電してもよい。制御部260は、雨もしくは曇り若しくは影がある時(太陽電池が発電しないとき)は、電力系統からの電力を二次電池に充電するもしくはそのまま駆動に利用してもよい。ここで、制御部260は、太陽電池の出力電力に基づいて天候を判定してもよいし、通信部240を介して外部サーバから取得する天候情報に基づいて天候を判定してもよい。この天候情報は、資源回収装置200の設置位置を含む地域の現在の天候及び将来の天候の少なくとも一方を示す情報である。
【0166】
制御部260は、資源回収装置200の各部を制御する。制御部260は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリとを含む。
【0167】
制御部260は、消費者特定部204を用いて特定した消費者が正当な消費者(例えば、予めサーバ装置300に登録された消費者)である場合、開閉部210を閉状態から開状態に切り替えてもよい。一方、制御部260は、消費者特定部204を用いて特定した消費者が正当な消費者ではない場合、開閉部210を閉状態に維持してもよい。これにより、正当な権限を有する消費者のみが資源回収装置200を利用可能になり、危険物を廃棄するといった不法な廃棄を抑制できる。
【0168】
ここで、制御部260は、特定した消費者について、サーバ装置300に問い合わせ又は要求を行って、消費者が正当か否かを判断してもよい。もしくは、サーバ装置300が正当か否かを判断し、その結果を資源回収装置200に通知し、制御部260はそれに従って開閉を制御してもよい。
【0169】
制御部260は、開閉部210を閉状態から開状態に切り替えた後、閉条件が満たされた場合、開閉部210を開状態から閉状態に切り替えてもよい。閉条件は、1)開状態に切り替えてから一定時間が経過したという条件、2)商品特定部205が新たに廃棄物の電子タグ52から情報を読取ったという条件、3)商品特定部205が新たに廃棄物の電子タグ52から情報を読取ってから一定時間が経過したという条件、4)消費者特定部204が同一の消費者について2回目の認証を行ったという条件のうち少なくとも1つを含む。4)の閉条件は、例えば、消費者がICカードを消費者特定部204に翳すことにより開閉部210を開状態に切り替え、廃棄物の廃棄後にICカードを消費者特定部204に翳すことにより開閉部210を閉状態に切り替えるといった場合を想定している。
【0170】
制御部260は、消費者特定部204が出力する消費者識別子及び商品特定部205が出力する商品識別子を取得し、取得した商品識別子及び商品識別子を含む廃棄通知メッセージを生成し、通信部240を介して廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。
【0171】
制御部260は、個々の廃棄物の重量(すなわち、商品50の廃棄時の重量)を示す重量計測情報を廃棄通知メッセージにさらに含めてもよい。制御部260は、計時機能を有し、廃棄物の廃棄時点を示す廃棄時点情報(タイムスタンプ)を生成し、この廃棄時点情報を商品識別子と対応付けてもよい。
【0172】
制御部260は、新たに廃棄物が廃棄される度に廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信してもよい。或いは、制御部260は、廃棄通知メッセージに含めるべき情報を所定時間にわたって蓄積(バッファ)し、蓄積した情報を含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信してもよい。例えば、廃棄通知メッセージを送信する条件は、周期的な送信周期に応じた送信機会が到来したことであってもよいし、バッファ蓄積量が閾値を超えたことであってもよい。送信条件が満たされるまで廃棄通知メッセージの送信を保留する場合、資源回収装置200のデータ通信量及び電力消費量を抑制できる。
【0173】
制御部260は、廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する際に、資源回収装置200の設置場所(すなわち、廃棄場所)を示す廃棄場所情報を廃棄通知メッセージに含めてもよい。廃棄場所情報は、資源回収装置200の設置場所を示す位置情報、又は資源回収装置200の設置場所に対応する施設(例えば店舗)の名称を示す施設情報である。廃棄場所情報は、制御部260が予め記憶していてもよい。資源回収装置200がGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を有している場合、GNSS位置情報を廃棄場所情報としてもよい。
【0174】
資源回収装置200の設置場所が固定である場合、サーバ装置300が廃棄場所情報を資源回収装置200の識別子と対応付けて予め記憶していてもよい。この場合、制御部260は、廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する際に、資源回収装置200の識別子を廃棄通知メッセージに含める。サーバ装置300は、資源回収装置200の識別子に基づいて廃棄場所情報を特定できる。なお、資源回収装置200の識別子は、廃棄通知メッセージに常に含まれてもよい。
【0175】
(サーバ装置の構成例)
次に、サーバ装置300の構成例について説明する。第3実施形態に係るサーバ装置300の構成例を示す図は、第1実施形態に係るサーバ装置300の構成例を示す図と同様である。よって以下において
図3を参照して、第3実施形態に係るサーバ装置300の構成例について説明する。なお、第1実施形態に係るサーバ装置300の構成例との相違点を主として説明し、類似又は同一の構成の説明を省略する。
【0176】
第3実施形態において、通信部310は、資源回収装置200から廃棄通知メッセージを受信する。通信部310は、端末装置100から販売通知メッセージを受信してもよい。
【0177】
第3実施形態において、記憶部320は、商品50に関する商品情報と、上述した消費履歴情報とを記憶する。処理部330は、記憶部320に記憶される商品情報及び消費履歴情報を管理する。
【0178】
図14は、記憶部320が記憶する商品情報の一例を示す図である。処理部330は、商品50を製造又は販売する事業者から商品情報を取得し、取得した商品情報を管理してもよい。処理部330は、商品情報が電子タグ52に書込まれている場合、商品情報を含む廃棄通知メッセージを資源回収装置200から通信部310が受信すると、廃棄通知メッセージに含まれる商品情報を取得し、取得した商品情報を管理してもよい。
【0179】
図14に示すように、商品情報は、商品50ごとに、商品識別子と、カロリー情報と、栄養素情報と、アレルギー物質情報と、重量情報と、原材料情報と、消費期限情報と、生産場所情報と、販売場所情報とのうち、少なくとも1つを含む。
【0180】
商品識別子は、商品50を識別する識別子である。
【0181】
カロリー情報は、商品50のカロリーを示す情報である。
【0182】
栄養素情報は、商品50に含まれる栄養素及びその量を示す情報である。
【0183】
アレルギー物質情報は、商品50に含まれるアレルギー物質を示す情報である。
【0184】
重量情報は、商品50の総重量、この商品50の容器包装51の重量(容器包装重量)、及びこの商品50の内容量(容器包装重量を除く商品50の重量)のうち少なくとも1つを示す情報である。
【0185】
原材料情報は、商品50の原材料を示す情報である。消費期限情報は、商品50の消費期限(賞味期限)を示す情報である。
【0186】
生産場所情報は、商品50の生産場所(生産地、工場)を示す情報である。生産場所情報は、商品50を生産(製造)した工場において商品50が生産されたロット番号を含んでもよい。
【0187】
販売場所情報は、商品50の販売場所(店舗)を示す情報である。販売場所情報は、店舗の端末装置100のタグリーダ・ライタ102により電子タグ52に書込まれた情報であってもよい。販売場所情報には、フランチャイズ店又はチェーン店等の店舗を運営する事業者(企業)の情報が含まれてもよい。
【0188】
図15は、記憶部320が記憶する消費履歴情報の一例を示す図である。処理部330は、消費者識別子及び商品識別子を含む廃棄通知メッセージを資源回収装置200から通信部310が受信すると、廃棄通知メッセージに含まれる消費者識別子及び商品識別子を取得し、取得した消費者識別子及び商品識別子を用いて消費履歴情報を更新する。処理部330は、販売通知メッセージを端末装置100から通信部310が受信すると、販売通知メッセージに含まれる情報を取得し、取得した情報を用いて消費履歴情報を更新してもよい。
【0189】
図15に示すように、消費履歴情報は、消費者ごとに、この消費者の消費者識別子と、この消費者が消費した各商品50の商品識別子(商品識別子#1、#2、#3・・・)とのうち少なくとも1つを含む。
【0190】
各商品識別子には、販売時点情報と、販売場所情報と、廃棄時点情報と、廃棄場所情報と、廃棄量情報とのうち少なくとも1つが対応付けられていてもよい。
【0191】
販売時点情報は、対応する商品50の販売時点を示す情報である。販売時点情報は、店舗の端末装置100のタグリーダ・ライタ102により電子タグ52に書込まれた情報であってもよいし、端末装置100から受信する販売通知メッセージに含まれる情報であってもよい。販売時点情報には、フランチャイズ店又はチェーン店等の店舗を運営する事業者(企業)の情報が含まれてもよい。
【0192】
販売場所情報は、対応する商品50の販売場所(例えば、店舗名、店舗位置)を示す情報である。販売場所情報は、店舗の端末装置100のタグリーダ・ライタ102により電子タグ52に書込まれた情報であってもよいし、端末装置100から受信する販売通知メッセージに含まれる情報であってもよい。販売場所情報には、フランチャイズ店又はチェーン店等の店舗を運営する事業者(企業)の情報が含まれてもよい。
【0193】
廃棄時点情報は、対応する商品50の廃棄時点を示す情報である。廃棄時点情報は、資源回収装置200から受信する廃棄通知メッセージに含まれる情報であってもよいし、処理部330が廃棄通知メッセージの受信時点に基づいて廃棄時点を推定して得られる情報であってもよい。
【0194】
廃棄場所情報は、対応する商品50の廃棄場所を示す情報である。廃棄場所情報は、資源回収装置200から受信する廃棄通知メッセージに含まれる情報であってもよいし、処理部330が廃棄通知メッセージの送信元識別子(すなわち、資源回収装置200の識別子)に基づいて廃棄場所を特定して得られる情報であってもよい。
【0195】
廃棄量情報は、対応する商品50の廃棄量を示す情報である。廃棄量とは、商品50の廃棄時の重量から、その容器包装重量を減算した重量である。例えば、処理部330は、商品情報に含まれる重量情報及び廃棄通知メッセージに含まれる重量計測情報に基づいて廃棄量を算出し、算出した廃棄量を示す廃棄量情報を商品識別子と対応付けて管理する。
【0196】
処理部330は、通信部310が受信する情報及び記憶部320が記憶する情報に基づいて各種情報処理を実行する。処理部330は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリとを含む。
【0197】
処理部330は、通信部310が受信する情報に基づいて、
図14に示す商品情報及び
図15に示す消費履歴情報を管理する。具体的には、処理部330は、資源回収装置200から通信部310が受信する消費者識別子及び商品識別子に基づいて、この消費者が消費した商品50の履歴を示す消費履歴情報(
図15参照)を管理する。また、処理部330は、管理している消費履歴情報を、通信部310を介して通信装置400に送信する。
【0198】
処理部330は、商品情報及び消費履歴情報に基づいて、消費者が摂取した栄養素、カロリー、及びアレルギー物質の少なくとも1つを示す摂取情報を管理する。また、処理部330は、管理している摂取情報を、通信部310を介して通信装置400に送信する。
図16は、記憶部320が記憶する摂取情報の一例を示す図である。
【0199】
図16に示すように、摂取情報は、消費者ごとに、この消費者の消費者識別子と、摂取栄養素情報と、摂取カロリー情報と、摂取アレルギー物質情報とのうち少なくとも1つを含む。
【0200】
摂取栄養素情報は、消費者が摂取した栄養素及びその量を示す情報である。処理部330は、廃棄通知メッセージに含まれる商品識別子に対応する栄養素情報を商品情報から取得し、取得した栄養素情報を用いて、この廃棄通知メッセージに含まれる消費者識別子に対応する摂取栄養素情報を更新する。摂取栄養素情報は、所定期間(例えば、1日、1週間、又は1ヶ月等)内に消費者が摂取した栄養素及びその量の統計値であってもよい。例えば、処理部330は、ある1日内に消費者が摂取した栄養素及びその量として、ビタミンCを合計a[g]、ビタミンDを合計b[g]、鉄分を合計c[g]、カルシウムを合計d[g]、・・・といった情報を摂取栄養素情報として管理する。
【0201】
摂取カロリー情報は、消費者が摂取したカロリーを示す情報である。処理部330は、廃棄通知メッセージに含まれる商品識別子に対応するカロリー情報を商品情報から取得し、取得したカロリー情報を用いて、この廃棄通知メッセージに含まれる消費者識別子に対応する摂取カロリー情報を更新する。摂取カロリー情報は、所定期間(例えば、1日、1週間、又は1ヶ月等)内に消費者が摂取したカロリーの統計値であってもよい。例えば、処理部330は、ある1ヶ月内において消費者が摂取した1日あたりの摂取カロリーの平均値がA[kcal]であるといった情報を摂取カロリー情報として管理する。
【0202】
摂取アレルギー物質情報は、消費者が摂取したアレルギー物質及びその量を示す情報である。処理部330は、廃棄通知メッセージに含まれる商品識別子に対応するアレルギー物質情報を商品情報から取得し、取得したアレルギー物質情報を用いて、この廃棄通知メッセージに含まれる消費者識別子に対応する摂取アレルギー物質情報を更新する。摂取アレルギー物質情報は、所定期間(例えば、1日、1週間、又は1ヶ月等)内に消費者が摂取したアレルギー物質及びその量の統計値であってもよい。例えば、処理部330は、ある1日内に消費者が摂取したアレルギー物質及びその量として、卵を合計x[g]、乳を合計y[g]、小麦を合計z[g]・・・といった情報を摂取アレルギー物質情報として管理する。
【0203】
上述したように、処理部330は、廃棄通知メッセージに含まれる重量計測情報に基づいて、商品50ごとに、消費者による食品の食べ残し又は飲料の飲み残しの量を示す廃棄量情報(
図15参照)を管理する。また、処理部330は、管理している廃棄量情報を、通信部310を介して通信装置400に送信する。
【0204】
処理部330は、廃棄量情報に基づいて摂取情報を修正してもよい。例えば、処理部330は、廃棄量情報及び商品情報に基づいて、廃棄量に対応する栄養素及びその量、廃棄量に対応するカロリー、廃棄量に対応するアレルギー物質及びその量を判定し、これらの判定結果を摂取情報から減じることにより摂取情報を修正する。これにより、消費者が摂取した栄養素、カロリー、及びアレルギー物質の情報をより正確に管理できる。
【0205】
処理部330は、2人以上の消費者に健康被害(例えば、食中毒)が生じたことを示す情報を通信装置400から通信部310が受信すると、当該2人以上の消費者のそれぞれの消費者識別子に対応する消費履歴情報を記憶部320から取得する。処理部330は、当該2人以上の消費者のそれぞれの消費履歴情報に基づいて、当該2以上の消費者が共通して摂取した商品(商品名)を健康被害の原因として推定してもよい。処理部330は、商品情報に含まれる販売場所情報及び生産場所情報のうち少なくとも一方を考慮して、健康被害の原因となった商品50を推定してもよい。例えば、処理部330は、当該2以上の消費者が同じ販売場所で購入した商品50を健康被害の原因として推定してもよい。処理部330は、健康被害の原因となった商品50の判定結果(推定結果)を示す原因商品情報を、通信部310を介して通信装置400に送信する。
【0206】
処理部330は、特定の商品に問題(例えば、異物混入)が発見されたことを示す情報を通信装置400から通信部310が受信すると、管理している消費履歴情報に基づいて、当該特定の商品と同種の商品(商品名が同じ商品)であって当該特定の商品に関連する関連商品を消費者が消費(摂取)したか否かを判定する。例えば、処理部330は、商品名「abc」の商品に異物混入が発見された場合、管理している複数の消費者の消費履歴情報及び管理している商品情報に基づいて、商品名「abc」の商品を摂取した消費者を特定する。さらに、処理部330は、商品情報に含まれる生産場所情報に基づいて、商品名「abc」の商品であって、同一のロットで生産された商品(関連商品)を摂取した消費者を特定してもよい。処理部330は、特定した消費者を示す関連消費者情報を、通信部310を介して通信装置400に送信する。
【0207】
(資源回収システムの動作例)
次に、資源回収システム1の動作例について説明する。
図17は、資源回収システム1の動作例を示す図である。
図17において、必須ではないステップを破線で示している。
【0208】
図17に示すように、ステップS301において、端末装置100は、消費者に対する商品50の販売を検知する。
【0209】
ステップS302において、端末装置100は、消費者に対して販売された商品50に関する情報を含む販売通知メッセージをサーバ装置300に送信する。販売通知メッセージは、上述した商品情報を構成する一部の情報(例えば、販売場所情報)及び消費履歴情報を構成する一部の情報(例えば、販売時点情報、販売場所情報)を含んでもよい。或いは、端末装置100は、これらの情報をタグリーダ・ライタ102により電子タグ52に書込んでもよい。
【0210】
その後、ステップS303において、資源回収装置200は、商品50の容器包装51を廃棄しようとする消費者を特定する。消費者の特定に成功した場合、資源回収装置200は、廃棄物の廃棄(投入)を受付ける。
【0211】
ステップS304において、資源回収装置200は、廃棄物に付された電子タグ52から情報を読取る。電子タグ52から読取られる情報には、商品識別子が含まれる。電子タグ52から読取られる情報には、上述した商品情報を構成する少なくとも一部の情報が含まれてもよい。
【0212】
ステップS305において、資源回収装置200は、ステップS303で特定した消費者の消費者識別子とステップS304で読取った情報(商品識別子を含む)とを含む廃棄通知メッセージをサーバ装置300に送信する。廃棄通知メッセージは、廃棄時点情報、廃棄場所情報、及び重量計測情報のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0213】
ステップS306において、サーバ装置300は、資源回収装置200からの廃棄通知メッセージに基づいて、消費履歴情報及び摂取情報を更新する。具体的には、サーバ装置300は、廃棄通知メッセージに含まれる消費者識別子及び商品識別子を取得し、取得した消費者識別子及び商品識別子を用いて消費履歴情報を更新する。また、サーバ装置300は、この商品識別子と対応付けて、販売時点情報、販売場所情報、廃棄時点情報、廃棄場所情報、及び廃棄量情報を管理する。また、サーバ装置300は、商品情報及び消費履歴情報に基づいて、消費者が摂取した栄養素、カロリー、及びアレルギー物質の少なくとも1つを示す摂取情報を管理する。サーバ装置300は、廃棄量情報に基づいて摂取情報を修正してもよい。
【0214】
ステップS307において、サーバ装置300は、管理している消費履歴情報及び摂取情報を通信装置400に送信する。
【0215】
このように、第3実施形態によれば、どの消費者がどの商品を消費したかを資源回収装置200からサーバ装置300に通知し、サーバ装置300が、消費した商品の履歴を消費者ごとに把握及び管理できるため、例えば各消費者の健康管理を支援するといった付加価値の高いサービスを提供可能になる。
【0216】
図18は、消費者に健康被害(例えば、食中毒)が生じた場合における資源回収システム1の動作例を示す図である。
【0217】
図18に示すように、ステップS401において、サーバ装置300は、2人以上の消費者に健康被害(例えば、食中毒)が生じたことを示す情報(健康被害通知)を通信装置400から受信する。この健康被害通知には、当該2人以上の消費者のそれぞれの商品識別子が含まれる。
【0218】
ステップS402において、サーバ装置300は、当該2人以上の消費者のそれぞれの消費者識別子に対応する消費履歴情報に基づいて、当該2以上の消費者が共通して摂取した商品(商品名)を健康被害の原因として推定する。サーバ装置300は、商品情報に含まれる販売場所情報及び生産場所情報のうち少なくとも一方を考慮して、健康被害の原因となった商品50を推定してもよい。
【0219】
ステップS403において、サーバ装置300は、健康被害の原因となった商品50の判定結果(推定結果)を示す原因商品情報を通信装置400に送信する。
【0220】
図19は、特定の商品に問題(例えば、異物混入)が発見された場合における資源回収システム1の動作例を示す図である。
【0221】
図19に示すように、ステップS501において、サーバ装置300は、特定の商品に問題(例えば、異物混入)が発見されたことを示す情報(問題発見通知)を通信装置400から受信する。この問題発見通知には、当該特定の商品の商品識別子が含まれる。
【0222】
ステップS502において、サーバ装置300は、管理している消費履歴情報に基づいて、当該特定の商品と同種の商品(商品名が同じ商品)であって当該特定の商品に関連する関連商品を消費(摂取)した消費者を特定する。
【0223】
ステップS503において、サーバ装置300は、特定した消費者を示す関連消費者情報を通信装置400に送信する。
【0224】
[その他の実施形態]
上述した第1乃至第3実施形態に係る各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0225】
以上、図面を参照して第1乃至第3実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0226】
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。第1乃至第3実施形態に係る資源回収システム、サーバ装置、資源回収装置、及び方法は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」、「11.住み続けられるまちづくりを」及び「12.つくる責任 つかう責任」の目標などの達成に貢献し得る。
【0227】
本願は、日本国特許出願第2020-048401号(2020年3月18日出願)及び日本国特許出願第2020-048419号(2020年3月18日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。