(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038481
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/06 20060101AFI20240312BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G07G1/06 B
G07G1/12 361D
G07G1/12 351C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009218
(22)【出願日】2024-01-25
(62)【分割の表示】P 2020026479の分割
【原出願日】2020-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富永 眞一郎
(57)【要約】
【課題】売上レシートにおいて、軽減税率対象商品として決済されたか否かを短時間で確実に識別することができる商品販売データ処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】商品登録処理部が、客が購入する商品の商品情報および購入形態を登録して、決済処理部が、商品登録処理部が登録した内容に基づいて決済を行う。そして、印字データ生成部(情報出力部)が、決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品の購入形態を示す情報を配置した印字データを出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
客が購入する商品の商品情報および購入形態を登録する商品登録処理部と、
前記商品登録処理部が登録した内容に基づいて決済を行う決済処理部と、
決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品の購入形態を示す情報を配置して出力する情報出力部と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記購入形態を示す情報は、
少なくとも、前記商品が食料品である場合に、当該商品が、軽減税率が適用されない形態で購入されたことを示す情報である、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記購入形態を示す情報は、
少なくとも、前記商品がイートインの形態で購入されたことを示す情報である、
請求項1又は請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記情報出力部は、
同じ商品が複数購入された場合と、単品で購入された場合とで前記購入形態を示す情報の出力形態を変更する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記情報出力部は、
前記購入形態を示す情報を、決済された前記商品に係る情報を出力するのと同じ行の、先頭又は末尾の少なくとも一方に出力する、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
客が購入する商品の商品情報および購入形態を登録する商品登録処理部と、
前記商品登録処理部によって登録された内容に基づいて決済を行う決済処理部と、
決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品の購入形態を示す情報を配置して出力する情報出力部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、商品販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2019年10月から実施される軽減税率制度に伴い、売上レシートの軽減税率対象品目にマークを付ける対応が必要になった。また、店内にイートインスペースがあり、軽減税率対象品目を店内で飲食する場合は、標準税率が適用されるため、売上レシート上の軽減税率対象品目にマークを付ける必要はない。
【0003】
決済済の商品が返品される場合、店員は、返品される商品と売上レシートとを見比べながら返品登録を行う。イートイン対象商品が返品された場合、売上レシート上、軽減税率対象品目を示すマークがないため、誤って、軽減税率対象商品と判断して、消費税額の差額分を少なく返品してしまうおそれがあった。そのため、商品がイートインの形態で販売されたか、テイクアウトの形態で販売されたかを識別して売上レシートに印字する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された売上レシートの印字形態では、店員が、返品された商品の販売形態を短時間で確実に認識するのは難しかった。特に、購入された商品の点数が多い場合(レシートが長い場合)には、店員の負荷はより一層高くなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、売上レシートにおいて、軽減税率対象商品として決済されたか否かを短時間で確実に識別することができる商品販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態の商品販売データ処理装置は、商品登録処理部と、決済処理部と、情報出力部とを備える。商品登録処理部は、客が購入する商品の商品情報および購入形態を登録する。決済処理部は、商品登録処理部が登録した内容に基づいて決済を行う。情報出力部は、決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品の購入形態を示す情報を配置して出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、POS端末の概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、POS端末のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【
図3】
図3は、POS端末の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、客から返品された商品の情報を登録する際に、店員側表示器に表示される情報の表示例を示す図である。
【
図6】
図6は、商品登録時および決済時にPOS端末が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、商品返品時にPOS端末が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、レシートのその他の印字例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(POS端末の全体構成の説明)
まず、
図1を用いて本発明の実施の形態であるPOS端末10について説明する。
図1は、POS端末の概略構成を示す図である。
【0009】
POS端末10は、キーボード11と、店員側表示器12と、客側表示器14と、カードリーダ15と、バーコードリーダ16と、レシートプリンタ17と、を備えている。なお、POS端末10は、本開示における商品販売データ処理装置の一例である。
【0010】
キーボード11は、置数キー、クリアキー、戻りキー、小計キー、締めキー等の複数のキーを備えている。置数キーは、商品コードや金額等の数値を入力するためのテンキーである。クリアキーは、エラー発生時等に操作を取り消すためのキーである。戻りキーは、現在の操作をキャンセルして直前の画面に戻すためのキーである。小計キーは、商品を登録する商品登録処理を完了して、取引合計額の算出を宣言するためのキーである。締めキーは、入力された内容を確定して決済処理(会計処理)を行う場合に押下するキーである。
【0011】
店員側表示器12は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示デバイスと、当該表示デバイスの表面に積層されたタッチパネル13を有する。店員側表示器12は、店員に対して、登録処理および決済処理等の処理状態に応じた画面を表示する。タッチパネル13は、店員側表示器12に表示された画面又はボタン等に対する店員の押下操作を検出して、押下された位置に応じて、POS端末10の動作を制御する。
【0012】
客側表示器14は、例えばLCDパネル等の表示デバイスで構成されており、表示面を客に向けて配置されて、登録した商品の金額、値引額、取引合計額、値引合計額等を表示する。
【0013】
カードリーダ15は、客が所持する店舗の会員カードに登録された、会員番号等の顧客情報を読み取る。なお、カードリーダ15は、会員カードに情報を書き込む機能を更に備えて、会員の最新のポイント数を書き込むものであってもよい。
【0014】
さらに、POS端末10には、商品に付与されたバーコードから、当該バーコードが保持するコードデータを読み取るバーコードリーダ16を備える。バーコードリーダ16は、商品に付与されたコードデータの受光信号をデコード(復号)して、バーコードが表現しているコードデータ(商品を特定する商品コード)を取得し、POS端末10のCPU21(
図2参照)に出力する。
【0015】
レシートプリンタ17は、取引内容が印字された売上レシートを印字して発行する。
【0016】
(POS端末のハードウェア構成の説明)
次に、
図2を用いて、POS端末10のハードウェア構成について説明する。
図2は、POS端末のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
図2に示すように、POS端末10は、制御部20と、記憶部24と、コントローラ25とを備える。
【0017】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM22と、RAM23とを備えた一般的なコンピュータの構成を有する。CPU21は、ROM22や後述する記憶部24に記憶された各種プログラムやデータファイル等を読み出して、RAM23に展開する。CPU21は、RAM23に展開された各種プログラムやデータファイル等に従って動作して、POS端末10の全体の制御を司る。
【0018】
制御部20は、内部バス27を介して、記憶部24と、コントローラ25と、それぞれ接続される。
【0019】
記憶部24は、電源を切っても記憶情報を保持する。記憶部24は、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。また、HDDの代わりに、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えてもよい。記憶部24は、制御プログラムPを含むプログラム等を記憶する。制御プログラムPは、POS端末10が備える機能を発揮させるためのプログラムである。
【0020】
なお、制御プログラムPは、ROM22に予め組み込まれて提供されてもよい。また、制御プログラムPは、制御部20にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、制御プログラムPを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、制御プログラムPを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0021】
記憶部24は、更に、商品マスタファイルMを記憶する。商品マスタファイルMは、商品コードに対応させて、商品の名称、単価等の商品情報を格納したマスタファイルである。なお、商品マスタファイルMは、POS端末10と、
図2に不図示の店舗サーバとが通信を行うことによって、逐次更新される。
【0022】
また、記憶部24は、客が購入した商品に係る商品情報を登録した売上ファイルFを記憶する。なお、売上ファイルFには、売上の履歴のみならず、返品の履歴も登録される。
【0023】
コントローラ25は、制御部20と、入出力機器である、キーボード11、店員側表示器12、タッチパネル13、客側表示器14、カードリーダ15、バーコードリーダ16、レシートプリンタ17とを接続する。各入出力機器の機能は前記した通りである。
【0024】
なお、POS端末10は、更に、不図示の店舗サーバと通信を行う。不図示の通信ユニットを備える。
【0025】
(POS端末の機能構成の説明)
次に、
図3を用いて、POS端末10の機能構成を説明する。
図3は、POS端末の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0026】
POS端末10の制御部20(
図2参照)は、制御プログラムPをRAM23に展開して動作させることによって、
図3に示すコードシンボル読取部30と、購入形態指定部31と、商品登録処理部32と、印字データ生成部33と、レシート印字部34と、決済処理部35と、返金処理部36とを機能部として実現する。
【0027】
コードシンボル読取部30は、商品に付与された、当該商品を特定する情報を含むコードシンボルを読み取る。コードシンボルは、例えば、バーコードや2次元コード等である。
【0028】
購入形態指定部31は、店員がキーボード11やタッチパネル13から入力した、商品の購入形態を示す情報を取得する。購入形態は、例えば、購入された商品が食料品である場合に、少なくとも、当該商品が、軽減税率が適用されない形態で購入されたことを示す情報である。より具体的には、少なくともイートインの形態で購入されたことを示す情報である。
【0029】
商品登録処理部32は、客が購入する商品の商品情報および購入形態を登録する。
【0030】
印字データ生成部33は、全ての商品登録が終了した後で、商品登録処理部32が登録した商品の購入情報(商品名、単価、購入数、税率等)を、レシートに印字する形態で配置した印字データを生成する。その際、印字データ生成部33は、決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品の購入形態を示す情報を配置して、印字データとして生成する。なお、印字データ生成部33は、本開示における情報出力部の一例である。なお、POS端末10が電子レシート生成機能を備えている場合、印字データ生成部33とともに、不図示の電子レシート出力データ生成部を備えてもよい。電子レシート出力データ生成部は、商品登録処理部32が登録した商品の購入情報を、電子レシートとして配信する形式で配置した配信データを生成する。その際、印字データ生成部33は、決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品の購入形態を示す情報を配置する。
【0031】
レシート印字部34は、印字データ生成部33が生成した印字データをレシートプリンタ17で印字して、レシートとして発行する。
【0032】
決済処理部35は、商品登録処理部32が登録した結果に基づいて、購入代金を決済する決済処理を行う。
【0033】
返金処理部36は、客から返品された商品の価格と返品数と購入形態とに基づいて、返金額を算出する。
【0034】
(レシート印字例の説明)
次に、
図4を用いて、レシートの印字例を説明する。
図4は、レシートの印字例を示す図である。特に、
図4に示すレシート80、レシート82は、いずれも商品Aを1個購入した場合のレシートの印字例である。
【0035】
レシート80,82には、決済された商品毎に、当該商品の商品名と単価および購入数量が、1行に印字される。なお、同じ商品を複数購入した場合のレシートの印字例は後述する(
図8参照)。また、レシート80,82には、各商品の商品名と単価および購入数量の下方に、小計、税額、合計金額、預かり金額、釣り銭額がそれぞれ印字される。
【0036】
レシート80は、テイクアウトの形態で商品Aを購入した際に発行されるレシートの印字例である。レシート80において、商品Aの単価を示す行には、商品単価の直前に、テイクアウトの形態で購入されたことを示すシンボル81が印字される。このシンボル81が、2019年10月から実施される軽減税率制度に伴い、軽減税率対象品目に付すことが義務付けられたマークである。
【0037】
レシート82は、イートインの形態で商品Aを購入した際に発行されるレシートの印字例である。レシート82において、決済された商品Aの単価を示す行には、商品単価の直後、即ち、決済された商品の単価および購入数量が印字される行の末尾に、イートインの形態で購入されたことを示すシンボル83が印字される。シンボル83は、イートインの「イ」を白抜きで表現したアイコンである。即ち、シンボル83は、店員が一目でイートインの形態で購入された商品であることを認識させるものである。このシンボル83は、商品名や金額等記載の最下位桁よりも右方に印字される。
【0038】
即ち、レシート80,82に印字される金額(商品単価、小計、税額、合計金額、預かり金額、釣り銭額)は、数値の可読性を高めるために、右端揃え、即ち最下位の桁を揃えて印字される。そして、シンボル83を、商品名や金額等の最下位桁が印字される位置よりも右方に印字されることによって、シンボル83の可読性を高める。
【0039】
なお、POS端末10が電子レシート生成機能を備えている場合には、レシート80,82と同じ形態の電子レシートが生成される。
【0040】
(返金処理の説明)
次に、
図5を用いて、返金処理の内容を説明する。
図5は、客から返品された商品の情報を登録する際に、店員側表示器に表示される情報の表示例を示す図である。
【0041】
客から商品が返品された際、店員は、まずPOS端末10のキーボード11またはタッチパネル13を操作して、POS端末10の返金処理部36(
図3参照)の作用によって返品商品を登録した後、返品商品の販売形態を選択する。
図5の表示画面40は、返品商品の販売形態登録画面の一例である。
【0042】
返金処理部36は、店員側表示器12の表示画面40に、選択された返品商品を特定する商品情報41と、イートインの形態で販売したことを選択するイートインボタン42と、テイクアウトの形態で販売したことを選択するテイクアウトボタン43とを表示する。
【0043】
このとき、返金処理部36は、イートインボタン42を、テイクアウトボタン43よりも大きく描画する。これは、店員が、本来イートインを選択すべきところを、誤ってテイクアウトを選択することを防止するためである。即ち、イートインの形態で販売された商品が返品された際に、誤ってテイクアウトを選択してしまうと、イートイン商品にかかる税率10%に対して、テイクアウト商品にかかる税率8%分しか返金されないため、客は2%分の損害を被ることになるためである。逆に、テイクアウトの形態で販売した商品が返品された際に、誤ってイートインを選択してしまうと、店側が2%分の損害を被ることになるが、客に迷惑がかからないように配慮して、間違い分は店側が負担するものとする。
【0044】
前記したように、イートインの形態で販売されたことは、レシート上で容易に識別できるようになっているため、本来であれば、店員が誤ってテイクアウトを選択することはないが、誤りを極力なくすために、表示画面40のような表示形態をとる。なお、表示画面40に表示するイートインボタン42とテイクアウトボタン43の形態は、
図5の例に限定されるものではなく、イートインボタン42がテイクアウトボタン43よりも押しやすい形態であればよい。
【0045】
表示画面40において、返品商品の販売形態が選択されると、返金処理部36は、店員側表示器12に、返品点数を入力する表示画面50を表示する。
【0046】
返金処理部36は、店員側表示器12の表示画面50に、返品対象商品名とその販売形態を表示するとともに、返品点数を表示する返品点数表示欄51と、返品点数を入力するテンキー52とを表示する。
【0047】
テンキー52は、0から9までの数字キーと、入力した返品点数を確定する確定キー、および入力を間違えた場合に数値をクリアするクリアキーを有する。
【0048】
店員は、客から返品点数を聞いた上で、テンキー52を操作して、返品数を入力する。入力された返品数は、返品点数表示欄51に表示される。入力した返品数に問題なければ、店員は確定キーを押して、返品点数を確定する。
【0049】
その後、返金処理部36は、入力された商品名と返品数、および購入形態に基づいて返金額を算出して、返金を行う。また、返金処理部36は、返品履歴を登録することによって、売上ファイルF(
図2参照)を更新する。
【0050】
なお、売上ファイルには、指定された商品の販売個数が登録されているため、テンキー52で選択された返品数が販売個数を超える値であった場合、返金処理部36は、不適格な数が入力されたと判断して、返品点数表示欄51に確認を促す情報を表示してもよい。
【0051】
(POS端末が行う処理の流れの説明)
次に、
図6を用いて、POS端末10が行う処理の流れを説明する。
図6は、POS端末が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0052】
コードシンボル読取部30は、商品に付されたコードシンボルを読み取る(ステップS10)。
【0053】
商品登録処理部32は、ステップS10で読み取ったコードシンボルに関連付いた商品が、軽減税率対象商品であるかを判定する(ステップS11)。軽減税率対象商品であると判定される(ステップS11:Yes)とステップS12に進む。一方、軽減税率対象商品であると判定されない(ステップS11:No)とステップS13に進む。
【0054】
ステップS11においてYesと判定されると、購入形態指定部31は、商品の購入形態を取得する(ステップS12)。
【0055】
ステップS11においてNoと判定されるか、またはステップS12に引き続き、商品登録処理部32は、コードシンボル読取部30が読み取ったコードシンボルに登録された商品コードを商品マスタファイルMと照合することによって、客が購入する商品を登録する(ステップS13)。
【0056】
商品登録処理部32は、商品登録が完了したかを判定する(ステップS14)。商品登録が完了したと判定される(ステップS14:Yes)とステップS15に進む。一方、商品登録が完了したと判定されない(ステップS14:No)とステップS10に戻る。なお、商品登録が完了したかは、例えば、キーボード11の小計キーが押下されたことによって判定することができる。
【0057】
ステップS14においてYesと判定されると、決済処理部35は、決済処理を行う(ステップS15)。
【0058】
次に、印字データ生成部33は、印字データを生成する(ステップS16)。
【0059】
レシート印字部34は、印字データ生成部33が生成した印字データに基づいてレシートを印字して発行する(ステップS17)。そして、POS端末10は、
図6の処理を終了する。
【0060】
(返金処理の流れの説明)
次に、
図7を用いて、返金処理の際にPOS端末10が行い処理の流れを説明する。
図7は、商品返品時にPOS端末が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0061】
返金処理部36は、店員が指定した返品商品を登録する(ステップS20)。
【0062】
返金処理部36は、店員の指定に基づいて、返品商品の購入形態を指定する(ステップS21)。
【0063】
返金処理部36は、店員の指定に基づいて、返品商品の返品数を指定する(ステップS22)。
【0064】
返金処理部36は、指定された商品の購入形態と返品数とに基づいて、返金金額を算出する(ステップS23)。
【0065】
返金処理部36は、返金金額を払い出す(ステップS24)。
【0066】
返金処理部36は、売上ファイルFを更新する(ステップS25)。そして、POS端末10は、
図7の処理を終了する。
【0067】
(レシートの別の印字例の説明)
次に、
図8を用いて、レシートの別の印字例を説明する。
図8は、レシートのその他の印字例を示す図である。
【0068】
図8に示すレシート90は、同じ商品を、イートインの形態で複数個購入した場合の印字例である。レシート90は、商品Aをイートインの形態で6個購入した場合を示している。この場合、商品Aの購入情報を示す行の末尾に、シンボル91とシンボル92が印字される。シンボル91は、商品Aをイートインの形態で5個購入したことを示すアイコンである。商品Aの購入情報を示す行の末尾に、余白が十分ある場合には、イートインの形態で購入した商品の個数分のシンボル92を印字するのが望ましい。しかし、一般には末尾の余白は限られているため、レシート90では、購入数が5個であることを示すシンボル91を1個と、購入数が1個であることを示すシンボル92を1個印字した。
【0069】
このように、同じ商品が複数購入された場合と、単品で購入された場合とで購入形態を示す情報の出力形態を変更することによって、店員は、当該商品が返品された場合に、返品数を確認する必要があることを、即座に意識することができる。
【0070】
次に、
図8に示すレシート93は、イートインの形態で購入された商品情報を印字する行の先頭に、イートインの形態で購入されたことを示すシンボル94を印字した例である。
【0071】
レシートに印字される商品単価、小計、税額、合計金額、預かり金額、釣り銭額は、可読性を高めるために左端揃えで印字されるが、シンボル94は、その左端位置よりも左方に印字される。これにより、シンボル94を、より一層目立たせることができる。
【0072】
以上説明したように、実施の形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)は、商品登録処理部32が、客が購入する商品の商品情報および購入形態を登録して、決済処理部35が、商品登録処理部32が登録した内容に基づいて決済を行う。そして、印字データ生成部33(情報出力部)が、決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品の購入形態を示す情報を配置した印字データを出力して、レシート印字部34が、出力された印字データを印字して、レシートとして発行する。したがって、発行されたレシートにおいて、各商品が軽減税率対象商品として決済されたか否かを短時間で確実に識別することができる。
【0073】
また、実施の形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)において、購入形態を示す情報は、少なくとも、商品が食料品である場合に、当該商品が、軽減税率が適用されない形態で購入されたことを示す情報である。したがって、軽減税率が適用された場合よりも高い税額を納めたことを容易に識別することができる。
【0074】
また、実施の形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)において、購入形態を示す情報は、少なくとも、商品がイートインの形態で購入されたことを示す情報である。したがって、テイクアウトの形態で購入した場合よりも高い税額を納めたことを容易に識別することができる。
【0075】
また、実施の形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)において、印字データ生成部33(情報出力部)は、同じ商品が複数購入された場合と、単品で購入された場合とで購入形態を示す情報の出力形態を変更する。したがって、商品が返品された際に、返品数を確認する必要があることを即座に意識することができるため、客に対する返品数量の確認を確実に行うことができる。
【0076】
また、実施の形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)において、印字データ生成部33(情報出力部)は、購入形態を示す情報を、決済された商品に係る情報を出力するのと同じ行の、先頭又は末尾の少なくとも一方に出力する。したがって、軽減税率が適用された場合よりも高い税額を納めた商品であることを容易かつ確実に識別することができる。
【0077】
以上、本開示を対面式のPOS端末に適用した場合について説明したが、本開示は、セルフPOSおよびセミセルフPOSであっても、同様に適用することができる。
【0078】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、いずれも例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10…POS端末(商品販売データ処理装置)、30…コードシンボル読取部、31…購入形態指定部、32…商品登録処理部、33…印字データ生成部(情報出力部)、34…レシート印字部、35…決済処理部、36…返金処理部、40,50…表示画面、80,82,90,93…レシート、81,83,91,92,94…シンボル、F…売上ファイル、M…商品マスタファイル、P…制御プログラム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
実施の形態の商品販売データ処理装置は、情報出力部と、返金処理部とを備える。情報出力部は、取引内容が印字されるレシート、または取引結果を配信する電子レシートにおける、決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品に対して軽減税率が適用されることを示す情報、または軽減税率が適用されないことを示す情報を、同じ商品が複数購入された場合と、単品で購入された場合とで異なる出力形態で配置して出力する。返金処理部は、商品が返品される場合に、返品商品の商品情報を登録し、レシートまたは電子レシートに基づいて、軽減税率が適用されたことを示す販売形態、または軽減税率が適用されなかったことを示す販売形態を選択可能に表示させ、選択された販売形態に応じて返品商品の返金金額を算出して返金を行う。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引内容が印字されるレシート、または取引結果を配信する電子レシートにおける、決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品に対して軽減税率が適用されることを示す情報、または軽減税率が適用されないことを示す情報を、同じ商品が複数購入された場合と、単品で購入された場合とで異なる出力形態で配置して出力する情報出力部と、
前記商品が返品される場合に、返品商品の商品情報を登録し、前記レシートまたは前記電子レシートに基づいて、前記軽減税率が適用されたことを示す販売形態、または前記軽減税率が適用されなかったことを示す販売形態を選択可能に表示させ、選択された前記販売形態に応じて前記返品商品の返金金額を算出して返金を行う返金処理部と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記軽減税率が適用されないことを示す情報は、
前記商品が食料品である場合に、当該商品が、軽減税率が適用されない形態で購入されたことを示す情報である、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記軽減税率が適用されないことを示す情報は、
前記商品がイートインの形態で購入されたことを示す情報である、
請求項1又は請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記情報出力部は、
前記軽減税率が適用されることを示す情報、または前記軽減税率が適用されないことを示す情報を、決済された前記商品に係る情報を出力するのと同じ行の、先頭又は末尾の少なくとも一方に出力する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記返金処理部は、
前記返品商品の販売形態を選択可能に表示させる際に、前記軽減税率が適用されない販売形態を選択する操作子を、前記軽減税率が適用される販売形態を選択する操作子よりも大きく表示させる、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
取引内容が印字されるレシート、または取引結果を配信する電子レシートにおける、決済された商品に係る情報と同じ行に、当該商品に対して軽減税率が適用されることを示す情報、または軽減税率が適用されないことを示す情報を、同じ商品が複数購入された場合と、単品で購入された場合とで異なる出力形態で配置して出力する情報出力部と、
前記商品が返品される場合に、返品商品の商品情報を登録し、前記レシートまたは前記電子レシートに基づいて、前記軽減税率が適用されたことを示す販売形態、または前記軽減税率が適用されなかったことを示す販売形態を選択可能に表示させ、選択された前記販売形態に応じて前記返品商品の返金金額を算出して返金を行う、返金処理部と、
して機能させるプログラム。