(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038484
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】軟質組織を修復し、軟質組織を骨に取り付けるための装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/78 20060101AFI20240312BHJP
A61B 17/92 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61B17/78
A61B17/92
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009486
(22)【出願日】2024-01-25
(62)【分割の表示】P 2020566536の分割
【原出願日】2019-02-19
(31)【優先権主張番号】16/226,573
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/633,000
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517133253
【氏名又は名称】コネクションズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】CONEXTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】クビアク,エリック エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】イェーツ,バレット ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,ロイ エム.
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス,ザッケリー ケー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ダニエル ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】トペテ アドリアナ エム.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、軟質組織を修復し、軟質組織を骨に取り付けるための装置、システム、および方法に関する。
【解決手段】骨アンカー18を用いて軟質組織を骨に固定するための修復装置14は、軟質組織アンカー16および1つまたは複数の可撓性部材20を含む。軟質組織アンカーは、ベース22から延在する複数の脚部を備えたベースを含む。1つまたは複数の可撓性部材は、ベースに結合され、ベースから骨アンカーまで固定長で延在するように構成される。この配置では、1つまたは複数の可撓性部材の固定長は、軟質組織アンカーと骨アンカーとの間の実質的に固定された所定の距離を維持するように構成され、骨アンカーが骨に着座すると、1つまたは複数の可撓性部材は、軟質組織アンカーを軟質組織に対して引き下げ、軟質組織を骨に固定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質組織を骨に固定するための修復装置システムであって、
近位端と遠位端の間に延在する細長い構造を有する骨アンカーであって、前記細長い構造に沿って延在する骨アンカー軸を画定する骨アンカーと、
前記骨アンカーに向かって延在するように、ベースから延在する複数の脚部を持つ前記ベースを有する軟質組織アンカーと、
前記軟質組織アンカーを前記骨アンカーに結合するために延在する1つまたは複数の可撓性部材であって、前記軟質組織アンカーを前記骨アンカーに対して所定の距離で離間するように実質的に維持するよう寸法決めされ、および構成される、1つまたは複数の可撓性部材と、を含む、修復装置システム。
【請求項2】
前記骨アンカーが骨に着座されると、前記1つまたは複数の可撓性部材は、前記軟質組織アンカーが前記軟質組織を前記骨に対して同時に固定するのを容易にする、請求項1に記載の修復装置システム。
【請求項3】
前記ベースは、前記ベースを通って中央に延在する中央開口部を画定し、前記軟質組織アンカーは、前記ベースの前記中央開口部に対して軸方向に延在する組織アンカー軸を画定し、前記組織アンカー軸は、前記骨アンカー軸と実質的に同軸で延在するように構成される、請求項1に記載の修復装置システム。
【請求項4】
前記アンカーの前記ベースは、上面および下面で延在し、それらの間に外周を画定し、前記脚部が前記骨アンカーに向かって延在するように構成されるように、前記脚部は前記外周から直接延在しており、曲がって延在している、請求項1に記載の修復装置システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の可撓性部材が連続的なループで延在する、請求項1に記載の修復装置システム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の可撓性部材が、前記骨アンカーから上方に延在する2つのループ部分を含み、前記軟質組織アンカーの部分を包み込む、請求項1に記載の修復装置システム。
【請求項7】
軟質組織を骨に固定するための医療装置システムであって、
送達器具軸を画定する細長い部分を有する送達器具であって、遠位衝撃表面を含む送達器具と、
前記送達器具に取り外し可能に結合されるように構成された修復装置システムであって、
近位端と遠位端との間に延在する細長い構造を有する骨アンカーであって、前記細長い構造に沿って延在する骨アンカー軸を画定する骨アンカーと、
前記ベースから延在する複数の脚部を有するベースを有し、前記ベースが、組織アンカー軸を画定する中央開口部を画定する、軟質組織アンカーと、
前記軟質組織アンカーを前記骨アンカーに結合するために延在する1つまたは複数の可撓性部材と、を含む、修復装置システムを含み、
前記修復装置システムは、前記骨アンカーが骨に埋め込まれるとき、前記1つまたは複数の可撓性部材が、前記骨アンカーと前記軟質組織アンカーとの間でぴんと張って延在し、同時に前記軟質組織アンカーを前記軟質組織内に引っ張るように、前記細長い部分が前記軟質組織アンカーの前記中央開口部を通って延在し、前記遠位衝撃表面が前記骨アンカーの前記近位端に当接して、前記送達器具に取り外し可能に結合される、医療装置システム。
【請求項8】
前記修復装置システムは、前記送達器具軸が前記骨アンカー軸および前記組織アンカー軸と実質的に同軸、または実質的に平行であるように、前記送達器具を用いて送達されるように構成される、請求項7に記載の医療装置システム。
【請求項9】
前記骨アンカーが、前記送達器具を用いて骨内に着座すると、前記1つまたは複数の可撓性部材は、前記骨アンカーと前記軟質組織アンカーとの間の実質的な固定距離を維持する、請求項7に記載の医療装置システム。
【請求項10】
前記骨アンカーが、前記送達器具を用いて骨内に着座すると、前記軟質組織アンカーは、前記1つまたは複数の可撓性部材が、前記軟質組織アンカーに結合された状態で、軟質組織を前記骨に対して圧縮する、請求項7に記載の医療装置システム。
【請求項11】
前記1つまたは複数の可撓性部材は、前記1つまたは複数の可撓性部材がぴんと張った位置にあるとき、前記1つまたは複数の可撓性部材が、送達前の状態および送達後の状態において、前記骨アンカーと前記軟質組織アンカーとの間の実質的な固定距離を維持するように、固定長である、請求項7に記載の医療装置システム。
【請求項12】
保持要素であって、ラインおよび保持部分を有する保持要素をさらに含み、前記ラインが、前記軟質組織アンカーの下側に沿って、および前記保持部分に向かって延在し、前記保持部分が、前記送達器具に取り外し可能に結合され、前記保持部分に前記ラインを保持するように構成される、請求項7に記載の医療装置システム。
【請求項13】
前記送達器具を前記修復装置システムに取り外し可能に結合するよう寸法決めされ、および構成される保持要素をさらに含み、前記保持要素は、前記軟質組織アンカーの下側に沿って配置されて、前記1つまたは複数の可撓性部材をぴんと張った位置に配置するように構成されたラインを有する、請求項7に記載の医療装置システム。
【請求項14】
前記骨アンカーが、前記骨アンカーの前記近位端に穴を画定し、前記穴が、前記送達器具の前記遠位衝撃表面に隣接して延在するアライメント部分を受容するよう寸法決めされ、および構成される、請求項7に記載の医療装置システム。
【請求項15】
軟質組織を骨に固定する方法であって、
軟質組織アンカーが送達器具に沿って近位に配置され、1つまたは複数の可撓性部材が、骨アンカーと前記軟質組織アンカーの間の前記送達器具に沿って延在した状態で、前記骨アンカーが前記送達器具の遠位衝撃表面と係合するように、前記1つまたは複数の可撓性部材で、前記軟質組織アンカーに結合された前記骨アンカーを提供することと、
前記軟質組織が前記骨の上に配置された状態で、前記軟質組織に隣接し、および前記骨に画定された事前に形成された穴に隣接した前記骨アンカーの遠位端を配置することと、
前記送達器具を用いて前記骨アンカーに力を加え、前記骨アンカーが、前記事前に形成された穴に打ち込まれると、前記1つまたは複数の可撓性部材が、ベースの下側が前記軟質組織の外面に対して配置され、前記軟質組織を前記骨に対して実質的に固定するように、前記軟質組織アンカーの前記ベースから前記軟質組織内に延在する脚部を引っ張るように、前記骨アンカーを前記軟質組織を通して、および前記事前に形成された穴に押し込むことと、を含む方法。
【請求項16】
前記力を加えることが、前記軟質組織アンカーを前記軟質組織に実質的に同時に結合するために、前記事前に形成された穴に前記骨アンカーを打ち込むことを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記力を加えることが、前記骨アンカーが前記事前に形成された穴に着座するとき、前記軟質組織アンカーが前記軟質組織を締め付けるように、前記1つまたは複数の可撓性部材が、前記骨アンカーに結合された状態で、前記軟質組織アンカーの前記脚部を前記軟質組織内に引っ張ることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記力を加えることが、前記1つまたは複数の可撓性部材を用いて、前記骨アンカーと前記軟質組織アンカーとの間の実質的に固定距離を維持することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記力を加えることが、前記送達器具の前記遠位衝撃表面が、前記骨アンカーを前記骨の前記事前に形成された穴に叩くように、前記送達器具の近位端を叩くことを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記提供することが、前記骨アンカーを前記送達器具に取り外し可能に結合するための保持要素を提供することを含み、前記保持要素が、前記1つまたは複数の可撓性部材が、ぴんと張った位置を維持するように、前記軟質組織アンカーの下側に沿って延在するラインを有する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、軟質組織修復部位に関する。より具体的には、本発明は、軟質組織を修復し、軟質組織を骨に取り付けるための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科手術で最も一般的なニーズの1つは、靭帯や腱などの軟質組織を骨に固定することである。典型的には、軟質組織を骨に固定することは、軟質組織が骨に対して締め付けられるように軟質組織と骨アンカーとの間に結合された縫合糸を有する骨アンカーおよび縫合糸材料で実施される。しかしながら、縫合糸を軟質組織に結合することは時間がかかり、しばしば効果的な固定のために複雑な縫合糸パターンを必要とし、しばしば専門の外科医を必要とする。これにより、良好な初期修復を提供できるが、修復の強度と品質はその後の負荷と分離により急速に低下する可能性があり多くの場合、患者の活動レベルに応じて後続施術が必要となる。そのため、このタイプの手術の複雑さと時間を消費する性質を排除すると同時に、施術の長期的な有効性を高めることが有利である。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、軟質組織を修復し、軟質組織修復部位で軟質組織を骨に取り付けるためのさまざまな装置、システム、および方法を対象とする。例えば、一実施形態では、軟質組織を骨に固定するための修復装置システムが提供される。修復装置システムは、骨アンカー、軟質組織アンカー、および1つまたは複数の可撓性部材を含む。骨アンカーは、近位端と遠位端との間に延在する細長い構造を含み、骨アンカーは、細長い構造に沿って延在する骨アンカー軸を画定する。軟質組織アンカーは、骨アンカーに向かって延在するようにベースから延在する複数の脚部を備えたベースを含む。1つまたは複数の可撓性部材は、軟質組織アンカーを骨アンカーに結合するように延在する。さらに、1つまたは複数の可撓性部材は、軟質組織アンカーを骨アンカーに対して所定の距離で離間するように実質的に維持するよう寸法決めされ、および構成される。
【0004】
別の実施形態では、骨アンカーが骨に着座されると、1つまたは複数の可撓性部材は、軟質組織アンカーが軟質組織を骨に対して同時に固定するのを容易にする。別の実施形態では、ベースは、ベースを通って中央に延在する中央開口部を画定し、軟質組織アンカーは、ベースの中央開口部に対して軸方向に延在する組織アンカー軸を画定し、組織アンカー軸は、骨アンカー軸と実質的に同軸で延在するように構成される。別の実施形態では、アンカーのベースは、上面および下面で延在し、それらの間に外周を画定し、脚部が骨アンカーに向かって延在するように構成されるように、脚部は外周から直接延在しており、曲がって延在している。別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材は、連続的なループで延在する。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材は、骨アンカーから上方に延在する2つのループ部分を含み、軟質組織アンカーの一部を包み込む。
【0005】
別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材は、織り構成で延在する1つまたは複数の可撓性フィラメントを含む。別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材は、骨アンカーの細長い構造に画定されたノッチ、凹部、および貫通穴のうちの少なくとも1つに結合するように構成される。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、軟質組織を骨に固定するための医療装置システムが提供される。医療装置システムは、送達器具および修復装置システムを含む。送達器具は、送達器具軸を画定する細長い部分を含み、遠位衝撃表面を含む。修復装置システムは、送達器具に取り外し可能に結合されるように構成される。修復装置システムは、骨アンカー、軟質組織アンカー、および1つまたは複数の可撓性部材を含む。骨アンカーは、近位端と遠位端との間に延在する細長い構造を含み、骨アンカーは、細長い構造に沿って延在する骨アンカー軸を画定する。軟質組織アンカーは、ベースから延在する複数の脚部を有するベースを含み、ベースは、組織アンカー軸を画定する中央開口部を画定する。1つまたは複数の可撓性部材は、軟質組織アンカーを骨アンカーに結合するように延在する。この配置により、修復装置システムは、骨アンカーが骨に埋め込まれているとき、1つまたは複数の可撓性部材が、骨アンカーと軟質組織アンカーとの間でぴんと張って延在し、軟質組織アンカーを軟質組織に同時に引っ張るように、細長い部分は軟質組織アンカーの中央開口部を通って延在し、遠位衝撃表面は骨アンカーの近位端に当接して、送達器具に取り外し可能に結合される。
【0007】
別の実施形態では、修復装置システムは、送達器具軸が骨アンカー軸および組織アンカー軸と実質的に同軸または実質的に平行になるように、送達器具とともに送達されるように構成される。別の実施形態では、骨アンカーが、送達器具を用いて骨内に着座すると、1つまたは複数の可撓性部材は、骨アンカーと軟質組織アンカーとの間の実質的な固定距離を維持する。別の実施形態では、骨アンカーが、送達器具を用いて骨内に着座すると、軟質組織アンカーは、1つまたは複数の可撓性部材が、軟質組織アンカーに結合され、軟質組織を骨に対して圧縮する。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材は、1つまたは複数の可撓性部材がぴんと張った位置にあるとき、1つまたは複数の可撓性部材が、送達前の状態および送達後の状態において、骨アンカーと軟質組織アンカーとの間の実質的な固定距離を維持するように、固定長である。別の実施形態では、骨アンカーが、骨アンカーの近位端に穴を画定し、穴が、送達器具の遠位衝撃表面に隣接して延在するアライメント部分を受容するよう寸法決めされ、および構成される。
【0008】
別の実施形態では、医療装置システムは、保持要素であって、ラインおよび保持部分を有する保持要素をさらに含み、ラインが、軟質組織アンカーの下側に沿って、および保持部分に向かって延在し、保持部分が、送達器具に取り外し可能に結合され、保持部分にラインを保持するように構成される。別の実施形態では、医療装置システムは、送達器具を修復装置システムに取り外し可能に結合するよう寸法決めされ、および構成される保持要素をさらに含み、保持要素は、軟質組織アンカーの下側に沿って配置されて、1つまたは複数の可撓性部材をぴんと張った位置に配置するように構成されたラインを有する。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、軟質組織を骨に固定する方法が提供される。方法は、軟質組織アンカーが送達器具に沿って近位に配置され、1つまたは複数の可撓性部材が、骨アンカーと軟質組織アンカーの間の送達器具に沿って延在した状態で、骨アンカーが、送達器具の遠位衝撃表面と係合するように、軟質組織アンカーに結合された骨アンカーに1つまたは複数の可撓性部材を提供することと、骨アンカーの遠位端を、軟質組織に隣接し、軟質組織が骨の上に配置された状態で骨に画定された事前に形成された穴に隣接し、配置することと、送達器具を用いて骨アンカーに力を加え、骨アンカーが事前に形成された穴に打ち込まれると、1つまたは複数の可撓性部材が、ベースの下側が軟質組織の外面に対して配置され、軟質組織を骨に対して実質的に固定するように、軟質組織アンカーのベースから軟質組織内に延在する脚部を引っ張るように、骨アンカーを軟質組織を通して、事前に形成された穴に押し込むこと、を含む。
【0010】
別の実施形態では、力を加えることが、軟質組織アンカーを軟質組織に実質的に同時に結合するために、事前に形成された穴に骨アンカーを打ち込むことを含む。別の実施形態では、力を加えることが、骨アンカーが事前に形成された穴に着座するとき、軟質組織アンカーが軟質組織を締め付けるように、1つまたは複数の可撓性部材が、骨アンカーに結合された状態で、軟質組織アンカーの脚部を軟質組織内に引っ張ることを含む。別の実施形態では、力を加えることが、1つまたは複数の可撓性部材を用いて、骨アンカーと軟質組織アンカーとの間の実質的な固定距離を維持することを含む。さらに別の実施形態では、力を加えることが、送達器具の遠位衝撃表面が、骨アンカーを骨の事前に形成された穴に叩くように、送達器具の近位端を叩くことを含む。さらに別の実施形態では、提供することが、骨アンカーを送達器具に取り外し可能に結合するための保持要素を提供することを含み、保持要素が、1つまたは複数の可撓性部材が、ぴんと張った位置を維持するように、軟質組織アンカーの下側に沿って延在するラインを有する。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、骨アンカーを用いて軟質組織を骨に固定するための修復装置が提供される。修復装置は、軟質組織アンカーおよび1つまたは複数の可撓性部材を含む。軟質組織アンカーは、ベースから延在する複数の脚部を備えたベースを含む。1つまたは複数の可撓性部材は、ベースに結合され、ベースから骨アンカーまで固定長で延在するように構成される。
【0012】
別の実施形態では、ベースは、1つまたは複数の可撓性部材をそれに結合するように構成された結合構造を含み、結合構造は、突起部、開口部、およびノッチの少なくとも1つを含む。別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材は、織り構成で延在する1つまたは複数の可撓性フィラメントを含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材は、連続的なループを含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材は、1つまたは複数の縫合糸を含む。別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材は、ベースに沿って、そして1つまたは複数の可撓性部材の下降ループ部分を有する軟質組織アンカーの中央開口部を通って延在する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の前述および他の利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照すると明らかになるであろう。
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による、修復装置システムおよび送達器具を示す、医療装置システムの分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の別の実施形態による、軟質組織アンカーの斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の別の実施形態による、シート材料から切り取られた軟質組織アンカーを示す、
図2の軟質組織アンカーの上面図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明による、シート材料から切り取られた軟質組織アンカーの別の実施形態を示す軟質組織アンカーの上面図である。
【
図3】
図3は、本発明の別の実施形態による、1つまたは複数の可撓性部材を用いて軟質組織アンカーに結合された骨アンカーを示す、
図1の修復装置システムの斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明による、軟質組織アンカーに結合された1つまたは複数の可撓性部材の別の実施形態を示す、軟質組織アンカーの斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施形態による、修復装置システムの送達前の組み立てられた形態の医療装置システムを示す、
図1の医療装置システムの部分斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の別の実施形態による、骨の事前に形成された穴に送達され、軟質組織を骨に固定する前のシステムを示す、医療装置システムの側面図である。
【
図6】
図6は、本発明の別の実施形態による、骨に埋め込まれた骨アンカーと、軟質組織を骨に対して固定して保持する軟質組織アンカーとを示す、修復装置システムの側面図である。
【
図7】
図7は、本発明による、軟質組織アンカーを備えた1つの可撓性部材を示し、可撓性部材が骨アンカーの中間部分に結合される、修復装置システムの別の実施形態の斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明による修復装置システムの別の実施形態の斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の別の実施形態による、
図8の修復装置システムの軟質組織アンカーの斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施形態による、
図8の修復装置システムの骨アンカーの斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明による、
図8の送達器具および修復装置システムを示す、医療装置システムの別の実施形態の斜視図である。
【
図13A】
図13Aは、本発明の別の実施形態による、修復装置システムを送達器具に保持するための保持要素を示す、
図13の切断線A-Aに沿った医療装置システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書では、軟質組織修復装置およびシステムのさまざまな実施形態が開示される。そのような修復装置およびシステムは、例えば、軟質組織を骨に接近させて融合させるよう寸法決めされ、および構成され得る。さまざまな実施形態は、ギャップを設けることなく、当接する関係で骨に対して軟質組織を維持する構造を提供することができる。このようにして、本発明の修復装置およびシステムは、軟質組織を骨に融合するために必要とされる適切な治癒を提供し得る。
【0016】
図1を参照すると、分解された状態で示される医療装置システム10の一実施形態が提供される。そのような医療装置システム10は、腱および靭帯などの軟質組織を骨に固定するために使用され得る。医療装置システム10は、送達器具12および修復装置システム14を含み得、送達器具12は、修復装置または修復装置システム14を軟質組織および骨に固定することを容易にするように設計される。修復装置システム14は、骨アンカー18に関連付けられるかまたは結合されるように構成された軟質組織アンカー16を含み得る。一実施形態では、軟質組織アンカー16は、1つまたは複数の可撓性部材20を用いて骨アンカー18に結合され得る。医療装置システム10を組み立てるとき、修復装置システム14は、骨アンカー18が着座して骨に固定されると、軟質組織アンカー16が、軟質組織に同時に着座および固定され得るように(
図5~6を参照)、軟質組織を骨に固定するよう寸法決めされ、および構成され得る。
【0017】
ここで、
図2および2Aを参照して、軟質組織アンカー16が記載される。示されるように、軟質組織アンカー16は、軟質組織に沈み、それに結合されるよう寸法決めされ、および構成され得る。軟質組織アンカー16は、ベース22と、ベース22から延在する複数の脚部24とを含み得る。軟質組織アンカー16は、ベース22および複数の脚部24を含むアンカー16が、
図2Aに示されるように、シームレスなモノリシックおよびワンピース構造として形成され得るように、シート材料から形成され得る。軟質組織アンカー16は、ステンレス鋼、チタン、またはニチノールなどの金属材料、または任意の他の適切な医療グレードの材料または材料の組み合わせから形成され得る。このような金属材料は、シート材料からレーザー切断、または当技術分野で公知の任意の適切な技術を使用して切断することができる。別の実施形態では、軟質組織アンカー16は、ポリマー材料または生体吸収性材料から形成され得る。シート材料から切断されるとき、
図2に示されるように、脚部を曲げて脚部を下向きに配置、または脚部をアンカー16の片側または下側から離れて延在するよう向けるように移動することができる。脚部30が適切に方向付けられ、所定の位置に曲げられると、アンカーは、必要に応じて、電解研磨または化学研磨され得る。別の実施形態では、軟質組織アンカー16は、当業者に知られているように、医療グレードのポリマー材料から形成され得る。別の実施形態では、軟質組織アンカー16は、当業者に知られているように、生体吸収性材料から形成され得る。別の実施形態では、
図2Bに示されるように、軟質組織アンカー26は、脚部30がそこから延在する棘32または複数の棘を備えて形成され得るように、脚部30がそこから延在するベース28を含み得る。このような軟質組織アンカー26は、本明細書で
図2および2Aに関連して説明および描写される軟質組織アンカーと同様に形成されてもよく、本明細書で説明および図示されるように、医療装置システム10(
図1)とともに使用することができる。
【0018】
図2を参照して、軟質組織アンカー16のベース22は、平坦であり得、一般に、前に議論されたシート材料の厚さ34を含む。ベース22は、平坦なリング状構造などを画定するように、その中に画定された中央開口部36を備えた略円形構成で延在することができる。このような中央開口部36により、ベース22は、それぞれベース22の内周42および外周44まで延在する上面38および下面40を画定することができる。中央開口部36は、ベース22の上面38および下面40に対して垂直に延在する組織アンカー軸46(
図2Aも参照)を画定するように、軸方向に中心とされ得る。さらに、上面38および下面40は、ベース22が平坦な構造として延在するように、大部分は平面的に延在し得る。別の実施形態では、上面38および/または下面40は、ドーム構成で形成され得る。
【0019】
一実施形態では、アンカー16は、1つまたは複数の可撓性部材20をそれに結合するよう寸法決めされ、および構成された結合構造48を含むことができる。このような結合構造48は、外周44または内周42またはその両方と関連付けられるように、ベース22上またはその中に形成され得る。例えば、ベース22は、ベース22の上面38および下面40の表面積を拡大するようにベース22から外向きに延在する複数の延長部または突起部50の形態であり得る結合構造48を含み得る。さらに、例えば、外周44は、各突起部が、複数の脚部24の別個の対の間で外周44に沿って延在することができるように、3つの突起部50を含むことができる。別の実施形態では、結合構造48は、外周に形成されたノッチまたは凹部の形態、またはベース22の上面38と下面40との間に延在する貫通穴の形態であり得る。別の実施形態では、説明したものと同様の結合構造48は、ベース22の内周42から延在、またはベース22の内周42に画定され得る。別の実施形態では、上述の結合構造48は、ベース22などの内周42と外周44の両方から延在それともそれらの中に画定され得る。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の脚部24は、少なくとも部分的に、1つまたは複数の可撓性部材20を結合するための結合構造48として機能することができる。
【0020】
前述したように、軟質組織アンカー16は、ベース22から延在することができる複数の脚部24を含むことができる。例えば、軟質組織アンカー16は、6本以上の足またはそれ以下の足を含み得る。いくつかの用途では、軟質組織アンカー16が3本、4本、または5本の脚部を含むことのみが必要であり得る。保持強度を大きくする必要がある他の用途では、軟質組織アンカー16は7本または8本の脚部を含むことができる。別の実施形態では、複数の脚部24は、下方に曲がるように外周44から延在することができる。一実施形態では、複数の脚部24は、共通の方向に延在することができる。別の実施形態では、脚部24は、ベース22の下面40から一般に延在するように向けられるように下向きに延在することができる。別の実施形態では、脚部24は、下面40に対して実質的に垂直に、かつ組織アンカー軸46に対して実質的に平行に延在することができる。別の実施形態では、脚部24のそれぞれは、曲率52または外周44からの半径でベース22から延在し、その後、自由端54までほぼ直線的に延在することができる。このような曲率52または半径では、脚部24は、脚部24の自由端54が、組織アンカー軸46に対する外周44の半径方向距離58より大きくてもよい、組織アンカー軸46に対して半径方向距離56で配置され得るように、ベース22に対して下向きに延在することができる。突起部50の端部などの外周44の一部は、さらに半径方向に延在するか、または脚部24または脚部の自由端54の半径方向距離56と同様に、組織アンカー軸46に対して同様の半径方向距離を含み得る。さらに、各脚部24の自由端54は、各脚部の端部が自由端54に向かって先細になるよう寸法決めされ、および構成された先細部分62とともに延在することができるように、自由縁60とともに延在することができる。そのような自由縁60は、シート材料の厚さ34によって画定されてもよく、アンカー16の脚部24が軟質組織を容易に貫通するのを容易にするように尖っていてもよい。
【0021】
次に、
図3を参照して、組み立てられた状態の修復装置システム14、およびその構成要素について説明する。先に述べたように、修復装置システム14は、骨アンカー18に関連または結合された軟質組織アンカー16を含むことができる。骨アンカー18は、事前に形成された穴(図示せず)内に永久的に着座するよう寸法決めされ、および構成されることができる。骨アンカー18は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などのポリマー材料、または任意の他の適切なポリマー材料で形成され得る。別の実施形態では、骨アンカー18は、チタンなどの金属材料、または他の任意の適切な金属材料、またはステンレス鋼などの金属材料の組み合わせで形成することができる。さらに別の実施形態では、骨アンカー18は、PLGA(ポリ乳酸-コ-グリコール酸)などの生体吸収性材料、または任意の他の適切な生体吸収性材料で形成され得る。さらに、そのような骨アンカー18は、当業者に知られているように、典型的な製造プロセスを使用して形成することができる。
【0022】
一実施形態では、骨アンカー18は、骨アンカー軸72を画定する細長い構造70であってもよく、骨アンカー軸72は、細長い構造70に対して軸方向および中心に延在する。骨アンカー18の細長い構造70は、近位端74と遠位端76との間に延在することができる。一実施形態では、骨アンカー18は、前述の軟質組織アンカー16に結合するための構造を備えたよう寸法決めされ、および構成されることができる。別の実施形態では、骨アンカー18は、骨に結合するよう寸法決めされ、および構成された骨結合構造78を含むことができる。例えば、骨結合構造78は、骨アンカー18の外面82に沿って複数のリブ80を含むことができる。複数のリブ80は、骨アンカー18の細長い構造70に対して横方向に延在することができる。複数のリブ80のそれぞれは、骨アンカー18の外面82の周りに連続的に延在し、リブ80がそれぞれ横方向に延在する弓状構造を呈し得る。さらに、複数のリブ80のそれぞれは、互いに対して等間隔で配置され得る。さらに、各リブ80はそれぞれ、側壁86が遠位リブの近位リブシェルフ84まで下向きに延在し得るように、近位リブシェルフ84および近位リブシェルフ84から下向きに先細になる、下降する先細りの側壁86を画定するように延在し得る。別の実施形態では、骨結合構造78は、骨アンカー18の外面82に沿って延在する巻き糸を含むことができる。
【0023】
骨アンカー18の近位端74は、概して円形プロファイルを画定し得る近位端表面88を含み得る。さらに、近位端表面88は、本明細書でさらに論じられる、送達器具12の係合構造142(
図1)を受けいれることができる近位端穴90または凹部を画定することができる。そのような近位端穴90は、骨アンカー軸72に沿って、近位端表面88内で中央に位置合わせされ得る。さらに、近位端穴90は、下向きまたは遠位方向に延在する側壁92または複数の側壁で画定され得る。一実施形態では、遠位に延在する側壁92は、近位端穴90に挿入されるよう寸法決めされ、および構成された送達器具12の係合構造142(
図1)の締まりばめを容易にするように、骨アンカー軸72に向かって内側にわずかに先細りになる。別の実施形態では、係合構造142は、送達器具12の遠位端122に向かってわずかに先細りし得る(
図1を参照)。
【0024】
骨アンカー18の遠位端76または遠位端部は、その中にノッチ94または凹部を画定し得る。このようなノッチ94は、1つまたは複数の可撓性部材20のうちの1つの一部を受容するよう寸法決めされ、および構成され得る。ノッチ94は、ノッチ94の一部が骨アンカー18の遠位端部の両側96を通って延在するように、ノッチ94が骨アンカー18の遠位端部内に延在するように、骨アンカー18の遠位端76のチャネルとして延在する開口部であり得る。このようにして、骨アンカー18の遠位端76に隣接するノッチ94は、可撓性部材20が、骨アンカー18の遠位端部に隣接するノッチ94の両側96を通り、そこから延在することができるように、1つまたは複数の可撓性部材20のうちの1つを受けいれ、次にノッチ94内でより深く引っ張られることができる。
【0025】
前述のように、軟質組織アンカー16は、1つまたは複数の可撓性部材20を用いて骨アンカー18に結合され得る。1つまたは複数の可撓性部材20は、1つまたは複数のポリマーフィラメントまたは繊維から形成することができる。ポリマーフィラメントまたは繊維は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレン材料、ポリエステル材料、ポリプロピレン材料などであってよい。別の実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材20は、縫合糸材料で形成され得る。別の実施形態では、ポリマーフィラメントまたは繊維は、ポリラクチド(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDX)などの生体吸収性材料、または当業者に既知の任意の他の適切な生体吸収性材料であってよい。別の実施形態において、フィラメントまたは繊維は、織りまたは編組構成で形成され得るか、または並列構成で巻き付けられたストランドで延在し得るか、または並列および撚り合わせ構成で巻き付けられたストランドで延在し得るか、または可撓性部材を形成するための他の任意の適切な構成であり得る。
【0026】
一実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材20は、第1の可撓性部材98および第2の可撓性部材100を含むことができる。第1の可撓性部材98は、連続的なループで延在することができる。第1の可撓性部材の連続的なループは、連続的なループが軟質組織アンカー16のベース22の周りを包むように、突起部50などのベース22の結合構造48の周りに延在するよう寸法決めされ、および構成されることができる。第1の可撓性部材98の連続的なループは、編組構成または織り構成でフィラメントとともに延在することができる。別の実施形態では、第1の可撓性部材は、1つまたは複数の可撓性フィラメントが、複数の巻線で巻かれるように、突起部50などのベース22の結合構造48の周りに巻かれ得る1つまたは複数の可撓性フィラメントでできた可撓性ラップであり得る。
【0027】
第2の可撓性部材100は、連続的なループで延在することができる。別の実施形態では、第2の可撓性部材100は、2つの自由端を有するループで延在することができる。別の実施形態では、第2の可撓性部材100は、縫合糸などであり得る。第2の可撓性部材100は、軟質組織アンカー16のベース22に隣接する第1の可撓性部材98を包みかつそれに結合するように延在することができる。さらに、第2の可撓性部材100は、第1の可撓性部材98に沿った3つの位置などの複数の位置で第1の可撓性部材98に結合することができる。例えば、第2の可撓性部材100は、第2の可撓性部材100が、中間部分102をベース22に対して内向きに、およびベース22の内周42に隣接する中央開口部36を越えて引っ張ることができるように、第1の可撓性部材98の接続点104とベース22の突起部50との間の中間部分102に巻き付いて結合することができる。第1の可撓性部材98の中間部分102から、第2の可撓性部材100は、下降ループ部分106の形態であり得る下降可撓性部材部分を有する軟質組織アンカー16の中央開口部36を通って下向きに延在する。下降ループ部分106は、骨アンカー18に結合され得る下側ループ部分108を含み得る。一実施形態では、前述のように、下降ループ部分106の下側ループ部分108を骨アンカー18に画定されたノッチ94に挿入して、軟質組織アンカー16を骨アンカー18に結合することができる。第1の可撓性部材98から下降する下降ループ部分106は、骨アンカー18が軟質組織アンカー16から所定の距離に配置されるように、所定の長さ110で下方に延在することができる。このようにして、修復装置システム14は、第1および第2の可撓性部材98、100などの1つまたは複数の可撓性部材20と組み立てられ、軟質組織アンカー16を骨アンカー18に結合することができる。さらに、このようにして、軟質組織アンカー16は、1つまたは複数の可撓性部材20がぴんと引っ張られると、骨アンカー18から実質的な固定距離を維持することができる。さらに、軟質組織アンカー16は、組織アンカー軸46および骨アンカー軸72が互いに対して実質的に同軸または実質的に平行であり得るように、1つまたは複数の可撓性部材20で骨アンカー18に結合され得る。
【0028】
図3Aを参照すると、連続的なループ形態で延在する第2の可撓性部材112の別の実施形態が提供される。この実施形態では、第2の可撓性部材112は、前述の同様の方法で、第1の可撓性部材98および軟質組織アンカー16に結合され得る。この実施形態の第2の可撓性部材112は、連続的なループが、1つのループ端部114でそれ自体を通過し、その後、前述のものと同様に、骨アンカー18(
図3)に結合するよう寸法決めされ、および構成されることができる、下降ループ部分116で下方に延在することができるように、第1の可撓性部材98の中間部分102の周りをループすることができる。
【0029】
図3に示すように、修復装置システム14が組み立てられた状態で、組み立てられた修復装置システムは、
図4に示されるように、送達器具12と組み立てられ得る。ここで、
図1、3、4、および5を参照して、送達器具12および修復装置システム14とのアセンブリーを説明する。
【0030】
送達器具12は、長手方向長さ124を有する近位端120と遠位端122との間に延在する細長い構造であり得る。送達器具12は、送達器具12の長さ124に沿って中央に延在する送達器具軸126を画定し得る。近位端120は、ハンドル130の近位に配置された近位衝撃表面128を画定し得る。送達器具12はまた、ハンドル130に結合され、送達器具軸126に沿ってハンドル130から長手方向および遠位に延在する衝撃シャフト132を含み得る。さらに、送達器具12は、遠位端部134を含み得、遠位端部134は、クリッピング部分136、アライメント部分138、遠位衝撃表面140、および係合構造142を含む。クリッピング部分136は、衝撃シャフト132の遠位部分に結合され得、クリッピング部分136の遠位下側に隣接する軟質組織アンカー16を吊るすための1つまたは複数のクリップ144を含み得る。アライメント部分138は、円筒形構造を有するクリッピング部分136の遠位に延在することができ、衝撃シャフト132の連続的な延長部であり得る。係合構造142は、アライメント部分138の遠位に延在してもよく、より具体的には、遠位衝撃表面140からおよびその遠位に延在し得る。遠位衝撃表面140は、係合構造142から横方向に延在する棚146として定義されてもよく、送達器具軸126に対して実質的に垂直に延在し得る。係合構造142は、円筒形などであってもよく、遠位衝撃表面140が骨アンカー18の近位端表面88に当接するように、骨アンカー18の近位端穴90と嵌合および対応するよう寸法決めされ、および構成され得る。この構成により、以下に記載するように、送達器具12の遠位端部134は、修復装置システム14に取り外し可能に結合され得る。
【0031】
修復装置システム14が組み立てられた状態で、送達器具12のアライメント部分138は、軟質組織アンカー16の中央開口部36を通して挿入され、次に、係合構造142を骨アンカー18の近位端穴90に配置する。1つまたは複数のクリップ144は、軟質組織アンカー16のベース22の下面に沿って配置され、軟質組織アンカー16をクリッピング部分136の下側に吊るすことができる。この位置では、下降ループ部分106を含む1つまたは複数の可撓性部材20は、ややぴんとした向きまたは位置に配置することができる。修復装置システム14が送達器具12の遠位端部134に結合される状態で、組織アンカー軸46、骨アンカー軸72および送達器具軸126の各々は、互いに同軸または実質的に同軸であり得る。さらに、この構成では、修復装置システム14は、送達器具12の遠位端部134に取り外し可能に結合され得、軟質組織5を骨7に固定するために使用され得る。
【0032】
ここで、
図5および6を参照して、送達器具12を有する修復装置システム14を送達するための実施形態を説明する。修復装置システム14を送達する準備として、医師は、軟質組織5を固定するのに望ましい位置に隣接する骨7に穴9を形成することができる。骨7のそのような穴9は、当業者に知られているように、適切なサイズの突き錐(図示せず)などで準備することができる。穴9の深さは、骨アンカー18の高さまたは細長い長さよりも深くてもよく、骨アンカー18のリブ80が安定し、骨アンカー18を骨7に適切に着座するように、締まりばめで骨アンカー18を受けいれるよう寸法決めされ、および構成されるべきである。骨7に適切な穴9があらかじめ形成されると、医師は、骨7に固定するのに望ましい軟質組織5の一部を、骨7の事前に形成された穴9の上の位置に配置することができる。次に、医師は、メスなどを用いて、骨7の事前に形成された穴9の真上の軟質組織5内に薄いスリット(図示せず)を形成することができる。次に、遠位端76が骨7の事前に形成された穴9の上部13内に配置されるように、送達器具12と組み立てられている骨アンカー18の遠位端76を位置決めし、軟質組織5のスリットを通して挿入することができる。次に、医師は、送達器具12を、事前に形成された穴9の中心軸11と実質的に位置合わせして同軸にすることができるように、送達器具12を配向することができる。この時点で、医師は、ハンマー(図示せず)などの衝撃器具を使用して、送達器具12の近位衝撃表面128に衝撃を与えることができる。ハンマーの衝撃力は、送達器具12の遠位衝撃表面140(
図1および3を参照)に当接する骨アンカー18の近位端表面88に加えられる衝撃力に直接変換される。医師が送達器具12の近位衝撃表面128を叩き続けると、骨アンカー18は、医師が所望する深さまで、事前に形成された穴9に押し込まれ得る。さらに、骨アンカー18が事前に形成された穴9内により深く打ち込まれると、軟質組織アンカー16の脚部24は同時に軟質組織5内に打ち込まれることができる。
【0033】
骨アンカー18が着座したとき、または完全に着座する前に、クリッピング部分136に対して軟質組織アンカー16を保持している1つまたは複数のクリップ144(
図4)を取り外すことができる。医師が、骨アンカー18を事前に形成された穴9に骨7の外面15の下の深さまで着座し続けると、軟質組織5は、1つまたは複数の可撓性部材20の固定長(および下降ループ部分106の所定の長さ110(
図3))により骨アンカー18が下向きに衝撃を受けるので、軟質組織アンカー16が下向きに押される状態で、骨7の外面15に対して締め付け力150で締め付けられる。これにより、骨アンカー18と軟質組織アンカー16との間の距離が固定される。遭遇する可能性のある軟質組織5の厚さの変動性により、医師は、軟質組織5が適切な締め付け力で骨7に対して締め付けられるまで、骨アンカー18を骨に打ち込み続けることにより、骨7に対する軟質組織5の締め付け力150または締め付けを測定することができる。このようにして、修復装置システム14は、さまざまな厚さの軟質組織5で使用することができる。
【0034】
さらに、修復装置システム14は、軟質組織を骨および移植された骨アンカーに通して締めるのに必要な複雑な縫合糸パターンを排除することにより、医師に利点を提供するが、本発明の修復装置システム14は、骨アンカー18を骨7内に適切に着座させると、軟質組織5は同時に軟質組織アンカー16で骨に固定される。さらに、修復装置システム14は、接線コンポーネントおよび縫合糸が非集中位置で結合されることなく集中方式で移植可能であることにより潜在的な問題を最小限に抑え、それにより複数の非集中コンポーネントによる複雑さおよび潜在的な刺激を排除する。
【0035】
さらに、
図3および6を参照すると、第2の可撓性部材100の第1の可撓性部材98への結合は、軟質組織アンカー16のベース22の内周42に隣接する複数の取り付け点を容易にし、それにより、軟質組織5に対する軟質組織アンカー16のベース22の下面40を横切って締め付け力150をより効果的に分配する。さらに、ベース22の突起部50の周りの複数の取り付け点に沿った、および中間部分102における第1および第2の可撓性部材98、100間の1つまたは複数の可撓性部材20の結合による締め付け力150のそのような分配が、第1および第2の可撓性部材98、100の故障の可能性を最小化する。さらに、軟質組織5が軟質組織アンカー16および骨アンカー18の軸46、72に対して横方向に負荷されると、軟質組織アンカー16の内周42に隣接するそれらの複数の取り付け点における1つまたは複数の可撓性部材20が、中間部分102に沿った第1および第2の可撓性部材98、100の間の取り付け点におけるばねのような効果に起因する潜在的な過負荷を実質的に最小化し、それにより、修復部位での潜在的な故障を最小化し、軟質組織5を通して脚部24の潜在的な横方向の裂傷を最小化し得る。また、治癒過程中およびその後、軟質組織5が患者の活動によって負荷を受けると、軟質組織アンカー16の締め付け力150と、軟質組織5内に着座している複数の脚部24との間の協働が、骨7に対する軟質組織5の横方向の動きを実質的に防止することができ、それにより、軟質組織5が骨7に適切に固定されるように維持され、失敗およびフォローアップ処置の必要性の可能性を最小限にする。また、完全に治癒すると、軟質組織の上に露出する唯一のコンポーネントは、軟質組織アンカー16の上面と1つまたは複数の可撓性部材20の部分であり、非常に低い露出プロファイルのインプラントを提供し、それにより、患者への長期的な刺激の可能性を最小化し、および治癒プロセス中の潜在的な刺激を最小化する。
【0036】
図7を参照すると、修復装置システム160の別の実施形態が提供される。修復装置システム160のこの実施形態は、同様の構造的特徴を含むことができ、
図3および前述の実施形態に記述される修復装置システム14と同様に使用することができる。修復装置システム160のこの実施形態は、1つまたは複数の可撓性部材166で骨アンカー164に結合された軟質組織アンカー162を含むことができる。軟質組織アンカー162は、
図2の軟質組織アンカーと同様であり得、内周174と外周176との間に延在する上面170および下面172を有するベース168を含み得る。この実施形態では、ベース168は、それぞれが曲率182または半径で外周176から延在し、ベース168の下面172に対して下向きに延在する、8本の脚部などの複数の脚部180を含むことができる。さらに、この実施形態では、外周176は、結合構造がベース168および脚部180の一部であるように、
図2に示される突起部50を画定しなくてもよい。骨アンカー164は、
図3に記載および図示される骨アンカー18と同様の構造を含み得るが、この実施形態では、骨アンカー164は、開口184が、骨アンカー164の両側188に延在することができるように、骨アンカー164の中間部分186を通って延在する開口184を画定することができる。
【0037】
さらに、この実施形態では、1つまたは複数の可撓性部材166は、単一の可撓性部材190とともに延在することができる。そのような単一の可撓性部材190は、連続的なループまたは閉ループとして延在してもよく、または2つの自由端で延在し得る。単一の可撓性部材190は、一緒に織って単一の可撓性部材190を形成することができる1つまたは複数の可撓性フィラメントとすることができる。単一の可撓性部材190は、ベース168に結合され、軟質組織アンカー162の脚部180の部分に対して結合され得る。さらに、単一の可撓性部材190は、骨アンカー164に形成された開口184を通って延在する下向きの下降部分194とともに延在するように、ベース168から、そして軟質組織アンカー162の内周174によって画定される中央開口部192を通って延在することができる。このようにして、単一の可撓性部材190は、骨アンカー164および軟質組織アンカー162に結合され得る。この構成により、修復装置システム160は、
図5および
図6に記載および図示された修復装置システム14と同様に、軟質組織を骨に固定するために骨および軟質組織に結合され得る。
【0038】
次に
図8を参照すると、軟質組織を骨に固定するために使用され得る修復装置システム200の別の実施形態。修復装置システム200のこの実施形態は、前述の実施形態に示された修復装置システムと同様に機能し、同様の構造を含むことができる。例えば、修復装置システム200は、1つまたは複数の可撓性部材206を用いて骨アンカー204に相互接続された軟質組織アンカー202を含み得る。前述の実施形態と同様に、修復装置システム200は、例えば、
図5の送達器具12とともに使用されてもよく、本明細書の
図5および6に示され、説明されるように、軟質組織を同様の方法でおよび同様の機能で骨に結合するために、使用することができる。さらに、当業者には明らかであるように、この実施形態の修復装置システム200は、修復装置200および送達器具250が、
図5および
図6に記載および図示されるものと同様に、軟質組織を骨に固定するための同様の機能とともに使用され得るように、
図12に示すように、送達器具250とともに使用され得る。
【0039】
図8および9を参照して、軟質組織アンカー202は、ベース208と、ベース208から下向きに、または実質的に同様または共通の方向にそれぞれ延在し得る複数の脚部210とを含み得る。前述の実施形態と同様に、ベース208は、概して円形プロファイルを示し得る。ベース208は、脚部210またはそこから延在するアンカー構造を備えたワッシャー構造を示し得る。ベース208は、それぞれ外周216および内周218まで延在し、これらを画定する上面212および下面214を含み得る。内周218は、ベース208に対称的に画定され得る中央開口部220または円形開口部を画定し得る。脚部210は、脚部210が、屈曲または湾曲を呈し、次に下面214から離れて延在することができるように、外周部216から直接延在することができる。一実施形態では、脚部210は細長く、脚部の細長い長さの大部分に沿って、ベース208の下面214に対してほぼ垂直に延在することができる。脚部210は、遠位端または自由端222まで延在することができ、軟質組織に沈み込んでこれと係合するよう寸法決めされ、および構成されることができる。一実施形態では、脚部210は、ベース208の外周216に隣接する脚部210の上記の屈曲または湾曲部分を別として、略直線的に延在することができる、固定構成(軟質組織への送達前および送達後)を維持することができる。一実施形態では、前述の実施形態と同様に、脚部210の自由端222または自由端部は、直線の縁部プロファイル(側面図)を示し、点プロファイル(正面図)も示し得る。別の実施形態では、脚部210のそれぞれは、同様の長さで延在することができる。軟質組織アンカー202の脚部210は、部分的な深さで軟質組織に、および軟質組織を完全には貫通しないように延在するよう寸法決めされ、および構成される長さ224であり得る。一実施形態では、軟質組織アンカー202は、6本の脚部210、または8本の脚部など、それ以上を含むことができる。別の実施形態では、軟質組織アンカー202は、4本の脚部、または少なくとも4本の脚部210を含むことができる。別の実施形態では、軟質組織アンカー202は、少なくとも3つの脚部210を含むことができる。
【0040】
さらに、別の実施形態では、軟質組織アンカー202のベース208および脚部210は、可撓性部材206のための結合構造として機能し得る。例えば、可撓性部材206は、
図7の実施形態で説明および図示し、および本明細書でさらに詳細に論じられるものと同様に、2つの隣接する脚部210およびベース208の一部に結合することができる。したがって、この実施形態では、軟質組織アンカー202のベース208の外周216は、前述の実施形態で説明したような突起部を示さないように、脚部210を別として、円形プロファイルで延在することができる。この構成により、可撓性部材206は、軟質組織アンカー202を骨アンカー204に効果的に結合することができる。
【0041】
次に、
図8、10および11を参照して、修復装置システム200の骨アンカー204について説明する。骨アンカー204は、前述の実施形態と同様に、近位端226と遠位端228との間に延在し、骨アンカー204の長手方向長さ232に沿って骨アンカー軸230を画定する細長い構造であり得る。さらに、骨アンカー204は、円形プロファイルで横方向に延在してもよく(
図11参照)、骨アンカー204の外面236に沿って半径方向に延在するリブ234を画定し得る。さらに、前述の実施形態と同様に、骨アンカー204は、骨アンカー204内に第1の穴238および第2の穴240を画定することができる。第1の穴238は、骨アンカー軸230に沿って長手方向に延在し、骨アンカー204の近位端226に沿った表面に画定され得る。第2の穴240は、骨アンカー軸230に対して横方向に延在することができ、骨アンカー204の遠位端228に隣接する、または骨アンカー204の近位端226よりも遠位端228に近い位置で骨アンカー204の両側の間に延在することができる。
【0042】
図10、11Aおよび11Bについて、骨アンカー204は、平坦化された部分242または平坦化された側面を含み得る(
図11を参照のこと)。このような平坦化された部分242は、骨アンカー204の外面236に沿ってリブ234内に少なくとも部分的に画定されるように、骨アンカーの両側に沿って延在することができる。このような平坦化された部分242は、側方の第2の穴240から骨アンカー204の近位端226まで延在することができる。このような平坦化された部分242により、可撓性部材206(
図8)は、側方の第2の穴240を通って延在し、対向する平坦化された部分242に沿って軟質組織アンカー202に向かって上向きに延在する(
図8参照)。この構成では、リブ234は、他のリブ234に対して分離および離散することができるように、骨アンカー204の外面236にわたって半径方向に不連続に延在する。さらに、骨アンカー204の外面236は、骨アンカー204が骨に埋め込まれるときに、骨アンカー204が適切な配向およびアライメントを維持するのを助けるために、骨アンカー204の遠位部分244に沿った構造を示し得る。例えば、骨アンカー204の遠位部分244は、骨アンカー204の遠位端228に向かって先細になるように、円錐面248に遠位に移行し得る円筒面246で、第2の穴240から遠位に延在し得る。
【0043】
さらに、前述のように、骨アンカー204は、第1および第2の穴238、240を画定することができる。第1の穴238は、骨アンカー204の近位端226で送達器具250(
図13Aを参照)の係合部分252を受けいれるよう寸法決めされ、および構成されることができる。第1の穴238は、第1の穴238が骨アンカー204の細長い長さ232の大部分を超えて延在するように、前述の実施形態に示されるよりも深い方法で骨アンカー204内に延在することができる。したがって、第1の穴238は、適切な係合を確実にし、送達器具250の係合部分252とのアライメントを維持するようなサイズであり得る。第2の穴240は、骨アンカー204の対向する平坦化された部分242の下端に隣接する骨アンカー204の両側を通って、およびそれらの間に横方向に延在することができる。さらに、第2の穴240は、骨アンカー軸230を通って対称的に延在するように、骨アンカー204を通って延在することができる。
図11Bに示されるように、第2の穴240は楕円形のプロファイルを示してもよく、可撓性部材206(
図8)を受容および保持するよう寸法決めされ、および構成される。このようにして、可撓性部材206の一部は、並んだ配置で第2の穴を通って延在することができる。
【0044】
ここで、
図8、12、13および13Aを参照して、修復装置システム200は、前述の実施形態と同様に、送達器具250に取り外し可能に結合され得る。前述の実施形態と同様に、軟質組織アンカー202は、1つまたは複数の可撓性部材206、およびこの実施形態に示されるように単一の可撓性部材206を有する骨アンカー204に結合配置で維持することができる。例えば、可撓性部材206は、可撓性部材206の2つの対向する端部ループ256が骨アンカー204の対向する平坦化された部分242に沿って近位に延在することができるように、骨アンカー204に画定された横方向に延在する第2の穴240を通って延在することができる。次に、端部ループ256は、2つの端部ループ256の各端部が、例えば、隣接する2つの脚部210、および軟質組織アンカー202のベース208の部分を包み込むことができるように、軟質組織アンカー202の中央開口部220を通して配置され得る。このようにして、軟質組織アンカー202は、骨アンカー204に結合されて、修復装置システム200を形成し得る。
【0045】
さらに、前述の実施形態と同様に、修復装置システム200を使用して、送達器具250で軟質組織を骨に固定することができる。例えば、この実施形態では、送達器具250は、ハンドル258およびシャフト260を含み得、送達器具250は、その中に長手方向に延在する送達器具軸262を画定する。ハンドル258は、前述の実施形態と同様に、(ハンマーで衝撃を与えるための)近位衝撃表面264として機能することができる近位端表面を画定することができる。シャフト260は、ハンドル258に固定して結合されてもよく、遠位方向に遠位端部266まで長手方向に延在し得る。遠位端部266は、アライメント部分268、係合部分252、および遠位衝撃表面272を含み得る。アライメント部分268は、軟質組織アンカー202の中央開口部220を通して配置されるよう寸法決めされ、および構成され得る。係合部分252は、送達器具250の遠位衝撃表面272が、骨アンカー204の近位端226または近位表面と当接するように、骨アンカー204の近位端226に画定された第1の穴238を通して挿入されるよう寸法決めされ、および構成されることができる。この構成では、送達器具軸262は、骨アンカー軸230と同軸であり得る。
【0046】
この実施形態では、修復装置システム200は、保持要素274を用いて送達器具250に取り外し可能に結合され得る。送達器具250の遠位端部266が骨アンカー204と係合した状態で、以前に述べたように、保持要素274は、可撓性部材206が、ぴんと張った、またはぴんと張った位置にあるように、シャフト260の遠位端部266に沿って軟質組織アンカー202を保持および吊るすよう寸法決めされ、および構成されることができる。このぴんと張った位置では、軟質組織アンカー202は、骨アンカー204の上に吊り下げられるように、骨アンカー204に所定の距離だけ離間して保持され得る。保持要素274は、ライン276およびタブ278を含み得る。
図13Aに示されるように、ライン276は、軟質組織アンカー202のベース208の下面214に沿って延在し、ベース208の両側でタブ278まで上向きに延在し得る。タブ278は、ライン276の部分を保持するため、その中にチャネル280、または結合構造を画定し得る。タブ278は、ラインが、締まりばめを支援するようにシャフト260の周りに巻き付けられ得るように、例えば締まりばめなどで送達器具250のシャフト260に結合するようなサイズであり得る。このようにして、保持要素274は、修復装置システム200を送達器具250に一時的かつ取り外し可能に保持または結合するように、可撓性部材206をぴんと張った位置に維持することができ、修復装置システム200で軟質組織を骨に固定すると、ライン276は、例えば、切り取られ、次いで、軟質組織アンカー202の下から引っ張られることによって除去され得る。別の実施形態では、保持要素274のタブ278をシャフト260から取り外して、タブ278とシャフト260との間に保持された巻きライン276を解放することを容易にし、それにより、送達器具250を修復装置システム200から解放することができる。
【0047】
本明細書に開示されるさまざまな修復装置およびシステムの実施形態または他の実施形態は、骨の修復のためのさまざまな軟質組織のうちの任意の1つに適用され得る。例えば、さまざまな修復装置の実施形態は、屈筋腱の修復、膝蓋腱の修復、アキレス腱の修復、四頭筋の腱の修復、および/または上腕の腱の修復、または例えばキドナー法または挿入アキレス腱の修復などの骨に対するその他の腱/靭帯修復、または骨に対する他の腱/靭帯修復のために採用され得る。したがって、修復装置は、異なるサイズまたはタイプの軟質組織および骨への適切な固定のために適切なサイズであり得る。
【0048】
本発明は、さまざまな修正および代替形態を受けいれる余地があり得るが、特定の実施形態が、例として図面に示され、本明細書で詳細に説明されてきた。さらに、本明細書に開示される任意の1つの実施形態の構造的特徴は、本明細書に示される別の実施形態の構造的特徴のいずれか1つと組み合わされるか、または置き換えられ得る。したがって、本発明は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。むしろ、本発明は、以下の添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に含まれる、一実施形態の任意の部分を別の実施形態、全ての変更、等価物、および代替物とともに使用することを含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質組織を骨に固定するための修復装置システムであって、
近位端と遠位端の間に延在する細長い構造を有する骨アンカーと、
前記骨アンカーに向かって延在するように、ベースから延在する複数の脚部を持つ前記ベースを有する軟質組織アンカーと、
前記軟質組織アンカーを前記骨アンカーに結合するために延在する1つまたは複数の可撓性部材であって、前記軟質組織アンカーを前記骨アンカーに対して所定の距離で離間するように実質的に維持するよう寸法決めされ、および構成される、1つまたは複数の可撓性部材と、を含む、修復装置システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
本発明は、さまざまな修正および代替形態を受けいれる余地があり得るが、特定の実施形態が、例として図面に示され、本明細書で詳細に説明されてきた。さらに、本明細書に開示される任意の1つの実施形態の構造的特徴は、本明細書に示される別の実施形態の構造的特徴のいずれか1つと組み合わされるか、または置き換えられ得る。したがって、本発明は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。むしろ、本発明は、以下の添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に含まれる、一実施形態の任意の部分を別の実施形態、全ての変更、等価物、および代替物とともに使用することを含む。
〔付記1〕
軟質組織を骨に固定するための修復装置システムであって、
近位端と遠位端の間に延在する細長い構造を有する骨アンカーであって、前記細長い構造に沿って延在する骨アンカー軸を画定する骨アンカーと、
前記骨アンカーに向かって延在するように、ベースから延在する複数の脚部を持つ前記ベースを有する軟質組織アンカーと、
前記軟質組織アンカーを前記骨アンカーに結合するために延在する1つまたは複数の可撓性部材であって、前記軟質組織アンカーを前記骨アンカーに対して所定の距離で離間するように実質的に維持するよう寸法決めされ、および構成される、1つまたは複数の可撓性部材と、を含む、修復装置システム。
〔付記2〕
前記骨アンカーが骨に着座されると、前記1つまたは複数の可撓性部材は、前記軟質組織アンカーが前記軟質組織を前記骨に対して同時に固定するのを容易にする、付記1に記載の修復装置システム。
〔付記3〕
前記ベースは、前記ベースを通って中央に延在する中央開口部を画定し、前記軟質組織アンカーは、前記ベースの前記中央開口部に対して軸方向に延在する組織アンカー軸を画定し、前記組織アンカー軸は、前記骨アンカー軸と実質的に同軸で延在するように構成される、付記1に記載の修復装置システム。
〔付記4〕
前記アンカーの前記ベースは、上面および下面で延在し、それらの間に外周を画定し、前記脚部が前記骨アンカーに向かって延在するように構成されるように、前記脚部は前記外周から直接延在しており、曲がって延在している、付記1に記載の修復装置システム。〔付記5〕
前記1つまたは複数の可撓性部材が連続的なループで延在する、付記1に記載の修復装置システム。
〔付記6〕
前記1つまたは複数の可撓性部材が、前記骨アンカーから上方に延在する2つのループ部分を含み、前記軟質組織アンカーの部分を包み込む、付記1に記載の修復装置システム。
〔付記7〕
軟質組織を骨に固定するための医療装置システムであって、
送達器具軸を画定する細長い部分を有する送達器具であって、遠位衝撃表面を含む送達器具と、
前記送達器具に取り外し可能に結合されるように構成された修復装置システムであって、
近位端と遠位端との間に延在する細長い構造を有する骨アンカーであって、前記細長い構造に沿って延在する骨アンカー軸を画定する骨アンカーと、
前記ベースから延在する複数の脚部を有するベースを有し、前記ベースが、組織アンカー軸を画定する中央開口部を画定する、軟質組織アンカーと、
前記軟質組織アンカーを前記骨アンカーに結合するために延在する1つまたは複数の可撓性部材と、を含む、修復装置システムを含み、
前記修復装置システムは、前記骨アンカーが骨に埋め込まれるとき、前記1つまたは複数の可撓性部材が、前記骨アンカーと前記軟質組織アンカーとの間でぴんと張って延在し、同時に前記軟質組織アンカーを前記軟質組織内に引っ張るように、前記細長い部分が前記軟質組織アンカーの前記中央開口部を通って延在し、前記遠位衝撃表面が前記骨アンカーの前記近位端に当接して、前記送達器具に取り外し可能に結合される、医療装置システム。
〔付記8〕
前記修復装置システムは、前記送達器具軸が前記骨アンカー軸および前記組織アンカー軸と実質的に同軸、または実質的に平行であるように、前記送達器具を用いて送達されるように構成される、付記7に記載の医療装置システム。
〔付記9〕
前記骨アンカーが、前記送達器具を用いて骨内に着座すると、前記1つまたは複数の可撓性部材は、前記骨アンカーと前記軟質組織アンカーとの間の実質的な固定距離を維持する、付記7に記載の医療装置システム。
〔付記10〕
前記骨アンカーが、前記送達器具を用いて骨内に着座すると、前記軟質組織アンカーは、前記1つまたは複数の可撓性部材が、前記軟質組織アンカーに結合された状態で、軟質組織を前記骨に対して圧縮する、付記7に記載の医療装置システム。
〔付記11〕
前記1つまたは複数の可撓性部材は、前記1つまたは複数の可撓性部材がぴんと張った位置にあるとき、前記1つまたは複数の可撓性部材が、送達前の状態および送達後の状態において、前記骨アンカーと前記軟質組織アンカーとの間の実質的な固定距離を維持するように、固定長である、付記7に記載の医療装置システム。
〔付記12〕
保持要素であって、ラインおよび保持部分を有する保持要素をさらに含み、前記ラインが、前記軟質組織アンカーの下側に沿って、および前記保持部分に向かって延在し、前記保持部分が、前記送達器具に取り外し可能に結合され、前記保持部分に前記ラインを保持するように構成される、付記7に記載の医療装置システム。
〔付記13〕
前記送達器具を前記修復装置システムに取り外し可能に結合するよう寸法決めされ、および構成される保持要素をさらに含み、前記保持要素は、前記軟質組織アンカーの下側に沿って配置されて、前記1つまたは複数の可撓性部材をぴんと張った位置に配置するように構成されたラインを有する、付記7に記載の医療装置システム。
〔付記14〕
前記骨アンカーが、前記骨アンカーの前記近位端に穴を画定し、前記穴が、前記送達器具の前記遠位衝撃表面に隣接して延在するアライメント部分を受容するよう寸法決めされ、および構成される、付記7に記載の医療装置システム。
〔付記15〕
軟質組織を骨に固定する方法であって、
軟質組織アンカーが送達器具に沿って近位に配置され、1つまたは複数の可撓性部材が、骨アンカーと前記軟質組織アンカーの間の前記送達器具に沿って延在した状態で、前記骨アンカーが前記送達器具の遠位衝撃表面と係合するように、前記1つまたは複数の可撓性部材で、前記軟質組織アンカーに結合された前記骨アンカーを提供することと、
前記軟質組織が前記骨の上に配置された状態で、前記軟質組織に隣接し、および前記骨に画定された事前に形成された穴に隣接した前記骨アンカーの遠位端を配置することと、 前記送達器具を用いて前記骨アンカーに力を加え、前記骨アンカーが、前記事前に形成された穴に打ち込まれると、前記1つまたは複数の可撓性部材が、ベースの下側が前記軟質組織の外面に対して配置され、前記軟質組織を前記骨に対して実質的に固定するように、前記軟質組織アンカーの前記ベースから前記軟質組織内に延在する脚部を引っ張るように、前記骨アンカーを前記軟質組織を通して、および前記事前に形成された穴に押し込むことと、を含む方法。
〔付記16〕
前記力を加えることが、前記軟質組織アンカーを前記軟質組織に実質的に同時に結合するために、前記事前に形成された穴に前記骨アンカーを打ち込むことを含む、付記15に記載の方法。
〔付記17〕
前記力を加えることが、前記骨アンカーが前記事前に形成された穴に着座するとき、前記軟質組織アンカーが前記軟質組織を締め付けるように、前記1つまたは複数の可撓性部材が、前記骨アンカーに結合された状態で、前記軟質組織アンカーの前記脚部を前記軟質組織内に引っ張ることを含む、付記15に記載の方法。
〔付記18〕
前記力を加えることが、前記1つまたは複数の可撓性部材を用いて、前記骨アンカーと前記軟質組織アンカーとの間の実質的に固定距離を維持することを含む、付記15に記載の方法。
〔付記19〕
前記力を加えることが、前記送達器具の前記遠位衝撃表面が、前記骨アンカーを前記骨の前記事前に形成された穴に叩くように、前記送達器具の近位端を叩くことを含む、付記15に記載の方法。
〔付記20〕
前記提供することが、前記骨アンカーを前記送達器具に取り外し可能に結合するための保持要素を提供することを含み、前記保持要素が、前記1つまたは複数の可撓性部材が、ぴんと張った位置を維持するように、前記軟質組織アンカーの下側に沿って延在するラインを有する、付記15に記載の方法。
【外国語明細書】