IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ギャズトランスポルト エ テクニギャズの特許一覧

<>
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図1
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図2
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図3
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図4
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図5
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図6
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図7
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図8
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図9
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図10
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図11
  • 特開-断熱密閉タンク壁 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038440
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】断熱密閉タンク壁
(51)【国際特許分類】
   F17C 3/02 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
F17C3/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024006382
(22)【出願日】2024-01-18
(62)【分割の表示】P 2021509866の分割
【原出願日】2019-08-06
(31)【優先権主張番号】1857653
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】515220317
【氏名又は名称】ギャズトランスポルト エ テクニギャズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】デレトレ ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】ドラノエ セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】サッシ モハメド
(72)【発明者】
【氏名】ランドル ピエール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】取り付け時に封止メンブレンが及ぼす応力に耐えるのに十分な機械的抵抗を維持しつつ、封止メンブレンの断熱バリアへの摺動取り付けを改善する。
【解決手段】波形金属プレートを有する封止メンブレン(6)と、長手方向に延びる溝(27)を有する断熱バリア(5)と、断熱バリアによって支えられた少なくとも1つの溶接支持体(26)であって、溝に保持された下部(28)と、断熱バリア上に配置された上部(30)と、下部を上部に接続する溶接支持体の中間部(29)とを有する溶接支持体とを備え、少なくとも1つの溶接支持体は、長手方向において溝に摺動可能なように取り付けられ、波形金属プレートは、溶接支持体の上部に溶接され、溶接支持体の上部は、溝に隣接し断熱バリアに形成された座ぐり(32)に収容され、それにより溶接支持体の上部が、封止メンブレンと断熱バリアとの間かつ支持面(31)の延長に配置される、断熱密閉タンク壁。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを貯蔵するための密封断熱タンクを形成するための密封断熱タンク壁(1)であって、
前記タンクに含まれる前記液化ガスと接触するように意図された封止メンブレン(6)であって、波形金属プレート(21)を有する封止メンブレン(6)と、
前記封止メンブレン(6)のための支持面(31)を形成し、長手方向に延びる溝(27)を有する断熱バリア(5)と、
前記断熱バリア(5)によって支えられた少なくとも1つの溶接支持体(26)であって、前記支持面(31)に垂直な方向において前記断熱バリア(5)の前記溝(27)に保持された下部(28)と、前記支持面(31)に平行な上部(30)と、前記下部(28)を前記上部(30)に接続する中間部(29)であって、前記断熱バリア(5)の厚さ方向において前記溝(27)に配された中間部(29)とを有する溶接支持体(26)と
を備え、
前記少なくとも1つの溶接支持体(26)は、前記長手方向において前記溝(27)に摺動可能に取り付けられ、前記波形金属プレート(21)は、前記溶接支持体(26)の前記上部(30)に溶接され、
前記溶接支持体(26)の前記上部(30)は、前記溝(27)に隣接し前記断熱バリア(5)に形成された座ぐり(32)に収容され、それにより前記溶接支持体(26)の前記上部(30)が、前記封止メンブレン(6)と前記断熱バリア(5)との間かつ前記支持面(31)の延長に配置される、タンク壁(1)。
【請求項2】
前記溝は長手方向溝であり、前記縁部は第1の縁部であり、前記溶接支持体は第1の溶接支持体であり、前記断熱バリアは、前記長手方向に垂直な横方向に延びる横方向溝を有し、前記壁は、下部が前記断熱バリアの前記横方向溝に保持された第2の溶接支持体を備え、前記横方向に延びる前記波形金属プレートの第2の縁部が、前記第2の溶接支持体の上部に溶接される、請求項1に記載のタンク壁(1)。
【請求項3】
前記溝(27)は、前記断熱バリア(5)において、前記厚さ方向に延びる入口ゾーン(33)を有し、前記溝(27)は、前記入口ゾーン(33)の下方に配され、前記入口ゾーン(33)よりも広い幅にわたって前記支持面(31)に平行に確立された保持ゾーン(34)を有し、前記溶接支持体(26)の前記下部(28)は、前記保持ゾーン(34)に収容される、請求項1または請求項2に記載のタンク壁(1)。
【請求項4】
前記保持ゾーン(34)は、前記入口ゾーン(33)の両側において前記支持面(31)に平行に確立され、前記溶接支持体(26)は、第1のセグメント(35)および第2のセグメント(36)を有し、前記第1のセグメント(35)は、前記支持面(31)に垂直な方向において前記断熱バリア(5)の前記保持ゾーン(34)に保持された下部(28)と、前記支持面(31)に平行であり、前記溝(27)に隣接する前記座ぐり(32)に収容された上部(30)であって、それにより前記第1のセグメント(35)の前記上部(30)が前記封止メンブレン(6)と前記断熱バリア(5)との間かつ前記支持面(31)の延長に配置される、上部(30)と、前記第1のセグメント(35)の前記下部(28)を前記第1のセグメント(35)の前記上部(30)に接続する中間部(29)であって、前記断熱バリア(5)の厚さ方向において前記溝(27)に配された中間部(29)とを有し、前記第2のセグメント(36)は、前記第1のセグメント(35)の前記下部(28)の前記方向と反対の方向において前記断熱バリア(5)の前記保持ゾーン(34)に保持された下部(28)と、前記第1のセグメント(35)の前記中間部(29)に溶接された中間部(29)とを有し、前記第1のセグメント(35)の前記上部(30)は、前記波形金属プレート(21)に溶接される、請求項3に記載のタンク壁
(1)。
【請求項5】
前記座ぐり(32)は第1の座ぐり(32)であり、前記断熱バリア(5)は第2の座ぐり(32)を有し、前記第1の座ぐり(32)および前記第2の座ぐり(32)は、前記溝(27)の両側に配置され、前記第2のセグメント(36)は、前記支持面(31)に平行であり前記第2の座ぐり(32)に収容された上部(30)であって、それにより前記第2のセグメント(36)の上部(30)が前記封止メンブレン(6)と前記断熱バリア(5)との間かつ前記支持面(31)の延長に配置される、上部(30)を有し、前記第2のセグメント(36)の前記中間部(29)は、前記第2のセグメント(36)の前記下部(28)を前記第2のセグメント(36)の前記上部(30)に接続する、請求項4に記載のタンク壁(1)。
【請求項6】
前記溝(27)は、前記断熱バリア(5)において、前記厚さ方向に延びる入口ゾーン(33)を有し、前記入口ゾーン(33)は、前記溝(27)の壁に取り付けられた留め具(37)を有し、前記溶接支持体(26)の前記下部(28)は、前記留め具(37)に摺動可能に収容される、請求項1または請求項2に記載のタンク壁(1)。
【請求項7】
前記下部(28)はフック(38)を有し、前記留め具(37)は対向するフック(39)を有し、前記フック(38)は前記対向するフック(39)に収容される、請求項6に記載のタンク壁(1)。
【請求項8】
前記溶接支持体(26)の前記上部(30)に溶接された前記金属プレート(21)は、第1の金属プレート(21)であり、前記封止メンブレン(6)は、2つの前記金属プレート(21)の間に封止された重なり(24)を形成するように前記第1の金属プレート(21)の上方に溶接されたオフセット部分(25)を有する第2の波形金属プレート(21)を有し、前記溶接支持体(26)の前記上部(30)と前記第1の金属プレート(21)との間の前記溶接部(98)は、前記第2の金属プレート(21)の前記オフセット部分(25)の下方に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載のタンク壁(1)。
【請求項9】
前記断熱バリア(5)は、複数の並置された平行六面体断熱パネル(15)を有し、前記溶接支持体(26)の前記下部(28)は、前記断熱バリア(5)の1つの断熱パネル(15)に保持され、前記座ぐり(32)は、前記断熱パネル(15)に形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のタンク壁(1)。
【請求項10】
前記断熱バリア(5)は、複数の並置された平行六面体断熱パネル(15)を有し、前記溝(27)は、前記断熱バリア(5)の2つの隣接する断熱パネル(15)の間に配置され、それにより前記入口ゾーン(33)がパネル間空間となる、請求項1から9のいずれか一項に記載のタンク壁(1)。
【請求項11】
前記断熱バリア(5)は、複数の並置された平行六面体断熱パネル(15)を有し、前記溝(27)は、前記断熱バリア(5)の1つの断熱パネル(15)の中心に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載のタンク壁(1)。
【請求項12】
前記断熱バリア(5)は、複数の並置された平行六面体断熱パネル(15)を有し、前記溝(27)は、1つの断熱パネル(15)の縁部の近傍に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載のタンク壁(1)。
【請求項13】
前記溝(27)は第1の溝(27)であり、前記断熱バリア(5)は、前記第1の溝(27)から距離を空けて前記長手方向に延びる第2の溝(27)を有し、前記座ぐり(3
2)は2つの前記溝(27)の間に延び、前記溶接支持体(26)の前記上部(30)は、2つの前記溝(27)の間に延びる前記座ぐり(32)に収容され、前記下部(28)は第1の下部(28)であり、前記中間部(29)は第1の中間部(29)であり、前記溶接支持体(26)は、第2の下部(28)と、前記第2の下部(28)を前記溶接支持体(26)の前記上部(30)に接続する第2の中間部(29)とを有し、それにより、前記第1の下部(28)および前記第1の中間部(29)が前記第1の溝(27)に配置され、かつ、前記第2の下部(28)および前記第2の中間部(29)が、前記第1の溝(27)とは別の前記第2の溝(27)に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載のタンク壁(1)。
【請求項14】
各下部(28)は、前記長手方向において互いに離隔した複数の下部部分によって形成され、各中間部(29)は、前記長手方向において互いに離隔した複数の中間部部分によって形成され、それにより各中間部部分が、前記下部部分の1つを前記上部(30)に接続する、請求項13に記載のタンク壁(1)。
【請求項15】
前記上部(30)は第1の上部(30)であり、前記断熱バリア(5)は、前記横方向に延びる第3の溝(27)と、前記第3の溝(27)に隣接し前記横方向に延びる第4の溝(27)とを有し、前記溶接支持体(26)は、前記第3の溝(27)と前記第4の溝(27)との間に延びる横方向座ぐり(32)に収容された第2の上部(30)を有し、前記第3および第4の溝(27)は、前記第1および第2の溝(27)と交差する、請求項13または請求項14に記載のタンク壁(1)。
【請求項16】
第3の中間部(29)が、前記第3の溝(27)の入口ゾーン(33)に配置され、前記第2の上部(30)に接続され、第4の中間部(29)が、前記第4の溝(27)の入口ゾーン(33)に配置され、前記第2の上部(30)に接続される、請求項15に記載のタンク壁(1)。
【請求項17】
前記断熱バリア(5)は一次断熱バリア(5)であり、前記封止メンブレン(6)は一次封止メンブレン(6)であり、前記タンク壁(1)は、前記一次断熱バリア(5)の下方に配置された二次封止メンブレン(4)と、前記二次封止メンブレン(4)の下方に配置され、前記二次封止メンブレン(4)のための支持面(31)を形成する複数の並置された平行六面体断熱パネル(7)を有する二次断熱バリア(3)とをさらに備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のタンク壁(1)。
【請求項18】
前記二次封止メンブレン(4)は、前記長手方向に平行な複数のストレーキ(13)を有し、1つのストレーキ(13)は、前記二次断熱バリア(3)の前記断熱パネル(7)の上面に載る平坦な中央部分と、前記中央部分に対して前記一次封止メンブレン(6)に向かって突出する2つの隆起した縁部(14)とを有し、前記ストレーキ(13)は、反復パターンに従って前記長手方向に垂直な横方向に並置され、前記隆起した縁部(14)において共に封止可能に溶接され、固定翼が、前記二次断熱バリア(3)の前記断熱パネルに固定され、前記二次断熱バリア(3)上に前記二次封止メンブレン(4)を保持するために、前記長手方向に平行に、前記並置されたストレーキ(13)の間に配置される、請求項17に記載のタンク壁(1)。
【請求項19】
液化ガスを受容するための内部空間を形成するように共に封止可能に取り付けられた複数の壁を備え、前記タンク壁(1)の少なくとも1つは、請求項1から18のいずれか一項に記載のタンク壁である、支持構造内に配された密封断熱タンク(71)。
【請求項20】
二重船体(72)と、前記二重船体内に配された請求項19に記載のタンク(71)とを備える、低温の液体製品を輸送するための船舶(70)。
【請求項21】
請求項20に記載の船舶(70)と、前記船舶の前記船体内に設置された前記タンク(71)を水上または陸上の貯蔵設備(77)に接続するように配置された断熱パイプライン(73、79、76、81)と、低温の液体製品の流れを、前記水上または陸上の貯蔵設備と前記船舶の前記タンクとの間で前記断熱パイプラインを通して運ぶためのポンプとを備える、低温の液体製品のための移送システム。
【請求項22】
低温の液体製品が、水上または陸上の貯蔵設備(77)と前記船舶の前記タンク(71)との間で断熱パイプライン(73、79、76、81)を通して送られる、請求項20に記載の船舶(70)の荷積みまたは荷降ろしを行うための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンブレンを有する密封断熱タンクの分野に関する。特に、本発明は、例えば-50℃から0℃の間の温度を有する液化石油ガス(LPGとも称される)を輸送する、または大気圧下で約-162℃の液化天然ガス(LNG)を輸送するためのタンクなどの、低温の液化ガスを貯蔵および/または輸送するための密封断熱タンクの分野に関する。これらのタンクは、陸上または水上の構造物に設置され得る。水上構造物の場合、タンクは、水上構造物を推進させるための燃料として使用される液化ガスを輸送する、または液化ガスを受容するように意図されたものであり得る。
【背景技術】
【0002】
文献WO2014/167227は、支持壁を備える構造物内に液化ガスを貯蔵するための密封断熱タンクを開示している。タンクは、支持壁に取り付けられたタンク壁であって、並置された複数の断熱ブロックから構成される断熱バリアと、共に封止可能に溶接された複数の波形シートから構成される封止メンブレンとを含むタンク壁を備える。
【0003】
封止メンブレンを断熱バリアに取り付けるために、レールの形態の保持要素が、断熱バリアの断熱ブロックに形成された溝に挿入される。次いで、封止メンブレンを形成する複数のシートが、それらの縁部を介して、その縁部において溝に挿入されたレールに溶接される。したがって、封止メンブレンの各シートは、レールの長さ方向の平行移動性を維持するように断熱バリアに取り付けられている。実際、レールが溝に摺動可能に取り付けられていることで、メンブレンのシートはレールと同じ移動性を維持している。したがって、メンブレンのシートの縁部の変位が自由になっており、メンブレンの応力が減少する。
【0004】
しかしながら、先行技術の文献の保持要素にはいくつかの欠点がある。実際、これらは特に複雑で高価な設計に関連する。さらに、長期間にわたって封止メンブレンが受ける応力を吸収するために、これらの要素の機械的抵抗を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の背景にある1つの発想は、取り付け時に封止メンブレンが及ぼす応力に耐えるのに十分な機械的抵抗を維持しつつ、封止メンブレンの断熱バリアへの摺動取り付けを改善することである。
【0006】
一実施形態によれば、本発明は、液化ガスを貯蔵するための密封断熱タンクを形成するための密封断熱タンク壁であって、
タンクに含まれる液化ガスと接触するように意図された封止メンブレンであって、波形金属プレートを有する封止メンブレンと、
封止メンブレンのための支持面を形成し、長手方向に延びる溝を有する断熱バリアと、
断熱バリアによって支えられた少なくとも1つの溶接支持体であって、支持面に垂直な方向において断熱バリアの溝に保持された下部と、支持面に平行な上部と、下部を上部に接続する中間部であって、断熱バリアの厚さ方向において溝に配された中間部とを有する溶接支持体と
を備え、
少なくとも1つの溶接支持体は、長手方向において溝に摺動可能に取り付けられ、波形金属プレートは、溶接支持体の上部に溶接され、
溶接支持体の上部は、溝に隣接し断熱バリアに形成された座ぐりに収容され、それにより溶接支持体の上部が、封止メンブレンと断熱バリアとの間かつ支持面の延長に配置される、タンク壁を提供する。
【0007】
長手方向は、波形金属プレートの縁部の1つに平行な方向として定義される。
【0008】
これらの特徴により、溶接支持体は、溝への溶接支持体の摺動組付けによる長手方向の自由度を維持しつつ、封止メンブレンを断熱バリアに取り付けることを可能にする。この自由度により、温度変動の間に断熱バリアに対して金属プレートの縁部がわずかに動くことが可能となり、これにより、応力の集中が抑制されるとともに、波形プレートが受ける力および動きの分布が改善され、それにより封止メンブレンの疲労が抑制される。
【0009】
さらに、溶接支持体の上部は、断熱バリアに生成された座ぐりに置かれ、これにより、溶接支持体を断熱バリアの支持面の延長に配置することが可能になり、したがって波形金属プレートの追加の機械加工の必要がなくなることで、組立体の製造コストが抑制される。さらに、座ぐりは、溶接支持体の上部が断熱バリアによって支持されることを可能とし、その結果、溶接支持体の上部の機械的な力、特にタンク壁の厚さ方向において封止メンブレンにかかる圧力応力が、断熱バリアに伝達される。
【0010】
複数の実施形態によれば、そのようなタンク壁は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有し得る。
【0011】
一実施形態によれば、溶接支持体は、溝と同じ方向に延びる細長の要素である。
【0012】
一実施形態によれば、タンク壁は、溝に保持された複数の溶接支持体を備える。溶接支持体は、互いに離隔され得る、または溝内で連続的に配され得る。
【0013】
一実施形態によれば、長手方向に延びる波形金属プレートの縁部は、溶接支持体の上部に溶接される。
【0014】
一実施形態によれば、溝は長手方向溝であり、縁部は第1の縁部であり、溶接支持体は第1の溶接支持体であり、断熱バリアは、長手方向に垂直な横方向に延びる横方向溝を有し、壁は、下部が断熱バリアの横方向溝に保持された第2の溶接支持体を有し、横方向に延びる波形金属プレートの第2の縁部は、第2の溶接支持体の上部に溶接される。
【0015】
一実施形態によれば、溝は、断熱バリアにおいて、厚さ方向に延びる入口ゾーンを有し、溝は、入口ゾーンの下方に配され、入口ゾーンよりも広い幅にわたって支持面に平行に確立される保持ゾーンを有し、溶接支持体の下部は、保持ゾーンに収容される。
【0016】
これにより、保持ゾーンは、溶接支持体の下部の動きを妨げ、したがって溶接支持体全体の動きを妨げることが断熱バリアの厚さ方向において改善されることを可能とする。
【0017】
一実施形態によれば、保持ゾーンは、入口ゾーンの両側において支持面に平行に確立され、溶接支持体は、第1のセグメントおよび第2のセグメントを有し、第1のセグメントは、支持面に垂直な方向において断熱バリアの保持ゾーンに保持された下部と、支持面に平行であり、溝に隣接する座ぐりに収容された上部であって、それにより第1のセグメントの上部が封止メンブレンと断熱バリアとの間かつ支持面の延長に配置される、上部と、第1のセグメントの下部を第1のセグメントの上部に接続する中間部であって、断熱バリアの厚さ方向において溝に配された中間部とを有し、第2のセグメントは、第1のセグメントの下部の方向と反対の方向において断熱バリアの保持ゾーンに保持された下部と、第1のセグメントの中間部に溶接された中間部とを有し、第1のセグメントの上部は、波形金属プレートに溶接される。
【0018】
これらの特徴により、第1のセグメントは、封止メンブレンを断熱バリアに摺動可能に取り付けることを可能とする。さらに、第2のセグメントは、特に中間部において溶接支持体を強化することを可能とし、横方向、すなわち溶接支持体の下部の方向において溶接支持体の動きを抑制することを可能とする。第2のセグメントはまた、波形金属プレートが受ける力を断熱バリアの表面積の2倍にわたって分散させることにより、溶接支持体の垂直荷重抵抗、並びに溶接支持体の溝から引き抜きに対する抵抗を増加させることを可能とする。
【0019】
一実施形態によれば、座ぐりは第1の座ぐりであり、断熱バリアは第2の座ぐりを有し、第1の座ぐりおよび第2の座ぐりは、溝の両側に配置され、第2のセグメントは、支持面に平行であり第2の座ぐりに収容された上部であって、それにより第2のセグメントの上部が封止メンブレンと断熱バリアとの間かつ支持面の延長に配置される、上部を有し、第2のセグメントの中間部は、第2のセグメントの下部を第2のセグメントの上部に接続する。
【0020】
これらの特徴により、第2のセグメントの上部は、断熱バリアに生成された第2の座ぐりに置かれ、これにより、溶接支持体を断熱バリアの支持面の延長に配置することが可能になり、したがって波形金属プレートの追加の機械加工の必要がなくなることで、組立体の製造コストが抑制される。さらに、第2の座ぐりは、第2のセグメントの上部が断熱バリアによって支持されることを可能とし、これにより、特にタンク壁の厚さ方向において応力が封止メンブレンにかかった場合の、溶接支持体の抵抗が改善される。
【0021】
一実施形態によれば、溝は、断熱バリアにおいて、厚さ方向に延びる入口ゾーンを有し、入口ゾーンは、溝の壁に取り付けられた留め具を有し、溶接支持体の下部は、留め具に摺動可能に収容される。
【0022】
これにより、留め具は、溶接支持体の下部の動きを妨げ、よって全体として溶接支持体の動きを妨げることが断熱バリアの厚さ方向において改善されることを可能とする。
【0023】
一実施形態によれば、下部はフックを有し、留め具は対向するフックを有し、フックは対向するフックに収容される。
【0024】
一実施形態によれば、留め具は第1の留め具であり、入口ゾーンは、第1の留め具の反対側に溝の壁に取り付けられた第2の留め具を有し、溶接支持体は、第1のセグメントおよび第2のセグメントを有し、第1のセグメントは、支持面に垂直な方向において断熱バリアの第1の留め具に保持された下部と、支持面に平行であり、溝に隣接する座ぐりに収容された上部であって、それにより第1のセグメントの上部が封止メンブレンと断熱バリアとの間かつ支持面の延長に配置される、上部とを有し、第1のセグメントの中間部が下部を上部に接続し、中間部は、断熱バリアの厚さ方向において入口ゾーンに配され、第2のセグメントは、断熱バリアの第2の留め具に保持された下部と、第1のセグメントの中間部に溶接された第2のセグメントの中間部とを有する。
【0025】
これらの特徴により、第1のセグメントは、封止メンブレンを断熱バリアに摺動可能に取り付けることを可能とする。さらに、第2のセグメントは、特に中間部において溶接支持体を強化することを可能とし、また、横方向、すなわち溶接支持体の下部の方向において溶接支持体の動きを抑制することを可能とする。
【0026】
一実施形態によれば、座ぐりは第1の座ぐりであり、断熱バリアは第2の座ぐりを有し、第1の座ぐりおよび第2の座ぐりは、溝の両側に配置され、第2のセグメントは、支持面に平行であり第2の座ぐりに収容された上部であって、それにより第2のセグメントの
上部が封止メンブレンと断熱バリアとの間かつ支持面の延長に配置される、上部を有し、第2のセグメントの中間部は、第2のセグメントの下部を第2のセグメントの上部に接続する。
【0027】
一実施形態によれば、溶接支持体の上部に溶接された金属プレートは、第1の金属プレートであり、封止メンブレンは、2つの金属プレートの間に封止された重なりを形成するように第1の金属プレートの上方に溶接されたオフセット部分を有する第2の波形金属プレートを有し、溶接支持体の上部と第1の金属プレートとの間の溶接部は、第2の金属プレートのオフセット部分の下方に配置される。
【0028】
一実施形態によれば、断熱バリアは、複数の並置された平行六面体断熱パネルを有し、溶接支持体の上部は、断熱バリアの1つの断熱パネルに保持され、座ぐりは、前記断熱パネルに形成される。
【0029】
一実施形態によれば、断熱バリアは、複数の並置された平行六面体断熱パネルを有し、溝は、断熱バリアの2つの隣接する断熱パネルの間に配置され、それにより入口ゾーンがパネル間空間となる。
【0030】
これらの特徴により、入口ゾーンは断熱パネルの機械加工を必要とせず、2つのパネルを特定の距離を空けて配置するのみを必要とする。
【0031】
一実施形態によれば、断熱バリアは、複数の並置された平行六面体断熱パネルを有し、溝は、断熱バリアの1つの断熱パネルの中心に配置される。
【0032】
一実施形態によれば、断熱バリアは、複数の並置された平行六面体断熱パネルを有し、溝は、1つの断熱パネルの縁部の近傍に配置される。
【0033】
「断熱パネルの縁部の近傍」という表現は、縁部からの距離が断熱パネルの横方向寸法の0から10%の範囲となる位置に当該要素があることを意味する。
【0034】
一実施形態によれば、溝は第1の溝であり、断熱バリアは、第1の溝から距離を空けて長手方向に延びる第2の溝を有し、座ぐりは2つの溝の間に延び、溶接支持体の上部は、2つの溝の間に延びる座ぐりに収容され、下部は第1の下部であり、中間部は第1の中間部であり、溶接支持体は、第2の下部と、第2の下部を溶接支持体の上部に接続する第2の中間部とを有し、それにより、第1の下部および第1の中間部が第1の溝に配置され、かつ、第2の下部および第2の中間部が、第1の溝とは別の第2の溝に配置される。
【0035】
一実施形態によれば、下部の少なくとも1つまたは各々は、長手方向において互いに離隔した複数の下部部分によって形成され、中間部の少なくとも1つまたは各々は、長手方向において互いに離隔した複数の中間部部分によって形成され、それにより各中間部部分が、下部部分の1つを上部に接続する。
【0036】
一実施形態によれば、上部は第1の上部であり、断熱バリアは、横方向に延びる第3の溝と、第3の溝に隣接し横方向に延びる第4の溝とを有し、溶接支持体は、第3の溝と第4の溝との間に延びる横方向座ぐりに収容された第2の上部を有し、第3および第4の溝は、第1および第2の溝と交差する。
【0037】
一実施形態によれば、第3の中間部が、第3の溝に配置され、第2の上部に接続され、第4の中間部が、第4の溝に配置され、第2の上部に接続される。
【0038】
一実施形態によれば、断熱バリアは一次断熱バリアであり、封止メンブレンは一次封止メンブレンであり、タンク壁は、一次断熱バリアの下方に配置された二次封止メンブレンと、二次封止メンブレンの下方に配置され、二次封止メンブレンのための支持面を形成する複数の並置された平行六面体断熱パネルを有する二次断熱バリアとをさらに備える。
【0039】
一実施形態によれば、二次封止メンブレンは、長手方向に平行な複数のストレーキを有し、1つのストレーキは、二次断熱バリアの断熱パネルの上面に載る平坦な中央部分と、中央部分に対して一次封止メンブレンに向かって突出する2つの隆起した縁部とを有し、ストレーキは、反復パターンに従って長手方向に垂直な横方向に並置され、隆起した縁部において共に封止可能に溶接され、固定翼が、二次断熱バリアの断熱パネルに固定され、二次断熱バリア上に二次封止メンブレンを保持するために、長手方向に平行に、並置されたストレーキの間に配置される。
【0040】
一実施形態によれば、二次断熱バリアは、長手方向に平行な複数の二次列を有し、1つの二次列は、複数の並置された平行六面体二次断熱パネルを有し、二次列は、反復パターンに従って横方向に並置され、二次列の反復パターンの寸法は、横方向におけるストレーキの寸法の整数倍である。
【0041】
一実施形態によれば、一次断熱バリアは、長手方向に平行な複数の一次列を有し、1つの一次列は、複数の並置された平行六面体一次断熱パネルを有し、二次列上に積層され、一次列は、反復パターンに従って横方向に並置され、一次列の反復パターンの寸法は、横方向における二次列の反復パターンの寸法と等しい。
【0042】
一実施形態によれば、一次封止メンブレンは、長手方向に平行であり横方向において反復パターンに従って配された第1の波形と、第1の波形の間に配置され一次断熱パネルの上面に載る平坦部分とを有し、
一次列の反復パターンの寸法は、第1の波形の反復パターンの寸法の整数倍であり、
一次封止メンブレンは、長手方向に平行な複数列の金属シートを有し、金属シートの1つの列は、縁部ゾーンを介して封止可能に溶接された複数の長方形の金属シートを含み、金属シートの列は、横方向に並置され、共に封止可能に溶接され、横方向における金属シートの1つの列の寸法は、一次列の反復パターンの寸法の整数倍に等しく、
金属シートの列は、一次列に対して横方向にオフセットされ、それにより金属シートの列間の溶接接合部が、一次列間の境界面から距離を空けて配置される。
【0043】
一実施形態によれば、本発明は、液化ガスを受容するための内部空間を形成するように共に封止可能に取り付けられた複数の壁を備え、壁の少なくとも1つは上記の壁である、支持構造内に配された密封断熱タンクを提供する。
【0044】
このようなタンクは、LNGを貯蔵するための例えば陸上貯蔵設備の一部を形成し得、または水上、沿岸または深海の構造物、特にLNGタンカー船、浮体式貯蔵・再ガス化設備(FSRU)、洋上浮体式生産・貯蔵設備(FPSO)などに設置され得る。このようなタンクは、任意のタイプの船舶における燃料タンクとしても使用することができる。
【0045】
一実施形態によれば、低温の液体製品を輸送するための船舶は、二重船体と、二重船体内に配された上記のタンクとを備える。
【0046】
一実施形態によれば、本発明はまた、低温の液体製品が、水上または陸上の貯蔵設備と船舶のタンクとの間で断熱パイプラインを通して送られる、このような船舶の荷積みまたは荷降ろしを行うための方法を提供する。
【0047】
一実施形態によれば、本発明はまた、上記の船舶と、船舶の船体内に設置されたタンクを水上または陸上の貯蔵設備に接続するように配置された断熱パイプラインと、低温の液体製品の流れを、水上または陸上の貯蔵設備と船舶のタンクとの間で断熱パイプラインを通して運ぶためのポンプとを備える、低温の液体製品のための移送システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明の複数の特定の実施形態に関する以下の説明を通して、本発明がよりよく理解され、そのさらなる目的、詳細、特徴および利点がより明確に明らかになるであろう。それらの実施形態は、添付の図面を参照して、専ら非限定的な例示として提供される。
図1】一実施形態に係るタンク壁の斜視切取り図である。
図2図1のゾーンIIの分解図である。
図3図1の線III-IIIに沿った断面図である。
図4】第1の実施形態に係る、一次封止メンブレンを一次断熱バリアに取り付ける溶接支持体を示す図3のゾーンIVの分解図である。
図5】第2の実施形態に係る溶接支持体を示す図3のゾーンIVの分解図である。
図6】第3の実施形態に係る溶接支持体を示す図3のゾーンIVの分解図である。
図7】第4の実施形態に係る溶接支持体を示す図3のゾーンIVの分解図である。
図8】第5の実施形態に係る溶接支持体を示す図3のゾーンIVの分解図である。
図9】第6の実施形態に係る溶接支持体を示す図3のゾーンIVの分解図である。
図10】第7の実施形態に係る溶接支持体の斜視図である。
図11】第8の実施形態に係る溶接支持体の斜視図である。
図12】LNGタンカー船のタンク、およびこのタンクの荷積み/荷降ろしを行うためのターミナルの切取り模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、液化天然ガス(LNG)などの液化流体を貯蔵するための密封断熱タンクの壁1の多層構造を示す。タンクの各壁1は、タンクの外側から内側への厚さ方向に、支持構造2上に保持された二次断熱バリア3と、二次断熱バリア2に支えられた二次封止メンブレン4と、二次封止メンブレン4に支えられた一次断熱バリア5と、タンクに含まれる液化天然ガスと接するように意図された一次封止メンブレン6とを順に備える。
【0050】
特に支持構造は、船舶の船体または二重船体によって形成され得る。支持構造は、タンクの全体的な形状、一般的には多面体形状を画定する複数の支持壁2を有する。
【0051】
二次断熱バリア3は、保持装置によって支持壁2に固定された複数の二次断熱パネル7を有する。二次断熱パネル7は、一般的な平行六面体の形状を有し、平行な複数の列に配される。3つの列を文字A、BおよびCで示す。平坦な基準面に対して支持壁2の隙間を閉じるために、二次断熱パネル7と支持壁2との間に封止ビード99が挿入される。封止ビード99が支持壁2に付着するのを防止するために、封止ビード99と支持壁2との間にクラフト紙が挿入される。
【0052】
図3に見られるように、二次断熱パネル7は、例えば、3つのプレート、すなわちベースプレート8、中間プレート9およびカバープレート10を有する。ベースプレート8、中間プレート9およびカバープレート10は、例えば合板で作製される。二次断熱パネル7はまた、ベースプレート8と中間プレート9との間に挟まれた第1の断熱ポリマーフォーム層11と、中間プレート9とカバープレート10との間に挟まれた第2の断熱ポリマーフォーム層12とを有する。二次断熱パネル7は、例えば文献WO2012/127141に記載のような、別の一般的な構造を有する場合もある。そして二次断熱パネル7は、ベースプレートと、カバープレートと、ベースプレートとカバープレートとの間においてタンク壁1の厚さ方向に延び、パーライト、グラスウールまたはロックウールなどの断
熱ライニングが充填された複数の区画を区切る支持ウェブとを有するケーシングの形態に製造される。
【0053】
二次封止メンブレン4は、隆起した縁部を有する金属ストレーキ13の連続的な層を有する。ストレーキ13は、それらの隆起した縁部14を介して、二次断熱パネル7のカバープレート10に設けられた溝に取り付けられた平行な溶接支持体に溶接される。ストレーキ13は、例えば、Invar(登録商標)、すなわち、鉄およびニッケルの合金で作製され、その膨張係数は、通常1.2.10-6から2.10-6-1の間である。鉄およびマンガンの合金を使用することも可能であり、その膨張係数は、通常7.10-6-1のオーダーである。
【0054】
一次断熱バリア5は、保持装置によって支持壁2に固定された複数の一次断熱パネル15を有する。一次断熱パネル15は、一般的な平行六面体形状を有する。さらに、図1に示すように、これらは、タンク壁1の厚さ方向における厚さが異なる、特には薄い場合があることを除けば、二次断熱パネル7と同じ寸法を有する。一次断熱パネル15の各々は、二次断熱パネル7の1つの右側に配置され、タンク壁1の厚さ方向においてこれと位置合わせされる。
【0055】
図3に見られるように、一次断熱パネル15は、二次断熱パネル7と同様の多層構造を有する。さらに、一次断熱パネル15は、ベースプレート16、第1の断熱ポリマーフォーム層17、中間プレート18、第2の断熱ポリマーフォーム層19、およびカバープレート20を順に有する。断熱ポリマーフォームは、特にポリウレタン系の発泡体であり得、任意選択的には繊維で強化されたものである。
【0056】
ベースプレート16は、二次封止メンブレン4のストレーキ13の隆起した縁部14を収容するように意図された溝を有する。一次断熱パネル15の構造は、一例として上述の通りである。さらに、別の実施形態において、一次断熱パネル15は、例えば文献WO2012/127141に記載のような、別の一般的な構造を有する場合もある。
【0057】
タンク壁1は、一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に固定するための溶接支持体26を備える。以下、溶接支持体26について説明する。
【0058】
図1はまた、一次封止メンブレン6が、2つの一連の相互に垂直な波形を有する長方形の波形金属プレート21の連続的な層を有することを示している。第1の一連の波形22は、断熱パネルの列A、B、Cまで延び、したがってストレーキ13の隆起した縁部14に垂直であり、均等な間隔40を有する。第2の一連の波形23は、断熱パネルの列A、B、Cに平行に、したがってストレーキ13の隆起した縁部14に平行に延び、均等な間隔41を有する。好ましくは、第1の一連の波形22は、第2の一連の波形23よりも高い。
【0059】
波形金属プレート21は、既知の技術に従って、図4から図9に示すそれらの視認可能な縁部に沿って重なり24を形成することにより、共に溶接される。実際、2つの隣接する波形金属プレート21の間の重なりにおいて、波形金属プレート21の一方は、波形金属プレート21の他方の上方に配置されるオフセット部分25を備える。
【0060】
波形金属プレート21は、好ましくは、対応する波形の間隔の整数倍に等しい、また一次断熱パネル15の寸法の整数倍の幅および長さの寸法を有する。図1は、大きさが間隔40の4倍×間隔41の12倍である波形金属プレート21を示している。好ましくは、間隔40および41は等しい。したがって、タンクにおける波形22および23の向きは、断熱バリアの製造に関して大幅な変更を生じない範囲で、適用の要件に容易に適合させ
ることができる。
【0061】
例えば、代替的な実施形態において、一次封止メンブレン6は、第2の一連の波形23が断熱パネルの列A、B、Cに平行に、したがってストレーキ13の隆起した縁部14に平行に延びるように、90°回転される。
【0062】
一次断熱パネル15および二次断熱パネル7は、列A、B、Cの幅方向において同じ寸法を有する。この寸法は、慣例により、断熱パネルの長さと称される。この列幅は、実質的に支持壁2の全体にわたってかなりの回数反復パターンを形成することによるモジュール方式でのタンク壁の製造を容易にするために、同じ方向の波形の間隔、この場合は間隔41の整数倍、かつストレーキ13の幅の整数倍である。
【0063】
好ましくは、ストレーキ13の幅は、同じ方向における波形の間隔の整数倍、例えば2倍である。
【0064】
列A、B、Cの長さ方向において、一次断熱パネル15は、二次断熱パネル7と同じまたはこの寸法の整数倍の寸法を有し得る。この寸法は、支持壁2の全体にわたってかなりの回数反復パターンを形成することによるモジュール方式でのタンク壁の製造を容易にするために、同じ方向の波形の間隔、この場合は間隔40の整数倍である。
【0065】
好ましくは、一次断熱パネル15および二次断熱パネル7は正方形である。これにより、断熱パネルの設計に大幅な変更を要することのない範囲で、タンクにおけるストレーキおよび波形の相対的な向きを適合させることがより容易になる。
好適な寸法例
【0066】
波形の間隔40、41:PO。
一次断熱パネル15および二次断熱パネル7の幅:4PO。
一次断熱パネル15および二次断熱パネル7の長さ:4PO(正方形)。
ストレーキ13の幅:2PO。
波形金属プレート21の長さ:12PO(図1)または8PO(不図示)。
波形金属プレートの幅:4PO。
PO=300mm。
【0067】
これらの寸法により、タンク壁を形成する部品の取り扱いの容易さと、組み立てる必要のある部品の数との間での適切な妥協点が得られる。またこの配置により、タンクの2つの壁の間の波形の接続が簡略化される。
寸法例2
【0068】
波形の間隔40:PO。
波形の間隔41:GO。
一次断熱パネル15および二次断熱パネル7の幅:3GO。
一次断熱パネル15および二次断熱パネル7の長さ:4PO(長方形)。
ストレーキ13の幅:2PO。
波形金属プレート21の長さ:12PO。
波形金属プレート21の幅:3GO。
PO=300mm。
GO=340mm。
例3
【0069】
波形は、等距離でなく、連続する間隔が340、340、340、180mmである4
つの波形の反復パターンに従って配置される。
【0070】
好ましくは、180mmの間隙は、波形金属プレート21の2つの対向する縁部に配置される2つの90mm部分に分割される。
【0071】
したがって、反復パターンの寸法は1,200mmとなる。残りの部分については、第1の例の寸法が維持される。
例4
【0072】
波形は、等距離でなく、連続する間隔が300、400、300、200mmである4つの波形の反復パターンに従って配置される。
【0073】
好ましくは、200mmの間隙は、波形金属プレートの2つの対向する縁部に配置される2つの100mm部分に分割される。
【0074】
したがって、反復パターンの寸法は1,200mmとなる。残りの部分については、第1の例の寸法が維持される。
【0075】
図2は、溶接支持体26を用いた、一次断熱バリアへの一次封止メンブレン6の金属プレート21の取付けの詳細図を示す。
【0076】
各一次断熱パネル15は、カバープレート20上の溝27を有する。図1および図2に示すように、溝27の間に交差を生じさせることにより、溝27が連続的に生成され得る。2つの溝27の間の交差点において、一方の溝は、交差点を連続的に横断する1つの固定支持体26を含み得、他方の溝は、交差点の両側に配された2つの固定支持体26を含み得る。
【0077】
一次封止メンブレン6の金属プレート21を一次断熱バリア5に取り付けるために、長手方向に延びる金属プレート21の少なくとも1つの縁部が、長手方向を向く溝27に配置された溶接支持体26に溶接され、横方向に延びる金属プレート21の少なくとも1つの縁部が、横方向を向く溝27に配置された溶接支持体26に溶接される。
【0078】
例えば金属である溶接支持体26は、一次断熱バリア5のカバープレート20からくり抜かれた溝27に摺動可能に収容される。この自由度により、温度変動の間に一次断熱パネル15に対する金属プレート21の縁部がわずかに動くことが可能になり、これにより、応力の集中が抑制され、したがって一次封止メンブレン6の疲労が抑制される。
【0079】
図2に示す実施形態に見られるように、溶接支持体26は、溝27内において離隔している。2つの溶接支持体26の間に形成されるこれらの空間は、数ミリメートルから、波形金属プレート21の波形よりもわずかに大きい間隔までの様々なものであり得る。溝27内の2つの溶接支持体26の間に形成される空間は、断熱材料で充填され得る。
【0080】
図3は、タンク壁を形成する様々な層を区別することができる断面図としてタンク壁1を示す。図4から図9は、複数の実施形態における一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に取り付けるためのゾーンの詳細図である。
【0081】
一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に取り付けるための第1の実施形態を図4に示す。
【0082】
本実施形態において、溶接支持体26は、支持面31に垂直な方向において一次断熱バ
リア5の溝27に保持された下部28と、支持面31に平行であり断熱バリア5上に配置された上部30と、下部28を上部30に接続する中間部29であって、一次断熱バリア5の厚さ方向において溝27内に配された中間部29とを有する。
【0083】
溶接支持体26の上部30は、溝27に隣接する座ぐり32であって、一次断熱バリア5の一次断熱パネル15に形成された座ぐり32に収容され、それにより、溶接支持体26の上部30は、一次封止メンブレン6と一次断熱バリア5との間かつ支持面31の延長に配置される。
【0084】
溝27は、厚さ方向に延びる入口ゾーン33と、入口ゾーン33の下方に配され、入口ゾーン33よりも広い幅にわたって支持面31と平行に確立される保持ゾーン34とを有する。溶接支持体26の下部28は保持ゾーン34に収容され、それにより、溶接支持体は溝27に保持される。保持ゾーン34は、一次断熱バリア5の1つまたは複数のカバープレート20に形成されている。
【0085】
一次封止メンブレン6は、一次封止メンブレン6の2つの隣接する金属プレート21の重なり合う取付けによって、一次断熱バリア5に取り付けられる。実際、この縁部にオフセット部分25を有しない第1の金属プレート21は、溶接支持体26の上部30に溶接され、溶接される縁部にオフセット部分25を有する第2の金属プレート21は、第1の金属プレート21の縁部と共に溶接支持体26を覆う。オフセット部分25は次いで、封止された重なりを生じさせるように、すなわち、金属プレート21の縁部の全長にわたって連続的な溶接ビードで溶接支持体を完全に覆うように、第1の金属プレートに溶接される。
【0086】
図5は、一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に取り付けるための溶接支持体26の第2の実施形態を示す。
【0087】
本実施形態において、溶接支持体26は、同じ方向に延びる2つの隣接する溝27に挿入される。この場合の座ぐり32は、2つの溝27の間に配置されたカバープレート20の部分に生成される。溶接支持体26の上部30は、2つの溝の間に延びる座ぐり32に収容される。溶接支持体26は、第1の溝27の保持ゾーン34に挿入された第1の下部28と、第2の溝27の保持ゾーン34に挿入された第2の下部28とを有する。溶接支持体26はまた、第1の溝27の入口ゾーン33内に配置され、第1の下部28を上部30の一端に接続する第1の中間部29と、第2の溝27の入口ゾーン33内に配置され、第2の下部28を溶接支持体26の上部30の他端に接続する第2の中間部とを有する。下部28および中間部29は、長手方向に連続的に形成される。
【0088】
カバープレート20は、合板または複合材料で作製され得、厚さが9から24mmであり得る。
【0089】
図6は、一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に取り付けるための溶接支持体26の第3の実施形態を示す。
【0090】
本実施形態において、保持ゾーン34は、入口ゾーン33の両側において支持面31に平行に確立される。溶接支持体26は、第1のセグメント35および第2のセグメント36を有する。第1のセグメント35は、溝27の保持ゾーン34に収容された下部28と、支持面に平行であり、溝27に隣接する座ぐり32に収容された上部30とを有し、それにより、第1のセグメント35の上部30は、第1の実施形態と同様に、一次封止メンブレン6と一次断熱バリア5との間かつ支持面31の延長に配置される。第1のセグメント35はまた、第1のセグメント35の下部28を第1のセグメント35の上部30に接
続する中間部29であって、溝27の入口ゾーン33内に配された中間部29を有する。第2のセグメント36は、第1のセグメント35の下部28の方向と反対の方向において溝27の保持ゾーン34に収容された下部28と、溶接部98によって第1のセグメント35の中間部29に溶接された中間部29とを有する。
【0091】
図7は、一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に取り付けるための溶接支持体26の第4の実施形態を示す。
【0092】
本実施形態は、第2の実施形態と非常に類似する。実際、これらの2つの実施形態の主な相違点は、第2のセグメント36にある。図7に見られるように、この場合の断熱バリア5は、溝27の両側に2つの座ぐり32を有し、座ぐりの一方が第1のセグメント35の上部30を収容する。第2のセグメント36は、下部28および中間部29に加えて、支持面31に平行であり、第1のセグメント35の上部30の方向と反対の方向を向くように座ぐり32の他方に収容された上部30を有する。これにより、第2のセグメント36の上部30もまた、一次封止メンブレン6と一次断熱バリア5との間に配置される。第2のセグメント36の中間部29は、第1のセグメント35のそれと同様に、第2のセグメント36の下部28を第2のセグメント36の上部30に接続する。
【0093】
前述の実施形態の各々の溝27は、図1に示すような一次断熱パネル15の中心に、または一次断熱パネル15の縁部の近傍に配置され得る。
【0094】
図8は、一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に取り付けるための溶接支持体26の第5の実施形態を示す。
【0095】
図8の第5の実施形態は、図4の第1の実施形態と非常に類似する。ただし、図8の本実施形態は、溝27の位置が異なる。実際、図8に見られるように、溝27の入口ゾーン33は、本実施形態においてはパネル間空間に相当する。すなわち、溝27は、一次断熱バリア5の2つの隣接する一次断熱パネル15の間に配置される。したがって、保持ゾーン34は、第1の一次断熱パネル15において一方向に生成され、第2の一次断熱パネル15において反対方向に生成される。
【0096】
図9は、一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に取り付けるための溶接支持体26の第6の実施形態を示す。
【0097】
図9の第6の実施形態は、図8の実施形態と非常に類似する。実際、溝27の入口ゾーン33もまたパネル間空間に相当する。しかしながら、本実施形態においては、保持ゾーン34が留め具37で置き換えられている。留め具37は、一次断熱パネル15の側面に相当する入口ゾーン33の壁に取り付けられる。次いで溶接支持体26の下部28が、特に長手方向に延びる溝27についてタンク壁1の厚さ方向および横方向に保持されるように、留め具36に摺動可能に収容される。そのため、下部28は、その端部にフック38を有し、その形状は留め具37上に配置された対向するフック39と合致する。これにより、摺動取付けを実現するように、下部28のフック38が留め具37の対向するフック39に収容される。本実施形態は、一次断熱パネル15の中心において、または一次断熱パネル15の縁部の近傍において用いることもできる。
【0098】
図10は、一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に取り付けるための溶接支持体26の第7の実施形態を示す。
【0099】
図10の第7の実施形態は、図5の実施形態と非常に類似する。しかしながら、本実施形態において、溶接支持体の下部28および中間部29は、上部30に接続され長手方向
に互いに離隔したラグを形成するように、長手方向において不連続に形成される。
【0100】
図11は、一次封止メンブレン6を一次断熱バリア5に取り付けるための溶接支持体26の第8の実施形態を示す。
【0101】
本実施形態において、溶接支持体26は、一次断熱パネル15の中心において、長手方向に延びる2つの隣接する溝27と、2つの長手方向溝27と交差する横方向に延びる2つの隣接する溝97(図11に破線で示す)とに挿入される。実際、本実施形態の溶接支持体26は、長手方向に形成された部分26Aと、横方向に形成された部分26Bとによって生成され、部分26A、26Bは十字を形成するように交差する。よって、上部30は、2つの長手方向溝27の間に形成された第1の座ぐり32内に、かつ2つの横方向溝97の間に形成された第2の座ぐり32内に延びる。
【0102】
したがって、部分26Aは、長手方向に延びる上部30の部分を有し、また、第1の溝27の保持ゾーン34に挿入された第1の下部28と、第2の長手方向溝27の保持ゾーン34に挿入された第2の下部28とを有する。部分26Aはまた、第1の長手方向溝27の入口ゾーン33内に配置され、第1の下部28を上部30に接続する第1の中間部29と、第2の横方向溝27の入口ゾーン33内に配置され、第2の下部28を上部30に接続する第2の中間部29とを有する。
【0103】
部分26Aとは反対に、部分26Bは下部28を有しない。部分26Bは、横方向に延びる上部30の部分から形成され、また、第1の横方向溝97内に配置され、上部30に接続された第1の中間部29と、第2の横方向溝97の入口ゾーン33内に配置され、上部30に接続された第2の中間部29とを有する。横方向溝97は、長手方向において溶接支持体26にとって十分なクリアランスを提供するように、大きい開口を有する。
【0104】
これにより、溶接支持体26は長手方向に十分な自由度を維持する。同様に、本実施形態において、長手方向溝27もまた、横方向のクリアランスが提供されることを可能にするために、大きい開口を有し得る。
【0105】
さらに、下部28および中間部29を長手方向溝27および横方向溝97に収容できるようにするために、溶接支持体26を長手方向溝27および横方向溝97の交差部に強制的に挿入する。
【0106】
不図示の他の実施形態においては、図4から図11に記載の実施形態の特徴が相互に適合する場合、これらの実施形態が組み合わされ得る。
【0107】
例えば、図5に記載の実施形態は、保持ゾーン34に代えて、溝27の各々に留め具36を有し得る。この場合、溶接支持体26の2つの下部28には、留め具36の対向するフック39に収容されるフック38が設けられる。
【0108】
不図示の別の実施形態において、図7に記載の実施形態は、保持ゾーン34に代えて、留め具36、すなわち、第1のセグメント35に近い溝27の壁に取り付けられた第1の留め具36と、第2のセグメント36に近い溝27の壁に取り付けられた第2の留め具36とを有し得る。第1のセグメント35の下部28および第2のセグメント36の下部28には、各留め具36の対向するフック38に収容されたフック38が設けられる。
【0109】
密封タンク壁を製造するための上記の技術は、例えば陸上設備またはLNGタンカー船などのような水上構造物におけるLNG用タンクのタンク壁を形成するために、様々なタイプのタンクにおいて用いることができる。
【0110】
図12を参照すると、LNGタンカー船70の切取り図は、船舶の二重船体72に取り付けられた一般的な角柱形状の密封断熱タンク71を示す。タンク71の壁は、タンクに含まれるLNGと接触するように意図された一次封止バリアと、一次封止バリアと船舶の二重船体72との間に配置された二次封止バリアと、一次封止バリアと二次封止バリアとの間および二次封止バリアと二重船体72との間にそれぞれ配置された2つの断熱バリアとを有する。
【0111】
それ自体既知である方法により、船舶の上甲板に配された荷積み/荷降ろしパイプライン73は、LNG貨物をタンク71との間で移送するために、適切なコネクタによって海上または港湾ターミナルに接続され得る。
【0112】
図12は、荷積みおよび荷降ろしステーション75と、水中パイプ76と、陸上設備77とを有する海上ターミナルの例を示す。荷積みおよび荷降ろしステーション75は、可動アーム74と、可動アーム74を支持するタレット78とを有する固定された洋上設備である。可動アーム74は、荷積み/荷降ろしパイプライン73に接続され得る断熱可撓性ホース79の束を支持する。方向付け可能な可動アーム74は、あらゆる形態のLNGタンカーに適応する。不図示の接続パイプが、タレット78の内側に延びる。荷積みおよび荷降ろしステーション75は、液化ガス貯蔵タンク80と、水中パイプ76によって荷積みまたは荷降ろしステーション75に接続された接続パイプ81とを有する陸上設備77との間でのLNGタンカー70の荷積みおよび荷降ろしを可能にする。水中パイプ76は、荷積みまたは荷降ろしステーション75と陸上設備77との間で相当の距離、例えば5kmにわたって液化ガスを移送することを可能にし、これにより、荷積みおよび荷降ろし作業中にLNGタンカー70を海岸から相当の距離に保つことができる。
【0113】
液化ガスを移送するのに必要な圧力を生成するために、船舶70に搭載されたポンプおよび/または陸上設備77に備えられたポンプおよび/または荷積みおよび荷降ろしステーション75に備えられたポンプが使用される。
【0114】
本発明を複数の特定の実施形態に関連して説明したが、決してそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にある限りにおいて、説明されている手段のあらゆる技術的均等物およびそれらの組み合わせを含むことは明らかである。
【0115】
「有する」または「含む」およびその活用形の使用は、請求項に記載のもの以外の要素またはステップの存在を除外するものではない。
【0116】
特許請求の範囲において、括弧内の参照符号は請求項の限定として解釈してはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを貯蔵するための密封断熱タンクを形成するための密封断熱タンク壁(1)であって、
前記タンクに含まれる前記液化ガスと接触するように意図された封止メンブレン(6)であって、波形金属プレート(21)を有する封止メンブレン(6)と、
前記封止メンブレン(6)のための支持面(31)を形成し、長手方向に延びる溝(27)を有する断熱バリア(5)と、
前記断熱バリア(5)によって支えられた少なくとも1つの溶接支持体(26)であって、前記支持面(31)に垂直な方向において前記断熱バリア(5)の前記溝(27)に保持された下部(28)と、前記支持面(31)に平行な上部(30)と、前記下部(28)を前記上部(30)に接続する中間部(29)であって、前記断熱バリア(5)の厚さ方向において前記溝(27)に配された中間部(29)とを有する溶接支持体(26)と
を備え、
前記少なくとも1つの溶接支持体(26)は、前記長手方向において前記溝(27)に摺動可能に取り付けられ、前記波形金属プレート(21)は、前記溶接支持体(26)の前記上部(30)に溶接され、
前記溶接支持体(26)の前記上部(30)は、前記溝(27)に隣接し前記断熱バリア(5)に形成された座ぐり(32)に収容され、それにより前記溶接支持体(26)の前記上部(30)が、前記封止メンブレン(6)と前記断熱バリア(5)との間かつ前記支持面(31)の延長に配置される、タンク壁(1)。
【外国語明細書】