(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038471
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】脊椎インプラントシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/92 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
A61B17/92
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024008554
(22)【出願日】2024-01-24
(62)【分割の表示】P 2021502994の分割
【原出願日】2019-07-18
(31)【優先権主張番号】16/047,590
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506298792
【氏名又は名称】ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】グリザード,マーク・アール
(72)【発明者】
【氏名】プレボスト,ジュリエン
(72)【発明者】
【氏名】エリオット,ジョン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ビンセント,マイケル・シー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】脊椎を治療するための脊椎インプラントシステム及び方法に関する。
【解決手段】送達システム30は、通路を画定する外スリーブ34を有する第1の器具32を含む。第1の器具は、通路内に配置された第1の端部と、第1の嵌合要素を含む第2の端部とを有する内スリーブ44を含む。内スリーブはチャネルを画定する。第2の器具は、チャネル内に配置された中空シャフトと、シャフトに結合されたハンドル116とを含む。ハンドルは、本体と、本体から延在する第2の嵌合要素とを含む。第2の嵌合要素は、第1の嵌合要素と係合して第2の器具を第1の器具に固定するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送達システムであって、
通路を画定する外スリーブと、前記通路内に配置された第1の端部と、第1の嵌合要素を含む第2の端部とを有する内スリーブであって、チャネルを画定する、内スリーブとを備える第1の器具と、
前記チャネル内に配置された中空シャフトと、前記シャフトに結合されたハンドルとを備える第2の器具であって、前記ハンドルが、本体と、前記本体から延在する第2の嵌合要素とを備え、前記第2の嵌合要素が、前記第1の嵌合要素と係合して前記第2の器具を前記第1の器具に固定するように構成されている、第2の器具と
を備える、送達システム。
【請求項2】
前記嵌合要素の係合により、前記第2の器具が前記第1の器具に対して近位に並進することを防止する、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記第1の嵌合要素が、前記内スリーブの外面から外向きに延在するフランジである、請求項1に記載の送達システム。
【請求項4】
前記第2の嵌合要素が、片持ち構成で前記本体から延在するウィング部を備える、請求項3に記載の送達システム。
【請求項5】
前記第2の嵌合要素が、片持ち構成で前記本体の第1の側から延在する第1のウィング部と、片持ち構成で前記本体の対向する第2の側から延在する第2のウィング部と、を備える、請求項3に記載の送達システム。
【請求項6】
前記第1のウィング部が、前記第1の側から延在する延長部と、前記延長部から延在するタブとを備え、
前記第2のウィング部が、前記第2の側から延在する延長部と、前記第2のウィング部の前記延長部から延在するタブとを備え、
前記延長部はそれぞれ、前記シャフトによって画定された長手方向軸に平行に延在し、前記タブはそれぞれ、前記長手方向軸に対して垂直に延在し、
前記タブは前記フランジに係合して、前記第2の器具を前記第1の器具に固定する、請求項5に記載の送達システム。
【請求項7】
前記タブが互いに面する、請求項6に記載の送達システム。
【請求項8】
前記本体が、前記シャフトと同軸の筒部を含み、前記筒部は、ねじ切りされた外面と、前記シャフトの内腔と連通しかつ同軸である開口部を画定する内面とを含む、請求項1に記載の送達システム。
【請求項9】
前記第1の端部が、本体と、前記第1の端部の前記本体に取り外し可能に結合された先端部とを備え、前記先端部が、前記チャネルと連通しかつ同軸である孔を備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項10】
前記第1の端部が、前記通路内に回転可能に配置され、ねじ切りされた外面を備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項11】
送達システムであって、
ねじ切りされたねじと、前記ねじに結合された頭部とを備えるインプラントであって、前記ねじが、前記ねじの対向端部を通って延在する孔を備え、前記頭部がねじ切りされた
内面を有する、インプラントと、
通路を画定する外スリーブを備える第1の器具であって、前記通路内に回転可能に配置された第1の端部と、第1の嵌合要素を含む第2の端部とを有する内スリーブを備え、前記第1の端部が、前記ねじ切りされた内面を係合して前記内スリーブを前記頭部に結合するねじ切りされた外面を備え、前記第1の端部が、前記内スリーブを前記ねじに結合するために、前記孔に配置された先端部を備え、前記内スリーブがチャネルを画定する、第1の器具と、
前記チャネル内に配置された中空シャフトと、前記シャフトに結合されたハンドルとを備える第2の器具であって、前記ハンドルが本体と、前記本体から延在する第2の嵌合要素とを備える、第2の器具と
を備え、
前記第2の嵌合要素が前記第1の嵌合要素と係合して、前記第2の器具を前記第1の器具に固定し、それにより、前記第2の器具が前記第1の器具に対して近位に並進することを防止される、送達システム。
【請求項12】
前記孔が、前記チャネルと連通しかつ同軸である、請求項11に記載の送達システム。
【請求項13】
前記第1の嵌合要素が、前記内スリーブの外面から外向きに延在するフランジである、請求項11に記載の送達システム。
【請求項14】
前記第2の嵌合要素が、片持ち構成で前記本体の第1の側から延在する第1のウィング部と、片持ち構成で前記本体の対向する第2の側から延在する第2のウィング部と、を備える、請求項13に記載の送達システム。
【請求項15】
前記第1のウィング部が、前記第1の側から延在する延長部と、前記延長部から延在するタブとを備え、
前記第2のウィング部が、前記第2の側から延在する延長部と、前記第2のウィング部の前記延長部から延在するタブとを備え、
前記延長部はそれぞれ、前記シャフトによって画定された長手方向軸に平行に延在し、前記タブはそれぞれ、前記長手方向軸に対して垂直に延在し、
前記タブは前記フランジに係合して、前記第2の器具を前記第1の器具に固定する、請求項14に記載の送達システム。
【請求項16】
前記タブが互いに面する、請求項15に記載の送達システム。
【請求項17】
前記本体が、前記シャフトと同軸の筒部を含み、前記筒部は、ねじ切りされた外面と、前記シャフトの内腔と連通しかつ同軸である開口部を画定する内面とを含む、請求項11に記載の送達システム。
【請求項18】
前記筒部に結合された注入器を更に備え、前記注入器が中に骨セメントを備え、前記注入器が、前記開口部及び前記内腔を通して前記孔内に前記骨セメントを送達するように構成されている、請求項17に記載の送達システム。
【請求項19】
前記第1の端部が、本体と、前記第1の端部の前記本体に取り外し可能に結合された先端部とを備え、前記先端部が、前記チャネルと連通しかつ同軸である孔を備える、請求項11に記載の送達システム。
【請求項20】
送達システムであって、
ねじ切りされたねじと、前記ねじに結合された頭部とを備える骨締結具であって、前記ねじが、複数の平面内で前記頭部に対して回転可能であり、前記ねじが、前記ねじの対向
端部を通って延在する孔を画定する内面を備え、前記ねじが、前記ねじの前記内面及び対向外面を通って延在する開口部を備え、前記頭部がねじ切りされた内面を有する、骨締結具と、
通路を画定する外スリーブを備えるドライバであって、前記通路内に回転可能に配置された第1の端部と、フランジを含む第2の端部とを有する内スリーブを備え、前記第1の端部が、前記ねじ切りされた内面を係合して前記内スリーブを前記頭部に結合するねじ切りされた外面を備え、前記第1の端部が、前記内スリーブを前記ねじに結合するために、前記孔に配置された先端部を備え、前記内スリーブがチャネルを画定する、ドライバと、
前記チャネル内に配置された中空シャフトと、前記シャフトに結合されたハンドルとを備える骨充填材デバイスであって、前記ハンドルが、前記シャフトと同軸の筒部を含む本体を備え、前記筒部が、ねじ切りされた外面と、前記シャフトの内腔と連通しかつ同軸である開口部を画定する内面とを備え、前記ハンドルが、片持ち構成で前記本体の第1の側から延在する第1のウィング部と、片持ち構成で前記本体の対向する第2の側から延在する第2のウィング部とを備え、前記第1のウィング部が、前記第1の側から延在する延長部と、前記延長部から延在するタブとを備え、前記第2のウィング部が、前記第2の側から延在する延長部と、前記第2のウィング部の前記延長部から延在するタブとを含み、前記延長部がそれぞれ、前記シャフトによって画定された長手方向軸に平行に延在し、前記タブがそれぞれ前記長手方向軸に対して垂直に延在し、前記タブが前記フランジと係合して、前記骨充填材デバイスを前記ドライバに固定し、それにより、前記骨充填材デバイスが前記ドライバに対して近位に並進することを防止される、骨充填材デバイスと、前記ハンドルに結合された注入器であって、中に骨セメントを備え、前記チャネルを通して前記孔内に前記骨セメントを送達するように構成されている、注入器と
を備える、送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、筋骨格障害の治療のための医療デバイスに関し、より具体的には脊椎を治療するための脊椎インプラントシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脊柱側弯症、脊柱後弯症及び他の湾曲異常、変性円板疾患、椎間板ヘルニア、骨粗しょう症、脊椎すべり症、狭窄症、腫瘍ならびに骨折などの脊椎病変及び障害は、外傷、病気、及び、怪我や老化を原因とする変性状態を含む要因から生じる可能性がある。脊椎障害は、通常、変形、痛み、神経損傷、及び可動性の部分的な又は完全な喪失を含む症状の原因となる。
【0003】
薬物療法、リハビリテーション及び運動などの非外科治療は効果的となり得るが、これらの障害に付随する症状を緩和することができない場合もある。これらの脊椎障害の外科治療としては、矯正、結合(fusion)、固定、椎間板切除、椎弓切除、及び植え込み可能補綴がある。これらの外科治療の一部として、椎骨ロッドなどの脊椎構造体は、治療領域に安定性を提供するために使用されることが多い。適切な整列を回復し、一般的に椎骨部材を支持するために治癒が行われる間、ロッドは損傷した又は欠陥のある領域から離れる方向に応力を戻す。外科治療中、1つ又は複数のロッド及び骨締結具を手術部位に送達することができる。ロッドは、骨締結具を介して2つ以上の椎骨部材の外側に取り付けられてもよい。外科医は、ドライバを使用して、損傷した椎体に骨締結具を挿入し、締結具を1つ又は複数のロッドに取り付けることによって損傷した椎骨を支持及び安定化するのを助けることができる。骨締結具のねじ山が椎骨と適切に係合しないため、損傷した椎体の必要な支持及び安定化を外科医が達成することは困難なときがある。したがって、外科医は、骨充填材デバイスをドライバに挿入して、骨充填材デバイスに結合された注入銃を使用して、骨締結具の少なくとも1つの中及び/又はその周囲に接着剤又はセメント材料を送達して、骨と締結具の少なくとも1つを更に接着させることができる。しかしながら、注入銃は、多くの場合、骨充填材デバイスをドライバから分離させる背圧を発生させる。その結果、注入銃が背圧を発生させるときに、骨充填材デバイスがドライバから切断されることを防止するために、別個の器具が必要とされる。セメント注入の別の一般的な方法は、背圧に対する抵抗として作用する片方の手を使用して、骨充填材デバイスを定位置に保持する。プランジャは、セメントを分配するために他方の手で使用される。本開示は、これらの従来技術に対する改善を説明する。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、送達システムが提供される。送達システムは、第1の器具及び第2の器具を備える。第1の器具は、通路を画定する外スリーブを備える。第1の器具は、通路内に配置された第1の端部と、第1の嵌合要素を含む第2の端部とを有する内スリーブを備える。内スリーブはチャネルを画定する。第2の器具は、チャネル内に配置された中空シャフトと、シャフトに結合されたハンドルとを備える。ハンドルは、本体と、本体から延在する第2の嵌合要素とを備える。第2の嵌合要素は、第1の嵌合要素と係合して第2の器具を第1の器具に固定するように構成されている。いくつかの実施形態では、方法が開示される。
【0005】
一実施形態では、送達システムが提供される。送達システムは、インプラントと、第1の器具と、第2の器具とを備える。インプラントはねじ切りされたねじと、ねじに結合された頭部とを備える。ねじは、ねじの対向端部を通って延在する孔を備える。頭部は、ねじ切りされた内面を有する。第1の器具は、通路を画定する外スリーブを備える。第1の
器具は、通路内に回転可能に配置された第1の端部と、第1の嵌合要素を含む第2の端部とを有する内スリーブを備える。第1の端部は、ねじ切りされた内面と係合して、内スリーブを頭部に結合するねじ切りされた外面を備える。第1の端部は、内スリーブをねじに結合するために孔に配置された先端部を備える。内スリーブはチャネルを画定する。第2の器具は、チャネル内に配置された中空シャフトと、シャフトに結合されたハンドルとを備える。ハンドルは、本体と、本体から延在する第2の嵌合要素とを備える。第2の嵌合要素が第1の嵌合要素と係合して、第2の器具を第1の器具に固定し、それにより、第2の器具が第1の器具に対して近位に並進することを防止される。
【0006】
一実施形態では、送達システムが提供される。送達システムは、骨締結具、ドライバ、骨充填材デバイス、及び注入器を備える。骨締結具はねじ切りされたねじと、ねじに結合された頭部とを備える。ねじは、複数の平面内で頭部に対して回転可能である。ねじは、ねじの対向端部を通って延在する孔を画定する内面を備える。ねじは、ねじの内面及び対向外面を通って延在する開口部を備える。頭部は、ねじ切りされた内面を有する。ドライバは、通路を画定する外スリーブを備える。ドライバは、通路内に回転可能に配置された第1の端部と、フランジを含む第2の端部とを有する内スリーブを備える。第1の端部は、ねじ切りされた内面と係合して、内スリーブを頭部に結合するねじ切りされた外面を備える。第1の端部は、内スリーブをねじに結合するために孔に配置された先端部を備える。内スリーブはチャネルを画定する。骨充填材デバイスは、チャネル内に配置された中空シャフトと、シャフトに結合されたハンドルとを備える。ハンドルは、シャフトと同軸の筒部を含む本体を備える。筒部は、ねじ切りされた外面と、シャフトの内腔と連通しかつ同軸である開口部を画定する内面とを有する。ハンドルは、片持ち構成で本体の第1の側から延在する第1のウィング部と、片持ち構成で本体の対向する第2の側から延在する第2のウィング部とを備える。第1のウィング部は、第1の側から延在する延長部と、延長部から延在するタブとを備える。第2のウィング部は、第2の側から延在する延長部と、第2のウィング部の延長部から延在するタブとを備える。延長部はそれぞれ、シャフトによって画定された長手方向軸に平行に延在し、タブはそれぞれ、長手方向軸に対して垂直に延在する。タブは、フランジと係合して骨充填材デバイスをドライバに固定し、それにより、骨充填材デバイスがドライバに対して近位に移動することを防止される。注入器は、ハンドルに結合され、中に骨セメントを含む。注入器は、チャネルを通して骨セメントを孔内に送達するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、以下の図面を伴う特定の説明からより容易に明らかとなるであろう。
【0008】
【
図1】本開示の原理による、外科システムの一実施形態の構成要素の側面図である。
【0009】
【
図2】本開示の原理による、
図1に示す外科システムの構成要素の一実施形態の側面図である。
【0010】
【0011】
【0012】
【
図5】
図2に示す構成要素の一部の拡大断面側面図である。
【0013】
【
図6】本開示の原理による、
図1に示す外科システムの構成要素の一実施形態の側面図である。
【0014】
【0015】
【0016】
【
図9】構成要素が組み立てられていない構成にある、
図1に示される外科システムの構成要素の一部の拡大側面図である。
【0017】
【
図10】構成要素が組み立てられていない構成にある、
図1に示される外科システムの構成要素の一部の拡大断面側面図である。
【0018】
【
図11】構成要素が組み立てられていない構成にある、
図1に示される外科システムの一部の拡大断面側面図である。
【0019】
【
図12】構成要素が組み立てられた構成にある、
図1に示される外科システムの構成要素の一部の拡大側面図である。
【0020】
【
図13】構成要素が組み立てられた構成にある、
図1に示される外科システムの構成要素の一部の拡大断面側面図である。
【0021】
【
図14】本開示の原理による、
図1に示す外科システムの一実施形態の平面図である。
【0022】
【
図15】本開示の原理による、
図1に示す外科システムの一実施形態の平面図である。
【0023】
【
図16】本開示の原理による、
図1に示す外科システムの一実施形態の平面図である。
【0024】
【
図17】本開示の原理による、外科システムの一実施形態の構成要素の側面図である。
【0025】
【
図18】本開示の原理による、
図17に示す外科システムの構成要素の一実施形態の側面図である。
【0026】
【0027】
【0028】
【
図21】
図18に示す構成要素の一部の拡大断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
開示される外科システム及び関連する使用方法の例示的な実施形態は、筋骨格障害の治療のための医療デバイス、より具体的には、送達システム及び脊椎を治療するための方法に関して論じられる。いくつかの実施形態では、本開示のシステム及び方法は、例えば、脊柱の頸部、胸部、腰部、及び/又は仙骨領域での外科治療と共に使用される外科用器具及びインプラントを含む医療デバイスを含む。
【0030】
セメント送達銃は、予測可能な骨充填材デバイスに関連して使用されるとき、背圧を生成する。現在の有窓ねじシステムは、セメント送達システム銃によって生成された背圧を相殺するために、余分な器具に依存する。一方、様々な実施形態において、本開示の送達
システムは、必要とされる機能を依然として提供しながら、不必要な工程を除去することによって処置を単純化する。いくつかの実施形態では、本送達システムは、骨充填材デバイスをそのガイド/ドライバに固定するための別個の器具の必要性を排除し、セメント適用中にハンドルとガイド/ドライバとの間の適切な接続を保持するように開発された特定の形状を有するハンドルを含む。いくつかの実施形態では、ハンドルは、ガイド/ドライバ内のアンダーカットへの容易な取り付けを可能にする形状を有するウィング部を含む。ハンドルはまた、骨充填材デバイスをガイド/ドライバから単純に解放することを可能にする人間工学的特徴を提供する。いくつかの実施形態では、ハンドルの遠位端は、ハンドルをガイド/ドライバと整列させることによって、ハンドルとガイド/ドライバとの適切な組み立てを確実にするために、骨充填材デバイスの向軸化を促進するのに役立つ円錐形状を有する。いくつかの実施形態では、ハンドル及び/又はガイド/ドライバは、ハンドルがガイド/ドライバと適切に組み立てられたことを示すために、ハンドルとガイド/ドライバとの組み立て中にクリック音を生成する。
【0031】
いくつかの実施形態では、本開示の送達システムは、例えば、変性円板疾患、椎間板ヘルニア、骨粗しょう症、脊椎すべり症、狭窄症、脊柱側弯症、脊柱後弯症及び他の湾曲異常、腫瘍及び骨折などの脊椎疾患を治療するために用いられ得る。いくつかの実施形態では、本開示の送達システムは、診断及び治療に関連する用途を含めた他の骨格関連又は骨関連の用途に使用され得る。いくつかの実施形態では、開示される送達システムは、代替として、患者を腹臥位、仰臥位にした状態での外科治療に用いることができ、ならびに/又は、前側、後側、後側正中、真横、後側方及び/若しくは前側方アプローチ、及び他の身体領域を含めた、脊椎への様々な外科的アプローチを用いることができる。本開示の送達システムはまた、代替として、腰部、頸部、胸部、仙骨及び脊柱の骨盤領域を治療するための処置において用い得る。本開示の送達システムは、更に、例えば訓練、試験及び実演などで、動物、骨モデル及び他の非生物の基体(non-living substrate)で使用されてもよい。
【0032】
本開示の送達システムは、本開示の一部を形成する添付図面の図と併せて実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。本出願が、本明細書に記載される及び/又は示される特定のデバイス、方法、条件又はパラメータに限定されないこと、ならびに、本明細書で使用される用語が単なる例として特定の実施形態を説明すること目的とし、限定を意図するものではないと理解されたい。いくつかの実施形態では、添付の特許請求の範囲を含めた明細書で使用される場合の単数形「a」、「an」及び「the」は複数形も含み、特定の数値を参照することは、文脈において特に明記しない限り、少なくともその特定の値を含む。範囲は、本明細書では、「約」又は「おおよそ」のついた1つの特定の値から、及び/又は、「約」又は「おおよそ」のついた別の特定の値までの範囲、として表現され得る。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、及び/又は、もう一方の特定の値までの範囲、を含む。同様に、前に置かれる語の「約」を使用することにより値が近似値として表現される場合、その特定の値が別の実施形態も形成すると理解されよう。更に、例えば、水平、垂直、頂部、上側、下側、底部、左側及び右側などの全ての空間的基準は、単に説明を目的としており、本開示の範囲内で可変であると理解されよう。例えば「上側」及び「下側」という基準は相対的なものであり、もう一方に対しての文脈でのみ使用され、必ずしも「上位」及び「下位」というわけではない。
【0033】
添付の特許請求の範囲を含めた本明細書で使用される場合の、病気又は状態の「治療の実施」又は「治療」は、病気又は状態の兆候又は症状を軽減するのを目的として、1つ又は複数の薬物を患者(普通はヒト、あるいはそれ以外に他の哺乳類)へ投与すること、植え込み可能デバイスを用いること、及び/又は、疾患を治療する器具、例えば膨れている部分又はヘルニアを生じている円板及び/又は骨棘を除去するのに使用される顕微鏡下椎
間板切除術(microdiscectomy)器具のような器具を用いること、を含むことができる処
置を施行することをいう。軽減させることは、病気又は状態の兆候又は症状が表れる前に行われてよく、更には、それらが表れた後で行われてもよい。したがって、治療の実施又は治療には、病気又は望ましくない状態を防ぐこと又は予防(例えば、その病気にかかりやすい可能性があるがまだその病気に罹患したと診断されていない患者に病気が発症するのを防止すること)が含まれる。更に、治療の実施又は治療は兆候又は症状を完全に軽減することを必要とせず、回復させることも必要とせず、具体的には、患者に対して最低限の効果しか有さない処置を含む。治療には、例えばその進行を止めるといったように、病気を抑制すること、又は、例えば病気を退行させるといったように、病気を緩和すること、が含まれてよい。例えば、治療には、急性炎症又は慢性炎症を低減すること、痛みを緩和し和らげて、新しい靭帯、骨及び他の組織の再生を誘導すること、手術の補助、及び/又は、任意の回復処置が含まれてよい。添付の特許請求の範囲を含めた明細書で使用される場合の、「組織」という用語は、特に明記しない限り、軟組織、靭帯、腱、軟骨、及び/又は骨を含む。
【0034】
以下の考察は、本開示の原理による送達システム及び送達システムの使用方法の説明を含む。代替的実施形態も開示される。添付図面に示される本開示の例示的な実施形態を詳細に参照する。
図1~
図21に移ると、例えば送達システム30などの送達システムの構成要素が示されている。
【0035】
送達システム30の構成要素は、金属、合成高分子、セラミック、及び骨材料、ならびに/又は、それらの複合材料を含めた、医療用途に適する生物学的に許容される材料から製作され得る。例えば、送達システム30の構成要素は、個別に又はまとめて、ステンレス鋼合金、アルミニウム、商用の純チタン、チタン合金、グレード5チタン、超弾性チタン合金、コバルト-クロム合金、超弾性金属合金(例えば、Nitinol、GUM METAL(登録商標)などの超弾塑性金属(super elasto-plastic metal))、セラミック及びリン酸カルシウムなどのその複合材料(例えば、SKELITE(商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)及びポリエーテルケトン(PEK)を含めた、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)などの熱可塑性物質、炭素-PEEK複合材料、PEEK-BaSO4、重合ゴム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、繊維、シリコーン、ポリウレタン、シリコーン-ポリウレタンコポリマー、重合ゴム、ポリオレフィンゴム、ヒドロゲル、半剛性材料及び剛性材料、エラストマー、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、エラストマー複合材、ポリフェニレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンを含めた剛性ポリマー、エポキシ、自家移植片、同種異系移植片、異種移植片又は遺伝子組み換えの皮質骨及び/又は皮質海綿骨(corticocancellous bone)を含む骨材、ならびに、組織成長因子又は組織分化因子、例えば、金属とカルシウムベースのセラミックとの複合材料、PEEKとカルシウムベースのセラミックとの複合材料、PEEKと再吸収可能ポリマーとの複合材料などの部分的に再吸収可能な材料、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)-TCP、硫酸カルシウムなどのカルシウムベースのセラミック、又は、ポリアエチド、ポリグリコライド、ポリチロシンカーボネート、ポリカプロラクトン(polycaroplaetohe)及びそれらの組み合わせなどの他の再吸収可能なポリマーなどの完全に再吸収可能な材料から製作され得る。
【0036】
送達システム30の種々の構成要素は、強度、剛性、弾性、適合性、生体力学的性能、耐久性、及び放射線透過性又は撮像性能など、様々な所望の特性を達成するために、上記の材料を含む材料複合材を有することができる。送達システム30の構成要素は、個別に又はまとめて、上で説明した材料のうちの2つ以上の材料の組み合わせなどの、不均一材料から製作されてもよい。送達システム30の構成要素は、本明細書に記載されるように、モノリシックに形成される、一体に連結される、又は締結要素及び/若しくは締結器具
を含むことができる。
【0037】
送達システム30は、例えば、完全切開外科処置、経皮技術を含む低侵襲術、及び小切開手術と共に使用され、器具及び/又は例えば脊椎を含む、患者の手術部位での骨締結具などの脊椎インプラントを送達及び導入する。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントは、例えば、椎体間デバイス、椎体間ケージ、骨締結具、脊椎ロッド、テザー、コネクタ、プレート及び/又は骨移植片などの1つ又は複数の脊椎構造体の1つ又は複数の構成要素を含むことができ、頸部、胸部、腰部、及び/又は仙骨領域の外科治療を含む様々な外科処置と共に使用することができる。
【0038】
送達システム30は、例えばドライバ32などの第1の器具を含む。ドライバ32は、例えば、端部36と対向端部38との間の長手方向軸L1に沿って延在する外スリーブ34を含む。スリーブ34は、
図3に最もよく示されるように、通路42を画定する内面40を有する。通路42は軸L1と同軸であり、通路42が端部36,38の対向端面を通って延在するようにスリーブ34の全長に延在する。いくつかの実施形態では、通路42は円形の直径を有する。いくつかの実施形態では、通路42は、通路42の全長に沿って均一な直径を有する。いくつかの実施形態では、通路42は、軸L1に対して、例えば、横断、垂直、及び/又は例えば、鋭角又は鈍角などの他の角度付き配向、同軸に配置されることがあり、及び/又はオフセットされる若しくは互い違いに配置され得る。いくつかの実施形態では、通路42は、例えば、楕円形、長円形、三角形、矩形、正方形、多角形、不定、均一、不均一、可変、管状、及び/又はテーパ状などの様々な断面構成を有してもよい。
【0039】
ドライバ32は、スリーブ44が軸L1と同軸になるように、通路42内に回転可能に配置された内スリーブ44などのスリーブを含む。スリーブ44は、端部46と、通路42内に配置された対向端部48との間に延在する。端部46は、例えば、フランジ52から、例えば凹部54などのアンダーカットによって離間されたフランジ50などの第1の嵌合要素を含む。フランジ50は、それぞれが軸L1に対して垂直に延在する対向面56,58と、
図4及び
図5に最もよく示されるように、表面56,58の間にそれぞれ配置された表面60,62とを含む。表面56は、端部46の端面を画定する。表面60は軸L1に対して横方向に延在し、表面62は軸L1に平行に延在する。
【0040】
スリーブ44は、
図3に最もよく示されるように、チャネル68を画定する内面66を有する本体64を含む。チャネル68は軸L1と同軸であり、チャネル68が表面56と、端部48の対向端面とを通って延在するように、スリーブ44の全長に延在する。いくつかの実施形態では、チャネル68は、円形の直径を有する。いくつかの実施形態では、チャネル68は、チャネル68の全長に沿って均一な直径を有する。いくつかの実施形態では、チャネル68は、軸L1に対して、例えば、横断、垂直、及び/又は例えば、鋭角又は鈍角などの他の角度付き配向、同軸に配置されることがあり、及び/又はオフセットされる若しくは互い違いに配置され得る。いくつかの実施形態では、チャネル68は、例えば、楕円形、長円形、三角形、矩形、正方形、多角形、不定、均一、不均一、可変、管状、及び/又はテーパ状などの様々な断面構成を有してもよい。
【0041】
端部48は、
図3に最もよく示されるように、本体64と接続される先端部70を含む。いくつかの実施形態では、先端部70は、先端部70が使い捨てであるように、本体64と取り外し可能に接続される。このような実施形態では、本体64の回転もまた先端部70を回転させるように、先端部70は本体64に仮固定され得る。いくつかの実施形態では、先端部70は、例えば、摩擦係合、ねじ係合、相互溝、ねじ、接着剤、爪、バーブ及び/又は隆起要素など本体64と様々に接続される。いくつかの実施形態では、先端部70は本体64と一体的及び/又はモノリシックに形成され、本体64及び/又は先端部
70を破砕することなく先端部70を本体64から取り外すことができない。先端部70は、端部72と対向端部74との間に延在する。先端部70は、軸L1と同軸であり、先端部70の全長に延在する孔78を画定する内面76を含み、孔78は端部72,74の対向端面を通って延在する。いくつかの実施形態では、孔78は、円形の直径を有する。いくつかの実施形態では、孔78は、孔78の全長に沿って均一な直径を有する。いくつかの実施形態では、孔78は、軸L1に対して、例えば、横断、垂直、及び/又は例えば、鋭角又は鈍角などの他の角度付き配向、同軸に配置されることがあり、及び/又はオフセットされる若しくは互い違いに配置され得る。いくつかの実施形態では、孔78は、例えば、楕円形、長円形、三角形、矩形、正方形、多角形、不定、均一、不均一、可変、管状、及び/又はテーパ状などの様々な断面構成を有してもよい。端部72は、孔78がチャネル68と連通しかつ同軸になるようにチャネル68内に配置される。端部74は、例えば、本明細書で説明するように骨締結具80などのインプラントと係合するように構成された駆動部分を画定する。いくつかの実施形態では、駆動部分は、締結具80の対応する形状の部分と係合するように構成された正方形、三角形、多角形、星形、又は六角突出(hexalobe)の断面構成を含み得る。いくつかの実施形態では、先端部70は、本明細書で説明するように、締結具80のねじ山と係合してスリーブ44を締結具80に結合するように構成されたねじ切りされた外面を含む。
【0042】
締結具80は、例えば、インプラント受容部84と、受容部84に結合されたねじシャフト86などの頭部とを含む。インプラント受容部84は、締結具80がスリーブ44に結合されたときに軸L1に平行に延在する。インプラント受容部84は、例えば脊椎ロッドなどの脊椎構造体を廃棄するように構成されたインプラントキャビティ92をそれらの間に画定する一対の離間したアーム88,90を含む。アーム88,90はそれぞれ、締結具80がスリーブ44に結合されたときに、軸L1に対して平行に延在する。いくつかの実施形態では、アーム88及び/又はアーム90は、軸L1に対して、例えば、横断、垂直、及び/又は例えば、鋭角又は鈍角などの他の角度付き配向、同軸に配置されることがあり、及び/又はオフセットされる若しくは互い違いに配置され得る。アーム88,90はそれぞれ、一対の側面の間に延在する弓状外面を含む。アーム88,90の外面及び側面のうちの少なくとも1つは、骨締結具80を挿入して引っ張るための挿入ツール、圧縮器具、及び/又は器具を受容するように構成された少なくとも1つの凹部又はキャビティを有する。
【0043】
アーム88は、アーム88(
図3)に脆弱に接続された破砕タブ94を含み、アーム88に対するタブ94の操作は、本明細書に記載されるように、アーム88からタブ94を所定の力及び/又はトルク限界で破砕及び分離することができる。いくつかの実施形態では、力及び/又はトルクがタブ94に加えられ、抵抗が増大するにつれて、例えば、所定のトルク及び力限界が接近する。アーム90は、アーム90に脆弱に接続された破砕タブ96を含み、アーム90に対するタブ96の操作は、本明細書に記載されるように、アーム90からタブ96を所定の力及び/又はトルク限界で破砕及び分離することができる。いくつかの実施形態では、力及び/又はトルクがタブ96に加えられ、抵抗が増大するにつれて、例えば、所定のトルク及び力限界が接近する。
【0044】
いくつかの実施形態では、タブ94,96は、約2ニュートンメートル(N-m)~8Nmの範囲であり得る所定の力又はトルク限界で破砕及び分離することができる。いくつかの実施形態では、タブ94,96及びアーム88,90は、同じ又は代替の断面構成を有してもよく、均質な材料から作製されてもよく、又は異なる材料から不均質に作製されてもよく、及び/又は代替的に、アーム88,90からのタブ94,96の破砕及び分離を容易にするために、塑性変形性、脆弱性、及び/又は破砕品質のより高い程度、特性又は属性を有する材料から形成される。
【0045】
キャビティ92は、実質的にU字形である。いくつかの実施形態では、キャビティ92の全て又は一部分のみが、例えば、閉じた、V字形、W字形、楕円形、長円三角形、正方形、多角形、不規則、均一、不均一、オフセット、ずれ、及び/又はテーパ状などの代替の断面構成を有してもよい。インプラント受容部84は、例えば、キャビティ92内に脊椎ロッドを保持するための止めねじなどの結合部材と係合するように構成されたねじ山形状を含む。インプラント受容部84のねじ形態はまた、本明細書で説明するように、スリーブ44をインプラント受容部84に結合するために、先端部70のねじ切りされた外面82に係合してもよい。いくつかの実施形態では、インプラント受容部84の内面は、例えば、摩擦嵌合、圧力嵌合、係止突起/凹部、係止キー溝及び/又は接着剤などの代替的な固定構成で、結合部材及び/又は先端部70と共に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、インプラント受容部84の内面の全て又は一部分のみが、例えば、粗面、弓状、波状、メッシュ、多孔質、半多孔質、ディンプル、及び/又はテクスチャ加工などの、脊椎ロッド、止めねじ及び/又は先端部70との係合を強化するための代替の表面構成を有してもよい。いくつかの実施形態では、インプラント受容部92は、例えば、閉じた、開いた、及び/又は側方のアクセスなどの代替的な構成を含んでもよい。いくつかの実施形態では、骨締結具80は、脊椎ロッドの位置決めを容易にするように構成されたクラウン98を含む。
【0046】
インプラント受容部84は、本明細書に記載されるように、ねじシャフト86の頭部を配置するように構成されたキャビティ100を画定する。ねじシャフト86は、例えば、端部74の駆動部分と係合するように構成されたツール係合部分102などのソケットを含む。ねじシャフト86は、雄ねじ形状を有する外面を含む。いくつかの実施形態では、雄ねじ形状は、単一のねじ山又は複数の別個のねじ山を含んでもよい。ねじシャフト86は、ねじシャフト86の全長に延在する孔106を画定する内面104を含む。端部74の駆動部分がツール係合部分102と係合するとき、孔78は孔106と連通しかつ同軸である。いくつかの実施形態では、ねじシャフト86は、それぞれが表面104と、ねじシャフト86の対向外面108とを通って延在する1つ又は複数の開口部を含み、その結果、例えば、材料、例えば、孔106内に配置された骨セメントは、表面104、108を通って、及び/又は締結具80がスリーブ44に結合されたときに軸L1と同軸であるねじシャフト86の遠位端の開口部110を通って延在する開口部のうちの1つを通って孔106を出ることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、インプラント受容部84は、本明細書に記載されるように、非器具組立体においてねじシャフト86と手動で係合可能である。いくつかの実施形態では、インプラント受容部84及びねじシャフト86の手動係合及び/又は非器具組立体は、組み立てを行うために構成要素と係合された別個及び/又は独立した器具を使用せずに結合することを含む。いくつかの実施形態では、手動係合及び/又は非器具組立体は、インプラント受容部84及びねじシャフト86を把持し、構成要素を強制的に組み立てる施術者、外科医、及び/又は医療スタッフを含む。いくつかの実施形態では、手動係合及び/又は非器具組立体は、本明細書に説明するように、インプラント受容部84及びねじシャフト86を把持し、構成要素を一緒に強制的にスナップ嵌めする施術者、外科医、及び/又は医療スタッフを含む。いくつかの実施形態では、手動係合及び/又は非器具組立体は、本明細書に説明するように、インプラント受容部84及びねじシャフト86を把持し、構成要素を一緒に強制的にポップ嵌めし、及び/又はインプラント受容部84をねじシャフト86上にポップ嵌めする(pop fitting)施術者、外科医、及び/又は医療スタッ
フを含む。いくつかの実施形態では、インプラント受容部84及びねじシャフト86を手動で係合し、構成要素を強制的に組み立てるために、2~50Nの範囲の力が必要とされる。いくつかの実施形態では、インプラント受容部84及びねじシャフト86を手動で係合し、構成要素を強制的に組み立てるために、5~10Nの範囲の力が必要とされる。
【0048】
いくつかの実施形態では、インプラント受容部84は、ねじシャフト86が複数の平面内でインプラント受容部84に対して枢動可能及び/又は回転可能であるように、ねじシャフト86と接続可能である。いくつかの実施形態では、インプラント受容部84は、例えば、ポストねじ(posted screw)、椎弓根ねじ、ボルト、横板用骨ねじ、椎体間ねじ、一軸ねじ(UAS)、固定角度ねじ(FAS)、多軸ねじ(MAS)、側荷重ねじ、矢状調節ねじ(SAS)、横矢状調整ねじ(TSAS)、突き錐先端部(ATS)、二重ロッド多軸ねじ(DRMAS)、正中線腰椎融合ねじ、及び/又は仙骨ねじなどの様々な構成を含むようにねじシャフト86と接続可能である。
【0049】
ドライバ32を締結具80と接続するために、先端部70はインプラントキャビティ92に挿入され、スリーブ44はスリーブ34に対して回転され、先端部70の外面82上のねじ山が、インプラント受容部84のねじ山形状と嵌合してスリーブ44を受容部84と結合する。スリーブ44は、スリーブ34に対して更に回転され、これにより、端部74の駆動部分がツール係合部分102内に位置付けられてスリーブ44をねじ86と結合する。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するように、端部74の駆動部分がツール係合部分86内に配置されるのと同時に、先端部70の外面82上のねじ山がインプラント受容部84のねじ形状と嵌合して、受容部84をねじ86に対して位置付け、それにより、受容部84及びねじ86は軸L1に平行に延在し、締結具80がドライバ32を使用して骨又は他の組織内に駆動される際に、そのような位置決めを維持する。すなわち、端部74の駆動部分がツール係合部分86内に配置されるのと同時に、先端部70の外面82上のねじ山をインプラント受容部84のねじ形状と嵌合させることは、受容部84がねじ86に対して枢動することを防止する。
【0050】
送達システム30は、例えば、骨充填材デバイス112などの第2の器具を含む。デバイス112は、シャフト114と、シャフト114に結合されたハンドル116とを含む。いくつかの実施形態では、ハンドル116及び/又はシャフト114を破砕することなく、ハンドル116をシャフト114から取り外すことができないように、ハンドル116はシャフト114に恒久的に固定される。いくつかの実施形態では、ハンドル116は、シャフト114と一体的及び/又はモノリシックに形成される。いくつかの実施形態では、ハンドル116及び/又はシャフト114を破砕することなくハンドル116をシャフト114から取り外すことができるように、ハンドル116はシャフト114と取り外し可能に接続される。
【0051】
シャフト114は、チャネル68内に配置されるように構成され、端部118と対向端部120との間の長手方向軸L2に沿って延在する。ハンドル116は端部118と接続されている。いくつかの実施形態では、シャフト114は、端部118が端部120の最小直径よりも大きい最小直径を有するように、端部118から端部120までテーパ状になっている。いくつかの実施形態では、シャフト114は、シャフト114の全長に沿って均一な直径を有する。シャフト114は、
図7に最もよく示されるように、内腔124を画定する内面122を備える。内腔124は軸L2と同軸であり、内腔124が端部118,120の対向端面を通って延在するように、シャフト114の全長にわたって延在する。いくつかの実施形態では、内腔124は、円形の直径を有する。いくつかの実施形態では、内腔124は、シャフト114の長さに沿ってテーパ状になる直径を有する。いくつかの実施形態では、内腔124は、軸L2に対して、例えば、横断、垂直、及び/又は例えば、鋭角又は鈍角などの他の角度付き配向、同軸に配置されることがあり、及び/又はオフセットされる若しくは互い違いに配置され得る。いくつかの実施形態では、内腔124は、例えば、楕円形、長円形、三角形、矩形、正方形、多角形、不定、均一、不均一、可変、管状、及び/又はテーパ状などの様々な断面構成を有してもよい。
【0052】
ハンドル116は、シャフト114及び軸L2と同軸である筒部128を含む本体12
6を備える。筒部128は、
図7に最もよく示されるように、ねじ切りされた外面130と、内腔124と連通しかつ同軸である開口部134を画定する対向する内面132とを有する。本体126は、筒部128に対向する円錐状部分136を備える。円錐状部分136は、本明細書で説明するように、ハンドル116をスリーブ44と接続するためにチャネル68内に配置されるように構成されている。円錐状部分136は、適切な組立体を確実にするために、ドライバ32に対するデバイス112の向軸化を促進するのに役立つ。
【0053】
ハンドル116は、片持ち構成で本体126の第1の側140から延在する第1のウィング部138と、片持ち構成で本体126の対向する第2の側144から延在する第2のウィング部142とを含む、第2の嵌合要素を備える。ウィング部138は、第1の側140から延在する延長部146と、延長部146から延在する把持部分148と、延長部146から延在するタブ150とを含む。ウィング部142は、第2の側144から延在する延長部152と、延長部152から延在する把持部分154と、延長部152から延在するタブ156とを含む。延長部146,152はそれぞれ、軸L2に対して平行に延在する。把持部分148,154はそれぞれ、軸L2に対して横方向に延在する。タブ150,156はそれぞれ、軸L2に対して垂直に延在する。タブ150は、軸L2に対して平行に延在する表面150aを含み、タブ156は、軸L2に対して平行に延在する表面156aを含む。表面150aは表面156aに面している。タブ150は、軸L2に対して垂直に延在する表面150bを含み、タブ156は、軸L2に対して垂直に延在する表面156bを含む。デバイス112がドライバ32に対して、
図12の矢印Aによって示される方向に軸方向に並進することを防止するように、タブ150,156は、フランジ50に係合してデバイス112をドライバ32に固定するように構成されている。表面150aは、ウィング部138,142に力が印加されないときに、表面156aから第1の距離だけ離間している。ウィング部138,142は、本体126に対して偏向するように構成される。例えば、把持部分148に力が加えられて、把持部148を本体126に対して
図8の矢印Bで示す方向に移動させることがあり、把持部分154に力が加えられて、把持部分154を本体126に対して
図8の矢印Cによって示される方向に移動させることがあり、それにより、タブ150,156は互いから離れて移動し、表面150aは表面156aから離れて増加した第2の距離だけ離間される。いくつかの実施形態では、力が把持部分148、154から取り外されて、タブ150,156が互いに向かって移動し、それにより表面150aが表面156aから離れて第1の距離だけ離間するように、ウィング部138、142は、内側に弾性的に付勢される。
【0054】
デバイス112をスリーブ44と接続するために、シャフト114は、軸L2が軸L1と同軸になるようにチャネル68内に挿入される。次に、円錐状部分136がチャネル68内に配置されるまで、デバイス112は、
図9の矢印Dによって示される方向にスリーブ44に対して軸方向に並進される。デバイス112が、
図9の矢印Dによって示される方向にスリーブ44に対して軸方向に並進すると、タブ150の表面150aは、
図11に示されるようにフランジ50の表面60に沿って摺動し、タブ156の表面156aは表面60に沿って摺動する。表面150a,156aが表面60に沿って摺動すると、ウィング部138,142は、表面150a,156a間の距離が第1の距離から第2の距離まで増加するように、本体126から外向きに偏向する。表面150a,156aがフランジ50の表面62に沿って摺動するように、表面150a,156aが第2の距離だけ離間しているとき、デバイス112は、
図9の矢印Dによって示される方向に、スリーブ44に対して軸方向に更に並進される。デバイス112は、タブ150,156が凹部54と整列されるように、
図9の矢印Dによって示される方向に、スリーブ44に対して軸方向に更に並進される。
図12及び
図13に示すように、ウィング部138,142の内側への付勢により、表面150aが表面156aから第1の距離だけ離間し、表面150b,156bがフランジ50の表面58と係合するように、タブ150,156を互い
に向かって移動させ、
図12の矢印Aによって示される方向に、デバイス112がスリーブ44に対して軸方向に並進することを防止する。いくつかの実施形態では、タブ150,156は、タブ150,156が互いに向かって移動し、表面150b,156bがフランジ50の表面58と係合するときにクリック音を生成し、これはデバイス112がスリーブ44と適切に組み立てられたことを示す。
【0055】
デバイス112をスリーブ44から取り除くために、把持部分148に力が加えられて、把持部148を本体126に対して
図8の矢印Bで示す方向に移動させ、把持部分154に力が加えられて、把持部分154を本体126に対して
図8の矢印Cによって示される方向に移動させ、それにより、表面150aは表面156aから離れて第2の距離だけ離間される。デバイス112は、表面150a,156aが表面62に沿って摺動するように、
図12の矢印Aによって示される方向に、スリーブ44に対して軸方向に並進される。デバイス112は、シャフト114がチャネル68から取り外されるまで、
図12の矢印Aによって示される方向に、スリーブ44に対して軸方向に並進されてもよい。
【0056】
組立、動作及び使用において、ドライバ32は、本明細書で説明するように、締結具80と接続される。手術部位へのアクセスが得られ、特定の外科処置が行われる。送達システム30の構成要素は、外科治療を増強するために用いられる。例えば、締結具80は、例えばスリーブ34に対するスリーブ44の時計回り又は反時計回りの回転を介して、ドライバ32を用いて骨又は他の組織に挿入されてもよい。デバイス112は、締結具80が骨又は他の組織に挿入される前又は後のいずれかで、ドライバ32と接続される。
【0057】
図14及び
図15に示される一実施形態では、例えば、骨セメントなどの骨充填材料は、開口部134を通して内腔124内に挿入される。骨充填材料は、デバイス112がドライバ32と接続される前又は後に、内腔124内に挿入されてもよい。プランジャ158は、
図14に示されるように開口部134と整列される。プランジャ158は次に、
図15の矢印Eによって示される方向にハンドル116に対して並進され、それにより、プランジャ158が内腔124及び孔78,106を通って骨充填材料を押し、骨充填材料がねじ86内の1つ又は複数の開口部を介してねじ86を出る。骨充填材料が硬化すると、ねじ86を骨又は他の組織と結合させる。外科処置が完了すると、プランジャ158はデバイス112から取り外されてもよく、ドライバ32は手術部位から除去される。いくつかの実施形態では、デバイス112は、ドライバ32が手術部位から除去される前又は後のいずれかで、ドライバ32から係合解除される。いくつかの実施形態では、例えば、脊椎ロッドなどの脊椎構造体は、ドライバ32が手術部位から除去された後にインプラントキャビティ92内に挿入され、止めねじの外面上のねじ山がアーム88,90の内面上のねじ山と係合するように、止めねじが受容部84と係合される。止めねじがロッドに係合してロッドを受容部84に対して固定するまで、止めねじは受容部84に対して回転される。
【0058】
図16に示す一実施形態では、送達システム30は、ルアーロック164によってハンドル112に接続されるカートリッジ162と、カートリッジ162に接続されたセメント送達銃166とを有するセメント送達システム160を含む。ルアーロック164のねじ山は表面130のねじ山と嵌合され、カートリッジ162をハンドル112に接続する。カートリッジ162は、例えば、カートリッジ162がハンドル112に接続される前又は後のいずれかで、骨セメントなどの骨充填材料で充填される。例えば、セメント送達銃166のトリガハンドルなどのアクチュエータは、骨充填材料を内腔124及び孔78,106を通して移動させ、それにより、骨充填材料がねじ86内の1つ又は複数の開口部を介してねじ86を出る。表面150b,156bの係合は、デバイス112が、セメント送達銃166によって生成された背圧によって、
図12の矢印Aによって示される方向に、スリーブ44に対して軸方向に並進されるのを防止する。骨充填材料が硬化すると
、ねじ86を骨又は他の組織と結合させる。外科処置が完了すると、セメント送達システム160は、デバイス112から取り外されてもよく、ドライバ32は手術部位から除去される。いくつかの実施形態では、デバイス112は、ドライバ32が手術部位から除去される前又は後のいずれかで、ドライバ32から係合解除及び/又は切断される。いくつかの実施形態では、例えば、脊椎ロッドなどの脊椎構造体は、ドライバ32が手術部位から除去された後にインプラントキャビティ92内に挿入され、止めねじの外面上のねじ山がアーム88,90の内面上のねじ山と係合するように、止めねじが受容部84と係合される。止めねじがロッドに係合してロッドを受容部84に対して固定するまで、止めねじは受容部84に対して回転される。
【0059】
送達システム30は、単一の椎骨レベル又は複数の椎骨レベルで使用され得る、本明細書に記載されるもの及び/又は固定要素などの1つ又は複数の骨締結具を含むことができる。いくつかの実施形態では、骨締結具は、例えば、直列、平列、オフセット、互い違い、及び/又は代替の椎骨レベルなど、様々な配向で椎骨と係合されてもよい。いくつかの実施形態では、骨締結具及び/又は固定要素は、1つ又は複数の多軸ねじ、矢状アンギュレーションねじ、椎弓根ねじ、一軸ねじ、単平面ねじ、固定ねじ、組織貫通ねじ、従来のねじ、膨張ねじ、くさび、アンカー、ボタン、クリップ、スナップ、摩擦嵌合、圧縮フィッティング、拡張リベット、ステープル、釘、接着剤、ポスト、固定プレート及び/又はポストを含み得る。いくつかの実施形態では、システム30は、例えば、挿入器、延長器、低減器、スプレッダ、伸延具、ブレード、リトラクタ、クランプ、鉗子、エレベータ、及びドリルなどの、本開示の構成を含む様々な器具を含んでもよく、これらは、特定の用途の要件に従って、交互にサイズ決め及び寸法決めされ、キットとして配置され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、送達システム30は、送達システム30の構成要素及び/又は表面の内部、上、又はその周囲に配置、充填、コーティング、又は積層され得る薬剤を含む。いくつかの実施形態では、薬剤は、椎骨と固定要素の固定を強化するために、例えば骨移植片などの骨成長促進材料を含んでもよい。送達システム30の構成要素は、ポリマーなどの放射線透過性材料で作製することができる。放射線マーカは、X線、蛍光透視法、CT又は他の撮像技術の下での識別のために含まれてもよい。いくつかの実施形態では、薬剤は、例えば、疼痛、炎症、及び変性を治療するように、1つ又は複数の、治療薬、及び/又は、徐放を含めたリリース(release)のための薬品を含むことができる。
【0061】
一実施形態では、
図17~
図21に示されるように、送達システム30は、ドライバ32と同様のドライバ168を含む。ドライバ168は、下部172と、下部172に接続された上部174とを有する外スリーブ170を含む。下部172は、端部176と対向端部178との間の長手方向軸L3に沿って延在する。端部176は、上部174の端部182を配置して上部174を下部172と接続するように構成された周方向切り取り部180を含む。いくつかの実施形態では、上部174は下部172と接続されて、上部174を下部172に対して仮固定することにより、軸L3を中心とした上部174の回転もまた、軸L3を中心に下部172を回転させる。いくつかの実施形態では、上部174は、例えば、モノリシック、一体的接続、摩擦係合、ねじ係合、相互溝、ねじ、接着剤、爪、バーブ及び/又は隆起要素など下部172と様々に接続され得る。端部178は、本明細書で説明するように、例えば骨締結具80などのインプラントと係合するように構成された駆動部分を画定する先端部184を含む。いくつかの実施形態では、駆動部分は、締結具80の対応する形状部分ツール係合部分102と係合するように構成された正方形、三角形、多角形、星形、又は六角突出(hexalobe)の断面構成を含み得る。
【0062】
上部174は、端部182、対向端部186を含む。端部186は、例えばフランジ50と同様のフランジ188などの第1の嵌合要素を含む。フランジ188は、例えば凹部192などのアンダーカットによってフランジ190から離間されている。フランジ18
8は、それぞれが軸L3に対して垂直に延在する対向面194,196と、
図20及び
図21に最もよく示されるように、表面194,196の間にそれぞれ配置された表面198,200とを含む。表面194は、端部186の端面を画定する。表面198は軸L3に対して横方向に延在し、表面200は軸L3に平行に延在する。
【0063】
下部172は、通路204を画定する内面202を含み、上部174は、通路204と連通しかつ同軸であるチャネル208を画定する内面206を含む。通路204及びチャネル208は、スリーブ210が軸L3を中心にスリーブ170に対して回転可能であるように、内スリーブ210を配置するように構成される。スリーブ210は、端部212と、ねじ切りされた外面228を有する対向端部214とを含む。端部212の遠位部分は通路204内に位置付けられ、端部212の近位部分216は、チャネル208内に位置付けられる。近位部分216は、ソケット220を画定する内面218を含む。いくつかの実施形態では、ソケット220は、本明細書で説明するようにサムホイール222の対応する形状の部分と係合するように構成された正方形、三角形、多角形、星形、又は六角突出(hexalobe)の断面構成を含んでもよい。
【0064】
上部174は、デバイス112の一部分の可視化を可能にするように構成されたウィンドウ224と、サムホイール222の把持を可能にするように構成されたウィンドウ226とを含む。サムホイール222は、ソケット220内に配置されたビット(図示せず)を含む。ビットはソケット220の形状に対応する形状を有し、それにより、軸L3を中心としたスリーブ170に対するサムホイール222の回転はまた、軸L3を中心としてスリーブ170に対してスリーブ210を回転させる。
【0065】
ドライバ168を締結具80に接続するために、サムホイール222は、例えば時計回り又は反時計回りなど、第1の回転方向に、軸L3を中心にスリーブ170に対して回転される。第1の回転方向における軸L3を中心としたスリーブ170に対するサムホイール222の回転は、スリーブ170に対するスリーブ210の第1の回転方向への軸L3を中心とした回転を引き起こす。スリーブ210がスリーブ170に対して第1の回転方向に軸L3を中心に回転すると、スリーブ210の表面228上のねじ山は、締結具80のアーム88,90の内面上のねじ山と嵌合する。スリーブ210がスリーブ170に対して第1の回転方向に軸L3を中心に回転することは、スリーブ210を、スリーブ170に対して、
図19の矢印Fによって示される方向に軸方向に並進させる。スリーブ210がスリーブ170に対して、
図19の矢印Fによって示される方向に軸方向に並進すると、先端部184はねじ86のツール係合部分102に挿入される。先端部184とツール係合部分102と、スリーブ210の表面228上のねじ山と、締結具80のアーム88,90の内面上のねじ山との同時係合により、ねじ86が受容部84に対して枢動することを防止する。
【0066】
締結具80からドライバ168を除去するために、サムホイール222は、例えば時計回り又は反時計回りなど、反対の第2の回転方向に軸L3を中心として、スリーブ170に対して回転される。第2の回転方向における軸L3を中心としたスリーブ170に対するサムホイール222の回転は、スリーブ170に対するスリーブ210の第2の回転方向への軸L3を中心とした回転を引き起こす。スリーブ210がスリーブ170に対して第2の回転方向に軸L3を中心に回転すると、スリーブ210は、
図19の矢印Gによって示される方向にスリーブ170に対して軸方向に並進する。スリーブ210がスリーブ170に対して軸方向に、
図19の矢印Gによって示される方向に並進すると、先端部184はねじ86のツール係合部分102から外に移動し、スリーブ210の表面228上のねじ山は、締結具80のアーム88,90の内面上のねじ山を係合解除し、このときドライバ168は、締結具80から完全に除去され得る。
【0067】
組立体、動作及び使用において、ドライバ168は、本明細書で説明するように、締結具80と接続される。手術部位へのアクセスが得られ、特定の外科処置が行われる。送達システム30の構成要素は、外科治療を増強するために用いられる。例えば、締結具80は、例えばスリーブ170の時計回り又は反時計回りの回転を介して、ドライバ168を用いて骨又は他の組織に挿入されてもよい。
【0068】
デバイス112は、締結具80が骨又は他の組織に挿入される前又は後のいずれかで、ドライバ168と接続される。デバイス112をドライバ168と接続するために、シャフト114は、軸L3が軸L1と同軸になるようにチャネル208内に挿入される。次に、シャフト114がサムホイール222を通って延在し、円錐状部分136がチャネル208内に位置付けられるまで、デバイス112は、
図19の矢印Fによって示される方向にスリーブ170に対して軸方向に並進される。デバイス112が、
図19の矢印Fによって示される方向にスリーブ170に対して軸方向に並進すると、タブ150の表面150aは、フランジ188の表面198に沿って摺動し、タブ156の表面156aは表面198に沿って摺動する。表面150a,156aが表面198に沿って摺動すると、ウィング部138,142は、表面150a,156a間の距離が第1の距離から第2の距離まで増加するように、本体126から外向きに偏向する。表面150a,156aがフランジ188の表面200に沿って摺動するように、表面150a,156aが第2の距離だけ離間しているとき、デバイス112は、
図19の矢印Fによって示される方向に、スリーブ170に対して軸方向に更に並進される。デバイス112は、タブ150,156が凹部198と整列されるように、
図19の矢印Fによって示される方向に、スリーブ170に対して軸方向に更に並進される。
図17に示すように、ウィング部138,142の内側への付勢により、表面150aが表面156aから第1の距離だけ離間し、表面150b,156bがフランジ188の表面196と係合するように、タブ150,156を互いに向かって移動させ、
図19の矢印Gによって示される方向に、デバイス112がスリーブ170に対して軸方向に並進することを防止する。いくつかの実施形態では、タブ150,156は、タブ150,156が互いに向かって移動し、表面150b,156bがフランジ188の表面196と係合するときにクリック音を生成し、これはデバイス112がスリーブ170と適切に組み立てられたことを示す。
【0069】
一実施形態では、例えば、骨セメントなどの骨充填材料は、開口部134を通して内腔124内に挿入される。骨充填材料は、デバイス112がドライバ168と接続された後に、内腔124内に挿入されてもよい。プランジャ158は、開口部134と整列される。プランジャ158は次に、
図19の矢印Fによって示される方向にハンドル116に対して並進され、それにより、プランジャ158が内腔124、先端部184を通って延在する開口部230及び孔106を通って骨充填材料を押し、それにより、骨充填材料がねじ86内の1つ又は複数の開口部を介してねじ86を出る。骨充填材料が硬化すると、ねじ86を骨又は他の組織と結合させる。外科処置が完了すると、プランジャ158はデバイス112から取り外されてもよく、ドライバ168は手術部位から除去される。いくつかの実施形態では、デバイス112は、ドライバ168が手術部位から除去される前又は後のいずれかで、ドライバ168から係合解除される。デバイス112をスリーブ170から取り除くために、把持部分148に力が加えられて、把持部148を本体126に対して
図8の矢印Bで示す方向に移動させ、把持部分154に力が加えられて、把持部分154を本体126に対して
図8の矢印Cによって示される方向に移動させ、それにより、表面150aは表面156aから離れて第2の距離だけ離間される。デバイス112は、表面150a,156aが表面200に沿って摺動するように、
図19の矢印Fによって示される方向に、スリーブ170に対して軸方向に並進される。デバイス112は、シャフト114がチャネル208から取り外されるまで、
図19の矢印Fによって示される方向に、スリーブ170に対して軸方向に並進されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、脊椎ロッドなどの脊椎構造体は、ドライバ168が手術部位から除去された後にイ
ンプラントキャビティ92内に挿入され、止めねじの外面上のねじ山がアーム88,90の内面上のねじ山と係合するように、止めねじが受容部84と係合される。ロッドが受容部84に対して固定されるように止めねじがロッドと係合するまで、止めねじは受容部84に対して回転される。
【0070】
一実施形態では、ルアーロック164のねじ山は表面130のねじ山と嵌合され、カートリッジ162をハンドル112に接続する。カートリッジ162は、例えば、カートリッジ162がハンドル112に接続される前又は後のいずれかで、骨セメントなどの骨充填材料で充填される。セメント送達銃166のトリガハンドルは、骨充填材料を内腔124、開口部230及び孔106を通して移動させ、それにより、骨充填材料がねじ86内の1つ又は複数の開口部を介してねじ86を出る。骨充填材料が硬化すると、ねじ86を骨又は他の組織と結合させる。外科処置が完了すると、セメント送達システム160は、デバイス112から取り外されてもよく、ドライバ168は手術部位から除去される。いくつかの実施形態では、デバイス112は、ドライバ168が手術部位から除去される前又は後のいずれかで、ドライバ168から係合解除される。いくつかの実施形態では、例えば、脊椎ロッドなどの脊椎構造体は、ドライバ168が手術部位から除去された後にインプラントキャビティ92内に挿入され、止めねじの外面上のねじ山がアーム88,90の内面上のねじ山と係合するように、止めねじが受容部84と係合される。ロッドが受容部84に対して固定されるように止めねじがロッドと係合するまで、止めねじは受容部84に対して回転される。
【0071】
本明細書に開示される実施形態には、様々な修正がなされ得ることが理解されるであろう。したがって、上述の説明は、単に様々な実施形態の例示として解釈すべきであり、限定するものとして解釈すべきではない。本明細書に添付の請求項の範囲及び趣旨を逸脱しない他の修正は、当業者ならば想到するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送達システムであって、
ねじ切りされたねじと、前記ねじに結合された頭部とを備えるインプラントであって、前記ねじが、前記ねじの対向端部を通って延在する孔を備え、前記頭部がねじ切りされた内面を有する、インプラントと、
通路を画定する外スリーブを備える第1の器具であって、前記外スリーブは前記頭部に直接結合され、前記通路内に回転可能に配置された第1の端部と、第1の嵌合要素を含む第2の端部とを有する内スリーブを備え、前記内スリーブはチャネルを画定し、前記第1の端部が、前記チャネルと連通する開口部を画定し、前記第1の器具は前記内スリーブに取り外し可能に接続される先端部を有し、前記先端部は、前記頭部に前記先端部を結合するために前記ねじ切りされた内面に係合するねじ切りされた外面を有し、前記先端部は前記チャンネル内に位置決めされたフランジを有し、前記フランジは前記開口部の直径よりも大きな直径を有し、前記先端部は前記孔内に位置決めされた駆動部分を有する、第1の器具と、
前記チャネル内に配置され、長手方向軸を画定する中空シャフトと、前記シャフトに結合されたハンドルとを備える第2の器具であって、前記ハンドルが本体と、前記本体から延在する第2の嵌合要素とを備える、第2の器具と
を備え、
前記第2の嵌合要素が前記第1の嵌合要素と係合して、前記第2の器具を前記第1の器具に固定し、それにより、前記第2の器具が前記第1の器具に対して近位に並進することを防止され、
前記外スリーブが前記頭部に結合され、前記第2の器具が前記第1の器具に固定されるとき、前記先端部は、前記長手方向軸の周囲で前記頭部に対して回転するようになっている、
送達システム。
【請求項2】
前記孔は、前記チャネルと連通し且つ同軸である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記第1の嵌合要素が、前記内スリーブの外面から外向きに延在するフランジである、請求項1に記載の送達システム。
【請求項4】
前記第2の嵌合要素が、片持ち構成で前記ハンドルの前記本体の第1の側から延在する第1のウィング部と、片持ち構成で前記ハンドルの前記本体の対向する第2の側から延在する第2のウィング部と、を備える、請求項3に記載の送達システム。
【請求項5】
前記第1のウィング部が、前記第1の側から延在する延長部と、前記延長部から延在するタブとを備え、
前記第2のウィング部が、前記第2の側から延在する延長部と、前記第2のウィング部の前記延長部から延在するタブとを備え、
前記延長部はそれぞれ、前記長手方向軸に平行に延在し、前記タブはそれぞれ、前記長手方向軸に対して垂直に延在し、これにより前記タブの端面はそれぞれ前記長手方向軸に平行に延在し、
前記タブは前記内スリーブの前記フランジに係合して、前記第2の器具を前記第1の器具に固定する、請求項4に記載の送達システム。
【請求項6】
前記タブの前記端面は互いに面する、請求項5に記載の送達システム。
【請求項7】
前記ハンドルの本体が前記シャフトと同軸の筒部を含み、前記筒部は、ねじ切りされた外面と、前記シャフトの内腔と連通しかつ同軸である開口部を画定する内面とを含む、請求項1に記載の送達システム。
【請求項8】
前記筒部に結合された注入器を更に備え、前記注入器が中に骨セメントを備え、前記注入器が、前記開口部及び前記内腔を通して前記孔内に前記骨セメントを送達するように構成されている、請求項7に記載の送達システム。
【外国語明細書】